株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


投資家のポートフォリオの組み替えが起きている。新興国株売り、米国
株式ファンドへの資金流入と債券売り、金価格の下落、等である。武者 陵司


2011年2月15日

米独日に吹くグローバリゼーションの順風 2月15日 武者 陵司

急速な資金シフト、債券から株へ、新興国から先進国へ

2011年に入って以降、大規模な資金シフト、投資家のポートフォリオの組み替えが起きている。

 新興国株売り、米国株式ファンドへの資金流入と債券売り、金価格の下落、等である。昨年秋口までの、世界デフレシナリオの下で債券が買われ続けた局面からの大転換である。


 その背景に世界経済のリスク観の二極化がある。

 新興国でのリスクテイクが過多となる一方、先進国ではリスク回避過剰というコントラストが鮮明である。特に中国ではインフレ加速とバブルの増大により、経済拡大の持続性が不安視され始めた。大半の新興国では景気の過熱とインフレ、資産バブルなどによって金融が引き締められるなど、成長隘路が顕在化している。

 他方先進国、中でも中核の米独日は企業部門の調整、家計の貯蓄上昇、資産価格下落など、経済調整が万端であることに加えて、需要と雇用の停滞から金融は超緩和の状態にある。

 米国の新金融緩和QE2は新興国への資金流入・新興国の通貨高→新興国の引き締め、という形で新興国の経済運営を困難にしている。

 2011年は調整万端の先進国、特に米独日に再び脚光があたり、先進国の株高・資産高が新規需要に結び付いていくだろう。

グローバリゼーション観の修正

 こうした展開は常識的グローバリゼーション観の修正を求めるものである。

 グローバリゼーションつまり国際分業とは通説のように「新興国の飛躍と先進国の停滞」ではなく、双方の発展であるはずである。

 国際分業において新興国はチープレーバーを提供するが、それのみでは経済は成り立たない。先進国が提供する技術、資本、経営ノウハウ、マーケティングが同様に成長に必須の資源である。従ってグローバリゼーションの恩恵も当然新興国のみならず、先進国においても享受されるべきものである。

 新興国では労働賃金上昇、生活水準の急上昇が起こっている。他方先進国ではグローバリゼーションが企業利益を増加させている。リーマン・ショック後、米国企業の過去最高利益への急回復、大幅円高下での日本企業収益の急回復はグローバリゼーションのたまものである。

先進国の景気は企業利益と株高が起点に

 先進国はいかにしてグローバリゼーションの果実を需要に転化するのか。

 (1)株高・資産効果、(2)先進国での知識集約投資、(3)世界レベルの知能への高給待遇、(4)先進国の生活レベルアップとそれを支える関連産業(サービス)など、多様な経路が考えられるが、それはこれからの挑戦である。

 明白なのは、先進国景気拡大のエンジンが、企業収益の拡大とその結果としての株高にあるということである。

先進国が牽引するグローバリゼーションの新段階

 グローバリゼーションのこれまでの展開を振り返ると、明確な段階を経てきたことが明らかとなる。

 第1段階は米国の需要爆発と中国の離陸(2000年から2007年)。先進国、特に米国への資金集中と低金利により資産価格が上昇しバブル景気が現出され、中国は対米輸出急増により経済離陸を果たした。

 第2段階はバブル崩壊と新興国需要の急増(2007年から2010年)。米国のバブル崩壊が世界需要を急減させ、中国の財政出動・米国の超金融緩和が打ち出された。資金は新興国へと集中し新興国の成長加速、バブル化、インフレ化、と推移してきた。

 そしてこれからは第3段階、先進国への回帰(2011年からの展開)が始まるのではないか。グローバリゼーションの果実の先進国への配分により、先進国での新たな需要拡大循環に帰結するのではないか。


 我々は依然、グローバリゼーションの強い順風を受けている。


(私のコメント)

株式投資は常に先を見ながら投資しなければなりませんが、新興国への投資ブームはそろそろ曲がり角に来ているようだ。具体的に言えば中国などのような新興国に投資すれば、グローバル企業が中国の安い人件費やコストに引かれて製造拠点を移してくる。中国の株価は数倍にも値上がりしてアメリカの投資ファンドは利益を上げてきた。中国のバブル崩壊は前から何度も予想されてきましたが、梃入れによって盛り返してきた。
 
54兆円の公共投資や人民元のドル固定化で景気は何とか回復してきましたが、インフレが激しくなってきて人件費やコスト高が直撃するようになりました。2007年まではアメリカの株高や消費景気で中国の輸出は絶好調でありアメリカのグローバル企業も儲かって米中は経済同盟関係は絶好調に達した。中国と同じく他の新興国も投資ブームに沸いて世界的なバブル経済となった。
 
しかしアメリカでバブル崩壊が起きてリーマンショックで、金融中枢であった投資銀行が致命的な巨額損失を出して流れが大きく変わり始めた。中国の財政出動とアメリカの金融緩和で新興国はインフレに見舞われるようになった。ドバイやアイスランドやギリシャの経済破綻は新興国への金の流れを変えるものであり、先進国に金の流れは逆流を始めた。エジプトのように新興国には政治的なリスクがあり、気がついたときには遅すぎる。
 
武者陵司氏と言えば株をやっている人なら知らぬ人がいないほどの有名人であり逆指標を出すことで有名だ。株価予想が当たれば経済評論家をしているよりもファンドを直接経営したほうが儲かりますが、当たらないから経済評論家でいるとも言える。経済評論家でも今まで何度も日本は今年こそ景気回復するという予想を立てた人がいましたがみんな外れた。
 
株価は予想できるものではなく、奥の院がどのような考えを持っているかを見抜いたほうが株価を予想しやすいのではないかと思う。80年代には奥の院は日本のバブルを潰して中国に投資をすることに決めた。日本を円高にして中国の人民元を切り下げて日本の金が中国に流れるように仕組んだ。日本企業も円高に悲鳴を上げて工場を中国に移転して利益を上げるようになった。その結果日本は20年間の不況に苦しんでいる。
 
しかし中国への投資もそろそろ限界が来たと奥の院は見ているだろう。インドやブラジルへの投資も中国と同じような状況に来ている。中国やインドやブラジルの経済成長は自立的なものではなく先進国からの投資によるものであり、資金と技術が提供されれば新興国の経済成長は可能だか、それが止まれば破局する。新興国は安い人件費とコストが提供できなくなれば外資は出て行ってしまう。
 
中国は13億人以上の巨大国家であり、人件費が上がることは考えられなかったことですが、それでも人件費の高騰が起きてしまった。失業者が溢れかえっているのに人件費が上がるのは不思議ですが、単純労働者は失業者で溢れかえっているが、コンピューターを扱えるような高度な労働者の賃金は天井知らずだ。日本でも派遣労働の賃金は新興国並みに下がっていくし、優秀な人材は青田買いで引っ張りダコだ。
 
新興国も経済成長で所得が上がれば先進国型の経済に転換しなければなりませんが、中国やインドやブラジルは可能だろうか? 中国はあと10年くらいでアメリカを追い越すという予想までありますが、外資に頼らずに経済成長を持続できるのだろうか? その為には高度な人材を養成しなければならないし、研究開発でも世界の最先端に立つ必要がありますが、韓国ではサムスンなどが外国から人材をスカウトして技術開発させている。
 
奥の院は果たして中国をアメリカを追い越すような先進国になれると見ているのだろうか? 外資だっていつまでも技術や資本を提供してくれるわけではない。アメリカもいつまでも中国に暖かく見てくれるわけではなく、時期が来れば日本にしてきたような収奪にかかるときが来る。そのとき中国は軍事力で威嚇してくるだろう。そのときは数年以内にやって来る。必ずしもアメリカが勝つとは限らない。アメリカは落ち目であり中国は上り坂だ。日本はどちらが勝つか見極めて勝つほうに付くべきだ。
 
日本はアメリカに対しても中国に対しても巨額な投資をしていますが、どちらも日本の技術と資本を必要にしている。アメリカも中国も通貨の切り下げ合戦をして、日本は円高のとばっちりを受けていますが、円高にも拘らず経済は何とか持っているのは奇跡に近い。通貨安政策は目先的にはいいのでしょうが、インフレが襲い掛かってくればダメージは大きい。そうなれば金利の急騰は避けられない。
 
そうなれば奥の院は、堅実なドイツや日本に投資を向けるだろう。そうなるかどうかは中国やアメリカの動向にかかっていますが、通貨安政策はブレーキが利かなくなりやすく、いったん信用が無くなればそこでおしまいだ。武者氏は先進国への回帰を予想していますが、問題はその時期だ。
 




民衆の力によってわずか18日間で暴虐の独裁政権が崩壊した今回のエジプト
革命から、中国の民衆が「不可能なことはない」という啓発を受けている


2011年2月14日

エジプトの勝利に中国人が歓喜 「春よ、中国にも早く!」2月13日 大紀元

【大紀元日本2月13日】ムバラク大統領が辞任したことで、18日間のエジプト反政府運動が幕を下ろし、民衆の力で独裁政権を崩壊させた民主運動が勝利した。その影響は早くも北アフリカのほかの国にも波及し、12日、アルジェリア、イエメンでも反政府デモが発生したという。

 一方、独裁体制や、腐敗と官民対立の社会状況がムバラク統治下のエジプトと最も近似する中国では、当局はエジプト民衆運動の火が中国にも飛ぶ危険に警戒している様子を見せている。中国国営報道機関は12日、エジプトの情勢を報道しているが、ムバラク氏の辞任や政権移行への要求にとどまり、エジプト民衆の大規模抗議には触れていない。各ポータルサイトや地方メディアも新華社報道記事の転載一色で、エジプト関連記事のコメント欄を閉鎖しており、エジプト情勢についてのネットユーザーの発言も禁じている。

 「民主万歳!」−ネット閉鎖との戦いを続ける発言者

 しかし、中国人ネットユーザーはあらゆる方法を駆使してエジプト民主運動の勝利にエールを送っている。エジプト民衆の勝利に感激し、「人民万歳!民主万歳!」「2012年は世界の終わりではなく、独裁者の終わる日だ」などの発言がネット上で飛び交っている。

 掲示板発言が最も活発なことで人気を博しているポータルサイト・網易では、エジプトの関連記事の発言欄が閉鎖されているが、12日午後からエジプト情勢の影響を受けて反政府デモが起きているアルジェリアの報道記事へのコメント欄は一時的に開放された。ネットユーザーらがこの短い開放時間を利用して、エジプト民主運動についての感激と民主への期待を熱く語っている。

 午後3時ごろに開放されたアルジェリア情勢に関する報道記事への発言欄は、夕方には閉鎖されたが、閉鎖される前に残された184個の発言記録から見ると、9割以上の発言はエジプト民衆にエールを送っている。次はその一部の翻訳。

 ―民主万歳。早くこっちに広がって来てね(上海市・Ritama)

 ―2012前、世界人民、覚醒(山東省・IP:112.246**)

 ―ドミノが来た(上海市浦東新区河蟹・Wait−and−see)

 ―いつこのコメント欄が閉鎖されるのか見ているよ(浙江省??市・マラガビ)

 ―いいモデルを見せてくれてありがとう(深セン市・抱烏亀寝る)

 ―この世界がやっと救われるのだ(上海市松江区・6689)(中略)

 ミイラは兵馬俑を蘇らせるのか

 一方、国内の発言は禁止されているため、ネット閉鎖を突破して海外中国語メディアのサイトに発言を投稿する中国人ネットユーザーもいる。BBC中国語サイトの発言欄で、「エジプトの独裁者も舞台から降りたから、中国人の私たちは傍観するわけにはいかない」「エジプトのインフレは中国と比べたら大分よいほうだわ。ムバラクの奥さんや息子も中国高官の家族よりずっと清潔だ。ムバラクさん、中国にいらして総理になってください」など、中国共産党政権の腐敗を皮肉る発言も見受けられる。

 CTスキャンと称する中国人ネットユーザーがBBCの中国語サイトで、「エジプトのミイラは、中国の兵馬俑を蘇らせることができるのか。中国大陸の民衆はどんな啓発を受けたのか。北京中南海のチンピラたちはきっと寝食ともに不安でたまらないだろう」と書き込みを残している。

 貴州省と山西省の人権活動家・陳西さんとケ太清さんは、エジプト民衆の勝利は中国民衆に独裁者と抗争する勇気を与えていると見ている。「80年代の東ヨーロッパの変革や、今日の北アフリカの民主革命、いずれも人民の利益を無視する独裁政権への反動。これからの中国でも同じ変革が起きるだろう。中国人民が共産党政権を見捨てる日は近づいていると思う」

 北京市で人権活動に従事している民間団体「陽光公益」の創始者・劉安軍さんは大紀元記者の取材に、エジプトの事件はすでに多くの中国人に反省をもたらしていると話した。「エジプトさえもこのよう(独裁崩壊)になったら、中国はどうすればいい?中国ではいつ民主が実現できるのか?どんな方式で?民主運動活動家やら、民主意識を持つ党内の高層幹部やら、みなエジプト情勢について話が盛り上がっている。一部は、エジプト人民と同じく街頭に出て理性的な抗争を取るべきだと考えているが、一部は、エジプトの軍隊は独立しており、中国とは本質的に異なっていると考えている」と劉さんは言う。エジプト民衆の勝利に励まされているが、中国共産党政権は世界でもっとも残酷で、詐欺性がもっとも高い独裁者であるため、このような独裁者に対してどんな行動を取るべきなのか、劉さんは憂慮している。

 いずれにしても、民衆の力によってわずか18日間で暴虐の独裁政権が崩壊した今回のエジプト革命から、中国の民衆が「不可能なことはない」という啓発を受けているのは間違いないだろう。


(私のコメント)

テレビのニュースでは民主革命が起きたチュニジアからの亡命者が3000名以上がイタリアに逃れているそうです。独裁者がいなくなった後は政治的混乱が待っている。民主主義の基盤が無いから独裁者がいなくなれば新たなる指導者を作るノウハウを持っていないからだ。選挙はあっても形式的なものであり、民主的な選挙で議員を選ぶだけのシステムが無い。どさくさに紛れて暴徒が荒らしまわって、警察や軍隊は機能しなくなる。
 
エジプトも今のところは軍が軍政をしいていますが、今度は軍と民衆とが衝突を始めるようになるだろう。30年前のイラン革命を見れば大体の今後の展開が読めてくる。アメリカ政府の過剰な口先介入がありますが、エジプト軍はアメリカの援助で兵器も人材の養成もアメリカ製だ。ムバラク大統領の追放も軍が大統領の言うことを聞かなかったから起きたことであり、民衆のデモはその背景に過ぎない。
 
おそらく軍の中から大統領が出てくるのでしょうが、韓国もクーデター騒ぎの中から主導権を持ったものが大統領になった。それが出来なければイスラム宗教組織が政権を握ってイスラム国家になるかもしれない。おそらく軍が政権を掌握して軍人の中から大統領が選ばれて、韓国のように経済発展に全力を注げば安定するかもしれませんが、それだけの基盤があるだろうか?
 
ムバラク独裁体制は30年続きましたが、中国は60年共産党独裁政権が続いている。独裁政権が長く続けば政権の腐敗が大きくなって国民の不満が高まりますが、警察や軍の力でそれを抑え込む。ソ連崩壊も結局は軍が中立を保って共産党政権は倒れましたが、中国の今後は中国の軍部がどう動くかにかかっている。経済成長が続いている間は共産党政権は何とか持つでしょうが、成長が止まれば国民と軍部の不満が高まってソ連崩壊と同じような事が起きるだろう。
 
大紀元の記事を見ても国民の不満は高まっていますが、経済成長が続く限りは軍部も政権を支持するだろう。しかしそれが崩れれば、エジプトのように大群衆のデモが起きて軍部は中立を保って共産党政権は崩壊するだろう。ソ連崩壊では経済は混乱して中央アジア諸国は独立した。中国もチベットやウイグルなどで分離独立の動きが出るだろうし、各地方の軍閥も独立するかもしれない。
 
エジプトも昨日書いたように食料の値上がりが国民の不満の爆発の原因となりましたが、中国でインフレの拡大が問題になってきている。アメリカでドル札を印刷して世界にばら撒いているからですが、中国が一生懸命にドル買いしてインフレを国内に呼び込んでしまっている。おかげで名目経済成長率が高まり中国は日本を追い抜いて世界第二位の経済大国になりました。
 
オバマ大統領は輸出の拡大で失業救済をしようとしていますが、中国への輸出を期待している。しかし中国は人民元を安く固定して輸出を拡大して輸入を最小限にしようとしている。しかし石炭、石油、鉄鉱石など中国はこれから大量の輸入をしなければ経済成長は持続しない。オーストラリアは中国への資源輸出で大いに潤っていますが、アメリカの製造業は空洞化して輸出で経済成長は難しいだろう。
 
エジプトのムバラク大統領は30年の独裁で、巨額の蓄財をしてスイスに5兆円も貯め込んでいると言う事ですが、中国の共産党幹部もスイスやタックスヘイブンに汚職で稼いだ金を蓄財しているそうです。独裁者はいつでも国外亡命できるように財産を国外に持ち出して蓄財している。共産党幹部たちは子息をアメリカやカナダに留学させて国籍を取らせていつでも亡命できるようにしている。だから中国の政権崩壊も時間の問題でもあるのですが、いつになるかは分からない。
 
大紀元に記事にもあるように、中国はネットを規制して言論の自由が無い。言論に自由が無いところで企業の経済活動に影響があるのは当然ですが、中国の経済成長を支えているには外資系企業であり輸出の大半が外資が稼いでいる。だからネットを規制しても経済成長は可能なのですが、自立的な経済成長には言論の自由が無ければ技術開発も進まずコピー商品ばかりが氾濫することになる。
 
中国が人民元の切り上げを避けているのは外資が国外に逃げるのを防ぐためであり、それが自立的な経済発展を阻害している。しかしインフレで人件費が上がり資材コストも上がって中国は競争力を失ってきている。金利などを上げてインフレを抑えようとしていますが、いつかは限界が来る。中国の政権崩壊はエジプトのように突然やってくるだろう。




FRBは日本円換算で毎月平均10兆円前後の資金を長期国債購入に振り向け
ている。その資金の一部が株式市場と商品先物市場での投機に転用される。


2011年2月13日

ドルの洪水が世界に騒乱を引き起こす 2月9日 田村秀男

グローバル化されたこの世では、グローバルに因果がめぐる。そう感じたのは、ほかでもない。混沌(こんとん)としたエジプト情勢である。ムバラク長期政権に対する民衆の不満が爆発したわけだが、その底流にはインフレ圧力の高まりがある。エジプトは不況続きで需要不足なのになぜ物価が騰貴するのか。

 答えは、米連邦準備制度理事会(FRB)が発行する巨額のドル資金の一部が原油や穀物など商品市場に大量の投機資金として流入することにある。その結果、国際商品価格が高騰する。国際商品が値上がると、輸入コストが大幅に上昇し、国内の消費者物価を押し上げる。インフレが社会不安の火種になるのはエジプトばかりではない。中東・北アフリカも中国もそうだ。米国はドル札の大量発行で株価を引き上げることにより、消費者心理を好転させて景気底入れに成功しつつあるが、世界の基軸通貨ドルの急激な量的拡大は、世界に思わぬ異変を引き起こすのだ。

 ■中東政変の遠因に

 国際通貨基金(IMF)統計によれば、国際商品価格総合指数は2010年後半から騰勢を強め、最近では前年比で20%以上に達している。世界の地域別に消費者物価指数と国際商品価格の動向をさぐってみると、国際商品価格に最も敏感に反応するのは中東・北アフリカとサハラ以南のアフリカである。例えば08年、商品価格は前年比28%上昇したが、この両地域の消費者物価は15%跳ね上がった。アジアの発展途上国・地域平均は7.8%、先進国全体は3.4%にとどまった。(グラフ参照)

 08年3月には、サブプライム・ローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)危機のあおりで経営破綻した米証券大手のベアー・スターンズ救済のためにFRBが投じた資金の一部が商品投機に回った。原油、穀物価格は高騰したが、金融不安はこの年9月さらに「リーマン・ショック」に発展し、商品相場は暴落した。日米欧や中国など新興国での物価下落は激しく、デフレ圧力にさらされた。

 対照的に、エジプトの場合、リーマン後も物価上昇率は10%台のまま推移している。失業率も9%以上と高いままで、いわば不況下のインフレ、つまり「スタグフレーション」のままだ。同じ独裁政治のチュニジアの政変がエジプトの民衆を駆り立てるだけの経済的背景は十分あった。

 ドル資金の垂れ流しが商品投機を助長し、それが世界的な物価高騰を招くという08年前半の教訓からすれば、今回の危機ははるかに深刻になる恐れが強い。というのは、FRBの量的緩和政策は当時とは比較にならないほど大規模である。FRBは日本円換算で毎月平均10兆円前後の資金を長期国債購入に振り向けている。その資金の一部が株式市場と商品先物市場での投機に転用される。もとよりFRBは株式市場への資金流入は米国民の富を回復するとみて、後押しする姿勢を示してきた。

 米国の個人金融資産は10年9月末、08年12月末比で4兆5000億ドル増えた。増加分の実に7割が株式と投信の保有合計額の膨張分3兆1430億ドルが占める。つまり、株価の値上がりで、米国の家計は日本円換算で300兆円、日本のGDPの6割相当ほど富を回復したことになる。米国の全世帯の半数がこの恩恵にあずかるのだから、もとより消費好きな国民性の米国人のこと、財布のヒモを緩めるのも無理はない。

 ■米景気回復の代償

 米景気回復の代償はしかし、国際商品相場を通じて世界に向けてつけ回しされる。中国、インドなど新興国は流入する余剰ドルを吸収するために通貨を発行し、国内景気を拡大させ、石油や食糧の需要は世界的に拡大する傾向にある。米景気は復調し、原油などの実需が上昇するという投資ファンドの思惑が強まるから、投機が投機を呼ぶ。であれば、政治社会不安は今後、政治体制のひずみが鬱積している中東やアフリカなどで頻発する可能性は十分あり、チュニジア、エジプトはその前触れに過ぎないとも言える。

 共産党独裁の中国も決して例外ではない。08年3月のチベット騒乱の原因の一つはやはりこの地域でのインフレだった。当時、チベットの食料品は30%以上も値上がっていたといわれる。現在、中国全体では消費者物価指数が年率5%に達している。胡錦濤(こ・きんとう)中国共産党指導部は、物価上昇の進行の阻止に躍起(やっき)となる一方、ドルの大量発行の米国を激しく非難する。

 日本はどうか。デフレ不況が続く中での商品市況の高騰は国民生活をさらに貧しくする。深刻さは世界の他に例をみない程度になる恐れがある。与野党とも政局にかまけている場合ではない。
 (特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS)



(私のコメント)

日銀が金融緩和しているかどうかは株式相場を見れば分かりますが、金融緩和すれば金融機関は国債を買うか株式を買うしか資金運用先が無い。アメリカは6月まで200兆円の国債の買いオペをして資金供給して株式を上げている。日銀もそうすれば株式も上がり円安になり金回りが良くなって来るはずだ。しかし株式相場を見る限りではたいした金融緩和をしていない。
 
バブル崩壊以来、銀行はBIS規制を満たすために保有株式を売り国債を買い続けている。自己資本が足りないから貸し出しも切り詰めている。銀行の預貸率が低下しても融資には向かわずに国債の買いに向かっている。このような状況ではいくら金利を下げても銀行は超優良な企業にしか金は貸さない。だからバブル崩壊の原因はBIS規制や時価会計にあるのですが、アメリカがバブル崩壊するとアメリカは時価会計も無視して粉飾決算もやりたい放題だ。
 
バブル崩壊の後どうすればいいかは、FRBがやっているような大規模な金融緩和をすれば日本も「失われた10年」は無くて済んだはずだ。株式日記でも100兆円で銀行の不良債権を政府日銀が買い取れと主張しましたが、それと同じ事をFRBはやっている。中国の国営の銀行の不良債権を買い取って株式上場して多額の自己資本を得ている。ところが日本は銀行に対して不良債権の即時処理を強制した。
 
アメリカが行った大規模な金融の緩和でドルが世界中にまき散らかされて、原油や穀物が買われている。原油や穀物は庶民の生活を直撃するから、北アフリカでは不況下の物価高になり、チュニジアやエジプトでは大規模なデモが起きて政変が起きた。アメリカでは株式も上がり消費も増えてめでたしめでたしでしょうが、日本は円高ドル安になり株式もぱっとしない。
 
中国や韓国はアメリカと同じような金融緩和でドル買いで元安やウォン安で、サムスンやヒュンダイといった輸出企業は日本企業を脅かすほど業績を伸ばしている。このような状況になっても政府日銀は頑なに財政再建と増税で経済状況は苦しいままだ。日本もアメリカや中国や韓国を見習って金融緩和すべきなのでしょうが、国債の残高を増やす事にのみ一生懸命だ。財務省や日銀の官僚たちは何を考えているのだろうか?
 
アメリカの金融緩和を支えているには、FRB以外にも日本や中国の米国債買いがあるからですが、日本政府はアメリカの景気対策には一生懸命のようだ。100兆円も米国債を買う金があるのなら日本国内の財政に使ってほしいものですが、国内はあくまでも財政再建と増税で景気にマイナスになるようなことばかりやっている。
 
先日行われた名古屋のトリプル選挙は、河村市長は減税を訴えて当選しましたが、行財政改革で190億円の資金を作り出して減税に当てている。国政でも同じことが出来るはずですが、民主党はマニフェストで行財政改革で資金を作って子供手当てをすると約束したが、それをやらずに増税で賄おうとしている。河村市長がやったように国会議員も歳費を800万円にして、公務員も給与を半額にする位の行財政改革をすれば20兆円くらいの財源が出来る。
 
河村市長は自らの給与を800万円にして退職金も無くした。そうしなければ市議会議員も歳費を800万にすることは無理だし、公務員の給与カットも出来ないだろう。民主党はそれをする覚悟が無いままにマニフェストで出来もしない事を約束した。菅総理も自らの給与を800万円にして退職金も年金も返上すれば、国会議員の給与カットも定員の削減も出来るだろうし、公務員の給与カットも出来るはずだ。しかし菅総理はそれをやらないだろう。
 
議員も官僚も自分たちさえ良ければそれでいいと考えている。民間に対しては増税で生活が苦しくなろうと知ったことではなく、自殺者が三万人になろうが自分たちには関係の無いことだと考えている。議員も10年以上続けていると貴族のような特権階級意識が生まれてきて庶民の生活が分からなくなる。国会議員も落選してみて始めて庶民の生活の苦しさが分かるようですが、公務員もリストラされて職安に行けばどんなに再就職が厳しいかよく分かるだろう。
 





「民主化要求を受け入れる余地はない」 「ウィキリークス」で公開されている
米外交公電に、米外交官によるそんな分析があることが分かった。


2011年2月12日

オバマ氏、ムバラク氏辞任を歓迎「人々の声にこたえた」 2月12日 朝日新聞

【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は11日、エジプトのムバラク大統領辞任について「変化を渇望するエジプトの人々にこたえた」と歓迎する声明をホワイトハウスで読み上げた。今回の事態でエジプト軍部が果たした役割を評価し、公正な選挙につながる政権移行プロセスを支えるよう促した。

 オバマ氏は「エジプトの人々が声を上げ、その声が受け入れられた。エジプトはもう後戻りはしない」と、反政権デモが掲げてきた民主化要求を高く評価した。長年、米国の中東政策に協力してきたムバラク氏の失脚で、中東地域が不安定化する懸念も指摘されるが、オバマ氏は「民主主義的なエジプトは、地域と世界で責任ある指導力を発揮すると確信する」と主張した。

 今回の反政府デモで、若い世代がフェイスブックなどのネット上の交流ツールを使って活動を拡大した点も評価。「非暴力と道徳の力が、歴史の弧を正義の方向に曲げた」と語り、冷戦終結につながったベルリンの壁の崩壊や、ガンジーの非暴力運動になぞらえて、エジプト市民をたたえた。



ムバラク氏、民主化の失敗例列挙 ウィキリークス米公電 2月9日 朝日新聞

【ワシントン=望月洋嗣】エジプトのムバラク大統領は米政府による中東の民主化の失敗をたびたび指摘し、民主化要求を受け入れる余地はない――。民間告発サイト「ウィキリークス」で公開されている米外交公電に、米外交官によるそんな分析があることが分かった。米紙ワシントン・ポストが8日報じた。

 公電は2009年5月、駐エジプトのスコビー米大使がホワイトハウスあてに送った。ムバラク氏について「過激なイスラム主義を嫌う古典的な世俗主義者」で、最大野党勢力のムスリム同胞団を「国益を損なう最悪の存在」とみている、と分析。「社会の混乱よりも少数の者が苦しむ方がよいと考えている」とし、民主化運動が混乱に発展することを極度に警戒していたという。

 ムバラク氏はまた、イランで30年前に起きたイスラム革命や、パレスチナ自治区でイスラム組織ハマスが躍進した06年の選挙などを挙げて、米国が中東で進めた民主化の「失敗」を米外交官らに指摘。イラク戦争でイランへの対抗勢力が失われたことも嘆いた。さらに、イラクの指導者には自分自身のような「強く公正な軍人が必要」という見方も示していたという。



アメリカの問題点は 価値観の押し付け 2月7日 みちくさ

アラブ・イスラムの価値観・宗教観は 欧米や日本人には理解するのが不可能なほど異質な物   

自由・民主主義が当たり前の世界で育った人間から見れば とんでもない事だと見えるのは当然の事   

しかし だからと言って 自分達の価値観を押し付けるやり方が正しいと言う考えは 完全に間違った考え方   

数年前 ニュース23の 故 筑紫哲也氏が アメリカの若者達の集まりを取材した時の感想で 彼らの傲慢さが目立った取材だったと発言されていた   

アメリカの特徴として  我々の言う事が正しい 我々の言う事を聞け 聞かなければ撃つ と言う考え方が完全に定着してしまっている感が有る   

自由・民主主義を与えてやるのだから ありがたく思え と 価値観を強引に押し付けてしまう   

この事が 現在 アメリカに対するイスラム社会の反感を生み出し 結果 テロに繋がっているのは明白な事実  

1979年に起こったイラン革命は この事に対する明白なイスラム社会からの答え   

単に自由・民主主義だけであれば彼らも受け入れる余地が有るのかも知れないが 事 宗教に関してまでキリスト教的な教えを押し付けるのであれば 完全に反感を持たれてしまうのは当然の事   

アメリカの中東政策の背後には 当然 石油利権獲得の為の国家戦略が有る   

自国の利権の為に動くのは 国家としては当然の事では有るが そこで生活している人々の根幹にまで影響を及ぼす様なアメリカのやり方が 今現在の反アメリカと言う流れを作り出してしまっている   

特にアメリカ共和党の考え方の根本は 自分達の利益のみを考え それに組する存在以外は全て間違っていると言う考え方の上に成り立った政党   

銃の規制を行う事の出来ない社会は 他の国では考えられないほどの頑強な社会観   

ブッシュ政権下で行われて来た 孤立主義と言われる国家運営   

この様な考え方を持った国家が 世界最大の力を持ち 世界中に影響を及ぼしている   

これが世界中をどれだけ殺伐とした世界にしてしまっているのか アメリカ人は 全く理解出来ないでいる   

民主党 オバマ政権になって やっと温かみの有る世界になるのでは と言う希望が見えて来たと思っていたが 近頃のオバマ大統領は アメリカ国内のティーパーティと称する動きに押されっぱなしの感   

今回のエジプトでのムバラク政権打倒の動きに対して オバマ政権が強引な動きに出る事が出来ない背景には この様なこれまでのアメリカが行って来た 価値観の押し付けに対する反省が垣間見えて来る   

アメリカににとっては とにかく反米的な国家にだけはなってもらいたくない と言うのが当然の気持ち  

しかしここで 又 価値観をごり押ししたとしたら 余計に反米感情を逆撫でしてしまうことになりかねない  

このままの流れが続いたとしたら 下手をすると アメリカが中東から完全に追い出される日が来る可能性すら考えられる   

世界のエネルギーの 石油依存脱却が取りざたされている昨今   

そろそろ 中東の石油から手を引く と言う考えが アメリカにも芽生え始めて来ているのかも知れない   


(私のコメント)

エジプトのムバラク大統領が辞任を発表しましたが、アメリカのオバマ大統領に首を切られたようなものだ。ここにアメリカとエジプトの特別な関係をうかがわせます。エジプトを親米政権にして骨抜きにしておけばイスラエルの国防は安泰ですが、エジプトのムバラク親米政権が崩壊すれば、イランのような混乱が起きてやがては反米イスラム国家が出来上がるだろう。
 
ウィキリークスによれば、アメリカの駐エジプト大使もムバラク大統領の意見としてそのように報告している。アメリカの中東諸国への分析は非常に甘いものが多く、イラク戦争も間違った情報が元でアメリカは戦争に踏み切った。アメリカはいわば民主主義原理主義国家であり、民主主義が最高の政治体制と思い込んでいる。しかし欧米や日本では民主主義が機能しても、多くのアジアやアフリカ諸国では民主主義は必ずしも良い政治体制とはいえない。
 
選挙と言っても名ばかりのものであり、選挙の不正や集計にも時間がかかり選挙活動にも制約が多くて公平な選挙がなかなか行われない。民主主義の本場のアメリカでも金次第の選挙が行われて集計にも1ヶ月以上もかかる事がある。テレビを使ったイメージ選挙になり、最近はますます巧妙に政治宣伝が行われて大衆を扇動する。日本でも選挙には制約が多くインターネットの選挙活動が認められていない。
 
だから民主主義の基になる選挙一つとっても問題があり、ヒトラーの独裁政権は選挙によって選ばれたものだ。国民の誰もが高い政治的見識を持って投票することなど理想ですが、イメージが先行した選挙になり民主主義は必ずしも理想の政治制度ではない。それに比べれば独裁制度は最も効率的な政治制度であるのですが、反対派を弾圧して政権の腐敗と暴走が止められない。ムバラク政権のように30年も続けば大暴動を起こして政権を倒さなければならない。
 
「みちくさ」のブログに書かれているように、アメリカは自分たちの価値観を押し付けて、それが一番正しいことだと思い込んでいる。アメリカがイラク戦争に踏み切ったのもイラクの民主主義をもたらすと言う事で戦争が行われた。サダム・フセイン大統領を捕まえて縛り首にしましたが、アメリカはそのように外国の主権を平気で侵す。日本に対してもアメリカは傲慢無礼な要求を突きつけて来ますが、民主主義のように自分たちの価値観が一番正しいと思い込んでいる。
 
このようなアメリカの民主主義原理主義は、アメリカにとっては一番都合がいい制度であり、マスコミを使った居妙な政治宣伝が行われて、外国に対しても首相を交代させたり、要求を受け入れさせたるするのに便利であり、一般国民は操られている事にすら気がつかない。エジプトに民主主義がもたらされれば、マスコミを使って親米政権を作れると思い込んでいるのでしょうが、エジプトやチュニジアの政権はネットが普及したから政変が起きた。
 
新興国の多くのマスコミは政権の広報手段だから信用度が薄く、国民はネットによって真の情報を知ろうとする。多くの独裁国家はネットすら制限されて情報が統制されている。中国が一番いい例ですが、中国ではチュニジアやエジプトの民主化革命はネットでも遮断されて知らされていない。中国でもエジプトの次はわが国ではないかと思われると困るからだ。
 
つまりネットによって独裁政権を倒すことが出来るようになったということは、チュニジアやエジプトで証明されたことになり、世界の多くの独裁国家においては政変が起き易くなったといえるだろう。ウィキリークスはアメリカの公電の暴露が問題になっていますが、多くの独裁国家にも脅威になっている。公電で独裁政権の腐敗振りが明らかになってチュニジアのベンアリ政権は崩壊した。ムバラクもスイスに巨額の不正蓄財が明らかになっているようですが、それが政権崩壊の引き金になった。
 
オバマ大統領は、エジプトの政変が民主主義につながると楽天的ですが、カーター大統領もイランの政変でそう思い込んだようだ。しかしイランも政治的混乱が起きて、最終的には反米イスラム国家となりアメリカとイランは戦争寸前にまで緊張が高まっている。エジプトも反米イスラム国家となる可能性が高く、独裁政権が崩壊すれば混乱とイスラム原理主義勢力の台頭が起きて来るだろう。
 




過疎地からガソリンスタンドが無くなれば、車は使えなくなり暖房用灯油
も買えない。そんな過疎地に道路整備だけが続けられている。


2011年2月11日

ガソリンスタンドの廃業は自動車社会の終焉の前兆だ。

ガソリンスタンドや生活インフラを一ヶ所に集めて村づくりをしなければならない


町のガソリンスタンド消滅の危機 過去最悪の勢いで閉鎖 2008年11月24日 (朝日新聞)

原油高や暫定税率の一時期限切れの影響で、ガソリンスタンド(GS)が今年度、過去最悪の勢いで閉店に追い込まれている。9月末までの半年で1千店を超え、影響は特に地方で深刻だ。全国にはGSが3店以下しかない自治体が約150カ所あるが、GSが町から消える事態が現実味を帯び始め、「過疎化を一気に加速しかねない」と懸念する声が出ている。

 朝日新聞が各地の経済産業局などに聞いたところ、3月末に全国で4万4057店あったGSは、その後の半年で1109店(速報値)減った。減少率は年率換算すると5%で過去最悪。セルフ式の解禁で急激に整理が進んだ98年度の3.1%を大きく上回る。

 宮城県南部の中山間地、七ケ宿町。人口2千人弱、ほぼ半数が65歳以上だ。町役場近くでスタンドを営む小笠原憲雄さん(68)は今、廃業の瀬戸際に立たされている。

 業績不振で3月、石油元売り大手から「契約解除」の通告を受け、ブランドマークの看板などはすべて取り払われた。飛び込み客はほとんど来ない。3月末の暫定税率の期限切れで、3月に仕入れた高い在庫を1リットルあたり22円下げて売ったため50万円の損が出た。原油高騰がピークを迎えた7月には消費者の買い控えで収入が半減。社員である妻と長男への給与支払いが6、7月と滞り、労働基準監督署から指導を受けた。

 秋から原油価格は下がり始めたが、高く仕入れた油を安く売らざるを得ない。赤字は膨らむ一方で、自身の年金と預金の取り崩しで食いつなぐ。廃業も検討するが、1千万円かかる地下タンクの除去費用が工面できず、やめるにやめられない状態が続く。町にはGSがもう1店あるが、ここも赤字で店の経営は厳しい。

 町の交通手段はもっぱら車だ。町にGSがなくなると、町役場から十数キロ離れた隣接する白石市のGSに行かなければならなくなる。梅津輝雄町長は「過疎地にとってスタンドがなくなることは死活問題。第三セクターなどで運営を請け負うことも考えなければ」と気をもむ。

 冬は屋内でも零下になる同町。小笠原さんに灯油を配達してもらっている独り暮らしの女性(78)は「灯油は生きるのに欠かせない」と心配する。車は運転できず、GSがなくなると白石市までバスで買いに行くしかない。18リットルのタンクは3日でなくなる。「誰かに頼もうにも周りは年寄りばかり。配達さなくならねえようにしてけらんせ」 (後略)


ガソリンスタンド過疎地が進む地方に、なぜ道路が整備され続けるのか。 2010年12月2日 アーバン・ダイアリー

ガソリンスタンドが減り続けている。12月1日づけの朝日新聞の記事によると、ピークであった1994年の60421店から2009年には40357店まで減ったそうである。ガソリンスタンドの6割は赤字経営で、経営者全体の2割が廃業を考えているようだ。そして、どこで減っているかというと都市部よりも山間部である。

山間部の住民にとって生活の足は自動車だけという状況になって久しい。モータリゼーションが普及する前は、自動車なしで生活を営めるような食料、雑貨販売、郵便局などの生活機能がとりあえず周辺にあった。自動車がなくていろいろと不便であったかもしれないが、それでも生活を維持することはできた。

しかし、モータリゼーションが進むことで、それら生活機能が淘汰され、もはや自動車がないと生活できないような状況に追い込まれる。そのように山間部の人々を追い込んだのは、モータリゼーションを促進させた道路整備である。道路ができて、山間部に人が住むようになるという展望はまったくの妄想であった。

実態は、道路ができると、山間部の生活機能が淘汰され、生活が自動車なしではできなくなり、高齢化が進み、自動車が運転できない人達にとってはすごく不便な場所になってしまったということである。そして、山間部の過疎化がさらに進むという事態を招いた。そのような実態は拙著『道路整備事業の大罪』で簡単にまとめた。

しかし、事態はさらに深刻というか笑えない冗談のようなレベルにまで進んでいたのである。というのは、生活機能であるガソリンスタンドまでもが減少してしまい、場合によっては数十キロも運転しなくてはガソリンスタンドにたどりつけない山間地も少なくないそうである。これって、ガソリンスタンドに行って戻ったらガソリンがなくなってしまうというブラック・ジョークのような事態も起こりえているかもしれない。

とにかく、道路を一生懸命整備しても、ガソリンスタンドがなくなったら自動車が走らせられないから元も子もない。本当に、このバカみたいに道路を整備することはいい加減にやめてもらいたいものだ。なんで子孫から金を借りてまで、道路整備をしたがるのであろうか。はっきりいって、こんなガソリンスタンドがなくて自動車も走れないような山間部に道路を整備する愚は即刻やめるべきであろう。

そして、道路を整備することでガソリンスタンドが減るという、この若干、理解することが難しいと思われる因果関係をしっかりと理解することが、地方の再生には必要なのである。というわけで、このブログの内容がよく分かりにくいなあと思った方は拙著『道路整備事業の大罪』を読んでみて下さい。


(私のコメント)

地方の過疎化の問題については「コンパクトシティ」などで論じてきましたが、地方ではモータリゼーションが進んで自動車無しでは生活できないような状況になっている。しかし、昨日のNHKの「クローズアップ現代」ではガソリンスタンドの廃業が相次いでいると報じていました。都内の私のうちの近くでも四ヶ所も廃業している。廃業の原因の多くは昭和40年代に大量に作られたガソリンスタンドの設備更新の時期が来ているためであり、地下タンクを更新するだけでも2000万円もかかる。
 
94年には6万店あったスタンドが09年には4万店にまで減ってしまっている。北海道などでは国道でも120キロもガソリンスタンドが無いところが出来ている。地方でも近所にあったスタンドが閉店になって数十キロ先まで給油に行かなければならなくなったところが多数出来ている。ガソリンスタンドは生活インフラの一部であり、スタンドが無くなれば自動車は動かなくなり、農業機械も動かなくなり、暖房用の灯油も手に入らなくなる。そうなれば過疎化に拍車がかかる。
 
ガソリンスタンドの問題は郵便局の問題とも共通するのですが、民営化を進めれば不採算な地方の店の閉鎖で郵便局が無くなっていくように、ガソリンスタンドも総粗利は、55円/Lありましたが、96年の自由化で25円に減ってしまった。確かに消費者にとっては安く買えるから利益になりますが、スタンドのほうが競争激化で利益が減って廃業が相次ぐようになりました。
 
これからも4万店から2万店にまで減るだろうと言う予測もありますが、そうなるとガソリンスタンドの無い地域が増えて行って車も使えなくなるような事態も出てくるだろう。自由化も行き過ぎれば弊害も出てくるのですが、国際石油資本の圧力で徹底した自由化が行われた。さらにはセルフ式のスタンドも認められて皿に価格競争が激化して廃業に拍車がかかった。
 
都市部などでは価格競争でガソリンが安くなることは好ましいのですが、地方においては、たった一軒あったガソリンスタンドの廃業は生活インフラの一部が無くなることを意味するから、何らかの保護措置が必要だろう。経済産業省もようやく対策に乗り出しましたが、日本の政治は何でも外国政府や外資の言いなりになって一律的な規制緩和や自由化を行おうとする。
 
TPPにしても一律的な関税の撤廃やサービスの自由化が行われるようですが、その事によってどのような弊害が生ずるかは十分に議論されなければならない。しかし多くが外圧に負けて一律的な規制緩和が行われて弊害が生じてきてはじめて気がつく。ガソリンスタンドもあるのが当たり前の存在でしたが、規制撤廃で多くのガソリンスタンドが消えて行って、消費者が不自由するほどになっている。
 
日本政府の政策は、結局は「年次改革要望書」に見られるように、アメリカの言いなりの事をやっているだけだから、外圧をそのまま受け入れてしまう。それに対して外資はハゲタカ商法だから荒らし放題荒らして儲からなくなれば撤退してしまう。大店法の自由化も金融の自由化も外資にとってもプラスになったのだろうか? 郵政の自由化も外資に対する国民の反発を強めただけで、自民党が責任を取らされて政権から転落してしまった。
 
ガソリンの自由化も、外資は果たしてプラスになったのだろうか? 自由化される前はガソリンスタンドは儲かる商売でしたが、自由競争の激化で外資も儲からなくなってしまった。外資系ガソリンスタンドは決して地方の過疎地には店を作りません。外圧によって無理やり自由化や規制緩和しても国民から支持されなければ反発だけ招いて外資は撤退せざるを得なくなる。自由化した自民党も反発を受ける。


 
エクソン、国内GS撤退「エッソ」など3ブランド売却へ 2010.10.01 ZAKZAK
 
石油世界最大手の米エクソン・モービルが、日本で展開しているガソリンスタンド(GS)での石油小売り事業から段階的に撤退することが1日、分かった。国内の石油製品需要は2004年をピークに減少に転じており、エコカーなど燃費のいい車の台頭なども需要減に拍車をかけている。同社はJXホールディングスに次ぐ国内2位のGS数を誇るが、経営環境が厳しさを増すなか見切りを付ける。1日付の読売新聞が報じた。

 エクソンは国内で「エッソ」「モービル」「ゼネラル」の3ブランドでGSを展開、系列のGSは4000店を超える。これは、「エネオス」ブランドで約1万2000店を展開するJXホールディングスに次ぐ国内2位の規模だ。

 撤退にあたっては、ガソリンを地域ごとに運ぶ物流と販売部門の営業権を、大手商社系の石油販売会社などに売却する形をとる。すでに、売却に向けた作業は始まっており、九州地区では営業権売却に向けた入札作業が進められている。ほかの地区でも順次、入札作業を進めていき、年明け以降、落札先が決まる予定という。

 エクソンは売却にあたり、一定の条件を設定。GSのブランド名の維持のほか、エクソングループの石油精製設備からの石油製品購入を求めているという。ブランド名がそのままだと、オーナーが変わるだけで、利用者からはこれまで通りGSが運営されているようにみえることになる。
(後略)


(私のコメント)
 
日本政府は外圧に屈する形でいつも規制緩和や自由化を受け入れてきましたが、外資にとってもロックフェラー系のガソリンスタンドの撤退は誤算でもあったのだろう。金融のビックバンにしてもシティーバンクの撤退が相次いでいる。儲からなければ撤退すればいいといった感覚で自由化を要求してくるから失敗するのであり、日本に骨を埋めるくらいの気持ちでやらなければハゲタカ商法では失敗するのは当然だ。
 
TPPにしても、目的は外資による農産物や工業製品やサービスの売り込みにあるのでしょうが、ハゲタカ商法では日本では成功するはずが無い。ガソリンの売り込みにしても失敗してロックフェラーは4000店のガソリンスタンドを売却して撤退しますが、結局はサービス競争に敗れたのだ。TPPにおける米の問題も外米と国産米との価格差も品質に差があれば日本人は外米を買わないだろう。
 
外資は自由競争なら勝てると自由化や規制緩和をを求めてきますが、成功しているのはハンバーガーやコカコーラといった食品チェーンだけで、サービスや工業製品では成功していない。農産物でも同じだろう。地方にガソリンスタンドが無くなってしまった原因は自由化にあるのですが、外資にとっては地方のことなど関係が無い、儲かりさえすればいいからだ。




「税金で食っとる人」がまず大胆に身を削らなければ消費税の大幅増税
に世論が賛成するはずはない。国会議員の報酬を大幅にカットせよ!


2011年2月10日

政府が50兆円刷って日銀に両替してもらえば赤字財政一気に解決!

国家が家計と違うところは国家は通貨を発行することが出来ることだ。


愛知・名古屋「河村陣営」圧勝は歴史の必然か国政も揺るがす“愛知ショック”の余波 2月10日 田中秀征 

“河村陣営”が圧勝した2つの理由

 6日に投開票された愛知・名古屋のトリプル選挙は、“河村陣営”の圧勝に終わった。

 それにしても、知事選で当選した大村秀章氏、市長選で当選した河村たかし氏は、共に2位の候補の3倍も得票している。「ぶっちぎりの勝利」とはこういうことを言うのだろう。

 勝因についてはさまざまな分析がされているが、私から見て大きい勝因は2つある。

 1つは、本欄でいつも指摘している「政治と行政の内部でのムダ使いの排除」の主張と実績。

 「税金で食っとる方が楽して、払っとる方が苦労する政治を変える」

 実に簡明なメッセージである。彼は率先して市長の報酬を800万円まで引き下げた。「市民税の10%減税」も一定の効果はあったと言えるが、それほど大きな勝因ではないと思う。ムダ使いの排除を徹底すれば、あえて減税しなくとも多くの市民は支持しただろう。

 もう1つは、河村氏の公約を守ろうとする強い姿勢である。

 折から菅直人政権が公約を平気で改廃している。市長選で民主党支持者の77%が民主党系候補を差し置いて河村氏に投票(朝日新聞出口調査)したのも肯ける。

 愛知県は今まで「民主党王国」と言われ、前回総選挙でも15の小選挙区のすべてを独占した。その愛知の民主党が総崩れとなったのだ。

 この2つは、他でもない一昨年の政権交代で有権者が民主党に最も期待したものであった。

ただならぬ“愛知ショック”の影響
菅政権の弱体化は一層進む

 今回の選挙結果は、いやでも目前の統一地方選挙に影響を及ぼし、菅政権を一層弱体化させるに違いない。

 予想される大きな影響を2つ挙げておく。

1つは、5日に始動した「税・社会保障の一体改革」のための集中検討会議への影響である。

 名古屋流の「国会議員の報酬を大幅にカットする」ところから始めないと、誰も耳を貸さなくなる。「税金で食っとる人」がまず大胆に身を削らなければ消費税の大幅増税に世論が賛成するはずはない。1つの主張をする人は、まずその主張に見合う「自分が引き受けるリスク」を開陳すべきだろう。

 もう1つの大きな影響は、言うまでもなく春の統一地方選に対する影響である。

 それは、既成政党は人気がないとか地域政党の方がよいとかの次元ではない。

 既に有権者は、「今のような地方議会は本当に必要なのか」と本質的な疑問を抱くに至っている。

 河村氏はこう言っている。

 「税金に身分保障された職業議員たちを変え、地域のことは自分らで決める民主主義の時代を作るうねりだ」

 国、地方を問わず、「議員の職業化」こそ問題なのである。議員を生涯の職業とするつもりの職業政治家には大きな限界がある。何よりも次の選挙で当選することを優先するから政治課題は二の次になる。特に大胆な改革には傍観者にならざるを得ない。平時には一定の役割を果たせても、変動期には鳴りをひそめてしまう。

 福島県の矢祭町で既に実施されている議員の日当制もその一案。むしろ無報酬にすれば、優れた退職者も喜んで議員を引き受けるかもしれない。

 要は、税金がムダなく効率的に使われているか厳しくチェックするのが議員の一義的役割。そろそろ地方議会の新しい形態を真剣に考えてもよいだろう。今回の“愛知ショック”はそんなきっかけになればよい。


公務員天国、一度味わったら止められない。TVタックルより

菅総理大臣は事務次官に全面敗北した。TVタックルより


(私のコメント)

現在の学生に一番人気のある職業が公務員であり、首になる心配がなく民間よりも遥かに高給なのだからそうなるのだろう。国や地方の議員などもお手盛りで給与を上げる事ができるから一流企業の重役並みの給与を貰っている。それだけの収益を上げている民間企業なら勝手なのでしょうが、赤字財政で悩んでいる地方や国がそういう事をしていていいものでしょうか。
 
だから公務員も国や地方の議員も世襲化が進んで、なかなか自分たちの利権を手放さなくなりました。国民も政治はお上がするものと言った意識が定着しているから、現職の議員に票を入れることになる。これでは議員も公務員と馴れ合ってしまってお手盛りの行政を行うようになり、そのつけを増税で補おうとする。昨日も書いたように議員報酬の異常な高さは外国と比べるとよく分かりますが、地方議会などはボランティアの議員で十分だろう。
 
テレビなどでも名古屋市の市議会議員が年収1600万円でも足りないとこぼしていましたが、選挙活動に使っていたらいくら貰っていても足りないだろう。さらに事務所や秘書などを雇っていたらいくらあっても足りなくなる。冠婚葬祭に顔を出すことが市議会議員の仕事なのだろうか? さらには後援会の人と海外旅行までする必要もないだろう。金をたくさん貰っているからそういうような事をするようになる。
 
昨日の菅総理と谷垣総裁の討論を聞いていても、発想が同じだから討論にならない。谷垣自民党総裁も長い間財務大臣をやっていたから財務省に洗脳されてしまっている。だから自民党は消費税10%と言い出す。日銀が通貨供給をぎりぎりまで絞ってしまっているのに、さらにそれを絞ろうとしているようなものだ。政府が50兆円紙幣を発行して日銀で日銀紙幣に交換すれば財政赤字は一気に解決する。
 
アメリカや中国はドルや人民元を刷りまくってばら撒いているのに日本だけがしないから円高になる。そこから消費税を搾り取れば無駄な努力をしていることになり、日本政府が50兆円発行して流通させればそこから税収があがるから民間のダメージを最小限にすることが出来る。財務省や日銀はそのようなことが理解できないからしませんが、ならば公務員の給与や議員の給与をカットするのが先決になる。
 
しかし民主党の政治主導が破綻して事務次官に全面敗北して、菅内閣は財務省主導の内閣となった。財政再建するには増税しかないと政治家に思わせれば成功であり、菅総理も野田財務大臣も増税一直線だ。それに対して反旗を翻したのが名古屋の河村たけし市長であり、先の選挙で民主党候補の三倍もの票を獲得して当選した。10%減税を旗印にしていますが、減税すれば議員や公務員の特権がそれだけ少なくなるから議会や公務員は反対する。
 
しかし、国民のほうが賢いから、財政再建には増税しかないと言うプロパガンダは通用しなくなっている。先週の「たけしのTVタックル」でも財政再建問題をやっていましたが、景気を良くしてデフレを直せば税収が増えて財政再建は増税しなくても出来るだろう。高橋洋一氏は国民一人に50万円配れと提案していましたが、それくらい思い切った政策をすることが今の政治に求められている。





「権力とは税金を取ること」であり、いまや職業議員たちがその急先鋒になって
いることが、私が提出した条例案の否決で明らかになったことは間違いない。


2011年2月9日

◆名古屋発どえりゃあ革命!河村たかし:著


減税に抗する「職業議員」との激闘記:河村たかし(名古屋市長) 1月14日

まず、わが身を削れ

平成22年12月8日、私が提出した、市民税10%減税を恒久化する条例案と、市議会議員報酬を1,630万円から800万円に半減する条例案が、名古屋市議会によって否決された。とりわけ市民税10%減税は、私が市長に立候補したときに名古屋市民の皆さんに訴えた「一丁目一番地」の政策。それが否定されてしまったのである。

10%の市民税減税は、平成22年度から恒久減税として実施したかったが、市議会が同年3月に条例を「平成22年度に限って実施」と修正してしまっていた。今回それを覆すどころか、そもそも否決されてしまった。平成23年度に減税を継続させることが、これで不可能になった。

なぜ、こんなことになったのか。そしてなぜ、私はこの点にこだわって戦いを続けているのか。いま、あらためて考えを述べたいと思う。

まず、減税についてである。なぜ減税をせねばならないのか。そう問われたとき、私は「民間の企業は、どこも厳しい価格競争のなかで、知恵と汗を振り絞ってコストダウンを実現しているのに、行政だけ税金を取れるのをいいことに、のうのうとしていることが許されるのですか」と答えることにしている。私も30年余り、厳しい価格競争のなかで家業である古紙業の商売をやってきたが、その間、「財源がありませんので、値引きできません」などといったことはない。当たり前だ。そんなことをいったら、取引先にも相手にされなくなり、たちまち会社は潰れてしまう。

行政も、まずは減税を行なうことによって、わが身を削り、行財政改革を実現していくべきなのだ。いま、民主党が国政に「事業仕分け」を導入しているが、そもそも、どこの企業がそんな手法を導入しているだろうか。商売は、そのように甘いものではない。商売上の値引きは、いってみれば毎日減税をしているようなものである。収入が減るとなれば、四の五のいわずにそれに対応せねばならなくなるのだ。

さらにいえば、行政の無駄遣いがどこにあるか、いちばん知っているのは、担当部局の部局長であって、第三者の仕分け人ではありえない。就任当初、市役所のある職員と懇談していたら、「市長が本当に減税をやり、しかもその分を市民に返すというので、それならひと肌脱ごうと思った。減税がなかったらできなかったですよ」と話してくれた。人件費にしても、外郭団体の無駄遣いにしても、これまでなら、「まあ、ええわ」で済ませてきたものを見直してくれたというのである。実際に、平成22年度の市民税減税によって161億円の収入減となったのだが、市の職員たちは行財政改革によって185億円の財源を生み出したのである。

しかも、それはよりよい公共サービス実施との合わせ技であった。名古屋市は、500円の「ワンコインがん検診」や、市交通局の「学生定期券」(自宅から学校の最短経路に限らず、アルバイトや習い事等の経路など、自由な区間で学生定期券を買える制度)、水道料金の最大1割値下げなどの行政サービス拡充を、減税と両立させてきた。行政も、民間の商売と同じように、税金を減らしつつ、よりよい公共サービスを提供することが重要なのだ。

このようなことをいうと、名古屋市が平成20年以降、市債の起債を増やしたことをとらえて、「借金を増やして減税の成果を語るとは何事だ」と批判する人が出てくる。待ってほしい。現在、地方財政法で、地方自治体が市民税減税を行なう場合、国が設定している標準税率(6%)に満たない場合には総務大臣の許可が必要だと決められている。借金に頼って減税をすることを防ぐためだが、名古屋市は「減税による減収額を上回る行財政改革の取り組みを予定しており、世代間の負担公平に一定の配慮がなされている」と認められて、起債しているのだ。

それに、名古屋市の市債残高は、平成20年から平成22年までで3.16%増加しているが、政令指定都市合計(平成19年度以降になった団体を除く)では、同期間に市債残高は3.2%増加している。つまり、名古屋市だけでなく政令指定都市全体も増加しているのだ。これは当たり前の話で、これだけ経済が厳しいのだから、民間経済を活性化させるためにも、市債を増やしてでも事業をしていかねばならないのである。

そもそも、不景気になって民間の投資マインドが冷え込んでしまうと、「貯蓄過剰」の状況が生まれてしまう。たとえば、最近の全国銀行の預貸率は73%ほどだという。預貸率とは、集めた預金などに対する、貸出し金額の割合のことだから、簡単にいえば、100万円の預金を集めたのに、73万円しか民間に貸し出せなかった、ということである。残りの27万円は貸し先がないという状況なのだ。

このような場合には政府が、そのお金を借りて有効に使うようにしなければ、お金の行き先がなくなって金詰まりの状況になってしまう。

これが、いま国債の発行が増えている状況の裏側である。つまり国債発行のかたちで、民間で行き先がなくなっているお金を使わなければ、経済はますます冷え込んでしまうのだ。それも考えずに、ただただ「日本は財政危機」と危機を煽りつづけるのは大きな間違いなのである。

ギリシャの破綻を例として財政危機を強調する議論もあるが、それも間違いだ。ギリシャは国債を発行して「公務員天国をつくった」から潰れたのであって、「国債を発行したから潰れた」のではない。さらによくいわれるように、ギリシャは国債を外国に買ってもらっていたのに対し、日本は国内の貯蓄過剰分で賄っているのだから、その性質もまったく異なる。

日本の官僚が、「いま日本には約900兆円の借金がある。この状況の改善が急務で、増税こそが正義だ」と国民を洗脳しているが、そんなことは嘘八百だ。

経済回復させるためには、まず「減税」を実現させて、行財政のムダを省くとともに、民間の手元に残るお金を増やして経済を活性化させる。そして民間の貯蓄過剰分を国や自治体の債券で吸収し、有効に使う(公務員天国をつくるのではなく、経済活性化のために使う)ことによって、活発なお金の流れを取り戻すことが肝要なのである。

議員が「悪い王様」に!

名古屋市は、率先して「減税」に取り組もうとしたのに、なぜ市議会が反対したのか。ここに、いまの日本の政治の大きな問題点がある。議員が「職業化」して税金議員になってしまっていることが、大変な弊害をもたらしているのである。

議員たちが「減税」に反対するのは、自分たちの既得権と真っ正面からぶつかるからである。まず、減税をすると、議員たちが使い途を決められる金額が減ってしまう。これは議員たちからすれば自分たちの権力の源泉の一部を手放さなければならないことになる。さらに、自分たちの報酬が減ることにもつながる。市の職員たちが身を削って行財政改革を進めているのに、議員だけが高額の報酬を貰いつづけるわけにはいかなくなるからだ。

議員の既得権固守を象徴する、もう一つの出来事が、名古屋で進めようとしている「地域委員会」への抵抗である。

これは名古屋市内の小学校の学区単位で、ボランティアの地域委員を住民の投票で選出し、彼らに地域の課題とその解決策を検討してもらい、実際にその取り組みに対して予算付けをしていくものである。「住民が協力して、自らの手で自分たちの町をよりよくしていく」ことで、地域コミュニティの活性化を図ろうというプランだ。すでに平成22年にモデル事業を行ない、「歴史的建造物を活かしたまちづくり」「健康パトロール」「安心安全なまちづくり」など、創意工夫あふれる取り組みがなされるようになった。

だが、市議会はこの事業を拡大させる予算案にも反対をした。議員たちからすれば、これまでは地域で選ばれるのは自分たちだけだったのに、そこに地域委員が現われた。考えようによっては、地域委員は、いつ自分の対抗馬になるかもわからない。家業を守るために、地域の民主主義の芽をつぶそうとするのである。

歴史的にみれば議会制の始まりは、かつて国王が勝手な税金を掛けてくるのに市民たちが対抗したことにあったはずだ。だが、日本では議員が職業になり、家業化することで、より税金を安くするにはどうするかを考えるのではなく、どうすれば自らの報酬と地位を守れるかということばかりに頭を働かせるようになってしまった。議員自体が、「悪い王様」と変わらぬ立場になってしまったのである。

私が議員報酬の半減を訴えたのは、このような問題意識があったからだ。議員はパブリックサーバント(公僕)であり、市民の給与と同じ水準でやるべきではないか、と考えたのである。

まずは「隗より始めよ」で、市長の給与を年額2,700万円から800万円に減らし、さらに4年ごとに4,220万円もらえる退職金を廃止した。そのうえで、議員の報酬も800万円にしようとしたのだが、それが猛烈な抵抗に遭うことになった。

日本は議員の数が多すぎるうえに、報酬が高すぎる。名古屋市は人口約226万人で議員定数75人、報酬年額(制度値)は約1,630万円。だが、シカゴは人口約283万人で、議員定数は50人、報酬年額は約910万円。ロンドンは人口約756万人で議員定数は25人、報酬年額は約690万円である。バンクーバーは、議員の給与を市内の平均所得に合わせているという。

このようなデータを示しても、「議員は選挙にお金がかかる。事務所にも経費がかかる」などという人がいる。しかし、そのようなものは本来、寄付金で賄うべきものではないか。

また、議員の報酬を減らすと庶民が議員になりづらくなる、などという議論もあるが、それも大きな間違いだ。海外のボランティア議員は、ボランティアだからこそ多選せずに早く辞め、そのぶん次々に庶民が議員になっていく。しかし日本では、議員が家業化しているので高齢になるまで選挙に出馬しつづけ、やがて世襲して議席を占拠しつづける。政治に参加できる人が結果的に限られてしまうのだ。

現実問題として、現在、お金も何もなくて選挙に勝つケースが、どれほどあるだろうか。新鮮感があるためか、ただ若いというだけで議員に当選する最近の風潮もあるが、それはそれで問題だろう。社会経験が未熟なのに正しい政治ができるのか、疑問な点も多々あるからだ。

いずれにせよ、「権力とは税金を取ること」であり、いまや職業議員たちがその急先鋒になっていることが、今回、私が提出した条例案の否決で明らかになったことは間違いない。(後略)



(私のコメント)

国や地方の議員は、有権者の代表であるはずですが、それが議員が職業化してしまうと王様と同じになり、好きなだけ税金を上げて贅沢するようになってしまう。公務員の給与を二割カットしますと公約して政権を取った民主党も、政権をとったとたんに菅総理大臣は消費税増税を言い始めた。菅総理も30年も国会議員をやっていれば王様のようになり国民から税金を召し上げるのがいいと考え始めたのだろう。
 
国会議員には、全て含めれば年に4200万円の税金が使われているのですが、それでも足りないとしてパーティーや企業団体献金を集めています。さらに秘書給与や広くなった議員事務所・宿舎なども格安で使っています。いったん議員になってしまうと、そのような王侯貴族のような生活に慣れてしまうと、国民から税金を徴収することに何の抵抗もなくなってくるのだろう。
 
官僚たちも同じであり、自分たちは特権階級であり民間給与よりも高くて当たり前と思うようになる。議員も官僚もそれだけの働きをしてくれればいいのでしょうが、選挙で当選してしまえば次の選挙まで国民の事など忘れて、政局のことばかりに関心が向かってしまう。国会議員も官僚も年功序列であり、有能だから出世できるのではなく、長い間国会議員だったから大臣に成れ、運がよければ総理大臣にも成れる。
 
このような貴族的な生活が出来れば、子供にあとを継がせて世襲化が進むのは当然ともいえますが、民主党にも世襲議員が沢山いる。今回の名古屋におけるトリプル選挙で河村市長が再選されましたが、民主党が押す候補の3倍もの得票で当選した。河村市長によって市議会議員の給与が公開されて、給与を800万にすると言う法案を出しましたが否決された。市会議員がそんなに給与が必要なのだろうか。
 
議員たちは自分たちで給与をどんどん上げてしまうから、財政が赤字になるのは当たり前であり、財政が足らなくなれば税金を上げればいいと考えるようになる。国会議員も同じであり、長い間やっていれば高い給与も当たり前になってまだ足りないと言い出す。財政が大赤字なのに議員の給与は減ることが無く、広い事務所まで新しく作られた。事務所が広くなれば秘書も増やしたりしてまた費用が足りないと言い出す。
 
河村氏が言うように議員が職業になり、家業化すれば、どうすれば自分の地位と報酬を守るかに関心が行ってしまう。菅総理も毎月200万円以上もの給与を貰い、ジャンボジェット機も使い放題になれば王様のような気分になってしまうのだろう。議員の待遇があまりにも良すぎるので、誰もがその地位を守ろうと必死になり政策よりも政局にばかり夢中になる。
 
議員が家業化してしまうと、高齢になるまで議員を続けてなかなか引退しようとはしなくなる。一度議員という贅沢な生活に馴染んでしまうと二度と元には戻ろうとはしなくなり、庶民の生活実感が分からなくなる。国家財政がこんなに大赤字なのに、議員や公務員のリストラは行われず、総理大臣の給与も五千円下がっただけだった。河村氏が言っているように行政の無駄遣いを一番知っているのは部長クラスであり国会議員が知っているはずも無い。だから事業仕分けも委員が「1番で無ければだめなのか」と頓珍漢なことを言い出す。
 
民主党が政権を取れば、しがらみの無い改革が出来ると思ったのですが、官僚たちの反抗ですぐに立ち往生してしまった。あまりもの野党暮らしが長くて政策に疎い議員ばかりになって、行政が停滞してしまった。無駄がどこにあるか部長や局長クラスに聞けば分かるのでしょうが、馬鹿にしてぜったいに教えないだろう。天下り法人も作り放題であり、民主党の天下り廃止や禁止はどこかに消えてしまった。河村市長にできてどうして民主党は出来ないのだろうか?

官僚たちを従わせるには、自分がまず率先して身を切らなければ、官僚たちは馬鹿にして言うことを聞かないだろう。景気が良くて財政も黒字ならともかく財政が赤字なのに行財政改革がなかなか行われないのは、国会議員や地方の議員が馬鹿にされて、逆に公務員に使われてしまっているのだ。公務員を従わせるには国民の支持率が高くなければ公務員からも馬鹿にされて、民主党のように腰砕けになってしまう。河村市長のように安アパートに住んで電車で議場に通うように成らなければ、公務員も贅沢し放題の生活も変わらないだろう。




本人同士が直で金額の確認をするなど言語道断。ましてや携帯メール
で記録を残すとは、「デブのうえにバカ」と呼ばれても仕方ない安直さです


2011年2月8日

大相撲八百長メール暴露で、改めて相撲取りのガチの強さを実感した件。 2月3日 フモフモコラム

大相撲の伝統を正しく継承しましょう!

角界を激震させた八百長メール問題。野球賭博問題の捜査を進める中で、十両千代白鵬と元前頭春日錦の竹縄親方の携帯電話から八百長の打ち合わせをしたと見られるメールが発覚。芋づる式に力士・親方13人の名前があがるという事態に発展。千代白鵬ら3人の力士は八百長を認め、放駒理事長からは名前があがった力士以外にも関与があるとのコメントも飛び出し、余波は角界全体へと広がっています。文部科学省からは「このままでは公益法人取り消しも」との観測が流れ、3月の春場所の開催すら危ぶまれる状況。大相撲存亡の危機と言ってもいいでしょう。

今回の事件は、大相撲の伝統を継承することを怠ってきたツケがついに噴出したな…という印象。

角界では「申し合い」という稽古があります。表向きは相手を指名しながら勝ち抜き形式で次々対戦していくというもの。しかし、これをほかの部屋へ出向いて稽古を行う「出稽古」と組み合わせれば、自由に好きな相手と秘密の時間を共有することが可能。「来場所どうします?」「まずはこんな感じで強く当たって」「はいはい…あとは流れで少し踏ん張りますね」と互いの意見を「申し合う」ことができるのです。


サッカーなどでも練習をともにすることでイメージが共有できたりするもの。相撲でもそれは同じ。稽古を積み重ねることで、「ははぁ、こう動きたいのだな」というあ・うんの呼吸が生まれるのです。「頼むよ」という視線、「わかった」という沈黙、「すくい投げがベスト」という肌の温もり。それを感じられるまでぶつかり合ってこそ、真の大相撲。真の八百長に言葉など必要ないのです。

どうしても金のやり取り・値切り交渉・領収書受け取りの必要がある場合も、大相撲の伝統に則った付け人(中盆)を派遣する形式を取っていれば、何の問題もなかったのです。「付け人が勝手にやったこと」「あれは若い衆に渡した小遣いだ」「記憶にございません」と主張するためにわざわざ人をかませているのに、それを本人同士が直で金額の確認をするなど言語道断。ましてや携帯メールで記録を残すとは、「デブのうえにバカ」と呼ばれても仕方ない安直さ。メール着信履歴で浮気が発覚する旦那さん同様、自業自得です。

●動きの確認は出稽古で
●金のやり取りは中盆をとおして
●文書・記録は残さない


今後は角界の伝統的作法に則って、しっかりと八百長に取り組んでもらいたいもの。携帯電話でやり取りをしている力士諸君は、ガラケーは四つ折りに、スマートフォンは二つ折りにしてください。銀行振り込みで金を渡している力士諸君は、手渡しに切り替えるように。星の貸し借りをエクセルで記録しているバカがいるなら、即刻パソコンを焼き捨ててください。正しい作法で正しい八百長。国技の伝統をしっかりと継承してもらいたいものですね。

ということで、逆に大相撲の真剣勝負ぶりが明らかになった大相撲八百長メール事件について、早速チェックしていきましょう。(後略)


大相撲の八百長問題をメディアもファンも直視すべきだ 2007年05月26日  山崎元

「週刊現代」の6月2日号に、白鵬の師匠である宮城野親方の愛人と名乗る坂本直子氏が、宮城野親方と八百長の舞台裏について語った会話の録音が公開されている。
 先ず、結果的には、白鵬が横綱に昇り損ねた昨年の名古屋場所の取り組みについて、詳しく生々しく語られている。上位とのやりとりでいえば、朝青龍に300万円、魁皇、千代大海、琴欧州に200万円ずつを、宮城野親方が渡し、決まり手に関する打ち合わせをして白鵬は取り組みに臨んだ。記事によると、朝青龍は、土俵上で投げられて背中に砂が付く負け方を嫌い結果は寄り倒しで白鵬の勝ち、三大関は何れも投げられる決まり手で破れている。特に、千代大海(一度突っ張らせて貰ってから、投げられる)と魁皇(投げに大きく飛ぶ)は、年期の入った名演技であったようだ。
 宮城野氏のものとされる声は、女性の「魁皇ってインチキ慣れてるの?」という問いかけに、「考えてみろ。(八百長をしないと)34歳で大関なんて守れないって」と答えている。魁皇の取り口を見ていると、申し訳ないが、このコメントは頷ける。

 録音の真偽については、宮城野親方の声を声紋鑑定すれば分かることだ。かつて相撲の八百長を告発しようとした元力士が、不自然とも思える急死をしたことがあったが、記事を読むと、録音は「週刊現代」の手元にあるようだから、坂本氏の安全は大丈夫だろう(記事の広告を見たときに、真っ先に心配だったのは、この点だった)。相撲協会は、弁護士との相談を隠れ蓑に、正式なコメントさえ発表できていない。この状況から見て、録音は真正なものだろうし、内容も概ね当たっているのだろうと、推察される。
 スティーブン・D・レビット「ヤバい経済学」(望月衛訳、東洋経済新報社)には、千秋楽の7勝7敗力士が異常な高勝率であることが書かれているが、相撲の八百長は、「ときに、ある」と私は考えている。狭い社会での繰り返しゲームそのものだから、ゲーム論でいうところの「協調」をしたくなるインセンティブは豊富にあり、また、怪我を避けたいという事情もあるのだろう。
 但し、朝青龍も白鵬も、実力的には圧倒的に強いのだと思う(ガチンコ力士を物差しにして測ればいい)。彼らは強いからこそ八百長を受けて貰えるし、収入で保険を買う余裕もある。

 異様に思えるのは、NHKや大新聞をはじめとして、多くのメディアが、この問題を全く無視していることだ(朝日新聞は、週刊誌に記事が出たことを小さく報じているが)。競馬やサッカーのように一般大衆のお金は絡まないが、大相撲をスポーツとして報じている以上、八百長があるか無いかは重大な問題だろう。相撲協会との関係が大切なのか、それとも、他メディア(「週刊現代」)の手柄を際立たせたくないのか、理由は分からないが、ここまで白々しい報道ぶりは、疑問を通り越して、不愉快でさえある。
 ついでに言えば、場所前、朝青龍が稽古場で豊ノ島に怪我をさせた件については、傷害として警察沙汰にしてもよかったのではなかろうか。
 私は、幕内力士では、白鵬、朝青龍が一、二に好きだし(後の楽しみは把留都だ)、異国のハンディキャップを跳ね返すモンゴル勢の活躍を素晴らしいと思って見ているが、稽古場での乱暴(恐怖心を植え付けて本場所の取り組みを有利にする。今場所は豊真将が朝青龍に精神的に呑まれていた)や、八百長は、よろしくない。
 大相撲協会は、八百長を一度事実として認めて、今後そのようなことが起こらないような対策を発表すべきだろう。「なかったことにする」アプローチでは、ますます信用が低下するし、今後の八百長に対して根本的な対策が出来ない。実際に八百長の問題があった、ということを認めなければ、たとえば、「八百長は両者廃業」というようなルールを定める上で説得力がない。(後略)


(私のコメント)

大相撲は八百長問題でゆれていますが、相撲は格闘技である以上は真剣にやれば怪我や負傷で力士の寿命が持たないだろう。150キロもの巨体がガチンコでばかりででやれば、怪我しないほうが不思議だ。相撲にしても柔道にしても受身から徹底的に練習して、激しいぶつかり合いでも怪我しないように鍛えてはいますが、本気でやれば投げ飛ばされただけで怪我をするだろう。
 
格闘技は勝敗を争うよりも、鮮やかな技を見せるものであり、相撲に勝って勝負に負けたといったことはよくある。もちろん優勝目指して勝敗を競い合うことも大事ですが、相撲そのものを見せると言う見地に立てば、怪我をしないためにも、あらかじめ決め技を決めておくと言った八百長もあるのだろう。力道山の空手チョップやジャイアント馬場の16問キックが出れば相手レスラーはKOされなければならないのと同じだ。
 
だから大相撲から八百長を廃止しろと言っても無茶な要求であり、モフモフコラムに書かれているように、歴史と伝統を無視した事をするから大問題になってしまう。もちろん相撲賭博に絡むような八百長は御法度ですが、7勝7敗の時の立会いには「異常な確立で勝つ」事もあるだろう。だから相撲ファンは誰も八百長があると知って観戦しているのです。
 
だから今頃になって、テレビやマスコミが大騒ぎしている事に違和感を感じるのですが、それで得をしているのは誰だろうか? 確かに今回はメールを使った八百長の物的な証拠が残ってしまっているから処分はしなければなりませんが、彼らはなぜ先輩たちがしてきた方法で八百長の打ち合わせをしなかったのだろうか? メールは削除してもサーバーに残るから、警察が調べればいっぺんにばれてしまう。
 
おそらく調べれば幕内力士も八百長に関与しているのでしょうが、昔ながらの伝統的な方法で打ち合わせをして八百長をしていれば、裁判でも八百長は無いということになっているだから問題にはならなかったはずだ。徹底的に調べれば横綱から大関にいたるまで八百長に関与しているだろう。相撲通が見れば八百長であることはすぐに分かるが、相撲は勝敗を争うのではなく決まり技を見せることが相撲なのだ。
 
今はウィキリークスが問題になっていますが、アメリカもメ−ルなどを使うから秘密がばれてしまうのであり、最重要な情報は大使が直接に口伝で伝えている。形を残さなければばれる心配も無く「記憶に無い」と言えばそれで終わってしまう。金のやり取りも直接手渡しでやるべきで、振込みなど使うのはばれるのが当たり前だ。だから相撲協会は八百長のやり方も力士に十分指導して歴史と伝統を守らせるべきだったのだ。
 
政治と金の問題も同じようなものであり、闇献金と政治とは切っても切り離しが出来ない。政治家を調べれば全部が全部、あやしい金を出し入れをしているだろう。政治と金は小沢一郎だけの問題ではないのですが、官僚やアメリカにとって都合の悪い政治家を失脚させるには、政治と金の問題が一番手っ取り早い。それでだめなら事故を装って直接手を下す。マスコミも見てみぬ振りをするからそれで済んでしまう。
 
この際に相撲協会も公益法人から株式会社化すれば問題はすっきりするだろう。相撲は興行であり、仲間内の多少の八百長もあるとしてみればいいのではないかと思う。プロレスを見れば分かるように本気でガチンコ勝負すれば力士は怪我人だらけで相撲にならなくなってしまう。むしろ相撲協会の金銭感覚が世間とはずれているような、気がしますが、株式会社化してマネジメントをきちんとすべきだ。
 
相撲の強さはやっている力士が一番良く知っているのであり、相撲通も見れば八百長くさい勝負はすぐに分かるだろう。琴欧洲も8勝勝ち越すと手を抜いてしまうし、把瑠都も優勝しないようにとっているようだ。魁皇も勝ち越しているのが不思議ですが、大関互助会が働いているのだろう。テレビで見ても半分近くが空席の場所が多くて相撲人気も落ち込んでいますが、相撲人気を回復させるにはマネジメントもきちんとして近代化することだ。
 




河村氏は、この役人天国、議員天国の日本を世界標準に戻そうとしている
だけです。河村氏の行動が、今後、全国規模で広がる可能性がでました。


2011年2月7日

名古屋河村革命:厄病神・悪徳ペンタゴン除霊運動に発展か 2月7日 新ベンチャー革命

1.名古屋発で大きな政治的地殻変動の予感

 2011年2月6日に行われた河村演出トリプル選挙で、地域政党・減税日本が圧倒的大勝しました。河村たかし元・名古屋市長と市議会の対立は有名でしたが、結局、河村サイドの圧勝に終わりました。市議会のリコールが成立し、市会議員の既得権益層が与野党問わず、大幅入れ替えとなるでしょう。そうなれば、市会議員や市職員の給与は大幅削減される一方、名古屋市の財政は大幅改善されるでしょう。

 日本の全国市町村には住民あたりにすれば過剰の議員がいますが、いずれも、市民平均より高給取りで、市町村の財政を圧迫しています。市民サービス従事の職員はともかく、議員を過剰に多数、高年俸で丸抱えして税金で扶養しているのは日本くらいでしょう。

 本件について日米を比較して、指摘できる大きな違い、それは、米国民は非常に、納税者意識が強く、公務員や議員への監視の目が非常に厳しいことです。地方の市役所や州庁の建物は実に質素です。また議員の報酬は働いた分だけしか支払われず、兼業しないと生活できません。まさに、パブリック・サーバントです。それでも議員をめざすのは、有名政治家を目指すからだと思われます。

 また、不況で税収が減れば、まず公務員の給与がカットされ、場合によってはリストラされます。米国では、税金で扶養される公務員は決して、安定した職業ではありません、当然ながら。

 一方、日本は真反対です、地方都市で一番立派な建物は県庁舎や市庁舎です。地方の国民が仕事探しに苦労しても、地方公務員の雇用は安定し、平均以上の年収です。議員に至っては、高給丸抱えです。選挙のときだけ米つきバッタで頭を下げておき、内心、舌を出していればよいわけです。しかも彼らは税収が減れば、まず市民サービスをカットして、自分たちの給与を財政が破たんしても死守するでしょう。

 河村氏は、この役人天国、議員天国の日本を世界標準に戻そうとしているだけです。河村氏の行動が、今後、全国規模で広がる可能性がでました。

2.戦々恐々の悪徳ペンタゴン既得権益者

 本ブログのテーマは日本をステルス支配する米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴン日本人です。

なお、上記、米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴン日本人の定義は、本ブログのNo.225の注記をご覧ください。

 今回の河村チャレンジでもっとも、戦々恐々なのは、悪徳ペンタゴンの政治家や官僚でしょう。河村チャレンジ革命が全国規模に広がったら大変ですから、彼らにとって・・・。

 このところ、悪徳ペンタゴン・マスコミは、大相撲八百長事件報道で、新聞紙面やテレビ・ニュースを埋めていますが、こういうときは、国民に隠したい話題を遠ざける必要に迫られたときと相場が決まっています。彼らが国民の関心をそらせたい話題は、(1)中東の米戦争屋傀儡国での反政府運動、(2)河村革命の全国伝播であることがわかります。

 2011年2月7日の朝日新聞には、とんでもない有識者コメントがでています、それは、山口二郎・北大教授のコメントです。

 中京地区での河村フィーバーは小泉フィーバーと同質のデマゴギーだというもの、中京地区の国民はクソバカにされています。

 悪徳ペンタゴン・朝日は、有識者の名を利用して本音を吐露しています、悪徳ペンタゴンの正体みたり。

 河村氏は、小沢氏同様、悪徳ペンタゴン検察から、政治とカネの冤罪事件、あるいは選挙違反ねつ造事件を仕掛けられる危険が大です。とくに、些細な選挙違反をつつかれる危険が大です。すでに、名古屋市議会リコール運動で、さんざん嫌がらせされた過去があります。(後略)



官製政治への反感だ 2月7日 日々雑感

いや、そうした疑惑は以前から常にあった。しかし政治家が国民の立場から官僚をコントロールしているのではないかという淡い期待があった。大手マスコミもそのように政治家主導の政治が展開されているかのような報道を流し続けてきた。だが決定的に小泉氏の時代にバレてしまった。日本は米国の「年次改革要請」に従って政治を行っているとの内幕が暴露されてしまった。

それを官僚が忠実に行政日程に上げ、政府が官僚主導のままに動いているに過ぎない、という事実が露呈してしまった。いかに大手マスコミが「郵政民営化賛成か反対か」と煽った劇場型選挙も、実は米国の民営化要請に従ったものに過ぎないと分かってしまったのだ。日本の官僚は実は米国の忠実な僕となっている。菅政権が増税路線に舵を切って米国の要請に従う姿勢を見せて政権浮揚と維持を図ろうとしている胡散臭さを、国民は敏感に感じ取っている。

小沢氏がなぜ官僚組織の検察と大手マスコミから政界排除の策動を受け、現在もテレビ出演者などが口を揃えて悪し様に論評するのか、その「根」もバレバレになっているのに、当事者のテレビ出演者だけが気付いていない滑稽な構図になっている。官僚のお膳立てした税率をそのまま用いて、自分たちの既得権益、という飴を舐め続けたい名古屋市議会議員たちのお粗末さが露呈している。同じことが国会でもいえ、官僚の改革は全く進まないどころか「在任出向」という職務権限強化策そのものという天下りを容認してしまった民主党菅政権の官僚内閣制内閣の実態に国民はウンザリしている。

ついに政治家による官僚改革なぞどきない、と諦めざるを得ないのかという怒りが渦巻いている。すべては小沢氏排除から民主党の右旋回は始まった。それは政治家が官僚の僕になるということだ。そして官僚の利権構造に言い訳程度に「事業仕分け」でお茶を濁して増税高負担へ邁進しようとしている。そうした事態に対する「ノー」が今回の選挙結果だと思わない選対幹部では四月の統一地方選挙ではもっと酷いことになるだろう。



(私のコメント)

今朝NHKの7時のトップニュースは何かとテレビをつけてみたら、トップニュースは大相撲の八百長問題でした。NHKのみならず各民放も全てがトップニュースは大相撲だった。名古屋のトリプル選挙の結果はNHKや各民放にとっては大相撲より下らしい。このようにマスコミは官僚統制の管理下にあり、NHKの報道が基準になって報道される。尖閣事件の時もそうだった。

「日々雑感」で書かれているように、日本の政治はアメリカから「年次改革要望書」が官僚に提示されて、政治家たちはそれを構造改革と称して行ってきただけだった。日本はエジプトよりひどいアメリカ依存政治を行ってきた。その仕組みがばれてしまったから自民党は政権与党から転落したのですが、代わった民主党政権も自民党と同じように官僚とアメリカ依存政治を行っている。
 
市長に再選された河村市長は、市議会議員が職業化してしまって、選挙の時はいろいろ公約しても当選してしまえば仲間の市議会や市長と馴れ合ってしまって、自分たちの利権を守ることの方に関心が行ってしまう。だから議員歳費の削減や公務員給与の削減など出来なくなってしまう。国の議員にしても同じであり党議拘束で投票するだけの投票マシンになってしまって、あとは次の選挙の事しか考えない。
 
菅政権がなぜ消費税増税を打ち出したかと言うと財務省を中心とした官僚組織に乗っかった政権だからだ。菅総理自身が、いくらじたばたしても官僚の力を借りなければ何も出来ないことが証明されましたが、官僚が情報を上に上げなければ政府は宙に浮いてしまう。尖閣問題にしても外務省は一切動かなかったから問題をこじらせてしまった。中国政府にパイプが民主党には無かったからだ。
 
日本には官僚を使いこなせる人材がいないからそうなってしまうのですが、国民の支持率が高ければ政権も長続きするから官僚たちも言うことを聞くが、支持率が20%台になると政権の先が見えてくるから官僚も言うことを聞かなくなり勝手なことをし始める。河村市長のように税金を10%安くしますとか議員や公務員の給料をカットしますとか言えば支持も集まるのでしょうが、民主党は20%公民の給与をカットしますと言って政権をとったのに、政権を取った後は先送りにしてしまった。
 
新ベンチャー革命で書かれているように、欧米では地方議員はボランティアであり、公務員も税収が減ればリストラされる。市長と市議会は馴れ合いであり、自分たちのお手盛りで歳費を引き上げ、ついでに公務員の給与も引き上げて民間とは200万円も差がついてしまった。地方財政は火の車なのですが、税金で生活しているから消費税を上げればいいと考えている。
 
このような役人天国や議員天国を変えていかなければなりませんが、河村市長はそれに挑戦しているから、民主党や自民党の候補を破って大差で当選した。この勢いで市議会出直し選挙で勝利して多数派になれば法案が通ることになり減税や給与カットも出来るようになる。それに対して民主党は衆院選挙で大勝して衆参ともに多数派だったのに公務員給与カット法案は、状況が整わないと言うことで鳩山首相は先送りにしてしまった。
 
要するに自民党も民主党も同じ穴のムジナであり、官僚とアメリカに言いなりの政党で、彼らに逆らうことは出来ない。菅総理も事務次官会議を認めてしまったから官僚主導は公認されたようなものだ。国政レベルで「減税日本」のようなはっきりとした公約を掲げた政党は無い。みんなの党も似たような事を言っていますが政権を取れば民主党にようになってしまう。
 
果たして名古屋から「減税日本」が全国的な動きになるか注目されますが、問題になるのが公職選挙法であり、選挙に出たくても300万円から600万円も供託金を払わなければならない。これでは100人候補者を立てるにしても3億円の費用がかかる。これではまともな政党は出来ないのであり、欧米のように無料で立候補できるように選挙法を変えなければなりません。インナーネットの選挙解禁も未だになされていませんが、民主党は公約を破ることに何の良心の呵責も無いようだ。
 




中国や東アジア諸国が加わらないのに、TPPが「国を開くか開かないのか」という
恫喝はないでしょう。個別にEPA、FTAを結んだ方が日本にとってずっと得です。


2011年2月6日

歴史の中の「自由貿易」:錦の御旗を立ててみたけれど… 2010年12月21日 金子勝

やりたいことと正反対の理由をあげて、やろうとすることを正当化する…。
戦争を仕掛ける側がしばしば「平和」や「正義」を口にするように、世の中にはよくあることです。
最近、進められているEPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)も同じ。それは「自由貿易」という名の「市場囲い込み競争」かもしれません。

菅直人総理も、TPP(環太平洋連携協定)への参加を「平成の開国」と呼び、「自由貿易」を錦の御旗としています。どうもTPPを考えるには、そもそも「自由貿易」にまで立ち返って考えてみないといけないのかもしれません。(中略)

日本側も、バブル崩壊後、護送船団方式に対する批判や、日本のシステムは「社会主義」的だなどという声が強まり、日本は米国の要求にしたがって「自由貿易」「市場主義」を選んできました。そこには郵政の民営化のように世界的に普遍的とは言えないような対日要求も含まれていました。対米輸出が多くなる限りで、それは正当化されました。が、今は米国についていくメリットは次第に失われ、もはや中国をはじめアジア諸国が輸出先としては圧倒的に高い比重を占めるようになってきました。

さらに、これまで対米交渉のたびに、いつも農業が保護主義のやり玉に挙げられてきました。農産物が米国の重要な輸出品だからです。実は、その結果、コメ、コンニャクなどの関税は例外的に高いものの、農産物の平均関税率は10%ほどで、EU諸国より低くなっています。農家の戸別所得補償も欧州諸国は粗生産額の8割も出しており、欧米諸国に比べて非常に低い水準にあります。むしろ米国への譲歩を繰り返すうちに、日本の農業はほとんど裸同然にされてしまったというのが正確な実態です。それゆえに農業が衰退してきたと言ってもいいかもしれません。世の中ではきちんと検証しないで、まったく逆のイメージを流布するイデオロギーむき出しの議論が横行しています。

最近では、中国や韓国が日本と同じ道をたどって成長してきています。日本は小泉「構造改革」がとられた2000年代以降に、産業の国際競争力を著しく低下させています。まだ規制緩和、市場任せで、中国・韓国などの国家資本主義に対抗できると思っている人は、日本の産業競争力の危機的状況を認識していないと言わざるをえません。

では、今日、なぜ自由貿易がこのように強調されるのでしょうか。その一つの理由は大恐慌期の教訓から来ています。80年前の大恐慌の時、列強各国は、為替切り下げ競争という「近隣窮乏化」政策をとり、宗主国が植民地市場を囲い込む「ブロック経済」政策を採りました。要するに自分さえ良ければよいという「自国中心主義」に走ったわけです。世界中が一斉に保護貿易に走ると、世界市場が縮小して不況を一層悪化させてしまい、その結果、世界大戦に突入してしまいました。その反省からいま「自由貿易」の必要性が唱えられているのです。

ところが、過去の歴史を振り返ると、最も強い国が率先して貿易を開き、弱い国や産業にはセーフティネットとして一定の例外規定を認める国際的自由貿易体制ができないと、国際経済は安定しないというのが正しいのです。それが実現したのは、パックス・ブリタニカやパクス・アメリカ―ナの全盛期くらいでしょうか。

しかしEPAやFTAも、よく考えると、二国間・少数国間だけで「自由貿易」を推進する協定であって、その他の国々には高い関税などを課すものです。本来的に世界中の多国間で自由貿易主義を推進するのはWTOです。実は、WTOという国際自由貿易体制が十分に機能できない中で、EPAやFTAは「自由貿易」という名を借りた「市場の囲い込み競争」という面を持っているのです。それは、ブロック経済の現代版と言えなくもありません。TPPも基本的に同じです。まさに、やりたいことと正反対の理由をあげて、やろうとすることを正当化するやり方です。

しかし、あちこちでEPAやFTAが次々始まったら、日本だけ締結をしないわけにはいかず、どんどん追い込まれてしまいます。しかし、そうであるなら、なおさら割り切って自国の利益になるかどうかをしっかり見据えなければならないはずです。

まずTPPが「国を開くか開かないのか」という選択だと、インチキな恫喝をかけるメディアがありますが、それは本当でしょうか。TPPにはロシアはもちろん、ASEAN+3でFTAを進めてきた中国は、米国主導のTPPには乗らないでしょう。また米国とFTAを締結した韓国も参加しないでしょう。実は、米韓FTAではコメが例外品目ですが、TPPではそれが許されませんから。今や世界で最も成長し、実際にも日本の輸出先として圧倒的に重要な中国などの東アジア市場でしょう。その中国や東アジア諸国が加わらないのに、TPPが「国を開くか開かないのか」という恫喝はないでしょう。これらの国々と個別にEPA、FTAを結んだ方が日本にとってずっと得です。

しかも、中国・韓国などとEPAやFTAをする際には、農業利害の衝突も起こりにくいのです。とくに中国は水田中心で平均耕作面積が1haにも満たない状態で、小麦・トウモロコシなどの穀物、畜産、砂糖などで競合せず、むしろ米や果物など日本の農産物の輸出の可能性が切り拓かれます。実際、中国最大の農業国営企業の中国農業発展集団と20万トンの日本米の輸出契約への取り組みが行われようとしています。

じゃあ、TPPで日本の農産物が壊滅的な打撃を被る一方で、日本の製造業品の輸出が伸びればいいのかもしれません。しかし、日本の製造業品の対米輸出が本当に伸びるんでしょうか。どうも、それも期待できそうにありません。オバマ政権は中間選挙で大敗したため、議会は機能しない中で、再び、金融危機が再燃する恐れが強まっているからです。オバマ政権が取りうる経済政策は限られています。そこで、オバマ政権は、今後5年間に輸出を倍増して雇用を200万人増やすと表明しています。つまりTPPは米国の輸出を倍増する計画の一環なのであって、決して日本の対米輸出を増やすものではないのです。

そう考えると、TPPで問題になるのは、実は農業だけではありません。実はTPPは単なる輸入関税の話ではなく、より広範なパートナーシップを目指したものであり、さまざまな分野が協議の対象となるかもしれないのです。いくつかの可能性があります。

@公共事業などの入札に関しては、すでにWTOルールにしたがって事業金額規模に基づいて政府調達へ海外企業の参加条件が決まっています。その金額の引き下げが求められてくるかもしれません。
A金融分野で門戸開放も含まれる可能性があります。このテーマであれば、民主党が2009年マニフェストで掲げた郵政民営化見直しも含まれると考えるのが自然でしょう。米国政府の要求は「自由貿易」というより「公正貿易」なので、米国企業が参入していないこと自体が問題だということになります。郵貯や簡保資金の運用に関して、米国金融機関への割り当てをよこせということになるかもしれません。
BBSE絡みで米国産牛肉は月齢20ヶ月という輸入条件がありますが、その条件の緩和が要求される可能性もあります。
C労働市場の開放によって、ベトナムなどから移民労働を受け入れる問題も出てくる可能性もあります。


まだ分かりませんが、米国が「年次改革要望書」であげる対日要求のどれが出てもおかしくないでしょう。TPPに乗ることで、先に挙げた対日要求が強まり、むしろ日本は犠牲だけを強いられるのではないでしょうか。米国が「不公正慣行」だといえば、財界は諸手を挙げてそれに賛成するのでしょうか?今の日本にそんなゆとりがあるとは思えません。とりあえず民主党内の反対で、菅政権がTPPで米国が何を求めてくるのか、まず情報を収集するとして、何も考えていない菅首相の失点は防がれました。

今は、折からの尖閣問題や朝鮮半島の緊張もあって、民主党政権は、当初のマニフェストで掲げた東アジア共同体構想から、旧来の自公政権による「日米同盟」重視の路線へと乗り換えつつあります。しかし、TPPの議論の過程を見ていると、イラク戦争に突っ込んで失敗したプロセスとそっくりです。米国について行けば、うまくいくという思考停止に陥っているからです。この歴史的転換期にそれでは、国の進路を誤ってしまう危険があります。

そういえば、証拠がないのに始めたイラク戦争も「中東平和のための戦争」だったはずですね。やりたいことと正反対の理由をあげて、やろうとすることを正当化するやり方でした…。バイアスを排して、状況を冷静に見て判断することが大事です。



(私のコメント)
菅政権の発足と同時に東アジア共同体の構想はどこかに消えてしまいましたが、日本にとっていまやアメリカが最大市場ではなく中国が一番大きな貿易相手国になっています。韓国や東南アジアを含めればアメリカよりも遥かに大きな経済的なつながりがあるのですが、アメリカは経済政策についても日本に対して多くの注文を付けて来ています。

アメリカに逆らえばアメリカと言う巨大市場から締め出される恐れがあったから、アメリカの言いなりになるというのも理由があった。2008年度で見ると対中国が17%で対米国が13%で中国との貿易額が大きくなっています。だから従来のようにアメリカが日本に対しての経済圧力は無くなっているのですが、政治家の習性でアメリカの圧力に弱い。

だからアメリカはTPPを持ち出してきて、菅内閣に強要してきていますが、アメリカは何とかしてアジアとの貿易を増やさなければなりません。しかしTPPには中国も韓国もその他のアジア諸国も乗ってきてはいない。にも拘らず菅内閣はTPPを推進しようとしていますが、金子勝氏が言うようにFTAで二カ国交渉をして行ったほうが実利があるだろう。

金子氏が言うようにTPPに名を借りた「年次改革要望書」になりかねない。もし、TPPが中国や他のアジア諸国が入っているのならわかりますが、アメリカ主導のTPPは公共事業の入札やら金融の門戸開放など直接国民の利益になるようなものではないようだ。中国や韓国となら産業構造も似ているし貿易量も多くて地理的にも近いからFTAやEPAで意味がありますが、先日発表された内容ではメリットは少ない。

韓国は既にアメリカやEUなどとFTAをまとめていますが、日本のFTAはなかなか遅々として進まない。いつも農業が交渉のネックになり、賛成か反対かの二者択一で中身の議論がなかなか進まない。今朝のNHKの日曜討論でTPPが話し合われていましたが、もっぱら農業問題がネックになってしまっている。むしろ先日明らかになった内容では経済統合に近い内容であり、FTAとはかなり違ったものになりそうだ。

TPPはシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイと米国、豪州、ペルー、ベトナム、マレーシアが参加を表明しているが、地理的にも文化的にも何のつながりも無くEUのような経済統合が出来るわけがない。それよりかは東アジアで一つにまとまってアメリカやEUと交渉していく戦略をとるべきであり、TPPはアメリカによるアジア分断工作なのだろう。

TPPは菅内閣も内容を何も発表しておらず情報の収集中としか言っていない。小泉構造改革も最後まで内容がわからず、肝心な内容は伏せられて法案が発表されると1000ページにも及ぶような内容の法案が発表されて、国会議員も法案が分からないまま採決された。TPPも同じ手が使われて議論が十分に行われないまま同じ手法でやるつもりなのだろう。

農業問題は何とかしなければならない問題ですが、農家も世代交代の時期が来ていて高齢化が進んでいる。株式日記では専業化と大規模化を主張していますが、国の政策はむしろ兼業農家化を進めるような政策になっている。これではコストダウンも進まず生産力の強化にもならない。株式会社化とか協同組合方式とかの方法がありますが、個人の農家の廃業で農地の集約化も進めやすくなる。

現在のまま米などを自由化すれば、高価な国産の米が売れ残ってダブついて生産調整を余儀なくされ、減反政策がとられている。これは同じ米を作っているからそうなるのであり、アメリカやオーストラリアの大規模農法では出来る米も限られる。それに対して国産の米を肥料から育成方法をきめ細かくしてブランド米化して行けば、安いだけの外国産米より国産のブランド米を買うだろう。

アメリカなどの大規模農家は収奪農業であり、遺伝子操作された種を使って自然を破壊した農業であり、耕地も荒廃して砂漠化している。これではおいしい米が出来るはずも無いのですが、国内の農家は農作物の品質を上げれば高くても買うはずだ。外国でも日本のブランド農作物は売れるはずだ。つまり日本でしか出来ない米や果実を作れば外国の安いだけの米や果実は売れない。

日本人は外国人に比べると非常に神経質であり味にもうるさい。一時期アメリカ産のサクランボやリンゴなどがスーパーで売られたが結局は売れなかった。外国産米も輸入されたが匂いがすると言うので売れなかった。神経質な日本人には不味ければ買わなくなる。同じ種を使っても生育方法が違えば味も違ってくる。自動車にしても国産のマーチとタイ産のマーチとは違うようなものだ。

このように自由化してもアメリカからの輸入は増えず、アメリカ政府はいらだって数値目標まで言い出した。このように日本人の異常なまでの味覚の神経質さを考えれば、米国産やオーストラリア産の米が格段に安くても国産のブランド米に比べれば不味くて売れないだろう。自動車にしてもドイツ車以外が売れないのは外国車は故障ばかりして安くても売れないのと同じだ。

むしろTPPが恐ろしいのは、アメリカと日本が経済統合されてしまって、金融や司法や医療がアメリカ的なやり方にルール変更されることだ。スポーツの世界も日本人が勝つと欧米ではルール変更して不利なやり方にされる。それとTPPは同じことであり、アメリカ的なやり方で金融も司法も医療も変えさせられてしまう。NHKの日曜討論でももっぱら農業問題ばかりでしたが、問題なのはそれ以外の内容だ。




小沢一郎元代表は2月2日夜、鹿児島市内で「(菅首相は)総辞職せず、
衆院を解散する。公明党も、統一地方選挙との「同日選挙」を容認。


2011年2月5日

「小沢一郎元代表の有罪立証は困難」との報告を得た菅直人首相が大慌て、岡田克也幹事長も処分の手が震えた 2月8日 板垣英憲

◆駐日米大使館内の「日本管理委員会」を拠点にする対日工作担当者による「小沢潰し」の手が、ここにきてかなり緩んできている。これは、フリーメーソン・イルミナティ情報である。それは、小沢一郎元代表の存在が、どこに位置するかによって、「ポスト菅」を担う新しい総理大臣が、決まる可能性が高いというのが、最大の理由だ。検察審査会の議決に基づき強制起訴されている小沢一郎元代表の処分の仕方によって、だれが「ポスト菅」のポジションという金的を射止めるが、大きく揺れ動くのである。

◆@小沢一郎元代表は、菅直人首相が、2011年度政府予算案の採決、予算関連法案の採決という2つのハードルを越えることができなければ、衆院解散・総選挙に追い込まれると先読みしている。小沢一郎元代表が支持派70人(国民新党4人が政権離脱すれば、67人)を引き連れて離党すれば、予算案は衆院でも否決される。衆院優越により予算案が自然成立したとしても、衆院で民主党・国民新党で311議席のため、「3分の2」(319議席)に8議席不足しているので、再議決できない状況では、菅首相は、予算関連法案を可決成立させることができない。

 この状況を念頭に、小沢一郎元代表は2月2日夜、鹿児島市内で「(菅首相は)総辞職せず、衆院を解散する。総選挙は早いぞ」と述べており、公明党も、統一地方選挙との「同日選挙」を嫌がっていないという。小沢一郎元代表は3日、鹿児島県肝付町にある二階堂進・元自民党副総裁(ロッキード事件の渦中、灰色高官と言われ疑惑に包まれながら、総理大臣就任に意欲して果たせず、「幻の二階堂政権」と言われ、2000年憤死)の墓参りをしている。

◆A「ポスト菅」を狙う前原誠司外相、岡田克也幹事長、野田財務相、さらに{半年でもいいから総理大臣になりたい」と大それた欲望を露わにし、「床の間の便所」と揶揄されている仙谷由人代表代行、否、菅首相自身、「小沢一郎元代表」の手のひらのなかにある。小沢一郎元代表がせいぜい8人〜10人程度の支持派を引き連れて、民主党を追い出される形で離党した場合、これらの政治家は、だれも「金的」を射ることはできなくなる。支持派70人(国民新党4人が政権離脱すれば、67人)を引き連れて離党して、野党自民党が衆院で菅内閣不信任案を提出し、小沢一郎元代表と支持派が賛成に回れば、菅政権どころか、民主党政権は、木っ端微塵になる。

◆B最新情報によると、江田五月法相が、強制起訴した検察官役の弁護士サイドから得た感触として「小沢一郎元代表の有罪立証は困難」という情報を菅首相に報告した。慌てた菅首相は、これを直ぐに岡田克也幹事長に伝えたところ、鬼の形相の手が震えたという。このため、小沢一郎元代表を離党勧告、あるいは党員資格停止などの処分をした場合、取り返しのつかないことになりかねないという状況になっているという。もし「無罪判決」が出た場合、党執行部の責任問題も起こるので、軽々には処分できなくなっている。

(ちなみに、朝日新聞は2月1日付けの朝刊1面に九木良太記者の解説記事で「有罪立証には困難も」という見出しを付けて「無罪が出れば、検察審査会制度のあり方も問われる」と報じている)

◆C米国は、「ポスト菅」として最も期待している前原外相が、小沢一郎元代表と支持派の協力を得られずに、総理大臣就任が遠のくことを憂慮し始めている。解散・総選挙で民主党が大敗するのが確実視されているいまの政治状況において、前原外相の目がなくなると日本の政治を思うが侭にできなくなるからである。その意味でも、「ここで小沢一郎元代表を「潰すのは得策でない」と考えているのである


森・鳩山・亀井会談で打開策は? 小沢強制起訴で政局不安定化の一途 1月29日 ZAKZAK

民主党の鳩山由紀夫前首相(63)、自民党の森喜朗元首相(73)、国民新党の亀井静香代表(74)の3人が28日夜、都内の日本料理店で会談した。ねじれ状態にある国会の混迷を憂慮した元首相経験者らが打開策を話し合うという趣旨だったようだが、三人寄って…、何か展望は開けました?

 亀井氏の呼びかけに鳩山、森両氏が応じる形で“スリーアミーゴス”の会談は実現した。3人は、民主党の小沢一郎元代表の強制起訴後、政局は不安定となり「国難を迎える」との認識で一致。亀井氏が菅直人首相の進退に直結する「3月政局」への懸念を示したほか、民主、自民両党による大連立の可能性も話題になったという。

 また亀井氏は、ねじれ国会で2011年度予算関連法案の成立見通しが立たない現状を踏まえ、「首相経験者はそれだけで責任がある。大変な時だからよく考えてほしい」と鳩山氏と森氏に要請した。

 ただ、森、鳩山両氏はともに記録的な低支持率で“総理の権威”をガタ落ちにさせた張本人。現在の日本が抱えている「国難」のきっかけをつくったとも言える人物だけに、「亀井さんも“人選”が悪すぎる」との声も聞こえてくる。


(私のコメント)

テレビなどは相撲の八百長騒動一色ですが、これは民主党と検察が組んだものだろう。ニュースの時間で相撲の八百長騒動で政局のニュースは飛んでしまう。芸能人の覚せい剤騒動や相撲のコカインや賭博や八百長はその為の煙幕だろう。マスコミも芸能界やスポーツ界ならいくら叩いてもどこからもお咎めはないから、やりたいだけやれる。マスコミは弱いもの虐めが大好きだ。

しかし、予算審議で菅民主党政権が行き詰るのは時間の問題であり、小沢、鳩山、亀井の三氏が菅降ろしに動くのはこれからになる。亀井氏が鳩山氏と森氏との会合を持ったと言うことですが、菅内閣が立ち往生したときの受け皿づくりだろう。最悪の場合は菅内閣を追い込んで衆議院選挙と地方統一選挙の同日選挙になるかもしれない。

菅総理が内閣総辞職を選んだ場合は、亀井内閣か原口内閣が受け皿になるのかもしれません。民主党議員にとってはそのほうがいいのでしょうが、どちらにしても菅内閣が行き詰るのは時間の問題だ。頼りになるのはアメリカの支援ですが、アーミテージもマイケル・グリーンもオバマ政権とは関係のない人物であり、小沢一派が復権した場合、非常にまずいことになる。

エジプトの騒動を見てもわかるように、アメリカは30年にわたってムバラク政権を支えてきましたが、オバマ政権は従来のアメリカの権力とは別の権力で支えられている。だからムバラク政権に対しても暗に引退を強要するような姿勢だ。エジプトの反米政権ができれば従来のアメリカの利権は失われて、オバマを後押しする勢力が利権を獲得する。

小沢一郎は、たびたび「選挙は近い」と発言しているが、これは菅内閣への牽制ですが、菅総理は意に介さず押し通す姿勢だ。選挙になれば民主党は壊滅的な大敗をするから単なる脅しと見ているのでしょうが、小沢一派が玉砕覚悟で離党して自民党が出す不信任決議で賛成に回れば、菅総理は辞任か解散に追い込まれる。

菅直人が、小泉純一郎並の役者なら「ガリレオ演説」で大勝するのは可能なのでしょうが、大根役者では大敗は免れない。アメリカにしても小泉氏に資金をばら撒いてマスコミを動員して郵政選挙で大勝しましたが、アメリカには今はその力は無いし、柳の下のどじょうは二匹はいない。かといって自民党が政権を奪還してもアメリカ従属内閣が続くだけだ。

考えられるケースは、菅総理が内閣総辞職して、小沢、鳩山、亀井一派と自民公明が大連立を組むことだ。しかし選挙を望んでいる自民党がそれに乗るかは定かではない。一昨年の総選挙で民主党が大勝して小泉チルドレンが壊滅したように、今度は小沢チルドレンが壊滅的落選をするだろう。有権者は一度民主党にやらせてみようと票を入れたのですが、民主党は見事にその期待を裏切った。

菅民主党内閣がやっていることは自民党と同じ官僚とアメリカに従属する政治であり、従来の利権を守る政治だ。地方では公務員だけがますます豊かになり過疎化が進んで経済は疲弊している。これではエジプトだけではなく日本も民衆による革命を起こして、既得権益で甘い汁をすすっている公務員や特殊法人を改革しなければなりませんが、それが出来る政党も議員もいない。

日本国民は民主党ならしがらみの無い改革が出来ると期待して票を入れたのに、民主党はそれが出来なかった。自分の給料すらカットできないのに公務員の給与がカットが出来るわけがない。それがいやなら大幅な金融緩和してインフレ気味にしてインフレターゲット政策を採ることだ。そうすれば税収も上がるし民間の給与も公民に追いつく。それがいやだから財務省はデフレ政策で国民を困らせているのだろう。




現在の日本の教育システムは、役に立たない新卒者を大量生産している。
引きこもりになる原因として「就職失敗、職場になじめなかった」が大半。


2011年2月4日

大前研一氏 学生の質の低下に呆れる企業の声を3つ紹介する SAPIO2011年2月9日・16日号

厚生労働省と文部科学省の調査によれば、今春の大学卒業予定者の昨年12月1日時点の就職内定率は68.8%で、前年同期を 4.3%下回り、調査が始まった1996年以来で過去最低となった。昨年度は終盤に内定率が上がって最終的な就職率は91.8%になったわけだが、もしかすると今年度は80%に届かないかもしれない。大前研一氏が指摘する。

菅政権は卒業後3年以内の就職希望者を正規雇用した企業や正規雇用を前提にトライアル雇用を実施する企業に対する奨励金を創設したり、大学に配置している「キャリアカウンセラー」やハローワークに配置している「就職ジョブサポーター」を倍増したりしているが、おそらく焼け石に水だろう。

なぜなら日本企業は今年度の大学新卒者の採用予定人数を昨年度より40%ぐらい削減しているからだ。その最大の理由は景気が悪いことではない。企業が必要としている人間と今の日本の大学が作り出している人間が、完全にミスマッチになっていることである。

たとえば私が主宰する経営勉強会に参加している経営者たちは最近、異口同音に同じタイミングでこう言い始めた。

「我々が求めている人材なら何人でも採用したいが、応募してくるのは採用する気がしない学生ばかりだ」

「あのレベルの人間を採用して、うちの会社の将来があるとは思えない」

「だから今後は海外で採用するか、日本に来ている外国人留学生を採用したい」

すでにパナソニック、楽天、ファーストリテイリング、ローソンなどが外国人採用を拡大している(私自身がそうすべきだと叫んできた)が、そういう言葉を日本の経営者から一斉に聞いたのは、40年近くになる私の経営コンサルタント人生でも初めてのことだ。

今まで日本企業は、大学新卒者を採用し、給料を払いながら会社の戦力になるよう教育・養成してきた。この前提を疑ってかかった経営者はあまりいなかったと思う。しかし、今や日本の大学を前提としたグローバル化は不可能だ。従来通りの採用・教育システムでは、世界の変化に対応できなくなっている。



引きこもり70万人に関する金融業界の専門家たちの意見  2010年8月2日 水牛健太郎

引きこもりの前提になるのは、働かなくても家族から食事が支給されることです。
引きこもるための個室も必要です。引きこもる人は多くの場合、インターネットやゲームなどに時間を費やしています。要するに引きこもるにはそれなりの「コスト」が必要です。このように考えると、引きこもりは比較的高所得の家庭に多いのではないかと推測されます。


実際、今回の調査ではありませんが、以前の調査結果の分析では「『ひきこもり』は、高学歴(大卒)の両親のいる家庭で、それよりも低い学歴の両親を持つ家庭よりも多く発生していた」とするものもあります(「わが国における「ひきこもり」の実態と関連要因:世界精神保健日本調査から」川上憲人 東京大学大学院医学系研究科教授)。大卒の両親が高卒・中卒の両親に比べ、平均所得が高いことは言うまでもありません。

 今回の内閣府の調査では、引きこもりになったきっかけとして、「職場になじめなかった」「病気」がともに23.7%で1位、次いで「就職活動がうまくいかなかった」が20.3%となっています。このように、社会での挫折と精神的なものを含む疾患がともに挙げられており、引きこもりという現象の背景の多様さがうかがわれます。こうした問題に直面した人たちのうち、引きこもることのできる家庭条件を備えた人がいわゆる「引きこもり」となり、そうした条件のない人は破たん寸前の心理状態をおして働き続けたり、転職を繰り返したり、失業の末、生活保護を受けたり、路上生活者となったり、あるいは病気で各種病院に収容されたり、ごく一部は犯罪に走って刑務所に収容されたりするのではないかと思います。

 いずれにせよ、こうした引きこもりや、実際に引きこもっていなくてもそうした素質を持つ人たちを、孤立状態から再び社会化していくことを考えると、単なる経済的な雇用政策ではなく、社会的な側面を持つ政策が必要になると思われます。カウンセリングなど、社会への適応を促すさまざまな仕組みが不可欠だと思われるからです。


「自室という子宮 〜母胎回帰としての引き篭もり」 2010年8月2日 三ツ谷誠 

 さて、最初に構想から入りましたが、私は「引き篭もり」というのは母胎回帰願望の現実的な発現形態と考えています。だから「引き篭もり」者は比喩的に言えば、自室という子宮に篭もり、かつてへその緒から生きるための資材を与えられたように、その親の経済力に自らの生を委ねている状態にあると言えます。

 彼らが子宮に回帰した理由は、それぞれの個人史に由来するのでしょうが、たぶん共通する心性は、「僕を(私を)受け入れなかった世界を僕は(私は)否定する」というようなものでしょう。だから彼らはもう一度子宮に戻り、外界に出ることを拒否したのだと思います。また、彼らの最終的なロジックは、「僕(私)自身が望んでこの世界に生まれた訳ではなく、まさに親こそがこの世界に僕(私)を生んだ意思そのものなのだから、その生に責任を取れ」というものでしょう。勿論、自覚的なロジックではない場合もあると思いますが、このような心性の存在は容易に想像できます。
それは実際に自分自身、荒れた思春期に完全に抱いていた感情でもロジックでもあるので。

 またその思春期から遠く離れていまや逆に私も親ですので、「引き篭もり」のわが子を持つ親の心配(自分たちが死んだらこの子はどうなるのだろう)もまた容易に想像がつきます。しかし、その親への反抗・抗議が金髪や(自分たちの頃なら)ボンタンやリーゼント、ぺったんこに潰した学生カバンやマディソンバッグ(笑)に現れず、自室への回帰に現れた段階で、その子どもは緩やかに母体が死滅すればへその緒に繋がった自分も死滅するという覚悟を持っている(緩やかに自裁に向かっている)と解釈すべきでしょう。どこかで自分を生んだ親を許すプロセスを経ない限り、結局子どもは自立することはできないものだと思います。その意味では親は「許される者」として存在するのです(「許される者としての親論」)。

 さて、世界に傷つき自室という子宮に回帰した子どもたちですが、彼らは自らを拒絶した世界に代償的ではあっても対峙するために「セカイ系」アニメやマンガ、ゲームなどの消費主体になっていると考えることもできるでしょう。そこでは或る世界観が提示され、たいていはセカイを滅ぼそうとする力とセカイを守ろうとする力が相克し、物語が語られ、物語を受け取る読者は、セカイを滅ぼそうとするキャラクターにも心を寄せながら、傷つきながらも仲間たちとセカイを守ろうとする主人公に自身を重ねるのです。


(私のコメント)
昨日のNHKの「クローズアップ現代」では「働くのが怖い新たなる引きこもり」を特集していましたが、現在の日本では狭義の意味での引きこもりが70万人、潜在的引きこもりが150万人いると言われています。70万人と言えば鳥取県の人口よりも多く、20代30代の若くて働き盛りの年代が働かずに家に引きこもっているのですが、政府も教育界も特にこれと言った対策を立てていない。

問題の原因は家庭にも学校にもあるのでしょうが、大前研一氏が記事で書いているように、企業経営者は使いものにならない新卒者が多くて採用を絞っているようだ。採用しても「職場に馴染めなかった」として3年以内に三人に一人が辞めて行く。中卒や高卒はもっとひどいらしい。欧米のように中途採用が当たり前の社会なら再就職も可能でしょうが、日本のような終身効用制度の下では正社員を一度退職すると二度と正社員には戻れなくなることを覚悟しなければならない。

その結果として、20歳以上の引きこもり者が70万人と言う数字で現れてくる。これは40歳以下の数字であり、実際にはもっと多いだろう。なぜ職場に馴染めない若者が大量に出てくるのか原因はいろいろ考えられますが、学校も家庭も社会の厳しさをきちんと教えないからだろう。以前のように日本全体が貧しかった頃は、いやでも子供のうちから社会の厳しさの洗礼を受けましたが、今では甘やかされて社会に出てくる。

大学生の頃は昼ごろまで寝ていて、大学に出欠だけとって街に遊びに行くかアルバイトに行く生活を送っていて、社会に出て就職すると朝8時に会社に出社しなければならず、夜の8時、9時までの勤務をする様になる。仕事も学校のようにきちんと教えてはくれず見て覚える世界だ。仕事のミスをすれば上司から厳しいい叱責が下されることになる。それだけでもひ弱な若者は耐え切れずに退職してしまう。

私自身もそれと同じ体験をしてきたが、銀行のハードワークにストレスが原因で体を壊して退職した。周りからはせっかく高給もらっているのにもったいないと言われたが、日本の会社の人使いは荒くて体力の限界まで酷使される。会社も学校のように気の合う人ばかりではなく、意地悪な人間が多くて精神的に追い詰められることも多い。だから現代では辞める人が多くなり、企業側から見れば根性のない社員が増えたと言うことになるのだろう。

私は会社を辞めてから2,3年ぶらぶらしていたが、アパート経営を始めていたから失業手当は貰わなかったが、体を壊していたので家でインターネットをしているしかする事がなかった。いわば引きこもりに近い生活をしてきたから、引きこもり者の心境はよく分かる。何とか再就職しようと職安にも通ったが、再就職してもストレスでやられた体は耐えられず1ヶ月で辞めたりした。

現在の日本企業はバブル崩壊やリーマンショックで厳しさは増すばかりであり、大学の新卒者が就職してもそれに耐えられる能力のある大卒者は少なくなってきている。連日の残業にも耐えなければならないし、上役や仕事先との酒の付き合いや休日の付き合いなどに借り出されても文句は言えない。社内では自分を殺して周囲に合わせなければならないから、ストレスも溜まる。

それに対して、日本の大学や高校はレベルが下がる一方であり、体力的にも精神的にもひ弱になり、とても会社が求めているような企業戦士は勤まらないのだろう。昨日のNHKの番組に出ていた40歳の引きこもりの人は社会復帰は難しいだろう。20年に及ぶ引きこもり生活で体力が低下してしまって、仕事に耐えられない。

問題の解決には、徴兵制を復活して1,2年自衛隊で鍛え直すしかないだろうと思いますが、難しいだろう。学校側も運動部などに入らせて体力を鍛えてスパルタ訓練を施すべきと思いますが、それも難しいだろう。若いうちから鍛えなおせば何とかなるのでしょうが、引きこもりが長くなると体力的に何の仕事も出来なくなってしまう。精神的に辛い仕事に耐えるという事もできなくなるだろう。最終的には責任は家庭が負って両親が息子の生活の世話をするようになってしまう。




菅内閣が進めているTPPは、弁護士免許や医師免許なども自由化して、
外国人弁護士や外国人医師、看護師などを自由化させるものらしい。


2011年2月3日

10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる  2月2日

●環太平洋経済連携協定(TPP)を巡り、政府が米国などから集めた情
 報の全容が1日判明した。・・・・ 原加盟国であるシンガポール、
 ニュージーランド、ブルネイ、チリが2006年に自由化を決めた農産物や
 鉄鋼などの分野に加え、「金融サービス」「電子商取引」「投資」「労
 働」なども条文本体に規定を追加。幅広い分野で自由化の検討が進んで
 いるとみられる。

                日本経済新聞 2月2日
   __________
   佐々木の視点・考え方
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      
★TPPに対して、日本医師会は反対し、日弁連は賛成している。
 やはり、文系は理系よりも現実認識が酷いのか。

 TPPを農業の開放、輸出の促進と勘違いしている人が多い。

 しかし、本質は米国等が日本に金融、法曹、医学と言った分野での参入
 を促進する狙いが大きい。


 例えば、TPPによって米国に多数存在し、なかなか食えない米国弁護
 士が米国の弁護士資格で日本へ参入することができるようになる。


 しかし、日本の弁護士は米国基準を満たしている訳でないから日本の
 弁護士資格で米国に進出することが出来ない。


 これが医療など各方面で実施される。
 要は、サムライ(士)業の全てにカウボーイ(アメリカの士業)が席巻
 することになる。

 しかし、TPPはあくまでも不平等条約だから、この逆、日本のサムラ
 イ(士業)の逆上陸は無い。

 TPPを受入れての開国とは、不平等条約受け入れとなる。

 21日のメルマガで、「日本政府と経済団体がこうした、第1に日本人
 雇用撲滅、第2に日本人雇用撲滅、第3に日本人雇用撲滅の政策を採っ
 ているのですから、あなたも万一に備えて準備されては。」
 と書いたのは、こうした事実を基にしたからです。

 なぜ、中国や韓国がTPP加盟に反対しているのかを考えれば答えは
 おのずと分かる。(後略)


第87回 TPPと「平成の開国」 後編(3/3) 2月3日 三橋貴明

何しろ、現在のアメリカは量的緩和を拡大している最中なのだ。日本のデフレが継続している限り、実質金利が高い円は買われ続け、為替レートは円高ドル安に動かざるを得ないだろう。

 TPP批准後に数パーセント円高になると、日本の工業製品が獲得したアドバンテージは消滅し、「ドル安」を利用した農産物が日本市場に雪崩れ込んでくることになるわけだ。加えて、上記のアメリカの「問題があるサービス」が日本市場に流入し、我が国は「国の形」を変えられてしまうかもしれないのである。

 かつて、家電王国だったアメリカは、法律家たちがPL法などを活用し、メーカーへの訴訟合戦を繰り広げた。結果、嫌気が差した企業は家電事業から撤退し、現在のアメリカには、まともな家電メーカーが残っていない。アメリカの家電産業を潰した法律家たちを、日本は「GDPの1.5%に過ぎない耐久消費財の輸出産業」のために受け入れなければならないのだろうか。

 あるいは、リーマンショックを引き起こした、アメリカの投資銀行などの金融サービスである。現在の日本の家庭の現預金は800兆円を超え、この額は世界最大だ(アメリカの家計の現預金総額よりも大きい)。現預金とは、すなわち「きちんと運用されていないマネー」と、アメリカの金融サービスは見なすだろう(大きなお世話だが)。TPPにより、アメリカの金融サービスが大挙して日本に上陸し、日本の家計の巨額現預金を運用し、莫大な手数料(及びボーナス)を稼ぐことを目論むわけだ。彼ら、アメリカの金融サービスは、日本の「安全資産」を、海外のハイリスク・ハイリターンな投資商品に誘導する可能性が極めて高い。無論、ここで言う「ハイリスク」を引き受けるのは、アメリカの金融サービスではなく、日本の家計である。

 また、TPPを批准すると、政府調達も「自由化」されてしまう。すなわち、TPP批准国の企業に対し、内国民待遇をする必要に迫られるのだ。日本の公共投資が資金力に富む海外事業者に受注され、国内のインフラ供給力が削られていく可能性を否定できない。

 筆者は「金融緩和及び公共投資などの財政出動、減税などをパッケージとして実施し、デフレを脱却する」という解決策を頻繁に提案している。しかし、公共事業を海外事業者に受注されてしまうと、「海外からの輸入」ということになってしまい、GDPへの波及効果が激減する。

 さらに、防衛産業など「特殊な政府調達」についても、アメリカの事業者を日本企業同様に扱わなければならなくなる。何しろ、アメリカの防衛産業は、日本と比べ物にならないほどに競争力がある(世界を相手に商売しているわけだから、当然だ)。自衛隊がアメリカの軍需品ばかりを使用するようになり、日本の防衛産業が衰退していったとして、本当にそれで我が国の安全保障は維持されるのだろうか。
 
 などなど。民主党政権は「平成の開国」などとスローガンしか叫ばず、農業を悪者にして、強引にTPPを推進しようとしている。しかし、TPPは「開国」という言葉がもたらすイメージとは裏腹に、日本の国益を害する可能性が高いのだ。

 また、そもそもTPPは農業の問題などではない。日本の「国の形」をどうするか、という問題なのである。この視点からTPPについて語るマスコミが、果たして一社でもあるだろうか。



(私のコメント)
日経新聞の記事によると、TPPの内容が明らかになってきましたが、関税の撤廃と言ったことばかりではなく、金融や放送や医療と言った分野まで外国に開放するようなものらしい。菅総理が言う平成の開国とはこのような意味なのでしょうか。これが本当ならアメリカからハゲタカファンドやハゲタカ弁護士やハゲタカ病院が押し寄せてくるかもしれない。

裁判員制度もアメリカの陪審員制度を真似たものであり、TPPで法曹の自由化が行われればアメリカからハゲタカ弁護士事務所がやってきて、アメリカ流の訴訟の嵐が吹き荒れるかもしれない。さらにアメリカの病院チェーンなどが自由化されて、盲腸を手術しただけで200万円もかかるようなアメリカ流の医療制度になるのだろうか。

これではTPPは、小泉構造改革よりももっとひどい売国制度であり、金融や法曹や医療やサービス業などをアメリカに売り渡すようなものになるらしい。ニュース報道ではTPPはもっぱら関税の撤廃と言ったことばかり伝えられていますが、弁護士の自由化や医師や看護師などの自由化まで想定されたものであるならば、日本医師会や日弁連などがのほほんとしているのは不可解だ。

TPPが自由貿易協定ということで考えてきましたが、TPPはアメリカが主導権をもって、シンガポール、  ニュージーランド、ブルネイ、チリを巻き込んで交渉してくるから性質が悪い。実質的には日米経済協定であり、一方的にアメリカの制度が日本に押し付けられて、金融や医療や司法や放送といった分野まで自由化してしまうものらしい。

小泉構造改革では、郵政のみならず高速道路や水道といった公共インフラまで自由化して外資に開放しようとして自民党が分裂して、選挙で大敗して政権を失いましたが、菅民主党政権ではもっと踏み込んだ自由化を行うらしい。菅総理はわざわざとんぼ返りでダボス会議に参加して「国際公約」して来ましたが、竹中平蔵と同じ事をやっている。しかしTPPの中身については明らかにしていない。

郵政の民営化も最後まではっきりしないものでしたが、郵政に外資規制をかければ問題がないにも拘らず、小泉竹中内閣は100%解放に拘った。そうすることによって340兆円の郵貯簡保の資金は外資が乗っ取れば自由に米国債やサブプライム証券を買ってパーにすることが出来る。だから自由民主党は国民の信任を失ったのですが、民主党の菅内閣はもっと自由化を広げて医療や弁護士事務所まで自由化するつもりらしい。

どうせそこまで自由化するなら、円も廃止してドルに一本化して、日本国を解散してアメリカの一州になったほうがすっきりするだろう。菅民主党政権は自民党時代よりも官僚とアメリカに依存した内閣であり、小泉総理のほうが靖国神社に参拝しただけまだましだ。国会中継などを見ても菅総理は逃げの一手であり、民主党のマニフェストも事実上の棚上げだ。

構造的には、日本国民から消費税を巻き上げて官僚と外資と手を組んだところが利権に預かる体制になるようだ。かつては大店法を改正して駅前商店街をシャッター通り化したのも自由化のせいなのですが、政治家は選挙で落とせば責任を問えるが、官僚やアメリカには責任を問うことが出来ない。だから官僚やアメリカは日本国民に対してやりたい放題のことをすることが出来る。

中東ではエジプトが100万人デモでムバラク政権を倒しましたが、日本ではデモをいくら呼びかけても何の反応もない。数千人の菅政権打倒のデモを都心で行っても新聞やテレビはデモを報道しない。株式日記に対してもコメント欄にはアメリカの手先による嫌がらせや誹謗中傷が書き込まれますが、右翼による保守派への弾圧なのだろう。親米右翼はありえても親米保守はないからだ。




オバマは今、カーターと同じ道を選ぼうとしているように見える。
その先には、カーターの時と同じ困難が待っているだろう。


2011年2月2日

オバマ米大統領、エジプト大統領に事実上の退陣勧告 2月2日 中日新聞

【ワシントン=嶋田昭浩】オバマ米大統領は1日夜(日本時間2日午前)、ホワイトハウスで緊迫が続くエジプト情勢をめぐる声明を読み上げ、「秩序ある(政権)移行は意味のある形で、平和的に、たった今始まらなければならない」と述べた。エジプトのムバラク大統領に対する事実上の退任勧告とみられる

 オバマ大統領は、ムバラク大統領が9月の大統領選への不出馬を表明したテレビ演説の後、同大統領と電話で会談し、政権移行の即時開始が必要との考えを伝えたと強調。「彼は現在の状況が持続可能ではなく、変革が必要だと認識している」と語った。電話会談では、不出馬表明だけではエジプト国民の不満を解消できないとの米側の見方をムバラク氏に示唆したもようだ。

 オバマ大統領は「エジプトの指導者を決めるのは、他国の役割ではなく、エジプト国民だけができることだ」としながらも「(政権移行の)過程は、野党勢力の幅広い声を包摂し、自由で公正な選挙につながらなければならない」と訴えた。

 オバマ大統領はこれまでの声明で「エジプト国民」とともに「エジプト政府」との連携姿勢を繰り返していたが、今回は「エジプト政府」にはいっさい言及せず、「米国はエジプト国民を助けるのに必要ないかなる支援をも行う用意がある」と述べた。



オバマが恐れるムバラク後のエジプト 1月31日 ニューズウィーク

エジプトで大規模な反政府デモが続くなか、バラク・オバマ米大統領は「国王問題」に直面している。民主化運動が高まりを見せていた1978年のイランで、当時のジミー・カーター米大統領が直面したジレンマだ。長年アメリカの後ろ盾で独裁政権を敷いてきたイランのモハマド・レザ・パーレビ国王を支援し続けるべきか、それとも国王を見限って、民主化を求めて声を上げ始めた民衆を支持すべきか――。

 カーターは両方をやってのけようと試みた。パーレビ国王への支援体制を軌道修正し、政治的な自由を呼びかけ、非武装のデモ参加者に対して武力行使を行わないよう警告した。ところが79年のイラン革命でパーレビ政権は倒され、パーレビに肩入れしてきたアメリカは新政権から激しい反発を受けた。

 オバマは今、カーターと同じ道を選ぼうとしているように見える。その先には、カーターの時と同じ困難が待っているだろう。

 エジプトの反政府デモは、30年間続いたムバラク政権の終焉を物語っている。オバマ政権が恐れているのは、次の政権を反欧米のイスラム主義勢力が握ることだ。選挙を行えば、イスラム原理主義勢力のムスリム同胞団が勝利する可能性が高い。

反米政権でも支持する覚悟があるか

 非合法団体であるムスリム同胞団は、政党としての活動を禁じられている。しかし公正な選挙が実施されれば、彼らが最多の議席を獲得するだろうことが世論調査から見て取れる。

 ムスリム同胞団が政権を握れば、エジプト国民は嫌でも気付くだろう。30年もの間、無能でカリスマに欠けるムバラクが大統領でいられたのは、何十億ドルもの軍事支援を行ってきたアメリカのおかげだ、と。

 オバマはこの窮状にどう対応すべきか。まずはアラブの王や独裁者に甘い顔をする悪しき習慣を断ち切って、変化と改革を志す新勢力への支持を表明することが重要だ。

 他のアラブ諸国でも、エジプトに似た動きが広がりつつある。アメリカは、合法な選挙で生まれたらどんな政権でも──たとえムスリム同胞団でも──支持するのか。オバマはこの点を明確にする必要がある。

イスラエルとの「冷たい平和」が終わる

 09年6月にエジプトの首都カイロで行った演説で、オバマはこう語った。「アメリカは、たとえ自らが同意できない意見であっても、世界で平和的・合法的な意見を述べる権利を尊重する。そして、その国の全国民を尊重する統治を行うなら、選挙で選ばれた平和的な政府をすべて歓迎する」

 オバマは今、この言葉が口先だけではなかったことを示さなければならないが、その先には難題が待ち受けている。ムバラク政権の終焉は、エジプトとイスラエルの「冷たい平和」の時代が終わることを意味する。ムスリム同胞団はもちろん、どんな勢力が新政権を率いることになっても、同胞のイスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザの境界封鎖が続く状況を許さないだろう。

 アラブ世界に変化が訪れようとしている。もはやそれを押さえ込むのは不可能だろう。だからこそオバマは、理想だけでなく現実的に考えても、エジプトの民衆を支持する姿勢を明確にすべきだ。カーターのような「八方美人」はもう通用しない。



(私のコメント)
エジプトで起きていることは、イラン革命の延長であり、カーター大統領が直面した問題がオバマ大統領に降りかかっている。独裁者や軍部を支持して弾圧すれば革命は防げるかもしれないが、民主主義を旗印とするアメリカ大統領はそれが出来ない。イラク戦争にしてもイラクに民主化をもたらすという大義名分でサダム・フセイン政権を倒したのだから、独裁者や軍部を支援することは難しいだろう。

エジプトは100万人デモの成功でムバラク大統領が引退することを表明しましたが、それでエジプトのデモは収まることはないだろう。おそらくイラン革命と同じ道筋をたどるのではないだろうか。当時のアメリカ政府の動きは不可解なものであり、イラン軍部は強力であり革命を阻止するだけの力はあったが、なぜか軍部は動かなかった。アメリカ政府の指示がそうさせなかった。

今回のエジプトも軍部は中立を保ち、ムバラク退陣に追い込んだ。アメリカ政府の指示があったからだろう。アメリカ政府は同盟国には多くの軍事顧問を送り込んだり、軍の幹部をアメリカに留学させて軍事技術を学ばせたりして洗脳し意のままになるようにしている。日本の自衛隊も例外ではなく自衛隊幹部をアメリカに留学させて取り込んでいるようだ。だから自衛隊はアメリカ依存傾向をますます強めている。

チュニジアから始まった政変劇は中東の独裁国家に波及していますが、これも元をたどれば食料価格の値上がりなどが響いてきているからだ。具体的に言えばアメリカがドルを世界にばら撒いて、投機資金は食料などを買い占めて値上がりさせている。エジプトも小麦などの多くを輸入に頼っており、気候変動なども重なって食料の価格が住民の生活苦につながり、今回の政変の原因にもなっている。

新興国のインフレはアメリカのドルのばら撒きにあるのですが、やがては新興国の政変となって返ってくる。中国も新興国でもありインフレが発生していますが、住民の生活苦と不満が大きくなって政治的混乱をもたらすだろう。第二の天安門事件なども起きるかもしれませんが、中国はエジプトの状況を情報を遮断して伝えてはいないようだ。

エジプト政府はネットや携帯を遮断して弾圧していますが、これはネットが今回の政変劇のきっかけになっているからだ。だからデモにおいてもリーダーが不在であり、政府側もデモが何時どのように行われるかも予測が付かない。従来ならば首謀者を逮捕すれば済んだのですが、デモ隊全部を逮捕するわけにも行かないから警察も手に負えない。

エジプトはムスリム同胞団というイスラム原理主義組織がありますが、民主化が進めば選挙ではイスラム勢力が多数派を占めるだろう。そうなればエジプトもイスラム国家になるということになり、アメリカ政府が望むような民主主義国家にはならないだろう。ニューズウィークの記事にもそのような懸念が示されていますが、オバマ大統領はカーター大統領の二の舞になりかねない。

イラクにしても民主主義国家になることは、宗教対立や民族対立があって非常に難しい。政権を支えても弱体な政府は治安すら保てず反政府テロが横行する。アメリカは民主主義を錦の御旗にしているから民主化運動には反対できず、アメリカの大統領も独裁政権を支えると言った決断はやりにくい。共和党なら出来るのでしょうが、1973年のチリのクーデターはニクソン大統領がキッシンジャーに命じてピノチェト将軍がアジェンデ政権を倒した。

日本の田中角栄政権を倒したのもキッシンジャーであり、同じアメリカ政府でも共和党政権はやることが強権的であり、カーター大統領のやり方が生ぬるいとしてタカ派の共和党レーガン政権が誕生した。アメリカのこのようの強権的な政策が批判されて、ハト派のカーター大統領やオバマ大統領が選ばれることもありますが、エジプトの政変もオバマ政権だから起きたともいえるだろう。

エジプトのムバラク政権が倒れれば、次はどこかと言うことになりますが、ヨルダンも首相が退陣して流動的になってきました。イスラエルはエジプトとヨルダンにはさまれた国家であり、それがイスラム国家化すればイスラエルは国家存亡の危機を迎えることになる。アメリカが行ったドルのばら撒きが新興国をインフレにして生活を揺るがし政変が相次ぐようになりました。石油も100ドル近くになって来ましたが、エジプトの政変は中東の石油に大きな影響を与え、それが日本に大きな影響を与える。


エジプト情勢緊迫化受け、原油価格高騰 北海産原油先物相場、1バレル = 100ドル突破 2月1日 フジテレビ

エジプト情勢の緊迫化を受け、原油市場が高騰している。
1月31日の市場は、エジプトの反政府デモを受けて、石油の供給不安が拡大。周辺の産油国にも影響が及ぶとの懸念が広がり、買い注文が膨らんだ。
この結果、北海産の原油先物相場は、1バレル = 101ドル台に達し、2008年9月以来、およそ2年4カ月ぶりの高値をつけた。
このほか、ニューヨークの原油先物相場でも高値となり、31日の終値は92ドル台となった。




米国とイスラエルとサウジアラビアは、このイスラム原理主義
過激派の政権がドミノのように樹立していく様を傍観するだけ


2011年2月1日

エジプト軍、民衆に武力行使せず=「デモの権利容認」、中立鮮明に 2月1日 時事通信

【カイロ時事】ムバラク独裁政権打倒要求のデモで混迷するエジプト情勢をめぐり、同国軍は31日、「平和的な手段による表現の自由はすべての人々の権利だ。偉大なる民衆に対して武力を行使することはない」との声明を出した。国営テレビが伝えた。1日には大規模デモ「100万人の行進」が予定されており、政権の屋台骨を支える軍部が中立姿勢を鮮明にしたことで、大統領はデモ収拾に向け、一段の譲歩を迫られそうだ。

 声明は「軍は民衆の正当な要求を認識している」と、デモの継続を容認する姿勢を明確にした。また「街頭での軍の展開はあなた方の安全や治安のためだ」と強調した。大統領は、28日に起きた大規模デモに対して大量の警官隊を動員して弾圧したが失敗していた。

 一方、スレイマン副大統領は31日、大規模デモ収拾に向け、ムバラク大統領が憲法や立法機関の改革に関して野党勢力との対話を直ちに開始するよう指示したと語った。さらに副大統領は、大統領与党、国民民主党(NDP)が圧勝した昨年12月の人民議会選に関する異議申し立てを裁判所で審理する意向も示した。


エジプト野党、ゼネストと100万人デモ行進呼びかけ 1月31日 朝日新聞

【カイロ=石合力、ワシントン=望月洋嗣】ムバラク大統領の退陣を求める民衆デモが続くエジプトで31日、野党勢力は全土での無期限ゼネストと、2月1日に100万人規模のデモ行進を呼びかけた。米ホワイトハウスは30日、オバマ大統領が「エジプト国民の願望に応じる新政府への秩序ある移行」を支持すると発表、ムバラク氏に退陣を促した。同氏は瀬戸際に追い詰められたといえ、エジプト情勢は重大局面に入った。

 オバマ政権は「ムバラク後」の動きが不透明なため、特定の野党勢力への支持は避けているが、「政権移行」への支持表明は、ムバラク政権を支えてきた米国の対エジプト政策の転換を意味する。

 インターネットを通じてデモを呼びかけた市民グループや最大野党勢力ムスリム同胞団は30日、朝日新聞の取材に対し、民主化指導者でノーベル平和賞受賞者のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長を軸に野党勢力の結集に乗り出していることを明らかにした。ムバラク氏退陣後を視野に暫定政権樹立を探る動きとみられる。大規模デモは1日正午、カイロの複数の貧困地区から出発。抗議活動の中心になっているタハリール広場に結集する。

 25日に始まったデモは7日目の31日も続き、タハリール広場では同日午後、10万人以上が集まった。カイロ市内では、一部商店が営業を再開したものの、銀行や株式市場は営業を停止したままで、事実上のゼネスト状態になっている。



「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 2月1日

イスラエル、サウジの情報筋はチュニジア、エジプト政変の背後はイランと分析
  ヨルダンもイェーメンも危殆に瀕し始めた

カザフスタンの独裁者ナゼルバエフは、大統領選挙を繰り上げて実施すると急遽発表した。冷戦終結からすでに20年、この男もカザフスタンに強権的独裁政治を強いて、富を一族が独占してきた。

 チュニジアについでエジプトがこけると、拍手喝采はイランである。
 これは民衆の勝利ではない。シーア派の勝利、イスラム原理主義過激派の政権掌握を意味し、イランの影響力はいや増すことになる。

 レバノンはすでにヒズボラに取られ、ガザはハマス。両テロリストの背後にあって指揮しているのはイランである。シーア派はイラクも抑えてしまった。米国は壮大な徒労を強いられ、得たものはなかった。
 アフガニスタンも、米軍とNATO引き上げの日程がみえ、カルザイはさかんにテヘランを見ている。カルザイがワシントンを裏切る日も近いような気がする。

 米国とイスラエルとサウジアラビアは、このイスラム原理主義過激派の政権がドミノのように樹立していく様を傍観するだけ、「民主化」要求の隙間をイランの陰謀につかれた格好である。
 そうだ。ベトナム戦争で「反共」の戦いと錯誤したマクナマラは戦後二十年以上経ってベトナムへ赴き、あれは共産主義との戦いではなかった。ナショナリズムとの戦争だったと悔悟した。

 チュニジア、エジプトは表面的に「民主化」へのステップを西側は愚直に錯誤している。
 気がつけば、アラブ世界にイスラム原理主義過激派が誕生するという悪夢は、すぐそこにある。


(私のコメント)

チュニジアやエジプトの親米政権の崩壊を、アメリカのオバマ政権は支援することもなく見捨てるようですが、アメリカに忠誠を尽くす日本の政権も他人事ではないだろう。エジプトやサウジアラビアはアメリカの中東政策の要なのですが、ムバラク政権を見捨てるようだ。これがエジプトの民主化への動きならアメリカがムバラク政権を見捨てるのも分かりますが、十中八九はイスラム原理主義勢力の国になるだろう。経済レベルや国民の学歴レベルが高くはないからだ。

イラン革命の時も、アメリカはイラン軍部に中立を保たせてホメイニをフランスから帰国させてイスラム原理主義の国にした。カーター政権が何を考えていたのか分かりませんが、イラン軍部を支援していればイラン革命は防ぐことが出来た。エジプトも同じような状況なのですが、軍部に中立を指示しているようだ。チュニジアに続いてエジプトも親米政権が倒れればドミノ式に連鎖反応が起きるだろう。

このようなアメリカの不可解な行動は昨日書いたとおりなのでしょうが、イラクやアフガニスタンも米軍が撤退すればイスラム原理主義勢力が政権を樹立するだろう。そうなれば中東全体がイランのようなイスラム国家となり、石油などの政策でもアメリカの思い通りにはならなくなるだろう。アメリカにとっては大ダメージなのですが、オバマ政権の容認姿勢は理解しがたいところだ。

ヨーロッパから見ても中東はすぐ隣であり、中東が親米政権からイスラム原理主義国家になっていった場合、イランのように亡命者がヨーロッパに殺到するかもしれない。イギリスをはじめとする国も中東には大きな利権を持っているのですが、エジプトやサウジにイスラム革命が起きれば大打撃をこうむるだろう。それともエジプトやサウジに民主主義国家が出来ると見ているのだろうか?

イスラエルにとっても、エジプトやヨルダンなどがイスラム原理主義国になれば周りを取り囲まれることになり絶体絶命のピンチとなり、パレスチナ問題も解決が不可能になるだろう。それに対するアメリカ国内のユダヤ人勢力はどう動くのだろうか? 当面は民主化革命だと言うことで推移を見ていくしかないのでしょうが、やがてはイスラム原理主義勢力が主導権を持つようになる。

イラン革命もすぐに崩壊するかと思われましたが、30年たってもイランのイスラム体制は保ち続けていますが、イランのような比較的学歴の高い国家であっても民主主義政権は難しいのだろう。イラクにしても宗教対立や民族対立を抱えて一つにまとめるのはイスラム原理主義しかない。こうなるとイスラエルは気が気でないのでしょうが、次のようなニュースがある。


イスラエル首相、エジプトのイスラム国家化に懸念 2月1日 日経新聞

イスラエルのネタニヤフ首相は31日エルサレムで、混乱が続くエジプト情勢について「我々が恐れているのは過激なイスラム体制が生まれる状況だ」と語り、イスラム原理主義勢力が主導権を握ることへの強い警戒感を示した。アラブ諸国で初めてイスラエルと平和条約を締結したエジプトは戦略上の重要なパートナー。米欧がムバラク政権に厳しい目を向ける中で同政権存続への期待を示したといえそうだ。

 イスラエルを訪問したドイツのメルケル首相との記者会見で述べた。ネタニヤフ首相は「抗議デモが宗教的な過激主義に基づかないとしても、混乱の中でイスラム組織が国を乗っ取ることもありうる。実際にイランで起きた」と指摘した。

 そのうえで「30分ごとに報告を受けている」と述べ、エジプトの情勢に重大な関心を寄せていることを明らかにした。イスラエル政府はこれまでエジプトでのデモについて論評を避けてきた。

 抗議デモを続ける反大統領派の中では、穏健派の原理主義組織であるムスリム同胞団が最大の動員力を持つとみられる。

 一方、31日付のイスラエル紙ハーレツは、同国外務省が欧米や中国などに駐在する外交官に対し、ムバラク体制の存続を働き掛けるよう指示を出したと報じた。ムバラク体制の安定が中東と西側諸国の利益であるとして、大統領への批判を抑制するよう働き掛けることを命じたという。(カイロ=松尾博文)



(私のコメント)

このような観点から見れば、オバマ大統領やクリントン国務長官の姿勢は不可解なものであり、このままではカーター大統領の二の舞になるだろう。当面は民主国家になるかどうか見守らなければなりませんが、まず無理だろう。そのことを一番知っているのはイスラエルであり、ムバラク体制を維持するように各国に働きかけている。

オバマ政権の脱石油政策は脱中東政策であり、イラクやアフガニスタンからの全面撤退を考えているのかもしれない。これはブッシュ前大統領がやってきたことの正反対であり、ブッシュ前大統領が言った単独覇権主義の全面撤回を目指しているのかもしれない。長期的に見ればアメリカは普通の大国となり、アジアからも撤退して、日本の在日米軍基地も無くなるかも知れない。中東で起きていることは日本とは無関係ではなく、アメリカの世界戦略の変化なのだ。



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