株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


20世紀には地域覇権を目指すだけの能力を持った4つの大国が出現した。アメリカ
はこれらの国々の覇権の達成を打倒・排除する面で、大きな役割を果たした
のだ。


2014年4月30日 水曜日

ミアシャイマーの「台湾さようなら」論文 4月30日 地政学を英国で学んだ

台湾に「さようなら」を言おう
by ジョン・ミアシャイマー

●この安全保障関連の話は、台湾にとってどのような意味を持っているのだろうか?

●その答えは、「中国には、少なくとも台湾をアメリカから切り離して中立化させようとする、強力な戦略面での合理性がある」というものだ。

●ところが中国が望む最大の目標は、台湾を中国の一部にすることであり、時間の経過とともに国力を増せば、この目標を確実に追及することになるだろう。

●統一は2つの重要な点において、中国にとって戦略的に有利に働くことになる。第1に、北京政府は台湾の経済面や軍事面の資源を吸収し、アジアにおけるバランス・オブ・パワーをさらに中国に有利な方向へシフトさせようとする。

●第2は、台湾を中国沿岸の沖合に浮かぶ「巨大な空母」にしてしまうことだ。このような空母を獲得することができれば、中国の軍事力を太平洋西部に対して投射する能力が強化されることになる。

●端的にいえば、ナショナリズムとリアリストのロジックによって、中国には「台湾の事実上の独立状態を終わらせ、中国に統一してしまいたい」という強力なインセンティブが働いていることが見てとれる。

●これは、とくにアジアにおけるバランス・オブ・パワーが中国へとシフトしつつあり、台湾が中国からの攻撃から守ることができなくなるまでそれほど時間がないという意味では、台湾にとっては明らかに悪いニュースだ。

●したがって、ここで明らかに問わなければならない質問は「アメリカは台頭する中国に直面する中で、台湾に安全を提供することができるか?」というものだ。これをいいかえれば、「台湾はアメリカに安全保障を頼ることができるのか?」ということにもなる。

●アジアにおけるアメリカの目標と、それが台湾にどのような関係性を持つのかについて考えてみよう。

●地域覇権国は、他の地域で他の大国が地域覇権国になることを阻止しよう必死の努力をする、ということはすでに述べた通りだ。そしてすべての大国にとって最高のシナリオは、国際システムの中における唯一の地域覇権国になることである。

●歴史の例からも明らかなのは、アメリカがこのロジックにしたがって行動しているということだ。アメリカは競争相手の出現を許さないのである。

20世紀には地域覇権を目指すだけの能力を持った4つの大国が出現した。1900年から18年までのドイツ帝国、1931年から45年までの大日本帝国、1933年から45年までのナチス・ドイツ、そして冷戦期のソ連である。

●当然のように、この4つの大国は、アメリカが西半球で達成したことを真似ようとした。

●それに対して、アメリカはどのように対処したのだろうか?実際のところ、アメリカはこれらの国々の覇権の達成を打倒・排除する面で、大きな役割を果たしたのだ。



(私のコメント)

覇権国家の外交はバランスオブパワー外交であり、中華帝国も夷をもって夷を制するのが基本だった。韓国の反日外交も中国の差し金であり日韓を対立させることで日本の力を削ごうとするものだ。中国はさらには北朝鮮と言う衛星国家を持っており、北朝鮮を使って韓国やアメリカを挑発させている。

アメリカから見れば、日本が台頭してくれば中国を支援して日本を叩き、中国が台頭してくれば日本を使って中国に牽制を加える。韓国や台湾やフィリピンでは中国の対抗できないから、新冷戦体制で中露対アメリカの対抗軸が出来れば、アメリカは属国を使って対抗させることでバランスを取る。

しかしアメリカは2008年のグルジア紛争やロシアのクリミア併合によって、ロシアに対して力で抑え込むことが出来なかった。グルジアもクリミアも内陸部になるからアメリカ自慢の大艦隊を送り込むことが出来ない。地政学的にロシアに有利であり黒海にはアメリカの原子力空母は入れない。

ロシアのクリミア侵攻に対してアメリカが動けなかったのを見て、中国が韓国や台湾に対して「謎の武装集団」を送り込むことも考えられる。北朝鮮と韓国は民族も言葉も同じだし、中国と台湾とでは言葉も民族も中国系が多い。だから謎の武装集団が政府機関や軍事基地を占拠しても識別が難しい。

韓国のパク大統領も台湾の馬総統も中国の言いなりであり、台湾の学生はこれに怒って国会議事堂を占拠した。セウォル号の沈没も陰謀論から見ればセウォル号の船長は北朝鮮の工作員で、パククネを追い詰めるためにわざと多くの高校生を死に追い込んだのかもしれない。それくらい船長の行動は異常だった。

今回のオバマ大統領のアジア歴訪も、中国に対する警告の意味があるのでしょうが、まだまだアメリカと中国との力の差は大きく、中国の台頭に危機感を持つほどではない。しかし米中の間にある韓国や台湾やフィリピンやASEAN諸国は親中派と親米派に分かれて対立が深まっている。

マレーシア航空の行方不明事件も韓国のセウォル号沈没も、米中の対立が背景にあるのかもしれない。大事故が起きれば当然政権への批判も高まるからだ。日本においても東日本大震災で民主党政権への批判が高まりましたが、いずれもタイミングが良すぎる。しかし船長や機長がおかしな行動をとっており洗脳されたのかもしれない。

アメリカの狙いは中国を増長させて暴走させることであり、ロシアのプーチンもクリミアで上手く行ったからと言って増長すれば強硬派が主導権を取ってウクライナやバルト三国に手を出してくるかもしれない。ナチスドイツや日本帝国もその手でやられましたが、アメリカが動かないと見れば強硬派が勢いづく。

台湾海峡も、アメリカが曖昧な態度を取るのはそれなりの意図があるからであり、アメリカの仕掛けた罠に中国が引っかかるかどうかだ。尖閣でも日中の緊張が高まっていますが、アメリカが曖昧な態度を取る事で中国を挑発している。アメリカは定期的に戦争をしなければ持たない国であり、イランやシリアを挑発して来ましたが乗ってこなかった。

このようにアメリカの歴史を学べば、大東亜戦争もアメリカの罠に嵌る事も無かったのでしょうが、それを見抜ける戦略家がいなかった。ソ連にしてもアフガニスタン侵攻が命取りになりましたが、アメリカの武器援助がソ連軍を苦しめた。中国に対してもチベットやウイグルではアメリカは手出しができませんが、台湾や尖閣なら第七艦隊の縄張りだからもってこいだ。はたして中国はアメリカの罠に引っかかるだろうか?

ミアシュハイマーの記事も一種の罠であり、リアリストですら台湾を見捨てろと言うのは中国へのそそのかしであり、アチソンラインは韓国を防衛ラインから外したのもスターリンを騙したのだ。オバマ大統領の消極外交はグルジアやクリミアでは手も足も出なかった。アメリカは競争相手の出現は許さないが、地政学的に有利な場所ならアメリカは動くだろう。




国家のトップが無能でバカだと、国家は大災害が起きるまで突っ走ってしまう。
そんな時は自分の判断で国家から逃げなければ自分の命まで失う事になる。


2014年4月29日 火曜日

大統領批判投稿で接続集中 大統領府HPダウン=韓国 4月28日 朝鮮日報

【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)のホームページ(HP)に旅客船沈没事故の対応をめぐって朴槿恵(パク・クネ)大統領を非難する書き込みがあり、同ホームページに接続が集中して28日午前にサーバーがダウンした。サーバーは現在復旧している。

 青瓦台の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官によると、HPの掲示板に掲載された「あなたが大統領でいてはならない理由」との書き込みが反響を呼び、接続が急増した。書き込みは前日午前に投稿され、40万件を超える閲覧件数があった。

 書き込みは旅客船沈没事故と関連し、朴大統領をはじめとする政府の不手際を指摘し、責任を追及する内容。現在はHPから削除されている。閔氏は「書き込んだ本人が削除したとみられる」と伝えた。

 青瓦台のHPは通常より2〜3倍の接続があり、サーバーが不安定となっている。青瓦台のHP管理者は「一日の接続者数は7000人程度だが、今は2〜3倍に上り、同時接続者が多くて速度が落ちている」と述べた。 



旅客船沈没:スペイン船で火災、船長指示で318人全員救助 セウォル号船長と対照的 直後に急速な方向転換 船が傾かないよう左舷・右舷に乗客二分し避難 4月28日 朝鮮日報

乗客・乗員334人を乗せ、北大西洋カナリア諸島沖を航海していたスペインの旅客船で25日に火災が発生したが、船長・乗員の落ち着いた対処で全員が無事に救助された。大事故に発展する可能性のある状況だったが、船長と乗員、そして管制当局が落ち着いて訓練通りに行動したことが奏功した。特に船長の落ち着いた判断が重要な役割を果たしたと外信は伝えている。

 1万2000トン級の定期旅客船「ボルカン・デ・タブリエンテ号」は同日午後6時40分、乗客318人、乗員16人、車両60台を積んでテネリフェ島ロス・クリスティアーノス港を出発し、ラ・パルマ島へ向かった。7時ごろ、車庫の方で火災報知器が鳴った。1台の車のエンジンから火が出たのだ。火は周辺の車に燃え移り、ますます広がった。火災報知器が鳴ったのと同時に車庫近くのスプリンクラーが作動し、防煙・防火シャッターが自動的に降りた。

 船長は港までの距離を考えて十分な時間があると判断、引き返すことを決めた。船長は港湾管制センターに報告した上ですぐに乗員たちに乗客を避難させる準備を命令した。乗員たちは「船は引き返すが、大きな事故ではない」と告げて乗客を安心させた後、救命胴衣を身に着けて部屋の外の通路に出て一列に並ぶように指示した。また、重心が一方に偏らないよう、乗客を左舷と右舷に半分ずつ配置し、たった数分で脱出態勢を整えた。

 事故の報告を受けたスペイン海上警察当局はヘリコプター2機、救助艇2隻を出動させ、引き返す旅客船を護衛した。また、最悪の事態に備えて1300人を乗せることができる9000トン級の高速フェリーを向かわせ、全員脱出に備えた。港では消防車4台と救急チームが待機していた。船は7時30分、無事に港に戻ってきた。スペイン海上警察当局によると、車4台が全焼し、12人がパニック症状に陥ったが、人命にかかわる被害はなかったという。



(私のコメント)

昨日のニュースで韓国のセウォル号沈没の新しい映像が公開されましたが、セウォル号が45度まで傾いているのに甲板に乗客の姿がほとんど見えない事に異常さを感じた。スペインの客船が火災事故を起こして全員が助かったのと比べると、セウォル号の避難指示が「絶対に船室から動くな」といったおかしな指示に問題がある事が分かります。

普通ならライフジャケットを付けさせて乗客を甲板に誘導するのが常識なのでしょうが、セウォル号は船室内に動かないように何ども船内放送を繰り返した。船長をはじめとして船員たちは真っ先に乗客をそのままにしたまま逃げ出したことに国民の批判が高まっていますが、船長も非正規社員であり船員もほとんどが非正規社員だった。

だから十分な船員としての教育も行われず、能力やモラルに問題が生じても、それを修正する働きが働かなかった。日本でも企業の社員をどんどん正規社員から非正規に切り替える動きが加速していますが、非正規社員では社内教育の徹底が行われず、不安定な身分では教育が行われても身につかない。

小泉構造改革で派遣労働法の大改正が行われて、職種が大幅に拡大した結果、社員の非正規化が加速されて、学校の教員にまで非正規の教師が増えてきている。そうなると無責任で無能は教師が増えて無責任で無能な生徒が量産されることになる。このように国の法律でおかしな法律が出来ると国家全体がおかしくなって行きますが、秋葉原の事件が起きて派遣法の見直しが検討されましたが、結局企業の都合で骨抜きにされたようだ。

セウォル号の沈没と韓国大統領の責任問題とは直接関連は無いように見えますが、安全に対する法律の順守や、非正規の船長まで認めるような法制度を作った大統領府にも問題がある。韓国では大財閥の影響力が強いから企業に有利な法制度が作られて、労働者の保護がなおざりになり、中高年社員がどんどん首に出来る制度になっている。

新自由主義経済を徹底して行けば利益最優先となり、安全性や品質が低下して行きますが日本でもその傾向が強まってきた。東京電力と福島原発災害とは利益最優先がもたらしたものであり、JR福知山線脱線事故も無理なダイヤ編成が原因になっている。社員教育もダイヤ遵守が最優先されて安全運転はなおざりにされた。

トップが無能で無責任だと大事故が起きるまで組織の腐敗は治らない。日本の総理大臣も毎年のように代わりましたが、揃いも揃って無能であり官僚任せだから公務員だけが高給をもらえるようになり民間の賃金は低下して行った。バブル崩壊以降の経済運営や金融をどのようにしていいかが分からないから20年もデフレ不況が続いた。

ようやくアベノミクスで金融の大緩和が行われて円安株高になりましたが、「株式日記」では終始金融の緩和を主張してきた。このように国家のトップが無能だと国民に大きな犠牲が出るのですが、それを指摘できるジャーナリズムが日本には無い。政府批判はしても政策提言が出来ないのだ。新聞記事はどれも官僚たちからの情報による記事ばかりだ。

韓国でもこのような事が徹底して行われており、大財閥中心の経済運営で国民の生活が疲弊している。その不満を反日で誤魔化しているのがパククネ大統領であり、頑固なパククネ大統領の政策運営に国民の批判が集まっていた。そんな時に起きたのがセウォル号の沈没であり、スペインの客船のような船長の適切な指示があれば犠牲者はゼロだったかもしれない。

日本ではバブル崩壊以降15年間自殺者が年間3万人を超える年が続きましたが、アベノミクスによって平成24年度は2万7858人となり3000人近く自殺者が減った。経済運営のミスが国民を自殺に追い込んできましたが、アベノミクスによる金融の大緩和によって3000人の命が救われた。


自殺者15年ぶりに3万人下回る うつ病、多重債務対策など奏功 2013年6月18日 産経新聞

政府は18日、平成25年版「自殺対策白書」を閣議決定した。24年の全国の自殺者数は前年比2793人減の2万7858人となり、9年以来、15年ぶりに3万人を下回った。内閣府自殺対策推進室は「国や自治体などで進められてきた鬱病患者や多重債務者らへの自殺予防策が一定の成果をあげた」と分析。一方、20歳代の自殺死亡率(10万人あたり)は高まる傾向にあり、若年層への効果的対策を急ぐ必要性も指摘した。

 白書によると、24年の自殺者数は男性1万9273人(前年比1682人減)、女性8585人(同1111人減)。動機別では「健康問題」が1万3629人と最多で、生活苦、多重債務など「経済・生活問題」が5219人、夫婦関係の不和、家族の将来悲観など「家庭問題」が4089人−などと続いた。

 年齢階級別の自殺死亡率は40歳代以上で低下傾向にあるのに対し、20歳代で高まる傾向にあるのが特徴。自殺動機には「就職失敗」や「進路に関する悩み」をあげるケースが目立った。

 国内の自殺者はバブル崩壊による金融不安や景気悪化が拡大した10年に3万人を突破。15年には最多の3万4427人となり、18年には「自殺対策基本法」が施行された。





現代の大学が実社会の厳しさを教えていないから大学を出てもアルバイトや
派遣しかできない大学生を量産している。そういった大学は潰すべきなのだ。


2014年4月28日 月曜日

若い女性が貧困に陥るワケとは? ハマると脱け出せない2つの"貧困スパイラル" 2014年2月2日 ウートピ

昨年11月、大阪で31歳の女性が生活に困った末に餓死するという事件が起こった。ガス・電気・水道などのライフラインはすべて断たれ、冷蔵庫には中身のないマヨネーズしかなかった...などの悲惨すぎる状況が報じられ、「若い女性の貧困」が社会問題として注目を集めている。若い女性が、それほどまでに生活に困るのはなぜか。実際に、筆者が理事を務める困窮者支援団体に相談された事例からみてみよう。

■30歳女性・Aさんの場合

首都圏に住む30歳のAさん。一人暮らしだ。大学を出た後、正社員で就職したものの賃金は安かった。節約しながらの生活。貯金もしていたが、低賃金・一人暮らしでは、それほど大きな額が貯まるわけもなかった。

そんな中、友人の紹介でつき合い始めた男性と彼の家で半同棲生活となるも、しばらくして彼のDVが始まった。まさか友人の紹介でそんな目に遭うとは思わなかったAさんだが、とにかく荷物をまとめて彼の家を出た。また居場所を知られないように自分の家も転居を余儀なくされた。

しかし勤務先は知られているので、「会社の近辺で待ち伏せでもされたら...」と不安になったAさん。思い切って上司に相談してみると、終業後飲みながら親身に話を聞いてくれた...と思った。しかし、帰り道、ホテルに連れ込まれそうになり、断ると翌日からパワハラが始まった。

元彼について地域のDV窓口や警察にも相談したが、「元交際相手は配偶者ではない」「今は緊急性がない」と取り合ってもらえなかった。結局、元彼への不安や恐怖、上司からのパワハラでうつ病になり、退職するハメに。その後、日払いのアルバイトなどでつなぐが、転職もかなわず、手元の貯金は減っていく。保険料、医療費も高額で支払えなくなり、病院にも通えなくなった。

田舎の両親は既に高齢で年金生活。自営業だった両親の年金の支給額は少なく、さらに無職の姉が同居しており、頼れる状況ではなかった。Aさんの手元にあるお金は3万円を切っていた...。

■不運が重なれば誰でも貧困に陥る

Aさんのケースは典型例だ。何か一つの原因で食べるものにも事欠くほどの貧困状態に陥ることは少ない。

仕事が低賃金過ぎてあまり貯金できない中失業した、虐待やDVなどがあり手元に資金のない中逃げてきた、病気や高齢の家族に援助していたら自分も共倒れに...など、いくつかの要因が運悪く重なりどうにもならない貧困状態に陥る。

■一度ハマると脱け出せない2つの "貧困スパイラル"

そして一度困窮してしまうと、「仕事」と「メンタルヘルス」の状況悪化によって、負のスパイラルに陥ってしまうことが非常に多い。

貧困状態では仕事は選べない。所持金が5万円を切った状態なら、すぐにお金がもらえる日雇いの仕事しかない。もう少しお金があってすぐに就職が決まるようなら初めての給料日まで食いつなげるが、そんなに簡単に決まる会社は離職率の高いブラック企業である可能性も高い。実際、貧困状態にある人はブラック企業につかまりやすい。日雇いの仕事が切れたり、ブラック企業で使い捨てられれば、すぐに生活が立ち行かなくなる。こうした働き方は「その場しのぎ」にしかならない。

また、働けず貧困状態にある人の少なからぬ女性が、Aさんのようにメンタルヘルスの問題を抱えている。一度メンタルヘルスに問題を抱えた人が貧困状態になると、医療費がないために病院にかかれない、日雇いの仕事やブラック企業での労働でもやらなければならないなど、無理をしている間に健康状態はさらに悪くなる。病気が重症化すれば、当然仕事はできなくなる。

■公的制度を使って体制を立て直すしかない

こうした"貧困スパイラル"に陥った状態で、頼れる家族もいないとすると、何か公的な制度に頼ってまずは体制を立て直すことが大切であり、その最たるものが生活保護だ。

しかし、どんな状態であれば生活保護受給に該当するのか? 実際、窓口で受給をはばまれる水際作戦もあり、本当に生活保護が受けられるのか、受けてもいいのか、不安もあるだろう。次回「後編」では、万が一のときに参考にして欲しい生活保護申請のノウハウをお伝えする。



(私のコメント)

昨日のNHKでも、「貧困連鎖社会」のスペシャル番組を放送していましたが、母子家庭では十分な教育もできず、働いてもパートの仕事では二人の子育ては難しい。実家も無職の姉がいて両親の年金も僅かでは実家にも戻れない。結局は生活保護に頼る事しかないと思いますが、若い女性の低賃金労働は一般化して何かが起きれば生活も破綻する。

若い女性なら稼ぎのいい男を見つけて結婚すれば玉の輿に乗れますが、その稼ぎのいい男が少なくなった。35歳以下の独身男性で年収が600万円以上の男性は3%しかいない。結婚して子供が出来ても夫が低賃金で生活が成り立たず、夫婦仲も悪化して離婚という事で母子家庭が多くなってしまう。

男女共同参画社会と言っても、女性はどうしても職業が限られるから低賃金化してしまう。ならば特殊技能をもって高給がもらえる職業につくべきだと「株式日記」では書いてきましたが、昨日の番組でも大学を出ても派遣やアルバイトと言った低賃金労働になってしまう。看護師や宅地建物取引主任などの国家資格を持てば、平均年収は500万円は超えますが、4年制の大学を出る学力と学費があるのなら専門学校で国家資格を取るべきではないかと思います。

このような事を書いても看護師では夜勤や患者のウンコ始末は嫌だというコメントや、宅建とっても営業ノルマが嫌だとか言って避けていたのでは年収500万円は望む方が無理だ。これらは女性向きの仕事であり、大学を出るほどの学力のある女性なら取る事は難しくない国家資格だ。

私自身も教員免許も取りましたが、4年制の大学を出てきれば教員免許も取っておけば、中学や高校の教員になれる。今は団塊の世代の教員の退職が多く、大都市の学校の教員の確保に苦労しているという特集がありましたが、地方大学まで行って教員の確保に奔走している。小学校から高校までの公立学校の教師になれば一般公務員よりも給与がいい。

だからこのようなNHKの若い女性の貧困化問題などを見ると違和感を感じるのですが、4年制の大学を出てそのままアルバイトや派遣などの低賃金労働者しかなれないというのは特殊な事情があるからだろうか? 中卒や高卒で単純労働しかできないというのなら分かりますが、アルバイトを掛け持ちしても月収が15万円では大学を出た意味がない。

今や大学を出た意味が無意味になって4年間の大学は時間と学費の無駄遣いとしか思えない。AO入試が多くなり無試験で大学に入る学生が多くなり、大学生のレベルが低下してしまって企業も大卒の学歴を当てにしなくなっている。それに対して宅地建物取引主任の合格率は15%でありかなり難しくなっている。だから宅建を持っているとなれば採用する企業も安心して採用が出来る。

逆に言えば宅建も取れないような学力なら大学に行くだけ無駄であり、高卒で働いた方がチャンスがあるだろう。電気工事士も合格率が25%であり決してやさしい国家資格ではありませんが大卒の学力なら学科試験は楽に合格が出来るはずだ。若い女性で容姿に恵まれて仕事と割り切れれば風俗業などなら月収が100万円も楽に稼げる。楽に稼ぎ過ぎて金銭感覚がおかしくなるくらいですが、アイドル並みの容姿がなければなれない。

NHKの特集に出てくるような女性は、多くの不幸が重なってメンタルヘルスに問題を抱えている。母子家庭になって一人で子育てしなければならなくなれば生活が破綻して本人のメンタルヘルスも問題があればそこから抜け出すのは難しくなる。最近では風俗業がそう言った母子家庭の女性のセーフティネットになっているといった面があるそうです。

「株式日記」では若い女性に風俗業を勧めるのかと言ったクレームがコメント欄に寄せられますが、今や若い女性のセーフティネットとなってしまっている状況をNHKは指摘していた。国の福祉政策がどうのと言うよりも、現代の高校や大学が実社会の厳しさを教えていないから大学を出てもアルバイトや派遣しかできない大学生を量産している。そういった大学は潰すべきなのだ。




看護師というのは“濡れ手に粟”なんです。辞めても、比較的再就職
しやすい。多くの病院が慢性的な看護師不足に悩まされている。


2014年4月27日 日曜日

看護師業界の離職率に関係者悩み外国人導入の必要性を訴える 4月27日 NEWSポストセブン

「うちの病院は毎年20〜30名ほど看護師を採用しますが、同じ年に10〜20名くらいが辞めていく。離職率だけを見れば、看護師の世界はまるでブラック企業ですよ。春先に毎年多くの看護師が退職していくのは、もはや風物詩ですね」

そうため息混じりに話すのは、都内某病院の事務スタッフ。手厚い体制が敷かれている私立病院などは別かもしれないが、縦割りの体制が当たり前の国立病院・公立病院では、看護師の離職率は軒並み高いという。

慢性的な人手不足によってもたらされるオーバーワークや労働環境はもちろんのこと、公務員が院内を仕切るためお役所的な風通しの悪さがあったり、院内の派閥争いに辟易して辞めていく者も多いのだとか。

「1年もたない看護師もいますけど、3〜5年目に辞めてしまう看護師が意外に多い。というのも、前述したように退職する看護師が多いので、そのしわ寄せが残った看護師に向かってしまう。例えば、馬車馬のように必死に働く期間が終わり、ようやく余裕が出てくる3年目あたり。

本来であれば一息つける段階なのですが、新人を育てることのできる看護師の人材不足もあって、今度は基本業務に加えて育成の面倒まで見なくてはいけなくなる。するとそれに耐えかねて辞めてしまう・・・新人の看護師を育てることができないと、回りまわってその後の離職率も高めてしまう悪循環につながるんです」(前出・医療スタッフ)

労働環境を良くすることが、なによりの処方箋なのだろうが、なかなかそうはいかないのが現状だ。加えて、離職率を高める大きな要因としてこんな理由があるという。

看護師というのは“濡れ手に粟”なんです。辞めても、比較的再就職しやすい。普通であれば、再就職をするというのはとても負荷のかかること。ですが、高齢化社会になりつつある日本では、多くの病院が慢性的な看護師不足に悩まされている。特に地方になればなるほど不足しているでしょう。日本という大きなくくりで考えたときに、退職する人の数よりも、採用募集数のほうが上回りがちなんです」(前出・医療スタッフ)

なるほど確かに、若手時代にプライベートの時間を犠牲にしてまで働きたくない、数年休んでまた働けばいいや…と考えてしまう人が増えてしまうのも納得だ。

「看護師だけでなく、病院全体として考えていくべき問題。仕組みを変えていかないと、病院も人材も育っていかない。危機感を持つために、やはり私は外国人スタッフの導入をもっと推進していくべきだと思います。うかうかしていたら、働き口がなくなるという意識がないことには、退職と再雇用の繰り返し。劇薬になるかもしれませんが、意識を変えるためには必要なことだと思いますね」(前出・医療スタッフ)



アメリカでの看護師の地位はどのような感じでしょうか?日本の看護師と同じくらい...

この他に、高卒、または短大で1年くらいのアシスタント教育を受けた資格のないNursing Assistant(看護助手)が大勢います。
アシスタントは医療行為は許されず、RNの監督下に置かれ、主としてベッドメーキング、患者の搬送、食事の介助などの肉体労働をします。この人たちは、かなりブルーカラーちっくです。給料は3万ドル以下でしょう。

夫の入院経験で見たところ、病院のRNは4大卒が多くて、かなりエリートちっくですね。
病院勤めのアメリカの看護師は、プライドと専門職としての意識が高く、勉強熱心で、医師相手に堂々と議論しているのを見かけます。日本のように医師の下請けという感じではないですね。
特に、Nurse Practitionerは、ナース服ではなく白衣を着て聴診器を下げていて、医師と見分けがつかないです。

病院の看護師は、汚れ仕事や雑用は看護助手が全てやってくれるので、患者のケアのみに専念してます(看護助手を顎で使ってます 笑)。
ナースステーションに常駐していて、ナースコールですぐに駆けつけてくれますし、日本の正看護師のように雑用で忙しくないから愛想もいいです。
日本のように若いうちに燃え尽きることがないらしく、子持ちの貫禄あるオバチャン看護師が多いです。
給料の高い夜勤を好む看護師が夜勤専門を引き受けているらしく、夜に会う看護師さんはいつも同じオバチャンたちでした。
夜勤専門・準夜勤専門・日勤専門に完全にシフトが分かれていて、仕事は分業なので、日本のように夜勤後に日勤のような無茶なシフトや、引継ぎでサービス残業などの無理な仕事もないんでしょうねぇ。(後略)



新卒未経験の人が、週40時間労働で年収500万円ももらえて、高齢になっても働ける職種なんて、いまどき看護師ぐらいしかないのになぜ資格を取らないのでしょうか 2013年10月2日 株式日記


(私のコメント)

現代の日本では大学を出るよりも国家資格を取った方が給与面でも転職などでも有利だと書いてきましたが、看護師や薬剤師など高給で人手不足なのに、なぜ今の若い人は国家資格を取らないのでしょうか? 大学を出るくらいの学力のある人なら看護師や宅地建物取引主任などとれるはずです。

これらの国家資格を取っていなければ職業に付けないから再就職でも有利にできます。看護師の離職率が高い事が記事になっていますが、病院のマネジメントの問題があるのでしょう。アメリカの看護師はピンからキリまであって、雑用専門の看護助手からMSNまで様々なランクがあります。MSNにまでなれば年収1000万円以上になるそうです。

日本では准看護婦師と看護師に分かれている程度で、看護師は雑用までさせられます。だから看護士もアメリカおようにランクを設けて、ベテラン看護師の待遇改善を図って行くべきでしょう。評判の悪い夜勤に対してもアメリカでは夜勤専門の看護師がいて仕事の分業化が進んでいる。しかし日本では日勤をやったり夜勤をやったり引継ぎなどで非効率な事をやっている。

看護師でもベテランになればMSNのように検診や問診などをやって医師並みの能力が要求されます。このように日本の看護師の離職が多いのはマネジメントに問題がある訳で、能力別に給与体系がきまって分業体制が出来ていれば問題の多くが解決するでしょう。それがアメリカで出来ているのはアメリカの医療費が高いからですが、BSN以上の看護師になれば700万円以上の年収になります。

私は銀行に勤めていましたが、女性が業務の主体であり、平均して3,4年で辞めて行く。その点で病院の看護師とよく似ていますが、やはり能力別の給与体系になっておらず、ベテランになると新人教育と業務の高度化が求められる。その割には給与は増えないから辞めて行く。専門職的な待遇があれば別なのでしょうが、年功序列制度に馴染まない。

若い労働者の年収の低下が問題になっていますが、国家資格を持っていなければ派遣やアルバイトで低賃金で働かされる。これらの仕事は外人労働者でも出来る仕事だから人手不足になると外人労働者に置き換えられる。しかし看護士や薬剤士や建築士など国家資格がなければ仕事が出来ないから外人労働者はなれない。

給料に不満があれば退職してもっと条件に良い病院などにも再就職も簡単だ。結婚や子育て手ブランクが出来ても職場に復帰もしやすい。アメリカの病院でもフィリピンや南アフリカなどの看護師が多いですが、やはり英語が公用語になっているからでしょう。BSNやMSN以上の看護師になれば平均年収よりも高級になるから社会的な地位も高い。

日本で看護師のイメージが低いのは分業がなされていらず、雑用や汚れ仕事までさせるからだ。夜勤や準夜勤なども固定して割増賃金を払うようにすれば希望者は多くなるのではないだろうか? 日本の病院のように正規の看護師に雑用や汚れ仕事をさせていたら看護師の離職が多くなるのは当然だ。厚生労働省は看護師制度を改善すべきだろう。

一般企業でも正社員に派遣やアルバイトがするような雑用や汚れ仕事をやらせていますが、分業ははっきり決まっていないから正社員に何でもさせる。派遣やアルバイトが集まらなければ正社員に負担が被さって長時間労働しなければならず過労死も起きている。

日本では社長が一番早く出社して事務室や玄関先の清掃までする社長がいますが、欧米社会では考えられない事であり、仕事の分業化が出来ていないから社員に清掃の仕事までさせる。どちらも一長一短がありますが、年功序列社会と能力別社会の違いだ。しかし日本でも派遣や非正規社員の制度が定着すれば、能力別社会に変わって行くのだろう。

病院の看護でも、雑用や汚れ仕事をする看護助手は派遣やアシスタントがする仕事であり、給料も200万程度の年収だ。国家資格のない看護助手は外人でも勤まるでしょうが、日本では准看護師が正規の看護師の仕事までさせる事があるようだ。人件費を安くするために看護師に雑用から汚れ仕事までさせれば看護師も定着しないのは当然の結果だ。




映画「テルマエロマエU」 殺し合わないグラディエイターを擁する「現代日本」と
「古代ローマ帝国」。それは「平和」と「武力による拡張主義」の対立に暗喩される。


2014年4月26日 土曜日

「テルマエロマエU」70点 超映画批評

興収60億円近くを記録した愛国お風呂ムービー「テルマエ・ロマエ」。保守的な思想がネットから一般にまで広がり、韓流ブームさえ押し流してしまった現在。日本アゲのああした映画が受けるのは必然である。

「永遠の0」の大ヒットももちろんその流行に乗っているからだが、さすが東宝はマーケットを読む能力が高い。と同時に、10年近く当サイト他で同じ提案をし続けてきた私としても、やっとそういう映画が連発される時代が来たかとしみじみと思う次第である。

真面目すぎる浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、ハドリアヌス皇帝(市村正親)からコロシアムで戦うグラディエイターたちを癒すテルマエを設計してくれと頼まれる。陰惨な殺し合いゲームを嫌うルシウスは、例によってまったくアイデアが思い浮かばなかったが、すると久々に現代日本へとタイムスリップしてしまう。

さて、そこでは日本の相撲力士たちが入浴中。なるほど、彼らがニッポンのグラディエイターというわけだ。日本相撲協会全面協力による成果は、この大爆笑のオープニングをはじめグラディエイター役(曙、琴欧洲)の重厚なアクションなど、あらゆるところで見ることができる。

基本的には前作と同じフォーマットによる笑いの見せ場が繰り返される。今回も、日本のいいところ、がたくさん出てくる。阿部寛演じるルシウスが仰天するたびに、観客は愛郷心を刺激され心地よい快感を得ることができる。

とくに今回は、混浴温泉という素晴らしすぎる文化が登場する。しかもこちらには最終兵器というべき上戸彩までいる。彼女の入浴シーンでは、側面から確認できる驚くべき胸部のボリューム感に全お父さんが驚愕するであろう。このためだけに入場料を払うとしても、少なくとも8億円の熊手を買うよりコスパがいい投資対象である。

殺し合わないグラディエイターを擁する「現代日本」と「古代ローマ帝国」。それは「平和」と「武力による拡張主義」の対立に暗喩される。娯楽映画にこうしたテーマ性を加味することには賛成だが、「平和」を求める側が少々幼稚なのが残念。ルシウスが平和主義者なのは問題ないが、皇帝ともあろうものは、武力の重要性を理解した上での平和主義、という思想をもってしかるべきである。武力と平和は両立する概念である。そこまで言及していればこのお気楽コメディー映画はさらなる深みを持つことになっただろう。

現状は、前作が良すぎたおかげで、その貯金だけで走り切った第2作という感じ。逆に言えばそれだけ優れた企画だったというわけだが、原作を読むと本作で取り上げなかった要素が残っている。それは前作の記事で私が指摘したことそのものである。あえてそれだけは触れずに作りました、という感じがまるわかりなので、おそらく3作目にはここを強調した脚本が用意されることだろう。そして完璧な終幕を迎える、そんな様子が目に浮かぶ。大いに期待したい。



(私のコメント)

ゴールデンウィークと言う言葉は映画業界が作り出した言葉で、昔は映画を見る事がレジャーの主流だった。今では家で大画面のテレビを見た方が安くて、寝転びながら見る事が出来るので、レンタルビデオ屋でDVDを借りた方が楽しめる。しかし映画公開の方が一番早いので早く見たい人は映画館で見る。

私も昨日は、37インチの液晶テレビが壊れたので42インチの液晶テレビに買い替えました。42インチと言っても外形は37インチのテレビと同じサイズであり、テレビ自体も薄くなって軽くなっている。値段も昔は1インチ1万円でしたが今では42インチの多機能液晶テレビが7万円で買える。

画面も鮮やかで、映画館の薄暗い画面は見づらく思える。画質自体もフルハイビジョンは映画館のスクリーンよりも高画質であり、近いうちに4Kのテレビと4Kのソフトが出来たら映画館に行ってみるよりも贅沢な観賞が出来る。しかし映画業界にとっては映画館における興行収入が一番の稼ぎになるので、映画館が最初に公開されることが続くだろう。

今年のゴールデンウィークは、ディズニー映画の「アナと雪の女王」と「テルマエロマエU」が稼ぎ頭になるだろう。やはりアニメとコメディーが家族で見るには一番いいのでしょうが、家族5人で見たら一万円近くが飛んで行ってしまう。それよりもレンタルDVDなら250円で済む。

中国などでは映画館で公開された翌日には海賊版が500円で売られるような世界であり、これでは映画ソフト産業が育つはずも無く、韓国のテレビドラマも一山いくらで売られるようなものばかりだ。やはり映画は映画館で金を払ってみるべきであり、安く見たいのならレンタルビデオで見るのがモラルだろう。

「テルマエロマエ」もレンタルビデオで見ましたが、日本文化と古代ローマ文化に共通点が多い事に気が付く。多神教でいろいろな神様がいたし、ローマ風呂と日本の銭湯との共通性も面白い。たまたま日本もイタリアも火山国であり温泉が沢山あったからでしょうが、昔の欧米人が風呂に入る事はめったにない。

「テルマエロマエU」では、古代ローマ帝国のコロシアムの剣闘士と日本の大相撲の対比を描いているようですが、曙関と琴欧洲関が剣闘士として出演しているようです。確かの巨大なコロシアムで格闘させるのと、国技館で大相撲を見せるのとよく似ています。ブルガリアでセットを組んでロケが行われたそうですが、ブルガリアもローマ帝国の一部だった。

だからブルガリア出身の琴欧洲関が相撲取りになるのも歴史的に見れば不自然な事ではなく、ブルガリアの首都のソフィアのそばには古代ローマ帝国時代のローマ劇場がそのまま残っていて、現代でもその施設が使われているそうです。最近ではエジプト出身の大砂嵐関が幕内力士になりましたが、エジプトや北アフリカにはローマ劇場の遺跡が残っている。

意外と大相撲は国際性があり、モンゴルの力士をはじめとして外人力士が多く活躍するのも、古代ローマの剣闘士たちと同じだ。ローマ帝国は他国の文化や宗教にも寛容であったし、だからこそ大帝国になれたのでしょうが、キリスト教がローマ帝国の国教となってからは他宗教に非寛容となり国家が分裂して行った。

偉大な天皇が明治神宮のように神として祀られたように、古代ローマ帝国でも偉大な皇帝は神として祀られた。多神教国家だから人を神として祀る事も出来ましたが、キリスト教が国教になるとイエスだけが神であり、皇帝などの神殿が作られなくなり祀られなくなって偉大な皇帝がいなくなってしまったのだろう。

「テルマエロマエ」に出てくるハドリアヌス帝も、次のアントニウスによって神格化されて神殿が作られましたが、現代でも神殿跡の円柱が11本残っている。古代ローマ文化の影響は法隆寺などのエンタシスの柱などにもみられますが、キリスト教文化に侵されていないローマの文化は日本に引き継がれている。




中東の民主化も旧ソ連圏の民主化もすべて失敗、アメリカは中東から、東欧から撤退。
つまりアメリカと言う犬が尻尾を巻いて逃げるのがオバマ大統領の務めである。


2014年4月25日 金曜日

日米首脳会談 2月24日 増田俊男

日米首脳会談の声明文に安倍首相は、「尖閣諸島は日本の施政権下にあり、不測の事態に際しては日米安保により米軍は安全保障行動を執る」と明記してもらいたいところだが、TPP交渉で豚肉その他の関税率で大筋の決着がつかなければ、ケリー現国務長官やヘーゲル国防長官の発言を大統領の口から言ってもらうにとどまるだろう。オバマ大統領は中国に対しては一貫して「弱腰」で通してきた。ヒラリー前長官に代わって力を背景にした外交を好まぬケリー長官を任命、さらに中東戦争を仕切ったパネッタ国防長官に代わって、核廃絶を主張しベトナム戦争に反対してきたヘーゲル氏を新長官に任命した。さらに親中国派でG2(中国とアメリカでアジアの安全と秩序を仕切る)を掲げる国連大使スーザン・ライスを安全保障担当大統領補佐官に抜擢。共和党タカ派に「対中弱腰、腰抜け外交」と言われるように対中「気使い過ぎ」の外交指針である。

今回の私の「小冊子」(Vol.56)で、「オバマ大統領の役目」という項で詳しく述べるが、対中、対ロのオバマ弱腰政策には「深い意味」がある。

安倍首相が望むオバマ大統領の対中「強気メッセージ」は「故あって」オバマ大統領が望むところではない。日米TPP交渉が決着出来なければオバマ大統領にとっては「きつい言葉」を中国に発しなくて済むから幸いである。

オバマ大統領の本来の務めは習近平中国国家主席をより増長させて尖閣諸島に攻勢を掛けさせることであり、ロシアのプーチン大統領に対しては、ウクライナから始まって他の旧ソ連衛星国へ積極的に進出させることである。

中東の民主化も旧ソ連圏の民主化もすべて失敗、アメリカは中東から、東欧から撤退。つまりアメリカと言う犬が尻尾を巻いて逃げている姿を中国とロシアに見せるのがオバマ大統領の本来の務めである。オバマ大統領は今のところ見事に役目をはたしている。やがて日本の利益にもつながることだから、本当は、ここは安倍首相は、あまりオバマ大統領に無理な頼みはしない方がいいのである。ミスター弱腰のケリー国務長官や、まるでべ平連並のヘーゲル国防長官が尖閣諸島については何度も談話を繰り返しているのだから、その踏襲と言うことにした方がいいのだが、、、。

日本は、「待てば海路の日和かな、、」ということもある。



(私のコメント)

ゴールデンウィークが明日から始まりますが、平和な日本は行楽客で日本中の観光地は人であふれる事でしょう。高速道路や新幹線や海外旅行客などをテレビでは放送し続けますが、数としては家でゴロゴロと言った人が一番多いようです。私も家でゴロゴロ派ですが、最近は金を使いすぎて金欠で身動きが出来ません。

8%の消費税の増税で鉄道の運賃も上がり、タクシーの運賃も上がりました。今回の消費税の増税は便乗値上げが多いようです。失業率も3%台で完全雇用に近い状態であり、人手不足が表面化して賃金の上昇も近いうちにあるでしょう。確かに円安は輸入物価を押し上げてきますが、円安株高や人件費の相対的な低下は国内的には好景気をもたらします。

アメリカはドル安株高政策で90年代から続けてきましたが、リーマンショックでドル安株高は何時までも続けていられないだろう。湾岸戦争からイラク戦争やアフガニスタン戦争まで戦争で何とか景気を持たせてきましたが、ゲリラ相手の戦争は景気対策にならず、国内には厭戦気分だけが広まります。

リーマンショックと厭戦気分の中で大統領に選ばれたのがオバマ大統領であり、ベトナム戦後におけるカーター大統領とよく似ています。カーター大統領はイランとの人質外交にしくじって、その後のレーガン大統領の誕生に貢献しましたが、オバマ大統領も同じようにクリミアや南シナ海で中露に融和的な対応をすることが求められているようだ。

アメリカはハト派の民主党政権とタカ派の共和党政権を交代させながら来ましたが、民主党が二期続けば次は共和党政権が二期続くように大統領が選ばれている。だからオバマの次はだれか分かりませんが共和党の大統領が選ばれるのだろう。オバマ政権は揃いも揃って親中派の高官が選ばれていますが、中国をその気にさせるには罠を仕掛けなければ中国は乗ってこない。

安倍総理は、尖閣を守ると息巻いていますが、中国を罠にかけるには日本もアメリカのように弱腰と見られた方がかかりやすい。次の火種は朝鮮半島になるか尖閣諸島になるか台湾になるか分かりませんが、日本周辺が大変にきな臭くなるだろう。集団的自衛権も課題ですが、ロシアがクリミアを乗っ取りに来たように、中国も尖閣か韓国か台湾を取りに来させるように仕向けなければなりません。

アメリカは10年おきに戦争をしなければ持たない国であり、それもミサイルや戦闘機や軍艦がドンパチやるような戦争でないとアメリカの軍需産業は儲からない。日本の真珠湾攻撃も日本を罠にかけて引っかかった結果ですが、アメリカは戦争に消極的だと思わせないと、相手国は罠に嵌らない。

オバマ大統領の「世界の警察官を降りる」発言は曲者であり、ロシアのクリミア半島奪取もアメリカは動かないと思わせるための仕掛けだ。これでロシアや中国の強硬派が勢いづいて手を出してくるだろう。それが何処になるかまだ分かりませんが、アメリカは巡航ミサイルや爆弾や砲弾を作り続けて、年数が経てば処分しなければなりません。

オバマ大統領の役割は、プーチンや習近平を増長させて罠にかける事ですが、ロシア周辺や中国周辺地域はきな臭くなってくるだろう。日本も集団的自衛権を行使できるようになって戦争に駆り出されるかもしれない。




韓国の旅客船の沈没事故は、起こるべくして起きた事故であり、荷物のコンテナも
固定せず、重量配分もデタラメで、海流に流され舵を切ったら荷崩れで転覆した。


2014年4月24日 木曜日

<韓国旅客船沈没>航海士が証言「天気よければコンテナ固定せず…旅客船の入出港は問題だらけ」 4月23日 中央日報

 「(清海鎮海運の船舶は)ずっと前からコンテナ固縛装備(ラッシングバー、Lashing bar)をきちんと備えていなかった。ほとんどロープで縛ったり、天気がよければそのまま載せて目的地へ向かう」(1等航海士A)

  「安全点検は形式的だ。船会社−運航管理室(海運組合)−港湾庁−海洋警察など関連機関すべてがそうだ」(1等航海士B)

  元・現職の航海士が話す沿岸旅客船の「安全不感症」の実態だ。中央日報はセウォル号沈没事故を受け、元・現職の1等航海士2人、2等航海士1人、3等航海士1人の計4人から、沿岸旅客船の安全管理実態に関する証言を聞いた。

  航海士は「沿岸旅客船は出港準備段階から入港のまで問題が多い」と話した。貨物からしてそうだ。セウォル号では甲板上のコンテナをきちんと固縛していなかった。コンテナの下の穴に「ラッシングバー」を掛けて甲板に固定するべきだが、船会社はこれを一部のみ確保している。下のコンテナと上のコンテナを固定する装備の「コーン(固定ピン)」もなかった。

  昨年セウォル号に3カ月間乗った航海士Aは「波が高くない時は最初から固定せず出発した。全国の他の沿岸旅客船も状況は似ている」と話した。

  荷物を積む順序と配置も問題だった。重量を区分せず船積みした。船舶は荷物の重さを計算し、左右の均衡を保たなければならない。そうしなければ片方に傾く。航海士は「貨物のため出港前に船が傾けば便法を動員した」と語った。貨物の船積み状態や安全を点検する1等航海士が平衡水をあらかじめ調節する方法を通じてだ。

  平衡水は運航中に潮流などで船が傾く場合、均衡を保つために、船舶の下部左右のタンクにためておく水だ。この航海士は「平衡水をあらかじめ調節すれば、緊急時にきちんと対応できない」と述べた。

 セウォル号に乗船した元1等航海士Bによると、昨年清海鎮(チョンヘジン)海運所属のオハマナ号が仁川を出て済州に向かう途中、こういうことが発生した。船は潮流のために傾き、航海士は右側の平衡水を少しずつ出して均衡を合わせていった。3、4度傾いた船を平衡にするためには平衡水50トンを加えるか捨てなければならない。しかし出港前から少なかった右側の平衡水はすぐになくなった。左側平衡水は一杯になっていた。船は数時間、傾いた状態で済州港に入港した。Bは「下手をすれば沈没しかねない危険な状況だった」と話した。2等航海士Cは「セウォル号の平衡水状態も同じだったと思う」と語った。

  航海士らは「沿岸旅客船の安全点検も徹底していない」と話した。貨物の船積み状態、乗船人員は海運組合運航管理室が点検する。船舶の機能や安全設備などの点検機関は韓国船級だ。海洋警察は運航管理室を管理・監督する。

  3等航海士Dは「海運組合運航管理室と韓国船級は徹底的に点検せず、海洋警察はこれに目をつぶる構造」と話した。セウォル号の1等航海士だったAは「実際には検査をせず、検査有効期間だけを変えて表記しておく点検項目もある」と語った。


(私のコメント)

東日本大震災にしても、韓国の大型旅客船沈没事故にしても、大事故には必ず大事故につながる原因がある。東日本大震災は天災ですが津波が多い地方であり、防災訓練が出来ていた小中学校では一人も犠牲者が出なかったが、大川小学校のような防災訓練が出来ていない所は逃げ遅れて多くの犠牲者が出た。

福島の原発災害でも、原子力安全保安院から津波対策を指摘されていたが、東京電力の勝俣会長は聞いていないととぼけていた。天災は防ぎようがないが被害を最小限に食い止める事が出来るはずだ。韓国の旅客船沈没事故は100%人災であり、今までこのような事故が起きなかったことが不思議なくらいだ。

中国や韓国やアジア諸国は、日本で建造されたフェリーや客船などの中古船を買い取って運用しているケースが多く、自動車や鉄道車両などもアジアではよく見かける。工場の製造設備なども中古品として売られて使われていることも多く、韓国の旅客船も日本の中古船だった。

問題は、改造されて上部の客室が二階建てから三階建てに増築されて重心が上がって不安定になっていたと思われる。さらには車両やコンテナなどの荷物が過積載で、車止めやロープなどでの固定がされておらず、出向ぎりぎりまで車やコンテナの搭載が続けられていた。これでは荷物の固定がされずに荷崩れが起こるのは想定できる。

何事も利益が最優先されて、船長から航海士まで半数以上が非正規雇用の船員たちで、不利な状況での業務が強いられて、過積載や荷物の固定などの安全対策も会社側が十分な指導をしていなかったと思われる。中央日報などの記事を読めばそれが裏付けられていますが、潮の流れに流されそうになって舵を切ったら船が傾いて荷崩れを起こして転覆したと思われる。

普通の傾きならバラスト水で調整してバランスを保つのですが、船に荷物を積み込む時も重量バランスを取る必要がありますが、それが適当で船が傾いたままバラストで調整していたのかもしれない。しかしそれで船が傾いたらバラストだけでは平衡が保てずに転覆したのかもしれない。

修学旅行中の高校生の犠牲が多かったのは、60度以上傾くと船外に出る事が難しく、90度に傾いた場合、船は浮かんでいても真上によじ登らねばならず出られなかったのだろう。傾きが浅いうちなら船外に脱出も出来たが、船室に居た場合は外に出る窓や扉も真上に上らなければ出られないから無理だったのだろう。

貨物船やタンカーは、船底に穴や亀裂でも開かない限りは波をかぶっても船体が密閉されて鉄の箱は沈むことはめったにない。客船の場合は上部構造は窓や扉が多いから、転覆すると船体に水が入ってきて沈んでしまう。一番の原因は荷物の過積載や荷物の固定がずさんで荷崩れから転覆したと思われます。

さらに船員たちの安全管理がずさんで、船長が真っ先に船から逃げ出してしまった事で、乗客も船室ではなく甲板上に集合して、万が一の事故に備えるように誘導すべきだったのだろう。救命ボートなども出された形跡が無く、コンテナなどが船の周りに浮いていたのは固定されていなかったからだ。

このように運用そのものが利益最優先であり、船長や船員も臨時雇いでは安全航行など出来るわけがない。日本企業もアルバイトや派遣などの非正規社員が増えてきて、企業のモラルが下がってきている。工場などの爆発災害が日本でも増えて来ていますが、ベテランの操作員が首になって、下請けの非正規社員が工場の設備を管理して、安全管理がずさんになって来ている。




アメリカにおいて企業の利益が増加する一方で、雇用や所得が増えていない
ことを指摘しています。テクノロジーの浸透が労働の二極化を推し進めている


2014年4月23日 水曜日

「技術的失業」について ー テクノロジー崇拝が資本主義を不安定化する? 2013年11月20日 ASREAD

テクノロジーが雇用を奪う?

 2011年にアメリカで『機械との競争(Race Against the Machine)』という本が出版され、2013年に日本語にも翻訳されて少し話題になりました。情報技術をはじめとする近年のテクノロジーが、これまで人間が担っていた仕事をかつてない勢いで代替しつつあり、すでに雇用にネガティブな影響を与えていて、かつこれからも与え続けるであろうと論じた書籍です。[*1]

 本書の著者たちはアメリカ経済に関する基本的な統計データを比較して、企業の利益やGDPが伸びているにもかかわらず雇用が落ち込んだままであることや[*2]、労働生産性とGDPの伸びが90年代までは雇用や家計所得と連動していたのに、2000年代に入ると乖離し始めて、雇用と所得は伸び悩んでいること[*3]などを示し、これらの背景には、グローバル化による賃金抑制圧力と並んで「テクノロジーによる仕事の代替」が強く影響していて、その効果が未だ十分に分析されていないのだと指摘しています。

 ただ、この書籍自体はそこそこ話題になったものの、後述するようにテクノロジーが雇用を奪うという「技術的失業(Technological Unemployment)」[*5]の議論は、ビジネスマンにも経済学者にもあまり人気があるとは言えないものでしょう。19世紀始めの「ラッダイト運動」を始めとして、「機械に仕事を奪われる」という懸念が高まったことは歴史上何度かありましたが、少なくとも長期的には、「新たな仕事」が生み出されることによって人々の所得は全体として増加し、大多数の人がテクノロジーの恩恵を享受してきたと言えます。
 また近年、日本を含む先進国で賃金や雇用が減少したり伸び悩んだりしているのは、主として「グローバル化」による低コスト競争や、デフレ不況による総需要の不足が原因なのであって、テクノロジーの影響は相対的には小さいでしょう。
 しかし後述するように、テクノロジーの急速な進歩が短期的には失業を生む効果があること、高スキル労働者と低スキル労働者への二極化を促して所得格差を拡大すること、企業活動のグローバル化とも無関係ではないこと、そして労働者から資本家へのパワーシフトを加速することなど、考えなければならないことがいくつかあって、「技術的失業」にまつわる議論も無視することはできないと思います。

急激に進歩するテクノロジー

 ビジネス誌を開いてみると、いわゆる「ムーアの法則」[*1]に従って現在もコンピュータの性能が向上し続けており、インターネットをベースとした様々なサービスが情報の蓄積と共有を劇的に効率化していて、さらには「ビッグデータ」の解析によってかつては手も付けられなかったような複雑な現象が機械的に解明されるようになってきている……というようなことが毎日のように語られています。そして、従来は「人間にしかできない」と言われていたようなプロセスまで、どんどん自動化が可能になりつつあると報告されています。
 『機械との競争』にも取り上げられている例でいうと、IBMの「Watson」というコンピュータは、自然言語の文脈や暗示的な意味まで含めて理解しなければ回答できないクイズ番組で、人間のチャンピオンを負かすようになりました。また、数年前まで自動車の運転は「複雑すぎて機械では置き換えられない仕事」の代表と言われていましたが、Googleが開発した自動運転車は、無数のセンサーで収集した周囲の情報を毎秒1GBの速度で処理し、完璧な精度で一般道を走行することが可能で、すでに数十万kmの走破実績があります。(道交法に違反しないよう運転席に何もしない人間が座って実験しているそうです)[*2]
 
我々の身近にあるものを挙げてみると、同じくGoogleの自動翻訳サービスは無料で使えますが、そこそこの翻訳結果が得られます。私も仕事で、まったく分からないフィンランド語や韓国語などで書かれたウェブサイトを、Googleの自動翻訳で英語や日本語に翻訳して読むことがありますが、だいたいのことは理解できるので重宝しています。くだらないところでは、鼻歌を歌えばそれが何の曲なのかをかなりの高精度で教えてくれるスマートホンのアプリなども存在しますね。

消えてゆく仕事

 これらの技術やサービスが、人間の仕事と同じクオリティに達したとはまだ言えないとか、所詮自動化可能なのは事前にプログラムされたタスクだけであるということは、重要な指摘ではありますがここではあまり問題ではありません。「機械やコンピュータでも、そこそここなせる仕事」が増加する結果として、相対的に労働需要が減少していく場面があるということが問題なのです。
 『機械との競争』の出版後、いくつかの媒体で「技術的失業」の問題が特集されており、テクノロジーの進歩が労働力を不要にしつつある業種や職種が具体的に挙げられています。
 インターネット上の媒体でいうと、たとえばBusiness Insiderが「今後30年で消える職業」と題した記事を掲載しており、農家、郵便の仕分け、縫製、データ入力などの分野で、仕事の大部分が失われていくだろうと指摘しています[*1]。また、Thomas Freyという企業家が、今後姿を消しそうな職業をリストアップして、「2030年までに、世界で20億人分の職が失われるだろう」と論じた記事も話題になっていました。[*2]
 2013年3月には、日本でも『週刊東洋経済』が「2030年 あなたの仕事がなくなる」という特集を組んでいます。最近数年の間にITの浸透などによって数が急減した職業が紹介されており、たとえばPCソフトの充実で会計・経理関係の専門職の需要が減っているといった話にはリアリティがあります。アメリカにおいては、法律文書の作成がPCによって効率化したことにより、弁護士の需要も減る一方だそうです。[*3]
 2013年8月には『日経ビジネス』も「ロボット vs 職人社長」という特集を組んでいて、ラーメン職人や宮大工などの仕事が機械化可能であるかどうかを検討しつつ、吉野家の牛丼盛りつけ機やイチゴ農園のイチゴ摘みロボットなど最新の技術を紹介して、「ロボット化」「コンピュータ化」「既存技術の発達」という3つの側面から、今後「無人化」されそうな業務を例示しています。[*4]
 なお、これらビジネス系の媒体に総じて言えるのは、「時代は急速に変化しているのであり、我々も遅れを取らぬよう危機感を持って自己研鑽に励まなければならない」という、ビジネスマン向けの啓発のようなメッセージに貫かれていることです。
 そもそも『機械との競争』の著者たちもMIT Sloanというビジネススクールの教授であり、Center for Digital Businessという研究所のメンバーですから(私は仕事で出張した際に、その研究所が開いたカンファレンスを聴講して、初めてこの議論を知りました。)、結局のところ「それでもテクノロジーは素晴らしい」「イノベーションを推し進めよう」という結論に変わりはないのです。(中略)

「格差を拡大する」という観点が重要

 冒頭で触れたように、『機械との競争』の著者たちは、アメリカにおいて企業の利益が増加する一方で、雇用や所得が増えていないことを指摘しています。日本の場合を見てみると、企業の利益がリーマンショックなどを挟んで上下しながらも成長を続けている一方で、賃金(名目)は過去15年間ほど一貫して減少し続けています[*1]。企業が繁栄する一方で、家計はあまり豊かになっていないというのが実情なのです。

 家計の所得が増えないことの主な理由は、「グローバル化」でしょう。工場は海外へ移転されてしまい、事務作業についても中国のアウトソーシング会社へ発注するなどしてコスト削減を図るのが容易になりました。またこの間、派遣法の改正などもあって、非正規雇用の割合が著しく増加(今年に入っても増加を続けている)しており、これも全体としての賃金抑制の要因の一つでしょう。
 これらに比べて「テクノロジーの進歩」は主題化されることが少ないですが、無関係であるとも思えません。ITの発達がなければ、社内事務を簡単に中国のアウトソース会社に発注できるようにはならなかったでしょうし、正社員が行っていた事務を派遣労働者やアルバイトに任せられるようになったのも、IT化や機械化が進んで事務そのものが単純化したからでしょう。
 単純で付加価値の低い労働が増えるということは、賃金格差が大きくなるということでもあります。この「格差の拡大」という観点のほうが、「機械に仕事が奪われる」という観点よりも重要だと思われます。機械やコンピュータが従来の仕事を自動化すると、単調な事務作業から解放されて「新しいこと」を考えられるようになるクリエイティブな層と、それ以外の(たとえばPCや機械を操作するだけといった)単純労働に従事する層へと、労働者が二極化していくという議論が存在するのです。
 たとえばロバート・ライシュは2000年に出版した『勝者の代償(原題:THE FUTURE OF SUCCESS)』という本の中で、次のように現状を描写しています。情報技術の発達やグローバル化の進展によって、「より高品質の商品を、より安く、より速く」提供することを求める圧力がかつてないほどに高まっており、我々は消費者としては様々な恩恵を得ているものの、その反面で生産者としては“狂乱状態”の競争に晒され、不安定な状況に置かれている。競争が激化すればするほど、「より良い」商品を考案するためにクリエイティブな能力を持った人材への需要が高まって、彼らの賃金は上昇する。しかしその一方で、「より安く」生産するために、単純な労働は機械やコンピュータ、そして新興国の低賃金労働者によって代替される圧力が働くので、所得格差が拡大して労働者の二極化が起きているというわけです。
 なお、テクノロジーの浸透が労働の二極化を推し進めているという傾向については、実証的な研究もいくつか見出すことができます。[*2][*3]

3組の「勝者」と「敗者」

 『機械との競争』は、格差について面白い指摘をしています。近年のテクノロジーの進化によって、基本的な情報処理を行う仕事が減少していく一方で、需要が堅調なのは「高度に知的な仕事」と「肉体労働」なのだそうです。ITの発達によって、中ぐらいのスキルの知的労働は需要が減っていますが、接客などを含む微妙な肉体労働は案外、機械への置き換えが難しいということです。
 なお、先の『週刊東洋経済』の特集記事でも、2000年から2005年の間に減った職業と増えた職業が集計されているのですが、それによると減った仕事の1位は会計事務員で▲30万人以上、そして増えた仕事の1位は介護職員で+40万人近くとなっています。
 『機械との競争』は、テクノロジーの発達によって3つの意味で「勝者」と「敗者」が生まれ、格差が拡大していると指摘します。
 第一に、「高スキルな労働者」と「低スキルな労働者」の格差です。良質な製品を考えるためのクリエイティブな人材と、低コストでのオペレーションを担う単純労働者とに、需要が二極化していくわけです。
  第二に、「スーパースター」と「それ以外」の格差です。これは、たとえばGoogleやAmazonの例にみられるように「一人勝ち」をする巨大企業の出現が増えているという指摘です。ウォルマートのような小売企業(日本で言えばイオンやセブンイレブンをイメージすれば良いでしょう)に関しても、同じビジネスモデルを広範囲に展開できるようになったのは、ITや機械の充実によって同様のオペレーションを別の場所で実行することが容易になったからで、こうなると独占が生まれやすくなるのです。
 
そして第三に、「資本家」と「労働者」の格差です。最新のテクノロジーを駆使した機械設備やソフトウェアなど「物的資本」がビジネスの競争力の源泉になってくるということは、生産プロセスにおける「人的資本」の重要性が相対的に低下するということであり、これはすなわち物的資本の所有者である資本家の取り分と権力が拡大することを意味するわけです。後述しますが、経済学者のP・クルーグマンもこの点を強調しています。(中略)

問題を整理する

 テクノロジーの急激な変化が雇用や労働に及ぼす影響についてどのように考えれば良いのか、いったん問題点を整理してみましょう。
(1) 少なくとも短期的には、失業を発生させ得る。
(2) 長期的にはテクノロジーがもたらす恩恵が大きいにしても、大きな技術革新のたびに失業その他の混乱が発生するのであれば、そのこと自体が我々の社会の一つの慢性的な課題であるとも言える。
(3) 今、我々の経済システムに過度なグローバル化や労働市場の流動化(非正規雇用の増加)が生じているのだとして、ITの発達がその促進要因の一つになっている可能性は高い。
(4) 最新のテクノロジーを使いこなして新たな価値を生み出すクリエイティブな層と、テクノロジーに使われる側となる単純労働者への二極化が置き、所得格差を拡大する。
(5) テクノロジーへの依存度が上がるということは、労働者から資本家への権力のシフトを意味し、経済の金融化を助長する一因ともなって、資本主義を不安定化させる可能性がある。
(6) ITが実現するコミュニケーションの高速化が、金融取引を流動化し、市場を不安定化させる面もある。
(7) 職業は個人の人生やコミュニティの形成と密接に関わっており、あまりにも速いイノベーションは、人々のアイデンティティを不安定化させ得る。
(8) 現在我々の経済はデフレ不況下にあるので、テクノロジーの進歩が需要の増加を伴わずに供給能力を増加させた場合、経済状況を悪化させ得る。
 
では、これらの問題点があるのだとして、我々はどのような行動を採るべきなのでしょうか。
 私は個人的には、ラッダイト運動のように「新しい技術を断固として拒否する」という態度もある意味好きではありますが、一般的には受け入れられ難いでしょう。既に述べたように、技術の進歩こそが生活を向上させるという固い信念が我々の社会には存在するからです。
 また、たとえば軍事力のようなものは技術力と密接に関わっており、食料やエネルギーのような分野においても技術の水準が国家の生存に関わる場合はあるはずですから、技術の進歩自体に抵抗するというのは合理的ではないでしょう。
 しかし、だからと言ってイノベーションを全面的に加速すれば良いのかというと、そうでもないとは言えると思います。
テクノロジーの進歩は長期的には新しい仕事を作り出すかも知れませんが、今まさに失業している人にそんなことを説いても何の慰めにもなりません。また、所得格差の拡大は社会の不安定化につながりますし、デフレ効果を持つようなイノベーションは、「今」起きないほうが良いとも言えるでしょう。
 過剰な「市場主義」や過剰な「営利精神」が資本主義を不安定化させるのと同じように、過剰な「テクノロジー崇拝」も資本主義を不安定化させる可能性があるのです。

「技術的失業」対策に関する三つの見解

 「技術的失業」がテーマとして論じられるときに、どのような政策的措置を採るべきかについての見解は、おおよそ以下のような三パターンに集約されると思います。
 第一の見解は、イノベーションは基本的に起こるままに任せることとし、それが失業を生むのであれば、「教育」によって労働者を新たな仕事に適応させる努力をすべきだというものです。『機械との競争』の著者もこの立場を採っていますし、おそらく他の経済学者もビジネスマンも、大半の人はこの見解を支持するのでしょう。
 私も教育は大事だと思いますが、気になるのは、新たに生み出される仕事が、能力の高い人から低い人にまで幅広く行き渡るようなものであり得るのかということです。フィルムカメラ工場の労働者がデジカメ工場に転身するというのであれば、教育による適応はある程度容易かも知れません。しかし、単純労働者をクリエイターに成長させるような教育が多くの場合に成功するのかは疑問です。もしテクノロジーの進歩が、「中程度のスキルを持つ労働者」との組み合わせで価値を発揮するようなものではなく、「高度に知的なクリエイター」と「低賃金の単純労働者」との組み合わせによって価値を生むようなものであった場合には、教育が無力となる可能性もあるでしょう。
 第二の見解は、「教育」によって多くの労働者を新たな環境に適応させるのも実際には難しいので、セーフティネットを整備すべきだというものです。経済学者のP・クルーグマンは、「技術的失業」の問題が教育によって解決することはないと断じています。クルーグマンは、今起きているのは高スキル労働者と低スキル労働者の対立ではなく、「労働者」から「資本家」へ富が移転していくという構造的な問題なので、教育が格差縮小の術になるかどうかは疑問であり、できることといえば、最低所得保証や医療などのセーフティネットを整備することぐらいだろうと主張しています。[*1][*2]
 第三の見解は、イノベーションのあり方そのものに方向付けを与えようというものです。経済学者のJ・E・スティグリッツが最近のインタビュー記事で、コスト削減のためのイノベーションはもうやめようと発言しています[*3]。これは裏を返せば、労働者の所得を増やすような種類のイノベーションを後押ししていこうということでしょう[*4]。具体策を考えるのはもちろん簡単ではありませんが、例えば土木建設のように雇用創出効果の大きい分野へ公共投資を行うことも考えられますし、
福祉や介護のように需要があるにもかかわらず賃金が伸び悩んで人材が集まらない分野においては、逆にテクノロジーへの投資を促して生産性を高め、1人あたりの所得を増やすことが必要かも知れません。

イノベーションの促進と大きな政府

 上記三つの見解のいずれも無視することはできないでしょうが、ここで確認すべきなのは、どれをやるにしても「政府」が積極的な役割を果たさなければならないということです。
 新たなテクノロジーを実際に開発するのは民間の企業や研究者だとしても、雇用を生みやすくするように大まかな方向付けを与えたり、技術の変化に適応するための人材育成を強化したり、一時的な失業から労働者を保護したりといった活動は、政府が担うべきものです。

 いわば、弊害を抑制しつつイノベーションを促進するためには、大きな政府が必要とされるということであって、現在も推し進められているようなほぼ「規制緩和」のみを軸としたイノベーション政策とは、方向性の異なる議論を行わなくてはならないのです。



(私のコメント)

昨日の続きになりますが、雇用問題で景気が回復しても企業業績も良くなっても社員の給与がなかなか上がらないのはなぜかという問題が起きています。労働組合がもっと頑張ってストライキなどをして賃上げに励めばと思うのですが、企業は労使紛争を嫌って海外に工場を移転させてしまうという現象が起きています。

ホワイトカラーの事務職も、コンピューターの普及によって事務が少人数で管理できるようになった。昔ならタイピストのOLが沢山いて若い女性の事務職の需要が沢山あった。しかしワープロの普及でタイピストは要らなくなり、経理事務もパソコン会計ソフトの普及で経理事務員は要らなくなった。

パナソニックなどは7000人いた本社社員を数百人まで減らしているそうですが、本社と支社のネットワーク化で管理は人手がかからなくなった。製造工場などもコンピューター化が進んで工場には工員は要らなくなり無人化に近い工場が増えている。今までは中間所得層だったサラリーマンや工員が要らなくなり、高所得の管理職と低所得の現場作業員との格差が広がってきている。

朝日新聞でも東大出身の新入職員がいなくなったというニュースがありましたが、ネット化が進めば新聞は要らなくなる。記事を書く人も高学歴のエリート記者は要らなくなり、現場を這いずり回る土方作業に近くなるだろう。あるいは記者のフリーランス化が進むだろう。紙の新聞は宅配システムで支えられてきましたが、20代の若者は新聞を読まない。

女性の職業も、経理や総務と言った事務作業はコンピューター化で少ない人数で出来るようになり、花のOLも死語になってしまった。女子工員も工場の海外移転や無人化で必要が無くなり地方には職業の受け皿が無くなってしまった。農作業も若い女性はやりたがらないから農家に嫁の来手はない。

農業もコンピューター化でハウス栽培などコンピューターで管理するようになり、農業の企業化がこれから進むだろう。農業すら人手がかからなくなり大規模化や差別化が進んで産地直売が主流になり、農協すら必要が無くなるかもしれない。このように地方には雇用がどんどん減って大都会に若者は集まってくる。

大都会でも個人商店が少なくなってコンビニやスーパーに入れ替わりましたが、これもコンピューター管理が進んできたためだ。コンピューター化が難しいのは飲食や娯楽サービス業ですが、個人の嗜好や味付けなどはコンピューター化に馴染まない。女性の高所得のNO1は風俗業であり、一人で年収が数千万円も稼ぐ風俗嬢も珍しくなりません。

以前に風俗嬢の事を書いたら風俗業を勧めるのかと言ったクレームがつきましたが、現実を言ったまでの事であり、今では若い女性なら誰でもなれる職業ではなく、就職しようとしても7割の女性は年齢や容姿などの問題ではねられるそうです。デリヘル嬢になっても客の所に行ったらチェンジを要求されたら仕事にならない。

飲食業も一種の接客業だから、気を使う仕事でありスピードや技能が要求されます。回転寿司なども飲食の自動化が進んできましたが、少人数で大量の客を裁くことができる。しかし寿司ネタやシャリなどの選定はベテランがやらなければ質が落ちる。牛丼やラーメンなどもチェーン店よりも職人の味付けで客を集めなければならない。

経済発展と技術の進歩で、一次産業や二次産業はコンピュータ化が進んで人手がかからなくなった。三次産業のサービス業は海外移転もコンピューター化も難しい面がありますが、個人の力量が要求されます。銀行業もサービス産業ですがコンピュータ化が進んで出し入れはATMでするようになり人手が要らなくなった。

だから同じサービス業でも、低レベルのサービス業と高レベルのサービス業とでは所得に大きな開きが出てくる。技術の進歩とコンピューター化は生産性を飛躍的に向上させて、産業革命以上の変革をもたらしている。生産性の向上は100倍から1000倍になる事も珍しくは無くなり、それに伴ってマネーも拡大させなければ価格の低下を招いてデフレになってしまう。

コンピューター自体も性能の向上と価格の低下が著しくなりましたが、生産性が向上した分に比例してマネーも供給しなければメーカーは値下げして売らなければならない。特に家電製品の値下がりが激しいが、中国から格安で製品が入って来るからだ。日本製なら5万円するものが中国製だと9千円で売っていたりする。これでは日本の製造業が成り立たないのであり、日本は中国に合わせて円安誘導すべきだった。しかしアメリカは中国の元安は認めても日本の円安は認めなかった。アメリカの自動車業界がうるさかったからだ。

オバマ大統領がきょう来日しますが、TPPが全面的に妥結するとサービス産業も自由化されて、医療や弁護士や金融などが自由化されますが、カルテや法律文書や経営報告書などを英語にしろと言ってくることは目に見えてくる。つまり日本語ですら非関税障壁だと訴えて来るかもしれない。やがては日本語を廃止して英語を公用語にしろと訴えてきても国際司法機関はアメリカ主導だ。(わかりやすく極論を述べました。)




新規出店の増えているコンビニエンスストアも採用が厳しい。都心部のビジネス
街ではコンビニスタッフの時給を昼間でも1000円台とするところも出てきた。


2014年4月22日 火曜日

人手不足、どうしのげばいいのか 4月22日 岡本裕明

失業率3.6%。90年代後半以来の低い日本の失業率は見かけの数字だけならば主要先進国では極めて良好な成績であり、どこからも文句は出そうにもありません。しかし、日本の社会にはじわじわと悪い影響が出てくる可能性を秘めています。今日はそのあたりを考えてみましょう。

まずは最近のニュースから。(日経より)

「すき家は今年に入り、店舗に従業員を配置できないことから最大123店舗で一時休業を強いられ、124店で午後10時から午前9時までの深夜・早朝営業を休止した。」

「アルバイト・パートの時給上昇が続いている。求人情報大手のリクルートジョブズが18日発表した三大都市圏(首都圏・東海・関西)の3月の募集時平均時給は前年同月に比べ0.6%高い。人手不足に悩む外食各社が募集をかけた結果、飲食業の求人件数も49.9%増えた。」

ラーメン店「日高屋」を運営するハイデイ日高は特に首都圏の店舗で苦戦しているという。「時給を1000円にしても応募がこない」(同社)店舗もあるという。

新規出店の増えているコンビニエンスストアも採用が厳しい。都心部のビジネス街ではコンビニスタッフの時給を昼間でも1000円台とするところも出てきた。

いまやチェーンの飲食店に行けば非日本人が注文を取りに来るケースが多々見られますが、上記のニュースの通り人が集まらない深刻な状況が原因のひとつでありましょう。建設現場でも最近は外国人が混じっているのをよく見かけますが、これも同様の理由です。

失業率3.6%は80年代の好景気時代の2%台に比べるとまだましに見えますが、経済学的にはこれ以上下がるのは好ましくありません。理由は労働の質が低下するのです。経済学部の1年生ぐらいで勉強すると思いますが、数字上の完全雇用である0%とは希望すればどんな人も仕事にありついている状態であります。これは仕事を求める被雇用者の立場の数字であって雇用する側は全く労働力が足りず、それこそ猫の手も借りたい状態なのです。当然、生産物の品質、工期や納期が守れず、ブランドの信頼が崩れることに繋がります。

つまり、失業率が2%台に突入するようなことになると非常に厳しい状態となるのです。ましてや80年代と相違し、今は仕事のミスマッチが多い上に少しでも厳しい仕事を要求すればブラックとか3Kといった形で表面化してしまいます。

マクドナルドの既存店売り上げが下がるもう一つの理由は店員が疲れ切っているから、とも言われています。スマイルゼロ円が売りのマックから笑顔が消え、客席のテーブルは荒れ放題となっているその理由は人手不足に限界効率を求めたしっぺ返しと考えられます。

ユニクロが非正規社員を正規に移籍する理由はもともと離職率が高い同社において安定した労働力を確保するための何ものでもないのです。

つまり、日本の労働市場は正にギリギリのところまで来ているといえるでしょう。先日もあるチェーンの飲食店にランチタイムに入ったところ、日本人店長と東南アジア系のアルバイトさん二人。そのアルバイトさんは日本語がうまくあやつれず、店長は調理にてんてこ舞いで「ただいま時間がかかります」と連呼しながらのまさに戦争状態でありました。これが労働市場の実態であるとすれば経営者は誰でもいいからとにかく人を、ということになってしまうでしょう。

昨日もあった観光バスの居眠り事故。バス会社の社長自らが一日二度目の事故を起こしてしまっては会社の再起は不可能になってしまいます。これも人材不足から来ているのかもしれません。

女性の労働市場参加には社会の仕組みづくりが必要で直ちに期待できません。高齢者は飲食のようなスピードを要求し、激しい作業には不向きかもしれません。つまり、政府が考える女性、高齢者の雇用拡大だけでは一部では機能するものの経済全般では全く足りないとも言えそうです。

人材不足が顕著なのは低賃金の業種=デフレ時に価格競争を主導した企業、および、不人気業種が主流かと思います。これは企業に三つの選択肢を与えることになります。

@国内での業務拡大を諦めるか、A更なる効率化を図り、人材の再配分を行うか、B外国人労働者の大幅拡大でしのぐか、であります。有期の外国人労働者は増えてきています。但し、有期を認めると最終的には何らかの形で日本に外国人が大幅に増えるということにもなります。(以前お伝えしましたが、日本は移民権はもっとも取りやすい国の一つです。)

2020年までに外国人観光客を今の3倍の3000万人に増やす政府方針は労働力を含む論理的な裏付けをもってそこまで増やせると考えているのか、このあたりが今、日本が考えなくてはいけないところだと思います。


(私のコメント)

アベノミクスは成功していないという経済評論家もいますが、最近の人手不足による時間給の引き上げは1000円を超えているという事です。特にブラック企業と言われていたような所は離職を引き留めるために正社員化を進めている。これは若年失業者の多い欧米に比べたら別世界の事でしょう。

もちろん職種によりけりですが、一部にこのような人手不足が出てきたという事はアベノミクス効果の一部が出てきたことになる。今は一部の飲食業やコンビニなどのサービス業に顕著ですが、来年度あたりは大手企業が新卒社員をごっそりと採用して中小企業には人が回らないかもしれません。

いままではいかに人件費を下げるかで正社員を首にしてアルバイトや派遣に切り替えてきた企業は、アルバイトも派遣もいなくなって慌てて正社員を採用し始めるかもしれません。デフレ真っ盛りの頃も飲食業などは人手不足で年中張り紙が出ていましたが、コンビニや量販店にも広がりが出てきた。

本来から言っても、団塊の世代が大量に退職するのに伴う新規採用は増えるはずでしたが、企業はリストラを優先して正社員を雇うよりもアルバイトや派遣で間に合わせてきた。少しくらい手荒に扱ってブラック企業と言われようと、代わりのアルバイトや派遣はいくらでもいたからだ。

声からは人手不足に伴う休業が増えて行くのだろうし、人手不足が長期化すれば時間給も上がって行かざるを得ない。人材派遣業などと言う職業も20年続いたデフレ不況の申し子のようなもので、だれも人材派遣業でピンハネされて働きたくはないだろう。建設業界では外人労働者も使わないと納期に間に合わないといった事情も出てくる。

グローバル社会になると労働者の賃金もグローバル化して、賃金の高い国に集まるようになります。日本は円高で日本人労働者の賃金は割高で、工場などは海外移転などでコストの削減を図ってきた。しかしサービス業などは海外移転と言うわけにはいかないし安い外人労働者を雇って賃金は安くなる一方だった。

企業経営者にとっては、労働者が日本人だろうと外人だろうとかまわないから外人労働者を増やせと言ってきていますが、円安で円高の頃のようには集まらないだろう。1ドル=70円台や80円台の頃は韓国からのアルバイト学生が多かったが、100円台まで円安になり韓国のウォンが高くなって韓国からのアルバイト学生も減ったようだ。

外人労働者を減らすには円安にすれば非常に効果的に減らす事が出来る。必然的に日本人を雇うしかなくなるから賃金は上昇する。日本はプラザ合意以来30年余りの間円高で、人手不足になれば外人労働者を集めてきた。しかし円安がこれからはどんどん進み外人労働者も集めにくくなる事も考えられる。

日本は過去最高の貿易赤字を記録しましたが、これでは円高になるはずが無く円安傾向は続くだろう。日本の製造業も中国やアジアに工場を移転してしまって、円安なのに輸出が増えない。今までは一個商品を輸出しても75円にしかならなかったのに今なら102円の売り上げになる。これで輸出産業は儲からないわけがありませんが円高はずっと続くと見ていたのだろう。

アメリカにしてもドルをいつまでも刷り続けるわけにはいかないからドルを回収する時が来ている。すなわちドル高円安の時代が来たという事であり、国内に工場を持っていた自動車産業は大儲けだが、工場を海外に移転させた家電産業は中国から高い製品を輸入しなければならない。


2013年度は過去最大の貿易赤字、経常収支は? 4月21日 フィスコ

2013年度の貿易収支は13兆7488億円の赤字となり、12年度の8兆1578億円を上回り、現行統計が始まった1979年以降の最大を記録、3年連続の貿易赤字を記録した。

3月の貿易赤字は、1兆4462.55億円を記録し、3月としては過去最大を記録した。


2013年度の経常収支は、2014年2月までで6736億円の経常黒字となっているが、3月の経常赤字が6800億円程度以上になれば、経常赤字に転落することになる。

3月の経常収支は、季節的に経常黒字を記録する傾向にあることで、経常赤字に転落する可能性は低いものの、貿易赤字が過去最大を記録したことで、予断を許せない状況となっている。

2013年度の経常収支が赤字に転落した場合、過去の数字なので円相場への影響は無いが、日本が経常赤字国に転落したという事実は、悪い円安相場に突入する可能性を高めることになる。





これだけ対中国で莫大な貿易赤字が続き、また中国が大きな経常黒字を
記録しているのに、米国の人民元の切上げ要求は極めて弱く甘いものであった


2014年4月21日 月曜日

中国1〜3月期のGDP成長率 4月21日 経済コラムマガジン

国民経済計算の国際基準

これまで中国のGDPは、四半期が過ぎると直に公表されてきた。つまりいつもと同じならば、今年の1〜3月期の数字は4月1日あたりに公表されてしかるべきであった。ところが今回は4月16日とほぼ2週間も遅れた公表になった。筆者に限らず、中国に関心のある人々は「中国に何事かが起っているのでは」といった感想を持ったはずである。

もっとも日本などの先進国の四半期GDP(速報値)の公表はもっと遅い。米国は一ヶ月ちょっと遅れであり、日本はこれよりさらに遅い。おそらく同じ1〜3月期の数字は、米国が5月の初旬、日本は5月の後半に公表されるであろう。また先進国が速報値に加え改定値や確定値を作成・公表しているのに対して、中国は一回こっきりの公表である。

このような中国のGDP関係の数字を人々が疑わしく感じるのは無理もない。しかし中国に関してのGDP関連の数字は、これしかないのであるからしょうがない。この公表数字を丹念に見て分析するしか、中国経済の実態により迫る方法はないと筆者は考える。

今回の公表が通例より遅れたことに関して、様々な憶測が生まれる。筆者は、やはり中国政府が世界の反応をかなり気にし始めたからと思っている。本誌でも取上げてきたが、中国経済の変質やバブル崩壊の予兆を予測する報道が増えてきた。したがってGDPの公表に対する外部の反応を予測しながら、今回の公表に到ったものと受け止められる。

中国は、最近、GDPで世界第二位の大国となったというフレーズを多用し、これを政治的にも内外に対して使ってきた。つまりGDPの数値とその推移そのものが、極めて政治的な存在なのである。もし中国のGDPがハリボテと認識されることがあるなら、これ自体が国益を著しく損なうことになる。つまり仮にハリボテとしても、はっきりと「ハリボテ」としっぽを掴まえられるような公表を中国当局は避けていると見られる。

ただ実態よりあまり掛け離れたような良い数字を出すわけには行かない。それでは中国政府公表の数字の全てが疑われような事態を招きかねないからである(もっとも逆に実態より悪く公表することは考えられないが)。これをやれば元も子もないのである。ただでさえ中国政府が公表する数字の信頼性は低い。

つまり数字に化粧を施すとしても、自ずと限度がある。今回はこれらを勘案した狭いレンジでの公表になったと筆者は考える(当然、ある程度の操作は行われていると見る)。公表が遅れたのは、このような政治判断を下すのに手間取ったからと見ている。しかし筆者は、公表が遅れたこと自体が中国経済の変調を示す徴候と捉える。


先進国を始め各国のGDP計算、つまり国民経済計算は一定の体系でなされる。国連で国際基準(System National Accounts)が定められており、各国はこれに沿って集計・計算する。日本でも1993年に改定された基準に基づいて作成されており、これが93SNAと呼ばれるものである(この前が68SNA)。

ところが中国のGDP計算はこの基準ではなされてはいない。さらにどこがどう違うのかさえ、外部からははっきり分からない。国際基準との差異を説明できるとしたなら中国政府だけであろうが、中国当局にはこれをやる気がない。

もっとも国際基準ではないから、毎期のGDPの数値公表があんなに早いとも解釈できる。中国政府の上層部においても「国民経済計算を国際基準に合わせよう」という声はあると思われる。しかし今の国際基準や国際秩序の全てが中国が弱かった時代に作られたものであり、中国はこのようなものに従う必要はないという考えが根強くあるようにも感じられる。さらに建前上、中国は社会主義国であり、今日のGDP算出手法にもこれが反映されているとも考えられる。

やはり住宅販売額は落込んだ

16日公表のGDP(実質)は対前年同期比で7.4%の成長であった。全人代での今年の成長目標が7.5%であったので、これをわずかに下回った数字である。しかし市場の予想が7.3%でありこれを若干上回った。ちなみに予想を上回ったことが市場に好感され、アジア市場の株価が上昇したのには筆者も多少驚いた。

筆者は、たしかに数字は微妙であったが、この成長率なら何も公表を遅らせることはなかったという印象を持った。おそらく原因は、併せて公表される他の数字が問題になったのではないかと考える。ひょっとすると筆者はこれを1〜3月期の住宅販売額と見る。

7.4%のGDP成長率を始め、他の数字はそれほど悪くなっていない。ところが住宅販売額だけは、13年通年の26.6%増に対して、14年1〜3月は対前年同期比でなんと7.7%のマイナスとなっている。ただこれが最終的にどの程度GDP成長率に影響を与えたのか不明である。

また今後一段と住宅販売額が落込んだ場合、どれだけのショックを中国経済に与えるのか注目せざるを得ない。特に筆者は、不動産バブルの崩壊が中国経済に大きな悪影響をもたらすと見ている。ただこれ以上の分析は来週号に回すつもりである。それは今週中にいくつかの注目される経済数値が公表されと見られ、筆者はこれらを踏まえた分析を行うつもりでいるからである。

それにしても日本には、本当に中国経済の専門家という者がいるのか昔から疑問に思っている。中国経済については、まさに「群盲象をなでる」状態である。自分で見聞きした範囲でしか、中国というものが理解されていないのが現状と筆者は思っている。民間はそれでしょうがないが、日本政府はもっと戦略的な分析ができる体勢を作るべきと考える。

特に日中間には安全保障上の問題がある。したがって日本にとって相手の事をより正しく知ることが戦略上で重要である。しかしこれが心もとないのである。米国はもっと頼りない。

中国の軍拡は世界の脅威となっている。またこの軍拡の後ろ楯となっているのが中国の驚異的な経済成長である。筆者は中国の経済成長は人民元の異常な切下によって実現したと考える。これについては12/9/24(第724号)「本誌の中国問題ダイジェスト」他で何度も取上げた。

中国は、1米ドル=1人民元であった為替レートを8人民元以下まで切下げた。購買力平価を大きく下回る水準まで勝手に切下げたのである。これによって中国製品は極めて安くなり、格段の国際競争力を持つようになった。それに止まらず、世界中のメーカは製品を輸出するためには、中国に組立工程を移さざるを得ない状況が作られたのである(これを行わないと価格競争に負ける)。当然、中国には内外からの投資が爆発的に増え、中国経済は驚異的に成長した。

本来なら、中国のように輸出が伸び、経常収支の大幅黒字が続けば為替レートが上がるはずである(日本の円はどんどん上がった)。ところが中国当局は為替介入をずっと行って人民元高を防いできた。今日、ようやく1米ドルが8人民元台から6人民元台に上がった程度である。

不思議なことは、米政府の中国に対する対応である。これだけ対中国で莫大な貿易赤字が続き、また中国が大きな経常黒字を記録しているのに、米国の人民元の切上げ要求は極めて弱く甘いものであった(対日本に対する貿易のインバランス問題に関して米国はずっと厳しく対応を求めてきたのに)。今日、中国は溜め込んだ外貨(米ドル)を戦略的な行動に使っている。筆者は、中国は人民元の切上げ阻止のため米国政界に活発なロビー活動を行ってきたと睨んでいる。

筆者は、中国の軍事力を始め、中国の色々な行動が周辺国だけでなく世界の脅威となると見ている。しかしこのようないびつな国である中国を育てたのは、中国製品を無批判的にどんどん輸入し、中国に投資を行ってきた欧米諸国の責任と考える(場合によっては日本を含め)。この重要な中国経済に変調が現れたのだから、注目せざるを得ないのである。


(私のコメント)

中国においては歴史も政治の一部であり、経済統計も政治の一部として扱われている。それが真実であるかどうかよりも政治的に如何に活用するかであり、GDPの数字も中国政府のプロパガンダである。GDPを算出するにも世界共通の基準が無ければ比較の対象になりませんが、中国にはその基準がはっきりしない。

中国のGDPは大本営発表であり、政府目標を下回る事はめったにない。中国の首相ですら電気使用量や鉄道貨物輸送量の方が確かだと言っているくらいだから中国の経済統計はあてにならない。中国の景気が良いのか悪いのかも分からないのでは政府も手の打ちようは無くなりますが、気が付いた時は手遅れになっているだろう。

中国の住宅販売事情も、暴騰と暴落を繰り返していますが、政府の金融政策次第であり、暴落すれな緩めるし暴騰すれば金融を引き締めて先送りにしていますが、バブルを破裂させるかさせないかは中国では政府の判断ひとつであり、銀行に不良債権が発生しても政府が買い取って償還させてしまう。

だから中国のバブル崩壊論は、前から何度も出ていますが政府の判断ひとつでどうにでもなる。アメリカが共産主義独裁国家ならリーマンショックは起きなかった。その代わりに中国はソビエトのように国家ごと破綻してしまう。ソビエトは石油が暴落して国家経済が破綻して公務員や軍人の給料も支払われなくなってしまった。中国でも同じ事が起きるだろう。

経済コラムマガジンでは、「中国は、1米ドル=1人民元であった為替レートを8人民元以下まで切下げた。購買力平価を大きく下回る水準まで勝手に切下げたのである。これによって中国製品は極めて安くなり、格段の国際競争力を持つようになった。」と指摘していますが、中国が一方的に1ドルに対して1元から8元にまで切り下げる事が出来るわけがない。

アメリカ政府の了解があったから出来た事であり、人民元の切り下げによって日本の輸出産業は致命的な打撃を負った。人件費が日本の30分の1になり中国からバカ安い商品が輸入されるようになり、国内の民間の中小の製造業は破綻するか、中国に工場を移転するかの判断を迫られるようになった。

これは経済戦争であり、日本はアメリカと中国の封じ込め戦争になり、アメリカはドルを大量に印刷して円を買いまくって1ドル79円にまで円を釣り上げた。それでも自動車産業などは国際競争力があったから、潰れずに助かりましたが、ソニーやシャープなどの情報関電産業は壊滅的な打撃を受けてしまった。

中国は欧米や日本からの資本と技術によって高度経済成長を続けましたが、人民元を8分の1にまで切り下げた事が貢献している。ソ連やアルゼンチンなどデフォルトを起こした国は通貨が暴落して競争力がついて回復しますが、中国は自発的に通過を暴落させて、ドルに対しては固定したままにした。現在は1ドル=6元にまで上がってきたが、世界最大の貿易黒字国が20%程度しか上がっていない。日本が400%も上がったのに比べると違いすぎる。

このようなアメリカと中国の見えない経済同盟関係の敵は日本であり、日本は円高で20年間苦しんできた。しかし日本は何とか持ちこたえましたが、アメリカは2008年のリーマンショックで致命的な打撃を受けて立ち直れないでいる。アメリカは日本を叩きのめすために中国と手を組んで、中国を世界第2位の経済大国にすることに成功した。しかしその代償は大きくアメリカの製造業は壊滅してしまった。

このような米中同盟関係は、経済のみに限られて軍事大国となった中国はアメリカに対して挑戦的になって来た。アメリカは日本を叩きのめす事に失敗したばかりでなく、中国を軍事大国にしてロシアと手を組んでアメリカに立ち向かってくるだろう。ロシアも中国と手を組んでクリミア半島を奪いに来た。ドイツなどのヨーロッパ諸国はロシアの復権に恐怖心を持つようになるだろう。

アメリカはソ連の崩壊で傲慢になり、同盟国であった日本を叩きサウジやエジプトなどの中東の同盟国をないがしろにした。しかしロシアの復権による新冷戦体制はアメリカを中東やヨーロッパから叩き出されるかもしれない。アメリカにはもはや頼りになる同盟国は無く、アメリカによる日本に対する「失望した」発言は取り返しがつかないかもしれない。「失望した」は同盟国に対して言うべき言葉ではないからだ。




韓国の独立の指導者たちが本物の英雄であったなら、こんなでっち
上げはする必要が無かった。そこがアジアの他の国との違いだ。


2014年4月20日 日曜日

なぜ韓国は歴史を書き換えたのか――その動機と背景を考える(前半) 山田高明

前回の「韓国の方々がなぜ日本を“戦犯国”と呼ぶのか、考えたことはありますか?」の続き。

正当な理由がないにも関わらず、なぜ韓国人は優越感を滲まながら「戦犯国」などと日本を嘲弄しているのだろうか。いったい彼らの頭の中はどうなっているのか。

答えは「史実をほとんど逆さまに認識しているから」だと思われる。たとえば、「日帝が韓国を強制併合して収奪と民族抹殺を始めると、独立軍が各地で蜂起し、日本軍と果敢に戦った。太平洋戦争が始まると、臨時政府は日帝に宣戦布告し、連合国の一員になった。韓国の独立はこのようにして自力で勝ち取ったものだ。韓国人BC項戦犯については、あくまで強制動員され、犯罪を強要された“被害者”にすぎない」…という具合に

こんなでっち上げの「建国神話」のせいで、彼らは自分たちが連合国側に属するなどと錯覚している。一般に、韓国人は、政治的なプロパガンダにすぎない“歴史教育”により、近現代史において以下の「四つの大きな真実」から完全に隔離されている。

・第一、日韓併合の真実。
・第二、日本統治時代の真実。
・第三、戦後の独立と李承晩時代の真実。
・第四、朴正煕時代の「漢江の奇跡」の真実。

以上の四つの項目について、韓国人の頭には公然たる嘘やトリミングされた情報が詰まっており、その虚偽を「正しい歴史」などと呼んでいる。韓国の歴史教科書を読んだことのある人なら分かると思うが、それを規定する国史編纂委員会はプロの贋作者集団であり、非常に手の込んだ捏造をやっている。ジャーナリストの石井孝明氏が「一冊の本だけを読む人に気をつけよう」という格言を紹介していたが、何も知らない人が韓国人の書いた歴史の本や、その影響下にある日本人の本だけを読めば、確実に騙される。それで罪悪感を持ち“良心”に目覚めてしまった厄介な日本人も少なくない(*それもまた彼らの手口なのだ)。幸い、今では、その捏造箇所や事実関係の誤りの指摘にプロの歴史研究者の方々がたくさん参加しておられ、関連するサイトや本も増えてきた。

したがって、それについてアマチュアの私がここで懇切丁寧に解説する意味はない。それよりも、もっと根本的なことを考えてみたい。それは「彼らがなぜ歴史を書き換えたのか、又はなぜ捏造せざるをえなかったのか」という、原因・理由・動機などの究明である。治療(する機会があるとして)のためには、それを突き止めることが不可欠だ。

以下は、まったく私の個人的な推測だが、韓国人の皆さんにこそ是非とも読んでもらいたいと希望している。

元凶としての李承晩(イ・スンマン)
では、その理由とは何か。おそらく、初代大統領として「李承晩が独裁権力を握ったから」だと思う。それゆえ、彼自身と臨時政府を「正統」とする歴史をでっち上げねばならなくなったのだ。つまり、始まりは、ほとんど個人的な動機だったのではないか。

むろん、理由は複合的で、その他にもある。

第一に、歴史を“記録”する際の、東アジア文明圏の伝統的な手法が挙げられる。ちょうど司馬遷の『史記』で殷(商)の紂王が悪逆非道に描かれているように、彼らの社会では日帝という「前王朝」を冷酷無比な統治者に描けば描くほど、次の支配者の道徳的正当性が高まる。ましてや、独立戦争を通してその悪魔と戦い続けたと人々に信じさせることができれば、これ以上の正当性はなく、完全に人民のヒーローに収まれる。

第二に、もっと切実で現実的な理由もあった。終戦後、三年間はアメリカが直接軍政を敷いたように、連合国を結成したボスがすぐ韓国の目の前にいた。捕虜虐待などでBC項戦犯として訴追されたように、韓国人は疑いを持たれていた。だから、保身上、戦犯の日本と同類に見られないよう、また自身の戦争犯罪があくまで強要されたものとの訴えが説得力を持つよう、徹底して「加害者と被害者の関係」に成りすます必要性があった。

そして第三に、これがもっとも大きな理由だと思うが、李承晩はとんでもない悪政をやらかして国民を苦しめ、貧困のどん底へと叩き落した。どんな民族主義者が見ても、日本時代より過酷で恐怖に満ちた社会であることは明らかだった。だから、李承晩は、独裁者として就任した時だけでなく、その後も歴史をでっち上げ続ける必要に迫られたのだ。少なくとも政権を握っている間、自分の時代よりも日帝時代をさらに悪虐非道に描かねば辻褄が合わなくなってしまった。それはまた内部矛盾から人々の目を反らす意味でも有効な手法だった。だが、政治的に不可欠な作業とはいえ、自国民の大量虐殺をやった独裁政治よりも悪く見せるとなると、もはや悪魔でも引っ張り出すしかない。だから韓国の歴史教育では、ほとんど悪魔として日本の姿が描写されるようになったと思われる

独立運動家・臨時政府・独立軍の本当の姿
仮に、独立の指導者たちが本物の英雄であったなら、こんなでっち上げはする必要がなかった。そこがアジアの他の国との違いだ。インドでは、ガンジーやボースの軌跡をわざわざでっち上げる必要はない。事実をありのままに伝えるだけでいい。それで十分、彼らは英雄であり後世の手本となる。アジアの各国にはミャンマーのアウンサン、インドネシアのスカルノ、ベトナムのホー・チ・ミンなど、キラ星のごとく独立の英雄がいる。ところが韓国には、このような偉大な独立の指導者が一人もいなかった。日本軍を打ち破った勇猛果敢な軍事指導者も、思想的人間的に偉大な文人指導者も、ついに現れなかった

大韓民国臨時政府なるものを象徴するのが、中枢にいた三人の主要人物だ。一人は今挙げた李承晩。王朝に繋がる家系が自慢で、それゆえに民族主義者であり、庶民を人間とは思っていなかった(だから大虐殺できた)傲岸な人物だ。もう一人は、強盗殺人犯で脱獄囚の金九(キム・グ)。生涯、政争を繰り返した人物だ。こんな男が“警察本部長”に就いていたのだから、いかに怪しげな団体かが分かる。最後の一人は朴殷植(パク・ウンシク)で、嘘つき・でっち上げの天才。『韓国独立運動之血史』という怪プロパガンダ文書を書いて、今日に至る韓国のトンデモ近代史の原型を作った人物だ。

彼らの設立した臨時政府なるものは、いかなる国家からも承認されず、設立から26年間、一度も日本軍と戦わなかった口先だけのヘタレ集団だ。独立軍の中で同組織所属をとくに「光復軍」と呼んでいるが、日本軍と交戦したことはない。「人類史上最悪の植民地支配」などと糾弾するほど日帝の支配が過酷なら一度くらいは銃をとって戦っても良さそうなものだが、結局、設立から終戦までの間やっていたことといえば、内輪でのポスト争いと中国政府へのタカリ、市民社会に対する強盗略奪、政敵の同じ韓国人の暗殺くらいのもの。

一方、独立軍とか抗日パルチザンと称する集団の正体は、要するに満州の匪賊やソ連・中国共産党軍に所属していた韓国人のことである。「愛国心はならず者のなんとやら」とはよく言ったもので、強盗略奪が生業だった匪賊であっても「独立闘争」といえば名分が立ったのだろう。満州国軍官学校卒で朝鮮戦争の英雄である白善Y氏は当時を直に知る人物だ。元帥は「独立軍など見たこともないのに、どうやって討伐できるのか」と呆れている。

もっと呆れるのは、韓国ではこの“独立軍”が日本軍に対して「青山里戦闘」なるもので大勝利したと信じられていることだ。実際には匪賊討伐の際に日本軍人に若干名の死者が出た事件だが、「日本軍に3千名以上の戦死者を出した」という嘘が定着している。驚くのは、この臨時政府の戦勝プロパガンダを韓国政府が未だに継承しており、毎年「戦勝記念行事」まで開催していることだ。虚しくないのかという疑問はさておき、この現実からも今の韓国政府が臨時政府の正統な後継者に他ならないことがよく分かる

このように、独立運動家と称する連中が「ニセモノの英雄」であり、本人たちも十分それを承知していたから、歴史をでっち上げる必要に迫られたと思われる。

ちなみに、以上とは別個に、1905年の第二次日韓協約から併合初期まで、後に「反日義兵闘争」と呼ばれるものがあった。これは日本軍に計百名以上の死者を出す規模であったことは確かだ。しかし、この闘争がすぐにピークアウトしたのは、韓国が未だ国民国家でなかったことが主因ではないかと私は思っている。つまり、大多数の庶民にとって最大の関心事は己の暮らしであり、専制国家の運命などどうでもよかったのだ。

それどころか同時期、日韓合併を掲げる一進会が最大の政治勢力だった。当時、日本に敗北した清とロシアは威信を失い、滅亡寸前の帝国だった。対して、世界の9割以上を欧米とその植民地が占める状況にあって、日本は全アジア、否、全有色人種の期待を担っていた。中世のレベルだった当時の韓国人からすると、日本は何百年も文明の進んだ近代国家に等しい。そうすると、「対等合併」を望んだ一進会は非常にムシのよい主張をしていたことになる。反日・独立どころか、案外、勝ち馬にタダ乗りして労せずに一等国民になろうとしていたのが政治意識のある韓国人の多数派だったというのが事の本質ではないか。

数字まででっち上げる韓国人の驚異の贋作力
やや本筋から反れるが、独立軍の話が出たついでに、韓国人は日本人が絶対やらないことを平気でやる事実を知っておくのも無駄ではないと思う。それは「実在の人物名を流用して、具体的な数字を創作し、記録をでっち上げる」という行為である。

たとえば、“独立戦争”の実態と称して、
「○月○日、日本軍がどこそこの村を襲い、○○戸を破壊し、○○名を殺害した。それに対して、誰々率いる独立軍○○名が戦い、日本軍○○名を殺害して撃退した」
などという話を次から次へと“歴史書”の中に書き加えていく。

ところが、これがまったくの創作なのである。「青山里戦闘」なるものも、この手法ででっち上げられた活躍のうちの一つだ。驚くべきことに、彼らは「実在の人物+具体的な数字」を使って、架空の詳細な“歴史記録”を作ってしまうのだ。目的が正義であれば手段は選ばなくてもよいとタカをくくっているのか、彼らは平気らしいのだ

なぜそういうことをやるのかというと、科学性・客観性を装うことで、いかにも学術的な調査を経た公式の記録であるかのように見せかけることができるからである。そうやってニセの記録をたくさん作って、己の政治的主張や立場を固めるのだ。つまり、最初から世間を騙すため、欺くためにやるわけだから、詐欺の確信犯である。中国も含めての話だが、政治とアカデミズムが分離しておらず、政治的な真実のほうが客観的なそれより優先されるらしい。だから真理を畏れず、平然と歴史(事実)に手を加える罪を犯す。

彼らはこうして日本軍の“殺戮記録”や、独立軍の“戦勝記録”を次々とでっち上げていった。この手法で、臨時政府も「聖人君子の集まり」になり、独立軍も「各地で日本軍を撃退した勇猛果敢な部隊」に変えられた。何も知らない人が読めば、当然本物の記録であり、人々を次々と虐殺して回る悪逆非道な日本に対して正義の独立軍が不屈の精神で抵抗していた、と信じ込むだろう(実際これが韓国人の持つ日帝時代のイメージだ)。

こうやって、驚くほど詳細で念の入った改ざんで「日帝の犯罪」が創られ、韓国では今でも事実として流通している。日韓関係史ではこの種の「偽の記録」が膨大に紛れ込んでいる。不幸にして、このような卑怯な手法は、大多数の日本人にとって長らく常識外のことだったため、信じてしまう人が続出した。そして罪悪感、良心の呵責、贖罪意識から、謝罪するだけではすまず、相手側の手先となり、結果的に嘘の片棒を担ぐ人も現れた。

しかし、今では「具体的な数字を挙げてまで嘘をつく」という彼らの手口は、日本だけでなく世界に広く知れ渡りつつある。なにしろ、一国の政府や自治体、政治家、大企業や科学者までもが公然とそれをやり、しばしば顰蹙を買う。従軍慰安婦も同類だと、気づく欧米人も現れ始めたようだ。彼らは以前のように容易に人々を騙せなくなった。

ただし、公正を期すなら、まったく逆の韓国人も少なからずいる。たとえば、『親日派のための弁明』を記した金完燮(キム・ワンソプ)氏のように、逮捕・暴行・脅迫されても決して真実の主張を曲げない人もいる。集団の空気に抗い、迫害にもめげずに真実を訴えている韓国の本物の知識人に対しては、心底、尊敬の念を覚えざるをえない。韓国ではすでに“親日派”は殺される時代に入った。命と引き換えても真実に忠実であらんとする…正直、私にはそこまでの覚悟はない。彼らこそ真に日本の友人になれる人たちだと思う


(私のコメント)

「株式日記」では韓国における歴史教育の出鱈目さを指摘してきましたが、その事が日韓における外交問題の亀裂の出発点になっている。そもそも韓国人と日本人の歴史学者で冷静に話をすることは不可能であり、日本側が韓国の歴史の出鱈目さを指摘すると韓国人の学者は感情的になり論争にならなくなってしまう。だから歴史の摺合せなど不可能だ。

韓国のパククネ大統領もそのような歴史教育を受けてきた一人であり、韓国の歴史教育は外国からの歴史学者の批判に耐えられない。戦後韓国が建国すると韓国政府の正当性を強調するために抗日戦争の歴史が作られて、日本軍は韓国の抗日戦闘部隊によって大損害を受けたそうだ。もちろんこれは作り話だ。

トンチャンリの戦闘も史実を調べれば、日本軍は3000名の戦死者を出したという事ですが、日本軍の戦死は11名で士官の死者はいなかった。日本から見れば山賊を退治した記録にあるだけですが、韓国の歴史では韓国独立軍が日本軍に対して大勝利したと教育している。潜水艦の名前に青山里の命名をするくらいだから韓国では有名なのだろう。

このような状況では、韓国の歴史と日本の歴史を摺合せを行う事は不可能であり、韓国が建国以来でたらめな歴史教育をしてきたことがばれてしまう。また韓国の歴史教育では政府に不都合な事は教えられていませんが、韓国政府による自国民への大虐殺事件をいくつも起こしている。一番有名なのは補導連盟事件であり20万人から120万人が韓国軍や警察によって殺された。しかし韓国人はこのような歴史をほとんど知らない。

そのほかにも済州島4,3事件などがありますが、韓国人は事件の詳細をほとんど知りません。いずれも戦後に起きた事件であり現在の韓国政府が絡んだ事件です。それをごまかすためには、戦前における日帝支配の歴史で誤魔化さなければならなくなり、抗日戦争の大勝利や従軍慰安婦の強制連行などに国民の恨みを向ける必要があった。

朝日新聞なども、日本の教科書で侵略を進出に書き換えさせたと問題にしましたが、日韓で大問題になったにもかかわらずそのような事実はなかった。韓国政府は日本の歴史教科書に神経質になるのは、自国の歴史と整合性が無いためであり、韓国政府にとっては日帝支配の時代は韓国国民に残虐非道な事が行われたと歴史館まで作って宣伝している。

日本政府はこのような韓国で行われている歴史教育に対して内政不干渉として問題にしてきませんでしたが、韓国政府がこの問題には全く話し合いに応じないからだ。補導連盟事件や済州島事件などが公に認められてしまうと韓国政府自体が持たなくなる。中国にしてもおなじであり、大躍進政策の失敗による数千万人の餓死者や文化大革命のによる虐殺など政府の正当性を問われかねない問題だ。

それをごまかすには戦前における日本軍による残虐非道さを持ち出していますが、韓国人にしても中国人にしても自国の現代史をほとんど知らない。韓国人に光州事件を語らせることは難しい。中国人に天安門事件について聞くことも難しい。いずれも現政権に関係する問題であり、韓国や中国には言論の自由が無い。有るのは反日教育だけであり、批判できるのは日本だけで、野党による政府批判はできるが、歴史そのものを見直す事は不可能だ。




ロジャー・パルパバース著 「驚くべき日本語」 「戦前の植民地化時代、日本語は
『世界共通語』になる可能性があった」 22世紀には日本語が世界の公用語になる


2014年4月19日 土曜日

驚くべき日本語 (知のトレッキング叢書)


◆カスタマーレビュー

本書は「商品の説明」(このページの上の方)にあるように、「全く異なる文化的背景から生まれた4ヶ国語を完璧にマスターした外国人作家」による、日本語論である。本書で言う“日本語論”とは、著者がその履歴の中(「ほぼ半世紀を日本で過ごし」たという経歴:巻末著者略歴より)で抱いてきた日本語の本質、換言すれば母国語を日本語としない外国人が観る日本語の素顔を、積極的な姿勢で展開するものである。著者の右論述の前提には、日本語は日本人だけの暗号でも、曖昧な言語でも、外国人が学ぶに困難でもないという基本姿勢がある(8〜9頁)。

著者の右日本語論は、基本的にネイティブである日本人が往々にして抱く“日本語は(外国人にとっては)習熟が難しい”という観念の否定にあり、決して難解ではなくて、むしろ「リンガフランカ」(「世界言語」:62〜64頁)に成りうること、語尾の変化(置換)で微妙な相違を表現できること(以上第2章)、宮沢賢治などの作品を引用参照しつつ、語彙が単純でも擬声語・擬態語・擬情語が豊富で微妙な文章表現が可能なこと、オノマトペによる格変化が不要で単純なこと、自由な切り出し・省略が可能なこと(以上第3章)、外国語(特に英語)との対比において積極的評価を与え、加えて日本語学習は決して難しいものでなく、言語としてその視覚的・音響的効果面から「美しい」こと(第3章)などを考察する。第4章には一部歴史認識の問題も感じられるが、「世界言語」としての日本語の可能性、その理由などにも言及する。

かかる日本語論には、著者独自の宮沢賢治作品への傾倒ぶりが窺われ叙情的な筆致も否定できないが、外国人ならではの視点、例えばオノマトペ、擬態語・擬声語・擬情語の豊富さなどに対する詳細な観察が垣間見え、日本語の利点・表現の精緻さの強調には説得力がある。但し著者の言うところの、日本語が「時制や動詞の変化がきわめてシンプル」(71〜75頁)とするのは解るのだが、「語彙が少ない」(75〜80頁など)と言うのは疑問がある。著者は右論述で動詞の「(結婚)する」の日本語と英語の“表現”例を挙げているが、確かにその点では「する」の日本語表現のバリエーションは単一的と言えるだろう。しかしそれは「語彙」の問題と文脈としての「表現方法」とを混同しているようにも見える。

英語の“私”(代名詞)は“I”しかないが、日本語では“私”、“俺”、“僕”、“朕”、“みども”、“われ”、“手前”、“自分”など枚挙にいとまがない。この辺りは何をもって語彙の多寡を論ずるかであり、相対的な問題かと思う。全体として成る程と思わせる面白い日本語論であるが、著者が「ほぼ半世紀を日本で過ごし」てこれほどの日本語に精通しているのに、本書には「訳者」がいること(原文が日本語でないこと?)の説明がないことが疑問ではある。


◆日本語とは、曖昧で非明確、「省略」が多く、非論理的で直感的な言語であり、外国人にはしょせん理解不可能な言葉。
 おそらく日本人の多くは、日本語をなかば、意識的無意識的に、こんな風に感じているのではないだろうか。
 しかし、著者は「非日本人」の視点から、ある意味、優越感と劣等感がまじりあった、この日本人の日本語に対する複雑でお決まりの「先入観」を見事にくつがえしてみせる。
 思えば、これまで、日本人による非アカデミック、あるいは、外国人言語学者をふくめたアカデミックな立場からの日本語論は無数にあった。
 でも、不思議なことに、日本語を、一般的な「非日本人」の立場=世界という「外側」から捉えた日本語論は、おそらく本書が初めてではないだろうか。
 タイトルはもちろんだが、帯に謳われている「日本語はなぜ『世界共通語(リンガ・フランカ)』にふさわしいのか。」というキャッチは、そんな日本人にとってはきわめて刺激的で、読む前からワクワクさせられる。
 事実、その期待を裏切らず、本書で著者が主張する「日本語のすばらしさ」の数々については、まさに「目からウロコ」なことが多い。
 著者の経歴や本書の主な内容は他のレビューに書かれているので詳述はさけるが、個人的に特に秀逸だったのは、第一章の「言葉とはなにか」で語られる、「言葉とは『コミュニケーション』の道具であると同時に(というより、むしろ)、自己の集団とよそ者の集団とを区別するための『暗号』として発達した」という視点。
 そして、後半で語られる、「戦前の植民地化時代、日本語は『世界共通語』になる可能性があった」という視点と、「それがもし現実になっていたとしていたら、日本語はどうなっていたか」という仮定をもとに、日本語の「世界共通語」としての可能性と妥当性を論じていくくだりである。
 これまでのアニメや和食はもちろん、いまや「AKB48」や「パーフューム」「きゃりーぱみゅぱみゅ」など、日本人にはきわめて「日本的」であると思われながら、でも、だからこそ世界からは自分たちの文化からは生まれえない、きわめてユニークな文化として、彼らが世界で高く評価されつつある。そして、おもしろく、かつ驚くべきことに、アジアやヨーロッパの彼らのファンたちにとって、日本語が、「同じ価値観を共有する仲間」であることを示すために必須の「共通言語」として広まりつつある。
 つまり、日本語こそが、彼らにとって、強力な「共通のアイデンティ」となりつつあるのだ。
 そんな、現在進行している新しい日本文化と日本語の、世界への影響を想定しながら本書を読むと、著者の主張はいよいよ説得力を増してくる。
 この本は従来の「日本語論」本とは一線を画し、疑いなく、わたしたち日本人にとって、非常に貴重な多くの発見と新たな気づきを与えてくれる、画期的な本である。


(私のコメント)

ウクライナ問題を考えるうえで、ロシア人とウクライナ人の違いは何なのかが問題だ。元もとはロシア人もウクライナ人も同じ民族であり同じ言語を話していた。ウクライナに住む人も自分がロシア系かウクライナ系かを分けるのは言葉だけで、ロシア系かウクライナ系かを分ける事はナンセンスだ。

ロシア語とウクライナ語の違いも、ウクライナがヨーロッパに近いので言葉も影響を受けて違ってきた。だからロシア系住民かウクライナ系住民かは言葉の違いだけで、ウクライナ政府はロシア語を公用語から外そうとした。つまり言葉の違いが民族を分ける目安になっている。

民族の違いは、人種よりも言語や文化の違いの方が問題であり、ヨーロッパでも人種は同じでも言語の違いで国が分かれている。東アジアでも日本人も韓国人も中国人も人種的には同じでも、話す言葉の違いで国が分かれている。中国は多民族国家であり、言葉も全く違うが北京語で統一しようとしているが、ロシアもロシア語で統一しようとした。

世界には主な言語だけで6500種類もあるという事ですが、グローバル化の流れで言語は次第に統一されていくのでしょう。しかし何語で統一されて行くのかは分かりませんが英語が有力候補出る事に間違いはない。国際会議などはヨーロッパでも英語が使われるようになり、ドイツ語もフランス語もかつての勢いはない。

ドイツもフランスも世界から留学生を集めるのに苦労しているのはドイツ語やフランス語が世界的でなくなって来たからであり、学術論文などは英語で書かれないと学会で認められなくなってきている。医学や化学なども英語が分からないと最先端の技術が学べなくなってきている。

だから日本でも英語を公用語にしようという政治家が後を絶たない。企業でも社内の公用語を英語にしようという企業も出てきましたが、はたして成功するだろうか? 日本人と中国人と話をするのに英語で話をして意味が十分に伝わるのだろうか? 日常レベルの話なら問題はないだろうが、高度な専門分野の話はどちらも専門家でなければならない。英語が出来れば専門レベルの話が出来るようになる訳ではない。

問題はこれからの日本語がどうなるかですが、アイルランドや南アフリカのように民族語が廃れて英語が母国語になるのだろうか? 英語がはたしてそれだけの実用性に優れた言語なのだろうか? 日本人は中学生から大学生まで10年間にわたって英語を学びますが、英会話一つできない程難しい。

戦前は、日本に中国や韓国やアジアから多くの留学生が集まり、現代では中国語も韓国語も専門用語は日本語が使われている。戦後はアメリカから英語がどっと入ってきましたが、カタカナ英語として定着している。しかしカタカナ英語は日本語でありアメリカ人に話しても通じない。

欧米語をはじめとして世界の主要言語のほとんどは表音文字であり、発音が違って来れば意味が通じなくなる。日本語は中国語のように表意文字が使われているから発音が違っても文字にすれば意味が通じる。つまり世界語にしても発音は違っても文章の意味が通じる言語は世界語になる可能性があるという事だ。

中国語は漢字だけだから、表音文字を取り入れる事は難しく、日本語のように表意文字と表音文字が混ざった言語は日本語だけだ。場合によってはアルファベットも日本語に加えれば欧米人にも読める日本語が出来るのではないだろうか? 漢字を覚えるもの英単語を覚えるのも同じだと考えれば、英語も日本語も難しい事に違いはない。その問題はコンピューターを使う事で解決するのではないだろうか。




冷戦体制崩壊以降アメリカは同盟国に冷淡になり、日本叩きが始まった。
冷戦体制の復活は、アメリカの日本叩きの終わりをもたらすのだろうか?


2014年4月18日 金曜日

ウクライナ危機、冷戦への言及に苛立つ米国 4月18日 英フィナンシャル・タイムズ紙

GB(旧ソ連国家保安委員会)がまた流行している。米国で今最も面白いテレビ番組は、冷戦の緊迫した最終段階を題材にしたスパイものスリラー「The Americans」だ。

 この連続ドラマは、30代後半のソ連人スパイの夫婦を中心に展開する。この夫婦は、昼間は学校への送り迎えや隣人とのローストビーフの食事といった単調な郊外生活を送っているが、夜になると、国防長官の自宅を盗聴したり、CIA(中央情報局)の工作員を殺害したり、議会の事務所に侵入したりする。

 元KGB中佐で今ロシアを動かすウラジーミル・プーチン氏がウクライナに触手を伸ばす前でさえ、既に冷戦への郷愁の気配が漂っていた。

冷戦へのノスタルジア

 ノスタルジアは、4年前に米国のいくつかの都市で行われたロシア人スパイの一斉検挙で始まり、昨年モスクワで、奇妙なブロンドのかつらをかぶり、3つのサングラスを所持していた、CIAのスパイとされる容疑者がカメラの前で捕えられる逮捕劇へと続いた。ロシアへの劇的な逃避行を果たしたエドワード・スノーデン氏の物語がさらに趣を加えた。

 ウクライナ危機が激しさを増す中、冷戦時代の多くの戦術が示されてきた。

 ウクライナ東部で混乱を煽っているという米国の激しい批判に直面し、ロシアは日曜日の午後8時に国連安全保障理事会の緊急会議を招集した。ロシアのビタリー・チュルキン国連大使は、内戦を起こそうとしていると米国を非難した。

CIAのジョン・ブレナン長官が先週末ウクライナを訪問していたという噂がすぐにモスクワで流れると、ロシアの新聞各紙は直ちに、長官はウクライナ東部で軍事作戦を指揮するためにキエフにいたと報じた。ホワイトハウスは、馬鹿げているとして、この話を否定している。

 米国では、深く焼きついた冷戦の記憶を示す兆候もいくつか見られる。ジョン・マケイン氏のような上院のタカ派は、ロシアに対して容赦のない侮蔑を示してきた――マケイン氏はロシアのことを「国家のふりをしたガソリンスタンド」と呼んでいる。

 ロシアの主張に反論し、米国務省は4月13日、「Russian Fiction: The Sequel, 10 More False Claims about Ukraine(ロシアの虚構:続編、ウクライナに関するあと10の虚偽の主張)」と題する文書を公表した。

 その他の点では、オバマ政権は、現在の危機から冷戦とのつながりを一掃するために尽力してきた。バラク・オバマ大統領がロシアを「地域の大国」と呼ぶ一方、ジョン・ケリー国務長官は好んで、ロシアは米国の「21世紀の道具」による痛みを感じるだろうと主張する。歴史は先に進んだと両氏は訴えている。

 だが、米国は過去の教訓を否定し過ぎている可能性がある。ウクライナで緊張が高まる中、オバマ政権には2つの大きな戦略的選択肢がある。力強く反撃するか、交渉するか、どちらかだ。だが、オバマ政権は、どちらを試す機会も自らに与えていない。

 プーチン氏を挑発するのを避けたがっている米国は、ウクライナとの情報共有を増やしたり、ウクライナに小型武器を提供したり、多数の軍隊を北大西洋条約機構(NATO)の最東端の加盟国に移動させるといった軍事的選択肢を避けてきた。

抑止の余地も交渉の余地もほとんどなし?

 だが、先週の欧州での講演で、オバマ氏はさらに大きく踏み込み、一種の抑止としての武力行使の威嚇――第2次世界大戦後の米国の戦略の中核的概念――をも一切排除したように見えた。「軍事力によって、ロシアをクリミアから立ち退かせることも、さらなる事態の深刻化を思いとどまらせることもできない」とオバマ氏は述べた。

 17日にジュネーブで協議が再開されることになっていたが、交渉はこれまでほとんど成果を上げていない。米国の政府高官らは、ロシアは話し合いに本腰を入れてこなかったと主張する。だが、観測筋の中には、大国が小国の運命を決めるという考え方を軽視するオバマ氏の態度が、ウクライナにおける両国の利害が何であるのかについて米国がロシアと本気で交渉することを妨げてきたと考える向きもある。

 「冷戦時代でさえ、我々は国益について合理的な条件で話し合うことができた」。ワシントンのウィルソンセンター・ケナン研究所のディレクター、マシュー・ロジャンスキー氏はこう言う。「だが、我々は、ロシア人に向かって、あなた方は間違っている、あなた方は協議に加わる必要があると言う段階を超えていない。それは戦略ではない」

 その結果、米国は、ロシア政府の読みを変えることを期待して、ロシアの高官に対する制裁を強化するという政策に追い込まれている。だが、この政策は欧州の脆弱な政治的合意が許すところまでしか行けない。

 オバマ氏が反射的なロシア叩きを回避するのは正しいし、他の選択肢が非常に難しく見える時に制裁について盛んに語る大統領もオバマ氏が初めてではない。だが、冷戦後の外交政策を作り上げたいというオバマ氏の望みは、抑止の余地も外交の余地もほとんど残さないのだ。



(私のコメント)

1991年のソ連崩壊は、米ソ冷戦体制の終わりをもたらし、アメリカの単独覇権体制が始まった年だ。最大の天敵だったソビエトが崩壊したのだから、アメリカは従来の同盟国に冷淡に振る舞いはじめた。NATOもバルト三国まで範囲を広げて、旧ソビエト圏諸国に対してカラー革命を進めて親米国家にしていった。

それに対してロシアはなすすべを知らず、崩壊した経済はハイパーインフレをもたらしてルーブル紙幣は紙切れ同然になってしまった。ロシアは21世紀中は立ち直れないと思われてきましたが、KGB出身のプーチン大統領は、経済を立て直しに成功して軍の再建にも取り掛かってきた。

ロシア軍の再建は、2008年のグルジア紛争でロシア軍の反撃にみられるように、戦える状態にまで持ち直してきた。それまでは戦車のメンテナンスすら行えず、多くの軍艦は港に係留されたまま朽ち果てて行った。中国の空母の遼寧も旧ソビエト海軍の空母であり、鉄屑として中国に売却されたものだ。

天下を取ったアメリカとしては、今まで同盟国として功績のあった家来を切り捨てるのは、天下国家として常識であり、アメリカは日本に対して経済的に封じ込めと、朝日新聞に命じて従軍慰安婦や南京大虐殺などの歴史カードで精神的に叩きのめす事を仕掛けてきた。アメリカは日本の円を1ドル=79円にまで吊り上げ、中国の人民元を1ドル=2元から8元まで切り下げさせた。400%もの切り下げである。

さらに1997年にはアジア金融危機を引き起こさせて、ASEAN諸国や韓国などを経済破綻させて、インドネシアや韓国などをIMF管理下に置いて経済をバラバラにした。天下を取ったアメリカとしては当然の行為であり、NO2以下を潰す事が帝国としての定石であり、特に日本は国力を衰退させて二度と立ち上がれないようにした。

これは歴史を見れば当然の事であり、信長も秀吉も家康も天下を取れば、功績のあった重臣を次々と追放したり、自害に追い込んで天下の安泰を図るのは当然の事であり、アメリカが帝国として同盟国であった日本に襲い掛かってくることは意外な事ではない。油断をしていた日本が悪いのであり、日本経済は円高不況で20年もの間苦しんできた。

これは80年代からアメリカは経済大国となった日本に対する報復は、85年のプラザ合意から試みられてきた事ですが、ソビエトの崩壊によって日本は用済みとなり、アメリカは中国と手を組んで日本の技術と資本を中国に移転させようと円高ドル安株安を仕掛けてきた。これは帝国として当然の事でありアメリカが特に悪い国だという事ではない。

これに対して日本は「死んだふり戦略」で対応するしかなかった。日本は世界からバカにされる存在となり、アメリカに進出した企業は理不尽な裁判を仕掛けられて巨額な賠償金を課されてきた。信長は家康に対して正室と嫡男の信康に自害を命じたが家康はそれに従った。天下人に逆らえば自分が殺されるからだ。

家康にしても天下を取ると功績のあった家来たちを次々と取り潰して行きましたが、アメリカもTPPで日本を取り潰すつもりだったのだろう。TPPは国内法よりも国際条約で日本を丸裸にする条約であり、TPPに加わらなければ日本は御取り潰しにあうかもしれない。しかしロシアのウクライナにおける反撃は冷戦体制の復活を思わせるものであり、アメリカの単独覇権国家は幻想だったのだ。

もしロシアと中国が手を組めば、アメリカはユーラシアから叩き出されるのはアメリカであり、日本やNATOと言った同盟国の協力が無ければ、ロシアや中国に対抗が出来なくなる。日本も死んだふりを解除して動き出す機会が来たようですが、アメリカのオバマ大統領はまだ冷戦の復活を認めていない。ロシアや中国に対する融和的な態度は冷戦体制を何とか回避しようという努力なのでしょう。




消費税の税率が4月に5%から8%へアップしたのに、国家公務員(約56万人)
地方公務員(約231万人)の給与が4月から平均で約8%アップする公務員天国


2014年4月17日 木曜日

消費増税の陰で国家公務員の給与が4月から8%増で2年前の水準へ 4月10日 マイナビニュース

消費税の税率が4月に5%から8%へアップし、国民の負担がいっそう増す中、国家公務員(約56万人)の給与が4月から平均で約8%アップで、2年前の水準に戻る。東日本大震災の復興にあてる名目で2012年から給与を減額していた取り組みは、消費税アップと同じタイミングで終了。減額の期間はわずか2年間にとどまった。

 一方で、同じく震災復興のためとして、国民に負担を求めた「復興特別税」は、所得税は25年間、住民税は10年間にわたって続くことになっている。

 2011年3月に発生した東日本大震災では、東北地方を中心に深刻な被害が広がり、日本にとって「戦後最大の危機」とも言われた。そこで、復興を図るという大義名分のもと、財務省などは財源の確保に躍起となった。

 その流れで、復興特別税という新しい税の導入が決定。さらに消費税率アップが盛んに論じられるようになった。こうした状況の中、公務員も身を切るとして、平均7.8%の給与削減が2012年4月から始まった。しかし、安倍内閣は昨年11月15日の閣議で、この給与削減は延長せず、元の水準に戻すとして、今年4月からの給与アップを決めた。削減された時点をベースとして計算すると、アップ率は8.5%となる。

 一方で、国民が負担する復興特別税は所得税で25年間、住民税は10年間もの長期にわたって課される。企業に負担を求めた「復興特別法人税」もわずか3年だけ。消費税率アップは、言うまでもなく期限の区切りはないどころか、2015年には再びアップ(8%から10%)も予定されている。

 この春は、基本給のベースアップ(ベア)を実施する企業が現れたとはいえ、それは一部の大企業にとどまり、それも額は数千円程度。これに対し、国家公務員の35歳のモデルでみると、この4月から給与は月額約2万1000円アップする。年収ベースでは、ボーナスも増えるため、総額36万7000円も増加している。

 モデル年収は465万2000円となる計算だ。霞ケ関のある省庁の職員は「給与削減で生活は苦しく、カツカツだった。やっと終わってホッとした」と表情を緩ませた。

 さらに、給与アップは国家公務員にとどまらない。地方公務員(約231万人)の給与も国家公務員にならってアップする。このため、国と地方を合わせた公務員の人件費は、昨年度の25兆4000億円から、今年度は26兆3000億円となる見通し。実に9000億円もの増加で、歳出削減に逆行している。

 アベノミクスの恩恵を実感できている人は、そう多くはない。公務員の給与をこれまでの水準に戻すことで消費の拡大を図れるとはいえ、それ以外の負担を軽減できていない政策を続けていては、経済の回復は、まだまだ時間がかかりそうだ。



(私のコメント)

消費税が4月から8%になったおかげで買い物のたびに消費税分が加算されます。総額でいくらになるのかレジで精算するまで分からない。ぎりぎりの予算で買い物する場合は計算が面倒だから少なめに買い物する事になります。このように消費税は消費者泣かせの税制であり公務員の給料はそこから支払われている。

公務員の数は数え方で違いますが、国と地方で約300万人で、人件費は国と地方で26兆円だそうです。天下り役人が12兆円の予算を使っているから38兆円の予算が使われている。つまり一人1000万円以上が支払われている。これは健保や年金や退職金などが含まれているから手取りが1000万円あるというわけではない。

まさに日本は公務員天国であり、若い人のあこがれの職業NO1は公務員であり、地方で一戸建ての家を建てて自家用車を買う人は公務員くらいだそうです。だから地方公務員はコネを使ってでも就職する人が後を絶たない。そして地方議会とグルになってお手盛りで給与を上げてしまう。だから地方財政は火の車だ。

ギリシャも四人に一人が公務員であり、公務員の高給が国家財政の負担になり、ユーロ債を発行してギリシャはデフォルト騒ぎを起こしました。日本の地方もギリシャのようなものであり、これといった産業も無いから税収も少なく、公務員だけがお手盛りで給料を上げて行く。ギリシャは足りなくなれば国債を売って穴埋めをしてきた。

日本も同じようなものであり、財政赤字の主な要因は高すぎる公務員給与であり、足りない分を国債を発行して賄ってきた。若い人にとって公務員に就職できるか否かは天国と地獄であり、親たちは地方議会議員の幹部にコネを作って息子や娘を市役所や県庁に就職させる。公務員になり損ねた若者は大都会に出てきて非正規労働者となり職業を転々とすることになる。

多くの国民が、25年にわたって「復興特別税」を取られている事に気が付く人は僅かだろう。知っている人がいたとしてその税率を知っている人はどれだけいるだろうか? 基準所得税額の2,1%が取られますが、確定申告の時になって初めて知った。それほど復興特別税の事は知られていない。

消費税と同じくお金に使い道が書いてあるわけではないから、消費税や復興特別税は公務員の給与に使われてしまっても納税者には分からない。国人は25年間にわたって支払わされるのに法人は3年でお終いだ。民主党は公務員給与20%カットを公約として政権についたのに、政権を取ったとたんに公約を忘れてしまった。

1000兆円の国債残高のうちどれだけが公務員給与に使われてしまったのか分かりませんが、税収が40兆円しかないのに国家予算は90兆円も使っている。地方公務員の給料は地方税から賄われるべきであり、地方税のほとんどが地方公務員の給与に消えている。その他の予算は国からの交付税で賄われている。


日本はギリシャそのもの ああ、公務員だけがこんなに幸せな社会 2011年12月9日 現代ビジネス

 官僚を打倒するはずが、官僚に打倒された民主党政権のせいで、お役所は肥え太っている。国民には増税で出血を強いるが、特権は決して手放さない。一部の役人だけが幸せ、そんな国は長くもたない。

本当の給与は民間の2倍

 その国では、国民の実に1割が「公務員」である。労働者人口に占める割合は25%、つまり働くオトナの4人に1人は、公務員として税金で飯を食っている。

 この「役人天国」において、公務員は「○○手当」などの名目で次々と給与が加算され、時にその加算分は、基本給の3倍にもなった。年金は50代から支給され、本人が死亡した場合、受給権は妻だけでなく、未婚または離婚した娘も引き継ぐことができる。

 あまりにその身分が美味しいため、公務員の地位は、選挙応援に対する謝礼≠ノなった。その結果、公務員の数はますます増えた。人間が増えれば、必然的に仕事はなくなる。しかし、だからといって給料や年金が減りはしない。

 やがて、その国は国家財政が破綻した。これは、EU(欧州連合)のお荷物と化し、世界金融危機の引き金を引こうとしているギリシャのことである。

 だが、われわれ日本人は、ギリシャのことを笑えない。「ギリシャ」の部分を、「日本」に置き換えてみればいい。民間の平均値に比べ、はるかに恵まれた待遇と社会保障。定年後には天下りで優雅な老後を楽しみ、一生、食うに困らない。そんな役人天国ぶりは、日本も何ら変わらない。(後略)





フランス経済はひどい状態だ。もう大惨事となるところだ。フランス経済は、
ユーロによって破壊された。結果は完全に失敗だ。 エマニュエル・トッド


2014年4月16日 水曜日

後退する中国、「大惨事」のヨーロッパ 歴史人口学者エマニュエル・トッド氏インタビュー 4月14日 黒沢正俊

「ヨーロッパ復権」予想を修正

では、欧米の将来はどうですか。

トッド:米国に対する私の見通しは、中国に比べて肯定的だ。米国は今、岐路に立っていると思う。米国は愚かな自由主義から離れようとしている。ルーズベルトのニューディール政策ほどではないが、市場一辺倒からより政府の役割を重視する方向に向かおうとしているようだ。こうした米国における評価すべき変化を私は注視している。

 他方、ヨーロッパは、大惨事だ。ユーロが機能しなくなっている。ヨーロッパは、世界の問題児になっている。2002年に出版した『帝国以後』では、米国は制度的な弱点を抱えており、もはや世界の問題を解決するスーパーパワーではなくなると書いた。他方で、ヨーロッパの将来は非常に有望であると書いた。

 私はヨーロッパについてひどい間違いを犯した。ヨーロッパがEU統合を機に世界平和の推進力になると予想したが、それは外れた。今や、ヨーロッパは諸国家の平等な連合体などではなく、ドイツを中心とした階層的なシステムに変容しつつある。

 ヨーロッパは、内部対立を抱えている。その証拠に、多くの国が再びドイツへの嫌悪感を持ち始めている。

今勃発しているウクライナ問題は、ヨーロッパにとってだけでなく、世界にとって深刻な問題です。

トッド:ウクライナで今起きている事態は極めて象徴的だ。ウクライナでの出来事は誤解されている。これはロシアと西欧諸国の問題であると考えられているが、果たしてそうだろうか。みんな、こう考えている。「ロシアがクリミアを侵略した。当然、米国は行動を起こすはずだ。米国は面目を失うわけにはいかないから、ウクライナ政府の後ろ盾になる」。

 果たして、こうした見方は正しいのだろうか。旧ソ連圏解体後の米国は、異なる資本主義にも非寛容だった。しかし、今は寛容になっている。ロシアは異なったタイプの資本主義で、昔なら米国は介入しただろうが、今はそうならないはずだ。ウクライナ問題におけるオバマのアジェンダには、介入政策はない。

 最近、反ロシアの動きがヨーロッパ内に生まれている。ドイツはロシアとの関係でいつも友好と対立の狭間で躊躇してきた。そして、両国の関係はつねに友好に始まり、対立で終わってきた。

 今、ドイツとロシアには重大な対立があると考える。これがウクライナ問題に関する現在の地政学についての私の見解だ。

民主主義と独裁の二面性を持つロシア

ロシアのクリミアへの関与は、新しい冷戦とも見られています。

トッド:英国の歴史学者で経済学者のロバート・スキデルスキーが、ロシアの二面性を表現する素晴らしい記事を2013年9月20日付けガーディアン紙に書いている。

 その記事によれば、二面性とは民主主義であり独裁政治でもある現在のロシアの国内システムのことだ。スキデルスキーは、ロシアのシステムを表す新語が必要だと言っている。国際問題での姿勢を考えると、ロシアは自国を守ろうとする保守的な国家であり、そのこと自体は悪くはないと彼は見ている。

 ヨーロッパは変貌しつつある。『帝国以後』の中に米帝国からの「ヨーロッパの独立」と題した章がある。これは全く真実だったが、米国から離れ、独立したヨーロッパとドイツの関係について、私は予見できなかった。ヨーロッパはドイツを中心とした階層構造になっているという新しい事態を予見できなかった。

今、ドイツ経済はユーロ圏で唯一好調です。その理由は、メルケル首相の前任者であるゲアハルト・シュレーダー氏の社会保障、雇用改革にあるといわれています。

トッドフランス経済はひどい状態だ。もう大惨事となるところだ。フランス経済は、ユーロによって破壊された。ユーロを生み出すことに忠実であったフランスなのに。結果は完全に失敗だ。しかし、そこから抜け出せない。とても困難な状況にある。

 私がフランスや他の国で講演をするとき、オランド大統領について話すことを拒否している。オランドはいつもドイツの後をついて行くから、私は彼に言及するたびに「オランド副首相」と呼んでいる。



「見えない戦争」が「見える戦争」の勝敗を決める 4月15日 増田俊男

私は、マスメディアは情報の伝達者であって情報の創造者ではない。Editorial (社説)は寄せ集めた情報を分析したりまとめたりして社の独創的意見のように装っているだけで本質的には創造情報ではない。日本が最も顕著だがほとんどの国でマスコミがオピニオン・リーダーになっている。インテリジェンスとは「真実を基に情報を創造し、また他が創造した情報と非創造型情報の見分けが出来る者」を言う。以上の前置きは「私はインテリジェンスだ」と言いたかったからである。

さて最近の出来事にウクライナの自治共和国であったクリミアの住民選挙によるロシア帰属決定、さらに親ロ集団のドネツク市庁(ウクライナ東部)占拠長期化等で、オレンジ革命で欧米化されたウクライナは内部分裂をしながらロシアへ向かい始めている。明らかにウクライナを巡る欧米とロシアの奪戦と言っていい。事は本年2月親ロのヤヌコビッチ大統領がロシアに気を使ってEU加盟を白紙に戻したことから野党が激怒、欧米の武装勢力をバックにクーデターを起こしヤヌコビッチ大統領を葬り去り、親欧米臨時内閣を作ったことから始まった。以上が「目に見える戦い」だが、事の背後には「目に見えない戦争」がある。

ここで読者にはっきりと頭に入れておいてもらいたいのは「21世紀の新型兵器」についてある。安全保障上最大の抑止力である「核の時代」は終わり、「目に見えぬ兵器の時代」になったと言うことである。

目に見えぬ兵器とは「通貨」である。核兵器等目に見える兵器を使わなくても敵国の通貨を崩壊させれば敵は滅びる!21世紀と述べたが正しくは新型兵器が稼働し始めたのは2009年からである。2009年Pentagon(国防総省)は世界史上初めて超極秘の「通貨戦争部隊」(Financial Weapon Unit)を創設した。以後世界に起こった目に見えるイベントは目に見えない軍隊に左右されてきた。

世界中のインテリに共通していることは、「日本はさっぱりわからない」である。

消費税増率で10兆円以上の税収が増え、それだけ国民の負担が増えるのだから5兆円の減税やセーフティーネットなどでカバーしようというセンスは資本主義的でない。マイナス10をプラス5で補おうとするのは経済を死に体と見る感覚である。いきなり背中を押される場合、暗闇で押された場合と昼間押された場合では、びっくりして飛び上がる力の押した力に対する倍率はどのくらい違うか。マイナス10兆円をカバーするにはやはり暗闇で背中を押さなくてはならないようだ、、、などと考えるのが資本主義的にまともなのである。

足を二本切ったのでは歩けないと思ったので1本別の足を持ってきました、、こんなことだから「失われた20年」などと言うことになる。

また前置きが長くなったが、私の「日本ナメクジ論」(日が照ると湿った落ち葉の下に潜り、雨が降ると落ち葉の上に出てきて歩き回る。すると歩いたところからナメクジの子供がどんどん生まれて来る。森の百獣の王のライオン(アメリカ)も頭のいいキツネ(欧州)もナメクジの群れを見ると気持ちが悪くなって逃げ去って行く=日本ゾンビ論)を聞いたOxford Clubの大先生がPentagonの通貨戦争部隊の大先生に私のことを話したら、「どうしたらいいのか全く分からないのが日本」。是非ともMr. Masudaに会いたいと言うことで、来週NYでごちそうになる事になった。世界の裏話(本当の話)が次の「小冊子」(Vol.56)の原稿締切りに間に合うといいのだが。


(私のコメント)

通貨戦争と言うと単なる言葉の比喩に聞こえますが、現代においては通貨がミサイルであり砲弾でもあるのだ。そして通貨を自由に操作してドルや円やユーロを自由に上げ下げできるのがG7であり、ロシアも加わってG8となりましたが、ウクライナ問題で弾き出されてG7に戻った。

ロシアのルーブルは一時大暴落しましたが、欧米の見えない経済制裁が徐々に効いてきてロシアのプーチンも締め上げられるかもしれない。現代は領土や領海を広げる事よりも通貨の価値を守る事の方が国家としての重要な責務であり、いかに経済インフラを大都市に集中させて効率的な経済競争力をつける事が通貨戦争での勝者となる。

日経BPの記事でエマニュエル・トッド氏のインタビューがありますが、トッド氏は以前にはEUの復権とユーロがドルに代わる基軸通貨になると予測していましたが、リーマンショックやPIIGS危機などによってEUとユーロは混乱の時代を迎えている。ユーロ解体も噂に出るほどの状況であり、ドイツだけがユーロの恩恵を受けてる。

ユーロも規模においてはアメリカのドルを上回るものですが、PIIGS諸国などの経済弱者がおりユーロの信用を失墜させてしまった。つまりアメリカはギリシャを突いてユーロの弱点を露出させてユーロは分裂の危機を迎えている。問題はドイツがどう動くかですが、トッド氏が言うようにフランスのオランド大統領は、メルケルの副首相になってしまった。

通貨は今や単なる紙切れに過ぎませんが、その国の経済力のバロメーターであり、金ではなくその国の経済力によって通貨の発行高を決められている。だから発行しすぎればドルのように安くなるし、円のように経済力があっても円札を市場に出さなければ円の価値は高まる一方になる。

アメリカの戦略としては、ドルが世界の基軸通貨として質量とも最大ですが、日本の円や中国の人民元でドルを買わせてドルの価値を維持している。しかしユーロは日本の円や中国の人民元は少ししか買っていない。ウクライナの問題もアメリカが仕掛けたのもユーロに対する揺さぶりの意味があるのだろう。ロシアとEUの冷戦が復活すればトッド氏が描いた夢は夢に終わる。

増田俊男氏が指摘しているのもその点にあり、ユーロには地政学的な弱点がある。ドイツとロシアががっちりと協力関係が出来ていればユーロの将来性はあるが、対立すれば協力関係が出来ずに終わる。ユーロに変わるドルへの挑戦者として中国の人民元がありますが、国際通貨としてのシェアを広げて来ている。貿易における人民元による決済を広めているためですが、今のところは人民元はハードカレンシーではない。

世界最強の通貨は日本の円であり、円がドルを支える構造でドル基軸通貨体制が守られている。ならば日本の円が世界の基軸通貨になればと思うのですが、日本にはアメリカのような軍事力が無いから借金の取り立てが難しい。だからドルと円とが支えあってドルが基軸通貨になっていますが、アメリカはドルを刷りまくって世界にばら撒かないと世界のドル需要に追い付かない。

アメリカや日本が金利を上げたり金融を引き締めたりすれば世界の株価が大暴落し、新興国の通貨が暴落する。その為に新興国はドルを貯めこんでいますが、輸出商品がある国はいいが観光しか産業が無いと言った新興国はドル債権を返済できなくなりデフォルトする危険性がある。

日本の財政再建には、消費税の増税よりもインフレによる名目GDPの拡大による増収の方が効果があると思うのですが、財務省はデフレでも消費税増税で財政再建をはかろうとしている。日本政府日銀は円高を放置して株安もなすがままだった。日本経済の実力からして円を世界にばら撒くべきでしたが、財務省は円の国際化を嫌がった。増田俊男氏によれば日本なナメクジだという事ですが、アメリカから見ても日本に気味悪がられているようだ。



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