当たり前の風景
明日は布団も干しておきたいし、久しぶりにシチューも作ってあげたいし・・・それからそれから―・・・
シチューを前にして喜ぶコナンの表情が目に浮かぶ様で、蘭はくすくすと笑いながら夕飯後の洗い物を始めた。
それにしても・・・新一最近帰りが遅いわね・・・
新一に限って浮気なんて事はありえない。
だが、時々事件以上には大切に思って貰えていないのかもといった不安が頭を過ぎる。
事件と聞けば慌てて出かける新一の姿は、嫌と言う程見てきている。
だが・・・そんな事より・・・
・・・・・・蘭としては新一の身体の方が心配だった。
まさかとは思うけど・・・何かあったとかじゃないわよね
それなら目暮警部から連絡がありそうなものだし・・・・・・
ただ単に推理に煮詰まってるとか、物証が出てこないとか・・・かしら
・・・それならまだいいんだけど・・・・・・
問題は、こういうメチャメチャなサイクルが、既に日常化している、という事だった。
アイツ一人で暮らしていた頃からこんな不健康な生活してたのかしら・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・してたのよね
・・・・・・・・・・・・・・・・・してたんだわ・・・
あの頃と言えば、今みたいに事件を稼業にしていたわけではなく、学生だったのだ。
夜中に事件解決、帰宅が深夜に及ぼうが、翌朝学校に出る。
新一はそれを当たり前の様にこなしていた。
「・・・・・・・・・心配する方の身にもなってよ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・誰の心配?」
その声に驚いて振り向く。
戸口には新一の姿。
「ただいま」
「あ・・・・・・おかえりなさい・・・」
別に悪い事を考えていたわけではないのに、心拍数は跳ね上がる。
「・・・・・・心配って・・・オレの?」
「他に誰がいるの?」
さっきまでとはうって変わって少し怒った口調に、新一は幸せそうに微笑んだ。
「・・・・・・・・何にやにやしてるのよ」
ますます拗ねて機嫌を損ねた蘭に、背中からもたれる様に抱きつく。
「ん・・・・・・しあわせだなぁと・・・」
「・・・しあわせ?」
「・・・・・高校時代は家に帰れば誰もいなくて真っ暗、人の気配も当然ねーし」
あったらそれは強盗だ
そう茶化したい気分にもなったが・・・。口をついて出たのは違う言葉だった。
「新一でも寂しいなんて思うんだ・・・」
「・・・オメ―・・・オレの事どう思ってんだ?」
「・・・・・・事件があるとすぐ飛んでっちゃう大馬鹿推理の介・・・。」
「はは、違い無ぇな・・・」
「それから・・・心配ばっかりかけて不安にさせる人・・・・・・」
蘭の言葉に、新一は苦笑している。
「・・・・・・ごめん・・・」
「謝ったって許してあげない・・・ちょっとは自分の身体の心配してよ・・・高校の頃からずっとそんな生活してたんでしょ・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・オメ―と一緒にいるとほっとするんだ」
数ある事件の中、やりきれない思いを抱える事もしばしばあった・・・
そんな時でも、蘭の笑顔を見れば、いつもの自分になれた。
「・・・・・・寝不足でもいいから学校に行きたいって思える程な」
「・・・・・・・・・じゃあ、これからはずっと新一のそばにいてあげる・・・その代わり、心配はかけてもいいけど、不安にはさせないでね?」
「・・・そこでそんな甘い事言われたらネジが緩みきっちまうよ」
苦笑しながらも、新一は腕の中のぬくもりを擦り寄る様に抱きしめる。
「着替えてきたら?・・・ご飯まだでしょ?」
「・・・それもそうなんだけどな・・・外寒かったからあったかくて」
「・・・・・・・もしかして私、カイロになってるわけ?」
今度は蘭が苦笑する番だった。
かたん、と音がして、キッチンのドアが静かに開いた。
その向こうから姿を現したのは、眠そうに目をこすっているコナンだった。
「ん・・・・・・・・おかーさ・・・・・・・」
「・・・あ、起こしちゃった?ごめんね・・・」
「・・・・・・・・・あのね、ごあいさつまだしてなかったの・・・・。」
「あ、ホント、忘れてたわね」
蘭は跪いてコナンに目線を合わせる。
「おやすみなさい」
コナンの額に蘭が優しくキスを贈る。コナンもお返しにキスを返す。
「・・・・・・・・・・・な・・・・・!?」
うろたえる新一の存在など無いかの様なその光景に、新一は唖然としていた。
「おやすみ、おかーさん」
「おやすみなさい」
「な、なんで!!!?」
「新一がしてるの見て覚えちゃったの・・・」
「だ、だからってっっ」
「仕方ないでしょ?」
「じゃ・・・じゃオレは??」
「おとーさんもして欲しければ早く帰っておいでよ・・・」
降って沸いた様な恋敵の出現・・・。
「じゃあ、コナンを寝かせてくるから・・・」
「じゃーね、おとーさんもおやすみー」
蘭とコナンは新一を一人残して、コナンの部屋へと行ってしまった。
「お、おれって何か・・・結構不幸かもしんね―・・・」
一人リビングに取り残され、テーブルの上にうつ伏せて・・・・・・新一は自らの不幸を嘆いて心の底からの深い深い溜息を吐いた
あとがき
はい、ひさびさのコナン#です(^^;;)
めちゃめちゃ久しぶりで忘れてますしね、色々と・・・読み返して血ヘド吐いてますわ、しくしく・・・(><、)
・・・ちなみに、くぬぎは実生活で高い所とオバケ関連とらぶらぶは大嫌いな性質です(大笑)
人のを見てる分には平気なんですが・・・(−−;)
仲の良い人なら「わーい、らぶらぶだー♪」と冷やかして楽しめますvvv(←鬼(笑))