株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


最近の日本の株式暴落は、中国問題やVW問題によるドイツの
株式暴落に引きずられたものであり、日本の技術力の正念場だ


2015年9月30日 水曜日

VW問題はサプライチェーンを破壊する 9月30日 坂口孝則

 日本でも同様だが、自動車産業は発展とともに、必然としてその構造における密接性を高めてきた。すなわち、アッセンブリー企業(VW等)とコンポーネンツサプライヤー(部品供給社)との協業した部品開発、共同設計にはじまり、JIT(ジャスト・イン・タイム)といった企業間の生産同期なども進めてきた。

 その密接性は、すなわち、リスクの高まりをも意味する。蜜月の関係にあっては、そのアッセンブリー企業の不振をもろに影響を受ける。例えば1996年と1998年に、米ゼネラル・モーターズ(GM)の不振を受けて、GMのサプライヤーで働く労働者はストライキを実施したが、結果として総計50万人もの人たちが職を失った

「Volkswagen FAST」は加速するか

 このところVWは「Volkswagen FAST」というプログラムを開始していた。これは、VWグループのサプライチェーン革新のプログラムで、「Future Automotive Supply Tracks」の頭文字をとったものだ。サプライヤーたちとより密接な関係を構築したり、グループ内で投資案件に優先順位をつけスピーディーな意思決定を行ったりするものだった。これは、トップサプライヤーとの技術共有やグローバル展開を含む、かなり大掛かりなものだ

 目標としては、VWグループの持つ戦略とサプライヤーの戦略までを調和し、軌を一にする。VWが提示する商品計画に初期段階から携わり、グローバル展開までを高速で回す。特にグローバル展開を加速するためには、VWだけでは難しく、サプライヤーやサービス供給者との早期段階から協力を仰ぐことが重要となる。

 Volkswagen FASTでは、クリーンディーゼルという最強の武器をもつVWグループが、文字どおりFAST=速い経営活動を行うための嚆矢だった。そして、そこに起きたのが、今回の排ガス問題だった。

サプライチェーン負の連鎖

 近代のサプライチェーンは、正の波及効果も大きいものの、負の波及効果も大きい。多くのプレーヤーが関わるほど、その負の連鎖も大きく長くなっていく。自動車メーカーは、文字通りアッセンブリー企業だから組み立てしか行っていない。もちろん開発は担っているものの、生産の観点からはごく一部だ。その売上高と比べ7〜8割は外部の力に依存している状況だ。

 さらに、そのサプライヤーも単独で事業ができるわけではない。さらに下(ティア3サプライヤー)から部品等供給を受ける。そしてティア3サプライヤーは、さらに下のサプライヤーへ発注を行う。このような網の目の状況では、アッセンブリー企業の停滞は、そのまま下部構造へ大影響を与えていく。

 前述したようにGMのサプライヤーはかつて50万人もの失業者を生んだ。VWが、こうならないとも限らない。

 私はVWの事件が発覚してすぐに、VWと関わりのあるメーカー2社にその影響を聞いてみた。2社の反応はほぼおなじだった。「影響が大きすぎて、まだその全容がつかめずにいる」。

進むサプライヤー再編

 注目すべきは、ディーゼル関連サプライヤーを無用のものにしてしまう可能性だ。ディーゼル車はもともと燃費の良さを喧伝し市場で勝利してきた。さらに軽油の方がガソリンより安価で、乗り心地や走行性能にも優れるとされた。

 日本ではディーゼル車が環境に優しくないイメージがあったため、本格普及には至らなかったものの、欧州では環境対応と燃費からクリーンディーゼルを選択してきた。ガソリンエンジンよりもCO2排出量が少なく、かつ欧州メーカーも力を入れていた。

 ヨーロッパ圏では、ディーゼル車の普及に向けて多額の補助金が配られ、消費者行動を促した。これはハイブリッド車への移行や、電気自動車の活用を遅らせてしまう結果となった。彼らはディーゼルからもっとも多くの利益を稼いでいたが、皮肉な意味で今回の事件が、ヨーロッパ圏の主要自動車をハイブリッド車や電気自動車に転換させるかもしれない。

 ヨーロッパ圏では、ディーゼル車が約50%を占める。よってディーゼル関連のサプライヤーが多い。それらのサプライヤーや触媒メーカー、VWへパワートレイン部品を供給していたメーカーなどは軒並み株価を下げている。

 残念ながら「クリーンディーゼル」が「ダークディーゼル」だったと分かったいま、VWは高い代償を支払うことになるだろう。本来は、ディーゼルの、かつ一部機種の問題しか明確ではないものの、VWのイメージは低下が避けられない。消費者からの訴訟は想像以上かもしれない。

 ただし、冷静に考えると、VWが倒産し霧消することはないだろう(多分)。台数減少と、それに伴う売上高と利益急落が瞬く間に(“FAST”に)生じる中で、同社はしばらく呻吟する時代が続くかもしれない。サプライヤーの倒産もあり得る。しかし、皮肉なことに結果としては、ディーゼル車の問題を受けて、サプライヤー再編が進むだろう。それは、台数の縮小を前に、サプライヤーを絞らざるを得ないからだ。

日本メーカーの代替なるか

 VWグループの代わりに、日本車が求められることはあるだろうか。もちろんある。ただ、著者の経験からすると、ヨーロッパでは日本車を(マツダのような例外を除いて)さほど受け入れる文化がない。やはり、ヨーロッパ車を中心とした文化のため、たやすくはない。

 また、例えば日本車メーカーでもいすゞ自動車がかつて東京都からディフィート・デバイスの使用を指摘されたことがある。いすゞは、「『排ガスデバイスの保護を目的とした制御』規制には適合、規制逃れの意図はない」としたが、東京都は「反社会的な規制逃れ」と見解を出した。

 私はいすゞに関しては、同社の発言通り、悪質な規制逃れの印象はない。ただし、日本メーカーはこれまで以上に厳格に環境基準クリアをなしとげ、それを環境先進国の商品として地道にアピールしていくほかないだろう。

 他社の不幸を利用することはあまり気持ち良いものではないが、いま日本メーカーの実力もまた試されているときだ。



(私のコメント)

最近のフォルクスワーゲンの不正問題は、私のようなエンジンオタクの独壇場であり、政治や経済や技術をクロスオーバーした問題は、私のような天才的戦略家でないとなかなか切り込めない。日本には自動車評論家も沢山いるが、ドイツのクリーンディーゼル車を絶賛するばかりで、おかげで最近の自動車評論家は信用を失ってしまった。

私はボイラー技士の資格を持った技術者であり、船舶用エンジンを使った自家発電装置を管理運用してきた経験がある。中型船舶用ディーゼルエンジンを起動させるには圧搾空気を貯めこんでそれを送り込んでエンジンを起動させる。その前には潤滑油を回しておかなければならない。そしてそのパワーと騒音と振動と黒い排気ガスには圧倒される。

最近では船舶用ディーゼルエンジンは、17万トンの大型コンテナ船を25ノット以上で「巡航」させることが出来るし、ドイツはディーゼル戦艦で大西洋を大暴れした。それが出来たのもディーゼルの長大な航続距離にあり、イギリス海軍は追いかけ回したが待ち伏せするしかなかった。

当時は大型船舶用ディーゼル戦艦を作ることが出来たのはドイツと日本だけであり、戦後は日本とドイツのディーゼルエンジンが大型自動車に活用された。だからアメリカのGMにもいすゞがディーゼルエンジンを供給している。ドイツがアメリカのガソリン文明に対抗するにはドイツのディーゼル文明が切り札と思われた。しかしクリーンなはずがクリーンでなかった。

日本は電動モーター文明であり、プリウスは初めて電動モーターを用いたハイブリッド車で大量生産された車となった。自動車は黎明期は電動モーターで走っていたがバッテリーが能力不足だった。EVは1830年に作られているがバッテリーの改良が進まず、リチウム電池をソニーが開発して自動車用にも作られるようになり、三菱や日産が本格的EVを量産し始めた。

リチウム電池の発明は、青色発光ダイオードよりも画期的な発明であり、西美緒氏などがノーベル賞をもらってもおかしくないくらいだ。しかし韓国や中国に技術が流出して韓国製のリチウム電池が大手を振っている。ベンツやワーゲンなどはリチウム電池を積んだPHVを発売し始めているが、トヨタなどはPHVにはまだ消極的だ。リチウム電池は発火問題など抱えているからだ。

ドイツはこのようなハイブリッド車やリチウム電池の開発に遅れて、クリーンディーゼルと言う戦略で世界に売り出しましたが、クリーンディーゼル車は売れに売れてVW社は2004年には500万台の売り上げが2014年位は1000万台にまでなってトヨタを追い越すまでになった。

VW社はヨーロッパと中国で売り上げを伸ばし、トヨタはアメリカと東南アジアで売り上げを伸ばしましたが、だからヨーロッパの大都市と中国の大都市はスモッグに覆われる事になった。最近はアメリカの大都市ではスモッグの話はあまり聞かないが、クリーンディーゼル車の売れ行きが関係しているのだろうか?

自動車勢力図から見て、ドイツ中国というユーラシア連合と日米ASEANと言う海洋連合の勢力図が見て取れますが、フォルクスワーゲン社とトヨタの一騎打ちの大勢だった。ここにきてのVW社の不正クリーンディーゼル車問題は致命傷になるだろう。リコールが1100万台にもなるという事ですがVW社が倒産しかねない。

昨日はドイツと組んでもいい事は無いと書きましたが、中国はドイツと手を組むことでアメリカとの対決に挑もうとしている。そのおかげでVW社は中国で売り上げを伸ばして年で367万台も売っている。まさにメルケルが7回も中国を訪れるわけですが、おそらくメルケル首相もVW車の不正を知っていたはずだ。でなければ政治力で今まで抑えられなかったはずだ。

このような事は政治的結びつきと無関係ではなく、米中蜜月時代はトヨタが叩かれて数兆円の罰金を取られるところだった。中国はアメリカを裏切ってロシアやドイツと手を組むことで大国をアピールしたかったようですが、ドイツはギリシャ問題やシリアからの移民問題で問題山積だ。

日本の株式が17000円を割り込んで暴落していますが、中国のバブル崩壊とVW社の不正が発覚してドイツ株が売り叩かれた影響で日本株が売られている。韓国の現代自動車も中国での売り上げを伸ばしましたが、パククネもメルケルと同じく中国には頻繁に訪問を繰り返している。韓国の離米従中は自動車にも影響するだろう。

現代自動車グループの昨年の世界での販売台数は800万台を突破して、そのうちの中国での販売が184万台と躍進している。まさにドイツと並んで韓国は中国との経済同盟関係を築いているようだ。日本では現代車はほとんど見開けないから気がつかないが、トヨタやフォルクスワーゲン社並みの大企業になっている。今では韓国もドイツから技術者を招いて車を作っている。




ドイツ人のイメージを書き換えるインパクトの強い本であった。
ドイツの夢は、それが幻想である事をいずれ知るだろう。


2015年9月29日 火曜日

ドイツリスク 「夢見る政治」が引き起こす混乱 (光文社新書) 三好範英(著)

カスタマーレビュー

ドイツ人が「夢を見る」という事に驚いた。だが、大陸のヨーロッパ人は、全て何故か夢を見て生きてきている。
第二次世界大戦後、ヨーロッパは統合・平和・寛容・自由等の綺麗事を唱えて生きてきた。
それが、皮肉にも裏腹の結果を産みつつある。
著者は、その問題の多くの部分がドイツにあるとする。そして、フィンランドのある町長からドイツ人は、「夢を見る人」という言葉を聞いた。この本のキーワードとなっている。

ドイツが福島原発事故を契機として、脱原発に雪崩込んでいった唐突なドイツ社会の変化は驚きであったと云う。それも、夢に突進したのである。
そして、ドイツは、ナチズムやホロコーストの克服をヨーロッパの統合に求めた。
フランスは、マルクの強大化を阻むためユーロの導入を目指した。同床異夢である。
イギリス・スウェーデン・ポーランド・チェコは、ユーロの非導入国であるが失敗していない。
だが、ユーロもそうであるが合理性を欠いた統合は、「ドイツのヨーロッパ化」ではなくて結果的に「ヨーロッパのドイツ化」となった。
そして、「夢見る人」(=ロマン主義)とは、ヨーロッパ合理主義に対するアンチテーゼでもある。なので、ロシア・中国に対して親近感を示す。

福島原発事故に対するドイツの反応は、グロテスクとしか言いようのないものであった。
そして、それが誤りであった事は、今日では明らかである。対して、イギリスは、全く平静であった。
ドイツ人の心性は、この本によると丸でどこの韓国かと見紛う程である。
それは、「夢見る人」たちが反原発と云う綺麗事に酔って日本を批判する疑似宗教に近いものであった。

だが、夢は醒める。
ブランデンブルグ国際空港、リニアモーターカー、電気自動車そして自然エネルギー利用等に於ける失敗は、隠し様もない。

ユーロは、ドイツの夢とフランスのドイツ封じ込めの政治通貨であった。それは、ナチズムとホロコーストが生み出したものでもあった。
そして、東(ロシア・中国)は、歴史的にドイツ人の憧憬空間でもある。
中国は、これを利用しドイツで「反日」キャンペーンを行い、ドイツメディアはこれに靡いている。中国市場はドイツにとって極めて重要な市場となって来ているのである。
ドイツ人の領土に関する思想は、日本人のそれと大いに異なる。ドイツ人は、取った方が勝ちと云うシニカルな価値観を持っている。
なので、中国進出を図るドイツは中国史観を支持する。

ドイツ人のイメージを書き換えるインパクトの強い本であった。ドイツの夢は中国に対しても起こるが、それが幻想である事をいずれ知るだろう。ヨーロッパの合理主義なるものは極めて危ういものであり評価するに値しない。ドイツは、そのトラウマからヨーロッパに埋没させる事を企てているが、その自責は合理的判断を曇らせていると思う。
丁度、フォルクスワーゲンの如何にもドイツ人らしい綿密な賢い企みが明らかとなり腑に落ちるものがあった。だが、これは既に終わっているのかもしれない。
エマニュエル・トッドがドイツの脅威について語り出したが、一日本人から見ればフランス革命のマイナス面の影響を見れば似たりよったりである。綺麗事は、お終い


◆著者は、長年のドイツ取材の結果、ドイツの根本的な欠陥を知った。それは、過剰なロマン主義の結果、現実的な態度を取れない事である。その根拠を、1) 突然、経済的リスクや実現可能性が疑わしいにも関わらず、脱原発に舵を切った事、2) 政治統合なしで、すなわち財政政策の不一致を無視して、ユーロ統合に走った事、3) ロシアや中国に対する共感、の3つを挙げ詳述して行く。各界要人へのインタヴューを交え、具体的な数値を伴いながら事実で説得してゆく。一部は、川口マーン惠美さんの一連の記事、著作、エマニュエル・トッドの日本で編集したドイツに関する近著などで、知ってはいたが、今回さらに詳しい事情を知ることができた。特にドイツ人の東方志向のせいで、プーチンのロシアに同情的な意見がドイツ国内で幅を利かせているのは知らなかった。”夢見る人ドイツ人”、と言う考えは著者独自の物と思われるので、今後さらに深めていただくことを期待する。本書では、これについては、最初と最後に述べられているだけである。また、著者はトッドの言うドイツ帝国という概念は、言い過ぎだと考えている。

考えてみれば、日本はドイツと組んだ時はろくな事がないのは、松岡洋右の推進した三国同盟でわかる。著者も言うように、現在でも一部の日本人はドイツに過剰に入れ込んでいて危険だ。ドイツびいきの根拠には、もちろん、ドイツの音楽、哲学、文学の達成もあるだろう。

著者は、ドイツは長期的には中国に肩入れする傾向があり、それは大陸国家どうしのシンパシーとでも言うべき物だと指摘する。現に支那事変当時は蒋介石のバックにドイツがいた事は歴史的事実だ。さらに、ドイツ人は、絶対悪とも言うべきホロコーストを起こしているので、徹底的にそれを反省する事で、倫理的に高い位置を得るしかないという心理の指摘には、納得した。本書出版直後に明らかになったVWの環境規制ごまかしも、本書の観点からみると.より本質がつかめるのかもしれない。この事件で、ドイツにがっかりした人も多いのではないか。


(私のコメント)

「ドイツの夢」は「中国の夢」と共通するものがあり、理想ばかり追いかけて現実が見えなくなる。「ヨーロッパ統合の夢」も崩壊しつつありますが、むしろイギリスからスコットランドが独立機運が高まり、フランスもブルターニュ地方がどくりつをさけんでいるし、スペインでもカタルーニャが独立投票で独立派が勝っている。

ヨーロッパの統合や通貨の統合にはメリットもありますがデメリットも多くあり、現在ではデメリットが大きくなって来ている。上手く行っている時はいいが、弊害が出て来ると意見も纏まらなくなり混乱を招くだけになる。ヨーロッパ人の中国への過大な評価もトッド氏が指摘しているが夢に騙されている。

それはAIIBの英独仏伊等の参加にみられますが、中国は高度成長期から停滞し始めて来ているのに、中国にのめり込むドイツやイギリスは中国の事が分かっていないのだろう。イギリスは中国にアヘンを売り込んで巨額な利益を得ましたが、巨大な市場に見えるのだろう。

ドイツと言えば東日本大震災の時はドイツ人が真っ先に逃げて過剰な反応が目につきましたが、テレビなどの日本語の放送がさっぱりわからなかったからだろう。中国の事が分からないのも中国語が読めないからであり、英字新聞からしか情報が得られていないからだろう。

フォルクスワーゲンの不正問題は、氷山の一角のようなものであり、単なる欠陥車問題ではない。フォルクスワーゲン社内部でも4年も前から問題になっていたし、ドイツ政府やEU内部でも問題点が指摘されたが政治的圧力で封じられてきた。それがアメリカの研究機関で不正が明らかになりフォルクスワーゲン社もそれを認めた。

プログラムそのものはボッシュ社のテスト用のものであり、ボッシュ社もグルなのだろうか? EUの規制委員会もテストだけでなく実際の走行試験も含めるべきと言った改革案は政治的圧力で潰されてきた。このようにドイツの会社も規制当局も不正を封じ込めてきた。そのおかげでパリのスモッグはエッフェル塔をも霞んで見えなくなるほどであり、環境保護団体はおかしいと思っていた。

フォルクスワーゲン社の業績は目覚ましいものであり、ディーゼル車の割合は半分にも達している。アメリカや日本ではディーゼル乗用車はあまり見かけませんが、日本はクリーンディーゼル車の開発に遅れた。それは簡単出来るものではなく出来ても高価なプラチナ触媒などを必要としていた。

高速鉄道もTGVなどのように機関車方式だったものが、日本の新幹線のような電車方式の方が加速や減速などで有利であり、ドイツの高速鉄道も電車方式になった。エコカーの開発も自然エネルギー活用も太陽電池パネルなどの失敗がはっきりしてきている。風力発電でも騒音公害等の問題があり失敗している。だからドイツはフランスから電気を買っている。

反原発団体はドイツを絶賛しているが理想が先走って現実が見えなくなるようだ。ユーロの失敗も多くの経済学者も警告したが、ギリシャなど借金をしまくって返せなくなって世界経済を混乱させている。ユーロの導入も各国に思惑があったのでしょうが、フランスは経済統合でドイツの暴走を止められると思っていた。

理想が先走ってしまうのはドイツ人も日本の左翼や脱原発論者も同じであり、戦争反対を叫ぶのはいいがもっと現実を見るべきだ。「ドイツリスク」とは理想に走りすぎるリスクであり、アドルフ・ヒトラーもドイツの夢を語っていた。しかし政治家は現実主義者であるべきであり合理的な判断が出来なければならない。

日本にしても戦前は「アジアの解放」とか「人種平等」などと「夢」を追い求めていたが、「夢」はかなったが代償が大きかった。それに対してナチスドイツは人種差別主義的であり、日本はナチスドイツと同等の犯罪国家となってしまった。白人にとっては「アジアの解放」や「人種平等」は有ってはならない事であり、ドイツ人はユダヤ人や少数民族を殺しまくった。

ドイツは同盟国だったから対日感情もいいだろうと日本人は考えがちですが、ドイツにとっては第一次大戦では青島や南太平洋の植民地を奪ったにっくき敵国だった。考え方も大陸国家でもありロシアや中国などと考え方が合いやすい。ドイツ人は現実的合理主義的なイギリス人とは違い失敗ばかりしている。ドイツ人はユダヤ人を使いこなして利用した方が良いと考えなかったようだ。

「株式日記」では原発再稼働に賛成しているし、集団的安全保障にも賛成している。それが現実的であり合理的であると考えているからだ。左翼は「理想」を大きく掲げるが失敗を繰り返している。失敗したと思ったら方針転換すれば大きな失敗は防げる。ドイツ人も考え方の柔軟性を欠き大きな失敗を繰り返す。




マツダは世界最高の燃費水準とNOx後処理装置が不要になる
ほどクリーンな排出ガスの「SKYACTIV-D」を2012年に商品化


2015年9月28日 月曜日

世界最高水準の燃費と環境性能を持つクリーンディーゼルエンジン 2013年7月 NEDO

燃費20%改善、NOx後処理装置不要

燃焼エネルギーを効率よく動力に変換できるディーゼルエンジンは、燃費性能においてはガソリンエンジンより優れています。現在わが国では、排出ガスや省エネルギー、CO2排出量削減といった自動車の環境面の性能からハイブリッド車に人気が集まっていますが、ヨーロッパではその燃費性能からディーゼルエンジン車の人気が極めて高く、自動車の2台に1台はディーゼルエンジン車といわれるほどです。一方で、ディーゼルエンジンは、NOx(窒素酸化物)やPM(ススなどの粒子状物質)など大気汚染物質の排出量が多くなるため、排出ガスを浄化しガソリンエンジン並みの環境性能を達成するには、多量の貴金属を必要とする触媒や、尿素SCRなどによる大がかりな排ガス処理装置が不可欠でした

そうしたなかNEDOでは、地球温暖化防止、大気汚染物質の排出削減の観点から、ディーゼルエンジンの環境性能向上を目指して、2004年度から5年間、NEDO「革新的次世代低公害車総合技術開発」プロジェクトを実施しました。わが国の自動車メーカーのなかでも特にディーゼルエンジンの可能性に着目してきたマツダ株式会社は、同プロジェクトに参画して、ディーゼルエンジンの高い熱効率を維持した新燃焼技術の開発と革新的触媒技術の開発に取り組みました。その成果として、マツダは世界最高の燃費水準とNOx後処理装置が不要になるほどクリーンな排出ガスのディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を2012年に商品化。同エンジンはマツダ車の「アテンザ」や「CX-5」に搭載されていて、2013年6月までに50,000台(国内)の販売台数を超えるなど、温室効果ガス削減に向けたディーゼルエンジン車の普及・拡大に大きく貢献しています。

世界最高水準の燃費と環境性能を実現した「SKYACTIV-D」

ガソリンが燃料のガソリンエンジンは、比較的簡便な触媒装置で排出ガスを浄化することが可能です。一方、軽油を燃料とするディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンより燃費性能が高いことが知られていますが、従来のディーゼルエンジンは、NOx(窒素酸化物)やPM(ススなどの粒子状物質)など汚染物質の排出量が多く、排出ガスを浄化しガソリンエンジン並みの環境性能を達成するには、高価で大がかりな後処理装置が不可欠でした(表1)。

これに対してマツダは、ディーゼルエンジンの強みである燃焼効率をさらに高めつつ、後処理装置なしで国際的な排出ガス規制をクリアできる新世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」の開発に成功し、省エネルギー化と大気汚染物質排出削減の両立を達成しました。

さらに「SKYACTIV-D」では、燃費や環境性能向上ばかりだけでなく、自動車本来のドライビングの楽しみや歓びをユーザーが体感できるように、スムーズでリニアな加速性能も同時に実現しています。

従来、ディーゼルエンジンは低速でのトルクや低回転域での走行を得意としていました。「SKYACTIV-D」も2,200ccの排気量で、ガソリン車なら4,000ccクラスに匹敵するトルク(420Nm)を低回転域(2,000rpm)で発生します

そして、そのままアクセルを踏み込んで回転数を上げていくと、これまでのディーゼルエンジン車では考えられないようなスムーズな加速性能が発揮されます。従来のディーゼルエンジンでは出力が上がらなくなる高回転域(5,000rpm)まで、ガソリンエンジン同様のスムーズさでエンジンは回転し、出力も落ちません。

発進停止を繰り返すため低回転でのトルクが必要な市街地走行。一方、高回転、高出力の加速性能が必要な高速道路。「SKYACTIV-D」はいずれの条件でも性能に余裕があり、ユーザーは、従来のディーゼルエンジン車にはないドライビング感覚を体感できます。

低圧縮比と独自のターボ技術で次世代クリーンディーゼルエンジンを実現

「SKYACTIV-D」では、従来のディーゼルエンジン車以上の燃費向上と、排出ガス中のNOx、PM軽減を両立させるため、シリンダー内の圧縮比を世界で初めて「14.0」まで下げ、爆発圧力が低くても、高圧縮比エンジンと同じパワーを発生させることを可能にしました。

ディーゼルエンジンはシリンダー内に空気を吸い込み、ピストンで圧縮して高温にしたところに燃料(軽油)を噴射、自然着火させて動く仕組みのため、「高圧縮比」であることが常識でした。しかし、圧縮比が高いことが不均一な燃焼につながり、汚染物質の発生原因ともなっていました(図1)。

マツダは、この「ディーゼル=高圧縮比」という常識を見直し、低圧縮比で爆発圧力が低くなることを利用してピストンやクランクシャフトなどの回転系部品を軽量化、低剛性化しました。その結果、機械抵抗が減って燃費が向上すると共に、低回転域から高回転域までスムーズにエンジンが回るようになりました。

低圧縮比での燃焼は、燃料を噴射してから着火までの時間が長くなり、燃料と空気の混合が進みます。高圧縮比では燃料と空気が均等に混ざる前に着火してしまうため、シリンダー内に局所的な酸欠状態が発生、不完全燃焼が起きて汚染物質を増やしていました。

低圧縮比で十分に燃料と空気が混ざり合うようにすると、シリンダー内で均質に低温で発火燃焼させることができるため、NOxやススの発生を大幅に減らすことができます(図2)。

加えて、燃焼室(シリンダー内でピストンが上死点※でまで動いたときにピストンヘッドの上にできる空間)を卵形(エッグシェイプ)燃焼室にして燃料と空気の混合を促す仕組みを考案、より均一な状態での燃焼が可能になり、燃費を向上させただけでなく、汚染物質の発生を抑制することにも成功しました(図3)。

※上死点=クランクを使う機械(エンジンだけでなく自転車などでも)で、回転力が働かない点を「死点」と言います。その最も高い位置が上死点、低い位置が「下死点」となります。自転車のペダルでは、一方の脚のペダルが上死点に達すると、逆の脚のペダルは下死点に有り、漕ぎ続けることができます。

そして、リニアで伸びのある走りを可能にしたのは、大小二つのターボを組み合わせた「2ステージターボシステム」です。「大ターボ」と「小ターボ」を三つのバルブで最適に制御し、低回転域での高トルクと高レスポンス、高回転域での高出力というように、回転数に応じて使い分けています(図4)。

「低圧縮比」や「2ステージターボ」といったキーテクノロジーは、低燃費やリニアな走行性能を実現しただけでなく、ディーゼルエンジンのクリーン化も促進しました。その結果、ディーゼルエンジンの排出ガス浄化には不可欠とされてきたNOx後処理装置(触媒等)なしでも環境規制値以下までNOxやPMの排出量を低減させることが可能なほど、クリーンな排出ガスのディーゼルエンジンを世界で初めて実用化しました(図5)。(後略)



(私のコメント)

フォルクスワーゲンの不正問題は4年も前から社内の技術者たちから指摘されていたそうですが、上からの圧力で封印されていた。だから一部の人癌による犯罪ではなくフォルクスワーゲン社ぐるみの犯罪であり、ドイツ政府やEUなどでも問題を指摘されても政治的圧力で封じられてきたようだ。

ディーゼル車をクリーンな排気ガスにするには高価な排ガス処理装置が必要になり、ハイブリッド車よりも高価になってしまう。だからベンツやポルシェのような高価な車には出来ても、大衆車を作っているフォルクスワーゲンには耐久性の低い排ガス処理装置になりプログラムを不正して検査をパスさせた。

マツダでもクリーンディーゼルエンジンを開発してアテンザやCX−5などに搭載してベストセラーになりましたが、マツダのディーゼルエンジンは低圧縮比のディーゼルエンジンを開発して成功したようだ。低圧縮比にする事で空気と燃料との混合が良くなり、低いNOxやPMにすることが出来たようだ。エンジン自体もアルミ化して25キロも軽くなっている。

まさにコロンブスの卵的な発想でクリーンディーゼルエンジンを作ったという事であり、NOx処理装置もいらないそうです。エンジン自体も軽量化した事で吹き上がりも良く加速性能もいいらしい。このように書くとマツダの回し者かと疑われますが、ドイツ車とは異なるディーゼルエンジンを開発したのだからドイツ車とは異なる。

マツダではアメリカにもクリーンディーゼル車の販売を目標にしていますが、問題は世界一厳しいアメリカの排ガス規制だ。排ガス規制にパスしても高価格では売れないから分かりませんが、ドイツの自動車業界ではできなかった低価格のクリーンディーゼル車が出来た。

今回の騒動でディーゼル車を売っているマツダの株も売られていますが、逆にフォルクスワーゲンをシェアをマツダが奪えるかもしれない。フォルクスワーゲン社は賠償金も考えれば倒産すらも考えられるほどの賠償金の金額になると思われますが、不正プログラム自体もイギリスなどではばれていたが圧力で封じられていた。

スズキがフォルクスワーゲンと提携したのもクリーンディーゼルエンジンの技術を得ようとしたのですが、その技術は得られなかった。不正なプログラムを使っている事がばれるのを恐れたからVW社はスズキに提供できなかったのかもしれない。スズキはその事が分かってVW社との提携を解消したのかもしれない。

スズキも軽自動車だけでは限界があり、高い利益率の小型車にも力を入れたいところですが、ハイブリッドかクリーンディーゼルかの技術が欲しい。スズキではSエネチャージと言うマイルドハイブリッド車を発売していますが、いかに低コスト化するかが問題だ。ハイブリッド車もリチウム電池の価格がネックになっている。

今回の騒動がきっかけとなって車の排ガス公害問題や燃費などの経済性が重要な課題となるでしょう。日本にはハイブリッド車と言う技術がありますが、ドイツやアメリカは遅れている。EVにも電池と言うボトルネックがあり、リチウム電池は日本がリードしている。

問題は安くて大容量でコンパクトな電池が作れるかですが、日本がいくら技術開発しても韓国や中国に技術が漏れてしまう。韓国や中国は日本の政界に圧力を掛けて日本のメーカに流させているのだ。日本の特許制度がそうなっているからだ。安保法案でも民主党の白議員や福山(陳)議員が大暴れしていましたが在日議員が国会内に沢山いる。

北京やパリではスモッグ公害がひどくなり自動車の走行が制限される時がある。アメリカのロスアンゼルスも大気汚染公害の為に排ガス規制は厳しくなる一方だ。ガソリン価格は安くなっているが排ガス公害問題はガソリン車やディーゼル車では避けて通れない。だからいかに排ガスをきれいにするかと言う問題が焦点になるだろう。




中国はずっと以前から不安定化に向かって走っており、
いまは危機の兆候が顕在化してきたと見ています。


2015年9月27日 日曜日

幻想の大国を恐れるな 9月14日 エマニュエル・トッド (歴史人口学者)

中国は経済的にも軍事的にも「帝国」ではない

ここ最近の株価の下落や経済成長率の鈍化などを見て、「中国の危機」を言い立てる人が急に増えてきました。しかし私は、中国が桁外れの経済成長を続け、「このまま行けば世界トップの国になるかもしれない」などと言われていた時代から、「この国は非常に不安定で、問題の多い国家だ」と常に指摘してきました。中国はずっと以前から不安定化に向かって走っており、いまは危機の兆候が顕在化してきたと見ています

?はじめに断っておきますが、私は中国の専門家ではありません。そして、現在の中国が完全に悲観的な状況にあるとも考えていません。中国がここ三十年間で急速に、しかも途轍もない経済成長を遂げ、豊かになったのも事実です。このことを前提にして、中国の現状を分析し、中国の何が問題で、隣国である日本はどのようにこの大国と向き合うべきなのかについて、論じていきたいと思います。

?最近よく「中国は現代における『帝国』なのか」という質問を受けます。「現代における『帝国』」とは、経済的にも政治的にもヨーロッパ大陸のコントロール権を握る、いまのドイツのような存在です。

?この質問に対する私の答えはもちろん、ノーです。

?経済的に見ても政治的に見ても帝国ではないと言い切ることができますが、まずは経済的な側面から見ていきましょう。中国の経済は確かに急成長を遂げてきました。しかし、それは自立的に達成したものではまったくありません。アメリカやヨーロッパ、そして日本の資本家たちが中国にたくさん投資し、そしてまた中国からたくさん輸入する――このモデルを作って、中国の最高指導者たちに受け入れさせてきた。これこそが、中国の経済成長の実態です。

?つまり、この経済的な繁栄は、中国の指導者たちが有益な決断を主体的に下した結果、得られたものではなく、経済的な力関係の中で、西洋の資本主義諸国から押し付けられたものを受け入れたからこそ得られたものなのです。一見、中国の最高指導者たちは賢そうに見えますが、実はそう賢くもありません。彼らの進路を決めてきたのは、中国の膨大な人口を安価な労働力として「使ってきた」西洋のグローバル企業なのです。

?軍事的に見ても、他の大国に比べれば軍事技術で非常に遅れをとっているため、強さはあまり感じられない。しかも、アジアで覇権を握れているかというと、まったくそうではありません。むしろ、ベトナム、フィリピン、韓国、日本など、中国の覇権を拒否し、アメリカという帝国のシステムの下に入ることを選んだ国々に囲まれています。

?ですから、中国は途方もなく巨大な国家ではありますが、帝国と呼ぶことは決してできないのです。詳しくは後述しますが、私が危うさを感じているのは、その巨大国家が、ナショナリズムの熱狂によって自ら戦争に突き進んだかつてのヨーロッパの大国と同じような振る舞いをしていることです。

次に、現在の中国が抱えている大きな問題点を見ていきましょう。まず一つは、私の専門分野である人口の問題です。中国では現在、猛スピードで少子高齢化が進んでいます。まだ国家全体が豊かになっていないために、年金をはじめとする社会保障制度の整備もできないまま、高齢化社会を迎えてしまった。これが近い将来、社会不安を増大させることは間違いありません。

?それに加えて、中国では、男女の出生数に著しい差があります。国連の統計によれば、中国では女子の出生を一〇〇とすると、男子の出生は一一七。世界の平均は女子の出生一〇〇に対して男子の出生は一〇五か一〇六。一〇七を超えると不均衡とみなされますから、この数字がいかに歪かということがよくわかります。

?これだけ男女の差が生じているのは、女子を妊娠したことがわかると選択的に堕胎を行なっているか、出生しても当局に申告していないか、どちらかの理由が考えられます。いずれにせよ、この事実は、中国が依然として前近代的な父権主義社会であり、それが人口動態に大きなバランスの変調をもたらしていることを示しています。そして、これだけの男女数の差が将来のこの国の社会構造によい影響をもたらさないことは、火を見るよりも明らかです。

?二つ目の問題は、やはり経済です。

?中国はGDPで日本を抜き、世界第二位の経済大国になりました。しかし、実態が伴っていません。GDPの内容を分析すると、全体の四〇から五〇パーセントを公的機関や民間によるインフラ整備などの設備投資(総固定資本形成)が占めています。この数字からわかるのは、マンション建設などの不動産のほかに、道路、空港、鉄道の整備に特化した投資が行われているということです。

?これでは、経済全体を国家に隷従させた旧ソ連のスターリン時代の経済メンタリティーと、さほど変わりがありません。つまり、共産主義から脱却し、近代化されたと多くの人に考えられている中国の経済運営は、依然として古臭いものなのだと考えるのが妥当なのです。

?一方でGDPに占める個人消費は三五パーセントと、著しく低い。日本やアメリカの個人消費が占める割合は六〇から七〇パーセント台ですから、その低さは明らかで、この数字は中国経済がいかに外需に依存しているかを示しています。

?ただし、中国が世界経済や金融界において重要なアクターになっているのは事実であり、昨年、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立が大きな話題を呼んだのは記憶に新しいところです。

?しかし、私はAIIBの設立は、時期尚早だったと考えています。中国は経済的にまだ未熟で、自立できていない国です。それが、自分のサイズを超えて手を広げているように見えるのです。

?中国は海外で多くの投資を行い、さまざまなものを買いあさっていますが、それ自体は経済的な成熟の証ではありません。むしろ自国内でお金を使っていないことを表しています。自国の国民に対して使うべき富を海外に流出させているのです。

これ以上、中国の経済の細かい現状や人民元の将来について議論を展開する資格を私が持っているとは思いませんが、一つだけ言っておきたいことがあります。

?それは、八月に数回にわたって行われた人民元の切り下げについてです。私は以前から、中国は輸出頼みの不安定な経済構造から脱却し、国内需要を中心とした安定的な経済構造に変わっていくべきだと繰り返し主張してきました。しかし、今回の元の切り下げを見る限り、通貨を安くすることで輸出品の価格を下げて経済成長を目指すという、従来の経済政策を続けようとしているのは明らかです。

?ところが今回の人民元の切り下げに関してフランスやイギリスのメディアが報じたのは、本来伝えるべき「これは大変なことが始まった」という危機感ではなく、「人民元が国際的にまともな通貨となる表れだ」などといった好意的な評価でした。

?私に言わせればこれこそが、中国の現状を直視しないヨーロッパ人の典型的な姿なのです。客観的なデータや状況をつぶさに分析すれば、中国を必要以上に大きく見ることはできないはずです。では、彼らはなぜ、中国経済の現状を過大評価して、楽観論を繰り返すのでしょう。それは、世界のネオリベラリズム(新自由主義)と関係があります。



(私のコメント)

トッド氏は歴史人口学者であり、人口の異変からソ連の崩壊を予言していた人だ。そのトッド氏が中国の人口の異変から中国人の意識を分析しています。中国は18世紀頃から停滞してしまった国であり、現代でもその意識が変わらず、男女の出生比率もおかしなままだ。つまり意識が近代化していない。

中国の少子高齢化は政府が強制した政策であり、生活が豊かになれば人は子供を産まなくなる。だから中国は豊かになる前に少子高齢化してしまって労働人口のピークは過ぎようとしている。社会インフラも年金制度も中国はまだ整備が完成していない。その事が社会不安の元になると指摘しています。

中国は豊かになっても一党独裁国家に変わりがなくソ連時代と意識が変わっていない。経済は国家に従属したままであり、自由市場にゆだねる意識が無い。極端な事では株価さえも操作しようとしているが、世界第二位の経済大国になれば国家が経済統制するのは無理がある。

このように中国人の意識は近代化されておらず、中国政府は情報も統制しているから意識の近代化が進むわけがない。それは先日の軍事大パレードを見ても分かりますが、習近平は人民服を着て毛沢東を見習おうとしているようだ。弁護士の大量逮捕も第二次文化大革命の前兆かも知れない。

トッド氏は最初にことわっているように中国の専門家ではありませんが、人口動態的に中国の混乱を予想している。中国は平等社会であり経済が成長して格差がひどくなれば中国人たちは不満を持つようになる。その経済成長も自分たちの自立的な努力によるものではなく先進国からの投資によるものであり、利用したのはグローバル企業だ。

このような事からトッド氏は、中国が経済的にも軍事的にも帝国には成り得ないと指摘しています。中国は虚勢を張っているだけであり、私も大軍事パレードを見て感じた。むしろ本当の帝国はアメリカやドイツのように派手な軍事パレードなどはやらない。知らないうちに他国を支配するのがスマートなやり方だ。

トッド氏は以前にも書いたように、ドイツがEUをいつの間にか支配するようになった。ユーロもドイツだけが儲かる仕組みになっており南欧諸国は借金でドイツの助けを借りなければならなくなった。中国も外国から借金をしまくってそれを外貨準備に入れているようだ。海外からの投資も借金とすればそうなってしまう。

中国経済のバブル崩壊が始まり始めた事で外国からの投資が逃げ始めて、人民元を引き下げようとしたら株式が大暴落してしまった。こうなれば中国の約4兆ドルの外貨準備もあっという間に消えて行くだろう。中国は輸出以上に輸入が減っているが、中国人の日本での爆買いはなぜなのだろうか?

中国人が国内で物を買わずに香港や日本で買っている。外貨が豊富なのだから日本や外国から輸入すればいいのにと思いますが、高い関税をかけて国内産業を保護している。それだけ競争力の弱い産業構造であり、ブランド商品が作れない。ブランド品を作っているのは外資系企業であり簡単には技術をコピーできない。

トッド氏は中国の専門家ではないがから冷静に分析が出来ますが、将来の混乱した中国を予想している。中国は過剰なナショナリズムを煽っていますが、それは1900年頃のヨーロッパと似ているそうです。ヨーロッパも国民国家として過剰なナショナリズムが第一次大戦を招いた。

つまり中国や韓国の国民意識は100年以上前のままであり、建国から70年しかたっていない事から来るものだ。このような中国や韓国のナショナリズムは未熟さから来るものであり日本がこれに過剰に反応してはならない。この事をトッド氏も述べている。

中国の事を一番よく知っているのは日本人であり、日本人は漢字が読める。トッド氏はヨーロッパ人が中国を過大に評価している事に異論をはさんでいるが、中国人は世界中にいるから中国の事を過大に言いふらしているからだ。しかし日本ではそれが通用しない。本当の帝国はそのような誇大宣伝をすればマイナスになる。ドイツのフォルクスワーゲンが叩かれたのは誇大宣伝がアメリカを刺激したからだ。




世界の覇権国家の基礎的な要件は、規模の大小よりも科学
技術力であり、アメリカやドイツはエコカーの開発に遅れた。


2015年9月26日 土曜日

VWの不正告白、当局と繰り広げた長期攻防の舞台裏 9月25日 ロイター

このようにしてVWと米当局側との15カ月間に及ぶやり取りは終止符が打たれたと、複数の関係筋は明かす。EPAなど米規制当局側は、VWのディーゼル車が通常走行中に基準を超える有害物質の窒素酸化物(NOX)を排出していると疑うようになっていた。

VWは2008年、いわゆる「クリーンディーゼル」エンジン搭載の「ジェッタTDI」(2009年モデル)を大々的に宣伝した。2008年に開催されたロサンゼルス自動車ショーでは「グリーンカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたそのエンジンは、ディーゼル乗用車が全体の半数を占める欧州と比べ、僅かなシェアしかない米国販売を拡大する突破口と見られた。

<祖父のディーゼル車>

クラウス氏は2008年当時、米規制当局へのプレゼンテーションで「これは祖父のディーゼル車とは違う」と語っていた。同氏らVW側はカリフォルニア州を含むすべての州の汚染基準に適合すると主張していた。

その約10年前から、VWやマツダ<7261.T>など他の自動車メーカーは業界団体「ディーゼル・テクノロジー・フォーラム」を設立し、ディーゼル車に対する規制緩和を求めロビー活動を行っていた。2005年にはディーゼル車に対する税控除も実施された。2009年にVWのジェッタが発売されると、米国の販売代理店では完売が相次いだ。

一方ほぼ同時期に、欧州の規制当局は各社が主張するディーゼル車の排ガス水準に懐疑的になっていた。2013年に発表された欧州委員会(EC)の調査は、欧州の自動車メーカーが試験の抜け穴を利用していると結論付けた。ECの別の調査結果でも、欧州メーカーが販売するディーゼル車は試験走行と一般走行で結果に相違があることが示された。

CARBのスタンリー・ヤング氏によると、EC規制当局が米国での路上走行時のデータを求めているのを受け、カリフォルニア州は調査を開始したという。

データ作成は2013年2月、輸送車両の環境適合性などを調査する非営利団体の国際クリーン交通委員会(ICCT)に委託され、ウエストバージニア大学(WVU)の研究者たちが行った。

WVUの研究チームによると、2013年春に7週間にわたってVWのジェッタ(2012年モデル)と同パサート(2013年モデル)を、ディーゼルエンジン搭載のBMWのX5と一般道で比較走行した。その結果、BMW車の排ガス水準は試験走行時の範囲内に収まっていたが、ジェッタは法定基準の15─35倍、パサートは10─20倍も上回っていた。

その後間もなくしてWVUがテストした同じ2台を、CARBの施設で試験走行したところ、排ガス基準内に収まる結果となった。

それから1年間かけてWVUの研究チームはデータを分析。その結果をカリフォルニア州サンディエゴで昨年3月31日に開催された会議で発表した。

<警戒強めた米当局>

この調査結果について「米国とカリフォルニア州にとって明らかに問題だと、幹部たちは警戒を強めた」とCARBのヤング氏は話す。

ヤング氏によると、昨夏に始まったカリフォルニア州当局者らとVWとの話し合いで、VWのエンジニアは調査データとその手法に異議を唱え、結果の信ぴょう性を損なおうとしたという。「断固反対する態度だった」と同氏は振り返る。

EPAによると、VWは昨年12月2日に独自の調査結果を持ち出し、基準を超えていたのは「さまざまな技術的問題と予期せぬ走行中のコンディション」のせいだと主張した。その後、VWはエンジン制御ソフトを修正するためのリコール(回収・無償修理)に同意した。

CARBのエンジニアたちはテストを続け、VWによるソフト修正でも排ガスが大きく減少しないことを明らかにした。事態の打開につながったのは、車のコンピューターシステムに保存されていた診断データを調べたときだった。

ヤング氏は「いくつか非常に不思議な異常を発見した」と言う。

「例えば、通常とは逆に、車は温まった状態よりも冷えた状態での方がクリーンに作動していた。普通は温まったときに汚染制御システムも最善に働く。だが、この車は違った。明らかに何か違うことが起きていた。われわれは時間をかけて、彼らが合理的な説明ができないほどに十分な証拠と疑問を集めた」と同氏は説明する。

CARBは今年7月8日、その結果をVWに提示したが、同社の立場に変わりは見られなかった。一部の当局者は、VWが試験走行時に排ガス規制モードに切り替わる「無効化機能(defeat device)」ソフトを自社の車に搭載して意図的に法を犯しているのではないかとひそかに疑問に思っていたと、関係者の1人は明らかにした。

同ソフトは通常走行時には排ガス低減装置を無効化し、有害物質を基準値の最大40倍排出する。

「こんなふうにだまして逃げ切れると思うなんて、想像をはるかに超えている」と、1999年から2004年までCARBを率いたアラン・ロイド氏は驚きを隠せない様子で語った。



(私のコメント)

「株式日記」では、世界の覇権国家の条件として科学技術力が条件になると書いてきました。規模からすれば18世紀ごろまでは中国が世界最大の経済大国でしたが、世界的覇権国家とは言えなかった。それよりもスペインを打ち破ったオランダやイギリスが世界の覇権国家となったのは、その優れた造船技術であった。

現代では帆船から変わって自動車が文明のバロメーターになっており、1970年代頃まではアメリカ車は高級車として評価されていた。アメリカのエリートはキャデラックを乗り回していた。しかしオイルショックなどで燃費が問題になるようになり、アメリカ車はガソリンバカ食い車として評価されなくなった。

それに代わってベンツなどのドイツ車が評価されるようになり、故障しない車として堅牢性が評価されるようになった。イギリスなどもジャガーなどの高級車があったが故障しがちでイギリスは自動車大国から脱落して行った。自動車は世界に販売される戦略商品であり、その国の科学技術力が無いと作れない。

ドイツは、ベンツのような高級車からフォルクスワーゲンのような大衆車まで世界をリードするようになり、日本でも輸入車のトップはドイツ車だ。アメリカも燃費のいい小型車を作ろうとしたが故障しがちで売れなくなり、日本の小型車がオイルショックの波に乗って経済性で売れるようになった。

オイルショックはアメリカが仕掛けたとも言われますが、石油価格が上がれば産油国のアメリカが勝ち、石油の無い日本は負けるはずだった。しかしガソリン価格も上がってしまってアメリカのガソリンがぶ飲み車は売れなくなり、アメリカ政府は自分で自分の首を絞める事になった。

現在では、ドイツと日本が世界の車市場をリードしていますが、トヨタとフォルクスワーゲンが生産台数でトップを競い合っている。確かに日本で見かける外車のほとんどはドイツ車であり、それ以外の外車は最近は見かけた事が無い。日本人は世界一うるさいユーザーであり、特に経済性と信頼性にうるさい。

アメリカやアジアやアフリカでも日本車の中古車の信頼性は高く、アフリカなどではテロリストがピックアップトラックに機関銃を付けて戦闘しているが、トヨタ車が大人気だ。戦闘では車が故障したら命が無くなるから故障しない車を使う。テロリストはなぜドイツ車を使わないのだろうか? 大衆車の信頼性に影が差しているからだろう。砂漠の真ん中で故障したら命が無くなる。

アフリカではトヨタのランドクルーザーが必需品であり、中古車市場でも価格が高い。BMWなどは中古になると価格が落ちる。自動車などは単価が高いから家電製品のように安いだけでは売れなくなり、信頼性が無いと売れなくなる。故障すれば1トンもの粗大ゴミになってしまう。

最近では自動車の出す排気ガスが社会問題になっていますが、昨日も書いたようにパリやロンドンやベルリンなどでPM値が高くなっている。パリなどはエッフェル塔がスモッグで霞んで見えなくなるほどだ。環境先進国のはずが北京並みのスモッグに悩まされている。

ヨーロッパではクリーンディーゼル車が主流になり、日本の自動車評論家もドイツのクリーンディーゼル車の技術力を絶賛していた。トヨタのハイブリッド車は燃費が良く環境にも優しいが価格が高いと評価されて、世界では売れなかった。それに対してクリーンディーゼル車の走行性能が評価された。

さすがは環境先進国のドイツ車はすごいという事だったのでしょうが、排ガス処理装置を付けると50万円以上も高くなるはずだ。しかしフォルクスワーゲンやBMWやボルボは20万円程度高い値段で売っている。触媒にプラチナを使うから安するにも出来ないはずだ。そしてヨーロッパの大都市ではスモッグが問題になっている。

プログラムに不正があるという疑いはロイターの記事を見れば分かりますが、1年半も前から問題になっていた。EUの環境団体がアメリカの大学に調査を依頼しておかしいとなりましたが、排ガス処理装置の温度が低い時に規制内なのに、加熱した状態では規制を大幅に超えると言う矛盾からプログラムで不正工作している事がばれた。

そもそも燃料に軽油を使っている以上は排ガス処理装置を付けなければならず、長期間働かせるには多くのプラチナを必要とする。だから低コストでは排ガス処理装置は作ることは出来ない。しかし50万円も高くなればガソリン車を買った方が良いという事になる。

トヨタのプリウスとガソリン車の価格差は30万円程度ですが、ガソリンの消費が半分に減って大気汚染に優しい事は確かだ。それに対してプラチナを使うクリーンディーゼル車は50万円は高くなる。つまりクリーンディ−ゼル車にはコストの壁があり将来性は無い。

ハイブリッド車はバッテリーやモーターなどのコスト高要因がありますが、バッテリーはリチウムは高いが安い材料が見つかれば安くできるだろう。走行性能もバッテリー次第でありレーシングカーはハイブリッドでないと勝てなくなっている。つまりこれからはPHVとEVの時代であり、ディーゼルエンジンは大型トラックなどに限られるだろう。




スモッグにかすむEUの大都市は世界最悪の大気状態。
EUはクリーンディーゼル車のインチキを知っていたはずだ。


2015年9月25日 金曜日

パリの大気汚染が危険水準に、20年ぶり自動車運転規制へ 2014年3月17日 ロイター

[パリ 16日 ロイター] -フランス政府は17日、首都パリの大気汚染が危険水準に達したとして、20年ぶりとなる自動車の運転規制に踏み切る。

パリはフランスのディーゼル車補助金制度や自家用車台数の多さなどを背景として、欧州の他の大都市に比べてスモッグに見舞われやすい。最近は季節外れの暖かさと晴天が1週間続き、汚染が悪化していた。

今回導入した制度では、ドライバーはナンバープレートが偶数か奇数かに応じて隔日しか運転を許されない。先週はパリの空気が目に見えてかすんだため、公共自転車や電気自動車の共有制度が無料化されていた。

マルタン・エコロジー相は16日、記者会見し、17日には大気汚染が悪化する恐れがあるとし、規制は市民の安全を確保する狙いだと述べた。

欧州環境機関(EEA)の13日の発表によると、微小粒子状物質「PM」の濃度はパリで147マイクログラムに達したのに対し、ブリュッセルは114、アムステルダムは104、ベルリンは81、ロンドンは79.7だった。

野党や自動車関連団体は今回の措置について、3月末に迫った地方選を前に、社会党が連立を組むヨーロッパエコロジー・緑の党の圧力に負けた形だと批判している。



クリーンディーゼル車の実力 2012年 国沢光弘

 今まで燃費の良いECOカーと言えば、ハイブリッドカーかコンパクトカーだった。しかし、ここにきて新世代のディーゼルも有力な候補になりそうな流れになってきている。なぜディーゼルなのか?ボディサイズが大きいクルマなら、ハイブリッドより燃費が良いからだ。

 長い間、ディーゼルは「排気ガスのクリーン度」に問題を抱えていた。船舶や建設機械など産業用ということで容認されてきたものの、乗用車のように台数が多く、身近な存在だと深刻な大気汚染を招く。そこで日本やアメリカでは事実上禁止になるほど厳しい排気ガス基準が定められていた。

 こう書くと「ヨーロッパはなぜディーゼル車が多いのか?」と思うことだろう。ヨーロッパも厳しい排気ガス規制を行うハズだったが、自動車メーカーの強硬な反対にあって大幅に緩い内容になってしまった。現在の『ユーロ5』という規制の内容は、日本だと2005年施行の『新長期規制』と同等程度。

 ちなみに現在の日本はガソリンエンジンと全く同じクリーン度が必要な『ポスト新長期規制』となっており、ヨーロッパで2015年から始まる『ユーロ6』とほぼ同じ厳しさである。排気ガスのニオイは全くせず、空ぶかししても黒い煙などは見えない。今までのディーゼルエンジンと別物です。

 日産は2009年に世界一厳しい日本のポスト新長期規制をクリア出来るディーゼルを発売したものの排気ガス浄化装置のコストダウンが出来ず、同じクラスのガソリンエンより大雑把に言って55万円くらい高価になってしまう。ここまで高いと気軽に買うことも出来ず、伸び悩んでいた。

 だからこそハイブリッドやコンパクトカーの陰に隠れ、目立たなかったのだ。ところが2月に発表されたマツダCX-5のディーゼルは業界の常識を打ち破る価格設定をしてきたのである。ガソリン車との差額38万円。しかもクリーンディーゼルの補助金はガソリン車の補助金より8万円多い。

 さらにガソリン車だと75%減税の取得税や重量税までディーゼルなら100%減税。これらの優遇措置を合計すると、ガソリン車との金額差は25万円程度に縮まってしまう。一方、燃料コストという点から評価すると、圧倒的に燃費が良く、ガソリンより安価な軽油を使うディーゼルの優位性が際だつ。

 前述のエクストレイルの場合、ガソリンエンジンで10km/Lくらいの条件であれば、ディーゼルだと15km/L前後走る。加えて軽油はガソリンより20円前後安い。走行1万kmあたりの燃料コストを計算すると、ガソリンが15万円。ディーゼル8万6千円。6万4千円安く付く。

 25万円の価格差なら4万km走るだけでモトが取れてしまう。4万km以降は1万km毎に6万4千円分ずつ得をする計算。ガソリンとディーゼルの価格差が30万円以内になれば、イッキに普及することだろう。今後、各社からディーゼルエンジン搭載モデルが出てくると思う。



(私のコメント)

近代文明の興亡は、エンジン機関の興亡の歴史でもあり、イギリスは蒸気エンジンで産業革命に成功した。しかしその後はガソリンエンジンに時代は移り石油の豊富なアメリカの時代になった。ドイツや日本は燃費のいいディーゼルエンジンで対抗しようとしたが、間に合わずにアメリカの大馬力エンジンにやられた。

ゼロ戦が1200馬力なのにグラマンは2000馬力では歯が立たなかった。戦艦大和はディーゼルエンジンを採用していればもっと活躍できただろう。石油が豊富なアメリカに勝つには燃費のいいエンジンで対抗しなければ文明史観的には勝てるはずがない。

アメリカは石油が安いからディーゼルエンジンは発達せず、現在でも大型船舶用ディーゼルエンジンを作っているのは日本とデンマークとフィンランドだけだ。後はライセンス生産であり最先端のディーゼルエンジンは簡単に作れるものではない。だからクリーンディーゼルエンジンにしても簡単には作れない。

作れても排気ガス処理装置は高くなり売れないからだ。触媒にプラチナを使うからなかなか実用にはならない。アメリカのテストにパスするには20万キロの耐久性が要求されるが、フォルクスワーゲンはそれを回避する不正プログラムで誤魔化した。

一昨日は、クリーンディーゼルエンジンは本当にクリーンなのかと書きましたが、ヨーロッパの大都市における大気汚染状況は深刻であり、パリでは自動車の規制を行うほどだ。これはパリにディーゼルエンジン車が多くてPM2,5をまき散らしているためだ。EUの排ガス規制は自動車メーカーの圧力で骨抜きにされてディーゼル車が普及した。

何度も言うようにクリーンディーゼルエンジンは簡単には作れず、作れても高価になり日本やアメリカではクリーンディーゼル車は普及していない。ガソリン車なら燃焼をコントロールする事で排気ガスをきれいにできるが、ディーゼルエンジンはそれが出来ない。どうしても排ガス処理装置を付ける必要がある。

耐久性を強化すればそれだけ高価なプラチナが必要になる。大気汚染対策で排ガス規制は強化される一方であり、ディーゼルエンジンではより強力な装置を付ければそれだけ高価になるだけだ。道としてはハイブリッド車からEVへとなって行くのでしょうが、ドイツはハイブリッド車が作れなかったのでクリーンディーゼルと銘打って世界に売って行った。

ハイブリッド車は日本とアメリカで売れただけでヨーロッパでは売れなかった。発展途上国では大気汚染よりも経済性が重点が置かれたからハイブリット車は売れない。北京などでは健康被害が出るほど大気汚染がひどいのにフォルクスワーゲンのディーゼル車が売れた。ドイツに対する中国人の信頼が厚いからだろう。

しかし北京の大気汚染は工場の排出もあるが車の排気ガスによるものでありオリンピックや世界陸上大会では車の規制が行われた。トヨタのプリウスは売れないので中国から撤退するそうです。ヨーロッパや中国では大気汚染よりも車の価格の安さの方が大事なのでしょう。

今日のニュースでは民間の調査でBMWもディーゼル車の排ガスがひどいレベルだそうですが、触媒にプラチナを使う以上はそれなりに高価でなければ不正が行われている可能性が高い。それならば規制に合格しているガソリン車を買った方が良いという事になる。

自動車のエンジンは文明の興亡とも関係がありますが、ガソリンエンジンから電気自動車の時代がやって来れば日本の時代がやって来る。電気自動車はコモディティー化してどこでも作れるという評論家もいますが、自動車もコンピューターコントロールが決め手になり、アップルなどが自動車生産に乗り出す。

ドイツは日本やアメリカに遅れた焦りから中国との関係を深めましたが、フォルクスワーゲンも中国で業績を伸ばした。だから北京などではディーゼルエンジンの排ガスがひどくて空も見えない。EUはCO2問題では火付け役なのにドイツはディーゼル車でPM2,5をばら撒いてきた。

パリをはじめとするEUの大都市はスモッグ公害がひどいのに、クリーンディーゼル車がおかしいと気がつかなかったはずがない。しかしハイブリッドエンジンの特許はトヨタが抑えてしまったからドイツはクリーンディーゼルでしか手は無かったのだろう。常識的にも価格差が40万くらいなければ出来ないはずが、20万円台に抑えていた。


BMWとボルボのディーゼルはHV並みの燃料費 9月1日 鶴原吉郎

戦略的な値付け

 それがここに来て、その下の「Cセグメント」(フォルクスワーゲンの「ゴルフ」がこのセグメントの代表的な車種)でも、相次いでディーゼル仕様車が発売された。価格帯も350万円程度からと、従来に比べれば手が届きやすくなっている。そこで今回は、Cセグメントに投入されたディーゼル仕様車を取り上げてみたい。

 今回取り上げるのは、ビー・エム・ダブリューが2015年6月に発売した「2シリーズ グラン ツアラー 218d」と、ボルボ・カーズ・ジャパンが同7月から発売を開始した「V40 D4」の2車種だ。

 両車種には共通点が多い。まず両車ともCセグメントの前輪駆動車(4輪駆動仕様もある)で、どちらも最新の排気量2.0Lのディーゼルエンジンを積む。価格はベース車種で、グラン ツアラーが379万円、V40が349万円(いずれも税込み)で、差があるように見えるが、グラン ツアラーは7人乗りのミニバンで、グラン ツアラーのベースになった5人乗りの「2シリーズ アクティブ ツアラー 218d」ならベース車種の価格は353万円(同)だから、V40との価格差はほとんどない。

 ガソリン仕様車との価格差は、グラン ツアラー(およびアクティブ ツアラー)が21万円、V40 で25万円だ。例えばマツダ「デミオ」の場合、ガソリン車とディーゼル車の価格差はベース車種同士の比較で43万2000円、同社「アテンザ」の場合でも、約41万円もあるから、これに比べると非常に抑えている事が分かる。デミオのガソリン車は1.3Lでディーゼルは1.5L、アテンザは2.0Lと2.2Lだから、排気量の面で完全な横並びの比較ではないのだが、グラン ツアラーもV40も、比較しているガソリン車が1.5Lエンジンなのに対して、ディーゼルは2.0Lエンジンなのだから、排気量の差はデミオやアテンザよりもむしろ大きい。BMWもボルボも、ディーゼル車に関して、かなり戦略的な値付けをしているといえる。(後略)



(私のコメント)
国沢光宏氏にしても鶴原吉郎氏にしてもヨーロッパのクリーンディーゼル車を称賛しているが、ヨーロッパの大都市がスモッグ公害に悩んでいる事は知らないのだろうか? 気がついていればクリーンディーゼル車が本当にクリーンなのか疑いを持たなければならない。価格がガソリン車と20万しか変わらないというのはどこかで不正をしていなければ出来ない価格だ。




「南沙基地群」という前進拠点を手にすることにより、南シナ海
はますます名実ともに“中国の海”と化すことは避けられない


2015年9月24日 木曜日

人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に 米国の批判も時すでに遅し、誕生しつつある南沙基地群 9月24日 北島淳

9月に入ってから撮影された南沙諸島の航空写真(CSIS/AMTI発表)によると、中国が南沙諸島に建設している人工島のファイアリークロス礁とスービ礁、それに中国が以前より占拠しているミスチーフ礁の3カ所で、軍用基地として使用可能な3000メートル級滑走路がそれぞれ建設されているのが確認された。

急がれていた南沙諸島への拠点確保

 これまでのところ、人民解放軍の南シナ海に対する前進拠点は、西沙諸島の「永興島」であった。

 永興島は、軍・政府関係者ならびに漁業関係者をはじめとする民間の人々も居住して1500名ほどの人口を抱え、南シナ海の“中国の海洋国土”を管轄する三沙市行政機関が設置されている。

 そして、人民解放軍海軍部隊と武装警察部隊が常駐しており、2700メートルの滑走路を有する航空施設(ちなみに沖縄の米海兵隊普天間基地の滑走路も2740メートルである)と5000トン級の艦船が接岸できる港湾施設が設置されている。

 したがって、中国海軍の各種戦闘機はすべてこの航空施設を利用することができ、中国海軍フリゲートやコルベットも永興島港湾施設を前進拠点とすることができる。

 このように、海南島の海軍基地や航空基地からはおよそ400キロメートル、そして中国本土広東省の航空基地からはおよそ600キロメートル南シナ海に前進した永興島は、海軍の前進拠点と考えることはできた。

 しかし、その前進拠点からでも南沙諸島の中心海域までは750キロメートル(400海里)前後はある。そのため、万一フィリピン沿岸域にアメリカ空母が展開した場合には、人民解放軍戦闘機は圧倒的に「距離の不利」に直面してしまう。また軍艦、とりわけコルベットやミサイル艇など小型軍艦の場合、永興島から南沙諸島まで急行しても半日以上かかる。このように南沙諸島での作戦行動には、何と言っても「距離の制約」がつきまとっていた。

 したがって、中国海軍や海軍よりも頻繁にパトロール活動を展開することになる中国海警(沿岸警備隊)にとっては、南沙諸島に前進拠点を確保することは絶対に必要であり、それも急務とされていたはずだ。

あっというまに姿を現した人工島

 本コラムでも2013年以来しばしば南シナ海問題を取り上げてきたが、中国による人工島建設を直接取り上げたのは2014年6月であった。それは、「ジョンソンサウス礁での埋め立て作業が確認され、ファイアリークロス礁での埋め立て計画も明らかになった」という状況であった(本コラム、2014年6月26日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」)。(中略)

日本にとって鬼門となる南シナ海

「南沙基地群」を拠点として幅広い活動を展開するのが、沿岸警備隊である中国海警の巡視船ということになるであろう。

 そして、巡視船の背後で睨みをきかせるのが中国海軍だ。中国海軍は「南沙基地群」にコルベットや高速ミサイル艇それに哨戒機などを配置して、南シナ海中部から南部にかけての海洋統制力が格段に強化するものと思われる。

 また、中国空軍の早期警戒機も配備され、人工島に設置されるレーダー施設とあいまって、南シナ海全域の航空統制力も確実に中国優位になるものと考えられる。米軍関係者の多くは「中国が南シナ海の広範囲にわたる空域に中国版ADIZを設定するのは時間の問題」と覚悟を決めている。

 このように人民解放軍が「南沙基地群」という前進拠点を手にすることにより、南シナ海はますます名実ともに“中国の海”と化すことは避けられない。

 そして有事においては、人民解放軍のミサイル爆撃機や戦闘攻撃機が南沙基地群を拠点にすることにより、フィリピンやインドネシアはもとよりオーストラリア北西部も攻撃圏内に収めることとなる。そのため、それらの海域のシーレーン(日本にとっては南シナ海シーレーンの迂回航路)も完全に人民解放軍のコントロール下に入ってしまうこととなる。

 このように、南沙諸島の人工島に姿を表しつつある「南沙基地群」の誕生によって、南沙諸島をめぐり中国と紛争中の諸国のみならず、日本やアメリカにとっても南シナ海は極めて厄介な海となることは確実である。



(私のコメント)

南シナ海の問題については何度も「株式日記」で書いてきましたが、南シナ海の中国領化が進んでいる。中国にとっては実効支配してしまえば自分のものと言った論理ですが、不思議な事にアメリカのオバマ大統領はこの問題について当初は何も言わなかった。

その意図は不明ですが、ロシアがウクライナからクリミアを領有してもアメリカは経済制裁以上の事はしていない。中国に対しては経済制裁もしないでしょう。アメリカと中国の関係は大国関係であり太平洋の東西分割協定が裏で成立しているのかもしれない。口では抗議はするが経済制裁まではしないと言った密約があるかもしれない。

南シナ海の南端にはマラッカ海峡があり、南シナ海を抑えればマラッカ海峡も実質的に支配できる。中国にとっては南シナ海を内海化する事で戦略ミサイル原潜の行動海域とすることが出来て、アメリカに対して海からの核攻撃能力を持つことが出来る。黄海では浅すぎて使えない。

南シナ海は中国にとっては最重要海域であり軍事基地を建設して実効支配する理由がある。日本としては抗議はしてもそれ以上のことは出来ず見ているしかない。アメリカも抗議はしてもそれ以上のことはするつもりはないようだ。しかしマラッカ海峡は戦略的チョークポイントであり、年に10万隻もの船舶が通る。

インド洋と太平洋を結ぶ海峡でありパナマ運河やスエズ運河と並ぶ海峡だ。パナマとスエズは実質的にアメリカが抑えているが、南シナ海を中国のものになればマラッカ海峡は中国が支配するものとなるだろう。シンガポールにはチャンギにアメリカの海軍基地があるが、中国のミサイル攻撃の範囲に入る。

沖縄も中国のミサイル攻撃の範囲に入っており、沖縄の米海兵隊がグアムに後退した。だからアメリカが南シナ海をおとなしく中国に渡した理由がよく分からない。ロシアのクリミア領有のように中国の南シナ海領有は引くに引けない立場に陥り、中国の国際的な立場は決定的に悪くなる。

アメリカは表向きは何もせず裏では日本やASEAN諸国の背後に回って圧力を掛ける戦略かも知れない。しかし中国に対抗できる海軍力を持っているのは日本だけであり、集団的自衛権もこの問題が絡んでいる。中国にとっては竹島問題は日本の出方の試金石であり、実効支配してしまえば日本は何もしてこないと見ている。

尖閣諸島も無人島であり、ある日に気がついたら中国の民間人が上陸していて領有を宣言するかもしれない。そこを埋め立てて飛行場を作れば沖縄は目と鼻の先だ。民主党政権時代に中国は漁船を尖閣に近づけて日本の出方を探りましたが、対中国強硬派の前原大臣が船長を逮捕して送り返して来たので思うように行かなかった。

中国は絶えず相手の出方を探りながら出てきますが、南シナ海もアメリカの出方を見て占領して埋め立てても大丈夫と思ったからしたのだ。オバマ政権は日本の民主党政権であり、中国はオバマのうちなら何をしても大丈夫と思っている。それくらいオバマ大統領は親中派であり、裏では内通しているのだろう。

中国は何らかの方法でオバマ大統領の弱みを握っている。国務省は親中派の牙城であり同盟国にはきつく当たるが中国には融和的だ。安倍総理が訪米してもオバマは習近平とは会談するが安倍首相とは会談しない。それがオバマ大統領のスタンスだ。

その半面ではアメリカは、安倍総理がロシア首脳との会談に対しては非常に神経質になっており、今はその時期ではないと牽制している。AIIBにおいてはアメリカは孤立してアメリカについてきたのは日本だけだった。これにアメリカはショックを受けてオバマも態度を少し変えたようですが、中国の軍事パレードにはG7諸国は参加しなかった。いつの間にか中国にしてやられた事がアメリカも気がつきだしたのだ。




クリーンディーゼルは本当にクリーンなのか? 強化される
排ガス規制を考えれば、EVかハイブリッドしか道は無い。


2015年9月23日 水曜日

クリーンディーゼルは本当にクリーン? 2013年8月15日 八重樫武久

欧州でハイブリッドについての講演や、次世代自動車についてのパネル討議などに出席した際、同席者の方よりハイブリッドの競争相手としてディーゼルについてどうだという話題を振られることが多くありました。一時期は電気自動車(EV)ブームによってEVがその立場となっていましたが、そのブームに翳りが見え始めた昨今、またぞろディーゼルをハイブリッドの対抗馬として取り上げる動きが出ているようにも思えます。

特に欧州ではEU連合として地球温暖化緩和に非常に積極的な反面で、自動車の低燃費・CO2削減の方策として短期的にはディーゼルをコアとし、中長期にはEV・水素燃料電池自動車(FCEV)へのシフトをシナリオとしていた節があります。その為か当初のコスト増を嫌いハイブリッドには消極的だった印象です。ここで短期的な方策として脚光を浴びたのがいわゆるクリーン・ディーゼルです。

ガソリンより環境対応が遅れたディーゼル

排出ガスのクリーン化について、ガソリン車は排気ガス中の三大汚染成分、未燃炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を同時にほぼ100%浄化させる三元触媒を使い、排気中の残存酸素量をセンサーで検出し、エンジンに供給する燃料を100%浄化できる極めて狭い領域にフィードバック制御する燃料噴射電子制御との組み合わせで一気にクリーン化を果たし、いまでは世界のガソリン車のほぼ100%がこのクリーン技術を採用しています。

一方、ディーゼルはその燃焼方式の違いからこの三元触媒は使えず、永らく触媒のような後処理システムを必要としない規制レベルに留められていました。また、ガソリン車に比べてもディーゼル車の後処理技術が難しくコスト増を招くこともありました。しかし、私の私見では、これは単に技術的課題であっただけではなく、日本だけではなく欧州でも、ディーゼルエンジン技術者に「後付デバイスは使わずに燃焼技術でこれを解決したい」との変な拘りがあったようにも感じます。

加えてもう一つ、ディーゼル車の後処理デバイス採用を遅らせた因子が、ガソリンに比べ多量に含まれるディーゼル燃料中の硫黄成分(S)です。欧米とも石油メジャーの力が強く、製油所での硫黄成分を除去する脱硫装置導入による設備投資を嫌い、低硫黄(S)燃料の導入が遅れたことも一因です。

ガソリン車の排気クリーン化では、クルマの排気浄化システムの進化とともに、燃料やオイルから触媒や酸素センサーを劣化させる成分、当初は鉛、続いてリン、硫黄(S)を除去していくクリーン燃料・クリーンオイルの導入とセットで効果を上げていきました。以前のブログでも紹介しましたが、リアル・ワールドのクリーン車普及のため、発展途上国を巡り歩き無鉛ガソリン導入を訴えて回ったGMのエンジニアに我々も触発され、当時ガソリン中のSが多かった欧州ではそれによる触媒や酸素センサーの劣化を防ぐために、私自身も欧州環境規制スタッフや自動車エンジニアを訪ね、ガソリンの低S化を訴え同時にディーゼル油の低S化の議論を進めました。

この燃料中の低S化が進展したことと、都市の環境悪化の深刻化により、欧州でもディーゼル車の規制強化が急ピッチで進められ、ガソリン車同様の後処理システム搭載され今に至っています。今ではこの後処理システム導入前にくらべると格段にクリーンなレベルを実現しており、ガソリン車なみと言っても良いレベルを達成しています

クリーン・ディーゼルはまだクリーン化の過渡期

しかし、それでもガソリン車なみのクリーン度、さらにPM2.5ともかかわるPMでは通常ガソリン車がほぼゼロと言えるレベルに対し、ディーゼル車はNOx強化やPM規制強化など、この先もガソリン車並みレベルへの規制強化が進められています。図に日米欧のディーゼル乗用車のNOxとPM規制値推移を示します。

排出ガスについても国ごとに試験法が違いますので、この数値の比較だけでクリーン度の比較はできませんが、欧州ディーゼル乗用車規制が1999年から急ピッチで厳しくなっていることは読み取れます。同じ日本の規制値でガソリン車とディーゼル車の規制レベルを比較しても、図に示すようにNOxでまだ大きな差がつけられており、現在主流になってきている現在の四つ星平成17年基準75%削減車と比較するとまだまだとも言えるレベルです。

私は決してアンチ・ディーゼルではありません。大型・中型トラック、大型バス、さらに産業車両や船舶、非電化区間の鉄道車両のような大パワーエンジンが必要な用途では、ディーゼルエンジンが不可欠、このすべてをクリーンだからと言ってガソリンに、また電気に置き換えることは非現実的であることは言うまでもありません。NOx、PMの削減、それも実走行、さらに走行距離、使用期間が長い営業用のクルマのライフサイクルでの低減を進めながらディーゼルを活用していくことが必要です。

州でのハイブリッド対クリーン・ディーゼル議論では、私は「欧州CO2削減の切り札がディーゼルと言うなら、100%ディーゼルへの転換がやれるのか?」と反論をすることにしていました。「欧州の製油所で余ったガソリンをアメリカに輸出して、それで100%ディーゼルとは言うのはナシですよ」と念を押すコメント付きです。アメリカのシェールオイルでは、揮発性が高いガソリン成分の割合が多いようですが、このように原油成分によって生成比率は変わりますが、ナフサ、ガソリン、軽油、ケロシン(灯油成分)、ジェット燃料、重油、残りのアスファルトなど流出温度により様々な製品が作り出されます。

アメリカでは、ガソリン需要が多く製油所で水素を添加するなど、より多くのガソリン成分を製造するように製油所のプロセスを変更しています。しかし、欧州の製油所で少し効率を落としたとしても軽油比率を高めることはガソリン比率を高めるようには簡単ではありません。ガソリン・軽油を良いバランスで製造することが、経済的にもエネルギー効率的にも、さらに製造過程のCO2を減らすためにも望ましいと言われています。この良いバランスで、全体CO2を下げながら賢く使い分けようというのが私の持論です。

ディーゼルとハイブリッドは対立軸にはならない

かしはっきり言うと、それほどクリーンでもないのに、クリーン・ディーゼルを標榜する欧州勢に載せられ、日本勢ならまだしも、高価な欧州上級車にノーマル・ハイブリッド以上の高額な補助金を出すことには賛成できません。日本には向いているとは思いませんが、個人的には大型SUV、大型ピックアップトラックにはディーゼルが適しており、無理やり大排気量のガソリンがぶ飲みのV8やV10エンジンを載せるよりもディーゼルは魅力的だと思いますが、このような趣味のクルマはクリーン・インセンティブの対象外で良いでしょう。

さらに、日本の場合、産業政策からも軽油の税負担はガソリンに比べ低く、この面のインセンティブもありますので、これ以外にクリーン・ディーゼルを謳うクルマへのインセンティブはアンフェアというのが私の正直な意見です。

ハイブリッドはあくまでも低燃費・効率向上の手段です。宅配車などで、ディーゼルハイブリッドトラックが増えているように、ディーゼルのハイブリッド車も増加しています。欧州勢もCO2規制強化対応として、ディーゼルのエコラン、回生などハイブリッドとは呼びたくないようですが、間違いなくハイブリッド化を進めてきています。しかし、過給、高圧コモンレール噴射、電子制御、ガソリン車以上に重装備が必要な後処理システムとコスト増に頭を痛めているようで、電池容量の大きなフルハイブリッド化にはなかなか踏み込めないことも理解できます。

石油輸入量の削減、排出CO2削減の観点からも、石油資源の賢い使い分けがこれからも必要であり、ディーゼルの進化も不可欠、もちろんさらなる排気のクリーン化とハイブリッド技術の応用が広まっていくと思いますが、コスト増をどのように吸収し、低燃費、低CO2とクルマの商品魅力を競い合っていくことを期待します。

私は国粋主義者ではありませんが、報道などで報じられるほど欧州ディーゼル技術が日本を圧倒しているとは思ってはいません。クリーン・ディーゼルに欠かせない高圧コモンレール噴射法式も日本スタートの技術、後処理システムも日本勢がリードしてきた分野です。この高機能化を進めながらのコスト低減活動も日本の得意分野です。今後、欧州ディーゼルを上回る正真正銘の日本発クリーン・ディーゼル出現を楽しみにしています。小型クラスでは、ガソリンハイブリッドをギャフンと言わせるレベルへチャレンジしてみてはどうでしょうか?


(私のコメント)

フォルクスワーゲン社が、排ガス規制をクリアするために不正ソフトを用いていたというニュースがありましたが、クリーンディーゼルと言うのはまやかしだったのだろうか? クリーンディーゼルエンジンを開発するためには膨大な開発費用がかかっているはずであり、ハイブリッド車並みの価格で売らないと儲からないはずだ。

マツダでもフォルクスワーゲン社とは異なるクリーンディーゼルエンジンを開発しましたがガソリン車よりも100万円も高い価格になっている。後処理装置などにコストがかかるので高価にならざるを得ない。ヨーロッパではディーゼル車が主流なので、高価なら売れないはずが売れている。

はたしてフォルクスワーゲン社以外のメーカーも不正していたかどうかは分からない。そして正真正銘のクリーンディーゼル車はハイブリッド車並みに高価なはずだ。最近はドイツ車もハイブリッド車を出してきましたが、将来の排ガス規制を考えればEVかハイブリッド車しか方法は無い。

だから廉価版のクリーンディーゼル車は排ガス規制の不正を行っていた可能性が高い。エンジンの開発には膨大な費用がかかるし簡単な事ではない。ハイブリッド車などは他のメーカーが真似しようとしてもプログラムなどは真似のしようがない。だからヨーロッパのメーカーはクリーンディーゼルを開発した。

ヨーロッパでは高速走行性能が必要とされるからハイブリッド車は売れずにクリーンディーゼル車が売れた。しかし今や本当にそれがクレーンであったのかは分からなくなった。後処理装置がついていればクリーンなのでしょうが、少なくともフォルクスワーゲン社のクリーンディーゼル車はインチキだった。

ニュースの詳細が分からないので何とも言えませんが、フォルクスワーゲン社には2兆円を超える罰金が科せられるらしい。トヨタやホンダも狙われたらどんな制裁を科せられるか分かりませんが、他人事ではないだろう。エアバックの欠陥騒動でも巨額な罰金が科せられるのでしょうが、コストダウン競争が逆に罰金となって返ってくる。

ディーゼルエンジンに高価な後処理装置を付けるか、ガソリンエンジンにバッテリーやモーターを付けてハイブリッドにするか、高価になるのは二つとも変わりがない。EVもバッテリーの開発が進まなければどうにもならない。燃料電池車も高価でありガソリン車にコストで敵わない。

日本ではドイツ車に対するイメージが高いのですが、フォルクスワーゲン社の不正は意図的なものであり悪質であり、ドイツメーカーの信用を失わせるものだ。トヨタのプリウスの暴走がアメリカで問題になりましたが、これはアメリカのマスコミの悪質なキャンペーンであり、プリウスに組み込まれていたコンピューターによって運転者がブレーキを踏んでいない事が明らかにするとぴたりと騒動は収まった。

普通の車の欠陥騒動はよくある事ですが、韓国メーカーの燃費の不正や今回の不正は意図的なものであり、アメリカはこのような意図的な不正には厳しい。日本のメーカーも気をつけなければなりませんが、アメリカもGMやクライスラーが潰れて焦りがあるのだろう。ドイツもハイブリッドの開発に遅れて焦ったのだろう。

ルマン24時間でもハイブリッド車の速さは証明されていますが、バッテリーの代わりに高性能コンデンサーが使われている。しかしコンデンサーは長時間電気を貯めておくことが出来ない。フェラーリなどもハイブリッドのレースカーを開発していますが、ヨーロッパでもディーゼル車からハイブリッド車に切り替わって行くだろう。




中国の経済政策は八方塞がりにあると考える。輸出力を
強化するために人民元を切り下げると資金流出が起る。


2015年9月22日 火曜日

数年後、中国はIMFの管理下に? 9月21日 経済コラムマガジン

中国リスクの本質

中国に関し、様々なリスクが大きくなっている。リスクの一つが中国経済の減速である。これまでのような高度経済成長が難しくなったことが明らかになっている。中国経済の長期低迷によって資源価格が下落し、これが世界的なリスクの一つとなっている。中国経済の減速を示す数値が公表される度に、世界中の株価が少なからず影響を受けている。

しかし中国経済の減速は予想されていた慢性的なリスクであり、今日、もっと重大で差迫った危機が別にあると筆者は考える。経済の減速ばかりに関心を持つようだと、むしろ今日の中国リスクの本質を見誤ると思う。ましてや中国には構造改革(国有企業の整理統合など)が必要といった構造改革派が好むような議論は、まさに的外れと考える(構造改革派は、構造改革で全ての問題が解決すると思い込んでいるバカ者の集まりである)。

本誌は、15/6/1(第846号)「中国は資金繰り難?」15/6/8(第847号)「中国は外貨不足?」で、中国が外貨の資金繰りに窮しているのではないかという大胆な仮説を提示した。筆者は、中国にとっての差迫った最大のリスクとはこのことと思っている。

毎月、大きな貿易黒字・経常黒字を続けているのに、中国の外貨準備高は減り続けている。8月も米国債券を相当売却したようである。中国が外貨の資金繰りに窮していることを、このことが示していると考える。つまり自国通貨の下落を必死にくい止めようとしている他の発展途上国と、中国は同じ立場に陥っていると見られるのである。

ところで10/7/19(第624号)「中国の日本国債購入」で取上げたように、外貨準備が急増した2010〜11年に、中国は日本の国債や株式をかなり買っていた。ピーク時の日本国債保有額は20兆円を越えている。ところが13年辺りから日本国債を売却し始めたと推測される。ちなみに中国の日本国債の保有額は12年12月が20.5兆円で13年12月が14.3兆円である。ただし直近の保有額のデータを捜したが見つからない(話題にもならないところを見ると、中国は日本国債をほとんど処分したものと筆者は思っている)。

また中国は、最近まで日本の有力企業の株式を政府系ファンド「0DO5オムニバス」を通し4〜5兆円保有していた。ところが今年の3月末の各企業の株式名簿から「0DO5オムニバス」の名が全て消えたのである。たしかに中国の場合、保有有価証券の名義を他に換えるという話をよく聞く。例えばルクセンブルクのファンドに名義を換えるといった具合である。しかし米国債まで処分しているところを見ると、まず日本株などの外貨資産を片っ端から処分したと見た方が正解のようである。

筆者は、中国の外貨の資金繰りが苦しいという前提で話をしている。仮にこれが本当なら、そうなってしまった原因を探る必要がある。筆者は、資金流出に加え、中国には膨大な隠れ借金があるのではないかと推理する他はないと思っている。もし隠れ借金があるのなら追求する必要があるが、残念ながら相手が中国ということなので正確な事情は不明である(ひょっとすると地方政府が借りている?)。

15/6/1(第846号)「中国は資金繰り難?」15/6/8(第847号)「中国は外貨不足?」で、日本の財務省公表の数字から、中国の政府と民間の対外負債を244兆円と算出した。この計算では、14年末の中国の対外純資産残高は214兆円ということになる。ところが中国の対外負債は、そんな程度ではなく500〜600兆円という説が飛出している(つまり前述した隠れ借金は250〜350兆円という計算になるが、ちょっと大き過ぎる気もするが)。とにかくこの話が真実に近いなら、中国の対外純資産残高は、214兆円ではなく完全にマイナスということになる。ましてや中国の外貨準備高に闇に消えた2兆ドルが含まれている可能性を考えると、中国の実態は大借金国ということになる。

まず中国は、今日、国外への資金流出に直面している。さらに膨大な借金の返済に迫られていると筆者は見る。中国の今年の経常黒字額は40兆円(3,300億ドル)と予想されている。たしかにこれはドイツを抜き世界一である。それにも拘わらず外貨の資金繰りが苦しいとしたなら、年間の中国国内からの資金流出額と債務返済額の合計は、40兆円をはるかに上回っていると考える他はないのである。(中略)

筆者は、中国の経済政策は八方塞がりにあると考える。輸出力を強化するために人民元を切り下げると資金流出が起る。逆に資金流出を防ごうと人民元を高く維持しようとすると、設備投資が抑えられ経済は失速し、さらに輸出競争力を失うのである。

中国の首脳部も混乱しているようである。次々と政策を打出すが、それが裏目となって中途半端なまま中断されるといった具合である。また政権上層部には改革派と反改革派がいて、意見はまとまらないようである。筆者は、そもそも人民元を国際通貨にしようという試みが間違いの始まりと思っている。


人民元が国際通貨として認知されるには、人民元取引の自由化が必要という欧米先進国の声が、結果的に「悪魔の囁き」だったのではないと筆者は見ている。この声にほだされて中国は香港にオフショア市場を開設した。オフショア市場を開設した2010年は、まさに11年から5年間のSDR算出基準を決定する年であった(つまりSDR採用通貨の比重を決める)。オフショア市場開設は明らかにこれを意識した施策と筆者は理解する。しかし人民元自由化のためのこのしゃれた政策が、中国の躓きの元となった可能性がある。

中国からの資金流出は止まっていないようである。ただ中国はまだ大量に米国債を保有しているので、後1年は大丈夫と考える。しかし2年後、3年後となると、筆者もよく分らない。最悪のケース、中国はIMFの管理下に置かれているか、あるいはIMFの管理下に置かれてもしょうがない状態になっているかもしれないと筆者は大胆に予測する。軍拡とこの外貨の資金繰り難こそが最大の中国リスクと筆者は思っている。出鱈目なデマを飛ばすなと言われそうであるが、自分から言うのは躊躇されるが、不思議と本誌の将来予想は当っていることが多いのである。


(私のコメント)

国連総会があるので中国の習近平主席はじめ、韓国のパククネ大統領や安倍総理も訪米する。注目されるのは習主席の公式アメリカ訪問であり、どのような事が話し合われるのか注目されます。しかし今回の米中会談はいろいろな課題を抱えており、今までとは違ったものとなるだろう。

前回のアメリカ訪問では8時間もの長時間会談になり、米中関係にいかにアメリカが力を入れているかを世界にアピールしましたが、今回も習主席はアメリカ訪問に際して御土産をたくさん用意していますが、ボーイング社に大量注文をしたり、アメリカに大規模投資をすると公約するようです。

しかし今の中国経済は火の車であり、外貨不足に陥っているような気配が見えます。なぜならばアメリカ国債を大量売却したり日本の国債や株式を大量処分しているからだ。手元には400兆円もの外貨準備高があるから海外資産を処分する理由は無いはずなのに大量処分している。

経常黒字を続けているのに外貨準備高が急減するのは理解に苦しみますが、膨大な隠れ借金を抱えているのではないだろうか? 一説には対外負債は600兆円にもなるという説もありますが、中国の人民元の先高観から大量の外貨が流れ込んでいた。

それらのドルを米国債などで全額運用していれば問題はありませんが、中国政府は国家戦略の一環としてアフリカ諸国や中南米諸国に政策投資をしてきた。だから中国の大軍事パレードにはこれらの国が参加した。しかし新興諸国への対外投資は焦げ付いてしまって回収が不能になっているのではないだろうか?

また国内の地方政府も、銀行から大量な借金をして不動産バブル崩壊で焦げ付いてしまっている。中国の大企業はほとんどが中国共産党の国営企業だから、そこに大量の不良債権が溜まってもいるだろう。今までは中国政府がそれらの不良債権を買い取って処理してしまったのでしょうが、経済規模が世界第二位ともなれば、不良債権もけた違いに大きくなり処理できなくなっているのだろう。

このような状況を一番よく知っているのがドルを管理しているアメリカ政府であり、多くの対外不良債権はドル建であり年間で数十兆円も返済に追われているのではないだろうか? 経常黒字が40兆円でもそんな状況だから、逆算すれば対外負債が600兆円と言った数字が出てくる。

中国が、アメリカを上回る経済大国になるとか軍事力でも上回るとか言った学者がいますが、現在の中国は粉飾決算大国であり、中国の経済力は外国からの投資や技術の提供によるものであり、自律的な力で発展して来たものではない。中国は昔に自力更生に失敗している。

中国政府は夢よもう一度とばかりに人民元を切り下げようとしましたが、切り下げれば集まっていた外国からの投資資金が逃げてしまう。逃げないようにするには金利も高く人民元も先高観がなければならない。つまりにっちもさっちも行かなくなってしまったわけであり、株高で危機を打開しようとしたら大暴落してしまった。

中国共産党は、経済成長する事で国民の支持を集めてきましたが、それが限界に来れば歴史的正当性を主張するようになった。それが戦勝70周年軍事パレードですが、国内的にはそれでよくても外国から見れば歴史の改竄になる。中華人民共和国は中華民国の後継国ではない。中華民国は台湾に逃れて今も存在している。




日本人の一人ひとりの稼ぐ力が少しずつ上がること
によってしか日本の需要は盛り上がらないのです。


2015年9月21日 月曜日

魚の釣り方を教えることが必要な日本経済 9月18日 小笠原誠治

 仮に、日本人の賃金が伸びない理由が、日本人が勤勉に働かないことにあるのではなく、大企業が自分たちの優先的な立場を悪用して不当に賃金を抑えているとしたら、それならそのような企業を摘発すればいいでしょう。

 しかし、企業からすれば、日本人の賃金は決して安くないのです。むしろ高いと感じている。高いと感じているからこそ海外に工場を移転するのです。

 これだけ賃金を安く抑えておいて、日本人の賃金が高いとはなにごとだと憤慨される人も多いとは思いますが、ここはぐっとこらえて、冷静に、自分が日本人であることを忘れて中立な立場で物事をみて欲しいと思います。

 確かに、世界と比べなければ日本人の賃金は安く抑えられていると言ってもいいでしょう。しかし、中国と比べたらどうでしょうか? どんなに中国の人件費が上がってきたといったところで、まだ日本の方が遥かに高いのです。

 では、我々日本人は賃金が上がることを諦めざるを得ないのか? もし、それがそうなら、有効需要が高まる筈がなく、だとしたらこれから先も日本経済の成長率が回復することはないでしょう。

 ところで、皆さんは、途上国に対する援助のあり方に関して、途上国の人々に魚をあげるよりも魚の釣り方を教えるべきだという話を聞いたことがありませんか。

 魚の釣り方を教えるとは、要するに自分でお金を稼ぐ方法を教えるということなのです。つまり、途上国に対して自立していく方法を教えてあげないと、永遠に援助を続けざるを得ない、と。

 私は、同じようなことが今の日本にも当てはまると思うのです。

 今の日本人は、魚の釣り方は知っているが、もっと上手で効率的な魚の釣り方を教えることが必要なのかもしれません。否、それよりも高価で美味しい魚の養殖技術を伸ばした方がいいかもしれません。

 賃金が安いと不満を持つのであれば、何故賃金を上げさせてやるというくらいの意気込みがないのでしょうか。

 例えば、自分が居酒屋で安いバイト代で働かされているとしても、自分がバイトの役割以上の働きを示せば、店主はきっと給料を上げてくれると思うのです。だって、このバイトさんのお蔭で店の評判が上がり客が増え、そのうえ誰よりもよく働いてくれるとなれば、店主としては、そのような優秀な働き手を手放すものかという気持ちになるからです。

 人に使われるのが嫌なら、自分で商売を始めたっていいのです。例えば、屋台のラーメン屋でも始めましょうか。

 不味かったら全然売れることはないでしょう。でも、美味しいと言う評判が立てば、次第に客が増え、商売は軌道に乗るでしょう。

 いいでしょうか。この美味しいラーメンを安く提供することのできる力こそ、有効供給力なのです。つまり、稼ぐ力イコール有効供給力。

 人間稼ぐことによって初めて有効需要を増やすことができるのです。

 このようにして、日本人の一人ひとりの稼ぐ力が少しずつ上がることによってしか日本の需要は盛り上がらないのです。つまり、供給が需要を作る訳です。

 ケインズ経済学的な発想に凝り固まった人々は、供給過剰で困ってるのに、供給が需要を作るなんて言われると理解不能に陥ってしまうのですが、供給が需要を作る(セイの法則)とは、実はそういう意味だったのです。つまり、皆が欲しがる商品を世に送り出すことができれば、その見返りにお金が入ってくるので、そのお金が有効需要を作り出す、と。

 お分かりになって頂けたでしょうか。

 でも、普通、セイの法則なんていうと馬鹿にされてしまうのですよね。しかし、それはセイが言ったことが間違っていたためではなく、セイの言ったことの意味が正しく理解されなかったに過ぎないのです。

 私の言いたいことは以上ですが、ただ、個々人の努力と工夫なしには経済が成長することはないという私の主張は、安直なマクロ経済政策に頼ることしか考えない人々には苦い薬としか映らないでしょう。


(私のコメント)

日本の若者が低賃金労働なのは正規社員から派遣労働などに切り替えられているからと言った理由があります。正規社員から派遣に切り替えるだけで人件費は三分の一に減らせます。いらなくなればいつでも首を切る事も出来ます。しかしなぜ派遣会社に入って派遣労働をするのでしょうか。

本来の派遣労働は業種が限られた特別な能力がある職種しか認められていなかった。しかし小泉構造改革で製造業などにも派遣労働が認められて低賃金化が促進された。つまり製造業など単純労働で差し替えが出来るような職種は次々と派遣労働者に切り替えられていった。

しかしアベノミクスの成果で失業率が低下して人手不足が社会問題化しているのに賃金はアルバイトなどの賃金が少し上がった程度で正社員の賃金は逆に低下している。これは新規採用された若年労働者が増えれば平均賃金は下がる。どちらにしても初任給は低く抑えられている。

昨日も書いたように、ロボット化で職業はどんどんロボットに切り替えられてきており、単純労働者に高賃金を払う訳には行かないのは当たり前だ。「株式日記」では国家資格などを取って働くか、独立起業して働く事を主張してきましたが、従来のようにのんびり仕事していたら低賃金のままだ。

現代では高校から大学まで七年間を勉強もせずに遊んで卒業が出来て、大学生の能力不足が指摘されています。早稲田や慶応もAO入試で試験勉強もせずに大学に入学が出来るようになり、英語も出来ない中学程度の数学も出来ないコンピューターのプログラミングも出来ない大学生を量産している。しかし今の会社には再教育している余裕はない。

昔なら、終身雇用で年功序列だったから先輩が丁寧に仕事を教えてくれたが、今は能力主義でリストラが多くなれば先輩が後輩に仕事を教えれば、自分の雇用が不安定になってしまう。だから先輩は後輩に仕事は教えず自分で仕事を独占する。それは当然の結果だ。

職人の世界でも昔から仕事は先輩の仕事を見て覚えろと言われていますが、今の若者は手取り足取り教えないと仕事を覚えない。少しきつく叱るとショックを受けて辞めてしまう。若い時の仕事は独立のための準備だと思えば少々辛くても続けられるが、のんびり仕事をしたいと考える人にとってはブラック企業に見えるだろう。

今なら建設業の重機のオペレーターや一級建築士やとび職等は人手不足で高賃金でも人が集まらない。それらは国家資格や実務経験がなければ直ぐにできる仕事ではなく、若年の後継者は少なくなる一方だそうだ。医師にしてもきつい小児科医や産婦人科などの医師のなり手がいないそうですが、眼科や歯科医などは多すぎて過当競争になっている。

要するに努力すれば高収入な仕事は沢山あるのに若者はそのような仕事はやりたがらない。若者に一番人気のあるのは公務員と言うのは楽して高収入だからだろう。公務員は年功序列終身雇用の世界だからのんびり仕事が出来る。しかし公務員も財政破綻でリストラの嵐がいずれ吹きまくるだろう。

楽な単純労働はどんどんロボットがやるようになり、知恵を働かせる人たちだけが高収入を稼ぐようになる。人間は考える葦であり、考える事のない単純労働者はロボットに仕事を奪われてしまう。専業主婦ですら美しい女性ロボットが家事からセックスまでしてくれるようになるだろう。

だからそのようなロボットを作るにはプログラムを作る能力がなければなりませんが、学校教育ではプログラム教育は行われていない。日本の若者はパソコン所有率が先進国で最低であり、これでは現代社会に適応が出来ない若者が大量生産されている何よりの証拠だ。これでは低収入でも弁解のしようがない。




驚いたことにこの不倫サイトでは、女性だと思われていたユーザー
の多くが、実はソフトウエアで作られた会話ロボットだったのだ。


2015年9月20日 日曜日

こんな美しい女性があなたの会話の相手をしてくれる時代が来た。
どの女優やアイドルよりも美しく永遠に若く素直で無駄遣いもしない。
さおりんのへや?リアルラブドールとの生活より


男性の相手は「会話ロボット」、不倫サイトが見せた技術力 9月18日 瀧口範子

 「Ashley Madison(アシュレイ・マディソン)」という、カナダのサイトからユーザー情報が3200万人分漏洩した大事件。2015年7月に明らかになったハッカー事件だ。同サイトが、大人の浮気を仲介するサービスを提供していただけに、その被害は方々で個人的な問題を引き起こしているようだ。

 しかし、もっと驚いたことにこのサイトでは、女性だと思われていたユーザーの多くが、実はソフトウエアで作られた会話ロボットだったのだ。男性を誘惑してサイトに登録させ、利用料金を巻き上げるために、会話ロボットが彼らの心を操作していた。何ともすごい時代になってきた。

 そもそもAshley Madisonは女性のユーザーを獲得するのに苦労していたもようである。同サイトの利用料金は相手とチャットやメールを交わすごとに発生する仕組みなのだが、男性は有料、女性は無料という設定だった。

手作り偽女性ユーザーからロボットへ移行

 しかし、同サイトに侵入したハッカー集団「インパクトチーム」がぶちまけたデータを精査した報道によると、Ashley Madisonは金を払って外部の人間に委託して、偽の女性プロフィールの作成を作らせたり、男性ユーザーとチャットやメールでやり取りさせたりしていたようだ。

 ところが、それではとても手が回らなかったのだろう。早くも2002年ごろから、そうした「手作り」の偽女性ユーザーに変わって、「自動生成」された女性の写真とプロフィールが作られ、同時にユーザーとリアルタイムでやり取りする会話ロボットも登場していたという。会話ロボットが女性になりすましていた数は約7万人分と想定されている。

 面白いことに、会話ロボットは二つの目的のために有用だったらしい。一つは、浮気をしたい女性がこのサイトに無数にいるというイメージを作り出して、無料ユーザーを有料ユーザーに切り替えさせること。そしてもう一つは、いつまでも浮気が成立しない偽女性ユーザーとチャットをさせ続けることで、男性ユーザーにお金を払い続けさせることだ。このような運営側の企みにまんまとだまされていた男性ユーザーがたくさんいたようだ。

 こんなことが起こるとは、まるで人が人工知能と恋に落ちる映画「Her(邦題は「her/世界でひとつの彼女」)を地で行っている感じだ。Ashley Madisonの場合、相手が会話ロボットであることを明らかにしていなかった点で、詐欺行為とみなされる可能性が高い。

 人間の中に会話ロボットが平然と混じっていても、ほとんどの人が気付かなかったというのも驚きだが、最近はもっといい意味で人工知能が人々の相手をするための技術開発が進んでいる。

 日本でも、ロボットの「Pepper」が店頭で客を迎えてくれるようになっている。アメリカでは、物理的なロボットの形はしていないものの、電話の向こうでいろいろな質問に答えたり、Webサイトで、保険商品を選ぶのを手伝ってくれたりするのに、この手の会話ロボットやAIが多数開発されている。チャットだけでなく、音声でやり取りするタイプのものがことに注目されている。

まともな用途でも普及が進む会話ロボット

 中でも競争が激しくなっているのは、医療関連の分野だ。例えば、患者の相手になって、その日の体調や気分、薬の摂取状態などを確かめるタイプのもの。病院へ毎日通うほどではないが、毎日体調などをチェックするのが望ましいという慢性病患者が相手だ。

 この場合、コンピュータスクリーン上で看護士のような身なりをした担当者(=会話ロボット)が質問をし、患者がそれに答える。何気ない会話のようにしてデータを取り、異変が認識されると看護士や医師にアラートが届くという仕組みだ。もちろん、会話ロボットはその患者個々人に合わせたやり取りをする。アメリカは医療費が高額なので、こうしたロボットサービスを介入させることで、病院にとっても患者にとっても節約になると期待されている。

 かつてWebサイトのカスタマーサービスによく出てきた会話ロボットは使い物にならなかったが、最近は性能がグンと上がり、こうした会話ロボット開発が医療や金融サービスなどの分野で進んでいる。

 だが、同じ技術がAshley Madisonのように人をだますためにも使われるということだ。どんな技術も表側と裏側の使い道がある。これからは、この手の詐欺事件もどんどん出てくるのだろう。



(私のコメント)

秋の行楽シーズンが始まり、シルバーウィーク真っ最中ですが、天気も上々で長雨が続いたせいか晴天で清々しく思えます。私は涼しくなって来たのでビルのクリーニング作業で朝から汗をかいていますが、清掃業者に頼むとカネがかかるので、階段のワックスがけから壁のクリーニングまでやっています。

自動車から出る排ガスには、油成分と共にカーボンなどが混ざって空中を浮遊して壁などに煤となって付着します。これは水拭きでは落ちずにマジックリンなどで擦らないと落ちません。特にエレベーターのドアなどクリーニングすると見違えるようにきれいになります。

テナントの内部なども無料サービスで床のワックスがけなどしています。部屋の内部はテナントが清掃すべきなのですが、専用の清掃機材が無いと出来ない作業があります。だからポリッシャーやモップなどで清掃すると見違えるようにきれいになります。ワックスの剥離などは薬剤を使わないと出来ない。

大規模ビルなら窓ガラス清掃や廊下の清掃など清掃業者がしますが、ロボット化が進んできて、巨大な超高層ビルなどは窓ガラス清掃などロボットでないとできない。家庭用にもルンバなどの清掃ロボットが普及してきましたが、自動車の次はロボットが大型普及商品となるだろう。

ソフトバンクからはペッパーと言う会話のできるロボットが発売されましたが、まだオモチャのレベルだ。建設業なども危険な作業などのロボット化が急がれていますが、軍隊などもロボット兵士が中東で戦闘をしている。コンピュータの高性能化が進んできて、自動車すら自動運転される時代が来る。

日本はロボット大国と言われてきましたが、日本の電気メーカーはスマホと同じくロボットには消極的だ。ソニーなどもロボット開発を止めてしまった。ペッパーなどのロボットは外国製だ。福島原発の探査ロボットもアメリカ製であり日本のロボットは役に立たなかった。

瀧口氏の記事では会話ロボットも実用化のレベルまで来ていて、人間がロボットとメールで会話しても気がつかなかったようだ。出会い系サイトなどでは女性の会員が慢性的に不足するので、成りすまし女性が対応していましたが、会話ロボットを使えば人件費もかからない。

家庭内でもセックスれるや家庭内別居など夫婦のトラブルが絶えませんが、ワイフロボットが出来ればわざわざ結婚などしなくても主婦の代わりをロボットがしてくれる時代が来るだろう。部分的にはすでに実用化されていて、ラブドールなどはセックスロボットと見做すことが出来る。

ラブドールは実物の女性よりもはるかに美しく作られていて、写真では実物女性と間違えるほどよくできている。ブログなどでもラブドール愛好家のブログが沢山出来ていますが、若くて美人の女性に相手にされない男性の恋人として扱われている。倒錯した世界ではあっても本人が満足していれば問題は無い。

もしラブドールにコンピューターが組み込まれて会話までできるようになれば恋人の代わりになるだろう。現代ではスマホがLINEなどで会話の手段になっていますが、相手がコンピューターでも気がつかない時が来るだろう。人間は気まぐれで気難しいがロボットならどんな言う事でも聞いてくれる。

ロボットは商品だから飽きたり気が変われば他の物とも交換が出来る。夫婦なら離婚するのも大変ですが、何人もの若くて美しいロボットの女性に囲まれてハーレムのような生活も出来る。元々はダッチワイフとして作られてきましたが、よりリアルに美しく作られてきて観賞用として愛用されるようになった。

更に会話までできるようになれば100万円でも買う男性は多いだろう。さらには女性用のイケメンロボットが出来るだろうか? しかし女性向けのラブドールは見た事もありませんが、女性は男性に仕事をして稼いでくれることを求めている。ロボットにそれをさせるのは難しい。ロボットに給料を払う会社は無いからだ。

政治家やマスコミは、女性が強くなったとか女性の時代とか社会進出とか言われますが、職場のOA化は女性の職場を奪っている。工場も女子工員が主体だった時代もありましたが自動化は女子工員を不要にした。有能な女性なら門戸は広がっていますが少数派だ。多くが結婚して子育てに専念したいと考えているのでしょうが、女性も仕事をしろと社会もうるさくなった。

将来的には家政婦ロボットが出来てラブドールと一体化するだろう。そういう時代が来たらロボット女性をたくさん使ってデリヘル嬢させたら法律違反になるだろうか? ロボットだから人間と違って24時間働いても文句は言わず売り上げを全部自分のものに出来る。

こうなるとSFの世界ですが、ロボットが高性能化してくれば人間とロボットの違いは何かと言った問題が出てくる。ロボットはプログラムされた事しかできないが人間は創造したり考えたりすることが出来る。定型化したり反復作業はロボットにさせればいいのであり、人間は考える葦なのだ。




韓国主導で統一したとしても、中国の助けを借りれば、
それは「中国が望む形での統一」になる可能性が大きい。


2015年9月19日 土曜日

「ヒトラーと心中した日本」になる韓国 「姫!ご乱心」と叫ぶ保守メディア 9月18日 鈴置高史

流される「密約説」

なるほど。「勘違い説」の説得力が増しますね。

鈴置:ええ。ただ、この“勘違い”は韓国にとって相当な危うさをはらみます。北朝鮮が崩壊寸前かは外からは断言できません。韓国の希望的観測に終わるかもしれないのです。

 そして中国が韓国主導の統一を認める保証はありません。崩壊の危機に陥った北を、中国がテコ入れしてしまうかもしれません。

 以上2つの障害をクリアして韓国主導で統一したとしても、中国の助けを借りれば、それは「中国が望む形での統一」になる可能性が大きい。

自由民主主義体制を維持できるか、と東亜日報などが疑うのも当然なのですね。

鈴置:もっとも、こうした疑いを打ち消すために作られたと思われる噂も出回っています。北朝鮮の崩壊に関しては「実は、朴槿恵政権は崩壊が近いとの極秘情報を握っている」。

 中国とのスクラムについては「統一後も現在の韓国の体制を維持していいとの密約を中国から得ている」――です。これらを「密約説」と呼んでおきます。

大坂の陣

崩壊や密約は本当ですか?

鈴置:判断できません。こうした情報は「怪しいな」とは思っても、容易には否定できないところがミソなのです。なお、日本にもこの「密約説」が流れて来ています。

 こうした怪情報に対抗する目的もあるのでしょう、親米保守の趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムの金泌材(キム・ピルジェ)記者は、大坂城外堀のロジックを使って「騙されるな」と訴えています。

 「敵の約束を信じた指導者の運命」(9月9日)という記事です。韓国語の記事ですがサイトを開くと、大阪城本丸の大きな写真が目に飛び込んで来るのでびっくりします。

 記事は「徳川方の和睦条件をのんで、難攻不落の秘訣だった大坂城の外堀を埋めることを認めたあげく滅ぼされた豊臣方の無能さ」を紹介します。そして以下のように結論づけます。

 北朝鮮に近い人々が「統一の可能性が出てきた。まず、障害になる韓米同盟を破棄しよう。最低でも在韓米軍は撤収させよう」と言い出す可能性が増しました。

 韓国はそもそも「中立化志向」が根強い(「『フィンランドになりたい』と言い出した韓国」参照)。現政権にそのつもりがなくとも左派が「統一論議」を「米韓同盟破棄」に利用するかもしれない。金泌材記者ら保守派はそれを猛烈に警戒し始めたのです。

文化的帰巣本能による従中

親米保守の趙甲済ドットコムは大忙しでしょうね。

鈴置:連日「中国に騙されるな」「自由民主主義を守れ」という記事が大量に載ります。「識者」氏ら常連の筆者に加え、李長春(イ・チャンチュン)元シンガポール大使も久しぶりに筆をとりました。外交政策企画室長を歴任した外交界の理論派です。親米保守としての深い危機感からと思います。

 『平和統一を急ぐ』なら自由民主主義を放棄するのか」(9月9日、韓国語)がそれです。「統一幻想曲」「対中依存の暴走」「文化的帰巣本能による従中」などの強い単語を使い、中国との統一論議に反対しました。

 趙甲済氏自身も9月4日から9月15日までの12日間に30本も記事を載せています。ほとんどが「中国とのスクラム」に反対する記事です。

 なかでも日本人には印象深い記事が「ドイツを過大評価し道を誤ったあげくに滅びた日本」(9月7日、韓国語)です。

 趙甲済氏は、大本営・陸軍参謀で戦後は伊藤忠商事で活躍した瀬島龍三氏の回想録『幾山河』の第二章を大量に引用します。

希望的判断で滅びた大日本帝国

 大日本帝国の滅亡の原因を諄々(じゅんじゅん)と説いた後、趙甲済氏は韓国人に向かってこう呼び掛けたのです。

 朴槿恵政権に対する強烈な諫言です。

どこかピントが……

中国経済は大きく揺れ始めました。単なる景気悪化ではなく、構造的な問題を抱えていることが誰の目にもはっきりしました。なぜ韓国だけが、中国を命とばかりに頼んで突っ走るのでしょうか。

鈴置:そこなのです、韓国がユニークな点は。米中の間をずる賢く立ち回っているようで、どこかピントがずれている――。その話はじっくりいたします。



(私のコメント)

韓国のパククネ大統領の外交は、非常に危ういものであり中国が善意で韓国のパククネ大統領を歓迎してくれたわけではない。たとえ中国が朝鮮半島の統一を後押ししてあげましょうと言ったとしても、ただでしてくれるわけがない。もちろん習近平の狙いは在韓米軍の撤退であり、在韓米軍を撤退させてしまえば韓国はほっておいても中国に転がり込んで来る。

韓国は、アメリカがそうはさせないと思い込んでいるのでしょうが、アメリカもそれほどお人好しではない。その国がどういう国かを判断するにはその国の歴史を知るべきであり、戦前の昭和の軍人たちは歴史的文化的な素養に欠けていたようだ。ナチスドイツと同盟を組めばどうなるかは歴史を見れば同盟が失敗になると判断できたはずだ。

アメリカにしても、手のひらを反して同盟国が敵国となり、敵国が同盟国になったりとブレが激しい。フィリピンでは原住民を20万人も殺したりしているし、独立の闘士を援助していたかと思えばスペインとの戦争に勝てば得率の闘士は処分された。中国も蒋介石援助していたのに戦後は援助を停止して中国共産党を支援した。

このようにアメリカも変節漢であり、利用価値が無くなれば放り出される。韓国もそのようになるのかもしれない。韓国の歴史教育は自国の歴史教育も世界史教育も歪んだものであり、ファンタジーのような歴史観を持っている。日本でも戦前は皇国史観であり日本は不敗の神国と教えて来た。

中国の冊封体制は歴史的なものであり、冊封体制下の朝鮮がどのような扱いを受けて来たかを歴史では教えていない。韓国人にとっての歴史は韓流ドラマの中にあり、多くの英雄が登場するが韓国の歴史の中では英雄と言えるような人物はいない。李舜臣も海上ゲリラであり大規模戦では勝っていない。

韓国になぜ英雄がいないのかは事大主義が影響している。自主独立よりも大国に従う方が良いと考えているのだろう。韓国では抗日戦争に勝利して独立を勝ち取ったと教えていますが、独立戦争に活躍した英雄がいないのはなぜなのだおる。北朝鮮では金日成がその英雄として作られましたが、それもゲリラ戦を満州の僻地でしていただけだ。

だから朝鮮人のほとんどは金日成の顔も知らないから、戦後突然現れた金日成が本物かどうかも分からない。韓国では安重根が記念館まで作られて英雄になっていますが、暗殺者を英雄にまで祀り上げるのは抗日戦の英雄がいないからだ。

戦前の日本も外交音痴であり、ドイツの力を過信して手を組んでしまった。しかしスペインのフランコはドイツの限界を知っていたから中立を保った。これと同じく中国の国力とアメリカの国力を冷静に判断すべきであり、中国のプロパガンダに惑わされてはならない。

韓国のパククネが中国に傾倒するのは、アメリカを裏切るものでありいずれ手痛いしっぺ返しが来るだろう。韓国ではパククネの暴走を止められずにいますが、パククネ大統領は記者会見もほとんど行わないから何を考えているのか分からない。中国との密約説もありますが、そんなにうまい話がある訳がない。

不可解なのは中国と北朝鮮の関係であり、中国にとっては北朝鮮は鉄砲玉であり、直接やれない事を北朝鮮にやらせている。中国にとっては夷をもって夷を制するのがやり方であり、中国が重油などの援助を止めてしまえば北朝鮮は機能停止してしまう。パククネはそれを期待しているのでしょうが、韓国も中国の罠にかかれば北朝鮮のような生かさず殺さずの国になるだろう。アメリカもこれを見ているしかないだろう。




民主党の小西洋之氏は鴻池氏が他の議員の背中を踏み台に、
何度も鴻池氏の背後に飛びかかろうとしていた乱闘国会


2015年9月18日 金曜日

騎馬戦? 棒倒し? 暴力まがいの議員に安保政策を論じる資格なし 9月18日 産経新聞

安全保障関連法案が大混乱の末、可決された。この過程で民主党など野党は、法案の採決を阻もうとあらゆる手段を繰り出した。その最終段階で国民が目にしたのは、他の議員の背後から飛び乗ったり、議事進行に必要な書類を無理やり奪おうとするといった、およそ立法府にあるまじき光景だ。暴力まがいの行動に訴える国会議員に、日本の平和と安全保障政策を論じる資格はない。

 17日午後4時半前、参院第1委員会室で開かれていた特別委。鴻池祥肇委員長(自民)は自身の不信任動議が否決された直後、質疑を打ち切った。その瞬間、野党議員が鴻池氏めがけて押し寄せ、与野党議員の怒声が飛び交った。ここまでは、重要法案の委員会採決時によくある光景だ。

 だが、この日は明らかに常軌を逸していた。

 民主党の小西洋之氏は鴻池氏が持つ議事進行のペーパーを奪いたかったのか、他の議員の背中を踏み台に、何度も鴻池氏の背後に飛びかかろうとしていた。その姿は「騎馬戦」や「棒倒し」を想起させた。

 一部の女性議員も派手な行動に出た。同党の牧山弘恵氏は他の議員に飛び乗り、社民党の福島瑞穂副党首も鴻池氏を囲む輪の中に何度も割り込もうとした。

こうした光景はNHKの生中継で全国に報じられた。次世代の党の和田政宗幹事長は採決後、記者団に「飛びかかって暴力を振るうのは議会の自殺行為だ」と嘆いたが、後の祭りだ。

 採決前日にはこんなできごとがあった。16日夜、特別委理事会は締めくくり総括質疑を開始するかをめぐり、休憩と再開を繰り返し、ギリギリの攻防を続けていた。だが、その国会内で、仲良く笑顔を作って“記念撮影”に興じる民主党と共産党の女性議員たちの姿が見られた。安保関連法案に対して「徴兵制につながる」「子供を守ろう」と訴え、女性の立場から真剣に反対しているはずの彼女たちだが、そのはしゃぎぶりからは何が何でも成立を阻止する悲壮感や緊張感は一切感じられなかった。

 民主党が安保関連法案に反対する政策的な理由も判然としない。

 岡田克也代表は今年6月、安倍晋三首相との党首討論で「集団的自衛権はいらない」と断言した。

 だが、14日の参院特別委で、岡田氏がかつて、集団的自衛権の行使について「必要性を認めていた」と指摘された。それは平成15年5月の読売新聞紙上に掲載された発言だった。

「今の憲法は、すべての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、集団的自衛権の中身を具体的に考えることで十分整合性を持って説明できる」

 中国や北朝鮮による軍事的脅威は、そのころと比較にならないほど増大している。12年前は認めて、今は認められないというのは誰もが腑(ふ)に落ちないだろう。

 野党が法案反対のために利用し続けたのが「憲法学者」「デモ」「印象操作」の3つだった。安全保障政策が専門ではない憲法学者の「違憲論」を最後まで頼り、国会前のデモにも積極的に出かけた。そして安保関連法案を「戦争法案」とレッテル貼りを繰り返し、“悪法”と決めつけた。

 「長く審議するほど内閣支持率は下がる」

 野党幹部は17日、平然と言い放った。つまりは「反対のための反対」だったということか。こうして安全保障の本質的な論議は置き去りにされた。(峯匡孝)



在日の国会議員2人が暴力沙汰で佐藤委員長代行を締め上げている!



(私のコメント)

昨日はテレビの相撲中継を見ようと思ってテレビをつけたら国会のプロレス中継をやっていた。なかでも民主党の小西洋之議員のジャンピングホールドは見ものだった。これらの事は、あらかじめシナリオ通りなのであり、テレビ中継向けのパフォーマンスだ。

法案の議論と言っても、与党も野党もピント外れの議論ばかりであり、国会前のデモ隊も「憲法を守れ」とか「戦争反対」といったスローガンでは、国民も何で反対しているのか分からなくなる。安保法案が憲法違反かどうかは最高裁で議論すべきであり、与党も本来は憲法を改正して対処すべきだった。

それとは別に法律の解釈を変えて適用する事も当たり前の事であり、法律が出来た頃と現在とは事情が代わって解釈を変えなればならない事は沢山ある。だから法律学とは六法全書を丸暗記するのではなく、どのように法律を解釈するかの学問であり、憲法九条で軍隊を持たないと書かれていても、前提が変われば条文の解釈も変わるのが当然だ。

憲法改正が出来ないのは野党の一字一句も改正するには反対と言った姿勢が原因となっていますが、改正が出来なければ解釈を変えるしかない。内閣法制局が解釈を決めるのではなく、国会が解釈を変更しなければならない。野党はそれにも反対していますが、条文を金科玉条のように運用していたら年がら年中条文を変えなければならない。

だから裁判所の判例を見なければ法律は分からないのであり、憲法などは政治が絡んで来るから最高裁も憲法判断は難しい。このような事は大学で法律学を学べば常識なのですが、憲法を解釈で変えるのは反対と言っても、条文を変えずに解釈を変える事は裁判でもよくあることだ。

自衛隊のイラク派遣でも特措法で対応していましたが、PKO活動でも自分の身を守れないのではPKO活動もままならないので、集団的自衛権で常時対応できるようにするのが集団的安全保障法案の中身ですが、野党は拡大解釈して戦争法案だとか若者が徴兵されるとか言って反対している。

これは法律の拡大解釈を重ねればそうなると言うだけで、反対理由としては弱い。だから野党は憲法違反を理由に反対していますが、条文からすれば自衛隊も憲法違反であり野党は自衛隊の解散も主張すべきだ。しかし鬼怒川決壊でも救助活動は自衛隊でないとヘリの運用も難しい。この辺が野党に国民の支持が集まらない原因であり、国会前でデモをしても意味がない。

むしろテレビ中継を見ても、白議員や福山(陳)議員などの在日議員たちが防衛問題に深く関与して活動していることが問題だ。在日と言っても法律上は日本人であり選挙で選ばれていますが、在日の国会議員がどれだけいるか分からない。韓国系議員たちは名前も日本名に変えてしまう事が多くて実態がよく分からない。

彼らが帰化して正真正銘の日本人として日本の為に働いてくれれば問題は無いのですが、工作員として日本に帰化して韓国の国益の為に日本の国会議員になったとすれば問題だ。選挙制度でも小選挙区制になって党で議員が選ばれるようになり、たとえ在日でも候補者が支持政党の候補なら選ばれてしまう制度になっている。

防衛省でも内部文書が共産党に流出しましたが、防衛省にも在日の自衛隊職員がおりスパイ活動を行っている証拠だ。このような事は浸透工作と言って、日本人に成りすまして工作員が入り込んで活動をしている。本人が日本人でも身内が中国人とか韓国人の場合もある。

日本にはスパイを取り締まる法律が無いからどうする事も出来ませんが、浸透工作員が日本に帰化して国会議員になり政治を動かすようになると問題だ。日本の為に働いてくれれば問題は無いが、民主党の白議員や福山議員は日本の為になる法律を阻止しようとして活動している。冒頭の写真を見ればそれはよく分かるでしょう。




中国が一番恐れているのが、朝鮮半島が平和統一された後、
日米韓三国同盟ができる事。国会前のデモ隊は中国の手先。


2015年9月17日 木曜日

「韓国の中国接近は外交的な間違い」「中国は永遠に排他的な国。信じてはならぬ」 9月16日 産経新聞

約40年間にわたって北朝鮮との情報戦の最前線を経験してきた元米中央情報局(CIA)のマイケル・リー氏(81)は、北朝鮮問題をめぐる韓国の中国接近に警戒感を示す。一方で、強く支持するのが、北東アジアの安全保障における「強い日本」の存在だ。その上で、金正恩(キム・ジョンウン)体制を突き崩す「先制宣言」戦略を説く。サムライの境地にならったという「戦わずして北朝鮮に勝つ」その秘策とは−。(桜井紀雄)

韓国が最優先すべきは「米国と日本」

 北朝鮮経済は、中国に大きく依存し、パイプ役だった張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛清で関係が冷え込んだとはいえ、北朝鮮情勢の行方の鍵を握るのは依然、中国だといわれる。

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が日米の反対をよそに、「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードに出席してまで、中国との結び付きを強めるのも、一つには、習近平政権から北朝鮮問題解決の協力を取り付けるためだとされる。

 だが、リー氏は、対北問題解決で、韓国が中国に依存することに強い警戒感を示す。

 「経済的実利のために、中国と関係を維持するのは構わない」としながらもこう主張する。

 「中国は同盟国として、依存できる国ではない。安保問題で中国に依存してはならない。信じてもいけない。体質的に中国は永遠に排他的な国だ」

 韓国が最優先すべき国は「米国と日本だ」と重ねて強調し、「日米に嫌悪感を与えるほど、韓国が中国と北朝鮮に接近するのは、外交的にミスを犯すことだ」とも指摘した

 韓国世論を日米と離間させ、中国や北朝鮮接近の方向に誘導しようとしているのが「親北左派勢力」だとの認識も示す。

安保法制「世界史的な次元で非常によいこと」

 リー氏が中国に比して、対北問題で重要視するのが、北東アジアの安保における「強い日本」の存在だ。

 安倍晋三政権が推し進める安保関連法案の整備も「(中国など)周辺国は嫌がっているが、世界史的な次元で考えると、非常によいこと。日本はとても、よくやっている」と評価する。

 「北東アジアに強力な国家がいて、はじめて中国を牽制できる。米国1国でやるのは難しい。日本がもっと大きくなり、朝鮮半島も統一されれば、秩序は維持される」

 「(日本が)強くなったとしても、他の国を侵害することなど、あり得ない」とも言う。

リー氏は、日本統治時代の韓国で生まれ育った。戦後世代の韓国人が「日本軍国主義の再台頭」などといった幻想にとらわれる傾向にあるのに比べ、日本統治を経験した世代の方が、戦後日本の歩みを、あるがままに受け止めている証左といえる。

「日本が統一に反対」の虚像 歴史問題から「脱皮を」

 韓国国内では、日本や米国が南北統一を阻んでいるとの主張が幅を利かせてもいる。これについても「親北勢力の影響だ」と論じ、「日本や米国が統一に反対しているというのは、操作された世論だ。事実ではない」と断言する。

 「北朝鮮と統一した韓国と、日本との関係は、はるかによくなるだろう。悪い人たちが『日本が統一に反対している』という方向に世論を持っていこうとしているだけだ」

 日米、米韓の同盟関係についても、「中途半端な三角同盟であり、北東アジアの安保と繁栄のために、いかなるリスクを払っても、日本と韓国が直接、同盟関係を結ばなければならない」と長年、主張してきたという。

 韓国にとっても、米国という同盟国に加え、「日本が国家的に発展し、強力になれば、強い友人がもう一人増えるわけだ」とも強調する。

 韓国は、事ある度に歴史問題を持ち出し、現在、国交正常化以降、最悪の日韓関係といわれる。だが、リー氏は「古い考え方から脱皮しなければならない。互いに排他的な感情を抱いていてはダメだ」と歴史問題にとらわれることなく、相互依存へ転換するよう訴えかける。(後略)



(私のコメント)

安保法案が参議院での成立が遅れていますが、参議院の自民党は一種の政権内野党であり、鴻池委員長もくせ者で順法闘争を行って成立をわざと遅らせている。ごねる事で安倍総理を揺さぶろうと言うのでしょうが、参議院を軽視するなと言う駆け引きでもあるのだろう。

安倍総理も参議院自民党と言う政権内野党の抵抗でどうする事も出来ない。衆議院が3分の2の議決で法案を通せるのですが、参議院はそれでは一院制と変わりがなくなってしまうと言う危機感がある。だから目いっぱい抵抗をして鴻池委員長は恩を売ろうと言うのでしょうか。

国会内にいると外の事が分からなくなりますが、反安倍勢力が参議院で巻き返しを図って取引をしているのでしょう。衆院自民党と参院自民党とは一枚岩ではなく、自民党の泣き所であり、衆議院選挙で大勝しても参議院選挙ではその反動が出て自民党は苦戦をしてきた。

安保法案は、アメリカから見れば今後の朝鮮半島の統一後のシナリオに欠かせない法案であり、朝鮮半島の統治は戦前のような日本に任せる方式に戻るのだろう。現状ではパククネ政権が中国に擦り寄って行って、中国の思いのままにされるだろう。

パククネ大統領が、中国の軍事パレードにアメリカの反対を押し切って参加したのは、米韓同盟の空洞化と在韓米軍の韓国からの撤退を促進させるものだ。オバマ大統領は軍縮を最優先させて対中国韓国外交は何もしないだろう。その代わりを日本にさせることを考えているのかもしれない。

アメリカが東アジアから軍を引くのは財政上やむを得ない事であり、東アジアは戦前のような状況に戻される構想があるのだろう。アメリカが韓国や台湾を放棄するなら別ですが、日本が孤立して中国やロシアと対峙する事になれば日本も上海上海協力機構に加盟して、アメリカはアジアから完全に排除されるだろう。

このような将棋倒しのような事はアメリカとしても避けなければなりませんが、それを避けるには日本の安保法案を成立させて韓国や台湾のふらつきを止めなければなりません。出来れば日韓台の集団安全保障体制で中国を牽制する体制に戻る。戦前においてもいずれは朝鮮や台湾は独立させることは避けられなかった。朝鮮や台湾が民主体制国家になれば中国との緩衝地帯になるからだ。

戦後のアメリカによる東アジア統治は、朝鮮戦争やベトナム戦争のように間違いの連続であり、日本に任せていたほうが上手く行っただろう。アメリカは一時期中国にアジアの覇権を任せる事を考えて改革開放政策に協力した。しかし中国は軍事大国化してアメリカを軍事パレードで威嚇するようになった。

問題はアメリカの本音ですが、産経新聞のマイケル・リー氏へのインタビューでそれは推察できる。アメリカは正面だって中国との対決はせず日本に牽制させることを考えている。しかしブレジンスキーやキッシンジャーのような親中派もいるので、どうなるか分からない。次期アメリカ大統領も誰がなるのか分かりませんが、トランプ氏がなったら面白い。

現状ではAIIBにみるように、日米対全世界の構造であり、ドルと円が世界の通貨体制を作り、ユーロは難民問題を見るようにEU分裂の様相を現し始めた。人民元も馬脚を現し、世界経済はドルと円の世界であり、軍事面でも日本が強化してアメリカのサポート役になるのだろう。

問題は韓国や北朝鮮の今後の動向であり、パククネやキムジョンオンでは朝鮮半島は安定しない。日本統治時代の方がましだったという結果になりかねない。それが国民に知られるとまずいから反日教育している。中国にしても満州時代の方が良かったと言われないように反日教育せざるを得なかった。

最近のアメリカ外交は失敗の連続であり、中東や北アフリカやウクライナ問題など内乱状態になり、収拾がつかない状況になってしまった。シリアにはロシア軍やイラン軍が介入してきてISISと戦うようですが、アメリカはなにも出来ない。独裁者を排除してもそれに代わる体制が安定せずかえって難民を出している。だから難民はアメリカの責任でありアメリカが引き受けるべきだ。




「事業仕分けでこの(堤防増設の)予算を切っちゃったんですよ?
それも反省して欲しいですよね!」中央大学理工学部山田正教授


2015年9月16日 水曜日

鬼怒川決壊 ?常総市の失敗と、治水予算を2割削った民主党政権の責任を考える 9月14日 高橋洋一

民主党政権は治水予算を20%削減

ネット上では、民主党時代の事業仕分けで公共工事が削減され、それが今回の惨事を招いたとの意見もある。前提として、堤防建設は長期的な河川計画に基づいて行われるので、民主党時代のスタンスが直接に影響するものではない。

ただし、民主党時代の事業仕分けによる公共事業カットは、2010年度の公共事業▲18.3%、治水予算▲19.6%など、例年に比較して大きかったのは間違いない。

「コンクリートから人へ」というスローガンで15%のコストカット方針が打ち出されて、適切なコスト・ベネフィット分析が行われないまま、ただ「予算削減ありき」となってしまったのではないか。この際、一斉点検して、今後の災害に備えておくことも必要であろう

行政の対応にも問題があった

ただし、公共事業に予算をつけるとしても一朝一夕には整備できないので、当面の間、ソフト面での対応によらざるを得ない。

各自治体は、ハザードマップを公表している。それを見れば、万が一の場合、より深刻な影響を受ける地域をある程度把握することができる。もちろん、その地区に住んでいる住民がもっとも注意をすべきだが、今回のような洪水では、自分が住んでいる地域の雨量が問題なのではなく、上流の地域での雨量が問題である。

国交省は、洪水シミュレーションも行っていたと思われるので、上流の情報も地域住民に共有すべきだった。住民が上流の情報を把握するのは困難であるので、行政にもかなりの責任があるはずだ。

今回の場合、気象庁から特別警報が栃木県、茨城県、宮城県に対して出されている。各地方自治体では特別警報に先んじて避難指示などの対応も行っていた。

しかし、常総市では、場所によって避難指示を出すが遅れたり、避難指示を出し損なった地区もあった。避難指示や避難勧告が出せないのは、行政対応の失敗である。また、避難指示が出ても、住民に届かなかったところもある。

さらに問題なのは、「鬼怒川の西側へ避難するように」という避難誘導もあったという点だ。常総市は鬼怒川をはさんで東西に分かれているが、避難場所を東西に分けていなかったため、鬼怒川が氾濫しているにもかかわらず、その方向に避難せよと指示を出したことになる。危険が増すことになるのはいうまでもない。

行政地域にかかわらず、住民が安全に避難する方向をあらかじめ定めておく必要がある。これも行政対応の失敗である。

いざというときに、人の判断ではミスが出ることもしばしばである。事前に十分なシミュレーションを行って、初動では自動的に各人に警戒情報を伝達できるような態勢作りが必要になってくるだろう。



中央大学・山田正教授 鬼怒川の堤防決壊に関連し事業仕分けを批判 9月12日 9月12日 ライブドアニュース

11日放送の「モーニングバード」(テレビ朝日系)で、鬼怒川の土砂災害を解説する山田正教授が、事業仕分けへの不満を声高に訴えた。

番組は、宮城県と茨城県に特別警報が出されるなか、茨城県鬼怒川の堤防決壊の続報を「大雨被害の脅威」と題して放送。

スタジオでは、中央大学理工学部の山田氏が、司会の羽鳥慎一アナウンサーと共に、今回の土砂災害について解説した。そのなかで山田氏が、国土交通省が打ち出した事前の「氾濫シミュレーション」と、実際の被害を比較してみせた。

鳥羽アナが決壊した鬼怒川の映像を見ながら、「シミュレーションはできているし分かっているけれども、それを上回る自然の力が今回、働いてしまったということですね」と語り、コメンテーターの吉永みち子氏に意見を求めた。

吉永氏は「ここのところ、あまりに『史上初』とか『50年ぶり』とか(異常気象が)多いですよね?そうすると、私たちが初期設定をしたところとは、今は違う気象状況にあるということで、いろんなところを見直さないと…」と、危険基準の見直しを提唱する。

すると、話を聞いていた山田氏が「いや、見直しは随分やっている。私、その分野の学会の会長ですからね」と息巻いたのだ。

そして、山田氏は「でも、事業仕分けでこの(堤防増設の)予算を切っちゃったんですよ?それも反省して欲しいですよね!」と、事業仕分けに対する不満を突然持ち出し、スタジオで訴えた。

国家予算の見直しとなる事業仕分け(行政刷新会議)は、2010年度に民主党政権によって導入されたが、山田氏は生放送で、その批判をすることとなった



(私のコメント)

鬼怒川決壊の大惨事は事前にハザードマップなどで予想されていた。しかし行政はそれを反映できなかった。常総市の市長は堤防の決壊を予想できなかったと釈明していますが、鬼怒川の堤防は単なる土手であり、コンクリート化などの補強作業がなされていなかった。

全ての河川をコンクリートの堤防を作る事は不可能ですが、市街地などの河川は堤防の決壊が起きれば大惨事になってしまう。せめて土手を高くするだけでもすべきでしたが、決壊した部分は2メートルほど土手を削ってしまっていた。応急に土嚢などを積んでいたが役立たなかった。

民主党政権時代に事業仕訳で治水予算を二割もカットしたつけが鬼怒川決壊になって現れた。民主党は鬼怒川の決壊の大惨事をほっておいて国会前の安保法案のデモに夢中なようですが、原因を追究されたくないからデマには法的な措置を講ずると国民を脅している。

災害と戦争とはあってはならない事ですが、あってはならない事を想定して法律を整えておかなければならない。中国や北朝鮮が攻めて来ることも想定しなければならないのに、民主党は安保法案を廃案にしようとしている。事業仕訳でも同じであり、民主党はしてはならない予算をカットしてしまった。

責任者は想定外を連発して責任を回避しようとしますが、万が一の災害を想定して対策を立てるのが国や行政の役割であり、戦争だって想定外の事ではなく防衛予算を組んで万が一の時の対策は打っておくべきだ。しかし民主党は「コンクリートから人へ」という事で治水対策予算をカットしてしまった。

しかし民主党からは事業仕訳は間違っていたといった反省の言葉は出てこない。「株式日記」では小泉内閣の構造改革や公共事業のカットなどにも反対してきましたが、これらは日本弱体化政策であり、多くの建設会社が潰れて建設労働者不足を今日招いている。

公共事業でやるべき事は沢山残っているのですが、河川の改修工事などは政治家の甘みが無いから取り残されてしまう。老朽化したインフラ工事なども政治家には人気が無い。60年代に作られた道路や橋は50年も経って作り替えが課題になっている。

政治家にとって道路や橋を新設すれば自分の手柄になるが、改修工事では政治家の手柄になれない。被災地では未だに断水などが続いていますが、東日本大震災でも浄水場の被災が一番後まで残っている。浄水場は水際に作られるから浸水しやすい。非常用発電機も冷却水で一階や地下などに作られるが浸水したら非常用電源も使えなくなる。

それらは災害が起きない事が前提として設計されるから問題なのであり、非常時に役に立たなくなれば意味がない。自衛隊なども非常時に備えてあるのであり、平和を叫べば軍隊は要らないと言った主張は野党は何を考えているのだろうか?

国会の公聴会でも憲法学者が安保法案は憲法違反だと主張していますが、法律屋は法律の事しか考えない。政治は世の中の必要に合わせて法律を作りますが、日本では憲法の改正すらできない。国民の多くが万が一の時のことは考えず目先の事だけで判断している。

集中豪雨や火山噴火など頻発していますが、日頃からの防災訓練などもすべきなのでしょうが、多くの人は自分の体験からでしか教訓を学べない。東京でもいずれ大きな地震があるのでしょうが、目先の事しか関心が無いから十分な防災訓練も出来ない。

想定外の事を考えるのが防災には重要ですが、一番カネのかからない対策は逃げる先を考えておくべきであり、危険な場所には家を建てない事だ。東日本大震災で多くの死者が出たのは建ててはならない所に住宅が建てられたためであり、行政に責任がある。

日本では都市計画はあって無きがごとしでありどこにでも住宅が建てられている。日本では空き家問題が出るようになり、都市化が進んでいますが防災面でも人口を都市に集約して防災に強い都市計画が必要だ。



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