おとこどーしの会話

「コナン・・・どうしたんだ?」
息を切らして帰ってきた我が子に、珍しく家にいた新一が思わず声を掛けた。
それもそのはず、コナンは泥だらけだったのである。いや、買ったばかりのランドセルも泥にまみれていた。
そのいでたちからすぐに、新一はコナンがどこかで誰かとケンカしてきた事が分かった。

負けた・・・のかな・・・

コナンのその浮かない表情からそう読み取ると、新一は早目の風呂に入ろうとコナンを誘った。
蘭がこんなコナンを見たら卒倒するだろうな・・・という気遣いもあった。

幸い蘭は近所に買い物に出かけていてまだ帰っていない・・・。

少しぬるめのお湯は、コナンの傷を気遣っての事だった。
それでも顔をしかめながら湯船に入るコナンを見ながら、新一は苦笑しつつもコナンに声を掛けた。
「しみるか・・・?」
コナンは、戸惑いながらも素直にうんと頷く。
「・・・ケンカの理由は?」
「え・・・?」
「お前がケンカした理由!・・・なんかあったからだろ?」

新一が笑顔で問い掛ける。コナンは観念したかのように、話し始めた。
「・・・友達の事、いじめる奴がいるんだ・・・。いつも泣かせてからかって遊んでるんだ・・・。おれの大事な友達だから我慢できなかったんだもん!」
「・・・・・・だから・・・か・・・。・・・コナン、その友達ってどんな子だ?」
新一はその問いに反応したコナンを見て、面食らった。
コナンが真っ赤になっているからである。

あ・・・・・・まさか・・・・・・・

「・・・・・・・・・・女の子・・・なのか?」
返事はない。だが、コナンの表情を見ていればそれが正解である事がすぐに分かった。

「どんな子なんだ?」
くすくすと笑いながら尋ねる新一に、ばれていないと思っているのか、コナンは頬を赤らめながら新一にその女の子の事を話し始めた。

「あのね・・・気が強くて・・・でもね、泣き虫なんだ・・・。それから、優しいとこもあってね、こないだなんか、ケガしたおれに薬つけてくれたの。」
「へえ・・・」

新一は自分の幼少時代と重ねていた。
嬉しそうにその子の事を話すコナン・・・それはコナンくらいの頃に新一が優作に蘭の事を話した時に似ていた。

「で・・・?ケンカには負けたのか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・。一人には勝ったんだけど・・・。その子のペンケース取り返してやれなかった・・・。」
「一人には?・・・相手は複数だったのか・・・?」
きょとんとするコナンは、「うん、3人・・・。上級生なんだ。」と答える。

なんて奴だ・・・と新一は苦笑した。

上級生を3人も相手に大立ち回りをやらかしたのか・・・

「おとこどーしの話だよ?・・・・・・おかーさんには内緒にしててね?」
内緒にしなくても、この傷を見れば蘭にだって分かるとは思ったが、コナンの真剣な表情に、吹き出しそうになるのをこらえながら、新一はコナンの指切りに応じた。

案の定、風呂上がりのコナンを見て、蘭は気付いたようで、新一にそっと耳打ちをしてきた。

「ね・・・コナンから何か聞いた?最近怪我して帰ってくる事が多いのよ・・・」
心配そうに話しかける蘭の肩を、ポンと叩くと新一はにこっと微笑みかけた。

「ま、おれもそうだったからなぁ・・・そのうち、怪我しないで帰ってくる事を覚えるさ。」
という新一の顔を不審そうに見る蘭に、新一は心配ないよと微笑んだ。
「・・・・・・どーしてそう言い切れちゃうわけ・・・?」

「ま、おとこどーしの約束・・・だからな・・・。コナンがその内話してくれるようになるさ!」

「なによ、それ・・・」
蘭一人が蚊帳の外・・・といった状況が面白いわけがなく、蘭はふくれっつらになる。

蘭のそんな表情をくすくすと笑いながら、新一は蘭を抱き寄せた。

「ちょ・・・ちょっと・・・新一ぃ!?」
「・・・・・・覚えてるか?お前の時は・・・靴だったっけ・・・」
「えっ?何・・・?」

蘭が聞き返すより先に、新一が蘭の唇を塞いでいた。


蘭の靴を取り返そうと必死になっていたあの日・・・


幼いあの頃に思いを馳せながら・・・

UP 00.4.24.

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やっとくぬぎが書きたかった本編にこぎつけてこれた・・・!コナンと新一・・・そして蘭・・・この3人のショットを書きたかったんだね。(笑)
でも、今回コナンの初恋を書いちゃったから、三角関係に持ち込めないのかな・・・書きたかったのに・・・それも(笑)書いちゃうか、いっそのこと!