新緑



眩い光の中、枝についた新芽の緑・・・

見上げた蘭は、眩しさにその瞳を細めた―・・・。

「綺麗だね・・・」

隣にいる彼は、むっとしながら空を見上げる。

機嫌が悪いわけではないのだ。
昨夜も夜遅くまで事件に関わっていた所為で、睡眠時間が著しく不足しているのだ。

世間は広い・・・だが、これだけ機嫌の悪そうな新一に平気で声をかけ、外へと引っ張り出すのは蘭くらいのものである。

「・・・綺麗だねって言ったの」
それでも蘭はにこやかにそう新一に話し掛ける。
「あ―・・・うん・・・・・・・」

さっきよりは柔らかく、新一は返事を返した。

「・・・・・・眠い?」

「・・・・・・・・・・・・・・・んな事ねーよ・・・・・」

意地っ張りな名探偵は、むっとしながら言い返す。

元々新一の方から言い出した約束なのだ。もしそうだとしても、「眠い」なんて口が裂けても言わないだろう・・・。
ふっと蘭が漏らした微笑の意味は、眠気に勝てずにぼ〜っとしている探偵には見抜けなかった。

「ね、私疲れちゃった・・・少し休んでいい?」
「・・・・・・・・ああ・・・・・・」

降り注ぐ淡い花びらの中、ゆっくりと桜並木を抜け、二人は芝生の茂る広場へと辿り着く。

この辺で、と木陰になっている芝生の上に蘭が座る。蘭に促され新一も隣に座った。

広場には、花見に来ている親子連れが目立ち、和やかな風と穏やかな空気が流れ・・・

「・・・・・・・・・・気持ちいー!」

いよいよ仏頂面・・・といった名探偵が、蘭を見る。

眠気も最高潮に達しているのだろう・・・。

ごろんと芝生の上に寝転がった蘭が、新一を見上げる。
「あは、気持ちいー!」
「服汚れっぞ・・・」
「いいの!・・・空がね、緑に囲まれて、葉っぱの緑が光に透けて・・・・・・ほら見て!」

「おれは・・・」

横になった途端に、緊張の糸が切れるのは目に見えている。・・・新一はかたくなに断ったのだが、蘭が悲しそうな表情を見せると、しぶしぶごろんと横になった。

「・・・・・・・・・ホントだ・・・」
「でしょ!」
途端に嬉しそうになる蘭に、新一が目を細める。


さらさらと、風に揺れる度に聞こえる優しい木の葉の音、鼻をくすぐる草の匂い・・・どこからともなく聞こえる鳥のさえずり・・・

身体にまとわりつく風も柔らかく、木漏れ日のぬくもりに、いつしか新一は深い眠りに落ちていた。


新一が深い眠りに落ちていったのを確認すると、蘭はおもむろに起き上がった。


以前からの約束・・・それを果たしてくれるのは嬉しいのだけれど


すぐ隣では、かわいい寝息を立てている名探偵がいる。

「バカね、私と一緒の時くらい無理しなくていいのに・・・」



そっと新一の頭を持ち上げ、自分の膝の上に乗せる。

「無茶だけはしないでね・・・」

新一が事件を放っておけないのはわかる・・・

事件の裏側で悲しんでいる人にも、罪を犯してしまって苦しんでいる人達にも、触れてきたから・・・

もし、私に新一と同じ才能があったなら、そんな人達の為に少しでも役立てる才能があったなら・・・

そう考える日もあった。


・・・でも

その才能に、一番傷ついているのは・・・きっと・・・・・・・



私は新一の安らげる存在でいたい・・・


「世界中敵にまわしても・・・私だけはあなたの味方だからね・・・?」

その言葉が届いているのかいないのか・・・新一は優しくも柔らかい微笑みを浮かべた―・・・。



木漏れ日の週末。





あとがき

司ねーちゃんのお話とテーマ同一です(^^)
ほんとにすごい偶然だったのですが、開けてびっくりでした・・・さすがゆにっとKだわvvv(笑)そのらぶらぶ度にぶらぼーvvv

いえね、やっぱり事件続きの新一にーちゃん&コナン君ですから、どこかで休憩というか、安心して休める場所を提供してあげたいなーと思いまして(^^;)
やっぱりどうしても疲れているでしょうから(^^;;;

というわけで(笑)

くーねーちゃんにも同じテーマで書いてvとおねだりしてみましたv(おい(^^;))
同じテーマで書くとかなり方向性の違いが出て面白いんじゃないかとー(ほら、くぬぎのは同じテーマでもかんなりらぶらぶっしょ?(大笑))

名古屋にくぬぎの大のお気に入りの公園があるんです(^^)
そこは桜とけやきがとっても綺麗でv(おまけに新蘭ごっこできそーな噴水まであったりして(笑))

あんまりいいお天気の日に、桜と新緑の写真が欲しくてその公園にお出かけ・・・その時公園で書いたのですが、上手く雰囲気が伝わらないですね(ーー;)

あああっ、表現力が欲しいよおおお(><、)