隠れた思い

「っ痛―――っ!!!」
「捜査の邪魔をするなとあれほど言っとるじゃないか!!!」

容赦なく振り下ろされた握り拳は、見事にコナンの頭にヒットした。

あまりの痛みに涙目になったコナンは、すごすごとその場から離れ、・・・それを少年探偵団の面々が迎えた。

「バッカだなー、コナン!見つかんねーよーにしねーと駄目だろー?」
「要領悪いんですよ!」
「冷やしておいた方がいいよ!」

悪かったな、と悪態を吐きながら、コナンは随分前の光景を重ねていた。




そう、あの頃は小五郎に対する探偵団の評価はメチャメチャなものだった。
今の様に殴られたコナンを迎えると、小五郎をじっと睨みつけていた位だ。

「ひでー事するよなー!」
一番に口火を切ったのは大抵元太で・・・
「ホントですよ、児童虐待ですよ!?」
光彦も真剣に難しい単語を使って怒って・・・
「大丈夫?コナン君・・・」
歩美はそっと殴られた所にそっと手をやる・・・

これがいつもの彼らの反応だった。


「・・・それが今や、誰も味方してくれねーんだもんなぁ・・・」



・・・少年探偵団にとって、「毛利小五郎=名探偵ではあるけれど、乱暴なおっちゃん」



そんな「小五郎像」を変えてしまったのはコナン自身だった。

しかし、そのコナン自身の小五郎像を変えてしまったのは小五郎本人で・・・



「コナンとこのおっちゃんって名探偵だか何だか知んねーけど、乱暴だよな!」
「そうですよ!いつもコナン君を殴ってばかりいます!」
「ちょっとひどすぎるよね!」

そう言って最悪の評価を下し、熱くなる探偵団の面々に、苦笑いしながら小五郎の事を話した。
「おっちゃんはさ・・・おれ達が危ない目に遭ったり、取り返しのつかない事をしない為に叱ってるんだ。」

その瞬間、コナンの脳裏に浮かんでいたのは、あの時の小五郎だった。



爆弾犯からの挑戦―・・・

それを受けて立ったコナンは、被害を出さない為に、と自転車で街を疾走し・・・川辺で爆風を一人浴び・・・・・・病室で小五郎に怒鳴られる羽目になった。

怒りに我を忘れているかの様な興奮ぶりを見せる小五郎に、おずおずと自転車の弁償を頼んだ時・・・

「そんなことより・・・どうしてこんな無茶をしたんだ!!!」

・・・そう怒鳴られた。

その小五郎の目は真剣で・・・

「もう少しでオマエが死ぬ所だったんだぞ!!!」

ぐっと詰め寄られた時、コナンの胸がずきんと痛んだ。
いつもより、激しいその怒りは、紛れもなく自分の身を心配してくれている証拠で・・・返す言葉も自然に小さくなる。

「ごめんなさい・・・」


怒鳴ってばかりの小五郎の、不器用な愛情・・・


そんな愛情に守られる側に立っている事を知る自分―・・・


優作の穏やかなそれとは違い・・・・・・


こんな時に不謹慎ではあるが、どこか幸せな思いを感じていた。




その時感じた、小五郎の不器用な愛情を、小五郎に対して怒り狂う探偵団の面々に話して聞かせた。

「おれを本当に心配してくれてなければ、あんなに真剣に怒ったりしねーよ!」

コナンの言葉に探偵団の面々は眉をひそめ、口々に反論してきたのだが・・・

「オメ―らにもいつか分かるよ」

コナンは笑顔でそう返していた。



・・・・・・・・・・そう返していた本人に今は




「バッカだなー、コナン!見つかんねーよーにしねーと駄目だろー?」
「要領悪いんですよ!」
「冷やしておいた方がいいよ!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・である。



「オメーら・・・」



コナンはひきつった笑顔を向けながら、小五郎の不器用な愛情の証でもあるタンコブにそっと手をやった。



はい、これはくぬぎがおっちゃんを大好きになった瞬間とその気持ちを書こうとしたんです(^^//)

あの怒鳴られるシーン、くぬぎ大好きなんですよvvv

おっちゃんの不器用な愛情が見えたというか(^^)

でも、あそこは声のトーン一つ、声色一つ違っても、そういう思いを抱かせるシーンにはならないですよね(^^)
改めて神谷さんの演技力に深みを感じましたvvv

本当は病室でコナン君が探偵団の皆に「おっちゃんは本気で心配してくれてたんだ」とお話してもらいたかったんですが、あの映画のシーンを見ると先に探偵団の方が帰ってますし、探偵団とコナン君だけになるってシチュエーションが無理なので、回想録を重ねたわけですが・・・2つ回想が重なっちゃってるので分かりづらい事この上ないっ(><、)

・・・改めて・・・・・・・・・文章力がない事を自覚・・・・・・悲しいわー―――しくしくしく・・・