祝 婚 歌 しゅくこんか
吉野 弘


二人が睦まじくいるためには

○○○○愚かでいるほうがいい

○○○○立派過ぎないほうがいい

○○○立派過ぎることは

○○○○長持ちしないことだと

○○○○気づいているほうがいい

○○○完璧をめざさないほうがいい


○○○完璧なんて不自然なことだと

○○○うそぶいているほうがいい

○○二人のうち どちらかが

○○○ふざけているほうがいい

○○○ずっこけているほうがいい

○○互いに非難することがあっても

○○○非難できる資格が自分にあったかどうか

○○○あとで疑わしくなるほうがいい

○○正しいことを言うときは

○○○少しひかえめにするほうがいい

○○正しいことを言うときは

○○○相手を傷つけやすいものだと

○○○気づいているほうがいい

○○立派でありたいとか

○○○正しくありたいとかいう

○○○無理な緊張には色目を使わず

○○○ゆったりゆたかに

○○○光を浴びているほうがいい

○○健康で風に吹かれながら

○○○生きていることのなつかしさに

○○○ふと胸が熱くなる

○○○そんな日があってもいい

○○そしてなぜ 胸が熱くなるのか

○○○黙っていてもふたりには

○○○わかるのであってほしい






数年前の知人の結婚式で、新婦の上司の方が朗読されたのを聞き
それ以来、ずっと事務所の机の前に貼ってあるんです。
以前からHPでご紹介したいなと考えてましたが、やはり著作権もあろうかと・・・

ところが、現在ボストンに単身赴任中というイッセーさんのホームページで
作者・吉野さんの著作権についてのお考えを知り、またまた感動しました。
是非、ご覧いただきたいと思います。
「イッセーおやじの中年のひとりごと」

上記リンクが途切れてしまいました。。。
その「イッセー」さんのページに記されていた「著作権について」の一部です。
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早坂 吉野さんは「祝婚歌」を「民謡みたいなものだ」とおっしゃっているように聞いたんですけど、それはどういう意味ですか。
吉野 民謡というのは、作詞者とか、作曲者がわからなくとも、歌が面白ければ歌ってくれるわけです。だから、私の作者の名前がなくとも、作品を喜んでくれるという意味で、私は知らない間に民謡を一つ書いちゃったなと、そういう感覚なんです。
早坂 いいお話ですね。「祝婚歌」は結婚式場とか、いろんなところからパンフレットに使いたいとか、随分、言って来るでしょう。 ただ、版権や著作権がどうなっているのか、そういうときは何とお答えになるんですか。
吉野 そのときに民謡の説を持ち出すわけです。 民謡というのは、著作権料がいりませんよ。 作者が不明ですからね。こうやって聞いてくださる方は、非常に良心的に聞いてくださるわけですね。だから,そういう著作権料というのは心配はまったく要りませんから....
早坂 どうぞ自由にお使いください。
吉野 そういうふうに答えることにしています。
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『人生の達人たちに学ぶ〜渡る世間の裏話』
  (早坂茂三著:東洋経済新報社刊)より


とても素敵で、いいなぁと思うけど、なかなかこうは日々過ごせない。(笑)
でも、なにかの折にふと思い出したとき、気持ちがフッと楽になれる。

そんな優しいこの歌が、ぼくは好きです。



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