株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


アメリカは、金融商品を世界に売り、インチキがばれて金融商品の多くが
紙切れになった。今度はドルや米国債を紙切れにして踏み倒すつもりだろう。


2011年7月31日 日曜日

◆計画破産国家アメリカの罠 そして世界の救世主となる日本


米債務問題、FRBに不満募らすウォール街 7月29日 英フィナンシャル・タイムズ紙

上級幹部から現場のトレーダーに至るまで、ウォール街のバンカーたちが米連邦準備理事会(FRB)に不満を募らせている。米国債の格下げやデフォルト(債務不履行)を想定したシナリオプランニングに携わるのをFRBが拒んでいるというのだ。

 米財務省が債務上限引き上げの期限としている8月2日まであと数日を残すのみとなったが、ワシントンでの交渉が合意に至らなかった場合、あるいは格付け会社が米国の格付けを「トリプルA」から引き下げた場合に市場にどんなインパクトが及ぶのかといった議論の呼びかけに対し、FRBからの反応はないという。

期限が迫り、気を揉むウォール街

 ウォール街の関係者は、米国債を保有するマネー・マーケット・ファンド(MMF)の取り付け騒ぎ(解約の急増)、預金が突然大量に流入して銀行のバランスシートが膨張した時に自己資本比率に及ぶ影響、銀行の短期資金調達手段であるレポ市場への潜在的な影響などに備えた緊急時対応計画を作成したいと考えている。

 ある金融業界関係者は「責任を負う立場にある政府関係者が話に乗ってこない。1つには、どう対応していいのか彼らもよく分かっていないからだろう」と語る。

 別の業界筋は「向こうからは何の情報も入ってこない。(連邦議会で予算が成立せず、連邦政府機関が閉鎖された)政府閉鎖の時は、少なくともロードマップがあった」と話している。

 FRBは現在、異常な状況に置かれている。金融システムの主たる監督者である一方で、米国政府の代理人として、財務省の小切手の支払い、電子送金の処理、および米国債の発行、名義書換、償還に責任を負っているからだ。

 「こうした分野で、FRBは米国政府の財務代理人として活動している。我々はそういう立場で財務省と業務計画の策定に携わっている」。FRBはこう述べ、「議会の状況がもっとはっきりし、財務省が具体的な計画の詳細を明らかにすれば、我々も金融機関に追加的なガイダンスを提供できるようになるだろう」とつけ加える。

複数の市場参加者によれば、FRBと財務省はいつものようにディーラーを通じて市場の注文動向や流動性を監視しているが、シナリオプランニングは拒否している。

 財務省は今のところ、債務上限が引き上げられなかった時にどうするのかという緊急時対応計画を一切公表していない。財務省が、例えば利払いを優先するのかどうかを明言しない限り、それによって生じ得る影響についてFRBが銀行と議論することは困難だ。

 銀行関係者の見るところ、FRBは、米国債の格下げや、まだ大半のアナリストが可能性は極めて低いと考えているテクニカルなデフォルトに備え始めているというシグナルを送ってしまうことを恐れている。

 対照的に、国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)は27日に、支払いが期日になされなかった場合の米国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済についてガイドラインを発表する予定になっていた。

混乱が生じたらFRBはどう対応するのか?

 銀行は、債務上限が引き上げられないために混乱が生じた場合にFRBは金融システムをどのようにサポートするのかという問題に加え、業務上の問題についても懸念を抱いている。

 銀行は、例えば利払いが予定通りに行われなかった米国債を担保にしてもFRBが融資してくれるのかどうかを知りたいと考えている。融資が行われれば、レポ市場の支えになるだろう。また、米国債の入札で売れ残りが生じたら、FRBはこれを購入して米国債の借り換えを支援するのかどうかも知りたがっている。

 金融システム全体については、MMFで取り付け騒ぎが生じた場合にFRBはどんな支援をしてくれるのかを知りたがっている。FRBがファンドに流動性を供給することが分かっていれば、取り付け騒ぎが生じる可能性も小さくなるだろう。

 銀行はさらに、例えば米国債の価値が下がったり預金が大量に流出入したりした場合にFRBが自己資本比率や流動性に関する規制をどう運用するのか、また元本と利息はどのように支払われるのかも知りたいと考えている。



(私のコメント)

私はかつて銀行に勤めており、融資係にいたときに預金担保貸し出しの担当をしていました。今では預金担保貸し出しは銀行はやっていないかもしれませんが、定期預金証書や国債などを担保にした貸し出しであり、裏名義の定期預金証書の預金担保貸し出しも行なわれていた。分かりやすく言えば銀行を利用したマネーロンダリングだ。
 
最近では小沢一郎が預金担保で4億円を銀行から借りていましたが、預担は直ぐに実行してくれる借り入れだ。つまり国債は担保にすれば直ぐに貸してくれるから現金に順ずるものであり、現金に順ずる資産であるのだ。だからテレビなどで国の借金が1000兆円あるといっても、購入している投資家や個人にとっては資産になる。
 
だから1000兆円の現金に順ずるものが出回っているわけであり、その1000兆円を銀行に持ち込めば掛け目90%ととして900兆円の現金が借りられる。日銀が買いオペしなくてもいつでも900兆円が市場の供給される構造になっている。しかし景気が低迷しているから現金需要がないだけの話だ。
 
昨日書いたように日銀が国債の買いオペをして現金をばら撒いたとしても投資先が見つからない。ならば日銀がETF購入のような形で資金供給するしかないだろう。アメリカでもFRBがヘッジファンドに資金運用させる形で介入しているのでしょうが、日本にはヘッジファンドに相当するものがない。株式運用のノウハウがないから外資が6割も占めている。
 
日本でも投資チャンスが生まれてくれば、眠っている1000兆円の国債が現金として一斉に出回るのでしょうが、政府は財政を縮小するばかりで明確な国家プランが打ち出せないでいる。新幹線も高速道路もほとんど作ってしまったから、財務省の役人は建設国債の償還にばかり気にかけるようになってしまった。国債の残高が増えれば気にするのは日本もアメリカも同じなのですが、金利が低いうちは国が借りなければ銀行などは資金運用に困ることになる。
 
日本の特例国債法案とアメリカの債務上限引き上げ法案は似たようなものですが、与野党の政策の駆け引きの手段になってしまっている。日本の場合は埋蔵金が沢山あるから余裕があるのですが、アメリカの場合は法案が通らないと国債の金利もデフォルトする事になる。デフォルトした米国債がAAAの最高格付けというのもおかしなことになる。
 
今までなら米国債100万円持っていれば90万円借りられたのに、格付けが暴落すれば70万しか借りられないことになる。あるいは追加担保を銀行から要求されるかもしれない。AAAの最高格付けだから買っていた投資家たちも一斉に売却に走るかもしれない。そうなれば金利が急騰してアメリカ政府はいよいよ倒産と言うことになる。これは一種の計画倒産だ。
 
共和党と民主党が八百長芝居で米国債をデフォルトさせて、ドルが暴落すればドルも米国債も紙切れになり借金はチャラにする事が出来る。しかしアメリカは最強の軍事大国だから誰も文句が言えない。中国ですら借金を踏み倒されてもどうすることも出来ないから日本も泣き寝入りだ。日本政府が持つ80兆円のドル債権はどうしようもありませんが、民間が持つ700兆円のドル債権はたたき売りするしかないだろう。
 
アメリカは非常に豊かな国でありましたが、それが倒産して借金だらけになり二束三文であらゆるものが売りに出される。それに対して日本国民は1500兆円の金融資産があり、それがドルが大暴落してただ同然で買うことが出来るようになるかもしれない。90年代のロシアでは三桁のインフレで軍人ですら給料がもらえなかった。アメリカ政府の役人の8月分の給料は出るのだろうか?
 
気になるのはジョージソロスがファンドを止めたことと、金の売買の停止する事が決まったことであり、アメリカのいよいよ計画倒産の実施の時が来たのだろうか? アメリカは基軸通貨だからドル札をいくらでも刷ることが出来ますから償還不能はありませんが、1円=1ドルになることはありえる。これもドル札を刷り過ぎたせいであり、世界中に散らばったドルを回収しなければ収拾がつかなくなるか、新ドルを発行して旧ドルは紙切れにするしかない。
 
債務上限を引き上げることは毎年のようにやってきたことであり、共和党と民主党がやっていることは八百長芝居であり、ドルを暴落させることで計画倒産して借金をチャラにする動きだ。その為にオバマ大統領が選ばれたわけであり、金融商品を世界に売り、インチキがばれて金融商品の多くが紙切れになった。今度はドルや米国債を紙切れにして踏み倒すつもりだろう。
 




日銀が、大震災後の年率15、16%以上のベースマネー増量を打ち出せば、
外国為替市場の円高期待感は薄れ、逆に円安へと流れが変わるだろう。


2011年7月30日 土曜日

中央銀行による国際的なお札の増刷競争であり、日本は刷り負けている。


おカネを刷る世界と刷らない日本 7月28日 田村秀男/SANKEI EXPRESS

中央銀行はおカネを大量に刷ってはいけない、悪性インフレが起こり、国民は大変な苦難に見舞われる、というのが経済学上の定説だが、今やお蔵入りだ。21世紀の今日では刷った国が勝ち、刷らないと負ける。主要国のなかで唯一おカネを刷らない日本では、円高が進み、日本企業は台頭著しい中国、韓国などの企業と競争で苦戦している。それでも、上海やソウルに行けばショッピング、観光と楽しめるではないかと思う方々もいるだろうが、そんな気になれるのはほんの一部だけだ。国民の多くは円高デフレのために可処分所得が下がり続け、貧しくなるばかりなのだ。

 ■進む円高、国際競争も劣勢

 この6月時点では2007年6月に比べ、円はドルに対して34%、対ユーロ30%、対中国人民元23%、さらに対韓国ウォン44%と高くなった。道理で、韓国や中国の家電メーカーが日本との競争で優位にたつはずである。欧州でもドイツの輸出産業が活気づいている背景にはユーロ安がある。いったい、どうして円だけが高くなるのだろうか。円高要因はさまざまだが、最も強い因果関係があるのはどうやら、お札の増し刷り競争のようだ。

 グラフをみてほしい。中央銀行別の資金供給(金融用語では「ベースマネー」=おカネの基=と呼ばれる)残高を通貨別に追っている。まず、鮮明にわかるのは、日銀は2007年はじめからベースマネーを増やそうとせず、他の主要中央銀行は増やしてきた。特に米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)のベースマネーの膨張に連動して円高・ドル安に加速がかかっている。

 FRBは08年9月の「リーマン・ショック」後、ドル資金を大増刷し、この6月までに実に3倍以上も増やした。ベースマネーは現金発行残高と金融機関がFRBを構成する連邦準備銀行での準備預金の合計をさす。米国が参戦した第二次大戦期(1941〜45年)の4年間にFRBは現金を約3倍発行した。当時のベースマネー公式統計データがみつからないので、正確にはわからないが、現在は戦時体制をさらに上回る速度でおカネを創出したとも考えられる。こうしたマネーの洪水とドル安にもかかわらず、消費者物価は6月で前年比3.6%上昇にとどまっている。

ドル安と言うが、円に対してそうでも、ユーロに対しては7%安、人民元に対しては15%安、ウォンに対しては逆に16%も強くなっている。対ドル・レートからみた国際競争力では韓国がもっともうまく優位に立ったことになり、日本は最もハンディを負った。韓国はベースマネーを着実なペースで増やし続けると同時に、外国為替市場での介入により、円はもとより人民元に対してもウォン高にならないようなオペレーションを展開しているようだ。

 対照的なのが日本である。日銀はリーマン・ショックが起きてもFRBに同調せず資金供給量を増やさなかった。ことし3月11日の東日本大震災が起きた後は、さすがに1年前に比べて16%、資金発行量を増やしているが、リーマン前以来の趨勢(すうせい)でみれば、日銀の慎重姿勢は際立っている。それでももし、大震災後にベースマネーを増やさなかったら、円相場は1ドル78円台どころか、70円くらいまで上昇していたかもしれない。

 ■「量的緩和政策」への転換を

 以上、みてきたように、経済学教科書なんかにこだわらず、お札の洪水を引き起こしてきたのが米国で、日本を除く他の主要中央銀行が追随してきたわけだが、日本はこの教訓をうまくいかせば、周回遅れながら、円高を止め、円安にうまく誘導し、米国、欧州、韓国、中国などの企業を国際競争で逆転できるようにできるだろう。

 というのは、他の国は悪性インフレにこそなってはいないが、インフレ懸念が忍び寄っており、欧州は金融引き締めに踏み切り、ユーロ安に歯止めをかけざるをえない。中国は人民元の大量発行のために不動産バブルの膨張が止まらず、消費者物価指数も6%台まで上昇している。人民元の一層の切り上げと利上げでモノと資産のインフレの進行を止めるしかない状況だ。米国も失業率改善など実体経済の回復が確かになれば、これ以上のドル増刷は控えるようになるだろう。韓国を除けば、金融面から自国通貨安促進策をとりにくい状況だ。

 そこで、日銀がはっきりと「量的緩和政策」への転換を決め、大震災後の年率15、16%以上のベースマネー増量を打ち出せば、外国為替市場の円高期待感は薄れ、逆に円安へと流れが変わるだろう。もとより、日銀を突き動かすためには、ポスト菅直人首相に指導力ある人物が就かなければならないが。



(私のコメント)

円が76円台まで急騰していますが、8月2日のアメリカのデフォルトが迫って来ています。アメリカ政府の債務残高が増えるのは、金融危機を克服するには国債の大量発行で金融機関を救済しなければならかったわけですが、それが法定上限に達してしまったからだ。アメリカは基軸通貨国だからいくらでもドルは発行できる。しかし買ってくれる国があればの話だ。
 
冒頭のグラフでも分かるように、アメリカがジャンジャンドル札を印刷してばら撒けばドル安になりますが、中国はドルだけ安くなることは困るから、人民元も安くする為に印刷機をフル回転して人民元札を印刷してばら撒いています。このようなアメリカと中国の札刷り合戦で、世界の投資家たちは円を買って自己防衛している。
 
中国はインフレが激しくなって、賃金の上昇も激しくなっていますが、これでは人民元を安くしていてもコスト高になってしまう。金利を上げたり準備率を引き上げて引き締めていますが効果は無いだろう。インフレを抑えるには人民元を引き上げればいいのですが、輸出競争力がないからそれも出来ない。
 
アメリカと中国の通貨ばら撒き合戦で周りの国が迷惑していますが、韓国のようにある程度のオペレーションを行なってウォン安にコントロールしていますが、日本も為替が急騰しない程度の金融緩和で調整すべきだろう。しかし銀行が持っている国債を買いオペしても銀行は貸し出しを増やさない。だから銀行の預貸率は下がる一方で銀高収益は下がる一方だ。
 
日本の銀行は資金運用能力がなく、土地などの担保がないと金は貸してくれない。こうして預金を集めても運用能力がないから国債ばかり買っている。昔は機関投資家として株などを買って運用していましたがバブル崩壊でこれも大きく損失を出して手を出さなくなってしまった。預金は年々増え続けているのに貸し出しも増やさずに国債しか買わないから国債の金利は超低金利のままだ。
 
金利の高い外債などで運用すればと思うのですが、これも資金運用能力がないから限度があるのだろう。こうなれば日銀がリスクを背負って投資すべきなのでしょうが、これは政府の財政の役割だ。しかし政府も財政再建を優先して公共投資を減らし続けている。確かに橋や道路や箱物を作っても景気波及効果が無くなって来ている。
 
「株式日記」では科学技術開発に公共投資を向けるべきだと書いてきましたが、新エネルギー開発などはほとんど行なわれてこなかった。原子力開発には毎年4300億円も使われていましたが、地方では風力発電機もほとんど見かけず太陽光発電プラントなども見かけなかった。政府は原子力発電一辺倒になりさらに14基の原発を増設しようとしていた。
 
このように国家戦略がはっきりせず、方向が見出せないのが日本の停滞の原因なのでしょうが、国内でマネーが回らないのも銀行の機能不全と政府の迷走が原因なのだ。円高で困った困ったとばかり言っていないで、円高を生かす政策をはっきりと打ち出すべきなのですが、国内投資に新しい分野を見つける事が出来なかった。
 
「株式日記」では新エネルギー開発や農業の大型化や米を輸出商品にするなどの政策提言をしてきましたが、どうしても既得権益の壁に突き当たってしまう。しかし福島原発の事故は新エネルギー開発の一つのきっかけになるだろう。農業の近代化も農地の自由化を行なって新規参入を促せば地方の活性化に繋がる。
 
日本では金があっても使い道がないから経済が停滞しているのであり、規制緩和と自由参入を促す政策に切り替えるべきだ。電力一つとっても東京電力の地域独占は既得権化していますが、自由化して競争を促せば新規参入が相次いで日本各地に様々な発電所が出来るだろう。農業にしても自由化して高齢化した農家の離農を促して集約化を進めて農業の企業化を進めるべきだ。
 
銀行なども資金運用能力のない銀行は潰していって、新規参入を促して自由競争をさせるべきですが、日本政府はどうしても既得権を保護して収益の低い産業ばかりになってしまう。以前なら自由化すると外資に乗っ取られる危険性がありましたが、リーマンショックでハゲタカはいなくなった。以前のハゲタカはアメリカ国営ファンドであり日本の銀行や道路公団や電力会社まで買い占めてしまうほどの勢いがありましたが、リーマンショックで枠がはめられた。
 
日本は円高なのだから、アメリカのハゲタカを買収して国際化すればいいと思うのですが、一時はゴールドマンサックスやモルガンスタンレーを救済したりするほどだった。野村もリーマンを買収して国際化しましたが、円高を生かせば世界中の有力企業を買収して、彼らを働かしてその上前をはねればいい。バブルの頃もアメリカの不動産や映画会社を買収して全部失敗しましたが、円高というのは買収してくださいと言っているようなものだ。
 
日本の銀行には借り手のない預金がうずたかく積まれているのだから、アメリカの農地を買収したり、レアメタル鉱山を買収したり、石油会社も買収したらどうだろうか? アメリカは8月2日に倒産するのだからあらゆるものが大安売りに出されるだろう。それらを買ってくださいとばかりに円が高くなっているのだから買うべきだ。買ったら直ぐに円安にして売却すれば円安差益が稼げる。通貨は高くすることは大変だが安くするには円を大量発行すれば直ぐに安くなる。
 




好むと好まざるにかかわらず、中国の台頭とアメリカの衰退というのは、
日本にとっては大きな地政学的変化が到来しつつあることを意味する。


2011年7月29日 金曜日

The Peace of Illusions: American Grand Strategy from 1940 to the Present


『幻想の平和:1940年から現在までのアメリカの大戦略』by クリストファー・レイン 7月23日 地政学を英国で学んだ

今回はひねらずに直球勝負の直訳の題名です。

気になるお値段ですが、毎度おなじみでちょっとお高め設定の、本体3800円(税込3990円)となる予定で、すでにAmazonでは予約ができるようです。発売は8月末頃の予定。

この本の内容を大胆に一言で言えば、

「私のリアリズムの理論から言えばアメリカ没落は決定だから、新しい大戦略である“オフショア・バランシング”を採用しなさい!」

というもので、東アジアから撤退し、日本には自立させて核武装させなさい、と大胆な提言も行っております。

日本やドイツが、アメリカから(不当に)「二重の封じ込め」を仕掛けられていることや、台湾を中国に渡せという提案、そして強烈なリベラル批判やアメリカ一極時代の終わりを論理的に述べている後半の章はなかなか読ませてくれます。

ということでゲーツ元国防長官も容認したとされるレインによる「オフショア・バランシング」論の本書は、そもそもミアシャイマーをしのぐ理論書と歴史書の性格が強いですが、その議論はなかなか圧倒的。

以下はすでに掲載した「日本語版へのまえがき」から

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私は本書が日本語に訳されたことを本当に嬉しく思っている。なぜなら、この本の議論はなるべく多くの人々に聞いてもらう必要のあるものだからだ。

外交的に失礼となるリスクを承知であえて言わせていただければ、対外政策や安全保障政策における現在の日本は、一人のアメリカ人の目には、どうも自分だけの世界の「幻想」の中でひたすら頑張っているだけのようにしか見えないことがある。日本は目を覚まし、自分たちの将来を真剣に考え始める必要があるだろう。

(中略)

もちろん日本の対外政策のエリートたちは中国の台頭による地政学的な意味を明確に理解していた。しかしそれと同じくらい明らかだったのは、日本は中国の台頭に対処するための大戦略の作成では迷走を繰り返している、という事実だった。

日本のデフォルト的な選択肢というのは、どうやら「アメリカが守ってくれるからわれわれは心配する必要はない」というものだ。そしてたしかに次の五年間くらいはおそらくこの想定も合理的なものであり続けるだろう。ところが時が二〇二〇年に近づき、アメリカが財政危機によって戦略的に縮小することを迫られていることを考えれば、アメリカが東アジアのコミットメントから大きく撤退せざるを得なくなることは目に見えているのだ。

それに加えて、アメリカの「拡大抑止」(extended deterrence)という戦略の抱えるリスクがさらに明らかになるにしたがって、アメリカは日本から「核の傘」を撤回することになるのだ。

本書が発している日本に対するメッセージは、かなり過酷なものである。二〇三〇年代に近づくにつれて、日本は「アメリカが中国から守ってくれる」という想定の上に大戦略を立てることはできなくなる。日本は「アメリカが去った後の東アジア」という状況に対して準備を進めなければならないし、このためには自分たちの力で立ち上がり、国防の責任を背負うことが必要になってくる。

好むと好まざるにかかわらず、中国の台頭とアメリカの衰退というのは、日本(やそれ以外の東アジア・東南アジアの国々)にとっては大きな地政学的変化が到来しつつあることを意味する。この点について「幻想」がないことだけははっきりしているのだ。


中国の台頭と日本の未来 2006年11月21日  田中 宇

▼日本もかつて覇権委譲を受けた

 かつて、19世紀にイギリスの覇権が陰り出したとき、イギリスは極東における覇権を日本に委譲した。イギリスは長州藩をテコ入れし、ロンドンに留学していた伊藤博文らに支援を約束し、伊藤らは明治維新を起こして権力者になった。明治の日本は、イギリスの制度を真似て作られ、天皇を国家元首にすることでヨーロッパの王室を真似た立憲君主制が作られた。

 その後、イギリスなど西欧の世界覇権は、第一次大戦の自滅的な破壊によって縮小したが、アジアにおいてその真空状態を埋めたのが、明治維新によって欧風・近代的に改造された日本だった。問題は、日本だけでなく、アメリカもイギリスから覇権を委譲されていたことで、アメリカは太平洋にも覇権を拡張していたため日本と衝突し、日本は第二次大戦に敗れ、アメリカに覇権を奪われた。

 その後はアメリカが世界最大の覇権国となったが、1970年代から覇権の陰りが始まったため、アメリカは「三極委員会」や「G5」などを作り、欧州と日本にも覇権を分散しようとした。欧州は冷戦後のEU統合によって覇権への道を歩み始めたが、日本は対米従属がうまく機能していたので覇権の委譲を断り、今日に至っている。日本に断られたアメリカは、代わりに中国に覇権を委譲する戦略に転じ、1978年の米中国交正常化後、中国ではトウ小平が改革開放政策を開始し、経済発展への道を歩み始めた。

 最近になって日本人は「中国に負けたくない」と思い始めているが、負けたくないのなら1970年代のアメリカからの覇権委譲を断るべきではなかった(当時の日本政府は、国民には何も知らせず、覇権拒否と対米従属の継続を決めたのだろうが)。

 実は日本ばかりでなく、中国もアメリカからの覇権の委譲を断り続けてきた。北朝鮮の6カ国協議で、中国は最初「会場係」としてのみ機能しようとしたことが、それを象徴している。アメリカが北朝鮮を解決不能な方向にどんどん押しやってしまうので、仕方なく中国は韓半島の覇権をとることにした。



(私のコメント)

8月2日にアメリカはデフォルトして倒産国家になるという噂がありますが、アメリカは借金が返せなくなってドル札を大量に印刷してばら撒いています。最初はそれで金融危機は逃れることが出来るかもしれませんが、国家が大量に紙幣を印刷するようになれば人々は金を買ったり外貨に変えて持とうとする。そうしておけば来るべきインフレと通貨の暴落を回避することが出来る。
 
ドルやユーロの暴落の受け皿になっているのはスイスフランや日本の円ですが、スイスフランは規模が小さくて大量のドルやユーロの受け皿は事実上日本の円しかありません。日本も対抗して円を大量にばら撒けば銀行は現金で持っていても利子が稼げないから高金利の外貨建て債権を買わなければなりません。しかしそうなれば円も同時に安くなるのですが、それではドル安ユーロ安の意味が無くなる。
 
つまり構造的に見れば日本の円がドルやユーロの価値を支えていることになり、円が隠れた基軸通貨となっている。本来ならば日本を上回る経済大国になった中国が引き受けるべきなのですが、中国は人民元を自由化せずドルにリンクさせている。ドルが安くなれば人民元も安くさせている。本当に中国が経済大国なら人民元は高くならなければなりませんが、人民元は20%高くなっただけでも中国経済はダメージを負ってしまう。
 
それに対して日本の円は1ドル=360円から77円にまで高騰して400%以上も高騰しても日本経済は輸出競争力は衰えていない。1970年代の日本の自動車はポンコツ自動車でありアメリカの高速道路を走ればオーバーヒートするようなものだった。その後の改良によって日本は自動車大国になり、1万ドルでしか売れなかった国産車が4万ドル以上でも売れるようになったから円高でも平気なのだろう。
 
トヨタレクサスの最高級車は7万ドルで売られていますが、アメ車はガソリン価格の高騰で売れなくなりGMもクライスラーも倒産してしまった。故障知らずで低燃費な車なら高くても売れるわけであり、それは中古車市場を見ればもっとよく分かる。トヨタプリウスなどは品薄で注文しても半年待ちの状態だ。ならばアメリカ自動車メーカーも低燃費な車を作ればいいと思うのですが、アメリカの技術力ではそれが出来なかった。
 
中国が人民元の切り上げが出来ないのも、故障知らずで低燃費の車を作る事が出来ないからであり、中国でも日本車が高くても売れている。自動車は安くても故障ばかりしていては鉄屑であり売れなくなる。アメリカはガソリン自動車の普及と共に大帝国となり、ガソリン価格の高騰で帝国としてのアメリカは滅びようとしている。
 
だから8月2日にアメリカは倒産するのかもしれませんが、世界各地に展開しているアメリカ軍基地も閉鎖されるのは時間の問題だ。アメリカの国家経済を立て直すには軍事費を減らすしか道はない。いくら虚勢を張っても金がなければ軍事力は維持できないのであり、財政赤字と貿易赤字でアメリカは首が回らなくなっている。間に合わせにドル札を印刷して埋め合わせしていますが、アメリカの輪転機経済は8月2日に破綻する。
 
これらを前提とすれば、クリストファー・レインの「幻想の平和」で書かれているような、オフショワ・バランシング戦略を採用して、世界の勢力均衡で平和を維持しなければならなくなるだろう。アメリカは1991年のソ連崩壊以降、単独覇権主義と多極主義との戦略が競い合っていますが、単独覇権主義はアメリカの暴走で破綻しつつあります。
 
単独覇権主義の暴走は、イラク戦争やアフガン戦争の失敗でも明らかであり、毎月1兆円もの戦争経費はアメリカの経済破綻を早めるだけだろう。その結果、アメリカの戦略は大幅な縮小を迫られるだろう。東アジアに関しては日本ー韓国ー台湾ーフィリピンのラインから、アラスカーハワイーオーストラリアまで防衛ラインを後退させる。
 
日本の戦略的な価値も、ソ連が対象の時は重要だったが、中国を対象とするときは近すぎるし北に偏りすぎている。だから近い将来は日本の核の傘もなくなり在日米軍基地も有名無実な存在になる。日本のアメポチたちはアメリカの国力は変わらないとしてアメリカに頼りきっていますが、それは幻想に過ぎない。国防費が削られれば軍艦も軍用機も大幅に減らさなければならない。
 
中国の経済的な台頭も日本にとっては脅威になりますが、アメリカの伝統的なバランスオブパワー戦略から見れば当然のことであり、日本を押さえ込むには中国を改革開放で経済発展させて日本に対抗させなければならない。90年代から米中による日本封じ込め戦略が行われてきたのですが、日本の戦略家でこの事に気がつく人はいなかった。
 
岡崎久彦氏や森本敏氏などがアメポチの代表ですが、アメリカに従属していれば安全と言うおめでたい戦略だ。しかしバランスオブパワーの戦略から見れば日本の台頭を抑えるには中国を使い、中国の台頭を抑えるには日本を使うのは当然の戦略であり、時と場合によればアメリカは中国に味方する。
 
90年代からの米中による日本封じ込め戦略は、日本の長期的な停滞を招きましたが、日本はこれに対抗する戦略を持たなかった。日本にはキッシンジャーやブレジンスキーに対するカウンターパートがいなかった。そこに彗星のごとく現れたのが「株式日記」であり、アメリカ金融帝国主義は日中共同の敵であり、「日本は中国、アジア諸国と手を組んでアメリカ金融帝国主義と対決するべきと思います。いつまでも金融を使った略奪行為を止めさせなければなりません。」と1998年6月16日に書きました。
 
アメリカの戦略としては、中国は経済発展すれば韓国や台湾のように民主化して独裁体制が崩れると見ていたのでしょうが、経済発展と独裁制度は対立せず開発独裁国家となった。最近では20年後にはアメリカを上回る超大国になるという予想が出てきましたが、8月2日のアメリカ破産でそれはもっと早くなるだろう。
 
中国の台頭とアメリカの破産は、日本の真の独立を求められる時であり、アメリカは自発的にアジアから撤退して行くだろう。田中宇氏の記事にあるように、アメリカは1970年代に日米欧の三極構造を構想した。しかし日本は核武装もせずアメリカ従属の道を選んだ。日本国民にもその覚悟は無かったし、それだけの戦略思想を構築できる人材もいなかった。
 
アメリカがクリストファー・レインのオフショア・バランシング戦略をとった場合、アジアにおいては日中が対立した形となりバランスをとることになるだろう。その為には日本の核武装が不可欠となる。しかし国内においては核武装はいまだにタブーであり、核武装を主張した中川昭一は不可解な死を遂げた。しかしアメリカ国内においても日本の核武装を主張する人も出てきて、クリストファー・レインもその一人だ。
 
日本の核武装を認めなければ、日本は自動的に中国の属国となりアメリカと対抗するようになる。90年代からのアメリカによる日本たたきは、ブレジンスキーの戦略であり、オバマ大統領は米中によるG2体制を呼びかけた。その結果日本では民主党政権が出来て鳩山内閣では沖縄米軍基地の海外移転を模索するようになった。アメリカが日本たたきを続ければ結果的にそうなる。
 
『日本やドイツが、アメリカから(不当に)「二重の封じ込め」を仕掛けられていること』は「平和の幻想」でも書かれているということですが、本来の同盟国である日本よりも中国をG2同盟国として選ぶような間違いをリアリスト戦略家は間違いを起こす。オバマのG2発言はアメリカ国内からも批判を浴びましたが、日本のアメリカ離れを促す結果となり、オバマは中国対する姿勢を変えざるを得なくなった。
 
アメリカがアジアから撤退すれば台湾や韓国はどうなるのだろうか? 韓国や台湾は自発的に中国の勢力下に入るのだろうか? もし台湾が中国に併合されれば西太平洋の覇権は中国のものとなり、日本も自動的に中国の勢力下に入らざるを得ない。それはアメリカにとって利益なのだろうか? むしろ日本に核武装を認めて韓国と台湾を守らせる選択をするだろう。
 




危機に右往左往する総理大臣、肝心なところで病床に伏せる東京電力
社長と日本のリーダーたちの醜態。彼らの姿は、世界中で嘲笑された。


2011年7月28日 木曜日

◆米国製エリートは本当にすごいのか? 佐々木紀彦:著


サンデル教授のような授業は例外? 米国のエリート大学の本当の姿 7月28日 WEB本の雑誌

東日本大震災をきっかけに、私たち日本人が目の当たりにしたことが二つありました。一つ目は、失意のどん底でも取り乱さない被災者や、寝食を忘れて災害救助に励む自衛隊員たちの存在。彼らの姿は世界中で賞賛されました。

 二つ目は、危機に右往左往する総理大臣、肝心なところで病床に伏せる東京電力社長をはじめとする、日本のリーダーたちの醜態。彼らの姿は、世界中で嘲笑されたと言います。

 現場の優秀さ、勇敢さが際立つほど、エリートたちの質の低さが露呈した今回の大震災。「そのあまりに鮮明なコントラストは、日本人に希望と絶望を与えた」と、東洋経済新報社の雑誌記者・佐々木紀彦氏は言います。「日本はなぜこうもリーダーに恵まれないのか――。今われわれは、こう自問自答せざるをえない状況にある」と。

 優秀なリーダーを生んでいる国として、しばしば米国や英国の名前が上がります。しかし、両国の国民は日本の国民に比べてそんなに優秀でしょうか? 佐々木氏は、「平均的な教育レベルは日本が上でしょうし、人間としての知徳においても差はない」と自著『米国製エリートは本当にすごいのか?』で述べています。ではなぜゆえに両国の指導者のクオリティはこうも違うのでしょう。

 米国の有数なエリート輩出校であるスタンフォード大学のサマープログラムに、大学2年生の時に参加した佐々木氏は、広大なキャンパス、英語の授業、現地学生との交流などを通してスタンフォードに魅せられたそうです。そして、「いつかこの場所に返ってくる」と固く誓い、28歳の時に休職して再び大学院生としてスタンフォード大学で学びました。

 しかし、社会人経験を積んで物事を冷静に眺めることができるようになった佐々木氏の目に映ったスタンフォードは、八年前とはまったく別物。その二年間の留学生活を通じて、「米国の大学教育は素晴らしいと、世界中でいわれているけど、どこがそんなに素晴らしいのだろうか。一流大学の学生は、本当に優秀なのだろうか」と漠然と抱いていた疑問に対する、自分なりの答えを見出しました。

 その結論は、「感嘆するところもあるが、そうでもないところもある。ただし、日本が学ぶべきところは数多い」というもの。

 そして、米国や英国のリーダーのクオリティが高いわけは、「エリート育成システム」にあると紹介しています。日本には、エリートを選抜し、教育し、競争の中で鍛え抜くシステムがなく、リーダーの出現を天に任せているから継続的に良質なリーダーを生むことができないのだと。

 日本では「エリート」ときくと、鼻持ちならない秀才野郎を思い浮かべる人の方が多いかもしれませんが、本来のエリートとは、国民にとってありがたい存在。平時に特権を与えられる一方で、有事には進んで国のために命を捧げてくれるのが本当のエリートの姿。しかし、日本でここまでエリート嫌いが広がってしまったのは、「自らは危険に身をさらさず、特権だけを享受しようとする"似非エリート"が幅を利かすようになってしまったから」(佐々木氏)。

 米国のエリート大学での留学経験を踏まえ、日本人が米国のエリート育成システムから学ぶべきもの、学ぶ必要のないものの両方を詳しくまとめた本書。この本を読んだ若者が、日本オリジナルのエリートとなって、日本のリーダーになってもらえないものか。そう願わずにはいられません。


欧米の有名大学院に派遣された各省の若手エリート官僚の中に、以前にはなかった悲惨な落ちこぼれ現象が起きているのはなぜか? 2007年7月10日 株式日記

◆【やばいぞ日本】序章 没落が始まった(1)「ダイナミズム失う」 7月3日 産経新聞
http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070703/wdi070703000.htm

グラフを見ていただきたい。米国で博士号(自然科学系)を取得したアジア人留学生数の年ごとの変化を示している。日本はわずか200人前後で低迷し、中国は逆に日本の10倍以上の2500人レベルを維持している。中国にかなり離されて韓国、インド、台湾が続き、日本は5位に甘んじている。

 この数字がすべてではないが、日本人留学生の低迷や劣化を示す指標として霞が関の官庁街でささやかれている。それどころか、欧米の有名大学院に派遣された各省の若手エリート官僚の中に、以前にはなかった悲惨な落ちこぼれ現象が起きているという。経済学や論理学の授業についていけずに単位を落とすケースが増えつつある。

 東大法学部卒のある若手官僚は、優秀な人材として出身省でも将来を嘱望されていた。彼は欧州の大学に研修留学して現地語はみるみる力をつけた。

 ところが、数学力不足から経済理論がこなせず、論理学は古代ギリシャ哲学など基礎を学ばないから論理的に崩れのない文章が書けない。1年後に担当教授から呼び出

され、学業不振で退学処分になってしまった。

 日本の大学入試は、記憶力にたけた学生に有利にできている。「ゆとり教育」が行き渡って受験科目を絞る大学が多いから、数学を受験しなくても法学部や経済学部に入ることができる。国際的にはこれが通用しない。

 欧米の経済学は株価の変動など金融を中心に新しい理論が次々に導入されている。三角関数やフーリエ変換など日本の文系には縁遠い計算式が解けないと歯が立たない。肝心の日本のエリートにして惨憺(さんたん)たるありさまなのだ。(後略)



(私のコメント)

以前の政治なら官僚に丸投げしても何とか上手く行っていたのに、最近では民主党が官僚丸投げ政治では上手く行かないのは何か訳があるのだろう。以前なら東大法学部を出て中央官庁に就職したエリート官僚は、欧米の大学に留学して優秀な成績で卒業して帰ってきましたが、最近では授業についていく事が出来ずに退学処分で帰ってくるそうです。
 
これも「入試改革」の成果なのでしょうが、それだけ日本のエリート学生の人材の質が落ちて来ているのだろう。今の日本の大学では有名大学でも学生を集めることに苦労していて、OA入試で受験勉強もせずに大学に入ってくるから、大学のレベルは悲惨なことになっている。東大だってその例外ではないだろう。だから欧米の大学に留学しても授業について行けない学生が出てくる。
 
最近では大学の新卒者の就職率の低さがニュースになっていますが、これは企業の側でも新卒者のレベルが落ちて来ているから採用を絞らざるを得ないのだ。日本の大学は質の維持よりも経営を優先すれば学力の劣る学生も入学させるから、教育内容もレベルを下げていかなければ学生がついてこれない。このような悪循環が教育現場で起きているのだろう。
 
一時期のマスコミでは、受験戦争とか受験競争は良くない事の意味で使われるようになりましたが、競争させなければエリートを選別して行くことが出来ない。それよりも落ちこぼれを無くすためには教育レベルを引き下げることが行なわれた。最近の教科書はカラフルでマンガやイラストを多用した教科書が使われている。
 
欧米の大学では卒業までに480冊の硬い本を読ませるそうですが、月に10冊のペースだ。これでは自由時間の全部を読書に当てても読みきれませんが、本当ならすごい事だ。日本の大学生でこれほど本を読む人はまずいない。むしろ活字離れが話題になるくらいであり、社会人になれば本を読む時間すらないだろう。
 
海外では最新の情報を得ようと思ったら、インターネットにしろ本や新聞にしても英語が読めないと手に入らない。だから大学生や学者やジャーナリストはたいてい英語が出来る。その点では日本では大学教授ですら英語が話せず、日本語だけでも最新の情報が手に入る。人口が1億3千万人もいれば翻訳書でもある程度は売れるので翻訳で欧米の情報が手に入る。
 
その点では明治のエリートなら外国語が出来て、留学経験のあるエリートと一般庶民とは明らかな情報格差があった。それが高等教育の普及と翻訳書の普及で留学する必要もなくなり、日本のエリートは外国語が出来なくなった。ヨーロッパの数百万人しかいない国では自国語で書かれた本も少なく情報は英語の本やインターネットでしか手に入らない。
 
だから英語の出来るエリートと英語が出来ない大衆との格差がどうしても生じてくる。だから外国のエリートは必死になって欧米の大学に留学して英語を身に付けて使いこなしている。そうしなければ最新の情報が手に入らないからだ。日本におけるエリートと大衆との情報格差がないのは翻訳文化が普及していて、英語が出来ない大学教授がいても不思議ではないからだ。
 
日本では一般大衆のレベルが高くてエリートとの差がほとんどない。それでは、もともと英語が母国語の英米ではエリートと大衆との差は何から生ずるのだろうか? それは読書量の差だろう。それに対して日本のエリート大学ではろくに本も読まなくても落第もせずに卒業が出来る。その原因としては日本では反エリートに対する意識が高くて、小中高におけるエリート養成教育が行なわれていない。差別はよくないという発想からだろう。
 
進学エリート校はあるが、大学入学までだ。日本には大学におけるエリート教育は行われていない。東大をはじめとするエリート校でも、「エリート育成システム」はない。『日本では「エリート」ときくと、鼻持ちならない秀才野郎を思い浮かべる人の方が多いかもしれませんが』と記事にもあるように反エリート感情は日本の特徴でもあるだろう。
 
欧州では貴族と一般大衆とは歴然とした差がありますが、アメリカでも経済的貴族と大衆とは格差が激しい。そのような欧米エリートと日本のエリートを比べると差が出るのは当然なのだろう。日本の大学でも「エリートを選抜し、教育し、競争の中で鍛え抜くシステム」を取り入れて人材を養成しなければ、外交でも太刀打ちが出来ませんが、エリート教育は日本のシステムに馴染まない。
 
日本の小学校や中学校では飛びぬけて優秀な学力の生徒は「いじめ」の対象になりやすく、それだけエリートに対する嫉妬心が強い。企業においてもエリート社員と呼ばれるようになると周りから足を引っ張る連中がいて潰される事がある。このような反エリート感情はどこの国でもありますが、社会構造の差がエリートと大衆の差を生んでいますが、日本では大衆化が進んでエリートの居場所がない。
 
日本では平等こそ正義であり、能力に差があってはならず、年功序列で平等に出世が保証されるのが日本の会社だ。政界も年功序列でありエリートは存在しない。こうなると能力があっても評価されないのだから「能ある鷹は爪を隠す」で賢い人物もバカのふりをしないと潰される。しかしバカのふりをしているのか本当にバカなのかは総理になってみないと分からない。菅総理は真性のバカだったと言うことだ。
 




原子力損害賠償支援機構法案で値段が上がり、さらに再生エネルギーの
買取で値段が上がり、ってやっていったら電気料金は大変なことになります。


2011年7月27日 水曜日

原発賠償2法案成立へ 7月27日 東京新聞

 衆院東日本大震災復興特別委員会は二十六日、東京電力福島第一原発事故の賠償を円滑に進めるための「原子力損害賠償支援機構法案」など二法案について採決を行い、民主、自民、公明三党などの賛成多数で可決した。両法案とも二十八日の衆院本会議で可決される予定。その後、参院でも可決され成立する見通しだ。 

 海江田万里経済産業相は二十六日の締めくくり質疑で「両法案の可決により東電の仮払いもスピードアップする」と述べた。民主党の後藤斎議員の質問に答えた。政府が提出した原子力損害賠償支援機構法案は参院送付後、週明けに菅直人首相が出席して開かれる東日本大震災復興特別委員会で審議した上で可決され、来週中の本会議で成立する運びだ。



電気料金をさらに上げて東電を不死身にするための法案が今、国会を通過しようとしている――松田公太議員×原英史氏対談 7月26日 ガジェット通信

原:今の体制、制度のフリーズですよね、あの法案というのは。今回の10兆だか20兆だか分かりませんけども、それだけの損害賠償っていうのを何十年かけてでも東電が機構に対して返済をしていきます、ということになるわけですから、東電は基本的にこのままいじれなくなっちゃうわけですね。菅さんが発送電の分離ということを言ったり、発送電の分離っていうことの裏側には、地域独占の体制だったり総括原価方式であったり、一連の今の電力村みたいな規制制度があるわけですけども、結局今回の法案が通っちゃて機構がいったん東電に大量のお金を流し込みますと、あとは何十年かけて返しますという状態になると、全ての現行制度がフリーズになっちゃうんですよ。

――そうですね、潰せなくなるから発送電分離もできないし。

松田:そうです。今の体制が続くと。それも自分達=経産省にとっては「いいこと」ですよね。「東電さんとの関係が続く」と。もっというと東電さんと経産省の力関係はこれまでバランスを保っていたんですが、東電さんよりも経産省のほうが強くなっていくという可能性もあるんじゃないでしょうかね。どうでしょう。

原:東電はまだまだ負けないと思いますよ。

松田:そうですか。そんなに強いですか、東電は。ゾンビのようですね。

――つまり賠償責任を負っているから、東電が赤字を出して潰れるわけにいかない、という話に経産省はしたいんでしょうが、そうすると総括原価方式も残るし、最終的には電気料金で国民が負担するという形になってしまう。例えば税金という形であろうと電気料金という形であろうと、最終的に賠償を国民が負担という形になってしまうとすれば、「東電を残す」ということに拘る必要はないはずですよね。

松田:自由化がもし発送配電の分離という形で進んでいくと、だんだんとそちらの分野に関する経産省の力がしぼんでいってしまうわけですから、それはなんとしても避けたいという意識はたぶん働いているんじゃないかなと思います。

――やっぱり政治家が考えるべきことは、国民にとってどういう形が一番メリットがあるかということなんじゃないでしょうか。発送電分離なりをやって、将来的には競争によって電気代が下がっていく仕組み等を考えて欲しい。あるいはいろんな特定規模電気事業者が増えてリスク分散ができるとか、そのような形で国民にメリットがある形に結びつかないことにはだめだと思うんです。今やろうとしているのは、既得権もそのまま残しつつ国民負担だけは変わらないという形で、何にもメリットを生まない。

原:電気の値段が上がるといえば、「再生エネルギー法案」も値段が上がる一因となり得ますよ。菅さんが「何十年来の課題だ」と言って取り組んでおられますけれども、結局再生エネルギーを買い取る金額というのは全部そのまま電気料金にはね返る仕組みですから。あれをやるんだったらそれこそ、「電力の自由化」とセットでやって値段下げるのと一緒にやらないことには。原子力損害賠償支援機構法案で値段が上がり、さらに再生エネルギーの買取で値段が上がり、ってやっていったら電気料金は大変なことになっちゃいますよ

――そうですよね。企業にとっては値上がりした電気料金なんてとてもじゃなくて、結果「日本から出て行くのが当然」ってことになってきますよね。

原:企業からしたら日本から出て行くちょうど良い理由になるんじゃないですか。

――なるほど。これじゃもうだめだと。

松田:そんな会社私も経営したいですよ。コーヒー会社作ってですね、総括原価方式で全て原価に上乗せして、更に地域独占で他のコーヒー会社が参入できない。こんなおいしい会社ないですよね。更に、政府が債務超過にしないといってくれてるわけですから、なにがあっても潰さないと言っているわけですから、そうすると銀行はいくらでもお金を貸してくれますよね。いくらでもお店出せるじゃないですか。いくら赤字になろうと、最終的には値段を上げていけば国民のみなさんは買わざるを得ないと。まぁ、コーヒーだったらみなさん飲まなくても済みますけども、電気はどうでしても使わないと生活できませんから。

――こんなにいい経営はないですよね。

松田:こんなに楽な経営ないですね。国民のみなさんに負担していただいて、自分は楽な経営。(後略)



(私のコメント)

民主党はシガラミの無さを売り物にして、今までのタブーを打ち破って改革が出来る政党のはずでしたが、瞬く間に官僚に取り込まれて自民党と同じ官僚丸投げ、既存の利権に動かされる政党になってしまった。これでは政権交代の意味が無くなるのであり、自民党政権と第二自民党政権が交代するだけの話だ。
 
自民党政権時代も電力会社からの個人献金があったというニュースがありましたが、これも一種の迂回献金だろう。政治は電力の地域独占を認める代わりに様々な献金や選挙協力で政党をバックアップしてきた。民主党も労働組合を通じて電力利権にズブズブの関係であり、政権が交代しても利権構造は変わらなかった。
 
政権交代が行なわれても、従来の利権構造に鉈が振るえなければ意味がない。しかし既存の利権団体もバカではないから、政権交代が起きてもいいように双方に手を打っていれば政権交代は何の意味も無くなる。だからわざわざ小選挙区制度を取り入れて政権交代を起こすと言うのは意味が無かったということだろう。むしろ小選挙区制度で風任せの選挙になり、風に乗れば小泉チルドレンや小沢ガールズといった国会議員が大量生産される。
 
現役の国会議員は異常に選挙を恐れるようになり、民主党も新人議員は次の選挙では落選が予想されるから解散を恐れる。菅総理は解散権を振りかざして民主党内を揺さぶっている。300人の民主党の衆議院議員は解散して選挙をすれば大惨敗して100人以下しか当選できないかもしれない。民主党の支持率も菅総理の支持率も10%台になり、大惨敗は確定的だ。
 
しかし、自民党も同じ体質なのだから国民の支持が集まってはいない。特に電力業界とはズブズブだ。原子力行政は福島第一原発が水素爆発事故を起こしたことで全てが吹っ飛んだ。なぜ事故が起きたのかはこれからの検証が待たれますが、東京電力が強くなりすぎて監督官庁である経済産業省の人事にまで影響力を行使するようになった。
 
原子力村は原発に対する慎重論者を排除して暴走を始めたのが事故の大元の原因だろう。事故対策を事前に打とうとすると原発の安全性に不安を招くと言うことで、全停電を想定した対策も打たれることはなかった。しかし大地震で送電線は断裂して自家発電装置も動かなくなった。原発の停止には成功しても原発は冷却が止まれば、停止した原発もメルトダウンを起こす危険なものだと知られてしまった。
 
言ってみれば原発は地上に固定された原子爆弾であり、福島第一原発からは4ヶ月経った今も放射能が水蒸気となって周囲に撒き散らかされている。稲藁からも堆肥からも腐葉土からもセシウムが検出されて汚染問題は広まるばかりだ。政府はこのような拡散情報を隠蔽して表面化するまで公表はしないつもりのようだ。
 
原子力発電の安全性は政治は官僚に丸投げして、官僚は東京電力に丸投げした。その結果、原発事故を起こしたのだから全責任は東京電力にある。丸投げと言う行為は何か問題が起きても連帯責任を負うから任せたよと言う意味だから、東京電力と共に経済産業省も菅政権も同じ責任を負わなければならない。
 
しかし「原子力損害賠償支援機構法案」は賠償負担を国民に負わせるものであり、東京電力も存続を前提とした法案のようだ。東京電力は株式会社なのだから、原発事故の賠償責任は全部東京電力にあり、賠償金を払えなければ倒産すべき問題だ。それを東京電力は政治力を行使して、東京電力は焼け太りするような法案を通してしまった。
 
この法案が通れば、東京電力はどんなに赤字を出しても倒産せず、赤字は国民の電気料金として負担する仕組みが出来上がる。これは地域独占が前提であり自由化は想定されていない。また送配電の分離も事実上出来なくなる法案だ。これは松永事務次官が作ったスキームであり、菅民主党政権はそれを丸呑みして通すつもりだ。
 
政治家たちは選挙で叩き落せば責任を取らせることができますが、官僚は私利私欲を肥やしても責任を追及されることはない。給料もお手盛りでどんどん上げる事ができるし、特殊法人に天下りして理事になれば、お茶と新聞を読むだけでも年収1600万円がもらえる。私もそうなりたいものですが、東大法学部を出てキャリア官僚にならないとなれない。
 
かつては経済産業省にも改革派官僚はいたのですが、東京電力によって追放されてしまった。東京電力は独占経営で得た利益を政治家に配って既得権を守っている。現代では電力を使わない生活は成り立たないから東京電力から電気を買わなければなりませんが、地域独占経営で競争原理が働かないから利益はコストに乗せ放題だ。だから電気代の高騰が止まらない。
 
このような地域独占経営は放送局でも当てはまり、地デジが24日から始まりましたが、デジタル放送は既にBS・CS放送で実施済みだ。だから従来の放送をBSかCSに乗せればいいのにわざわざ地上から放送している。これも放送の地域独占を守るためであり、BSやCSで放送されたら既得権が失われるからだ。
 
このような国民負担になるような利権があちこちに作られて、官僚たちはそこに天下ることで利権が守られる。電力システムも同じであり、電力会社は官僚の天下り先だ。各県にはいらない空港が作られてその付けは納税者に回される。納税と言う形で付けを回せばおとなしい国民は文句も言わずに払ってくれる。まさに利権に与る特権階級にとって日本ほど居心地のいい国はないだろう。しかも政権が交代しても利権構造が変わらないようになってしまった。
 
松田公太議員はみんなの党の参議院議員ですが、自民党も民主党もダメなら第三の政党を作らなければなりません。しかし小選挙区制では第三の政党は難しい。国会議員も地域独占経営であり新規参入が難しいからだ。だから中選挙区に戻すか全国比例代表制にするしか第三政党が政権を取れるチャンスはない。
 




なぜ欧米とイスラムは対立するのか? キリスト教が初期の時代において
非ギリシャ的であったからだ。原始キリスト教はギリシア文化を尊重しなかった。


2011年7月26日 火曜日

<ノルウェーテロ>動機は「イスラム侵略から守るため」 7月25日 毎日新聞

 【オスロ斎藤義彦】ノルウェー連続テロ事件でテロなどの疑いで逮捕されたアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)は25日、オスロ地裁に出廷、爆破テロと銃乱射の犯行を認めた一方、無罪を主張した。さらに「二つの細胞組織と協力して行った」と共犯がいることを主張した。警察当局は単独犯との見方を示していた。動機は「イスラム教徒の侵略からノルウェーと西欧を守るため」で、移民導入を進めた労働党の「将来の党員募集を阻害するため」に、若者を殺したと説明した。(後略)


特別企画・文明の衝突11「マホメットの深謀遠慮?」

 蒙古人は、武力でこそアラブ人を征服したものの、旧来の宗教を捨ててイスラム教に入信した。その他の征服者もこれと同じだ。

 武力における征服者は、たちまち、宗教における被征服者に変身したのである(ローマだって、文化的にはギリシャに征服されちまった)。

 「コーラン」は、アラビア語によって記され、それ以外の言語で訳すことは許されない。他国語のコーランは「コーラン」とはみなされない。コーランの読唱は、アラビア語でなされなければならない。イスラムの聖地は、アラブの世界にある。地球上のイスラム教徒は、究極的には、アラブにある聖地への巡礼が望まれる。

 イスラム教は、世界宗教になった後でも、優れたアラブ的宗教なのである。アラブ人はいくたびとなく外国人の支配を受けたが、征服者を教化してイスラム教に入信せしめた。宗教的には「アラブ化」したことである。征服者も大アラブ共同体の一員となり、イスラム教の命ずるところに従ってアラブ人のごとく生きる。支配者も、アラブ人に連帯せしめられたから、彼らに対する聖戦コンプレックスを育成せしめる契機とはならない。ただ、唯一の例外を除いてだ!

 それがヨーロッパのキリスト教徒である。

 十字軍としてアラブへ攻めてきたヨーロッパ人は、めくるめくほどの高いアラブ文明に驚き、急いで輸入に努めはした。しかし、イスラム教に改宗しようとはしなかった。嗚呼、なんとおろかな、アラーを冒涜する者達だろうか!十字軍の記憶は、大きな後遺症として、アラブ人の無意識の底にわだかまったのだ。

アラブの名誉のために、いま少し筆を進めたいのだが時間が来たので今度にするが、とにかくいま少し、アラブの誇りが何かを白日の下に知らしめたいと思う。01/10/18/14:00

[特別企画その12] /welcome:

 ヨーロッパ人の古典は、ギリシャ・ローマである、と日本人も欧米人も、このように思いこんでしまっている。が、ちょっと待った。それには違いないが、中間項を忘れてもらちゃ困る。その中間に位置するのがアラブなのである。

 ギリシャ・ローマの高い文化。直接にヨーロッパに再生したものだとも限らない。たいがいがアラブ経由で渡来されたのである。

 西ローマ帝国が解体されたとき、その文化的遺産の本質部分は、ゲルマン人ではなく、サラセン帝国によって継承された。キリスト教徒は、本質的には反ギリシア的であったから(イエスがガリラヤ湖畔においての説教をしているときは、少なくともギリシャ哲学など意識していなかったであろう。その後、ヘレニズム世界を往来するうちにギリシャ思想の影響を大きく受けるようになった)ギリシャ文明の吸収にあまり熱心ではなかった。

 西ローマ帝国の没落は、軍事的にはゲルマン人の手によるが、ローマ帝国の文化的遺産を相続するにはそれほどの努力はしていない。その理由のひとつは、軍事征服者たるゲルマン人があまり野蛮すぎた事であるが、もう一つ大事なのがキリスト教が初期の時代において非ギリシャ的であった、ということである。いずれにせよ、初期キリスト教(原始キリスト教であれ、ローマ・カトリックであれ)はギリシア思想を尊重しなかった。

 ヨーロッパのキリスト教が棄ててかえりみなかった作業、ギリシャ文化の継承。このうえもなく貴重な作業をやり遂げたのがアラブ人であった。

 それはきっとマホメットが大変学問を重んじていたからだろう(彼自身は無学と言われておるが)。この点キリスト教的センスとは正反対である。西暦8世紀に始められたギリシア文化の継承の仕事は、わずか一世紀足らずのあいだに、みるべき成果をあげた。

 アリストテレスからプラトンにいたるまで、偉大なるギリシア人達の業績は、アラブ帝国に集められた。これらの業績の中には、医学、自然科学などもほとんど網羅されていた。アラブ人はこれらの著作をアラビア語に翻訳したのである。

 アラブ帝国には文化の黄金時代が開花し、アラビア語は世界の学術語となった。また、教育を普及し文字の読めない人はほとんどいなくなった。中世においては類をみないといっていい。

 アラブとヨーロッパの文化落差が大きいので、志のあるヨーロッパ人はアラブに学んでヨーロッパ文明を開化した。

 医学、天文学から始まって、化粧品、薬品にいたるまで(蒸留酒もそうだよ)、ヨーロッパ人が珍重するものはことごとくアラブから入ってきている。ヨーロッパ人が、アラブの文化のあまりにも高いに気付き、アラブ文献の本格的ラテン語訳に着手することになったのが、ようやく11世紀なのである。

 これほど欧米人は、イスラム教徒のアラブ人から絶大な文化的恩恵うけた。それをすっかり忘れてしまっている。それらの憤懣やるかたなき心的傾向に加え、十字軍コンプレックスが加わるとき、アラブ・イスラム教徒の聖戦志向はは否が応でも高まるのである。

 上述したとおり、イスラム圏とは拡大されたアラブある。聖戦運動は、アラブ以外の世界においても、ヨーロッパ帝国主義相手に激しく戦われる。しかし、激しく戦われた聖戦の努力はすべからく水泡に帰した。近代ヨーロッパ帝国主義の力はあまりにも強く、イスラム教徒の聖戦も、結局、勝利することはできなかった。

 第一次大戦の頃までには、中近東は、完全なヨーロッパ帝国諸国の支配下に入ってしまった。いつの日か、対ヨーロッパ聖戦を起こして、帝国主義諸国を駆逐せん、これがイスラム教徒の積年の宿題、なのだろうか・・・・・・。

 そして思うのは、もう鎖国もできない我が国の行く末・・・否が応でも、そのアラブ世界と不倶戴天の敵である最たる国、アメリカの行く末に大きく大きく関わるのを、我々は肝に銘じなくてはならない。



(私のコメント)

ノルウェイのの連続テロ事件は、非常に根の深い問題であり、昨日も書いたようにアメリカではキリスト教原理主義勢力が拡大してきて、いわゆる福音派キリスト教は6000万人以上もの勢力になっています。聖書に書かれた事が真実であり絶対とするのであるならば、そのキリスト教が反ギリシャ・ローマ文化的であるのも当然なのだろう。聖書からはアリストテレスの哲学の影響は見られない。
 
ギリシャ・ローマ文明と言うように、古代ローマ帝国のバックボーンはギリシャ文化であり、ローマ皇帝たちはアリストテレスやソクラテスやプラトンの哲学などを勉強していた。マルクス・アウレリウス帝は「自省録」などの著書もあるギリシャ哲学者でもあった。キリスト教はこのようなローマ帝国に抵抗するための宗教であり、反ギリシャ哲学的であることは不自然なことではない。
 
神様が7日間で宇宙を作ったと言うことなど、アリストテレスなどの科学者から見れば卒倒するような事であり、聖書そのものが反ギリシャ文明的であることは当然のことなのだ。だからローマ帝国においてキリスト教が国教になるにつれてローマ帝国が衰退していくことは必然であり、古代ギリシャ文明はローマから東方のイスラム圏へと伝えられた。
 
ヨーロッパの中世は原始キリスト教の全盛期であり、ギリシャ・ローマ文化とは無縁の社会だった。イスラム教のコーランがアラビア語に限定されていたように、キリスト教の聖書もラテン語に限定されていた。ラテン語を読み書きできる人は限られた牧師などの一部の人に限られていて、当時のゲルマン人は野蛮な未開人であり読み書きも出来なかった。
 
ギリシャ哲学をラテン語に翻訳することは非常に困難であり、同時にアラビア語に翻訳することも困難であった。しかし、先に翻訳に成功したのはアラブ人であり非常に高い文明を誇った。それに対してヨーロッパでは聖地奪還運動が起きて十字軍が形成されて遠征したが、当時のイスラム諸国の高い文明にヨーロッパ人は驚いた。
 
このことからも西欧が正当な古代ギリシャローマ文化の継承者でないことが分かりますが、欧米の歴史教科書では西欧はギリシャローマ文化の継承者として書かれている。結果的に十字軍遠征の失敗は古代ギリシャ文化の見直しにつながり、アラビア語で書かれた文献がラテン語に翻訳されて西欧にも伝えられるようになった。
 
この事からも原始キリスト教がギリシャ文化をブロックしてしまったことが分かりますが、キリスト教が原理主義化していくと反ギリシャ反イスラム化するのは当然のことだ。ルネサンス以降初めて聖書などもラテン語からドイツ語や英語に翻訳されるようになりましたが、聖書を翻訳することはドイツ語や英語を高度に進化させた。
 
古代ギリシャの哲学、科学、医学がシリア語を経由してアラビア語に訳されたように、12世紀以降にスペインにおいてラテン語への翻訳されるようになり、ラテン語が学術用語として西欧の国際語になった。やがてラテン語からドイツ語やフランス語や英語などに翻訳されて古代ギリシャ文明が逆輸入される形になった。西欧のキリスト教が、いかにギリシャ文化を拒否したかの証明になった出来事ですが、それがキリスト教原理主義が復活すれば、宇宙が神によって7日間で作られる事の復活にもなる。
 
ノルウェイの連続テロ犯もキリスト教原理主義者を名乗っていますが、反イスラム的になるのはキリスト教が原理主義的になれば反イスラム反ギリシャ文化になるのは歴史的な背景がある。キリスト教世界から見れば、イスラム世界から伝えられたアリストテレスの科学や哲学は悪魔の科学であり、聖書に書かれた7日で神が世界を作ったとする世界観とは相反する。
 
キリスト教原理主義が過激化すると十字軍的になり、今回のようなテロが起きたのだろう。テロ国家であるアメリカもブッシュ大統領が十字軍を名乗ってイラクに攻め込みましたが、アメリカもキリスト教原理主義が大統領を動かすほどになっている。キリスト教そのものがローマ帝国への抵抗運動から生まれたように、ローマ帝国がキリスト教化すれば滅びるのが当然だ。
 
東ローマ帝国が1000年以上も存続できたのは、キリスト教を国教としながらもギリシャ語を国語としてギリシャ文化も継承してきたからだ。ギリシャ文化がアラブ諸国に伝えられたのも東ローマ帝国があったからであり、科学技術もイスラムに伝わった。十字軍の遠征もキリスト教国の東ローマ帝国を救う目的もあったのですが、十字軍はアラブ人から見れば野蛮人の集まりだった。
 
昨日も書いたように近代工業文明に適応するためにはモラルの高さがなければならない。氾濫する麻薬や飲酒やエイズの蔓延は工業文明がもたらすストレスに耐えられなくなっているためであり、人々はその癒しを宗教に求めるようになる。そして熱心な宗教信者は原理主義化して聖書を神の預言とするようになる。これはギリシャ哲学とは相容れない世界であり、第W文明は混乱の瀬戸際にある。
 
ヨーロッパのキリスト教は世俗化しているのですが、イスラム圏からの移民の増大は一部のキリスト教徒を過激化させる。ネオナチも一種の選民思想ですが聖書に書かれた、人間(白人)は神によって作られたものであり、有色人種は人間の出来損ないと言う選民思想を聖書は正当化する。神が人間を創ったのだから完全でなければならず、完全な人間とは白人を指すらしい。神が地球を創ったのだから地球は宇宙の中心になければならず地動説は否定される。
 
ノルウェイ人の犯人のアンネシュ・ブレイビク容疑者は「イスラム教徒の侵略からノルウェーと西欧を守るため」と称してテロを行ないましたが、このような思想は中世の十字軍のものだ。ナチスのユダヤ人虐殺も原始キリスト教の選民思想に根源があるのですが、アメリカにおいても黒人奴隷の正当化に使われた。もちろん正当なキリスト教ではこのような事は言っていないのですが、一部のキリスト教徒では白人のキリスト教徒が神に選ばれた人々と言うことになる。
 




中国は、やがては第二次文化大革命で中国は、またもとの第U文明国家
に戻るだろう。高いモラルがなければ近代工業文明は定着しないからだ。


2011年7月25日 月曜日

一等車の「後退的進歩」に見る中国の高速鉄道文化が日本にまだ及ばない点 7月21日 莫 邦富

今年1月、時事通信社が発行する時事速報にある私のコラムで、次のようなことを取り上げた。

 昨年の9月のことだ。内陸の安徽省合肥市の訪問を終えて上海に帰る際、新幹線の中国版である高速鉄道を利用した。そこで予想外のトラブルに巻き込まれた。

 私と妻が乗っていたグリーン車に相当する一等席車両に、数人の男女が空席を見つけて勝手に入り、席を占領した。ほどなく検札に来た若い女性の車掌が問題に気付き、駅の入場券しか持っていないこの男女らに一等席車両を出てもらうよう求めた。しかし、男女らはいろいろな理由を並べ、頑として動こうとしなかった。車掌はかなり訓練を受けているらしく、ずっと笑顔を保ったまま説得し続けた。

 娘とそう年齢の変わらないこの車掌に感心して、私は「車掌さんの勧めに従ったら」と思わず援護射撃的な発言をした。すると男女らが一斉に矛先を私に向けてきた。「余計なお世話だ。お前に関係ないだろう」。

 そこまで言われると、私もそう簡単には引き下がれない。「この車両の乗客として私にも関係があるのだ」と反論した。

 男女らがさらに騒ぎ出した。その戦術には呆気にとられた。

 「あんた、見た目では高官のようだな。あんたは百姓である俺たちの血税を使ってこの一等車に乗っているのだろう。俺の女房は病気にかかっているよ。どうして俺たち貧乏人がこの車両に乗ってはいけないんだ、高官も水飲み百姓の苦しみを理解しろ」

 私を政府高官に仕立てて攻撃してくる戦術だ。これは今、中国各地で見られる社会現象である。特権的な地位にある政府関係者、公務員、警察、「城管」と呼ばれる都市治安補助員に対し、国民は大きな反感を抱いている。庶民がこうした政府関係者らと衝突を起こすと、人々はまず政府関係者側を批判する。しかも、その批判はたいてい的を射ている。

一方、こうした社会現象に目をつけ、私利私欲を満たすため新手の戦術を練りだした輩もいる。この高速鉄道の一等車でまさにそうした人たちに出会ったのである。喧嘩になると、「政府高官」とされてしまう私は立場が悪くなる。相手はそこを計算してしたたかに攻撃してきたのだ。幸い、一等車内の乗客は私と同じ立場にいる人間ばかりで、誰もその手の攻撃に関心を払おうとしなかった。結局、男女らは車掌にせかされ一等車から去り、車内はようやく静けさを取り戻した。

 共産党の幹部や政府役人が民衆に信頼されない問題があるから、若い女性車掌を助けようとした私が、逆に悪役の「高官」にされてしまったのだ。

 実は、その時、中国の高速鉄道の一等車は日本の新幹線のような管理体制では無理だろうと思っていた。(後略)



◆インド、中国、発展途上国、さらには韓、台、香港、シンガポールも、本格的に近代化することはあり得ない。米、ロは混乱に向かうだろう。 2008年5月21日 株式日記

第T文明のエジプト、メソポタミアはすでに滅び去った文明であり、遺跡でしかその面影を知る事はできない。ナイル河やチグリス・ユーフラテス河やインダス河の河口に発達した農耕文明は東西に広がって、ガンジス河や黄河や地中海に広がって行って第U文明を生み出した。

第T文明の地帯は砂漠化してしまったに比べると、第U文明のインドやシナや地中海諸国には農業も盛んであり国家としても存在しているが、マケドニアのアレキサンダー大王の侵略で第T文明が滅び去ったように、第U文明は西欧の侵略によってそれまで存在した大帝国は亡んでしまった。ローマ帝国も北方のゲルマン族によって滅ぼされたのは地理的に近かったせいだろう。

シナの場合も第V文明の日本の侵略によって清帝国は敗れて滅び去った。このように戦争によって文明は交代してきたのですが、文明的には第T、U、V文明と積み重ねるように発達してきた。第V文明の日本とゲルマン民族の末裔のドイツは第W文明のアメリカとロシアによって敗れましたが、第V文明は亡んで第W文明の世界になるのだろうか?

軍事的に見ればアメリカとロシアは核兵器と宇宙兵器で日本やヨーロッパの国を圧倒してしまった。まさに第W文明の時代が始まったように見える。しかしアメリカやロシアは第W文明といえるのだろうか? むしろ石油エネルギーが生んだ第V文明の異端児ではないだろうか? 第W文明と呼ぶには第V文明の近代工業のような革命的な文明があるはずだ。

馬野氏はインドやシナやその他のアジアが本格的な近代化することはありえないとしている。第T文明が滅び去り、第U文明は停滞して第V文明を凌駕する事はありえない。文明のピークが過ぎると盛り返すのは不可能であり、インドや中国が本格的に近代化することは「衰亡の法則」からするとありえない。(後略)



(私のコメント)

莫 邦富氏の記事は、新幹線の大事故の前の記事ですが、中国が抱えている問題点を指摘している。中国が抱えている問題は、一部の特権階級が権力を独り占めしてしまって、国民大衆レベルとの対立が起きていることだ。中国の新幹線も一部の鉄道官僚が暴走してしまって無理な工事と運用を急ぎすぎたのが原因だ。
 
だから大事故が起きても落雷のせいにして、事故原因の原因究明が行なわれにくい。中国は共産党独裁国家であり、一部のノーメンクラトゥーラが13億人の国民を支配している体制であり、これと近代工業文明が両立しえるのかどうか疑問に思っている。日本における原発の事故にしても近代工業文明の壁であり、一部の経済産業省と原子力安全保安院の官僚によって支配されていたことに問題がある。
 
日本が民主国家であるならば、今回の原発事故によって原子力行政が大きく変わると思いますが、変えなければチェルノブイリ災害で滅んだようなソ連の二の舞になるだろう。これが一部の特権階級が独占して利権にしようと思っていたから、福島第一原発が爆発したのであり、情報公開がなされていなかったから事故が起きるまで問題点が放置されていたのだ。
 
一昨日の「株式日記」でも「中国もこのようなノーメンクラトゥーラが支配する国家であり、彼らは富と権力を握って13億の国民を支配している。いずれ中国もチェルノブイリのような重大な事故を起こして崩壊するのでしょう」と書きましたが、新幹線の大事故がその晩に起きた。ソ連や中国のような独裁政権では近代工業文明と両立し得ないのであり、その必然として大事故が起きる。
 
日本も官僚独裁政権だから原発事故が起きたのだと何度も書いてきましたが、一部の特権階級が原発利権を独り占めしていたら大事故を起こすのは必然だ。菅内閣は災害情報を隠蔽してセシウム汚染された牛肉が出回るようになりましたが、情報公開していれば打つ手があったはずだ。官僚独裁とは情報の独占体制であり、事故やスキャンダルが起きるまで情報は公開されない体制ということだ。
 
日本は近代工業文明国家として成り立っているかの試練に立たされていますが、一応は民主国家であるので菅政権は国民から総スカン食らって退陣させられるだろう。しかし中国やロシアは独裁国家であり、情報は隠蔽されて最先端の科学技術は進歩発展する基盤がない。ロシアにしても中国にしても有人宇宙船を打ち上げているのに、生活に密接な科学技術はお粗末だ。
 
中国においても新幹線を「自力更生」でやろうとしましたが上手く行かなかった。そこで日本やドイツなどの技術を導入して新幹線を作りましたが、自動車なども欧米や日本の技術を取り込んで作っている。つまり自立的な近代工業文明の発達の土台がないわけであり、それが18世紀以来の国家の停滞に繋がっている。
 
近代工業文明は西欧において発生して発展してきましたが、馬野氏はこれを第V文明と名づけている。中国やインドはかつては帝国として栄えたが過去の遺産を食いつぶしている状態であり第U文明と名づけている。アメリカやロシアは第W文明としていますが、建国や革命でいきなり近代工業文明が入ってきて発展して成立した国だ。アメリカもロシアも敗戦国ドイツから技術者を連れてきてロケットやジェット機などを作りましたが、石油を産出した富でヨーロッパや日本を上回る超大国になった。
 
しかしこの近代工業文明は自前のものではなく、ヨーロッパからの人材が入ってこなければ立ち枯れするようになるだろう。国民自体が近代工業文明に適応が出来ず混乱をもたらすだろう。アメリカもスペースシャトルを打ち上げる国でありながら、キリスト教原理主義が蔓延って聖書にかかれたことが事実だと信じている人たちが多くなってきた。
 
中国は第U文明国家ですが、ソ連をまねて共産主義革命で一気に第W文明国家になろうとしましたが、アメリカやロシアのような何もないところに出来た国家ではなく、古代文明国家としての歴史を引きずっており、いきなり近代工業文明を持ち込んでも国民がそれに適応が出来ないだろう。馬野氏は著書の「衰亡の法則」において次のように述べている。
 
 
「科学技術はヨーロッパでは自然発生した。したがってその社会ではもとから持っている器官の一部である。ところがこれが第W文明に移植されると、異物が体内に入るわげで、強い生体反応を引き起こす。アメリカとソ連の社会にいろいろと現われてきている諸問題は、そのせいであろう。

社会の健康度はその住民の肉体の健康度、つまり平均寿命に表われるとすれば、この両国のそれは西欧、日本よりも低く、驚くべきことには、近年むしろ低下の傾向が見える。この原因は、これらの国に南北戦争が起こり、本質的に少数支配政治が行なわれるのと同じく、工業化という第V文明の特産物が急激に体内に入ったせいであろう。

工業化病を治癒する手段がないことは米・ソの悲劇である。彼らは工業化せざるを得たかった。文明の流入は止められぬからである。アメリカにおげる麻薬、ソ連における飲酒に見られる社会の劣化は、この病状の一端であろう。

第T文明は亡びた。第U文明は衰えている。第W文明は混乱に向かうだろう。これが世界史の冷厳な論理ではあるまいか」
(P60〜P67)


(私のコメント)

同じ事が中国でも起きており、各地で起きている反乱や暴動は国家の歪が国民にしわ寄せさせられているのだ。麻薬や飲酒やエイズの氾濫は清朝末期を思わせるものですが、中国人は近代工業文明に耐えられないのだろう。近代工業文明は高いモラルがないと、とんでもない事が起きて大災害と政治的混乱が引き起こされる。
 
日本は馬野氏によればヨーロッパと同じ第V文明に位置づけていますが、東日本大震災が起きても治安が乱れないように中国とは明らかに違う。しかし政界を見れば明らかに第U文明であり官僚独裁は中国文化を引きずっている。官僚のモラルの低さも中国人並みであり、自分たちを特権階級としてみている。国民は文明人なのに特権階級は第U文明並であり意識の低さは問題だ。
 
莫 邦富氏の書いた事は、些細な出来事ですが、中国人のモラルの低さが新幹線にも現れているのであり、共産党幹部の汚職が新幹線の工事にも起きていて、事故や故障が続発している。日本やドイツの技術をコピーしていながら独自技術であると言ってみたりする行為は近代工業文明人のすることではない。やがては第二次文化大革命で中国は、またもとの第U文明国家に戻るだろう。高いモラルがなければ近代工業文明は定着しないからだ。
 
 




8月2日のデフォルトに向けてアメリカ金融経済滅亡のカウントダウン
が始まった。米国債は格下げでほぼすべての大手金融機関が破綻する


2011年7月24日 日曜日

アメリカをデフォルトに追い込む共和党の狙い 6月22日 デービッド・ケース

左派寄りのシンクタンク、経済政策研究センターの創設者でエコノミストのディーン・ベイカーの話には、耳を傾ける価値がある。何しろ彼は、低所得者向け住宅ローン「サブプライム」のバブル崩壊を予測していた数少ない一人。彼よりずっと高額の報酬を得ていたウォール街のプロたちが焦げ付き間近のサブプライムローンにカネをつぎ込み、巨額のボーナスをせしめていた頃、ベイカーはサブプライムローンが危機的な状態に陥ると力強く予言していた。

 そのベイカーが今、アメリカにさらなる危機が迫っていると警告している。

 オバマ政権は、連邦政府の債務上限を8月2日までに引き上げなければ、政府がデフォルト(債務不履行)状態に陥る恐れがあるとして、債務上限引き上げの容認を議会に求めている。だが共和党は強硬に反対し、引き上げ幅と同程度の大規模な歳出削減を行わない限り、提案には応じないと主張。ベイカーに言わせれば、共和党のこの「瀬戸際政策」は、アメリカ経済はもちろん、共和党の重要な支持基盤であるウォール街にも甚大な打撃をもたらす愚策だ。

金融界で数百万人が解雇される

「債務上限の引き上げができなければ経済にとってマイナスなのは間違いない」と、ベイカーは書いている。さらに、米政府のデフォルトは「08年9月のリーマン・ブラザーズの倒産以上に株式市場を揺さぶるだろう」として、先の経済危機以上に深刻な危機が訪れると予測。金融市場は壊滅的な打撃を受け、人件費を払えなくなった企業は「何百万人もの従業員を解雇」せざるをえなくなると指摘している。

 驚くべきことに、共和党はまさにそんな大混乱を望んでいるようだ。彼らが思い描くのは、国家財政のデフォルトによって、メディケア(高齢者医療保険制度)やメディケイド(低所得者医療保険制度)といった社会保障コストの大幅削減をオバマ政権が受け入れざるをえなくなるというシナリオだ。

 だがベイカーによれば、デフォルトが起きた場合の真の犠牲者はウォール街だ。「国家がデフォルトに陥れば米国債の価値が下がり、ほぼすべての大手金融機関が破綻する」と、ベイカーは言う。そして、その痛みは長きに渡って続く。

「経済が復活したとしても、アメリカの金融部門は二度と世界における現状の地位を取り戻すことはできない。米政府という強力な後ろ盾がなければ、ウォール街の連中はもう二度と金融の国際市場で中心的な存在にはなれないだろう」



アメリカのデフォルトは両刃の刃 7月20日 マリア・チュピナ

 米共和党は議会で、アメリカの技術的デフォルト、つまり、政府の支出を抜本的に削減する可能性として国が負う債務の利子の支払の一時停止を検討中だ。 一方中国のような巨大債権国は、そんな事をしたら、世界経済に危機的変化が起きると警告している。

 技術的デフォルトという考え方は、決して新しいものではない。米共和党は、外国からの借り入れの上限を引き上げる事に賛成する代わりに国家支出のカットを強く主張している。 現在、その額は、ほぼ上限を越え、およそ14兆5千億ドルだ。しかしオバマ大統領が属する米民主党は、8月2日から再び、外国からの買い入れを増やす事を提案している。そうしなければ、国には、払う資金がない。もし、そうなれば、それは米政府のデフォルトを意味する。もちろん、ホワイトハウスも外国の投資家達も、そんな事は望んでいない。そこで米共和党は、技術的デフォルトのシナリオを準備したわけだ。その目的そのものは、政府に長期的な金融財政問題の解決を余儀なくさせ、雪だるま式に国の借金が増えないようにするという極めて気高いものである。オバマ大統領は妥協策として、おそらく厳しい支出削減の用意を明らかにするだろうが、社会的な諸手当などのカットをしなければならない。米共和党は、大幅な支出カットを強く求めているからだ。

 今のところ合意は成立していないが、ロシアのアメリカ・カナダ研究所のヴィクトル・スピャン副所長は「デフォルトが起こる可能性は少ない」と見ている―

 「もちろん、現在アメリカでは、これをめぐって様々な政治ゲームが行われている。共和党は、議会多数派という立場を利用して自分達の考えを押し進めるため、より特権的な条件を獲得しようと試みている。しかし、いつかはそれも終わる。なぜなら皆、技術的なデフォルトでさえ許す事は、米経済にとっても又世界経済にとっても、大変深刻な傷跡を残さずにすまないほど、多くの国々がアメリカに依存しているという事実を理解しているからだ。 」

 一方、1兆ドル以上アメリカ国債を持つ中国の投資家達は、米国内の技術的デフォルト支持者達に対し、そうしたテーマについて議論しないよう説得する意向だ。あまりに多くの事が、このカードに賭けられており、中国の技術的デフォルトに対する態度は、極めて真剣だと言える。

 ホワイトハウス内でも、デフォルトという国の債務支払い停止がもたらす破滅的結果について話されているが、その言葉は、頑固な共和党に明らかに向けられたものだ。

 ここで再び、アメリカ・カナダ研究所のヴィクトル・スピャン副所長の見解を御紹介したい―

 「ここ最近の経験は、共和党と民主党の間で妥協点が見出させるだろうという事を示している。国が抱える借金は、天井知らずとなった。しかし、アメリカにとって債務は、他の国にとってのそれと幾分か違う事を忘れてはならない。なぜなら、アメリカの債務は、他の国々や国際機関などの債務と異なって、米ドルを他の国々が自主的に購入する事により形作られているからだ。 しかし肝心なのは、グローバルな経済の相互依存性だ。世界経済に打撃を与えてはならない。」

  アメリカ国内の政治的討論にうまく折り合いがつく事かどうかに、ロシアを含め、あらゆる主要債権国が関心を抱いている。 ロシアが持つアメリカ国債の額は、1250億ドルだ。様々な懸念はあるものの、オバマ大統領が「アメリカンドリームの達成は、国が分相応の暮らしをして初めて可能だ」とますます理解しつつある事は、期待を抱かせる。 しかし問題は、アメリカがいつ、分相応の生活を始めるかという点である。



(私のコメント)

最近はノルウェーで爆弾テロや銃乱射テロが起きたり、中国では新幹線が事故で多くの死者が出ていますが、8月2日にはアメリカのデフォルトの危機が迫っています。アメリカのドルは基軸通貨であるので、ドル札を印刷すればいくらでも返せますが、そうなるとドル乱発の歯止めがなくなり、ドルや米国債が大暴落する。そうなるとアメリカに投資している中国や日本やイギリスが大損失をこうむることになる。
 
日本のドル買いや米国債買いは確信犯であるので救いようがありませんが、アメリカがデフォルトするとは誰も思ってはいなかったのではないだろうか? 債務上限を引き上げれば済む話ですが共和党の抵抗でオバマ大統領もデフォルトを覚悟したかのようだ。しかし土壇場で何とかなると誰もがおもっているから大きくは扱われてはいませんが、オバマ大統領ならデフォルトするかもしれません。
 
共和党は政府に緊縮財政を求めていますが、日本みたいに国債を発行していけば何とかなると思うのですが、問題は中国がいつまで米国債を買い続けてくれるかだ。それが限界に来ているからアメリカ政府は歳出の削減と福祉の切捨てを迫って共和党が強硬なのでしょう。アメリカのドルは何の裏づけもない管理通貨だからいくらでも発行が出来る。それでもデフォルトすると言うのは理解に苦しむことです。
 
今まではドルを大量発行しても中国や日本が買い続けてくれましたが、中国が痺れを切らして一気にドルや米国債を売ってきたら市場は混乱してデフォルトと同じ事になるだろう。日本みたいにほとんど国内で買われていれば問題は無いが、米国債は6割が海外保有だ。最近ではFRBが大量に買っていますが、中国に対する牽制の意味もあるのだろう。
 
中国も米国債からユーロ債や金などにシフトしていますが、中国は外貨運用も外交をからめて来る。もし米国債が利払停止になればAAAの最高格付けが引き下げられて、評価的価値が引き下げられて保有しているところは大損失を被る事になる。日本の銀行や保険会社や機関投資家などが大量に米国債を保有していますが評価損だけでもかなりのものになるだろう。
 
そうなれば米国債が暴落すると言うことは金利が急上昇すると言うことであり、金利が上昇すれば利払い費用も急上昇することになり、そうなるとドル札をいくら印刷しても間に合わなくなる。理論上は無限にドル札を印刷すれば可能ですが、そうなると1ドル=80円が8円になり0,8円になるかもしれない。そうなればアメリカの破産であり国家も解体の危機になる。
 
日本も財政危機はアメリカ以上に厳しいと言えますが、20年近くも超低金利でデフレを耐え抜いてきた。アメリカが財政危機を切り抜けるには、日本のように歳出をカットして増税して不景気にして金利を意図的に下げなければならないだろう。しかし日本のように20年間もデフレ経済に耐えられるだろうか? アメリカは1929年の大恐慌から不況と低金利を脱出するには20以上もかかりましたが、今度も耐えられるだろうか?
 
アメリカにしてもヨーロッパにしても中央銀行が国債を買い捲って資金供給していますが、それは末期的な症状であり、インフレの歪をインフレでもって解消することは迎え酒をするようなことであり、やがてはアルコール中毒になってしまう。民間も政府も過剰な債務を背負い込んでいますが、これらは時間をかけて解消していかなければなりません。債務残高が膨大なので僅かな金利上昇が命取りになりますが、アメリカはその引き金を引こうとしているようだ。
 
管理通貨制度の下では経済力が通貨の信用の元になりますが、ドル安やユーロ安ということは欧米の経済力が落ちていると言うことだ。日本は東日本大震災にも拘らず円高になっていますが、経済力がそれだけ高い評価であると言うことだろう。円高と超低金利でデフレ状態になっていますが、日本がどんどん円を印刷して資金供給すればいいと思うのですが、そうすればアメリカにも円マネーが流れて米国債も買われて金利の上昇も抑えられる。
 
いずれにしてもアメリカがデフォルトした場合、ドルは基軸通貨ではなくなり、通貨も多極化するだろう。そうなればアメリカ政府も財政の再建で緊縮財政になり、今までのような大盤振る舞いでマネーをばら撒く政策は出来なくなる。逆に日本は民間の債務が減少して景気拡大政策が取れるようになって来ました。アメリカと日本はシーソーのようにアメリカが上がれば日本は下がり、日本が上がればアメリカが下がる構造になっています。それは3・11が一つのきっかけになるのかもしれません。
 
 




僕は責任の所在が曖昧で意思決定が遅い日本式システムにすべて
の原因があると考えています。失敗しても誰も責任をとらない。


2011年7月23日 土曜日

高城剛氏の提言「経団連という"財閥"を解体すべき」 7月22日 サイゾーウーマン

あの高城剛氏が、3.11の東日本大震災直前に日本を離れて以降、6月末に久しぶりに日本に帰国。直撃インタビューを敢行した。もちろん、気になるのは、妻の沢尻エリカが離婚届を提出できる期限とされた「5.16」以降、どうなっているのかだが、これについては、「弁護士を含め、誰からも連絡がきていない。別に何も変わらないから、話すことがないよ(笑)」と一言で終了。インタビューは、世界中を旅しつつ、常に未来を見据えてきた、高城氏のグローバルでハイパーな視点から見た、3.11以降の日本について割かれた――。

――今回の3.11東日本大震災をどう受け止めていますか?

高城氏(以下、高城)すでにいくつかのインタビューでも答えていますが、震災や原発事故の問題というよりは、その後の対応でハッキリと露呈した日本式システムが問題だと思います。今忘れてはならないのは、震災の被害者の数より、1年間の自殺者のほうが多いことです。その原因は日本式システムの行き詰まりであり、多くの人がそのシステムが今回の問題の核であることを問わないし、事実、機能していないように思えますね。

――3.11当日は、高城さんはどこにいたのですか。

高城 震災が起こる少し前から、ある週刊誌の取材で沖縄の西表島にいました。偶然にもその取材の内容というのが、僕らが以前から手がけてきた風力発電システムと循環型の水システムについてだったのですが、今思うとそれも何か因縁めいてるような気さえします。

――あれから4カ月が経過しましたが、その間はどんな活動をされていたのですか。

高城 友人やその家族を沖縄やバルセロナで受け入れたりしながら、僕はロンドンへ入り、そこで原発の専門家と討議しながら、ロシア政府の情報を得ていました。この人物はチェルノブイリ事故後の土壌改良プロジェクトに携わっていた人で、かつてロンドン滞在中の僕にオーガニックを教えてくれたひとりです。

――そこでは具体的にどんな情報を?

高城 レベル4と日本の政府は言ってるがとんでもないと。「すぐに廃炉にしなければならない絶望的な状態だ」と、ロシアは初期段階から話していました。ヘリで水をかけていましたが、まったく無意味で、すぐに周囲を閉鎖してコンクリの壁や膜を作り、放射線が漏れないように鉛を流し込んで固めてしまわないとダメだと。でないと、外に漏れ出して手遅れになると断言していました。

――ロシア側がその作業を手伝う意思があったとの話も漏れ聞こえていますが。

高城 彼もそう言ってましたね。その技術に関しては高い経験値を持っている国だから。ところが、日本がロクに検討もしないで断ってきたので、ロシア高官がめちゃめちゃ怒ってるんだと。僕も首相官邸に友人がいるので直接アプローチしてみましたが、官邸もパニックで埒が明かないという状況でした。

――政府が機能していなかった。

高城 それもあると思いますし、裏では外交問題という面もあったのじゃないかと思います。だから、僕は海外の友人たちと連絡を取りあいながら、最終的に、日本側から「原子炉を処理する請負業者を探している」という一筆さえくれれば、ロシアは外交問題にならないように、民間企業として処理部隊を現地に出動させるところまで実は話ができていました。

――処理部隊を福島へ派遣するとなると、ロシアの隊員にも多大なリスクが発生するわけですが。

高城 もちろんそう。隊員が被曝して死人が出る可能性はあるが、それを覚悟のうえで出動させると。このあたりのことは、僕の新刊『時代を生きる力』(マガジンハウス刊)に、詳細を書いています。

――聞いてるだけで絶望的になりますが、諸悪の根源はどこにあるのでしょうか。

高城 僕は責任の所在が曖昧で意思決定が遅い日本式システムにすべての原因があると考えています。個々の政治家や役人がどうだとかいう話ではなく、問題はシステムそのものにある。典型的なのが官僚組織をはじめとする公務員システムですよね。何もしなくても年功序列で出世して給料が上がっていく。失敗しても誰も責任をとらない。国際的にはまったく通用しない古くなったシステムを、日本はいつまでも堅持している。古くて大型なので、お金=税金も必要。これが今日直面している問題だと僕は思っています。エネルギーの話だけではありません。

――そのシステムの弊害が、震災対応にも顕著に出ていたと。

高城 東電をみれば明らかですが、今は民主主義より資本主義のほうが力を持っていると思いますよ。ハッキリいえば、経団連を中心とした大企業群の問題だと思います。バブル崩壊以降、企業は新しいイノベーションに挑戦せずに、保守的になり、目先の利益追求のため、労働力が安い地域に多くの生産拠点を移動させ、国内労働者は疲弊しました。そして、国内は独占に近い企業が生き残り、幅を利かせるだけになったのです。さらに、そのようなことを、事実上国家が後押しする形になりました。日本は戦後、問題だった当時の財閥を解体し、また韓国では1997年の金融危機でやはり財閥解体をして新しい仕組みを作りました。今の日本には、経団連を中心にした事実上の財閥がありますが、マスメディアのスポンサーでもあるので、マスメディアでここを問題として取り上げる人はいません。特に大口を叩く人ほど口に出しません。そして何より、天下り以上にマスメディアには"財閥"関連のご子息がコネで就職しています。メディアも政治も二世だらけの同じ構造なのです。これを解体しないと、新しい日本=既得権益ではない本当の力がある日本は絶対に生まれないと思いますね。

――個人の幸せより企業の利益が優先されてるという意味ですか?

高城 それは、比較の問題ではないと思いますが、事実上そのようになっていると感じます。日本の「民主主義」とやらの実態を少し乱暴に言うと、国民より一部の役人が偉くて、一部の役人より政治家が偉くて、政治家より多くの役人が偉くて、多くの役人より大企業が偉いという構造なんだと思います。そして、かつての大企業が雇用を生み出して国民を豊かにするという古いモデルに代わるものを、いまだに誰も提案できていないことも問題だと思います。(後略)



(私のコメント)

福島第一原発の事故は、今まで隠されて分からなかった部分を露出させていますが、政府の危機管理能力の不備も明らかになってきた。つまり政府自身がパニック状態になってしまって、総理自身が暴走してしまった。当初は電気が停電になり現場との通信もテレビ会議システムも稼動せず、状況の把握もままならなかった。
 
携帯電話も中継局が地震で破壊されれば使い物にならず、僅かに使えたインターネットもバッテリーがなくなれば使えなくなった。明らかに大規模な地震を想定していなかったからですが、これは東北ばかりでなく日本全国が大震災になれば広範囲の停電が起きて、通信機器や携帯電話が使えなくなるだろう。中国やアジアなどでは停電が当たり前だから自家発電機が普及していますが、日本では通信システムにすらバッテリーが切れれば不通になってしまう。
 
もし東京都心が停電になればどうなるか想像が出来るだろうか? 計画停電も都心の23区は除外されましたが、停電になった時の非常電源が確保されているところは僅かしかない。病院などの非常電源もジーゼル発電機の燃料がなくなってしまえばおしまいだ。発電所も被災して何ヶ月も停電することも想定しておくべきだろう。
 
政府がパニック状態になってしまったのは、このような状況を想定していなかったためであり、原子力発電所は安全であると言う前提で今日までやってきたためだ。これは日本は神国だから戦争には負けないといった論理と同じであり、日本政府の体質は戦前戦中と現代では一つも変わっていないということだ。おまけに報道体制も大本営発表が復活してしまった。記者クラブ体制そのものが戦前そのままだからだ。
 
大戦の敗北で軍部は解体されましたが、官僚制度と報道体制と天皇制は残された。GHQの統治にはその方が都合が良かったからですが、日本国民による「戦争責任裁判」はついに行われる事がなかった為に、官僚と報道と天皇の戦争責任は問われることなく現在まで来ている。日本の歴史教育で問題なのは現代史を教える事が出来ないためだ。教えようと思えば天皇の戦争責任の問題を避けて通れないからだ。
 
戦後においては公職の追放と言う形での責任の追及はありましたが、人が入れ替わっただけで体制そのものが変わっていないから時間が経てば戦前の体制がそのまま復活してしまう。戦争の協力した朝日新聞も読売新聞も毎日新聞も解体されることはなく、軍部に代わってGHQと新政府の広報部として生き残った。日本国民は洗脳され続けたことには戦前も今も変わりがないのだ。
 
「株式日記」は現代史においても、鋭く切り込んでいるのですが、東日本大震災によって問題点が片付いていない事が分かってくる。それらは組織を解体すれば済むと言うことではなく、問題のある部分を改善しなければ同じ問題を引き起こすと言うことだ。昨日も官僚独裁制度を書きましたが、官僚独裁制度は戦前も今も変わりがない。官僚は司法から立法から行政からマスコミまで支配している。
 
高城剛氏は沢尻エリカの離婚騒動で有名になりましたが、正体不明の人物であり、様々な分野で活躍している人だ。創作家とかクリエイターと言えばいいのでしょうが、沢尻エリカの元旦那のほうが有名だ。日本はよく閉塞感に陥っていると言いますが、日本式のシステムが機能しなくなり、特に経済面では停滞が長い間続いている。これらの原因を高城氏は日本式のシステムの行き詰まりと指摘している。
 
同じような事は80年代のソ連でも起きていて、チェルノブイリの原発事故がソ連式のシステムが機能不全を起こして事故が起きた。その結果ソ連は崩壊して変わりましたが、日本も同じシステム上の問題に直面している。高度成長時代までは目標とするモデルもあり中央集権的な官僚制度が機能しましたが、目標がなくなると官僚たちは私利私欲に走り、利権の獲得拡大に走り始めた。
 
民主党は政権を獲得して政治主導を打ち出していましたが、政治の実権が官僚にあることに始めて気がついたようだ。民主党は政権をとっても行政を指導監督する能力がなく、自民党と同じように官僚に丸投げしてしまった。これでは行財政改革も夢のまた夢だ。人事権が国務大臣には無く事務次官が持っていることからも官僚独裁制を裏付けている。
 
ソ連においては内部から批判が高まり、「赤い貴族」と呼ばれたノーメンクラトゥーラが権力と富を握っていましたが、近代国家はこれでは上手く機能しない。中国もこのようなノーメンクラトゥーラが支配する国家であり、彼らは富と権力を握って13億の国民を支配している。いずれ中国もチェルノブイリのような重大な事故を起こして崩壊するのでしょうが、日本は3・11に起きた。
 
日本におけるノーメンクラトゥーラは、官僚であり政治家であり経団連だ。更にはマスコミと学界が彼らに従属している。このような権力構造は固定化されてきて、政治家や官僚も世襲化が進んで、テレビ局や広告代理店には彼らの子息がコネで入社している。経団連も国内の工場を閉鎖して生産拠点を海外に移転させている。赤い貴族たちは国民のことなど意識にはなく非正規労働者にして奴隷のように扱う。
 
だから被災した住民が体育館で避難生活していても、赤い貴族たちは我関せずであり、国家予算の配分にしか興味がない。日本では大災害が起きても責任の所在が不明であり、原子力安全保安院も原子力安全委員会も責任は取らない。官僚も年功序列で出世して天下りして特殊法人で理事として赤い貴族の仲間入りする。
 
経団連の赤い貴族たちにとっては、中国人労働者も日本人労働者も同じことであり、日本若者を非正規労働者として正規労働者の3分の1のコストで働かしている。更には法人税を安くしろとか消費税を上げろとかTPPに参加しろとか原発作れとかしないと海外に移転すると脅していますが、そんなに言うのなら経団連傘下企業は社長と会長の日本国籍を剥奪して国外追放すればいいのだ。
 
 




菅直人枝野幸男海江田万里寺坂信昭班目春樹清水正孝らに対する原子炉
等規制法違反と業務上過失傷害容疑での告発状を東京地検に提出した。


2011年7月22日 金曜日

放射能汚染は関東から宮城県北部にまで広がっていた。


セシウムビーフが流通した真相は? 「想定外だった」東電そっくりの言い訳をする農水省 7月17日 BLOGOS編集部

高濃度の放射性セシウムを体内に含んだ肉牛が全国に出荷されたことが判明し、大問題になっている。

 福島県は16日、郡山市と喜多方市、相馬市の農家計5戸が放射性セシウムに汚染された稲わらを餌として肉牛に与えていたと発表。これらの農家から3月末以降、実に84頭が計5都県の食肉処理場に出荷されていたことが分かった。すでに南相馬市から6頭、浅川町から42頭が出荷され、市場に流通していることが判明しているため、問題となった肉牛は132頭に達している。

 このようにセシウム汚染牛の流通の様子が次々と明らかになっているが、福島第一原発の事故から時間があったのに、国はなぜ未然に防ぐことができなかったのか。17日付け読売新聞の記事から、監督するはずだった農水省の呆れた実態が見えてきた。(安藤健二・BLOGOS編集部)

稲わら汚染 想定せず


 朝刊3面に掲載された「稲わら汚染 想定せず」という記事には、こう書かれている。
「我が省の大失態。稲わらが汚染源になるとは想定外だった」。農林水産省の職員はうなだれた。

原発事故から約1週間後の3月19日、農水省は家畜に与える餌について、「牧草は事故発生前に刈り取り、事故後は屋内保管したものだけを与える」と自治体を通じて畜産農家に文書で通知した。しかし、そこに「稲わら」は含まれていなかった。4月下旬には飼料の規制値(1キログラム当たり300ベクレル)も設けたが、この時も稲わらを生産する稲作農家に指導しなかった。

稲わらはビタミンAをほとんど含まず、主食とはならないが、食べさせると肉に白い「サシ」が入るため、出荷の数か月前から与える農家が多い。ただ秋に刈り取るため、「冬前には倉庫に保管するので放射能の影響は受けないと信じ込んでいた」(同省幹部)という。

しかし、雪の少ない地域では、「稲わらを冬に野ざらしにして乾燥させる農家があるのは常識」(福島県の畜産関係者)という。
 
「牧草に放射性物質が付着するなら、稲わらにも当然つくだろう。ちょっと考えればわかるはず」。石川県白山市の精肉店の男性店主(33)はあきれ顔だ。
 稲わらは、牛肉を霜降りにして高級感を出すためにエサとして使われていたようだ。農水省は「想定外だった」と説明しているが、明らかに勉強不足だろう。原発事故が起きた際には、東京電力が「想定外だった」と弁明を繰り返していたが、農水省まで真似する結果になった。(後略)


現場を分かる人が国にいなかった(汚染牛問題) 7月21日 NEVADA

以下の発言は、福島県の大玉村の「わら部会」の男性が朝日新聞に述べた言葉です。

『現場を分かる人が国にいなかったのが原因。牛一頭育てるのに何が必要か知らなかったのだろう』

農林水産省の官僚はこの言葉を聞いて、なんと「言い訳」するのでしょうか?


高給を貰って権力を握っている官僚がこのような指摘を受ける状態にあれば、今の汚染牛問題がどんどん拡大
していくのも頷けます。

今や汚染牛問題は日々拡大しており、JRのお弁当(牛すき重)でも使われていたと報じられ、伊藤ハムのお中元にも使われ、デパートでも販売されており、もはや日本国中で汚染牛がないところはないのではないか、と思える程に拡大しています。

今回の汚染牛拡大問題は明らかに人災、しかも官僚のミスであり、農林水産省幹部及び担当官は本来なら徹底的に責任追及されるべきですが、日本の場合はいくら官僚がミスをしましても何のお咎めもなく出世していき、被害は一般民間人にだけにきます。

実際に汚染されたわらを出荷した業者は以下のように述べています。
『(国から)何の通知もないから平常通り春のわらを流通させてしまった』

恐ろしいまでも官僚の無責任行動であり、一体この国(日本)はどうなってしまったのでしょうか?

キャリア官僚が王様として君臨してきた日本ですが、この王様の能力が地に落ちてしまったのでしょうか?
政治は三流と蔑まれていた中、官僚は世界一優秀と言われてきましたが、実際には官僚は世界一愚か者になり下がってしまっているのかも知れません。

そうだとすれば、企業や資産家が日本から逃げ出すのも頷けます。
日本にとり、官僚の優秀さが唯一の救いだったものが、今やその官僚が頼りにならないどころか、邪魔者となれば、この日本という国は沈没どころか消滅しましても何ら不思議ではないからです。



(私のコメント)

株式日記では財務官僚や日銀官僚のバカさ加減を叩いてきましたが、福島原発事故における経済産業省と農林省の官僚のバカさも明らかになりました。 農林官僚なら牛が何を食べて飼育されているのか知らなければなりませんが、稲藁を食べていることなどを知らなかったようだ。このように現場を知らない官僚が増えてきて、日本の国政を歪めている。
 
財務官僚や日銀官僚にしても経済の最前線の事が分かりません。この事は宮崎県の口蹄疫の初動の遅さなどでもありましたが、財務官僚から農林官僚にいたるまでバカばかりだ。あるいは官邸からの指示がないから動かないのかもしれませんが、国民の健康を犠牲にする感覚は、官僚体質が狂って来ていることが伺われます。
 
官僚が優秀なら政治家も官僚丸投げ政治でもいいのでしょうが、自民党も官僚丸投げ政治で、その官僚の質が低下してきて日本がおかしくなって来ているのだ。世の中が変わってきた結果、東大法学部を優秀な成績で卒業したような官僚では役に立たなくなり、課長クラス以上は半数ぐらいは民間から優秀な人材を登用すべきなのだろう。もはや学歴で人材を選別できるような時代ではなく、実社会で業績を上げた人材をスカウトして登用しないと対応が出来なくなって来ている。
 
だから財務省や日銀官僚も、金融業界で若手の実績をある人材を登用すべきだろう。課長以下クラスなら東大法学部程度の人材でも役に立つのでしょうが、中堅以上の幹部は民間からのヘッドハンティングで登用すべきだ。このような公務員制度改革を提言しても、民主党政権も先送りにしてしまった。しかし福島原発事故を見ても無能な官僚が二次災害を広げているのであり、無能な官僚は首に出来るような制度に変えるべきだ。
 
そうしないと、しでかした不始末を誤魔化す為に、更なる不始末をしでかすのであり、戦前における関東軍の不始末が大東亜戦争まで広がったのも、一ヶ月で終わると言っていた日中戦争が何年かかっても終わらない不始末をしでかしたからだ。ならだ撤退すればいいものを戦争を拡大することで誤魔化そうとしたのだ。
 
世の中の社会進歩は複雑になり、東大と言うエリート大学では対応が出来なくなり、より優秀な人材でないと適切な手が打てなくなっている。このようなエリートは大学ではなく実社会で能力があると見込まれた人材を登用すべきであり、大学ではペーパーテストでしか能力は計れない。しかし学業は優秀でも仕事が出来ない大卒者が社会問題になっている。
 
昔は「知情意」のバランスが大切と教えられてきましたが、今では「知識」だけに偏った教育が行なわれて「感情」も「意思」もない新卒者を大量生産している。その「知識」も教科書に載っていることは分かっても教科書にない事を理解できない「秀才」は役に立たない。人事制度が時代の変化に追いついておらず、年功序列で出世した幹部は仕事が出来ない。
 
福島原発事故は人災であり、十分な防災措置がとられていなかったから起きた事故だ。しかし東京電力や政府官邸は想定外を連発していますが、稲藁に放射能がついてしまった事も想定外と繰り返している。屋外に出ていた稲藁の汚染は間に合わなくても、出荷を停止させることは出来たはずだ。停止させなかったから汚染牛肉が日本全国に広まってしまった。
 
昨日は検察のことについて書きましたが、検察も「国策捜査」を連発して、証拠を隠したり捏造したりして有罪に持ち込もうとした。法廷で争うよりも容疑者を洗脳して自白させたほうが楽だろう。政府にしても情報を隠蔽して間違った「安全です」というメッセージを流し続けて洗脳してしまったほうが楽かもしれない。だから幼稚園児でも年間20ミリシーベルトまで安全だと言い続けている。
 
このように政治家や官僚が無能であることは犯罪行為であり、二次被害を拡大させる一方になる。しかし官僚は無能だからといって降格させることも出来ない。福島の放射能汚染地域はこれから数十年間は住むことも出来なくなる事は前から書きましたが、一旦体内被曝したセシウムも御用学者たちは安全だと言いますが、数年経たなければ分からない。
 
このような無能な政治家や官僚を何とかしなければなりませんが、政治家は選挙で落とすことが出来ますが、官僚はなかなか首にすることは難しい。だから公務員制度改革で首に出来るようにすべきであり、降格処分も出来るようにすべきだ。東京電力の会長と社長は業務上過失致傷罪で裁かれるべきであり、情報を隠蔽した菅総理と枝野官房長官も業務上過失致傷罪で裁かれるべきだ。


菅首相ら6人を告発 住民団体、原発事故対応めぐり 7月14日 朝日新聞

東京電力福島第一原発の事故をめぐり、「被災地とともに日本の復興を考える会」と名乗る団体が14日、菅直人首相らに対する原子炉等規制法違反と業務上過失傷害容疑での告発状を東京地検に提出した。今回の事故で刑事告発の動きが明らかになったのは初めて。

 告発されたのは、菅首相と、枝野幸男官房長官、海江田万里経済産業相、経産省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長、原子力安全委員会の班目春樹委員長、東京電力の清水正孝前社長の計6人。

 告発状によると、福島第一原発の1号機について、菅首相ら6人が、原子炉格納容器の内部圧力を下げるベント(排気)の必要性を認識していたのに、それを遅らせたのは原子炉等規制法(危険時の措置)違反の疑いがあるとしている。また、菅首相、枝野官房長官、海江田経産相の3人については、適切な避難対策を怠り、1号機の原子炉建屋内で水素爆発が起きた際に避難者に被曝(ひばく)させるなどした業務上過失傷害の疑いもあるとしている。

 「考える会」の関係者によると、同会には、岩手、福島両県と東京都の自営業者、農家、医師ら約10人が加わっている。福島第一原発から半径20キロ以内の「警戒区域」に自宅があり、避難生活を送っている人も含まれているという。





検察と裁判所とマスコミのトライアングルは崩れ始めた。「小沢公判」で、
裁判所は特捜捜査を認めず、検察自身が組織と意識の改革を約束した。


2011年7月21日 木曜日

東電OL事件、再審の可能性…別人DNA検出 7月21日 読売新聞

東京都渋谷区で1997年に起きた東京電力女性社員殺害事件で、強盗殺人罪により無期懲役が確定したネパール国籍の元飲食店員ゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(44)が裁判のやり直しを求めた再審請求審で、東京高検が、被害者の体から採取された精液などのDNA鑑定を行った結果、精液は同受刑者以外の男性のもので、そのDNA型が殺害現場に残された体毛と一致したことがわかった

 「(マイナリ受刑者以外の)第三者が被害者と現場の部屋に入ったとは考えがたい」とした確定判決に誤りがあった可能性を示す新たな事実で、再審開始の公算が出てきた。

 この事件でマイナリ受刑者は捜査段階から一貫して犯行を否認。同受刑者が犯人であることを直接示す証拠はなく、検察側は状況証拠を積み上げて起訴した。

 2000年4月の1審・東京地裁判決は「被害者が第三者と現場にいた可能性も否定できない」として無罪としたが、同年12月の2審・東京高裁判決は逆転有罪とし、最高裁で03年11月に確定した。

 マイナリ受刑者は05年3月、東京高裁に再審を請求した。

 
同高裁は今年1月、弁護側からの要請を受け、現場から採取された物証についてDNA鑑定の実施を検討するよう検察側に求めた。これを受け、東京高検が精液などのDNA鑑定を専門家に依頼していた。


「小沢捜査」を指揮した大鶴前東京地検次席が退官、佐久間前特捜部長は左遷の「内幕」 家宅捜査も連発した特捜部捜査の限界 7月21日 伊藤 博敏

小沢一郎民主党元代表を狙った東京地検特捜部の政治資金規正法違反事件の是非が、改めて問われている。

 実行犯の石川知裕元秘書(現代議士)らを裁く「秘書公判」が今秋に判決、検察審査会に強制起訴された小沢氏の初公判が10月に開かれるという現段階で、是非が問われるとはどういうことか。

 検察OB弁護士が解説する。

 「秘書公判を審理する東京地裁(登石郁郎裁判長)は、検察が提出した3秘書の38通の供述調書のうち11通を全文却下、残りも一部を却下しました。その理由を裁判所は、『検察側が心理的圧迫と利益誘導を織り交ぜながら巧妙に誘導した』と、書いています。

 つまり調書は信ずるに値しないというわけで、石川被告が小沢氏に、『虚偽記載を報告、了承を得た』という重要な調書も含まれています。小沢無罪は確定的。3秘書の罪を問えるかどうかも怪しく、検察の捜査手法が改めて問題となっています」

「特捜検事」のDNAを最も色濃く受け継いだ検事

 大阪地検事件に続く検察の失態だが、その行く末を睨んだように、「小沢事件」の指揮を執った二人の検察幹部が、捜査の第一線から退くことになった。

 ひとりは、最高検の東京担当検事を経て東京地検次席として捜査を指揮した大鶴基成最高検公判部長。大鶴氏は7月末で検察庁を退官、弁護士となる。

 もうひとりは、大鶴氏と長くコンビを組み、「小沢事件」は特捜部長として現場責任者だった佐久間達哉大津地検検事正。8月からは国連アジア極東犯罪防止研修所(アジ研)の所長として刑事司法の様々な問題を取り扱うことになる。(中略)

つまり検察にとって「秩序の担い手」は自分たちであり、それを裁判所は認めて99・9%の有罪判決を出し、司法マスコミはそれを支えた。

 しかし、検察と裁判所とマスコミのトライアングルは崩れ始めた。

 「小沢公判」で、裁判所は特捜捜査を認めず、司法マスコミも検察批判を展開、検察自身が組織と意識の改革を約束した。

 その時点で、「小沢捜査」を担った二人の指揮官は責任を取ることを余儀なくされ、大鶴氏は退官、佐久間氏は左遷の道を選んだのである。



(私のコメント)

6月26日に東京電力のエリートOL殺人事件の謎を書きましたが、今朝の新聞では「精液は同受刑者以外の男性のもので、そのDNA型が殺害現場に残された体毛と一致したことがわかった。」となって、再審開始が行なわれるようです。このような証拠は裁判中にでもDNA鑑定をすればわかったのでしょうが、検察はそれをせずに強引に被告を有罪に持っていってしまったようだ。
 
検察が自分たちに不利な証拠を隠したりされたら裁判が成り立ちませんが、証拠を改ざんしたりしていたのだからありえる話だ。東京電力と検察との関係がはっきりとはしませんが、 佐藤栄佐久前福島県知事の逮捕も反原発派だから逮捕されましたが、これも「冤罪」の匂いがするものだ。いわゆる「国策捜査」に当たるものかもしれません。
 
佐藤栄佐久逮捕事件も3月24日に書きましたが、事件の中身を読んでみると実弟が口利きをしたと言う無理筋の構図が浮かび上がってくる。東京電力のOL殺人事件も物的な証拠である精液を調べれば分かるものを調べずに、状況証拠だけを積み上げた無理筋の起訴だった。いずれも背後には東京電力が関係していますが、検察と東京電力が手を組めば、都合の悪い人物を次々と嵌めていく事が可能になる。
 
「株式日記」では「国策捜査」を批判してきましたが、検察の横暴は官僚独裁体制と深い関係がある。このような官僚独裁体制を監視するには政治が監督しなければなりませんが、政治家は東京電力から金を貰って東京電力の言いなりだ。東京電力OL殺人事件も東京電力がヤクザを雇って殺させたのかもしれませんが、そうするだけの理由があった。


佐藤栄佐久前福島県知事は「反原発派」だったから逮捕されたのか 福島チェルノブイリは、佐藤栄佐久知事を陥れた地検特捜部の犯罪! 3月24日 株式日記

(私のコメント)

小泉構造改革で、公共事業がどんどん縮小されて、必要なインフラ事業が出来なくなっている。財務省は財政再建が最優先であり、公共事業を次々カットしていますが、防災対策でやるべき事が沢山あることは今回の大震災で十分分かったはずだ。民主党は「コンクリートから人へ」がスローガンですが、津波対策など考えにも及ばなかっただろう。
 
官僚たちは恣意的な法律の解釈で実権を握り、政治家に責任をおっ被せて自分たちは責任を取らなくて良いシステムになっている。自分たちの言うことを聞かない政治家がいればスキャンダルを暴露して葬ってしまう。マスコミも官僚の味方であり、東京地検は正義の味方のようにマスコミは報道してきた。検察があまりにも強くなりすぎて政治家が萎縮して小粒になってきている。
 
テレビを見ると朝から晩まで「AC、AC、AC」と気が狂いそうになりますが、国民を洗脳して気を狂わそうというつもりだろう。東京電力はテレビ広告の大スポンサーであり、反原発派の学者が出ることが出来ない。いかにマスコミ報道が狂っているかは今回の事でよく分かりますが、放射能に汚染された水道水も、テレビは気が狂ったかのように学者を動員して「問題ない」のオンパレードだ。
 
これと同じようなことを検察の捜査でも行なっているのであり、無実の人でも有罪にしてしまうくらいに検察の権力が大きくなってしまった。政治はますます無力になり官僚主導が今日の無責任体制を作っている。菅総理は官邸の中に引きこもりになり、顔を見せなくなりました。適切な決断が出来なくなり、感情をコントロールできなくなっている。このような無力な政治家を選ぶ国民も悪いのですが、自然はこのような国民に大津波となって報復してくるのだろう。


渡邊親子が警告を発し続けたプルサーマルが本格稼働した1997年、泰子は売春婦として殺され闇に葬られた。翌年、勝俣は常務取締役になった。 6月29日 株式日記

(私のコメント)

東電は日本を代表する巨大企業であり、日本のエリートをかき集めたような会社だ。その中でも出世コースに乗るには激しい出世競争に勝ち残らなければならない。東電は終身雇用と年功序列の典型的な会社であり、能力よりも会社にどれだけ忠誠を尽くすかで出世が決まるようだ。勝俣会長や清水社長もその典型的な社員の一人だろう。 

「東電OL殺人事件」の渡辺泰子も親子そろっての東電社員でしたが、父親は役員一歩手前まで出世したエリート社員だった。最近では高級官僚の子が高級官僚になり、民間会社でも会社の幹部の息子が出世して幹部になるような身分の固定化が進んでいる。最近では金さえあれば一流大学を出られるし、コネがないとは入れない大会社も多くなりました。
 
テレビ局や広告代理店などには政治家や大企業幹部の息子や娘でいっぱいだ。こんな事をしているから日本企業の停滞が起きるのでしょうが、誰もが自分の息子や娘がかわいいからゴリ押しでコネ入社させる。渡辺泰子もその一人なのかもしれませんが、父親が東電幹部だったが反原発派になったことで副部長から降格された。そしてまもなく病死した。
 
渡辺泰子を東電に引き入れたのが勝俣会長であり、渡辺泰子は出世コースを歩んで管理職になった。その彼女が売春婦として殺されたのだから、裏には何かあると考えるのが普通だ。女子OLとしてのストレスから夜の売春に走ったというのが一つの推理ですが、東京電力と言う悪徳会社に毒されて身を落としたと言う見方もできる。

東京電力は金のある会社であり、マスコミにも毎年数百億円もばら撒いてコントロールしている。原発問題も3・11の前は原発は脱炭素社会の切り札のようにマスコミは報道していた。そして反原発の声は封じられてしまって、原発に対する安全性の問題は封印されてしまった。渡辺親子も反原発で出世が断たれて非業の死を迎えた。


(本日の私のコメント)

警察や検察が実働部隊となり官僚独裁体制が出来ている。国策である原発政策を批判すれば政治家は汚職で逮捕されたり消されたりする。タレントも反原発を言えば役を降ろされたり、公演を辞退させられたりしている。このような事が容認されているとなれば、福島の原発事故が起きるのは必然であり、外部のチェックが効かなくなったことが原発事故の要因になっている。

市町村や県知事に対しても、地域の電力会社は大きな影響力があり、そのような電力会社にNOと言うことは不可能に近い。そのタブーを犯したから佐藤栄佐久前福島県知事は失脚したのであり、監督官庁である経済産業省も電力会社の言いなりになり、だれも電力会社と官僚独裁体制に切り込む事が出来なかった。だから福島の原発災害は天罰なのであり、東京電力は潰れなければならない。でなければ消された渡辺親子も浮かばれないだろう。




市民運動家、弁護士、松下政経塾等からの出身者は、組織とは別の世界で
生きてきた。政治指導者としての教育訓練が足らなかったのは明らかである。


2011年7月20日 水曜日

「(ドタバタ)民主党の本質」の研究 6月11日 青柳孝直

千年に1回と言われる大震災に遭遇し、的確で迅速な施策を打ち出すべき
政権与党・民主党のドタバタが収まらない。
揉め事ばかりが先行し、物事はサッパリ決まらず、全てに関して何も進まない。

一国を司ってきた人物がその後任者を「ペテン師」とまでののしり、
「言った」「言わない」と、小学生のような内輪もめを繰り返す。
野党時代ならいざ知らず、日本の政権を担っている政党とは思えない無様な姿を晒している。

どうしてこのようになってしまったのか。
2009年9月の政権交代から2年も経っていない。
その間に3人目の首相が誕生しようとしている。
では「民主党失敗の本質」はどこにあるのであろうか。

野党時代の民主党にはハッキリした大目標があった。
「自民党政治の否定」である

「1955年の保守合同から続いてきた自民党による支配体制を打破する」ことが
大命題であった。
09年の総選挙で民主党は大勝し政権を樹立した。
全くのラッキーパンチだったとは言え、懸案の「政権交代」は成ったのである。

ではそれから以降の目的となると、全く定まっていなかった。
かっての自民党のような「政権の座にいることが政権の目的」といった割り切りもなかった。
政権交代達成の後は“(全く)何もない”状態だったのである。
マニフェストも机上の空論、きれいごとのオンパレードだった。

マニフェストに掲げた政治主導の方針は是認できるにしても、
間違った理解で官僚を排除し、官僚組織を機能停止状態にしてしまった。
それが今回の大震災の対応が後手に回った大きな理由ともされている。

民主党の特徴として、
「幹部クラスに組織運営の経験がないメンバーが多い」点が上げられる。
市民運動家、弁護士、松下政経塾等からの出身者は、一般の組織とは全く別の世界で
生きてきた。

人前で解説・説明することは長けていても、「人を動かす」ための“機微”には疎い。
民主党が忌み嫌う“根回し”と言われる純日本的でアナログな手法も、時には必要なのである。

百歩譲って民主党が“若葉マーク”だとしても、リーダーとしての資質にも問題があると
言わざるを得ない。
自らの発言を方便と言ってみたり、引退すると言っては否定したり、
怒鳴り散らしてばかりいたり、独断専行を決めてしまったり…
政治指導者としての教育訓練が足らなかったのは明らかである

菅首相は首相就任に際して「最小不幸社会」を目指すと高らかに宣言した。
しかし大震災以降の3ヶ月を振り返ると、無策ゆえの「宰相不幸社会」が実現している。
このままでは日本国の滅亡である。
とりあえず今のままの民主党に日本を任せられない

政策ごとの部分連合、衆院解散・総選挙を見据えた期間限定の大連立など、
打つべき手は打つ時期ではある。
“一時凌ぎ”には違いないにしても…



596 :闇の声:2011/07/20(水) 11:11:19.18 ID:tJkmCe7P

政権交代の目的の一つに、その公務員制度の改革もあったと思う。
肥大する組織と権限強化、遅滞停滞する行政改革への怒りも込めての政権交代だったはずで
そのプロセスで自民党政治への検証作業が必須だったと自分は書いた。
だからご指摘の御考えは全部受け入れは出来ないにせよ一つの考えとして受け入れて
白紙に戻す意味での検証作業をすべきだった・・・
しかし民主党がやった事はそれとは違って、自分達で何でも出来るとの思い込みで
まず官僚の人事制度を破壊した・・・全ての権限を仙谷に集めた格好にしたが、仙谷とて
行政的な能力がある訳じゃない

所詮アカ弁護士のアウトサイダーで本能的に官僚の言う事は受け入れない・・・
党中央には能力があります、これが民主党政権の前提だった。
しかし現実は、自公政権への検証の前に労組や市民団体上がりの悲しさで今までの意趣返しを
官僚相手に展開してしまった
・・・
その一番ひどい例が赤松で、それが露呈したのが口蹄疫の時だったね。
鳩山は現実離れしたロマンティストで、行政手腕はゼロだった。
だから官邸に政治課題を持ちこんでも処理は出来なかった。

つまり、行政改革とは相当地味な、しかも行政と官僚機構両方に通じていないと
なかなか出来る事では無い

天下り一つ取ってみても、官僚出身者は再就職出来ませんは人権侵害だと言っても
おかしな事じゃない・・・能力のある人はそれを活かす事が必須だし、民間への
天下りも、例えば技術職の様な場合は特に歓迎されている。
キャリアとノンキャリアを見ても、悪いのはどっちにもいる。
ノンキャリアに全てを任せれば彼らは彼らなりのやり方で権限強化を図るし利権確保もする。
一つのやり方は罰則規定の強化と民間からの出向を増やす事だろう。
その様な様々な方法を議論すべきが手順が滅茶苦茶だったと言う事だね。


(私のコメント)

セシウム入りの牛肉が出回るようになりましたが、政府の無為無策が被害を拡大させています。稲藁から汚染が広まりましたが、農家に放射能汚染の警告がなされていなかった。農林官僚たちは放射能汚染に対する対策が不十分であり、原発事故が起きたら直ぐにでも放射能汚染対策がなされているものと思っていましたが、農家には何の通知もされなかった。
 
政府も右往左往するばかりで、何をどうしていいのか分からなかったようだ。官僚たちも政府からの指示がなければ動けませんが、指示がなければ遊んでいてもかわまないのでしょうか。菅総理や担当大臣は知らなかったで責任逃れをしているし、官僚は政府からの指示もないと開き直っている。マスコミは記者クラブの広報機関化して、問題提言もない。
 
稲藁も屋内に置くようにしていれば放射能汚染も防げたのでしょうが、屋外に放置された稲藁が日本全国に広まってしまった。量としては一部に過ぎませんが、政府は全頭検査出来るまで出荷停止された。しかし出荷停止でも牛たちには餌をやらなければならないから農家は大被害だ。このように人災が起きると二次被害や三次被害と広がってきて収拾がつかなくなる。
 
それでも菅総理は辞めればいいんだろうと開き直ってしまって、いつ辞めるかはぼかして菅政権は続いている。問題は菅総理の後がいないから居座り続けることが出来る。青柳氏が書いているように、民主党幹部には市民活動家や弁護士や松下政権塾などの一般組織とは無縁の出身者が多い。口先は達者でも、それだけでは組織は動かない。
 
菅総理は他人の手柄でも平気で横取りするし、怒鳴りつければ言うことを聞くと思い込んでいる。責任が問われても「聞いていない」とか「言った」「言わない」で責任感がまるでない。これでは菅総理がいくらアドバルーンを上げたところで誰もついてこない。気の毒なのは海江田大臣のように梯子を外されることであり、こうなると菅政権は何もできない状態になる。
 
菅総理は30年間も国会議員をやっていながら、行政を動かすやり方が分からないようだ。総理大臣が言えば行政組織が動くと思っているのでしょうが、民主党内ですら意見が固まっていないような事を言っても行政が動くわけには行かない。消費税も然り、脱原発も然り、TPPもしかりで個人のスタンドプレーばかりが目立ちます。野党ならそれでもいいのでしょうが、官僚組織は野党ではない。
 
公務員制度改革は民主党が政権を取るための原動力になった公約ですが、先送りするばかりで、その他のマニフェストも絵に描いた餅になってしまった。政府が閣議決定すれば後は官僚が駆けづり回ってやってくれるとでも思っていたのだろうか。確かに自民党時代には、官僚丸投げ政治だったから官僚たちは野党議員を説得して回っていたのでしょうが、民主党が同じ事をしても行政府は動かない。
 
だから菅総理は自民党と同じように官僚丸投げでやろうとしたのでしょうが、「言った、言わない、聞いてない」と責任逃れをするような総理大臣では官僚は動かない。民主党政権は政権交代することが目標であり、政権を取ったら何をするかまで真剣に考えてはいなかったのでしょう。マニフェストもやろうと思ったら障害が多くて直ぐに立ち往生してしまった。
 
民主党に行政能力がないことは、口蹄疫の時にも感じましたが、行政府は専門組織があるにも拘らず民主党政権ではそれが活用できない。原発事故に際してもSPEEDIの存在を知らなかったり、住民避難を放置して原発事故対策に夢中になってしまった。総理大臣が現地まで飛んで右往左往しても邪魔になるだけであり、政府は住民避難対策に手を打つべきだった。そうしていれば牛肉汚染も防げたはずだ。
 
東日本大震災で行政府を動かした経験のある亀井氏を菅政権では使うことはありませんでしたが、「株式日記」では亀井氏で復興内閣を作るべきと提言してきた。連立政権内では大災害の時の政権運用で経験のあるのは亀井氏しかいなかったのですが、菅総理は総理を譲ってまで復興をやるつもりがなかった。
 
菅総理は所詮は市民運動家であり与党攻撃には強いが行政能力は素人だった。行政府には専門分野の専門家が沢山いるのですが、原子力安全保安院も原子力の専門家が沢山いた。その専門家は既にメルトダウンしていると発言したらポストを外してしまった。大災害の非常時には悪い事ほど公開して発表すべきなのでしょうが、菅政府は情報隠蔽のほうに走ってしまった。
 
政権には様々な分野から政策が提言されているのでしょうが、悲しいかな行政能力がないから身動きが出来ない。市民活動家や弁護士や松下政権塾では巨大組織を動かすことは未経験であり、国会議員の経験が長くても野党議員では大臣や政務次官の経験もつむ事が出来ないから素人なのだ。だから前原も枝野も仙石もどんぐりの背比べであり、岡田氏が通産官僚の経験があるくらいだ。
 
自民党にしても、世襲議員が多くなり、大組織を動かせる人材がいなくなり、官僚丸投げで政治をしてきた。それでは官僚が勝手なことをしだしても誰も止められなくなってしまった。民主党ならしがらみが無いから政治主導も出来ると思ったのですが、民主党自体に行政能力がなかった。民間から人事をスカウトして政策スタッフにすべきなのでしょうが、専門家が不足している。
 
アメリカでは民主党や共和党がシンクタンクを持っていて、行政をバックアップしてますが日本にはそのようなシンクタンクがない。その代わりに中央官庁がシンクタンクの役割をしていましたが、日本にも政党のシンクタンクを持つべきなのだろう。「株式日記」は無所属の一人のシンクタンクですが多くの政策を提言して来ている。特にエネルギー政策は以前から自然エネルギーの活用を提言してきましたが、原子力村に潰されてきた。
 
日本にもシンクタンクを名乗る組織は多いのですが、政党に政策提言できるようなシンクタンクはなく、企業から依頼された調査をするくらいだ。エネルギー政策にしても電力会社に依存していれば脱原発の政策提言も出来ないだろう。ソフトバンクの孫社長がエネルギー全量買取を提言していますが、私利私欲がからんだ政策だ。むしろ電力の自由化や送配電の分離が進めば電力の問題は解決する。
 




最高裁は更新料について「賃料の補充や前払い、契約継続の対価など複合的
な性質がある」との統一見解を初めて示し、経済的合理性があると判断した。


2011年7月19日 火曜日

更新料判決 納得できるがなお説明を 7月19日 7月19日 産経新聞

マンションなどの賃貸契約で、1、2年ごとの契約継続時に支払う更新料について、最高裁は「高額過ぎなければ有効」との初めての判断を示した。

 4人の裁判官の全員一致の結論で、おおむね納得できる。しかし、賃料や一時金をめぐるトラブルは増え続けており、貸主(家主)側は借り主に、いっそう丁寧な説明を続けなければならない。

 更新料は、マンションや住宅の賃貸物件で契約期間が終了し、更新する際に入居者が貸主側に支払う一時金だが、法的な根拠は明確でない。関西や首都圏で商慣習化しており、全国で約100万件以上が該当するといわれる。

 今回の3件の訴訟も京都、滋賀のマンションの借り主が平成19年から翌年にかけて提訴した。2件の更新料は「1年ごとに家賃約2カ月分」で、1件は「2年ごとに家賃2カ月分」だった。

 提訴のきっかけは13年、消費者の利益保護を目的とした「消費者契約法」が施行されたことだ。同法10条は「消費者の利益を一方的に害する契約は無効」と定めており、更新料がこれに当たるかどうかが焦点だった。

 3件はいずれも2審が大阪高裁で審理され、「無効」判決が2件、「有効」が1件と判断が分かれていた。

 最高裁は更新料について「賃料の補充や前払い、契約継続の対価など複合的な性質がある」との統一見解を初めて示し、経済的合理性があると判断した。

 また更新料が慣習となっていることは広く知られており、「契約書に明記されていれば、高額過ぎるなどの事情がない限り消費者契約法に反しない」とした。

 更新料が有効と判断されたとはいえ、最高裁は法外な更新料請求まで是認したわけではない。それでなくても家賃の仕組みは敷金、礼金など一時金も加わって複雑だ。更新料によって月々の賃料を低く抑えているなら、そのことも借りる側に分かりやすく、合理的に説明する必要がある。

 全国の業者が加盟する業界団体大手の「日本賃貸住宅管理協会」は、昨年10月から家賃の透明性を高めることを目指して、「めやす賃料」制度を始めた。国土交通省も「賃貸住宅標準契約書」に一時金を明記させるなど、業界への指導力を発揮すべきだ。



(私のコメント)

更新料の問題は私も当事者であるのですが、昔ならいざ知らず家主側の都合で取っているのではなく、更新契約の窓口になっている不動産業者の手数料なのです。数件の借家の大家なら更新契約も自分で出来るでしょうが、大型マンションなどの数十件の借家の大家だと更新手続きは仲介業者に任せざるを得ない。
 
だから更新手数料は、実質的には手続きを行なう不動産仲介業者の手数料だから、更新料から手数料として名前を変えればいいだけだろう。現在では借り手市場であり空室が出来ると後を埋めるのが大変だ。だから家賃を上げていくことは難しく、へたに契約の更新を求めると家賃の値下げを求められかねない。そうなるくらいなら自動延長の形で借り続けてもらった方がいい。
 
更新契約を業者に任せるのは、件数が多い場合もありますが、大家と借家が離れた場所にある場合も地元の業者に任せざるを得ない。私も千葉にアパートを経営しているが、いちいち千葉まで行くのは大変だ。更新契約ばかりでなく家賃の督促なども業者にお願いしていますが、アパートの近所の業者でないと対応が出来ない。
 
このように所有と管理の分離は、あるのが普通であり、管理料として家賃の5%程度払う場合もありますが、二年ごとの更新時に一か月分の更新料を手数料として業者に支払う形が多いのではないだろうか。更新手続きを二年ごとに行なうのは、実際には借家人の確認のためであり、数年経つと借家人が別人になっていたりする事があるからだ。保証人との関係も確認を取らなければならない。
 
地元の不動産仲介業者にとっても、このようなアパートの更新契約は安定した収入源であり、多くのアパートを管理していれば、景気不景気に関わらず安定した経営が出来る。好景気の時は不動産売買の仲介だけでも商売が出来ますが、バブル崩壊以降は土地の動きもピタリと止まって、アパート管理をやっていない地元業者の多くが潰れた。
 
だから昔と違って更新料は性格が違って来ており、大家のボッタクリではなく管理業者への更新手続き手数料なのだ。小規模ならともかく大家個人がじかに更新手続きをする事はなく、自動延長が普通だろう。大家と借家人との間に不動産業者が入ったほうがトラブルを防止できるし、宅地建物取引主任がいる業者なら説明事項もやってくれる。
 
最近では家賃の不払いや滞納などのトラブルが多くなり、入居者の選別には仲介業者に任せざるを得ない。入居申し込みに対しても、断りにくい場合にも中間に業者が入ってもらうことで断れる場合もあるし、トラブルを起こした入居者に出て行ってもらうためにも二年毎の更新は必要であり、六ヶ月前に更新拒絶の手続きをしていれば済む。
 
産経新聞には、更新料を入居者が貸主側に支払う一時金としているが、実態は業者への手続き手数料なのだ。仲介業者は入居時には入居者から一か月分と大家から一ヶ月の分の手数料を取りますが、家賃10万円のマンションの場合には20万円の手数料が入ることになる。そして二年毎の更新時にも10万円の更新手数料が入るから100件の管理を受け持っていれば、それだけでも1000万円前後の収入になるから商売になる。
 
大手の賃貸不動産業者の場合には、敷金礼金ゼロの業者もありますが、管理が厳しくなって借主側に有利とは限らない。一ヶ月家賃を滞納しただけでもカギを変えられてしまうし、毀損すればリフォーム費用も厳しく取られる。だから敷金礼金ゼロでもやっていけるのでしょうが、裁判でどのような事が争点になったのだろうか?
 
2件の更新料は「1年ごとに家賃約2カ月分」と産経新聞の記事にもあるように、異例のケースで裁判になっている。これが普通の二年ごとに更新料一か月分なら裁判にならなかったはずだ。もし最高裁が更新料は違法と言う判決が出たら、喜ぶのは弁護士たちだろう。地裁や高裁で出た判決も高すぎれば違法と言う意味であり、更新料一ヶ月を違法とするとなると、困るのは手続き手数料が稼げなくなる仲介不動産業者だ。
 
私などは、早くから都心のオフィスビルの場合は更新料なしの自動延長にしているが、更新のたびに家賃の引き下げを求められて苦労したから、更新料なしの自動延長に切り替えた。それでも空室が多い状況なので家賃の下落を防ぐことに精一杯であり、更新料なしの自動延長が普通になるだろう。都心のオフィスビルの場合は自宅が近接しているから、管理も自分でしている状況であり、業者に任せる余裕がないのが実情だ。




リーダーの能力は、優れた選手を抜擢して長所を伸ばせる事である。
菅総理は、官僚を怒鳴り散らして萎縮させ、手柄は自分で独り占めする。


2011年7月18日 月曜日

なでしこジャパンはなぜ強い?日本の女性の長所とは?
女性が100%の力を発揮したくなる組織とは?


なでしこジャパンが世界一 最優秀選手は沢 7月18日 産経新聞

サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会最終日は17日、フランクフルトで決勝を行い、国際サッカー連盟(FIFA)ランキング4位の日本は同1位で3度目の優勝を目指していた米国と対戦、2−2からのPK戦を3−1で制し、初優勝を飾った。最優秀選手には日本の沢穂希(INAC)が選ばれた。



【なでしこジャパン】世界トップに押し上げた佐々木則夫監督の采配力 7月16日 元川 悦子

澤穂希や大野忍、近賀ゆかりらINAC神戸の選手たちが2ヶ月前「絶対に獲りたい」と話していた世界大会メダル獲得が現実となったなでしこジャパン。日本時間14日朝のスウェーデン戦勝利を受け、日本国内のメディアはなでしこ一色だ。15日朝の情報番組に96年アトランタ五輪日本女子代表の鈴木保監督(現イカイFCレディース)や佐々木則夫監督の前に指揮を執っていた大橋浩司前監督がダブル出演しているのを見て、本当に尋常でない事態だと実感した。18日早朝に行われる決勝・アメリカ戦に勝ったら、日本国内はどんな騒ぎになるのだろう…。今年は東日本大震災や原発事故など暗くなるようなニュースが続いただけに、ぜひ彼女たちには金メダルを獲得し、国内を凄まじい盛り上がりに導いてほしいものだ。

そんななでしこだが、佐々木則夫監督の注目度が一気に高まっている。佐々木監督は高校サッカーの名門・帝京高校出身。古沼貞雄監督は「よくチームをまとめていたキャプテンだった」と話していたことがあり、もともと集団を束ねる資質は高かったようだ。その後、明治大学を経て現在の大宮アルディージャの前進であるNTT関東に入社。社員として勤務しながら選手として活躍し、引退後は指導者に転身した。私が佐々木監督を初めて見たのは、NTT関東の監督を務めていた97年。当時から「気さくで穏やかな人」という印象だった。長年の指導者経験から選手を見極める目は養っていたのだろうが、戦力の問題と選手の自主性を尊重する傾向が強かったことが災いしたのか、チームはJFL中位を行ったり来たり。目立った結果は残せなかった。

彼が女子の指導者となり、2008年になでしこジャパンの監督に就任した時には正直、驚いた。選手たちもコーチから昇格した佐々木監督のことを「ノリさんで大丈夫かな?」と思ったという。そのノリさんがいきなり試みたのが、澤をボランチに下げることだった。

初の大舞台となった2008年の東アジア選手権(中国・重慶)で、15歳の代表入りから一貫して攻撃的なポジションを担ってきた彼女をボランチに起き、当時は実績のなかった阪口夢穂(新潟)と並べる大胆采配には、誰もが面食らったようだ。「4-4-2になった時、自分のポジションがないわと思ったら、ノリさんが『ボランチやれ』と。ビックリしたけど、何をすればいいか分かんなかったんで、マンUの試合見て、アンデルソンのプレーを勉強したりして…。でもボランチのイメージなんて全然なかった」と澤は当時のサプライズをこう表現する。

しかし「澤のよさはボールを奪う力が高いこと。奪った時が物凄いチャンスになる。澤みたいな選手がボランチにいればチームは安定する」と佐々木監督は強調。この起用法を押し切って、東アジア選手権で優勝してしまった。なでしこジャパンがその後、北京五輪でベスト4入りし、2010年アジア大会で優勝。そして今回の女子ワールドカップ(ドイツ)で決勝進出と着実に階段を駆け上がったのも、この大胆さがかなり大きい。佐々木監督の選手起用はその後も斬新である。阪口の抜擢に始まって、2008年限りで引退した池田浩美の後釜に若い熊谷紗希(浦和)を据えたり、2009年U-19女子アジア選手権(中国)でMVPを受賞した19歳の岩渕真奈(日テレ)を積極起用するなど、若手登用には非常に熱心である。そして今大会の準決勝・スウェーデン戦の川澄奈穂美(神戸)の先発起用も思い切った決断だった。独特の采配力の真骨頂がこの大舞台で遺憾なく発揮されたのだろう。

もう1つ佐々木監督がなでしこのもたらしたプラス要素がある。それは「選手の自主性を尊重すること」だ。

NTT関東時代は選手が未成熟だったため、厳しい要求をしない指導法は当たらなかったが、今のなでしこではズバリ的中している。彼がなでしこを率いるようになった時、チームには池田浩美、加藤與恵、山郷のぞみ(浦和)、澤と経験豊富な選手が数多くいた。堅の近賀や宮間あや(湯郷)も自分をしっかり持った選手たちだ。そういう今の女子に対しては、あまり多くを指示せずに見守り、時には冗談を言って気持ちを和ませる佐々木監督のようなタイプがいいのかもしれない。「絶妙の距離感」を女子選手たちと築いたからこそ、このように急激な躍進が現実となったのだろう。

来たるべき決勝でノリさんがどんな采配をするのかは非常に気になるところ。過去に1回も勝っていないアメリカを倒すには、誰も思いつかない斬新な起用も必要かもしれない。ここまで来たら、ひらめいた通りの選手操縦術でチームを勝利に導いてほしい。



(私のコメント)

夏の夜の寝苦しさで、目が覚めたら早朝だったので女子ワールドカップの日米の決勝戦を見ました。世界ランク一位のアメリカとの対戦だから、終始おされ気味であり、パワー、スピード、テクニックとアメリカの方が上であり、本来ならばアメリカの勝ち試合なのですが、チーム力で日本が僅かに勝っていたから引き分けたのでしょう。引き分けに持ち込んでPK戦でなければ日本が勝てる可能性がない。
 
アメリカが負けた理由は、アメリカの選手が緊張気味であり、ゴール前の僅かなミスで失点を許してしまった。日本は僅かなチャンスをものにすることが出来たし、体格の大きなドイツやスウェーデンやアメリカ選手に体当たりされながらもゴールをものにしている。小回りや敏捷性で体当たりされてもかわすことが出来るからでしょう。
 
日本チームはドイツにもアメリカにも勝った事がないのに、優勝を目標に掲げてきましたが、あくまでも目標でありメダルが取れればといった目標では優勝は出来ないでしょう。アメリカは世界一であり優勝が当たり前といったプレッシャーがあったのかもしれません。コパアメリカでもブラジルが準々決勝でPK戦で負けましたが、チャンピオンチームはPK戦になることは負けに等しいダメーを負ってしまう。
 
それに対して下位チームはPK戦で勝てるかもしれないという希望が出てくる。佐々木監督も選手をリラックスさせる為に笑顔で指揮していましたが、女子選手を扱う時は上から目線で指導したらダメで、横から目線で接しないとダメなようだ。だからどうしたら選手がのびのびと実力を発揮できるか考えながら監督しなければなりませんが、監督としての実力もなければ女子選手からバカにされてしまう。
 
テレビを見ていると、アナウンサーや解説者のしゃべりはうるさくて参りますが、音量を絞ると会場の様子が分からなくなる。Jリーグのテレビ中継がほとんどなくなりアナウンサーもサッカーの事が詳しくなく、解説者も話のプロではない。だから酷い中継になりますが、アナウンサーも解説者もおそらく佐々木則夫監督の書いた「なでしこ力」を読んでいないのだろう。
 
読んでいれば監督がどのような考えで指揮しているか解説できたのでしょうが、選手との接し方なども参考になったはずだ。会社などにおいても大勢のOLを管理していくのは骨の折れることですが、上から目線でがみがみ言うことはご法度であり、仕事も出来て身だしなみにもきちんとしていないとOLにバカにされる。
 
私も銀行に長いこと勤めていたから女子職員の扱い方の難しさは分かりますが、女子職員間の上下関係の厳しさは想像以上のものがある。だからボス的存在の女子職員には気を遣わなければなりませんが、佐々木監督と沢選手との関係も信頼関係を築けなければチームは力を発揮できない。しかし支店長は上から目線で直接叱りつけるから、女子職員はヒステリー気味になり中間管理職の私は途方にくれてしまった。
 
そして支店長が代わるだけで支店の雰囲気がガラッと変わるものであり、特に女子職員の態度がガラッと変わる。中間管理職にいるとそれがよく分かりますが、サッカーチームでも監督しだいでムードもかなり変わるだろう。男子なら上から目線で怒鳴りつけられるのは慣れていますが、女子には禁物だ。
 
日本チームが今まで勝てないチームに勝てるようになったのは、日本の女子選手の長所を生かす作戦に切り替えたからであり、今大会ではそれが有効に生かされたからだろう。ボール回しがワンタッチで早くなり、大きな体格で当たりに来ても敏捷さでそれをかわす。日本チームはバルセロナのようなチームだと言われていますが、男子のサッカーチームも見習うべきだろう。

それに対してアメリカはスピードもパワーも技量もある選手がそろっていて、一人でドルブルしてDFをかわしてシュートして得点した。だから一人に対して三人で守ってボールを奪い返して反撃する戦法をまもり、カウンターで一点、コーナーからの一点で引き分けに持ち込んだ。PK戦で勝てたのは緊張の度合いの違いであり、監督の笑顔で日本選手は浮き足立ちことなくゴールを決めた。
 
女子のプロサッカーリーグは欧米や日本などに集中しており、女子選手がプロで活躍できるのはゴルフやボーリングなどの僅かな競技しかない。今回の女子ワールドカップが日本とアメリカとの決戦になったのは偶然ではなく、プロの女子サッカーリーグが開ける様な経済力のある国が限られた国であり、本場の南米やアフリカチームは勝ち残れない。
 
このような大きな大会でないと、女子サッカーの試合がテレビ中継されることもなく、プロ選手といっても生活は厳しいだろう。テレビ業界はJリーグの中継もやらなくなったし、プロ野球中継もやらずに韓流ドラマばかりやるようになった。今回の女子のワールドカップにしても決勝リーグになってテレビ中継されるようになった。少しはスポーツ中継も普段からやらないとアナウンサーのレベルが低くて聞くに堪えない。
 




藻NSXによる代替燃料BDFの開発は、毎日出荷が可能なほど非常に
活発に増殖し、1ha当たり年間630klのBDFが生産可能だという。


2011年7月17日 日曜日

循環式培養池は雑菌混入を防ぐためビニールで覆われ、
昼は太陽光、夜は新開発のLEDで光合成を促す


農水省が着目「藻で作る油」は脱原発の救世主か 昼は太陽光、夜はLEDで培養可能! 日本の農家が石油王≠ノなる? 7月17日 現代ビジネス

「私たちは、この新しく見つけた藻にNew Strain X(以下、NSX)と名付けました。そしてこれを震災復興の一助にしようと考えています。現在、首都圏で年間約40万?の航空機燃料が必要とされています。この燃料をNSXから生産するとなると約300haの培養場が必要です。これを復興地に作れば雇用を創出できます。そして、NSXの油は火力発電所の燃料としても利用できるのです」

 農学博士(食品・生物資源プロセス工学)で、筑波大学名誉教授、国際農業工学会名誉会長などの肩書を持つ前川氏を代表に、千葉大学、群馬大学、北九州市立大学などの研究者からなるチームが組まれ、?'09?年12月にスタートした研究は「NSX」という一つの答えに辿り着いた。これこそ脱原発を可能にする次世代バイオエネルギーだと前川氏は主張する。発見までの経緯を前川氏が説明する。

「国内で採取した約6000種の藻類を1年以上かけてスクリーニングし、油脂の含有率が70〜80%と非常に高い藻類を他の種と選り分けて培養しました。NSXはクロロフィル(葉緑素)を持ち、CO2と光で光合成をします。体長は30ミクロンほどで、器に入れても肉眼では緑色の水にしか見えません。好都合だったのは細胞の柔らかさで、油が溜まると細胞膜が破れて滲み出てきます」

 NSXは淡水に棲むので、日本国内の川や湖沼にいるというが、前川氏は「採取場所を発表すると業界関係者が殺到して迷惑がかかるので」と、NSXの存在が企業秘密≠ナあることをやんわり示唆した。

 藻類の細胞は堅く、油を抽出するには、乾燥して破砕する工程が必要だ。前川氏らが採用しているのは、流体(水)の中でNSXを破砕して油だけを集め、加工場で濾過した後、メチルアルコールと反応させてBDF(Bio Diesel Fuel)化、つまり軽油の代替燃料にする加工方法だという。前川氏は、こう続けた。

「BDFに、さらに水素を加え高温で触媒で反応させると酸素が水になって抜け、炭化水素、つまり石油と同じものになります。これが航空機燃料になります。火力発電所で利用するのであれば、BDFを精製する必要はなく、NSXの油脂分をある程度濃縮すれば、直接、発電所の燃料として使えるでしょう。精製する必要がない分、さらに低価格です」

 20〜30℃程度の水温と光など一定の条件を満たせば、毎日出荷が可能なほど非常に活発に増殖するというNSX。前川氏の試算では、1ha当たり年間630klのBDFが生産可能だという。

「培養池は昼間は太陽光、夜間はこのために開発したLEDで光を供給し、24時間培養します。水はポンプで循環させ、油の分離も簡単なので、1ha当たりの作業人数は4人ほどで十分です。300haで1200人ほど働けます。分離した油を各農家からタンクローリーで回収し、加工するサイクルが実現すれば、各農家が油田≠持つことになるわけです」

 6月20日、社団法人農林水産先端技術産業振興センターと農林水産省が主催の「アグリ技術シーズセミナー」が開催され、東日本大震災の被災地復興に役立つ先端技術として前川氏の研究成果が発表された。農水省関係者がこう明かす。

「この日、発表した研究者は、農林水産先端技術産業振興センターの岩元睦夫理事長が直接声を掛けたと聞きます。岩元理事長は農水省の技術畑でトップを務めた人物で、今でも本省に影響力がある」

 前川氏の計画は、原子力政策の方向転換を、比較的容易に可能にする内容に見える。国の本音を問うと、農水省環境バイオマス政策課は、こう答えた。

「バイオマスは植物由来の資源であり、将来的なエネルギー源として活用を推進することを決めています。藻類は将来的に非常に期待されている分野です。ただし、実用化には長い時間が必要でしょう。調査費などの支援として、今年度は約18億円弱の予算が組まれています」

 実現までの道程について前川氏は強気で、'13年にはパイロットプラントを建設し、安定供給の実験に乗り出すという。脱原発の可能性を秘めた次世代エネルギーの研究。くれぐれも大臣交代≠ネどという理由で妨げてほしくないのだが。



(私のコメント)

昨日も藻による油の代替燃料の生成については少し触れましたが、現代ビジネスの記事でも詳しく紹介されています。脱原発の動きが加速していますが、水からオオマサガスを作る事が出来るように、藻から油を生成することによって航空機燃料や火力発電の燃料を作る事が出来る。これは国内でできることだから、エネルギーの自給自足が可能になるということだ。

藻の種類としては、日本国内の川や湖沼にいる藻から選別していったと言うことですが、20〜30℃程度の水温と光など一定の条件があれば増殖が可能だそうです。さらにLEDなどの照明で24時間操業すれば増殖を倍に加速することが出来る。季節的にもビニールハウスの中で水温を保てばいいわけだから、一年中でも日本全国で培養する事が出来る。

藻を培養するには豊富な淡水と日光が必要であり、日本は水と日光には恵まれている。水田や畑を少し改造すれば「油田」が出来るわけですが、石油価格が高騰すれば農産物としての油の生成も採算に乗ってくるだろう。だからソーラー発電や風力発電ばかりが再生可能エネルギーではなく、オオマサガスやBDFも立派な再生可能エネルギーだ。

原子力発電をこれほど推進してきたのは、核武装への環境づくりもあるしオイルショックでの対抗策でもあったのですが、代替エネルギー開発の進歩で必ずしも原子力に頼る必要がなくなってきた。原子力関連予算として毎年4300億円も予算が使われていますが、このうちの数分の一を代替エネルギー開発にまわして欲しいものだ。

このような代替エネルギーが開発されると、石油業界や原子力関連業界では非常に困ることになるから、代替エネルギー開発は冷や飯を食らってきた。経済産業省でも各電力会社と原子力村の権力は絶大であり、原子力発電を発電事業の中心にすえることが決められていた。火力発電はCO2排出で悪者になり、石油ガスはいずれは枯渇すると言う見方が確定的だった。

しかしその油やガスが、藻や水から大量に作れると言うことが可能になると誰が考えたろうか? 石炭液化とかガス化は戦前から作られてきましたが、コスト的に採算に合わずに見送られてきた。それ以外の代替燃料も石油や石炭が安く供給されたことで実験室レベルに留められて来た。しかし石油が1バレル100ドル近くになると注目されてきましたが、政府は原子力に傾きすぎていたようだ。

原子力発電の危険性は、スリーマイルの事故やチェルノブイリの事故にも拘らず、原発安全神話がまかり通ってしまって、54基にプラスして14基さらに新設されることになっていた。政治家や官僚がいかに利権に毒されてしまっているかが分かりますが、事故が起きていなければ、代替エネルギー開発も潰されていただろう。

実際上、経済産業省もオオマサガスに対して水素や酸素と同じ爆発危険物として規制しようとしている。藻から油を作る研究は農水省の管轄ですが、何とか数億円の開発費が確保できたようだ。もし開発が軌道に乗れば米を作るよりも油を作ったほうが儲かる時代も来るかもしれない。ソーラー発電や風力発電は不安定な電源ですが、火力発電はコストも安く消費地の近くに作る事が出来る。


石油は採掘する時代から生産する時代へと変る。藻類から作られる石油はジェット燃料となり、日本から石油が世界に輸出されるようになる。 2010年4月22日 株式日記

(私のコメント)

いま研究が進められているのは、藻の品種改良でありバイオ技術を使えば生産性が飛躍的に上がる事もあるでしょう。「株式日記」では地方の活性化として橋や道路を作ることよりも農業の振興を図るべきだと主張してきましたが、相変わらず道路やダムなどの公共事業ばかりに目が向けられています。

太陽光発電所やバイオ燃料プラントなどエネルギー分野への集中的な投資が行なわれれば地方の活性化に繋がるだろう。電気や石油などの価格が安ければ工場の生産性も上がるし国内でエネルギーが自給できればオイルショックなどの影響も避けられるようになるでしょう。

クローズアップ現代でも言っていましたが、日本における問題はこのような新しい技術に投資をするベンチャーがないことであり、銀行などの金融機関の行員は科学技術に弱い。藻から石油を作る話をしても銀行員は???だろう。しかし品種の改良と生産技術の進歩で商業化の目処がつき始めている。

ジェット機や船や大型トラックなどは軽油がなければ走りませんが、軽油を農産物として生産が出来るようになればエネルギー事情がかなり変わってきます。中東の石油に頼る時代が終わる時が来るかもしれません。今まで藻は邪魔者で厄介者でしたが石油の生産に欠かせない主役になりつつあります。

(本日の私のコメント)

このように私は、3・11の前からバイオ燃料や太陽光発電などの技術開発が進んでいることを書いてきましたが、3・11は原子力発電から再生可能エネルギーへの転換点となるだろう。日本が藻から燃料油の生産に成功すれば、日本は産油国として世界に油を輸出するような国になるかもしれません。そうなれば石油や天然ガスの枯渇の心配がなくなり、石油は安くなければ買われなくなるだろう。

これはオイルマフィアのロックフェラーや、天然ガスの産出国のロシアにとっては都合の悪い話だ。中国はレアメタルの輸出規制をかけましたが、太平洋の海底にはレアメタルが沢山転がっている事が分かり中国はレアメタルの輸出を再開してきました。だから石油や天然ガスにしても高騰すれば代替エネルギーの開発が促進されるから日本にとっては福の神になる。オイルショックが日本の高度成長の起爆剤になったように、脱原発が日本の起爆剤になるのではないだろうか。




水を超振動撹拌装置で電気分解すると、酸素と水素の結合体が出来る。
OHMASA-GASは10kwhの電気で20kwhの電気を起こすことが出来る!


2011年7月16日 土曜日

「地球から生まれた第2の水」(OHMASA-GASのご紹介) 2010年4月4日 ひろふみのブログ

それでは、前回のブログの「水から生まれた究極のフリーエネルギー」「地球から生まれた第2の水」についてご紹介させてもらいます。

内容につきましては、「水と平和」グローバルフォーラムの3月20日に大政社長がスライドで説明された内容と当日配布されていた資料をもとにまとめさせてもらいました。

動画については、前回のブログでもご紹介させてもらいました。

http://lohasu-ichiba.com/hpgen/HPB/entries/25.html

さて、地球の表面積の約70%を占めている海水は太陽光エネルギーを地球誕生以来約20億年も吸収し続けております。この「酸水素ガス」(OHMASA-GAS)の最大の特徴は、太陽光から波動を利用した水の電気分解により、この光輝く太陽エネルギーを再現することができる点です。水と太陽の大融合のようで、感動してしまいます。

特殊な振動撹拌(波動)下で水の電気分解を行うことにより、振動流動下での電解時にナノ・マイクロバブル(酸素と水素のガスが微細な泡になったもの)が生成します。これが破裂することにより、強力なエネルギーが起こり、その結果、安全な酸素と水素の結合体のガス(OHMASA-GAS)が得られます。

このOHMASA-GASは、−178.7℃で液化が始まり(比較:酸素−183℃、水素−253℃)、冷却を続けることにより液体となります。その液化物(地球から生まれた第2の水)は、また温度を上昇させると気化し、再燃焼することができます。

OHMASA-GASの特徴です。
@安全に高圧縮(20Mpa)ができます。

A耐漏洩性に優れています(1年間貯蔵しても、何ら圧力の降下はない)。

BOHMASA-GASを高圧縮に貯蔵されたボンベに異常は発見されませんでした。

C火焔の温度及び燃焼性について 、約600℃〜700℃の比較的低温状態ですが、その対象物によって3000℃以上の高エネルギーを発揮できます。

D燃焼後の排気ガスは水蒸気であり、CO2、NOXやSOXがまったく排出されません。

E専用の燃料電池が現在、開発されていませんがPEM型の燃料電池を使い、同じ条件下で純水素との比較を行いましたが、OHMASA-GASの方が純水素より約5〜7%起電力が大きいという結果になりました。

FエンジンがOHMASA-GASにより爆発もせずに軽快に運転できます。なお、燃焼温度は、従来の化石燃料と同じ温度であるので、特別な材料は必要としません。

Gガス発電機では、天然ガス、LPガスと同様に発電できます。

OHMASA-GASの実施例です。

@ポータブルガス発電機にOHMASA−GASを0.2Mpaに圧力調整をし、ガス発電機に供給をして発電を行ったところ、エンジンが快適に作動し、同様の発電が得られました。しかし、プロパン専用のガス発電機の為、発電条件などの微調整がなされないので、その発電効率等は今後の課題となりました。

A小型ガスエンジンの作動試験を実施…プロパン用のカセットボンベで運転できる芝刈り機のエンジン(750W)にOHMASA−GASを1.5Mpaに圧力調整をし、供給を行ったところ、エンジンが快適に作動することができた。又、アクセルレバーによる回転数の増に対しても全く問題なく快適に作動した。

Bチタン、タングステンの溶融気化に成功しました。

C今後はより大きなエンジンの作動実験を行い、乗用車等の実用化を計画しています。

OHMASA-GAS発生装置の型式です。電源はすべてAC200V×3相です。

 型式  ガス発生量m3/H

@3型   0.1〜0.3        
A25型   0.5〜2.5
B30型   0.5〜3.0
C特殊   3.0

OHMASA-GASの用途です。

@自動車の燃料。
A発電機の燃料。
B一般エンジンの燃料。
C船舶の燃料。
D航空機の燃料
Eロケットの燃料。
F潜水艦の燃料。
Gボイラーの燃料。
H化石燃料の補助燃料。
I金属等の切断加工分。
J老朽化した建築物の破壊。
Kその他、気象用、医療用。


本当に大きな可能性を感じる偉大な発明です。

最後に、OHMASA-GASの将来性と意義についてです。

OHMASA-GASを製造するにあたり、その電気分解に要する供給電力は「風力」、「太陽光」や安価な夜間電力の使用が有効ですが、長期的には原子力発電による電力を使いガスの製造コストを下げる事や又、電解効率の上昇などでガス発生を増大させる研究などにより、その実用化はあらゆる分野に急速に拡大し世界的なクリーンエネルギーの主流となることでしょう。

前回のブログでも書かせてもらいましたが

正義感や恐怖を超えた位置から、

日本発で、

研究者、技術の方々、多くの方々のご協力で、

この地球から生まれた第2の水が普及することを心より願います。

宜しければ、是非とも皆様のお力を戴けないでしょうか。

このフリーエネルギーの普及のために、もしご紹介やリンクを貼って戴ける方がおられたら、これ以上の喜びはございません。

ご検討の程、何卒宜しくお願い申し上げます。


(私のコメント)

今朝のウェークアップで自ら作ることが出来る夢のエネルギー源が紹介されていました。水を超振動撹拌装置で電気分解すると酸素と水素がナノレベルで結合したガスが生成されます。従来は水を電気分解すると水素と酸素が発生しますがこれは分子レベルの気体ですが、水素と酸素が混ざると大爆発します。しかしオオマサガスはナノレベルの結合体であり爆発しない。

今までも水を燃料に変える試みは行なわれてきましたが、いわゆるペテンでありインチキなものでした。しかし水を超振動撹拌しながら電気分解すると原子レベルの水素と酸素原子が結びついた新しいガスが出来る。これは科学の常識からは考えられないことですが、目の前で再実験してガスが生成できるからインチキではない。

すでに、オオマサガスは金属の切断などに利用されていて、融点が3000度以上のチタンやタングステンなども切断することが出来るそうです。さらに実用化が近いと思われるものには、自動車のプロパンガス50%とオオマサガス50%の燃料で、従来のプロパン自動車よりも出力が出て、CO2も半分にする事が出来るようです。

私が注目するのは、天然ガス発電所などでの発電であり、従来の半分の天然ガスで同量の電気を発電できることです。現在の天然ガス発電所で改造の必要性もなく出来るから、天然ガスが値上がりしても安い電力を供給することが出来る。しかもオオマサガスは水素と酸素で出来ているから燃焼しても水しか出てこない。

さらに注目されるのは、燃料電池や水素自動車の水素に代わる燃料としての実用性だ。番組でも芝刈り機のエンジンでスクーターを動かしていましたが、危険な水素でなくとも水素自動車を動かすことが出来るだろう。水素エネルギーは未来のエネルギーと言われてきましたが、扱いが難しく爆発の危険性がある。しかしオオマサガスなら安定的で長期の保存が出来る。

このようにびっくりするほどの大発明なのですが、マスコミでもほとんど報道されないのは、原子力マフィアやオイルマフィアが妨害しているからだろう。水からエネルギー源が出来るようになると、石油産業や原子力産業界が大ダメージを負ってしまう。まさにノーベル賞物の大発明なのですが日経新聞にも囲み記事で小さく紹介されているだけです。

「株式日記」では、藻から油を作ることを紹介しましたが、10倍の効率で油を藻から生成できるニュースもネットでしか話題になっていないのはなぜなのだろうか? 今までならオイルマフィアや原子力マフィアの力が大きくて、代替エネルギーの開発は潰されてきましたが、石油の値上がりや原子力発電その事故などでエネルギー危機が叫ばれるようになると、代替エネルギーの話題にスポットが当たるようになります。

既にオオマサガスには、出光石油などが資本出資して開発されていると言うことです。日本でも原発事故で電力会社の権威は失墜して、経済産業省でも原子力一派は壊滅状態になるだろう。それが町工場の社長が発明したオオマサガスが注目されて、自動車業界や電力業界を大きく変える元になるだろう。危険な原子力発電より、無尽蔵にある水からオオマサガスを生成して発電に使ったほうが有効だろう。CO2削減にもなる。

船の動力にもオオマサガスで動かして燃料を船の中で生成しながら走れば、無限の航行が出来るようになる。原子力空母ならぬオオマサガス空母を作って航行すれば燃料補給もいらないから、高価な原子力空母は要らなくなる。潜水艦も燃料電池で動けば海水から燃料と酸素を作れるから長期間の潜行も可能になるだろう。

なぜ超振動撹拌しながら電気分解するとオオマサガスが出来るのかは、科学的には分かっていませんが、科学的な常識にとらわれていると科学者にはこのような発明は出来ないだろう。これを町工場の社長だと、経験からの閃きで試してみたら成功したと言うことですが、東大の理学部の教授にはこのような発明が出来ない。

日本における一番優れた人材は中小企業の社長に集中しており、東大を出て役所や一流企業に勤めているのはバカばかりだ。経済学界でも同じであり、経済学者よりも中小企業の社長のほうが経済のことを良く知っている。私も不動産の零細企業の社長であり、経済の事は財務省や日銀官僚よりもよく分かっているのと同じだ。



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