株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


民主党は、肩たたきを廃止すると公約しておきながら、こっそりと
公約破りを行っていたのだ。はたしてハローワークで再就職したのか?


2010年4月30日 金曜日

「役人はハローワーク行け」消えた 口先だけだった民主党 4月15日 高橋洋一

 「国家公務員法改正案」について、2010年4月6日の衆議院本会議で審議スタートした。当初は、「政治主導確立法案」が先に審議されるとみられていたが、セットで審議されるべき「国会審議活性化法案」が出遅れ、「国家公務員法改正案」が先行することになった。審議入りの前日、自民党・みんなの党の共同提案で対案が提出され、今国会初の本格的な論戦となっている。

   それにしても目立つのは、「かつての民主党の主張」と「今回の鳩山内閣の法案」との乖離だ。

   例えば、官民人材交流センターの扱いだ。それは、各府省が独自で行っていた天下りあっせんを禁止する代わりに、官民人材交流センターで再就職あっせんを行うという仕組みだった。これに対して、かつて民主党は、官民人材交流センターは役人のための天下りバンク、特別の豪華版ハローワークだといい、役人はハローワークへ行けといった。

失業保険と無縁の「優雅」な余生

   私は、3年前官邸で渡辺喜美行革相(当時)のお手伝いをして、国家公務員法の改正を行い、官民人材交流センターを設立した側にいた。民主党が主張していた「役人はハローワークに行け」というアイディアは正直いって魅力的だった。自分なりに、そのアイディアを取り入れた案を考えたが、そこまでに達する前に、各府省が独自で行っていた天下りあっせんを禁止することに対し官僚側の抵抗がとても強烈で、まず天下りあっせん禁止規定を法律に盛りことを最優先し、官民人材交流センターを設置することで官僚側と妥協したのが真相だ。それだからこそ、民主党が、かつて「役人はハローワークに行け」と豪語していたので、どのような改革案を作るかについて、おおいに関心があった。

   ところが、今回の民主党の法案を見ると、「官民人材交流センター」は、名称を「民間人材登用・再就職適正化センター」と改称し、解雇に当たる「分限免職」時のみに再就職あっせんするとのことである。では、ほかのケースはどうなるのか。まだ不明な点が多いが、おそらく、従来の天下りといわれていたものでも、天下りでないとか言い訳をしながら、結局、実質的に野放しになったり、逆に「合法化」されて従来より悪くなったりするおそれもある。この点は機会を改めて論じたいが、あの威勢のよかった「役人はハローワークに行け」はどうなったのか。

   そもそも、役人にハローワークに行かせることはなかなか難しい。多くの人がハローワークに行くのは、就職情報のためだけでなく、失業保険の給付がもらえるからだ。ところが、公務員は雇用保険に加入していない。国は民間会社のように倒産しないというのが前提なのだ。おまけに、解雇に当たる分限免職はまずないのだから、雇用保険に入る理由がますますない。天下り・渡りで優雅な余生を送る役人はほとんどハローワークに行くことは想定されていない。(後略)



民主やっぱり官僚肩たたき 拒否ほぼゼロの理由はこれ 4月29日 高橋洋一

 昨2009年、民主党は政策集INDEX2009を出し、その中で「天下りの背景となっている早期退職勧奨を廃止します」と公約した。07年5月15日衆議院本会議において、馬淵澄夫議員は、「天下りに起因する数々の諸問題の抜本的解決を図るには、この肩たたきの禁止が不可欠であります」、「肩たたきがなくなると組織の活性化が維持できないなどとするのは、組織みずからが自己変革のマネジメントを放棄しているのに等しいものではありませんか。国民の理解を到底得るものではありません」と主張していた。

   退職勧奨というのは、いわゆる肩たたきである。どんな組織でも同じであるが、ランクの高いポストは少なくなっていく。民間、特に大企業であれば、トップ層まで行かない人は途中で関連会社へ出たり、転職したりする。一部の人は転職先の面倒を見てもらえるが、そうでない人も多い。

1221人中拒否は2人だけという不自然

   ところが、役人は、肩たたきを受けるときには、転職先のあっせんを受けるのが普通である。要するに、役人は退職後も再就職に心配はないのだ。これは、霞ヶ関の役人であれば、常識である。

   09年の民主党の公約どおりであれば、肩たたきをやめてみんな役人のままで、窓際ポストを増やさざるをえない。一方で、民主党は「国家公務員総人件費を2割削減」と公約していたので、肩たたきなしで役人が役所に残ると、かなりの給与カットにならざるをえない。給与カットは簡単にはできないので、民主党の公約である肩たたきの禁止はできないだろうといわれていた。

   案の定、鳩山政権になってからの09年9月16日から今10年3月12日までの間に、課長・企画官以上で83人、課長補佐以下で1138人、合計1221人に肩たたきを行っていた。これは、今国会での国家公務員法改正案の審議において、山内康一議員(みんなの党)からの質問主意書(3月12日)への政府回答や、4月16日と21日に総務省から衆議院内閣委員会に提出された資料で判明した。なんのことはない、民主党は、肩たたきを廃止すると公約しておきながら、こっそりと公約破りを行っていたのだ。上記資料によれば、なんと、政権交代直後の09年10月6日以降、肩たたきが恒常的に行われていたのだ。

   さらに、興味深いことも明らかになった。肩たたきを受けながら拒否した人は、課長・企画官以上で83人中ゼロ人、課長補佐以下で1138人中たった2人、合計で1221人中2人、0.2%というのだ。民主党は、肩叩きがあったことは認めてしまったので、これらは「あっせんのない」肩たたきだったことになる。しかし、あっせんのない肩たたきで、拒否した人が0.2%というのはあまりに少なすぎて不自然だ。肩たたきされると、多少は退職金が割増になるが、それでも役所に居座るほうが、給料は高い。99.8%の1219人も、再就職のあてがないまま肩たたきを受け入れて退職するとはとうてい考えられない。(後略)



(私のコメント)
「株式日記」で経済記事を書いてもコメントに投稿されるのは政局ばかりのコメントだ。「株式日記」のアクセス数が多いからプロパガンダとして利用しているのでしょうが、同じ政治の事を書いても無関係な記事をあちこちに同じコピペを張りまくっているようだ。だから多くのブログはコメント禁止にしてあるか制限されているものが多い。

私のスタンスはアメリカだろうが中国だろうが、自民党だろうが民主党だろうがダメなものは切りまくるスタンスですが、鳩山民主党政権も半年足らずで馬脚を現してきました。結局は歯切れのいいマニフェストを掲げたところで、実際に施行しようとすると現場からの猛烈な反対に出会う。公務員制度改革も自民党政権のものより後退したものになりそうだ。

民主党は「役人はハローワークに行け」というのは分かりやすい政策ですが、自民党の官民人材交流センターを批判してきた。高橋洋一氏の記事でも民主党政権に代わっても肩たたきそのものは行なわれ続けているようだ。それに対して肩たたきを拒否したのは0,2%しかいないと言うのは結局は天下り斡旋をしているのだろう。

組織が大組織になれば民間の大企業でもポストが無いから肩たたきが行われる事が多い。終身雇用はなくなっても年功序列による人事制度が根強く残っている。国会議員ですら当選回数がものを言う世界であり、いくら有能でも若手が幹部に抜擢される事は例外的だ。国会がそうなのだから公務員の世界も年功序列でポストが少なくなるたびに肩たたきで組織を保つようにしている。

銀行などでも中高年社員が増えて副支店長や支店長代理だらけの銀行が多くなりましたが、支店長となると一人しか置けないから支店長になれない代理は肩たたきが行なわれる。しかし50歳過ぎるとどんな張り切りサラリーマンでもくたびれた感じになって会社でもお荷物になってくる人が多い。しかし格下げや減給などは組織を維持する為には実施は難しいだろう。

このような年功序列組織を変えようとすればかなりの抵抗が出るのは当然であり、新卒を一括採用して出世競争に駆り立てて働かせるのが日本の企業文化だった。だから新卒一括採用のレールから外れてしまうと元に戻る事が非常に難しくなる。だから非常に日本企業は閉鎖的に見えてしまう。

国会議員にしても民間企業にしても人材が枯渇してしまうのは年功序列組織が優秀な若手を潰してしまうからだろう。そして無能でも職場にしがみ付いていれば年功序列で自動的に出世が出来るから我慢強い無能な人物が出世する事になる。公務員も同じく新卒一括採用年功序列の世界だから、民間と官庁を行ったり来たり出来るような人物が非常に少ない。

公務員の世界も労働基本権を認めて、肩たたきや解雇が出来るようにして、失業保険も作って民間と同じようにすべきだ。そうしないと公務員給与法だけを変えても改革は難しい。今は国も地方も財政赤字で公務員の給与が非常に重荷になっている。しかしリストラも行なわれず減給も出来ないのでは赤字が大きくなって行くばかりだ。

自民党政権でも公務員改革はなかなか実行する事は抵抗が多くて難しくて難航してきた。そこへ民主党が「公務員はハローワークへ行け」と言うのは歯切れが良くて分かり易い。ハローワークに行けば自分がいかに無能で役立たずであるかが分かるはずだ。職が見つかっても給与は半分以下に落ち込んでしまう。公務員がこのような経験をする事は悪夢だろう。

去年の衆議院選挙では自民党はダメだから民主党にやらせてみようという事でやらせてみたらやっぱしダメだったという事だ。独立行政法人の原則廃止はどうなったのだろうか? 肩たたきも廃止する事は難しいだろう。天下り禁止も公務員の高齢化が進むばかりで新規採用をそれだけ絞る事につながってしまう。

日本の民間企業に活力が失われているのは社員の高齢化が進んで、若い社員は派遣の非正規社員が多くなっているからだ。公務員でも若い非正規公務員が増えている。このように日本の年功序列社会は若い人にしわ寄せが来る社会であり、中高年社員は使い物にならなくなってもクビになる事は少ない。妥協の産物が肩たたきであり再就職先を会社が斡旋してくれる。天下りも同じ構造だ。

民間企業でも新卒一括採用年功序列が止められない様な社会では天下りを無くすというのは、企業組織文化を変えると言う事ですが簡単ではない事がわかる。民主党は政治主導といいながら公務員制度改革ができないと言う事ははっきりしてきた。要するに民主党は旧社会党のような何でも反対政党でしかなかったのだろう。旧社会党はそれが分かっていたから政権を取る事はなかった。

公務員制度改革を行なうにはよほど国民の支持率が高くないと出来ないだろう。役人たちはそれが分かっているから次々とスキャンダルをリークして足を引っ張る。だから政権は発足しても一年も持たずに首相は政権を放り出す。90年代からそれの連続なのですが鳩山首相も世襲の国会議員であり最初から無理だったのかもしれない。




格下げに対する市場の反応は、ギリシャ危機の拡大阻止に向けた
EUの数カ月に及ぶ厳しい戦いがほぼ失敗したことを示唆している。


2010年4月29日 木曜日

市場はギリシャ危機拡大を懸念−ポルトガルへの飛び火を受け 4月28日 ウォールストリートジャーナル

欧州の祈りもむなしく、ギリシャ債務危機がポルトガルに飛び火し、世界の主要市場で株価が下落した。欧州連合(EU)に共通通貨ユーロを守る能力があるかどうかが試されている。

 スタンダード&プアーズ(S&P)はポルトガルとギリシャの格付けを引き下げた。ギリシャ国債はユーロ圏で初となる投機的水準となった。これを受け、ユーロの対ドル相場は1年ぶりの安値まで下落している。この動きは、既に惨たんたる状態にあったギリシャの財政状況を悪化させ、回復を阻害しそうだ。格下げの報を受け、両国国債の利回りは急上昇している。

 27日のダウ平均は213.04ドル(1.9%)安の1万991.99ドルと、2月4日以来最大の下げ幅を記録した。欧州主要企業600社で構成されるStoxx欧州600指数は3.1%の下落。ドイツ国債(10年物)の利回りは2.99%と、1年以上ぶりに3%を割り込んだ。米国債の利回りも低下している。

 格下げに対する市場の反応は、ギリシャ危機の拡大阻止に向けたEUの数カ月に及ぶ厳しい戦いがほぼ失敗したことを示唆している。ポルトガルは財政赤字や公的債務の水準がギリシャほどひどくないが、停滞する経済はユーロ圏で最弱の部類に入るとみられている。格下げで、ポルトガルがギリシャと同じ道をたどるとの懸念が高まった。

ギリシャの混乱は、債務に対する懸念が高まるなかで昨年12月に発表された同様の格下げが引き金となった。

 ニューヨークのJPモルガン・プライベート・バンクのストラテジストは「投資家は、欧州で想像もできない事態が起こるリスクについてますます考えるようになった」と述べた。「懸念されるのは伝染だ」という。

 その伝染が現実味を帯びてきたことから、EUの政策担当者はスペインなど両国より大きな経済に危機が拡大するとの見方に対峙(たいじ)している。ギリシャやポルトガルは小国で、ユーロ経済に占める比率もわずかだ。そのため、エコノミストの大半は、必要とあればEUが救済できると考えている。しかし、人口4600万人、ユーロ圏4位の経済規模を持つスペインとなると話は別だ。

 住宅バブル後の急速な景気後退局面からの脱却を目指すスペインの財政赤字は国内総生産(GDP)比11.2%。これに対し、ポルトガルは9.4%、ギリシャは13.6%だ(2009年)。

 過去の債務危機と同様、今回の危機も悪循環で拡大した。欧州が断固とした措置に出られないため、ギリシャ国債が売られ、同国の資金調達コストが高くなり、一段の格下げを招いた。

 27日に格下げが報じられたとき、投資家は既に、EUと国際通貨基金(IMF)による450億ユーロの救済策がドイツ政府の内輪もめで遅れかねないとみていらだっていた。

 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁とIMFのストラスカーン専務理事は28日にベルリンでドイツの議員と会談し、EU救済策での迅速な行動を促すとみられる。市場がますます混乱するなかでのこの往復外交で、当局が強調していた救済策に対するEU全体のコンセンサスが足りなかったことが露呈した。

 ギリシャ国債の利回りは過去最高水準に上昇し、売りはポルトガル、イタリア、スペインの国債にも飛び火した。アイルランドの財政再建策は、最近ではギリシャがまねるべき例に挙げられているが、そのアイルランドの国債すら売られた。(後略)



「ソブリン」の憂鬱 4月28日 厭債害債

ソブリンとは債券の世界では各国国債(あるいは政府が完全にコントロールしている関係機関を含む場合もある)のことです。

これまで、国債は一般事業債などに比べて安全だとされてきました。その最大の理由は国債の元利払いは国庫収入を原資に行われるのですが、国庫収入は国家が取る税金が主なものである以上、支払いに不足する事態になれば「増税」などによって対応が可能だというものです。また、中央銀行への政府の関与が強い国であれば紙幣を増刷して名目価値を支払うことも可能です(これやったら大変なことになりますが)。いずれにしても債務が「自国通貨建て」である限りにおいてその通貨の発行権限を独占しなおかつ税法を含む法律を定めることができる国家の決定機関がある以上、「自国通貨建ての国債」の支払い不能というのはほぼ回避できるという考えです。もちろん通貨増発などで対処する場合は為替の暴落(そして悪性インフレ)などを覚悟しなければなりませんが、その問題を無視すれば、形式的に支払い不能は避けられます。

しかしながら、国債が「外貨建て」であった場合、外貨は自分たちで印刷できないので誰かから貸してもらうか自分で貯めるかしなければなりません。経常黒字がたんまりたまっている中国のような国はそもそも外貨建てで借りる必要もない(まあ国が通貨投機でもやるのなら別ですが)うえ、借りたとしてもたんまりある外貨準備によって支払い能力があることは明白ですが、経常赤字国では慢性的に外貨が不足するので、常に誰かから借り入れを続ける必要があります。これが借り入れられないときは「支払い不能」ということになります。

ギリシャの問題は、ギリシャにとってユーロという通貨が「自国通貨」としての面と「外貨」としての面を両方持っていた上に、その両方の「いいとこ取り」をしてしまったツケが回っているのだと思います。これはまさにユーロがもつ問題点を言い方を変えただけなのですが。

「自国通貨」としての側面はそれが強制通用力を持って国内で通用し、内外への支払い手段として認知されているということです。この面では取引や調達は為替リスクなしで行えるという意味で、非常に都合のよいものでした。しかし一方「外貨」としての側面は、自分たちの力だけでは通貨が発行できないということです。通貨発行権限は欧州中央銀行に委譲されており、ギリシャ単独の意思でユーロの増発を行って債務の返済に充てることは不可能です。通貨単位で表示される債務の返済のためには自分で発行できない以上誰かからユーロを調達しなければなりません。では「増税」でまかなえないか?ここでもユーロというか欧州共同体の仕組みが邪魔をします。共同体内では資金も人も原則的に自由に移動できるのです。税金という面ではギリシャは日本の地方自治体のひとつのようなものに過ぎず、高い税金がいやならさっさと他国へ移住して(あるいはビジネスを移して)しまうことができる。そしてそもそも共同体の思想から税金には一定の枠がはめられ、むちゃくちゃな増税もできません。

こういう点では、日本にしてもアメリカにしても、さらにはイギリスにしても債務はほとんど自国通貨建てであり、いくら債務残高や比率が大きくてもギリシャやユーロ圏とは根本的に問題の所在が異なるということでしょう。(後略)


(私のコメント)
株式市場というのは社会を映す鏡であり、株価が動く時は社会がい動いているという事です。昨日も株価が300円以上下げる時がありましたが、ギリシャ問題が原因となりました。ギリシャ問題はEUが動いて当面は解決したと思われていましたが、格付け会社の評価引き下げでまた問題が再発してきました。

日本から見ればギリシャ程度の小さな国を救済するのになんでそんなに揉めているのか不思議なのですが、日本はとなりに韓国という問題国家があり97年のアジア金融危機の時や二年前の外貨危機のときも救済の手を打っている。ドイツがギリシャ救済に後ろ向きなのは救済してもプライドから感謝されず、救済しなくても切り捨てられたと非難されるからだ。

「株式日記」ではもっとドイツが度量を持って救済したらと書きましたが、ドイツが救済を渋るのは危機がギリシャだけではなく次はポルトガルに飛び火しようとしているからだろう。ポルトガル以外にもスペインやイタリアなど南欧や東欧にまで広がったらドイツ自身も危なくなる。

ユーロという通貨統合は上手く行っている時はPIGS諸国はユーロという信用のある通貨で低い金利でいくらでも資金を調達する事ができた。ヨーロッパのいわば新興国であり社会基盤整備が遅れていたからだ。世界の新興国でもドルという信用のある基軸通貨で資金を調達できるから高度成長が続いていますが、いった景気が不況になるとアイスランドやドバイなど新興国バブルが破裂し始めた。

ソブリンリスクがスペインにまで飛び火すればユーロの将来はないように、ドルもアメリカや新興国にソブリン危機が続発するようになればアメリカ一国ではどうにもならずドルの基軸通貨体制も崩れるだろう。厭債害債で書かれているようにアメリカは自国通貨で資金調達しているから返済には困らない。しかし新興国はドルで調達しているから自国通貨では返済が出来ない。

韓国などもドルで借りまくって大胆な投資で急成長していますが、いったん危機が起きれば返済用のドルをアメリカや日本から借りて危機をしのいできた。ドルは日本と同じようにゼロ金利状態で資金調達はしやすくなっています。だから新興国も何とか持っているのですが、アメリカの金利が上がり始めれば新興国の返済金利が増えて新興国危機が本格化するだろう。

ユーロにおけるPIGS危機は、ドルにおける新興国危機とダブルだろう。今までもメキシコやアルゼンチンやロシアなどソブリン危機がありましたがIMFなどの機関を通じて救済してきましたが、将来起きる新興国危機は世界にばら撒かれたドルが回収できない危機につながる。

もし中国が経済危機が来ればドバイショックの数十倍の規模で波乱が起きるだろう。中国は2兆ドルの外貨を持っていますが、中国企業が外国からどれくらい借り入れを行なっているかが見えない。2兆ドルの外貨も投機的な外貨も含まれており、人民元が引き上げられれば新たな投資先を求めて出て行くだろう。だから新興国危機の本命は中国なのだ。

しかし中国経済が破裂すればアメリカや日本なども大きな痛手を負って危機に巻き込まれるだろう。中国が世界中から集めた投資資金が返せなくなったら規模としては想像ができない。日本からもかなりの額が投資されていますが多くがドルによるものだ。中国が人民元で借りていれば問題はないが為替が自由化されていないからドルで調達せざるを得ない。

アメリカと中国はドルと言うマネーで抱き合い心中状態なのですが、日本も米中とは深い関係だから中国バブルの崩壊やアメリカのドル暴落が起きれば巻き添えになる事は避けられない。だからユーロで持っていたほうがいいと書いてきたのですが、そのユーロが先に危機的状況になりつつある。結局は円が一番信用がある通貨として認められるようになるのではないかと思う。

通貨の価値とは結局のところ経済力の事であり労働力の質と技術力が裏打ちになる。だから日本の円やアメリカのドルが高く評価されているのですが、ユーロは南欧や東欧のように労働力の質や技術力で劣る地域があり、それが今回の危機につながっている。最悪の場合ドイツはユーロを離脱してドイツマルクに戻るかもしれない。この事は「株式日記」にも書きました。

あるいはドイツやオーストリアや北欧と一緒になって新ユーロを作るかもしれない。経済力と差がある国との共通通貨体制は問題があるのだろう。戦前において日本は朝鮮と台湾を併合して円を流通させましたが、本土の負担ばかりで経済が疲弊してしまった。戦後の日本が高度成長できたのは朝鮮や台湾の負担がなくなったからであり、現在においても通貨価値には差が大きい。

現在も韓国や台湾を日本が抱えていたらドイツとギリシャのような関係になっていただろう。だから東アジア共同体もEUのような訳には行かない。日中韓の間でも無理だろう。だから東アジア共同体とは出来たとしても緩やかな政治共同体程度だろう。

最近の新興国の経済発展はめざましいものですが、ドルという世界通貨が自国の通貨のように調達できるからであり、いったんアメリカ自身の経済がおかしくなればドルという通貨の金利が急上昇する危険性がある。そうなれば多くの新興国が破綻するだろう。ユーロ建てのギリシャ国債の金利が急上昇していますが、ギリシャ国債がサブプライム化して世界に波及しようとしている。




民主党の指導者層が戦略的な観点をまともに考慮することなく
意思決定を行っているのかもしれないと気づかされるのである。


2010年4月28日 水曜日

揺らぐ日米同盟、何処へ? 2月1日 クリス・ネルソン

やってきた民主党大物議員の説明に、口あんぐり

 一方、日本側では、普天間の議論そのものが示したように、沖縄の米軍基地、とりわけ海兵隊の存在が日本国民の防衛にどう関係するのかということを、米国が論理的に説明できなかったことは明白だろう。

 例えば、我々は訪米中の民主党議員と話した時に、彼らが揃って日本は米国に「厚意を施している」のだと言わんばかりの調子で、ホストネーション・サポート(いわゆる思いやり予算)や米軍基地などの極めて重大な問題について話すの聞き、正直ぞっとさせられたことがある。

 実際、かなり高い地位にある民主党議員は我々に向かって「日本がこのお金を払っているのは日米の友好関係のためですよ」と言い、続いて我々が、日本の駐留米軍基地が今いかに日本の防衛に直接関与しているか、そして今も存在する北朝鮮からの核・ミサイルの脅威だけでなく、将来「台頭する中国」が暴れるリスクからいかにして日本を守っていくのかという議論を切り出すと、びっくりしてみせた。

 これはナイーブな考えに聞こえるかもしれないが、この大物議員は日常の政治的義務や対話において、こうした問題を検討することを迫られたことが一度もないのだ。それも、これまでは、の話だが・・・。

 そうなると私のような評論家は嫌でも、普天間基地やインド洋での給油活動、中国との接近、その他諸々の極めて重要な戦略問題について、民主党の指導者層が戦略的な観点をまともに考慮することなく意思決定を行っているのかもしれないと気づかされるのである!(後略)



対中関係は、2010年も荒れ模様 2月26日 

中国のマネージャーになりたいアメリカ

 最初の考え方は、米国は中国の方へ「傾き」つつあり、日本の利益に反する方向に向かっているというもの。

 2つ目は、コペンハーゲンの気候変動問題国際会議で中国が見せた極めて期待外れの言動以来――あるいは、まさにそうした振る舞いのために――、バ ラク・オバマ米大統領は次第に中国に対し「強硬路線」を取るようになったという見方で、このことは最近の台湾への武器売却発表やホワイトハウスでのダラ イ・ラマとの会談に見て取れるとするものだ。
(ここで、2番目の見解が自明の如く、1番目の見解の「誤りを立証する」ことに留意していただきたい!)

 過去数年間にわたり、日本の友人から最も頻繁に聞かれる「中国絡みの質問」は、「米国は中国の方へ『傾き』つつあり、日本から離れていっているのではないか?」という趣旨の質問だ。

 WEDGE Infinityの読者は、この質問が「政策を歪めかねない間違った分析や正確でない分析」という今月のテーマにぴったり合致しているという我々の主張を聞いて、安心するかもしれないし、しないかもしれない。

 言うまでもなく、見ようによっては日米両政府とも、何年も前から力を尽くして中国の方へ「傾いて」きた――「傾く」という言葉の定義を、「中国が 『大きすぎて潰せない』存在であり、仮に潰れれば我々全員の共通の利益を損ねずには済まないということを認識すること」と定めれば――。

 もちろん、我々はここで論点をはっきりさせるために、答えを「膨らませている」。だが、このポイントは、日中や日米、米中等々の貿易の構成と収支を見ているビジネスパーソンであれば誰でも分かるはずだ。

 中国との「近代的」な国際関係の起点に戻ってみるといい。日本と米国が1970年代初めに新たな対中関係を築き始めて以来、日米両政府にとっての根本的な大前提をじっくり観察すると、そこに絶対的な一致が見えてくる。

つまり、軍事的、政治的、経済的なアジアの将来の安定を考えると、米国と日本には、今中国の「台頭」と呼ばれる動きをうまく「マネージする」ことを試みる以外、一切の合理的選択肢が残されていないのである。

 もちろん、ある人の「マネージメント」は別の人の「傾き」に見えるかもしれないので、なぜこの「傾き」の議論が間違っているのかを示す明白な例を挙げよう。

だから、米中「傾き」議論は間違っている

 まずは貿易。「傾き」が日米貿易にマイナスとなる意図的または計画的な態度だと懸念するのであれば、米国の政策が日本を犠牲にして中国を優遇する方向に変化していることを示せないとおかしい。

 例えば、ホワイトハウスが商務省や米国通商代表部(USTR)を通じて、貿易問題で日本企業を提訴する動きを今も促しつつ、中国企業に対する提訴は抑えているといった証拠があるはずだ。しかし、それは事実ではない。

 実際、USTRはむしろ以前よりも積極的に中国企業に対する提訴を促していると言える。これは中国に世界貿易機関(WTO)の基準を満たすよう働 きかけるためで、この問題については、なぜ2010年が既に「難しい」状況になっているのかという今月の議論の一環として後で改めて触れたい。

 さて、では日本円と中国人民元の双方が米ドルに対して「歪んだ水準」になっているという見解は、どうだろうか。大半のエコノミストは、確かにこれはある程度正しいと考えている。

 それでは、米国は中国に優しい対応を取る半面、常に日本に文句を言うことで中国サイドに「傾いている」のだろうか? これもまた事実ではない。現実はその反対だと言っていいだろう。

 次は外交政策。外交については興味深く、重要な題材がそれこそ山のようにあるが、ここでは1つか2つの点に焦点を絞ろう。まず中国は、日本人であ れば誰でも知っているだろう領土権の主張も含め、重要な海底エネルギー資源を「共有」している近隣アジア諸国に対する圧力を恐ろしいほど強めている。

 米国は日本の利益に反して中国側の主張を「優遇」してきたのだろうか? (それを言ったら、日本以外にも、韓国、あるいは台湾、フィリピンの利益を蔑ろにしてきただろうか?)

 現実はその反対である。もっと言えば、とりわけ米国海軍は「海洋の自由」を定めた国際海事法を厳格に執行する姿勢を強め、国際貿易の海路を守ろうとしている。何しろそうした海路の多くが、中国が大げさに主張している海洋領土内に入るからだ。

 一方、米国は日米同盟下で日本に対して負う義務の「説明」の仕方には慎重だったものの、オバマ大統領のスポークスマンたちは中国に対して率直に、 もし中国政府が日本が領土権を主張する島々で主権を確立するために武力を行使すれば、米国は日本の防衛に駆けつけると警告している。

 米国の外交・国防政策が今なおアジアで最も重要な「同盟国」である日本に依存していることを裏づけるとりわけ鮮明な「証拠」は、沖縄・普天間基地の論争が実に劇的に示している。これは先月のWEDGE Infinityのコラムで取り上げたテーマだ。

日本離れに「傾いている」米国であれば、日米軍事同盟を継続させるためには、自民党が2006年に採択した「計画」――ただし実行には移されなかった――が最善の策だということを鳩山由紀夫首相に説得するために、これだけのエネルギーを費やすはずがないのだ!
(残念なことに、我々は米国の「努力」が「賢明だった」とも「うまくいった」とも言えないけれど、これはまた別問題だ)

 さて、次に北朝鮮はどうだろうか。北朝鮮の問題は、ブッシュ政権下では日米関係における特に「難しい」問題だった。ブッシュ政権は常に日本の拉致 被害者の悲劇に同情的な姿勢を表明しつつ、時に日本の利益に反する行動に出て、「6カ国協議」の枠組みの下で日米双方が受け入れられる「国際的な」決議で はなく、北朝鮮政府との2国間の「合意」を模索したりした。

 オバマ政権は、日本が犠牲になる可能性がある北朝鮮との個別合意を追求するというブッシュ政権の政策を継続しているのだろうか?

 ここでも、現実はその反対だ。米国の政策は今もしっかりと6カ国協議に軸足を置いており、非公式または「実質的」に北朝鮮を核保有国として認める ことに反対する姿勢を貫いている。それも、日本に対する戦略的脅威となりかねないというのが、米国が「強硬路線」を継続する最大の理由だ。(後略)



(私のコメント)
アメリカ政府が一番心配している事の多くはイラクやアフガニスタン問題であり、そこでは毎日のように米兵の血が流されている。戦況の行方次第ではオバマ政権の命取りになりかねない。国内の経済状況もいつ破局するか分からない状況であり綱渡りが続いている。

イラクやアフガニスタンで米軍を投入してもいたちごっこであり、いずれアメリカの限界が来るだろう。アメリカにしてみれば同盟国の日本にもっと協力してくれよというところだろう。しかしこの戦争で間違っているのは戦争目的がはっきりしない事であり、テロとの戦いと言いながら敵が見えてこない。タリバンも単なる山岳武装勢力に過ぎない。

戦争が長期化すること事態がアメリカの敗北を意味するのですが、戦前の日本も中国との戦争が長期化して泥沼には嵌ってしまった。軍隊は敗北を認めたがらないし政府も判断の誤りを認めたがらない。オバマ大統領は戦争を止める事を公約して大統領に選ばれましたが、なかなか軍隊を撤退させる事は難しい。

クリス・ネルソン氏は「民主党の指導者層が戦略的な観点をまともに考慮することなく意思決定を行っているのかもしれない」と述べていますが、このような意見はアメリカの政府高官や研究者がよく言う言葉だ。世界をどうやって統治していこうかと年中考えている人たちと、次の選挙のことしか頭にない日本の政治家と話をすればそうなるだろう。

日本は議院内閣制であり、総理大臣も各省庁の大臣も国会議員が務めている。それに対してアメリカの政府高官たちは専門分野のエキスパートであり、連邦議会の議員が長官に任命されるのはクリントン国務長官や運輸長官や労働長官など数えるほどしかいない。それに対して日本は国会審議に縛られる事から実務は事務次官が行なう事になり大臣はハンコを押すだけになってしまう。

これではアメリカ政府高官と日本の大臣が会談しても日本の大臣はバカに見えるだろう。選挙や国会対策で忙しい国会議員が国家戦略など考えている暇などなく、アメリカの政府高官と話がかみ合わないのは制度上仕方のないことだ。だから実質的な日本代表は事務次官や審議官が担当する事になる。しかし縦割り行政の弊害で自分の省庁の事しか考えない。

管直人財務大臣がいくら官僚たちが馬鹿だと発言しても意味がないのであり、経済専門用語を聞かれるとまるで分からない。各官庁には各分野の専門用語があり素人の大臣では太刀打ちできないのだ。外交分野でも同じであり専門用語も知らなければ英語も分からないでは多くの外務省のスタッフが付かないとまるで交渉にならなくなる。

クリス・ネルソン氏はオバマ大統領の対中政策に対して解説していますが、米中傾き理論は間違っていると解説している。むしろ民主党の小沢幹事長の中国への傾きの方がはるかに大きいだろう。

ネルソン氏は「小沢サンが総勢600人に上る途方もない「日本人民解放軍」を引き連れて北京を訪問し、そのすぐ後には、中国共産党幹部と天皇の「慌しい」会談を無理やり実現させるという前代未聞の決断を下したのである。」と指摘しているが日本の民主党政権の方がよほど中国よりだ。

しかし日本で親中政権が誕生したのにはオバマ大統領のG2戦略があり、自民党のアメリカ一辺倒の外交ではアメリカに梯子を外されるという危機感があったためだろう。これらの構造はニクソン訪中の頃から変わっていない。鳩山首相とオバマ大統領とのトップ会談もままならなくなり、アメリカに対する不信感が高まっているが、日米共に中国に対する関係で疑心暗鬼になっている。

日本の外交戦略は米中が親密になれば、歪んだ三角形を修正するには日中の距離も縮めなければならない。そして日米の距離を少し開ける。そうしないと米中に日本は封じ込められるかもしれない。米中は太平洋を挟んだ大きな国であり、中国の高官は太平洋の分割協定までアメリカに持ち出した。海兵隊のグアム撤退はその証拠ではないのか?

それに対してクリス・ネルソン氏は日本が「その結果、日本が米国から離れて行ってしまうのじゃないか、心配している。意図的に、というより、漂うように離れて行く、ということだろうが」と現役バリバリの政府高官の意見を紹介していますが、「株式日記」が警告してきたように在日米軍がなければアメリカの世界戦略が成り立たなくなる。グアム島では日本の代わりができないからだ。

80年代のジャパンバッシングの時代から最近ではジャパンパッシングからジャパンナッシングまで言われて、24日の株式日記ではマイケル・オースリン氏の日本切り捨て論まで出来てきた。これは日本の政治家を不安にして妥協させようという目論見なのでしょうが、親中的な民主党政権ではアメリカ離れを促して中国に吹き寄せられて行くだけだ。

アメリカはバランス・オブ・パワーとしては賛成できても、経済的にはクリス・ネルソン氏が認めるようにアメリカは明らかに中国よりだ。2兆ドルものドル外貨を貯めながらアメリカ政府は中国を為替操作国として認めてはいない。ドルとの交換レートでは中国の一存で決められる事ではなくアメリカが交換レートを認めているから1ドル=6,7元に固定されている。

アメリカがドル札を印刷して世界にばら撒けばドルが安くなり日本の円はそれだけ切り上がる。にもかかわらず中国はドルに固定しているから中国の輸出競争力は強くなる一方だ。これでは中国の近隣諸国は中国に圧倒されてしまう。そんな中国とオバマは21世紀はG2でやっていこうと中国に呼びかけた。つまり日本は外されたのだ。

クリス・ネルソン氏が言っているのはもっぱら中国の軍事的脅威には十分対抗している事を言いたいのでしょうが、中国の経済成長が軍事力の強化につながり近隣諸国に圧力を加えている。軍事費で見れば中国は日本を上回ったらしい。20年後や30年後には国力でも中国はアメリカを上回るかもしれない。そうなれば日本の外交政策にも大きな影響を与えるのであり、アメリカ離れと中国よりの政策になる事も計算に入れるべきだろう。

そのような状況になった時に日本にとっても中国にとっても在日米軍基地の存在が邪魔になるのは当然であり、それが普天間基地移転問題にも影響している。日本は経済的に衰退して中国経済は昇る龍のように巨大になりつつある。これは日本がプラザ合意を受け入れた為であり、中国は人民元の切り上げを拒否しているからだ。だから世界中から工場が集まり世界中に商品を売って金が中国に引き寄せられている。そうさせているのがアメリカであり、そうでないと言うのなら中国を為替操作国に指定すべきなのだ。




米国は日本国民の覚醒を恐れる。気づいて声を上げる事を防ごうとする。
対米従属の日本のメディアや官僚・御用学者がそれに追随する。


2010年4月27日 火曜日

政府、「浅瀬案」で米側と最終調整 26日から審議官級協議 4月27日 産経新聞

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題で、政府は26日、米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市)沿岸部に移設する現行案の2本のV字形滑走路を南側の1本だけとし、これを沖合に移動させる「浅瀬案」を米側に提示して最終調整を図る方針を固めた。工法も海流やサンゴ礁への影響が大きい埋め立て方式から杭(くい)打ち桟橋(QIP)方式に変更する。複数の政府関係者が明らかにした。

 浅瀬案は、現行案を「最善」とする米政府と、騒音軽減や危険性除去の観点から滑走路の沖合移動を求めてきた沖縄県の要求をともに満たす案として、外務・防衛両省の主導で検討されている。

 浅瀬案は、滑走路を現行案より最大で南側に350メートル、西側に150メートルの位置にある浅瀬に移動するもので、住宅地の騒音被害は現行案よりもかなり軽減される。また、埋め立てずに、海底に杭を打った上に滑走路を造るQIP方式は「きれいな海を埋め立ててはだめだ」(小沢一郎民主党幹事長)との声に配慮している。

 政府は、シュワブ陸上部にヘリ離着陸帯(ヘリパッド)を建設してヘリ部隊の拠点とする一方、鹿児島県・徳之島に可能なかぎり多くのヘリを移して沖縄の基地負担を軽減する案を検討してきた。だが米側は「ヘリ部隊と地上部隊は一体的運用のため65カイリ(約120キロ)以内に配置する必要がある」として、地上部隊が駐留する沖縄本島から約200キロの徳之島への分散移転に難色を示している。

 このため、日米協議の膠着(こうちゃく)化を懸念する北沢俊美防衛相を中心に現行案の修正を模索する動きが本格化した。26日のワシントンでの外務・防衛当局者による審議官級事務レベル協議で米側に浅瀬案を打診し、27、28両日に来日するキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)とも協議する。

 これに先立ち、キャンベル氏は25日、ワシントン近郊のロナルド・レーガン空港で記者団に対し、「最近の(日米間の)協議を通じ、われわれは勇気づけられている」と述べており、日本政府内で検討が進む浅瀬案を好意的にとらえている可能性がある。

 ただ、社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)は25日の記者会見で「現行案の修正では全くだめだ」と反発しており、浅瀬案で進めた場合、同党の連立離脱は不可避ともみられる。また、鳩山首相はこれまで「県外」を強く主張してきただけに、浅瀬案では“公約”違反に近い。仮にこの案で決着したとしても、鳩山政権は大きく動揺し、首相の進退が問われる可能性が出てくる。


普天間基地移設問題はつまるところ日本国民と米国軍の戦いだ 3月27日 天木直人

連日のように普天間基地の最終案が取りざたされている。

 米国と沖縄県民の双方の要求を満足させようとする心優しい鳩山首相の案は、どんどんと複雑かつ中途半端なものになりつつある。

 報じられている複数の案、段階的移設の案、海兵隊機能の分散案などを、はたしてどれほどの国民が理解できているだろうか。

 いや、報道しているメディアも、連立政権の社民党、国民新党も、そして鳩山首相自身さえも、その着地点を見極められないでいるに違いない。もはや合意できればなんでもいい。

 それほどの迷走ぶりなのである。

 そのような中で、この問題が今度どう進展、迷走していくかの重要なキーワードを読者にお知らせしたい。

 それを見事に示したのが3月27日の読売新聞「スキャナー」の記事である。

 果たしてこの記事を書いた読売新聞ワシントン支局の俊英な記者たちが、どこまで認識して書いていたかは知らない。しかしこの記事には極めて重要な二つの記述がある。

 その一つは、マイケル・グリーン(元米国家安全保障会議アジア部長)の次の言葉である。

 「普天間基地を継続使用し、ひとたび事故が起きれば、沖縄県民や日本国民は普天間閉鎖を米側に迫るだろう・・・」

 日本に圧力を加え続ける発言を繰り返してきたジャパンハンドラーのマイケル・グリーンが本音を漏らした瞬間である。

 実際のところ、これまでにも米国は、日本政府がいかなる案を米国に提案してこようとも、それが沖縄住民、日本国民の強い反対にあうものであれば米国は受け入れない、と何度もほのめかしてきた。

 米国は日本国民の反米感情の高まりを恐れているのだ。日本国民の動きを目を凝らしてみているのだ。

 その一方で、オバマ大統領とクリントン国務長官は、国防総省や米軍幹部を押さえられるかという米国内部におけるシビリアンコントロールという大問題がある。

 読売新聞の記事には次のようなくだりがある。

 「・・・オバマ政権が軍の反発をねじ伏せてまで、日本政府との妥協を行う可能性は低いと見られる。米政府筋は、『ホワイトハウスは上から調整するつもりはない。海兵隊がOKしたものでなければ受け入れない』との見方を強調した・・・」

 9・11以降、米国の安全保障政策に及ぼす国防総省と軍幹部の発言力は確実に高まった。テロとの戦いに命を張って米国を守っているのは彼らだからだ。

 注意して振り返ってみると、今回の普天間基地移設問題についても、報じられる米側発言のほとんどは国防総省や軍幹部からのものであり、日本政府の交渉相手も彼らだ。

 以上の二つから明らかな事は、今度の普天間基地移設問題は、要するに沖縄住民、日本国民と米国防衛関係者との綱引きであり、平和な生活を優先するか軍事戦略を優先するかの戦いであるということだ。

 米国は日本国民の覚醒を恐れる。気づいて声を上げる事を防ごうとする。だから本当の事を隠し、情報操作をする。

 対米従属の日本のメディアや官僚・御用学者がそれに追随する。

 国民のための政治を公約し、情報公開を徹底するとしてきた鳩山民主党政権は果たしてどちらの側に立つのか。

 鳩山政権のジレンマがここにある。

 鳩山民主党の対米政策の不一致があぶりだされる。

 だからこそ鳩山首相の指導力が試されるのだ。正念場である。



(私のコメント)
沖縄の普天間基地の問題は「株式日記」が予想してきたとおりに、もめるだけもめて結局は辺野古沖に決着するだろう。鳩山首相は政治主導を言ってきましたが、日本の外務防衛省とアメリカの軍当局の話し合いで決着されるだろう。天木氏が書いているようにオバマ大統領も軍に対して強権を振るうつもりはなく、だから鳩山首相との会談も避けたのだ。

イラクやアフガニスタンでまともに戦っているのは海兵隊のみであり、後は州兵を集めた寄せ集めの歩兵部隊であり、大規模な作戦行動は無理だ。だからオバマ大統領も海兵隊の利権を損ねてまで日本に妥協するつもりはない。鳩山首相の政治主導が本当なのなら海兵隊はグアムへ行ってくれで済むはずですが、外務防衛の両省が反対をする。

密約問題で分かるように首相や外務大臣すら知らない事を外務省の高官連中は秘密にしている。首相や大臣はコロコロとしょっちゅう代わるから権力がなくなって行き官僚たちが政治や外交を仕切るようになる。首相や大臣たちには判断力も決断力もない事は鳩山政権を見ればよく分かるだろう。だから公務員制度改革も上手く行くはずがない。

官僚たちを使いこなすには官僚よりも頭の切れる決断力のある人物でないと無理だろう。しかし国会議員になるような連中にはいないだろう。あったとしても年功序列人事で有望な人材も腐らせてしまう。政治家の頭の中にあるのは選挙に勝つことだけであり、能力の全てをそれにつぎ込んでしまう。そして当選回数を重ねている内に抜け殻になったしまう。

民主党もいろいろな公約を掲げて政権に就きましたが、実際に政治をしてみると弊害や抵抗などで頓挫してしまう。高速道路建設も止められず高速道路は無料化するどころか値上がりになってしまった。沖縄の普天間基地問題も国外も県外も出来ずに前の合意案に決着されるようだ。日曜日の沖縄県民大会は単なるガス抜きにされてしまった。

公務員制度改革も三年先送りにされて骨抜きにされてしまった。沖縄の問題も公務員の問題も支持率が高い内にやらなければ出来ない事であり、支持率が20%台では内閣は死に体だ。衆議院では300議席を越える議席なのだから法律をどんどん作って通せばいいのに先送りにしてしまう。だから支持率が落ちてくる。

子供手当ても実際に実施しようとすると問題続出のようですが、欠陥だらけの法律をどうして作ってしまうのだろうか? 結局は法律は複雑に絡まり合っているから官僚に作らせないと整合性がなくなってしまう。Aという法律を作るにはBという法律を改正しなければならず、それがZまで続いている。

普天間基地の問題も日米間で決められる問題ではなく、台湾や韓国の防衛問題も絡んでくる。在日米軍基地が無くなれば台湾や韓国は核武装まで決断するかもしれない。そうなれば一番困るのは中国だ。韓国や台湾が核武装すれば日本も核武装に踏み切るだろう。台湾では北京にまで届くミサイルの開発が再開された。韓国では哨戒艦が北朝鮮の魚雷にやられたらしい。全て沖縄の米軍基地問題が絡んでいる。

アメリカも中国も日本の寝た子を起こすのが恐いから米中で日本を抑え込もうとしているのだろう。マスメディアも御用学者もみんな米中の手先であり日本国民の覚醒を恐れている。日本国民に反米感情が高まれば反米政権が出来て在日米軍基地問題が起きてくる。そして危機感を持った台湾や韓国が軍事強化に乗り出すだろう。


転換期の安保2010:北京射程のミサイル開発 台湾が中断、一転再開 4月25日 毎日新聞

【台北・大谷麻由美】台湾の馬英九政権が、北京を射程圏内とする1000キロ以上の中距離弾道ミサイルと巡航ミサイルの開発をいったん停止に踏み切ったものの、再着手へと方針転換したことがわかった。台湾の国防・安全保障関係者の話や、国防部(国防省)高官の議会証言で明らかになった。

 ◇日米間の摩擦に危機感

 開発停止は、中台関係改善を公約とする馬政権の対中融和策の一環だが、公表されていなかった。再着手は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡る日米関係のギクシャクぶりへの台湾側の懸念や、中国の海軍力増強で有事の際に米軍の協力が得られにくい状況への危機感と受け止められている。

 台北から北京までは約1700キロの距離がある。毎日新聞に証言した複数の関係者によると、馬政権がミサイル開発を中断したのは08年5月の政権発足後まもなく。巡航ミサイル「雄風2Eブロック3」を含む1000キロ以上の射程を持つミサイルはすべて開発を停止したという。

 馬政権は当初、中国の首都・北京を射程圏とするミサイル開発で中国を刺激することは避けたい考えだった。また、開発停止の背景には沖縄海兵隊を含む在日米軍の「抑止力」があった。安全保障の問題を専門とする台湾の淡江大学国際事務・戦略研究所の王高成教授は「日米安保条約は冷戦終結後、アジア太平洋の安全を守る条約となった。条約の継続的な存在は台湾の安全にとって肯定的なものだ」と指摘する。

 一方、開発停止からの方針転換が明らかになったのは、楊念祖・国防部副部長(国防次官)が先月29日の立法院(国会)で行った答弁だった。

 楊副部長は「有効な抑止の目的を達成するため、地対地中距離ミサイルと巡航ミサイルを発展させる方向性は正しい」と述べ、開発を事実上認めた。未公表だった開発停止には触れずに、実は方針転換をしていたことが初めて明らかになった。

 楊副部長の発言は、台湾自らの抑止力を強化することで中国に圧力をかける狙いがある。関係筋は「普天間問題に代表されるように、台湾に近い沖縄にある米軍の存在や役割が変化する事態もあり得る。米軍が台湾を守る力にも制限が加わる可能性が出てきたことから、抑止力を高める方向に再転換したのではないか」とみている。

 台湾の情報機関である台湾国家安全局によると、中国側の台湾向けの短距離弾道ミサイルと巡航ミサイルは、台湾対岸の福建省を中心に約1400基。アジアの軍事情勢に詳しいカナダの軍事専門誌「漢和防務評論」4月号によると、中国は最近、福建省の竜田軍用飛行場に射程200キロの地対空ミサイルを新たに配備した。同誌は「台湾北部の海峡空域全体を封鎖することが目的」と指摘した。

 一方、台湾は中国からのミサイル攻撃や戦闘機襲来への防御策として米国製の地上配備型迎撃ミサイル「PAC2」3基や独自に開発した迎撃ミサイル「天弓」「鷹式」を配備。オバマ米政権は今年1月、米台関係維持を目的とする国内法「台湾関係法」に基づき、最新改良型の「PAC3」などの武器(総額64億ドル)を台湾に売却することを決定し、中国側が「中国内政への粗暴な干渉」と猛烈に反発した。

 同誌は「(中台の)政治情勢が過去に例がないほど改善しても、中国空軍は台湾海峡地区の防空態勢を大きく強化している」と分析している。





長期金利が急騰すると大変だ。公務員制度改革もできていないし、
増税もできない事態になる。これはギリシャ危機と同じ構図である。


2010年4月26日 月曜日

天下り根絶を模索…仕分け第2弾で枝野氏 4月25日 読売新聞

枝野行政刷新相は25日のNHK番組で、23日から始まった事業仕分け第2弾について、独立行政法人制度の抜本改革や、国家公務員の天下り根絶のための新たな仕組み作りにつなげていきたいとの考えを強調した。

 枝野氏は「事業仕分けだけでは財源の捻出(ねんしゅつ)にはつながらない。独立行政法人の組織や制度のあり方を抜本的に見直すスタートラインとして、その材料をたくさん出させることが狙いだ」と述べた。また、「(役所と法人が)あうんの呼吸でやってきた天下りを規制するのは難しい。国民から不信を持たれている天下りを根絶するためのやり方を模索している」と語った。



「公務員制度改革3年先送り」では日本は破綻する 労組と人事院がぐるになって改革を阻止 4月23日 長谷川 幸洋

 給与削減には給与法の改正が必要になる。ところが、鳩山政権はこれについても「給与の抜本見直しには公務員に対する労働基本権の賦与が欠かせない。公務員は労働基本権が制限されており、人事院勧告がその代償措置になっているからだ」という立場である。

 では、労働基本権の見直しをどうするのかといえば、鳩山政権は「3年以内に見直す」という姿勢をとっている。逆に言えば「3年間は給与体系も現行のまま」という事態になりかねない。はたして、それでいいのか。

 私は22日、公務員制度改革を議論している衆院内閣委員会に参考人として呼ばれ、次のような趣旨の話をした。

「公務員制度改革は財政再建の観点からも重要である。なぜなら、官僚が自分の身を切らずに、国民負担による増税を議論しようとしても、多くの人々は虚心坦懐に耳を傾けないからだ。まず公務員制度改革をしっかり実行して、天下り問題にけじめをつけてからでないと、増税による財政再建はできない」

「そういうと、『ムダを省くだけですぐに再建できるような生やさしい赤字ではない』という反論があるが、これは改革で赤字をどれだけ削減できるかという数字の問題ではない。政治に対する信頼度の問題だ」

 私自身は財政再建に必ずしも増税が不可欠であるとは考えていない。だが、増税メニューを議論のテーブルに乗せようにも、抜本的な公務員制度改革抜きでは、人々が素直に話を聞かないと確信している。

 同じ趣旨の話はテレビ番組に出演した際にも唱えた。そのとき同席した民主党議員は番組が終わった後で「改革をしなければ増税ができないのは、その通りだと思う」と同意してくれた。実は、多くの民主党議員も同じ気持ちなのではないか。彼らはもともと改革志向だったからだ。

 もしも公務員制度の抜本改革が3年後となると、国民の素朴な気持ちを考えれば、論理的には増税を含めた財政再建も3年後にならないと真剣な議論にならないことになる。

 それまで金融市場が忍耐強く辛抱してくれればいい。だが、その前に長期金利が急騰すると大変だ。公務員制度改革もできていないし、したがって増税もできない事態になる。これはギリシャ危機と同じ構図である。

民主党は08年の与野党合意に立ち戻れ

 民主党は政権奪取前に「退職する公務員はハローワークに行けばいい」などと過激な主張を唱えていた。しかし、いざ政権を握ったら、とたんに腰砕けになった印象がある。

 私は内閣委員会で「労働基本権はさっさと公務員に与える。そのうえで給与法を見直すべきだ」と陳述した。まさか労働組合が支持母体になっている民主党は「労働基本権はいらない。人事院勧告を続けてくれたほうがいい」とでも言うのだろうか。

 鳩山政権の姿勢をみていると、どうも、その「まさか」が民主党の本心ではないか、と思えるふしがある。そうだとすると、労働組合と人事院がぐるになって改革を阻んでいるという構図になる。

 永田町には「民主党は公務員制度改革の政府案を強行採決する方針だ」という見方が流れている。それでは、下落一方の支持率をまた下げる結果になりはしないか。

 そもそも自民党と民主党は福田康夫政権時代の2008年に与野党修正協議のうえで人事院や総務省などの機能を内閣人事局に移すことで合意し、国家公務員制度改革基本法を成立させた。鳩山政権はこの合意の精神に戻って、今回の政府案を修正すべきだ。



(本日の私のコメント)
民主党の事業仕分けがニュースになっていますが、いつの間にか公務員の給与法の改正が3年先まで先送りになってしまったようだ。労働基本権がどのこうのと言っているようですが、なぜ3年先まで先送りにするのだろうか? おそらく3年先まで民主党政権が続いてはいないだろう。財政も持たないかもしれない。しかし増税するには公務員の天下りや独立行政法人や公務員の給与引き下げなどが解決しないと無理だろう。

財政赤字の原因の多くは公務員の人件費であり、民間の給与がバブルの崩壊以降下がり続けてきたのに、公務員の給与が上がり続けてきたからだ。公務員に言わせれば民間も引き上げて景気を良くすれば言いと言うが円高では海外との格差が大きくなり、物価が下がる事で調節されるようだ。

円高を放置すれば海外との価格差で国内の物価が下がる。民間の給与も海外との賃金格差で下げられる。しかし公務員だけは例外的に人事院の勧告で引き上げられてきた。つまり公務員は給与の引き上げと円高による通貨価値の上昇で二重の利益を得ている。財政が大赤字なのに公務員の給与が引き上げられるのは民間の常識では考えられない。


阿久根市民の年間所得推計は約200万円。市職員の給与分布は、実に半数以上が年収700万円以上で、地方公務員は貴族化している! 2009年6月1日 株式日記

(私のコメント)
阿久根市の事については以前にも書きましたが、地方財政を悪化させているのは市職員の高すぎる給与が市の財政を圧迫している。民間がデフレ経済で給与水準が落ち込んでいるのに公務員給与は上がり続けた。その結果が慢性的な国と地方の赤字財政の原因になっているのですが、国も地方も議会と公務員はグルになってお手盛りで給与を上げ続けた。

公民の平均給与は730万円で民間の平均給与は450万円で約300万円の年収格差がある。阿久根市もその例外ではないのですが半数以上が700万円以上の年収をもらっていた。しかし阿久根市民の平均給与は200万円台であり倍以上の開きがある。市全体の人件費よりも税収の方が少なく明らかに異常な状態だ。

だから国や地方の公民の年収も民間並みに450万円にすれば300万円×400万人=12兆円で毎年今年並みの景気対策が行なえる計算だ。それでも足りなければ天下り役人の為に使われている予算が12兆円あるからそこから削ればいい。財務省の役人は何事も財源が無いと言ってくるが公務員の給与をカットすればいくらでも出る。

だから国民の不満を高まってきているのですが、阿久根市の竹原市長を始めとして、大阪の橋下知事も名古屋市の河村市長も公務員の人件費カットを公約にして当選している。だから来る衆議院選挙でも公務員の人件費を20%カットしますと公約している民主党が勝つと予想されている。それに対して自民党は公民の給与カットには及び腰だ。

自民党が衆院選挙で勝つには民主党と同じく公務員の給与20%カットを公約にすべきだ。そうしなければ野党に転落して長期政権で得た利権も失われるのであり、真剣に公務員制度改革に手をつけるべきですが、公務員も検察が国策捜査で小沢代表を追い落とすなど妨害している。ならば民主党に政権を取らせば公約が実行できるのだろうか? 

民主党は天下りも禁止するといっていますが、農家への所得補償政策もうやむやとなり、天下り禁止も給与カットも政権を取ったらうやむやになるだろう。民主党と自民党の選挙公約がまだはっきりしない以上は何とも言えませんが、地方選挙の動きを見れば公務員の給与体系を何とかしないと財政が破綻する。しかし給与法の改正もままならない状況だから天下りにも手が付けられない。

(ブログへのコメント)
★財政赤字でも給与は税金から降ってくる、つけは一般国民へ【消費増税・福祉削減】
 ・公務員のおいしい給与システム
 PRESIDENT 12月号 111ページ  全公開!日本人の給料
    職業           平均年収   人数
■ 地方公務員         728万円   314万人
■ 国家公務員         628万円   110万人

  上場企業サラリーマン   576万円    426万人
  サラリーマン平均      439万円   4453万人
  プログラマー         412万円    13万人
  百貨店店員         390万円    10万人
  大工              365万円     5万人
  幼稚園教諭         328万円     6万人
  警備員            315万円    15万人
  理容・美容師        295万円     3万人
  ビル清掃員         233万円     9万人
  フリーター          106万円    417万人

週刊文春 公務員の生活 おいしすぎる特集
・青森県民間平均年収360万円(40歳)全国ワースト1位
 青森県職員平均年収691万円(42歳)
 なぜこんな差が・・・答えは簡単、調査対象を厳選してるから
 調査対象=企業規模100人以上で、かつ、事業所規模が50人以上の企業だけ
 青森県でこの条件を満たす企業はわずか232社 民間準拠とは勝ち組に合わせる制度
・東北エリアで一戸建て住宅販売ナンバー1の住宅メーカーの社長談
 「青森市、弘前市周辺では客の半分弱は公務員、むつ市になると75%が公務員」
・県職員1人減らせば民間から3人雇える。今の青森県で年収250万の条件で
 5人募集すれば30人は集まる。



(本日の私のコメント)
現代においては公務員は特権階級化して貴族的生活を謳歌している。コメント欄でも海外旅行で派手に使っているのは公務員が多いそうです。地方の建売住宅を買っているのも公務員が多くてマイカーを買っているのも公務員だ。民間が200万円台しか所得がないところでも公務員ならば700万円台がざらだから、地方公務員の世襲化が進んでいる。

その反面では民間の労働者はワーキングプア化して、いくら働いても豊かになれない世帯が固定化している。民主党は公務員の給与を二割引き下げると公約して政権を取ったのに3年も先送りにするということです。これではやりませんよと言っているに等しいのですが、民主党は国民を騙して政権を取ったのだ。夏の参院選挙では怒りの投票で民主党候補を叩き落そう!




GHQの老獪さはマスコミを戦犯から除外したことである。戦前・戦中、わが
国を戦争に駆り立てた最大の集団は、軍部などではなくマスコミであった。


2010年4月25日 日曜日

『帝国海軍が日本を破滅させた』全文公開 日本海軍は史上最悪の無能組織だった

はじめに

 戦後60年以上を経た今もなお、「あの戦争での隠された真実」などと称するマスコミ報道が、改めて盛んに行われている。だが、そのマスコミが隠し続けている戦争に関する重大事がある。「戦争贖罪周知徹底計画」である。英文の原語では“War Guilt Information Program”という。

 それは東京裁判の正当性を日本国民に徹底させよ、というGHQ[注1]のわがマスコミに対する命令である。もちろん、東京裁判の正当性など最初から存在しない。あれは裁判の名を借りた中世的野蛮行為の復活劇であり、戦勝国の復讐劇である。相手国の指導者を裁判の名で殺し処罰するのは偽善であり、その法なるものはリンチ裁判用の事後法である。

 “War Guilt Information Program”とは、わがマスコミにウソをつけと命じたようなものである。
 その東京裁判の主軸をなすものは、昭和初期の18年間のわが国の所業のすべてを「悪」としたものである。いわゆる「日本唯一悪玉論」である。

 1945年9月10日の「新聞報道取締方針」から始まったGHQの言論統制は、日本の歴史などに関する主張を徹底的に封じ込めた。そして、10月2日、GHQは「戦争贖罪周知徹底計画」を開始した。平たく言えば、日本側の戦争指導者が逮捕され日本が犯罪国家として裁かれることについて、日本人に納得させるように徹底した宣伝を行い、日本人をマインドコントロールしようとしたのである。

 その一方では、米国製の一方的な歴史認識である「太平洋戦史」の連載を全新聞に強制した。徹底的に行われた用語狩りのなかでGHQが特に神経を尖らせたのは「大東亜戦争」の呼称である。この呼称はいかなる使われ方でも例外なく削除され、代わりに「太平洋戦争」の呼称が命じられた。

 ときあたかも東南アジア諸国には独立の気運がみなぎり、さらにアフリカから全世界に波及しつつあった。「大東亜戦争」で行った南方作戦の成功がその端緒なのである。南方作戦は、欧米列強の植民地支配からアジア諸国を開放した歴史的偉業なのである。

 オーエン・ラティモアの『アジアの情勢』(小川修・訳 日本評論社 1950)に言う。

《真珠湾以降最初の二年間の日本の勝利は、アジアの勢力を測る古い標準をうちこわした。手に負えなくなったアジアが残った。(中略)戦勝諸国の日本を撃破した能力は、彼等に日本がそれまでうまくやってきたことを打ち消す能力と、それからまた日本が十分に完成し得なかったものを完成する能力との、どちらも与えはしなかった。(中略)日本が立派にやり遂げたことは、アジアに於ける植民地帝国の十九世紀的構造を破壊することであった。(中略)戦争中日本人によって占領された土地のうち只の一つも満足に取り戻されたものはなかった》

 GHQが強制した「太平洋戦争」の呼称は、大東亜全域で戦われたあの戦争の戦場を太平洋のみに限定し、それ以外の戦場での作戦行動、すなわち南方作戦などの存在を完全否定するものである。アジアを欧米列強の植民地支配体制から解放した、わが国の歴史的偉業の抹殺を企図したものである。

 GHQの老獪さはマスコミを戦犯から除外したことである。戦前・戦中、わが国を戦争に駆り立てた最大の集団は、いわゆる軍部などではなくマスコミであった。満州事変[注2]も、支那事変[注3]も、軍部の独走とはいささかの乖離を覚える。満州事変も支那事変もわが軍は国民の熱烈な歓呼と声援を背に戦っている。その背後と基盤には、全マスコミの一致した煽動があった。大東亜戦争もそうであった。すなわち、マスコミこそA級戦犯の最たる存在であった。GHQはそのマスコミに免罪符を与えておのれの頤使(いし)にこき使ったのである。

 わがマスコミは、この命令に忠実に、というより当のGHQが驚くほどその期待以上に犬馬の労を惜しまなかった。NHKの如きは「真相はこうだ」という捏造物語を長期にわたって放送し続けている。この「戦争贖罪周知徹底計画」がわが国に強制した史観を「東京裁判史観」と言う。

 しかしである。当のマッカーサー(1880?1964)自身はとっくに東京裁判史観の過ちを認めている。東京裁判自体が過ちであったと反省しているのである。
 1951年5月3日、合衆国上院軍事外交合同委員会が開催された。

 その合同委員会の席上で、GHQの職を解任されて帰米したマッカーサーが第2次大戦における対日戦争に関して証言している。
「日本の防共努力に理解を欠いたことが合衆国の大きな過誤であった。そして太平洋戦争は日本が自存自衛の必要に迫られてのことであった」

 侵略ではない以上、東京裁判はほとんど全面的に誤りと言える。
 わがマスコミはこのことを正しく伝えていない。マッカーサーが、「老兵は死なず。ただ去り行くのみ」(Old soldiers never die, they just fade away.)と言ったとか、他愛のないことしか伝えていない。

 そして、それから1年後の1952年4月28日、サンフランシスコ平和条約が発効して、わが国は独立国になった。GHQは日本を去った。言論の自由は完全に保証され、マスコミのいわゆる公正・真実・正義の主張は誰はばかることなく声を大にして叫ぶことができるようになった。わが国は「戦争贖罪周知徹底計画」の桎梏(しっこく)から解放されたのである。

 この6年余の自分たちの歴史報道がいかに欺瞞に満ちたものであるかは、彼らマスコミ自身がいちばんよく知っていることである。
 アジアにおける欧米植民地帝国の19世紀的構造を破壊した、わが国の偉業を叫ぶべき時期の到来である。それまで50カ国に過ぎなかった世界の独立国を200カ国に拡大する基礎をつくったわが国の歴史的偉業を、堂々と叫ぶ好機の到来だったのである。


 ここに不思議な現象が起こった。わが国に無数に存在するマスコミ各社に、ただの1社もこのような良心的行動に出たものはなかったのである。それどころではない。「戦争贖罪周知徹底計画」の存在すら闇に葬ったのである。

 彼らマスコミが選んだ選択肢は、この間に跳梁し始めた左翼勢力と結びついての、東京裁判史観を増幅した反国家的物語のさらなる捏造であった。彼らの選択肢は良心的報道への回帰ではなく、6年間のおのれのウソの上塗りへの道だったのである。

 その結果、父祖がなし遂げた世界史的偉業を告げる「大東亜戦争」の呼称は、依然としてどこかへ置き捨てられたままである。日本人の多くにとって、それはもはや死語に等しく、GHQから強制された「太平洋戦争」の呼称があたかも正当な名称であるかのようにまかり通っている。
 全マスコミがそろって日本の侵略戦争論を唱えれば、多くの日本人がそれにマインドコントロールされるのは致し方ないことかもしれない。

 それにしても、である。日本人自身が、アジア諸国を植民地支配体制から解放した歴史的偉業を否定し、あの戦争を侵略戦争などと呼び続けているのは、残念をとおり越して異様ですらある。
 リチャード・H・マイニア(マサチューセッツ州立大学歴史学部教授)は、その著『東京裁判??勝者の裁き』(安藤仁介訳、福村出版、1985)の末尾に言っている。「日本人自身が抗議しない問題を、いまさら新しく取り上げることは賢明でない、という批判があるかもしれない……」と。

 国家の正義とは、その国家自身がそれを主張し、しかる後に国際社会がそれを評価するか否かで決まる。日本人自身が主張しないわが国の正義を、アジアを植民地支配した欧米諸国などが口にするはずがない。なかにはそれにつけ込んで外交カードにする国が出てくる。交通事故でも、先に“Excuse me.”と言った方が加害者になってしまう風潮が、欧米諸国にはある。

 かつてミャンマーのバー・モウ首相は言った[注4]。「日本ほどアジアを白人支配から離脱させることに貢献した国はない。しかしまた、その解放を助けてやった諸国民から日本ほど誤解を受けている国はない」と。

 わが国が東京裁判史観という「歴史の自縛」に甘んじている間に、奇妙な現象がわが国に蔓延した。いわゆる「海軍善玉論」である。
 陸軍を諸悪の根源と決めつけた「戦争贖罪周知徹底計画」に日本全部が締めつけられている間に、反省心も廉恥心もない元海軍軍人達がマスコミと共謀して創作した産物、それが「海軍善玉論」と見てよいであろう。

 そもそも軍隊の目的は戦闘である。戦闘に勝利することである。だが3年8カ月にわたって戦われたあの戦争において、海軍が勝利した戦闘はおろかまともに戦った戦闘すら探し難い。要するに太平洋方面の海軍の戦闘は、目を覆わしめる惨敗の連続である。

 わが国は大東亜戦争において、約300万の尊い人命を失った。戦後60年、わが国があの悲惨な戦争を想起するたびに取り上げられるのがこの300万人の犠牲である。その原因のほとんどは海軍の拙劣な戦闘によるものであるが、あの軍隊とも思えぬほど無能であった異常体質の海軍の検証はほとんど行われていない。

 そして「海軍善玉論」なるものが大手を振ってのし歩くという奇妙な現象が今なお続いている。新聞が、ラジオが、TVが、もろもろの出版物が、特に惨敗を演じた当の海軍の提督や参謀達自身の手になる出版物が、海軍の善謀敢闘物語を捏造してきた。その捏造物語のなかに共通する重大な欠陥がある。
 戦争物語をつくるのに「作戦」なるものをまったく念頭に置いてないのである。まるで化学関係図書を書くのに分子構造を無視したようなものである。

 もしもである。あの作者たちが「作戦」に関してわずかでも知識を持っていたら、例えば「作戦」を構成する重大要素として後方補給(logistics)が存在する程度のことを知っていたら、とても書けないことがとくとくと述べられている。もっとも権威あるはずの公刊戦史『戦史叢書』[注5]においてもその傾向がある。

 大東亜戦争における帝国海軍の戦跡をたどっていくと、1つの不可思議な問題が浮上してくるのである。それは、海軍の軍隊にもあるまじき作戦知識の欠如である。戦闘を本務とする者たちに作戦知識がないという不思議である。

 まず、国家総力戦の認識がまったくない。戦略感覚がない。情報重視の観念もない。後方兵站がまったく疎かにされている。戦術すらまことに拙劣なのである。帝国海軍の作戦知識の貧困さは生半可なものではない。しかも、まことに度し難いことであるがウソが多過ぎる。そのウソがその後の戦闘に重大な悪影響を及ぼすようなことも含めてである。

 いったい、帝国海軍とはなんだったのであろうか? あのような軍隊と呼ぶにはあまりにもお粗末な体質を生んだ経緯はどのようなものであろうか? その建軍以来70年の歴史とは、はたして言われるような「光輝ある歴史」だったのだろうか?

 ここにおいて、われわれは300万人の貴重な犠牲を生んだあの戦争に対する、戦後社会の非難と批判に関して、重大な疑問を抱かざるを得なくなるのである。あの戦争に関する「歴史の検証」のなかで脱落している重大事を強く感ずるのである。それは帝国海軍の無能ぶりであり、海軍の利益を常に国益に優先させたその権威主義である。

 本書は、帝国海軍の権威主義の実態、独立統帥権を手中に収めた経緯、それが大東亜戦争に及ぼした悪影響、そして作戦研究の驚くべき過ちと怠慢、それらの大東亜戦争惨敗の根本的原因を、日清・日露の2つの戦争にまでさかのぼって解明し、検証しようとするものである。

 すでにこの試みを、私は長年にわたり続けてきた。かつて上梓した『太平洋に消えた勝機』(2003)はその集大成と呼べるものであるが、そこでは大東亜戦争に多くの筆をさいたので、今回は歴史をさかのぼり、帝国海軍建軍の端緒から筆を起こしている。そうすることで、わが無能海軍がいかにして国益を損ねてきたかが解明できるからである。
 こうした試みが、かの「戦争贖罪周知徹底計画」でゆがめられたわが国本来の歴史、文化、文明、価値観、立場に対する見方を正常化する端緒ともなればと、切に願っている。

2006年7月 
佐藤晃 



(私のコメント)
沖縄の普天間基地問題は単なる基地の移設問題ではなく、日米安全保障条約の存立にも関わるような微妙な問題になりつつあります。問題を複雑にさせているのは日米双方に相反する勢力があるからであり、アメリカや日本も意見が一つに纏まっている訳ではない。しかしその問題を見えにくくしているのが日本のマスコミであり日本は未だにGHQによる「戦争贖罪周知徹底計画」“War Guilt Information Program”が作動している事だ。

しかしこの「戦争贖罪周知徹底計画」はネットには適用されていないから、大東亜戦争の真の姿が分かるようになって来ました。しかしネットを見ている人は圧倒的に若い人が多くて戦後教育で徹底的に歴史教育などで「戦争贖罪周知徹底計画」を叩き込まれてきた。だから日の丸や君が代に対しても嫌悪感を催すような気分になるように洗脳されている。NHKの放送などでも「アジアの一等国」と言う番組が放送されたばかりだ。

日本に米軍基地が存在する限り日本のマスコミに対する「戦争贖罪周知徹底計画」は作動し続けるだろう。これに反抗する学者や文化人がいれば歴史修正主義者のレッテルが貼られて大学教授をクビになったり歴史教科書の編纂から外される事になる。アメリカにとっては何はなくとも日本が悪者でなければならない。そうでなければアメリカが悪者になってしまうからだ。

しかし歴史の流れを見れば分かるように大東亜戦争がアジアの植民地から開放して人種差別撤廃の流れを作ったのは明らかだ。だから東京裁判は明らかに間違いであり、それを指摘しない学者やジャーナリストは未だにGHQの手先であり“War Guilt Information Program”の監視人なのだ。読売新聞はCIAと深い関係がありナベツネ氏等はその中心人物だろう。

読売新聞や毎日新聞や朝日新聞などは戦前戦中において戦争を煽ってきた張本人であるにもかかわらず戦争犯罪人から外された。これらの新聞社は新聞のみならずラジオやテレビなども系列化に置いて放送し続けていますが、テレビ局やラジオ局が幾つあろうと言っている中身は皆同じだ。彼らは東京裁判が間違いだと言う事は絶対に報道しない。

それとは逆に韓国や中国などとの連携で日本の植民地支配を大きく取り上げて日本を戦争犯罪国家であるという主張を繰り返し放送し記事にするのが。「戦争贖罪周知徹底計画」“War Guilt Information Program”なのだ。それと同時に陸軍が戦争に引きずり込んだ悪者であり官軍善玉論を主張するのも彼らなのだ。半籐一利氏なども先日のNHKでも出ていましたが、米内光政や山本五十六こそが日本を悲惨な状況にたたきこんだ首謀者なのだ。

佐藤晃氏の本は「株式日記」でも何度か紹介して来ましたが、ネット上で全文が公開されています。著者と出版社の契約では紙の本だけの契約であり電子メディアに公開するには著作者や著作権者の了解があれば全文を公開する事も可能なのだろう。だからキンドルなどの電子書籍などが普及すれば改めて電子出版することも可能だ。

しかし多くの作家や著作者は出版社との関係に配慮して自分の著作物を電子メディアに公開する事は行なわれていない。そんな事をすれば出版社から本が出せなくなってしまう。出版社も古い戦前からの出版社は戦争を煽る本などを出版してきましたが公職を追放されただけで起訴される事はなかった。おそらくGHQなどとの裏取引きで罪を免れたのだろう。

日本が未だにGHQの。「戦争贖罪周知徹底計画」“War Guilt Information Program”が作動している事は「太平洋戦争」と言う言葉が使われていることが象徴している。公平に評価すれば戦争は日米どちらも悪なのであり、要するにアメリカが勝ったからアメリカが正義であり日本は負けたから悪なのだ。

しかし65年もの年月が経って戦争の当事者と言える人は居なくなり、冷静な見方がされてもいいと思うのですが、日本は未だにアメリカ軍に占領された状態なのであり、アメリカを悪と断罪する事は今でも難しい。だからアメリカの大統領は未だに広島や長崎に来た事はない。アメリカは建国以来戦争をすることで国土を広げてきたし、多くの有色人種を殺してきた。

そもそも大東亜戦争が今まで本格的に総括される事はなく、その実態がなかなか解明されないのは。「戦争贖罪周知徹底計画」“War Guilt Information Program”によるものなのだろう。なぜ海軍はパールハーバー奇襲攻撃に拘ったのだろうか? そんな事をすれば寝た子を起こすような事になる事はアメリカのハーバードに留学していた山本五十六なら分かっていた事だろう。つまり山本五十六はアメリカのスパイであったのではないだろうか?

緒戦以降も日本帝国海軍はわざと負けるようにミッドウェー作戦を敢行して期待通りに負けた。情報管理も徹底せずに酒場でも次はミッドウェーだという話が溢れていた。そして十分な準備もなされずに作戦が行なわれて主力部隊を失った。山本五十六は旗艦の大和に乗っていてミッドウェー近海に出撃していたのですが、米空母の存在を掴みながら空母部隊にそれを知らさなかった。

終戦後において東京裁判は行なわれましたが、日本人による「裏切り者」に対する裁判はついに行なわれなかった。半籐一利氏などは山本五十六を和平派の良識派と称していますが、彼こそ一番罪深い軍人ではなかったのではないだろうか?


山本五十六とは、決して戦場には出撃しない、現場指揮はとらない、安全圏にいて自分の命を惜しむ、史上最低の高級軍人だった。 2008年12月13日 株式日記

日本は勝てる戦争になぜ負けたのか』 新野哲也(著) 真珠湾攻撃について、永野とルーズベルトのあいだに、密約があった? 2007年8月13日  株式日記

帝国海軍こそが日本を敗戦に追い込んだ「A級戦犯」である。マリアナを要塞化する石原莞爾の防衛構想を無視した海軍 2006年8月8日 株式日記

米内光政は親米ではなく親ソ派だったから日独伊三国同盟に反対したのであり、日本海軍はスターリンの意のままに南進策をとったのだ。 2008年12月6日 株式日記

三村文男(著)『米内光政と山本五十六は愚将だった』近衛、広田、杉山は死刑で、米内が無罪はおかしい。 2005年4月29日 株式日記


(私のコメント)
なぜ陸軍が悪玉で海軍が善玉なのか分かりませんが、東京裁判でも絞首刑になったのは陸軍の軍人ばかりで嶋田海軍大将は終身刑だった。おそらく海軍はアメリカとの協力関係から恩赦されたのだろう。日本海軍の協力がなければアメリカは戦争の踏み込むことが出来なかった。

先週も書いたようにアングロサクソンのやり方は自国に留学生を招いて指導者に育て上げて内部協力させるのがやり方だ。山本五十六のハーバードに留学してアメリカとの人脈が出来たのだろう。佐藤晃氏もこの本でパールハーバーの謎に触れている。




アメリカが日本の重要性を認識しながら日本を切り捨てるのは、反抗的に
なった日本が許せないからだ。だから鳩山を辞めさせる圧力をかけている


2010年4月24日 土曜日

冷え込む米日関係 - ジャパン・バッシングならぬ「ジャパン・ディッシング」 4月22日 マイケル・オースリン WSJ

50年以上にわたる米日同盟において、日本政府と米国政府は、互いに称賛し合ったり、非難し合ったり、無視し合ったりと、驚くほど多くのさまざまな局面を経てきた。そして互いに拒否し合っているのが、今だ。

 この米日関係のサイクルが始まったきっかけは、1970年代の「ニクソン・ショック」だ。ニクソン米大統領(当時)の中国訪問と変動為替相場制の開始によって、日本は政治的に不安定かつ経済的に弱い立場に追い込まれた。

80年代から90代初頭にかけては、貿易摩擦が過熱化し、貿易戦争の脅威や制裁措置、保護主義の台頭によって両国関係は損なわれることとなった。日本が次の超大国と化すのではないかとのつかの間の脅威によって、『ザ・カミング・ウォーズ・ウィズ・ジャパン「第二次太平洋戦争」は不可避だ』といった、はらはらさせるような(しかし、完全に誤った認識の)タイトルの本が次々と出版された。日本人の間では、この時期は「ジャパン・バッシング(日本たたき)」の時代と呼ばれている。

 90年代に入ると、両国関係は「ジャパン・パッシング(日本外し)」の時代へと移行する。米国の強欲な視線は、日本を離れ、新たに超大国へと成長しつつある中国へと向けられるようになる。

 98年、当時のクリントン米大統領は中国を訪問し、9日間も滞在したにもかかわらず、東京には立ち寄ることさえしなかった。これによって、日本は、日本の時代が正式に終わったことをようやく理解した。政治家や世論形成者にとっては、多くの意味において、無視されていると認めることは、たたかれることよりもつらい。バッシングであれば、少なくとも反撃のチャンスはある。

 そして今、日本政府と米国政府は新たな時代に突入した。わたしは、この時代を「ジャパン・ディッシング(日本切り捨て)」と名付けたい。鳩山新政権は、自らの主要パートナーに対してさまざまな失策を犯し、一貫した政策を示すこともできず、オバマ政権から非難を買い、ますます無視されつつある。

 日本の政治エリートが、米政府の間で日本の評価がいかに下がっているかを知ったら、バッシングやパッシングの日々が懐かしく思えるかもしれない。日本は今、どちらも望ましくない選択肢から選ばざるを得ない「モートンの熊手」状態に陥っている。すなわち、米国に無視されるか、解決のしようがほとんどない問題とみなされるかの、いずれかだ。

 日本の政治家の多くは、こうした事態を招いたのは、06年に米日で交わした沖縄在日米軍の再編実施のロードマップを反故(ほご)にし、米政府が受け入れ可能な代替案を提示しない鳩山首相自身であることを理解している。さらに、オバマ大統領が鳩山首相に対する信頼感を失う上で最も決定的となったのは、鳩山首相はオバマ大統領に対して直接、問題を「解決する」と2回も約束していたことだ。

 鳩山首相は5月末までに代替案を提示するとしているが、日本でも、米国でも、誰もが満足できるような解決策を鳩山首相が突如見つけられるとは、ほとんど誰も思っていない。さらに、東アジア共同体の形成や気候変動問題で果たす日本の役割の拡大といった、鳩山首相が提唱する偉大な構想は、政治的な現実性のかけらもない。

 要するに、鳩山首相に対する信頼感はすっかりうせ、米政府高官はひそかに日本を見放す姿勢をますます強めている。米ワシントンDCで先週開催された核安全保障サミットでは、中国や韓国、シンガポール、マレーシアの各国首脳はオバマ大統領と親密で、実のある協議を行った。

 一方、鳩山首相は公式晩餐会でオバマ大統領の隣の席を確保したものの、政府高官筋によると両者の会話は順調に運ばなかった。その後、両国の官僚はいずれも良好な関係の維持を望んでいるとあわてて述べたが、オバマ政権の中には両国の関係がすぐに改善されると信じる者はほとんどいない。少なくとも鳩山首相が政権の座に就いている間は、あり得ない。

 ジャパン・ディッシングは、日本、米国、アジアのいずれにとっても好ましくない。アジア諸国は米国とその主要同盟国との関係を神経質に見守り、日米乖離(かいり)の兆しに鋭く反応している。

 一部の比較的小さな国は、鳩山首相が昨年提示した東アジア共同体構想に対して、とりわけ厳しい反応を示した。それが米国の排除を意図するものかのように見受けられたためだ。そうなれば将来的に、新たな多国間協定の合意において中国に圧倒的主導権を握られかねない。そうした事態を他のアジア諸国は警戒している。

 アジア各国が米国と日本の緊張の度合いを認識し始めていることを裏付けるかのように、わたしは先日、あるアジア主要国の首脳に直接、米国と日本の関係は実際どれほど悪化しているのかと聞かれた。

 両国関係の険悪化がこれほど気掛かりなのは、米国も日本も互いに協調する以外に現実的な解決策がないことだ。米国は、在日米軍なくして、アジア地域で確固たる軍事態勢を維持することは不可能だ。かといって、たとえ他のアジア諸国が米軍のアジア駐留をどんなに望んだとしても、代わりに米軍の受け入れを申し出る国があるとは思えない。

 そして日本はと言えば、第二次世界大戦から60年以上たった現在でも、いまだに米国以外の近隣諸国とは同盟を組めずにいる。米国との密接な関係が失われれば、日本は今以上に世界で孤立を深めかねない。それは、世界第2位の経済大国にとって健全なことではない。

 米日同盟の決裂は誰も望んでいない。だが、鳩山首相が事態を何とか一変させなければ、両国関係は確実に後方に追いやられてしまうだろう。これには、自らの政権の掌握と連立パートナーの抑制、沖縄県民との現実的な基本合意の形成を含め、政治的手腕が要求される。だが現在までのところ、鳩山首相はその手腕をまったく持ち合わせていないように見える。

 そうした政治的手腕が発揮されて初めて、鳩山首相は米政府と対等な協議ができる。だが、その時が来るまで、あるいは鳩山首相が辞任するまでは、数十年かけて築き上げられたアジアの安定と繁栄はジャパン・ディッシングによって脅かされ、既に多くの紛争に見舞われている世界にさらなる不透明さと緊張をもたらすことになりかねない。

(マイケル・オースリン氏は本紙のコラムニストで、アメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長)



(私のコメント)
マイケル・オースリン氏は若手の日本研究家ですが、「株式日記」で書いてきた事と認識は多くの点で共通している。日米関係の重要さは今も昔も変わらないのですが、アメリカから見れば中国の台頭で日本が霞んで見えるのは仕方のないことだろう。しかし日本から見ても最近では中国の台頭でアメリカの影よりも中国の影が大きくなり、日本から見ればアメリカが小さく見えるのは確かだ。

従来の自民党政権なら日本の首相がアメリカに冷遇されただけでも政治生命を失って退陣した首相は多いだろう。90年代では日本の首相は8人も変わった。小泉純一郎のようにブッシュのご機嫌取りが上手ければ長期政権も可能ですが、安倍、福田、鳩山と続く総理大臣も小泉首相のようなキャラがない。麻生首相は愛嬌はあるがオバマとは性格が合わなかったようだ。

政治家というのは対人関係が上手い人たちがなれる職業なのですが、日本の政治家は最近では世襲議員ばかりになって、お坊ちゃん育ちで対人関係が上手くない首相が多くなった。だからアメリカの大統領と会談する時でも相手のご機嫌を取る事ができない。ブッシュの前でプレスリーの真似をして見せた小泉首相は明らかに演技なのですが、それくらいのことが出来なければ交渉事は上手く行かない。

日本の首相は生真面目すぎて気の効いた事が言えずに、会談も味も素っ気も無いものになりがちだ。外国の首脳から見ればこんな人間がどうして首相になれたのかと思われるだろう。結局は政治も年功序列の世界であり、二世議員が父親の後を継いで議員になり当選を重ねれば首相になれるようになってしまった。

90年代に入って日本の首相がコロコロと変わるようになったのは、アメリカによるジャパンバッシングとは無関係ではないだろう。橋本龍太郎のように少しでもアメリカに反抗するような態度が見えれば日本国内からもマスコミの非難が集中する。最近では1000日以上首相を務められたのは中曽根康弘と小泉純一郎くらいで、アメリカ大統領との関係を築ける者だけが安定政権になる。

鳩山首相もお坊ちゃん育ちでありオバマ大統領との信頼関係を作ることが出来なかった。母親から毎月1500万円も貰っていながら気が付かなかったと平気で言えるようなキャラだから浮世離れしている。これではいくら会談を重ねても相手の信頼を得られるような事にはならないだろう。

政治家というのは有権者の信頼を集められるだけの器量と度量と見識が必要ですが、日本の選挙制度では二世のボンボン育ちが親から引き継いだ後援会組織で当選ができるようになっている。鳩山首相も典型的なボンボン議員であり政治家としての器量はない。育ちがいいから人の言う事は素直に聞くが信念がないから直ぐに言う事が変わってしまう。

日米双方とも日米関係が重要と認識しているにもかかわらず、90年代からのジャパンバッシングは今も続けられている。最近ではジャパンパッシングとなり、オースリン氏はジャパンディッシング(日本切捨て)と言っている。日本がなかなかアメリカの言う事を聞かなくなって来たと言う猜疑心があるからでしょうが、鳩山首相のはっきりしない態度もそうさせているのだろう。

80年代までのアメリカの力は絶対的でありアメリカに反抗する事は事実上出来なかった。しかし最近では中国の台頭でアメリカの力は相対的に衰え始めている。そうなれば日米中関係にも影響が出るのは当然であり、アメリカ大統領のイライラがより強くなるのも当然だろう。中国に振り回されるアメリカ外交は自分の立場が弱くなってきた事を自覚せざるを得ない。

以前の常識からは日本が在日米軍基地問題を白紙に戻す事は考えられなかった事ですが、そこには中国の影がある。中国の影が大きくなるにつれて日本の政治家の中には中国に擦り寄る政治家も多くなり、経済レベルでもアメリカよりも中国との関係が大きくなって来ている。これは「株式日記」が中国寄りになったと言うよりも現実的に対応しようと言う事だ。

それがますますアメリカを苛立たせる原因なのでしょうが、金の切れ目が縁の切れ目であり、アメリカが物を買ってくれないのなら中国に売るしかなくなる。政治家の中にも日米中の正三角形という人も出てくるのであり、それがアメリカから見れば反米に見える。だからこそオースリン氏が言うように日本切り捨て論まで出るのですが、日本に圧力をかければ鳩山首相も退陣に追い込んで選挙でも負けるように巻き返しの圧力に出て来ている。

鳩山首相の東アジア共同体構想もアメリカを排除したものでありアメリカを苛立たせている。アングロサクソンの外交基本戦略は分断して統治するという事であり、日中が関係を強化することはアメリカにとっては悪夢になる。そのような関係が深まれば日米安保の解消にまで繋がるからだ。これは90年代から続いてきたジャパンバッシングの当然の帰結であり、アメリカはいつになったらバッシングを止めるのだろうか?

つまりアメリカは日本叩きをすればするほど日本を中国に追いやっている事にいつ気が付くのだろうか? 民主党は中国に擦り寄ることで政権を取ることが出来た。台湾も馬政権の誕生で中国寄りになりいずれ併呑されるだろう。アメリカは台湾の独立を認めずきわめて冷たく扱うようになり武器売却も延期されがちになった。アメリカがそれだけ中国におもねっているからそうなるのですが、曖昧な外交をしているのはアメリカの方なのだ。

オースリン氏が言うようにアメリカの言うとおりにすれば許してやるよと言う態度では日米関係はますます乖離していくだろう。冷戦体制の崩壊から20年が経ち在日米軍の存在価値も日本人は疑いを持ち始めた。中国の10隻艦隊が日本近海を堂々と航行するようになりましたがアメリカ海軍の影がだんだんと薄くなってきました。

日米が離反すればアメリカのアジアにおける橋頭堡を失う事を意味し、アジア諸国もその影響は大きい。だからアメリカは苛立っているのですが、鳩山首相をルーピー呼ばわりしてワシントンポストは日本の首相を侮辱した。鳩山首相はルーピーなのではなくバカな振りをして沖縄の普天間問題を拗らせて沖縄米軍基地問題を日本国民にアピールしようとするものだろう。




中国の台頭と米国の影響力減退で日本は戦略再編を考えている?
基地を巡る論争が実は、戦略再編の初期の兆候である可能性だ。


2010年4月23日 金曜日

第二列島線までの海域が中国に制せられることは、
すなわち日本が中国の勢力範囲に入ったことを意味する。
だからアメリカ海軍はグアム島まで戦略的に後退した?
だから沖縄の普天間基地などは戦略的価値はない?


中国海軍、活動範囲を東方へ拡大 日本と摩擦増加  沖縄〜台湾〜フィリピン線越え展開  4月22日 日経新聞

中国海軍が活動範囲の東方拡大を進めつつある。今月上旬から駆逐艦や潜水艦など計10隻による大規模な遠洋訓練を東シナ海と太平洋で開始。日本列島から沖縄、台湾をつなぐ「第1列島線」と呼ぶ防衛ライン内での影響力確保にメドを付けた可能性がある。艦載ヘリが日本の護衛艦に接近する事態が相次ぐなど、日本との摩擦を広げている。

 人民解放軍の機関紙「解放軍報」は8日、中国海軍で東シナ海を管轄する東海艦隊(司令部・浙江省寧波)の連合艦隊が遠洋訓練を開始したと伝えた。「近年まれに見る規模と期間、複雑な環境での訓練」で、対艦ミサイルによる攻撃を妨害電波などを使って防ぐ訓練を実施する予定。「世論戦、心理戦、法律戦の訓練」やテロ・海賊対策も実施するという。

 防衛省によると、中国海軍の艦隊はソブレメンヌイ級駆逐艦2隻、フリゲート艦3隻、キロ級潜水艦2隻、補給艦1隻など計10隻で編成。7〜9日に東シナ海で艦載ヘリの飛行訓練を実施した。

 10日夜には沖縄本島と宮古島の間を東シナ海から太平洋に抜け、ヘリ訓練や洋上補給を繰り返した。8日と21日には艦載ヘリが監視中の海上自衛隊の護衛艦に水平距離約90メートルまで接近。22日午後には10日と同じ海域を太平洋から東シナ海に向け航行したことが確認された。

中国海軍は長距離の洋上進出能力を高め、沿岸・近海から太平洋など外洋に活動範囲を広げている。台湾の淡江大学の王高成教授は今回の訓練にを「第1列島線を越える防御能力を持つことを証明した」と分析する。

 中国はこれまで第1列島線の内側の海域の防衛を主任務としてきた。今後は日本列島からサイパン、グアムをつないでインドネシアに続く「第2列島線」をにらんだ遠洋展開を活発にする可能性がある。

 日本政府はヘリ接近について中国政府に抗議したが、中国は問題はないとの立場だ。22日付の中国紙「国際先駆導報」は「海自の軍艦が尾行し、写真を撮り、中国軍艦の正常な航行を妨害した」と批判。「日本は中国軍艦がさらに頻繁に外洋に出ることに慣れるべき」とした中国海軍関係者の見方を紹介した。

 遠洋での活動には、領土・領海防衛や台湾独立阻止に加え、海洋権益や海上輸送路を確保する目的がある。中国政府は国家利益確保を重視する姿勢を強め、潜水艦の増強にも力を入れる。21日付中国紙「環球時報」によると、東海艦隊は潜水艦の磁気を消す施設を新設。敵に見付かりにくくするためで、中国の潜水艦に対する米軍の監視強化に対抗する狙いとみられる。(北京=佐藤賢)


日米同盟にためらいを抱く鳩山政権 4月23日 Financial Times

鳩山由紀夫首相が今月ワシントンを訪れた時、日本政府関係者は必死にバラク・オバマ米大統領との個別会談を設けようとした。

 結局、鳩山首相はたった10分間の会談に甘んじるしかなかった。それも夕食会の最中のことで、オバマ大統領は会談よりも前菜とワインの方に関心があったかもしれない。

 こうした出来事は日本にとっては重大だ。ある古参の政治家は、冷たいあしらい――東京では必然的にそう見なされた――は「屈辱的だ」と述べた。同氏はさらに、鳩山首相が集合写真の撮影の際に端へ追いやられたと指摘する。外交の世界では、シベリア追放に等しい仕打ちだという。

 これらの儀礼上の小話を深読みし過ぎるのは間違いだ(もっとも、深読みするのは、いつだって楽しい)。しかし今回のひじ鉄砲の背景には、現実的な問題が存在する。1945年以降、東アジアの安全保障の礎となってきた日米同盟がこれほど不安定に見えることは過去何年もなかった。

 直接的な原因はある。鳩山氏率いる新政権は、沖縄にある海兵隊基地の移設問題を巡る交渉を再開させて米国政府を苛立たせた。

中国の台頭と米国の影響力減退で日本は戦略再編を考えている?

 だが、目先の問題以外に何かもっと大きなことが起きているのではないかという執拗な疑念がある。日本は中国の台頭と東アジアにおける米国の影響力減退という事実に向き合っており、基地を巡る論争が実は、戦略再編の初期の兆候である可能性だ(わずかではあるが現存する可能性だ)。

 1995年に3人の米兵が12歳の少女をレイプした事件を受けて沖縄で怒りが噴出して以来、日米両国は沖縄の多大な軍事的負担を減らす方法を模索してきた。当時の自民党政権との間でまとまった解決策は、危険なほど都市部に近い普天間基地の閉鎖で、代わりに沖縄県内のもっと人口密度の低い場所に滑走路を新設することになった。

普天間移設は大がかりな軍再編の引き金を引く。沖縄県内の米軍のプレゼンスを大幅に低下させて、最終的には在沖縄海兵隊約8000人が近隣の米領グアムへ移転することになる。

 民主党が選挙に勝って50年間に及ぶ自民党支配に終止符を打ち、鳩山政権が誕生したことが、この移設計画を混乱に陥れた。

 鳩山首相は、新たな基地を設ける必要はないと述べ、これまで利用されてきた沖縄県民の期待を膨らませた。普天間基地を閉鎖し、その機能を沖縄県外、あるいは日本国外へ移設すればいいと首相は述べた。

肝心の移設先を考えないまま基地の県外移設を唱えた首相

 唯一の問題は、移設先について鳩山氏に何の考えもなかったことだ。米国は既に、すべての代替案を考慮に値しないとして拒否している。

 米ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、アル・カーメン氏に「哀れで、(オバマ政権の一部高官の見解では)奇妙な言動が目立ってきた首相」と評された鳩山氏は、自らをさらなる窮地に追い込んだ。今週、5月末までに普天間問題を決着させる決意を繰り返したのである。日米間の隔たりを考えると、これは無謀に見える。

 支持者の間からさえ、鳩山氏は普天間問題を解決できなければ辞任すべきだとの声が上がっている。米国政府は恐らく、それを邪魔することはないだろう。だが、選挙の票読みは、たとえ何が起きようとも、米国が今後数年間は日本の民主党政権とつき合わねばならないことを示している。

 同盟関係を支持する日本人は現状を懸念し、問題の解決が遅れれば遅れるほど危険が増すと言う。彼らが恐れているのは、沖縄県内での反基地感情の高まりだ。例えば米軍のヘリコプターが大学構内に墜落した2004年の事故のようなことが再び起きれば、反感が一気に噴出する可能性があるという。

 同盟支持者に言わせると、万一そんなことがあれば、反基地感情が手に負えないほど膨れ上がり、政府に性急な決断を強いる恐れがある。

これは少々突飛な考えかもしれない。何しろ、日本の繁栄の根幹を成し、太平洋地域における米国の安全保障政策にとって不可欠な日米同盟は、これまで数々の論争を乗り越えてきた。さらに、同盟が崩壊するようなことがあれば、日米双方とも耐えられないほど絶大な影響をもたらす。

◆日米同盟以外の選択肢

 米国の核の傘と絶対的な保護なしでは、日本は独自に核戦力を開発するか、中国との間で新しい協力関係を築くしかない。日本では核が大きなタブーであることを考えると、前者の可能性は極めて低い。また、中国が一党支配の共産主義国であり続け、日本が中国の軍事的意図に疑念を抱き続ける限り、後者はほとんど考えられないことだ。

 日本の政府関係者はほぼ全員が中国に神経を尖らせている。彼らが特に懸念しているのが中国の外洋海軍の構築だ。

 もっとも、中国でさえ、太平洋における米軍のプレゼンスに反対はしていない。米軍のおかげで旧来の地域内の対立を押さえ込むことができ、中国は自国経済を2倍、4倍に拡大することに専念できたからだ。

 だが、中国の威力と能力が増していけば、同国は裏庭の米軍のプレゼンスに対する態度を見直し始めるかもしれない。

 古参議員の多くがベトナム反戦運動の時代に育った民主党政権は公然と、従来と異なる安全保障体制を構築する考えを口にしてきた。鳩山首相を裏から操る実力者とされる小沢一郎氏に至っては、米国は沖縄に基地を持つ必要が一切なく、第7艦隊さえあれば何とかなるはずだとまで言い切った。

 日米同盟を支持する向きは、米軍のプレゼンス低下という考えを弄ぶことは、野党のみに許される贅沢だと言う。民主党が政権の座にある今、そうした愚かな考えは捨て、現実的な政策を受け入れなければならない。短期的には、まさにそれが実際起きることなのだろう。だが、今後20年を見据えると、現状がこのまま保たれると予想する人は相当勇敢な人に違いない


(私のコメント)
在日米軍基地の存在があるからこそアメリカの東アジアの影響力が保たれているのですが、最近ではアメリカ海軍の影が薄くなり中国海軍が10隻の艦隊を組んで沖縄と宮古島の間の海峡を通過している。海上自衛隊のP3Cが監視していますが中国海軍の艦艇は対空砲のレーダー照準をP3Cに当てた。このような行為はロシア海軍でもしない行為ですが、アメリカ海軍の気配がないのはどういうことだろうか?

中国艦隊の目標はグアム島のアメリカ軍基地にあるのは明らかだ。問題はアメリカのオバマ大統領の出方ですが中国海軍と事を構えるつもりは毛頭ないだろう。既に戦略的には台湾は見捨てられたに等しい。台湾関係法などによって台湾への武器輸出は続けられていますがF16などの戦闘機は輸出されない。何はともあれ中国とは事を越したくないのだろう。

日本のマスコミなどは在日米軍の司令官などにインタビューしていますが、彼らは現地部隊の司令官に過ぎずホワイトハウスやワシントンの意思決定にはほとんど影響力はない。確かに海軍力などは比較すれば圧倒的にアメリカが優勢ですが、中国沿岸に限ればミサイルと潜水艦に取り囲まれてアメリカ海軍も動きが取れない。

アメリカが台湾を見捨てれば次は韓国やフィリピンも見捨てるだろう。守りたければ自分たちで守れという事であり、実際に戦闘が起きれば別だが中国海軍の示威的な行動に対してまでホワイトハウスは何の反応も示さない。このような状況では鳩山首相ならずとも日米関係に疑心暗鬼になるのは当然だ。

このような状況でワシントンでの国際会議でオバマ大統領は中国の胡錦濤主席とは1時間半会談し日本の鳩山首相とは10分しか会談しなかったことは象徴的だ。つまりオバマは胡錦濤に配慮しなければならない事情があったのであり、中国はオバマに対して鳩山とは会談するなという圧力があったのだろう。そして妥協の産物としてディナーにおける10分間の会談となったのだろう。

Financial Times はイギリスから見た日米関係を書いていますが、イギリスから見てもアメリカの国力の衰退は明らかなのであり中国の台頭に妥協に妥協を重ねなければならないアメリカの大統領の苦悩を察している。このような状況から日本政府が日米同盟が最重要という外交戦略から新たな戦略に切り替え始めたのではないかという見方も出来る。

中国に対するオバマ大統領の弱腰外交はアメリカ国内からも批判は起きていますが、アメリカは内憂外患を抱えておりとても中国と張り合う国力はとても持ってはいない。中国海軍が第一列島線から第二列島線にまで進出してきてもアメリカ海軍が見て見ぬふりをするのはホワイトハウスの意向でもあり胡錦濤との会談を最優先したためだろう。

中国はこのように外交と軍事的な威嚇を絡めてくるからアメリカは台湾を中国に譲らざるを得ないのかもしれない。台湾が中国の手に落ちれば次は沖縄が目標になるだろう。日本が日米安保を解消すると言った時が中国の外交的勝利といえるのでしょうが、台湾も日本も戦わずして米中の秘密会談でこのような事が決定される。それを防ぐには自主防衛体制を固めるしか手はない。

日本の行方が米中の秘密会談で決定されたことが以前にもあり、1972年のキッシンジャー周恩来会談で台湾は見捨てられて日本を抑え込む事が決定された。ニクソンショックでドルが切り下げられ円が切り上げられて日本の輸出産業が抑え込まれていった。そして一つの台湾をアメリカは認めた。日本の同盟国アメリカにこのような秘密会談で日本の行方を決定される事は日本にとっては屈辱である。

この時もアメリカはベトナムの泥沼で苦しんでおり、同盟国の台湾や日本を裏切る形で中国から譲歩を取り付けた。現在においてもイラクやアフガニスタンで泥沼状態であり、イラン問題でも中国からの譲歩を得るために同盟国の日本を切り捨てるつもりだろう。キッシンジャーならそうするだろう。

キルギスやタイなどにおける政変なども裏を見れば米中の鬩ぎあいの現れであり、どちらの国にも米軍基地が存在している。オバマとしてはキルギスやタイを譲るからイラン制裁に協力してくれと胡錦濤に頼んだのかもしれない。そして米軍基地がこの二カ国から撤退する。このように秘密会談では超大国間で同盟国が将棋の駒のようにやりとりされて行くのだ。

オバマー胡錦濤会談では西太平洋の勢力圏を第二列島線までアメリカは認めたのかもしれない。その示威的な意味で中国の10隻の艦隊が沖縄の海峡を堂々と航行した事に現れている。だからアメリカの第七艦隊は何の行動も起こさない。これでは横須賀に原子力空母の母港となっていても何の意味もないのであり、むしろ在日米軍基地は防衛力としているのではなく日本は将棋の駒に過ぎないのだろう。

日本の外交戦略としては台湾を中国に引き渡す事はシーレーンを中国に引き渡す事につながる。だから日本独力で台湾を防衛すべきであり、アメリカ海軍はホワイトハウスからストップがかけられて動かないだろう。だから日本は連合艦隊を組んで日の丸を掲げて台湾海峡を常時航行すべきだ。また潜水艦も大増強して中国の潜水艦を追尾して追い掛け回すべきだ。そうしなければ台湾も沖縄も中国に取られるだろう。アメリカは秘密協定で日本を裏切るだろう。オバマならそうしかねない。


沖縄を日本から切り離して中国へ売り渡します 2005年08月24日 アジアの真実

民主党の沖縄ビジョン:民主党公式HP

T、「沖縄」を考える
 米軍基地を初め軍事基地を減らしていく為の絶え間ない努力を続けながら、基地経済からの脱却方法を探ることが欠かせない。
 かつての環シナ海交易を通じて沖縄は、歴史的に中国本土、朝鮮半島や台湾、さらには東南アジア各地との深いつながりをもってきた。グローバル化が進む今日、東アジアの中心に位置する沖縄の地理的特性等はますますその重要性を高めている。
 こうした自然と風土、歴史と文化の資産を活かし、観光・交流、研究・教育や安全保障等で沖縄があらためて自主自立の新たな道を切り開く事を通じて、沖縄はアジア、そして世界への日本の情報発信や各種貢献を実現する力強い魅力あふれる先端モデル地域になりうると考える。

U、私たちの目指す姿勢
 民主党は「自立・独立」「一国二制度」「東アジア」「歴史」「自然」の5つのキーワードが、沖縄の真の自立と発展を実現する為の道しるべになると考えている。つまり、沖縄において「自立・独立」型経済を作り上げるためには、「一国二制度」を取り入れ、「東アジア」の拠点の一つとなるように、沖縄の優位性や独自性のある「歴史」や「自然」を活用することである。そして、これらのキーワードを活用する沖縄を通じて、日本は目指すべき次なる姿を描けると考える。




石油は採掘する時代から生産する時代へと変る。藻類から作られる
石油はジェット燃料となり、日本から石油が世界に輸出されるようになる。


2010年4月22日 木曜日

藻から石油を取り出せばトウモロコシ畑より40倍取れる。
水田が油田に変わる日は近い。


藻類から作るバイオ燃料 2009年04月17日 日経エコロジー

トウモロコシやサトウキビなど、食料を原料にするバイオ燃料を第1世代とすれば、ジャトロファなどの草本や建築廃材(木材)、藻類など非食料を原料にするものは第2世代に当たる。第1世代が、食料価格の高騰を引き起こしたとして、国際社会の批判を浴びたことで、第2世代の開発競争が加速している。

 中でも藻類が優れているのは、狭い面積でも大量に油が採れることだ。下の表のように、大豆は1ha当たり446Lしか油を生産できないが、藻類なら9万8500Lとけた違いに多い。バイオ燃料は、ガソリン代替のバイオエタノールと軽油代替のバイオディーゼルに大別されるが、藻類を原料としたバイオ燃料はバイオディーゼルに含まれる。

米国では藻類を原料にしたバイオ燃料を開発するベンチャー企業が続々と登場。研究室レベルのものから、大規模な培養を試みるものまで様々あるが、実用化は5〜10年後といわれる。すぐにビジネスになるような話ではないが、産業界の藻類への関心は並々ならぬものだ。

 CO2削減を迫られる航空業界では、米ボーイングの航空機に藻類から作ったバイオ燃料を搭載した飛行試験が相次いでいる。従来のジェット燃料にバイオ燃料を20〜50%混ぜる。約1%が米サファイアエナジーが生産した藻類によるバイオ燃料だという。ある関係者は、「航空だけでなく、化学や食品、重工業、医薬など、幅広い業界が藻類に触手を伸ばしている」と明かす。

性能の高い藻類を探す
油の量とため方がポイント

 藻類とは、単細胞植物の総称で、微細藻類とも呼ぶ。顕微鏡をのぞかなければ、その姿を見ることはできないほど小さく、ちょっとした水辺ならどこでも存在する。少なく見積もっても地球上に数万種いるといわれ、未発見の種も多く残る。例えば、富栄養化が進んだ湖沼が緑に染まる「アオコ」は、藻類の一種である藍藻類が大繁殖したものだ。

 藻類の細胞内には、脂質が多く含まれている。細胞を破壊し、脂質を取り出して化学反応させればバイオ燃料が得られる。藻類の中には、石油の主成分である炭化水素を生産する種類も存在する。藻類の種類によって、採れる油の種類や量が大きく異なるため、いかに優れた藻類を見つけるかが研究開発の最大のポイントだ。米ベンチャーの中には、藻類の種類を明かさない企業もある。どんな藻類を使うかがノウハウそのものなのだ。

 国内の研究グループは、いずれも使用している藻類が異なる。この分野の草分けである筑波大学大学院生命環境科学研究科の渡邉信教授は、100種類以上の藻類を比較検討した結果、「ボトリオコッカス」という種類にたどりついた。

 ボトリオコッカスは油の生産量が多いのが特徴だ。オイルシェールの成因のひとつともいわれており、炭化水素を多く生産する。しかも、細胞内だけでなく細胞外にも多くの油を出す。細胞を破壊して油を取り出すのには大きなエネルギーが必要なので、油を細胞外に出す特性は、バイオ燃料の生産に非常に有利だ。やり方によっては、生かしたまま油を採取できる。

だが一般的に、燃料として取り出しやすい油を持つ藻類は、生命力が弱い。また、細胞分裂して2倍に増殖するための期間を見ると、速い種類なら数時間なのに対して、ボトリオコッカスは約1週間と遅い。そこで渡邉教授は、バイオベンチャーのネオ・モルガン研究所(川崎市)と組んで、品種改良を開始した。

 同社は遺伝子組み換えではなく、突然変異を人為的に起こす進化工学的な手法を得意とする。「通常の遺伝子工学よりも短期間に安く良い性能を持った藻類を得られる可能性が高い」(渡邉教授)

真珠の養殖技術を生かす
100tの大量培養に成功

 藻類を原料にバイオ燃料を生産する場合、性能の高い藻類を獲得するのが第1ステップである。第2が、藻類の大量培養で、第3が効率の良い燃料製造工程の確立だ。コストと投入エネルギー量をいかに抑えるかがポイントになる。

 徳島県内の産学グループは、容積100tの培養槽で大量培養に成功した。グループを構成するのは、技術系人材派遣会社のWDB傘下の環境バイオ研究所と徳島大学、四国大学短期大学部、ベンチャーのアムテック(徳島県石井町)である。同グループが数カ月前に見つけたイカダモの1種は、油の量こそボトリオコッカスに及ばないが、真冬の寒さでも、40℃を超える水温でも、1日で約2倍に増えるなど環境変化に強い。

 大量培養が難しい種類もあり、この段階で苦労している研究グループも多い。徳島県のグループの成功には、真珠の養殖技術が生かされている。WDBの環境バイオ研究所の前身は、田崎真珠の研究所で、2009年2月に事業譲渡されたばかり。真珠を育てる貝の餌として、藻類の大量培養を20年以上研究してきた蓄積がある。

 藻類の大量培養には、光合成に必要なCO2を通気し、太陽光がまんべんなく当たるように、攪拌などの操作が欠かせない。また、培養槽の形状もコストや投入エネルギー量に影響する。閉鎖系の培養槽を使えば、他の動植物が混入するのを防げるが、コストが高くつく。一方、プールのような開放系の培養槽は安価だが、混入が起きやすい。

 同グループの培養槽はプールのような開放系のものだ。環境バイオ研究所の鬼木浩所長は、「イカダモの生命力が強いので、他の動植物が混入する余地が少ない。50Wという小さな電力で100tの培養槽を攪拌する技術を見つけたことで、培養にかかるエネルギーも極めて少なく済む」と自信を見せる。今後は、藻類から油を取り出し、燃料にする工程を詰めるという。

製造工程は日本のお家芸
発電所との併設をにらむ

 第1世代のバイオ燃料は、原料が農作物だったため、米国やブラジルといった農業大国の独壇場だった。だが、藻類なら、日本が得意とする生産管理技術が生かせる。企業もここに着目し、続々と参入している。

 その代表格がデンソーだ。同社は、筑波大学の渡邉教授と共同研究をしているが、慶応義塾大学先端生命科学研究所(山形県鶴岡市)とも、「シュードコリシスチス エリプソイディア」という藻類を研究している。

同研究所は生物の代謝経路を明らかにする手法メタボローム解析で世界トップクラスの研究設備を誇る。メタボローム解析で藻類が油を作り出すメカニズムを解明すれば、効率良く安定的に油を産出させるための培養条件が明らかになる。「プラントの建設地域が藻類の生育に合わなくても、培養条件がわかれば日本が得意とする生産管理技術で対応できる」(伊藤卓朗研究員)

 東京工業大学と竹中工務店が中心になって2008年6月に設立した「海洋バイオマス研究コンソーシアム」も、バイオ燃料の製造工程の検討を進めている。コンソーシアムには複数の電力会社が参加。石炭火力発電所のCO2回収・貯留施設に培養槽を隣接し、分離したCO2の有効活用を狙う。

東京工業大学統合研究院の小田拓也特任准教授は、「CCSはCO2を分離して地中に押し込むために余分なエネルギーを消費する。CO2をためるだけでなく、藻類などの育成にも有効利用すべきだ」と力説する。

 第1世代のバイオ燃料は、条件によっては、バイオ燃料で削減できるCO2よりも、生産時に排出するCO2量が上回るという指摘もある。各研究グループともに、投入エネルギー量やCO2排出量には配慮して進めており、藻類では問題がないという。

 環境バイオ研究所の鬼木所長は、「将来的には軽油と同等価格にできる」と断言しており、コスト削減の潜在力も大きい。筑波大学の渡邉教授は、「2025年に日本を石油輸出国にする」という壮大な目標を掲げる。

 性能の高い藻類を見つけ、得意の生産管理手法を生かせれば、エネルギー大国への飛躍も夢ではない。


石油は採掘する時代から農産物として生産する時代が来る。
水と太陽が豊富な国や地域が石油産油国となる日が来る。


(私のコメント)
一昨日のNHKの「クローズアップ現代」でバイオ燃料について特集していましたが、藻から石油を取り出す技術が進んでいるそうです。問題はコストがどれだけ下げられるかにかかっていますが、石油相場は1バレル85ドルにまで値上がりしていますが200ドルとか300ドルまで値上がりすればすぐにでも採算ラインに乗ることでしょう。

石油の代替物としてバイオ燃料が注目されてきましたが、サトウキビの搾りかすから作ることも出来ます。バイオ燃料としてはアルコール系の燃料になりガソリンの代替物になります。それとは別に藻から作るバイオ燃料は軽油としてそのままジェット機やジーゼルエンジンの燃料になるそうです。

アメリカでは既にベンチャービジネスとして巨大な藻による石油生産プラントが作られており、そこで生産された軽油でジェット旅客機が飛んだそうです。トウモロコシや大豆などからバイオ燃料を作ることは食糧危機を巻き起こしましたが、藻から石油を作ればそのような事は起きない。

日本では水田や養殖池などがありますが、そこで藻を大量生産して石油を生産することが出来ます。米を作るよりも藻による石油を生産したほうが儲かるという状況になれば日本は一大石油生産国となる事も可能でしょう。風力発電や太陽光発電プラントが日本でもあちこちに作られるようになりましたが、石油生産プラントも休耕田などを利用して作られるようになるでしょう。

アメリカなどでは農地は広くてもトウモロコシや小麦などの畑ばかりだから水が無い。アジアや南米などの土地が広くて水が豊富で太陽が降りそそぐ地域で生産すればコストは安くなり、何千メートルも地下を数百億円かけて油田井戸一本掘るよりも石油生産プラントを建設した方が安くなる時も来るだろう。

いま研究が進められているのは、藻の品種改良でありバイオ技術を使えば生産性が飛躍的に上がる事もあるでしょう。「株式日記」では地方の活性化として橋や道路を作ることよりも農業の振興を図るべきだと主張してきましたが、相変わらず道路やダムなどの公共事業ばかりに目が向けられています。

太陽光発電所やバイオ燃料プラントなどエネルギー分野への集中的な投資が行なわれれば地方の活性化に繋がるだろう。電気や石油などの価格が安ければ工場の生産性も上がるし国内でエネルギーが自給できればオイルショックなどの影響も避けられるようになるでしょう。

クローズアップ現代でも言っていましたが、日本における問題はこのような新しい技術に投資をするベンチャーがないことであり、銀行などの金融機関の行員は科学技術に弱い。藻から石油を作る話をしても銀行員は???だろう。しかし品種の改良と生産技術の進歩で商業化の目処がつき始めている。

ジェット機や船や大型トラックなどは軽油がなければ走りませんが、軽油を農産物として生産が出来るようになればエネルギー事情がかなり変わってきます。中東の石油に頼る時代が終わる時が来るかもしれません。今まで藻は邪魔者で厄介者でしたが石油の生産に欠かせない主役になりつつあります。




日本人留学生の向かう先で増えているのは中国です。中国への日本人
留学生数は、1994年5,055名から2006年18,363名と増加しています。


2010年4月21日 水曜日

日本人留学生の米国離れ 3月3日 フィリピンに英会話留学する前に

Richmond Times-Dispatchで、読売新聞の配信記事「U.S. loses allure as study destination for Japanese」を読みました。日本人留学生の米国離れが顕著になっているようです。

文部科学省が設置する中央教育審議会によると、1994年には42,843名の日本人留学生が米国で勉強していたそうです。この人数、全日本人留学生の78%に相当します。これが、2006年には35,282名まで減少、割合も全日本人留学生の46%まで下がったそうです。

米国Institute of International Educationの発表したレポートOpen Doors 2009でも、2008〜2009年の学期において、米国の日本人留学生数は29,264名となり、前年同期比で13. 9%減少したそうです。

一方、日本人留学生の向かう先で増えているのは中国です。中央教育審議会によると、中国への日本人留学生数は、1994年5,055名(全日本人留学生の9.2%)から2006年18,363名(全日本人留学生の24%)と増加しています。

この背景には、中国の目覚しい経済成長と日本の長引く不況が有り、中国の留学費用が米国のそれに比べて、割安感があるからです。米国College Boardの調査「Trends in College Pricing 2009」によれば、2008〜2009年の学期において、米国の4年生公立大学の1年間授業料は17,460米ドル、4年生私立大学の1年間授業料は25,177米ドルもかかります。一方、北京の日本大使館ホームページのデータによれば、中国の4年生公立大学の1年間授業料は5,450米ドル、4年生私立大学の1年間授業料は8,800米ドルです。

もし私が今海外留学するなら、やはり留学候補の一番手は、中国でしょう。ただ、中国語の勉強だけでなく、十分な英会話力も身に付ける必要があります。

その中国と仕事をする上で、企業はより良い人材を求めており、採用する人材が日本人である必要は有りません。英会話力のない日本人より、英会話力の高い中国人を採用した方が、採用側のメリットは大きいです。残念ですが、競争のハードルは高くなる一方です。


中国で「日本留学ブーム」 「恵まれすぎ待遇」に疑問の声 2009年10月4日 J−CASTニュース

中国で日本留学ブームが起きていると、現地の人民日報などが報じている。背景には、日本政府の留学生30万人計画で、入国制限が緩和されていることもある。ただ、日本は依然、深刻な不況下にあるだけに、受け入れ拡大には疑問の声も出ている。

 このところ、中国のニュースで、現地の留学熱を伝える記事が増えている。

   中国ニュースの通信社「レコードチャイナ」によると、中国共産党機関紙の人民日報は2009年9月29日付サイト記事で、日本の留学生30万人計画をきっかけに中国で留学ブームが起きていると報じた。このブームで、09年4月の留学ビザ取得率は前年同期より12.5%、留学希望者そのものも20%増えたという。

   また、シンガポール華字紙「聯合早報」は8月13日、吉林省のある日本留学斡旋所が連日大盛況で、そこの日本語学校は学生が2倍にも増えたと報じた。同紙では、日本大使館でのビザ取得率も、30万人計画の影響で50%から100%になったともしている。

   30万人計画とは、2008年7月に当時の福田康夫首相が、世界とのつながりを深めるグローバル戦略の一環として策定した。日本留学試験を海外でも受けられるようにしたり、大学の学生宿舎確保を支援したりするなどして、現在の12万人から2020年をめどに計画を実現するという内容だ。

   中国人の日本留学者は、統計的には、ここ1、2年、中国国内の大学数増加などから数がやや減っている。しかし、最近の留学熱で再び増加に転じる可能性がありそうだ。

   留学需要を見込んだ業者の動きも出ている。賃貸アパート大手のレオパレス21は09年9月14日、中国に現地法人を設立し、上海・北京で営業を始めたと発表した。「立ち上がったばかりなので、留学生への紹介は40件弱ですが、2009年度末には300件ほどにしたい。自社アパートへの中国人入居者は、この10年で2倍以上に増えているんですよ」と広報室では言う。

 日本に来る留学生の9割は私費留学で、レオパレス21の広報室によると、中国からもほとんどが私費だという。留学生が増えていることについて、「収入がある中国人が増えていることがあるのでは。日本のオタク文化にあこがれたり、ビジネスチャンスを狙ったりするのでしょう」とみる。

   ただ、留学生増加の背景には、日本政府の留学生30万人計画のおかげで、学生宿舎支援金など留学生の待遇が恵まれてきたこともありそうだ。大学が借り上げた民間宿舎については、単身者が2年間で計8万円、世帯持ちが計13万円の補助が出る。レオパレス21でも、数十件の大学借り上げ例があるという。

   日本政府奨学金による国費外国人留学生は、特に恵まれている。

   日本人への奨学金は、返済義務がある貸与型だけだが、国費留学生は、この義務がない給付型だからだ。留学生全体の1割がこれに当たり、中国の留学生は18%を占めてトップになっている。続いて、韓国、インドネシアとアジア諸国がほとんどだ。

   政府予算では、2009年度は、例年とほぼ同じ220億円を計上。これを国費留学生1万人で割ると、一人当たり年間220万円の給付を受けている計算になる。その内訳は、奨学金を学部生で月額12万5000円給付、授業料を国立大なら免除、私大なら3割限度の減免、往復航空運賃支給などだ。

   深刻な不況下ともあって、ネット上では、こうした厚い待遇を疑問視する向きも多い。「金無くて奨学金で借金なんてこのご時勢ザラなのに」などの声だ。

   これに対し、文科省の学生留学生課では、「もともと途上国援助のODA予算として支給してきた経緯があります。ですから、日本人学生への考え方とは違います」と説明する。中国などの発展で時代に合わなくなってきた可能性については、「ODAの意義が薄れてきたのはあるかもしれませんが、優秀な学生に親日家になってもらい、人的ネットワークや経済発展に生かす国家戦略ということもあります」と言っている。



(私のコメント)
英会話のジオスが倒産したそうですが、NOVAの倒産とあわせてみると若い人の英会話離れが原因なのでしょう。留学生の留学先を見てもアメリカ離れがここ10年で顕著に見られるようになりました。この事は株式日記でも何度か書きましたが、今更アメリカに留学しても就職で有利になるわけでもなく、MBAをとっても外資系企業にしか就職できない状況では意味が無いのでしょう。

ビジネスの世界でもアメリカ離れが進めば留学生の留学先にも影響が出るのは当然であり、ビジネスで中国が一番の得意先となれば留学生も中国を選ぶ事が多くなるのは当然だ。中国やアジアでビジネスするためには英会話も必要ですがやはり現地語などの習得も欠かせない。わざわざ英語を学ぶ為ならアメリカに留学しなくても英語の授業は行なわれている。

このように身近な分野では日本のアメリカ離れとアジアや中国の関係の深まりが強くなっているのですが、90年代頃までは日本はアメリカを通じて世界を見ていた。その流れが変わってきたのはアジア経済や中国経済の台頭によるもので、アメリカの影響力は確実に減ってきている。経済ばかりでなく政治的な交流も盛んであり、中国へは小沢訪中団など600人もの訪中することもあるが、アメリカに訪問する予定だった小沢訪米団はアメリカの都合でキャンセルされた。

鳩山首相がアメリカに行ってもオバマ大統領は10分しか会見してくれませんでしたが、中国なら小沢幹事長が140人の議員を引き連れて胡錦濤国家主席と握手ができたなど待遇の差が激しい。これではアメリカ政府自身が日本に対してアメリカ離れを促しているようなものであり、90年代から続くジャパンバッシングがどのような結果をもたらすのかアメリカ人は分からないのだろうか?

アメリカから見れば中国は巨大市場であり日本の存在感は薄れる一方だ。オバマ大統領は中国を最も重要な二国間関係と発言している。それでは日本との関係はどうなのかが問題ですが、ジャパンバッシングに見られるように日本ならいくら叩いても大丈夫という思い込みがあるのだろう。2000年代まではそうだった。アメリカが一番の市場だったからだ。

ところが現代では新興国市場が大きくなって、アメリカが金融危機で消費が落ち込んでアメリカ市場の存在感が薄くなってきている。輸出においても2008年から中国がアメリカを追い抜いており中国との貿易関係は年々大きくなっている。このような状況の変化は外交関係にも大きな影響をもたらす。それが日本人留学生の留学先にも現れている。

日本への外国人留学生も中国や韓国やインドネシアなどアジアからの留学生が圧倒的だ。新宿から池袋へかけての副都心は中国人や韓国人留学生で一杯であり街で聞く言葉は中国語や韓国語ばかりだ。日本政府の留学生30万人計画で国費留学生ともなると一人当たり220万円もの給付金になるそうです。

日本人留学生のアメリカへの留学が減り、日中韓の留学生の交流が拡大すれば日米関係の将来が希薄化するのは目に見えている。アメリカ人留学生が日本に留学してくるのは僅かしか居ない。留学ばかりでなく企業の海外進出もアメリカ離れが進んできて2008年で見ると中国へは431社が進出しているがアメリカへは212社が進出して中国はアメリカの倍もある。

このような状況での英会話学校の倒産は日本のアメリカ離れを象徴する出来事であり、中国語学校などの看板も目立つようになりました。もちろん中国や韓国からの留学生向けに日本語学校は昔から沢山できていた。それに比べれば欧米における日本語学校は僅かであり、政府は世界に日本語を広める意欲も見られない。しかし実際には留学生などを通じて日本語はアジアに広まってる。

アジアに進出した企業は現地駐在員として現地語は出来る日本人留学生か日本語が出来る現地人などを採用するだろう。それに比べるとアメリカに進出した企業で日本語が出来るアメリカ人を採用する事は100%不可能だ。英語は国際的な公用語だから英語を使えという事なのでしょうが、日本における英会話学校の倒産は何を意味するのだろうか? アメリカの国際的な影響力の低下だ。

昨日は極東のアメリカ軍の縮小について述べましたが、いつまでも60兆円もの国防予算を計上出来ないことは明らかだ。だからアメリカは海外の米軍基地を大幅に縮小しているのですがアジアだけ別だという見方も出来ない。オバマ大統領も在日米軍基地の段階的縮小を考えているのではないだろうか? もちろんアメリカにも強きアメリカの栄光を忘れられない人たちも居ますが先立つものが無ければ戦争は出来ない。やがてはアメリカはアジアからはじき出されるだろう。日本というアジアの橋頭堡を失うからだ。オバマはそれを狙って10分しか会談しなかったのだ。




オバマ政権にとって、アジア太平洋米軍の縮小は必須です。
その具体案として米軍のグアム統合計画が位置づけられます。


2010年4月20日 火曜日

人民元摩擦の深層 4月11日 田村秀男

■「カネ」が物言う米中関係

 米中関係は大きく振れるようでいて、しょせん「カネ」が物を言う。人民元をめぐる米中摩擦は、その典型例だ。

 ≪米国債、中国のシェア25%≫

 グラフは、中国による米国債(財務省証券)と米政府機関債の純購入額と、10年物米国債利回り(米国の代表的な長期金利)の動向である。中国は昨年以降、米国債を着実に買い増している。

 特に最近、米財政赤字の財源となる長期国債を中心に買い上げている。市場で流通する米国債の約5割は外国の民間企業と政府機関が保有しているが、外国のうち中国のシェアは実に25%近い。中国が米国債の大量売却に踏み切れば米国債相場は急落し、ドルや株式を含む金融市場全体が大きく動揺するといわれるゆえんである。

 中国は、住宅金融関係など米政府機関が発行する債券の一大スポンサーでもある。2008年6〜9月、中国が住宅ローン担保証券(MBS)など米政府機関債の大量売却に踏み切ったことが、同年9月の「リーマン・ショック」の誘因の一つになった。

今年2月16日、世界の金融市場関係者に衝撃が走った。この日発表された米財務省統計で中国が昨年末米国債を大量売却し、中国が世界最大の米国債保有国の座を日本に返したことを示していた。しかし、それは「誤報」だった。米側の再調査の結果、中国はニューヨーク市場では売ったが、ロンドンや香港経由で購入していたのだ。

 中国は流入する巨額のドルを買い上げ、その大半を米国債に振り向けている。ニューヨーク市場での米国債買いは、ただちに米当局にドル買い介入として知られてしまう。そこで中国はロンドンなど迂回(うかい)ルートをとったのだが、ほどなく米当局に見抜かれた。

 ≪相場、ドルに強制的くぎ付け≫

 そんな隠密作戦を展開した背景には、米国で高まる「為替操作」批判がある。中国当局はリーマン・ショック以来人民元売りとドル買いにより、強くなるはずの人民元相場を強制的にドルにくぎ付けにしている。その結果、米国は巨額の対中貿易赤字を減らせず、対中輸出も増やせないという不満が米議会に渦巻いている。

 ただ、ホワイトハウスも、議会ばかり向いていられない。2月の誤報事件以降、中国共産党が米国債の最大のスポンサーである現実がますます重くのしかかっているからだ。「リーマン・ショック」後、米政府は大量の赤字国債を発行すると同時に、連邦準備制度理事会(FRB)は1兆ドル以上もドル資金を追加発行して紙くずになりかけたMBSをこの3月末までの期限付きで買い上げてきた。今月以降、再び住宅金融市場が不安定になりかねない。


2030年代半ばまでに有人の火星軌道周回--オバマ大統領が新たな宇宙政策発表 4月16日 CNETニュース

NASAは国際宇宙ステーション(ISS)の完成やスペースシャトルの引退に取り組んでおり、その結果として2010年にケネディ宇宙センターだけでも7000人以上が職を失っている。そして、政局や景気低迷、優先事項の見直しといった悪条件が重なる中、Obama大統領の今回の新計画は発表された。

 以前からの資金不足により、NASAは既に、シャトルプログラムの終了から「Ares I」ロケットの最初の打ち上げまでの間、5〜6年の空白期間が発生する問題に直面していた。Ares Iロケットは、Constellationプログラムの一環として現在設計されているところだ。その空白期間中、NASAは米国人宇宙飛行士の宇宙ステーションとの往復手段として、ロシアの「Soyuz」ロケットに有料で乗せてもらうことを余儀なくされるだろう。

 現在提案されているConstellationおよびAresシリーズのロケットの中止によって、NASAは新しいロケットやカプセルの建造を民間企業に依存するようになる。そうした「有人打ち上げに格付けられた」ロケットや宇宙船は現在存在しない。しかし、民間部門は3〜5年で新しいハードウェアを完成させた後、最初に貨物用カプセルを宇宙ステーションに向かって打ち上げ、最終的には宇宙飛行士も打ち上げられるようになるだろう、とObama政権は考えている。



(私のコメント)
日米中の三国関係は軍事、経済、外交にわたって利害が錯綜していますが、日本も米中のせめぎあいを利用して漁夫の利を取る外交戦略を取るべきだ。沖縄の普天間基地問題も一つのカードとして使えるのですが、鳩山総理のコンニャク外交はその一つなのだろうか? アメリカが中国に対して強く出られるのは在日米軍基地があるからですが、在日米軍基地が無くなればアメリカはグアムからハワイにラインにまで撤退せざるを得なくなる。

日米の二国間の関係なら日本はアメリカの圧力に対抗する手段は無い。しかし中国が絡んでくればアメリカ政府もむやみに日本に対して圧力ばかりかけてはいられなくなる。日本政府を中国側に追いやる結果になるからだ。去年の8月までは自民党政府にアメリカは圧力をかけてきた結果選挙で野党の民主党が大勝した。民主党は親中派でありアメリカとは距離を置く政党だ。

沖縄の普天間基地問題も拗れに拗れさせれば日米安保の解消にもつながるだろう。だからアメリカ政府は手下であるマスコミや東京地検を使って揺さぶりをかけていますが、自民党政権時のような訳には行かないだろう。自民党政権時なら「アメリカ様がお怒りだ」と書くだけで自民党政権は言いなりになった。ところが鳩山首相にはその手がきかない。内閣支持率が20%台になっても自民党に支持が戻るわけではないからだ。

日本はアメリカと中国の二国の攻防をじっと見つめていればいいのであり、日本の国益から見てどちらに味方するか決めればいい。日米経済摩擦が酷くなった時も日本はアジアや中国にシフトして輸出してきた。気が付いたら日本はアメリカよりも中国との貿易高が多くなり、日本はアメリカよりアジアとの関係が深まっていた。

つまりはアメリカの日本たたきは日本のアメリカ離れを引き起こしているのであり、それが沖縄の普天間基地問題にも影響を及ぼす事になって来ている。これがやがては日米関係にも影響をもたらして来れば日米安保解消にも繋がって行くだろう。それは韓国や台湾にも決定的な影響が出る事になる。オバマ大統領は鳩山首相とは10分しか会談しなかった。もはや日米同盟は風前の灯でもあるのだろう。

現在のアメリカにとっては中国が最重要相手国であり貿易摩擦問題も中国との摩擦が一番大きい。それと同時に中国の軍事的増強によって軍事的駆け引きも活発になってきた。昨日も書いたように中国の中距離ミサイル射程圏内ではアメリカが勝つ事は不可能になった。海面下では潜水艦にも脅かされるようになりアメリカの機動部隊は台湾有事には近づく事も出来なくなっている。

台湾がそうなら沖縄も同じであり、だからアメリカは海兵隊をグアムへ移転させるのだ。つまり軍事的に日本を守ると言ってもアメリカは出来なくなっている。数百発もある中距離ミサイルや60隻もの潜水艦からの攻撃に機動部隊や在日米軍基地は持たない。アメリカは中国のミサイルのアウトレンジから反撃するしか手は無い。

中国の人民元の問題も軍事問題がリンクしている。4月13日に中国海軍の10隻の艦隊が沖縄と宮古島の海峡を横断して行きましたが、先月もミサイル駆逐艦などの6隻の艦隊が航行している。米中会談を控えた軍事的な示威行為なのですがアメリカはそれに対して対抗する事ができない。最近では米空母が台湾海峡を航行する事もめったになくなってしまった。

このような中国の挑発的な行動に対してアメリカ軍は手も足も出せなくなり、韓国の哨戒艦も中国の仕業かもしれない。でもアメリカは表立って抗議も出来ないだろう。90年代ならユーゴの中国大使館を誤爆しても中国は何も出来なかった。しかし今それをしたら中国は何をして反撃してくるか分からない。だからアメリカは中国に対して及び腰になっている。

日本の鳩山首相が普天間基地問題でアメリカをイラつかせているのも、アメリカの中国に対する弱腰外交が影響しているのだろう。これではいくらアメリカが中国に人民元の切り上げを迫っても効果が無いのであり、アメリカ議会がいくら対中強硬発言してもオバマ大統領は聞き流すだけだ。

アメリカ政府は中国を為替操作国と指定できないのも軍事的挑発行為に対する見返りなのだろう。このようなアメリカの中国に対する弱腰振りを見てロシアはキルギスの親米政権をひっくり返しに来た。キルギスには米軍基地があるがアフガニスタンへの補給作戦には欠かせない基地だ。それだけアメリカの力は急速に弱まって来ている。

昨日のクローズアップ現代でアメリカの宇宙開発計画が十数年間ストップする事を報じていましたが、アメリカは新型宇宙ロケットに開発にも失敗している。スペースシャトルの維持費も出せなくなり今年でアメリカの宇宙開発は終わりを告げる。

田村秀男氏が書いているようにアメリカは中国や日本から借金をしながら生活をしている。アメリカは借金が出来なくなれば金利が急騰してハイパーインフレが襲ってきてアメリカは急速に衰退する事になるだろう。アメリカにはもはや真の同盟国は無くなり日本の首相もアメリカの要求にウンとは言わなくなってしまった。


オバマ大統領のアジア太平洋地域訪問中止の謎を解く 319日 新ベンチャー革命

2.オバマ政権による米軍大リストラと沖縄米軍のグアム島移転の関係

今、移転対象として話題となっている沖縄普天間米軍基地のある宜野湾市の伊波洋一市長の調査により、普天間米軍基地をグアム島に移転する計画を国防総省がもっているとする証拠が挙がっています。それは米国太平洋軍司令部の“グアム統合軍事開発計画”(2006年)です(注1)。

オバマ政権は、前ブッシュ政権がイラク戦争への過剰出費でもたらした巨額の負債の利払いを迫られており、防衛費の実質支出の大幅削減を計画しています。そのため、米軍のリストラは必至です(注2、注3)。当然、沖縄を含むアジア太平洋地域の米軍もリストラの対象です。沖縄米軍がグアム島米軍基地に統合されるのは自然の流れです。その関連で、オバマがグアム島の米軍基地を視察するのは十分、あり得る話です。

ところが、それが今回ドタキャンされたわけです。ただ事ではありません。

旧戦争屋がオバマのグアム視察をストップさせるのに、どんな手を使ったのか、その秘密を解く鍵は、上記、イスラム教国インドネシアにおけるオバマ訪問反対運動です。この反対運動はどうもくさい。周知のようにインドネシアにはアルカイダの拠点があります。旧戦争屋にとって、オバマがインドネシア訪問の際、アルカイダに見せかけた反米テロを起こすことは不可能ではありません。旧戦争屋得意の手口です。

 オバマ周辺の耳に、インドネシアでのテロ計画情報が事前に入ったのではないでしょうか。要するに、今、オバマがインドネシアを訪問すると暗殺される危険があるので、やむを得ずアジア太平洋地域訪問がドタキャンされたと推察することができます。なぜ、筆者がそのような推察をするかと言うと、オバマは大統領に就任して以来、日常的に、旧戦争屋から恐喝されているのではないかという状況証拠があるからです(注4)。

5.米軍グアム統合計画は実現するのか

 米国の経済立て直しには、米中関係を改善して、米国企業が中国市場で活躍することが望ましいわけです。そのために、オバマは中国外交を極めて重視しています。そうであれば、旧戦争屋のシマであるアジア太平洋地域における米軍の存在は、オバマの対中外交展開にとって大きな妨げです。その意味で、オバマ政権にとって、アジア太平洋米軍の縮小は必須です。その具体案として米軍のグアム統合計画が位置づけられます。



(私のコメント)
アメリカは今二つに割れている。強かったアメリカと弱くなった今のアメリカだ。オバマ大統領にとっては産軍複合体は敵であり、軍拡や宇宙開発も中止しなければならない。太平洋地区の軍隊も大幅に軍縮する必要がある。イラク戦争やアフガニスタン戦争はオバマ大統領の本意ではないのでしょう。それに対して強かった頃のアメリカを棄てきれない勢力が抵抗しているのだろう。あまりにもこの2,3年のアメリカの衰退振りが激しいからだ。昨日のNHKのNASA宇宙ロケット開発中止がそれを象徴している。




米空母打撃群が台湾に近寄る時には、それが太平洋側であっても、
東シナ海同様相当のリスクを覚悟せざるを得ないと思われる。


2010年4月19日 月曜日

韓国艦沈没「原因の分析可能な破片入手」 調査団 4月17日 朝日新聞

【ソウル=牧野愛博】韓国哨戒艦の沈没原因を調べている軍と民間による合同調査団の朴正二団長は16日、「直接の原因を分析できる一部の破片も発見した」と述べ、調査団が最有力と指摘した「外部爆発」の原因特定に向けて自信を示した。調査団は、沈没地点から半径500メートル以内の海域を対象に、残留物の捜索作業を続ける方針だ。

 調査団の指摘を受け、与党ハンナラ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)代表は16日、訪問先の東京で「北の犯行なら、悩まなければならない」と語り、軍事措置も含めた対抗策を検討すべきだとの考えを示した。

 保守系の自由先進党、李会昌代表は「北の介入が事実なら、強力な報復をすべきだ」と述べ、国連制裁や開城工業団地事業の中断など、具体的な対抗策を挙げた。韓国では北朝鮮の関与を疑う報道が過熱。大統領府報道官は16日、「予断するには少し早すぎる」と冷静な対応を呼びかけた。

 北朝鮮の公式メディアは同日現在、沈没について一切触れていない。



米国に力を見せつけた中国の最新鋭潜水艦 4月19日 小林正男元海将

米空母キティホークの護衛圏内で、知らぬ間に入り込んでいた中国「ソン」級潜水艦が浮上していた、というニュースをご覧になったことがあるだろうか?

*** 2005年までの10年間で潜水艦を31隻就航させた中国 ***

 1995年から2005年の間に中国が31隻の潜水艦を就役させ、引き続き新造艦を建造している、というニュースはどうだろう。

 これらのニュースは中国ではなく米国から発信されたものであり、米国が中国潜水艦に対して警戒感を強めていることがうかがえる例であるが、そうしたことを感じることができただろうか。

 こういう報道を目にした時、そもそも潜水艦にどれほどの軍事的な価値があるのか、潜水艦の数にはどんな意味があるのか、潜水艦に対抗するための軍事的な対策にはどんなものがあるのか、といった基礎的な知識があると、報道に対する理解の深さが相当違ってくるだろう。

 そして例えば、中国海軍力の増強、とりわけ潜水艦勢力の拡大が米国に与えるインパクトの強さも、理解できると思われる。

 そこでここでは、報道の意味するところを理解するために必要な、潜水艦について知っておくべき基本的な8項目の知識について述べてみたい。

 ”その1 潜水艦の軍事的価値”

 潜水艦の軍事的な価値は、光や電波の届かない海中から突然ミサイルや魚雷を発射できることにある。またその隠密性から、特殊作戦部隊を上陸させるような作戦も可能である。さらには情報収集にも使われるが、衛星や長時間滞空可能な無人偵察機などが発達している現代では、この用途での重要性は低下している。

*** 核抑止力として期待された水面下からのミサイル発射能力 ***

 突然ミサイルを発射する能力は、まず核抑止力として利用されている。核抑止というのは、敵の先制核攻撃を生き延びて報復する能力が常に維持できていることを顕示し、それによって先制核攻撃を思い止まらせることである。

 核兵器の命中精度が100メートル単位で語られる現代では、陸上の強化されたミサイルサイトも第1撃で破壊される可能性があることから、水中にあって第1撃による被害を受けることのない潜水艦搭載の弾道核ミサイルが核抑止の主役となっている。

 突然のミサイル発射は当然、戦術場面でも使用される。近距離から、従ってこれを迎撃する時間的余裕がほとんどない場所から戦術ミサイルを発射されることは、ミサイル対応能力を持っている水上の戦闘艦艇にとっても脅威である。

 旧ソ連が米国の空母打撃群への対応として考えたのがこれであり、しかも米国側の対応能力を超える多数のミサイル発射を考えていた。こうしたソ連側の戦術に対して、米国はイージス艦で多数ミサイルへの同時対応を企図していた。

 しかし何といっても、潜水艦にとって重要な武器は魚雷である。魚雷は発見されにくく、回避が困難であるうえ、水中爆発によって船舶に大きな損傷を与える。戦艦大和を撃沈した主力は航空魚雷であったが、当時の魚雷は艦の側面に衝突して起爆した。

*** 現代の魚雷は1発で大空母を大破できる ***

 こうした場合、爆発の主力は水面上に抜け、側面にある艦船に与える力はそれほど大きくない。このため、米軍は大和の左舷へ集中した魚雷攻撃を加え、その数は8本にも及んだという。これは片側へ損傷を集中させることにより、大和の転覆、沈没を企図したものであろう。

 しかし現代の魚雷は艦艇の直下で起爆するため、当時の魚雷より一層危険な武器になっている。

 魚雷が艦艇の直下で爆発すると、その爆発力は直上の艦艇を強く押し上げることになる。この爆発の直後、今度は爆発でできた空間が急速に収縮することになり、直上の艦艇は押し上げられた箇所を強く押し下げられることになる。

 この往復の折り曲げる力で、艦艇は爆発箇所でポッキリと折れてしまう。下の写真は、オーストラリア海軍が排水量2700トンの元駆逐艦にMK48魚雷を発射した時のものであるが、4枚目までの写真で押し上げられる様子が、5枚目の写真で押し下げられる様子が分かる。

 現代においても、高価なミサイルを持たず攻撃武器は魚雷だけという、比較的安価な潜水艦も多い。例えば、韓国の保有している「チャンボゴ」級は魚雷しか持たない潜水艦である。このように書くと、大したことのない潜水艦と思われるかもしれないが、それは誤りである。

*** ミサイルを装備しないからと言って過小評価は禁物 ***

 通常、水上艦艇にはミサイル対処能力が備わっており、潜水艦が単独で発射するミサイルは命中前に撃墜される恐れがある。またミサイルの破壊力は魚雷に比較して小さく、1発で艦艇を撃沈することはまず不可能である。

 他方、現代の魚雷は先に述べたとおり破壊力が極めて大きく、対象艦船まで誘導可能なものも多い。またほとんどの魚雷が自分で艦船を探す能力を持っており、1隻の目標に1発の魚雷を発射すれば、相当高い確度で命中、撃沈が期待できる。(中略)

 ”その8 「ソン」級潜水艦事件の意味”

 ここまで説明してくると、「ソン」級潜水艦事件の意味が見えてきたと思われるが、念のため最後の知っておくべきこととして説明しておこう。

*** 米国の最新技術を突破した中国の潜水艦 ***

 事件の際、キティホークは訓練中であったと説明されていることから、当然護衛艦艇などに取り囲まれていたであろう。これらの対潜捜索がどのように行われていたかは想像によるしかないが、前程の対潜哨戒機によるソノブイやレーダーによる捜索、護衛艦艇による曳航アレイなどを使用したパッシブ捜索などが行われていたことであろう。

 SSNの護衛がついていなかったという報道もあるが、常識的にはSSNやTAGOSによる広域捜索結果から潜水艦が存在しないと思われる海域を空母打撃群が行動していたと考えるのが、妥当であろう。そして万が一見落としていた潜水艦を発見するとしても、それは護衛艦艇等が形作る陣形の外側でなければならなかった。

 陣形の内側で「ソン」級潜水艦が発見されたということは、偶然か故意かは別として、米海軍の様々な対潜手段を駆使した陣形が突破されたということを意味する。この陣形突破がたまたま当日の海洋状況の所為だとしても、そういうことが起こり得ることだけは認めざるを得ない。

 そして1世代古い「ソン」級でそれが起こったということは、最新型の「ユアン」級ではより確実にそれが起こるということであり、東シナ海は米空母打撃群が容易に活動できる海域ではなくなったことを、事実として証明した事件とも言えよう。

 1996年の台湾海峡ミサイル危機の時には、米空母打撃群が近海に姿を現して危機が沈静化したが、今後米空母打撃群が台湾に近寄る時には、それが太平洋側であっても、東シナ海同様相当のリスクを覚悟せざるを得ないと思われる。

*** わざわざ米軍に見つかって能力の高さを見せつけた中国 ***

 この事件が今後の台湾問題に与える影響は、決して小さくはないであろう。

 ちなみに「ソン」級が浮上したのは、これが示威であるならば陣形内で米側に発見されなければ意味がないことから、陣形を突破した後にわざわざ見つかるための行動を取ったということであろう。

 ”おわりに”

 潜水艦の関係するニュースは、潜水艦に関わる知識がないと分かりにくいことが多い。しかし今、読者のあなたは少なくとも基礎的な知識を手に入れたわけである。

 例えば、米海軍が使用している低周波大出力のアクティブソナーの使用が海洋生物保護のために制限されるというニュースを見た時、これがTAGOSのものであると気づけば、この制限の及ぼす影響をおおよそは想像できるようになったのではなかろうか。

 国際関係は経済だけでは分からない。この記事を機に安全保障にも目を向けていただければ、望外の喜びである。


(私のコメント)
3月末に起きた韓国哨戒艦の沈没事件は、二つに折れて沈没している事から魚雷によるものと見られていますが、小林正男元海将が解説しているように魚雷が真下で爆発すると艦船は真っ二つに折れてしまう。しかし魚雷によるものだとしてもどこの潜水艦から発射されたものかは分からない。

現代の魚雷は目標の艦船を自分で探す能力を持っているから発射されると命中する確率が高い。中国の潜水艦が米空母への射程圏内で浮上した事件がありましたが、それだけ中国の潜水艦の能力が向上していることを意味しています。数発の魚雷を一気に発射されたら大型の原子力空母でも沈められるだろう。


米海軍空母キティホークに10月末、中国海軍の潜水艦が米側に探知されず魚雷やミサイルの射程内の至近距離まで接近していた 2006年11月16日 株式日記

(私のコメント)
日本の命運に極めて関係のあるニュースであるにもかかわらず、例によってテレビなどでは報道されず、新聞やネットで外電を小さく報道する程度なのですが、アメリカ海軍が誇る原子力空母の機動部隊は潜水艦による攻撃には極めてもろい事が証明された。

日本の自衛隊との共同訓練でも日本の潜水艦がアメリカ空母に接近できた事が何度かあったらしい。通常型潜水艦でも技術の進歩はかなりあり、蓄電池などの進歩でジーゼル潜水艦でも深度400メートルの海中を10ノットで航行が出来る。そうなるとソナーでも探知が難しく米空母機動部隊でもかなりの脅威になる。

もちろん魚雷やミサイルの進歩も著しくて一発で原子力空母をしとめる事が出来る。第二次大戦当時のジーゼル潜水艦は空からの攻撃で壊滅的な被害を受けましたが、それは短時間しか潜水する事ができず、追尾して浮上したところを狙えば簡単に撃破する事ができた。

最近のジーゼル潜水艦はモーターやバッテリーの進歩向上で長時間潜行して高速で航行できるようになったっようですが、軍事機密なのでよく分からない。スターリングエンジンでバッテリーを充電すればかなり長期の潜水航行が可能だ。むしろ食料などの限界で30日程度だと言うことらしい。

このように通常型潜水艦でも高性能化でアメリカが誇る原子力空母機動部隊は安閑としていられなくなってきた。冷戦時代はソ連の航空機や潜水艦ぐらいしか脅威ではなかったのですが、最近ではロシアが力を盛り返してきたし、中国の空軍や海軍の近代化で新たな脅威にさらされている。

ニュース記事では旧式の潜水艦と言うことですが、もしかしたら捕捉の難しい新型の潜水艦だったのかもしれない。深度400メートルで10ノットで潜行されたら対潜哨戒機では発見は無理だと言う事です。更に新型の核魚雷や核ミサイルで打たれたら巨大原子力空母は一発でおしまいで、アメリカの11隻の原子力空母は張子の虎だ。

アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦は確かに高性能ですが、沿岸水域では小型の通常型潜水艦のほうが有利であり、音も小さく捕捉され難い。だから台湾海峡や日本海やマラッカ海峡などで中国海軍の最新の通常型潜水艦が出没されたらアメリカ海軍でも制圧する事は難しくなっていくだろう。


(本日の私のコメント)
アメリカ海軍自慢の原子力空母機動部隊も中国沿岸では張子の虎だ。潜水艦は今でも発見が難しく、リチウムイオンバッテリーの高性能化で一週間の潜行もできるようになった。米第七艦隊も中国の潜水艦隊に待ち伏せされたら見つけ出す事は難しいだろう。だから先回りして待ち構えていられるとやられる可能性がある。

だから中国は潜水艦を中心に海軍を増強していますが、わずか10年間の間に31隻もの新鋭潜水艦を就役させている。日本の海上自衛隊の潜水艦は僅か16隻体制で中国の潜水艦には数でとてもかなわない。韓国ですら18隻の潜水艦を配備する計画だ。通常型の潜水艦ですらそんな具合だから原子力潜水艦を建造できるのはいつになるのだろうか?

中国は海洋国家として大海軍を建設していますが、アメリカはそれに対して海軍保有艦船はレーガン時代の600隻体制から250隻にまで減少する。そうなれば東アジアに展開できる米海軍は40隻程度であり、中国海軍は100隻の水上艦と60隻の潜水艦を保有してとても数ではかなわない。

このような状況でどうしてアメリカが日本を守ってあげていると言えるのか疑問なのですが、海軍力だけではなくミサイルの数だけでもアメリカ軍は中国軍に負けている。アメリカが勝っているのは大陸間弾道ミサイルや核弾頭の数だけであり、優勢な空軍力も中国は最新鋭機を年々増強している。アメリカはグアムなどに原子力潜水艦やB2爆撃機などを配備していますが、全面核戦争用でありアジアの限定的地域紛争ではとてもアメリカは中国にかなわない。

韓国の哨戒艦を沈めたのは北朝鮮の潜水艦という説がありますが、北朝鮮は否定している。しかし最近の北朝鮮はデノミなどの失敗で政情不安であり、金正日の健康不安で跡継ぎの三男は写真すら明らかではない謎の存在だ。軍部の暴発で起きた可能性もありますが、軍部ですら満足な食糧も配給できないほどになっているようだ。

このような極東における米中の力関係が台湾や朝鮮半島情勢に与える影響は非常に大きい。アメリカはイラク戦争やアフガニスタン戦争で手一杯であり極東で新たな軍事行動に対処できる状況ではない。そこで北朝鮮は韓国やアメリカの出方を見るために韓国の哨戒艦を魚雷攻撃したのかもしれない。

それに比べると日本の鳩山内閣は能天気であり沖縄の米軍基地問題で揺れている。中国の軍拡の影響は日米関係にも影響する事なのですが、アメリカは中国や北朝鮮が行動を起こしてもアメリカは動けないだろう。在日米軍基地はみんな中東に出払ってしまって空っぽなのだ。アメリカ自慢の空母機動部隊も中国の潜水艦のために張子の虎になってしまった。だからこそ日本は自主防衛体制を固める時なのですが、ルーピーハトヤマは春の天気のように変わる。




アメリカ金融詐欺国家が獲物を食い尽くした後は共食いを始める。
米SECがゴールドマンサックスを証券詐欺罪で訴追するのはガス抜きか?


2010年4月18日 日曜日

米SEC、ゴールドマンを訴追 サブプライムめぐる証券詐欺罪で  4月17日 日経新聞

【ニューヨーク=財満大介】米証券取引委員会(SEC;dv=pc;sv=NX)は16日、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)を裏付けとした有価証券の販売に絡み、投資家に重要情報を開示しなかったとして、米金融大手ゴールドマン・サックスを証券詐欺罪で訴追したと発表した。利益の返還や罰金の支払いを求めている。

 SECの訴えによると、ゴールドマンは2007年にサブプライムローンを裏付けとした債務担保証券(CDO)を投資家に販売。だが、このCDOに組み込んだローンの選定には大手ヘッジファンドのポールソン・アンド・カンパニーがかかわっており、同ファンドはCDOの価格下落に賭ける金融取引を行っていたという。

 このCDOは米住宅バブルの崩壊で価格が急落。購入した投資家は損害を被り、ポールソンファンドは巨額の利益を上げた。SECは、当初から値下がりを予期していた同ファンドがゴールドマンに手数料を払って金融商品の販売などを依頼したと指摘。ゴールドマンは関連情報の開示を怠ったとしている。

 一方、ゴールドマンは16日、「訴追は法的に見ても事実に照らしても全く根拠のないものであり、当社の名声を守るために徹底的に戦う」とのコメントを発表した。

 金融危機の発端となったサブプライム問題で、SECが大手投資銀行の責任を問うのは初めて。


米ゴールドマン、不動産ファンドがほぼ全資産失う=FT 4月16日 ロイター

[ニューヨーク 15日 ロイター] 英フィナンシャル・タイムズ紙によると、米ゴールドマン・サックス<GS.N>の国際不動産投資ファンドは、米国やドイツ、日本への投資に失敗し、資産のほぼすべてを失った。
 このファンドはホワイトホール・ストリート・インターナショナル。先月投資家に送付された年次報告書の内容を同紙が報じた。18億ドルだった純資産額は3000万ドルに激減した。

 同紙によると、ゴールドマンは同ファンドに4億3600万ドルを投じている。広報担当者はコメントを控えた。
 今週はモルガン・スタンレー<MS.N>も、88億ドル規模の不動産ファンドが資産の3分の2近くを失う可能性も明らかになっている。


輝きを失ったゴールドマン  2009年11月19日 Financial Times

それから3四半期で、リーマンやシティグループが住宅ローン関連商品に対する賭けを倍増させたのに対し、ゴールドマンは住宅ローン市場で小さな売りポジションを築いた。

 同社幹部らは、自分たちの判断が正しいのかどうか確信はできなかったことを認め、一部の部門はなお住宅ローン関連証券を売ったり、それに投資したりしていたと言う。だが、ヴィニアー氏の指示は結局、決定的だった。ゴールドマンが住宅ローンポートフォリオで17億ドルの損失を出すのは避けられなかったが、シティなどのライバルの巨額損失と比べると微々たるものだったからだ。

 だが、ゴールドマンのトレーディングの腕前は、うまく損失を避けることだけではない。同社は数千社に上る企業や投資家とのアドバイザリー契約や取引関係を築くことで、自社のトレーディングに生かす知識を集めるのである。

突出した情報収集力

 銀行は「フロントランニング」――顧客から得た特定の情報を使って、顧客のために売買の注文を出す前に自己勘定で注文を出す行為――は禁じられている。だが、蓄積された総合的な情報を使うことはできるし、実際に使っている。投資家やヘッジファンド、企業とのやり取りで引き出した「マーケットカラー」と呼ばれる情報である。

 世界最大かつ最も有力なコネを持つトレーダーという地位のおかげで、ゴールドマンはこれを芸術の域にまで発展させていった。ライバルは眉をひそめたものの、規制当局の関心を呼ぶことはなかった。

 ゴールドマンの強さが際立つのは、自己売買部門――自己勘定で売買する取引で、同社の利益に占める割合は10%に満たない――よりも、むしろプリンシパル投資――顧客の売買の引き受けのために自己資金を使う投資――だ。この傾向は危機以降、一段と顕著になった。政府が巨額の流動性を金融システムにつぎ込み、超低金利を継続することで、生き残った銀行が儲けるのが楽になったからだ。

 ゴールドマンは、ジョージ・ソロス氏が「政府からの隠れた贈り物」と呼んだものをフルに活用し、「大きすぎて潰せない」と見なされた同社や一部ライバルに与えられる暗黙の保証を謳歌した。

 今年は、一時凍りついていた信用市場が解け出し、競合が減ったおかげで資金融通の料金設定を引き上げられたために、トレーディング部門はゴールドマンの収益を大きく押し上げる原動力になった。債券、通貨、コモディティー部門の純利益は今年1〜9月期に193億ドルに達し、会社全体の純利益の半分以上を占めた。

腹を立てた顧客も結局戻ってくる

 批判的な向きは、そんな輝かしい業績を見て、一部の顧客は――利益相反の可能性を嗅ぎ取って――ゴールドマンに情報を出すことを嫌がるようになるのではないかと見ている。ゴールドマンはこれに対し、利益相反の問題にはきちんと対処していると述べている

 現実はどうか。あるファンドマネジャーの言葉を借りれば、「投資家がゴールドマンと取引するのは、そうしたいからではなく、そうせざるを得ないからだ」。同氏曰く、「ゴールドマンが与えてくれる情報は我々が出す情報と同じくらい貴重なため、彼らはよく顧客を怒らせるけれども、大半の人は必ず戻ってくる」そうだ。

こんな綱渡りのような行為は、投資家が最も優秀な人を相手にしていることを知っていないと、成り立たない。そこで報酬の出番である。ゴールドマンは、バンカーたちにかなり高額の報酬を与えない限り――もっとも、報酬は個人の成績ではなく会社全体の業績と連動させているが――、最も優秀な人材を採用し、引きとめることができないと考えている。

 「報酬は、ゴールドマンにおいてすべてを結びつける接着剤ではない。報酬こそがすべてなのだ」と、ある元パートナーは言う。

 だが、危機当時に財務長官だったハンク・ポールソン氏をはじめ、政府関係者と幅広い人脈を持つ「ガバメント・サックス」に対する執拗な批判は、ゴールドマンの名高いモデル――最も優秀な人材を採用し、能力に沿った高額の報酬を与え、社風の一環として公職に就く元幹部らと関係を維持すること――が脅かされているとの見方を一層強めるものだ。

ゴールドマンを成功に導いたモデルとブランドの危機

 一方で、ゴールドマンの成功の原動力となったパートナーシップの文化――企業の誇り、自社と顧客にとって「正しいことをする」という強い信念、誰よりも優秀と見なされることに伴う知性をひけらかすような傲慢さ――そのものが、会社の苦境をもたらしたと批判する向きもある。

 SEIUのアンディ・スターン委員長などの批判派が、ゴールドマンは「自分勝手な会社の富の蓄積と、国を支える助けになろうとする努力」のどちらかを選ぶべきだと訴える時、その言葉はブロード・ストリートとコンスティチューション・アベニューのオフィスの内外に大きく響く。

 「ゴールドマンのスタッフは心理的に、全く未踏の領域に置かれている」と、ある社内関係者は言う。「みんな一番いい学校に行き、一番見た目のいい人と結婚し、一番いい仕事に就いていると思っていたのに、突如、台風の目の中に放り出されたようなものだ」

 たとえゴールドマンが利益を上げ続けることができ、近く実施される自己資本要件の厳格化と債務比率の引き下げという規制変更の影響を和らげることができたにせよ、世論の反発は同社にとって最も貴重な資産の1つ、つまり、ゴールドマンというブランドを脅かしている。

 今年のボーナスに対する敵意に満ちた反応をどう鎮めていくのか問われると、ゴールドマンの幹部らはただ、スタッフが払う税金や、今週発表された中小企業支援について語るにとどめる。

 ある元幹部は次のように話している。「これは実に驚くべき変化だ。ゴールドマンの長所とされたもの、つまり収益力や慎重さ、政府との親密さといったものがすべて悪徳と見なされるようになったんだから」


(本日の私のコメント)
米SECがゴールドマンサックスを証券詐欺罪で訴追しましたが、日本の経済金融ブログでこのニュースに触れたものは少ない。あってもニュースをコピペしただけでコメントらしいものは無い。おそらく頭が混乱して言葉を失ったのかもしれませんが、ゴールドマンサックスは究極のインサイダーだと株式日記では書いて来ました。証券会社の社長が財務大臣をやるような国ですから、財務長官と証券会社とは利益が相反している。

財務長官に入った情報はそのままゴールドマンサックに伝えられるのは必然であり、ゴールドマンサックスの営業方針が国家戦略になるような国だ。いわが究極の政府系金融機関とも言うべき会社ですが、オバマ大統領が自分を大統領にしてくれた会社を訴えると言う事は考えられない事だ。それくらいゴールドマンサックスという会社はアメリカ国民から憎しみの対象になっているのであり、オバマ大統領もガス抜きのためにやっているのかもしれない。

投資銀行という形態そのものがリーマンショックでなくなりましたが、それまでは財務省の規制も受けずにやりたい放題の事をやってきた。投資銀行なら30倍から40倍のレバレッジを効かせた投資も可能であり、儲ければ自分の利益になり損をしても顧客の投資資金が無くなるだけだから担当者がクビになるだけで済む。

博打をやりすぎて裏目に出れば国家が公的資金で救済されるのだからこれほどおいしい仕事は無いだろう。アメリカは他国には市場原理主義を押し付けてダメな銀行は潰せと指導してきたのに70兆円もの資金を使って金融機関を救済している。アメリカの金融機関には自己責任の原則も何も無いのであり、やりたい放題の事をしてきた。

投資銀行の会長が財務長官になるような国なら当然予想は出来た事ですが、日本では監督と育成では利益が相反すると財務省と金融庁に分割しましたが、金融庁はアメリカ財務省の出先機関のようになってしまった。竹中金融大臣や伊藤金融大臣から日本の金融情報がアメリカに筒抜けになってしまった。

ゴールドマンサックスの訴追理由は2007年のサブプライムローンがらみのCDOの販売に際してポールソン・アンド・カンパニーが価格下落を見込んで空売りしていた事が原因のようです。2007年頃は世界的バブル真っ盛りで不動産投資ブームの頂点だった。私自身も不動産業だからサブプライムローンが危ない事は早くから分かっていた。


サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の民主化と呼んだものの一部だ。日本の土地本位制を真似たものだ 2007年3月28日 株式日記

(私のコメント)
エコノミストの記事やぐっちーさんのブログ記事などを見ると、日本で1980年代に行われていた事が欧米でも行われていた事がわかる。日本では資産活用ローンとか住活ローンなどと呼ばれて、不動産を担保にすれば低い金利で都市銀行でも金を貸してくれた。

私も何箇所かの土地を持っていたので遊んでいる土地を担保に金を借りて株式投資などをしていた。おそらく欧米でも自宅を担保に金を借りて株を買っている人が多いだろう。欧米の株式が堅調なのはそのせいだ。アメリカなどは新高値をつけるほどになっていますが、住宅市場が堅調だったから株式市場も堅調だったのだ。

不動産担保ローンは今でもノンバンクなどがやっていますが、株や不動産の値上がりが当たり前の頃ならともかく、今では借りてまで株や不動産を買う人は少ないでしょう。日本でも90年の株の大暴落からバブルの崩壊が始まったのですが、不動産ブームは92年頃まで続いていた。株とは違って不動産には実態的な価値があると思われていた。

アメリカのサブプライムモーゲージローンもアメリカの景気を支えてきた事は間違いない。いわゆる低所得者向けの住宅ローンなのですが、住宅の値上がり分などでさらに金を借りて消費に回していた。これで値上がりが続いていれば問題は無いが、いつかは転機が来るのであり、焦げ付きローンが多発してきてローン会社が倒産し始めた。

借金が収入の内から払えれば問題はないが、株や不動産の値上がりに期待したローンは担保割れして借金だけが残る事になる。だから収入が1000万円ある人なら持ち家もいいのだろうが、収入が300万円の人はアパートで生活した方がいい。

私がバブルの崩壊をかろうじて生き残れたのも住宅ローンを借りなかったからだ。もし借りていたら体を壊して銀行を退職していたから生活は破綻していた。幸いにして千葉にマンションを建てたり、都内にオフィスビルを建てたおかげで生活しているが、利回り採算を計算して建てたものだ。しかし超低金利で満室で運用しても、借金返済して生活費を除くと何も残らない。アイルランドの4%の賃貸利回りではとても経営は成り立たない。日本のバブルの頃もそれくらいの賃貸利回りだった。

計算すると千葉のマンションは8%の利回りだしビルの方は7%の利回りだ。これほど堅実経営でもバブルの崩壊は厳しかった。日本も国内的には財政赤字で大変だが貿易収支は大黒字だし経済力はダントツの強さだからバブルの崩壊も乗り切れた。

しかしアメリカがバブルが崩壊したらどうなるのだろう? 個人も大赤字だし政府も大赤字だ。1930年代の大不況はアメリカ経済が上り坂の時であり、第二次世界大戦に勝って世界の工場となり大不況を克服した。しかし今度アメリカに大不況が来たら克服できるのだろうか? アメリカを再建できるだけの経済力はもはや無いように見える。

一部のエコノミスト達がアメリカやイギリスの景気がいいのは新自由主義経済のおかげだと言っている。だから竹中平蔵氏も日本に新自由主義経済を持ち込もうとしているが、アメリカやイギリスが景気が良かったのは、日本の土地本位制を真似た資産活用(モーゲージ)ローンのおかげだろう。

サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の民主化と呼んだものの一部だ。おかげで、より多くの米国人が融資を受けて住宅を買えるようになった。そして住宅価格の値上がりが消費の増大と景気の拡大を支える仕組みが働いていただけなのだ。しかしその限界は来つつある。


(本日の私のコメント)
2007年3月頃はマスコミでもサブプライムローンという言葉を知らなかった頃だ。ポールソン・アンド・カンパニーは私の「株式日記」を読んでいたのだろうか? アイルランドでは不動産投資しても4%の利回りでは明らかに割高でありバブルである事は私ならすぐに分かる。日本のバブルの絶頂期も不動産投資の利回りは2%〜3%ぐらいだったから私は手を出さなかった。

2007年3月28日の「株式日記」でも英国エコノミスト誌の記事を紹介していますが、『サブプライムローン市場は、ひどい焦げ付きに見舞われている。』と書いている。不動産の値上がりを前提にした投資は値上がりが止まれば破綻するのは必然的なことですが、当時のアメリカの投資家たちはそれが見えなかったようだ。

このように当時の状況から見れば、ゴールドマンサックスならずともサブプライムがらみのCDOがやばい事はポールソンならずとも見えていたはずだ。しかし顧客に十分な情報も伝えなかったならばまずい事になる。詳しい事は分からないから憶測でしかこれ以上の記事は書けませんが「株式日記」も2007年3月にはサブプライムローンが危ない事を書いておいたのだから日本の経済学者のレベルよりは高度な情報を発している。




The Anglo-Americansは事実上世界を支配するための秘密の
マスタープランを持ち、それを300年にわたって忠実に実行してきた。


2010年4月17日 土曜日

’08日記1/13 熊谷弘オフィシャルサイト:Kuma-Logより

(要点のみ)
◆米国の外交評議会の上級研究員であるWalter Russel Meadという人物が最近アングロ・サクソン支配の世界について「God and Money」という本を出して話題を集めている。

彼は通常使われるアングロ・サクソンとかアングロ・アメリカンと言わずにThe English-speaking powersと呼ぶ。このthe English-speaking countriesという言葉を使ってひとつの勢力として誇示する考え方を展開してみせたのはF,T紙が初めてであった。今世界で経済的にうまくやっているのはThe English-countriesだけである。あとの国はろくな奴はいないという意味だった。

時、あたかも日本はアングロ・サクソン型の国になるべきだ、英国化を目指すのだという“ポチ・右翼”と呼ばれる人々の本が書店にあふれていた時期である。
ともあれMead先生はこう言うのである。
「The Anglo-Americansは事実上世界を支配するための秘密のマスタープランを持ち、それを300年にわたって忠実に実行してきた、という議論があるが、これは正しい。英国と米国は、この300年間世界政治に対して特異なアプローチをし、これを保持し続けてきたが、この結果the English-speaking countriesは他のライバル諸国に比べて常に成功し続けたのである。」

時にスペイン、ポルトガル、さらにはフランスと、時には英国とも闘いながら自ら海軍力を強化し、大西洋や太平洋の貿易ルートを支配していった。通商国家ということはイタリアの例でも明らかだが、単に商人の才覚があるということだけではない。金融、技術、通信など経営に必要なイノベーションを自ら作り出していく能力があるということだ。

何よりも人材が必要になる。当時宗教対立の激しかったヨーロッパの中でオランダは、ユダヤ人やプロテスタントの各国の優秀な人材と財産が流れ込んできたといわれる。このオランダには大国支配をはねのけようという強い精神力と、外に向かっては進取の気象と、異なる人種、民族の人々も受け入れる開放性をもった国であったのだ。古いヨーロッパの中から新しい社会、新種のpowerが生れてきたのである。この開放的でダイナミックな資本家社会は経済のあらゆる分野にイノベーションを生み出した。これらのイノベーションは世界貿易における圧倒的に有利な立場を与えた。こうして得られた富は、当時の強大なライバルである大帝国諸国に対して立ち向かう軍事力の基盤を与えることになった。開放的社会、世界的貿易及び世界に浸透するpowerという基本方式こそ、その後400年続く歴史の中でsea powerの支配者たることの動力源であったのである。

戦後日本は通商国家として生きてゆくのだという議論が一時盛んだった頃がある。しかし、その後の推移をみるとオランダの歴史、そしてthe English speaking countriesの経験と照らし合わせると、およそ異なる道筋を辿ってきたとしか言い様がない。
何よりも進取の精神の衰弱、リスクを恐れぬタフな精神・強力な軍事力をもつ相手でも立ち向かう自立心、こうしたものがオランダの人民には躍動していたのである。彼我の差を感じざるをえないのだ。

とりわけ開放性、いかなる人々も受け入れ、どのような考え方も認めるオープンさは、当時のオランダ(U,P.)の特色だったという。日本の偏狭な風潮、指導者と呼ばれる役者や芸者たちの言動、あらゆる場面で自己検閲を繰り返すメディア、どこからみても内にこもり、自己陶酔にふける閉鎖社会と成り果てた日本社会の姿は、sea-powerとして活動する小国オランダとは対照的な“国家のかたち”である。

第二は、英国、アイルランドから米国、カナダ、オーストラリアそしてニュージーランドへの移民の巨大な流れが起こり、彼の言うthe English speaking countries(アングロ・サクソン型の価値によって形づくられた文化を共有し、英語を共通言語とする人々が多数を占める国々である)を地政学的に新しい実体を作り出し、強大なsea powerを築き上げることになったこと、である。南太平洋と北米大陸は、アングロ・サクソンの領域になったのだ。

現代においてもこの構図は驚くべき力を発揮している。我々が世界中を旅して気がつくことは、例えば金融、資源などの世界で、オーストラリアやカナダなどの企業が英国、米国などと協力し合って世界のあらゆる場所で活動していることにびっくりする。中東、南西アジア、東南アジア、中央アジア、モンゴル、まさにユーラシアの至る所に彼らはたくましく活動しているのである。軍事面でも又同様である。これらの国々は生れながらの同盟国として動いてきているのである。

オランダによって開発された近代のsea powerは、大英帝国によって新たな風貌をもつようになる。それがthe balance of powerというconceptである。ただこの考え方は英国人の発明品ではない。古代ギリシアあるいはローマ帝国の時代にすでに採用されていた政治手法である。
たとえば、ツキジデスによれば、ペルシア帝国は、アテナイとスパルタに分かれて抗争するギリシアの都市国家群に対してこの手法による外交を展開している。およそ国家が並立する場においては、このthe balance of powerは普遍的な要素なのである。これは、洋の東西を問わず言えることであって、「春秋左氏伝」、「孫子」、「史記」などを読めば、中国の古代史においても同様の思想が繰り返し現われてくる。
古代ローマ帝国でも自らの軍事力を一方的に(unilateral)行使して片端から地図をつぶしていったように思ってしまうとこれは間違いであって、時に応じてdivide and rule即ちthe balance of powerの政治手法を駆使していたのであった。

ただ、英国とオランダの違いは、sea powerとthe balance of powerをキチっと結びつけ、実に巧妙に組み合せその支配力を強化し、統治力を固めていったところにあるように思われる。英国は、the balance of powerというconceptを自らの行動の根本原理に置いたとさえ言うことができる。英国人の書いた「戦略論」を読むとこうした英国人たちの指向方式が色濃く反映している。
たとえば大戦略(grand strategy)という考え方である。戦争を考えるとき一番重要なのは戦争の終り方だというのである。戦争が終結した後、どういうことが起るかを想像して、戦後最も望ましい事態になるような戦争の終結方法を考えるという指向方式である。
戦争はただ勝てば良いのではない、というのである。この戦争に圧勝しても、相手の国民を絶滅させない限り、やり方次第ではやがて抵抗運動は再び発生する。それだけではない。他の国々もこれに反応するようになり、むしろ戦争に勝った後、その結果故に新たな敵が、それもさらに多くの敵が生れることになることが多いのだ。
百戦百勝しても敵が増殖し続けるイスラエルのおかれた状況をみるといい。アフガン、イラクの戦争でunilateralismと呼び、我らはマルスの子と自画自賛した米国のネオコンたちのもたらしたものが何であったかを見れば、このことは明らかである。文字通り「大失態」だったではないのか。

英国人は、ギリシア人やローマ人の歴史をよく学び、ヨーロッパとの歴史を通じて学び得たこの知恵を、さらにsea powerとlinkさせた。海を通じて世界大に広がる自らの影響力、支配力の維持に向かってまい進する。この中から世界を多くの“theater”(戦域)から構成されているものを捉える考え方が生れてくる。theaterとは戦域と訳されるように軍事用語である。
二度の世界大戦と東西冷戦を経験した結果、どんな素人でも世界中が全く同質の戦いをやるわけではない。世界は、地理的、政治的、文化的、その他各種の要因によって異なる領域に分かれている。東アジア、南アジア、中東、ヨーロッパ、ラテン・アメリカ等に、である。これらの領域を結びつけているのは海だという事実を正しく認識し、この海をコントロールすることこそ世界をどのような構造にするかの決定権の決め手なのだということを、英国は認識していたのである。

◆とはいっても200年も世界に君臨した国のことである。プライドもあれば技もあるのだ。懸命に粘るのだが、底力においてすでに決定的な差をつけられ、勢いにおいて勝る米国に屈せざるを得なかったのである。
大戦下におけるウィンストン・チャーチルとフランクリン・ルーズベルトの丁々発止はまさに迫真のドラマであった。華やかな外見とは裏腹に、なかなか狡猾なところもあるチャーチルが懸命に粘るのに対し、苦闘する同盟国を支えながらも冷徹に英国に、もはや第一人者ではないことを思い知らせながら、その地位を奪っていくルーズベルトの姿は、相撲でいえば差し手争いの妙味を見る思いである。

米国が英国にとって代わったことを決定的にしたのは、戦後の秩序の設計は全て米国によってなされたことによって示される。第二次大戦後の荒廃した世界経済を立て直し、新たな金融、貿易、投資といった世界経済を運営する枠組を組み立てたのは米国であった。GATT-IMF体制といわれるのがそれである。

英国はケインズを押し立て先輩の知恵を誇示したが、自分が支配者であると自信満々の米国の意向に屈服することになる。何よりも大英帝国の支えとなっていた植民地主義などというものは米国によって拒否された。このことがさらに決定的になるのはスエズ紛争である。
これ以来英国は米国の子分になることを選び、フランスはヨーロッパをまとめて米国に対抗する道を選択した。永年の宿敵仏独は手を結び、後のEU結成へ向けて動き出すのである。



(私のコメント)
ランドパワーとシーパワーについて調べていたら熊谷弘氏のブログにシーパワーの歴史が書かれている。熊谷氏はWalter Russel Meadの「God and Money」という本を紹介していますが、著者はアングロ・サクソンとかアングロ・アメリカンとか言わずにイングリッシュ・スピーキン・ピープルと言う言葉を使っている。まさに英語帝国主義ですが英語を話せば世界を支配する人々と言う事でしょうか。

大英帝国が華やかな頃はアングロサクソンの天下ということだったのでしょうが、アメリカに覇権が移るにつれて、アメリカはWASPは二割ほどしかいないからアングロアメリカンと言うようになった。世界は米英が主導するプロパガンダですが、世界覇権のノウハウは英国から学んできた。

しかし黒人のオバマ大統領の誕生はWASP主導のアメリカからイングリッシュ・スピーキング・カントリーへと変質した事を象徴している。2050年頃にはアメリカの白人は少数派になって、まさにアメリカはアングロサクソンの国でもなくWASPでもなくイングリッシュ・スピーキング・カントリーになる。カナダやオーストラリアやニュージーランドも英連邦と言う形で参加している。

しかし300年間続いた英米支配もマスタープランがあったわけではなく、歴史的教訓を積み重ねながら慣習法的に作られている。まさに歴史を知らなければ現代を語ることはできないのですが、エリートには歴史と古典の教育が必須なのですが、戦後の教育は歴史教育と古典教育は排除されがちになり、古典も日本史も知らない東大生も誕生している。

現代の大学生には日本とアメリカが戦争をしたことも知らない学生がいると言う事ですが、アメリカによる占領統治下において歴史教育と古典は排除され、多くの大学の入学試験も歴史を知らなくても入れるようになった。だから韓国人や中国人が戦前の日本の軍国主義を批判しても日本の学生は何の事かさっぱり分からなくなっている。

詳しい事は熊谷氏のブログを読んでいただければ分かりますが、世界覇権は軍事力だけではなく「単に商人の才覚があるということだけではない。金融、技術、通信など経営に必要なイノベーションを自ら作り出していく能力」が必要だ。小国のオランダがなぜ覇権を取ることが出来たかは当時のヨーロッパの状況が分からなければ知る事ができない。

当時のヨーロッパは宗教対立が激しく優秀な人材は自由を求めてオランダに集まって来た。当時のオランダは「大国支配をはねのけようという強い精神力と、外に向かっては進取の気象と、異なる人種、民族の人々も受け入れる開放性をもった国であったのだ」と言う事で通商国家として優秀な人材を集めてシーパワーを作り上げていった。

当時の日本は戦国から徳川の時代ですが、オランダ人たちはアフリカ大陸やユーラシア大陸を回って日本に来るまでのタフな精神力を持っていた。それに対して日本は徳川幕府に統一されると急速に内向きになり鎖国して閉じこもってしまった。現代においても明治から昭和の戦争時代を過ぎて戦乱から回復すると内向きになりつつあるような気がします。

この状況を熊谷氏は「自己陶酔にふける閉鎖社会と成り果てた日本社会の姿は、sea-powerとして活動する小国オランダとは対照的な“国家のかたち”である。」と述べていますが、日本が世界の覇権国となれると書いても、コメント欄には内向きな否定的なコメントで溢れかえるような状況だ。日米安保で軍事までもがアメリカ任せでは優秀な人材も育つはずも無い。

オランダが英国にシーパワーを取られたのはフランスからの軍事的脅威がありイギリスに助けを求めたからだ。自国の防衛を外国に頼るようではやがてはその外国に美味い汁をすすられる様になってしまう。英国もドイツからの脅威にアメリカの助けを借りましたがアメリカに世界の覇権を奪われる結果になった。自国の防衛を外国に頼る事はいかに危険なことであるかは歴史が教えてくれる。

英国やアメリカが長期にわたって覇権を維持できたのは本土の安全が維持できた事が大きな原因だ。大陸国家は絶えず隣国からの脅威に晒されるから安定している時は強大な国家が出来ても内乱などが起きれば急速に弱体化してしまう。日本は島国だから治安も保ちやすく国土の安全も維持しやすい。だから英国やアメリカのような強大な海軍力を持つことが出来る。

ロシアや中国やインドやヨーロッパ大陸国は強大な国が出来ても長期にわたる治安と安全を保つ事は難しい。政治が乱れれば内乱の原因にもなりロシアや中国やインドは絶えずテロ事件が起きている。ソ連のように一度崩壊してしまうと海軍力が元に戻る事は長期の時間がかかり覇権を維持する事は難しい。

中国にしても絶えず内乱の脅威に晒されて経済発展は砂上の楼閣だ。このようにして見れば英国、アメリカが衰退して行けば残るのは日本しかない。欧米の戦略家には英米の一極支配と多極支配体制の二つの見方がありますが、英国は巧みに大陸国家同士を対立させて覇権を維持してきた。このような外交的な戦略のノウハウは英国が持っていたものだ。

バランス・オブ・パワーと言う考え方は英国の発明ではないが、英国の戦略家は歴史に学んでそれを運用してきた。熊谷氏は「英国とオランダの違いは、sea powerとthe balance of powerをキチっと結びつけ、実に巧妙に組み合せその支配力を強化し、統治力を固めていったところにある」と書いていますが、日本はそのような事を考えるエリートがいない。

大東亜戦争にしても陸軍や海軍はどのように戦争を終えるか考えてはいなかった。緒戦で勝ってもアメリカが講和に応じるか歴史を見れば分かる事だ。日本はバカな陸軍と無責任な海軍を持ってしまったがためにアメリカに負けた。真の政治的エリートの養成に失敗したからであり、英国人のような歴史に学ぶと言うエリート教育が昔も今もない。

日本の大学の入学試験では歴史も地理も選択科目に過ぎず歴史や地理を知らなくても大学生になれる。これでは日本人が海外に出て外国人から日本の事を聞かれても何も答えられないのも不自然ではない。アメリカに留学して英語が話せる総理大臣でも歴史を知らなければ馬鹿にされるだけだ。

「米国は、200年かけて作り上げてきた大英帝国の世界経営の知恵を吸収し、マスターした。」とありますが、日本はその知恵を英国に学んだのだろうか? アメリカには歴史が無いから学ぶとすれば英国に学ぶしかないだろう。しかし日本の高級官僚や政界財界の若手はアメリカに留学して単なる英語バカになって帰って来る。日本の事を知らないからそうなる。

日本が世界の覇権国家となるためには世界のことを知らなければなりませんが、世界史も世界地理も選択科目でしかない。地政学を教えている大学もなく世界の情報を集める機関も無く、分析する専門家もいない。ネット上のブログなどを見ても世界戦略を論じたブログは僅かしかなく、オバマ大統領がなぜ英国や日本を遠ざけているかを解説したブログもない。

「株式日記」のコメント欄も関係の無い事ばかり書き込む人ばかりで世界戦略を理解できる日本人は僅かしかいないのだろう。オランダや英国が小国でありながら覇権国家になった理由を考えてみればその秘密は人材にあるのですが、日本は総理大臣になるための人材の養成に失敗している。世界戦略家もおらず戦略も立てようが無い。熊谷氏は結論的にアングロサクソンを次のように書いている。


’08日記1/21 熊谷弘オフィシャルサイト

そこで我々もアングロ・サクソン的価値という彼らのスタイルの中にある本音について考察しておかねばならない。

英国人たちはスペインやポルトガルが植民地から略奪してきた財宝を、待ち伏せして奪う海賊行為によって資本の原始蓄積をした民族である。スペインやポルトガルも裸で稼いできたわけではない。王侯、貴族たちは船や船員たちの確保のために投資をしなければならなかった。あまり取りすぎるとスペインやポルトガルは再投資をやめてしまう。

そこそこやっていけるだけのものは残しておかねばならぬ。海賊たちはいつも一番船足の遅いヤツを狙ったという。無論ここには一番荷物が多く、実入りが多いからである。現在も延々続く狩という英国人愛好のスポーツに、その原型が残されていることを我々は知るのである。

英国人はやがてエジプト、インド、さらには中国に至るまで狩場を広げる。
時代と場所の変化は景色を変える。船や通信の技術は進歩し、工業化も進んでまきあげる物品、金品も広がってきているが、本質的なスタイルは変らない。
他人のかせいだモノをまきあげること、この一点につきる。
イラク戦争の米国のやり方をみていると、米国が英国の真の後継者であることは明らかである。


物は言い様である。ただ、英国人は言うことを聞かない相手を暴力によってのみ押さえつけたわけではない。最後のところは暴力に物を言わせたが、もう少し賢い方法を採用した。“divide and rule”である。獲物の群の中から手下を作って協力させたのである。狩の対象は単なる動物ではなく考える動物、即ち人間だからだ。彼らを使って他国の支配を成功させる方法を編み出したのである。

こうした手合いを支配階級にしてしまえば間接統治も可能になるし、民族の攻撃のタテにもできるというわけだ。


(私のコメント)
アメリカ帰りの政治家や官僚や学者たちはアングロサクソンの手下となって帰って来る。竹中平蔵や小泉純一郎やその息子も同じだろう。だからこそ小泉構造改革がアメリカの利益の収奪手段である事が見えましたが、多くの日本人にはそれが分からない。日本を間接統治することで富を奪い去る事が彼らのやり方なのだ。




日米には言論の自由があるから何を書いても自由だが、ワシントンポスト
紙の鳩山首相を侮辱した記事に対して日本人は抗議すべきである。


2010年4月16日 金曜日

「一国の首相に失礼だ」 藤崎駐米大使が米紙のコラムに不快感 4月16日 産経新聞

【ワシントン=佐々木類】藤崎一郎駐米大使は15日の記者会見で、核安全保障サミットに出席した鳩山由紀夫首相に関し、米紙ワシントン・ポストが14日付のコラムで「首相が最大の敗者」などと報じたことについて、「一国の首相に対して失礼だ」と不快感を示した。

 藤崎大使は「記事はコラムであり、ポスト紙の考え方を反映しているとは思わない」としながらも、同紙に対して抗議するのではなく、日本の立場を説明する機会を設けるかどうか検討する考えを示した。

 記事は風刺調のコラムとして掲載された。この中で鳩山首相を「不運で愚かな日本の首相」と紹介。米軍普天間飛行場の移設問題で首相のことを「まったくあてにならない」とこきおろし、「あなたは同盟国の首相ではなかったか。首相を相手にしたのは中国の胡錦濤国家主席だけだ」と皮肉った。


首相「最大の敗者」との米紙報道「非礼だ」 官房長官が不快感 4月15日 産経新聞

平野博文官房長官は15日の記者会見で、14日付の米紙ワシントン・ポストが鳩山由紀夫首相について、47カ国の首相・閣僚が出席した核安全保障サミットにおける「最大の敗者」と報じたことに、「一国の首相に対し、いささか非礼だ」と不快感を示した。

 記事では、鳩山首相を「不運で愚かな日本の首相」「お金持ちの息子」などと紹介した上で、オバマ大統領とは非公式な会談しかできなかったと指摘。平野氏は「たとえ10分であろうが、有意義な機会だった」と反論した。


不運で愚かな首相? 4月15日 小笠原誠治

本当にそんなことを言っているのか、チェックしてみました。

By far the biggest loser of the extravaganza was the hapless and (in the opinion of some Obama administration officials) increasingly loopy Japanese Prime Minister Yukio Hatoyama. He reportedly requested but got no bilat. The only consolation prize was that he got an "unofficial" meeting during Monday night's working dinner. Maybe somewhere between the main course and dessert?

「今回の華やかな祭典における最大の敗者は、不運で、そして、(オバマ政権のある高官の意見によれば)益々愚かな日本の総理の鳩山由紀夫であった。伝えられるところによれば、彼は首脳会談を持つことを要請したそうだが、それは叶わなかった、と。唯一の救いは、月曜日のワーキング・ディナーの時間に非公式な会談を持てたことだ。多分、メインディッシュとデザートの間に行ったのだろう」

A rich man's son, Hatoyama has impressed Obama administration officials with his unreliability on a major issue dividing Japan and the United States: the future of a Marine Corps air station in Okinawa. Hatoyama promised Obama twice that he'd solve the issue. According to a long-standing agreement with Japan, the Futenma air base is supposed to be moved to an isolated part of Okinawa. (It now sits in the middle of a city of more than 80,000.)

「金持ちの息子の鳩山は、日本とアメリカの意見分裂をもたらしているある重大な問題を巡って、オバマ政権の高官に不信感を植え付けてしまった。それは沖縄にある海軍の航空基地の将来についてである。鳩山は、自分がその問題を解決すると2度オバマに約束した。日本との長期合意によれば、普天間基地は、沖縄の隔離された場所に移転されることになっている。(今現在は、人口8万人以上の都市の中心地に存在している。)

But Hatoyama's party, the Democratic Party of Japan, said it wanted to reexamine the agreement and to propose a different plan. It is supposed to do that by May. So far, nothing has come in over the transom. Uh, Yukio, you're supposed to be an ally, remember? Saved you countless billions with that expensive U.S. nuclear umbrella? Still buy Toyotas and such?

「しかし、鳩山の政党、つまり民主党は、その合意を再検討し、計画の変更を提案したいと言った。それは5月までに行われることになっている。しかし、これまでのところ何も送られてきていない。由紀夫よ、貴方は、同盟国ではなかったのか? 覚えているのか? アメリカの核の傘で何十億ドルもの金を節約できているのに。それでもトヨタ車などを買えというのか?」

Meanwhile, who did give Hatoyama some love at the nuclear summit? Hu did. Yes, China's president met privately with the Japanese prime minister on Monday.

「一方、この核サミットで鳩山に情けをかけたのは誰か? フジンタオであった。そうだ、中国の国家主席は、月曜日に日本の総理と私的な会合を持ったのだ」


 まあ、確かに言っていますね。「不運で愚かな」と。但し、この愚かというのは、オバマ政権のある高官の意見によればということになっています。こういう書き方をする人はどんな品格の持ち主なのでしょうね。自分の意見として言えばいいものを、敢えてある高官の意見によれば、などという言い方をして‥

 男らしくありません。

 Shame on You!

それに、その後の話も頂けません。アメリカの傘のお陰で大金が節約できている?しかも、それでもトヨタ車を買えというのか、だと。

 そもそも、思いやり予算なんかを金丸氏がつけてやったこと事態がおかしい!

 アメリカは思いやり予算をつけてもらって、思いあがっているのではないでしょうか。

 鳩山総理は、総理就任直前に、アメリカとは対等に話をするようになりたいと宣言した訳ですから、その宣言通りにアメリカにモノをいったら如何でしょうか。

 首相官邸のサイトにオバマ大統領とに会った時の写真が掲載されていますが、鳩山総理が対等に先方と接していると思う人は誰もいない筈です。

 いずれにしても、アメリカの国民は普天間基地の問題など何も知らないのです。マスコミが報じることも殆どなし。それなのに、このワシントンポストのコラムニストは、敢えて普天間基地の問題を取り上げている。つまり、単に国防総省の立場でモノを言っているだけの話でしょう。



(私のコメント)
ワシントンポスト紙の記事は昨日の各テレビニュースでも大きく報道されていましたが、鳩山首相に対して情けないと思うと同時にアメリカのマスコミの悪意を感じます。日本やアメリカには言論の自由があるから何を書いてもかまいませんが、日本国民の立場からすればこのような日本を侮辱するような記事に対しては抗議すべきでしょう。

「2ちゃんねる」などを見てもワシントンポスト紙に同調するような書き込みだらけで、反論するような書き込みはほとんど見当たらない。もし逆に日本の新聞がアメリカのオバマ大統領を「不運で益々愚かな大統領」と書いたらどうだろうか? イラクから撤退させると公約して大統領になったのにアフガニスタンに戦争を拡大させている。こちらの方が悪質で有害な大統領だ。

オバマ大統領の中国とのG2戦略もふらふらしているようですが、中国に手を噛まれるまで気が付かないのだろうか? オバマ大統領は中国を最も重要な二国間関係と言っていましたが、私が考えるにはアメリカにとって最も重要な二国間関係はサウジアラビアと日本だ。アメリカにとって重要なのはサウジの石油と日本の経済と軍事協力だ。

もしこの二つを失えばアメリカの覇権体制は崩れ去るだろう。サウジアラビアがアメリカに反旗を翻したらイランに対して圧力が効かなくなるしイラクのアメリカ軍は袋のネズミになってしまう。サウジアラビアが石油をドルではなくてユーロや他の通貨でも売るといったらドルの価値は暴落するだろう。


米国の最も緊密だった友好国の間ではここ十年間反米主義が顕著だ。 2007年11月19日  株式日記

(私のコメント)
アメリカにとってサウジアラビアと日本は安全保障と経済面での結びつきが大きくて、経済面ではアメリカに多くの輸出と溜まったドルの還流などでアメリカに貢献してきた。しかし冷戦の崩壊は安全保障でのアメリカの存在価値を低めるものであり、多くの親米国家がアメリカ離れを起こした。

さらに9・11テロ事件は、アメリカがいかに世界から嫌われているかを思い知らされる事件でしたが、テロリストの多くがサウジアラビア人だった。このテロ事件によってアメリカ人のサウジアラビアへの感情は決定的に悪くなり、サウジアラビアの王族も危機感を持つほどになった。

サウジアラビアにとっても日本にとってもアメリカは重要な同盟国であり、アメリカも同じような認識を持っていると思いがちですが、アメリカ人のサウジアラビアや日本に対する感情はほとんど無関心に近い。もしサウジアラビアがアメリカへの石油の輸出を止めるとか、日本もドルの買い支えを止めるとか言えばアメリカにとっては致命傷になるにもかかわらず関心は薄い。

空気や水のように必要不可欠なものほど関心が薄いと言うのと同じなのだろう。 日本の戦略的重要性もアメリカ人のほとんどは認識していないようだ。日本がアメリカ離れするとは誰も考えていないからなのでしょうが、冷戦崩壊後におけるアメリカのジャパンバッシングは長引く経済低迷の元になり反米感情が出てきている。

サウジアラビアは石油とドルとをリンクさせる事でドルを支えていますが、湾岸諸国には値下がり続けるドルとのリンクを外そうと言う動きが見られる。それもサウジアラビアしだいなのですが、アメリカのサウジアラビアへの認識の低さは対立感情を芽生えさせてやがては対立へとなりかねない危険性を持っている。

日本もサウジアラビアもアメリカへの協力的態度は評価されるべきものですが、冷戦崩壊後のアメリカの不遜な態度は多くの敵を産んだ。特にイラク戦争後のアメリカへの反感はあまり認識していないようだ。むしろなぜアメリカ人はそんなに反感をもたれるのか不思議に思っているふしもある。



(本日の私のコメント)
冷静体制崩壊以降のアメリカはソ連が崩壊した事で外交のタガが外れてしまった。サウジアラビアや日本がアメリカに逆らうはずが無いと思い込み、イラクやアフガニスタンでは米軍が一般市民を殺害する事件が多発して反米を煽るような事をしている。サウジアラビア国内でも反米派が拡大している。

日本に対してもクリントンやオバマ外交は日本を逆なでするものであり、日本よりも中国を重視する外交に切り替えている。アメリカは明らかに外交戦略が二つに分裂しているのであり、共和党の外交と民主党の外交政策は異なる。米英が中心となる一極外交と多極化外交の違いですが、民主党が中国に肩入れしているのは多極化外交のためだ。

日本に対してワシントンポストが侮辱的な記事を書くのは日本を怒らせて日米分断する意図があるのかもしれない。もし日米安保体制が無くなればアメリカによる一極覇権主義は不可能になる。中東で大暴れしてサウジを怒らせれば石油とドルとのリンクは無くなるかもしれない。そうなれば一極覇権主義は崩壊する。そうなれば共和党の外交は破綻する。

民主党は中国やインドなどとの経済関係を重視して多極化戦略を進めていますが、大幅な軍縮をしてアメリカが普通の大国として世界の覇権から手を引く事を考えているのだろう。だからイラクやアフガニスタンでメチャクチャな事をしているのも中東から手を引くための意図的なものだろう。

今回ワシントンで行なわれた核サミットではイギリスのブラウン首相が欠席しましたが、ブラウン首相もオバマ大統領に無視されている一人だ。イギリスとしては米英が主体になって世界を統治してきたのですが、多極主義外交ではイギリスは邪魔だ。イギリスはヨーロッパの一員として北の島国でいろと言う事だ。日本も東アジアの外れの島国に過ぎないという事なのだろう。

民主党には海洋国家論は時代遅れと見ているのだろう。イギリスとアメリカと日本は大海軍力を持って空母を中心とする機動部隊を運用してきたのは日米英の三国だけだ。今はアメリカだけが空母機動部隊を運用していますが、ミサイルの時代になって空母機動部隊による制海権の時代は終わったのだろうか? これからは大陸の時代となり石油やガスはパイプラインで運ばれる大陸の時代だというのが多極化論者の主張だ。

地政学的に見れば中国やロシアやインドやヨーロッパは大陸国家でありパイプラインで石油やガスが運ばれている。それに対してアメリカやイギリスや日本はタンカーで石油やガスを運ばなければならない。このような地政学的な違いは決定的なのですが、多極化論者は中国やインドやロシアのユーラシアが軸となる多極化時代を想定しているのだろう。

そうなればアメリカにとってはイギリスや日本は小さな島国に過ぎず、あくまでも中国やインドやロシアとの多極化で世界を取り仕切ろうという世界戦略なのだろう。そして新大陸もアメリカとブラジルが軸になり日本などは吹けば飛ぶような存在になってしまう。オバマの世界観はこのようなものだから日本とイギリスは冷や飯を食う破目になる。


最大の問題点はアメリカが中東に介入するあまり、東アジアを中国に譲るという選択をすることです。米中談合で沖縄や台湾を中国領にする? 2009年5月23日 株式日記

(私のコメント)
台湾や韓国はすでに中国に取り込まれつつあるのであり、アメリカは沖縄の海兵隊もグアムにまで撤退させる。韓国ー沖縄ー台湾と軍事的空白が生まれつつあるのであり、日本はそれに対して指をくわえて見ているだけだ。日本に対しても中国は工作員を大量に送り込んでプロパガンダを仕掛けていますが、NHKによる日台分断工作も行なわれている。

台湾は選挙で国民党の馬政権を選択した以上は中国に取り込まれつつあると見るべきだ。台湾では親日派が孤立してしまって、韓国では親日派自体が存在しない。それだけ中国のプロパガンダ攻勢が成果を上げているのですが、アメリカが中国とのG2体制を模索しているくらいだから日本としては動く事ができない。動けば米中に挟撃されて封じ込められてしまうかもしれない。

ブレジンスキーやキッシンジャーはアメリカ滅亡を企む陰謀家なのかもしれませんが、第七艦隊の原子力空母が中国の対艦ミサイルによって撃沈される事はアメリカにとっては致命傷になるだろう。そうなれば日本は中国の100隻近い潜水艦に包囲されて手も足も出せなくなるだろう。そうなれば台湾のように戦わずして中国の勢力下に置かれる事になる。

在日米軍は何をしているのかといえば「自分の国は自分で守れ」と知らん顔をしている可能性もある。G2体制では日米安保は空洞化してしまうのであり、「ショーダウン」という近未来小説では尖閣諸島をめぐる軍事衝突ではアメリカの女性大統領は日本を支援しないと言うシナリオまであり、親中派のヒラリー・クリントンは実際上も動かないだろう。

しかし中国やロシアの原子力潜水艦がアメリカの西海岸や東海岸を我がもの顔で航行し始めた時に多極化論者の世界観が間違っている事に気が付くだろう。やはり世界の物資のほとんどは海洋を航行して運ばれている。鉄鉱石や石炭や食料はパイプラインでは運べない。アメリカの衰退がはっきりし始めれば大機動部隊を運用できるのは日本しかなくなってしまう。



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