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情報通信審議会 平成13年2月28日(木)
於・総務省第3特別会議室(6階)


情報通信審議会
情報通信技術分科会 研究開発体制委員会(第2回)
IT競争政策特別部会 国際競争力委員会(第2回)





    

1   開会 2   議事
(1)  専門委員からの発表及び議論
(2)  次回会合開催予定について 3   閉会










午後2時02分開会


1. 開  会

【月尾主査】  それでは、定刻になりましたので、今から、第2回目になりますけれども、ちょっと長いので省略させていただきますが、二つの委員会の合同委員会の第2回を開催させていただきます。

  前回、初回は長尾委員長がされましたが、今回は私のほうで進行させていただきます。
  最初に、資料の確認を事務局からお願いします。

【荻原電気通信技術システム課課長補佐】  それでは、資料の確認をさせていただきます。議事次第に沿いまして、確認させていただきます。まず資料1でございますけれども、横書きの紙でございます。坂村専門委員から提出していただいております。

続きまして、資料2といたしまして「研究体制に関する議論」、西澤専門委員より提出いただいている資料でございます。それから資料3といたしまして「研究開発体制の再構築」、脇専門委員から提出していただいている資料でございます。続きまして、資料4といたしまして「我が国産業技術力の強化に向けて」、カラーの横書きの資料、鳴戸専門委員から提出していただいている資料でございます。

それから1枚ものの資料5といたしまして、次回会合の開催予定、それから参考資料といたしまして、両委員会における議論のポイント、2枚物の縦書き資料でございます。これらを配らせていただいております。ご不足等ございますでしょうか。

【月尾主査】  どうもありがとうございました。

2. 議  題

    (1)  専門委員からの発表及び議論

【月尾主査】  きょう、第2回は4人の専門委員の方々から、前回と同じようにお話をいただくということで、予定としては、お一人25分ずつを考えておりまして、10分から15分お話をいただいて、その残りの時間を議論に当てたいと思います。最初は、早速ですけれども、坂村専門委員からお願いします。

【坂村専門委員】  東京大学の坂村です。私は専門はコンピューターなんですけれども、今から20年ぐらい前から、TRONという日本の独自のコンピュータープロジェクトをやっておりまして、TRONしゃる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、現在TRONは、いろいろなことがあったんですけれども、成功しているプロジェクトだと思います。

今トヨタの自動車のエンジン制御にたくさん使っているんですけれども、セドリックとかセルシオというような車に使っているものは全部TRONのマイクロチップとか仕様のOSが使われています。あと、携帯電話にたくさん使われていまして、これもかなり日本型モデルにはなると思うんですけれども、こういうものでは、ドコモの携帯電話の中は100%近く使っています。基本的にはTRON、ITRONというOSです。

それからあと、最近ではDDIとかJフォンもTRONになってきました。あとこういうような、これはソニーのMDディスカムというんですけれども、ビデオカメラ関係とか、この手のデジタルカメラ関係、ファクス、それからこういうコピーの機械の中とかがありまして、最近では米国のリアルタイムのOSの会社が10社ぐらい一挙に参入してきまして、レッドハッドというUNIXの会社もTRONをつくり始めました。もう既に売り出しています。これはATIという、向こうのアクセルテッドテクノロジーというやはり組み込みOSの会社ですが、こういうところから出ています。

あと、IEEEのコンピューターソサエティーから、マイクライトロ3.0の正式な仕様書も出ていまして、世界で1,000社以上が使っています。ここに出ているのは、アメリカでやったときの、アメリカTRON協会というのを最近つくりまして、ヒューレッド・パッカードとか、向こうの会社がみんなそこに入っている。韓国でも、今年になって、TRON協会韓国支部ができたぐらいです。

  どうしてTRONが注目されてきたかというと、大きな二つの流れがあって、パーソナルコンピューターから非PCへということと、クローズドアーキテクチャーからオープンアーキテクチャーへという二つの流れがあると思います。こういうことを前提で、ちょっときょう私があの質問に答えることで、日本のIT競争力に関するどうしたらいいんだということに対してのお話をさせていただきたいと思います。

  実は答えろと言われていた資料7を見ていて、すごく思ったんですけれども、うまくあれに答えられない。何で答えられないかというと、どうも根本的な質問の枠組みからして、疑問を少し感じたんです。何でかというと、強いところを強くして、弱いところを強くすると書いてあるんですね。そうすると、私は非常に疑問に思ったんですけれども、一体何のために勝つのかという哲学というか、何のため勝つのかがわからなかったんですね。

日本でよく言われているのは何のための勝つのかの哲学がないことだと私は思いまして、だから、バブルのときのお金の使い方の愚かさというのは、お金がもうかっても、そのお金をどう投資していいかわからないわけですね。一体最終ゴールは何なんだろうといったときに、では、アメリカみたいに世界でナンバーワンの国になるのか、すべての面にわたってナンバーワンになるのかというと、多分そうではないんですけれども、それが見えないために、よくわからなくなってしまうわけですね。そのゴールについてのコンセンサスが日本全体としてない。

一体何を目指しているのか。なぜオールラウンドで全部金メダルをとらなければいけないのか。強いところを強くして、弱いところを強くするといったら、これは全部金メダルをとれというようなものですね。理想は、では、アメリカなのかということになってくるわけですね。そうなってくると、そもそもアメリカになれるのかということで、アメリカがITに関してうまくいっているからといって、アメリカのやり方の枠組みだけ持ってきて、それが日本で有効に働くのかとか、いろんな疑問が出てくるわけですね。

  私は思っているんですけれども、はっきり言ってしまうと、日本の国民性ということで、最近の研究でこれはわかってきたことで、別にほら話ではないんですけれども、遺伝子レベルで性質が、要するに欧米人と日本人が違うということがわかってきたんですね。日本人の全員がそうではないんだけれども、多数がセレトニンの分泌が少ない遺伝子型で、アメリカ人は逆なんですよ。

これはどうなるかというと、不安を非常に強く感じる国民なんです、日本人というのは。これはストレスに弱いんです。最近、私も医科の研究の人と一緒にいろんな仕事をしているので、こういう話を聞くので、遺伝子関係の人に聞くのでも、生まれたときからそうなっていると言われると、ああ、そうかなと思ってしまうんです。

  大体私が最近出している結論は、日本で個人をというのは無理ですね、こういうような遺伝子からそうなってくると。日本というのは個人自体が基本的にベンチャラスではないんですね。アメリカというのは、ぺリグリム・ファザースといってメイフラワーで渡ってきたあたりから、ベンチャーの子孫としてできた国ですから、大体さっきも言いましたけれども、遺伝子的にベンチャラスな個人が多い国で、制度もシステムもそれを前提に組まれていて、うまく機能しているわけです。

日本でももちろんベンチャラスな個人がいないわけではないんですけれども、日本のシステムの中ではそういう人というのは異端なんですね。学歴が伴わないというようなことがあったり、能力があるけれども学歴がない人間が活躍する場はもちろんあるんですよ、ゲーム業界みたいなものが。しかし、コンピューターの基本部分の会社などは、やはり高レベルの教育を受けている必要があるということで、なかなかうまくいかない。

だから、そういうふうに考えてくると、日本のビル・ゲイツなんというのはとっても無理だということがわかるわけですね。そういうのは無理なんです、大体日本で。むしろビル・ゲイツがいないのに、ここまで来れたというほうが大したものだという話ですね。ビル・ゲイツみたいな人がいないのに、ここまでやってきているんです、日本というのは。今の日本のレベルというのにも来られてない国というのが世界の大部分の国ですから、ビル・ゲイツがいないのに、結構頑張っているんですね。資源も、国土も、人口も、すべてアメリカの何分の一でありながら、ここまで来たのは、アメリカモデルでない、多分成功した理由というのは、日本モデルというのがあったからだと私は信じています。

  どういうことか、もう一つ、その話を進める前に、個人の志の問題というのが僕はあると思うんですね。要するにベンチャラスな個人を基本とするアメリカモデルを日本の研究に持ち込んでも、具体的にどうなってしまうかというと、義務のない研究資金を与えれば、成果がいいかげんなんです、日本だと。厳しいデューティのある資金だと、ビビってみんながもらわないとなるんですね。だから、どうやってもだめなんです、多分日本では。ベンチャラスな研究をして、当たれば事業や特許で大もうけという考え方も、真っ当で有能な人はしないです。

そういうことになると、多分真っ当な人はしないで、やっぱり怪しげな人が出てくるんです。逆にそういう考えをする人間の多くというのは、技術がなくて、ビットバレーの山師みたいな人がたくさん出てきてしまって、結局だめだと。要するにマーケティング立国というのは無理です。ITはやはり技術が基本。アメリカでもマーケティングだけのドットコムカンパニーはつぶれたということから考えると、何かもっと別のこういうような性格から考えて、戦略を練り直さないとだめなのではないかと私は思います。

  結局答えとしては、西洋のまねには限界がある。要するに日本モデルとはどういうものかというのをもっと研究して、それを時代に合わせるように考えないと、絶対うまくいかないのではないかと私は思っています。そもそも日本人に合わないアメリカモデルに無理に自分を合わせても、うまくいくわけはないわけで、西洋のまねをして、同じ方法論で無理して対抗しようとした結果が敗戦だったとも言えるわけですから、わざわざ自分に合わないグローバルスタンダードなどという土俵に連れ込まれるのは、その時点で、相手のグランドデザインにもう負けているということだと私は思うんですね。まず、とにかく出発点は、日本に対するリアルな認識から出発しないと、全部、どんなものも空論になると私は思います。

  弱い分野と強い分野の違いなんですけれども、よく見てみると、日本で国際レベルで成功している業界というのは、ブラックボックスがないんですよ。例えば携帯電話もそうですね。この携帯電話というのは、さっきも言いましたように、TRONを使って、結構独壇場で、私のテクノロジーをたくさん使っているんですけれども、中に使っているさっきの三菱のM32というイシ、あれもTRONチップの原型から出発したイシですから、全部中はわかっているんですよ。回路もわかっているし、OSもわかっているんですね。だから、結局これは全部わかっているから、どんどん小さくなって、どんどんよくなるんですね。

  何でパソコンがだめになったのかというと、ちょっとこういうことを言うと衝撃があるかもしれないんだけれども、次のスライドに出てくるんですが、パソコンというのがだめなのはブラックボックスなんですよ。要するにインテルのイシもブラックボックスだし、OSもブラックボックスなんですね。

そうなってくると、アプリとの互換性の縛りというのが出てきて、まねから始めて改善を繰り返し、独自に至る今までの日本式がうまく働かなくなるんです。当然です、ブラックボックスがありますから。日本モデルというのは何なのというのは、やっぱり中がわかって、改善して、改良していくというのが日本モデルなんですね。これは、僕は日本の弱さを分析した、アメリカの非常に見事な戦略にひっかかってしまったのではないかと思います。

  これはルーツはどこにあるのかというと、おそらくIBMのスパイ事件だと僕は思います。これがターニングポイントで、これはアメリカの全く見事な戦略で、日本に対する最良策だったんですね、このIBMのスパイ事件というのは。これはどういうことかというと、日本は、最初はまねでも、そこから始めて、改善の積み重ねで、本家をしのぐぐらいの力を持つような国民性があるんですね。

さっき言った遺伝子に多分入っているんだと思うんだけれども、要するに自動車もそうだし、VTRも、一番最初につくったのは日本人ではないですよ。自動車だってそうだし、VTRだって、最初に日本の会社がつくったわけではないですね。だけれども、今世界でVTRをつくっている国なんて、もう日本ぐらいしかなくなってしまったぐらい、圧倒的に強くなってしまったわけですね。

  そうなると、多分僕がアメリカの政府にいたら、日本人をやっつけるのだったら、どういうふうに戦略を立てるかといったら、最初の段階でブラックボックスを押しつけて、改善する余地を与えないというふうにしてしまうしかないんですね、それをやるのだったら。だから、多分コンピューターはそういう戦略でやって、一番日本人がショックだったのは、やっぱり手錠をかけられたサラリーマンを見たとき、組織の中に逃げられない個人を意識させられたということで、団体では強くても、個人は非常に弱い日本というイメージになって、頑張る個人をめげさせたことだけは間違いない。

それ以来、日本の関連業界というのは、アメリカもののブラックボックス的にどんどん走っていくんですね。これは日本のコンピューターメーカーはみんなそうですけれども、もう懲りたというか、ちょっと勘弁してくれという感じになって、結局どうしたかというと、パソコンも全部アメリカのものを買って、インテルのイシにして、しかも中の、今アメリカなんかだと、インテルのコンパチのイシをつくるというのは非常にたくさんビジネスになっているんですけれども、もう二度とコンパチをやらないぞという感じになって、だから、中をまねすることはやらなくなってしまったわけですね。OSだって、もちろんマイクロソフトのをそのまま無条件で買ってくるということをやり始めたわけですね。

  それまで何をやっていたかといったら、Mシリーズにしろ、日本のコンピューターメーカーは、IBMをコンパチとは言っていたけれども、中身のOSは自分でつくろうとしていたわけですし、当然のことながら、CPUも自分でやっていたわけですね。そういうのも一切放棄し始めたわけですね。多分ここからではないかと思うんですね。

要するにまねから始めての改善は手錠がかかるという不安があるし、といって、ゼロから始めるのも不安で、それで、ブラックボックスで、みんな横並びで導入が一番安心ということになったら、もうやめようという話になるしかない。多分これが非常にコンピューターがだめになってしまった原因だと思うんですね。

  日本で独自技術がうまくいったモデルというのは、例えばホンダのアシモとかトヨタのプリウスというのがあるんです。こういうものを分析すると、大きな組織の中のサブグループでのチームワークによる独創性であって、だれか個人が、アシモをつくった個人がすごくいいという名前が出てくるわけではないんですね。それからトヨタのプリウスもそうで、プリウスをつくった人の名前が出てくるわけではないんですね。だけれども、もちろん中心になってやっている人はいるんですよ。

  要するに、何かというと、大きな組織の中で、サブグルーブでのチームワークによる独創性というのはあるのであって、個人のスターではなくて、団体としてのインセンティブと団体としての安心感、それからまねをしないという哲学の確立と、メンバーでそれを共有する。技術面のリーダーはいなくても、哲学が根づいていれば、チームで独創性を発揮できるといういい例だと私は思います。

  具体的提言として、産業界でどういうふうにしなければいけないかというと、やっぱり得意のモデルに持ち込まないと、日本は勝てない。これは何かというと、日本型社内ベンチャーシステムの確立とユニークを重視する評価システムにいかなければいけない。そういう意味でいくと、きょう最初のほうにご紹介しましたように、非PC化ですね。

パーソナルコンピューターはもう負けてしまっていますから、パソコンではないところで、要するに今どんどんクライアントを、ブラウザー機能の専門家によるITの家電化、要するにインフォメーション・アプライアンシスとかインターネット・アプライアンシスというものがどんどん今世界的にも注目されていますので、やっぱり携帯とかモバイル端末主体から展開する日本型ITモデルというのを日本では継続させるべきだと思います。ですから、携帯電話はもっともっとやるべきだと思います。

  それからあと、リッチコンテンツで、PC、ブロードバンド主体のアメリカ型ITモデルについては慎重に取り組む必要があって、もうだめなところは100%買ってしまうぐらいのことをしたほうが、メリハリをつけたほうがいい。

  それから、アプリケーション互換性の制限がないことを前提に、ブラックボックスでないOSをやっぱり維持するべきであって、エポックとかパームなんてやっていたのでは、全く同じモデルになって、負けると思います。ですから、やっぱりここはTRONを使うしかない、私が言うと、何となくあれになるんだけれども。あと、サーバでのアプリ展開は、例えばリナックスなどオープンなものを使うべきだと私は思います。

  それからあと、大学はどうするかということなんですけれども、ベンチャラスな人を含めての社会人の再教育枠というのを充実する必要があるだろう。日本では、少ないにしても、いないわけではなくて、ベンチャー型の人間を、増やすことはしなくても、せめてつぶさないように意識改革をする必要があるでしょう。

  それと、大学教師の評価をしなければいけないですね。これは私も非常に大学にいて思うんですけれども、日本では一度教授になると、評価を受けないでいいという「あがり」の地位に安住してしまう傾向があって、日本の大学で悪いのはやっぱり教授ですね。

今の教授制度は、そういう意味で言ったら、私も教授ですから思うんだけれども、やっぱり悪いと思う。まだしも日本では企業のほうが評価もインセンティブもはっきりしているんですね。ですから、日本の大学では、教授というのはタコつぼになってしまいますから、チームで成果を上げるような組織も指示系統も働かないことが多くて、要するに予算とか人事権があるような会社的な組織をある程度導入しないと、難しいのではないか。でなかったら、大学に求めるものを別のものにしなければいけないと思います。

  では、評価システムをどうつくればいいかとなると、これが難しくて、そう簡単にいかないんですね。だって、そうすると、論文だけ多ければいいみたいになってしまうような、何か変な制度になってしまうことがあって、なかなか難しいですね。だから、やっぱり哲学がないといけない。

  官はどうすればいいかというんですけれども、基本的には、あまり細かく口は出さないほうがいいと思うんですね。だけれども、基本の基本というのは国がやるべきで、例えば私は最近思っているんですけれども、漢字の文字コードの問題とか、イネーブルウェアというのは障害者対応みたいなことなんですけれども、こういうものは国がやるべきだと思いまして、研究事業評価システムというのを率先して確立しなければいけない。ほんとうだったら、こういうのは銀行がやるべきことだったんでしょうけれども、今まではちょっとできなかった。要するにチームによる日本型投資判断システムというのをつくる必要があると思います。

  それからもう一つ、最後にこれは重要なことなんですけれども、マイクロソフト離れの意識的促進というのはもうやらないと、日本のソフトはよくならないです。私は思うんですけれども、今日本の独自のワープロをつくっていた、四国にあるジャストシステムなんかは、もう倒産に近くなったりして、ソニーの援助を受けて、もうあれになっている理由というのは、大体どうしてそういうことになってしまうかといったら、マイクロソフトは全部ブラックボックスで、ワードの文書フォーマットすら公開していませんからね。

ですから、もうそれであきれてしまうのは、日本の総務省とか通産省までがどういうことを言うかといったら、文書はワードのファイルで下さいなんて言っていて、それで独創的なソフト会社をなんて、よくも、ちゃんちゃらおかしいねという感じで、何を言っているんだという感じですね。

だから、そういうようなことで、国策として必要なら、具体的な民間企業相手の攻撃も、アメリカならやりますよ。アメリカはそういうことをやりますから。国の策として必要だったら、特定民間企業を攻撃しますから、アメリカは。そういうことを日本はどうしてやらないんだということですね。だったら、少なくとも標準文書で出せといったときは、XMLにしろとか、少なくともワードの添付ファイルなどというばかなことをやっているようで、ちゃんちゃらおかしいという感じがします。

  それと、ルールとして法律でやるべきこととして、インフラ整備のために法律を制定する必要があって、普及のために、法律とかガイドラインに準拠した製品をまず政府が率先購入すべきなんですね。例えば米国のリハビリテーション508条とか、テレビデコーダ回路法といって、例えば13インチ以上テレビ全部にクローズドキャプションをつけろという法律というのは、まず政府が率先して買うんですね。

それと、全員にやらせるようにして、放送局までにちゃんとプログラムを提供しろというのはもう今年からやるわけですね。それをやることによって、聴覚障害の人と高齢者のために、クローズドキャプションをつけるテレビが、原価でもってたった1,000円以下のコストでできる。

それを、日本だとそういうことをやらないから、5万円もオプションで出すとか、10万円ぐらい出さなければいけない。しかも、そのデコーダをつけたからといって、放送局がそういうクローズキャプションのあれを出してくれるわけではないんですね。だから、そういう矛盾があります。ADAもそうだと思います。ほかにも、グリーンコンピューター法とか、いろんなものがあります。

  自分のことを言うのもあれなので、ちょっと関係する分野のことで、ITRONはうまくいっているということを、日本的モデルでやったということで、25分でやめろと言われたので、今15分なので、やめさせていただきます。

【月尾主査】  ありがとうございました。

  では、今からあの時計で2時半まで、いろいろご意見をいただきたいと思います。坂村先生は日本人的ではなくて、セレトニンの分泌が異常に強そうだから、大変説得力があって結構ですけれども、どうぞ。

  よく言われるんですけれども、評価というのは結局人間がやるということになりますね。単に論文の数だけという定量的にやれば別だけれども、そうすると、その評価する人も同じような日本的タイプだと、その評価が結局ネックになるのではないかと思うんですけれども、そこはどうすればいいんですかね。

【坂村専門委員】  だから、評価をする前に、まずモデルができないと、評価ができないと思うんですよ。さっき言ったように、ゴールとモデルがわかれば、評価の仕方もわかると思うんですね。ですから、そこは一番時間がかかると思いますよ。評価するのは非常に大変だと思います。おっしゃるとおりだと思います。評価は大変だとは思っています。私もほんとうにどうやって評価したらいいかというのはよくわからないんです、今の段階では。

【原島主査代理】  評価というのは、基本的には通信簿をつけることではなくて、僕は流動性だと思うんですね。優秀な人はどんどんいろいろ移っていく。それから、ある面ではだめでも、別の面ではいいという人がいるわけですから、それぞれの個性に応じたところで伸びていくというのが重要なので、大学という非常に閉じたところで、あなたはいい、あなたは悪いと言っても、それは何もならない。

ある面でいい人はそこで伸びていくし、別の面でいい人はまた別のところで伸びていくというようなシステムをつくるということなのではないかと思うんです。それが今なかなか大学にはない。企業から大学のほうに来るというケースは非常に多いんだけれども、大学から企業へというのは、審議会委員のある特別な方を除くと、ほとんどいないですね。というようなのをこれからどうしていくかということのほうがわかりやすいのではないかという気がするんですね。

【畚野専門委員】  日本で今評価というと、だめなやつをはじき出すという感じがするんですね。これは違うので、いいやつが得をするような評価システムでないとまずいと思うんです。そうでないと、いいやつは来なくなりますよ、そんなところへだれも。そこのところが根本的に違うような気がするんですね。

【村山専門委員】  最初に言われました日本は何のために勝つのか、僕は非常に重要な問題だと思いまして、というのは、今の技術開発を見ていますと、以前の理念レベルの強さがないと思うんですね。以前はともかく追いついて、それである分野で、得意なところは少し先に行く、その熱意で結構上に行ったという部分があるんですけれども、今見ていますと、こういう一体何のためにやるのかというほんとうに基本的な部分がわからないんですね。このあたり、坂村先生の結論としては、何のためなんでしょうか、日本の場合は。

【坂村専門委員】  何のためと言ったときに、僕は、間違いなく日本は今世界第2の経済大国になってきていますし、お金のためとかということでは、もうみんな満足していないと思うんですね。というか、そもそも個人で考えても、これ以上お金なんてもう要らないと思っている人は結構多いですし、だから、今のITブームで僕は非常に問題があると思うのは、ITになったからといって、洋服を2倍買うわけではないし、食べ物を2倍食べるわけではないし、さらに住宅をよくしようと思う人も少ないですね。まあいいかと思っている人が多いわけですね。そうなってくると、やっぱり最後、もうちょっと文化とか、尊厳とか、感謝されるとか、もう1ランク日本人が今レベルが一段上がるときに来ているのではないかと思うんですよ。

  それは、私も欧米に少し、そんな住んでいたほどはいませんけれども、結構いろんなところに行ったり、長く向こうにいたこともあるので、そういうことからちょっと思うと、例えばボランティアなんかをする場合に、ほんとうにやっている人がいるんですね。そういう人は日本では少ないですね。リタイアした後、ボランティアをしよう人というのはやっぱりまだ少ないのではないでしょうかね、日本なんかだと。

だから、そういう形態に来て、向こうの博物館、美術館に行っても、かなりの名を遂げたみたいな人が、そこで、自分の専門だったからということで、解説をしている人がいたり、ほんとうに最後の私財をそういうのになげうつような人もいて、結局最後そういう個人が育つというのは、個人のお金のファンドみたいなものでなってくるということがあるんですよ。そういうことが日本はやっぱり少ない。最後はすごい名画を買って、棺おけへ入れてくれみたいな、燃やしてくださいなんてばかなことを言うような人が、だから、お金の使い方が品性悪いというか、何かそういう感じですね。

  ですから、もう金のためだけということをやっていたのではだめだと思うし、最初にも言いましたけれども、よくいまだに何を言っているのという感じなのは、バブルがはじけてから、アメリカに追いつけ追い越せとか、日本のITでもすごく嫌だと思うのは、ビル・ゲイツを探せとか、それからあと、5年間でブロードバンドをやって、アメリカに追いつけ追い越せって、何を言っているのという感じで、もうそんな時代はとっくに終わっているんですね、アメリカに追いつけ追い越せなんというのは。

第一アメリカなんかに追いつけるわけないじゃないですか。大体国土が25倍もあって、国民は2倍いて、地下を掘れば石油がたくさんあるのに、中近東から一番石油を買っているような国、どうしてそんなところと日本が戦えるのかもわからないし、勝てるのかもわからないし、追いつくこともできなければ、超すこともできないですね。そういうことをやっぱり思います。

  ですから、根本的にアメリカモデルというはもうやめない限りだめだ。そうなると、アジアの中の日本ということをもっと強く打ち出して、アジアの中でどういう貢献ができるのかとか、それはアメリカ人とけんかしろというのではなくて、けんかなんかしたら、得することは何もないから、仲よくするしかないと思うんだけれども、それはやっぱりもっと独自の道を行くということをしないと、もう来るところまで来ちゃっているのではないですかね。絶対勝てないと思うよ、アメリカと同じことをやっても。だから、僕は、ある意味でいくと、極端なことを言うと、ブロードバンドなんてやっても、もうだめ。その以前にやることがもっとほかにあるのではないかと思うんです。

【村山専門委員】  私もアメリカ型はだめだということを言っていまして、ところが、どういう日本型かというのがはっきり見えてこないんですね。

【坂村専門委員】  だから、そこをもうちょっとたくさん研究すべきじゃないかと言っているんです。まず日本型ということを勉強するべきだ。

【村山専門委員】  そのヒントが、さっき言われたプレゼンテーションにかなりあったと思うんですね。例えば団体の中でいかに競争を入れるかとか、その中のサティスファクションというか、満足度をどういうふうにして高めるかとか、そのあたりに何か秘密があるような感じがするんですね。

【坂村専門委員】  だって、生物学的に、遺伝子の研究をしている人が言っていますけれども、絶対だめだというんです。セレトニンが少ないんだからって。だから、耐えられないんですよ、もう、個人でもって頑張って、何かやっていこうというあれに、おそらく。

【西澤専門委員】  基本的に日本型とかアメリカ型で、どっちかが常に一方的に勝つといいますか、優位に立つということではなくて、やはりこれは繰り返しがあるのではないかと思うんですね。例えば製造分野における品質管理といいますか、そういう面でも、日本はアメリカに学んで、日本としての高い品質評価のシステムというのをつくったわけですね。

これは一面においては日本型だけれども、それを見て、今度はアメリカが、さらにそれを改善した形で、シックスシグマというようなもので巻き返してきたということで、私はどれかが常に一方的に勝つのではなくて、お互いに学ぶといいますか、アンバランスになったところで、自分たちのやり方を改善して、克服していくというか、そういう一つのサイクルは当然あって、それが自然ではないかと思うわけです。

  ですから、日本がそういう意味でちょっと不利な状況になったとき、いかにそれを回復するか、そこに力を注ぐといいますか、そういうことで考えていくのがいいのではないかと私は思っているんです。

【葉原専門委員】  日本は金持ちになったとおっしゃいましたけれども、確かに戦後努力して、知らぬ間にというか、営々と続けてきたのでしょうけれども、金持ちになったからといって、すぐにまた貧乏にならないという保証はないんですよ。将来どういうことが起こるかわからない。そういうときに、どういうことが起こっても耐えられるような、セレトニンか何か知らんけれども、なくても耐えられるようなシステムというか、対策をつくっていくというのが、僕は基本的な目標だと思うんですね。

【月尾主査】  それでは、大変おもしろいので、議論はしたいんですが、ありがとうございました。きょう、時間の都合がありますので。

  それでは、次に、西澤専門委員にお願いします。

【西澤専門委員】  皆さんのお手元に紙のコピーの形で用意しておりますけれども、資料2であります。「研究体制に関する議論」ということで、きょうお話をさせていただきたいと思います。

  まず、この委員会の中では、「我が国」の技術力とか国際競争力というような言い回しがあるわけですけれども、現在のグローバル時代において、この委員会における議論としては、「我が国」とはどう言う意味かということをちょっと考えたわけです。

  例えば我が国のグローバル企業の多くは、国内だけではなくて、外国にも研究所を持って、活発な研究開発活動を行っているわけです。あるいは外国の大学とか研究機関において、多くの日本人が研究活動に携わり、すばらしい成果も上げている。こういうことはこの委員会での「我が国」の技術力や国際競争力という面で、どういうふうに議論すべきか一つあるわけであります。

  一方、日本の大学や国の研究機関はその主たる拠点を日本だけに置いて活動を行っている、これが現実の姿であるわけですね。しかし、一方で、外国のグローバル企業が日本の企業とは逆に、日本にも研究開発拠点を持って、活発な活動を行っている。それからもちろん大学や国の研究所等で研究開発に従事する外国人の数も徐々に増えている。そういう状況になっている中で、この委員会での議論というのは、資料2の5項目のうちのおそらく3項、4項、5項のところの議論がメーンではないかなと思うわけであります。

  そういう観点で、この委員会での議論ということを考えた場合に、地理的な意味で、日本に拠点を構える大学とか国、企業の研究機関がいかに活発な活動をするのか、そのためにどういうことをしたらいいのかという観点で考えたらいいのではないかと思うわけです。

  この場合、それでは、地理的な意味で、日本に拠点を構えるという面で、あまりこの委員会で議論になっていない部分で、やはり私は我々のディスカッションとしてカバーすべきこととして、このページの下に書いてあるようなことを掲げてみたわけであります。すなわち、単に日本の大学、国の研究機関あるいは日本の企業だけではなくて、もっともっと外国の企業が日本に研究所を設置する、あるいは企業の研究所だけではなくて、外国の大学あるいは外国の国立等の研究機関がそのブランチを日本に置く、そういうふうにもっともっとするということも、我が国の技術力や国際競争力という面で重要なことではないか、そのためにどういう環境の整備等をしたらいいのかということもやはり大事なことではないかと考える次第です。

  それから、やはりそれに関連して、日本人だけが研究開発活動をするということではなくて、大学あるいは国の研究所などで働く外国人の研究者の数をもっともっと多くするための方策ということも考えなければならないと思います。もちろんいわゆる研究者の供給源といいますか、次に研究者として活躍する学生、その中でも特に外国人の学生に日本を留学先として選んでもらうためにどんな手を打てばいいのか、こういうようなことがこの議論としても大事ではないかと考えます。

  先ほど来、アメリカ型とかアメリカのやり方という議論もあったわけでありますけれども、アメリカが強いというのは、やはりここに掲げたような点で、アメリカは日本よりずっと進んでいるといいますか、オープンな形で受け入れている、それが一つの大きな活力になっている。そういう点について、どうしたら日本の状況を改善できるのかということは、十分検討すべきことではないかと思います。

  資料の2項のほうにいきますけれども、それでは、日本に先端分野に関する外国の企業の研究所がもっともっと進出してくるような環境整備ということについては、これは当たり前のことですけれども、日本において、まず大学あるいは国、企業の研究所がたくさんあり、そこで高いレベルの研究、活発な研究交流がある、そういう形にしないと、外からも来てくれないわけですし、それから、進出した研究所等がいかに研究者を確保するかという面での、研究者の数を増やす、あるいは流動性を高めるということについて、もっと改善していかなければならないと思います。

  それからもちろんインフラの整備あるいはインセンティブという問題があるわけでありまして、このインセンティブにつきましても、それぞれの国がいろんな手を打っているわけでありますけれども、地理的な意味での日本にもっと外国からも来てもらうためには、こういう面での配慮も必要ではないかと思います。そういう観点で見ますと、例えば横須賀のリサーチパークは、移動通信という面で世界の研究センターになっているのではないかと思うわけです。このような形をほかの分野についてもつくる努力をすることも必要ではないかと思います。

  次に、日本の大学あるいは国の研究所、企業の研究所も含まれるわけですけれども、そこで働く外国人研究者の数を多くするためには、より開かれた大学とかより開かれた国の研究所にする必要があろうかと思います。それと同時に、研究者の流動性あるいは業績評価をきちんとしていくということの大事です。

  それから、やはりそこに来てもらうという意味では、それぞれの大学、研究所あるいは企業の研究所が、いかにその魅力を高めるかということが必要なわけです。もちろんこれらのことは当たり前のことではあるわけですけれども、やはりこういうところが基本的には大事ではないかと思います。

  4番目の問題は、多くの優秀な外国人学生が日本を留学先として選ぶというように持っていくべきだということです。諸外国からの留学生はどこに行くかといいますと、残念ながら、やはりアメリカが中心になっているわけです。その状況をいかに変えていくか、もっともっと日本に留学生が来てくれるような状況をつくっていくことが大切です。そのためには、いかに魅力を高めるか、あるいは留学生にもっと開かれた形の大学にしていく必要があります。奨学金制度の充実もあると思います。

  それから、卒業後の日本における研究への従事に対する多様な選択肢を用意するということも大事でありますし、その多様な選択肢の中に魅力のある国の研究所、企業の研究所、もちろん大学もあるわけです。

  そういう意味で、外国からの日本へのいろんな形での進出をいかに高めるかということが、日本における活発な研究活動あるいは技術力、国際競争力を高めるという意味で大事ではないかと思うわけであります。

  次に、ちょっと論点が変わるわけですけれども、国が行う研究開発の体制整備ということに関しまして、二つほど私の考えを述べてみたいと思います。

  一つは、よその国で行われている研究の現状について、国として定期的、組織的な研究、調査をする必要があるのではないかということであります。 我が国の場合、個々の企業、国の研究所あるいは大学などによる調査は非常に頻繁に行われているのではないかと思いますけれども、いわゆる国が専門家を動員して、組織的かつ定期的に行なう調査活動につきましては、残念ながら、ほとんどないのではないかと思います。

  アメリカの例でありますけれども、いろんなモデルをそのまままねするということがいいというわけではありませんけれども、一つの例として、アメリカでは、例えばWTECというような機関、これはある大学の中の一つの組織でありますけれども、ここがNSFの委託を受けて、調査活動をやっている。

おそらくここにいらっしゃる皆さんの中でも、このWTECからの訪問を受けた方もおられるのではないかと思うんですけれども、この調査は1993年につくられましたGPRA(The Government Performance and Results Act of 1993)という法律に基づいているものだということであります。資料の4ページ目に、WTECの概要ということで、この組織のある大学のホームページから、このWTECというのはどういうものかということを説明したものをつけてありますけれども、4ページの真ん中あたりに、先ほどの坂村先生の問題提起と似たようなことが書いてあります。

アメリカは自分たちの目標、ゴールを、ワールドリーダーシップをきちんと維持することである、そういうふうに位置づけているわけですね。それで、1993年のGPRAという法律は、それがほんとうにうまくいっているのかどうかということをきちんと調べなさいということを規定しているわけですね。私自身、このGPRAについて詳しく調べたというわけではありませんけれども、まさにきちっと目標を掲げている。

この目標がアメリカの場合にはワールドリーダーシップという目標であるわけですけれども、それでは日本の場合どういう目標を掲げるかということは議論しなければいかんことですけれども、こういう目標を掲げ、それがきちんといっているかどうかを調べるということを法律で決めてやっている。その活動がこのWTECであるということですね。先ほどの坂村先生のお話のように個人が強くないわが国においては、いかに組織として、きちんとこういうことをやるかという面で、十分参考にすべきことではないかと思うわけです。

  ちなみにこのWTECの前身はJTEC、ジャパニーズ・テクノロジー・エバリュエーション・センターで、まさに日本をターゲットにして、日本の技術力の評価をして、アメリカの技術力をアップしようという目的でつくられたものであるわけですね。その後、それがヨーロッパ等を含めた世界の技術評価というふうになったわけですけれども、私はこれは非常にいい一つのやり方のモデルではないかと思います。

  この調査は、ある特定の分野について、例えば最近ではナノテクノロジーとかいろんなことがあるわけですけれども、一つのチームを6名ぐらいのいろんな経歴を持った専門家で構成して、例えば日本の技術について言えば、日本に来て、大学あるいは国や企業の研究所を訪問して、ディスカッションして、その結果をレポートするというようなことであります。

国の予算を使って調査をやっているということで、国としてどういう戦略をとるべきかということについては、公表レポート以外にも、いろんなことが政府に対して勧告されているようであります。いずれにしましても、わが国でもこのようなやり方でもって、いろんな国の研究開発の状況について調べ、それに基づき、我が国の研究開発体制、戦略あるいは研究分野について、勧告のようなものを出していくということは、非常に重要なことではないかと思います。

  2点目は、先ほども出てきましたけれども、アジアとの研究の連携、交流の促進ということがやはり大事ではないかと思います。アメリカは自国の研究所だけでなくて、世界中から研究所が集まって、一国だけで高度な研究開発の実施が可能な国であるわけです。一方、ヨーロッパは、EUによりまして国の壁がなくなって、各国の研究者が連携して研究を実施している。その効果は今後非常に明白に出てくるのではないかと私は思うわけです。

こういう状況の中で、我が国が単独で研究開発をするということではなくて、やはりアジア諸国との研究における連携を深めるということが急務ではないかと考えます。 アメリカ、ヨーロッパと別に悪い意味で戦おうということではなくて、もちろん連携が必要なわけですけれども、アジアとのいろんなレベルの学会活動を含めて、多様な連携、交流プログラムについて日本がイニシアチブをとっていく必要があるのではないかと思います。


  最後に、標準化活動の強化ということでありますけれども、標準化にはデジュリとデファクトのスタンダードがあるわけですけれども、標準化はある意味で言えば、枠組みつくりであり、ヨーロッパやアメリカが路線を引いてきたわけですけれども、やはり、この標準化に我が国はもっともっとかかわっていく必要があると思うわけです。

  ただ、最近では、景気が厳しくなるという中で、企業が標準化活動に参加するということが、どちらかと言えば減少してきている状況があると思うわけです。けれども、NTTが果たしてきた標準化活動の実績というのは非常に大きいわけです。今後のNTTの研究開発について、この委員会でもいろいろご意見が出されているわけですけれども、標準化活動にNTTが果たしてきた大きな役割というものを今後どういう形で、国全体として見たとき、維持発展させていくかということも、大事なポイントではないかと思います。

  今までのところで見ますと、通信とか放送分野において、これまで標準化について、具体的なレベルにおいては、大学及び企業研究機関というのは、NTTやNHKが果たしてきたような役割に比べると、必ずしも大きくはないわけでありまして、今後やはりそのあたりを十分維持発展させていく必要があると同時に、やはりここにおいてもアジア諸国との連携の強化ということも非常に大きな課題ではないかと思います。

  以上、特に日本だけで何かということではなくて、連携した形で研究開発をより盛んにし、活発にして、日本というこの地をグローバルで見た研究開発のセンターといいますか、そういうところにしていくという観点で、幾つかのことについてご報告しました。以上です。

【月尾主査】  ありがとうございました。では、残り少なくなりましたが、55分まで、5分ほどですが、ご議論いただきたいと思います。どうぞ。

【畚野専門委員】  リーダーシップというのは、アメリカはどこでも言うんですね。例えば宇宙でも、NASAに何であれだけたくさん金をつぎ込むかといったら、宇宙でのリーダーシップを確保する、これだけで議会が通るわけですよ。日本はそうはいかんだろうと思うんですね。この前、私は人種差別と言ってしまったから、冗談みたいに笑いで終わってしまったんですけれども、日本がグローバルスタンダードをやろうとしたら、感情的な反発があるわけです。これはハイビジョンでもおわかりだろうし、TRONもそうだと思うんですね。

  そういう中で日本はどうしていくかというのは、先ほどの坂村先生のあれと同じだと思うんですけれども、私が先ほどちょっと言ったように、どんなことが起こっても、対等にコミットできるような力を養っていく。そのために国が何をやるか、国は何をやってはいかんかというのを具体的に考えていかなければいかんのではないかという気がしますね。

【寺島専門委員】  2点だけちょっと。

  最近ちょっとわかってきたことがあるんですけれども、僕のところの小さな研究所でバイオセンターというのをつくって、1人研究員を募集したら、コーネル大学を出て、日本人なんですけれども、理化学研とかいろんなところから引きのある人が、ぜひ就職したいと、何十人も応募した中から来たわけですね。それで、わかってきたことというのは、要するにこの国には研究開発組織が非常に多様性が欠けているというか、国の研究機関か大学か、企業のささやかな研究所ぐらいしか、研究者が豊かな人生を設計できるような場というのはないということが非常にわかってきたわけです。

つまり研究開発組織は非常に多様性がない。例えばアメリカの場合には、僕はワシントンが長かったんですけれども、研究開発型企業みたいなもの、特に軍事技術の蓄積の中から、BDMという会社のことを僕はよく例に出すんですけれども、博士号を持った人が従業員の半分ぐらいいるような、研究開発のアンダーテークをやっているような、大変な巨大な組織みたいなものが、四、五年前でも、約百五、六十ありましたね。そういうものが研究開発者という人たちを吸収して、プラットホームになっているんですね。

それがベンチャーキャピタルなんかと連動して、非常にビジネスモデルのエンジニアリングということでワークしている。そういう部分が多様性が非常に限られているという点が、一つのこの国の問題なのではないかということが一つ。

  もう1点は、システム連携なんですけれども、多様性があるだけではなくて、今僕らのところで提携しようとしているのが、スタンフォード大学とベクテルというエンジニアリング会社が組んで、ネクサスという情報ネットワークの仕組みを彼らは立ち上げているんですね。

我々もそのメンバーに入ろうとしているんですけれども、キーワードは、月尾先生の世界ではないですけれども、暗黙知への接近というもので、ビジネスモデルを立ち上げるときに、企業として一番必要のは、紙に書いたペーパーで、専門性の高いレポートを入手することよりも、ビジネスモデルにどうやっていったらいいんだというところがあるんですね。そのあたりが、紙を送ってくるのではなくて、先端的な技術、知識を持った先生とか、そのモデルを立ち上げるために苦労した人だとかを、その会員に入ると、ネクサスという仕組みの中でサポートしてくれるんですね。

情報をマイニングしていく。つまり私が言いたいのは、学と民間企業との連携などにおいても、非常に味わい深いというか、戦略的連携をしているような仕組みをシステムとして立ち上げていっているなということを非常に実感するんですね、最近。そのあたりが僕は我々にとってヒントになるのではないか、こう思っています。

【月尾主査】  もしあれば、もう一人だけ。

【鳴戸専門委員】  西澤さんが言われたことはほんとうで、坂村さんも遺伝子が日本人とちょっと違った遺伝子を持っているんですけれども、こういう経験をこの1カ月にしたんですが、北京に行って、うちの研究所があるんです、中国人の。そこへ行ってみて、いろいろ聞いて、うまくいっている面とうまくいかない面とあるんです。日本に我が社も研究所を持っていて、やはり日本へ連れてこなければだめだと。日本の研究というのは、日本人でやっていたのではだめだと思う。多民族でいろいろ頭脳を集めてやらないと、日本国の研究というのは、ちょっとうまくいかないなと思っています。

  この間、言語、言語と言ったんですけれども、言語のことで、今度東大の大学院の学生を2人面接して、1人は中国人ですけれども、高校のときぐらいから来て、もう自由ですね。やっぱり言語より頭脳のほうが先だ。これから頭脳をもっともっと買わなければいけない、ロシアからも、どこからも。みんな頭脳を持ってきて、そういう人たちが一緒に日本の中で研究できるような、そういう環境をつくらないと、もう日本の技術というのは伸びない。

  けさも、午前中ずっと、通信の四世代の次の世代まで、いろいろうちの連中の意見を聞いていましたけれども、いいものを持っています。いいものを持っているけれども、もう日本人の中の採用では数が足りない。スタンダード、標準化もそうです。日本の主張というのを、日本人が行って、じっと黙って聞いているとか、ちょこちょこと言うとか、そんなのではだめだと思う。

違った遺伝子を持った人がたくさん来て、日本の主張をしないと、日本の標準化なんか進まない。ですから、もっともっと多民族に技術の分だけしていく。そういう意味では、テクノ移民をやらなければだめだ。すぐやらなければだめだ。日本の国籍を取らせて、日本でほんとうにやりがいがあるようにしてやらないと、うまくいかないと思います。

【月尾主査】  ありがとうございました。

  それでは、時間の関係であれですが、ちょっと1点だけ。一度、科学技術庁がこのWTECに相当することをやって、こんな厚いレポートは出ているんですね。日本、ヨーロッパ、アメリカのあらゆる分野の科学技術の水準をはかったということがあって、ああいうことを定期的にやれば、これに近いこと。

  それから、今の多民族的なことは、立命館大学のアジアパシフィックセンター、寺島さんも推薦人になっておられますけれども、あそこはそういうことをやろうとしているんですね。社会科学ですけれども、そういう芽は少しずつ出てきたということです。
  では、どうもありがとうございました。

  次に、脇先生、よろしくお願いします。

【脇専門委員】  東京電機大学の脇でございます。お手元の資料をもとにお話しさせていただきます。ご質問の答えというのは、ほかの先生方のお答えとほとんど同じになってしまいますので、私は米国の研究の体制ということでお話しさせていただきたいと思います。それから私の考えを述べさせていただきます。

  80年代の米国を考えますと、日本脅威論が全盛でございまして、『ロボコップ』というような映画を見ますと、日本企業がデトロイトを買収する。アメリカは日本の挑戦を受けていて、非常に危険な状態にあって、対日戦略を練ることが問題になっておりました。米国の技術的な優位を確保するために、スーパーコンピューターを使って難問を解こう、それによってリードをとるんだということで、スーパーコンピューターのことを高性能コンピューター、英語ではハイパフォーマンス・コンピューティングとかコンピューターと言っております。

  そこで取り上げられた問題というのはどういうものがあったかと申しますと、次のページに書いてございますが、グランドチャレンジ・プロブレムという合衆国法典の81章の5,501節というところに書いてございますが、アメリカは現在外国の競争者たちによる挑戦を受けている。米国の技術的な優位を確保しなくてはいけなくて、スーパーコンピューターを使って、問題を解かなければいけない。いろいろな問題がございました。人の遺伝子の問題とか、半導体の問題とか、こういうものでリードをとりたい。

  それを法律としたのが、1991年、アルバート・ゴアという人でございまして、HPCというハイパフォーマンス・コンピューティング・アクトという法律ができました。これにコミュニケーションをつけるともっといいのではないか、スーパーコンピューターをつなげるともっといいのではないかというので、HPCCというような言葉が生まれたりいたしました。

スーパーコンピューター・センターを接続するだけではなくて、選挙戦の間に、図書館とか学校にも光ファイバーをつないだらもっといいのではないか、それだけではなくて、もっと一般の家庭までつなごう、そういうお話になりまして、NRENとNIIというのができました。NRENというのは非常に単純に申しますと、学校や図書館にもファイバーを敷こう。NIIというのはあまねく光ファイバーを敷き回そうということで、情報スーパーハイウェーという言葉が盛んになりました。

  1993年にNIIという全米情報基盤という構想が出てまいりました。ここには五つの原則がございまして、民間投資を奨励する。これは、裏を返すと、政府にはお金がありませんから、民間の皆様、よろしくということでございます。競争原理の確立ということは、お金は出しませんけれども、口は出します。規制はいたします。規制は緩和するけれども、独占に対しては厳しく取り締まるということでございます。このことは、お金は出さないけれども、口は出すということで、この原理自体に多少無理があったと思います。

  後のことはそれくらいでございまして、HPCCという壮大な計画があったわけですけれども、これはいつの間にか挫折しておりまして、どうして挫折したんだろうかということを考えてみますと、NIIというのは民間投資の奨励をした。ということは、政府にお金がないので、民間にお金を出してくださいと言いながら、規制は行うんだ。規制といいますか、必要な独占の規制は行うということで、多少矛盾がございました。

  NRENというのは図書館や学校に光ファイバーを敷設するということですけれども、民間に任せようという以上、民間は利益追求型ですが、図書館とか学校にファイバーケーブルを敷いてももうからないという点で、少し矛盾があった。それから、キラーアプリケーションとなるべきVOD、ビデオ・オン・デマンドというのは技術的に大変難しいところがありまして、みんな失敗しまして、ほとんどが撤退してしまいました。

  それから、もともとのHPCCはどうであったかというと、最近のアメリカの報告書に書いてございますが、通信コストが引き合わなかった、失敗であったと明記されております。それからもう一つは、あまり期待されてなかったインターネットが強くなってしまったということがございます。

  次のページにまいりまして、HPCCという法律に基づいた計画が失敗してしまうということは大変なことなので、98年に方向修正がございまして、NGIというのが提案されました。これは次世代インターネットというので、HPCCの法律を一部改正しまして、その中にNGIを組み込む。HPCCというハイパフォーマンスのコンピューティングとコミュニケーションというのは実はインターネットのことであったと、言い方を変えております。そういうふうにHPCCは変更がございました。

  その次に、HPCCの参加政府機関というのはそこら辺に書いてございます。ちょっとここは飛ばさせていただきます。

  99年にPITACという組織ができました。これは97年にできましたアイタック、情報技術諮問委員会というものの拡張でございますが、大変重要な意味を持っております。議長にビル・ジョイとか、委員にエリック・ベナムとか、ビントン・サーフとか、非常に優秀な方を入れて、この委員会の活動は大変注目されました。ここに簡単に、連邦の研究は効果的に管理されなければならないと書いてございますが、アメリカの研究は効果的に管理されていない。

それから、政府機関にまたがる協力機構というのは協力がなされていない。主要な分野が見落とされていないかと書いてあります。裏を返せば見落とされているということです。あまりに研究組織が大きくなってい、それを全体で見ることができなくなってしまった。そこで、それを率いる単一の組織が必要である。それから情報通信研究テーマの見直しが必要である。幾つもの省庁が幾つもの同じようなことをやっている。それでむだな投資があって、しかも、抜けているということがございました。

  PITACは、研究の優先度を、そこの下のほうに書いてございますが、定めました。実はここは細かいことがいっぱいあるんですけれども、ちょっと省略させていただきます。

  もう一つ、次に、IT2という組織がございます。これはPITACの示唆を受けて、でき上がった組織でございます。インフォメーション・テクノロジー・フォー・ザ・21st・センチュリーという組織でございます。これと間違いやすいのがインターネット2という組織でございまして、これはMCIと大学の協力でできた組織でございまして、IT2とは違います。私もちょっと間違えていた時期があります。

こういうIT2という組織ができまして、アメリカは長期的な情報技術研究開発をしなければいけない。先進コンピューティング基盤をつくらなければいけない。それから理系ばかりやっていてはいけない。経済的、社会的意味の研究もやらなければいけないということが言われました。研究の目標を、そこに書いてあるようなことにいたしました。

  次のページにまいりまして、HPCCは非常に複雑な組織になりまして、NGIが入ったり、IT2が入ったり、それから、そこにCICと書いてありますが、コンピューティング情報通信という組織がありまして、重複があるというので、2000年に近いころ、HPCCC/CICというふうに統合されました。

そこで、もう2000年ごろアメリカで言われていたのは、アメリカのやっていることは何だかさっぱりわからない、IT2とか、HPCCとかNGIとか、いくつも同じようなものがあって何が何だかわからないと言われたので、ITR&Dという情報技術研究開発機関間ワーキンググループという組織ができました。これはHPCCとNGIとIT2、この大きなプロジェクトを全部終了させて、一本にまとめようということでございます。

そして、研究計画の要素分野を新しく定める。その組織がそこに書いてございます。組織上は確かに左上のほうにPITACが残ったりしておりますけれども、真ん中のほうを見ますと、確かにITR&Dというところが中心になっております。そして、新しい研究要素分野、PDAと言っておりますけれども、こういうような研究項目をやろうということになりました。

  ご下問の質問に対してのお答えでございますけれども、我が国の強い技術開発分野というのは、皆さんがよくご指摘になりますように、モバイルとかゲーム、アニメだと。それから、これはそう言っていいのかどうかわからないんですけれども、半導体の分野は、例えば非常に強いCPU会社も、いまだに日本のメモリーというのを非常に恐れておりまして、アンドリュー・グローブの本なんかを読みますと、非常に恐怖感が強い。それから米国の最強のCPU会社が、最近マイタックというアメリカで唯一RAMをつくっている会社を買収といいますか、お金を出したりしておりまして、この辺は日本は潜在的に強い力を持っていると思います。

  それから弱い技術開発分野というのは、坂村先生がいらっしゃるのに、こういうのを言っていいのかなと思うんですが、OSはあまり強くないというのは事実だと思いますし……。

【坂村専門委員】  OSと言っても、幅広いですからね。

【脇専門委員】  埋め込み型でないOS、ソフトとかデータベース、CPUではないかと思います。

  国が行う研究開発体制整備でございますが、私はやっぱり国家戦略の必要性というのは重要なことだと思いますし、適切な方向性というのを定めて、政策資源を集中的に重要な分野に投入するということは大事だと思います。

  そして、民間活力に頼るというのではなくて、ちゃんと国家はお金を出して、そして口を出すというのが大事だと思います。特にTAOとかATRとかを見ていますと、やはりお金をきちっと出したというところは非常によかったと思っております。

  次の産学連携体制でございますが、大学の弱さというのは、基礎研究には強いんですけれども、資金と人手と、それからやはりマネジャーがいないということで、お金がないのと、それから中堅の技術者が全然いないというのと、管理がない、マネジメントがないというのと、やはり市場と遠ざかっておりますので、市場がわからない。

企業は、先ほどもお話がございましたが、まねと製造と物づくりに強いわけですけれども、市場中心で、近視眼的でございます。したがいまして、この大学の弱さと企業の弱さをうまく補充できるような組織をつくると、非常にいいのではないかと思っております。

  それから、ベンチャー育成についてでございますが、私は基盤技術の専門委員を15年前にやりまして、現在も委員をやっておりますが、今のやり方でのベンチャー育成は無意味だと思っております。というのは、書類だけの審査になりがちでございまして、これをやりますと、専門に書類を書く会社がございまして、満点の書類を出してきまして、通ってしまうんです。

資金をばらまくことになりますので、そういうことはしないほうがいいのではないかと思います。アメリカのベンチャーキャピタルはなかなかお金を出しません。日本もアメリカのベンチャーキャピタルのように助言とか指導を主にしたらよろしいのではないかと考えております。

  それから、競争的な研究開発の整備ということでございますが、やはりベンチャーの出してくるいろいろなプロジェクトを審査しておりますと、ベクトルがよく見えないのではないかと思うんです。非常にむだなところに精力を使うということがございますので、非常に優秀な先生方のお力をかりて、将来へ向けた技術課題を設定する。それから複数の機関に競わせる。それで国際競争力を養うということでは、海外へ向けて情報発信をしたらいいのではないか。

例えばATRなどは、ハワード・ラインゴールドの『バーチャル・リアルティ』という本で非常に持ち上げられてといいますか、非常に宣伝がうまかったと思うので、そういうことをやるといいのではないか。例えば慶応にはテッド・ネルソンとか非常に有名な人がいますけれども、こういう人をうまく使ってやると、日本のプロジェクトとか研究に興味を持っていただけるのではないか。

第五世代のときにファイゲンバームという人がいまして、非常に日本の研究を好意的に持ち上げてくれまして、非常によかったということがございますので、海外への発信ということで、優秀なライターを研究員として招聘したらいかがでしょうかということでございます。

  最後のNTTの研究開発ということでございますが、これはこの間申し上げたんですけれども、神話があるのではないか。アメリカのほうでも、AT&Tの研究開発力という神話があって、UNIXとか3BコンピューターとかLucentとか、例えばLucentにしても、最初は非常に強いのではないかと言われたわけですけれども、きのうあたりの株価を見ていますと、非常に大きく下がっておりまして、期待されたほどではなかった。3Bコンピューターに至っては、もうだれも覚えていないというような状況がございます。

  独占と市場支配ということがございまして、NTTだけが仕様を決める、NTTの機器だけが接続できる、NTTだけが巨大な資本力を持つ、NTTだけが市場支配をするというと、何か技術力が非常にすぐれていて、研究開発力がすぐれていて、NTTが強いんだという感じを与えますけれども、実際には独占による市場支配と巨大な資本力の部分が非常に大きいのではないか。幻想の一面もあるのではないか。やはりほんとうに強いかどうかというのは、競争で決められることではないかと考えております。

  時間になりましたので、終わらせていただきます。

【月尾主査】  どうもありがとうございました。それでは、20分過ぎぐらいまで、七、八分ですが、どうぞ。

【坂村専門委員】  細かいことですけれども、優秀なライターを呼んでくるのはいいんですけれども、ファイゲンバームが、確かに第五世代のとき呼んだ後、あのとき何を書いたかといったら、とんでもないことを書いて、終わってから、日本の政府を初めとして、スタンフォード大学の者を教授と言えば金でみんな呼んできて、京都へ連れていって、芸者でどんちゃん騒いでやったとか、そんなことまで書いたんですよ、あの人。

だから、僕はやっぱりファイゲンバームは許せないと思いますよ。あんなに、日本の政府にしろ、第五プロジェクトにしろ、お金を出しておいて、あげくの果てにアジアのばか日本人みたいなことを書いた本を書かれて、あんなのはどこまでほんとうだか知らないけれども、ふざけた話ですよ。だから、スタンフォード大学の教授は――MITの人も書いているのも僕は見たことがありますよ。

要するに日本は金で、ファーストクラス往復で、女房まで連れていって、京都遊びと全部やるから、同僚の教授にもぜひ行くといいと言ったということは書いてあります、ちゃんと英語でもって。だから、テッド・ネルソンを気をつけたほうがいいかもしれませんよ。同じようにATRで、京都は近いから、京都でどんちゃん騒ぎしたなんて書かれたら、総務省はどうするんだという話があって、だからやっぱり信用できない、もうほんとうにアメリカ人は。

【脇専門委員】  でも、いいことも悪いこともみんな書いていただいて、ほんとうのことを知ってもらう。それよりも全然埋もれてしまって、全く認知されないよりは、少しは外に広がったほうがいいのではないかなと思います。

【坂村専門委員】  だけど、認知って、何で外国の人に認めてもらわなければいけないのかも、私はちょっと疑問ですよね。アメリカ人に認めてもらわなかったら日本人というのはいけないのか、そういう評価基準だけで日本を評価するのかというのがちょっと――おっしゃりたいこともわかるんだけれども、何となく……。

【脇専門委員】  悲しいことなんですけれども……。

【坂村専門委員】  悲しいなと、寂しいとか思いますよね。

【脇専門委員】  ただ、日本人の語学力で外国人を納得させるだけの文章が書けるかというと……。

【坂村専門委員】  いやいや、そうじゃなくて、何で納得してもらわなければいけないのかもよくわからないと私は思っただけで。

【脇専門委員】  やっぱり外国に理解してもらうということは重要なことだと思います。市場を広げたり、研究に、標準化のときに後押ししてもらうのに、重要なことだと思います。

【葉原専門委員】  今標準化の話と、たまたま最後のページでNTTのことが出ていますが、私、若干標準化にも関係しておりまして、先ほどちょっと話がありましたけれども、例えば現状において、日本の国内の通信の標準は、TTCが決めているわけです。

この中で、実際問題として、パティシペーションの比重を調べると、すぐわかるんですが、圧倒的にNTTがボランタリーでやっています。ほかはメーカーさんはもちろん主な昔からやっているところは一生懸命やっていますが、後からのところは持っていくだけ持っていく、で、製品にしているという事実があります。

  なおかつ、TTCで決めていますのは、大体昔のCCITT、今のITUT等と協力をしながらやっているわけでありまして、それと国際的に矛盾しないような日本の国内標準をつくる。それをやるに当たっては、日本の技術力をもって、ITUTの場で妥協しながら、日本の技術力を一歩とか二歩とか譲りながら、国際的な妥協を図って、国際標準をつくるということを過去ずっとやってきたわけです。それはNTTのベースがあったからできた、私はそう思っています。

  なおかつ、先ほどもちょっと話がありましたけれども、対アメリカと、ヨーロッパもそうなんですけれども、日本だけが突出すると、必ずたたかれます。したがって、たたいたときに向こうが自分の足も同時にたたくような仕組みをつくる、それは私は大切ではないかと思っています。

標準化については、大体そういう仕組みがある程度できていますので、買う量が少ないではないかという文句は言ってきますけれども、標準がおかしいから入らないとはもう言わせない格好にしてあります。標準がおかしいと言うと、T1のも一緒になっておかしいよと、そういう格好にしてありますので、そういったことも大切ではないか、こんなふうに思っています。

  それからATRの話もちょっと出ていますけれども、比較的うまくいっているというご評価のようではありますが、産業界といろんな意味でつながりが、NTTを介して、あるいはメーカーさんを介して、出口があって、そこから自然に上流、下流と流れているということは非常に大きいのではないかと私は思っています。以上です。

【月尾主査】  このNIIがうまくいかなかったのは、もちろん金がなかったということもあるけれども、あれは脇先生の本にも書いてあったけれども、ロバート・アレンがものすごく政府投資に反対していたわけですね、民間でやるべきことだと。

【脇専門委員】  でも、実際にはクリントン政権は増税はしないと言って、増税に踏み切ってしまったわけですから、減税したいというようなことを言っていたわけですけれども、最初のときに増税に踏み切ってしまったわけで、もうそれ以上、実際にはお金を出せなかったというのが強いと聞いております。

【葉原専門委員】  それは私も不勉強で、憶測の域を出ないんですが、この前提としてはISDNの話があると思っています。ISDNでITUT準拠で世界で一番初めにサービスしたのは日本なんです。1988年の4月19日、トークの日なんですが、CCITTの勧告が出る前にやってしまったんです。

アメリカでは、各RHCが別々にやったものですから、東から西まで通してのサービスというのができない状況になりつつあったんです。ですから、アメリカのISDNのIはインディペンデント、インディビジュアル、アイソレーテッドの頭文字だと私は思っていたんですが、それだとアメリカは非常に困るものですから、そうすると、何とかしなくてはいかんと。

  そうすると、ご存じのように、アメリカは下は州政府が管轄していますから、連邦政府としてできるのは上しかないわけです。そうすると、上をつなごうではないかという発想が出ると、そこはAT&Tがおれの仕事だ、余計なことを言うなというのがアレンの話だろう、私はそう思っているわけです。

【月尾主査】  もう一人ぐらい、いかがですか。

【村山専門委員】  アメリカの国家戦略という話が出たんですけれども、民生分野のそういう話がありまして、もう一つ、軍事分野の話があるんですね。今アメリカではRMA、レボリューション・イン・ミリタリー・アフェアーズというのが進行しておりまして、これはこういうIT分野で、民生分野でできた技術を軍事分野に取り入れて、いかにアメリカの軍を強くするかということで、いろいろもう始まっているわけですね。ということは、今のこのIT技術を考えてみますと、明らかに民生と軍事と両方かぶっている分野なんですね。

  日本の場合を考えますと、もちろんアメリカ風のことはできないとは思うんですけれども、やはりこういうIT分野で技術基盤を整えるということは、外交、安全保障にとっても非常に重要だと思うんですね。例えばPKOとかでも、これからはこういう技術が生きる、そういう分野が出てくるわけですね。ということは、そういうところで強い技術基盤を持っていると、日本の外交力あるいは安全保障ということにもつながっている分野なわけですね。

ここの審議会では、今までのところ、経済競争力絡みの話しか出てこなかったんですけれども、こういう外交あるいは安全保障へのインプリケーションということも若干考えておくべきではないですか、そういう感じがいたします。

【月尾主査】  それでは、どうも脇先生、ありがとうございました。

  では、きょうの最後になりますけれども、鳴戸さんから、よろしくお願いします。

【鳴戸専門委員】  まず切り口をNTTから持っていきたいと思います。NTTの研究所、三鷹、茨城、横須賀、武蔵野、横浜、脇先生は神話とか幻想とか言われたけれども、神話でも幻想でもない。やっぱりそれなりの価値がきちんとあったと私は思っています。それは、NTTの一昔前を見ると、実事業の側道を歩いていたんですね。ちゃんときちんとした明確な目的があった。

もちろん基礎研究もありましたけれども、それは将来つながっていくだろう、そういう目的があって、きちっとやっていた。それ以上に、交換とか伝送とか光とか、そういう技術分野別になっていて、本業意識がありまして、製品開発の上流工程まで事実やっていた。そういうようなことで、メーカーなんかと共同研究をしたり、こういうふうに取りまとめたり何かしていたんですけれども、それがいい悪いは別にして、きちんと自分というものを認識していたと思います。それは十分評価をしなければいけないと思っています。結果として、国益にもなっていたし、またそういう技術がいろいろと流れる、そういうようなこともあったと思います。

  しかしながら、90年代後半からIPという時代になって、グローバルスタンダードになっていった。これがいいか悪いかわかりませんけれども、そういうことになっていって、開かれていった。そうすると、今までの技術開発というものも変わってきて、サービス開発へとどんどんなっていった。もう大規模な共同研究開発の限界が来ているということになっている、これが現状だと思います。

  その議論をここでしているわけですが、やはりNTTは競争市場に向けて、自分のためにこれから研究開発をやらなければいかん。NTT法の第3条の責務は要らないと私は思います。自分のためにやらなければもう危ないと思いますし、もともとそうやっていたんだ。もちろん基礎研究はあったけれども、それはほんとうの一部であって、昔から変わらない。これからもそう続けていくべきだ。これはNTT内の議論でやったほうがいいと思います。

  2ページ目へいきまして、我が国の産業技術力の課題ですが、一般論として、ITの分野ではハードウエアとかデバイスとか、まだかなり日本も希望があって、強いと思っています。しかし、サービスコンセプトに基づいたネットワーク技術とかソフトウエア技術、これはとても弱い。これからですが、各企業も自助努力をしなければいけないと思っています。

坂村先生はブラックボックスになった途端におかしくなったと言っていますけれども、そういうこともあるでしょう。だけれども、企業がグローバルになったとき、途端にふやけたと思います。日本の中だけでやっていかれたけれども、それは情報通信でももう限界がある。ということで、では、アメリカにも行かなければ、ヨーロッパにも行かなければ、アジアだけではだめだなんて、どんどん行った。

行ってみると、やはり日本でやっていたものを持っていってもどうにもならないということに直面した。途端に、グローバルにならなければいけないと思ったんですね。グローバルになった途端に、いろいろなことが見えなくなってきた、これは事実だと思います。こういうことについては、今後も、各企業が自助努力をしなければいけない。

  それから企業間の連携、アライアンスというのは、IT業界は、最近でこそほんとうに合従連衡をいろいろやるようになりましたけれども、昔は、例えば富士通は日本電気の顔を見るのも嫌だとか、これはNTTの責任が相当あるんですけれども、そういうようなこともあったり、ソニーは松下は嫌いだとか、いろいろあるわけですね。そういうようなことを言っている場合ではなくて、もうようやくアライアンスを組んで、一緒にやろうよ、こういうような時代になってきた。

  こういうことはやらなければいけないと思いますが、それプラス、二つ、その下に書いてあることをやらなければいけない。日本のベンチャー企業の育成、活用、これはほんとうに技術をベンチャーがしょうような、そういう日本にしなければいけない。それから国、大学と企業の連携をやらなければいけない、こういう二つを提案したい。

  次のページにいきまして、日本のベンチャー企業ですが、私は経団連の新産業新事業委員会、要するにベンチャー委員会の部会長をやっていますけれども、この3年、ベンチャーというものをいろいろ呼び出して、聞いてみました。

  まずコーポレートベンチャーというのはいけるかなと思ったら、全くだめ。なぜだめかというと、A、B、C、Dと全部実例の話ですけれども、ざっくばらんに言うと、中途半端。D社、これは一番多いわけですけれども、成功したら親会社が買い取ってしまう。こんなばかなことがあるか。いつもベンチャーに聞くんですよね。

もう大企業ですよ、みんな、経団連。「あなた、成功したら、自由になれると思う?」と言うと、「いやあ、多分しないだろうなあ。経営管理室とか人材何とかと言って、すぐ買い取られてしまうだろうな。それでも、1億か2億もらえるかな」、そんな感じですね。そんなコーポレートベンチャーというのはだめ、とんでもない話だと思います。

  ベンチャーが、ドットコム・カンパニーではなくて、基礎技術とか何かほんとうに技術に挑戦して、そして、自分たちが成功するような結果をつくらなければだめだ。そういうカルチャーを持たないと、大企業ではもたないと私は思っています。

  それから、システムですけれども、政府もキャピタル税制とかいろいろやってくれていますけれども、ほんとうに重要なことは、日本にはエンジェルなんていませんから、友人が、じゃ、ボーナスからちょっと100万円投資するとか、50万円投資するとか、そういう金が集められて、それがきちんと税制で認められるようにならなければいけない。そういうふうな心のこもったお金でないと、どうもうまくいかないのではないかと思っています。

  それから、国、大学の問題ですけれども、国、大学と企業はもっともっと出たり入ったりしなければいけないと思います。基礎研究と応用研究の橋渡しをするための産学官の人材交流がどんどんなければだめだ。NTTから教授になったり何かするかもしれないけれども、ほんとうの企業からぼんと行って、教授になったり、国立大学の教授になったり、国立大学の教授が出たり入ったりする、こんなことはあまりない、いろいろ規制があって、それからカルチャーもあって。やはり国の研究所とか大学の周りにベンチャーがずらずらとできるような世界にしないといけない。いろいろ日本人はうるさいことを言いますけれども、それでもそれを超えて、多少うさん臭いことがあったって、我慢してやらなければいかんと思います。

  そういったことで、雲のような図が書いてありますけれども、やはり基礎研究、応用研究、企業、ベンチャーのところの交流がなければだめだ。大学からもどんどんスピンアウトして、起業家が出ないとだめじゃないか。出ておりますけれども、もっともっと出さなければだめだと思います。

  その次はGMD。GMDのことはあまりよくわかりませんけれども、やはり民間からの資金がどんどん魅力があって入ってくるというようなことにしないとだめだと思います。やっぱり先ほどどなたかがおっしゃったけれども、YRPのような、ああいう姿がいいのではないかと思っています。

  そういうことで、結論は、日本の技術というものをベンチャーが担うようにもっともっとしていく。大企業とか国の機関というものではなくて、ベンチャーが担うようにしてもらいたい。それから新しい国、大学、産業間の連携で、人の交流、外人も入れてどんどんやろう、そういうふうにしたらいかがかと思います。以上です。

【月尾主査】  ありがとうございました。それでは、大分簡略にお話しいただきましたので、10分以上あります。いろいろご自由に。

  鳴戸委員もメンバーで、大変よくご存じだと思うんですが、2枚目のNTTの研究の責務と公開の責務は、もうほとんど撤廃ということが12月21日に決まりましたので、方針としては。

【相田専門委員】  このページのこれで、90年代前半までうまくいったというのは、ネットワーク分野は確かにそうかもしれないんですけれども、例のDIPS、コンピュータープロジェクトなんというのは、この前から大分ひどいことになっていましたね。

【鳴戸専門委員】  それはそうですけれども、失敗もありましたね。

【相田専門委員】  それから交換機もCHILLで、D70はいまだに書かなければいけないとか、だから、うまくいった面もあるけれども、やっぱりNTT自社用というので開発して、あまりうまくいかなかった面もかなりあるのではないかと思います。

【鳴戸専門委員】  それは相田さんはそうおっしゃるけれども、コンピューターを開発しようというようなことは、コンピューターは全くNTTの外に、IBMもいたし、もういたわけですね。そこへ割り込んでいったわけだから、割り込みがうまくいかなかったというだけの話ですね、それは。

【相田専門委員】  でも、あれは、あまりこわだるつもりはないですけれども、別に世の中に売り込むつもりはなかったわけですね、DIPSというのは。ほんとうにNTT内用というので、富士通さんなんかも、結局Mシリーズをつくっている横で、NTTのDIPS開発にも協力されて、大変なあれだったのではないかと思うんですけれども。

【鳴戸専門委員】  そうそう、三つのモデルをつくったんです。だけれども、ほんとうに両方は大変だった、開発力で。ただ、NTTは自社用の需要というのを全部満たすばかりでなく、もう少し夢があったと思いますよ。それはあったけれども、あまりにも挑戦が大き過ぎた。だから、うまくいかなかった、これは事実ですね。

【月尾主査】  もう一つ、85年までは、ほかにKDDぐらいしか研究するところはなかったわけですね、日本には。

【葉原専門委員】  古い話、今の話で、ちょっと過去のことで、私の個人的な解釈を申しますと、当時はIBMが世界を席巻していたわけでありまして、それに対して、何とか日の丸コンピューターがないことには、先々思いやられる、そこに非常に大きな意義があって、3社さんを糾合してやった。それは、例えばNTTは情報処理をやったらいかんという規制がなかったので、できたんです。

  ところが、AT&Tは1956年の同意審決で、情報処理分野は手を出せなくなりましたから、それを、1982年にやっと切符を手に入れて、そのかわり分割された。同時に、IBMは通信に手を出してもいいことになったけれども、はかばかしくない。要するに一たん離した技術は何十年か後に取り戻してもとてもだめだということを、AT&Tはコンピューターの分野で証明してくれましたし、IBMは新しく通信に入っても必ずしも伸びないということを証明してくれた。

  一方で、ヨーロッパは、ブルなんかもありましたけれども、どんどん力が弱って、大体IBMに席巻されてしまうのではないか。それから同じディジタル技術でAT&Tも一緒に乗り込んできたらかなわんというので、1982年1月8日、修正同意審決の話が出たときに、EUがびっくりして、これは統合しなければいかんというので、EUの統合が始まった。要するにコンピューターに続いて通信も席巻されてしまうのではないかというおそれがEU統合の引き金になったという側面もあるのではないか、こんなふうに思っています。

【月尾主査】  どなたか。

【畚野専門委員】  僕は、これは鳴戸さんが言われるとおりだと思うんですね。うまくいかなかったこともあったかもしらんけれども、大体の流れとしてみんな押さえてきたわけ。何かと言ったら、この間僕はじゅうたん爆撃と言ったけれども、いろんなことをやって、その中から生き残るものがその中にあった。例えば光とミリ波導波管伝送と両方やってきた。技術的にはどっちもよかったんですけれども、結局光が生き残ってミリ波はだめになったが技術的には完全に成功はしているわけですね。

だけど、マーケットとしては成功していないから、むだなことをやったかというと、必ずしもそうではないと思うんですね。これからNTTがあれだけの力があるかどうかは別として、最初からあれをアセスをやって、どっちかにしたら、最初のころに、まともなアセスをやるほど、多分光のほうが分はなかったような気がするんですね。そうなったら、結果はどうなったか。そういうことができなくなるのではないかという気はしていますね。

  NTTは昔から道楽も少々はやってきましたね。この前僕が言ったように、かけごとみたいなことにも手を出しておる。だけれども、ミリ波も光も含めて、そういうことも含めて、自分のためにやってきたんです。だから、自分のためにやることは大事だとおっしゃいました。これも大事なんだけれども、昔のようにあらゆることをやって、その中から生き残るものを残していくだけの余裕がなくなってきたということに、我々は危機感があるように思います。

【鳴戸専門委員】  私もそう思いますね。もうだんだんNTTで昔のようなふんだんな研究開発費が出るかといったら、そうでもないです。もうそれこそ自分の中で集中して、自分のためにやらなければ生き残れないと思いますね。

【脇専門委員】  ちょっと質問してよろしいでしょうか。2枚目ですけれども、独自仕様からグローバルスタンダードへとお書きになっていますけれども、オープンについては、鳴戸さんはどういうふうにお考えになりますか。

【鳴戸専門委員】  ものすごく難しいんですね。一番メーカーが苦しんでいるところですね。我々も急に曇りガラスになって、見えなくなった。グローバルという意味は、例えば……。

【脇専門委員】  国際協調ということですね。

【鳴戸専門委員】  我々の業界というのは、とにかく日本では食えないから出ていこう、そういう勢いで出ていったんですね。ところが、例えば金融のBISなんというのは、時価会計だとか、事業会社もみんな困っていますけれども、退職金と年金のものをばさっと一遍に落とすよとか、自己資本がどうとか、保険のソルベンシーがどうとかこうとか、あんなのはほんとうに日本人というのは、坂村さんじゃないけれども、非常にプレッシャーに弱くて、どんどん向こうが変えていくと、それに追随していくんですね。

そうすると、どんどん自分はだめになってくる。だって、どんどん預金者から金を集めて、そして健全に貸し出している。不健全はもちろんいけないんですけれども、健全に貸し出していれば、自己資本なんかはほんとうに少なくたって、全部きちんとしていればいいわけですね。だけれども、そういうところがやっぱり日本人というのは弱いかなと思っています。だから、グローバルというのは非常に気をつけなければいけないと思っています。

【月尾主査】  弱いというか、ターゲットにして、相手が戦略をつくってくるんだから、別に世界を相手につくったわけではなくて、日本の銀行を困らせるためにBISというのはつくったんだから、もうそれはしようがない。なかなか対抗できない。

【鳴戸専門委員】  あれを素直に聞くんですね。

  標準もそうですよ。またあしたからブラッセルへ行ってやりますけれども、やっぱりそうです。アメリカなんかは完全にそういうふうに持っていくだろうと思うんですね。

【月尾主査】  国、大学、企業が連携して、そういうふうには思っておられないと思いますけれども、これまで日本だと一斉に同じ方向へどっと行くでしょう。例のコンピューターを通産省が3チームにしたときがそうですけれども、それからNTTがISDN中心でやっていたときもそうですけれども、ワークステーションとかパソコンが出たり、それからインターネットが出たりと、全く違うものが出てきたときに、あまりにもうまく産官学でやり過ぎると、多様なことを用意してなくて、違う路線が出てきたときになかなか対応できないというのは過去にはたくさんありますね。これをどうしていくかですね。

【鳴戸専門委員】  月尾先生も同じ意見だろうと思いますけれども、日本の役所は利口になったと思うんですね、経済産業省にしろ総務省にしろ。昔は、業界過半数が集まらないと、何となく国は一緒にやろうという気にならない。

特定の企業とくっつくというのはおかしい。みんな寄ってたかって一緒にするから、だから、そういうことはあったけれども、これからは、もう民のほうもそうは思ってないし、官のほうだってそう思ってないし、やることはいっぱいあるし、私はそういうふうにもう昔のようにはならないと思うんです。

【葉原専門委員】  私、昔の話ばかりやるんですけれども、まとめてやったというよりも、まとめざるを得なかった。日本の力からして、そんなに二兎は追えなかった。例えば交換機にしましても、4社とNTTが一緒になってやっとできたというのが実情じゃないかと思います。したがいまして、さっきおっしゃったのにちょっと異論があるんですが、80年代ぐらいまでは、とにかく日本電気さんであろうと、富士通さんであろうと、全部一緒になってやっていたわけで、設計は分担してやって、お互いに全部公開して、完全にコンパチで他社でもつくれるようにする、ということをやっていたんですが、調達問題がにぎやかになってから、今度は逆にそっぽを向き始めたというのが実態に近いのではないかと思います。

【鳴戸専門委員】  もう今、葉原さんがおっしゃるようなところは製品の上流工程なんですね。全く設計そのものをやっている、通研が。

【葉原専門委員】  そうです。そのときにはメーカーさんと一緒にやっていた。ですから、同じところで詰めて、缶詰をやってということ、その共同研究のやり方をイギリス、BTに教えたら、それをまねてくれまして、すぐ崩壊しました。システムXはだめになりました。

【鳴戸専門委員】  ただ、そのころは、明確にNTTの研究者はみんな目的意識を持ってやっていたと思うんですね。いい悪いは別にして、そういうことだったと思います。

【月尾主査】  どうぞ、ほかにもいかがですか。

【寺島専門委員】  ベンチャーというときに、大企業というよりも、むしろ中小企業のエリアに非常に関係が出てくると思うんですけれども、昨今エリアというのは、諏訪、岡谷とか、大田区とか、東大阪だとかを、フィールドワークする機会があって、中小企業の人たちのつまりITネットワークを使った自己革新みたいな、いろいろ動いているんですね。

そういうときに、それぞれネットワークを使いながら、懸命に、例えば研究開発から、資財調達から、マーケティング、マーチャンダイジングに至るまで、できるだけネットワークを使って頑張ろうという、今までの縦型の系列の枠を超えた横の連携みたいなのが出てきていて、それはこの世界の非常にポジティブな部分だと思うんですね。

ところが、やはり大きな方向づけとプラットホームに欠けているから、むだというか、いろいろ気の毒な部分があって、例えば諏訪、岡谷の例ですけれども、諏訪、岡谷は非常に目が肥えた人がいっぱいいて、若い中小企業の人たちのネットワークで、要するにBtoBのビジネスモデルなんというので、IBMなんかが妙なCMを打っているから、非常に罪つくりなんですけれども、砂漠の中に何があろうが、世界中に物が売れるみたいな話だとか、世界中にカスタマーが転がっている時代が来たみたいなことで、ネットワークを使って、懸命になって売ってみようとしたんですね。

  そうしたら、その一つの結論が出て、結局リアルのところの、自分たちの車で動き回れるところだけにビジネスを展開したほうが、結果的には絶対収益が上がるという妙な結論に至ったという話を、この間僕は説明を聞いたんですけれども、要するにポイントとして、こういう時代の新しいIT技術を使った中小企業の物づくりの部分を、特にこの国で支えている人たちに、一番最適な情報とか、ビジネスの大きなプラットホームなんかを提供できるような連携、そういうものがすごく重要になってくるのではないか。

一般的な意味での国、大学、産業界連携というところからもう一歩踏み込んだところで、そういう中小企業の技術ベンチャーの人たちにどうやってそういう先端的成果が提供できるか。さっきの坂村先生のあれではないけれども、組み込み型のコンシューマー用OSみたいなものを、彼らも一生懸命勉強しているような世界があるわけですけれども、部品とかそういう世界で生きている人たちにどうやって注入できるのかというような発想とか、そんなあたりが、日本の強い部分をより生かしていく上で現実的なのではないかということを考えたりしているんです。

【鳴戸専門委員】  やっぱり寺島さんのおっしゃったようなことは、一つ、そういう中小企業専門の図だ。もう一つは、大企業からもっとスピンアウトさせなければだめだ。きょうも二つ、私の部下がやめますけれども、部下というか、かわいがっているのが、ぴんぴんしているのがぴーんとやめて、ベンチャーをアメリカでやります。そういうふうに、きょう1日で2人出てきているわけです。もうそういう時代ですね。

やはり大企業からもっとベンチャーが出て、そういう大企業で育って、得た知見を、どんどん自分でやる、会社が取り上げなかったら自分でやる、そういうようなのがもっともっと出てこないと、ドットコム・カンパニーみたいな、モールみたいなものばかりで、ほんとうに技術的なもののベンチャーというのは出ない。

そこを出さないとだめだと思うんですけれども、大企業というのはこうやって、懲罰ですから、また周りの親なんかが、「どうですかねえ」なんて言っているでしょう。「ほんとうにうちの息子はベンチャーをやると言っているけれども、食べていかれるでしょうか」なんて、そういうことを周りで言っているから、独立なんかようできないですね。そういうカルチャーがない。

【畚野専門委員】  それは時間しか解決しないんじゃないですか。ある程度時間がかからざるを得ない。ベンチャーだとみんなどっと走ったら、それのほうがかえって気持ち悪いですよ。みんなやいやいや言っているから、だんだん少しずつ変わってきているように思いますけどね。だから、そういうふうに割り切らないとしようがない面もあると思うんです。

【鳴戸専門委員】  でも、もう出ますよ。もうそろそろ出る。

【月尾主査】  どうぞ、55分ぐらいまで、今までのほかの3人の委員の方々のご説明についてでも、全くご自由にご発言いただいて結構です。

【相田専門委員】  確かにベンチャーにというのはまだ抵抗があるにしても、少なくとも大学と企業、国研なんかの間でどんどん人がしょっちゅう入れ変わるという状況はやっぱりつくっていかないといけないですね。

【畚野専門委員】  実際に入れかわるというのは、いろいろ雇用のシステムだとかが、同じところに長くいないと損するようなことになっていますから、なかなか難しいと思うので、そういう雇用は別として、一緒になってやれるような仕組みを、国が中心になってでもつくるようにしていかないといかんと思うんですね、自由に。

そういうところから始めないと、なかなかシステムだけ変えても、全体の社会のシステムが、雇用のシステムが変わってないですからね。やっぱり長くいたほうが、退職金にしろ、年金にしろ、得だ。変わった者が得するようなシステムをつくらないといかんと思うけれども、つくるというのはまず難しいと思うんですね。だから、ある程度今までの上で一緒にできるような仕組みをつくっていくところから始めるよりしようがないのではないでしょうかね。

【村山専門委員】  私も痛感しているんですけれども、この前若干話したカルチャーの違いの話なんですけれども、よく大学の先生はビジネスマインドがないだとか、そういう批判がありますね。それはやっぱりしようがないので、その文化を変えようというのは、30年ぐらいやった人に、それを変えろというのは無理だと思うんですね。それよりも、もう少しブリッジをかける組織的な対応をしたほうが生産的だという感じがするんですね。そうしたほうがお互いに変な反目をしないでできる組織、その辺で知恵を絞るべきなのではないかという感じがするんですね。

【畚野専門委員】  よくフリーゾーン、フリーゾーンって、中身がよくわからないけれども、みんなそれぞれ、このごろはやりで言っていますね。ああいうものでほんとうにいい形を見つけていくというのが僕は必要だと思いますね。

【月尾主査】  不可逆的だと、僕は5年間、実はベンチャーの社長をやってから、大学の先生になったけれども、それは楽なんですね。だけれども、1年大学の先生をやったら、もう戻れないね、民間には。完全にそうですね。多少あったセレトニンさえもう出なくなるんだよ。

【鳴戸専門委員】  それは、月尾先生、どういう意味ですか、大学の先生をやったら、もう出られないというのは。

【月尾主査】  親方日の丸というか、ものすごく楽な環境だからね。

【畚野専門委員】  昔から、こじきと先生は3日やったらやめられんと。

【月尾主査】  よく言うのは、野鳥にえさをやってはいけないというんだね。つまり野鳥を集めるためによくえさをするんだけれども、あれは一度とると、ほんとうの自然のえさはとれなくなるという。それと非常によく似ていますよ。だから、人材交流をもちろんやっていいんだけれども、非常に短期間で絶えず行き来するような仕組みにしないと、だめだと思いますね。


【原島主査代理】  私は30年大学にいるんですが、基本的に私は、大学が逆にみんなビジネスマインドを持ち始めたら、大学の役割を放棄したことになると思うんですね。やっぱり大学としてやるべきことはきちんとやらなければいけない。最近何か特許を取らない大学工学部の先生は失格だとかなんとか言われているけれども、やっぱりそれも行き過ぎ。

しかし、一方で、大学の中にいろいろな多様な先生方がいる、その多様さが生かされる仕組みを一体どうするかということ、基本的には私はそう思っているんですね。 私の個人的なことを言えば、ビジネスをやるぐらいだったら、30年前に大学なんかに残っていないという、もっとやりたいことがあるから残ったのであって、やっぱりそういうような仕組みをつくる。しかし、一方で、非常にビジネスに向いている先生もこの辺にもおられますから、そういう先生が生きる仕組みというのは一体何か、そういうことだと思うんですね。

【相田専門委員】  私も純粋培養で、安穏としているほうですけれども、やっぱり最近企業から大学に来ていただくというようなので、給料が何割減った、下手すれば何分の一になったということがございまして、さっき留学生の話もありまして、留学生が来ると、とにかく日本で生活していくだけでもものすごく大変ですね。だけれども、そういうところを何とかギャップを埋めていかないと、なかなか現実問題として難しいだろうなと思います。

【葉原専門委員】  現実問題として、連携講座とか、冠とか、そういったのをうまく差し向き使うというのはどうなんでしょうか。企業の方が客員教授なり何なりで入って……。

【相田専門委員】  当面はそうなんですね。ほかでもよくあるケースかと思いますけれども、大学に来ていただくけれども、実態としては差額を出身元から補てんしていただくとか……。

【葉原専門委員】  というか、企業持ちなんですね。それで、学生さんも企業で引き受けて、ドクターまで出せる。そういうようなことは現にもう起こっているんですね。

【相田専門委員】  そうですね。

【葉原専門委員】  原島先生がおっしゃるように、やっぱり大学は大学の使命があるわけですから、原島先生がずっと手がけてこられた「顔」の問題なんかが今脚光を浴びていることもあるし、ああいったことは非常に大切ではないかと思いますね。

【原島主査代理】  ちょっと別の件でよろしいですか。先ほど西澤さんのほうから、国による、専門家による、定期的な調査活動がないと、確かにそのとおりだと思うんですが、一方で、国も外部委託等をして、いろいろな報告書をつくっているんですね、今まで。むしろないというよりも、あるものの生かし方が非常に弱いのではないか、私はそういう気がしているんですね。

例えば今これは研究開発体制をどうするかという議論をしていますけれども、何度もこういう議論を国でやったような気が私はしているんですね。基盤センターができたときも、こういう議論をやった。ところが、何かいつもゼロから始めているような気がする。例えばここに情報通信六法を置いておくのもいいんだけれども、今まで例えば国が関係した報告書をここに積み上げておいて、何か必要な人はそれをすぐ読めるような形にしておくというのが私は必要なのではないかと。

もしかしたらここにいらっしゃる先生方はそういうのは当然読んでいるでしょうということを前提に、あるいは考えているかもしれないし、あるいは何かそういう先入観を持たずに、ゼロから白紙で考えてくださいという配慮なのかもしれませんけれども、やっぱりこれだけ今までたくさんの報告書が出ているから、それを生かすようなことをこういうような場でまず考えていくべきなのではないかなというのを、先ほど西澤さんのお話を伺いながら……。

【坂村専門委員】  国だけではないですよ。関連団体でいろんな研究を、例えば郵政省が前持っていた総合研究所とか、あるいは通産省の関連団体、例えば電子工業振興協会みたいな、ああいうところもしょっちゅう調査していて、向こうがどうなっているかというレポートはたくさん出ていますね。多分積み上げられないぐらいあるのではないかと思うんですね。

【原島主査代理】  あると思うんですが、それができ上がったらそれでおしまいというような形で、生かされてないというのが大きな問題ではないか。

【畚野専門委員】  ただ、ああいうのは報告書を分厚くするために、役にも立たんものがいっぱい入っていて、やっぱりエッセンスが必要なんですね、サマリー。そうでないと、読む気にならないです、見ただけで。

【西澤専門委員】  先ほどのことの調査ということで言えば、1993年にNSFは5年間ぐらいの長期の計画をつくっているんですね。それに基づいて調査活動やレポート作成をおこなっている。 日本の場合も調査の数はやっているのは確かなんですけれども、それが必ずしもトータルとしての組織化や戦略という面で、まだ改良の余地があるのではないかと思います。

【坂村専門委員】  今言ったエッセンスのレポートがないと。

【西澤専門委員】  それもありますね。

【畚野専門委員】  それと、メーンの一つのポリシーに沿って調査をする。何か悪く言うと、今までのあれは、思いつきの行き当たりばったりの調査がいっぱいありますからね。

【月尾主査】  坂村先生が一番最初に言われていたように、調査に目標がない、何のために調査するかという。だから、別に使い捨てでいいんだけれども、使い捨てというのは、ある目的を達成するために調査したら、それがちゃんと目的のために使われれば、わざわざ昔のを引っ張り出さなくてもいいんだけれども、それがなしにやっているということですね。

【鳴戸専門委員】  それからもう一つは、そういう調査もあれなんですけれども、研究開発を国がいろいろなところでやっているでしょう。そういう研究開発の評価ということに対して、失敗が少ないんですね。もっと失敗を堂々と言えるような文化を、霞が関の文化をつくらないとだめだと。

【坂村専門委員】  失敗学の勧めが大事ですね。

【鳴戸専門委員】  税金を使っているから失敗できないというようなことになってしまうと、やっぱりぐあいが悪いと思うんです。

【鍋倉情報通信政策局長】  失敗すると、国会でたたかれたり、あるいはマスコミがたたいたりと、そういうカルチャーがあるものですから。

【鳴戸専門委員】  研究科学は失敗があって当然だと思う。

【坂村専門委員】  できないんですよ、税金を出したやつは。

【鳴戸専門委員】  税金だって、失敗があっていいんじゃないですか。

【坂村専門委員】  いいと思いますけど。

【鳴戸専門委員】  なぜいけないの。

【月尾主査】  国のやることは保険が掛けられないということになっているのね。それは国は絶対失敗しないという前提だから、保険というのは予算につけられないんですね。

【畚野専門委員】  今まではそうだったんだけれども、これからは変えないといかんと思いますね。今NASDAの問題でそれが表に出てきていますけれども、前、私ここで、R&Dも日本の場合、上流側の評価がきちっとできてないというのは今おっしゃったところだと思うんです。

【月尾主査】  ありがとうございました。

  別に、きょう途中の議論ですから、あれですが、かなり共通にご意見が出たことは、一つは人材をとにかく産官学の中でもっと流動させる仕組み、一方向だけではない流動を図るということが大事でしょうと。それから評価システムをつくる。

どういう評価かはわかりませんが、評価システム。それからベンチャー育成についての政策が必要だということと、技術調査など、かなり具体的な話も出ておりますが、そんなことも考えるなど、今後これをもとに、いろいろまた議論させていただきます。どうもありがとうございました。

    (2) 次回会合開催予定について

【月尾主査】  それでは、次回について、スケジュールを。

【荻原電気通信技術システム課課長補佐】  それでは、お手元の資料5をごらんいただきたいと思います。次回、第3回になりますが、本日と同様に両委員会の合同開催といたしまして、3月28日水曜日の午前10時から12時ということで、今度は場所が経済産業省別館10階の共用会議室になります。議題といたしましては、これまでの専門委員の方々のご発表の内容と、ご意見を整理した資料を、事務局からお示しさせていただいて、その上でご議論いただきたいくようなことを考えております。以上です。

3. 閉  会

【月尾主査】  それでは、また次回よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

午後4時02分閉会






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