株式日記と経済展望

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なぜ国民があれほど期待した政権交代は、ことごとく裏切られる結果となったのか。
政権を担えるだけの人材が不足しており、民主党の経験不足は否めない。


2012年12月15日 土曜日

なぜ3年前の政権交代は裏切られてしまったか 日本に二大政党制が根付かない“政党不在”の理由――慶應義塾大学・片山善博教授に聞く 12月3日

3年3ヵ月前、国民の圧倒的な支持を受けて政権交代を実現させた民主党。当初、70%を誇っていた内閣支持率は現在、10%台にまで下落している。民主党が掲げたマニフェストは子ども手当てや高校授業料無償化など、確かに一部は実行されたが、最も国民が望んだ無駄遣いの排除、政治主導による国家運営など多くが実現しないままに終わった。

なぜ国民があれほど期待した政権交代は、ことごとく裏切られる結果となったのか。そして、なぜ3年前に待望された二大政党制は根付かず、いま小政党が乱立してしまったのか。菅政権時代に総務大臣を務め、民主党政権の実態をよく知る片山善博・慶応義塾大学法学部教授が、民主党が期待を裏切ってしまった理由と、今回の総選挙で何をよりどころに投票すればよいか、迷える有権者に向けたヒントを語る。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン?林恭子)

「政治主導」は一部では発揮
が、政権与党として力量不足だった民主党

――大きな期待を背負って誕生した民主党政権に対して、今では裏切られたという感情を持つ国民も少なくありません。この3年数ヵ月の民主党政権をどう評価しますか。

一言でいえば、国民が期待していたような政権を切り盛りする力量が、民主党政権にはなかった、ということだろう。これは民主党だけに限った問題ではないが、政権を担えるだけの人材が不足しており、かつ、これまで野党であった民主党の経験不足は否めない。

?さらに国民が期待をしていた「政治主導」についてもなかなか実現に至らなかったのは、理念やノウハウが民主党の政治家たちの間で、共有されていなかったからだ。あるいは、当初は理念を持っていたとしても、政権与党になった途端、「官僚の言うことに乗っかった方が楽だ」と考えた政治家も少なくなかった。

??その代表的な存在が野田佳彦首相だろう。彼は、民主党政権誕生直後から財務副大臣になり、2010年6月の菅内閣発足に伴い財務大臣になったが、完全に財務官僚に取り込まれてしまっていた。「ミイラ取りがミイラになった」と言うところだろうか。もしかすると野田さんは最初から「ミイラ取り」になるつもりもなく、ただ権力の“ピラミッド”に入ろうとしただけだったのかもしれない。(中略)

なぜ二大政党制が根付かないのか
“まっとうな政党”を欠いた日本の問題点

――前回選挙による民主党政権の誕生は、日本でも二大政党制が根付くのではないかと思われましたが、いまや多数の小政党が乱立しています。なぜなかなか日本には二大政党制が根付かないのでしょうか。

?これには、大きく3つの原因が考えられる。

?1つは、二大政党制が根付くには2つないし3つの「まっとうな」政党が必要だが、日本にはそれが存在しないということだ。本来政党とは、党員やその支持者によって成り立っている。党員や支持者の意見をくみ取り、それを政策として立案し、権力を握った後に政党がその政策を執行する。つまり、国民が願う政策を実行するために存在するのが政党で、党員の意見を調整しながら作るのが本来のマニフェストである。

?確かに、自民党と民主党は多くの政治家を抱える政党ではあるが、どちらもアメリカの共和党や民主党のように党員が多く存在しているわけではない。

?民主党を支えているのは、連合(日本労働組合総連合会)と政治家の個人後援会である。一方の自民党は、かつてはたくさんの党員を抱えていたものの、与党から転落したこの数年で激減した。もともと自民党の党員も、政治家の個人後援会の会員と、自民党を支持する業界団体に所属する職域党員が多く、本当の意味での党員は決して多くはない。日本で政党らしい政党といえば、共産党や公明党くらいではないか。

?つまり、日本では基本的に政治家の個人後援会の会員が党員となっており、政治家がその党を離れれば、必然的に党員も党を離れることになる。つまり、党への忠誠を誓う党員によって支えられているわけではないため、政治家自身も離党が比較的容易にできてしまう。本当の党員を欠いた政党だからこそ、分裂を生み、現在の結果を生んでいるのだ。

?2つ目は、選挙制度の問題だ。現在、日本の衆議院選挙は小選挙区比例代表並立制度を取っているが、特に浮動票の多い大都市圏では比例代表制によって少数政党が当選しやすくなっている。いま、“雨後の竹の子”的に誕生している小政党もきっと比例代表制での当選を狙っているだろう。そうした状況からも、なかなか二大政党制は生まれにくいといえる。

?そして3つ目が、民主党政権自体の問題だ。政権与党となった後でも民主党は、党内で政策が共有されていなかった。そうした状況から政策を具現化する段階で党がバラバラとなり、今の民主党の分裂を招いたと言っていい。(後略)



(私のコメント)

今回の衆議院選挙は、民主党への失望と裏切りに対する批判選挙であり、多くの民主党議員を落選させて反省させなければなりません。本来の民主党的な政策をしようとした小沢、鳩山氏は民主党から排除されてしまいましたが、アメリカからの圧力や官僚組織の抵抗にあって菅内閣や野田内閣になって自民党と変わらぬ体質になってしまった。
 
その典型が消費税の増税であり、マニフェストにも書かれたいなかった事を強行した。このような裏切り行為が許されるはずもなく「落選」と言う制裁を加えなければ成りません。3年半自民党は野党に転落して多くの自民党支持者も去って行った。政権政党だから自民党員だったと言う人が多かったからだろう。選挙の帰趨を決めるのは大都会の無党派層ですが、今回は民主党を政権から引き摺り下ろすと言う風しか吹いていない。
 
では大都会の無党派層は何処に票が流れるのだろうか。受け皿と見られていた「維新の会」や「未来の党」も人材を揃える事ができず、シンボルだった橋下徹も行政改革や地方分権だけを言っていればいいのに、竹島を共同管理とか、相続税を100%にとか、中国韓国に土下座すべきだとか言った滅茶苦茶な事を言い始めた。
 
「未来の党」の「脱原発」には賛成できないのであり、「脱原発」はあまり国民の支持を集めそうも無い。自民党を除く全ての党が「脱原発」を言い始めたのは票が目当てなのでしょうが、エネルギー政策は国家の基本戦略であり、十分な議論も無いままに選挙で決めるのは間違っている。むしろ電力会社の独占体制とか自由化に踏み込んで行けば、原発がコスト高であることが分かって自然になくなっていくだろう。原発はもっと小型でシンプルで安全な次世代型原子炉を地下深くに作って安全対策を十分にとればいいのでは無いだろうか?
 
期待された「維新の会」も、石原氏との同床異夢では混乱は避けられず思ったほど議席は取れないだろう。残されたのは自民党であり、どの程度改革されたかどうかを見極める為にも自民党に票を入れて様子を見るべきだろう。以前と変わらぬ官僚任せの政治なら、再び野党に転落させればいい。小選挙区制度では風さえ吹けば300議席を超える大勝利も珍しくはありませんが、今回は無党派の風は反民主の風しかない。
 
なぜ第三極がダメだったのかは、新人が出にくい選挙制度にあるのですが、600万も供託金を用意しなかれば立候補も出来ない。これでは憲法違反ですが現職は党からカネも応援組織も用意してくれる。小選挙区では最高得票を取らなければ落選だから国民の批判票が与党候補に冷たく突き刺さる。民主党はこうなる事も覚悟で消費税増税に踏み切ったのでしょうが、「バカは落選しなければ分からない」のでしょう。
 
ベテラン政治家が大臣になっても官僚に使われてしまうのは、勉強不足としか言いようが無いのですが、政治家は方針を示せばいいのであって、細かな事まで知っている必要は無い。インフレターゲットにしても2%と言う数字を決めるのは政治家だが、どうやってするかは日銀に任せられる。インフレターゲットについては可能かどうかは学者でも意見が分かれていますが、日銀はゼロインフレターゲットで調整しているようだ。
 
さらに尖閣問題では日中間に緊張が高まって来ていますが、民主党政権では中国に情報が駄々漏れだから、アメリカは早期の解散を野田総理に命じたのだろう。中国は尖閣を電撃作戦で占領するかもしれない。北方領土や竹島も実効支配してしまえば日本は武力で取り返すことは出来ないと見ているためだ。しかし森本防衛大臣も専門家でありながら空からの領空侵犯の対策を命じていなかった。日本にもE-767AWACSを4機持っているはずなのですが、緊張が高まっている時であるにも拘らず警戒飛行はしていなかった。
 
尖閣を電撃作戦で占領するには制空権を確保した上で、大型ヘリで兵士と武器を上陸させるだろう。それをいち早く察知するのはE-767AWACSなのだ。中国の漁業監視船が尖閣を常時パトロールするようになりましたが、ヘリ搭載した監視船ならいつでも可能だ。日本の海上保安庁の巡視船にも機関銃程度は付いているが中国が戦闘機を出してきたら太刀打ちが出来ない。それを探る為に海監のプロペラ機を出してきたのだ。
 
日本には、ロシアや韓国や中国や台湾まで日本の領土を分捕りに来ていますが、日本には憲法上交戦権は認められていない。だから日本の領土が脅かされて韓国は対馬まで我が領土と言い始めている。このような現状においても平和憲法を守れと言う勢力が国会内でも大半であり、憲法改正が党是となっている自民党でも憲法改正派は少数派だ。
 
「株式日記」では、自主憲法制定と核武装を主張してきましたが、そうしなければロシアや中国や韓国や台湾にまで日本の領土の分捕り合戦が行なわれてしまっている。アメリカは領土問題には中立であり関与しないとあれば誰が日本の領土を守るのだろうか? 岡田副総理は日米による離島防衛訓練を中止させましたが、民主党内には中国のスパイがうようよいるようだ。
 
 




後進のスター選手を育てず、往年の人気レスラーがメインイベントを張ってきた様は、
同じく後進に道を譲らずポストにしがみつく老齢政治家とダブって見える


2012年12月14日 金曜日

日本の政界はプロレス界にそっくりだ 繰り返される内部分裂と衰退 12月12日 ムーギー・キム:プライベートエクイティ投資家

政治家とプロレスラーの高齢化〜一流選手が入ってこない〜

ご存じのとおり、日本で政治家になるには政治家の息子として生まれないかぎり、お笑いタレントになるかプロレスラーになるかがいちばんの近道であるが、歴史的に政界で起こっていることは、長年プロレス団体で起きてきたことと極めて似通っている。

たとえば、メジャーだった新日本プロレス、全日本プロレスは、新しい時流に対応できず、長期間にわたりファンを失い続けてきた。そして新しい世代のスターと観客を創出できず、長らくシルバー世代に突入した往年のIWGPチャンピオンたちがリング上の一線で活躍してきた。

後進のスター選手を育てず、往年の人気レスラーがメインイベントを張ってきた様は、同じく後進に道を譲らずポストにしがみつく老齢政治家とダブって見える。少し前の自民党総裁選でもそうだったが、出てくる顔ぶれも一昔前どころか二昔前と比べても代わり映えがしないし、支持層もどんどん高齢化している。

別に年をとることが悪いことだとは言わないが、60歳で“若手”と呼ばれている産業が政治の他にあるだろうか。イギリスでもアメリカでも40代で首相や大統領が誕生しているが、一国の指導層が60代、70代ならば自然と高齢者優遇の政治にならざるをえない。(中略)

父親の足下にも及ばない世襲議員と世襲レスラー

多様化する有権者の要望に、政策のサプライヤー側(つまり政治家)が、まったくついて行けないのはなぜだろうか。

理由の一つは、政治家の選別プロセスに十分な競争原理が働いていないことにある。ビジネスの場合、新規参入者が“変化できない既存のプレーヤー”から市場を奪っていくのだが、政治の場合、二世議員、三世議員といった世襲議員が多く、“選挙地盤”という参入障壁がそれを阻む。

政治もプロレスも昔の選手のほうがクオリティが高く迫力とカリスマがあったし、ファンからも有権者からも尊敬されていた。しかし後継者の選別を誤り、自分の子供や孫に権力と既得権益票を引き継がせてしまっている。これでは、既得権益打破が進まず、政治家のクオリティが低くなるのは当たり前だ。

日本の政治家は「中国は一党独裁だ」と言って批判するが、中国ではさまざまな政治腐敗が問題になっても、共産党トップの世襲は絶対に認めない。それこそ巨大な政治腐敗と停滞の温床になるからだ(なお毛沢東の息子さんは朝鮮戦争で戦死した。それが世襲が実現しなかった理由だという人もいる)。

ちなみにプロレスラーも父親プロレスラーのいわゆる“サラブレッドレスラー”に人気が集まるが、父親レスラーの足元にも及ばないケースが大半だ。同様に政治家を選ぶときも、江戸時代から続く“我らが城下町のお殿様信仰”から脱却しなければならない。(中略)

一流外国人選手を呼べなくなったプロレス業界

政治界と同じく、内向きになり、小粒化してしまった日本のプロレス界は、昔のような大型外国人スター選手を呼べなくなってしまった。

最近マカオに行ったとき、「もう引退したのかな」と思っていたK-1選手が大規模な格闘技団体のトーナメントに出ていたが、それは彼らが単に日本に来なくなっただけである。これも世界市場から見た“ジャパンパッシング”に共通していて悲しい。

かつてアントニオ猪木にホーガンやブッチャーがいたように、中曽根さんにはレーガンとサッチャーがいた。全日本プロレスの改革に成功して中興の祖となった三沢光晴選手や、最近引退を発表した小橋建太選手(長い間お疲れ様でした。今まで熱い戦いありがとうございました)にハンセンがいたように、小泉さんにはブッシュ大統領がいた。

これらは長期的に安定しているメジャー団体のトップだからこそ、海外のスター選手(大統領や首相)にも真面目に取り合ってもらえたのだ。これに対し、麻生さんや野田さんはオバマ大統領からパートナーと認識してもらっていただろうか。

某団体のように、昔ながらの内向きな顔ぶれで質の低い試合ばかりしていては、結果的に一般のファン(政治における有権者)の関心は激減するだろう。そこでは昔ながらの内輪の古株だけが生き残り、足腰のよたついたボディスラムとゆるゆるのストンピング、さらに聞き慣れたマイクパフォーマンスが繰り返される。そして若い観客がまったく見に行かなくなった古くからの団体と、中途半端なサイズの新興団体が乱立することになる。

ただしプロレスと違って、さらに政治家のタチが悪いのは、有権者が(プロレスファンと違って)他の趣味や選択肢に移れないことだ。

結果、“政界というリング”から客足はますます遠のき投票率が低下し、どんなにつまらなくなっても会場に足を運ぶ昔ながらのマニアックな、到底一般大衆を代表しないコアファンのための、歪んだ試合が展開されることになるのである。



(私のコメント)

選挙もいよいよ大詰めに入ってきましたが、政治家もプロレスラーも体力仕事であることでは共通している。インターネット選挙に切り替えればいいのにと思うのですが、体力自慢の古い政治家が多いからインターネットは苦手なのでしょう。選挙期間が二週間に限られているのも、走り回るしか無い選挙運動をしているから短期間しか選挙運動が出来ないのです。
 
選挙運動の形態も、選挙カーから大声で怒鳴るだけの演説であり、有権者と討論する光景は見られない。私が候補者に消費税増税やTPPや原発問題について問いただしたいと思っても、一方的に選挙カーの上から演説するだけの一方通行なのだ。イギリスのように一軒一軒戸別訪問して有権者の意見を聞くと言った事は出来ない。
 
地元の有力者の集まりなどでは政治家は来てくれるのでしょうが、普段からのきめ細かい活動はほとんどしないから個人献金も集められない。インターネット選挙が解禁されれば個人献金も集めやすくなるのでしょうが、ブログそのものが詰まらなければ読者も集まらずに個人献金も集まらない。プロレスもファンの要望に応えず離合集散が激しくなり客の集まりも悪くなってしまった。
 
力道山やジャイアント馬場やアントニオ猪木などのプロレス黄金時代は、分裂を繰り返して衰退して行った。新しいスター選手を育てなかったからテレビ中継も行なわれなくなり視聴率も落ちて行った。政界も同じであり古手の大スターがいつまでも頑張って、新鋭のプロレスラーが育たなかった。長州力もスターではあっても小兵レスラーであり外人レスラーとは歯が立たなかった。
 
プロレスラーといったら怪物であり人間離れした体力と運動能力がなければ務まりませんが、ついにはジャイアント馬場やアントニオ猪木を上回るレスラーは育たなかった。相撲界でもそうであるようにハングリーでなければプロレスラーも相撲取りも成り手が居なくなってしまった。相撲取りにすらなり手がいなくなってしまったのだから、プロレスラーのなり手がいなくなり小兵レスラーばかりになって外国からの有名プロレスラーが呼べなくなってしまった。
 
タイガーマスクのような総合格闘技では怪我などで長くは続けられない。相撲にしてもプロレスにしても八百長でなければ、並外れた体格と体力の持ち主だから手加減しなければ怪我してしまう。ジャイアント馬場にしても16文キックが出ればそれで終わりと言う暗黙のルールがあった。相撲取りもプロレスラーも怪物のような体格と体力がなければ客は呼べない。
 
政界も、国会審議は言葉のプロレスであり、並外れた弁舌と頭の回転の良さなどで質疑が行なわれますが、質問するほうも答弁するほうも官僚の書いたシナリオ通りの質疑であり、火花が飛び散るような論争が行われる事は珍しい。国会議員は法律を作るのが仕事なのですが、みんな官僚が法律を作って議員立法は非常に少ない。
 
新しい総理大臣が決まり内閣が発足して、当初は支持率も期待人気で高くても、総理大臣の支持率は外交などで成果を上げないと支持率を高く保つ事は難しい。李大統領が竹島上陸や天皇発言するのも支持率を高める為であり、中国が尖閣に手を出してくるのも政府への支持率を高める為だ。それに対して日本政府はひたすら謝罪と譲歩を繰り返して支持率を下げてきた。
 
G20などの国際会議があっても、日本の首相と会談してくれる相手を見つけるのに苦労するような状況が続いている。日本が小国ならそうなる事も仕方がありませんが、日本の首相と会談しても何の情報も得られず時間の無駄遣いだから会談相手が見つからない。外交ではトップ会談でこそ最重要課題が話し合われますが、日本のやり方では事務方がほとんど決めるやり方だからだ。
 
ムーギー・キム氏が書いているように、「政治界と同じく、内向きになり、小粒化してしまった日本のプロレス界は、昔のような大型外国人スター選手を呼べなくなってしまった。」「これらは長期的に安定しているメジャー団体のトップだからこそ、海外のスター選手(大統領や首相)にも真面目に取り合ってもらえたのだ。これに対し、麻生さんや野田さんはオバマ大統領からパートナーと認識してもらっていただろうか。」と言うように、小兵レスラーばかりでは大物外人レスラーは呼べない。
 
今回の衆議院選挙でも、立候補している議員は知らない議員ばかりで、どんな政策なのかも分からない。くだらない国会議員を選ぶのは選ぶ有権者が悪いと言われても、くだらない候補者しかいなければ選びようが無い。政党がしっかりして若手から育てて行かなければ有能な政治家は育ちません。日本のプロレスはジャンボ鶴田で終わり、それ以降はプロレス団体が乱立して「維新軍団」が出てきたのは政界と良く似ている。
 
プロレスも長い間、新日本プロレスと全日本プロレスの二つの団体から小団体に分裂した世界となってしまった。今回の衆院選挙では12もの政党が乱立してプロレスの世界を思わせるようになり、まとまりがなくなり人気や支持率の低迷から抜け出せなくなってしまった。政界もプロレス界も人気スターが出てこなければ低迷した時代が続くのだろう。
 




平和堂が一生懸命育てた人材が、中国共産党幹部の息のかかった
中国企業に高給で根こそぎ引き抜かれる日。中国にパクられる日本企業。


2012年12月13日 木曜日

<配信コラム> 平和堂が「和平堂」になる日 (2)  11月27日 泉幸男

◆◆◆ 中国市場の将来 ◆◆◆

中国が目指しているのは、日本みたいに国産ブランドで市場をおおいつくす国です。
日本みたいに、自動車はほとんどが国産ブランド、家電品も国産ブランド、化粧品も国産、そこにわずかに贅沢品やニッチな商品としての輸入ブランドがある、という景色。


東南アジア諸国がそれを望んでも、ムリ。
しかし、中国や韓国は、それができる国なのです。産業がひととおり揃っていて、勤勉実直な労働者がいますから。

◆ 前例あり ◆

発電プラントや製鉄プラントも、中国は1980年代までは輸入プラントをかなり採用していました。しかし、1990年代後半からは日本からこれらのプラント輸出はほぼ皆無。
中国国内のメーカーがかなり高度なものまで自分で作っています。

日本メーカーの商機は、大型タービンの軸となるローター材のように技術的に中国で作れない基幹部材や、高炉ガスを利用する特殊なガスタービンのようなニッチな商品に限定されています。

日本の重電機業界側もそういう状態を当然のこととして受け止めているから、今さら
「中国へ発電プラントが売れなくなって困っている」
などと言う企業はありません。


話題にならないから一般の日本人はそのことを知らない。
しかし、そういうことが、これから次々にいろんな市場分野で起こってくるのだという割り切りが必要です。

そうならないと考えるとしたら、それこそ中国人をバカにしています。

◆ 中国企業の席捲は現在進行形 ◆

すでにケータイは、中国企業が中国市場を席捲(せっけん)していますね。基幹部品が依然として日本製だとしても。

検索エンジン関連ビジネスも、中国共産党が Google を追い出しにかかっていて、中国企業の独擅場(どくせんじょう)になるのは目に見えています

家電品もパソコンも、中国ブランドが強い。中国政府は国産品販売支援策を、おりおり繰り広げますから、海外ブランドは太刀打ちできません

合弁企業の製品が売れて国富の一部が流出するより、純国内企業の製品が売れたほうが、中国経済にとってはメリットがある。
だから、中国側が官民一体で動いて、海外ブランドは粛々と駆逐されていきます

◆ 日本車も駆逐される ◆

いわゆる日本車が、不買運動の対象になっていますね
日本から輸出した車のみならず、中国の合弁工場でつくった中国製の日本ブランド車まで不買の対象になっている

「一時的な落ち込みだ」
と楽観論を言うひとがいますが、わたしはそうは思いません。
中国ブランドの中国車で一般大衆市場をおおいつくそうというのが、中国政府の長期的な考え方です

日本や韓国の風景を思い返せば、中国政府がそう考えることのほうが自然です。
もちろん、ベンツやレクサスはニッチな商品として残るでしょうが。

◆ 日系のスーパーや百貨店は ◆

日本系のスーパーマーケットや百貨店が今回、狼藉(ろうぜき)の対象になりました。これもひとつの前兆と読むべきです

いま中国は、スーパーマーケットや百貨店、コンビニチェーンなどの経営ノウハウを日本から吸収している段階です

10年経たないうちに、純中国企業のスーパーや百貨店、コンビニが、地元政府の絶大な支援を受けて日本系を駆逐するでしょう

それは何の不思議でもありません。
皆さんの周りに、カルフールやウォールマートはありますか? 日本系企業が競争を寄せ付けなかったから、外国系の流通店舗はほとんどありませんね。

中国では中国企業が、中国政府の支援を受けつつ日本系企業を駆逐するのです
日本系の合弁企業が育てた中国の人材が、それら中国企業の幹部として高給で抜擢されるでしょう

◆ 5年でキャッシュを回収せよ ◆

わたしは、中国へ投資をするなとは言いません。儲かるなら、やればいいのです。

しかし、5年以内で投下したキャッシュが返ってくるようなものに限ることです
10年、20年のスパンで投資するのは、危険なことだと思います

「キャッシュ」 ということをあえて強調したのは理由があります。

たとえば日産自動車は、中国市場で合弁工場生産の日産ブランド車を売って高収益を上げていますが、これはあくまで帳簿上の連結収益なのです。

キャッシュ (現金) を配当金として日本へ還流させることによる収益ではありません。

キャッシュ自体は中国国内で再投資され、資産としてどんどん積み上がっているわけですが、さて日産はキャッシュをいつ日本へ引いてくるのでしょう。

気がついたら中国企業との戦いに敗れ、赤字撤退で資産をそっくり中国に置いていった、というようなことにならねばよいですが
老婆心ですがね。

◆◆*◆◆

 日本の百貨店が中国企業によって駆逐されると、いくら言ってもピンとこないかな

 こう言えば、わかってもらえるだろうか。
 平和堂が「和平堂」になる日、と。

 平和堂が一生懸命育てた人材が、中国共産党幹部の息のかかった中国企業に高給で根こそぎ引き抜かれる日
 平和堂が新規出店をしようとしても、許認可が下りない日

 平和 (peace) は、中国語では “和平 (ホーピン) ”。
 「和平堂」 へと、看板が掛けかえられる日だ。


(私のコメント)

今日のような話題は「株式日記」でも何度も書いてきたことなのですが、日本企業の中国進出は一種の病気のようなものなのでしょうか? ヤオハンの例を見ても利用されるだけ利用されて騙されてすってんてんになって中国から追い出されます。中国は土地と労働力を提供して日系企業は資本と技術を提供して合弁会社が出来ます。しかし双方の思惑は違います。
 
日系企業は13億人の巨大市場を手に入れるつもりなのに、中国側は技術やノウハウを手に入れて経営が軌道に乗れば日系企業との合弁を打ち切る方針に切り替えます。これは日本ばかりでなく世界のグローバル企業もそのようにして中国に進出しています。いずれは中国も経済発展すれば民主化が進むと見ているからでしょうが、それは中国の歴史や文化を知らないからでしょう。
 
その典型がアメリカ政府やアメリカのグローバル企業なのですが、アメリカ人は中国を巨大な日本として見て来たのでしょう。日本は経済発展するにしたがって民主国家になったのだから中国もそうなるだろうと言う幻想です。台湾や韓国や香港やシンガポールだって民主化したのだから中国だって民主化出来ると見るのは当然でしょう。
 
しかし中国は日本を上回る経済大国になりましたが、民主化される様子は全く見えない。むしろ武装警察官を大増員して集会などが見られると解散させられます。唯一反日デモだけは許されて武装警察もデモ隊を解散させる事は無いようです。だから中国人たちも反日デモを利用して暴れまわるのですが、政府もガス抜きとして容認しているのでしょう。
 
最近になって中国は外資系企業の排斥に動き始めたようですが、アメリカ政府もようやく中国が経済発展しても民主化は無理だと認識してきたのでしょう。一番初めはグーグルの排斥ですがグーグルが情報収集活動に使われるのを中国政府は嫌ったのでしょう。中国国内のグーグル検索やグーグルメールが全てアメリカに筒抜けになることを警戒したのだ。
 
アメリカには中国系アメリカ人も韓国系アメリカ人も沢山いるはずですが、アメリカ人一般の東洋の歴史や文化について知識を持つ人はごく僅かしかいない。アメリカ人はヨーロッパの歴史を世界史として学ぶから東洋の事が分からないのは同然なのだろう。アメリカ人がイスラムの歴史をもっと知らないのは中東政策を見れば分かりますが、アメリカ人にとってはグローバル化とはアメリカ化であって他の文化については知る必要も無いと思っているのだろう。
 
中国の改革開放政策は、アメリカにとって見れば民主化への一歩と見えたのでしょうが、中国が巨大市場に見えたのは経済界や金融界でも同じであり、アメリカ企業は安い労働力を確保する為に資本と技術を惜しみなく提供した。中国政府も経済発展のためにはアメリカに対しても非常に協調的であり、中国とアメリカはウィンウィンの関係となり、同時に米中G2による日本封じ込めでも利害が共通した。
 
90年代の「日本叩き」は、通貨の為替政策によっても見て取れますが、日本の円高と中国の元の切り下げは日本製品の価格競争力で敗北に追い込んだ。三洋電機やシャープなどの家電産業は中国製品や韓国製品に価格競争で負けて倒産したり倒産の危機にまで追い詰められている。パソコン価格の暴落は中国企業なくしては出来なかった事であり、ソニーもパナソニックも超優良企業から大量のリストラを強いられるまで追い詰められた。
 
アメリカによる円高、人民元安政策のせいで日本企業も中国進出を余儀なくされて、二万社以上が進出している。しかしこれらの日系企業の将来を考えると、泉幸男氏が書いているように経営ノウハウや育てた人材が中国国営企業に引き抜かれて、倒産寸前になって中国企業にただ同然で買収されていくのだろう。今回の反日デモはその前触れに過ぎず、パナソニックの工場への襲撃もイオンへの襲撃も計画されたものであり、いずれ来るべき時が来ただけの話だ。
 
中国がこのような行動をとるのは、中国の中華思想や歴史や文化などが分かれば予想が付く事なのですが、アジアの歴史に疎いアメリカ人には分からない。日本が中国の一部だと思っているアメリカ人すらいいるほどだ。経済発展で自信を深めた中国は、外資排斥運動に出るのは戦前の歴史を見れば分かるのですが、義和団事件や日貨排斥運動など外国人襲撃事件が多発してくるようになるだろう。
 
今回の反日デモでも日本とは関係の無いマクドナルドやカルフールも襲撃されてアメリカ大使の車も暴徒に囲まれて中国政府を慌てさせた。このような状況になって初めてアメリカ政府も対中政策を変えてきたようですが、親中派のブレジンスキーやキッシンジャーは現状をどのように考えているのだろうか? では中国を民主化する手段はあるのだろうか? 中韓を知りすぎた男ブログでは次のように言っています。
 


中国の術中 2010年7月2日 中韓を知りすぎた男

はっきりいってアメリカの指導者たちはアジアの歴史をあまり勉強していません。

韓国・台湾が戦後急速に豊かになり民主国家になっていったのは戦前の日本における善なる支配と戦後の技術援助・経済援助の結果だということがアメリカは全く分かっていません。

私がいつも思うのはアメリカのシンクタンクの研究者、中国専門学者やマスコミの面々のレベルの低さにはため息が出ます。

台湾や韓国は戦前日本が統治したことによって豊かになりすでに民主国家になっていたのです。

ところが日本の敗戦により台湾は蒋介石のものになったのです。蒋介石独裁のファシズム政党はすでに民主国家になっている台湾の私企業、私有財産、全耕地の30%,山林の90%,7つの銀行の本支店の預金,各地の在庫の米など全資産の8割ともいわれる莫大な資産全てを蒋介石がぶんどったのです。

戦後台湾が民主国家になったのはアメリカの関与だけでなく単に戦前に戻ったに過ぎないのです。

韓国も全く同じです。韓国の評論家であるキム・ワンソブ氏は『親日派のための弁明』という著書の中で「朝鮮の近代化は日本の統治・支援なくしてありえない」と言っています。韓国も戦前はすでに豊かな民主国家になっていたのです。

アメリカの中国専門家,シンクタンク,議員,議員スタッフの人たちが相変わらず「韓国や台湾に民主主義が浸透していったように中国でも民主化が生じるだろう」という愚かな議論しか出来ないのは、アジアの歴史を全く勉強していないからです。

6月29日に産経新聞が開催した、日本,米国,インド,中国の専門家を招いた国際シンポジウムの対談が載っています。「米国には米中関係の将来への楽観主義が広がっている。2百年以上前からの中国文化への深い憧憬の念を指摘する歴史家もいる」

このようなピルズベリー(米国防総省顧問)の発言で相変わらずアメリカの浅はかな中国観が見えました。

「中国の急激な経済成長の行く手には大規模な政治改革が待っている」と信じているアメリカ知識人たちの安易な思い込みには,絶望すら感じます。




小さな政党でも、無所属でも、きちんとした説得力のあるメッセージであれば、
ツイッターを介して人々には届く。ツイッターと選挙は相性がいい。


2012年12月12日 水曜日

「ツイッターと選挙は併存できる」 第4回 ツイッター政府・報道機関担当部門責任者のアダム・シャープ氏に聞く 12月12日 原 隆

日本ではインターネットを活用した選挙運動が認められていない。こうした中で大阪の橋下徹市長がツイッターで情報発信を続けている。こうした動きをどう見るのか。

アダム・シャープ(以下、アダム):私自身、今回の日本の選挙運動に直接関わっているわけではないので、橋下徹市長がどのようなツイートをしているのかは分からない。ツイッターが多くの人たちにコストをかけることなくメッセージを届けられるツールであることは確かだ。発信者の発言そのものに説得力があり、価値があればの話だけどね。小さな政党でも、無所属でも、きちんとした説得力のあるメッセージであれば、ツイッターを介して人々には届く。ツイッターと選挙は相性がいい。反発しあう存在ではなく、併存できるものなんだ。

日本ではインターネット選挙運動が認められていないが、米国だってまだまだ学習段階だ。政治のプロセスにテクノロジーが入っていくためには学習が必要なんだ。米国にはツイッターの使い方に規制がある。例えば、下院においては議会に関するツイートと選挙活動に関するツイートのアカウントを分けなければならない。

 だが、何より選挙においてはあらゆるコミュニケーションの手段を投票者に持たせるべきだ。より多くの情報にアクセスできる環境を整えなければならない。1つの場所だけで情報を得てくださいというのでもダメだし、この時間にアクセスしてくださいというのもダメだ。時間や場所に関係なく投票の判断ができる環境を整えるべきだと思う。そうすれば結果的に多くの人が投票に行くはずだ。(中略)

ツイッターによる情報発信は候補者を決めかねている浮動票に効くのか。

アダム:一概には言えない。米国において、ツイッターはあらゆる層に影響を与えている。両陣営の世論調査機関と協力して厳密な調査を実施したが、特定の層に突出した影響ではなく、幅広く全体的に影響を与えたことが分かった。

 一方で、一般的な市民よりもツイッター利用者の方が政治的な関心が高いということも分かった。ウェブサイトに意見を書き込む回数も多く、政治的な会合への参加回数も多い。ほかの投票者に対する影響力が高いとも言われている。

2008年の大統領選挙でツイッターの活用は脚光を浴びた。2012年の米大統領選ではどのような変化があったか。

アダム:ツイッター上で話題にされるボリュームがかなり大きくなった。例えば、2008年の選挙では大統領候補による討論会は4回開催されたが、すべてのツイート数を合わせても50万件だった。2012年の大統領選では1回の討論会で1000万件もツイートされている。1分間で15万8000件もツイートされているわけだ。たった3〜4分の間に投稿されたツイートが、前回のすべての討論会に関するツイートを上回っている。

 ツイートのボリュームが大幅に増えたことで政治的なプロセスはいくつかの領域で変化が起きている。まずは「リテールポリティックス」の領域だ。選挙戦といえば、候補者が投票権を持つ人たちと実際に出会い、握手し、投票をお願いするというのが100年前からの常識。しかし、100万人と握手するのは現実的に難しかった。しかし、ツイッターはそれを可能にしている。ツイッターはリテールコミュニケーション、マスコミュニケーションの両方を可能にしているんだ。

分かりやすい例を挙げよう。オバマ大統領はこの12月、「皆さんの質問を30分間、ツイッターで受け付ける」と投げかけた。スーパーマーケットで買い物をしている人、バスで待っている人など、それぞれが手持ちのデバイスを通じて質問を投げかけた。そして、数分後には回答が戻ってきた。一方、YouTubeでは回答に悩むオバマ大統領の姿が映し出された。ちょっとした時間でも1対1でやり取りができるわけだ。

 選出した議員と1対1でやり取りできることで、自分たちが忘れかけていた政治の感覚を取り戻せる。これが米国の政治のプロセスの中で起きている変化だ。

 もう1つは「アクセスの民主化」が起きているということ。個人として政党に所属していなくても、影響力が全く無くても、たった10人のフォロワーがいるだけで、リツイートを通じて数百万人に声を届けられる。つまりどのような候補者でも無視できない規模にリーチできるわけだ。自分の発言の価値こそが重要になる。

 ツイッターは大きな街の中にできた「広場」のような役割になっている。人々がたくさん集まってきて意見を交わす場所だ。喫茶店や家庭の食卓で交わされていた会話が、広場という公共の場所で交わされるようになる。これによって測定しやすくなるという利点が生まれている。

ツイッターを代表して日本の政府にメッセージを。

アダム:え?責任重大だな(笑)。我々のメッセージは、人々が政治に接するチャンスを提供することが大事だということ。人々が政治に関与し、意見を述べていけば、きっと国民と政治の関係性は強化されていくと思う。ツイッターは非常にシンプルなツールだ。不信、誤解、様々な心配もあるかもしれない。ただ、政治の過程で国民の誤解を解き、国民との間で人間的な関係を築いていけるツールだ。広場に集まってコミュニケーションを交わし、それをオープンにできるというメリットを感じてほしい。



(私のコメント)

民主党のマニフェストには、インターネット選挙の解禁があったはずなのですが、3年半経っても法改正は行なわれなかった。民主党政権はまさに決められない政権であり、マニフェストの多くが放置されて反故にされてしまった。インターネットの選挙への解禁は民主党のみならず自民党も公明党もみんなの党も社民党も今回の選挙でインターネット選挙での解禁を公約に入れています。
 
だから法案させ出せば直ぐにでも成立する事なのですが、ずっと放置されて来ている。これは総務省がインターネットは文書図画に当たると解釈しているからですが、これは総務省の判断であり裁判で判例があるわけではない。だから勇気のある候補がインターネットをジャンジャン使っても、警察や検察は選挙違反で捕まえるのは躊躇するだろう。例え起訴しても裁判中にインターネット解禁が法律で決まるかもしれないからだ。
 
大阪の橋下市長は、ツイッターを選挙期間中でも使っていますが、「捕まったら助けてください」と呼びかけている。橋下市長は弁護士でもあるから選挙法を知らないわけでは無いでしょうが、選挙法ではインターネットを取り締まる文言は無い。あくまでも総務省が拡大解釈しているだけで、アメリカの大統領選挙でもインターネットがフルに使われている。
 
インターネット選挙については「株式日記」でも何度も書いてきましたが、ブログやツイッターなどを見れば候補者の資質の程度がよく分かる。「株式日記」の文章も漢字の変換ミスや「てにおは」の修正などは放置してままですが、毎日思いつくままにブログを書き続けている。国会議員の先生方もブログで政策を訴える時間はあると思うのですが、多くの国会議員のブログは読むに耐えないものが多い。
 
今回の選挙でも、選挙カーを走らせて狂ったように候補者の名前を連呼していますが、その候補者がどのような政策を訴えているのか広報を見なければよく分からない。インターネットは双方向性があるから有権者と候補者との応答も出来るのですが、そのような機能も使えない。オバマ大統領ですら有権者に意見の募集を行なっていましたが、選挙カーで走り回るよりも効果的だろう。
 
インターネットが選挙活動の中心になれば選挙区選挙もなくなるかもしれない。単純比例代表制にして日本全国を一選挙区にしてしまうことも出来る。現在では一票の格差問題が出て来ていますが大選挙区にしてしまえばこのような問題は起きなくなる。もちろん選挙には地域代表と言う意味や、農村票や都会票と言った意味もありますが、都道府県知事の国会議員の兼職も認めれば地域間の問題も解決しやすいだろう。
 
現在では公職選挙法に認められた方法でしか運動が出来ませんが、インターネット選挙が認められれば選挙カーを走らせたり電話によるローラー作戦も必要もなく、選挙はがきも広報なども必要がなくなり、600万円の供託金も大幅に減額が出来るだろう。むしろ戸別訪問や立会演説会なども解禁して候補者の比較がしやすいようにすべきだろう。
 
一番問題なのは供託金問題であり600万円の供託金は、普通の人は立候補するなと言うのと同じだ。一定得票が得られなければ600万円は没収されるのは痛い。それがインターネット選挙になれば運動に費用がかからなくなり、供託金も数十万円でいいのではないだろうか? 究極的には投票もインターネットで行なえるようになるだろう。集計も一瞬で出来るから費用もかからなくなる。
 
「株式日記」にはコメント欄を開放していますが、国会議員のブログではほとんどコメント欄が閉鎖されている。アラシや嫌がらせがあるから閉鎖しているのでしょうが、これでは双方向性が生かされない。アラシや嫌がらせは担当者が削除すれば防げるだろう。しかし有権者からの全ての質問に答えることも時間的には難しいから、有意義な質問のみ答えればいいのだろう。
 
インターネットでは、文章ばかりでなく動画なども提供する事が出来るから好きなだけ演説する事が出来る。選挙活動の日程なども知らせる事ができるから、じかに演説を聴きたければ指定の場所に行けば演説も聴ける。安部晋三自民党総裁のブログのメッセージでは、12月15日の秋葉原で19時から最後の演説をするそうです。

(このようなことを第三者の私が広報することも文書図画の配布になり違反になるのだろうか?)
 
 




国連海洋法条約で、韓国が竹島周辺海域から日本船を排除することが
協定違反と認められれば、韓国の竹島領有も否定されることになろう。


2012年12月11日 火曜日

韓国大統領の「踏み絵」となった竹島訪問 国連海洋法条約に基づく強制調停を 8月14日 

今年になってすでに、韓国政府は国内での批判を受けて、日韓軍事情報保護協定の締結を一方的に2度延期している。李大統領の竹島訪問は、2010年に相次いだ北朝鮮による韓国艦船「天安」号の撃沈や延坪島砲撃、昨年末以来続く北朝鮮指導部の交代、4月のミサイル発射実験などをうけて加速してきた三カ国の安全保障協力にまたも水を差すことになった。

 そもそも、韓国側に日本との安全保障協力を促進する政治的基盤は整っていない。「天安」号の撃沈は、本来なら北朝鮮への強硬政策をとる李政権の支持につながるはずだった。しかし、その後の地方選挙では大方の予想を裏切って与党ハンナラ党が敗北した。世論調査によれば、韓国国民の6割が北朝鮮との対決よりも和解を望み、とりわけ若い世代にこの傾向が顕著であることを示している。つまり、韓国国民の多くにとって、日本との安全保障協力は北朝鮮との和解を妨げ、さらには中国との関係を悪化させる間違った方向性なのだろう。

 今後、韓国政府は65年の日韓基本条約で放棄した請求権問題を再提起し、「慰安婦」の問題を世界中で宣伝活動を行うだろう。竹島の実効支配も強化し、周辺海域で軍事演習も行う見込みである。

期待できない韓国の歩み寄り

 では、日本はこれからどうするべきか。

 『戦後日韓関係史』の著者である李庭植教授は、戦後韓国人はアジア人として日本人に接し、日本人は西洋人として韓国人に接してきたと述べている。つまり、韓国人は統治された苦しみを同じアジア人として日本人に理解してもらおうとしてきたのに対し、日本人は過去の問題を西洋人的に法律に基づいて解決しようとし、その法律家的態度が韓国人の感情をさらに逆なでしてきたのだ。この分析が正しいとすれば、日本人はよりアジア人的な、韓国人はより西洋人的な態度で互いに歩み寄ることが必要となる。

 しかし、このような歩み寄りは、現在の韓国政治の状況からは期待できない。

 そうであれば、日本は今後も日韓関係がぎくしゃくすることを覚悟し、引き続き法律に基づいた対応を続けざるを得ない。すでに検討されている竹島の領有権問題を国際司法裁判所に提訴することはその一歩となろう。けれども、国際司法裁判所への提訴は当事者双方が合意せねばならず、これまでも日本側の2度の呼びかけを韓国側は拒否しているし、今回もすでに韓国政府は呼びかけに応じない意向を明らかにしている。

国連海洋法条約に基づく強制調停を

 それでも方法はある。それは国連海洋法条約に基づく紛争処理である。同条約では、境界画定に関して紛争当事国の一方の申し立てにより、仲裁裁判所での強制調停に持ち込むことが可能だ。

 問題は、韓国が1996年にこの強制調停を受け入れないと宣言していることだが、国連海洋法条約が発効した1994年以降の紛争処理に関しては強制調停を逃れることはできない。竹島問題は1952年の李承晩ラインを起源とするが、日韓の漁業協定は1999年発効である。つまり、この漁業協定に関する強制調停ならば可能となる。日本政府は韓国が漁業協定を遵守せず、暫定水域を占拠し、竹島周辺の海域に近づく日本漁船を排除していることを協定違反として提訴することを検討すべきだ。

 領有権そのものについてはこの強制調停という方法は使えないが、韓国が竹島周辺海域から日本船を排除することが協定違反と認められれば、韓国の竹島領有も否定されることになろう。

 ただし、間違っても日本側から対話を拒絶するようなことはあってはならない。日韓シャトル外交の停止などは愚の骨頂である。意見が違うときほど、緊張が高まっているときほど、国家の指導者は話し合うべきである。



中国とロシア「尖閣・北方」で連携!領土主張支持し合おう―韓国も竹島で便乗 8月23日 JCAST

 ロシアのメドベージェフが大統領だった2年前に北方領土を訪問した。行く前に中国の胡錦涛国家主席と会い、領土問題について支持し合うという連携ができたと解説するのは中西輝政京都大学名誉教授だ。韓国はそれを見ていて、李大統領が「今だ」と竹島に上陸したのだと読む。

   竹島に李大統領が上陸したことも日本側の反発を招いたが、その後の「(天皇は)韓国を訪問したがっているが、独立運動で亡くなった方々を訪ね、心から謝るなら来なさいと(日本側に)言った」発言は、私のようなぼけ老人でも怒り心頭であった。いくら支持率が落ちているからとはいえ、言ってはいけないことをわきまえるべきであろう。

   中国はもちろんだが、韓国と日本の溝は長く深い。私が最初に韓国を訪れたのは40年ほど前になるが、そのとき向こうの政府高官が、秀吉と加藤清正の朝鮮出兵によって韓国の歴史的建造物や重要な文書が焼かれたことをついきのうの如く怒り、私に食って掛かってきたことを思い出す。

   事の本質は領土問題ではなく、日韓双方の国民の中に根強くある嫌悪の情であろう。何百年も続いてきた日韓の歴史を冷静に見つめ直し、鄭教授のいうように「この構図を変える」努力を双方が歩み寄ってしなければ、日韓の負の歴史遺産を孫子の代まで残すことになる。今の日本が中国や韓国と付き合わないで生きていけるはずはないのだから。



(私のコメント)

「株式日記」では、中国とロシアと韓国と台湾は領土問題で日本包囲網を作ろうとしていると何度も書いてきましたが、JCASTのニュースにもあるように、「ロシアのメドベージェフが大統領だった2年前に北方領土を訪問した。行く前に中国の胡錦涛国家主席と会い、領土問題について支持し合うという連携ができたと解説するのは中西輝政京都大学名誉教授だ。」と指摘しています。そして韓国の李大統領が中国の胡錦涛国家主席に唆されたのだ。
 
このような中ロ韓台による4国による対日包囲網は、アメリカの弱体化を見込んだものだろう。つまりアメリカは日本を擁護しきれないだろうと言う見方で一致している。2015年には韓国からアメリカ軍は事実上撤退して指揮権を韓国軍に譲る。分かりやすく言えば韓国はアメリカ軍を追い出した。戦略上からも韓国は冷戦体制の崩壊でアメリカにとってはどうでもよくなってる。
 
冷戦時代においては、ロシア海軍が対馬海峡から西太平洋に出てくることは困る事になる。ベトナムにもカムラン湾にロシア海軍基地がありましたが今は引き揚げている。代わりに中国海軍が西太平洋に出てきましたが南シナ海は中国の内海化しつつある。石油などが埋蔵されていると言う理由もありますが、ロシアにおけるオホーツク海のようにミサイル原潜の作戦海域になるのだ。海南島には原潜の基地が出来ている。
 
このような状況では、韓国などどうでもよくてフィリピンやベトナムなどを支援して中国を封じ込めなければなりません。中国は南シナ海の海底をミサイル原潜の海底基地にして、そこから大陸間弾道弾をアメリカに向けて発射する。南シナ海は沖縄から目と鼻の先だから対潜哨戒機を飛ばして中国のミサイル原潜を捕まえる必要があります。だから尖閣諸島を中国に押さえられることはアメリカにとっても痛い事だ。尖閣諸島に対空ミサイル基地が作られれば対潜哨戒機も行動できなくなる。
 
このようにアメリカにとっては、北方領土や竹島には関与しないが尖閣には関与してくるのはアメリカ本土を防衛する必要上欠かせないものだからだ。中国の内海には黄海がありますが、水深が平均44メートルほどで大型潜水艦が行動できる海ではない。田中宇氏や副島隆彦氏などが韓国の哨戒艦がアメリカの原潜によって沈められた説を流していましたが、黄海は大陸棚であり大型のミサイル原潜が潜行できる場所ではない。
 
台湾の馬政権も既に中国の傀儡化していますが、尖閣諸島は台湾の領土と主張しています。外交的に見れば日本を敵に回しかねない主張ですが、台湾にも中国の手が伸びて来ている。アメリカがイラク戦争やアフガニスタン戦争やイラン問題にかまけている間に、中国は韓国や台湾や南シナ海へと覇権を拡大して来た。そしていよいよ日本に対してロシアや韓国や台湾と共に対日包囲網を構築した。
 
いわば日本分捕り合戦が行われていますが、日本は武力で取り返すことは出来ないから、北方領土や竹島のように実効支配されたらどうする事もできない。アメリカは日米安保を結んでいても領土問題には中立であり、尖閣諸島にしても電撃作戦で占領されたらお手上げだろう。アメリカ軍が動くかどうかは分かりませんが、動かなければ日米安保もお終いだ。北方領土も竹島の時も動かなかったのだから尖閣でも動かない可能性が高い。
 
分からないのはアメリカの対東アジア外交であり、オバマ大統領は米中G2体制を呼びかけた。だからチベット問題にも無関心であり、ダライラマが訪米しても裏口から面会している。それだけ中国に配慮した外交では、韓国や台湾やロシアなどはアメリカを侮って日本の領土を分捕りにきて、ロシアや韓国の大統領まで日本の領土まで踏み込んで来た。それでも日本は政府が抗議するだけで何も出来ない。
 
せいぜい紅白歌合戦でKPOPの歌手を出さないようにするくらいしか制裁手段は無い。ロシアに対しても平和条約を締結しない政策をとっているし、台湾も中国を承認して断交状態であり民間交流だけだ。唯一の同盟国であるアメリカは中国との関係を最優先して、日本はアメリカ軍に基地まで提供しているのに踏んだり蹴ったりだ。
 
現実的に考えれば、アメリカが支援してくれなければ日本政府は何も出来ない。アメリカの外交に中心課題は中東であり東アジアについては中国と手を組む事でアジアを纏めようとした。北朝鮮が核実験をしても長距離ミサイル実験をしても中国を通じて止めさせるしかなかった。しかし中国にとっては北朝鮮は傀儡国家でありかわいい子分だ。核実験もミサイル実験も中国がある程度は手を貸している。移動式ミサイル発射台も中国が提供している。
 
アメリカから見れば日本は全く不甲斐ない国となりましたが、竹島問題も国際司法裁判所への提訴しか方法は無いのだろうか? 小谷氏の意見では、「国際司法裁判所への提訴は当事者双方が合意せねばならず、これまでも日本側の2度の呼びかけを韓国側は拒否している」から、国連海洋法条約に基づく紛争処理として訴えるべきだと提案している。これは漁業協定などの仲裁裁判所ですが、双方の合意無しでも訴える事ができる。しかしマスコミはこのような手段があることも報道しない。
 
漁業協定だから領土問題とは関係は無いのですが、小谷氏は、「領有権そのものについてはこの強制調停という方法は使えないが、韓国が竹島周辺海域から日本船を排除することが協定違反と認められれば、韓国の竹島領有も否定されることになろう。」と結んでいる。北方領土の漁業権についても国連海洋法条約で訴えたらどうだろうか? 
 
日本が武力による解決が出来ないし、アメリカの中東問題で手一杯であり、国連海洋法条約に基づく紛争処理でしか当面は打つ手が無い。衆議院選挙の真っ最中ではありますが、政治家は口だけで言うだけでロシアの大統領や中国の国家主席の前に出ると何も言えなくなってしまう。アメリカの大統領は面会すらしてくれない時期が続いた。戦前の日本は元々交渉下手であり武力で解決して来た。しかしアメリカによって武力を取り上げられてしまったから、中国、ロシア、韓国、台湾によって日本の領土問題は分捕り合戦が行なわれている。
 




いくつかの先進国においては、今日まで、金融政策(インフレターゲット)
によってインフレ(物価上昇)の抑制はうまく行っている。


2012年12月10日 月曜日

建設国債引受け発言の波紋 12月10日 経済コラムマガジン

時代錯誤の改正日銀法
安倍自民党総裁の日銀による建設国債の引受け発言が波紋を呼んでいる。筆者などの賛同する声がある一方、「悪性のハイパーインフレを招く」「日銀の独立性を何と考えいるのか」「日本の国債の信認が落ち、格下げに繋がる」など、予想通り猛反発を受けている。今週はこれらに反論する。その後の安倍総裁の発言は「アコード(協定)を結ぶなど、デフレ脱却に日銀の協力が得られるのなら、日銀法改正までは踏込まない」とトーンダウンしている。筆者は、現状においてはこれも止むを得ないのではないかと思っている。

いくつかの先進国においては、今日まで、金融政策(インフレターゲットを用いた)によってインフレ(筆者は物価上昇と理解しているが)の抑制はうまく行っている。つまり日本でも、万が一にも急激な物価上昇に見舞われそうになった場合は、金融引締めを行えば良いのである。実際、ハイパーインフレなんて、戦争で生産設備の大半を失った場合や、新興国や発展途上国で過剰な需要が生まれた場合にしか考えられない。したがって少なくとも日本では、「悪性のハイパーインフレを招く」の批難は論外と考えるので、これ以上言及しない。

「日銀の独立性」、つまり中央銀行の独立性の問題である。政府が勝手に財政支出を膨らませ、インフレ(筆者は物価上昇と理解しているが)を引き起すのを牽制するのが「日銀の独立性」である。しかし前述したように先進国では、当分、インフレなんて有りえない。さらにインフレターゲットを導入することによって、これは未然に防ぐことができる。むしろ先進国の経済にとって深刻な問題は、インフレではなく失業を引き起すデフレの方である。

日本では政府がデフレを克服しようとしたのに、中央銀行がそれを阻害することが過去にあった。本誌でもその様子を99/9/27(第132号)「日銀の独立性(その1)」99/10/4(第133号)「日銀の独立性(その2)」で取上げた。経済オンチの橋本前政権の施策(同じく経済オンチの日経新聞などが強力に押し進めていた政策・・筆者が本誌を書きはじめたのはこのような状況を不満に思ったことが大きな要因であった)によって日本経済が急降下したため、これを立直そうと小渕首相は積極財政に転じた。この政策が効果を持つよう小渕首相は日銀に金融緩和を要請した。

ところが速水総裁が率いる日銀の政策委員会は、これを拒否し金融緩和を行わなかった。このため金利は上昇し為替も円高に推移した。あえて政府の要請を拒否した背景には、前年(1998年)成立した日銀の独立性を高める日銀法の改正があった。

改正日銀法は、バブル時代の超金融緩和政策を反省して成立したものである。しかし日本では既にインフレではなくデフレが大問題になる時代に入っていたのに、この日銀法の改正が実施されたのである。今日、時代錯誤の改正日銀法なのだから、再改正という声が出てきても当然である。

このような速水日銀総裁に対して小渕総理は「俺の選んだ総裁ではないからな」と強い不満を示していた。たしかに速水日銀総裁は経済オンチの橋本前首相が任命した。どこまで日銀の独立性を認めるかという問題を棚上げにしても、政府の政策と整合性が全く取れないような金融政策を日銀が採ることは大問題であった。その後、速水氏と同様に日銀出身者が総裁に就いているが、速水総裁ほど酷い政策は採ってはいない。

当時、日銀の様子を見てバーナンキ氏(現FRB議長)は「日銀幹部は一人(中原伸之審議委員)を除いてジャンク」と言い放ったほどであった。今日、「中央銀行(日銀)の独立性」は当り前の事と言っている観念論者は、このような事が過去にあったことを全く知らないか、頭がおかしくなっていて過去の事を完全に忘れているのである。

98年の改正日銀法は、日銀出身の塩崎恭久氏が中心に取りまとめたものである。塩崎氏は安部総裁の盟友と目されたほどであり、前の安部内閣では官房長官に抜擢されている。安部総裁は日銀法改正について、最近、トーンダウンしているが、この辺りが関係しているのかもしれない。

筆者は、日銀法を大きく変える必要はないと考える。ただ任命権者である首相が辞めた時には、前首相に任命された日銀総裁は進退窺いを出すべきと考える(慣行化すれば法律の改正は不要)。また筆者は、日銀は他の省庁と同格であり、総裁は他の大臣と同じと考えている。したがって大臣と同様、日銀総裁就任に国会の同意は必要はないと思っている。(後略)



(私のコメント)

今回の衆院選では景気対策も争点の一つですが、なぜデフレになったのかと言う原因が分からなければ対策は立てられない。そのためには通貨とは何かと言う事がわからなければ理解は出来ないだろう。通貨とは生産力や労働力の価値のことであり、生産のハイテク化で生産力は飛躍的に拡大している時はコストは飛躍的に下がって行く。
 
20年前のパソコンは最高級品は30万円から50万円しましたが、今では最高級のパソコンが5万円台で買える。それだけ生産がハイテク化してコストダウンが可能になった。大型液晶テレビも5年前は32インチのテレビは40万円しましたが今では4万円で買える。通貨が一定の流通量でパソコンや液晶テレビの供給が100倍から1000倍になればパソコンやテレビの価格は暴落する。
 
パソコンやテレビは、電子部品をICチップ化すればコストは飛躍的に下がる。家電製品も同じように生産量はハイテク工場で飛躍的に増大してコストも低下して来た。農産物にしても機械化やハイテク農業で生産コストは下がり続けて米や卵は値下がりしっぱなしだ。通貨が一定量で商品の供給が生産の合理化で爆発的に増えてくれば、物価の値下がりが起きる。
 
販売店でも値下がりが続けば販売高も低下して利益もそれだけ減る。パソコンやテレビは一人に一台あれば十分だから安くなったからといって販売量が増えるわけではない。自動車も一人に一台あれば十分だし家も一人で一軒あれば十分だ。しかしマンションの供給が続いているから辺鄙な所のマンションは売れなくなり空き家になったりする。
 
このような状況になれば、生産できるものはハイテク化や合理化で生産性が上がっていって値下がりは避けられない。そのようなデフレ状態から2%から4%のインフレにするには需要を増やさなければなりませんが、どうしたら需要は増えるのだろうか? 通貨の流通量を倍にすれば5万円のパソコンは10万円で売られるようになるだろう。しかしどうしたら通貨の流通量を倍にすることが出来るだろうか? 
 
日本ではかつて所得倍増政策が行なわれましたが、1ドルが360円の固定為替だったから、100ドルのトランジスタラジオを10台アメリカに輸出すれば360000円の売り上げになった。1台1万ドルの自動車をアメリカに輸出すれば360万円の売り上げになった。だから日本の家電産業も自動車産業も大儲けをして世界的な企業に成長した。だから所得倍増政策も実現しましたが、今では自動車一台売っても82万円にしかならない。
 
輸出に依存した経済では経済成長には限界がある。日本が高度成長を再実現させるには国内のサービス産業を伸ばさなければなりませんが、国家の政策としてサービス産業の振興を図る事が中心になりますが、最近ではそのような政策が行なわれていない。医療や介護の需要は増える一方なのですが、国家の財政政策として医療や介護などの福祉政策でカネをばら撒く政策をすれば通貨の流通量は増えていく。
 
地方では病院の医師や看護師のなり手が居ませんが、高い能力が要求されながら給料は低いからだ。小泉構造改革では福祉予算を毎年2200億円もカットされ続けましたが、高齢化が続く社会では医療や福祉予算を増やし続ける事がデフレ対策になる。健康保険も大赤字ですが国家予算で補助していって医療にかかる負担を少なくするには国債で財政を賄う事が正しい政策だ。
 
物価が下がり続けているのに財政をカットし続けてきたからデフレになったのであり、物が溢れている時代に通貨の流通を増やしてもインフレにはなりにくい。問題はどうやって国民の所得を倍増させていくかですが、以前は輸出産業を振興して所得倍増を実現しましたが、今度は国内のサービス産業を振興する事で所得倍増を図るべきだ。
 
今は就職難なのに人手不足の産業がありますが、それが医療や介護産業であり、高齢化社会になれば医師や看護師や介護師等の人材を確保しなければなりませんが、健康保険の改革で患者の負担が重くなり、病院の経営が苦しくなり地方では病院の廃院が相次いでいる。財政で補助すべきなのにカットしてきたからそうなるのですが、高すぎる公務員の給与をカットして医療や福祉に回すべきだろう。
 
昨日も1000兆円の個人の金融資産が65歳以上の人が持っていると書きましたが、病気になって入院すれば1000万円以上も治療費にかかる事がある。長期入院すれば毎月数十万円の入院費は負担だろう。だから高齢者が多額の預貯金を持っていても使わないのは医療不安があるためだ。小泉構造改革では「75歳以上は早く死ね法案」が成立しましたが、これではますます高齢者は金を使わなくなる。死んだらカネは天国にはもって行けないのだから、使わないまま死ぬのはばかばかしい事だ。
 
むしろ65歳以上の医療費や介護費は無料にすべきであり、寝たきりになっても無料で介護施設で余生が過ごせるとわかれば1000兆円の金融資産を使うようになるだろう。最近では親子の縁も水のようにうすくなり寝たきりになったら子供でも面倒は見てくれない。頼りになるのはカネだけだから高齢者はますます金を使わなくなる。
 
経済コラムマガジンに書かれているように、国家財政は積極財政を続けるべきであり、福祉や医療に使っていくべきだ。橋や道路を作る事は時代遅れであり、物作りからサービスへの産業政策の転換が必要だ。高齢者の持つ1000兆円をどうしたら使わせるかが問題ですが、1000兆円を国債に変えて福祉財政で使えば通貨の流通は増えていくだろう。以前は70歳以上の医療は無料だったはずですがいつの間にか消えてしまった。
 


老人医療費無料の時代があったのですか? 2008年4月23日(水)「しんぶん赤旗」

〈答え〉1960年後半〜70年代、日本共産党が躍進し、革新自治体が数多く誕生するなかで、住民本位のあたらしい政治の潮流が生まれました。老人医療費の無料化は、その革新自治体が切りひらいた実績のなかでもとりわけ輝くものでした。

 端緒は岩手・沢内村(現・西和賀町)のとりくみです。1960年、同村は全国で最初に65歳以上の老人医療費無料化を開始し、61年には対象を60歳以上に広げました。

 日本共産党は、同村の経験に学び、いち早く64年の第9回党大会で「全額無料の老人の健康管理と医療保障の実施」をかかげ、全日本民医連、日本患者同盟、全日自労、新日本婦人の会などの団体と協力して各地で奮闘しました。60年代後半には、無料化の動きは東北地方から全国的に広がりました。とくに東京都に革新知事が誕生し、69年12月、70歳以上の医療無料化を実施したことが画期となり、その後、数年を経ずして革新、保守を問わず8割をこえる地方自治体で老人医療費の無料化を実施するようになります。

 これが、自民党政府をおいつめ、ついに、73年1月1日から、国の制度として70歳以上の老人医療費無料化制度が実施されたのです。(後略)





道路公団の民営化も大失敗でした。9人もの死者を出すなんて、民営化されな
ければ起きない事故だった。民営化は、競争がある業種でないと意味がない。


2012年12月9日 日曜日

東電幹部を任意聴取=政府関係者も広範囲に―原発事故捜査・検察当局 12月9日 時事通信

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷容疑などの刑事告発を受理した検察当局が、東電幹部ら告発対象者を含む関係者を広範囲に任意で事情聴取していることが8日、分かった。地震や津波の予測や、事故を防ぐ対策が可能だったかについて、認識を確認するなどしたとみられる。

 検察当局はこれまで、東電や政府の関係者、国会議員ら100人を超える主要な事情聴取対象者をリストアップし、うち約50人について既に聴取した。早ければ来年春にも刑事処分する方向で捜査を本格化させている。

 東京、福島両地検は8月、東電幹部らが地震や津波への対策を怠り、周辺住民に傷害を負わせたなどとする告発を受理し、捜査を開始した。

 関係者によると、検察当局は約20人の専従体制を敷き、東電や旧原子力安全委員会、旧原子力安全・保安院、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を所管する文部科学省の担当者らの聴取を進めてきた。

 検察当局は、事故を誘発する地震・津波の発生が予測できたかを捜査の焦点と捉えている。東電は大地震時に発生する津波を最大15メートル超と試算していたが、5.7メートルまでの対策しか取っておらず、こうした試算の位置付けや、試算を受けた津波対策などについて、当時の幹部らから事情を聴いたとみられる。

 検察当局は既に、原発敷地内に立ち入って事故現場も確認。事故と被害との因果関係を探るため、被災者からも説明を受けたもようだ。

 業過致死傷容疑などの捜査では、予見可能性に加え、被ばくを傷害と認められるかどうかなど課題が多く、立証には困難が予想される。 



これじゃ事故も起きる 高速3社 民営化で焼け太り 日刊ゲンダイ2012/12/8

役員数も報酬も6倍に

9人が亡くなった中央高速「笹子トンネル」の天井板崩落事故。天井板を吊り下げていた「つり金具」の点検は“目視”だけで済ましていたなど、安全を軽視してきた「中日本高速道路」の実態が次々に明るみになった。

小泉政権時代、大新聞テレビは、道路公団を「民営化」すれば、すべてがバラ色になるかのように煽(あお)り立てたが、とんでもなかった。民営化で効率が良くなるどころか、役員数を増やすなど、どんどん非効率になっているのが実態だ。

旧日本道路公団は、「東日本」「中日本」「西日本」の3社に分割された。フザケたことに、民営化後、3社の役員数は旧公団時代の6倍、役員報酬も6倍に膨れ上がっているのだ。

たとえば、役員数は、東日本20人、中日本15人、西日本17人に水膨れしている。合計52人だ。旧公団時代は、総裁、副総裁、理事の8人しかいなかった。役員報酬も、旧道路公団時代は総額1億4000万円だったのに、3社合計で推計8億円以上に達している。死者を出した「中日本」の役員報酬は、平均1800万円だ。社長は相当な額をフトコロに入れているはず。

「小泉・竹中コンビが進めた政策で国民のためになった改革は、ほとんどない。郵政民営化が失敗だったことは、いまや全国民が分かっている。道路公団の民営化も大失敗でした。9人もの死者を出すなんて、民営化されなければ起きない事故だった。民営化は、競争がある業種でないと意味がない。高速道路を民営化してもライバルが不在だから、事故を起こしても潰れないし、幹部連中はやりたい放題です。民営化され国会の監視の目も届かなくなった。バカみたいな話ですよ」(民間シンクタンク研究員)

小泉政治の歪みが日本中をおかしくしている。


(私のコメント)

高速道路にしても電気にしても、社会インフラであり独占企業であり競争原理が働きません。そのようなところを民営化すればどうなるか、東京電力による福島第一原発災害や、中日本高速道路会社による「笹子トンネル」の天井板崩落事故を見れば、民営化すれば全て良くなると言う小泉改革が失敗であった事が分かります。電力に関しては原子力発電だけは公社化して運転すべきだし、高速道路も民営化された結果、役員ばかりが水ぶくれして報酬もうなぎのぼりだ。
 
どちらも民間会社になった結果、利益優先になり安全性が犠牲にされた。高速道路会社はトンネルの安全点検を怠るようになり、電力会社は15メートルの津波を予想していたのに5,7メートルの津波にしか対応していなかった。安全対策は利益をもたらさないから無視されて、40年の耐用年数も60年にされようとしていた。配管などは金属疲労で全部取り替えなければなりませんが費用が膨大になる。
 
時事通信の記事によって、「東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷容疑などの刑事告発を受理した検察当局が、東電幹部ら告発対象者を含む関係者を広範囲に任意で事情聴取していることが8日、分かった。」と言う事ですが、「笹子トンネル」の事故の捜査に比べると検察の動きが鈍い。明らかに原災法違反の疑いがあるのですが、電力会社や政界からの圧力で動きが取れなかったのだろう。
 
何度も書きますが原子力発電の運営は民間会社には荷が重過ぎるのであり、フランスは公社でありアメリカは民間ですが実質的に軍が管理している。いったん大災害が起きれば電力会社では手に負えなくなるのに民間の会社では原発は無理なのだ。福島第一原発の災害復旧費用も実質的に国が出しており補償費用も国が立て替える形になっている。
 
数百億円あれば出来るような防潮堤の建設を惜しんだ為に何十兆円もの災害を招いたわけですが、公営なら利益よりも安全性を優先されて作られていたかもしれない。配電盤の移設や非常用発電機の分散配置も行なわれていただろう。小泉構造改革では民営化すれば全て上手く行くと言ったことは嘘だった。競争原理が働かないところを民営化すれば外資が乗っ取る可能性もある。日本郵政も高速道路会社も外資に乗っ取られて、事故が起きても外資は倒産するだけで補償などは国に押し付けるつもりだろう。
 
国会などの事故調査委員会の調査も警察権が無いために、東電幹部などへの聞き取り調査が出来ずに原因調査が出来ていない。ようやく検察が動き始めたようですが、自民党政権に代われば菅政権における事故対応の取調べが行なわれるだろう。そうなれば菅総理や枝野官房長官は逮捕されるかもしれない。放射能がどの方向に汚染されているかを情報公開せずに飯館村の村民を被曝させた責任がある。その為には民主党を大敗北させて新政権が責任追及する必要がある。東電も解体して当時の経営者を牢屋にぶち込め!
 


【国会事故調】 勝俣・東電会長 官邸と部下に責任なすりつけ 5月15日 田中龍作ジャーナル

国のエネルギー政策を壟断してきた男は、この日も狡猾だった。東電福島原発の事故原因を究明する『国会事故調』は14日、電力業界のドンだった勝俣恒久・東電会長を参考人聴取した。「知らぬ存ぜぬ」を通す勝俣会長に事故調の追及は決め手を欠いた。

 電事連(電気事業連合会)が政府への圧力団体であることは、つとに知られている。ロビー活動を通じて規制を骨抜きにするのである。野村修也委員(弁護士)は、電事連の事実上のリーダーとして勝俣氏が果たしてきた役割を追及した――
 
 野村:「原子力安全・保安院が06年、スマトラ沖大地震・津波を教訓にシビアアクシデント対策を打ち出したにもかかわらず、電事連の抵抗により対策は実現されなかった。保安院が“電源喪失が起こりうる”として部下(東電社員)に伝えたのをご存じか?」

 勝俣:「存じません」

 野村:「“非常に大事だから上層部にあげてくれ”と保安院は伝えているんですよ?」

 勝俣:「(原子力事業)本部長どまりだったことは今後の課題」

 先ず「知らない」とシラを切り、事実を突きつけられると「今後の課題」などと言ってかわす。勝俣会長の巧妙なところだ。

 責任回避も天下一品である。追及されると勝俣氏は「その責任は(原子力事業)本部長」「それは発電所長」「それは社長」と臆面もなく答えた。

 そのくせ事故当時の菅政権の対応を批判した。勝俣会長は「官邸がダイレクトに(福島第一原発の)吉田所長に連絡するのは好ましくない」と言ってのけたのである。

 その一方で「官邸に現場(福一)が困らされた時押し戻すのが会長の役割ではないか?」と追及されると、勝俣氏は「総理の指示を押し戻すことはできない」と答えた。自らの責任は、徹底して認めないのである。虎と狸とキツネが同居したような人物だ。





過去にも2度、デフレ脱却の機会があったが、日銀がゼロ金利政策の
解除、量的緩和政策の解除をしたために、いずれも失敗に終わった。


2012年12月8日 土曜日

総選挙こうみる:財政危機説は嘘、アベノミクスで株価急騰=カブドットコム山田氏 12月7日 ロイター

[東京 7日 ロイター] カブドットコム証券・マーケットアナリストの山田勉氏は、今月16日投開票の衆院選に関し、世間一般で言われている財政危機説は嘘だと指摘。自民党の安倍晋三総裁が掲げるアベノミクス政策は2年でデフレ脱却を果たした高橋蔵相の政策と類似しており、株価急騰のきっかけになるとの見方を示した。7日午後、ロイターの取材に応じた。

主なやりとりは以下のとおり。

――アベノミクス政策に対する期待が高まっている。どのように評価しているのか。

「インフレ目標2%を打ち出したことが最も評価できる。あらゆる政策を打ち出して目標を達成するという覚悟の表れであり、この覚悟がない限り、市場でのインフレ期待は高まらない。実際、安倍氏は無制限緩和を実施すると言い続けている。日本も欧米と同様に無制限緩和をしない限り、いつまでも円高が続き、国内輸出企業の競争力が落ちてしまう」

──金融政策だけでは需要が増えず、物価上昇も難しいのではないか。

「もちろん金融政策だけでは難しく、需要を喚起することが必要だ。そのためには積極財政を行い、公共投資を増やすしかない。日本は1996年の橋本内閣以降、財政改革を目指した緊縮財政を推進しており、足元では公共投資は97年から約半分に落ち込んでいる。今こそ赤字国債や建設国債の発行により財源を確保し、積極財政への政策転換が求められている」

「60─70年代の高度成長期に建てられたインフラ設備のほとんどが補修工事が必要な段階であり、国債発行で得た財源はこれらに向けられるべき。このほか、最先端技術や防衛関連事業などに投資すれば内需拡大につながる」

──国債を大量発行すれば財政が悪化するとの懸念も多い。

「世間一般で言われている財政危機説は嘘だ。国債を発行しても財政は悪化しない。例えば政府債務残1000兆円、GDP500兆円の場合、政府債務残高のGDP比率は200%だが、国債を10兆円発行(債務残高1010兆円)し、全て公共投資などに用いればGDPは510兆円に増加、債務残GDP比率は198%に低下する。GDPが増加することで税収も増えるため、債務残高GDP比率の低下はさらに加速する」

──今までも金融緩和や財政政策を実施したが、景気回復は一時的だった。

「一度踏んだアクセルは踏み続けなければならない。過去にも2度、デフレ脱却の機会があったが、日銀が政府側の意向を聞かずに、ゼロ金利政策の解除(00年8月)、量的緩和政策の解除(06年3月)をしたために、いずれも失敗に終わった。政府・日銀が両輪となって最低でも向こう5年間のタームで景気が回復するまで続けることが重要だ」

──安倍氏による日銀関与強化が批判されている。

「橋本内閣による改革の一環として98年に日銀法が改正され、日銀の独立性が過度に高まった。その後の15年間において、日銀はインフレ政策を採ると言いながら、結果的にはコアコアCPIがマイナス1%からプラスマイナス1%にとどまっており、デフレターゲットと揶揄(やゆ)されかねない状況となっている。日銀が用いる手段は独立性を残さなければならないが、デフレ脱却という目標は政府と一つにするべきだろう」

「その意味で来春の日銀総裁人事は注目度が高い。政府が主導する政策を推進する総裁が求められる」

──自民党が第1党となっても衆参のねじれは解消されない。

「自民党の単独過半数は最低限達成すべき水準。単独で300議席確保する勢いがあれば安倍氏が提言する超金融緩和策、積極財政に大きな追い風となり、政局の変化とともに景気回復への道筋が開ける。来年7月の参院選でも勝利すれば長期安定政権となる可能性もある」

──自民党が大勝しアベノミクス政策が推進された場合、株式市場への影響は。

「株価は急騰するだろう。アベノミクス政策は1932─36年に高橋蔵相が実施した金本位制離脱、円安による輸出復興、積極財政、日銀の国債引き受けなどと類似点が多い。当時はたった2年でデフレ脱却を果たした。今回も同様の道筋をたどるならば株式市場にも好影響を与えるだろう」



(私のコメント)

今回の衆院選挙では脱原発以外にも、どの政党もデフレ脱却を訴えているようですが、どうして20年間も不況が続いてきたのかを原因を突き止めなければ対策の立てようが無い。「株式日記」ではR・ヴェルナー著の「円の支配者」を紹介して以来、日銀責任論を展開してきましたが、アメリカのFRBのバーナンキ議長が行なっているような超金融緩和政策でデフレになることは防げるはずだった。
 
しかし、バブル崩壊以降は日銀出身の日銀総裁が続いて、金融引き締め政策で円が高騰してデフレにしてしまった。日銀の手先である経済学者や経済評論家は金融緩和しても効果は無いとしている。しかしアメリカの株式市場を見ても、ドル安=株高が続いている。日本の株式は四万円から七千円にまで五分の一以下にまで下がってしまった。私自身も財産の大半を失い日銀に対する恨みは骨髄にまで達している。
 
90年頃の世論はバブルを何とかしろと言った意見が大勢であり、NHKでも「土地は誰のものか」と言った扇動番組を三日間連続で放送したほどだ。当時は「借金も財産のうち」とばかりに銀行から金を借りて株や土地買いに人々は走った。土地も株も永久に上がり続けるような錯覚に陥っていたのだろう。株式も土地も長く持ち続ければ必ず儲かると言った神話があった。
 
しかし90年代以降はその常識が嘘である事が分かりましたが、株式や土地が安くなって良い事があっただろうか? 確かに土地が安くなって住宅が安くなりましたが、失業してしまっては幾ら住宅が安くても買えない。一流大企業でもいつリストラされるかわから無いでは長期の住宅ローンを組んで買うこともままならない。マスコミは三重野日銀総裁を「平成の鬼平」と称えた。それ以来日銀は金融をずっと締めっ放しだ。
 
大蔵省は公共投資をして景気対策をしても、日銀は金融を締め、大蔵・財務省は少し景気が良くなると増税して景気回復の芽を摘んできた。日本には1500兆円の個人の金融資産がありますが1000兆円は65歳以上の高齢者が持っている。だからオレオレ詐欺でも数千万円もの被害が出ると言う事は1000万円以上もの預貯金を持った高齢者が非常に多いのが背景にある。
 
高齢者にとってはお金だけが最後の頼りだから使いたがりません。しかしお金を天国にまで持って行き様が無いにも拘らず金を使わず倹約していては景気が良くなりようが無い。統計によれば亡くなった人の一人当たり1500万円の金融資産があったということですが、年金などを貯めこんでいたのだろう。今日のテレビなども正当の候補者達は、どうしたらお年寄りに金を使わせるか議論していましたが、政治が高齢者を優遇してきたからだろう。
 
年金などの制度の歪みは若い人の犠牲の上に成り立っている。テレビでも賦課方式とか貯蓄方式とかやっていましたが、今の制度は賦課方式で若い人から年金を取り立てて高齢者に配っている。こうなってしまったのも若い人が政治に無関心で選挙に行かないから高齢者に有利な法律ばかり出来る。人口構成がピラミッド型なら賦課方式でも成り立つが逆ピラミッドになれば賦課方式では若年労働者の年金額が高くなる一方だ。
 
健康保険も若い人は病気もしないで保険料ばかり支払っていますが、高齢者は病気のデパートであり医者がよいが日課になって健康保険料給付が高額になっている。小泉構造改革で派遣労働が広く適用されるようになり非正規労働者が増加して年金や健康保険が払えない若年労働者が増えている。このようになってしまったのも若い人が選挙に行かないからですが、自業自得なのだろう。
 
若い人が不況で就職先が無いのも、非正規労働しかないのも若い人自身に責任があるのですが、政治に無関心であり選挙にも行かないのでは政治は変わらない。就職できても非正規労働者では結婚も出来ずに子供も作れない。だから少子化で年金や健康保険が大赤字で若い人に負担が圧し掛かる。「株式日記」では若い人にこのような事を警告し続けてきましたが、反応は鈍い。
 
政治へのデモを呼びかけても集まるのは高齢者ばかりであり、若い人はデモ行進を見かけても無関心だ。二人に一人は大学を卒業しても、政治や経済は難しいから「わかんな〜い」では大学に行った意味が無い。日本の景気については山田氏のインタビューの答えどおりであり、長期にわたるデフレ不況の責任は日銀にある。株式指標は金融緩和のバロメーターであり、本当に金融緩和すれば円が安くなり金は株式市場に集まってくる。アメリカの株式が高いのもFRBが金融緩和しているからだ。
 
高齢者が持っている1000兆円の金融資産を使わせるにはインフレにすれば強制的に使った事になる。インフレは実際に働いている人にとってはプラスであり年金生活者にとってはマイナスになる。インフレになれば人件費も高騰して行くが住宅ローンの負担も減って行く。若い人にとってはインフレは良い事尽くめなのですが、若い人は選挙に行かないから政府もインフレ政策はとりにくい。
 




米国が主導するのは、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」。これに対し、
「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」には中国が力を入れている。


2012年12月7日 金曜日

東南アジア舞台、自由貿易圏めぐり米中が綱引き 各国の本音は 11月28日 産経新聞

経済成長著しい東南アジアを舞台に、米国と中国の2大国による、自由貿易圏拡大競争が始まった。米国が主導するのは、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」。これに対し、交渉開始が宣言されたばかりの「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」には中国が力を入れている。

 RCEPは、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国と、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドの計16カ国が参加。11月20日、カンボジアの首都プノンペンで、各国の首脳らが交渉開始を宣言した。実現すれば、世界人口の半分にあたる約34億人を抱える世界最大の自由貿易圏となる。フジサンケイビジネスアイ

 ◆アジア回帰の米国

 20日に採択された「交渉立ち上げに関する共同宣言文」では、2013年の早い時期に交渉を開始し、15年末までに交渉を完了させることを目指すとしている。

 具体的には、域内の関税を引き下げ、サービス貿易に関する制限を撤廃、投資の促進や自由化に取り組む。また、貿易や投資を円滑化することは、国際的、地域的なサプライチェーン(供給網)を整えることを促すと強調する。

中国の英字新聞チャイナデイリーは、中国の温家宝首相がRCEP支持を表明した、と報道。中国人専門家の「RCEPはASEANが取り組む経済統合を促すが、米国が主導するTPPは、ASEANの一部を取り込むことで分裂させ、統合への歩みを妨げている」との見方を紹介した。

 また、すべての関税撤廃を原則とするTPPに比べ、RCEPは「参加国の個別かつ多様な事情を認識し」という表現で、各国の発展段階に沿った歩みが可能だ、と指摘している。

 一方、再選を果たした米国のオバマ大統領は、2期目でも「アジア回帰」を外交の基本方針とし、再選後で初めての外遊先にもタイ、カンボジア、ミャンマーを選んだ。国内経済建て直しのために、貿易の拡大策が必要なオバマ政権にとって、人口6億を超える東南アジアは欠くことのできない新興市場だ。

 TPPには、東南アジアからシンガポールとブルネイが参加しているほか、ベトナム、マレーシアが交渉を開始している。さらにオバマ大統領は、20日にプノンペンで開かれた東アジアサミットへの参加に先立ち訪れたタイで、インラック首相から「TPP交渉参加」の意向を引き出した。東南アジアでの存在感、発言力を強める中国が、さらにRCEPという世界最大級の貿易圏構築を主導することに、強い警戒感を抱いている。

◆経済統合に温度差

 こうした米中による自由貿易圏拡大の動きを、東南アジア諸国はどうみているのか。

 ASEANは、15年に経済統合を目指す。大国による自由貿易圏拡大は、ASEANの域内先進国であるタイやシンガポールにとって、東南アジアの経済統合を加速し、歓迎すべき動きだ。また、どちらか一国の影響力が偏るより、拮抗(きっこう)勢力がバランスよく存在することがASEANの安定にもつながる。

 タイの英字紙ネーションによると、タイは今、「ASEAN経済共同体(AEC)」ブームだそうだ。来るべきAEC時代に備え、英語が苦手とされるタイ人の間で、英語学習ブームまで起きているという。タイ人ジャーナリストのカヴィ・チョンキタボン氏によれば、タイがASEANの経済統合に期待するのは「地域共同体としての対外的な交渉力の強化」よりも、「ASEAN市場のボーダーレス化」だという。経済競争力のあるタイにとって統合は、市場が拡大し、他国を退ける好機となる。現在でも、タイの域内貿易額は、貿易額の約2割を占める。

一方で、競争力を持たない域内途上国にとっては、経済統合は「もろ刃の剣」だ。サプライチェーンに組み込まれることが当該国の経済力を高め、格差の縮小につながるとの見方もある。RCEPの交渉に参加するカンボジアのチャム・プラシット商業相は「大型の列車に乗っていれば、その速度で自分たちも走ることができる」と経済連携拡大の動きを歓迎した。しかし、競争力のある域内先進国との市場争いでは、厳しい戦いを強いられそうだ。

 RCEPの交渉が13年に本格化すれば各国の本音が浮き彫りになるだろう。経済統合に向けたASEAN加盟国間の温度差が表面化するのは、これからだ。(在カンボジア・ジャーナリスト 木村文)



(私のコメント)

今回の衆院選挙では、TPPが大きな争点になっていますが、アメリカはなぜ急にTPPを持ち出してきたのだろうか? それは中国がアメリカ抜きの東アジア共同体とも言うべき「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」に力を入れているためだ。RCEPは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国と、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドの計16カ国が参加するものですが、世界最大の経済共同体になります。そこからアメリカは排除される。
 
実現すれば、世界人口の半分にあたる約34億人を抱える世界最大の自由貿易圏となるとなるのだからアメリカも焦る訳です。TPPはRCEPに対する分断工作でもあり、日本がどちらに加わるかで流れが変わる。TPPには中国も韓国もインドもASEAN諸国の多くも参加していないから日本にとってはあまりメリットが無い。鳩山民主党政権ではアメリカ抜きの東アジア共同体を構想しましたがアメリカは猛反発した。
 
いわば東アジアでアメリカと中国の市場の囲い込み合戦を行なっていますが、日本はアジアに属するのか太平洋に属するのかと言う事にも繋がる。もちろん日本はアジアでもあり太平洋でもあるのですが、どちらを選択すべきだろうか? 両方選択すれば一番いいのでしょうが、アメリカや中国がそれを許すだろうか? アメリカはヨーロッパからもはじき出されアジアからもはじき出されれば将来は無い。
 
21世紀は相対的にアメリカの力が弱まり、アジアの台頭が著しくなる。アメリカのオバマ大統領は就任当初はアメリカと中国とのG2で経済同盟を強化しようとしましたが、中国は着々とアメリカ抜きのRCEPを設立しようとしている。日本も前々から東アジア共同体構想がありましたが、どうしてもアメリカが割り込んでくるから上手く話が進まない。
 
そのような状況でアメリカはG2米中経済同盟を歌い上げていたのだから、日本のみならずASEAN諸国やオーストラリアやインドなど反発を招いてしまった。確かに米中間の経済的な結びつきは大きなものがあり、アメリカのスーパーで売られているのものは中国製ばかりだ。アメリカは中国に惜しみなく資本と技術を提供して中国を世界の工場にした。アイフォーンもアイパッドもみな中国で作られている。
 
現実的に米中経済共同体が出来て、日本は中国製の廉価商品が溢れて日本の電器メーカーが軒並み経営危機が訪れている。特にパソコン関係の値下がりが著しくて最高級品が5万円台で売られては日本のパソコンメーカーは儲からない。太陽電池も中国が廉価品を世界に売り出して、日本のシャープはこれにやられた。まさに米中経済同盟の勝利でもありますが、アメリカのメーカーが開発して中国が作れば日本は挟み撃ちにあった。
 
しかし中国はアメリカを裏切ってRCEPを設立してアジア市場を囲い込もうとしている。それに気がついてオバマ大統領はTPPを持ち出してきましたが、G2米中経済同盟はこれからどうなるのだろうか? 中国はロシアから最新兵器の供与を受けて軍事的にアメリカに対抗しようとしている。まさに中国は良いとこどりで経済大国になり軍事大国になりつつある。
 
東アジアがアメリカと中国にとっての主戦場となりますが、経済的主戦場であり軍事的主戦場でもある。だからオバマ大統領が再選されて一番最初に外国訪問した国はタイ、カンボジア、ミャンマーですが、6億人の大経済市場がそこにある。日本でも最近ではチャイナプラスワンと言われていますが、中国以外にASEAN諸国に経済拠点を築く事が中国の反日暴動以降もとめられて来た。
 
日本にとってはTPPもRCEPもいいとこ取りをして、主導権を取るべきチャンスが来ている。TPPも日本が参加しなければ意味がなく、RCEPも日本が参加しなければ日本の資本も技術も手に入らない。アメリカがTPPを持ち出したのは、G2米中経済同盟戦略が失敗した為であり、アメリカは製造業をアメリカ国内に呼び戻そうとしている。アップルも一部アメリカ国内で生産を始めるようだ。
 
最近の米中関係を読めば、対中進出した日本企業は中国からASEANに拠点を移すべきなのだろう。米中は利害を共有していた関係から敵対関係に変わりつつある。しかしアメリカは近いうちにアジアから手を引いていく事が予想されますが、その空白を埋められるのは日本しか無い。90年代のアメリカは日本を敵としてジャパンバッシングしてきましたが、中国はアメリカを裏切って独自の行動をとり始めた。
 
だから今回の衆院選挙では、アメリカは自民党政権を復活させて憲法改正や集団的自衛権まで認めようと言う動きが予想できる。だから尖閣諸島問題で中国を挑発させてきたのだろう。石原慎太郎が尖閣を東京都が買い取ると発表したのもアメリカのワシントンだった。中国はそれに対して韓国の李大統領や竹島に上陸させてロシアのメドベージェフを北方領土に上陸させて日本包囲網を作ってきた。これが今回の衆院選挙の背景にある。
 
 




「脱原発」「卒原発」といった(裏に利権をはらんだ)フレーズに騙されずに、より
安全な原子炉・原発にモデルチェンジしていくのが日本の進むべき道ではないか


2012年12月6日 木曜日

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 12月5日

 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声

(読者の声1)「二〇一二年問題」と言われた各国指導者交代期に当たる今年もあと僅かだが、隣国韓国では朴元大統領の娘が選らばれるのだろうか。我国でも衆議院総選挙が間近でいよいよ政権交代なるか。
それで先月末にネットのニコニコ動画で画期的な十党の代表による九十分間の党首討論会が行われました。
そこで各党党首が一様に「脱原発」を主張するのですが誰も肝心な「脱電気使用」を言わない。つまり、厚かましくも日本国民は今後も電気を大量に使い続けるのを前提としているのだ。一方で化石燃料需要のリスク防止の為の原発だけは止めるとの脱リスク防止宣言だ。
 辛うじて安倍晋三が「ベストミックス」なる言葉で曖昧な自民党用語を使って誤魔化していたが、誰一人として日本には原子力エネルギーが今後少なくとも五十年、事によると百年くらいは必要だと国民に面と向かって説得する政治家がいなかった。それなら十党も必要無いだろう。皆同じ事を言うのだから
人気取りの政治家共が原子力発電が危険と叫ぶ一方で、北朝鮮の核ミサイルが完成間近と指摘する政治家も皆無だ。改憲も良いが北朝鮮の原子炉を爆破するのには間に合わない。これがイスラエルならとうの昔に主要科学者の暗殺と施設の破壊を行っているだろう。
誰も死んでいない安全な原子力発電に怯える一方で、極めて危険な北朝鮮の核兵器に何の手も打たない日本国民とその代表の政治家は異常である。「北の原子炉を爆破せよ!」と主張する政治家なら、私は全面支持するがそういう元気な政治家は未だ現われ無い。ま、「日本を主語とする」とか言ってもその程度でしょうか。

(宮崎正弘のコメント)以前、小誌で書評をしましたが、小山和伸教授の『不況を拡大するマイナス・バブル』(晃洋書房)が参考になります。原発廃止は日本経済にマイナス・バブルをもたらす危険性が高いという、正統ケィンジアンの所論です。

原発問題については百家争鳴といっていいほど。
最近読んだ『「超小型原子炉」なら日本も世界も救われる! 』という本では原発技術者の服部禎男氏の提唱する「4S炉」の紹介と服部氏の歩んだ原発開発の歴史がコンパクトにまとめられています。
同書を読むと現在の原子炉(原発)はまるで時代遅れ、ディーゼルや電車の時代に旧世代の蒸気機関車を開発しようといているかのようです。福島第一原発の事故につながった全電源喪失といった事態にも早くから警鐘を鳴らし、常時稼動の十数台のディーゼル発電機を分散配置するといった案まで出していたのに無視される。もしも服部氏の案が採用されていたなら福島の事故はなかったかもしれません。

新型原子炉については「4S炉」以外にも、現在の原子炉より安全とされるさまざまのアイディアが提案されています。「脱原発」「卒原発」といった(裏に利権をはらんだ)フレーズに騙されずに、より安全な原子炉・原発にモデルチェンジしていくのが日本の進むべき道ではないか、そんなことを思いながら上海の風景を思い浮かべたら30年以上モデルチェンジなしのサンタナが出てきました。
上海を歩いていて変化が感じられない理由のひとつが、サンタナのタクシーでした。東ドイツのトラバントは1958年から1991年まで足かけ34年生産されました。
上海のサンタナもドイツ本国では1980年の生産開始、ことしで32年目です。日本車の進出以降、中国ではドイツとは違い新型車もどんどん投入されています。それでも同じ車種を30年も作り続けているのを見ると中国人の国民性は儒教を皮肉った「守株」(北原白秋の「待ちぼうけ」)そのものであるようにも思えます。
  (PB生、千葉)


(私のコメント)

原発問題は一つのイデオロギーになってしまって、冷静な議論が出来ないような状況になってしまった。12の政党は全て原発ゼロと言う方向性に変わりがなく、自民党だけがベストミックスと言った形で原発をエネルギー資源の一部として認めている。維新の会は橋下氏がコロコロと意見が変わるためにはっきりしない。それ以外は即時から30年代までの差はあるが廃炉の方針を打ち出している。
 
「株式日記」では安全性を高めて再稼動すべきと言う意見を最初から貫いていますが、東京電力や経済産業省や民主党政権などが情報の隠蔽などを行なって十分な情報公開が行なわれていない。だから十分な事故調査もなかなか進まない。責任問題の追及を恐れているからでしょうが、原子力の専門家でもない官僚が原子力安全保安院の委員長をしていたのだから事故が起きれば対策も取れないのは当然だ。
 
何度も書いてきたように民間の電力会社では原発は荷が重過ぎるのであり、いったん大事故が起きれば電力会社だけでは対応が出来ないのは福島第一でも証明されたとおりだ。柏崎原発でも震災で周辺設備が破壊されましたが、地盤なども陥没し敷地内の道路もでこぼこになるほどだった。原子炉内部でも移動用のクレーンなどが壊れましたが、M6,8程度の地震でもこれほどの被害が出たのだから、M9の東日本大震災では送電線まで倒れて全停電状態になった。
 
同じ被害を受けた女川原発や福島第二原発は無事だったのだから、福島第一に何か特別な理由があったはずだ。それは宮崎氏メルマガの読者のコメント記事にもあるように、非常用発電機の分散配置など提案されていても運用主体の東電がやらなければどうにもならない。国が運用主体ならば可能だったのでしょうが民間会社に任せっぱなしが今回の大事故を招いたのだ。
 
「昔陸軍、今官僚」と言われますが、外部からの批判を許さない絶対権力が出来ると暴走を始めるのは大東亜戦争も東日本大震災も同じだ。原子力村は批判する人物を次々と排除して行き、組織の純化が行なわれて外部からの批判を受け付けないようになり、ついには暴走して誰にも止められなくなる。結果的に大東亜戦争の敗北と福島第一原発の大災害となるまで止められなかった。
 
現在では財務省と日銀の暴走が止められず、20年間に渡るデフレ経済にしてしまった。バブル崩壊当初は宮沢首相も銀行への公的資金注入や国債の買いオペなどを主張していましたが、官僚やマスコミの批判を浴びて止めてしまった。銀行への経営責任を追及せよと言ったマスコミのキャンペーンが行なわれて、田原総一郎氏などはテレビでブラックリストに載った30社を潰せと言っていた。しかし結局は大蔵省も日銀も責任の所在を曖昧にして逃げ切りを図っている。
 
国会などでも原発災害の集中審議などが行なわれましたが、情報の公開がなかなか行なわれなために追求のしようが無い。官邸などの議事録も録るなとされて多くが公開されていない。大東亜戦争でも御前会議や天皇とマッカーサーの会見など、重要会議ほど公開されず謎のままとなってしまいますが、天皇の命と引き換えにアメリカによる日本の永久占領が認められているから、66年経った今でも自主憲法が制定できない事になっているのかもしれない。
 
情報が公開されなければ、真相がわからずネットなどであらぬ噂を立てられても身から出た錆だ。原発の問題にしても「事故は無い」と言う神話が一人歩きをして、外部からの批判を遮断してしまった。原発自身にとっても軽水炉型原発は40年以上も前の技術で作られたものであり、「株式日記」でも高温ガス炉とかトリウム原発などを紹介してきましたが、第四世代の原発では核のゴミの問題も解決する。
 
核燃料サイクルも1兆円以上の予算を使っても実現の目処すらつきませんが、原子力村のメンツの問題に過ぎず計画は中止して、第四世代の原発開発に予算を振り向けるべきなのだ。ビルゲイツの新世代原発では核のゴミも燃料になり、脱原発論者の言う核のゴミの問題は解決する。福島第一原発事故が起きる一年前に「株式日記」では次のように書きました。
 


TWRと呼ぶ原子炉は、低品位の劣化ウランを燃料とし、一度稼働すると途中の補給なしで最長100年間の長寿命運転が可能とされる。 2010年3月23日 株式日記

(私のコメント)

原子力発電というと名前だけで恐ろしいような印象を受けますが、確かに現在の原子力発電所は非常に複雑な仕組みを持つシステムで発電している。核燃料を製造するだけでも大掛かりな製造工程でウラン鉱を圧縮していかないと燃料に使えない。しかも核反応を起こさせながら発電させるのだから、非常に注意深くコントロールしながら発電しなければならない。しかも寿命は40年くらいしか持たず、廃棄物の処分場にも苦労している。

「CANDLE炉は天然ウランや劣化ウランを装荷燃料として利用するにもかかわらず、その40%を燃焼することができる。」と言う夢のような原子炉ですが、原理自体は50年代から研究されてきたのですが、原子炉に使える材料などの開発が難しかった。しかし現在の原子力発電では効率も悪くて百数十年でウラン鉱を使い尽くしてしまう。しかし劣化ウランを燃料とするTWRなら2000年は持つということです。

原子力発電所といえば一旦事故が起きれば国家的な災害になってしまいますが、劣化ウランの燃料棒を燃やす方式なら、年に4センチほどの燃焼スピードで4メートルの燃料棒なら100年間は燃料交換の必要が無い。しかし原理はわかっていてもどのように作ればいいのか手探り状態なのですが、次世代型の原子力発電の実用化は直ぐに出来るものではないだろう。

現在の核燃料の圧縮作業を高純度にすれば原子爆弾の材料になりますが、だから原子力発電を口実に世界各国は核開発を行なってきた。しかしこんな危険な方法よりもCANDLE炉のような臨界事故など起きない原子炉の開発がなぜ店晒しにあってきたのだろう? わざわざそんな開発をするよりも石油や石炭や天然ガスが沢山あって、火力発電の方が手っ取り早かったからだろう。

最近になってようやく原子力発電の重要性が再認識されるようになって、原子力発電の開発に目が向かってきたという事だろう。CANDLE炉以外にも熔融塩型の原子炉や高圧ガス型も研究されていますが、商用化に成功したのは軽水炉型の原子力発電だった。問題になるのは巨額な開発費用がかかり国家プロジェクトとしても数千億円もの費用をかけて開発するのは困難だったのだろう。

そこへ世界一の億万長者であるビルゲイツが次世代型の原子力発電に取り組むと言う事ですが、彼なら数千億円というお金はポケットマネーに過ぎない。CANDLE炉というのは練炭のように一旦火をつければ長時間持って安全な燃焼ができる。しかし燃料棒の開発や炉自体の開発はそれに耐えるものを開発しなければならない。

今までならゴミとして処分に困っていた劣化ウランが宝の山に変わるわけですが、石炭のように簡単に燃えるものではない。ウラン以外にもトリウム溶融塩炉も有望な原子炉なのですが、国家というのは兵器の開発には天文学的な費用をかけるのに、平和利用の原子炉開発には関心が無かった。日本こそ原子炉の平和利用に力を入れても良いはずなのにマスコミが「もんじゅ」などを叩いたように否定的だった。

アメリカにしても宇宙開発を名目で核ミサイルを開発しましたが、原子力発電も核爆弾開発の隠れ蓑だった。しかし核爆弾に繋がらない原子力発電の開発は店晒しにされてきた。核兵器を持たない日本がなぜCANDLE炉やトリウム溶融塩炉のような原子力開発に金をかけてこなかったのだろう。政治家達も橋や道路を作ることは熱心でもエネルギー問題には票にならないから予算を回さない。これからは軽水炉型の原子力発電所を作るより、安全で経済的で廃棄物問題のすくない原子力発電は技術的には可能になるだろう。




「脱原発」でつなぎ止めようという下心はみえみえだが、「原発ゼロ」の先に待ち
受けるのは、天井知らずの電気料金値上げと産業・家計の崩壊ではないか。


2012年12月5日 水曜日

第3部(1) 8・51%値上げ「焼け石に水」 11月29日 産経新聞

「原発再稼働の時期が決まらなければ、原価算定なんかできっこない」「こんな人件費削減を労組は飲むでしょうか?」−

 福岡市中央区の九州電力本社の一室で、経営企画本部やお客さま本部などに所属する二十数人の精鋭部隊が厳しい表情で議論を続けた。11月に入って幾夜徹夜を重ねたか、分からない。

 料金値上げ申請の「Xデー」は11月27日。直前まで議論の中身はもちろん、メンバー構成や会議場所さえもトップシークレット。メンバーは原発稼働率や火力発電用の燃料調達費などを何十通りもシミュレーションし、料金の基準となる原価を計算した。

 その結果、弾き出した値上げ率は、家庭用電気料金を平均8・51%、企業向け平均14・22%。経済産業相に値上げを認められれば、来年4月から標準的な家庭で月額378円上がり、月額7021円となる見通しだという。

 料金を原価から見直す本格的な値上げは第2次石油危機の昭和55年以来、実に33年ぶりとなる。メンバーの1人はこう打ち明けた。

 「これまで経験した料金改定作業は値下げばかり。膨らみ続ける赤字の解消策とはいえ、九州すべてに負担をかける値上げ作業は精神的にしんどかった…」

消えた2割値上げ

 玄海、川内の計6基の原発の停止により火力発電の燃料費が膨らみ、九電は電気を作れば作るほど赤字となる体質に陥った。

 平成24年度の燃料費は、原発が動いていた22年度に比べ5千億円も増加し、25年3月期(24年度)連結決算では九電史上最悪の3650億円の最終赤字となる見通しとなった。6500億円あった内部留保は24年度末に600億円にまで減り、このままでは25年度に資本金まで食いつぶし、26年度早々に債務超過、つまり事実上の倒産状態に陥る。

原発を再稼働できなければこうなるのは目に見えていた。このため九電経営陣では、昨年12月25日に玄海原発4号機を最後に6基が完全停止したころから、「値上げは避けられない」と踏み、密かに議論を始めていた。

 現行の料金体系の元となる発電に必要な原価は1キロワット時当たり14・68円。ところが23年度は18・38円と25%も上回った。年間通じて「原発ゼロ」となった24年度は20円を超えるのは確実だという。

 単純計算では、2割以上の値上げは避けられない。九電経営陣も当初、2割値上げを想定していた。

 ところが、福島第1原発事故の当事者である東京電力の値上げ幅が今年5月の申請時で10・28%、認可は8・46%。「事故を起こしてもいないのに、東電の2倍の値上げ申請は到底理解されない」。九電首脳はこう判断し、社員平均年収の21%ダウンなど大幅なコスト削減策を経営計画に練り込み、申請する値上げ幅を8・51%まで抑えた。

4基稼働前提

 では、この値上げ幅で「経営破綻」という最悪の事態を防げるのか。

 これから経産省の専門委員会や内閣府の消費者委員会が申請内容を検証することになるが、東電の前例を踏まえると、値上げ幅の圧縮を迫られる公算が大きい。

 しかも今回の値上げは、25年7月に川内原発1、2号機を、12月に玄海原発4号機を、そして翌年1月に玄海3号機を再稼働させ、25〜27年度の3年間平均で発電電力量の27%を原発が担うことを前提にして算出されている。つまり計画通りに再稼働できなければ、値上げも「焼け石に水」。九電の“出血”は止まらないのだ。

 政府に値上げ申請した27日、瓜生道明社長は記者会見で値上げを「苦渋の決断だ」と説明した上でこう付け加えた。(中略)

とはいえ、人件費を含め血のにじむようなコスト削減しても年間5千億円にも膨らんだ燃料費をカバーすることはできない。不採算部門から撤退することもできない。大幅な再値上げを回避し、経営危機から脱却するため残された手段はただ一つ。「原発再稼働」。これは九州経済、そして住民の生活にも直結する。

 「財務基盤強化には原発の再稼働が不可欠。安全対策を着実に実施し、地元の理解を得て、早期再稼働を目指して参りたい」

 普段ならば記者会見の合間に柔和な表情を見せる瓜生氏だが、27日は一度も頬を緩めることはなかった。

 「脱原発コスト」が、来年4月から九州857万の全電気利用者にのしかかることになった。政権与党の民主党は12月4日公示16日投開票の衆院選で「2030年代の原発ゼロ」をマニフェストに掲げた。マニフェストを次々に反故にし、迷走を続けたことにより、多くの国民の心は離れてしまった。なんとか「脱原発」でつなぎ止めようという下心はみえみえだが、「原発ゼロ」の先に待ち受けるのは、天井知らずの電気料金値上げと産業・家計の崩壊ではないか。



(私のコメント)

昨日から選挙も始まり、12あまりの政党の公約は程度の差こそあれ「脱原発」を掲げています。維新の会は政策がフラフラしていてはっきりしませんが、フェードアウトと言っています。再稼働容認しているのは自民党だけであり、有権者がどのような判断を下すのか注目されます。一番困るのは選挙の時だけ「脱原発」を言いながら、政権を取ると態度を変えてしまう政権があることだ。
 
民主党もマニフェストを掲げながら公務員の賃金カット2割は反故にされ、消費税は上げないと言っていながら増税した。「脱原発」も単なるスローガンであり、脱原発派が勝って政権をとっても公約は実行されるのだろうか? 産経新聞の記事を見ても原発が停止した電力会社の経営状況は急激に悪化している。このままでは26年度には債務超過となり電力会社は倒産する。
 
電気料金の値上げが相次いで電力会社から打ち出されていますが、このまま脱原発だと電気料金は二倍に値上がりする。原発を再稼働させても原発の割合は三割だから1、2倍から1、7倍に値上がりする。私自身は東京でオフィスビルを経営していますが、電気料金を毎月数十万円も支払っている。それが倍に値上がりすればテナントも悲鳴を上げるだろう。
 
脱原発を掲げる政党は電力の自由化や発送電の分離なども主張しているところが多いのですが、電力業界に新規参入が相次いで、最新型の天然ガス火力発電ではコストがかなり下がるようですが、今から作るにしても10年くらいかかるだろう。環境アセスメントだけでも数年かかるからだ。メーカーだって最新火力発電所はテレビやパソコンみたいに部品を組み立てればすぐ出来るというものではない。
 
東京電力だけでも25ヶ所の火力発電所が有り、多くが昭和30年代から40年代に作られた老朽化した火力発電所が多い。3、11の前は民主党政府は原子力発電を54%にするという計画まで立てていたのだから最新鋭の火力発電所が少ないのは当然だ。老朽化しているからいつ故障するかも分からず、作り替えていくにしても年数がかかる。東京都副知事の猪瀬氏も最新鋭の火力発電所を作る努力をしていますが、まだどこに作るのかも決められない。
 
政治家は脱原発を言うのは簡単ですが、どのようにして原発を廃炉にして解体していくのか、さらには火力や自然エネルギー発電所などをどのように作っていくのか計画が見えてこない。電力を自由化するにしても初送電分離にしても簡単ではないがどうやっていくのか工程表まで検討したのだろうか? 大型の発電用のガスタービンを作っているのは三菱重工だけであり、今から注文しても何年先になるかわからない。LNG用のタンクを作るにしても何年かかるか考えたことがあるのだろうか?
 
共産党や社民党などが原発即時廃止と言っているのは、政権を取る心配がないからであり、政権政党になる可能性の高い自民党などは脱原発を言うのは難しいだろう。発電コストなどでも原発を再稼働させても電気料金の値上げは防げない。天然ガスの値上がりは需要の増大を伴って値上がりしていくからだ。火力発電にしても原子力発電にしても一長一短が有り、火力発電は長期間の連続運転には向かない。原子力は短期間の稼働には向かない。起動させるまでに1っヶ月近くかかるからだ。
 
「株式日記」でも、電力は国家のエネルギー政策に関わるから何度も書いてきましたが、政治家はその時任せで意見がコロコロとよく変わる。原発を廃炉にすればどのような影響が出るのかまでは考えたことがないのだろうか? 私ならビル経営者だから電気料金が二倍に上がればどうなるかは想像ができるし、消費税が10%に二倍になればどうなるかもわかる。企業経営者ならもっと影響は深刻だろう。
 
家計だけなら1万円の電気料金が2万円になるだけで済むのでしょうが、ぎりぎりの家庭はどうなるのだろうか? スーパーやコンビニも大量に電気を使うから値上げに結びつくだろう。それだけ消費が冷え込むから不景気にもなる。私のビルに入っている飲食店でも一ヶ月当たりの電気代は20万円を超える。調理器具などの電化が進んでいるから電気をそれだけ使う。国会議員や霞ヶ関の官僚はそこまでは考えないだろう。
 
だからテレビなどで原発廃止だのと政治家は言いたい放題ですが、政治家や官僚が無能だから福島第一原発は爆発したのだ。笹子トンネルの天井崩落事故も国土交通省の官僚が現場の事を知らないから起きた事故であり、管理事務所に業務上過失致死傷容疑で捜査が入りましたが、東京電力に家宅捜査が入らないのはどういうわけなのだろう。ボルトの検査などハンマーで叩くだけでわかるのだから明らかに怠慢なのだ。
 
無能な政治家を選ぶのも有権者が悪いと言われても、ほとんどの党が「原発ゼロ」と言っているのだから選択のしようがない。霞ヶ関の官僚も原子力安全保安院の寺坂委員長は原発の素人だった。国土交通省の官僚も天井が落ちることなど「想定外」と言って責任は取らない。34年も経てばボルトも錆びて抜け落ちることくらい霞ヶ関の官僚はわからないようだ。そして高速道路の管理事務所は官僚たちの天下りの温床だ。
 
 




ハッキリした公約、たとえば「脱原発」なども当てになりません。当選して
政権を取ると正反対のことをする可能性が高いからです。 武田邦彦


2012年12月4日 火曜日

政党名と欺瞞性・・・なぜ我々は「民主党」にダマされたか? 12月3日 武田邦彦

「no001_00017131713.mp3」をダウンロード

私たちが2009年の総選挙で民主党にダマされた原因をハッキリしておくことは、今度の総選挙でも同じ事をくり返すことがないためにも大切なことでしょう。かなりハッキリした公約、たとえば「脱原発」なども当てになりません。当選して政権を取ると正反対のことをする可能性が高いからです。

今の政治家はそれほど誠実な人は多くありません。多くの政治家は「政治に誠意を尽くす」のではなく、「議員になって儲ける。もしくは名誉を得る」ことに目的があるからです。そうでないと、多の職業から見て日本に「自分が損しても、国のため」などという人が500人もいるはずもないからです。

・・・・・・・・・

第一の見分け方は「政党名」です。政党というのは「民主・公開のもとで国民が参加し、国を発展させ、国民の生活を良くして、幸福にするかについて現状を革新し未来に向かう」ことを目標にしています。この目的とは違う政党は今のところありません。だから、この文章の中に入っている言葉は「目的」であって「方法」ではありません。

誰もが「独裁的、国民が参加しない、国を衰退させる、国民の生活を犠牲にする、不幸にする、現状のままで良い、未来を見ない」という目標では賛成しないことは明らかです。

問題はその目標に至るのに採るべき「方法」が異なり、かつてなら「資本主義」で目標に到達しようとする西側諸国と、「共産主義」の方が良いという勢力がいましたが、これはまともで「どういう目標か」ではなく、「何をするか」の違いがハッキリしています。資本主義ではお金を中心として自由な競争をすることで人の活性を引き出し、最終的には国を発展させるということですし、共産主義はみんなが平等でみんなが努力するということでした。

ちょっと聞くと、共産主義の方が良いように見えたのですが、「人間はエゴ、政治家はお金と権力」ということを忘れていましたので、みんなが平等でみんなで努力ということで始めたら、国民はサボり、政治家は私費を肥やすことになって崩壊しました。「理想」や「美しい言葉」ではなく、現実に「人間はエゴがある」、「政治家はお金や権力が欲しくて頭を下げている」という現実も直視しないと大変な事になることを示しています。

つまり、「民主党」というのは、日本の政党の中で全部が「民主的手続き」と言っているのですから、「無名党」と同じだったのです。だから、「その日限りの政策」とか「耳障りの良い政策」だけで勝負ができます。全体のつじつまを合わせる必要は無く、「子ども手当を支給」と言えば良く、「その財源は?」と何回聞いても返事をせず、当選したら忘れるということになります。

だから、民主、公明、国民、みんな、国土、発展、生活、幸福、新しい、革新、維新、未来、太陽・・・などは政党の名前になり得ないものです。このような党は心の中では「何をすれば良いかわからないから、目標だけを書いておこう」ということで政権を取ったら何をし始めるかまったくわかりません。だから、多くの国民が「どの党に入れようか?」と迷うのです。

その中で本来の政党の名前を持っているのは、共産党と減税党だけで、共産党は共産主義ですし、減税党は減税をするという「国民が幸福になる革新的手段」が示されています。そのほかの党の場合、「本来の党名をつけることができないぐらい場当たり的」であるか、あるいは「頭が整理できず、まだ基本的な方法がついていない」ということでしょう。

個別の政党を批判するのがこのブログの目的ではないので、代表的な「自由民主党」、「民主党」、「維新の会」だけについて、若干の解説をしますと、自由民主党は最初は「自由資本党」でした。つまりできるだけ個人の自由を尊重して企業を盛んにし、お金を中心とするという考えで、1980年代まではそうだったのですが、次第に変化して「利権、軍事」に傾いています。それが良いかどうかではなく、今では「特定利権・再軍備党」と命名するのが良いでしょう。

民主党はもともと党名がないのと同じで、政権について主要公約の真逆をしましたから、「虚偽党」が良いでしょう。また「維新の会」は幕末から明治維新を念頭においていますが、幕末は「武家政治から絶対主義へ」という方向が決まっていて、それが「維新」だったのですから、「方法」はハッキリしていますが、今回の場合、「維新」とは「改革」と同じですから、方法ではありません。東京と大阪が連合したのですから、「大都市党」か「ピンハネ党」が良いのではないかと思います。

2009年の選挙で私たちがダマされたのは、「優しく親切に聞こえ、お金がもらえるのではないか」とつまらないことを考えたからです。今でも「何もないところから自然エネルギーで電気を作ることができる」とか、民主党と同じで「財源がないのに***手当」などとしているところもあり、警戒が必要です。

今度の選挙で、私たちが再び、非科学的、自分の利益だけを考えると、本当に私たちの子どもの時代はダメになってしまうでしょう.毎日、子どもによかれと思って育てた努力も無になってしまいます。

「原発をやらない」という点では口先だけではなく、一貫して主張している所はほとんどありません。さらに「原発の代わりに再生可能エネルギー、自然エネルギー」と言っているところは口先だけということです。勇気を持って「原発の代わりは化石燃料」というところでないと政権を取ったらクルッと変わるでしょう。

10年ぐらい国会を休止し、霞ヶ関の活動をやめたら日本は良い国になりそうです。


(私のコメント)

今日からいよいよ衆議院選挙が始まりましたが、小政党が乱立して政権公約がいろいろと出て来ていますが、自民党を除くほとんどの党が脱原発を目指しています。そのほうが票が入るからと言う事なのでしょうが、2009年の民主党のマニフェストと同じようなものでしょう。今から考えれば財源が無いのにばら撒き政策ではボロが出るのは時間の問題だった。
 
鳩山総理は200兆円の特定財源を一般財源とすれば16兆円の財源など直ぐに出ると言っていましたが、特定財源に切り込む方法を知らなかったようだ。一番手っ取り早い財源の捻出策は公務員の賃金を二割カットする事でしたが、7,8%の二年間だけのカットで終わってしまった。政権発足当初は衆参共に多数派だったのだからどんな法律も通せたはずだ。しかし国会の開会を1ヶ月も遅らせて予算編成の時期に入ってしまった。
 
鳩山総理も小沢代表も政権を取った事にのぼせ上がってしまって、内政よりも外交で目立とうとして墓穴を掘ってしまったようだ。国連に出かけてはCO2排出を25%減らすと言う演説をしたり、ほとんど決まっていた沖縄の普天間基地問題にも白紙にして海外移転を試みようとした。これではマニフェストどころではなくなり、ガソリン価格も暫定税率の廃止などの混乱でガソリンスタンドの多くが廃業に追い込まれた。
 
今回の「脱原発」も同じようなものであり、「脱原発」政党が政権を取ったところで混乱が起きるだけで、結局はやろうとしてもいろいろと事情があって出来ませんでしたと言う事になるだろう。原発を止めてLNG火力発電に切り替えますと言うのなら筋は通りますが、現在の火力発電所の老朽化が激しくて新設するには10年くらいかかるだろう。共産党や社民党は政権を取るつもりは無いから即時廃止を言ってもかまわないのでしょうが、30年代までに廃止するといっても電気料金の値上げは避けられなくなる。
 
原子炉を今すぐ廃炉にしたところで核燃料の処分や解体工事はどうするのか、今すぐ出来る事ではない。全国にある50基の原子炉は今すぐ廃炉にすれば電力会社の不良債権になりますが、どのような影響が起きるか考えているのだろうか。選挙の候補者にとっては票になりさえすればどんな事でも言う事は民主党政権でも十分に証明されたことであり、消費税反対といって当選した民主党議員が消費増税法案を可決させた。
 
これでは何のための選挙だか分かりませんが、消費税増税に賛成した民主党候補は全員落選させる必要があるだろう。筋を通したのは「国民の生活が第一」に離党した議員たちですが「未来の党」として衣替えした。しかし小沢隠しに過ぎず、亀井氏や山田氏が合流した。いわば第三極が「維新の会」と「未来の党」に別れた形になりますが、第三極の票の食い合いで自民が第一位となって当選する可能性が高い。
 
自民党がどの程度改革されたのかは、まだ分かりませんが、民主党に票を入れて裏切られた人たちが、今度は自民党に票を入れて裏切られるのだろうか? 第三極に票を入れても当選しなければ死に票になります。自民党も3年間の野党暮らしで長老達も引退して多少は変わるのでしょうが、今度は自民党に入れてみて、それがダメならまた野党に政権を渡して、それを何度か繰り返せば国会議員も公約を守るようになるだろう。
 
小選挙区制では、風の吹き方次第で大物議員でも落選する可能性が高い。野田総理も重複立候補するようですが選挙区で落選する可能性があるからだろう。現職の総理大臣でも落選すれば面白いのですが、消費税で裏切ったのだから落選させるべきなのだろう。菅前総理も落選の可能性がありますが枝野氏も原発問題で責任を取らされて落選するかもしれない。
 
「維新の会」や「未来の党」は民主党政権への批判票を集める事が期待されているから、それなりの議席は確保できるのでしょうが、無党派層は今回の選挙ではどの党に入れるのだろうか? 脱原発政党が乱立していますが、マスコミのキャンペーンにも拘らず意外と原発再稼動賛成派が多いようだ。今のところ原発再稼動派の政党は自民党だけであり、私も条件付賛成派だ。
 
後は消費税とTPPですが、経済対策次第だろう。安部総裁の日銀法改正は私も賛成であり、三重野日銀総裁以来ずっと日銀出身者が日銀総裁をしている。だからデフレ不況が続いているとも言えますが、2%から3%のインフレターゲットを設定して金融緩和を進めるべきだろう。計算上では4%のインフレで財政再建が可能になると言う事ですが、どういうわけかインフレ反対論者が学界では多いようだ。
 




政権党の民主が、こうした東電救済法を作っておきながら、今さら発送電分離を
いうのは、開いた口がふさがらない。この意味で、民主と自民は同じ穴の狢である。


2012年12月3日 月曜日


原発は1キロワット当たり11セントかかるが、最新型天然ガスは6セントで済む。


東電の法的整理、電力自由化、そして原発ゼロの現実性ーー各党の原発政策を徹底比較する 12月3日 高橋洋一

この東電の法的整理を阻むモノは、昨年夏に、民主、自民、公明の密室談合で成立した原子力損害賠償支援機構法だ。この法律は表向き、福島原発の損害賠償であるが、その他に東電を法的整理させないための公的資金投入などの「筋悪な」措置が盛り込まれている。

?被災者への損害賠償を別組織で行えば十分で、東電は法的整理しても、電力業務への支障もなく、賠償も可能で、しかも国民負担は少なくなる。それにも関わらず、民自公は電力業界に天下りなどで便宜を受けてきた経産官僚のいいなりでこの悪法(東電救済法)をこっそりと成立させた。

?政権党の民主が、こうした東電救済法を作っておきながら、今さら発送電分離をいうのは、開いた口がふさがらない。この意味で、民主と自民は同じ穴の狢である。

?みんな、維新、未来は、東電の法的整理をいいながら発送電分離、電力自由化をいい、その結果原発ゼロというロジックの流れはいい。原発ゼロがまともなスケジュールでありさえすれば、後は政治的なメッセージをどのようにいうかという程度問題だ。

?その上で、気になるのは発送電分離、電力自由化の実現プロセスとスケジュールだ。電力自由化は、これまでの経緯のある話だ。筆者の知る限り、電力自由化が盛り上がったのは2000年ごろだ。発送電分離は1990年代以降の電力自由化の流れの中で米国やEUでも進められており、一定の効果が出ている。制度設計の不備で狙い通りの効果に達していない地域もあるが、北欧などでは高い実績を残していたからだ。

?ところが、日本の電力自由化ははっきり言って失敗だった。独禁法で地域独占の規定が形式的に削除されたが、ご存じのとおり地域独占は今でも事実上続いている。発電の新規参入は微々たる状況だ。

?それを乗り越えて、電力自由化をやり直さなければいけないのだから、未来のように3年で電力自由化が終了するとの見通しは甘い。

?実際には、原発を含む発電コストがどのように推移するかがポイントになる。

?まず東電を法的整理して、関東で発送電分離をするのはいい。そのほかの電力会社ではこの手法が使えず、発送電分離を行政的に誘導して、発電コストを公開しつつ、原発から他の発言手段への移行を図らなければいけない。ここで、他の発電として再生可能エネルギーだけに固執していると経済成長との調和が図れない。

?9月10日付け本コラムで、政府のコスト検証委員会で示した原発の発電コストは過小になっていて、補正すれば20円弱(円/kWh)になると書いた。事故リスク対応費用と核燃料処分コストなどをさらに精緻に再計算しても、似たり寄ったりだ。注意すべきは、安全規制をどうするかと別の話だ。国際基準の安全規制にすれば、それだけ原発コストが高くなるだけだ。

?2020年時点における他の発電方式のコストと比較すると、太陽光などを除き原発は明らかに高い。つまり、原発の新設は、2020年時点で、LNGの新設などのコストを上回り、市場原理(発送電分離)の下で電力会社が合理的な決定さえすれば、原子力は自ずと価格競争力がなくなり、次第にフェードアウトしていく。

?単純な比較はできないが、米国エネルギー省資料でも同じような傾向になっている。このため、あえて原発を続けようとすれば、政府からの特別な支援が必要になっている。

以上、電力自由化10年、原発フェードアウトに10年というのが、市場原理を使った脱原発のギリギリの線だろう。

?産業の形態を変える自由化措置には、長い期間がかかるものだ。基幹産業の電力であればなおさらだ。未来は、経過期間を3年としてその間に電力自由化を行うとしているが、混乱回避に財政措置をするなど、市場原理以外のものをフル活用するのだろう。それは一案であるが、そうであればどの程度の財政負担になるかを示さなければいけない。もし国民負担なしでできるというのであれば、それは財政支援する根拠がなくなってしまう。

?みんな、維新、未来ともに最終形では、コスト、安定供給ともに国民を満足させる脱原発路線であると思うが、それに至る過程で、財政負担で国民負担が発生してまでも行うのか(未来)、市場原理で国民負担を最小にして行うか(みんな、維新)の差がある。



(私のコメント)

選挙では原発再稼動問題が争点に一つになっていますが、各政党や候補者達の政策や発言も揺れているところが多い。維新の「フェードアウト」とはどういう意味なのか、即時廃止から30年代までと幅がありますが、昨日も書いたように原発についての事故原因の情報が十分に開示されていない。経済産業省や民主党政権の責任逃れのために情報が開示されていない部分があるようだ。
 
そもそも原発の発電コストがどれくらいなのかがいかがわしいものでしたが、日本の電力会社の発表では原発は1キロワット辺り5円と言うコストで火力が12円と言うコストだった。原発はいったん大事故が切れば東京電力が吹っ飛んでしまうほどコストがかかるのに5円と言う数字は明らかにおかしい。その証拠にアメリカのコストでは冒頭の表でもあるように原発のコストは最新の火力の倍近く高くなっている。
 
日本の電力会社は地域独占であり、コストに利益を載せる方式だからコスト計算がいい加減な面があるのだろう。終戦直後なら地域独占体制も仕方が無い面もありましたが、現在のようなインフラが調った段階では電力も自由化して送配電の分離が必要な事は「株式日記」でも何度も主張してきました。しかし民主党政権は選挙の時と政権を担当している時とでは政策を変えてしまう。
 
民主党は、今回の選挙でも電力の自由化や発送電の分離を公約に明記していますが、政権担当時に東京電力を温存して発送電の分離も方針として打ち出していなかった。野党に転落する事がわかっているから電力の自由化や発送電の分離など明記しているのでしょうが、万が一政権を維持できたらマニフェストの時のようにきれいに忘れてしまうのだろう。
 
自民党を除いて各政党は原発廃止の方向であり、電力の自由化や発送電の分離を明記していますが、簡単に出来る事ではなく、東京電力の法的整理すらかなりの抵抗勢力がある。民主党政権では枝野官房長官が法的整理を最初は主張していても直ぐに圧力で潰された。野党なら出来もしないことでも公約できますが、政権政党となると「出来ませんでした」では嘘をついたことになる。
 
東京電力は福島第一原発の事故の詳細をなかなか公表しませんが、責任追及を恐れて公表しないのだろう。各事故調査委員会でも東京電力の関係者の聞き取りも出来ずにいますが、昨日も書いたように原災法違反で起訴して公権力で調べるべきだろう。そうしなければ事故の全容がなかなか解明しない。しかし野党の自民党にしても今までの原子力行政に責任があるから消極的だ。
 
経済産業省は、かつて電力の自由化に取り組みましたが電力会社の圧力で潰されてしまった。電力会社は監督官庁よりも協力になり政界からマスコミまで取り込んで潰してしまう。地域独占経営だからこのような権力を持てますが、電力の自由化や発送電の分離などが出来れば、競争原理が働くから独善的なことは出来なくなる。
 
私自身は、自民党の考えに一番近くて、十分な安全対策が出来れば既存の原発は再稼動させるべきだろう。しかし福島の事故原因が地震によるものなのか津波によるものかもまだはっきりしない。また非常時における訓練などもなされていなかった事が伺われますが、災害復旧用のロボットですら使いものにならなかった。霞ヶ関にいる官僚ロボットも非常時には全く役に立たない。原子力安全保安院たちも真っ先に現場から全員逃げ出してしまった。これでは彼らに高給を支払う意味が無い。
 
 




どうして検察庁が東電を原災法違反で起訴しないのか、私は不思議です。
真剣に考えて実行しないと、普通の人が「反原発」「脱原発」に行ってしまう。


2012年12月2日 日曜日

「仏壇」と同じだった原発事故対策システム専門家不在の調査委員会が覆い隠していること 11月29日 鳥賀陽弘道

──アメリカの原発を取材してみると、アメリカの原発にいる運転者は、海軍出身者が多い。原子力潜水艦や原子力空母に乗り組むために、原子炉の運転の訓練を海軍で受けた人材が多かった。そうした軍人が軍を辞めたあとの再就職先が原発でした。

永嶋?そうです。だから彼らは運転技術が高いのです。戦闘を想定しつつ原子炉を運転するんですから(笑)。魚雷が当たって原子炉が水浸するなんて当たり前の想定で訓練を受けている。原発に津波が来ても、彼らなら「想定内」でしょう。戦争を想定しているから、度胸があるというか、冷静なんです。日本の原発運転員は津波が来てびっくりしてしまった。シビアアクシデントを想定していなかったからです。アメリカの原発運転員にとってはシビアアクシデントは訓練の想定内です。「通常兵器なら当たっても大丈夫。核魚雷だったら原子炉が壊れてしまうなあ」と、そういう感覚なんです。

──スリーマイル島原発事故があったときのカーター大統領は、海軍で原子力潜水艦の士官だった。カナダの実験原子炉の解体で防護服を着て作業をした経験もある。だから原発事故が起きたときも事態の重大さが分かった。そういう核技術に関わった人材の層の厚さが違いすぎる。(中略)

──それだけの歳月と予算をかけて組み立てられたPBSやERSS/SPEEDIが、福島第一原発事故になぜ生かされなかったのか、という問題に話を移します。10月から11月にかけて『証言?班目春樹』(新潮社)、『海江田ノート』(講談社)、『東電福島原発事故?総理大臣として考えたこと』(幻冬舎)と、政府中枢にいた当事者の回顧録が続けて出版されました。私が驚いたのは、班目春樹・原子力安全委員長が「ERSSが壊れ、通信回線も途絶したので、SPEEDIは使えなかった」と本の中でまだこれまでと同じ説明を言い続けていることです。PBSは名前すら出てきません。「この期に及んで、まだなお班目委員長は理解されていないのだ」と愕然としました。

永嶋?実は、班目さんは私の5年後に東芝に入社された後輩にあたります。3年で東芝の研究所を辞められて東大に戻り、若くして助教授になられました。(永嶋さんがフジテレビの取材を受けた映像を再生しながら)福島第一原発事故当時、班目さんの提案された対策には、はっきり間違いと分かる箇所がある。東大教授が文献を読みながら知識をつけるだけでは、原発事故にとても対応できません。

──(烏賀陽が本を見せながら)班目委員長は「SPEEDIは文科省の管轄だ」「私は文科省に責任を押し付けられた」と主張されています。

永嶋?委員長が実は一番分かっていない(笑)。原発事故の時は、ERSS/SPEEDIは経済産業省の中に設けられた「緊急時対応センター」(ERC)で統括・連携して、原子力安全・保安院が首相官邸に情報を出すことになっている。ERSSを担当する「プラント班」とSPEEDIを担当する「放射線班」は隣同士です。そんなことは毎年「原子力防災訓練」でやってみんな知っていることです。班目さんは自分が何をなすべきか、分かっていない。

──国会事故調査委員会の報告にも「PBS」は名前すら出てきません。

永嶋?国会事故調に限らず、どの調査委員会にも私や松野さんのような原子力防災の専門家が入っていないのです。だから、相手の言うことを鵜呑みにしてウソや隠し事を見破れない。班目委員長や安全保安院長が「ERSSが壊れました。通信が途絶しました。だからSPEEDIは使えませんでした」と言えば「ああ、そうですか」で終わってしまって「いや、PBSがあったはずだ。なぜ使わなかったのか」と質問を重ねることができないのです。

?経産省は20年も緊急事故対策をやってきたのです。その歴史、経緯や結果の検証がまったくなされていない。これは極めて不愉快です。PBSの名前すら出てこないのです。(中略)

永嶋?動かしたはいいが、使い方が分からなかったのでしょう。よく分からないが、動かしてみた。そんな感じです。

──予測結果のあまりの深刻さに、伏せようとしたのではないですか。あるいは、PBSの存在を明らかにすれば、過去20年シビアアクシデントが起きうると知っていたことを認めざるを得ない。それが発覚するのを恐れた。

永嶋?それもあるかもしれませんね。

ERSSは「カネをかけて立派なものに見せることに意義がある」

──1995年からずっとPBSやERSSを開発して予算を投入してきた経産省〜安全保安院なのに、なぜいざ本番という時にまったく使えなかったのでしょうか。

永嶋?福島第一原発事故対応でも名前が出てくる原子力安全・保安院のXさん(烏賀陽注:永嶋さんは実名を挙げているが、相手の言い分をまだ取材していないので名前を伏せる)は、経産省でERSSの開発当初から担当だったんです。

──えっ!?じゃあ、Xさんは経産省の中でもERSSに一番詳しいはずじゃないんですか?

永嶋?経産省の官僚はカネを出すだけで中身の技術を勉強しようとしません。90年代の終わり、JCO臨界事故の前でしたが、Xさんが「ERSSは仏壇と同じだ」と言ったことを覚えています。

──「仏壇」とは、どういう意味でしょうか。

永嶋?「ERSSは役に立たなくていい。そんなシビアアクシデントは起きないんだから。しかし、一般公衆に向けて、原発事故対策はしなければならない。だからカネはかけなくてはいけない。だから仏壇と同じなんだ」。仏壇は実用上何の役にも立ちません。カネをかけて立派なものに見せることに意義がある。そんな意味でした。

──趣味の悪いジョークのようです。あまりにうまい例えで呆れてしまいました(笑)。

永嶋?私は臨界事故を契機にできた「原子力災害対策特別措置法」(原災法)の起案にも関わっていました。原子力安全委員会の「防災部会」で「緊急時対応ワーキンググループ」の委員をしていたのです。

?法を作るとき、原発事故のデータを通産省に渡しました。それを通産省は成文化した。法は概念にすぎないので、「3キロ以内避難・10キロ以内屋内退避」という具体的な数字を決めたのが「防災指針」です。その時、原災法3条に「原発事故が起きても10キロ圏外にまで影響が及ばないよう電力会社は事故を抑え込む責務を負う」という趣旨を盛り込みました。東京電力は当時「10キロに及ぶ事故なんか起きない」「大げさすぎる」と主張していた。それが今は「津波のせいだ」と逃げている。

──なるほど。PBSが予測した原発事故の予測は「原子力災害対策特別措置法」という法律に明文化されたんだ。単なるプログラムじゃない。

?どうして検察庁が東電を原災法違反で起訴しないのか、私は不思議です。16万人もの大勢の人が家に帰れなくなり「難民」のような生活を強いられているのでしょう??それは「侵してはならない個人の権利を侵している」と思う。原災法どころか憲法にすら違反しているんじゃないでしょうか。

──捜査当局が何を考えているのか、私も不可思議です。

永嶋?私は反原発でも脱原発でもありません。原発に疑問を持っている人でも大半は「本当に原発をやめてしまっていいのか」と考えているはずだ。しかし「誰がどんな罪を犯したのか」「罪を繰り返さないためにはどうすればいいのか」を真剣に考えて、しっかり実行しないと、普通の人がすべて「反原発」「脱原発」に行ってしまう。そして改善をしないまま地震や津波が起きたら、また同じような原発事故が起きる。もう1つ同じ事故を繰り返したら、もう日本経済は耐えられないでしょう。私はそれを真剣に案じているのです。



(私のコメント)

今回の衆議院選挙において、大きな争点となっているのは原発再稼動問題ですが、福島第一原発の事故原因などの検証が本当にできているのかと言う疑問だ。自己から1年半経って関係者の証言を本にしたものが相次いで出ていますが、当事者が原発の事についての知識の不足が感じられる。事故検証委員会の中にも本当の原子力防災の専門家が一人も入っていない事を長嶋氏が述べていますが、政治的な思惑が入りすぎている。
 
経済産業省も原子力安全委員会も、責任追及されるのを恐れて専門家を交えないで、上っ面だけの調査で済まそうとしているのかもしれない。官邸内の議事録すら菅内閣は取らせませんでしたが、それも責任追及に使われるのを恐れた為に公開されないのだろう。しかし官邸内の議事録は法律によって残す事が決められている。東電と現場とのビデオのやり取りなども一部しか公開されませんが、素人の私が聞いていても東電も現場も原発の防災知識に疑問を感じさせることばかりだ。
 
テレビの国会中継などでの原子力問題の集中審議などを聞いていても、質問するほうも原発の素人なら答えるほうの大臣も原発の素人であり、いろいろと資料を出して質疑していても、メモを読み上げるだけの審議であり、明らかに間違っていると思える答弁でも野党の議員さんはそれを追求が出来ない。枝野官房長官がSPEEDIのデーターが出せなかった事について、実際の計測データーが出ないとインプットできないからと答えていましたが、永嶋氏の発言でもそれが間違いである事がわかる。
 
「日本政府や班目春樹・原子力安全委員長は「ERSSが壊れて原発からリアルタイムのデータが取れなくなったので、SPEEDIも使えなくなった」という説明をまだ変えません。」と言われてその間違いを指摘できる人はごく僅かな専門家しかいない。しかしそれらの専門家が排除されるのは嘘がばらされるのが困るからだろう。
 
「株式日記」では原発を国の管理にすべきだと何度も書いてきましたが、民間の電力会社には原子力発電所の管理運営には荷が重過ぎるのだ。アメリカも民間の電力会社が原発を運営していますが、実際には海軍出身者が管理運用をしており、原子力空母や原子力潜水艦の原子炉を運用してきた経験者があたっている。だから非常時における対応も出来るのでしょうが、日本のオペレーターでは無理だったのだろう。
 
永嶋氏は、『私が驚いたのは、班目春樹・原子力安全委員長が「ERSSが壊れ、通信回線も途絶したので、SPEEDIは使えなかった」と本の中でまだこれまでと同じ説明を言い続けていることです。PBSは名前すら出てきません。「この期に及んで、まだなお班目委員長は理解されていないのだ」と愕然としました。』と言うように斑目原子力安全委員長は文献だけの知識では事故対応は無理があった。
 
政府官邸をはじめとして経済産業省や原子力安全保安院などが責任回避の為に情報を隠蔽してる事は想像がつきますが、一番責任のある東電が事故の情報を公開していない。事故の情報を強制的に開示させる為には、検察庁が東電を原災法違反で起訴することが一番だろう。一番の責任者は現場を管理運用していた東電にあり、事故が起きた原因の追究には情報の公開がなされないと、次の事故の予防が出来ない。
 
しかしながら霞ヶ関の官僚たちは責任回避の天才であり、寺坂院長を始めとして松永事務次官も退職金加算を貰って退職してしまった。国会審議の中でも責任回避に終始していて、これらの人物が原子力発電行政を監督していた事に寒気を感じます。永嶋氏は、「経産省の官僚はカネを出すだけで中身の技術を勉強しようとしません。」と言うように利権には敏感だが技術の事は鈍感であり、寺坂院長は「私はただの事務員」と言って現場から逃げてしまった。
 
テレビにおける国会議員たちの原発再稼動問題は、素人がわいわいやっても意味が無いのであり、何が問題であったのかを検証して安全基準を作っていかないと問題は解決しない。今朝の{報道2001」でもみんなの党の江田議員が発言していましたが、原発の1キロワットのコストは11セントだが天然ガスのコストは6セントというのがアメリカの計算だ。ところが日本では原発がダントツに安いと言う情報で行政が行なわれて来た。
 
国民に正確な情報が提供されていないのに、選挙でエネルギー政策を決めろと言うのは無意味だ。霞ヶ関の官僚が結論先にありきで情報を管理してしまうから、国会議員も政策を間違えるのであり、民間会社に原子力発電を任せるから安全基準が骨抜きにされて福島第一の大災害が起きたのだ。このまま原発が停止状態が続けば原発の技術者もオペレーターも離散してしまって再稼動は不可能になるかもしれない。
 
 




クリントン米国務長官は、南シナ海の領有権問題を中国と協議した際、
中国側が「ハワイ(の領有権)を主張することもできる」と発言した


2012年12月1日 土曜日

中国「ハワイ領有権も主張できる」 米国務長官、協議の一幕明かす 11月30日 産経新聞

【ワシントン=犬塚陽介】クリントン米国務長官は11月29日、ワシントン市内で講演した際の質疑応答で、過去に南シナ海の領有権問題を中国と協議した際、中国側が「ハワイ(の領有権)を主張することもできる」と発言したことを明らかにした。長官は「やってみてください。われわれは仲裁機関で領有権を証明する。これこそあなた方に求める対応だ」と応じたという。

 協議の時期や詳細には言及しなかったが、20日の東アジアサミット前後のやりとりの可能性もある。仲裁機関は国際司法裁判所(ICJ)を指すとみられる。

 ハワイをめぐっては、太平洋軍のキーティング司令官(当時)が2007年5月に訪中した際、中国海軍幹部からハワイより東を米軍、西を中国海軍が管理しようと持ちかけられたと証言したこともあった。

 クリントン長官は、中国と周辺国の領有権問題について、領有権の主張が地域の緊張を招くような事態は「21世紀の世の中では容認できない」と述べ、東南アジア諸国連合(ASEAN)が目指す「行動規範」の策定を改めて支持した。また、領有権問題は「合法な手段」で解決されねばならないと強調した。

 さらに、領有権問題は北極や地中海でも起こりかねず、米国は「グローバルパワー」として放置できないと明言。中国が「できる限り広範囲」の領有権を主張する中、法に基づく秩序維持のために「直言していかねばならない」と語った。



米、尖閣防衛を再確認 異例の明記、上院修正案を可決 11月30日 産経新聞

【ワシントン=佐々木類】米上院は11月29日の本会議で、沖縄県・尖閣諸島について、米国による日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象であることを明記した条項を、2013会計年度(12年10月〜13年9月)国防権限法案に追加する修正案を全会一致で可決した。

 国防権限法は国防予算の大枠を定めるもので、他国の領有権をめぐる問題に言及するのは異例。法案は下院との協議を経てオバマ大統領の署名で成立する。

 追加条項は「東シナ海はアジアにおける海洋の公益に不可欠な要素」とし、米国も航行の自由という国益があることを明記。その上で「米国は尖閣諸島の究極的な主権について特定の立場をとらないが、日本の施政下にあることを認識している。第三者の一方的な行動が米国のこの認識に影響を及ぼすことはない」とした。

 また、東シナ海での領有権をめぐる問題は、外交を通じた解決を支持し、武力による威嚇や武力行使に反対と表明。「安保条約5条に基づく日本政府への約束を再確認する」とした。

 修正案は、民主党のウェッブ議員や共和党のマケイン議員ら超党派の上院議員が中心にまとめた。



中国の空母、艦載機の離着艦訓練に成功 「人民網日本語版」2012年11月25日

中国初の空母「遼寧」は海軍に配備された後、航行訓練と科学研究テストが計画通り迅速に進められている。戦闘機「殲15」の離着艦訓練も順調に行われた。空母と戦闘機の技術性能を十分に検証した結果、いずれも良好で、設計上の要求を満たした。

 殲15は中国が独自開発した初の艦載多用途戦闘機で、完全に独自の知的財産権を有し、制空、制海などの戦闘任務を遂行することができる。飛行性能は良好で、精密誘導兵器を各種搭載し、長距離攻撃、昼夜戦闘能力を備える。(編集NA)



(私のコメント)

中国の軍備拡張は、特に陸海空軍の近代化に主力が注がれていますが、先日も「株式日記」で中国がF22に対抗できるスホイ35を24機をロシアから購入する事を書きましたが、中国軍の軍備拡張の勢いは留まるとこりを知りません。それだけ中国にはカネがあるということですが、今度は大型空母を就航させて艦載機の離発艦まで成功させたニュースがありました。
 
空母も艦載機もロシアのコピーなのですが、中国はロシアから購入した戦闘機や潜水艦、戦車など主要兵器20種以上をコピーして国産化、途上国へ大量に販売している。日本の新幹線も違法にコピーされて輸出商戦に参加してきましたが、空母の艦載機もスホイ33のコピーのようだ。中国のコピーはまずはライセンス生産から始まり国産化するようですが、スホイ27のコピー戦闘機が途上国などに格安に販売される恐れが出てきているようです。
 
ロシアにとっては金持ちの中国は上得意であり、最新鋭兵器でも大量に買ってくれるので痛し痒しでしょう。中国が世界第二位の経済大国になれば軍事力も第二位であり、アメリカと中国が世界の覇権争いで凌ぎを削るのも当然なのでしょう。兵器もロシアのコピーとは言いながら国産化しているのだからそれなりの技術力も身に付けてきている。流石にジェットエンジンやコンピューターは簡単にはコピーできないようですが、技術者ごと引き抜けばいずれは出来るだろう。
 
中国の空母と艦載機がどれほどの実用性があるかは分かりませんが、宣伝効果は十分にある。国内向けには国威の発揚になるし、周辺国には軍事的圧力になるでしょう。日本の軍事力は中国の半分しかなく、中国は1000億ドルに軍事費に対して日本は510億ドルしかありません。さらに日本は財政赤字で国防費を伸ばすだけの経済力がありません。
 
アメリカもバブル崩壊以降の経済停滞と、イラク戦争やアフガニスタンでの戦闘が続いて十分な戦果を上げておらずゲリラ的な抵抗が続いている。これでは国家財政も綱渡りで大幅な軍縮は避けられない。それに対して中国は高度経済成長が続いて人民元の上昇があれば2020年を待たずして米中が逆転すると言う予測もあります。
 
アメリカの戦略的な意図が分かりませんが、戦略的パートナーから戦略的ライバル、ステークホルダー、そして「米中G2」論などアメリカの対中政策はコロコロとよく変わる。現状ではアメリカがまだ圧倒的に格差がありますが、10年以内にアメリカを経済規模で追い越す予想もある。何しろ外国からカネも技術もじゃんじゃん入ってくるのだから高度経済成長しないほうがおかしい。
 
軍事力にしてもロシアから宇宙ロケットからジェット機に至るまでコピーさせてくれるのだから近代化は急速に進む。しかしロシアもアメリカも中国を脅威に思わないのだろうか? アメリカでもクリントン政権の時には多核弾道ミサイル技術が供与されましたが、その戦略的な意図がよく分からない。田中宇氏によれば多極主義者の陰謀だと言う事になりますが、アメリカ人は人がいいから中国も豊かになれば民主化が進むと言ったお花畑(夢想家)の人が多いのだろう。
 
田中氏は、『私のいつもの「英米中心主義」と「隠れ多極主義」との、米中枢での暗闘の図式で言うと、英米中心派は「永久に中国を眠れる獅子にしておきたい」と考えているが、多極主義者は「早く中国を起こして強い獅子(高度成長する国)になってほしい(そこに投資して儲けたい)」と考えている。明治維新以来ずっと獅子が眠っているおかげでアジアの大国であり続けた日本は、もちろん「永久に獅子に眠っていてほしい」と考えるのが国策だ。(最近の日本では、獅子が起きつつあることは認めざるを得なくなっているが「中国はバブル崩壊する」「米国と対立して潰される」といった楽観的・神風的な「獅子はまた眠る」の予測が目立つ) 』と言う事ですが、多極主義とはアメリカにとって何のメリットがあるのだろうか?(米中逆転・序章)
 
英米中心派はアングロサクソンであり、多極主義者はユダヤ人という二重構造がアメリカを迷走させていますが、多極主義者のユダヤ人にしてみればアメリカが滅亡して中国が覇権国になろうとかまわないのであり、キッシンジャーやブレジンスキーはユダヤ人だ。ユダヤ人は金融による世界制覇を目指していますが、リーマンショックやユーロ危機は金融立国など不可能な事を示している。中国は世界の投資を一手に引き受けて経済成長すれば金融投資家にとっても利益になる。
 
しかし「株式日記」に以前にも書いたように、アメリカはもはやアングロサクソンの国ではなく近い将来白人は少数派となり、アメリカは中南米化する。共和党のロムニー候補の敗退は「英米主義者の敗退」でもあり、イスラムを敵とする戦略もオバマによって変更されるだろう。だからパレスチナが国連で国家として認められましたが、英米とイスラエルによる世界支配も転機が来ている。
 
中国の台頭は多極主義者にとっては希望の星ですが、キッシンジャーやブレジンスキーが夢見るような中国になるのだろうか? アメリカやロシアに住むユダヤ人は中国に資本や技術を提供して中国を経済と軍事大国にしようとしている。そう考えなければ中国に対してアメリカが経済援助しロシアが軍事援助する意味が分からない。それに対して英米主義者は危機感を持っていますが、欧米と日本の時代は終わったのだろうか?
 
もはやG7は影が薄くなり、新興国が中心となったG20が世界を決めようとしている。G20の国際会議では中国が中心となりアメリカもたじたじとなっている。しかし新興国は経済的に豊かになれば洗練された民主国家になるのだろうか? 英米主義=民主主義とも言えますが、新興国は独裁的な国が多い。イスラムや中国などの停滞は民主主義を受け入れなかった事が原因となり文明は停滞してしまった。
 
中国が大型空母を持ち大海軍を作ってアメリカを圧倒する時がくるのだろうか? それには中国もイスラム社会も民主主義を受け入れて、英米型国家にならなければなりませんが、英米型国家になって先進国になれたのは日本ぐらいだ。中国が民主化に成功するとは思えない。独裁国家のままでは技術をパクル事ができても最先端の科学や技術を持つ事は不可能だろう。
 
クリントン国務長官の話では、中国の高官が「ハワイ(の領有権)を主張することもできる」と発言した」と言う事は、中国人の非常識さがよく現れていますが、「中国海軍幹部からハワイより東を米軍、西を中国海軍が管理しようと持ちかけられた」と言う話も有名ですが、これでは中国人がいかに非常識であり非文明人であるかを物語っている。つまりキッシンジャーやブレジンスキーが夢見る多極主義は無理だろう。
 
 



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