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    『5月1日』


     「忙中閑有」

     二月の初めからほとんど日曜も休日も無く稼いでいました。毎年この
   時期は忙しいのですが今年は例年にも増していて、この状況が6月半ば
   まで続きます。話のタネはたくさんあったのですが落ち着いた時間が
   なくてカンジンのページも全く更新無しでした。

    1日の午後、めずらしくお昼からの仕事がきれて、これなら函館に
   向かえるかも? 途中お客さんから呼び戻されるのは覚悟のうえです。
   緑の島ではクマちゃんがお船の片付けをやっていました、函館公園に
   花見に行く話がまとまって、その前に鯉のぼりを揚げてきます。

   

   


     西風が5−6mできれいに泳いでいます、島に遊びに来た家族連れが
    喜んで見ていました。どこのお宅にも揚げなくなった鯉のぼりがあると
    思います、来年から皆さんも泳がしてみませんか、ヨットのマストから
    たくさんの鯉のぼりが揚がっているのは好い眺めになるとおもいます。
     公園から戻ってお船で飲みの直しでしたが切り上げは早く10時には
    寝袋に入ってました。「早く寝なけりゃ」、朝は4時起きで田舎に戻り
    6時には商売を始めます。
    






     『5月4日』

     「冬の工作ももうすぐ仕上げですが・・」

      お金も欲しいけど今は時間を何とかして欲しいです。朝は5時に
   シャッターを開けて仕事の準備を始めます、従業員の息子が朝の
   2−3時に出かけて行くのはいつものことで、漁師さんが動いて
   いるうちは待機の状態が続きます。  そんな中ですが・・・

    昨年10月から手がけたVバースの改装は、忙しい中ですがやめる
   わけにもいかず時間を作るのに、晩酌をやめて週に2−3回函館に
   通ってました。一杯やりながら工作やって朝の4時に帰ります。
   老骨はムチでクタクタですが苦労のかいもあってだいぶきれいになりました。

    20年も続けている艇内改造で最後に残ったのはトイレ回りでした。
   デッキのマスト穴からの漏水と、以前いい加減に塗ったニスが剥がれて
   バルクヘットの裏側は見るも無残な状態になってました、
   センドウの用足しには不自由ありませんがゲストに使わせるのは他がきれいに
   なった分だけ恥ずかしい気になります。手を掛けると大仕事になるのは
   分かっていましたが、今まで思い付き、書き留めていた、アイデアを
   かたちにすべく頑張ったのはこんなところです。


     


      薄汚れていたバルクヘットの前側はニス塗り7−8回で何とか以前の状態に
   近くなったと思います。船体内側がむき出しだった所は断熱のウレタン貼りと
   バテン張りで他の部分と同じデザインになりました。ホースの右側にはヘッドの
   排気用にダクトをつくりますが次のオフシーズンでしょう。


     

    ヘッドの海水インのバルブは陰に隠れて使いにくく もう一個
   通して普段はこちらを開け閉めすることにしました、オープンにすると
   ファンが回るようにスイッチ付きに改造しています。 2月にイギリスから
   買った部品で修理したヘッドは、水の食い込みも良くなって
   使いやすくなってます。
    ドアも作り直しましたが、二つ折りにするのにはだいぶ苦労しました。
   閉めるとしっかりプライバシーが取れますが、上手に造りすぎた?のか
   隙間が無しで換気に少し問題がでそうです、
   せっかくウレタンを挟み込んで防音・防熱に気を使ったので
   換気口は開けたくありません、今後ダクトを考えます。

     
   
    他にもあります、 お部屋の照明に使っていたインバーター駆動の蛍光灯は
   LEDに作り替えました、3Wを4個使って明るさは以前とほとんど同じですが、
   使う電気は半分以下になりました。茶色系のキャビンの中は電球色が良く合って
   落ち着いた雰囲気は変わりません。


        

      今はメインテーブルをピカピカにしています。ニッチな時間を使って
    鏡面仕上げまでもうすぐです。





      『5月11日』

      4時に明るくなってくるのはちょうど8月のお盆の時期といっしょで
   クルージング時の出航時間です。南と東側に窓のある自室は旭日がハナの穴の
   奥まで差し込みます。とても寝ていられないので起きて客先からの電話待ちですが
   張り切っているときは連絡がありません。ワインを多めに飲んだ翌朝はベットの中で
   電話が鳴るのに・・まあ人生こんなもんでしょう。
   時間つぶしにこんなこと始めて・・

     
 

      カンジン丸のメインテーブルです、ニス塗り10回以上でしたがハケ目が
   許せなくてまたペーパーで剥がし始めました。職人は厳しいのです。
   でも、それも途中で飽きて自転車で一汗かきに出ました。
   朝日と潮風の中、一時間位気持ち良く走ってきました。

    
     
     




        『5月21日』

     忙しいのに時間が余る?。今朝も、手の足りなくなった息子から
    2時頃に電話がきて漁師さんの作業小屋に行ってきました。いきなり
    起こされて多分仏頂面だったと思います、でも止まっていた機械が
    動き出してホッとした顔のお客さんを見ると船頭も笑顔になります。
     家に戻ると3時過ぎで東の空が白み始めてました。ストーブを点けて
    冷えた体を暖めていると何となく小腹がすいてきて、ケーキと
    コーヒーで朝のおやつを食べてました。いまさら寝る訳にもいかないし、
    ベットの上で図書館から借りてきた本を読んでました。


    

    
      

     ニス塗りのテーブルはフィニシュ間近で70点位の出来上がりです。
    もうサンドペーパーでは無理なのでコンパウンドで磨きます。






        『5月27日』

      
「A級デンギー」

       亡くなった大先輩達が残していったA級デンギーが3バイあります。501号艇から
    503号艇までですが、我が家の庭に1パイ、函館の相馬商事さんのご厚意で漕艇協会の
    後側に2ハイ置いてあります。昨年末に担当者の方から今後どうしましょうかと
    連絡がありました。地主さんですので軽四の駐車場としてお借りすればお金で
    解決のつく問題ですが当てがありません、期限は6月中ということになっていますので
    近いうちに田舎の方に運んできます。27日午後からの空き時間を使い単管を組んで
    ラックを作っていました。
     
     


         青シートを掛けてましたが、2年ほど経ってましたので細かなところがだいぶ
     傷んでいました。木造艇ですので雨風にさらされない屋内で保管したいところですが
     3艇を入れられる倉庫などはとても望めません、手間と多少のお金をかければ
     全艇ベストの状態を保てると思いますが、使う時間は半端ではありません、
     コツコツ作業するのは楽しみでもありますが、現役の自営業はフリーの時間が
     少なくて本気で始めるとカンジン丸の保守もままならなくなると思います。
     函館のヨット文化の原点と思う艇ですので何としても後世に残したいのですが
     センドウ一人では力不足です。



      
『5月31日』

      
「A級デンギー 続きの1」
      
      今日は何曜日だったけ? と思うのはボケ老人とサンデー毎日の退職者と
     曜日に関係無しで稼いでいるセンドウです。昨日(世間では土曜日ですが)
     夕方からお船でソーラーパネルの取り付けをやってました、暗くなるまでに
     右舷側を終えてそのままお船に泊まって朝帰りです。帰り際に今日水に浮かべる
     お友達のヨットを見に行ったらクマちゃんがお船で寝てました。浮かべたら
     皆で一杯やろうねと話して仕事に戻ります。
      自宅でお客さんからのコール待ちですが今日は機械も順調のようで
     さっぱり電話が鳴りません、息子は孫たちとどっかに行ってしまいました。
     自分もまた函館向けと思いますが誰かが残っていなくてはなりません、
     でも時間つぶしにやることは山ほどあります。
     
      幅が30−70ミリ 厚さが5ミリから10ミリ位の木を少しづつ重ね
     合わせて船体(ハル HULL)を造っていくA級デンギーはクリンカー張りとも
     呼ばれます。重ねの部分が緩むと漏水(浸水だね)になって普段は
     二人乗りですが別にアカかき要員が必要で3人乗りということもありました。
     滲んでくるところにシュロ(ヤシの実の皮?)をスクレッパーとハンマーで
     打ち込んでその場をしのぎます。今はエポキシ等の接着材が活躍してくれますので、
     造った時の仕事に間違いがなければこの苦労は無くなったようですが・・
     でもまだまだあります、
     水を吸う木は膨れて多少いい加減に造ってもそのうちアカが止まる利点?も
     ありますが、膨れた木は表面のペンキにクラックを作って、そこから水が
     しみ込んでまた膨れてと、木造艇は船が粉になるまで際限の無いメンテ
     作業が続くのです、


     
 


       
午後から半日で、右舷側のペンキをチェックしました。


     


      オンコの木の下で日差しは当たりませんが、ペンキを塗る時は枯葉が落ちるので
     工場の中に入れようと思います。仕事のペースが上がるようにBGMはいつもと
     違ってハイテンポのダイアナロスでした。

      
      



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