株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


放送で広告収入を得るために、地上波放送では視聴率が使われて
いますが、今の視聴率は極めて怪しげな方法でカウントされています。


2012年3月31日 土曜日

民放がネット配信に消極的なのは視聴率を粉飾しているから 3月30日 多田光

新しく就任した民放連会長の井上氏がNHKに番組のネット同時配信をしないで欲しいという発言したことに対して私のTwitterのTLでは「なぜNHKのやることに民放が反対するのか」「民放もネット配信すればいいだけ」という批判の声がたくさんありました。

以前"「ちょっと何言ってるかわかんないです」〜民放連がNHKのネット配信に反対する理由"という記事を書きました。この記事は民放連が発表した反対理由があまりにも意味不明でおもしろすぎたので晒すために書いたのですが、ここに書かれた意味不明な反対の理由は飽くまでも建前です。

なぜNHKがネット配信をすると民放が困るのか民放の立場になって反対する理由を推測したいと思います。まずNHKがネット配信をすると何が困るかというと視聴者がNHKを見る機会が増えることです。そうすると人の可処分時間は限られていますから地上波の民放を見る機会が減少します。すなわち民放の視聴率が減少するわけです。ましてやNHKオンデマンドが無料で見放題になれば一大事です。

「NHKがネット配信をしたら困ると言うなら、民放も対抗してネット配信すればいい。そうすればむしろ視聴者の視聴機会が増えてテレビとネットを合わせた視聴率が向上するじゃないか。」と誰でも思うはずです。しかし民放にはネット配信に積極的になれない理由があります。民放が番組のネット同時配信を広告収入による無料放送で行おうとすると非常にまずいことが起こります。

放送で広告収入を得るためにはどれくらい放送が視聴されたかの指標が必須です。地上波放送では視聴率が使われていますが、今の視聴率は極めて怪しげな方法でカウントされています。

例えば調査対象になる世帯を選ぶ時に以下のような条件があります。
・固定電話がある世帯
・テレビがある世帯
・調査に協力してくれる世帯
今の時代はこれらの条件を満たす世帯は昔と比べてかなり減ってきているので、偏ったサンプリングにならざるを得ません。特に無作為に抽出した世帯がテレビを持っていない場合でも、その世帯をサンプルしなければならないはずです。

さらに世帯視聴率というものにも問題があります。

視聴率には世帯視聴率と個人視聴率があります。普通は視聴率といえば世帯視聴率のことを意味しています。世間に公表される視聴率もこの世帯視聴率です。しかしこの世帯視聴率という指標は調査対象の世帯の中で一人でも見ていればカウントされるので、ある世帯で一人だけが見ている場合はその世帯の分の世帯視聴率は個人視聴率より家族の人数分だけ掛け算した値になります。家族全員がテレビを見て初めて個人視聴率と世帯視聴率が一致します。本来、視聴率というものは個人視聴率でないと意味がありません。世帯がテレビを見るわけではないのですから。

このような調査方法では結果的に視聴率が粉飾されているということになります。


もし地上波のテレビ局が広告収入による無料放送でネット配信を始めると、ネットでどれだけの人が見ているかという指標は普通は視聴者数で視聴率という指標はむしろ不自然です。ニコニコ生放送やユーストリームでもリアルタイムで正確な視聴者数がわかります。ネット配信の視聴者数と地上波の視聴率×人口でスポンサーが同じ広告料を払うとした場合、視聴率が粉飾されているのでネット配信の広告料のほうが少なくなるはずです。さらに人の可処分時間は限られているのでネット配信を見るということは地上波を見なくなるということに他なりません。つまりネット配信に積極的になればなるほど広告収入が増えるよりも減る可能性のほうが高いということになります。

自分たちは視聴率の粉飾がバレるネット配信に移行したくない、しかしNHKだけ抜け駆けでネット配信されたら視聴者は便利な方に流れていくからそれも困るということでしょう。

逆にNHKは視聴率は収入に関係無いですし、テレビを持っていなくてもネットユーザーから受信料を取れるかもしれないという動機があるのでネット配信に積極的だと思います。(NHKオンデマンドに民放連が独立採算でやれと文句つけたりしているのであまり進んでいませんが)

ちなみにテレビ局がネット配信する場合、上述のように無料広告放送モデルでは地上波での視聴率の粉飾がバレてしまいますが、有料配信ならスポンサーは必要ありませんので、地上波の視聴率の粉飾という既得権に抵触せずに済みます。なので民放が行うネット有料配信についてはアクトビラや4月から始まるもっとTVなどがあります。

というわけで民放がネット配信に消極的なのは、自分の既得権を守る合理的な判断であるということです。


(私のコメント)

最近のテレビ番組は2時間から3時間に及ぶ特別番組が多くなりましたが、特にバラエティー番組などは1時間番組でも3時間番組でも製作コストはたいして変わりがありません。収録に3時間も4時間もかけても放送されるのは1時間に編集されて放送されていましたが、2時間や3時間番組として編集しなおせばいいだけの話です。
 
「株式日記」でもよく紹介している「たけしのTVタックル」にしても青山繁晴氏や西尾幹二氏などが言っていましたが、発言したことの9割がカットされてしまっているそうです。時間的な制約もあるし面白いシーンだけを抜き出して編集しているのでしょう。だから多くのバラエティー番組は1時間番組でも3時間番組でも製作コストはたいして変わりがありません。
 
なぜこのようになったかと言うとCM収入が大きく落ち込んでしまった為に製作コストの引き下げが行なわれているからです。広告収入が減ってしまったのは不景気なせいもありますが、ネット広告などへのシフトもあります。ならばテレビもネット放送にシフトすればと思うのですが、民放はあまり積極的ではなりません。
 
民放でもBSやCSなどには有料テレビ放送がありますが、赤字経営が多くて採算的に難しいようです。BSが韓流ドラマばかり放送しているのもコストがほとんど只の為ですが、数パーセントの視聴率が取れればスポンサーもつく。しかしこのような事をしていれば、ますますテレビ離れが進んでネットやスマホに時間を費やすようになるでしょう。
 
多田氏の記事にもあるように民放がネット配信に消極的なのは、ネットで配信すると視聴率が正確に出てしまって営業上まずいことになるようです。昔はテレビと言えば今に一台あって家族が揃って見るという形式でしたが、携帯電話で個人単位になったようにテレビ視聴も個人単位になっている。ワンセグでも見ることができるから視聴も多様化している。
 
「株式日記」も毎日の読者数が出るようになっていますが、テレビ番組でも視聴者数がリアルタイムでカウントする事が出来ます。そうなると従来の視聴率の誤魔化しがばれてしまうからネット放送に消極的になってしまうのだろう。しかしネット放送はアクセスログを解析していけば、どこで誰が何人くらい見ているかが分析ができるから効率的なCMが出来るはずだ。
 
このままでは日本のテレビ放送は、アップルテレビやグーグルテレビに切り替わっていくのではないだろうか? 今までは1億円の番組スポンサーが付いても電通や在京テレビ局がピン撥ねして、下請けプロダクションに回される費用は1000万円以下と言うことですが、これではいい番組が作れるわけがない。
 
いずれはテレビもネット配信が普通になり、24時間分の放送が数秒でダウンロードできるようになる。だからスカイツリーのような電波塔もいらなければ、放送衛星も打ち上げる必要もなくなり、光回線で高画質の放送が受信できる。難視聴の所や外国の放送は衛星放送になるのでしょうが、ネット放送になれば世界中のテレビ放送が一つになる。
 
ユーチューブも一種のデマンド放送ですが、在来のテレビ局は録画されて違法にアップされた番組を消しまくっている。しかしいずれはユーチューブに配信チャンネルを設定して放送するようになるのではないだろうか? 多田氏は「民放がネット配信に消極的なのは、自分の既得権を守る合理的な判断であるということです」と書いていますが、在来のテレビ放送は廃れていくのだろう。
 
これからのテレビ放送は多チャンネル化して特定の視聴者を絞った放送が有料化に成功している。視聴者も自分の見ない番組ばかり放送している総合放送は見ないが、アダルトチャンネルやアニメチャンネルやスポーツチャンネルなど特化すれば有料でも見たいと言う人は多い。そのような視聴者は再放送でも何度も見るから意外と番組コストはかからずに済むだろう。
 
今まで私もビデオレコーダーで録画して見ていましたが、見たい番組がいつでも放送されていれば録画する必要もない。現在でもユーチューブなどで見たい番組を見たい時に見ていますが、テレビ放送がビデオオンデマンドになれば、録画して見る必要もなく録画機もDVDも要らないのだから有料化しても有料テレビ放送は成り立つ。
 




絶対にヨウ素の131番は中性子が出て核分裂しない限りは、絶対に出
ないんです。ほんとは再臨界してるのに、原子力安全委員会、認めない。


2012年3月30日 金曜日

Ex-TEPCO Engineer Reveals the Truths : "TEPCO Is A Terrible

(以下は書き起こし)

削除されまくり?元東電社員の話を当ブログでも掲載 3月27日 誰も通らない裏道

短くお話ししますと、僕は福島原発、第一原発から15キロ真西に住んでました。標高は550ぐらいあったんで、津波は全く問題なく、家も束石方式の基礎の古い家に住んでたんで、平屋の、で、屋根も軽くて、ちょうど本震が来たときは薪の仕事をしとって、で、一服しようかなと思って、3時前だけど、まあ、いっかなと思って、ココアを、薪ストーブに火入れて、ココア飲んで、で、たまたま午前中にデジタル放送のテレビの難聴区域だったんで、光ファイバーみたいなのを大熊町が引いてくれて、その工事が終わって、で、別にテレビとか、全然見たくないんだけど、子供とかがいるんで、テレビ見れるようにしたんですけど、で、ぱっとテレビつけたら、どーんと緊急地震速報が出て、で、これだと思って、すぐ外出て、で、ココア持ってたんだけど、薪割り台のとこに置いて、で、2分、3分弱ですか、本震があって、その間、山がもう、ごーってずっとうなってて。で、ココア、ほとんどこぼれました。そのぐらい。でも、立ってられて、別に這いつくばって腰抜けるようなほどでもなくて、薪ストーブにちょうど火入れたばっかりだったんですけど、中の煙突がちょっと外れたぐらいで、ひっくり返りもせず、何の被害もなかったです。

??で、次の日、爆発したんですね、1号機が。その爆発までは、僕はもう、地震、津波、炉心溶融というのはもう予測してたんで、で、嫁はちょっと離れたとこに、たまたまちょっといたんで、迎えに来てくれて、土曜日、で、常葉町っていう35キロのところに嫁の実家があったんで、そこに逃げて、で、2日ほどして、まあ、子供もまだ小学校2年生の女の子なんで、もうちょっと逃げようかって話になって、さらに嫁の親戚筋をたどって、栃木県の那須、70キロぐらいですね。まで逃げて、で、そこに3週間ぐらいいたんですかね。で、高知県の県庁が県営住宅の無料開放を宣言してもらったんで、もともとナカムラのほうに、朋輩がおったんで、僕、サーフィンやるんですけど、サーフィンブラザーズがいて、県営住宅あれば、余計行きやすいかなと思って、4月の頭にこっちまで逃げてきました。

??実際、じゃあ、放射線、どのぐらい浴びたのかなってぱっと計算したんですけど、20ミリシーベルトありました。放射線量率って単位時間当たりのマイクロシーベルトとか、ミリシーベルトで表示されてますけど、僕は一応、原子力、学校合わせると20年いて、国の日本原子力研究所ってとこで大学の原子炉工学コースのさらに短時間濃縮コースみたいのを半年ぐらいトレーニングを受けた人間なんで、ちょっとした線量率の計算とか、あと、どのぐらい積算で浴びるのかって簡単な計算方法はもう自分でできるんで、で、こっち来て、落ち着いて、計算したら20ミリシーベルトを大体浴びてて。

??結局、具合悪くなりました。はっきり言うと。栃木の那須に逃げて、すぐ、だから、4日目ぐらいからもう鼻水、どろどろの鼻水が出て、で、鼻血もとまんなくて、のども痛い。これが低線量障害ってやつなんですね。

??だから、実際、100ミリまで行かなくても、恒常的に常に浴びてれば、何らかの障害というのは出てきて、で、国も政府も、当然、原子力安全委員会も、東電も、全く問題ないって言い方してますけど、全く問題あります。というのが1つ、僕の生の証言です。??

一応、今日あんまりコピーしてこなかったんですけども、単位時間当たりの線量率をどうやって積算にするのかという計算式を書いたメモ、すごい汚い字なんですけど、書いてきたんで、欲しい方はどうぞ持ってってください。

??で、0.24マイクロシーベルトパーアワーって書いてありますよね、新聞に。1時間当たり0.24マイクロ、それを1年間ずっと浴び続けると、2ミリシーベルト、1年間当たり浴びるんです。??

ICRPって国際放射線防護委員会が勧告してるのは、一般公衆の被曝線量限度ってのは1ミリシーベルト、わかりますか。その20倍をたった1カ月もたたない3週間ぐらいで浴びちゃったんです、僕は。

??で、僕はもう今年47歳なんで、そんなにもう細胞分裂もしてないからいいんですけれども、子供、子供はもう細胞分裂、活発で、自分の原本のDNAをコピーして体でっかくしてるわけですから、壊れたDNAをコピーすることによって発がん率ってのは高まりますんで、まあ、子供もすぐこっちまで避難させたっていういきさつなんですけれども、そんな、ちょっと生々しい感じの話になっちゃんですけど。??

で、もう1つ言わせてもらうと、僕は10年前に東電やめたんですね。で、何でやめたかって皆さん、聞いてくるんだけど、理由はね、ほんとに簡単なこと。もう、うそ、偽りの会社、ひどい会社。で、偉くなれるのは東大の原子力出てきた人間、技術系だったら、もしくは東大の法学部出てきた人間が社長とかになりますから。

で、もう、そういうエリート官僚主義の最先端行ってるとこなんですね。最先端っていうのかどうかわかんないんだけども。??で、うそばっかついてて、例えば、あるものが壊れましたと、このハンドルが壊れました、壊れた理由は、例えばこうやって日に出しといて、紫外線で劣化して壊れたっていうのが普通の理由なんだけれども、それを経産省、昔でいうと通産省、で、今でいうと保安院と原子力安全委員会に説明するにあたって、自分たちが説明しやすい、しかも、結果ありきでつじつまが合うようにストーリーをつくって、それで保安院に報告してプレス発表するわけです。それを専用のテレビ回線を使って、トラブルをちゃんと収束するまでの間、テレビ会議で延々と、昼夜を問わず、1週間缶詰とか、2週間缶詰は当たり前の中で、どうやって壊れた、ハンドルが壊れた原因を役所で説明しようかってことをやってるわけです。??(中略)

で、あんまり、第一の1号機も燃料の全体の燃料の7割が溶けちゃって、で、最近はちょっとデータ見てないんですけれども、原子炉の圧力とかも上がってるし、格納容器内の放射線量率も上がってるし、で、ヨウ素の131番っていうのが減ってない、最近ちょっと減ってきたみたいなんですけども、つい最近までは確実に再臨界になってました。だって、皆さん勉強してるから、ヨウ素の131番というのは放射能の力が半分になるのにたった8日間ですよね。なのに、もう8日たって、もう1カ月近くになってるのにヨウ素131がどんどん増えてる、それ自体がもう再臨界して、臨界にならなければ、ヨウ素というのはできないんです。絶対に。中性子、ぼーんとウラン235番が受けて、割れて、ヨウ素の131番っていうのができるんですよ。原子力っていうのはそういうもんなんで。で、そのうちのアインシュタインの相対性理論の話になっちゃうんですけど、そのうちのほんの1グラムとか、0.何グラムが熱になって、で、水を温めて、蒸気にして、その蒸気をタービンに回して、タービンに直列につながって発電機を回して電気ができるんです。それが発電システムなんで。

で、絶対にヨウ素の131番は中性子が出て核分裂しない限りは、絶対に出ないんです。だから、再臨界してて、そういう、ほんとは再臨界してるのに、原子力安全委員会、認めないでしょう。東電、認めないでしょう。政府も認めないでしょう。これはね、再臨界はしてたんです。つい最近まで。これはもう事実です。プロがほんのちょっと原子炉の物理とか知ってる人間であれば、だれでもわかること。それがまず1つ、うそね。

で、さっき言った、例えば0.24マイクロシーベルトパーアワーというのは安全だとかっつってるのもうそ。うそです。

それが僕は今日、皆さんに伝えたかったことです。で、高知は結構離れてるんでいいんですけど、ドイツの気象局が出してる放射線の、放射能の分布予測、スピーゲルっていうんですか、わかんないですけど、それを見て、北東の風が日本を全体を流れてくるときは、絶対に子供を雨に当てないでください。あと、女の人、これから子供をまだ産む人は出さないでください。それは、おんちゃんらはいいですよ。おれとかも含めて。

何でかっていうと、セシウムの137番というのがあります、今度。それの放射能が半分になるのが30年かかるんです。で、何が危ないかっていうと、セシウムの137番というのは筋肉にたまりやすいんです。男の人は比較的筋量が多いんで、筋肉に薄く、体の中に取り入れたとしても薄く広がっていきます。だけど、女の人は乳腺と、あと子宮、どうしても筋肉がないんで、そういった器官に濃縮しやすいです。そうするとやっぱり乳がんの発生率とかがちょっと上がってしまう可能性があるので、そんなことは知ってれば防げることなんで、で、どうしても外に出なきゃなんないときは、布マスクの中にガーゼ入ってるじゃないですか。それをぬらして、で、マスクして外に出る。

あと、ヨウ素が出てる限りは、ヨウ素はやっぱり昆布とか海草類にヨードとしてたまるので、そのヨウ素なんです。で、髪の毛から吸収されやすいです、人間は。だから、帽子をかぶって、直接雨に触れないようにするっていうのが1つ防げる方法です。(後略)



(私のコメント)

福島第一原発が今どうなっているのか、今後どうなるのか分かりません。原子炉本体の中には60センチ程度しか水が溜まっていないと言う事ですが、核燃料が解け落ちて本体に穴が開いてしまっているようだ。おそらく核燃料は一番下のコンクリートの部分に溜まっているのだろう。当時のNHKの報道などでは水位ががったの下がっただのと言っていましたが、最初からメルトダウンからメルトスルーしていたのだ。
 
当面は水をかけ続けるしかないわけですが、核燃料棒が解け落ちてしまうと、それを回収するには相当の年数が経たないと回収が出来ないことでしょう。東電が最初からもっと適切な手を打っていれば最悪の事態は避けられたのではないかと思う。しかし政府も東電も責任の追及を恐れて情報を公開しません。現場の作業員に取材すれば分かると思うのですが、断片的にしか伝わってこない。
 
本当に定期点検でメンテナンスが行なわれていたのかも疑わしくなりますが、緊急冷却装置の操作方法も分からず、ベントのやり方も分からないというのはどういうことなのだろうか? 十分な想定訓練もなされていなかったのが躓きの原因だろう。東電では原発の事故は起こりえないというのが認識だったらしく、想定訓練もしていないというのはどういうことなのだろうか?
 
軽水炉型の原発は危険なものだと今回の事故ではっきりと分かりましたが、地震などで停止操作を行なって制御棒が動作しても冷却を続けなければならないような物とは国民の誰もが知らなかったことだ。テレビに出ていた専門家も水素爆発の危険性を指摘していなかった。使用済み燃料棒も絶えずプールの中につけて冷やし続けないと大爆発すると言うのでは危険極まりない。
 
しかし軽水炉型の原子炉が危険であることはメーカーであるGEの技術者が言っていたことですが、日本の専門家たちはそれに反応しなかった。安全性の問題を指摘しても何重もの安全装置があるということで省みられることはなかった。もっと心配なのは低容量の被曝が長期間続くことが避けられず、その影響を最小限にするにはどうすべきかの対策も出来てはいない。
 
元東電の原子力発電所の技術者の話が記事にありますが、低容量長期被曝の問題はデーターそのものが少ないからはっきりした基準は示せなくても、幼児や妊産婦などにとっては僅かな線量でも危険だろう。国会などでも追及しても担当大臣は責任回避するばかりで、はっきりした方針が打ち出せないでいる。
 
原発事故ばかりでなく、東日本大震災で被災した人の避難生活が続いていますが、国会では消費税増税法案で頭は一杯のようだ。最悪の内閣の時に最悪の事が起きたわけであり、被災問題は続出しているのに政局争いで国会議員は頭が一杯だ。韓国では核サミットが行なわれましたが、本当なら福島で行なって一度福島原発の被災状況を見てもらったほうが意義があったはずだ。
 
考えてみれば海岸沿いに原発があるということは、国防上も問題であり、ミサイルを打ち込まれたら一発でおしまいだ。一旦原発が破壊されて核物質が巻き散らかされたら日本は住めない土地になってしまいますが、政治家はそこまで考えなかったのだろうか? 政治家たちは何も考えずに政策を進めていきますが、国民には情報も開示しないで「理解しろ」と言ってくる。
 
本来ならば情報の開示はマスコミの役割なのですが、政府の広報機関化してしまっている。当面の問題は原発の再開問題ですが、これも十分な情報開示が行なわれていない。これだけ原発の危険性が認識されれば安全対策も行なわれて、十分な安全訓練も行なわれるだろうから、老朽化した原発は除いて原発の再開は行なわれるべきだろう。
 
福島第一原発の災害は初動ミスが原因であり、設計上の問題があったことによる複合災害だ。同じように被災した福島第二や女川や東海村の原発は対応が適切で安全に停止した。福島第一原発だけがどうしてあのような大災害になったのか詳しい報道がありませんが、東電の情報公開もなされていない。原子力安全保安院も原子力安全委員会も事故究明には機能しておらず、福島第一は設計上に不備があった人災である可能性が高い。
 




警視庁が昨年11月から今月にかけ、2ちゃんねるの関係先など10カ所を
家宅捜索したという。掲示板側が強制捜査を受けるのは異例中の異例だ。


2012年3月29日 木曜日

2ちゃんねる、警察の削除要請1000件放置 3月29日 読売新聞

インターネット掲示板「2ちゃんねる」が、警察当局からの書き込み削除要請を過去に1000件以上放置していたことが、警察関係者への取材で分かった。

 8割は薬物関連で、同掲示板を舞台とした麻薬特例法違反事件を捜査している警視庁では、ずさんな掲示板管理が違法行為を助長したとの見方を強めている。一方、書き込み削除を担う通称「削除人」経験者らは読売新聞の取材に、「書き込みの自由を尊重するあまり、削除を避ける傾向にある」と内部の実態を証言した。

 警察当局によると、違法行為に関わる書き込みで、運営者に通報しても削除されなかったケースは2010年上半期だけで約2000件。そのうち1001件が2ちゃんねるだった。

 2ちゃんねるでは、「削除ガイドライン」を公表し、誹謗(ひぼう)中傷や他人の投稿への妨害など、削除する対象を細かく規定。該当するかどうかは「削除人」と呼ばれる担当者が判断し、対応している。明確な犯罪行為に関する書き込みについては「証拠保全」を理由に、管理人が判断したケース以外は削除しないと主張しているが、警察幹部は「要請の段階で証拠は押さえている。薬物の蔓延(まんえん)を防ぐために即刻削除に応じてほしい」と訴える。(後略)



許すな!野田政権下で進む 言論統制 国民監視 3月8日 日刊ゲンダイ

<「脱原発」検閲に予算8300万円>

 大手ネット掲示板「2ちゃんねる」が強制捜査を受けていたことが分かり、ネット上では大騒ぎになっている。容疑は、覚醒剤売買の書き込みを放置した麻薬特例法違反(あおり、唆し)幇助。警視庁が昨年11月から今月にかけ、2ちゃんねるの関係先など10カ所を家宅捜索したという。
 ネットの書き込みを巡って掲示板側が強制捜査を受けるのは異例中の異例だ。
ITに詳しいジャーナリストの井上トシユキ氏がこう言う。
「薬物取引や売買春は、ほかのネット掲示板や携帯ゲームサイトでも行われています。今回は、その中で最も目立っている2ちゃんねるを一罰百戒で、見せしめにしたのでしょう。世論も“覚醒剤なら仕方がない”と同調しますからね」
 今回の摘発がネット上でしか騒ぎになっていないのは、2ちゃんねるが便所の落書きと同じ“無法地帯”で、「強制捜査は当たり前」と思っている人が多いからだろう。
 しかし、摘発の本当の狙いが別にあるとしたらどうか。見過ごせないのは、野田政権が「言論統制」「国民監視」を急加速させていることだ。
「震災以降、ネットには政権批判や原発批判があふれかえっている。こうした書き込みにピリピリしている閣僚がいる」(永田町事情通)という。
 実際、経産省の資源エネ庁は昨年の1次補正予算で、「ネット上の不正確情報の監視」と称して年間8300万円を計上した。原発事故後に飛び交う「脱原発」の書き込みを監視するためだ。

<「コンピューター監視法」で通信データ丸裸>

 昨夏に成立した、いわゆる「コンピューター監視法」も恐ろしいの一語だ。反対運動に参加していたジャーナリストの田中龍作氏が言う。
「この法律は、令状なしでネット通信履歴の差し押さえができるほか、令状があれば、通信相手のデータまで押収できるものです。Aさんの令状を取れば、その通信相手全員のデータを押収できる。野田政権が今国会で提出しようとしている『秘密保全法』(機密漏洩した国家公務員の罰則強化)とセットで、内部告発もできない世の中になりかねません。こうした法律は外務省や法務省がやりたがっていて、官僚の言いなりの野田政権は利用されている構図です。役人は、記者クラブを通じて新聞TVをコントロールしているが、手付かずだったネットの情報も統制しようというわけです」
 ほかにも、国民を黙らせるための法案は着々と準備されている。
「野田政権が制定を目指している『新型インフル対策特措法』は、政府が緊急事態を宣言すれば、外出自粛や集会中止を強制的に指示することができる法律です。“現代版の治安維持法だ”と批判の声が高まっています。最たるものは、国民一人一人に番号を付ける『マイナンバー制度』。税金や年金、病歴などの個人情報をヒモ付け、一元管理しようというもの。国民は家畜のように管理されます」(政界関係者)
 消費増税にシャカリキのドジョウを尻目に役人たちはやりたい放題だ。


(私のコメント)

「株式日記」では先日プロバイダーのほうから、名誉毀損の訴えがあったことの連絡があり、2011年5月18日 水曜日の記事は全部削除することがありました。関東連合とアイドルの自殺の事を書いたのですが、その方面からの抗議だったのだろう。ネットの影響力が増してくるにつれて避けられないことなのでしょうが、こうして毎日ブログを書いていると名誉毀損やら著作権違反だのと嫌がらせを受けます。
 
「株式日記」の場合は、訴えがあれば削除していますが、プロバイダーから何の予告もなしに削除されたことがあります。だからこの「株式日記」もいつ「ネットゲリラ」のように消されるかもしれません。ブログの場合はそのまま全部復活させることは難しく、バックアップがあったとしてもコメント欄などの復活は不可能だ。
 
だからホームページ版や阿修羅などにコピーして保全していますが、非常に面倒になります。確かに最近の2ちゃんねるなどを見ていると書き込みなどが荒れ気味になっていますが、日本人は匿名となると非常に攻撃的になる人が多いようだ。普通の人でも嫌がらせなどを書き込むことがあるようです。しかし犯罪レベルの書き込みは「2ちゃんねる」でも削除しないと警察の取調べを受けるようだ。
 
ネットは匿名性と言っても、警察の調べが入れば書き込みが誰かはすぐに分かってしまう。ネット喫茶などから書き込んだとしても入店記録や防犯カメラなどで足が付く。だから匿名かどうかは違いはないのですが、ネットの取締りが厳格化してくれば実名制などに切り替えられるかもしれない。「株式日記」は反社会勢力やカルト教団などの批判もしているから実名制は非常に困る。名前が分かれば住所まで調べられて襲われるかもしれない。
 
最近の警察はあてにならず、ストーカー被害を訴えても慰安旅行に行ってしまうような警察では頼りにならない。警察は実際に事件が起きなければ動いてはくれない。グーグルやフェイスブックなどの問題も書いてきましたが、匿名性が維持されないと個人情報が勝手に収集されて特定団体のブラックリストに載る可能性もあります。
 
だからとてもツイッターやフェイスブックはやる気になりませんが、メールのやり取りも個人的なことが多くなるので避けたほうがいだろう。メールは消したところでサーバーには何年も残ってしまう。だから犯罪の連絡にはメールは使えません。掲示板の書き込みも調べれば分かってしまうから犯罪性の書き込みは自ら証拠を残しているようなものだ。
 
相撲の八百長も、芸能界とヤクザの関係もメールから足が付いている。政界や財界の秘密のやり取りもネットやメールを使えばCIAに筒抜けだろう。秘密を守りたかったらネットやメールを使わないことであり暗号をかけても直ぐに解析されてしまう。むしろネットは公的なことに使うべきであり、「株式日記」のように政治や経済の情報分析に向いている。
 
だからたとえ名誉毀損で抗議されても該当箇所を削除すれば済むことであり、運営するプロバイダーもブログを全部削除するのは行き過ぎだろう。最も無料のブログだと権利を主張することは難しい。問題なのは政権批判にまで言論弾圧の手が伸びることであり、政府が隠しておきたいことをネットでバラすと削除するようなことは避けなければなりません。
 
総理大臣や政治家や官僚や日銀総裁をバカと呼んでも真実なのだから名誉毀損ではない。だからブログなどが異常に神経質になり自粛するようなことがあってはならない。テレビもすっかり報道番組が少なくなりバラエティばかりになって国民を総白痴化させるつもりなのだろうか? その報道番組も政府の広報機関化して原発事故などの情報隠蔽が目立ちます。
 
「株式日記」のコメント欄も、規制の厳しくなった「2ちゃんねる」からのアラシが流れて来ているようですが、削除するのは面倒くさいことは確かだ。単なる思い込みや、決め付けやレッテル張りなどがほとんどですが、関係ないことまで書き込んでくる。「2ちゃんねる」なども巨大な掲示板だから管理するために300人の管理人がいるようですが、それでも目が届かないこともあるのだろう。
 
現在の「2ちゃんねる」はシンガポールのペーパーカンパニーが所有する会社ですが、サーバーもアメリカや中南米を転々としている。一体誰が管理運用しているのかも分からない。これでは警察も手も足も出ないのでしょう。「株式日記」のプロバイダーのサーバーは国内にあり、そこを抑えられてしまうと消されてしまうこともありますが、海外にサーバーがあって管理も誰がやっているのか分からないでは警察も手が出せない。
 




日米関係を如何に打開し、日本の真の独立を獲得してゆくか。石原慎太郎、
西尾幹二、伊藤貫そのほかの論客が力説するように「日本の核武装」である。


2012年3月28日 水曜日

◆不愉快な現実  中国の大国化、米国の戦略転換 孫崎亨:


カスタマーレビューより

著者は、次のように述べる。

1 中国は、2020年までにGDPで米国を追い抜き世界一になる。その時、中国の軍事力は、日本の10倍以上になっている。日本は、中国が米国と肩を並べる大国となることを認識しなければならない。

2 米国は、冷戦時代のように日本を重要視していない。日本より米国が重要視するのは中国である。日本が米国に従属していれば自国の繁栄があると考えるなら、時代錯誤であり国益を大きく損なうことになる。

3 米国は1980年代後半から90年代の前半にかけ、日本(日本の経済力)を最大の脅威とみなしていた。そこで、米国は日本に対し工作活動を行っていった。その一つが、BIS規制による日本の銀行の追い落としである。その後、日本経済は凋落して行く。

4 米国は、台頭する中国に対し、日本を利用し対抗しようとしている。しかし、日本自身が、日米同盟で、中国と軍事的に対抗できると考えるなら大きな誤りである。東アジアの日米の軍事力と中国の軍事力を比較すれば、中国の方が圧倒的に優るからである。また、米国は自国を他国(中国)からの核攻撃の危険に晒してまで、他国(日本)を守ろうとはしない。核の傘は、実は中国に対して無効なのである

5 日本の三つの領土問題、中国との尖閣諸島、韓国との竹島、ロシアとの千島・国後・択捉の問題は、歴史的経緯を踏まえると日本に属する領土とは言えない。また、領土問題は、武力衝突につながる可能性がある。それゆえ、例えば中国との尖閣諸島問題は、これまで「棚上げ」とされて来たが、実はそれが日本にとって非常に望ましい状態である。日本は領土問題では、相手国と、武力不行使と話し合いを原則とし、貿易等で緊密な関係を築いていく、国益を失わない姿勢が必要である。

6 ある国民が、自国の事に関心が強く一方で他国の事に関心が薄い時、他国と対立が起きやすい。日本人は、この傾向が強く、それゆえ、日本人は攻撃的な国民性であると言える。もっと、日本人は、他国のこと知ろうとすべきでる。それが他国と良い交渉をする為に必要である。

7 日本は、中国は米国と肩を並べる大国となることを認識しなければならない。そして、日本の繁栄の中核が東アジアにあることを知らなくてはならない。出来れば、東アジア共同体を構築すべきである。
 しかし、米国は、それを脅威とみなし阻もうとするだろう。そして、日本には、政治家、官僚、大企業、マスコミに米国従属のシステムが出来上がっている。

 それゆえ、米国従属からの脱出も、東アジア共同体の実現も極めて困難だろう。だが、私たちは少しずつでも、日本の未来の為に歩を進めなくてはならない。

以上、本書のあらましを紹介した。

本書は、一人でも多くの日本人が読むべき、日本の、貴重な戦略本である。


孫崎亨『不愉快な現実 中国の大国化、米国の戦略転換』 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」

日米同盟空洞化、米中接近のなか、孤立する日本の行く道を
平和主義という敗北主義者がえがく虚妄の空想的理想論

結局、本書が言わんとしているのは自主防衛、自主独立という主権国家の名誉、矜恃、伝統の保護ではなく、なし崩し的な敗北の勧めである。本文のどこにも、明確な表示はないが、読後感の不愉快さは、まさに本書が示唆する平和主義という空想から、行間に滲み出てくる。
 曰く。「米国にとって、もはや、日本が東アジアで最も重要な国ではない。最も重要な国は中国である。この傾向は今後強化されていく。我々はこの(不愉快な)事実から目をそらすべきではない」(12p)。
 まことに、この指摘は正しい。

いみじくも田久保忠衛氏が「日米関係は、もはや米中関係の補完因数」と指摘したように、冷厳なる国際環境の現実の風景である。
しからば、これを如何に打開し、日本の真の独立を獲得してゆくか。石原慎太郎、西尾幹二、伊藤貫そのほかの論客が力説するように「日本の核武装」である。
 ところが筆者の孫崎氏はまったく逆の方向を指す。国際政治学者のなかには核武装に反対する人もいるが、それは米国の口先だけの「核の傘」を信じようとしている親米派である。TPP賛成論の大半も、そうだろう。
この点では外交無脳(無能以前)の日本政府と似ている。ソウルの核サミットへ、勉強も下準備もせずに、のこのこ出かけていった首相は、米ロ中国ばかりか韓国からも相手にされず個別会談もなく、すごすごと引き上げてきた。
(そりゃ、核兵器のない国と、話し合って何か成果があるのか)とでも列強は言いたいのだろうが。。。
 ネオコンの代表選手ロバート・ケーガンもこう言った。
 「オバマ大統領の時代は新しい米国外交の時代の始まりで、第二次世界大戦後採用された米国の大戦略を捨てる」、すなわち米国の新方針は「経済的な優位を維持すること、同盟を重視するという二つの柱を捨てた。そして同盟国以外の国との関係強化で米国の衰退を阻止しようとした。」
 わかりやすく言えばオバマ政権は対中敵対、封じ込めを辞めて、「中国と協調することを求めた」わけだが、そうなると「そもそも中国封じ込めを意図した同盟国との古い関係を維持することは難しい」ため、米国は同盟国基軸外交の代替にG20重視路線に踏み切る。いずれにしても「民主主義というイデオロギー的な側面、これに基づく同盟の意義は薄められた」(60p)。
 キッシンジャーもアーミティジもナイという知日派はこぞって来日し、民主党政権をTPP参加に踏み切らせようとしている。
著者の指摘も、このあたりの事実関係は正しい。
 しかし、この日本の外交失態を招いたのは政府、外務省ではないのか?
 ちなみに筆者は外交官を務めた後、防衛大学教授を歴任している人物である。外交的失敗の一翼を担った人である。しからば、なぜ外務官僚の在任中に行動を起こさなかったのか?
 本書の結論は「アジア共同体」の提唱である。
 アジア共同体に賛意を示唆しつつ、著者は同時にTPP反対をいう。どうやら反米が基調だから、米国が反対するアジア共同体に賛成し、米国がすすめるTPPは反対と、その基礎的な姿勢は矛盾しており、論理的ではない。
 日本の保守陣営がアジア共同体に反対している理由は著者のように「米国が反対しているから政治環境が整わない」などという非現実ではなく、アジア共同体は中国を利し、日本が損害を被る構想であり、歴史と政体と民主主義と宗教が共通基盤の欧州共同体とは異なる。
そのEUさえ、統一通貨ユーロはボロボロとなって分裂気味。サッチャーが断固信念を貫いて独立主権をまもりぬくためにユーロに加わらなかったように、日本がアジア共同体などという空想的共同体幻想にとりつかれているのはレトリックでないとすれば左翼の深謀遠慮であろう。
 そして、こうした空想的幻想共同=アジア共同体構想をまだ獅子吼するアナクロな論客が存在しているのも、また「不愉快な現実」ではないのだろうか。


(私のコメント)

国際外交の駆け引きは騙しあいの世界だから、本心を悟られたら負けの世界だ。要するに騙されたほうがバカなのであり、戦前の平沼外交のように「不可解なり」と言って辞職するのは、もともと国家の最高責任者としての資質に欠けた行為だ。外国を騙すには自国民をすら騙すことは欧米では常識だ。
 
欧米の二枚舌外交は外交の世界では常識であり、信用して騙されるほうがバカなのである。日米安保条約にしても例外ではなく、日本にとって不利益なのなら1年前の通告で廃棄できるのだから、選択の手段として確保しておくべきだろう。90年代からの日本敵視と日本叩きは、アメリカの中国に対する迎合策であり、それによって信用されることでドルや米国債を買ってもらうことに成功した。
 
アメリカ政府にとっては、衰退するアメリカをいかに食い止めるかが最重要課題であり、その為にはユーロを叩き日本の円を吊り上げて、日本と欧州を敵にしてまでも中国と手を組むことを選択させた。バカなのは日本政府でありアメリカに叩かれ続けながらもアメリカにすがりつくことを選択してきた。アメリカにはもはや中国から日本を守る戦力は無い。
 
アメリカの本心は「自分の国は自分で守れ」であり、日米安保を信用する日本人はバカなのであり、中国が日本に核を打ち込んでも、アメリカは本土を危険に晒してまで核の報復は出来ない。もはや在日米軍基地は日本防衛には役に立たない基地であり、それを端的に証明したのは北朝鮮による韓国哨戒艦撃沈事件であり韓国の延坪島への砲撃事件であり、それでも在韓米軍は全く動かなかった。そしてむしろ韓国軍の自制を促した。
 
北朝鮮は、韓国の軍艦を沈めても軍事基地を砲撃しても100%反撃してこないと言う確信があったから攻撃したのであり、在韓米軍は韓国軍に指揮権があるから反撃を許さなかった。在日米軍も同じ役割があり、中国軍が日本の軍艦を沈めたたり軍用機を撃墜しても在日米軍は自衛隊に反撃を許さないだろう。しかし韓国と違って国民世論が大きく変化する可能性があると計算している。
 
尖閣諸島における海上保安庁巡視船への体当たり攻撃も日本国民の反応を見る為だ。日本政府は必死にその映像を隠して済まそうとしたのは国民世論の変化を警戒した為だろう。アメリカ軍自身も1968年プエブロ号が北朝鮮に拿捕されてもアメリカ軍は動かなかったし、1969年アメリカ海軍のEC−121が北朝鮮に撃墜されてもアメリカ軍は動かなかった。それくらいアメリカ軍はその当時から極東では戦えない軍隊となっている。
 
共通するのは69年当時はベトナム戦争中であり、2010年はイラク・アフガニスタン戦争中で陸軍は出払ってしまって朝鮮半島で戦争が出来る状態ではなかった。アメリカ軍は陸軍が非常に脆弱でありイラクアフガン戦争では州兵や傭兵まで雇って戦争するような状況であり、韓国や台湾が中国軍によって電撃作戦で占領されても反撃能力はアメリカ陸軍には無い。沖縄の海兵隊も空っぽの状態なのに基地移転が問題になるのは不可解でならない。
 
中国は2020年までにはGDPでアメリカを上回る経済大国になり、軍事費でもアメリカを上回り、アメリカは2020年頃には経済的にも疲弊して大軍縮で米中の軍事バランスは大きく崩れるだろう。親米ポチ保守派はアメリカ様にすがっていれば大丈夫と言うのでしょうが、私のようなリアリスト派から見れば心配になる。長期戦略としては自主防衛と核武装のほうが現実的だ。その為にはアメリカ政府を説得して核武装を暗黙のうちに認めさせるのが一番だ。
 
中国や北朝鮮が一番恐れるのが日本の再軍備と核武装であり、そうしなければアメリカがアジアから撤退した後の空白を埋めきれない。その頃には韓国や台湾には中国の傀儡政権が出来ており、日本は孤立して頑張るか、あるいは中国の傀儡政権が出来ているかもしれない。そうなれば日米安保は解消されて在日米軍はいなくなる。アメリカにとってそれが国益になるのだろうか? それよりかは日本の核武装を認めたほうがアメリカの国益になるだろう。
 




橋下新党のネックは“資金不足”とみられてきたが、スポンサーが見
つかったという情報が流れている。次の衆院選に300人を擁立か?


2012年3月27日 火曜日

政界激震 橋下新党 30億円スポンサー出現か 日刊ゲンダイ 2012年2月28日

<山田宏 前杉並区長が仲介?>

 シロアリが集(たか)るように、国会議員が一斉に橋下徹にスリ寄っている。「次の衆院選に300人を擁立し、200人を当選させたい」と宣言しているのだから、既成政党が真っ青になるのもムリはない。橋下新党のネックは“資金不足”とみられてきたが、スポンサーが見つかったという情報が流れている。

 3300人に膨らんだ「政治塾」への入塾希望者を、2200人に絞った「大阪維新の会」。2200人も候補者がいれば、300選挙区すべてに擁立することも簡単。

 ただし、問題はカネだ。

「選挙区と比例区に重複立候補すれば、供託金だけでも1人当たり600万円。300人だと18億も必要になります。本格的な新党を結成するとなれば、最低でも30億円は必要でしょう」(政界関係者)

 当初、「大阪維新の会」は近畿圏に限定して候補者を擁立するだろうと予想されたのも、資金の問題があったからだ。ところが、橋下新党を全面バックアップするスポンサーが現れた、とみられているのだ。

「つい先日、橋下徹と前原誠司が東京で“密会”したと騒がれましたが、あの日、橋下さんは、財界人が主催する勉強会に出席するために上京したらしいのです。その勉強会は、紳士服チェーン、コーヒーチェーン、化粧品販売など、上場企業の創業者オーナーが集まって主催している。どの企業も業績がよく、オーナーたちは政治に一家言持つタイプばかり。彼らは橋下新党を支援するつもりだろうと囁かれているのです」(民主党関係者)

 もともと財界人たちは、杉並区長だった山田宏などと親しく、以前「カネの心配はするな」と、山田たちに“新党結成”を促したと、マスコミに〈財界人が資金提供する30億円〉と報じられたこともある。実際、30億円くらい簡単に用意できそうなメンバーだ。

 今回、橋下徹が「勉強会」に出席したのは、現在、大阪市の特別顧問をしている山田宏が仲介したのか。山田宏・前杉並区長は、日刊ゲンダイ本紙の取材にこう言う。

「その話は、あちこちのメディアから聞かれています。たしかに勉強会には参加しているし、財界人の方もよく存じ上げています。しかし、私が橋下さんに紹介したというのは事実無根です」

 スポンサーがいるとなったら、さらに橋下徹にスリ寄る連中が出てきそうだ。



民主党 世論調査第2弾で「落ちる」と出た人 3月23日 日刊ゲンダイ

<小宮山厚労相も真紀子議員もピンチ>

 これでは野田ドジョウ首相は絶対、解散などできないだろう。
 民主党は昨年末、衆院小選挙区支部長の1年生議員104人について選挙情勢を世論調査したが、先月末から今月にかけて、当選2〜6回の小選挙区支部長約130人について同様の調査を実施した。対象議員に22日、結果データが手渡されたが、予想以上の厳しい結果に、党内に動揺が走っている。政権交代の突風で勝っただけの1年生と比べ、中堅・ベテランの2〜6回生は底力があるとみられていたが、とんでもなかった。現状で相手陣営を上回っているのは全体の半分程度にすぎなかったようなのだ。

 例えば、大臣経験者では国家公安委員長を問責された山岡賢次副代表(68・栃木4区)は大差で引き離されているというし、田中慶秋副代表(74・神奈川5区)、池田元久前経産副大臣(71・神奈川6区)、首藤信彦テロ特委員長(66・神奈川7区)のベテラン勢も総崩れ。民主党が強いはずの都市部でこれじゃあ、世話はない。

 有名どころも盤石ではない。
「これまで圧倒的大差で敵を寄せ付けなかった田中真紀子元外相(68・新潟5区)が、今回の調査では大きく差を縮められていたそうです。さすがに負けることはないでしょうが驚きです」(民主党中堅)
 東京では海江田万里前経産相(63・東京1区)がほぼ横一線。小宮山洋子厚労相(63・東京6区)もリードはわずかだという。小宮山といえば、東京で菅前首相、長妻元厚労相に次いで選挙に強いといわれてきた。しかも現職大臣なのに、このテイタラク――。小宮山でこうなのだから、あとは推して知るべしだ。

「1年生議員の厳しい情勢を聞いていたので覚悟はしていましたが、実際に自分の選挙区の状況を見せられると愕然としますね。完全に政権交代以前に戻ってしまっている。ただ、あの時は民主党は上り調子だったので、負けていても挽回は難しくなかった。今の民主党には上がり目がない。今後ますます厳しくなっていくのでしょう」(当選2回の議員)

 景気対策や震災復興を後回しにして、国民の5割以上が反対している消費税増税だけに血道を上げる党首では、民主党議員はお先真っ暗だ。



(私のコメント)

昨日のBSフジのプライムニュースを見ていたら、冒頭で消費税の問題を取り上げていました。例によって国民世論調査を出してきて、消費税増税に賛成が半数いる事を紹介して、金融関係の企業エコノミスト14人のアンケートは全員消費税増税に賛成というものでした。このような世論誘導報道をテレビは相変わらず続けていますが、国会議員が消費税増税に反対するのは選挙目当てだという論調で終始していた。
 
このような最初から決め付けた報道の仕方は問題があり、番組に出ていた大野もとひろ民主党参議員議員は「私は消費税を15%に上げるべきだと言って選挙を戦った」と言っていました。番組側のコメンテーターも消費税増税賛成意見であり、なぜこのような一方的な報道になるのでしょうか? やはり財務省の圧力がテレビにも及んでいるせいであり、増税反対派は出れないか出ても小数で吊るし上げに会うようだ。
 
民主党の藤井税調会長はヨーロッパではGDPがマイナス成長でも消費税を上げていると言っていましたが、ヨーロッパの消費税と日本の消費税とは内容が異なる。おそらく低成長かマイナス成長のときに消費税を上げたらどうなるか結果が出ていないが、マイナス成長では税収全体ではかえって落ち込むのではないだろうか。
 
確かに毎年40兆円もの赤字予算は問題ですが、公共事業費を減らせば減らすほど税収も落ち込んでいるから赤字予算額の増大してしまう。その反面では公務員の年収は90年代は増加の一途をたどった。公共事業費は減らしても公務員の年収は増額されてきたことは矛盾している。最近ではそれが問題になり少しづつ減額していますが官民格差は大きくなっている。
 
橋下大阪市長が大差で選挙で選ばれたのは、高すぎる地方公務員の年収カットが支持を受けたからでしょうが、果たして橋下大阪市長は大胆な賃金カットが出来るのだろうか? 大阪府では幹部職員の給与は11%カット、ボーナスは6%のカットがなされている。大阪市でも同じように行なえるだろうか? その為には組合との交渉や議会対策が待っている。
 
それに対して民主党政権では公務員の給与カットは先送りにされ、先日決まった7,8%のカットも2年限りのものだ。つまり二割のカットは反故にされた。それに対して岡田担当大臣は公務員の新規採用を7割カットする方針を打ち出しましたが、こんな事をすれば行政組織が数年後にはがたがたになる。中高年公務員の給与を大幅にカットして新規職員に回せば平均年収は減らすことが可能だ。
 
このような公務員のお手盛り行政を監督するのが政治家の役割ですが、むしろ公務員に迎合して増税による財政再建に突き進もうとしている。自民党も民主党も消費税増税に賛成であり、反対する政党は少数野党しかない。テレビで行なわれる世論調査と民主党が行なった選挙調査ではズレがあるようですが、かなり民主党に逆風が吹いている。そしてまだ具体化していないにも拘らず橋下新党に期待が集まっているのは驚きだ。
 
このまま選挙に突入すれば、民主は大敗して自民も苦戦して橋下新党に票が流れる。問題はそれだけの候補者と資金が集まるかにかかっていますが、先日は2000人の研修会が行なわれたし、選挙資金も消費税が上がれば大打撃を受ける企業からの資金が確保できたという噂も流れている。私自身も選挙区に橋下新党から候補が出れば票を入れたいものだ。
 
正に野田総理が消費税増税に政治生命をかけて取り組めば取り組むほど橋下新党に票が流れる。公務員の給与カットは、正に独裁政権が出来ないと出来ないだろう。役所の幹部職員は任期制にして能力がなければ格下げか任期打ち切りで対応すべきだろう。このようなことは法律を改正しなければ出来ませんが、民主党も自民党も官僚と組合に取り込まれてしまって改革は後退している。
 
日刊ゲンダイの記事にもあるように、選挙区と比例区の重複立候補が当たり前になっていますが、300万円と300万円とで600万円の供託金が必要になります。これでは新人無所属で立候補しようと思っても不可能に近い。大政党でも供託金だけで18億円もかかるような選挙制度は間違っている。小選挙区の問題については先日も書きましたが、政権交代が起きても自民も民主もやることが同じでは意味が無い。
 
小選挙区制度では衆参が捩れることが予想されたにも拘らず、自民党政権でも民主党政権でも衆参の捩れで動きが付かなくなってしまった。小選挙区制では大物議員でも逆風が吹けば落選するから解散総選挙に打って出ることが難しくなりました。自分たちで決めておきながら自分たちで苦しんでいるのだから情けなくなりますが、比例代表制にして供託金も無くせば解散総選挙を恐れる必要は無くなる。衆参の捩れも連立を組みかえればいいだけだから捩れも解消する。その方が政策本位の選挙になる。
 
橋下新党旋風が吹き荒れていますが、機能しなくなった議会制度を変えるには橋下独裁政権で一気に変えるしか方法はないかもしれない。その為には大阪市で実績を上げてモデルを示すべきだ。船中八策では憲法改正を伴うようなことまで上げていますが、当面は公務員制度改革だけに絞って選挙に打って出るべきだ。そうしなければ政策に纏まりが無くなり空中分解するだろう。
 




フランスの公共投資対GDP比率を、日本が下回ってしまったのだ。
これはもはや、国家的自殺としか表現のしようがない。三橋貴明


2012年3月26日 月曜日

【図146−1 主要国一般政府公的固定資本形成対GDP比率の推移(単位:%)】
確かに90年代は異常に公共投資が多かったが現在は劇的に減りすぎている!


第146回 国家的自殺を後押しする者たち 3月21日 三橋貴明

 97年の橋本政権による緊縮財政開始以降、日本の公共投資は「日本史上空前」のペースで減らされた。特に、道路関連の建設投資が減らされに減らされ、今や日本の高速道路のサービスは、主要先進国最低であるのはもちろんのこと、韓国にさえ劣っている。

 日本の公共投資は、国土的条件がまるで異なるフランスを、08年以降に対GDP比で下回るようになってしまった。フランスと日本とでは何が違うのかと言えば、ずばり「自然災害の有無」と「国土的条件」である。

 フランスは南東部のアルプス山岳地帯のごくわずかな地域を除くと、地震がない。「地震が少ない」のではない。「地震がない」のだ。それに対し、日本は国土面積は世界のわずかに0.3%に過ぎないにも関わらず、マグニチュード6以上の大地震が集中して発生する。何しろ、日本列島はユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートと、四つの大陸プレートが交差する真上にある。

 フランスに行かれた方は、是非、高速道路の「脚」に注目して欲しい。フランスのシャルル・ド・ゴール空港からパリ市内に向かう高速道路の橋脚は、まるで「板」のように見える。要するに、薄いのだ。それに対し、日本の高速道路の橋脚は、太い柱になっている。あれは別にわざわざコストをかけているわけではなく、あの構造にしなければ、頻発する地震に橋脚が堪えられないためなのである。ちなみに、フランスのパリ周辺では、有史以来、大地震が起きたことがない。

 また、日本は国土が細長く、真ん中に脊梁山脈が走っている。さらに、一級水系(河川)が109、二級水系は2713もある。国土が山岳地帯と河川だらけになっているのだ。結果的に、高速道路一本引くにしても、トンネルや橋梁を設置しなければならない。さもなければ、日本国内の物流や人々の流れは、「自然」により分断されてしまうのである。

 それに対し、フランスは国土の70%以上が平野だ。しかも、アルプスがある南部を除き、残りが「全て平野」なのである。南はトゥールーズから、ボルドー、ナント、ブレスト、ル・マン、パリ、ランスに至るまで、およそ1000Km以上の広大な地域に平野が広がっている。山がないのみならず、河川も少ない。あるにはあるのだが、フランスの河川は「少数の長大な河川」が、広大な平野をゆったりと流れていく。そのため、高速道路を建設する際のコストが、日本と比較すると安くなる。トンネルや橋梁の数が少ないわけだから、当然だ。

 しかも、日本には台風が来るため、水害や土砂災害にも備えなければならない。さらに、豪雪地帯の問題もある。日本のように、新潟のような大都市が豪雪地帯に立地している国は、世界中にどこにもない。(日本より寒い地域に都市が存在するケースはあるが、豪雪地帯はない)

 当たり前だが、フランスに台風は来ない。豪雪地帯もない。結果的に、フランスは高速道路を建設するに際し、「自然災害」や「地形」に妨げられることがほとんどない。

 このフランスの公共投資対GDP比率を、日本が下回ってしまったのだ。これはもはや、国家的自殺としか表現のしようがない。

日本の中央政府及び地方自治体(一般政府)の公的固定資本形成対GDP比率は、08年に3%という恐るべき水準にまで低下した。自然災害が多発し、山脈や河川が多い日本の場合、一般政府の公的固定資本形成対GDP比率を、せめて6%程度で維持しなければ、国民の安全を守ることはできない。ところが、今や自然災害が相対的に少ない欧米諸国と同じ水準にまで下がってしまった。

 ちなみに、日本以外の主要国の一般政府が、公共投資をどのように推移させてきたか。橋本政権以降の日本と比較すると、眩暈がするような状況であることが理解できる。

 図146−2の通り、イギリスやアメリカは公共投資を96年比で3倍前後にまで拡大している。カナダは2倍、フランスは1.65倍だ。ドイツは一時的に公共投資を減らしてはいたが、09年には96年と同水準に戻している。

 それに対し、日本のみが延々と公共投資の削減を続け、96年比で半分にまで縮小してしまった。この「惨状」を見て、それでも、
「日本の公共投資は多すぎる!」
 などと言ってのける評論家がいるのであれば、その理由を論理的に説明しなければならない。
結局のところ、彼らはデータや他国の状況を見ることもなく、単純に「イメージ」あるいは「ノリ」で、日本の公共投資を批判しているだけなのではないか。すなわち、イデオロギーとしての「公共投資悪玉論」だ。

日本の公共投資は、別に外国から指摘されて減らしてきたわけではない。国内マスコミを中心に、データではなくイデオロギーに基づき展開された公共投資悪玉論に、政府が逆らえなくなってしまった結果である。無論、最終的な責任は、公共投資の必要性について正しく説明しなかった政治家、さらに言えば彼らを当選させた国民に帰せられてしまうのだが、それにしてもマスコミの「公共投資嫌い」は異常だ。(後略)


(私のコメント)

去年は東日本大震災と、今年の冬の大豪雪で、パワーシャベルやブルトーザーなどの重機が足らなくなってしまった。以前なら建設会社の重機が復興作業や除雪などを行なってきましたが、長年の公共事業の削減で建設会社が倒産したり廃業して重機が少なくなっていた。だからいつまで立っても瓦礫が片付かずに放置された。
 
確かに90年代までは公共投資は、欧米に比べると多かったのですが、毎年のように公共事業は削減されてきてフランスやカナダ以下にまで減ってしまった。フランスやカナダは大陸だから大地は平野が広がり川も少ないからトンネルや橋も少なくてすむ。それに比べると日本は山国であり中小の河川が交通を遮断している。しかも地震国で台風も毎年のようにあるから破壊されやすい。
 
だから三橋氏が言うように日本は欧米諸国よりも道路や堤防や橋などの補修などの維持費用がどうしてもかかる。冒頭のグラフにもあるように日本のインフラに対する公共事業の費用は劇的に減ってしまった。財務官僚たちが言っているような公共投資をしても景気は回復しなかったというのは嘘であり、1999年に一度僅かに増額しているだけで減額され続けてきた。
 
公共事業のGDP割合は6%台から15年足らずの間に3%台にまで減ってしまっている。これでは地方経済が疲弊して、建設会社は倒産して、地方経済は疲弊してデフレ経済になるのは当然だろう。もちろん過疎地に高速道路を作っても経済効果は少ないだろう。しかし60年代から80年代に作られた道路や橋やトンネルなどは補修が必要になって来ており、河川の浚渫や堤防の補強などもしなければならない。
 
最近では集中豪雨が多くなり堤防の決壊などで浸水事故が多い。東日本大震災でも高さ10メートルの大堤防は役に立ちませんでしたが、15メートルの堤防なら防げた。もちろん三陸の海岸を15メートルの大堤防を作れとは言いませんが、一箇所だけ15メートルの堤防を作って助かった村がある。被害も一人の死者だけですんだ。
 
竹村健一氏などは、「日本中の海岸をコンクリートだらけにした」とテレビでよく批判していましたが、評論家だからそう言えるのであって、日本の荒い海に住む漁村などから見れば大堤防が無ければ命に関わる。河川なども集中豪雨で鉄砲水が出れば河川沿いの町は水没してしまうから堤防の補強と河川の浚渫は必要だ。
 
しかし毎年減額されてきた公共事業によって、土木建設会社は少なくなり、大豪雪が降っても道路の除雪もままならず、屋根の雪を下ろす建設作業員もいなくなってしまった。「株式日記」ではある程度の公共投資は必要であると書き続けてきましたが、自然環境の厳しい日本列島で欧米並みの公共事業費ではインフラの整備が疎かになるだろう。
 
東京でも首都高速の経年劣化で大補修が必要になって来ていますが、来るべき大震災に対する対策としても補強工事が必要だ。このようの国がやるべき公共事業は山のようにあるのですがマスコミの公共事業削減大キャンペーンの為に公共事業費は削られ続けてきた。最近は竹村健一氏をテレビで見かけることがなくなりましたが、現在でも「海岸をコンクリートだらけにしている」と言っているのだろうか?
 




日中韓FTAは、ユダ米を破綻させ、属国や半属国の日本・韓国・
中国が、ユダ米から完全独立出来る可能性を秘めてるって事!


2012年3月25日 日曜日

日中韓投資交渉と日本の未来とアメリカの妨害 3月24日 ニュースの真相

日中韓の投資交渉が妥結されたそうです。

素晴らしいですね!
これで、日中韓FTA、ひいては東アジア経済圏に向けてのステップが整ったという事です。

このニュースは、日本の新聞でも伝えていますが、
ロシアの記事の方が、しっかりポイントをおさえてますので、そちらをご紹介!

◆米国抜きの自由貿易

日本政府は22日、日本、韓国、中国の3カ国が投資協力に関する協定に調印することで合意したと発表した。中国の北京で19−21日に開かれた協議の結果、合意に達した。

専門家らは、同協定の合意は3カ国による自由貿易圏創設のための基盤になるとの見方を表している。日本の藤村官房長官は22日、東京で開かれた記者会見で、この歩みは日本、中国、韓国の関係を強化することから、経済的のみならず政治的な意味も持っていると指摘した。

3カ国の自由貿易圏創設は2000年代前半に提案され、5年前から投資協力に関する交渉が行われた。促進剤となったのは世界経済危機だった。3カ国の政治およびビジネス界のエリートたちの間では、経済的困難は各国のメリットを用いながら共に耐え抜いたほうが良いとの理解が増した。加えてこれは、米経済が引き起こした困難と決別することも可能とした。
例えば、日本、韓国、中国は、貿易決済をドルではなく自国通貨で行う案をさらに積極的に協議している。

貿易障害の排除は、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の間で自由貿易に関する合意に調印がなされた後、特に切実なものとなった。また、中台経済協力枠組み協定の作業が開始されたことも大きなきっかけとなった。なぜなら韓国と日本企業は、台湾のライバルやASEAN諸国の企業と比べて不利な立場に陥ったからだ。

ロシア科学アカデミー極東研究所のルジャニン副所長は、日中韓の自由貿易に関する協定は、欧州連合(EU)と北米自由貿易協定に続く3番目の大規模統合になるとの考えを表している。一方で、3カ国には経済協力を発展させる上で問題もある。ルジャニン副所長は、それは解決に至らない領土紛争だけではなく、依然として残っている互いへの政治的不信感だと指摘し、次のように語っている。

「日本と韓国の技術と巨大な中国市場を統合したら、3カ国それぞれにとって有益となる新たな質が生まれるだろう。だが、中国人がよく特許技術をコピーすることを考慮した場合、知的財産権に関する緊迫した問題が立ちはだかっている。そのため同合意では、知的財産権について特に入念に記される。」

ルジャニン副所長の見解によると、プロジェクトの実現では米国の立場が影響する可能性がある。なぜなら米国は、同国が関心を持つアジア太平洋地域で大規模な自由貿易圏創設に関する協議が早いテンポで進展していることに喜んではいないからだ。米国は、日本の鳩山元首相が米国抜きの東アジア共同体創設構想を提案したとき、苛立ちを表した。だが米国には、新たな統合プロジェクトを止めさせる力はない。

米国はあらゆる手を尽くして日本と韓国の反中感情を促進させるだろう。なぜならこれは、米国の中国封じ込め戦略の一部となっているからだ。
22.03.2012, 17:59
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_22/69268019/

記事のタイトルからして、シャレてますよね?
「米国抜きの自由協定」って(笑)

ユダ米が入ってきたら、もう完全な押し付け!
てか、脅して言う事を聞かせようとするのが、いつものパターン!
要は、ユダ米抜きだから、自由協定なんだよ!って言いたいんでしょうねw

さらに読み進めて行くと・・・

「米経済が引き起こした困難と決別する」
「日本、韓国、中国は、貿易決済をドルではなく自国通貨で行う案をさらに積極的に協議」


つまり、この協定によって、
ユダ金独特の金融システムを使った略奪行為から逃れ、
自立する事が可能になる。

それには、ドル決済をやめ、ドルを基軸通貨から引きずり下ろす事が必要だ!って事。

そして・・・
「米国は、アジア太平洋地域で大規模な自由貿易圏創設に関する協議が早いテンポで進展していることに喜んではいない」

つまり、もっとハッキリ言ってしまうと、ユダ米が考えてる事は、
いつものように至ってシンプル(笑)

『俺の主導で、俺の思う通りの協定じゃねーと、俺は気分が悪いんだよ!』
『てか、俺抜きなんて、つれないじゃない?せめて、おしぼり入れさせろよ!』って事。

で、最終的には・・・
「米国はあらゆる手を尽くして日本と韓国の反中感情を促進させるだろう。」

ハイ!他国が思う通りにならない時に、ユダ米が取る手段と言えばもちろん!
徹底的に邪魔をする! ですね?(笑)

『何? おしぼり入れないの? そんじゃ、毎日飲みに来て騒いじゃおう♪』って事。

ユダ米って、本当にどうしようもない、クズですよね?(笑)

さてさて、それではこの辺でまとめます!

日中韓の投資交渉と日中韓FTAの先にあるものは・・・

ユダ米の金融を使った寄生から、逃れる事。
そして、ドルの基軸通貨体制を破綻させる事。
このため、ユダ米の破綻を招く事になる。
さらに、ユダ米が描く中国包囲網を真っ向否定する事になる。


つまり、日中韓FTAは、
ユダ米を破綻させ、属国や半属国の日本・韓国・中国が、
ユダ米から完全独立出来る可能性を秘めてるって事!


当然、ユダ米は必死こいて邪魔して来るでしょう!
植民地どもが、集まって独立の機運を見せ始めている訳ですから。

この、三国が争うように仕向けるんでしょうねー。いわゆる、分断統治ってヤツ!
もう一つの属国、北朝鮮をダシに使って騒ぎを起こしたり(笑)

日本の場合だったら、尖閣諸島やガス田あたりで騒ぎを起こしたり、
南京大虐殺をつついたり。

竹島問題や従軍慰安婦問題をつついたり。

マスコミも、もちろんユダ米の仲間なので、
これからその辺の問題を全力で煽って来ると思います。

そんな報道をニュースで見たら、、
『ああ、アレね?』
『ユダ米と愉快な仲間達が足掻いてるんだよ!』
って、みんなに教えてあげましょう!(笑)



(私のコメント)

ブレジンスキーの描いた「アメリカと中国との戦略的パートナーシップ」は、日本を孤立化させ、韓国や台湾やASEAN諸国にとっては死活問題となり、結果的にアメリカに対する不信感をもたらした。1997年のアジア金融危機においてはアジアは欧米資本の草刈場になり、IMFの管理下に入り、多くのアジア企業が外資によって乗っ取られてしまった。
 
アメリカにはブレジンスキーやキッシンジャーのような親中国の世界的戦略家がおり、中国を最重視する外交が続けられてきた。今やアメリカと中国は世界第一位と第二位の経済大国であり「チャイメリカ」と呼ばれるようになった。戦略的パートナーとなった米中にとってどこが敵になるのだろうか? 考えてみれば日本しかない。ソ連は既に崩壊してしまったからだ。
 
アメリカ人はイギリス人と違って中国及び中国人の事を知らない。アメリカは中国に数千人のキリスト教宣教師を送り、世界最大の人口大国を布教して広めようとした。そのこと事態アメリカ人がいかに中国人を知らないかを物語っていますが、結果的に共産主義国家になってしまった。日中戦争によって日本が悪者になったのは、中国に派遣されたキリスト教宣教師による人脈が影響している。
 
中国と同盟を組んだところでろくなことがないことは歴史が証明している。中国人の中華意識は対等という概念が無く支配と服従関係しかない。一枚岩の団結といわれた中ソの同盟も最後は敵対関係に変わってしまった。米中同盟も同じであり、中国と同盟を組んでも北朝鮮のように隷属化するかソ連のように敵対して崩壊してしまう。アメリカも同じ運命になるだろう。
 
このように米中G2構想はアジア諸国はじめとして不信をかってしまった。アメリカには歴史に学ぶという認識が無いから一極覇権主義がいかに無謀なものであるかを身をもって知る事になるだろう。アメリカには先日書いたようなリアリスト派もいるのですがイラク戦争にも反対しましたが無視された。中国の中華意識とアメリカの一極覇権主義は双子の兄弟であり、双方とも誇大妄想病だ。
 
日本は歴史的に、中華王朝の興亡を見てきたからアメリカ帝国もいずれは衰亡していくことを知っている。世界一の軍事大国の通貨であるドルも基軸通貨として通用してきましたが、無謀なドル安政策は麻薬のようにアメリカ経済を蝕んでいく。冒頭の記事の日中韓の投資協定の成立はそれに備えたものでしょうが、日中韓の貿易決済にドルを使うメリットは無い。日本も中国もドルを持っていても安くなるばかりで紙切れ化しようとしている。
 
それをクールな眼差しで見ているのがロシアのプーチンであり、今後12年間はプーチンがロシアの大統領だ。アメリカはヨーロッパにもユーロ体制を崩壊させようと揺さぶっていますが、東アジアにもEUのような経済共同体が出来ようとしている。そしてアメリカはヨーロッパからもアジアからも排除されるだろう。一極覇権主義は世界を敵に回すことだからアメリカにとって致命傷になる。
 
アメリカのオバマ大統領は急にTPPを持ち出しましたが、アメリカが世界から排除されている事の焦りなのだろう。NAFTAでもカナダやメキシコがえらい目に遭っていますが、アメリカや中国のような帝国意識の強い国は嫌われる。だからヨーロッパもアジアもグループを作ってアメリカを排除しようとしている。
 
中国も同じであり、日中韓投資協定は牽制手段であり、東アジア経済圏のステップになるのだろうか?当面はドルの基軸通貨体制の崩壊に備えた防御手段に過ぎない。ドルが紙切れになってっしまったらそれに代わるものが無い。ロシアの専門家はアメリカは喜んではいないと分析していますが当然だろう。だからアメリカは日中韓の分断工作をしてくるだろう。
 
だからアメリカは北朝鮮を使って日中韓への分断工作をしている。今やアメリカにとってアジアの友達は北朝鮮しかいなくなった。だから核武装もミサイル実験も容認しているような格好ですが、アメリカ人の頭は単純だから日本にも韓国にも中国にもその意図は見抜かれている。90年代に通用した手段は今では通用するわけが無い。ブレジンスキーやキッシンジャーは既に耄碌してしまっているのだろう。
 





ゲイツ国防長官がウェストポイントで行ったスピーチで、オフショア・
バランシングを「アメリカの次の大戦略である」として提唱している。


2012年3月24日 土曜日

日米安保条約破棄に備えよ!  奥山真司

大統領選挙を控えたアメリカはいま、外交戦略の大きな転換期に差し掛かっている。それを象徴的に示しているのが、リアリスト系国際政治学者クリストファー・レインの唱えるオフショア・バランシングという大戦略のアイディアの台頭であり、それはアメリカからの日米安保破棄要求をもたらす可能性すらある。レイン著『幻想の平和』の翻訳者で、欧米の地政学、戦略論に精通した奥山真司氏に、アメリカの外交戦略に何が起きているのかを語っていただいた。

オフショア・バランシングは一九世紀英国外交の再来だ

―― クリストファー・レインはアメリカの外交戦略がどうあるべきだと主張しているのか。
奥山 レインらのリアリストが手本としているのが、一九世紀のイギリスの外交戦略だ。当時イギリスは覇権国だったが、自国に対して脅威になる国の出現を防ぐために、ヨーロッパ大陸に対して一歩引いた立場に立ち、巧みな勢力均衡(バランス・オブ・パワー)外交を展開した。ある国を支援して別の国とぶつけさせ、相討ちさせることによって、両国の力を相殺させたり、関係を分断したりするという政策だ
 レインの提唱するオフショア・バランシングとは、「イギリスという島国とヨーロッパという大陸」という関係を、「アメリカという島国とユーラシアという大陸」に置き換えて、イギリス流の勢力均衡策を採用しようとするものだ。自らは「沖合」(オフショア)から、バランサーとして立ち回り、ユーラシア大陸の勢力均衡を図るということだ。
 大国の勢力拡大に対して自ら直接対処するのではなく、それを間接的に他国にやらせる。そして最後の段階で、自ら積極的に介入するのではなく、乞われて出て行く方が望ましいと考える。この戦略のキーワードは、責任(バック)を転嫁(パス)すること、つまり「バック・パッシング」である。かつてイギリスは、ナポレオン率いるフランスがヨーロッパ大陸で暴れていた一八世紀後半から一九世紀前半、ヨーロッパ大陸内のバランスがフランス側に大きく傾きつつあることを懸念したが、自ら出ていくのではなく、プロシアやロシアやオーストリアなどの周辺の大国に責任転嫁し、対処させようとした。
―― 外交理念やイデオロギーよりも国益を優先させる冷徹なリアリズムだ。
奥山 
外交理念に基づいて特定の国と永続的な友好関係を結んだり、特定の国を敵視したりするのではなく、あくまでも国益に基づいて国家関係を規定としようとする。極端に言えば、すべての国は悪であるというところから出発するのだ。

リアリストは日米安保条約破棄を迫る
―― オフショア・バランシングが採用されると、アジアでは何が起きるのか。
奥山 中国の台頭に対して、アメリカは責任を負わず、アジア各国に責任を持たせるという方向に進む。レインは、台湾、尖閣諸島、南シナ海などは、中国や日本にとっては重要かもしれないが、アメリカにとっては本源的な戦略的価値はないと言いきっている。ジョージ・ワシントン大学のチャールズ・グレイザーは、一層はっきりと、アメリカは台湾に対するコミットメントを取り下げることを検討すべきだと主張している。アメリカが圧倒的な軍事力を誇っていた時代は過ぎ去り、いまや中国はアメリカに対する核報復力を手にした。こうした状況で、台湾や日本を守る際の潜在的なリスクが増大しているのである。
 そこで、日本はアメリカに頼るのをやめて、自らの力で中国に対抗しろと主張することになる。具体的には日米安保条約を破棄し、日本の自主核武装を支援すべきだとの主張となる。

 海外の紛争にアメリカは巻き込まれるべきではないという主張がリアリストの間で高まっているのだ。キッシンジャーとならぶ国際政治学の大御所ズビグニエフ・ブレジンスキーもまた、近著『Strategic Vision』において、一九世紀のイギリスの戦略に学ぶべきだと主張している。ただ、レインと異なるのは、ユーラシア大陸の国家同士をぶつけさせるよりも、各国の勢力の均衡と仲裁の役割をアメリカが果たすべきだと説いている点だ。彼は、まずアメリカをはじめとする西洋諸国の内部を安定させるべきだと主張し、東アジアではバランサーとなるべきだと言いながら、驚くことに、日中間の歴史問題を全て解決させるなどして、両国を完全に和解させるという戦略を提示している。さらにインドと中国の関係も良好にさせよと主張している。いずれにしても、リアリストの議論は、アメリカがユーラシア大陸の戦争に巻き込まれたくないという意識を強く反映している。

日本の自主核武装論は理解される
―― 彼らは日本の核武装を脅威とは考えないということか。
奥山 リアリストの議論はレインの師匠でもあるケネス・ウォルツの理論を土台としている。ウォルツは、最小限の核報復力を備えた国同士は戦争できないという核抑止理論に基づいて、核兵器国がさらに増えて十数カ国に増えた方が、むしろ世界は安定すると主張した。私が翻訳した『大国政治の悲劇』の著者ジョン・ミアシャイマーもまた、核武装した島の大国が沢山あれば世界は安定すると説き、暗に日本の核武装を促している。
―― 対米自立、自主防衛を主張している我々には、リアリストの主張の台頭は天祐とも感じられる。いま、リアリストが台頭してきた背景は何か。
奥山 冷戦終結後、アメリカでは一極覇権・単独主義が強まり、その後もアメリカの軍事介入を主張する「選択的関与」路線を維持してきた。ところが、ここにきてアメリカでは一極覇権を維持するコストに対する認識が高まってきた。特にリーマン・ショック以来のアメリカ経済の変調の中で、アメリカは国防費を維持する財政的な余裕がなくなっている。背に腹は代えられないということだ。
 かつてイギリスの歴史学者ポール・ケネディは、アメリカの「帝国的過剰拡大」を指摘し、アメリカ衰退論を唱えたが、いまその正しさが認められつつあるのだ。一方、イラク戦争に失敗したことからネオコン流の外交路線も行き詰った。
 すでに、二〇一一年二月二十五日にはロバーツ・ゲイツ国防長官がウェストポイントの米陸軍士官学校で行ったスピーチで、オフショア・バランシングを「アメリカの次の大戦略である」として提唱している。レインは、ゲーツが学長を務めるテキサスA&M大学の「ロバート・ゲーツ特任教授」である。
 また、パトリック・キャレット元海兵隊大佐が提案した「キャレット計画」は、ユーラシア大陸から離れて太平洋のオセアニア周辺海域から中国を牽制する、まさに「オフショア・バランシング」的な発想である。軍の政策立案者の間にも、朝鮮戦争のようなことは二度とやりたくないという意識が広がっていて、オフショア・バランシング的な考えが浸透しつつある。
 共和党には、もともと孤立主義的政策の伝統があり、大統領選挙の共和党候補の座を争っているロン・ポールは、在日米軍撤退を含む孤立主義的政策を主張している。もちろん、ただちにオフショア・バランシングや孤立主義的政策が全面的に採用されることはないだろう。未だに従来の戦略を維持しようという勢力は一定の力を持っている。これから、三、四年はオフショア・バランシングと従来の外交政策との綱引きが続くだろう。
―― 政策担当者は十分にリアリズムを持っているが、一般のアメリカ国民には、十字軍外交に共鳴するメンタリティが強い。
奥山 確かに、アメリカの国民性にはそうした傾向がある。しかし、政策トップは変わり身が早い。一九七二年のニクソン・ショックに示されるように、アメリカは大胆な政策転換をやる国でもある。
 アメリカ依存の外交政策を継続したいと考えている人々は、オフショア・バランシングの採用などあり得ないと信じているが、突然オフショア・バランシングに基づいた政策が採られかねない。そのときパニックに陥らないよう、日本のエリートたちはそうした事態を想定して準備を始めるべきだ。



(私のコメント)

アメリカが世界に対する外交戦略を大きく変えてくることを予想する記事を書いてきましたが、日本はそれに対する用意が全く出来ていません。民主党も自民党も親米政党に変わりが無く対米従属外交を党是としてきました。自民党は決して保守政党ではなく中道政党だ。日本の国会内では保守政党が存在しないのが不思議ですが、小泉総理が「改革」を連呼して国民がそれを支持した。
 
「株式日記」では郵政民営化法案に反対して来ましたが、郵政民営化法案に反対する自民党議員は自民党から追放されてしまった事でも、自民党が親米政党であり保守政党でないことが分かる。つまり日本の国益を守ろうという議員は何らかの外的圧力が働いて追放されてしまう。自民党はもともとアメリカCIAから政治資金をもらって政治をしてきた。
 
このような自民党政治が長い間続いてきたから、対米従属政策が国是となり国家予算から「思いやり予算」まで計上されるようになりました。米ソ冷戦時代ならそれも是認されることもありますが、ポスト冷戦時代になっても対米従属外交を続けるのは少しおかしい。ソ連が崩壊して共産主義の脅威がなくなって来たのだから在日米軍基地は縮小されなければなりませんが、そうはならなかった。
 
フィリピンは米軍基地の撤退を国会で決議して米軍基地がなくなったのに、日本には在日米軍基地が85もあるというのは何のためなのだろうか? 韓国ですら在韓米軍の指揮権を韓国に返還されますが、事実上司令部だけが残って実戦部隊はもぬけの殻になっている。沖縄の海兵隊基地も司令部だけが残り実戦部隊はグアムや本土に撤退する。アメリカの財政事情が一極覇権主義を許さなくなって来ており、世界中に展開している米軍基地の多くが閉鎖されるだろう。
 
だから在日米軍基地も例外ではなく、大統領選挙しだいでは近い将来ロン・ポール候補のような人物が大統領に選ばれれば、在日米軍基地は無くなることになるだろう。ゲーツ前国防長官もオフショア・バランシングが「アメリカの次の大戦略である」と提唱している。その為には日本は自主防衛体制をととえなければなりませんが、沖縄の普天間基地問題は日本の外務省や防衛省が必死に引き止めているのが現実なのだ。
 
鳩山元総理が沖縄の普天間基地を海外にと公約したのも根拠があるからなのでしょうが、韓国や台湾やASEAN諸国がびっくりしてしまった。それらの国がアメリカに働きかけて、アメリカ政府はオバマ大統領やクリントン国務長官は「アジア重視」を言ってリップサービスに努めた。しかし中国の軍事的台頭は「いまや中国はアメリカに対する核報復力を手にした。こうした状況で、台湾や日本を守る際の潜在的なリスクが増大しているのである。そこで、日本はアメリカに頼るのをやめて、自らの力で中国に対抗しろと主張することになる。具体的には日米安保条約を破棄し、日本の自主核武装を支援すべきだとの主張となる。」という流れになるだろう。
 
果たして韓国や台湾は自国だけで中国の軍事力に対抗できるのだろうか? できるはずが無い。おそらく戦わずして中国に白旗を掲げるだろう。韓国や台湾や南ベトナムは冷戦構造の産物であり、既にアメリカは南ベトナムから手を引き韓国からも撤退するだろう。朝鮮戦争やベトナム戦争からも分かるように地政学的にアメリカは中国に勝てない。
 
アジアで中国に対抗できる国力があるのは日本ぐらいであり、インドも核をもって始めて中国に対抗できるようになった。アメリカのブッシュ政権がインドの核を認めたのは中国に対する牽制であり、中国・インド・パキスタンは国境紛争を抱えていますが核を持つことで紛争を起こすことが出来なくなってしまった。
 
東アジアでも同じことが言えるのであり、中国をおとなしくさせるには日本に核を持たせることがアメリカにとって合理的な選択になる。今のところはアメリカも一極覇権主議の旗を降ろしていないから何の変わりも無いように見えますが、大統領が代わればアメリカ外交は劇的に変わることを予想しなければならない。
 
もしアメリカがアジアから全面手撤退して言った場合、日本はどのように中国に対峙すべきだろうか? 朝鮮半島や台湾には手を出さないほうがいいだろう。手を出せば戦前と同じ事を繰り返すことになり、韓国や台湾に対する経済援助程度に留めるべきだろう。日本もオフショア・バランシングで米中ロを分断して勢力均衡を図るべきだろう。
日本にはこのような壮大な世界戦略の地図を書ける戦略家がいないから、アメリカやイギリスなどの外国に利用されてしまう。アメリカやイギリスが味方になったり敵になったりと手のひらを返してくるのもバランスオブパワー外交が分かっていれば理解できる。90年代からのアメリカにとって、日本は敵となり米中による封じ込め政策で失われた10年を経験してきた。つまり日本にとっても日米安保は日本を守る為ではなく封じ込める為の手段となった。
 
そしてアメリカは中国と手を組むことでソ連を崩壊させ、日本を弱体化させて一極覇権を維持しようと考えてきた。これはバランスオブパワーの理念が分かっていれば理解できることであり、日本もどうすれば国益になるかを冷静に考えればアメリカに従属することが利益でないことがもっと早く分かったはずだ。韓国や台湾もアメリカの手足まといになれば簡単に捨てられる。アメリカやイギリスはそういう国だと早く気がつくべきだろう。
 




アメリカにとって日本がどれほど重要な国か、オバマもクリントンも
分からなかったのだろうか? 鳩山総理の捨て身の外交を評価する。


2012年3月23日 金曜日

オバマ政権の中国超重視に高まる批判 2009年4月28日 小森義久

予測通り、中国を超重視

 米国のオバマ政権の中国に対する政策がおぼろげながら新たな全体像を見せ始めた。その政策構図は今後もまだ揺れ動くにせよ、現在のところ、アジアの重大課題から世界の主要問題まで、米国がまず中国と協議して対応しようという二極体制までを考える中国超重視の傾向を浮かびあがらせた。

 米国のこうした中国傾斜は日米同盟にも複雑な影響を及ぼし、日本の対米、対中の政策の基本にも再調整を迫りかねない。ただし、このオバマ政権の新たな対中姿勢には米国内部でも強い批判があることは注視すべきである。

 オバマ政権の中国超重視の姿勢は昨年の大統領選挙中のオバマ氏自身の外交政策論文や、いま国務長官を務めるヒラリー・クリントン女史の外交論文からも、ある程度、予測された結果ではあった。この論文でオバマ氏はまず米国のグローバルな姿勢として「中国が21世紀の共通の課題に対応することに協力し、拡大するパワーとして責任ある役割を演じることを奨励する」と中国の役割を強調し、特にアジアに関してはまっさきに「中国の拡大するパワー」への前向きな接近を説いていた。クリントン氏も同論文で「米中関係は今世紀の世界において最も重要な二国間関係である」と明言していた。

 オバマ大統領は4月1日のロンドンでの中国の胡錦濤国家主席との会談で、「米中二国間関係をすべての領域で引き上げ、強化する」ことを合意した。具体的には米中両国間で新たに安全保障、政治の分野での閣僚級対話を始めることを決めた。両国間にはすでに経済・金融分野での「戦略経済対話」があったが、この対話も格上げされ、拡大されることになった。核拡散防止などの国際安全保障の重要テーマも米中二国間で協議するという新方針が発表された。要するに、米国は中国への関与を全面的に広め、強め、グローバルな重要課題に二国が共同で取り組むという姿勢の宣言だった。(後略)



「ルーピー」鳩山に怒り心頭だったオバマ大統領アジア政策を支えた側近の回顧で明らかに 3月21日 小森義久

 さらに最大の悪影響をもたらした第4の出来事として、鳩山政権が東アジア共同体の構想を推進しようとしたことが挙げられる。

 この構想は米国をこの共同体なる組織から除外することを意味しており、米国のアジアからの排除を示していた。アジアでの米国の最も緊密な同盟相手であるはずの日本がこんな米国追放の構想を打ち上げたことは、オバマ政権を仰天させた」

アジア各国も反対した東アジア共同体構想

 ベーダー氏はこんな実態を明らかにしたのだが、特に「東アジア共同体」構想については、「ベトナムまでが深刻な懸念を表明した」と述べていた。「米国と戦ったベトナムがこの東アジア共同体なる構想の戦略的な愚かさを認識し、他方、米国のアジアでの最大の同盟パートナーである日本がそれを認識しないという皮肉は痛烈だった」とも言う。

 アジアの他の諸国も鳩山政権の主張するような東アジア共同体への動きが現実に始まれば、もっぱらその構想の中心に立つのは中国であり、中国の影響圏の拡大をもたらすだろうと考えていたとも言う。

 だからこの構想にはオーストラリア、シンガポール、韓国、インドネシアの各国も明確に反対していたとのことだった。要するに鳩山政権はアジア各国の反対を押し切る形で東アジア共同体構想を進めようとしたと言うのだ。

 ベーダー氏は「鳩山政権のこうした言明は戦略的にも、外交的にも、日本の従来の立場にはあまりに矛盾していたが、正面から反発することを懸命で避けた」と述べ、オバマ政権内には鳩山政権のこうした動きへの怒りや不満が渦巻いたことを明らかにしていた。

 そして「鳩山政権のそうした矛盾した愚かな政策スタンスは日本国民の反発をも招き、日米同盟の現実の重みにも押しつぶされて、政権自体の命運を終わらせる結果となった」と総括していた。

 ベーダー氏はこの時期が米国にとって、さらには日米同盟にとっては、「非常に苦しく危険な時期だった」と評し、「それでもなお米国側の忍耐がどうにか最悪の危機を避けることとなった」とオバマ政権側に危機回避の功を与えていた。

 オバマ政権の内部には、鳩山政権の対米外交姿勢にこれほどの反発があったのである。だからオバマ政権の高官たちが鳩山首相自身を指して「ルーピー(愚かな)」と断じていたというのも、いわば自然ということになりそうだ。

 1人の無知な政治指導者の登場は、長年、両国民が汗を流して築いてきた日米同盟の基盤さえ一気に崩しかねない、ということでもあろう。



(私のコメント)

昨日の続きになりますが、アメリカにとって戦略的に見れば日本ほど重要な国は無いのであり、日本がアメリカの勢力圏から離脱すればアジア及び太平洋の影響力を喪失することになる。アメリカの第七艦隊の作戦海域はハワイからケープタウンに至る巨大な海域ですが、日本が第七艦隊のベースキャンプになっている。
 
にも拘らず2009年に登場したオバマ大統領とクリントン国務長官は、中国超重視政策を打ち出して、日本の頭越しに米中は手を組もうとした。これはアメリカの戦略家であるブレジンスキーが打ち出した政策ですが、ブレジンスキーは衰退していくアメリカと台頭著しい中国と手を組めばアメリカの一極覇権主義を維持できると考えたのだろう。
 
しかし米ソ冷戦時代においてソ連が崩壊に至ったのは、日米同盟のおかげであり日本がアメリカを支えていたからだ。ロシアの戦略家によれば、ロシアは石油の生産で成り立つ国であったが、日本の省エネ技術の進歩で石油の値段が思うように上がらず、かえって暴落してしまった。それがソ連崩壊に繋がったと証言している。
 
しかしブレジンスキーやキッシンジャーのような中国に買収されたアメリカの戦略家たちは、オバマ政権に中国と手を組むことを提言した。まさにオバマ政権発足当初は小森氏の記事にもあるような中国超重視政策であり、「アジアの重大課題から世界の主要問題まで、米国がまず中国と協議して対応しようという二極体制までを考える中国超重視の傾向を浮かびあがらせた。」と書いています。
 
これは正に日本にとって絶体絶命のピンチであり、米中によって日本が挟み撃ちに遭う事を意味していた。オバマやクリントンにとっては日本などどうでもいい国であり、中国と話し合えば世界を支配できると考えたのだろう。90年代から続いた日本叩き政策はその証明でもあり、1997年のアジア金融危機は韓国インドネシアをはじめとしてIMFの管理下に入り日本もその射程に置かれていた。
 
クリントン国務長官は論文で「米中関係は今世紀の世界において最も重要な二国間関係である」と明言していましたが、最近の対中国外交を見るとまるで正反対になっている。結果的に見れば親中派のブレジンスキーやその他の戦略家の提言を受け入れたものですが、アメリカの戦略家は日本の戦略的な価値を分かってはいないようだ。「株式日記」では次のように反論してきた。


米国の国益が、日米同盟重視よりも米中関係重視によって増進されると判断すれば、米国はためらうことなく外交方針を転換する。 2009年11月12日 株式日記

アメリカからの風圧が強まれば日本は中国に吹き寄せられてしまうのであり、かつてニクソン訪中で米中関係が大きく変わった時に田中角栄は真っ先に中国に飛んで日中国交回復した。だから米中が戦略的パートナーとなるのなら日本も同じだけ中国に擦り寄る必要がある。鳩山首相も「日本にとって中国が最も重要な二国間関係だ」と「as〜as any」と付けて演説したらどうだろう。21世紀は日中が構築すると演説してもまんざら嘘ではないだろう。

「株式日記」は反中国なのですが、米中の挟撃を避けるにはどちらにもいい顔をして裏では離反工作をする必要がある。日中が経済面でも手を組めばアメリカとしても脅威なのであり、日中が一斉にドル売りや米国債売りを仕掛けたらアメリカは破綻する。日本が生き延びる為には敵と手を組むような事も必要だろう。アメリカが物を買ってくれなければ中国やEUに市場を求めなければならない。もはやアメリカには以前のように輸入する事は無理だからだ。


シンポジウム「米中に挟撃される日本」 アメリカは中国をステイクホルダーとして認め、アジアを共同管理していくつもりだ。 2008年7月20日 株式日記

日本の政治は与党も野党も日米安保を前提にしている。日米安保を否定しているのは共産党ぐらいだ。社民党なども憲法を守れとはいっても安保反対とは言わない。むしろ最近では反米保守派が言い出していますが、自主防衛核武装派だ。米中連携が強まれば日本としてはポスト日米安保を視野に入れなければならない。

米ソ冷戦終決と日本の失われた15年とは深い関係があるのですが、日本人はいまだにそのことに気がついていない。アメリカの一極支配は日本も支配されるべき存在となり同盟者ではなくなった。アメリカはテロを共産主義に代わる敵として打ち出していますが無理がある。アメリカはもはや中国を敵とみなす事は放棄したように見える。



一番心配な事態は、中国軍が大量のミサイルで台湾に圧力をかけ、国民党の馬政権の台湾が戦意を喪失し、白旗を上げるケースです。 2009年10月8日 株式日記

このように米中が接近すれば、日本としては米中による挟撃を避ける為にアメリカ以上に中国に接近して日中友好を深める必要がある。この事はニクソン訪中によって田中角栄が素早く行動して日中国交をアメリカより早く回復してしまった事にも現れているし、90年代においても親中派のクリントン政権が出来て、日本では非自民の細川政権が出来た事や社会党党首の村山内閣が出来た事が事例として挙げられる。

日本で民主党政権が出来たのも、鳩山首相がオバマ大統領との会談で言ったようにアメリカで親中派の政権が出来れば日本でも親中派の政権が出来る事は定石どおりだ。もし日本政府が中国と対立する政策をとれば米中によって挟み撃ちにされるのは必定であり、これを避けるには日本も親中派の外交政策をとらざるを得ない。


(私のコメント)

このように私はアメリカの中国超重視政策に警告してきたのですが、「株式日記」はアメリカの国務省や米軍当局も読んでいる。鳩山首相は私の提言したとおりにアメリカ抜きの東アジア共同体構想を打ち出して、沖縄から米軍を排除しようとした。米中によって日本が挟撃されるよりかは対米中等距離外交に転換して揺さぶりをかけて米中を分断するしかない。
 
そして鳩山総理の捨て身の外交が功を奏して、アメリカは中国への超重視外交を転換して中国包囲体制を引こうとしている。アメリカが今一番恐れているのは日中が手を組むことであり、中国は南米やアフリカに手を伸ばしており、オセロゲームのようにアメリカが日本を失えばアメリカはアジア・南米・アフリカと三方向から包囲されるようになる。
 
正にアメリカの対中政策を180度変えさせたのは鳩山首相の捨て身の外交が効果を奏したのであり、それを提言してきたのは私であり、私こそはブレジンスキーやキッシンジャーに対抗できる日本で唯一の天才的外交戦略家なのである。 \(^▽^)/ 小森氏の最近の記事はオバマ政権内部の日本の反乱に対する困惑が書かれていますが、「株式日記」を読んでいただければブレジンスキーのG2が間違っていることは分かったはずだ。





「自滅するアメリカ帝国」 アメリカが撤退していくのは東アジアであろう。
イスラエル・ロビーの影響力が強いアメリカは、中東地域から撤退できない。


2012年3月22日 木曜日

国際金融資本(ユダヤ)であるといえどもマスコミを使ったとしても、
圧倒的多数の人々を欺くことは不可能である。(レビューより)


自滅するアメリカ帝国―日本よ、独立せよ  伊藤貫:著

終章 依存主義から脱却せよ

軍事力とは何か

筆者は本書で、冷戦後のアメリカのグランド・ストラテジー国際構造の一極化とアメリカによる世界覇権の掌握が明らかに失敗してきたことを解説した。ケナン、ウォルツ、ハンティントン、ミアシャイマー等が指摘したように、アメリカの一極覇権戦略は、軍事的にも財政的にも愚かなグランド・ストラテジーであった。一九九〇年代前半期にはこの一極戦略を支持していたブレジンスキーやスコウクロフトも、二十一世紀になると、一極覇権戦略が失敗であったことを公の席で認めるようになった。

最近、ブレジンスキーは、「軍事力だけ強くても、アメリカは国際的な指導力を発揮できない」と発言している。彼は、「クリントン政権の末期には、アメリカの同盟国も米外交を嫌うようになっていた。ブッシュ(息子)政権時の米軍事力は、ブッシュ(父)政権時よりも強かった。しかしアメリカが国際政治を指導する能力は、ブッシュ(父)政権の方がはるかに優れていた。軍事力の強さと国際政治に対する影響力は、正比例しないのだ」と説明している。

CIAの元上級分析官であり、その情勢分析能力を高く評価されているトーマス・フィンガー(現在はスタンフォード大学教授)も、二〇〇八年九月のスピーチで次のように述べている。「アメリカの軍事力は、世界で最も優越している。しかしアメリカは核兵器を持つ他の諸大国と戦争するわけにはいかないから、軍事力の優越というのはあまり役に立つ能力ではない。アメリカは今後も世界の一流国であり続ける。しかしアメリカが、他の諸大国を威圧したり威嚇したりすることはできない。アメリカの国際政治の指導力は今後、急速に低下していくだろう、アメリカは、自国に都合の良いように国際構造を作りかえる能力を失ってしまった。今後、国際構造の多極化はますます進んでいくだろう

著名な核戦略理論家であり、『ゲーム理論』によってノーベル経済学賞を受賞したトーマス・シェリングも、軍事力に過剰依存してきたアメリカ外交を戒めている。彼は、「軍事力はディテランス(抑止力)としては有用であるが、コンペレンス(強制力)としては、あまり役に立つ道具ではない」と指摘している。祖国を防衛するための軍事力は高い効力を持つが、他国を威嚇し、自国の国家意志を他国に強制的に押し付けようとする軍事カには、低い効力しかないのである。

(アメリカの一極覇権主義者共和党のブッシュ〔息子〕、ラムズフェルド、アーミティッジ、マッケイン、民主党のオルブライト、ゴア、ケリー、リーバーマン等、は、この基礎的な「ディテランスとコンペレンスの違い」さえ理解していなかった!)

ブランダイス大学の軍事学者、ロバート・アートは、現代の国際政治における軍事力の性格について、五つの特徴を挙げている。

@祖国を防衛するための軍事力は、他国を征服するための軍事力よりも強い効果を発揮する。
A強力な軍事力によって他国を征服し、占領しても、その国を統治できるとは限らない。
B他国を軍事的に征服しても、征服された国民にその征服行為のレジティマシー(正統性、正当性)を認めさせることはできない。
Cコンペレンスは難しい。軍事力はディテランスのため使う方が良い。
D他国民のナショナリズムを敵にまわして闘う戦争は、非常に困難な戦争となる。どれほど軍事力が強くても、他国民のナショナリズムを燃え上がらせるような戦争は避けたほうが良い。


これら五つの特徴は、非常に重要なものである。冷戦終了後、「アメリカの圧倒的な軍事力」を利用することによって世界を一極構造に造り変えようとしたアメリカのグランド・ストラテジーは、これら五つの特徴をきちんと考慮せずに構想された国家戦略であった。(戦前の日本の中国占領も、同様の欠点を持っていた。)

クラウゼヴィッツが指摘したように、「軍事政策というのは、政治的な統治行為の下部に属する機能」にすぎない。毎年、中国政府から巨額の借金を繰り返して自国の財政を運営し、国内の政治的な理由により徴兵制すら採用できないアメリカが、「世界中の国を支配したい」という”一極覇権の夢”を追い続けたのは、軽率かつ高慢な振る舞いであった。

「中朝露」 戦略の失敗

最近のアメリカの覇権戦略の失敗を見事に利用してきたのが、大軍拡を続ける中国・核弾頭とミサイルの増産を続ける北朝鮮、勢力圏の再構築と北方領土の軍事基地化を進めるロシアである。中朝露三国は、米政府がイスラム教諸国における泥沼化した戦争で身動きがとれなくなり、東アジア地域における軍事介入能力を失ったことを鋭く読み取って自国の地政学的条件を強化する政策を実行してきた。

米政府のアジア政策担当官は日本に対して、「アメリカが中国の勢力圏拡張政策をヘッジ(牽制.相殺)しているから大丈夫だ。日本人は、自主防衡能力を持っべきではない」と述べてきた。しかし実際には、アメリカは中国をヘツジする能カを失いつつある。過去二十年間・中国の大軍拡と勢力圏の拡張政策は着々と進んできた。最近ではペンタゴンの高官も「二〇二〇年代になると、アメリカは台湾を防衛する能力を失うだろう」と認めるようになった。ランド研究所も、そのことを認める軍事報告書を出している。

二〇一一年秋、オバマ政権は軍拡を続ける中国に対抗するため、「アメリカの軍事力をアジア・太平洋地域ヘシフトする」と決定した。しかしアメリカは今後、軍事予算を減らしていかさるをえない財政状況にある。オバマ政権の軍事政策アドバイザーを務めた民主党のマイケル・オハンロン(ブルッキングス研究所)は、「米連邦議会が決めた軍事予算案では、オバマ政権の(中国の脅威から)アジア諸国を守るという約束を遂行することはできない」と明言している。ギルピン(プリンストン大学)が述べたように、「巨額の経常赤字と財政赤字を抱える国が、長期間にわたって海外における覇権を維持することは不可能」なのである。

日本がアメリカの保護領としての環境に安住し、安易な対米依存体制を続けていればすむ時代は終わったのである。そのような時代は、二度と戻ってこないだろう。中国の大軍拡、北朝鮮の核兵器増産、ロシアの再軍国化、米経済力の衰退、今後三十年以上続く米財政構造の悪化、等々の問題は、「日米関係を深化させよ」とか「集団的自衛権を認めよ」などといった単純な政策では、対応できない課題である。日本政府の対米依存主義は、思考力の浅い、間違った国家戦略である。

キッシンジャー、ウォルツ、ミアシャイマー、レイン等が明瞭に指摘してきたように、二十一世紀の日本には、(自主的な核抑止力を含む)自主防衛能力の構築と同盟関係の多角化が必要である。日本が独立国としてのグランド・ストラテジーを構想し、実行する知性と勇気を持たもてあそないのならば、日本は今後も、核武装した米中朝露四国に弄ばれ続けるだけである。すでに解説したように二〇二〇年代になると、財政危機と通貨危機を惹き起こした米政府は、「米軍が、中東と東アジアを同時に支配し続ける」という国家戦略をギブ・アッブせざるをえなくなる。

その場合、アメリカが撤退していくのは東アジアであろう。中東は石油・天然ガス資源の宝庫であり、しかも国内の政治、金融、マスコミにおけるイスラェル・ロビーの影響力が異常に強いアメリカは、中東地域から撤退できない。

日本が自主的な核抑止力を構築するために必要な防衛予算は、毎年のGDPの0,1〜0,12%程度にすぎない。対米従属体制の継続を主張する親米保守派の言い訳-「日本には・自主防衛する経済力がない」-は、虚偽である。一九五○〜六〇年代のインドと中国は三千万人以上の餓死者を出した極貧国であつた。しかし当時のインドと中国の指導者は「多数の国民が餓死しているから、我が国には自主防衛する経済力がない」という言い訳を使っただろうか。フランスの人口と経済規模は、日本の半分にすぎない。しかし過去半世紀間のフランスの指導者たち-ドゴール、ポンピドー、ミツテラン、シラクーは「フランスには自主防衛する経済力がない。我々はアメリカに守つてもらえば良い」と言って自主防衛の義務から逃げただろうか。

東アジア地域の地政学的な環境は、今後三十年間、着々と日本にとって危険な方向へ推移していく。自国にとつてのバランス・オブ・パワー条件がこれ以上、不利で危険なものになることを阻止するグランド.ストラテジーを構想し、実行することは、日本人の道徳的.軍事的な義務である。日本人がこの義務から眼を逸らし続けて、国内の原発問題や年金問題や老人介護問題ぱかり議論しているならば、二〇二〇年代の日本列島は中国の勢力圏に併合されていくだろう。

「日米同盟を深化させよ」とか「集団的自衛権を認めよ」などという単純な依存主義の外交スローガンを振り回すだけでは、日本のグランド・ストラテジーとならない。ハンティントン、ウォルツ、キッシンジャー等が指摘したように、「冷戦後の日本には、自主防衛能力と独立した国家戦略が必要」なのである。(P234〜P240)


(私のコメント)

最近アメリカ政府高官が言っている「アジア重視」は、アジア諸国の動揺を抑える為の「リップサービス」に過ぎず、沖縄の海兵隊をグアムや本土やオーストラリアに後退させ始めている。日本政府もそれに慌てて引き止めにかかっているのが現実なのですが、テレビや新聞などではそのようには報道されない。
 
日本政府もアメリカ政府も国民を騙しながら外交をしているのであり、日米間の「密約」の乱発は外交を分かりにくくさせている。アメリカ政府は一極覇権主義を正式には表明していない。アメリカにはそんな兵力もないし経済力も無い。一極覇権主義をしようと思えば徴兵制を復活させなければ不可能だ。しかし現在のアメリカに徴兵制を復活させることが出来るはずがない。
 
しかしブッシューオバマと一極覇権外交を続けていますが、ブレジンスキーは中国の力を借りてG2で覇権外交を続けようとした。しかしそんな事をすれば中国以外の国を敵に回すことになり、日本では自民党長期政権が崩壊して民主党政権ができた。鳩山首相はアメリカ抜きの東アジア共同体を提唱してアメリカを慌てさせた。そして日米中の等距離外交を目指す方向を打ち出した。
 
アメリカと中国によるG2覇権戦略はブレジンスキーが打ち出した戦略ですが、中国は結局はそれに乗らなかった。しかし経済的には米中同盟は成立しておりその戦略目標は日本の弱体化だ。90年代からのその戦略は見事に成功して日本は停滞して中国は高度成長してGDPで中国は日本を追い越した。アメリカにとって日本は同盟国というよりも従属国であり「思いやり予算」という税金を取り立て米国債を買わせられている。
 
「株式日記」では、ブログでこの事を訴えてきたのですが、まさに私は日本におけるケナン、ウォルツ、ハンティントン、ミアシャイマーと同じ見解であり、アメリカの一極覇権外交は国力の限界を超えており、第二第三のリーマンショックが起きて、1991年に起きたソ連崩壊のようにアメリカは分解するかもしれない。日本がアメリカとの距離を置き始めたことがアメリカを疑心暗鬼にさせている。
 
もはや日本にとってアメリカよりも中国が一番の市場であり、以前の日米関係とは違ってきている。ならば日本にアメリカと距離を置き中国に近づく政権ができるのは当然のことですが、アメリカ政府高官は怒り狂ったかのように鳩山首相を「ルーピー」呼ばわりした。アメリカ政府自身がRMAで海外の軍事基地の縮小に取り掛かっているのに、日本の外務省や防衛省がそれを引き止めようとしている。
 
沖縄の人たちはこの事を知らない。仲井眞沖縄県知事あたりはこのことを知っているから米国政府と直接交渉しようとしていますが、アメリカ政府部内も中国周辺部では武力衝突が起きても勝てないことはペンタゴンの高官も認めるようになった。中国の中距離ミサイルの増強もありますが、通常型の潜水艦も性能が向上して米原子力空母の射程内に突如浮上する事があった。
 
伊藤貫氏の本の最後でもオバマ政権の軍事政策アドバイザーを務めた民主党のマイケル・オハンロン(ブルッキングス研究所)は、「米連邦議会が決めた軍事予算案では、オバマ政権の(中国の脅威から)アジア諸国を守るという約束を遂行することはできない」と明言している。』と言うように、オバマ大統領やクリントン国務長官のアジア重視発言はリップサービスなのだ。
 
おそらく2020年頃には韓国や台湾は中国の勢力圏に入ってしまうだろう。アメリカ政府のアジア重視発言は中国への牽制に過ぎない。名前だけの米軍司令部を日本に置いたところで実戦部隊は本土なのだから気休めに過ぎない。ならば米軍にはお引取願って日本は自主防衛体制を固めるしかない。日本に米軍が居座っている限り憲法改正も出来ないし、在日米軍は日本の自主独立を妨げる為にいるのだ。キッシンジャーが周恩来にそのように言っている事が記録にある。
 
TPPはまさにそのような日米関係を固定化させるものであり、アメリカはアジア諸国にたかるシロアリであり、アジア諸国は米国債をせっせと買っている。いわばヤクザのみかじめ料のようなものですが、落ち目のヤクザアメリカと新興勢力の中国マフィアの勢力争いが勃発している。アメリカは中東で泥沼に嵌ってしまっていますが、抜け出せないのは伊藤氏が言うように「国内の政治、金融、マスコミにおけるイスラェル・ロビーの影響力が異常に強いアメリカは、中東地域から撤退できない。
 
現にイランとイスラエルとの戦争は一触即発状態ですが、アメリカ軍が中東から撤退すればイスラエルは存亡の危機を迎える。在米のユダヤ人もリーマンショックやバーナード・マドフ事件で経済力を失ってきており、D・ロックフェラーにすら破綻説が飛び交っている。ウォール街も以前のような影響力が落ちている。




2月14日に日銀が金融緩和と「インフレ1%メド」を掲げた後の為替の
動きを見れば、円安になんてすぐに出来るのが分かったでしょう。


2012年3月21日 水曜日

高橋洋一氏が反論!「その消費増税論議、ちょっといいですか」 番外編 日銀の金融政策で財政再建と円安誘導は簡単にできる 3月21日 高橋洋一

――日経ビジネスオンラインで2月に連載した「今さら聞けない消費増税」で、高橋さんは2回目の日銀がもっとお金を刷って経済成長すれば増税は不要では? に対して、国債の日銀引き受けを「禁じ手だ」とする説明を「ミスリーディングだね」とツイートしていましたね。どの辺がミスリーディングなのでしょうか。

高橋:というのは、私は自分が毎年やっていたからね。禁じ手と言うけれど、小泉政権の時の2005年、円安にするのに一番簡単なのが日銀引き受けだったので、(官邸にいた)私が“がばちょん”とやったのです。

 (「既発債の買い入れというのは、日銀の金融調節の一環として流通市場でしているもので、発行市場で買い入れするのとは意味が全く違います」という)国債の発行市場、流通市場を区別する説明も観念的だね。私は大蔵省(現財務省)の国債課で担当官をしたこともありますが、国債を発行するためだけの発行市場なんて特別にない。実際にはすべてが流通市場で、たまたま売るモノが新発モノなら教科書の中で発行市場と呼んでいるだけですよ。

――日銀引き受けは、財政法の明文で禁止されているとのことですが。

高橋:そうだけれど、但し書きがあり、国会の議決を得た範囲ではできるのです。僕は理財局にいたとき毎年日銀引き受けを実施したし、官邸にいた時もやりました。2005年に23兆円分を引き受けた記録は誰も超えていません。だから2005年前後は日銀のマネー発行量が多い。増税なしで税収を増やすために、お金を刷ったからです。もちろんハイパーインフレになどならず、少し円安になっただけでした。

――たくさんお金を刷っても、ハイパーインフレにはならないのですか?

高橋:程度問題だけれど、多少のインフレになるくらいですね。今はデフレでしょう。物価上昇率が5%以内のインフレぐらいにはなるかもしれません。そもそもハイパーインフレと言っている人は、ハイパーインフレって定義、知っているんですかね? 

お金を刷ることと名目成長率の間には相関関係がある

――物価上昇率が20〜30%ぐらいのことですか。

高橋:国際会計基準では3年累積で100%、年率30%くらいという話だけど、まあいいでしょう。年率20%のインフレにしようと思ったら200〜300兆円刷ればいいでしょう。通常ハイパーインフレというのは、130倍ぐらいのインフレのことを言います。130倍にさせるなら1京円刷るという話になっちゃうよ。

 お金を刷ることと、名目成長率が高くなることとの間には、相関関係があるのです。10年間に大体10%ずつ毎年お金を増やすと、その間の名目成長率は10年間平均で6%ぐらいになる。2000年代、お金が「じゃぶじゃぶだった」と良く言うでしょう。あれは数字の裏づけがない。「じゃぶじゃぶ」って言うけれど、どうしてじゃぶじゃぶと言えるのでしょうかね。

――ある経済学者の方はデータと共に、「2005年にたくさんマネーを刷ったけれど、デフレは止まらなかった」とおっしゃっていました。

高橋:それは、日本だけに限った過去との比較データでしょう。私が、お金を10%程度刷ったら6%のインフレになると言ったのは世界での話です。私は世界各国のマネーサプライなどの増減率と経済成長率の10年間平均も調べています。すると2000年代にお金を刷り、成長している国がたくさんある。一方、世界広しといえど、一番お金を刷らず、成長していないビリが日本です。私が「じゃぶじゃぶ」と言う根拠がないと言うのは、そのためです。

2005年に23兆円分の国債を日銀引き受けした時にされた批判は、円安による景気回復で、(輸出産業依存の)外需主導だというものでした。でも法人税収は上がった。この2005年をどう評価するかです。当時はバブルで、民主党が円安バブルでけしからんと言ったけれど、増税せずに財政再建できたのも事実です。

 マクロ経済の観点からも、消費税増税をしなくても財政再建ができます。小泉政権から安倍政権までの間にプライマリー収支がマイナス28兆円からマイナス6兆円まで改善したけれど、その間に1回もまともな増税をしてないでしょう。今の民主党政府には不都合な事実でしょうけれどね。

 円安にすると、輸出企業の業績が伸びて法人税収が上がる。輸入企業は少し不利になるけれど、GDP(国内総生産)は増える。どの程度円安にしたらどの程度GDPが増えるかもある程度分かりますよ。為替レートととても関係があるし、為替レートと税収も関係がある。

――税収にも関係があるのですか。

高橋:ありますよ。為替レートを安くすると輸出企業の収益が改善して税収が上がるということです。円安にするかしないかは、為替介入次第だと言う人が多いのだけれど、実は関係ない。

円安にするなんてすぐに出来る

 2月14日に日銀が金融緩和と「インフレ1%メド」を掲げた後の為替の動きを見れば、円安になんてすぐに出来るのが分かったでしょう。為替レートは、ベースマネーにおける米ドルの量と日本の円の量で決まるだけです。円の量を増やすと、円がドルの量より相対的に多くなって円安になる。日本の円を分母、米ドルの総量を分子にして割り算すると大体為替が分かる。ソロスチャートとも、マネタリーアプローチとも呼ばれている。簡単に計算できるように丸めた数字で言えば、中央銀行の資金供給量を比較すると、日本が今大体140兆円ぐらいで米国が2兆ドルぐらい。でこぼこがあるけど、大体140兆円と2兆ドルで割り算すると70円。

 1ドルを100円程度にしたかったら140兆円のマネタリーベースを200兆円に増やせばいい。マネタリーベースの定義は日銀券+当座預金です。当座預金を入れないで計算する人もいますが。米ドルでも定義は同じです。これで半年から1年の間に、7割程度の確率で100円になる。この間の日銀の10兆円の資金供給枠も、2兆ドルで割り算すれば5円ぐらい動くでしょう。これを知らないで政権運営してはいけないぐらいの話だと思いますけれど、今の政権の人は知らないのでしょう。

――日銀がお金を刷れば、経済は成長するのでしょうか?

高橋:その通りですよ。人間はおカネが好きでしょう。おカネ見せられたらよく働きますよ。よく識者の人たちが引き合いにするスウェーデンや英米と日本の違いは、社会保障制度だけでなくマクロ政策をきっちり実行している点です。国債引き受けにしろ、ほどよく実施すればいいのです。そんなに心配なら日銀法を改正してインフレ目標を作るべきです。(中略)

――高橋さんの考えでは、財務省が増税をしたいという動機は何なのですか。

高橋:増税は税率を上げることだけれど、税収増にならないのは歴史を見れば明らか。それでは何が動機かといえば利権ですよ。増税すれば、財務省の権限が増えますから。増税すると軽減税率の陳情が来る。官僚は個別に例外措置に対応するので、そこで利権が生まれるわけです。それが天下り先確保にもつながりますからね。それこそが財務省の狙いなのですよ。



(私のコメント)

90年代から日本が円高で苦しんできたのは、日銀が金融引き締め政策をおこなってきたからですが、これは数学的なセンスのある人でないと分からない。日銀は金融緩和していると言っても、アメリカや中国が紙幣印刷機をフル回転しているのだから相対的に円高になってしまう。円を安定させたかったらアメリカと同じ率くらいに円をばら撒かなければ円高になってしまう。
 
しかし日銀は頑なに金融引き締めにこだわり1ドル=75円までの円高にしてしまった。白川日銀総裁は金融緩和しても資金需要がないからだと言っていましたが、その発言で投機筋は安心して円を買ってきた。日銀総裁が為替相場に疎いから付けねらわれる。
 
「株式日記」では早くからインフレターゲットで円安に出来ると書いてきましたが、日銀の御用学者たちが、金融緩和しても円安にならなかったと述べてインフレターゲットを潰してしまった。それには紙幣を増刷するとハイパーインフレになるという脅し文句が効いたからですが、昔の教科書をバカ正直に丸暗記して覚えているからだ。
 
日本には1000兆円の国債が発行されていますが、1000兆円というのは日本国民の資産であり、買いオペで資金を市場に放出すれば名目成長率がそれだけ上がる。株式市場も上がる。名目成長率が上がればそれだけ税収も増える計算が出来る。このことはいくらバカな財務官僚でもわかっていたのでしょうが、元財務官僚の高橋洋一氏が言うには増税は財務省の利権拡大の為のようです。
 
私が国会中継を見ても。絶望的な気分になるのは安住財務大臣が全くのパーであり、野田総理も同じだ。直接為替介入して数兆円ドルを買っても意味が無い。先日の日銀総裁の1%のインフレ目標発言で一気に円安になりましたが、パーな財務大臣や総理大臣でもようやく分かったことでしょう。これで日銀系のエコノミストもすっかりおとなしくなりましたが、インフレによる金利高を心配しているようだ。
 
しかし長期にわたりデフレ経済で企業は債務を返済して現金を200兆円も抱えているから直ぐには資金需要が逼迫しないから金利は直ぐには上がらない。デフレが解消されると分かれば現金で設備投資をして景気が良くなるから税収が上がる。だから消費税増税しなくても財政の再建はインフレターゲットで解消できる。
 
なぜそれがもっと早く出来なかったのかと推察するには、アメリカとの密約があったのかも知れない。アメリカは双子の赤字で経済は破綻寸前なのですが、日本や中国がドルや米国債を買っているから何とか持っている。日本にドルや米国債を買わせるには、日本を不景気にして金利を安くさせると同時にデフレにして、金利の高い米国債を買わせる構造にしたのだ。
 
その構造がばれないように御用学者を動員して円高容認論がまかり通ってしまった。わざと財政を逼迫させて増税やむなしの国民世論を誘導したのも財務省やマスコミや御用学者ですが、財務省の目論みは利権の拡大にある。消費税が増税になれば一律というわけには行かなくなるから、品目によって消費税の税率も変えなければならない。
 
生活必需品は軽減税率が適用されるから、陳情が増えてその分天下り先が増えるというわけだ。新聞も軽減税率を適用するから消費税増税キャンペーンに協力しているのだろう。しかし何が生活必需品かは財務官僚のさじ加減一つだから権限が拡大する。だから勝栄二郎財務次官は消費税増税に一生懸命なのだ。
 




大震災以後、原発停止に慌てた西日本の電力会社が、天然ガスの
買い占めに走った。カタールは、イギリスに半値以下の8ドルで卸している


2012年3月20日 火曜日

日本はLNGバカ高購入 日本の電力事情知るカタールがふっかけた 3月20日 ポストセブン

原発停止により、発電の主役となった火力発電だが、イラン危機により燃料である原油やLNGの価格高騰が危惧されている。さらにイランによるホルムズ海峡封鎖が現実となれば、中東のカタール産LNGへの依存度が高い中部電力などは火力発電による電力が不足し、原発を再稼働せざるをえないといった「イラン危機で脱原発がふっ飛ぶ」説が出始めた。それらの問題の裏に何があるのか。エネルギー・環境問題研究所代表の石井彰氏が、以下のように解説する。

 * * *
 年明け1月25日、国際通貨基金(IMF)は次のような報告書を公開した。対イラン制裁により、「原油供給の代替がなければ、原油価格が20〜30%上昇する可能性がある」。さらに、これは「第1次石油危機による供給混乱に相当」するとし、ホルムズ海峡がイランに封鎖されれば「より大きな価格高騰の引き金になる」と指摘した。

 原発推進論者や電力会社、経産省はこぞって、「原子力をすべて火力に置きかえると、燃料費は年間3兆円増える」「電気料金値上げやむなし」と言い、「イラン危機によって今夏、停電の恐れがある」「だから再稼働へ」と煽る。

 だがこれは、針小棒大な物言いであると私は考える。

 確かに、現在の火力発電の中東依存は25%以上である。ホルムズ海峡が封鎖されれば、石油価格準拠の天然ガスの価格高騰は避けられず、絶対量も足りなくなる。今のままではアウトだろう。しかし、資源の調達方法、調達先を変えるだけで、危機はいかようにも回避できるのだ。

 具体策について論じる前に、まず、世の中に広まっている誤解を解いておきたい。

 世間一般では、石油価格の値上げ=火力発電所の稼働費の上昇、と考えられているが、これは誤りだ。実は2度のオイルショックを受けて、1979年に国際エネルギー機関(IEA)は先進国での石油火力発電所の新設を禁止している。

 現在もこうした石油火力発電所はあるが、どれも1979年以前に建設されたものだ(東日本大震災を受けて、こうした発電所もフル稼働している)。

 現在、日本の火力発電所は主に何を使用しているのか。LNG、液化天然ガスだ。確かに、天然ガスの価格も、大震災以降、上昇した。だが、そこにはカラクリがある。

 日本の電力会社は、近年、原発へのシフトを強めていた。ゆえに、天然ガスによる火力発電を重要視してこなかった。安定供給されればよいとの発想から、石油メジャー等としか取引せず、原油価準拠の価格設定をしていた。

 さらに大震災以後、原発停止に慌てた西日本の電力会社が、天然ガスの買い占めに走った。だから価格高騰が起きたのだ。

 だが世界を見渡すと、日本の購入価格が異常に高いことがわかる。例えば日本では、100万BTU(英熱量)あたり、16ドルで購入しているが、ヨーロッパでは平均8ドルである。アメリカでは2.5ドルだ(2011年の1年間の平均)。他国が天然ガスの価格を原油価格に準拠させていないということもあるが、同じ準拠型のドイツでも11ドルである。明らかに日本だけが突出して高い。

 理由は、「足下を見られた」というのがいちばん大きい。現在、世界最大の天然ガス産出国はカタールだ。カタールは4 年前から天然ガス採掘の大規模施設を建設しはじめ、ようやくそれが完成したところである。最大顧客は、アメリカだった。

 だがこの4年間で、天然ガスをめぐる状況は劇的に変化してしまった。「シェールガス」という新世代の天然ガスの生産量が急増しているのだ。

 シェールガスは、頁岩という硬い岩石の隙間に貯蔵されている天然ガスのことだ。以前から存在は知られていたが、掘り出すのが難しく、石油メジャーも採算性から二の足を踏んでいた。

 そんな中、2000年より米国の中堅会社を中心に採掘が始まった。世界は彼らを山師のように見ていたのだが、2009年には安価な採掘方法を確立して、2010年には瞬く間に、天然ガス市場に大きな影響を与える存在になった。実際、アメリカは、このシェールガス革命により、それまでの天然ガス輸入国から輸出国に転じたのだ。

 これで困ったのがカタールだ。突然、最大輸出国を失ってしまった。そこで、長期契約ではなく、スポット売りに転じたのだが、そこに飛びついたのが日本の電力会社なのである。カタールは、日本の電力不足事情を知った上で、ふっかけた。

 
戦略も長期ヴィジョンも持たない日本の電力会社は、言い値で買ってしまったのだ。その価格は、最高値で100万BTUあたり17.8ドルだった(同時期にカタールは、イギリスに半値以下の8ドルで卸している)。


(私のコメント)

54基ある原発が全部止まりそうな状況ですが、福島原発災害を見れば原発反対派が勢いづくのは当然だろう。原発は絶対に事故は起きないというのが前提だったから、大事故が起きれば原発はとても怖くて運転はさせられない。東京電力は人ごとのように電力料金の値上げを言い出していますが、東京電力は絶対起こしてはならない原発事故を起こしているのだから、一旦破綻させて経営陣を総入れ替えして出直さなければまた同じ事故が起きる可能性がある。
 
組織が制度疲労を起こして破綻した場合は一旦潰さないと、時間が経てば同じ体質に戻ってしまう。電力会社は殿様商売だからどうしても経営体質が腐敗しやすく、お役所以上にお役所的だ。原発は電力会社にとっては打ち出の小槌であり、建設には巨額に費用がかかるが作ってしまえば大電力を安定して供給が出来る。
 
民主党の鳩山政権では54%を原発に切り替えるといっていましたが、福島原発災害が起きると180度方向転換してしまった。原発をを危険なものだと認識していれば54%といった数字は出てこなかったと思いますが、電気が止まっただけで軽水炉型の原発は大爆発を起こす危険なものであることが全国民に分かってしまった。何重もの安全装置は電気が無ければ止まってしまう。
 
「株式日記」ではエネルギー関連ことを何度か書いてきましたが、次世代型の原発なども紹介してきましたが、軽水炉型の原発は制御棒を入れれば安全なものと思っていた。しかし使用済み燃料棒も水で冷やし続けなければ4号基のように大爆発事故が起きて周囲に核物質を撒き散らす危険なものだ。こんな危険な原発をどうして54基も作ったのだろうか?
 
電力会社が金をばら撒いて原発安全神話を作ってしまった。だから一にも二にも責任は東京電力にあるのですが、民主党政権は潰さずに東京電力を救済するようだ。原発を再稼動させるには原発の運転を国家管理にすべきだと主張してきましたが、電力会社では事故対策も補償も出来ないことが今回の事故でわかった。核燃料サイクルも金食い虫で実現の見込みが無いのに開発が続けられてきた。
 
このようなことは事故が起きたから始めて分かったのですが、学会やマスコミの責任は大きい。割を食ったのは在来型の火力発電所であり、主力を原子力にする事が政府で決められていた。しかし当分は火力発電で賄わなければならないだろう。記事にもあるように石油火力発電所は作られなくなりLNG火力発電所が主力になります。
 
福島原発の事故で日本の電力会社はLNGの買い付けに走り回りましたが、カタールからは言い値で買ったようだ。記事にもあるようにシェールガスの実用化で天然ガスはあまり気味になりかなり安値になっていたようですが、日本の電力会社がLNGの値段を釣り上げてしまった。そうして置いて日本の利用者にはツケを回してきて電気料金の値上げを言い出していますが、電力会社には経営者は要らない。
 
昨日のTVタックルでもエネルギー問題をやっていましたが、送配電を一括でやっている国は日本とメキシコぐらいで、今こそ送配電の分離をして電力の自由化をすべき時なのだろう。送電網を電力会社が持っているから新規の民間の電力会社が進出しにくくしている。東日本大震災の時にも計画停電で大騒ぎになりましたが、電車が止まってしまうのには参りました。
 
火力発電所も被災して止まってしまったせいもありますが、数ヶ月で修理して再稼動している。しかし福島原発は廃炉解体するには半世紀もかかる。なぜこんなものを作ってしまったのだろうか? 核のゴミもまだ目処すら立っていない。何重もの安全装置も嘘ばかりだった。原発の現場でもベントの方法すら知らなかったのだから驚いてしまう。
 
根本的には原発には核のバリアが作られてしまって、情報の公開が十分にされてこなかった。その反面では地球温暖化のCO2問題はテレビや新聞で大キャンペーンが張られましたが、温暖化問題は何だったのだろうか? 原発は危険なものだと警告されていれば地震や津波対策などにも金がかけられていただろう。これらはマスコミの責任でもあり政府の責任でもある。
 
しかし政府もマスコミも東電も責任を取らない。東電の清水社長や勝俣会長は業務上過失で起訴されてもいいはずですが、起訴されるとなると原子力安全保安院も罪をかぶるから出来ないのだろう。このように誰も責任を取らなくていいから安全対策も御座なりになる。東電は一旦潰すべきだし送配電の自由化はされなければならない。
 




暴力装置を国家の財政と云う財布を独り占めしている財務省と云う
役人達に握らせている構造そのものが危険国家なのだ。


2012年3月19日 月曜日

財務省は裏特高 言論封じは暴対法・条例のみにあらず、国税・税務調査の実態 03月19日 世相を斬る あいば達也

既に多くのネットメディアで報じられていることだが、今夜は民主党の“消費増税法案”に関する事案を検討していく間に垣間見た、財務省の消費増税に対する異様な執着である。その様は、財務省記者クラブを通じたマスメディアへの言論封じは当然の事で、学界、経済界、金融関係へと。最近では、ネットメディアに対しても、相応の邪魔立てをするに至っているようだ。

その弾圧手法は蟻の隙間もないほど“微に入り細をうがつ”状況だ。凶暴なシロアリが、善良な国民・政治家・メディア・学者等々の働きアリを狡猾な罠にかけ、喰い尽しているようだ。このような現象を、単に財務省が己の財布を膨らましたいがための愚挙、と笑っていられない隠れた事実関係が数多存在する事を見逃してはならない。例示をするにも、あまりにも心当たりが多過ぎて、書く気にもならないが書かない事には始まらないので、直近の話題を取り上げておく。先ずは、話題の取っ掛かりとして、現代ビジネスの中日・東京新聞にまつわる、税務調査の記事を読んでいただこう。

≪ 国税が東京新聞を徹底調査する「理由」

通常国会で消費税増税についての論戦が本格化するなか、永田町と目と鼻の先にある日比谷公園前のビルでは、まったく別の緊張感高まる事態が起きていた。 「昨年夏から半年近くもの長きにわたって、中日新聞グループに名古屋国税局と東京国税局を中心とした大規模な税務調査が入っています。そうした中で東京新聞(中日新聞東京本社)が税務調査に入っている国税官から資料分析のために一部屋要求されたため、一部の社員の間では、東京での本格調査≠ェ行われるのではと緊張が走ったようです」(同社関係者)

複数の同社関係者によると、今回の国税当局の徹底調査ぶりは異常で、同社記者らが取材相手との「打ち合わせ」や「取材懇談」に使った飲食費を経費処理した領収書を大量に漁り、社員同士で飲み食いしていた事例がないかなどをしらみつぶしに調べているという。 「実際に取材相手と飲食したのかどうか飲食店まで確認が及び、名古屋ではすでに社員同士で飲み食いしていた事例が見つかったようだ。一方で『これでは取材源の秘匿が危機にさらされる』と一部では問題視されてもいる」(同前)

 ここ数年、大手紙のほか、民放各局、出版社などが相次いで国税の税務調査を受けていることから、「たんに順番が回ってきただけ」と意に介さない向きもあるが、 「中日新聞グループは、野田政権がおし進める消費税増税に対して反対の論陣をはる最右翼。今回の徹底調査の裏には、国税=財務省側の『牽制球』『嫌がらせ』の意図が透けて見える」、との見方も出ている。

 事実、中日・東京新聞は「野田改造内閣が発足 増税前にやるべきこと」(1月14日)、「出先機関改革実現なくして増税なし」(1月30日)などの見出しで社説を展開、「予算が足りず、消費税率を引き上げると言われても、死力を尽くした後でなければ、納得がいかない」などと強く主張し、新規の読者も増やしてきた。それが今回の国税側の徹底攻撃≠ナ、筆を曲げることにならないといいのだが。≫(現代ビジネス:永田町ディープスロート)

そもそも、日本のマスメディアが毎日、朝夕と膨大な政治・経済・社会面の情報で紙面を埋めるためには、誰かから情報をまとめて入手し、購読者にジャーナリストの魂などに関わりなく、まとめた情報を垂れ流さないことには、人手が幾らあっても足りないと云うのが現実だろう。しかし、新聞社の利便性のために、購読者が政権や関係各省の意図する情報を記者クラブと云う最悪の“村”を通じて、魂なき“金太郎アメ記事”を読まされるのは、如何にも大政翼賛に馴染みやすい“空気の国家”日の沈む国ジャパンである。

国家、政府の壁新聞と化した、朝日、読売、日経、毎日、産経が報道する情報の真偽は、それぞれの国民の知識教養で読み解き直し、意訳する必要があるのだ。ホンモノはスポーツ欄と番組表や株価くらいのものだろう。最近は芸能文化医療にも怪しい記事が散見している。読者と云うか国民は、記者クラブのある関係省庁関連の記事には、すべてにバイアスが掛けられていると認識せざるを得ないのが現状だ。せめて、米国レベルにメディアの色分けが必要なのだが、未だに収斂していない。どこまで日本国民をバカにしているのか、気づいても良さそうな頃である。既に、多くの国民に各新聞社の記者連中などは、馬鹿にし軽蔑する存在になりかけている事実を深く感じるべきだろう。

このような状況において、中日・東京新聞は骨がある。なにも長谷川幸洋ひとりが頑張っているからではない。全社一丸となり、何とかジャーナリスト・メディアとしての生き残りをかけている。最近では、コンビニでも東京新聞の購入が可能になり、凄く便利だ。たしかこの新聞社は、小沢の政治資金捜査の時も、東京地検特捜部の意にそわない記事を書いたと云う理由で、検察記者クラブを名誉の“出入り禁止”にされた事もある。常に原発問題でも、脱原発の論調を張り、原発推進派の怒りを買っているし、日米同盟においても、米国の言いなりになっていてどうすると云う論調を張っている。

日本のマスメディアには、この新聞社としての軸となる色彩がない事が問題だ。営業を重んじ過ぎ、あまねく購読層に受け入れられる論調、或いは広告料に縋りつく新聞発行は、メディアとしての意味をなさない。日経や朝日が電子新聞にトライしているが、どうにも旨く行っていない。日経など、登録するとストーカー並にスパムメールを送りつけてくる。どうもみても、ネット新聞が売れていない証拠なのだろう。

寄り道の方が主になったが、財務省は今回の消費増税に関して、2007年から08年にかけて、消費増税路線を明確にした。その方向性として、小沢民主党と福田自民党の連立を財務省自らが裏で画策した事実がある。この流れが、飛んで飛んで、野田民主党、谷垣自民党で再燃したことになる。その4〜5年間、消費増税路線の中核にいたのが勝財務次官である。その直属の部下が財務省官房長の香川俊介だ。この男が今回のメディアスクラムから、国税庁資料調査課の動きまでコントロールしているものと推認できる。官房長とは、席次でいうと曖昧だが、事務次官の次の地位で局長より一段上の印象を持つ役職だ。

筆者の記憶によれば、この香川俊介は一時期、当時民主党幹事長だった小沢一郎との蜜月もあったわけで、今回の消費増税で不仲になったのかどうかは判然としない。もしかすると、野田による消費増税はまかりならぬが、俺の代になったら考えてやる位の話が通じる仲の筈だが、その辺がどうなっているのか見当もつかない。いずれにせよ、小沢一郎は、現時点での増税に断固反対なのは周知の事である。いい加減のところで、鉾をおさめた方が、あらためて日の目を見る事が可能な諸費税問題ではなかろうか。世論を追い詰め、二度と法案化出来ない危険すら感じる。

財務省と国税のマッチポンプで、マスメディアは日替わりではないが、期替わりで痛い目に遭わされている。朝日は09年に5億1800万円の申告漏れを指摘され、同年読売は2億7000万円の申告漏れを指摘された。日テレ、フジテレビ、NHKも税務調査で夫々痛い目に遭わされている。読売はなんと、前事務次官の丹呉泰健を監査役に迎え、恭順の意を現し、朝日も「増税礼賛」で恭順の意を現している。産経、毎日は税務調査して吐き出させる銭もなさそうなので、見送ったかもしれない。(笑)

この流れで、中日・東京新聞も順送りでの税務調査とも言えるが、異様に調査が長期にわたっている。ここが怪しい。消費増税への論調を賛成又は中立に戻すまで居座り、ほじくり回す恫喝行動に出ているのかもしれない。脱原発論調分、日米同盟疑問符論調分等と、ノルマを抱えての居座りかもしれない。国税の調査と云うものは、警察・検察に継ぐ国家の暴力装置であり(今では検察審査会も暴力装置に加える事が可能だ)、その暴力装置を国家の財政と云う財布を独り占めしている財務省と云う役人達に握らせている構造そのものが危険国家なのではないのだろうか。民主党が09年マニュフェストで唱えた「歳入庁」の創設と財務省から国税庁と云う暴力装置の排除が急がれる。



(私のコメント)

言論の弾圧は、民主主義国家ではあってはならないことですが、財務省だけはその意識が無いようだ。自衛隊を「武力装置」と呼んだのは仙谷官房長官でしたが、仙谷氏は財務省に対して「暴力装置」と呼ぶつもりは無いのだろうか? 今から考えれば鳩山総理大臣を脱税で葬ったのも財務省だろうし、小沢一郎を脱税で動けなくしているのも財務省なのだろう。
 
アル・カポネも捕まったのは脱税であり、大金持ちを徹底的に調べ上げれば誰にでも脱税要素はある。今までは経費として認められていたのに急に脱税だと解釈されれば脱税で捕まってしまう。裁判に訴えても100%負けるのが脱税裁判であり、財務省の権力は司法にまで及んでいる。それだk財務省の権力が震えるのも国税庁という「暴力装置」があるためであり、国会議員も叩けば埃の出る人ばかりだ。
 
官僚の権力を支えているのは警察と検察と国税であり、この「暴力装置」が官僚機構に手を出そうとすると、検察か国税が動いて政治家やマスコミや言論人の口を封ずる。植草一秀氏や高橋洋一氏などを嵌めたのも元を手繰れば財務省かもしれない。ちょうど戦前の特高警察のようなことを財務省は行なっているのであり、消費税に反対する言論人はテレビに出ようとすると圧力をかけてくるそうです。
 
数多くの政治家や言論人を葬れば、国民世論を増税やむなしという方向に持っていこうというのでしょうが、消費税というのはどんなに貧乏人でも支払わされる税金であり、これほどの悪税は無い。それに対して大金持ちは金を使わなければ税金を払わなくてすむのが消費税だ。財務省官僚は特権階級化して天下りで億単位の退職金をもらっている。
 
これを改革しようとした安部総理以降の内閣はみんな短命内閣に終わりましたが、公務員制度改革に手を出そうとすると、内閣の大臣にスキャンダルが飛び出してくる。スキャンダルが探してもない場合は酒に睡眠薬を飲ませてヘベレケニなって記者会見を行なわせて世界中に配信する。そうすれば財務大臣も首になり不可解な死を遂げることになる。
 
まさに財務省はシロアリの巣窟であり、90年代には大蔵省は権力の横暴が目に余るようになり大蔵省は解体されて財務省と金融庁に分割された。しかし今から考えれば大蔵省から国税庁を分離したほうが良かったのかもしれない。国税庁を独立させて歳入庁にする案も浮上している。そうすれば財務省の「暴力装置」は取り除かれて、次々と槍玉に上がることもなくなるだろう。
 
国税庁と東京地検は現代の特高警察であり、酔っ払って電車に乗ったところを痴漢として捕まえることなど朝飯前だ。酒を飲まない人はロッカーの中に高級時計を置いておけば窃盗罪で前科一犯だ。現代の特高警察に狙われたら東京新聞のように徹底的な捜査が行なわれて恭順の意を示すまで調べが行なわれる。
 
財務省の意に沿わない記事を書けば脱税で徹底的な捜査が行なわれるのではたまったものではありませんが、政治家も同じだろう。大連立を画策したのも財務省らしいのですが、大連立で消費税法案を成立させようというのだろう。それくらい現代の財務省は力があるのですが、国税庁が「暴力装置」になっているからだ。
 
朝日や読売やテレビ各局が消費税増税キャンペーンをしているのも権力に屈したからであり、このような横暴を野放しにしておけば現代の特権階級はますます肥大して国家を滅ぼすシロアリになる。このような時代になれば独裁者が現れて官僚への大粛清が行なわれるようなるかもしれない。国民たちはそれに喝采を送るだろう。まさに「維新の会」はその救世主になるかもしれない。財務省の官僚たちは国外の亡命先を確保しておいたほうがいいだろう。(笑)




大新聞が好んで書く「人を選べる選挙の方が、政党しか選べない選挙よりも
いい」という主張は間違っている。大選挙区単記制は最悪だということだ。


2012年3月18日 日曜日

日本の選挙―何を変えれば政治が変わるのか  加藤秀治郎:著


政治は選挙制度で決定される 「日本の選挙」 3月18日 井上晃宏

著者の加藤修治郎氏は、ドイツの選挙制度を主に研究している政治学者だ。
著者の言わんとするところは明快だ。
「選挙の政党化を助長することが、政治を良くする」

オルテガいわく、
「民主政治は一つの取るに足らない技術的細目にその健全さを左右される。…選挙制度が適切なら何もかもうまくいく。そうでなければ何もかもダメになる」
ところが、これだけ重要な問題なのに、選挙制度の議論の水準は恐ろしく低い。


日本の、特にマスコミにおける選挙制度の議論は、教育問題に似ている。誰でも口が出せるし、それを専門とする学者の意見があまり尊重されない。参加者の誰もが、自分のよって立つ思想的バックボーンに無自覚に選挙制度を論ずるので、議論が咬み合わない。著者は、国際比較と過去の議論の検証の2つの観点から、建設的な選挙制度論を展開しようと試みている。

国際比較で論ずるなら、日本の選挙制度は極めて特殊だ。日本では当たり前だと思われている大選挙区単記制という制度そのものが、日本以外の世界のどこにも存在しないのだ。かつての中選挙区制は、正確には大選挙区単記制だし、地方議会選挙も、大選挙区単記制に分類される。

複数当選枠のある大選挙区で、1人しか候補者を書かせない大選挙区単記制は、外国では考えもつかない奇妙なものなのだが、それだけでなく、この制度には決定的な問題がある。同一政党の候補者が、同じ選挙区で票の取り合いをしなくてはいけないからだ。つまり、大選挙区単記制は、個人の選挙であり、政党の選挙にはなりにくい。しかし、個人中心の選挙は、議院内閣制と整合的ではない。議会が政党別にまとまらなければ、安定政権の創出など不可能だからである。

そもそも、中選挙区制を導入したのは、政党政治に生涯反対し続けた山形有朋だった。その意味で、山形の意図は見事に実現したと言える。長い間、日本の選挙は「個人の選挙」であり、議会においては政党としてまとまることはあっても、党中央の権力は弱かった。

過去の議論を検討すると、19世紀の英国では、ミルとバジョット、戦前の日本では、美濃部達吉と吉野作造が、それぞれ、比例代表制と小選挙区制を主張し、それなりに立派な議論が行われている。美濃部も吉野も、中選挙区制がダメだということでは一致している。ところが、現在の選挙制度論の水準は、彼らの域を超えるどころか、退行している。中選挙区制の復活が主張されている。過去の議論をふまえないから、「車輪の再発見」をしてしまうのだ。

比例代表制を主張するミルと美濃部の思想は、「議会とは、選挙民の意志を法律に反映させる場所であるべきだ」(変換の議会)ということだ。美濃部は、議員が選挙民に忠実になるよう、毎年選挙を行うべきだとまで言っている。当たり前のようだが、後に述べるように、この議会の機能は議院内閣制と整合的ではない。むしろ、大統領制における議会の機能だ。

一方、小選挙区制を主張するバジョットと吉野の思想は、「議会とは政権を創出するところであるべきだ」ということだ。首相を選出することが議会の主要な機能であり、与党の提出法案を修正したり、廃案に追い込むことではない。では、議会の審議や野党は何のためにあるのか。野党は、審議において、与党の法案を批判し、反対意見を述べることによって、選挙民に野党の政策をアピールし、次回選挙で政権獲得を目指せばいいのである(対決の議会)。

こう考えてみると、日本の選挙や議会運営の混乱の原因が見えてくる。

「個人の選挙」をしておきながら、議会には政党による党議拘束があり、「政党中心」で運営されるので、選挙民は、自分の投票が政治に反映されているという実感を持ちにくい。しかし、議院内閣制下の議会を党議拘束なしで運営することは不可能だ。

議院内閣制とは「対決の議会」が整合的なのに、日本では、戦後改革において、アメリカの影響により委員会制が導入された上に、戦前の超然内閣との相違を出すために、野党は「変換の議会」が理想だと錯覚した。このため、野党は、政権獲得を目指して、本会議で建設的な意見を述べることよりも、審議拒否戦術で、法案や予算成立を阻止したり、正式な審議の場ではない国対交渉で、少数派の意見を通そうとする。このため、本会議は空洞化し、予算委員会が肥大化して手がつけられなくなった。

また、本書の重要な点は、「情報コスト」の問題を取り扱っていることだ。

選挙民は政治のことばかりを考えて生活してはいない。自分の生活があるのだ。候補者の氏素性や政見を詳しく検討したり、膨大な政党マニフェストを読まなければ、適切な投票行動が採れないなら、その選挙制度は優れているとは言えない。あまり手間暇をかけなくても、自分の主義主張と整合的な投票ができるように、選挙制度は設計されねばならない。その点でも、かつての中選挙区制は失格である。党の政策、候補者個人の評価の両方を検討しなければ、投票ができない。また、大新聞が好んで書く「人を選べる選挙の方が、政党しか選べない選挙よりもいい」という主張は間違っている。候補者個人の情報を集めてまで、投票行動を決定したい人は、多くないのだ。参議院比例区が非拘束名簿式に変更されたことは、この点で、決していいとは言えない。

比例代表制と小選挙区制のどちらが良いかは、著者も結論を出していない。議院内閣制である以上、議会における安定した多数派の創出が必要不可欠であることは確かだが、比例代表制が多党制を助長し、小選挙区制が二党制を助長するというデュベルジュの説は、ロッカンによる包括的な国際比較によって、多くの反例が示されている。低得票政党阻止ルールによって、小党を制度的に排除する方法もある。多党制でも、ドイツのように、複数政党が長期的な連合政権を組めば、安定した多数派が創出可能なので、多党制で政権が不安定になるとも言えない。はっきりしていることは、選挙の政党化を阻害する、大選挙区単記制や非拘束名簿式比例代表制は最悪だということだ。

「政治改革」によって、衆議院中選挙区制はなくなった。しかし、参議院地方区は大選挙区単記制のままだし、地方議会選挙はモザイクパターンのように適当に区分けされた大選挙区単記制だ。参議院が「強い」第ニ院であることや、人的交流の面で、地方政治が国政に与える影響を考慮すると、こちらも、比例代表制か小選挙区制にした方がいい。

また、衆議院から中選挙区制がなくなったといっても、「後援会制度」にみられるような個人中心の気風は残っている。著者は書いていないが、選挙の政党化をさらに進めるために、政党助成金制度を充実させるべきだと思う。



(私のコメント)

今日は日本の選挙制度の話ですが、民主党のマニフェスト問題を見れば分かるように、マニフェストもあてにならない。だから政党本位の選挙制度は機能するのだろうか? 欧米でも与党も野党も中道化して政党の違いが分からなくなって来ている。政治における既得権を断ち切るには政権の交代が必要だと考えてきましたが、結局民主党に政権が交代しても自民党と変わらない政治をしている。

おまけに衆参の捩れ国会で法案が通らなくなり、二大政党制は機能しなくなってしまった。むしろ比例代表制にして小政党による連立内閣なら捩れても政党の組み合わせを変えれば捩れは解消できる。しかしこれも小政党がキャスティングボートを取って政策の刷り合わせなどに問題が起きるだろう。人物本位の選挙も候補者を見分けるにはネットなどを活用したものでなければ、候補者がどのような人物か分からない。

「日本の選挙」という本では、日本は人物本位で選んでいながら、議会では党議拘束で縛られてしまう。人物本位だと自民も民主も政策が割れて纏まりが付かなくなることが多い。政権与党でも消費税増税に反対しなければ次の選挙に落ちるから反対している与党議員が出るのは当然だ。最初から政党を選ぶ比例代表制ならこのようなことは起きない。

選挙制度はその国の歴史や文化や社会制度が影響するから、どれが理想的かも決めることは難しい。小選挙区制は政権交代を可能にしましたが、政権交代しても官僚主導の政治は変わっていない。次の選挙では自民党が勝って政権をとっても消費税増税は変わらない。だから「維新の会」が台風の目になっていますが、みんなの党や公明党などが協力するらしい。

委員会制度で首相をはじめとして各大臣は委員会に拘束されて一問一答に答えなければならない。だから官僚に依存して答弁書を書いてもらうようになる。国会議員になるのなら専門分野を持ってその道のエキスパートがなればと思うのですが、人物本位の選挙だとどうしても専門家よりも総花的なイメージだけで選ばれるようになってしまう。人物的にはいい人でも政策が全くダメな大臣が多すぎる。

小選挙区比例代表制なら政党本位になりますが、日本に馴染むのだろうか。しかし政党と言っても政策が中道政党ばかりになり選択の余地が無ければどの政党に投票しても同じということになる。小選挙区制になれば政党の党首が第一党になれば首相になり党首の人選が重要になりますが、どれも小粒で毎年のように首相が代わる様になってしまった。

選挙制度についてはネットの選挙利用の自由化を主張してきましたが、未だに実現はしていない。パソコンやスマートフォンの普及で国民の誰もがネットを使っているのに、高齢議員は不公正だと反対している。ネットは双方向性があるからフェイスブックを使えば有権者との問答も可能になるし、有権者の意見も反映されやすくなる。

現代に日本の選挙制度は現職優先の制度であり、供託金も300万円=600万円と法外であり、戸別訪問や立会演説会も禁止され、選挙カーで名前を連呼することしかできないようになっている。野田総理のように野党時代に言っていた事と今の政策は正反対だが、これではどんな選挙制度でも意味が無くなり、政党の公約も政権をとれば変わってしまっては選挙の意味が無い。

だから捩れが起きるのであり、鳩山総理が素早くマニフェストを実施していれば捩れる事もなかったはずだ。一番困難な公務員の給与20%カットも参院選前なら出来たはずなのにやらなかった。政界を引退するという公約も反故になった。小選挙区制は相手候補に投票すればどんな大物議員も落選させることが出来る。逆に○○チルドレンも風に乗れば当選が出来る。国会議員は頭が悪いから小選挙区制を取り入れましたが、アメリカでもそれが悪用されている。イスラエルに批判的な候補を落とす為に相手候補に入れる運動が行なわれてきた。

ヨーロッパに多い比例代表制のほうが弊害は少ないだろう。比例代表だと小政党が乱立するでしょうが、連立内閣が当たり前となれば長期政権は可能だ。次の選挙で台風の目になるのは「維新の会」ですが、比例代表制ならかなりの議席が取れるだろう。最悪なのは単純小選挙区制であり風しだいで政権が不安定になってしまう。




ナウル共和国は世界一豊かな国だったのに、繁栄は長続きせず、
富、文化、環境を失い、石器時代に戻ろうとしています。


2012年3月17日 土曜日

ユートピアの崩壊 ナウル共和国―世界一裕福な島国が最貧国に転落するまで


ある国の繁栄と崩壊の物語?「ユートピアの崩壊」

ナウル共和国。太平洋に浮かぶ、国土面積がわずか21km2の独立国家でバチカン、モナコに次いで小さく人口も1万人程度しかいない。この国がたどった歴史はまるで寓話のように"よくできたストーリー"であり、作り話のように思える。しかし、本書で詳しく語られるナウルの物語は純然たる実話です。全国民へのベーシックインカム支給、税金はタダ、電気代、病院代も無料、結婚すると新居を国が与えてくれる。加えて、国民所得は世界トップレベル。しかし、繁栄は長続きせず、富、文化、環境を失い、石器時代に戻ろうとしています。ギリシャ問題など比較にならない、現代における史上最大の破綻国として、この小さな共和国は名を残すことになるでしょう。

この富の源泉はリン鉱石です。膨大な時間をかけてアホウドリを始めとする海鳥の糞が堆積されることで生成されるこの資源は、良質な化学肥料の原料となるため高値で取引されます。島全土で採掘が可能なこのお宝を彼らはとにかく掘りまくりました。その結果、1人あたりのGNPベースで日本が1万ドル弱、米国でさえ1万4千ドル程度だった1980年代初頭に、ナウルは2万ドルを誇るまでになります。

「リン鉱石立国」として1968年に独立国家となった彼らの繁栄は、無計画な採掘により15年と持ちませんでした。採掘できる資源には限りがあることくらい、彼らでも分かってはいたのです。リン鉱石で稼いだお金の半分は国民に分配され、残り半分は政府により国外への投資に向かいました。

国民は一周30分で回れる狭い国土に不要だと思える高級外車を買い漁り、食事は外食しか行わなくなり、海外にショッピングに出向き散財しました。驚く事に彼らは働いて稼ぐことを知りません。欧州諸国に"発見"される前は主に漁業で自給自足の生活をしていたのですが、イギリスの植民地時代には強制労働に徴用され、そして独立後はリン鉱石の輸出により何もしなくてもベーシックインカムで金が勝手に口座に振り込まれるようになりました。リン鉱石の採掘作業を行うのは専ら中国人などの出稼ぎ労働者達であり、小売りや外食店を営むのも外国人達。彼らはただ消費するだけでした。その結果、富は失っても、いまだにダントツで世界一の肥満国(2008年のWHOの調査によると、国民の79%が肥満)であり、多くの国民が糖尿病で苦しんでいます。リン鉱石が枯渇し、国に唯一あった国立銀行も破綻して預金の引き出しも出来なくなった今では、働いて稼ぐ経験をしたことがない彼らは、生きていくには漁業による自給自足の生活に逆戻りするしかないのです。かつての遠い祖先が行っていたように。

政府は何をやっていたのでしょうか。先に書いたように、採掘できる資源には限りがあることくらい、彼らでも分かってはいたのです。しかも、1990年代から2000年代初頭には掘り尽くしてしまうことが、独立の頃から分かっていたといいます。その対策として、政府がやったことは、海外への投資です。オーストラリア、ニュージーランド、ハワイなどのホテルやマンションといった不動産をとにかく買いまくりました。リン鉱石しか資源がなく、狭く観光にも適さない国家の取り得る選択肢として海外へ目を向けるのはある意味必然だし、それしかないでしょう。
結局、これも失敗でした。財務大臣でさえも、ほとんど金融知識をもたない素人だったため、海外からやってくるあやしげな連中に手玉に取られ、多くの資金が知らぬ間にどこかに消えてしまう始末。
リン鉱石もダメ、海外投資もダメとなって、ついには国家ぐるみで犯罪を助長する行為に手を出し(マネーロンダリング、不法パスポート発行等々)糊口を凌ごうとするのですが、焼け石に水。その上、当然ながら世界的な非難を浴びてしまう。

ナウルの状況はダイヤモンド著の文明崩壊で語られるイースター島の崩壊の物語を彷彿とさせます。ナウルと同じ太平洋の小島イースター島は、無計画な開発と環境破壊を続けた結果として、ついには資源を消費し尽くして文明が消滅してしまい、島民の生活は石器時代に戻りました。
両者の大きな違いは、イースター島は他の文明と隔絶され閉鎖された空間に存在し、また、森林破壊等が国土に与える影響を科学的に分析・理解できる時代ではなかったのに対して、ナウルは地理的にはイースター島と同じく世界の果てに位置するにせよ、他文明と隔絶するどころかむしろ積極的にグローバリゼーションの波に乗って行き、それに飲み込まれた結果として崩壊に向って行っている点です。また、それが持続可能ではないことも彼らには分かっていた(けども止められなかった)という点も見逃せません。
これはナウルだけの問題なのか、考えさせられます。


(私のコメント)

「株式日記」では、アメリカの国力が後10年もすれば衰退していくと予測していますが、それは世界の石油生産のピークが2004年に迎えてしまっていて、2020年頃には石油生産は劇的に減少していくからだ。旧ソ連の崩壊も石油生産のピークを過ぎた頃に発生しているからそれがヒントになっている。北米は1970年代にピークを迎えていますが、2010年くらいから生産は減少して行く。つまりアメリカにもソ連崩壊のような劇的な現象が10年以内に起きることが予想されます。

当面はアメリカは南米やアフリカなどからの輸入で石油は賄えますが、石油価格は年々上昇していく。2071年のニクソンショックと国内産石油のピークとが関係があるように、2008年のリーマンショックは世界のオイルピークと深い関係があります。特に2010年から2020年の間にアメリカは深刻な危機を迎えるでしょう。それがグラフを見れば分かります。

日本は2011年に原発の大災害を経験して、原子力エネルギーにも頼れないことが分かってきましたが、日本もオイルピークの影響をもろにかぶることになるでしょう。輸出余力のある中東産の石油もピークを過ぎていることが明らかですが、日本の高度成長と中東産の石油生産量のグラフと重なるのは偶然ではない。

「ユートピアの崩壊」における内容を、リン鉱石を石油に置き換えれば日本やアメリカの将来を予測することが出来る。既にオイルピークは2004年に過ぎており、経済的なショックが数年毎に起きるようになっています。それはアメリカのような超大国ほど受ける打撃は大きい。ナウル共和国でもこのままリン鉱石を掘り進めば2000年には掘りつくしてしまうことが分かっていた。

その為にナウル政府は、様々な海外投資で繁栄を続けようとしましたがことごとく失敗している。ナウル共和国も金融立国を目指したのでしょうが、日本のAIJ投資顧問会社の破綻に見るように投資した資金はみんなどこかに消えてしまった。安定した収入をもたらすはずだった不動産投資も維持管理費ばかりかかるようになり手放すようになったのだろう。それは日本のバブル企業も同じだった。

ナウル共和国は、産出するリン鉱石のおかげで世界一豊かになり働かずに生活が出来た。第二次大戦後のアメリカやソ連の超大国の繁栄も国内で産出する石油のおかげであり、国力と石油の産出量は比例した。その石油を掘りつくしてしまえばソ連もアメリカもナウル共和国と同じような運命をたどるのは軍前ではない。もちろん旧ソ連もアメリカの広大な国土を持っているから掘り尽くすには時間がありますが、地下から湧いて出る富がなくなれば急速に衰退するだろう。

ナウル共和国の国民は働くことを忘れてしまいましたが、もともとは漁業で自給自足の生活を送っていた。アメリカもロシアも石油が出る前は巨大の農業国家であり近代工業国家ではなかった。それが石油の産出と自動車工業の発達で一気に近代工業国家となりましたが、石油が富の源泉であることには変わりがなかった。

日本の高度成長も、中東の石油が安く買えるようになったからであり、1バレル2ドルくらいだった。それが今では1バレル120ドルだから経済が停滞するのは必然なのだ。日本はもともと資源が無い国だから働かなければ食っていけない。しかし円高で国内には工場が無くなりサービス業くらいしか仕事がありませんが、デフレ経済でサービス業も停滞している。

欧米でも失業者が10%前後もありますが、単純工場労働者の仕事は新興国に行ってしまった。コンピュータプログラマーやファンドマネージャーの仕事はありますが、誰にでも出来る仕事ではない。だから単純労働しか出来ない若者はアルバイトか引きこもりになって社会に適応できなくなっている。ナウル共和国の国民は再び魚業に戻れるのだろうか? 

世界は巨大なナウル共和国であり、石油を掘りつくしてしまえば富の源泉は無くなり、僅かな資源をめぐる争奪戦の世界となり、日本も金で何でも買える世界ではなくなるから自給自足的な経済に戻るだろう。石油が無くなればアメリカは農産物も作れなくなり輸出できるものは無くなり最貧国の仲間入りすることも考えられる。石炭やシェールガスやオイルシェルなどがあるが石油が無ければ掘り出すことも出来ない。




すでに日銀がか細い声で「1%のインフレ目標」を口に出しただけで、
オオカミどもは円買いを中断した。政策転換さえすれば、オオカミは去る


2012年3月16日 金曜日

円相場反転? 円投機集団のオオカミは去ったか  3月14日 田村秀男

 月刊「文藝春秋」が4月号で、「日本をギリシャにしないための方策」を特集した。主要全国紙の「主筆」級に競作させるという珍しい企画で、肩書は特別記者の筆者の拙稿も掲載された。さて、自作の出来栄えはともかく、どのような書き手が登場するか、興味津々。お楽しみはあとでというわけで、雑誌発刊までは編集者にあえて聞かなかった。

 手に取るとびっくり、かの読売新聞は渡邊恒雄会長・主筆自ら文字通り筆をとっておられる。毎日新聞は論説委員長の倉重篤郎氏、そして産経新聞は拙論という陣容だった。朝日新聞と日本経済新聞は残念ながら執筆を断ったようだ。筆者の推測だが、自紙での社説やコラムで論陣を張っているので、あえて第三者の雑誌で競作する必要はない、という考えによるだろう。

 産経を除けば消費増税早期実現の旗を振っているもう一つの巨大部数紙と経済思潮に絶大な影響力を持つ日経がこぞって寄稿に参加していれば、反増税で少数派の拙論と、他紙の増税賛成論との中身の違いを一般読者がつぶさに観察できただろう。あるいは新聞界多数派の増税論をめぐっても、各社間の温度差があらわになっただろう。

 拙論の見出しは「オオカミはとっくに来ている」で、金融市場の分析に基づいて、日本の増税に次ぐ増税路線が円高・デフレ要因となり、海外の投資ファンドなど投機集団という「オオカミ」を引き寄せている、というものだ。この際、増税を棚上げして、脱デフレ、成長率アップの財政・金融政策の王道に回帰せよと提案している。

 ■円買い誘う増税路線

 「オオカミ」はどこにいるのか。
 まずは国際金融データを見よう。大震災以降の超円高を引き起こしてきた震源地はロンドンである。英国からの日本の短期債ネット購入額は2011年で65兆円に上る。短期債の100%近くは短期国債である。英国勢による年間純短期債投資は日本政府の短期国債発行残高(政府短期証券を含む)の実に40%を占める。グラフは、英国からの各月の過去3カ月合計の短期債投資額と円ドル相場の推移であり、両者の傾向は重なる。短期債投資は円投機の常套(じょうとう)手段だが、英国以外の海外勢のネット投資は米国を含めマイナスである。言い換えると、ニューヨークではなくロンドンが世界の円投機集団の巣窟になっている。

 ロンドン在住国際金融アナリストのA・シムキン氏によれば、英国勢の正体は帳簿上だけロンドンに本拠を置く各国の投資ファンドだという。中国の国有企業系、アラブ産油国系と余剰マネーを運用するファンドで占められる。

 シムキン氏によれば、「日本の政府債務は問題ではあるが、債務危機ではない」とロンドンの投機家たちはみている。日本は世界最大の債権国であり、政府長期債務の九十数%は国内貯蓄でまかなわれている。しかも、大震災が起きるや、日本政府はただちに復興増税に踏み出したし、続いて消費増税の大幅アップを決意し、野田首相は国際公約までした。デフレなのにデフレを悪化させる増税路線を推進するのだから、モノや設備に対して価値が上がる円債が買われるのは当然だ。言い換えると、増税路線が異常なまでの円買い投機を誘ってきた。国債の短期ものがまず買われ、その影響で中長期国債の利回りも低下する。

 ■脱デフレ政策必要

 ここで、増税論者はしたり顔で言うだろう。投機筋は流れの変化に目ざとい。何かのはずみで一挙に円売り、日本国債売りがロンドン発で起きかねない、と。だから復興増税も消費増税も必要なのだ、でないと「投機筋というオオカミが来る」、と。

 だが、オオカミはとっくに大挙して日本に入っている。オオカミを招き入れたのは、増税とデフレを容認してきた財務省なのである。財務省がさらにデフレと増税政策を続けるなら、それは日本の家計を困窮させ、若者の将来を奪い、企業を国内にいられなくする。代わりに跋扈(ばっこ)するのはオオカミだ

 政府は増税という餌でオオカミどもを太らせる政策を打ち切るべきだ。消費増税はオプションとして残し、増税時期はデフレ脱出のメドが立ったときに時の総理が決断することとする。その間、政府と日銀は脱デフレで足並みをそろえ、政府は成長戦略、日銀は金融緩和を徹底すればよい。

 すでに日銀がか細い声で「1%のインフレ目標」を口に出しただけで、オオカミどもは円買いを中断した。よりはっきりと大きな声を出して政策転換さえすれば、オオカミは去り、円高デフレの流れは変えられるのだ。
 (特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)


(私のコメント)

日銀の一声で円は84円まで安くなり株価は10000円を超えて上昇しました。財務省のバカ連中は数兆円もかけて円売りドル買い介入しましたが数日しか持たなかった。彼らがいかにバカであるかがわかりますが、このような現実を見させないと彼らにはわからない。だから消費税増税したら大不況になることもバカな財務省の官僚にはわからないのでしょう。

インフレターゲット政策がいかに円高や不況対策に効果があるか証明されましたが、もし日銀がインフレターゲットに反することをしたら一気にその反動が来るだろう。田村秀男氏が3,11以降の円高がロンドンからの円買いにあることを分析していますが、増税路線が円高を招いているのだろう。増税と言えば言うほど円が買われる。

大手のマスコミは財務省や日銀の広報機関だから、インフレターゲット政策は一部の学者や経済評論家しか言わなかった。「株式日記」では定期的に田村氏の記事を紹介して金融緩和を主張してきましたが、物価が1%上昇するまで日銀は金融緩和を継続しなければならない。そうでなければ白川日銀総裁は嘘をついたことになる。

だからロンドンからの円買いは止まり、株式に資金が動いている。株式相場が上昇すれば銀行も自己資本が豊かになり融資余力が出てくる。今までは株価が低迷していたからいくら金融緩和しても銀行は貸し出しを増やすことが出来なかった。自己資本が減ってしまえば買えるのは国債しかないからだ。

もっと分かり易く言えば、日銀が金融緩和しているか引き締めているかを見るには株式相場を見れば分かる。株価が高ければ銀行は積極的に融資を増やして国債を売る。財務省は銀行に国債を買わせるためにわざと増税政策をとって不況感を煽ってきたのだろう。そうすれば株が売られて国債が買われる。

90年代初頭から日本が長期不況に突入したのは、日銀官僚が日銀総裁となり金融の引き締め政策を持続してきたからだ。金利を引き下げても日銀が資金を回収して量的引き締めを続けてきた。だから円高は90年代から今日まで続いてきたのですが、日銀のインフレターゲット政策は一大金融政策の転換であり円高に転換点にもなるだろう。

当面の注目点は国債金利の上昇ですが、デフレギャップが存在するから物価の上昇や金利の上昇は遅れるだろう。円買いに向かっていた投機資金はドルもユーロも買えないから石油などに向かうだろう。今まだは円が投機資金を一手に引き受けてきたようなものですが、ドルやユーロが通貨安政策をとってきたら円も円安政策をとるべきだ。

これで日銀系や財務省系のひも付き経済評論家や経済学者はおとなしくなるのでしょうが、消費税増税のキャンペーンは止めるつもりは無いようだ。テレビも新聞も政府の広報機関だから増税しないと大変だといい続けるのでしょうが、デフレから弱いインフレになれば景気が上昇して税収も増加する。株価は景気の先行指標だから先高感が定着すれば国債を売って株を買うだろう。

株が買われれば企業も資金調達が楽になり設備投資などが行なわれて、新規採用も増えるだろう。原発が停止してLNGの輸入が増えるから貿易赤字も定着する。そうなれば円は売られて1ドル=100円から120円くらいまで戻るかもしれない。それはいつとは言えませんが円高の流れは変わった。



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