記念写真
心臓の音が耳の中にまで響いて。今自分が話している声が、普通じゃない程大きくなっちゃってるんじゃないだろうかと心配になる。
やっぱりやめておこうか、なんて何度も思った。けれど。
この先ずっと、一緒に居られる保証なんて、どこにも無いから・・・
「写真?どうして?」
そう聞き返したコナン君にそんな気持ちを悟られるわけにはいかない。だって、私は彼の嘘を受け入れたのだから。
・・・何か、記念になる様なものが・・・形として欲しい。そんな事は口に出せない。
「フィルムがまだ残ってるから・・・」
一瞬表情を曇らせて、彼は俯いた。ダメ、だと言うだろうか・・・。それとも、断る口実を探しているのだろうか・・・。不安に揺れ動く私に、彼は顔をあげて笑顔で言った。
「どうせだったらさ、皆で撮ろうよ」
「・・・・・・いいの?」
「だって、写真撮るだけなんでしょ?」
変な蘭ねーちゃん、と子どもらしい笑顔を向ける。
さっき一瞬見せた表情は、「写真を撮るだけ」の表情じゃなかったよ・・・?本当は困るんじゃない・・・?
「何してんの、蘭ねーちゃん・・・?もう皆待ってるよ?」
ああ、と顔を上げると、博士の黄色いビートルを皆が囲んで。
「さ、行こ?」
小さな手が差し出された。
新一の優しい嘘。
「蘭ねーちゃん?」
「・・・あ、うん、何でもないの」
私もその優しさに気付かないという嘘を重ねた。
あとがき
トップにビートルのイラストをアップしていた時に、altでつけていたすぺしゃるなショートショートです^−^;
本来書きたかったのはコナン君視点で、書きたかった場面はこの後だったりします(^^;)