株式日記と経済展望

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FRBは、米国債の購入再開に踏み切った。ワシントンはドル安を容認
しているが、当局者も内心はいつ米国債急落に転じるかびくびくしている。


2010年8月31日 火曜日

戦略的円売り介入を提案する アジアと協調して危機再発防止 8月29日 田村秀男

◆円高要因は資金の偏在

 政府・日銀は、円高ドル安の進行になすすべもない。必要なのは米国、さらにアジアを巻き込む「戦略的市場介入」である。
これは、外国為替市場で大規模で継続的な円売り介入を行うことを指す。
デフレ脱却と国際金融市場の安定の双方を達成するのが狙いだ。

 今の円高局面は、米連邦準備制度理事会(FRB)が2008年9月の「リーマン・ショック」後、それまでの2・3倍も市中に流し込んだドル資金が行き場を見失い、国債など限られた「商品」に集中していることが原因である。

 日本は世界最大の債権国として経常収支の黒字基調が定着しており、構造的に円高に向かいやすい。通貨価値を減らすインフレを忌み嫌う日銀は約20年間、物価が下がり続けるデフレを容認する基本姿勢を墨守している。このため、外国の投資家には「日本が円高誘導をしている」と映る。
原油や穀物と同様の“国際商品”として売買される円はもうかる確率が高い。だからこそ、投資家は大量の円買いに踏み切るわけだ。

 この流れに引き込まれ、国内銀行は前年比で10兆円前後も貸し出しを減らす一方、前年比で30兆円前後も国債を買い増している。
国内の円の過剰資金は国債に向かって滞留し、生産や消費、設備投資に回らない。そして、デフレ不況が深刻化するという悪循環に陥っている。

 もとはといえば、円高サイクルは、ドルというペーパー・マネーの増刷に始まる。
米国は、マネーが住宅市場や株式市場に回るようにすれば「景気が上向く」というシナリオを描いた。
ところが、7月の住宅販売件数は1963年以来、最低の水準にまで落ち込んだ。
かくなるうえは、より一層のドル安と低金利誘導策を進めるしかない。日本が無定見に円売り市場介入に踏み切ったところで、米国は突き放すだろう。それだけに、冷静かつ沈着な思考が欠かせない。


 まず、米国債の動向である。グラフが示すように、ドル安になっても余剰資金は米国債に向かっており、米金利を下げている。投機とはいえ、原油先物も売られている。

 余剰ドルを運用し、短期的な利益を狙う投資ファンドはいずれ何らかの理由で米国債を売り、原油先物を買う挙に出るだろう。ドル安下で米国債が急落すれば、オバマ政権が慌てることは過去の例から見ても明らかだ。

 ドル安誘導の揚げ句、1987年10月19日の「ブラック・マンデー(暗黒の月曜日)」と呼ばれるドル、株、国債のトリプル暴落が起き、世界の市場を震撼(しんかん)させた。
93年に発足したクリントン政権は通商摩擦で日本たたきと円高促進策をとった。しかし、米国債は94年1月までの1年3カ月の間、2・5ポイントも利回りが上昇し、クリントン政権は95年半ば、「強いドル」政策に転じた。

 オバマ政権のドル安容認政策は、米国を含む世界の金融市場に大災厄をもたらすマグマを鬱積(うっせき)させている。円高・ドル安阻止の政策に日本が米国の同調、もしくははっきりした承認の意思表示を求めるのは国際責任でもある。

 米国債が暴落の危機にさらされたとき、日本は豊富な円資金で米国債買い支えのために機動的に出動できる。北朝鮮問題など政治、軍事両面から緊張関係をはらむ米国債の最大の保有国中国は、米国債購入の見返りに外交上の対価を求めてくる恐れがある。それは、オバマ政権も分かっているはずである。

◆国家戦略が必要

 円高の日本と逆に、新興国の多くはドル安の流れが逆転したときに起きた97年のアジア通貨危機の再来を恐れている。
筆者は先週、ソウルで開かれた日中韓経済協力に関する民間団体主催の国際会議で、李明博大統領直属の規制改革委員会の安忠栄委員長に会った。
韓国は11月に、20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)を主催する。
同委員長によれば、最大の合意目標は「米英の投機による犠牲にならないための方策」だという。
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓による通貨交換協定「チェンマイ・イニシアチブ」を拡充して通貨安定基金を創設し、国際的な通貨協調の枠組みを整備するのはこのためだ。

 それならば、日本は円売り・ドル買い介入で得た巨額のドル資金の多くを通貨基金に移管すればよい。介入資金は国内の貯蓄ではなく日銀資金で調達できる。
日本の市場介入はアジアに還元され、金融の量的緩和効果によるデフレ対策にもなる

日本に必要なのは、強固な意志に基づく国家戦略なのである。(編集委員・田村秀男)


ドル安・円高修正の鍵は米国債 8月23日 田村秀男

「円高はいつまで続くのでしょうか」−。よく聞かれる質問だが、小欄の答えは「簡単ですよ、米国債が急落するまでです」。

 なぜか。ワシントンが一番困るのは、ドル安が転じて米国債が売られ、長期金利(国債利回り)が急騰するときである。
そうでない限り、ドル安は米産業界の国際競争力を改善し、ひいては雇用の増大に結びつくとオバマ政権は判断して放置する。
日本が円高・ドル安の進行に歯止めをかけるため、外国為替市場でドル買い、円売りの介入で米国通貨当局に協調を呼びかけても、うんともすんとも応えるはずがない。
基軸通貨ドルを支配する米当局の影響力は日本を圧倒しているのだから、米国がその気になるまでは、ドル安・円高が進むわけである。

 逆にドル安につられて米国債が急落し始めたら、真の意味でのドル危機に直面する。
米国債の発行残高はこの7月末で13兆2400億ドルで、年間で2兆ドル近く増えている。
国債を2兆ドル追加発行する場合、金利が1%上昇するだけで200億ドル(日本円換算で約1兆7000億円)の財政負担増になる。

 民間景気への打撃は大きい。
10年もの国債利回りで代表される長期金利は国債相場の下落とともに上昇する。すると、米国債に連動する住宅ローン金利を押し上げ、住宅市場を直撃する。
米住宅市場は2001年から08年9月のリーマン・ショックまで続いた空前の米好景気の牽引(けんいん)車だった。
住宅市場はここにきてようやく下げ止まる兆しが見えているが、金利が上昇し始めると、二番底に突き落とされかねない。
さらに金利に敏感な株式市場も急落する恐れがある。企業の設備投資意欲もさらに冷え込むだろう。

 ■FRBが米国債購入再開

 オバマ政権も米連邦準備制度理事会(FRB)も米国債の市場動向に神経質になっている。
特にドル安のもとでは、米国債はちょっとしたきっかけで下落しかねないもろさをはらんでいる。
FRBはそこで、米国債の購入再開に踏み切った。ワシントンはドル安を容認し、放置し、平静を装っているが、当局者も内心はいつ米国債急落に転じるかびくびくしているに違いない。

 言い換えると、ここまでドル安を放置できたのはリーマン・ショック後、米国債市場がドル安下でも不安定にならなかった背景がある。

 グラフをみてほしい。「リーマン」危機が起きた08年9月15日を起点とし最近までの米国債の標準である10年もの国債の利回りと円ドル相場の推移である。
この特徴は、ドル安になっても米国債利回りが下落する、つまり米国債が買われる局面が目立つ点である。
リーマン直後、ドルは急落し米国債相場も急落し10月半ばには利回りが年4%を超えたが、その後下がり始め12月初旬には2.08%を付けた。この間、急速に円高・ドル安が進んでいた。
その後ドル相場は反転したのに、米国債は売られ、次第にドル安に転じていく。米国債利回りはことし4月初旬に再び4%台まで上昇したが、それをピークに下がり現在に至る。

 以前に米国当局がドル安政策を転換したときは、米国債が急落するか不安定になったときである。

 代表的な例が1987年10月19日の「ブラック・マンデー(暗黒の月曜日)」と呼ばれるドル、株、国債のトリプル暴落事件である。
このとき米国債利回りは年初に比べ3ポイント上昇し、2けた台に上昇した。
当時のJ・ベーカー財務長官はあわてて日本に米国債やドルの買い支えを要請し、日本は超低金利政策を長期化させ、不動産や株のバブルを日本国内に引き起こすきっかけになった。

 1993年に発足したクリントン政権は通商摩擦で日本たたきと円高促進策をとった。
しかし、円高・ドル安のプロセスで米国債は下落し、94年1月までの1年3カ月の間に2.5ポイントも利回りが上昇した。
95年4月19日に1ドル=79円台を付けたあと、クリントン政権は政策転換し、日本と合意して円高是正に応じるようになった。

 ■相場の安定支える中国

 リーマン・ショック後の現在、米国債がドル安にもかかわらず買われ、安定している背景には中国の存在が大きい。
中国は世界最大の米国債保有国で、その保有シェアは市場で流通している米国の国債8.7兆ドルのうち約15%に上る。
中国はリーマン・ショックが起きるや、米国債の買い増しを進め、その後は一時的に売却してもちゃんと米国債相場の安定を損なわない配慮がうかがわれる。
中国は米国債の売買を切り札に、ワシントンからの人民元切り上げ要求を巧みにかわしている。
これをみた投資家の多くがドル建て資産では株式に比べ相場変動リスクが少なく換金が容易な米国債を選んで運用しているわけである。
オバマ政権はこうして注意深くドル安政策を継続している。

 日本は米国債相場が不安定になったときの対米協調などを約束することで、米国を説得し、円高是正策で同意を取り付けるしかなさそうだ。


(私のコメント)
日銀が動いた事で昨日は円安株高に動きましたが、今日はまた元に戻ってしまった。投機筋にとっては日銀砲が打たれることが一番恐いのですが、想定内の対策ではドル安円高の流れは止められないだろう。アメリカ政府にしてもドル札をばら撒いても米国債が売れているうちはばら撒き続けるだろう。

アメリカにドル安政策で困るのは日本ばかりではなく中国も大量のドルや米国債を抱えているので困っている。ならば日中が共同してアメリカに対してドル安は止めてくれと圧力をかければいいのですが、菅政権ではアメリカの目が恐くてそれが出来ない。小沢一郎なら出来るかもしれませんがアメリカが黙ってはいないだろう。

アメリカ政府や投機筋が一番恐れている事は日中が連携してアメリカに対抗してきた時であり、これ以上ドルは買わないとか米国債を売るとか言ってきたら第二のブラックマンデーがおきるだろう。現在のところ日本や中国がドルや米国債を買っているから投機筋も米国債を買っているのですが、FRBが買い始めていることはかなり危険信号だ。

アメリカもまた失われた10年を体験するのだろうか? 金融緩和によってドルが大量に供給されましたがドルは市場には流れず国債に還流してしまっている。これでは金融緩和も意味がないのですが、金利が下がっても銀行は貸さないし消費者もローンを返済を最優先している。ここまでは日本と同じ道をたどっている。

アメリカの消費者は住宅も車も買わなくなりむしろ手放し始めている。だから中古住宅も予想以上に売買戸数が減ってしまった。過剰な在庫は先行きも値下がりする事が見込まれるからだ。車も古い車を乗り続けて新車はあまり売れないだろう。日本と同じく助成金制度がなくなれば車の売れ行きもがた落ちする。

もはや市場としてのアメリカは縮小していく一方であり、日本はアジアなどの新興国向けに市場を開拓していくしかないだろう。このような経済的な流れが外交にも微妙に影響してくるのですが、アメリカもまたアジアなどの新興国市場に輸出して景気回復をしなければならない。その為には一方的なドル安は日本も中国もASEAN諸国も受け入れられないだろう。

アメリカはもはやドル札を刷りまくって借金しまくって世界中から物を買う余力はなくなった。世界の債権国からカネを返せと言われたらアメリカは破綻する。日本はこのような米中の力関係の変化を利用して一方的なドル安政策に対してブレーキを掛けさせるべきだ。

このような意味でアメリカは日本の中国接近を恐れるのですが、日本に民主党政権が誕生したのは時代の流れだろう。日本はチャイナカードを利用して一方的なドル安に対して圧力をかけるべきだ。中国も一方的なドル安を苦々しく思っている。アメリカはそれに対抗して米中冷戦を構想しているのかもしれませんが、中国はドルや国債を一気に売ってくるかもしれない。だからアメリカは中国に言いなりになっている。

このような米中の力関係の変化が日米の力関係の変化に繋がってくるのですが、日本の政治家にはそこまでの策士はいない。田村氏はアジアに通貨安定基金の創設を提言しているが、ドルに頼らない通貨体制を模索すべき時が来ているのだろう。ドルの基軸通貨体制が崩れれば基軸通貨も多極化して安定した通貨で決済がなされるようになるだろう。




自動車用電動モーターに、中国産レアメタルを使わずとも、同サイズ・
同性能のモーターの開発がなされている。日本は特許で世界を支配する。


2010年8月30日 月曜日

レアアース輸出拡大、中国側「ゼロ回答」 日中経済対話 8月29日 朝日新聞

【北京=琴寄辰男、古谷浩一】日中両政府の経済閣僚が集まる「日中ハイレベル経済対話」が28日、北京で開かれた。ハイブリッド車(HV)や省エネ家電の部品生産に使われる「レアアース(希土類)」の輸出枠を中国が大幅に削減した問題で、日本側は「世界全体に大きな影響がある」などとして削減の再考を求めたが、中国側は採掘に伴う環境問題などを理由に応じず「ゼロ回答」に終わった。

 直嶋正行経済産業相がこの日、中国の李毅中・工業情報相、陳徳銘・商務相との会談で中国側に申し入れ、閣僚がそろう全体会合でも輸出枠の拡大を求めた。日本側の説明によると、中国側は「環境対応で生産量を減らす必要がある」「資源の枯渇が見込まれ、節約が必要だ」と主張し、議論は平行線に終わった。陳商務相はこの日、記者団に「国内でも採掘を制限しており、(日本にも)理解してもらいたい」と語った。

 中国は7月、今年下半期向けの輸出枠を約8千トンと発表。年初からの合計では約3万トンにとどまり、前年比約4割の大幅減となった。世界生産の9割超を握る中国が今後も輸出枠を削減する姿勢を続ければ、HVや省エネ家電の生産にも影響が出る可能性がある。

 日中ハイレベル経済対話は2007年12月に第1回会合が北京で開かれ、今回が3回目。日本側は岡田克也外相、直嶋経産相ら6閣僚が訪中し、中国側は王岐山(ワン・チーシャン)副首相らが出席した。レアアースを巡る議論のほか、マグロ類資源保護での協力や省庁間の定期協議設置などに合意した。

■「戦略資源」高値化狙う

 中国側がレアアースの輸出を制限するのは、ハイブリッド車(HV)や省エネ家電などに欠かせない「戦略資源」を、国内需要向けに計画的に使うとともに、価格支配力を強めて海外にもっと高値で輸出したいからだ。

 「下半期だけでみれば輸出枠は7割減。これはやりすぎだ」

 直嶋経産相は、中国側の関係2閣僚との会談でこう食い下がった。中国が削減の理由に挙げた採掘に伴う環境問題について「日本に技術的に協力できるところがあるかも知れない」とも申し出たが、中国側が譲る気配はまったくなかったという。

 中国国土資源省幹部は今月、地元テレビのインタビューで「乱開発で価格を押し下げられてきた。ある地方政府幹部に言わせれば『大根や白菜のような値段』だ」と不満を表明。中国ではレアアースを国内で加工し、付加価値をつけて高く売ることを目指している。中国メディアによると、広東省河源市の国土資源局幹部は「加工すれば金やダイヤモンドの値段になる」と話した。

 レアアースの世界生産の9割超を握る中国に対し、輸入に頼る日本の立場は弱く、打開策はすぐには見つかりそうもない。液晶テレビのガラス基板の研磨剤などに使われるセリウムの価格は1キロあたり40〜50ドルと、1年前の5〜6ドルから急騰。家電1台あたりの生産に必要な量は少ないため、商品価格がすぐに上がることは考えにくいが、製造過程に支障が出るおそれもある。

 日本の合金メーカー大手の幹部は「これまでも中国は輸出枠を絞ってきたが、今回は日本の景気が回復しつつあり、モノがほしい時に重なった。価格も青天井で上がる気配で、ショックは大きい」と困惑を隠さない。

 輸出規制だけではなく、採掘制限の強化もささやかれている。この幹部は「いまは在庫はあるが、レアアース自体が入ってこなくなることが心配だ。今後は中国国内での生産や、中国以外の調達先を探すことも考えなければならない」と話した。(琴寄辰男=北京、神谷毅)



AtoZ HV自動車用モーター、レアメタル類は不要と成りそうだ  ! 5月4日 trizmegane

NHK番組   追跡 AtoZ  で「レアメタルを確保せよ !」が5/01に放映された。

予想された内容ではあったが現状レアメタル・レアアースの入手は大変である。

現状あるいはここ十年程先までの日本の産業の屋台骨「自動車産業」、内容は大きく様変わりするだろう。
自動車の主流はハイブリット自動車・電気自動車に急速に変わるからだ。

この時必要な3要素「バッテリー・駆動モーター・制御インバーター」、その内のインバーターは日本の得意技これは大丈夫だ。
バッテリー/現在しのぎを削って大容量化・低価格化・省資源化に取り組んでいる。
バッテリーに関しては次回に思うところを書いてみます、今回は触れません。

さて駆動モーター、これにはネオジムマグネットが使われている。
この磁石は日本の発明、住友特殊金属が1982年に開発した物だ、しかし「錆び易い・脆い・温度に弱い」の欠点がありなかなか自動車用途には実用化出来なかった。
しかし、改良を重ねジスプロシウムやテルビウムと言う希土類を添加して飛躍的な性能改善が為された。
トヨタのプリウスの補助モーターとして使われ出し一躍有名になった。

ところが今日ネオジムやジスプロシウムが入手困難になっている、もちろん価格が高騰している事もあるが原産国からの出荷量よりも需要が上回り品不足となっているのだ。

出荷量の制限が為されている模様だ。
原産地が限られ中国で世界の90%を産出しているからだ。

上記 NHKの番組中でも中国の販売窓口の担当者は高圧的・傲慢的・威圧的交渉態度で
交渉に臨み、高慢な素振りが感じられたのは筆者だけではないだろう。

電気自動車の普及期に当たるこの時期、番組を見た方は不安を覚えるでしょうが、モーターに関しては筆者は 「大丈夫だ」 と考えている。(o^-^o)
むしろ、高慢な交渉をしていると後に原産国側が不利になるだろうと思っている。

理由は  希土類を一切使用しない同サイズ・同性能のモーターの開発が為されているからだ。(後略)



(私のコメント)
中東は石油で資源外交を展開していますが、中国ではレアメタルを資源外交を目指しています。レアメタルにおいては中国が大きな割合を占めていますが、レアメタルは取り出すのに非常に手間がかかりコスト高になる。アルミニウムも昔はレアメタルでしたが電気分解法が出来た事で普通の金属になりました。つまり中国にレアメタルが集中しているのは取り出しやすい形であるだけで、精錬法が完成されればアルミニウムのように普通の金属になる。

だからレアメタル相場が高騰すれば、様々な精錬法が開発されてくれば普通のありふれた金属となるかもしれない。レアメタルの価格が上昇すればレアメタルを使わない開発も進められるから価格の上昇は、やりすぎればかえってやぶ蛇になるかもしれない。精錬法が開発されれば低品位の鉱石からも取り出すことが出来るようになり価格は下落する。

レアメタルは金や銀などのようにそれ自体に価値があるわけではなく、用途が出来た事で価値が上がってきた。チタニウムにしても軽くて錆びずに丈夫なので航空機や自動車などに使うことが期待されていますが、精錬法に非常に電気を使うので高価な金属ですが、革新的な精錬法が見つかればアルミニウムのように普通の金属として地球上には豊富に存在して意いる。

電気自動車に使われるネオジムやディスプロシウムといったレアアースは地球上の存在量が少なくは無いのですが、中国の取り出しやすい鉱床があるだけで中国にしか存在しないと言うわけではない。だから中国がレアメタルやレアアースで資源外交しようとしていますが、値段が上がれば製造法も開発されて元も子もなくなるだろう。

このようなレアメタル外交は昔でも錫などでマレーシアが行ないましたが見事に失敗している。つまり相場が高騰すれば他の地域での採掘が広がり、代替品の開発でやぶ蛇になってしまった。朝日新聞の記事でもレアアースを金やダイアモンドのように売りたいらしいが、はたして金やダイアモンドで日本の自動車会社が電動モーターを作るだろうか?

trizmeganeのブログに書かれているように、自動車用モーターはすでにレアアースを使わなくても同サイズ・同性能のモーターの開発は出来ている。つまり中国がレアメタルやレアアースを禁輸して相場を高くすれば、困るのは中国の採掘業者だろう。レアアースを使わないモーターは特許で固められるから、中国にはぜひとも禁輸して相場を高くしてくれれば、日本のメーカーはレアアースを使わない電動モーター自動車で一儲けが出来る。

アメリカ人も中国人も小沢一郎ではないですが単純でバカなところがある。昔オイルメジャーが石油を支配していた頃、アメリカの大統領はオイルショックを仕掛けて日本の台頭にブレーキをかけようとした。繊維交渉などでアメリカの製造業が危機に陥っていたためだ。しかしオイルショックでダメージを受けたのはアメリカ自身でありアメリカの自動車産業の受けたダメージは今年のGM倒産に繋がっている。

中国もレアメタルやレアアースで禁輸して日本を困らせようと言うのでしょうが、レアアースを使わない日本の電気自動車が世界で売れるようになるだけだ。中国がレアアースを禁輸してしまうとレアアースを使わない日本の電動モーターが世界に売れて、レアアースを使う中国製の電気自動車は高くて売れなくなる。

レアメタルやレアアースは使い道が出来たから高く売れるのであり、ユーザーに売らなくなれば自分で自分の首を絞めるような事になる。独占しようとしても代替品が出来て元も子もなくなるのが落ちだろう。二年前の石油の高騰もアメリカの投機筋が仕掛けたのですがサブプライムやリーマンショックで自分で自分の首を絞めてしまった。馬鹿は何度でも同じ過ちを犯すのですが、アメリカ人や中国人に付ける薬は無い。


レアメタルが普通の金属になる日 3月26日 日経新聞

「産業のビタミン」と呼ばれ、関心が集まっているレアメタル。生産量が少なく産出地も限られるため、リサイクル技術や代替材料の開発が盛んだ。しかし地球上に存在する量だけ考えれば、手軽に利用されている銅より多いものもある。一気に供給を増やす可能性を秘めた新しい精錬法や鉱山の開発に取り組む動きが始まっている。

レアメタルをコモンメタル(普通の金属)に――東京大学生産技術研究所の岡部徹教授は、研究室にこんな標語を掲げている。そこで進められている研究の1つが代表的なレアメタル、チタンを低コストで効率よく生産する新技術だ。

 新製造法は2塩化チタンに2塩化マグネシウムを加えて熱分解、金属チタンと4塩化チタンをつくる。低温でも反応速度が速く連続生産も可能で、バッチ式の現在の製造方法に比べて少なくとも数倍以上に生産効率を上げられる。比較的価格の安い低品位の鉱石が使え、チタン合金のスクラップから容易にチタンをリサイクルできるのも特徴だ。「残る課題は原料の2塩化チタンを効率的に作る手法の確立」と岡部教授は説明する。マグネシウムを還元剤に使う方法も研究中だ。

 航空機や自動車を軽量化する決め手と期待されるチタンだが、生産量が少なく高価なことが普及を阻んでいる。しかし、地球上で存在する量は多い。地殻に含まれるチタンの存在比は5400ppm(ppmは100万分の1)で、銅の75ppmの約70倍にも達する。ただ膨大な電気を使って精錬する必要がある上、バッチ式の製造法なので1つのプラントで製造できる量は1日1トン程度しかない。ボトルネックとなっている製造法の革新で生産量が増え価格も下がれば、一気に普及して鉄や銅のようなコモンメタルになることも夢ではない。

電気自動車のモーター用高性能磁石を作るのに欠かせないネオジムやディスプロシウムといったレアアース(希土類)にしても、存在量は決して少なくない。地殻に含まれるネオジムの存在比は16ppm、ディスプロシウムも3.7ppm。しかし産出のほとんどが中国に集中するのは、特にディスプロシウムなど重希土類の抽出が容易な特殊な鉱床が中国でしか見つかっていないからだ。

 ネオジムやディスプロシウムといった希土類は通常、花こう岩などに含まれるが取り出すのに手間がかかる。またウランなど放射能を持つ元素と一緒に存在することが多いので取り扱いも大変だ。しかし世界のディスプロシウム生産をほぼ独占する中国の「イオン吸着型」と呼ばれる鉱床は花こう岩が風化してできたもので、ウランなどを含まないうえ硫酸アンモニウムをかけるだけで簡単にレアアースを分離できる。他の鉱山が対抗するのはコスト的に容易ではない。

それでも需要増などからレアアースの価格が上昇していることで、休止していた米国のマウンテンバス鉱山が再開準備を進めているほか、カナダのトアレイク鉱床を新たに開発する動きも本格化している。カナダの鉱床はアルカリ岩関連鉱床と呼ばれるタイプで、中国のイオン吸着型鉱床に比べるとディスプロシウムを取り出すのに手間がかかるが、含有率は高い。

住友商事などがカザフでウラン鉱石の残さからディスプロシウムの生産に取り組んでいるように、他の元素を取り出した残りや生産の副産物として希土類元素を生産しようという取り組みも活発だ。

 イオン吸着型鉱床の探査は世界各地でされているが、これまでまとまったものは見つかっていない。「もとになった花こう岩はあとから特殊な条件下で熱せられ変化している。中国以外でみつかる可能性は低いのでは」と産業技術総合研究所鉱物資源研究グループの高木哲一研究グループ長は話す。かりに中国で見つかっている鉱山以外にイオン吸着型鉱床がないとすると、他のタイプの鉱山から重希土類を効率的に取り出す技術の開発は、将来の安定供給を確保するためにも欠かせないことになる。

 レアメタルの製造技術では「日本は世界をからだひとつリードしている」と岡部教授。現在は鉄や銅とともに広く使われているアルミニウムも19世紀末に電気分解を利用した現在の製造法が発明されるまでは生産が難しく、貴重な“レアメタル”だった。しかしレアメタル鉱山は国や地域に遍在し常に供給が不安定になるリスクを抱えていることから資源ナショナリズムの台頭を招くことが多い。

 日本では携帯電話やパソコン、コピー機など電子機器や家電製品に使用された金属を回収、再利用する「都市鉱山」を事業化する動きも活発だ。希少資源を確保するという目的だけではなく、環境問題の観点からもDOWAホールディングスなどが金属精錬技術を生かして金や銀、レアメタルを“回収”する事業を広げている。中国やインドを含む新興国の生活水準が高まり電子機器の普及が一気に進めば、都市鉱山のノウハウは世界から求められることになる。

 ただこれまでの使用量が少ないだけに、需要が拡大すればリサイクルだけでは追いつかない。薄型テレビに欠かせないインジウムのように製品に含まれる量がわずかで、リサイクルするより亜鉛をとった残りの鉱石から回収した方がずっと効率がよいレアメタルもある。都市鉱山と並行して、冒頭で紹介したような鉱山で採掘した鉱石から高品質の希少金属を取り出す技術の開発も着々と進む。そうしたイノベーションがおきれば現在のレアメタルが、アルミニウムのようなコモンメタルに変わる日は近いかもしれない。






エネルギー価格の上昇を前提とすれば、日本がその効率の
高さから世界のリーダーシップを取ることは十分にありえる。


2010年8月29日 日曜日

内向の世界帝国日本の時代がやってくる 増田悦佐;著


「内向の世界帝国 日本の時代がやってくる」を読む。 2009年12月2日 異をとなえん

アメリカの次の覇権国は日本だという本だ。
私も日本が次の覇権国になるかもという、淡かな期待を抱いているのだが、その過程がどんなものかわからなかった。
この本はその疑問に対する回答ではないかと読んだが、直接その質問には答えていない。
けれども、なんとなく日本の時代が来るかもと思わせる本だった。
本全体としては、まとまりがないし、各論点については突っ込み所も多い気がする。
しかし、その突っ込みを入れるのが楽しく、いろいろと想像力を刺激させる本だ。

** 増田氏の交代の理論 - なぜ覇権国は交代するのか?

本の中では近代的な覇権国を、オランダ、イギリス、アメリカとし、そのためには三つの段階を得るとある。
最初は急激な人口の減少、二番目は経済の加速的な成長、そして三番目に深刻な不況だ。
なぜ、そうなるのかについては本の中で説明があるのだが、いろいろと疑問も多い。
たとえば、急激な人口の減少と経済の加速的な成長は覇権国以外にもあまたあると思うのだが、
それらの国と覇権国がなぜ違うのかについては答えていない。
覇権国はその時代で最高のエネルギー効率を達成した国というのは正しいと思うが、
それをもっと単純に書けたと思う。
そんなわけで、この本から触発された私自身の覇権国交代の理論を書いてみる。

** 私独自の覇権国交代の理論 - 一次エネルギーの変換が覇権国の交代をもたらす

覇権国の交代は一次エネルギーの変換がもたらしている。
より効率的なエネルギーを利用した国が、その時代のリーダーシップを握り覇権国となる。

*** 風力から石炭へ、石炭から石油への変換

オランダのことはよく知らないが、風車で有名だということを考えて、風力だとする。
風力は人や家畜の力より効率がいいので、オランダが覇権を握る。
風力よりも石炭の方がエネルギーの効率がいい。
そこで、石炭を産業に初めて利用したイギリスが覇権国につく。
そして、石炭より石油が一次エネルギーとして有利だということが、アメリカでの利用とともに次第にわかっていく。
イギリスは石炭の利用が先細りになると同時に没落して、アメリカが次期覇権国になる

覇権国は、エネルギーの利用の先端であることによって文明を構築し、それを広めていくことによって世界でリーダーシップを握る。

*** 覇権国の没落

覇権国はその時代の先端のエネルギーのシステムに完全に特化することによって発展するが、
エネルギーの変換が発生するとそれについていけず衰えてゆく。

イギリスが石炭に特化していたことは、サッチャー時代になっても石炭労働者のストと戦わざるを得なかったことからも明らかだ。
石炭に特化していたイギリスのシステムは石油システムに簡単に変更できないので、
どうしても効率が落ちることになり、覇権国としての力を保てない。

*** 覇権国になった理由

こう考えると、オランダはともかくとして、イギリスとアメリカが覇権国になった理由は明らかだろう。
イギリスは豊富に石炭を算出する国として、世界で初めてその利用法を生み出し、発展していった。
その事自体が産業革命として、歴史書に載っているほどだ。
アメリカは石油を工業的に利用する国としては最初であり、本の中で紹介されているのだが、当初は石油市場の70%をおさえていた。
石炭から石油にエネルギーが変換すれば、アメリカがリーダーシップを握るのは当然とも言える。
イギリスとアメリカ、各々に石炭と石油がなかったとすれば、覇権国になったとは到底思えない。
発展しようとする、正にその時、新時代のエネルギー源がちょうどあったことが、覇権国になった理由だと思う。

*** 次期覇権国はなぜ大きな不況に陥るのだろうか?

覇権国の交代の前には、次期覇権国は大きな不況に陥っているように見えるが、それはなぜなのだろうか?

**** オランダからイギリス
オランダからイギリスへの交代の場合には「南海の泡沫」破綻があった。
ただ、発生したのが1720年で、イギリスが覇権国であることを確定化させた産業革命の発生が1700年代後半であまり時代があっていないように見える。
しかし、産業革命の発生と見られるワットの蒸気機関の発明は1769年だが、ニューコメンの蒸気機関の発明は1712年だった。
ニューコメンの蒸気機関は商業的にも大成功したらしいので、関係があるようにも見える。
元々、オランダの覇権国としての優位性が弱いから、はっきりしていないのかもしれない。

**** イギリスからアメリカ

そんなわけで、考えるにはイギリスからアメリカの場合の方がいい。
イギリスからアメリカへの変更の場合には、大恐慌というはっきりしたサンプルがある。
石炭によってイギリスは覇権国となったが、アメリカは石油によって台頭していった。
石油による効率の上昇で、供給力は増大していく。
しかし、需要はイギリスの石炭によるシステムに制約されていた。
石炭の供給に見合った需要しかないわけだ。
そこで、供給の増大に合わせて薔薇色の未来を予想していたのが、裏切られて大不況が生まれたことになる。
私は前に大恐慌の原因は土地価格の下落によるものと推定しているが、システム自体の矛盾がもっとも弱い部分を破壊したと考えることもできる。
結局、大恐慌後アメリカは蘇えるわけだが、それは郊外に住宅を移すことで、大きな乗用車と広い住宅といった形で、新しい需要生みだしたと言える。

*** なぜ覇権国としてオランダは短かく、イギリスは長かったか、そしてアメリカは短かいように見えるのか?

覇権国の存続する期間についても、本の中ではいろいろと説明がある。
オランダは短かく、イギリスは長く、そしてアメリカは短かいと推定している理由だ。
しかし、私には納得できなかった。
単純に、石炭から石油へのエネルギーの変換が長くかかったから、石炭文明のチャンピオンとしてのイギリスの覇権は長く続いたのではないだろうか?
同じフィールドを走っている限り、先頭走者としての優位は長く続くというわけだ。
そして、アメリカの覇権国としての期間が短かい理由も推定できる。
石油を使い切ってしまえば、石油に特化したアメリカ経済を維持できないからだ。

*** 一般化

以上の話を一般化してみよう。
次期覇権国は新しいエネルギーの利用によって、その当時の覇権国を上回る成長を遂げていく。
しかし、その成長は当時の覇権国のシステムでの需要の限界によって、頓挫し不況を迎える。
供給力に見合った需要を生み出していないからだ。
その後、バランスを取り戻し新たな成長路線に戻るが、そうするとエネルギーの変換が誰の目にも明らかになっていく。
覇権国もエネルギーの転換を図らねばならないが、旧エネルギーに特化しすぎたことによって、簡単には転換できない。
経済は停滞し、世界のリーダーシップを取る余裕がなくなる。
そこで、次期覇権国がリーダーシップを取ることになる。


** アメリカの没落は必然ではないのか?

今後のことを考えてみよう。
まず、アメリカの覇権国としての地位は長くない。

*** 石油がぶのみの経済

前に述べたように、アメリカ経済は石油がぶ飲みを前提とした経済システムを作っている。
郊外での広い住宅と通勤するための大きな自動車だ。
これはガソリン価格が安くなければ機能しない。
ガソリン価格が上昇すれば、アメリカ人は自動車通勤を避け、公共交通機関への転換を図るだろう。
そして、都心の高層マンションに住むようにし、交通費を削減しようとする。
郊外の住宅価格は下落し、大きな自動車は不要になり、大きな住宅に合わせた大きな家電製品も使い道を失う。
これら全てが資産の膨大な下落を引き起こし、経済は停滞する。
この場合、アメリカが覇権国からすべり落ちるのは当然に思える。

実際、第二次石油危機で石油価格が大幅に上昇した後、アメリカ経済は長期低迷に陥った。
石油価格は低下していたが、石油危機のイメージにより大型車は売れなくなるなどが原因だ。
結局、景気が回復するのは石油危機のイメージが消え、大型車の売行きが回復してからだった。

*** 石油価格は下落するのか?

石油価格が上昇すれば、アメリカが覇権国からすべり落ちる予測は正しいと思うのだが、本当に今後石油価格は上昇するだろうか。
石油価格の予想は難しいけれども、海底油田の発掘が盛んなように、コストの高い油田が多くなっているように見える。
開発費が安い油田の発掘はあまり期待できない。
そうすると、需要が着実に増えていけば石油価格は上昇する。

今年中国の自動車販売はアメリカを抜いて世界一になった。
自動車販売は40%増という。
ガソリン需要も急増しているはずだ。
さらなる成長が続けば、石油の需要も急激に増えていくだろう。
中国経済がアメリカ経済と関係なく成長できるかは、よくわからない。
アメリカへの輸出が減れば、中国の経済は停滞することもありうる。
しかし、アメリカの景気が良ければ、輸出の増大によって中国の景気が良くなることは間違いない。
既にシステムとして組込まれているのだ。
つまり、アメリカの景気が良くなって石油需要が増えると、石油価格は上昇してしまう。
第二次石油危機後のように、発電用燃料から石油を外すことによる需要の減少はもうない。
石油価格の上昇が確実ならば、アメリカの覇権国からの転落も確実だろう。

** 脱石油経済の行方は?

石油が一次エネルギーから脱落した場合、今後の経済はどうなるだろうか。
そして覇権国の行方は?

*** 電気中心の仕組み

石油の次のエネルギー源は未だはっきりしていない。
原子力、天然ガスなど候補はいろいろあるだろうが、完全に石油にとって替われるかは難しい。
そして、輸送エネルギーの中核であるガソリンがどう変わるかは、更に難しい問題だろう。
一つの考えとして、まず電気に変換して使うのが主流になるとみたい。
何のエネルギーでも電気に変換すれば、その後の工程は考えなくてもすむ。
実際、今の日本はそんな風になっている。
そして、一次エネルギーの価格の変化に応じて、どのエネルギーで電気を起こすかを変更すれば、経済の影響はほとんどなくなる。

*** 発電用燃料の転換

実際、第一次石油危機前は発電用燃料としても、石油が使われていたが、その後の燃料の高騰によって競争力を失っていった。
既に発電用燃料として石炭は復権している。
つまり、石油の重要性はガソリンという自動車の燃料であることだけになった。

*** 自動車の燃料

自動車の燃料については、ガソリンからの変更がどうなるかは、はっきりしない。
電気自動車が開発の本流になっているが、当分自動車価格やエネルギー価格を含めたシステムとしての価格は、ガソリン自動車を上回っていくだろう。
そうすると、そもそも現在のアメリカのように、あらゆることに自動車を使うシステムのありかたを変更して、日本みたいに人員の輸送を鉄道に変えた方がいいのではないだろうか。
日本は石油ショック以降石油の消費は増えていない。
世界の他の国が日本のシステムに近くなっていくならば、石油消費は減少するだろうし、そうすれば自動車のシステムを電気自動車に変更する必要もなくなるかもしれない。

結局、脱石油経済は電力経済こそが中核であって、その発生方法は問わないというのが私の結論である。
そして、それ以外の石油の使用法については、少しずつ電気を使用する方向に変化していく。
オール電化住宅が流行りつつあるのも、その表れの気がする。
そうすると、次期覇権国は電気を最も効率的に使うシステムを構築している国だろう。

*** 覇権国としての日本

エネルギー価格の上昇を前提とすれば、日本がその効率の高さから世界のリーダーシップを取ることは十分にありえるように思える。
現状の体たらくを見ると、到底考えられないが、石油価格の上昇が続き、それでも日本経済の上昇が続けば、その理由を探しに日本に来る人も多いだろう。
それらの人を指導することによって、自然とリーダーシップが生まれる。
アメリカが覇権国として行動する能力を失うならば、日本のリーダーシップは覇権国と言えるほどの物になるかもしれない。

もっとも、現在日本は経済成長と呼べるほどの成長をしていない。
それは生みの苦しみかも知れないが、実は衰退しているだけとも見える。
日本が停滞から脱して、始めて覇権国だとかの話が現実になる。
そうなることを期待したいものだ。

** 結論

本の感想なのに、触発された私の理論を語ってしまった。
ただ、そのような想像力を喚起する本ではある。
突っ込み所も多いと思うので、いろいろ楽しめる。
最近、文章というものは突っ込み所を多く作った方が読ませる力が強いのではないかと感じている私には、参考になる。
そんなわけで、お勧めである。


(私のコメント)
なぜ日本が20年近くも経済が停滞しているにもかかわらず円が高いのだろうか? 円の高さが次の世界覇権国を予言しているのではないだろうか? 円が高くなっているにもかかわらずニュースでは大変だと騒いでいますが、アメリカはエネルギー事情から先が見えている世界なのだ。だから昨日も書いたように中東の石油独占を目指してイラク戦争に踏み切った。

つまり、中東の石油を独占できなければ世界覇権国家アメリカの将来はないと言うことだ。今年はメキシコ湾で大規模な石油掘削施設からの石油の漏洩がありましたが、海底油田の石油採掘の難しさを象徴する事故だった。陸上で採掘できる油田はもはや無く海底油田しか採掘を続けるしかないのですが、事故と隣り合わせになる。

世界的な景気後退であるにもかかわらず石油価格は70ドル台を維持しているし、少し景気が良くなれば石油投機が始まって石油価格が高騰するだろう。アメリカのサブプライム問題もリーマンショックも底には石油価格の高騰によるダメージがあるのであり、なんでも自動車が無ければ生活できないと言うアメリカンスタイルの生活が壊れつつあるのだ。

増田氏が「内向の世界帝国 日本の時代がやってくる」と言う著書で書いてある通り、世界覇権国家の交代とエネルギーとは大きな大きな関連性があるのであり、オランダは風車や帆船による風力エネルギーを利用する事で交易で利益を上げて覇権国家となった。17世紀はオランダの世紀であり江戸幕府はオランダのみと西洋との交易を認めた。

18世紀から19世紀は石炭火力による蒸気エンジンの発明によってイギリスでは繊維産業が発展してイギリスが世界の覇権国家となった。20世紀に入って石油エネルギーの利用が進むようになってガソリン車や飛行機が普及して誰もが世界中を旅行できるようになりグローバル経済が進んでアメリカの時代がやってきた。

アメリカでは巨大油田が次々と発見されて石油が無尽蔵にあるかと思われる時もあったほどですが、60年代を最後に100億バレルを超えるような巨大油田は発見できなくなった。70年代にはオイルショックが起きてアメリカ経済も傾きかけてきましたが、ドルと金との交換を停止してドル紙幣ばら撒き経済でアメリカは21世紀まで繁栄してきた。

やがてはドルは大丈夫かと言う不安が出てきてドルが暴落してアメリカの時代は終わるのだろう。その時はいつやって来るかはわからないが10年位でアメリカ国内の巨大油田は枯渇する。だから石油の精製施設も老朽化して日本からガソリンがアメリカに輸出されるほどにまでなってしまった。

後世から見れば20世紀は石油文明が狂い咲いた世紀であり、アメリカと言う超大国が突然出現したように思われるだろう。ソ連も石油が産出した事による狂い咲いた超大国でしたが石油生産がピークを過ぎると1991年に突如崩壊してしまった。だからメリカと言う超大国も世界の石油生産がピークを過ぎた時に突如崩壊する時を迎えるかもしれない。

2年前に石油が1バレル147ドルまで高騰した時にサウジアラビアは増産する事ができなかった。世界最大の油田を持つサウジアラビアが増産できなかったと言う事は既に石油生産がピークを迎えていると言う事であり、だからアメリカではバブルの崩壊が起きたのだ。だからアメリカに第二第三のリーマンショックが起きてアメリカの息の根は突如止まるだろう。

日本は世界に先駆けてバブル崩壊に直面して長い間出口が見つからずにいます。日本のバブル崩壊も石油価格の高騰が遠因にあるのであり、政府がいくらがんばっても高度成長を取り戻す事はできなかった。日本も安い石油を使った高度成長で恩恵を受けてきましたが、安い石油が無くなった以上は高度成長は二度と無いだろう。

中国やインドなどの新興国の高度成長も限界に来ているのであり、安い原材料が手に入らなくなっては高度成長もブレーキがかかる。石油だけではなく石炭も鉄鉱石も急騰していますが、安い人民元で高い原材料を買っていたら労働者がいくら安い賃金で働いても富は資源国に行ってしまう。

もちろん石油が高騰すれば代替エネルギー開発も進みますが、石油ほど経済的ではない。次の時代のトレンドがまだ見えてきませんが、電気自動車の普及がヒントになる。つまり電気と電動モーターの時代がやってくるのかもしれない。今までガソリンエンジンで動いていたものが電動モーターで動くようになり、それに一番適応した国が世界の覇権国になるはずだ。

中国では電動のバイクがガソリンのバイクよりも多く普及している。日本ではホンダもスズキも電動バイクには積極的ではなく、自動車も電気自動車は作っていない。日本ではバイクが売れなくなって騒いでいますがなぜ電動バイクを売らないのでしょうか? 戦後において数百ものバイクメーカーが出来ましたが、ホンダも手を出さない時にベンチャーで作る企業が出てこないのが不思議だ。バイクだから町工場のような所でも作れる。

中国では排気ガス規制が厳しくてガソリン車を買うことは難しい。それが排気ガスを出さない電動バイクが普及する原因ですが、電池も鉛電池の従来品を使っている。日本のメーカーは二次電池の開発に拘って電動バイクや電気自動車をなかなか発売しませんが、中国では鉛電池の小型自動車メーカーが雨後の竹の子のように出来ている。

もしかしたら中国が次世代エネルギー革命の覇者になるのかもしれませんが、電動モーターに必要なレアメタルは中国が9割を産出している。日本の消費者は品質に厳しいから製品に対しても高い品質を要求する。しかしリチウムイオン電池などは非常にデリケートで爆発事故を起こしやすい。自動車用ともなれば人命に関わるから製品化は非常に難しい。

ハイブリッドカーにしても電気自動車にしても日本が最先端を行っている。高速鉄道にしても日本の新幹線が先駆けですが、鉄道がエネルギー効率が一番いい。都市化が進めば鉄道による移動が一番効率的であり自動車による移動は都市交通では渋滞を起こす。中国では国家総力で鉄道建設に取り組んでいますが、エネルギーの効率化に成功するのだろうか?




いまイラク人が考えるべきことは、アメリカ軍の駐留によって、国内的な
安定が期待できる、という安易な他力本願の考えを、捨てるということだ。


2010年8月28日 土曜日

NO・1739「アメリカ軍イラク撤退とは言うが?」 8月21日  佐々木良昭

イラクのサダム独裁政権を倒す、そのことによって、WMD(大量破壊兵器)撲滅を果たす、という大義名分で始まめられた、アメリカによるイラク戦争は、2003年3月に以来、今日までに大量の戦死者を、アメリカ軍とイラク軍に生み出した。そしてそれ以後も、駐留アメリカ軍と新生イラク軍や警察に、更なる大量の犠牲者を生み出している。(アメリカ政府の公式発表では、アメリカ軍人は4415名、負傷アメリカ軍人は約32000名、民間の発表ではこれ以上の犠牲とされている。たとえばICHはイラク人犠牲者数を1366350名、アメリカ軍犠牲者数を4733名と伝えている)

 イラクの民間人の死亡者数は、100万人を超えたと伝えられているし、その難を逃れ、イラクの周辺諸国に移り住んだ、イラク人難民の数も何百万人の単位で、報告されている。

 そしてこの8月19日、アメリカ政府はイラクからアメリカ軍戦闘部隊を、撤退させる事を決定し実施した。アメリカ軍は戦闘地イラクからクウエイトに移動を終了したということだ。

 このアメリカ駐留軍(占領軍)のイラクからの撤退は、歓迎すべきことであろう。もちろん、アメリカ軍の撤退後には、多くの危険が待ち受けているため、イラク国民の多数が将来の安全に対する、不安を高めていることであろう。既にアルカーイダは、イラク国内での戦闘活動を拡大していくことを、宣言しているし,アラブ、トルコマン、クルドという人種間の武力衝突や、スンニー、シーアというイスラム教宗派間の衝突もあろう。

膨大な量の石油資源を持つイラクに対し、周辺諸国ばかりではなく、欧米諸国も、イラクに対し新たな食指を、伸ばしてくることであろう。つまり、イラクは今後、多方面からの介入や工作により、ますます混乱の度を増していく、と予測するのが常道であろう。

しかし、いまイラク人が考えなければならないことは、アメリカ軍の駐留によって、国内的な安定が期待できる、という安易な他力本願の考えを、捨てるということだ。自国の安全と安定は、イラク国民自らが、実現していかなければならないということだ。それを行わなかった日本が、大東亜戦争後今日に至ってどうなっているのかを、考えてみれば分かることだろう。

イラク政府と国民は、アメリカ政府が巨額の赤字を抱え、やむなくイラクから軍を撤退させ始めたいまこそ、全面的な撤退を勝ち取るべきではないのか。アメリカ政府はアメリカ軍を撤退させた後に、民間警備会社に対し、多数の警備員(戦闘員)を、イラク国内に送り込むことを決めている。彼らの蛮行は既に、十分イラク国民と政府は認識しているであろう。

加えて、アメリカ軍が今後、イラクの軍や警察を指導する、という名目で残留するが、これも出来るだけ早く撤退させるよう、イラク政府と国民は動くべきであろう。

アメリカ軍は全面撤退を、2011年には実現すると言っているが、それでは何故巨大な軍事基地を、イラク全土に築いたのか。その費用は莫大であろうが、それは何処から捻出して来ていたのか。そして、アメリカ軍が全面撤退することを、アメリカ政府は全く予想せずに、これらの軍事基地を、建設してきたのだろうか。

そうとは思えない、アメリカ政府がアメリカ軍を、イラクから全面撤退するのは,あくまでも臨時的措置だ、と考えるべきではないのか。いまアメリカは他の敵と対峙するために、イラクに大量の軍を投入させてはいられない、ということではないのか(あるいはイランとの戦争に備えて、アメリカ軍をイラクから一時的に、退避させることが目的ではないか?)。

イラク政府はアメリカ軍のイラクからの、完全撤退を実現する方向で、アメリカ政府と交渉すると同時に、アメリカ軍が再度、イラクに派兵されてこないような合意を、取り付けておく必要があろう。そうしなければ、アメリカ政府はこれまでに構築した、アメリカ軍のイラク国内の基地を、何時でも自由に使用できる、状態になってしまうからだ。

そうなれば、イラクは永久にアメリカの占領下に、置かれるということだ。それでは、これまでのイラク人の犠牲は、何の意味も無い、無駄なものになってしまうだろう。

アメリカ政府がイラクから手を引き始めたいまこそ、イラク政府と国民は自分の国の治安は、自分の国民と政府で、確かなものにしていく、という意志を固めて欲しいものだ。そのためには、イラク政府はイラク国内にある、アメリカ軍基地について、正確な情報をイラク国民に知らせることが、先決ではないのか。


「アメリカ人は単細胞」小沢氏発言、米で波紋 8月28日 ANN

「アメリカ人は単細胞なところがある」民主党・小沢前幹事長の25日の講演での発言を、アメリカのメディアが一斉に伝えました。

 小沢前幹事長:「僕はアメリカ人は好きですけど、どうも単細胞なところがありましてダメなんですが」
 この発言を、AP通信やブルームバーグは「日本の大物政治家が『アメリカ人は単純』と発言」などの見出しで取り上げました。また、ウォールストリート・ジャーナルも「日本の政治家には伝統的に失言をする人が多いようだ」と指摘しています。


(私のコメント)
小沢一郎が「アメリカ人は単細胞」という発言がニュースになっていますが、イラク戦争を見ればアメリカ人がいかに単細胞か良く分かります。9.11テロとイラクとは関係が無いのですが、テロを仕掛けたのはサダムフセインだと思い込んでしまって、大量破壊兵器を製造していると言う理由で攻め込んだ。しかしもちろん大量破壊兵器などあるわけが無い。

佐々木氏の記事に寄ればイラク戦争によるイラク人の死者が100万人を越えると言う事ですが、このようなアメリカ軍の蛮行が許されるのだろうか? ようやくアメリカ軍の戦闘部隊がイラクから撤退しますが、まだ多くのアメリカ軍が様々な名目で駐留する。アメリカ政府の意図は良く分かりませんが、イラクの石油が目的だろうと言われています。

あるいはイラクからの撤退は一時的なものであり、イランとの戦争に備えたものかもしれません。しかしイランと何のために戦争するのでしょうか? 核開発が理由という事なのでしょうがインドやパキスタンや北朝鮮やイスラエルは核兵器を開発しましたがアメリカは制裁以上の事はしていない。

「アメリカ人は単細胞」と言うのは、9・11テロで頭にきたアメリカ人が「犯人はこいつ」だとアルカイダがヤリ玉にあがりましたが、オサマ・ビン・ラディンはCIAのエージェントだった。だからいまだに捕まらないのでしょうが、こんな小細工をしなくても「中東の石油はアメリカのものだ」と言って中東一帯を軍事占領したほうが単純で分かりやすいのではないだろうか?

9・11テロはパールハーバーを連想させますが、アメリカ人は単細胞だから本土が攻撃されると武力で反撃せざるを得なくなる。じっくりと犯人を割り出していくだけの慎重さが必要なのですが、アメリカ軍を中東におびき出す為の罠だったのかもしれません。イラク戦争ではアメリカは毎月一兆円もの軍事費を使い、本土ではバブル崩壊とリーマンショックが起きてしまった。

ブッシュ大統領はイラクを日本のような民主国家にして永久占領するつもりだったらしい。まさに単細胞の大統領が考えそうな事ですが、イラクも日本もごちゃ混ぜの考えはまさに単細胞だ。アメリカ人から見ればイラクも日本も大して変わりがないのでしょうが、永久占領してイラクから石油と日本からカネを巻き上げようと言うのだろう。

日本にアメリカの軍事基地がある以上はイラクのマリキ政権と同じく日本の政権はアメリカに逆らう事は不可能だ。アメリカに逆らえば横田の米軍基地からMP部隊が駆けつけてきてアメリカ大使館に連れて行かれて拷問にかけられると言う噂がある。赤坂には米軍のヘリポートがありますが何のためにあるか考えれば分かる事だ。

『株式日記』では自主独立と自主防衛を主張してますが、民主党に政権交代したことでパンドラの箱が開けかけてしまった。パンドラの箱とは沖縄の米軍基地問題ですが、鳩山首相は普天間基地を国外へ移転する事を訴えて政権を獲得した。しかしそれはアメリカにしてみればパンドラの箱であり、65年にわたって日本人を洗脳してきたのに日本人は洗脳から覚めかけて来ているのだろう。

日米の同盟関係を見直すとなればかなりの政治力が要りますが、鳩山内閣はアメリカの圧力で潰された。後を引き継いだ菅内閣は小泉内閣ばりの従米路線でアメリカのバックアップで長期政権を狙っている。確かにやり方は小泉内閣と良く似ていますが小沢一郎支持派が抵抗勢力ということになる。

アメリカがイラクやアフガニスタンで泥沼にはまって動きが取れない間に、中国が国力を伸ばしてきてGDPで日本を追い抜くほどになりました。しかしアメリカの陸上部隊はイラクやアフガニスタンに釘付けであり沖縄の海兵隊基地もずっと空っぽだ。これでは朝鮮半島や台湾海峡に何かあっても動きが取れない。

まさにアメリカ人は単細胞だから中東に足を奪われている間に中国による西太平洋進出を許してしまった。日本は相変わらず能天気であり国防問題はアメリカに丸投げしたままだ。日本にアメリカ軍基地が85ヶ所もあっては自衛力を増強しようにも、どうしてもアメリカ軍を当てにしてしまって憲法改正すら意識にも上がらない。

これは佐々木氏が指摘するように危険なことであり日本の危機でもある。アメリカがイラクから引き揚げて行くように極東アジアからも引き揚げて行くかもしれない。そしてアジアの覇権を中国に譲り渡すかもしれない。オバマ大統領のG2発言はまさに米中によるアジア支配を感じさせた。その危機意識から日本に民主党政権が生まれてパンドラの箱が開けられた。

アメリカは慌てて鳩山政権をぶち壊して菅政権に代えさせましたが、パンドラの箱は元には戻らないだろう。アメリカ内部でも軍縮派と強硬派の内部対立があり軍縮派が優勢になれば中東からも極東からも軍事力を引いて行くだろう。小沢一郎の第七艦隊だけで十分と言う発言は暴論に聞こえますが、アメリカ自慢の原子力空母は黄海に入って軍事訓練も出来ない。これでは日本の防衛もアメリカを頼っていられないのであり、自主防衛体制で中国と対峙して行ける様にしなければならない。




新卒一括採用された者は無垢の状態で採用されるから企業に対する忠誠
心が生まれ、先輩・後輩、年令による上下の関係から秩序が維持される


2010年8月27日 金曜日

英国にディビッド・キャメロンが現れた訳。  8月11日 かみぽこぽこ

英国では基本的に、
民間企業や官庁などが
新卒を一斉に採用する慣行がない。

新卒でも企業や官庁のポジションに
空きが出た時に、
それに合った能力を示せれば
採用される。

そして、人事は公募で決められる。

年功序列による内部昇格ではなく、
外部に人材を募集して、
オープンな審査を行う。

最終的に内部昇格となることはあるが、
あくまでもオープンな審査で、
内部の人材の能力と実績が認められた場合だ。

英国では公募が多用されることで、
さまざまな人材が
常にキャリア・アップのために
自分を磨くようになっている。

政界でも、新人を発掘する時、
公募が行われる。

公認候補者は政党の地方組織で
決定されるが、その公募には
地方議員、主婦、弁護士、医師など
1つの選挙区で100名近くが
応募することがある。

候補者の資質として
最も重視されるのは、
政策に関する見識と弁論能力だ。

英国の選挙が「マニフェスト」による
政策中心の選挙であるからだ。

いかに説得力を持って
政策を訴えられるかが、
候補者に要求されるのだ。

この候補者公募には、
現職の国会議員も
参加しなければならない。

たとえ現職でも、
能力が劣ると判断されれば
公認を取り消される。

政治家は選挙のたびに、
その資質を審査され続けるのだ。

政治家となった後も、
政界でのキャリア・アップを
目指したければ、
政策理解力と説得力を
磨き続けなければならない。

英国の政党指導者に
最も必要とされる
資質の1つが

「クエスチュンタイム(党首討論)に勝つこと」

だからだ。

英国の党首討論では、
官僚の書いたメモなしに
財政、社会保障、外交、教育、医療など
幅広い問題について
反対党の党首と
議論しなければならない。

政策の細部やデータも
頭に入ってないといけないし、
一般国民にもわかりやすく
話さなければならない。

相手の批判に感情的にならず、
ユーモアで返す余裕も
なければならない。

相当高いレベルの知性と
人間的な成熟が求められるのだ。

私には、絶対無理だね。。。(苦笑)



新卒一括採用は日本を蝕む (1/2) 8月25日 エグゼクティブ

大学新卒者の一括採用は、日本に長く続いている慣習である。これが、「青田買い」とか「早苗買い」という悪習を生んだ。そもそも終身雇用や年功序列処遇という日本的経営システムを支える1つが、新卒一括採用制度と言われる。企業は、新卒者を一括採用することを長年続け、彼らを定年まで抱えることによって、社内の年功序列を維持することができる。

 そこでは、中途採用者は見事に排除される。新卒同期会に入れてもらえない中途採用者たちは、対抗策として中採者の会を作って慰めあう。哀れでさえある。完全な差別の結果である。その辺の事情は、社内の日常会話にも如実に現れている。「彼は、何年入社だ?」「ああ、彼は中途」「あっ、そうか」。これで「彼」の全てが決まる。まるで、人格さえも。

 新卒一括採用された者は無垢の状態で採用されるから企業に対する忠誠心が生まれ、長年にわたって構築される先輩・後輩、年令による上下の関係から社内秩序が維持され、家族ぐるみで社内の結束力が高まる。この点だけからでも、新卒一括採用がすでに時代の流れに遅れていることが分かるというものだ。

 さらに、ある時期集中的に行われる採用によって採用や教育のコストが節約できるとも考えられているが、逆に変化の激しいグローバル時代に、画一的にして硬直化した人材しか採用できないし、教育できないという弊害を生み、あるいは創造力と活力を削ぐことになってきている。

 採用される側から見たとき、景気や病気などの何らかの理由で新卒一括採用に漏れた者は、本人の力量とは無関係に、冒頭に触れたように社会にそのまま滞留することになり、あるいはやり直しができないまま、中途採用どころか派遣労働者・フリーターなどの差別された人生を選ばなければならないことになる。

 新卒一括採用という現象の中で、企業はできるだけ有利に人材確保を進めようとする余り、卒業予定の学生の採用を早くから内定しようとする。「青田買い」である。事実、レジェンダ・コーポレーションが2011年4月入社希望の学生の就職活動について調査した結果、説明会・面接は2・3月にピーク、内々定は4月に集中している。内々定を受けられなかった者は、5月以降に内々定を受ける機会が激減した厳しい状況下で就職活動を続けなければならない。「青田買い」は、弊害が大きすぎる。



(私のコメント)
小沢一郎が代表選に出馬宣言した事で民主党はてんやわんやですが、私自身は菅総理も小沢一郎も支持しているわけではないから関心が無い。どちらが首相になっても日本が良くなるわけではない。どうせなら小沢一郎が民主党代表になり亀井静香が総理になれば話は違ってくる。しかしアメリカとそれに従うマスコミがネガティブキャンペーンを張ってグダグダになるだけだろう。

結局のところ日本の政界に人材がいなくなってしまったのは、1年生議員とか2年生議員とか言う言い方があるように年功序列社会であり、総理になるためには10回ぐらい当選を重ねないと総理になれない。有能な1年生議員がいたとしても使い走りであり有能な人材を腐らせてしまう。20年もやっていれば時代感覚もずれてきて政局の事しか分からなくなる。

欧米などでも長年国会議員をしてきて首相に選ばれる事もありますが、年功序列で長い間やっていたからなれるわけではない。今回の民主党のような事態になれば若手が一気に代表になれるチャンスでもあるのですが、若手では代表選挙にも出られない。ところが「かみぽこぽこ」に書かれていおるようにイギリスでは40歳そこそこの首相が次々と出てくる。

それだけ大臣に抜擢される事も早くて有能な若手が次々と抜擢される。日本では国会議員になるには資金力がいるから中年になってから政界に入ってくる人が多い。世襲議員は若くして国会議員になるから安倍晋三のように若くして総理になる場合もあるが、政界では50代でも若手だから政治がやりにくい。

このように選挙で選ばれる政界でも当選回数がものを言う年功序列社会だから、公務員も大企業でも新卒一括採用で年功序列社会になっている。そのような社会では中途採用の人材を組織にはめ込む事は非常に難しい。日本の会社では純粋無垢の新卒を採用して忠誠心から叩き込むのが普通だ。

中途採用の人材ではその会社に対する忠誠心も疑われるから排除される。有能か無能かであることよりも会社に対して忠誠である事が出世の基準であり、有能でも社風に馴染まない人材は排除されていく。だから新卒で採用されなければ正社員として出世の階段を上れない訳であり、退職すれば他の会社に転職する事もままならなくなる。

イギリスでは企業や官庁に空席が出来れば公募で採用される社会では転職する事でキャリアを上げて行く。政界も同じシステムで選挙区では公募で候補者が選ばれている。現職でも新人で有能な人がいれば落とされるから油断が出来ない。日本では現職優先であり引退でもしない限り新人が選ばれる事はない。

菅総理も小沢一郎も既に60代半ばであり、欧米の40代50代の政治家に比べると高齢化が目立ちます。文化そのものが違うからそのようになるのですが、一年ごとに首相が代わるのも長年勤め上げた論功行賞として首相の地位が与えられるから1年もやれば交代させられても平気なのだろう。

一年の任期を無事に勤め上げれば政治家として功なり名を遂げた事になる。1年では政策が実行できるはずも無く政治は官僚任せになってしまう。年功序列で総理になったのだから実力があってなったのではないから何も出来なくても当然なのですが国民はたまらない。

そのような議員を選ぶ国民が悪いと言われても、候補者は密室で選ばれてどのような能力があるのかも良く分からない。戸別訪問も禁止、立会演説会も禁止、ネットの選挙利用も禁止では何も分からない。先の参院選挙でもネットの選挙利用が禁止のままであり誰がどのような経歴かも良く分からないまま選挙しなければならない。

会社でもいきなり中途採用の若い上司が来たらどうだろうか? 同一労働同一賃金体系が出来ていれば会社間の横の移動も可能ですが、日本の会社では企業文化を大切にしてよそ者を排除する社会だ。日本の会社では転勤や配置換えを頻繁に行なっていますが、同一労働同一賃金体系では配置換えすれば係長や課長でも平からやり直しだ。

しかし年功序列社会では移動のたびごとに出世して行く。一つのポストでずっとやっていたほうが実力は付くのでしょうが、それでは上司がやりにくい。一つのポストを長くやっていればその人物しか分からない事が出来てきて動かせなくなる。だから頻繁に配置換えをして実力が付かないようにして転職するのを防止する。

日本の会社では配置転換で経理課や総務課や営業課や人事課まで、あらゆる事をやらされて行きますが数年で変わるからスペシャリストにはなれない。管理職になれても会社を離れれば何も特技が無いから転職もできなくなります。欧米なら職務で採用されるから移動もない代わりに昇給も無い。実力をつけて会社を変わりながら出世して行く。

しかし何度も言うように年功序列制度も職務給制度も一長一短であるのですが、日本は年功社会に傾きすぎているような気がする。欧米のような有能な人材を他から公募で選ぶような社会にしなければ社会全体が老人支配の社会になってしまう。特に政界は能力本位で選ぶようにしなければ、危機的な状況が来ても思い切ったことが出来なくなる。小沢一郎が総理になったところでスキャンダルの塊だから一年も持たないだろう。




謝罪が成功し、効果を生むためには、謝罪の相手がそれを受け入れる
用意があることが不可欠だ。だが、韓国や中国にはその意思はない。


2010年8月26日 木曜日

【緯度経度】ワシントン・古森義久 国家は簡単には謝らない 8月21日 産経新聞

 菅直人首相の日韓併合に関する談話で日本国はまた韓国に謝罪した。「植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、改めて痛切な反省と心からのおわびを表明する」というのである。

 朝鮮半島を日本の領土として認めた日韓併合条約が当時の国際規範に沿った正当な取り決めとされた事実と、その条約の結果を悪と特徴づけ、ひたすら謝る菅政権の態度との間には、明らかに大きな断層がある。だがその菅政権の歴史認識のゆがみや矛盾はひとまずおいて、このように国家が他の国家や国民に謝罪を続けること自体の是非を米国からの視点で考えてみよう。

 人間集団の謝罪を専門に研究するハーバード大学のマーサ・ミノー教授は一連の論文で「国家対国家、あるいは国家対個人の謝罪という行為は1980年代以前は考えられなかった」と述べる。主権国家の政府は戦争で降伏し、非を認めて賠償を払いはしても「おわびします」とか「すみません」と心情を表明することはなかったというのだ。

 だが同教授によれば、民主主義の強化で状況が変わり、国家が自国の国民に非を謝るようにはなった。レーガン大統領や先代ブッシュ大統領が第二次大戦中の日系米人の強制収容を謝り、クリントン大統領は米国のハワイ武力制圧を謝った。だが米国が他国に謝罪した例はきわめて少ない。米国がフィリピンを武力で植民地にしたことは明白でも、謝罪はしていない。日本への原爆投下も同様だ。

他の諸国に目を転じてもイギリス政府がインドやビルマの植民地支配を公式に謝罪したという話は聞かない。フランス当局がベトナムやカンボジアの植民地統治自体を正式に謝ったという記録もない。

 米国ウェスリアン大学のアシュラブ・ラシュディ教授は「罪ある時代の謝罪と忘却」という自著で、「クリントン大統領が1998年にルワンダ大虐殺に対し米国が阻止の行動をとらなかったことを謝罪したが、その謝罪自体はその後の各地での虐殺阻止にはなんの役にも立たなかった」と書いた。謝罪の実効の不在である。同教授は「謝罪は相手の許しが前提となり、心情の世界に入るため、そもそもの原因となった行為の責任や歴史の認識を曖昧(あいまい)にしてしまう」とも論じた。

 日本の謝罪については米国オークランド大学の日本研究学者ジェーン・ヤマザキ氏が2006年に出版した自著「第二次大戦への日本の謝罪」で詳しく論考している。ヤマザキ氏は1965年の日韓国交正常化以降の日本の国家レベルでの謝罪の数々を列挙しながら「主権国家がこれほどに過去の自国の間違いや悪事を認め、外国に対して謝ることは国際的にきわめて珍しい」と述べた。そして米国はじめ他の諸国が国家としての対外謝罪を拒む理由として以下の諸点をあげた。

 「過去の行動への謝罪は国際的に自国の立場を低くし、自己卑下となる」

 「国家謝罪は現在の自国民の自国への誇りを傷つける」

 「国家謝罪はもはや自己を弁護できない自国の先祖と未来の世代の両方の評判を傷つける」


 さらにヤマザキ氏の分析は日本にとり最も深刻な点を指摘する。それは日本の国家謝罪を外交手段とみるならば、それがいままでのところ完全に失敗しているというのだ。

 「日本は首相レベルで何度も中国や韓国に謝罪を表明してきたが、歴史に関する中韓両国との関係は基本的に改善されていない。国際的にも『日本は十分に謝罪していない』とか『日本は本当には反省していない』という指摘が多い」

 これらが謝罪が成功していない例証だというのである。そしてヤマザキ氏がとくに強調するのは以下の点だった。

 
「謝罪が成功するには受け手にそれを受け入れる用意が不可欠だが、韓国や中国には受け入れの意思はなく、歴史問題で日本と和解する気がないといえる」


【首相談話】韓国、根深い民族的優越感 際限なき“謝罪ゲーム” 8月11日 産経新聞

日韓併合100年にあたっての「首相談話」に韓国は必ずしも「歓迎」というわけではない。政府論評(外交通商省スポークスマン)に「歓迎」の言葉はなく、単に「注目」し今後の両国関係の発展を「希望する」としているにすぎない。ただ旧朝鮮王室の“図書返還”についてだけは「評価」するという。

 マスコミも、日本政府が依然、日韓併合条約そのものの無効、不法を認めず、過去補償も不十分だとし、いわゆる“過去清算”は「未完」で「期待に及ばない」と相変わらず批判的だ(各テレビや文化日報、聯合ニュースなど)。

 日韓関係では1995(平成7)年8月の「村山談話」の後、98年10月の小渕恵三首相と金大中大統領の「共同宣言」で、日本の「痛切な反省と心からのおわび」がすでに公式かつ明確に表明されている。

 この時、金大中大統領は、韓国政府としては今後、過去には触れないとまで“約束”している。


 今回、また日本は「謝罪と反省」を言わされたかたちだ。これはマスコミ世論をはじめ韓国側に、日本との過去をまだ終わりにさせたくないという心理があるからだろう。

 「謝罪」の成立は、謝罪する側もさることながら謝罪を受け入れる側の事情、姿勢で左右される。

 韓国にはいまなお、日本に「謝罪と反省」を求め続けることによる民族的、国家的な“優越感”もある。日本に対するこの心理がある限り“謝罪ゲーム”は終わらない。インドやベトナムなど他の旧植民地国にはない特異な歴史感覚だ。(後略)



(私のコメント)
対人関係において人を見て話さなければとんでもない誤解を生じて関係をこじらせてしまうことがあります。日本の政治家は韓国に対して何度も謝罪していますが、なぜ韓国だけが何度も謝罪を要求してくるのか考えた事があるのだろうか? 韓国側は謝罪を外交的な駆け引きの手段として要求をしているのでしょうが、それが反韓感情の元になれば逆効果だ。

政治家と政治家の関係だけならそのような駆け引きもあるのでしょうが、国家と国家となるとなかなか難しい問題を生じてしまう。オバマ大統領自身が広島や長崎の原爆投下は間違いだったと思ってはいてもアメリカ国内には正当化する意見も沢山ある。もし日本が新しい大統領が誕生するたびに広島長崎の原爆投下への謝罪を求めたらどうだろうか? アメリカ国民は怒り出すだろう。

韓国は日本に対してそれと同じ事をしているのですが、韓国の反日感情は反政府感情が内在している。この構図は文化を同じくする中国にも当て嵌まりますが、中国は反日感情をあおりすぎて反政府運動になりかけて慌てて消しにかかっている。

謝罪をするには相手を良く見て謝罪を受け入れる気持ちが無ければ謝罪しても意味が無いのであり、だから日韓会談が行なわれるたびに冒頭で謝罪を繰り返す事になる。こんな事をしていれば外交を拗らせるだけであり、謝罪の意味が無くなる。韓国には65年経っても日本の謝罪を受け入れる気持ちがないから何度も要求を繰り返す。

これは韓国国民の精神的な未熟さの現れであり、65年経ってもそれを消火出来ないことは理解に苦しむ。植民市支配を受けた本人なら記憶から消し去る事は困難だろう。しかし今では戦後生まれの人がほとんどであり、戦後教育の影響から謝罪を求めている事は明らかにおかしい。

日本側もいつまで謝罪を求め続けるのかといった反韓感情も出てくるのであり、菅総理の談話は日韓友好にマイナスの結果をもたらすようになるだろう。世界には韓国製品が溢れるようになりましたが、日本市場においては韓国製の自動車もテレビもほとんど見かけないのはどうしてなのだろうか? 

このようにいつまでも謝罪と反省を求められれば意図とは逆の結果をもたらすのであり、外交の一手段として歴史認識を持ち出せばいつまで経ってもいい結果はもたらされない。過去の歴史は消し去る事が出来ない以上は、いつまで経っても謝罪し続ける結果となりか、えって断絶を深めてしまう。

歴史上の事を、政治が介入して善か悪かを評価させる事は、歴史がプロパガンダの手段になってしまうことであり歴史を歪めてしまう。歴史の評価は後世の学者が判断すべき事であり、一つの歴史上の出来事であっても時代によってその評価は変わってくるのが普通だ。

だから日本の総理大臣の謝罪も歴史なのだから後世の学者がどのように評価するか考えてやっている事なのだろか? 村山談話や河野談話や小泉談話など謝罪を繰り返していますが、後世の歴史学者からどのような評価を受けるのか、欧米の歴史学者から見れば疑問に思われている。

歴史的な評価は非常に難しく、歴史的な資料が後世になって出てきて評価が一変することもある。事実がどのようなものであったのか十分に解明されていない事に対して判定を下す事は軽率だ。例えば大東亜戦争直前のアメリカ政府部内の記録などは全部公開されていない。だから大戦において日本がアメリカの罠に嵌められたと言う決定的な証拠が出てくるかもしれない。

戦後においてアメリカの進駐軍は日本の歴史を書き換えてしまいましたが、多くの戦前戦中に書かれた書物を回収して燃やしてしまった。文明国であるはずのアメリカがなぜ本を燃やすなどと言う蛮行をしたのか、最近になってそれが分かり始めていますが、アメリカに都合の悪い事実を消し去る為だ。

アメリカが文明国家であるならば歴史を書き換えることは蛮行である事は知っているはずですが、アメリカは精神レベルにおいて中国や韓国なみなのだ。最近のハリウッド映画を見ても違和感を感じますが映画そのものがプロパガンダなのだ。戦後のGHQがどのような事を日本から消し去ったかを調べれば面白い結果が出るだろう。



西尾幹二『GHQ焚書図書開封』 評・宮崎正弘 2008年6月20日 宮崎正弘

巨大な現代史の空白がなぜうまれたのか。GHQは日本の歴史と精神を抹殺するために多くの古典的良書に焚書を命じた。(中略)

▼焚書にあわなかったブンカジンとの対比

本書を繙きながら、あれ、この人も焚書、あの本も焚書かと唸るばかりとなる。

徳富猪一郎、山中峰太郎、林房雄、尾崎士郎、長野朗、火野葦平、中野正剛、石原莞爾、保田輿重郎、安岡正篤、山岡荘八、頭山満、大佛次郎。。。。。。。

意外に武者小路実篤とか、坂口安吾、石川達三などの名前もある。

まさしく占領軍の日本精神、日本歴史抹殺政策は、日本から歴史書を奪い、日本を壊わされる時限爆弾としてセットされた。合計7000冊以上の良書が、秦の始皇帝の焚書のように闇に消された。

これらが消滅すれば、日本の精神の復興はままならないだろう。

ただ蛇足ながら、これらの良識古典が近年、つぎからつぎへと復刻されているのは、頼もしき限りで、徳富の終戦日誌は全四巻、林の大東亜戦争肯定論は数年前に再刊されたが、これらは戦後の作品。

戦前の復刻が続くのは安岡、頭山、保田らである。

この空白期を巧妙にうめて日本の出版界を左翼の独占場とした。

GHQがそこまで目論んだのか、あるいはGHQ内部に巣くったソ連のスパイたちが日本の左翼を扇動し、行政やブンカジンの協力を強要した結果なのか。

焚書の対象とならなかった作家を一覧してみると或る事実が了解できる。

小林多喜二、林芙美子、宮本百合子、三木清、尾崎秀美、河上肇、美濃部達吉、大内兵衛らの諸作は焚書の対象から巧妙に外されていた。日本の協力者がGHQにリストでも渡さない限り、このように「正確」な書籍の選択選別は出来なかっただろう。(これらの貴重なリストは巻末に溝口郁夫氏作成として掲載されている)。

西尾氏は、この労作『GHQ焚書図書開封』(徳間書店)を通じて「米占領軍に消された戦前の美しい日本」と「簒奪された私たちの歴史」をいまこそ取り返そう、現代日本史の巨大な空白を埋めようと提言されているのである。





日本にとっての最大市場はアジア市場であり、アメリカ市場はこれから
更に縮小して行く。輸出取引の40%は円によって決済されている。


2010年8月25日 水曜日

悪いことばかりではない円高の影響 8月25日 ウォールストリートジャーナル

円高の日本の製造業に与える影響といえば、「苦痛」以外にはなさそうに思える。

 一般的に日本の輸出業者は為替相場から身を守る必要があると思われている。しかし、実際にはこうした企業に円がもたらす苦痛の分岐点は、投資家が思っているほど低いものではない。

 円は5月初め以降、ドルに対して11%以上急上昇し、日本株からの資金流出につながった。円が24日、節目の1ドル=85円を抜け、対ユーロでもほぼ過去9年間の高値を付けるなか、日経平均株価は1年3カ月ぶりの安値を付けた。

  こうした為替相場の動きは、日本の製造業が危機的状況にあるとの印象を与える。だが実は、大和総研によると、製造業セクター全体の通期の営業利益は、円が1ドル=80円に上昇するまでは前期比で減少し始めることはない。これは円の名目史上最高値に近い水準だ。

 また、円が1ドル=67円を付けるまでは利益が完全に消えてしまうわけではない。これは製造業は実際には石油や食品業界と同様、円高が部品の輸入のコストを押し下げるという恩恵を受けるためだ。さらに日本の輸出取引の40%は円によって決済されているためでもある。こうした企業にとって、為替レートの変動は営業利益にリスクをもたらさない。

 すべての企業が円高の影響を受けにくいというわけではない。もし円が1ドル=84円近辺で推移していれば自動車メーカーの利益は減少し始める。

しかしその自動車メーカーの中でも他社よりも円高に強い企業が存在する。例えば、日産自動車はトヨタ自動車よりも米国内での自動車生産比率が高いのでその痛みは少ない。また日産は、タイから低価格帯の自動車を国内で販売するため輸入しているため、円高がプラスに働く。

 さらに日産の第3の市場である欧州で販売される車種は現地生産されている。ドイツ銀行によると、同社の今年3-6月期のユーロ安に関連した損失は合計でわずか1300万ドル(約11億円)という。

  企業がさらなる円高から自分たちを守る動きに出ることで、日本はある程度、長期的な難題に直面することになる。製造業が海外に生産を移転するため、設備投資と高額な給与の雇用の海外流出は問題となる。さらに、円高は日本がデフレを輸入することを意味する。すでに10年間物価下落を続けてきたのだが。

 しかし、投資家が非常に心配している業績への打撃はしばらく先のことかもしれない。



為替介入ができない理由 8月25日 小笠原誠治

円が1ドル83円台を付け、為替介入を求める声が強まっているようです。

 まあ、それにしても最近、非常識な論調が目立ちます。先ほどスパモニをみていたら、あの森永教授が、何故今円高なのかを解説していましたが、その解説を聞いていたらアホらしくなりました。

 リーマンショック以降、米国やヨーロッパはマネタリーベースを倍増させたが、日本の場合には1割ほどしか増加させていない。つまり、市場に出回るドルやユーロの量は急増しているのに、日本の円は殆ど増えていないので、円が強くなるのは当然だ、と。そして、この円高を食い止めるには、日銀がもっともっと円を市場に供給すべきなのだ、と。

 よくこの程度の知識で教授をやっているものです。そして、またこの森永氏に話をさせるテレ朝のレベルとは。

 確かに米国の場合、リーマンショック後にマネタリーベースが、それ以前の2.5倍ほどまでに拡大しているのは事実ですが、それは単に、市中銀行などの準備預金が増大しているだけの話で、実際に世の中に出回るお金が増えているというわけではないのです。

 それに、仮に世の中に出回るお金が増えたからといっても、そのことが直ちに為替相場に影響を及ぼすものではないのです。為替相場に影響を及ぼすのは、飽くまでも為替市場における需要と供給の関係なのです。

 その辺のことを分かっていないのでしょうか。

 まあ、でも、そのことはおいといて‥

 為替介入を求める声が強まっています。

 では、実際に為替介入は行われるのでしょうか?

 私は、その可能性は小さいと判断しています。

 何故か?

 それには、大きく二つの理由があるように思われます。一つは、為替介入に対する米国の態度です。

 恐らく、米国は日本が為替介入に出ることに強く反発することでしょう。何故ならば、米国では依然として失業率が高い水準にあり、また景気の減速懸念が強まっているからなのです。そうしたなかで輸出を武器として雇用の回復を図りたい米国としては、弱いドルを歓迎しているわけですから、そうした動きに対抗する日本の為替介入を許す筈がありません。

 でも、もちろん、日本政府がそれでも介入するのだ、と決断すれば介入ができないわけでもありません。しかし、9月には、日米首脳会談が予定されているではありませんか。そうでなくても、基地問題などで負い目がある菅総理が、米国の意向を無視することなどできるわけはない、と。だから、菅総理の発言も急に元気がなくなっているというわけです。

 為替介入がないと考える第二の理由は、仮に日本が独自に為替介入を行っても、その効果が殆どないと考えられるからです。それどころか、もし為替介入をやっても円高が進むとなったら逆効果になってしまうことも考えられるわけです。だったら伝家の宝刀は抜かない方がいいということになるわけです。

 今、為替介入を求める人たちは、為替介入の効果など殆ど考えていないように見受けられます。ただ、少しばかりヒステリー状態になっているだけだ、と。(後略)



(私のコメント)
アメリカの中古住宅の販売実績が発表されましたが、予想よりもかなり酷い落ち込みようのようだ。失業者も二桁に乗せているのに株価だけが1万ドルを保っている。金持ちにとっては株が高ければ失業者が増えようが中古住宅が売れ残ろうがどうでもいい話だ。アメリカもこれからは日本のように格差社会がより酷くなっていくのだろう。

こうなるとオバマ政権としてはドル安で輸出産業を振興して失業者を救済して行かなければなりませんが、工場はみんな中国に移転させてしまった。しかし中国はなかなか人民元を切り上げには同調してくれません。為替相場は相手国の協力がなければ動かす事が出来ないから難しい。

昨日は日銀砲の事を書きましたが、アメリカの了解の下で行われた事であり単独介入では動かす事は難しい。人民元にしてもアメリカ国内には多国籍企業の中国進出があるので人民元が安い方が儲かると言う事情がある。アメリカは金融産業や不動産などの産業が景気が良かったからバブル景気で製造業が空洞化しても問題は生じなかった。

しかしリーマンショック以降は金融も不動産もダメになり失業者が激増している。だからドル安にして中国に進出した工場を国内に戻そうとしていますが、中国が了解しないだろう。どうしても中国が人民元を切り上げないのなら軍事的緊張を高めれば、外資系の工場は一斉に中国から他国に引き揚げるだろう。

EUもバブル崩壊でギリシャなどの国が危機的状態になりユーロも売られて安くなっていいる。いわばドルとユーロが切り下げ合戦をして日本の円がとばっちりを食っているのですが、アジアとの経済取引は大きくなり以前ほどドル高の影響は受けにくくなって来ている。アジアから円や人民元が国際通貨として流通する割合が大きくなっていくだろう。

中国は徹底した外貨管理をして人民元への投機を防いでいますが、中国がこれだけ外貨を溜め込んでいても切り上げをしないのは輸出競争力がそれだけ強くなっていないからだ。中国に工場進出させたグローバル企業も人民元の切り上げは困るからアメリカやヨーロッパの企業も切り上げを強くは求められない。

日本の円がこれだけ高く吊り上げられてしまうのも外資系企業の工場が無い為であり投機筋に狙われやすい。中国は外資を人質にとっているから抵抗する事が出来ますが、日本には人質が無いから抵抗できない。日本も90年代とは違って中国に工場を進出させて円高の影響は小さくなって来ています。むしろ問題は海外進出できない中小企業でしょう。

アメリカの製造業がなかなか復活できないのも中小企業が潰れてしまった為であり、アメリカ国内に工場を作っても部品などを中国から輸入しなければならない。これではアメリカの赤字が大きくなるだけであり、アメリカの失業は長期的に増えていく一方だろう。失業者を吸収するには製造業を復活させるしかないのですが、もはやそれは絶望的だ。

アメリカのヨーロッパも打つ手が無いからマネタリーベースを倍増させてカネをばら撒いていますが、国債やCDを買い込んで市場に放出している。しかしカネは銀行に滞留するだけだと小笠原氏は解説しているが、銀行は当座の残高を積み上げておく訳にはいかないから国債や外債を買って運用せざるを得ない。現金では利息は付かないが国債なら利息が付く。

だから銀行に当座預金が滞留すれば一部は外貨や外債に向かう訳であり、金融緩和は円安要因になる。世界中の銀行がリスクに過敏になっているから融資はせずに国債ばかり買いこむ事になる。アメリカもヨーロッパ諸国も国債の残高ばかりが積み上がっていきますが、ドイツは国債を発行できてもPIGS諸国は高金利でないと国債は売れない。

つまり金利が経済力のバロメーターなのですが、日本は長期にわたってゼロ金利が続いている。しかしアメリカは中国が米国債やドルを売り始めれば金利が急騰することになる。と言う事は日本がドルや国債を買い続けていればドルは大丈夫ですが、日本に見放されればアメリカは金利が急騰してアメリカ経済は破綻するだろう。




建玉の84%が円買いという空前の投機的円買いが先物市場で積み
上がっている。無為無策の日本政府と日銀が投機筋になめられている。


2010年8月24日 火曜日

東京株が9000円割れ=円高を嫌気、1年3カ月ぶり 8月24日 時事通信

24日午前の東京株式市場は、前日の米国株安や円高が嫌気され、取引開始から売りが優勢となり、日経平均株価は取引時間中としては2009年5月18日以来1年3カ月ぶりの9000円割れとなった。電機、自動車など輸出株を中心に売られ、午前9時15分現在で前日比125円13銭安の8991円56銭まで急落した。

 米国景気の減速懸念を背景に円相場が高止まりしている。前日行われた菅直人首相と白川方明日銀総裁の電話会談では、為替介入など円高対応について議論されなかったため、円相場は当面上昇基調をたどるとの見方から企業業績に対する警戒感が広がり、売りにつながった。 


シカゴ先物は84%が円買い。政府日銀は介入の好機。 8月23日 山本清冶

(一)ドル/円為替先物の直近の建て玉。

(1)全米為替先物取引委員会が集計した「シカゴ通貨先物(円)」の投機筋のポジションは、8月10日現在次の通りである。
   円買い比率:84.2%     円売り比率:15.8%

(2)東京市場における為替証拠金取引のポジションは8月17日現在次の通りである。
   円買い比率:83.9%    円売り比率:16.1%

(3)世界の為替ディーラーは、建玉が圧倒的に大きな「シカゴ投機筋の取り組み」に注目している。

(4)「シカゴ投機筋」のデータにヘッジファンドの建玉は含まれていない。しかしヘッジファンドこそ円買い・日本株売りの仕掛け人である。

(5)シカゴ市場、東京市場とも、建玉の84%が円買いという空前の投機的円買いが先物市場で積み上がっている。無為無策の日本政府と日銀が投機筋になめられている。

(二)需給関係から見れば円急落の条件が成熟。

(1)投機筋は早晩必ず反対売買によって建玉を決済しなくてはならない。

(2)それゆえ、シカゴ市場の建て玉から将来の反対売買を予想すれば、円売り要因が83.6%を占めているのに対して円買い要因は16.4%に過ぎない。

(3)このような需給関係の下で、もし政府日銀が円の売り介入を断行すれば、投機筋は厳しい踏み上げを迫られる可能性が高い。

(4)
為替先物市場では個人でも担保の50倍の相場が張れるから、円を買った投資家は1円の円高で50円の利益を得るが、1円の円安となれば50円の大暴落に直面する。

(三)ユーロの大暴落と大暴騰に学ぶ。

(1)<チャート1>は8月9日付クラブ9から再録した。

(2)チャートを見れば一目瞭然。5月にギリシャの財政破綻説をきっかけにユーロとギリシャ・スペインの国債・株式が投機筋の集中売りを浴びて大暴落した。しかし6月上旬にECB中央銀行が反撃に打って出ると、ユーロはもちろんギリシャ・スペインの国債と株式がそろって暴騰し、全値戻りを達成した。

(3)6月初旬に始まった大反騰は、ECB中央銀行が90兆円の資金を準備してユーロと国債の防戦買いに出たことがきっかけとなった。

(4)現実にはECB中央銀行が買い向かいを開始した直後に、介入の噂が流れて投機筋の大踏み上げが始まった。

(5)この時にはヘッジファンドと投機筋が自信満々でユーロとギリシャ・スペインの国債・株式に大規模な空売りを仕掛けていた。

(6)現在まで世界の投機筋は「円買い、日本株売り」で大成功を収めており、自信満々で円買いに群がっているから、今もし政府日銀が「円売り・ドル買い」を断行すれば、ユーロと同じ大逆転が起こる可能性が高い。

(四)不可解な為替介入反対論。

(1)ヨーロッパや韓国やスイスが為替相場に介入していることは周知の事実である。中国は元相場を国家が管理している。イングランド銀行は必要があればいつでも介入するだろう。アメリカは独歩安のドルをてこ入れしないことによってドル安に介入しているのである。

(2)為替は国益を賭けた貿易戦争の一貫である。政府日銀は為替市場に介入してはいけないというエコノミストの主張には根拠がない。

(3)円高を異常に恐れる一方で介入に反対する負け犬根性が、投機筋の円買い、日本株売りを誘発している。

(4)為替不介入論は、いたずらにヘッジファンドの投機を助長し、日本の国益を損なっている。

(5)
政府日銀の断固たる円高対策は、極端な円買いのポジションを組んだ投機筋に対して大きな威力を発揮するだろう。



「日銀砲」の実情が当事者の一人、谷垣自民総裁の口から語られる 6月13日 ライトニングストテージ

日銀上司「いいか、これから1分ごとに10億円づつ円売りドル買い介入を行う」

日銀部下「1分ごとに10億円も?」

日銀上司「そうだ1分ごとに淡々と売り続けるんだ。これから24時間売り続けるんだ。」

日銀部下「24時間ですか?」

日銀上司「そうだ。為替相場に終わりは無いんだ。もちろん交代要員も用意してあるが出来るだけ頑張ってくれ。」

日銀部下「はー、、。でも1分間に10億円だと1日に1兆円以上の資金が必要ですが?」

日銀上司「今、30兆円用意してある。当面はこれを使う」

日銀部下「それを使い切ったらどうするんですか?」

日銀上司「財務省が保有している200兆円もの米国債のうち、比較的短期のものを最大100兆円売って新たな介入資金を作る」

日銀部下「米国債なんか売っちゃっていいんですか?」

日銀上司「円売りで買ったドルで新たに米国債を買い、国庫に返還するので問題は無い。とにかく相手が折れるまで淡々と売り続けるんだ。休んだらヘッジの思う壺だ」

これを35日間続けました。
この結果アメリカのヘッジが2000社倒産しました。
また、行方不明になったり自殺した人も大量にいました。



(私のコメント)
日経平均株価が9000円を割ったそうですが、ヘッジファンドによる円買い株売りのオペレーションが止まらない。彼らはギリシャ危機をきっかけにしてユーロ売り攻勢をかけてきましたがECBの大胆な攻勢に出合って梯子を外されてしまったようだ。ヘッジファンドと中央銀行とが戦争すればヘッジファンドが勝てるわけが無い。

ヘッジファンドと言えばジョージ・ソロスが思い浮かびますが、ソロスはイギリスポンドを売り崩して名を上げた。当時のイギリス政府がポンド売りに立ち向かえるだけの資金が出来なかった為ですが、EUや日本くらいの規模の大きさになるとヘッジファンドも資金力で負けてしまう。

特に円高の場合は政府日銀はいくらでも資金を用意することが出来る。外貨準備でも100兆円もあるのだからそれだけでも十分ですが、日銀が円をすればいくらでも実弾が作れる。900兆円の国債を買いオペすればそれだけ円が市場にあふれるわけだから円を安くする事は簡単だ。問題は政府日銀がそれを決断できるかですが、野田財務大臣では無理かもしれない。

山本清治氏のブログにも書かれていますが、ヘッジファンドの円買い残高が積みあがった今こそ政府日銀の日銀砲の出番が来たのではないかと思う。谷垣総裁の内輪話が動画で公開されていますが、日銀砲を決断したのは前任者の塩川大臣だそうですが、政治家が決断を下せばいいだけの話であり、1年余りの間に35兆円ものドル買い介入を行なって投機筋を全滅させてしまった。

谷垣総裁の話にもあるように日本政府の決断に対して、やはりアメリカやフランスなどからの抗議があったそうですが、日本のデフレの酷さを訴えて押し切ってしまった。現在も中国がドルに連動させていますが中国はG7のメンバーではないから好き勝手な事が出来る。

現在ではアメリカやEUがやりたい放題の事をしているわけですが、日本が再び日銀砲を使い始めてもアメリカもEUも文句の言いようがない。白川日銀総裁は単なる官僚であり、政治家が金融緩和すると決断すれば日銀はそれに従わざるを得ない。既に円は85円まで高くなっているのだからかなり投機筋も円買いのスタンスを取っている。

為替先物市場では担保の50倍も張れる訳ですが、中央銀行が実弾で介入されたらヘッジファンドは反対売買をしなければならないからヘッジファンドは全滅するだろう。外資系のエコノミストや評論家などは政府日銀の為替介入に対して批判的ですが、ヘッジファンドがお客さんだからそう言うに過ぎない。

私自身も為替介入は基本的には反対ですが、投機的な動きをしたら政府日銀は機動的に介入しなければなりません。去年に8月頃は1ドル=100円だったのがいまは85円まで上がっているから1年で15%も切り上がってしまった。為替投機筋も以前の日銀砲の記憶があるから政府日銀の動きを注視しているのでしょうが、菅首相や野田大臣では介入の決断は出来ないだろう。

日本は円を売ってドルを買ってそのドルでユーロを買えば金融緩和とドル安とユーロ安で一石三鳥の対策になるはずですが、外貨準備もドル一辺倒からドルとユーロやその他通貨に分散が出来る事になる。中国も米国債を売って円やその他通貨に切り替えていますが日本はなぜそのような機動的なオペレーションが出来ないのだろうか?

今回は中国が日本国債を大量に買って金利が1%を割りましたが、中国が日本の財政を支えてくれる事になる。通貨の多極化はドルの暴落から始まる。ユーロもギリシャ危機で弱点を抱えてドルに代わるだけの力がないことが分かった。円の独歩高は短期的には輸出産業に打撃を与えて不利ですが、円が安定すればドルやユーロに代わる通貨は円しかないことになる。

中国の人民元も国際通貨の仲間入りを目指していますが、そうなると自由な為替市場で人民元が売買される事になる。そうならないように中国は元を回収して自由な流通を阻止していますが、これでは人民元の国際通貨化は無理だろう。ドル安やユーロ安は短期的には輸出などで有利になりますが、それだけ経済力が弱っている事を示します。

ユーロも一時高くなりましたがEUは結局はそれに耐えられなかったのだろう。ところが日本の円はプラザ合意から高くなりっぱなしであり安定した通貨と言えるようになった。短期的な乱高下には積極的で大胆な為替介入が必要ですが、通貨が高いと言う事はそれだけ経済力が評価されている事を意味する。

山本清治によればヘッジファンドはユーロ売り投機で踏み上げられています。円高投機でも政府が日銀砲を発動すればヘッジファンドはダブルパンチで参るだろう。最近の国債志向によってヘッジファンドに集まる資金は細っているから、日本が為替介入してきたと見れば直ぐに反対売買をして退散するだろう。




日本企業はタイを中心としたASEANに集中投資をして来た。
ASEANを中心とした32億人の巨大市場に投資して儲ける。


2010年8月23日 月曜日

NHKスペシャル 灼熱アジア 第1回タイ 8月22日 雑食系アラフォーclub 

タイ・バンコクはアジアの一大生産基地となり、人手不足が起きている。
2009技能五輪選手権の旋盤の部は、タイの選手が1位となった。
タイの技術者の確かな技術力を示している。
自動車輸出は去年の86%増加、タイはアジアの製造業の覇権を狙っている。

「脱日入亜 日本企業の苦闘」

タイは昨年、過去最高の輸出額を記録し、経済成長率7.0%をとげた。
その要因は、FTA(自由貿易協定)だ。
原産地証明書があれば関税が免除される。(現在はまだ減額だけの地域もある。)
タイは、アジア地域32億人巨大市場の中心になろうとしている。
タイ アマタ工業団地17万人が就業、ここに外国企業の進出が相次いでいる。

25カ国から進出、特に日本企業の進出が目立つ。
コストダウン目的の生産だけではない。中枢部分の設計も日本からタイにシフトする企業もある。
タイは、インド、中国には人件費は敵わないが、技術力が高い。人材の質が高い。
その結果、年間35兆円の生産額が日本から失われている。

金型部品メーカー 南武

金型部品メーカー(南武)のタイ進出。自動車部品の金型を作っている。
タイ人の技術力は日本人と遜色ない。
FTAの追い風で顧客が広がっている。去年の倍の注文がある。
リーマンショックによる東京本社の損失をタイ工場の利益で支えた。
タイ工場では日々、納期との戦いが行われている。
24時間体制の生産。ミスとの戦い。

デモの影響で検問の強化、トラックが送れることもある。
納期を守るために、タイの仕事を日本で肩代わりしてもらう。
完全な逆転現象である。
日本の部品をタイ人の技術者がチェックする。これまでなかった現象である。
日本人技術者でも困難な溶着(異なる金属を溶接)をタイ人技術者がマスターした。
日本生まれのジャストイン生産がアジア全体で行われている。

アジア需要の膨張

空前の自動車ブーム、消費欲の旺盛な9億人の中間層が生まれた。
タイは自動車生産の拠点となっている。即断即決の予約販売。売上は去年の倍。
関税0の恩恵を目指すのは、日本企業だけではない。中国、インドもタイも進出している。
インド企業の進出。安い部品はインドから、高度な部品はタイで作り、組み立てる。
FTAの恩恵を生かしたビジネスモデルである。

タイ地元企業「タイサミット」

日本の金型メーカー「オギハラ」を買収した。買収額300億円超
自動車のアウターパネルの金型製作を始めた。
技術力だけではなく、芸術性も求められる。

社運がかかる金型開発

「オギハラ」の技術者がアドバイザーとして招聘された。
「一人でも多くのエキスパート技術者を育てていく。」日本人技術者の決意。
日本技術者シミュレーションによる警告を会社から無視される。
タイはシミュレーションを重要視せず、実際作って試行錯誤するスタイル。
タイの技術者は、シミュレーションを信じられない、使いこなす技術がまだなかった。

日本人技術者は、アドバイザーの意見を受け入れる組織改革を求めた。
タイ人技術者は日本人技術者の指導方法にも不満が出た。
日本式「技術は盗め」は評価されず、不満になっていたのだ。
タイサミット副社長の評価「期待はずれ:進歩の加速度」
日本人技術者の決断、プライドはひとまず置いて、一従業員として現場に飛び込むことにした。

日本人技術者は技術講習会を開催することにした。
タイ人技術者が初めて目にする日本人技術者の職人技。
タイ人からこれまで溜まっていた質問が浴びせられる。
そして、金型開発に目途がついた。

タイサミット42年前、バイクシートの工場からスタート

1997年アジア通貨危機。外国企業は現地タイでの部品調達に切り替えた。
日本企業はタイの技術を育てた。
そして、タイは安さと技術を兼ね備えた最高の生産基地となった。

買収した「オギワラ」のリストラも進んでいる。

「オギワラ」の群馬の工場を中国の新興メーカーに売り渡した。
日本からタイへの進出した企業2010年で60数社に昇る。
日本で売上が1/3に落ちた企業。タイへ進出生き残りを図る


タイ進出の日本企業印象記 2007年12月3日 安岡襄のブログ

タイ経済における日本と日系企業の位置付け
タイには世界最大規模の日系企業の集積があり、在外日本人商工会議所会加盟企業数から見て上海についで上位第2位であるとのことであった。但し中国については北京が第6位の位置を占めているため、中国の5割強の企業進出と見られる。
 次ぎにバンコックに於ける各国企業の進出に於いてバンコック商業会議所会員数は日本が第一位であり、続いて台湾、米国、英国という順位になっていた。
また日本商工会議所の調査では、在タイ日系企業が少なくとも6,226社存在しているという結果が出ている。
また、タイの製造業における就業者数505万2,400人に対し、日本企業の雇用数は30万8,300人 と約6%に及んでいる。
 タイの最大貿易相手国は日本で輸出の14%、輸入の23%を占めている。(2005年)
 タイは東洋のデトロイトと言われているが、主力産業である自動車の生産・販売輸出の9割が日系企業で占められている。
タイの国内自動車販売台数は70万3432台で、トヨタの37%を筆頭にいすず、ホンダ、日産、三菱、マツダ、その他とほとんどの自動車メーカーが顔を揃えている。
そして各社とも今後の生産拡大を目指して投資を強化している。
ジェトロは中国と比較してのASEAN投資のメリットについて次の様な見解を表明している。
@ 膨大な投資ストック(多くは減価償却終了)、長年のパートナー、「日本式」が比較的通用する安定的な投資先(中国は「ハイリスク・ハイリターン」)
A日本ブランドが浸透した5.3億人市場(AFTAによる市場統合の完成した場合)人口は中国に比べて少ないが、購買力は高い。
B 中国一極集中リスクのヘッジ(チャイナ・プラス・ワン戦略)
C インド・中東などへの供給・進出拠点(ASEAN・インドFTAを活用した日系家電の対インド輸出など)
D コストは中国に比べて見劣りせず、場所によってはむしろ安い



(私のコメント)
昨日のNHKスペシャルで「灼熱アジア タイ」を放送していましたが、タイの工業団地には日本の主な輸出企業が進出している。歴史的にも40年以上の歴史があり技術の集積が進んでいる。特に自動車産業は広い裾野を持つ産業だから一ヶ所に集中した方がやりやすくタイのバンコク周辺は東洋のデトロイト言われるほど自動車関連産業が集中している。

先日の株式日記でもタイから輸入される日産マーチについて書きましたが、タイはASEANの中心国家として中国やインドともFTAを通じて東南アジアの拠点として投資されてきた。日本企業の海外進出先は中国が一番大きいのですが中国はカントリーリスクがあり、中国とASEANとの投資バランスを取っている所が多い。

さらにNHKの番組でも言っていましたが、中国に工場進出しても中国から輸出するには関税がかかるのに対して、タイならばFTAによって中国にもインドにも関税ゼロで輸出する事ができる。アジア・オセアニア全部合わせれば32億人の巨大市場がそこに出現する訳でありEUやアメリカよりも大きな市場が出来上がる事になる。

新興国においては韓国企業や中国企業ばかりが目立つとよく言われますが、タイは最大規模の日系企業の集積地であり日系企業はタイに集中的に進出している事が昨日のNHKの番組を見ていると分かる。その原因としてはカントリーリスクが他の国より低くて従業員の質も手先が器用で質が高い事が上げられる。

タイに拠点を置けばASEAN諸国はもとよりインドから中東への輸出拠点とすることが出来る。コスト的にも中国と太刀打ちできるし日本的な経営も生かせ易いことがあるからだろう。テレビで見てもタイは左側通行であり仏教国であり反日感情も低い。そこが中国や韓国と違う所だ。

しかしタイは人口が7000万人ほどなので、景気が良くなると人手不足になり賃金も上がりやすくなります。中国は水不足で工業用水の心配がありますがタイは水田の国であり水不足の心配が無い。二毛作で米の輸出国であり一年中夏だからフルーツなどの作物も豊富だ。

NHKの番組でもやっていましたが、進出した日系企業は日本式のカンバン方式で時間の厳守で生産に追われていた。リーマンショックをものともしない景気の良さは新興国ならではですが、タイは自動車の輸出国になり7%の経済成長で将来性も高い。日本が円高で直接の輸出が難しくタイなどを通じて輸出して行くしかないのだろう。

日本企業のこのような海外進出で2008年だけでも35兆円の生産額と100万人の雇用が失われていますが、これでは日本の景気が良くなるわけがないのであり、円高を何とかしなければなりません。しかしアジア諸国から見れば日本が円安になれば日本の輸出がどっと増えるから円高で無いと困る。

中国は13億人の巨大市場といわれますが購買力はさほど多くは無い。工場を進出させても利益が出始めれば合弁先に追い出される心配もある。それよりかはタイに進出してタイから関税のかからないFTAで中国に輸出した方がいい。いずれは日本とASEANとで東アジア共同体を作り中国やアメリカと対峙して行けば面白い。

つまりASEANプラス1で行けば面白い。分かりやすくいえば大東亜共円圏をつくり、やがては東アジア共通通貨を作って円の独歩高を回避する戦略をとるべきだ。問題は中国ですが中国を東アジア共同体に含めるとバランスが取れなくなりインドやオーストラリアなども入れなければならなくなる。場合によっては拡大東アジア共同体を作って重層構造にしたらどうだろうか?

NHKの番組を見ていて感じるのはタイの実業家たちはタイ語でビジネスをしているし、日本人の経営者たちとも日タイ通訳を介して話していることだ。決して英語でビジネスをしてるわけではない。英語が世界の公用語というのはプロパガンダであり、ごく一部のエリートたちが英語で会話しているに過ぎない。むしろ中国にしてもアジアにしても現地語が出来なければ現地のスタッフと意思疎通が出来ない。

さらにタイがコスト高になればベトナムが有望になりますが、日本がベトナムとタイとを結ぶ高速道路を建設している。そうなればタイの部品産業とベトナムの安い労働力とベトナムの港湾施設が利用できるようになる。このようにタイはアジアの交差点であり、中国人やインド人も多い。

アメリカは中国に集中的に投資をしてタイへの投資は日本、台湾よりも少ない。ベトナム戦争の後遺症のせいもありますが、アメリカ人は中国人を良く知らないからそうなるのですが、仏教国のタイ人のほうが性格も温厚で労働力の質も高く民主国家でもありビジネスもやりやすい。鳩山首相のアメリカを除外した東アジア共同体を敵視したのはアメリカが中国と手を組んだ事を密かに後悔しているからだろう。




わが国の場合、2002年から2007年の景気回復の期間中も賃金は
上昇せず、生産性向上の効果は主として企業利潤として溜め込まれた。


2010年8月22日 日曜日

米国は日本のようなデフレにはならない 8月13日 富士通総研

このところ米国が日本と同様のデフレになるのではないかという論調が目立っている。しかし筆者はそのようなことになる可能性は低いと見ている。理由は、日本では1990年代後半以降、継続的に賃金が下落しているのに対して、米国ではテンポは低下しても、賃金は上昇し続けているからだ。

デフレは日本だけの現象

デフレ、すなわち消費者物価指数(CPI)が恒常的に下落しているは日本だけの現象であり、先進国共通の問題ではない。欧米でもこのところ物価上昇率が下がってきており、景気後退の影響を否定することは出来ないが、デフレではない。日本では何故かくも長期にわたってデフレが続いているのか。よく聞かれる説明に、グローバリゼーションが進行して中国やアジアの国々から安い輸入品が入ってくるとか、情報技術が進み経済全体でコスト削減が進んでいるから、ということが挙げられる。

だが、このようなことは日本だけに起こっていることではない。米国でも欧州でも中国やアジアからの安物は溢れかえっている。これらの国における中国からの輸入品はGDP比で概ね2%で、日本と大差ない。したがって日本のデフレはグローバリゼーションの影響と結論付けすることは出来ない。ITによるコスト削減も先進各国共通だ。むしろ設備投資に占める情報関連投資の割合の低さから見れば、日本ではIT活用によるコスト削減は他の国よりも遅れているのではないか。

本当の原因は賃金の下落

デフレが日本特有の現象である以上、原因も日本特有のものがあるはずだ。それはグラフで示しているように、日本でのみ賃金が傾向的に下がり続けていることだ。賃金が下がれば、勤労者は購買力を失う。そのため企業は価格を下げて販売量を維持しようとする。価格が下がれば生産性の向上がない限りコストを下げるため賃金のカットが避けられない。こうしてデフレと賃金下落のスパイラルが続いているのが日本の現状だ。米国でも欧州でも賃金の下落は観察されておらず、特に米国の賃金上昇率はわが国と比較するとかなり高い。

なぜ賃金の動きが重要かと言えば、CPIに占めるサービスの割合は日本で5割、米国や欧州は6割にもなるからだ。言い換えれば先進国のCPIはモノよりもサービス価格の方に大きく影響を受けるのだ。そしてサービスの価格は直接的に賃金と連動する。人件費が下がればサービスの価格は下がる。逆に人件費が上昇する限りサービスの価格は下がることなく、物価全体も下がらない。

賃金下落の原因は企業別組合と非正規労働者の増大

では、なぜ日本においてだけ賃金は下がり続けたのか。これは多くの理由が考えられるが、第一には、日本では賃金よりも雇用機会の確保を重要視し、雇用を維持するためなら賃金は多少下がってもやむをえない、という考え方が支配的だからである。その裏には中途採用による再就職が難しく、あっても賃金面で不利になる、という問題があるからであろう。米国ではキャリア中途での転職が比較的簡単で、賃金を下げると優秀な従業員を失うなどのリスクがある。またヨーロッパでは組合が企業単位ではなく職能別で組織率も高く、全国一律の賃金体系が維持されており、個別企業の事情で賃金をカットすることは難しい。

第二に、賃金の安い非正規労働者の採用が大幅に増えたことが挙げられる。既にその割合は全体の3分の1にまで達している。非正規労働は外国にもあるが、日本に特徴的なことは、彼らの賃金が正規の半分程度と、大きな格差があることである。他の先進国では同一労働・同一賃金が日本より守られており、このような格差がないから、正規労働者を非正規に置き換えることでコスト削減するというインセンテイブはない。

このようなわが国特有の要因により賃金が下がりデフレになっているのだから、米国が日本と同様のデフレになるという可能性は無い。2009年はグラフで示した3カ国のうち、日、米の他に若干の国でCPIが前年比マイナスの国があったが、これは原油の大幅な値下がリによるところが大きく、基調としてデフレになったとは考えられない。OECDなど主要な国際機関の見通しでも2010年以降もCPIの下落が見込まれているのは日本だけである。

米国では賃金が年間ベースでマイナス成長ということは今までもなかったし、今後とも想定できない。給料をまったく上げないような会社からは従業員が出て行ってしまうだろう。賃金が上昇すれば、全産業の7割を占めるサービス産業を中心にして価格上昇が起こるのでデフレにはならないのである。本年前半では2.1%のインフレとなっている。

必要な長期安定的な賃金の上昇

このように考えてくると、わが国が長期のデフレを克服するためには、他の先進国と同様に賃金の緩やかな上昇を安定的に維持していくことが肝要であることがわかってくる。わが国の場合、2002年から2007年の戦後最長の景気回復の期間中も賃金は上昇せず、生産性向上の効果は主として企業利潤として溜め込まれた。

特に中小企業の多い流通、サービス業では、非効率な企業が低賃金に支えられて市場に残り、わが国産業全体の生産性向上と産業構造の革新を遅らせる元凶になっている。目下、日本経済は急激な円高で企業経営に余裕は無いが、景気回復が本格化した時点では賃金の上昇と勤労者の購買力の拡充にもより配慮することが、デフレ対策としても必要になってこよう。そのためにも非正規労働者の賃金格差の縮小、最低賃金の引き上げなどに真剣に取り組むべきだ。



所得昭和並み 547万5000円 国民生活調査 5月21日 産経新聞

平成20年の1世帯当たりの平均所得は前年比8万7千円(1・6%)減の547万5千円だったことが20日、厚生労働省が発表した「21年国民生活基礎調査」で分かった。所得は平成6年の664万2千円をピークに右肩下がりの傾向が続いており、今回の調査で昭和63年(545万3千円)とほぼ同じレベルまで下がったことになる。

 調査は昨年6、7月に全国約4万7千世帯を対象に実施。うち約6500世帯に前年の所得や生活意識を尋ねた。厚労省は「世帯内で働いている人の数の減少と、所得の少ない高齢者世帯の増加が影響している」と分析している。

 世帯形態別の所得では、子供のいる世帯が同2万9千円(0・4%)減の688万5千円で、高齢者世帯は同1万9千円(0・6%)減の297万円。高齢者世帯の63・5%は公的年金・恩給のみの収入だった。所得の分布状況をみると、平均所得額以下が61・5%を占めた。

 一方、生活意識について「苦しい」と答えた世帯は同0・9%増の58・1%で過去最高となり、厳しい家計の実態が浮き彫りになった。特に子供のいる世帯で生活の苦しさを訴える声が多く63・4%だった。



(私のコメント)
日本の雇用形態について何度か書いてきましたが、年功序列組織が企業内組合のベースにあり、中途採用の社員を外部から取り入れることは難しい。だからいったん正社員を辞めてしまうと元の正社員に戻る事はほとんど難しい。企業内組合はストライキを打って賃上げストライキするよりも正社員としての存続を望むようになる。その代わり新規採用を控えて派遣社員を受け入れて人件費のコストダウンを受け入れた。

同一労働同一賃金の原則があるならばわざわざ派遣社員に切り替える理由はないのですが、日本においては派遣社員に切り替えることで賃金を半分にすることが出来た。若年労働者にとっては踏んだり蹴ったりの状況ですが、若者は政治には無関心だから小泉構造改革も自分に不利になる法律も次々成立してしまう。

産経新聞の記事にも見られるように一世帯あたりの収入が664万円から547万円にまで下がってしまいましたが、若年労働者の非正社員化が進んで低賃金化が進んだ為だろう。日本では中高年の正社員をクビにする事は難しく、だから新入社員を抑制する事でリストラが進む。だから若年労働者の市場が買い手市場になり、職の無い若者は派遣社員になる。

中高年社員がバブル期なみの高賃金を維持しながら若年派遣社員は途上国並みの賃金で働いている。このようにコストカットをしながら大企業は利益を上げながら役員報酬を上げ内部留保の拡大に努めてきた。さらに最近では法人税の引き下げを要求していますが、消費税の増税10%も要求している。10年で100万円も世帯収入が落ち込んでいるのに狂気の沙汰としか思えません。

年功賃金も職能給もそれぞれ一長一短あるのですが、派遣労働を認めるのなら同一労働同一賃金の原則を徹底しなければ日本のような賃金の引き下げが起きる。派遣労働を認めろとか法人税を引き下げろとか大企業は言いたい放題で政界には彼らの声しか届かない。その怒りが爆発して民主党政権が出来たのですが、民主党は正社員の労働組合の政党だから派遣社員には冷たい。

同一労働同一賃金の原則が徹底していれば正社員でも同業他社などへの転職も可能だし、独立企業が失敗したとしても正社員に復帰する事は可能だろう。日本に同一労働同一賃金の原則が取り入れられないのは正社員組合が反対しているからだ。せっかく年功序列賃金体系でやってきたのに突然他社から管理職が新規採用されたらどうなるだろうか?

グローバル化した世界では企業の社長すらスカウト合戦が行なわれていて、有能な社長の報酬は上がる一方だ。これは日本の企業文化と世界の企業文化の違いからくるのであり、日本の社長は長年の労働の対価であるのに対してグローバル企業の多くは他社からスカウトされてなる場合が多い。だから日本企業が停滞しているのにグローバル企業は個性の強い社長が就任してアグレッシブな経営をする。


上場企業の役員報酬個別開示についての雑感 -7月1日  藤沢数希

なぜ外国人経営者の方が報酬が高いのか

これは何も日本人が外国人、それも欧米人を崇拝しているからでも何でもないし、必ずしも外国人の方が経営者の能力が高いからでもない。実は、多くの日本の大企業で、ヘッドハントされてくるプロの外国人経営者と、その企業で長年働いている日本人の経営者では報酬決定のメカニズムが全く違うからである。前者は市場原理で決まるマーケット・プライスだが、後者は長年会社に貢献したという功労賞的な報酬なのである。

その一方で、残念ながらグローバルな経営者のマーケットで取引される日本人はほとんどいない。これは語学をはじめさまざまな理由があるだろうが、とにかく事実として、世界レベルのプロの経営者は日本人にはほとんどいないのである。たとえば、日本の東芝や日立の日本人社長が、韓国のサムソンとか米国のIBMの社長として高額の報酬で引き抜かれていくのは想像できないだろう。みずほ銀行の社長が、莫大な報酬でシティ・バンクの経営再建のためにヘッドハントされるというのも想像できない。究極的には、株主は有能な経営者が他に引き抜かれないために高い報酬を払うのであって、他に引き抜かれない経営者なら高い報酬を払わなくてもいいのである。


(私のコメント)
高度成長時代ならサラリーマン社長でも上手くいくのでしょうが、低成長の時代になると年功序列で社長になった会社の弱さが出て来てしまう。しかしグローバル企業でもいくら優秀な社長をスカウトしてきてもダメな会社はダメになってしまうことも多い。

企業全体のモチベーションを高めるには年功序列で、新入社員が社長目指してがんばると言うやり方もいいだろう。しかし有能な人材が30年も一つのところでがんばり続けられるだろうか? 欧米では優秀な人ほど業績を上げてスカウトされて出世して行きますが、日本ではじっと我慢して一つの会社で、出世階段を一つ一つ登らなければならない。

日本のデフレはこのような社会構造が原因で、同一労働同一賃金体系が取りにくいから、転職もままならず人事が停滞してしまう。中高年社員も辞める人が少ないからポスト不足で意味の無い役職が増やされて頭でっかちの組織になり、リストラもままならない。結局は有能な人が能力を十分に発揮したければ成果主義の会社に転職すればいいのでしょうが、日本ではそのような会社は少ない。

テレビでも日本で起業が少ないのはリスクを嫌う日本人の性格があるからでしょうが、成果主義よりも年功序列のほうが性格にあっているからでもあるだろう。しかしそれでは若い人にしわ寄せが行ってしまうのであり、派遣労働によって低賃金で働かされる。同一労働同一賃金が出来なければ派遣労働は認めるべきではないのだろう。それが小泉構造改革の誤りの一つだった。

若い人は英語でも勉強して外国企業で働くようにすれば若くても高給で働く事は可能だ。しかし今の若者は学力の低下で英語も出来ないし、海外留学も減って内向きの志向が強くなった。結局は若者の賃金の低下は能力低下の反映でもあり、今年の大学生の二割が就職が出来なかった。私なら就職できなければ屋台でも引いてラーメン屋になりますが今の若い人にはそれだけの気力もないようだ。




人民元のマネー総量は4年間で2倍以上も増え続けておりすでに米国を
約100兆円も超え、世界一の規模である。人民元が国際通貨になる。


2010年8月21日 土曜日

「国際通貨人民元」のナゾを解く 8月1日 田村秀男

中国共産党の内部で「孔子」の肖像を据えた五百元札(日本円換算約6400円)の発行が検討されている、と知り合いの中国人エコノミストから聞いた。
現行の人民元札の「顔」は一元札から百元札にいたるまで、毛沢東である。国内より海外で重宝される高額の札には、国際的に残忍な独裁者のイメージがつきまとう毛沢東より世界的に尊敬されている聖人君子を前面に掲げ、人民元を世界に普及させるもくろみだ。そのからくりは何か。
 教科書流に言えば、通貨の国際化とは、為替市場の変動と大量の資本の流出入の双方を自由にすることが前提条件になる。
ところが、中国は通貨も資本も、がんじがらめに管理する制度を堅持している。


 国際化の好機を提供したのは、2008年9月の「リーマン・ショック」である。以来、中国は人民元をドルにくぎ付けにし、市場介入によって強制的に固定してきた。
同時に、人民元を貿易などの決済通貨として国際的に浸透させる政策に本腰を入れてきた。そのためブラジル、韓国、ロシアと通貨交換協定を結んで人民元を相手国に供給したり、国有商業銀行をアジア地域に進出させ、人民元を融通している。
中国企業と人民元建てのビジネス決済に踏み切る日本や韓国の企業も、相次いでいる。

 米国議会の反発を受けて6月下旬、人民元相場の「弾力化」に踏み切った中国だが、その変動許容幅は極めて小さく、人民元は基軸通貨ドルに対し超安定の状態を続けている。
人為的な操作とはいえ、安定した通貨は企業にとって為替変動リスクを回避できるメリットがある。外部からの直接投資は安定し、輸出競争力も維持できる。その中国のやり方をみて、他の主要貿易国も追随してくる。(中略)

それだけではない。中国は国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)に人民元を組み込むよう協議中だ。
SDRとはドル、ユーロ、英ポンド、日本円の「4大国際通貨」を合成した通貨バスケットで、その中に追加されると人民元は世界各国の支払い準備用通貨として認知されたことになる。

 人民元のマネー総量(金融用語では現預金の合計額『M2』と定義される)は4年間で2倍以上も増え続けており、すでに米国を約100兆円も超え、世界一の規模である。

 人民元が国際通貨になれば、ドルや円に替えなくてもよい。人民元パワーは海外でも全開になるわけで、東京・秋葉原での買い物どころの騒ぎではない。不動産や株式、企業買収に加速がかかるだろう。
何よりも中国の国有企業が人民元によって直接、石油をはじめとする資源を購入する道も開け、米国の監視の網が張り巡らされるドルに頼らなくても済むようになる。


円高に打つ手がない日本と、人民元高を狡猾に抑制する中国 8月19日 雑談の達人

日本は円高で大騒ぎのようだが、日本政府は口先介入ぐらいしか打つ手がないようだ。ここ中国でも、人民元がジワジワとあげているのだが、中国政府による「介入」はもっと狡猾で、徹底していて、我々駐在員泣かせである。

人民元は今のところ過小評価されていて、今後の人民元高へのトレンドは間違いないとみられており、何とかして金を中国で運用しようと、世界中から怪しげな金が集まって来ている。現地では、これを「ホットマネー」と呼んでいる。中国政府のスタンスは、海外からの投資という前向きな資金の流入は歓迎しつつ、ホットマネーの流入はビタ一文(元?)たりとも許さない構えだ。

例えば、貿易の決済で、海外仕入先(日本含む)から中国への輸入に対する代金の支払期限を、輸入通関の終了日から原則90日に制限している。この規制は一昨年から始まった。日本の現地法人は、日本の本社を親会社とする子会社がほとんどで、それまでは子会社支援のために支払条件が半年以上とかユルユルだったのに、急に何カ月分もの支払のキャッシュが必要になり、多くの日系企業は金策で大騒ぎであった(筆者も駆けずり回った)。中国政府にしてみれば、支払日までの猶予期間さえ、無駄な資金が国内に滞留することを許さないのである。

逆に中国からの輸出についても、海外からの前払いで送金された代金を受け取るまでには、契約書、通関関連の書類などなど、さまざまな証明が必要だ。モノを買ったふりをして、海外から随分前もって先に金を受け取り、それを運用しようという輩を締め出すわけである。真面目に商売している我々は、金がなかなか受け取れず、資金繰りが苦しくなり、本当に勘弁してほしい。

極めつけは、去年あたりから駐在員の給料は、かならず人民元で払えという、それまでは比較的多めに見られていたお達しが徹底され出すようになったのだ。架空の駐在員の「給料」と称して、結構な額の外貨が国内に入り込み、それが人民元に姿を変えて投機的な資金になっているという(給料として海外送金されてきた外貨は人民元に両替しても、所得税さえ払えば比較的容易に再び外貨に両替できたのだ)。ホットマネー全体からしてみれば、その影響は微々たるものだと思うのだが、そこまでやるかと思ってしまう。

そんなわけで、筆者は給料を全額人民元でもらっているのだが、当局のさじ加減一つで制度が変わってしまうので、将来無事に日本円に両替して持ち帰れるのか不安である(というほど、貯まっていないのも事実だがw)。

貿易の決済代金から、駐在員の給料に至るまで、中国当局が投機マネーには徹底的に監視の目を光らせていることがおわかりいただけるだろう。中国で外貨を動かすのは、本当に大変である。翻って我が国日本であるが、「日本一国で介入しても効果が知れている」などと言って悠長なものだ。問題の本質は、為替介入の効果云々よりも、こうした責任者の他人事的姿勢ではなかろうか。投機マネーと戦う姿勢をマーケットに見せつけたいならば、中国政府のような断固たる姿勢を学ぶべきではないかと思う。

などと、雑談らしからぬエントリを書いてしまい、脳が疲れたので、この辺で寝ることにする。



(私のコメント)
アメリカの中国に対する外交は腰が引けていて、クリントン長官のベトナムでの発言にもかかわらず、アメリカは中国からの抗議で黄海での軍事訓練で原子力空母の参加を再び見送ってしまった。黄海は中国の領海と言う密約でもあるのかと思うくらいなのですが、クリントン長官やオバマ大統領のリップサービスは当てにならないと言うことなのでしょう。

人民元に対する切り上げ要求も、アメリカ政府は腰が引けてしまって相殺関税などの措置はとられない。議会には強硬派もいるが為替操作国の認定は見送られている。中国はGDPで日本を追い抜いて世界第二位の経済大国になりましたが、日本の失敗を見ているので金融の自由化には応じない。

日本の政治家も中国を見習って欲しいものですが、アメリカから要求を突きつけられると直ぐに応じてしまう。アメリカ政府も日本政府には制裁をちらつかせながら強硬に迫れば直ぐに応じると思われてしまっているからそうなってしまう。中国政府のようにどうしてタフな外交が出来ないのだろうか?

金融を自由化してしまえばウォール街の為替投機筋に狙われて円高になってしまいましたが、中国ではこのような投機資金の流入をしらみつぶしに取り締っている。厳しくやりすぎて実務にも影響が出ているほどなのですが、反面では人民元の国際化も進んでいる。

田村氏の記事によれば「人民元を貿易などの決済通貨として国際的に浸透させる政策に本腰を入れてきた。そのためブラジル、韓国、ロシアと通貨交換協定を結んで人民元を相手国に供給したり、国有商業銀行をアジア地域に進出させ、人民元を融通している。」 このように中国は人民元立ての決済を普及させて国際通貨として流通を広めている。

これだけ人民元が世界に流通していれば自然に為替市場も出来て、人民元管理はできなくなりますが中国系銀行が素早く回収して本国に送り返している。人民元立ての債券などで回収して送り返せば投機的に使われる事は少なくなる。アメリカも中国が一番のドルと国債の買い手である以上は強い事が言えない。

中国政府は人民元を印刷してドルを買っているだけだから、アメリカも超金融緩和でドル札を刷り散らかしてばら撒いている。だからお互い様だから文句も言えないのですが、日銀は律儀に量的引き締めで円高にしてしまっている。だから日本も円紙幣を大量に印刷してばら撒いてしまえばデフレも収まるのでしょうが、学者がインフレになると反対している。

堅実なEUですらECBが国債を買ってユーロをばら撒いていますが、金利は低下して物価の上昇は無いのだからばら撒かない方がどうかしている。ドルにしても人民元にしてもかなりの偽札が流通していますが、偽札も紙幣の内と考えれば政府が偽札をばら撒いていると考えればいいだろう。

紙幣の流通量をむやみに増やせばバブルが生じてインフレや金利の上昇などは発生して出来ないはずですが、アメリカや中国がこのように紙幣をばら撒いても金利が低下して物価も上がらない。それだけアメリカや中国にデフレギャップが生じているからですが、政府日銀はそのような事を理解していない。政府日銀の馬鹿正直も困ったものだ。


人民元、現預金で米国を1兆ドル超え 中国の“危ういバブル”膨張止まらず  5月2日 産経新聞

中国の「人民元バブル」が世界を揺るがしている。東京の銀座や秋葉原でブランド品、家電製品を買う中国人観光客の多さが象徴するように、中国の個人や企業などの保有する現預金の合計額(M2、ドル換算)が、米国のM2を約1兆ドル(約94兆円)上回ったことが2日、各種統計から明らかになった。昨年末、中国のM2は米国を追い抜いているが、超金融緩和と「熱銭」と呼ばれる投機資金の流入が“危ういバブル”を膨らませている。

 2007年まで前年同期比でひとけた台の伸びにとどまった中国のM2だが、08年9月の米国発の金融危機「リーマン・ショック」後、急上昇した=グラフ参照。金融危機への対応策として米国が供給したドルを買い上げるため、中国が人民元の大量発行に踏み切ったことなどが主な原因だ。

 だぶついた人民元が国内の不動産や株式投資に振り向けられた結果、中国の株式市場は世界でもっとも早く「リーマン・ショック」から立ち直った。株価上昇を見込んで、国有企業も海外拠点から不動産や株式市場に「熱銭」を投入し、過熱する中国経済をさらにあおっている。

 1980年代後半、バブル真っ盛りの日本の金融機関の不動産関連融資は年間平均で10兆〜11兆円。中国の金融機関の不動産関連融資は日本と同水準といわれ、これに年間二十数兆円の熱銭が上乗せされている。

バブルがピークを迎えた90年の日本のM2は国内総生産(GDP)の1・13倍だったが、中国は1・9倍にのぼるなど日本をしのぐスケールになっている。

 日本のバブルが90年代はじめに崩壊したように、中国のバブルにも終わりがくる。まるで大きな洪水のような「人民元の氾濫(はんらん)」(市場関係者)だけに、懸念されるのは破裂したさいの影響だ。

 上海株式市場が暴落すれば新興国の株価下落を誘発し、世界経済を直撃するのは避けられそうにない。バブルを下支えする株式と不動産の「両輪」のどちらかの急落も、日米欧など各国の市場を揺るがす。

 こうしたリスクを避けるには中国が人民元マネーの拡張を抑え、株式や不動産の市場を冷やすしかない。利上げの検討に入ったとされる中国だが、金利引き上げには熱銭をさらに誘い込む危険性も伴う。

 最後の決め手は、人民元の大幅切り上げとドルに対する変動相場制への移行しかない。上海万博に浮かれず、人民元バブルの災厄に備える必要がある。(編集委員 田村秀男)



(私のコメント)
確かに金利も上昇せず物価も上がらなければ紙幣をばら撒いてもいいのでしょうが、バブルの泡はいつかは必ず破裂する。日本のバブルも物価も金利もさほど上がらなかったのに銀行の信用通貨は膨張して行った。現在はその精算に苦しんでいますが、中国政府もアメリカ政府もばら撒きすぎればその精算に苦しむ時がくるだろう。

銀行の信用通貨が膨らんでいた頃は政府日銀は公定歩合の上げ下げだけで調節が出来ましたが、今は銀行の信用通貨はしぼむ一方だ。だからこそ日銀は政府にカネを貸してしぼんだ穴を塞いでいます。アメリカも地方銀行が次々と潰れて貸し渋りが起きているからFRBがカネをばら撒いている。中国もドルを買い取って支えている。

ならば日本もドル買い介入して円を市場にばら撒くべきだ。以前は不胎化介入して資金回収してしまいましたが非不胎化介入してばら撒けば円は安くなる。アメリカだってドルや国債を買ってくれるのだから文句は言わないはずだ。しかし垂れ流し的な介入ではなく為替投機筋のカモにならないような機動的な介入が必要ですが、出来る人材がいない。

中国は金融を自由化していないから投機筋も手が出せませんが、徹底した為替管理をすれば人民元の切り上げを阻止する事が出来る。しかし中国も人民元の切り上げは国益であるのは確かだから管理された切り上げをして行くだろ。政府の為替管理は乱高下を防ぐ事が第一であり、緩やかな円高は日本の国益になる。

政府日銀の失敗は80年代90年代の急激な円高を認めてしまったことなのですが、中国なやり方を見れば為替管理は徹底すれば出来るはずだ。しかし政府日銀の頭が固くてプラザ合意などの急激な円高を容認してしまった事が失敗だった。中国のように国家が徹底介入すれば為替の乱高下は防げるはずだ。




日本では家庭用ゲーム機などの例外を除くと、ソフトウェアは
ハードウェアのおまけだった。開発の多くは外注に出された。


2010年8月20日 金曜日

日本のソフトは「擦り合わせ」で米国に負けた 5月11日 雑種路線でいこう

ものづくり研究では伝統的に日本が得意とされてきた「擦り合わせ」が、デジタル家電や携帯電話の世界で必ずしも機能せず「ガラパゴス現象」を招いた背景に何があるのだろうか。

しばしばソフトウェアの世界で重層的な下請構造が問題とされがちだが、この構造は雇用慣行や産業構造に起因しており、必ずしもソフトウェアに限ったものではない。例えば昔の繊維産業や現代の自動車も多段的な下請構造を抱えているが、決してガラパゴス化していない。これから述べることは一般論に基づく仮説であり、いずれ実証分析したいので、間違っているところは是非ともご指摘いただきたい。

自動車や家庭用ゲーム機・デジカメ等と比べてガラパゴス化している携帯電話・地デジ・業務ソフトウェア等で共通しているのは、まず機器メーカーが最上位にいないことである。最上位に電話会社・銀行といった大口顧客やテレビ局のような鍵となるステークホルダがおり、主契約企業が下請け企業を束ねている。

そして鍵となるステークホルダの多くは最近まで専ら国内で横並びの競争に晒され、役所による厳しい規制や行政指導を受けている。従ってソフトウェアの領域も含めてコンポーネントの再利用性など技術的な最適化、将来の計画や国際競争力よりも、ステークホルダの意向や微妙な利害調整が重視されがちとなる。

次にソフトウェアが部品単位ではなく人月単位で取引され、プロジェクト毎に縦割りとなりがちなことがある。これは恐らく自動車部品と大きく異なる。半年異なるモデルのソフト開発は別プロジェクトとして組織されてチームは分かれ、ソースコードは分岐し、二度手間三度手間が発生してはいないだろうか。

下請けから元請けへ、元請けから発注元に対して改善提案できる環境にあるだろうか。受発注関係がそのまま上下関係となり、組織の壁を超えて最適化が難しくなってはいないだろうか。部品の物理特性であれば取引上の上下関係があっても客体として議論の俎上に乗せやすいが、表面的には決めの問題となりがちなソフトウェアで、組織の壁を超えた現場から上流への改善提案が受け入れられ難かったのではないか。

さらに本来であれば組織としての生産性に応じて競争力の差が開き、市場機能を通じて調整されるべきところ、製品ではなく中間投入工数に応じて価格が決まる人月モデルでは、生産性が改善したことによって生じる生産者余剰が下請け企業サイドに蓄積され難く、生産性を高めれば儲かるどころか次の仕事から改善された生産性を前提に工数を見積られて自分の首を締めかねない。資本の蓄積が進まず生産性と品質に基づく競争が働き難い環境にあって、地道な生産性の改善を競うのではなく、発注元への忠誠や場当たり的な新技術への適応、人的資本の蓄積を伴わない動員力の競争となっていないだろうか。

本来ソフトウェアは頭脳集約型の産業であり、良好な労働環境を維持して優秀な人材を確保し、目先の片付けるべき仕事だけでなく中長期的な見通しに立った計画的な設計保守が重要となる。パッケージソフトベンダのMicrosoftに限らずハードウェアを売っているAppleや広告で売上を立てているGoogle、本屋のAmazonであれ、ソフトウェア技術者に充実した環境を提供して世界中から優秀な人材を集めている。

コアとなる開発者は正社員として雇用し、技術的な制約条件を踏まえた意思決定に基づく計画的な開発が行われている。そうしなければ品質管理を徹底し、長期的な計画に基づいて製品企画から実装に至る擦り合わせと方針の柔軟な見直しが難しいからだ。

ところが日本では家庭用ゲーム機などの例外を除くと、ソフトウェアはハードウェアのおまけだった。開発の多くは外注に出され、会社組織やプロジェクトの単位で意思疎通は分断されたのではないか。ソフトウェアの開発規模がおまけといえるほど小さく、製品の魅力に大きくは影響しない段階では問題とならなかった。ところが半導体性能の飛躍的向上とクロックの頭打ちによって、大規模なソフトウェアに対して機動的に機能を追加しつつ最適化して動作させる必要に迫られて矛盾が顕在化した。

ソフトウェアの品質と効率がデジタル機器のボトルネックとなったにも関わらず、人員構成やサプライチェーンを見直さなかったために、米国企業がソフトウェア開発の大規模化と要求品質の高度化に直面して「正規雇用に基づく中長期的な視野に立った擦り合わせ型の製品開発」にシフトしたゼロ年代、日本は「非正規雇用と重層的な下請構造による官僚主義と場当たり的な開発」に追われ、その矛盾は発注者から元請け、元請けから下請けにしわ寄せしなかっただろうか。

ここで話は冒頭に戻る。「iPhoneには何も新しい技術要素がない。わが社でも似たような端末は簡単につくれる」と役所に豪語したらしき電機メーカーの重役氏は状況を理解していたのだろうか。その発言そのものが状況を把握できず、相変わらずソフトウェアやエコシステムを軽視した発想が滲み出ていないだろうか。

日本がデジタル家電の時代に負けたのは、それがモジュール化された水平分業の世界で、日本的な擦り合わせが通用しないからではない。既存の雇用を守るためにソフトウェア軽視と外注依存から脱却できず、重層的な下請け構造に頼らざるを得なかった中で、米国企業による「グローバル人材獲得と擦り合わせと改善」に負けたのではないか。この状況を放置すれば遠からず韓国や中国にも同じ理由で負けてしまうのではないか。

斯様に「ガラパゴス現象」は経営者の意識で解決する生易しい問題ではない。そもそも独自性そのものが悪ではなく、利用者に製品の魅力を訴求できていない現実を直視する必要がある。

背景を紐とけば、大企業でなければイノベーションを起こし難い社会構造、国内大口需要家による大規模調達を通じた産業育成、重層的な下請け構造と会社身分制、ソフトウェアの人月契約、司法への依存度が低く硬直的な規範意識、大企業の新卒一括採用と年功制に起因する雇用市場の二極化など、我が国の高度成長を支えた社会構造が裏目に出た非常に根深い問題だ。

解決へ向けた銀の弾丸はないが、まずは「日本の強みは擦り合わせで云々」といった精神論から卒業し、置かれた状況と冷静に向かい合うところからしか議論は始まらない。



(私のコメント)
日本経済の長期にわたる停滞は産業構造の中に大きな原因があると考える。これは小泉内閣の「構造改革」とは意味が違うのですが、「雑種路線でいこう」で書かれているように、新卒一括採用と年功序列体系に原因があるのではないだろうか? 日本企業では優秀な中間管理職を中途採用しようとしてもなかなか上手く行かない。

日本国内だけならそれでもいいのでしょうが、グローバル競争時代になると企業同士の優秀な人材獲得合戦に日本企業が入っていくことが出来ない事実に直面する事になる。企業のトップが外部から導入される事も海外では多いのですが、日本では外部に買収でもされないと社長が外部から招かれる事は珍しい。

有能な人材の引き抜き合戦は、日本のような年功序列型社会では起きにくいのですが、世界では有能な人材の引き抜き合戦が起きている。日本でもスカウト会社などの引き抜きなどもあることはあるのですが、新しい会社や中小企業などに限られるようだ、日本の大企業などでは経営が傾けば社長が外部から招かれる事もありますが、一般的ではない。

ましてや日立や東芝や三菱などの大企業において外国人の中間管理職が採用される事は聞いたことがない。情報家電産業などソフトウェアの開発などでシリコンバレーやインドなどから優秀なエンジニアをスカウトして開発に当たらせればいいと思うのですが、日本の場合は下請けにソフト開発させる事になる。

下請け企業は何時でも切り捨てる事ができるから元請の大企業にとっては便利なのでしょうが、ソフト開発力が重要になってきた現在においてはマイクロソフトやアップルやグーグルといったグローバル企業に太刀打ちが出来なくなり、日本の家電産業は韓国のサムスンなどに追い立てられるようになって来ている。

サムスンなども世界中から優秀な技術者を破格の待遇でスカウトして新製品を作らせているから開発スピードが非常に速い。日本のDRAMや液晶パネルや携帯など日本企業はサムスンやLGなどに簡単にキャッチアップされて市場を奪われてしまった。日本からも破格の待遇でスカウトされて日本人技術者が働いている。

日本企業は年功序列的な雇用体系を崩す事が出来ず、いまだに新卒一括採用をしている所がほとんどであり、中途採用で中間管理職を海外からスカウトする事などほとんど聞いた事がない。一部の中小企業ではありますが海外シェアが90%以上のような特殊な会社で社内の会議も英語でしなければならないほど人材も外国人が多くなっていた。

日本のソフトウェア会社は大企業の下請けであり、コンピューターを売った先のオーダーメイドのソフトなどを開発する所が多い。私の経験でも日本IBMのコンピューターが入った企業で、そこで使われるソフトを受注したソフト会社がオーダーメイドのソフトを作っていた。なんで既成のパッケージソフトを使わないのか不思議に思ったのですが、オーダーメイドのほうが儲かるからだろう。

日本企業ではなぜオーダーメイドのソフトを使いたがるのだろうか? パッケージソフトを使えば安くて安定した運用が出来るのですが、会社組織をパッケージソフトに合った運用に切り替えなければならない。それが日本の一括採用と年功序列の組織で固まった体制では運用を切り替えることは難しい。

だから日本では業務用ソフトでもパッケージ化が進まずオーダーメイドでソフトが作られた。グローバル企業では業務のブロックのレゴ型組織だから外部から人材も登用ができるし業務もパッケージソフトで統一した方がやりやすい。日本ではワープロソフトですら一太郎とワードが混在して文書管理もままならない。

日本では社内組織が強すぎるから働かない中高年社員をクビにすることが難しい。日本企業のIT化が進まないのもここに原因があるのでしょうが、年功序列で高給をもらっている中高年社員はネット化した社会では役に立たない。だから日本全体がスランプ状態に陥りスピード化した業務に追いつかない。


グローバル人材不足が物語る日本企業=「人ベース」組織の光と影 8月19日 原英次郎

慶応義塾大学ビジネス・スクールの高木晴夫教授は、「人ベース」の度合いが高いのが日本企業で、「仕事ベース」の度合いが高いのが欧米企業だと指摘する。日本企業は長期の雇用が前提で、新卒採用が中心。このために、職務やポスト、正式の組織ライン以上に、人を中心に情報が集まり、ネットワークが構築される。人が人を呼ぶ、あるいはできるヤツができるヤツを呼ぶという組織力学が働く。だから、企業としての目標も、ネットワークの中心にいるミドル層が立案し、トップがそれを承認するという形が主流だ。

 これに対して、欧米とくに米国の企業は、職務やポストに求められる要求が明確で、標準化されている。意思決定のやり方も、トップが目標を設定し、それをブレイクダウンしていくから、どの職務にはどのような仕事が求められるかが明確にされている。仕事に対する要望が明確なために、それに適した人材を外部から採用しても、うまく機能することが多い。

 要は、日本企業が社内でしか通用しないインナーサークル型組織だとすれば、米国企業は、いわばブロックのレゴ型組織といえるだろう。レゴだから、不足すれば、それに当てはまるレゴを調達してくればよく、社内に適材がいなければ社外から連れてきてもよい。仕事がベースだから、給与も年功序列的な運用でなく、職務給と業績給が適しているということになる。

 多国籍に事業を展開する企業にとっては、どちらの仕組みが適しているかは明確だろう。米国型のほうが、誰が見てもわかりやすいし、理解しやすい。

 だからといって、組織や人事評価を欧米型に修正すれば、うまくいくというものではない。ましてや安易な成果主義の導入で、日本企業が混乱したことは記憶に新しい。欧米型の組織にも欠点はある。自らの仕事以外には興味を示さなくなるということだ。これに対して、人ベースの組織は、うまく機能すれば、求められているもの以上の力を発揮する。

 高木教授は、日本企業は人ベースの組織と仕事ベースの組織の長所を併せ持つ「ハイブリッド型」の組織を目指すべきだという。その「型」は欧米企業を探しても見つからない。それは安直に欧米企業の型を輸入するのではなく、自らが考えに考えて、生み出すべき創造的な仕事なのである。グローバル人材の養成は、日本企業の文化にまで及ぶ本質的な課題を提起している。



(私のコメント)
日本企業がグローバル化することは非常に難しい。年功序列の組織を能力給体系に変える事は中小企業では出来る所もあるのでしょうが大企業では無理だろう。新卒一括採用に対する変革すら出来ずに、暑いのに黒いスーツ姿のリクルート学生を一年中見かけるようになりましたが、大学三年生から就活するなど明らかにおかしい。

このように日本では大企業がグローバル化の前に足踏みをしているいまこそ中小企業が職務給や能力給で人材の自由化を行なって大企業にチャレンジする機会が来ているのですが、大企業の下請け企業が多くて大企業からの天下りを受け入れているような中小企業では難しいだろう。

年功序列組織と職能給組織と一長一短がありどちらが良いとも言えないのですが、日本では学校教育から年功序列教育であり、スポーツ界、芸能界、政界、官界あらゆる組織が年功序列組織だ。アイドルの世界ですら先輩後輩の世界であり、会社組織を職能組織に変える事は混乱を招くだけなのかもしれない。

企業内組合も年功組織だからであり、外部の人材を入れることは組合も反対する。それが日本企業のグローバル化を阻む壁になっている。同一労働同一賃金が日本で受け入れられないのも年功給体制がそれを受け入れないからだ。だから問題の根は深い。




上海で店舗を手掛ける場合は、こうした役所や黒社会、公安などとの
パイプ役となる事業パートナーを抱え込まなければ事実上難しいとされる。


2010年8月19日 木曜日

ある日本料理店経営者の告白「次の更新で家賃は一気に3倍!」 8月18日 日経ビジネス

ほかの業種と同様、中国で飲食店を経営するには、工商行政管理総局の「営業許可証」が必要です。しかし、出店を検討していた3年前は、今より外資系飲食業の会社設立のハードルが高く、営業許可証の取得も難しかった。そこで、現実的な判断として「営業許可証付きの店舗」を借りたんです。

 貸主はA氏。A氏はもともと、私が借りた物件で、別人に中華料理店を経営させていましたが、これが閉店。新たな借り手を探していました。既に営業許可証を持っているA氏の店舗を活用すれば、新規に許可を取得する必要はありません。

 出店費用や店の経費、利益は、私とA氏で折半することにしました。出資者に外国人がいると会社設立の条件が厳しくなるため、登記上は私の名前は出さず、友人である中国人の名義を借り、A氏とその友人が共同出資する中国資本の会社ということにしました。

 こうした中国人の共同経営者の中には、1元も出資せずに、利益の半分を巻き上げるケースもあるようですから、A氏は相当良心的だと最初は思いました。

 日本人のお客様には、日本人の私が店長を務める店として安心して来店いただき、A氏には公安や裏社会への対応などを任せることにして、店舗をオープンしたのが2008年のことです。

 しかし、この共同経営という形に落とし穴がありました。

店の契約期間は1年ほど残っていますが、次の更新時には店が借りられなくなる可能性が出てきました。

 店の貸主でもあり、共同経営者として店の売り上げ、利益を全部把握しているA氏が、極めて厳しい更新条件を突き付けてきたからです。先日、内々に更新後の家賃は今の3倍にすると伝えられました。ここを出ていこうにも、営業許可証がないので、ほかでは店を続けられません。その時は、日本に戻るしかない。

 A氏の女性問題で、チャイニーズマフィアが30人以上押し寄せて大騒ぎになったこともあります。A氏が当時付き合っていた女性の別の交際相手が、当店の営業妨害をしようとマフィアに動員をかけたのがきっかけでした。

 それだけならまだしも、それを察知したA氏が、別の組織のメンバーを用心棒として雇ったんです。入口の前で、2つのグループがにらみ合った時は身も凍る思いでした。

人件費の高騰も頭を抱える課題の1つです。私の店は、サービスの質の高さでも定評がありますが、それができるのは、従業員の確保に知恵を絞ってきたからです。開店当初は、運良く優秀な女性スタッフたちが集まり、今も、その人脈で、有能なメンバーが集まってきています。

 ただし、彼女たちをつなぎ止めるのは大変です。彼女たちは空き時間があれば、携帯電話で仲間と連絡を取り合っています。どこの日本料理店の給料がいくらか、店主がどんな人かなどを情報交換し、より良い働き口を常に探しているんです。

 皆、農村からの出稼ぎで、親戚中から集めたお金を使って、上海に出てきています。だから、仕送りのために、給料が少しでも高い店があればすぐに移籍してしまう。

 ウチも、働きぶりに応じて、毎月数百元のボーナスを出したり、治安のいい一等地に3LDKのマンションを借りて2段ベッドを4台運び込んで“社宅”にしたりするなど、いろいろ工夫しています。しかし、もともと利益はそれほど多くありませんから、それら「人材流出を防ぐためのコスト」は大きな重荷になります。

日本人スタッフを減らせばサービスの質が低下

 似たような状況に陥っている日系の店では、給与の高い日本人スタッフを減らし、何とか店を維持しようとします。ところが、そうすると今度は途端に味やサービスのレベルが落ちます。ウチも、板前とフロア担当の私が隅々まで目配りしなければ今のレベルは保てません。

今の上海で、こうした一連の問題をクリアしている日本料理店は、実は少ないんです。確かに、日本企業にとって中国が今後、有望な市場であるのは間違いない、とは思います。上海で飲食店を出すための費用は高騰しているとはいえ、まだ日本の3分の1で済む。日本で1億円ぐらいかかる店が、上海なら3000万円で出せるんです。加えて、現地の消費意欲は旺盛で、運営次第では投資もたちまち回収できます。

 ただし、中国ビジネスには、まだ予測不能な側面があるのも事実です。これから進出を検討する方には、中国の現状にもしっかり目を向けて、安全確実な進出を果たしてほしいと思います。



(私のコメント)
中国がGDPで日本を抜いて二位になった事は書きましたが、これからも中国は発展し続けていけるのだろうか? 改革開放経済で海外から資本と技術を導入して合弁企業として発展した企業が多いのですが、経営が軌道に乗ると合弁した外国企業を追い出しに来ている。中国各地では賃上げストライキが頻発していますが、中国企業では起きていない。

日経に記事では上海に進出した飲食店の事が記事になっていますが、やはり経営が軌道に乗ると家賃を三倍に引き上げられて立ち往生している。中国人の事業パートナーは経営のやり方をそっくり引き継いで自分ひとりでやっていけると見たからでしょう。しかし従業員管理などのレベルを維持する事は難しく、現在の繁盛を続けるのは難しいだろう。

それでも中国の市場目指してやってくる外資は次々とあるから中国人の特権階級は外資と組んで有利な商売が出来る。中国の富裕層と言うのは共産党の幹部や地方のボスたちであり、外資は彼らと組まないと商売が出来ないようになっている。党の幹部やボスともなれば賄賂は黙っていても様々なルートから入ってくる。

もはや毛沢東の中国ではなく、革命以前の腐敗した中華民国や清王朝と大して変わらない国に戻ってしまったかのようだ。戦前においても日本人は中国で一旗上げようと数万人単位で進出しましたが、結局は戦争などで無一文で追い出されてしまった。戦後もヤオハン初めとして中国人には何度も煮え湯を飲まされているのですが、それでも中国で一旗上げようという日本人や日本企業は後をたたない。

もちろん中国人の中にも信用できる人もいるのでしょうが、そのような人物を見つけるのは幸運でないと難しいだろう。だから日本人も騙されて元々ぐらいの気持ちでないととても中国では商売はやっていけないだろう。さらに中国語をマスターして従業員ともコミニケーションが取れないと商売にならない。

改革開放から長い時間が経っているのだから中国における経営コンサルタントもいるのでしょうが、そのような専門家を介さずに中国で一旗上げようとしても騙される可能性は非常に高い。「株式日記」でも中国で酷い目にあったケースなど何度か紹介しましたが、マスコミにはなかなか紹介されることはない。

ヤオハンにしても華々しい時は何度もテレビでも取り上げられていたのに、破綻が明らかになるとパッタリと報道される事は無くなってしまった。中国への投資セミナーなどもよく開催されますが本当の事を話してくれる人はどれだけいるのだろうか? 成功例は紹介されても失敗したケースを紹介されることは少ないだろう。

しかし実際に中国に行くと中国の雰囲気に呑まれてしまっておかしくなる日本人が後をたたない。大陸的な広々とした風土に呑まれてしまって、政治家から軍人に到るまで中国の雰囲気に呑まれてしまう。そして気も大きくなって夢想の世界に飛び込んで行ってしまう。そんな雰囲気が中国にはあるのだろう。

だから中国で一旗上げるには長くても5年くらいで投下資本は回収できるくらいのスタンスで投資しないと中国から逃げ出すに逃げ切れない事になりかねない。日経の記事の経営者も中国人の経営者と組んで失敗した例ですが、うまい話には罠がある。中国人同士でもよそ者はよく騙されるようですが、最初から3年で荒稼ぎをして逃げる計画なら良かったのではないかと思う。中韓を知りすぎた男のブログでは次のように書いています。


中国撤退「蟻地獄」 6月16日 中韓を知りすぎた男

前回当社の中国撤退模様を少し書いてみました。当社は最初から中国撤退を
想定して中国投資をしました。だから何の痛みもなしに中国を逃げ出すことが
出来たのです。

ところが他社の中小企業は中国工場と合弁し会社を作ってしまいました。
法人格をもてば当然のごとく中国の法律に拘束されてしまいます。

つまり撤退が簡単に出来なくなるということです。機械設備の没収はもちろんのこと、
資産も合弁相手に全てとられてしまいます。中国には会社解散の法律が完備されて
いません。

解散するには合弁を認可した役所と合弁相手の中国董事(重役)の了解が
いります。そして双方の了解をもらうために莫大な違約金を要求されます。


違約金が払えないと法律的には永久に中国従業員の給料をはらい続けなけれ
ばいけません。まさに蟻地獄です。これを避けるには日本本社を倒産さすか、
解散さす以外方法がありません。


大手企業や外国の会社はこの危険を避けるために香港にダミー会社を作って
そこから中国本土に投資します。香港ではダミー会社の事をシェルカンパニー
といって誰でも簡単に会社を買ったり、作ったりすることができます。

日本の中小企業は中国人の怖さも知らず、安易に直接中国へ進出してしまい
結果地獄を見ることになってしまうのです。

話を前回の契約式合弁会社である威海工場との抗争に戻します。威海工場の
計算は この日本の会社はいまさら他社に振れば新たに設備投資をしなければ
いけない。だから50%の値上げでも飲まざるを得ないと強気に出たのです。

ところが当社はこのようなことを当初から想定して準備していました。
威海工場が突然豹変した時点で徐々に発注を減らし 3ヶ月後には半分にして、
4ヶ月後には突然発注をゼロにしました


その時にはすでに青島と煙台の工場が威海の生産を全て引き受けていました。
特に青島の工場は総勢約1000人の大工場です。我々のために一角を開けて
待っていてくれていました


当社も3年かけて特殊な機械を投入して徐々に発注を増やしていました。

威海工場との抗争をダラダラ書いていると又長くなります。私が言いたいことは、
中国人は常に相手の弱みを握ることが行動原理の第一だということを
肝に銘じる必要があります。

弱みを握られると態度が一変に豹変します。日本の政治家もハニートラップや
金という弱みを握られて自由に操られています


中国の弱みは外国投資がなくなることが最大の弱みです。だからニュースに
なりやすい大企業に対しては慎重にならざるをえません。しかし末端の中小企業
に対しては露骨に脅迫、嫌がらせをして金をふんだくります


中国は労働コストが上がったと言ってもまだ日本の10分の一です。
ストで.給料が倍になっても大企業はまだ撤退はしないと思います。

大企業は工賃の安さだけでなく、少々労働コスト上がっても中国市場で
売るために現地で作るというシステムにこだわっています。 まだ何回も何回も
痛い目にあわないと分からないと思います


今日の結論です。中国人と付き合うには弱腰は非常に危険な対応です。常に
強硬な態度をとらないと、逆に身に危険が及びます

他人につけ込まれる前に、他人の弱みに付け込めというのが中国人の
行動原理の第一だということをよく覚えておいてください。


(私のコメント)
このように中国人が吹っかけてくる事を事前に予想して逃げる準備までしてビジネスをしないと中国では成功しないでしょう。中国が一番恐れる事はカモになる外資が来てくれなくなる事ですが、これは日本のマスコミなどを取り込んでしまえば言いなりになる。日本のマスコミは官房機密費でも平気で受け取る人ばかりだから中国に行けば、ハニートラップや賄賂攻勢でズブズブになって帰って来る。




中国が世界2位になったことで、アメリカの政治家は対中「報復」に
向かって勢いづくかもしれない。中国企業を新たな関税で狙い撃ちする。


2010年8月18日 水曜日

中国経済「世界2位」で強まる風圧 8月18日 ジョエル・シェクトマン

中国が世界第2の経済大国になった今、アメリカとヨーロッパは巨額の貿易不均衡をめぐる中国批判を強めるはずだ。高度に工業化された日本と長らく競り合っていた中国が日本を追い抜いたことは、大きな意味を持つと受け止められている。

「もはや中国を新興国と呼ぶことはできない」と、エコノミック・アウトルック・グループのバーナード・バウモールは言う。「より大きな国際的責任と向き合わなければいけない。フェアに行動する必要がある」

 日本政府が16日に発表した今年4?6月期の国内総生産(GDP)の速報値によると、日本の経済規模(名目GDP)は約1兆2883億ドル。同期の中国のGDPは1兆3369億ドルで、初めてライバル日本を上回った。

 その差はわずかだが象徴的な節目であり、貿易不均衡を是正するよう中国に圧力を掛け続けるアメリカにも影響を与えるかもしれない。中国の7月のモノとサービスの輸出は、輸入より287億ドル多かった。つまり287億ドルの貿易黒字だ。一方のアメリカは6月、貿易赤字499億ドルを記録した。

 中国が巨額の貿易黒字を抱えているのは、自国の通貨を操作して自国企業を競争から守っているからだと、アメリカとヨーロッパは主張する。「中国は今や世界第2の経済大国であり、こうした保護主義的な政策を正当化するのはますます難しくなる」と、バウモールは言う。

中国企業を狙い撃ちする法案

 貿易赤字があると外国への借金に依存することになり、それは中国を含む世界の経済にとっても良くない、というのが米欧の立場だ。「いつまでも借金を増やすわけにはいかない」と、スタンダード&プアーズのチーフエコノミスト、デービッド・ウィスは言う。「いずれ世界の市場はアメリカの債務が多すぎると判断し、ドルが暴落するだろうが、そのときは人民元も暴落することになる」

 中国の政策は、高価な商品への需要が急拡大している自国の消費者にとってもマイナスになりかねない。人民元を安く保てば、アメリカの消費者にとって中国製品は安くなるが、中国の消費者が買う輸入品の値段は高くなる。

 中国が世界2位になったことで、アメリカの政治家は対中「報復」に向かって勢いづくかもしれない。それは皆にとって不幸なことだろう。アメリカの貿易赤字が過去2年で最悪の水準に達するなか、チャールズ・シューマー上院議員(民主、ニューヨーク州)は中国企業を新たな関税で狙い撃ちする法案を推し進めようとしている。

「政治家は赤字が嫌いだが、アメリカで新たな保護主義が台頭すれば、両国の経済を揺るがしかねない」と、ウィスは言う。



【社説】ジャパン・アズ・ナンバースリー 8月17日 ウォールストリートジャーナル

若い読者にとっては信じ難いことかもしれない。ほんの20年前、米国の政界と学界は、日本を躍進する経済大国とみなしていた。ハーバード大学の学者、エズラ・ボーゲル氏の著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は広く読まれ、メディアは、日本は戦争で米国に敗北を喫したが経済では米国に勝利を収めた、と報じた。

 中国の国内総生産(GDP)が日本を上回り、世界2位の経済大国となったとのニュースは、こうした見方を皮肉に変えた。この出来事は一世代前には想像すらできなかった。それでも、日本の1人当たりGDPと生活水準は中国を大きく引き離す。

しかし、チャートが示しているように、両国の成長トレンドに開きがあるのは否定できない。1990年から2009年までの中国の年間成長率はほぼ10%だ。これに対し、日本は高度経済成長の後、成長率が2%を大きく下回る水準まで著しく低下した。一方は貧困から急速に抜け出した。もう一方が陥ったのは、よく言って繁栄を維持しながらのスタグネーションだ。

 アジアにおける形勢逆転の理由と、これが持つ意味合いを考えたい。明らかな教訓は、国家の豊かさは生得権ではないということだ。国民の才能を解き放つ健全な経済政策を通じて国家は毎年、繁栄を重ねていく。

 中国にとっての突破口は、ケ小平氏による1978年の改革開放経済政策の導入だった。当初は農業、後にそのほかの産業が開かれ、中国は格段に企業家精神に富んだ国になった。08年の本紙のリポートにあるように、GDPに政府が占める割合は78年の31%から2000年代初めに約11%に縮小した。中国は一方的に関税を引き下げ、世界貿易機関(WTO)に加盟し、国有企業を改革して競争にさらした。そして、こうした政策がもたらす成長モメンタムの影響を引き続き享受している。(中略)

中国は今日、より力強く自信に満ちた国家だ。国民は失われた数世紀を取り戻そうと努力し、地域大国として再び主張を始めた。中国は(一人っ子政策のせいで)高齢化の問題に直面しているが、農村部から都市部に向かう数千万人の出稼ぎ労働者が若い労働力を提供している。

 問題は、中国が一党独裁の限界に突き当たるなか、素晴らしい成長を維持することが可能であるかどうかだ。金融危機が米国型経済モデルを傷つけるなか、中国は「国家主導型」の世界企業を追求している。

 中国通で知られるコンサルタント会社APCOワールドワイドのジェームズ・マグレガー氏は米商工会議所の最近のリポートで、中国は主要7地域において国内企業を競争から保護する政策を打ち出し、市場経済からの離脱を図っている、と指摘。これにより、国内で効率性と革新性が後退するとともに、世界各国で反感が芽生える可能性がある、との見方を示した。政治主導の資本は一時は花を咲かせるが、市場規律の欠落により衰退を余儀なくされることは目に見えている。

 それでも、中国の経済面での躍進は世界の繁栄に寄与している。日本の戦後の復興時と同様だ。対照的に、日本の20年間のスタグネーションは日本人のみならず世界にとっても悲劇だった。世界の繁栄はゼロサムゲームでない。各国が貢献することが大切だ。

 米国民にとっての朗報は、他国の順位に変動があっても、少なくとも08年までは米国のGDPの順位は不動であったことだ。中国は躍進しているが、米国の経済規模はこれを凌駕する。日本と同じ政策の過ちを犯し、日本の運命をたどることを米国は避けねばならない。



(私のコメント)
日本は80年代ころからアメリカの猛烈なジャパンバッシングの嵐に遭い、その度に市場開放と規制の緩和を強いられ続けてきた。一番の矛先は金融市場でありジャパンマネーの争奪戦が行なわれてきた。一番の標的は日本の銀行でありBIS規制や時価会計を押し付けて来て、日本の株式持合い制度を崩して行った。

このようなアメリカからの強い要求に対して日本の政治は無力であり「構造改革」の名の下に実行されていった。特に年次改革要望書による改革はアメリカによる内政干渉であり、日本のマスコミはこの事を隠し続けて報道してこなかった。90年代に行なわれたビックバンは金融規制緩和の決定版であり、日本の銀行経営は護送船団方式からダメな銀行は潰す政策に切り替えられて銀行による貸し渋りと貸しはがしが横行するようになった。

このように「改革」の名の下に「日本解体」が進められたのであり、世界帝国アメリカを脅かす世界第二位の日本は痛めつけられて衰退していった。それに代わって登場したのが中国であり、GDPにおいても中国は日本を追い抜いて世界第二位の経済大国ということになった。

アメリカがドルに対して人民元の四分の一までの切り下げを認めて輸出主導の経済体制で経済発展を目指した。それは日本がモデルであり韓国や台湾でも成功したモデルであり、経済発展が民主国家への発展につながると言うアメリカの希望があった。その為には日本に対しては円高によって日本の輸出産業を中国へ移転させる戦略だった。

80年代から90年代にかけて1元=2ドル台から1元=8ドル台まで切り下げられ、それだけでも中国の手取り収入は四倍に膨れ上がる事になり輸出による経済発展が促されてきた。それに対して日本は1ドル=360円から1ドル=80円割れまで円高になることによって、単純に換算すれば1万ドルで売られていた日本車が4万ドルに跳ね上がった事になる。

日本は食糧からエネルギーから石炭鉄鉱石まで何でも輸入しなければならない国だから、円高は必ずしも不利なものではないのですが、製品輸出する輸出企業は大打撃を負った。日本は製品輸出から資本財を輸出する経済構造になり、石油などの原材料を高い円で買い資本財に加工して韓国や中国の企業に売って、韓国や中国は製品として組み立ててアメリカに輸出する分業体制になった。

だからリーマンショックで韓国や中国の製品輸出がストップする事で一番打撃を受けたのが日本であり、それは資本財を中国や韓国の企業に輸出していたからだ。部品点数の多い自動車産業などは国内で生産したほうがいいのですが、部品点数の少ない家電製品などは韓国や中国に抜かれて日本の家電産業は崖っぷちに追い詰められてしまった。

中国や韓国では輸出依存度が36%37%と非常に高くて日本は14%で高くはない。それだけ内需が大きいからです。日本の円がもっと安ければ製品輸出が多くなって来るのでしょうが、付加価値の低い資本財では輸出してもあまり儲からない。


日本の輸出に占める資本財の割合  2008年4月7日 新世紀のビッグブラザーへ

 意外に知られていませんが、自動車やデジタルカメラ、プラズマテレビや液晶テレビなど、一般の消費者が購入する「消費財」が日本の輸出に占める割合は、恐ろしく低いです。日本の輸出の実に七割以上が、工業用原料や一般機械、電気機械など「企業」が購入する資本財になります。

 JETROのデータを調査したところ、一般の人から、何となく日本の輸出の花形のように思われている耐久消費財(家庭用電気機器、乗用車など)のシェアは、20%もいっていませんでした。
 今までにも何人かの経済学者がこの点を指摘し、日本の輸出産業は円高に強い構造だと主張していましたが、定量的なデータを見たことがないので、自分で作ってみました。確かに2004年から07年までの四年間は、資本財が日本の輸出の平均75%を占めています。(面倒なので、03年以前は見ていません。興味がある人は、情報ソースに昔の数値も載っていますので、調べてみてください。)
 企業が購入する資本財は、一般消費財とは異なり、価格よりも品質が重視され、かつ一度選択すると取引関係上、簡単には購入先を変えれません。確かに日本は他の消費財輸出が中心の国々よりは、通貨高に強い構造と言えそうです。一般の消費者は、消費財の価格が上がれば、少々の品質には目を瞑り、安い製品に流れる可能性もありますが、資本財の場合はそうはいきません。価格だけで購入先を選択すると、下手をすると品質問題でラインが止まる可能性もあり、リスクが大きすぎるからです。
 しかも最近の資源高で、新日鉄などの資本財メーカは容赦ない値上げを行っていますが、韓国企業などの購入側は、仕入先を変えることもできず、涙を飲んでいます。特に新日鉄などが生産する高品質の鉄は、事実上、代替製品がありませんので、少々の値上げには文句も言えないような状況のようです。


(私のコメント)
日本は欧米からの貿易摩擦批判で円高を受け入れて製品輸出を断念して資本財輸出に切り替えた。もちろん製品輸出が一番おいしいところであり、韓国や中国の企業は好業績でサムスンなどは日本の家電産業が束になってもかなわなくなりました。ソニーやパナソニックと言った企業はテレビなどの製品輸出は諦めて部品や素材の輸出で生きていかなくてはならなくなりました。

特に中国経済の躍進は著しくGDPで日本を追い越すまでに大きくなりました。これでアメリカから受けてきたジャパンバッシングの嵐は過ぎ去り中国に向かう事になります。シェクトマン氏の記事を見ればそれが伺えますが、アメリカの戦略はナンバー2の国を叩く事だ。しかし中国は日本のように同盟国ではなく核ミサイルを持っている。

つまり日本は、ナンバー1のアメリカとナンバー2の中国の叩きあいを傍から眺めていればよくて、両方が共倒れになってくれれば一番いいだろう。日本にとっては人口が3億人のアメリカと13億人の中国が市場であり、経済規模もナンバー1と2なのだから16億人の市場が開けている。

日本は高品質な鉄やガラスなどの資本財を開発して中国や韓国やアメリカの企業に売って行けばいいのであり、自動車に使われる高張力鋼や高速鉄道に使われるレールなどは日本でしか作ることが出来ない。ガラスにしても自動車に使われるUVカットガラスや断熱ガラスなど日本で作られる。タイヤにしても中国製と日本製で見た目は変わりませんが使って見れば違いは直ぐに分かる。素材が違うからだ。

このように日本はステルス戦略で中国の陰に隠れる事でアメリカの圧力から回避する戦略を選んだ。場合によっては中国と手を組む事でアメリカの横暴を押さえる事も必要になるだろうし、中国の軍事的暴走はアメリカと手を組む事で封じ込めなければならない。しかしこのような巧みな外交戦略が取れる政治家もいないし、シンクタンクもない。

大英帝国はドイツやロシアやフランスなどの強大国をバランスを取りながら仲間割れをさせて勢力を削いできた。米中が新冷戦体制に入ればキャスティングボートを取って米中を操る事が必要ですが、台湾や韓国やASEAN諸国をどのように活用できるかがカギになる。沖縄の米海兵隊基地があるかないかでシンガポールの首相までが慌てる事態があったことは記憶に新しい。




必要額の半分に相当する3,500万円を、自分で調達しようとした。
そう考えたのは、銀行員としての経験からだった。 松田公太


2010年8月17日 火曜日

すべては一杯のコーヒーから 松田公太;著

松田公太「すべては一杯のコーヒーから」新潮社 2005年10月23日 hiog

p12.情熱は誰でも平等に持つことができる。その点が生まれ持っての資産や容姿、才能とは違う

p21.最初から意思決定権を持った人に話をする

p23.まずは、銀座や青山といった東京都内の一等地に一号店を出店し、ブランドイメージを確立することが必要となります

p33.「それは間違いです!」私はトムの言葉をさえぎった

p38.契約を結ぶ場所として、トムはシアトルでも有名なシーフードレストランを予約してくれていた。しかも、アールジェイを伴い正装で現れた彼は、懐に高級な「モンブラン」の万年筆を2本、忍ばせていた

p40.このとき私とトムがわずか3ページの契約書しか交わしていなかったことが上場後に大きな問題を呼んだ

p66.それが学校の先生や親に見つかって、大目玉をくらってしまった。これがアメリカだったら、彼は逆に誉められていたかもしれない。自分のアイディアで始めたビジネスでカネを稼ぐことは、たとえ子供であろうと素晴らしい

p98.一方の私には、信仰はない。その分、悲しみも自分で消化するしかなかった。私はこう考えようと努めた。(弟は自分のなかで生き続けている。私が楽しく人生を歩むことができれば、弟も一緒に喜んでくれる。弟は自分の運まで私に与えてくれているのだから、仕事だってうまくいかないはずはない)

p101.とにかく銀行の仕事においては、何においても同一行動が求められるのだ

p105.「支店長に許可されたからといって、車を使うのは遠慮がなさすぎる。20代の若造を乗せる運転手さんの気持ちにもなってみろ」そうした私への非難が次々と聞こえてきた。余談だが、当時の運転手さんとは仲が良く、今でも年賀状をやり取りしている

p107.「松田くんは、挫折というものを知らないだろう。挫折もなしに支店長代理に昇進すれば、部下の気持ちもわからない上司になってしまう。キミはいずれ、同期のなかではトップで支店長代理へと推薦される人間だ。その前に、同じ仕事で苦労している奴もいると知ってもらいたかった」呆れるしかなかった。相談もなしに数字を改ざんしておいて、何という言い草なのか


p126.私はまず、必要額の半分に相当する3,500万円を、自分で調達しようとした。そう考えたのは、銀行員としての経験からだった。企業のプロジェクトに融資する際にも、半分を企業が自前で出すとなると銀行に対する印象が良いのである

p131.税関を通過する苦労を味わっているだけに、HIVを引き起こす非加熱製剤や、最近でも狂牛病にまつわる「肉骨粉」が日本で問題となったとき、私は腹立たしくて仕方がなかった。コーヒーカップは隅から隅まで検査しておきながら、なぜ人間の体に入るものを見過ごしてしまうのか

p141.フェローに対しても、コーヒーの入れ方と同じくらい、お客様との会話が大切なのだと強調し続けた

p145.シアトル出張の際には必ず、街のサンドイッチ屋を回って、うまいと思った品物を日本に持ち帰る。そして成田から会社に直行し、待機してもらっているサンドサンドの社長にサンドイッチを渡し、すぐに同じものをつくってもらうのだ

o156.「何を言っているんですか!タリーズが世界で一番おいしいコーヒーを出しているお店ですよ。シアトルで大人気になったように、日本でもいつか必ずナンバーワンになりますよ!」

p173.タリーズでは全社員にストックオプションを導入し、他者に先駆けてアルバイトにまで広げている。独立を目指すフェローたちに、資金的な協力ができればと考えたからだ

p190.従来の日本企業では、創業者が上場後も過半数の株式を所有し、会社を支配し続けるケースが珍しくない。だが、私は企業の経営者と所有者は別であるべきだと思う。たとえ創業者が経営者を兼ねていようと、株主から罷免される緊張感がなければ、健全な経営は難しいのではなかろうか

p193.いつもどおり、私は張り込みから始めた。陣取った場所は、道を挟んで物件の反対側にあるコーヒーショップ。そこから数日間、通行人を数えてみる

p195.神谷町のリピーターと親しく会話をしてるなかで、私は何度かスカウトされたこともあった。「英語が話せる元銀行員」ということで興味を持ってくれたらしい。「コーヒーショップの店長」と「銀行マン」に、果たしてどれほどの「差」があるのだろうか。コーヒーショップの仕事にだって、私は銀行で働く伊所言うの夢は抱けると信じている

p200.三井物産と関係の深いコーヒー会社にも、店舗への出資を提案した。だが、同様に拒否されてしまった。これで彼らにも、反対する理由がなくなった

p204.彼女のことを書き記すのは、六本木で失敗した責任を彼女に転嫁するためではない。出資者に言われるままに出向を受け入れてしまった私の失敗例として、読者に参考にしてもらいたいのだ

p206.私は東京から片道1時間以上もかかるNサービスの事務所に30回以上は出向くことになった。そして、数え切れないほど頭を下げた。とにかく役人体質が強く、自分が世の中で一番偉いと勘違いしている人たちばかりなのである

p208.事業が伸びきった会社が上場しても、どれだけ株価に期待が持てるだろうか。投資家に高い値段で株を放出して得をするのは、多額の資金を調達できる会社側、「創業者利益」を享受できる創業者、それに引受手数料の入る証券会社くらいではないか

p225.「マクドナルド」だけが大成功して、「バーガーキング」は無残な撤退に終わっている。その理由は、バーガーキングが大手資本と組んで日本に進出を試みたのに対し、マクドナルドは「藤田商店」を率いる藤田田という当時、無名の経営者だった人物に期待したからなのだ「ダンキンドーナツ」と「ミスタードーナツ」にも同じことが言える

p230.5億円というのは、上場時に調達した資金にも匹敵する。しかし、タリーズジャパンが次のステージへと上るためには、この2つの権利は必要不可欠のものだった。これからは、自分の目の届くところで最高級のコーヒーを焙煎し、最も新鮮なうちにお客様に届けることができるのだ


(私のコメント)
現在の日本の労働環境は年功賃金体系から同一労働同一賃金体系に移行する過渡期に来ているのではないかと思います。年功賃金体系では中高年労働者が高給をもらい若年労働者が低賃金で働く事になります。しかし日本がゼロ成長経済下においては年功賃金体系では社員が高給をもらっている中高年社員だらけになってしわ寄せが若年労働者に来ます。

高給をもらっている中高年社員はなかなか首が切れないから、人件費が増え続けます。その為に新規の採用を控えたり新入社員を派遣労働者で埋めることになります。正社員に比べれば非正規社員は給与が半分以下に抑えることが出来るそうです。しかし会社の現場では正社員と非正規社員との摩擦が生じている。

年功賃金体系から同一労働同一賃金体系に切り替わるのは簡単ではなく、社会組織の根本から変わる事を意味するから不可能なことかもしれない。能力給といっても何を基準に能力を測るのかが分からない。成果主義という事も本来の意味も分からずに取り入れても会社は混乱するだけだろう。

年功賃金体系なら正社員はどんなに無理な過重な仕事を与えられてサービス残業してでもやる社員は多いだろう。我慢して勤め上げれば給与は年々上がっていくからだ。それに対して能力給は何年働いても同一賃金だからサービス残業までして働く意欲は無くなる。一部の出世したい人だけが成果を上げて出世する。しかし日本の会社では裏では足の引っ張り合いも激しく出る杭は打たれることが多い。

年功序列賃金体系も能力給賃金体系も一長一短があり判断は難しいのですが、時代の流れは能力給に移行して行くのではないだろうか? しかし日本人の精神文化が切り替わるのは無理ではないだろうか? さきの戦争中でも日本軍は年功序列を変えることが無く、無能な指揮官を代えることが出来ずに負けた。

戦争は勝った負けたの世界であり能力が結果として出やすい。しかし日本軍は嫉妬と足の引っ張り合いで有能な軍人を左遷させてしまう事が多い。その結果、几帳面で忠実で細かな事には有能だが大局が分からない東条英機のような人物が大将になってしまう。現代の会社でも会社に忠実で言われた事はきちんとやり会長や相談役に受けのいい人物が社長になる。

私自身も銀行に十数年いましたが銀行と言う所は人材の墓場であり、若くて優秀な人材を大量に採用しても使い潰してしまって、中高年になると使いものにならない人材ばかりになってしまう。みんなの党の松田公太氏も銀行を5年で辞めて起業しましたが、やる気があって有能人材は銀行など数年で辞めるだろう。周りからは高い年収なのにもったいないと言われましたが、銀行と言う所は辞めたくても辞められない外の世界では通用しないような人物しか残らない。

「株式日記」では若くて有能なら会社を辞めて自分で起業すればいいと書きましたが、平凡な人材は会社にしがみ付いていた方がいいだろう。アパート経営やビル経営も決して誰にでも出来る仕事ではないから平凡な人材は手を出さない方がいいでしょう。

アメリカでは大企業のエリート社員よりも企業家のほうが社会的な地位は高い。企業家に比べれば弁護士や医師などは低く見られている。弁護士などは頭が良ければなれるのでしょうが起業家は能力があってベンチャー精神も必要だ。しかし日本では大企業のエリート社員の社会的な地位が高くてベンチャー起業家は山師のように見られてしまう。

これからの企業は有能な人材をいかに育成して行くかが課題ですが、年功序列賃金体系では有能な人材ほど辞めて行ってしまうだろう。かといって日本に成果主義を取り入れても足の引っ張り合いでチームワークが乱されて会社経営はガタガタになってしまうだろう。学校でいじめの問題が起きるのも日本の特徴なのでしょうが、勉強が出来るだけでいじめの対象になる。

会社に入っても遊ばずに勉強などしていると変人奇人呼ばわりされたりする。松田公太氏の著書にも銀行内部のいやらしさが書かれていますが、ビジネスの基本を覚えるにはいいところだ。中小企業の社長とも話ができるし、これからどんな業種が景気がいいかも分かる。社長たちと話をしていれば一生サラリーマンをしているよりも起業家になったほうがいいと思うようになるだろう。

しかし起業するには自己資金が必要になるし、仕事に対する知識も深めなければなりません。その為に私は1000万円を貯めたし勉強して宅地建物取引主任の国家資格も取りました。それが出来なければ銀行を辞めて起業することも出来ないでしょう。銀行と言う所は個性の強い社員は嫌われるし同一行動を求められる。考え方も同じであり枠に囚われた考え方をする人が多い。

楽天の三木谷社長も松田公太氏も銀行出身ですが、やはり銀行出身者は背広をきちっと着こなしてビジネスの基本は持っている人が多い。だから起業家志望の人も銀行に数年は勤めてビジネスの基本と中小企業の社長たちとのコネ作りもしたほうがいいと思う。ホリエモンは数年で潰されましたが三木谷社長は世界的なビジネスまで目指している。やはり銀行員の時の経験が生きているからだ。




すべての国が同時に為替レートを下げることはできない。しかし、
とにかく今のところは、安い通貨大賞はドルが手にしている。


2010年8月16日 月曜日

GDP:ユーロ圏1%成長 輸出伸び大幅改善−−4〜6月期 8月14日 毎日新聞

【ロンドン会川晴之】欧州連合(EU)統計局は13日、10年4〜6月期のユーロ圏16カ国の実質域内総生産(GDP、季節調整済み)の速報値が前期比1・0%増となったと発表した。ユーロ安を背景に輸出が伸び、成長率は1〜3月期(0・2%)から大きく改善した。

 国別では、ドイツが1990年の東西ドイツ統一以来、最高となる2・2%成長を記録した。ドイツは、ユーロ安を追い風に輸出が好調で、1〜3月期(0・5%)から成長率を大きく改善させた。ブリューデレ経済技術相は「年率で2%成長も達成可能」との認識を示した。フランスは0・6%増だった。一方、財政危機を受けて厳しい緊縮政策を行っているギリシャは4〜6月も1・5%減と、7四半期連続のマイナス成長を記録した。

 4〜6月のGDP統計はユーロ圏の景気回復傾向を裏付けた。ただ、足元では、6月のユーロ圏鉱工業生産が前月比0・1%減と4カ月ぶりに減少に転じているほか、欧州中央銀行(ECB)も経済の先行きを慎重に見ており、景気失速懸念は消えていない。



為替相場:安値を競うレース 8月16日 The Economist

今から3カ月前、欧州の債務危機で、各市場がソブリンリスクを巡るパニックに陥った時には、すべての道はドルに通じているように思えた。ドルは円やポンド、ユーロといった世界の主要通貨に対して上昇を続けていた。

 どこに資金を置いておけば安全なのか、投資家たちが確信を持てない中で、世界の準備通貨というドルの役割は計りしれない強みに見えた。軒並み低迷する先進国の中では、米国経済は最も健闘しているようでもあった。ドル急騰のお膳立ては整ったかのようだった。

高騰すると思われたドルが下落の一途
 だが、この急変ぶりはどうだろう。8月11日に、ドルの対円レートは15年ぶりの低水準となる1ドル=84.7円まで下落した。

 対ユーロでは、1ユーロ=1.29ドルまで回復したが、ユーロが最も敬遠されていた6月初頭に記録した1ユーロ=1.19ドルに比べると、はるかに低い水準にとどまっている(図1参照)。

 ここ数週間のドルの下落は、雇用をはじめ、経済統計で思わしくない数字が相次いで発表されたことによるものだ。米連邦準備理事会(FRB)は8月10日、経済回復がFRBの従来予想より遅れる可能性があると認めた。

 FRBは政策金利の誘導目標を今後も0〜0.25%の範囲で維持するとし、「長期にわたって」金利を抑える必要があるとの信条を貫いた。また、FRBのバランスシート(ひいては利用可能な現金のストック)の漸進的な縮小を食い止めるために、満期が到来したFRB保有の住宅ローン担保証券の償還金を国債に再投資すると発表した。

  FRBの政策がこのように多少変化することは、広く予想されていた。FRBは経済見通しについて懸念を示したが、パニック的な措置は取らずに踏みとどまった。

 それでも、FRB声明発表の翌日に株式市場が急落するのを止めることはできなかった。これは、投資家たちがFRBに対して、もう一歩踏み込み、新たな資産購入を行うことを期待していたからかもしれないし、あるいは、経済の現状に対して予想以上の警戒感を表したFRBの姿勢に狼狽したからかもしれない。

 だが、FRBの変化はそれでも、FRBが他国の中央銀行よりも金融緩和政策を続けることに熱心であることを裏づけているように見える。この印象が、ドル安をもたらし、米国の輸出業者を助けている。

 FRBの決定の前日、日銀は従来の金融政策を変更しないとの姿勢を示した。欧州中央銀行(ECB)は、緊急支援として行ってきた金融システムへの流動性供給を縮小するのに伴い、短期金融市場で金利が上昇するのを容認した。

 ドルの運命は、米国の動向が決めるわけではない。為替レートには2つの側面がある。6月以降、ユーロが回復しているのは、1つには欧州がソブリン債問題に真剣に取り組んでいるとの信頼が市場で高まってきたからだ。

 また、ユーロの強さは、経済の強さを映すものでもある。本誌(英エコノミスト)が印刷に回された後に発表される予定のデータでは、主にドイツの好景気のおかげで、第2四半期のユーロ圏のGDP(国内総生産)成長率が米国のそれをわずかに上回っていたことが明らかになるはずだ*1。

 とはいえ、ユーロ圏の周縁諸国の成長停滞という問題が解消されたわけではない。ユーロが強くなれば、イタリアやスペイン、ギリシャ、ポルトガルの輸出競争力はさらに弱まる。ユーロは再び下落する可能性があるとアナリストの多くが予想する理由の一端は、そこにある。

円高はまだ進む
 それとは対照的に、円高はさらに進む可能性がある。円の対ドルレートは現在、1990年半ばのペソ危機直後以来の水準で推移している。当時は、円が他所の危機からの避難通貨になるという認識が今より強かった。

 だが、今回の円高は日本の輸出業者にとって、名目レートが示唆するほどの大きな痛手にはならないかもしれない。

 日本では長年にわたって物価が下落している一方、他国では緩やかなインフレが進んできたことから、円の実質実効為替レートは1990年以降の平均を下回っている(図2参照)。

 日本の賃金と物価が米国や欧州との比較では下落しているため、日本の輸出業者は名目為替レートの上昇に耐えることができるのだ。

*1=13日に発表された2010年4〜6月期のユーロ圏の実質GDP成長率は前期比で1.0%となり、米国を上回った

となると、ここで説明が必要なのは、円がこのところ強くなっている理由ではなく、なぜ以前はそれほど弱かったのかということだろう。

 ソシエテ・ジェネラルのキット・ジュークス氏は、その答えは、概ね、日本の利回りの低さに帰結すると見ている。「円があまり保有されないのは、これまでのところ、日本の金利が世界でも群を抜いて低かったからだ」と同氏は指摘する。

 だが、米国や欧州の大部分でも国債利回りが下落している今、投資家の資金投入先としては、日本は以前ほど魅力のない場所ではなくなっている。他の先進国の状況が日本に近づけば近づくほど、円を敬遠する理由は薄くなる。中国が、外貨準備がドルに偏るのを防ぐ取り組みの一環として、日本国債を買っているという報道さえある。

 そうした関心の持たれ方は、日本では全面的に歓迎されるものではないかもしれない。先進国の総需要が著しく低下し、新興市場への輸出が経済回復の最大の希望となっている現状では、自国の通貨安は特に大きな恵みとなる。

安い通貨大賞は・・・

 日本の財務大臣は、円の最近の動向は「やや一方的だ」と牽制した。この種の発言は、日本の金融当局が円高を抑え込むために間もなく円売り介入するのではないかとの憶測を呼んでいる。

 だが、そうした措置は、中国に人民元を切り上げさせようとしている先進諸国の努力を損なうことになるだろう。

 恐らく日銀とECBは、FRBに追随して、(たとえ控えめであっても)量的緩和を延長する可能性が高い。さもなくば、さらなる為替レート上昇というリスクを冒すことになる。

 通貨安を競うレースは、最終的には、大西洋を(そして太平洋を)挟む国々の間で緊張を引き起こすかもしれない。何しろ、すべての国が同時に為替レートを下げることはできない。しかし、とにかく今のところは、安い通貨大賞はドルが手にしている。


(私のコメント)
何しろアメリカもEUも国債を買い込んで紙幣を市場にばら撒き合戦をしているのだからドルとユーロの値下げ合戦が止まりません。中国も相変わらず人民元をドルにリンクさせているのだから、世界の金持ちたちは取りあえずは円に替えておこうと円が買われます。

理論的に全ての通貨を一斉に切り下げる事はありえないので、主要な通貨のどれかが高くなることで切り下げが成り立ちます。つまり円が独歩高ですが円が為替相場の基軸になっている事になります。実際にはドルが世界の基軸通貨ですが、ドルの交換価値を支えているのが円と言う事になります。

例えば政府日銀が手持ちのドルや米国債を売ったらドルは暴落するでしょう。中国もドルを買い支えている事になりますが、人民元では使える所が限られます。政府日銀もアメリカやEUとのバランスを取って円をばら撒いて切り下げるべきですが、日銀が景気が良いとして金融緩和には踏み切りません。だから円が高くなります。

一時はユーロもずいぶん高くなってドルの基軸通貨体制の切り崩しを狙いましたが、ギリシャ危機でユーロが売り込まれて元に戻ってしまった。日本には900兆円の国債が流通しているのだから900兆円の放出余力があるということであり、マスコミが900兆円の借金と言っているのは間違いだ。

つまり900兆円の国債の流通価値を支えるだけの日本の経済力が強いと言う事であり、イギリスが900兆円もの国債を発行できるだろうか? そうなる前にポンドは暴落して金利が急騰してしまうだろう。だから金利や円相場から見る限り日本はまだ国債の発行余力があるから政府は公共事業でGDPを維持しなければなりません。

日本には1500兆円の金融資産があるのだから、それを使わせるような政策をすべきですがデフレでは現金で持っているのが一番の利殖法になる。その内の6割が60歳以上のお年寄りが持っているのですが、昨日も書いたようにお歳よりは息子や娘を信用せずにカネだけが頼りになってしまっている。

昔なら息子や娘は社会に出て働くようになったら親に仕送りをするのが当たり前でしたが、今では親に仕送りをする息子や娘は僅かしかいない。中には親が行方不明になったとして親の年金をもらい続けている親不孝者まで出てくるようではカネしか信用できるものは無くなる。

だから日本のデフレは親不孝デフレであり、子供は働きもしないで親の財産や年金で生活している引きこもりやフリーターはかなりの数だろう。オレオレ詐欺と言う犯罪が起きるというのも金を持っている老人と金のない息子や娘たちという構図から生じているのですが、親に仕送りをしている息子や娘ばかりならオレオレ詐欺など起きない。

日本の物価や賃金が下がり続けているから現金を持っているお歳よりはデフレに対して危機感は薄い。だから政府日銀は1500兆円の金融資産を使わせるには税制で動かすようにしなければなりませんが、「株式日記」ではセカンドハウス減税を提唱しました。日本には150万人もの億万長者がいるのだから自宅と別荘ぐらいあってもおかしくはない。

ニュースでは円高で大変だと伝えていますが、1500兆円で純金地金などを買ったらいいと思うのですがお年寄りたちは現金しか信用しない。だから国は国債を発行して財政で経済を回さないとなりません。その結果が900兆円の国債残高になっている。これも若い人たちの親不孝からそうなってしまっている。家族の絆などと言ってもそんなものはテレビドラマの中しかない。

いま親の脛をかじっている引きこもりやフリーターや低賃金の若者たちは年金も払っていないから歳をとったらどうやって生活していくのだろう。資産形成が出来ていればいいのですがそれも無理だろう。私はビルを建てたりアパートを建てたりして資産形成をして借金の返済が終われば生活は何とかなりますが、いまのお歳よりも若者も不動産に投資をするという発想を持たなくなりました。

いま私が20代の若者ならがむしゃらに働いて1000万円貯まったらそれを頭金にしてアパートを一棟買います。その一部屋に住んで家賃を貯めながらカネが貯まったらさらに投資をして行く。デフレでも現金収入があるからアパート経営は有利だ。いまのお年寄りたちも現金に固執しないで不動産投資をすれば日本全体が活性化していくだろう。



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