しらゆきひめ

いばらひめの続編でっす♪

継母にその美しさを妬まれ、しらゆきひめは森の中の小人の家へとやってきました。
そこで、しらゆきひめは小人たちの身の回りの世話などをしながら毎日を楽しく過ごしていました。
ところが、そんな生活も長くは続かず、しらゆきひめはお妃様に命を狙われるようになりました―・・・。

ある日、小人の留守を狙って、お妃様はしらゆきひめに毒りんごを食べさせてしまいました。

家へ帰った小人たちは、変わり果てた白雪姫の姿に泣きました。

「ど・・・どうして・・・」
「泣くなよ、歩美〜・・・、おれ達で盛大な葬式をして送り出してやろーぜ!!」
がっくりと肩を落としている歩美ちゃんを、元太君が励まします。
「そうですよ・・・しらゆきひめの大好きなお花で送ってあげましょう・・・」
目を真っ赤に腫らして、光彦君も気丈に歩美ちゃんを励まします。
「・・・・・・・・しらゆきひめが好きだった花を摘んできましょ・・・」
泣いてばかりの歩美ちゃんに、哀ちゃんが手を差し伸べました。
「う・・・・うん・・・・・」
泣きじゃくりながら、歩美ちゃんは哀ちゃんの手をしっかり掴みました。

綺麗な花に囲まれたしらゆきひめに、最後のお別れをして、小人たちは棺の蓋を閉めました。

「・・・さあ、最後のお別れよ・・・」
哀ちゃんの言葉に、歩美ちゃんがわっと泣き出して、棺に縋り付いて泣き出しました。

「・・・なんや、あれ・・・」
ちょうどそこを通りかかったのは平次君と新一君でした。
和葉ちゃんはいばらにされていた後遺症なのか、馬の背に乗せられるとすぐ眠り始めてしまいました。
平次君の腕の中、すうすうと気持ち良さそうに寝息を立てて、中々起きません。とりあえず、行き先の方向だけは教えてもらっていたので二人は和葉ちゃんを起こさずにそのまま進んでいました。
「・・・行ってみるか・・・?」
「・・・・・・・・ああ・・・・・・・・・」
二人はそっと小人たちに近づきました。

「どうしたんだ、おめーら・・・」
新一君に声をかけられ、光彦君と元太君はハッと振り返りました。
「・・・・・・・・・し・・・・・・・・しらゆきひめが・・・・・・・・・・」
悲しい思いを、一生懸命こらえていたのでしょう。光彦君も元太君も、緊張の糸が切れたかのように、表情を崩しました―・・・。
「・・・・・・・おっ、おい!!」
二人は慌てる新一君に構わず、大きな声で泣き出しました。
「・・・・・・・・なあ、工藤・・・・・・これってしらゆきひめと違うか?」
無骨な服部王子も、しらゆきひめは知っていたようです。
「余計なお世話や!!」
・・・失礼しました。服部王子も・・・あまり興味のなさそうな分野ですが、しらゆきひめは知っていたようです。もちろん、新一君も知っていました。
・・・・・・蘭だって可能性はあるな・・・。
ちらっと服部王子を見やりましたが、彼がその可能性に気付いた様子はありません。
確か、しらゆきひめって・・・
新一君は、頭の中で計算を始めました。幸運にも、棺と平次君とは少し距離が離れています。
今なら・・・服部が気付く前に、蘭を起こしてしまえるかもしれねー・・・
「・・・・・・・・・・なあ、おめーら・・・棺の蓋、開けてもいいか?」
新一君は思い切って小人たちにお願いしてみました。
「駄目ですよ!・・・しらゆきひめの邪魔はさせません!!」
「・・・そーだ、光彦の言う通りだ!!!・・・どうしてもって言うならおれが相手になってやるぜ!!」
「いや・・・・・・・その、おれの知り合いかもしれねーんだ・・・それで・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・死人の棺を暴くなんて・・・・・悪趣味よね・・・・・・・・・」
一斉に非難を浴びせ掛けられ、新一君は戸惑ってしまいました。
「・・・・・・・・待って・・・・・」
皆の高ぶった気持ちを落ち着かせたのは棺に縋り付いている歩美ちゃんでした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ・・・・・・・あなたもしらゆきひめの事が好きなんだよね・・・・・・だったら・・・」
「あ・・・歩美・・・」
「・・・・あなたも最後のお別れしてあげて・・・・・」
歩美ちゃんがそっと棺のそばから離れました。
「・・・・・・・・・・・・さんきゅ・・・・・・」
新一君は、そっと棺に歩み寄ると、跪いてゆっくり棺に手をかけました。
「あ、もしかして・・・しらゆきひめて・・・蘭さんなんか?」
やっと気付いた平次君が、馬に乗ったまま和葉ちゃんを落とさないように慎重にゆっくり近づいてきます。

ごくんと生唾が喉を通ります。
確かこの後は・・・・・・あのシーンだ・・・
できるのだろうか・・・
背中からの平次君の視線もちょっと気になりますが、今はもうそれどころではありません。

「・・・・・・・・・・ら・・・・・・・・・蘭・・・・・・・・・・」

棺の蓋が、重々しい音と共に開きました。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
悲し気に、ひめをじっと見つめると、新一君はまたゆっくりと蓋を閉めました。

「・・・・・・・・・・・な、なんや、工藤!?・・・・・・・蘭さんやなかったんか!?」
驚いて声をかける平次君に、新一君は溜息を吐きました。
「・・・・・・・・・・・・・・・見てみりゃわかる・・・・・・・・・」
「は???」

平次君は驚いて、乱暴に棺の蓋を開けました。

・・・中にいたのは・・・・・・・・・・

「あ、阿笠っちゅうジイさん!!!????」
平次君は驚いて、蓋を落としてしまいました。
「ああっ、駄目ですよ!・・・ちゃんと王子様にキスしていただかないとひめは起きられない事になってるんですからぁ!!」
光彦君が冷静に二人の王子様に指示します。
「そーだぞー!!男ならちゃんとキスしろぉ!!!」
分かっているのかいないのか、元太君も光彦君に同意します。
「・・・大丈夫よ、同性なら数の内には入らないから・・・」
・・・相変わらずクールに、哀ちゃんは言ってのけます。
「・・・・・・・・・綺麗にドレス着てるし!・・・ね?」
せめてもの・・・と歩美ちゃんが博士のかわいらしいドレス姿で売り込んでみます。

「・・・・・・・・・・・・・・うっ・・・・・・・・・・・・・」

ドレスで売り込まれても、中身はもちろん阿笠博士です。
「は・・・服部、後は任せた!!」
「・・・・・・・って、工藤、お前が開けたんやんか!!」
「・・・おめーだって見ただろっ!!」
二人の醜い争いを、小人たちは辛抱強く見守っていました。
ですが、決着はつきそうにありません。
見かねた光彦君は、二人に提案をしました。
「じゃんけんで決めたらどうですか?」
「・・・・・・じゃんけんっ!?・・・・・・・」
「・・・・・・そか、そんなら簡単にカタがつくなあ・・・そうしよか、工藤!!」
「お・・・おい、服部、正気か!?」
うろたえる新一君に、服部君はあっさりと言い放ちました。
「負けへんかったらええねん!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・服部・・・・・・・おめーなぁ・・・・・・・・」
というわけで、新一君と平次君はじゃんけんをする事になりました。
「し、しねーってば!!!」
「ん?・・・工藤、往生際が悪いで?・・・ほれ、見てみぃ、話が進まんて小人も作者も困ってるやないか!!」」
そうです。
「だからって・・・おめー!!!」
というわけで、じゃんけんが始まりました。
「ほないくで!!・・・じゃーんけーん・・・ぽいっ!!!!」
鬼気迫る迫力の異様なじゃんけんの勝敗の行方は・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・ほな決まりやな、がんばれや、工藤!」
うな垂れた新一君を、小人たちが取り囲みます。
「がんばってくださいっ!」
「はは・・・・・・・・がんばれって・・・・・・・・おいおい・・・・・」
絶望の淵の中で、新一君はふと名案が浮かびました。
「あ・・・・・・・・・・・・・・そか・・・・・・・・・・!」

新一君は、ひょいと阿笠博士をおもむろにお姫さま抱っこで抱き上げました。
「ん?」
「どうしたんや、工藤・・・???」
「・・・・・・・・どうするって・・・しらゆきひめを起こせばいいんだろ?」
にこっと微笑んで、新一君は手のなかの阿笠博士を落としました。
「あ!!!!!!!!!」
「なっ・・・なんて事するんですかああ!!!!」
「ん?知らねーのか・・・?ホントのしらゆきひめってのはこうして起こされたんだぜ?」
「え?・・・キスじゃないの!?」
歩美ちゃんを始め、皆の不思議そうな表情に新一君がにこやかに答えます。
「それはディズニーのしらゆきひめだろ?・・・本物のしらゆきひめ・・・つまり、グリム兄弟のしらゆきひめは、姫を担いだ家来が棺を落としたから喉に詰まったリンゴが口から出たんだぜ?」
「あら・・・なんだ、知ってたのね・・・・・・・・・・・」
哀ちゃんはつまらなさそうに呟きます。
「灰原・・・・・・・おめー、知ってたな・・・?」
ひくつく新一君を、涼し気な表情で哀ちゃんはやり過ごしてしまいました。
「・・・・・・・・っ、げほっ、がほっ!!!!!!!!」
どうやらリンゴが口から出たらしく、阿笠博士が目を覚ましました。
「・・・でも・・・知ってる?・・・この後、王子様はしらゆきひめと結婚するのよ?」
「!!!!!!!!!!!!!」
哀ちゃんのセリフに慌てて新一君は馬にひょいと飛び乗ると駆け出しました。

「残念やったな、工藤・・・」
「・・・何がだよ!!・・・こっちは阿笠博士ともう少しでキスする羽目になってたんだぞ!!??」
食って掛かる新一君を、平次君は苦笑気味で押えます。
「・・・・・・でもよお知ってたなあ、工藤・・・。おれもしらゆきひめはキスで目が覚めるもんやと思っとったで?」
「・・・子どもの頃に蘭が言ってたんだよ!ディズニーのしらゆきひめを見た後で、グリム童話のしらゆきひめは家来に落っことされて目が覚めるけど、もし自分なら・・・・・・あ・・・」
新一君は話しながらはっと口を押えました。
「・・・キスで起こして欲しいて?」
「・・・・・・・・・・・・・・・忘れた・・・・・・・・・・・・」
赤くなってそっぽを向く新一君に、平次君は余裕の表情で笑いかけます。
「・・・・・・・・・・・で?ホンマに蘭さんやったらお前はどっちで起こしたるつもりやったんや?」
平次君の言葉には答えようともせず、新一君は馬の足を速めました。
「あ・・・・・・・・工藤・・・・」
先に進んでしまった新一君に、ちょっと慌てた平次君でしたが、新一君の後ろ姿に笑いを必死にこらえていました。
「・・・まさか・・・蘭ちゃん落っことして起こす気ぃやったんかな・・・」
平次君の腕の中で、いつのまにか和葉ちゃんが目を覚ましていました。
「・・・・・・・・・・・さあ・・・どうする気ぃやったんやろな・・・見てみ・・・?」
平次君の腕の中で体勢を直して、和葉ちゃんも前を見ました。
「・・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「な?後ろ姿で分かるやろ・・・」
「ホンマ!・・・蘭ちゃんに見せたりたいわ・・・!」
「・・・・・・・・何してんだ、服部!!行くぞ!!!」
大分離れた新一君が、後ろを振り返って大声で呼びかけます。
「・・・・・・・ふ・・・ホンマに見物やで!」
ルンルンで後を追う平次君に、悪寒を感じる新一君でした。

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ははは・・・横道にそれてますねえ(^^;)
蘭ちゃんはしらゆきひめだと思った方、手ぇあげて〜(^^;)

あ、ちなみに、あのラストはホントにグリムではこうなんです。
キスで起きるのはディズニーだけ(^^;)
皆さんそうだと思ってたでしょ?でも違うんですよぉ〜(笑)