混迷

う〜ん・・・短い、ここだけ・・・(^^;)

陽の光を浴びながら、草のにおいのする風を胸一杯に吸い込む・・・。
陽の光に透ける木の葉をまぶしそうに見上げながら、快斗は草の上にごろんと寝転んだ。

何年ぶりだろう、草の上に寝転ぶのは・・・。

おやじが死んだあん時も・・・こんないい天気の日だったよな・・・

快斗の脳裏に懐かしい場面が浮かんでは消えていく・・・。

部屋の中よりは明るい太陽の下の方がいいかと思ったんだけど・・・

快斗は思考の迷路にはまって抜け出せなくなっていた。

ベランダに面したサッシについていた小さな新しい傷痕・・・。
浴槽の排水溝につけられたキャップ・・・。
それから、・・・あの人のあの時の仕種・・・
そして、盗一が話してくれた昔の出来事・・・・・・。

どれもが快斗に一番欲しくない答を導き出させてくれる・・・。

だが、完璧な答ではない・・・。

しかし、どこかにそれが隠されている事は分かっていた・・・。

瞼を閉じる。
暗い考えに走って行く自分を、眩しい陽の光で浮上させようと・・・

「あーっ!こんな所にいたぁ!!」
瞼の裏から、陽の光を遮る影が見える。
「?」
夢かと思ったのだが、そうでもないらしい。
快斗は重い瞼を開いた。
「探したんだよ・・・・・・あれからずっと待ってたのに、快斗君、リビングに来ないから・・・」
「・・・蘭・・・」
「具合悪そうだったから、お薬貰ってきてあげたよ!・・・はい、これ・・・と、お水!」

別に具合が悪いわけじゃねーんだけどな・・・

こいつにこれ以上心配させないように、飲んだフリだけしておこう・・・。

上半身を起こして、快斗は蘭からコップを受け取る。
「ん?なんだ、どっかで怪我でもしたのか?」
薬を差し出した蘭の指先にバンドエイドが貼ってあるのに気がついた。
「あ・・・ああ、これ?さっきコーヒーを皆で飲もうって話になって、落ちたシュガーポットの破片を拾おうとして切っちゃったの・・・」
「・・・・・・シュガー・・・ポット・・・・・・」
聞けば、蘭は一人でコーヒーをいれに行こうとした彼を手伝おうと、すぐ後を追ってキッチンに入ったらしい。
蘭が声をかけると、振り返ろうとして相手は手をすべらせ、ポットを落としてしまったのだそうだ。
「・・・・・・・・・・・・・そうか・・・そういう事か・・・」
快斗の頭の中で、一番はまって欲しくないピースがはまってしまった。
「快斗君?」
「・・・なあ・・・おめーならどーする・・・?」
快斗の沈んだ声に、蘭は何も言わずに快斗の隣に座った。
「おめーの・・・大事な奴が・・・人を殺したって事が分かっちまったら・・・どーする・・・?」
快斗は、片膝を抱えて、顔を埋めた。
「私の大事な人・・・が?」
「例えば・・・そうだな・・・、慕ってた人とか・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今の快斗君みたいに・・・・・・・・・・悩む・・・と思う・・・。」
「はは・・・だろうな・・・」
蘭の答に、少し安心して、快斗は微笑んだ。
「・・・でも、私は自首を勧めたい・・・。面と向かってそれを言うのは辛いけど・・・でも・・・その方がその人にとって・・・・・・」
蘭は雪山の一件を思い出していた。
慕っていた教師を・・・犯人だと知ってしまったあの時の光景を・・・。
なんとなく、快斗の様子で察してしまった。
快斗もまさに、今その状態なのだ・・・。
「・・・・・・」
言葉が途切れて、沈黙が続いた。どうしたのかと快斗が顔を上げて蘭の顔を見る。
蘭の瞳に涙があふれていた・・・。
「な、なんでおめーが泣くんだよ!?」
快斗の思いを考えると、蘭の瞳からは自然に涙がこぼれおちていた。
「・・・・・・・・・っ・・・・・」
蘭の涙を止めようと、快斗は蘭の顔を自分の胸に押し当てた。
「おめーが泣かなくていーんだよ・・・これはおれの問題なんだ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「たく、もー・・・よく泣くなぁ、おめーは・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・でも、さんきゅ・・・おかげで楽になったよ」
快斗が指先で蘭の涙を優しく拭う・・・。
「・・・わたし・・・も何か手伝う・・・できることがあったら・・・」
「・・・さんきゅ・・・蘭・・・」
快斗は立ち上がると、胸一杯に風を吸い込んだ。

少し・・・ほんの少し、身体が軽くなった。

「横溝・・・って言ったっけ、あの刑事さん・・・。あの人に話がしたいんだ・・・。それから、チャットのメンバー全員を犯行現場に集めてくれ・・・。おれはマジックの支度してるから。」
「マジック?」
「・・・ああ・・・頼んだぞ、蘭・・・!」

きょとんとする蘭を後にして、快斗はログハウスへと駆け出していった。


お次は解答編です♪「ん〜・・・皆様、トリックは解けました?(By古畑任三郎)」(←こういう聞き方しかできませんよね、だって、犯人ばればれだもん・・・(^^;))文中のアレ以外はすんなり推理していただけるのでは・・・ないかな、と。アレ・・・くぬぎも描写の仕方に困るんだけど・・・アレが使われてるって、他にどんなヒントがあるんだろ・・・(笑)他の人がマジックしててそれを使って・・・とか色々考えましたが、同じ物持ってる人が増えると厄介だし・・・。色々考えましたが、それ以上にここまで描写したらかえって何がなんだか分からないと思い、エピソードをカットしました(−−;)あ、前章だ、アレのヒント(?)が出てるの・・・。

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