考えさせられる本です。様々な問いかけがあります。
・なぜ、あらゆる組織は、それが政治的、経済的、
あるいは社会的なものであれ、次第に問題を処理
できなくなっていくのか・・・。
・なぜ、あらゆる個人は、自分が所属する組織と対立し、
疎遠になっていくのか・・・。
・なぜ、社会、そして生物圏は、ますます混乱していくのか・・・。
日本企業が見失っている重要なポイントに対する、
示唆に富んだ本です。
常盤顧問の経営者としてのすばらしさは、知っていましたが、
この本を読んで、人間的なすばらしさも知りました。
生態系に詳しい方だけに、生物学の観点から現在の経営を
考えていますが、その洞察の深さに驚かされます。
特に、仕事と人生の関係を語っているくだり、
「仕事と人生を素直に重ね合わせて、真摯に仕事に取り組む中で、
自分の能力や技能、そして人柄や人格−ひと言で言えば、
よりよく生きるための個人の知が磨かれ、豊かになっていく。
それが仕事を通しての幸福というものではないだろうか。」(p.200)
まさにその通りです。読みながら拍手でした。
工業社会から知識社会に変わり、知識が重要な資産になった時、
雇用方法はどう変わるのか。
知識社会で働く人は、どんな形態の組織を作り働くことになるのか。
知識社会で成功するために、「学習」をどのようにすると良いのか。
今後の自分の人生を、仕事との関係で見つめる時に、
非常に有益な示唆を与えてくれる本です。
自己の責任で、知識を増やし更新し、協力的なネットワークで、
自分にしかできないレベルの仕事をする。
これまでの成功モデルを捨てる必要性と、
今後目指していくべき方向を教えてくれました。
安岡正篤氏の講演・講話を集めた本です。
中に、私も座右の銘にしている言葉がありました。
六然
自処超然
他処藹然
有事斬然
無事澄然
得意淡然
失意泰然
心を乱される出来事が多い世の中を
こんな心境で渡っていきたいものだと、
常に思っています。