ほたる
少しずつ色を含んで、深みを帯びた空の色は、何もかもを優しく抱きとめて・・・全てを無に返す。
空と全ての境界線が曖昧になってきたのを感じると、周りの仄かな光が瞬き始める―・・・。
「わあ・・・」
旅館のおかみさんから聞いた穴場では、蛍が踊るようにして飛び交っている。
「きれい・・・」
そう呟く蘭の後ろで、おっちゃんが「なんでこんなもんわざわざ・・・」とぼやいているのが聞こえる。
そっと目の前に手が差し伸べられた。
小さくなったおれを心配して差し出された手に、そっと自分の小さな手を縋りつくようにして重ねる。
蘭の手に守られる様に、おれの手が優しく包み込まれて・・・
・・・現実を突きつけられた様な気がして、胸の奥がずきんと痛んだ。
蘭から目を逸らすと、草むらの中から小さな光がふわふわと点滅を繰り返しながらすぐ側までやってきて―・・・
自由になっている手の中にそっと舞い降りた。
一定周期の光の点滅を繰り返すと、来た時と同じ様に飛び立って、草むらの中へと帰っていく―・・・
・・・なんだか励まされている様な感覚を覚えて
光が舞い降りたその手をじっと見つめ
守るべき―・・・守りたい、その手に
ぎゅっと握り返す事で、ぬくもりを伝えた。
あい、久しぶりのSSです^^;
2000年のカレンダーからのものです。
・・・最近書きたいお話が見つからないくぬぎくん・・・
(その前に溜めてるそっちを片付けなさい(べし))
駄作ばっか書きためてどうするのー?(^^;)といった状況で・・・
うう
書きたい物が見つかるよーにドライブしてこよっかなーと思ってしまうのでした(;;)