株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


百田氏の発言で「自由競争にすれば、テレビ局の状況はかなり
変わる」とも指摘したのだが、これはテレビ局も新聞社も報じない。


2015年6月30日 火曜日

大赤字の「マルチメディア放送」はなぜ続くのか 放送・通信業界は1000億円をドブに捨てても電波利権を守る 6月30日 池田信夫

NOTTV(ノッティーヴィー)というサービスをご存じだろうか。NTTドコモと民放連などが2012年に始めた携帯端末向けの「マルチメディア放送」だが、今月発表された3月期決算では、当期純損失が503億円、累損は996億円に達した。

 資本金は249億円なので、普通の会社ならとっくに倒産だが、まだ営業している。それはこのサービスをやっているmmbi(エムエムビーアイ)という会社の株式の60%をNTTドコモが保有し、巨額の赤字を補填しているからだ。そこまでしてこの赤字サービスを続けるのはなぜだろうか?

14年かかっってもアナログ放送を止めた「跡地」の使い道がまだ決まらない

 NOTTVの使っているVHF帯は、昔アナログ放送をやっていた電波である。デジタル放送をするなら、その空きチャンネル(東京なら5チャンネルや7チャンネルなど)で放送し、470MHz以上のUHF帯は新しい放送局に開放すればいい、と専門家は指摘していた。

 ところがテレビ局は新規参入を妨害するためにUHF帯をふさごうとし、地上デジタル放送をわざわざUHF帯に移してやることにした。広告収入は増えないのに、これにかかる経費は無線局だけで1兆円以上だったが、そのうち3000億円以上を総務省が補填した。

 これは電波法違反である。無線局の移設は無線事業者の経費で行うもので、世界のどこの国でも政府が補助した例はない。しかも国費を私企業に投入する(その利益は私企業のものになる)ことも違法の疑いがあるので、2001年度の予算査定で大蔵省が難色を示した。

 そこで総務省は「VHF帯を空けて有効利用するので国民的な利益がある」という理由で、2001年に無理やりVHF帯の電波を止めることを決めた。このため全国で1億3000万台以上あったアナログテレビは粗大ゴミになり、VHF帯の電波は2011年7月にすべて止まった。

 問題は、この「跡地利用」をどうするかだった。VHF帯は電波が広く届くので放送には適しているが、大きなアンテナが必要なので通信には向いていない。そこで総務省はこの帯域の一部を「マルチメディア放送」に割り当てたが、最初は40社以上が参入を申請して使い道が決まらなかった。

周波数オークションを阻止して外資を排除した総務省

 民放連はVHF帯からUHF帯に移行したのに、「VHF帯は放送局の既得権だ」と主張した。しかし外資系のクアルコムは、アメリカでスタートしていた携帯放送サービスをVHF帯でやろうとし、「放送局が全国に数百の携帯基地局を建てるのは不可能だ」と批判した。困った総務省の電波部は通信業者を引き込もうと、ドコモに声をかけたのだ。

このころ同時に2.5GHz帯(今のWiMAXが使っている帯域)の審査も行われており、3つの枠に4グループが立候補して調整が難航していた。困った総務省は、2.5GHz帯の枠をドコモが譲る代わりに、VHF帯をドコモに与えるバーターを仕掛けたのだ。

 この取引を当時もちかけられたNTTドコモの執行役員、夏野剛氏は「筋の悪い話だと思ったが、一応、社長に上げたら通ってしまった」という。当時の中村維夫社長は、この取引に乗る代わりに、スマートフォン(4G)に使う700MHz帯を無償でもらう密約を総務省としたのだ。

 4Gには多くの通信業者が名乗りを上げており、ソフトバンクの孫正義社長は「電波をたくさん持っているドコモより、電波の少ない当社に優先的に周波数を割り当てろ」と主張していた。そこでドコモはVHF帯で総務省に恩を売って電波を確保し、総務省はVHF帯でうるさい外資を排除するためにドコモを利用する取引が成立したわけだ。

 こういう「空気」を読んで、日本の業者はVHF帯の一本化工作に乗ったが、クアルコムはKDDIを引っ張り込んで一本化に抵抗した。当時の民主党政権も「周波数オークションでフェアに決着をつけろ」と指摘したが、そんなことをしたら密約を破ることになるので、総務省は必死で抵抗した。

 衆議院議員会館で公聴会が開かれ、民主党の議員が「電波監理審議会が技術を選べるのか」と質問したのに対して、総務省情報流通行政局の大橋秀行総務課長は「審議会に対して諮問し答申をいただきますけれども、評価は私どもの方でいたします」と、審議会が形だけであることを正直に告白した。

 彼の言った通り、電監審はわずか2時間の審議でドコモ=民放連グループに免許を与える答申を出した。そのときドコモは「1000万台が採算分岐点。5年後に5000万台が普及する」という事業計画を出していた。

 しかしNOTTVの13チャンネルを使う委託放送業者の申し込みはなく、結局mmbiが自分で13チャンネルを使うことになった。13部屋の賃貸マンションを売り出したら、誰も借りなくて大家が全部借りたようなものだ。

 おかげで3年たった今年3月の契約者数は、わずか175万人。スマホで無料動画がいくらでも見られる時代に、月額420円も払ってテレビ番組を見る人が増えるとは思えないので、赤字はさらに拡大するだろう。

テレビ局と新聞社を黙らせる総務省の「電波社会主義」

 ただ、昨年も6400億円以上の経常利益を出したドコモが500億円ぐらい損しても、利用者には何の影響もない。問題はこんな無意味なサービスに、貴重な電波が浪費されていることだ。

上の図は、総務省の公表している電波の利用状況だ。民放の使っていた170〜205MHzは「公共・一般業務(移動)」ということになっているが、まったく使われていない。その下のNHKの使っていた95〜108MHzは、電波を止めることが決まってから14年たっても、いまだに何に使うのかさえ決まっていない。

 要するに、全国のテレビ電波を無理やり止めて空けたアナログ放送の跡地は、がら空きなのだ。この帯域だけでも放送に利用すれば、新しい技術(H.264など)なら30局以上のテレビ局が放送できる。さらにUHF帯の空き帯域(ホワイトスペース)を有効利用すれば、合計100チャンネル以上の放送ができるのに、ほとんどの周波数は使われていない。

 これは総務省が周波数オークションを拒否し、電波を社会主義的に割り当てるからだ。民主党政権の時代に総務省はオークションの導入を決めたが、自民党政権に元に戻してしまった。全国のテレビを止めた電波の跡地は、誰にも使われないまま放置され、その時価は2兆円以上と推定される。

 自民党の勉強会で百田尚樹氏の発言が問題になったが、そのとき彼は「テレビの広告料ではなく、地上波の既得権をなくしてもらいたい。自由競争なしに50年も60年も続いている。自由競争にすれば、テレビ局の状況はかなり変わる」とも指摘したのだが、これはテレビ局も新聞社も報じない。

 日本のような民主国家で、露骨な言論弾圧が行なわれることはありえない。それより問題は、電波利権を梃子にしてテレビ局と(その系列の)新聞社を黙らせる総務省のような「暗黙の言論弾圧」である。それを批判することは大手メディアには期待できないので、ネットメディアがその役割を果たすしかない。



(私のコメント)

今日は電波利権の話になりますが、業界と霞が関の癒着であり政治家たちは電波の事が分からない。業界にしてみれば電波を独占すれば巨額な利権が転がり込んで来る。霞が関は特定のテレビ局と癒着して新規参入を許さない。電波利権を公開オークションにすれば政治家の先生の出番もあるのでしょうが、霞が関が割り当てて決めてしまった。

テレビのデジタル化は時代の流れですが、VHF帯をUHF帯に引っ越す必要が何処になったのだろうか? VHFをそのままデジタル化してH.264などの圧縮技術で放送すれば30チャンネル位できたはずだ。しかしVHF帯は野ざらしのまま放置されている。

現在はUHFの地上デジタル放送に切り替わってテレビも買い替えさせられましたが、業界内の内部事情でそうなっている。デジタルの圧縮技術でテレビ放送局は100チャンネルでも出来るのに作らせない。100チャンネルもテレビ局が出来れば放送利権の美味しさが無くなり、競争が厳しくなるからだ。

しかしネット化社会になって、インターネットを使った動画配信が本格化してきて、電波利権は根幹から揺らいできている。若者たちはスマホでテレビよりもネットの動画を見るようになって来ている。その方が面白いものが見れるからだ。テレビ業界もNOTTVを作ってスマホ向けの放送を始めましたが誰も見ない。

NOTTVは毎年500億円もの赤字を出していますが、NTTドコモが赤字を補てんしている。池田氏が言っているように、スマホでタダで動画が見れるのにわざわざ料金を払ってみる人は少ない。カネを払ってまで見たいような番組が少ないからでもあり、料金を取るには多チャンネル化して専門性を高めなければ無理だろう。

つまり従来のようなテレビ放送で視聴率を高めて広告料を取るやり方は無理が来ており、多チャンネル化してスカパーのような形態にしないと有料放送は成り立たない。テレビ番組を作るにはさほどの予算はかからなくても番組自体は作れる。既存のテレビ局はスポンサーから1億円支払われても番組制作には800万円程度しか回らず、あとはテレビ局がピンハネしているのだ。

これが電波利権の正体ですが、数局だけでテレビの電波利権を独占してコマーシャル収入で巨額な利益を上げている。それがデジタル技術によって100局ものテレビ局が出来れば業界の独占利益が無くなってしまう。百田氏はそのような批判もしたらしいのですがマスコミはそれを放送しないあ。視聴者には知る権利は無いのだ。

日本のテレビ放送では音楽番組はほとんど無くなってしまいましたが、スカパーでは一日中音楽放送をしているチャンネルが何局もある。有料放送なら視聴率を気にしないで放送が成り立つから、霞が関も放送行政を考えてほしいものですが、既存のテレビ局の政治力に潰されている。




今後「中国経済の崩壊は近い」という情報戦を展開して
中国経済にダメージを与え、AIIBを機能不全に陥れる


2015年6月29日 月曜日

減少が始まった中国の原油輸入 解消されない原油市場の過剰供給 6月19日 藤 和彦

6月8日の主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、東シナ海や南シナ海で緊張が高まっている現状に懸念を表明する宣言を採択した。数カ月前には想像もできなかったことだが、「米中軍事衝突」を懸念する声まで聞こえるようになった。

 米国側の表向きの理由は「中国が南シナ海で大規模な埋め立てを行っている」ことだが、この問題は以前から存在していた。中国が本格的に埋め立てを開始したのは2013年であり、2014年5月のASEAN首脳会議でフィリピン政府はこの問題を提起し中国に抗議している。それにもかかわらず、米国はこの問題を最近まで放置していた。

 中国で汚職撲滅運動を先導している王岐山 共産党中央規律検査委員会書記(共産党内の序列6位)を巡るスキャンダルも米国内で発生している。

 米国の証券取引委員会(SEC)は、中国国有企業の米証券市場への上場などを巡って便宜を図ってもらうため、一部の金融機関が中国の高官の子弟を雇った疑いがあるとの調査を2013年頃から行っていた。その調査の過程で、先月末に王岐山の名前が飛び出したのだ。

 5月28日付ウォールストリート・ジャーナルによれば「金融大手のJPモルガンに対し、王書記を含む中国の高官35人との会話記録などを提出するようSECは命じた」という。王岐山は2009年夏に開催が始まった「米中戦略・経済対話」において当時の米ガイトナー財務長官とともに経済部門の取りまとめを担うなど米国経済界との間で太いパイプを有するとされてきた。

 米国が急に中国の動きを大々的に非難し始めたのは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)ではないかと筆者は考えている。

 3月12日、最も緊密な同盟国であるはずの英国が米国の制止を振り切りAIIBへの参加を決めたことを皮切りに、その後、ドイツ・フランス・豪州・韓国・イスラエルなどが続々に参加を表明し、米国に衝撃を与えた。

 クリントン政権後半期の財務長官であり2009年にオバマ政権の国家経済会議議長を歴任したサマーズ氏がは、4月5日にブルームバーグに寄稿したコラムの中で、「AIIBへの支持が従来からの米国の同盟国を含めて広がっていることから、米国は『世界の経済システムにおける引受人』として役割を失いつつある」との見方を示している。「米国の支配力衰退と中国の影響力拡大」という事態を見過ごせば、米国の覇権は危うくなる。

これまで中国に対して融和的であった財務省や経済界に替わり、国防総省など強硬派の発言権が高まったとしても、中国と一戦を交えるのは得策ではない。そこで、その代替手段として、今後「中国経済の崩壊は近い」という情報戦を展開して中国経済にダメージを与え、AIIBを機能不全に陥れようとするのではないだろうか。

 中国は経済力や軍事力で世界1位の米国を猛追しているが、経済分野の「情報戦」では米国に歯が立たない。しかも「中国経済崩壊論」は単なる噂ではなく、経済成長率は年々下がり、賃金水準の上昇等により外国企業の転出が増加しつつある状況下でにわかに現実味を帯びてきている。米国が持ち前の「プロパガンダ」を駆使すれば、中国の経済的栄華の崩壊の「最後の一押し」になり、「予言の自己成就」が起きる可能性がある。(後略)



(私のコメント)

新興国の経済破綻は想定できる事態であり、昨日はギリシャについて書きましたが、今日は中国の経済破綻の可能性について書きます。中国の経済成長についてはアメリカの財務省や国務省にとっては利益になった。中国の利権をありつくことが出来たし、高官たちにとっても引退した後は中国との口利き役で利権にありつけた。

アメリカにしてみれば日本を締め上げて、中国に投資させて経済発展すれば、ゴールドマンサックスやワシントンのシンクタンクには多大なリベートが中国から金が入って来た。だから人民元の400%もの切り下げを認め、日本に対しては1ドル=240円から75円までの円の切上を行った。

これはアメリカのドルが基軸通貨であるからできる事であり、人民元と円との交換レートもドルを通じて行われている。アベノミクスによる円安で125円にまで円が安くなりましたが、人民元はドル連動なので円安元高になった。この事が中国のコスト増につながり日本からの投資は1年で40%も減った。

中国は、日本からの投資や経済援助で豊かになったにもかかわらず反日デモを仕掛けて来た。理由は70年以上も前の歴史観が理由であり、戦後の日本からの経済援助は無視された。丁度ドイツとギリシャのような関係であり、ギリシャも戦時中の被害を補償せよとドイツに要求し始めた。中国もギリシャもオリンピックが絡んでいますが、単なる偶然なのだろうか?

オリンピックもワールドカップも大きな利権であり、アメリカの金融体制に関係している。FIFAの会長辞任もアメリカの金融機関からの圧力によるものであり、アメリカにとってドル基軸通貨金融体制と公海航行の自由は踏んではならないトラの尾ですが、中国はこの二つに挑戦状をたたきつけた。

南シナ海における軍事基地の建設は、アメリカの制海権に対する挑戦であり、マラッカ海峡を抑える野望を中国は持っている。第二パナマ運河にも中国は手を伸ばしていますが、それに対してアメリカは快く思う筈がない。しかしアメリカは中国との関係を重視して特に何もしなかった。親中派のオバマ大統領だったからだ。

藤氏の記事に書いてあるように、AIIBの加盟問題はアメリカの金融体制に挑戦するものであり、ここでアメリカは何らかの反撃をしなければアメリカは本当に衰退を象徴するものとなる。軍事的に正面から衝突するのは弊害が大きいから、経済的な制裁を中国に掛けて来るのだろう。それによってAIIBは中国の経済破綻でオシャカになるだろう。

90年代からアメリカはジャパンバッシングで円高にしてきましたが、中国との関係がぎくしゃくし始めて来て、アメリカは日本に対する円高を緩めて円安を認めるようになった。この事は中国に対する経済的な優位性を無くする事であり、日本の輸出産業が復活してくる。

習近平もこの事が分かって来たからこそ、日本に対する首脳会談の拒否を改めた。円高によって日本の製造業は工場を中国に移転させていましたが、他のアジアに移転するか国内回帰の動きが出てきて、中国における雇用が小さくなって行く。数にして1000万人もの雇用を中国に作り出しましたが、中国政府は恩を仇で返してきた。

AIIBと南シナ海で中国はアメリカの虎の尾を踏んでしまった。しかし南シナ海にはアメリカの軍艦は一隻もおらず、500隻ものアメリカ海軍の軍艦は何処にいるのだろう? 以前にもアメリカ海軍の巡洋艦のカウペンスが南シナ海を航行していると中国の軍艦が高校の邪魔をした。それ以来アメリカの軍艦は尻尾を巻いて南シナ海から居なくなった。

おそらく親中派のオバマと習近平との密約で、第一列島線から西を中国の海と認めたのだろう。だから中国は堂々と南シナ海で埋め立て工事を続けたのだ。AIIBでアメリカはダメ押しをされて、アメリカの面子は潰されてアメリカに従う国は日本だけになってしまった。

このように外交では、恩を売っても仇で返される事が多く、日本はアメリカに恩をうってもアメリカはジャパンバッシングで返してきた。外交では目先の利益が最優先されるから恩の貸し借りなどは通用しない。日本の外交は恩は借りたら返すのが常識としているようですが、外交では目先の利益しかない。




ギリシャの若年層の失業率は50%近い。年金は引き下げられ、
公務員は急激なリストラ。就業者も、過酷な賃下げで購買力はない


2015年6月28日 日曜日

ギリシャはどうなる??EUはどうなる? 目前に迫る、デフォルトのデッドライン! 6月26日 川口マーン恵美

基本姿勢を変えることがなかったギリシャ

それにしても、今年1月に発足したチプラス首相&ヴァロファキス財相のコンビがここまで粘るとは思わなかった。ユーロ国は現在19ヵ国。18対1でも大変だが、ギリシャの説得には、それに加えてIMF、ECBが躍起になっている。二人が受けている圧力はとてつもなく強大だ。

ギリシャのデフォルトによる被害は、ギリシャ自身よりも、その他の国のほうが大きいといわれており、出資者側としては絶対に避けたい。とはいえ、ギリシャの改革プランが整わなければ、援助したくてもできない。だからこそ皆が焦って、圧力をかけているのである。

しかし、どんなに脅されても、すかされても、ギリシャは基本姿勢を変えることがなかった。5年間、ここまで自国を疲弊させた政策をさらに続けるのは愚行であると思っているから、のらりくらりしている。よって茶番は繰り返され、膨大な経費と時間が無駄になった。

そして、ここまで追い詰められながら、チプラス&ヴァロファキス・コンビは、いつも明るく笑っていた。その爽やかな笑顔に、ときに、誰が誰を援助しているのか、わからなくなってしまうほどだった。

さて、運命の6月22日、首脳や財相たちがブリュッセルに集結した。改革リストは深夜に届けられたという。つまり、まだ分析も何もなされていないわけで、首脳が集まっても、決定はおろか、折衝さえできないことは最初からわかりきっていた。しかし、分刻みのスケジュールで動いている大物たちは、意味がないことを知りながらも、万難を排して集まったのである。

なぜか??もしここでキャンセルしたら、世界中に「ギリシャのデフォルトは近い」という印象を与えるからだ。そうでなくても先週、ギリシャでは、国民が預金を下ろしに走り、一週間で日本円にして6,000億円が引き出されたという。取り付け騒ぎを防ぐため、目下、ECBが慌ててギリシャの中央銀行に資金を注入している状況だし、株式市場も極めて不安定になっている。

つまり、その不安を解消するために、首脳は集まったのだ。EU委員長のユンカー氏や、理事会議長のトゥスク氏などは、ギリシャの新しい改革リストを褒め、明るい雰囲気作りに努めた。一方、ドイツやフィンランドの財相は不機嫌な態度を隠さない。ドイツの財相は、「提出されたリストに目新しいものはない」と言い捨て、フィンランドの財相は、「時間と税金の無駄である」と語った。

ギリシャの若年層の失業率は50%近い。年金は引き下げられ、公務員は急激なリストラ。就業者も、過酷な賃下げで購買力はない。生産業はもともと不振だった。公的な設備もサービスも、機能しなくなって久しい。多くの病院は閉鎖。たとえやっていても、現金がなければ診療を受けられない。もちろん薬も現金と引き換え。曲がりなりにもEUの加盟国で医療保健制度が破壊しており、事態は深刻だ。

しかし、EU、IMF、ECBは、もっと引き締めをしなければ、援助はしないと言っている。今回のリストには、年金のさらなる削減と増税が加えられた。しかし、ギリシャの国民はすでに青息吐息だ。金持ちは、とっくの昔に財産を安全な場所に持ち出している。

チプラス・ヴァロファキス・コンビの玉砕は近い

20日、アテネでは、「絶対妥協せずに頑張れ」と、チプラス首相を応援するデモが開かれた。その翌日は、「ユーロに留まるため、あらゆる妥協と努力をしろ」というデモ。ギリシャの国民の意見は、混乱と不安の中で揺れ動いている。

ただ、ギリシャはデフォルトを恐れる必要がないという意見もある。もちろん、数年は確実に苦しくなるが、身の丈にあった通貨を使うことによって、次第に国力を回復できる可能性は高い。元々GDPの2割を占めていた観光業も、安くなればまた観光客が戻り、復活するだろう。輸出もできるようになる。

しかし、そうなればポルトガルもスペインも、ユーロのくびきから逃れようとするかもしれない。EUはガタガタになってしまう。では、ユーロは、そしてEUは、いったい誰のためのものなのだろう、という素朴な疑問が浮かんでくる。

フランスのエマニュエル・トッドによれば、「『ブリュッセル』『マーケット』『金融機関』といった言葉は、最富裕層が世界のいたるところで政治権力を奪取している事実をカモフラージュしている」だけだそうだ。つまり、市場とは世界の富裕層のことで、市場と国家の間に対立はないという。どんなことをしてでもギリシャをユーロ圏に留めようとしているIMFやECBやEUを見ていると、トッドの言葉が妙に真実味を帯びてくる。

まず6月30日、IMFに対する16億ユーロの返済期限がギリシャの目前に迫っている。デフォルトのデッドラインでもある。合意はその前になされなければならないが、叶えば叶ったで、チプラス首相はそれを議会に持ち帰り、承認させなければならない。ダメなら、解散・選挙だ。

どう転んでも、チプラス&ヴァロファキス・コンビの玉砕は近いように思えてならない。今までの果敢な抵抗と超人的な努力、そして爽やかな笑顔を思うと、少し情緒的になってしまう。それにしても、EUとは何だろう? 



(私のコメント)

ギリシャのデフォルト問題は何年も続いていますが、以前のギリシャはデフォルトの常連国だった。しかしユーロ経済圏に入った事で信用度が増してオリンピックなどで借金をし過ぎてしまって返せなくなってしまった。当時はユーロがドルに代わって世界の基軸通貨になるような勢いであり、ドルは石油の枯渇などで落ちぶれる事が予想されていた。

しかしユーロのバブルが崩壊すると、PIGS諸国の経済破綻が明らかになり、ギリシャがデフォルトすればスペイン、イタリア、ポルトガルにデフォルトが広がる危険性が囁かれている。ギリシャの若者の失業率は50%であり、PIGS諸国の若者の失業率もひどいものだ。

ギリシャをさっさと破綻させてユーロから切り離せばいいと思うのですが、ギリシャに貸し込んだドイツやフランスの銀行が危なくなる。だからギリシャも開き直っているが、借金も巨額だと借りた方よりも貸した方が弱くなる。本来ならばドイツが救いの手を差し伸べるのが筋ですが、ドイツ政府はケチだからECBに押し付けている。

だからECBはギリシャ危機が来るたびにリスケで救いの手を差し伸べてきましたが、いつまでも同じ事を繰り返しても意味が無い。「6月30日、IMFに対する16億ユーロの返済期限がギリシャの目前に迫っている」そうですが、もちろん返せない。ギリシャを破綻させればPIGSやユーロ圏へ波及して世界経済が大混乱しかねない。

ギリシャはデフォルト慣れしているから開き直っていますが、貸し込んだ方のドイツやフランスは覚悟を固めるべきだろう。ギリシャの金持ちはデフォルトを覚悟して預金を引き出し海外に分散させている。つまりギリシャが破綻してもギリシャ国民はこれ以上悪くなりようがないと平気だ。

つまりユーロと言うシステム設計で破綻しているのであり、一つのヨーロッパと言うのはもともと無理なのだ。政治は統合できても経済では格差があって一つに出来ない。ギリシャ人とドイツ人とでは国民性が違いすぎて一つになりようがない。

ギリシャの産業は観光以外にこれと言った産業が無く、デフォルトしても失うものが少ない。デフォルトするたびにドラクマが暴落して、割安になった観光旅行客が押し寄せて回復してきた。日本の円も安くなって外国から観光客が増えましたが、それと同じ事だ。

日本も製造業が空洞化して工場は中国に行ってしまった。だから円が安くなっても輸出は回復せず景気もなかなか回復しない。若者の就職難が続きましたが、円安になって今度は求人難になった。このように通貨を安くすることで景気が回復して行きますが、ユーロ圏のギリシャではそれが出来ない。




少子化問題はカネさえあれば解決する問題であり、時間的にも
20年あれば解決する問題であり、第三子に1000万円配れ。


2015年6月27日 土曜日

産経「第三子以降に千万円支援」に賛成 6月23日 アゴラ

産経新聞が6月21日付のコラム「日曜討論」で、"少子化対策 第3子に「1000万円」支援を"という提言を掲載した。論説委員の河合雅司氏のコラムで該当箇所を抜粋すると以下の通り。
第3子以降となると、さらに経済的な悩みが大きくなる。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の出生動向基本調査によれば、3人目以降の出産を見合わせた夫婦の7割が「お金がかかりすぎる」を理由に挙げた。
 そこで小欄は、第3子以降に、子供1人あたり1000万円規模の大胆な支援をするよう提言したい。2010年の社人研の調査によれば、子供が3人以上いる夫婦は全体の21・6%に過ぎず、2002年調査の34・4%に比べ激減した。対象となる人数は少ないのだから、第3子以降を断念する大きな理由である大学進学までの教育費について、塾代も含めすべて無料とするぐらいしてもいい。それぐらいの発想が必要ということだ。
 2005年度版「国民生活白書」によれば、子供1人にかかる費用は第2子は第1子の8割、第3子は6割程度で済むという。とはいえ、財源には限りがあるので、代わりに第1子、第2子に対する児童手当を廃止か縮小する。


一見、暴論のようにも思えるが、出生率が低位のまま推移し、このまま少子高齢化が加速すると、急激な人口減だけでなく、高齢化率が40%を越えて社会保障制度が破綻することが確実に予測されるなかで、少子化対策に効果の期待できる検討に値する案だと思われる。

たとえば、以前の記事で紹介したが、少子化を克服したフランスやスウェーデン、フィンランドなどの北欧諸国では、児童手当などの支援が第三子以降へ傾斜的に配分されている。出生率1.9のスウェーデンでは、第一子が月1050スウェーデンクローナSEK(約1万5000円)なのに対して、第二子が1150SEK(約16500円)、第三子が1404SEK(約2万円)、第四子が1910SEK(約2万7000円)、第五子が2100SEK(約3万円)が支給される。しかも、多子世帯手当は学生であれば20歳未満まで続く。第五子の手当支給総額は、月3万円が20年間続いて合計720万円だ。

さらに北欧諸国では学費が基本的には無料なので、大学授業料も実質上支援されていることになる。これらの「少子化対策先進国」の事例を考えると、上記提案の「第三子以降に1000万円の支援」という案が決して突拍子もないものではないことが分かる。

出生動向基本調査(2010)によると、日本では、理想の子ども数平均は2.42人なのに対して、予定子ども数平均は2.07人、さらに、実際に子どもを産んだ数である完結出生児数は1.96人だ。ギャップの最大の要因は経済的理由で、理想3人予定2人の71%。理想2人予定1人の44%が理由として挙げている。これは育児の心理的肉体的負担を理由に挙げているのが20%前後、夫の家事育児への協力が得られないが10%強なのに対して圧倒的に高い。これらの調査結果は、特に第三子以降への経済的支援が、政策的に有効に働き得ることを示唆している。

もう一点加えるとしたら、月々の支給を長期間継続することも家計には有難い支援だが、出産時にまとめて支給する、あるいは支給をコミットすることで、少子化対策としてはより効果が期待できる。以前に、第1子5万円、第2子10万円、第3子100万円、第4子300万円、第5子500万円の出産祝い金を社員に支給しているソフトバンクグループの事例を紹介したが、社員の出産促進支援に着実に効果を表しているもようだ。

たとえば、第三子の児童手当を2万円、第四子を2.5万円、第五子を3万円とスウェーデン並みに増額し、第三子以降の出産祝い金を100万円支給するなどが考えられよう。 昨年の出生数は、第1子は47万4191人、第2子が36万4763人、第3子以降は16万4578人だった。第三子以降に出産祝い金100万円を支給すると年間約1600億円だ。第三子に児童手当を2万円と現状より5千円増額すると、これも約1500億円程の増額規模になると推測される。待機児童解消対策として、小規模保育や長時間保育、病児保育、認可外保育所への支援に年間6千億円強が計上されていることを鑑みると、決して現実離れした数字ではない。

10%に増額が決定されている消費税や、タバコ税の大幅増税などによっても財源確保は可能だ。少子化対策は既に遅きに逸しているところもある。だからこそ、大胆で効果的な策が求められる。千万円というと途方もないバラマキのようにも映るが、多子世帯への傾斜的支援は少子化を克服した国々の共通する施策であり、真剣に検討すべき政策といえよう。


(私のコメント)

少子化問題はカネさえあれば解決する問題であり、少し頭を使えば現在行われている予算規模でも効果的に使えば対策は打てる。民主党の26000円の子ども手当はバラマキだから」潰れましたが、第三子に1000万円を配れば1600億円程度の予算でも出来る対策だ。

子供を産みたくない女性に無理にお願いしなくても、産みたい女性は沢山いる。このような繁殖力旺盛な女性に奨励金を配って5人でも10人でも産んでもらえばいい。子供を10人産んだら1億円くらいあげても予算規模は大して大きくは無い。

若年労働者が少なくなれば肉体労働が出来る労働者がいなくなる事であり、警察官や自衛官などは若くなくては務まらない。これか国家の根幹にもかかわる問題であり、大胆な政策で問題を解決すべきだ。政治家たちは少子化問題を深刻に考えているようですが、カネと知恵さえあれば簡単に解決する。

「株式日記」でも前から子供一人生まれたら100万円配れと書いてきましたが、新生児全部に配ったら予算が大変だが、傾斜的に配れば予算は少なくて済む。日本全国で10も子供を産んだ家庭は少ないだろうから1億円配ってもたかが知れている。

生活が豊かになれば結婚したくない女性や、結婚しても子供を作らない女性が増えるのは仕方のない事だ。だから子供をたくさん産みたい女性に沢山産んでもらって頑張ってもらうしかない。第三子以降1000万円配れば母子家庭でも毎年一人産めば8年間にわたって1000万円もらえる事になる。10人産んだら1億円の報奨金だ。宝くじを買うより確実だ。

しかし子供を10人産むには一年おきだとしても20年かかるから若くして結婚しないと無理だ。少子化問題の根本原因は子供の教育にカネがかかるから結婚した夫婦でも2人どまりであり、3人も産めば大学まで行かせるには教育費で破産しかねない。

このような大胆な少子化対策を打てば二人で我慢していた夫婦でも、1000万円貰えるなら3人目を作ろうとするだろう。そして10人達成したら1億円が貰えるから挑戦する夫婦もいるかもしれない。

しかし男性の場合は産みたくても産めないから不公平だという意見が出るかもしれないが、父親にも何らかの報奨制度は必要だろう。夫婦なら問題は無いが、愛人も含めて10人の子供を産ませたら1000万円と言うのはどうだろうか? 正妻との間に5人の子供と愛人との間に5人産まれれば目標達成で1000万円の報奨金が出れば正妻も納得してくれるだろう。




要するに、稲田政調会長もまた、財務官僚に取り込まれ、
「家計簿」と財政を混同する愚かな政治家に落ちぶれてしまった


2015年6月26日 金曜日

混乱する財政議論(2/3) 6月24日 三橋貴明

 歳出を削減すれば、やはりPBが改善するのでは、と思われたかも知れない。ところが、残念なことにデフレの国が歳出を削減すると、その分「需要が減る」という話になってしまい、税収が減る。
 デフレの国が歳出を削れば、GDPが減るため、政府の歳入も減る。結果、PBの赤字は改善するどころか、むしろ悪化する。これが統計的な事実だ。繰り返すが、PBを改善したいならば、税収を増やさなければならないのだ。
そして、税収を増やすためには、国民の所得を拡大させなければならない。国民の所得の合計を何というか。
 いまさらであるが、GDPだ。
 PBを黒字化するためには、GDPを成長させる必要があるのである。それでは、GDPを成長させるためにはどうしたらいいのか。
 簡単である。誰かが「消費」もしくは「投資(設備投資、住宅投資、公共投資のみ)」としての支出を増やす必要があるのだ。「支出を削り、GDPを増やす」ことは、統計的に成立しえないのである。
 そういう意味で、稲田政調会長率いる特命委員会が、歳出削減の目標を掲げているのは、論理矛盾というよりは、統計的に成立しないファンタジーワールドのロジックになる。と言うより、
「歳出削減でPBを黒字化させる」
 と、主張するならば、歳出削減でGDPが減り、税収が減る中で、いかにPBを黒字化させるのか、説明する必要があるはずだ。そんなことは、この世の誰にもできない。
 要するに、稲田政調会長もまた、財務官僚に取り込まれ、「家計簿」と財政を混同する愚かな政治家に落ちぶれてしまった、という話なのだろう(推測だが)。筆者は安倍政権の経済政策は、金融政策以外は全く評価していない。とはいえ、成長を重視する安倍政権の財政に対する考え方を無視し、歳出を縛るのは普通に間違っている。
 稲田政調会長は、成長依存のPB黒字化について「雨乞い」と評価しているが、政治のパワーを無視しているわけで、ある意味で「政治家」として失格だ。何しろ、政府が財政出動を拡大すれば、100%経済成長する。すなわち、GDPが増える。それにも関わらず成長を軽視するのでは、政治について根本から理解していないと断言するしかない。
 何というか、1995年11月の武村大蔵大臣(当時)の国会における「財政破綻宣言」以降、延々と続いてきた「間違った財政議論」が最終フェーズに入ったような気がする。当たり前の政策である財政出動を、当たり前にできず、推進されるのは「歳出削減」と「増税」ばかり。結果的にGDPが拡大せず、税収が減り、財政が悪化し、またもや歳出削減と増税。
 それにしても、緊縮財政を推進する安倍政権よりも、自民党特命委員会の方が「後退」しているとは、情けない限りだ。まさに、
「ダメなやつと、もっとダメなやつの議論」
 で、どちらを支持するかという話で、今回ばかりは「ダメなやつ(安倍政権)」を支持せざるを得ない。(中略)

 自民党の稲田朋美政調会長は17日に開催されたロイター・ニュースメーカーで、2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化をしておかなければ、金利の急上昇によって日本の財政が破綻状態になりうるとの見解を示した。
会場での質疑応答の中で、稲田政調会長は「いつか急に金利が上昇して、破産状態になることがありうる」と指摘。政府・与党内で20年度の「PB黒字化には争いがない状況」だが、そこに至る改革が「どれくらい必要か、議論している」と、政府・与党内における調整作業の現状を説明した。(後略)』

 何というレベルの低さ。
「いつか急に金利が上昇して、破産状態になることがありうる」
 などと、無責任に国民を煽る。「いつか」とは、いつなのか。あるいは、なぜ金利が上がるのか。数値データ的、あるいは論理的な説明は一切ない。個人的に妄想を想起するのは勝手だが、発言するのは止めて欲しいものである。
 そもそも、「国家の破産状態」とは何なのだろうか。デフォルト(債務不履行)のことなのか。
 突っ込みどころが多すぎ、正直「読むに堪えない」記事なのだが、一応、突っ込んでおく。稲田政調会長が根本から間違っているのは、
「なぜ、日本の金利が低いのか?」
 を、全く理解していないという点だ。
現在、日本のPBは確かに延々と赤字状態が続いている。ところが、金利は急騰するどころか低迷を続けているのである。
直近の日本の長期金利は、わずか0.4%。それに対し、プライマリーバランスの赤字は対GDP比で10%近い状況が続いている。なぜ、PBの赤字が継続しているにも関わらず、金利は超低迷しているのだろうか。
理由は、そもそもPBの赤字が続くとは、税収が不足している「不景気」であり、民間企業や家計が銀行からおカネを借りようとしない、デフレ状態が継続していることを意味するためだ。
 デフレである以上、民間は借り入れを増やさず、むしろ銀行預金を増やす。結果、銀行はおカネの「貸出先」に困り、国債を買うため、金利が下がるわけである。
 例えば、2006年のPBの赤字は対GDP比で0.7%。それに対し、長期金利は1.68%で、むしろ現在よりも高かった。
すなわち、2006年はPBの赤字が解消寸前まで行き、同時に金利が少し上昇したわけである。
 当たり前だ。
 当時はアメリカのバブルの影響で、日本はそこそこ景気が良く、税収が増え、PBが改善しただけの話だ。さらに、民間企業がようやく借り入れを増やし始めた(今は元に戻ってしまったが)ため、金利が上昇したわけである。
そもそも、金利が急騰するということは、銀行が国債を手放し「日本円」に交換することを意味する。日本円を手に入れた銀行は、それを何で運用するのだろうか。つまりは「誰に貸し出す?」という話だが、誰にも貸し出さなければ、銀行は逆ザヤで倒産してしまう。
貸出先に困った銀行は、デフレが継続している限り、結局は「国債」を買い、運用しようとせざるを得ない。結果、金利が下がる。逆に、金利が上がるほど民間の借り入れが増えているならば、それは単にデフレ脱却という話なので、むしろ慶事でといえる。
 すなわち、
「日本のPBが黒字化するほどに景気が良くなれば、金利は上がる」
 というのが真実なのである。それに対し、稲田政調会長は、
「PBを黒字化しなければ、いつか急に金利が上昇して、破産状態になることがありうる」

 と発言しているわけだから、経済について何も理解していないことが分かるだろう。金利が上がるほど景気が良くなっているならば、むしろPBは黒字に近づいているか、あるいは黒字化している。話がまるで逆なのだ。
そもそも、日本銀行が国債を買い取れば、金利の抑制など容易にできる我が国で、
「金利が上昇して破産状態に陥るからPBの黒字化を!」

とは、一体、何年前の議論をしているのだろうか。周回遅れどころか、5周くらい遅れている印象だ。
 この手の出鱈目を平気で口にする「無知な政治家」たちが跋扈しているからこそ、我が国はデフレが継続し、国民の貧困化が終わらず、そしてPBの赤字も縮小しないというオチなのである。



(私のコメント)

国の2014年度の一般会計税収が、今年1月時点の見込みより2兆円以上伸び、53兆9600億円となるそうですが、税収を伸ばすには増税よりも金融緩和であり所得税や法人税が増える。もちろん金融緩和だけではなく財政出動も伴わなけばならない。

しかし財務官僚たちは、緊縮財政と増税の一本やりであり、これではデフレから脱却できない。所得の伸びが0なのに税金を増税すれば増税した分の消費が減る。消費が減ればそれだけの税収も落ちるから、消費のデフレスパイラルが起きてしまう。

このような議論は90年代から延々と行われているのですが、財務官僚が大臣を取り囲んで洗脳してしまう。稲田政調会長もその一人であり麻生財務大臣もその一人だ。単なる事務員に過ぎない財務官僚が大臣を洗脳して増税するのは越権行為であり、そのような官僚は地方に飛ばしてしまえばいい。

国家は貨幣を発行する権限を持っており日銀だけの特権ではない。だから税収が足りなければ貨幣を発行する代わりに国債を発行して予算に充てる。つまり国債は利息の付く貨幣と同じであり満期が来ればリスケされる。財政が黒字になればその国債を償還すればいいだけの話だ。

このように国債はマネーサプライの調整弁であり、円建てであれば論理的にデフォルトはありえない。問題は稲田政調会長が心配するような金利の急騰ですが、デフレ状況では金利の急騰は国債を全部買い取ってしまえば論理的にありえない。

円の相場にしても、中央銀行の金融政策で上げ下げできる事が分かってしまった。日銀の国債残高を気にする人もいますが、国会で償却する法案を可決してしまえば国債の残高も気にする必要が無い。放出された紙幣は市場に残されるからマネーサプライと同じ事になる。

三橋氏が言っているように税収が上がればプライマリーバランスが良くなり、税収を上げるにはアベノミクスのように円安に誘導する事で国内の景気を良くしていく事でPBは黒字化して行く。もちろん結果が出るまでは年数がかかり、20年も続いたデフレをインフレにするには数年かかる。


国の税収53兆9600億円…21年ぶり高水準 6月26日 読売新聞

国の2014年度の一般会計税収が、今年1月時点の見込みより2兆円以上伸び、53兆9600億円となることが分かった。

 企業業績の回復で法人税収が想定より増え、賃上げや株式配当の増加で所得税収も伸びた。当初予算(50・0兆円)から4兆円近い上方修正となる。13年度(47・0兆円)から約7兆円の大幅増で、1997年度の53兆9415億円を上回り、93年度(54・1兆円)以来の高水準だ。

 財務省が7月上旬、税収を反映させた14年度決算をまとめる。税収の伸びに伴い、14年度の国債の新規発行額(借金)は見込みより2兆円程度減り、38・5兆円程度になる見通しだ。08年度(33・2兆円)以来の低水準となる。

 政府は今年1月に14年度補正予算を編成した際、景気回復を受け、当初予算で見込んだ税収(50・0兆円)を51・7兆円に上方修正した。このとき、法人税収を10・5兆円、所得税収を15・8兆円、消費税収を15・3兆円と予測したが、さらに法人税収が0・5兆円超、所得税収が1兆円規模で伸び、税収全体では2兆円以上増えた。

 税収が見込みより大幅に増えたことで、政府・与党の財政再建論議では、経済成長による税収増を期待する声が強まる可能性がある。





「アジア回帰」を標榜する一方で対中関与を重視してきたオバマ
の姿勢が、中国を増長させた一因になっていると思われます。


2015年6月25日 木曜日

「中立から介入へ」 南シナ海における姿勢を変化させるアメリカ - 岡崎研究所 6月24日 

米外交政策研究所のチャン上席研究員が、National Interest誌ウェブサイトに5月16日付で掲載された論説にて、米国は南シナ海でより強い態度を取ることに決めたのかもしれない、と述べています。

 すなわち、過去40年の米国の東アジア海洋紛争に対する態度は、1970年12月31日に起草された電報に負うところが大きい。当日複数の中国の巡視船が米国の石油探査船Gulftrexを追尾していた。米国務・国防両省が対策を協議したが、軍事力でGulftrexを保護しないこととした。米太平洋司令部に送られた電報によれば、決定の前提は、米国は地域の海洋紛争では中立を守るという想定であった。

 この想定は、その後何十年にもわたり、南シナ海を含む地域の海洋紛争に関する米国の政策を形づくった。

 5月12日、米国はこの政策を変更しようとしたように見えた。国防省当局者によれば、カーター国防長官は、南シナ海の航行の自由を保障するため、南シナ海で中国が領有する島の12海里(22キロ)以内に米船舶と航空機を送る、などの選択肢を要請した。これには先例がある。1980年代にリビアがシドラ湾の支配を要求したとき、またペルシャ湾でイランが国際航行を妨げた時、米国は船舶、航空機を送った。

 米国が南シナ海の紛争に関与しない政策を取っているのは、オバマ政権の外交姿勢の反映である。エジプト、シリア、クリミア、東ウクライナなどのほぼすべての危機で、オバマ政権は、自らと米国の利益に確信を持っていないようであった。その政策は混乱し、揺れ動くものとして見られた。

 このような状況の下で、中国は自らの目的達成のため、米国が断片的に不快感を表わすのを無視できると考えた。中国は、東南アジア諸国に対する米国の軍事的関与の控えめな増加でも、米・フィリピン間の高度防衛協力協定の締結でも、態度を変えなかった。昨年12月に国務省が南シナ海紛争に初めて直接介入し、中国の要求の根拠に疑問を投げかけたが、中国は米国の警告に耳を傾けるどころか、南シナ海での土地の造成を加速化させた。中国は明らかにオバマ政権の中国政策の信憑性を疑っている。

 米国は今南シナ海における中国の行動に対応しなければならないという、困った立場に立たされている。米政府は南シナ海でより強い態度を取ることに決めたのかもしれない。中国が米国のことをより真剣に考慮ことを希望するが、もし中国が米国の決意を試そうとするなら、米国は軍事力の行使の準備もすべきである、と論じています。

出典:Felix K. Chang,‘Is America about to Get Tough in the South China Sea?’(National Interest, May 16, 2015)
http://nationalinterest.org/feature/america-about-get-tough-the-south-china-sea-12901

* * *

 カーター国防長官が、南シナ海の航行の自由を保障するため、米船舶と航空機を送る選択肢を要請したことを根拠に、南シナ海での中国の行動に対し生ぬるい態度しか示さなかった米国の政策が変わるかもしれない、と言っている論説です。

 重要なことは、米国が、南シナ海でのこれ以上の中国の勝手な振る舞いは許せないと判断し、それに基づいた行動を取るかどうかです。米国は、中国が建設した人工島近辺にP-8「ポセイドン」哨戒機や沿海域戦闘艦を送っています。カーター長官の要請通り、12海里以内に立ち入るかどうか、また、米軍の航空機と艦船を今後も継続的に派遣し続けるかどうかが、次の焦点と言えるでしょう。

 これは、オバマの決断にかかっています。オバマは長らく中国との関与を優先しようとしてきました。しかし、中国の行動はオバマの期待を裏切るものでした。「アジア回帰」を標榜する一方で対中関与を重視してきたオバマの姿勢が、中国を増長させた一因になっていると思われます。

 6月12日付本欄でも紹介した通り、最近、米国の対中国関与政策を支持する対中協調派の中心人物であった中国専門家ピルズベリーが、自らの著書の中で「自分の対中認識は間違っていた。中国に騙されていた」と述べ、評判になっています。このような対中認識の変化は、米国の官民を問わずに見られ、今後広がり、強まっていくものと思われます。それは米国の対中政策の変化をもたらさざるを得ないでしょう。

 ASEAN関連の会議や、シャングリラ対話(アジア安保会議)といった、アジア太平洋の国際会議だけでなく、6月のG7でも、南シナ海問題、航行の自由に大きな焦点が当てられました。南シナ海をめぐる情勢は、曲がり角にさしかかっていると言えそうです。



(私のコメント)

東シナ海の問題については、アメリカの出方を見るしかないと書いてきましたが、アメリカも中国が本当に埋め立てて軍事基地化をし始めて慌てているようだ。たとえ滑走路だけでも、輸送機から戦車を下せば即軍事基地になる。戦闘機や爆撃機が着陸すれば空軍基地になる。

だから中国が平和利用だと言っているのはウソであり、いつでも滑走路があれば軍事基地になる。3000メートル級の滑走路を作っているから長距離爆撃機の基地になればオーストラリアから東南アジア全域が脅威を受ける事になる。

国会ではこのような話が出ずホルムズ海峡の話ばかりだ。民主党も中国様に慮っているのでしょうが、フィリピンでは自衛隊のP3Cが共同軍事演習を行っている。海難救助訓練という事ですが、今は日本が動く時ではなくアメリカの出方を見る時だ。

オバマ大統領が何らかの手を打たなければ、各方面から批判を受ける事になり、大統領選挙にも影響が出る。中国が埋め立てを行ってもアメリカ政府は動かなかったのは何らかの密約があったのかもしれませんが、アメリカが仕掛けた罠に中国が引っかかったのかもしれない。

ここまでくれば中国も引くに引けず、引けば習近平の失策になり強硬にならざるを得ない。おそらく対空ミサイルを真っ先に運び込んで隠しているのでしょうが、あくまでも中国は平和目的だと言い張るだろう。アメリカ政府は態度変化をしたのかもしれないし、してないのかもしれない。

事実上アメリカはハワイからグアムのラインまで引いており、引いた後に中国が出てきた構図が南シナ海で浮かび上がっている。はたしてそのような密約が米中であったのか無かったのかいずれ分かるだろう。もしあったとすればアメリカは事実上アジアから締め出されたことになり、日本に在日米軍を置いておく意味が無く、在日米軍基地は日本を支配するために基地だという事になる。

オバマもそこまで中国に弱腰になったのかという事ですが、あるいは弱腰に見せていて中国を罠にかけているのかもしれない。台湾に対するアメリカ政府の曖昧な態度も不可解なものですが、中国の台頭を支援してきたのはアメリカ政府だ。しかし最近になってアメリカは中国に騙されたのではないかと言い始めている。密約だから嘘か本当か確かめようが無い。

確かなのは中国が南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事基地を建設した事であり、アメリカは抗議するだけで対抗措置はとっていない事だ。尖閣問題でもアメリカはリップサービスだけで、沖縄の米軍はどこかに消えてしまった。南シナ海からも消えてしまった。第七艦隊は何処に消えてしまったのでしょう。

中国軍のミサイル増強で、アメリカ自慢の原子力空母機動部隊は無力化して、中国軍の通常型潜水艦に対しても弱点をさらしてしまいましたが、中距離ミサイルの射程範囲内ではアメリカ海軍は行動が出来なくなっているのだ。対抗策としては同盟国などに迎撃ミサイル基地を作る事も出来ますが、韓国などは反対している。




介護の現場からは「ご本人の終末期の対処法が曖昧なので困る」
という声はよく聞かれる。やっと、終末期に焦点が当たり出した


2015年6月24日 水曜日

日本はなぜこれほどまでに「病院死」比率が高いのか 6月24日 浅川澄一

■「終末期」の対応が大きく遅れている日本

「東京圏の高齢者は地方に移住を」と提言して物議を醸している日本創生会議の座長、増田寛也・元総務相が、「延命治療の議論を」と呼び掛けている。昨年「消滅可能性都市」を挙げ、その後、名指された自治体が少子化対策に熱を入れだすなど、政策へ大きな影響を及ぼしているだけにその発言に注視したい。

?増田さんは、5月24日の産経新聞のコラムで「終末期医療のあり方」を論じた。そのなかで、「終末期の人工栄養による延命は、世界的にみると必ずしも当たり前のことではない」「むしろ非倫理的であるとさえ認識されている国がある」と、穏やかな表現ながら、延命治療への再考を喚起している。

?介護の現場からは「ご本人の終末期の対処法が曖昧なので困る」という声はよく聞かれる。やっと、終末期に焦点が当たり出した。「素人」なだけに直感が働くことは多く、増田さんの発言は正鵠を射ている。死というゴールを見据えて初めて、高齢者の医療と介護は成り立つはずである。

?日本の病院や施設では、口から食べられなくなったので鼻や静脈からチューブを通じて、あるいは胃に穴を開けて栄養を与えられている高齢者をよく見かける。手足の関節が固まって寝返りを打てない寝たきりの人も。自分で呼吸できなければ人工呼吸器が装着される。気管切開されているため、痰の吸引やチューブの交換の際に苦しみもがく姿も見られる。認知症などを抱え、全く言葉を発しないままの人も。

?無理に栄養分を注入するため、消化されず、体中がむくんで目も当てられない様子になってしまうこともある。人間としての自然な死とは縁遠い、こうした延命治療が終末期に待ち受けている状況には、ぞっとさせられる。

?高齢者ケアへの取り組みは先進諸国の共通の課題である。それは、(1)「終の住処」を何処に求めるか?(2)認知症ケアの手法?(3)終末期・看取りのあり方―――という3つの課題に集約されるだろう。
?
?このうち、(1)は「脱病院、脱施設」という合言葉に象徴されるように、最期の時を迎える場として「生活の場」への転換が進んでいる。自宅の延長である「ケア付き住宅」をできるだけ自宅の近辺に求める考え方である。
?
?国際的には「Ageing in Place」と言われる。即ち「年老いても同じ地域で住み続けましょう」という意味だ。同じ内容を日本では、「地域ケアシステム」と名付けた。これは、Community-based Care System(地域住民のためのケア体制)とIntegrated Care System(包括的なケア体制)を合体させたCommunity-based Integrated?Care Systemの日本語訳である。

「包括」は日常用語でなく分かり難いが、「総合」「まるごと」のこと。異なる要素が一緒になって、という意味で、異業種連携であり、高齢者だけでなく障害や子育てなどを大きく含んで一緒に、と理解すればいいだろう。

?それから(2)は、先ごろ東京で認知症ケアの国際サミットが開催されたように、先行組に追い付こうとの意気込みが表れ、政策として結実しつつある。精神科病院問題など、まだ出遅れた分野を抱えてはいるが、欧米諸国と同じ方向に舵を切りつつあるのは確かだ。

?つまり、(1)と(2)は国際レベルへの引き上げを目指して、一応路線は敷かれてきた。ところがである。(3)になると日本だけが大きく取り残されている。日本の常識が世界の非常識、とみても過言ではないほどの状況だ。

■日本は80%が「病院死」

?それを端的に示しているのが、死亡場所の数値だ。病院と施設(欧州では実質的にケア付き住宅)、自宅の3ヵ所に分けた比率を見ると、欧州諸国では病院死が50%前後である。最も低いのは30%台のオランダだ。

?病院死が少ないのは、訪問診療や訪問介護が充実していて、入院しなくても自宅や近辺のケア付き住宅で最期まで過ごすことができるからだ。各国の共通施策である「在宅重視」の成果が、病院死比率の多寡で判定できる。

?では、日本はどうか。なんと病院死は80%近い。欧州諸国とこれほどに大差がついた「生活指標」は珍しい。出産と死亡は、あらゆる生物が同様に体験する自然な現象だろう。決して「病」ではない。ライフスタイルの一環でもある。

?パソコンや携帯電話のICTをはじめ、スポーツや音楽、映画、食文化、ファッション、インテリアなど日々の生活を彩り、欠かせない生活諸要素のひとつが、出産であり死亡・看取りであろう。日本人は、パソコンやレストランなど他の要素はほぼ世界レベルの水準を持ち、その便宜性や快適性を共有している。だが、死の文化だけが、日本は他国とまるっきり異なり、それが数字に表れている。

「歴史や文化が地域や国によって異なるのだから、違いがあっても不思議はない」という指摘がよくある。確かに、地域性は欠かせない。生活の潤いには必要である。だが、方言を使う場が時にはあっても、ほとんど標準語で会話が成り立っているのが現実だろう。大きな流れは、一定の方向への収斂だ。快適性や合理性、それに一定の倫理観に基づいて希求すべき方向が地球規模で絞られていく。

?では、死についてはどうか。なぜ、日本だけが病院死比率が高いのか。

■医療や病院、医師への盲目的な受け入れは日本の特徴

?医療提供者だけにその理由を問うのは当たらないだろう。医療だけでなく国民一般の意識が大きな影響を与えている。それを辿ると、日本の今の急激な「豊かさ」をもたらした多くの要素と重なってくる。

?医療や病院、医師への盲目的な受け入れは、「信仰」に近い。欧州諸国には見られない信頼であり、すがりようだ。モノの獲得を通じて豊かな生活を目指してきた発想そのものに通じる。家電製品やマイカー、新幹線など最新技術への礼賛は、病院や医療にも通じる。

?豊かさは、総中流意識を醸成して全国民が加入する皆保険システムも誕生させた。医療が低価格で使える手近な存在になったことも、医療信仰に拍車がかかった。

?心身に少しの支障が生ずると、すぐに診療である。通院から入院への回路は短い。日本人の受診率や入院期間はずば抜けて高く長い。

?受け入れる医療の側では、治療には熱心ではあるが、ほぼ治療を終えたに近い慢性期の高齢者には別の手立ては持ち合わせない。年齢にかかわりなく、受診に来た高齢者には病名を付け、診療報酬を受け取る。

?老衰による細胞劣化が全身で進行していても、高齢者は病名を求め、薬を欲しがる。これまでの医療のメカニズムに、高齢者と医療側がたやすく乗ってしもまう。老衰を「古いもの」「役に立たたないもの」として認めたがらない。新しいモノが「豊かさ」を生み、それを一心に追い求めてきた。老衰を嫌うのはその弊害であるが、自身は気付かない。

?患者の刻印を押されれば、手術や薬で手を打ち、また元の状態に戻ることができると願う。その「錯覚」に手を貸す医療側の責任は当然問われる。
だが、日本の医療教育では、「死」は教科書の対象になっていない。死への自然のプロセスを学ぶことはない。ギリシャのヒポクラテス以来の「医療者にとって死は敗北」という信条に絡め取られたままだ。

?生物は必ず死ぬ。人間も生物に過ぎない――そんな当たり前の事実から目を背けたいのだろうか。(後略)

(私のコメント)

介護の問題は何度か書いてきましたが、出産と死は誰にでも必ず体験する事だ。特に自分の死については若いうちから考えるべき問題ですが、ほとんどの人は死を身近な問題として考えない。死にたいと思う事はよくあるのでしょうが、病気や老衰でいつかは死ぬことはあまり考えたくない事だ。

私自身も、死んだらどうなるかと考えたら憂鬱になる。やりたい事をやりつくして死にたいものですが、体の衰えがあちこちに現れ始めると死ぬことがだんだん怖くなってくる。やがては病気か老衰で死ぬのでしょうが、私としては病院で死にたくはない。

誰もが自宅で家族に見守られながら死にたいと思うのでしょうが、小家族化の時代では息子や孫に囲まれて死ぬことなどテレビのホームドラマでも最近は無い。昔は出産ですら自宅でしたのですが、最近では出産から死まで病院で行われる。

出産などは病院でなくても、出産所などの所でもいいと思うし、同じように死ぬ時も自宅が無理なら介護施設で死ぬのが良いと思う。そうでなければ病院がパンクしてしまう。出産や老衰は病気ではなく生理現象であり、問題があれば病院が対応すればいい。

単なる生理現象を病気扱いするのは、医師会の陰謀だと思うのですが、出産も安産なら自宅でしても昔は当然だった。最近は家族の介護が当てに出来なくなったので自分で介護施設に入る用意はしなくてはいけないのでしょうが、行政の対応が遅れている。




「ほどよく休みがあって、ほどよく高年収」というのが理想だと
言うサラリーマンは多いが、人生はそんな都合よく行かない


2015年6月23日 火曜日

年収800万円課長のストレスフルな日々。降格の恐怖に怯え、人間関係も希薄に… 6月23日 週刊SPA

年収が低ければ未来が見えず、年収が高いと休みなく仕事に忙殺され高ストレス――。「ほどよく休みがあって、ほどよく高年収」というのが理想だと言うサラリーマンは多いが、人生はそんな都合よく行かない。むしろ最近では、見合わない報酬で激務に追われ、ワーク・ライフ・バランスを失った高収入層も増えているという。ここでは、そんなケースを紹介しよう。

◆課長に昇進するも時給換算でダウン。人間関係も希薄に!

〜年収800万円 吉村圭司さんの場合(仮名・39歳/大手通信)〜

 2年前、同期のうちでは一番乗りで課長に昇進した吉村さんだが、その表情は晴れない。

「役職手当で年収は820万円とアップしましたが、月の残業時間は40時間ほど増え、時給換算ではむしろダウン。土日も出張が入ることが多く、保育園の娘と言葉をかわすのは月に1、2度。そのときも、娘はまったく懐いてくれず、居心地が悪いですね。また、仕事終わりによく飲みに行っていた同期は、嫉妬なのか急によそよそしくなって……。『もう雲の上の人だから』と嫌味っぽく言ってくるヤツもいます」

 家族や友人と関係が希薄になってしまった吉村さんだが、そこを修復する余力はなく、今は部下との関係づくりで手一杯だという。

「この2年間、2か月に一度ぐらいのペースで部下の結婚式に呼ばれていて、毎回3万円の祝儀が辛い。20人弱の課なのですが、社員の入れ替わりが激しい部署のため、どんどん独身社員が配属されてくる。今後も年間30万円程度は冠婚葬祭費用として覚悟しなければいけないでしょうね」

 まさにハズレくじといった課長職だが、吉村さんは「それでも降格は避けたい」と話す。

「うちの会社では、降格=『仕事についていけなかった』という印象で、万年ヒラ社員の下にランク付けされます。過去に、仕事のつらさに降格願いを提出した課長がいたんですが、一気に備品担当という閑職に追いやられた。周囲からはハゲの外見に引っ掛けて“落ち武者”と揶揄されて、居づらくなったのか、すぐに辞めていました。そうはなりたくないし、上も詰まっているのでこれ以上の昇進は困難。課長職にしがみつくしかありません」

 このように、年収が高ければ高いだけのストレスがあり、年収が低ければそれ相応の悩みがある。では、金銭面・精神面・税制面で「最も幸せな年収層」とはいったいどこなのか? 6/23発売の週刊SPA!に掲載されている大特集『新説[年収500万円]が最も幸せだった』では、その大命題に対する回答を理論的に導き出している。また、「年収500万円でもっとも幸せになる方法」についても3つの対策を新提案。果たして、年収500万円が最も幸せだという根拠とは? それは本誌にてぜひご確認されたし! <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>


(私のコメント)

サラリーマンは傍から見れば気楽な稼業に見えるのでしょうが、私のサラリーマン時代はまさに地獄の毎日であり、過重な労働は寿命を縮めて体はぼろぼろになってしまう。もちろん新入社員の頃は数年間はお客様扱いですが、結婚してローンで家を買って子供が出来る頃になると、会社は本性を現してくる。

新入社員を酷使すれば辞めてしまうからお客様扱いをしますが、中間管理職になると責任ばかり重くなって連日の残業に付き合わされるようになる。サラリーマンの一つ裏側に回れば足の引っ張り合いであり、意地の悪い上司や同僚に付き合わねばならない。

会社の規則通りに午後5時に帰るだけで上司は嫌味を言って、夜中の3時まで酒の付き合いをさせる。そんな事をすれば翌日の仕事に影響が出ますが、上司の目的は部下を酒で躾けるのだ。こんな毎日を送っていれば体を壊して会社から逃げるようにして辞めましたが、自殺したり40代で癌で亡くなったりした人がいる。

私の父も叔父も一流企業に勤めていましたが、60歳定年後数年で亡くなった。それだけ一流企業は体を酷使してボロボロにしてしまう。日本では女性の管理職が少ないと問題になっていますが、それだけ酷使されれば女性社員は働き続ける事は難しいだろう。

アベノミクスでは女性参画事業が柱ですが、日本では専業主婦願望が強く夫婦ともに正社員で働いている家庭は少ない。日本企業では午後5時にぴたりと帰れる事は不可能に近い。これは職務の分担が明確でなくモジュール化が進んでいないからだ。だから同業他社から人材をスカウトする事も馴染みにくい。

同一労働同一賃金なら正規だろうが非正規だろうが関係が無くなり、この会社が嫌になれば同業他社に簡単に転職できるようになれば、長時間労働などの非合理的な働かせ方が出来なくなるはずだ。長時間労働が日本のホワイトカラーの生産性を低くしている。

ホワイトカラーは頭脳労働者であり、管理職になれば的確な判断力が要求されるが、終身雇用や年功序列体系では能力よりも会社への忠誠心が要求される。忠誠心を試すには上司が部下に酒の無理強いやパワハラを行っても耐えるかどうかが試される。

週刊SPAの記事にも、降格された同僚に対する周囲からの陰口に耐えられず辞めた事がかかれていますが、日本の会社組織は非常に陰湿であり、足の引っ張り合いが横行している。非常にできるやり手社員がいれば周りから潰されて行く。

ならば欧米の会社なら天国かと言えばそうではない。社長と言えども業績が上がらなければ首にされるから、能力が厳しく問われる。しかし日本の会社では社長は天皇陛下よりもえらく、幹部たちは社長に忠実でなければならない。社長が株主からクビにされる事もほとんどない。

日本のサラリーマンは社畜と呼ばれていますが、人生のほとんどを会社の為に費やしてしまう。しかし定年になって会社に捨てられて初めて自分の人生は何だったのかと気がつく。土日まで出勤して働いて家庭もバラバラになり、これではセックスレスも当たり前なのだろう。




歴史問題を国内政治や外交の道具に使えば、いずれは「天に
唾する」結果となることを、アメリカも韓国もようやく悟ったらしい。


2015年6月22日 月曜日

韓国を慌てさせるアメリカの転向 6月17日 WiLL

「韓国には疲れる。あれはビョーキだ」

 韓国がしつこく日本に迫る従軍慰安婦問題について、どうやらアメリカの空気が徐々に変わりつつある。あまりに執拗な韓国の態度に、ほとほとヘキエキした大統領オバマが、

「韓国には疲れる。あれはビョーキだ」
 昨年四月に訪韓した折、
「元慰安婦が経験したことは、恐ろしく極悪非道な人権侵害だ。日本は解決に向けて積極的に努力すべきだ」

 と述べたオバマにして、いまや「ビョーキだ」とウンザリしている。オバマに限らない。国務省ナンバー3のウェンディ・シャーマン次官は、安倍首相の訪米を控えて高まる韓国の「謝罪要求」について問われ、朴槿惠の名前は出さないまでも痛烈に批判した。

「指導者が民族感情を悪用して、相手の過去を非難して安っぽい拍手を浴びても、招くのは麻痺状態だけだ。後ろ向きだけでは何も解決しない。前向きで考えるべきだ」

 シャーマン次官は、クリントン政権下で北朝鮮問題を担当した。今年一月下旬、中韓日を歴訪して、ほとほと痛感したらしい。右の発言には習近平も含むと見る観測もある。


 同様の韓国批判は、すでに元高官からも出ている。カート・キャンベル前国務次官補は、「朴槿惠は北の金正恩には無条件で会うと言いながら、なぜ安倍とは同じようにできないのか」と正面から朴槿惠を批判。

 マイケル・オスリンAEI(シンクタンク、アメリカン・エンタプライズ)研究員は「韓国に好感を抱いている日本人ですら、いまや韓国疲労を訴えている」と述べ、リチャード・ローレス元国防副次官は「習近平は歴史認識問題を利用して、米日韓三国同盟から韓国を引き離そうとしている」と総括した。

 韓国はこれに反発。高官らは抑え気味だが、各紙は「日帝時代の暴虐、慰安婦の悲惨を知らないのか」と噛み付く。ネットに至っては、「シャーマン次官は日本からいくらカネをもらったのか」「安っぽい拍手だって? だったらそれを彼女に送ろう」などと悪罵を投げつける。

特ダネを潰し、支局長を左遷したTBS

 一方、未来志向に徹した安倍の米議会演説は十四回も総立ちの拍手を浴びた。これを機に、アメリカの韓国批判は一段と高まりつつある。論評のなかには、
「慰安婦問題は朴槿惠の父親・朴正煕(元大統領)に責任がある。日韓条約で八億ドル(実は五億ドル)のカネを日本から得ながら、それを財閥育成に回し、個人補償をしてこなかったツケが、いまの慰安婦問題の本質だ」
 と父親の尻は娘が拭けといわんばかりの論評もある。ようやく慰安婦問題の何たるかがわかってきた。

 三月末、『週刊文春』(四月二日号)は「ベトナム戦争時、韓国軍がサイゴン近郊に慰安所を設けていた」とするTBSワシントン支局長・山口敬之の手記を掲載した。山口は一年がかりの取材で、米公文書からこの事実を発掘した。このスクープをTBSは放映しない。業を煮やして『週刊文春』に持ち込み、ために山口は営業部に左遷されている。

 この記事について、さきごろ韓国の外報部は「反論のしようがない」とサジを投げている。韓国はベトナム戦争に最精鋭のタイガー部隊(延べ三十万人)を送り込み、そのタイガーぶり(暴虐)がいまだにベトナム人の恨みを買っている。彼らはベトナム女性を強姦しまくり、ために生まれた子供はライダイハンと呼ばれ、その数は三万人を超える。

 TBSがそれを知らないはずはない。キャスターの筑紫哲也をはじめ、ベトナム特派員経験者は数人いる。彼らはそれを報道しない。そして今度は山口の特ダネを潰し、挙げ句は彼を左遷する。理解に苦しむ対応だ。

韓国各紙が報じる「韓国孤立論」

 韓国が『週刊文春』の記事を否定できない事情をアメリカは知っている。ベトナムに派遣された米兵が、どのように性欲を処理していたかを知っているからだ。アメリカは終戦時、日本政府に慰安所の設置を要求した。大蔵官僚だった池田勇人(のちに首相)が一億円を工面し、この要求に応えている。

 当初は中韓に同調していたアメリカは、これ以上、慰安婦問題をほじくり返せば、いずれはわが身の古傷も問題にされかねない。依然として安倍の七十年談話に村山談話を継承すべきだとはいうものの、それは中韓へのリップサービスで、いまやホンネは安倍が談話をどう書こうが黙認する構えだ。

 
アメリカの離反を察知する韓国は大慌て。いまや各紙は「韓国孤立論」を掲げ、そこに朴槿惠批判を籠める。歴史問題を国内政治や外交の道具に使えば、いずれは「天に唾する」結果となることを、アメリカも韓国もようやく悟ったらしい。



(私のコメント)

他国を非難攻撃ばかりしていては、やがてはそれが自分の手足を縛り動きが出来なくなってしまう。当初は面白いように効果を上げることが出来ても、同じ事を繰り返していれば、やがてはウソがばれて自分自身の信用を失わせてしまう。

アメリカのように力ずくのプロパガンダで日本を抑え込んできても、力が弱まればプロパガンダはひっくり返される。昔なら歴史は勝者が書くことが出来ましたが、今ではマスコミや歴史学会を操作すればどうにでもなったのでしょうが、ネット化社会ではウソは直ぐにばらされる。

従軍慰安婦問題の火付け役はアメリカであり、最近でもアメリカの460名もの歴史学者たちが声明を発表した。朝日新聞などのウソがばらされて従軍慰安婦問題がブローバックされてアメリカの悪意が明らかになれば取り返しのつかない事になる。いわゆるWGIPの事ですが、最近になってアメリカの公文書で明らかになった。

更にはアメリカ軍従軍慰安婦や韓国軍慰安婦問題も公文書で明らかになり足元に火が点き始めて、アメリカの歴史学者も声明で責任逃れを始めた。しかしアメリカがWGIPや歴史認識問題を仕掛けて来た事は明らかであり、今度はこちらから物的な証拠を突きつけてネチネチと締め上げて行けばいい。

私の会社員時代にも、私の悪口をふれ回されたことがありましたが、「あいつはバカだ間抜けだ」と言いふらされても、実際の私自身が頭の切れるやり手であることが分かって、単なる悪口であったことがばれた。なぜ私が「バカだ間抜けだ」とふれ回るのかと言うと、私にバカにされたことがあったからだ。(と思う)

私も相手が公的な存在であれば非難攻撃もしますが、メリットの無い個人攻撃はしない主義だ。なぜ相手が私にバカにされたと思うのかと言うと、私の博識が相手を見下したと思われるからだろう。よく私に対して「生意気だ」とか「態度がでかい」と言われる事がありましたが、上司に対しても堂々と意見具申したからだろう。

中国や韓国やアメリカが日本の悪口をふれ回されるのは、それだけ日本に対して脅威を感じているからであり、アメリカも日本を押さえつけるのに用心しているからだ。脅威とならないような弱い存在なら悪口をふれ回る必要もない。私がアメリカの悪口を書くのはアメリカに脅威を感じているからだ。中国や韓国へは反日に対する反論であり悪口ではない。

本来ならば韓国国民から韓国政府に対して「みっともないから止めてくれ」と言うのが常識なのでしょうが、韓国は北朝鮮化してきて自由な意見が言えない雰囲気がある。中国も韓国も限度と言うものを知らないから日本の悪口をアメリカの高官に言いまくって、アメリカの高官はあきれ果ててしまった。

中国の反日にはそれなりの目算があっての事ですが、韓国の反日は病気だ。韓国は小学生のころから日本に対する憎しみを教え込んでいるから、洗脳状態であり、韓国人との冷静な意見交換は出来ない。困った時は頭を下げて頼みこんで来るが、助けてあげても感謝される事は無い。個人でも韓国人との間でこのような思いをした人は多いはずだ。

韓国人は負のエネルギーに囚われてしまって前に進めなくなってしまった。憎しみとか恨みの感情は負のエネルギーであり自分自身をも消耗させてしまう。いったん悪口を言ってしまうとそれが独り歩きをして広まってしまって、思わぬ結果を招く。

逆に相手国から利益を得ようと思ったら、思い切りお世辞を並べ立てて褒めまくりおだてる事である。日本はアメリカに恨み辛みはあるが、アメリカ様様で褒めあげてアメリカのご機嫌を取って利益を得てきた。アメリカはカネもあれば力もあったからだ。しかしアメリカに金と力が無くなればお世辞を言う必要はない。




やがて一部の富裕層だけがどんどん富を得て、ボディーガード
なしでは表を出歩けないようになるだろう。 原丈人


2015年6月21日 日曜日

欧米に洗脳された日本の経営者 公益資本主義を説く原丈人氏に聞く 2月19日 池松由香

「多くの経営者が考える善い会社の定義は間違っている」

 こう断言するのは、米シリコンバレーで活躍するベンチャーキャピタリストの原丈人氏だ。デフタ・パートナーズのグループ会長を務める傍ら、アライアンス・フォーラム財団の代表理事として、バングラデシュやザンビアといった発展途上国の人々を経済的自立へと促す活動にも携わる。また、「公益資本主義」を提唱していることでも知られる。

 こうした活動を通して世界各国の政財界人と親交の深い原氏に、グローバルの視点から見た「善い会社」の定義について聞いた。

(聞き手は池松 由香)

会社は株主だけのものなのか?

 米国をはじめとする欧米諸国では、「会社は株主のものである」と考える、いわゆる株主資本主義が跋扈している。日本の経営者の多くも、この考え方に洗脳されているのが実情だ。だが、私はこの考え方は間違っていると思う。

 メディアも悪い。ここのところ、ROE(自己資本利益率)の高い会社をもてはやす傾向にある。過去には、ROI(投下資本利益率)、ROA(総資産利益率)にEPS(1株当たり利益)…。その時々で様々な指標を持ち上げてきた。これらの指標は、時代とともに移り変わる女性のスカート丈と一緒。あくまで「流行」にすぎない。

 では、会社は誰のものなのか。誰に対して利益をもたらす会社が「善い会社」なのか。例えば、こんな会社が米国にあった。

 その会社の経営トップは、社外からやってきたある人物。トップに就任するや独自路線で経営を推し進め、競合他社の買収を決行。過去最高益も達成した。「わが社はベストカンパニー。証券アナリストの評価もトップクラス」と誇らしげだった。その直後、その経営者はこんな決断をした。

 「人員削減を実施する」

 株主利益を拡大するためだ。この会社とは2000年代前半の米ヒューレット・パッカード(HP)、時の経営者はカーリー・フィオリーナ氏だ。

 こうした発想は少なくとも高度成長期の日本にはなかった。たとえ特定の社員の生産性が低かったとしても、過去最高益を達成した直後に社員をクビにしようなどと考える経営者はいなかった。むしろ、経営が厳しくても雇用を守ろうとする経営者の方が多かった。

 過去最高益でも社員をクビにする会社と、苦しい状況でも社員を守ろうとする会社とでは、どちらの方が善い会社なのだろうか。

ステークホルダーではなく「社中」

 株主資本主義では、当時のHPのような会社を「グッドカンパニー」と言う。しかし、私は高度成長期の日本企業のような会社を「善い会社」と考える。この善さを定義する考え方として、私は「公益資本主義」を提唱している。

 公益資本主義では、株主だけではなく、社会全体に広く利益を還元する会社を高く評価する。

 ここで言う社会とは、株主に加えて従業員、顧客、取引先、地域社会、さらには地球全体のことを指す。株主資本主義では株主のみに利益を還元するが、公益資本主義ではこれらの構成要素すべてにまんべんなく利益を還元する。

 ここで注意しなければならないのは、社会の構成要素を「ステークホルダー(利害関係者)」と位置付けてしまいがちな点だ。だが、私はそうは思わない。彼らは「社中」。共通の目的を持つ仲間だ。

 会社は現代の資本主義社会において最も重要な役割を果たす経済ユニットであることは間違いない。その会社が、社中のうち、株主だけに貢献するのでは社会全体が善くなるはずがない。やがて一部の富裕層だけがどんどん富を得て、ボディーガードなしでは表を出歩けないようになるだろう。そんな社会はいずれ疲弊する。

 株主資本主義が主流の米国ではこんなことが起きる。

5〜6年前のことだ。私はチャールズ・ホリデー氏が米デュポンのCEO(最高経営責任者)だった頃、「デュポンも東レのように炭素繊維事業を続けてはどうか」と勧めたことがある。

 炭素繊維を手掛ける東レは2014年11月、米ボーイングから新型機の主翼向けに炭素繊維製の材料を受注した。その供給期間は10年間。金額にして1兆円を超えると言われる。この事実を見ても、私の考えはあながち間違っていなかったと思う。

 ところが当時、彼からはこんな答えが返ってきた。

 「炭素繊維事業は45年間(当時)も赤字が続いている。もしCEOである私がそんな事業に投資し続けたいなどと主張すれば、株価は下がり、株主は取締役全員を解任するだろう」

 私はこの時、世の中が株主資本主義である以上、中長期的な視点で経営することのできないつらさを彼から感じ取った。経営者が株主資本主義の欠点を分かっていたとしても、環境が変わらなければどうすることもできないのだ。

善い会社の手本を日本から

 ではどうすればいいのか。

 私はまず、日本が公益資本主義を実践し、世界に発信していくのがよいと考えている。かつての日本には、公益資本主義的な発想を持つ経営者が数多くいた。今でも日本には、公益資本主義を実践するための土壌があると考える。

 2012年に東京で開かれた国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会。そこで私は、発展途上国を中心とする各国の財務大臣や中央銀行総裁を連れて東京見物に出掛ける機会に恵まれた。私は鉄道好きなので、自動車から見る風景だけではつまらないだろうと、大臣ら8人ほどを連れて、山の手線に乗って有楽町に行き、地下鉄丸の内線のホームも案内した。

 すると、その中の一人がこう言った。

 「アジアで勢いがあるのは中国だと聞いていたので、東京ではなく北京にばかり行っていた。この機会に初めて日本を訪問し、心底、驚いている。景気が悪いと聞いていたのでさぞ暗い国かと思いきや、現実は全く違う。空気はきれいだしゴミも落ちていない。交通の秩序もあり、電車に乗る人はきちんと降りる人が出てくるのを待っている。こんなにいい国は見たことがない」(後略)



(私のコメント)

日本に害悪を垂れ流しているのは、外国のものを受け売りしている学者やマスコミの記者たちであり、とりあえずはアメリカで流行っている事を紹介すれば誰もが注目をする。市場原理主義経済や新自由主義が経済政策の目標のように小泉構造改革で語られた。しかしそれは間違いだ。アメリカ自身もリーマンショックそれに気がついた。

原丈人氏の記事は2008年のリーマンショックの直前にも紹介しましたが、アメリカ流の金融資本主義を見習えと言ったエコノミストがほとんどだった時代に、原氏はハゲタカファンドを批判して本を出版していた。「21世紀の国富論」と言う本ですが、「株式日記」でハゲタカファンドを批判してきた内容と同じだ。


アメリカの経済戦略として、大きくなりすぎたヘッジファンドを潰す事を目指している。リーマンが潰されたのは「ねずみ講」だからだ。2008年9月17日 株式日記

時価会計と減損会計の波に乗り、アングロサクソン流の「会杜は株主のもの」という議論を前提にして、時価総額の大きさを追うような経営を追求すると、その手段として企業の資産を軽くするための手法を提供する産業、たとえば人材派遣業やEMS(製造工程に特化した請負工場)やリース業(法改正については五〇ぺージ参照)は順風満帆となります。しかし一方で、本来の価値を生む産業はその間にむしぱまれ、やがて資本主義が破綻することにもなりかねません。産業を通じて雇用をつくり、人々を幸せにするための新しい資本主義のルールが今、世界でも必要になっているのです。


(私のコメント)

その当時は、村上ファンドやホリエモンなどが時代の寵児として、田原総一郎氏が人気を煽っていた頃だ。派遣法なども小泉内閣の頃に改正されて若者たちは派遣労働しか選択の余地が少なくなり、秋葉原で加藤が無差別テロを引き起こした。企業が利益の追及を最優先すれば労働者を搾取する事になり、クビされた労働者はテロを引き起こす。

現在でも起きている凶悪事件の多くは無職の者が引き起こしており、失業と凶悪事件の発生は関連性がある。企業利益を上げるには労働者を正社員から派遣社員に切り替えれば賃金は三分の一に引き下げることが出来る。昨日成立した派遣法の改正では、同一労働同一賃金が決められましたが、努力規定であり派遣社員が正社員並みの給料をもらえる可能性は低い。

小泉構造改革は日本を間違った方向に導いてしまったのであり、アベノミクスでようやく派遣法が改正されて同一賃金同一労働が法制化された。企業内には300兆円もの内部留保が貯めこまれていますが、本来ならば労働者の賃金に回されるべき利益だ。しかし同一労働同一賃金の法改正は派遣労働者の賃金上昇に直ぐには結び付かない。

公益資本主義は、分かりやすく言えば社会主義の事であり、原丈人氏は次のように主張している。「すべての社中に平等に利益を分配する。時間やコストのかかる研究開発事業でも、社会に必要とされるものであれば実施する。そんな善い会社を日本でたくさん生み出し、世界基準に育てられれば、世界はもっと豊かになる。」




国民の目を日本に向けさせて支持を得るだけでは、国内で
問題が起きた場合に対処できません。経済政策も同じです。


2015年6月20日 土曜日

謝らない韓国人、トンデモ洗脳教育「韓国は世界から称賛」「日本が諸悪の根源」 6月19日 林秀英/ジャーナリスト

2012年に李明博韓国大統領(当時)が竹島に上陸して以来、日韓関係は緊張が緩まず、韓国では今でも反日運動の熱が冷めていません。しかし、韓国の反日運動は、昨今始まったものではありません。

 韓国人男性は基本的に兵役が義務付けられておりますが、兵役中に国への忠誠心を叩き込まれるだけではなく、兵役が終わってからも8年間は「予備軍訓練」、さらに40歳まで「民防衛訓練」を受け続けなければなりません。そこで行われる教育は、「韓国は偉大」「日本が韓国の栄華を損なわせた」という内容が主です。

 愛国心を育てることが悪いとは思いませんが、国民の義務としての意識教育の中で「韓国の偉大さは世界から称賛されている」「日帝(大日本帝国)が諸悪の根源」といったことを刷り込んでいる状況に疑念を持たざるを得ません。

 日本では子どものころから、悪いことをしたら「まず謝りなさい」と親から教育を受けるのが一般的だと思います。人混みの中で肩がぶつかった時や、電車の中で人の足を踏んだ時、とっさに「すみません」との言葉が聞かれます。しかし韓国では、めったなことでは謝りません。相手の非を探し、攻撃するのです。筆者が中国に旅行した際にも、同様の印象を受けました。

 このような国民性は、政治的にも貫かれているのです。筆者は韓国生まれの韓国育ちですが、その部分に対して嫌気が差しているのです。愛国心はありますが、日本も大好きです。それゆえに、韓国における執拗な反日教育に疑問を抱いているのです。

 韓国における「歴史上の3大極悪人」をご存じでしょうか。豊臣秀吉、伊藤博文、福沢諭吉の3人です。豊臣秀吉は、朝鮮出兵によって大量の朝鮮人(韓国人)を虐殺し、さらに優秀な陶工を拉致して日本に連行したといわれています。伊藤博文は韓国統監府の初代統監です。韓国においては、日帝による支配は最大の屈辱期間とされており、そのトップは最も忌むべき人物なのです。したがって、その伊藤博文を暗殺した安重根は最大の英雄となっています。そして福沢諭吉は、「併韓論」を唱え韓国併合を仕掛けた張本人として非難されているのです。

 一方で日本において豊臣秀吉、伊藤博文、福沢諭吉は、どちらかといえば英雄視されています。特に伊藤博文と福沢諭吉に至っては、紙幣にも描かれています。そのような点も韓国人と日本人のすれ違いを生んでいる要因になっているのです。

日本に敵対するワケ

 このように、韓国では悲劇の歴史日本人が作っているといったことが教育されています。虐殺であろうと侵略戦争であろうと、客観的証拠に基づいて史実を淡々と教えるのであれば、何も問題はありません。親日国といわれる台湾、インドネシア、フィリピンなどの教科書を見ても、日本軍による侵略などの記述は見られます。それにもかかわらず、国家全体として日本への対応が大きく異なるのは、なぜでしょうか。

 それは、前述した国民性が大きく関わっていると考えられます。歴史は歴史、現在は現在、といった切り離した外交が韓国では許されないのです。多くの韓国人は、「日本=絶対悪」との考え方を強く持っており、日本との交流を全面的に拒否する傾向があります。確かに、若い人にはリベラルな思考の持ち主が増えており、全員が反日思想なわけではありませんが、親日といえる層の発言力は強くありません。

 政府が反日思想を国民統治に利用してきたのは明らかです。その半面、日本との距離を縮める政策を取ることは難しくなっているのです。政治の案件ごとに協力関係を結ぶといった柔軟な対応はしにくいため、韓国の大統領が取り得る政策としては、日本と全面的に友好関係を築くか、完全に敵対するしかありません。李明博前大統領も朴槿恵大統領も、後者を選択しました。そのほうが国民の支持を得やすかったからです。

 とはいえ、日本に敵対するためには、それなりの口実が必要です。そこで持ち出されたのが竹島領有権と慰安婦問題です。簡単には解消できないと思われる事案を外交カードにすることで、長らく国民の同意を得られると考えたのでしょう。計算通り、政権発足当初は国民の高い支持を得た朴槿恵大統領ですが、昨年4月のセウォル号沈没事故以来、政治手腕に疑問を抱く国民の信頼を回復できず今に至っています。

 国民の目を日本に向けさせて支持を得るだけでは、国内で問題が起きた場合に対処できません。経済政策も芳しくなく、米国をはじめとした諸外国との外交も評判がよくありません。朴槿恵大統領が残り3年近くある任期でどのような政治を行うのか、注目したいと思います。
(文=林秀英/ジャーナリスト



(私のコメント)

林秀英氏は韓国生まれで韓国育ちの韓国人ジャーナリストですが、バランスのとれた見方のできる人もいるのですが、韓国内ではなかなか多数派とは成り得ない。それだけ韓国の政治経済外交などで危機感が高まっているからなのでしょう。とりあえずは反日外交で人気を高めて支持率を得ることは出来ますが、セウォル号事故やMERSなどの政府の不手際などは日本のせいにはできない。

他人を攻撃する事で自分を正当化しようというのですが、それでは周りが全部敵となってしまって自分が孤立してしまう。最初は他人の悪口を言いふらして周りも信じてくれるのでしょうが、それが嘘と分かればとんでもない結果となって自分に跳ね返ってくる。

中国や韓国の日本に対するネガティブ・キャンペーンは、国際情報戦争の一つであり、朝日や毎日といったマスコミの記者達を取りこんで反日記事を書かせる。従軍慰安婦等は朝日が仕掛けたものであり、最初は面白いように政府を揺さぶることが出来たが、ネット化社会になれば朝日のウソは直ぐにネットでばらされる。

一度ウソがばらされれば、その後は何を言っても信用されなくなり、かえって自分が追い込まれてしまう。戦前は日本も「神国日本」だとか「日本は一度も戦争で負けた事が無い」と言ったウソをつき続けて信用を失い、戦後になるとWGIPで言ったGHQの言う事を信じてしまった。

日本は戦争犯罪を犯した犯罪国家とされて、学校教育でも戦前のウソがばらされて政府は信用を失い、日教組などによる左翼洗脳教育が行われてきた。生徒達は洗脳されて全学連などの学生運動によって安保反デモに参加し、やがては全共闘の闘士となって活動家となり政治家になった者もいる。

WGIPはアメリカが日本に対して仕掛けてきた精神的無力化計画に基づくものであり、精神的に日本人を子供のうちから徹底的に痛めつける事によって、二度と日本が立ち上がれないようにするためのプログラムであり、それが韓国でも反日教育として取り入れられたのだろう。

これに対して日本は死んだふりをして対応するしかなく、日本は戦争をしない国家として朝鮮戦争やベトナム戦争に駆り出されずに済むようになった。いわばアメリカのWGIPを逆手にとってアメリカに戦争に駆り出されずに済んだ。

しかし湾岸戦争に参加しなかった事で日本はアメリカに叩かれる事になりましたが、日本は死んだふり作戦で金だけ出した。このような日本の死んだふり作戦は今までは上手く行ってきたが、中国の台頭とアメリカの衰退が顕在化してくれば、死んだふり作戦は改めなければならない。

アメリカが防衛ラインをハワイまで後退させて中国が進出してくれば、日本は死んだふり作戦を放棄して生き返り作戦に切り替えるべきだ。アメリカがハワイまで後退したのなら、日本に対するWRIPも抑えが利かなくなり、中国に対して日本に対抗させる戦略を取らざるを得なくなる。

韓国も今までは反日教育を行って洗脳してきましたが、韓国の一番の敵は北朝鮮であるにもかかわらず反日教育をするのは、韓国が北朝鮮に情報戦争で負けているという事だ。韓国内には北朝鮮のスパイが数十万人規模でいるという事ですが、独裁国家の北朝鮮には韓国の工作員はいないようだ。

同じく日本にも北朝鮮や中国の工作員を送り込んでいるのでしょうが、日本にはこのようなスパイを取り締まる法律が無い。まさにスパイ天国であり新聞社やテレビ局や国会や霞が関にはスパイで一杯だ。しかしネットに工作員を送り込んでもなかなか上手く行かないのは国民の情報レベルが違うからだ。




サウジアラビアにとって最大の敵はイランである。イランに
対抗するために、パキスタンに資金をあたえ核兵器を開発させた


2015年6月19日 金曜日

宮崎正弘の国際ニュース・早読み 6月18日 

 サルマン(サウジアラビア国防相)がモスクワへ飛んだ
  米国不信に陥ったサウジの外交における鵺的行動は注意が必要かも
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 サウジアラビアのサルマン皇太子兼国防大臣がモスクワを訪問した。
6月19日にはプーチン大統領との会談が予定されている。サルマン国防相は現国王サルマンの息子である。
 表向きの理由は「経済協力」とされるが、過去半世紀にわたって敵対的関係にあった両国が、急速な歩み寄りをみせている背景には何があるのだろうか。

 サウジアラビアは石油減産に応じないため、過去2年間で原油代金は130ドル台から50ドル台に「暴落」した。これはロシア経済を直撃し、ルーブルは下落した。くわえてロシアに欧米が経済制裁をかしているため、苦境に陥った。

 当初、観測筋はサウジの狙いは「米国とくんで」ロシア経済を苦境に立たせることにあると分析していた。「ロシアのシリア支援を緩慢なものとさせる」のも、目的の一つと考察された。

ところが、ロシアよりひどい惨状に陥ったのが、米国だった。
シェールガス革命と騒がれて米国のシェール鉱区開発はつぎつぎと頓挫し、倒産したファンドも目立った。サウジは「究極のライバルであるシェール鉱区開発つぶしにあった」というのが最近の分析で主流となった。


 オバマ大統領はサウジアラビアを訪問してもサウジは減産に応じない。ケリー国務長官は二回、サウジを訪問したが、国王はつめたく迎えた。
 とくにオバマ政権がイランとの核兵器開発問題の協議で大きく妥協したことにサウジは不安を募らせた。

 サウジアラビアと米国は「鉄壁の同盟」の筈だった。ニクソン政権下、米国はサウジ王家を半永久的に守る見返りに石油代金のドル決済、そして余剰ドルを米国債購入に充てるという密約があり、これが揺れ始めていたドル基軸体制を「金兌換」から「ペトロダラー」というドル基軸体制に変質させた。「ブレトンウッズ体制の窯変」である。

 サウジアラビアにとって最大の敵はイスラエルではない。イランである。
 イランの核兵器に対抗するために、パキスタンに資金をあたえ、核兵器を開発させた。いま、パキスタンは核弾頭を八十基ほど保有している。サウジはいつでも適切な量の核兵器をパキスタンから回収するというのは国際政治の常識である。



 ▲サウジアラビアの狙いは複雑系

 サウジアラビアとロシアは奇妙な関係である。
 サウジ王家は、1930年にロシアと国交を樹立していたが、1938年にスターリンの命で断交した。
 1990年に国交を復活させたのは湾岸戦争の関係で、イラクを支援したサウジはサダムフセインを追放した米国の戦略に不信を抱いたからだ。なぜならサウジの安全保障の見地からみれば、シーア派を押さえ込む防波堤がイラクの地政学的位置でもあったからだ。

 爾来、遅々として歩みだったが、サウジとロシアはまがりなりにも外交関係を絶やさず、情報を交換したりしてきた。

 なにしろサウジにとって、最大の脅威はイランである。そのイランが背後にあって、シーア派の跳梁跋扈が周辺国に拡大したおり、サウジはバーレーン、イエーメンに軍隊を派遣したが、米国はなにも協力しなかった。

そればかりか、「アラブの春」をワシントンは背後で支援してきた。
 チュニジアのベン・アリ大統領の亡命をサウジは受け入れ、エジプトのムバラクを一時受け入れ、シリアのアサドを支援した。したがって欧米のシリア攻撃には不満を募らせてきた。ケリー国務長官、オバマ大統領がサウジを訪問しても嘗てのような熱狂的歓迎の風景はなくなった。そしてついにサウジは米ドル基軸一辺倒から離脱し、ユーロ決済ばかりか、一部に人民元、ルーブル決済をみとめる動きを見せている。
 6月17日にサウジは証券市場を外国の機関投資家にも開放すると宣言した。

 かくしてサウジアラビアは米国への依存度を急激に減らし、ロシアと中国へ異様な接近をみせていた。
 ロシアとの関係強化を仲介したのはエジプトである。
ツアー時代のロシアは、東方正教会の支援のため、エジプトと外交関係を持っていたし、またナセル時代のエジプトの最大の保護者はロシアだった。このロシア・エジプト軍事同盟を覆えらせたのはサダト大統領、そして後継のムバラク時代だった。


 ▲ロシアの中東関与、米国外交の失敗、そして。。。

 プーチンは先ごろ、カイロを訪問し、シシ大統領と会見、支援を再開するとした。ムシル・イスラム原理主義政権をクーデタで倒したシシは、米国からの軍事援助拡大を獲得し、同時にカイロはロシアとも手を組む。対米牽制の離れ業である。

 三月下旬、シェルムエルシェイクで開催されたアラブ首脳会議で、シシ大統領は「プーチンからの親書を読みあげた。
「中東地域の平和をのぞみ、外国の干渉をはねのけて、関係諸国のさらなる安全と平和的な問題解決への努力をたたえる」というと、サウジ代表は「しれは偽善だ」と抗議し、「問題に介入し、複雑化させたのはロシアではないか」と発言する場面があったという(ワシントンポスト、3月30日)

 「ロシアが中東の安定を攪乱しているではないか」というサウジの猜疑心は深まっていた。そこでプーチンは2007年に初めてサウジアラビアを訪問した。外交関係の密度が深まったのはこの頃からである。

同時に中国がサウジへ最新鋭ミサイルを供与した。イランを射程にできるスグレモノで、これにより旧式のミサイルをサウジは軍事パレードで公開した。


(私のコメント)

アメリカの中東政策の失敗はイラクのサダムフセインを葬り去った事であり、中東の勢力バランスが崩れてサウジアラビアがイランに対して直接的な脅威を受けるようになってしまった。サダムフセインがクウェートを侵略したのは、サダム・フセインとエイプリル・グラスピー駐イラク・アメリカ大使会談で、「ベーカー(国務)長官は、1960年代のクウェート問題は、アメリカとは関係がないという、最初にイラクにさしあげた説明を強調するよう、私に指示しました。」と言ったからだ。

これは「アメリカが、侵略にゴーサインを出したのです。少なくとも、あなたは、サダムに、ある程度の攻撃は認める」と言ったも同じであり、湾岸戦争を仕掛けたのはアメリカだという事は会談の録音でも公開されている。アメリカは他国の領土問題に関与しないというのは、あらぬ誤解を招くだけだ。

アメリカは中国に対しても「他国間の領土問題に関与しない」と発言していますが、中国が強気なのは南シナ海の領土問題でもアメリカは暗黙の了解を中国に与えているのだろう。中国は1年以上も前から埋め立てを始めているが、オバマは全くこの問題に触れてこなかった。

北朝鮮の核開発問題でもアメリカは口では抗議しても、イラクが大量破壊兵器を持っていると先制攻撃したのに、北朝鮮に対しては何も攻撃はしなかった。韓国の哨戒艦が魚雷攻撃で沈められてもアメリカは動かなかった。多くの韓国軍兵士が死んでいるにも拘らずアメリカは北朝鮮を放置している。

これでは韓国のパククネ大統領がアメリカは頼りにならないと考えてもおかしくはありませんが、離米従中になったのはそれなりの理由があるからだ。もしこのまま南シナ海の問題でもアメリカが動かなければフィリピンやインドネシアやオーストラリア等にも対米関係で不信感が強まるだろう。

アメリカと軍事同盟を結んでいるのは単なる友好同盟ではなく、同盟国はそれなりの代償を払っている。アメリカがリップサービスだけで何もしなければ同盟国は去って行くだろう。しかしアメリカにも都合があり中東に外交の重点を置いていたから湾岸戦争やイラク・アフガン戦争に踏み切りましたが、イラクには大量破壊兵器は無かった。

一番迷惑を蒙ったのがサウジアラビアであり、イランとの防護壁であったイラクをアメリカは破壊してしまった。更にアラブの春で独裁政権が次々と倒れましたが、民主革命としてアメリカは歓迎した。しかし中東諸国は民主主義とはあいいれない諸国であり、ISILのような狂信的宗教国家が出来てしまう。

アメリカが中東でやっている事は事態を混沌とさせただけで、アメリカはイランと組んでISILと戦っている。これではサウジアラビアもたまったものではありませんが、アメリカの御乱心に喜んでいるのが中国とロシアだ。サウジアラビアが離米従露になってもアメリカは何も出来ない。

サウジが石油を暴落させて、アメリカはオバマ大統領や国務長官を派遣してもサウジは言う事を聞かなくなった。宮崎氏は「そしてついにサウジは米ドル基軸一辺倒から離脱し、ユーロ決済ばかりか、一部に人民元、ルーブル決済をみとめる動きを見せている。」と書いていますが、離米従中は韓国だけではない。

南シナ海でもアメリカの出方が注目されますが、中東みたいに失敗ばかりして混乱させるのだろうか? イランが核を持てばサウジも核を持つだろう。そうなれば一番困るのはイスラエルであり核保有国に囲まれてしまう。アメリカは同盟国に核を持たせず北朝鮮やインドやパキスタンの核開発に対して手が出せなかった。

どうせこのような結果になるのなら同盟国に核を持たせて核の均衡を図るのが一番賢明なのではないだろうか。最後に中国がミサイルをサウジに供与していますが、パキスタンから核を譲り受ければ核ミサイル国家となりサウジはアメリカと同盟を破棄するだろう。




安全保障法制や集団的自衛権に関する日本での議論は、軍事
情勢から乖離した「言葉の遊び」や「揚げ足取り」に終始している


2015年6月18日 木曜日

南シナ海で「日本軍艦に体当りするぞ」と息巻く中国 日本も巻き込まれ始めた南沙諸島紛争 6月18日 北村淳

中国による南沙諸島での人工島建設状況と、アメリカ海軍哨戒機に対する中国軍による高圧的な警告状況がCNNで実況中継されてしまったため、さすがに弱腰のオバマ政権も、中国に対して強い姿勢を示さなければならなくなった。

アメリカが見せる“強硬”ポーズ

 まずはカーター国防長官が「南シナ海での領域紛争は平和的に解決されなければならず、全ての紛争当事国は人工島建設作業を直ちにかつ永続的に中断するべきである」「とりわけ中国は過去1年半で2000エーカー以上の埋め立てを実施しており、紛争当時諸国に不安をもたらしている」とのメッセージを発した。

 それとともに、横須賀を本拠地にする第7艦隊からイージス巡洋艦シャイローをフィリピンのスービック海軍基地に“立ち寄らせ”、南沙諸島方面のパトロールを実施させた。

 というのは、南沙諸島方面海域近くに常駐しているアメリカ海軍軍艦は、現在シンガポールに派遣されている沿岸戦闘艦(LCS)フォートワースしかない。南沙諸島周辺海域をパトロールしている中国海軍フリゲートや駆逐艦などから見ると、南沙諸島海域に存在しているのが物の数にも入らない小型軍艦のLCS程度では、アメリカは全く「やる気」がない、と判断されかねないためである。(中略)

しょせんオバマ政権は“腰抜け”と見ている中国

 このような、アメリカやオーストラリアなどに対する中国側の傲慢な姿勢は、中国側が「シリア情勢でも、ウクライナ情勢でも、IS攻撃でも、いずれも中途半端な腰が引けた外交的軍事的対処しかできないオバマ政権は、南シナ海問題に対しても“本気”で軍事オプションを発動する恐れはほとんどない」と見ているからである。

 なぜならば、中国が南沙諸島での人工島建設を開始したのが確認され、アメリカ軍や専門家たちから警告が発せられてから1年以上も経過しているにもかかわらず、オバマ政権は軍事的な対処は“何もしていない”状態だからである。

 例えば、アメリカが本気で人工島に関心を示していたのならば、アメリカ海軍空母任務部隊を南沙諸島周辺海域に展開させて中国政府に無言の圧力を加えるというのがこれまでの常道であった。しかし、オバマ政権にそのよう動きは全くなかった。(中略)

 また、自らは矢面に立ちたくないオバマ政権が日本政府やオーストラリア政府に働きかけて海洋哨戒機や軍艦を南シナ海に派遣させ、哨戒活動を実施させようと画策している動きも出てきている。

 それに対して人民解放軍幹部の尹卓海軍少将は、次のように脅しとも取れる警告を発する。

「日本自衛隊にとって、南沙諸島海域にP-3C対潜哨戒機やE-2C、E-767警戒機などを派遣することは朝飯前だ。またKC-767J空中給油機を持っている航空自衛隊は、F-15JやF-2といった戦闘機を南シナ海に送り込むことだって可能だ。もちろん『いずも』のような大型戦闘艦を有する海上自衛隊が軍艦を展開させることには技術的には何の問題もない」

「しかし、日本の政治家たちは、自衛隊機や艦艇を南シナ海に派遣することについてはじっくりと再考しなければならない。なぜならば、中国軍艦は中国領内への侵入者を撃破する権利を有しているからだ」

 このように、日本もすでに南シナ海での国際的紛争に巻き込まれているのが現状である。

 安全保障法制や集団的自衛権に関する日本での議論は、賛成側も反対側も共に日本が直面する軍事情勢から乖離した「言葉の遊び」や「揚げ足取り」に終始しているようだ。だが、「気がついた時には手遅れになっていた」では取り返しがつかなくなることを肝に銘じてほしい。



(私のコメント)

日本はアメリカに横須賀や佐世保などにアメリカ第七艦隊の基地を提供していますが、現在のところ南シナ海に展開しているアメリカの軍艦は小さな小舟一隻しかいない。何のために日本がアメリカ海軍基地を提供しているのか分からなくなりますが、オバマ大統領は口で抗議するだけでほとんど対抗策は打っていない。

親中派のオバマ大統領のうちに既成事実を作ってしまえば、ロシアにクリミア半島を領有されたように、南シナ海も中国の内海化となるのだろう。東シナ海の尖閣諸島もそうなのですが、アメリカは第一列島線から後退してハワイからグアムのラインまで後退してしまった事は日本では報道されていない。

オバマと習近平との8時間にも及ぶ秘密会談で、そのような取り決めが行われたのかもしれない。アメリカが中国に対して何もやらないのなら、日本はアメリカ軍に基地を提供している意味が無いのであり、75か所ものアメリカの軍事基地は返してもらうのが筋だろう。

その為には、アメリカは中国の領土拡張の動きに何もやらなかったという事実が必要であり、それまでは日本は何もせずアメリカの動きを見ていればいい。事実として尖閣問題でもアメリカ政府はリップサービスしかしてくれなかった。

「株式日記」では自主防衛と核武装を長年主張してきましたが、日米安保と平和憲法は日本を無力化して置くためのものであり、アメリカに押し付けられたものだ。だから日本は南シナ海で何が起きようが高みの見物をしていればいい。中国の台頭によってアメリカが怖気づいて日本から引き揚げてくれれば、日本の真の独立が得られる。

だから中国にはもっと頑張ってアメリカを挑発してほしいのですが、オバマと習近平とは裏では繋がっている。中国もアメリカも様々な勢力があるから強硬派と慎重派で意見は異なる。オバマは慎重派と言うよりも中国融和派であり親中派のブレジンスキーが外交顧問になっている。

南シナ海の問題やAIIBなどの動きは、中国融和派の期待を裏切るものでありキッシンジャーやブレジンスキーも中国に失望しているようだ。アメリカの基本政策はドルの基軸通貨制度と公海航行の自由を守る事であり、それがなければ自由貿易は守れない。中国はこの二つに挑戦している。

裏で米中対立を画策しているのは英独仏伊などのヨーロッパ勢であり、アメリカが対中政策に没頭しなければならなくなれば、ヨーロッパを揺さぶられる事は無くなるからだ。ギリシャの債務問題やウクライナの問題はアメリカが仕掛けた。アジアについては日本の抑え込んでいれば大丈夫と思っていたのでしょうが中国が暴れだした。

中国が暴れだしたおかげで日本は救われたのであり、アメリカは日本の軍国主義復活を警戒していた。だから安倍総理が靖国神社を参拝しただけでアメリカ政府は失望を表明した。極右の総理として安倍総理を警戒していたのがオバマ大統領でしたが、中国が暴れだしたので安倍総理は救われた。

いわば米中冷戦時代の幕開けですが、ソ連に比べると中国は国際ルールを守らないから不測の事態も起こりうる。アメリカとしてはバックパックして中国には日本を当たらせようと考えているのでしょうが、日本は90年代からのジャパンバッシングで死んだふりをしていればいい。アメリカは慌てて円を125円まで戻させましたが、日本の輸出産業は工場を中国にみんな移してしまったから直ぐには復活できない。

日本が復活するためには、オバマ大統領の靖国神社参拝が必要であり、そうすれば中国もアメリカの態度が変わった事を認識するだろう。




老獪な大国である中国は、韓国が擦り寄ってくればくるほど、
いずれ韓国を「取り込む」ことになるでしょう。武藤前駐韓大使


2015年6月17日 水曜日

前駐韓日本大使・武藤正敏氏 独占120分「悪いのは日本か、韓国か、はっきり言おう」日本国民よ、これが正解です 6月17日 現代ビジネス

『日韓対立の真相』という本がベストセラーになっている。著者は、外務省きっての韓国通として知られた武藤正敏前駐韓大使だ。6月22日の日韓国交正常化50周年を前に、思いの丈を語り尽くした。

■朴槿恵の「性格」が問題

6月22日に、日韓国交正常化50周年を迎えます。歴史的な節目にもかかわらず、残念ながら日本ではまったく祝福ムードがありません。

振り返れば、いまから10年前の40周年の時は、私はソウルの日本大使館で特命全権公使を務めていましたが、約700ものイベントを行ったものです。それが今回は、極めて少ない。まったく寂しい限りです。

日本と韓国は、2000年の交流史を持つ隣国同士なのに、なぜこんなことになってしまったのか。

私は1975年に韓国語研修のためソウルに留学して以降、40年の外交官生活の多くを韓国で過ごしてきました。'10年8月から'12年10月までは、駐韓国特命全権大使を務めました。

そのような立場から、これまでは公の場で、日韓関係について持論を述べることは、差し控えてきました。しかし国交正常化50周年を迎えたこのたび、このままではいけないと思って、『日韓対立の真相』(悟空出版)を上梓したのです。

日韓関係がこれほどこじれてしまったのは、一言で言えば朴槿恵大統領が、「慰安婦問題が解決しない限り、日韓首脳会談は行わない」と宣言してしまっているからです。韓国の大統領が慰安婦問題で結論ありきでは、日韓の官僚たちが妥協できるはずがありません。

一般に外交交渉というのは、自国の主張と相手国の主張の妥協点を粘り強く見つけ出していく作業に他なりません。ところが朴槿恵大統領は、先に自ら壁を立ててしまったのですから、これでは外交交渉の余地がないのです。

'13年2月に朴槿恵政権が誕生した時、日本には「日韓国交正常化を果たした朴正煕大統領の長女」ということで、期待感が強かった。

しかし私は、大いに懸念していました。なぜなら、朴氏は何よりも原理原則を重視し、自分が一番正しいと考えていることを知っていたからです。

事実、彼女は慰安婦問題を前面に掲げ、日本側が降りてくるまでは絶対に譲歩しません。加えて、他国の首脳と会うたびに、日本を非難しました。これを「告げ口外交」と日本では呼んでいますが、こんな外交をしていて、日韓関係が改善するはずがありません。

■過激な団体の言いなり

そもそも朴槿恵大統領は、父親の業績が正しく評価されていないとして、活動を始めた人です。

父親の最大の功績と言えば、1965年に日本と国交正常化し、それをテコに国の発展の基礎を作ったことです。それなのに、いまやっていることが父親の業績を否定することだと理解していない。困ったものです。

国交正常化の時に締結した日韓基本条約に基づいて、日本から韓国に無償3億ドル、有償2億ドル、民間資金3億ドル以上を供与することにしました。そのことで日韓は、植民地時代のあらゆる問題を、「完全かつ最終的に」解決したのです。

ところが'90年代になって韓国側は再度、慰安婦問題を提起してきた。日本に新たな補償を求めてきたのです。

それでも日本側は、誠意を持って対応することにしました。当時の村山富市政権が、戦後50周年の'95年7月に、総理府と外務省の管轄下に『女性のためのアジア平和国民基金』を設立。計61名の元慰安婦に対して、各200万円の「償い金」と、総理の「お詫びの手紙」を渡したのです。

韓国側も最初は、この取り組みをそれなりに評価していました。

ところが元慰安婦の支援団体である『韓国挺身隊問題対策協議会』(挺対協)は、「慰安婦に対する法的責任を認めておらず、これは国家賠償ではない」として、元慰安婦たちに「償い金」を受け取らないよう圧力をかけた。当初受け取った7人の元慰安婦たちは様々な嫌がらせを受けました。

元慰安婦を救うはずの団体が、元慰安婦をいじめたのですから、これはどんな団体かということになります。また、その後54人の元慰安婦が密かに「償い金」を受け取ったのです。挺対協は元慰安婦たちの気持ちを代弁していると言えるのでしょうか。

彼らは現在まで20年以上にわたって、毎週水曜日にソウルの日本大使館前に集まって抗議を続けています。私が駐韓日本大使を務めていた'11年には、日本大使館前の公道に、無許可で勝手に「慰安婦像」を建てました。

この団体は、日本が行ってきたことを正しく伝えないばかりか、慰安婦の数が8万人から20万人いたなどと、あり得ない主張もしています。それなのに韓国政府は、この団体の言うがままに動いているのです。これでは、日韓関係が改善しないはずです。

■竹島問題へのトラウマ

朴槿恵外交のもう一つの問題は、国家戦略の欠如です。あの中国への傾斜ぶりは、ちょっと異常です。

韓国の輸出の約25%が中国向けで(日本は5・6%)、訪韓する外国人観光客の43%が中国人(日本人は16%)であることを考えれば、韓国にとって中国が重要なのは理解できます。

しかし老獪な大国である中国は、韓国が擦り寄ってくればくるほど、いずれ韓国を「取り込む」ことになるでしょう。逆に韓国が日米と強固な関係になればなるほど、韓国を尊重するようになる。つまり外交のバランスが大事なわけですが、なぜか朴槿恵大統領はそのことを理解しない。

そもそも、片や同じアメリカの同盟国で、戦後70年間、平和主義を貫いてきた日本。片や毎年10%以上も軍事費を増やし、南シナ海を埋め立てて、せっせと軍事基地を建造している中国。どちらが韓国の軍事的脅威かは、自明の理ではないですか。

経済分野で見ても、中国企業の技術は、韓国企業の技術を猛追しています。いまや韓国企業にとってライバルは、日本企業ではなく、中国企業なのです。

また、本日たまたま、ソウルの日本大使館に用があって電話したら、現地はMERS(中東呼吸器症候群)でパニックになっているという。これで当分、頼みの中国人観光客は来ません。加えて、韓国人感染者が中国の広東省へ行き、多くの中国人が感染を疑われていることで、一夜にして中国人の韓国に対する感情も悪化しました。

朴槿恵政権は総じて、中国を甘く見ています。同時に日本を軽視しすぎなのです。

半世紀にわたる日韓関係を振り返ると、蜜月時代もありました。いまから13年前の'02年には、サッカー・ワールドカップを共催しました。あの当時の金大中大統領(任期'98年~'03年)は、「日本は汗と涙で民主主義国家を作り上げた」と述べ、日本との関係改善に取り組んだ大統領でした。

それが左派の盧武鉉政権(任期'03年~'08年)に引き継がれて、初めて竹島(韓国名・独島)を歴史問題化した。そして次の李明博政権(任期'08年~'13年)になって、関係はさらに悪化したのです。

李明博大統領は、'11年暮れに京都で野田佳彦首相と日韓首脳会談を行った頃から変節しました。野田首相に向かって、「これからも慰安婦像が作られるだろう」と毒づき、翌'12年8月10日の竹島上陸へとつながっていくわけです。

竹島に関しては、李明博大統領にはトラウマがありました。

'08年7月、李明博大統領は、洞爺湖サミットにオブザーバーとして招かれて、来日しました。その時、福田康夫首相との日韓首脳会談で、「新しい社会科教科書で竹島に関する記述が強化される」という「最後通牒」を受けます。

李明博大統領がその場で強く抗議しなかったことで、韓国へ帰って痛烈に批判されました。この頃から、大統領任期中に竹島問題を何とかしなければいけないと考えたのでしょう。

'12年8月9日、「李明博大統領が竹島上陸の準備を指示した」との情報が、ソウルの日本大使館に入ってきました。そこで駐韓大使だった私は、倉井高志筆頭公使を呼んで、朴俊勇外交通商部東北アジア局長に連絡して確認させました。だが、朴局長は大統領府から、竹島上陸計画を知らされていませんでした。

そこで私は、金星煥外交通商部長官(外相)、安豪栄同第一次官、千英宇韓国大統領府外交安保首席秘書官の携帯電話に、上陸中止を申し入れようと電話しました。

しかし3人とも、電話に出ませんでした。おそらく3人は、私からの電話を予期していて、取らないよう示し合わせていたのだと思います。

やむをえず東京の外務省本省に連絡して、佐々江賢一郎事務次官から申?秀駐日韓国大使に、上陸中止を呼びかけてもらいました。

しかし李明博大統領は、翌10日に竹島上陸を決行してしまったのです。

■せめてバランス感覚を

李明博大統領はさらに、その4日後に、講演で次のように毒づきました。

「(天皇は)痛惜の念などという訳の分からない単語を持ってくるだけなら来る必要はない。韓国に来たければ、独立運動家を回って跪いて謝れ!」

この発言によって、日本人の感情を一層、逆撫でしました。日本大使の私は、竹島上陸の当日、韓国政府に抗議する意味で、一時帰国しました。この時以降、日韓関係は、悪化の一途を辿ったのです。

余談になりますが、竹島問題に関しては、『冬のソナタ』で一世を風靡した俳優ペ・ヨンジュンのほうが、よほど立派でした。

実はソウルの日本大使公邸の隣に、ヨン様が引っ越してきました。3階建ての豪邸で、カーテンもなく部屋の中は丸見えです。帰国真近のある日、友人が韓国宮廷料理の研究家の家で私の送別会を開いてくれ、ペ・ヨンジュンも来てくれました。

その頃、ヨン様は自分のブログに、「独島は韓国の領土だが、両国はこの問題に冷静に対処すべきだ」と書いていました。そこでヨン様に、「うまいことを書きましたね」と誉めたら、照れ笑いしていました。本当に賢くて嫌味のないナイスガイでした。

朴槿恵大統領にも、せめてヨン様くらいのバランス感覚を持ってほしい。そして条件なしに、安倍首相との首脳会談を行うこと。50周年を機に日韓関係を改善させるには、それしか方法はありません。



(私のコメント)

韓国の反日外交については、いろいろと書いてきましたが、武藤前韓国大使がインタビューで述べているように、自ら自分の手足を縛るような愚かな外交を行っている。中国はそれなりの戦略で動いているから、ある程度の外交は出来ますが、韓国政府相手の外交交渉は交渉にならない。

先日の記事でもニクソン元大統領が中国政府首脳との会談で「朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な(emotionally and impulsive)人たちです」と述べているように、感情的に切れやすく、それが朝鮮戦争の原因の一つになっている。しかも我慢強くは無く自己を律することが出来ず、他人に対しては攻撃的だ。

MERS騒ぎでもそれが伺われますが、アフリカ大陸の独裁国家と大してかわりがない。つまり対馬海峡を渡ればユーラシア大陸とアフリカ大陸とはつながっている。地政学的にもモンゴル帝国の領土は東ヨーロッパまで広がりましたが、日本へは海峡でモンゴル帝国の進撃が阻まれた。

つまり朝鮮人や中国人と日本人は見た目は良く似ているが、地政学的に見れば別世界なのだ。だから外交交渉でも見た目が似ているから自分たちと同じに考えがちですが、精神文化がかなり異なる。韓国人は外国に帰化はしても現地に同化せず一つに固まりコリアンタウンを形成する。中国人も同じだ。

だから韓国政府や韓国人と交渉する時は外国人であることをよく認識して交渉しないと話がこじれてしまう。日本人同士の交渉ならお互いに譲歩してと言った事も通用するが、外国人相手では相手の精神文化を理解していないと拗れてしまう。

だから外国で仕事をする時は、まず現地の言葉を覚えて会話を通じて現地の事を理解しますが、最近では外務省の大使公使でもロシア語が出来る人は一人か二人で、英語ですらままならず通訳頼みの交渉になってしまう。通訳では伝える事の8割以下しか伝わらないから、相手を納得させることは難しい。

韓国や中国との交渉がこれほど拗れるのは、中国人や韓国人には対等と言った概念が無く日本を見下す事から始まるから厄介だ。彼らにとっては軍事的にも経済的にも日本に対して優位に立っていれば問題は無いのでしょうが、彼らは日本に対する対抗意識が強すぎて、それが外交にも出て来てしまう。

だから日本がいくら譲歩しても、韓国人や中国人にとっては譲歩は日本が弱いからだとみなしてしまう。パククネ大統領の硬直した外交も韓国人の国民性から来るのでしょうが、大国に挟まれた小国の外交は柔軟でなければならないはずだ。

韓国はアメリカと日本の支援があってこそ成り立つ国でるにも拘らず、日本に対しては反日で、アメリカの言う事を聞かなくなってしまった。これではアメリカや日本の支援も受けられず孤立してしまう。そして自ら飛んで火に入る夏の虫になろうとしている。中国に接近すれば更に粗末に扱われるようになるだけだ。

パククネ大統領の外交戦略は、中国とアメリカの支援を受けて日本に譲歩を迫ろうといったバカな外交をしてきましたが、中国やアメリカに突き放されるだけしか成っていない。中国やアメリカにとっては、日本と韓国が親密になった方が怖い存在であることが分からないのだろうか? 




今は『カカクコム』のように値段が一覧で比較できるサイトもあり、
安く買いたいならインターネットでという考え方が定着してきました。


2015年6月16日 火曜日

ヤマダ電機「閉店ラッシュ」が意味するもの 「量販店」が消える日 家電に続いて、スーパーも危ない 6月14日 現代ビジネス

まさしく内憂外患の窮地に立たされているヤマダ電機。'90年代にはコジマやカトーデンキ(現ケーズホールディングス)と「YKK戦争」と呼ばれる激安競争をくり広げ、その勝利者となった。だが現在、同社を脅かしているのは他の量販店ではなく、圧倒的な品揃えと販売価格を誇るインターネット通販だ。

安さではもう勝てない

ヤマダに限らず家電量販店では、客が店頭で品定めをして、最終的に値段の安いネットの店で買い物をするという新しい消費行動に頭を悩ませている。高い賃料や人件費を払っても量販店はただのショールームに過ぎず、一銭も入らない?このような買い物のしかたは「ショールーミング」と呼ばれている。ネットを通じた物流に詳しいイー・ロジット代表取締役の角井亮一氏が語る。

以前は量販店を回って安い店を探したものですが、今は『カカクコム』のように値段が一覧で比較できるサイトもあり、安く買いたいならインターネットでという考え方が定着してきました。しかもアマゾンのような大手サイトは、自社開発の専門のソフトを使って戦略的商品の選定を行っており、『この商品はダントツ1位の安さにする』『この商品は高くてもかまわない』と巧みに値付けをしており、必ずしも安い買い物をしなくても、消費者は『ネット通販は便利だ』と感じるようになってきています」

品揃えでもネットに負ける

家電はとりわけネット通販と相性のよい商品だ。メーカーと型番が決まっていれば、基本的にどこで買っても同じスペックが保証されているし、価格の比較も容易だからだ。百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏によると、小売りにはネット通販によって侵食されやすい分野とそうでない分野がある。例えば、飛行機やコンサートのチケット、証券、本や雑誌、音楽、そして家電などはインターネットの出現で大きく流通の形態が変わった。

「逆にネットで売りにくいものに、生鮮食料品など個別差が多い商品、輸送コストが高い低価格品(例=トイレットペーパー)、売買に多くの説明が必要なもの(例=不動産や自動車)、ブランド力が高く値下げしにくい商品(例=宝石や高級ブランド品)などがあります」

家電をネットでなく、店頭で買ってもらうためには価格競争にまきこまれるのではなく、詳しい商品説明やアフターケアなどのサービス面を強化しなければならない。だが、ヤマダはその点でも戦略を誤った。販売員の接客教育に重点を置かなかったのである。業界紙デスクが語る。

「毎年、日経ビジネスが調査・発表するアフターサービスランキングの『家電量販店部門』で、ヤマダ電機は毎回のようにワースト1位なのです。急拡大と激しい価格競争のつけが回っていて、『電話に出ない』『店員が少ない』といった評価が定着してしまった」

大量のモノを集めて安く売りさばくという量販店ビジネスのモデルが通用していた時代はよかった。拡大路線を突き進み、シェアを取ることでメーカー側に価格交渉を持ちかけ、より安い値段で仕入れることもできただろう。しかし、ネット通販の定着によって、量販店というビジネスモデルが大きな曲がり角に立たされている。

経産省が'14年8月に発表した数字によると、'13年の日本の一般消費者向けのネット販売市場は11兆1660億円で(前年比17・4%増)、EC化率(ネットでの取引が全商取引のうちに占める割合)は3・67%だった。市場は今後もますます拡大し、'20年には市場規模は20兆円を突破するとの予想もある。さらに「eコマース革命」を打ち出すヤフージャパンの試算では、日本のEC化率は20%まで成長すると見られている。つまりネット通販はさらに5倍の成長余地があるのだ。

前出の鈴木孝之氏は「家電量販店に限らず、イオンやイトーヨーカドーなどの総合量販店も次々と新規店舗を出店し、規模を拡大することで成長してきましたが、このような業態は一時代を終えた」と言い切る。

実際、イオンは'15年2月期決算での営業利益が1414億円で前期比17・5%減。イオンリテールやダイエーなどの総合スーパー部門が足を引っ張った形だ。イトーヨーカ堂も業績が冴えず、売上高営業利益率が0・1%。同グループ内のコンビニ事業(セブン-イレブン)の利益率10・1%と比べるとビジネスモデルが崩壊寸前であることがわかるだろう。

ネット先進国のアメリカでは、ショッピングモールやスーパーにまで如実に影響が出始めている。前出の角井氏は語る。

「ネットの台頭によって全米に1800店あったモールのうち約300が姿を消したと言われています。モールやスーパーも今後はデリバリーサービスが不可欠だと認識されるようになりました。

アメリカのアマゾンは都市部や近郊に小型の物流センターを設置して、生鮮食品なども扱うアマゾン・フレッシュを始めています。もはやネット通販で買えないもののほうが少ないくらいです」

そして廃墟になる

スーパーが扱う生鮮食料品は、本来ネット通販と相性が悪い商品だ。しかし、そのようなジャンルにまでアマゾンは進出しようとしているのだ。

さらに、この波は飲食業にまで広がっており、今まで宅配営業に無関心だった企業も、ネット通販に乗り出している。スターバックスがいい例で、同社のハワード・シュルツ会長は「すべての飲食業はデリバリーを検討しないと生き残れない」と語っている。

大型量販店は町の個人商店ではとうていかなわない品揃えと価格競争力で集客してきた。しかし巨大な物流センターを備え、注文した翌日には品物が届くといった利便性を売りにするネット通販の前では、品揃えも価格競争力も見劣りがしてしまう。モールに行けば、必要なものが安く手に入るという常識はもはや通用しないのだ。

では、ネット通販では期待できないサービスを提供できるかといえば、その面では地域に密着した個人商店のようなきめ細かな対応は不可能だ。商品が多すぎて、販売員自身がその商品の特徴をわかっていないということもしょっちゅうある。だが結局、「量販店がネット店舗に対抗するためには接客力を上げるしかない」と堀田経営コンサルティング事務所代表の堀田泰希氏は語る。

「高度な接客を求めがちな高齢者が増えるにつれて、もっとアナログな顧客管理が大切になってくるでしょう。ポイントカードなどを通じて顧客情報を吸い上げるデジタルな管理は進んでいますが、その逆が大切なのです」

価格で勝負できないなら、付加価値をつけるしかない。しかし、それはかつて量販店が拡大したときに個人商店が試みてなしえなかったことだ。ネット通販の前に量販店も同じ戦いを強いられることになるだろう。郊外のモールが駅前のシャッター街のように閑散とする日も近いかもしれない。すぐ目の前に物流倉庫があって、ありとあらゆる商品が並んでいるのに、インターネットを使わないとそれも手に入らない?そんな不可解な時代がやってくる。だが、それも我々消費者が低価格と手軽さを追求し、自ら招いた結果なのだ。

冒頭の閉店が決まったヤマダ電機で呼び込みをしていた店員に「閉店セールで、本当にお買い得な商品はどれか」と尋ねてみた。すると、「それは在庫一掃処分ということで……」と口ごもり、「ちょっと失礼します」と立ち去ってしまった。床には、相変わらず綿ぼこりが扇風機の風に舞い続けていた。



(私のコメント)

私も最近はネット通販で物を買う事が多くなり、家電量販店や東急ハンズなどで買う事は少なくなった。去年から今年にかけて照明設備のLED化に取り掛かってきましたが、家電量販店ではLED照明ランプなどが品ぞろえが少ない。特殊なものなど通販サイトでないと手に入らないものがほとんどだ。

いかに大型量販店でも商品の展示数には限りがあり、直ぐに欲しいものがあっても店には置いてないものが多い。ヤマダ電機でも安さで勝負していますが、ネット通販の方が安い物が多い。配送費や代払い費用などがかかるが、それでもネット通販の方が安い。

ネット通販以外にもネットオークションなど非常に安く買える事がある。私の場合もネット通販よりもネットオークションで買う事の方が多い。40WのLED蛍光灯にしても家電量販店だと8000円もするが、ネット通販だと1700円で買える。どうしてこれほどの価格差が出るのだろう。

天井用照明器具でも10000円以上もする物が1500円で買えた。だから得した気分になり次々と買うものが増えて行った。配達にかかる時間も近場のネット通販だと注文した翌日には届く事が多い。このような状況では地方のショッピングセンターなども影響が出始めていて来店客が減っているようだ。

ネット通販ではamazonが有名ですが、巨大な物流倉庫を作りオートメーション化された倉庫でベルトコンベアーで配送品が分別されて行く。これに対してショッピングセンターでは巨大な店舗や駐車場などがいるし多くの販売店員も必要だ。これではどうしてもコスト高になる。土地が値上がりしている時はダイエーなど躍進しましたが、ネット時代では巨大ショッピングセンターは中抜きが行われて潰れて行くのだろう。

生鮮食品などもスーパーにネットで注文して宅配される事が多くなって行くだろう。昔などはお米屋さんや八百屋さんが自宅まで配達してくれましたが、その形態に変わって行くのだろう。コンビニにしても繁栄を誇っていますがデリバリー化されて行けばコンビニに買い物に行く人が減ってくる。

弁当やおにぎりも、ネットで注文すれば直ぐに配達されれば、買いに行く人は少なくなる。ドローンなどで弁当やパンなどがGPSで入力するだけで注文者の所に配達する。地方では何をするにも自動車が必要であり買い物も車で買い物に行く。しかしドローンが配達するからショッピングセンターも必要なくなる。

ネットによる流通革命は昔から言われていましたが、配送網が整備されてきて本格化してきて、ヤマダ電機やイオンなどの郊外型のショッピングセンターに異変が起きている。個人商店などは物を売る事よりもサービスを売る事で生き延びれるだろう。パソコンを売るよりも出張サービスでネットに接続したりWiーFiなどの接続も代行してサービス料金をもらう。



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