株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


各国政府が自国通貨を安くして雇用維持のために輸出振興策に打って
出ている。 人件費が高騰し、中国の輸出競争力が急速に落ちている。


2010年9月30日 木曜日

海外脱出した日本企業は二度と戻らない 9月29日 大前研一

「米国の成長は終わり、世界の市場はシュリンクする」

 現在、ドルは軟調に推移している。アメリカにドル資産を置いておいても良い利回りの商品が見つからないため資金がドルから逃げようとしている。ドルが力を取り戻す要素が見当たらないのだからドル安に歯止めがかからないのも当然と言えよう。米国最大の債券運用会社PIMCOのビル・グロース氏は、「米国の成長は終わり、世界の市場はシュリンク(縮小)する」と指摘している。彼の言葉の影響力は大きい。

 彼の唱えるDDR(de-leveraging, de-globalization and re-regulation)によって世界経済の大幅な縮小は避けられない、という見解である。これは金融危機後の経済実態が「倍率(マルチプル)の削減、グローバル化の後退、そして金融当局による規制の強化(例えばボルガルールの法制化)」の3点において世界的に経済を収縮させる、というモノである。当然、国際決済銀行(BIS)の新ルールも銀行の貸し出し余力を大幅に縮小する。結果、一番膨れていた欧米(ユーロ、ドル)の相対的な地位の低下につながる、という見方である。したがって投資家は安全資産として円または円建ての商品に向かい、円高となる、という解釈だ。

 日本経済を見れば先行きは暗いわけで、円が強くなる、という見通しは立てにくい。しかし、不動産も株も下がっているということは、世界経済から見れば中国・香港などに比べて「買い時だ」ということになる。デフレが長く続いているために価格の低下が購買意欲を誘っているし、中国などから見てもバブル崩壊後の避難場所としても魅力が出てきている。 

各国の通貨安はオリンピック競争の様相を呈してる

 自国に残るには価格を上げても売れるような商品を作るしかない。ドイツなどが好調なのはそうした企業が今のユーロ安で受けに入っているからだ。出て行った企業は中国がだめならベトナムへ、ベトナムがだめならインドやバングラデシュへ、と世界中を彷徨(さまよ)うようになる。労働集約型の繊維などがこの200年の間に見せた流転の歴史は日本にも当てはまる。

 どんな(為替を含めた)外的環境の変化があってもイノベーションを繰り返して母国で生き残るか、より安い労働力を求めて生産の最適地に移転するか、製造業にはこの二つの選択肢しかないのだ。しかも、それは90円台での話で、85円となってしまった今では意志決定は反転しないと考えるべきなのだ。

 日本政府による為替介入は本来すべきではない、というのが私の考えだ。1990年代に繰り返し見たように、政府が「最後の買い手」となることが分かっていれば為替トレーダーたちは安心して売り浴びせてくるからだ。しかし、イザとなれば「伝家の宝刀」を抜くぞ、という態度を市場には示しておかないとDDRの環境下ではナメられる。各国政府が自国通貨を安くして雇用維持のために輸出振興策に打って出ているからだ。今は自国通貨をいかに安くするかのオリンピック競争の様相を各国とも呈している。

 上述のように、製造業から見た防衛ラインは1ドル=90円だったろう。90円を割った早い段階で介入姿勢を見せていたら、ここまで円高が進行することはなかったはずだ。現在のように、介入後も85円近辺を彷徨う限り、企業としては海外移転を考慮せざるを得ず、日本の雇用は今後ますます厳しくなるだろう。

中国は人件費が高騰し、輸出競争力が急速に落ちている

 人民元の対ドルレートの推移を見てみよう。中国は6月21日、人民元の弾力化を行った。弾力化とは、簡単に言えば、ドルペッグ制(自国の貨幣相場を米ドルと連動させること)をやめて人民元を切り上げることだ。

 下のグラフを参照してほしい。案の定、人民元は上昇し、弾力化の初日から3カ月を経て1ドル=6.74元に到達している。9月27日には初めて6.7元を切っている。約3%の切り上げである。円とドルの動きから見ればまだまだ堅いが、従来に比べれば少し柔軟性が出てきた、という感じである。

しかし、先進国の通貨のように完全に自由化(フロート)させることにはリスクが伴う。一度急激に上がった後にはサヤ取り業者(アービトラージャー)が中国経済の矛盾を突いて売り浴びせる可能性が高いからである。つまり暴落する危険性がある。理由は、すでに中国企業の競争力がこの1年くらいの間に急速に落ちてきており、東ヨーロッパや東南アジア諸国連合(ASEAN)に比べても人件費が割高になっていることだ。ベトナム、ミャンマー、バングラデシュ、インドなどに比べれば、はるかに高くなってしまっているからである。

 これまで中国経済が伸びてきたのは、人民元の安さもさることながら、人件費が低く抑えられていたおかげだ。そのため、「世界の工場」としての需要が大きかったわけだが、今は人件費が高騰し、中国の輸出競争力が急速に落ちている。

世界はまったく新しい経済状況に直面している

 欧米諸国は今のところ資金供給して自国通貨を安くすることに成功しているが、そのうちに日本と同じように冷え込んでくるだろう。成熟経済の宿命として「ゼロ金利+大量の資金供給」でも市場が次第に反応しなくなることを欧米諸国も間もなく経験することになるだろう。日本が参考になるとしたら、老成経済においてひとたびデフレスパイラルに陥れば、金融政策や財投では回復しないということである。

 世界はまったく新しい経済状況に直面している。バブルを急速冷却すれば萎縮(いしゅく)した個人と法人しか残らない。金融機関も自分のサバイバルしか頭にない。血液は循環しない。新興国はとりあえず成熟国から資金を引き寄せて地球規模での需要をつくり出す。先進国では時間がかかっても若者を鼓舞し、規制を撤廃することによって新しい需要や産業をつくり出していかなくてはならない。少なくとも10年間、縮退する経済を受け入れながら(バイアグラ的な)需要刺激ではなく、新しい産業を創出する気の遠くなるほど根気のいる仕事に取り組まなくてはいけない。



(私のコメント)
日本企業が円が高くなって海外に出て行くという話ですが、国内市場が縮小してきている以上は業績を伸ばすには海外に市場を求めなければならない。一番分かりやすいのが自動車産業ですが、国内には自動車部品会社があって、自動車を作るには部品製造会社が無ければならない。しかしトヨタやホンダなどの会社も工場を海外に移して、それに伴って部品会社も海外に移転して行った。

それだけ国内の製造業が空洞化して若年労働者の失業が社会問題化するようになって来た。自動車産業も1ドル90円くらいなら何とかやっていけても85円を切ると厳しくなってくるようだ。円高で韓国の自動車がアメリカで売れるようになり品質も高くなってきた。

中国市場は世界一の自動車市場になりましたが、世界中の自動車会社が中国で販売合戦をしている。中国市場へ直接輸出すると関税が高いので中国に工場を造って売ることになります。中国にとっては工場ができることで雇用が生まれるし、豊かになれば需要が生まれ、製造技術も移転される。中国にとってはいい事だらけだ。

しかしその中国市場も豊かになるにつれて人手不足になり、賃上げストライキが起きて輸出競争力を失ってきている。だからアメリカから人民元を上げろといわれてもなかなか切り上げが出来ないでいる。このように中国の経済発展は自立的なものではなく外資によるものであり、外資も中国市場向けの進出が主体になってきた。

アメリカ市場もバブル崩壊とリーマンショックのダブルパンチで高失業率と需要が低迷して来ている。ヨーロッパも同じような状況でバブル崩壊とギリシャショックで経済はまっさかさまだ。ドルとユーロの通貨の切り下げ合戦が起きて、日本の円がそのとばっちりで高くなっている。

アメリカもヨーロッパも輸出主導で景気対策と雇用対策に乗り出してきていますが、世界中の国が通貨の切り下げのオリンピックをしている。通貨の切り下げ競争が起きれば世界の投資家たちは資産保全のために円を買うか金を買うかの行動に出る。アメリカもヨーロッパも中央銀行が国債を買って札をばら撒いていますが、それが出来る国は限られる。にもかかわらず日本は日銀が量的緩和をためらっている。

通貨をばら撒けば中央銀行の金庫は国債で溢れかえるわけですが、そのためには金利を安く出来る国でないと難しい。日本はゼロ金利を10年以上続けていますが、アメリカも実質的にゼロ金利だ。新興国はそれらの資金の受け皿になってきましたが、ドバイショックやギリシャショックなどで新興国もバブルが弾け始めた。

それらの新興国の代表が中国ですが、世界中から投資を集めて13億人の超低賃金労働者が一斉に働き始めたのだから、中国が世界の工場になった。そのおかげで中国は日本を追い抜いてGDPで世界第二位となりましたが、経済大国になっても中国は大国としての責任を担うつもりはないようだ。人民元の自由化も出来ないようでは経済成長も先が知れている。

インドやバングラデッシュも中国の真似をして海外からの投資を集めて工業国になろうとしている。そうなれば世界中に工業製品があふれる事になりますが、安さで勝負しようとする。だから新興国の通貨は信じられないくらい安いのですが、日本の年金生活者は新興国で生活すれば、家政婦も雇って優雅な生活が出来る。

日本やアメリカなどの先進国はよりクリエイティブに新産業を作り出して行かなければなりませんが、アメリカは金融立国を目指しましたが金融で失敗した。やはり製造業がしっかりしていないと雇用なども作れず中産階級も維持できない。しかし製造業も安いものを作るのではなくてソフトを組み込んだ高付加価値の製品で勝負すべきだろう。

自動車や家電製品や携帯電話などもコンピューターが組み込まれて、ソフトとハードの組み合わせた商品が売れ筋になって来ました。自動車もハイブリッドカーのようにコンピューターの塊であり、携帯電話もより高機能なスマートフォンが主力になってきました。安い通話だけの携帯電話はノキアの不振が物語るように売れなくなっていく。

テレビにしてもコンピューターが組み込まれてソフトが勝負になってくる。先日もグーグルTVの事を書きましたが、ソフトに関しては日本の家電メーカーはグーグルにソフトを抑えられてしまっている。ソフトを開発するには優秀な人材が必要になりますが、パナソニックなどは日本人よりも優秀な外国人を雇っていく企業戦略に切り替えた。

これからはソフト産業やコンテンツ産業などの分野が有望であり世界中に売れるソフトやコンテンツが有望産業になります。そうなるとその国の文化力がものを言いますが、日本の教育は相変わらずサラリーマンの養成所であり、時代の要請にあった人材の養成に失敗している。ソフト産業やコンテンツ産業は一にも二にも才能がものを言うのであり、個性的な人材を育てないとスティーブン・ジョブスやビル・ゲイツのような人材は育ってこない。




GDP世界第二位の中国ほど巨大な国がルール違反を犯した例はない。
小国がルールを破っても、世界経済全体を脅かすことはないのだ。


2010年9月29日 水曜日

中国の戦術は裏目に出る危険性も 9月28日 フィナンシャル・タイムズ

中国の漁船船長逮捕をめぐり日に日に緊張の高まる外交紛争で、最初にまばたきしたのは日本だったかもしれない。船長は24日に釈放され帰国する予定なのだから(訳注・24日に釈放・帰国)。

おかげで日本政府は、高まる中国の圧力に屈したと、国内でたちまち非難された。

しかし今回の強硬姿勢は中国政府にとって裏目に出る恐れもある。世界第2位の経済大国として日本を追い抜いたばかりの中国は、アジアで影響力を増している。その中国に対してアジア各国の懸念はただでさえ高まりつつあるのだ。

日中が揉めているのと同時に、中国とアジア各国の関係もほころび始めている。温家宝首相はこのほど、日本と領有権を争っている尖閣諸島(中国名・釣魚島)は中国の「神聖な領土」だと発言し、領土権をますます強気で主張する意図を示唆した。

「中国が強硬姿勢を強めており、なかなか交渉や譲歩をしようとしない。アジアではそう懸念する声が多い」 米シンクタンク「ニクソン・センター」の中国専門家、ドリュー・トンプソン氏はこう言う。「なのでそういう国々は、今まで以上に頻繁に、アメリカの方を見るようになっている」

南シナ海では、中国、ベトナム、マレーシア、台湾、フィリピン、ブルネイの各国がそれぞれ、全部か一部の領有権を主張する島々がある。そして東南アジア諸国の間では、中国に態度に不安が増しつつあるのだ。

アジア諸国が中国に対して不満を募らせる現状は、アジアの外交と安全保障でアメリカが存在感を取り戻す、恰好の機会となった。

ヒラリー・クリントン米国務長官はベトナム・ハノイで7月に開かれた地域会合を利用して、中国との紛争でアメリカが仲介役を務める用意があると表明。これに中国当局は多いに気色ばんだ。バラク・オバマ米大統領も24日、南シナ海についてアジア各国首脳と話し合う予定だ(訳注・米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は24日、首脳会談を開いた)。

中国は過去18カ月間にわたりインドとも、外交上の小規模な揉め事を繰り返してきた。加えて今年3月に北朝鮮が韓国の哨戒艦を撃沈した際には、中国が北朝鮮を非難しなかったため、韓国の怒りを買った。

中国の強硬姿勢が強まっているのは、共産党指導部に大幅な人事異動が予想される2012年の党大会に向けての動きだと見るアナリストもいる。他方で、経済力を政治や外交上の影響力に利用したいと中国指導層が考えていることの表れではないかと見る人たちもいる。

アジアにおける政治の潮流が変化している。日本はその典型だ。民主党が昨年政権をとって以来、日本は中国との関係改善に努めてきた。慣例を破って習近平国家副主席に天皇会見を認めたほどだ。

しかし漁船船長の逮捕に対する中国のきつい反応はむしろ、新しく外相となった前原誠司氏をはじめとする民主党関係者たちの主張に勢いを与えるだろう。日本は自国利益防衛のための軍事力を今まで以上に発揮できるよう、その能力を獲得しつつ、アメリカとの同盟関係を深化させていくべきだというのが、前原氏たちの考えだ。

一方で、日本はアジア情勢において比較的受け身で、かなりの経済力があるにもかかわらず、外交力はそれをはるかに下回り、安全保障はアメリカとの同盟に頼り切りだというのが、従来の日本のイメージだが、◆(簷の竹かんむりを取る)其雄(ジャン・キション)船長を釈放するという日本の検察の判断は、このイメージをさらに補強してしまいかねない。

「今回のことが、圧力に弱い日本というイメージを作り出してしまうのは、間違いない」。安全保障問題に詳しい岡本行夫氏はそう話している。


米中「貿易戦争」を覚悟せよ 9月28日 ニューズウィーク

スムート・ホーリー法の歴史を知っている人なら、間もなく米中貿易戦争が勃発すると聞いて平常心ではいられないだろう。1930年、米フーバー政権は国内農業を守るため、外国からの輸入品の関税を記録的な水準に引き上げるスムート・ホーリー法を施行。諸外国が報復措置としてアメリカの輸出品に高い関税をかけたため、世界経済は停滞した。

 米中は今、当時のような貿易戦争に向かって突き進んでいる。しかも、貿易戦争が勃発したほうがプラスになる可能性が高い。

 スムート・ホーリー法は世界大恐慌を引き起こした直接の原因ではないが、世界的な報復合戦を招き、大恐慌をさらに深刻化させたのは確かだ。グローバル経済の回復が完全でないなか、人民元の切り上げを拒む中国に対してアメリカが対抗措置を取れば、かつてと同じ報復合戦を招くかもしれない。そして不幸なことに、アメリカはこのリスクを冒す必要がある。

 この10年間で中国は広大な貧困国から経済大国に変貌を遂げた。一人当たりの国民所得は(2009年は6600ドル)はアメリカ(4万6400ドル)の7分の1だが、その経済規模がグローバル経済に与える影響は増す一方だ。今年のGDP(国内総生産)は、日本を抜いて世界2位。09年には輸出額でドイツを抜いて世界一になり、世界最大のエネルギー消費国でもある。

 問題は、中国が世界経済の基本原則を本気で受け入れる気がないこと。国益にかなう場合には世界共通ルールに従うが、国益に反するときはルールを拒んだり、変更したり、無視したりする。アメリカを含むすべての国が中国のように振舞いたいし、実際にルール違反を試みた国も多い。ただし、そうした国が中国と違うのは、自国の短期的な利益を犠牲にする必要がある共通ルールの正当性を認めていること。しかも、中国ほど巨大な国がルール違反を犯した例はない。小国がルールを破っても、世界経済全体を脅かすことはないのだ。

中国の為替政策で350万人の雇用が消えた?

 中国の身勝手な振る舞いの最たる例は、人民元の価値を過小評価し、輸出主導の経済成長を促進していることだ。とばっちりを受けているのはアメリカだけではない。安値で輸出し、高値で輸入する中国は、ブラジルからインドまで多くの国の経済を傷つけている。06、10年にかけて、世界の輸出額における中国の割合は7%から10%に急増した。

 アメリカの歴代大統領は長年、人民元相場を見直して輸出競争力を低下させるよう中国に求めてきた。だが中国は、国内消費の強化の必要性は認めつつも、輸出に影響を及ぼさない範囲でしか人民元相場を上昇させないつもりのようだ。

 中国は05年半ばから08年半ばにかけて人民元相場を約20%上昇させる為替レート改革を行ったが、その大部分は生産性向上によるコスト削減によって埋め合わせ可能だった。しかも、経済危機が勃発すると、この改革さえ中止。最近になってようやく人民元の上昇を再び認めたが、為替レートはほとんど動いていない。

 人民元がどれほど過少評価され、それによって何人のアメリカ人が職を失ったかを示す明確な数字はない。だがピーターソン国際経済研究所によれば、人民元相場が20%上昇すれば、2、3年で30〜70万人のアメリカ人の雇用が創出されるという。

 リベラル系シンクタンクの経済政策研究所のエコノミスト、ロバート・スコットは、アメリカが対中貿易を行ってきたせいで350万人の雇用が失われたと推定する。この数字は大げさすぎるかもしれない。中国製品の輸入を止めれば代わりにアメリカ国産品が消費されるという前提に立っているが、実際には他国からの輸入品に取って代わられる可能性があるからだ。それでも、経済危機で職を失った総計840万人より小さな数字ではある。

 中国が人民元の切り上げに応じなければ、報復という選択肢が浮上する。中国もボーイングやエアバスの購入を控え、アメリカ産大豆の代わりにブラジル産を輸入するようになるだろうから、いよいよ貿易戦争が勃発するかもしれない。

 ティム・リアン下院議員(民主党)とティム・マーフィー下院議員(共和党)は、中国の為替操作は事実上の輸出補助金に相当するとして「報復関税」の課税を認める法案を提出した。経済学的にはもっともな主張だが、WTO(世界貿易機関)に不当と退けられる可能性はある。

 米下院歳入委員会は9月24日、報復関税を含む対中制裁法案を可決した。今週にも下院本議会を通過するかもしれない。



(私のコメント)
NHKの「クローズアップ現代」が尖閣諸島問題を取り上げないのは、例によって例のごとくなのですが、日曜日の日曜討論やNHKスペシャルでも尖閣の問題はやらなかった。NHKではたいした問題ではないと思っているのでしょうが、中国に対する国際社会の見方が大きく変わってきました。それに対して中国が今までのやり方を変えようとしていない。

中国が途上国である内はルール破りも多めに見られてきましたが、GDP世界第二位の経済大国になればルール破りは許されない。中国自身も経済規模が大きくなればなるほど世界との関わりが大きくなって来ているから自分勝手な行動が許されない。尖閣諸島でも自分勝手な行動が繰り返されましたが、これは自分で自分の首を絞める事になるだろう。

今まで中国が人民元をドルに固定できていたのも、アメリカ政府がそれを容認してきたからですが、弊害がアメリカにも及んでくるにつれて、アメリカ政府も相殺関税などで対抗するかもしれない。アメリカは既に10%近い失業者を抱えて政府への不満が高まって来ている。中国政府はその流れを読むことが出来ないのだろう。

中国は高度成長を維持している内はいいが、経済が不調になってくると、その影響は政治にも及んでくるだろう。中国は軍が経済でも大きく関与している為に経済が不調になれば軍が黙ってはいない。国営企業の多くは軍が経営しているだけに押さえる事が難しいだろう。

アメリカにしても中国に負けず劣らず自分勝手な国であり、中国が自分に都合がいい国であるうちは手を組むし、悪くなれば手のひらを返して来る。中国政府が柔軟にアメリカに対処して人民元を少しづつでも上げていけば先送りは出来るのでしょうが、それが出来ないのは、輸出依存体質を変えられないからだ。

中国のような国土が大きく人口も大きな国は内需主導の経済にして、元も切り上げて輸入物価を安くすることが国益なのですが、それができない。だから国内ではインフレと賃金の引き上げで経済競争力を失っていますが、中国のエコノミストはそれが分からないから人民元の安値固定に固執する。

アメリカにしても中国にしても、経済で行き詰れば軍事で局面を打開しようとするだろう。だからイラク戦争やアフガニスタン戦争で梃入れしようとしていますが、ゲリラが相手ではミサイルや戦闘機を消費しない。だから新たに戦争場所を求めて来ているのでしょうが、朝鮮半島と台湾海峡になるかもしれない。そこで代理戦争が行なわれるかもしれない。

朝鮮半島ならば韓国と北朝鮮の戦争になりますが、台湾海峡でも台湾と中国が戦争するかもしれない。アメリカと中国の代理戦争になりますが、日本も関与させられるだろう。もちろん限定的な戦争になるのでしょうが、ミサイルや戦闘機や軍艦が大量に消費されてアメリカの軍需産業は息を吹き返すかもしれない。

FT紙やニューズウィーク誌に書かれているように、経済報復合戦が拡大していけば軍事衝突にも繋がるかもしれない。尖閣諸島における日中の対立はそれを予感させられるものですが、日本政府や国民にその気構えがあるだろうか? 韓国の哨戒艦沈没事件は解決されていないし、尖閣でも日中の衝突がこれから激化するだろう。

韓国や台湾にとっては米中の思惑は迷惑な事ですが、日本もそれに巻き込まれる可能性が高い。日本の外交と防衛はアメリカに丸投げ状態であり、尖閣問題でもそれが分かった。いずれ中国は軍艦を出してくるでしょうが日本政府はどうするだろうか? 中国は以前の中国ではなく最新の近代兵器で武装しているから日本も対抗できる武装が必要になる。

現在の極東アジアの情勢は明治維新の頃に良く似ている。アメリカは南北戦争の後遺症で動けず、イギリスもボーア戦争などで極東にまで手が出せない。ロシアが南下政策で極東に手を出し始めていた。そこで朝鮮半島をめぐって清とロシアと日本の三つ巴になった。

韓国や台湾は、単独では中国に対抗できないから中国に併合されるかアメリカに頼るしかない。台湾が中国に落ちれば中国は自由に太平洋に進出してくるだろう。それを抑止しているのが在日米軍だ。しかしオバマ・クリントン政権ではG2などといって中国をアジアの覇権国と認める姿勢も見せていた。しかし日本で民主党政権が出来てアメリカ離れを模索する動きが出てきてアメリカは慌てた。

中国が洗練された民主国になることが不可能な事は、今回の尖閣問題でも明らかだ。中国は国際ルールも守らず無視すれば世界から孤立する。インドやブラジルなども中国の人民元に対して抗議していますが、中国のひとり勝ちは許されない。貿易は相手国があって出来る事なのだから、国際ルールを無視すれば世界から非難されることになる。

人民元が引き上げられて中国の工場のメリットが無くなればグローバル企業はインドやアジア諸国に移転していくだろう。中国はそれに耐えられるだろうか。技術革新競争はますます激しくなり、単に安いだけでは他のアジア諸国に負けるだろう。人民元は引き上げられないのは中国の経済競争力の弱さを中国自身が認める事になる。


温家宝首相、人民元の大幅切り上げの可能性を否定―米紙 9月25日 レコードチャイナ

2010年9月22日、国連総会に出席するためニューヨークを訪問している中国の温家宝(ウェン・ジアバオ)首相は、米国の友好団体が主催したパーティーに出席した際、「人民元はまだ大幅に切り上げできる条件を備えておらず、大幅に切り上げれば中国社会に大きな混乱を引き起こす可能性がある」と語り、人民元の大幅な切り上げの可能性を否定した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道を24日付で財経網が伝えた。

温首相は「米国政府が要求するように人民元を20〜40%切り上げれば、中国の企業がどれだけ倒産するか、どれだけの労働者が失業し農村へ戻らねばならないか想像がつかない。そうなれば、中国社会に大きな混乱が起こるだろう」と指摘した。

さらに「人民元レートの問題は経済問題であり、政治問題化すべきではない」とした上で、「たとえ人民元レート問題が解決したとしても、貿易不均衡は解決できない。その問題については両国で協力して解決していく必要がある」と述べた。

また、中国経済については「中国は発展途上国であり、多くの構造的な問題に直面している。中でも最大の問題は発展の不均衡であり、持続可能な発展性に欠けている」とし、「中国は引き続き改革開放政策を堅持していく」と語った。(翻訳・編集/HA)




尖閣諸島での日米間の安全保障や日本の領有権の主張において、
米国から「確約」を引き出し、中国政府の「出方」を探ることができた


2010年9月28日 火曜日

「尖閣」日米安保の適用対象 クリントン長官、前原外相に強調 9月24日 産経新聞

【ニューヨーク=酒井充】前原誠司外相は23日午前(日本時間同日夜)、ニューヨークでクリントン米国務長官と外相就任後初めて会談した。クリントン氏は沖縄・尖閣諸島付近で海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突した事件に関連して、尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象であるとの見解を強調した。今月7日の事件発生以来、米側がこうした見解を直接、日本側に明言したのは初めて。海洋権益を拡大する中国に対し、日米両国が足並みをそろえて牽制(けんせい)した格好だ。

 前原氏は約50分間に及んだ会談で、衝突事件について「東シナ海に領土問題はない。日本の国内法にのっとって粛々と対応する」と述べ、日本政府の対応を説明した。その上で、尖閣諸島を日米安保条約の適用対象としている米側の従来の立場に謝意を示し、日中間で問題解決に取り組む決意を示した。

 これに対し、クリントン氏は尖閣諸島について「明らかに日米安保条約が適用される」と語った。日米安保条約第5条は「日本国の施政の下にある領域」で「いずれか一方に対する武力攻撃」があった場合に、「共通の危険に対処するように行動することを宣言する」としている。



【中国ブログ】尖閣諸島問題、船長釈放でも「わが国完敗」の理由 9月27日 サーチナ

中国ではこのほど、那覇地検が24日下した、沖縄県尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船との衝突事件における中国人船長の釈放処分に対する関心が高まっている。また、一部では、釈放された船長の「尖閣諸島にはまた機会があれば漁に出る」などという発言を報じ、「戦勝ムード」を盛り上げるメディアもある。

 しかし、中国国内在住の中国人ブロガーは、「それでも中国は完敗」などと、中国の対応の“手ぬるさ”をバッサリ「斬って」いる。

 ブログ「張小潔の幸福生活」では、「同文章が削除も覚悟の上」として、今回の衝突事件を「日本が完勝した5つのポイント、中国が完敗した4つのポイント」などと分析。日本の「完勝ポイント」については、◆尖閣諸島での日米間の安全保障や日本の領有権の主張において、米国から「確約」を引き出した◆尖閣諸島における中国政府の「出方」を探ることができた◆衝突問題における船長の釈放が検察庁の判断であり、日本政府の判断ではないことから「外交問題ではない」との日本の姿勢が強調された◆日本国内の反中感情をあおることに成功した◆自国社会における様々な矛盾に対する、中国人の「鈍感さ」を日本人に知らしめた――などを挙げ、日本政府の“したたかさ”を強調している。

 一方、中国の「完敗ポイント」は、◆領有権の侵害という最も大きな主権侵犯に対して、大使の召還や国交断絶などの厳しい措置を取らなかった◆経済制裁を発動しなかった◆同問題に対する国内の世論をコントロールし切れていない◆日本政府から謝罪や賠償を引き出せない上、船長をチャーター機で自ら迎えに行っている――などとし、中国政府の対応を「手ぬるい」と厳しく指摘した。(編集担当:金田知子)



米中関係は日本に左右されてはいけない=米華字紙 9月28日 中国網日本語版

中国網日本語版(チャイナネット)によると、米国の華字紙「僑報」は24日、「米中関係は日本に左右されてはいけない」との論評を掲載した。以下は論評より。

 9月24日、日本は「処分を保留する」形で、違法に拘留していた中国漁船の船長を釈放した。これをもって、日中の尖閣諸島(中国名:釣魚島)海域付近での衝突事件は一段落したが、尖閣諸島をめぐる争いはまだ終わっていない。

 歴史から見ても、日本は米国が中国の勢力を抑えるための「手先」として使われてきた。日本は米国の利益闘争に利用されることで、自国のアジアでの大国としての地位を保ってきたのだ。今回の衝突事件からも分かるように、日本の国内は大荒れである。3年間で首相を5人も交換して起死回生を図ろうとも成功せず、日本円はどんどん高騰し、GDPでも中国に世界第2の地位を奪われた。

 気を揉んだ結果、日本は自分の大国としての地位を守るためには、米国と中国の利益闘争という関係を利用することが好都合であると考えたのだ。中国は衝突事件で一貫した立場を示し、取れる行動の選択肢も多かった。ハイレベル協議の中止などの報復処置もそのひとつである。台湾・香港・マカオも含め、国内外にいる中国人の尖閣諸島を守ろうとする気持ちは日に日に強まり、もはや軽視してはいけない勢力となっている。

 米国は石橋を叩いて渡らなければいけない。中国の勢力も食い止めたいが、尖閣諸島の問題で日本に左右され、中国との関係に水を差すのも気に食わないことだろう。米中の4000億米ドルにものぼる貿易総額や、近日の軍事交流の回復など、両国の関係は全体的に喜ぶべき方向に向かっていたのだ。しかし、アメリカの態度は混乱してはっきりせず、ジョセフ・バイデン副大統領は、「米中関係が進展し合理的な関係を築けるかどうかは日本にかかっている」と述べている。

 また、米軍も正式に、日本を支持すると公表した。しかし、一方で米国務院は今回の事件を調停する役目は負わないとの慎重な姿勢を示している。ヒラリー国務長官も、日中は外交と話し合いの方法で尖閣諸島問題を平和的に解決すべきであると述べている。

 支持するにしても批判するにしても、米国国内の不調和はあってはいけないことだ。尖閣諸島を含めた日中関係の問題は日中両国間だけで解決すべきである。米国が間に入ると、事を荒立てるだけでなく、日本に誤解を与えることにもなる。その為、日本は米国の後ろ盾があると勘違いし、間違った判断と行動をしてしまうのだ。


(私のコメント)
今回の尖閣諸島近海における中国人船長逮捕騒動は、中国政府やアメリカ政府の出方を見るのには絶好の機会であった。中国は沖縄から米軍がいなくなれば尖閣諸島に出てくることがはっきりした。米軍がいたとしてもアメリカが中立的態度でいれば中国は出てくるだろう。そうなれば沖縄の米軍は何の存在価値もなくなるから、アメリカは何らかの態度を示す必要に迫られた。

前原・クリントン会談で尖閣諸島が日米安保の範囲内である事が国務長官との会談ではっきりした事が出来ましたが、従来は元高官や報道官の発言どまりだった。アメリカとしても中国を刺激したくない事は明らかですが、問題が起きた時にアメリカが中立的な態度だと沖縄の米軍基地の存在意義は無くなる。

鳩山政権で海兵隊基地の海外への移転を打診した事は、今回の尖閣問題で効いて来ているのであり、日中が尖閣で武力衝突してもアメリカが日米安保の範囲外と中立を決め込む恐れもあった。そうなると日本としては在日米軍基地の存在意義が無くなる事になる。問題なのは日本政府の態度であり、尖閣諸島に自衛隊を常駐させればいいだけの話だ。

尖閣諸島の問題は、台湾防衛とも絡んでくる話であり、尖閣でアメリカ政府が何のコミットメントもしなければ中国は南沙諸島や西沙諸島のように中国は実効支配してしまうかもしれない。台湾やフィリピンやベトナムやマレーシアには米軍基地がないから、アメリカのコミットメントが効かなかったが、日本には米軍基地がある。

少なくとも中国は今回の件で尖閣諸島を急襲して実効支配することは難しくなった。だから中国政府は怒り狂っているのであり、この意味では中国政府の完敗でもあるのだ。中国政府は日本人4人をスパイとして捕まえましたが、中国では橋を撮影しただけでもスパイにされて逮捕されるようだ。

このような中国政府の過激な反応は自分で自分の首を絞めるようなものですが、裏では何かあるようだ。直接批判が出来ないから対日批判で北京政府を揺さぶってやろうという見方もある。アメリカにしても尖閣で日本を揺さぶれば海兵隊基地問題もやりやすくなる。狙いは温家宝だろう。


狙いは温家宝か? 9月23日 がけっぷち社長

ベトナムやフィリピンでやり合っているのは事実だが、非常に申し訳ないが、それらの国と日本の重要度はまったく違う。
人民解放軍の幹部たちは、むしろ日本との商売の利権が欲しいのであって、本気で戦いを挑んでくる理由がまったく見当たらない。
仮に経済が悪化したとしても、矛先が向かう可能性が高いのは北京政府のほうだ。
それこそ、上海なぞは昔から独立を求めているのであり、独立したとなれば、北京と組むよりも日本と結びつくことを狙うだろう。
前の記事の繰り返しになるが、基本的に彼らの反日はイデオロギーでもなんでもなく、利権と権力闘争の問題なのだ。

ただし、こいつらのなかに潜んでいる工作員とアメリカおよび日本のバックにいる連中との共同作戦が始まる可能性だけは否定できない。
ジョセフ・ナイの「対日超党派報告書」にあるように、日中を戦わせることを本気で考えている連中は確かに存在するし、そのために日中のなかにそれを誘導する勢力が存在するとも言えるわけだ。

そして、ご存知のように、すでに日本ではそれをやらかしそうな連中が国のトップに就いている。
このことだけは警戒しなければならないはずだ。

となると、問題なのは中国側の権力体制だ。

ここで温家宝が出てくる。
この人は、日本にとっては非常に歓迎すべき中国のトップだ。
言っておくが、この人がいい人であると言っているのではない。
おそらく、あの地位に至るまで、ものすごい権力闘争を生き抜いてきたわけだし、人の数百人や数千人殺していてもおかしくもなんともない。
当然、彼は中国および自分の人脈のために行動しているわけであって、日本のために行動しているのではない。

単純な評価として、いまの日本にとって都合がいいというか、お互いの利害が一致しているという意味で、歓迎すべきと言っているだけだ。

そして、この人が狙われる可能性は非常に高い。
とくに上海閥の人間にとっては、温家宝ほど邪魔な人間はいないと言っても過言ではないからだ。

いま開催中の上海万博だが、これに関して、上海閥が温家宝に見事にしてやられたことがある。
上海万博のチケットが、中国国内で大量に買い占められたという話を聞いたことがあるだろうか?
実際、上海閥は、中国各地の要人を招待し、上海で大変なもてなしを行なおうと計画していたという。
もちろん、ただの接待なんぞではなく、権力闘争であって、自分たちの勢力のなかに取り込みをはかろうとしていたのは言うまでもない。

ところが、開催の直前になって、温家宝がある発言をした。
国家や地方のカネを使って上海万博に行こうなんてことはあってはならないと痛烈に批判し、要人たちの足を止めてしまったのだ。

上海万博は、なにも上海だけの問題ではなく、中国の威信をかけたものである。
しかし、これが権力闘争に利用されることを察知した温家宝は、上海万博を犠牲にしてでも、権力の保持を行うべきと行動したわけだ。
その結果、開会当初の上海万博の入場者は非常に少なく、事実上の失敗であるという声さえも聞かれるような状態だった。

そして、ときを同じくして、上海閥に対する粛清も進められた。
今年の春、海外に逃亡した中国要人に関するニュースが多かったのを覚えている人も多いだろう。
中国の権力闘争とは、ここまで過酷なものなのである。

多くの日本人は、そんな汚いことが…と思うかもしれないが、これが世界の常識というものだ。
日本だって、国民が知らないだけで、裏では相当のことが行われてきている(最近、それがネットなどで見えるようになってきた)。
これは、いいとか悪いとかで判断することではまったくない。
国家にしても、組織にしても、それを維持していくのは綺麗事じゃ済まないということだ。

しかし、これは温家宝にとっても諸刃の剣だったことは間違いない。
当然、上海閥およびそれと連動した海外勢力とて、逆襲を考えないはずがないのだ。

そして、このタイミングだ。
その温家宝が国連総会に出席する直前に、尖閣でのこの事態である。
中国国民は確かに冷静だが、上層部はいままさに戦乱状態に突入していることは間違いない。

よって、温家宝は、あのような強気の発言をせざるを得なかったということだ。
このままその話を避け続けたなら、どこで権力の座から引きずり下ろされるかわからない…これが中国の現実なのだから。
ただ、前の記事で書いたように、したたかな狙いもあることは間違いないし、そこまで焦っているとか慌てているとはおいらは思っていないけどね。

さて、仮に、温家宝が失脚したとなればどうなるか?
その流れで考えれば、上海閥の巻き返しも当然あるし、対日強硬派が台頭することは間違いないだろう。
戦争になるかどうかはともかくとして、日中自滅シナリオに突入する可能性は非常に大きい。



(私のコメント)
このように日本は米中の狭間に立って、アメリカと中国の分析を綿密にして行かなければならないのですが、日本政府には情報部がないしシンクタンクもあっても機能していない。アメリカや中国は様々な勢力が入り組んでいるから、日本としては誰が実権を握っていて将来どうなるかを分析しなければなりませんが、それができる人がいない。

オバマ・クリントン政権が出来て日米中関係がどうなるかを占うには、尖閣諸島の今回の問題は非常に参考になる。オバマの米中によるG2戦略は、日本の鳩山政権によるアメリカ離れを模索した動きで変更を迫られている。がけっぷち社長のブログでも書かれているように、アメリカは日本の協力無しには東アジアにおけるプレゼンスは無くなる。中国はアメリカと協調できるような国ではないことが今回の尖閣問題でも見えてきた。レアアースの禁輸も自分で自分の首を絞めるようなものだ。




YOUTUBE系の動画配信で、個人クリエイターがどんどんTVという媒体
に登場することも可能になり、既存のテレビ局は過去の遺物になる。


2010年9月27日 月曜日

次世代TV市場で日本の電機メーカーは生き残れるのか【遠藤吉紀】 9月24日

GOOLE TVとAPPLE TVが、この秋ついに発売される。俗にインターネットTVといわれ、既存の放送局の番組や放送時間とは関係なく、ケーブルTV(これは時間の制約があるが)やインターネット上の映像媒体を自分の好きな時に好みに応じてみることができる。

 たとえば検索ウィンドウに<石川遼>と入力すれば彼が登場する番組がすべてリストアップされ、その中から好みの番組をセレクトするということが可能になるのだ。そしてその可能性は既存の番組にとどまらず過去の番組や、自分がHDDに録画した映像まで広げることもできるようになるそうだ。アメリカで発売されるGOOGLE TVはかつてSONYだったメキシコのFOXCONNの工場でのOEM生産。サイズは20”〜46”までで8月から月産40万台。年内中に200万台というかなり強気の生産量だ。APPLE TVはセットトップBOX型での販売でディスプレイは含まないが価格は何と99ドル。まだGOOGLEのほうは具体的な価格が発表されていないが、生産台数から考えるとAPPLEと同様、その販売方法は携帯電話のようにハードの価格を極力抑えケーブルTV との契約、また有料チャンネルの利用費を考慮して非常に安価に設定される可能性がある。

 既存のTVでは考えられなかったような新しいスタイルの TVは、このように販売方法だけでなく番組製作や、広告などすべてにおいて全く違ったかたちの市場を創出する可能性がある。たとえば制作では、今までのように大手の広告代理店がスポンサーと契約してその費用での番組制作という流れだったものが、今後は制作側が独自にスポンサーをみつけ(もしくは資金調達し)、番組を制作して配信会社に売り込む、といったこともできるし、YOUTUBE系の動画配信で個人クリエイターがどんどんTVという媒体に登場することも可能になる。これは今までのテレビ局を中心としたブロ-ドキャスティングの世界に壊滅的なインパクトを与えていくであろうことは容易に想像できる。

 そして非常に重要なことは、このようなTV(やそのOS)を開発し、実現させたのが今まで世界を席巻していた日本のTVメーカーではなく、APPLEや GOOGLEといったITメーカーだということだ。簡単に言ってしまえば、この次世代TVは、なんら日本の技術開発には依存するところがないので誰でも作れてしまう、つまり安く生産できるところに製造はすべて流れてしまうということだと思う。
 確かにGOOGLEの第一弾はSONYブランドで発売されるらしいが、その生産はアメリカにおいてはEOXCONNでのOEM生産なので日本における生産拡大に寄与することはない。前回のBLOGに書いたように雇用促進や国内総生産にはほとんど関係ないといえる。これは考えてみると恐ろしいことだ。ついにTV市場においても日本のアドバンテージがなくなってしまうのである。

 確か90年代当時、電話、TV、PCのどれがコミュニケーションの主流になるか、ということが問われていたことがある。結論としては、それぞれが個別に進化を続け現在に至っているのだが、PCでは、CPUはインテル、OSはマイクロソフト、そしてメモリーも台湾韓国勢にお株を奪われ、携帯電話に関しては、最高の技術と品質で世界を席巻してもおかしくなかったのに、CDMA規格に追従できずあっけなく敗北、最近ではタブレット型でもAPPLEに簡単に押されてしまい、いいところはまるでなし。そして最後の牙城として何としても頑張ってもらいたかったTVにおいてもついにその時が来てしまったか。。。という誠に残念な思いを隠すことができない。

 日本は、この次世代TVの隆盛に対し、どうも最新のウェブ技術言語である「HTML5」に日本が持つ「BML」というテレビとインターネットを連動させる規格を盛り込み、その日本規格を世界の標準にする目論見らしいのだが、その規格に準じたTVの商品化は2〜3年後だそうだ。この一大事にも関わらず相変わらず稟議書にたくさんのハンコをもらう作業に時間を費やさなければならない企業のお粗末な状況が容易に想像できてしまう。ちょっと絶望的だ。2年もあれば市場はあっという間にアメリカ勢や韓国、台湾勢の猛攻に席巻されてしまうことが目に見えるようだ。

 このような流れに対して、日本以外の新興TVメーカーのアクションは日本と違って非常に迅速だ。韓国勢は既に強大化したサムスンやLGがそのシェアと開発力を武器にGOOGLE TVのOSを踏襲しながらアプリを主流とした新しい形態のTVを年内にも発表予定。また台湾勢はこちらも巨大化したEMSメーカー各社が傘下にあるディスプレイ製造メーカーとの連携を強化し、客先(もしかしたら日本のTVメーカーが中心になるかも…)からの要望に備え一括でTVの生産ができる体制づくりを着々と始めているようだ。

 果たして日本のTVメーカーは、どのような方法でこの流れに立ち向かおうとしているのか??? もはや、「裸眼で3Dが観れる!」ようなTVを発表したところで何のインパクトもないと思うのだが…。

 最近、日本のTV番組は、ほとんどが見たこともないような4流5流のお笑い芸人を集めたクイズ番組や、温泉、グルメ特集がほとんどで、全くと言っていいほど精彩を欠いている感がある。これらに比べたら、見たい番組を見たい時間に、そして無数の中から選ぶことができる次世代のTVが間違いなく非常にはやいスピードで市場に浸透するであろう状況が、容易に想像できてしまうのは私だけだろうか。。。


次世代テレビの「台風の目」が登場へ 9月15日 日経エレクトロニクス

既に報じられているように,米Google Inc.,ソニー,米Intel Corp.などが共同開発を進めている「Google TV」が,2010年内に米国で発売されます。まずはソニーが対応テレビを商品化し,2011年以降は他のテレビ・メーカーなども追随すると見られています。

 Google TVが挑戦する「テレビとインターネットの融合」は,次世代テレビのメーン・テーマと言えます。実際,1990年代後半からテレビ・メーカーやIT企業などによって様々な取り組みが進められてきました。しかし筆者は,いまだかつて「成功」と呼べるものはないと考えています。「このインターネット機能があるから,このメーカーの製品を買った」というように,消費者にとってテレビを購入する際の選択のポイントになっていないからです。

 こうした中で,Google TVはかつてないほど大胆な挑戦であると思います。筆者が注目しているのは以下の3点です。(1)テレビ放送とインターネット上の各種コンテンツのシームレスな統合,(2)ソフトウエア配信基盤「Android Market」への対応,(3)Androidケータイ/iPhoneをリモコンとして使える,という点です。

 (1)は,ユーザーが見たい,知りたい情報は,それがテレビ放送の番組であろうと,インターネット上の動画やWebサイトであろうと,シームレスに再生できるようにするもの。テレビ画面の検索ボックスにキーワードを入力すれば,検索結果がコンテンツの種類や所在とは無関係に並列して表示されます。

 インターネットとの融合を目指した従来のテレビには,画面を長らく「支配」してきた放送局への配慮がありました。インターネット上のコンテンツを画面に表示する際には,テレビ番組の表示の邪魔にならないように位置を工夫する,などです。

 しかし,Google TVには放送局への配慮は見られません。Google社らしく,「ユーザーは何を欲しているか」というニーズに忠実に開発を進めたのです。もちろんそこには,パソコン向けで大成功を収めた検索連動広告をテレビに持ち込んで,新たな収益源にしようというビジネス戦略もあります。

 (2)はスマートフォンでの成功モデルをテレビにも展開しようというもの。テレビを動画の再生装置に留めず,ユーザー各自が好みのアプリケーションをダウンロードして使えるようになります。ゲームはもちろん,テレビ番組に関連した各種のアプリケーションが人気を博するかもしれません。

 そして(3)は,テレビとインターネットの融合において課題として指摘されてきたリモコン入力に対する改革提案です。テレビは元来,放送された番組を見るだけの受動的なデバイスですが,インターネット機能の追加によって検索キーワードの入力など能動的な作業が必要になります。

 とはいえ,ユーザーにとっては数字キーが並んだリモコンで文字を入力するのは苦痛です。そこでGoogle TVでは,AndroidケータイやiPhoneをリモコンとして使えるようにします。こうしたスマートフォンのユーザーは,ボタンだらけで使いにくいリモコンから解放されます。テレビで視聴していたコンテンツの続きを,外出先でスマートフォンで見られるなど,両者の連携機能が搭載されるかもしれません。

 このように新しい仕掛けが数多く盛り込まれるGoogle TVですが,成功に向けての課題が多いのも事実です。例えば,「新機能を消費者にいかに訴求するのか」,「新たな広告モデルは機能するのか」などがあります。テレビ局の力が強い国内のテレビ業界からは,「あの機能のままで国内発売できるかは疑問」という声も聞こえてきます。

 筆者もGoogle TVがビジネス面で成功を収めるかどうかは,正直分かりません。ただ,テレビの将来に向けて有意義な挑戦であることは断言できます。Google TVの発売を機に,次世代テレビについての議論が盛り上がることを期待しています。


(私のコメント)
グーグルがユーチューブを買収していますが、いまだに赤字経営が続いています。これはいずれ何らかの事業を目指していたからでしょうが、Google TVでその正体が見えてきたようです。これまでもネットとテレビの融合は試みられてきましたが、いずれも上手くは行っていない。ユーチューブも既存のテレビ番組をアップする事は著作権法などの壁があって出来ない。

Google TVはどのようなビジネスモデルになるのかは分かりませんが、巨大サーバーでコンテンツの供給を受けて、ユーザーは好きな時間に好きな番組を視聴できるようになるらしい。もちろんコンテンツには広告などがついてダウンロード数に応じて料金が支払われるようになるのかもしれない。

いわば既存のテレビ局のやっている事をそのままネット上に持って来てしまって、ユーチューブと既存のテレビとの境をなくしてしまう試みだ。くだらないバラエティ番組ばかりやっているテレビは誰も見なくなって、キーワードを打ち込むと関係した番組のリストが出てきて選べる仕組みになるだろう。

ユーチューブが赤字でありながら事業を続けているのは、コンテンツを作り出す製作者を養成するためであり、事業収入が得られるビジネスモデルが出来上がれば、製作者や制作会社はコンテンツを一斉にGoogle TVに提供するようになるだろう。

今でもテレビ放送はテレビ局の下請けのプロダクションが製作していますが、Google TVが出来ると、スポンサーと製作プロダクションが直接結びつく事になる。番組をダウンロードするから誰が見たかも分析が出来るし、スポンサーにとってもテレビ放送では得られないユーザー情報が得られる。

今でも広告がテレビや新聞や雑誌からネットに移行していますが、ネット広告は客層を絞った効果的な広告が出来るから効率が高い。Google TVではそれを動画配信でしようと言うのでしょうが、従来のテレビで利用できるようになる。ソニーとグーグルで対応テレビを作っていますが、問題はどのようにコンテンツを揃えるかです。

従来のテレビ番組の提供を求めてもテレビ局は番組を囲い込んで提供しないかもしれないし、著作権者の壁もある。しかしビジネスモデルが出来上がって収入が得られるようになればテレビ局も背に腹は代えられずにGoogle TVに番組を提供するようになるだろう。

日本のテレビ局は、不動産屋化して電波利権で利権を得ていますが、Google TVは、それらの利権を無効にしてしまうインパクトがある。日本の家電産業も単なる端末メーカーになり技術の主導権はグーグルやアップルになってしまうだろう。結局はOSの技術を持つものが次世代テレビの主導権を持つものであり、日本の家電産業はパソコンの時のようにテレビ機器開発の主導権を奪われてしまう。

最近になってパソコンは様々な形に変化して来ている。パソコンが携帯電話になってアイフォーンになり、パソコンが電子書籍なってアイパッドになった。今度はパソコンがテレビになってGoogle TVになるのだろう。ソニーやパナソニックはパソコンも携帯電話も電子書籍もテレビも造ってはいるが、融合させる事ができないのはOSを作ることが出来ないからだ。

ソニーはアンドロイドでGoogle TVを作りますが、その他の日本の家電企業は独自のBMLの規格を作って対抗しようとしていますが、2,3年先になるそうです。その頃には業界のスタンダードは決まってしまっているだろう。日本の家電産業はソフト開発を下請け会社に請け負わせてきたから、使い捨てにされて技術の集積が出来なかった。

家電端末とコンテンツを繋ぐのがソフトの役割ですが、日本は決定的にソフト技術で弱い。ソフトは機能が高度化すればするほど製作が困難になりますが、時間も非常にかかる。マイクロソフトのようなパソコンOSの王者も携帯用OSでは苦戦している。グーグルのアンドロイドにその座を奪われようとしている。

携帯電話のトップメーカーのノキアもスマートフォンの開発に手間取り、やがては携帯電話市場から撤退していくようになるだろう。携帯電話からテレビにいたる機器のOSは、米グーグルの「アンドロイド」かアップルの「iOS」が主導権争いをしている。日本のメーカーはカヤの外であり、画期的な新製品を作れないのもソフト開発力が弱いからだ。

携帯電話の世界にアイフォーンが殴りこみをかけてきたように、テレビの世界にもアップルやグーグルが殴り込みをかけてくる。ネットがベースだから電波利権も基地局といった利権も関係が無くなり、サーバーがアメリカにあれば日本の監督官庁も規制が出来ない放送が行なわれる。アダルトサイトなどはアメリカからダウンロードして見ている。

日本のテレビ局は韓国ドラマばかり放送するようになりましたが、こんな事をしているからテレビ離れが進んで次世代テレビへの移行が進むだろう。ニュース報道などもネットに先を越される事が多くなり、広告なども「詳しくはウェブで」と言うテレビ広告が多くなった。Google TVならリモコン一つでネットに切り替えが出来るから広告の効果は大きいだろう。




オバマ大統領は、人民元の相場弾力化の発表後も切り上げが進んで
いないことに失望感を示した。アメリカの製造業の復活は不可能になる。


2010年9月26日 日曜日

人民元切り上げ 米大統領が要求 首脳会談 9月25日 産経新聞

【ニューヨーク=犬塚陽介】オバマ米大統領は23日、国連総会の開かれているニューヨークで中国の温家宝首相と会談し、人民元相場が本来の価値より過小に評価されているとの考えを強調、さらなる切り上げを要求した。温首相は為替相場の改革推進に取り組むとの姿勢を示したが、人民元相場に関する具体的な言及は避けた。

 会談でオバマ大統領は、人民元の相場弾力化の発表後も切り上げが進んでいないことに失望感を示した。その上で、米国経済にも悪影響が出ているとし、早期に対策を講じるよう求めた。中国国内での知的所有権の保護の必要性にも触れた。また、ここ数週間で米国が中国を世界貿易機関(WTO)に提訴する案件が相次いでいることから、オバマ大統領は中国に迅速な対応を促す一方、米国の権益を守るためあらゆる手段を考慮する方針を示し、中国側を牽制(けんせい)した。

 オバマ大統領は中国が「核心的利益」と位置づける南シナ海問題にも言及し、航海の自由は米国の国家利益であるとの立場を強調。領有権を主張する関係国が、平和的に問題を解決することの重要性を改めて訴えた。会談の冒頭、オバマ大統領は記者団に「バランスの取れた持続可能な経済成長のために両国の協力が重要」と述べ、温首相も「(米中の)共通利益が、意見の相違よりも勝っている」と語った。


中国経済を解剖  3月10日 中韓を知りすぎた男

中国の滅茶苦茶な経済構造は、ある意味「経済理論に対する挑戦」です。中国経済の異常な状況は従来の経済理論では説明が出来ません。

中国は戦後計画経済によって国が維持されてきましたが、結果的に最貧国で国民は飢餓の線上で苦しんでいました。そこで詐欺師、ケ小平は社会主義市場経済を唱え、先進資本主義の資本と技術をタダで入手方法を考えました。

何しろ中国には土地とボロボロの工場と極端に安い労働力が大量にあります。

先進国の企業は毎年上がる労働者の給料は悩みの種です。ケ小平は当初先進国に向かって「国営企業を開放します、合弁会社を造りませんか、土地も、安い労働力も提供します」と宣伝して罠を仕掛けました。

この巧妙なトリックは知識の無い中国高官が考えるはずもなく、中国を利用しようと考えていたキッシンジャーがアドバイスしました。

農民上がりの無知な毛沢東には理解できませんでしたが、フランス留学経験のあるケ小平はすばやく理解して権力を握った後 実行に移しました。

そのときのキャッチフレーズは「中国には13億の巨大なマーケットがある」

先進国の企業は三十分の一の安価な労働力と13億の巨大マーケットの殺し文句に雪崩を打って中国に殺到しました。

中国に進出した世界の有名企業は中国の宣伝のために保護され、それなりにメリットを享受しました。しかし中小企業は資本だけを取り込まれ大きな傷を負って多くが撤退しました。

アメリカではベスト10の企業のうち7企業まで中国に工場を作り資本投下をしました。アメリカのコングロマリットであるシアーズ・ローバックの店頭に並んでいる商品の90%が中国で作られた商品だといわれています。

アメリカだけでなく日本も含め世界中のスーパーの店頭に並ぶ商品もメイドインチャイナの比重が増えています。おかげで中国は何の努力もなしに中国国内に多くの優秀な工場が出来、世界にセールスマンを派遣することなしに世界中に商品が売れていきます。結果努力なしに巨額のドルが貯まっていきました。

ここまでは通常の経済の流れです。ここからは詐欺師中国の本領発揮です。

外国資本と合弁できなかった国有企業が外資系合弁企業を見習って、真面目にもの作りを始めましたが、技術力で劣る多くの国有企業が勝てるはずもなく、売れない商品を作り続けました。

本来ならとっくに倒産です。倒産さすわけにもいかないので中国政府は銀行に強制的に融資をさせます。

なぜ潰さないかについて、お勉強のよく出来るエコノミストが書けば、「国有企業を潰せば失業者が増えて社会不安を増大させます」と、常識通り書きます。

実体を知っている私が真実を書いてみます。国有企業の幹部はすべて共産党の党員です。社会主義国家にとって国有の工場がつぶれるなどあり得ないことなのです。そこで各銀行に命令して国有工場に巨額の融資をします。

最初中国政府も輸出代金や投機目的で入ってくる巨額のドルを買い上げては人民元を刷って銀行に流し込んでいましたが、そのうち入ってくるドルと面を合わさなくても平気で人民元を大量に刷って銀行に投入し国有企業に流しました。

なぜなら各段階のそれぞれの幹部たちの中抜きが多すぎて、すぐに不足します。その中抜きされた融資マネーが株式や不動産につぎ込み一挙にバブルを形成したのです。

それと中国幹部たちは打ち出の小づちを偶然見つけました。それは資本主義国家のまねをして上海証券取引所と深セン証券取引所を作り1990年営業を開始したことです。

まったく裏づけのない国有企業の株を上場して彼らは巨万の富を得ました。その後も増資するだけでマネーが自動的に入ってきます。


そして株価が上昇すればマネーも膨張しました。まさに共産党幹部たちは一振りで巨万の富を生むことを知りました。

上海証券市場の時価総額は09年末には300兆円まで膨れ、すでに売買代金において東証を抜き去りました。インチキが本物に見えてきたのです。

インチキの上にインチキを積み重ね、そして世界中の誰もがインチキだと思わなくなってきたのです。


(私のコメント)
アメリカの中国重視外交の元になっているのは、ゴールドマンサックスの経営戦略が大きな影響をしているものと見られます。グールドマンサックスは世界から投資資金を集めて中国などの新興国に投資をするのが仕事ですから、証券会社らしく超強気な将来見通しを立てます。

確かに政治的混乱も起きずに、先進国からの投資が新興国に投資されれば経済成長は起きるでしょう。しかしそれは上手く行くでしょうか? アジアには開発独裁国家が出来ましたが、韓国・台湾・インドネシア・マレーシア・シンガポールといった国家は強権的な独裁国となり、経済成長を最優先した。中国はそのパターンの後継者であり中国の将来は開発独裁国家の後を追うものとなった。

先進国はアジアの安い労働力を求めて資本を投資してきましたが、開発独裁型の国家と利害は一致した。これらの国は外資を導入する事で税制や法整備を進めて、独裁体制を強化してストライキなどを規制した。外資を導入する事で輸出産業を軸にして経済成長が図られた。

中国はまさに開発独裁国家であり、経済発展と独裁主義は矛盾しない。社会主義市場経済という体制は政治は独裁でも経済は自由という矛盾を抱えますが、計画経済の下では矛盾しない。しかし経済成長もある段階まで成長すると政治の独裁と経済の自由とが対立する事になる。

現在アジア諸国が抱えた課題は民主化運動と政治の兼ね合いであり、韓国と台湾は何とか民主化の道を歩み始めましたが、東南アジア諸国では民主化の前で立ち往生している。中国でもこれから民主化運動が起こってくるのでしょうが、独裁体制の下では一族支配や汚職などの腐敗が経済発展を阻害するようになる。

はたしてゴールドマンサックスが言うように、中国が2050年には中国がアメリカを越える超大国になるという予想は、はたしてありえるのだろうか? ソ連という独裁国家がありましたが、独裁体制の下で計画経済で重工業化をはかりアメリカに対抗するまでの超大国になりましたが、1991年に突然崩壊した。

計画経済では市場経済は機能せず、宇宙ロケットを飛ばせるのにスーパーマーケットの棚は空っぽの状態になった。そこで中国は経済だけを自由化して先進国の資本を導入して市場経済にした。しかしこれも経済は発展するにつれて政治の独裁体制と衝突するようになる。

はたして中国が独裁体制を維持したままこのままの経済発展が維持できるのだろうか? プーチンのロシアも開発独裁体制国家ですが、ソ連の共産主義を捨てて自由主義経済を取り入れた。独裁国家では情報も統制されて国民や企業は統制された情報の元で技術開発など出来るはずがない。必然的に技術は先進国からの技術供与に頼る事になる。

途上国では先進国からの技術供与や資本導入が可能ですが、中進国になると政治も民主化の要求も強くなり、民主化が進まないと情報も自由化できない。多くの中進国がここで停滞してしまう。途上国では開発独裁体制は機能するが、自立的な経済発展を可能にするには民主化と自由化と規制緩和と情報の公開性が進まないと不可能だ。

中国は将来的に韓国が直面している課題に突き当たるだろう。だからゴールドマンサックスが2050年にはアメリカを追い越すと言っているのは、100メートル競走のスピードで1500メートル走ればという事を言っているようなものであり、中国は民主化や情報の自由化や公開性に耐えられない。

為替の自由化もグローバル時代には避けて通れない課題ですが、中国は人民元の切り上げに耐えられない。そして資本主義のおいしい所だけを取り入れて、株式を上場して巨万の富を得る。このように中国が好き勝手な事ができるのはアメリカの差し金があるからですが、ゴールドマンサックスやキッシンジャーの入れ知恵があるからだろう。

ゴールドマンサックスの2050年にはアメリカを追い越すという予測も、アメリカと中国の狐と狸の化かしあいであり、人民元の駆け引きはアメリカのさじ加減一つだ。アメリカは中国を為替操作国に指定すれば関税がかけられて中国はピンチになるが、アメリカのグローバル企業を引き込んでいるからアメリカも手を焼いている。

アメリカは10%の失業率で国内にも中国への強硬論が高まって来ている。それが尖閣諸島での問題にも繋がっていますが、アメリカは中国と日本とを対立させて中国の譲歩を勝ち取ろうという戦術なのだろう。




検察は行政の一機関であり政治的判断で起訴不起訴が決定される。
行政の一機関である以上は官邸の判断が検察に反映されたのだ。


2010年9月25日 土曜日

いらだつ首相「超法規的措置は取れないのか」 9月25日 読売新聞

「『超法規的措置』は、取れないのか」

 22日の訪米を控えた菅首相は、周囲にいらだちをぶつけた。沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で、中国の対抗措置の報告が次々に上がってきていた。

 首相は「民主党には(中国で副首相級の)戴秉国(たいへいこく)(国務委員)と話せるやつもいない。だからこういうことになるんだ」とこぼした、と関係者は語る。

 首相とその周辺が中国人船長の扱いをめぐる「落としどころ」を本気で探り始めたのは、船長の拘置期限が延長された19日以降のことだ。この日を境に中国政府は、日本人4人を拘束し、レアアース(希土類)の対日輸出禁止の動きに出るなど、本格的な「報復カード」を相次いで切った。

 実際に「船長釈放」に動いたのは、仙谷官房長官と前原外相だったとされる。

 23日朝、ニューヨーク。日中関係の行方を懸念するクリントン米国務長官と向かい合った前原外相は、こう自信ありげに伝えた。

 「まもなく解決しますから」

 那覇地検が船長を釈放すると発表したのは、その半日余り後の日本時間24日午後2時半だった。東京・霞が関の海上保安庁に、寝耳に水の一報が入ったのは、そのわずか10分ほど前。

 「戦争になるよりはいい。このまま行けば、駐日大使の引き揚げ、国交断絶もありえた」――。首相に近い政府筋は24日夜、船長釈放に政治判断が動いたことを、周囲に苦しげに認めた。

 「那覇地検の判断なので、それを了としたい」

 仙谷官房長官は24日夕の記者会見で、ひたすら「地検の判断」を繰り返し、政治の介入を否定した。

 柳田法相もこの後すぐ、法務省で記者団を前に「法相として検察庁法14条に基づく指揮権を行使した事実はない」とのコメントを読み上げた。質問は一切受けつけなかった。

 だが、こうした弁明は、世間には通用したとはとても言えない。首相官邸には直後から「弱腰だ」といった抗議電話が殺到。官邸職員は対応に追われた。


 民主党代表選での再選、内閣改造・党役員人事を経て、ようやく本格的な政権運営に着手したばかりの菅首相。「中国に譲歩した」と見られて再び世論の支持を失う失態は、できれば避けたかった。

 首相がそれでも「政治決断」を選択したのは、中国の反発の強さが当初の予想を超えていたためだ。(後略)


「司法」と「検察」をごちゃまぜにする風土が生む数多の冤罪 9月25日 世に噛む日々

だから、中国と中国の民衆が示す偏狭なナショナリズムにも、異を唱えたい気持ちでいっぱいだ。
週刊朝日の山口一臣編集長が、「中国が外国に対し強硬な姿勢をとる時は、必ず何か大きな国内問題を抱えている」と述べていたが、その通りだと思う。
社会主義国家とも思えない、都市部と地方の大きな格差により、疲弊しきった地方の民衆の暴動が、各所で頻発しているのではないだろうか。
民衆の不満を逸らすために、為政者のやることは、いつも領土が絡む外国とのイザコザだ。

さて、中国漁船船長が処分保留で釈放されたことについて、「弱腰だ」とする政府への批判が、野党を中心に巻き起こっている。
とくに、あの、安倍晋三元首相が、「中国の圧力に政治が屈した」と断じているのを見ると、この人がたかが腹痛で総理の座を投げ出してくれて本当に良かったと思った。
外交問題に、感情的なナショナリズムを、一国の総理が持ち込むことの愚は、きっとはかり知れないものがあっただろう。

案の定、今度の船長釈放が、那覇地方検察庁の判断であったことが、論議を呼んでいるようだ。
たしかに、一地方検察庁が、「中国との国際関係」を公式に云々することは、いかがなものか、とは思った。
それはそれとして、テレ朝の「報ステ」が「司法の判断が下された」とする言い方をしたのには、「はあ?」と、思わず声を出してしまった。

同じようなことを、岡田幹事長も言っていた。
司法の独立。検察が自ら判断したということが重要」と。
民主・岡田幹事長発言詳報 「検察判断は尊重すべきだ」中国人船長釈放

それに、それに、法律の専門家である筈の橋下大阪府知事もこう言ったのだ。
「政治家がしっかり方針を出すべきだ。司法が判断するのは違うんじゃないか」
船長釈放「司法が判断するのは違う」…橋下知事


この人たちは、いずれも、高等学歴を持った、「アタマの良い」面々ではないのか。
「三権分立」は、たしか、小学校5年か6年で習ったと思うが、この人たちは、「司法の判断」を下す主体が、「裁判所」のみであることを、どうもわかっていないらしい。

検察は、司法・立法・行政のうち、「行政」に当たる筈。
どうも、「司法」と「検察」の混同が、この国にはびこっているようだ。

「検察権は裁判所とは異なり,司法権には属さず行政権に属しており,裁判官とは異なり検察官は法務大臣の一般的な指揮・監督を受ける」

                 司法権(裁判所)



(私のコメント)
中国がマジ切れして日本人を4人スパイとして逮捕しましたが、日本側が中国人船長を拘束しているので人質外交に出たのだろう。人質外交といえば北朝鮮が常套手段とする外交手段ですが、中国にいる日本人はいつ不当逮捕されるかわからないから注意しておくべきだろう。

中国は暗黒大陸であり18世紀辺りで文明の進歩が停止してしまった状態だ。中国人は近代文明のストレスに耐えることが出来ずに、インターネットすら自由な交信が出来ない状態だ。近代文明は現代人に便利な文明的な生活を引き換えにして、高い文明適応力を要求する。

現代生活に適応するには、高度な教育を受けてパソコンなどの情報機器を自由に取り扱い、民主主義的な政治倫理と順法精神が必要になる。言論の自由や人権の意識も高くなければなりませんが、中国にはそのいずれも存在しない。経済発展すれば韓国や台湾のように民主国家になるだろうと言う見方もありましたが、ますます独裁的な傾向が強まって来ている。

中国が対外的な強行策に出る時は内部に問題を抱えている時であり、北京政府を揺さぶる為にあえて日本に対して尖閣諸島で問題を起こさせたのかもしれない。北京政府が対外的な問題を起こしたくないと思っていても地方の軍閥が言う事を聞かないこともある。

中国は広い国土を持つ国だから、中央政府が弱体化すると地方の軍閥が言う事を聞かなくなり国家はバラバラになってしまう。特に最近は経済発展によって地域格差が広がって国内には不満分子がたくさん出て来ている。その不満をそらすには対外的には強硬な態度で挑まないと批判に晒される。

中国の経済的軍事的台頭は日本にとっては脅威でもありますが、韓国や台湾やASEAN諸国にとっても大きな脅威になっている。日本も東シナ海の尖閣諸島で問題がおきましたが、結果的に船長を保釈して終わった。仙石官房長官は地検の判断だとしていますが、明らかに官邸の判断で保釈したのだ。

検察は行政の一機関であり法務省の管轄機関だ。だから検察が起訴不起訴は政権の判断が働く場合があるのは当然だ。小沢一郎が不起訴なのも民主党政権だからであり検察審査会が不起訴不当にしても検察は政治的判断で起訴しないのだ。

有罪か無罪かは司法が判断する事であり検察が判断する事ではない。日本では起訴されたらほとんど有罪が確定する。これでは検察が司法と同じ事になってしまう。起訴するかどうかは検察の一存で決まり、一度起訴されれば99%有罪になる。これは明らかにおかしい。

今回の事件でも日本側も弱腰だという意見がありますが、仙石官房長官はその批判をかわすために地検が判断したと言い逃れをしているのだろう。日本政府は中国の風圧に負けてアメリカに擦り寄らざるを得ませんが、結果的にアメリカが一番得をしている。日本から思いやり予算も増額できるし、沖縄の海兵隊基地も政府合意で決まるだろう。

日本の国防予算は年々減額されて自衛隊の増強もままならない状況では列強に対して土下座外交にならざるを得ない。大国にはさまれた日本の首相は1年も持たずに交代するようになり、アメリカからは内政干渉されっぱなしだ。このような状況ではアメリカと対等な関係になれる訳が無く、鳩山政権は潰された。

中国に進出している日本企業も社員がいつ中国政府に拘束されるかも分からないような状況では気が気でないだろう。賃上げストライキも日本企業が狙い撃ちされましたが、鴨がネギをしょって行くようなものですが、商人は金に目が眩んで中国で商売をしたがる。やがては21世紀の日貨排斥運動が起きてたたき出されるだろう。

このようになるのは日本のマスコミが正しい中国を報道しないからですが、今回の尖閣問題で中国の正体が国民にイヤでも分からせる結果になった。毒餃子やメラニン入りの粉ミルクに到るまで中国は暗黒大陸であり、中国でまともな商売など出来る国ではないのだ。自動車メーカーなども進出していますが、中国に駐在を命ぜられたら、いつスパイで捕まるか、ストライキで吊るし上げに遭うか分からない覚悟をしておくべきだろう。




ヤクザ国家中国は尖閣諸島をよこせと脅迫してきたが、同じく
ヤクザ国家のアメリカは思いやり予算の大幅増額を要求してきた。


2010年9月24日 金曜日

米政府、思いやり予算大幅増を要求へ 「対中戦略経費」と強気 9月22日 産経新聞

米政府が在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の大幅な増額を要求する方針を固めたことが21日分かった。複数の政府筋が明らかにした。中国の東シナ海での活動の活発化に加え、沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖で起きた中国漁船衝突事件での中国の強硬姿勢を受け、米側は思いやり予算を「対中戦略経費」と位置づけ、日本の応分の負担を迫る構えだ。

 菅直人首相は22日午後に訪米し、23日(日本時間24日午前)にニューヨークでオバマ米大統領と首脳会談を予定。前原誠司外相も同日クリントン米国務長官と会談する。いずれの会談でも米側は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題で、名護市辺野古(へのこ)へ移設する日米合意の早期履行を強く迫るとみられる。

 会談で思いやり予算には直接触れない公算が大きいが、担当者のグレグソン米国防次官補(アジア・太平洋安全保障担当)が28日に来日し、思いやり予算の大幅増額を日本側に打診する。これを機に日米両政府は来年3月に期限切れとなる思いやり予算に関する特別協定の改定作業を本格化させ、年末の予算編成までの合意を目指す。

 民主党は野党時代から思いやり予算削減を求めてきた経緯もあり、日本側は削減を求める方針だが、普天間問題の影響もあり、米側は強硬に増額を求める公算が大きい。協議難航は避けられないとみられる。

 増額分の施策として在日米軍基地のエコ対策が柱になる。具体的には基地内の隊舎・住宅への太陽光発電導入や冷暖房のエネルギー効率を高めるための断熱材改修を要請。基地従業員の給与などでも日本側負担の上積みを求めてくることも想定される。在沖縄海兵隊が移転するグアムで施設整備を進める上でも米側がエコ対策を適用し、追加負担を迫る懸念もある。


(私のコメント)
日本は米中の狭間に立って、双方からの金銭的な要求や領土的な要求を突きつけられて、菅民主党政権は窮地に立たされている。おそらく米中の裏側では繋がりがありマッチポンプで日本からカネを巻き上げようと言う事なのだろう。日本は中国に対しては毎年多額のODA予算をつぎ込んできた。アメリカに対しても毎年思いやり予算を数千億円もつぎ込んでいる。

カネで形が付けばいいではないかという見方もありますが、結局は自分の国を自分で守れないからカネを献上して守ってもらわなければならない。民主党政権では思いやり予算の減額を主張してきたから、事業仕分けでも大幅なカットが予想されていた。しかし尖閣諸島で中国との揉め事が発生して、アメリカ政府はこの時とばかりに思いやり予算の大幅な増額を要求してきた。


 第12章 軍隊はなん種類あるか、そして傭兵について 「君主」 ニッコロ・マキャヴェリ:著

それで、言いますと、君主が自分の国を守るための軍隊は、自前の軍隊、傭兵軍、外国からの援軍、それらの混成軍のいずれかです。傭兵軍と援軍は役に立たず、危険です。そうした軍隊に基礎を置く国を保持しているなら、確固とした基盤の上にも安全な基盤の上にも立つことはできません。なぜなら、そうした軍隊は団結していないし、野心的で、規律がとれず、不誠実で、味方の前では勇猛だが、敵の前では臆病なものだからです。彼らは神への畏れを知らず、人にたいして忠誠を抱きません。攻撃が長びけばそれだけ、破滅が先送りされます。というのは、平時には彼らから略奪され、戦時には敵に略奪されるのですから。実際、彼らが陣地を守るのは、僅かな俸給より以外に目当ても理由もないのです。その俸給ときたら、あなたのために喜んで命を捨てるほどのものではないのです。彼らは君主が戦争を起こす前に、その兵士になろうと準備万端整えています。しかし戦争になると、立ち去るか、敵の前から逃亡します。それを示すのは雑作ありません。というのは、イタリアが破滅したのは、何年もの間、傭兵に望みを託していたからにほかなりません。彼らは以前は自分たちの間では勇猛さを誇示し、そう見られてもいたのですが、外国軍が侵入すると、化けの皮がはげてしまったのです。こうしてフランス王シャルルは、片手に持った白墨で[21]、イタリアを占領してきたのです。そして私たちに、その原因は私たちの罪であると語った人は、真実を語ったのですが、しかしその罪は彼が考えたようなものではなくて、私が語ったようなものなのでした。そしてその罪は君主の罪であったので、罰を受けたのも君主でした。

さらに傭兵が不適切であることを示したいと思います。傭兵隊長は有能な者かそうでないかのいずれかです。もし有能なら彼を信頼できません。なぜなら、その主人たる君主を抑圧し、あるいは君主の意向に反して他の人々を抑圧して、自分が卓越することを切望するからです。しかし、隊長が熟練してなければ、君主は普通に破滅します。



まるで現在の日本の事を言っているようですが、日本の政治エリートはマキャベリの「君主論」もろくに読んでいない人が多いようだ。現代の若い人の多くはマキャベリも「君主論」も知らない人がほとんどだろう。古典は歴史の評価を受けてきた書物だから真理をついており、その警告には耳を傾けるべきなのですが、日本の政治家は傭兵の部隊長に国を守ってもらう事に決めたようだ。

金を出して国を守ってもらう事は合理的なようですが、傭兵たちは「しかし戦争になると、立ち去るか、敵の前から逃亡します。それを示すのは雑作ありません。というのは、イタリアが破滅したのは、何年もの間、傭兵に望みを託していたからにほかなりません。彼らは以前は自分たちの間では勇猛さを誇示し、そう見られてもいたのですが、外国軍が侵入すると、化けの皮がはげてしまったのです。」と述べているように頼りになりません。

アメリカ軍が日本の傭兵にあたるかは分かりませんが、むしろローマ帝国の従属国との関係に近いかもしれません。そうなると日本は独立国ではなくアメリカ帝国の自治領という事になります。しかし国民の多くは日本を独立国と思っているし、在日米軍は日本を守る為に駐留していると思っている。だから憲法九条を守れと言えるのだ。

日本が外国からの脅威をアメリカ軍によって守られると言う事は非常に好都合な事のように見えますが、それもマキャベリは警告を発している。


第13章 外国からの援軍、混成軍、自国軍について 「君主」 ニッコロ・マキャヴェリ:著

外国からの援軍は、もう一つの役に立たない軍隊ですが、別の君主が救援や防衛のため助勢を乞われたとき、使われます。 ごく最近では、教皇ユリウスが外国からの援軍を使いました。というのは、フェラーラ攻略の際、自分の傭兵が貧弱であることが明かとなったので、外国の援軍に頼ることにして、スペイン王フェルディナンド[29]とその部下や軍隊の支援を受ける取り決めを結んだのです。こうした軍隊は。それ自体は、役に立ち、有能なものなのですが、呼び寄せた側にとっては、いつでも不利益をもたらします。というのは、負ければ破滅し、勝てば勝ったで、支援軍の捕囚となるからです。



強力な援軍によって国が守られれば、これほどありがたい事はないのでしょうが、負ければ破滅し、勝ったとしても援助国に従属的な立場に立たされる事になります。いずれにしても自国の利益にはならないわけですが、イギリスは大戦によってアメリカの援軍で勝ことが出来ましたが、覇権をアメリカによって奪われてしまった。

在日米軍が傭兵にあたるのか、帝国軍にあたるのか、強力な援軍になるのかは分かりませんが、いずれにしてもそれで勝ったとしても従属的な立場に落とし込まれてしまう。幸いにしてソ連からの脅威はソ連崩壊によって無くなりましたが、中国の経済的軍事的な台頭は新たなる冷戦をアジアにもたらしている。

まさに米中の狭間に立って日本はどのように振舞うべきか、マキャベリの君主論に寄れば中立を保つ事は国が滅びると書いている。当然日本はアメリカと同盟を結ぶ事が賢明な手段だろう。しかし自分よりも強力な国との同盟は出来る限り避けなければならないとも書いている。


第21章 君主は名声を得るためにどうふるまうべきか 「君主」 ニッコロ・マキャヴェリ:著

そして優柔不断な君主は、目先の危険を避けようとして、たいていは中立の道を採り、たいていは破滅します。しかし、君主が堂々として一方の側に味方することを明らかにすると、もし同盟した側が勝てば、勝者がどんなに強力で、彼がそのなすがままであったとしても、勝者は彼に恩義があり、友愛の絆を結びます。それに人間というものは、味方を抑圧して忘恩の記念碑となるほど、恥知らずではありません。勝者がなんの気遣いもせず、特に正義に配慮しなくてすむような、完璧な勝利など、そもそも、ありえないのです。また、同盟した側が負ければ、同盟者がかくまってくれるでしょうし、できうれば支援してくれるでしょう。そうして、いつかまた上向くかもしれぬ運命を共にする仲間となるでしょう。

第二の場合、つまり戦っているのが、どっちが勝とうが気にする必要もないほどの者だというときは、一方と同盟するほうが得策なのです。なぜなら、賢明なら互いに助けあうものなのに、その一方を支援してもう一方を滅ぼすのを手助けることになるのですから。そして、勝った場合は、支援がなければ勝てなかったのだから、支援した君主の意のままとなるのです。ここで留意しておいて欲しいのは、君主は、他国を攻撃するのに、上に述べたように、必要に迫られないかぎりは、自分より強大な国と同盟してはならないということです。なぜなら、もし勝てば、同盟した君主の意のままとなるからであり、そして君主は、できるかぎり他人の意のままになるのは避けなければならないからです。



アメリカが突きつけてくる同盟国に対する請求書は支払うべきだろう。その方が安上がりであり日本は湾岸戦争の時もカネで片付けた。最近では思いやり予算を毎年2000億円支払っているが、ソ連崩壊後は同盟関係が曖昧になってしまった。むしろ経済的には日本はアメリカのライバルとなり、ソ連の次は日本だとばかりにジャパンバッシングを行った。そして経済において中国はアメリカにとって戦略的パートナーとなった。

米中の見えざる同盟関係はソ連を崩壊させ日本を衰退させた。アメリカは一極覇権主義をとりアメリカの敵はいなくなった。ならば日米同盟もいらないのではないかという事になるが、中国の軍事的台頭は新たなる冷戦をもたらしそうだ。日本はアメリカと中国の狭間に立って中立を保つ事はマキャベリの言うように得策ではない。

中国は黄海から東シナ海、南シナ海と領海の範囲を広げようとしていますが、中国の大国としての意識は領土領海拡張への意欲になって現れて来ている。アメリカは軍事再編で沖縄の海兵隊基地のグアムへの移転を明らかにしましたが、最近になって風向きが変わってきた。中国の大国としての覚醒は暴走する危険性がある。

まさにヤクザ国家の中国は尖閣諸島は自分のものだと言って来ている。アメリカはそれに対して、守ってやるから思いやり予算を増やせといってきた。まさにヤクザの世界そのものですが、日本はアメリカにみかじめ料を払ってしのがねばならない。中国は日米がギクシャクしてきたのを突いて来たのでしょうが、アメリカのメッセージは尖閣諸島は日米安保の範囲内と言ってきた。

日米がギクシャクしてきたというのは、沖縄の海兵隊基地の海外移転を鳩山内閣が進めようとした事に対する海外諸国の反応は予想以上に大きなものであり、韓国からシンガポールに到るまでの東アジアを震撼させた。中国海軍が外洋に出られるかどうかは日本の動向にかかっていますが、中国は軍事大国化へ突き進んでいる。

中国が経済発展しても洗練された民主的先進国家になる事は不可能だろう。だから尖閣諸島で日本に揺さぶりをかけてきましたが、中国は強硬になればなるほど自分で自分の首を絞めることになる。レアアースを禁輸したり、スパイとして日本人を4人捕まえたりして来ていますが、中国はいよいよ本性を現してきた。

アメリカを怒らせたのは人民元の問題でなかなか妥協してこないからであり、これも外交的な揺さぶりなのでしょうが、中国には外交で柔軟な姿勢を示すことが難しい国内事情がある。日本としては向こうから仕掛けてきたのだから、やりたいようにやらせればいいのであり、中国が野蛮な暗黒大陸であることが分かるだけだ。

日本は中国の脅威に晒されてアメリカの援軍を頼らなければなりませんが、以前はアメリカは尖閣問題では曖昧な態度だった。それがはっきりとしたことは日本にとっては幸運であり中国も手出し出来ないようになったということだ。しかし基本的には自国軍隊を強化して行かなければならないのはマキャベリの「君主論」からも明らかな事だ。




金価格高騰は、ドル、ユーロなどへの信認の低下の裏返しだ。金高騰
が発する通貨・経済政策への警告を主要国は無視してはならない。


2010年9月23日 木曜日

[FT]通貨摩擦、大合意に向けた険しい道のり 9月17日  英フィナンシャル・タイムズ紙 日経新聞

ちょうど25年前の9月22日、数人の男たちが世界経済を作り直すためにニューヨークのプラザホテルに集まった。世界の先進5カ国(G5)の政府が一体となってドル安誘導と世界の不均衡是正を図るという、ここで彼らがまとめた合意は恐らく、過去40年間の国際的な経済協力の頂点だったと言えるだろう。

再び求められる「プラザ合意」の精神

 今、為替レートや世界経済の不均衡、財政赤字削減を巡って世界の主要経済国の政府間に大きな亀裂が生じている中、プラザ合意の精神が再び目覚めれば、計り知れない価値をもたらすかもしれない。

 だが、一部の野心的な向きは主要20カ国・地域(G20)が包括合意をまとめる討論の場になり得ると考えているものの、そうした合意に至るまでの道のりは1985年当時よりも不安定になっている。

 ワシントンのシンクタンク、ピーターソン国際経済研究所の所長で、グローバルな経済統治の可能性を常に楽観するフレッド・バーグステン氏は、プラザ合意当時の潜在的なトレードオフが今も存在すると指摘する。

 同氏によれば、ドル安によって米国経済を浮揚させたプラザ合意と、その後、ドルを安定させることを決めた1987年のルーブル合意のおかげで、米国政府が多額の財政赤字を削減する自由度が高まったという。

 「(当時の米財務長官だった)ジェームズ・ベイカーに、プラザ合意は赤字削減にどれほど貢献したか聞いたら、恐らく10〜20%だろうと言っていた。非常に大きいわけではないが、悪くない数字だ」。バーグステン氏はこう述べ、中国が同じように人民元切り上げにコミットすれば、米国内の財政再建議論が落ち着くかもしれない、とつけ加える。

「先進国クラブ」入りを拒む中国

 一方で、違いを指摘する向きもある。カーネギー国際平和財団の客員研究員、デビッド・ロスコフ氏は言う。「1985年の日本は小さな先進国クラブの一員であり、クラブの規則にのっとって行動する用意があった。だが、中国は自身を全く独自の存在だと考えている。これほど規模が大きく多様な経済は、ほかの国々と同じルールには従えないというのだ」

 中国商務部系シンクタンクの研究員、梅新育氏は今年、「急激な通貨上昇が中国に与える影響は日本以上に大きいだろう。中国は日本よりずっと初期の発展段階にあるからだ」と語っていた。日本は洗練された企業を抱える先進国だったが、「中国の労働集約型産業は利益率が極めて低いため、大幅な通貨上昇の圧力に耐えられない」というのが同氏の主張だ。

いずれにせよ、中国政府の関係者は大抵、プラザ合意は日本にとって惨事だったと主張する。合意を受け、日銀は円高を相殺するために利下げに動いた。日中両国では多くの人が、この政策変更が日本の1980年代末の巨大不動産・金融バブルを助長し、経済停滞の「失われた10年」が後に続く結果になったと考えている。

中国政府に都合のいい日本のバブル

 これに対してバーグステン氏は、「より賢明な中国人エコノミスト」は内々に、こうした主張がまやかしであることを認めており、日本のお粗末な銀行規制の方がバブルの大きな原因だったと言う。それでも、日本の例は確かに中国政府に都合のいい論点を与える。

 プラザ合意を成し遂げるうえでも、米国の多大な外交努力が必要だった。米国はG5のメンバーである欧州諸国(フランス、ドイツ、英国)をまとめ上げ、高圧的な態度で日本に協力を迫った。そうした協調は今、当時よりも難しい。

 確かに、中国の為替操作については一部のG20諸国からも不満の声が上がっている。欧州連合(EU)は発言を強めており、インドやブラジルの当局者もこの流れに加わった。だが、バラク・オバマ大統領率いる米政権は、彼らを団結させ、中国に圧力をかけるまとまった部隊にすることはできずにいる。

 先日、日本が円安誘導のための介入の決断を下したことは、多国間のアプローチに対する支持表明ではなかった。

 法律事務所シドリー・オースティンのパートナーで、G20でジョージ・ブッシュ大統領の「シェルパ(首脳の個人代表)」を務めたダン・プライス氏は、G20は2008〜09年の世界金融危機のピーク時には目覚ましい成果を上げたと話す。

現実的でないG20での包括合意

 しかし、世界経済を修復するためには、為替レートと財政赤字に関する取り決め以上のものが必要であり、欧州のソブリン債の問題、ドイツの経常黒字、欧州労働市場の硬直性といった問題にも対処しなければならないと指摘する。

 「多くのことが達成できるだろうが、G20サミットが一定の尺度と行程表を備えた包括合意でこうした問題をすべて決定的に解決できると期待するのは現実的ではない」とプライス氏は語っている。



通貨安競争へ金高騰の警告 9月21日 日経新聞

金の国際価格が先週、3カ月ぶりに史上最高値を更新した。ドル資産にもユーロ資産にも不安を感じる投資家や新興国の中央銀行が、金の保有量を増やしている。金高騰は、景気立て直しを焦る各国が輸出に有利な通貨安競争に走ることへの、市場からの警告の意味合いも大きい。

 金の国際価格は6月に1トロイオンス(約31グラム)1260ドル台の高値を記録した後、ヘッジファンドなどが利益確定の売りを出して下げ局面に入った。だが、景気回復の足取りが鈍り、デフレ懸念も出てきた米国が8月に追加的な金融緩和を決めると、金価格は再び上昇基調に戻った。

 6月まで金価格の上げ材料になった欧州の財政・金融不安も消えていない。さらに、多くの投資家が米国や欧州諸国が通貨安を容認するとみて、ドルやユーロ資産の一部を金投資に振り向けている。

 金にも価格変動リスクはある。ただし、実物資産である金には、債務不履行に陥るような信用リスクはない。各国の財政不安が高まるほど、「無国籍通貨」「世界通貨」の性格を持つ金に投資家の関心は向く。

 金の調査機関ワールド・ゴールド・カウンシルなどが8月に発表した今年4〜6月の世界の金需要は、宝飾品が前年同期比で5%減る一方、投資需要は同42%も増えた。

 個人投資家や、年金基金など機関投資家のほか、中央銀行が準備資産として金の保有を増やす動きも目立つ。中国人民銀行は昨年、自国で産出した金を積み増して金保有量を1054トンへと8割増やした。ロシア中央銀行の6月末時点の金準備は668トンで昨年末比で1割増え、フィリピンやベネズエラの中銀も金保有を増やしている。

 国際通貨基金(IMF)が昨年秋から売却を進める403トンの保有金も、インド(200トン)やスリランカ(10トン)、モーリシャス(2トン)、バングラデシュ(10トン)といった国々の中央銀行が取得した。

 金価格上昇の背景には、欧米の金融機関やヘッジファンドによる活発な商品投資もある。だが新興国による金保有の増加は、ドル、ユーロなどへの信認の低下の裏返しだ。金高騰が発する通貨・経済政策への警告を主要国は無視してはならない。



(私のコメント)
中国が先進国の仲間入りする事は可能なのだろうか? 中国人自身が人民元を切り上げたら価格競争に耐えられない事を認識している。「中国の労働集約型産業は利益率が極めて低いため、大幅な通貨上昇の圧力に耐えられない」というのは真実であり、中国の貿易黒字の多くが外資系企業が稼ぎ出したものだ。

日本は1ドル=360円から1ドル=80円近くまで切り上げられてにもかかわらず、国際競争力を維持しているが、中国は数年前に20%ほど切り上げましたが、東南アジア諸国との競争に追い立てられる状態になっている。実際多くの外資系企業が中国からベトナムなどへの工場の移転を進めている。

中国が日本のようなプラザ合意の試練に耐えられないのは事実だろう。日本の菅首相は中国をG8の会議に招こうとしましたが、中国の先進国会議入りは無理だろう。その為にG20の会議が作られて、アメリカは中国を引き入れて国際ルールに従わせようとしていますが、中国は中華の民だから国際ルールに従う事はないだろう。

中国が経済発展を続けようとすれば為替の自由化は避けては通れないし、マネーが自由に出入りできなければ経済交流は難しくなる。それでも外資が中国に投資を続けているのは中国が近代国家となり巨大市場になると考えてきたからだ。もしこのまま中国が為替規制を続けてドルにリンクし続ければ中国は国際市場から排除されるだろう。

85年のプラザ合意は日本経済を吊るし上げる手段でもあったのですが、日本は400%以上もの円の切り上げに耐えてきた。しかし切り上げる事によって石油や石炭や鉄鉱石などを安く買えるようになって、二度にわたる石油ショックに耐えたばかりか高度成長の持続にも繋がった。

日本は労働集約型の産業は失ったが、付加価値の高い技術集約型産業に転化する事によって円高に耐えられる産業構造を作り上げた。日本はいつの間にかアメリカやヨーロッパを追い越してしまったのであり、日本はバブル崩壊を20年前に経験しましたが、アメリカやヨーロッパは2年前に日本型バブル崩壊を迎えた。

アメリカやヨーロッパは日本の経験を元に経済対策や金融政策を行なっていますが、結局は日本病に罹ってしまうだろう。FRBは資金供給を続けてBSを膨らまし続けていますが、それは通貨安競争で金などの資産インフレを招くだけだろう。金が高騰すれば石油や他の資源にもヘッジファンドの投機の手が伸びるだろう。

普通ならば景気が低迷すれば石油や石炭や鉄鉱石は価格が低迷するはずですが、アメリカやヨーロッパの通貨供給政策が資源価格の高騰を招いている。石油の高騰で一番困るのはアメリカでありドル札を印刷しまくってばら撒けば自分で自分の首を絞めることになる。まさに小沢一郎が言うようにアメリカ人は単純だから困ったものだ。

ドルもユーロも信用できないとなれば円に買いが集まるわけですが、欧米から非難される為替介入よりも、国債の買いオペを行なって日本も資金供給してバランスを取る政策に切り替えるべきだ。マネーが世界的にだぶつけば投機の矛先は金や石油に向かうだろう。そうなればFRBもドル札を世界中にばら撒く事は出来なくなる。

金融政策は効果がすぐに現れる事は少なくて3ヶ月から1年以上たって現れることがある。中央銀行の金融政策が後手後手に回りがちなのは過去のデーターで金融を決定するからであり、金融政策は逆に3ヶ月先を見ながら金融政策をコントロールすべきだ。

おそらく来月あたりから緊急経済対策の期限が切れたマイナス効果が出てきて危機的状況になるかもしれない。FRBはそれを警戒しているのでしょうが日本型のデフレ不況はアメリカも避ける事は出来ないでしょう。しかしアメリカはデフォルトの誘惑に打ち勝つ事ができるだろうか? 

「株式日記」では、アメリカと中国の抱き合い心中するだろうと言う予想を書きましたが、中国が元の切り上げをすれば中国から製品の供給を受けていたアメリカが困る事になる。中国に投資をしていた日本やヨーロッパの企業も困るだろう。しかし中国に代わる国はいくらでもあるのであり、インドやベトナムなど人件費の安い国はいくらでもある。

世界の中央銀行が金を買い始めていますが、ドルを買うよりも金を買って資源価格を引き上げたほうが日本にとってはいいのかもしれない。ドル札はいずれ紙切れになるのでしょうが金は価格の変動があっても金の価値には変わりがない。しかし数千億円もの金を買ったら保管場所に困る事になる。




鳩山前首相の功績は、日本がアメリカ離れを模索したら、
東アジア情勢がどうなるかアメリカに分からせた事だ。


2010年9月22日 水曜日

米副大統領、中国・朝鮮半島政策「日本なしでありえぬ」 9月21日 朝日新聞

【ワシントン=伊藤宏】バイデン米副大統領は20日、ワシントン市内で開かれた「米日カウンシル」の総会で講演し、中国との関係について「正常な関係を築くには、東京(の日本政府)を通じて以外ありえない」と指摘。さらに、米国が朝鮮半島の問題を扱ううえでも「日本なしで、正しい政策を遂行することはできない」と述べ、米国のアジア外交にとって日本が重要との認識を強調した。

 バイデン氏は、日米が最近も、北朝鮮やイランの核開発からパキスタンの洪水の復興支援に至るまで、幅広い外交分野で協力関係を続けていると指摘。「日本が過去60年間にわたって我々に安定をもたらしたことを忘れてはならない。両国関係は非常に、非常に、非常に、非常に重要だ」と強調した。



日本、領海主張で積極姿勢強める 9月21日 ウォールストリートジャーナル

沖縄県・尖閣諸島付近での日本の海上保安庁巡視船と中国漁船の接触と、その後の海上保安官による漁船への乗船と船長の逮捕に対する中国政府の対応は尋常ではない。7日の事件発生以降、中国政府は日本の丹羽宇一郎駐中国大使を5回呼び出している。さらに、東シナ海での資源合意の履行に関する2カ国協議を中止し、予定されていた李建国常務委員会副委員長の訪日を延期した。しかし、同様に驚くべきことは、日本が引き下がる兆しを見せていない事実だ。

中国の執拗な反応は恐らく、日本とのあらゆる危機に付きまとう国内の憤怒を和らげることが目的だろう。そうであるなら、人々はいずれ冷静さを取り戻すだろう。しかし、尖閣(中国名:釣魚)諸島の領有をめぐり1990年、96年、2004年に発生したこれまでの危機と異なり、今回の危機は日中関係が危機的状況に陥る可能性があるなかで発生した。両国とも領有権の主張が重なる海における法の執行をこれほど積極的に行ったことはなかった。

 中国政府は南シナ海で他国の漁船をだ捕する一方、米韓軍事演習に関連した米空母ジョージ・ワシントンの黄海への派遣に抗議している。09年に発生した米海軍の海洋調査船「インペカブル」が中国艦船に取り囲まれた事件の後、中国は領有権主張の拡大に歩調を合わせて、航行権の制限的解釈を推し進めている。

 中国のこうした姿勢により、日本の変化が目立つことはなかった。日本は今や、領海の主張において、より活発に動く姿勢を示し始めている。日本の構造におけるあらゆる変化と同様、このシフトは緩やかだが着実に進んでいる。プロセスの始まりは99年にさかのぼる。日本を取り囲む海で中国のプレゼンスが飛躍的に拡大した年だ。太平洋へと抜ける日本の海峡を当初は中国政府の調査船、しかしすぐに中国海軍の艦隊や情報収集船が通過するようになった。

 中国の活動はこれまでのところ、2地域に集中している。尖閣諸島と沖ノ鳥島の周辺だ。03年と04年、中国の潜水艦が日本の領海で目撃された。攻撃型原子力潜水艦が国際法に違反し、船体を沈めたまま日本の領海を通過したこともある。近年は中国の法執行当局の船舶が、尖閣諸島近海を巡視している。

 日本の当局の反応は、中国を孤立化させない配慮から抑制されている。日本は中国船による領海への侵入にしばしば抗議してきたが、海上で中国船に挑むことは稀だった。

 日本の国内法の欠陥と国際法の曖昧な定義付けが日本の反応を弱めていた。中国の法律は排他的経済水域(EEZ)において船舶が許可なく海洋調査を行うことを禁じているが、日本にはそのような法律はない。このため、日本政府は領海で法を執行するための手段をほとんど持ち合わせていなかった。01年、当時の田中外相は国会で、日本のEEZにおいて中国が資源調査を行うことに何ら違法性はないと発言し、日本の国防関係者を苛立たせた。

 決め手となったのは、2005年に中国が東シナ海で行った資源調査だった。これを受けて日本は07年、領海における積極的な活動を支えるための法的手段を整えた。この年、成立した海洋基本法は、日本の資源を保護するための当局による実力行使を容認するものだ。さらに今年4月には政府が新設した総合海洋政策本部が「海底資源エネルギー確保戦略」をまとめている。

 こうした動きは、領海での法の執行に向け、海上保安庁をかつてないほど積極的に行動させる日本政府の意向を浮き彫りにする。日本は尖閣諸島を取り囲む領海で法を執行するため、より率直になった。 

 現在の状況は、従来とは異なるより危険な局面を示唆している。過去の危機はナショナリスト団体が起こしたものだった。今回の衝突は、日中両国が領有を主張する海域での管轄権の執行により引き起こされた。

 海事管轄権の問題は無視できず、容易に共通認識ができるものでもない。しかしながら、共通認識に向けて努力することが、東アジアの海の秩序を維持するために日中両国がとれる唯一の方策かもしれない。

(マニコム氏はカナダのバルジリ・スクール・オブ・インターナショナル・アフェアーズの博士研究員)



(私のコメント)
日本で半世紀ぶりの政権交代が起きて、民主党が政権をとった背景には、アメリカのオバマ・クリントン政権における親中外交がある。特にブレジンスキー氏は親中派外交の中心であり、日本をひよわな花と称した。アメリカにとって、日本はあってもなくてもいい存在であると言うのが親中派の言い分ですが、日本無くして東アジアにアメリカは影響力を行使し得ない。

鳩山前首相は、アメリカ政府高官からルーピーハトヤマと呼ばれましたが、自民党政権では考えられなかった沖縄の海兵隊基地のグアム移転を押し進めようとした。鳩山前首相は揺さぶりでそうしたのか、それとも本気だったのかは分かりませんが、アメリカ政府を慌てさせたのは事実だ。自民党政権ではアメリカ政府に逆らう事など考えられなかったからだ。

自民党政権のこのような態度が、アメリカ政府の増長を招いたのであり、日本はほおって置いてもアメリカに付かざるを得ないと見ていた。だからアメリカ政権は中国に融和外交を行なってオバマ大統領をして中国が最も重要な二国間関係と言うまでになった。裏を返せば日本はどうでもいい存在となり、米中に挟み撃ちにあう事になる。

いわば日本はアメリカになめられていた訳ですが、これが自民党政権への国民の不信となり、麻生首相もオバマ大統領との会談に応じてもらえなくなっていた。自民党政権の支持率の低さからみて麻生首相の政権も短命に思われていたのだろう。鳩山首相との会談も昼食会の間に10分程度の会談でしかなかった。


麻生首相、外交舞台でも悪戦苦闘 各国首脳見限る? 7月9日 産経新聞

日米首脳「会談」は、サミット会場で突然にあっけなく始まった。
 日本側は、北朝鮮問題を中心に意見交換しようと、サミット日程で1時間ほどの空白がある 9日夕(日本時間10日未明)に開催しようと調整していた。「麻生首相とオバマ大統領は ずっと隣に長い時間座っているのだから、やるならきちんとした形だろう」(政府筋)という見方もあった。
 しかし、8日夜(日本時間9日未明)の主要8カ国(G8)によるワーキング・ディナー開始前に、オバマ大統領が日本語の通訳を従え、おもむろに資料を取り出して「ここでやりましょう」と持ちかけて始まったという。
 結局、会議の前後を使った計25分間、通訳を除いた同席者はいないという「立ち話」的な会談にとどまった。
しかも、米側は「(正式な)会談はなかった」と説明している。(


(私のコメント)
日本の総理大臣がアメリカの大統領と会談できるかどうかは政治生命にかかわる事ですが、オバマ大統領になって麻生首相、鳩山首相と軽く扱われるようになった。中国の胡錦濤主席とは年に5回も会って会談も1時間以上にわたるのに対して、日本の首相と会うときは10分か15分だ。そして日本はアメリカに軽く見られてアメリカ離れを模索するようになった。

沖縄の海兵隊基地が普天間からグアムに移転に成功すれば、他の在日米軍基地も移転の動きが出てくるだろう。それは中国にとっては太平洋に進出するチャンスになる。東シナ海においても尖閣諸島の領有化は台湾領有に向けた前哨戦であり、中国はアメリカの出方を伺っている。

米中の暗黙の了解で、アメリカは尖閣諸島の領土問題には関与しない事も考えられましたが、それほど日米関係はオバマ大統領になって冷却化した。これは想定された事態でありクリントン国務長官も中国を最重視する外交論文を発表していた。そして鳩山政権が出来て沖縄の普天間基地問題が見直される結果となりましたが、鳩山首相の行動はアメリカ離れを模索するものとなった。

中国の経済的、軍事的台頭は東アジアの情勢を流動的にしており、オバマ大統領のG2外交は日本にとって危険なものであり、SAEAN諸国も中国に飲み込まれる事を予想させるものだった。南シナ海は中国の内海化して中国漁船が監視艦に守られて操業するようになっていた。

中国をここまで増長させたのはオバマ大統領の責任であり、中国はG20でもアメリカを蔑ろにする行動に出た。アメリカ政府は外交的問題の90%はイラクやアフガニスタンに費やされており、中国とは事を起こしたくない事が原因でもあったのでしょう。しかし日本の鳩山政権はアメリカ離れを模索するに当たって、アメリカ政府は明らかに慌てた。

冒頭のバイデン副大統領の記事にもあるように、アメリカは日本の協力無しには対中国政策も東アジア政策も行使し得ない。アメリカは日本を失えば朝鮮半島から東南アジアに到るまで中国の勢力圏になってしまうだろう。中東情勢もインド洋のアクセスもままならなくなり第七艦隊はオーストラリアの南を通ってインド洋に出るようになるだろう。

菅政権は小泉政権の焼き直しのような政権であり、尖閣諸島の問題でも船長の拘留は中国の出方を探るものだろう。小泉首相の靖国参拝は中国国内の反日デモに繋がりましたが、尖閣問題でも反日デモが起きて温家宝首相も手を焼いているようだ。日本としては中国にはもっと暴れてもらってアメリカがどう出るか見守る事が大切だろう。オバマ大統領が本格的に中国宥和政策を変更するかどうかはまだ分からないからだ。


中国漁船衝突 温首相「即時釈放を」 対抗措置にも言及 9月22日 毎日新聞

【北京・浦松丈二】沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近で中国漁船と日本の巡視船が衝突した事件で、中国の温家宝首相は21日夜、国連総会出席のため訪れたニューヨークで在留中国人らと懇談し、逮捕された中国人船長の即時かつ無条件釈放を日本側に要求、応じないなら、新たな対抗措置を取ると警告した。中国首脳レベルが事件に言及するのは初めて。首相自ら抗議したことで対日批判が強まる恐れがある。




中国政府は不動産投資を目的とした人民元の外貨への両替を認めて
いない、闇で両替した現金をトランクにつめてハンドキャリーで持ち出す


2010年9月21日 火曜日

あなたは中国人にマンションを売りますか? 9月21日 姫田 小夏

日本の不動産市場は長らく低迷が続いている。日本人の住宅取得能力は2001年をピークに下がり続け、バブル崩壊後の地価下落で、大企業にとっては土地資産保有のうまみがなくなった。

 少子高齢化を見通せば、今後、内需のみで不動産市場の維持・拡大を図るのは困難だ。そこで今、不動産市場では、中国マネーへの期待が高まっている。

ついに「うちのマンション」もターゲットに

 「中国企業が物件を探しています」――。

 9月上旬、中古物件を探すチラシが東京都の城北地区のマンションにポスティングされた。中国企業が従業員の社宅を探しているというそのチラシは、テレビコマーシャルでもおなじみの大手不動産会社が作ったものだ。

 このチラシを見て、複数の住人が色めき立った。住人のAさん(42歳)は、特に「至急、売却物件を探しています」の文言に心が揺れた。

 「10年も過ぎると中古マンションは売りづらい。即決で買ってくれるという話は魅力的。現金払いも多いと聞いているし」

 昨今、「即金で不動産投資をする中国人(注1)」の姿がよく報道されており、中国企業は潤沢な資金を持っているというイメージが広がりつつある。Aさんもそんなイメージを抱いている1人。「即決即断、現金決済」と言われる中国人への売却は、渡りに舟なのだ。

 だが、同じマンションに住む70歳の主婦Bさんは、「これ、マズいんじゃないの」と不安を隠さない。

 Aさん、Bさんらが住むのは「静寂と瀟洒」が売りの高級マンションだ。Bさんは「何かトラブルがあった時に話せば分かり合えるモラルのある住民ならいいんだけれど」と漏らす。Aさんは売り抜ければそれでいいだろうが、Bさんは後に残される。どんな中国人が住むことになるのか、気がかりだという。

容易ではない中国からの資金持ち出し

 中国人の目に、日本の不動産はどのように映っているのか。「東京のマンションは質が高い。合理的な間取りや設計が人気」という評価もある一方で、「本当に日本の不動産には魅力があるのか」と疑問視する声もある。税負担、組合費、修繕積立金などランニングコストが中国本土以上に高い上、投資利回りは欧米より劣るからだ。

 だが、それ以上にボトルネックとなるのは、人民元から外貨への両替だ

上海にある法律事務所には、日本の不動産購入について多くの問い合わせが来る。だが、「中国では人民元から外貨への両替に制限があるので、『現状、合法での購入は難しい』とお答えしています」という。

 中国政府は不動産投資を目的とした人民元の外貨への両替を認めていない(事業投資ならば可能)。そのため、闇で両替した現金をトランクにつめてハンドキャリーで持ち出すことになってしまうのだ。

 あるいは「人民元から外貨への両替は1人当たり年間5万ドル」という枠を利用し、「親族で集めて2000万〜3000万円にする」という手口もある。また、深センを経由して香港に持ち出し、香港の口座から送金を行う「深センルート」もある。さらには、香港や英国領バージン諸島に会社を設立するという名目で送金する(事業投資ならば両替ができる)ケースもある。

「不正」な勢力が日本の不動産を狙っている?

 日本政府が警戒しなければいけないのは、こうした海外からの不透明な資金の流入だ。

 2008年3月、マネーロンダリングやテロ資金供与の防止を目的に「犯罪収益移転防止法」が施行された。不動産業界においても、売買を経由して違法な資金が入り込まないように、「疑わしい取引の届出」が義務づけられるようになった。

 中国人の不動産購入には、極端に高額な物件をキャッシュで購入したり、「どんな物件でもいいから売ってくれ」「購入手続を急いでくれ」などと買い急ぐケースが散見される。犯罪収益移転防止法では、これらも「疑わしい取引」と解釈している。疑わしい取引の届出件数は2008年に21件だったものが、2009年には33件に増加している。

 上述した「マンションのチラシ」に印刷されていた「至急」という文字も、不動産専門家によれば「疑わしい」ことがあるという。

 その専門家は次のようにコメントする。「『買い急ぐ』のは、何らかの形でマンションに潜り込もうとする意図があるからとも受け取れる。マンションに入ってきてほしくない買い主かもしれない」

 もし、不正に潜り込もうとする勢力であれば、それが後々にマンションの風評となり、資産価値の下落にもつながりかねない。「他の住民のためにも、売り主は買い主がどんな相手かを契約前に仲介会社に調べさせることが必要」と、専門家は指摘する。

ゆるすぎる不動産取引の規制

 前出の上海の法律事務所によれば、日本の赤字経営のスキー場、温泉旅館、保養所などが中国人の買い手を探して大々的に売り出されているという。

まるで日本列島が丸ごとバーゲンで売られているような状況だ。同事務所の弁護士は、「日本の不動産市場は開放されすぎだと思う。まな板の上の鯉にも等しい」と語る。

 一方の中国では、外資による投資を「外商投資産業指導目録」によって「奨励類」「制限類」「禁止類」に分類し、制限している。外資の投資に対して、「外資の思い通りにはさせない。あくまで采配は中国政府が握る」と、立場の強さを全面に押し出している。

 過去、中国では不況時に外国人の不動産購入を許した時期もあった。だが、その後市場が過熱したため、外国人による投資を規制するようになった。少なくとも現在、上海で外国人が不動産を購入するには、1年以上の居住が条件だ。

 さらに購入に当たっては、身分証明とともに居留証、労働許可証など(いずれも名前を公証させることが義務)の提出が求められ、すべて中国語訳をつけた提出資料を北京市で審査する、という手順を踏まなければならない。

 少なくとも、日本では許される「短期滞在者の購入」などはあり得ない。「申し込み」と「承諾」さえあれば、外国人との間の不動産取引(現金)が成立する日本とは大きく異なるのだ(日本でようやく「本人確認」が必要とされるようになったのは最近の話である)。

「池袋北口」の現実から目を背けてはいけない

 日本のビジネスパーソン、一般市民は、隣人となる中国人とどのように向き合っていけばいいのだろうか。マンション住まいには、言うまでもなく「互いへの配慮」が求められる。

 廊下に唾を吐くべからず、たばこをポイ捨てすべからず、パジャマで共用部を歩くべからず、大声で騒がない・・・。ひょっとしたら、中国人が住むことによって、これまでにない管理規約項目が盛り込まれるかもしれない。

 もちろん、一口に「中国企業」「中国人」と言っても一様ではない。中国屈指の頭脳集団が経営するハイテク企業もあれば、日本の大手企業に勤務するエリート層も存在する。日本でも、「中国人の不動産購入は大歓迎。どんどん住んでもらえば日本が国際都市になる」と言う人がいる。

 しかし、「池袋北口」(東京都豊島区)のような現実から目を背けることはできない。池袋駅の北口エリアは2000年に入ってから続々と中国人が集まってきた結果、今や自治体も警察も介入できない「無法地帯」となってしまった。

 規制がゆるいことに目をつけ、入り込む勢力は必ず存在する。そうした勢力がひとたび地下経済を築いてしまえば、ルール違反や法律違反に対して行政も業界も手出しはできない。

 そう考えると日本の不動産市場はあまりにも丸腰で、無防備だと言わざるを得ない。国情に合った規制を早急に設けるべきではないだろうか。


(私のコメント)
日本は長年にわたる不動産不況で、売りに出されるマンションや戸建て住宅がたくさんあります。バブルの頃には売りものが出てきませんでしたが、現在では安く投売りに出される物件が山のようにあります。バブルの頃は都内の一戸建てといったら億のカネがいりましたが、今では五千万円程度で山手線駅に近い戸建てが買えます。

ワンルームマンションなどでは値崩れが激しくて売りたくても買い手がいない状態が続いています。地方のリゾートマンションでは空室だらけで管理費も出せないから只に等しい金額で売りに出されているものもある。だから買ってくれる人がいれば中国人でも誰でもいいということになります。

空室だらけのマンションやアパートもたくさん出現していますが、借りてくれるなら中国人でもいいという事になり、中国人だらけになった団地も出現しているようです。最近は中国人観光客や留学生などが世界中に溢れるようになりましたが、世界各地にチャイナタウンが出現しています。中国人は昨日も書いたように中華意識が強くて外国の文化に同化することが難しいようだ。

だから集団を形成して一ヶ所にまとまって生活するようになります。外国で生活する二世三世ともなれば、その国に同化して行くのが普通ですが、中国人や韓国人は集団でコロニーを作ってチャイナタウンやコリアンタウンを形成する。コロニーだから言葉もカンバンなども中国語だらけになって、街が中国の一部になったかのようになってしまう。世界の主な大都市にはチャイナタウンが作られている。

シンガポールはチャイナタウンがそのまま国家になったようなものですが、アメリカやカナダではいずれミニ・シンガポールが出来るのではないだろうか? 東京でも大久保にはコリアンタウンが作られて、池袋ではチャイナタウンが作られつつあります。彼らはなぜ外国でも集団を形成してまとまって住もうとするのでしょうか?

日系移民などはアメリカや南米などに多く移住しましたが、二世三世ともなれば日本語も話さず現地社会に溶け込んで日本人街を作ることはほとんどない。リトル東京も名前だけになってしまった。上海にも数万人規模の日本人が住んでいますが日本人街は出来てはいない。

このような状況で中国人が日本のマンションや住宅を買うようになった場合、買い手がいなくて困っていた人にとっては現金で買ってくれる中国人は救いの神かもしれない。あるいは借り手のいなくなったマンションやアパートにとっては入居者を選んでいる場合ではないだろう。マンションやアパートの大家でも外国人は言葉の問題などで貸したがらない。

私が経営するビルにおいても中国人入居者がいましたが、契約した相手は日本人でも実際の入居者が中国人であることが後で分かった。中国人だとなかなか貸してくれないので仮の日本人をたてて賃貸契約をされるとわからない。相手が会社などの場合、社長が日本人でも実質的なオーナーが中国人と言う場合は分からない。

姫田氏の記事に寄れば、不動産売買の場合大金が動くので、中国人の場合は為替が自由化されていないので不可能なはずと言う事ですが、現金で持ち込むしか手はないようだ。それらの現金は闇市場で調達しなければならない。だから売買契約を急いでやってしまうと後で現金が入らないと言う事があるだろう。

中国が人民元をドルにペッグさせるために厳重な為替管理をしていますが、外国企業なども外国通貨と人民元との交換の規制が厳しいためにビジネスにも支障が出ている。日本人社員に払う給料すら持ち込む規制が厳しくてままならない。稼いだ人民元を円に替えて持ち帰ることも難しいようだ。為替が自由化しないと言う事はビジネスもやりにくくて人民元は国際通貨とはいえない。

中国人が国際ルールになかなか従おうとしないのは利害もありますが、中国人は教育によって西欧文明よりも絶対に優越していると教えられてきたからだ。昨日NHKで西大后の番組がありましたが、西欧文明に対してもなかなか受け入れようとはしない中国人の様子が描かれていました。さすが中華の民だけありますが、なかなか外国の文化を受け入れる事ができない民族だ。

だから外国に移民しても、その国の文化になじまず中国の生活習慣をそのまま維持する為に集団を形成してチャイナタウンを作るのだ。本当に中国文化が世界一優れたものならば世界が中国化していくのでしょうが、中華思想に染まってしまった民族は現実を素直に見ようとはしない。もちろん中国の知的エリートは西欧文明に対しても適応できても大衆レベルではそうはいかない。


中国人の大量入居で痰唾、糞、小便だらけになったUR都市機構団地(埼玉)の悲劇 4月7日 週刊新潮 3月18日号

『住人33%が中国人になった埼玉県チャイナ団地』
埼玉県川口市の芝園団地。全2400世帯のうち、3分の1を中国人世帯が占める。文化・習慣の違いから、当然ながら、さまざまな場面で軋轢が生まれている。外国人との共生というが、きれいごとでは済まない現実がここにある。現場からのレポートである。「ホラ、あのベランダをごらんなさい。洗濯物干しがロープでしょう。中国人の住んでいる部屋だってすぐわかる。もうすぐ春になるとおじさんが上半身裸で、部屋の中やベランダをウロウロするのが見えるよ」広場のベンチに座った70代の男性住人は、団地を見渡しながら言う。「痰や唾を吐くのは中国の空気が乾燥しているからかな、と思っていたら、習慣なんだな。この団地でもよく吐いているよ」チャイナタウンといえば、横浜中華街、神戸南京町、長崎新地中華街が有名だが、近ごろ、住人の3分の1が中国人という“チャイナ団地”が、埼玉県南部に出現した。川口市の芝園団地である。

中国人住人に対し、強い違和感を持つ日本人住人はかなり多い。「もうお互いに理解しようなんて思わないから、ルールだけは守ってほしい。ここは日本なんだから」そんな突き放した言い方をする住人もいるほどだ。何が起きているのか。「まず、中国人はゴミ出しができませんね」というのは、柴園団地自治会の瀬川剛一会長(80)である。

「日本のマナーに同化しようという中国人は少ない。中国も都市化が進んでいるので、ある程度の社会教育を受けていると思うし、ここの中国人はホワイトカラーが多いのに、マナーを守れないのはどういうことなのでしょうか」彼らの多くは、分別などお構いなしに、ゴミを捨てる。「生ゴミでも缶でもビンでも一つにまとめて燃えるゴミとして出してしまう。それを毎日、掃除のおばさん達が袋を開けて仕分けをしているんですよ」こう言うのは、団地に住んで25年の男性住人だ。「踊り場においてあるゴミ箱に生ゴミを捨てちゃうのもいる。“生ゴミを捨てないで”という張り紙があっても捨てる。ゴミ袋の中には中国文字のインスタントラーメンの袋とか、中国食材店で売っている食料品の包み紙とかがあるので彼らが捨てたとわかる。

夏場など、ウッとなるほど臭い。勘弁してほしい」問題はゴミ分別や置き場所だけではない。「もっと嫌なのは、自分の部屋の玄関先から廊下にゴミを掃きだすこと。紙屑やホコリに混じって髪の毛なんかが廊下に掃きだしてあると気持ちが悪い」とは団地内の掃除を担当する女性だが、粗大ゴミでもルールを守らないという。「使わなくなったソファや椅子、古自転車、冷蔵庫などを粗大ゴミとして市に引き取ってもらう、というルールを守ろうとしません。市に払う310円のシール代金は他の自治体よりも安いのですが、お金を払ったり、電話をかけて引き取りに来てもらうのが面倒なんでしょう。粗大ゴミを玄関ホールや各階のフリースペース、非常階段の踊り場などに置き去りにしています。私たちがそれを回収して川口市に引き取ってもらっていますが、その代金は居住者たちから集めている管理費から出ているのです。

日本人居住者が可哀相になってしまいます」だが、ゴミ問題はそれだけでは終わらない。何と、この団地では空からゴミが降ってくるのだ。「彼らはベランダからゴミを投げ捨てるんですよ。人参の切れ端など生ゴミは当たり前。中には子供のオムツを放り投げた奴もいました。下の階に干していた蒲団に汚物がついたことがありました。もっと酷いのは火のついているタバコを投げ捨てるんです。この前も洗濯物が焦げて問題になりましたよ」(同)傍若無人な振る舞いだと日本人なら誰でも思うが、彼らにとっては当たり前のことになのだという。「中国には“白害”という言葉があります。列車の窓から弁当の包み紙や紙コップ、食べ残しなどをポイ捨てして、ゴミが線路沿いにずっと続く状態を表現しています。現在、中国では立派なマンションが次々に建てられていますが、居住する彼らは窓からゴミをポイポイ捨てるので、建物の周辺にはビルの形に沿って、四角いゴミの山ができているほどです」(中国問題専門家)

日本人には何とも理解しがたい行為だが、さらに信じられないことがある。「辺り構わず痰や唾などをぺっぺっと吐くなんてまだ序の口、エレベーターの中や踊り場でオシッコをするんですよ。催すと、家に戻らず、そこらでしちゃうんでしょうね。よくエレベーターの床に水たまりができています」(団地の関係者)団地内の公園には噴水があったが、しばしば彼らが立ち小便をするからと撤去されてしまったという。日本人も、だいぶ少なくなったとはいえ、今でも立ち小便をしないわけではない。しかし日本人は団地の踊り場や階段で大便をしたりはしない。ところが、この団地では日常的に大便が発見されているのである。「毎朝のように水で流していますよ。ホームレスが犯人だという人もいますが、誰が13階や14階まであがってやりますか」とは先の掃除担当者だが、30代の男性住人は言う。「ある時、日本人のおばさんが、中国人女性が階段で用を足しているところを見つけた。注意すると、こう言われたそうです。“トイレで流すのがもったいない”」聞いた人は二の句が継げなかったというが、「日本に来ている中国人でキチンと礼儀を知っているのは少数派。

多くの中国人は痰や唾を吐き捨てることを悪いとは思っていません。誰も見ていなければ、植え込みにだってウンチをするでしょう。それが中国式なのですから。そんな連中に注意しても無駄ですよ。うるさいと思えば、“日本語がわからない”と開き直ってしまいます。とくに集団になると仲間意識が働いて、ますます中国式にこだわるようになります」というのは、07年、中国から日本に帰化した評論家の石平氏。ここの中国人には、郷に入っては郷に従えという考えはないようである。実際、彼らは団地の自治会にも入ろうとしない。「中国人で年間3000円の自治会費を払っているのは、800世帯のうち1世帯だけですよ。この人はIT関連会社のお偉いさんです。ああいう中国人ばかりだといいのですが、他の中国人は、“3000円払って何のメリットがあるのか”と平気で断ります」(瀬川会長)



(私のコメント)
中華文明は世界一と教えているのでしょうが、かつての中国文明を作り上げた漢民族は滅んでしまって、今いる民族は北からやってきた野蛮人の子孫なのでしょう。だから北朝鮮人と中国人は非常に文化的に似通っている。かつての中華文明を作り上げた漢民族は滅びるか南方に逃れて四川省の山奥にいるようだ。




中国の総参謀長の発言は、南シナ海の主権および海洋権益を守るため
には、戦うことも厭わないという中国の強い立場を明確にしたものといえる


2010年9月20日 月曜日

船長拘置延長、中国「強烈な報復措置講じる」 9月20日01時58分  読売新聞

【北京=佐伯聡士】中国漁船衝突事件で中国人船長の拘置延長が決まったことについて、中国の王光亜・筆頭外務次官は19日夜、丹羽宇一郎・駐中国大使に電話で抗議を行い、「日本側が船長を即時無条件釈放しないなら、中国側は強烈な報復措置を取り、その結果はすべて日本側が負うことになる」と警告した。

日本大使館によると、丹羽大使は中国側に冷静かつ慎重な対応を求めた。また、東シナ海のガス田に掘削用ドリルのような機材が搬入されている問題についても、一方的な開発行為を控えるよう要求した。

 中国中央テレビによると、中国外務省は、報復措置として、日本との間での閣僚級以上の省庁・地方政府間の交流のほか、8月に合意したばかりの航空路線増便のための協議などを中止したことを明らかにした。中国は、2001年に李登輝・元台湾総統の訪日に抗議して、閣僚や次官級の訪日を相次ぎ中止する措置を取ったことがある。



From:北京 日米同盟試す中国 9月20日 毎日新聞

「釣魚島(日本名・尖閣諸島)を返せ 船長を返せ」。満州事変(1931年)のきっかけになった柳条湖事件から79年となる抗日記念日の18日。北京の日本大使館前で「反日」を叫んだ人たちは数十人規模だった。数万人規模に達した05年の反日デモほどの熱気は感じられなかった。

 尖閣諸島付近で日本の巡視船と中国漁船が衝突した事件で、中国政府は丹羽宇一郎駐中国大使を何度も呼び出して抗議するなど強硬姿勢を続ける。民間には「海軍の利用を含めた権益保護を考慮すべきだ」(上海社会科学院の金永明教授)との意見まである。

 過去の中国の対日強硬姿勢には国内の「反日世論」への配慮が少なからず影響していたが、今回はどうもそれだけではない。領有権問題に対する中国政府自身の強い意志が感じられるのだ。

 中国は尖閣諸島のある東シナ海だけでなく、南シナ海でも南沙(英語名・スプラトリー)諸島などで周辺国と領有権を争うが、今年3月ごろから、南シナ海を「核心的利益」と呼び始めた。台湾やチベットと同じ表現で、この問題では妥協しないという姿勢の表れだ。

 しかし、海軍力を増強させ、海の権益増大に執着する中国には米国や関係国が警戒を強める。クリントン米国務長官は7月の東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)で「南シナ海での航行の自由は国益に合致する」と述べ、中国を強くけん制した。

 尖閣問題でも中国が最も気にするのは米国の出方だ。外務省の姜瑜副報道局長は16日の会見で「釣魚島は中国固有の領土だ。この地域に存在する(米軍などの)外国軍や(日米安保条約などの)2国間協定は、中国の利益を害するべきではない」と述べた。

 アーミテージ元国務副長官が15日に東京で「日米関係が冷たくなっているから、どこまでなら許されるのか試している」と中国の強硬姿勢の背景を分析し、防衛費増額や日米共同訓練拡大を提案した。姜副局長の発言はこれへの反論だ。

 米国の歴代政権は日中の領有権問題には介入しないが、日本の施政下にある尖閣諸島には日米安保条約が適用されるとの立場を取っている。中国は南シナ海と同様に尖閣諸島に対しても米国が関与を強めることを警戒しているのだ。

 北京の外交筋によると、中国はオバマ政権発足後、米国と安保条約の解釈と運用についての協議の場を持ち、尖閣諸島への適用に直接言及しないようにたびたび働きかけてきたという。

 中国の古典「孫子の兵法」は、戦わずして勝つためには敵の謀略を見抜き、同盟関係を妨害することが有効と説く。現代中国は米国の「謀略」を疑いながら、日米同盟を揺さぶろうとしている。日本は同盟の足元を固めつつ、冷静さを保つことが上策だ。【浦松丈二】



目に余る海洋進出 戦いを厭わない中国の本質 8月25日 産経新聞

これまで南シナ海への中国海軍の進出に直接関与することを控えてきた米国が、積極的な動きを示し始めた。去る8月11日、南シナ海の中国の海南島と西沙諸島を望むベトナム中部のダナン沖で、米国海軍とベトナム海軍が捜索救難などの合同訓練を実施した。

その1カ月ほど前、ベトナムのハノイで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)の関連会議で、クリントン米国務長官は「南シナ海の航行の自由は米国の国益であり、軍事的脅威に反対する」と明言していた。

 背景には、最近の中国の目に余る海洋進出がある。

 ◆米国のベトナム撤退直後から

 1973年のベトナム停戦で米国はベトナムから撤退し、92年にはフィリピンのスービック基地からも去った。こうした米軍の後退による力の真空を埋めるように中国が南シナ海に進出してきた。

 74年1月には早くも、西沙諸島に進出して、それらを支配下に収める。80年代に入ると、中国海軍の艦艇が南沙諸島海域に出没するようになった。同年代末までにベトナム南部海域に、90年代に入るとフィリピン海域に海軍の活動拠点をそれぞれ設置した。

 中国は西沙諸島中心部の島に2600メートルの本格的な滑走路、南沙諸島のベトナムに近いサンゴ礁に早期警戒レーダーを設置する。フィリピンのパラワン島に近いサンゴ環礁には、海軍の基地を建設した。さらに海南島には、原子力潜水艦が潜水したまま出入できる新しい海軍基地が建設されている。

 こうした島嶼の基地整備とともに中国海軍が南シナ海に進出して活発に活動している。

 ◆冷戦後の世界秩序に積極関与

 他方、中国の大規模な漁船団が、軍艦とみまがうような大型監視船に守られて、南シナ海海域に展開して漁労に従事している。その数は多い時には1千隻に達するという。

 そうしたなかで今年7月中旬、中国海軍の北海、東海、南海の3艦隊からなる「多兵種協同」の実弾演習が南シナ海の某海域で実施された。北海艦隊と東海艦隊の艦艇が二手に分かれる。台湾海峡を通過して南シナ海に直行するものと、東シナ海から、わが国の沖縄本島・宮古島の間の海域を通って西太平洋に出、西航して台湾とフィリピンの間のバシー海峡を通って南シナ海に入るものとが確認されている。

 演習を観閲した陳炳徳総参謀長(中国中央軍事委員会員)は「情勢の変化に高度の関心を維持し、戦争準備に万全を期さなければならない」と指示している。

 こうした南シナ海での中国の断固たる姿勢は、今年3月、中国を訪問した米国の国防関係の要人らに、中国政府の要人が、南シナ海は中国の領土保全の「核心的利益」と表明した発言にはっきりと表明されていた。

 南沙諸島に進出した1988年末に、中国は「新しい国際秩序」の形成を提示した。戦後世界を支配した米ソ冷戦体制の崩壊を前にして、その後の国際秩序の構築に中国が積極的に参画するとの意思表示であったが、日本で当時関心を示したものは筆者以外にはほとんどいなかった。

 それから20余年を経て中国は米国要人に向かって、台湾、チベット、新疆と並べて南シナ海を「核心的利益」と規定し、「新しい国際秩序」の核心をなすこれらの地域の領土保全を国家存亡の最重要課題とみなし、他国とのいかなる妥協も拒否する一貫した立場を示したのである。

 総参謀長の発言は、南シナ海の主権および海洋権益を守るためには、戦うことも厭わないという中国の強い立場を明確にしたものといえる。

 ◆「核心的利益」を着々と拡大

 しかし、中国のいう「核心的利益」とは南シナ海にとどまることはない。放置しておけば、それほど遠くない将来に、東シナ海、黄海、さらには西太平洋にまで拡大していく可能性が強い。

 5月21日付本欄で、東シナ海における中国の活動の重大な変化に触れたが、昨年からこれまでに数回にわたり、中国の艦隊が沖縄〜宮古島の海域を南下して、わが国の最南端の領土である沖ノ鳥島の西方海域で、軍事訓練や対抗演習を実施し始めた。

 東シナ海の中間線より内側の海域、および西太平洋の日本寄りの海域は、公海とはいえ、わが国の排他的経済水域(EEZ)である。わが国が積極的に対処しないと、この種の訓練演習は常態化することになろう。

 中国がこれらの海域に艦隊を派遣する目的は、それほど遠くない将来、具体化をもくろむ「台湾の統一」に向けて米国の軍事介入を阻止することにある。

 南シナ海と西太平洋は、日本への海上の輸送ルート、シーレーンが通っているわが国の「生命線」ともいうべき海域である。前首相がご執心の「友好の海」とか「東アジア共同体」とか、暢気なことを言っていられない厳しい現実を冷静にみつめて適切に対応する必要がある。その時に動いても遅いのだ。(中国軍事専門家・平松茂雄)


(私のコメント)
日中関係がだいぶ騒がしくなってきましたが、日米中の三国間の腹の探りあいによるものだろう。日本としては中国の真意を探る意味もありますが、この問題でアメリカの出方も日米関係を探る意味でも注意が必要だ。少し前の米中関係ならアメリカは動かない可能性がありましたが、現在ではそうも言っていられない状況になりつつあります。

3月には黄海で韓国の哨戒艦が北朝鮮の潜水艦に魚雷で沈められましたが、犯人は北朝鮮であるにしても中国がやらせたのではないかと私は見ています。それによってアメリカがどう動くか中国は試したのだ。南シナ海では中国の進出にASEAN諸国はなす術が無く西沙諸島を中国が占領している。

このような状況で鳩山民主党政権は沖縄の米海兵隊基地の国外移転を模索しましたが、それが韓国や台湾やASEAN諸国まで動揺させている。親中派のオバマ政権では東アジアにおけるアメリカのプレゼンスは年々影が薄くなり、中国の海軍力増強ばかりが目立つ事態になっている。

南シナ海が中国の内海化すれば、外国の軍艦は立ち入れなくなり、インド洋と太平洋を結ぶ航路も大きく迂回せざるを得なくなるかもしれない。黄海ではアメリカの原子力空母も航行できなくなりましたが、東シナ海にもいよいよ手を出し始めたようだ。それに対して日本は中国の漁船を公務執行妨害で船長を逮捕しましたが、中国政府が猛烈な抗議をしている。

オバマ大統領が米中のG2などと言い出すから、中国は調子に乗って西太平洋に乗り出してきたのでしょうが、沖縄の海兵隊基地のグアムへの移転は中国に対して暗黙の了解を与えたように見える。中国海軍の要人は太平洋の東西分割まで言い始めていますが、中国人をつけあがらせると手に負えなくなります。

中国の軍事的台頭は日米中の関係に影響が出て来ており、鳩山民主党政権では日米中の正三角形を言い出す勢力が出てきた。「株式日記」でもアメリカは東アジアから出て行くだろうと予測を立てましたが、アメリカは大規模な軍縮に乗り出して海外の軍事基地の整理縮小に迫られている。

それを見越して鳩山首相は沖縄の米海兵隊基地の海外移転を言い出したのでしょうが、そんな話が出るほど最近の日米関係はギクシャクし始めていた。小沢一郎の第七艦隊で十分と言う意見もあったほどですが、日本の真意を探る為に中国は尖閣諸島にも手を出し始めたのだろう。中国政府は船長の拘束延長で面目丸潰れになり、最大限の外交圧力をかけてきた。

私としては中国に「強烈な報復措置を講じて」もらって日本国民に中国の軍事的野心に気が付いてもらいたいものです。東アジアに軍事的空白が出来れば中国が出てくることは分かりきっている。アメリカも何処まで頼りになるかわからない状況では、日本もいつまでものほほんとしていられない。

長期的視点から見れば、アメリカはベトナムから撤退してフィリピンの軍事基地も閉鎖した。韓国の基地も大幅に縮小してきて、残る米軍基地は日本国内ぐらいしか無くなる。ちょうど民主党の代表選挙期間中に尖閣諸島で問題が起きましたが、親中派の小沢氏が敗れたのは中国にとっても痛いだろう。

将来的には中国海軍の外洋進出を阻めるのは日本ぐらいしかないのであり、中国の露骨な海洋への進出は、日本が軍備拡大するチャンスをくれたようなものだ。戦前においても中国は諸外国軍と小競り合いを繰り返しては国内が混乱してきましたが、それと同じような状況になりつつあるようです。

中国人は国名が示すように中華の民であり周囲の国を威圧しては中華意識を高めてきた。経済成長がその悪い病気を再発させてしまったようですが、中国はどこまで日本を威圧してくるだろうか? 




「株式日記」のような文字主体のブログは、アマゾンのキンドルの
ような端末が最適である。電子書籍よりもウェブ端末としても使える。


2010年9月19日 日曜日

日本語対応キンドルの実力はいかに? 第一印象は「◎」 【増田(@maskin)真樹】 9月6日

先日、Techwaveで報じた通り、米Amazon.comは8月26日、日本語表示に対応したキンドルの新モデルの出荷を開始した。発売直後から売り切れとなる人気ぶりで、記事執筆時の納期はおよそ2週間前後となっている。

 筆者の所に「Kindle 3G+WiFi」モデルが到着したので、開封から日本語表示、ウェブブラウザのテストなど通じ、気づいたことなどをお伝えしようと思う。

 ちなみに上の写真は開封直後のもの。「充電して」といった内容のメッセージがディスプレイに貼り付けてあるが、実はこれ透明シートに印刷されたものではなく、キンドルが表示している。キンドルの電子ペーパーは、一度表示した映像は、電池を消費することなく表示し続けることができるのだ。

 出荷時に表示されている告知を部分を接写するとこのような感じ。よくみるとジャギーがあり、本の先鋭さには届かない。ファックスと同じようなクオリティだ。
表示は「画面」というよりは「紙」という印象が強い。例えば、画面を限りなく側面から見てみても、“印字”された文字はくっきりした状態で確認できる。

 手に取るとその手頃感がわかる。小さ過ぎず、大き過ぎず、コンテンツを見るのにベストフィットという印象を受ける。

iPhoneと並べると、ディスプレイの特徴の違いが良くわかる。バックライトの無いキンドルは、暗い場所では視認できなくなるが、光らない分、目が疲れにくい。

次は日本語の表示をチェックしてみよう。キンドルをUSBでパソコンに接続すると「ストレージモード」になる。ディレクトリに直接アクセスできるので「documents」フォルダに日本語のファイル(テキストファイルやPDFファイル)をコピーする。

初めの1本は、テキストファイル。書きかけの文章で、編集用の記号などが入っているが、段落さえ分かれていれば十分読みやすい。

 次はPDF。先日WISH2010でも大賞を受賞したpaperboy&co.の「ブクログのパブー」で公開されているFLOP DESIGNさんによるエッセイ「デザインでいっぷく〜デザインの落とし物」のPDFファイルを読むことにした。

文字が小さ過ぎるのでPDF拡大機能(150%、200%、300%)で3倍に拡大してみる。十分大きくなりゴシック系の日本語フォントの美しさがよくわかる。

 ただキンドルの動作自体がサクサクしているわけではないので、拡大縮小時の切り替えが少々億劫だ。キンドル向けにコンテンツを作成する場合は考慮した方がよさそう。

(追記) 当初「PDFファイルには日本語フォントのサブセットを埋め込む機能があるが、今回は利用しないファイルを選択した」と書いたのですが、このファイルにはIPAフォント等が埋め込まれていました。

 次は、NTTドコモさんのIR資料として公開されているプレゼンテーションスライドを表示させてみる。(こちらも一部フォント埋め込み)

 非常に良い再現性能。ただ、横でみる資料なので、縦ディスプレイにはフィットしない。そこでキンドルの回転機能を利用する。

ご覧のようにジャストフィット。キンドルは、プレゼンスライドPDFのストック&閲覧に最適ではないだろうか。

 Amazon.comストアには日本語のコンテンツがないので、今回はPDFやテキストファイルなどをチェックした。PDFにはレイアウト情報があり、スライドみたいな1ページ簡潔ものはフィットするが、それ以外では必ずしもキンドルには最適ではないケースもある。そのため大量の文章を読むにはテキストファイルが最適と感じた。

上の写真がTechwaveのサイトをオープンしたところ。モノクロなのはやむを得ないが、表示が崩れたりすることはなく完璧だった。

 今回テストしたのは3G回線。もともと電子ペーパーの描画速度はとても遅いので、ウェブ表示やTwitterなどの利用はあまり期待していなかった。しかし、テキストを読むための機能があるなど好感が持てた。それが以下の部分、「Article Mode(記事モード)」というものがある。

切り替えると、レイアウト情報や画像や広告をカットし「文章」だけを表示してくれるので、長い文章でも読みやすくなる。

 切り替えスピードは高速ではないので、サクサク読み進むわけにはいかないが、今後期待できる機能だ。この「ウェブ」→「記事モード」の切り替えスピードなどを体感頂くためにムービーを撮影してみたので参考にして欲しい。

みなさん気になっていた日本語についてだが、表示については問題はないと言っていいだろう。ただ、現時点ではフォントは1種類しか確認できておらず、この点、何種類か選択できればと感じている。

 さて、Techwaveではこれまで何度も日本語対応キンドルについてお伝えしてきたが、キンドル専用の3G回線については詳しく述べてこなかった。世界各地で無料で3G通信が使えるというものだが、自ら確認が取れなかったのであえてお伝えしなかったのだ。

 そこで実際、パッケージを開封し確認をしてみたが、設定不要ですぐに3G通信が可能となった。日本国内ではドコモ回線を使ったサービスとして利用できるらしい(ローミング)。

 ウェブの機能が実験的なものだとはいえ、無料で3G通信が使えるというのはすごいことだと感じた。いつでもAmazon.comでコンテンツを購入できるし、パソコンで購入したキンドルコンテンツも自動でシンクロされる。読書以外で面倒なことを考える必要はほとんどないというのは素晴らしいことだ。(この手のグローバルサービスは、突然中断することも多いのだが、日本版キンドルサービスがスタートしたした際も継続して欲しいものである)

 そう、日本語対応キンドルに触れ感じたのはこのデバイスで本を沢山読みたいということ。Amazon.co.jpでキンドルの日本語コンテンツの扱いを初めて欲しいと強く思った。デバイスにフィットしたコンテンツが流通することが、AmazonDTPの成功につながるわけで、その時こそがキンドルの本領発揮となる。

 筆者の憶測だが、Amazon.co.jpでのキンドル対応はもう間近だと思う。だって、ストアのトップに米キンドルの広告を何ヶ月も掲示するのには、当然何らかの理由があるからだ。2010年クリスマスは「日本版キンドル」一色に染まると考えてもいいように思える。


(私のコメント)
「株式日記」は現在5000名近くの方が携帯で読んでいただいているのですが、全体の3分の1になります。携帯の小さな画面では10000文字近い文章を読むのは大変だと思うのですが、もはやインターネットの主力端末はパソコンから携帯に代わって来ています。しかし携帯では画面が小さくて読むのには適していません。

今年発売されたアップルのアイパッドは電子書籍端末として注目されましたが、インターネット端末であり、電子書籍端末としては重過ぎるし電池も10時間しか持たない。アマゾンのキンドルは軽くて電池も一ヶ月近くももつと言う事ですが、最近発売された新型のキンドルは日本語にも対応して使えるようになりました。

値段も安いモデルは10000円以下で買えるようですが、3Gモデルは通信費用はタダになると言う事です。これはまだ試行段階ですが、毎月本を数冊買えば通信費用はタダになるようになるかもしれない。それに対して日本の出版業界は団体を結成してはいますが、具体的なビジネスモデルはまだできていない。

「株式日記」でも書いてきたことですが、著作権法がインターネットに対応していない為に書籍を電子化しようにも著作権法が壁になってしまって進まない。ならば法改正すればいいのにと思うのですが、法改正も利権が絡むとすったもんだでなかなか纏まりません。

「株式日記」でもインターネット時代の著作権法はこうあるべきだという事を書いてきたのですが、いまだに「株式日記」のコピペは著作権法違反だと言うコメントが後をたたない。英米法のように法律を柔軟に使う習慣がないわけですが、司法界自体がグーグルの電子検索を著作権法違反としている状況ではどうしようもない。

つまり紙でできた本の時代の法律を、インターネットに適用しようとするから新しい時代がなかなか作ることが出来ない。新しい法律は権利者同士が利害調整すれば出来るのでしょうが、新しい状況がどのようなものかを判断できなければ利害調整も難しいだろう。日本ではいちいち法律違反かどうか問題になるよな事では新しいビジネスは出来ない。

アマゾンはキンドルで電子出版化をどんどん進めていますが、音楽におけるアップルのアイチューンズのように音楽端末もダウンロード販売も独占されたように、電子書籍もアマゾンが独走して、気がついた時は日本の電子出版業界はアマゾンに独占されているかもしれない。それだけアマゾンが電子出版で独走している。

ソニーやパナソニックも以前は電子書籍端末を発売していましたが今では撤退している。出版業界と利害調整が出来なかったからですが、今までの既得権を守る為に新しい動きを封じようとする勢力が強すぎるからだろう。しかしインターネットの世界は簡単に国境を越えてしまうから、アメリカで出版して日本に販売されればそれでお終いだ。

今でもアダルトサイトなどがアメリカにサーバーを置いて商売していますが、わいせつ物取締法違反であってもアメリカにサーバーがあれば、日本の警察は手出しが出来ない。犯人の特定が出来ないからだ。アマゾンは日本の電子出版に対しても作家などを70%の印税で誘い込んでいる。


電子書籍価格の70%を著者らに 米アマゾンが導入へ 1月21日 共同ニュース

【ニューヨーク共同】米インターネット小売り大手のアマゾン・コムは20日、同社の電子書籍端末「キンドル」で扱うデジタル書籍の販売価格の70%を著者や出版社などに配分する新しい仕組みを6月30日から導入する、と発表した。

 安く売られることが多い電子書籍に反発する出版社も少なくないことから、アマゾンは著者らの取り分を増やすことで、電子書籍端末で扱うコンテンツの提供を促し、品ぞろえの充実を図るのが狙いとみられる。

 対象のデジタル書籍は、価格が2・99ドルから9・99ドルの範囲に収まり、印刷版の書籍よりも20%以上価格が安いことなどが条件となっている。

 アマゾンによると、米国では通常、著者は書店での販売価格の7〜15%程度の著作権料を受け取ることが多いという。



(私のコメント)
アマゾンと言えばアフリエイトで新しいビジネスモデルを作りましたが、有力ブロガーが書籍を紹介すれば本が売れて手数料がもらえます。だからネット上で本を紹介するのが職業の人も出てきたくらいですが、「株式日記」では本の紹介はしてもアマゾンのアフリエイトは利用していない。収入を得る目的で「株式日記」を書いている訳ではないからだ。

電子書籍も普通のブログも読み物としては同じであり、有料なのが電子書籍であり無料なのが普通のブログと考えればいいのではないかと思う。このように「株式日記」を無料奉仕で書いているにもかかわらず、コメント欄には誹謗中傷コメントが毎日のように投稿されます。だから多くの有名ブログはコメント欄が無いものがほとんどか制限つきです。

これではインターネットの双方向性が無くなりますが、「株式日記」をぼろ糞に貶して何が楽しいのだろうか? くだらなければ見なければいいのにと思いますが、貶す事で自己主張したいのだろう。私の場合、学生時代から博識すぎて変人奇人扱いされてきましたが、インターネットを得てますます博識ぶりに磨きがかかってきた。これが毎日無料で読めるのだから日本の宝と言ってもいいだろう。




今回の政府日銀の為替介入は投機目的のヘッジファンド退治が目的
であり、一日に3%も円安になればヘッジファンドに大打撃を与えた。


2010年9月18日 土曜日

大手ヘッジファンド各社、円売り介入で打撃 9月17日 英フィナンシャル・タイムズ紙

政府・日銀による外国為替市場への予想外の円売り・ドル買い介入は世界最大級のヘッジファンドに驚きを与え、各社は円の急落により大幅な損失を被った。

 日本の財務省が6年ぶりの市場介入を明らかにしたことを受け、15日の円相場は15年ぶりの高値となった1ドル=82円88銭から3%以上下落し、今年最大の下落幅を記録した。

予想外の動きに弱い「アルゴリズム取引」

 ファンド各社の運用成績に詳しい関係者によると、英資産運用会社マン・グループが経営する運用資産210億ドルのファンドAHL、50億ドルのウィントン・キャピタル・フューチャーズ・ファンド、10億ドルのアスペクト・ディバーシファイド・ファンドなどの英ヘッジファンド各社はすべて、円に対し強気のポジションをとっていたため損失を出したという。

 3社はすべて市場動向を自動的に判断して注文を出す「アルゴリズム取引」を採用しているため、各国政府や中央銀行による突然の介入など予想外の動きに弱い。3社以外にもグローバル・マクロ戦略(経済動向を分析して投資先を選定する方法)をとるヘッジファンドや為替取引の専門家などが今回の介入で打撃を受けたとみられる

 円の上昇傾向が続いたため、アルゴリズム取引を行うヘッジファンドは8月に巨額の運用益を上げた。だが9月はそう単純ではなくなりつつある。

「日本政府の介入で通貨市場が混乱」

 ある投資家によると、AHLは8月に6.8%の運用益を上げ、ウィントンの主力の先物ファンドでの運用益は5%弱だった。

 あるファンドマネージャーは「日本政府の介入により通貨市場全体が混乱した」といら立ちをみせつつも、「市場が再び沈静化するにはおそらく1週間かかるが、(今回の介入による)恒久的な影響については全く心配していない」と述べた。

 日本政府の追加介入に懸念を強めるファンドもあるものの、多くのファンドマネージャーは円が強い基調を維持しているため既に損失を取り戻している。菅直人首相は16日、必要ならば政府は円の下落に向けさらに「断固たる措置」をとる用意があると強調した。

 あるブローカーによれば、運用者の判断で売り買いをする自己裁量取引をするトレーダーらは、追加介入やその恐れを契機にコンピューター分析に基づくシステム取引を断念するファンドが現れるかどうかに注目している。

円買いのチャンスとなる可能性も

 いずれにしても、日和見的な短期売買戦略をとる一部のヘッジファンドは今回の日本政府の介入にチャンスを見いだしている。

 政府が追加介入に踏み切っても市場の動向を変えられない場合には、円買いのチャンスとなる可能性があるためだ。

 あるグローバル・マクロ・ヘッジファンドのトレーダーは「今回のような市場操作が常に成功するとは限らない。もし介入時期を間違えれば、トレンドを戻すどころか悪化させてしまう」と指摘した上で、「1992年に英国に起こったことを思い出してほしい」と述べ、英国がポンド危機で欧州通貨メカニズム(ERM)離脱に追い込まれたことに言及した。



介入効果でビビり始めたヘッジファンド? 9月17日 為替王

15日の日本政府・日銀による大規模な為替介入により、1ドル=82円台の超円高から85円台へと少しドル高・円安に戻した後の、昨日の為替相場は1ドル=85円台で推移しました。

昨日の日中の動きを細かく見ますと、朝方は85円70銭台でしたが、午前中に円高方向への揺り戻しが入り、昼ごろには85円20銭台まで円高になりました。しかし、そこで円高の動きは止まりました。

その理由は、投機筋からみれば「これ以上、85円を割れるまで円を買い進んでもまた介入によりやられてしまうのではないか」という疑心暗鬼の気持ちが生じたからです。一昨日の為替介入は大変上手で効果的な手法であったことは、昨朝の記事で解説いたしましたが、それが非常に効いています。(ご参照:政府・日銀、最高の為替介入?!
一昨日のように、じわじわと断続的に介入を入れることで、投機筋を締め上げたことにより、彼らは完全にビビってしまいました。そのことにより、昨日は85円を割れるまで円買いを進めることはできず、昨日生じた円高の動きはすぐに止まりました。

介入はやっても意味がないなどの意見が以前からありましたが、今回のように上手いやり方で介入すれば効果が出ないわけがありません。投機筋も別に日本政府と戦うことが目的ではなく、儲けることが目的ですから、儲からないと思えば無理に円買いはしません。

15日の介入後は早速、アメリカの一部議員などから介入を批判するコメントがいくつも出てきました。相手にする必要はないでしょう。
先日、「犯罪に等しいほど円は高い」とのイギリス大手金融機関の見解をご紹介しましたし、昨日のロイターニュースではソロスが「円が過度に強すぎるため日本が打撃を受けていることは明確で、日本が介入に踏み切ったことは正しいと考える」と発言したと報じられています。このように世界を客観的に見ることができる投資家の目線では、今まで日本が過度な円高により尋常でない不利益を被っていることは明らかで、介入はやむを得ないという認識です。

介入とは別に、経済ファンダメンタルズの観点では、昨夜、米NYダウ株価が一時1万600ドル台を回復しましたし、ドル安の主要因のひとつであった長期金利低下も歯止めがかかり、8月下旬で底打ちしたあとの反発傾向は昨夜も続いています。このように米国経済が緩やかであっても回復が続き、金利低下に歯止めがかかり反発が続けば、ファンダメンタルズの観点でも、先月までの異常なドル安・円高圧力は徐々に緩和されると思います。


(私のコメント)
今回の政府日銀の為替介入は82円台から85円台まで一日で一気にもって行ったことで投機筋のヘッジファンドは逃げられずに捕まってしまったようだ。以前の介入ならば85円まで戻した後でだらだらと円高になって元の木阿弥になっていましたが、追加介入でじわじわと締め上げるやり方を行なっているようだ。

為替相場はレバレッジの非常に高い相場だから僅かな変動でも非常に大きな利益や損失を生み出す。だから為替相場は素人が出を出すと大抵やられてしまう。何しろ相手は政府や中央銀行だから実弾は無尽蔵に持っているし金融政策の変更などで流れを変える事ができる。

株式市場などではコンピューター任せのロボットトレーディングが主流になり、超高速トレーディングで人間の判断が入り込む余地はなくなっています。データーを打ち込めばロボットが自動的に状況を判断してトレーディングをしてくれるのだから、円高になれば輸出企業の利益が減り輸出株が売られるプログラムで動いている。

だから政府日銀がそろそろ動くと見れば株式市場でも輸出株を買っておけば儲かる。為替相場はこのように政府日銀が人為的に介入できるから政府の政策にも通じていないと最終的にはやられるだろう。9月10日の株式日記でも書きましたが、株式日記を読んでおけば政府日銀の介入の予測は付いたかもしれない。


米金利水準と整合的に説明できるのは80円台まで。それを超えて70円台へとオーバーシュートする事態は、金利ではもはや説明できない 9月10日  株式日記

 昨今の円の対ドル相場は、米国情勢次第であり、米金利の動向が最善のシグナルになっている。例えば米国債2年物利回りの動きとドル・円相場が非常に密接に連動している。同利回りが最近0.5%前後まで低下すると、ドル・円相場も85円前後になった。米国でデフレ懸念が強まり、この金利が0.4%まで下がれば、ドル・円も82〜83円だろう。この観点から言えば、米景気見通しが改善し、金利に先高感が出てくれば、円高地合いも一服するはずだ。米利上げ観測が出てくるほど経済指標が改善すれば、金利の先高観に応じて数か月ぐらい円安になる展開も考えられる。




アメポチ新聞の読売新聞は、長官が「これまで定型的に使っていた
『日本、韓国、オーストラリア』という順番を変更した」と指摘した。


2010年9月17日 金曜日

クリントン演説で明らかに、日本は今や韓国の次 9月16日 古森義久

 米国のオバマ政権下での日本の同盟国としてのランクは明確に下がったようだ。ヒラリー・クリントン国務長官の9月8日の外交演説で、その事実があからさまに示された。

 私はオバマ政権が発足してまもない2009年3月、『 [ オバマ大統領と日本沈没 ]』という本を出し、その中で、オバマ政権が日本を従来よりも軽く見るようになるだろうという予測を述べた。比喩的に言えば「日本沈没」の展望だった。その予測が現実になってきたことは決して喜ばしい現象ではない。

*** 日本と韓国の順番が入れ替わった ***

 9月8日、クリントン長官はワシントンの「外交評議会」主催の講演会で、かなり長い [ 外交政策演説 ]を行った。オバマ政権のこれまで1年7カ月ほどの外交面での軌跡と、今後の方針を総括的に語ったのだった。

 その中で日本側の関係者たちが注視したのは以下の部分だった。

 「アジア、太平洋地域を見よう。(中略)われわれ(オバマ政権)は韓国、日本、オーストラリアのような緊密な同盟国との絆を再確認した」

 ただこれだけの言葉なのだが、重要なのは「アジア、太平洋地域での緊密な同盟国」として、まず韓国を筆頭に挙げた点である。日本は2番目に言及された。米国の歴代政権では、アジア、太平洋の同盟国と言えば、いつも日本が筆頭に挙げられていたのだ。

 この点を読売新聞が9月9日、ワシントン特派員電で「米のアジア同盟国格付け・・・日本は韓国より下」という見出しで報道した。「これまで定型的に使っていた『日本、韓国、オーストラリア』という順番を変更した」というのである。

 この報道は、「米国の知日派の間には、日本の優先順位を見直した事実を民主党政権に気づかせるためのオバマ政権からのサインではないか、との指摘も出ている」とも記していた。

*** 「ただ1つのイカリ」から「イカリの1つ」へ ***

 9月10日には、米国大手紙のウォールストリート・ジャーナルがこの報道を論評する形で報じた。「 [ ヒラリー・クリントンが日本について:スリップ(失言)か、スラップ(平手打ち)か ]」という見出しだった。

 同紙の報道は読売新聞の記事を紹介し、その記事が過剰反応を示しているのではないかと、しきりに示唆するものだった。

 その上で、国務省のクローリー報道官にコメントを求めていた。クローリー報道官は「国務長官は潜在意識的なメッセージを発したわけではない」と答えていた。

 「米国はアジア、太平洋地域に多数の強固な同盟諸国を持っており、それらを列記する順番には意味はない」とも述べる。「米国は日本、韓国、オーストラリアのすべてとの関係を高く評価している。日本はその地域の安全保障のイカリの1つだ」と言うのだった。

 だが、クローリー報道官の「イカリの1つ」という表現はこれまでにない用語法だった。歴代政権は「日本はイカリ」と明言し、ただ1つのイカリであることを強調していたのだ。

 「イカリ」と言えば、普通はただの1つのイカリであることを指すだろう。それがオバマ政権では「いくつもあるイカリのうちの1つ」というところまで格下げされてきたのである。

 この表現を、かつてカーター政権からレーガン政権にわたって10年余りを東京駐在の米国大使として勤めたマイク・マンスフィールド氏の言葉と比べると、「日本沈没」がいやでも印象づけられる。

 マンスフィールド大使は「全世界でも日米関係は最も重要な2国間関係である」と、ことあるごとに述べていたのだ。日本は米国の歴代政権にとって、アジアでも最も頼りになる同盟国だったのである。

 だが、今では米国にとっての重要性という点で、日本は明らかに韓国に追い抜かれてしまった。

*** 民主党政権が見せつけた日本の「頼りなさ」 ***

 今回、クリントン国務長官が明示したアジアの同盟諸国間の貢献度では、米国は明白に韓国を筆頭に挙げていた。こうした日本の貢献度の低下は、実はすでにオバマ大統領によって打ち出されていたのだ。

 カナダのトロントで今年6月に開かれたG20の首脳会議で、オバマ大統領が韓国の李明博大統領と会談し、米韓共同声明を出した際のことである。その声明の中でオバマ大統領は、「米韓同盟は米国にとってアジア、太平洋地域でのリンチピン(=車輪のカナメ)である」と述べていたのだ。

 米国の対外政策において、アジアでの同盟関係では日本がこれまで長い歳月、一貫して最重要とされ、「リンチピン」とか「コーナーストーン(礎石)」と呼ばれてきた。ところが今年6月には米国にとっての「アジアのリンチピン」は韓国に移ってしまったのだ。

 今回のクリントン国務長官の演説は、その順位を単に言葉で表したに過ぎない、ということになる。

 米国にとっての日本の重要性がこうして沈んでいくのも、日本の民主党政権の対米同盟への姿勢を見れば、よく理解できる。日本は鳩山由紀夫政権となってから、米国との同盟関係に懐疑を投げかけ、疑問をぶつけ、「頼りにならない同盟パートナー」としてのイメージをいやというほど見せつけたからである。

 一方、韓国は対照的に、李明博大統領の下、イラクでもアフガニスタンでも米国の対テロ闘争に積極的に協力し、北朝鮮との様々な対決や衝突への対応でも米国とぴったり歩調を合わせてきた。

 民間でもこの米韓関係の緊密さを見て、「今、米国にとってアジアで最も信頼に足る同盟国は日本ではなく韓国だ」(ヘリテージ財団の朝鮮半島専門家ブルース・クリングナー氏の言)という評価が広まっていた。

 日本にとっては、新たな対米同盟の時代が到来したとも言えそうなのである。


「日米関係極めて重要」とクリントン氏、中国偏重懸念で 2008年1月22日  読売新聞

【ニューヨーク=白川義和】米民主党のヒラリー・クリントン上院議員は21日、日米関係を「極めて重要」と位置付け、エネルギーの確保や気候変動、核拡散、中国への対応などで協力を幅広く強化するべきだとする声明を発表した。

 クリントン氏の外交顧問を務めるホルブルック元米国連大使が同日、ニューヨークで日本メディアに声明を配布した。

 クリントン氏は昨年10月、米国の外交専門誌に発表した外交政策で、対中関係が「今世紀で最も重要な2国間関係になる」と中国基軸のアジア外交を打ち出し、日米同盟には言及しなかった。「日本軽視ではないか」との懸念が日本から出ていたことから、声明で火消しを図ったとみられる。

 声明は「日米同盟は米国のアジア・太平洋地域の政策の土台を作り続けねばならない」と強調。中国が安定的、平和的役割を果たせるようにするため、日米が「強い利害関係」を共有していると指摘した。

 ホルブルック氏は同日のニューヨークでの講演で、外交専門誌に発表した政策は要約であり、「日本は無視されたと感じるべきでない」と釈明した。同氏はクリントン前大統領時代に国務次官補や国連大使を務め、ヒラリー・クリントン氏が大統領選で勝利した場合、国務長官に起用される可能性が高いと評されている。



(私のコメント)
クリントン長官の日本軽視発言は90年代からの歴史的なものであり、クリントン長官の2008年1月に外交専門誌に発表された外交政策では対中関係が「今世紀で最も重要な2国間関係になる」と中国基軸のアジア外交を打ち出し、日米同盟には言及しなかった。これはクリントン長官が意図的に行っている事であり、その意図はクリントン長官に聞いてみないと良く分からない。

オバマ大統領にしても鳩山首相との国際会議での会談を断るなどギクシャクしていますが、これもオバマ大統領に直接聞いて見なければ良く分からない。オバマ大統領やクリントン長官の記者会見の時にでも日本人記者などが聞いてみるべきなのでしょうが、遠慮して聞かないから憶測が憶測を呼んで日米双方が疑心暗鬼になってしまう。

オバマ・クリントン政権が日本を軽視するなら、日本もアメリカ離れを模索し始めたのは偶然なのだろうか? クリントン長官が、中国が最も重要な二国間関係と発言されたら日本も警戒せざるを得なくなるのは当然だ。アジアの事は米中の二国で決めようと言われたのでは日本の立場が無くなる。ならば沖縄の海兵隊基地もグアムへ出て行ってもらいましょうという事を言い始めても不思議ではない。

にもかかわらず日本の新聞記者はクリントン長官に、なぜ中国が最重要な二国間関係なのか聞いてみるべきなのだ。もちろんクリントン発言の後で側近や報道官のリカバリー発言がありますが本人の発言ではなく本意は霧の中だ。アメリカ内部にも日本重視派と日本軽視派があって、金融業界から見れば中国を重視するには当然のことでしょう。

アメリカの外交戦略からしても、日本が中国や韓国と関係が深まるのはアメリカが排除される事につながるので分断しておきたい戦略がある。アメリカの共和党が日本重視なら民主党が中国重視になる事もあるだろう。軍事面から見れば中国はアメリカの敵国ですが経済面で見れば米中関係は密接だ。

これらを背景とすればクリントン長官の発言は意図的なものであり日本に対する警告的なものだろう。それに読売新聞が反応している訳ですが、アメポチもここまで来れば気の毒に見える。それに対して日本は沖縄の普天間基地問題でアメリカ離れを模索し始めたのですが、在日米軍基地が無くなれば韓国や台湾の防衛が不可能になってしまう。

台湾や韓国ばかりではなくASEAN諸国の防衛にも大きな影響をもたらすのですが、日本がアメリカ離れを決断すれば東アジアの形勢は一気に変わってしまう。それでもクリントン長官は日本軽視韓国重視の発言をしているのですが、韓国が日本の代わりになるのだろうか? 日中が手を組んで韓国を包囲したら韓国は袋のネズミになってしまう。

中国は中国で尖閣諸島に手を出し始めましたが、日本がどう対応するか見定めているのだろう。できれば中国はもっと派手にやってもらって武力衝突手前までやれば面白いと思う。日本国民の対中国意識も変わるだろうし国防意識も高まるはずだ。中国は例によって会談をキャンセルしたりしていますが、中国の出方は比較的分かりやすい。

問題なのはオバマ大統領やクリントン国務長官がどのような対東アジア政策を持っているのかが良く分からない事だ。発言では中国を最重要二国間関係と言っているのだから米中で東アジアを支配していきましょうと言っているに等しい訳ですが、日本の協力無しにはアメリカの東アジア政策は成り立たない。その証拠に沖縄の基地問題でアメリカが慌てているからだ。

オバマ大統領もクリントン長官も二枚舌と考えれば分かりやすいのですが、ならば日本も二枚舌で対抗すべきなのだ。鳩山政権の外交も言わば二枚舌だったのですがそれがアメリカの不信を招いてしまった。つまり二枚舌外交を行なえば信用を失う訳ですが、日米双方が疑心暗鬼になってしまう。

アメリカは韓国のみならずASEAN諸国との関係を深めようとしていますが、これも日本の協力無しには出来ない事だ。中国とASEAN諸国とは南シナ海で領土問題で摩擦が起きていますが、オバマ大統領の米中のG2発言は、日本や韓国やASEAN諸国やオーストラリアやインドの危機感を呼び起こしてしまった。アメリカはその失敗の後始末をしているのだ。


米・ASEAN 中国けん制へ 9月17日 NHK

アメリカとASEAN=東南アジア諸国連合は、来週、ニューヨークで開く首脳会合で、南シナ海で軍事演習を行うなど、影響力の拡大を図る中国を強くけん制する内容の共同声明を発表する方針であることがわかりました。

アメリカのオバマ大統領とASEAN10か国の首脳は今月24日、国連総会が行われるアメリカのニューヨークで首脳会合を行います。NHKが入手した会合のあとに発表される共同声明の草案によりますと、中国やフィリピンなど6つの国と地域が南沙諸島の領有権を主張している南シナ海について「領有権を主張する当事者の軍事力の行使や威嚇に反対する」として、最近、南シナ海で軍事演習を行うなど、軍の活動を活発化させている中国を強くけん制しています。また、声明案では南シナ海について「船舶の航行の自由や地域の安定の重要性を再確認し、領有権を主張する国々と利害を分け合う」と述べ、領有権をめぐって各国が対立するなか、南シナ海の安定に向けて協力していくことを確認しています。ASEAN各国は、中国との経済関係を重視しつつも、急速な軍備増強と資源獲得の動きに対しては警戒感を強めており、中国の影響力拡大を懸念するアメリカと利害が一致した形です。一方、声明案は北朝鮮に対し、「挑発をやめ、周辺国との関係を改善させるよう求める」として、哨戒艦沈没事件で悪化した韓国などとの関係改善を促しています。



(私のコメント)
アメリカは沖縄の米軍基地無しには東アジアにおける軍事的プレゼンスは無きに等しい。だから沖縄の海兵隊基地問題で日米が対立した時には、台湾のみならずシンガポールの首相まで声明を発表している。原因をたどればクリントン長官の日本軽視発言が元であり、オバマ大統領の米中によるG2発言が原因になっている。アメリカは日本の協力無しにはアジアでは何も出来ない。





日銀が国債を購入する事は、市場に流通している国債を通貨に入れ
替える事を意味します。通貨には満期がないので返 済する必要はない


2010年9月16日 木曜日

介入の非不胎化は日銀のリップサービス−効果は疑問、一段の圧力も  9月16日 ブルームバーグ

9月16日(ブルームバーグ):政府が6年半ぶりの円売り・ドル買い介入に踏み切ったのに伴い、日本銀行が介入で市場に放出された資金をあえて吸収せず、事実上放置する方針を固めたとの報道が相次いでいる。市場に対する日銀の“リップサービス”と評価する声も出ているが、その効果が長続きせず為替相場が再び円高に向かえば、日銀に対する金融緩和圧力がかえって高まる可能性もある。

  政府は15日午前、円が一時1ドル=82円88銭と15年ぶりの高値を付けたことを受け、円売り介入を実施。午後に入ると、日本経済新聞をはじめとするメディアが、日銀が介入資金を放置する非不胎化を同時に行うことで円高阻止の姿勢を鮮明にする、と伝えた。

  三井住友アセットマネジメントの武藤弘明シニアエコノミストはこうした報道が「市場に対しては最高のリップサービスになっている」と指摘。「要するに美人投票だから、皆がそう思えば市場はそう動く。それを承知で日銀が『非不胎化』みたいなニュアンスのイメージを意図的に流しているとすれば、一応それで日銀は臨時の金融政策決定会合を開かずに済み、得点を稼いだことになる」と評価する。

  ただ、介入の非不胎化か不胎化かという議論には、懐疑的な向きも多い。東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは「お金に色はないので、日銀当座預金残高のどの部分が介入資金かという議論をしても意味はない」と指摘。「非不胎化介入に効果があるという見解は、現在の環境においては迷信に近いのではないか」と語る。

         1999年の非不胎化論争の亡霊

  実際、白川方明総裁は著書「現代の金融政策」で「不胎化と非不胎化の区別に意味はない」と繰り返し説明している。介入の原資となる円資金は日銀がいったん国庫短期証券(TB)を引き受けて供給するが、政府はその後TBを新たに市中で発行し、日銀が引き受けた分は速やかに償還されるため、日銀の「当座預金に対する影響は中立的であり、介入は自動的に『不胎化介入』となる」という。

  重要なのは、非不胎化かどうかの区別ではなく、日銀が金融緩和を行うかどうかであり、白川総裁もこう述べている。「そもそも『不胎化介入』と『非不胎化介入』を区別する基準自体がはっきりしないため、為替市場介入の『不胎化介入』と『非不胎化介入』を議論することは、金融政策の運営方針の変更を議論することと同義になる」。

  日銀は1999年9月21日の声明で非不胎化に言及し、「実体的な効果がなくとも、市場が追加的資金供給に何らかの期待を持っていれば、それを利用してみてはどうかとの考え方もある」が、そうした方法は効果があっても一回限りで長続きしないし、「目的と政策効果についてきちんと説明できない政策をとることはできない」と表明した。 (後略)


口先介入も、非不胎化介入も、為替介入は愚策  9月1日 堀古英司

私はよく為替介入を、「勉強もしないで成績表だけ書き換えるようなもの」と例えます。為替相場も成績表も「結果」であって、その場だけインチキをし てしのぐ事ができても、後で必ず痛い目に遭う、という意味です。そもそも即効性のある市場対策など、ロクなものはないのです。既にここまでの説明で、口先 介入に意味がない事はご理解いただけると思います。即ち、「為替介入をやるぞ」と言った所で、市場には「それじゃかかって来いよ」と言われるだけなので す。

それではなぜ非不胎化介入も愚策なのか。私が言いたいのはそもそも、「円を売るのはいいが、何故ドルを買わなければならないのか」という事です。特 にアメリカやユーロが、これだけ通貨を印刷してきている時に、です。日本は介入して得たドルで米国債を購入します。するとアメリカの中長期金利が低下し て、アメリカ国民が本来負担すべき利払い負担が減少します。これは実際に2003−4年、日本が大量のドル買い・円売り介入を実施して起こった出来事で す。しかし日本がこれだけ苦しい時に、何故また他国の国債を購入して、本来アメリカ国民が負担すべき利払いの一部を日本人が負担しなければならないので しょうか?

他国の国債を買うくらいであれば、自国の国債を買えばいいのです。前出のテレビ番組で具体策を聞かれ、私は「まず、日銀による国債購入を大胆に増やすべきだ」と答えました。思い付く円高対策はたくさんありますが、これはまず最初のステップです。

ここからが「既存の枠組みにとらわれないクリエイティブな発想」です。それは、そもそも政府と日銀は夫婦のようなものだという事です。夫が債券を発 行して、妻がその債券を買っている限り、その家計の借金はチャラです。少なくともそれで、将来その家計が他人に迷惑をかけるような心配はありません。あと は夫婦喧嘩でも何でもして、又はお互いの機嫌の良い時を見計らって解決してくれれば良いのです。本当、いつでも結構です。最近よく政治家による日銀批判を 目にします(日銀も政府に言いたい事は山ほどあるでしょう)。しかし日本国民はそのような夫婦喧嘩に付き合う必要は全くないのです。夫婦喧嘩は後にして、 取り敢えずやらなければならない事だけ今やってもらえれば良いのです。

日銀が国債を購入する事は、市場に流通している国債を通貨に入れ替える事を意味します。国債は満期も利子も付くのに対し、通貨には満期がないので返 済する必要はないし、もちろん国民は利子も負担する必要もありません(夫婦間で利子のやり取りはされると思いますが、国民には関係ありません)。国の借金 増加が気になる昨今、通貨ってとても便利なものだと思いませんか?ただ余計な通貨が世の中に流通してしまうので、現金を持っている人にとっては実質的に価 値が下がり、マイナス金利と同じような効果になります。そんな事をしたら為替市場で円が売られてしまう、とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。し かしそのような方に今一度お聞きします。「円高で困っているとおっしゃっていたのではないのですか」と。


(私のコメント)
日本のバカマスコミと日本のバカ財務省はよく国債の残高を家計の借金に例えますが、1000兆円の国債の残高は国内で調達している限りは財産であり、日本の経済力の象徴でもある。買っているのは郵貯や銀行などですが、いざとなれば国会が決議すれば日銀が全て買い取る事ができます。後は政府と日銀との間でどうするか決めれば良いだけの話です。国債を通貨に換えてしまえば利息も償還も必要がありません。

この事を以前の株式日記でも書いたのですが、理解できない人が多くて困ります。つまり日本は1000兆円市場に放出できるだけの資金力があるということです。つまり国債の残高は国内で調達している限りは定期預金の証書と同じであり、国から見れば借金ですが日銀に命ずればいつでも解約して買い戻す事が出来る借金だ。

もし国債を外貨建てで調達していた場合は円と外貨との為替が大きく動いてしまうので破綻することがあります。だからテレビや新聞で国債の残高を借金に例えるのは間違っており、夫婦間の金の貸し借りみたいなものであり、日本は街金から借りているわけではない。

昨日は一兆円もの為替介入で82円台から85円台まで戻しましたが、非不胎化介入と言う事です。しかし日本の介入では短期国債で資金を調達して介入するからすぐに償還しなければなりません。為替市場で直接ドル買い介入するからそうなるのですが、ドルを買わなくても国際の買いオペをして資金を市場の放出すれば、銀行は現金で置いておく訳にも行かないから国債を買うしかない。

銀行の中には外債を買って利子を得るところも出てくるから円売りが発生する。欧米ではミセスワタナベと呼んでいますが、2007年頃は国内で円がだぶついてミセスワタナベがドル買いなど行なって1ドル=120円にまで円安になった。だから直接ドル買い介入するよりも国債の買いオペで資金供給して、アメリカやヨーロッパのようにカネをだぶつかせた方が円高対策になる。

問題なのは欧米が金融緩和で中央銀行が国債や債券を買って資金供給して中央銀行がバランスシートを膨らませているのに、日銀はデフレになるほど資金供給を絞ったから為替投機筋に円が買われて円高になってしまった。だから政府日銀が直接ドル買い介入しなくても日本も金融緩和して国債の買いオペをすれば資金は一部は海外に流れるから円が売られる。

日本国内に1000兆円の国公債があると言う事は1000兆円の資金放出力があるということであり、1000兆円の日本国債が債券市場で売買されている。さらに国債に金利がどれくらいかで国債の信用度が計られますが、日本国債が世界で一番信用度が高い。だから円が買われて金利が超低金利になる。

問題なのは90年代から円高にもかかわらず日銀がなかなか金融緩和をしたがらずに円高で推移している事であり、デフレ基調が定着してしまった。日銀の官僚や財務省の官僚は教科書に書かれていることしか分からないから、終戦直後のインフレの事しか知らない。デフレの時はどうしたらいいか教科書には書れていない。だから官僚はどうしていいかわからない。


日銀、長期の物価予測を 4月15日 伊藤隆敏

2008年9月以降の世界的な金融危機に対応するため、欧米各国は中央銀行のバランスシート(資産と負債)を急拡大させる非伝統的金融政策を相次いで導入した。その際、各中央銀行は望ましいインフレ率として「2%」に近い水準を強く意識して効果をあげた。一方、日銀はバランスシートの拡大に踏み込まず、日本は依然としてデフレ脱却のめどが立っていない。

将来のインフレ率に目標を設定するインフレ目標政策は1990年代以来多くの中央銀行が採用してきた。主要国では日銀、欧州中央銀行(ECB)、そして米国の中央銀行にあたる連邦準備制度はインフレ目標政策を公式には採用していない。しかし「目標」ではないものの、望ましいインフレ率について、ECBは「2%以下だが、2%に近い数字」、米連邦準備制度も「1.5%〜2%」とほぼ一致した数字を挙げている。日銀は昨年12月に「中長期的な物価安定の理解の明確化」として「消費者物価指数(CPI)の前年比で2%以下のプラス領域にあり、委員の大勢は1%程度を中心と考えている」と示した。

世界金融危機で欧米の景気は急速に悪化し、それまでのインフレの心配から、あっと言う間にデフレの心配へと変化した。英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)の08年11月のインフレーションリポートは、2年先のインフレ率予想が1%と、目標中心値から1%ポイントも下回った。

そこでBOEは09年3月に量的緩和政策の導入を決め、国債などの資産を市場から購入し始めた。同年5月には量的緩和を拡大し、インフレリポートでは1250億ポンドの資産購入を条件にインフレ率予想が2%に近付き、8月には1750億ポンド、11月には2000億ポンドの資産購入を条件にインフレ率予想が2%となった。このように英国は量的緩和とインフレ予測を組み合わせることで、デフレ期待に陥らないような金融政策を行っている。量的緩和によってBOEのバランスシートは短期間に3倍に膨らんだ。

米国では「信用緩和」として、買い手がいなくなった証券市場で、連邦準備銀行が民間資産を直接購入するという異例の措置を行った。さらに証券大手ベア・スターンズや保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の資産管理会社を設置してそこに融資した。こうした政策の結果、米連邦準備制度のバランスシートは危機発生前の2.5倍に達した。また、ECBもカバードボンド(一種の担保付き社債)の購入を進め、バランスシートが5割拡大した。しかし日銀は、今回の危機でバランスシートの拡大を全く行わなかった(グラフ参照)。



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