株式日記と経済展望

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長期金利は再び下落した。投資家達は障害を抱えた経済の中で国債を
明らかに最も安全な資産と捉えていたわけだ。ポール・クルーグマン


2010年7月31日 土曜日

緊縮財政神話 7月2日 ポール・クルーグマン

僕がまだ若くてウブだった頃は、要職にある人々は様々な選択肢を慎重に比較検討して考えを決めていると信じていたけど、今じゃすっかりスレて色んなことを知ったよ。なんと「シリアスな人たち」が信じていることの多くは分析ではなくて、思い込みに基づいているんだ。

これが今回のコラムのテーマだ。ここ2、3ヶ月の間、驚きと恐怖とともに観察してきたことと言えば、性急な緊縮財政に好意的な議論の台頭だ。これはどういうわけか伝統知(conventional wisdom)のような地位を獲得してしまったんだけど、世界の主要経済が深刻な不況にあるという事実にも関わらず、いますぐに財政支出を削減すべきっていう議論だ。

この伝統知は実証にも慎重な分析のいずれにも基づかないのだ。そのかわり、それは我々が寛大にも純然たる投機と呼ぶものともう少し厳しく言うとエリート達の想像が生んだ虚構、特に僕が「見えざる国債自警団」と「自信の妖精」と呼ぶに至った虚構に依存しているんだ。

国債自警団とは負債を返済する気のない国から撤退する投資家達のことだ。自信喪失 ((訳注:国債の信用崩壊?)) によって経済が危機に陥ることが現実にあるってことは明白になった(ギリシャを見ればいい)。しかし、緊縮財政主義者の主張は次の通りだ。(a)国債自警団はまさにいまアメリカを攻撃しようとしていて、(b)これ以上の財政支出は彼らのスイッチをオンにしてしまう。

一体これのどこに信じる理由があるのだろうか?確かにアメリカは長期的な財政問題を抱えているが、これからの数年の間に行われる刺激策は長期的な問題への取り組みに関する能力にほとんど何の負担にもならない。連邦議会予算事務局長のDouglas Elmendorfは最近、次のように述べている。「今日、失業率は高く、多くの工場や事務所が稼働していない状況において追加的な財政刺激策を行うことと、生産資源や労働者がおそらくほぼ完全に利用されているであろう今から数年後(several years from now)に財政を抑制することとの間に本質的な矛盾はない」

にもかかわらず、2、3ヶ月ごとに「国債自警団がやってくる!」と脅されている。そして「我々は財政支出を抑えて自警団をなだめないとならないんだ、それも今、今、今すぐに!」と。3ヶ月前、長期金利がほんのわずかに上昇したことがあるが、それはほとんどヒステリーのような扱いだった。「債務懸念による金利上昇」がウォールストリートジャーナルのヘッドラインだったけど、そんな懸念の証拠なんて実際にはなかったんだ。また、グリーンスパンは金利上昇を「炭坑のカナリヤ」と呼んだんだ。

それ以来、長期金利は再び下落した。アメリカ国債から逃避するどころか、投資家達は障害を抱えた経済の中で国債を明らかに最も安全な資産と捉えていたわけだ。それでも緊縮主義者達は今すぐに財政支出を削減しないければいつでも国債自警団がやってくると自信満々だ。

でも安心したまえ。支出の削減は痛みを伴うかもしれないが、「自信の妖精」が痛みを取ってくれるだろう。「緊縮という手法が景気停滞を生むという考えは誤っている」とトリシェECB総裁と宣言した。何故か?それは「自信創出型政策は経済回復を促進するもので、束縛するものではない」からだ。

財政圧縮は実際には拡張的である ((訳注:景気回復促進的である)) という信念の基礎にあるのは何なのだろう?それによって「自信」を改善させることが出来るから?(ところで、これってまさに1932年にハーバート・フーバーが使ったドクトリンなんだよ)さて、これまで経済成長を伴う支出削減と増税の歴史的な例はいくつかある。しかし、僕が分かっている範囲ではそれらのどのケースにおいても緊縮財政の負の効果はなんらかの別の要因で相殺されているんだ。そしてそのどの要因も現在の状況では無関係なんだ。例えば1980年代のアイルランドの「緊縮財政ー経済成長」は貿易赤字から貿易黒字への大規模な転換に依存していたが、これはどの国もが同時に採用できる戦略じゃない。

そして現在行われている緊縮財政の実例はとても参考になる。アイルランドはこの危機での模範的な戦士だ。眉一つ動かさずに残忍な支出削減を行ったんだ。その報償としてアイルランドが得たものは恐慌レベルの不景気だったし、金融市場は未だに国債を深刻なデフォルトリスクのあるものと看做している。また別の戦士たち、ラトビアやエストニアはさらにひどい。そしてなんと、これらの3カ国はアイスランド ---金融危機のためにあまりオーソドックスでない政策を余儀なくされた国--- よりも産出と雇用の停滞を味わう羽目になったんだ。

だから次にシリアスな議論をしているように見える人々が財政緊縮の必要性を説いているのを聞いた時には、彼らの議論を分析してみて欲しい。実務的な現実主義に聞こえるものがが実は妄想、緊縮に取り組まなければ「見えざる国債自警団」が我々を罰し、まじめに取り組めば「自信の妖精」が我々に恵みをもたらすという妄想、の上に成り立っていることに気づくことはずだ。。そして、この現実世界の政策 ---何百万人もの労働者とその家族の生活を破滅させる政策--- はこんな基礎の上に成り立っているのだ。



アイルランド耐乏2年 出口見えぬ緊縮財政 7月25日 朝日新聞

人口445万人の欧州の小国アイルランドが、緊縮財政に入って2年近くになる。金融危機の傷がとりわけひどかったが、ほかの国と違って景気刺激策にはほとんど手を出さず、一時は「財政再建の優等生」とされた。しかし、財政赤字は思うようには減らない。それは財政再建に走り出した各国の未来図なのか。

 トランペットやドラムを鳴らしながらのにぎやかなデモ行進になった。知的障害者やその家族ら3千人が7日、アイルランドの首都ダブリンの街を歩き、福祉予算の削減に抗議した。客待ちのタクシー運転手も、クラクションをならして応援した。

 アイルランドの緊縮財政は、障害者施設にまで及んでいる。デモに参加したケビン・オブライアンさん(74)と妻のアンさん(68)の場合、知的障害を持つ娘のシリーンさん(40)が入居する施設が人員削減に見舞われた。

 「夜は看護師が1人しかいなくなった。ある入居者にかかりきりになっているときに、他の人に何かあったらどうするのか」とアンさんは心配する。

 金融危機の直後、多くの国は借金してでも景気を刺激しようとしたが、アイルランドは違った。銀行救済で財政が悪化し、国債価格が下がった。それを立て直そうと、2009年は国内総生産(GDP)の5%にあたる80億ユーロ分の歳出削減や増税を実施。10年も40億ユーロを絞り出す。

 不況は深くなった。09年のGDP成長率はマイナス7.1%にまで落ち込んだ。09年のインフレ率はマイナス4.5%となり、不況と物価下落が一緒に来るデフレになった。現在の失業率は13%にのぼっている。

 ダブリン郊外に2年半ほど前に完成したビル群「エルム・パーク」。オフィス街としてにぎわうという期待は外れた。ただ一つ入居した保険会社のほかは、閉ざされた入り口や使われていないエレベーターばかりが目立つ。併設された住居棟も買い手がつかず「ほとんど空き家」(入居者)だ。

 中小企業の倒産も止まらない。アイルランド中小企業連盟のマーク・フィールディング代表は「毎日、中小企業が4社つぶれている計算だ。今年前半だけで、昨年1年の倒産件数に並んだ」と言う。

 緊縮財政は当初、国民の理解を得ているように見えた。大規模なデモやストも起きなかった。しかし、ここにきて風向きが変わってきた。

 6月の地元紙アイリッシュ・タイムズの世論調査では、政府のやり方を批判してきた野党・労働党が、100年の党の歴史で初めて支持率で首位に立った。

 エイモン・ギルモア党首は、歳出の削減は必要だとしながらも困った人への対策が足りないという。「問題は金融や財政だけではない。雇用だ。我々は、それを訴えてきた唯一の政党だ」

 目指していた財政再建は道なかばだ。経済全体が縮んだため、国内総生産に対する財政赤字は簡単には小さくならない。

 ダブリンのシンクタンク経済社会研究所(ESRI)の見通しでは財政赤字は11年もGDP比で10%台。政府は2014年には欧州連合の基準である3%以下にする方針だが、ESRIのアラン・バレット氏は「厳しい挑戦だ。達成するには、2012年に成長率が4%程度に戻り、その後も伸びることが必要だ」と言う。

 ここにきて希望も出てきた。薬品などの輸出の伸びに引っ張られ、1〜3月のGDPが金融危機後初めてプラスに転じた。

 ユーロ安に助けられたのが大きいが、好況期に上昇した賃金が下がり、国際競争力がついたこともあると、アイルランド経営・雇用者連盟のブレンダン・バトラー氏は言う。「民間企業の給料も、燃料や地代といったコストも下がった。景気がよくなり貿易が増えてくれば、アイルランドの企業はその波に乗れる」

■各国の対応 識者ら論争

 先進各国は緊縮財政に乗り出すべきかどうか。税収減と景気対策で財政赤字がかさむなか、政治家や識者による論争が起きている。

 緊縮反対の代表格、米プリンストン大のポール・クルーグマン教授は7月初め、米紙でアイルランドを引き合いに出して論じた。「過酷な歳出削減を進めたが、ごほうびは恐慌に近い不況だ。緊縮財政が必要だと言われたら、よく吟味しよう。根拠がないのはほぼ間違いない」

 一方で、あまりに大きい国の借金を放置すれば、70年代のようなインフレに見舞われるという意見も強い。危ないと思われた国から一瞬にしてお金が逃げ出すことも、ギリシャ財政危機で見せつけられた。

 緊縮財政をしながら立ち直るには、輸出に頼るのが常道だ。日本も01〜06年の小泉政権のもとで歳出削減を進めたときには、成長する中国に鉄や機械などを売ってしのいだ。アイルランドの輸出増も、歴史的に結びつきの強い米国やおとなりの英国の景気が持ち直すなかで起きた。多くの国がいっせいに緊縮に走ったらどうなるか、歴史的な経験はあまりない。

 ダブリンにあるトリニティ大学のフィリップ・レーン教授は「アイルランドには緊縮財政以外の選択肢はなかった。しかし、米国やドイツ、それに日本は、非常に低い金利でお金を借りられる。一つの政策をすべてにあてはめるべきではない」と語る。(有田哲文)



(私のコメント)
ポール・クルーグマン教授が言う国債自警団とは超緊縮財政論者の事なのでしょうが、日本でも財務省の官僚たちが消費税を増税しないと国家財政が破綻すると騒ぎ続けている。財務省の官僚たちは経済の事がわからないマスコミの記者たちにそのように説明しているから新聞やテレビ番組でも1000兆円の借金で大変だと言いふらす。

しかし財政赤字は増税して緊縮財政で解決するものではない。アイルランドは財政赤字で国債が暴落して緊縮財政にならざるを得なかった。財政で景気を刺激したくても国債が暴落しているのだから国債で資金調達が出来ないのだ。ギリシャなども同じような状況に置かれている。

日本のバカな財務省の役人も日本をアイルランドかギリシャ同じように考えているようだ。しかし現実に日本やアメリカで起きているのは金利の低下であり、投資家たちの国債への逃避だ。つまり日本やアメリカは国債を発行して財政出動しなさいと市場が要求しているのだ。ここでもし日本やアメリカのような経済大国が緊縮財政をしたらどうなるでしょうか? それが日本の財務省のバカ役人には分からないのだ。

分かっていれば菅総理に消費税増税10%を吹き込んだりしないでしょう。アイルランドは緊縮財政で財政再建を図ろうとしていますが財政赤字の規模は今も小さくなってはいない。景気の落ち込みで税収がさらに落ち込んでいるからですが、アイルランドはユーロに加盟している為に為替下落による輸出増加で景気対策が打てない。

リーマンショックで目一杯膨らんだ金融資産のバブルが破裂して世界的な信用収縮が起きている。ヘッジファンドは預かった金融資産を運用して行かなければなりませんが、その運用先がなくなって国債に投資資金が集中している。いわば国債バブルと言う人もいますが、日本はその国債バブルが15年以上も続いている。

日本のバブル崩壊によって国内には投資先が見つからなくなって銀行や生保などが超低金利の国債を買っているわけですが、海外においては90年代から世界的バブル景気や新興国バブルが起きていて、アメリカの投資銀行などは驚異的な高利回りで資金を運用してきた。日本の年金などの資金運用団体も投資銀行に資金を預けていましたが、リーマンショックで資金が飛んでしまった。

新興国バブルもアメリカの投資銀行が作り上げた幻想であり、アイスランドやドバイからギリシャに新興国バブル崩壊は広がり始めている。ブラジルや中国などは世界中から投資資金を集めて経済は好調ですが、やがて投資資金の流れは逆転し始めて来るだろう。アイルランドも新興国バブルが弾けて投資資金は引き揚げていってしまった。

ギリシャも同じような目に会っていますが、ギリシャはストライキの頻発で社会不安が起きている。アイルランドもギリシャも耐乏生活を強いられていますが何年それに耐えられるだろうか? アイルランドやギリシャは海外からの借金を返済しなければなりませんが、我慢し切れなければデフォルトするかもしれない。ギリシャなどはデフォルトの常連国だ。

EUはギリシャのソブリンリスクによってユーロまで売り込まれましたが、新興国バブル崩壊がEUにまで広がり始めたと言う事なのだろう。ヘッジファンドが仕掛けたと言う説もありますが、ドイツがどのように立ち向かうのかメルケル首相の手腕が試されている。日本の首相も手腕が試されているのですが90年代から日本の首相は毎年のように代わっている。耐乏生活の不満が首相交代に現れているのです。

新興国は未開発な部分が沢山あるからカネさえつぎ込めば開発物件は山のようにある。ドバイの世界一高い超高層ビルもそうだし、中国で建てられている数千という超高層ビルもそうだろう。ビルなら転売して転がせば直ぐにリターンとして利益が入ってくる。つまりカネさえあれば新興国は投資家にとっての宝の山だ。

日本などではビルを建てようにも好立地には既に建っているし、買って転売しようにも値下がりして転売が出来ない事もある。中国や新興国の大都会にはビルの好立地が山のようにあり値上がりして転売してファンドは儲けて来た。しかし中国のビルラッシュもそろそろ限界だろう。

ドバイの世界一高いビルも資金に行き詰まって名前まで変わりましたが、転売できなければ不良資産としてファンドや銀行の不良資産として重くのしかかる事になる。国がどのようにして不良資産を解消して行くかが問題になりますが、日本のように長い年数をかけて解消して行くか、一気にデフォルトしてビルを二束三文でハゲタカファンドに売るかされるだろう。

中国で建てられている超高層ビルは多くは転売用のものであり、アメリカのヘッジファンドは最後は売り逃げて安全な米国債を買っている段階だろう。中国のバブルが崩壊して二束三文でビルが売りに出されれば只同然で買うときの資金のためだ。このような光景は90年代の日本でも見られましたが、不良債権として吐き出されたビル意外と少なかった。多くの銀行が持ち堪えてしまったからだ。

国債は現金に順ずるものであり、おまけに利息まで付く。国債の担保掛目は95%で金利も安く、だからバブル時代の土地のようなものだ。テレビでは国債は借金だとバカなコメンテーターが言っているが国債は資産であり、土地以上に担保掛目は大きいから、これほど有利な資産は無い。だから国債は銀行や投資家たちに飛ぶように売れている。

もし数億円の現金を持ち出そうと思えばボストンバックが必要になりますが、国債の証券ならカバンの中に数億ドルでも隠し持って移動する事が出来る。つまり国債はダイヤモンドや金の地金などよりも便利な資産なのだ。ヒントになるニュースがありましたが日本人は誰も気がつかないようだ。


額面13兆円! 邦人2人の“米国債”持ち込みの狙いは? 2009年6月22日 産経新聞

 50代と60代の日本人2人が、イタリアからスイスに額面総額1345億ドル(約13兆円)のニセの“米国債”を持ち込もうとして伊財務警察に事情聴取された。債券は精巧に造られていたが、額面などから実際には存在しないものであることが分かったため、2人は逮捕を免れ、姿をくらました。当初は秘密資金をスイスに隠そうとした北朝鮮工作員との説も浮上するなど、憶測が憶測を呼んでいる。

 ■国境の町

 現地からの報道によると今月1日、イタリア北西部からスイスに入ったキアッソ駅で、日本旅券を持った身なりのよい男2人が「申告品なし」と言って税関を通り抜けようとした。4月には、日本人から依頼を受けたイタリア人の男が額面総額約2兆円のニセ日本国債をスイスに持ち出そうとした事件があったため、伊財務警察は2人の所持品を検査した。

 かばんからは額面5億ドルの“米国債”249枚と、故ケネディ米大統領時代に発行された額面10億ドルの“ケネディ債”10枚が出てきた。米財務当局に問い合わせたところ、ニセの証券とわかった。2人は携帯電話を4台ずつ、警察の制帽のように見える帽子も2つ所持していた。

 イタリアでは、債券が本物の場合、無申告で国外に持ち出すと巨額の罰金刑が科せられるが、偽造品の場合は使用したりしなければ罪に問えないため、2人は無罪放免された。2人は国際金融都市チューリヒに向かう途中だった。 (後略)



(私のコメント)
国債は現金に順ずる信用のある”資産”であり、財務省のバカ役人が借金!借金!と騒ぎ立てるのは国債が何であるのかが知らない証拠だ。特に日本とアメリカの国債は信用度が高いから、ギリシャの国債とはわけが違う。




AmazonやGoogleがソフトだけやってるように思ってい
る人がいて、驚く。梅田望夫、野口悠紀雄もその口だった。


2010年7月30日 金曜日

米アマゾンがキンドルで価格攻勢、1万2000円の機種投入 7月29日 ロイター

[シアトル 28日 ロイター] 米アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>は28日、電子書籍端末「キンドル」の第3世代モデルと、WiFi(無線LAN)接続のみをサポートする廉価版モデルの予約販売を開始した。両モデルとも出荷開始は8月27日の予定。
 第3世代モデルは、現行機種に比べて約2割小型化し、重さも15%軽量化。価格は189ドル(約1万6500円)で現行機種から据え置いた。
 一方、廉価版モデルは139ドル(1万2000円)で販売する。アナリストが大衆商品化への条件と指摘する99ドルを若干上回る価格だが、米アップル<AAPL.O>のタブレット型端末「iPad(アイパッド)」が電子書籍市場で存在感を増すなか、廉価版投入でユーザー層を一段と拡大させる狙いがある。
 アマゾンはキンドルの販売台数実績を公表していないが、先月に価格を259ドルから189ドルに値下げして以降、販売台数の伸び率が3倍に伸びたことを明らかにしている。
 ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は、シアトルの本社での取材で、今回の価格設定により一家で複数台を持つユーザーが現れるなど、キンドルの普及が一段と加速するとの期待感を示した。


新しいものづくり 5月28日 中村正三郎

やっぱり、ついでだから新しいものづくりについて、少しだけ。
 よく、経済学者、評論家、エコノミスト、アナリストの連中は、ものづくり
の時代は終わって、これからはサービスの時代だ、日本企業のものづくりはだ
めで、サービス業になれなどというでしょ(*1)
 ああいう感覚が不思議なんだよね。
 Amazonの商売は何? 小売業?
 Googleの商売は何? 広告業?
 おれにとっては、どっちも、ものづくり企業。製造業なんだよね。

 彼らがやっているネット上の小売業、サービス業だって、規格があって、工
学があって、科学があって、数学があって、仕様があって、実装があって、テ
ストがあって、品質管理があるんだよ。これ、フツーに製造業でしょ。
 AmazonやGoogleは、技術のある製造業の企業が、「たまたま」小売業や広告
業をやってるふうにしかみえないけどね。卓越した技術開発をやって、高付加
価値を生み出しているわけでしょ。
 いまのサービス業、小売業がものづくりじゃないってどういうこと?
 製造業、小売業、サービス業といった分類がすでに時代に合ってないんじゃ
ないか。
 堺屋太一の知価社会じゃないけど、高度な知的作業で高付加価値を生み出し
ている企業かどうかの評価軸は、必要だと思うよ。

 おれ、知識社会という言葉はあまり好きじゃないのね。知識というと、生き
ている感じがせず、単にデータとして頭に貯め込んだだけで、固定されて死ん
でいる感じがする。
 そんな「知識」で他社からリードを奪えるなんてあり得ないからね。

 それと、日本はソフトが弱いからこれからはソフトを強化しろなんてのもい
うでしょ。
 あの言い方は、ソフトをハードにあとから接ぎ木するようなニュアンスを感
じる。あの感覚もわからない。
 ハードもソフトも工業デザインも最初から一体としてあるものでしょ。
 Appleが調子がいいもんだから、急にAppleのものづくりが賞賛されているが、
何度も書くように、Appleは昔からハード・ソフトの一体設計・一体開発。倒
産の危機に瀕してもそこは変えなかった。経済評論家、経済学者、エコノミス
ト、アナリストの連中からぼろくそに言われたけどね。

 いまはAppleの調子がいい。すると、どうだ。経済評論家、経済学者、エコ
ノミスト、アナリストの連中は、今度は、Apple万歳、Appleのものづくりは新
しいだって。こいつらバカか。

 Appleは、いま、プロセッサも自社でやっている。A5というプロセッサね。
それはなぜかってこと。IBMもプロセッサとコンパイラ技術は捨ててないどこ
ろか、継続的に投資している。それはなぜかってこと。
 経済評論家、経済学者、エコノミスト、アナリストといった目先しか見えな
い、そして技術理解力が皆無の連中のいう水平分業論や投資効率からいえば、
無駄なことをずっと何10年もやり続けている。それはなぜかってこと。

 日本のメーカーはその辺、ほとんど捨てたちゃったもんね。経営陣がバカで、
経済評論家、経済学者、エコノミスト、アナリストの言うことを真に受けたん
じゃないか。


 ちょっと脱線するが、AmazonやGoogleがソフトだけやってるように思ってい
る人がいて、驚く。梅田望夫、野口悠紀雄もその口だった。
 Amazonは、Kindleという一般向けのハードも出して、ハードもやっているこ
とが目に見える形になったが、Googleもほとんど情報は出てこないけれど、ハ
ードもやっている。

 Andoroid携帯の話じゃなくて、自社のデータセンターで使うものは、自社で
設計して特注品を使っているんだよね。
 その特注品は、たとえば、熱発生が少なく冷却の電力消費を抑えられるなど
という代物なのね。Googleレベルになると、何10万台、何100万台分の注文に
なるから、コスト的にも見合うし、製造する会社もあるわけ。
 結局、いくらネットだ、ソフトだといったところで、物理的法則には逆らえ
ないし、物理的な制約からは逃れられない。特にエネルギーとエントロピーか
ら逃れようがない。コストを下げて利益を出そうと思ったら、ソフトもハード
も考えるはずだよね。
 梅田望夫が、「ウェブ進化論」を書いたころだってそうなんだよ。彼にはみ
えないだけ。あれで技術コンサルタントをやってられるというのが、ある意味、
素晴らしいよ。


 もっと脱線するが、ライブドアが大騒ぎだったころ、マスコミの論調、出て
くる評論家連中は、ライブドアは虚業で何をやってるかわからない怪しい会社
という情報操作、印象操作を繰り返したよね。
 何をやってるかわからないのは、ライブドアが、ネットのポータルや証券や
らあれこれやってたからだそうだが、じゃ、たとえば、おれが毎日お世話にな
っている京王電鉄グループはどうなの?
 鉄道だけじゃなくて、不動産、本屋、パン屋、ネット屋、あらゆることをや
ってるよ。それでなぜ、何をやってるかわからない会社にならないの?
 ライブドアは、ネット上の電鉄会社だと思えば、なんてことないよというこ
とは、書いたよね。
 楽天だって、証券やらあれこれやってるよ。なぜ、何をやってるかわからな
い会社にならないの?
 要は、あのときのマスコミや評論家は、バカばっかりだったということでしょ。

 目先しか見えない、そして技術理解力が皆無の連中が、やれ、構造改革しろ
だの、イノベーションを起こせだの、破壊的イノベーションを起こすにはこう
しろだの、これからはなんとかの時代などと騒ぐ。

 バカの底が知れないよ。
 お前らの脳味噌こそ、構造改革しろ。破壊的イノベーションを起こしてなん
とかまともにせえよ。


Kindle」新モデル、日本語表示対応 7月30日 中村正三郎

Kindleの場合、世界共通の3G通信なんだってね。しかも、Amazonにアクセスし
てKindleの電子ブックを買う通信料はかからない。つまり、Kindleとその電子
ブックの値段は、通信料も込みなのね。それであの値段だから、かなり安いと
思うし、ビジネスモデルとしてもなんかすごいなと。

--- ここまで ---
という世界に、WiFI対応だもんね。
 コンストラストも上がり、ページめくりも早くなりで、iPadより電子書籍を
読むのは、こっちが本筋のように思えるね。

 ただ、カラーがね。図解や図鑑などは、厳しいと思うわ。

 それよりも何よりも日本だと、いくらKindleが日本語表示対応になっても、
コンテンツである日本語の書籍がね。
 いろいろよくない噂も聞こえてくるよ。既存の新聞社、出版社が利権を守る
ためにどうのこうのなどというお話。

 そんなこんなで、日本は世界に遅れ、知的水準、文化水準、生活水準、技術
水準、その他諸々が低下して、列島国になると。情報省の狙い通りじゃん。\(^O^)/
 あおぉ、劣等国の間違いではないでしょうか。列島国なら、日本は昔から列
島国なんですが。
 はい、そうですね。\(^O^)/


(私のコメント)
電子書籍の事は何度も書いてきましたが、アップルのアイパッドに対抗してアマゾンも新型キンドルを発売しました。廉価版は12000円程度らしい、しかも通信料は込みだとするとかなりお買い得になります。アマゾンにしてもそれだけ電子書籍が売れるのだから通信料込みでも商売になるのでしょう。

アップルのアイパッドは何度か手にして見ましたが電子書籍としては重過ぎる。アイパッドが700グラム近くあるのに対してキンドルは250グラム程度で片手で持って読むことが出来る。電池の持ちもアイパッドは10時間ほどですがキンドルは3週間から1ヶ月も持つから経済的だ。それは電子ペーパーを使っているから一度表示すればほとんど電気を使わずに保持できるからだ。

日本は電子書籍に関してはカヤの外であり、いったい日本の情報家電メーカーは何をしてきたのでしょうか? パナソニックやソニーは電子書籍端末を発売していましたが、売れなくて二年前に撤退してしまった。アップルやアマゾンのようにビジネスモデルを確立できなかったせいもありますが、電子書籍がアメリカでこれほどのブームになるとは誰も思っていなかったのでしょう。

既にアマゾンではハードカバーの本よりも電子書籍の売上げの方が多くなっていると言う事です。それに対して日本では電子書籍に関しては小さなところが試験的に販売しているのみで、本格的な電子書籍が売り出される見込みは立っていない。アイパッドを買った個人が本をばらしてスキャナーで電子書籍化して読む人も出てきました。

数年前にあったソニーの電子書籍端末は液晶で4万円前後もして高くて読める本も僅かしかなかったから売れなかった。それよりも携帯で読むことが主流になり電子書籍は見込みが無いと判断したからでしょう。しかし2年前ならアマゾンがキンドルを発売していて電子書籍のブームの兆しはあった。


電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退 2008年7月1日 ITmedia

松下は、電子書籍専用モノクロ端末「ΣBook」を2004年に3万7900円で、カラー端末「Words Gear」を2006年に4万1790円(直販サイト価格)で発売したが、ΣBookは数千台程度、Words Gearは約2400台しか売れなかった。Words Gearは当初、初年度1万台程度の出荷を見込んでいたというが「専用端末の大きさや重さがユーザーに受け入れていただけなかったのだろう」と同社広報担当者は話す。

ソニーは米E Inkの電子ペーパーを採用した「LIBRIe」(リブリエ)を2004年に実売価格4万円前後で発売したが、「販売台数が伸びず黒字化できなかった」として07年5月に生産を終了した。PCとリブリエ向けに電子書籍を配信していた「Timebook Town」(100%子会社のタイムブックタウンが運営)も来年2月末に閉鎖する。


(私のコメント)
日本の家電メーカーが不調なのは決して円高ばかりのせいではなく、製品を作って売るといった単純なビジネスモデルばかりで、任天堂のようなソフトとハードをセットで売るといったビジネスモデルを作ることが出来ない。パソコンにしてもマイクロソフトとインテルのソフトとハードを組み合わせて売るだけのメーカーになってしまった。

それに対してアップルは倒産寸前になってもソフトとハードの垂直統合型の経営姿勢は崩す事はなかった。日本の経済評論家やエコノミストはこれからは水平分業の時代だと言っていたから、日本のメーカーは韓国や中国のメーカーと限りない価格競争に巻き込まれてしまった。

任天堂の利益率が高いのもソフトとハードをセットで売っているからですが、アップルのソフトとハードをセットで売っているから、今年はマイクロソフトを時価総額でも上回るほどの企業になった。日本の家電メーカーも真似だけはちょこっとやるが売れないと直ぐに止めてしまう。ソフトなども下請けに任せて作らせるから売れないと直ぐに切り捨ててしまう。

昔から松下電器はマネシタ電気と言われていたくらいだからソニーの真似ばかりして業績を伸ばしてきた。それが今では韓国のサムスンに真似られてお株を奪われてしまっている。お株を奪われずに業績を伸ばすにはアップルや任天堂のようなソフトとハードをセットで商品開発していかないと韓国や中国に直ぐ真似されればそれでお終いだ。

ソニーやパナソニックにアップルやアマゾンやグーグルのような企業になれと言うのも業態が違うから無理なのでしょうが、アマゾンやグーグルも物作り企業であり、物作りをやめてしまえば国家の繁栄はない。日本の経済学者やエコノミストの言う事を信じていたらとんでもない事になるだろう。




「海外で働きたいか」を聞いた質問では「働きたいと思わない」が49・0%
と半数近くを占めた。20人に1人は「退職覚悟で断固断る」と回答した。


2010年7月29日 木曜日

「内向き」志向広がる新入社員 産能大グローバル意識調査 7月28日 産経新聞

産業能率大学が28日発表した「新入社員のグローバル意識調査」で、2人に1人が「海外で働きたいと思わない」と回答し、新入社員の「内向き志向」が強まっていることを浮き彫りにした。2001年の調査に比べると海外志向の弱い層は20ポイント以上増加。海外志向の強い層も増加傾向にあるものの、企業にとっては、進展するグローバル化に対応可能な即戦力の確保が難しくなっているようだ。

この調査は、01年から3年ごとに行われ、今回で4回目。今年4月に新卒採用された18〜26歳の新入社員400人を対象に実施された。

 「海外で働きたいか」を聞いた質問では「働きたいと思わない」が49・0%と半数近くを占めた。その理由として「海外勤務はリスクが高い」「自分の能力に自信がない」が50%以上あったほか、そもそも「海外に魅力を感じない」も44・4%あった。

 海外赴任を命じられた場合の対応では「仕方なく従う」としぶしぶ受ける層が4割あったものの、20人に1人は「退職覚悟で断固断る」と回答した。

 また、外資による日本企業のM&Aに関する問いでは44・0%が「自然なこと」と回答。6割以上を占めた04年に比べると外資への理解は低まっており、経営トップや上司に外国人が就くことにも5割以上が抵抗感を示している。

 一方、「どんな国でも働きたい」との回答も27・0%を占め、9年前に比べて10ポイント上昇するなど「海外に打って出よう」との意識を持つ新入社員もいないわけではないようだ。

 「内向き志向」の広がりは日本製品にみられる「ガラパゴス化」が人材面にも広がっている表れともいえ、日本の競争力や成長力の鈍化につながる懸念も強まりそうだ。



「内向き」で何か問題でも? 2009年1月5日 内田樹

先日、苅谷剛彦さんと対談したときに、日本のように「国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が1億以上」というような市場をもつ国は世界にほとんど存在しない、ということを指摘していただいて、「ほんとにそうだよな」と思ったことがある。

「国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が一億以上」いるということは、言い換えると、「日本語を解する読者だけを想定して著作や出版をやっていても、飯が食える」ということである。

日本人が「内向き」なのは、要するに「内向きでも飯が食える」からである。
「外向き」じゃないと飯が食えないというのは国内市場が小さすぎるか、制度設計が「外向き」になっているか、どちらかである。

たしかほんの2年ほど前までは「アメリカではこうである」ということがビジネスモデルとしては正解だったはずであり、その当時、かのテレビ番組に出ていた識者たちも口々に「アメリカのようにしていないことが日本がダメな所以である」と口から唾を飛ばして論じていたかに記憶している。

その発言の事後検証については、どなたもあまり興味がなさそうである。
しかし、「自分の判断の失敗を事後検証すること」こそ「今採用している問題解決の仕方とは別の仕方を採用した場合には何が起きたかというシミュレーション」の好個の機会である。
その機会を活用されないで、いつ彼らはその知性のたしかさを証明するつもりなのであろう。

興味深いのは、この「日本と比較してもしようがない他国の成功事例」を「世界標準」として仰ぎ見、それにキャッチアップすることを絶えず「使命」として感じてしまうという「辺境人マインド」こそが徹底的に「日本人的」なものであり、そのことへの無自覚こそがしばしば「日本の失敗」の原因となっているという事実を彼らが組織的に見落としている点である。

こうも立て続けに日本の選択が失敗しているというのがほんとうなら、「日本の選択の失敗」のうちには「日本の選択の失敗について論じる言説そのものの不具合」が含まれているのではないかという懐疑が兆してよい。

ある人が、立て続けに人生上の選択に失敗していたとしたら、私たちはその理由を彼が「成功した誰かの直近の事例をそのつど真似していないこと」にではなく、むしろ「彼の選択の仕方そのものに内在する問題点」のうちに求めるであろう。
ふつう私たちがバカなのは、私たちが「りこうの真似をしていない」からではなく、端的に私たちがバカだからである。

そう考えてはじめて「私たちの愚かさの構造」についての吟味が始まる。
別に私は識者たちの知性の不具合を難じているのではない。
個人レベルではできることが国家レベルではできないということはそれが、それこそが「日本の問題」だからである。
私たちがうまく問題を解決できないのは、私たちの問題の立て方が間違っているからである。

外国人に何を言われようと「明日の米びつの心配をしなくてよい」ということが私のライティングスタイルを決定的に規定している。
しかし、今の日本のメディアを見る限り、自分が100%国内仕様のライティングスタイルを採用しているということをそのつど念頭に置いて書いている人はあまり多くない(ほとんどいない、と申し上げてもよろしいであろう)。

中には「英語で発信すれば世界標準になる」と思って、「私はこれから英語でしか書かない」というようなとんちんかんなことを言う人もいる。
だが、世界仕様というのは要するに「世界市場に進出しなければ飯が食えない」という焦慮、あるいは飢餓感のことである。


「私はこれから英語で発信して、世界標準の知識人になるのだ」ということを日本語で発信して、日本の読者たちに「わあ、すごい」と思わせて、ドメスティックな威信を高めることを喜んでいる人間は、夫子ご自身の思惑とは裏腹に、頭の先からつま先まで「国内仕様の人」なのである。

失礼だけれど、骨の髄まで国内仕様でありながら、世界標準を満たしていると思い上がっている人間は、自分が世界標準とまるで無関係な「ドメスティックプレイヤー」であることを知っている人間より、さらに世界標準から遠いのではないかという危惧はお伝えしておかなければならない。

帝国主義国家が植民地獲得に進出して、よその人々を斬り従えたのも、「世界市場に進出しなければ(たのしく)飯が食えない」と彼らが(たいていの場合は根拠もなく)信じ込んだからである。

私は人間たちが「外向き」になったことで人類が幸福になったのかどうか、まだ判定するには早すぎるのではないかと思っている。
「家にいてもたのしく飯が食える人間」は「世界標準仕様」になる必要がない。
そして、私は「家にいてもたのしく飯が食えるなら、どうして寒空に外に出て行く必要があるものか」とこたつにはいって蜜柑を食べている人間である。

「内向き」が繰り返し問題とされるのは、「内向き」では飯が食えないビジネスモデルを標準仕様にしたからである。
「外向き」になるにはアメリカにはアメリカの、フィンランドにはフィンランドのそれぞれの「お国の事情」というものがある。その切ない事情についてはご配慮して差し上げるべきであろう。
だが、わが日本にはせっかく世界でも希なる「内向きでも飯が食えるだけの国内市場」があるのである。



(私のコメント)
最近の日本の内向き志向はいろいろな所に表れて来ている。情報家電についても日本メーカーは国内市場にばかり力を入れて、携帯電話などガラパゴス化していると言われています。自動車メーカーなどももっぱら欧米向けであり新興国などは韓国製や中国製の車が多くなって来ています。どうして家電製品や自動車で韓国や中国に負けてしまうのでしょうか?

円高で価格競争力で不利になるという事もありますが、日本メーカーの社員でも海外でやる気のある社員が少なくなってきたからではないだろうか? 産経新聞の記事にもあるように新卒社員でも半数が海外での勤務を望まなくなって来ている。20人に1人は退職覚悟でも断ると言う結果が出ています。それほど海外勤務を避ける理由は何だろうか?

国連などの職員でも、日本人職員を募集してもなかなか集まらない事は前々からありましたが、海外で働きたがらない日本人が増えてきているのは確かなようだ。しかし企業側から見れば海外進出して国際化を目指す企業は増える一方だ。国内産業といわれていたコンビニや外食チェーンなどの海外進出も多くなっています。

このような状況で社員に海外勤務を命ずるのは喜ばしい事ではないようだ。だから海外勤務を命じても2年から4年で呼び戻す条件で海外勤務を命ずるj事が多くなるだろう。家族などがいれば子供の教育などの問題があるから単身赴任とかいう事になる。駐在員の妻たちも欧米であっても生活に馴染めないでノイローゼになる人が多い。

昔は海外勤務はエリートコースであり出世階段でもあったのですが、最近は何処に飛ばされるかわからないと言った状況で、そのような状況が新入社員にも分かってきたから海外勤務を避けるようになって来たのだろう。これではアジアやアフリカ市場で韓国や中国に負けるのは仕方のないことなのかもしれない。今では出世コースから外れるとアフリカ勤務などをやらされたりする。

最近ユニクロや楽天が英語を社内の公用語とするニュースがありましたが本気なのだろうか? 社長が国際企業を目指すと言う意味でのパフォーマンスなのかもしれませんが、社内で日本人同士が英語で議論が出来るのだろうか? 日産のように社長が外人になって英語が公用語になってしまう事に対しても5割以上が抵抗感を感じている。

楽天やユニクロに優秀な社員が集まればいいのですが、英語が公用語だから入社するのはやめようと言う新入社員も出てくるようになるのではないだろうか? 英語が出来ないと言うことで幹部社員になれないのなら入るには止めようと考える若い人が出て来てもおかしくは無い。

日本人が内向きになった原因としては海外を目指さなくても日本で食えると言う理由があるからだろう。海外を目指さない日本人社員が増えれば経営判断として外人を雇って海外での事業を目指さねばならない。その為には社長が英語や外国語に堪能になって外国人幹部社員を使わねばならないから、社内の公用語を英語にするよりも社長が英語を話せばすむことだ。

日本企業がなかなか海外展開できないのは社長が英語が出来ない為であり、国際会議などでも英語で議論できる社長はどれだけいるのだろうか? 英語が出来ても経営が全くダメだったソニーの出井社長のような例もあるから国際企業の社長は難しい。内向き志向と英語公用語化は深いところでは関係しているのだろう。

海外留学と言えばアメリカ留学が圧倒的に多かったのですが、多くが語学留学ですが最近ではアメリカへの留学生が激減しているそうです。企業が国際化を進めているのだから英語が出来る人材は引っ張りだこだと思うのですが、就職難の時代にアメリカ留学が減ってしまうのはなぜだろう?

例えばアメリカに留学経験があり英語が出来る事で企業に採用されたとすると、必然的に海外勤務を命ぜられる可能性が多くなる。英語が出来る事で採用されたのだから必然的にそうなるだろう。それに対して若い人は英語を覚えない事で海外勤務を回避しようとしているのではないだろうか? 外務省ですら英語が出来ない役人がかなりいる。

このような若い人の海外嫌い、英語嫌いはなぜなのだろうか? それは親から「勉強しなさい」と言われれば言われるほど勉強嫌いになるのと同じではないだろうか? テレビなどでも若者は海外を目指せと言った言葉が氾濫していますが、企業が一生懸命海外志向や英語社内公用語化を煽っているからですが、ますます英語嫌いや海外嫌いを作り出している。

楽天やユニクロといった企業が英語を公用語化する時代なのに、大手の英会話学校が相次いで倒産するのはどうしてなのだろうか? 日本人の内向き志向とも関係があるのではないだろうか? それに対して漢字検定試験がブームになっているのは何故なのだろうか? 

日本人にとっては英語が出来なくても恥ではないのに、漢字が読めないとテレビなどで全国で笑い者にされる。NHKでアナウンサーが漢字を読み間違えると日本中から電話が殺到する。日本では英語が出来る事よりも漢字の読み書きのほうが知的レベルの判定を下されやすい。麻生総理はそれが致命傷になってしまった。

だから帰国子女が英語がぺらぺらなのに漢字の読み書きが出来ない、日本語がおかしいといった事になると使えないと言うことになってしまう。あるいは外国の文化に馴染みすぎてしまって日本の企業文化に順応できなくて孤立してしまうと言った事もある。企業サイドから見れば海外志向で英語もぺらぺらな新入社員が増えて欲しいと言う気持ちも分かりますが、日本語が出来る外人社員を雇った方が早いのではないだろうか?

つまり内向きで英語嫌いになってしまった日本人を雇うよりも、アジアや欧米からの留学生を増やして日本語を教えて日本企業で採用を増やしていけば、英語の出来ない日本人学生を採用するよりも効果が上がるだろう。22世紀には日本が世界の覇権国になり日本語が世界の公用語になると書くと冗談に思われますが、アメリカが世界の覇権国であり英語が公用語だという常識は数十年後には変わってくるだろう。

日本人が内向き志向になってきたのは、無意識的にそれを感じているためであり、アメリカの一極覇権的な世界から多極化してきて、日本もその一極になるからだろう。内田氏が書いているように1億人以上の十分なリテラシーを持つ国民がいる国家は日本しかないからだ。日本の高機能な携帯や情報家電を使いこなせる国民が1億人もいる国家は確かに世界にはない。




職業訓練を受けた人でも採らない一因は年功序列賃金にあります。
そこを変えないと何兆円職業訓練につぎ込んでも実りはない。


2010年7月28日 水曜日

自動車関連製造業が人材不足で苦慮、景気不透明で増員踏み切れず/神奈川 7月27日 神奈川新聞

自動車関連製造業が工場の人員施策で苦慮している。受注が回復し人材は不足しているが、景気の先行きは不透明で大幅増員には踏み切れないでいる。自動車輸出は好調な一方、国内では9月末にエコカー補助金が終了する。労働者派遣法改正論議も見通しにくい。人員施策を左右するさまざまな要因が交錯する局面で、難しい対応を迫られている。

 「派遣切りや雇い止めは、もう二度としたくない」。日産車体(平塚市)の工場稼働率はピーク時の8割程度に戻った。2008年末ごろの急減産で派遣従業員を全面的に雇い止めにした影響で、今は逆に人員不足になっている。

 回復した受注をこなすために日産自動車の他工場や別の製造業から人員を融通してもらっているが、それでも「残業と休日出勤でなんとか対応している」と渡辺義章社長は現状を明かす。

 リーマン・ショック直後の08年下期には仕事を分け合うワークシェアリングが脚光を浴びたが、今は「まったく逆の状況」。1人当たりの労働量は増えているという。

 その日産車体に昨年7月、約10人を応援に出していたプレス工業(川崎市川崎区)。当時は工場稼働率が3割程度まで落ち込み人員に余剰感があった。だが今春から中国向けなどの建設機械やトラックの需要が急回復。一転して人員不足に陥った。

 かつてなら派遣社員を雇うところだが「そういう社会情勢ではない。(直接雇用の)期間従業員も、先行きを考えると雇い続けられるかどうか。派遣法改正論議の行方も見通しにくい」と真柄秀一社長。揺れる政治情勢も絡み、手が打てない。


 中小企業の悩みはさらに深い。規模が小さく融通が利きにくいためだ。相模原市の計測器メーカーは4月以降、自動車業界などから注文が急増したが、人員不足で3分の1程度を見送らざるを得ない状況に陥っている。

 通常なら1〜3カ月の納期も、今では6カ月以上かかるという。「せっかくの注文をキャンセルするのはつらい。かといって人材は増やせない」と幹部は窮状を明かす。


正社員は既得権益か?――湯浅誠氏・城繁幸氏が、雇用、セーフティネットをめぐり徹底討論 2009年11月17日 東洋経済

大企業正社員が邪魔をしているのか

 大企業は職業訓練を受けたとしても、非正社員を正社員として迎えるつもりはないですよ。正社員の解雇規制を緩和しろというと財界べったりと批判されますが逆です。トヨタ自動車もキヤノンも終身雇用でいくと言っている。要するにウチの正社員は終身雇用でいきます、ただ非正社員は雇用の調整弁で使いますよと彼らは言っているわけです。

湯浅 派遣法の規制強化の問題も、二言目には人件費増に耐えられず潰れる、海外に逃げると言われますが、企業はなぜ期間工なりアルバイトなりの直接雇用でなく間接雇用の派遣の活用を望むのですか。かえってコスト高となりそうですが。

 二つあります。一つは人材募集、管理の負担を委託できる。もう一つは直接雇用することで労使関係が生じてしまう。そのリスクをヘッジするために派遣会社を間に入れているのです。だから、もし解雇の金銭解決が導入されて、たとえば2〜3カ月分の給与を上乗せするなら何年契約社員をしてても解雇できるとなれば、大企業は派遣会社なんて使いません。

湯浅 城さんの考えでは諸悪の根源は解雇規制ということになるわけだ。私もフレキシキュリティ政策は評価しますが、それは失業しても生きていけるという状態がなければ無理ですよね。失業しても生きていける、たとえば職業訓練に対する企業のコミットメントなど外部労働市場をつくることに企業も参加してもらわないと。そう問題を立てないと実際に物事は動かなくありませんか。

 職業訓練を受けた人でも採らない一因は年功序列賃金にあります。そこを変えないと何兆円職業訓練につぎ込んでも実りはないですよ。

湯浅 大企業の正社員がどれだけのパイを奪っているんでしょうか。そんなに敵は大きいのかと疑問に感じてしまう。経営者報酬や株主配当のほうが問題になりませんか。

 経営者の報酬は大体大手の平均で5000万円くらいですよ。その会社の正社員の5倍未満です。上場していると赤字転落ともなれば大幅に下げないといけないし、その意味で彼らは責任を取ってますよ。株主配当で言うと配当性向は欧米の主要企業と比較しても4割程度と高くはない。だからそれよりむしろ、日本の大企業全体を覆う正社員サロン、中小企業や非正規労働者を使うことで維持しているヒエラルキーのほうが大きな問題だと思っています。


(私のコメント)
秋葉原の無差別殺傷事件の裁判が行なわれています。「株式日記」では派遣労働そのものは認めても同一労働同一賃金にすべきだと言うことを主張してきましたが、そういうと正社員の方から賃下げや雇用不安につながると言う反論が起きます。つまり現在の正社員は非正規労働者の雇用調整によって支えられている面があります。

経営サイドから見れば同一労働同一賃金は受け入れても、正社員労働組合から反対が起きる。神奈川新聞の記事においても、仕事が増えて人手不足が起きているが派遣社員を増やすに増やせないで困っている。一昨年に派遣切りや雇い止めなどで社会的な批判を浴びていたからだ。

しかし景気変動などによって工場などは人員調整に迫られますが、正規社員の3分の1の給料の派遣社員は使い捨てにされてしまう。もし正社員と同一賃金であれば契約期間が切れたとしても次の派遣先を見つけるまでは何とかしのげるだろう。あるいは派遣社員も失業保険に入って6ヶ月間は保険金がもらえるようになるかもしれない。

同一労働同一賃金が取り入れられない理由の一つには年功賃金体系があり、労働内容に関わらず年功によって賃金が上がっていく賃金だから、非正社員が入ってくると同一労働同一賃金は年功賃金体系とは整合性が取れない。もし取り入れれば若い社員と中高年社員は仕事が同じなら賃金も同じで無ければならなくなる。

年功賃金体系は社会保障がまだ充実していない時期において企業が社会保障の代わりとして面倒を見ていた面があります。だから同一労働同一賃金は社会保障が充実していないと採用する事は難しいだろう。中高年になって賃金が上がらないと子供の教育や家族の扶養などに不都合が起きてしまう。だから年功賃金を廃止したくても社会保障の充実が伴ってなければならない。

日本では一度年功賃金がもらえる正規社員のコースから外れてしまうと元に戻る事は難しい。正規社員のリストラもなかなかしにくいのも年功賃金や社会保障などのセーフティネットなどの充実が無いからだ。小泉構造改革によって派遣労働も大幅な規制緩和が行なわれましたが、欧米の派遣労働とは似て非なるものだった。


派遣労働者が受け取る賃金は必ず正規以上と法定が、正規の半分以下 派遣のピンハネ率は10%未満と法定が、ピンハネ率は平均40%以上 2008年6月15日 株式日記

1)派遣労働者が受け取る賃金は必ず正規以上と法定 vs 正規の半分以下
2)派遣労働が2年超だと直接雇用義務 vs 期限撤廃して無期限派遣
3)派遣のピンハネ率は10%未満と法定 vs ピンハネ率は自由、平均40%以上
4)企業が支払う総額はガラス張り vs けっして派遣労働者に教えないブラックボックス
5)派遣労働者の巨大全国組合がある vs 何も無い
6)派遣労働は事業拡大時などにのみ使うと法定 vs 正社員をクビにしてどんどん派遣に置き換えてよい

日本の非常識の記事に書かれているように、日本の人材派遣会社は給与のピン撥ね率が高くて、10%以内という規約が日本では40%もあるそうだ。これではヤクザの手配師と変わらないし、日雇い派遣は要するに日雇い労働者の事であり、もはやセーフティネットからも外れてしまった人たちだ。

共産党に志井委員長は労働者派遣法が労働者ではなくて派遣会社を保護する法律となっていると告発しているが、トヨタやキヤノンなどが偽装請負などの違法行為を行なっても処分はされず公表もされていない。しかし国会でこのように告発されるとトヨタやキヤノンは慌てて偽装請負を切り始めた。

秋葉原の無差別殺人を犯した加藤容疑者は、トヨタの子会社への派遣社員だったが、6月いっぱいで切られる事が事件の引き金になった。加藤容疑者の切れやすい性格が事件の原因でもあり、派遣労働以外にも事件の原因となったことはある。しかし状況が重なれば第四第五の無差別殺人事件は起きる状況が現代の日本にはある。


(私のコメント)
このようなデタラメな規制緩和を行った為に、派遣労働者の現状は悲惨な目にあっていますが、社会保障の充実やセーフティネットの充実は後回しにされてしまった。派遣会社のピンハネ率の40%は非常識なものでありヤクザの手配師のピンハネ率と大して変わりがない。だから社会的批判が大きくなったのだ。

民主党政権が出来たのも小泉構造改革の歪みが大きくなってきたからですが、菅民主党政権は派遣法改正を先送りにしてしまったし、社民党は政権離脱してしまった。民主党の政権基盤には正社員の組合があり派遣法改正に反対の動きもある。つまり民主党は票稼ぎのために派遣法改正をマニフェストにうたいながら、政権をとってしまえばポイ捨てにするつもりだったのだろう。


民主党マニフェストから派遣法改正が消えた。消費税や郵政民営化も、民主党は有権者を裏切ったから大敗したのだ。民主党は騙したのだ。 7月25日 株式日記

民主党は衆議院選挙マニフェストで「派遣労働者と派遣先労働者の均等待遇原則を確立する」としていましたが、民主党は公務員組合と正社員組合の団体であり、非正社員を支持母体とはしていなかった。もっぱら共産党や社民党などが主張してきましたが、今回の選挙では議席を落とした。

派遣社員の多くは政治も無関心な若者が多く選挙にも行かない人が多い。数も正社員の方が多いから非正社員の声を反映する政党は小政党しかない。だからこれからも非正規社員の待遇改善に向かう力は弱く、公務員や正社員組合の既得権擁護の力のほうが大きい。となると秋葉原やマツダの工場などで起きた無差別殺人テロが起きるだろう。





佐藤栄作は「参議院を制する者が政界を制する」と言ったが、
1票の重みの少ない一人区で勝利した政党が、政権与党を追いつめる。


2010年7月27日 火曜日

政治の本質 7月19日 ラブコメ政治耳鳴全日記

ともかく民主党は過半数を失って「再びねじれの時代へ」となったが、3年前と異なり民主党はなお第一党は維持している。そのため我々が学ぶべき過去は89年の参院選か98年の参院選後の政局である。89年の参院選後自民党は公明党や民社党と政策ごとの部分連合を行い(その時の自民党幹事長は小沢である)、98年の参院選後は自由党をエサにして公明党を抱き込んだ。ただし二例とも選挙で負けた首相(自民党総裁)が辞任して「けじめをつけた」後によるものであり、今回のように戦った相手がそのまま居座っているようではなかなか手を結ぶことはできないであろう。そのあたり自民党は実にしたたかであったが、今の民主党にそれはない。小沢は自ら辞任することで状況を有利にしたが、「反小沢」執行部の面々にそのような芸当はできない。なぜなら「正しい理屈を言えば結果がついてくる」と思っているからである。そのため「消費税増税は不可避」と言って地方の人々の怒りを買って一人区で惨敗し、「過半数を割ったら連立しかない。相手はみんなの党しかない」と言ってみんなの党から「顔を洗って出直してこい」と言われた。いずれも政治の何たるかをわかっていないことによるものである。

 消費税はいずれ上げなければならないし過半数を割ったら連立を模索しなければならないのは「当然」であり「正論」である。しかし政治においてはその「正論」を正面切って言うことによって有利不利が決まる。国民に渦巻く不満や敵(野党)の動向を踏まえて作戦を練り、戦い始めたならば押すところと引くところを見極めて事に臨むのが政治の本質であることを俺は今回の選挙で再認識したが、今の民主党中枢部はそれがわかっていないように見受けられる。だから混乱が混乱を呼ぶのである。

 反小沢派が執行部の地位に留まるのは恐らく彼らが考える「政治の本質」がそのような「正しい理屈(政策)を言うこと」であり、「国民の生活が第一」と言いながらドブ板選挙に明け暮れる小沢派に実権を渡すことに恐怖にも似た感情を抱いているからであろう。だが何度も言うように正しい政策は官僚も学者も考えることができるが、実際に反対する勢力や国際的圧力に立ち向かうことができるのは政治家だけである。そんなことは成熟した民主主義国家では常識であるが、我が国では「政治家は清廉潔白でなければならない」「政治家の仕事は政策を作ることだ」と言って憚らない。そうすることで政治の現場から政治家を遠ざけることに成功した官僚の高笑いが俺には聞こえる。


一度の選挙では政権交代にならない国の構造 7月16日 田中良紹

選挙が終わって参議院のあり方を考えている。今回の選挙で「大勝」と言われた自民党は実は比例では議席を減らした。自民党が議席を伸ばしたのは選挙区で、それも都市部ではなく地方の1人区である。前回の6議席を21議席に増やしたから自民党の15議席増は1人区の成果そのものと言える。言い換えれば自民党は日本全体では負けたが地方で勝ったのである。

 今回の選挙で1票の格差は5倍を超えた。裁判所が選挙無効の判決を下してもおかしくない。1票の重みの少ない地方で勝利した政党が、政権与党を追いつめる議席を得た事になる。何故なら民主党は参議院で過半数を失い、参議院で否決された法案は衆議院の三分の二で再議決されない限り廃案になるからである。民主党には再議決する議席がない。再三指摘してきたが、日本国憲法は衆議院に優位性を認めながら、実際には参議院が政治をコントロールできる仕組みを作っている。

 従って政権与党が安定した政権運営を行うためには参議院の過半数確保が絶対に必要である。それがないと衆議院選挙で国民に公約した政策を実現する事が出来なくなる。参議院で過半数割れした政権は連立を組むか、部分連合を目指すしかないが、いずれにしても他党の要求を受け入れざるを得ない。選挙で国民に公約した政策をストレートに実現する事が出来ず、政権に押し上げた国民の期待を裏切る事になる。

 今回の選挙で民主党は44議席に減らしたが、これを過半数の122議席に引き上げるには78議席が必要となる。民主党は3年前の参議院選挙で大勝したがそれでも66議席だった。3年後の参議院選挙で過半数を超えることは到底不可能である。民主党が政権与党であり続ける限り自前の政権運営が出来るのは良くても6年先以降である。それまでは悩ましい政治が続く事になる。

 それでは自民党に政権を託す方が良いのか。実は自民党も同様である。今回51議席を獲得したが、過半数にはあと71議席が必要である。自民党の長期低落傾向が変わっていない事を考えると3年後の参議院選挙で71議席を獲得する事もまた不可能である。今後自民党が衆議院選挙で政権を奪還しても連立を組むしかないから自前の政策は実現できない。二大政党による政権交代を目指すと言いながら、民主党も自民党も国民に公約した政策を実現するには非力な政権にしかならないのである。

 今、自民党は「ねじれ国会」を利用して民主党を解散・総選挙に追い込み、政権奪還を狙うとしている。実際、解散に追い込むことは可能である。民主党が初めて自前で組む予算案を来年の通常国会で立ち往生させることが出来る。予算は衆議院が優先だが、予算関連法案は違う。関連法案が参議院で否決されれば予算が通っても執行は出来なくなる。総理は政治責任を問われ、総辞職か解散を選択せざるを得なくなる。(後略)



(私のコメント)
参議院選挙は政権選択選挙ではないので、政権与党はどうしても衆議院選挙よりも手を抜きがちになる。なぜならば政権の幹部の多くが衆議院議員であり、参議院の選挙では勝手が違って来てしまうのだろう。そしてどうしても政権与党への批判票が集まりやすいから、最近ではねじれ国会になりやすい。自民党は自自公連立で何とか過半数を確保して来ましたが、安部内閣の時の参院選挙で過半数割れしてねじれ国会が出来てしまった。

今回は自民党が勝ったように見えますが、比例区などでは議席を減らしているので、大都市では勝ったとはいえない状況になっている。勝ったのはみんなの党であり、自民党に行くべき票がみんなの党に流れたと言える。なぜならば自民党も消費税増税を言っており、「消費税増税の前にやるべき事がある」というみんなの党に流れたのだろう。

参議院は衆議院の国会審議と比べてもカーボンコピーであり、衆議院と同じ事をやっている。内閣は衆議院と参議院の両方に対応しなければならないから2倍の拘束時間になってしまう。選挙後の討論番組でも参議院廃止論なども出るくらいなのですが、それには憲法改正が必要になるから大幅な定数削減と、田中氏が言うように衆議院の再可決には過半数にするようにしたらどうだろう。

国会を二院制にしたり憲法改正や再議決を3分の2にしたりするのは議会の暴走や独裁制を防ぐと言った用心の為なのでしょうが、現在の議会政治の混乱の要因は現在の議会制度に問題があるのははっきりしている。選挙区の区割りにしても都会と地方との一票の格差が酷くなってもなかなか改正がされない。格差が1対2以上になったら自動的に改正されるようにしないと司法の場でもなかなか違憲判決が出ない。

参議院の特色は任期が6年であり解散がない事ですが、いったん参院選挙で大敗してしまうと勢力を回復するには6年かかってしまう事になる。その間政権与党は政権運営でもたつく事になり政治が停滞してしまう事になる。一選挙区一人の小選挙区制では政権交代が起きやすくなりますが、衆議院と参議院とでもねじれる事になりやすい。

例えねじれても連立政権を組めるだけの力量のある与党党首がいればいいのでしょうが、今の民主党ではラブコメ日記にも書かれているように正しい理屈を言うばかりで余計に政治をこじらせてしまうような人材では無理だろう。菅首相も政治経験が長いのに政局運営では間違った判断ばかりしている。これでは連立を組む事も難しいだろう。

菅総理は正論を言えば国民は理解してくれると言うつもりだったのでしょうが、説明不足ということで自分の間違いを認めようとはしない。過半数割れしたら連立を組めばいいという枝野幹事長の発言も、菅首相が居座ったままでは選挙のしこりが残って組めない事も計算できないようだ。

菅政権と自民党の政策は消費税に見るとおり大きな違いが無くなって来ている。だから大連立の話しもよく出てきますが、福田内閣の時に失敗している。小沢ー福田ラインで纏めたのをぶち壊したのが菅氏たちだ。つまり菅氏が総理でいる限り大連立の可能性も無い。国民新党の亀井氏が社民と組んで衆院で3分の2になるように工作していますが、民主党内にはこのような議会工作できる人が小沢氏をのぞいていない。

このような状況では昨日も書いたように菅政権は短命に終わるだろうと書きましたが、政治家は正論ばかり言ってみたところで政治は進まない。反対派をいかに説得するかが政治家の腕の見せ所なのですが、それだけの力量のある政治家がいなくなり、多数決で数の力で押し通すタイプの政治家ばかりになった。

多数派工作のために、官房機密費を野党に配ったりマスコミの記者に配ったりカネで買収して手なづける政治もばらされて出来なくなりました。政治家は有権者を前に演説していかに説得するかが政治家なのですが、今の政治家は演説においてはヘタな政治家ばかりだ。

アメリカのオバマ大統領を見るまでもなく政治家は国民を説得できる力が無ければなりませんが、日本の政治家には満足に街頭演説もできないような議員がいる。今回の選挙では菅総理の街頭演説では拍手もまばらだったそうです。説明不足と言いながら内容は二転三転した。これでは誰も菅総理を信用しなくなる。

たとえ菅政権を追い込んで総選挙をして自民党が勝ったとしても参議院では第二党でありねじれは解消しない。いずれにしても他の政党と組んで連立内閣を組まなければなりませんが、ヨーロッパでも連立政権が多くなって来ています。二大政党制の国だったイギリスでも連立政権になっています。しかしイラ菅と言われているような性格では連立は無理だろう。

どうやって国民をまとめ、どうやって政党をまとめ、どうやって国会をまとめて行くかは政治家の力量にかかっているのですが、そのような政治家を育てるのは国民だ。「株式日記」でもいろいろな政策提言や批判をしているのですが、テレビなどのマスコミの圧倒的な影響力に対してネットの力は僅かしかない。




「菅は、放っておけば自滅する。代表選までに、政権支持率は20%台
に落ち込む。その時が勝負だ」 次第に「次のシナリオ」が見えてきた。


2010年7月26日 月曜日

血みどろ党内抗争へ 「菅退陣」小沢の考えこりゃアカン! 民主政権哀れな末路 「菅直人はすでに死んでいる」 7月26日 現代ビジネス

「選挙戦の終盤で敗北の色が濃くなってきた頃から、菅首相は小沢氏に対し、『敵対するのは本意ではない』と釈明しようとし、何度も連絡を取ろうとしました。ただ小沢氏が、電話を無視しました。

 いちばん驚いたのは反小沢急先鋒の仙谷氏で、『選挙で(自民党を支持して)時計の針を戻すようなことはやめよう、と国民に訴えているのだから、総理が針を戻す(小沢支配の復活)のはやめてほしい』と、慌てて説得したのです」
(首相官邸関係者)

 あまりに調子が良すぎる菅首相のラブコールを無視している小沢氏は、周囲にこう語っているという。

「菅は、放っておけば自滅する。代表選までに、政権支持率は20%台に落ち込む。その時が勝負だ」

 進むも退くもままならなくなった菅首相と反小沢グループ、そして逆襲の機を虎視眈々と窺っている小沢氏とそのシンパ・・・。激化する民主党の内紛劇の中で、次第に「次のシナリオ」が見えてきた。

 まず、一か八かの強行突破を図る菅首相らだが、7月末までに、政権運営が行き詰まる可能性が高い。

「過半数割れの菅政権が国会を運営するためには野党に頭を下げて協力を求めるしかないが、昨年来、民主党は衆院での数を頼みに強行採決を繰り返して来たため、野党はその復讐を果たす気満々でいる。

 加えて、自民党が改選第一党となったため、参院議長の座を要求し、すでに中曽根弘文元外相を候補にしている。議長が野党になったら国会の開閉もままならなくなり、完全に政権は死に体となる」
(自民党幹部)

 国会もまともに開けないとなれば、政権維持はどうあがいても不可能。民主党内では、「代表選の前倒し」論が高まると予想される。

 その時こそが、菅首相を担ぐ反小沢派と小沢氏との決戦の時だ。

「実は鳩山前首相が、自分のグループの議員が菅政権で干されていることもあり、最近小沢氏に対して、道連れ辞任に追い込んだことを謝罪しました。小沢氏サイドは『最初からそう出ればよかった』と謝罪を受け入れ、いまや小沢グループと鳩山グループは同盟関係です。両グループを合わせると、約400人の民主党議員の中で200人近い勢力になる」
(民主党ベテラン代議士)

結局、衆院解散しかない

 野党時代に自分が自民党攻撃の口実に使っていた「直近の民意」によって否定された菅首相は、まともに戦えば、小沢氏本人か、同氏が推す候補を代表選で打ち破ることは難しい。しかも、仮に何とか代表選で小沢氏の攻勢を凌ぐことができても、「第二段の構え」が待っている。

「'93年、宮沢喜一政権に対して野党から内閣不信任案が出された際、当時まだ自民党にいた小沢氏の一派が賛成に回って不信任案が可決され、宮沢内閣は崩壊した。同じことが、民主党政権でも起きる可能性がある。小沢氏は菅首相を退陣させて衆院解散に追い込み、当時と同様、民主党を脱党して一挙に政界再編に持ち込む。

 荒業が得意な小沢氏は、みんなの党の渡辺代表を総理に担ぐことも想定しています。一大臣なら民主党への合流はあり得ない『みんな』でも、総理の座と重量閣僚のポストを複数用意されたりすれば、何が起きるか分かりません」
(前出・ベテラン代議士)

 最後の大勝負を仕掛ける小沢氏の前に、まったく打つ手はないかに見える菅首相。もはや、座して死を待つしかない―のか。

 菅首相周辺は、「唯一、手段があるとすれば首相自らの意思で、衆院を解散してしまうことです」と語る。(後略)



策士や軍師なき民主政権の困難な道 7月22日 ゲンダイ的考察日記

党内最大の軍師を敵に回した自業自得

菅内閣が“脳死状態”なのは、今後の政権運営の青写真がまったく描けてないからだろう。
何をやろうとしても、参院で数が足りない。連立相手がいなければ、法案一本すら通らない。この時期に大風呂敷の方針を広げても、それが連立交渉の足かせになってしまう恐れもある。だから、動くに動けない。

加えて、9月には代表選が控えている。小沢の動き次第では政局になる。ますます、菅は首をすくめるしかない。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏によると、菅は予算どころじゃないらしい。

「いま、執行部は党内の不満を抑えるのに必死です。人事を先送りし、参院選惨敗の責任論噴出を封じ込め、その間に地方の県連や議員から話を聞いて、責任論のガス抜きに懸命です。しかし、そんなことをやっている場合なのか。本来であれば大きなビジョンを示し、それを実現させるための政治的手続きに入っていなければおかしい。野党の協力を得るにしても、きちんとした手順を踏んで、どこに話をつけるべきかを考え、戦略を練っていく。それが今の民主党は何もできず、ただ党内不満を抑えるだけに汲々としているのです」

なぜ、こうなってしまったのか。理由は誰が見ても一目瞭然だ。小沢前幹事長を排除したツケである。
先見性に富み、一歩も二歩も先を読み、手を打つ策士、軍師がいなければ、ねじれ国会は乗り切れない。それなのに、菅政権は党内最大の軍師、小沢を排除し、あろうことか、敵に回しているのだから、自ら首を絞めているようなものだ。

しかも、菅が排除したのは小沢だけではないのだ。いわゆる小沢的なもの、すべて排除してしまった。小沢・鳩山一派を締め出し、小沢がこだわったマニフェスト順守の精神も切り捨てた。封印していた消費税論議を解禁し、政治主導の象徴だった国家戦略室を骨抜きにした。小沢や鳩山が築いてきた“民主党らしさ”から完全決別したのである。


(私のコメント)
民主党が自民党政権を打ち破ったのは「国民の生活が第一」という路線が支持されたからであり、小泉構造改革による歪みが無視できないほど大きくなって来てしまったからだ。自民党に勝つには浮動層の票を集めなければならず、官僚主導の政治から決別する事をマニフェストで訴えたからだ。しかし菅首相は財政再建のための消費税増税を打ち出して官僚主導の政治に戻る事を鮮明にしてしまった。

これでは鳩山・小沢体制のまま選挙した方がダメージは低かったかもしれない。その方が民主党にやらせてみようと言う浮動層の支持を集められたかもしれない。私が鳩山首相だったなら参院選挙を、沖縄の普天間基地問題を争点にして、海兵隊基地を国外移転是か非かで問うて見たら面白かったのにと思う。それで民主党が負ければ海兵隊基地を辺野古移転も国民の総意という事になっただろう。勝てば海兵隊の国外移転は国民の総意という事になり、アメリカに対するカードになっただろう。

しかし鳩山総理は5月28日にアメリカと普天間への移転を合意してしまった。このような問題は内閣の判断を超える問題であり、選挙で判断を仰ぐべき問題だ。アメリカとの同盟関係を続けるかどうかと言う問題は国家の命運を決める問題だから、トップ同士の会談で決めるべき問題ではない。

鳩山前総理の目論みは普天間基地問題で「駐留なき安保」に一歩でも近づける事だったのでしょうが、韓国の哨戒艦沈没事件などが起きて朝鮮半島で軍事的緊張が高まった事で頓挫してしまった。在日米軍基地は日本を守ると言うよりも韓国や台湾を守る為のものであり、韓国や台湾はとても中国に単独では対峙する事もできない。つまり鳩山総理は台湾や韓国に泣きつかれて辺野古に基地移転を合意せざるを得ない状況に追い込まれてしまった。

民主党の外交戦略としては、自民党のようなアメリカ従属ではなくアメリカと中国との中間的な外交スタンスを取ることだった。それが「駐留なき安保」の真髄なのですが、アメリカからの従属から逃れ中国からの侵略を防ぐには、自立した外交戦略が欠かせない。しかし自民党政権では従属一辺倒でありアメリカの言いなりにならざるを得なかった。

日本で非自民の政権が出来たと言う事はアメリカ一辺倒の外交も見直されるべきであり、沖縄の普天間基地移転問題がシンボルになるはずだった。それに対してアメリカのオバマ大統領は鳩山首相を退陣に追い込んで菅氏に代えさせることを目論んだようだ。


鳩山辞任はオバマの輝かしい勝利 7月18日 春名幹男 国際情報を読む

オバマ政権が6月に達成した「5つの外交の勝利」のうちのひとつに、鳩山辞任に伴って、日本に「日米同盟公約を再確認させた」ことを挙げているのだ。

ケーガン氏はオバマ政権の対日政策が「見事ではなかった」ことを認めながらも、結果的には「うまくいった」と指摘した。

鳩山氏に関しては、普天間基地移設問題の扱いを誤ったことと、「日本の外交政策を米国と中国の間の中間的な道を探る方向に再調整しようと図ったこと」が問題だったと分析。「オバマ政権は確固とした姿勢を示して取り組んだ結果、日本に日米同盟公約を再確認させた」としている。「オバマ政権は日本が正しい方向に舵(かじ)を切るのを手助けした」と称賛した。

この中で最も注目すべきことは、鳩山前政権が中国寄りに軸足を変更しようとした、と米側が判断していたことだ。その脈絡で、普天間基地問題でも鳩山前政権の対応を批判したのである。鳩山政権の東アジア共同体構想にもオバマ政権は神経をとがらせていた。



(私のコメント)
中国の台頭は日本にとっては軍事的脅威が明確になったことであり、東アジア情勢を大きく転換させるものになる。アメリカが明確に中国との対決姿勢を鮮明にしてくれれば問題は無いのですが、アメリカのオバマ大統領は中国とのG2体制でアジアを共同統治するかもしれない。そうなると日本は米中双方から封じ込められた形になり大変まずい事になる。在日米軍基地が日本封じ込めの手段になってしまうからだ。

そうならない為には日本は米中と中間的なスタンスを取り、アメリカとも中国とも対等な外交が出来る体制になることだ。その為には東アジア共同体も牽制手段になるだろう。しかし菅内閣ではアメリカとの合意や法人税の減税と消費税の増税など従来の民主党とはかけ離れた構造改革路線に突っ走ろうとしている。

菅氏は小泉内閣のようにアメリカの支援が得られれば党内の小沢グループなどを抑えられると計算したのだろう。小沢グループを守旧派にして郵政選挙のような構図を描いていたのかもしれない。それほどマスコミが報ずる支持率60%の数字に舞い上がってしまったのかもしれない。しかし菅総理は小泉純一郎のような役者ではなかった。

小沢一郎は参院選挙中から姿を見せなくなり、菅総理とは一線を画する態度を鮮明にした。このまま菅内閣は放置していても身動きが出来なくなり政権を投げ出す事は時間の問題になりつつある。参議院議長の問題もあるし代表選挙もあるし、参院から問責決議が出たら一巻の終わりになる。今のままではとてもどことも連立を組める見込みは無い。郵政法案で亀井郵政担当大臣を切り捨ててしまったからだ。それほど菅氏は政権運営が下手だ。枝野幹事長も仙石官房長官も使いものにならない。

ねじれ国会は自民党にとっても命取りになりましたが、公明との連立で3分の2は確保していたから何とかなりましたが、菅内閣では公明党の連立は無理だろう。短命政権と手を組んでも共倒れになってしまうからだ。支持率もどんどん落ちてきて20%台になったら菅政権もお終いだ。




民主党マニフェストから派遣法改正が消えた。消費税や郵政民営化も、
民主党は有権者を裏切ったから大敗したのだ。民主党は騙したのだ。


2010年7月25日 日曜日

非正規の人の賃金は正規の3分の1ぐらいしかありません。
すると、賃金の低い人の割合が非常に増えたのです


10年以上賃金が下がり続けている日本 7月23日 小峰隆夫

賃金の下方硬直性が当てはまらない日本

 景気の良さを実感できない最大の理由が賃金の問題です。

 下の図は1人当たり名目賃金の動きを示したものです。日本は1998年ぐらいをピークにして賃金がずっと下がっていることが分かります。これは世界で見ても日本だけです。経済学の教科書によると、普通、賃金には下方硬直性があって下がらないものだと書いてありますが、日本の場合は下がっているのです。

しかも、2002年からの景気が良い時も上がっていません。下がり方が多少、緩くなったぐらいです。そして景気が悪くなると、がくっと下がる。つまり、景気が良くなっても下がって、景気が悪くなるともっと下がる。常に賃金が下がっているという状態が最近ずっと続いています。これは。景気が良いということを一般の働く人たちが実感できない非常に大きな原因です。

なぜ賃金は上がらないのでしょうか。これは難しい問題です。今まさに進行していることなので、多くの議論が出ています。間違いなく言えるのは、2002年〜2007年にかけて賃金の低い人が増えたということです。つまり、非正規雇用の人が増えたのです。

 この景気拡大期には生産が増えましたが、その時に企業は正社員を増やさず、非正規の人を増やそうとしました。非正規の人の賃金は正規の3分の1ぐらいしかありません。すると、賃金の低い人の割合が非常に増えたので、全体の平均賃金が下がったのです。

 非正規雇用者の雇い止めなどはリーマン・ショック後の落ち込みで大問題になりました。企業はなぜ正規社員を増やさずに非正規を増やしたのか。それは、万が一の時に調整できるようにという意図でしょう。リーマン・ショックは、その万が一の時でした。このために非正規の人たちが職を失い、大問題になったわけです。

 この問題は非常に難しい問題です。民主党の基本的な考え方は、非正規の規制をして正規にすればいいというものです。これは相当議論がありました。経済学者の多くは、果たしてそれで問題が解決するか、かえって雇用を減らすのではないかと言いました。かえって非正規の人の雇用機会が減ってしまうというものです。これが進むと、企業は海外に行ってしまう。この講義でもやがてこの話は出てくると思いますので、今回はここまでにしておきますが、これはとても難しい問題です。



民主党マニフェストから派遣法改正が消えた 6月30日 派遣業界今日も晴れ?

うーん、何でだろ。参院選に臨む民主党マニフェストには昨年の衆院選向けには明示されていた派遣法改正の記述が消えています。新マニフェストの6.雇用という項目を全文取り出しますと、

●2011年度中に「求職者支援制度」を法制化するとともに、失業により住まいを失った人に対する支援を強化します。
●非正規労働者や長期失業者に対して、マンツーマンで就職を支援する体制を整備します。
●高校、大学などの新卒者の就職を支援するため、専門の相談員の配置や採用企業への奨励金支給などの対策を強化します。
●同じ職場で同じ仕事をしている人の待遇を均等・均衡にして、仕事と生活の調和を進めます。

これだけ。派遣法改正の記載がないですね。ちょっとさかのぼって10ヶ月前の衆院選向けマニフェストの雇用・経済の項目にはこうありました。

39.製造現場への派遣を原則禁止するなど、派遣労働者の雇用の安定を図る
【政策目的】
○雇用にかかわる行き過ぎた規制緩和を適正化し、労働者の生活の安定を図る。
○日本の労働力の質を高め、技術や技能の継承を容易にすることで、将来の国
 力を維持する。
【具体策】
○原則として製造現場への派遣を禁止する(新たな専門職制度を設ける)。
○専門業務以外の派遣労働者は常用雇用として、派遣労働者の雇用の安定を図る。
○2ヵ月以下の雇用契約については、労働者派遣を禁止する。「日雇い派遣」「ス
 ポット派遣」も原則禁止とする。
○派遣労働者と派遣先労働者の均等待遇原則を確立する。
○期間制限を超えて派遣労働者を受け入れている場合などに、派遣労働者が派
 遣先に直接雇用を通告できる「直接雇用みなし制度」を創設する。

どうですか、昨年衆院選向けではこんな詳しく書いていた項目が今回参院選向けでは記述なし。連立相手の社民党が離脱したことが主因とはいえ、あまりに落差の激しい表現です。今回のマニフェストには、「政権交代による実績」欄に、「派遣制度の見直しの法案を出しました」と、過去形であるのみです。「引き続き取り組む事項」の欄には記載がありません。一方で、郵政改革法案については、「臨時国会で速やかに成立させます」と大項目でうたっています。

まあ、理由はなんとなくわかるような気がします。参院過半数を取れなかったときには連立組み換えをする必要があるのでそのときのために政策のフリーハンド部分を確保しておきたいという魂胆でしょうか。私のかんぐりですが、、、。

しかしこんなぼかしまくったマニフェストに比べて昨年の衆院マニフェストはすごいなあ、、、。まあ見てください。できそうにもないこといっぱい書いてますよ。今読むとあきれます。こちらです。これに釣られて投票したんですねえ、、、。詐欺選挙でした(中国人なら「騙される方が悪い」と思うらしいですが)。



(私のコメント)
民主党はようやく衆院選挙で大勝して政権与党になったにもかかわらず、マニフェストを次々と反故にして有権者を裏切り続けています。そしてその結果が今回に参院選挙で大敗して参議院は過半数割れしてしまった。こうなると予算以外の法案が通らなくなるから民主党政権は何も出来ずに行き詰ってしまいます。

自民党政権の時のねじれ国会は衆議院では3分の2以上の議席があったから、再可決で何とか法案を通してきましたが、菅民主党政権では3分の2無いから再可決が出来ない。菅政権では法案ごとに野党と手を組むと言っていますが、そんなにうまく行くとは思えません。菅、枝野、仙石体制では議会運営で行き詰るだろう。

自民党では現状を打開できないから民主党に期待を寄せたのですが、鳩山内閣は普天間基地問題で自爆して、菅内閣は自民党路線をそのまま継承する路線を選んだようだ。それが今回の参院選挙で不信をかう結果となり大敗した。主な原因は菅総理の消費税発言などとされていますが、多くのマニフェスト破りが原因としてあるのだろう。

なぜこのようになってしまうのかと言うと、霞ヶ関、マスコミ、財界、横田幕府の壁があるからだ。本来ならば国会が国権の最高機関なのですが、実際にはそうなってはおらず霞ヶ関は法案作りから国会審議に到るまで仕切っているからだ。予算審議などでも委員会室の外では霞ヶ関の幹部が待機していて大臣にレクチャーしているからだ。

鳩山政権では衆参で過半数の議席を確保していたのだからマニフェストに則った政策を次々と片付けて行くものと思われましたが、沖縄の普天間基地問題で右往左往するばかりでその他の法案は先送りされる事が多かった。郵政法案も派遣法改正も参議院を途中で打ち切って選挙に突入してしまった。選挙では早くやったほうが勝てるという見込みだったからそうしたのだろう。

民主党は衆議院選挙マニフェストで「派遣労働者と派遣先労働者の均等待遇原則を確立する」としていましたが、民主党は公務員組合と正社員組合の団体であり、非正社員を支持母体とはしていなかった。もっぱら共産党や社民党などが主張してきましたが、今回の選挙では議席を落とした。

派遣社員の多くは政治も無関心な若者が多く選挙にも行かない人が多い。数も正社員の方が多いから非正社員の声を反映する政党は小政党しかない。だからこれからも非正規社員の待遇改善に向かう力は弱く、公務員や正社員組合の既得権擁護の力のほうが大きい。となると秋葉原やマツダの工場などで起きた無差別殺人テロが起きるだろう。

民主党政権ができたことで派遣労働者にも待遇改善の動きが出るかと思ったのですが、参議院選挙のマニフェストからは派遣法改正の項目が消えてしまった。民主党が財界に擦り寄った形になり、中道左派政党と言うよりも中道右派政党に近くなってしまった。これでは政権交代した意味が無いのであり民主党に票を入れた無党派層は幻滅して自民党やみんなの党に票が流れた。

みんなの党のマニフェストでは「.同一労働同一待遇(賃金等)や正規・非正規社員間の流動性を確保。」としているから従来の民主党に近い。「株式日記」でも派遣労働は認めても同一労働同一待遇を主張してきましたが、このような正論は国民が支持しても財界が反対すれば民主党も態度を変えてしまう。

みんなの党のマニフェストを見ると、かつての民主党のマニフェストと共通するものが多い。だからみんなの党は11議席も獲得できたのでしょうが、民主党がその分だけ負けた。国民が要求している政策は以前の民主党やみんなの党が主張していることなのですが、既成勢力を敵に回す事になる。


選挙公約 みんなの党

2.格差を固定しない「頑張れば報われる」雇用・失業対策を実現する




大企業の力がなければ、米中関係は何年も前に悪化していた
かもしれない。米国の経済界が中国に幻滅する様子を見せ始めた。


2010年7月24日 土曜日

中国批判を控えなくなった「外国の朋友」 7月21日 英フィナンシャル・タイムズ紙

中国で事業を行う外国企業に対する昔からの助言がある。中国事業の扱われ方について不満がある場合、内々に文句を言ってもいいが、公には口を閉ざしておいた方がいい。恣意的な判断を下し、国内企業に有利になるよう計らう中国の官僚への苛立ちを表明すれば、報復を招き、既存の投資を危険にさらすだけだ、というものだ。

GEばかりでなく、シーメンスやBASFのトップも苦言

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)、ドイツ産業界の巨人シーメンス、世界最大の化学会社BASFといった企業のトップは、北京では「外国朋友(外国の友人)」として知られる。

 彼らは中国市場へのアクセスを得る見返りに、様々な批判に対して中国政府の政策を擁護することを期待されている。

 ところが最近、GE、シーメンス、BASFのCEO(最高経営責任者)であるジェフリー・イメルト、ペーター・レッシャー、ユルゲン・ハンブレヒトの3氏が揃って、近く世界第2位の経済大国になる中国で直面している困難について発言した。沈黙を保つことと、公然と発言することの損得勘定が変わり、後者に傾いたのである。

 中国が知的財産権を無視したり、強制的な技術移転を迫ったりする政策を取る一方、政府の調達が国内企業に偏る中で、一部の外国企業は中国から締め出されつつあると感じている。

 「我々は次第に中国で歓迎されているとは思えなくなってきた。このために、不満を口にし、中国における将来を見直す企業が増えている」と、米国情報技術工業協議会のジョン・ノイファー氏は言う。

 企業経営者らによれば、中国政府は2001年の世界貿易機関(WTO)加盟前後に矢継ぎ早に改革を実施した後、外資の自由化を進める意欲が衰えたという。このため欧米の経営者にしてみれば、現行政策がただの足踏み状態であったとしても、後退しているように感じるのである。(中略)

中国国内や第三国で欧米企業に戦いを挑む中国企業

 政府から補助金を得ている中国企業は次第に中国国内や第三国で、市場シェアを巡って欧米企業に戦いを挑むようになっている。その好例がソーラー(太陽光)業界で、中国企業はドイツの競合企業から世界首位の座を奪おうとしている。

 もう1つの例が風力エネルギー業界だ。中国はこの分野でGEやシーメンス、デンマークのヴェスタスといった世界的な巨人を追い抜こうとしており、実に70社もの中国企業が激しい競争を繰り広げている。

 ドイツ産業界の経営者らによれば、中国の風力エネルギー市場では、国内企業が政府の調達でかなり優遇されているという。ドイツの工業大手のあるCEOは内々に、中国に多大な投資を行いながら、過去3年間で1件も受注を獲得できていない有力グローバル企業があると打ち明ける。

 欧米諸国の政府は自国企業が抱く懸念を共有しているが、米国と欧州連合(EU)には、中国市場をこじ開けるために使える政策手段がほとんどない。中国政府はWTOに加盟した際に誓約書に署名したものの、その多くは安価な製品の輸出といった比較的単純な問題に関するもので、外国投資に絡む極めて複雑な問題はカバーされていなかった。

 仮に文書での誓約があったところで、中国には概して、それを実行に移すために必要な制度機構(洗練されていて、中立な裁判所など)が存在しない。

 一部の人が中国の投資環境を公然と批判するようになった理由がもう1つある。矛盾するようだが、この流れは経営者らが「政治風景の改善」と見なすものを映しているのである。


中国への熱意を失い始めた米国企業 7月14日 英フィナンシャル・タイムズ紙

大方の左派からすると、多国籍企業には今も漠然と邪悪なイメージがつきまとう。だが、こうした企業は平和と繁栄、国際協力を強力に推進する世界屈指の勢力だ。

 大企業の力がなければ、米中関係は何年も前に悪化していたかもしれない。太平洋の両側には、より敵対的な関係を望む勢力がいる。中国の国家主義者、米国の労働組合、両国の軍事機構といった存在である。

 過去20〜30年間にわたり、中国が力と富を増すことは米国にとって好ましいという反論を繰り広げてきたのが、米国の多国籍企業だった。このため、米国の経済界が中国に幻滅する様子を見せ始めたことは、企業だけでなく国際政治にとっても不吉な兆候だ。(中略)

米国企業に不利な通商・経済政策へのシフト

 しかし、グーグル、ゴールドマン、GEが同時に窮地に陥った今、より大きなトレンドが進行していることは明白だろう。

 米国の政府高官らはしばらく前から内々に、中国の通商・経済政策が米国企業に不利に働くような国家主義的な方向に向かっていることを心配してきた。30年間に及ぶ高度成長を経て、中国が今、外資を歓迎する姿勢を後退させ、自国を代表する企業の育成に専念できると考えているのではないか、と懸念している。

米国企業と中国の関係悪化は、両国関係にとって極めてまずいタイミングで生じることになる。というのも、「グレートリセッション」と呼ばれる大不況のせいで、米国ではグローバル化を支持する姿勢が衰え始めている。

 米国の失業率が10%に近い水準で高止まりし、急増する財政赤字と軍事的な挫折によって世界を形作る米国の力が試されている今、米国の政治家と学者は次第に、米国は中国の台頭を歓迎すべきなのかという疑念を強めている。

高まる反中感情、米国で保護貿易の流れが加速する恐れも

 こうした反中感情は、中国が人民元の対ドル相場の大幅上昇を認めないことに対抗して、中国製品に貿易制裁を課すことを求める米議会の動きにも表れている。

 これまでは、米国企業が米国内での中国叩きを抑制する唯一最大の勢力となってきた。もしGEやグーグル、ゴールドマンのような企業が中国を支持する姿勢を修正したり、意見を差し控えるようになったりすれば、保護主義の流れは加速していく。

 もちろん、中国政府は愚かではない。中国は米国、そして世界全般と対処していく自信を深めながらも、対立の回避を望む慎重な姿勢を崩していない。

 問題がグーグルであれ通貨であれ、戦略的に重要な局面では、中国政府は害をもたらす米国との対立を避けるために計算ずくで譲歩するだろう。だが、米国企業と米国民が次第に苛立ちを強めている中、誤算が生じるリスクが高まっている。



(私のコメント)
米中関係については日本にも大きな影響をもたらしますが、90年代の冷戦崩壊以降において米中関係は親密さをまして来た。特に経済面では同盟関係にあるといっても言い過ぎではない関係を持ってきた。米中同盟の対象国は日本であり円高と人民元安はその象徴だ。中国が単独で人民元を切り下げる事は出来ずアメリカと利害が一致したことで元を切り下げる事ができた。

アメリカの製造業は一斉に中国に工場を移転させて中国を世界の工場にした。円高による価格競争力で日本企業はじりじりとシェアを下げていった。人件費が30分の1で共産主義独裁国家でストライキも起きないから多国籍企業にとっては最高の工場立地条件になる。

日本の多国籍企業や中小企業も続々と中国に工場を進出させて来ていますが、最近になって中国の外資系企業の工場では賃上げストライキが発生するようになりました。先日もNHKのクローズアップ現代で中国のストライキを報道していましたが、中国においても労働環境が大きく様変わりして来ている。

きいきに30%も賃金が上昇するのだから外資系企業にとってはたまったものではありませんが、山猫ストのように主導する者がいないストライキは一番性質が悪い。中国政府も表立ってはストライキを押さえ込む行動は見せていませんが、工賃を引き上げる事で内需の拡大を見込んでいるのだろう。

さらには外資系企業でストライキを起こす事で国内企業に有利になるような動きもあるだろう。中国が外資系企業を優遇してきたのは資本と技術力を導入する為ですが、その技術を国内企業に移転させて国産製品を育ててきた。外資系企業は中国の巨大市場を目指して工場進出させてきたのですが、フィナンシャルタイムズの記事によれは中国政府は中国企業を優先するような政策をとり始めたようだ。

さらには中国国内ばかりでなく第三国でも中国企業の進出が目立つようになり、太陽光発電プラントや風力発電プラントなどでも格安価格で勝負に来ている。日本でも新幹線を輸出したら中国でもそっくりな新幹線が出来て海外にも輸出を目指すようになってきた。ロシアなども兵器などを輸出したらそっくりは兵器が出回るようになってロシアも中国企業にてこずるようになりました。

中国は技術移転を迫ったり、競合する分野においては締め出しを食うことも出来ていたようですが、日本企業は今までもこのような目に遭ってきたからチャイナリスクとして認識していましたが、欧米系の企業も最近になってこのような目に遭っているようだ。もっとも象徴的なのはグーグルの中国からの撤退ですが、ゴールドマンサックスにも締め出しを目指す動きがあるようだ。

アメリカの多国籍企業などは米中関係の親密化の立役者でしたが、最近になって米系気業にも中国を擁護する動きが少なくなり始めている。中国の国内市場がようやく本格化して稼ぎ時になってきて中国側の態度の急変は欧米系企業を戸惑わせている。もはや外国資本を導入したりするよりも国内企業を育成する方向に力を入れ始めたと言う事だろう。

アメリカにとっては中国の台頭は利益であり、日本は両国によって経済的に長期の停滞を強いられてきた。アメリカによってグローバルパートナーは中国であり日本ではなくなった。だからアメリカの高官たちも日本を素通りして中国に往来するようになりましたが、ジャパンバッシングからジャパンナッシングになってきた。

アメリカの多国籍企業は、中国が経済発展をすれば韓国や台湾のように民主化が進んで巨大市場になると言う甘い夢を見てきたのでしょうが、中国は韓国や台湾ではない。韓国や台湾は戦前においては日本であったところであり、民主国家になる文化的な土台がありましたが、中国にはそれが無い。しかしアメリカ人から見れば同じに見えるのだろう。

これまでの米中協調体制を支えてきたのがアメリカの多国籍企業であり、政治的には共産党独裁体制は水と油だ。軍事的にも経済発展に伴って軍事予算の増大はアメリカにとっても見捨てて置けない水準になっている。中国沿岸にはアメリカの原子力空母も近寄れない状況になり、黄海における米韓軍事演習でも空母は不参加となった。

このような状況において日本の外交もアメリカ一辺倒ではやっていけなくなり、米中双方に配慮した外交でやっていかないと日本の国益にはならないだろう。鳩山民主党政権では沖縄の普天間基地問題でもアメリカ離れを模索しましたが押し切られてしまった。後を継いだ菅首相もワシントンでネジを巻かれて自民党並みのアメリカ一辺倒外交になりそうですが、日本は中国の台頭を利用すべきだろう。


黄海軍事演習を巡る中米間の対立 中国の大勝利に 7月23日 チャイナネット

この20年間の歩みを通じて、中米間の相互の戦略的需要が完全に平等になっていなくても、この水準に近づいていることは確かである。この状況下で、米軍が中国近海の公海で軍事演習をするには、中国側の反発を考慮しなければならない。中国側が「絶対に反対」の態度を示せば、米国は演習の一部を変更せざるを得ないのである。1994年、米空母キティホークが、中国側に連絡もせず直接黄海に姿をあらわした時と比べると、今回は根本的に状況が変わっている。この度の米韓共同軍事演習において、米国が事前に知らせを伝えたのは、中国側の反応を見ようとしたためである。これこそ、米国が中国を無視できる自信を失っているということに他ならない。

当然ではあるが、世界の覇者たる米国は、やはりプライドを保とうとしている。空母が黄海における軍事演習に参加しないことを告げるのに、「技術的な原因」との言い訳をし、また「空母ジョージ・ワシントンの母港は日本横須賀にあるため、日本近海の海域で軍事演習を行う方が、道中にかかる時間を節約でき、より多くの時間を軍事演習に使うことができる」とまで説明している。これは明らかに自分への言い訳でしかないことは誰もがはっきりしている。中国側も当然、相手の微妙な心理を指摘するようなことはしない。この度の中米間の対立は、中国側が勝者であることは、中米いずれもはっきりと認識しているのに、それを公表しないだけなのである。



(私のコメント)
このような中国人の態度を見れば、アメリカ人と中国人が仲良くしていく事は不可能である事がわかるだろう。アメリカ人にしても中国人にしても日本人からみると大国意識が強くて壁壁とさせられるのですが、いつかはプライドとプライドがぶつかり合う事になるだろう。中国に進出したアメリカ企業も政治的対立などで国内から叩き出されることも想定できる。

中国人が日本人のように現実的で物分りのいい民族ならとっくに中国は近代国家になっていただろう。中国人は大国意識が服を着ているようなものであり、チャイナネットの記事を見ても笑ってしまうほどなのですが、中国人はアメリカ軍の実力が分かっていないようだ。分かってはいても大国意識が露骨に出てしまう。

日本としては米中対立を洞ヶ峠で様子を見ながら、アメリカに味方したり中国に味方したりして国益を図って行くべきだろう。アメリカの中国寄りの民主党政権が出来て焦っているのでしょうが、菅首相は自民党政権なみのアメポチのようだ。これでは政権交代した意味が無いのであり、だから今回の参院選挙で負けるのだ。アメリカと中国とのバランスオブパワー外交は日本の国益になる。




一時的にはアメリカ政府の家計支援策は功を奏したが、問題は
解決しておらず、ついに失速しようとしているのが現在の状況である。


2010年7月23日 金曜日

<FRB>議長「景気懸念」に市場動揺 米で緩和圧力強化も 7月22日 毎日新聞

【ワシントン斉藤信宏】米景気の先行きにいっそう暗雲が垂れこめてきた。21日には米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、米上院の公聴会で「米国経済の見通しは非常に不確実な状況になっている」と強い懸念を表明。追加の金融緩和策を検討する可能性にまで触れた。米市場では株価が急落し、長期金利が1年3カ月ぶりの水準まで低下するなど動揺が広がった。

 米景気の先行きにFRBが危機感を強めている背景には、住宅市場の不振と雇用情勢の改善の遅れがある。

 特に住宅市場は、4月末までの減税措置が打ち切られた後、関連指標が急降下したことで市場の懸念は日増しに拡大。20日に発表された6月の米住宅着工件数も5.0%減と2カ月連続で減少し、09年10月以来の低水準に沈んだ。減税打ち切りに伴う反動は続いており、先行指標となる許可件数も、住宅需要を占う一戸建て住宅の許可が3.4%減った。

 住宅市場の不振は建設業界の雇用を直撃するほか、住宅価格の長期低迷による家計資産の目減りは個人消費を冷え込ませる。今後は中間選挙を11月に控えた米議会からも、FRBに対し追加の金融緩和策を求める圧力が強まりそうだ。しかし事実上のゼロ金利政策を継続する中では、即効性があるかはっきりしないだけに、FRBは難しい判断を迫られることになりそうだ。


第59回 アメリカのバランスシート不況 7月22日 三橋貴明

話をアメリカ経済に戻す。日本経済の牽引車が民間企業だったのに対し、アメリカの場合は文句無しで家計である。

 07年までのアメリカの家計は、年に100兆円規模も負債を増やし続け、住宅投資や消費に費やしていたのである。このアメリカの負債(及び支出)拡大が民間企業に波及し、同時に世界の輸出国(日中独など)をも大いに潤した。

 さらに金融工学の発展は、アメリカの家計の負債を「海外に輸出」することを可能とした。いわゆる、証券化商品である。

 家計の負債(住宅ローンなど)を証券化し、海外投資家に販売することで、アメリカの金融機関は債権保有リスクから解放された。それが益々、アメリカの家計の負債拡大を助長し、最終的にバブル崩壊に至ったわけである。

 バブル崩壊後のアメリカ経済は、家計が負債を減らし続ける中、主に政府が負債と支出を拡大することでフローの下支えを続けてきた。まさしく、90年代の日本と同様の対策を、アメリカ政府が実施したわけである。

 公共投資のように直接的にフローを拡大する支出はもちろん、アメリカ政府はスクラップ・インセンティブ(日本のエコカー減税に類似した制度)や、前例のない規模の住宅購入支援などで、世界最大の需要を支えようと奮闘してきた。確かに、一時的にはアメリカ政府の家計支援策は功を奏したが、大本の部分では問題は解決しておらず、ついに失速しようとしているのが現在の状況である。

ご覧頂いた通り、アメリカ政府の景気刺激策が継続していた今年の第1四半期に至っても、同国の家計は負債残高を減らし続けている。(中略)

 結果、市場がアメリカの景気低迷を予想し、長期金利が下落(米国債価格は上昇)。米国債の十年物国債金利は、3.04%という低水準に至った。今後も同様の推移を続けると、リーマンショック後のように、米国債十年物の金利が2%台に突入する可能性もある。

 無論、金利低下は、民間経済の活性化の切っ掛けの一つになるかもしれない。かつてないほどに低金利で資金を調達できる以上、通常の経営者であれば、低コストの資金を借り受け、設備投資に費やし、将来的な収益向上を目指そうとするだろう。

 ところが、バブル崩壊後の恐慌経済下では、この「常識」が通用しないというのは、日本人の多くがご存じの通り。本来であれば、超低金利にも関わらず投資を拡大しようとしない経営者は、企業成長の意欲を失ったと断ぜられてもおかしくはないのである。ところが、90年代以降の日本では、高収益の企業までもが借金恐怖症に陥り、バランスシートの調整に熱中した。また、切実に資金を必要としている中小企業などには、銀行側が不良債権化を恐れ、与信を厳しくしたわけだ。

 結果、日本国家全体の民間負債が拡大しない時期が続き、代わりに政府の負債だけがひたすら増え続けたのである。現在のアメリカも、90年代の日本とほぼ同じ環境下に置かれている可能性が極めて濃厚なのだ。

 アメリカの個人消費という「世界最大の需要項目」は、同国の家計の負債が減るどころか、「増えない」だけでも大ダメージを受ける。それにも関わらず、リーマンショック以降のアメリカの家計の負債は、毎四半期ごとに着実に残高を減らし続けているのである。

 家計が借金返済に専念し、負債を拡大しない以上、アメリカの個人消費が低迷して当然だ。前述の6月小売売上高、及びミシガン指数を見る限り、2010年6月末時点においても、アメリカの家計の負債減が継続している可能性は極めて高い。

 バブル崩壊を受け、民間の経済主体が超低金利にも関わらず、資金を借りず、むしろ返済に専念しようとする結果、フロー(アメリカの場合は個人消費)が減り続ける。

 要するに、バランスシート不況である。

 繰り返しになるが、日本のバランスシート不況の主役は民間企業だった。それに対し、アメリカの場合は家計が主役である。

 家計と企業という違いはあるものの、今後のアメリカは「国債金利低迷」「名目GDP成長率低下」「失業率の高止まり」「輸出攻勢」「ゼロ金利継続」という、98年以降の日本が通った道を辿る可能性が高いと考える。



(私のコメント)
90年代に日本で起きたバブルの崩壊と言う現象は数年経たなければはっきりした姿も見えず、直ぐに景気は回復するとみられていました。マスコミなどはバブルが再発すると何度も書きたてていました。政府が景気対策を打つとマスコミはバブルが再発すると騒ぐ為に景気対策は打ち切られて景気回復の目は摘まれてきた。

バブル崩壊が本格的になってきたのは97年ころからで、それまでの護送船団方式からダメな銀行は潰すと言う政策に切り替わってからだ。それまでは銀行の貸し渋りはそれほど酷くはなかった。護送船団で銀行の破綻は守られてきたからだ。長引く不況の原因は銀行ではなく、不動産価格の低落傾向がなかなか底を打たないからだ。

2007年頃に都市部の不動産価格が急騰してミニバブルが起きましたが、08年のリーマンショックでミニバブル崩壊が起きている。中国から不動産投機資金が入って来ていますが中国自身のバブル崩壊もだんだんと本格的になってくるだろう。アメリカのバブル崩壊もまだまだ起きたばかりであり、大型の景気対策を打ったからといって抜け出せるものではないだろう。

日本の景気対策でもエコカー減税などが9月で打ち切られますが、景気も二番底を探る動きになるだろう。「株式日記」では当初からバブル崩壊から抜け出すには不動産価格が底を打たないと無理だろうと書いてきましたが、路線価格などもまだじりじりと下がり続けている。ビルの空室率も大きくなってきて商業用不動産市場は冷え切っている。

銀行が融資を増やそうと思っても担保となる不動産価格が下落を続けていては増やしたくても増やせないのが現状だろう。中小企業に対して信用で貸し出せと言っても木村剛の日本新興銀行や石原慎太郎の新銀行東京が行き詰っているように無理な話であり、不動産価格が底打ちして上がらないと銀行の融資は増えない。

アメリカのバブル発生と崩壊も仕組みは同じであり、アメリカの場合は「ホーム・エクイティ・ローン」が主役であり、住宅価格の高騰が消費を支えてきた。その規模は毎年100兆円の規模でありそれが90年代から続いてきた。それが08年のリーマンショック以降は流れが逆転を始めたのであり、住宅価格の低下がローン返済を最優先にしなければならなくなってきた。

新規の住宅ローン申請は07年頃に比べると半分以下にまで落ちてきている。住宅着工件数からみると07年には200万個を越えていたものが現在では50万戸台にまで落ちている。アメリカの消費の原動力となっていた「ホーム・エクイティ・ローン」がどのようになっているかが想像できる。アメリカも住宅ローン返済を最優先にしてその分消費が減ってしまう。

アメリカは住宅ローンを証券化して投資銀行が世界に売って来た。銀行や住宅ローン会社は債権が転売できるのだからリスクゼロで商売が出来る。確かにうまい仕組みですがそれがCDOと言った金融商品となり切り刻まれて分割されてデリバティブ商品として流通してきた。安全性が高くて高利回りだから世界中に飛ぶように売れてアメリカの投資銀行はぼろ儲けしてきた。

まさに金融革命が起きたわけですが、日本の金融機関はこのような証券化ビジネスやデリバティブなどには消極的であり、不良債権処理に追われて手が出せなかった。確かに証券化ビジネスはうまいシステムですが、サブプライムローンなどと言う猛毒薬が混じるととんでもない事が起きてしまった。

昨日もアメリカ本体とウォール街との亀裂が入った事を述べましたが、バブル崩壊に伴う金融恐慌は住宅ローン破綻を招いて家を失う人が続出してくる。それまでは家を持っている人は資産価値の上昇に伴ってローン枠が拡大して消費に使うことが出来た。それが今は逆回転が始まっている。

家を失った人々の恨みは必然的にウォール街に向かうのであり、仕事を失った人々の恨みもウォール街に向かう。日本でもバブル崩壊後において銀行への経営責任を問う声が大きくなり、バブルに踊った銀行や企業は潰せと言った過激な言論がマスコミなどで囃されるようになった。アメリカでも金融機関の経営者の責任追及が始まり高額なボーナスもヤリ玉に上がるようになった。

こうなると金融機関も自己防衛のために貸し渋りや貸しはがしが起きるのであり、ローンを借りていた人は最優先でローン返済に向かう事になる。最悪の場合は住宅を売り払ってチャラに出来ますが、損失は債権者がかぶる事になる。しかし債権者は細分化されて担保処分はかなり時間と手間のかかるものになる。

アメリカは日本に対しては時価会計原則を押し付けてきたり飛ばしはけしからんと言ってきたのに、今ではアメリカの金融機関が時価会計を停止して飛ばしを政府公認で行なっている。竹中平蔵は銀行に対して債権の厳格査定を行い銀行を次々追い込んでいきましたが、アメリカのハゲタカに言われてそうしていたのだろう。しかし今はハゲタカ自身が窮地に追い込まれている。だから郵政の200兆円でアメリカを救えと竹中平蔵は言っている。

日本にとってはアメリカが一番の市場であり、アメリカが無理な事を言って来ても従わざるを得なかった。しかし今は時代が変わって中国が日本にとっての一番の貿易相手国となっている。相対的にアメリカの存在価値は小さくなって来ているのであり、消費大国アメリカの復活はありえない。日本で親米派の自民党が負けて親中派の民主党が勝って政権をとったのも時代の流れだろう。

デリバティブなどの金融商品は専門家でも訳の分からない商品であり、格付け会社が適当に格付けして買い手はそれを参考に売買して来た。しかしそれがいかに杜撰な格付けであったかはAAAの最高ランクの金融商品が軒並み焦げ付いてしまった事が証明している。日本国債をボツワナ並みと評価しているのも格付け会社ですが、ペテン師とどう違うのだろうか?


米国金融規制法と格付けをめぐるドタバタ劇 7月23日 厭債害債

WSJによりますと、格付け会社が証券業者に対して募集書類上格付利用を当面使用を見合わせるようコメントを出して話題になっています。背景には、今週成立した金融改革法(いわゆるドッド−フランク法)の中に、格付け会社が法で定められた募集書類のなかで述べた格付け意見について、ありていに言えばその結果(たぶん具体的には投資適格といわれる格付けをつけた債券が最終的に支払い不能に陥るなど)について法的責任を問われる内容が盛り込まれたと言うことがあります。

米国のルールでは、特にアセットバックの公募債券については格付けの取得が義務付けられているようであり、それらは当然目論見書などの書類にも記載されるのが普通です。ところが今後はそれを記載したあと債券が変なことになってしまったら、格付け会社が損害賠償責任を負わされる可能性が出てきました。一種の製造物責任的な要素が格付け会社に課されたということです。もっともこれまでだって、その気になれば訴えることもできたのでしょうけれど、これまで市場や当局も含めた公式の立場は格付け会社が出す格付けなりコメントは単なる「意見表明」であり、明らかな捏造や事実を曲げた内容ででもなければ、表現の自由によって保護されたものでした。しかしながら、今後は少なくとも一部の証券については、そういういいわけができなくなったと言うことです。(後略)






一本の法案で投資銀行とヘッジファンドの裏技を封じることができる
のだから、借り株禁止で日本の国益を守るべきだと私は強く主張したい。


2010年7月22日 木曜日

日本も借り株を禁止せよ。 7月20日 山本清治

◆(一)米議会で金融改革法案が成立。

(1)難航していた米国の金融改革法案が先週、上下両院で可決された。今週、オバマ大統領が署名して発効する。
(2)最大の狙いは投資銀行の銀行部門と証券部門を分離する点にある。
(3)その結果、投資銀行は証券業務を分離し、ヘッジファンドへの融資を絞り、リスクが高いデリバティブ(証券化商品等の金融派生商品)から手を引くことになる。
(4)シティバンクとバンクオブアメリカは前期に証券子会社を売却したから、先週末に発表した4〜6月決算ではそれぞれ37%、3%の減益となった。
(5)4〜6月決算で76%の大幅増益を達成したJ・P・モルガンチェスは法案成立を受けて証券部門を分離するだろう。
(6)ゴールドマン・サックスも証券部門を分離するだろう。来期の利益は20%以上減少すると見る試算がある。
(7)改革法案がこれまで難航した最大の理由は、世界最大の金融機関である投資銀行は米国で最大の利益を計上しており、投資銀行の規制は米国の国際競争力と税収源を失う結果を招く、という点にあった。
(8)にもかかわらず法案が成立したのは、金融工学やアルゴリズムを駆使したハイテクが水面下でリスクと不正を肥大化しているという疑念が高まったからである。

◆(二)EUが空売り規制法案を準備中。

(1)かねてからEUでは、投資銀行が傘下のヘッジファンドに大量の借り株を提供し、株価を不当に暴落させたという批判があった。
(2)ドイツのメルケル首相の強硬な禁止論にフランスのサルコジ大統領が同調し、EU加盟16ヶ国が空売り規制法案を成立させる可能性が高まっている。
(3)この場合の空売りは、日本の信用取引の空売りとは全く異なり、投資銀行が株式や国債の現物を調達してヘッジファンドに提供し、ヘッジファンドが借りた現物を集中的に売り浴びせて相場を売り崩す手法を指す。
(4)ギリシャやスペインの国債と株式は、あるはずがない大量の実弾売りを浴びて暴落した。
(5)しかしECB中央銀行が予想外の90兆円を準備し、ヘッジファンドの空売りに買い向かったから、逆にヘッジファンドが予期しない伏兵の反撃を浴びて踏み上げを迫られた。中央銀行が買い出動した6月半ば以降はユーロとユーロ圏の国債と株式が急騰している。
(6)借り株を用いた空売りを禁止すれば大規模な実弾売りができにくくなる。
(7)もしEUで空売り規制が成立し、英国、米国、日本が同調すれば、米国の金融改革によって最大の資金源を失ったヘッジファンドは空売り禁止の追い打ちを受けて競争力を失うだろう。

◆(三)日本の円高恐怖論を笑う。

(1)日経は先週、フランス首相のユーロ安容認発言を鬼の首でも取ったように1面で報道した。しかしヨーロッパの政治家と国民は昔も今も通貨高を望んでいる。フランス首相のユーロ安容認発言は異例中の異例であればこそニュースになった。ちなみに円高を悲観する国は世界中で日本だけである。
(2)日本の異常な円高悲観論は、日経や金融機関のシンクタンクが日常的に「1円の円高で輸出企業の利益が何億円減る」という時代錯誤の試算の影響が大きいので、以下にこの種の試算がいかに非現実的であるかを指摘したい。
(3)第1に、企業は為替変動による業績悪化を避けるために、毎年海外の現地生産比率を引き上げている。今日では主要な輸出企業はみな多国籍企業である。
(4)第2に、半期ごとに想定為替レートを発表する企業は、発表した時点ですでに相当部分を先物市場でヘッジしている。その後も想定レートを上回ればすかさずヘッジ比率を増やす。
(5)第3に、総合商社は社内レートを設定し、輸出入を集計して差額を財務部がヘッジし、利益を確定している。
(6)第4に、為替で稼いでいる企業は多いが、黙っている。
(7)第5に、為替の思惑が外れた企業が円高を言い訳にしている。
(8)今どき、為替対策を持たない企業は存在しない。

◆(四)ヘッジファンドの「カモ」にされた東京市場。

1)問題はヘッジファンドが日本の円高恐怖論につけ込んで東京市場を「カモ」にしているところにある。
(2)ヘッジファンドは為替市場を円高に誘導し、或いは一部の輸出株を売り崩しさえすれば、日経平均が急落することを知っている。
(3)そこであらかじめアルゴリズムを用いて為替先物、輸出株、日経平均の裁定取引を構築しておく。
(4)為替相場は小さな資金で大きく動くから、機を見て円高を仕掛ける。或いは円高局面でアルゴリズムを活用する。

(5)アルゴリズムが日本の円高と株安を増幅している可能性がある。
(6)日本には投資銀行が存在しないからリーマンショックの被害が軽微であったが、同時に投資銀行の金融工学やアルゴリズムのノウハウに無知である。そのため東京市場は投資銀行とヘッジファンドの「カモ」になりやすい。
(7)東京市場が「カモ」にされた状況は、世界の株価指数に明快に現れている。日経平均はギリシャやスペインを含む世界の大半の株価指数よりも下落幅が大きい。
(8)財政赤字が世界最大で、金利が世界1低い日本の円が投機筋の買いを集めているのも不可解である。

◆(五)日本も借り株を禁止せよ。

(1)米国では金融改革法案が議会を通過した。
(2)EUでは借り株禁止法案が成立する可能性が高い。
(3)日本はEUに追随して借り株を禁止する好機を迎えている。
(4)一本の法案で投資銀行とヘッジファンドの裏技を封じることができるのだから、借り株禁止で日本の国益を守るべきだと私は強く主張したい。



(私のコメント)
90年代の日本の株価の暴落はヘッジファンドが仕掛けてきたものですが、日本の政治家はアメリカからの金融規制緩和の圧力に屈して彼らにやりたい放題の事をさせて来てしまった。ヘッジファンドは日本のバブルが崩壊したと見るや保険会社から株を借りて売り叩いてきた。これでは日本の会社がいくら株式を持ち合っていても防衛策にはならず株価は売り崩されてしまう。

保険会社など株を大量に持っているところは利益を稼ぐ為にヘッジファンドに株を貸し出してしまう。先物で売り叩いたところを現物の売りが売り叩くのだから暴落してしまう。さらに円高にして輸出企業の決算が悪くなれば売り材料になるから、円高を仕掛けては輸出関連株を売り叩く。ヘッジファンドはこのように機動力を生かして売買益を上げてきた。

アメリカのヘッジファンドはいずれ日本国債も日本の金融機関から国債を借りてきて売り叩く計画を持っているのだろう。ヘッジファンドはギリシャやスペインなどの国債を売り叩いて信用不安を煽って国債とユーロを売り崩してきましたが、いずれは日本も同じように国債や円を売り叩いて来るだろう。そのきっかけになるのは何だろうか?

このようにアメリカのヘッジファンドはやりたい放題のことが出来てきたのですが、アメリカの投資銀行は金融立国アメリカの政府系金融機関のようなものだった。歴代の財務長官も投資銀行出身者がなってきた。ルービン財務長官もその一人でしたが、アメリカを救った救国者として称賛されてきた。

アメリカの投資銀行が海外で何をしようが、利益を上げて税金を納めて多くの人を雇用して高給を払ってきたうちは良かったのですが、金融工学を駆使した訳のわからない金融商品を作り出して世界に売ってきましたが、それはとんでもない商品でありサブプライム債権の入ったCDOが焦げ付いて誰も買わなくなってしまった。その為にリーマンショックが起きた。

その為にアメリカ政府は80兆円近くも金を出して金融機関を救いましたが、投資銀行やヘッジファンドの暴走はアメリカそのものを滅ぼしかねない事が分かってきたようだ。だからオバマ大統領は金融改革法案を成立させて金融機関の暴走を出来ないようにした。金融機関は自由にさせておけば限りなくハイリスクな投機に走ってしまうからだ。

日本の株式市場も外資系証券会社が市場の6割を占めるようになって、日本の株式市場を自由に操れるようになってしまった。そして外資系証券会社のファンドマネージャーが中央官庁に出入りしてアメリカ政府の代理人であるかのように振舞って財務省や金融庁はアメリカの出先機関のようになってしまった。

具体的に言えばモルガンスタンレーのロバートフェルドマンなどのアメリカの代理人が竹中平蔵を使って日本の金融を操ってきた。だからアメリカのヘッジファンドはやりたい放題であり、それを村上ファンドやホリエモンが真似したらお縄になってしまった。最近は木村剛が捕まりましたが、放置しておけばきわめてハイリスクなグレーゾーンの投機に走ってしまう。


竹中金融相は米国の代理人だった! (日刊ゲンダイ、10月25日)

”竹中代理人説”を裏付けたのは、モルガン・スタンレー証券(東京・渋谷区)のチーフエコノミストであるロバート・フェルドマン氏。
一昨日(22日)、都内で開かれた投資家向けの講演会で、「われわれが竹中金融相に知恵を授けた」という趣旨の発言をしたのだ。
講演を聞いた一人が言う。
「フェルドマン氏は、来日中のテーラー米財務次官や、彼と一緒に来日したモルガン・スタンレーのスティーブ・ローチ氏(チーフエコノミスト)、バイロン・ウィーン氏(チーフストラテジスト)の3人とともに竹中氏に面会した。
そして、不良債権処理を加速させる竹中案の足を引っ張る勢力をいかに排除するか、直接アドバイスしたことを講演でとくとくとしゃべったのです」
この4人は金融庁の役人や抵抗勢力と抵抗勢力といわれる政治家たちを”反竹中勢力”と定義

言うことを聞かない役人には人事権を行使してクビを切り、
政治家には”北朝鮮カード”を使えと竹中金融相に迫ったのだ

「北朝鮮カードとは、破綻した朝銀絡みの問題です。
北朝鮮への送金でうまい汁を吸っていた政治家については金融庁がチェック済みだろうから、それをネタに政界からの引退に追い込めという理屈でした」(前出の参加者)
「来日中の3人は、一部では竹中応援のための”ドリームチーム”と呼ばれている。
しかし実際は、応援というよりも尻をたたいているといった方が正解じゃないですか。
モルガン・スタンレーは日債銀の譲渡先選定を仲介するフィナンシャル・アドバイザーを務めたことがある。
今回もメガバンクが国有化されれば、その売却でひともうけできるという思惑があるのでしょう。
竹中氏はそのお先棒を担いでいるわけです」(金融関係者)


(私のコメント)
幸いな事に民主党に政権が交代して竹中平蔵に冷や飯を食わされてきた亀井静香氏が金融担当大臣になって風向きが変わりましたが、アメリカ自身も金融立国では国を滅ぼしかねないと分かってきて金融改革法を成立させた。しかし6000兆円とも言われるCDS爆弾はアメリカを破綻させかねない。

EUではメルケル首相が空売り規制法案を準備していますが、債券を借りられなくなればヘッジファンドは売り叩く事が出来なくなる。このようなこと事態アメリカとEUとの力関係が変化してきたからでしょうが、リーマンショック以降アメリカの投資銀行は信用を失ってしまった。アメリカで金融改革法が成立した事じたいウォール街と亀裂が出来始めた事を象徴するものでしょう。

アメリカとウォール街は今までは二人三脚でやってきましたが、サブプライム問題やリーマンショックでアメリカとウォール街に亀裂が生じている。多くのアメリカ市民が住宅を失いホームレスになっている。それに対してウォール街の経営者は莫大な退職金を貰って優雅な生活をしている。ウォール街は莫大な税金で救済されたのにホームレスには救済の手は施されない。

日本も長年ウォール街に泣かされて来た。バブルの崩壊がこれだけ長引くのも政府日銀の無能から来るものでしょうが、郵政民営化問題でも分かるようにウォール街は日本から如何にカネを巻き上げるかしか関心が無い。その為には円高と株価の低迷はウォール街が仕掛けているからなのでしょうが、政府当局は見て見ぬふりだ。

山本清治氏が書いているように円高脅威論はマスコミが作り上げた幻想であり、1円の円高で輸出企業はいくらの損害と書きたてますが、輸出は契約した時点で先物市場でヘッジしている。国内が不景気になったのも円高と言うよりも工場が海外に移転してしまったせいであり企業自体は多国籍化している。だから円高=株安はヘッジファンドとマスコミが作り上げた幻想だ。

鉄や石炭が暴騰している事を昨日のクローズアップ現代が報道していましたが、円高のために国内はインフレにならず不景気の物価高にもなっていない。鉄は建設業界や自動車業界に大きな影響があるはずですが、マンションの値上がりも自動車の値上がりも起きていないのはどうしてなのだろう? 中国は鉄鉱石相場の暴騰と元安固定で鉄鉱価格はダブルパンチだ。

だから中国が人民元の固定に拘るのは企業の国際化が出来ない為であり、アメリカやEUは企業が多国籍化しているから通貨は高い方が国益になる。日本企業も多国籍化が進んでおり円高で大変だといつまで騒いでいるのだろうか? 円高悲観論はヘッジファンドが東京市場で稼ぐ為の方便なのだ。




官僚の洗脳手段の基本型は、総理が恥をかくかも知れない恐怖と共に
総理自身の能力を思い知らせつつ、ぎりぎりで体面を保てるようにする。


2010年7月21日 水曜日

菅、本当は「22%」だった 7月20日 AERA

唐突な消費税増税は、実は周到に計算されたシナリオがあった。
だが功を焦った菅は、自らそれをぶちこわした。
 菅直人は、カナダで開かれたG7から帰国した2月、すっかり人が変わった。
「キミらどうするんだ。こんな生ぬるいことをやっていて大丈夫なのか」
 菅の叱責の矛先は、当時鳩山由紀夫首相の腹心である官邸高官たちに向かった。その一人は、内閣府副大臣だった古川元久が「たいへんだ。菅さんが……」と血相を変えていたのを覚えている。菅が「消費税を上げろ」と言い出したのである。

 突然辞任した藤井裕久の後を継いで、菅が副総理を兼ねたまま財務相に就任して、まだ1カ月しかたっていない。彼にとって、このときが国際会議デビューだったG7では、財政破綻したギリシャについて話し合われた。
 そもそも菅は増税に冷ややかなはずだった。財務相就任直後の1月の衆院予算委員会で「(消費税は)逆立ちしても鼻血も出ないほど無駄をなくしたと言える」まで上げないと明言した。
 だが、カナダから帰国すると、まるで別人だった。

普天間隠しの消費税

「普天間でこうなっているときこそ、消費税増税という力強いメッセージを出そうよ」
 首相官邸にいた高官の一人は、菅がそう意気込んで持ちかけてきたのを覚えている。
 そのころ、米軍普天間基地問題が迷走していた。菅の消費税増税案は、参院選を控えるのに支持率が急落する民主党政権を、再び浮揚させる狙いがあった。
 関係者によると、菅はこのとき2010年度の国債発行額約44兆円を消費税で賄う考えでいた。おおざっぱな計算だが、消費税率1%で2兆円余の税収になるため、単純に約44兆円をそれで割ると、22%になる。つまり現行から「17%増の22%にしよう」と言い出したのである。
 菅が依拠した論理は、世代間格差の是正だった。増税を先延ばしにし、歳入を新規国債の発行に依存すれば、それだけ今の子どもたちの世代に負担がかかる。現役世代が安逸な生活を維持する半面、子や孫の世代に負債を押しつけてきたこれまでのやり方は、世代間の格差を広げるだけ、と考えた。
 菅は鳩山にも増税を進言したが、鳩山は昨年9月の民主、社民、国民新3党の連立合意で、任期中は消費税を上げない、と明記した当事者である。当然「次の選挙で国民の信を問うてからでないとできない」との原則論を譲らない。鳩山の側近も「上げる前に行財政改革などやるべきことをやらないと」と、先走る菅を諌めている。結局、鳩山が「参院選後に協議を始めるのはいいよ」と折れ、民主党のマニフェストの文言は、その線でまとめられることになった。(後略)


1.26 国会中継 参院予算委 林芳正 消費性向と乗数効果の違いについて

ビジネスパーソンの反面教師としての菅直人氏  7月14日 山崎元

そして3番目に、何と言っても、官僚組織に取り込まれて、以前の自民党政権と区別が付かない状況に陥ってしまった民主党政権を最も端的に象徴する「変節の人」として、菅直人氏が分かりやすかったことが大きい。

 特に消費税に関連する洗脳のされ加減は凄まじかった。財務大臣就任後を見るとしても、消費税増税は逆立ちしても鼻血も出ないくらい財政支出のムダを削減してからだという勇ましさから、消費税の議論は前倒しでいい、に早々に態度が変わり、ついには、政権運営と自らの政治生命を掛けた一大勝負であったはずの今回の参院選を「自民党案を参考に」しつつ、民主党内の議論を省略してまで消費税率の引き上げを争点にして戦ったのだから、財務省の官僚さん達も上手く行きすぎて驚いたのではないだろうか。

 かつて民主党の総選挙時のマニフェストを評価した有権者から見ると菅氏は変節したということになるが、菅氏ご自身は、おそらく早晩行き詰まるであろう鳩山首相に取って代わるポジションに2着付けしながら、大名マークで上手く立ち回っていると思っていたのではないだろうか。

 申し訳ないが、筆者は、菅直人氏の人物を語るに際してどうしても低評価に傾くのは、新政権発足直後の重要なときに、鳩山首相を助けるというよりは、彼の失敗を待っていたように見えたからだ。こういう人物に好感を抱く人は少ないのではないか。

 上手く世渡りできていると思うときにこそ、他人から見た、反感が高まり、評価が低下することは、ビジネスの世界でもよくある話だ。(中略)

◆菅氏の洗脳はいかにして可能だったのか?

 菅氏のような大物政治家であり形の上では組織のトップでもある人物のものの考え方を短期間に根源から変えることが、どのように可能だったのかは、それ自体が興味深い問題だ。

 できれば詳細を知りたいところだが、筆者は、菅氏が仕事をする上で官僚に頼った際に、レクチャーを受けながらインプットを受けたと想像する。

 特に、ネット界隈ではYouTubeに動画がアップされていて頻繁に言及される有名な事態だが、自民党の林芳正参議院議員による「乗数効果」に関する質問に答えられずに恥をかいたことは、プライドが高いといわれる菅氏には堪えただろう。また、英語が不得意といわれる菅氏がG7などの国際会合に出た際に官僚に大きく依存しつつ、洗脳を受け入れる精神的な態度が出来たのではないかと想像する。

 連日の国会答弁に国際会議と続く大臣のスケジュールは、芸能人でいうと殆ど準備無しにぶっつけでクイズバラエティー番組に出続けているようなものだから、「付き人」や「スタッフ」さらには「台本」に対する依存が大きくならざるを得ない。加えて、消費税率引き上げに関しては前向きな話をする度に新聞の社説などでも褒めらるので、菅氏は消費税問題について、すっかりその気になってしまったのではないだろうか。

 林議員の質問も、大新聞の社説も、全てを財務官僚がお膳立てした「仕込み」だとまでは言うまいが、国会の質問について官僚はある程度事前に知っているはずだし、財務省の官僚と林議員が情報交換して菅氏の経済知識に関して「感触」を共有していた可能性もある。もちろん、大新聞の特に社説レベルの書き手は、官僚からの情報提供とレクチャーで多くの記事を書いてきたのだから、財政再建に前向きな大臣を上手に褒めてみせるくらいのサービスは頼まなくても自然に出来る範囲だろう。

 筆者の想像に近い事態だったとすると、主に財務省のだと思うが、官僚は、アメとムチのパターン化された使い方を菅氏に適用しただけだ。「洗脳」などと大げさに言うよりは、「調教」とでも言っておく方が現実に近いかも知れない。

 こうしたテクニックは、ビジネスパーソンが「社長」や「上司」を操る際にも使える。基本型は、上司が恥をかくかも知れない恐怖と共に上司自身の能力を思い知らせつつ、ぎりぎりで体面を保てるように救ってやりながら、好都合な知識をインプットし、折に触れて上司が褒められて自信を持つようにして、この知識の刷り込みを強化する、というパターンだ。上手く行くと、知識の刷り込みと共に、上司からの依存も手に入る。

 菅氏のように、高いプライドに能力が釣り合っていない上司には特に効果的だ。



(私のコメント)
政治家がなぜ官僚の言いなりになってしまうのかと言う問題は何度も書いてきましたが、官僚たちが情報を自分たちで抱え込んでしまって自分たちに都合のいい情報しか大臣に渡さなければ簡単に操れる。それに対して大臣は人事権で威嚇しますが、最近の大臣は一年足らずで交代してしまうから人事も官僚たちが仕切ってしまう。

官僚たちはその道30年のベテラン揃いだから専門知識では政治家は太刀打ちできない。だから政治家が官僚と専門知識比べをしても意味が無い。自民党の林芳正参議院議員による「乗数効果」などの質問は従来はしなかった事ですが、したとしても政府委員が答えていた。

総理大臣に対して経済専門用語の意味を問うても意味の無い事であり、政治家の仕事は政策を決断して担当官庁に指示を下す事だ。専門知識において官僚と張り合ってみた所で無意味な事だ。だから菅総理が「乗数効果」を答えられなかったとしても経済学者ではないから恥ではない。しかし菅総理はそれ以降官僚に取り込まれてしまった。

問題なのはプライドの高さがマイナスに作用してしまって面子を失ってしまう事になった。麻生総理が漢字を読み間違えるのとは少し意味が異なるのですが、政治家に学者のような専門知識を求めても、会社の社長が経済学の専門家でないように意味の無い事だ。むしろ林芳正参議院議員が総理大臣に質問する事が非常識だ。

総理大臣に必要な事は官僚という専門家をいかに使いこなすかと言う事ですが、民主党の国会議員には人間的な度量のない人物が多い。枝野幹事長や仙石官房長官などその点などにおいて非常に評判が悪い。頭は非常にい人物なのでしょうが人を説得するのが政治家の仕事ですが彼には出来ない。「闇の声」氏は次のように言っている。


242 :闇の声:2010/07/21(水) 00:54:45 ID:18ZsSlIY

菅直人が裸の王様になりつつあって、それは選挙期間中からそうだったのだが
それがますます酷くなってるね。
確かに消費税の税率を上げるのは必要だが、その前にやる事があって・・・
それは何度も野党時代に口にしていた事だ。
結局、菅直人を甘やかしてきたメディアのお陰で、彼は誰にも相談しないで
政治は出来るものだと理解してしまった。
言い換えれば、彼ほど成長していない政治家はそうそういなかったのだが、あの剣幕と
イメージですっかり騙されてしまったと言う事だな・・・騙されたのは俺も同じだ。
それは枝野も一緒だったね。
特に枝野は下手すると政治生命を失うかも知れないな。
その理由は人間性だ・・・枝野は何を苦労して来たのか、結果的に弁護士と言う資格と
議員バッチに頼る生き方しかできない。
それを取ってしまったら、何が残るのか・・・何もない。
今の内閣が倒れるとしたら、それは人間性だ。

小沢の出番・・・書けない話が一個あって、それを実現させるまでは小沢は死ねない。
石原が考えている事を、組織使ってもっと露骨にやろうとしてるんだが、その背景は
銀行使って土地を明け渡させようと言う事だな。
それだけ小沢と言うのは黒いものに抵抗がないんだ。


(私のコメント)
人を説得するには信用してもらわなければなりませんが、信用してもらう為には人間性が大切だ。菅総理も枝野幹事長も上から目線で怒鳴り散らす。イラ菅と言われるのはプライドが高くて短気だからですが、これでは優秀な人材は菅氏の周りには集まらない。国内なら怒鳴り散らしながらでも何とかなるかもしれませんが国際会議に出ればそれは通用しない。

菅総理は国際会議に出るたびに何か吹き込まれて帰って来るようだ。日本の立場を十分説明できればいいのですが、英語が出来なければ何も説明が出来ない。通訳をもちろん使うにしても言うことよりも言われる事のほうが圧倒的になってしまいがちだ。いくら熱弁をふるっても通訳を介しては効果は薄い。

ここでも外国の大統領や首相に信用してもらうには人間性は大切なのですが、イラ菅といわれるように怒鳴り散らして威圧してきたやり方は通用しない。小泉総理のようにブッシュの前でエルビスプレスリーの真似をして見せるのも人間性なのですが、総理大臣ともなる人の器としては菅総理も枝野幹事長も青すぎる。

今まで有能だと思われていた政治家が総理大臣になると馬脚を現してしまうのはなぜなのだろう? 国のトップともなると最終的には自分ひとりで決断しなければならない。その孤独に耐えられるのはしんどい事であり、何も決断が出来なくなって内閣が立ち往生してしまって辞任に追い込まれてしまう。

小泉総理大臣は異常なほど国民の支持率を気にしながらの政治でしたが、対米交渉や北朝鮮などとの交渉で得点を重ねてきた。外交交渉ともなると一対一の交渉になり政治家としての資質の差が出ますが、相手をいかにして言葉で丸め込むかが試される。日本の政治家にはそれが苦手な人が多い。菅総理などもG8の会議で馬脚が出てしまった。

国会審議も菅内閣は逃げまくっていますが、参議院選挙前にも一方的に国会審議を打ち切ってしまった。参院選挙が終わっても9月までは国会は開かれないようですが、これでは審議から逃げているような印象を持たれるだろう。小沢一郎も菅、枝野、仙石体制は長くは続かないと見ているのだろうから八丈島で釣りを楽しんでいる。





自給率41%は予算確保の為の数字であり、国内の農業生産額は
八兆円。これは世界五位、先進国に限れば米国に次ぐ二位である。


2010年7月20日 火曜日

政府と農林水産省が農業政策の指標としている自給率が、
もし「インチキ」だったら  (BSフジ・プライムニュースより)

『日本は世界5位の農業大国』の著者の試算によれば先進国中3位
の数字だそうだが、こちらはほとんど話題に上らない。


農業者戸別所得補償制度:県内申請は4万2876件 制度存続に疑問の声も /山形 7月17日 毎日新聞

農林水産省が16日発表した県内のコメの戸別所得補償制度の申請件数は4万2876件だった。制度は生産費用と販売額の差額として10アール当たり1万5000円を定額補償する。米価が下がれば利益も減ることから、下落分も補償する二階建て方式。減反が条件だ。

 稲作農家の所得と米価の安定を狙い、民主党などの連立政権が導入した。農水省は米農家に占める戸別所得補償制度の申請農家の割合を示す狙いで、09年度の水稲共済加入農家数も参考に示したが、山形県の加入農家数は4万1074戸で、形の上では農家数を上回る申請があったことになってしまった。この点について同省農業生産支援課は「共済に加入していない小規模農家も申請したからではないか」としている。

 一方、独自に販売ルートを持ち、米を売る自信のある農家は減反せず制度に参加しない道を選んだ。6・5ヘクタールの水田で栽培する鶴岡市大山の農業男性(60)は、これまでも減反に不参加。農協を通さず産直で販売してきた。「戸別所得補償制度は経営難と後継者不足に悩む農家を救う根本的な解決策になるとは思わない」と話す。

 男性に気がかりなのは、米の卸売業者の買い取りの動きが例年に比べて鈍いことだ。在庫米がだぶつけば米価の下落は避けられず、米価が下がれば国の補償額はさらに膨らみ財政を圧迫する。所得補償にかかるお金は、農水省予算の約4分の1に当たる年間5600億円を占める。男性は「米価が上がるとは考えられない中、いつまでも国が補償できるだろうか」と、制度の存続を疑問視している。【長南里香】



民主党の農家戸別所得保障政策は必ず破綻する(山下一仁) 7月10日 余丁町散人(橋本尚幸)

学士会会報(NO883)に、農水省出身山下一仁の学士会館夕食会での講演録が掲載されている。ニッポンの農業政策の基本的な問題点がよく分かる内容であり普通の人もぜひ読んで置くべきだと思うが、民主党の農業政策は悪名高いあの自民党の農業政策より更にひどいという。これは知らなかった。その部分だけ要旨引用:
民主党の農業政策とは、まさに小沢流の「農家を買収さえすれば選挙に勝てる」という哲学を具現化したものにほかならない。しかしそれに乗せられて民主党に投票した農家も、後で泣き面を見ることになる。愚民政策は国を滅ぼす。


日本は世界5位の農業大国―大嘘だらけの食料自給率 浅川芳裕:著

「日本の農業は弱い」なんて誰が言った?『日本は世界5位の農業大国』 4月14日 日刊サイゾー

「食料の6割を海外に依存する日本」「農業人口急減で農家は崩壊寸前」「食料自給率の向上は急務」などなど、ここ数年、日本農業の行く末を危ぶむ報道がかまびすしい。しかし、政府と農林水産省が農業政策の指標としている自給率が、もし「インチキ」だったら......。本書『日本は世界5位の農業大国』は、この自給率に潜むカラクリを暴くとともに、日本農業の潜在能力の高さを説いたものだ。

 では、食料自給率のどこがインチキなのか。国が国策として向上をうたう自給率には「カロリーベース」と「生産額ベース」の2種類があるという。僕らがふだん見聞きするのはもっぱらカロリーベース自給率で、最新値(2008年)は41%だ。一方の生産額ベースではどうかというと、07年で66%。著者の試算によれば先進国中3位の数字だそうだが、こちらはほとんど話題に上らない。なぜ、わざわざ自給率を低く発表し、国民の不安を煽るのか。

〈自給率政策によって、あたかも農水省が国民を「食わせてやっている」かのようなイメージが実現できるからだ。その結果、統制経済的で発展途上国型の供給者論理を正当化し、農水省予算の維持、拡大を図っている〉

 たとえば、鳩山内閣が自給率向上政策の目玉とし掲げている「戸別所得補填制度」。これは「コメや小麦、大豆など自給率向上に寄与し、販売価格が生産費を下回る農作物を作っている農家に、その差額を補填する」制度だが、ここでいう「差額」とは赤字額のことで、「補填」に使われるのは約1兆円の税金だ。要するに同制度は、農家に黒字を出す努力を放棄させ、赤字を推奨する「農業の衰退化政策」にほかならず、税金のバラマキですらない。農家は弱くなればなるほど政治の力を必要とし、政府と農水省の影響力は担保される。

 しかし、これは著者に言わせれば、「自給率」という呪縛が解けたとき、政治・行政主導によらない、自律した農業が実現するということでもある。そして、自給率に縛られているいまなお〈国内の農業生産額はおよそ八兆円。これは世界五位、先進国に限れば米国に次ぐ二位である〉。さらに、農業人口の減少が叫ばれているにもかかわらず、生産量は着実に増加しているという。つまり農業者一人当たりの生産性が飛躍的に向上したわけだ。

 といった具合に、本書は農政を批判するだけに止まらず、ポジティブな視座も与えてくれる。日本の農業や食料安全保障を考えるうえで、目からウロコの一冊になるだろう。


「戸別所得補填制度」は農家に黒字を出す努力を放棄させ、赤字を推奨する
「農業の衰退化政策」にほかならない。小規模兼業農家が増えていく。

「戸別所得補填制度」は民主党のバラマキ政策である。
政治・行政主導によらない、自律した農業が実現できる。


(私のコメント)
日本の中央官庁は危機感を煽る事が大好きであり、政治家や国民を騙して予算を獲得していく。財務省の官僚も日本がギリシャのように財政破綻するといって消費税増税を企むのも同じような構造からだ。マスコミもまた官僚たちの言い分をそのまま報道するものが多い。マスコミのしてみれば危機感を煽った方が視聴率が稼げると言う事なのでしょう。

農家への戸別所得保証制度も「株式日記」でも何度か触れましたが、当初のプランとはかけ離れたものになりそうだ。本来ならば減反政策を廃止して専業農家に所得を保証しようという政策なのですが、実際に行なわれるのは減反に協力する農家への補助金のバラマキだ。従来とは違うのは農協を通さずに直接農家に給付するという事ですが、今まで米作りを止めていたところも補助金目当てに再開する所が増えたようだ。

これは民主党が農家を票田とみなして行なう政策ですが、今回の参院選挙では一人区のような農業県で民主党は惨敗している。戸別所得補償制度は従来の減反政策からの転換かと思わせたのですがカネの配り方を変えただけの減反政策だ。これでは農家からの支持も失ってしまうだろう。だから一人区でも惨敗したのだ。

昨日のたけしのTVタックルでも農業問題をやっていましたが、民主党の議員も農水官僚の出した数字を鵜呑みにして食料自給率を誤解している。確かに食料安全保障政策は分かりますが41%と言う数字がどのようにはじき出されているものかも知らないようだ。カロリーベースと言う所がインチキ臭いのですが、これは日本の農水省だけが出している数字であり、生産額ベースで計算すれば世界第五位の農業大国であるそうです。


減反政策をやめ、コメを増産し、コメを輸出すれば、食料安全保障に必要な農地を確保できるだけでなく、国際的な食料安全保障にも貢献できる。 2009年2月24日 株式日記

酪農や野菜は8割が専業農家で作っているのに、米だけは専業農家が4割にしかならない。6割が兼業農家なのですが、米は手間がかからず土日の作業だけでも米作が出来る。だから会社勤めをしながらの兼業農家でも成り立つのでしょう。米の生産高は50万円とか100万円程度しかならず、これで農家とは言えないだろう。

減反政策は6割を占める兼業農家のための政策であり、専業農家にとっては足枷となってしまっている。減反政策は米の生産調整をして米を高く売る制度ですが、兼業農家保護政策なのだ。決して米作農家の保護政策ではない。日本では兼業農家ほど恵まれた世帯はないだろう。兼業農家で一家心中をした人はおらず、農地という名の低課税不動産を持った土地所有者なのだ。


自民党も民主党も米作兼業農家を票田としてしか考えていない。減反政策を廃止して60キロ1万円の米ならば輸出できるようになる。 2009年5月4日 株式日記


民主党の農家への所得補償方式について賛成だと株式日記に書いた事がありましたが、参院選で大勝したとたんに当初の法案から大きく後退してしまった。選択的減反政策では米作の構造改革は進まず、コストの高い米作が続けられる事になる。そんな事が続けば補助金のバラマキは続けられることになる。農家の票田を金で買っているのだ。民主党の所得補償方式も農家の票を買うための手段だったのだ。

地方経済の活性化は農業の活性化にあるのですが、現在の農政では耕作放棄地を増やすばかりだ。減反政策の堅持は兼業農家には都合がいいのでしょうが専業農家を立ち枯れさせてしまう。農作物は相場の変動が激しいからアメリカの農家のような情報管理まで必要ですが日本の農家はパソコンさえ満足に扱えない。国際相場を見ながら来年は何をつくろうかなどという農家は日本にはない。


(私のコメント)
政治家は選挙のことしか考えないから農業のことよりも金をばら撒いて票を得ることしか考えない。農水官僚も農水予算を獲得する事しか考えない。予算を獲得して天下り先にばら撒いて肝心の農家には補助金は行かない。小沢一郎はそこを付いて直接農家に金をばら撒く事で去年の衆院選挙で民主党が大勝したのですが、無責任なばら撒き政策であることを見抜かれてしまったようだ。


民主党の「戸別所得補償制度」は実質的に食管制度の復活になる。減反政策もそのままで小規模兼業農家への補助金で票を獲得した。 2009年10月23日 株式日記

昨日のクローズアップ現代で民主党の赤松農林大臣が出ていて農家の戸別所得補償政策についてやっていましたが、私が考えていたものとはだいぶ異なる政策のようだ。赤松大臣の話では減反政策も続けて生産費と市場価格との差を国が補填すると言う事ですが、わかり易く言えば以前行なっていた食管制度を復活させるようなものだ。

民主党の戦略としては農家の支持を集めるには戸別所得補償制度のような政策が必要だった。自民党の農業政策は農協や農業団体にお金を出して農家には直接カネは回ってこなかったが、民主党の戸別所得補償制度は直接農家に補償金を渡す制度だから農家の支持を集めた。公共事業でも予算が回るのは建設会社ばかりで地方住民には回ってこなかったのと同じだ。

アメリカでもヨーロッパでも農業の大規模化が進んだのは戦後であり、大型耕作機械が普及した事で農業の大規模化が進んだ。しかし日本では田畑が小規模なまま機械化だけが進んだ。だから1年に二週間しか耕作機械は使われずに後は倉庫に眠っている。数百万円もする耕作機械を二週間しか使わないのでは米作りのコストダウンは進む訳が無い。

フランスでは30年余りで農家の戸数は三分の一に減りましたが、日本も高齢化が進んで農家の戸数が減ってくる状況になっている。だから大規模化と専業化を進めるには絶好のチャンスなのですが、民主党の戸別所得補償制度は小規模兼業農家を増やす結果になるだろう。経費の他に労働費まで認められて他の産業並みに費用を上げていけば米作りほど割りのいい仕事は無いからだ。その前に日本の財政はパンクするだろう。



(私のコメント)
日本で適切な農業政策が行なわれれば、現在でも世界第五位の農業大国なのだから、自動車や家電産業並みの農業大国になる事が出来るだろう。近代国家でなければ近代農業が育たないのは自明の事だ。経済大国=農業大国の図式が成り立つのですが、農林官僚たちは日本の農業を遅れたものと捉えている。

ネックになっているのは6割を占める兼業農家ですが、民主党が行なう戸別所得補償制度は早くも農民から不信感をもたれてしまっている。赤松農林大臣は二世議員であり口蹄疫問題でも外遊を優先させて口蹄疫を拡散させてしまった。二世議員は東京生まれの東京育ちが多くてボンボン議員で農業や酪農の事は良く知らない。だから農林官僚の数字に騙されてしまうのだ。

BSフジのプライムニュースで浅川氏が説明していた所では、食品の半分近くが食べられずに廃棄されている分も含まれているし、食べない油などの分も含まれていて、実質のカロリーベースでは53%になるそうです。自給率の数字自体2003年のものでありオランダなどの最近の数字は日本より自給率が悪くなるらしい。官僚は都合の悪い数字を隠してしまう。




有権者はこれまで『責任を取らない政治』に不信感を抱いてきた。
菅さんは党と有権者に何らかの責任を取る必要があります。


2010年7月19日 月曜日

夕刊紙日刊ゲンダイが一面の見出しで堂々と「民主党への投票呼びかけ」
現代が何を書こうと自由だが選挙情勢分析も間違っているようじゃお終いだ


今度の選挙でハッキリしたのは、「脱小沢路線」が大失敗だったということ 7月15日 日刊ゲンダイ

参院選で世紀の大惨敗を喫した菅民主党は、執行部の責任回避に躍起だ。しかし、今度の選挙でハッキリしたのは、「脱小沢路線」が大失敗だったということだ。
「小沢さんにはしばらく休んでもらう」と言い、クーデターのごとく、小沢切りを断行した菅政権。その主役は菅であり、知恵を授けたのが仙谷官房長官や枝野幹事長であるのは言うまでもないが、その結果が、このザマだ。脱小沢でいい気になったのは一瞬で、あとは国民も呆れ返る迷走の連続だった。
 しょせん、小沢がいなければ何もできないじゃないか。菅らの“幼稚さ”をまざまざと見せ付けられた選挙戦だったのである。
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「就任後、菅首相がやったのは、唐突な消費税増税論議と、昨年、国民と約束したマニフェストを骨抜きにすること。さらに民主党の売り物だった透明性に逆行する取材拒否と、選挙終盤にはメッセージを伝えるために取材に応じるという自分勝手でした。これだけ裏切りを続ければ、この選挙結果になりますよ。総理は改めてスタートラインに立ちたいとか言っていましたが、スタートからズッコケ、この結果を招いたのです」
 菅が打ち出したことは消費税を筆頭にすべて、小沢流の逆張りだ。この間、小沢は「国民との約束は果たさなければいけない」と再三、メッセージを発したが無視された。
 その結果が比例で1845万票、選挙区で2275万票と、自民党をはるかにしのぐ票を集めながら、第1党の座を自民に譲るという世紀のマヌケ選挙だったのである。

1人区でなぜ、これだけ負けたのか。私は菅首相や枝野幹事長の物言いが、野党やその支持者を怒らせ、燃え上がらせたのだと思います。与党なのに野党の過去の失政の揚げ足を取り、バカにするような言動です。これで自公の選挙協力がかつてないほど強固になった。菅首相や枝野幹事長を見ていると、その言葉が議論ではなく、相手を傷つける武器になっている。それが有権者の拒否反応を招く。私は小沢切りにも共通の怖さ、冷たさを感じました」(元参院議員・平野貞夫氏)
 頭デッカチで、人の痛みも分からず衝突ばかりしている子供がいるが、よく似ている。それをいさめる小沢がいなければ、民主党はどうにもならない。

「50議席を割ることはないよ」
 朝日や読売が民主党の50議席割れの可能性を伝えた日。番記者の前でこう言い放ったのが、安住選対委員長だ。
「枝野幹事長も同じように楽観的でした。さすがに『大丈夫か』と騒ぎになりましたよ」(全国紙記者)
 根拠なき楽観論に支配されていた民主党執行部。これぞ、ダメな組織の典型だが、それ以外でも、民主党は負けるべくして負けた。菅、枝野、仙谷の3人は、脱小沢で世論の支持率がV字回復したことで、すっかりテングになったのである。
 いい気になっている3人は、シロウト感覚で小沢から引き継いだ選挙体制をことごとく壊した。これが傷口を広げていく。
「例えば、選挙資金の配り方ひとつとっても、小沢さんは緻密でした。選挙区によって、渡す相手を本人、選対、県連と変える。常におカネを効果的に流す方法を考えていました。しかし、菅体制になって、選挙資金は公平配分が原則。あと一歩で通りそうなのも、てんでダメなのも一緒にしたのです。揚げ句が1人区の大惨敗。カネの使い方を知らなすぎる」(小沢に近い関係者)
 組織票もみすみす逃した。小沢は、連合幹部と一緒に全国行脚して、組織を固めた。頭を下げ、酒を酌み交わし、血の通った人間関係を築くことで、組織票を一票一票積み上げてきたのである。枝野は連合任せでほったらかし。それじゃあ下部組織は動かない。
 その一方で、連日、激戦が続く選挙区に大勢の幹部が入り、駅前で応援演説をやる空中戦が目立った。代表、幹事長、政調会長、選対委員長、財務委員長、組織委員長、大臣、副大臣、政務官……と、じゅうたん爆撃みたいだが、「受け入れ体制づくりに人手を取られたり、動員疲れで逆効果のところもあった」(県連関係者)という。これでは勝てない。選挙のイロハも知らない青二才が選挙を仕切ったことが、大間違いだったのである。

 投票日前日の新聞広告で「説明不足」を陳謝するぐらいだ。菅首相は、自らの「消費税発言」が、選挙で足を引っ張ったことをよく分かっているのだろう。だったらなぜ、そんな不用意な発言をしてしまったのか。
「菅さんは元来、政局オンチなのです。党内手続きも踏まず消費税増税を言い出したらどうなるか、全く分かっていなかった。案の定、選挙戦では民主党の候補者が消費税増税に『賛成』『反対』バラバラで、有権者が失望し離れてしまった。菅さんの周辺に、『総理、それはおかしいですよ』と進言する人もいない。裸の王様なのです」(民主党中堅議員)
 選挙後の判断でも、菅首相は世論を読み違えている。
 大勢判明の深夜に、早々と執行部の続投まで宣言。仙谷もきのう(12日)の記者会見で、「大変もだえ苦しむことになると思うが、それをくぐり抜けてこそ日本の政治が成熟する」と、自分たちの続投を正当化した。ホンネは政権にしがみつきたいだけだろう。
 落選した千葉法相のクビも切らない。閣僚をひとり動かすことで「だったら内閣改造を」の声が高まり、「執行部も交代しろ」に拡大するのを恐れてのことだ。奇策まで繰り出して逃げる政権を有権者が支持するわけがない。
 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「有権者はこれまで『責任を取らない政治』に不信感を抱いてきた。参院選の民意を反映すれば、菅さんは党と有権者に何らかの責任を取る必要があります。菅さんが続投なら、選挙を仕切った幹事長が責任をとるのが筋です。民主党の良さは、何事にも逃げないで議論していくところでしたが、今は政権病にかかってしまっています」
 菅首相と民主党の支持率続落は必至だ。逃げてばかりでは、巻き返しなどできない。

 民主党惨敗の大きな要因のひとつが、菅政権になって“民主党らしさ”が急速に失われたことだ。限りなく自民党に近づいたのである。
 普天間問題では辺野古案での合意をオバマ米政府と約束。「生活第一」は後退し、法人税の引き下げなど大企業優遇が鮮明になり、マニフェストは骨抜きにされた。その結果、財務官僚の言いなりで消費税増税に突っ走ったのだ。
 思い返せば昨年の政権交代、国民が熱狂したのは、民主党の理念に対してだった。政治主導、対等な日米関係、国民の生活が第一??。50年続いた自民党のデタラメ政治にホトホト嫌気がさした有権者は、民主党が掲げる理念に熱狂し、政権を託したのだ。それが、ことごとく裏切られてしまった。
「民主党政権が支持されてきたのは、戦後ずっと続く官僚支配、対米従属関係を政治主導で改革すると訴えてきたからです。鳩山政権には稚拙な面もあったが、志はあった。挑戦もしてきました。しかし、菅首相はその理念をアッサリ捨て去ったように見えます。消費税増税は、どう釈明しようが、官僚や財界、大マスコミに媚びようとしたのは明らか。財源問題をつつかれた鳩山失脚を目の当たりにし、保身のためにスリ寄ったのでしょうが、民主党らしさの喪失に有権者は敏感に反応した。それがこの選挙結果です」(筑波大名誉教授・小林弥六氏=経済学)
 こうなると、民主党が支持を取り戻すのは難しい。苦しい生活を強いられている国民が政治に期待するものは何なのか、もう一度、じっくり考えることだ。自民党と変わらない政治なら、本家に一日の長がある。自民党に任せておけば済む話だ。民主党はもう一度、原点に立ち戻るしかない。(後略)


(私のコメント)
9日の株式日記で民主党は一人区で苦戦している事を伝えましたが、選挙結果はその通りになった。「自民党も信用を失ってしまったし、民主党も信用を失った。やって欲しいと票を入れたのに民主党がやらないのなら政権から叩き落すしかありません。」と書きましたが、国民世論の受け皿になる政権政党が無くなってしまった。

自民党の改革も進まず自民党が生まれかわるには数年かかるだろう。政党が生まれ変わるには議員が総入れ替えするしかありませんが自民党には古狸がまだ生き残っている。民主党も菅、枝野、仙石の三人は脱小沢路線を突っ走ってしまって自滅した。選挙で大敗したにもかかわらず民主党は誰も責任を取らない。

それだけ政党組織が機能不全に陥ってしまっているのですが、信賞必罰をきちんとししければ政党としての信用すら失ってしまう。路線が間違っていて選挙で大敗すれば路線を正さねばなりません。民主党が政権を取れたのは「国民の生活が第一」と訴えてきたからだ。しかし菅首相は国民に増税を求めた。政府の無駄をカットして財源を出すと言う政策から消費税で財政再建しようとした。これでは自民党と同じだ。

枝野幹事長は連合任せ出ほったらかしと言う事だったそうですが、小沢一郎がドブ板戦術で票を積み上げてきた支持組織をぶち壊してしまった。「選挙のイロハも知らない青二才が選挙を仕切ったことが、大間違いだったのである。」とゲンダイは指摘していますが、与党と野党とでは選挙のやり方も違ってくる。それを知っているのは小沢一郎くらいだ。

菅総理は野党ボケが酷くて消費税発言をすればそれが票に響く事を認識していなかった。増税して景気回復するという「第三の道」にしても説明不足で理解不能なのですが、減税して景気回復しか道はないだろう。「菅さんは元来、政局オンチなのです。党内手続きも踏まず消費税増税を言い出したらどうなるか、全く分かっていなかった。」ということですが、市民活動家だったことも忘れてしまったらしい。

結局政権が交代しても霞ヶ関、マスコミ、横田幕府のトライアングル体制は変わらず、これでは選挙に何の意味もなくなってしまう。国会は最高権力機関のはずですが、最高権力は霞ヶ関とマスコミと横田幕府にある。この三者は鳩山、小沢体制に政治とカネで攻撃して退陣に追い込みましたが、安倍、福田、麻生の自民党政権でも短命政権に終わらせた。

退陣に追い込んだのは横田幕府であり霞ヶ関とマスコミを操っている。なぜそこまで追い込められてしまうのかと言うと横田幕府から絶えず御用金の請求が回ってくるからだ。御用金の標的になっているのが郵貯簡保のカネであり消費税で巻き上げた税金で米国債を買う仕組みだ。これに協力しているのが財務省の官僚でありマスコミだ。マスコミは総力で郵政民営化に協力して9・11総選挙で小泉自民党を大勝させた。

鳩山民主党政権が誕生したのもこのような仕組みが国民に理解されてきたからであり、亀井氏が郵政担当大臣となり行き過ぎた民営化にストップがかけられた。沖縄の普天間基地問題も見直しが進められるようになり脱アメリカの風が吹き始めた。それに対して危機感を持った横田幕府は政治とカネで鳩山・小沢を追い落とす事に成功した。


アメリカに従う者は必ず報われる。しかし逆らえば・・・ 7月7日 世界の真実の姿を求めて!

参議院選挙にはアメリカが関わっている。
アメリカの為に動いた人間は報われ、逆らう者には罰が下される。

16年半におよぶ米国組織の経験から、彼らは常に極めて律儀に論功行賞人事を実践します。これだけは感心するほど。それだけに、その逆に期待に沿わなかったら、信賞必罰も徹底。

米国の論功行賞は与党も野党も知っている?

そうだとすると参議院選挙後は恐らくアメリカの意向に沿った、郵政民営化を加速する動きが始まる?

与野党の国会議員、財務官僚にはアメとして地位やお金がぶら下げられ、逆らえば、弱みを暴露され抹殺される。

ただ公然とアメリカに逆らう人もいる。

かって、亀井静香氏は、「新政権になれば、冷戦時代のようにはいかない。日本はアメリカが決めたことには従属しない。亀井静香がCIAに暗殺でもされないかぎり、アメリカに従属することはない」ときっぱりと言い切った。

故中川氏に関連した一連の米国流の信賞必罰行動は、アンチCIAの日本人にはそれなりの“みせしめ”効果となった?

竹中氏が日本国の郵政民営化なのに、どういうわけか、郵政民営化に関して当時のゼーリック米通商代表と密な交信をしている。

ゼーリックは日本の郵貯・簡保米営化という“大手柄”(米国寡頭勢力サイドから見て)の見返りに、世界銀行総裁(ネオコン論客、ポール・ウォルフォヴィッツの後釜)に抜擢。

ローマにてゼーリック世界銀行総裁の執拗な残り90兆円の追加要求を中川氏が最後まで拒否したと思われます。このことは、ローマG7の開催中にゼーリックと中川氏が個別会談している事実から容易に推察できます。

そしてローマでの中川氏のもうろう会見と大臣辞任。

もうろう会見に同席していた篠原尚之財務官と玉木林太郎国際局長は何ら処分を受けず。

中川氏の突然の死去の2日後に、篠原尚之財務官と玉木林太郎国際局長はそれぞれ栄転する。

日本の大手銀行の幹部だった人物から、金融庁(日本の民間銀行の監督官庁)のトップ人事は完全に米国に握られていると非公式に聞いています。日本の大手銀行幹部はみんな、そのことを知っているはずです。(後略)



(私のコメント)
アメリカはいう事を聞かなくなった自民党に見切りをつけて民主党政権を誕生させてコントロールしようとした。しかし鳩山、小沢、亀井氏らの自民党出身の古手の政治家はアメリカの暗黒面を知っているから脱アメリカ政治を目指した。中川昭一財務大臣は「世界の真実を求めて」に書かれているように篠原尚之財務官と玉木林太郎国際局長と白川日銀総裁によって抹殺されましたが、彼らはその後出世している。

アメリカン逆らうものは病死か不慮の事故死かスキャンダルによる失脚が待っている。CIAのやり方はますます露骨になり、日本の政治家幹部はその恐怖に怯えている。大手マスコミもこのような事は書きませんが、ネットまでには口は封ずる事は出来ない。菅首相はアメリカの言いなりになって選挙で大敗しましたが、もはやマスコミは国民世論を誘導できなくなっている。

民主党も自民党も同じ穴のムジナであり、霞ヶ関とマスコミと横田幕府の操り人形でしかない。竹中平蔵の僚友である木村剛が先日逮捕されましたが、亀井金融担当大臣の置きみあげだろう。これでMHKの堀江、村上、木村剛の三人が逮捕されましたが、彼らはアメリカの手先でありITヤクザだ。


M=村上ファンド、H=堀江貴文、K=木村剛 MHKというのは地検が狙う次のターゲット 2006年1月25日 株式日記

株式日記ではライブドアや楽天や村上ファンドなどはITヤクザだと書いてきましたが、彼らは闇社会と外資系金融と手を組んで、日本の経済社会全体を支配しようとしている。小泉竹中内閣とはそういう内閣であり、小泉首相の靖国参拝などは日本の右翼や保守を騙す隠れ蓑に過ぎない。





ネット新聞用としては15インチぐらいの薄くて軽い専用端末が出来れば
有料化してダウンロードして読むようにすれば成功するだろう。


2010年7月18日 日曜日

<iPad>村上龍さんの「歌うクジラ」を配信 出版社通さず 7月16日 毎日新聞

作家の村上龍さんの長編小説「歌うクジラ」が16日、アップルの新端末「iPad」(アイパッド)向けの電子書籍として公開された。出版社を通さずに、コンテンツ企画制作のグリオ(東京都世田谷区)がソフトを制作した。音楽家の坂本龍一さんが作曲したBGM付きで価格は1500円。

 電子版「歌うクジラ」は横書きで632ページ。表紙と最終ページ、一部のページでBGMがつく。ソフトにはページを飛ばして読む機能があるほか、気になるページをブックマークすると一覧表示される。船山浩平グリオ社長によると、電子版は、表紙や各章の扉ページのデザイン、BGMの挿入場所など、全面的に村上さんのアイデアで制作された。村上さんは、今回の制作に携わって「電子版に向いているのは絵本だ」と実感し、絵本制作に意欲を燃やしているという。

 また、価格について船山社長は「議論したが、作品の文字量と音楽が付くことを考えると、見合った価格だと思う。安価にして対象を広げるより、本当に読みたいと思う人に読んでほしい」と説明した。当面は5000ダウンロードを目指す。

 「歌うクジラ」は、2006年3月から2010年3月まで、講談社の月刊文芸誌「群像」に連載された。紙の書籍は近く講談社から出版される予定。講談社は、京極夏彦さんの小説「死ねばいいのに」を既に配信しているが、今回は「村上さんから相談を受けて対応してきた。電子書籍はまだ実験段階で、いろいろと試行する」と話している。【岡礼子】



5時間で1400部以上売れた電子書籍 「文学フリマ」で分かった「電書」の大いなる可能性 7月7日 深川岳志

米光 そう。内容は同じだけど、形式とか、読書する画面の大きさによって、何種類かファイルを用意したわけです。そのURLをクリックしてダウンロードして読む、と。iPhoneならダウンロードしてそのまま読める。もちろん、パソコンで読んでもいいし、iPadでも読める。キンドルはPDF形式のデータをパソコンから移せばOK。

―― シンプルなePub形式やPDF形式でこんなにちゃんと読めちゃうんだというのが驚きでした。話題になる電子書籍というと、出版のプロがソフト屋さんと組んで、ものすごくコストをかけてやっている印象ですが、電子書籍部で販売していたのは、そういうものとは違って、データそのものを売っているという感じ。買ってくれた方の反応はどうでしたか。

米光 「読みやすい!」という反応がすごく多くかった。買う前は「電子書籍って本当に読めるの?」みたいな人もいるんですよ。

 5時間限定の店なのにリピーターがいたのは、うれしかったな。2個だけ買った人が、しばらくしたら「これはいい!」って、わざわざもう1回来てくれた。iPhoneだとすぐにダウンロードして読めるんですよ。それで残りを全部買ってくれた。これは、すごくうれしかった。

―― 結局、どのぐらい売れたんですか。

即売会で1400部の売り上げは画期的

米光 15種類の電子書籍を売って、全体で1453部。そんな部数、紙だったら、搬入するだけでたいへん。聞いた話では、過去最高が桜庭一樹さんと桜坂洋さんの本で500部だそうです。完売なんでしょうけども。

―― 同人誌即売会としてはたいへんな部数だったということですね。

米光 紙だと、物理的に1400部刷って持っていくのはかなりのリスクで、もし当日嵐でも来て売れずに残ったらシャレにならない。刷るのは500部でも怖いよね?

松永 怖い。今回、別のブースで紙の同人誌も出したんです。200部刷って、半分ぐらいしか売れなかった。それでさえ、持って帰るときにもう重い重い。宅配便だと高くつくし…。

―― あ、そういえば、帰りに宅配便のトラックが出口に待機してましたね。あれは売れ残り処理用だったのか。紙の同人誌は米光さんが教えている文章講座の受講生で作っているという『bnkr(ボンクラ)』ですか?

松永 そうです。それの第3号。『bnkr』のバックナンバーを電書で売ったんだけど、数としては、同じくらい売れちゃった。

―― 売る側もそうだけど、買う側も電書のほうが買いやすいのかもしれない。

松永 それはありますね。嵩張らないし、安いし。デバイスとしては、iPhone、iPad、キンドル、パソコン、どれでも読めるから、まあ、困る人はいないでしょう。

―― いま読書端末として一番大きな市場になっている携帯電話に対応しなかったのはなぜですか?

米光 携帯は、機種によって制限がいろいろありすぎて。PDFが読めるものもあれば読めないものもある。容量制限も機種によって違う。携帯電話用の小さなPDFを作って、ずらっと対応端末名を並べるようなややこしいことはしたくなかった。売り場で売り子に「この携帯で読めるか」って聞かれてもね。それはわからない。

 対面なのにネットからダウンロードする方法で電子データを販売するのって初めてなんですよ。売る側も買う側も初体験。やさしく、乱暴にしないでって感じで。だからこそ、売り方はなるべくシンプルにしたかった。

書店での売り上げと比べたら「すごい部数ですよ!」

―― 金額でいうとどれぐらいの売り上げになったんですか。

米光 1つ100円とか、200円なのでその部数掛ける1400。ただ、今回はまとめ売りという方法を導入したんですよ。

松永 10冊以上買ってくれたらどの組み合わせでも1冊100円。今回出したのは15種類だから、全部買っても1500円。ハードカバー1冊分で15冊買えちゃうからすごくお得。終わってみたら、半数以上の人がまとめ買いでした。安いのは魅力だけど、選ぶのが面倒っていう理由もあると思います。

―― 半分がまとめ買いだとしても、結構な額ですね。1400×100で14万円。販売時間は5時間。本屋さん1軒で1日に売れる点数は…と考えると、一般の書店と比べても、ばかにならない数字です。

米光 電子書籍部のブースに遊びに来てくれたゲームアナリストの平林久和さんが販売が終わった後に興奮して「2坪で1400冊! これは紀伊國屋スペースで換算するとすごい部数ですよ!」って。その換算の仕方ってちょっと乱暴だけど、相当なコストパフォーマンスです。



(私のコメント)
「株式日記」は電子書籍を毎日無料でネット販売しているようなものですが、今年は電子書籍元年と言われている。アップルのアイパッドが5月に発売されて電子書籍端末が注目されています。ブログなどを読むにはノートパソコンでは卓上などに限られますが、アイパッドなどでは書籍のような感じでどこでも読むことが出来る。

アイパッドは売り切れ続出で入荷待ち状態ですが、価格的に重なるネットブックなどが売れなくなっている。ネットブックは廉価版のノートパソコンであり画面が小さくて電池の持ちも悪い。アイパッドがネットブックと一番違うのは電池を食わない設計になっていて10インチの大画面で10時間持つ。

パソコンには手が出なかった人でも扱えるようにしたのがアイパッドの成功の秘密だろう。日本のメーカーからも電子書籍端末が出るようですがアマゾンやグーグルなどが日本でも電子書籍販売に乗り出すと言うニュースもある。著作権などの問題がありますが新刊本に関しては電子書籍で販売されるものが出てくるだろう。

村上龍氏の「歌うクジラ」も電子書籍で出るようですが出版社を通さずに配信される。電子書籍は音楽や音声や動画も一緒に配信できるから、従来の本とは異なる分野のメディアになるのではないだろうか。特に雑誌や絵本などは音楽や動画などに馴染みやすい。今ある音楽ソフトと本との区別が無くなって来るだろう。

まだ電子書籍はネット販売に拘る必要も無いのであり、本屋やコンビニなどでもパソコン一台で販売する事も出来るだろう。電子書籍は単価が300円程度の小さな商品だからクレジットカードで買うと手数料が馬鹿にならない。だから新聞などのように対面販売で売ったほうが日銭が入るからいい場合もある。在庫管理の手間も要らないし売れ残りのリスクも無い。

音楽ソフトなどはCDで買うよりもiTunes で買うことが普通になってきましたが、書籍などでも同じ事が起きるのだろう。だからレコ−ド会社やレコード屋さんは商売上がったりになり、歌手たちはライブなどで稼ぐ事がメインになって来ている。やはり音楽はCDで聴くよりもライブで聴くものなのだろう。

だから音楽自体も広いファン層に受けるものよりも、コンサートに来てくれる様な限られたファン層に受けるような曲が増えた。AKB48にしても限られたファンには熱烈に支持されているが知らない人は全く知らない。書籍などにおいても100万部が売れるような大ベストセラーが少なくなり、数千部から一万部程度が売れればいいような本が多くなっている。

紙の本は売れ残れば処分に困るようなゴミになってしまいますが、電子書籍は在庫管理がいらない。読者も電子書籍なら本棚が要らなくなるのであり、読者にとっても本の電子化は便利だ。「株式日記」も書籍化したら相当な分量になるはずですが、プロバイダーのサーバーに納まっており何時でもアクセスして読むことが出来るようになっている。

アップルは音楽ソフトを音楽をダウンロードして課金出来るようにしましたが、アイパッドは本もダウンロードして課金できるようなビジネスモデルを作るだろう。アマゾンなどもキンドル端末で電子書籍化に先行している。将来的にはパソコンは廃れてアイパッドのような専用端末でブログなども読まれるようになるだろう。

アップルやアマゾンやグーグルなど音楽や書籍などの電子化ビジネスで先行しているのですが、日本の情報通信機器メーカーは何もしていない。ソニーやパナソニックなどは電子書籍端末を発売していましたが直ぐに止めてしまった。機器は作ることが出来てもビジネスモデルを作ることが出来ないようだ。成功しているのは携帯ゲームビジネスぐらいだろう。

パソコンについてはマイクロソフトとインテルに利益を独占されてしまいましたが、アマゾンのキンドルのような専用端末の分野は最近ようやく出来てきたばかりであり、書籍や雑誌や新聞などの専用端末を開発して新しいビジネスモデルを作り上げれば日本の情報機器メーカーにもまだチャンスはある。キンドルにしてもアイパッドにしても性能的にはまだ不十分だからだ。

ノートパソコンは汎用性があって何でも出来るが非常に使い勝手が悪いものだ。ソフトを入れればワープロにもなるしインタネット端末にもなる。ゲームソフトを入れればゲーム機にもなりますが、やはりゲームはゲーム機で楽しむのが一番いい。新聞業界もネットの嵐にもまれていますが、新聞専用端末を作って有料化すれば新聞の有料化も進むだろう。

キンドルはカラーが表示できないし、アイパッドは重すぎる。新聞用としては15インチぐらいの薄くて軽い専用端末が出来れば有料化してダウンロードして読む事にすれば普及するだろう。しかしそのような発想をする新聞業界人がいないだけだ。新聞は宅配制度が支えていますが、ダウンロードにすれば宅配を電子化したようなものだ。


欧米で立ち上がる新市場電 子新聞端末は日本に上陸するか 2008年7月7日 @IT

電子ペーパー端末が新聞配信と相性がいい理由

 2度の盛り上がりで電子書籍端末市場が立ち上がらなかった理由は明らかだ。読むべきコンテンツがなかったのだ。

 現在の状況は異なる。まず、否応なく電子媒体への移行を迫られている新聞社にはコンテンツを出すべき理由があるからだ。

 「新聞というメディアは資本規模や読者数も大きく、“電子書籍端末”に比べれば“電子新聞端末”は有望だ。欧米で始まった電子新聞同様に、われわれも新聞社を中心にお話しをさせていただいているところだ」(下川氏)。イーストはXSLTの変換エンジンを販売しているほか、iRexの端末の販売・技術支援で2007年4月に同社と協業することで合意している。また、これまでにも神奈川新聞や北海道新聞と協力して新聞コンテンツの配信実験を行うなど、電子新聞端末の可能性を模索している。

 ユーザーの視点で考えると、わざわざ数万円を出して端末を買うのはよほどの活字好きだ。しかし、定期購読料をセットにした価格であれば事情は異なる。

 年間購読料プラス数万円で、毎朝毎夕あるいは常時、自宅や会社のWiFiまたは3Gネットワーク経由で朝夕刊が届く電子新聞端末となれば、現在紙ベースで新聞を購読している層が動く可能性がある。電子ペーパー端末であれば紙ほどかさばらないし、液晶ディスプレイに比べても視認性や一覧性はずっと紙に近い。バッテリの持ちという点でも有利だ。

 ケータイの狭い画面と異なり、レイアウト情報を頼りにした拾い読みや読み飛ばしも可能だ。テキストが主体の新聞コンテンツは、雑誌のようにカラフルでなくてもよく、そういう面でも電子ペーパー端末と相性がいい。


アッカ・ネットワークス、神奈川新聞社、イーストの3社が共同で
2007年10月に行った実証実験のコンテンツの表示例
(クリックで拡大)。横浜の日本大通りでWiMAXと無線LANを
併用して電子新聞の配信を行った





ドイツのメルケル首相は空売り禁止で対抗しているが、日本にはメルケル
のような豪傑はいない。菅首相はワシントンで脅迫されて言いなりになった


2010年7月17日 土曜日

米国:金融規制法案成立へ…上院可決、自由化路線から転換 7月16日 毎日新聞

【ワシントン斉藤信宏】米上院本会議は15日、金融危機の再発防止に向けた金融規制改革法案を賛成60、反対39の賛成多数で可決した。米下院はすでに可決済みで、オバマ大統領の署名を経て週明けにも成立する。世界大恐慌後の1930年代以来の金融制度の抜本的な改革で、08年秋のリーマン・ショックなど大規模な金融危機を教訓にウォール街に対する規制を大幅に強化する。

 米国がこれまでの金融自由化路線から転換することで、日本を含む他の先進国の金融行政や大手金融機関の経営にも影響を与えそうだ。

 オバマ大統領は「米国民と企業に大きな安心をもたらす」との声明を発表。3月に成立した医療保険制度改革法とともに、最重要課題と位置づけた金融規制改革法案の成立を歓迎した。

 法案は約2300ページにも及び、(1)金融危機対応(2)リスク取引の制限(3)消費者保護−−が3本柱。財務長官をトップに米連邦準備制度理事会(FRB)など当局が連携、金融システム全体を監視する金融安定監視評議会を政府内に新設。FRBは大手ノンバンクへの監督も強化し、金融危機防止を徹底する。また、大手金融機関が経営危機に陥った際、税金で救済せず、当局が整理、清算業務を行う新たな破綻(はたん)処理制度も整備する。

 さらに、銀行に対しては、自己資金で行うリスクの高い取引を制限、デリバティブ(金融派生商品)取引やヘッジファンドへの投資も制約する。自己資本規制では、優先株の自己資本への算入を認めず、損失吸収力の高い普通株による資本増強を求める。FRBに消費者金融保護局を新設し、住宅ローンなどに関し、悪質業者からの借り手保護を図る方針も打ち出した。規制の詳細は金融監督指針などで定める。



米金融改革に派生商品禁止が入れば民主主義の勝利 7月15日 ジョセフ・E・スティグリッツ

アメリカとヨーロッパがようやく金融規制を改革するまでに、リーマン・ブラザーズの崩壊から2年近く、金融部門の無謀な行為によって生じた世界的な景気後退の始まりから3年以上の年月がかかった。

 アメリカでもヨーロッパでも規制が勝利したことをわれわれはたぶん祝うべきなのだろう。なにしろ、世界が今日直面している危機――この先何年も続くと思われる危機――は、30年前にマーガレット・サッチャーとロナルド・レーガンの下で開始された規制緩和の動きの行き過ぎによるものだという、ほぼすべての人の合意があるのだから。規制のない市場は効率的でもなければ安定してもいないのだ。

 だが、戦いは――さらには勝利さえも――苦い味を残した。この失敗に責任のある人びとのほとんどが――アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)や財務省の人びとも、イギリスのイングランド銀行や金融サービス機構、欧州委員会や欧州中央銀行、さらには個々の銀行の人びとも――自分たちの失敗を認めていないのである。(中略)

デリバティブ取引禁止に
反対してきたFRBとオバマ政権

 大手銀行が絶対に欠かせない改革を阻止することに成功したのは少しも意外ではない。意外だったのは、上院の法案に政府保護の対象になる金融機関がリスクの高いデリバティブ取引を行うことを禁止する条項が盛り込まれたことだ。このような政府保護のある取引は市場を歪め、大手銀行に、必ずしもそれらの銀行がより効率的だからではなく「大き過ぎてつぶせない」がゆえに、競争優位を与えることになる。

 借り手がリスクをヘッジできることは重要であると、FRBが大手銀行を擁護していることは、この政府機関が大手銀行にどれほど取り込まれているかを示している。上院の法案はデリバティブの禁止を意図したものではなく、融資の避けられない副産物というわけではない納税者のカネに支えられた暗黙の政府保証(1800億ドルの税金が投入されたAIGの救済を思い出していただきたい)を禁止しようとするものにすぎなかった。

 大手銀行の行き過ぎを抑制する方法はたくさんある。(政府保護の対象になる銀行に、融資という銀行の中核的使命に立ち戻らせることを意図した)いわゆるボルカー・ルールの強力版は効果があるかもしれない。だが、アメリカ政府が事態を現状のままにするとしたら、それは怠慢だ。

 上院の法案のデリバティブに関する条項はよいリトマス試験紙になる。オバマ政権とFRBは、これらの規制に反対することで、明らかに大手銀行に味方してきた。政府保護の対象となる銀行(実際に保護されるか、それとも大き過ぎてつぶせないために事実上、保護されるかにかかわらず)のデリバティブ取引に対する効果的な規制がこの法案の最終版で生き残るならば、全体の利益が利益集団に、民主的勢力が金融部門のロビイストに本当に勝利したことになるかもしれない。

 だが、ほとんどの識者が予想するように、これらの規制が法案から削除されるならば、それは民主主義にとって痛ましい日になるだろうし、意味のある金融改革の可能性にとってはさらに痛ましい日になるだろう。



(私のコメント)
アメリカは90年代から金融の規制緩和によって金融立国を目指してきた。ゴールドマンサックスは財務省に財務長官を送り込んで、国策会社であるかのように振舞った。その為にアメリカは製造業を見捨てて中国に工場を移転させて、情報通信産業を元に金融工学を駆使した金融商品を世界に売り込むことで利益を上げる国家戦略を打ち立てた。

日本もその影響をもろに受けて、アメリカかぶれの経済学者などが日本も製造業を棄てて金融立国を目指せと書き立てていた。確かに金を転がすだけで莫大な利益が出ればこれほど割のいい業種は無い。日本でもバブルの頃は企業も財テクと称して株や不動産投資に夢中になりましたが、結局はバブルの崩壊でみんなやられた。アメリカもその例外ではなかったようだ。

私なども50万円のパソコンを買って30万円の株式投資プログラムを買って株に投資しましたが全部やられてしまった。過去の株価の動きをデーター化して将来予測をするのですが、100年に一度のバブル崩壊には全く役に立たなかった。比較的堅実な鞘取りプログラムなどもやってはみましたが、結果は失敗だった。

アメリカのヘッジファンドも同じ事をやっているのだろう漠然と考えていましたが、コンピューターを駆使した金融テクノロジーは景気が上昇中の時は上手く行っても、バブルが崩壊してしまうとコンピュータプログラムは全く役に立たなくなってしまう。売りと買いを組み合わせてするヘッジ手法もLTCM破綻のように数百年に一度しか起きないことが起きて破綻してしまう。

ゴールドマン・サックスが連戦連勝なのもアメリカ政府のインサイダー情報が入るからであり、SECは決してゴールドマン・サックスをインサイダーで取り締まる事はしなかった。しかしバブルが崩壊してみるとアメリカの金融機関も日本と同じような飛ばしや粉飾決算を政府公認でやっている。以前はアメリカは日本に対して粉飾や飛ばしを厳しく取り締れと圧力をかけてきた事を忘れてしまったかのようだ。

日本の金融庁は竹中金融担当大臣の下で銀行の不良債権の査定を厳しくやって経営を追い込んでいきましたが、銀行も合併を重ねる事で大きくなる事で潰される事を回避してきた。そのおかげで日本の銀行はCDSのような金融商品には手を出さずに済んだのが怪我の功名だったのですが、ヨーロッパの銀行は大量にCDSを買って不良債権を抱えている。

90年代の金融規制の緩和でアメリカの金融機関はさまざまな金融商品を作り出して販売して儲けて来た。典型的なのは債権の証券化ビジネスですが極めて合理的なシステムだ。銀行が債権を証券化して売ってしまえばリスクゼロで商売が出来る。さらにその証券に保険をかければさらに高く売りつけることが出来る。

だからリスクの高い債権を混ぜる事で高い利回りを確保してAAAの最優良の格付けで売りつけることも出来た。証券が焦げつたところで保険金でカバーできるのだからこれほど安全有利な投資商品はないわけだ。AIGはその保険を大量に引き受けてきた。何も起こらなければ手数料が丸儲けになるはずだった。

アメリカの金融機関はますますレバレッジの高い投機に走るようになってバブルは最高潮に達した。何しろ日本からゼロ金利で資金が供給されてくるのだからアメリカのヘッジファンドは笑いが止まらなかった事だろう。ヘッジファンドのマネージャーは億万長者が続出してアメリカのMBAはファンドマネージャーの養成所になった。

金融工学と言ったりデェリバティブと言ったところでコンピューターを使った博打に過ぎないのであり、金融の神様になれるわけではない。しかし当時はルービン財務長官、サマーズ財務副長官、グリーンスパンFRB議長などは金融の神様になり、アメリカの恒久的な繁栄が謳われるようになった。

このように国家ぐるみで博打にのめりこむようになれば、日本でも起きたようにモラルハザードが起きるのであり、スティグリッツ教授が次のように書いている

「銀行家は「倫理的に問題視されている」ことも実証している。ゴールドマン・サックスの行動――自社が生み出した商品の価格が下がるほうに賭けたこと――が違法かどうかは法廷が判断するだろう。だが、その行動の倫理性という、はるかに意味のある問いについては、世論の法廷がすでに判決を下している。ゴールドマンが自社の生み出した商品を空売りしたり、自社が「顧問」を務めていた国について下劣なうわさを広めたりしていたとき、同社のCEOが自分は「神の仕事」をしていると思っていたことは、われわれの宇宙とは慣習も価値観も異なるパラレル宇宙を思わせる。

結局はアメリカも20年遅れて日本のバブル崩壊の後を追うようになった。米国政府やFRBは様々な手を打っているが、それはかつて日本に対してしてはならないと指導してきた事だ。市場原理主義に基づいてダメな銀行は潰せと日本に言って来たにもかかわらずアメリカ政府は75兆円の公的資金で金融機関を救済した。つまり公的資金で博打の後始末をしたのだ。

オバマ大統領の下で金融規制法案が成立しましたが、かつての金融立国の根幹を否定するものになった。しかし2300ページにも及ぶ金融規制法案がどのようなものかは議員たちにとっても内容を理解しているのだろうか? そして空洞化してしまったアメリカの産業を再建することが可能なのだろうか? 製造業は一度無くなってしまうと再建することは不可能に近い。ノウハウが失われてしまっているからだ。

日本の経験からしてもバブルの発生と崩壊に伴うモラルの崩壊は大きく影を落とすだろう。一度信用を失ってしまうと取り戻す事は難しい。日本でも銀行に酷い目に遭っているから二度と銀行から金を借りない個人や企業が増えている。アメリカでもそれと同じ事が起きるだろう。

表題のゴールドマン・サックスの事はギリシャの事を言っているのでしょうが、アメリカの金融機関がギリシャの国家会計に関与して、粉飾して誤魔化してユーロに加盟させた事を言っているのだろう。国家ぐるみで飛ばしを行なって財政赤字を誤魔化していた。当然アメリカ政府も知っていたはずだ。ゴールドマン・サックスと財務省はツウツウだからだ。

アメリカという国は国家ぐるみでモラルが崩壊しているのであり、ヘッジファンドは一斉にユーロやPIGS諸国の国債を売り叩いている。それに対してドイツのメルケル首相は空売り禁止で対抗しているが、日本にはメルケルのような豪傑はいない。菅首相はワシントンで脅迫されて言いなりになってしまっている。




国会議員一人に税金が1年に1億1357万円も支払われている。それでも
政治資金が足りないと言う議員は金の亡者か? みのVS国会議員生放送


2010年7月16日 金曜日

TBSみのもんたvs国会議員ずばッとコロシアムより
マスコミの大宣伝にもかかわらず国民は消費税に大反対している。

民主党議員も、みんな反対していた消費税をどうして菅総理は
言い始めたのだろうか? その為に一人区で民主党は大惨敗


リスク回避がもたらす円買い意欲借金大国の通貨が買われる理由 7月14日 Financial Times

日本円の人気が衰える兆しはほとんど見られない。公的債務残高が先進国最大で、財政赤字もかなりの規模に上る国の通貨であるにもかかわらず、円は今年の外国為替市場で一番のパフォーマンスを見せている。

 本紙(フィナンシャル・タイムズ)が入手したデータは、日本円の最大の買い手の1つがヘッジファンドであることを示している。また、各国の中央銀行が円建ての外貨保有を増やしている兆しもうかがえる。

【ヘッジファンドなどの買いで14年ぶりの高値】

 円は今年に入ってから対ドルで5%近く上昇しており、先週には1ドル=86.94円をつけて今年の高値を更新した。年初来の上昇率は対ユーロでほぼ20%、対ポンドでも12%に達している。

 貿易比重ベースの「実効レート」で見ても、円は実に14年ぶりの高値に近づいている。

 ヘッジファンドの活動状況の代理指標として使われることの多いシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のポジション統計によれば、日本円の買いポジションは54億ドルに達している。これは2009年12月以来の高水準で、ドルに対する買いポジションとしてはほかのどの通貨よりも大きい。

 また、中国も、記録的な額の日本国債を購入して大きな波紋を呼んだ。中国は2010年1月から4月にかけて、日本国債を累計で5410億円買い越したうえに、5月単月で7352億円を買い越している。

 このように投資家が日本円に熱を上げるのは、驚くべきことである。日本の公的債務残高はGDP(国内総生産)の2倍近くに達しており、財政赤字もGDP比10%前後に達することが少なくない。つまり日本の債務の水準は、ソブリン債務危機の渦中にある一部の欧州諸国のそれよりはるかに高いのだ。

【金融市場の混乱からの逃避先】

 日本の金利は現在0.1%程度で、しばらくはこの低水準が続くと見られることから、利回り狙いの投資家にとって円には魅力などほとんどない。

 この通貨の魅力は、避難所としての地位にある。まず、ユーロ圏で債務危機が発生し、次に世界の景気が二番底に陥るのではないかとの恐怖感が広がる中で、円は金融市場を飲み込む混乱から身を守る逃避先と見なされているのだ。

 米国の冴えない経済指標も円の魅力を高める要因になっている。期待外れの統計発表を受けて、米国債の利回りが低下したためだ。米国債の利回り低下は、日本円と同様に混乱からの避難先とされているドルの人気の低下につながっている。

 「円がほかの通貨をアウトパフォームしているのは、リスク回避の資金が流入しているためだ。ドルを除けば、円と同程度の流動性がある通貨は見当たらない」。クレディ・アグリコル銀行の外国為替部ディレクター、斉藤裕司氏(東京在勤)はこう指摘する。

 「ドルの利回りが低くなりすぎれば、円に対する需要が増えてくる。両者の間には強い相関関係がある」

 日本円は2008年のリーマン・ブラザーズ破綻の影響を受けて上昇した。株価の急落が大量のレバレッジ解消の引き金となり、投資家がいわゆるキャリートレード(低利回りの日本円を売って、リスクは大きいが利回りの高いほかの通貨建ての資産を買う取引)の解消を強いられたのだ。

 今年の株価急落もこれと同様に日本円を押し上げた。キャリートレードの影響力は2年前ほど強くないが(円はもう、キャリートレードで最もよく利用される通貨ではなくなった)、ほかの要因が作用した。

【金利差の縮小や国債の国内消化率の高さも買い材料】

 第1に、日本と諸外国(特に米国)との短期金利差が縮小し、日本の投資家が外国投資をヘッジするコストが低下している。このため、円の売り圧力が弱くなっている。

 第2に、企業と家計が多額の貯蓄を抱えているため日本の公的債務の95%は国内で消化されており、経常収支が黒字に保たれている。そのため日本は、国債が外国人投資家に見放されてしまうのではないかという懸念を概ね免れている。

 第3に、一部のエコノミストの間には、日本経済は米国や欧州に比べれば良好だとの見方がある。アジアの需要から利益を得ているうえに、アジアでの設備投資の増加からも恩恵が期待できるというのがその根拠だ。ソシエテ・ジェネラルのアジア担当チーフエコノミスト、グレン・マグワイア氏は、この点が円高に寄与したと述べている。

 「先進国の中では日本経済は比較的良好で、欧州や米国よりも高い成長率を実現しそうに見える。一般には、資本逃避が生じるリスクも低いと考えられている」。マグワイア氏はこう述べたうえで、4〜5年前であれば日本がそのように欧米をリードするという話は「前代未聞だったろう」と付け加えた。

 最後に、これは非常に重要だと思われるが、円高が進行しているのは準備通貨としての存在感が強まってきたからだという指摘がある。中央銀行(特にアジアの中央銀行)が、ドル中心だった外貨準備の多角化を目指しているためだ。

【準備通貨としての存在感も増す】

 もしそのようなシフトが進んでいるとすれば、昨今のトレンドは大きく転換することになるだろう。国際通貨基金(IMF)によれば、中央銀行の外貨準備に占める日本円のシェアは10年以上低下し続けている。しかしユーロ圏債券市場の崩壊により、準備通貨としてのユーロの地位は低下したと為替ストラテジストのコール氏は指摘している。

 カナダドルやオーストラリアドルといった通貨は、自国の経済が天然資源に依存していることから恩恵を享受してきたが、準備通貨としてのユーロ離れからは予想されたほどの恩恵を受けていないようだ。

 「カナダドルやオーストラリアドルへの多角化はどうしても、それらの通貨建てで発行された債券の市場規模によって制限される」とコール氏は言う。「もし中央銀行がユーロや米ドルを避けるとなれば、日本円が不戦勝を手にする可能性は十二分にある」

 もちろん、このまま円高が進行すると考えるのは早計だろう。日銀が何らかの対応を取る可能性があるからだ。

 昨年記録された1ドル=85円という14年ぶりの円高水準を超えて円が上昇すれば、1995年に記録された同79.70円という史上最高値が投資家の目標値として視野に入ってくる。

 そうなれば日本の通貨当局が、輸出業者を支援して景気の回復基調を守るために為替市場に介入する恐れが出てくるだろう。


国会議員一人に税金が1年に1億1357万円も支払われている。
それでも政治資金が足りないと言う国会議員は金の亡者か?

参議院議員に1回当選すれば一生遊んで暮らせる金が出来る。
地方議会の議員も同じように金を使って地方財政はパンクだ。


(私のコメント)
昨日の「株式日記」でIMFの消費税増税勧告のニュースを紹介しましたが、IMFがどうしてこんなバカな事を言うのか不思議だったのですが、IMFの副専務理事に財務省の篠原尚之財務官が天下っている。この篠原氏がこのばかげたIMFの勧告書を書いたようだ。つまり日本の財務省はIMFの名前をかたって外圧をかけているのだ。

悪名高い年次改革要望書も中央官庁の一部の官僚がアメリカ政府の名前を借りて圧力をかけていると言う噂もありますが、日本の政治家やマスコミは外圧に弱い点を突いたのだろう。日本のバカな財務省の役人よりもFinancial Times の記者の方が日本経済の状況を理解している。

中川昭一財務大臣を陥れたのも財務省の篠原尚之財務官であり白川日銀総裁だ。中央官庁の官僚たちはいう事を聞かない大臣をマスコミにスキャンダルをリークしたりして失脚させてきましたが、中川大臣もそれでやられた。菅総理大臣にしても官僚から脅されて我々の言う事を聞くか失脚するかの脅しを受けたのだろう。それで菅総理は財務省の言いなりになった。

財務省はアメリカ政府の出城のようなものであり財務官がIMFに天下れるのもアメリカとの深い関係を物語るものだ。日本の財務省がこのような状態ではまともな政策が打てないのは当然であり、大臣が抵抗しても財務省の背後には横田幕府が目を光らせている。


消費税増税論議「国民も理解」 野田財務相、米駐日大使に説明 6月25日 産経新聞

野田佳彦財務相は25日午前、都内で、ルース米駐日大使と会談した。野田財務相は参院選の争点となっている消費税率引き上げの議論について、「国民もだんだん理解し始めている」と述べた。

 会談は、ルース大使が要望した。同大使は消費税のほか、日本経済の現状や成長戦略について質問した。

 これに対し財務相は「日本経済は自律的な回復基盤はできつつある」との認識を示し、今月18日に閣議決定した新成長戦略を確実に実行していくことを説明した。

 また、26日からカナダ・トロントで開かれる20カ国・地域首脳会議(G20)でも、新成長戦略と財政再建目標を盛り込んだ財政運営戦略を合わせて説明する方針も伝えた。



(私のコメント)
アメリカ政府が日本の郵政の民営化や消費税に異常なほどの関心を示すのは、郵便貯金や消費税で日本国民から巻き上げた金をアメリカに流れるようにする為だ。その為に竹中平蔵や財務省の篠原尚之を使って日本政府を動かしている。このように見れば中川昭一財務大臣を失脚させた理由が分かるだろう。

野田財務大臣も、ルースアメリカ大使に呼び付けられて消費税をせっつかれたようですが、それくらい今のアメリカ政府には金が無い。イラクやアフガニスタンでの戦争も途中で止めるわけにはいかないから財政がパンクするまで続くのだろう。EUにしても金が無いのは同じであり日本の郵貯や簡保の金が喉から手が出るほど欲しい。

アメリカやEUの金融がかたがたであり、いずれCDSの爆弾が破裂して欧米の銀行は吹っ飛ぶだろう。残るのはCDSに手を出していなかった日本の金融機関だ。アメリカを支えているのは日本の金融力であり、三菱UFJがモルガンスタンレーに9000億円の出資を数年前にしましたが、FRBからのカンフル注射が切れればアメリカ金融はショック死する。


世界一の債務国アメリカ。それを支えるのが日本の資金力。6600兆円のCDS爆弾が破裂したらアメリカ経済は吹っ飛ぶ! 2008年9月23日  株式日記

アメリカはまさに絶体絶命のピンチなのですが、何とか持ち堪えているのは日本や中国からの金の流れがあるからですが、中国は最終的にはアメリカを裏切るだろう。北京オリンピックが終了して中国は徐々に態度を変えてきた。世界を見回してもアメリカを救える金があるのは日本しかないから、モルガンも三菱に出資を依頼してきた。


(私のコメント)
6600兆円のCDSに比べれば日本国債の1000兆円は超優良債権であり、中国政府ですら米国債やユーロ建て国債から日本国債を買い始めている。アメリカ政府としては何とかして日本を陥れなければ日本お金が手に入らない。その為の郵政の民営化であり消費税の増税で日本国民から金を巻き上げようとしている。

アメリカのヘッジファンドもリスク回避で円や日本国債を買っているのですが、日本はそれだけの需要に応えなければ円高や超低金利を続ける結果になる。日本経済のGDPだけを見れば停滞しているように見えますが、アジアや中国に工場を立てている日本企業分のGDPを含めればアメリカやEUに匹敵する規模になっているのではないだろうか?

菅総理が消費税を言い始めたのは、国会議員も財務省の官僚も国民生活からかけ離れた高給をもらって一般庶民の生活がかけ離れた生活をしているからだろう。昨日もみのもんたのテレビを見ましたが、国会議員一人に1億1300万円もの税金が支払われている。このような恵まれた生活を維持する為に自民党も民主党も消費税増税を打ち出しているのだろう。

公務員のように税金を使うがわとしては消費税を上げて財政再建をしたいのでしょうが、一般国民とかかけ離れた生活を維持する為に消費税増税を強行しようとした。地方を回れば不況で生活が苦しいのが分かるはずなのですが、菅首相は地方を回って始めて気がついたようだ。それを吹き込んだ財務省の官僚が悪いからですが、天下りも結局は禁止できなかった。

みのもんたの番組では民主党の国会議員はみんな消費税に反対していたが、菅総理は独断で消費税増税を決めてしまった。財務省も菅内閣の支持率60%と言う数字を信じて菅総理に強行させたのでしょうが、支持率60%はマスコミがでっち上げた数字だ。そうでなければこんなに支持率が急落するはずが無い。

財務省が言う日本の財政が大変だと言うのは消費税増税したいがためのデタラメであり、昨日も書いたように信用が収縮している状況では国家が借りて使わないと信用がそれだけ収縮してしまうからだ。企業や個人が金を借りるようになれば金利も上がるし信用通貨も増大して行く。4%以上の経済成長すれば増税しなくとも税収が増えてプライマリーバランスは取れるようになる。



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