『7月5日』

   
「ヨットの朝帰り」

  シーズン入り以来何故か張り切っているカンジン丸ですが、先月末のオープ
 ニングレガッタに続いて「ペリーレース」にも参戦です、雨の中で取り込んだ
 スピンもすっかり乾かしてまた積み込んでいました。 我が艇のクルー、
 シェフ殿が『サンバード』のクルーになっているのもちょっと変な話ですが、
 お友達のトレードは良くあることなのです。レース前夜というより谷地頭温泉と
 セットで昼から飲んでいるお友達の所についたのは3時過ぎでしたがもう半分
 出来上がっているようで相手にするにはハンディーが付き過ぎです。
    今回のお話はここからです。
  夕方の南寄りのブリーズが心地良くて一人で安●●●を飲んでましたが
 これなら「サンセットセーリング」もいいなあ~と思い、ちょっと走ってくると
 お友達に伝えて港外に出ました。メインセールは面倒なのでジブ走りで、ちょっと
 辛めの飲み物を片手に持ってゆっくり走らせてました。雰囲気とロケーションは
 カップル向きですがいるのはシラガのジジイだけです、もったいないと思うのは
 あんただけではありません。上磯の山に落ちる夕日を見てからシーポート前に付けて
 クマちゃんの待つ大門横丁に出かけました。その後にカラオケに行って遊んでましたが
 お船に戻ったのは11時半頃だと思います。寝て間もなく風が変わって岸壁に
 押し付けられています。
 かなり面倒でしたが大事なお船⛵をゴリゴリさせるわけにはいきません。
 エンジンかけてポンツーンに戻ります。クルーズの途中、エンジン不調でセーリングで
 暗い中岸壁に付けた平舘漁港を思えば何とかなるでしょうけど、ここはアンカー
 入れて一晩過ごしてみても・・・ 本音はアンカーの振れ回しの方が
 仕事が少ないのです。自宅に戻った酔っ払いがジョッペンかけられてお家に入れず
 犬小屋で寝るようなものです。『ヤム』と『ブルームーン』の真ん中にダンフォースの
 7キロとチェーンを少々入れて特に問題なしで夜明けを迎えました。
  ルール上はアンカーライトを日の出までですが、良く見えるようにマストトップの
 ナビライトも点けていました。明るくなった頃に石川理事長から電話がきました、
 「カンジン丸沖泊?」海保が見たらここはチョット・・と言われるでしょうね。
 もうしません、ゴメンでした。アンカーは漁網が絡んで揚げるまで30分もかかる
 おまけ付きでしたが ポンツーンに戻るとヨットの朝帰りは初めて見たと
 クロコの畳艇長が話してました。




   
『7月8日』

    
「マイウェーが帰ってきました」

  昨年のお盆クルーズを早目に切り上げて白神岬から戻る途中、知内の沖合で『マイウェー」を
 見送りました、昨年8月14日です。 それから約1年、瀬戸内海で冬を過ごして九州南端から
 日本海を北上して8日に函館に戻りました。奥さま・ニャンコちゃん2匹、長い航海
 お疲れ様です。
  8日はちょうど仕事のお休みの日で、前夜深浦港で過ごした『マイウェー』を出迎えに
 海峡西口に向けました。文句無しのお天気とハーフムーンで潮も弱く、調子づいて
 走っているうちに矢越岬も超えてしまいました。途中ですれ違っては何しに出て来たのか
 笑われますので打ち合わせ通りに73chでコールしますが応答がありません。
 電話をかけると、竜飛の向こう側は西風が10m以上で波も高く、小泊に入って
 様子を見るようなお話しでした。「吹いているのはそこだけだよ」、のんびり竜飛に
 向けて走っている状況を伝えて、「だまされたと思って行くか」 「だましてねえ~よ」
 12時15分、周りを通っている貨物船を目印にミーティングができました。
 ちょうどオケラネットの時間でさっそく報告の交信をしていたようです。

  

  向うの山は福島方向です、矢越と竜飛のちょうど中間辺りでしょう。
 並んで函館向けになりましたが帰りに少々トラブルがありました、
 大事には至りませんでしたが一人は慎重の上にも慎重で行きましょう。
 午後5時に金森前着で出迎えは終了です。

   

  土曜の夜は、「お帰りなさいパーティー」を開いて一年ぶりに
 小松さんとお酒が飲めました。




    
『7月8日』
    
   「エンジントラブル」


   出迎えの日は地元神社の例大祭で隣にある我が家は、とても仕事を
  やるような雰囲気ではありません。お神輿通る時にガーガーやっていては
  ひんしゅく買います。そんな事情で7月8日は毎年お休みになってしまいます。
   コンビニで朝メシのおにぎりセット、昼飯の冷やし中華を買ってポンツーンを
  離れたのは6時頃でした。最近、流れ海藻のホンダワラが多いので見張りを
  十分にと思いながらドック横まで来ると排気の音が普段と違うのに気付きました。
  ボッボッというガスの排気音と冷却後の海水がバシャバシャと出て正解なの
  ですが音はガスの分だけです、スターンを見るとやはり海水が上がっておらず
  警報が鳴る前に気づいてやれやれでした、「どうせキングトンだべ」と思い
  ホースを外すと勢いよく海水が出ます、そうなるとホースの詰まりかポンプか?
  結局、ポンプエンペラーのゴムがシャフトと剥離していて空回りをしていました。
  確か予備があったはず? 出てきたのは以前に使っていた中古品ですが
  これで十分です、やっぱりとって置くものですね。この間、見張りと修理で
  出たり入ったりでシングルハンドはこんな時に相棒が欲しくなります。
  こんなポンプの分解と組み立ては普段の仕事からみればハナクソほじるより
  簡単ですが取付の時にメガネがありません、手元は暗いしメガネ無しでは
  メクラ(最近使っちゃいけない言葉のようですが)と同じです。
  フォーカスの合わない目玉で10分ほどかけて終えましたがこれが午後からの
  トラブルのもとでした。
   帰りは2艇ランデブーで函館向けです、コーヒーを作りに下に降りた時に
  ビルジのチェックをするといつもより多く溜まっています、ここで点検すれば
  よかったのですが、後はポンツーンに戻ってからと仕事を先に延ばしたツケが
  回ってきました、いきなり警報が鳴ってスターンを見るとまた水が出ていません。
  エンジンボックスの下から流れた海水がじゅうたんをビショビショにしています。
  ボックスを開けるとホースが外れてポンプから海水が吹き上がってました。
  よく見るとホースバンドがまるで外れのところをしめ込んでました。
  まったくジジイの老眼は当てになりません。トラブルはまだ続きます
  水の上りを見るのに急いで外に出る時、思いっきりブームに頭をぶつけました。
  役立たずの目からは火が、頭のてっぺんは切れたようで血がだいぶ出てます。
  タオル2枚重ねて朝のコンビニの袋をかぶって、相当おかしな格好だと
  思いますが笑ってくれる人もいません。函館着の頃には出血も止まって
  ましたのでそれ程ひどい怪我でなかったのが幸いでした、ポンツーンで
  看護師の泊地委員長に見てもらうと「大丈夫だよ~」安心しました。
   後日、ポンプは工場に持ち帰り完全分解してエンペラーも新品に
  取り換えました、ホースバンドも5か所全部オールステンにです。
  エンジンボックスのそばには超明るいLEDライトも置いてます、
  予備品のエンペラーも新品袋入りです。