株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


皮肉なことに米中両国はいま、双子のようにそっくりな問題に直面
し始めている。失業問題は米中にとっての自爆装置になっている。


2010年10月31日 日曜日

米中を襲う危険な罠、危うし世界経済 10月30日 川嶋 諭

太平洋と東シナ海に面して日本と向き合う世界の2つの超大国は、まるで鏡に映したように対照的な姿を見せている。

 しかし、皮肉なことにその両国はいま、双子のようにそっくりな問題に直面し苦悶し始めている。

 中国の問題とは、内陸部で頻発し始め一向に収まる気配を見せない反日デモである。

 これが外交カードに使ったり共産党内部の権力闘争のために使ったりするための完全にコントロールされたデモであれば何の問題もない。

 しかし、実態は全く異なるようである。「対日デモ鎮火せず、内憂外患の中国」の筆者であり、中国政府の要人とも深いパイプを持っている加藤嘉一さんは次のように言い切るのだ。

 「野党や軍人が胡錦濤国家主席、あるいは、軍事委員会副主席に就任したばかりの習近平氏の邪魔をしたという事実を立証するための証拠を持ち得ない」

 「説明可能なのは、中国共産党のガバナンス力が著しく低下しているという事実だけである」

 なぜならと加藤さんは言う。

 「昨日(10月16日)の対日デモは合法的な行為と認めるが、本日以降の一切のデモ・集会は違法行為とみなす。仮に行った場合には、法に基づいて粛々と処罰する」

 このような通達が最初に反日デモが発生した西安の西北大学に「中央政府から地方政府、公安省というルートを通じて届けられた」という。

中国政府は2日目以降の反日デモをすべて違法と通達した

さらに、この通達は西安の西北大学だけではなく、中国全土の大学にも同様の通達があったと加藤さんは明かす。

 つまり、反日デモは初日こそ中国当局は合法と認めたものの、それ以降のデモはすべて違法だったということになる。

 にもかかわらず中国全土にデモが飛び火して拡大の一途をたどったのは、まさに中国政府のガバナンスが利かなくなっていることの証明だというわけだ。

 中国政府もデモ鎮圧には必死になっている。発生した反日デモには、参加者と同じくらいの警官隊を派遣して警備に当たらせている。

 さらに、大学に対しては厳しく指導し、大学そのものを閉鎖して学生が大学外に出られないようにしたり休日にも授業や試験を行って、学生がデモに参加できないようにあの手この手の手を打っている。


 しかし、それでもデモが鎮静化しないのは、違法となったデモへの参加者に対して中国政府が厳罰をもって対処できないという大きな問題が立ちはだかっているからである。

学生たちを厳しく処分できない中国政府の事情

 インターネットの書き込みをすぐに消したり大学へ厳しく学生を監視させたりしても、その監視の目をかいくぐってデモが発生してしまえば、あとは学生たちやそこに加わる一般市民たちが過激化、暴徒化しないように制御してデモを安全に終わらせることしか打つ手がなくなるのだ。

 もし、デモに参加した学生たちを厳しく処罰しようものなら、学生たちの不満に一気に火がつきかねない。そして、そもそも中国共産党は先の大戦で抗日戦争で勝利したことが存立基盤になっているために、反日デモを否定する理由を持ち合わせない。

 つまり、抗日、反日は水戸黄門の葵のご紋が入った印籠のようなもので、これを目の前にかざされた以上、どんな役人であってもひれ伏さなければならない。

 その安心感があるからこそ、言論の自由が許されていない中でも、たとえ当局からの通達があっても、デモへ参加しようという学生たちが絶えないのだ。(中略)

目の前しか見えないティーパーティー運動家

米国経済の低迷で失業率が跳ね上がった影響を最も受けて不満がたまっている。その矛先は自分たちよりも所得の低い人々に向かい、オバマ大統領が医療保険法改正などで低所得者の保護を打ち出したことを批判しているのだ。

 ティーパーティー運動は1773年のボストン茶会事件に由来し、自主独立、小さな政府を志向する。米国の建国の精神を何よりも大切にする。

 そして、ティーパーティーの運動家たちはオバマ大統領を社会主義者と決めつけ、米国を建国の精神と逆行させようとしていると批判する。

 米国型民主主義の原理主義者と呼んでいいかもしれない。そうした人々の活発な活動に共和党が呼応して、来週の中間選挙では共和党の大躍進が予測されている。

 しかし、「有権者がオバマ医師を訴えている理由」を書いた英フィナンシャル・タイムズ紙の超人気記者、マーティン・ウルフ氏は、オバマ大統領がリーマン・ショック後に採った財政出動は間違いではなかったと言う。

オバマ大統領の失敗は石橋を叩きすぎたこと

 問題はその規模が小さすぎたために十分にショックを吸収できなかったのだと見る。

 本来はもっと大胆に施策を行うべきで、オバマ大統領が石橋を叩いて渡ってしまった結果、米国の景気は本格回復する前に失速、デフレの危機に陥ってしまったと指摘する。

 その理由として、日本がバブル経済に沸いていた1980年代に米国が経験した不動産バブルの崩壊と比較してみせている。

 当時、消費者に無理な貸し出しを続けて不動産バブルを招き、そしてバブル崩壊で相次いで破綻したS&L(貯蓄貸付組合)に対して行った救済策に比べて、今回はショックがはるかに大きかったにもかかわらず、救済コストをケチってしまったというのである。

米国はデフレへの道をひた走るしかなくなった?

ティーパーティー活動家をはじめとする米国民の多くは、リーマン・ショックで世界全体が大恐慌に陥る危険性にあったことなどこの2年の間にすっかり忘れてしまい、今、目の前に広がっている失業率の高さを徹底的に問題にする。

 その結果、オバマ政権は、現在、米国がデフレに陥るという世界を揺るがす危機にあるにもかかわらず、大きな政府への批判を恐れて、十分な経済対策が打てなくなってしまった。

 米国が最も懸念していた日本と同じデフレの道を自動的に選択せざるを得なくなっているように見えるとFT紙は言うのである。これは明らかに歴史的、世界的な危機だ。

 もし、米国が日本の後追いを始めて、失われた10年に突き進んでしまったら、世界経済はどうなってしまうのだろう。

 英国のウィンストン・チャーチル元首相の有名な言葉に、「民主主義は最悪の政治形態である」というのがある。確かにリーダーシップの欠如した民主主義は最悪の形態といえる。


(私のコメント)
90年代から00年代にかけて、米中経済は同盟関係とも言うべき親密な関係になった。アメリカは製造業を中国に移転させて、安いコストで製品を作ってアメリカ国内で売りさばく経済モデルを構築した。アメリカのグローバル企業はそれで大きな利益を手にして株価も上昇して行った。

中国もアメリカからの資本投資と技術に移転で経済発展して、GDPで日本を追い抜いて世界第二位の経済大国になった。まさに米中の共存共栄体制は大成功で、アメリカはバブル景気に沸いて、中国は北京オリンピックと上海万博で経済的成功を世界にアピールした。

しかしそれらの成功はアメリカのグローバル企業と中国共産党幹部だけに利益を独占させるものであり、アメリカの製造業の労働者は失業し、中国の労働者は超低賃金で働かされた。それらの歪みが一気に表面に出たのが08年のリーマンショックであり不動産バブルの崩壊だ。

アメリカのグローバル企業と金融業は中国のおかげで大儲けをしても雇用は減る一方になり、金融のファンドマネージャーは1億円以上の年俸で優秀なエリートたちは金融業に集中するようになった。しかしリーマンショックで多くの人が失業した。お金でもってお金を稼ぐモデルはいつかはネズミ講のように破綻する。

中国の労働者も、貧しい農村から出稼ぎで稼いで平均賃金も3000ドルを越えるようになってきた。しかし豊かになったのは共産党幹部たちであり地方のボスたちであり、行政の許認可権で賄賂をもらって愛人を10人も囲うような豪勢な生活を送るようになった。不動産投資で巨額の利益を手にした人も大勢いる。

しかし、経済的な歪みが出てくるのは時間の問題であり、地域格差も拡大する一方で内陸部では不満が高まってきた。反日デモが起きているのは内陸部だけであり、反日デモに名を借りた反政府デモである事は明らかだ。政府はデモ自体を禁止したが反日デモになると中国人は抑制が効かなくなり暴走してしまう。

中国共産党にとっては反日デモが自爆装置になりつつある。江沢民から始まった当初は反日が共産党にとっての求心力になっていた。それまで脅威だったソ連が崩壊すれば、それに代わる敵国が必要であり日本が敵国として浮上した。

アメリカにおいてもソ連の崩壊で敵国を失い、ソ連に代わる敵国として日本が矢面になりジャパンバッシングが始まった。しかし同盟国を敵国とする経済戦略は日本においてアメリカ離れを誘発する事になる。だからブッシュ政権になってからはテロを敵国にしてイラクやアフガニスタンで戦うようになりましたが、イスラム諸国全体を敵にしかねない危険な戦略だ。

アメリカや中国やロシアのような多民族が集まった連合国家は常に敵国を必要としている。日本は国境が海であり単一言語や単一民族で国家としてまとめる苦労が少ないが、米中ロは一つにまとめる苦労は並大抵ではない。だから日本としてはこのような超大国と付き合うには敵になったり味方になったりと外交も大変だ。

アメリカも中国も新自由主義経済で格差拡大で国民の間でも対立が生じている。双方とも失業者が増え続けて政権を揺さぶる事態になっていますが、中国が生産してアメリカが消費すると言う循環が止まり始めている。アメリカも製造業を復活させないと失業者を吸収できないし、中国も輸出頼みの経済でアメリカと対立関係になってきた。

日本のようにアメリカに工場を作って雇用を生み出せば摩擦も解消されますが、中国にはこれと言ったグローバル企業が無い。いわば世界の下請工場ばかりであり独自のブランドがほとんどない。中国はGDP世界第二位となった現在では国際的な枠組みに従う必要がありますが、国内の反発があってそれが出来ない。

アメリカも国内消費の拡大をさせるためにドル札をばら撒いていますが、デフレを解消する事は出来ないだろう。金融というシステムが信用不安で収縮する一方だからだ。消費が減れば景気が落ち込み失業者が増大する。失業者の増大は財政の負担になるからティーパーティーの反乱が始まる。

失業者や社会的弱者救済のための社会主義的な政策にNOと言う人たちですが、医療保険制度にも反対する人たちだ。日本やヨーロッパの国では社会主義的な政策が進んでいますが、アメリカや中国のような超大国では社会主義的な政策が難しい構造を持っている。ソ連は社会主義国として社会主義政策を進めてきましたが91年に破綻した。

多民族国家では国民皆で助け合いましょうと言った社会主義的な政策が難しい。国土も広ければ民族も多様では国民の税金で弱者を救済するといった政策が難しい。経済が好調なうちはいいが、いったん経済が不調になると国内対立が生じて、中国もアメリカも大変な状況になりつつある。

小泉構造改革の失敗はアメリカ型の新自由主義経済を取り入れようとしたことであり、弱者救済システムが機能不全になってしまった。その批判が民主党政権の誕生に繋がりましたが、年金や健康保険制度は赤字で苦しんでいる。しかしアメリカのティーパーティーのような弱者救済に反対するような運動は起きていない。

日本やヨーロッパの国から見ればアメリカや中国は異質な国であり、遠い将来的には国家が分裂して行くだろう。そうしなければ社会主義的な政策もうまく機能させていくことが出来ない。アメリカは盛んに日本に対して移民を受け入れろと言ってきますが、多民族国家化は社会主義的な政策がとりにくくなる。弱者である少数民族が生活保護で暮らすようになってしまう。

アメリカや中国は格差がますます拡大していって、内部対立がますます過激化するだろう。そうなれば国家が分裂して格差の少ない国家にして行かなければならない。中国も豊かな沿岸部と貧しい内陸部とに国家は分裂していくのだろう。内陸部に生じている反日デモはそれに繋がるものだ。

『株式日記』ではアメリカと中国は抱き合い心中するだろうと書いてきましたが、内部崩壊でソ連が崩壊したような形で分裂して行く。ロシアにしても国家としては大きすぎるのであり、再分裂の危機が生じている。チェチェン紛争などが良い例ですが、民族対立のために社会主義的な政策がやりにくいからだ。




経済破局に直面しているアメリカは、日本のことを考えている余裕は
ないのかもしれません。アメリカは撤退するかわかりません。西尾幹二


2010年10月30日 土曜日

尖閣戦争――米中はさみ撃ちにあった日本(祥伝社新書223)


対談本『尖閣戦争――米中はさみ撃ちにあった日本――』(祥伝社新書)¥760

はじめに

 尖閣海域における中国漁船侵犯事件は、中国人船長が処分保留のままに釈放された9月24日に、日本国内の衝撃は最高度に高まりました。船長の拘留がつづく限りさらに必要な「強制的措置」をとると中国側の脅迫が相次ぎ、緊張が高まっていたときに、日本側があっさり屈服したからです。

 日本人の大半は敗北感に襲われ、国家の未来に対する不安さえ覚えたほどでした。

 間もなく日中政府間に話し合いの雰囲気が少しずつ出て来て、中国側は振り上げた脅迫カードを徐々に取り下げました。いったん幕は引かれ荒立つ波はひとまず収まったかに見えます。このあとすぐに何が起こるかは予断を許しませんが、こうなると何事もなかったかのごとき平穏な顔をしたがるのが世の風潮です。政府は果たすべき責任を司法に押しつけて逃げた卑劣さの口を拭(ぬぐ)い、「大人の対応」(菅首相)であったとか、「しなやかでしたたかな柳腰外交」(仙谷官房長官)であったとか自画自賛する始末です。マスコミの中にも、これを勘違いとして厳しく戒める声もありますが、事を荒立てないで済ませてまあよかったんじゃあないのか、と民主党政府の敗北的政策を評価する向きもないわけではありません。

 しかし、常識のある人なら事はそんなに簡単ではないことがわかっているはずです。海上への中国の進出には根の深い背景があり、蚊を追い払うようにすれば片づく一過性のものではなく、中国の挑発は何度もくり返され、今度は軍事的にも倍する構えを具えてやってくるであろうことに、すでに気づいているはずです。

 だからひらりとうまく体を躱(かわ)せてよかった、などとホッと安堵していてはだめなのです。中国は必ずまたやって来る。今度来たならどう対応するかに準備おさおさ怠りなく、今のうちにできることからどんどん手を着けておかなければなりません。

 沖縄領海内の今回の事件は、明らかに南シナ海への中国の侵犯問題とリンクしています。中国は今年3月、南シナ海全域への中国の支配権の確立を自国にとっての「核心的利益」であると表立って宣言しています。これに対しアメリカは、7月、ASEAN地域フォーラムで、南シナ海を中国の海にはさせないという強い意思表明を行なっています。

 2008年以来のアメリカの金融危機と、それに伴うEUと日本の構造的不況は、中国に今まで予想もされていなかった尊大な自信を与えています。アメリカの経済回復の行方と中国の自己誤解からくる逸脱の可能性は、切り離せない関係にあります。世界各国がすでに不調和な中国がかもし出す軋(きし)みに気がついています。その現われが劉暁波(りゅうぎょうは)氏への2010年度ノーベル平和賞授与であったといってよいでしょう。

 世界はたしかに中国の異常に気がつきだしていますが、この人口過剰な国の市場への経済的期待から自由である国はほとんどありません。アメリカもEUも日本も例外ではなく、中国を利用し、しかも中国に利用されまいとする神経戦をくりひろげていて、各国も他国のことを考えている余裕がなくなっています。そこに中国の不遜な自己錯覚の生じる所以があります。

 アメリカと日本と中国は三角貿易――本書の二章で詳しく分析されます――の関係を結んでいます。これは互いに支配し、支配される関係です。アメリカは中国に支配され、中国を支配しようとしています。その逆も同様です。アメリカは必死です。経済破局に直面しているアメリカは、日本のことを考えている余裕はないのかもしれません。それでも南シナ海を守ると言っています。しかしいつ息切れがして、約束が果たせず、アメリカは撤退するかわかりません。

 本書を通じて、私共が声を大にして訴えたテーマは、日本の自助努力ということです。アメリカへの軍事的な依頼心をどう断ち切るかは国民的テーマだと信じます。

 私は20年前のソ連の崩壊、冷戦の終焉(しゅうえん)に際し、これからの日本はアメリカと中国に挟撃され、翻弄される時代になるだろうと予想していましたが、ゆっくりとそういう苦い時代が到来したのでした。

 尖閣事件は、いよいよ待ったなしの時代に入ったというサインのように思います。

 今回対談させていただいた青木直人氏は、もっぱら事実に語らせ、つまらぬ観念に惑わされないリアリストであることで、つねづね敬意を抱いていました。氏は国益を犯す虚偽と不正を許さない理想家でもあります。この対談でも、現実家こそが理想家であることを、いかんなく証して下さいました。ありがとうございます。

平成22年10月15日

西尾幹二


尖閣戦争 10月30日 青木直人

『尖閣戦争・米中挟み撃ちにあった日本』(祥伝社新書・760円プラス税)が発売になる。
今回編集を担当していただいた祥伝社の角田出版部長は、私の処女作『日本の中国援助ODA』を世に出していただいた方である。
この人には足を向けて寝れないほどお世話になっている。新人であった私の持込の企画を読むや否や、直ちに、発刊の決定をしていただいた感動はいまでも鮮明である。その角田さんが、締め切りぎりぎりに西尾さんと私が追加した相当量の原稿に手を入れ、驚くほど短期間にまとめあげてくれて、この本が出ることになった。

尖閣事件が起こってから1ヶ月。通常大きな事件があると、すぐに緊急特集本が乱発されるのだが、時間的制約からか、ほぼ例外なく中身の薄い「やっつけ本」になりがちである。だが、この『尖閣戦争』はそうではない。私は自信をもってそう言い切れる。この本は何度も何度も、読んでみて、ほしい。一度読んだだけで、後は読み捨てにされるという中身ではないことを保障したい。

西尾さんは親米派の多い保守言論人のなかで、もっとも早く米中『同盟』関係を経済的側面から指摘してきた方である。私も2003年に、今回と同じ祥伝社から『北朝鮮処分』を上梓、このなかで東アジアにおいて台湾独立阻止と北朝鮮封じ込め、そして日本の核武装反対の3点で、米中両国の協力体制が構築されつつある事実を紹介した。つまり西尾さんも、私も共に、米国と中国が経済の相互依存関係をベースに、東アジアにおいて新しい秩序を求める動きを具体化させてきたと指摘・警告してきたのである。
こんなことは一つ一つのファクトをつなぎ合わせれば、誰でも気づくはずなのだが、『保守』言論人たちはその冷戦構造的なイデオロギーと、彼らに特有な米国に対する過剰な依頼心が障害となり、状況への正確な認識には至らなかったのである。
 
そのせいか、以前はひどかった。台湾独立の最大の敵は中国と同様に米国の国務省であると書いたせいで、台湾独立派の関係者から頻繁にクレームがあり、私の講演にはいつも独立派の女性活動家が監視するかのように目を光らせていた。
朝鮮半島も同様である。米韓両軍による北朝鮮解放はない。それは米中関係を破壊するリスクを持っているからだとも指摘したが、これにも『米国に対する不信をあおるのか』との批判があった。私はしみじみ思ったものである。

馬鹿につける薬は本当にないのだろうか、と。

あれからどのくらい経ったのだろうか。
李登輝は一線を離れ、陳水扁は逮捕された。そして、独立派は壊滅した。政権は国民党に移動し、中台経済同盟は着々と進行している。他方、独立派勢力は何の総括もせず、ただただ沈黙の中にいるかのようである。

朝鮮半島はどうか。北朝鮮の金正恩の肩書きがなぜ国防委員会委員ではないのか、なぜ軍事委員会なのか、読者はお分かりだろうか。ここが北の将来を占う最大のポイントなのだ。
(詳しくはNLCの配信をお待ちください)

台湾独立壊滅、労働党政権の延命化、そして日本の安倍晋三政権崩壊、田母神追放と核武装化阻止。それらはいずれも米中『同盟』という一本の糸で結ばれている。気づくべきはこのことである。自覚すべきはこの事実である。

およそ政治に関わるものは、主観的願望をもって客観的現実に代えてはならない。いくら、ちりめんじゃこが好物だといっても、鯨ほど大きいとは言うまい。
願望だけでは世の中は変わらないのだ。それは結局のところ、砂上の楼閣にすぎない。

現実を踏まえない「運動論」は時代の追い風が止んだ瞬間、土佐勤皇党ばりの内部不信と内ゲバによって、急速に影響力を喪失していくだろう。

本書の中で指摘してきたテーマは今後の日本の将来の行方を左右する。米国の力の衰退と中国の台頭。このパラダイムシフトを直視すべきなのだ。
台湾、朝鮮、そして尖閣諸島。
米中『同盟』と日米安保の綱引きがいま始まった。日本の中国に対する弱腰が続けば米国の親日派も影響力を失うだろう。尖閣戦争はそのワンステップなのである。
最語に、西尾さんが私に語ってくれた言葉を紹介したい。
『言論人はいま現在の話だけではなく、50年先、100年先の日本の姿を考えながら、発言しなければならない』。
その言葉の意味が十分に伝わる本に仕上がった。

読者の皆さんにお願いがあります。
この本の宣伝を積極的にしていただきたい。ブログの拡散も結構である。
ぜひご協力のほど。

「私たちは冷戦が終わり、平和が来たとばかり思っていた。だが実際はそうではなく、時代の時計の針は日清日露の時代に戻ろうとしている。それは他国に過剰に依存した『平和』についにピリオドが打たれるということなのだ。
求められているのは日本の自立なのである。わたしたちはさらに奮闘しなければならない」(青木直人・本書・あとがき)



(私のコメント)
アメリカ政権内部は権力闘争で外交政策もコロコロと変わります。クリントン国務長官も親中派でしたが、最近では中国に厳しくなってきました。オバマ大統領は外交音痴で演説は上手だがアドリブの効かない見かけだおしの大統領だ。ジョークにしてもスピーチライターが考えたものなのだろう。

オバマ大統領が演説すると来た必ず透明なプロンプターが設置されていますが、政治家なら原稿なしで1時間から2時間の演説など平気でこなす世界の政治家がごろごろいる。ベネズエラのチャベス大統領などは6時間も演説し続けた。プロンプターなしでは演説できない大統領は外交交渉でもアドリブが効かずに失敗する事が多いのではないだろうか?

外交交渉などはトップ会談ともなると一人で対応しなければならないから周囲のサポートが効かない。政治家の資質で外交交渉は左右されるから個人の資質が外交交渉では必要になる。日本の政治家は国際会議になると借りてきた猫のようになってしまうのは、言葉の問題よりも個人の資質の問題だ。

オバマ大統領にしても二年近い予備選挙で戦い抜いてきたのだから無能ではないが、イラク反戦ムードの中で誕生した大統領であり、「チェンジ」はなかなか進まない。その失望から若者のオバマ離れが進み、中間選挙でも民主党は苦戦しているようだ。失業者が10%近くなってはアメリカへの輸出で稼いでいる中国に対する風当たりも激しくなるのは当然だ。

クリントン国務長官などは「風」を察して態度を変えていますが、中間選挙向けのポーズだけなのかもしれない。オバマ政権発足当初は親中派で固められて、まさに米中のG2体制で同盟関係は磐石だった。台湾に対する扱いも韓国に対する扱いも中国に配慮した外交に終始して、台湾の独立派は潰されて韓国の駐留米軍は形だけのものになりつつあった。

日本においても親米の自民党政権は潰されて民主党が政権を取りましたが、これもアメリカの中国に対する配慮からだろう。アメリカの国務省は親中派の牙城であり、アメリカ政府高官は日本を素通りして中国と頻繁に往来した。日本は外交的に孤立して中国に吹きよせられるように親中派の鳩山政権が誕生した。

アメリカ政府にしてみれば、日本など放置していてもどうでもいい存在とみなしていたのだろう。クリントンの外交論文を見ればそれは明らかだ。オバマの演説でも中国の事ばかりで日本が出てくることは希だった。アメリカ政府自身の態度がそうだったからだ。

このような状況になれば、日本は自主独立の道を決断しなければならないのであり、沖縄の普天間基地も日本から出て行ってもらわなければならない、と言う揺さぶりも必要になる。鳩山首相の駐留なき安保はアメリカ離れを模索するものですが、米中がG2だと言っている以上はアメリカとの距離を置く必要がある。

日本が台湾や韓国のような小国なら、日本もノムヒョンのような政権が出来たかと放置も出来たのでしょうが、沖縄の海兵隊基地の海外移転に動き出してアメリカ政府は明らかに狼狽した。自民党政権ではありえない事だったからだ。国内では沖縄を中心にして反米軍基地運動が起きて、本土でも米軍基地を受け入れる所がない。つまり海兵隊基地の海外移転は在日米軍基地の全廃につながる。

この事は、日米間よりも韓国や台湾やもとよりASEAN諸国の動揺を招き、アメリカは東アジアからの全面的な撤退に繋がる。オバマ大統領の外交音痴ぶりはG2外交でも証明されましたが、麻生総理や鳩山総理へのそっけない態度は日本を軽視たものだ。つまりそこまで日本は米中同盟に追い詰められたのであり、鳩山総理の普天間基地の見直しは窮鼠猫を噛む思いだったのだろう。

アメリカは中東を関が原と見ているようですが、上杉勢が関東になだれ込んできたら徳川勢はどうなっただろうか? 中国は台湾を中心に太平洋になだれ込もうとしている。台湾が中国の手に落ち、日本がアメリカから離れれば、中東のアメリカ軍は孤立して敗北する。

中国はあと一歩のところで東アジアからアメリカ軍を撤退させる事に失敗した。尖閣諸島はその最前線であり、中国は露骨に本性をむき出してきた。中国国内では過激な愛国反日運動が起きて温家宝は追い詰められている。レアメタル禁輸は全世界を敵に回すものですが、中国の強硬派は、自油貿易で中国が一番利益を得ている事がわかっていないようだ。

西尾氏が書いているように、いずれアメリカは衰退してアジアから撤退して行くだろう。経済状況から見ればそんなに先の話ではない。アメリカが孤立主義を採って本国に閉じこもってしまったら世界はどうなるのだろう。民主主義国家でアメリカがこけたら大国と言えるのは日本しかありませんが、中国の外洋進出を抑えられるのも日本しかない。

問題はアメリカの中国への態度が、いつまた急変して米中同盟は復活するかもしれない。そうなれば日本は断固として在日米軍基地を追い出して自主独立の覚悟を固める覚悟がいるだろう。米中のG2が復活して日本のマネーが米中に吸い取られる状況は避けなければならない。

尖閣問題は中国が仕掛けてきたのですが、アメリカの国務省が背後にいることに気が付くべきだ。台湾の自主独立派を潰したのは米国務省であり、日本の自主独立派を潰そうとしているのも米国務省だ。だから中国に尖閣を仕掛けさせたのだ。




視聴者のお金で運営されているNHKが「視聴者の声」を聞く機関を
ほとんど持っていないのはおかしい。視聴者の関与を許さないNHK。


2010年10月29日 金曜日

私がNHK放送センターへの抗議デモに参加したときの写真
もはや日本のテレビ局の視聴者をバカにした姿勢は許せない!


テレビがつまらないと私が思う6つの理由 2009年6月12日 土井彰

6.「視聴者の声」を聞こうとしないNHK

 広告料で成り立っている民放テレビはともかく、視聴者のお金で運営されているNHKが「視聴者の声」を聞く機関をほとんど持っていないのはおかしい、と思う。

 私は以前、NHKの東京中心主義と、視聴者の声を反映させる場がほとんど提供されていない点を批判し、「東京以外に何か所か中央放送局を設置し、それぞれに独自の番組をつくる権限を与えること」あるいは「視聴者代表からなるNHK最高議決機関を設置すること」、このいずれかが担保されない限りはNHKに受信料を払いたくない、と主張した(注5)。

 もちろん、一庶民の声に耳を傾けてくれるような「皆様のNHK」ではない。私のような「文句言い」に対しては、わざわざ足を運んで説得を試みるのが仕事の集金人の方がほんの数週間前にも見えた。「滞納金が少ないので、順番から言ってまだNHK側から裁判所に訴えることはできない。できればあなたの方から訴えて欲しい」という伝言であった。

 それにしても「番組編成権」という言葉を金科玉条として、いっさい視聴者の関与を許さない「皆様のNHK」とは、一体なんなのだろうか? そもそも、与党の政治家の意向は過度に気にするくせに、どうして視聴者の関与は認めたくないのだろうか? 私のような素人には全くわからない。

テレビ、こうあってほしい

 では最後に、「テレビはどうあって欲しい、と願っているのか」を述べて、私の素人談議を終えよう。

 1.番組製作者は、これ以上「バラエティー番組偏重路線」で視聴者を愚民化、あるいは愚民扱いしないで欲しい。

 2.テレビ業界は、テレビが「公的な媒体」であることを充分認識し、特定の人気司会者、特定の出演者を盛んに露出させることによる「電波の私物化」は避けて欲しい。

 3.大企業は、今のような「嬉々として自からアメリカ植民地となっている」ようなテレビ広告での「英語の氾濫」をもういい加減で止め、もっと誇りを持って欲しい。

 4.真の意味で独立した第3者機関をアメリカのFCCのように倣って作り、全国紙が新聞とテレビ両方を所有して日本のメディア界をピラミッド型に独占支配している現状を打破して欲しい。

 5.NHKは国民のほぼすべてから受信料という名の「税金」を強制的に徴収しているのだから、視聴者は「納税者」であり、NHKは納税者の意思を実行する「公僕」である。法律を作り行政をチェックする機関として国会があるように、「視聴者代表からなるNHKの最高議決機関」があるべきではないだろうか。


テレビは今日も金太郎飴のタレント番組ばかり 10月28日 烏賀陽 弘道

かくして民法テレビ番組はますます画一化していく

 民放テレビ局は、まったく同じ「必敗パターン」に迷い込んでしまったように感じる。

 断っておくが、スポンサー好みの番組がないと、収入が減って経営が成り立たない。そういう番組は必ず必要だ。「テレビ局がスポンサー好みの番組をつくる」ことが悪いのではない。「そればっかり」になってしまって多様性がないから困るのだ。

 試しにテレビをランダムにつけてみればいい。お笑い芸人かタレント(そうとしか呼べない職種)が近場というか、だいたい関東近県の「この街のうまい店」で「秘伝のタレ」を試食する。あるいはスタジオ内でゲームをする。無難なことをトークする。

 まあ、楽しい。平日昼間に家にいる層(主婦、子供、高齢者など)に人気があるのは分かる。だが、それだけだ。待てど暮らせど自分の見たい番組が見つからない。そう思う人は多いのではないか。

 すべての番組が高い視聴率を目指さなければならないのなら、番組の多様性は崩れる。視聴者は多様なのに、番組は「みんな高い視聴率狙い」で多様性を失なう。そうなると、視聴率は視聴者の意思の指標として機能しない。

 結局、「視聴者の多様性を代弁する者」がテレビ局から、少なくとも決定権限者から消えるような圧力が働く。かくしてスポンサーの利害代弁者は局内に多々いるのに、視聴者の多様性の代弁者は局内には皆無に近いという現状がある。

 報道記者の例で言えば「自分の選んだテーマで長期的な取材をする」経験の薄い記者が10〜15年にわたって続いているという。ということは、今、彼らは30代、職場の中核になっているはずだ。その年齢層は、これから先30年前後は、「多様性の空洞」を抱えたままになる。

 近い将来、民放テレビにとって致命傷になるのは、実はこの「価値観の単一性」から来る「番組の多様性の喪失」なのではないだろうか。



(私のコメント)
最近のテレビは2時間3時間の特集番組ばかりで、ひな壇にはお笑いバラエティタレントが並ぶタレントばかりだ。新しいクールに入っての新番組の宣伝をかねているのでしょうが、一年中やっているような気がします。新番組の宣伝だからタレントも安く使えるからどのテレビ局も同じ事をやる。

不景気でテレビ局の広告収入が落ちているから番組制作費がかけられないのは良く分かります。しかしテレビ番組を作るにあたって1億円の広告主からの料金が入ったとしても、池田信夫氏によれば「ここから広告代理店の電通が約1,500万円取り,残りの8,500万円がテレビ局に渡る。ところが,制作費として使われたのは約3,200万円だけという。差額の5,300万円はどこへ行ったのだろうか。それは「電波料」として計上されている。」ということで、番組制作には3200万円しか使われない。

電波料とは、ローカル放送局の取り分の事で、その地方に放送を流す為のショバ代になる。しかしデジタル放送になってBSデジタル放送が出来ましたが、同じテレビ局が番う番組を流している。地上波と同じ番組を流せば難視聴地域でも受信できるから同じにすればいいとおもうのですが、それだとローカル放送局が食えなくなる。

テレビ業界も既得権益だらけで番組制作とは関係ないところにカネが消えて行く。景気が良い頃はそれでもよかったのですが、広告料金収入が落ちてくると強い所からカネを取って行くから一番弱い立場の下請けプロダクションには僅かしか行かなくなる。その結果がどの局もバラエティ番組ばかりになるという仕組みだ。

最近のニュースを見ていても、CM、CM、またCMばかりでニュースはなかなか報道されない。スポット広告も安売りで数でこなしているからそうなるのでしょうが、CMばかり見ても仕方がないからNHKにチャンネルを回す。NHKは国民からの視聴料で成り立っているから不景気は関係なく予算が使える。

芸能界にとってはNHKが一番のカネずるだから、歌手にしても俳優にしても一流タレントが使える。民放では歌番組はほとんど消えましたが、NHKでは歌番組だけでも4,5番組ある。ドラマにしても民放よりかは時間とカネがかかっている。ドキュメンタリー番組はNHKしか作っていない状況であり、民放はそれこそ再放送とバラエティーばかりだ。

不況になれば、ますますスポンサーの口出しが多くなり、無難で当たり障りのない番組ばかりになっていく。コマーシャルもタレントにとってはドル箱ですが、スキャンダルを起こしそうなタレントはスポンサーに回避されるから、無難なタレントばかりになる。そのような結果がタレント自身も小粒になっていき、歌手はライブで稼ぎ、俳優は舞台で稼ぐのが主流になってきている。

これではテレビばなれが止まらないのが当然ですが、テレビ番組の製作スタッフの質的な低下が粗悪な番組の原因にもなってくる。番組制作費用の3200万円でも経費を引いて実際に番組制作を行なう孫受けプロダクションには860万円しか行かなかった。1億円の大型番組でもそうなのだから、いかにピンハネが多いかが分かる。

国家財政も同じようなものであり、90兆円の国家予算があっても途中のピンハネでカネがあちこちに消えて行く。税金にたかって生きている人が増えれば国家予算はいくらあっても足りなくなる。放送業界も同じであり、ほとんどが利権に消えていって番組制作に使われるのは一部でしかない。

民放がこのような状況だから、NHKがテレビ業界の最後の綱になるわけですが、NHKは共産党の巣窟であり、中国中央テレビの東京支店のようなものだ。だからNHKは中国で行なわれる反日デモばかりトップで放送していますが、日本で行なわれた大規模な反中国デモはほとんど放送されない。30日にも大阪で反中国デモが行なわれますが、NHKで報道される事は無いだろう。

結局はNHKの視聴料が既得権益化して国民不在のテレビ放送局になっている。16日のデモもなんで報道しないかというクレームをつけても編集権はわれわれにあるといった態度だ。しかし放送しなければ中国でなんで反日デモが起きたが分からない。NHKには放送しない自由があるらしい。30日の大阪のデモには参加できませんが11月6日には日比谷で尖閣諸島糾弾デモがあるそうです。


11.6 アジアに自由と平和を!尖閣諸島侵略糾弾!

中国(胡錦濤)のアジア軍事覇権糾弾!
「ノーベル平和賞」劉暁波氏の釈放を!
「自由と人権 アジア連帯集会」&デモ

日 時:11月6日(土)
場 所:日比谷野外音楽堂
内 容:
  12時00分 開場
  13時00分 開会
  15時30分 デモ隊列準備
  15時45分 デモ出発 … 日比谷野音 → 常盤橋公園 到着
  17時30分 街宣活動  於・有楽町 交通会館前
  19時00分 終了
主 催:頑張れ日本!全国行動委員会
  草莽全国地方議員の会、日本李登輝友の会
案内チラシhttp://www.ch-sakura.jp/sakura/solidarityofasia1106_flyer.pdf




最大の問題は、新規契約書において講談社がデジタル化権を著者
から奪って独占する
という規定である。15%の印税もボッタクリだ。


2010年10月28日 木曜日

既刊書籍の電子化契約書を読み解く(3) 10月26日 田代真人

前々回、前回と続けたが、最後のポイントを指摘しよう。それは契約期間だ。今回、契約期間は5年となっている。すべてとは言わないが私が見た複数の出版社の電子化契約書は5年間となっている。私が実際に接した出版社の契約書は、通常の紙の書籍の場合、多くの場合3年となっている。もちろん出版社によって多少の違いはある。ただ、私が思うに今回の電子化契約書がデジタル化に関するものであれば5年という期間をどう考えたらよいのであろうか。

今年1年だけをみていただいてもわかるように、電子書籍の世界は、加速度的に進化している。先日アマゾンが発表したように、ベストセラー上位10位までの書籍では、ここ30日間では、ハードカバーやペーパーバックの販売よりキンドルバージョンの販売数のほうが上回っているそうだ。販売を開始して3年ほどの電子書籍がここまで躍進しているわけである。

次々と発表される新電子書籍端末。アンドロイドに代表される新OSや各端末会社が作り出す電子書籍販売プラットフォーム。この数か月をみても目まぐるしく環境が変化している。このような世界において5年間にも効力を発揮する契約をどのように考えるか。

先日、アメリカの電子書籍標準化団体の一つ、IDPFがフランクフルト国際ブックフェアで行なった次期EPUB3(旧:EPUB 2.1)に関する講演によると、次期EPUB3では縦書きやルビが実装されるとのこと。そうなれば、日本語における電子書籍の環境や作り方も変わってくることであろう。

1年後には、電子書籍周辺の環境も激変していることは容易に想像できる。そういったなかで、いま、既刊紙書籍の電子化とはいえ“独占”と“15%”とを5年間拘束されてもいいという著者がどれほどいるのであろうか。個人的には独占でも15%でもいいとは思う。しかし、期間だけは、せめて1年間、もしくは半年に区切って、その度ごとに更新することが、著者にとっては現実的であり得策ではなかろうか。いずれにしても双方異議を唱えなければ自動更新という方法をとればよいので、手間がかかるものではない。

もちろん以上は著者サイドに立っての話である。出版社サイドに立てば、いろいろなリスクを勘案したうえで、会社にとって少しでも有利な条件で、できるだけ長い間契約できるにこしたことはない。その両サイドが話し合って、それぞれが納得する条件で契約を結べばよいのではなかろうか。あくまで話し合いありきなのである。


講談社の「デジタル的利用許諾契約書」について 10月24日 池田信夫

講談社の野間副社長は「年内に2万点をデジタル化しろ」と社内に号令をかけ、同社のほとんどの著者に「契約書」を送っているようだ。その1通を入手したので、一部を引用する:


第3条(本著作物のデジタル的利用の目的)

1、甲[著者]は、第2条記載の目的にそって本著作物のデジタル的利用を乙[講談社]に許諾する。
2、本契約期間中、甲は自ら本著作物のデジタル的利用を行なわず、また、乙以外に本著作物のデジタル的利用を許諾しない。

第4条(利用の範囲)

1、乙は、本契約に基づき、本著作物のデジタル的利用について次の各号に掲げる行為をすることができる。
 1、本著作物を自己の費用負担でデジタル化して、本デジタルコンテンツを製作すること。なお、本デジタルコンテンツは乙が管理し、デジタル化の過程で発生した本デジタルコンテンツに関する所有権は全て乙に帰属する。
 2、本デジタルコンテンツをデジタル的利用すること。なお、本デジタルコンテンツの卸価格または販売価格、販売サイト、販売の条件および方法に関しては乙が自主的に決定することができるものとする。



最大の問題は、上の第3条と第4条の講談社がデジタル化権を著者から奪って独占するという規定である。したがって他の出版社から電子出版したいという話があっても、著者は出すことができない。しかも講談社は、この本を電子出版すると約束していないので、彼らが出さないかぎりどこの電子書店でも売れない。

印税は第6条で「乙が当該利用によって得た金額×15%(消費税別)」と定められている。印刷・製本などの工程がなく間接費の小さい電子書籍で、このように低い印税率を設定するのは異常である。アマゾンもアップルも、著者が完全にレイアウトした場合は70%還元するとしており、アゴラブックスでは(当社でレイアウトした場合も)最大50%である。15%という印税率は(当社以外の)日本のほとんどの電子出版社で同一であり、カルテルを組んでいる疑いがある。

契約書も見ないで「どこからでも電子版は出せます」などといい加減なことを書いている業界ライターもいるが、こんな契約を結んだら、著者はアマゾンからもアップルからも電子書籍を出せないし、講談社が出さないと埋もれたままになる。出版するあてもないのに版権を囲い込むだけの契約を結ぶのは、著者を愚弄するものだ。アゴラブックスは、契約した電子書籍は必ず出版する(もちろん電子化権は独占しない)ので、問い合わせは申し込み窓口まで。

追記:玉井克哉氏に指摘されたが、「本デジタルコンテンツに関する所有権は全て乙に帰属する」という条項はおかしい。これだとネット配信して消費者の手元にある電子書籍も講談社のものということになる。「著作権」の誤りか。


(私のコメント)
日本で電子出版が本格化しないのは、著作者と出版社との契約が包括契約ではなく、紙の本に限られた契約なので電子出版の契約が宙に浮いてしまっているからだ。電子出版を想定していない契約書自体時代遅れなものですが、講談社を始めとして出版社は既刊本の電子出版の契約書を著作者に送りつけているということです。

内容的には5年といい長期契約であり、15%の印税では明らかに出版社のボッタクリに近い。紙の本では、印刷したり製本したり日本全国の書店流通網に乗せたりしなければならないから、かなりの経費がかかり10%と言う印税が相場でしたが、電子出版ではそれらの経費がほとんどかからない。

それが15%の印税だから85%は出版社の丸儲けになる。はたしてこのような契約書にハンコを押す著作者はいるのだろうか? これでは池田信夫氏も怒るのは当然ですが、電子出版では個人でも出来る事であり、出版社を利用するメリットは宣伝と販売決済システムしかない。

紙の本の世界では一発あたれば億の儲けも転がり込んでくるから、著名なベストセラー作家などは出版の依頼が殺到する。このような場合は作家と出版社は電子出版の場合どのような契約が結ばれるのだろうか? 電子出版の場合、原価はあってないようなものだからゼロ円の本から10万円の本まで値段は売り手と買い手のバランスで決まる。

ネット上では個人の電子出版が既に行なわれており、3万円の本も買った事がある。株式投資の必勝法などを書いたものなら100万円で買う人もあるだろう。私自身もかつてパソコン用の株式投資プログラムを55万円で買った事がある。結果からすれば詐欺みたいなものでしたが、電子出版は今後どのようになるのかまだ分からない。

電子出版は個人や零細な出版社でもできることだから、出版点数も激増していくだろう。出版して数冊しか売れなくても在庫管理もほとんどかからないから損失もほとんどかからない。電子出版は売上げがほとんど利益みたいなものだから100万部のベストセラーを出せばビルを建てることも可能だろう。

いわば電子出版はローリスク、ハイリターンのおいしい商売であり、サラリーマンとして働くよりも、作家となって本を電子出版する事が社会的なエリートになる世界になるだろう。本ばかりでなく新聞などでも個人で新聞を発行して全世界に配信すれば、全世界の読者から購読料が毎月入り込んでくるようになる。売れるか売れないかは参加の腕次第であり、紙の本の時代は「貧乏作家」の時代でしたが、電子出版の世界では億万長者の作家が続出するだろう。

電子出版の一番のネックは宣伝広報であり、現在の大手出版社は企画力と宣伝力と販売流通網に既得権益がある。アマゾンなどのサイトで宣伝してもらえればベストセラーになる確率が高い。あるいは著名なブロガーに宣伝してもらえればヒットする可能性も高くなるだろう。例えば子飼弾氏のブログで紹介されてベストセラーになった本が何冊もある。


The Rational Optimist - 書評 - 繁栄 10月26日 404 Blog Not Found

早川書房富川様より献本御礼

本書読了後は、こうはっきりと断言できる。

悲観主義は、無知の産物である、と。

本書は訳書であるが、その意味においてまさにこの国の人々のために書かれたような一冊である。その繁栄の頂点にいる人々が、悲観主義の頂点にいるなんて、悲劇でなくて喜劇なのだから。(後略)



(私のコメント)
「株式日記」でも時々本を紹介させていますが、出版社から感謝される事はなく、PHP研究所法務室からは、「著者の青木直人氏は引用の範囲を超えている」と抗議された事があります。数ページ分の引用ですが、本の内容を知るには電子出版の時代ではアマゾンでもやっているように一部を公開しなければ購買には結びつかないだろう。本屋で手にとって見るわけには行かないからだ。子飼弾氏のブログでも数ページ分の引用の形で一部公開している。

これは早川書房とPHP研究所の営業方針の違いなのかもしれませんが、電子出版の時代になれば著名ブロガーの書評は有力な宣伝手段になります。「株式日記」は匿名のブログなので出版社から献本される事はありませんが、本を紹介して出版社から抗議されるのが日本の現状なのだ。「株式日記」は1日あたり15000件程度のアクセスがありますが、1%の人が本を買ったとして150冊売れた計算になります。

だから出版社から感謝されても抗議される事は心外なのですが、それとも数ページ紹介すると売上げが落ちると思い込んでいるのだろうか? ブログの有料サイトでも一部公開して購読につなげていますが、公開された部分を「株式日記」で引用したら営業妨害になるのだろうか? 

電子書籍の時代になれば出版社も新聞や雑誌に本の広告に巨額な費用をかける事は無くなるだろう。そうなるとネット上の書評サイトなどでの書評が一番効果的な宣伝手段という事になります。そしてブロガーのコメントを参考にしながら読めば読書の成果もそれだけ上がる事になる。

講談社の電子化書籍契約書も非常識なものであり、出版社の傲慢さを現したものだ。著作者の権利を丸ごと取り上げるようなものであり、それならアマゾンやアップルやグーグルで電子出版したほうがよっぽどマシだ。アマゾンは70%の印税での契約もあるようですが、最終的にはどれだけの販売力が電子出版社にあるかどうかだ。




日産もフーガでハイブリッドカーに参戦、2クラッチ式ハイブリッドは横
置き4気筒エンジンのFF車にも搭載でき、フーガ以外のモデルも計画


2010年10月27日 水曜日

日産フーガハイブリッド、1.5Lコンパクトカー並みの燃費19km/Lを実現 10月27日 日経トレンディネット

日産自動車は2010年10月26日に「フーガハイブリッド」を発表、11月2日に発売する。全長5m近い大型ボディーにもかかわらず、1.5Lコンパクトカー並みの燃費19km/Lを実現した。車両本体価格は577万5000〜630万円。

 ベースモデルの「フーガ」は日産の最上級セダンで、現行の2代目モデルは09年11月に発売。ハイブリッドモデルの追加は、既に09年10月の第41回東京モーターショーで予告されていた。

 ハイブリッドシステムは、ホンダ「インサイト」や「フィットハイブリッド」が搭載する「IMA(インテグレーテッド モーター アシストIntegrated Motor Assist)」と同じパラレル方式だ。エンジンとトランスミッションの間に1基の電気モーターを搭載し、発進時や加速時はバッテリーの電気でモーターが駆動力を供給。減速時はモーターが発電する回生ブレーキとして働き、クルマの運動エネルギーを電気に変換してバッテリーを充電する。

しかし、日産とホンダのハイブリッドシステムには大きな違いがある。ホンダのIMAは「エンジン−モーター−トランスミッション(CVT)−クラッチ」という構成なのに対して、日産は「エンジン−クラッチ1−モーター−クラッチ2−トランスミッション(7速ハイブリッドトランスミッション)」。モーターの前後にクラッチが2組あるのが特徴で、日産はこのハイブリッドシステムを「インテリジェント デュアル クラッチ コントロール」と呼ぶ。

 日産方式はモーターだけでの走行時(EVモード)に、クラッチ1でエンジンを切り離して完全に停止できるため、エンジンブレーキなどの抵抗がほとんど発生しない。クラッチ2は、発進時やトランスミッションの変速時に使用する。

 ホンダのIMAはモーター走行時でもエンジンが回転するため、バルブ休止システムを搭載してシリンダー内に空気が出入りするときのポンピングロスを減らしている。しかし、エンジンの回転によって内部パーツの摩擦抵抗が発生するため、日産方式と比べるとロスが大きくなる。

最高140km/hまでエンジンをかけずにモーター走行が可能

エンジンはハイブリッド専用の3.5L V6で、最高出力225kW(306PS)/6800rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/5000rpmを発揮。トヨタ「プリウス」と同様に吸気バルブを遅閉じして吸入空気量を減らし、圧縮比よりも膨張比を大きく取って効率を高めるアトキンソンサイクルを採用している。

 モーターは最高出力50kW(68PS)、最大トルク270Nm(27.5kgm)。ガソリンエンジンの3.7L V6モデル、245kW(333PS)/7000rpm、最大トルク363Nm(37kgm)/5200rpmと同等の加速性能を持ちながら、10-15モード燃費はガソリン3.7L 2WD車の10km/Lに対し、ハイブリッドは19km/Lと1.9倍に向上している。燃料は無鉛ハイオク指定、ハイブリッド車のため100%エコカー免税が適用される。

2クラッチシステムでエンジンを使わないときは切り離せるので、EVモードで走れる速度域が広いのが特徴だ。発進時は基本的にモーターだけを使い、バッテリー残量が十分なら最高80km/hまで、最大距離は約2kmまでモーターだけで走行できる。高速巡航時もモーター走行が可能で、アクセルオンなら最高80km/h、アクセルオフなら最高140km/hまでの速度域でエンジンを始動せずに走れる。ちなみにプリウスの場合、EVモードの最高速度は約60km、最大距離は約2kmだ。

 日産によれば、2クラッチ式ハイブリッドは横置き4気筒エンジンのFF車にも搭載でき、シンプルなシステムなので短期間で開発できるという。具体的な車種や販売時期は明らかにはできないが、フーガ以外のモデルへの搭載も計画しているそうだ。

他メーカーの高級ハイブリッド車と比較した、日産ハイブリッドシステムの優位性についても説明があった。P社(ポルシェ「カイエンSハイブリッド」)はトルコンがあるため、燃費と変速のダイレクト感を損なう。MB社(メルセデス・ベンツ「Sクラス ハイブリッドロング」)はクラッチが1組で、エンジンを完全停止できず燃費が悪化する。

 T社(トヨタ「クラウン ハイブリッド」など)については、2モーターで高度な制御を行っていると賞賛した上で、フーガは高い速度までエンジン停止できるため燃費が良い、トルコンがないミッションを搭載しているためダイレクトフィールが味わえるなど、利点をアピールした。

コンパクトで高出力のリチウムイオン電池を採用

マニュアルモード付き7速ハイブリッドトランスミッションは、通常の7速ATと同じ遊星歯車式の自動変速機だが、トルクコンバーター(トルコン)を装備していない。トルコンには発進時にトルクを増大する役割があるが、低速トルクが大きいモーターがその代わりを果たす。また、変速時にショックを吸収する役割もあるが、こちらはモータートルクとクラッチの制御でカバーする。

 バッテリーはエネルギー密度が高いリチウムイオン電池を採用、トヨタやホンダが使うニッケル水素電池と比べて、電池サイズを約1/2に小さくできた。搭載位置は後席シートバック後方のトランクルーム前部。ガソリン車はトランクに9インチゴルフバッグ4個とダッフルバッグ4個を収納できたが、ハイブリッドはバッテリーでスペースが減ったものの、9インチゴルフバッグ4個が積める容量を確保している。

 リチウムイオン電池は素早い充放電が可能なため、高速で精密な高速で精密なモーター制御によるクラッチ操作が可能となった。これによって、スムーズな変速で上質な走りと、アクセル操作に対するレスポンスに優れたダイレクト感が走りを両立している。 (後略)


「フーガハイブリッド」の試験車両に乗った 8月3日 日経Automotive Technology雑誌ブログ

1モータ式の利点は構造がシンプルなこと、既存の車両パッケージに適用しやすいことです。半面、一つのモータを使って、駆動トルクのアシスト、回生を切り替えるので、燃費改善効果で不利な側面を持っています。日産では、燃費改善効果を高めるために、頻繁にエンジンを停止し、モータの力だけで走るモード、減速時のエネルギで発電するモードをできるだけ長くする工夫をしています。

 まず発進時。電池が十分に充電されている場合はエンジンは停止したまま発進します。試しにパーキングレンジでアクセルペダルを踏み込んで空ぶかしをしてみると、一瞬エンジンがかかりますが、ペダルを離すとすぐにエンジンは止まります。フーガは出力50kWのモータを搭載するため、緩やかな発進はEV走行モードでまかないます。EV走行できる距離は充電状態にもよりますが、以前取材した際には最長で数km、トヨタ「プリウス」と同程度の距離との説明でした。

 今回は数百m走ったところで、アクセルペダルを踏み込んだため、エンジンが始動しました。上りのワインディングロードに進入し、上り切ったところでアクセルペダルをオフするとすぐにエンジンが止まります。エンジン車の運転では、コーナーで急激に駆動トルクが抜けると姿勢が不安定になるため、アクセルペダルを全閉にするようなことはありませんが、そうしたコントロールをしたつもりでもエンジンが停止しモータによる走行(もしくは回生)に変わります。

 全開加速でのモータの存在感はそれほど強くありません。トヨタの「レクサスGS450h」などでは爆発的とも表現できるような強烈な加速を示しますが、こちらは比較的マイルドな仕立て。動力性能よりも燃費重視の表れと言えるでしょう。気になったのは、モータとエンジンの切り替え、クラッチの制御を含めてまだ完全な煮詰めが終わっていないように感じられたこと。減速時や、減速して加速するといった際に、駆動系に「コン」というようなショックが出ていました。こうしたショックは、昨年の「スカイライン」ベースの試作車両でも見られたものです。ショックの頻度や大きさは昨年よりははるかに改善されていましたが、発売までの間にこの点を改善する作業が必要です。

 既存のエンジン自動車なら加減速や変速のショックをいかに制御で消すかというノウハウが確立しています。しかし、ハイブリッドシステムやEVのパワートレーンは、エンジン自動車のそれと違って多くの先例は存在しないのですから、新しい発想のシステムを開発するごとにその熟成を図っていく必要があります。システムや機器の進化が早いので、その検証も毎回膨大になりそうです。



(私のコメント)
トヨタ、ホンダに続いて日産もハイブリッドカーを発売しました。日産のハイブリッドカーのフーガは2クラッチシステムで「モーターだけでの走行時(EVモード)に、クラッチ1でエンジンを切り離して完全に停止できるため、エンジンブレーキなどの抵抗がほとんど発生しない。クラッチ2は、発進時やトランスミッションの変速時に使用する」方式だそうです。

トヨタの方式よりかはシンプルですが、ホンダの方式よりかはクラッチが二つあるのでコントロールが難しい。ホンダのハイブリッドはコンパクトだが電動補助エンジンであり電動モーターだけでは走る事ができない。だからホンダは大型車用のハイブリッドを別に開発しているようです。

ハイブリッドカーの特色は減速時に回生エネルギーをバッテリーに回収できることで高燃費を得ている。発進時や定速時は電動モーターだけでも走る事ができるそうですが、頻繁にエンジンを停止させて二つのクラッチを繋いだり切ったりして走る。11月2日に発売が開始されるようですが、どの程度に仕上げられているのだろうか。

ハイブリッドカーは複雑なシステムなので、トヨタは長年時間をかけて改良してきましたが、日産の場合は量産車は始めての事になる。発売された後でも逐次改良されていくのでしょうが、膨大なデーター収集とコントロールプログラムの改良に時間がかかるだろう。

ハイブリッドカーは二つの系統の原動機を一つの車に積み込むわけだから重たくなるし、コントロールも難しくなる。ハイブリッドカーは電気自動車に移行する中間の車といわれてきましたが、自動車用バッテリーの開発は、どれだけコストダウンと高性能化が出来るかにかかっていますが、それが難しければハイブリッドカーの時代が当分続くかもしれない。

電池容量が増やされてプラグインハイブリッドカーが今年の末にトヨタから出ますが、40キロ程度電動モーターで走れれば、かなり燃費も向上することは容易だろう。ガソリンエンジンやジーゼルエンジンを改良して燃費を良くする事は限界が来ており膨大なコストがかかりますが、ハイブリッドカーの場合は電池のコスト次第で燃費は向上させることが出来る。

海外の自動車メーカーでは、日経の記事にもあるようにベンツやポルシェがハイブリッドカーを発売を始めましたが、ヨーロッパではエコカーといえばクリーンジーゼル車の事でしたが、より厳しい排気ガス規制が制定されるのでヨーロッパのメーカーもハイブリッドカーの開発が進んでいる。

アメリカや中国でもハイブリッドカーの開発が進んでいますが、派手に報道される割にはなかなか実物にお目にかかれない。モーターショーに飾られて発売も間近と発表されてもその後はどうなっているのだろうか? GMのボルトも発売が延期されて12月になりましたが、本当に発売されるのだろうか?

自動車はガソリン価格の高騰と排気ガス規制でEV化やハイブリッドカーの開発が欠かせませんが、EVは電池の性能とコストの課題がかかり、ハイブリッドカーはシステムが複雑で作る事自体が難しい。トヨタのプリウスは全世界で既に200万台を売りましたが、トヨタでもカローラを上回るヒット車になっている。

日産のフーガは見たとおりアメリカ向けの車であり、日本でどれだけ売れるのだろうか。最近はプリウスのタクシーが良く見かけるようになりましたが、燃費の良さでタクシーにも使われている。自動車は量産化が進めば進むほど儲かりますが、プリウスも従来のガソリン車と安さで勝負してくるようになりました。後発のメーカーはコストで追いつくのに苦労するだろう。

その国の工業力を見るには自動車を見れば一番良く分かります。ロシアや中国などは宇宙ロケットは作れても外国に売れるような自動車は作る事が出来ない。インドなどでも格安の自動車が作られて発売されましたが、量産化がうまく行っていないようで注文のキャンセルが相次いでいる。むしろ日本のスズキ自動車が55%のシェアを持つまでになっている。一定水準の車を量産するにはかなりの技術力が要ります。

EVにしても試作車が世界中で作られていますが、EVの試作車を作る事は町工場でも出来ます。そして量産化されて売り出されたEVは今のところ三菱のアイミーブしかない。EVは部品レベルから全て作り変えなければならないから量産化が難しい。日本でEVが量産化できたのもハイブリッドカーの部品開発で進んでいたからであり、家電に使われる電気部品とは共用化出来ない。

従来の自動車部品もそのままEVやハイブリッドカーには使えない訳であり、部品の量産体制が整わなければメーカーも量産が出来ない。半導体一つとっても自動車用半導体は家電に使われている半導体では実用にならない。自動車用モーターも汎用のモーターとは異なり軽くてコンパクトで高出力でなければならない。それらはハイブリッドカーで実用化されていた。

トヨタのハイブリッドカーを売っていた経験から、EVは実用化が難しいと判断しているのだろう。ハイブリッドカーにしても今まではマニアクラスの人に売られてきましたが、量産化が軌道に乗るかは値段が一般車と競争できるくらいでないと難しい。日産がプリウスと勝負できるようなハイブリッドカーが出来るかどうかが日産のこれからの命運がかかっています。




リーマンショック以来、イギリスポンドが売られ続けていることにお気
づきだろうか。「ギリシャの次はイギリスだ!」と、私は考えている。


2010年10月26日 火曜日

欧州委:英国、スペイン、アイルランドの財政赤字に「重大な懸念」 10月14日  ブルームバーグ

10月14日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、経済危機対策のための巨額の財政出動に伴い、英国とスペイン、アイルランド、ギリシャ、ラトビアで財政赤字が拡大し、「重大な懸念」が生じていると警告した。

  欧州委は14日公表した報告書で、「経済危機が財政状況や中期的な成長に継続的に影響を及ぼす可能性は重大な懸念だ」と指摘。これら5カ国にとって、「債務の急激な拡大の回避が既に中期的な政策課題となっている」との見方を示した。

  欧州委の試算によれば、アイルランドの財政赤字は来年、国内総生産(GDP)比15%を上回り、EU加盟国で最大となる見通し。英国が13.8%でこれに続くと予想される。EUの財政規律を定める安定・成長協定は、財政赤字をGDP比3%以内に抑えることを加盟国に義務付けている。

  報告書はその上で、国家財政の立て直しには「向こう数年で公的債務残高と財政赤字を圧縮する大掛かりな財政再建計画、徹底的な社会保障改革の両方が求められる」としている。



2011年ユーロ大炎上!日本経済復活の始まり 松藤民輔:著

イキリスはすでに破綻同然……

ヨーロッパの金融機関では、その量(規模)と質(の悪さ)においても、イギリスが他を圧倒している。

ところが、イギリスの危機は、まだ先のCDSのデフォルトリスクのランキングには現れていない。しかし、これも時間の問題である。不良債権9パーセントのイギリスをウォッチしていれば、アメリカの州並みの危機に瀕していることがわかるだろう。

201O年5月末、ドイツがわずか7700億円の国債調達ができずに札割れとなった。これは10年物、30年物という長期債ではなく、5年債という短期債券だ。それが調達できなかったということは、「5年以内にドイツは破綻する!」と市場が判断した、というに等しい。

ドイツは、短期債務がGDP比45・4パーセント、長期債務95・2パーセントである。低い短期金利で借りて長期金利で回すところまでは行っていない。だが、長期債務がGDPとほぼ同額というレベルは”危険水域"である。

ユーロ圏でもっとも健全な国はどこかといえば、100人が100人、「ドイツ」と答えるはずだ。わたしもそう思う。そのドイツが札割れせざるをえなかった。

ということは、フランス、イタリア、そしてイギリスの実態は、はるかにひどいはずなのだ。「まともな産業のないギリシャと、落ちぶれたとはいえ、7つの海を支配した大英帝国をいっしょにしないでくれ」と、イギリスの金融機関トップは主張するけれども、それでは、上の表のイギリスの数値に注目していただきたい。

イギリスの官民両部門が海外債権者から借りているマネーがいくらあるか? なんとGDPの3、4倍という膨大な額である。イギリスの対外債務の長短比率はGDP比240パーセントが短期債務、102パーセントが長期債務である。そしてイギリスの場合、金融機関の対外債務が突出して多い。ということは、短期で低金利マネーを借り、長期で高金利運用をする。すなわち、キャリートレードで儲ける構造になっていることがわかる。

一方、ギリシャの対外債務はどのくらいか? 同じくGDP比58パーセントが短期債務、105パーセントが長期債務だ。キャリートレードで高金利を払っている、という債務構造になっている。、

結論PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)や東欧、南欧諸国が債務不履行を起こしたら最後、もっとも被害を出すのはイギリスにほかならない。これは、「いつ破綻してもおかしくないレベル」といっていいだろう。

アイルランドは国内に産業がなく、金利のサヤ取りだけで生きていた国だから、債務内容もそれなりの数字になっているが、イギリスは自動車、電気、流通など、曲がりなりにもひと揃えの産業がある。にもかかわらず、これだけ対外債務が膨らんでいる:…。明らかに実態は、ギリシャよりもイギリスのほうがはるかに悪い。

イギリスがユーロに、加入できなかった。本当の理由

「イギリスはポンドを守って成功した」

「ギリシャ危機でも、ユー口圏に属さないイギリスはうまくやっている」ギリシャ危機勃発後、イギリスを高く評価するエコノミストが少なくないけれども、これはとんでもない勘違いである。

イギリスはユー口に加入したかったのである。しかし、入れてもらえなかった。これが真実なのだ。

1992年、いまだ基軸通貨時代の思い出が忘れられないのか、イギリスはヨーロッパ諸国となんの交渉もすることなく一方的にERM(単一通貨ユー口導入のための欧州為替相場メカニズム)参加を表明した。そして、1ポンド=2・95円という為替レートを、これまた一方的に設定するのである。

このとき、ヨーロツパの経済大国ドイツ(1990年10月に東西ドイツ続一)の首脳はどう思ったか?

「ポンドは実態よりも高すぎて、現実離れしている」

イギリスのインフレ率はドイツの3倍、金利は15パーセント。ERMでは、ポンドの為替変動は上下2・25パーセントという狭い幅しかない。これを超えるとイングランド銀行が変動幅を再調整するか、準備金による市場介入を強いられる。すなわち、ポンドを買うか、マルクを売るかしなければならなくなるわけだ。

ポンドはマルクに対して高すぎるーー機を見るに敏な投機家、ジョージ・ソロスに狙い打ちされたのはこのタイミングである。

「相場は必ず間違っている。高止まりしているポンドがこのままであるわけがない(再調整するはずだ)」

ソロスは即、15億ポンドの空売りを仕掛け、その後も総額150億ドルを市場に投入して、ポンドを売り浴びせるのである。結局、イングランド銀行は、ポンド暴落を阻止するために240億ドルもの外貨準備金を投じたが、すべて市場に吸収されてしまう。この「ポンド危機」でソロスだけでも10億〜20億ドルもの儲けを手にした、という。

こうして、ポンドは、正式にERMを脱退して変動相場制へと移行することになるわけだが、ポンドがこのままユー口に加入すれば、新通貨ユー口までもがヘッジファンドの餌食にされかねない、というドイツの強硬な主張もあって、イギリスはユー口加入を断念せざるをえなかったのである。

イギリスの戦勝国呆けは手ひどいしっぺ返しとなった。もちろん、政府の失態はすべてイギリス国民が負わされた。政府にできることはせいぜい、首相であったジョン・メイジャーのクビを差し出すことだけだった。

皮肉なことだが、ERM脱退後、ポンドは下落(…ポンド安)輸出競争力がついて、イギリスは景気回復するのである。

水面下で悪魔の取引が行われている?

「ユー口の下落が止まらない」と大騒ぎするエコノミスト、アナリストがいるけれども、ユー口以上に、世界中のありとあらゆる通貨に対して下がり続けている通貨がある。

ポンドである。

LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は銀行間の金融市場で互いの信用に不安が生じると金利が上昇する。リーマンショックが少し落ち着いた2009年夏以降、0・25パーセント程度で安定していたLIBOR(ドル、3ヵ月物)も2010年3月半ばからじわじわ上昇し、5月に入るといきなりピツチを加速して、7日には0・40パーセントを超えた。

現在、市場の相互不信はどの程度なのか? どの通貨が信用性がないのか…危ないのか? このLIBORこそ、推測する手掛かりのーつである。

そして、もうーつ。それは各国国債の金利差だ。

英国債と、比較的安全な資産とされる米国債(米財務省証券)の利回りの差(スプレッド)をチェックする。たとえば5月6日、2009年8月以来の高水準O・25パーセント強を記録したけれども、これだけ急激に拡大するのは同年3月以来、久しぶりのことである。幸い、スプレッドはリーマンショック直後の4パーセント超よりも小さい、ということは、市場はリーマンショックほどの大地震は今後は来ない、と予測しているのかもしれない。

しかし、はたしてそうだろうか?

リーマンショック以来、イギリスポンドが売られ続けていることにお気づきだろうか。この動きをどう読むか?

「ギリシャの次はイギリスだ!」

という市場のサイン、とわたしは考えている。

じつは、こんな情報が飛び込んできた。ギリシャと某金融機関がLIBOR+2・5パーセントのスワツプを組んだ。そして、このスワツプ取引で叩き出した現金を担保に、債券が発行されたーー。もちろん、この取引については、ギリシャ国債の発行目論見書にはいっさい記載されていない。

ギリシャのような小さな取引ならかわいいものだ。しかし信頼すべき市場通は、こんな怖ろしいことを囁いた。

「ギリシャとの取引と同じ仕組みで、英国債を発行しているのではないか……。市場にサインが出ている」

この金融機関は、ギリシャとの小さな取引ですら1000億円もの利益を出している。これが英国債なら、とんでもない利益を得ているはずだ。これについては、ギリシャより大きな規模の国が破綻でもすれば事実が明らかになるだろう。(P66〜P73)


(私のコメント)
アイルランドの経済が酷い状態になっている事は既にニュースになっていますが、松藤氏が書いているように、アイルランドにはこれといった産業がなく金融で利ざやを稼いできた。国民が汗して働く事がなく金融でカネを稼ぐ癖がつくと立ち直るのはかなり厳しいだろう。ヨーロッパは西と東からドミノ倒しが始まっている。

西はアイスランドが金融で破綻してしまいましたが、それがアイルランドへと広がり始めている。アイルランドが危ないとなればアイルランドにカネを貸していたイギリスが危ない。東からはギリシャ危機で騒がれましたがスペインやイタリアへと広がり始めている。これらの国へもイギリスが大量にカネを貸している。

アイスランドも日本などの安い金利の国から金を短期で調達して長期で貸し出して利ざやを稼いできた。コンピューターによるプログラム取引で国債で運用しているから安全だ。アイスランドもギリシャもアイルランドもみんな金利の利ざやでカネを稼いできた。これほど楽な事はなく真面目に働く事などバカバカしくなる。

それらの事をもっと大掛かりにやってきたのがイギリスだ。日本においてもバブルの頃は財テクと称して、本業よりも金融に走った企業がありましたがバブル崩壊でみんなやられた。銀行からカネを借りて博打をしていたようなものだから、バブルが弾けては逃げようもなかった。

それと同じような事が世界的規模で起きているわけであり、しばらくは先送りに出来たとしても、限界が来れば銀行は信用不安を噂されるようになる。国家にしても同じでありギリシャもECBからの緊急的な手当てで何年かは持っても、状況が改善しなければドミノは倒れ始める。一番貸し込んできたのがシティーの銀行だ。

やがてはドバイもダメ、ハンガリーもダメ、となりのアイルランドもダメとなれば貸し込んだイギリスの銀行がアウトだ。銀行がダメとなれば国債も買うところが無くなる。そうなれば国家財政もアウトになり、イギリスは破産する。2012年のロンドンオリンピックは開かれるのだろうか?

2012年は地峡が滅亡しないでしょうが、金融が持ち堪えられなくなって金融大崩壊が起きる可能性がある。天変地異が起きてそれが引き金になるのかもしれない。引き金を引くのはアメリカではなくてユーロ体制が大崩壊する年かもしれない。経済がまともなのはドイツぐらいですが、ドイツ一国ではヨーロッパを支えきれない。

金融立国は香港やシンガポールなどでは可能なのでしょうが、ある程度の以上の国家体制を支えるような産業にはなり得ない。イギリスは一通りの産業はあるからポンド安が輸出などに好影響を与えますが、金融や不動産に傾きすぎた産業構造は急には元には戻らない。日本も20年も経っても金融業のダメージはいまだに回復していない。

日本は低金利政策で銀行などの営業を助けていますが、リスクに過敏にならざるを得ず国債ばかり買っている。欧米の銀行も信用不安などに備えて直ぐに現金化出来る国債に頼らざるを得ないだろう。住宅ローンなどは利ざやを稼げるドル箱だったのですが、不動産バブルが弾けては稼げない。

アメリカにしてもヨーロッパにしても、最終的に稼げるのは輸出しかなくドル安やユーロ安合戦が行なわれている。しかしイギリスのポンドを見れば分かるように、通貨安に頼った輸出では製造業の復活は難しい。製造業を復活させようにも既に技術者も熟練工も居なくなっている。

イギリスでは金融も不動産もお荷物産業になり、それに代わるような産業がないから税収もかなり落ち込むだろう。だからイギリスは消費税を2,5%引き上げて、大胆な歳出カットを行ないますが、そのような方法はアイルランドで失敗している。かえって財政赤字が酷くなってしまう。気が付いた頃は手遅れになっているだろう。

イギリスはなぜ日本の経験に学ばないのだろうか? 消費税を上げて歳出を絞れば消費が落ち込んで税収も落ち込んでしまう。ポンドが暴落すれば輸入インフレになり不況下の物価上昇で最悪の状況になるだろう。イギリスのポンドはユーロにも加われない落第生であり、だからポンド売りが続いている。




ドル安は望まないだとか、通貨安競争はよろしくないだとか、具体的に
何をするのか等は全く示さず、更にドルを発行するという恐ろしい米国


2010年10月25日 月曜日

マネーは増え続ける 10月25日 S氏の相場観

週末にG20が終わったのですが、今後も景気を回復させる為には金融緩和をすると断言している米国が、通貨安競争はしないと云い、更にはこれ以上のドル安は望まないとも云っておりました。あくまでも現実はドルの増刷であり、これを止めれば米経済は更に落ち込むでしょうから、おそらくはこの流れは当分変わりようがないと見られますので、どう考えてもドル安は当分進み続ける事になるでしょう。

 ただ、現実問題として取引にドルを使用している新興国が、この急激なドル安に悲鳴を上げ始めており、米が自国経済を繁栄させるためにドルを発行し続ければ、ますますドルの価値は落ちる訳で、いくら自国のためとはいえ、これでは基軸通貨としての威厳がなさ過ぎるという事にもなりますが、この威厳を保つために取った行動が米の口先介入です。

 ドル安は望まないだとか、通貨安競争はよろしくないだとか、具体的に何をするのか等は全く示さず、しかも自分のところは更にドルを発行するという恐ろしいまでの暴君ぶりなのですが、日銀や日本政府と違って口先介入でもある程度の効果が出てしまうのが米の凄いところです。

 これは、世界一位の圧倒的軍事力が成せる技とでもいいましょうか。逆らえば空母は派遣されるし、潜水艦は出て来るしで、ある意味これだけでドルの価値を保っていると云っても過言ではないのですが、例え軍事力が背景だとしてもそれが通貨に対する安心感になるのであれば、それはそれで結構なことでありましょう。

 しかし、最終的な保証が軍事力で成されるとしても、湯水のごとくドルを発行し続けられれば、その価値を保つのは不可能な訳です。だからこそ口先介入をしたのでしょうけれども、日本のそれよりは長持ちするとしても、その効果もいずれなくなってしまうと見るべきです。

 結局、増え続けるマネーは何をもたらすのか?その答えは明白で、これはインフレをもたらすのですが、日本はドル安によって円高になっているために鈍感なのだとは思いますが、世界は既にインフレに突入しているのです。20年もデフレに苦しんでいる日本を見て、これではダメだと多くの先進国は認識している訳で、デフレにならない様にする為には、素早い金融緩和が必要という認識であるのです。

 そして、日本以外の先進国はデフレに至るのを阻止することに成功していると見て良いのですが、既にゼロ金利に至ってしまっている日本は、更に思い切った策を出さない限りは同じ道を辿ることは出来ませんし、それが世界の株価に対して非常に出遅れてしまっている要因になっていると云えるのです。(後略)


通貨戦争−アメリカの内情と日本への期待 10月23日 ウォールストリート日記

しかし実態は、アメリカ経済はむしろ、デフレに陥る危険性を抱えているように見えます。その理由は、今回の不況が日本のバブル崩壊後と同様の「バランスシート不況」と呼ばれる性質のものであり、世の中のお金が借金返済の形でどんどん消えて行くことで、物価が下がって行く(デフレになる)方向に経済が進んでしまう性質のものと考えられるためです。

そのことを理解しているエコノミスト達は、野村総研のリチャード・クー氏や、プリンストン大学のPaul Krugman教授に代表されるように、政府による景気対策の必要性を強く訴え、一般に広がりを見せる過剰なインフレ懸念に対しては、強いトーンで反論しています。

例えば、ノーベル経済学賞を受賞したKrugman氏は前出のBloombergの記事の中で、「1兆ドル(約80兆円)の財政支出拡大も、長期的に見ればアメリカの財政にほとんど影響はない」とし、その理由として、「低金利のおかげで、80兆円の政府負債拡大で増える金利支出はたったの1.7%=$17bn(約1.4兆円)であり 、これは$2.5tril(200兆円)の予算総額と比較すると極めて小さい金額である」としています。

また同氏は、「オバマ政権は、8000億ドル(約64兆円)もの財政支出による景気刺激策を打っておきながら、失業率を10%から低下させるのに失敗した」という、最近アメリカでよく聞かれる批判についても、2010年7月のCNNでのインタビューの中で、以下のような趣旨のことを述べて、景気刺激策の有用性を擁護しています。

「私は以前から、むしろ8140億ドルでは不十分だ、と言って来た。今までに使われた財政刺激策は、3分の1は減税に、残りの3分の2の多くは財政的に困窮する地方政府への補助金に当てられた。そして、目には見えないかもしれないが、発生するはずであった失業を抑えた。目に見える景気対策(公共工事など)は今後必要とされることであり、今は財政出動の勢いを緩めてはいけない。」

更に、自らの主張である、「財政が危機的状態にないことは、米国債の金利に急上昇の兆候が無いことからも分かる」との発言に対し、Ferguson教授が「市場は破綻する直前まで、大丈夫であるように見えるものだ。アメリカ政府は8470億ドル(約86兆円)もの米国債を保有している中国政府に対しても、自らの正しさを説得し続けなければいけない」と批判したことに対しては、「Ferguson氏は経済学の基礎を理解しようともしていない」、と一蹴しています。

似たような議論で、日本でも時折、アメリカに対する外交のカードとして「米国債を売り浴びせればよい」などと言う主張が聞かれますが、極めて非現実的と言える気がします。仮に日本が米国債を売り浴びせれば、自国通貨がドルに対して大幅に上昇し、自らの輸出型経済が破綻してしまうためです。中国についてもこれは同じで、「中国政府を納得させられなければ、米国債は暴落する」と言うFergusonの議論は、どうかと思います。

アメリカに必要な「経済政策」

話は戻りますが、Krugman氏らが「景気対策には8000億ドルで不十分」と言うように、アメリカ経済は、とても力強く回復しているという状況には無いように見えます。そのことが、FRBによる継続的金融緩和を通じて、ドルの独歩安を招き、通貨戦争の引き金になっている面があることを考えると、アメリカ政府が景気回復のために何を為すべきかは、世界や日本にとって重要な関心事と言えると思います。

「経済政策」には、「財政政策」と「金融政策」があり、前者は政府主体で税金を使って仕事などを作り出すことであり、後者は中央銀行が主体となって、金利の引下げや量的緩和(カネのばら撒き)で景気に刺激を与える行為です。このうち、まず財政政策(財政出動)の必要性については、前出のクー氏とKrugman氏は、同じような主張をしています。

例えばBloombergの8月24日の「Koo Says Maintain Fiscal Stimulus to Avoid Double Dip (クー氏、二重底回避のために財政支出の継続を訴える)」の中でクー氏は、世界中の政府が財政赤字の解消を最優先する姿勢を見せているが、それはタイミング的に間違っている。国債の低金利は、市場が「金を借りなさい」と言っているのと同じである。今こそ、高速道路や学校を建設する必要があるところで、どんどん建設すればよい、と述べています。

しかしTea Partyが勢いをつけている今、11月に開催されるアメリカ議会の中間選挙の結果、議会でも共和党の緊縮財政派が力を持ってしまう可能性は、ゼロではない気がします。そうなると、アメリカ政府は必要な財政出動をしにくくなり、その結果、景気回復が遅れ(または最悪の場合デフレになってしまい)、ドル安が止まらずに通貨戦争が激化する、といったシナリオも、有り得ない話ではないかもしれません。

(ちなみに、ギリシャ危機でユーロ体制が危機に陥りかけた欧州では、財政の健全化という、一見不景気において間違った政策判断をしたように見えました。しかし運のよいことに、ユーロがドルに対して大幅に値を下げたことで、ドイツを中心として輸出企業が好業績に沸き、景気は持ちこたえているようです。)


(私のコメント)
中国はレアメタルは禁輸していないと言っていながら禁輸しています。アメリカはドル安は望まないと言っていながらドル札をばら撒き続けています。まことに自分勝手な国ばかりですが、自分で自分のクビを締めている事にも気が付かない愚かな国なのです。FRBは紙切れになりそうな債券を買いまくっていますが、FRBが債務超過になったらどうなるのでしょうか。

通貨はその国の経済力に見合った量を供給していかないと日本のように金詰りになりデフレになります。政府日銀は意図的に資金供給を絞って日本経済にブレーキを掛けているとしか思えません。それに比べるとアメリカは大胆にカネをばら撒いています。アメリカは世界一の経済大国でありドルをばら撒く能力があります。

どこまでばら撒けるかは金利の動きを見ていれば分かるでしょう。国債の買い手がいなくなれば金利は上昇して行きますが、今のところ米国債は安全な投資先として買われています。しかしアメリカ経済がこれからも衰弱し続ければ米国債の買い手はいなくなり金利が上がって行く可能性があります。

金利を見る限り日本とアメリカは積極財政で国の公共投資を増やして行かなければなりません。この事はリチャード・クー氏やポール・クルーグマン氏も言うとおりです。日本のバカなエコノミストやj経済学者は日本が倒産するといっていますが、倒産するはずの日本国債が低金利でも売れ続けている事は何を意味するのでしょうか。

もし日本経済がおかしくなれば円が暴落する事が考えられますが、円が暴落したら世界中が日本製品で溢れて中国や韓国製品は淘汰されてしまうでしょう。円が買われているのも日本製品がそれだけ国際競争力があるからであり、中国や韓国が通貨安にしているのは安くしなければ日本製品にかなわないからだ。

中国や韓国がいまだに発展途上国なら通貨安にしても大目に見られますが、GDP第二位や第十一位の国が通貨安政策が認められるだろうか? どれくらいが適当かは見解が分かれますが貿易収支が大幅に黒字なら通貨安政策はとるべきでない。先のG20で4%という数字目標も検討されましたが、中国や韓国が4%を超えています。

日本や韓国のように加工貿易国は通貨が高すぎても安すぎても弊害がありますが、貿易収支もトントンぐらいが丁度いいのだろう。日本は円が高くても貿易黒字が続いていますが、何とか空洞化を防ぐ為にがんばっているという所だろう。問題なのは円が高いという事よりも投機的に円が買われて急騰することであり、その時は為替介入で投機筋にお灸を据えるべきだろう。

日本が円高が続いて輸出産業の空洞化が心配されますが、中国や韓国との価格競争になっている分野の製造業は現地生産に移行せざるを得ないだろう。家電製品にしても自動化やロボット化が進んでどこで作っても同じ製品なら海外で作ったほうがいいだろう。自動車などは部品点数も多く自動化出来ない部分が多いから海外移転は難しい。

自動車などは部品点数が3万点ぐらいですが、飛行機などは数十万点で格段に製造が難しく、日本は航空宇宙産業にシフトしていくべきなのですが、国の政策はアメリカに遠慮して民間企業任せだ。宇宙ロケットともなれば数百万点もの部品が必要であり、航空宇宙産業や軍需産業はアメリカから海外に移転しなくても済んだ。

もし日本が航空宇宙産業に本格的に参入してきたらアメリカ経済にとっても一大危機になる。アメリカは世界一の宇宙大国であり航空宇宙産業や軍需産業ではダントツの競争力を持っている。本来は日本はこれらの産業にシフトすべきだったのですが政府はなぜか積極的には行わなかった。

昨日は農業について述べましたが、農業もハイテク産業であり、農業も輸出産業として育成すべきなのですが、やはり経済評論家などは食料は安い海外から買えばいいと言った言論が主流だ。日本などの複雑な地形の所では電波他の大規模化や機械化が難しいという難点がありましたが、耕作機械のロボット化で段々畑などの機械耕作も可能になってくる。

日本経済が90年代から停滞してしまったのも、航空宇宙産業などへの転換が遅れていることと、農業の近代化が遅れてしまったから地方経済が衰退してしまったのだ。政府がいくら減反政策で補助金を配っても地方の衰退は止められない。農民の高齢化も進んで世代交代と農業政策の抜本的な転換が必要だ。

政府財務省日銀は財政再建に凝り固まってしまって、アメリカ政府のような大胆な政策が出来ない。ヨーロッパは財政再建に傾いていますが失敗するだろう。経済政策は複合的でありセットで行なわないとなかなか成果が出にくい。日本は各省庁がバラバラだから総合的な政策が打ち出せない。強力な指導者もいないから纏められないのだ。

当面は中国の人民元が問題になりますが、自由貿易で一番利益を得ている国が、為替やレアメタル禁輸などルール違反が相次いでいます。自由貿易を続けたいのなら金融の自由化を遅らせたりレアメタル禁輸は許されないでしょう。中国も経済発展で歪みが生じてきて国民には不満が高まってきています。だから反日デモが毎日起きていますが、警察が抑え込んでいますが長くは続かないでしょう。

アメリカにしても失業者の増大は政権への不満となって高まってきています。多くの製造業は中国などに駆逐されてしまいましたが、安い中国製品を輸入して金融で儲ける経済戦略をとってきた。しかし金融では国家経済を支えることは不可能だ。金融はあくまでも産業の脇役に徹しなければならない。

世界的に見れば昨日書いた食料などもインフレの兆しが見えますが、石油や鉱物資源に波及していくだろう。通貨安政策をとっていたところはインフレが国内で激化して問題になるだろう。日本は円高だから世界的インフレに気がつきにくい。




カネあまりと世界的異常気象による穀物の不足から、投機買いが始
まっている。国内の米は異常高温で不作なのに値下がりが起きている。


2010年10月24日 日曜日

シカゴ商品取引所小麦・トウモロコシ・大豆先物相場の推移


ロシア穀物禁輸来年7月まで延長 小麦価格上昇の恐れ 10月23日 東京新聞

【モスクワ共同】ロシアのプーチン首相は22日、記録的猛暑による干ばつを理由に年末までの期限付きで今年8月に導入した小麦など穀物の輸出禁止措置を来年7月1日まで延長したことを明らかにした。世界有数の小麦生産国ロシアの禁輸措置が当初予定より大幅に延長されたことで、小麦の国際価格上昇を招く恐れがある。

 首相は南部ロストフナドヌーでの農業関係会議で、必要な政府決定に21日に署名したと表明。「国内の食料と家畜用飼料の市場安定が最優先されるべきだ」と禁輸延長の理由を説明した。

 首相は同時に、今年のロシアの穀物収穫量は約6千万トンとなり、備蓄分などと合わせれば国内需要を満たすのに十分だと述べ、国内の不安解消に努めた。

 ロシア政府は、干ばつで今年の穀物収穫予想を当初の9500万トンから6千万トン程度にまで下方修正。プーチン首相は国内需要向けを優先するとして、8月15日から年末までの期限付きで穀物の禁輸措置を導入した。



米先物市場で原油と穀物が役割交代 8月11日 ウォールストリートジャーナル

米先物市場で原油と農産品が役割を交代している。穀物の動きが投資家を興奮させる一方、原油の動きは鈍く、今後の予想が可能だ。

7月下旬の原油先物の1バレル当たり78ドルから82ドルへの上昇は、大幅な動きとして歓迎された。しかし、過去数年間とは様子が大きく異なる。一方、小麦先物は6月下旬以降、64%もの大幅上昇を実現し、約2年ぶりの高値を付けた。また、トウモロコシ先物は同期間に25%上昇し、7カ月ぶりの高値付近にある。

 マーケット情報サービス会社DTNのシニア・アナリスト、ダリン・ニューソム氏は「安全志向であるなら、債券の代わりに原油を購入すべきだろう。農産品は推奨しない」とし、「われわれがこのようなことを話すとは思いもしなかったのではないか」と語った。

 かつて変動が激しかった原油相場は、世界的な供給過剰により、予想が可能な相場に変わった。当面は供給が十分に確保されているため、たとえ生産施設が集中するメキシコ湾にハリケーンが到来しても、供給が不足し価格が高騰するといった展開は考え難い。

 中国や途上国で発生する原油需要が生産可能な水準を上回るとの懸念は、昨年来の需要不足からの脱却を世界が試みるなか、材料から外されている。08年はこうした懸念を主因に相場は急騰した。

 JPモルガン・チェースは7月30日、原油相場は均衡が取れた状態にある、との見方を表明した。JPモルガンのアナリストは、10年の原油相場の予想平均価格を従来より5.5%下方修正し、77.25ドルとした。一方、10年の世界の原油需要は日量平均180万バレル増加する、と予想している。

 対照的に、農産品には買いが殺到している。ロシアの深刻な干ばつによる供給のひっ迫が相場を押し上げている。ロシアが8月15日から年内いっぱい、小麦輸出を停止すると決定したことが5日の相場急伸の引き金となった。ほかの穀物も小麦の動きに追随している。小麦の供給不足により、飼料の代替農産品の確保を農家が余儀なくされる、との観測が背景にある。

 投資家がこの勢いに便乗。シカゴ商品取引所(CBOT)の小麦先物相場の取組高は、夏の初めから4年ぶりの高水準にある。伝統的に投機筋が最も多く集まる原油先物相場の取組高は減少しており、今年の最低水準で推移している。

 一方、小麦が深刻な不足に陥る可能性は低い、と多くの投資家が判断した場合、相場は急旋回する可能性がある。業界アナリストの多くが、すでにこのような見方を示している。モルガン・スタンレーは5日、相場の上昇は「行き過ぎ」であり、欧州とロシアによる「輸出の減少分に見合う在庫が存在する」と指摘した。

 一方、原油相場が小麦と同様に下落すると予想する向きは少ない。相場の上値は重いかもしれないが、適正水準を大きく超えているわけでもない。市場参加者は原油相場について、当面は狭いレンジでの一進一退を予想。景気回復の継続に伴い、緩やかに上昇する可能性がある、としている。

 トラディション・エナジーのアナリスト、ジーン・マクジリアン氏は「景気は引き続き、緩やかに回復している。原油相場は十分に上昇し、現在は値固めの局面にある」と述べた。



(私のコメント)
「株式日記」では世界的な金融緩和で金や石油が上がると書いてきましたが、穀物相場が面白くなってきました。日本の異常高温で米の1等米が不作で屑米が増えているようです。米どころの新潟では稲穂が実ってはいても中は空で実が付いていないそうです。稲穂の先も枯れてしまって栄養分が不足した米が出来てしまう。

世界的にも異常気象で、ロシアは異常高温と異常乾燥で小麦の不作で来年まで穀物禁輸を続けるという事です。アジアでも洪水や台風などの被害が大きくて米が不足しているそうです。奄美大島でも豪雨で被害が出ましたが、パキスタンやタイの洪水も集中豪雨が起きやすい状況は同じなのだろう。

韓国ではG20で通貨安競争は止めようという決議がなされましたが、世界各国は金融緩和させてマネーをだぶつかせている。しかしうまい投資先がなかなか見つからない。多くは国債などの安全な投資先に落ち着きますが、多くのリターンを出さなければならないヘッジファンドは金や石油や食料などの商品先物に投機資金を回してくるだろう。

食料価格の高騰が本格化してくると、また日本の食料自給率が問題になりますが、異常気象の頻発が食糧危機を引き起こしやすくなる。中国などの経済発展で中国人の肉食で畜産飼料に回る穀物も増えるから、金融緩和によるカネあまりと需要の増加による石油や食料の長期的な上昇は避けられないだろう。

にもかかわらず日本では米の減反政策が続けられていますが、異常高温で米が不作でも米価の値下がりが酷いようだ。民主党の農家への戸別所得補償で米価が下がっても農家の手取りは国が保証しているから安くてもかまわないのだ。こんな税金の無駄使いがあるだろうか?

「株式日記」でも農家への戸別所得補償はいいアイデアだと書きましたが、専業化と大規模化を進める事が前提だった。しかし民主党は減反政策を続けて兼業農家にも戸別所得補償を適用してしまった。これでは兼業農家はかえって増えていってしまう。米作りの単価が下がらず国からの補助金が増える一方だ。

世界的に見れば米不足が起きることが多くなっていくだろう。米の国際価格と国内価格の差が無くなってきてレベルが同じになれば、余った米を外国に輸出する事も可能だ。日本のは中国という巨大コメ市場があるから、日本の農業も輸出産業になりうる。

農業生産も工業化とハイテク化が進んで、先進工業国が食糧生産大国となっている。だから日本の農業も米の生産大国になる可能性があるのですが、米の生産合理化がなかなか進まない。米作を止めた農家も畑だけはなかなか手放さないから農地の集約化もなかなか進まない。

日本の農地は狭いから無理だという人もいますが、広い農地があっても水が無ければ農作物は出来ない。逆に農地が狭くても水があれば収穫量をあげることは可能だ。例えば米にしても倍の米が実る稲が作れれば生産量は一気に倍に出来る。米はもともと熱帯産だから暑さに強い米も作れるだろう。

専業農家になれば、今年は冷害になりそうだから寒さに強い品種を植えるとかする事によって差別化も可能だ。日本の農地は小麦や大豆やトウモロコシなどには向きませんが米には向いているから米を集中的に作って他の穀物は輸入すればいい。米も小麦も大豆もトウモロコシも価格的に連動しているから、米に特化しても作りすぎる事は無く余れば輸出すれば無駄にはならない。


農家戸別所得補償と減反政策 5月20日 みんなの党 中西けんじ

子ども手当と並ぶ民主党のばらまき政策の象徴である『農家への戸別所得補償』が始まります。ご存じの通り、これは計算上の食用米想定生産コストと米価の差を、専業、兼業を問わず一定の条件に見合う全ての農家に支給するものです。民主党は戸別所得補償を日本の農業振興と食糧自給率アップの方策として鳴り物入りで宣伝していますが、私はまったく意見を異にしております。むしろ日本の農業にとっては大きくマイナスとなる施策であると思っております。

今日は、食料安全保障とこれからの農業のあり方について、私の考えをご説明したいと思います。

まず私は一般論として、農業も他の産業と同じく、日本は自由貿易体制のもとで比較優位の産品に特化した生産を行う事で繁栄すると考えております。農業は他の産業以上に地域ごとの生産の優位性と劣位性がはっきりしています。日本の気候は水田における米作に非常に適している上に、品種改良他様々な生産手段の研究開発の蓄積があります。米の他にも日本固有の野菜、果物であるとか、「食の安全」をもたらす顔の見えた農産物などには十分な付加価値があり、生産コストに農家や流通業者の利鞘を乗せた価格でも消費者に喜んで買ってもらえます。これらはそもそも海外に輸入可能な代替品がありませんから、国内での生産を進めるべきです。一方で小麦やとうもろこしなどは米やこれら高付加価値産物と比較すると劣位にあります。従って貿易理論から考えると、本来は農作物の貿易を完全に自由化すれば米作がダメージを受けるのではなく、逆に米がどんどん増産・輸出されて小麦やとうもろこしが輸入されていくはずなのですが、これまではそうした議論がなされてきませんでした。

私は、日本の食料安全保障を考える場合には、小手先の生産量増大策や国内産品消費策を考える以前に、まず自分たちが得意とする産品の生産に量・質ともにとことんこだわり、それを輸出産品として育て上げることが重要だと考えています。即ち、食用米の質を更に向上させ生産効率を高めて行くことこそが、食料安全保障の根本だと思います。まず国内で、日本人全員に必要最低限のカロリーを与えることのできるおいしい食用米を作る基盤を築くのです。つまり、非常時には食糧自給率100%を達成できる状況です。その上で、平時においてはこの食用米やその他の高付加価値農産物を輸出し、小麦でもとうもろこしでも好きなものを輸入していれば良いのです。その結果平時において金額ベースやカロリーベースで自給率がどんな数字になっていても、食料安全保障の観点からは何も心配する必要はないでしょう。

この様な観点から食料安全保障を考える上で基盤となるのは、十分な耕作面積の確保と生産性の量、質ともの向上です。耕作面積は減反政策の為にどんどんと減少しています。さらには住宅地への転用が中途半端に進み、効率性の高い農作ができない状況になってきています。戸別所得補償は減反を支給条件にしていますから、耕作面積を減少させる政策です。転作奨励も同時になされていますが、出発点が間違っています。転作する農家へは更に助成金が支給されますが、先に述べたような自由貿易に支えられた食糧供給を考えると逆効果です。減反の結果仕方なく転作して作るようになった野菜や果物に、高い付加価値を求めることは難しいでしょう。食糧自給率を真剣に考えるならば日本が一番得意な作物にまず集中すべきであり、その耕作面積を減らそうとする政策はすぐに停止しなければなりません。

一定の耕作面積を確保した上で質の高い農作物を効率よく生産していくためには、土地の集約を行って大規模な専業農家の数を増やしていかなければなりません。日本には多くの兼業農家や零細専業農家が存在しますが、兼業農家が専業の大規模農家に農地の耕作を委託する形で農地の集約がすすめられてきました。この様な大規模農家は新しい農耕法など工夫を凝らしながら、生産の質と効率を高めてきています。しかしながら、戸別所得補償によって得られる補助金が大規模専業農家に貸し出す地代よりも高い場合には、兼業農家が土地の「貸しはがし」を始めるのではないかという危惧があります。高品質の農産物をより安く、より効率的に生産できる農家、やる気があって前向きに農業に取り組んでいる大規模農家に土地が集約されていき、彼らが更に前進して報われるような環境を作らなければなりません。その過程で米価は恐らく適正価格となり、兼業農家の多くは農業を放棄、それが更に大規模専業農家への土地集約を加速するでしょう。結果として日本の農業は効率的な生産性を得ることができ、輸出産業として立派に機能する事になると思います。

長くなりましたが、最後にもう一つ書かせて下さい。温暖化問題にしても食糧自給率問題にしても前向きに明るく考えていこうではないですか。25%削減しなければと下を向いて切り詰めていくことばかり考えるのではなく、世界中のエネルギー効率を高めることで大きなビジネスを作り上げ、その過程で温室効果ガス排出量削減にも貢献する。食料輸入を減らしたり給食用のパンに米粉を混ぜて自給率をアップするのではなく、日本が誇る高品質の米や野菜を輸出できるぐらい沢山作ることで総合的な自給率を高めていく。悲壮感ではなく希望を胸に抱いて進んでいきたいと思います。



(私のコメント)
民主党の子供手当てにしても農家への戸別所得補償も本来の目的とはちがった使い方がなされています。政治家にとっては水田は票田であり、八割を占める兼業農家の票を獲得する為に農家への所得補償金が配られる。中西議員の言うように米農家の専業化と大規模化で米は日本の輸出商品にすることが出来るはずだ。




外資はいくら法人税が高くても日本からは絶対に出ません。日本ほど
安全で政治が安定していて外国人の権利を保護してくれる国はない。


2010年10月23日 土曜日

記者有論 編集委員 安井孝之 朝日新聞 2010年 6月22日

アップル(米)6.3% ノキア(フィンランド)2.4% サムスン電子(韓国)1.7% パナソニック(日本)1.6% ソニー(同)1.3%。

世界のエレクトロニクス企業の、納税額の売上高比率を計算してみた(2007年度と09年度の平均。08年度はリーマン・ショックの影響が大きいため除いた)。

この数字を眺めると、日本の法人課税(地方税を含む)は重い、という「常識」とは異なる姿が見える。

売上高から税金をどれほど払っているのか、つまり人件費などと同じようにコストとしてみると、多機能携帯端末のiPhone(アイフォーン)やiPad(アイパッド)のヒットで好業績をあげ、税引き前の利益率が20%を超えるアップルが最も税金を払っている。

サムスンも、韓国の実効税率は24.2%と低いが、利益率は9%台と高く、納税額の水準は日本勢を少し上回る。日本勢は税率(40.7%)は高いが、各社の利益が少なく、実際に支払う税額は少ない。

「日本の法人課税の税率は諸外国に比べて高い。税率を下げて、競争力を増さなければならない」。経済界も政治も同じ方向を向いている。政府は成長戦略に法人税率下げを盛り込んだ。税率下げは企業負担を軽くし、確かに競争力を増すが、実際の効果が大きいかどうかは話は別である。

日本企業の利益率は世界の優良企業と比べて低い。一方、アップルは日本勢が赤字に沈んだ08年度も20%を超える利益率だった。付加価値の高い商品を生み、利益を得て、税金を払っても再投資に回す資金が充分残るという好循環を維持している。

こうした経営が出来るのは、消費者が飛びつく商品やサービスを提供し続ける経営力があるからだ。初代iPhoneの発売からすでに3年。今年になってiPadも発売した。かつては家電・オーディオ分野で世界をリードした日本勢からはアップルに対抗する商品は出てこない。日本勢の苦境は税率の高さが主因ではなく、経営力が劣っているということに尽きる。

人口が縮小する国内市場で多くの企業がひしめく日本は過当競争を招きがちだ。そこで体力をすり減らしていることも、新しいビジネスモデルを築けず競争力を無くしている一因だ。付加価値の高いビジネスモデルを富につなげる経営力を発揮する会社に進化する努力こそが大切なのだ。経済界は競争力アップのため、法人税率の引き下げを求めているが、まず利益率を引き上げるように知恵を絞るのが先である。

税率が高いから日本勢からiPadが生まれなかったわけではない。税率を下げればiPadが生まれる保証もない。5%の法人税率下げで1兆円の財源がいる。減税の費用対効果を見極める「仕分け作業」が必要だ。


海外に逃げられると思うのなら、どうぞお逃げください 7月22日 Galileo(ガリレオ)のブログ

どうやら、税率が高いとお金持ち(個人だけでなく法人も含めて)は海外に逃げると本気で思っている方が多いようです。金融日記の藤沢数希氏が「人や会社が日本を捨てて税金の安い国に出ていくのは真に愛国的な行動である」というエントリーで「人口が減ってマーケットが縮小し、圧倒的に高い法人税、懲罰的な高額所得者に対する所得税を科している日本からは遅かれ早かれ優秀な人材や会社は出ていくだろう。」と述べられています。しかし、海外に出ていくというのは容易なことではありません。

以前も同様のことをエイベックスの松浦社長が海外に逃げるとつぶやいた件で「エイベックスの松浦社長は所得税の累進性が強化されれば海外に行くらしい」というエントリーを書いたのですが、海外に逃げるというのは簡単じゃないのです。正直、いくら高税率でも税金をまじめに払った方が安上がり(もっと頭の良い人は租税回避をしますが・・・)ではないかと思えるくらいです。以下、企業や個人は本当に海外に逃げるのか、そして海外に逃げる方法を検討してみましょう。

まず、法人が海外に逃げるという意味を考えてみましょう。これにはおおざっぱに言うと二通りあります。外資が撤退するという場合と、日本企業が海外に移転するという場合です。

まず、外資が撤退する理由を検討すると、その理由は税率が高いというよりも、日本市場で儲からないからです。日本は(飲食店以外の)外資が儲からない国です。日本ではグーグルもヤフーに勝てませんし巨人ウォルマートですらなかなか儲けを出せません。日本で外資が儲からない理由はいろいろあるのですが本論ではないのでここでは省きます。

逆に、日本で儲かっている外資企業は、税金が高かろうが安かろうが絶対に撤退などしません。せっかく儲かっているのにそれをみすみすライバル企業に渡すくらいならいくら高かろうと税金を支払います。それに、多国籍企業なら租税回避スキームを使って利益を海外に移転します。

外資はいくら法人税が高くても日本からは絶対に逃げません。日本ほど安全で政治が安定していて外国人の権利を保護してくれる国は他にはありません。逃げるぞと口先で脅すだけです。騙されてはいけません。

問題はむしろ日本企業が逃げるか、ということです。近年、日本企業の工場が海外に移転するニュースが良く流れます。日産自動車の新型マーチがタイで組み立てられたものだというニュースに驚かれた方も多かったかもしれません。

しかし、日産が海外で生産するようになったのは、日本の法人税率が高いからではありません。大きな理由は4つあります。

ひとつめの理由は労働コストです。日本で作るよりもタイで作った方が労働コストが低いのです。

ふたつめは円高です。あまりにも円高が進んでいるため、海外で生産して輸入した方が利益が出るのです。

3つめは、日本から車を載せて東南アジアに行った船を空で戻すよりも現地で製造した車を乗せて戻った方が輸送効率が上がるのです。日本で生産している車の半数を海外生産にすれば理論的には輸送の無駄がなくなります。

最後に、一番大きな理由はASEAN諸国同士の貿易はFTAのおかげで関税が安いことです。ASEAN諸国とFTAを締結できていない日本で製造して輸出するよりもタイで生産した方が関税の面で圧倒的に有利なのです。

さらに言えば、海外生産はあくまでも安い車(利益の薄い車)に限られます。外国の工場に行ったことがあればすぐに気付くと思いますが、海外では日本のような超高度な製品の生産は絶対に不可能です。これはあと10年経とうが20年経とうが変わるものではありません。民族の気質(世界的に見ると日本人は異常に神経質なのです)の問題ですから教えてどうなるものではありません。

日本企業が逃げるのは法人税率とは全く関係ありませんし、労働集約的な部分は出ていくでしょうが、肝心な部分は必ず残ります。

では、法人は簡単に逃げることができるのでしょうか。まず、日本人の企業が日本での事業自体から撤退現することはほとんどあり得ません。

問題は利益を海外に移転するのかという点ですが、そんなに簡単ではありません。複数の国に本社機能がある多国籍企業であれば比較的容易ですが、それでも租税回避行為は大きな危険を孕んでいます。グループ内の取引を利用して税率の低い国に利益を集めればよいのでが、移転価格税制やタックスヘイブン税制によって否認される可能性を否定することができません。近年、そういった事例が否認され訴訟になるケースが急増しています。

個人が逃げるというのは、個人が海外に移住することですが、個人も逃げるのは容易ではありません。所得税は住所が日本になくても所得の源泉が日本にあれば課税されます。住所を移すことが可能であったとしても、所得の源泉を日本国外に移すというのは容易なことではないのです。

企業の役員であるとか弁護士、会計士などのプロフェッショナル、個人投資家、不動産所有者などは海外へ所得の源泉を移転することはほぼ不可能です。所得移転しようとしても目立つのですぐにばれます*1。

実際に逃げることができるのは学者とスポーツ選手(それもごく一部の超一流の人)くらいでしょう。超一流の学者はどうせ日本では活躍できない(使いこなせない)ので、彼らが流出しても日本に損害はありません。スポーツ選手が流出しても彼らが外国人になるわけではなく日本に戻ってくるので外貨を稼ぎに行っただけで日本に損害はありません。

税率が高かろうがどうせ逃げることなどできないのですから日本政府がビクビクするような話ではありません。

つまり、所得税や法人税ごときで海外に逃げる人や法人などほとんどいないし、出て行っても日本には何の損害もないのです。ただ、法人も個人も租税回避や脱税に必死になるでしょうから、租税回避や脱税できないような法制度を研究する必要はあります*2。

そして、租税回避と脱税は紙一重で、税理士や弁護士に聞いてもほとんどの人は理解できていません。脱税にならないスキームを構築できるのは、税理士や弁護士の内のほんのごく一部の人だけです。さらにややこしいのは税金を安くしますと言ってくる税理士はたいてい偽物で、言うとおりにやると脱税で捕まります。

租税の素人が租税回避のプロを探すのは容易なことではありません。海外に逃げるなんて、簡単にはできません。失敗したら大損、下手をすれば犯罪者になってしまうのです。それほどの覚悟で海外に逃げる人がどれほどいるでしょうか。



(私のコメント)
中国でフジタの日本人社員4人がスパイの現行犯として捕まりましたが、支持の不安定な国や治安の悪い国ではいつ何をされるかわかりません。アメリカでは庭を覗き込んでいただけで撃ち殺されたりするし、パリやロンドンでも夜の一人歩きは危険です。道路沿いに自動販売機やATMが置いてある国も日本ぐらいでしょう。外国ならすぐに壊されて現金が盗まれます。

地方の国道沿いに行くと、野菜が積んであって現金受けが置いてある無人の販売店がありますが、そんな事が出来るのも日本ぐらいでしょう。外国映画やテレビドラマで屋外のシーンで道路沿いに自動販売機が置いてあるような場面の記憶がない。真夜中のカウボーイで公衆電話のつり銭口に指を突っ込むダスティン・ホフマンのシーンがありますが、電話は小銭しか扱わないし、たいていぶち壊されている事が多いようだ。

真夜中に女性が出歩いて殺された事件がありましたが、全国的なニュースになりました。小さな島国では犯罪を犯しても逃げ切る事は難しい。計画的に犯罪を起こして海外逃亡を図ろうとすれば可能でしょうが、外国人に限られるでしょう。それくらいの条件を持った国といえば日本しかない。

新興国などでは、外資を呼び込むために優遇措置を講じていますが、カナダやオーストラリアでも金持ちの移民を集める為に様々な優遇措置をしている。EUなどでは企業を呼び込む為に法人税の引き下げ合戦をしていますが、同じユーロを使って地続きだからそうなりやすい。小国のルクセンブルグやモナコなどに国籍を移す金持ちは多い。

最近の日本では法人税を下げないと企業が海外に行ってしまうというキャンペーンがテレビなどで行なわれていますが、テレビはスポンサーである大企業の言いなりにならざるを得ません。日本で反中デモがほとんど報道されないのも、中国と関係の深い大企業が報道を抑え込んでいるからだ。

だから中国に工場を移転させない為には、日本の労働者は反中デモを派手にやって、中国で暴動を起こさせればいいのではないかと思う。16日のデモではそれが証明された。もともと中国や韓国などは反日教育で日本企業にとっては環境は良くない国なのですが、いまや中国に進出した日系企業は三万社にのぼっている。そして200万人の中国人を雇用している。

東南アジアではタイなどに日系企業が集中的に投資が進んでいますが、タイも政治が不安定で年中クーデター騒ぎが起きている。日本では1年間に三人も首相が代わりますが、クーデターとは無関係だから経済に支障が出るような事はない。治安が保たれている事や政治が安定している事のメリットは日本にいると分かりませんが、外国に行けば良く分かる事だ。

だからテレビなどで「青年よ海外を目指せ」と言っても、外国への留学生の減少や企業の海外駐在員を確保する事が難しくなっている。だから金持ちが節税目当てに海外に出て行くという人は僅かである。相続税のかからない国もありますが、その恩恵にあずかるには日本国籍を放棄しなければならない。


史上最高!贈与税1600億円の申告漏れ「武富士」事例 相続対策で注意!国外の財産 :2005年04月18日 All About

先月、「武富士」前会長の長男が史上最高の贈与税1,600億円の申告漏れで1,300億円課税されたと報じられました。相続税対策で色々とお考えの方もいらっしゃると思いますので、今回は、このニュースの解説と現在の状況をまとめてみました。

「外国に住む者が国外財産を贈与により取得した場合には、日本の贈与税は、課されない。」ことを利用して、贈与した。しかし、東京国税局に、贈与を受けた者の生活の本拠は日本にあったとみなされて課税されたという話です。

武富士前会長夫妻が、武富士株をオランダ法人(武富士前会長夫妻の出資)に約1,000億円で売却(売却資金は夫妻が法人に貸付)。この時点で、夫妻の所有する武富士株(国内財産)は、国外財産であるオランダ法人株に変わりました。

そのオランダ法人株を香港に住む長男に贈与。「外国に住む者が国外財産を贈与により取得した場合には、日本の贈与税は、課されない。」というルールにより、長男は、日本の贈与税を納めずに武富士株を間接的に所有する。というスキームでした。
しかし、東京国税局は、長男が97年に香港に移住し、03年に住所を国内に移すまでの生活実態に着目し、明らかに相続税・贈与税対策であると結論付けた。そして、長男の生活の本拠は、国内にあると判断し、贈与税を課税した。というものでした。


(私のコメント)
企業においても、多国籍企業などがタックスヘイブンに利益を移し変えることで租税回避が行なわれてきましたが、リーマンショック以降は世界各国もタックスヘイブンに対する対策が立てられるようになって、企業も思わぬ課税をかけられるケースが続発している。タックスヘイブンにある銀行も顧客の秘密は守りにくくなっている。スイス銀行も外国政府の要求には情報を公開する様になりました。

政界や財界でなぜ法人税の引き下げが議論されているのかというと、下げないと企業が海外に出て行くという脅しがあるからです。「株式日記」でもこの話題は何度か書いてきましたが、出て行きたければ出て行けばいいのです。ついでにトヨタの奥田氏やキヤノンの御手洗氏のおような非国民も出て行ってもらいましょう。

彼らは製造業にも派遣労働を認めさせて若年労働者の低賃金化を招いてしまいましたが、日本企業が儲からなくなったのは円高もありますが、円安の時もあるからプラスマイナスゼロになります。1ドル=120円だった時はトヨタは儲かりすぎて2兆円の利益が出ましたが、派遣労働者の賃金に回る事はなかった。

アップルやインテルやグーグルが税金の高いアメリカから逃げていくことがあるのだろうか? アップルがiPhoneのような画期的な新製品が出来るのもアメリカだからであり、20%を越える利益をたたき出した。日本企業が儲からないのは法人税が高い事よりも画期的な新製品が作れないからだ。ソニーもトリニトロンやウォークマンを売り出した頃のソニーではない。

日本車にしても日本で作るから日本車であり、アメリカで作った日本車は部品の欠陥などでリコールを連発している。アメリカ製部品を使わないとアメリカ産とは認められないからそうしているのであり、トヨタやホンダがアメリカに引っ越しても日本車が作れるわけではない。そうなるとGMやクライスラーの二の舞いになるだけだ。




成田空港建設の失敗については、左翼や朝日などマスコミの責任
も極めて大きい。しかし根本的な責任は、政治家と官僚にある。


2010年10月22日 金曜日

白痴国家日本の象徴としての成田空港 7月18日 酒井信彦

都心と成田空港を連絡する新しいルートである、京成電鉄の成田スカイアクセスが、7月17日に開業した。これは従来のスカイライナーが、京成本線を経由しているのに対して、北総鉄道を利用するもので、日暮里と成田空港の間が、これまでより一挙に15分も短縮されて、36分で結ばれることになった。成田空港が開港したのが、1978年5月20日であるから、それからようやく30年以上経って、遠い遠いと散々批判された都心と空港の間も、30分代の時間で連絡できるようになったのである。

 この成田スカイアクセスの開業については、朝日新聞は17日の夕刊で、一面トップに大型記事を掲げて報道しているが、例の「成田新幹線」に関しては、全く触れられていない。若い人々は殆ど知らないようであるが、成田新幹線とは、成田空港の建設に当たって計画された、都心と空港を結ぶ中核的なアクセスであったが、反対運動に会って実現できなかったものである。

新幹線であるから、他の新幹線と同様な線路と車両を使用するもので、連絡時間は30分を予定していたから、今度開業した成田スカイアクセスよりも更に早いのである。最も異なるのは都心側の駅で、スカイアクセスは日暮里駅だが、成田新幹線は東京駅を想定して、現実に駅の予定地も確保していた。それが東京駅の南側になる、現在は京葉線の地下駅となっている場所である。実現していたら、成田空港は決して不便な空港ではなかったのである。

 そもそも成田空港の建設自体が困難を極めた。建設に当たって土地を手放す農民に反対者が出たが、その反対農民に極左勢力が積極的に加担したのである。成田空港が計画され建設された、1960年代・70年代は、60年安保から大学紛争、極左暴力の横行と続く時代で、退潮に追い込まれた極左勢力が、農民の反対運動を徹底的に利用したのである。問題はそれだけではなかった。

一般左翼やリベラル勢力そしてマスコミが、空港建設反対運動を、大々的に応援したのである。その理由としたのは、私の記憶では二つあったと思う。一つは単純な、農民から土地を取り上げるのは可哀そうだ、と言う意見。もう一つは、成田は軍事空港になるから反対だ、と言うものだった。寅さん映画の山田洋次監督が、テレビのインタビューでそう発言したことを、私は憶えている。

 マスコミが、反対者の完全な味方であったことは、その用語からもはっきりしている。当時成田の反対運動は、マスコミで「成田闘争」と表現された。紛争ではなく闘争である。

これは大学紛争を、大学闘争と表現したことと、軌を一にしている。なかでも朝日新聞は、その最たるものであった。朝日は大学紛争で一貫して左翼学生を支援し、その週刊誌『朝日ジャーナル』で、極左勢力の応援団を勤めたくらいであるから、反対運動に同情して、空港建設を進める政府を徹底して批判した。

 その結果はどうなったかと言えば、成田新幹線計画は完全に潰され、開港30年以上が経った今に至っても、成田空港は完成していない。この間、莫大な経費と労力を費やして、客観的に見れば素晴らしい欠陥空港を、わざわざ造り上げたのである。したがって現在、羽田空港の再度の国際空港化が、推進されようとしている。

しかもその期間に、近隣の韓国・中共では巨大空港の建設に努力し、韓国の仁川空港に東アジアのハブ空港の地位は奪われてしまった。さらに中共の空港は、日本のODAで建設されたものが幾つもある。日本人は、実に愚かなことをやってきたのである。しかもその歴史が、全く回顧されず反省されていない。

 成田空港建設の失敗については、左翼や朝日などマスコミの責任も極めて大きい。しかし根本的な責任は、政治家と官僚にある。いくら反対運動が熾烈に展開されようと、作るべきものは作るのが、国家権力を握っている政治家と官僚の責務である。それができないとしたら、彼らは単なる税金泥棒であり、そのような人間が、日本を白痴国家にしてしまったのである。



知ってて快適「空の旅」−空港について

まず羽田及び成田空港はどうするかについ見ていきます。前提として現状では国内線空港と国際線空港として分かれているのが重大なマイナスポイントで、地方の方には東京乗り継ぎが好まれず、結果韓国の仁川空港乗り継ぎなどに流れている現状があります。また運航スケジュールも午前発アジア線などが多く、成田空港は、「首都圏住民の外国への空港」といった感じです。

その首都圏住民も成田の遠さから羽田発と成田発の両便が選べる都市では羽田発に人気があるようです。ですが実は市街地からの距離の遠さというのは、「そこが出発地あるいは目的地の人には重大な問題であるが、そこが乗り継ぎ地の人には関係ない(飛行機でやってきてそのままそこから飛行機で立ち去ってしまう為)」という性質があります。

そこであえて羽田・成田を使うのであれば、「羽田は目的地空港、成田は乗り継ぎ空港」とする使い方があるでしょう。ただし、羽田・成田空港を乗り継ぎ空港とすることは首都圏のただでさえ多い需要で施設の容量が逼迫しているのに、そこにさらに乗り継ぎ客が来るようではいくら拡張しても足りません。

その意味では「羽田空港」と「成田空港」は国内・国際乗り継ぎのための空港としては最もふさわしくないといえます。しかも既存の航空会社も両空港を乗り継ぎ空港ではなく、出発地・目的地空港としてスケジュールを組んでしまっている為、それを混雑しきっている今更乗り継ぎ重視のスケジュールに変更するのはまず不可能でしょう。

日本の空港について考えてみると正直言って、「全滅」と考えている。まず日本の航空会社は乗り継ぎ需要のことを基本的に考えてこなかった。次項のゲートウェイとしての利用例(成田空港編)でも書くが、乗り継ぎのためにはアジア方面とアメリカ方面の出発時刻を夕方にそろえる必要があるのだが(当然到着時刻を午後にする必要がある)、現実の成田空港では主にアジア方面は午前出発、アメリカ方面は午後出発と分かれているため乗り継げない(午前にそろえるとなると機材繰りや現地発便の出発時間から考えて厳しそうである)。

すでに書いたが、首都圏の需要に対応している間にスロット(発着枠)が埋まってしまい、今更パンナムの後を引き継いだユナイテットやノースウェストのように運航するのは不可能である。一方、外国航空会社の場合は国が絡んでくるつまり、「以遠権を積極的に与え、また他国を経由する便において、「経由地までの乗客を認めず、通しで乗る人しか認めない」といった制限を設けない(中東便やエジプト便が直行便になっているが、もしかしたらこのことが影響した可能性がある)事が重要であるが、仮にそうであってもやはりもう混雑しきっている空港では無理な話である。

また空港設備の方であるが、一般区域と制限区域でも書いたように、国際線同士の乗り継ぎ客は国際線制限区域内しか行動できないため、この区域の施設の充実が最も重要となる。免税店のみならず他の一般の店、飲食施設、娯楽施設、トランジットホテルなどがそろってはじめて乗り継ぎ客がそれなりの時間を快適に過ごせるのだが、点検してみる必要がある。もし仮に可能であれば少なくとも搭乗3時間以上前に出国審査を通過して航空会社のラウンジを使わず(これも重要)、快適に過ごせるか検証してみたほうがいいだろう。成田空港は両ターミナルに免税店街を揃えたが、レストランや一般ショップはどうであろうか。もう一度念を押すが、羽田空港の「ガレリア」や中部空港の「スカイタウン」・「展望風呂」などの一般区域施設は対象外である。

どちらが先かという点で(乗り継ぎに便利な便が無いから施設が増えないのか、施設が貧弱だから乗り継ぎに便利な便が増えないのか)議論があるだろうが、このままでは「利用客がゲートに直行するため施設が赤字でやっていけない」あるいは「施設が貧弱なため乗り継ぎ客が暇を持て余す」といったことになるとも限らない。

船舶及び航空機が鉄道とバスとは根本的に異なる点として、国内のことだけを考えていればいいのではないという点がある。原状の日本では、一部の地域の住民以外は日本以外の空港を乗り継ぎ拠点としたほうが便利な状況にある。このことは本来日本に落ちる金が他国の手に渡っているということで、国力とも関係する。もし日本をアジアのゲートウェイにしたいのであれば真剣に検討しなければならないだろう。



(私のコメント)
昨日は羽田空港に4本目の滑走路が出来て運行が始まりましたが、テレビでも一日中そのことを放送していました。確かに都心から十数分で羽田について飛行機に乗れるわけだから非常に便利になった。それによって成田国際空港の不便さが浮かんできますが、どうして遠くて不便な内陸部に国際空港を作ったのだろうか。

当初は木更津沖を埋め立てる案が有力でしたが、佐藤総理の裁定で三里塚に急遽決まってしまった。地元にも根回しが無かったから建設反対闘争が激化しましたが、木更津沖なら問題は起きなかったはずだ。やはり政治家の思惑として千葉県の北に国際空港と新幹線と高速道路がセットになっていて、開発利権が絡んでいたからだ。

内陸部に国際空港を作れば、離発着の騒音問題で24時間化が無理になり、騒音保証などで金がかかる。空港の拡張にも膨大な買収費用と反対運動が起きれば拡張は難しくなる。それなのに三里塚に決まったのは千葉県北部の開発利権を優先した為だ。そして30年以上経った現在でも成田空港は完成していない。

日本の政治家にとっては国際空港の事より、開発利権の方の関心が向くのは当然であり、東京湾を埋め立てたのでは利権にならない。24時間の国際空港を作るには関空やセントレア見れば分かるように海上を埋め立てて作るしかない。だから最初から成田空港は失敗であると当初から分かっていた。政治の貧困がそうさせたのだ。

羽田の四本目が決まったのは2000年からであり、ならば当初から羽田を拡張した方が良かったのかもしれない。四本目の滑走路は住宅地から離れていて24時間運行が可能であり、国際空港としても便利になる。出来上がってしまえばもっと早く出来なかったかと思うのですが、その間に韓国やシンガポールなどにアジアのハブ空港が出来上がってしまった。

日本の政治家は国内のことしか考えないから、国内だけでも99ヶ所も空港が作られましたが、離発着する飛行機は僅かしかない空港が多い。とにかく空港を作る事に意義があり、どのように空港を運営していくかなど関心がない。新幹線や高速道路にしても同じだ。建設業者からのキックバックが入れば政治家は後はどうなろうと関心がない。

今年になって成田スカイアクセスが完成しましたが、成田新幹線が出来るはずだった。しかし反対運動で計画が潰されてしまいましたが、反対運動にはマスコミがバックアップした事が大きな原因となっている。国際空港の整備には国家の盛衰がかかっていますが、成田空港は不便な状態のまま国民は利用を強いられてしまった。

テレビでは羽田や成田をハブ空港にと言っていますが、「空の旅」のブログにもあるように、ハブ空港にするには同じ時間帯に着陸して、同じ時間帯に離陸が出来るキャパがないと運用は無理であり、ハブ空港は滑走路が10本ぐらいないと乗換えが不便になる。だから成田や羽田はハブ空港にはなり得ない。

地理的な環境としては北米とアジアを結ぶゲートウェイ空港であり、それならば東京近辺に無くてもいいのですが、関空やセントレアは空港として成功していない。海上を埋め立てて作ったから建設費用がかかって維持管理費もかかるから料金がどうしても高くなる。出来上がってしまった空港の赤字は国民の税金で穴埋めがされますが、日本の政治家達は自分たちの利権しか関心がない。

グローバル化時代で国際航空便を利用することが多くなり、首都圏の空港は羽田や成田だけではすぐに満杯になります。それに対して地方の空港はガラガラであり定期便もないような地方空港は税金の無駄使いだ。成田や羽田の拠点空港の整備を遅らせれば、茨城や静岡の地方空港におこぼれが回ってくると考えていたのでしょうが、あてが外れたようだ。

既に新幹線や高速道路があるようなところに空港を作っても誰が利用するのだろうか? 地方の人は空港さえ作ってしまえば飛行機は向こうからやってくると考えていたのだろうか? 高速道路にしても新幹線にしても空港にしても作れば終わりと言う事は無く、膨大な赤字が毎年負担させられるようになって地方は悲鳴が上がっている。

箱物にしても作ってしまえばお終いと言う事は無く、維持管理費に巨額な費用がかかる。羽田や成田の拡張がなされず地方の空港ばかりがたくさん作られました。しかし利用者ないないのに空港や高速道路を作っても残されるのは毎年の維持費などの赤字だ。

このように書くと地方切捨てだという人がいますが、膨大な費用をかけて高速道路や空港を作っても、それをどのように生かすかという知恵がない。仕事が無いから若い人はどんどん大都会に行ってしまう。新幹線を作ればストロー現象で支店がなくなってホテルもなくなってしまう。なのに地方の人は高速道路や新幹線や空港を作りたがります。なぜなのでしょうか? 果たして円高の時代に工場が進出してくるのでしょうか? 逆に高速道路や新幹線があっても工場は海外に移転してしまっている。

将来的には東京と地方を結べるように空港を整備すべきなのですが、羽田と成田は満杯だ。だから拡張して行かなければなりませんが成田は反対闘争が続いているし、羽田は埋め立てだから費用がかかる。地方を発展させようと考えるのならば羽田に第五滑走路や第六滑走路を作って東京と地方とのアクセスを良くしたほうが地方のためになると思う。しかし安くしなければストロー現象で逆効果が出る。

新幹線も高速道路も高いのは国内航空路線が高いからであり、シンガポールまで5000円の時代に東京から大阪まで1万円以上もかかる。もし航空路線が東京大阪間5000円なら新幹線や高速道路もそれにならった料金になるだろう。このように東京と地方のアクセスが高ければストロー現象が起きるし、安くなれば逆ストロー現象で地方に人が流れるようになるだろう。

国内になぜ格安航空会社が出来ないのだろうか? JALやANAは規制によって守られており従業員は高い賃金が保証されている。地方空港会社も天下りの役人が高い給料をもらっている。やろうと思えば東京大阪でも5000円で行けるはずだ。


ANAの格安航空会社、関空―成田5000円! : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

読売新聞社および産経新聞社の報道によると、全日本空輸(全日空、ANA)が明日9月9日に開く臨時取締役会において、LCC(格安航空会社)を新設することを正式に決めることが明らかになったそうです。

全日空が新設するLCCは、LCCの誘致に全力を注いでいる関西国際空港を拠点に2011年度にも設立され、国内線と国際線の運行を始める計画。具体的な路線は今後決める予定ですが、国内線では関西国際空港〜成田空港や関西国際空港〜福岡空港などの便を5000円前後、関西国際空港〜那覇空港便を8000円前後で運行する案が有力とみられています。

なお、LCCの筆頭株主は全日空となるものの、出資は3割程度に抑えられる予定。あくまで全日空とは別ブランドで展開され、従業員の給与体系も異なるほか、機内食や飲料の有料化でコストを抑えて運賃を大幅に低く設定するとのこと。

ちなみに搭乗橋を設けない、出発と到着のゲートを1階に集約するといったことで低コストでの運行に対応可能な国内初の「LCC対応空港」である茨城空港は今年3月の開港以来、入場者数が好調に推移しており、各空港のLCCへの対応が急がれているほか、経営再建中の日本航空(JAL)についても、同社と協力関係にあるオーストラリア最大手「カンタス航空」のCEOが「LCC設立への支援を惜しまない」と述べています。




今の右翼団体に3000人近い動員力ってありませんよ。それからどうして
右翼?だと思うって聞いたら、日の丸いっぱい持ってたからと言う記者達


2010年10月21日 木曜日

六本木の街が日の丸に埋め尽くされた。大手マスコミ記者は
右翼のデモだというが、右翼にこれほどの動員力はない。
6000人の大規模デモは中国大使館を震え上がらせたようだ。


10/20放送「アンカー」青山繁晴の“ニュースDEズバリ”  ぼやきくっくり

青山繁晴
「はい。これはあの、日本の報道ぶりですとね、日本のですよ、中国じゃなくて、日本の報道ぶりだと、その、日本でその、この中国に対して怒るデモがあったから、それに刺激されて、その、中国では反日デモが起きたんだと、いう報道があの、主体になってるわけですよ。しかしちょっと待って下さい。まずですね、ほんとは日本のデモというのは、10月2日に、これ2700人て書いてますけど、あの、これはあの、主催者が勝手に言ってる数字じゃなくて、僕は警察の側に確認しました。警察はほんとはカウントするわけですけど、その時にこの3000近い方がそのデモされてたわけですよ。ところがですよ、これをその、右翼がどうせ中心になってるデモだろうからということだと、僕は、実はこれ推測じゃなくて、昔の記者仲間に次々電話していくと、やっぱりそれは右翼デモに見えるからってことでしたが、今の右翼団体に3000人近い動員力ってありませんよ。それからどうして右翼に、だと思うって聞いたら、いや、日の丸いっぱい持ってたって言うから(笑)。国旗持ってたら右翼と思われる国って、世界で日本だけですよと。

岡安譲
「なるほど」

青山繁晴
「で、この時には、その、もう一回話戻しますと、この時(10月2日)のはほとんど報道されず。『アンカー』でも言いましたね。で、もう一回、16日に、同じような規模の、場所は違うけれども、そのデモがあったわけですよ。で、この時はさすがにたくさん報道されて、そしてその同じ日から中国でデモが始まったから、その、日本のデモがきっかけだってことになってるんですけれども、たとえばその、中国のその、インターネットで、日本の右翼がデモをやったと、ね、というのをテレビ報道でわざわざそれを映してですよ、だからその、中国でデモが起きるようになったっていう報道ぶりだったわけです。ということはまるで、中国は、いや、日本、普通の国民じゃなくて、その、右翼がやってるにすぎないんだと言ってる、その中国の話に乗っかることになるわけですね。ところがこの参加者の中から、僕はたくさんメールいただきましたが、普通の方です、本当に。中にはそりゃ右翼団体の方もいるでしょう。ね。いろんな組織の人もいるでしょうが、大半は普通の方なんですよ。で、その上でですね、たとえば、その、新聞、あるいはテレビの報道ぶりっていうのはね、この、その、インターネットでこの日本のデモを知ってですよ、そして、その、インターネットでやっぱり中国の若者同士が、その、連絡を取り合ってですね、そしてデモが、その、中国の当局の、その、予想を裏切って起きたと、その、報道してますが



絶体絶命の中国が内政問題隠しに危険な暴挙 軍艦を再び尖閣へ 10月21日 世相両断

中国が漁業監視船と称する軍艦を尖閣沖に派遣した。またぞろの中国による挑発行為である。情弱のバカウヨどもはいきりたって騒いでいるが、よく分析してみると、何とこの問題は日本にほとんど関係なかった。対岸の火事という見方もできるが、蚊帳の外なのである。実際は米中間の抗争だった。

中国の漁業監視船が尖閣へ「(中国漁民の)権益を守る」

派遣されたのは「漁政202号」(1000トン)、「漁政118号」(同)と江蘇省漁政総隊に所属する500トン級の3隻である。

中国農業省の高官は、「釣魚島の海域に行って漁業活動を保護することは国家主権を守ることであり、漁民の合法的権益を保護するものだ」と主張している。3隻は20日現在日本の排他的経済水域に侵入している可能性も考えられる。

中国もビックリ!菅首相「ビデオ見ていない」尖閣諸島に日本の主権が及んでいない事実発覚

日本政府もマスゴミも正確な情報を伝えていないが、尖閣諸島はアメリカの軍事的支配下にある。

日本領のくせに一般日本人の立ち入りが禁止されているのは周知の事実である。これは中国への配慮と言うより、アメリカ軍の指令によるものと思われる。諸島内にアメリカ軍の爆撃場があることが動かぬ証拠である。

アメリカ海軍もこの海域では警戒を深めており、状況によっては米中の軍事衝突も懸念される。

軍事的に劣勢な中国海軍がこのような暴挙に出た背景には、国内の政情不安が影響しているものと推測される。

ユダヤ主導のノーベル平和賞 劉暁波氏いやがらせ受賞で中国と険悪化

ユダヤ資本に牛耳られているノーベル賞委員会が中国人の劉暁波氏に授与したことによって、慌てた中国政府はもみ消しのために反日暴動を画策した。

3万人集結した綿陽反日大暴動の正体は日本政府公認によるノーベル平和賞隠しだった!

反日暴動の実態は工作員主導によるヤラセであることは明らかだが、それに乗って暴れている一般大衆が実は問題なのである。

騒いでいる連中の大半も内政不満が本当の動機なのである。ただし、面と向かって政府批判できないので、反日にかこつけて騒いでいるのである。

したがって、暴動が拡大するのは政府に対する不平不満が増大していることを意味しており、政府もその事情を知っているので焦りを隠せないでいる。

正直な話、日本程度のネタではもう中国国民は納得しない状況にある。つまり、日本の背後にいるアメリカに仕掛けないと国民の目をそらせない事態になっている。

中国経済は日本からの輸入に頼っているところが大きく、本格的に日本と国交を断絶したら共倒れになることは中国も熟知している。一方、アメリカに対しては莫大な債権を持っているので本来は強い立場なのだが、ドルの特殊性で、債権が人質になっている状況である。アメリカが開き直って資産凍結措置に踏み切れば、中国は丸損である。

反日暴動に関しては中国側が事前に日本に知らせていたらしいふしが伺われるが、対米関係においてはそのような工作はしづらい状況である。ここで対米軍事衝突という事態に至れば、アメリカの中国潰しの格好の口実を与えてしまうことになる。

劉暁波氏のノーベル平和賞はある意味ではアメリカの宣戦布告である。

これだけで、現在中国は大混乱に陥っているのである。

アメリカのお家の事情を見ると、周知のようにオバマ大統領支持率はじり貧である。支持率挽回には戦争を仕掛けるしかないのだが、「テロとの戦い」はもう止めてしまった。採算性が低くなれば止めるのは資本主義の常識である。

つまり、アメリカはまたぞろ別口の(採算性の合う)戦争相手を見つけなければならない状況にある。

ここで目を付けたのが中国だ。このまま中国に台頭されたらbPの地位が脅かされる。ぼつぼつ叩き時なのである。アメリカ軍も中国軍を挑発して偶発戦を引き起こし、撃破して恥をかかせる程度の戦略は練っていそうだ。

アメリカの狙いは中国との全面戦争ではない。せっかく投資したインフラを消滅させるようなもったいないことは考えない。中国も核兵器を持っているので、報復されたらアメリカもやばい。

つまり「ソ連の夢よもう一度」がアメリカの狙いなのである。「共産党政権崩壊」である。中国で民衆革命を起こさせて、少数民族を独立させ、アメリカの意向に沿う「民主政府」を誕生させるシナリオなのだろう。少数民族が全部独立してしまえば、中国の領土は半減する。人口は大して減らないが…。

アメリカが北朝鮮を飼っているのも、狙いは中国革命のためである。北朝鮮が存在することによって、共産主義の愚劣さを世界に証明し、ネット情報が普及した中国にそれを浸透させ揺さぶろうという作戦だ。

北朝鮮国内にはアメリカの工作員が既に大量に配備していると思われる。タイミングを見て彼らが「民衆蜂起」すれば、共産党政権はあっけなく崩壊し、その流れはそのまま中国に移行する仕掛けなのである。

アメリカのそのような意図は判っていても、挑発に乗らざるを得ない中国の立場もかなり苦しい。尖閣問題で消極的な行動を取っていると、国民も怒り出して本格的な政府批判に転じてしまうかもしれないからだ。

マスゴミ報道とは裏腹に、現在中国は絶体絶命状態なのである。


(私のコメント)
昨日も書いたように、現代は戦争なき戦争の時代であり、核ミサイルが飛んでしまうと全人類が滅びかねない。だからソ連崩壊に見られるような、相手の国の体制崩壊で勝敗が確定する世界だ。アメリカはソ連の次は日本だとばかりに襲い掛かってきましたが、日本は第二の敗戦に追い込まれてしまった。そして財務長官のサマーズにマッカーサーと同じコーンパイプが贈られた。

アメリカは戦争を続けていかないと成り立たない国であり、敵をわざわざ作り上げては叩き潰す。今年に入って中国が日本を追い越してGDP世界第二位の経済大国になりましたが、いよいよアメリカは中国に対してソ連のような内部崩壊型の戦争を仕掛け始めたようだ。胡錦濤はやはり中国のゴルバチョフになるのかもしれない。

日本政府は意図的に経済成長を遅らせてGDPを停滞させて、中国の陰に隠れる戦略を取ったのだろう。だから政府日銀は金利は下げながらも金融は緩和せず円高も放置する事にした。その努力が実って中国が世界第二位の大国となり、日本はアジアの一小国として肩の荷を降ろすことにしたのだろう。

2050年には中国がアメリカを上回る超大国となるという予想も出始めていますが、それがアメリカを刺激している。ナンバーワンのアメリカとナンバーツーの中国のバトルを日本は傍から眺めていればいいわけだ。出来れば米中が共倒れして日本が一気にナンバーワン国家になればめでたしということになります。

中国国内では反日デモが暴徒化していますが、中国の内陸部で起きていることが特徴的だ。しかし国内では香港などの一部しか報道されていなくて、上海や北京の市民はネットなどでしか情報が入らない。これは沿岸部と内陸部の経済格差などが不満として燻っている為であり、学生デモに一般市民が加わって暴徒化してしまう。

アメリカから見れば、中国が経済大国になれば大国としての貢献が求められますが、国際ルールを無視する方向に動いている。レアメタルの禁輸は日本に対してばかりでなく世界に対して禁輸をし始めましたが、中国がいかに危険な国であるかを物語っている。人民元にしても世界一の貿易黒字を貯めこみながら自由化しない。

中国人の悪い癖が出始めて世界の中国を見る目が変わってきている事に中国人は気がつくべきですが、情報が統制されているためにそれが分からない。ノーベル平和賞の中国人活動家への受賞はそのメッセージなのですが、中国政府は報道を押さえ込んでいる。そして露骨な報復措置に出ている。

16日に行なわれた中国への抗議デモは、尖閣問題もありましたが、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏の釈放を要求するデモでもあった。中国政府は経済の自由化は進めても政治の自由化は認めず、いいとこどりをしようというのでしょうがソ連の崩壊を見れば分かるように政治の自由化と経済の発展はコインの裏表だ。

もちろん開発独裁体制でも計画経済体制でも経済発展は可能だ。しかし国民所得が上がれば自由化を進めなければ情報化社会に対応が出来ない。ソ連も情報の自由化を認めたとたんに西側から情報がどっと入ってきて内部崩壊を起こしてしまった。中国も最近になって国民に世界の状況が分かり始めると内部崩壊の兆しが見え始めた。

単なる反政府デモなら中国政府は抑え込む事は可能でしょうが、経済格差などの不満は押さえがなかなか効かない。改革開放経済の恩恵を受けているのは共産党の幹部たちであり、外資と手を組んで合弁で企業経営をして資本家気取りだ。貧しい農民は工場などで低賃金で働かされる。

それがネットの普及などで情報がどんどん入ってくるから労働者たちの不満は高まり、工場などでも賃上げストライキが起き始めている。以前のように情報を統制していれば、自分たちがいかに低賃金で働かされているか分からない訳ですが、ネットで情報が入ってくると賃上げストライキが起きるようになった。それが反日デモに繋がって暴動になってしまう。

情報を統制していることは日本のマスコミも変わらないわけであり、日本で起きた中国への抗議デモはほとんど報道されなかった。記者たちの話によれば日の丸を持っているから右翼のデモだということらしい。しかし日本の右翼にこれほどの動員力があるわけがない。日本の右翼はCIAから金をもらって自民党を結成した裏切り者だ。

16日のデモの呼びかけ人である田母神氏は、自民党政権からクビになった人物であり、自民党や右翼団体とは関係がない。16日にデモに参加した人たちは草の根保守の人たちであり、中国によるチベットやウイグル弾圧にも抗議している人たちだ。日本の右翼はアメリカから金をもらっているからアメリカの悪口は言えませんが、16日の集会でも登壇者たちはアメリカの属国である事に対しても抗議している。

マスコミの記者から見れば、日の丸を振り回しているのはみんな右翼に見えるのでしょうが、国会内でも草の根保守の国会議員は僅かしかいない。だから16日のデモでも挨拶に来た自民党や民主党の国会議員は一人もいない。マスコミからも無視された勢力ですが、着実に勢力は拡大してきている。

自民党にしても民主党にしても中国には気を使って、中国への抗議デモはとんでもない事であり、マスコミに圧力をかけて報道させない。ネットでしか16日のデモは詳しく知ることができない。日本の政治家にしても企業にしてもマスコミにしても中国の利権にズブズブになってしまって抜けられなくなっています。目先のきいた企業などは中国から抜け出して工場を移していますが、イトーヨーカドーなどが中国でデモ隊の襲撃を受けている。巨大市場という幻想に目が眩んで進出するからだ。




日本とドイツの共同作戦が実現していたなら、そのチャンスはあった
のかもしれない。しかし、日本はそうした戦略思想を全く欠いていた。


2010年10月20日 水曜日

素人は「戦略」を語り、プロは「兵站」を語る 10月20日 大矢昌浩

ロジスティクスという言葉は、軍事用語の「兵站術」をビジネス用語に転用したものだ。軍事や戦史に関して筆者は全くの素人ではあるが、その研究者や資料・文献から学んだことは多い。

 とりわけ第2次世界大戦は、アメリカをはじめとする連合国と日独伊の枢軸国によるグローバルロジスティクスの闘い、「グローバル補給戦」だったと言われている。

 それまでの戦争が基本的に決戦場における指揮官の采配や軍隊の士気に勝敗を左右されていたのに対し、第2次世界大戦では必要な兵隊と物資を決戦場に送り続けることのできたほうが勝った。作戦の優劣以上に兵站術が大きかったという評価だ。

 そのため、戦い方としては、資源の調達から軍需工場での生産、そして決戦場に至るグローバルなサプライチェーンを高度化すると同時に、相手にはそれを許さない、敵のグローバルロジスティクスの弱点を見つけてそこを叩くというやり方が有効だった。

 空港や港湾、軍需工場などに戦略爆撃をかけて使用不能にし、また軍事物資を運ぶ商船や兵隊を乗せた軍船を潜水艦で撃沈する。それによって主戦場に物資を供給できなくさせる。

日本軍になかった「グローバル補給戦」の概念

 ところが、日本軍は真珠湾攻撃の奇襲に成功しながらも、そこにあった艦船を補修するための乾ドックや補給タンクには爆撃を加えずに放置した。そのことが後に仇となった。

 1942年6月のミッドウエイ海戦で日本は大敗北を喫し、その後の主導権をアメリカに奪われることになるわけだが、真珠湾の乾ドックを潰しておけば戦局はまた違ったものになっていただろう。

 日本はミッドウエイ海戦に「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」の空母4隻を参加させている。一方のアメリカは、本来なら「エンタープライズ」と「ホーネット」の2隻の空母しか用意できないはずだった。

 ところが当時の米太平洋艦隊司令長官のチェスター・ニミッツ大将は、その1カ月ほど前の珊瑚海海戦で被弾し戦闘不能状態にあった空母「ヨークタウン」を、真珠湾の乾ドッグに入れ、驚異的なスピードで補修して、ミッドウエイ海戦に間に合わせた。

 空母は海戦における主戦力であり、その数的優位性は極めて重要だ。歴史に「たら・れば」はないとは言うものの、ミッドウエイ海戦における日米の空母の数が4対3ではなく4対2であったなら、戦いの様相が大きく変わっていたことは、多くの軍人・研究者の一致する見方だ。

 さらに、日本が「グローバル補給戦」という概念で第2次世界大戦に臨んでいれば、連合国に勝つまでには至らなくても、負けないようにする、引き分けに持ち込むことはできたと分析する戦史家もいる。

 ドイツ軍のクルト・フリッケ海軍軍令部長は1942年春に、当時の野村直邦海軍中将に共同作戦を打診している。連合国の補給ルートを一緒に断とうという作戦だった。

 当時のヨーロッパにおける連合国の主力は、イギリスが中東に置いた65万人の部隊だった。地中海を枢軸国が抑えていたため、その補給ルートは大西洋側からアフリカ大陸をぐるりと回るほかなかった。

 この補給ルートを潰せば、中東のイギリス軍は孤立する。そこで大西洋側のルートをドイツが叩くので、インド洋側を日本が叩いてくれという要請だった。

 日本が担当するインド洋の海戦では、マダガスカル島のディエゴ・スワレスという軍港が決定的な要衝だった。ディエゴ・スワレスを基地にすれば、日本軍が連合国の補給ルートを断つのは容易と考えられた。

 そして当時のマダガスカルはフランス領で、フランスはドイツの占領下にあった。日本軍はディエゴ・スワレスを利用できた。しかし、この共同作戦の申し入れを日本は断っている。

当時のインド、イラク、イランはすべて反英国家で、独立運動の最中にあった。中東のイギリス軍を追い出し、アジアの反英国家を見方につければ、日本とドイツは東西からユーラシア大陸をまたがって連結できた。

 その結果、枢軸国が北極を挟んで北米大陸と対峙する形になる。その体制に持ち込まれたら、連合国はノルマンディー上陸作戦のようなヨーロッパ侵攻作戦を採ることがほとんど不可能だったという分析を後の戦史家は下している。

明暗を分けた「兵站計画」の有無

 当時の日本はもちろん、ドイツにも北米大陸を占領する力はなかった。従って、第2次世界大戦で枢軸国が連合国に勝つ可能性はなかった。枢軸国の狙いは当初から「短期決戦・早期講和」だった。

 日本とドイツの共同作戦が実現していたなら、そのチャンスはあったのかもしれない。しかし、日本はそうした戦略思想を全く欠いていた。ロジスティクス軽視は致命的だった。

 太平洋戦争に突入する前夜の日本では、連合国のアメリカ、イギリス、オランダを相手とした戦争計画を、陸軍と海軍がそれぞれに立案し、毎年、天皇に上奏していた。

 しかし、ロジスティクス計画についてはペーパー1枚が割かれていただけで、その中身も、「全国民が一丸となって節約に励み、物資動員に全力を注ぎます」といった、スローガンに近いのものだった。

 一方のアメリカは1941年6月に、フランクリン・ルーズベルト大統領が当時の陸軍幹部に対して、枢軸国と戦争になった場合の詳細なロジスティクス計画を提出するように指示を出している。

 その指令を受けて作成された兵站計画が、後に「ビクトリープラン」と呼ばれる第2次世界大戦の壮大な物資動員計画へと発展していく。

 その計画は枢軸国がどのような戦略を採るかという分析からスタートする。そして連合国が枢軸国に勝つには、どれだけの兵員、武器・弾薬、物資を、どこに投入する必要があるのかを弾き出す。

 さらに必要な物資はアメリカ内で調達できるのか。生産にはどれだけの期間がかかるのか。何隻の船が輸送に必要なのか。一つひとつ見積もって計画を詰めている。

 その結果、連合国が枢軸国に勝つのは可能だという結論を下す。ただし、必要な物資が揃うのは1943年の半ばになる。そのため、連合国が攻勢をかけるのはそれ以降だという答申を出している。

 それに対して、日本ではビクトリープランに相当するロジスティクス計画が、結局、最後まで策定されなかったようだ。(後略)



オトメドン号事件ー謀略文書か正規の文書か 平間洋一のヒストリカル・アイ

謀略文書といわれていた「オトメドン号文書」は本物の文書であった。しかし、この本物の文書がドイツ・イギリスの謀略を成功させ、日本を第二次世界大戦へと導いてしまった。

情報の極意は謀略にある。ここに半世紀近くイギリスが日本軍にシンガポールを攻撃させ、アメリカを参戦させようとした謀略文書であったとの説と、ドイツが日本にシンガポールを攻撃させようとした謀略文書であったとの論争があった。しかし、最近の秘密文書の公開でイギリス側の不注意で奪われた正規の文書であることが判明し、英独の謀略説は消えた。しかし、このイギリスの不注意が日本を南部仏印進駐に誘い、日本を太平洋戦争に導いてしまったのである。

オトメドン号、ドイツ海軍に拿捕される

1940年5月10日にはドイツ軍が西部戦線で総攻勢を開始し、6月1日にはイギリス軍をダンケルクから追い落とし、8月にはイギリス本土の空襲を激化させたが、イギリスは屈しせずドイツ軍は行き詰まってしまった。この戦局を憂慮した駐日ドイツ海軍武官のベェネカー大佐は、11月22日に海軍総司令官シュニューヴィン大将に次ぎの電報を発した。

 ドイツにとり最も重要な目標はイギリスの屈服であり、日本の対英参戦こそ、この方向への第一歩である。現在アメリカが事実上ドイツと戦争状態にあり、アメリカの参戦による不利益は日本の参戦による利益ほど重大ではない。アメリカが参戦してもその鉾先が専ら日本に向けられることは確実であり、このため小官は日本を扇動して南方へ攻勢をとらせるよう全力を傾注すべきと考える。日本陸軍首脳もこの見解に反対でないので海軍の説得に成功すれば、この方向へ進出することへの障害は総て除去されるであろう。

この電報が影響したのであろうか、ドイツ海軍総司令官は12月27日にヒトラーに日本軍のシンガポール攻略はアジアからイギリスへの食料や鉄・錫などの戦略物資の供給を止め、さらにインド、東アジア、オーストラリアなどに動揺を与え、イギリスの威信を低下させるがアメリカの参戦を招くことはないであろうとの意見具申を行った。また、年が明けた1月18日には、ドイツ海軍作戦部長フリッケ中将から駐独海軍代表の野村直邦中将にシンガポール攻略が要請された。

 これより先の40年11月11日に、ドイツ武装商船アトランティス号がイギリス商船オトメドン号をニコバル島沖で拿捕し、船内から商船暗号書や郵便物60袋を押収したが、その中にイギリス戦時内閣の議事録と三軍統合司令部作成の「極東防衛に関する情勢判断(7月31日付)」などが発見された。この文書によるとイギリスは日本軍の南方進出を阻止できないという悲観的なものであったが、この文書は機密文書を商船に搭載するという不注意により奪われた正規の文書で、そこには次のような方針が記載されていた。

◎現情勢では極東への艦隊派遣は困難である。
◎艦隊がなければアジアの利権を護り難い。一時、反撃し得る地点まで後退すべきである。
◎ 日本軍が仏印やタイに侵攻しても開戦しない。
◎ 日本がインドネシアを攻撃し、オランダが抵抗しなければイギリスも日本に宣戦しない。


 拿捕されたこの文書はアトランチィス号が捕獲したノルウェー船オル・ヤコブ号によって12月4日に神戸に運ばれ、5日にベネカー武官に渡され、7日にはドイツ海軍総司令部に主要部分が電報で報告された。そして、12月12日にはベルリンの海軍武官横井忠雄大佐と軍令部次長近藤信竹少将に知らされた。この情報を受け取った近藤次長はシンガポールの防備態勢が、このように貧弱であるとは判らなかったと驚き感謝したという。

『侍従武官城英一郎日誌』の42年10月12日に、「1〇3〇独乙特巡艦長、オット大使及付海軍武官と共に謁見」とあり、艦長には勲3等瑞宝章が授与された。艦長程度の者に拝謁を賜るのは異例であり、このことからもオトメドン号の情報が如何に貴重であったかが理解できるであろう。しかし、この文書は12月27日に「泰及ビ仏印ニ対シ採ルベキ措置」を決した第3回政府大本営連絡会議で、及川古志郎海相に「文書諜報ニ依レバ英国ハ日本ガ仏印ニ止マル限リ戦ヲ欲セズ。蘭印ニ延ビルトキハ戦争必至ナリト判断セラル」との発言を導いたが、その後も日本が動かなかったためシンガポール攻略要請は続いた。
 
 41年2月23日にはリッベントロップ外相が、着任早々の大島浩大使に 「自らの利益のためにも、可及的速やかに参戦されたい。決定的打撃はシンガポール攻撃であろう。日本が講和条約締結までに手中に入れたい東南アジアの資源地帯を確保しておくことが、日本の国益や大東亜新秩序建設のためにも必要であろう。また、アメリカが参戦し艦隊をアジアに派遣するほど軽率ならば、戦争を電撃的に終わらせる最大の好機となるであろう。すべての仕事は日本艦隊が片付けると確信している」とシンガポール攻撃を誘った。

 ソ連軍GRU(赤軍諜報部)スパイのリヒトヤ・ゾルゲの尋問調書によれば、在京のドイツ大使館ではオット大使を統裁官としてヴェネッカー海軍武官、クレチマー陸軍武官、グロナウ空軍武官などを中心に日本軍のシンガポール図上演習を行い、この図上演習の推移や結論をもとに日本側を説得したという。

2月28日にはリツベントロップ外相からあらゆる手段を用いて、可及的速やかにシンガポール攻略を申し入れよとの指示を受けたオット大使は、3月4日に参謀総長杉山元大将および軍令部総長永野修身大将などを大使館に招き、ドイツの英本土上陸作戦の準備はすでに完了し、「決行ノ時機ハ一ニ総裁ノ決定ヲ待ツ迄ニナッテオリ.....此ノ英帝国ニ対スル決戦ノ時機ニ東西相応シ」、日本軍がシンガポールを攻略するのがよいのではないか。

アメリカの戦争準備ができる前にイギリスが「崩壊ニ頻シタ場合ハ、米国ガ戦争ニ入ルコトハナイト思ヒマス」。ドイツとしてはアメリカの参戦前に英本土と地中海方面に「決定的ナ攻撃戦」を開始するので、日本もこれに応じてシンガポールを攻略するならば「大イニ感謝スル所デアリ、 日本トシテモ有利デアロウ」とシンガポール攻略を要請した。
 
 また、3月5日にヒトラーから日本に可及的速やか積極的行動を取らせとの指示が発せられると、ベネカー武官は3月13日には近藤次長を訪問し、イギリスを屈服させればアメリカは対英支援を中止し参戦はしないであろう。現在のような有利な態勢は今後5〇年ないし百年内に二度と訪れることはなく、今が絶好の好機であると説得したが、近藤少将は応じなかった。しかし、7月2日の政府大本営連絡会議で、オトメドン号文書の「日本が仏印またはタイに侵攻しても英国は開戦しない。日本がインドネシアを攻撃し、オランダが日本軍に抵抗しなければ英国は日本に宣戦しない」という文章を思い起こしたのであろうか。

「情勢ノ推移ニ伴フ帝国国策要綱」を決したが、この国策要綱では南方進出の諸方策を強化し、この「目的達成ノ為対英・対米戦ヲ辞セズ」として、南部仏印への武力進駐を決した。そして、この南部仏印進駐が7月28日のアメリカの石油全面輸出禁止を招き、海軍の石油「ジリ貧」論となり、松岡外相の対ソ参戦を抑えるために挿入した「対ソ参戦ヲ辞セズ」の一行が、12月8日のハワイ奇襲へと進んでしまった。日本はイギリスやドイツが期待したとおり、太平洋戦争に突入してしまったのである。



(私のコメント)
第二次世界大戦における日本の参戦には、まだ不可解な事が多く、歴史的な検証も少ない。戦後間もない頃には当事者も多く健在していましたが、多くを語らずに他界してしまった。ナチスドイツなどの場合は軍需大臣だったシュペーアなどが回想録などを残していますが、日本の場合は当事者が書いた回想録は少ない。だから意図が良く分からないまま謎のままにされてしまう。

日本がなぜ北進論から南進論転換したのかも、まだ良く分からない。ゾルゲなどによるスパイ工作と言う説が有力ですが、平間氏のブログによれば、南仏印進駐やシンガポール攻略などはドイツからの情報によるものらしい。当時ドイツはイギリス攻略の壁に突き当たっていましたが、シンガポールを攻略してインド洋からイギリス軍の補給線を断てば、65万人の中東のイギリス軍は降伏せざるを得なくなる。

日本にとっても、インドネシアの鉱物資源が手に入ればアメリカの石油禁輸も何とか凌げる計算が立つ。インドネシア攻略もオランダ軍が降伏してしまえばイギリスは座視するだろうという見込みもあった。どちらにしてもイギリスは中東とアジアの拠点を失えばドイツと講和せざるを得なくなる計算もあった。そうならなくてもロンメルのドイツ軍は中東の油田地帯まで攻略できただろう。

カギを握るのは、当時のドイツの駐在武官だった野村直邦海軍中将であり、野村中将はドイツとの共同作戦を断った。しかしシンガポール攻略が困難ではないと言う情報もドイツからの情報によるものであり、オトメドン号の秘密文書はイギリスの謀略とも思えましたが、謀略文書ではなく本物の文書であったらしい。

シンガポール攻略作戦も東京のドイツの駐在武官らの作戦プランらしい。ドイツによればイギリス上陸作戦は間近であり、シンガポール攻略のチャンスであると説得したのだろう。イギリスから見れば日本を参戦させればアメリカも参戦すると期待しただろうし、ドイツから見ても日本がシンガポールを攻略してインド洋を制圧してくれればイギリスは講和に応ずると見ていた。

つまり日本は英独双方からシンガポール攻略を唆されたと見ることも出来る。アメリカが参戦してくるかは不明だが、ドイツから見れば参戦しても当面は太平洋に注力せざるを得ず、その前にイギリスと講和してしまえばアメリカは北アフリカから攻め上らなければならない。しかし北アフリカもロンメルが制圧すれば攻撃も難しい。

際二次世界大戦の勝敗の分かれ目は、日本軍のインド洋作戦にかかっていた。しかし日本はドゥリットルの東京空襲に驚いてしまって、インド洋に出撃していた機動部隊を呼び戻してミッドウェイ作戦に入っていった。空母から日本が空襲される事は想定外のことであり、国民からの批判に軍部は怯えたのかもしれない。

日本海軍は、インド洋作戦から手を引いてガダルカナル攻略に方向を変えてしまいましたが、それも謎だ。アメリカとオーストラリアとの通商を断ち切るという目標だったのでしょうが、南太平洋に潜水艦を散開させて置くだけでも良かったのではないだろうか? しかし当時は潜水艦の数が不足していて通商破壊作戦は最初から無理だった。

大矢氏のブログから分かるように、当時の日本陸海軍の戦略思想は決戦で勝敗をつける戦略であり通商破壊作戦や兵站作戦は紙一枚に過ぎなかった。つまり戦略思想が古すぎて近代的な軍事思想から遅れていた。それが分かっていれば戦争に負けることも無かったのでしょうが、日本の軍事エリートの資質レベルはその程度だったという事だ。

一説には、インド洋作戦が成功して中東のイギリス軍が敗北すれば、ロンメルはエジプトからイラクまで制圧するだろう。そうなれば中東の油田をめぐって日本とドイツとが対立する事になる。さらにドイツはソ連に攻め込みましたが日本の東からの牽制も期待していたが、日本はミッドウェイ海戦で敗れて南方作戦も苦戦してソ連との戦争どころでなくなってしまった。

パールハーバー空襲にしても、近代的軍事戦略が分かっていれば軍艦だけでなく軍事施設も空爆しておく事は不可欠ですが、南雲長官は被害を恐れて引き揚げてしまった。当時の海軍は決戦思想に凝り固まっていたから、兵站をたたくという概念が無かった。だから負けたとも言えるのですが、戦艦大和を作るくらいなら潜水艦隊を充実させておくべきだった。

現代の海上自衛隊も潜水艦を16隻しか保有していませんが、いまだに近代的軍事戦略が分かってはいないようだ。現代では核ミサイル戦争の時代となり、従来とは軍事戦略も全く変わってきて、戦争なき戦争の時代に入っている。勝敗はコンピューターによるシュミレーションでわかるようになってきている。むしろ戦争手段によらない戦争の時代でありテロとの戦いが主戦場になった。

中国が尖閣諸島を狙っているのも、戦争なき戦争の現れですが、世界的なプロパガンダ戦争に日本は負けている。宣伝謀略戦も現代の戦争形態であり、インターネット上のプロパガンダ戦争も行なわれている。しかし日本のブログなども戦略家を投入して言論戦で打ち負かす必要がありますが、私などが手弁当で「株式日記」で戦っている状態では心もとない。

16日の尖閣問題のデモも、中国に対する言論戦の一つなのですが、中国では暴動騒ぎを頻発させている。30日には大阪で抗議デモが行なわれるようですが、日の丸をもって大阪に集結して16日のデモ以上に盛り上げましょう。中国はレアメタルの世界への禁輸に踏み切ったようですが、これも現代の戦争の一つだ。





日本の電子書籍端末は、日本語文化を守れとか言って
独自規格を作っても、PCー98のように消え去っていくだろう。


2010年10月19日 火曜日

au逆襲 「スカイプ」と提携 スマートフォン、電子書籍端末など新商品 10月19日 産経新聞

KDDI(au)は18日、今月下旬から来春にかけて順次発売する携帯電話の新商品を発表した。既に発表済みの機種を含めて、スマートフォン(高機能携帯電話)や従来型の携帯電話、電子書籍専用端末など合計23機種。出遅れたスマートフォンでは3機種を追加し、インターネット通話大手のスカイプ・テクノロジーズ(ルクセンブルク)と提携して、無料でテレビ電話・音声通話が可能な「スカイプ」を使えるようにする。機種数とサービスの充実で、勢いを取り戻す考えだ。

 「auは元気がない、新しい提案がない、先進性を失ったなど、多くの批判を聞いている。そのほとんどはスマートフォンの発売の遅れによるものだ」

 東京都内で開かれたこの日の発表会で田中孝司専務はこう述べた。そのスマートフォンで、東芝の液晶テレビ「レグザ」の映像技術を活用した「IS04」(東芝製)など3機種を12月下旬以降に順次売り出す。すべて米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載し、国内で独走するソフトバンクモバイルの「アイフォーン」(米アップル製)への対抗意識を鮮明にした。

 ただ他社との差別化を図るには、ラインアップを増やすとともに、新たなサービスの導入が不可欠。auにとってその切り札が、無料でテレビ電話・音声通話が可能な「スカイプ」だ。

手始めに11月下旬、スマートフォンの「IS01」と「IS03」にスカイプのソフトを提供。その後、他のスマートフォンや従来型の携帯電話に対象を広げる。提携ではauの携帯電話網を利用するため、安定した品質での通話が可能になるのが特徴だ。「無料というコンセプトを守った上で新たな料金体系を考える」(田中専務)としており、11月中に詰める。

 このほか、電子書籍の取り込みや保存、閲覧のための専用端末「ビブリオ リーフSP02」を12月下旬以降に発売。画面サイズ約6インチで、約2000冊の書籍を保存でき、目に優しい電子ペーパーを採用した。KDDIはソニーや凸版印刷などと組んで、電子書籍事業に参入する方針を表明している。(森田晶宏)



日本勢の電子書籍端末に「PC-98」化の懸念 10月18日 相場 英雄

「アイバさんの既刊を電子書籍化する企画が進行中です。ついては・・・」

 先月、筆者の元にこんな趣旨の連絡があった。数年前に筆者の小説を発売した版元からだ。この作品を電子書籍化し、早ければ来春にも再び発売するという。

 この小説は、既に筆者と他の出版社の間で文庫化の話が進んでいたが、電子書籍と文庫の権利を別々に管理することが可能とのことだったので、企画にゴーサインを出した次第だ。

 主要メディアで伝えられた、電子書籍を巡る主立った企業の連携、相関図は以下のようになる。

 まずは米国勢。「アップル」(端末は「iPad」「iPhone」)と「アマゾン」(端末は「Kindle(キンドル)」)が有力なのはご存じの通りだ。

 日本勢では、「ソニー/KDDI/凸版印刷/朝日新聞社」「東芝/凸版印刷」「シャープ/カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」等々の陣営が事業化に向けて名乗りを上げている。現点で詳細は明かせないが、これらの陣営の1つから、拙著の優先配信が始まる見込み。

 筆者は新聞や雑誌での連載を抱えているほか、複数の小説をリリースしてきたこともあり、紙媒体に対する愛着は非常に強い。

一方、電子書籍という新たな潮流とも無縁ではない。当欄をはじめ、ネット媒体で複数の連載を持っているからで、紙媒体と電子書籍とがうまく共存していくことを願う1人だ。

 出版不況の折り、電子書籍というチャネルを通じ、より多くの読者に拙著を知ってもらいたいというのが本音でもあり、これが先の電子書籍化のオファーを請けた最大の動機なのだ。(中略)

「iPad、ギャラクシーとその他大勢」という構図

 こうした構図を電子書籍向けの端末に置き換えてみよう。

 複数のアナリストに取材したところ、その大半からは「日本メーカーの端末は競争力に乏しい」との答えが返ってきた。その理由は、「1億人の市場のみをターゲットにしたものであり、アップルのiPadや、サムスンのGalaxy(ギャラクシー)のように数十億人のユーザーを想定した商品になっていない」というのだ。

 実際、筆者も某日系メーカーの端末に触れてみたが、日頃愛用しているiPadよりもズームやその他の主要動作が遅かった。平たく言えば、操作時の「サクサク感」が格段に劣っているとの印象を受けた。

 アマゾンのキンドルのように「読書専用」として機能を絞り込んだわけではない。iPadやギャラクシーのように「読書もできる多機能端末」を志向したものの、「その性能が中途半端」とアナリスト連は見ているのだ。

 某メーカー担当者が匿名を条件にこんな内情を明かしてくれた。「世界市場向けではないため、部材調達で規模のメリットを生かせなかったし、開発費も限定的にならざるを得なかった」。お叱りを承知の上で言えば、電子書籍の日本語専用端末は「そこそこの商品」というわけだ。

 今後、書籍の電子化が増加していくのは間違いない。ただ、日本の場合、この動きが諸外国のように加速するとは考えにくい。そう言い切るのは暴論だろうか。

 データを走らせる専用端末が企画当初から「そこそこ」であれば、消費者は見向きもしないはず。実際、筆者はiPadを上回る機能性、あるいは同等の性能がなければ、新たな端末を買い求めようとは思わない。むしろ、読書専用と割り切った端末を選ぶ。

 そして、コンテンツを供給する作家の立場としては、日本語専用端末の普及の度合い、ユーザーの意見を加味しつつ、今後の自作の電子化に向き合っていく腹積もりだ。



(私のコメント)
昨日のNHKの「クローズアップ現代」では電子書籍を取り上げていましたが、日本にもようやくキンドルやアイパッドに対抗する電子書籍が発表され始めている。電子書籍端末は日本メーカーが90年代に先駆けて発売はされていましたが、どれも売れずに撤退した。

しかしアメリカから、キンドルやアイパッドが上陸するにしたがって日本メーカーは再び電子書籍端末を発売して迎え撃つ事になった。以前に電子書籍が売れなかったのは技術的な問題もありましたが、コンテンツを揃えることが出来なかった為だ。CD-ROMで読むのでは書店に行って買う手間がかかるので本を買ったほうがいい。

あるいはパソコンでダウンロードして読むのでは、わざわざ電子書籍端末を買わなくてもパソコンで読めばいい。既存の書店や出版社にとって見れば本を電子販売する事などは、とんでもない事であり、メーカーも協力が得られず電子書籍端末から撤退した。しかし外国からアップルやアマゾンやグーグルといった黒船がやってくるようになったら出版業界も対応せざるを得なくなった。

アメリカでは作家と出版社との包括契約が出来ているから、本の電子化においてもスムーズに移行が出来ましたが、日本では作家と出版社との契約は包括的なものではなく、本の電子化も新しく契約しなおさなければならない。出版社も将来電子化されるなどとは思ってもいなかったから、電子出版は契約時に考慮されていなかった。

だから相場氏が書いているように、既存の本も新書と電子本とは別の出版社が出す事になる。なぜ包括的な契約が出来なかったのだろうか? 作家と出版社の力関係の為なのか知りませんが、人気作家ともなればいろいろな出版社から著作の依頼が殺到する。だから著名作家が音を上げて休筆宣言をし無ければならなくなるほどだ。

勝間和代バブルとか内田樹バブルとか言われるほどですが、逆に売れない新人作家などは出版社にいくら持ち込んでもなかなか本にはしてくれない。出版業界はネットが出始めてから読者を奪われて業績が落ち込んでいますが、多くの人がインターネットのブログ読むだけでも手一杯で本を買うどころではなくなってきている。

「株式日記」も一種のブログの形をした電子出版のようなものですが、全くの素人でもこのように電子出版が出来る。毎日一万数千人もの読者に読まれているわけですから、普通の本でも五千冊から一万冊出れば上上の世界から見れば出版社は客を奪われている事になる。

ブログは無料で読めるのに電子書籍は携帯電話の回線を使って有料で決済がされる。そこが一番違う部分ですがパソコンのインターネットは無料の世界であり、携帯のサイトは漫画などの電子書籍からゲームまで有料化が容易であり、だから電子書籍も軌道に乗り始めようとしている。

出版業界だけではなく新聞業界もネットの影響で発行部数を落としていますが、新聞なども専用端末で有料で読まれる時代も来るだろう。パソコンは何でも出来る反面では扱いが難しく有料化が難しいメディアだ。やはり有料化するとなると専用端末で扱いやすくなれば有料でも事業化が可能になるだろう。

パソコンだと小額課金システムを作る事は難しく、カードで決済するとなると一件に50円とか100円もかかってしまったりする。それが携帯の回線を使えば単価の安い商品でも決済が安く出来るから商業化の目処がついてきた。だからこれからはパソコンは売れなくなり、アイフォーンやアイパッドのような携帯電話+専用端末となったものが主流になって行く。、

ソニーなどからもグーグルTVが発売されますが、テレビ番組もオンデマンド化して、好きな時に見たいものが見られるようになって視聴料が携帯回線で決済されるようになるだろう。有料TVもなかなか黒字化しませんが、見ても見なくても月額費用を払うようなシステムでは加入者は増えない。

電子書籍でも中の10ページは無料で読めて、それ以上は有料ですよというようなシステムになると思う。ネット化した社会ではそれなりの法体系を整備する必要があるし、携帯ゲームのグリーでも無料で楽しめますが、それ以上は有料ゲームを購入するシステムで成功している。

アマゾンなども数ページ読めるようになって、ある程度中身が分かるようになっている。「株式日記」では本の数ページを紹介することもありますが、それでも著作権法違反だと抗議してくるPHP出版社がありましたが、今では無料で雑誌記事を公開している。以前はネットを敵視していた出版社や新聞も時代の流れは電子化であり、それを止める事は出来ない。

作家にとっては、手取りが増えて紙の本では10%が手取りでしたが、電子化されたアマゾンでは70%が手取りになる。一冊1000円の電子本が10000冊売れれば700万円が印税で入る事になる。クローズアップ現代でも今まで出版社が相手にされなかった新人作家でも電子出版で名が売れるようになった例が紹介されていました。

紙の本では印刷したり製本したりして資源を無駄に使って、売れなければ出版社に返却されて焼却処分される。電子書籍では流通在庫費用などが格段に安くて済むから絶版という事も無くなり、読者も昔の本が楽に読めるようになる。私なども大量の本を倉庫などにしまって置いていますが、どれがどこにあるのかが分からない。電子書籍なら検索ですぐに取り出せる。

電子書籍がこれからどのようなものに変化して行くかわかりませんが、無名な作家も次々と出てくることだろう。音楽も動画もクロスオーバーした本なども出てくるだろう。新聞も同じであり、文字も動画も一緒に報道されるようになる。新聞社も既存の新聞社ばかりでなく新しい新聞が次々と参入してくるだろう。紙の新聞だと取次店網が必要だから参入が出来ませんでしたが、最近はネット新聞が次々出来ている。

「株式日記」も一種の電子新聞ですが、16日のデモなども一人で記事を書いて一人で写真を撮って一人で編集して発行している。しかも無料で読めるのだから既存の新聞やテレビなどの報道からネットに読者が流れてくるのは当然だ。最近ではプロの記者がブログを読んで記事にしていることもある。テレビなどもユーチューブの動画をそのまま報道に使うようになった。ネットが新聞やテレビを追い越してしまっているのだ。

電子書籍端末については、サンケイや相場氏が書いているように、日本のメーカーのものは中途半端で売れないだろう。世界標準で勝負すべきなのですが日本のメーカーは国内だけしか見ていない。だからガラパゴスとからかわれるのですが、日本語文化を守れとか言って独自規格を作ってもPCー98のように消え去っていくだろう。




自由貿易体制の恩恵を最大に享受してきた中国が、レアアース
禁輸の代償はあまりに重く、求める成果とは釣り合わない。


2010年10月18日 月曜日

米中関係2 尖閣沖衝突事件から浮上した中国異質論 9月29日 丸紅ワシントン報告

9 月7 日に発生した尖閣諸島沖の衝突事件をめぐる米国の報道は、9 月21 日に温家宝首相がニューヨークで中国人船長釈放を要求してから増え始めた。その後、23 日のニューヨークタイムズ紙が中国政府によるレアアース(希土類)の対日禁輸を報じてそれを同政府が否定、中国河北省での4邦人拘束の判明、25 日の船長釈放と中国外務省による日本に対する謝罪と賠償の請求という急速な変化の中で、主要紙が1 面や社説で連日この日中摩擦の問題を取り上げている。

報道の大部分を中間選挙が占める中、海外のニュースは通常より少なくなっているが、その中で日本の関わる問題がこれだけ多い異例である。今回は、この報道内容から、尖閣諸島沖衝突事件、日中摩擦、そして中国論が米国でどのように認識されているのかを報告する。

1. レアアース禁輸報道をきっかけに浮上した中国批判

最初に注目すべき点は、先週末からこの問題に関する米国の論調に生じた変化である。温家宝首相の釈放要求が出てからしばらくは、中国の圧力に押される日本といった捉え方や、日中のパワーバランスの逆転など日中関係に対する論評が目立った。日系メディアと大差のない米国での報道内容は、同国にとって遠いアジアの「対岸の火事」という認識を感じさせるものだった。

(1) 自由貿易体制の恩恵を最大に享受する国の禁輸という矛盾

しかし、9 月23 日のニューヨークタイムズによるレアアースの禁輸報道1から論調に変化が生じた。中国政府はこの報道を否定したが、実際の対日輸出は滞ったため事実上の禁輸を実施したとの見方が一般的になった。この中国の反応が米国の違和感と関心を招いた。事実上の禁輸であっても、米国の常識では尖閣諸島沖衝突と船長逮捕への対応策として取り得ない手段だからである。

中国は尖閣沖衝突の前から一部のレアアースを含む素材の輸出規制について、米国、EU とメキシコからWTO に提訴され、USTR は中国の他のレアアースを対象にWTO 提訴を検討してきた。つまり中国は、レアアースの輸出制限がWTO 協定に違反する可能性が高いことを認識した上で、日本という特定国に対する禁輸というさらに過激な措置を選んだことになる。特定国に対する一方的な禁輸は、WTO 協定違反というレベルの問題ではない。世界経済の安定の前提である自由貿易体制に背を向ける行為である。

その中国は、1986 年から15 年を費やして必要な改革を着実に達成して2001 年にWTO 加盟を果たし、その後の9 年間は自由貿易体制の下で輸出をエンジンの一つとして高成長を続け、世界第二位の経済大国になった。世界経済の中で自由貿易の恩恵を最大に受けているといる国が中国なのである。

政治的に見れば世界の大部分を民主主義の国々が占める中、共産党一党独裁という特異な政治体制を続ける中国が孤立を避けられたのも、経済は他の民主主義の国々と共通する市場経済と自由貿易体制という枠組みを堅持してきたからであり、経済運営では国際社会や他の国々の信認を得て、多額の直接投資を獲得し、貿易を拡大できたからである。

近年の世界経済において自由貿易体制の恩恵を最大に享受してきた中国が、船長を逮捕した日本への対抗策として、これまでの四半世紀の努力を自ら否定しかねない禁輸を簡単に選んだ。どう考えても、禁輸の代償はあまりに重く、船長の釈放や尖閣諸島の海洋権益の獲得への前進という求める成果とは釣り合わない。この中国政府の政策判断は米国の識者やメディアにとっては驚きであり、中国政府の価値判断の基準がどこにあるのかが分からなくなって戸惑ったのである。

中国政府も禁輸を選ぶリスクの大きさを理解していたからこそ、公式ではなく事実上の禁輸にとどめたのだろう。一部には、これがWTO 協定違反を逃れる巧妙な対応であると評価する向きもある。だが、米国の報道の多くは輸出の停滞という事実を重視し、公式か否かへのこだわりはなかった。29 日にはレアアースの対日輸出の通関手続きが再開されたという報道があったが、事実上であっても禁輸を長引かせれば、その代償が非常に大きくなることを政府が認識して、対応を修正したのだと推測できる。

しかし、短期間であっても中国が自由貿易体制を軽視する姿勢を示したことから生じるコストは大きくなる可能性がある。不安定化しているのは当面の貿易ではなく、世界の自由貿易体制の中で中国が固めてきた地位である。地域的には、東アジアの共同体構想として中国が推進してきたASEAN+3 は停滞が避けられないし、今後の後退もあり得る。中国の自由貿易体制の堅持という前提が揺らいだ今、他の参加国の中国に対する信認の低下が避けられないからである。11 月に開催されるAPEC 首脳会議における中国の役割も曖昧になった。WTO の中で10 年近くをかけて築いてきた中国の地位、IMF や世界銀行など国際機関における中国のプレゼンスも揺らぎかねない。

(中略)

3. 台頭する中国異質論:重商主義化する中国への失望と早期の修正期待

(1) 日中摩擦の分析から中国批判への新たな変化

先週末からの日中摩擦に関する報道には、もう一つの変化が生じている。それは、この問題を取り上げながら、日本に関する論評はわずかにとどまり、残りの大部分が中国の分析や批判が占める様になっていることである。尖閣沖衝突事件や日本に対する見解は導入部分であり、本論は日中摩擦で明らかになった中国の問題点の指摘や中国異質論なのである。

そうした中国異質論が最初に指摘するのが、最近の中国が日本を含めた近隣アジア諸国に対する高圧的な行動に出ている現実である。実際、週末の米系メディアの日中摩擦を取り上げた論説は、尖閣諸島だけでなく南シナ海でも周辺国と摩擦を起こしている中国に対する批判やその背景の分析に大部分が割かれている。今回の問題の本質は中国の暴走に近い変化であり、日本は対応にも問題はあったが、どちらかといえば被害者に近い立場に置かれるケースが増えている印象である。この背景として、日本政府が船長釈放に応じたことで事件への関心が薄れたことも指摘できよう。

(2) 重商主義化する中国への違和感と警戒意識

それでは中国の暴走とは何か。中国は今回の尖閣諸島に先行して、南シナ海において、ベトナムやフィリピン、マレーシア、台湾等が領有権を主張する南沙諸島、ベトナムや台湾が領有権を主張する西沙諸島のそれぞれの海域で摩擦を引き起こしている。そして中国は、南沙・西沙どちらの諸島でも実効支配を進めているが、ASEAN 諸国は中国に対する不信を強めている。

そのASEAN は9月24 日に米・ASEAN 首脳会議をニューヨークで開催するなど、中国との関係の変質に応じた地域安定のために新たな取り組みも始めている。日本も事件発生以降は、米国との協議が活発化している。いずれも自らを中核とするアジアの安定を目指す中国にとっては望ましくない展開である。

中国を強く批判する論調も増えてきた。9 月25 日のニューヨークタイムズ紙3、27 日のワシントン・ポスト紙4もそろって、最近の中国のアジア周辺国に対する強引・威圧的な姿勢を指摘、南シナ海を「根源的国益」と呼ぶ中国は19 世紀の重商主義的な国家などと批判した。両紙とも、最近の中国は規律ある国際システムに順応しようという姿勢ではない、アジアの安定を支える存在ではなく周辺国から警戒されるようになっているなどと中国に苦言も呈している。また24 日のワシントン・ポスト紙5のように、中国の最近の変化の背景に、共産党指導部の影響力の低下と人民解放軍や国営企業などの勢力拡大といった力関係の変化が生じていると見る報道もある。

確かに21 世紀の世界に19 世紀の重商主義で挑もうとする中国と張り合う必要はなく、その中国との協調にも安定は期待できない。中国が今後ますます重商主義モデルに傾くのであれば、日本を含めた個々の国々が中国と権益争いをするのではなく、米国を巻き込んだアジアの地域安定の枠組み作りを目指すなど、新たなアプローチを目指すべきという建設的な提案も出始めているし、中国封じ込め的な意見すら出始めている。

この週末だけで、日中摩擦が多くの米系メディアに取り上げられ、その内容の多くが中国異質論や脅威論になったのは、急速に重商主義の様相をみせてきた中国に対する米国や国際社会の失望と警戒感の表れである。その上で、それでも高成長を続ける中国に早期の経済発展モデルの修正を促し、規律ある国際システムの中心に収まっていくことを期待する表れでもあろう。

米系メディアの中国異質論から読み取れるもう一つのポイントは、中国のレアアース禁輸など一連の失策や他のアジア諸国からの信認低下が、米国の対アジア政策に有利に働くという期待である。確かに、地域統合への取り組みも、中国が主導するASEAN+3 の求心力低下が予想される一方で、米国が後押しするTPP 構想に参加を表明する国が増え始めている。

米国には、2011 年のAPEC 首脳会議の開催国という運の良さもある。安全保障面でもフィリピンが米国との関係再強化へ動き始めている。鳩山前政権下で普天間問題で停滞した日米関係も、中国の尖閣諸島周辺での活動の活発化もあり、関係回復への動きが進んでいる。

4. 日本はどうすべきなのか

以上のように、米系メディアの尖閣沖衝突事件と日忠摩擦の報道が大きく変化して、中国異質論にたどり着いた中、日本国内は、日本経済新聞と朝日新聞の国際版を見るかぎりでは、中国で拘束が続く4 邦人の問題、船長釈放に対する批判と責任追及、尖閣諸島周辺で活動を強化する中国に対する注目などが紙面の多くを占めている印象である。

確かに船長逮捕と釈放の経緯を検証し、前述の緊張を高める逮捕が必要だったのか、釈放に問題はなかったのか、中国にどのようなメッセージを送ることになったのかなどを議論することは重要である。一方で、それだけにとどまらず、中国が今回の行動を通じて得たものと失ったものを、日中の二国間関係だけでなく、国際社会における中国の立場、日中以外の国々の立場から、日本の視点を通じてそれぞれ検討することも重要であろう。

日本国内同様に、米国でも一部の識者は「日本の譲歩が中国に誤ったシグナルを送り、中国の尖閣諸島での挑発行為が増える」「中国と領土問題を抱えるアジア諸国を日本は失望させた」といった批判を述べてはいる。しかし、今回の行動を通じて「中国が失ったもの」の多さが分かれば、こうした「誤った釈放論」の中国・世界観が必ずしも正しくないことが分かるだろう。こうした点を整理していけば、米国内の賢明という評価はけっして的外れではないという理解に近づいていくのではないかと筆者は考えている。


(私のコメント)
アメリカ政府は、日本と中国との尖閣諸島問題に対しては、世界のどこにでもある国境紛争としてみていましたが、中国が船長逮捕の報復として打ち出してきたレアアース禁輸に対しては、アメリカにも影響が及ぶ事でもあり、世界的な問題になってきている。

16日のデモに参加したのですが、その中にはレアアース禁輸に抗議するプラカードは無かった。国民大衆にとってはレアアースなど何の関係もないのですが、世界の産業界にとっては死活問題になる。日本のハイテク産業も欧米の産業も中国のレアアースに頼っている訳ですが、それに対して中国政府は、単なる船長逮捕の対抗手段として簡単にレアアース禁輸に踏み切った。

これは中国がもっとも自由貿易体制の受益者であるにもかかわらず、自由貿易体制をぶち壊そうとする行動に欧米各国は驚いた。石油禁輸にしても70年代にOPEC諸国が打ち出しましたが、結果的にOPEC諸国の弱体化を招いてしまった。代替燃料や新しい油田の開発などが進んだからです。

レアアースにしても、中国が90%以上のシェアを持っているものがありますが、中国産のレアアースが安いからであり、埋蔵量からすれば3割程度に過ぎず、禁輸をして値が上がれば世界中のレアアース鉱山が生産を始めるだろう。銅や亜鉛などの精錬の途中で出てくるレアアースも多くて、それを禁輸すれば中国自身が困るだけだ。

食料禁輸にしても、安易に食料禁輸を輸出国が行なえば、だぶついた時でも輸入国はその国からは輸入しなくなるだろう。一度貿易で信用を失えば、信用を元に戻す事は並大抵の事ではない。アメリカにしてもニクソン政権時代に大豆の禁輸を行なったが、日本はそれに懲りてブラジルなどに輸入先を切り替えた。

アメリカは世界一の食料輸出国ですが、普段は過剰に生産された食料を政府が補助金を出してまで輸出に苦労している。ヨーロッパ各国も過剰に生産された食料の輸出には補助金を出してまでして輸出する事に苦労していますが、食料禁輸などを行なえば安定した輸出先を失う事になる。

2年前にもトウモロコシ等が代替燃料として消費されて値が上がりましたが、アメリカの農家は代替燃料の原料として売ってしまった。そのために世界に食糧危機が起きて米の輸出国だった国が輸出を禁止してしまった。小麦や大豆やトウモロコシの値が上がれば世界中の休耕田が再開して生産が始まるから、今度は販売先に苦労するようになる。

中国のレアメタル・レアアースにしても同じであり、中国が日本との些細な揉め事でレアアース禁輸を打ち出してきたことは驚きだ。この事は日本以外のレアアース輸入国に影響をもたらす。アメリカはハイテク兵器にもレアメタルやレアアースを使うから国家安全保障にも関わってくる。リチウム電池などは潜水艦などの性能向上にも欠かせない。

最近での日中間の揉め事も、中国政府や中国国民の冷静な対応が取れない事が問題であり、レアアースなどの禁輸は気が狂ったとしか思えない。さらには日本人4人をスパイとして逮捕しましたが、橋や武装警官を写真に撮っただけでも中国ではスパイとして逮捕される。宇宙から鮮明な写真が撮れる時代にスパイもなにもないですが、中国とはそういう国なのだ。

昨日今日は日本のテレビは中国における反日デモのニュースがトップで報道されていますが、日本における中国大使館へのデモが引き金になっている。デモだけならどこにでもある出来事ですが、中国のデモは商店のガラスを割ったり、車をひっくり返したりした暴動に発展しやすい。中国人の激しやすい国民性がそうさせるのだろう。それが結果的に墓穴を掘ってしまう。


私は反米デモにも参加するし、反中デモにも参加する。それが単細胞のネトウヨには理解できないようだ。日本はアメリカと中国と言う超大国にはさまれた国であり、外交には非常に注意を要するし、米中を分断することが日本の戦略でもある。だからオバマ・クリントン政権における米中のG2外交には非常な危機感を感じた。

米中が連携して日本を共同支配されたらたまったものではないので、日本は米中分断の方策として政権が交代してアメリカとの距離を置く鳩山政権が誕生した。鳩山首相自身も本気で米軍基地を海外に移転させようというのではなく、揺さぶりであった事は5月28日の日米合意でも分かる事だ。

オバマ政権は去年の暮れには対中政策をガラッと変えてきましたが、台湾への武器輸出を認めたりダライラマと会見したり、ベトナムではクリントン長官が南シナ海の中国覇権に牽制発言など180度対中政策を変えてきた。去年の7月のオバマ大統領のG2演説から暮れの台湾への武器輸出解禁の間に何があったかというと日本の政権の交代だ。

日本のアメリカ離れの動きにアメリカは慌てたのであり、それまではアメリカ政府はほとんど日本への関心は失っていたと言っていい。クリントンの外交論文でも日本の事はほとんど触れていないことでも分かる。しかし鳩山首相が在日米軍基地の海外移転を模索するようになって、アメリカ政府は始めて在日米軍基地が東アジアの安全保障の要になっている事に気がついたのだろう。

中国にとっても日本と在日米軍がなんとも目障りな存在であり、日米同盟がある限り海洋への進出はままならない。ASEAN諸国にとっても日米同盟は無くてはならないものだ。もしオバマ政権があのまま米中G2戦略に突き進んだら、日本は断固とした態度を取る必要があった。それが普天間基地の海外移転カードだ。

中国に対しても、GDP第二位の国になったのだから国際ルールを守るようにさせなければならない。人民元をドルにリンクさせるのは発展途上国なら仕方のないめんもありますが、第二位の経済大国になれば許されることではない。しかし中国人の民度の低さが国際ルールをなかなか受け入れさせないようだ。

日本の反中国デモに、中国の若い学生が反日デモで呼応してきましたが、暴動に発展して中国政府を揺さぶっている。日本には靖国カードの他にも大衆の反中デモも対中カードになることがわかった。これは菅政権の対中弱腰外交への圧力にもなるだろう。さらにはマスコミがいかに報道規制を行なっているかも分かりましたが、新聞やテレビで大衆を誘導することが出来なくなってきた事を物語っている。中国でも同じだ。

2005年の反日デモでも、日本の商店や大使館が襲われましたが、今回の反日デモでもイトーヨーカドーやパナソニックなどの店が襲われて、日本車の窓が割られた。中国は暗黒大陸であり利益に目が眩んで日本企業は中国に進出しますが、カモがネギをしょって行くようなものだ。社長や政治家が中国に行けばハニートラップの罠が仕掛けられている。カラオケバーで女性と仲良くなってラブホテルに行けば写真を撮られて言いなりになってしまう。

菅首相も韓国で愛人を作って隠し子がいるというニュース


(私のコメント)
このように日本の政治家は、このように中国やアメリカの謀略や脅迫に簡単に引っかかってしまいます。日本の大衆もマスコミを使って簡単に騙されてしまいます。だからネットでデモを呼びかけて日本政府を正して行かなければなりません。そしてマスコミは六本木における6000人あまりの大規模デモをほとんど報道しません。菅首相は韓国に愛人の子がいるようだし、自民党の谷垣総裁も中国でハニートラップにかかってしまっているようだ。




10/16(土) 中国大使館包囲 尖閣侵略糾弾! 緊急国民行動
六本木の交差点は6000人のデモ隊による日章旗で埋め尽くされた


2010年10月17日 日曜日

22-10-16 尖閣侵略糾弾!国民大行動(ユーチューブ8分54秒)
(青山公園での集会の様子が分かります。)

2010/10/16 中国大使館包囲 尖閣侵略糾弾! 緊急国民行動 ニコニコ動画
(六本木の大通りを果てしなく続く5800人もの日の丸デモ隊の様子が見れます)

10.16 中国大使館包囲!尖閣侵略糾弾!国民大行動  ニコニコ動画
(中国大使館を5800人の日の丸が包囲した様子が見られます。)


10/16(土) 中国大使館包囲 尖閣侵略糾弾! 緊急国民行動

期日:
平成22年10月16日(土)

時間と内容:
14:00 抗議集会 集会場所:都立「青山公園」南地区
         (千代田線「乃木坂」駅下車、徒歩3分)
15:30 デモ行進 出発

デモ終了後 中国大使館前にて抗議行動

登壇予定:
田母神俊雄、西村眞悟、クライン孝子、土屋たかゆき、富岡幸一郎、赤池誠章、小林正、黄文雄、イリハム・マハムティ、山村明義、西村幸祐、三輪和雄、永山英樹、三宅博、小倉麻子、松浦芳子、水島総 ほか 地方議員・文化人・知識人多数
※10月13日現在
(逐次、細部情報をUPします)

お願い:
日の丸以外の旗類・拡声器の持込はご遠慮下さい。
(なお、中国に弾圧されている国の国旗は可能です)

主催:
頑張れ日本!全国行動委員会
草莽全国地方議員の会

連絡先:
頑張れ日本!全国行動委員会
TEL:03-5468-9222
http://www.ganbare-nippon.net/
※ チラシ(PDF版)は こちら → http://www.ch-sakura.jp/sakura/protest-aggressionsenkaku1016_flyer.pdf

抗議集会 集会場所:都立「青山公園」南地区にて(私が撮影)
公園に入りきれないほどの人が集まり日章旗で一杯だった。


ネットによる呼びかけで、このようなロングヘアのお嬢様も参加。


デモ行進へ出発を待つところ、30分経っても人数が多くて出発できず。


日章旗の他にもチベット旗やウイグル旗も見かけました。


六本木の通りをデモ行進しました。場所柄外人も多かった。


六本木の交差点付近。帰りにはここが日章旗で埋め尽くされていた。


六本木のど真ん中に米軍施設のヘリポートがありました。


一番最初に撮った写真。六本木ヒルズの間近でのデモでした。


尖閣問題で反中集会=中国大使館に抗議―東京 10月16日 朝日新聞

市民団体「頑張れ日本!全国行動委員会」(会長・田母神俊雄前航空幕僚長)などが主催し、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐり中国に抗議する集会「中国大使館包囲!尖閣侵略糾弾!国民大行動」が16日、都内で行われた。主催者側によると、約3200人が参加したという。

 集会には田母神氏や西村真吾前衆院議員のほか、地方議員や文化人らが参加した。抗議集会、デモ行進の後、在日中国大使館を訪問。「事件は領海侵犯であり船長の拘置は妥当な措置」とした上で、船長の釈放要求など中国の一連の対応を批判、「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しない」とした抗議文を大使館のポストに入れた。 


(私のコメント)
本日も10月2日のデモに引き続いて参加してきましたが、今回は青山公園で集会を開いたのですが、やはり広場が狭くて道路まで人で溢れてしまった。天気も良くて気候も良くて絶好のデモ日和になったのも理由でしょう。

私が会場についた時は、ちょうど元産経新聞の山際澄夫氏が演説をしていました。多くの登壇者が新聞やテレビが報道ししない事に抗議していました。しかし今回は海外の記者を始めとして大手紙の貴社も二三来ていたようですが、おそらく報道はされないだろう。

最後に、地方議員の方が数人で登壇しましたが、港区区議会の議員がすぐ傍に米軍施設が不法占拠していると述べていましたが、一段と大きな拍手と歓声が沸いた。今回のデモは尖閣問題のデモですが、反中であるだけでなくアメリカの従属下にある事に対しても不満が大きい事を物語っている。

「株式日記」のコメント欄にも、いろいろと妨害めいた書き込みがありますが、ネット工作員も大変なようです。NHKへのデモの時は700名から1000名程度のデモでしたが、2日のデモは2700名に増えて、今日のデモは主催者の発表では3200名という事でしたが、警察の調べでは5800名という事だそうです。

六本木の公園で解散しましたが、帰りがけの通りではまだ続々とデモ行進が続いていたから、おそらく5000名以上は参加していたと思われます。デモが解散してもみんな日章旗を持っているからデモに参加した人はすぐにわかるのですが、六本木の交差点は日章旗で埋め尽くされていた。

家に帰って、7時のNHKのニュースを見たのですが、中国各地で行なわれた反日デモの様子は報道しても、六本木で起きた6000名あまりの抗議デモは全く報道しなかった。外国のマスコミは報道しても日本のマスコミは報道管制されて規制されているのだ。登壇者が言っていましたが日本も中国も報道規制では大して違いは無い。

六本木といえばテレビ局もあるところですが、6000名もの大規模なデモがあってもテレビでは報道されない。おそらくは中国に進出している企業が、中国人によって襲撃される事恐れているから反中デモはスポンサーから報道するなと圧力をかけられているのだ。だから産経新聞も報道しない。

しかし中国では、日本で反中デモが起きる事に対して、反発するデモが起きてイトーヨーカ堂などが襲撃されてガラスなどが割られたようだ。中国人というのは本当に民度が低い民族であり、感情に駆られてそのような行動に出る。


中国 大規模な反日デモ…尖閣抗議 成都、西安などで 10月16日 毎日新聞

【上海・鈴木玲子、北京・浦松丈二】中国四川省成都市など数都市で16日、沖縄県・尖閣諸島付近で発生した中国漁船衝突事件に抗議する大規模な反日デモが起きた。中国国営新華社通信によると、デモは成都市のほか陝西省西安市、河南省鄭州市でも発生した。中国での大規模な反日デモは05年春以来。東京の中国大使館前で同日、約2800人が参加した中国への抗議デモが起きており、これに対抗したものと見られる。北京の日本大使館によると、邦人被害の情報はない。

 目撃情報などによると、成都市では中心部の繁華街に同日午後2時(日本時間同3時)ごろ、若者ら数百人が集まった。デモ隊は「打倒日本」「日本製品ボイコット」などと書かれた横断幕を広げ、中国国旗を掲げながらシュプレヒコールを上げた。参加者は1万人以上に膨れ上がったという。

 繁華街にあるイトーヨーカドー春熙店などによると、デモ隊が投げつけた石やレンガで窓ガラスが割れるなどの被害を受けた。同店は地元警察に警備を要請し、数千人の警官隊が投入された。同店と隣接する成都伊勢丹の両店は店内の客を退避させて閉店した。

 新華社通信によると、西安では学生ら7000人が「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国のものだ」などと声を上げ、日系スポーツメーカーの看板を掲げた店になだれ込んだが、警官隊が押し戻した。鄭州では学生らが街頭で「釣魚島を守れ」などと声を上げた。



(私のコメント)
このように日本のマスコミは中国の反日デモは大きく報道するのに、国内の6000名もの反中デモは、全くといっていいほどテレビでは報道しないし、新聞も小さく報道するするだけだ。しかし報道しなければ中国でなぜ反日デモが起きたのかが分からないだろう。




「組織というのはほっておくと拡張主義に陥る」という考え方です。
組織内の人間達の為に役職とご褒美原資が欲しい。 伊藤洋一


2010年10月16日 土曜日

【正論】中国現代史研究家・鳥居民 中国軍増強の裏に利益集団あり 10月15日 産経新聞

南シナ海、東シナ海における中国海軍の傍若無人ぶりは目にあまる。世界の人びとは顔をしかめている。もちろん、愛国主義を教えられてきた中国の若者たちは快哉を叫び、この水域の海底資源を一手に収めたいと願う中国海洋石油の首脳陣はご満悦であろう。それだけであろうか。

 中国の軍事力の増強は尋常なものではない。その国防費の毎年の伸び率は平均15%であり、それは21年間にわたり続いてきた。始まりは1989年、天安門事件があった年である。士官と兵士の生活改善という名分だった。民衆に向かって武力を行使させたトウ小平としては、陸軍を慰撫しなければならなかったのであろう。

 そして、そのトウ小平の指名により党中央軍事委員会の主席になった江沢民は、革命戦争と無縁、軍とも無縁だったことから、軍の機嫌を取るため国防費を増やし続けなければならなかった。

 ≪「大躍進」もかくや≫

 「世界の工場」として経済発展に加速度がつく2000年代に入ると、国防費の増加はまさに、毛沢東の「大躍進」並みになる。1999年の千億元から、3年後の2002年には2千億元へと倍増した。ロケット師団が新設されて師団長が任命されれば、同じ軍歴を持つ別の将官がごねて、ロケット師団がもうひとつつくられるといったありさまだった。

 江沢民は04年に中央軍事委主席の椅子から退かざるを得なくなったが、軍事費の15%の伸び率は落ちなかった。中国の国防費は07年には、日本の防衛費を追い抜き、翌年には3500億元、09年には4800億元に増大した。今年の国防予算は、伸び率が1桁になったものの、5321億元(786億ドル)となった。日本円にして6兆9000億円である。

 さて、人口増による労働力の増大を土台にし、世界経済の好調に頼った輸出依存の中国経済のシステムは終わろうとしている。そして、中国も間もなく高齢化社会になるのだが、そのための用意が遅れている。経済の2桁成長時代に増え続けた国防費のさらなる増大は自制しなければならないことは、誰もが承知している。

 ≪提督たちの大風呂敷≫

 だが、愛国主義を看板に掲げる将軍たちが国防費の維持、増大を強く求めていることも、誰もが思うところだ。中国海軍艦艇が南シナ海や日本近海で緊張を高め、周辺各国を刺激し、騒ぎを引き起こしているのもひとつには、海軍首脳による予算獲得のための国内向け宣伝行動なのだろう。

 ただし、国防費の維持、増大に血道を上げる最強の勢力は、また別にいるのではないか。

 1991年にトウ小平に代わって「改革・開放」の論陣を張った、周瑞金というジャーナリストがいる。天安門事件の衝撃から教条主義の古い陣地に引きこもってしまった江沢民とほかの幹部を引きずり出した人物である。それから18年後の昨年10月、彼は、権力と利益が絡み合ったいくつもの国有企業、事実上、地主と化してしまった地方政府を指して、中国を滅ぼすものだと批判し、「特殊利益集団」だと糾弾している。

 その周も、ミサイルから戦車、軍艦、航空・宇宙までの分野にわたる軍需メーカーの一群を取り上げるのは避けている。これらの軍需工業もまた、中国の新貴族たちが支配する「特殊利益集団」なのであり、増大を続ける国防費の最大の受益者なのである

 ≪“埋蔵金”があった≫

 中国の国防費については、公表される数字がすべてでないことは誰もが分かっている。米国防総省がこの8月に発表した推計では、昨年度の中国国防費は1500億ドルと公表数字の2倍だ。

 政府から公表された数字とまさに同額の“埋蔵金”が存在しているのだ。これが、軍需メーカーの研究、開発費に回され、空母建造や、地対艦ミサイル、衛星破壊兵器の開発・製造の費用に充てられているのだといわれる。

 そして、この「特殊利益集団」は、小型火器は言うには及ばず、軍用機やミサイルの輸出に懸命である。権威主義的外国政府と連携を深める最も有効な手段が兵器の輸出であることは、中国政府がはっきり認めているところだ。

 さらに、この「特殊利益集団」の幹部たちは、何十年か先には、米国のロッキード・マーティン社や英国のBAEシステムズのような世界トップの軍需企業になることを夢見ている。国防予算を削減させないのは、提督たちの大風呂敷だけではなく、この「特殊利益集団」の力なのである。

 今年の国防費の伸び率が、1桁(7・5%)だったことに触れたから、ついでに、治安維持費のことも記しておこう。治安維持費は昨年、前年比16%の伸びを示し、今年は8・9%増えて、総額5140億元となった。国防費として公表された数字よりも、わずか百数十億元少ないだけだ。

 そうしてみれば、すべての「特殊利益集団」の一致した願いは、治安維持費を増やし続けることにもあるに違いなかろう。(とりい たみ)



Day by Day 10月15日 伊藤洋一

 「最近の中国はどこかおかしい」と思っている方は多いでしょう。私もそうです。やっていることを見ると、どこか子供っぽい。見え見えの駆け引きを繰り返し、世界全体から見れば「何やっているんだ、この国は」と笑われる形になっている。

 ノーベル賞ごときでヨーロッパの一部の国と外交関係を傷つけるなんて常軌を逸している。と思うと、自分では「日本包囲網」を作っているつもりなのでしょうが、韓国の国防相を中国に招く方向だとか。つい最近まで米韓の軍事演習は激しく非難していたのに。

 私はずっと、「組織というのはほっておくと拡張主義に陥る」という考え方です。組織内の人間達の為に役職とご褒美原資が欲しい。秀吉も組織の必然的な拡張主義の結末として海外への道を選ばざるを得なかった、と考えている。

 そして重要なことは、その拡張主義が蹉跌したときにやっと組織の拡張は止まる、ということです。その蹉跌によって組織内に「ここで終わり」の雰囲気がやっと出来上がる。それまではどうしても組織はイケイケになる。日本の戦争に向かう道と終焉もそうだった。

 今の中国を考えると、二つの組織が重要です。それは共産党と軍。表裏一体です。中国の軍はまたホテルから何から経営する大きな利益・資本集団です。鳥居さんの文章はこの点を良く突いている。今の中国の海洋権益拡張主義には、中国内部の力が色濃く反映していると思う。

 問題は「その拡張主義がどこで止まるか」「何で止まるか」です。日本など周辺国家として望ましいのは、内部でそれを抑制する力が生まれることです。しかしそうなるとは限らない。もしかしたら、外への拡張主義を中国がトライし、そこで何かにぶつかって(例えばアメリカの軍事力)、そこでやっと止まるかも知れない。

 やや関心を呼ぶのは、ノーベル賞作家ばかりでなく中国の力のある元政府高官からも「民主化」を要求する動きが出ていることです。備忘のためにその関連記事を掲載しておきます。

 中国共産党の引退幹部ら23人が発起人となり、憲法が認める言論や出版の自由が厳格な統制を受けている国内の状況を痛烈に非難する公開書簡をインターネット上で発表した。

 発表は、服役中の民主活動家、劉暁波(りゅうぎょうは)氏へのノーベル平和賞授与決定直後の11日で、共産党政権は、民主化要求の高まりも警戒してネット上から削除した。

 発起人は、故毛沢東主席の秘書だった李鋭氏、党機関紙「人民日報」元社長の胡績偉氏ら。言論、出版、集会、結社の自由を保障した中国憲法35条が、共産党と政府機関が定める細則のために「絵に描いた餅」になっていると断じた。その上で、全国人民代表大会(国会)常務委員に対し、党中央宣伝部などによる検閲廃止やネット上での言論封鎖廃止などを求めた。

 こうした各方面での動きがどうマージし、中国で今日から始まる第17期党中央委員会第5回全体会議(5中全会)の方向性に少しでも影響を与えるかどうか。可能性としては小さいでしょう。もしそうなら、中国を動かす二つの組織(共産党と軍)の組織内論理の行き着く先を予想しなければならない。企業でもそうですが、組織はほっておけば必ず内向きになる。そして冒険を恐れなくなる。日本近海でスカーミッシュが起きる可能性は小さくはない。


(私のコメント)
昨日書いたリーダー論の続きになりますが、伊藤洋一氏が書いているように、組織というものは放置していくと拡張主義に陥る。昨日も書いたように、満州事変を起こした石原莞爾は関東軍の組織拡大を狙った立役者ですが、後にも彼の真似をする陸軍の青年将校を抑えることができなくなってしまった。

現代における各省庁も同じであり、天下りを通じて組織の拡大を目指している。本来ならば内閣の総理大臣や各大臣が、各省庁の暴走を押さえなければなりませんが、昭和初期の時のように暴走を抑えることが出来なくなって来ている。

その経験から戦後は内閣総理大臣の権限を強化して、陸軍や海軍のような暴走を抑えられるようにしたはずですが、それでも総理は各省庁の暴走を食い止めることが出来ないでいる。国会中継などを見ていても、菅総理の答弁は一国の最高責任者であるという気概に欠けている。

総理大臣に強力な権限を与えても、それを生かす能力が無ければ総理大臣としての機能が果たせないのであり、各大臣も同じだ。総理大臣も各大臣も一年も持たずに次々と代わる。戦前と同じように選挙で選ばれる国会議員の資質が低くては、官僚たちの暴走を食い止めることは難しい。

ならば官僚よりも優秀な人材を官邸に加えて、補佐官のような役割をすべきですが、そのような人材の登用がなされていない。官僚は各省庁のことしか考えないが、官邸のスタッフともなれば国家全体の事を考えて仕事をしなければならない。そのためには予算配分の権限から人事権に到るまで官邸が掌握しなければ、各省庁の暴走は止まらない。

中国においても、おそらく同じ事が起きているのであり、地方の軍閥が勝手な事をし始めているようだ。中国軍は国軍ではなくて共産党の軍事部門であり、中央政府の統括が効かない部分があるようだ。中国は共産党独裁国家ですが、やはり強力なリーダーでないと軍部の暴走が止められなくなってきているようだ。その点で戦前の日本と良く似ている。

鳥居氏の記事にも、その事が書かれていますが、世代交代が3代目4代目ともなると人材も劣化してきて組織も統括できなくなって来るのだろう。日本においても大正時代までは軍縮なども出来てデモクラシーの時代も出来ましたが、維新の元勲がいた世代までは組織の統制も取れていましたが、昭和になって誰も統括する元勲がいなくなってしまった。

そうなると陸軍も海軍も、青年将校たちは立身出世のために組織の拡張に走るのであり、石原莞爾や板垣征四郎のような野心家が出てくる。現代における各省庁も天下り先を作る事が出世の条件であり、中央官庁は地方の出先機関に現役のまま出向させるようにした。民主党がそれを認めてしまったから、中央官庁はウハウハだ。

民主党に言わせると出向は天下りでないと言う理屈ですが、都道府県や市町村が中央官庁の天下りの受け皿になって、中央官庁の組織拡大が止まらない。特殊法人も好きなだけ作る事が出来るから国家予算は年々膨れ上がっていく。だから財政赤字は溜まる一方だ。

財務省は増税で税収の拡大を目論んでいますが、経済の状況は税収を担えるような状況ではない。問題は中央官庁の組織拡大を食い止めて、大軍縮を行なわなければなりませんが、それが出来る政治家がいない。民主党も政権をとる前は天下りの廃止や、公務員給与の二割カットを公約にしていましたが、政権をとったら棚上げにしてしまった。

日本はどのようにしたら優秀なリーダーを育てることが出来るかが重要な課題ですが、選挙制度にも問題があるのだろう。イギリスでは40歳前後の若手のリーダーが次々育っていますが、年功序列から能力主義への切り替えが出来ているからだろう。しかし能力主義もいろいろと問題があり、どのようにして能力を評価するかが難しい。

議会制民主主義が機能するためには、国民の中から優れたオピニオンリーダーも必要であり、ジャーナリズムにしても質的な向上が望まれます。そのためには優れた人材を生み出す教育の充実も無ければなりません。そうして国民レベルの資質の向上が優れた政治家を生み出す母体になる。

日本の政治家に資質に疑問を抱かせるのは、ブログなどに書かれた記事のお粗末さだ。これでは官僚たちに手玉に取られるのは明らかであり、これといったビジョンを打ち出せないのでは国民からリーダーとして支持されないのは当然だ。菅直人首相も「大臣」と言う本も書いていましたが、「株式日記」でも紹介したことがあります。


菅直人総理大臣はどうか 1998年7月11日 株式日記

自民党が作り上げた慣例は、衆議院議員の選挙で6回当選しさえすれば、誰でも大臣になれる、と言うものだ。この「誰でも」と言うところが、大事なのである。事実、当選6回以上でこれまで大臣になれなかった例は、近年では浜田幸一氏と佐藤孝行だけだった。

誰でも大臣になれる為には、一人一人が長く大臣をしていたのでは困る。そこで、ほぼ1年ごとに「内閣改造」をしなければならなくなった。更に言えば、総理大臣もまた誰でもいい、と言うのが自民党のシステムだった。・・・理念や政策は官僚達に任せ、自分達は利益配分だけを担当してきた。・・・もし、何回当選しても大臣に必ずなれるとは限らない、となったら、自民党議員の多くはやる気を失うのではないだろうか。

一方、そのような大臣を迎え入れる官僚の側は何を考えてきたのか。政治家に大臣と言うポストを与える代わりに、「官僚内閣制」を認めさせてきたわけだ。「どんな人が大臣になっても務まるように、挨拶文から答弁書まですべて私たちが用意します。大臣は私たちの言う通りに動いていただければ、1年の在任期間中、大過なくすごせるようにしますから」と言って、行政の実権を政治家の手から奪っていった。

政治家から奪うと言う事は、国民から奪うと言う事である。この結果、自民党政権が続いていると言われながらも、実態は官僚政権、霞ヶ関政権が続いていたのである。(以上 、管直人著「大臣」より)

私は金融危機、経済危機の対応が遅れてきた原因は以上のごとく官僚任せであった事が原因であったと思います。それが去年の末まで続いていました。それが山一、北拓の倒産の不手際により、政治家も慌てて動き始めました。官僚達にも手におえなくなってしまったのです。しかしながら政治家もこの危機に対して大蔵大臣のなり手がいない。総理にも私が代わろうと言う人がいない。いっそのこと管直人に総理をさせてみたらどうだろう。


(私のコメント)
菅直人が批判してきた事を、総理大臣になった今、批判してきたことをそのまま実行しているのは皮肉な事だ。民主党は一年生議員が過半数を占めているから、年功序列など無視できるはずですが、一年生議員でも大臣に抜擢できるはずだ。しかし民主党でも小沢一郎のように、一年生議員は選挙区に張り付いて選挙活動していろと言うボスが幅を利かせている。

これではやる気のある若い政治家が磨り潰されてしまうだろう。10年も国会議員をやっていると利権談合でズブズブになってしまって、日本の政治は悪い面が踏襲されていく。官僚を上回る人材がいても10年もやっていれば官僚に取り込まれてしまって丸投げするようになってしまう。菅直人もその一人なのだろう。




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