株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


いずれにせよ、現地の敷地の土地は「何世代」にも渡って、何世紀にも及び
汚染される事になる。それは、主にセシウム137の放出が証明している。


2011年3月31日 木曜日

「福島原発事故」は今後何処に向かうのか。フランスのマスコミの情報から考えてみる。 3月30日 晴れのち曇り、時々パリ

その「ル・モンド」の電子版に、読者との一問一答の欄が有る。
ここ数日の、『日本』の欄に置けるこの「一問一答」のやり取りを、幾つか紹介してみよう。

【問】福島第一原発で、何故「爆発」が怒ったのか?

【答】3月11日14時46分の時点で、6基の原子炉のうち3基しか稼働していなかったが、地震発生と同時に、緊急事態マニュアルの通りに停止した。
運転が完全停止しても、炉心は高温の熱を持っているので、冷却しなければならない。
しかし、地震と同時に、冷却用発電装置の電源が、それらの回路が津波に依る冠水で電源が断たれて、冷却装置は作動駅なくなってしまった。
各原子炉の納まる格納庫の中は、施設が痛み、各種機能が停止した状態で熱の放射は続き、放射性物質を含んだ「炉心の冷却水」が蒸発を続け、放射性物質の放出の圧力が高まって行った。
圧力低下の為に「東電」は「蒸気抜き」を行い、その事が大気中放射性物質の濃度を高めつつ、水素の拡散を押し進めた。
原子炉の破壊を防ぐ為に「水素」は気体から結露状態へと姿を変え、その事が逆に空気との接触で濃度が高まり、一連の爆発へと向かった。
炉心の周辺を被う外格建屋の破壊であり、理論的に「原子炉」事態を傷つける物では無い。

【問】どのように「炉心」冷却を図っているのか?

【答】炉心が発散する熱量がだんだん減っているとはいえ、「炉心溶解」を防ぐ為には、今後数ヶ月の冷却が必要である。
有効的に冷却する唯一の方法は、必要な量の水を与え続けることである。
先々週土曜日以来、タンクローリー車に依る海水の運搬に依って、本来必要な「真水」に変わって、海水の「放水」を行っている。
木曜午前、始めて自衛隊ヘリに依る空中散布を実施し、3号原子炉を中心に数トンの「海水」を散布する事が出来た。
しかし、毎回7,5?の量では、散逸分も多い為、炉心と燃料プールとを満たすには到底足り無い(それぞれ1000?)。
前日水曜日の時点で、仏原子力公社『アレヴァ』の会長アンヌ・ローヴェルジョンは、現場全体で、毎時100?の水が必要と概算している。

【問】もし必要な期限内に冷却出来ないときの、最悪のシナリオは?

【答】冷却に失敗した場合、炉心は完全溶解する。
その際放出される熱は、現在の隔壁その他を総て破壊し、大量の放射能を大気中に拡散する事となる。
しかし、これはあくまで理論的想定に過ぎなく、スリーマイルでも炉心の完全溶解は起きなかったし、チェルノブイリでも隔壁の完全破壊は、起きていない。
炉心以外で言えば、「使用済み燃料」冷却プールが新たな問題となっている。現在沸騰状態となっている水が蒸発し、使用済みとは言え高濃度汚染されている燃料棒の冷却を、不可能としている。
もし、完全に水が蒸発してしまい、燃料棒が空気中に曝された状態になると、放射性物質の拡散は多量な物となり、このケースは、冷却プールが干上がって一切の遮蔽が亡くなったチェルノブイリと同じ状況となる。

【問】原発は、原爆と同じ様に爆発する事が有るのか?

【答】原発と原爆とは、ともに原子の核融合に依る協力なエネルギーを利用する、と言う点で同じである。
しかし、使用するウランが数%しか濃縮されていない原発は、原爆の様な意味では爆発はしない。
例えば福島の例の様な事故の場合、圧縮された大量のガスが原子炉格納容器内部に満ちると、爆発を引き起こす。しかし、この爆発は「科学的」爆発であり「核」爆発では無い。従って、爆発エネルギーは比較の上で、極めて弱く、土壌の放射能汚染もない。

【問】今回の福島原発の事故は、チェルノブイリと比較出来るか?

【答】チェルノブイリの場合、制御不能の作用が連鎖した結果、原子炉内での核反応の暴走を引き起こし、温度の上昇が蒸気または水素の爆発を引き起こした。
その結果「核分裂」に依ってもたらされた放射性物質が大気中の3000メートルの高度にまで放出されたが、福島のケースと違って、原子炉を取り囲む「格納容器」も「隔壁建屋」もなかった。
福島の場合、炉心での各連鎖核反応は、地震発生時に自動的に停止されて居り、拡散された放射性物質の量は遥かに微量である。「ル・モンド」解説記者の『エルヴェ・モラン』に依れば、炉心の溶解が「部分的」で済んだ為、放射性物質の大気中への漏出がほとんど無かった「スリーマイル」の場合と、「チェルノブイリ」との中間に位置づけられる事故である。

【問】どの位の放射性濃度から、人体に危険を与えるか?

【答】通常の場合に置ける、人体が受ける放射能量は、年間1ミリ・シーベルである。
被曝量が累計で100ミリ・シーベルを越えると、人体に何らかの影響が表れる可能性が有る、直ちにでは無いが。
さらに、特に「甲状腺癌」を含み、ある種の「癌」の発達を促進する危険性も知られている。特に子供が反応しやすい。
そして、1Sv毎に5,5%の割合で、癌のリスクは上昇する。
さらに、1Svの被曝で、「吐き気」「発熱」「出血」「最近感染」が示す「激しい原子力被害」の様相を呈する。
そして、適切な治療が無い場合、6Svの被曝で100%死に至る。
福島での最大観測値は、IAEA によると1時間あたり400mSvであった。
迅速な「ヨード剤」の摂取が、特に「肥大した甲状腺癌」の腫瘍の発生抑制には効果がある。

【問】現地作業員が来ている『防護服』は、どの程度までの放射線に効果が有るのか?

【答】ガスマスクもしくは酸素ボンベ付きの『防護服』は、「放射性物質」が吸引、経口、皮膚を通しての、体内被曝を防ぐ。
但し、「放射」能は防ぐ事は出来ない。
したがって、過度の被曝を防ぐ為には、放射線量の多い場所に長時間居る事は出来ない。
先週火曜日と水曜日に、400mSvが計測されて、緊急避難が為されたが、このように作業員に適切な情報が与えられない場合は、健康被害は疑い様は無い。

【問】どのような環境被害が起きるか?

【答】半径30キロ以上に渡って、風邪に依って運ばれた放射性物質は、特に雨により地上に落ちて
土地が汚染される。
そのような土地では農作物及び酪農製品汚染され、特に半減期の長いセシウム137により、消費に適さなくなる。
そのような食品を摂取する人は、高濃度の放射能汚染に見舞われる。
原子炉冷却に用いられた海水も、直ちに海に戻してはならない。温度が高まっている水が、海に戻されると蒸発し、放射性物質を空気中に拡散する。

【問】何故「チュエルノブイリ」の様に『石棺』方式をとらないのか? 地元の住民は何時になったら「安全に」自分の家に帰れるのか?

【答】石棺の設置は、現段階では賢明とは思え無い。
周辺部の放射線量が高過ぎて、その種の作業が行える環境に無い。
さらに、この方法は「炉心の冷却」には向かず、各隔壁や遮蔽壁を破壊してしまう恐れの方が大きい。
問題は、日本が「いつ」燃料棒の冷却に成功するか、に掛かっている。
いずれにせよ、現地の敷地の土地は「何世代」にも渡って、何世紀にも及び汚染される事になる。
それは、主にセシウム137の放出が証明している。


まだまだ記載したい事は多いが、当地では、深刻な事もそうでない事も、冷静に語られている、と言う事が、一番重要な事では有るまいか。

最初の一週間は、こちらのマスコミも、かなり「扇情的」に悲報を繰り返していた。
二週目に入り、情報が分析され始めるに及んで、人々の関心は「客観的に」事態を捉え、もたらす結果を考える、と言う方向に向いている様だ。


(私のコメント)

東京電力の清水社長が雲隠れした挙句、病気入院しましたが、政治家に良くあるパターンだ。日本の人事体系は年功序列であり、能力によって社長になれるシステムではない。だから非常時になっても対応が出来ない社長が就任するわけであり、初動のまずさが災害を拡大してしまう。現場にしても通常電源も非常用電源も停電した場合の訓練などがなされていないようだ。
 
最近では「想定外」と言う言葉が流行り文句になりましたが、原子力発電所の津波に対する想定も1メートルに達していない原子力発電所がある。つまり1メートル以上の津波が来れば「想定外」ということになる。津波の波は台風などの高波とは違って破壊力がすざましい。だから福島第一原発も津波で「想定外」の破壊が行なわれた。しかしそれは想定した設計が行なわれていれば防げた人災だ。
 
だから自然の恐ろしさや、原子力発電の防災に対して十分な備えが出来ていれば事故は防ぐことが出来た。しかし福島第一原発は作られた当初のまま防災に対して手が打たれた形跡が無い。新規に作られた原子力発電所はある程度の防災対策が打たれてはいますが、古いものはそのままだ。それに対して原発は安全だと言うキャンペーンだけが先行した。
 
株式日記では、中央官庁の高級官僚たちの天下りが弊害をもたらしたものとしての象徴として、福島第一原発大災害を指摘しましたが、このまま放置されればこれ以上の大災害が続けて起きるだろう。民主党は石田エネルギー庁長官の東京電力への天下りを4ヶ月で認めた。監督官庁の役人が監督を受ける天下り先に行けば監督が疎かになる事は明らかだ。民主党ではそれを止める能力がない。
 
政治家も年功序列社会であり、菅総理も1980年に初当選して30年間の国会議員としてのキャリアでなれたのであり、若くて能力があってもキャリアが少なければ総理になる事は出来ないシステムだから、日本は長いスランプ状態が続いても打開できないでいる。若いうちから当選回数を重ねれば誰でも総理大臣になることが出来る。東京電力の清水社長が老朽化した原発を廃炉に出来なかったのも年功社長だったからだろう。
 
理系の職場なら国家資格などの検定試験があるから能力主義が出来るが、文系の職場だと結局は出身大学で出世が決まってしまう。そこで無難にポストをこなせば運がよければ社長になれる。国会議員も当選回数を重ねれば党の幹部になり、運がよければ党首になり総理大臣になれる。能力は関係がないから首相になったとたんに能力の欠如が表に出てきてしまう。
 
さらに首相や高級官僚は国民を信用せず、法と規制でがんじがらめにして利権を守ろうとしている。その結果天下りで規制逃れをしてお目こぼしをしてもらう。だから老朽化した原発も容認されて大災害を起こすようになる。法と規制でがんじがらめにしなければ天下りを受け入れる必要が無くなる。官僚たちが自由裁量権を手にするから、政治家を犯罪人にすることなど朝飯前だ。
 
原子力保安院も東京電力によって骨抜きになり、危険な老朽原発も容認されてきた。法と規制で官僚の権力は肥大化して、大事故を起こすまで暴走は止まない。法と規制も非現実的なほど厳しいほうが官僚にとって都合がいいのであり、特殊法人を作って規制の網をすり抜けるために天下り役人を受け入れるようにする。
 
このように官僚は法と規制の番人なのですが、現場を知らないから老朽化原発がいかに危険かがわからない。今回の大災害もいきなり起きたことではなく、前にも書いたように原発が停止しても非常用発電機が作動せず15分も炉心に水が回らない事故が生じていた。原子力保安院はそれを見逃していたのだろうか? 非常用発電機のリレー回路が逝かれていたのではないだろうか?
 
「ル・モンド」の電子版に、今回の事故の事が書かれていますが、今後数ヶ月にわたって水で冷やし続けなければならないと書いている。水を掛け続けなければ炉心が溶融して燃料が外部に漏れだす。今でも屋根が吹き飛んでいるから燃料棒の核物質の漏洩が続いていますが、周囲の土地が半減期の長いセシウム137によって汚染されて使えなくなる。海に逃すことも危険であり蒸発して空気中に撒き散らかる。
 
テレビなどの報道は今起きていることにのみ報道されて、将来どうなるかが報道されない。だから余計に不安になるのですが、数ヶ月にわたって水をかけ続けなければならないのだから、その間にも汚染物質は周囲や上空に撒かれ続ける。水素爆発さえ防げればこれほど酷くはならなかったのですが、二号炉のように穴を開けることが出来なかったのだろうか?
 
上空に撒き散らかった死の灰は雨によって地上に落ちてきますが、東京にも降り注ぐ。報道では安全値まで下がったと言っていますが、このような状況は数ヶ月間続くとはどこも報道しない。燃料棒の温度を下げて大きなカバーをかぶせなければ死の灰は撒かれ続けているのだ。しかし原子力保安院はその事は言わずに安全だと言い続けている。だから「いまのところは安全だ」と言っているから嘘ではないのですが、数ヶ月間続けば危険だ。
 




福島の人の被曝は長期間になります。また土壌が汚れるので、作物は
作れないと思います(残念ですが、仕方がありません)。
武田邦彦


2011年3月30日 水曜日

原発 緊急情報(41) これからの福島原発と被曝 3月29日 武田邦彦

政府発表やマスメディアの報道は「すでに起こったこと」に限定されているので、それでは不安です。

そこで、このブログでは「多くの人が生活の中で判断しなければならないことをお父さんの代わりに言う」というスタンスで来ました。お父さんとは「家族を守る、やや慎重、将来も見る、生活もある、絶対に間違ってはいけないということではなく、大胆に」という意味です.

今も「将来」に心配されている方が多いので、少しまとめもかねて整理をしておきます

またこのブログでは常に「近い将来」を考えて書いていましたから、その点は大丈夫です.

・・・・・・

福島原発事故直後は、大変に危険な状態でした。というのは、東電は「放射線を外に出したら大変だ」ということで、原子炉の圧力が上がっていたからです.

この時期、私は、「今の状態の25倍まである」と書いていました。これはNHKが「大量の放射線が漏れる可能性がある」と報道していたので、その「大量の」というのがどのぐらいか、私の判断で25倍としました。

でも、13日の週の中盤になると、放射線が一気に漏れたので、東電はある意味で気楽になったので、事故処理が正常にできるようになったのです。

そこで、私は危険度を「今の2倍まである、またプルトニウムが関係すると2.5倍」と絞り込んだのです.

それから後は、原発の状態より「いかにして被曝をさけるか」とか「どの地域が危ないか」に中心を移していきました。すでに、風の方向では危険な状態に入りつつあったのです。いわば「第2段階」でした。

・・・・・・

このときに、政府やメディアは「地域の放射線量」を発表していましたが、すでに汚染されているところは「放射線をもった粒子」が飛んでいるのですから、川や地面にも落下しているので、水道や野菜の汚染は予想されていました。

また、ウシも人間も呼吸しますから体内被曝があり、牛乳やお乳が汚染されてきます(母乳の危険性は福島東部に限定されると思いますが、データがまったく提供されません)。

これが第3段階でした。

・・・・・・

そして、少し前から第4段階・・・つまり、原発を見直すことができるようになると、原発の中の異常な放射線や、プルトニウムの問題が浮上します.それが現在です.

この時期は、やがて放射線が落ち着くまで、「頑張る」という時期です.つまり、最初の時期に放射線が高いので、その時期に、いやがる子供にマスクをさせたり、できるだけ外国か3月11日以前の食材を買い求めるなどの工夫をする時期で、お母さんのがんばり時なのです.

放射線の汚染は「最初からの合計」ですから、最初の時期に何とか凌いでおけば、健康にも良いし、後で行動が自由になるからです.

政府やメディアは「もっとも汚染をあびない方が良い時期」に「安全だ」を繰り返したので、「直ちに健康に」という呼びかけはまったく、まずいと思います.

・・・・・・

そしてやがて第5段階に入ります(これから)。

普通に「お父さん」として考えると、万が一には原発が爆発することもありますが、その可能性が低いので、そうなったら必死になって風上に逃げるしかありません。今、それを考える時期ではないと思いますが、風の向きなどを見ておいて、どちらに行けばよいかを考えておく必要があります。

今のところ、福島原発の汚染は「福島市方向」と「いわき市方向」に限定されています
.

ただ、原発の中は作業するには放射線が強いので、遅々として進まないでしょう. ですから、まずは事故から1ヶ月(4月中旬)までを目処として、「いざと言うときの対策」、「これからの事」を考える小康状態であると思っています.

もし、経済的に、もしくは親戚などの関係で福島とその近県にお住まいの方で、特にお子さんはなんとか遠くにいて欲しいし、もしどうしても離れられない場合は、できるだけ被曝しないように注意してもらうということです。

東京は小康状態ですから、今、色々な準備をするチャンスと思います.

・・・・・・

4月中旬になると、原発の作業は難航しても、徐々におさまり、土壌や海などの汚染が注目されるようになると思います。今のところ心配のないプルトニウム漏れの測定も進むでしょう。また継続してヨウ素がでなければ、半減期の関係で甲状腺の疾病の可能性が減ってきます.

しかし、原発からの放射性物質は半減期30年のものが多いので、なかなか線量が下がらなくなります.今、メディアで「徐々に下がっている」というのは当然で、初期の低下ですから、これは計算済みです.

福島の人の被曝は長期間になります。また土壌が汚れるので、作物は作れないと思います(残念ですが、仕方がありません)。海からの魚から放射線が検出されるようになり、生活は広い注意がいるようになります。

つまり、一部分の汚染が、次第に薄くなり、拡がるという時期に入ります.

このときに、それまで注意をしていた人は「被曝した総量」が少ないので、やや行動に自由がでるでしょう。

・・・・・・・・・

福島原発がどうなるかはあまり今のところ関係がありません。むしろ、近々、取り上げますが、他の原発の方が危険です. そちらの方にも関心が向くと思います.

できれば早い段階で専門家が、これまでの理性を取り戻して「規制で危険となっている数値は危険」という時期がこればと願っています.


(私のコメント)

福島第一原発の大災害は、東京電力が十分な安全対策をしていれば防げた事故であり、同じような津波を受けた福島第二原発や女川原発は停止状態を保っている。後から作られたから安全性が高められていたのでしょう。だから福島第一原発も海に面した非常用発電機の設備を頑丈な屋内に設置していれば、燃料タンクや揚水ポンプも流されずに済んだだろう。
 
東京電力は僅か数十億円の安全費用をケチったために、数兆円の損害賠償を払うはめになるだろう。原子力発電の専門家なら周辺設備である冷却システムが働かなくなればどうなるか分かるのでしょうが、東京電力の清水社長は営業部や資材部の出身であり、原子力発電に関しては素人だ。電気に関しても素人の社長がやっていることは、いかに利益を上げるかしか関心が無いのだろう。
 
創業社長なら現場のことも分かっているし、専門家であることが多いのですが、大企業ともなると非技術系の社長がなって利益第一主義になる。おそらく大過なく過ごして年功序列で社長になったのだろう。だから今回のような大災害が起きるとショックで倒れてしまう。年功序列で社長になったサラリーマン社長だから思い切った決断が出来ずに前例を踏襲するだけだ。
 
もし社長が原子力発電の専門家なら、老朽化した原子炉の危険性は分かっていたのでしょうが、営業マン出身では分かるはずがない。原子力発電所のような複雑なシステムは生き物であり、老朽化したら事故を起こすようになるのは当然であり、壊れるのが当たり前だ。おそらく40年も経った原子炉は配管などもぼろぼろのはずだ。
 
武田氏は旭化成工業ウラン濃縮研究所長だった人であり、内閣府原子力安全委員会の委員などを歴任した専門家なのですが、今回の大災害を受けてネットなどに積極的に記事を発表している。テレビなどに出ている専門家は御用学者であり単なるコメンテータと変わりがない。だからこれからどうなるかを言うことができない。
 
人々が不安になるのはこれからどうなるかが分からないからであり、これからどうなるかが分かるのは専門家だけだろう。おそらく武田氏が書いたような経過をたどるのでしょうが、福島県の人は放射能汚染が表面化して農業や酪農は出来なくなるだろう。しかしNHKや民放などでははっきりした事が言えない。福島第一原発からは死の灰が少しづつ出続けて、周囲に降り積もるだろう。
 
原子炉はまだまだ安定した状態とは言えず、汚染物質をもらし続けるだろう。現場の作業員が日当40万円で募集しているそうですが、東京電力はそのような現場の作業員を過酷な状況で働かせてきた。原子力発電のことなどほとんど知らない人ばかりだから、防護マスクなども付けずに作業していたようだ。専門家なら十分な装備で作業するのでしょうが、知らない人にはわからない。
 
東京の人も、しばらくはビルの換気などもしないほうがいいだろう。空調もしていれば外気も入ってくるから死の灰を吸い込むこともあるでしょう。福島の酪農の牛が汚染されるのも呼吸している空気の中に死の灰が混ざっているからだ。今でもちょろちょろ漏れ続けているのですが、テントなどで覆わなければ放射能は漏れ続ける。
 
これらの責任は東京電力にあるのであり、十分な安全対策をしてこなかった清水社長の責任は重大だ。東京でも雨が降れば死の灰が降ってきて水道水が汚染される。さらには計画停電で追い討ちをかけていますが、東京電力は利用者のことなど考えてはいない。電力会社が独占企業だから殿様商売であり、潰される心配が無いと思っている。
 
JALもかつては空運の独占企業であり殿様商売をしてきた。だから外国の民間企業が参入してくると一気に経営が悪化して実質的に倒産してしまった。東京電力も同じであり損害賠償で実質的に潰れるだろう。潰れたら中部電力や東北電力が経営を引き継げばいいのであり、東京電力は潰すべきだ。それくらいしないと原子力発電所の安全性が保てないだろう。
 




大前氏の説明では、格納容器の底に穴が開いていて溶けた燃料が漏れ
出ているようだ、しかし再び臨界になるような可能性は低いと解説しています


2011年3月29日 火曜日

昨年6月、東電福島原発老朽機には前駆症状があった:いわき市議ブログに重大記録あり 新ベンチャー革命 2011年3月28日

1.昨年6月、福島原発老朽機には深刻な前駆症状があった

 東電福島第一原発2号機は原子炉損傷の疑いがもたれていますが、この2号機に関し、ネットでものすごく恐ろしい情報がアップされています。それは、地元いわき市の市議・佐藤かずよし氏の2010年6月19日付けブログです(注1)。

 今回の3.11大地震発生より9か月前の2010年6月17日、2号機の発電機が故障し、原子炉が自動停止したのに、非常用ディーゼル発電機が作動しないという電源喪失事故を起こしていたそうです。圧力容器内水位は瞬く間に低下、15分後にやっと非常用ディーゼル発電機が起動したとのこと。そのわずか15分間、炉心への給水が止まっただけで、瞬く間に危険な燃料棒がむき出しになるということです。なんと恐ろしいプラントでしょう、原発は・・・。

 たとえ外部電源が遮断されても瞬時に緊急炉心冷却できる構造になっていなければ、あっという間に、メルトダウンしてしまうとは、もう絶句です!

 問題の老朽機4基(1号機から4号機のマークT)は40年の寿命を経ています。世界的常識では原発寿命は30年ですから、原発寿命30年が、人間の就業者の定年60歳と仮定すると、老朽機4基は人間の年齢に換算してほぼ80歳前後です、だから過酷な労働はどだい無理です。

 上記、前駆事故は、老朽機の発した危険信号だったのですが、東電はそれを隠し、80歳の老人に過酷な労働を強制していたということになります。

 しかも、昨年10月、老朽3号機を、毒性の強いといわれるMOX燃料の実験機にしているわけです。なんと無謀なことよ。

2.なぜ、こんな恐ろしいことが易々と実行されたのか

 われわれ人間の就業者は、勤務先の健康保険組合から毎年、健康診断を受けるよう指導されています。もし、その結果に問題あれば、精密検査して、必要なら入院します。

 これとまったく同じことが、当該老朽機にも起きていたのです。すなわち、4基は老化であちこちガタが来ていて、とても健康体ではなかったのです。

 そこに、1000年に一度の巨大地震・大津波が襲来したのですから、もつわけがありません。

 この話は、いずれ大問題に発展するでしょうが、昨年の6月の前駆事故に関して、東電社内でも大議論が交わされたはずですが、反対意見を押し切って、昨年10月に、老朽3号機に危険なMOX燃料が入れられたということです。

 この流れを振り返ると、昨年来、東電は何かに取り憑かれたように暴走していたことがわかります。

 なぜ、暴走は止められなかったのでしょうか、残念でなりません。

3.戦前の日本軍大本営を連想させる恐怖

 上記の戦慄の事実から、誰もが連想するのが、戦前の日本軍大本営の暴走でしょう。

 東電はなぜ、地元・福島県知事や議員の懸念や反対を押し切って、強引に破局的暴走を起こしていたのか、不思議でしようがありません。

 今、老朽4基に深刻な危機が起きている以上、東電には結局、この暴走を止められる人間がいなかったということです。東電の意思決定者は戦前日本の大本営参謀と同様に、非常に狭視野に陥っていたのではないでしょうか。

 東電幹部はなぜ、危険な老朽機の運転続行を決めたのか、それは2007年に新潟中越地震で被災した柏崎原発が致命的破局に至らず持ちこたえた事実が、ある種の傲慢さと過信を生んだ可能性があります。

 国民を道連れに破局に向かって突き進んだ戦前日本軍の傲慢さと過信となんとよく似ていることか。

4.近代日本人の欠点が露呈:シナリオ発想力の欠如

 ところで筆者の専門はMOT(技術経営)ですが、その方法論にシナリオ・プラニングがあります。

 筆者は1986年に米国シンクタンク・SRIインターナショナルに所属して以来、20数年もMOTを研究していますが、その経験から常日頃、感じているのは、米国人エリートに比べて、日本人エリートはシナリオ発想力が劣るのではないかという仮説です。

 今回の東電原発事故を観て、その仮説が強く想起されます。

 東電幹部がもし、米国人エリートだったら、昨年6月の老朽機の破局前駆症状を経験すれば、間違いなく、最悪シナリオの検討を部下に命じていたでしょう。そして、老朽機の新鋭機交換コストと老朽機破局事故の二次災害補償コストを算定させたはずです。

 二次災害補償コストは、チェルノブイリ事故を参考にかなり定量的に算定できます。

 結論は明らかで、老朽機の廃炉オプションを意思決定したはずです。ところが、日本の大企業のサラリーマン型幹部は、米国企業経営者に比べ、そのような大胆な意思決定ができないことが多いような気がします。

 もうひとつ、技術の本質に疎い文系経営者は、肝心なところで、厳しい技術的判断ができないことがあります。また、技術に疎いがため、逆に、根拠なく技術を信じ込んでしまう危険があります。

 今回の事故にて、残念ながら、そのような弊害が東電幹部に観察できます。

注1:風のたより、いわき市議会議員 佐藤かずよし『あわやメルトダウン、福島第一原発2号機、電源喪失水位低下』2010年6月19日
http://skazuyoshi.exblog.jp/12828796



福島第一原発 現状と今後とるべき対応策 (大前研一ライブ580)


大前研一 最悪のシナリオ・メルトダウンしたらどうなる?


(私のコメント)

昨日は官僚の天下りシステムがどのような弊害をもたらすか述べましたが、結局は原子炉が爆発して死の灰が東京の空に降るようになるまで来てしまった。軍事官僚の暴走も、B29が東京の空を覆って爆弾の雨を降らすまで来てしまった。彼らは自分たちの失敗を絶対に認めずに、隠すために奔走して暴走してしまう。軍事官僚も中国から撤退していれば良かったのですが、暴走してしまった。
 
原子力エネルギー政策も、一旦暴走してしまうとなかなか止められない。安全対策を求めても、天下りシステムで監督官庁は東京電力に骨抜きにされてしまった。福島第一原発は1971年に作られたものであり、耐用年数の30年を過ぎてしまっている。だから廃炉にすると言う決断をすべきだったのですが、サラリーマン社長には無理だったのだろう。
 
今回の津波がどうこう言うよりも、福島第一原発は去年重大事故を起こしていたようです。原発が停止したにも拘らず非常用電源が作動せずに水位が低下してメルトダウンの事故を起こすところだった。その時はジーゼル発電機を起動させて何とか冷却したと言うことですが、この事故を東京電力が十分に認識していれば今回のようなことは起きなかったはずだ。
 
私自身コンピューターセンターの設備管理をしていましたが、月に一回程度は非常用発電機の起動テストを行なっていました。テスト自身は簡単でテスト用ブレーカーをOFFにすれば非常用発電機が起動するようになっています。その前の数秒間はバックアップの蓄電池が働きます。おそらくそれも働かずに水位だけが低下したと言うことは、安全システム自身が逝かれていたのでしょう。
 
非常用ジーゼル発電機も40年以上も前の物なら作動しない恐れもあります。ジーゼルエンジンは動かし続けていなければ錆付いて動かなくなるから、月に一度は動かして潤滑油などをエンジン全体に回さなければなりません。そのようなテストをしていたのだろうか? 下請けの設備屋さんならやらないことも考えられます。ジーゼル発電機は非常に巨大であり、たくさん並んだレバースイッチを操作するのは新米の設備屋には出来ない。
 
40年前の原子力発電機なら、どこがどう老朽化しているか分からないから廃炉にすべきなのですが、廃炉の決断をするにはかなりの費用がかかり続けるから決断を先送りにしてきた。本体は丈夫に作ってあったとしても周辺の設備が老朽化して大事故の発生源になりうる。さらには使用済み燃料棒の保管問題もあり、耐用年数の過ぎた原発は廃炉にすべきだ。
 
自動車だって40年も前の自動車ならエンジンは動いても、周辺部品は耐用年数が過ぎて全部取り替えないと動かせないようなものだ。福島第一原発はブレーキの壊れた自動車であり暴走してしまった。たとえ大津波が襲ってこなくても今回のような事故は起きていただろう。災害は十分な準備がしてあるところには起きず、油断している所に起きる。
 
私自身はビル設備管理の専門家であり、大手のビル管理会社に9年間在籍していましたが、現場の状況は経営の合理化が進んできてビルの設備管理予算は削られる一方だ。だからビル管理会社は下請けに丸投げしてやらせている。下請け会社は電気も空調も何も分からない派遣社員を送り込んでくるから何も出来ない。だから私がいた現場は何のトラブルが無かったのに私がいなくなるとトラブルが続出した。
 
福島第一原発も似たような環境だったのではないだろうか? 所長や幹部社員は技術があっても下請けの社員は原子力発電の事が分からないまま仕事をしている。テレビではシーベルトやベクテルなどの専門用語が連発されていますが、マイクロやミリなどの単位も分からないような人が原子力発電を管理監督している。
 
新ベンチャー革命で指摘しているように、このまま老朽機を運転し続けて事故を起こして賠償をする時の賠償費用と、新鋭機に切り替える費用とのコストを考えたことが無いのだろう。今回の災害で東京電力が負担する賠償費用は数兆円になるだろう。まだ災害は収まってはいませんが、テレビの解説者もいい加減な説明ばかりで、限られたデーターで判断できなければ専門家とはいえない。
 
大前氏の説明では、格納容器の底に穴が開いていて溶けた燃料が漏れ出ているようだと解説しています。再び臨界になるような可能性は低いと解説しています。だから漏れ出た水の放射線の値は非常に高くなっている。今後はだましだまし燃料を冷やしていくしかありませんが、何年にもわたる様になるだろう。その間は水をかけ続けなければならないし、放射線も出続ける。
 
しかし本体が爆発したのではないからチェルノブイリになる事は無いのですが、電源が復旧してもポンプを回すことも非常に困難だろう。配管自体も爆発で破損しているからだ。おそらく原子力発電所では最悪の場合を想定した訓練も行なってはいなかったのだろう。行なっていれば水素爆発は防げたはずだからだ。
 




天下りが、なぜいけないかは福島の原発の大災害を見ればよく分かる。
民主党は、エネルギー庁長官をたった四ヶ月で東京電力に天下りさせた。


2011年3月28日 月曜日

原子力安全・保安院の問題体質 経産省「植民地」、そして「東電の虜」 3月24日 高橋洋一

東京電力の福島第1原発事故で現場の活躍が連日報じられている。欧米でも日本の原発事故の話が多く、現場の活躍を伝える一方でトップのダメさ加減を指摘する声が最近多い。昨日(2011年3月23日)のウォール・ストリート・ジャーナルはその典型だ。表題は「日本の規制当局、原子炉のぜい弱性を軽視」(Japan Ignored Warning of Nuclear Vulnerability )で、原子力安全委員会が2010年10月に電力を必要としない冷却施設の採用を無視してしまったという記事だ。

   ここで取り上げられているのは、原子力安全委員会という内閣府の組織だ。今回の原発事故ではほとんど表に出てきていない。3月23日夜になって、ようやく原発事故後初の会見を開いた程度だ。

「規制の虜」のメカニズム

   それにひきかえ、経産省の原子力安全・保安院は、テレビに映る記者会見ででずっぱりだ。口の悪いネットの上では、経産省のスポークスマンのズラ疑惑が面白可笑しく取り上げられているが、それも対外的なメッセージが原子力安全・保安院から多く出されていることをある意味で物語っている。

   しかし、この原子力安全・保安院はこれまであまり知られていない行政組織だ。原子力安全・保安院は原子力等のエネルギーに係る安全及び産業保安の確保を図るための機関。原発などの安全確保のために厳正な監督を行うことになっている。経産省の外局で、有り体に言えば植民地だ。

   ここで、東電との関係が気にかかる。東電は独占企業だから、ライバル企業との競争はない。監督するのは政府=原子力安全・保安院だけで、政府さえ丸め込めば、恐いモノなしだ。実際、東電は歴代経産幹部の天下りを受け入れており、11年1月には原子力安全・保安院の上部組織である経産省資源エネルギー庁の前長官だった石田徹氏が、退官後わずか4か月で顧問に天下っている。そうした天下りの見返りとして政府は厳しい監督をせず、安全基準も今となっては甘かったことが明らかになった。

   このように、規制する側が規制される側に取り込まれて、規制が規制される側に都合よく歪曲されるメカニズムを「Regulatory Capture」(規制の虜)という。東電の虜になった政府は、国民に対して「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」の姿勢で原子力行政を行い、今回そのツケが最悪の形で回ってきたのだ。

安全・保安院トップは百貨店担当していた文系事務官

   特に、規制サイドに専門知識がない場合には、簡単に虜になってしまう。原子力安全・保安院の現院長である寺坂信昭氏は、エネ庁勤務の経験もあるが、同院入りの前職が経産省商務流通審議官であり、三越や伊勢丹などの百貨店担当をしていた文系事務官だ。とても、原子力関係の専門知識があるとはいえない。ちなみに、件のスポークスマンも通商関係が比較的長い文系事務官だ。

   欧米では、原子力の安全管理は、専門家集団によって構成された独立した機関で行っている。その観点からいえば、原子力保安検査官など技術系職員もいるとはいえ、専門知識が乏しい経産省原子力安全・保安院が説明するのに違和感があるのだろう。そのため、情報公開が少ないという批判になっていると思われる。

   もっとも、情報公開するにも専門知識が必要なので、原子力安全・保安院では無理なのかしれない。それくらい、東電の虜になってしまったともいえる。むしろ虜側に知恵があると東電にとっては不都合なのだ。

   日本にとって深刻なのは、今の原発事故のみならず、経産省原子力安全・保安院と東電のようなもたれ合い関係が政府の至る所にあることだ。石田氏のような露骨な天下りはこれまでなかった。民主党政権になって、特に菅政権では、天下り根絶という言葉はなくなり天下りを従来より容認する姿勢になっているので、事態は深刻化しているといえよう。



今回の原発事故の要因の一つに、叩き上げでない、現場に疎い、東大法学部卒の官僚が天下り、渡りを繰り返した事もあるようです。 3月15日 【石田徹まとめ】テンプレ

・経産省は、資源エネルギー庁長官だった【石田徹】を
.東電に「たった4か月」で天下り受け入れていただいた。
・おそらく東電か民主党にはかなりの献金がなされたのであろう。
・民主(枝野)は、「資源エネルギー庁長官が東電に転職したのは天下りではない」と断言 ← 国民 (゚Д゚)ハァ?
経産省(原子力安全保安院)・資源エネルギー庁は東電に全く頭があがらなくなった
・検査で手を抜きまくり=官僚は文化として何も言われなくとも、
 天下りを受け入れていただいた会社の検査は手を抜く
・検査ちゃんとしてたらあるはずのない炉心溶解=メルトダウンで水蒸気爆発
←■今ここ

A級戦犯は■石田 徹■(いしだ とおる)

昭和50年3月 東京大学法学部卒業
昭和50年4月 通商産業省入省
平成5年8月 資源エネルギー庁公益事業部開発課長  ←電力業界を所掌
平成10年6月 資源エネルギー庁公益事業部計画課長 ←電力業界を所掌
平成11年6月 機械情報産業局総務課長 ←ボイラーその他重機械メーカーを所掌
平成20年7月 資源エネルギー庁長官 ←電力業界を所掌
平成22年8月退官→翌1月東京電力へ天下り
■→退官たったの4か月で所管の■東京電力■へ天下り【前代未聞の4か月で所管企業へ!

■民主党政権からのお知らせ「資源エネルギー庁長官が東京電力顧問に就任したのは天下り ではありません」
http://hato.2ch.net/test/read.cgi/news/1296625463/



(私のコメント)

天下りがなぜいけないかは福島の原発の大災害を見ればよく分かる。東大法学部卒の経済産業省エネルギー庁長官が東京電力に天下って、経済産業省の保安院は東京電力に頭が上がらなくなり、管理監督能力を無くしてしまったからだ。いくら天下りがいけないかを書いても、実際に原発が爆発して死の灰を東京に降らせなければ、国民は天下りの弊害を認識できないのだ。
 
民主党は、天下りをなくすと公約して政権に就きましたが、いまやそれを反故にして、エネルギー庁長官をたった四ヶ月で東京電力に天下りさせた。だから監督すべき保安院は有名無実になり、東京電力のやりたい放題に原子力発電所の安全性は放棄された。だからこそ本気になって天下りは根絶させなければなりませんが、それが出来なければ原発事故のような重大事故が繰り返されるだろう。
 
原子力行政ばかりではなく、経済行政でも同じようなことが行なわれており、財務省や日銀の官僚は経済の最先端のことが分からないにも拘らず、経済行政を仕切っている。デリバティブがどんなものかは実際に運用している人にしか分かるものではない。財務省の官僚は増税すれば税収が上がると考える人たちであり、商売をした経験が無いから経済のことが肌で分からない。
 
東大法学部を出た人をスーパーマンのようにエリートとして見る事は間違いだ。しかし中央官庁でも一流企業でも東大法学部の出身者がエリートとして扱われて、社長や事務次官として仕切るようになっている。さらには天下り先を作っては渡りを繰り返して優雅な生活が出来るようなシステムを作り上げた。政治家にも官僚出身者が幅を利かすようになって、政治家が官僚に使われるようになってしまった。
 
福島第一原発の大災害は、官僚の天下りシステムが招いた災害であり、専門家による安全管理がなされていれば、大災害は防ぐことが出来たはずだ。実際に同じような地震や津波を受けた福島第二原発や女川原発は最悪の事態は避けることが出来ている。福島第一原発の危険性は前から指摘されていたのですが、原子力保安院と東京電力がそれをひねり潰してしまった。
 
原子力発電には、使用済み燃料棒をどうするかという根本的な問題があるのですが、それが解決しないままに東京電力は原子力発電所を作り使い続けている。本来ならば監督すべき原子力保安院や原子力安全委員会が骨抜きにされてしまっている。天下りや利権で一体化してしまっているのだ。いくら官僚の天下りが良くないと言っても、今回のような大災害となってみなければ誰も弊害が分からない。
 
民主党も自民党も官僚の天下りを容認してきたが、政治家は頭が悪いから官僚に言いくるめられてしまう。経済問題にしても同じ構図であり、景気が悪くなろうと官僚たち公務員はリストラも減給も関係が無い。彼らは財政再建しか興味が無く、増税することが財政再建の唯一の道と考えている。天下り先となる一流企業には法人税減税がなされるが、一般庶民には消費税増税で生活を苦しめる。
 
東京電力も中央官庁からの天下りを受け入れることで政府との関係を深めている。株式日記では風力発電や太陽光発電などについて書いてきましたが、このようなエコロジー発電に対して東京電力は妨害してきた。原子力発電のほうが効率がいいからということなのでしょうが、そのおかげで福島県は致命的なダメージを負ってしまった。
 
せめて原子力発電所が三重四重の安全対策を施していれば事故は防げたのでしょうが、管理監督する機関が天下りで骨抜きにされてしまった。銀行なども大蔵省の天下り先となって管理するほうと管理されるほうが一体化してしまったのは天下りのせいなのですが、民主党は現役出向と言う形で天下りを認めてしまった。これでは銀行のやりたい放題になりバブル経済になってしまった。
 
東北関東大震災は天災ですが、福島第一原発の大災害は人災だ。文系の官僚が最先端の科学技術の事など分かるわけがないのですが、彼らが原子力発電政策を仕切っているから今回のような事故が起きてしまう。国会で共産党の議員が原子力発電の危険性を追及しても、首相や担当大臣にとっては雲を掴むような話であり、官僚に丸投げしてしまう。
 
その官僚にしても専門家ではないから東京電力に丸投げしてしまう。今回の大災害も東京電力に責任を擦り付けて官僚は責任を回避してしまうだろう。科学技術や医療や経済など最先端分野となると政治家や官僚も手に負えないものとなってしまって暴走してしまう。現場のことが分かる専門家しか分からないことですが、専門家を使うことで政治家は政治をコントロールしなければなりませんが、それが出来る政治家がいない。
 
総理大臣は陸海空の自衛隊の最高司令官ですが、もちろん軍事の専門家ではない。しかしその自衛隊も官僚と言う事務員が防衛を仕切っている。しかし兵器や作戦などの専門技術は現場の自衛隊員にしか分からないのですが、三軍の最高司令官は何も知らない。だから専門家をスタッフとして使いこなすべきでしょうが、防衛大臣も総理大臣も一年も持たずにクルクル代わる。
 
原発行政も担当大臣がクルクル変わるから、官僚が変わりに仕切るようになりますが、官僚は天下り先に対して厳しい指導ができるはずが無い。だから天下りは禁止して関係を遮断すべきなのですが、民主党はそれが出来なかった。今回の原発大災害は天下りが招いた災害だ。
 
 




無能な「官僚独裁国家」は、滅亡させるしか日本を救う方法がない。
財務省の官僚も日銀の官僚も、戦前の軍事官僚と同じくバカの集まり。


2011年3月27日 日曜日

悲劇を増幅させた同質社会と官僚体質 3月23日 ニューズウィーク

原発事故へのお役所対応を生んだ官僚システムと、従順すぎる世論にメスを入れるチャンスだ

クライド・V・プレストウィッツ(米経済戦略研究所所長)

 東京からアメリカに帰国したばかりの立場として、さらに日本のメディア報道をフォローし、日本にいる多くの友人や情報源から話を聞いた立場として、私は日本を襲った今回の危機が、この国の素晴らしさと欠点の両面を映し出していると断言できる。

 問題は、日本がこの危機をうまく利用して、強みを維持しつつ、システムを再構築できるかどうかだ。

 言葉を失うほどの悲劇に襲われても、日本人と日本社会が忍耐と勇気、譲り合いと礼節の精神を失わない点は見事だ。世界各地の多くの危機と違って、略奪も暴動も小競り合いも起きなかった。人々はわずかな食料や物資をすすんで分け合い、長い列を作り、信号が消えた道路や突然の停電、時間厳守が当然だった鉄道や地下鉄、バスの不規則な運行状況に冷静に対処している。

 これは、極端に同質性を重んじ、社会的摩擦を避けてきた日本社会の長い歴史の産物だ。

 一方で、福島原子力発電所のメルトダウンと放射能拡散のリスクに対する関係当局の対応は、非常に鈍いようにみえる。同時に、国民に開示される情報から判断するかぎり、日本政府と東京電力が現状とその処方箋を把握できていないか、あるいは把握していても情報を隠しているという印象を受ける。


■徹底的な情報開示を求めない国民性

 私が驚いたのは、より多くの、より重要な情報の提供を求める世論の圧力がさほど強くないことだ。もちろん、メディアの間には不満と情報開示を求める声が渦巻いているが、少なくとも他の民主国家と比べれば、本格的な世論の盛り上がりと政治的な圧力は控えめにみえる。

 これもまた、同質社会の産物だ。日本では、最悪の事態が避けられない状態になるまで、部下が上司に事態の悪化を報告したがらないほど、摩擦を避ける傾向が強い。

 もっとも、政府と東京電力の対応を理解するうえさらに重要なのは、政治構造の基盤となっている「天下り」システムだ。

 日本では昔から、東京大学法学部を経て高級官僚になることがキャリアの頂点とされてきた。最近はその傾向も変わりつつあるかもしれないが、今回の危機にトップレベルで関与している官僚の多くは、そうした旧世代の人々だ。

 まず第一に理解すべきは、本当の意味で日本を動かしているのは今も、国民に選ばれた政治家ではなく官僚だということ。国会議員は秘書の数も使える予算も少なく、強力な官僚機構を調査・監督する権限もほとんど与えられていない。官僚は日本を守るのは自分たちだと自負し、政治家を見下してきた。

 2つ目に重要なのは、東京電力の監督省庁が、戦後の奇跡的な経済復興を牽引してきた経済産業省(当時の通商産業省)だという点だ。

 3つ目に、日本の官僚は普通50〜55歳で退職する。公僕としての彼らの給料は決して高くない。だが各省庁は多大な労力を費やして、彼らのために管轄下の企業や業界団体に快適な天下り先を探し出す。

 東京電力にも元官僚がたくさん天下っている。政治家や国民を無視することに慣れ、また質問に答えるより命令を下すことに慣れた人々だ。

 ウォールストリート・ジャーナル紙は元東電社員で現在は内閣府原子力委員会の委員を務める尾本彰の話として、東電は地震の翌日に海水注入で原子炉を冷やすことを考えたが、海水を使うと原子炉が永久に使えなくなり資産価値が損なわれるため躊躇したと報じている。結局、原子炉建屋が最初の爆発を起こし菅直人首相から命じられるまで、海水注入は行われなかった。

 ある政府関係者は言う。「この事故は60%は人災だ。東電は初動対応に失敗した。10円玉を拾おうとして100円玉を落としたようなものだ」

 福島第一原発からわずか80キロの場所にいた自衛隊も、地震後5日目まで事故対策に本格的に参加しなかった。東電側から要請がなかったからだという。実際ある時点では、いったいどういうつもりかと菅が東電に詰め寄る場面もあったという。

 日本政府、とりわけ強力な省庁やその規制化にある「半官半民」企業の価値観ややり口、縄張り意識や態度に西側の日本通は慣れっこで、今さらこの程度の報道には驚かない。

 外圧もおなじみだ。日本政府はしばしば、アメリカ政府など外国からの圧力がなければ政策や手続きを変えられない。80年代、私が日米貿易交渉に参加したとき、日本政府関係者がよく私のところにきて、政治家や官僚の反対が強いから外圧をかけて欲しいと頼んでいったものだ。(後略)



原子力保安院の大ウソ暴露!(関東エリア未放送) 3月21日

武田邦彦教授が緊急インタビューに応じる。未曾有の被害をもたらした東日本大震災と同時に発生した大津波によって冷却装置に致命的なダメージを受けた福島第一原子力発電所-。想定外の放射性物質が大気中に漏れ出し、世界中から大きな注目を浴びている日本の原子力政策のウラ側を大暴露する武田教授。メディアを信じられない人は必見です。


(私のコメント)

弱り目に祟り目と言いますが、大災害と大不況は重なって起きることが多い。関東大震災と昭和恐慌も重なって起きた。バブル崩壊と阪神大震災も最近に起きたことだ。東北関東大震災も大不況の到来をもたらすだろう。原発問題も起きて電力不足は避けることが出来なくなり、工場操業もままならなくなる。東京も計画停電で機能低下は避けられない。
 
日本は、いつの間にか官僚独裁国家となり、官僚たちの腐敗堕落が起きて機能不全となり長期の不況が起きていましたが、耐震偽装事件や相次ぐ原発災害は、官僚のコントロール能力を超えた事件なのだろう。マンションの強度設計や原子力発電の設計などは、国土交通省や経済産業省の許認可事項ですが、中央官庁の官僚たちには建築の強度設計や原発の強度設計など分かるわけがない。
 
原子力保安院の仕事は、原子力発電所の安全性をチェックする機関ですが、権限は絶大なのに責任が無い。今回のような事故が起きても責任は原子力保安院には無く、「想定外」と言う言葉で責任は免除される。耐震偽装事件の時も国土交通省には責任が無く、民間の業者が逮捕されておしまいになった。何でもかんでも中央官庁の官僚が統制しようとすると無理が出る。
 
クライド・プレストウィッツ氏は、「機能不全な官僚システムだ。政治家には大きな権力がない。監督当局は、国民のためではなく、自らの引退後のために規制を行っている」と指摘していますが、天下り先を作るには官僚たちが権限を握る必要があり、東京電力も天下り先の一つだ。原子力事業も専門家しか分からないことなのに中央官庁が許認可権を握って離さない。
 
政治家も専門家も、中央官庁の官僚の支配下に入るようになり、何か問題が起きれば政治家や専門家に責任をおっ被せておしまいだ。本来ならば政治家が専門家の知識を生かしながら官僚を使うべきなのですが、政治化が官僚に丸投げしてしまって、一番詳しい専門家が排除されている。専門家と言うと直ぐに大学教授などを思い浮かべますが、原子力発電にしてもメーカーの技術者でないと分からない。
 
経済や最先端科学や医療など中央官庁の官僚には管理監督不可能の分野なのですが、管理権限は強化される一方だ。この矛盾が極限に達すればチェルノブイリの大事故や福島原発の大事故が起きることになる。権限が中央官庁の官僚に集中しても、高度化した社会をコントロールできるはずが無い。官僚たちは一旦事故が起きれば責任回避に走る。
 
先の大戦の敗北も官僚組織は軍部におっ被せて責任回避しましたが、戦後に政治家と軍部は粛清されて軍隊はなくなりましたが、官僚組織は残った。戦争を煽ったマスコミも残った。今回の大災害も政治家と東京電力は粛清されるのでしょうが官僚組織は安全対策の管理組織を強化して拡大するだろう。
 
株式日記では、主として財務日銀官僚の無能さを指摘してきましたが、東大法学部を出た人間が全てを管理することなど不可能だ。しかし官僚たちは全てを管理して外郭団体を沢山作って天下りする仕組みを作った。原子力行政も政治家も専門家も排除されて、御用学者だけが重用されて官僚に使われてきた。最終的には御用学者も切り捨てられて、責任をおっ被せられる。
 
テレビを見ても、出てくる専門家は御用学者ばかりであり、安全性を指摘してきた専門家はテレビにも出られない。だから流言飛語が出回るのですが、マスコミも官僚組織に管理されている。本来ならば政治家が官僚組織を管理すべきなのですが、官僚はスキャンダルをリークしていつでも政治家を失脚させることが出来る。
 
官僚がなぜそこまで権力が強くなったのは、政治家があまりにも無能力であり無責任なためだ。政治家は能力はなくても専門家の知恵を借りる能力があればいのですが、専門家の言うことが理解できないほど能力が低下してしまっている。だから法律も官僚が作った法律をそのまま承認している。法律の条文の内容が理解できないレベルで作っている。だから75歳以上は死ねといった法律が出来たりする。
 
政治家は法律を作るのが仕事なのですが、官僚に丸投げして、官僚は普通の人には理解できないような文章で法律を作る。国会の施政方針演説も官僚の作文であり、総理大臣はそれを読むだけだ。政治家はなぜ現場のことをよく知っている専門家の話を聞かずに官僚の言うことを聞くのか。経済でも現場で働いている中小企業の社長さんが一番知っているのですが、大企業の社長や官僚の話ばかり聞いているから、消費税増税や財政再建ばかりになる。
 
原発行政にしても、現場の技術者の声は届かず、東京電力やエネルギー官僚の声ばかりで運用されているようだ。武田氏の話を聞いても、間違った設計をしても原子力保安院はそれが分からない。後で間違ったところを直したいと言っても保安院はそれを認めず、間違いを認めようとはしない。官僚独裁体制が出来るとそのようなことがまかり通ってしまう。
 




いずれ千葉の房総沖でも大地震が起きて津波が押し寄せる時が来るだろう。
いまのアパートを建て替える時が来たら鉄筋コンクリートのマンションにする。


2011年3月26日 土曜日

津波に耐えた、九十九里浜沿いの木造住宅 3月25日 日経新聞

千葉県旭市の九十九里浜に面する九十九里ビーチライン(国道30号線)付近では、2011年3月11日の東日本大震災で津波が発生し、住宅などが甚大な被害を受けた。津波が主な原因で全壊した住宅は3月21日までで254棟、半壊が139棟、一部損壊は398棟に達する。震度は5強だった。

 旭市の住宅会社、ブライトホームあさひの金田康孝さんは、地震発生時に九十九里ビーチラインから少し海側に入った仁玉地区の木造賃貸住宅で、顧客と打ち合わせをしていた。2人は地震発生後すぐに避難したので被災を免れたが、打ち合わせをしていた建物は津波で流されてしまった。

 「最初はゆっくりと揺れ、次に地鳴りが聞こえてきて、揺れで家が傾くのを感じた。津波警報はしばしば出るが、いつもそれほどの高さではなかったので、住民の多くは警戒心を強く抱いていなかった」と金田さんは話す。

 金田さんが地震当時打ち合わせしていた辺りを3月18日に訪れると、基礎と土台の残骸や、外壁が大破した木造住宅があちらこちらにあり、住民が忙しそうに片付けをしていた。

 基礎と土台と床下地材を一部残すだけになっていた木造建物の前に、夫婦が立っていた。夫婦はこの家の住まい手で、築30年になる2階建ての民宿を運営していた。

 民宿の土台と基礎はアンカーボルトで固定されていたが、柱脚を固定する金物は見当たらない。「再建は困難なので、民宿業をやめて子供の家にやっかいになるもつもり」と夫は話す。

◆袖壁が瓦れきをせき止める

 この民宿のすぐ近くで、外傷がほとんどない2階建ての木造戸建て住宅を発見した。玄関にたまった砂を外に掃き出していた住まい手は「床が浸水してガラスの一部に小さなひび割れが入った程度で済んだ」と話す。住宅は築6年目だ。

 津波による建物被害で多いのは、流れてくる瓦れきなどが建物にぶつかってガラスや外壁などが壊れるケースだ。

 この住宅の周りにも、壊れた住宅の建材や小型ボートなどが流れてきたが、コンクリート塀とバルコニーを支える袖壁にせき止められて、外壁への直撃を防いでいた。

 さらに開口部に複層ガラスを使っていて、ガラスのひび割れ程度の損傷だったので、海水の浸入も減らせたという。

◆壁の強さで津波に耐える

 九十九里ビーチライン沿いの行内で、鮮魚・仕出し店を営む竹屋の倉庫と店舗併用住宅も、建物被害が小さい木造建築として目を引いた。全壊に近い両隣の木造建築と対照的だ。

 海側にある倉庫は車が通り抜けできるように開口部を広く取っているが、残留変形は見られない。竹屋を建築する際の建材を扱ったという建材店の男性は「梁背(はりせい=梁の上下方向の寸法)を大きくして、厚さ38mmのALC薄形パネルと12mmの構造用合板で壁の剛性を高めたのが功を奏したのだろう」と話す[注1]

九十九里ビーチラインから少し奥まった場所にある店舗併用住宅は、腰高までコンクリートとする混構造にしていたことが、津波による被害を小さくしたと思われる。「腰高までコンクリートとしたのは床を水洗いするためだが、そうしておいて良かった」と竹屋のオーナーは胸をなで下ろす。

 躯体(くたい)には地震の損傷が見当たらないものの、ゆがんだ玄関とガラスの割れた勝手口のドアに津波の傷痕が残っていた。



(私のコメント)

テレビでは千葉県も大きな被害を受けていることを報道していますが、北端の旭市は大きな津波で被害を受けているようだ。浦安なども埋立地であるので地盤の流動化で水道設備などが止まってしまった。市原の石油プラントも火災事故が起きて、青森から千葉までの広域が一気に被災してしまった。
 
大震災から2週間たって、電車も何とか正常ダイヤに戻ったので、千葉の外房の現場を見てきました。一番困るのは計画停電などで電車が止まってしまうことであり、遠出をすると帰るに帰れないと言ったことになりかねませんが、今日はそのような事はなく無事に行くことが出来た。特急電車は動いていませんでしたが快速が動いていたので助かった。
 
私も千葉のほうにアパートを経営しているのですが、管理業者からの電話ではなんともないと言う連絡でしたが、電車が止まってしまっていたので今日まで行くに行けなかった。レンタカーで行くことも考えましたがガソリンスタンドが閉まってしまっていた。とにかくガソリンがないとインフラがストップしてしまうことがはっきりと分かった。
 
電車も止まってしまうと通勤が出来なくなり、あらゆる所に二次的な被害も出てくる。計画停電も寒さが無くなればしばらくは無くなるのでしょうが、ほかに方法がないのだろうか? 夏場には電力不足が必ず起きるだろう。この大災害は東北から関東にかけての一体が停電とガソリンの枯渇が起きたことによって、近い襲来起きるであろうエネルギー危機の一端がこの2週間に間に起きてしまった。
 
日経新聞の記事によれば、九十九里ビーチラインも津波の被害があったと言うことですが、宮城県南部と同じような地形であり、10メートルの津波が来ればひとたまりもなかっただろう。しかし2メートル程度の津波でも木造家屋を破壊するには十分な威力であり、耐久性が明暗を分けたようだ。
 
このように家さえ流されなければ復旧も近いのでしょうが、全壊してしまっては避難所で生活せざるを得なくなる。だから前回書いたように住宅のコンクリート化が地震や火災や津波対策になるのでしょうが、住宅のコンクリート化がなかなか進まない。コンクリートが無理でもALCパネルで外壁を強化していれば、日経新聞の記事にもあるように無事に津波に耐えた。
 
私の行った外房海岸は、全く津波の被害もなく、海岸も大津波の痕跡を見つけ出すことが出来なかった。低いところの水田なども田植えの準備がなされていた。しかし近くの九十九里ビーチラインは津波の被害に見舞われていたと言う記事は、とても信じられない位なのですが、地形的な影響によるものだろうか?
 
津波自体は2メートルほどでも、土台から流された家と、なんともない家が並んだ光景は不思議な光景ですが、家自体を災害に強い家にすれば被害を最小限にすることが出来る。そのことは先日も書きましたが、建設コストの差でどうしても災害に弱い木造住宅が多くなってしまう。安物買いの銭失いと言う言葉がありますが、住宅にこそその差が現れる。
 
欧米の先進諸国に比べると住宅環境の差は明らかであり、防災に強い住宅建設を促進すれば、大災害の被害を小さくすることが出来る。阪神淡路大震災でも都市計画や街づくりは見直されることなく元のままになってしまったようだ。三陸の町もおそらく元のままの町が復活していくのだろう。町ごと高台に引っ越すことは用地買収などがあって難しい。
 
いずれ千葉の房総沖でも大地震が起きて津波が押し寄せる時が来るだろう。いまのアパートを建て替える時が来たら鉄筋コンクリートのマンションにするつもりですが、四階建てのマンションなら外房の海が一望できるリゾートマンションになると思う。今でもサーフィンのメッカであり、夏にはサーフィンの国際大会も開かれている。




都内の盛り場を見ても外人を見かけなくなりましたが、みんな脱出したのだろう。
菅総理もダウンしたようですが、過剰に恐怖感を煽るとパニックになるだけ。


2011年3月25日 金曜日

原子力を弄ぶ罪深きジャーナリストたち 3月23日 永田町異聞

この国の原子力行政は、地震国であるという厳然たる事実に、真摯な姿勢で向き合ってきたのだろうか。

平成17年に内閣府の原子力委員会が策定した「原子力政策大綱」を見てみよう。

今年から新大綱の策定作業がはじまっているが、いまのところ17年の大綱が生きており、すくなくともこれが現下における日本の原子力行政の基本的な考え方といえる。

驚かされるのは、219ページにおよぶ文書のなかで、「地震」という言葉が出てきた箇所を調べてみると、わずか2か所に過ぎないことだ。

最初に登場するのは9ページで、こういうところに使われている。

「原子力施設の設計・建設・運転に当たっては、地震等の自然現象に対する対策はもとより、設備の故障や誤操作に起因して、内在する放射性物質が国民の健康に悪影響を及ぼす潜在的危険性(リスク)を抑制する安全対策と、妨害破壊行為のリスクを抑制する防護対策を確実に整備・維持する必要がある」

「地震など自然現象に対する対策」と、通りいっぺんの記述があるだけで、具体的な対策の中身は示されていない。

次に25ページのこの部分。「なお、国は、国内外において大きな地震が相次いだこと等から、原子力施設の地震リスクについて国民の関心が高まっていることに留意するべきである」

国は留意すべきである、というだけだ。大きな地震が相次いでいると言いながら、それを、たとえば地球規模で何らかの変動が起きているのではないか、などと敷衍して考察することもなく、あくまで鈍感に「地震と原発」という重大な課題を通り過ぎる。

原子力委は初めに原発推進ありきの議論でOK、地震対策はその分野の専門家が取り組めばいいという、霞が関的なタテ割り発想が、26名の有識者をそろえたはずの会議に見てとれる。

国の原子力行政の基本において、地震への万全の備えという、国民の命を守る姿勢そのものが抜け落ちているのである。

では、昨年6月にまとめられた資源エネルギー庁の「エネルギー基本計画」では「地震」という言葉が何回出てくるだろうか。これも「総合資源エネルギー調査会」なる有識者の審議を経ている。

まず3ページ。「テロや地震などのリスクは減じておらず、エネルギーの輸送・供給や原子力などについては一層の安全確保が求められていく」

次に31ページ。

「安全規制を取り巻く近年の大きな環境変化を踏まえた上で、必要な取組を実施してくことが重要である。具体的には、安全審査制度における品質保証の考え方の取り入れや検査制度における品質保証の取り入れの拡充、大きな地震動を受けたプラントの点検方法の標準化・マニュアル化、トピカルレポート制度28の対象分野の拡充、リスク情報の活用方策等について検討する」

原子力政策大綱と同様、「地震」という言葉が出てくるのはこの2か所だけである。どんなにコストがかかっても地震への備えを万全にしておくのだという姿勢は微塵もうかがえない。

原子力の平和利用を唱える以上、なによりも「地震対策」という項目を掲げ、原発の是非論も含め、議論するべきではなかったか。

大地震を想定しておかねばならないはずのこの国で、原子力行政に携わる官僚や民間の有識者が、ほとんど本気でその重要な問題に立ち向かおうとしていないことは、驚愕すべきである。

もとより下記のような霞ヶ関作成の原発増設プランを前提にし、アリバイ的に御用学者や評論家、ジャーナリスト、財界人を集めて審議しているのだから、いまさら嘆いても仕方がないことかもしれない。

「2020 年までに、9基の原子力発電所の新増設を行うとともに、設備利用率約85%を目指す。さらに、2030 年までに、少なくとも14 基以上の原子力発電所の新増設を行うとともに、設備利用率約90%を目指していく」(エネルギー基本計画)

原子力委にしても、総合資源エネルギー調査会にしても、議事録を読んでみると、いつも威勢よくメディアで発言している評論家やジャーナリストが、委員として惨めなほどにズレた議論をしていることに気づくことがしばしばある。

例に出して恐縮だが、ことし1月31日に開かれた原子力委員会・新大綱策定会議における青山繁晴氏の発言は次のようなものだった。

「原子力発電が集中立地している若狭湾では、雨が降ったとき、自然界の放射線量がどれぐらい増えるかというと、大体170nGy/h(ナノグレイ・パーアワー)までいくんです。ところが、原発が地震で揺らされたとして、使用済み核燃料棒のプールの水とかが仮に漏れたという被害であれば、170nGy/hまではとてもいかない。すなわち自然界の放射線量を超えることがない。環境への影響はない。中越沖地震で柏崎刈羽原発の使用済み核燃料棒のプールから水が漏れましたが、IAEAの調べでも環境への影響はなかったことが確認されている。しかし社会的には、こうした事実がまったく知られていなくて、環境が汚染されたかのような事実誤認がある。(中略)必ず巨大地震というのはやがて来るわけですから、そのときに何が起きているかということを地元の方あるいは国民全体がフェアに、客観的に判断できるような教育を今から積み上げることが大事ではないかと思っています」

この青山氏の発想からは、日本の原発がどうやって地震に備え、安全を確保すべきかという視点は完全に欠落している。

そればかりか、原発が巨大地震に見舞われたときに国民全体が「フェアに客観的に」判断できるよう教育すべきであるという趣旨の発言は、つまるところ「地震国の国民として少々の放射能で騒がない教育が必要」とも受け取ることができる。自然と人間に対する恐るべき傲慢さといえないだろうか。

ちなみに170nGy/時は、0.136マイクロシーベルト/時である。福島第一原発3号機北西0.5キロにおける放射線量が一時、5000マイクロシーベルト/時を超えたのは周知のとおりだ。

福島市の県北保健福祉事務所で3月22日11時に観測した数字が6.53マイクロシーベルトで、青山氏が持ち出した170nGyすなわち、0.136マイクロシーベルトの48倍という計算になることを考えると、いかに原子力委でいい加減な議論が行われていたかがわかる。

3月25日に開催される予定だった原子力委の会議は延期されたが、次回会合でも青山氏は同じ考えを貫けるだろうか。

かつて内橋克人氏は、行政や電力会社に支給されるデータ、紙に書かれた情報をマル呑み込みする知識人たちの説く「原発推進論の無知蒙昧ぶり」(内橋克人「原発への警鐘」)を嘆いた。

財団法人「日本原子力文化振興財団」が1000人のジャーナリストを選び「PA(パブリック・アクセプタンス)戦略」と呼ばれる原発推進洗脳作戦を繰り広げたことも、内橋氏は厳しい視線で書いている。

また、鎌田慧氏はその著書「原発列島を行く」(2001年)において、「言論買収」という激しい言葉で、マスコミにはびこる原発信奉者を糾弾している。

「政府資金は、膨大な広告費として、新聞、雑誌、テレビなどのマスコミを汚染した。言論買収といってもまちがいない。また、原発の信奉者は、これまで数多く輩出した。かつては大熊由紀子(朝日新聞)、最近は上坂冬子(作家)などが、宣伝に貢献している。上坂は電力会社の『助さん格さん』にともなわれてアジア各地の原発事情をみてまわり、原発賛美の記事を書いている」

いまこそ、ジャーナリストや識者といわれる人々が目を覚ますべき時だ。経産省の幹部が原発関連企業に天下りし、電力会社が地元にカネをばらまき、原発を「クリーンエネルギー」だとうそぶいて推進してきた結果が、この惨状だ。

国が一刻も早く脱原発にエネルギー政策を転換し、代替エネルギーの開発を強力に進めるため、識者、ジャーナリストは霞ヶ関におもねる姿勢を改めねばならない。もはや世論をミスリードすることは許されない。



【緊急報告】広瀬隆/広河隆一 「福島原発で何が起こっているか?−現地報告と『原発震災』の真実」

日時:2011年3月23日(水)19:00〜21:00(18:30開場)
会場:早稲田奉仕園 スコットホール(定員200名)
上記で開催される同イベントの生中継。


(私のコメント)

テレビのニュースでは、対策会議にも菅首相の姿が見えませんでしたが、23日を最後に姿を見せなくなっている。福島第一原発は小康状態ですが、決して楽観は出来ないようだ。テレビを見ていても情報操作が厳しくなってきているように思える。枝野官房長官も国民のパニックを抑えることに力点を置かなければならなくなっているのだろう。
 
福島第一原発から湯気や煙が出続けているように、放射能の汚染物質が少しづつ出続けている。海水で冷やすのは応急措置であり、冷却装置が働かなければ使用済み燃料棒は過熱し続ける。昨日は3名の作業員が被爆しましたが、彼らには何も知らされていないで作業させられているのだろうか? 少なくとも高圧電気工事にはゴム手袋とゴム長靴は必要な装備ですが、ゴム長靴も支給されていないようだ。
 
保安院も3号炉の一部破損を認めましたが、180ミリシーベルトは作業できる状況ではない。2号炉も一部破損しているのだろう。今日の動きとしては海水を入れ続けるのはまずいからタンカーで真水を運んで注入するという動きがあるようですが、対策が後手後手になっている。官邸が機能不全になっているために、バックアップ体制が取れていない。
 
菅総理の性格的な欠点が出てきて、イラ菅と言われるように官僚をどやしつけてばかりいては官僚も逃げるだろう。だから情報が総理に集まらなくなり官邸は機能不全を起こしてしまう。そしておそらく体力的精神的にダウンして会議にも出られない状況になっているのだろう。ネット上のニュース記事でも菅総理の動向がつかめない。
 
今日は広瀬氏の講演の動画を紹介しますが、あまりにも恐ろしくて気の弱い人は見ないほうがいいかもしれない。NHKや民放の放送では「問題ない」のオンパレードですが、広瀬氏はそれに異議を唱えている。マイクロシーベルトも1時間あたりの数字であり、1万倍すれば1年の値になるそうです。そしてどのテレビにも同じ専門家が出てきますが、御用学者であり信用が出来ない。
 
原発が停電して自家発電もストップすれば、冷却装置もストップして燃料棒が過熱して暴走を始める。まさに「想定外」の事が起きたわけですが、永田町異聞で指摘しているように「原子力政策大綱」には、ほとんど防護対策には簡単にしか触れられていない。地震の言葉は出てくるが津波などは「想定外」の事だったのだろう。福島第二原発や女川原発は同じ津波に遭いましたが、何とか事故は防げたようだ。
 
だから福島第一原発も、自然災害対策を打っていれば、最悪の状況は防げただろう。最悪の状況でも水素爆発が防げていれば電源が復帰すれば元の装置も動かすことも出来るのでしょうが、広瀬氏によれば水素爆発で爆発によって内部もかなり破壊されているようだ。テレビの解説では原子炉は大丈夫と言うことですが、内部のデーターが分からないから、今後どうなるか分からない。
 
原子力委員会のメンバーである青山繁晴氏は、使用済み燃料棒の保管プールは地震にも影響がないと発言していますが、水素爆発が起きて燃料棒が露出することまでは予見できなかったようだ。けっきょく大前氏が言っていたように、日本には原子力発電が分かっているのは日立や東芝の技術者ぐらいであり、大学教授や科学担当記者や知識人や東京電力は原子力発電所が分かっていないのだろう。だから水素爆発も予見できなかった。
 
原子力発電に否定的な学者や専門家がどんどんパージされて、イエスマンだけが残って原子力発電が進められているのですが、事故対策まで御座なりになってしまったから今回のような事故が起きる。東京電力は採算重視であり、安全対策は後回しだ。国会でも原発の安全対策が討議されても、それが現場に反映されることはない。反対すれば東京地検が動いて失脚させられる。
 
最初から予想しているように、電源が来ても装置の復旧には相当時間がかかるだろう。上手く行かなければ近づくことも出来なくなり原子炉が爆発すれば広瀬氏が予測するような事態になる。私自身はそこまでにはならないと思いますが、死の灰は風任せに撒かれ続けることになるだろう。永田町異聞にも書かれているように日本の知識人の原発に対する無知ぶりは、今回に事故の原因の一つになったともいえるだろう。少なくとも原発が分かっていれば水素爆発は防げたはずだからだ。
 
テレビなどにも、日立や東芝や三菱などの原子力プラントの元技術者がなぜ出てこないのだろう。出せば東京電力や経済産業省へのずさんな原子力行政が批判されるから出さないのだ。死の灰が撒かれ続ければ、いずれは隠し切れなくなって実態がはじめて分かるだろう。しかし過剰な恐怖感を煽るのも間違いであり、早くも国外脱出や買いだめなどが始まっている。
 
私などは米軍がどう動くか注視しているのですが、米軍家族も続々国外に脱出している。横須賀が母港のジョージワシントンも急遽出港して退避するようだ。都内の盛り場を見ても外人を見かけなくなりましたが、みんな脱出したのだろう。菅総理も過労とストレスでダウンしたようですが、過剰に恐怖感を煽るとパニックになるだけであり、かえって判断を誤ることになる。
 




佐藤栄佐久前福島県知事は「反原発派」だったから逮捕されたのか
福島チェルノブイリは、佐藤栄佐久知事を陥れた地検特捜部の犯罪!


2011年3月24日 木曜日

知事抹殺―つくられた福島県汚職事件 佐藤栄佐久:著
「知事は日本にとってよろしくない。」(東京地検特捜部検事)


佐藤栄佐久前福島県知事は「反原発派」だったから逮捕されたのか 福島原発の事故隠蔽で国と対立した直後に始まった捜査/伊藤 博敏 3月17日 現代ビジネス

炉心溶融のメルトダウンへ向けて、カウントダウンを続けているかのような福島原子力発電所---。

 その根源的問題が、国と電力会社が一体となって「安全神話」を撒き散らし、国民の声を聞かずに原子力政策を推進、事故が発生してもまず隠ぺい、真摯な事故対応を怠ってきたからだと指摘していた人がいる。

 佐藤栄佐久前福島県知事である。

 佐藤氏は、06年10月、木戸ダム建設工事に絡んで、ゼネコンの前田建設工業、サブコンの水谷建設から賄賂を受け取ったという収賄罪で逮捕起訴され、一審で有罪判決を受け、控訴したものの覆らなかった。

 「冤罪」の声もある事件については後述しよう。ここで強調したいのは、佐藤氏が、09年6月の高裁判決後に上梓した『知事抹殺』(平凡社)で、2章を割いて「国の原子力行政との戦い」を訴えていることだ。

*** 内部告発の調査を電力会社に「丸投げ」 ***

 佐藤氏は、まるで今日の事態を想定していたかのようである。

「この事故で、強烈な教訓として残ったのは、『国策である原子力発電の第一当事者である国は、安全対策に何の主導権もとらない』という『完全無責任体制』だった」

 この事故というのは、1989年1月6日に発覚した福島第二原発3号機の部品脱落トラブルである。原子炉冷却水再循環ポンプ内にボルトや座金が脱落、それが原子炉内に流入していた。前年暮れから3回も警報が鳴っていたのに東電は事故を隠し続け、1月6日の異常警報でようやく県に報告した。

 佐藤氏は、参院2期を経て、知事に就任2年目のこの事故で、原発が抱える根源的問題を直観、原発や原子力行政を学び、その在り方に批判的になっていく。

 それが頂点に達したのが、2002年8月29日、経済産業省原子力安全・保安院から県に送られてきた18枚のFAXだった。

 そこには、「福島第一・第二原発で、原発の故障やひび割れなどの損傷を隠すため、長年にわたって点検記録をごまかしてきた」と、書かれていた。

 炉心を支えるシュラウドと呼ばれる重要部分の損傷まで隠ぺいしていた事態に、国民は驚き呆れ、東電は平岩外四、那須翔、荒木浩、南直哉の歴代社長が総退陣、恭順の意を示した。だが、佐藤氏が怒ったのはむしろ国の対応である。

 改ざん隠蔽の事実は、内部告発によって明らかとなったが、それを原子力安全・保安院が受け取ったのは00年7月である。

 保安院は立ち入り調査することなく、「こんな告発があるけど」と、東電に紹介、調査は東電に任せて「調査の結果、告発内容と一致しなかった」という東電報告を受けて、口を拭っていた。

「国と東電は同じ穴のムジナだ」と、書く佐藤氏は、2年も放置した国の責任を重く見て、「本丸は国だ。敵を間違えるな」と、県の担当に檄を飛ばしたという。

*** 「佐藤知事のせいで目算が狂った」 ***

 使用済み燃料を再処理して使うプルサーマル計画を含めた核燃料サイクルに批判的な佐藤氏は、そのプルサーマルを推進する資源エネルギー庁と安全を司る原子力・安全保安院が同居、そこに現場の東電など電力会社が加わって「原子力村」を構成、何のチェック機能もない原子力推進体制が出来上がっていることを危惧した。

 事故も隠ぺいも、その体質が生みだしたものだ---。

 従って、事故を機に、原発を点検に合わせて次々に運転停止、東電管内の17基の原発がすべて停止しても、攻撃の手を緩めることはなかった。

 全基停止中の04年12月21日、『朝日新聞』の「私の視点」で、事故への反省もなく、体質改善の努力もなく、専門家が決めたことを押し付け、原子力政策を推進していることを問題点として訴えた。

 05年夏の電力需要期を迎えても、佐藤氏は運転再開のゴーサインを出さなかった。

 『日本経済新聞』(05年6月5日付)が、「運転再開に注文をつける佐藤知事のせいで目算が狂った」と、社説で批判するなど風当たりが強くなるなか、7月10日、ようやく佐藤氏は、東電の勝俣恒久社長と面会、再開を容認した。

 原発行政と東電などに「佐藤批判」が高まるなか、佐藤氏が最後まで許さなかったのは、「譲れない一線を国や関係者が考えてくれなかったからだ」という。

「それは、『事故情報を含む透明性の確保』と、『安全に直結する原子力行政に対する地方の権限確保』である」

*** 「一罰百戒」という検察の思惑 ***

 佐藤氏に対する捜査は、同時期の05年7月に特捜部が捜査着手した水谷建設脱税事件の関連先として始まった。脱税額は約9億円。そのなかには、佐藤氏の実弟が経営するスーツ会社の土地を、水谷建設が相場より約7000万円高い約8億7000万円で購入した件が含まれていた。

 特捜部は、この差額の約7000万円を、木戸ダムを前田建設工業、水谷建設で受注する際の「賄賂」と見立てた。佐藤氏の罪は、実弟の要請を入れ、県に対して「天の声」を発したというものである。

 佐藤氏は、実弟のスーツ会社の経営にタッチしていなかったこと、福島県の公共工事は「天の声」を発する環境になかったこと、などを理由に無罪を主張。だが裁判所は、一度は拘置所内で「天の声」を認める調書にサインをしていることと、実弟に「口利き」の形跡があることなどを理由に有罪とした。

 佐藤氏が原子力行政に、物申していた時、収賄捜査は始まった。そのタイミングの良さに、「国による反原発派知事つぶし」という声があがるのも無理はなかった。

 もちろん特捜部が、「反原発派」だから佐藤氏を狙ったというのはうがち過ぎである。

 安全性に顧慮することなく、地元を含めて国民に「お上のやることだから従え」と強圧的な態度で臨み、事故が起きれば現場(東電など)のせいにして逃げる国(経産省、資源エネルギー庁、原子力安全委員会、原子力安全・保安院)などへの怒りは強いが、佐藤氏は容認派であって反対派ではない。

 むしろ特捜部は、「平成の政商」と呼ばれた水谷功氏の脱税事件を起点に、北朝鮮、中部国際空港、東電など、水谷建設絡みの案件のすべてを家宅捜索するという投網方式で捜査着手、そこに引っかかってきたのが佐藤氏の実弟だった。

 政治家(知事)本人は手を汚さず、親族を含む周辺が、"汚れ仕事"を引き受ける---。収賄罪を避けるために一般化していたこの脱法を乗り越えるために、特捜部は「身分なき共犯」で実弟を逮捕、兄に吐かせて事件を組み立てる、という絵を書き、見事にそれがハマった。

 大阪地検事件までは認められていた「捜査の常道」である。その検察の目に佐藤氏は、「一罰百戒」を与えるのに相応しい政治家であり、検察の威信を見せつけるコマであり、実績をあげる材料だった。

 その思惑のなかで、「収賄意識ゼロ」の首長が逮捕されたが、原発行政に厳しい知事がいなくなったのは、経産省にとっても東電にとってもありがたかっただろう。

 「佐藤不在」が、未曾有の原発事故につながったというつもりはない。ただ、「緑の革命」のなかで原発がクリーンエネルギーとして称揚され、厳しい監視役の不在で気のゆるみが生じていたのだけは、間違いあるまい。


佐藤栄佐久:国民はどこにいるのか。国民は誰が護るのか。【1】

福島チェルノブイリは、佐藤栄佐久知事を陥れた地検特捜部の犯罪! 3月14日 南華のブログ


(私のコメント)

福島第一原発大災害と東京地検特捜部とは何の関係も内容に見えますが、調べてみると大有りのコンコンちきのようだ。佐藤栄佐久前福島県知事は東京地検特捜部に逮捕されたのは「反原発知事」だったからだろうか? 今や東京地検特捜部は悪の巣窟にのようになってしまいましたが、佐藤前福島県知事も収賄罪で起訴された。
 
株式日記では、日本は官僚独裁国家と書いてきましたが、田中角栄逮捕以来、政治家よりも官僚が実権を持ち続けて、目障りな政治家を次々と辞任に追い込んできた。確かに汚職政治家も多いのですが、政治に金はつきものだ。贈収賄は決して良い事ではありませんが、最近では無実の人まで有罪にされてしまうケースも目立ってきました。大阪地検ではFDを書き換えて証拠を捏造した。
 
原子力発電は、一体誰が仕切っているのだろうか? 東京電力だけの問題なのだろうか? 民営化すれば全てうまく行くと民営化に突き進んだ事で、全て上手く行くのだろうか? 東京電力も原発が問題起こすたびに東京電力では関係者が処分されて、原子力発電が分かる人がいなくなってしまった。監督すべき保安院も原発の事がぜんぜん分かっていない。
 
東京では全体の4割を原発の電力で賄われていますが、新潟や福島から電力は送られてくる。柏崎原発事故で地震対策が問題になりましたが、今回の東北関東大震災でも原発の防災対策は何の手も打たれていなかった。送電線も一系統であり非常用自家発電機も水没して止まってしまった。佐藤前福島県知事はその安全対策に手を打つように訴えてきましたが、東京電力は政財界に手を回して、東京地検が動き始めたのだろう。
 
原子力発電所のずさんな管理運営にも問題があり、事故が起きても隠蔽されてきた。原発も40年も経てば金属疲労を起こして大事故を起こすだろう。2005年には全国の原発が止まって一斉点検が行なわれましたが、形だけのものであり、柏崎原発や今回の福島原発でも欠陥が明らかになっている。政財官が一体化してしまって、外部からのチェックが効かなくなってしまっている。
 
私自身は、原発容認やむなし派であるのですが、老朽化した原発は廃炉にすべきだし、防災対策も十分にすべきだろう。しかし東京電力は私企業であり、そこだけで防災対策の膨大な費用はかけられないだろう。電力や郵政は国家のインフラであり、民間の一私企業がやるには問題があるのではないだろうか? 電力が止まればどうなるか今回の災害で十分に分かったはずだ。

小泉構造改革で、公共事業がどんどん縮小されて、必要なインフラ事業が出来なくなっている。財務省は財政再建が最優先であり、公共事業を次々カットしていますが、防災対策でやるべき事が沢山あることは今回の大震災で十分分かったはずだ。民主党は「コンクリートから人へ」がスローガンですが、津波対策など考えにも及ばなかっただろう。
 
官僚たちは恣意的な法律の解釈で実権を握り、政治家に責任をおっ被せて自分たちは責任を取らなくて良いシステムになっている。自分たちの言うことを聞かない政治家がいればスキャンダルを暴露して葬ってしまう。マスコミも官僚の味方であり、東京地検は正義の味方のようにマスコミは報道してきた。検察があまりにも強くなりすぎて政治家が萎縮して小粒になってきている。
 
テレビを見ると朝から晩まで「AC、AC、AC」と気が狂いそうになりますが、国民を洗脳して気を狂わそうというつもりだろう。東京電力はテレビ広告の大スポンサーであり、反原発派の学者が出ることが出来ない。以下にマスコミ報道が狂っているかは今回の事でよく分かりますが、放射能に汚染された水道水も、テレビは気が狂ったかのように学者を動員して「問題ない」のオンパレードだ。
 
これと同じようなことを検察の捜査でも行なっているのであり、無実の人でも有罪にしてしまうくらいに検察の権力が大きくなってしまった。政治はますます無力になり官僚主導が今日の無責任体制を作っている。菅総理は官邸の中に引きこもりになり、顔を見せなくなりました。適切な決断が出来なくなり、感情をコントロールできなくなっている。このような無力な政治家を選ぶ国民も悪いのですが、自然はこのような国民に大津波となって報復してくるのだろう。




福島第一原発災害と、アメリカのリビアへの攻撃とは深い関係がある。
それは原発推進派と石油軍需派との戦いであり、石油利権のためだ。


2011年3月23日 水曜日

過去にもトラブル続きだった福島第1原発 3月22日 ウォールストリートジャーナル

地震発生時、4号機は定期検査中で停止していた。検査の一環として、東電は5カ月前にすべての燃料棒(放射性燃料ペレットを収めた重い円筒)を原子炉内部から、いわゆる「使用済み核燃料プール」へと移した。これは、原子炉自体ほどは厳重に保護されていないコンクリート製貯蔵タンクだ。

 東電の巻上毅司原子力設備管理課長は、「4号炉 は地震の前、原子炉の内部の点検を行っていたため、核燃料を原子炉の外に出す必要があった」と語った。

 地震発生時、使用可能な燃料棒がそのプールの中にあったが、津波が非常用発電機を流し去り、プールの水を循環できなくなった上、真水をポンプで注水することもできなくなった。その結果、プールに貯蔵されていた燃料棒が過熱し始め、水蒸気が発生するとともに、放射性燃料棒の一部が大気にさらされ、きわめて危険な状況になった。熱は火災を引き起こし、プール上方の屋根を一部破損させ、放射線が外に漏れた。

 4号機で起きたことは、定期検査時の停止中に原子炉内のすべての燃料をプールに移送する「全炉心取り出し」という、日本で広く行われている慣行の危険性を露呈した。

 東電の巻上氏は、まだ使用可能な核燃料を取り出して使用済み核燃料プールに保管しておくというこの慣行に関し、豊富な水が利用可能で、かつ、燃料棒間の十分な間隔が維持される限り、安全に行いうるとして、これを擁護した。

 米国では、核燃料交換のための原子炉停止時には通常、放射線放出への防護性能がはるかに優れた分厚い鋼鉄製原子炉格納容器に核燃料の大半を入れたままにしておく。核燃料交換時の停止中には、使用済み燃料を新しい燃料と交換し、併せてその他の保守を行うが、各燃料棒の損耗を均等化するため、自動車のタイヤローテーションのような手順で燃料棒の位置の入れ替えを行う。

 また米国では通常、最も損耗した燃料棒だけが取り出されて、貯蔵用に使用済み核燃料プールに移され、そこに数十年間放置されることになる。そのため、米国のプールには、最も古い使用済み核燃料だけが収容される。こうした核燃料は、低温で放射能も低い。

 対照的に、日本の電力会社では、一時的にすべての燃料棒を取り出すのが普通だ。新しい燃料棒はその後原子炉圧力容器に戻される一方、古い燃料棒に代えて新しい燃料棒が補給される。古い燃料棒は貯蔵プールに放置される。

 燃料棒をプールに長年放置するのには二つの理由がある。第一に、燃料棒を冷却する必要があること。第二に、大量貯蔵した使用済み核燃料をどう始末するかという問題があるためだ。この問題を解決した国はいまだにない。その結果、使用済み核燃料の大部分は電力会社の貯蔵施設にとどまったままだ。

 4〜6号機は、定期検査で停止中だったこともあり、地震直後の数日間、関係者は4号機の状況を注視していなかった。

 しかし、地震発生から4日後の3月15日に、最初の火災発生に伴い4号機の問題が重大問題として浮上した。東電関係者によると、4号機のプールで発生した熱は、地震当日に自動停止した3つの原子炉の使用済み核燃料プールで発生した熱を大きく上回っていた。

 原子力安全基盤機構に提出された事故報告書によると、今回の地震と津波のダブルパンチに見舞われる、はるか前から、福島第1原発は、国内で最も事故率の高い原発だった。

東電の巻上氏は、報告書の中で同原発に関するいくつかの数字が良くない理由について、「古い原発であることが主な要因」としている。同原発の原子炉はすべて、1970年代に稼働を開始した。

 巻上氏によると、東電は頻繁に修理を行っており、「個々の部品を最新のものに取り替えることで、古い発電所でも新しい発電所と同じような性能を出せるよう努力しているが、実際にはなかなか難しい」と明かした。(後略)



地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後(大前研一ライブ579)


(私のコメント)

東京都23区の水道水も放射能に汚染されて、乳児は飲まないようにというニュースが流れましたが、かなり広範囲に放射能汚染が進んでいるようだ。これを防ぐには原子炉を遮蔽しなければなりませんが、原子炉の屋根が爆発で吹っ飛んでしまったから、放射能が撒かれ続けるだろう。それを防ぐには水で冷やして、冷えたら遮蔽工事で閉じ込めなければなりません。
 
原子炉内部の燃料棒は容器によって遮蔽されていますが、使用済み燃料棒は屋外に露出したままだ。熱が低くなれば放射線の流出は収まってきますが、最終的には遮蔽しなければ流出は防げない。大前研一氏の動画でも言っていましたが、巨大なテントで遮蔽しなければならないだろう。そうしなければ福島原発の付近の住民はいつまでも戻れない。
 
まだどうなるかわからない状態ですが、東京電力も経済産業省の役人も、本当の原子力発電所のプロがいないから右往左往して、テレビ放送の解説者も現場の原子炉の事などは知らないのだろう。日本へ原子力発電のトップなのだから、メーカーの技術者などに専門家が沢山いるのですが、彼らがテレビに出ることは難しいだろう。
 
なぜならば、東京電力はテレビ局の大スポンサーであり、政界や財界の影響力が非常に強い。だから知りたければネットで調べなければ本当の情報を知らなければなかなか実情は分からない。しかしネットにもチェルノブイリ並みの大災害になるとデマを飛ばす人もいるので、専門家の情報に限る必要があるだろう。格納容器が破壊されなければチェルノブイリ並にはならない。
 
電源が復旧したとしても、モーターが水を被ってしまって交換作業が必要だろう。だから外部電源を利用できるようになるまでには早くても数日かかるだろう。もちろん格納容器もどうなっているのか中央制御室の電気が復帰しなければメーターも読むことが出来ない。それが出来て最悪の事態は避けられるのですが、それが出来ても放射能汚染は僅かでも進む。
 
大前氏は使用済み燃料棒の保管問題を指摘していましたが、1号炉から3号炉までの燃料棒が冷めるのには5年かかるそうです。そうならないと取り出すことも出来ないし、クレーンも吹っ飛んでしまったから取り付けなければならない。だから一難去ってまた一難ですが、最終的にはコンクリートで埋めてしまって発電所は立ち入り禁止になる。
 
福島第一の原発は出来て40年以上も経っているのだから廃炉にしなければならなかったのですが、東京電力はまだ使い続けるつもりだったのだろう。そうなるのは廃炉にするにしても費用がかかり続けるためであり、燃料棒も保管場所もなく水で冷却し続けなければならない。火力発電所のように老朽化しても解体して終わりという事が出来ない。
 
大前氏は言っていましたが、テレビに出ている大学教授は実際の原子炉も見たこともないのだろう。だから突発的な事故が起きても、どこがどう問題になるのかが分からない。むしろ東芝や日立や三菱の元エンジニアを呼んで聞くべきなのですが、東京電力が邪魔しているのだろう。東京電力の補償問題にしても能力を超えた問題だから、公的資金で補償しなければ無理だろう。つまり一時的に国営会社にして出直させる必要がある。
 
長期的な電力問題については株式日記で書いてきた意見と同じですが、計画停電は問題が多い。むしろ15%節電させて、守らないところは懲罰的な電気料金にすれば、どこも節電するだろう。後は工場などは夜間操業することしか大口の需要を賄うことができない。
 
今度の災害で、日本の原子力発電所の建設は30年間はストップするだろう。日立や東芝や三菱はどうするのだろうか? アメリカも原子力ルネッサンスを目指していましたが、エネルギー政策に影響があるだろう。アメリカでも原子力発電所の立地が難しくなる。だから火力発電に戻らなければなりません。リビアの空爆も石油確保が狙いだろう。
 
オバマ政権を支えてきた原子力推進派が後退して、石油軍需派が巻き返してきて、リビア空爆に踏み切ったのだろう。新興国の原子力発電所も建設がストップして火力発電が主力になるだろう。無理に原子力発電所を作っても、管理運用が難しくて燃料棒の処理の問題もある。
 




岩手県宮古市の丘の上には,明治時代の津波の鎮魂碑が建っていて,
そこには「ここより下に家を建てるな」と書かれていたりします。


2011年3月22日 火曜日

「高き住居は児孫の和楽、想へ惨禍の大津浪、此処より下に家を建てるな」の石碑


明治三陸大津波から110年  2006年6月16日 おだづまジャーナル

明治29年(1896年)の今日(6月15日)は、明治三陸大津波のあった日だ。今朝(15日)のNHKラジオ第一(7:20ニュースアップ)で伊藤和明さんが語っていた。

綾里村(現在の大船渡市綾里)では、実に38.2mの津波が襲来したという。地震の直接の被害者はいないが、津波による死者2万2千人、流失家屋8千9百戸。人口の7割8割が失われる壊滅的打撃を受けた村もある。典型的な津波地震だ。

今朝のラジオでは、当日は日清戦争から凱旋した兵士を迎えて花火を上げていたとか、結婚式が行われていたとか、翌日は地引き網で死体を集めた、など、さまざまな実話を紹介していた。

当日は朝から有感地震はあり、夕刻7時32分頃に震度2か3程度の地震があるが人々はさして気にとめない。地震動が小さく警告の役割を果たさなかったために被害が拡大したとも言われる。しかし実際は三陸沖150kmを震源とするM8.5の大地震だった。

津波襲来は午後8時過ぎ。引くべき時間でもないのに引き潮があって、その後、大砲のような海鳴りが聞こえる。まもなく、耳をつんざくばかりの怒号とともに黒山のような波が襲来し、一瞬にして全てを流し去った。

生死を分けた事例として、靴を履かずに逃げた者が助かり、靴を履こうとした者は巻き込まれたのだそうだ。教訓として、津波には個性があるから過去の経験に基づく行動や思いこみが裏目に出ること、生き延びる唯一の方法はカネやモノに執着せず一目散に高所に逃げること、など。

また、37年後の昭和8年(1933年)の昭和三陸大津波では、高地移転の成否が明暗を分けた事例もある。吉浜村は明治津波の教訓から高地移転を実行し、昭和津波では大きな被害を出さなかった。これに対し、唐丹村でも明治津波で人口の8割以上が失われる地区もあり、山腹に移転した人もいたが、日常作業の利便性を求めて、また山火事もあって、再び海浜部に住むようになり、昭和津波ではまた世帯の8割が被害にあった。

ところで、明治三陸大津波を調べていたら、科学技術振興機構(JST)の「失敗知識データベース」というサイトを知った。これは興味深い。失敗学の畑村先生が関わっているそうだ。このデータベース収録のもっとも古いものが、この大津波のようだ。


三陸海岸の石碑は警告していた  3月21日 龍公の言いたい放題

三陸海岸沿いにドライブをすると、過去にここまで津波が来たというマークを頻繁に、しかも信じがたいほどの高さの場所に見ることができる。
また、これより下に家を建てるなという昔の人の石碑も

さて以下は4年前
日経BP 2007/04/11記事から抜粋

人はなぜ「自分は大丈夫」と思うのか,防災研究家の片田群馬大学教授に聞く

もう1つ例を出しましょう。日本にも数多くある「津波の常襲地域」における教育の事例です。まずは,津波の常襲地域の現状を説明しましょう。

岩手県の三陸沿岸などは,有史以来何度も繰り返し津波が襲ってきています。「明治三陸津波」では,釜石地区の6500人のうち4000人が命を落としています。

そんな歴史もあるので,例えば岩手県宮古市の丘の上には,明治時代の津波の鎮魂碑が建っていて,そこには「ここより下に家を建てるな」と書かれていたりします。

しかし現在,この碑を無視するかのように,その碑の下には家が建ち並んでいます。

三重県の錦地区にも似たような事例があります。ここは,昭和19年に三重県志摩半島沖を震源として発生した「東南海地震」で,大きな津波被害に遭った場所です。

実は,この津波で甚大な被害が出た地域は,昭和40年代前半まで復興が進まなかったという事実がありました。これは,当時の人が「今ここに家を建てたら,次の世代が津波の被害に遭って,自分達の世代と同じ思いをする」とちゅうちょした結果でした。しかし錦地区は,昭和40年代後半にブリの養殖で地域の経済環境が良くなって,町が復興しました。

津波は,向こう30年間で見たら「60%」といった確率の問題であるかのように見られますが,100年のスパンで見たら100%やってくる「必ず起こる災害」です。しかし人々は,被害に遭った時の思いを忘れてしまい,記憶を風化させてしまいます。そして風化したころに津波がやってきて,同じ被害が繰り返されようとしています。

津波の碑を建てて警告を残した人々,被害を忘れずに復興をためらった人々−−そういった先人の心を思うとやるせなくなります。今われわれが取り組んでいるのは,同じ事を繰り返さない地域をどうやって作るのか,ということです。そのためには,人々の心に寄り添うことが欠かせません。


(私のコメント)

三陸海岸に行くと高台には多くの石碑が建てられているそうです。大津波で亡くなられた人の慰霊碑ですが、これらの慰霊碑は現代に日本人に対する警告をしていたのでしょうが、今回の東北関東大震災には生かされなかった。「ここより下に家を建てるな」と警告しても、自分だけは大丈夫と考えてしまうのでしょう。
 
東京だって、関東大震災がありましたが、多くの人は自分だけは大丈夫と考えている。私自身は老朽化した住宅を鉄筋コンクリートのオフィスビルに建て替えましたが、関東平野を一望すれば木造住宅が果てしなく建てられている。木造住宅は火災にも地震にも弱いですが、津波に対しても弱い。30年もすれば老朽化して建て替えるのは不経済だと思う。
 
にも拘らず日本の住宅の鉄筋コンクリート化はなかなか進まない。なぜなのでしょうか? 平屋でも二階建てでも鉄筋コンクリート住宅なら、火災に強いし地震にも強く津波にも流されない。建てるには多少コストがかかりますが、耐久性を考えれば安上がりになるはずだ。鉄筋プレハブ住宅なら品質的にも確かでしょう。なぜ木造住宅ばかり建てるのでしょうか?
 
今回の大震災を見ても、助かったのは五階建て以上の鉄筋コンクリートのビルの屋上に逃げた人たちで、四階の窓にまで津波が達していた。なぜ三陸の町は鉄筋コンクリートの高層住宅を建てないのでしょうか? 海岸に防潮堤を建設しても、14メートルの大津波には何の役にも立たなかった。それを明治に建てられた石碑は警告していたのでしょう。
 
このような大災害が起きても、30年も経てばほとんど忘れ去られてしまうでしょう。関東大震災の記憶もほとんどなくなり、戦災の記憶も遠い過去になりつつあります。阪神淡路大震災も17年経って忘れかかっていますが、老朽化した木造住宅は大きな地震のたびに倒壊しています。火災が起きればたちまち広がってしまいますが、二次災害を大きくしてしまう。
 
対策としてはいろいろあるのでしょうが、住宅も鉄筋コンクリート住宅しか認めないようにすべきだろう。特に三陸海岸の町は鉄筋コンクリートと住宅にしてあれば、大津波で水没しても建物は流されなくて済む。木造住宅は流されて瓦礫が人を飲み込んで行く。防災訓練もされていたのでしょうが、テレビのインタビューでも被災していた人が言っていましたが、今までは地震があっても数十センチの津波だった。だから油断していたのでしょう。
 
明治時代に建てられた石碑は風化が進んで、人々の記憶からも消え去られていた。知識としては知っていても、自分が生きているうちは大丈夫と思い込んでしまう。何十年も平穏無事が続くと、これから先何十年も無事だと考えてしまう。東京だってそろそろ大震災が起きると覚悟を固めるべきでしょう。ならば今すぐにでも木造住宅の人は鉄筋コンクリートの住宅に立て替えるべきだ。出来なければ売り払ってマンションに引っ越すべきでしょう。
 
おそらくこのような事を書いても、ほとんどの人は「自分だけは大丈夫」と考えて何もしないでしょう。無理だと言って私を非難してくる人もいるでしょう。政府は何をすることも出来ず、自分が総理大臣のうちは何も起きないでくれと祈るばかりになっている。菅総理大臣は運が悪かっただけなのでしょう。今となってみれば小沢一郎に総理を譲っておけばよかったと考えているかもしれません。谷垣総裁に丸投げしようとしたら断られた。本当に無責任な総理大臣です。
 
なぜ「ここより下に家を建てるな」と石碑が警告しても、警告が守られないのでしょうか。東京でもゼロメートル地帯には住宅が一杯だ。大震災が来れば瓦礫の山となって火災が発生する。堤防も壊れて水没してしまうだろう。埋立地にも超高層ビルが建てられていますが、電気が止まっただけで使い物にならなくなってしまう。
 
昨日も書きましたが、防災拠点の整備が不可欠ですが、最低限の電気の確保が欠かせない。通信や情報連絡に欠かせないからだ。携帯電話も通じなくなるのは基地局が破壊されてしまうからだ。通じたとしても直ぐに電池がなくなって使えなくなる。ガソリンも直ぐになくなり移動も出来なくなり物資も途絶えてしまう。テレビを見ていると自動車がなくては移動も出来ない事情が見える。
 
原子力発電所も危険性が認識されていましたが、防災対策がいい加減だった。津波に関してはほとんど対策が立てられていなかった。テレビを見ていれば専門家は「想定外」を連発していますが、明治三陸大津波も想定に入っていなかった。「想定外」で済まされるのならば専門家など要らない。来るべき東京の大震災も専門家たちは「想定外」と言うつもりなのだろう。
 




東北地方の防災拠点の学校や病院には太陽光発電機がないのはなぜ
なのか?山間僻地ほど災害で停電しやすく、電話も電気がなければ通じない。


2011年3月21日 月曜日

山梨県若草小学校に導入された出力規模30キロワットの太陽光発電システム
東北地方の防災拠点の学校や病院には太陽光発電機がないのはなぜなのか?


「計画停電で使用できない」太陽光発電、操作周知にメーカー躍起 3月21日 産経新聞

東日本大震災で被災地の電力供給が途絶え、東京電力が計画停電を実施する中で、太陽光発電システムの存在感が高まっている。東北〜関東を中心に、太陽光発電を設置した家庭から、「太陽光発電を付けているのに、停電時に使えない」との問い合わせがメーカーや設置・販売業者に殺到。停電時には特別な操作が必要だが、周知が不十分だったとして、メーカー各社は一斉に啓発に乗り出した。

 「屋根に設置している太陽電池が停電で動かなくなって宝の持ち腐れだ。どうしらいいのか」。大震災発生の翌12日以降、ある太陽光発電装置メーカーには、通常の約10倍近い電話問い合わせが相次いだ。

 家庭用の太陽光発電装置は、パワーコンディショナー(パワコン)という装置を使い、太陽電池で発電した直流電流を、家庭で使用できる交流電流に変換している。ただ、パワコンを動かすための電気は、通常、電力会社から送られる系統電力に依存しており、そのままでは日中発電していても、電気が使えない。

 使用するためには、家のブレーカーをオフにし、パワコンに付属したコンセントに直接、電化製品の電源コードを差し込む必要があるが、意外に知られていないのが実情だ。

 このため太陽光発電協会は、ホームページ(HP)で停電時の設定方法について環境省のマニュアルを添付した告知を掲載。各メーカーも自社のHPで同様の掲示を始めた。あるメーカーでは「各販売店にも自立運転の使用方法を周知する。被災した家庭の役に立てれば」と話した。



もっと身近に! 太陽光発電システム ベスト電器

停電時に発電できる太陽光発電の電力

天候や時間帯などにより太陽光発電で発電できる電力には違いがありますが、自立運転にすることで、専用コンセントを通じてAC100Vが使用できます。(最大1.5kWhまで)

この電力を上手に活用すれば様々な電化製品を使用することができます。特にテレビやラジオといった災害情報などを確認することができる家電製品が使える他、水があればお米を炊いたりすることもできます。

太陽光発電システムが発電できる電気量は1kWhのシステムを導入した場合でおよそ800Wくらいですので、標準的な3kWhのシステムの場合は、およそ2400Wほどの電力を作ることができます。(最も災害時に使用できるのは最大1500Wまでですが)

なお、一般的な家電製品の消費電力は以下の通りです。(消費電力はお使いの家電製品により異なります。実際にご利用になる際は、家電製品の裏面などに記載されている消費電力の項目をご覧ください)

冷蔵庫:150-600W
・トースター:1000W
・電子レンジ:1300W
・炊飯器:1300W(炊飯時)
・コタツ:600W
・ハロゲンヒーター:500-1000W
液晶テレビ:150W
ノートパソコン:50-150W など

停電時の太陽光発電電力供給のしくみ

通常、電力会社から送られてくる電気は電線を経由して自宅の屋内分電版を通り、そこから家庭中のコンセントに電力を供給しています。しかし、停電した場合、ここまで電気が通ってきません。
太陽光発電が設置してある住宅の場合、太陽光発電モジュール(パネル)を通じて発電された電気がパワーコンディショナーに通ってきます。
平常時の場合(停電時以外)は、ここから屋内分電版に電気が送られますが、停電しているためこちらに電気を送ることはできません。

そのため、パワーコンディショナーに接続してある自立運転用コンセントまで電気が送られます。停電時はこの「自立運転用コンセント」にプラグを指すことで発電量に応じて電気を使うことができます


これからは家庭でも計画停電に備えてソーラー発電と電気自動車で乗り切ろう!


(私のコメント)

東日本大震災から10日あまり経ちましたが、まだまだ救援体制が整っていません。三陸海岸や山間部には孤立して救援物資が届かない所もあるようだ。これほどの大災害だと、被災してもSOSの連絡することも出来ない。電気が無くなれば無線も電話も通じなくなってしまいます。電気があれば無線や衛星電話も出来るし、テレビなどで情報を手に入れることも出来る。だからどんな防災拠点でも電気を確保だけは絶対に必要だ。
 
しかし、テレビなどをずっと見ているのですが、自家用発電機などは病院などでは備わってはいても、ジーゼル発電機は燃料が無くなれば発電できなくなります。停電が長期化するような所では、太陽光発電機などを備えて停電の長期化に備えるべきでしょう。都市近郊部では停電の復旧は直ぐにできますが、山間僻地では復電には時間がかかる。
 
水や食料や医薬品などはヘリで運ぶにしても、通信手段やテレビなどでの情報は電気がなければ出来ない。家庭用の太陽光発電機ならば200万円程度で小規模なものを備えることが出来るから、小規模な避難所でも太陽光発電機ぐらいは付けておくべきでしょう。もちろん太陽光発電機が難しければ風力発電機を高い所に付けておけば蓄電すれば24時間使える。
 
また、都市部でも計画停電で3時間程度の停電が続けられるようですが、住宅などにおいても太陽光発電機を付けておけば計画停電に対しても有効だろう。夜間も電気自動車のバッテリーを利用して蓄電しておけば、最低限度の電気を停電しても確保が出来る。それとも計画停電は東京電力の陰謀なのだろうか?

冒頭の産経新聞の記事にもあるように、太陽光発電機があっても停電時には使えないようです。太陽光発電機にはパワーコンディショナーがあり、一般用の電機で動いています。だからそれを切り替えないと停電時には使えない。だから現状ではかなり使いづらいものらしい。専用のコンセントなども必要であり停電になれば自動的に切り替わるように出来ないものだろうか?

東京でも、これからしばらくの間は計画停電で、夏には23区内も停電の対象になることでしょう。その場合に備えて太陽光発電機を備えて、夜間も利用できるように電気自動車を買っておきましょう。最近では東京でもガソリンスタンドが休業状態であり、営業しているガソリンスタンドでは長蛇の列をなしています。

今回の大災害で感じられたのは、石油プラントの脆弱さであり、多くの石油プラントが被災して、東京でもガソリンスタンドが休業しています。それでなくてもガソリンスタンドは年々少なくなっており、ガソリンスタンドの経営も大規模な設備更新の時期を迎えており、地下タンクを交換すると2000万円もかかります。それに対して電気スタンドならどこにでも設置することが出来る。

東北の被災地でも、ガソリンがないという声が一番大きい。移動するにも車にはガソリンがなくて使いものにならない。電気自動車なら電気が復旧すれば直ぐに走ることができる。非常時にはバッテリーを使って通信や照明にも使うことが出来る。日産や三菱自動車などは電気自動車を被災地に提供するようですが、ガソリンがない所では唯一の交通手段になる。


被災地支援、光る独自技術 太陽光システム・水なしシャンプー… 3月21日 フジサンケイビジネスアイ

東日本大震災の被災地に対する企業の支援が本格化している。今回の震災では義援金だけの支援にとどまらず、各社が独自技術を生かした救援物資や生活物資を提供しているのが特徴だ。現地に贈られる品々には太陽電池を使った資材や災害復旧用の建機、水のいらないシャンプーなどが並ぶ。被災地の多くでは電気、水道、ガスなどの生活インフラが寸断されたままで、各社とも「すぐに使える」「復興に役立つ」という視点を重視している。

 シャープと日立製作所系の新神戸電機は避難所向けの太陽光発電システムを250セット寄贈。今回の震災を受けて急遽(きゅうきょ)共同で開発したという。シャープ製の約1メートル四方の太陽電池パネルに新神戸電機の蓄電池とコンセントを組み合わせた。

 東レは「水」。海水や汚れた川や湖の水から飲料水を作る災害用の小型造水機6台を提供する。高性能の「逆浸透膜」で濾過(ろか)するため、塩分や泥だけでなく、重金属や細菌、ウイルスなどの有害物質を除去できるという。

 ヤマハ発動機が提供したのは自社の電動アシスト自転車「PAS(パス)」139台。被災地でガソリンが不足する中、自治体や医療機関から「避難所間を移動する足がほしい」との要請に応えた形だ。

 機械メーカーは行方不明者の捜索やインフラ復旧に欠かせない建機などの機材を提供。コマツが建設機械やフォークリフトなどを無償貸与するほか、クボタも建機20台の支援を決め、機械を扱う専任の操縦者も派遣する。(後略)





明日21日は春分の日の祭日ですが、日の丸の半旗を掲げて追悼しましょう。
工場など経済活動でも移せるものは深夜に移せば良いと筆者は思っている。


2011年3月20日 日曜日

電力融通に限界 周波数「明治の分断」ツケ 九電など  3月15日 西日本新聞

東京電力が初の計画停電に追い込まれた。九州電力など電力各社が東電に行っている「電力融通」の量に限界があるためだ。電力業界が静岡県などに設置する周波数変換施設は3基のみ。歴史的な経緯で周波数が明治期以降、東西日本で「分断」されたままだったことが、極めて深刻な弱点になった格好だ。

 電力の周波数は現在、静岡県富士川などを境に九電など西日本が60ヘルツ、東電や東北電など東日本が50ヘルツに分かれている。これは、近代化による電力需要の増加を受け、1894年に東京電灯(現在の東電)が50ヘルツのドイツ製発電機を導入したのに対し、大阪電灯(同関西電)など関西側が60ヘルツの米国製発電機を採用したのが分断の始まり。

 1960年代以降、日本経済は高度成長期に入り、電力需要が急拡大。広域的な電力融通の必要性が高まり、電力業界は資金を出し合って周波数変換所の設置を始めた。65年に静岡県の佐久間変換所、77年に長野県の新信濃変換所を設置。直近では静岡県の東清水変換所が2006年3月に一部稼働を始めた。

 東日本大震災を受け、12日午前0時から、九電が15万キロワット(14日から20万キロワット)を融通するなど各社が東電への電力供給を開始。九電の供給力合計は約2千万キロワットなのに対し、余力は現在少なくとも500万キロワット以上ある。しかし、現時点の3変換所の受電容量は計100万キロワット。東清水が完全稼働する14年末でも容量は計120万キロワット。今回、東電は1千万キロワット程度の不足分を補うには程遠い。

 「これ以上融通したくてもできない」と、ある西日本の電力会社関係者は漏らす。これから変換所を新設するにしても、新たな送電線なども必要で「建設に数年かかる」(九電関係者)という。

 07年の新潟県中越沖地震で東電柏崎刈羽原発の運転が停止した際、東電は同じ電力周波数の東北電からも融通を受けて乗り切ったが、今回の東日本大震災で東北電の発電設備も被害を受けた。東電は計画停電期間を当面4月中とし、夏場の需要期に再開する意向を示しているが、西日本地区の電力会社も需要期を迎えるため、融通できる余裕が少なくなる懸念もある。



東日本巨大地震 3月21日 経済コラムマガジン

『13日の東電の記者発表では、不足する電力は、1,000万kwと言っているが、14日の東電の記者会見では若い担当者が不足する電力は100万kwと言っていた。思わず口をすべらしたのであろう。もし1,000万kwも不足するのなら、計画停電を次々と撤回するはずがない。この季節、午後5〜7時がピークと言うのは本当であろう。しかしこれまで電力を供給して来たのであるから、この時間に急に1,000万kw以上の電力が不足するとは信じられない。午後5〜7時において一部の地域で計画停電を強行している(引っ込みがつかないから無理やり停電していることも考えられる)。本当にどれだけ不足したのか精査すべきである。おそらく他の電力会社から融通が効く範囲と思われる。』と述べた。この「他の電力会社からの融通」はこれからの重要なポイントなので、後段で取り上げる。ただこの時点では、筆者の思い違いもある。

次に『このような事態になると必ず、深夜のライトアップやコンビニの営業を止めろという声が起る。しかし深夜は電力が余剰になる(全国的に見ればの原子力発電所は稼動を止められないから)。経済の活性化を考えれば、非常識に基づくこのような声は無視すべきである。』と述べた。夜の電力消費が問題になったのは、第一次オイルショックの時である。当時は石油の確保自体が難しかったのであり、また電子力発電がほとんど行われていない時代であった。今日、事情は様変わりしている。おそらく今日の首都圏であっても、深夜の電力は余っていると考えられる。つまり経済活動でも移せるものは深夜に移せば良いと筆者は思っている。

最後に『福島第一発電所の発電装置に海水が注入されている。これで発電装置の冷却化に成功すれば結構なことである。しかし冷却化に失敗するケースも考えられる。このまま海水を注入し続けることに筆者はなんとなく危惧を感じる。炉内の海水濃度が上がって行くことが、別の障害を発生させる可能性を心配するのである。これまで「想定外」のことが起っているというセリフは聞きあきた。海水が注入できるのなら、真水も注入できるはずである。福島発電所に「水」をピストン輸送すべきである。真水を載せたタンカーの派遣も考えられる。大きなタンカーは無理かもしれないが、ある程度の大きさのタンカーの派遣は可能と考える。結果的に、このような「水」の準備は無駄になるかもしれないが、それはそれで結構なことである。』と述べた。これについては今でもそう思っている。政府は、政府として一体「何ができるのか」を模索すべきと考える。

二つの重要ポイント
まだ行方不明者の数さえはっきりしない段階であり、具体的な復興の話は時期尚早であろう。ただ重要と思われるポイントを二つ上げておきたい。一つは前段で触れた「他の電力会社からの融通」である。日本は東日本巨大地震でかなりの発電能力を失った。しかし日本全体で需給はバランスしているというより、むしろ電力の不需要期なので供給力が需要を上回っているものと思われる。

ところが電力の周波数が異なっていて(西日本の60Hzと東日本の50Hz)、二つの地域の電力は簡単には融通し合えないのである。ただ周波数を変換する変電所が3カ所あり、ここで周波数を変換することができる。この処理能力には諸説があり、300万kwとか100kwという話がある。また筆者にメールをくれた方は60kwと言っておられる。いずれにしても驚くほど小さな数字である。

正直言って、筆者は両地域の変換能力がここまで小さいとは思っていなかった。電力に関しては日本は一つではないのである。これまで様々の角度から役所は、将来の日本の電力の供給計画といったものを発表してきた。しかしこれは全く意味のないことであった。将来の供給計画は「東日本版」と「西日本版」の二つで示すべきなのである。(後略)



(私のコメント)

昨日は、東京の消防庁のハイパーレスキュー隊による13時間に及ぶ放水によって、3号機もようやく最悪の事態が避けられる見込みが出てきました。本体の電気工事も配電盤まで来ましたが、水没した電気器機は日立や東芝のメーカーの作業員が全部交換することになるだろう。ポンプのモーター自身も交換することになるだろう。ポンプ本体やジーゼルエンジンは比較的簡単に動かすことは出来るだろう。

6号機と5号機は、ジーゼル発電機が動くようになって冷却が進むようになって危機は無くなりましたが、1号機から4号機はどのようになっているのか予断は許さない。水素爆発だけでも防げれば復帰も楽だったのでしょうが、屋根や壁が吹き飛んで使用済みの燃料棒が露出して、過熱してくると放射線を周辺に撒き散らしている。だからプールへの水の補充で放射線を止めなければならない。

東京都のレスキュー隊は、決死的覚悟で作業に当たったのでしょうが、大震災があった日から準備や訓練などをしていたということです。火災現場に慣れた隊員でも、原子力発電所の爆発や火災は初めてだからびびったことだろう。警視庁はこのような火災に対しては専門ではないから出動すること自体が無理ではないかと思う。

気になるのは炉心の情報が全く入らなかったのですが、大丈夫なのだろうか? 電気を通電して水を回してみないと最後まで分からない。このように原子力発電所の災害は最悪の事を考えていたら何も出来なくなるのであり、やれる事からやるしかない。ネットやマスコミの中にはデマを飛ばして、人々の恐怖心を煽ってばかりいる人がいましたが、原子力発電の事を、あまりにも人は知らなすぎたのだ。

テレビに出ている原子力の専門家も、東大や京大など肩書きは立派な人ばかりですが、専門家として津波などへの対策はしてこなかった責任がある。国会などでは共産党の議員が早くから津波の問題を指摘していたそうですが、チリ地震津波程度は大丈夫と問題にしていなかった。テレビでは「想定外」と連発していましたが、それでは専門家としての意味がない。

株式日記では、ブログを通じて様々な政策提言してきましたが、大災害が起きると政治家も官僚も思考停止してしまって、対策が後手後手に回ってしまう。9・11テロの時も政府がなかなか動かないので、当時の安部官房副長官にFAXで「政府主催の追悼集会をすべきだ」と政策提言したことがありました。そしたら3日後に小泉首相の記者会見で政府主催の追悼集会が発表されました。

明日は21日で、春分の日の祭日ですが、日の丸の半旗を掲げるべきでしょう。

ところが9・11の時は、祭日の日の官庁も日の丸を半旗にしていなかった。目先対応に追われてそのような事が起きてしまう。電力供給問題にしても計画停電のトラブルが相次いでいますが、柏崎原発の災害の時は、東京電力は東北電力から電力の供給を受けて何とか乗り切った。しかし今回は東北電力も被災して電力が足りない。しかし関西電力や西日本からの電力供給を受けることは出来ない。周波数が違うからだ。

周波数の変換装置もあるのですが、100万KW程度の能力しかない。なぜもっと大規模なものにしないのでしょうか。電力会社は民間会社だから国家もなかなか口を出しづらい。民営化すれば何でもうまく行くという話もありますが、公共的なインフラ事業は国家が関与していかないと不都合が起きる。東京電力も安全性よりも採算を重視すれば今回のような大災害を引き起こす。

災害救助も自衛隊ががんばって、遺体捜索も進んできましたが、1日に千体近くの御遺体が増えています。災害現場では水も電気も食料もガソリンも医薬品も足りなくて困っています。東北地方は三陸の地形も厳しいから孤立してしまった町や村が沢山あり、道路も港もみんな壊れてしまった。そのような所へは自衛隊のヘリしか救援物資を届けられない。がんばれ自衛隊!


輸送艦おおすみが仙台港入港 灯油入りドラム缶70本陸揚げ 3月19日 産経新聞

海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」(8900トン)が19日早朝、仙台港に接岸し、灯油200リットル入りドラム缶70本と浜松市から仙台市への救援物資を陸揚げした。宮城県内で護衛艦が接岸したのは震災後初めて。 浜松市から飲料水(1.5リットル2万8千本)やアルファ化米(4800食)などを受け取りにきた仙台市危機管理室の永井誠さんは海上自衛隊で最大級の輸送艦の威容に「何かほっとする。市民にも十分に救援物資が届くということで安心してもらえるのでは」と話していた。

 海上自衛隊は被災地の沖合に57隻の護衛艦を展開しており、おおすみも当面は仙台の沖合に止まる予定。


海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」から下ろされる支援物資
=19日午前、仙台市宮城野区の仙台港


灯油などの救援物資を積んで仙台港に入った、海上自衛隊の輸送艦・おおすみ





工場などは自家発電機を設置して自前の電力で給電すべきだろう。私はジ
ーゼル発電機のオペレーターをしていたので、誰か雇ってもらえないでしょうか


2011年3月19日 土曜日

福島県南相馬市にある東北電力原町火力発電所
ここも大津波によって重油タンクがやられている。


東北電力、福島・南相馬の火力発電所で火災  3月14日 日経新聞

 福島県南相馬市にある東北電力原町火力発電所で14日午後2時50分ごろ、火災が発生した。同社によると、構内のタンクから漏れた重油に何らかの原因で引火した。重油タンクや2機ある発電機には延焼しておらず、けが人もいないという。午後5時ごろ鎮火した。

 同発電所は東日本大地震による津波で損傷、現在は2機とも運転を停止している。当時は従業員など73人が被害状況を点検中だった。福島県によると、重油タンク近くにあったクレーン車から火が出たとの情報もある。

 原町発電所は福島第1原子力発電所から北に約30キロほどに位置し、1号機と2号機合わせた出力は200万キロワット。福島県全域の電力をほとんどまかなえる規模だという。



休眠火力発電所の立ち上げに2〜3カ月 老朽化、原油調達など課題も 3月18日 産経新聞

東日本大震災で原子力発電所や主要な火力発電所が停止に追い込まれ、計画停電の実施を余儀なくされている東京電力などは、被害が軽微な火力発電の早期復旧を急ぐとともに、休眠している火力発電所を総動員し、中長期的な供給力の回復を急ぐ。

 東京電力管内では現在、事故の起きた福島第1原発と、停止中の第2原発の約910万キロワットに加え、火力発電所も、広野(福島県広野町)、大井(東京都品川区)など5発電所の9基、約715万キロワット分が、停止に追い込まれている。

 東電はこのうち、大井の2号機や東扇島1号機(川崎市川崎区)など、被害が軽微なものを再起動させ、早期復旧を目指す。

 一方で、地震や津波被害による破損が激しい広野や、常陸那珂火力発電所(茨城県東海村)の復旧には相当時間がかかるとみられ、休眠中の火力発電の再開を検討している。

 資源エネルギー庁は、休眠火力発電所の立ち上げには最低でも2〜3カ月かかるとしているが、比較的早い再開が期待できるのは、横須賀火力発電所(神奈川県横須賀市)の7、8号機だ。同発電所は、平成19年7月の新潟県中越沖地震による東電柏崎刈羽原発の停止に伴って再開させた。同原発の主力の6、7号機の再開後、22年4月に長期停止を視野に入れて停止したばかりで、比較的早期の立ち上げが可能とみられる。

 東電は、3発電所、10基で約280万キロワット分の休眠火力発電所を持つ。

 電力業界には、「休眠火力の復旧には数カ月かかる」との見通しもあるが、一律ではない。中には休止が長期にわたり、老朽化しているものも少なくなく、大半を復旧するにはさらに時間が必要だ。

 また、東日本震災で3発電所の4基が停止中の東北電力も、休眠中の東新潟火力発電所の一部を再開する方向で検討に入った。

 ただ、今後の火力発電の大規模な再開には、燃料となる石油や液化天然ガス(LNG)の安定調達や物流網整備が課題だ。

 LNG調達では、政府や東電、大手商社などが、カタールやロシアのプロジェクトで日本向けの調達を水面下で交渉している。これに対し、産業界のLNGへの燃料転換で、燃料向けの重油は需要は大きく減少。精製設備や輸送手段が大幅に削減されており、設備の増設は容易ではない。



(私のコメント)

福島第一原発の給電が停止してしまったのは、テレビでは鉄塔が倒れて断線したように報道していましたが、鉄塔が倒れて断線した停電だけなら回復するのは2,3日で済むはずだ。それが1週間以上もかかったのは福島第一原発へ給電している発電所自体が大津波を被って被災してしまったからだ。だから被災していない他の発電所から超高圧電線を引っ張ってこなければならないから時間がかかっている。

冒頭の東北電力原町火力発電所も、10メートルの津波が来れば燃料タンクなどが壊れるだろう。この火力発電所は1997年に運転が開始された新しい発電所ですが、写真を見ても大津波に備えた防災設備はないようだ。だから燃料タンクが壊れてしまった。東北電力も防災対策が十分でないから、福島第一原発に電気が送れなかったから、復旧に時間がかかっている。

テレビをずっと見続けているのですが、なぜ電力の回復に時間がかかったのかの解説がないので、ネットのニュースを調べてみたら、給電していた火力発電所自体が被災して止まってしまっていた。テレビ局も報道陣が出ずっぱりで、放送記者たちも疲労困憊だろう。私自身も大震災以来はらはらし通しであり、東京電力や保安員や政府官邸の対応にイライラしっぱなしだ。

新聞などは比較的詳しい記事が書いてあるが、情報量や即時性などに限界がある。だから報道もネットが主体になってきている。東京電力の計画停電もネットを見なければ分からない。既にテレビは時代遅れになってきているのだ。スピードと情報量で、テレビはネットにかなわない。株式日記も随時コメント欄に新しいニュースをコピペしていますが、コメント欄を荒らす人がいます。削除するとそれに対しても抗議のコメントを書いてくる。困ったものだ。

いま、私に出来ることは、他の人には出来ない情報分析を株式日記で発表するしかないのであり、それを妨害するような行為は避けてほしいものだ。日本人の多くは大災害が起きると思考停止してしまって、しばらくすると災害自体を忘れてしまう。だから同じ災害を何度も受けるのですが、どうしたら災害が防げるかといった根本問題を考え続けるべきなのだ。

東京でも電気が計画停電されていますが、多くの火力発電所も被災して止まってしまっている。脱炭素社会ということで火力発電所が目の敵にされていますが、地球温暖化とCO2とは関連性がはっきりしていないのもかかわらず、火力発電から原子力発電に主力が移りつつあります。しかし今回の災害で原子力発電所の建設が難しくなりました。

今回の原子力発電所でのメルトダウンで福島県民は怒り心頭だろう。おそらく福島原発は廃炉になりコンクリートで固めるしかない。解体するにも放射能に汚染されて出来ない。解体ロボットでも出来て無人で出来るようになるまで解体処理することも出来ない。被災しなかった福島第二原発も運転再開は出来るのだろうか? 

東京は、福島や新潟の原子力発電所の電気によって都市機能が動いていますが、今後はどうするのだろうか? 当面は休眠中の火力発電所を再開しなければなりませんが、今年の夏は大丈夫なのだろうか? 運転を再開するにしても燃料の重油はあるのだろうか? 火力から原子力の切り替えが進んで、オイルプラントも生産量が減少している。

原発の災害が何とか収まったとしても、関東東北の電力の需給問題は今後何年間にもわたる問題だ。今年の夏が問題ですが、休眠中の火力発電所を再開させてもとても足りない。だから工場などは自家発電機を設置して自前の電力で給電すべきだろう。私自身はコンピュータセンターで自家用ジーゼル発電機のオペレーターをしていたので、誰か雇ってもらえないでしょうか。(冗談です)


生産工場・ライン停止、自家発電の予定も 神奈川県内メーカー  3月14日 産経新聞

神奈川県内に工場のあるメーカーは14日、一部休業などの対応に追われた。

 東芝は、午後1時50分から午後5時半の第4グループの計画停電対象エリアとなっている川崎市幸区の小向工場で午後からの操業停止を従業員に周知したという。同工場ではレーダーや放送用機器などを製造している。

 また、ライフラインに関与しない同区のマイクロエレクトロニクスセンターなど研究施設は朝から休業した。発電機などを製造している横浜市鶴見区や川崎市川崎区の工場は14日の計画停電対象エリアから除外されており、通常通り操業した。

 同じく第4グループの川崎市川崎区鈴木町にある味の素川崎工場では、「自家発電装置があり、工場、研究所ともに電力をまかなうことができるため、生産ラインへの影響はない」としている。





かくして日本の福島原発を舞台に、世界の先進各国による情報
入手戦争の幕が切って落とされた、などと言うのはうがちすぎだろうか。


2011年3月18日 金曜日

福島第一原発の17日の衛星写真(DigitalGlobeより)
上方の排水口の近くの海岸から4号機まで30mほどだから消防艇から放水が届く!
消防庁の屈折放水塔車、福島原発の冷却の切り札になるか。


福島に注がれるロシアの熱い眼差し 3月17日 菅原 信夫

ソ連はチェルノブイリで国家を崩壊させた

 しかし、ほかの友人たちは、しばらく福島の様子を注視しよう、という反応に変わった。

 チェルノブイリ事故を1986年に経験しているロシア(当時はソ連)国民は、表面には出さないが原発に対する警戒感は極めて強い。また、この事故が契機となりグラースノスチ(情報公開)を展開するゴルバチョフがソ連を崩壊に導いた、と言うこともできる。

 従い、ロシアでは原発事故という言葉は、社会体制さえ変えかねない重みを持ち、それゆえ国民を身構えさせる。このテーマには、他国の事故とはいえ、簡単に論ずるには相応しくない重みがある。

 先週末の3月12日、土曜日にもかかわらず、ウラジーミル・プーチン首相は日本への支援策を協議するための臨時会議を招集した。

プーチンの機敏な、そして強力なリーダーシップ

 連邦政府副首相イゴール・セーチン、原子力エネルギー国家コーポレーション(ROSATOM)セルゲイ・キリエンコ、非常事態省第1次官、ルスラン・ツアリコフ。この3人の各組織トップに対し、プーチン首相の指示は極めて明快であった。

(1)日本は極めて重要な戦略的パートナーである。

 今回の災害で原子力発電からの電力供給が減少するので、これを補填すべく、代替エネルギーとしてサハリン2の液化天然ガスの日本への輸出量を増量できるよう急ぎ検討すること、また、石炭、電気の供給についても可能性調査を開始すること。


(2)極東における状況を24時間体制で監視し、有事には可能な対策をすべて活用すること。

(3)極東沿岸地域に装備した津波警報システムの稼働状況の確認。

サハリン地方では早くも放射能測定結果が新聞を賑わす

 この報道をしたRBK紙は(2)の内容を詳しくは書いていないが、これこそが大気中の放射能の24時間監視のことであることは、召集されたメンバーから十分推測がつく。

 事実、この報道後、沿海州、サハリン地方などにおける大気中の放射能測定結果が新聞に記載され始める。

 同時に、この席でプーチン首相は日本政府の受け入れ了解が取れ次第、非常事態省ならびにROSATOMの専門家を含む第1次救援隊の日本派遣を指示した。

 この時点から日本大使館とロシア外務省を窓口とするロシア救援隊来日のための調整が始まり、何と、3月13日モスクワ時間17時(日本時間同日23時)には、もう第1次隊は日本に向けて出発するのである。

大使館関係者によると、ロシアにおいてはプーチン首相の指示となると、それはもう絶対的なものであり、これを万難を排して実行することが組織のトップには求められているのは知っている。

日本にも災害専門の支援対策チームの設立を

しかし、今回のようにはっきりとその過程を見ると、改めてプーチン首相の指導力、決断力を見る思いがする、ということであった。

 物事決定におけるスピード感。これは特に自然災害の場合、最も重要な要素であろう。災害専門の支援対策チームとしては米国のFEMAが有名だが、我が国でも、そろそろ同様の組織を考える必要が出てきている。

 それにしても、今回の震災がこれだけの国際的な注目を呼ぶ背景には、間違いなく人類史上にも残る地震+津波被害と併せて、日本のような先進工業国でしか起こりえない原子力発電所における予想外の緊急事態、というものがある。

 そして、各国は既にそこに気がついていて、米国、中国、ドイツ、などすべての救援隊に原子力の専門家が入っている。それをロシアが黙って見ているはずもない。

 チェルブイリでの政府による情報隠蔽が、その後、国を滅ぼすことになるという歴史を持つロシアが、日本政府の発表をそのまま受け取るはずもない。

福島の事故で原発輸出を妨げられたくないロシア

 また、ソ連がロシアに成り代わった際、多くの研究所、施設が閉鎖された中で、モスクワ郊外にあるクルチャトフ原子力研究所は、その広大な敷地とともにしっかりと生き残った。

 そこには、ソ連時代に建設された原子力発電所が引き続き稼働していること、またロシアは国家戦略として原子力発電所建設を国の輸出産業に育成していきたい、という理由があったからだ。

 福島原発事故がロシアの原発輸出の障害になってはならない、という命題が見え隠れする。

 かくして日本の福島原発を舞台に、世界の先進各国による情報入手戦争の幕が切って落とされた、などと言うのはうがちすぎだろうか。(後略)



(私のコメント)

日本国はまさに国家滅亡の危機に瀕する非常時なのですが、私に出来ることは情報分析を発表し続けることしかない。多くのブロガーは思考が停止して、ブログの更新を停止してしまっているところも多い。同じような事は、9・11テロの時もありましたが、多くの文化人は思考が停止して記事が書けなくなってしまった。しかし株式日記では、「近いうちに中東で大きな出来事が起きる」と予言していた。

だから、9・11テロが起きた時は「ついに起きたか」と言った事を書きました。しかし東日本大震災は予測がつきませんでしたか、原子力発電所のことに関しては、何度も書いてきました。私は原発反対論者ではなく、どちらかと言うと消極的賛成派だ。電力に関しては当面は原子力発電に頼らなければ国家が維持できない。

そのことを一番認識しているのはロシアだろう。ソ連が崩壊した原因の一つが、チェルノブイリ原子力発電所の大災害であり、ソ連の秘密主義が原発事故を国際的な規模にまで大きくしてしまった。その結果、ゴルバチョフが出てきて情報公開グラスノスチが行なわれた。近代国家になればなるほど中央統制は出来なくなり、情報は広く共有されなければならない。

中国が近代国家になれないのも、情報を広く公開して共有したら中国共産党政権が崩壊してしまう。日本の霞ヶ関にも同じような体質があり、情報を独占することで官僚独裁政権を確立している。今度の大災害に関しても、官邸だけではとても対処できないのであり、あらゆる専門家を動員して復旧に努めなければならない。

私自身は、電気技術者であり、ボイラ技師であり、高圧ガス技術者であり、危険物取り扱い主任者である。だからビル設備管理に関しては専門家であるのです。しかし原子力工学に関しては専門外なのですが、福島第一原子力発電所を一つの建物として考えれば分かりやすい。そのビルが停電して自家発電機も被災して動かなくなってしまった。

これは最低限の設備管理も不能になってしまったことであり、バッテリーも直ぐに切れてしまった。原子炉は冷やし続けなければ炉心が溶融してしまう。このような設備には三重四重の安全対策が採られていなければなりませんが、原子力発電所への送電線が地中でなくて鉄塔で送られていたことが信じられない。鉄塔が爆破されれば原子力発電所も簡単に破壊することが出来ることが証明された。

私がいた保険会社のコンピューターセンターは、6万6千ボルトの特高受電でしたが、地中配線であり二系統で受電していた。私自身は特高受電を切り替えるために、東京電力と連絡を取りながら受電設備を操作して二系統の特高受電を定期的に切り替える仕事をしていた。東京電力のほうからの連絡で切り替えなければならないからだ。操作を間違えればトラブルが起きて停電してしまう。

ジーゼル発電機も二台ありましたが、水冷ジーゼルエンジンであ、り巨大な水槽が地下にあってそれを循環させてエンジンを冷やさなければならない。燃料となるA重油タンクも巨大なものであり、停電が起きれば何十時間も自家発電をさせていかなければならない。福島原発の自家発電機が止まってしまったのは、直ぐに見当がついた。モーターが海水に浸かったら使いものにならない。

このように文明が高度化してくれば、多くの優秀な技術者が必要になるのですが、ベテランの技術者が減ってきて、優秀な若者は金融やサービスのほうに行ってしまう。だから大学生の質的な低下を株式日記でも書いてきましたが、ビル設備管理会社に新卒の大学生を見ても、電気工事士の資格すら持っていない。都心のインテリジェントビルを管理するには、電気とコンピューターのことが分からないと使いものにならない。

私の場合も、日立の大型汎用機のコンピューターの立ち上げなどの操作もしていましたが、都心の事務センターからの以来があれば、立ち上げたり終了操作もしなければならない。その為には時間もかかり、最近の計画停電のようなことがあれば、3時間の停電でも工場は操業することは危険だろう。大型汎用コンピューターのバッテリーは数分間しか持たないし、自家発電機がトラぶれば福島原発のようになってしまう。




海上保安庁の消防機能強化型巡視艇を使って海上から放水せよ!

ほぼ同じ立地条件である福島第一、第二原発が、地震被災後、なぜこれ
ほど差が出ているのか、米国GEオリジナルタイプであるということです。


2011年3月17日 木曜日

陸上から放水するよりも海上から放水したほうが近いし海水は無限にある!
グーグルアースで見れば排水口のある南側海岸から4号機までは40mほどだ。


35メートル型巡視艇・PC「よど」型

放水銃の放水方向や距離は、操舵室上の赤外線カメラと連動させつつコンピューターで自動調整され、マスト上の2基の放水銃は油圧駆動により水面から17メートルの高さまで延ばすことが出来ます。

●総トン数:125t
●主要寸法:全長37.0m×幅6.7m×深さ3.4m
●エンジン:ディーゼル2基ウォータージェット2基 出力:5200PS


福島第二原発は、第一と同様の津波被害を起こしていますが、
第二は14日までに炉心冷却システムを回復させています。
福島第二原発の被災後の写真、津波を被っているがポンプは無事だった


東電福島原発事故:人間能力の限界を超える危機連鎖続く 新ベンチャー革命2011316

1.東電福島原発老朽機、危機の連鎖止まらず

 2011年3月16日朝、東電福島第一原発の定検で運休中の4号機建屋から再び火災が発生したとのこと。放射能レベルが高すぎて、現場に近づけないようです。使用済み燃料プールの循環冷却が行われておらず、水温が上がりすぎて、燃料がむきだしになったと予想されています。

 まさに、第一原発は連日、危機の連鎖で対応不能となっています。一方、第二原発は、自衛隊の協力もあって、危機を脱しているようです、

 ほぼ同じ立地条件である福島第一、第二原発が、地震被災後、なぜこれほど差が出ているのか、非常に疑問です。第二原発の方が、第一より、10年後に建設されており、設備も技術も耐震設計もすべて、第二の方が第一より好条件であるのは確かです。

 第一原発の危機が続く根本原因は、地震外力被害よりも、周辺設備の津波冠水による機器故障です。非常用電源設備故障と非常用発電機の重油燃料タンクの破壊です。この意味で、第一原発の危機は、盲点を突かれたような恰好となっています。

 一方、第二も第一と同様の津波被害を起こしていますが、第二は14日までに炉心冷却システムを回復させています。また第一の5号機、6号機は話題にされていません。

 この事実から、第二にあって第一(とくに1号機から4号機)にない、なんらかの設備的差異があるようです。つまり1号機から4号機には、他機に比して、なんらかの安全対策上の不備があることを窺わせます。

2.東電原発BWRのマークTとマークUの比較

 東電のHP(注1、注2)によれば、BWR(沸騰水型原子炉)にはマークT、マークU、そしてマークU改良の3タイプがあります。今、危機に瀕している第一原発1号機、2号機、3号機、4号機はいずれもマークTという旧式です。この旧式原発マークTの特徴は、米国GEオリジナルタイプであるということです。マークTは、GEの設計図に沿って、GEの指導の下で東芝、日立が建設したものです。

 一方、マークU以降の原発は、東芝、日立中心で大幅改良された日本型タイプであると思われます。図面上からもマークTとマークUは大きく異なります。ということは、危機に瀕したマークT(1号機〜4号機)は危機に瀕するだけの技術上のなんらかの不備があるのではないでしょうか。

 さて、福島第一原発の航空写真によれば、5号機と6号機は1〜4号機の敷地とは独立しており、数100mの間隔があります。5号機はマークTですが、6号機はマークUです。この5号機、6号機は技術リーダーシップがGEから東芝に移行している過渡期の原発と思われます。そして、マークUは、東芝および日立主導の原発でしょう。

3.危機に瀕しているのは、GEオリジナルの老朽機のみ

 上記の分析から、結局、危機に瀕しているのは、もっとも旧い同じ敷地内の1〜4号機(GEオリジナル)に絞られます、つまり同じ第一原発でも5号機、6号機(1号機〜4号機の建設後のフィードバックにより改良されているはず)は危機に瀕していません。

 ちなみに、2007年7月16日、新潟中越地震に襲われた東電柏崎原発は設計地震外力の2〜3倍の地震を被災したのに致命的被害を受けていません。こちらは、福島第二よりさらに改良されています(モダナイゼーション)(注3)。

 なお、本ブログでは東電柏崎原発の耐震強度についてすでに、評価しています(注4)。こちらは津波を受けていないため、本来の耐震強度信頼性が発揮され致命的災害に至りませんでした。その実績が高く評価され、東電原発建設の重電メーカー・東芝が原子力推進者である世界的寡頭勢力の代理人・ビル・ゲイツ(元マイクロソフト会長)から注目されたわけです(注5)。

4.新潟中越地震被災経験を福島第一老朽機交換に活かさすヒマがなかった?

 2007年の新潟中越地震にて、東電は原発震災で大打撃を受けています。その復旧から立ち直ったのは2009年以降です。そのとき、東電経営者は、福島第一の老朽機対策検討の余裕がなかったのでしょう。2011年2月現在、柏崎原発で復旧しているのは、最新鋭のABWR7号機、6号機、そしてマークU1号機、マークU改良型5号機ですが、マークU改良型2、3、4号機はまだのようです。

 東電は柏崎7基完全復旧後、福島老朽機対策を検討する予定だったかもしれませんが、地震は待ってくれませんでした。不幸にも、もっとも耐震信頼性の弱い福島第一の1〜4号機に、よりによって、新潟よりもっと大きい地震が襲ったのです。さらに、想定されない大津波にも襲われたのです。

 しかしながら、想定されない地震と津波で原発が破壊されても、それは言い訳になりません。少なくとも、日本の太平洋沿岸立地のエネルギー・プラントはチリやスマトラ島の大地震・津波を想定して設計・建設すべきです。これが今回の地震被害の教訓です。

6.東京湾のエネルギー・プラント設計に大津波襲来は想定されていない

 筆者はIHI時代、東京湾に多数、立地するLNG(液化天然ガス)タンクの設計を担当していましたが、原発同様、耐震設計は行われています。LNGタンクの場合、地震波長周期成分により発生するスロッシング(液面が踊る現象)対策と、地震による液体層状化攪乱で起きうるロールオーバー(液化ガスの大量急速気化膨張現象でタンク内圧急上昇)対策が大変です。

 しかしながら、LNGタンク耐震設計に大津波襲来は想定されていません。タンク四周にはダイクという土手(タンク破壊でリークした貯蔵液を外部に出さないための土手)が設けられていますが、せいぜい3mの高さであり、10m規模の大津波は防げません。

 東京湾を含む地震多発地域の臨海エネルギー・プラントは10m級の津波用スーパー堤防と堤防内排水設備が必須となります。

ところで、福島第一原発の使用済み核燃料貯蔵プールは地震によるスロッシング対策はなされているのでしょうか。上記、福島第一原発4号機(地震時、運転休止中だった)の火災の原因はプールの冷却水不足のようです。上記プール内に水があるのかないのか、監視カメラもついていないのでしょうか、それとも遠隔監視システムも破壊されたのでしょうか、あるいは単にその電源が使用不能なのでしょうか。被災現場は4号機火災に、まるで成り行きまかせのようです。

 福島第一原発の現場関係者はあまりの危機連鎖に、もう思考停止の状態のようです。人間の能力の限界に来ているようです。



(私のコメント)

昨日の福島第一原発は、現場の放射線の値が大きくて近づけない状況にあるようだ。夕方自衛隊のヘリから放水しようとしましたが、放射線が強くて引き揚げてしまった。地上からの高圧放水車の放水も行なわれるのだろうか? 午前9時48分にヘリからの放水が行なわれたようですが、4回ほどで引き揚げたようです。警察の高圧放水車の放水はまだのようですが、現場の放射線の値はどうなっているのだろうか?

現場の放射線の値が大きくなっているのは、使用済みの核燃料がプールに保管されていますが、加熱されて水がなくなり、水素が発生して火災と爆発が起きて、屋根と壁を壊してしまったために放射線が直接出ているのだろう。水で冷やせば使用済み核燃料は安全になるのでしょうが、水がなくなり露出して過熱しているようだ。テレビの解説ではよく分からない。

テレビの解説者は、東大や京大の原子力の専門家ということでしたが、当初は使用済みの核燃料の危険性を何も指摘していなかった。各原子炉の内部には使用済み核燃料の保管プールがあるそうですが、その仕組みも解説されていなかった。なぜ最初から危険性を専門家たちは指摘できないのでしょうか? 現場の東京電力の社員はパニック状態になり、成り行きを見るしかなくなっている。

昨日から現場の放射線の値が発表されなくなりましたが、使用済み核燃料が露出してしまっているのだから放射線が直に外に出てしまっている。コンクリートの壁も一部損壊しているからだろう。テレビの解説では原子炉内部の隔壁容器の事ばかり言っていましたが、使用済み核燃料の方が屋根が吹き飛んで燃料棒が一部出ているのだろう。これでは現場に近づけない。

警察の放水車は4000リットルの水が入るそうですが、放水は出来るのだろうか? 最後の頼みは外部電力の復旧ですが、復旧できればポンプや制御機器が動けば事態は好転しますが、まだ分からない。だから電源が復旧するのを待つしかないのだろう。

新ベンチャー革命の筆者も、IHIのエンジニアだった人であり、LNGプラントの設計者だった人のようですが、東京湾岸の各種プラントの安全性にも疑問を指摘しています。原子力発電プラントのみならず各プラント工場の安全性は指摘しても、当事者は安全だというばかりで市原の石油プラントも火災事故で大爆発している。原因はよく分からない。

新ベンチャー革命でも指摘しているように、事故を起こしているのは福島第一原発の1号機から4号機までであり、5号機と6号機は何とか無事だったようだ。この違いはどこにあるのだろうか? 1号機から4号機はGE製の原子炉であり、安全対策にもともと問題点が指摘されていて、廃炉にすべきものだった。しかし東京電力は安全対策をしないまま10メートルを超える大津波がやってきた。

冒頭の写真は福島第二原発の写真ですが、津波で被害を受けましたが何とか機能は維持しています。これらのマークU型原子炉は日立と東芝が建設したものですが、システム全体が日本の地震対策など施されているのでしょう。だから福島第一原発は老朽化して廃止すべきものだったのです。40年以上も経っていれば配管も薄くなってしまって、どこから漏れ出すか分からない。

国会ではこのような原発の安全性に議論がなされてきたはずですが、安全だということで突っぱねられてしまっている。確かに最新型の原発は安全なのでしょうが、40年前の原子炉は明らかに危険だった。テレビの専門家の解説でも1号機から4号機まではGE製の設計で作られていることが指摘されていない。

2007年の柏崎原発の中越地震では設計値の3倍の地震でも壊れませんでしたが、それだけ耐震性が考慮されていたのでしょう。問題の根本原因は老朽化した原子炉を使い続けてきたことに問題があり、昨日も上げた老朽化原発は廃炉にすべきでしょう。福島第一原発と第二第二原発とではアメリカ製と国産の違いが明らかにあります。GEも以前から老朽化した原発は危険と言っていたようですが、東京電力はそれを無視して採算ばかりを重視したのでしょう。

自衛隊のヘリからの放水が僅かな期待ですが、やはり最後は自衛隊頼みだろう。警察の放水車の放水は11時を過ぎても行なわれていませんが、命がけの作業は警察官では無理であり、軍人でなければ命がけの作業が出来ない。経済産業省の保安院の高級官僚たちは、現場のことが分からず原子炉のことも知らない。ただ官僚というだけで霞ヶ関で優雅な生活をしているようだ。




放射能まみれになってしまった原発は、(止めても)発電しているときと
同じように監視し、管理をし続けなければならないのです。平井憲夫 


2011年3月16日 水曜日

手前が三号機、向こう側が四号機、建物部分に穴が開いている!


16日午前中の福島第一原発の様子の写真。
3号機と2号機から水蒸気が立ち昇っている。


原発がどんなものか知ってほしい(全) 平井憲夫

廃炉も解体も出来ない原発

 一九六六年に、日本で初めてイギリスから輸入した十六万キロワットの営業用原子炉が茨城県の東海村で稼動しました。その後はアメリカから輸入した原発で、途中で自前で造るようになりましたが、今では、この狭い日本に一三五万キロワットというような巨大な原発を含めて五一の原発が運転されています。

 具体的な廃炉・解体や廃棄物のことなど考えないままに動かし始めた原発ですが、厚い鉄でできた原子炉も大量の放射能をあびるとボロボロになるんです。だから、最初、耐用年数は十年だと言っていて、十年で廃炉、解体する予定でいました。しかし、一九八一年に十年たった東京電力の福島原発の一号機で、当初考えていたような廃炉・解体が全然出来ないことが分かりました。このことは国会でも原子炉は核反応に耐えられないと、問題になりました。

 この時、私も加わってこの原子炉の廃炉、解体についてどうするか、毎日のように、ああでもない、こうでもないと検討をしたのですが、放射能だらけの原発を無理やりに廃炉、解体しようとしても、造るときの何倍ものお金がかかることや、どうしても大量の被曝が避けられないことなど、どうしようもないことが分かったのです。原子炉のすぐ下の方では、決められた線量を守ろうとすると、たった十数秒くらいしかいられないんですから。

 机の上では、何でもできますが、実際には人の手でやらなければならないのですから、とんでもない被曝を伴うわけです。ですから、放射能がゼロにならないと、何にもできないのです。放射能がある限り廃炉、解体は不可能なのです。人間にできなければロボットでという人もいます。でも、研究はしていますが、ロボットが放射能で狂ってしまって使えないのです。

 結局、福島の原発では、廃炉にすることができないというので、原発を売り込んだアメリカのメーカーが自分の国から作業者を送り込み、日本では到底考えられない程の大量の被曝をさせて、原子炉の修理をしたのです。今でもその原発は動いています。

 最初に耐用年数が十年といわれていた原発が、もう三〇年近く動いています。そんな原発が十一もある。くたびれてヨタヨタになっても動かし続けていて、私は心配でたまりません。

 また、神奈川県の川崎にある武蔵工大の原子炉はたった一〇〇キロワットの研究炉ですが、これも放射能漏れを起こして止まっています。机上の計算では、修理に二〇億円、廃炉にするには六〇億円もかかるそうですが、大学の年間予算に相当するお金をかけても廃炉にはできないのです。まず停止して放射能がなくなるまで管理するしかないのです。

 それが一〇〇万キロワットというような大きな原発ですと、本当にどうしようもありません。

「閉鎖」して、監視・管理

 なぜ、原発は廃炉や解体ができないのでしょうか。それは、原発は水と蒸気で運転されているものなので、運転を止めてそのままに放置しておくと、すぐサビが来てボロボロになって、穴が開いて放射能が漏れてくるからです。原発は核燃料を入れて一回でも運転すると、放射能だらけになって、止めたままにしておくことも、廃炉、解体することもできないものになってしまうのです。

 先進各国で、閉鎖した原発は数多くあります。廃炉、解体ができないので、みんな「閉鎖」なんです。閉鎖とは発電を止めて、核燃料を取り出しておくことですが、ここからが大変です。

 放射能まみれになってしまった原発は、発電している時と同じように、水を入れて動かし続けなければなりません。水の圧力で配管が薄くなったり、部品の具合が悪くなったりしますから、定検もしてそういう所の補修をし、放射能が外に漏れださないようにしなければなりません。放射能が無くなるまで、発電しているときと同じように監視し、管理をし続けなければならないのです。 

 今、運転中が五一、建設中が三、全部で五四の原発が日本列島を取り巻いています。これ以上運転を続けると、余りにも危険な原発もいくつかあります。この他に大学や会社の研究用の原子炉もありますから、日本には今、小さいのは一〇〇キロワット、大きいのは一三五万キロワット、大小合わせて七六もの原子炉があることになります。

 しかし、日本の電力会社が、電気を作らない、金儲けにならない閉鎖した原発を本気で監視し続けるか大変疑問です。それなのに、さらに、新規立地や増設を行おうとしています。その中には、東海地震のことで心配な浜岡に五機目の増設をしようとしていたり、福島ではサッカー場と引換えにした増設もあります。新設では新潟の巻町や三重の芦浜、山口の上関、石川の珠洲、青森の大間や東通などいくつもあります。それで、二〇一〇年には七〇〜八〇基にしようと。実際、言葉は悪いですが、この国は狂っているとしか思えません。

 これから先、必ずやってくる原発の閉鎖、これは本当に大変深刻な問題です。近い将来、閉鎖された原発が日本国中いたるところに出現する。これは不安というより、不気味です。ゾーとするのは、私だけでしょうか。(後略)



原発の老朽化 2004年8月28日 数学屋のメガネ

今までなら運転停止の対象になったはずの「老朽化」が心配される原発は日本に9基あるらしい。次のものだ。

 電力会社    原発名      運転開始
日本原子力発電  敦賀原発1号   70年
関西電力     美浜原発1号   70年
東京電力     福島第1原発1号 71年
関西電力     美浜原発2号   72年
中国電力     島根原発1号   74年
東京電力     福島第1原発2号 74年
関西電力     高浜原発1号   74年
九州電力     玄海原発1号   75年
関西電力     高浜原発2号   75年

このように初めてのことを経験する、先を行く者にとっては、先の予想はかなり難しい。桜井さんは、「美浜3号機であれほど減肉が進むとは、専門家さえ思っていなかったはずだ」と語っている。また「老朽化による影響は予測が難しく、検査していない部分の亀裂や想定以上の減肉があり得る」とも語っている。そうであれば、かなりの検査が必要になるということになるだろう。

「マル激」のゲストの槌田さんは、多く見積もれば(本当に安全だと言えるためには)6000カ所くらいの検査が必要だと言っていた。これだけの検査をするには1年くらいかかるし、コストを考えれば新しく造ってしまった方が安いかもしれないなどとも言っていた。6000カ所検査をしても、それは全部検査しているのではないから、検査漏れをするところが出てくるだろうから、本当に新しく造ってしまった方がいいのかもしれない。(後略)



(私のコメント)

私自身は、原子力発電の専門家でもないから、今回の福島原発の災害事故ではじめて知るようなことが多いのですが、昨日の休止中の4号機の火災には驚いてしまった。平井氏の記事を見れば分かるように、原発の燃料棒は停止中であっても熱を発し続けて、常に冷却水を循環させておかなければならない。

テレビに出ている専門家たちは、電力会社の回し者であり、大学教授という肩書きに疑問を感じざるを得ません。はたして休止中の4号機に対する注意を誰か指摘しただろうか? 電気が止まってしまっているのだから、保管プールに保管してある燃料棒も、常に熱を出して冷却しなければなりませんが、冷却水が止まってしまっているために過熱して水素を発生して火災を発生させたようだ。

昨日の株式日記でも書きましたが、海水を注入し続けていれば、原子炉の熱で弁などが塩で動かなくなる危険性があります。海水がなかなか注入できないというのは、内部の気圧のせいと解説されていますが、弁が塩で固着してしまったからではないだろうか? だから東電の下請けの社員が手で塩を取り除いているのかもしれません。

4号機付近は、放射線が強くて近づけないそうですが、放置していたら危険だ。何とか電力を福島原発に送れるようにして、機能を回復させなければなりませんが、福島の電力の回復はまだなのだろうか? 海水を使うのは応急措置であって早く冷却水を循環できるようにしなければなりません。テレビなどを見ても要領を得ない解説ばかりで、肩書きだけの専門家なのだろう。

今回の東日本大震災は、地震そのものの被害よりも津波による被害が圧倒的だ。テレビなどでは1000年に一度だといっていますが、10メートルを超えるような津波は100年に一度は来ている。明治三陸大津波では、今回の津波と同じ程度の大津波だったようだ。だから福島原発でも大津波の災害対策は打たれているものと思っていた。

しかし13日の株式日記でも指摘したように、海水揚水ポンプが海水面近くに並んでおり、それが津波でみんなやられてしまった。ジーゼル発電機も津波が来るまでは動いていたが、津波をかぶって停止してしまった。女川原発では津波対策で高台だったから発電機は何とか無事のようだ。福島第二原発も揚水ポンプが屋内にあって、何とか助かったようだ。福島第一原発は露出していて津波を被ってしまった。

福島第一は、1971年に作られた古い原発であり、とっくに耐用年数が切れている。だから防災対策のおざなりであり、福島第二と同じように屋内に揚水ポンプを設置していれば最悪の事態は避けられたかもしれない。私自身は原発反対派ではなく、どちらかといえば賛成派であり原発やむなし派だ。つまり原発の危険性を認識しながら原発を安全に運用すべきだという考え方です。

しかし東京電力の「原発は安全だ」というキャンペーンはいただけない。現に浜岡原発もかなり危ないようだ。だからあらゆる安全対策は打たれなければなりませんが、電力会社は採算重視で安全対策は後回しだ。平井氏の論文を見ても、原発の現場は平時でも危機的な状況にあります。優秀な人材が確保できていない。

私自身は、電気工事士でありボイラ技師であり高圧ガス管理士であり消防設備士であるので、コンピュータセンターの設備の管理業務をしていました。しかし保険会社も採算重視で管理費用を削ってきているので設備管理会社でも、多くの人材を下請けに丸投げしています。下請けや派遣社員になると頭数をそろえるしか意味がなくなり、本来の業務は僅かな正社員がやらなければならない。電気工事士の資格もない設備員では危なくてなにをするか分からない。

私がいた時は何の事故も起きずに平穏だった現場が、私が他の現場に転勤した後はトラブル続出でコンピューターセンターを止めてしまった事故もあった。僅かな数字の変化で設備の異常を見つけ出すのは有能な設備士でなければ出来ない。福島原発でも未然に四号機の事故は防げた可能性がありますが、それを指摘できるような人材がいないのでしょう。

平井氏の論文を読んでも、原子力発電の事業はお先真っ暗だ。原子力発電所を作るにしても、信頼のできる職人がいなくなってしまった。ベテランの溶接屋は30代で目をやられて新米が溶接することになる。針金一本落ちても大変な事故の元になる。新興国で作られる原子炉はとても心配になる。いったん事故が起きれば誰が対処するのだろう? 

昨日も街に出てみたら、スーパーの棚から商品がなくなり、大手家電量販店では電池が品切れになっていた。ガソリンも買占めが始まっているらしい。原発事故や計画停電で人々は買いだめに走っているのだろう。オイルショックのときのトイレットペーパー買占めと同じですが、人々の不安が高まっているのだろう。アメリカの原子力空母艦隊も日本海のほうに逃げてしまった。アメリカ軍には核対応部隊があるはずですが、どこにいるのだろう?



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