株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


ネットによって政治家への影響力も大きくなって来ましたが、アルファブロガー
による政治解説なども大きな影響力を持ってきたのではないかと思う。


2013年6月15日 土曜日

津田大介「今はネットの声がちゃんと行政に届く時代」 6月15日 web R25

乙武: ネット選挙解禁といっても、ネットで投票できるようになるわけではありませんよね。では、いったい、どんなことができるようになるんでしょうか?

津田: いろいろありますが、まず候補者が選挙期間中にホームページやブログ、SNSを更新できるようになります。また、動画がOKになったことも大きな変化でしょうね。これまでは映像によるPRといえば政見放送しかなかったわけですが、今後はYouTubeやニコニコ動画などを活用できるんです。

乙武: それは僕ら有権者にとってもありがたいですね。ネット動画なら、いつでも好きな時にチェックできるようになるわけですから。

津田: ただ、ひとつ争点になっているのは、メールです。今回の改正では、立候補者本人以外の有権者による応援メールの発信は禁じられています。「○○候補への投票を、よろしくお願いします」というやつですね。

乙武: それはなぜですか? 候補者本人が「よろしく」とメールするのはOKなのに、周囲の運動員が送るのはNGというのは、いまひとつ腑に落ちないのですが…。

津田: SNSと違ってメールはクローズドなやり取りですからね。「○○に入れてください。△△はこういう悪い噂もありますし…」などと、他の候補者を貶めるようなことがないともかぎりません。それに、細かなルールを熟知していない有権者が、応援候補のために良かれと思って送ったメールが罰則規定に抵触していて逮捕されてしまう…なんてこともあり得るかもしれません。だったら、メールについては当面、候補者本人のみ解禁しようということでしょう。

乙武: なるほど。そうした理由から、「全面解禁」とはならなかったんですね。

津田: なんだかんだいっても、今回はけっこういい形で解禁されたと個人的には思いますよ。民主党政権下で議論されていた時は、「公式サイトやブログはOKだけど、Twitterの更新はNG」などという、わけのわからないものでしたからね(苦笑)。

乙武: それはたしかに中途半端ですね。そもそも津田さんがこうした「ネットと選挙」というテーマに関心を持つようになったのは、何がきっかけだったんですか?

津田: 僕は2006年から2008年まで文化庁・文化審議会の審議委員を務めていたのですが、この際、政策が決まるプロセスに違和感を覚えたことがきっかけなんです。政策って、もっと当事者の声やユーザーの考えが反映されるべきじゃないのか、と。

乙武: たしかに僕らの生活に密接に結びつくような問題であっても、僕らとは切り離されたところで意思決定がなされていることが多い。民意が介在せずに決まる政策では、意味がないですものね。

津田: その後、スタートしたばかりの民主党政権が、記者クラブに属さない記者にも政府主催の記者会見をオープンにするという公約を守らず、猛烈に批判を浴びたことがありました。その時、Twitterユーザーである民主党の藤末健三議員が批判ツイートをすべて印刷し、党の上層部に紙の束を見せながら、一刻も早く記者会見の開放に向けて動くべきだと説得したんです。この時、ネットからでもちゃんと民意が届く時代になったんだなと実感し、それがなんだかとても面白く思えたんです。

乙武: これまでは僕らの声を政治家に届けようとしても、どうすればいいのかいまひとつわからなかった。政治家につてのある人なんて一握りだし、わざわざ事務所に電話をかけるのも、ちょっとハードルが高い。今回のネット選挙解禁もそうですが、有権者と政治家の距離を縮めていくツールとして、今後ますますインターネットの重要性は高まっていきそうですね。



(私のコメント)

最近ではテレビよりもネットを見ている時間の方が長くなりましたが、コマーシャルにしてもテレビよりもネットに力を入れるスポンサーが多くなった。テレビのコマーシャルの最後に「詳しくなネットで検索」と言うメッセージが入るCMが多くなりました。15秒のCMでは十分に情報が伝わらない為だ。私などもアマゾンで物を買うことが多くなりましたが、翌日には物が届く。
 
このような状況ではテレビが与える政治的影響力も少なくなり、田原総一郎がものを言えば政局が変わるような状況は生まれにくくなっている。将来的にもテレビしか見ない老人は少なくなりネットしか見ない若者が増えてくる。政治家もネットをフルの活用した政治家が多くなり、テレビに出なくてもネットを活用すれば当選できる時代が来るだろう。
 
ネットの選挙解禁については「株式日記」でも何度も書いてきましたが、ようやく参院選挙からネット選挙が解禁になる。昨日から東京都議会銀選挙が始まりましたが、都議会議員選挙ではネットはまだ解禁されていません。私の選挙区の立候補者を見ると40代の人はほとんどでネット世代の候補者が多くなりました。
 
候補者達もブログはもとよりフェイスブックやツイッターなどをやっている人が多くなり、参議院選挙ではネットがどのくらい有効か試されるだろう。今までは選挙公報を見るかテレビの公式放送を見るしかありませんでしたが、ネット選挙では候補者の具体的な情報がネットで見ることができる。ツイッターやフェイスブックを使えば候補者とのやり取りも可能になり、アラシや誹謗中傷は排除できるし本人も確認が出来る。
 
これからは選挙カーに乗って名前を連呼するような候補は敬遠されて、ネットでの活動が多くなり選挙区の有権者との双方向の対話が出来る。もちろん従来型の選挙をする候補もまだ多いのでしょうが、ネット選挙は金がかからないで活動が出来るが、選挙カーで名前を連呼するには車を借りたり鶯嬢を雇ったり金がかかる。メールも金がかからないから一斉送信で連絡が出来る。
 
ネットによって政治家への影響力も大きくなって来ましたが、アルファブロガーによる政治解説なども大きな影響力を持ってきたのではないかと思う。「株式日記」は愛国保守を旗印にしていますが、経済政策では社会主義的な政策を支持しています。長引く不況を解決するには需要を増やさなければなりませんが、GDPの60%が一般消費であり消費が伸びなければ景気の回復は無い。
 
消費を伸ばす為には、消費者の所得を増やさなければなりませんが、一番消費する若い世帯の所得が減少している。雇用を増やして賃金を上げて行かなければなりませんが、新自由主義経済ではリストラが進んで経済格差が拡大して、高額所得者は所得減税の恩恵で貯蓄を増やしていきますが、低所得者は消費税の増税で消費に使える金額が確実にそれだけ減る。
 
参議院選挙では動画の配信が出来るようになり、タレント性なども試されますが、アイドルのような若い美人女性が有利になるのではないだろうか? 元芸能界にいたような人も動画などでは有利であり東京では反原発で有名な俳優さんが立候補するようです。問題は訴える政策ですが、ネット選挙で当選した国会議員は個人で当選した人も多くなるから、党の拘束に従わない事もあるでしょう。
 
ネットは国会議員と有権者との距離を縮めますが、有権者の方でネットををどれだけ使いこなせているかも問題になります。ほとんどの人が携帯やスマホを使ったネット利用であり、スマホの普及率もまだ高いとはいえない。若い人はスマホを持ってはいるが政治に高い関心があるわけではない。だから誰に投票していいかわからず、棄権する若者が多い。
 
非正規雇用が拡大されて、最低賃金も抑えられたままですが、若い有権者の不利な法律がどんどん作られていったのは若い人の棄権が多いからであり、投票率の高い老人達に有利な法律が通りやすい。ネット選挙解禁によって若い人の政治離れが変われば政治も変わると思う。
 




オーバーヘッド・スキャン方式により、A3までの原稿を非接触・非破壊でスキャン
できるドキュメントスキャナーの新製品「ScanSnap SV600」を7月12日に発売


2013年6月14日 金曜日

PFU、オーバーヘッド構造で非接触型の「ScanSnap SV600」 6月13日 ケータイウォッチ

 PFUは、オーバーヘッド・スキャン方式により、A3までの原稿を非接触・非破壊でスキャンできるドキュメントスキャナーの新製品「ScanSnap SV600」を7月12日に発売する。予約は6月13日から。価格はオープン価格で、同社直販サイトの価格は5万9800円。

今回発売される「ScanSnap SV600」は、これまでのシートフィード(ADF)方式のScanSnapシリーズとは異なり、オーバーヘッド・スキャン方式で非接触・非破壊のスキャンを行えるドキュメントスキャナー。A3までの原稿に対応でき、裁断することが難しい書類や本、付箋付きの原稿など、シートフィード方式ではスキャンが難しかった原稿のスキャンに対応する。また、白色のLED光源を内蔵し、環境光に影響を受けにくいスキャンが可能になっている。

 「ScanSnap SV600」には専用センサーによる「ページめくり検出機能」が搭載され、本のページめくりを自動的に検出して次々にスキャンすることが可能。タイマー設定により、3秒毎など一定時間ごとにスキャンも行える。ページをめくる動作自体は手動で行う。

 ソフトウェア処理では、見開きの本の湾曲を自動的に補正する「ブック補正」機能を用意するほか、見開きページを左右のページで分割する機能や、見開きのために添えて写り込んだ指先を消去する画像処理機能、並べた名刺など複数原稿を同時に読み取る機能などが用意されている。傾き補正や向き補正、カラー自動判別などにも対応している。

 ヘッド部には「VI(Versatile Imaging)テクノロジー」と呼ぶ技術が投入され、具体的には、手前から奥まで幅広くピントを合わせられる「高被写界深度レンズ」やライン型CCDセンサー、高指向性LED光源を搭載。画質のムラを抑え、均一で読みやすい画質を実現するとしている。読み取り時にはヘッド部が動き、白色LEDで照らされたラインが原稿上を走査していく。

 読み取り速度は1枚(片面)あたり約3秒。すべての原稿サイズ・画質モードで読み取り速度は同じ。ただし、これらはパソコンへのデータ転送時間やソフトウェア処理時間を除いた本体のみの読み取り速度。

 A3までのサイズに対応した黒色の専用背景マットがパッケージに1枚同梱され、原稿に対し黒い枠を作り出すことで原稿の判定を行う。このため、全面が黒い原稿は正しく読み取れない場合がある。

 センサーが搭載されたヘッド部分の高さは固定。読み取れる原稿のサイズは最大で幅432mm、縦が300mm。最小の読み取り範囲は25.4×25.4mm。原稿の厚さが5mmを超える場合、読み取り範囲は最大400×300mmになる。読み取り可能な原稿の厚さは最大30mmで、厚さ30mm以上の原稿は、センサーとの距離の関係からスキャン品質に影響が出る場合があるとしている。また、本体の底部より低い位置にある原稿も同様に正しく読み取れない。

 スキャンモードは、ファインまたはスーパーファインを自動的に判別する自動解像度モードのほか、ノーマル(カラー150dpi/モノクロ300dpi)、ファイン(カラー200dpi/モノクロ400dpi)、スーパーファイン(カラー300dpi/モノクロ600dpi)、エクセレント(カラー600dpi/モノクロ1200dpi)を用意する。

 パッケージに同梱されるパソコン用ソフトウェアは、Windows用として「ScanSnap Manager」や「ScanSnap Organizer」のほか、名刺管理ソフト、ファイリングソフトウェア、OCRソフト、PDF編集ソフトなどが同梱される。Mac OS X用のソフトウェアは2013年秋をめどにダウンロードで提供される予定。パソコンとはUSBで接続する。既存のScanSnapシリーズを接続したパソコンの場合、本機と交互に利用することもできる。

 大きさは約210×156×383mmで、重さは約3kg。作業時に必要な広さは525×484mm。

 専用の背景マットは別売りでも用意され、3150円。このほか、サードパーティからは、見開きの本に乗せて利用する、無反射コーティングを施したアクリル板など、スキャンを補助するアイテムも登場する予定となっている。



(私のコメント)

「株式日記」では電子書籍については何度も書いてきましたが、予想通りに本の出版業界は電子書籍化を先送りしてなかなか本格的な電子書籍時代はやってこないようです。ならば既存の本を電子書籍化するには自炊するしかありませんが、今までのスキャナーは本を裁断してスキャンしなければなりませんでした。
 
だから私自身は、本を裁断しなくてもスキャンできるスキャナーが出るまで待つべきだと書いた事があります。意外と早く非破壊せずにスキャンできるスキャナーが出てきましたが、価格も6万円弱と安く、いろいろなソフトも付いてくるようです。私のような蔵書家は本の置き場所に困り、読みかけの本も机の上に山積みになっている状態であり、電子書籍化は避けて通れない。
 
電子書籍端末も1万円程度で高性能なものも出来てきて、タブレット一つで数百冊の本が収納できます。SDカードを入れ替えれば数千冊から数万冊の蔵書が一台のタブレットに収納が出来るので、本箱も要らなくなり部屋も広く使えるようになります。問題はどうやって電子書籍化するかですが、業者に頼めば忙しい人でも電子書籍化できるようですが、あくまでも個人が私的に利用する範囲に限られます。
 
従来の紙の本もそれなりのメリットがあるのですが、持ち歩いて読むには荷物になりますが、7インチのタブレットならポケットに入れて持ち歩く事ができます。しかし私が今まで電子書籍端末を買わなかったのは本を裁断しなければ電子書籍化できなかったためですが、VS600で非破壊で電子書籍化が出来る。
 
漫画や写真などもカラーで出来るそうですが、A3サイズまで可能だそうなので大きな写真集なども電子化できます。後は電子書籍端末ですが、大きい方が読みやすいのですが重たくなって電池も持ちが悪い。キンドルのようなEインクなどの方が電子書籍向きですが、軽くてポケットに入るサイズが適当だろう。
 
日本における電子書籍の販売は当面望めないので、自炊による電子書籍化しか手は無いだろう。日本の電子書籍化が遅れているのは著作権法などがネックになっているからですが、電子書籍化をした方が作家の取り分は多くなる。新聞や雑誌の電子化も望んでいますが、新聞や雑誌は溜まり易くて処分に困ります。
 




韓国は儒教思想に基づく上下関係の厳しい世界。エリートが集まってくる
サムスングループでも上下関係は存在し、しかもそれは日本の比ではない。


2013年6月13日 木曜日

部下に絶対服従を強いるサムスン トップダウンは絶対か(下) 6月13日 佐藤登

 前回の本コラムでは「トップダウンは絶対か」の前編として、ホンダ時代経験した技術論議を紹介した。創業者である本田宗一郎氏の掲げていた「技術論議に上下関係はなし」との考えとは裏腹に、実際は明確な上下関係が存在していたこと、その状況を打破することが技術者としての気質であることを論じた。

 その後編となる今回は、韓国サムスングループに場面を移して考えてみたい。ご存じの読者も多いと思うが、韓国は儒教思想に基づく上下関係の厳しい世界。エリートが集まってくるサムスングループでも上下関係は存在し、しかもそれは日本の比ではない。

 まず、研究開発の現場で技術論議になる場合はほとんどない。研究開発を統括するチーム長(専務や常務などの役員)の意向で、研究開発の方向性などの様々な決定が下されていく。チーム長が間違った判断をすれば、開発が失敗する可能性もある。チーム長には精度高く成功に導く戦略と考えが問われることになる。

 これに対し、部下には人事考課の評価は付いてくるが研究開発の成否に責任を負うことがない。上司からの命令を忠実に遂行することで高い評価を得ようと頑張るのみ。仮に開発テーマが失敗しても、部下にとっては自分の責任ではないという言い訳もできる。逆に言うと、部下が上司の意向とは違う方向で研究開発を進めたうえで失敗することになれば大問題となってしまう。最悪の場合、サムスンで働けなくなるため、部下の多くは上司からの指示待ち状態になる。

部下の主張を全否定

 筆者自身、2004年9月にサムスンSDIの常務として中央研究所へ着任し、当初は、リチウムイオン電池の新素材や先端技術、太陽電池、燃料電池のいわゆるエネルギー部門の戦略担当役員を務めた。以降に新素材研究部門のチーム長を務めていたが、車載用リチウムイオン電池の研究開発部門をもサポートする役割を兼務していた。

 自動車業界に通じている筆者がサポートすることで車載用リチウムイオン電池の実用化を加速させたいという当時の社長の指示だったのだが、ここで韓国での絶対的な上下関係を実感する現場に遭遇した。

 実際、業務上での関わりは少ないと考えていた欧州の自動車メーカーを訪問することになった。欧州自動車メーカーの役員や幹部クラスは、筆者がホンダ時代に出席していた国際会議で何度か顔を会わせたことがあったため、再会を祝しつつ協議できたことは筆者自身にとって良い経験だった。

 当時、車載用リチウムイオン電池の研究開発部門をチーム長として統括していたのが常務。この部門の韓国人部下たちは、常務からの高い評価を得るために、従順に指示されたことを中心に業務を進めていたのだ。たとえ部長クラスの部下であっても、そういう姿勢で業務にあたり、チーム長と議論している光景などは見たことがなかった。

 ただ、筆者自身の目にはこの常務が車載用リチウムイオン電池の開発を、自信を持って主導できる実績のある人物だとは映らなかった。ここがサムスングループにおける人事のポイントだが、必ずしも豊富なキャリアがあるからチーム長を務められるわけではない。組織改編や人事異動が頻繁に実施されるため、同じ分野でキャリアを築いていくこと自体が難しい。もちろんチーム長は研究開発の全責任を負うため、多少気の毒になるがこれがサムスン流だ。

こうした環境に我慢できなかったのだろう。ある日、常務の開発部門にいる部長クラスの日本人部下が異議を唱えた。その主張は、常務の技術判断力としての手腕に疑問を抱いていた筆者にとっては納得できるものだったが、当の常務はそうではなかった。

 その日本人部下と論議した結果、常務は「もういい。あなたは要らないから出て行ってくれ」と激しく怒鳴ったのだった。サポート役を兼務していた筆者が仲介に入ることで、その場は収まったものの、日本人部下は常務から嫌われてしまい部門から追放されることになった。最終的には、筆者の開発部門に異動してもらうことで、退社することは免れた形だ。

 この常務は、韓国人のチーム長の中でも特に上下関係に厳しい人物だったようだ。部下の話を聞かないこともしばしばあり、上司に従順と言える韓国人部下からも煙たがられるようになった。最終的に2007年末の役員人事で、社長から解任され、会社を去ることになった。

 もちろん、チーム長に異議を唱えるのは日本人(外国人)技術者だけではない。少数派だが、上下関係をあまり意識せずに本音で上司に物を言う韓国人も存在する。とりわけ、日本や米国に留学してグローバルな考えや行動を経験した人材に多い。

 筆者の部下だった首席研究員(部長クラス)もその1人。彼は日本の大学で博士号を取得していた。はっきりした意見を持ちリーダーシップを発揮できる性格であり、部下からの信頼も厚かった。筆者にも少なからず意見や異論を唱える場面が多かった。

 筆者にとって、こうした部下は大歓迎であり高く評価していた。「技術論議に上下関係を作ってはいけない」という私の持論から、上司に対して論議を投げかける人材こそ、会社の将来を切り拓いてくれるだろうと考えていたからだ。

 だが、首席研究員はその後、組織変更のタイミングで筆者が率いる開発部門から異動。上司となった異動先のチーム長が上下関係を強く意識する人物だったこともあり衝突を繰り返し、首席研究員自身が部門内で煙たがられることになる。筆者も彼を引き留めに動いたものの、結局、サムスングループでの限界を感じ、大学の教授に転身してしまった。惜しいことだ。(後略)



(私のコメント)

民主主義と近代工業文明はセットにならないとなかなか上手く機能しなくなり、文明は停滞するようになる。イスラム社会や中国文明が18世紀ごろから停滞するようになったのは、独裁専制君主による政治体制が近代工業文明の障害になっているからだろう。確かに追いかけ追いつくまでは開発独裁国家でも機能するが、新規の技術を開発していく為には技術者達の知恵の出しあいが無ければ無理だろう。
 
世界最先端の技術開発していくためには、最先端の現場と意思決定をするトップとの意思疎通が無ければ間違った方向に突っ走ってしまう可能性が高い。もちろん天才的な経営者が独裁的な経営で画期的な商品を作り出す事もありますが、常時天才的な経営者がいるわけには行かない。中小企業なら社長のトップダウン経営も上手く行く事もありますが、巨大組織となるとトップダウンでは間違った判断をした場合致命傷になってしまう。
 
日本では年功序列社会であり、年功で社長になることが多く、自分の任期をそつなくこなして任期を全うする事が最高目標になる。業績や能力が評価されて社長に抜擢されることはまず無くて、優れた業績を上げたとしても出世が早くなる事は無く、逆に失敗などをすれば責任を取らされて左遷される。だから事なかれ的な人物がトップにまで出世をするようになる。
 
中国や韓国などでは、トップダウン経営が普通だから、業績を上げた社員は出世をして失敗した社員は責任を取らされて辞めていく。しかし社員は社長から下された指示を守っていかなければならないから、社長からの指示が間違っていても反対意見を言う事は許されない。日本でもシャープが液晶に突っ走ってしまって1兆円の投資が失敗して経営危機になりましたが、誰も止める人がいなかった。
 
携帯電話もスマホへの切り替えに遅れて、サムスンなどに後れを取ってしまった。ガラパゴス携帯に安住してしまって時代の流れを見誤ってしまった。韓国のサムスンは早くからスマートフォンの開発に乗り出していたから、アップルのアイフォーンとサムスンのギャラクシーと勢力を二分するほどになった。これはトップダウンの経営が上手く行った例ですが、シャープではトップダウンの判断が間違って倒産の危機にまで追い込まれてしまった。
 
サムスンやシャープのような巨大企業になれば、市場の動向の判断ミスは経営危機にも結びつきますが、日本家電業界は次の主力商品の開発に失敗しているか、サムスンなどにぱくられてしまった。サムスンは日本企業の技術者をスカウトして技術を取り入れていますが、日本企業はDRAMや液晶やリチウム電池など技術をパクラレて市場を奪われてしまった。
 
佐藤登氏もホンダの技術者としてサムスンに引き抜かれた一人なのですが、日本企業はこのような韓国企業や中国企業の技術者の引き抜きによって競争力を奪われてしまった。このような事は日本の経営者の怠慢が招いた事であり、日本の家電企業は新商品の開発よりもリストラを優先して業績を上げようとした。LED照明でもアイリスオオヤマなどの新興家電産業に追い上げられている。
 
アイリスオオヤマも大手家電メーカーの技術者を採用して新商品を開発してきましたが、トップがサラリーマン経営者だと新商品の開発よりもリストラによって業績を上げようとする。パソコンもスマホやタブレットの時代になりましたが、日本企業はアップルや中国製タブレットの後追いをしている。マイクロソフトですらタブレット用のOSに切り替えていますが、情報端末は日本のお家芸であったはずが遅れてしまった。
 
サムスンもトップダウン経営が出来たのも目標ははっきりしていたからであり、次の主力商品の開発に目処が立っているわけではないようだ。佐藤氏も具体例として燃料電池の開発を例に挙げていますが、担当役員は、「とにかく実現するために頑張る」と言うばかりで、燃料電池の実用化は遠い先であることも認識しておらず、突っ走ってしまった。このようなことがサムスンでは多発しているようだ。
 
中国や韓国では、支配階層と被支配階層の格差が激しく、同じ企業内でもトップと社員の格差は激しい。このような環境では現場とトップとの技術情報の共有が出来ずに経営が暴走してしまう。韓国企業中国企業の危うさはこの点にあり、、政治そのものが民主化が進まなければ18世紀からの停滞が続く事になるだろう。
 
 




中国5000年といっても新王朝の歴史や英知が異民族の侵略でいったんリセット
されるので、現在の中国は「農民反乱の全国化」あたりということになります


2013年6月12日 水曜日

「中国5000年の歴史」は嘘だった!? 【憲政史学者・倉山満氏×経済評論家・上念司氏】 6月11日 週刊SPA

「中国5000年の歴史」……。確かに、古代文明から連綿と続いていたり、三国志などの有名な古典の存在、さらにはエンタテインメントの世界でも謎の気を操るカンフーが登場したりと「悠久の歴史」的イメージで語られることが多い中国。

 しかし、『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社刊)の著者であり、憲政史学者の倉山満氏によると、その「5000年の歴史」というイメージがまやかしだったという。

 週刊SPA!6/11発売号では、経済評論家の上念司氏とともに倉山氏が日中史のタブーについて激論! その一端を紹介しよう。

――今回、「嘘だらけの日中近現代史」を書くことになったきっかけは何だったのでしょうか?

倉山:中国は尖閣問題やいわゆる南京事件など、歴史を最大の武器として利用してきました。それに対して日本は70年間やられっ放し。その敗因は、日本人が正しい日中関係史というものを知らないという点にある。「国を憂う」などと立派なものではありませんが、歴史学者にも責任があると思うんです。この本を、すべての日本人、そしてマイケル・グリーン(日本に対し対アジア政策において穏健な立場を取るよう提言している米政治学者)に日本語で歴史書を読んでもらいたいという思いで書きました(笑)。

上念:我々は「中国5000年の歴史」という言葉に騙されているわけですが、本当のところは70年くらいだったということがこの本を読んでよく分かりましたよ。どれだけサバ読んでいるのかと。

倉山:中国の歴史サイクルはたったの8つ。

1:新王朝の設立⇒2:功臣の粛清⇒3:対外侵略戦争⇒4:漢字の一斉改変と改鼠歴史書の作成⇒5:宦官、閨閥など皇室側近への跳梁⇒6:秘密結社の乱立と農民反乱の全国化⇒7:地方軍閥の中央侵入⇒8:1から繰り返しです。

 夏王朝から明の時代まであらゆる民族が入り乱れて独裁、腐敗、革命を数千年繰り返しているだけです。「中国人」や「漢民族」が一貫して「中国」を5000年間支配したなどという歴史はありません。そして中国エリートは実はヨーロッパのような近代国家に憧れていましたが、マネできたのは帝国主義だけ。清や明の時代から、各国に移民を送り込んで力と陰謀で世界を乗っ取ろうとしてきたけど、現代の高級官僚が家族を海外に散らしてリスクヘッジしているのもそれと変わらない。

上念:今、アメリカで言われている「中国を止める方法」というジョークの一つには、ハーバードで授業参観をして中国人学生の親を拘束するっていうのがある。アメリカの名門大学には、そのくらい中国の高級官僚の子息ばかりがいる。あと、中国からの海外送金を止めるっていうのもありましたね。

倉山:中国5000年といっても新王朝の歴史や英知が異民族の侵略でいったんリセットされるので、過去に学ぶこともできない。かといって、助けの手を差し伸べた日本のアジア主義者は虐殺者呼ばわれしてきましたから、日本人としてはなす術もないわけです。

◆中国史のサイクルが変わらないワケ

――本著のなかでも、「中国の歴史は8行の繰り返しだ」と指摘されていますが、現在の中国は「皇帝側近の跳梁」を経て「秘密結社の乱立と農民反乱の全国化」あたりということになりますよね。

倉山:そうですね。実際に最近、邪教と呼ばれる地下宗教が活発化しているし、全国各地で暴動も起きているでしょう。中華人民共和国の歴代トップを明朝の皇帝で例えるなら、毛沢東は建文帝、障ナ小平は永楽帝か万暦帝あたりということになりますね。習近平は、国政改革に取り組むも、結局先代の悪政による負の遺産を抱えきれずに民衆の反乱にあい、最後は自害した明朝最後の皇帝、崇禎帝になってしまうんではないでしょうか。はっきり申し上げると、中国史は「三国志演義」の脚本のまま、登場人物の名前と武器だけ変えればそのまま語れちゃうんです。

上念:民度もまったく変わっていないですよね。アメリカ人外交官のラルフ・タウンゼントが1933年に書いた『暗黒大陸中国の真実』という本があるんですが、その冒頭に上海の船着き場の描写がある。外来船が港に入ると、近くに漂っている薄汚れた船が一斉に寄って来て、外来船の汚水排出口に柄付きの網を延ばして、そこから出てくる残飯をすくって食料にする場面です。

倉山:それって、今の「下水油(残飯や下水から精製した食用油)」とまったく同じ発想ですよね!

上念:そう。ちなみにタウンゼントは、アメリカは中国と関わらないほうがいいと盛んに提言している。今はその警告を、日本が参考にするべきではないでしょうか。たとえば尖閣をめぐる反日デモのあと、中国進出の日本企業が一斉に撤退を考え始めましたよね。でも僕からすると「何を今さら」って話。「そんなリスク、最初から織り込み済みじゃなかったのかよ!」って。

倉山:当時のアメリカ人は今の日本人以上に中国をわかっていなくて、タウンゼントは異端視され、最後は親ナチス派呼ばわりされた。それで結局、フランクリン・ルーズベルトは親中派に「毛沢東は国民党的ファシズムにも反対しているだけでコミンテルンと関係ない。実は資本主義だ」と言われて鵜呑みにしちゃった。

上念:アメリカはいまだにやたら中国贔屓のイアン・ブレマーみたいな媚中学者の親中論がまかり通っているから、変わっていない(笑)

 以下、大いに盛り上がった倉山氏と上念氏の対談。後半は、倉山氏らが考える「日本がとるべき中国への対処法」を展開。本誌も併せて御覧ください。 <文/週刊SPA!編集部>



(私のコメント)

「株式日記」では中国や韓国は建国してから60年くらいしか経っていないと書いてきました。彼らの言う中国4000年の歴史とか、韓国では5000年の歴史といっていますが、これは歴史ではなくプロパガンダに過ぎない。中国や韓国は戦後に建国して文字まで変えてしまって歴史を書き換えてしまった。戦前の新聞や書籍を読むことが出来る中国人や韓国人は学者ぐらいしかいない。
 
中国人や韓国人にとっての国民的な文学は戦後の作品しかなく、戦前の小説などは現代文字に翻訳されて原文を読むことが出来ない。民族そのものも相次ぐ蛮族の進入によって王朝は滅ぼされてしまって古代に中国人と現代の中国人とでは民族そのものが違う。文化そのものは受け継いだものもありますが、歴史などは前王朝の歴史は抹消されて現王朝が正当化される。
 
韓国の歴史も古文書が残っているのは14世紀頃のものが最古のものであり、それ以前の歴史は名前くらいしか分からないものが多い。だから韓流歴史ドラマにしても13世紀以前のものはほとんどが創作であり、高句麗が韓国人の祖先なのか中国人なのか満州人なのかも分からない。13世紀にもモンゴル帝国が高麗を滅ぼして民族の入れ替えが行なわれた。
 
中国への蛮族の侵入はもっと大規模であり、DNAなどで辿って行くと古代中華王朝の子孫は四川省などの山奥で見られるが、現代の中国は漢民族と称しているが多くはその後の侵略者達の子孫だ。民族が違えば文化も違いますが文字だけは継承して漢字を使ってきたから、漢字を使う民族が漢民族と言う事になるのだろう。しかし中華人民共和国になって漢字すら簡略化されて変えられた。
 
つまり古代中国の直系の子孫と言うものは存在せず、多民族が混合して漢字を使う民族が漢民族と言う事になっているだけだろう。中国の歴史は王朝の興亡の歴史であり、同じ事の繰り返しが起きているだけだ。倉山氏の中国の歴史サイクルによれば、「1:新王朝の設立⇒2:功臣の粛清⇒3:対外侵略戦争⇒4:漢字の一斉改変と改鼠歴史書の作成⇒5:宦官、閨閥など皇室側近への跳梁⇒6:秘密結社の乱立と農民反乱の全国化⇒7:地方軍閥の中央侵入⇒8:1から繰り返しです。」と言う事であり、現在の中国は6の「農民反乱の全国化」の段階になる。
 
法輪工などの秘密結社への弾圧は起きましたが、都市と農村との生活の格差は年間数万件もの農民暴動に繋がっている。やがては地方軍閥の割拠と中央への侵入事件が起きて新王朝が創設される。共産主義のイデオロギーは既に崩壊して纏める手段が無くなってきたから「反日」が中国のイデオロギーとなり、日本企業への襲撃デモに繋がっている。
 
現代の中国を明王朝に例えれば、「毛沢東は建文帝、障ナ小平は永楽帝か万暦帝あたりということになりますね。習近平は、国政改革に取り組むも、結局先代の悪政による負の遺産を抱えきれずに民衆の反乱にあい、最後は自害した明朝最後の皇帝、崇禎帝になってしまうんではないでしょうか。」と言う事ですが、共産党幹部の腐敗が酷い。
 
アメリカ人の多くはこのような中国の歴史を知らないし、学者でも漢字の読める学者は僅かであり、プロパガンダに過ぎない中国5000年の歴史をそのまま信じてしまっている。PCゲームに「三国志」などがありますが、アメリカ人はヨーロッパの歴史には詳しくても中国の歴史は知らないから中国の歴史シュミレーションゲームは楽しめない。日本人なら誰でも知っているような「赤壁の戦い」と言ってもアメリカ人には???なのでしょう。
 
オバマ大統領が中国を過大に評価し、アメリカの戦略家の中には中国がアメリカを上回る超大国になると言う予測を立てる人がいる。しかし中国は18世紀を最後に永い眠りに付き、改革開放によって経済大国になったのも自立的なものではなく、政治的な混乱が起きて王朝の興亡の歴史を繰り返す可能性が高い。
 
 




日本では金が上がり、米や、不動産価格も上がった。賢明な人は、
紙幣ではなく米や不動産を持つようにすべきでしょう。ジム・ロジャーズ


2013年6月11日 火曜日

世界で最も有名な「投資の神様」ジム・ロジャーズ直撃インタビュー 「私が日本株をすべて売り払った理由を話そう」 6月10日 週刊現代 

■プロなら誰でも知っている

?昨年11月、安倍晋三首相が無制限の金融緩和政策を行うと発表した直後、私は日本株を買いました。一般的に、紙幣が多く出回るようになると、株価は必ず上がる。だから、その前のタイミングを見計らって買ったのです。そして、買った株のほぼすべてを、5月6日の週に売り払いました。

?こう話すのは米国生まれの世界的投資家、ジム・ロジャーズ氏(69歳)だ。「稀代のカリスマトレーダー」として有名なジョージ・ソロス氏と共に、1970年代、「クォンタム・ファンド」を設立。10年間で投資額の4200%もの驚異的な利益を生み出した。現在は、英語圏と中華圏の接点であるシンガポールを拠点に、投資活動を続ける。

?そんな氏が、先日、保有していた日本株を売却したという。なぜ、今このタイミングだったのか―。「投資の神様」に、売却の真意と、今後の相場の見通しについて、独占取材した。

?そもそも、私が日本株を買ったのは、アベノミクスを評価してのことではありません。日本国民は株価が上がったことでアベノミクスを歓迎しているようですが、巨額の財政出動は、根本的な問題解決ではなく、先送りに過ぎない。長期的に見れば、円安は止められなくなり、通貨の価値は下がり続けるでしょう。日本経済の見通しは、けっして明るくないのです。

?それなのになぜ、私は日本株を買ったのか。私を含め、今、日本株を買っているのはプロの外国人投資家たちです。経験豊富な彼らは、その国がどこであれ、政府が紙幣を刷ると発表すればすぐその国の株に食いつく。金融緩和がなされれば、株価が上がることを経験上知っているからです。

?そして、売り時にもセオリーがある。「When things go straight for a while」。つまり、株価が一定の割合で直線的に上昇している時です。事実、私もずっと売り時を見計らっていた。そして、まさにそのタイミングが訪れたのが、5月6日の週でした。株価は毎日、2~3%の上昇を見せていた。一般の投資家の方には意外かもしれませんが、このように一定かつ急激に上がり続けている時こそ、プロは売り時と見るのです。

?しかし今現在、日本の株式市場は、5月23日に株価が暴落して以来乱高下が続き、不安定な相場となっています。私は、あの時に売った自分の判断は正しかったと確信しています。

?先ほども言ったように、私はアベノミクスが成功するとは思っていません。
?安倍政権発足以来の株価の急騰は、アベノミクスによるバブルと言われていますが、私は安倍首相の経済政策全般について、全く評価していない。バブルでもないと思っています。

■解決法はある

?確かに、株価は急上昇している。潤っている人は多いし、みんな幸せを感じている。でも、これはあくまで短期的な影響なのです。

?日銀はインフレターゲットを2%としていますが、政府がインフレ率をコントロールすることはまず不可能。歴史的に考えても、インフレを起こしながら通貨の切り下げに成功した国を、私は見たことがない。

?いずれ、実際の物価上昇率は政府の当初の想定よりも遥かに高くなるでしょう。そして円安が進み、通貨の価値は下がっていく。

?すると、何が起きるか。今は、アベノミクスによって、円は25%も価値が下がり、輸出関連産業は息を吹き返しました。しかし、日本は食料、石油、銅、綿など、多くのものを輸入に頼っている国家です。円安が止まらなくなれば、それらの輸入価格がどんどん上がっていく。インフレが起こり、物価が上がって日本国民の生活はどんどん苦しくなることは必至です。

?これまでの歴史を振り返ってみても、無制限に印刷された紙幣が、どれだけ最悪のインフレを起こしてきたか、想像するのも恐ろしい。安倍首相にはそれが見えないのか、あるいは見ないふりをしているのか……。借金とインフレに基づいた経済システムは、いずれ崩壊するでしょう。

?今の日本は、応急処置ではどうにもならない、本質的で深刻な問題を抱えています。それは、人口の減少と、増え続ける借金です。日本では高齢化と少子化が進み、労働力が不足しています。これを解決するには、移民を受け入れるか、女性をもっと効率よく労働力として使うか、もしくは労働システムを変えなければならない。例えば、欧米のように定年を無くすなどです。欧米では、仕事ができるかどうかが問題なのであって、年齢は問題ではない。

?少子化問題の解決法は、とにかく子供を作ること。この問題を解決するためなら、私は喜んで日本に行きますよ(笑)。もちろんジョークですが、少子化対策や移民の受け入れを進めなければ、本当の意味で日本の発展は絶対にありえません。

?日本は、国債も大量に発行し続けている。借金は天文学的数字に膨らみ、世界有数の借金大国となった。今後も借金が減る見込みはなく、10年後、20年後には、日本の財政状態はもっと悪化しているはずです。財政支出を大きく削減していかない限り、日本経済は衰退していくだろうし、デフォルト(債務不履行)だってないとは言えません。

?今、世界的に経済が悪化していく中で、各国が自国の通貨の価値を下げることに狂奔しています。事実、安倍首相と日銀の黒田総裁が無制限の金融緩和を発表したすぐ後、アメリカもイギリスも、「我々ももっと紙幣を刷らなくては」と追随した。すでに、通貨安競争は起きているのです。

?このような状況下で、日本人が資産を守るためにどうすることがベストか。それは、「実物資産」に投資することです。実物資産とは、原油や金、銀などの貴金属、小麦や米などの穀物、銅やアルミなどの非鉄金属など、先物市場で取引される商品のことです。

?各国が競って紙幣を刷り続ければ、すべての貨幣価値は、実物に対して下がっていく。だから、紙幣よりも実物資産に投資すべきなのです。

?一方、為替で儲けるのは非常に難しい。しかも今は通貨安競争が起きているので、どの通貨も非常に危うい。うっかり手を出すと、大損する危険があります。私自身、実験的に少しだけ円を売り買いしながら、様子を見ているのですから。

?日本では金が上がり、米や、不動産価格も上がった。賢明な人は、紙幣ではなく米や不動産を持つようにすべきでしょう。

?では、株式投資はどうしたらよいか。私は、日本の農業部門の銘柄は売らずに手元に残してあります。これから円安が加速していけば、リアルな商品を生み出す分野が強くなるからです。

?とはいえ、総合的に見て日本株の相場は不安定です。今度の参院選後に暴落する可能性も十分にありえる。これから新しく買おうと思っている人は、危険が伴うことを忘れてはいけません。



(私のコメント)

投資の神様であるジム・ロジャーズ氏は5月6日に日本株を全部売ったと言う事ですが、「株式日記」においても、「1月に300万円で1万株のシャープを買って今日売っていれば、300万円の利益が出たことになる。これで1年は遊んで暮らせる。」と書きましたが、株がフリーフォイール状態で上がったり下がったりする時が株式相場の転機であり、信用で買ったり売ったりした人が総投げするときがチャンスです。
 
株式を長くやっている人なら常識なのですが、ジムロジャーズ氏も、「When things go straight for a while」と答えています。株式が下げた時もフリーフォイール状態で下げる時が来たら、信用買いの投げが出たとみて買うチャンスでしょう。問題はアベノミクスの中身であり、私が提案したような経済政策がどれだけ実施できるかにかかっています。
 
ジム・ロジャース氏も「子供を作ること」を述べていますが、「株式日記」でも子供一人に付き年100万円の給付金を提案しています。子供が100万人生まれれば1兆円の出費になりますが、女性は安心して子供を作ることが出来ます。民主党の月26000円の子供手当ても実施されませんでしたが、霞ヶ関官僚は長期的な経済見通しを考える事ができませんが、多くの税収となって返ってくる。
 
現代社会でも若い労働力を必要としていますが、今の若い人は甘やかされて育ってしまって、競争社会に適応が出来なくて、多くは引きこもりになってしまって親の脛をかじっています。少子化で一人っ子だと子供を叱る付けて厳しく育てる事ができず、実社会に出るとヘタってしまう若い人が増えた。3人とか4人の子供がいれば一人くらいはまともな子供が出来るでしょう。
 
子供も兄弟同士で喧嘩したりして育てば社会性も育つのでしょうが、一人っ子では兄弟喧嘩も出来ずに親に甘やかされて育ってしまう。アベノミクスでもこのような大胆な政策が打ち出されるかと思ったら抽象的で具体的な政策が無かった。これではいくら金融緩和しても銀行は国債を買うばかりで、株が少し上がれば国債を売って株を買う。超低金利ではリスクのある融資ができないからだ。
 
2%程度の金利の上昇があれば金融機能も正常化してくるのでしょうが、現在の長期金利1%以下の金利では異常事態に変わりがない。アベノミクスも単なるバラまきでは中間の既得権益団体や天下り公団に吸収されてしまって消費に結びつかない。GNPの60%を占める消費に結びつかなければ国内消費は伸びません。
 
ならば、20代30代の女性に限ってベーシックインカム制度を適用して、子供一人につき年100万円の養育費を補助する制度でマイナンバー制度を適用すれば世帯単位で所得制限をして補助する事も可能だろう。このまま新生児が年に100万人を割ると警察防衛消防といった若い人しか出来ない職務に支障が出るだろう。50歳の警察官では100メートルダッシュは出来ないからだ。
 
ジム・ロジャース氏自身はアベノミクスに懐疑的ですが、通貨増発戦争で通貨の切り下げ競争が起きている。日本も遅ればせながら参戦して円安株高が起きましたが、アメリカも負けずにQE3が実施されてドル安が起きて円高株安になってしまった。日本も国債の買いオペで円を放出しているのですが、銀行に滞留したまま出てこない。銀行が株を買えばと思うのですが、バブル崩壊で日本の銀行のファンドマネジャーの無能振りが分かった。
 
日本の銀行は土地担保主義で、土地さえあれば融資が出来た。しかしそれは土地の値下がりが無い事が前提でしたが、商業地は十分の一に値下がりがして住宅地も五分の一に値下がりした。その為に利回り計算では20%にもなる物件が出てきましたが、銀行はカネを貸さない。しかし昨日のテレビタックルでは中国人が都内のマンションを買い捲っていると言う。
 
ジム・ロジャースの予想では日本の円安に歯止めがかからなくなり、「日本は食料、石油、銅、綿など、多くのものを輸入に頼っている国家です。円安が止まらなくなれば、それらの輸入価格がどんどん上がっていく。インフレが起こり、物価が上がって日本国民の生活はどんどん苦しくなることは必至です。」と予想している。円安が止まらなければ株高不動産高になり、今のうちに実物資産を買っておけということだ。しかし銀行がカネを貸さなければインフレもバブルも起きない。
 




10年ごとに大規模修繕工事を行うのが一般的だったが、建材や
工法が進化した分、建物の劣化が緩やかになったのかもしれない。


2013年6月10日 月曜日

間違いだらけのマンション修繕 6月10日 東洋経済

日本全国で600万戸、1400万人が暮らす分譲マンション。特に都市部での需要は旺盛で、東京都心3区での分譲マンション居住比率は実に5割を超える。

マンションが一般的な住まいになるにつれ、「経年劣化」という課題がクローズアップされてきた。現在、約600万戸のうち100万戸超は築30年以上の高齢マンションとなっている。今後はさらに増える。10年後には全体の3分の1を占める見通しである。

住まいの資産価値を守り、気持ちよく住み続けるためには、適切なタイミングでの大規模修繕工事をすることが欠かせない。照明の球切れ、ちょっとしたさびの塗り直しといった日常の補修工事とは別に、時間の経過とともに劣化する部分をまとめて直すのが大規模修繕工事だ。

一方、マンション修繕という大きなイベントは、一生のうちにそう何度も体験できるものでもない。うっかり業者にだまされないように、情報武装しておいて損はない。

修繕工事の対象となるのは主に仕上げ部分

マンションの構造は大きく分けて、躯体(コンクリートや鉄筋)、仕上げ(クロス、ペンキ)、設備(電機、給排水、空調など)の3つからなる。修繕工事の対象となるのは、主に2つめの仕上げ部分。具体的には、酸化や紫外線、風雨、ほこりなどで痛んだ外壁塗装を塗り直したり、日光や風雨にさらされて劣化した屋上の防水をやり直したり、非常階段や雨樋(どい)といった鉄部を塗り直したりする。こうした作業を行うためにマンションの全面に足場を組んで囲う仮設工事も欠かせない。

15年くらい前までは、築10年目に初回、20年目に2回目、と10年ごとに大規模修繕工事を行うのが一般的だったが、今は初回が12〜13年目となる場合が多い。建材や工法が進化した分、建物の劣化が緩やかになったのかもしれないが、以前の間隔が短すぎたのではないかという疑問も残る。

新築分譲の段階で存在する「長期修繕計画」は、デベロッパーが作成したものだが、もし、判で押したように10年ごとの工事計画が組まれていたら、すぐに検討しなおした方がいい。国のガイドラインは5年ごとの見直しを薦めている。

「1回目の大規模修繕工事が築18年だったり20年だったりする例もありますよ」。

管理組合の団体である京滋マンション管理対策協議会(京滋管対協)の谷垣千秋代表幹事はこう指摘する。「塗装や防水にまつわることは、勉強すれば誰でも理解できる分野です」(谷垣代表幹事)。そのうえで、日常のちょっとした補修工事でも管理会社から記録を見せてもらうようにしていれば、次第に、この工法は持ちがいい、この材料はあまり効果がないというようなことがわかっていくはずだという。

「住民が予防管理に詳しくなると、次の工事の際には、本当に必要な箇所に吟味した材料を使える。工事費が安いと中身がずさんになるという声がありますが、逆や、と言いたい。往々にして、高い工事内容を押しつけられているのです」(谷垣代表幹事)。

気になる大規模修繕工事の費用は、外壁が塗装壁で1世帯60万〜80万円、タイル壁だと1世帯80万〜100万円が1つの目安となる(50〜100戸のマンションの場合)。タイル壁は欠けたり浮いたりしたタイルを剥がし、下地を補修し張り直すという手間がかかるため割高になる。ただ、工事の内容を最適化すれば、工事費を納得いく水準にすることは可能だ。(後略)



(私のコメント)

建物などの不動産は所有すると言うよりも管理するものであり、躯体は100年以上持っても設備はどんどん老朽化して更新していかなければなりません。マンションの中には設備の更新が出来なくて30年くらいで取り壊さなければならないマンションもあります。特に配水管などは30年も経てば交換しなければならない。
 
外壁なども定期的に塗装していかないとコンクリートの劣化が起きて鉄筋も錆びてきます。近所のマンションなども5年おきくらいに足場を組んで塗装工事をしています。私の経営するビルやアパートなども年中設備の更新工事があり、20年30年経つと交換できるものは全て交換している状況です。だから建物を建てる場合は、設備の更新なども考慮した設計にしておかないと使えなくなります。
 
最近は建材関係の進歩が著しくて、マンションなどは新しいマンションの方が建築材料などいいのを使っている。空調関係も15年くらいで交換しましたが、前の空調機は年中故障していましたが、最新式の空調機に交換して全く故障もしなくなりました。懸案だった外壁塗装も去年ようやく行ないましたが、塗料の進歩も著しくて断熱性能や耐久性能が全く違います。
 
今までの塗料は5年おきくらいに塗り替える必要がありましたが、フッ素塗料ともなると20年くらいは持ちます。断熱性能もガイナを使うと外断熱効果が出て空調なども電気代がかからなくなります。得にマンションなど夏になるとコンクリートの蓄熱効果で夜も寝苦しくなりますが、断熱塗料でかなり効果が違います。
 
予想外に金がかかったのは電気設備関係であり、受変電設備は屋上のキュービクルの交換工事を二度もしました。事務所ビルから店舗ビルに変わったことで受電容量を大きくして交換しました。安全装置や消防設備なども事務所ビルから店舗ビルに変ったことで新増設しなければなりませんでした。エレベーターなどもロープやモーターなどの交換で金がかかりました。
 
アパートなども交換していないのは建物本体のみであり、扉から換気扇から浄化槽まで全部交換して更新しています。通路や階段などの鉄骨構造物も何度も書きましたが全部交換工事をしました。一般の住宅でも同じですが、新しい建築素材で住宅の耐用年数は飛躍的に伸びてきて、手入れさえ良ければ大地震があったとしても耐えられる長寿命住宅が増えて来ています。
 
東洋経済の記事にもあるように、「現在、約600万戸のうち100万戸超は築30年以上の高齢マンションとなっている。今後はさらに増える。10年後には全体の3分の1を占める見通しである。」と書かれていますが、中古マンションを買うにしてもリフォーム工事が可能かも考えて購入すべきだろう。特に配水管の交換が出来るかどうかがポイントだ。
 
特に公団住宅は5階建ての内階段式のエレベーター無しのものが多く、後からエレベーターを取り付けることも出来ないから取り壊すしかない。建設した当時は5階までなら階段で十分といった状況でしたが、高齢者はエレベーターが無ければ利用できない。私が特に懸念するのは超高層マンションであり、エレベーターが使えなくなったら人は住むことはできなくなる。
 
オフィスビルにしてもマンションにしても超高層ビルは非常に問題が多い。エレベーターの問題もありますが、上下水道なども配管が非常に長くなり交換も難しい。赤坂プリンスホテルの超高層ホテルが解体されましたが、世界貿易センタービルもまだ使えるのに解体される。中低層のビルなら改装すれば使える事もあるのでしょうが、超高層のハイテクビルは改装するよりも解体して新築した方がいいのだろう。
 
窓ガラスにしても割れない断熱ガラスなどに交換することも中低層なら可能だが超高層だと無理だ。さらには近い将来窓ガラス自体が太陽電池になるだろう。中国やアジア諸国や中東など超高層建築を建てたがりますが、見得の産物であり、メンテナンスが十分でなければ巨大な粗大ゴミになるだろう。
 
 




最近、秋元康は指原莉乃という、顔も平凡で、歌もダンスもいまいちで、テレビ的
にもいまいち面白くないメンバーを「推している」という。(2012年2月)


2013年6月9日 日曜日

【AKB商法は凄い】 2012年2月27日 ぶろぐザンヌウ

【ストーリー性を重視する秋元演出】

ファンにとっては歌は平凡でいいし、ダンスもキレキレでなくてかまわない。

なにせAKB48というのは「アイドル育成シミュレーションゲーム」なのだ。

批判が多いのはともかく、純粋に課金型ゲームとして見た場合、AKBというのは非常に優れたシステムだ。

歌もダンスもそれなりに上手だが、完成されすぎて伸びしろが無く、欧米POPの型にはまりすぎて応用が利かないK-POPが太刀打ちできないのも無理はない。

確かに秋元康が言うように「AKBは歌もダンスも下手だが、それを一生懸命やっているのがいい」のだ。
アイドル育成シミュレーションゲームなのだから、育成するだけの余地がないのは逆に不利だ。


最近、秋元康は指原莉乃という、顔も平凡で、歌もダンスもいまいちで、テレビ的にもいまいち面白くないメンバーを「推している」という。

理由は「見事にダメだから」だそうだ

この記事を読んで、私はこのブログを書こうと決心したぐらいだ。

さすがAKB生みの親の秋元!なんと合理的な理由だろう!!

育成しがいがある娘ほどゲームキャラとしてはいい。
サクセスストーリーほど人は思い入れしやすく、自分に重ねたくなる。

つまり、キャラにファンが喜んで投資するには、思い入れは強ければ強いほどいい。

指原莉乃の例は、秋元康が仕掛けた感じだが、AKBはストーリで成り立っているグループだ

少女達の苦労エピソード、心温まる友情談、努力と運命のストーリー・・・そんなものを意図的に、間接的に秋元康は作り出している

たとえば「センター・前田敦子」「ナンバー2・大島優子」は秋元演出の好例だろう。

前田敦子は15歳の時に秋元康に突然「センターは前田」と任命された。

古株のファンでない私でも、不器用な性格の前田がセンターになったがため、これまでにしてきた苦労は、昨今のバッシングを見るだけで察することができる。

一方、芸能歴が長く、万事器用で頭が良く、努力家で気配りができる大島優子は、常にその実力と努力と人柄を認められてきたが、決してセンターの配置換えはなかった。

この絶妙な人員配置が、「前田と大島」というパワーバランスを作り出し、3回の総選挙のテーマを作り出した。

当の前田と大島が、非常にナーバスになり、考え、発言し、行動してきたことはファンの感動あるいは反感を生んだ。

ところで、これを運営側から見ると「前田と大島」が盛り上がれば盛り上がるほどお金が入るわけで、大変結構なことだ。

アンチ前田は大島の努力に報いさせるために資金を投じ、前田を守ろうとする勢力は大島に負けないよう資金を投じる。

どっちにしても運営側が儲かるのには変わりがない。

当の本人達(特に前田)にとっては気の毒な話だが、運営側は二人の関係が複雑になればなるほど儲かるという仕組み。

しかも、本人たちとファンはいたって真剣なのだから、これほど魅力的な商品と忠誠心の高い顧客はない。

何度も言うが、AKB商法は実に上手くできている。すばらしい

【AKB最大のリスクは「人気」】

とはいえ、このアイドル育成シミュレーションゲームのシステムは3つの弱点がある。

第一に、人気が出たメンバーはファンが見放すのだから(一般に最も人気がある板野友美の総選挙8位転落など)、常に新しい素材・・・アイドル候補の少女を提供しつづけなければならない。

第二に、常に変化を求められる。メンバーのキャラクター多様性の話だ。これまで受けていた「前田のような・・・」「大島のような・・・」という素材ではなく、常に違ったタイプが求められる。

第三に、これが最大の問題なのだが、現在のAKB48のように人気が出過ぎてプレーヤーが急増すると、投資した金額に見合うリターンが得られなくなる。
総選挙で言えば、第1回の総選挙では十万円あれば大きくランクを動かせたが、第3回総選挙ではもはや百万円を投入しても大勢に影響はなくなってしまった。
これはプレーヤーのモチベーションが下がる。課金型ゲームで、高額なアイテムが役立たずというのは最もプレーヤー離れを引き起こすからだ。

秋元康は1980年代のおニャン子クラブ時にまさにこの問題で行き詰まり、方向性を失ったおニャン子は最期はバラバラに解散した
メンバーは数人しか芸能界に残れなかった

今回48プロジェクトでは、秋元康は「地域密着型・リスク分散」「計画的な新キャラの提供」で延命対策を取っているようである。

だが、長期的視野でこのゲーム性を維持するのは困難だし、そもそも秋元康のような飽きっぽい人がそのような事を考えているとも思えない。
なにしろ、AKB48では第三のリスク「人気上昇に伴うファン離れ」は既に始まっているのだ

ファンは成熟したAKBから未完成のSKE、NMB、HKTに流れるだろうが、それも永遠には続けられない。

おニャン子クラブの数少ない生存者・生稲晃子がテレビでAKBのメンバーに言っていた
「気を付けて!秋元先生はすぐ手を離すから!」

秋元ら運営側があと数年で莫大な収益を確保し、商品価値を見いださなくなったら・・・
48グループのメンバー達はおニャン子のように・・・いや、サービスが終了したオンラインゲームのキャラクターのように見捨てられるだろう


最初に私は「48株式会社」があったら株を買いたいと書いた。

もちろん、ある程度値上がりをしたら売る前提で、、だ。

投資家として、長く持ち続けられるタイプ株ではない。


(私のコメント)

最近のテレビ業界の腐敗堕落振りは目に余りますが、AKB48の総選挙のためにフジテレビが7時から11時までのゴールデンタイムに4時間あまりの実況生中継をしていた。しかも7万人も入る横浜スタジアムを使ってのイベントであり、いちアイドルグループのイベントにテレビのゴールデンタイムの生中継はないだろう。ほかに放送するものは無いのだろうか?
 
AKB48については暴力団がらみであることは何度か書いてきましたが、秋元康のような人相は典型的な経済ヤクザの顔だ。昔の暴力団といえば怖い人相をしたヤクザが多かったが、経済ヤクザは頭の切れるビジネスマンのような人相やスタイルの人が多い。表向きは作詞家であり芸能PDでありながら元暴力団員とも親密だ。
 
「おにゃんこ」の時もそうであったように人気が出すぎて、他の芸能プロダクションとテレビ局の都合で「おにゃんこ」は潰されましたが、AKB48ではフランチャイズ化でアイドルのビジネスモデルを構築している。フランチャイズは日本各地ばかりでなく海外展開もしている。これは一種の「アイドル育成シミュレーションゲーム」なのであり、多くのファンがそれにはまっている。
 
KPOP人気が尻すぼみになっているのに、AKB48は最新のシングルCDでは180万枚を売り上げでレコード業界の救世主になっている。AKB48はCDを売るというよりも握手券や投票券を売っているのでありCDはおまけに過ぎない。アイドルは歌やダンスは下手でもかまわないのであり、今回の総選挙では指原莉乃が最高得票した。秋元康のシナリオどおりの結果だ。
 
今まで書いてきたようにKPOPアイドルのほうが歌もダンスもはるかに上手いのに、人気は一部に限られてCDセールスにも結びついていない。50人近くもいるAKBなら数千人の握手会も可能だが、5人から7人のKPOPアイドルでは握手会には限度がある。せいぜい数百人程度の握手会しかできない。韓国と日本を行ったり来たりも限界がある。
 
AKB商法と言われますが、アイドル育成シュミレーションゲームのようなものであり、完成されたアイドルでは面白みが無い。厳密に言えばAKB48はアイドルのようなものであり人気が頂点に立つと卒業させられて行く。「おにゃんこ」も最終的に歌手として残ったのは僅かであるように、歌手としての実力は無く卒業と同時にバラエティタレントぐらいになるしかない。
 
日本のアイドルに求められるのは新鮮さであり、指原莉乃も最高得票してセンターになったところで歌もダンスもルックスもほどほどだから先はバラエティータレントしかない。たとえスキャンダルがあったとしてもゲームの一部であり指原莉乃はHKTに移籍してHKTを全国区に広めた。AKB商法は握手会などのファンとの密着にあるのだから、人気が出すぎると握手会もできなくなる。
 
AKB商法は子供だましの商法であり、お小遣いでCDを買っている分にはいいが、投票券欲しさや握手券目当てに一人で何十枚ものCDを買うファンが出てくると、秋元マジックに引っかかっていることになる。テレビで人気を独占するようになり、他のアイドルたちもAKB商法を真似てきますが、AKB的なやり方でないとアイドルもやっていけないのだろう。
 
ネットでは只でアイドルのビデオクリップが流れているし、これではCDは売れなくなり、CDは握手券のおまけとして売らなければならなくなっている。特に新人アイドルにとっては現在は厳しい状況であり、テレビでも音楽番組が無くなりラジオでもジャスラックが五月蝿くてなかなかかけてもらえない。このような状況になると歌手はコンサ−トで稼ぐしかありませんが、実力のあるアイドルがいなくなり、その空白をK−POPアイドルが日本に攻勢をかけてきた。
 
しかしAKBがCDを180万枚も売っているのにKPOPアイドルは、少女時代やKARAも10万枚も苦しくなっている。だから最近のKPOPアイドルもAKB商法を真似るところも出てきた。しかし韓国人アイドルはプライドも高く全国ネットのテレビしか出ないと言う路線だった。しかし歌番組が無くなって紅白にも出れなくなれば生き残れるのはわずかだろう。
 
日韓の外交も冷戦状態ですが、芸能界も冷戦状態でありKPOPアイドルは相次いで日本から撤退した。例外的なのは数は少ないが中年おばさんにファンを持つ男性KPOPアイドルでありコンサートで稼いでいる。ジャニーズ系でも新人を売り出すにはどさ回りや握手会は避けて通れないようだ。これでは実力派のプライドの高いアイドルは淘汰されて、AKBとジャニーズだけが残る。
 
KPOPでは例外的にTーARAがどさ回りやハイタッチ会でCDの売り上げを伸ばしていますが、KARAや少女時代がどさ回りもせずに売れたのが例外なのだろう。例外的に東方神紀もどさ回りをしてファンを増やしていった。KPOPでも日本で売れるようになるにはAKB商法を真似るしかないのだろうか。しかし少女時代やKARAがどさ回りして握手会をすることは無いだろう。
 
TーARAが日本でどさ回りしてハイタッチ会をしているのは、韓国でメンバー内のいじめ問題があって袋叩きにあっているからであり、女性KPOPアイドルとしては初めての試みだろう。もしTーARAが成功したら真似するところが出てくるだろうか? 日韓関係が外交でギクシャクしているのは日韓の歴史問題もあり、彼らにとって日本でどさ回りするのは韓国人の国民性からして屈辱的なのかもしれない。
 
AKB商法は子供だましであり、質の高い新人歌手を排除してしまう。しかしテレビに出てCDのミリオンセラーを出す時代ではなくなり、地道にどさ回りをして実力をつけていくしか道は無い。しかしアイドルは若い年代しか通用しないからAKB商法的な売り方しかできないのだろう。
 
 




中国は自国の岸から数百キロも離れていて、しかもインドネシアやマレーシア、
それにフィリピンから見える島々や礁、砂州や岩礁などの領有を主張する


2013年6月8日 土曜日

ルトワックの「日本語版へのまえがき」 6月4日 地政学を英国で学んだ

日本語版へのまえがき

●ソ連が崩壊した時に、「日本はこれから本格的に平和な時代を迎えた」と考えることは妥当であったように思える。日本はアメリカからしっかりと守られている同盟国という立場であり、唯一の脅威は口うるさいが国力の弱い北朝鮮だけだったからだ。

ところがその当時からも中国経済は急速に発展しており、同時に軍事費もうなぎ上りであったが、それも実際は脅威であるように見えなかった。その理由は、中国が「平和的な台頭」(Peaceful Rise:中国和平崛起)という自制的な政策に従って行動していたからだ。

●このスローガンは、日本をはじめ、アメリカや世界の国々に向かって「中国は自らのルールを押し付けたり軍事力で領土を獲得するのではなく、国際的な行動ルールに従い、既存の国境を守り続ける」ということを明らかに約束していたのだ。

●もちろんインドやベトナムとの目立った領土・領海争いはあったのだが、「平和的な台頭」という政策ではそれらはほとんど触れられておらず、例外的に「すべての紛争が時間がたてば互いの合意によって平和的に解決するという」という指摘がなされたくらいであった。

北京政府が自国の領土であると(ときに激しく)主張し続けている台湾のケースについても、もし台北の指導者が独立宣言(つまり中国からの分離)をすることによって現状維持を崩さなければ、中国は台湾を軍事侵攻しないと約束していたほどだ。

●国家が平和的な状態を、とくに平和的ではない時に約束するのは別に珍しいことではない。しかし中国の場合には「平和的な台頭」は非常に信頼のおけるものであった。

●なぜなら自国の悲惨な状態から繁栄状態までの急速な成長を許してくれた国際システムを維持することは、彼らにとっても明らかに利益になるものであったからだ。
 
ところが中国の行動は二〇〇五以降に変化しはじめており、二〇〇八年の金融危機の勃発以降はさらに急激になっている。

●振り返ってみると、この時の中国の支配層――党の幹部や影響力のある学者のアドバイザーたち、そして活動的なPLA(人民解放軍)の将校たちなど――は、金融危機の意味を「拡大解釈」してしまったのだ。

●彼らは「経済の総合力で中国の超大国への台頭が早まる」と正確に認識しており、すでに中国の戦略的な力も大規模に拡大してしまったかのような言動と行動を始めたのだ。

それまでよく北京に通っていた訪問者たちは、相手側がいままでの自制的な態度から横柄な態度へと急激に変化したことや、外交部の幹部たちの使う新しい言葉――さらにはボディ・ランゲージまで――が独善的なものになってきたことに驚かされることになった。

さらに危険なのは、長期にわたって休眠状態にあった領土紛争が一つずつ復活してきており、しかもこれが今までのようなトップダウンの指示によるものではなく、民間や軍の組織の中に態度の変化が拡大したことによって起こってきたような部分が大きいことだ。

●実際のところ胡錦濤(Hu Jintao)は、最近になって中国の力の拡大を最大限に活用しなかったとして批判されている。

●アジア開発銀行の中国代表が、インドへのローンを突然拒否したのは、まさにこのような状況下であった。このローンには、インド北東部のアルナチャル・プラデシュ州(これは日本の領土の二割以上の大きさをほこる)への道路建設の資金が含まれていたためだ。

中国側はこの地域を「南チベット」(藏南)の一部であると主張しているのだが、この拒否によって長年主張してこなかった領有権争いを復活させることになったのだ。そのすぐ後にアルナチャル・プラデシュ州出身のインド政府の高官は中国側にビザの発給を拒否されている。「中国生まれの人間はビザを必要としない」というのが、その理由だ(!)

ベトナムが海上で直面しているように、中国の新しい行動は以前に比べてかなりフィジカルで荒々しいものであり、漁業を管轄する「漁政」の艦船は、ベトナムの漁船が中国側が領有権を主張している広大な海にしかけた漁網を没収している。しかも実際はベトナムが占拠している島の周辺の海域でこれを行っているのだ。

●尖閣諸島周辺で最初に活動を活発化させたのは、それとは別の海洋機関である「海監」であり、この島々を巡っても中国は静かに領有権争いを復活させている。

●人民解放軍海軍(PLAN)はフィリピン海域へ自ら率先して出て行き、最終的にはインドネシアやマレーシアの海域まで出て中国の海洋権益を主張するために、船からテレビの生中継を行っている。

●この海域の外周は、国際的に認められている排他的経済水域のはるか向こうにある「九段線」、もしくは「牛の舌」と呼ばれる有名な形の線(下の地図参照)によって決められている。実際に、その外周は南シナ海の三万平方キロを含んでおり、この合計サイズは三五〇万平方キロになると推定されている。

したがって、中国は必然的に自国の岸から数百キロも離れていて、しかもインドネシアやマレーシア、それにフィリピンから見える島々や礁、砂州や岩礁などの領有を主張することになってしまっているのだ。

●陸上でも同じような変化が起こっており、中国はインド側の「実行支配区域」をパトロールしており、これは東のアルンチャル・プラデシュ側と西のラダックの両方にたいして繰り返し侵入するものだ。


(私のコメント)

アメリカのオバマ大統領と中国の習近平主席が会談していますが、日本の安倍総理の訪問時とはずいぶん扱いが違います。オバマ大統領は韓国のパククネ大統領とも会談していますが、二時間もの会談と連邦議会での演説など最大限の歓迎ぶりに比べてもちがいます。これだけ見るとアメリカは中韓重視で日本軽視は変わりがないのだろうか?
 
日本にとって中国の台頭はプラスなのかマイナスなのかは分かりませんが、経済面ではプラスでも軍事面ではマイナスだ。もっとも尖閣問題で緊張が続けば憲法改正にも有利に働くから対応次第だろう。これほど早い時期に米中会談が行われるのは習主席が希望したからだそうですが、何らかの事情があるからだろう。
 
中国はGDPで日本を追い越すまでは比較的大人しかったのですが、第二位の経済大国になったことで体外的に強硬な姿勢を見せるようになりました。それに伴ってアメリカの対中政策も、戦略的パートナーから対中警戒論が台頭している。それだけ日本に対する風当たりも中国に向かうわけであり、日本は米中の二国間の間で外交的に揉まれる事になる。
 
ルトワックは、「ところが中国の行動は二〇〇五以降に変化しはじめており、二〇〇八年の金融危機の勃発以降はさらに急激になっている。」と書いていますが、内政の混乱を外交的な成果を上げる必要が出てきたのだろう。領土問題でもインドからASEAN諸国から日本との尖閣問題に至るまで外交摩擦が起きている。
 
中国の経済的発展によって民主化が進んで、国際ルールに則った洗練された民主国家になることをアメリカは期待したのでしょうが、そんな事になったら中国はばらばらになる。共産党独裁国家であってもなかなか地方を纏めきれずに強権的な弾圧でなければなかなか中央政府の言う事を聞かない。中央政府が穏健路線を取ろうとしても人民解放軍は共産党の軍隊であり政府の言う事は聞かない。
 
中国は経済発展しているうちは何とか纏まっているのでしょうが、経済が停滞したら地方の不満が爆発して統制が取れなくなる可能性がある。中国の現状を把握する事はなかなか難しく統計数字もデタラメだ。GDPなどの数値も電力消費量や鉄道輸送量などの数字から逆算しなければなりません。貿易統計も相手国からの数字を突き合せなければ正しいのかも分からない。
 
中国政府自身は大量の留学生を送り出して近代国家の建設に努めているのでしょうが、留学生の多くが中国に戻らない。これでは近代国家になりようがありませんが、グローバル企業を誘致して低賃金で働かせて経済発展して来た。このようなモデルは東南アジア諸国で成功してきた開発独裁体制ですが、これでは自立的な経済発展は難しい。
 
ケ小平が始めた改革開放経済は、欧米先進各国と協調してこそ維持ができますが、「それまでよく北京に通っていた訪問者たちは、相手側がいままでの自制的な態度から横柄な態度へと急激に変化したことや、外交部の幹部たちの使う新しい言葉――さらにはボディ・ランゲージまで――が独善的なものになってきたことに驚かされることになった。」と言うように変化が見られるようになった。
 
このような中国の変化をアメリカはどのように見ているのだろうか? 中国国内では毛沢東派の復活も気にかかるところであり、前回の反日デモでは毛沢東の肖像画が掲げられていた。人民解放軍内では毛沢東派が勢力を持っており中央政府と対立する構図も描く事もできる。アメリカとしては中国に多額の投資をしているから、ソ連のように内部崩壊することは望んではいないのでしょうが、軍部の独走で紛争を起こされるのも困る。




成長戦略の第一弾で女性重視を打ち出し、第二弾では農家の所得倍増を
アピールしたが、いずれも成長戦略とは関係のない集票目当ての政策である。


2013年6月7日 金曜日

アベノミクスの支離滅裂 6月6日 田中良紹

第二次安倍政権が誕生した時、「ごった煮のような政権」と書いたことがある。考え方の違う人材をあちこちから集め万全の構えを取ったように見せたが、小泉路線と反小泉路線が入り混じる政権の政策は一貫性を欠く。従って参議院選挙を乗り切るまではそれをごまかしていくしかない。そう思って「三本の矢」が出揃うのを見ていた。

5日に本丸と言われる成長戦略が発表されると、アベノミクスが目指す円安・株高が逆の展開となった。成長戦略は選挙用の「目くらまし」を羅列しただけだと市場から見透かされ、株価は成長戦略発表前と比べて6日には800円以上も下落した。一方で為替も99円台となって円高に振れている。これは一時の調整局面というよりアベノミクスに対する海外の失望局面と言うべきである。

アメリカ型の経済成長は金持ちと貧乏人を作り出し、貧乏人の鼻先にニンジンをぶら下げることで達成される。だから時々貧乏人には金持ちになる機会が与えられる。誰もがやらないニッチな事業で成功するとか、法の目を潜り抜けて一攫千金をものにするとか、アメリカン・ドリームはそうして生まれる。

しかし資本主義は放っておくと強い者がより強くなり、弱い者の機会を奪ってニンジンがニンジンでなくなる。それでは資本主義は自滅する。そこで政治の力が必要になる。政治は競争が公正に行われるよう市場を監視し、大きすぎる資本には独占禁止法を適用して市場の競争化を図る。

そのうえで経済成長に必須なのが労働の生産性向上と賃金の抑制である。労働者を目いっぱい働かせ、意欲のある者にはより高い賃金の職に就く機会を与え、意欲のない者は解雇する。これを「労働力の流動性」と言い、終身雇用に慣れた日本とは真逆の考えに立つ。

賃金を上げればコストが上がり国際競争力を弱めて経済成長を阻害する。しかしアメリカには賃金総体が上がらない仕組みがある。移民国家であるアメリカには常に低賃金労働者が流入する。労働者は低賃金移民との競争にさらされ、それが総体として賃金を押し下げる効果を生む。

賃金が下がっても物価を下げれば問題はないとアメリカは考える。だから発展途上国が作る低価格品をどんどん輸入して消費する。モノづくりをやめたアメリカは外国から製品を輸入しても競合の打撃を受けない。「所得倍増計画」を実施して高賃金を実現した日本は同時にコストも上がり物価高の国となったが、それをバカな事だとアメリカは見ている。

そうしたアメリカ的経済成長論からすれば、安倍政権の成長戦略は本当に経済成長を実現させようとしているようには見えない。競争を激しくし、生き残った企業をどんどん儲けさせ、その一方で労働者の賃金を抑制し、労働者の首切り(流動化)を促進する内容でないからだ。法人税を引き下げて企業をより儲けさせ、労働者の首切りを容易にする政策がなかったために株価は急落した。

それは「ごった煮」の結果である。そもそも小泉氏から抜擢されて総理に就任した安倍氏は小泉氏と同じ考えでなかった。郵政民営化に反対して小泉氏が自民党から追放したメンバーを復党させて小泉氏の逆鱗に触れた。しかも小泉構造改革の負の遺産を引き継いだことが07年の参議院選挙での惨敗になったと安倍氏自身は考えている。そのため小泉構造改革と同じことはやりたくない。

第二次安倍政権を作った最大の功労者は麻生副総理だが、麻生副総理も小泉構造改革の新自由主義路線には反対で、竹中平蔵氏とはそりが合わない。それを安倍総理はあれもこれもと集めて「ごった煮」政権を作った。従って安倍政権にはアメリカ流の経済成長路線と旧来の自民党的バラマキ路線とが同居している。水と油が同居できるのは参議院選挙で勝利し安定政権を作るという共通目標があるからだ。従って成長戦略の中身はアメリカ的経済成長路線より選挙を意識した内容になった。

成長戦略の第一弾で女性重視を打ち出し、第二弾では農家の所得倍増をアピールしたが、いずれも成長戦略とは関係のない集票目当ての政策である。そして第三弾も「民間活力の爆発」などとキャッチコピーがあるだけで具体的中身はなかった。「国民総所得を10年で150万円増やす」と愚民を騙す魂胆が見え見えの発言まであった。こうなると成長戦略は経済政策と言うより選挙公約と呼ぶべきである。

フランスの経済学者ロベール・ボワイエは「アメリカの経済成長のような金融資本主義を真似できるのはイギリスだけで、ドイツ、フランス、日本の経済成長は付加価値を創造する産業資本主義の論理で行うべきだ。アメリカの成長論を導入すると企業も労働者も不安定化する」と述べている。

しかしアメリカを真似して「大胆な金融緩和」から始まったアベノミクスは、アメリカ的経済成長戦略を志向すると思われながら、重心はあくまでも選挙にあった。日本の国情を考えなければならない選挙を意識した途端、国民に痛みを強いるアメリカ的論理を貫徹することは難しい。一方でアベノミクスは株式市場に命運を握られてしまっている。この板挟みをどう潜り抜けるのか。ごった煮政権のアベノミクスによって日本経済は不安定な道筋をたどることになる。



(私のコメント)

昨日はベーシックインカムについて少し述べましたが、20代から30代の子育て世帯が低所得化で子供が作れない状況が生まれています。対象を限定したベーシックインカム制度を検討したらと思うのですが、景気は金融政策だけではダメで財政でカネをばら撒く必要があります。その為には、今一番問題になっている少子化対策と景気対策を組み合わせたアベノミクス版「子供手当て」を実施すべきでしょう。
 
20代から30代の女性に限った出産可能な世代を国家的に補助する事で二つの問題を解決できます。少子化の一番の原因は女性の晩婚化にありますが、20代から30代は女性にとっても出産や育児に時間を取られて仕事を続けることが難しくなっています。働きながら子育てをするには、どうしても一人っ子が多くなります。多くても二人が限度でしょう。
 
昨日は子供一人につき年100万円の手当てを書きましたが、現在は年100万人の出生数ですが、100万人増やすには100万円×100万人=1兆円ですが、国家予算から見れば大した事は無い。景気対策予算では15兆円の予算が組まれたこともある。問題は財務省が財源がないということで、民主党の子供手当ては潰されましたが、扶養控除も潰された。
 
アベノミクスでも女性重視と打ち出していますが、目標ばかりで具体策が書かれていない。高速道路の無償化や子供手当てなどは民主党のマニフェストでもいいアイデアだと思うのですが官僚に潰された。いずれも財源がないという一言で潰されてしまいますが、無いのは知恵であり規制撤廃も規制の利権を手放したくないところの反対で潰される。規制の撤廃が薬のネット販売を認めるくらいでは規制撤廃のスローガンの意味が無い。
 
農家の所得倍増も、民主党のマニフェストの農家への個別所得補償と同じように絵に描いた餅だろうし、民主党政権と同じく政権を取っていざ実行しようとすると多くの政策が潰される。野党なら好き勝手な事を言う事も出来ますが、実際に政権を取って実行しようとすると既得権を持った団体に潰される。
 
「河野談話」「村山談話」見直しはアメリカの圧力で潰されて、「竹島の日」の政府主催も潰れた。これらは外交案件だから妥協も仕方がないのでしょうが、経済政策では大胆な金融緩和ばかりでなく財政出動が無ければ景気の回復は無い。第三の矢のあまりの具体性の無さに株式市場と為替市場が失望してまたもとの道に戻りつつありますが、カネが消費者お手に渡らなければ消費は増えない。
 
企業のグローバル化で、企業が儲けても従業員の給与は上がらず、社員の非正規化が進んで平均賃金が下がり続けている。公務員の制度改革もまったく手が付けられていない。時間が経つにつれて民主党政権時代とあまり変わりの無い姿に見えてきましたが、当初は円安株高でそちらに注目が行っていた。しかし三本の矢の実態が分かるに連れて再び円高株安の状態に戻ってしまった。
 
民主党のマニフェストでも子供手当てや高速道路の無償化は「株式日記」でも賛成してきましたが、景気波及効果が出れば税収となって帰ってくると思うのですが、少子化担当大臣は設けても少子化に効果のある政策は実行するつもりは無いようだ。子供一人当たり100万円の手当ても、児童手当の現状を見れば分かるように、少子化の一番の原因は若年夫婦の低所得化に原因がある。
 




約8000円一貫して上げる中で、日本人は累積で10兆円を、売り越しています。
7ヶ月で10兆円買い越して、株価を上げたのが、「ヘッジ・ファンド」です。


2013年6月6日 木曜日

アベノミクスのパラドックス(2) 6月6日 吉田繁治

【巨大な、シャドー・バンキング】
来年は任期が来ますが、再任は拒んでいるFRBの議長バーナンキが、QE3を停止する必要があると最近気にしているのは、「シャドー・バンキング(影の銀行)」による、先物・スワップ・オプションの形をとった、いずれもデリバティブの投機マネーの増加です。

シャドー・バンキングは、ヘッジ・ファンドや、銀行の子会社によるデリバティブ金融です。デリバティブの製造の70%は、租税回避地のオフ・ショアです。

ほとんどは、規制と税を避けるための「世界で60ヵ所のオフ・ショア」であり、政府も監視ができず公的統計もない。金額規模は、市場価値で$24兆(2400兆円:2012年12月:BIS)です。

BIS(国際決済銀行=世界の中央銀行の中央銀行)のみが、デリバティブの総額(対象となるもの)と、その市場価値を示しています。
http://www.bis.org/statistics/dt1920a.pdf

【2012年11月から円を売って、日本株を買ったガイジン】
日本での事実を言えば、2012年11月から、・アベノミクスの円安誘導に協調した、日本の円売り(円売り・ドル買い)で、1ドル80円の水準から100円の円安にし、・株価(日経平均:12年10月8500円)を、1万5600円(13年5月20日)にまで上げたのは、「ガイジンの買い超(ちょう)」でした。

アベノミクには、ワールド・ダラーを使うガイジンの協調があったのです。

円を下げ(ドル買い・円売り)
株を上げた(株買い)資金源は
$6兆(600兆円)のワールド・ダラーを運用するヘッジ・ファンドと投資銀行の買いです。

これが、逆方向になるとき、円高、株安です。

このマネーが、世界の株価、債券価格、金利、資源や金価格において、
・投機対象にしたものは(バブル的に)上がり、
・利益を確定し、別の対象に逃げたとき、短期で暴落する相場を作
っています。

【QE3の順次縮小の観測】
米国のQE3(量的緩和第三段:月間$8500億のドルの増発)が縮小に向かうとどうなるか?

直接に、
・8000本のヘッジ・ファンド(預かり元本$2兆:200兆円)と、
・ゴールドマン・サックス等の投資銀行の、投機的なマネーが減少します。

買いが減った株価は、下がる。マネーが締まるとドルの金利は、上がる。金利が上がると、外為市場でドルも上がる。このため、「米国景気好転の数字→株式市場の下落」という反応になったのです。

●5月23日以降、米国で「FRBが13年6月から、QE3(月間$850億)の縮小を開始するのではないか」という観測が、強くなりました。QE3の停止の実行に向かえば、世界に投機してきたワードダラーの増加が減ります。

日本株の買い超(7ヶ月の累積で+10兆円)を続けてきたガイジンが、5月23日以降、週間で売り超にはならないまでも、売買が均衡するまで、買いを減らしています。

他方、日本人の合計は、一貫して売り超です。ガイジンの買い超がなくなると、増加買い手が消えた日本の株価は、予想PERで15倍の1万2000円付近にまで下げてしまいます。

以上が、5月23日の株価暴落が起こり、その後、1万3000円付近にまで2500円(17%)も下がってきた主因です。

(注)世界の相場を見ると、日本の日々の株価は、米国ダウの変動幅を大きくしてコピーしています。理由は、日本株の売買の50%〜70%を占めるのが英米系のヘッジ・ファンドと投資銀行だからです。

付記すれば、5.23の株価暴落は、日本人が眠っている深夜、シカゴでの日経平均先物(日経225 CME:6月が限月)の、1日40万枚(6兆円:1枚1500万円)の売りから、起こっています。

普通、10万枚(1.5兆円)の売買です。売りが普段の4倍も多かった。先物でも現物でも、売りは、別の誰かの買いにならねばならない(売買の成立)。

売りが多いときは、価格が下がらねば、買いも増えない。このため、あらゆる相場で、売りが買いより多ければ、価格が売れるまで下がるのです。

先物価格が下げると、それより高い、現物が売られる「価格裁定の売買」が、瞬時に大量に、起こります。

差額はわずでも、確実に、利益が上がるからです。この裁定売買(アービトラージ)のため、先物価格は、現物価格×(1+限月までの期待金利+リスクプレミアム)に、一致します。

普通、先物価格が現物より、若干は高い。先物が上がると、現物も上がり、先物が下がれば現物も下がるのは、このメカニズムによります。逆に、現物の値動きが先のときも考えることはできますが、実際は少ない。先物は、レバレッジがかかった大きな金額の売買が、短時間で起こることができるからです。

その後も、シカゴ市場(CME)で日経225の先物売りが主導した、株価の下げの動きです。日経225の先物の売買でも、国債の先物とおなじように、ガイジンが50%以上を占めています。
http://nikkei225jp.com/cme/

▼一貫して売り超の日本人(合計)

驚くべきことを言えば、12年11月以降、日本の株価が日経平均で、8500円(2012年11月)から1万5000円超え(2013年5月20日)まで約8000円(94%)も一貫して上げる中で、日本人は累積で10兆円を、売り越しています。

株式投資での日本人とは、銀行、保険、機関投資家、事業法人、個人の合計です。日本の株式市場では、バブル崩壊後の2000年代は、ガイジンの短期売買が60〜70%と日本人合計よりはるかに多い。

◎アベノミクスの株価は、日本人の合計にとっては、買いではなく、「過去最大額の売り相場」でした。

株価の上昇にともない、売買額は約2倍には増やしました。しかし合計での「売り超(ちょう)」は、不変です。

7ヶ月で10兆円買い越して、株価を上げたのが、「ヘッジ・ファンド+投資銀行」です。売り超と買い超の金額は、一致します。
10兆円売り越して、過去の損を幾分か取り戻したのが、日本人です。

理由を推計すれば、
(1)日本人で、実際に株式投資する人(700万人)は、マネー量の異次元緩和のアベノミクス効果を、本当は信じていないのか、
(2)08年のリーマン危機以降、下落相場で買ってきた保有株の損をまずは埋め、回復するのが必要だった。

このため、買い超には出ることができなかった。このどちらかです。

本稿では株価の動きを、ガイジンの買い超と、日本人の売り超の面から分析し、今後の株価予想に、結論をつけるための検討を行います。

明確に、金額をつけた予測をします。日経平均で1万3000円〜1万6000円という、多くのエコノミストに見るような予測にならない予測はしません。

書く意味がないと思うからです。リスクを負います。根拠を書いている間に、自分にとっても、はっきりしてきたのです。


(私のコメント)

今回の半年あまりの株式の棒上げは外人買いによるものであり、日本人は売りこしていた。日本の機関投資家は売るに売れない株式を大量に抱えており、今回の株の暴騰でやれやれの売りを出してきたのでしょう。それまでは外人の円高株売りで来たのが、アベノミクスで円安株買いのプログラムが働いて安いところを外人が拾って、日本人が売っている。
 
23日の株の暴落は、外人買いが減少した為であり日本人の売りは続いている。だから昨日も500円以上も下げた。日銀が大規模な金融緩和に踏み切ったから外人は株を買って日経平均は8000円も棒上げをした。リーマンショック前の水準にまで上げた事で日本の機関投資家はやれやれの売りを出してきたから株価は下げる。
 
アメリカは既に第三段の量的緩和に踏み切っていますから、それなりの経済効果も出て、「FRBは住宅資金供給の目的で、額面価格で$1.2兆(120兆円)も買い入れています。この巨大な資金供給によって、米国の住宅価格は13年3月には前年比で9.7%上がっています」と吉田氏は解説しています。
 
アメリカは2012年の一年間で100兆円ものドルの増発をして、投機的なワールドダラーは400兆円にもなり、2013年には600兆円にもワールドダラーが膨らんでいる。「中央銀行が国債や住宅証券を買うことは、債券をもっていた金融機関にとっては売りです。金融機関に、売った債券の代わりに、ドルの現金が入ってきます。」
 
しかしこれらのワールドダラーは消費者に渡ったのではなく金融機関が現金で持っている。しかし現金では金利を生まないから運用で金利を稼がなければなりません。とりあえずが国債で運用するしかないから日米とも超低金利になります。日本の金融機関も国債で資金運用で来ましたが、塩漬け状態の株式を今回の上げ相場で売ることが出来た。
 
それは融資などに回れば景気回復の起爆剤になりますが、有望な投資先はなかなか見つからない。これだけカネをばら撒いても消費者物価がなかなか上がらず2,5%から1,1%まで下がってしまった。シェールガス革命でも600兆円もの投資資金はとても消化できるものではなりません。住宅市場の10%の回復は好材料ですが、いつまで続くか分からない。
 
問題はFRBがいつ金融の引き締めに回るかですが、それは昨日も書いたように当面は金融緩和が続く。最終的には消費者にカネが回って消費が増える事が景気対策の目的ですが、なかなかそうは行かない。一番単純な方法としては、国民一人に付き毎年100万円づつ配って2%のインフレになるまで続けることですが、貯蓄に回っては意味が無くなる。
 
0歳の幼児でも毎年100万円もらえるなら少子化対策にもなると思うのですが、毎月23000円の子供手当てが廃案になるくらいだから実現性は薄い。一番実現性があるのが減税による消費刺激策ですが、所得が少ない世帯では減税の意味が無い。それに代わるものとしてベーシックインカム制度がありますが、所得の低い世帯に毎年100万づつ配ったらどうだろうか。
 
特に母子家庭などは、子供が三人いれば一家で400万円の分配があるから母親は働かなくて育児に専念が出来る。問題は所得を正確に把握することですが、マイナンバー制度で家族構成から世帯の所得まで把握する事が出来る。しかし現状では所得の把握も満足に出来ずにいる。マイナンバー制度で20代30代の女性のいる世帯に限り、既婚未婚を問わずに子供一人に付き100万円づつ配ればどうだろうか?
 
支給対象世帯がどれくらいあって、子供が15歳になるまで続けることにすれば、公共事業をするよりも少子化対策と景気対策になる。子供がいる家庭なら金を配っても衣料や食事や学費などに使われて貯蓄に回る事はないだろう。子供の出生人数は最低記録を更新し続けていますが、若夫婦の家庭は将来不安があるから子供が作れませんが、夫婦と子供三人なら500万円の支給になるから15年間は安泰だ。
 
問題は財源ですが、子供が増えれば消費が増えて関連産業からの税収が増える。現在の子供の出生数が100万人そこそこですが、200万人になればベビーブームの頃と同じになる。子供が増えれば住宅も広くしなければならないし、保育園から学校に至るまでの消費の波及効果が計算できる。問題は政治家と財務省のやる気にかかっている。
 




どこの国も、自分の国の歴史的ふるまいの正しさを過大評価し、
誤謬や非行は過小評価するか、そもそも「なかったこと」にする。内田樹


2013年6月5日 水曜日

歴史記述について 6月3日 内田樹

歴史研究者協議会というところから講演依頼があり、「国民の歴史」について話すことにした。レジュメの提出を求められたので、こんなことを書いた。実際には字数の制約があって、もっと短いのだが、ブログ用に少し書き足した。


歴史認識問題というものが存在する。平たく言えば、歴史の認識が「国ごと」に違っているということである。最近では日中・日韓・日米の「歴史認識」の違いが外交関係をぎくしゃくさせている。

あらゆる国民国家は自国の起源を有史以前の遠い過去に遡らせようとし、未来永劫に存在し続けるものとして表象する。平成25年は皇紀2673年であるから建国は紀元前660年。隣国の壇君朝鮮はもっと早くて紀元前2333年の建国という話になっている。同じく、どの国も永遠に存続するという前提を採用している。中央銀行が発行する紙幣の価値を担保するのは「未来永劫に続く国家」だけだからである。

どこの国も、自分の国の歴史的ふるまいの正しさを過大評価し、誤謬や非行は過小評価するか、そもそも「なかったこと」にする。たぶん人々はそれぞれの国が勝手な歴史を書くことを当然の権利だと思っているのだろう。けれども、国民国家ごとに歴史認識が異なるというのは、一定の歴史的条件が整ったために生まれた一過性の現象であり、それゆえそれ自体が歴史学の研究対象であるべきだと私は思っている。

近代国民国家が制度的に認知されたのは1648年、ウェストファリア条約においてである。このときから国土を持ち、国民がおり、常備軍と官僚層を備え、固有の言語、宗教、生活習慣、食文化などをもつ国民国家というものが基本的な政治単位に登録された。誕生の日付が存在する制度であるから、いずれ賞味期限が切れる。

そして今、私たちは国民国家という政治制度そのものの「終わりの始まり」に立ち合っている。「世界のフラット化」を志向するグローバル資本主義がその障害となる国民国家を空洞化する方向に踏み出したからである。国民国家がその存立条件としているすべてのもの−国境線・固有の言語・固有の貨幣・固有の度量衡・固有の商習慣など−は資本・商品・人間・情報のボーダーレスな移動を求めるグローバル資本主義にとって単なる「障壁」以外のものではない。多国籍産業やヘッジファンドは国境を開放し、ビジネスランゲージも決済通貨も度量衡も統一することを求めている。企業が短期的に巨大な収益を上げ、CEOや株主たちが個人資産を最大化する上で端的に「国民国家は邪魔になった」ということである。

私たちの国でも、このグローバル化に即応した「歴史の書き換え」が進行している。「慰安婦問題」や「南京事件」について日本を免罪しようとする「自虐史観論者」たちの語る歴史がそれである。彼らが「慰安婦制度に軍部は関与していない」とか「南京事件などというものは存在しなかった」ということをかまびすしく言い立てるのは、その主張が国際的に認知される見通しがあるからではない。全く逆である。日本以外のどこでも「そんな話」は誰も相手にしないということを証明するために語り続けているのである。

彼らが言いたいのは、「自分たちが語る歴史だけが真実だ」ということではなく、それよりもさらに次数が一つ上の命題、すなわち「あらゆる国の歴史家たちは『自分たちが語る歴史だけが真実だ』と主張する権利がある」ということである。彼らは自分たちが語っている自国史のコンテンツについての同意を求めているのではなく、「誰もが自己都合に合わせて、好きなように自国史を書く権利をもつ」ことにについての同意を求めているのである。

あらゆる国家は歴史を自己都合に合わせて捏造する。だから、およそこの世に、国際社会に共有できるような歴史認識などというものは存在し得ない。「国民の歴史」は原理的にすべて嘘である。だから、誰もが歴史については嘘を語る権利がある。これが自虐史観論者たちが(たぶんそれと知らずに)主張していることである。誰もが嘘をついている。だから私も嘘をつく権利がある。そして、公正にも万人に「嘘をつく権利」を認める。彼らはそう考えているのである。

この論法は「慰安婦制度」について、どの国にも似たような制度があると言い募った大阪市長のそれと同じである。誰もが自己利益のために行動している。私はそれを咎めない。だから、諸君も私を咎めるな。

この命題は一見すると「フェア」なものに見えるが、遂行的には「持続的・汎通的な正否の判定基準はこの世に存在しない」という道徳的シニスムに帰着する。それは要するに「とりあえず今勝っているもの、今強者であるものが言うことがルールであり、私たちはそれに従うしかない」という事大主義である。

同じことが歴史記述においても起きようとしている。誰もが嘘をついている。私もついているが、お前たちもついている。だから、誰もその嘘を咎める権利はない。このシニスムが深く浸透すれば、いずれあらゆる「国民の歴史」を、自国の歴史でさえ、誰も信じない日がやってくる。彼らがめざしているのは、そのことなのである。

「国民の歴史」とはどこの国のものも嘘で塗り固められたデマゴギーにすぎないという判断が常識になるとき、人はもう誰も歴史を学ぶことも、歴史から学ぶこともしなくなる。そのとき国民国家は終わる。国民国家は「国民の歴史=国民の物語」を滋養にしてしか生きられない制度だからである。そして、それが滋養として有効であるためには、どのようなかたちであれ、「他者からの承認」が要る。他者からの承認を持たない物語、「その『歴史=物語』を信じるものが自国民以外にひとりもいないような『歴史=物語』」を服用しているだけでは、国は生き延びることはできない。

だが、今起きているのは、まさにそういうことである。ウェストファリアシステムが有効だった時代に、人々はそれぞれ自己都合に合わせて「勝手な歴史」を書きながらも、複数の矛盾する記述がいつか包括的な歴史記述のうちに統合されて、各国の自国史がその中の「限定的に妥当するローカルな真実」になることを夢見ていた。だが、グローバル化の時代には、もう誰も「包括的な歴史記述」を夢見ることはない。もうそんなものは必要がないからだ。もう国民国家を存続させる必要がないからだ。


(私のコメント)

「株式日記」では「大東亜戦争はまだ終わってはいない。思想戦言論戦が残っている」と書いてきました。なぜならば大東亜戦争の評価ですら日本ではばらばらであり、戦後教育では日本は侵略戦争をした犯罪国家として教えられて来た。その歴史観はアメリカによって書き換えられたものであり、多くの日本の思想書や歴史書はGHQによって焚書処分され、多くの学者や言論人が公職を追われてマルクス主義者が後を埋めた。
 
戦後の日本をアメリカは永久的な農業国に改造する予定でしたが、日本やドイツという国が無くなり直接ソ連や中国と言う共産主義国家と対峙するようになって、アメリカはようやく共産主義の正体に気がついたようだ。アメリカでは赤狩りが行なわれて国務省内にいた多くの共産主義者が追放された。戦後のアメリカ軍の占領統治には多くの共産主義者も混ざっていた。
 
しかし朝鮮戦争が始まると、共産主義の脅威に直面して、東ヨーロッパ諸国やアジア諸国の多くが次々とドミノ倒しのように共産主義政権が誕生した。そしてアメリカは戦前の日本と同じ局面に立たされて極東アジアとインドシナ半島で戦争をした。にも拘らずアメリカは今でも日本をアジアを侵略した国家と断罪している。「村山談話」の見直しをアメリカは認めない。
 
アメリカの歴史学者の中には、驚くほど率直に日本の立場を理解している学者もいるが、政治外交的にはアメリカの占領統治を続けるには、日本の正当性を認めるわけには行かない。せっかく確保したアジアの橋頭堡を手放すわけには行かないからだ。しかし中国が強大化してくればアメリカは中国に対抗できずにアジアから追い出されるだろう。
 
日本が一時期東アジアを支配したように、アメリカも東アジアを支配するには日本を押さえておかなければならない。戦前のアメリカはフィリピンを植民地にしていたがフィリピンでは中国に進出するには南すぎる。ヨーロッパのハートランドがポーランドであるように、東アジアのハートランドは満州にある。
 
このように大東亜戦争一つとっても歴史的評価は時代や国によって評価は変わってくる。歴史学では事実は何であったかを追求しますが、何年何月に何があったかを認定はしてもその評価は、思想や政治学の分野の担当になる。しかし大東亜戦争でないが起こったのかの事実認定もはっきりしない事も多く、アメリカですら多くの文書が公表されていない。
 
最近の従軍慰安婦の問題や南京大虐殺の問題はあったのか無かったのかの事実認定もはっきりせず、中国や韓国は証拠もなしにプロパガンダしてくる。内田氏は、「国民国家ごとに歴史認識が異なるというのは、一定の歴史的条件が整ったために生まれた一過性の現象であり、それゆえそれ自体が歴史学の研究対象であるべきだと私は思っている。」と書いていますが、国ごとに歴史的評価は異なり時代と共に評価が変わるのは当然だ。
 
テレビドラマでも「新撰組」がよく出てきますが、昔は凶悪な武装集団として描かれていた。ところが最近では「新撰組」はヒーロー的に描かれる事が多い。司馬遼太郎の小説の影響が大きいのでしょうが、近藤勇や土方歳三や沖田総司はヒーロー的に描かれる事も多くなりました。このように歴史的人物も評価は時代と共に変わるし、可能性としては東条英機ですら今ではバカの代名詞ですが時代が立てば英雄として評価されるかもしれない。
 
そもそも国民国家の歴史も、日本人には昔からあったように思っていますが、内田氏は、「近代国民国家が制度的に認知されたのは1648年、ウェストファリア条約においてである。このときから国土を持ち、国民がおり、常備軍と官僚層を備え、固有の言語、宗教、生活習慣、食文化などをもつ国民国家というものが基本的な政治単位に登録された。」と書いています。
日本だって日本国と認識されるようになったのは明治時代に入ってからであり、それまでは幕府や藩が国として認識されて来た。その他のアジアだって王朝はあっても国家ではなく、中国や韓国の国家としての歴史は戦後建国された国家であり、文字まで変わってしまった。アメリカも新しい国であり固有の領土と言うものは無く原住民や他国から奪ったのを領土としている。もしかしたら日本もアメリカの領土なのかもしれない。
 
国民国家という歴史も、長い歴史から見れば出来立てほやほやの新しい概念であり、将来は国民国家という存在そのものが無くなるかもしれない。内田氏は、「国民国家がその存立条件としているすべてのもの−国境線・固有の言語・固有の貨幣・固有の度量衡・固有の商習慣など−は資本・商品・人間・情報のボーダーレスな移動を求めるグローバル資本主義にとって単なる「障壁」以外のものではない。」と書いていますが、国家に所属しない組織が国家以上の存在になりつつある。
 
国民国家後言う概念は一時的なものであり、王朝的なものがグローバル企業として甦ろうとしている。日本でもトヨタ藩や日立藩やパナソニック藩が群雄割拠して、多国籍化して日本に税金も払わない企業が出てきた。アメリカやイギリスも同じでありアップルやアマゾンやグーグルは英国で稼いでも英国に税金を支払わない。
 
これらのグローバル企業は、地図帳には見えない帝国を形成しており、アメリカやイギリスといった国家をも植民地にしているようだ。しかしゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなど儲かっている時は帝国としてしたい放題の事をしているのに、倒産しそうになるとアメリカ政府に泣きついて、国民の税金を救済資金として得ている。
 
中国や韓国は反日を国是として日本製品不買運動をしている。日本製品を買わずに国産品を買おうと言うことなのでしょうが、彼らにとっては反日=愛国であり、日本を犯罪国家とするアメリカの歴史観と利害は一致する。このような状況を打ち破るには、米中韓に対する思想戦や言論戦で打ち破らなければなりませんが、それは学者や思想家の役割であり、政治家が口出しすれば外交問題になる。
 
日米は同盟国でありながら、東京裁判史観で日本を従属化させておかなければならない。だから「河野談話」や「村山談話」を否定する事は許さない。しかし橋下大阪市長や河村名古屋市長などが独自の歴史観を述べるようになりアメリカ政府はいらだっている。市長の首を飛ばしたところで国政は牽制できないから、国民レベルで東京裁判史観が覆されればアメリカとしてもどうすることも出来ないだろう。アメリカはそれを恐れている。
 
東京では毎月のように日の丸デモが起きるようになりましたが、ニューヨークタイムズを始めとして日本批判を強めている。日本国民はネットの言論を起点として行動を起こし始めた。橋下大阪市長の発言は大きな反響を呼びましたが、米中韓に対する思想戦、言論戦の反撃は始まったばかりであり、アメリカ軍の軍事基地が日本国内から無くなるまで続けられる。でなければアメリカによる日本の植民地支配が終わらないからだ。
 
 




日米欧の中央銀行の取り組みを合わせて考えると、世界の金融環境が
少なくとも今後1年程度、引き締まるのではなく緩和するのはほぼ間違いない。


2013年6月4日 火曜日

コラム:株式市場は何を恐れているのか=カレツキー氏 5月31日 ロイター

アナトール・カレツキー

[30日 ロイター] 世界経済と金融市場では今週、奇妙なことが起きている。冒頭の一文は世界金融危機以降の5年間、ほぼいつの時点についても利用可能な言い回しだが、今週の奇妙さは特殊な形態を取っており、それによって生じた混乱よりも、明白になった部分の方が大きい。

最近の経済関連のニュースはほぼすべて良い内容か、少なくとも予想を上回っている。米国では住宅価格が2006年以来で最大の上昇を示し、失業は減り、消費者信頼感指数は金融危機前の水準に戻った。

日本は近年では最も良好な成長を享受しており、消費の高まりと賃金上昇の兆しが増している。欧州ですら、政策が財政引き締めから成長重視に転換し、欧州委員会が各国に財政赤字目標の押し付けを止めたことで、見通しが改善しているようだ。一方、欧州中央銀行(ECB)は中銀預金金利のマイナス化など、非伝統的な景気刺激策をさらに講じる可能性を示唆している。

それなのに金融市場ではボラティリティが急上昇して年初来で最高となり、パニック状態にすら陥った。

米国株は28日にいったん過去最高値を付けたものの、その後はすぐに急落。日本株は2011年の東日本大震災時以来で最大の下げ幅を記録した。最も重要なのは世界各地で起きた債券相場の下落であり、米国や日本、欧州の大半の国では長期金利が1年強ぶりの水準に上昇した。

何が起きているのだろうか。

手掛かりとなるのは金利と債券の市場で発生した直近の混乱だ。株価は日米欧の債券利回りと何がしかの相関関係を持つため、債券価格の急落は株式投資家を怖気づかせた。金利のボラティリティの高まりや株式市場の乱高下に対する恐怖感は、金融以外の分野でも消費者や企業経営陣にすぐに伝染する可能性がある。

こうした恐怖感は3つの疑問を呼び起こす。金融市場に突然の不安を引き起こした原因は何か。懸念は正当化できるのか。政策当局者は市場を鎮静化させるため、もしくは金融市場の混乱と消費や企業投資、雇用など非金融分野の連動を絶つため、手を打つべきか否かということだ。

意外なことに、これらの疑問に対する答えは明快だ。ボラティリティの急上昇がFRB、特にバーナンキFRB議長の22日の議会証言とその数時間後に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によって引き起こされたという主張にはほとんど異論はない。

私は先週のこのコラムでこう論じた。バーナンキ議長は証言で何も目新しいことは述べておらず、FRBは失業率が6.5%に低下するまで景気刺激を継続するという方針を繰り返しただけだと。しかし市場はまったく異なる受け止め方をし、FRBが早ければ6月の実施に向けて資産買い入れ縮小を準備していると考えた。

市場の考え方に確実な証拠はなく、実際のところバーナンキ議長は他の複数のFRB当局者同様に、景気回復の勢いが確固たるものとなる前に資産買い入れを撤収する危険性を強調したのだ。

しかし多くの投資家やメディアのアナリストは、先週私が論じた社会心理学的な理由などにより、納得しなかった。そしてさらに重要なことに、今週に入ってさらに別の心理学的な要因が加わった。バーナンキ議長発言後の債券市場の乱高下自体が、議長発言には重大な新しい情報が含まれているに違いないと投資家に信じ込ませたのだ。相場の変動が大きくなればなるほど、議長の言葉からはそんなことはまったく読み取れないのに、市場はFRBの意図について「何か知っているに違いない」と思い込む投資家が増えた。

こうしたフィードバックはジョージ・ソロスの言う「再帰性」、つまり正当化され得るかどうかにかかわらず、市場の期待が経済の現実を変え、期待通りの現実を成立せしめる能力の模範例だ。

ここから私の2つ目の問いが持ち上がる。金融面の景気刺激策が近い将来に縮小されたり、撤回されると信じる理由があるかという問いだ。2つの大きな理由から、それは疑わしい。1つ目は、バーナンキ議長や他のFRB当局者は、資産買い入れ縮小の検討は成長の勢いや雇用創出に確信が持てるようになってからだと繰り返し表明している。こうした判断に至るには、少なくとも6カ月間にわたる力強い雇用の増加か、2四半期連続の国内総生産(GDP)の堅調な伸びが必要となる。3月分と4月分の統計がまちまちだったことを考えると、今年第4・四半期前にこうした継続的な強い数字が得られるのは文字通り不可能だ。

2つ目に、日本と欧州はどちらも緊縮財政モードを転換したばかりで、FRBが資産買い入れの縮小に着手した後も景気刺激を継続するのは確実だ。日米欧の中央銀行の取り組みを合わせて考えると、世界の金融環境が少なくとも今後1年程度、引き締まるのではなく緩和するのはほぼ間違いない。

つまりほぼ確実に、金融引き締めに対する市場の恐怖には正当な根拠がなく、少なくとも時期尚早だ。そうであるなら、最近の株式・債券市場の波乱について、ましてや市場沈静化について気に掛ける必要などがあるのだろうか。

残念ながら答えは「イエス」。金融市場と現実の経済を結ぶ「再帰性」の相互作用があるからだ。世界経済は回復の勢いを増しているが、まだ足元が固まっておらず、重篤な金融ショックには耐えられない。もし数カ月以内に株価が急激に下落したり長期金利が一段と大幅に上昇すれば、消費者信頼感や設備投資、住宅などはいずれも打撃を受け、財政赤字は再び拡大し始めるだろう。要するに金融ショックが世界経済に影響を与え、実体経済が悪化し、当初の金融ショックが正当化されるような事態になり得るということだ。

こうした自己実現的な下方スパイラルを回避するため、すべての主要国の中央銀行や政府は、金融環境が引き締まらないことを明確に伝える必要がある。そして投資家に対し、長期金利のゆっくりとした上昇は世界経済の正常化に伴う健全な動きだと告げる一方で、中銀はいざとなれば金利の過度の変動や金融市場の急激なボラティリティ上昇から経済を守るべく、無限の資金供給力を備えていることを思い起こさせるべきだ。



(私のコメント)

最近の日本株の暴落は、スピード調整の意味もありますが、アメリカが金融の引き締めに転換するのではないかと言う懸念から、アメリカ株式の資産バブルを懸念や景気回復感から引き締めに政策転換するという先読みの観測から、リスク回避の動きが出ている。世界経済に大きな影響を与えているのは日本の金利であり、長期金利が1%になっただけで、市場は過剰反応している。
 
今までの円安は、ドル高であり黒田日銀総裁の異次元の金融緩和は本格的にはまだ行なわれていなかった。しかしアメリカ経済の回復は思ったほどではなく金融緩和は続けられなければならない。経済指標の発表を受けてドルが売られて円が買われていますが、日本国債ももとの超低金利に戻る。このように円とドルの相場の綱引きが続きますが、円もドルも金融緩和が続く限り超低金利は続く。
 
投資家は、大局観がなければ目先の株の動きや金利に敏感反応する。円の水準がどれくらいがいいかは1ドル=100円から120円水準がターゲットであり、1ドル=70円台や80円台は高すぎていた。だから1ドル=100円で株価もリーマンショック前の元の水準まで戻りましたが、白川前総裁の金融政策は明らかに間違っていた。
 
アメリカの経済指標は予想より悪く、金融緩和解除はまだ早すぎる。バーナンキFRB議長の発言も変わりのないものでしたが、アメリカの過剰な債務の解消は数年で終わるものではない。だから簡単に金利も上げられるはずもなく、日本も過剰な債務の解消は終わってはおらず国債残高も1000兆円になりましたが、1%金利が上がれば10兆円の利払いが増える。
 
日本もアメリカも過剰な債務の解消が終わらない限り超低金利を続けなければならない。その為には金融緩和も継続しなければならない。日本もアメリカも自国通貨建ての国債だから金融緩和=低金利であり金利が上がるはずもない。例外として株価の上昇や景気の回復が金利を上げますが、まだそのような状況ではない。
 
日本の株高も、長期金利が1%近くになったところで大暴落しましたが、景気はそんなに簡単には回復しない。何しろ土地価格は20年間もまだ下がり続けている。アメリカの住宅価格も下げすぎの調整であり本格反騰するような状況ではない。日本でもアベノミクスで一部のマンション価格が値上がりしましたが、本格的な不動産市況の回復はまだまだ先だ。
 
アベノミクスに批判的な経済学者や評論家は、直ぐにインフレインフレと騒ぎ立てていますが、いったん信用収縮が起きると金融緩和しても簡単には回復しない。金融緩和しても銀行の当座預金の残高が積み上がるだけで、国債が買われて超低金利は続く構造になっている。石油関係や食品関係は円安で値上がりしますが、今までが円高で輸入物が安くなりすぎていたから調整しているだけだ。
 
不動産については他人事ではありませんが、20年も不動産不況が続けば誰もが絶望して手を出さなくなる。これから起きる事は都心回帰の流れであり、地方も中核都市を除けば限界集落が広がっていくだろう。ガソリンスタンドが無くなれば車も使えない。これからは職住接近で職場がなければ誰もいなくなる。90年代の末がマンションの買い時だったが2009年頃から都心回帰の流れがはっきりと見えて来た。


米国の住宅価格指数は前年同月比で10.4%上昇、しかし趨勢的な適正レベル 5月30日 竹中正治

右のグラフは東京都区部の中古マンションに関する同様の価格と賃料のデータ(IPD・リクルート住宅価格)をグラフにしたものだ。やはりPRRで見ると、1990年代末から2000年代前半が割安・絶好の買い時であり、2006年から07年にミニバブルが起こっていることがわかる。

アベノミクスでREITは既に過去6か月で既に高騰とミニ反落のワンラウンドを終了した感があるが、現物不動産としてのマンション価格は昨年の底値からようやく1%程度微弱に上がった程度に過ぎない。現在のPRRはやはり91年以来の平均値とほぼ同じ水準であり、割安でも割高でもない中立的な水準だ(リーマンショック後の不況で買い時は2009年だった)。

今後、日本の景気回復が持続し、デフレ脱却、マイルドインフレへの転換が見えてくれば、賃料の上昇→中古マンション価格の上昇という変化が起こるだろう。実際、売り手は次第に強気になってきているようだ。中古マンション購入に成功した個人投資家にとっては楽しみな局面が期待できるだろう。

以上と関連した内容と個人投資家がマンション投資で成功するための鉄則については、5月18日発売した以下新著の第5章をご参照頂きたい。






狂信的な財政再建論者がまた動き始めたのである。仕方がないので、
筆者は、日銀が買入れた日本国債を消却することをここで提案する。


2013年6月3日 月曜日

財政再建論者のサークル 6月3日 経済コラムマガジン

一方、日本の財政再建論者のサークルは、今日、「日銀の国債買入れが財政のファイナンスと見られると、国債は叩き売られ金利は高騰する」というデマを盛んに広めている。一体誰が日本の国債を売ってくるというのであろうか(せいぜい欲に目が眩んだ外資系の投機家のカラ売りだけであろう)。このような明らかな嘘を広めているのが狂信的な財政再建論者達である

しかし経済や金融に疎い人々は、このようなもっともらしい嘘話に乗せられ、財政再建こそがアベノミクスの第四の矢と言い始めている。彼等は、来年度の消費税増税は既定路線と言って譲らない。最近、スティグリッツ(コロンビア大教授)もこの増税は危険と言っているにもかかわらずである(どうしたことか日経の記事ではこの肝心の部分がスッポリ抜けている)。


盲目的で狂信的な財政再建論者がまた動き始めたのである。仕方がないので、筆者は、日銀が買入れた日本国債を消却することをここで提案する。日銀の国債の買入れ累計額は、長らく70兆円程度で推移してきたが、黒田新体制で100兆円を越えてきた。とりあえず290兆円まで買入れる構想になっている。筆者は、この290兆円の国債を消却することを提案する。これによって国の債務は290兆円減ることになり、もちろんこれによって政府の累積債務のGDP比率は格段に低下する。

本誌では、政府と日銀の関係は親会社と子会社の関係であるとずっと説明してきた。会計上、両社の連結決算を行う時には、親会社(政府)と子会社(日銀)との間の債権・債務(日銀が保有する国債などの政府に対する債権)は相殺することになる。そしてこれを実際の取引きで行うのなら消却ということになる。


今日、日銀が保有する日本国債に対して政府は金利を払うが、この金利は最終的に原則として国庫に納付される(準備金が差引かれるがこれも国の資産である)。つまり消却を行っても実態は変わらないのである。

このように筆者は、国債の消却することを主張する。しかしこれを必ず実行せねばならないと言っているのではない。国の債務なんて如何ようにもできるという事を説明したいのである(もちろん政府紙幣の発行という手段もある)。

もしプライマリーバランスの均衡がどうしても必要となれば、それに見合う額の国債を消却すれば簡単に済む話である。とにかくデフレから脱却しようというこの大事な時期に、財政再建のためと言って消費税を増税しようとしていることが大問題なのである。筆者は「良識ぶっている財政再建論者達こそが、諸悪の根源であり、日本を潰そうとしている反日勢力」と認識している。


(私のコメント)

株と債権と金利の関係は複雑に絡み合っており、株がこれだけ動けば債券や金利も関連して動く。今まではリスク回避で国債一辺倒だったところが、国債を売って株に回すところも出てくる。国債が売られれば金利が上昇して一時1%の金利になった。しかし1%以下と言う金利が異常なのであり、インフレターゲットで2%を目標にすれば金利はそれ以上の水準で無ければならない。
 
1%以下の金利では銀行に預けているよりもタンス預金にしておいたほうがいいくらいだ。円安株高は予想できる動きでしたが、これほど急激に株が動けば、利食いの売りも出るし、長期国債を売る動きも出てくる。日銀は長期国債も買いオペしていくそうですが、誰が売るのだろうか? 政府日銀としては景気は回復させても金利は上昇させないように国債の売りものを日銀が買っていく。
 
経済コラムマガジンで、「日銀の国債の買入れ累計額は、長らく70兆円程度で推移してきたが、黒田新体制で100兆円を越えてきた。とりあえず290兆円まで買入れる構想になっている。筆者は、この290兆円の国債を消却することを提案する。これによって国の債務は290兆円減ることになり、もちろんこれによって政府の累積債務のGDP比率は格段に低下する。」と提案しています。
 
「株式日記」でも、1000兆円の政府紙幣で1000兆円の国債を買いオペして償却すればいいと何度か書いてきましたが、そうなれば1000兆円の現金が一気に放出される事になる。そんな事をされたら銀行に現金の山が出来て運用に困る事になる。1000兆円の国債残高は銀行の運用難の為に発行されているようなものであり、銀行はゼロ金利で資金を調達して2%で貸せば2%の利鞘を稼ぐ事ができる。
 
消費者金融のように10%以上で貸せばぼろ儲けが出来ますが、貸し倒れも多いから高金利になる。銀行はリスクのある貸し出しは出来ないから国債を買うしかない。デフレでは実質金利は高くなり弊害が起きるから、黒田日銀総裁は大胆な金融緩和に踏み切った。これはもっと早くすべきだったのですが日銀出身の白川氏では出来なかった。
 
このように株と債券の綱引きは金利で綱引きをする関係であり、株高と金利高を調整しながら金融をハンドルする必要がある。国債も暴落しないようにする為には、株価の上昇も制御しなければならない。円安もドルとの関係もあるから円安株高を一直線で上げる事は考えられない。一番いけないのは少し株が上がって景気が好転すると財政再建論が頭をもたげてくる事だ。政府はこれで何度も失敗している。




株価変動は「アベノミクスの危うさ」でも、マネーの株からの逃避でも何でもない。
メディアの妄言に惑わされてはならない。アベノミクスを粛々と実行することだ。 


2013年6月2日 日曜日

マーケットに無知なメディアの妄言 5月31日 田村秀男

 昨年11月中旬に8600円台だった日経平均株価は、するすると上昇を続け、5月中旬には1万5000円台となったが、23日には前日終値比で7・3%、1100円以上も急落、以来不安定な相場展開だ。

 もともとアベノミクスを冷ややかに見ていた国内一部大手メディアが「それみたことか」とばかりはやしたて、「アベノミクス失敗の前兆」という中国紙に唱和した。朝日新聞は24日付朝刊1面で「東証暴落」「アベノミクス危うさ露呈」と騒ぎ立て、専門のはずの日経新聞にいたっては、「株安が進めば(略)、家計も企業も萎縮して経済は悪化する。失望したマネーは株式市場から逃げ出し、株安と円高の同時進行に拍車がかかる」(3面解説記事)と脅かした。何とも情けない、株式、金融市場への無知さである。

 株価乱高下の仕掛け人はヘッジファンドなど海外の投機筋である。そもそもマーケットには投資家たちの不安心理からくる「揺らぎ」が付き物で、一本調子での相場の上昇はヘッジファンドなど投機筋につけ込まれやすい。目先数カ月以上の上昇傾向が明らかな安倍相場の場合、復元力が大きいので、投機筋はちょっとした売り材料を使って急落させてはもうけ、事前予想通りリバウンドすることでまたもうけられる。

 もともと日本の株式市場には特有の脆弱性がある。本欄でも以前からしばしば指摘しているが、日本株価は極めて単純な法則に支配されている。円高は株安、円安は株高、というもので、ウォール街の投資ファンドがコンピューターの日本株の自動売買プログラムに組み込んでいる。ウォール街は日本株売買の5割以上のシェアを持つ「外国人」投資家の本拠だから、そのプログラムの日本株相場支配力は絶大だ。

 グラフは27日までの円ドル相場と日経平均株価を、営業日ベースで7日前と対比させた変動率である。7日間というのは特に意味があるわけではなく、前日比、2、3日前比でも構わないが、円ドル相場の趨勢(すうせい)をより鮮明に反映する。すると一目瞭然、今回の急落局面も以前と全く変わらず、円高で日本株売り攻勢が起きただけのことである。

 円相場は黒田日銀の異次元緩和効果で安くなる基調に変わりはないから、株高基調は続くに違いない。そのトレンドのなかで、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を打ち切るとか中国経済指標が事前予想以上に悪いという外部の材料を投機筋が利用する。その際、短期国債など円の短期金融商品がつなぎで買われて円高になる。となると即、日本株売りとなる。「円高=株安」は「株安=円高」なので、この2つはほぼ同時に起きることがグラフから読みとれる。

 株価変動は「アベノミクスの危うさ」でも、マネーの株からの逃避でも何でもない。マーケットを知らないメディアの妄言に惑わされてはならない。アベノミクスを粛々と実行することだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)


粛々とアベノミクスを進めよ  5月24日 田村秀男

マーケットは投機で乱高下するが、下落すれば上がる。重要なのは基調である。

以下は、

アベノミクスがもつ破壊力 中韓が嫌悪するとも粛々と進めよ

2013.5.23  お札を刷っては円安・株高を演出し、脱デフレにつなげる「アベノミクス」は、世界経済全体の利益になるという解釈が米英のエコノミストの間では主流である。ところが、その共存の定理は日本と中国、韓国との関係には当てはまりそうにない。(フジサンケイビジネスアイ)

 まずは中国。同国経済指標のうち、国内総生産(GDP)よりも、経済実体を正直に反映していると李克強首相が以前に認めたことのある鉄道貨物輸送量と円の対人民元相場を対比させてみる。2007年前半までの円安期に鉄道貨物伸び率は減速し続け、08年9月のリーマン・ショック後の超円高局面に入ると一挙に回復した。そして、12年秋から円高是正が始まるのに合わせたように、貨物輸送量の増加率は下がり、今年に入るとマイナスに落ち込んだ。中国の鉄鋼、自動車、家電など主力産業の生産過剰のためにモノは動かない。因果関係は不明だが、円安は中国経済の足を引っ張る要因になっている可能性がある。

 元の対円相場は今後、さらに高くなるはずである。理由はこうだ。まず、中国は入ってくる外貨に応じて人民元を発行し、国有商業銀行を通じてその資金を国有企業や地方政府に配分し、高度成長を実現してきた。中国はリーマン後、円の数倍の規模で人民元を発行、2桁成長を保ち、10年には名目国内総生産(GDP)で日本を抜き去った。ところが昨年から景気の悪化や不動産市場の低迷で投機資金流入が細り、以前ほどの勢いでお札を刷れなくなった。対照的に、黒田東彦(はるひこ)総裁による「異次元緩和」の日銀は急速な勢いで円を発行しており、その増加度合は中国人民銀行による人民元発行をしのぐようになった。中国が外資の国外逃避を防ぎ、新たに外貨を呼び込むためには、ドルに対する人民元の小刻みな切り上げを延々と続けるしかない。円安をみて日本企業が対中投資を控え、日本国内に回帰すれば、中国景気には一層の下方圧力がかかる。

 韓国も中身こそ違うが「外資依存」では中国と共通する。外国投資家の韓国株保有残高は12年末にはGDP比で31.8%(日本は14%弱)に上る。韓国の上場企業全体の時価総額の5割以上が外国人株主で占められる。外国の投資ファンドなど投資家は円安・ウォン高で日本株を買い、韓国企業株を売る傾向がある。円安・ウォン高が進めば進むほど、韓国株式市場は不安定になるわけだ。それに韓国は株式市場に限らず、銀行部門でも外資依存度が高く、資本流出が起きやすい。円安が進めば98年のアジア通貨危機の悪夢に韓国はうなされる。

 アベノミクスはそんな破壊力を秘めているが、日本は自国経済の再生策を粛々と実行することだ。日本が「15年デフレ」の間に国力を大きく損なうのとは逆に、経済力を高めてきた中韓が政治的にも増長し、領土問題や「歴史認識」で攻勢を強めてきた事実を踏まえないわけにはいかない。(産経新聞編集委員 田村秀男)


(私のコメント)

現在の為替相場で起きている事は、超円高の修正であり、円が売られる円安ではない事だ。日銀による異次元の金融緩和は、長く続いた日銀の金融引き締め策に対する反動であり、円の適正水準からすれば円安の余地はまだある。アメリカの異次元の金融緩和は、株高と住宅市場の回復をもたらしていますが、日本は不動産市場が20年間下がりっぱなしだった。
 
しかし円安株高で日本の不動産市場にも影響が出始めており、マンション市場にも場所は限られますが活況を呈している。株で儲けた人が不動産を買う動きも出てくるだろう。デパートでも高級品が売れ始めている。バブルの崩壊は株式市場の大暴落から始まりましたが、二年後には不動産も大暴落を始めた。
 
これが逆転すれば、株価の高騰が二年後には不動産の高騰に繋がるはずだ。アベノミクスがいつまで続くかはインフレが2%になるまで続けられますが、市場はまだアベノミクスに疑心暗鬼であり、株価が二番底を付けに行っていますが、株価は一直線に上がるものではなく、山や谷が無ければ相場は動かない。売りものを消化しながら株価は上がって行く。
 
昨日も書いたように二番底をいつつけるかですが、二番底から投資を始めるのが株式投資の常識だ。大底では誰も株は買えない。アベノミクスと言われるように安倍総理は世界を駆け回って資源外交を繰り広げている。エネルギーを原子力に頼ることが出来なくなったからですが、原子炉を解体するだけでも電力会社は赤字になってしまう。誰が原子力が一番安いと言ったのだろうか。
 
石油は中東に偏在していましたが、シェールガス・オイル革命がエネルギー事情を変えて来ている。アメリカ経済の復活の起爆剤になるのか注目されていますが、シェールガスについては情報が錯綜している。シェールガス以外にも代替エネルギーの開発が進んでおり、石油のピークオイル説は、再生可能エネルギーによって補われるのかもしれない。
 
これらを可能にしているのが、技術の進歩であり、頁岩層は昔からガスや石油を含んでいる事が確認されていましたが、採掘は不可能と見られて来た。石油は中東、ガスはロシアに偏在していましたが、頁岩層は世界中に存在している。レアメタルなども中国に偏在していましたが、日本近海の海底などにも埋蔵が確認されている。
 
このような背景があって、安倍総理の資源外交は始められましたが、既存の石油ガス産出国からの輸入も有利に交渉が出来る。オイルピーク説が世界経済の成長の懸念材料でしたが、石油の1バレル=100ドル水準が続けば代替エネルギーの開発も進められる。日本の高度成長は中東から安い石油を確保できた事が原因であり、日本やアメリカの経済成長の終焉は石油の高騰が原因ですが、技術の進歩がエネルギー事情を変えるかも知れない。
 
今までは情報通信分野が技術革新の中心でしたが、エネルギー分野や発電事業などのインフラ事業や重工業が技術革新の中心になっていくのだろう。このような重工業分野はなかなか技術移転も難しく、家電産業のように工場を造ってスイッチを押せば出来るものではない。アジアやアフリカで求められているのは電力産業や水道事業のようなインフラの整備であり、安倍総理はそれを売り込んでいる。
 
数年前までは原子力が次世代エネルギー産業の中心でしたが、3,11の事故ばかりでなく原子力発電には大きな問題がある。CO2を出さないメリットはあるが、核廃棄物の問題が残っている。当面は火力による発電が主力になるのでしょうが、火力発電も日進月歩であり熱効率も従来型と最新鋭とでは倍の効率が違う。
 
日本では既に公共事業は無駄の代名詞になっていますが、発電所の老朽化が課題になっている。民主党政権では54%を原子力にする計画を立てていたくらいであり、従来型の発電所は老朽化に任せていた。橋や高架の高速道路など老朽化で更新工事などがありますが、なかなか再投資がなされない。
 
BRICsなど新興国などは、最新鋭のインフラを整備して経済の拡大が著しく投資先はいくらでもある。日本は橋や道路などの整備は無駄の代名詞となり、原子力発電所も老朽化してもなかなか解体して最新鋭の原子力発電所に作り変える事はかなりの費用がかかる。住宅にしても老朽化した木造住宅を建て替えるだけでもかなりの需要があると思うのですが、古いものを壊して新しいものを作り変えるのは、新築よりも費用がかかる。
 
政治家が新興国に経済援助してインフラの整備に経済援助すれば功績として残りますが、国内の老朽化したインフラを更新しても功績として評価されにくい。福島第一原発もまだ使えるということで40年経っても使われ続けて大事故を起こしてしまった。日本にはこのような老朽化した施設は山のようにあるのですが、更新事業はなかなか行なわれない。
 
高速道路にしても作ればそれで終わりではなく、40年くらい経てば大改修工事は欠かせない。笹子トンネル事故も今なら天井板は不要になり換気は可能だったにも拘らず天井板はそのままで定期点検すら行なわれていなかった。アベノミクスは田村氏が言うように、「アベノミクスはそんな破壊力を秘めているが、日本は自国経済の再生策を粛々と実行することだ。」
 




タイミングさえ間違わなければ、金融相場から業績相場へと移って行く事
になるのですから、そのショックをも利用して行けば良いだけです。


2013年6月1日 土曜日

雷雨を乗り切れ! 5月31日 S氏の相場観

おはようございます。

昨夜のNYはダウは0.14%の小幅反発でしたが、SP500は0.37、NASDAQは0.69%とまずまずの反発でありました。

米の景気が回復してきている事に対し、世界中で米の金融政策が出口に向かうのではないかとの懸念が大きくなっているのですが、昨夜は新規失業保険申請件数が増加したことにより、この懸念がやや後退しての反発と言えそうです。

非常に微妙な話なのですが、米は長引く景気後退局面で就職自体を諦めてしまっていた人たちが沢山居りますので、彼らが就職活動を再開すれば、それだけも失業率は上がる事になるのです。

ですから、そういう意味では景気が回復して来ても、そう簡単に出口には迎えないと言う事になると思いますし、近々に出口論を拡大させる必要もないだろうと思うところではあります。

ただ、景気回復に伴った出口政策は当然であり、目先は株価にショックを与えるとしても、実は喜ばしい事であるのです。

問題は、そのタイミングでありますが、それはかなり慎重に図られると見て良いでしょう。

タイミングさえ間違わなければ、その時はショックが起こったとしても、金融相場から業績相場へと移って行く事になるのですから、そのショックをも利用して行けば良いだけです。

まあ、このショックを警戒してこんなにもおどおどした相場になっているのかもしれませんけどね。

(中略)

さて、相場の方ですが、CME日経平均先物はいくらか反発しておりますが、これだけ急激に下げた日経平均でありますから、そう簡単に収束はしないと考えた方が無難でしょう。

ここまで下げたのだからそろそろ信用で買っても良いだろうか?との質問も受けているのですが、答えはNOです。

昨日はこの相場を梅雨に例えましたが、梅雨の終わりに良く表れる現象を思い出してください。

梅雨の終わりと言うものは、よく雷と豪雨がありますよね?

相場も同じで、調整の最後に酷い下げが出てくる事が多いのです。

それこそ、この世の終わりのような投げが出て、誰もが相場は終わったと錯覚するような場面が出て、初めて反発に至るのです。

そして、この局面こそが最大の買いチャンスであるのです!

毎回こうなる訳ではございませんが、今の局面で信用を使ってしまいますと、この局面で出動が出来なくなるどころか、売らされる結果になりますので、下げているからと言って安易な信用利用は自滅の道です。

基本的に、信用と言うのは、タンス預金はあるが、証券会社には入れたくない状態であるとか、いざとなったら手当てできる人が利用するものであり、お金がない人が利用してもそう簡単には勝てないのが実情です。

よほど実力があれば、信用を使って資産を増大させることも可能でありますが、少なくとも投資情報を探してネットサーフィンしているレベルでは無理です。

それでも賭けてみたいのだ!と言われれば、それはまあ止めやしませんが、少なくともここは勝負ポイントではありません。

まあ、良いところまで来ているのは事実ですし、狙いすぎても結局入れずに反発と言う事もあるのですが、信用を利用して利益を求めるのであれば、この位慎重に狙うべきであります。

そして、それでも確実性はないのですから、いざ投げが出て、ここだ!と思っても、それは全てを無くす覚悟での出陣となります。

信用の利用は、常に背水の陣であり、武運なければ討死であると言う事を肝に銘じて欲しいと願っております。

ただ、あくまでも日計りを狙うだとかであれば、それ程リスクは大きくありませんので、仕込みと言う事ではなく、あくまでも戦うツールとして割り切って利用すると言う事であれば、それはまあそれでもいいかと思うところではあります。

とにかく、使い方は絶対に間違って欲しくありませんが、間違わなければ有意義な取引が出来ると言う事にもなるでしょう。(後略)


(私のコメント)

「株式日記」のコメント欄を見る限りにおいては、実際に株式をやっている人は少ないようですが、株が大きく動けばそれに対する解説もしなければなりません。しかし株の相場師から不動産業に転進してから現在では一株も持っていない。「休むも相場」であり2000年前後のITバブルを最後に株から手を引いた。
 
しかし株式投資の経験をブログを通じて若い人たちに生かしていただきたいと思っています。特に無職で引き篭もりになっている人にとっても、株式トレーダーと言う仕事は才能さえあれば家に引きこもりになっていても出来る仕事であり、パソコンを自在に操れば株式の動きを十分につかむ事ができる。
 
先日もシャープの株を300円で1万株買って600円台で売れば300万円の利益を手にして、暴落している株式相場を「もっと下がれ」と冷静に見ていられる。暴落する二日前に「売れ」と書いたのだから私の天才的な直観力を信じて欲しいものだ。S氏も「そもそもこの暴落の前に私がレポートしていたのは、利益確定を進めて行くべき事」と書いていた。
 
シャープについては、142円から300円に倍増していましたが、まだ倒産の危機は去っていなかった。株式と言うのは大底でドンと買って二倍に値上がりしたら半分売るのが定石であり、「繋ぎ売り」がプロのやり方だ。つまり信用で現物株を担保に「売る」わけですが、狙い通り株が下げれば「売り」で稼ぐことができて、予想に反して株が上がれば現物を渡して清算すればいい。そして残りの現物株の値上がり益が得られる。
 
シャープは142円→300円→600円と倍倍ゲームをして4倍化しましたが、このように数ヶ月間に4倍になるような株はめったにあるものではない。ちょうど安倍政権が誕生して日銀も黒田総裁に交代して金融政策が180度変わったのだから、株式相場はこれで終わったのではなく、株式投資の定石としては二番底を買うのが株で儲ける定石だ。
 
二番底がどの辺になるかはまだ分かりませんが、株価が大きく値下がりをしてS氏も、「それこそ、この世の終わりのような投げが出て、誰もが相場は終わったと錯覚するような場面が出て、初めて反発に至るのです。そして、この局面こそが最大の買いチャンスであるのです!」という事です。
 
だから買い場を探すのは比較的期間も長いし分かりやすいのですが、売り場は売り方が全面敗北して投げたときを待たなければなりません。シャープは空売りが大量に溜まっていたから踏み上げられて4倍化しましたが、踏み上げが終わればしばらくは相場も低迷する。株式相場は金融相場からやがては業績相場に変わっていきますが、シャープもリストラと円安効果で業績に反映されるようになる。
 
先日の大暴落も、国債や債権から株式に流れる観測から金利が1%を超えましたが、金利が上がれば過剰債務を抱えた企業が悲鳴を上げて不況観測が出てくる。国債を大量に抱えた金融機関も国債の評価損が出てきてダメージを加えて、実質的な金融の引き締めと株価の下落で、国債の金利が低下する。
 
今回の不況は一発で治るものではなく、FRBのように何年でもかかる大仕事だ。日本の政府日銀は少し景気が良くなると直ぐに財政再建路線に切り替えて景気の芽を潰して来た。欧米も自国の事は棚に上げて日本に財政再建を要求してくる。しかしアメリカなどは財政再建など上の空であり、貿易収支も大赤字でも放置したままだ。基軸通貨はドルをジャンジャン刷っても、アメリカにとってはドルがアメリカの最大の輸出商品なのだ。
 
日本は自主防衛も核武装も無いから円が基軸通貨になれない。このように円の為替相場と自主防衛と核武装は結びついている。だからアメリカは日本の自主防衛と核武装を認めないのだ。
 



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