すれ違い

しゃっふるろまんすの続編です〜(^^;)

「アタシとそんなにやりたないんか!!」

廊下に響く大声で、和葉は怒りを露わにしていた。
怒らせた当の平次は、表情も変えず、涼し気にやり過ごしている。
「そやかて、俺かて忙しいんや・・・王子様なんて柄やないの、お前が一番よぅ分かっとるやないか?・・・心配せんでも古畑やったら頭もええし、セリフもすぐに覚わるで?・・・顔も男前で、女にもモテるしな!王子様でぴったりやないか!」
「アタシに姫やれ言うたん、平次やんか!」
「無理に我慢する事ないて言うたんや・・・やりたかったんやろ?ホンマは・・・」
和葉の涙腺が緩み、じわっと涙が滲んだ。

「アホ!!アタシは姫がやりたかったわけやない!!!」

廊下中・・・いや、校舎中にいい音が響いた。

真っ赤に腫れ上がった頬を押えつつ、平次は和葉が走り去るのを呆然と見送るしかなかった―・・・。



「バーロ!それでおめー和葉さんが行っちまうの、ただ見てただけなのかよ!!」
オンナゴコロにアドバイスを貰おうと掛けた電話でも、コナンの子どもの声で怒鳴られて平次は眉間に皺を寄せた。
「・・・どないしたら良かったっちゅーんや・・・」
「そんなの決まってんだろ!・・・追いかけて、王子役やるっつったら良かったんだよ!今からでも遅くねー、引き受けろ!」
「アカン、もう決まってしもたわ!・・・それに、俺に王子役やれ言うんか?」

電話の向こうでしばらくの沈黙の後、笑いをかみ殺す様な雰囲気が見てとれる。

「・・・お前かて似合わへん思うやろ?それに事件やから言うて、練習サボるわけにいかんやないか・・・」
「似合う似合わねーって問題だけなのか?」

コナンの・・・新一の言葉に、平次はきょとんとしていた。

「他に何があるんや?」
「・・・おめー、ホントに俺達がやってるとこ見てたのかよ・・・」
「・・・・・・・・・・途中までやったからなあ・・・あ、でもその後の事件はしっかり覚えとるで!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・和葉さんの苦労が・・・・・・・・」

耳元で新一の深い溜息を聞いて、今度は平次の方から尋ねてきた。

「なんなんや、一体!はっきり言うてくれんと分からんやないか!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっただろ・・・・・・・・その事件が起こる直前に、キスシーンがっ!」

新一としてはかなり核心を突いた言葉だったが、平次の反応は今一つ、といった所だった。
「・・・あ?ああ・・・・・・それがどないした?」
「そこまで言わせんのか!?分かってねーのか!!?」
「キスシーン言うたかて、マネっこやないか・・・それがどないした言うんや・・・」

あくまで涼しい対応の平次に、新一の方が疲れてしまっている。

「・・・おめーは他の男と和葉さんが目の前でそういうシーン演じてもどうって事ねーのか?」

「どうって事言うたかて・・・和葉の奴は姫役やりたがっとったんやし、まあ、良かったな〜って感じやな。なんや、お前は嫌なんか?」

新一は言葉に詰まりつつも、本音で答えた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・当たり前だろ・・・?他の男に抱かれてるトコなんて見たくねーよ!ましてや、キスシーンなんて・・・な」

平次は、和葉が他の男の腕の中にいるシーンを思い浮かべてみたが、頭の中でそのシーンがイメージになって出てこない。
「・・・イマイチよぉ分からんなあ・・・」
「・・・・・・とにかくっ!早いとこ和葉さんに、王子役引き受けるって言ってやれよ!セリフとかはおれが特訓してやっから!」

新一に叱り付けられ、平次は翌朝一番に和葉に声を掛けた。


「なあ・・・もう王子役決まったんか?」
「そんなん平次に関係あらへんやん!」
ぷいっとそっぽを向いて、和葉はすたすたと平次の横を通り過ぎる。平次は慌てて和葉の後をついて行く。
「関係ないて・・・」
「・・・・・・・・・・・・・しばらくアタシ忙しくなるねん・・・!朝も帰りも一人で学校行くから放っといて欲しいんや!」
「アホ、お前人の話最後までちゃんと聞けや!」
「聞いてる暇あらへんっ!・・・平次の声、聞いてとーないっ!!!」
背中からでも拒絶されているのが分かる。
どう声をかけていいか分からなくなった平次を置いて、和葉はすたすたと行ってしまった。

「・・・和葉のドアホ!!!人の話ちゃんと聞けぇや!」

平次の声は、厳しさを増した風に掻き消された。

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恐ろしい事に続きます(^^;)これ、書き上げられるのかしらん(><;)