君が幸福の中に在る様に。







掃除機を使おうと延長コードを引っ張り込んでいる為に中途半端に開いたままになっていたパネルは、すい、と難なく開いた。

机の上のパソコンの電源ボタンを入れると、眠りから覚めるかの様に、いつもの起動音と、カリカリという音が部屋に響いた。

そろそろデフラグしなきゃな―・・・と呟きながら椅子にその身を沈めると、ギシッと音を立てて背もたれが快斗の身体を支えた。

何となく手持ち無沙汰で、手にしたFDを改めてよく見てみる。薄っぺらな板状のそれには、何が詰まっているのか想像もつかなかった。


快斗が・・・初めてあの部屋に入った時、盗一の声が響いたが・・・テープがワカメになってしまっていた。それは、そのテープが長い年月を経ていた事で、仕方ない事だったのだ。

そのテープは・・・なんとなく、今でも捨てられずに、母親に見つからない様に隠してある。
もし聞かれたとしても、何を話しているのかまで聞き取れない事は身を持って知っていたが・・・用心の為、だった。

・・・恐らく、これは違うはずだ。

「オヤジがオレに残そうとした物・・・か」

ただのメッセージなら、手紙に書いておくのが一番無難だ。
あんな暗号めいた謎掛けではなく、そこに伝えておきたい事を書いておけば良いのだ。

命を奪った連中への手がかり―・・・

もしくは、パンドラの在り処―――・・・


逸る気持ちを押さえながら、挿入したFDは、自動的に画面を立ち上げた。
いや、正確には、パスワード入力画面が立ち上がった、というのが正しいのだが・・・。

素っ気無い、『 name 』という要求に、あれ、と快斗は小さく呟いた。
普通なら、「User ID」か、「Your name」だろう。それに、こういった画面で要求されるのならば、「パスワード」も一緒に必要になるのが普通である。

おやじが生きてた頃はそうじゃなかったのかな、と呟きながら、快斗はキーボードに手を置いた。

「・・・Touichi・・・・・・と」

エンターキーを押した瞬間、エラー音で反撃してくるパソコンに、口を尖らせながら、なんだよ、そんな音させなくてもいいじゃねーか、と文句を言ってみる。
まるで、謎々をふっかけておいて、得意になっている子どもの様に、パソコンは「盗一」という名前をいとも簡単に跳ね除けた。

「んじゃ、kid・・・」

同じ様に返って来るその反応に、快斗は少しむっとしていた。無機質、というものは時にはより神経を逆撫でしてくれる。

「・・・じゃあ何だってんだよ」

大文字、小文字、色々試したが受け付けてくれはしない。1412も駄目だった。
もしかして、と思い当たって快斗が自分の名前を試しに入れてみると、次の画面が開いた。

「・・・・・・それなら『Your name』だろ・・・」

組織の手に落ちた時の対策かもしれないが・・・この程度なら、適当に周囲の人間の名前を打ち込むといった発想さえ出来れば3秒とかからないだろう。
オヤジがそんな事に気付かないとは思えないけどな―・・・と訝しむ快斗は、次のパスワード請求の画面に、ふっと笑みを漏らした。

「―・・・私は十万年には存在しないが、秒針が回りきる瞬間に一度、どの瞬間にも二度存在する・・・」


それが指し示すたった一つの文字を打ち込んで、エンタ―キーを押すと、今度はすんなりと次の画面が開いた。




http://www5.plala.or.jp/kunugi/syosethu/07_suiri/kimiga/●●●.htm
この●の部分に答えを当てはめて、アドレスバーにコピペで飛んでくださるようお願いします。
尚、●の数は答えの数そのままとは限りませんので、念のため^^;









あとがき・・・って後じゃないので途中書き?とか気になってしまっているくぬぎです。


えーと・・・この先のお話なのですが、皆様にも謎解きを楽しんでいただこうと、アドレス=パスワード制にして答えを求めていただきます。
盗一パパからの謎掛けの答えが「パスワード」になってます。
パスワード入力画面も作ってみたのですが、ソースでパスワードの流出を防ごうとすると、くぬぎの知っているやり方ではフォルダごと一気にかける事になっちゃいまして^^;
余計に混乱しちゃうなー、というワケで、こうした形をとらせていただく事に致しました。


これはくぬぎのいつもの「偏った」暗号ではないから、きっと皆様にも解けるものと思われますが・・・^^;

とりあえず、第1弾は盗一パパが10年後の快ちゃんに向けて出した謎掛けだと思ってみてください。(そのままだなあ)

第2弾があるのか、と尋ねられますと、あります。はい。
そちらの方が数段難しいはずですので、快斗君にそのものずばりなヒントを言ってもらってます。あまり難しく考えないでくださいね^^;

今回3弾構えに構成されております。
(3弾って所が計画的犯罪を匂わせてますね。あ、でもラスト一個はおまけですので)


メールで救済コールをいただいても、くぬぎは恐らくお返事できませんので^^;あしからず。