『６月１２日』
「Ａ級デンギー」
『６月１２日』
「Ａ級デンギー」
皆さまお待たせしました、久しぶりにホームページの更新です。
木造艇のリフォームはどこまでやってもキリがないのです。
船体全部がウルシ塗りのようなＡ級を写真で見たことがありますが、
そこまでやるには人生半分捨てるような時間がかかります。
真冬から始めて半年、いい加減妥協しても恥ずかしくないところまで
仕上げて函館に運びました。１１日の午後５年ぶりに港内セーリングです。
２０１１年の夏にマッチレースをやって以来、一緒に楽しんだ上河先生も義さんも
故人なってしまい半分打ち捨てられたような状態で保管してましたが、いつかは
必ず走らせるからと病床の先生と約束したのを果たせてホッとしています。
５０３号艇を造ったのは、旧「旭光」の佐藤義さんです。９７年にＡ級デンギーの
全日本大会を函館で開催しましが、少しでも早い艇をと義さんは考えたのでしょう、
ステムはサバニのように垂直に近く、マストステップも前後に動くように作ってありました。
大会は大人が集まるレースですので計測はあって無きの如くでユルいのです。
今回のリフォームで一番問題だったのは耐水合板（ベニヤ板）のハル全体でした、
造ってから２０年近く経っていますので、表面がはじけて縦のキズがほとんど
全部に見られました。
「義さん 木、水浸み込むでしょう？」 と聞くと
だからひたすらペンキを塗るんだと言ってたような気がします。表面を全部剥がしてしまえば
ベニヤ板でなくなってしまいますので、ペンキが食い込む程度に荒らしてから何回塗ったか？
乾いては塗り・乾いては塗り、昔のキンカンのコマーシャルです。
センターボードケースも腐ってました。造艇で最初に手掛けるところですから全部を
取り換えることはできません、腐った部分を切り取ってエポキシで貼り付けました。
仮止の穴をエポキシとツマ楊枝で埋めています、この後に成型してペンキ塗り、
ステンレスのキールバンドを取り付けます。
チェーンブロック２台でガッパして、次はマストステップです。義さんは可動式にしてましたが、
竹竿にヒモで絡げているガフセールです、マストの基部が５センチ移動して風圧中心はいかほど動くか？
効果の程を聞いてみたいですが向うの世界の人ですからね〜。
マストの底部と擦れた後を見ると実際には動かしていなかったようです、FRPでリングを作って
固定してしまいました。
艤装品は全部酸洗いをして輝きを取り戻し、こんな出来栄えになりました。
まだまだ細かな所で苦労はたくさんありますがリフォームの流れはお分かりと思います。
お友達に手伝ってもらって函館行です。
１９日に行われる『上河睦美メモリアルヨットレース』はお友達にサポートをお願いして
スタート海面まで走ってきます、先生も義さんもどこかで見ているでしょう。
パーティの時に皆さん乗って遊んでください。
『６月１９日』
『上河先生メモリアルヨットレース」
昨年は１０月開催で、ちょうど大型漁船建造のピークに重なってしまいレースは
当然、パーティーにも参加できませんでした。二回目の今年は６月半ばで、仕事はまだ
忙しい日々が続いていますが、先週浮かべたＡ級デンギーでスタート海面まで
セーリングしてきました。
自分では絶対に撮れない写真をありがとうございます、三木先生と克己さんから
送って頂きました。デッキ無しのオープンボートなので沈したらそれで万事休すです。
スウォートの下にフェンダーをフロート代わりに入れてますが、どの程度の
浮き具合か？デンギーはサポートのボートが必要でそばにはお友達が一緒に
走ってくれてます。
参加全艇がスタートしてからラインを切って穴間沖の回航マークまで行ってきました。
微風で苦労しているクルーザーですが、デンギーはアンヒールさせてセールの形を
くずさなければ舵の効く位のスピードで何んとか走ります。
マークでミーティングした「カナイ」にコースを譲って先に行かせましたが、スターボから
来た「サンバード」とは少し距離があってお先に失礼しました。
もとよりデンギー乗りのシェフ殿は何んと思っていたか？ 次の飲み会のタネです。
今日のレースコースと参加艇です。皆さん先生のレースありがとうございます。
お帰りは「Ｌucia」にお願いして、「早く帰って飲もうよ。」