株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


小泉純一郎の郵政改革は自民党の自爆テロであり、特定郵便局長会
を敵に回して、自民党が野党に転落した原因を作った張本人である。


2010年3月31日 水曜日

首相、連立を優先 郵貯上限2千万円 3月30日 毎日新聞

 政府は30日、郵政改革を巡る閣僚懇談会を開き、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額を現行の倍の2000万円に引き上げることを柱とした亀井静香金融・郵政担当相(国民新党代表)の改革案で決着した。かんぽ生命保険の加入限度額を1300万円から2500万円に引き上げることも決まった。亀井担当相と原口一博総務相が24日に改革案を発表した直後から、仙谷由人国家戦略担当相ら一部閣僚が見直しを強く求め、閣内対立が激化。閣僚懇で鳩山由紀夫首相が閣僚の一任を取り付け、亀井氏らの案を採用した。夏の参院選を控え、首相は問題点の洗い出しより、国民新党との連立を優先した格好だ。

 「私に一任を受けて、即断即決をしなきゃならんという判断のもとで決めたことだ。(全閣僚とも)納得されたと思う」

 首相は30日夜の閣僚懇後、記者団に対し、自らのリーダーシップを強調してみせた。

 ただ、首相の指導力は、専ら早期決着という段取りに向けられていた。郵政改革案を白紙に戻せば、亀井、仙谷両氏らによる対立劇が長引き、求心力低下に拍車がかかりかねない。米軍普天間飛行場移設問題の混乱を抱えているなか、郵政の即日決着を図るなら、既存の亀井・原口案を採用する以外、選択肢はなかった。

 亀井氏率いる国民新党の強硬姿勢も、首相の背中を押した。郵政民営化見直しを旗印にしてきた同党にとって、郵政改革は最優先課題。今夏の参院選では旧郵政省出身の長谷川憲正総務政務官が改選を迎えるだけに、郵政改革案で譲歩の余地はない。約30万票といわれる郵政票をにらみ、民主党内にも仙谷氏に対する批判が募っていた。


「郵政」で政界再編狙う小沢幹事長の深謀遠慮 2009年11月21日 田中龍作

民主党がマニフェストに掲げていた郵政事業の抜本見直しの根幹となる「日本郵政株式売却凍結法案」の採決を26日以降に延期したのは、政界再編を目論む小沢一郎幹事長の深謀遠慮であることが、政府関係者の話で明らかになった。

法案への賛否をめぐって自民党を引き裂くのが狙いだ。

「郵政解散」とも名づけられた05年の総選挙では、小泉首相(当時)が血道をあげた「郵政民営化法案」に反対した自民党衆院議員が党を追われ、野田聖子氏ら「命からがら」選挙で勝ち残った11人(平沼赳夫氏除く)が07年に復党した。

 このうち9人は今夏の総選挙でも議席を維持した(うち4人は比例復活)。小泉首相が「反対すれば公認しない」と“脅迫”した郵政民営化法案に「よくぞ反対してくれた」という「ご恩返し」で、全国郵便局長会など郵政関係者が支持したことが、勝因のひとつだった。

 地域の顔役でもある郵便局長で組織する「全国郵便局長会」は大集票マシーンで、民主党の総選挙での勝利にも一役買った。

 「日本郵政株式売却凍結法案」の実現は、民主党と全国郵便局長会をつなぐ大きな絆であり、同局長会の悲願でもある。民主党が今国会の最重要法案に位置づけているのはこのためである。

 自民党は民主党への対抗上、法案に反対の立場を取る。だが、採決となると困るのが野田聖子氏ら「郵政造反復党組」だ。党の方針に逆うことには「郵政解散」のトラウマがある。だからと言って「反対」すれば、次の選挙から郵便局長会からの票は来なくなる。

 パーティーで郵便局長会の幹部から「もし法案に反対したら次から応援しません」と釘を刺された復党議員もいるほどだ。


 復党組に限らず自民党の中には、長年のよしみで局長会から票を流してもらっている議員も少なからずいる。

 法案に反対か賛成かの立場を鮮明にしなければならない通常の採決は避けてもらいたい、というのが復党組の切なる願いだ。郵便局長会から票を流してもらっている自民党議員も同様の思いだろう。

 自民党内には一方で政権交代前まで進められていた郵政民営化を強く支持する勢力も厳然としてある。通常採決となれば、党内がギクシャクするのは目に見えているのだ。

 実際のところ、自民党は民主党が強行採決してくれることを望んでいるのである。自民党議員全員が本会議を欠席できるからだ。ここを見透かしたのが民主党の小沢幹事長だ。

 自民党がざわつく通常採決に何とか持ち込めば、復党組の再離党もある。また大義名分と選挙区調整さえつけば、民主党に鞍替えしたがっている自民議員もいて、片手では数えきれない。首尾よく行けば10人近い議員の離党もありうる――「小沢幹事長の描くベストのシナリオ」を前出の政府関係者はこう解説した。

 最大野党の自民党が割れれば、政界再編の引き金となる。「自民党をぶっ壊す」と宣言していた小泉首相の政策は、最終段階を迎えつつある。


(私のコメント)
民主党政権下で民生改革の見直しが進んでいますが、「株式日記」は2005年8月の株式日記を見てもらえば分かるように郵政民営化法案に大反対してきました。主な理由は郵貯簡保の340兆円の預貯金を外資に売り渡す法案だからであり、国債の引き受け手がなくなれば債券市場が大混乱して日本経済を破綻に追い込みかねないからだ。

郵政を民営化すれば特定郵便局も見直しが進んでなくなる可能性もあるから、特定郵便局長会も郵政民営化には大反対だった。特定郵便局はもともとから自民党の有力な集票マシンでしたが、小泉郵政改革はこの集票マシンを切り捨てる暴挙に出た。05年の9,11郵政選挙では自民党は大勝利しましたが、郵政改革が地方切り捨てである事がわかってくると国民世論の流れが逆転した。

その後の参院選挙では自民党は過半数割れで、ねじれ国会となり安倍、福田、麻生の自民党政権は綱渡り政治となり勢力を挽回する事ができずに、09年の衆院選挙では自民党は大敗して野党に下野した。まさに小泉郵政改革が自民党の大敗の原因なのですが、民主党国民新党は特定郵便局長会の支持を取り付けることに成功した。

郵貯の預け入れ額の1000万円から2000万円に拡大するのは郵便局からの要望によるものですが、それだけ国債の引き受けが厳しくなって来ているからだろう。さらには財投の復活で地方に金を回す目論みもあるのだろう。このようななりふり構わぬ強引な手法は小沢一郎と亀井静香の二人がいないと出来ない事だ。

鳩山内閣は支持率が低迷して危機的なラインにありますが、都会の浮動票は流れてしまっても地方の選挙区では農家の票や郵政票などで組織を固めている。特に過疎地などでは特定郵便局などの組織しかないから影響は大きい。しかし「株式日記」としては特定郵便局という世襲制度は廃止すべきだと思う。つまり特定郵便局に建物を貸している家主と郵便局長とを分離すればいいだけの話だ。

問題なのは自民党であり、未だに郵政改革をめぐる内部分裂が続いている。あまりにも小泉首相が郵政民営化改革を強引に進めた為に自民党は壊滅的打撃を受けている。小泉チルドレンも80人から10人足らずに激減してしまって、若手の衆議院議員は数えるほどに減ってしまった。それだけ自民党の地方組織が壊滅的な打撃を受けている。


自民党は、はっきり言って選対本部も地方もまるっきり動いていない 。安倍晋三が鳩山罷免を肯定した事で、アンチパシーが再び増した。 2009年6月22日 株式日記

(私のコメント)
「株式日記」では政治情勢を冷静に分析しているつもりだけれども、麻生総理をはじめとして政党幹部も私の状況判断を生かしてはくれないようだ。鳩山総務大臣を首にすることは虎を野に放つようなものであり、国民世論にも真向から対決するようなものだった。その判断を麻生総理に促したのは安倍晋三氏と菅義偉氏の二人が鳩山切りを促した。

どのような理由であるかは分かりませんが、財界の意向によるものだろう。選挙が近いのに世論よりも財界の意向を優先するとは理解に苦しむところですが、自民党は選挙で負けて下野する事は覚悟しているのかもしれない。下野しても直ぐにひっくり返せると思い込んでいますが、自民党にはすでに野中広務のような寝業師はもういない。

自民党が2年も野党生活をしていたら完全に分解して陰も形もなくなるだろう。自民党は政権与党である事で利権で結びついてきた政党であり、官僚も野党には用がないから完全に無視をされるだろう。90年代に自民党は9ヶ月間野党にありましたが、石原慎太郎に言わせると二年ぐらいは野党でいて体質改善をすべきだった。

小泉純一郎は本当に自民党を本当にぶっ壊そうとしている。小泉構造改革で地方の自民党の組織はぶっ壊れてしまって、前回の参院選挙では民主党に票が流れた。安倍、福田、麻生と地方の建て直しを図ろうと言う動きはありましたが、小泉一派による抵抗で出来なかったようだ。

小泉一派は、ゴールドマンサックスと縁が深い西川社長を日本郵政の社長に据える事で、日本郵政を住友と外資で340兆円の運用資産を手に入れようと考えている。経済コラムマガジンに書かれた日本郵政の人事を見て驚く事だろう。しかしテレビなどのマスコミはこのような事実は報道されない。

官から民へというスローガンは分かりやすいが、経済コラムマガジンにかかれているように、「改革」の名のもとにエリツィン政権は、国有財産である油田などをタダ同然で民間人に売り飛ばした。買ったのは「オルガルヒ」と呼ばれる新興財閥群である。日本ならオリックスのような会社ですが、これはコイズミ改革と呼ばれる「改革」の正体だ。

確かに、国有機関としての郵政は非効率であり多くの無駄を生じてきた。そのこと事態は正しい。しかし小泉一派のやっている事は官僚利権から外資利権に変わるだけであり、日本郵政の持つ資産がオリックスなどの新興財閥に売却される寸前だった。それを止めたのが鳩山総務大臣ですが、安倍と菅は鳩山切りを麻生に命じた。


(本日の私のコメント)
鳩山、小沢の政治とカネのスキャンダルが支持率を下げている原因ですが、かといって自民党に支持が戻るわけでもない。それだけ小泉改革が大きな傷跡を残しているからですが、小泉自民党はあまりにもアメリカの言いなりになりすぎたから国民生活が犠牲になってしまった。その結果アメリカ政府も日本を見下すようになってしまって、圧力を加えれば何でも言う事を聞くと思わせてしまった。

郵貯の預け入れ限度が2000万円になったからといってはたして郵便局に貯金が集まるのだろうか? 国民の預貯金額は最近になってどんどん減って来ている。預金を取り崩して生活しているからですが、金利が低いから元本まで取り崩さなければならない。私などは預金するよりも不動産投資で生活できるようにしたのですが、預貯金のまま銀行や郵便局に預けているのは利回りから言ってバカバカしい。今なら不動産投資で回せば8%位の利回りになる。




シリコンバレーは携帯電話業界を支配するか。アップルやグーグルは
徐々に、だが確実に通信事業者から支配権をもぎ取ろうとしている。


2010年3月30日 火曜日

アップルが携帯業界を乗っ取る日 3月11日 ダニエル・ライオンズ

こんなふうに考えると、今のハイテク業界のトレンドが分かりやすくなる。

 ある日、シリコンバレーの業界関係者が携帯電話業界に目を付けた。通信事業者は実にうまい商売をやっている! 彼らは携帯電話機を売り、顧客を2年間の契約で縛る。顧客が着メロやゲームなどを使いたければ、通信事業者を通して買わなければならない。

 通信事業者はすべてを支配する。端末1台を売って終わりではなく、その後もずっと懐に収入が流れ込む。「われわれもこの手を使わなくては!」とシリコンバレーの業界関係者は考えた......。

 シリコンバレーは携帯電話業界をすっかり気に入ってしまったらしい。アップルやグーグルは徐々に、だが確実に通信事業者から支配権をもぎ取ろうとしている。

 今まで携帯電話機メーカーは電話機を作るだけで顧客との接点を持てなかった。だがグーグルとアップルはスマートフォン(高機能携帯電話)を武器に業界の力関係を逆転させようとしている。

端末側からの囲い込みへ

 ゆくゆくは電話機メーカーのほうが顧客を囲い込み、あらゆるアプリケーションとアクセサリーを売るようになるだろう。通信事業者は物言わぬパートナーとして電話を回線につなぎ、毎月の料金を徴収するだけになる。最終的には、顧客は自分で通信事業者を選べるようになるだろう。

 だが嫌な予感もする。1つの牢屋から出て別の牢屋に入るだけなのではないか。違うのは看守の名前だけかもしれない。

 携帯電話業界に初めて新風を吹き込んだのは07年にアメリカで発売されたアップルのiPhoneだ。この魅力的な新型スマートフォンをどうしても取り込みたかった電話会社大手AT&Tは既得権益の一部をアップルに譲った。アップルの直営店でもiPhoneを販売することを認めたのだ。

 さらに重要なことは、iPhone用のアプリケーションを販売するのがAT&Tではなく、アップルだということ。同社はiPhone用アクセサリー販売にも本格的に乗り出した。要するに、iPhoneの世界を支配するのはAT&Tではなくアップルなのだ。

 小型情報端末iPadを3月下旬に発売することで、アップルはさらに1歩前進することになる。無線LANが使える場所なら、あらためて通信事業者と契約することなく、iPadでウェブサイトを閲覧したり、動画を見たり、本や新聞を読んだりできる。

 携帯通信機能を持つiPadも少し遅れて発売される予定。こちらはAT&Tの回線を使うことになる。だが普通の携帯電話とは違って長期契約の縛りはない。支払いは月ごとで、いつでもキャンセルできる。しかも安い。データ転送量に制限があるプランで14・99ドル、無制限プランで29・99ドルだ。

 iPadにはさらに画期的な点がある。1つの通信事業者の回線しか使えない「SIMロック」が掛かっていないのだ。ユーザー側の力が強まっていく兆しが見える。

 アップルに負けていないのがグーグル。同社が10年1月に発売したスマートフォン「ネクサス・ワン」もロックは掛かっていない。グーグルの携帯向けOS(基本ソフト)「アンドロイド」搭載で、529ドルのモデルなら好みの通信事業者を選べる(Tモバイルとの契約付きなら179ドルだが、2年契約という縛りがある)。

 アップルのiPhone同様、グーグルは顧客とのつながりを重視し、囲い込みを図ろうとしている。グーグルがアンドロイド搭載端末を普及させようとしている背景には、Gメールやグーグルマップなど自社サービスの利用者を増やすという意図がある。さらに、ユーザーが他社のアプリケーションを使いたければ、グーグルが運営する「アンドロイドマーケット」で入手することになる。(後略)



GoogleやiPodの共通点と,プラットフォーム戦略の落日 2006年4月21日 雑種路線でいこう

GoogleとAppleの共通点はコモディティを組み合わせた垂直統合モデルを指向している点だ.Googleのサーバー群もiPodやIntel Macも,汎用部品を使うことでハードウェア・コストを下げている.一方で組み合わせや環境を限定することでソフトウェアのテスト工数を減らし,リリースサイクルを短期化して,単純で洗練されたユーザー体験を提供している.

マイクロソフトはPCが各社独自仕様だった時代,ソフトやハードの互換性を保つ薄い層(BASIC, DOS, Windows)を提供することでエコシステムを構成し,水平分業による競争を促し,PCや部品の価格を劇的に引き下げた.Linux,Google,iPodいずれも,PCエコシステムによる部品の汎用化と低価格化がなければ,そもそも登場しなかったのではないか.

水平分業の枠組みを提供し,プラットフォームを握る戦略は,ハードウェアをコモディティ化する上では有効である.しかしハードウェアが一旦コモディティ化されてしまうと,従来の資産は一転して負債となる.サポートすべき既存アプリケーション,周辺機器が足枷となって設計負債が生じ,テスト工数が増大し,リリースサイクルが長期化して顧客の要望を反映しにくくなり,相次ぐ機能拡張でユーザー体験も複雑化してしまう.工数が爆発的に増え,無闇に関係者が増えて組織が官僚化する.そして自分のアイデアを世に問うべくプラットフォーム・ベンダに身を置いていたalpha geekたちから,もっと身軽な世界へと逃げ出してしまうのだ.

人材の流れや市場での評価をみる限り,この世界には引き続き競争を促すネガティブ・フィードバックが働いているし,新しい事業機会に満ちている.成功の鍵は「うまくいっているものを真似る」工業時代のキャッチアップ・モデルではなく,いまの世界をインフラとして捉え,新しい価値を創造し,コンセプトを迅速に世に問えるチャネルを築き,そういった事業基盤を通じて優秀な人材を惹き付けることではないか.

OSとか検索といった陣取り合戦の本質は「より洗練された部品をつくる」工業社会の競争ではなく,アイデアを世に問うパイプラインをつくってエコシステムを形成し,その魅力で優秀な人材とアイデアを囲い込む競争なのだ.そこを理解しないから国産OSをつくろうとか国産検索エンジンをつくろうとか,泥棒をみて縄を綯うような議論が横行し,貴重な国費や人材を浪費し失敗を重ねてしまうのである.困ったものだ.


(私のコメント)
最近のノートパソコンはずいぶん安くなりました。数年前は15,6万円していたものが今では6,7万円で最新型が買える。OSが2万円くらいするから一番儲けているのはマイクロソフトでありパソコンメーカーは採算ぎりぎりで売っているような現状だ。最近では高性能化よりも省電力化で売っているようなものが多くなり、インターネットするだけなら2,3万円程度のネットブックで十分だ。

パソコンの世界は水平分業化が進んで儲けているのはマイクロソフトとインテルだけになってしまった。インターネットの商業化がなかなか進まないのもパソコンがインターネットのベースになっているからであり、ネットで儲けているのはNTTだけだ。ブログやメルマガで有料化が進まないのも機器で囲い込む事ができないからであり、携帯電話のサイトなどでは課金システムは有効に働かす事が出来る。

シリコンバレーは携帯電話の業界に場所を移して着ていますが、特にアップルはiPhoneで通信業界に殴り込みをかけてきた。IT技術の進歩で携帯電話が限りなくパソコンに似てきたからですが、アップルは垂直統合モデルで携帯電話業界に殴り込みをかけてきた。もちろんアップルが携帯インフラを作るのではなくて、通信環境が整い始めて高機能携帯電話を作って主導権をとろうとしている。

日本ではガラパゴス的な携帯電話を作ってきましたが、NTTなどが全量買い上げてきて商売をしてきた。確かに初期の携帯電話は通話するだけの電話機であり、商品の差別化は難しかった。しかし通信環境が整備されて高度化すると携帯端末機器の高機能化が進んで、インターネット端末ともなると搭載するソフトが差別化出来るようになった。

iPhoneとAndroidの対決はパソコンにおけるMacintoshとWindowsの対決を思い起こさせますが、通信会社は脇役に回るようになって来てしまった。アップルは垂直統合の利点を生かして素早く商品化しましたが、グーグルはOSのオープン化で対抗しようとしている。マイクロソフトも携帯用OSを作りましたがWindowsPhoneで巻き返しを図っている。

パソコンは水平分業化で大幅なコストダウンを図ってきましたが、高機能化するにつれてバージョンアップを図る事が難しくなり、周辺機器やアプリケーションソフトの対応に遅れが目立つようになりました。「雑種路線でいこう」で書かれている様に機能の拡張に次ぐ拡張で検証作業に手間取るようになってしまった。

水平分業化はコストダウンには有効な戦略ですが、高機能化させようとすると足かせになってしまう。アップルがいち早く携帯電話や電子書籍に進出が出来たのは垂直統合で進めたからであり、水平分業と垂直統合とはどちらが有利不利とは判断は出来ないだろう。アップルが垂直統合で切り開いた世界を後発企業が水平分業でコストダウンをして来たのがパソコンの例ですが、携帯電話でも同じ事が言えるだろう。

携帯通信機能を持つiPadはSIMカードを入れ替えればどの通信会社も選べるようになっていますが、そうなると通信会社は少しでも安くしないと競走に負けてしまう。それに対して携帯端末メーカーはアプリケーションや周辺機器販売で利益を出す事ができるから主導権が変わってくる。iPhoneは電池ですら純正品でないと利用が出来ない。

電子書籍で本や雑誌や新聞を読む時代が来れば課金システムも構築する事が容易になりネットの商業化が本格化するだろう。音楽もiPodで鑑賞する時代となりiTunes Music Storeにアクセスし、インターネット上で音楽の購入するのが普通になったように、本や雑誌や新聞もアップルから購入するようになればアップルの利益は大きいだろう。アマゾンのキンドルも同じ商業モデルだ。

日本のエレクトロニクス産業が儲からない業界になってしまったのは、ハードだけではすぐにコピーされて安く作られてしまうからであり、独自ソフトとセットで売らないと儲からないだろう。任天堂はハードとゲームソフトをセットで売っているから儲けていますが、ハードだけの家電業界は価格競争で儲けは少ない。

ソニーやシャープやパナソニックは携帯電話メーカーでありパソコンメーカーでもあるのですが、どうしてアップルのiPhoneを作ることが出来なかったのだろうか? モバイルパソコンは作って発売もされていましたがパソコンの領域を超えることができないモデルだった。それに対してiPhoneはパソコンの領域を超えている。日本のメーカーはそれが出来ない。

ソニーや松下は電子書籍を売り出していましたが、売れなかったとしてすぐに止めてしまった。ソニーのリブリエや松下のWords Gearは通信機能がなく、パソコンでダウンロードする手間がネックになって売れなかった。ならば電子書籍と携帯電話を合体させればいいのですが、日本のメーカーにはそれだけの技術力がなかった。さらには著作権がネックになってコンテンツを確保する事ができなかった。

日本の電子機器メーカーはiPhone用のOSを作ることも出来ず、著作権を改正させるほどの力もなく、液晶テレビやDRAMは新興国にぱくられっぱなしでは市場は取られるばかりだ。日本の電子機器メーカーはソフト開発を下請けに任せてハード機器が主体でやってきた。このようなソフト開発軽視が日本メーカーがサムスンに負けた原因であり、アップルのようにソフト開発主体のメーカ−にならないとサムスンにどんどん食われるばかりだ。


iPadの垂直統合という賭け 3月04日 ダニエル・ライオンズ

またジョブズはこの業界が長く、垂直統合した企業の長所を覚えている。A4が優れたプロセッサであるなら、iPadの垂直統合には、近く発売される他のタブレット型PCをしのぐ性能を発揮できるという利点がある。プロセッサとOSを互いに最適化されるように並行して設計すれば、パフォーマンスをかなり高めることができるからだ。

 アップルによれば、A4は1GHzで動作する。多くのパソコンで使われる3GHzのインテル・プロセッサと比べると遅いが、地図を拡大し、クリックしてストリートビューを見るといった作業では、iPadは実に速く感じられる。iPad発表の後のデモンストレーションで、ソフトウエアがプロセッサのために最適化されているので速いと説明があった。iPadが1回のバッテリー充電で10時間作動するのも同じように説明できる。

 アップルによるiPadの完全支配は既に一部の人を怯えさせている。iPad発表イベントの会場の外でピケを張ったフリーソフト擁護派は、iPadのような端末はアップルによって搾取される閉ざされた世界に人々を引き込む罠だと主張する。



(私のコメント)
アップルに出来てソニーやパナソニックに出来ないのは、プロセッサとOSを互いに最適化されるように並行して設計が出来ないからだ。プロセッサにしてもグラフィックに強いものもあれば計算に強いものもあり、省電力に強いものもあるのですが、差別化した製品を作るには高い技術力が必要だ。NECも日立もプロセッサを作っていたのですがいつの間にか消えてしまった。

確かにインテルのプロセッサを使えば安く作ることが出来ますが、パソコンのような汎用機器ではなく専用機器になればなるほど特化したプロセッサを使えば性能で差をつけることが出来る。iPadにアップルが専用プロセッサを開発したのはそのためだろう。電子書籍ともなればより軽くより薄く長時間持つ性能が求められますが、汎用プロセッサでは無理だ。

いずれはインテルが専用プロセッサを開発してくれるでしょうが、数年のタイムラグが出来てしまう。日本のメーカーはOSとプロセッサの開発を放棄してしまったからそれが出来ない。そのような垂直統合型の経営はコストダウンには向きませんが、開発に成功すれば大きな利益を独占する事ができる。




中国共産党政権に忠誠を示し、すべてを捧げるか、それとも中国抜きの
グローバル市場で事業を展開していくか、進退を見極める時期が来ている


2010年3月29日 月曜日

グーグルの中国市場撤退、外資系の「ニューリアリズム」反映 3月28日 大紀元

【大紀元日本3月28日】今月22日、中国政権が要請する検閲から自らを解き放ったグーグル社。同社の動きは、西洋の資本家と北京の権威主義政権との関係が、転換期に来ている象徴と取られているようだ。

 グーグル社の中国の権威主義に真っ向から対抗するような決断に対して、中国でのネット検閲を担う機関の一つである国務院新聞弁公室は、グーグル社の動きを「間違った行動」と強く批判するが、中国と西側との経済関係に影響しないと強調する。中国外務省のスポークスマン秦剛(チン・ガン)氏は、「政治問題として取り上げるものがいるなら別だが、特に米中関係に影響する問題ではない。わざわざ取り上げない限り、国際社会での中国のイメージに影響を与えるものではない」と、孤立したケースとして扱っている。

 しかし、中国で事業を展開する外資系にとって、グーグル社の動きは、中国政府への対応における一つの大きなうねりを示すものだ。

 外資系企業が直面する「ニューリアリズム」

 グーグル社が22日検閲なしの自社サーバーを香港に移動した行動は、北京政権がいつでも自社サービスをブロックすることを覚悟した上での決定。閉鎖されても自ら自社サイトを検閲するよりましだとのグーグルの立場。

 「グーグル事件は、今後の変化を触媒することになるだろう。実際、現在変化が起こっていることの裏づけでもある。中国市場の規模は大きく、利益を享受したいと願う外資系企業が中国政権に対して悪いことをいうのは実にまれだ。しかし、実際に自己の良心に忠実な企業が出たということは、転換期であることの証拠」と北京を拠点とする経済専門の企業ドラゴノミクス社の代表取締役アーサー・クローバー(Arthur Kroeber)氏は、米紙「ワシントンポスト」(24日付)に対して語る。

 過去30年、欧米の企業は北京政権の最も親密な友だった。90年代、天安門虐殺事件後、米国会が中国の最恵国待遇を取り消そうとした際、米商工会議所やほかの商業グループがワシントンに飛び立ち、米国会の行動を止めるように圧力をかけた。

 しかし最近、欧米企業から中国での事業運営状況について多くの不安の声が上がっている。「ワシントンポスト」によると、北京政権に親しかった中国の米商工会議所は、今月22日、203名の会員を対象とした中国での事業展開における確信度調査で、これまで4年間の調査における最低値が出たと報告している。

 昨年12月、ワシントンの米商工会議所は、33におよぶ世界の各業界の協会が連名で、「外資系企業が中国市場で事業を展開するために、知的所有権と商標を中国に明け渡す」ことを強要する中国の計画を批判する手紙を作成するという、前代未聞の行動に出た。

 一方、中国EU商工会議所は過去数年にわたり、中国での事業環境は悪化しているという複数の報告書を発行。その中には、中国の「経済ナショナリズム」を摘発するものや、中国の経済改革は事実上、中断されてしまったという主旨の報告書が含まれている。

 同会議所のヨルグ・ヴトケ(Joerg Wuttke)会長は、「ワシントンポスト」に対して、「2009年、中国は世界で成長する二つの市場の一つだったが、その門戸は開かれるどころか、狭められている。政府は市場開放を口にはするが、国内での実践はその反対で悪化する一方」と語る。

 10年以上にわたり、中国における欧米事業の危機の動向を追ってきたジョー・スタッドウェル(Joe Studwell)氏は、欧米企業の中国に対する態度の変化は、「ニューリアリズム」の一環と解説する。多くのビジネスマンが見込んでいたこととは逆に、中国は市場を開発することはなく、通貨を切り上げることもないというリアリティーが、浮き彫りにされてきたわけだ。

 グーグルの後に続く企業

 実際、グーグル社の行動に続き、24日米国会で開かれた「人権と貿易の関係」の公聴会で、米2大ドメイン登録ビジネスの企業、ゴーダディー・ドットコムとネットワーク・ソリューションズーダディーも、中国での新規登録提供をすでに停止したと発表した。北京政権がインターネット監視のため登録者の個人情報をさらに要求する規定への反発だと2社は表明している。

 公聴会で、米国会議員デービッド・ウー氏は2社の声明を支持、北京当局はインターネット検閲を停止しなければ、もっと多くの企業がグーグルやゴーダディーの後に続き、中国のビジネスをクロースすると指摘した。

 個人パソコン製造世界第2大手のデル社も、中国でのビジネスをインドに移動する考えを示している。インドの首相との最近の会談で、同社CEOのマイケル・デル氏が、法律制度がより安全な企業投資環境を探している最中で、中国にある250億米ドルの設備やパーツをインドに移す考えを打ち出した。

 ドイツ誌「経済週刊」の報道によると、グーグルの行動は、中国にいるドイツ系企業にも影響を与えている。医療設備関係のドイツ企業は、生産設計図とソフトを中国当局に渡すよう強要された場合、中国からの撤退を考えると示しているという。

 中国市場の規模に惑わされたこれらの企業は、中国共産党政権に忠誠を示し、すべてを権威主義政権に捧げるか、それとも中国抜きのグローバル市場で事業を展開していくか、進退を見極める時期が来ているようだ。



(私のコメント)
グーグルの中国撤退は何を意味するかはまだ分かりませんが、グーグルは情報収集企業でもあるので中国に一番やばい部分を察知して判断して撤退を決めたのかもしれない。インターネットはもともとが軍事技術であり、メールなどの内容は逐一収集されている。中国政府はそれを知りたがるのは当然であり、グーグルのデーターセンターに侵入しようとしたらしい。

検索制限程度の検閲なら当初からの契約上の決まりだから妥協もあったのでしょうが、裏ではかなり露骨な事が行われてグーグルは撤退を決意したのかもしれない。グーグルのメールが全て中国政府に傍受されるとなると、与える影響は計り知れないものになる。企業機密などもメールで交換されているから企業機密が筒抜けになる。

根本的には中国が情報化社会のルールを守れるのかと言う事ですが、中国政府はあらゆるものを国家で統制しなければ国家の安定が保てないと考えているのだろう。このような国が先進国になるのは不可能な事であり、報道の自由も守られず情報の機密も保てないのでは企業や個人のクリエイティブな活動も出来るはずがない。

中国の改革開放政策は、言葉の響きは民主化が進むような錯覚に囚われますが、経済のみの改革開放政策であり政治の改革開放ではなかった。中国政府は海外からの資本や技術導入のためにWTOに加入しましたが、中国政府はWTOの規約を守るつもりは無く人民元の為替介入もやりたい放題だ。しかし中国政府は未だに中国は発展途上国だと言い訳をしている。


中国は自国で開発するのではなく、他国が開発したものを横取りして一気に経済先進国なろうとしているが、ジンバブエのようになる。 2009年4月25日 株式日記

(私のコメント)
北京でモーターショーが開かれていますが、コピーされた車の展示でにぎわっているようです。ロールスロイスやベンツやマツダのデミオなどそっくり車が並んでいます。そっくり車程度なら笑って済ませられますが、デジタル製品のソースコードを政府に教えなければ輸入もままならないと言う事になると笑っては済ませられません。

家電製品にしても自動車にしてもソフトを組み込む事で他の製品と差別化しているのですが、ソフトこそ付加価値であり、中国政府はそれを教えろと言う事です。今では携帯電話にしても自動車にしても組み込まれているソフトプログラムは数百万ステップの巨大ソフトであり、開発には数万人のプログラマーと何年にも及ぶ開発期間がかかっている。

かかった費用にすれば数百億から数千億円にもなると思いますが、それが只で手に入れば開発費用と時間が節約できる事になる。中国国内には映画や音楽の違法ソフトが氾濫していますが、中国政府は時々違法ソフトをブルトーザーで踏み潰したりする催し物をしますが全く効果が上がっていません。

それだけ知識や技術に対する尊重の気持ちが無く、盗めば只で手に入るものという国民性は改善の見込みは無いようだ。キッシンジャーあたりは中国が経済発展すれば民主化も進んで知的財産権も尊重するようになると言う出まかせを言っているようですが、中国はどうやらジンバブエと同じ事をやっているように見える。

中国は改革開放政策で外資に対して優遇政策で企業などを誘致してきました。中国の高度経済成長は外国からの資本と技術による割合が大きくて、自立的な経済発展ではない。その証拠は中国ブランド商品が無く、外資の下請けとなっている構造だからだ。

家電製品などは同じ部品を仕入れて組み立てれば形だけは同じものを作る事が出来る。車にしてもベンツやロールスロイスそっくりな車でも性能はそっくりではない。現代の車は燃料制御も走行時のシステム制御も複雑化して、簡単にはコピーする事が出来ない。ブラックボックス化して中身が掴めない様になっているからですが、中国政府はそれを公開しろということです。

パソコンで言うならばWindowsはソースコードが公開されておらず日本の家電メーカーもお手上げで改良して差別化する事が出来なかった。Linuxならばソースコードは公開されているから中国などもLinuxのソフトを開発しようとしましたが普及せずに、WindowsのOSやソフトをコピーしてパソコンを使っている。もちろんコピーは違反ですが、中国人は安ければコピー商品でも平気で買うから純正品は売れなくなる。

今のパソコンのOSにしてもソフトにしても巨大化したソフトになっており、ゲームソフトも10億円以上の費用をかけて開発しないと製品にならない。それが秋葉原辺りに行けば中国でコピーされたソフトが5分の1ぐらいの値段で売られている。これでは中国でまともなソフト産業が育つはずも無く外国の不正コピー製品が氾濫する。

中国政府の焦りがIT情報の強制公開を迫る理由なのでしょうが、これで中国のジンバブエ化が見えてきたような気がする。ジンバブエでは白人たちが持っていた農園などを強制接収して白人たちを追い出してしまった。しかし白人がいなくなると農作物も出来なくなり農業技術も消失してしまった。その為に天文学的なインフレが起きている。

中国も進出してきた外資系企業を接収して自前の産業を育てようとしているのでしょうが、中国発のブランド商品が出来ないという事は自立的な発展は難しいのだろう。日本ならばソニーやトヨタやホンダなど日本発のブランド商品が世界に溢れましたが、中国製品で溢れているのはコピー商品か鉛入りのおもちゃや農薬入りのギョウザなどろくでもないものばかりだ。

中国の有人宇宙船もロシアのソユーズのコピー商品だし、最新鋭のジェット戦闘機もロシアやイスラエルのコピー商品だ。新幹線も国産技術で出来ているといっても外形を見れば日本製だと分かるものだ。むしろ中国人にしてみれば外形さえそっくりなら中身はどうでもいいのかもしれない。偽ブランド商品の氾濫も同じ理由であり、見てくれや外見が全てなのだ。

知的財産権などは外見としては目に見えないものであり、そんなものは自ら開発しないで盗んでしまった方が早いと考えても不思議ではない。そんなものは表紙だけの本のようなものであり中身は白紙だ。コピーすれば本は出来上がるが、そんなものはゴミに過ぎない。

もし中国でソースコードが強制公開されるような事があれば、ATMやICカードのセキュリティーシステムが盗用されて不正使用される可能性が出てくる。ソースコードが中国政府に読まれてしまうとインターネットで不正侵入されて何をされるかわからない。セキュリティ関連機器の秘密がばれてしまうのだから泥棒にカギを渡すようなものだ。

だから今回のIT情報の強制公開は非常識極まりないものであり、ジンバブエよりも中国は野蛮な政府であることを証明するものだ。アメリカ政府は昨日も書いたように戦略として中国をパートナーとして育ててきましたが、毒ガスを世界中にばら撒いたようなもので日本への悪影響も計り知れない。もっともアメリカも毒ガスのようなろくでもない国家であり、アメリカも中国も抱き合い心中して消えて欲しいものだ。


(本日の私のコメント)
去年に4月頃は米中蜜月の最盛期であり、アメリカも中国に対する期待がそれだけ高かったのだろう。中国も経済大国になるにつれてナショナリズムの高まりが頂点に達して外国に対して弱腰になると中国国民の不満が爆発する。だからグーグルに対しても妥協する事ができずにグーグルを中国から追い出しましたが、こんな事をしているから中国は先進国になれないのだ。

人民元に対する為替介入にしても、目先的にはいいのでしょうが総合的に見ればマイナスにしかならない。日本にも言えるのですが為替介入してドル外貨残高を積み上げても円高要因になるだけであった。それよりか、日銀が円を大量供給してばら撒けば受けた銀行は金利の高い外貨に投資して円安になる。

今日も92円の円安になっていますが日銀の資金供給が効いているからだ。だから為替に直接介入するのではなく日銀が紙幣を印刷してばら撒けば円安になる。中国もそうしたいのでしょうがそうすればインフレになるから出来ない。要するに政府日銀が馬鹿で無能だから直接ドル買い介入して外貨残高を増やしてしまったのだ。





“日本独自の進化を遂げたパソコン、つまりPC-9801やFM-Rが、
ガラケーのNECや富士通が開発するモデルに相当するのではなかろうか。


2010年3月28日 日曜日

SIMロック 日本の携帯“脱孤立”を 総務省が解除検討 3月24日 毎日新聞

総務省は、携帯電話端末が特定の通信会社の回線しか使えないようにする「SIM(シム)ロック」の将来的な解除の検討を始める。米アップルが日本で4月に発売する新型端末「iPad(アイパッド)」など、複数の通信会社のカードを差し替えて利用できる製品の登場に対応するため。日本の携帯だけが世界で孤立した「ガラパゴス状態」のあだ名を返上し、国際競争力強化を図るのが狙い。

 来月2日に通信会社や携帯メーカーからヒアリングを実施し、今後の課題を整理する。

 携帯端末は電話番号の情報などが記録されたSIMカードを差し込んで使う。海外ではカードを差し替えるだけで、複数の通信会社の携帯端末が使える。総務省は07年にもシムロック解除を検討したが、「iモード」などネット閲覧ソフトが通信会社で異なっており、他社のカードに差し替えるとネットが閲覧できなくなるため、結論が先送りされていた。

 しかし、米アップルの「アイフォーン」など基本ソフト(OS)が世界共通のスマートフォン(多機能携帯電話)の普及で通信会社の垣根を越えて使えるようになってきている。NTTドコモもアイパッド用カードの販売に前向きで、シムロック見直しの機運は高まりつつある。

 ただ通信業界には慎重な声が強い。【中井正裕】


1994年に似ている、iPhoneとAndroidの今  1月21日 矢崎 茂明

(前略)
「ガラケー」という言葉がある。日本独自の携帯電話の進化を、ガラパゴスにおける生物の進化になぞらえ、日本でしか利用できない様々な機能を備えた携帯電話を「ガラパゴス・ケータイ」と呼ぶ。略してガラケーだ。

 とても役立って、便利だったガラケーが筆者は好きだった。でも、iPhoneが自由に素早くWebにアクセスできることに気づいてから、急にかすんで見えるようになった。購入の翌日、所有していたガラケー(SO906i)の有償サービスをすべて解約した。「ガラケーだけで利用できるちょっと使いにくいけれど有用な機能」よりも、iPhoneの広い画面で得られる「自由なWebアクセス」の方がずっと大事で、金銭的にも価値があると自然に感じた。

 購入から2週間、筆者はiPhoneをほとんど体の一部のように感じるようになった。筆者よりずっと前にiPhoneを買ったある同僚は、「iPhoneがないと戦闘力が半分以下」と語っていた。彼が何と戦い、iPhoneの力で何に勝利するのかよく分からなかったが、iPhoneが体の一部になった今ではその気持ちが分かる。iPhoneの電池が切れると、とても悲しい。不意に手から滑り落として、地面にぶつかったときは“痛い!”と思う。

 この感覚を表現するいい言葉はないか…と考えているとき、「身体性」という言葉が浮かんだ。近いのは、幼いころ、補助輪なしの自転車に乗れたときに、行動が自由になることを、ハンドルを握る手のひらから感じた、あの感覚である。これは失いたくない。他人に奪われるのは嫌だ。

「真のパーソナル・コンピュータ」

 あるiPhoneアプリの開発者と打ち合わせをしていたときのことである。先のような「身体性」の話をすると、彼は「真のパーソナルコンピュータ」という話をしてくれた。とてもよく似た話を2人の開発者から同じ時期に聞いたので、まとめて要約する。「そもそも『パソコン』というコンセプトは、個人で使うもの。それを目指して作ってきたけど、高価なので部署で共有されたり、管理が大変だったり、資産として会社に管理されたり。結局うまくいかなかった」。

 話は続く。「携帯電話はそもそもコンピュータで、誰もが自分用のものを自分で一つ持つ文化として世の中に入った。情報にアクセスしたり、コミュニケーションしたりするときの個人的な起点になる。ガラケーでもいいけど、制約が多すぎる。自由にアクセスできる感触さえあれば、真のパーソナルコンピュータとして、あっという間に広まる」。

 だとしたら、NDAとAppleの審査に守られたiPhoneのアプリケーション開発は厳しいな、Androidはまだアプリケーションが少ないけれど、ソフトウエアは開かれた開発環境で、ハードウエアは複数のベンダーによって、それぞれ自然な競争が起きるとしたら、だいぶ有利だな…そんなことを考えていて気づいたのが、1994年ごろ、筆者がパソコンへ抱いていた思いとよく似ていることだったのだ。

1994年に似ている

 1994年、筆者は自宅や研究室で、Macintoshや、PC-9801を利用していた。それぞれ機能差や向き不向きはあれど、多くの人が使う「コンピュータ」はMacに似たものになるだろうな、と感じていた。それを思い出した瞬間、2010年の現在、iPhoneやAndroid端末などのスマートフォンを取り巻く状況と、1994年当時の状況がどんどん一致し始めた。

 1994年のMacintoshに相当するのが2010年のiPhone。1994年にMicrosoftが推進していたWindowsは、2010年にGoogleが推進するAndroidである。1994年当時“日本独自の進化を遂げた”パーソナルコンピュータ、つまりPC-9801やFM-Rが、ガラケーのNECや富士通が開発するモデルに相当するのではなかろうか。

 追撃する立場にあるAndroidのほうが、開発環境の難易度が低いのも似ている。1994年当時、Mac上での開発は、情報が少ない、開発ツールが高価であるなどいくつかの理由でかなり敷居が高かった。それに比べてWindowsは、コンパイラの入手しやすさ、よく整備されたAPIなど、開発者が参入しやすかった。iPhone SDKとAndroid SDKの関係も、「参入のしやすさ」という点では同じ構造といえそうだ。

 どちらも切り開いたのがSteve Jobs率いるAppleで、追撃するのがコンピュータのキー・ファクターを握る米国の大企業、当時はMicrosoftで今はGoogleだというのも興味深い。
(後略)



(私のコメント)
最近になってiPhoneを見かけることが急速に多くなって来ました。発売当初のiPhoneはインターネットにアクセスしても1ページを表示するのに時間がかかり使いものになりませんでしたが、最新型のiPhoneはサクサク動くようになって実用レベルになってきたようだ。もちろん基本的なバッテリーなどの欠陥はそのままですが、日本も携帯電話からスマートフォンの時代になってきました。

日本の携帯電話は独自の進歩をして携帯電話でインターネットが出来るようになった。日本では通信環境が急速に改善されて3G携帯が主流になりインターネットも使える環境でガラパゴス携帯が普及した。しかし携帯電話機にインターネット機能を詰め込んだものであり、iPhoneは最初からモバイルパソコンとして作られたものだ。だから比較するのは無意味であり違うものだ。

ガラパゴス携帯をパソコンに例えるならば、ワードプロセッサーにインターネット機能を付けたものによくい似ている。富士通やNECでもそんなワープロを売っていた事がある。しかしウィンドウズ95パソコンが普及するようになってワープロもNEC−PC9801もFMタウンズもどこかに消えてしまった。

NECも富士通もウィンドウズ95までは何とか動くマシンを作っていましたが、ウィンドウズ98になると付いて来れなくなり急速に死滅してしまった。パソコンの動向はソフトが決め手になる事は最初から分かっていたのに、NECも富士通も独自のパソコンに拘って、パソコンにおいてもガラパゴス化していた。

当時と同じような事が携帯電話でも起きているのですが、これはパソコンが独自の変化をしてモバイルパソコンとしてiPhoneが登場した。電子書籍としてもiPadとして登場しましたが、基本がパソコンだからインターネットを標準的に使える事が従来の電子書籍と異なる。アップルはこのようなパソコンの枠を超えたパソコンを作り出しているのに、日本のメーカーは縦割りだからそれが出来ない。

いずれアップルは自動車も作るかもしれない。電気自動車の時代になればパソコンメーカーが自動車を作ってもおかしくは無い。しかし日本のNECや富士通ではそれが出来ない。パソコンはパソコンであり携帯電話は携帯電話であり営業部門の枠を超えたものが作れない。しかし未来の自動車は電子制御で動くようになるからソフトが自動車の決め手になるだろう。未来的に予言すれば自動車でもトヨタのプリウスがガラパゴス自動車になる可能性がある。

現在のところ日立や東芝やパナソニックが自動車を作る計画は無いが、自動車関連部品を作っている。将来的にパソコンと自動車が融合してインストールされているOSやソフトによって自動車の性能が異なるという事がおきるだろう。プリウスのブレーキに欠陥が見つかりましたがソフトの不具合が原因だった。その欠陥の不具合を直すにはソフトの書換えが行われた。

だから同じプリウスでもインストールされているソフトが異なれば性能も異なる事になり、自動車の性能もソフトが決め手になる時代が来るだろう。例えばiPhoneを運転席にセットすれば後はiPhoneが目的地まで自動で運転してくれるような自動車も出来るだろう。iPhoneのようなスマートフォンにはカーナビの機能もあるから自動車とパソコンの垣根は低いだろう。

不思議でならないのはテレビがガラパゴス化してしまって、パソコンや携帯との融合がなかなか進まない事だ。デジタルテレビなどは限りなくパソコンに近いのですが、未だにテレビはテレビでありパソコンはパソコンになっている。これもメーカーの営業部門の壁が妨げになっているのですが、アップルがインターネットテレビを発売したら携帯と同じ事が起きるだろう。

iPadは9,7インチの画面ですが、これを40インチにしたら大型液晶テレビになる。iPhoneを大型液晶テレビに繋げると大型液晶テレビがiPhoneになるようなものが出来るだろう。しかしテレビ放送の規格とインターネットの規格は異なるから融合が進みませんが、インターネット動画放送が本格化すれば従来のテレビ放送はガラパゴス化するだろう。

日本人がなぜiPhoneを作ることが出来ないのかは、会社の営業部門の違いだけではなくSteve Jobsのような天才がいないことが大きな原因だ。いたとしても日本人は嫉妬深いから天才を若いうちに潰してしまう。先日も次世代原子力発電の事を書きましたが、画期的な技術の芽はあってもそれを育てる環境が無いと実現は出来ない。

たとえ画期的な原子力発電が出来たとしても、既存の石油業界がそれを潰してきた。Microsoftのビル・ゲーツが次世代の原子力発電に乗り出したと言う事は、パソコンを作り出すことくらいの画期的なことですが、当時の常識はコンピューターといえば大型汎用コンピューターの事だった。日本人は目先の事には一生懸命になれますが、次元を超えた発想をする人物をキチガイ扱いして社会から葬ってしまう。

日本の携帯は毎日新聞記事のようにSIMロックによって海外からの参入を拒否してきた。日本のデジタル放送もBCASカードによって参入が難しい。これらがガラパゴス化の原因でもあるのですが、総務省はSIMカードを差し替えだけで使えるようにするらしい。国内の携帯電話のメーカーもiPhoneのようなスマートフォンが主力になりつつありますが、Androidで打って出る状況に直面している。

ガラパゴスからAndroidに変身出来るかが課題ですが、日本がパソコンで失敗したのはMicrosoftにWindowsをブラックボックス化されてしまったことでカスタマイズが出来なくなってしまったからだ。カスタマイズが出来ればメーカごとの独自の商品も出来るから日本のメーカーも商売が出来る。

インターネットはもはや社会インフラとなり、インターネットは携帯で利用する事が標準になるだろう。iPadもインターネット端末であり電子書籍やメールやウェブ閲覧用道具になるだろう。パソコンによるインターネットは一部の人のものですがAndroid携帯によるインターネットは一般の人に本格的に普及するだろう。




「隣国に技術が盗み放題の国(日本)がある限り、我々がいくら
技術情報を防衛したところで意味はない」(サムスン関係者)


2010年3月27日 土曜日

日本に仕掛ける「焦土作戦」 サムスン電子 3月23日 TAHOOニュース

「眼下のビジネスに安住するな。キャッシュがあるうちに半導体、液晶パネルの代わりを探せ」。リーマンショック後の〇八年末、サムスンではこのような大号令がかけられ、「脱エレクトロニクス」という明確な目標が掲げられた。

 しかし、サムスンといえども、新産業の育成など一朝一夕にできるものではない。それまでの期間、成熟化したエレクトロニクス市場でどのように成長を維持するか。サムスンは伝統的に、最も与しやすい相手から新たな市場を奪う。標的はまたしても日本である。

 昨年夏、来日したサムスンの上級幹部の注目すべき発言が伝わっている。その内容は、「主要部品を内製化し、一眼レフカメラの完全内製化を実現したい」というもので、その際「ニコン、キヤノンの日本勢の牙城を崩したい」と断言したという。これまでサムスンはペンタックスとの共同開発品を発売してきたが、独自製品の開発実績はない。昨年三月の国際展示会で試作品を披露していたが、彼らが計画を口にした場合、大抵は一年以内に製品化の準備ができたことを意味する。この発言で日本のカメラ各社はさぞかし肝を冷やしたに違いない。

 サムスンが「デジタル一眼レフ」に白羽の矢を立てたのは極めて象徴的である。確かにサムスンの主力四事業(薄型テレビ、携帯電話、半導体、液晶パネル)に比べれば、事業規模で見劣りする一眼レフだが、そのインパクトは決して小さくない。業界アナリストは指摘する。

「イメージセンサーのほかレンズ、光学部品、各種電子部品など基幹部品が搭載されており、これらはいずれも現在に至るまで日本勢の独壇場だった。電子部品は長年、村田製作所やTDKといった日本企業が席巻しており、市場シェアの九割以上を占める品目もある。電子部品の市場規模は二十兆円以上とも言われており、彼らにとっては熟した隣家の果実そのもの。金額もさることながら、いまだサムスンの手つかずの市場を彼らに奪われるダメージは計り知れない」

 こうした「日の丸」電子部品は、材料の配合や焼成技術など職人技とも呼べる技術的蓄積のかたまりだ。また、光学系部品は極めて高度なすり合わせ技術を要する。これらの製品は、技術上の差別化よりもコスト削減と果敢な集中投資で競争をリードするデジタル時代のサムスンの常勝パターンからは外れるもので、本来彼らが最も不得手とする領域である。

 こうした分野にまで彼らの手は伸びてきているのだ。日本勢が優位を示せる「最後の市場」に対するサムスンの戦略は、日本勢を徳俵にまで追い詰めるものにほかならない。

再開した日本人技術者の引き抜き

 電子部品の内製化は、日本に深刻な事態をもたらすだろう。特にサムスンの飛躍を支えた携帯電話端末などは、内蔵されるコンデンサーやSAWフィルター、水晶部品といった基幹電子部品は相変わらず日本製である。ウォン安で輸出が増えるほど日本からの輸入も増え、為替の逆ザヤが発生するジレンマを抱える。彼らにとってこれら電子部品は、このジレンマを解消するうえでどうしても自前で欲しい部品であり、さらに外販攻勢に転ずることができれば、再び日本勢の市場を食い荒らし、成長を手にできる一石二鳥のアイテムとなる。まるでオセロの目が次々と裏返るように、日本は顧客と市場を同時に失うことを意味する。

「サムスンは例外なくシェアナンバー1を取る。目をつけられたら逃げられない」(前出アナリスト)

 彼らの「焦土作戦」が始まるのは時間の問題であり、彼ら独自の「一眼レフカメラ」の発売がその始まりを告げることになるはずだ。

 このサムスンの対日作戦を支える原動力は、最近、彼らが再び活発化させている「お家芸」ともいえる日本人技術者の買い上げだ。サムスンはここ数年、前述の電子部品や光学系部品分野を精力的に開拓し、有能な企業や技術者個人に的を絞り、獲得に向けて動いていた形跡がある。

 昨年夏、またもや日本の有能な技術者たちがサムスンの軍門に下ったことは、業界内でもほとんど知られていない。電子部品業界の雄、村田製作所から最前線の技術エンジニア数名がサムスンに移籍した。村田製作所からは数年前にも、幹部クラスの人材がサムスンに引き抜かれている。今回はこの人脈を利用し、最新の製造技術に携わるエンジニアの獲得に成功したようだ。

 また光学系部品では、住田光学ガラスやタムロンといった、一般の日本人がその名を知らないような中小企業にまで食指を伸ばしたという情報もある。住田光学は、一眼レフカメラ用レンズを中心に、幅広く高度な光学部品を手がける埼玉県の有力メーカー。一方のタムロンは、ソニー製ビデオムービーのカメラレンズなどを手がけるやはり埼玉県の有力技術系企業である。

 前述のサムスン上級幹部の自信の背景には、こうした着々と進む人材獲得の実績もあるのだ。

 サムスンの人材戦略は、技術が人に付いて容易に移動可能であることを知らしめた。初期は隠密行動であった人材買い上げも時間が経つにつれてエスカレートし、現在では公然の事実となっている。

 チーフエンジニアクラスで三年契約一億〜二億円という相場で、日本の先行きに見切りをつけてサムスンの傭兵となる技術者が後を絶たないのが現実なのである。

中国勢の急成長に怯える

「脱エレクトロニクス」を図る今後の成長戦略で、再び照準を日本に絞ったサムスン。足元の業績を見ても、その死角を見出すのは難しいようにみえるが、決して彼らも盤石ではない。彼らは今、中国勢の台頭に戦々恐々としている。中国の技術水準の上昇スピードは予想以上で、最近では「このままではサムスンとて中国企業に負けてしまう」と指摘し始める業界関係者も出始めた。かつて、自らが日本から技術と市場を奪い取って急成長を果たしたが、今度は、中国勢が猛追するという姿が重なる。サムスンの危機感は人一倍だ。先を走る日本と急速に追い上げる中国に挟まれ、身動きが取れなくなる状態を表現した「韓国経済のサンドイッチ危機論」とは、サムスンの李健熙前会長が指摘した有名な言葉である。

 実際、中国の景気刺激策「家電下郷」によって台頭した地元企業によって、サムスンは家電製品分野で中国市場から駆逐され始めている。〇八年に市場シェア一一%でトップを快走していた液晶テレビは、〇九年上期で同五%、八位に後退した。代わって台頭した上位五社はいずれも中国勢であった。

 また半導体や液晶パネルといった先端分野でも、その兆候が現れている。半導体では中芯国際集成電路製造(SMIC)、グレース・セミコンダクター(GSMC)、上海先進半導体製造(ASMC)などが存在感を急速に増しており、液晶パネルでも吉林彩晶や上海広電集団(SVA)などの中国企業が生産量を伸ばしている。

 こうした中国勢の台頭に危機感を抱くサムスンでは、半導体など先端分野の技術情報の流出に異様なほど神経を尖らせている。特に技術情報が集まる生産工場での対策は徹底している。ソウルから車で一時間、半導体の主力工場の一つである器興工場を訪れた日本人ビジネスマンによると、「正門と建物とを結ぶ道路脇に面会専用施設が設けられている。サムスン社内の人間と外部の人間との接触は、すべてその施設内に限られ、原則社屋への立ち入りを一切許可していない。外部訪問者のみならず、敷地を出入りする全社員にまで撤底したボディチェックと赤外線カメラによる空港の通関同様の厳重な持ち出し物検査など物々しい軍事施設並みの検査が義務付けられていた」という。

 これまでも韓国は「スパイ防止法」などで国家の重要技術の流出を懸命に防いできた。有名な事件としては数年前、サムスンのエンジニアが中国企業に携帯電話端末の技術情報を漏洩したとして、逮捕、起訴された。エンジニアが利用したタクシーの運転手の通報によって事態が明るみにでたということで、韓国の情報管理の凄まじさを物語る逸話である。

 しかし、このような徹底した情報管理をもってしても、完全には技術を守れないことは、彼ら自身が誰よりも知っている。

「隣国に技術が盗み放題の国(日本)がある限り、我々がいくら技術情報を防衛したところで意味はない」(サムスン関係者)との皮肉も聞かれる。また中国勢台頭の背後には、最近、技術提携が本格化している台湾企業の存在があることもサムスンの苦悩を深めている。台湾・馬英九政権による通商政策の転換から、台湾企業の大陸進出が緩和されたこともあり、台湾から中国への技術流出はもう止められない段階にきている。
日本企業への浸食はまだまだ続く


(私のコメント)
日本の製造業の強みは技術力にあったのですが、技術者の流出でその差がどんどん埋まって来ている。3Dテレビにしてもサムスンがソニーやパナソニックよりもはるかに安い3Dテレビを売り出している。サムスンなどの韓国企業は有望な市場になりそうなところに集中的な攻勢をかけて市場を奪い取る戦略で成功してきた。DRAMや液晶パネルはその一例ですが、一眼レフカメラでも攻勢をかけて来ている。

サムスンは世界中から技術者を集めて来ていますが、特に日本からの技術者を集中的に引き抜いている。技術者ごと引き抜いてしまえばどのような技術防衛策をとろうとも不可能なわけで、日本では技術者を拘束は出来ないから技術流出は防ぎようが無い。日本のハイテク製造業がそれほど技術流出にルーズなのは、リストラや定年退職した技術者の受け皿に韓国や中国企業がなっているということだろう。

逆に見れば韓国や中国などでは自前での技術者の養成に失敗しているという事であり、自立的な技術開発は出来るのだろうか? 韓国や中国が大量にアメリカに留学生を送り込んでいるのは最先端の技術開発が出来る技術者はアメリカで勉強させないと出来ないからだろうか? 将来的に韓国や中国が技術大国になれば韓国や中国から技術者を引き抜けばいいのだから同じ事なのですが、そうなるのだろうか?

韓国のサムスンが日本企業が束になってもかなわないのは企業トップの決断力と実行力の差だと思うのですが、日本の経済や政治が弱いのはトップレベルの人材の弱さが原因であり、年功序列人事で2年でサラリーマン社長がクルクルと代わっては企業は衰弱していくし、決断力と実行力のある企業に追い抜かれていくだろう。

最近では新興国市場における日本企業の弱さが目立ちますが、日本企業は欧米市場にばかり目が向いていた。ところが世界金融危機が起きて欧米市場が縮小してしまうと日本が一番大きな影響を受けてしまった。それに対して韓国のサムスンやLGや現代は新興国向けに商売をしてきたから、その差が日本企業の不振となって現れた。

日本企業でもスズキ自動車のようにインドなどで成功した企業もありますが、多くの企業はアメリカにばかり目が向いていた。しかしそのアメリカでも液晶テレビなどはサムスンやLGなどの韓国企業のひとり勝ちであり、日本メーカーの液晶テレビは霞んでしまっている。日本はもっぱら製造装置や資本財などの輸出国になり、製品の輸出は少数派になった。

だから技術者ごと韓国や中国に製造装置を売っているとも言えるわけですが、だからこそ日本や韓国や中国が世界の工場として一大経済圏を作ろうとしている。経済戦略的に見れば日本一国では欧米からの貿易摩擦などで対抗し切れませんが、工業製品などの規格などで日中韓が連携すれば圧力で押し通せるようになるだろう。

高圧送電技術なども日本とドイツとが規格争いをしていましたが日本が中国を取り込むことで企画として認めさせることに成功した。クロマグロの問題にしても中国を味方にすることでモナコ提案をひっくり返しましたが、従来ならば欧米がまとまれば日本はそれに従わざるを得なかった。電気自動車などの工業規格にしても同じであり、欧米対日本という構図では日本はどうする事もできませんでしたが、中国を取り込めば形勢は逆転する。

中国や韓国に対して条件反射的に貶す人がいますが、そうではなくて日本のために協力させればいいのだ。その為には日本から人材を送り込んでNOとは言わせない関係にすることだ。中国にしても韓国にしても経済発展が一番の課題であり、日本の協力無しにはできないと言う認識が出来ればそれは可能だ。

日本の技術が流出していると言う事は日本の技術が広まっているという事でもありますが、携帯電話などにおいても日本はガラパゴス化してしまって国際規格から孤立してしまった。この点ではヨーロッパでは国の数で押し切ってきたし、アメリカは国力で工業規格を決めてきた。それに対して日本はどちらも無い。それに対して中国や韓国を取り込めれば欧米に対抗できるわけですが、それだけの戦略が日本には無い。

ガラパゴス化した日本の携帯も3G携帯で巻き返しを図らなければなりませんが、中国市場が決戦場になります。3G携帯ともなると携帯の機能やアプリケーションや勝負になりますが、iPhoneのようなスマートフォンが主力になるだろう。日本もアンドロイド携帯で参入していますが、ガラパゴスから脱却できるかは中国市場が決戦場になる。

これから勝負になるのは半導体のようなハード部品よりも携帯に乗せるソフトであり、その開発力が勝負の分かれ目になる。3G携帯の利用ではガラパゴスの日本が特異な進歩を遂げているのですが、これを中国や韓国において標準化できればパソコンでの失敗を取り返すことが出来るだろう。ソフトとなれば一技術者を引き抜いたとしてもブラックボックス化した技術をコピーする事は難しい。




F−Xは費用対効果を考え、F−2改良型を増産するか、ユーロファイターを
ライセンス生産するのが取るべき道ではないかと思う次第です。


2010年3月26日 金曜日

巨額コスト 翼にズシリ F35米配備計画「失速」 3月21日 iZa

米国が、英国など8カ国と協同開発を進めてきた次世代戦闘機「F35ライトニングII」の配備計画が暗礁に乗り上げている。調達価格が当初予想の1機約5000万ドル(約45億円)の倍近くに達し、導入時期も2年ほど遅れるとの予測が示されたためだ。F35は、中国との制空権争いを想定する航空自衛隊が次期主力戦闘機(FX)の最有力候補としているだけに、日本政府の選定作業への影響は不可避だ。

「国防総省のお粗末な調達計画やコスト感覚の欠如で費用が増大したことに目をつぶってまで、議会が今後もF35の開発計画を後押しすると思うべきではない」

 上院軍事委員会のレビン委員長(民主党)は今月11日の公聴会で、F35の調達価格が1機当たり約8000万ドルから9500万ドルになるとの見通しを示した国防総省のフォックス部長(価格評価担当)を厳しく叱責(しつせき)した。

 国防権限法にある規定では、開発中の兵器の価格が見積もりより15パーセント以上高くなった場合、国防総省は議会へ通告しなければならない。また、25パーセント以上高くなった場合、議会は国防総省に計画中止を求めることができる。

 同じ公聴会に出席した国防総省のカーター次官(調達担当)は、価格が跳ね上がった理由について「海兵隊用の垂直離着陸型が過重となり、これを改良する必要があった」と語る。

 F35は17日、メリーランド州の海軍基地で初めて上空で約1分30秒間停止することに成功。次回は上空で停止した状態からの着陸実験を行うが、ロシアは今年1月、第5世代戦闘機の「スホイT50」の初飛行を成功させており、こうした動きも米側の焦りにつながっている。

 国防総省は昨年、1機当たり約1億4000万ドルという高額の最新鋭戦闘機「F22Aラプター」の生産中止を決め、FX候補として第5世代のステルス戦闘機F22の獲得を目指してきた日本側を落胆させた。

 F35の共同開発でも日本は武器輸出3原則の縛りで参加できず、日本の安全保障は米国など開発・輸出国の都合に左右されてきたのが実態だ。

 「ユーロファイター」(英独他)など、F35と違って日本がライセンス生産できる戦闘機もあるが、いずれもステルス性のない第4世代で中国空軍が配備を急ぐ「J10」「SU27」と戦闘能力は互角程度とされる。また、「空自戦闘機は従来、米国仕様で、単に価格と性能だけで欧州の機体を導入するには違和感がある」(防衛省関係者)という。

 米軍の武器開発に詳しい米シンクタンク、ヘリテージ財団のイーグレン研究員は、「F22の開発を止めた今、頼みの綱はF35しかない。第5世代戦闘機の開発には長期間かかるため、F35の開発を止めたら米国の安全が著しく脅かされる」と指摘。「日本が共同開発に参加できれば価格低下にもつながるし、何よりも日本の安保上、大きな利点がある」としている。(ワシントン 佐々木類)


何かと話題のF-35について 2009年10月 9日 夢閑人倶楽部

航空自衛隊のF-X選定が混迷を続けています。永らく主力のF-15とともに防空の任務に就いて来たF-4EJファントムが耐用年数を迎え、数年前からその後継機を選定していますが未だに方針が明らかにされません。空自の意向としては完成機の輸入であってもF-22ラプターを熱望していたとされますが、議会が輸出を禁止していたのと先月に生産の打ち切りが決定して導入することは不可能となりました。

その他の候補として現在開発中のF-35ライトニングUとユーロファイタータイフーンがあります。F-35はF-16他複数の機種の後継として国際共同開発されましたが、安価で高性能を目指したはずが、開発が難航して大幅に計画が遅れています。価格もウナギ昇りとなって各国の導入計画に狂いを生じています。また、共同開発機であることから我が国が希望するライセンス生産が認められるか、現時点でははっきりしません。もう一方のユーロファイターですが、ライセンス生産はOKで、価格もF-35より安価となっています。どちらも一定のステルス性を持っていますが、F-35のほうがステルス性が高くF-22に次ぐ性能と言われています。

空自は候補機の調査のために当該国に調査団を送って来ましたが、実際の運用についてどこまで考えているか大いに疑問です。空自はどうもステルスと言う言葉に弱いようで、F−22が駄目ならF-35をと考えているようですが、それで良いのでしょうか?四方を海に囲まれている我が国では陸地を離れた海の上で敵を迎え討つことになり、航続距離の長さが必須となりますが、国産のF-2の4000Kmに対してF-35は2200Kmしかありません。敵を迎え討っている最中にガス欠になってしまうようでは話になりません。また、F-35はミサイルや爆弾を機内に搭載する方式ですが、そのため我が国が運用している国産ミサイルは全く使用出来ません。搭載可能なミサイル数もF−2が中距離対空ミサイルを4発、短距離のミサイルを4発の計8発を搭載出来るのに対して、F−35は全部で4発しか搭載できません。

また価格にしてもF−2が約120億円で高すぎると言われて調達が打ち切られましたが、F-35は’08年現在で2500機で2760億ドルですから1機あたり約100億円となります。但しこれは米国防省が購入出来る値段なので、我が国が輸入する場合はその2倍程度になると言われています。F−2と比較して航続距離が半分しかなく、ミサイルも半分しか積めず、価格が2倍近いのがF−35なのです。

また、ステルスについてはレーダーホーミングミサイルの回避などで、あったほうが良いのは勿論ですが、現在ではFLIR(赤外線前方監視装置)の進歩もあり完全に機影を秘匿出来るとは考えられません。また、通常よりも長い波長のレーダーで捕捉可能であるとも言われています。F-35のステルスも前方重視のものであって側面方向はあまり考慮されていないとされていますし、国際共同開発で輸出が前提となると、米国がステルスの肝となる技術を気前良く使っているとは思えません。搭載するレーダーの探知能力もF-22の2/3程度と言われています。

先日我が国からの機体情報の照会に対して、ステルスを除く機体性能の情報料として10億円が必要との回答があったようですが、大金をはたいてまで我が国の国情に合わない機体の情報を入手する必要を感じません。F−Xは費用対効果を考え、F−2改良型を増産(共同開発国の米国の同意が必要ですが)するか、ユーロファイターをライセンス生産するのが取るべき道ではないかと思う次第です。



(私のコメント)
FX問題については「株式日記」でも何度か書いてきましたが、有力な候補機種であったF35の開発が遅れてコストが急上昇している。航空自衛隊のF4ファントムは錆だらけのポンコツ戦闘機であり、至急に後継の戦闘機の導入が求められている。大本命だったF22もアメリカでの生産の中止が決定して採用が不可能になり、次の候補だったF35もまだ開発段階では間に合わないだろう。

昨日のBSフジでFX問題をやっていましたが、元防衛庁長官や元航空幕僚長が出席していましたが、F22やF35が第五世代という事で過大に評価しているようだ。確かにステルス戦闘機はレーダーに探知されないと言うことで画期的なのですが、実用性から言ってどうなのだろうか? 現行のレーダーからは見えなくとも赤外線レーダーなどの進歩で無意味ななる可能性もある。

F15やF18の改良型でステルス性能を向上させることも可能なのだろうか? ステルス戦闘機はミサイルなどを機内に格納するからレーダー波を反射させないのですが、それだと積めるミサイルが限られてしまって、より改良されたミサイルが積めなくなる事もあるだろう。F22やF35は運動性能も向上していますが、それよりかは無人戦闘機の方が実用性はあると思う。

アメリカがF22の生産を中止したのは有人戦闘機の開発には費用ばかりが巨額になり実用性に疑問を持ったからだろう。現にアフガニスタンでは無人の戦闘機が大活躍してタリバンなどを爆撃している。たとえ打ち落とされても無人戦闘機だからパイロットの犠牲はない。だから「株式日記」では無人の戦闘機の開発を提唱している。

もちろん有人の戦闘機がいらないと言うわけではありませんが、パイロットも養成にも費用がかかり機体の開発にも費用がかかる有人戦闘機は無人戦闘機のサポート役になるだけだろう。だからF4ファントムの後継機種は汎用性のあるF2の改良型やF15やF18の改良型でも良く、ユーロファイターでもかまわないだろう。その浮いた分の費用を無人戦闘機の開発に向けたほうがいい。


無人戦闘機の時代にバカ高いF22を欲しがる航空自衛隊、アメリカが売らないのなら安いユーロファイターの国産化のほうが国策にかなう。 2009年7月30日 株式日記

(私のコメント)
FX問題は日本の国防では大きな問題なのですが、アメリカとの外交関係にも大きな影響を及ぼします。しかしアメリカが最新鋭のF22を日本に売らないと言うのですから日本はフリーハンドを得た事になる。ならばF22に次ぐ戦闘機であるユーロファイターを導入するのは当然の成り行きだ。

私自身もF22は総合的に見て失敗作だと思う。アメリカ軍自身もおそらく失敗作であり実用性に欠けていると見ているのではないかと思う。F22は非常にデリケートであり1時間飛んだだけで30時間の整備が必要だと言われています。さらには雨に弱くて雨に濡れるとステルス性も落ちるようだ。

だから私はF22の導入には反対であるし、これからは無人戦闘機の時代に入りつつあります。イラクやアフガニスタンの戦闘では無人偵察機が大活躍であり、テロリスト攻撃にも無人偵察機からのミサイル攻撃が有効なようだ。戦闘機に限らずこれからの兵器はロボット化された無人兵器の時代であり、日本の自衛隊も無人ロボット兵器に対応すべきだ。

自衛隊においても自衛官の募集は難しくなっており、海上自衛隊も航空自衛隊も兵器の無人化ロボット化で対応しないといけなくなるだろう。航空機にしても潜水艦にしても人間が乗り組むと制約が生まれますが、無人化すれば性能の向上において制約はなくなる。潜水艦にしても人間が乗り組めば食料などの制約で1ヶ月が作戦期間の限度ですが、無人潜水艦ならその制約はない。

戦闘機においても無人戦闘機ならドッグファイトでも強力な重力に耐えられるから無敵だし、ステルス性などにおいても制約が無くなる。さらにジェットパイロットを養成するには巨額な費用がかかりますが無人戦闘機ならその費用が要らない。万が一敵に攻撃されて撃墜されても戦死者が出ないのだから、これほどの利点はないだろう。

無人戦闘機は用途にもよりますが開発コストも一桁安く作ることが出来る。テストパイロットも必要ないし思い切った設計が可能だ。将来的には無人兵器が主力になり、人間は無人兵器には出来ない補佐的な役割を担うようになる。だから次期戦闘機にも多用途戦闘機が必要なのであり、F22では用途が限られる。

ユーロファイターは最初から多用途戦闘機として作られており、用途に応じて改造して使うことも可能だ。F22ではネジ一本いじくる事ができない。アメリカがF22を売らないと言うのもアメリカとしての親心なのかもしれない。無人ジェット機に使われるエンジンは当然異なってくるし日本がこれから開発するにしてもハンデは少ない。

イラクなどでは無人の戦車が開発されて実用化されている。有人の戦車だと兵員を守る為に分厚い装甲が必要であり、50トン以上もある巨大な戦車になってしまいましたが、無人戦車だと小型軽量で高い機動力が持てるようになる。だから空輸などにしても一度の多くの戦車を送り込む事が可能となる。


(本日の私のコメント)
イラクやアフガニスタンの戦闘を見ると、陸上でもリモコン操作のロボットが戦闘や爆発物処理などに大活躍ですが、空でも無人戦闘機が大活躍だ。例えば日本と北朝鮮が戦争状態になった場合、有人戦闘機や有人戦車を投入する事は非常なリスクを伴うだろう。戦死者が出れば新聞などのマスコミが騒ぎ立てるだろう。ところが無人戦闘機や無人戦車が破壊されても戦死者がゼロに出来る。

近未来の戦争がアフガニスタンで行なわれていますが、日本の新聞やテレビはこのような戦争をほとんど報道しません。今ある自衛隊の兵器はほとんどが実用性に欠けたものであり、開発している戦車も有人の戦車で実際には使いものにならないだろう。無人戦車なら軽量で飛行機にも沢山積めて北朝鮮上空でばら撒けば効果的だろう。輸送機も当然無人機だ。



アフガン:南部避難民「ゲーム感覚で人殺し」 米無人機空爆に憤り 2009 年 7 月 31 日 阿修羅

パキスタン部族地域で続く米軍の無人機によるミサイル攻撃が、
武装勢力タリバンが支配するアフガニスタン南部でも多発している。
無人機は今年に入って、従来の武装ヘリや戦闘機に代わって投入されるようになり、
多数の市民が空爆に巻き込まれているという。
攻撃で家族や家屋を失い、カブールに避難してきた人々は
「ゲーム感覚で人殺しが続いている」と憤った。

カブール郊外にある避難民キャンプ。
南部のヘルマンド州やカンダハル州などからの避難民約1万3000人が暮らす。

ヘルマンド州サンギン地区ミヤンルディ村から5月にたどり着いたヌール・モハマッドさん(28)は、
血を流して横たわる我が子2人の遺体写真をポケットから取り出した。

1月にタリバンが村にやってきて米軍の車列を銃撃。
数分後、「パイロット席のない小型機」が飛来し、ミサイル攻撃を開始した。
しかし、タリバンは村から逃げた後。
長男(5)と長女(4)は空爆で倒壊した家屋の下敷きになり、まもなく息を引き取った。

「米国はなぜ我が子を殺したのか。タリバンだと言うのか」
怒りを殺した静かな口調で問いかける。

爆撃で人口約7000人の村は壊滅状態となり、
モハマッドさんは家族6人を連れてカンダハル郊外に避難。
カンダハルも5月に戦闘が激化したため、カブール行きを決めた。

今年に入ってキャンプにたどり着いた避難民たちは、
米軍の攻撃が従来の有人機から無人機に代わったと口をそろえた。
トカゲの頭のような前部を持つ機体や金属音を響かせる特徴から、
パキスタンへの越境攻撃で使われている無人機と同タイプとみられる。
アフガン南部では今、頻繁に飛び回る姿が目撃されているという。

無人機は先端に取り付けられたカメラからの映像をもとに遠隔操作されている。
2月に無人機による空爆で母親を失ったという
サンギン地区の別の村から来たミルアジャンさん(35)は
「安全な場所にいる人間が、痛みも分からずに遊び感覚で人を殺しているのだろう」と語った。





アメリカ政府が中国をコントロールするには日本の協力無しには出来ない。
日中が協力すればクロマグロ問題のように欧米の圧力をひっくり返せる。


2010年3月25日 木曜日

日本は空前の速さで中国に近付いている―米誌 3月22日 レコードチャイナ

2010年3月17日、米誌「The Philadelphia Trumpet magazine」(電子版)は「日本は猛スピードで中国に近づいている」と題した記事を掲載した。以下はその概略。

国債の大量発行、経済の衰退およびトヨタのリコール問題により四面楚歌に陥った日本はかなり衰弱している。先週の英紙フィナンシャル・タイムズでコラムニストのギデオン・ラックマン氏が指摘した通り、自らの衰弱を感じ取っている日本が取る行動は全世界に影響を与えるが、日本は今、中国と「特殊な関係」を築こうとしているのは明らかで、鳩山由紀夫首相が就任当初に掲げた政策は「かなり練り上げられた」印象を持った。

トヨタのリコール問題でも米中に対する態度は違った。7万5000台をリコールした中国で記者会見を開いた豊田章男社長が2度もお辞儀をしたのに対し、600万台をリコールした米国でのそれは中国より少なかった。トヨタが今後、米国より中国市場を重視していくのは明らかだ。

ワシントンに対する日本の冷淡な態度は沖縄の基地問題をめぐる論争からも分かるように、更なる広がりを見せている。鳩山首相はなるべく東京とワシントンを「平等な」関係に持ち込もうとしており、同時に、中国や他のアジア諸国と手を組んで「東アジア共同体」を築き上げようとしている。

日本は米国との安全同盟から離れ、近隣の「東方の王」と堅固な関係を築こうとしている。日本の重心が移るのは珍しいことではないが、今回は未曾有の速さだ。第2次大戦以降、東京はずっと西側を手本として来た。だが、深く染みついた東方国家イデオロギーが日本を根源に引き戻した。日本の西側離れは今後も続き、日中関係を更に強化していくだろう。(翻訳・編集/NN)


中国がアメリカに背を向ける理由 3月18日 ニューズウィーク

社会が豊かになり、外の世界の情報がふんだんに入ってくるようになって、13億人を超す国民を管理することが昔より難しくなっている。中国の指導者はアメリカの目を気にしなくなったわけではないが、それ以上に国民の目を気にせざるを得なくなった。

 今や世論の動向を無視すれば、共産党支配の存続が脅かされかねない。「現在の中国政府はこれまでなかったほど、国民のナショナリズムの高まりに応えて振る舞いを決めなくてはならなくなった」と、中国屈指のアメリカ専門家との呼び声も高い北京大学国際関係学院の王緝思(ワン・チースー)院長は言う。

 中国政府は膨大な時間と予算をつぎ込んで、世論の動向を調べている。世論調査を委託したり、覆面調査員に一般市民の本音を探らせたりもしている。なかでも最大の情報源はインターネットだ。ブログや電子掲示板への書き込みは、国民の草の根レベルの感情を映す鏡とおおむね見なされている。

「世論とは主にネットユーザーの意見のこと」だと、中国人民大学国際関係学院の金燦栄(チン・ツァンロン)副院長は言う。「中国のネットユーザーは、アメリカより1億5000万人多く、3億8400万人。中国の指導者は方針を決める際、この層の多数意見に大きく注目する」

 中国政府がネット世論を意識して行動するとはぞっとする話だ。中国のネットユーザーの中心は、都市部の若い男性。最も愛国主義的感情を爆発させやすく、政府の対外的な「弱腰」に最も激しくかみつく層とぴったり一致する。もっとも、街頭の抗議活動などで最も暴走しがちな層を注視するというのは、政府にとって間違った発想ではない。

問題は、中国の振る舞いが国外でいかに反発を買っているかを中国政府が見落としている可能性があることだ。確かに、世界の国々は景気後退からいち早く脱却した中国に嫉妬している面もある(政府発表では、09年第4四半期の経済成長率は10.7%)。とはいえ経済力が高まれば、それだけ国際社会への貢献が求められるのは当然だ。

 中国は主要国のなかで唯一、核開発問題でイランに新たな制裁を科すことにいまだに抵抗し続けているようにみえる。09年12月にコペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)でも中国代表は非協力的な態度に終始し、外交儀礼に反してオバマを嘲笑した。

 中国政府は人民元の切り上げを求める声も突っぱね続けている。欧米で失業が深刻な問題となるなかで、この件が政治的な火種になることは避けられないだろう。



(私のコメント)
今年に入って米中関係は急速に変化していますが、チャイメリカとかG2とか言われていたのが夢のようです。昨日も書いたようにグーグルの中国撤退は大きな転換点となるだろう。こればかりは中国政府としても譲れない問題であり、グーグルにしても検閲を認めたうえでの中国進出だったはずだ。

今年中に中国は日本を上回る経済大国となりますが、中国を改革開放させて経済発展を促したのはアメリカだ。91年にソ連が崩壊してアメリカに経済的な脅威をもたらしていた日本にチャイナカードを使って日本弱体化を打ち出した。ジャパンバッシングは非常に効果を上げて日本は90年代から経済的な停滞が続いてきて中国に追い越されるほどに弱体化した。

中国の人民元の切り下げは近隣諸国に大きな影響をもたらしますが、一番大きな影響を受けたのが日本だ。中国から安い製品がどんどん入ってくるようになり、物価がじりじりと下がるのも中国製品のせいだ。100円ショップに並ぶ商品も多くが中国製品であり割り箸や爪楊枝まで中国製になった。

日本のデフレ経済は円高と人民元安が原因であり、製造業の中国進出で日本の空洞化が進んだ。日本の労働賃金の低下も中国の労働者と比べられてはかなうはずが無いのであり、若年労働者は非正規労働を強いられるようになり正社員比率は年々低下した。グローバル企業は業績が向上しても中小企業はどんどん競争に負けて町工場は廃業が相次いだ。

90年代から続いている日本たたきはオバマ政権でも続けられてトヨタから叩かれている。日本はまさに米中に挟み撃ちにされて影が薄い存在となり、アメリカ政府高官も日本を素通りして米中関係はますます緊密化してきた。こんな事を続けていれば日本国民のアメリカ離れが進むのは当然であり、親米の自民党政権が選挙で敗れて親中の民主党政権が誕生した。

沖縄の普天間基地の問題は単なる移転問題ではなく、在日米軍の存在意義を考えさせるものであり、米中の緊密化が進めば米軍の再編成で在日米軍も縮小の兆しが見られるようになった。沖縄の海兵隊のグアム移転もその一つですが、三沢のF16部隊も本土に引き揚げる事が計画されている。このように在日米軍も段階的な縮小が行なわれていくものだと思われていた。

だから鳩山政権でも普天間基地のグアム移転はスムーズに決まるかと思われましたが、アメリカ政府は強硬に現行案に拘りを見せた。中国から見ればレコードチャイナ紙が書いているように「日本は米国との安全同盟から離れ、近隣の「東方の王」と堅固な関係を築こうとしている。」と見られるようになりましたが、日本政府の外交方針の転換に驚いたのはアメリカだ。

地政学的にみてもアメリカは日本の協力無しには対アジア政策は不可能になる。だからこそアメリカ政府は日本に軍事基地を85箇所も置いて占領状態においているわけですが、日本政府が日米安保を解消するから出て行ってくれといえば1年以内に米軍は出て行かなければならない。冷戦時代は考えられなかった事ですが冷戦の終了は日米関係の希薄化が避けられない。

90年代からの状況が変わってきたのは中国の台頭であり、経済的軍事的台頭は新たなる冷戦構造が甦りつつあるのだろうか? 軍事力から見れば中国軍など相手ではないとアメリカ軍は見ていましたが、アメリカ自身が経済危機で急速に衰退の兆しが見られるようになり、60兆円もの軍事予算を計上する事は困難になるだろう。

オバマ政権は国民健康保険制度を可決しましたが1年間に9兆円もの支出が必要になります。その予算を何処から持ってくるのでしょうか? 軍事費を削るしか方法はなくイラク・アフガン戦争もやってはいられなくなるでしょう。赤字分は国債を発行しなければなりませんが外国に買って貰わなければなりません。買うのは何処でしょうか? 日本と中国しかありません。

このように日本はアメリカに叩かれ続けながらもアメリカを支えてきたのですが、オバマ大統領の米中G2発言は日本国民のアメリカへの信頼を裏切るものであり、親米の自民党政権は面子を失ってしまった。万年野党だった民主党政権の選挙での大勝利は予想外の事であり、親米一筋だった自民党への失望感があったのだろう。

アメリカにしても政権交代が起きても日米関係はかわらないと言う見方だったのでしょうが、普天間基地問題で見直しの方針でアメリカ政府はビックリしてしまった。ゲイツ国防長官が飛んで来て恫喝していきましたが逆効果になってしまった。それでアメリカ政府は急遽対中国政策を180度転換して新たなる冷戦構造を築こうとしている。

このような状況を見れば日本がアメリカに付くか中国に付くかで世界の覇権構造が変わるのであり、日本は重要な位置を占めている。それを認識していないのが政治家や学者たちであり、アメリカに付いていれば大丈夫という親米派が主流を占めていた。もし日米安保が解消されれば韓国や台湾やオーストラリアや東南アジアに至るまでのアメリカの覇権構造が大きく崩れる事になる。

深読みすれば中国による日米の分断工作が上手く行っているとも言えるのですが、アメリカ議会による日本たたきはそれを加速させるものだ。トヨタの豊田章男社長はアメリカで叩かれた後にすぐに中国に飛んで行ったのは象徴的だ。今では日本にとってはアメリカよりも中国が最大の貿易相手国であり、アメリカ市場はだんだん衰退していくだろう。

米中関係が今後どのような動きになるのかはよく見えませんが、日本は梯子を外されないように注意しなければなりません。日本が中国に接近すればするほどアメリカは中国に対して強硬になるだろう。アメリカも日中分断工作をしているのであり、アメリカの外交はその時の都合でクルクルと変わる。むしろ中国の方が共産党単独政権なだけに急激に変化する事はない。

日本はクロマグロ問題では中国の力を借りてモナコの議案を大差で否決しましたが、日本は米中を両天秤にかけて世界を動かす事が出来る。COP15の国際会議でもアメリカの力が落ちている事は明らかであり、力はあってもアジア・アフリカ諸国からは恨まれて孤立している。日本は先進国の一員でもありアジアの一員でもあるから政治力を生かせば主導的な立場にあるのですが、それだけの政治家がいない。




創造的才能を「食い物」にするのは共同体にとって長期的にどれほど
致命的な不利益をもたらすことになるか、中国政府は評価を誤った。


2010年3月24日 水曜日

中国検索サービスから撤退=「言論の自由」めぐり政府と物別れ−米グーグル 3月23日 時事通信

【シリコンバレー時事】インターネット検索最大手の米グーグルは22日、中国本土でのネット検索サービスから撤退し、同日から香港を拠点とする同社サイトで検閲抜きの中国語版検索サービスを始めたと発表した。一部情報を非表示とする事前検閲制度の撤廃を求めた中国当局との交渉が物別れに終わり、「言論の自由」が保障されない環境下でのサービス継続は困難と判断した。

 グーグルによると、中国法人自体は維持。北京や上海で手掛ける研究開発事業や主に多国籍企業を対象とする中国国外サイトへの広告仲介など検索以外の事業は継続する。

 同社が当初警告していた全面撤退を回避した形だが、営業担当者や技術者ら従業員計約600人の雇用に関しては、「今後、中国本土から香港のサイトにアクセスできるかによる」と指摘、中国当局による接続制限などの措置が講じられた場合、人員削減が不可避との見通しを示した。

 同社のドラモンド上級副社長は発表の中で、「中国政府は一貫して検閲ルール維持にかたくなで、議論の余地がなかった」と批判。その上で、香港を代替拠点とする「賢明な解決策」(同副社長)を尊重するよう当局に要請、強制遮断などの対抗措置を講じないよう重ねて訴えた。


グーグルのない世界 3月24日 内田樹

中国政府の検閲の停止を求める交渉が決裂して、グーグルが中国から撤退することになった。香港経由で検閲なしのサービスを開始するが、すでに香港版サイトには中国本土からの接続が困難になっている。接続者の殺到によるものか、中国政府の妨害かはまだわかっていない。

「グーグルが存在しない世界」に中国が取り残された場合、それがこれからあとの中国における「知的イノベーション」にどれほどのダメージを与えることになるのか、いまの段階で予測することはむずかしい。だが、この「事件」のよって中国経済の「クラッシュ」は私が予想しているより前倒しになる可能性が高くなったと私は思っている

中国の経済成長はいずれ停滞する。それは不可避である。これまで右肩上がりの経済成長を永遠に続けた国は存在しない以上、中国の成長もいずれ止まる。

その成長をブロックする主因は、「知的イノベーション」の重要性を見誤ったことにある。中国の危機は「著作権」についての施策において予兆的に示されている。ご存じのようにかの国においては他国民の著作物の「海賊版」が市場に流通しており、コピーライトに対する遵法意識はきわめて低い。それによって、現在のところ中国国民は廉価で、クオリティの高い作品を享受できている。

(中略)

オリジナリティに対する十分な敬意と報酬が約束される社会に彼らは出て行ってしまう。中国は欧米先進国のテクノロジー水準に「キャッチアップ」する過程で、緊急避難的に「オリジネイターに対する敬意」を不要とみなした。そのことは「緊急避難」的には合理的な選択だったかもしれない。けれども、それは社会生活の質がある程度のレベルに達したところで公的に放棄されなければならない過渡的施策であった。

中国政府はこの「過渡的施策」を公式に放棄し、人間の創造性に対する敬意を改めて表する機会を適切にとらえるべきだったと思う。けれども、中国政府はすでにそのタイミングを逸したようである。創造的才能を「食い物」にするのは共同体にとって長期的にどれほど致命的な不利益をもたらすことになるかについて、中国政府は評価を誤ったと私は思う。

グーグルの撤退も同じ文脈で理解すべきことだろう。これは「クラウド・コンピューティング」というアイディアそのものが中央集権的な情報管理政策と両立しえないという重い事実を表している。私たちはひさしくIBMとアップルのモデルに準拠して、「中枢管理型のコンピューター」と「パーソナルなコンピューター」が情報テクノロジーにおける根源的な二項対立図式だと思ってきた。

グーグルはそのモデルがもう古くなったことを教えてくれる。世界は情報を「中枢的に占有する」のでもなく、「非中枢的に私有する」のでもなく、「非中枢的に共有する」モデルに移行しつつある。これは私たちがかつて経験したことのない情報の様態である。そして、これが世界標準になること、つまり私たちの思考がこの情報管理モデルに基づいて作動するようなることは「時間の問題」である。

中国政府は近代化の代償として、情報の「中枢的独占」を断念し、市民たちが情報を「非中枢的に私有する」ことまでは認めた。けれども、そのさらに先の「非中枢的に共有する」ことまでは認めることができなかった。「雲の上」を中国共産党以外にもう一つ認めることについての強い政治的抵抗のためだろう。

グーグルの撤退が意味するのは、一情報産業の国内市場からの撤退ではない。そうではなくて、ある種の統治モデルと情報テクノロジーの進化が共存不可能になったという歴史的「事件」なのである。

情報テクノロジーの「進化」と切断することがどれほどの政治的・経済的・文化的ダメージを中国にもたらすことになるのかは計測不能である。それは国産の情報テクノロジー「ミニテル」に固執したせいで、インターネットの導入が遅れ、そのせいで、巨大な社会的損失をこうむったフランスの直近の例とは比較にならない規模のものになるだろう。

隣国の「没落」がいつ、どういう形態で、どの程度の規模で始まるのかについて、リアルでクールなシミュレーションを始める時期が来ていると私は思う。



(私のコメント)
私がこうして毎日「株式日記」が書けるのもグーグルのおかげなのですが、グーグルはマイクロソフトと並ぶIT企業であるだけに、中国からの撤退は中国にとっても大きな痛手だろう。マイクロソフトにしてもウィンドウズがコピーされまくって商売にならないと思うのですが、いずれマイクロソフトも中国から撤退という事もあるだろう。

検索ソフトというのは一種の情報革命であり、コンピューターを使って情報を検索すれば一瞬にして選び出せるというのは革命だ。グーグルは世界中にデーターセンターを作って情報をそこに貯めこんでいて、非常に大きな情報インフラになっている。このような情報インフラを手にすれば世界中の情報が手に入る事を意味する。

中国がグーグルを追い出したのは情報を管理される事を恐れたからだろう。中国には国産の検索システムを構築しているからグーグルを追い出すのは当然の行動でもあるのかもしれない。Eメールはすべてどこかの機関に傍受されているのは常識ですが、中国政府は反政府活動家のメールを傍受しようとしてグーグルのサイトにハッカーした。

だからこれはグーグルという一企業の問題ではなくて情報戦争の一部であり、中国がグーグルによって情報管理されることを恐れた措置だと思う。グーグルは世界中のブログやメールなどをデーターセンターに貯めこんでいるから検索も可能なのであり、日本ではかつてこれは著作権法違反だとしてデーターセンターを作ることが出来なかった。

「2ちゃんねる」などのデーターもアメリカのデーターセンターにあるそうですが、日本はなにかと著作権法が障害となって音楽ソフトやアダルトビデオやユーチューブのデーターセンターはみんなアメリカにあるような状況になってしまった。日本のデーターセンターに置いておくといつ違法になるか分からないからアメリカのデーターセンターを利用するようになる。

ソニーのウォークマンがアップルのiPodにやられてしまったのも著作権法をの壁があったからであり、電子書籍などでもiPadにしてやられるのは時間の問題だ。このように日本には中国のような検閲システムはありませんが著作権法が音楽や著作物の電子化に障害になっている。

グーグルは著作物の電子化にも取り組んでいますが、英語圏では著作物の全文検索も可能になる時代が来ている。これは日米では著作権に対する解釈が異なる為であり、日本では厳格に解釈されているからウォークマンはiPodにやられた。電子書籍なども既に絶版になり図書館でしか見られないような著作物は電子化して公開しても問題は無いと思うのですが、要するに文化の違いなのだろうか。

中国の検閲体制にしても文化の違いであり、反体制的言論は許されていない。日本にしても著作権法の厳格さは不可解なものがあり、場末の喫茶店でピアノを演奏しただけでも著作権法違反になる。確かに創作物に対する保護は必要なのでしょうが、新たなる産業の育成に阻害になるようなほど厳格に規制する事が必要なのだろうか?

日本でグーグルのような検索ソフトを作ることが出来なかったのも著作権法の過剰な規制が原因であり、著作権法の過剰な規制が言論弾圧の手段になってしまっている。おそらく近い将来本や新聞や雑誌などは電子書籍で見る時代が来るのでしょうが、日本では本屋などの書店組合などが著作権法を楯に電子書籍を潰しに来ている。

これは郵便を守る為にインターネットを潰せといっているのと同じであり、中国の検閲体制を非難している場合ではない。著作権者や創作者の立場からすれば電子書籍は出版社や書籍流通業者から開放される事であり、電子書籍が一般化すれば、iPadにしても1冊分ダウンロードすれば電話料金のように小額でも販売が可能になる。

これに対して出版社や新聞社や取次ぎ業者や書店組合は死物狂いで妨害行為に出るだろう。だからグーグルは中国での言論弾圧や検閲体制が対立しているように、日本でも電子化に抵抗する勢力が著作権法を楯にグーグルと揉めている。しかし時代の流れは著作権法に対して緩やかになる方向に来ており、そうでなければ日本が電子書籍に乗り遅れる事になるだろう。

現在ではブログやメールマガジンの有料化は一部でしかありませんが、iPadのような端末で見るようになれば電話料金課金で一回5円とか10円でも課金が可能になる。「株式日記」を一回見れば10円なら毎日10万円以上の収入になる。1冊100円で本を出版して1万冊売れれば100万円の収入になる。売れっ子の作家なら1冊1000円で10万冊売れれば億万長者になれる。

つまり作家や創作者にとって著作権法を厳格にして電子書籍を潰した方がいいのか、それとも電子書籍化を進めた方がいいのかは結果は明らかだ。1冊10円とか100円なら違法コピーするよりもダウンロードして買ったほうが楽だから違法コピーは無意味になる。DVDソフトにしても1回300円でダウンロードできれば海賊版を買う人はいなくなる。


iPodの著作権料 朝日「誤報」の裏の裏 2007年7月号 ファクタ

5月17日付の朝日新聞朝刊に「iPod vs JASRAC 著作権料2.5億円不払い」と題された署名記事が載った。その内容は、携帯音楽プレーヤー「iPod」にダウンロードして楽しむ音楽の配信サービスで、米アップル社が支払うべき著作権料が日本側に支払われていないというもの。

ところが、一転して19日付の同紙朝刊では訂正記事が載る。「『日本側に支払われていない』とあるのは『JASRACに暫定使用料を支払ったが、著作権者には届いていない』の誤り」とする、記事の根幹が揺らぎかねない内容。しかも、訂正記事の横にはわざわざ「アップル側、支払い済み」と関連記事まで掲載する念の入れよう。アップルがかなりの剣幕で怒ったため、訴訟沙汰を恐れた朝日がひるんだようだ。(中略)

「iTS」の場合、500万曲が一気に利用できるようになったため、利用報告をまとめる作業が膨大となっている。しかし、ネット配信時代にJASRACの対応が後手に回ったのも事実。実際にはカラオケ対応くらいが関の山のJASRACは、もう時代遅れになっているのだ。01年10月に施行された著作権等管理事業法で規制緩和されるまで60年以上にわたって著作権管理を独占してきた社団法人で、文部科学省の天下り先でもある。近年はJASRAC以外の参入も認められたが、競争原理の働かない状態は以前のままで、ネット配信についていけないのだ。

02年に参入したジャパン・ライツ・クリアランス社はダウンロード数などの詳細なデータを著作権者に報告するなど透明度の高さを売りものにしている。しかし、JASRACのインタラクティブ配信システム「J-TAKT」「J-NOTES」は、01〜02年に稼働させた古いシステムで、「大量のデジタル配信を前提にしたシステムになっていない」(システムエンジニア)。さらに、販売量は少なくても長期間売られる「ロングテール」現象や「多品種少量販売」に適応していない、といった指摘もある。

一方で、執拗ともいえる音楽の違法コピー取り締まりの姿勢を見せているJASRAC。「ネットの住民」たちは、格好の獲物を見つけたかのようにブログや掲示板でこの問題を取り上げ、JASRACを批判した。

いずれにせよ、朝日の「誤報」の裏には、事実上の独占事業者であるJASRACが、ネット配信の著作権料をきちんと計算し、著作権者に支払う義務を果たしていないことがある。

これは、国民年金の保険料徴収に躍起の社会保険庁で、データ入力漏れから記録が宙に浮き、年金の受給漏れにつながっている構図と似ていないか。JASRACは「音楽著作権管理の社保庁」と言われても仕方ない。



(私のコメント)
中国政府とグーグルの対立は、日本とは無縁ではない。JASRACのような天下り団体が著作権法を楯に甘い汁をすすっていますが、これでは日本が電子化に乗り遅れるのは明らかだ。文化庁でも著作権法の改正に取り組んでいますが、著作権管理団体も既得権益を守る為に抵抗している。グーグルはグーグルブックスで日本の書籍も電子化に取り組んでいますが、作家や著作権者と契約を結んでいくのは大変だ。電子化に向けた管理団体を作って一括してiTSのように分配するシステムを作ればいいのだ。

「株式日記」に対しても、しつこく著作権法違反だとコメントしてくる人がいますが、フェアユースの概念を知らないのだろう。コピペや転載が違法行為ならグーグルがやっている行為も違法行為になる。馬車しかない頃の法律で自動車を取り締るのは、紙しかない時代の法律で電子化を妨害しているようなものだ。




TWRと呼ぶ原子炉は、低品位の劣化ウランを燃料とし、一度稼働
すると途中の補給なしで最長100年間の長寿命運転が可能とされる。


2010年3月23日 火曜日

ゲイツ、原発挑戦の真相 3月23日 日経新聞

東芝が誇る原子力発電の研究施設にその男はお忍びでやってきた。ビル・ゲイツ。言わずと知れた米マイクロソフトの創業者だ。経営を退いて2年。舞台を原発に移し、再びビジネスの世界で動き出した。その狙いは…

東芝事業所、お忍びで視察

 温かいもてなしに感謝します!最初の訪問者となり、すばらしい技術を見ることができ光栄です!

2000人近い東芝グループの原発技術者が働く横浜事業所(横浜市磯子区)。半年前にできたばかりの真新しい「磯子エンジニアリングセンター」には、訪れた人が記念のメッセージをつづる分厚いノートがある。黒い表紙をめくると1ページ目に、ゲイツ直筆のきちょうめんな文字が並んでいる。右の写真がそれだ。

 自ら資金支援する原子炉開発のベンチャー企業、米テラパワー(ワシントン州)の幹部ら3人とともに、ゲイツがやってきたのは2009年11月6日だ。東芝会長の西田厚聡、社長の佐々木則夫と都内で朝食を済ませた後、9時から事業所内を視察した。東芝が開発する小型原子炉「4S」の仕組みについて説明を受け、最新の試験設備などを見て回った。

 訪問の直前。東芝からマイクロソフト日本法人に1本の問い合わせがあった。「ゲイツ会長の食べ物の好みを教えてほしい」。東芝首脳との会食をセットするためだった。この質問にマイクロソフト日本法人は混乱。11月初めには最高経営責任者(CEO)のスティーブ・バルマーが新型OS(基本ソフト)のピーアールなどのために来日予定だったが、ゲイツが来るとは聞かされていない。「人違いでは…」。ゲイツの視察はそれほどの極秘行動だった。

東芝の現場はゲイツの熱心さに驚かされたという。「これは相当、勉強しているな」。案内役をつとめた技術担当者は、原発に関するゲイツの知識の深さに感心したと振り返る。昼食時も雑談は一切なし。話題はずっとエネルギーだった。

 午後は場所を京浜事業所(横浜市鶴見区)に移して工場見学。「ワオ!」。原発に使う巨大なタービンなどを前にゲイツは興奮気味だった。視察は夕方4時まで続いた。分刻みのスケジュールで世界各地を飛び回るゲイツが、ひとつの会社で丸1日を過ごすのは極めて異例だ。

 東芝とテラパワーが原発技術の情報交換で合意するのに1か月とかからなかった。守秘義務契約は12月1日付。お互いの技術者が日米を行き来しての協業が今後、本格化する。

「夢の原子炉」への執念

 テラパワーが早ければ2020年代の実用化をめざすのはTWRと呼ぶ原子炉だ。一般の原発では使えない低品位の劣化ウランを燃料とし、一度稼働すると途中の補給なしで最長100年間の長寿命運転が可能とされる。構造は比較的単純で安全性も高い。長期間の利用に耐えられる材料の確保という課題はあるが、建設、運用コストが安く済む「夢の原発」といえる。

 地球温暖化を防ぐ有力手段として原発は世界的に建設機運が高まっている。テラパワーは出力10万〜100万キロワットの原子炉を研究中とみられ、特に小型炉は中国など新興国での需要急増が期待できる。

 TWRの基本設計は固まっているが、実用化にこぎつけるには、理論を形にする「もの作り」の能力が欠かせない。その担い手としてゲイツが目をつけたのが東芝だ。日本勢では最も世界シェアが高いパソコンメーカーであり、マイクロソフトにとっては基本ソフト(OS)の大口顧客。パソコン部門出身の西田はゲイツと旧知の間柄だ。

 東芝が2014年に米国で1号機の着工をめざす小型炉の4Sは、炉心部分をのぞき、「技術の8割がTWRに転用できる」(関係者)。実証用の原子炉の生産だけでなく、将来の量産委託まで視野に入れれば、「もんじゅ」など原発建設の経験が豊富な東芝はテラパワーにとって魅力的なパートナーとなる。

 東芝にとっても悪い話ではない。2006年におよそ6400億円を投じて米原発大手ウエスチングハウスを買収し、半導体と並ぶ事業の柱として原発を位置づける。ゲイツ原発にも一枚かめれば事業拡大に弾みがつく。東芝首脳は「いずれゲイツ氏と協力契約を結ぶことになるだろう」と打ち明ける。

中国との連携も視野に

 東芝訪問に先立ってゲイツは中国にも立ち寄っている。原子力関連機関をいくつか回り、原発開発会社の国家核電技術公司とは技術協力の覚書も交わした。話の展開次第では、ゲイツをつなぎ役として事実上、日米中にまたがる次世代原子炉プロジェクトにつながる公算もゼロではない。

 TWR研究の歴史は長い。技術の概念は1950年代に提唱されており、「水爆の父」である故エドワード・テラー博士も貢献者の一人だ。ただ理想的と分かってはいても、未知の原発に対する巨額の資金集めは難しく、実用化への具体的な動きが進まない状況が続いてきた。

「ゲイツ氏が出て来たとなれば話は全然違ってくる」。そう指摘するのは東京工業大学の関本博教授。TWRとほぼ同じ「キャンドル」と呼ぶ原子炉の研究者として知られる。テラパワーの要請で2009年秋には米国まで出向きコンサルタントとして技術面の助言をした。

 ゲイツの個人資産はざっと5兆円。世界トップ級の富豪はポケットマネーも巨額だ。ゲイツは資金面からテラパワーを支えるオーナーの立場にある。同氏に近い筋によると1000億円単位で投資する用意がある。

 資金面だけではない。ゲイツの人脈は世界の財界人、各国政府の首脳に広がる。原発立地など政治的要素の絡む問題でも突破口を見いだしやすい。「次世代原子炉の研究開発が大きく進展する可能性がある」。関本教授はゲイツの参入を歓迎する。(後略)



革新的原子炉CANDLEの研究 関本 博 (東京工業大学原子炉工学研究所教授、革新的原子力研究センター長)  2009年4月10日

5.CANDLE炉の性能

 CANDLE炉は天然ウランや劣化ウランを装荷燃料として利用するにもかかわらず、その40%を燃焼することができる。軽水炉では例え使用済燃料を再処理してプルトニウムの再利用を行ったとしても元の天然ウランの1%程度しか利用できない。これに対し、CANDLE炉は再処理せずに40倍の利用ができることになる。但し、これだけ燃焼するためには材料の問題が発生する。また燃焼領域の移動速度は通常の出力密度で運転したとき、4cm/年という極めて遅いスピードになっている。このため優れた長寿命炉の設計が可能である。

 これらの性質から、2節で述べた持続性、安全、廃棄物、核拡散及び経済性の5つの課題に関してCANDLE炉はどのような性能を発揮するか以下に示すことにする。

(1) 持続性:燃料の有効利用ができる

 天然ウランや劣化ウランを使用し、その40%を利用できる。これは軽水炉の50倍以上の利用効率である10)

 現在の日本の原子力発電所は軽水炉を運転している。このシステムでは天然ウラン(U-235の割合0.7%)を濃縮しこの濃縮ウラン(U-235の割合3〜5%)を燃料としている。この時、残りカスとして大量の劣化ウランが発生する。軽水炉を40年運転したとき発生する劣化ウランを使って、濃縮や再処理なしに、CANDLE炉は約2000年もの間同量のエネルギーを発生し続けるポテンシャルを有する

(2) 安全:簡単で安全

 運転中に制御棒を間違って引き抜くような事故は起こりえない。  出力分布も原子炉特性も燃焼に伴って変化しないので、運転はとても簡単で、信頼性が高い。

 想定される事故に対してその応答が解析されているが、従来の高速炉に比べて飛躍的に安全な振る舞いをすることが判っている12)。  一般に高速炉は燃料が溶けて原子炉のどこかに集まった場合、再臨界事故(一般的に核分裂数が爆発的に多くなり極めて危険)になり易い。CANDLE炉は炉心に制御棒は無く、冷却材の割合も少ないので、再臨界事故は起こり難く、また起こったとしてもその規模は極めて小さくなる。

 取替新燃料は天然ウランか劣化ウランなので、臨界事故や核ジャックの心配がなく、輸送や貯蔵が安全で簡単である。

(3) 廃棄物:廃棄物の体積が少ない

 軽水炉の10倍燃焼するので、発生エネルギー当たりの廃棄物体積は1/10になる。また廃棄物中のマイナーアクチノイド(ウランやプルトニウム以外のアクチノイドで現在は放射性廃棄物として扱われている)の量も原子炉中に長く入れておくことで核分裂して少なくなる。

(4) 核拡散:核拡散抵抗性が極めて高い

 核拡散抵抗性を考えるとき、燃料サイクル全体を考える必要がある13)。この場合、最も問題となるのは濃縮施設や再処理施設であり、プルトニウム燃料の輸送である。また施設そのものだけでなく、濃縮や再処理の技術そのものが、核拡散で重要となる。CANDLE炉では濃縮ウランもプルトニウムも必要としないので、核拡散抵抗性が飛躍的に高くなる。

(5) 経済性

 いっきに40%燃焼した場合、一般に使用されている材料では持たない。材料を変更し、温度を下げることによりこの燃焼度を達成することも可能であるが、温度を下げることは原子炉の性能を落とすことに繋がることから、ここでは、被覆材への高速中性子の照射量が限界になる前に被覆材を交換する方法を採用する。この作業は高い放射線レベルで行なうことになるが、再処理と比べると液体を扱わないので、操作も単純で2次的な廃棄物も少なくなる。

 原子炉(の構造や出力分布)は簡単なので、運転管理維持費を低く抑えることができる。  燃料サイクル(ウラン採鉱から廃棄物の最終処分までの燃料の流れ、将来的には核分裂性物質が何度も原子炉に装荷されるのが理想と考えられたためこのような呼び名がついている)に関しても、極めて簡便になり、燃料サイクルコストが低くなる。

従来のCANDLE炉では炉心高さが大きかったので、経済性を損ねていたが、現在の設計では従来の設計と比べて、十分小さくなっている14,15)

 中性子を有効に利用するため、冷却材の割合を少なくしなければならないので、出力密度が小さくなる傾向があるが、半径方向の出力密度を一般的な高速炉より飛躍的に平坦化できるので、最終的にどのような結果となるかはこれからの研究次第である。

6. これから

 CANDLE炉は筆者のオリジナルのアイデアであるが、偶然にもその原理は筆者が提案する少し前に何人かの研究者によって発表されていた。その中には水爆の父と言われているテラー博士も含まれており、何人かの研究者が新奇な原子炉の提案に使っている。筆者の研究は実現可能な5つの課題を満足する革新的原子炉の提案ということで進めてきており、世界の多くのこの分野の専門家の注目を得る研究となってきている。今後は更に、工学的な検討を詰めて、CANDLE炉の実現に一歩でも近づきたいと考えている。



(私のコメント)
原子力発電というと名前だけで恐ろしいような印象を受けますが、確かに現在の原子力発電所は非常に複雑な仕組みを持つシステムで発電している。核燃料を製造するだけでも大掛かりな製造工程でウラン鉱を圧縮していかないと燃料に使えない。しかも核反応を起こさせながら発電させるのだから、非常に注意深くコントロールしながら発電しなければならない。しかも寿命は40年くらいしか持たず、廃棄物の処分場にも苦労している。

「CANDLE炉は天然ウランや劣化ウランを装荷燃料として利用するにもかかわらず、その40%を燃焼することができる。」と言う夢のような原子炉ですが、原理自体は50年代から研究されてきたのですが、原子炉に使える材料などの開発が難しかった。しかし現在の原子力発電では効率も悪くて百数十年でウラン鉱を使い尽くしてしまう。しかし劣化ウランを燃料とするTWRなら2000年は持つということです。

原子力発電所といえば一旦事故が起きれば国家的な災害になってしまいますが、劣化ウランの燃料棒を燃やす方式なら、年に4センチほどの燃焼スピードで4メートルの燃料棒なら100年間は燃料交換の必要が無い。しかし原理はわかっていてもどのように作ればいいのか手探り状態なのですが、次世代型の原子力発電の実用化は直ぐに出来るものではないだろう。

現在の核燃料の圧縮作業を高純度にすれば原子爆弾の材料になりますが、だから原子力発電を口実に世界各国は核開発を行なってきた。しかしこんな危険な方法よりもCANDLE炉のような臨界事故など起きない原子炉の開発がなぜ店晒しにあってきたのだろう? わざわざそんな開発をするよりも石油や石炭や天然ガスが沢山あって、火力発電の方が手っ取り早かったからだろう。

最近になってようやく原子力発電の重要性が再認識されるようになって、原子力発電の開発に目が向かってきたという事だろう。CANDLE炉以外にも熔融塩型の原子炉や高圧ガス型も研究されていますが、商用化に成功したのは軽水炉型の原子力発電だった。問題になるのは巨額な開発費用がかかり国家プロジェクトとしても数千億円もの費用をかけて開発するのは困難だったのだろう。

そこへ世界一の億万長者であるビルゲイツが次世代型の原子力発電に取り組むと言う事ですが、彼なら数千億円というお金はポケットマネーに過ぎない。CANDLE炉というのは練炭のように一旦火をつければ長時間持って安全な燃焼ができる。しかし燃料棒の開発や炉自体の開発はそれに耐えるものを開発しなければならない。

今までならゴミとして処分に困っていた劣化ウランが宝の山に変わるわけですが、石炭のように簡単に燃えるものではない。ウラン以外にもトリウム溶融塩炉も有望な原子炉なのですが、国家というのは兵器の開発には天文学的な費用をかけるのに、平和利用の原子炉開発には関心が無かった。日本こそ原子炉の平和利用に力を入れても良いはずなのにマスコミが「もんじゅ」などを叩いたように否定的だった。

アメリカにしても宇宙開発を名目で核ミサイルを開発しましたが、原子力発電も核爆弾開発の隠れ蓑だった。しかし核爆弾に繋がらない原子力発電の開発は店晒しにされてきた。核兵器を持たない日本がなぜCANDLE炉やトリウム溶融塩炉のような原子力開発に金をかけてこなかったのだろう。政治家達も橋や道路を作ることは熱心でもエネルギー問題には票にならないから予算を回さない。これからは軽水炉型の原子力発電所を作るより、安全で経済的で廃棄物問題のすくない原子力発電は技術的には可能になるだろう。





韓国では3%のインフレターゲット政策でウォン安で韓国の輸出は快調で、
日本はデフレターゲット政策で円高が定着して、日銀は韓国を見習え!


2010年3月22日 月曜日

「韓国銀行(韓国の中央銀行)に学べ」 3月21日 Baatarismの溜息通信

最近、サムスンや現代などの韓国企業が好調なため、日本でも「韓国企業に学べ」という声が広がっているようです。

例えばかんべえさんは3/5の「かんべえの不規則発言」で、こんな記事を紹介しています。

<3月5日>(金)
○今宵は某所で経済政策を論じておりましたが、時節柄、話題が集中したのは「なぜ韓国企業は元気で、日本企業はサッパリなのか」でした。いろんな仮説がありますね。

韓国企業は、基礎研究にカネをかけていないから利益率が高い。その点、日本企業は無駄な投資が多い。

(思えば昔の日本企業も、応用研究だけで楽して儲けていると批難されたものであった)。

●韓国企業は、新興国市場でやりたい放題をやっている。その点、日本企業はコンプライアンス過多になっている。

(お行儀が良くなり過ぎてしまったのでしょうか。商社業界も「不毛地帯」の頃とは様変わりしておりまして・・・)

韓国企業は、実効税率が1割程度である。だから内部留保が多く、投資額も増やせる。その点、日本の法人税は高過ぎる。

(でも、それなら日本企業もシンガポールあたりに本社を移せば良いのである。それができないドメスチック体質が哀しい。もっとも某有名企業は、海外移転のシミュレーションをやったそうですが)

韓国企業は、寡占体質への絞込みが出来ている。その点、日本企業は国内の競合相手が多過ぎる。

(アジア通貨危機の際に、韓国は「ビッグディール」で企業を絞り込んだ。だからサムソンとLGが世界ブランドになった。日本は総合電機が今も9社もある。これでは海外に出たときに勝負にならない)

韓国企業は、大胆に若手社員を海外に出している。その点、最近の日本では商社や外務省でも若手が海外に行きたがらない。

(日本は国内の居心地が良すぎるのかもしれません。こればっかりは手の打ちようがないですな)


●韓国企業は、国内市場が狭いために危機感が強い。官民連携も進んでいる。その点、日本は中途半端に国内市場があるので本気になれない。

(その国内市場も、少子高齢化で先細っているわけです。その点、韓国には北朝鮮というワイルドカードがありますからなあ・・・・)

→追記:これに次の項目を加えると、「日本が韓国企業に負ける7つの理由」が完成します。皆さん、流行らせましょう!

●韓国企業はオーナー社長が多いので即断即決で物事が進むが、日本企業はボトムアップ式だから意思決定が遅い。

(オーナー経営者は時代遅れの存在だ、などと思っている人が多いようですが、国際的に見てもけっしてそんなことはないと思いますぞ)

○ということで経済界でも、キムヨナ一人に真央、美姫、明子が挑んで返り討ちに遭っているという図式です。やっぱりパシュートで勝負するしかないのでしょうかねえ。

かんべえの不規則発言



確かに、企業経営というミクロの部分で原因を探すと、ここにあるような理由になると思います。

しかし、マクロ経済の考え方で理由を考えると、やはりリーマンショック以降の急激なウォン安が最大の理由ではないかと思います。

このリンク先のグラフを見ると、2007年末には1ドル=900ウォン程度だったのが、2008年末には1300〜1400ウォンとなり、現在でも1100ウォン台になっているのが分かります。かつて危惧されたような通貨の暴落が止まらないという事態もなく、ウォンは割安な水準で安定して来ました。

http://finance.yahoo.com/q/bc?s=USDKRW=X&t=5y&l=on&z=m&q=l&c=

一方、円は2007年末には1ドル=110円程度だったのが、2008年末には90円程度となり、今でも90円程度です。

http://finance.yahoo.com/q/bc?s=USDJPY=X&t=5y&l=on&z=m&q=l&c=

(中略)

この頃の僕はこのウォン安を韓国危機の始まりかと考えていたのですが、今から考えるとこれは完全に間違いで、むしろウォン安は韓国の輸出企業を躍進させるきっかけになったのでしょう。

日本と韓国の通貨の強さの違いを見るために、両国の一人当たりGDPを為替レートでドル換算した値と、購買力平価でドル換算した値で比較してみます。*1

    為替レートベース  購買力平価ベース  (為替レート)/(購買力平価)
日本  38,559.11       34,100.07       1.13
韓国  19,504.55       27,646.70       0.71

つまり、日本は為替レートが購買力平価に比べて1.13倍割高なのに対して、韓国は0.71倍割安になっていることになります。さらにこの2つの比を取ると、日本は韓国に比べて1.59倍割高な為替レートになっていることが分かります。これだけの差があれば、韓国企業が日本企業に比べて、競争上優位なのは明らかでしょう。

また、これだけウォンが安ければ、韓国企業にとっては国内市場よりも海外市場に力を入れた方が、遙かに効率的に利益を得られることになります。だから、韓国企業には輸出に力を入れるインセンティブがあることになり、その結果、かんべえさんが指摘したような行動を取ることになったのでしょう。一方、日本は円高ですから輸出に力を入れるインセンティブが小さく、その結果、国内市場重視の体質になるわけですが、国内はずっとデフレですから、海外でも国内でも稼げなくてさっぱりダメということになってしまうのでしょう。

だから、「日本企業は韓国企業に学べ」と言うのであれば、まず「円安にして、日本企業が海外市場に力を入れるインセンティブを与えよ」と主張すべきだと思います。

さて、なぜ韓国は円安になり、日本は円高になっているのでしょうか?

もちろん為替市場の変化についてはいろんな要因があって一概には言えないのですが、インフレが続く国ではデフレが続く国に比べて通貨が割安になっていくのは間違いないでしょう。

そこで、日韓のインフレ率(消費者物価ベース)を比べてみます。*2

このように、日本よりも韓国の方が一貫してインフレ率が高いことが分かります。

さらに、日韓のマネーストック(M3)のデータをOECDのサイトから引用すると、このようになっっています。(2005年を100とした指数)*3

     2005   2006    2007     2008     2009
日本  100   102.9953  106.3324  107.2436   107.4666
韓国  100   108.0289  119.1868  132.9998   143.8808

韓国はリーマンショックにも関わらずマネーストックをほぼ一定の割合で増やし続けているのに対して、日本は2007年以降、ほとんどマネーストックが変化していません。

これでは、外国為替レートに大きな差が出るのは当たり前だと思います。

ちなみに、韓国はインフレターゲット採用国で、ターゲットはコアCPI(日本で言うコアコアCPI)3%±0.5%です。そしてインフレターゲットを採用してからは、インフレ率は安定しています。*4

このような金融政策が、マネーストックの安定した増加に寄与しているのでしょう。その結果、安定したウォン安にも繋がっていると思います。

ここまでの議論をまとめると、韓国はインフレターゲットを軸とした金融政策により、マネーストックを安定して増大させることでインフレ率をマイルドインフレで安定させ、通貨は割安な水準で落ち着き、韓国企業はウォン安の恩恵で国際競争力を伸ばしました。

一方、日本は裁量的な金融政策の結果、マネーストックは増大せず、デフレも長期化して、通貨は割高な水準で固定してしまい、日本企業は円高で国際競争力を落としていると言えるでしょう。

日韓の企業を比較するときは、個別の企業の経営方針や行動だけを見るのではなく、その背後にある通貨レート、さらには通貨レートに大きな影響を与える金融政策も考えないといけないでしょう。でないと、日本企業を不当に批判しすぎることになりかねません。


(私のコメント)
昨日のサンプロでは例によって例のごとく竹中平蔵と榊原英資が出ていて、例によって例のごとく消費税上げろとか法人税を下げろとか、大企業が泣いて喜ぶような事を言っていましたが、輸出企業は消費税が上がればそれだけ税金が返って来る。消費税は国内の売買にはかかりますが、海外との取引には関係が無いから消費税が上がっても関係ないわけだ。そして法人税が下がれば笑いが止まらないだろう。

輸出企業がいくら儲けても従業員の給与には反映されない事は、派遣切り等の工場現場を見れば明らかですが、輸出企業が繁栄しても国民生活が豊かにならないような企業は日本にいても国民へのメリットは少ないだろう。トヨタやキヤノンなどのその代表ですが、例えばアメリカなどに本社を移転させたらどうだろうか? 

しかしアメリカは企業にとって優しい所ではなく、トヨタ叩きにみられるように製造物責任訴訟で訴えられれば懲罰的罰金が課せられる恐れがある国だ。中国に本社を移転させたら動だろうか? 中国共産党の意のままにならねばならず、グーグルのように国とケンカすれば出て行かざるを得なくなる。だから企業が法人税を安くしなければ出て行くというのなら出て行かせればいいのだ。

多くの日本企業は子会社をタックスヘイブンなどに作ってそこに利益をプールしている。多くの金持ちも資産をタックスヘイブンの銀行に金を預けて資産運用させて税金を払わずに投資利益を得ている。だから法人税や所得税が高かろうが安かろうが企業や大金持ちはとっくに資産や利益を海外に移して税金を払っていない。そして住むのは治安にいい日本に住んで言いたい放題の事を言っているだけだ。

しかし世界的にタックスヘイブンにも税務署の手が伸びて着ているから法人税を下げろと騒いでいるのだろう。大金持ちも所得税が高いから日本を出て行くというのなら出て行かせればいいのだ。多くの大金持ちは香港やシンガポールに移住したりしている人もいますが、海外の事を良く知っている商社マンや外務省の役人すら出てきたがらないのはなぜか考えれば分かるでしょう。

竹中平蔵や榊原英資のようなアメリカに亡命してもおかしくないような人たちまでもが日本に居続けて、税金が高いと文句を言っている。だからそういう人は勝手に出て行かせればいいのだ。逆に韓国のように居心地の悪い国は税金を安くしたり通貨を安くしたりして補助しないとアメリカやオーストラリアなどに移住してしまう。韓国企業は実効税率が1割程度だそうですが、これでは企業がいくら繁栄しても国民は豊かにならない。

韓国で企業の絞込みが進んだのは、97年のアジア通貨危機で多くの韓国企業が潰れてしまったからであり、生き残った企業は外資に買収されてサムスンやLGや現代の資本の半分は外資だ。だからこれらの企業が大きな利益を出せば出すほど外資に配当が入る事になる。トヨタなどは10%台しか外資ではない。

それでも日本企業も長引く不況で株価が低迷してじわじわと外資比率が高くなっている。ソニーなどはもはや外資系企業なのですが、だからこそ、液晶パネルの技術やDRAMの技術やリチウム電池の技術などを韓国企業に移転させられてしまった。外資割合が多くなった企業は経営陣の意向で持っている技術がどんどん外国に移転させられてしまう。


サムスン「封印された成長秘話」 3月20日 現代ビジネス

 ソニーは'97年から平面ブラウン管テレビ「WEGA」ブランドを発売したが、この商品の成功のために薄型液晶テレビへの切り替えが遅れたことも事実であった。出井伸之会長兼CEO(当時)は薄型テレビへの方針転換を決め、液晶パネル製造のパートナーにサムスンを選んだ。

 経済産業省や国内メーカーからは、テレビ技術の流出を危惧する声が上がり、国内各社に対する裏切りと見なされ、「国賊」と非難された。それでも出井氏は「国内メーカーとの提携は考えたこともなかった」と語っていた。

 しかし、出井氏はこれらの非難に耳を傾けるべきだった。S-LCDでは、ソニー側とサムスン側の建物の間にファイアウォール(通信を制御する壁)が建てられ、テレビ技術は相互に漏れないよう管理されていると言われた。だが、あるソニーの元技術幹部は、こう証言する。

「ファイアウォールなんて、あってないようなものでした。そもそもパネルがあるからといってテレビができるわけではなく、やはり画作りの技術があって初めてテレビ画面ができます。画作りが弱いサムスンから聞かれれば教えるしかなく、ソニーの優れた技術がサムスン側に流れたことは否めません。
 
また、サムスン側と一緒に働いていた優秀なエンジニアがヘッドハンティングされ、私が知る限りで50人以上が引き抜かれました」

 この背景には、出井会長時代に行われたリストラによって、ソニーの優秀なエンジニアの間に会社への失望感が広がっていたという事情もあったようだ。



(私のコメント)
ソニーの出井社長が韓国のサムスンと合弁させられたのも外資の差し金なのでしょうが、ソニーはサムスンに技術をとられてしまって抜け殻になってしまった。3Dテレビなどもサムスンに先を越されてかつてのソニーの面影は無い。リチウム電池もソニーが開発したものですが韓国企業にみんな筒抜けだ。

日本の技術が韓国や中国企業に筒抜けになってしまうのは国際金融資本の意向なのでしょうが、ソニーのようにいったん外資が半分以上乗っ取られれば経営にまで口出しをしてきて、徹底的に技術や資産を食い尽くされて転売されてしまう。日産なども電気自動車の技術はルノーを始めとして中国などにも技術は流出している。このような事は日本のマスコミは全く報道しない。


ユダヤ略奪軍の三角合併日本丸裸作戦、進行中。 2007年4月27日 リチャードコシミズ

三菱UFJ銀行33.7% 三井住友銀行39.4% 新生銀行73.3% キヤノン47.3% 武田薬品43.7% 花王49.5% HOYA54.3% ローム51.6% 富士フイルム51.1% 塩野義製薬41.5% アステラス製薬47.3% TDK44.6% ソニー50.1% ヒロセ電機39.3% メイテック44.1% コマツ35.6% 東京エレクトロン49.8% SMC49.3% 任天堂41.1% 村田製作所37.8% パイオニア37.8% 小野薬品35.0% エーザイ33.6% 日立製作所39.5% 三菱地所38.3% 三井不動産45.0% 大和證券37.1% 野村證券43.6% セコム43.3% 栗田工業37.3% 第一三共32.3% コニカミノルタ41.4% リコー39.0% 参天製薬36.3% コナミ30.0% 日東電工55.9% 信越化学36.3% ヤマト運輸31.2% JR東日本30.6% KDDI31.4% 三井化学29.7% 積水化学33.6% 日産自動車66.7% ホンダ35.5% スズキ35.7% ヤマハ発動機31.9% 京セラ34.8% 東京ガス32.7% オリンパス34.7% 大日本印刷34.2% NEC29.3%・・・など

これが、外国人の所有する日本株の比率だ。三割から四割を既に抑えている。凄いだろ?

だけどさー、外国人株主といっても、単一企業じゃないんだし、一枚岩で動くわけじゃないし。
そこが、シロウトさんにはわからないところだろう。外国人株主の大半は、ユダヤ資本だ。隠れユダヤ資本もいるが。彼らは、裏側で全部繋がっている。競合、拮抗しているように見せかけてはいるが、大ボスの号令で大同団結する。

911の当日、WTC内の会社のユダヤ系社員が一斉に欠勤したのと同じようにね。

そういうことだ。彼らには、彼らだけが知っているネットワークがある。非ユダヤには見えない命令系統があるんだ。

だけどさー、三分の二を外国人が抑えても、買収される側の企業の取締役会が承認しないと、三角合併は成立しないじゃん。

あのさー三分の二を外資が所有する事態になれば、当然、取締役会も大株主さんのご意向を無視できなくなるし、外資から役員を受け入れざるを得なくなる。で、ガイコクジンの大株主が人事にも口を出すようになる。気がついてみると、役員会内部でユダヤ様の息の掛かったのが、勢力を増してくる。ユダヤは各個撃破して、仲間に取り込んでくる。ユダヤ資本の乗っ取りに協力する条件で、次期社長の座が約束され、億単位の報酬が保証される。

そういえば、電機のサンヨーで創業者一家を追い出したのも、「キンタマ男吸出し」だよね。日本企業の内部に役員の協力者を組織し、邪魔者は追い出し、一方で、株を買い増しして外堀を埋める。がんじがらめに縛り上げておいて、乗っ取りですね。

そうなると、もとからあった日本企業は廃止されて、合併を仕掛けた側の外資の100%子会社が存続会社になるんだよね?

そうだ。で、早速、徹底的なユダヤ式のゴイム従業員いじめが始まる。無理なノルマを課して、成績悪いと閑職に追いやったりして首にする。どんどん正社員を減らしていく。その分、人件費が安い契約社員で補填していく。うまいことやれば、企業全体で人件費を半分近くに削減できる。会社が儲かる。オーナーのユダヤ人が笑う。手先の半島人カルトに、ご褒美のお駄賃を放り投げてやり、カルトが喜んで小銭を拾い集める。ご主人様にへらへら、ベンチャラ言いながら。一方で、ユダヤ侵略に協力する、ごく一部の日本人役員だけが、役得にありつく。役員給与も億単位に増額される。役員はユダヤ様のために必死になって、従業員を働かせる。

日本人社員を徹底的に酷使し、搾り取るために、「安倍が夏の参院選後に強行採決する予定の残業代ゼロ合法化」が必要なわけだね。なるほど。ユダヤ様のご指示通りなんだね。で、ユダヤに加担して、三角合併に賛成した日本人株主は、後世、売国奴として長く栄誉を讃えられるわけだね。誇らしい限りだろうね。

(3)半分ユダヤ企業と化したソニーの悲哀。

ソニーを世界のトップ企業に成長させたのは、研究開発。だが、ソニーを乗っ取ったユダヤ人たちは、研究開発費など削って配当に回せと命令する。結果、ソニーは、大事な大事な半導体部門を犠牲にすることになった。日本の誇り、ソニーがユダヤ人たちの手でボロボロにされていく。次世代半導体の共同開発、ソニーが離脱
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070407i414.htm
ソニーが、東芝、NECエレクトロニクスと提携して進めていた次世代半導体の共同開発から離脱することが7日明らかになった。

次世代半導体の開発を巡っては、負担を軽減するため、ソニーは、他社と競合する大規模集積回路(LSI)事業を縮小するなど半導体事業を抜本的に見直す方針を打ち出しており、3月末に期限切れとなる2社との提携契約を更新しなかった。

実用化が2010年ごろといわれる回路線幅が45ナノ(ナノは10億分の1)以下の次世代半導体の開発は、投資負担が重いことから、ソニー、東芝、NECエレクトロニクスの3社連合以外に、松下電器産業とルネサステクノロジが提携して共同開発を進めている。

ソニーの離脱により東芝とNECエレクトロニクスの投資負担が重くなることから、両社が新たな提携先を模索する可能性もある。

(2007年4月7日21時53分 読売新聞)


(私のコメント)
日本がバブル崩壊以来、円高と株安が続いているのは、国際金融資本による日本企業乗っ取り作戦が進行しているためであり、日銀も外資がかなり入り込んでいる。だから日銀自身の政策ではなく国際金融資本の意向に沿った政策で無ければならない。だから日銀はインフレターゲット政策が取れないのだ。驚く事に日銀は日本政府の指示よりも国際金融資本の意向を優先する機関なのだ。




人民日報サイト・人民網は、米国が20年前に日本をもてあそんだのと
同じように中国を扱えると思うのは大間違いだと主張した。


2010年3月21日 日曜日

米国が引き起こした日本のバブル崩壊、中国は同じ轍を踏まない―中国紙 3月19日 レコードチャイナ

2010年3月19日、人民日報サイト・人民網は記事「人民元レート切り上げに焦点」を掲載、米国が20年前に日本をもてあそんだのと同じように中国を扱えると思うのは大間違いだと主張した。以下はその概略。

米議会では中国の人民元レート不正操作問題が注目を集めている。16日には民主、共和両党の議員130人が中国を「為替操作国」として認定し、中国製品の反ダンピング税を課税するようオバマ政権に求めている。興味深いのは日本がちょうど今、国を挙げてバブル崩壊後の20年を反省している時期と合致した点にある。

1990年3月、当時の大蔵省は総量規制を実施し、金融機関の不動産業に対する融資を制限。バブル崩壊をもたらす要因の一つとなった。そのバブルをふくらませたのは1985年のプラザ合意。米国、イギリス、西ドイツ、フランス、日本の先進5か国が協調してドル安円高を誘導することで合意し、バブルに火をつけた。今、米国は日本円レートを誘導して日本を打ち破った喜びをかみしめている。そしてあるいは人民元レート問題で同じことを繰り返そうとしているのかもしれない。

だが、米国には、「そうはうまく行かない」と告げざるを得ない。中国人を威嚇することはできないのだ。中国は世界で最も潜在力がある消費市場であり、連年の豊作で食糧も自給可能。他国の顔色をうかがわなければならなかった日本とはまったく異なる。何より重要なのは、グローバリゼーションの時代において、また世界金融危機の影響が色濃く残る今日において、世界経済は中国から離れることはできないという点だ。もし米国が中国を20年前の日本と同じようにもてあそぼうとするならば、間違いなく失敗に終わるだろう。

中国経済の発展においても、世界経済の基盤安定のためにも、人民元レートの安定は必要だ。レートの安定は世界経済の回復にきわめて重要な影響をもたらした。人民元レートの体制について、温家宝(ウェン・ジアバオ)首相は「いかなる時であっても、外部の圧力により自国の発展と世界経済を傷つける道を中国は選ばない」と説明している。(翻訳・編集/KT)



「バブルへGO!」 から、変わった視点で日本バブル崩壊の原因を見る。 2008年1月13日 Fight Fire With Fire

日本の経済崩壊は陰謀によるものでした。映画の中に出てきた日本の経済を裏で“支えている”ひとたちは実は国際銀行家たちという設定ではないかと思います。国際銀行家たちが日本の経済崩壊を計画したと思われています。日本経済を崩壊させた理由は主に2つ:まず、当時の日本経済はすでにアメリカ、ヨーロッパを脅かしている規模であった。さらに、日本は著しく成長し、莫大な富を蓄えてきたと言う二つです。

日本による脅威というのは、1988年、世界トップ10位の銀行は日本の銀行でした。東京株式市場も3年以内に300%成長し、東京だけの不動産総額はドルのもとで計算すると当時アメリカ全国の不動産総額を越えたなど、さらに、日本のトヨタ、ソニー、などの企業も大きく発展を遂げ、このまま発展が続くと、アメリカのIBM,Intelなどの買収は時間の問題で、主要企業が買収されると国家安全などにも脅かされるなど、このようなものは日本による脅威と西方各国に見られていました。

日本が蓄積してきた富も欧米各国および背後の財団、グループにとって極めて美味しいものです。かつて彼らは世界歴史上で常に使ってきた手段で、日本の富もそろそろ吸い上げようとしました。その手段は中国語でいえば、「剪羊毛」、つまり羊の毛を刈る。彼らにとって日本という羊はもうかなりふわふわした毛が生えてきました。

陰謀「剪羊毛」のはさみとなったは、1982年にシカゴ商業取引市場がニューヨークの株式取引所と競争するために開発された株価指数先物(Stock Index Futures)でした。つまり、S&P500などのように、一部の企業の株価を選別して加重平均で作った企業株価リストで、これらの企業の将来を予測して利益を得るための道具です。なので、もちろん買い手も売り手も本当にその株がほしいというわけではありません。

当時、日本経済、株式市場が神話のように成長しつづけていて、誰もがその経済がいきなり崩壊なんて思ってもいなかったでしょう。そのような心理も崩壊陰謀を助長しました。Morgan Stanely, Solomon Brothersなどの国際投資企業は国際銀行家たちの斥候部隊となって、株価指数プットオプション(Stock Index Put Option)を日本で商品化しました。それはつまりその株価を現在の価格で将来のある時点に売り出して利益を得るもので、つまり、将来の株価、景気が現在より低いということを意味しています。経済神話の日本がまさかと誰もがそれを笑い話と聞こえました。将来は本当に現在よりう株価が下がり、景気が悪ければ、その商品に投資した者は得します。そうでなければ、それを発行したアメリカの銀行、証券会社、それに投資した者が損します。

それは日本市場にとって新しい金融商品であり、さらに経済神話へのしがみつきによって、日本の保険企業をはじめ、その株価指数プットオプションを大量買い入れ、かなりの”人気商品”でした。一方、1989年12月29日に日系平均株価指数は史上最高値の38,915円になりました。しかし、さっきの“人気商品”が威力を発揮し、日経指数が下落しました。1990年1月12日に、陰謀家たちはタイミングが来たと見て、新たな商品:日経プットワラント(NIKKEI Put Warrants)をアメリカ証券取引所に投入した。それとともに、Goldman Sachsが日本の保険企業から株価指数プットオプションを買戻し、デンマーク王国に売り、さらに、デンマーク王国から日経プットワラントを持つアメリカの投資家たちに転売しました。実は、デンマーク王国はただGoldman Sachsの”保証人”となっただけことで、Golsman Sachsのその商品の人気度をさらに高く煽りました。そして、ほかのアメリカの投資銀行も相次ぎそのようなやり方をまねました。その直後、日経株価平均は37,500台に落ち込みました。。。最後にその陰謀の結果、2年間、日本の株式市場が60%の価値を失い、さらにそれ以上下がる悪夢もひそかに現れました。株式市場が全面崩壊し始め、その巨大影響は銀行業と保険業をはじめ、さらに製造業へ、日本経済の隅々まで波及していきました。バブルが崩壊し、そのあと数十年の低迷のはじまりとなりました。

日本の経済を裏で”支えていた方々”は、その波に乗って、日本の企業、株式、不動産などの「羊の毛」をはさみをもって狩にきました。経済発展の間に大きく発展してきた企業は、次々と廉価で買収され、不動産、土地なども価値以下の価格でとられました。結局は「バブルへGO!」の最後のシーンで言ってたように、経済を崩壊させ、一部の人たちの欲を満たすことでした。

さて、そろそろ次の羊も現れたようですね、それは中国ではないでしょうか?、中国の四大銀行のうち2つがアメリカに上場し、それによってあの裏の方々の投資がかなり入っているようですね。さらに、中国外貨備蓄も1兆4000万ドルに上りました。人民元も値上がりつつ、外国投資銀行の大勢中国参入のあと、必ず規制緩和を図ります。今は彼たちの他国の富を刈り取るはさみを磨いている音が聞こえてきます。



(私のコメント)
バブルの発生と崩壊は、私自身が体験した事でもあり、20年近く経過してみると少しずつ全貌が見えてきます。それは国際金融資本が仕掛けていることは分かってはいても、数十年にも及ぶ遠大な投資と回収であるだけに、なかなか全貌が良く分からなかった。しかし日本の経験と中国に今起こっている現象を見れば、重ね合わせてみれば良く分かってくる。

中国が頑強に人民元の切り上げに抵抗しているのは、欧米の要求に屈すれば85年の日本のプラザ合意のような目に遭わされる事が分かっているからだ。しかし貿易は相手があってはじめて出来るものだからいつまでも抵抗し続ける事は不可能だろう。アメリカ政府が中国を為替操作国に認定すれば国際機関からの制裁も受けるから、中国も対抗手段をちらつかせて抵抗している。

相手が日本ならばアメリカは少し強く要求するだけで日本は円の切り上げに同意した。しかし中国が相手だと日本や他のアジア諸国のように受け入れる訳が無い。今までなら中国は発展途上国であり、欧米各国も大目に見てくれるところがありましたが、世界第二位の経済大国になれば途上国だからという言い訳は通用しなくなる。

中国は今でも海外からの投資を必要としているし、経済発展を続けなければ政権の安定が保てない。民主主義政権ではないから政権の交代も起きないし共産党の幹部が入れ替わるだけだ。つまり独裁政権だから政治の安定が第一であり対外的な妥協は二の次になる。独裁政権だから強権を発動すれば外資家企業の没収など何でも出来る。

アメリカのウォール街などは、中国が経済発展すれば民主化すると見ていましたが、甘い考えだったようだ。経済発展と独裁政治とは必ずしも矛盾はしないし、民主的な手続きを経ないで何でも出来るから迅速に何でも出来る。だからバブルの崩壊も対外圧力を撥ね退けて銀行に対しては融資を拡大させて崩壊を防ごうとしている。独裁政権だから出来る事だ。

長期的に見ればこのような強引なやり方はどこかでボロが出るはずですが、銀行の不良債権も国家が引き取って償却してしまった。中国にはモラルハザードと言う意識も無いのであり、国家の政策が全てに優先する。中国に外交圧力をかけても言う事を聞くはずもないのですが、独裁国家を崩壊させるには暴走させて政策判断を誤らせれば簡単に崩壊する。ソ連も経済政策の失敗で簡単に崩壊してしまった。

日本のように外交圧力で不利益な政策を受け入れさせられても柔軟に対応すれば生き延びられますが、中国は経済運営の強引さがどこかで破綻して行き詰まるだろう。民主化が進めば状況に柔軟に対応する事が求められますが中国人には強権を用いなければなかなかいう事を聞かせられない。中国には民主主義の歴史が無いからだ。

それに対して日本は民主国家であり、アメリカからの対外的圧力に弱い。アメリカはオイルショックを仕掛けてきたり、ニクソンショックを仕掛けてきたりしましたが日本経済は柔軟に対応して参らなかった。そこで仕掛けてきたのが85年のプラザ合意であり240円から120円にまで一気に上がってしまった。常識で考えればこれほどの切り上げにあえば日本経済は参るはずだった。

円高によって日本の不動産などに資産価値が上がり、1988年には日本の銀行が世界ランキングを上位を占めるほどになり、株も値上がりして資産総額において世界の脅威になるほどだった。日本マネーがアメリカのビルなどを買いあさったのもこの頃ですが、これが一種の罠だったのだろう。この頃から国際金融資本はあの手この手と繰り出してきて日本は見事にこの罠にはまってしまった。

株の先物取引が東京市場で行なわれるようになり、外資による先物売で日本の株式市場が売り叩かれるようになった。先物というのは資金力があるほうが必ず勝てる打ち出の小槌であり、ハゲタカ外資は裁定取引などで着実に利益を上げていった。現物株なら大量の株を売買しようとすればそれだけで株価が動いてしまいますが先物は現物に関係なく大量売買が出来る。

マスコミなども国際金融資本の手先みたいなものだから、バブルを潰せという大キャンペーンが起きましたが、「NHKは1987年9〜11月に6回にわたり「世界のなかの日本 土地は誰のものか」を放送し、サラリーマンが一生働いても買えない高地価の不条理を訴えた。」 80年代は団塊の世代が住宅を求める時期でもあり不動産の値上がりが止まらなかった。

このような日本の資産総額が、パンパンに膨れ上がったところを国際金融資本は売りに転じた。冷戦の崩壊で東ヨーロッパや中国などに資金需要が生じたからだ。だから円は高く固定されて株や土地は値下がり続けた。円が高く固定されているのも日銀が国際金融資本の言いなりだからですが、彼らに逆らえば中川昭一金融大臣のように抹殺される。

政府日銀も「急激な金融引き締め、大蔵省の総量規制、懲罰的税制、さらに、当時の国土庁により地価監視区域制度も実施され、公示価格と乖離した高値取引を規制した。これらによりバブルは弾けた。」 今にしてみればバブルを潰したのは間違いであった事は明らかであり、NHKの特別番組も間違った政治キャンペーンを行なったのだ。

2008年の世界的なバブル崩壊によって、世界の中央銀行は日本の経験に基づいて大幅な金融緩和と財政出動を行なってバブル崩壊の影響を最小限度に止める事に成功した。日本も最初からそうすればよかったのですが日銀の三重野総裁は金融を引き締め続けた。マスコミは三重野日銀総裁を平成の鬼平と称賛した。

中国の人民日報の記事にもあるように、アメリカは日本を円高に導いて、さらにはバブルを作り出してそれを崩壊させた。それ以来日本は20年近く経済不況に喘いでいますが、さらにアメリカは構造改革を要求してきて、日本企業を丸ごと買収に乗り出してきた。日本人及び日本政府はアメリカの悪意に気が付くのが遅すぎた。人民日報は日本の惨状を見て知っているからアメリカの元の切り上げに抵抗しているのだ。


真説・土地バブル 2003.07.01 不動産コラム




現在のイラクやアフガニスタンで行なわれている残虐非道な事は、
アメリカの過去の歴史で行われてきた「犯罪」の延長上にあるのだ。


2010年3月20日 土曜日

<米国の世紀末前後(続々)(その1)>(2010.3.12公開) 太田述正

1 始めに

 ジャクソン・リアーズ(Jackson Lears)の 'Rebirth of a Nation' をコラム#3333と3335でご紹介したところですが、この本を入手して斜め読みしたので、「太田史観」を裏付ける材料として使えそうな箇所を抽出し、改めて皆さんにご紹介することにしました。

2 総論

 「植民地時代の初期から、暴力を通じて再生すること(regeneration)への信条が米国の辺境の諸神話の底に潜んでいた。
 辺境の消滅・・米連邦統計局によって1890年に発表された・・によって、暴力は外に、すなわち帝国へと向かうこととなった。」(PP9)

 「再生の時代は、科学的人種主義の時代と一致している。
 科学的人種主義は、国内と海外帝国における白人至上主義を正当化した。」(PP10〜11)

 「キューバ人とフィリピン人の独立運動の抑圧は、新しい種類の米帝国の始まりの合図だった。
 それは、人口が希薄な地域の占領より、人口の多い諸国家への介入に基盤を置くものだった。
 占領から介入への移行は、米国が開拓者の社会から全球的大国へと変貌したことを体現していたが、インディアンに対する諸戦争と帝国としての諸戦争との間には驚くほどの継続性があった。」(PP33)

 「南部連合との戦いとスー(Sioux)族やフィリピン人との戦いの違いは、<後者の>黒い色の敵に対しては、焦土政策が意図的絶滅戦略となったことだ。
 ウィリアム・T・シャーマン(William <Tecumseh >Sherman<。1820〜91年>)将軍は、グラント(<Ulysses S. >Grant<。1822〜85年。後に米大統領>)に対し、1867年にインディアンが陸軍の部隊の8名全員を殺した後、「その男達、女達、及び子供達の絶滅さえ視野に入れて、スー族に対し、復讐的な真剣さでもって行動しなければならない。・・・」と書き送った。
 それが、それ以降、19世紀の終わりまで、陸軍がインディアン達に対して続けたやり口だった。
 フィリピンにおける司令官達は、村落の生活の中に溶け込んだ、神出鬼没のゲリラ戦士達に直面し、彼等自身、同じような絶滅主義者的目標・・ジェイコブ・スミス(Jacob Smith)将軍の悪評高い命令であるところの、小銃を携行できるすべてのフィリピン人を殺せ、というような目標・・を採用するに至った。
 もう少し具体的にと求められると、彼はこう言った。10歳を超える者全員だと・・。
 歴史家のジョン・フィスク(John Fiske<。1842〜1901年>)が、その著書の『ニュー・イングランドの始まり(Beginnings of New England)』(1889年)の中のペクォット(Pequot)戦争(注1)に関する章の中で、野蛮人達と戦う場合は、野蛮に戦わなければならないという所見を述べたように・・。

 (注1)1634〜38年の、マサチューセッツ植民地とプリマス植民地とインディアンのペクォット族との戦争。植民地側はペクォット族に敵対する、モヒカン(Mohegan)族等のインディアンの諸部族とともに戦い、ペクォット族をほとんど絶滅させた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Pequot_War (太田)
 
 人種主義は、国内的、及び対外的帝国における対叛乱諸戦争の連続性を強化した。」(PP34)

 米自然史博物館は、1877年にニューヨーク市で開館したが、アジア、アフリカ、及び北米の人々を、は虫類、魚類、そしてライオンと並べて展示した。」(PP35)

2 人種差別

 「1924年の出身地法(National Origins Act)は、・・・欧州からの移民に(1890年からの個々の国からの移民数の2%の)枠をはめたが、アジアからの移民は禁止した。(注2)」(PP95)

 (注2)「この法の最も強力な支持者達の幾ばくかは、マディソン・グラント(Madison Grant<。1865〜1937年>)と、彼の1916年の本である『偉大な人種の死(The Passing of the Great Race)』の影響を受けていた。グラントは、優生学主義者であり、人種的浄化(hygiene)理論の主唱者だった。彼は、データで、米国を建国した北欧諸人種の優越性を示そうとした。
 しかし、この法の賛成者達の大部分は、人種的な現状維持を図ることによって外国人労働者達との競争を回避することに、より関心があった。
 この法は、よく知られた労働組合指導者にしてAFLの創設者である、サミュエル・ゴンパース(Samuel Gompers<。1850〜1929年>)によって強く支持された。ゴンパースは、ユダヤ人移民であり、多くのユダヤ人からの、<この法が定めた人種別>枠は、反ユダヤ主義に立脚している、との非難を意に介しなかった。」
http://en.wikipedia.org/wiki/Immigration_Act_of_1924 (太田)

 「優生学への知的敬意は、1930年代まで払われ続けた。・・・」(PP100)


<米国の世紀末前後(続々)(その2)>(2010.3.19公開) 太田述正

3 米国的帝国主義

 「最初の最初から、米国は、拡張主義的外交政策をとってきた。人口の希薄な地域を自分のものであると主張し、そこにいた元からの住民達を絶滅させたり、競争相手の占領者達から争いの対象たる諸土地を買ったり奪い取ったりして、手打ち線をたゆまず西方に向かって押し出していった。
 しかし、1890年の辺境の消滅は、入植者植民地主義を終焉させ、欧州の種類に似た(、しかし全く同一ではない)<帝国主義的な>ものの始まりの鬨の声を告げた。
 米帝国は、<欧州諸国による諸帝国とは異なり、>外国の諸植民地の形式的な獲得には部分的にしか依らないこととなる。
 より一般的には、それは、(恒久的占領ではなく、)軍事的介入の繰り返しと米国の政策に対して友好的な諸政府への支援という形をとった。
 この間接的アプローチは、米帝国主義者達をして、<自分達は>例外であるという修辞の衣を纏うことによって、彼等の欧州における様々な<帝国主義の>同類に対して道徳的優位を主張し易くすることとなるのだ。
 しかし、米帝国の様々な狙いは、欧州帝国のそれらと同じであって、(そう標榜されたところの、)<米国には、諸国を>文明化させる責務があるという名分の下で、植民者と被植民者双方に再生をもたらすであろう<と考えられた>、外国市場、天然諸資源、及び投資の諸機会、に自由にアクセスしようというものだった。
 最初から、<米国における>帝国についての諸議論は、経済的計算と目的論的幻想とが分かち難く結びついていた。
 早くも1870年代には、南部の繊維産業の幹部達は、支那における門戸開放を渇望し、この望みに明白なる使命(Manifest Destiny)という修辞の衣をまとわせた。
 ヘルナンド・D・マネー(Hernando D. Money<。1839〜1912年>)という実にそれにふさわしい名前を持つミズーリ州選出下院議員は、1876年に、「帝国の行進は西方へ」と主張した。
 「アジア交易を享受した人々は、皆金持ちになり繁栄している」と。
 かような(マネー<議員>にとっては、)米国が極東への中継点としてハワイを所有しなければならないことは、極めて明白なように見えたのだ。
 1890年代には、経済的諸議論は、より複雑なものとなり、ビジネスにおいて諸衝突が頻発した<原因>を、産業における過剰生産に帰せしめることができた。
 機械化は、財の、それを吸収する需要量を超えた供給を加速させた。
 マネー<議員が提唱した>・・・解決方法は、単純明快だった。
 それは、海外における市場侵入(penetration)による景気の波の平準化だった。」(PP201)

 「とりわけ、支那に対する期待は大きかった。
 ビジネスのプロモーター達は、支那を「新しい極西」であると宣言したのだ。」(PP201)

 「この種の仮定が、<米国は、>極東一帯において領土や所有地を獲得すべきだ、とする諸議論を裏書きした。
 太平洋における諸領土は、我らの米海軍と、その海軍が守るところの支那交易のための、石炭積み込み拠点になるだろうというわけだ。
 しかし、究極的には、石炭積み込み拠点は残ったけれど、支那市場の方はうまく運ばなかった。

 問題は、消息通の一致したところによれば、支那人の生来的保守主義にあったのだ。」(PP202)

 「ローズベルトのそれを含む、米帝国主義者達の修辞は、しばしば、顕著に前(proto)ファシスト的に響いた。」(PP204)

4 米西戦争

 1898年に、何年もの喧嘩腰の構えの後、米軍国主義者達は、ついに彼等が欲していたものを手に入れた。
 スペインとの、(ジョン・ヘイ(John <Milton >Hay<。1838〜1905年。国務長官:1898〜1905年>)の文言であるところの、)「すばらしい小さな戦争(splendid little war)」だ。」(PP207)

 「キューバは、新しいキューバ政府が米国に「法と秩序」を維持するためにキューバ島の国内事項に軍事的に介入することへの白地小切手を与えるまで、米国の軍事行政の下にとどめられた
 この取り決めは、実態としてはキューバを米国の保護国とするものだったが、1901年にプラット修正(Platt Amendment)(注3)において、公的に米議会によって承認された。」(PP209)

 (注3)「・・・プラット修正により、米国は、キューバに対する、外交・内政両面への関与と、グアンタナモ湾における米海軍基地を含む一定の経済的及び軍事的諸領域の取得に対する法的根拠の供与、とを確保した。・・・
 米国のグアンタナモ湾に係る諸権利を除き、このプラット修正の諸条項は、フランクリン・D・ローズベルト大統領によるラテンアメリカに対する「善隣外交」の一環として<米・キューバ>諸関係条約(Treaty of Relations)が交渉された際に破棄された。・・・」
http://en.wikipedia.org/wiki/Platt_Amendment (太田)

 「<米国による>支配に抵抗しようというフィリピン人達の決意は、米軍の司令官達に自暴自棄的な諸措置をとらせた。
 例えば、ジェイコブ・スミス(Jacob Smith)将軍が出した、10歳以上<のフィリピン人>なら誰でも撃てとの命令がそうだ。」
(PP210)

 「帝国主義者達は、インディアンとの諸戦争と帝国のための戦争との間の連続性を力説した。
 ロッジ(<Henry Cabot >Lodge<。1850〜1924年。上院議員>)が言い張ったように、仮にも反帝国主義者達が正しいとなると、「我々の過去の拡張の歴史がことごとく犯罪であるということになってしまう」からだ。」
(PP210)



(私のコメント)
現在に日本は僅か35000名足らずの米軍によって占領状態にあるわけですが、日本人のほとんどはその事を自覚していない。それは代理委任統治しているのが日本人だからであり、あたかも総理大臣とか衆議院議員とか名乗っているから日本で自治が行われているかのような錯覚があるからだ。

昨日の「株式日記」で書いたように沖縄の管制空域が日本に返還されましたが、日本の中央部分の管制空域は未だに米軍に管理されたままとなっている。米軍の横田基地もほとんど使っていないにもかかわらず返還される見込みは無い。沖縄のように横田や厚木で基地返還運動が起きないのはなぜなのだろうか? 東京は国際空港が足りなくて困って羽田で多額の費用をかけて拡張工事が行なわれている。

米軍の本当の恐ろしさを知っているのは陸上戦が行なわれた沖縄だけであり、本土の人たちは爆弾を落とされた記憶しかない。米軍が南方戦線で日本兵の捕虜に対してどのような事をしてきたか知っている人は僅かだろう。南方戦線における11000人の日本兵で捕虜になったのが僅か200名と言う事は何を物語っているか明らかだ。多くの捕虜は米軍によって始末されたのだ。

戦争によって勝てば、どのような戦争犯罪が行なわれても処分する機関がないのだから許された行為であり、原爆は明らかに国際法によって禁止された残虐な兵器ですが、アメリカが裁かれた事はない。だからアメリカが無条件降伏するような状況にでもならない限り、アメリカの戦争犯罪が裁かれる事はない。要するに戦争の勝てば何をしても許されるというのが現実であり、ナチスドイツが勝っていればユダヤ人虐殺も闇の中だっただろう。

アメリカの歴史的な行動パターンを分析していれば、日本海軍によるパールハーバー攻撃が単なる罠と気が付くべきなのですが、そうなると山本五十六がアメリカのスパイと言う事になってしまう。本当に大東亜戦争は不可避だったのかも歴史的に良く検討がされていない。日本軍がアメリカ軍と戦争して勝てるという見込みが無いのに戦争を開始したのは、日本海軍部内にアメリカの内通者がいたとしか考えられない。だから東京裁判では一人も絞首刑になった者はいないのだ。

ジャクソン・リアーズの'Rebirth of a Nation'の本によれば、「米自然史博物館は、1877年にニューヨーク市で開館したが、アジア、アフリカ、及び北米の人々を、は虫類、魚類、そしてライオンと並べて展示した。」そうですが、白人以外の人間を動物として分類していたようだ。つまり日本人もアメリカ人から見れば動物だったわけであり、欧米の漫画では日本人をサルのように書かれたものが沢山ある。

大東亜戦争を肯定的に評価すれば人種差別解放戦争でありアジアの植民地からの解放戦争でもあった。戦闘としては破れても戦争目的は達成できた事は評価されるべきですが、そのような歴史評価を否定しているのがアメリカだ。評価がひっくり返されれば、「我々の過去の拡張の歴史がことごとく犯罪であるということになってしまう」からだ。」

アメリカこそ史上最大の犯罪国家であり、多くの戦争を仕掛けては勝利して領土を拡大してきた。だからその正当性を証明するものは無くアメリカは戦争に勝つ続けるしか自分の正当性を主張できない。だから戦争の負ければアメリカという国は存在しないのであり、近い内にいくつかに分裂すると予想する学者もいる。現にソ連はアフガン戦争に敗れて後、多くの国が分裂独立した。

アメリカ人がアメリカインディアンを良心の仮借なく殺せたのは動物とみなしていたからであり、日本に原爆を落とす事ができたのも同じ理由からだろう。アメリカ人やオーストラリア人の一部の人がクジラを殺して食べるのは残酷だと抗議していますが、これは彼らが有色人種を動物とみなしてきた事の裏返しなのだ。有色人種を殺す事が残酷ならクジラを殺す事も残酷だという事なのでしょう。彼らから見ればクジラと有色人種の区別がつかないのだ。

日本の自民党政権はアメリカの代理統治機関であり、「軍事的介入の繰り返しと米国の政策に対して友好的な諸政府への支援という形をとった。」と'Rebirth of a Nation'と書かれているように軍事介入と代理統治機関は一体化しているのであり、イラクにおいてもマリキ政権はアメリカの代理統治機関に過ぎない。米軍がイラクにいる限りはイラク国民は反米政権を作ることは不可能だろう。

私は民主党政権ができたことで、日本の真の独立に近づいたと思ったのですが、大した変わりがないようだ。小沢一郎もアメリカの手先である東京地検と取引をして骨を抜かれてしまったようだ。アメリカによって田中角栄や竹下登や金丸信が失脚してきたのを見ているから寝返ったのだろう。いずれ鳩山政権に対して言う事を聞かなければ第二のスキャンダルを仕掛けてくるだろう。




日本の空を日本が主権国家としてコントロールするのは当然であり、
横田基地や岩国基地の管制空域についても返還を求めるべきである。


2010年3月19日 金曜日

沖縄の「空」ようやく返還 不自然な飛び方、改善の期待 3月19日 朝日新聞

米軍が担っている沖縄上空の航空管制業務が、31日に日本に返還される。18日の日米合同委員会で合意した。1972年の沖縄返還後も米軍に管理され続けてきた。那覇空港を発着する民間機にとっては、日本の管制官による指示で効率的な飛行が可能になると期待されている。

 この空域の管制は「嘉手納ラプコン(レーダー・アプローチ・コントロール)」と呼ばれる。対象空域は嘉手納基地から半径約90キロと久米島の周囲約50キロ。高度は約6100メートルに及ぶ。2000年にようやく返還の方針が示され、5年以上にわたって日本人管制官が移管に向けた訓練を重ねてきた。

 前原誠司国土交通相は18日の会見で、「日本の空を日本が主権国家としてコントロールするのは当然」と述べた。まだ返還されていない横田基地(東京都)や岩国基地(山口県)の周辺空域についても「信頼関係に基づいた話し合いが、これから米国と行われていくと期待する」と語った。

 米軍の管理下では、那覇空港を北へ離陸する民間機は、嘉手納基地を使う米軍機の経路を妨げないよう、通常よりも低い約300メートルの高さで約10キロ飛行してから急上昇する不自然な経路を強いられることが多かった。なだらかに上昇するより燃費が悪くなり、安定性も劣っていた。

 今後、日本の管制官が交通整理をすることになり、より効率的な経路指示が可能になる。燃費の節減や、離陸の待ち時間の短縮なども期待できるという。



(私のコメント)
沖縄の管制空域がようやく日本に返還されましたが、「株式日記」では横田基地の管制空域の事を以前に書きました。日本の中央部分がすっぽりとアメリカ軍に管理されている事は国民の多くが知らない。石原東京都知事が横田基地の返還を求めていますが、自民党政権は一切触れようとはしていなかった。しかし民主党政権ができたことで横田基地の返還を求めるべきだと思います。




米中の通貨戦争は、歴史の必然でもあり、世界の覇権国家が交代する
時に起きる摩擦であり、場合によっては戦争へと発展していくものである


2010年3月18日 木曜日

米議会で高まる「人民元切り上げ」圧力、中国は反発強める 3月17日 サーチナ

米民主党のミシュー下院議員ら超党派の130議員が15日、中国は為替を操作しているとし、「中国に対する人民元の切り上げ圧力を強めるべき」とする書簡をロック商務長官、ガイトナー財務長官に提出した。

  人民元問題に対し、ゴールドマン・サックス・インターナショナル グローバル経済調査部長のジム・オニール氏は、「対ドルの人民元相場はもはや低すぎるとは言えない」と語っている。

  同氏は2005年7月21日に中国が通貨バスケットによる管理フロートを導入して以来、人民元はすでに20%以上も切り上げられているとしたほか、輸出に依存していた中国の経済モデルは変わりつつあり、すでに輸入も大幅に増加していると指摘した。

  米国下院議員の「人民元切り上げ圧力」に対し、中国では「西側の一部の国家は、中国が人民元を通貨操作していると非難しているほか、人民元は世界経済の脅威だとする言論すらある」と報じた。

  また、中国商務部の報道官は「中国が輸出超過で、米国が輸入超過だからといって、中国が人民元を通貨操作していることにはならない。非難は意味も道理もないものだ」と発言した。また、「人民元問題を政治化することは、世界金融危機への協調的対応にプラスとはならない」と反発を強めており、今後の米中摩擦の拡大が懸念される。(


「米中全面通貨戦争へ!」 3月17日 イーグルヒット

本日の【重大ニュース】でも採り上げたように、ここ最近、中国人民元に対する各国の圧力が高まり、米国においては「為替操作国」として認定する動きが加速している。
為替操作国と認定されれば、IMFなど多国間で協議され、是正を求められるのだが、
中国側は一向に引かない姿勢を貫き、米国を批判している。

米国の横暴であり、ブラザ合意で「円切り上げ」を行い、その後、バブル経済と崩壊へ誘導したことを中国当局は懸念しているのだ。
そして、この対立は、報復合戦となり、深刻な事態を招くが恐れがあるのだ。

それらを示すのが、次の記事である。

中国「米国債売却」で報復も 避けたい「日本の二の舞い」

超党派の米議員130人がオバマ政権に人民元の「為替操作」に関する書簡を送ったことに対し、中国が「米国債の売却」を切り札に、対米報復措置に動く懸念が広がっている。中国は1月末段階で8890億ドル(約80兆円)の米国債を保有するなど世界最大の米財政スポンサー国で、政治的に発言力を高めているからだ。

 14日の記者会見で温家宝首相は、米国の財政状況について「心配している」と述べ、財政赤字やドル安などによって米国債の安定性が損なわれることに懸念を表明した。輸出拡大に向けて人民元相場を維持したい中国として、米国が対中強硬手段に出ないよう牽制した発言と受け止められている。

 このため関係者は、「為替操作国の認定などに米国が動けば中国は政治的対抗措置を取らざるを得ず、米国債の売却の有無が焦点になる」とみている。1997年に当時の橋本龍太郎首相が訪米時に「米国債売却の誘惑にかられたことがある」と発言、市場で米国債が下落(金利は上昇)した過去の"実績"もある。

 温首相は会見で、「金融危機で中国が人民元相場の安定を保ったことが世界経済の回復を促進した」と相場固定を正当化し、政治的に元高圧力に屈しない姿勢を改めて強調した。上 海対外貿易学院の陳子雷副教授によると、中国当局は、日本が85年に欧米の圧力に屈して「プラザ合意」による円高を受け入れ、日本経済のその後の成長路線を狂わせた経緯を克明に分析しているという。このため「日本の二の舞いを避ける政策に全力を挙げる」(陳副教授)可能性が高い。

 米議員130人の書簡について、中国政府は明確な対応を示していないが、人民元をめぐる米中摩擦は今後、米国債の扱いなどで政治問題に飛び火する危険性をはらんでいる。【産経ニュース16日】

私はこの"通貨戦争"は、80年代の米国と日本の関係の例えよりも、19世紀末の英国と米国の関係に例えた方がよいだろうと思われる。

19世紀末に台頭してきた米国が覇権国家となる課程で、英ポンドとの摩擦や保護主義的貿易が世界的に強まっていたのだ。
その結果、第1次、世界恐慌、第2次大戦を通して、米国は経済、軍事両面において世界の牽引する覇権国家となっていのだ。


したがって、今回の通貨戦争は歴史の必然でもあり、世界の覇権国家が交代する時に起きる摩擦であり、場合によっては戦争へと発展していくものであることを肝に命じられたい。

無論、中国がすんなりと覇権国家になるとは限らない。紆余曲折を経て、国体(政治体制)が変わった上で君臨することも十分あるのであって、それまでは世界は秩序無き混乱状態となることであろう。

政治、経済、軍事あらゆる場面において世界は動乱の時期を迎えるのであって、元の鞘に戻るようなことはなく、全く新しい世界ができることを意味している。
今は、その過渡期であり、いよいよ各国の利権、利益をかけて本格的な"戦争状態"に入っていくのである。

私が入手した裏情報では、この5月までに中国は、米国への報復として「米国債」を売る、ということだ。(表の情報として伝わるのは、後々かもしれないが)
これにより世界経済は一気に破局の一途へ突き進んでいくのだ!

日本政府は、どちらの立場に与みするかで、全くことなったプロセスを歩むことになるだろう。関ヶ原ではないが、家康側につくのか石田側につくのかで、日本の将来は決定的となる。

いずれにしても、私たちは最悪の場合を想定した対策を打たなければならない。
最低限、今は「現物資産」と「円資産」であるというスタンスには変更はない。
その他の細目や状況の変化等による対策の変更・追加についても適宜会員の方にお伝えしていく予定である。


(私のコメント)
日本は85年のプラザ合意で円を切り上げられてバブル崩壊を経験して長期低迷を強いられましたが、日本政府はなぜ今回の中国政府のように抵抗しなかったのだろうか? 円の切り上げ事態は経済状況で避けられないにしても、政治的合意で切り上げを容認してしまうと一気に為替が動いて貿易が大混乱した。

中国政府は元の切り上げに対しても徹底した管理体制をしいて急激な変動を抑えていますが、日本政府はプラザ合意に積極的に賛成して急激な変動を招いてしまった。当時も日米間の貿易不均衡を円の切り上げで調整しようとしたのでしょうが、政府間合意だと急激な変動は避けられない。

アメリカ政府は71年のニクソンショック以来、金との関係を断たれてドル札を刷りまくって、それで世界から物を輸入してきた。日本も中国もアメリカに輸出してドル札を大量に貯めこみましたが、ドルが安くなればそれだけ為替差損を出してしまう。これを帝国循環と言いますが、帝国の繁栄は印刷された紙切れで世界中の物が買えることだ。

日本も外貨が貯まったのだから世界から物を買えばいいのですが、日本人は貯めこんだ金の使い方を知らない。バブル崩壊前は株や不動産にわれもわれもと投資していましたが、バブルの崩壊で大火傷を負って投資しなくなってしまった。買うのは国債ばかりで国債の利率は下がりっぱなしだ。

こうなると輸出主導の景気対策しか打つ手はなくなりますが、円高では輸出しても利益が出ない。だから欧米各国も通貨の切り下げ競争に拍車がかかっていますが、一斉に切り下げと言う事は理論上無理だから円が切り下げの対象通貨にされてきた。アメリカとすれば印刷したドルで円を買いまくればドル安円高で固定できる。日銀がこれに対抗して円を印刷してドルを買いまくれば円を安く出来ますが、日銀総裁にはそのような発想が無い。

中国が外貨を一気に2兆ドルにまで増えたのは印刷した人民元でドルを買っているからですが、日銀もそうすれば円は安く固定できる。中国のマネーサプライM1は30%にもなりインフレになっていますが、日本は日銀が資金供給を絞っているからデフレになっている。


日銀、金融機関向けに20兆円供給へ 3月18日 TBS

日銀は去年12月、金融市場に10兆円の資金を供給する新型オペレーションを導入しましたが、今回の会合でその供給額を20兆円に倍増することを決めました。ただ、この決定には7人の委員のうち、2人が反対に回りました。

 日銀の白川総裁は今回の追加緩和で金利の低下を促し、景気の下支えとデフレからの脱却を目指す姿勢を強調しましたが、デフレ対策については「起死回生、ミラクルのような手段があればやっている。時間がかかりすっきりしないが、粘り強くやるしかない」と述べています。

 一方、今回の日銀の決定について鳩山総理は「基本的に歓迎する」と述べ、日銀の追加の金融緩和を支持する考えを示しました。



(私のコメント)
世界中が紙幣を刷りまくってばら撒いているのに、日本だけが資金供給を絞っていたら円高になってデフレになって不景気になって金利が低下する。資金供給すれば12月も円安に振れたし今回も円安に振れるだろう。銀行が資金供給を受けても国内には資金需要が無いから海外の高金利債権などに投資をする。だから円安になる。

政府日銀はなぜ円高デフレになっているのか理解できない人がいるようですが、世界中が金融緩和で資金供給して景気を回復世させようとしている。日本はバカ正直に国債を発行して財政赤字を積み上げていますが、世界は中央銀行が紙幣を印刷してばら撒くのが景気対策になっている。印刷された紙幣で円を買えば通貨価値はヘッジが出来る。

考えてみれば円が世界の通貨のヘッジ手段になっているのですが、これは事実上の円の基軸化が進んでいるといえる。アメリカがドルを切り下げて輸出を増やそうとする事自体がアメリカ経済の衰退の証明ですが、71年まではドルが世界最強の通貨だった。それからドルはどんどん切り下げられて円がどんどん切り上げられていった。

中国の人民元が世界から切り上げを求められているのは中国経済の拡大が進んできたからですが、規模的な拡大が進んでも質的に経済力が付いていないから切り上げに抵抗しているのだろう。日本は質的な経済力が付いているから円の切り上げでも対応が出来ましたが、日銀の頑強な資金供給の絞込みで円高とデフレを招いている。

為替相場は相手があってはじめて成り立つものであり、世界中の通貨が一斉に切り下げる事は理論上ありえない。本来ならばドルが基軸通貨として世界の通貨の基準になるべきなのですが、今は円が隠れた基軸通貨になっているから世界の通貨がドルに対して下がっても円だけが高くなった。円がドルの価値を支えているという構造が見て取れる。

もし日本の円が紙幣を印刷してばら撒けば円安になり中心となる基軸通貨が無くなってしまう事になる。71年以前は一応金が通貨価値を保証していましたが、それ以降はドルと石油が世界に通貨の価値の保証となった。しかしドルが安くなる一方では産油国も値上げで対抗するようになりドルの価値が無くなった。だから将来は円で石油が売買される事も考えられるようになる。産油国は強い通貨を望むからだ。

一時期ユーロが高くなってユーロが世界の基軸通貨になるかと思われましたが、PIGS問題で躓いてしまった。残る手段としては円が基軸通貨となり石油とのリンクで保証される事がありうるだろう。しかし日本には軍事力が無いからアメリカ軍を経済的に支えて用心棒代わりにすればいいのではないかと思う。

本来ならばイーグルヒットに書かれているように、中国が世界の覇権国となり人民元が基軸通貨になると言う見方もありますが、中国経済は人民元高に耐えられるほど質的に高くはない。しばらくはドルやユーロや円や元などの通貨が交錯するのでしょうが、通貨価値を保証するような強い経済を持った国は日本しかない。




日本人の留学生は増え続けているが、アメリカへの留学生が減っている
のは何故か? アメリカは歴史も文化も無い薄っぺらな国だからだ。 


2010年3月17日 水曜日

ハーバード大学長「日本人生徒の減少懸念」 1年生わずか1人  3月15日 日経新聞

今年の1年生で日本人は1人だけだ――。米ハーバード大学のドルー・ファウスト学長は都内での日本の大学関係者との懇談で、日本人留学生の減少に懸念を表明した。中国や韓国からの留学が増えるなか、日本人留学生の減少には「大学も注目している」と指摘。日本の学生に「内向き志向」からの転換を勧めた。

 学長は「日本の学生は留学するより日本の大学に通ったほうが将来的に有利だと考えているようだ」と発言。「気候変動や感染症といった問題は世界中を見なければ答えは見つからない」と訴えた。その後、学長は鳩山由紀夫首相と会談し、海外留学を増やす必要があると強調した。



草食化?学生、米留学に尻込み 10年で1.3万人減 2009年12月20日 朝日新聞

留学といえばアメリカ――が通り相場だったのは今は昔。日本からの米国留学生は1997年の4万7千人をピークに減り続け、2007年は3万4千人にまで落ち込んでいる。国際化で学生が様々な国に興味を示すようになったことが大きいが、「活気あふれる国」という米国のイメージに尻込みし、「マイペースで過ごせる国がいい」と口にする草食系の学生も増えているという。

 毎年秋、東京で実施される「アメリカ大学留学フェア」。米国の教育団体が主催し、米国大使館が後援する恒例行事だ。しかし、ここでも学生の反応はいま一つ。来場者は一昨年は千人を超えたが、昨年は700人弱。秋葉原で9月26日に実施した今年は米国の約20の大学がブースを構えたが、来場者は約450人にとどまった。

 日本からの留学生の減少には、米国大使館も危機感をもっている。

 「アメリカ留学エキスポ」。今年5月には、東京・赤坂の人気スポット「赤坂サカス」で、こう銘打ったイベントを開催した。留学体験者の講演、大学紹介といった「定番」にとどまらず、アメリカ文化の魅力を感じてもらおうとドーナツ、ピザといったアメリカンフードの店を並べ、ブルースやロックのライブコンサートも催した。

 ジェームス・ズムワルト首席公使は「将来の日米関係を考えると、アメリカで生活した経験がある日本人が多ければ多いほど良い。しかし、今はそうなっていない……」と心配する。

 文部科学省などによると、日本を出て海外で学ぶ留学生自体は増えており、05年の総数は約8万人と10年前の1.3倍になっている。



米国留学生減少の記事を読んで思うこと。 2009年12月29日 アメリカ留学日記

今の日本人学生の気質や考え方については一切わからないので何も語りませんが、
私が思ったのは、
アメリカという国の魅力が減ってきているのではということです。

私は2005年にこちらに来ました。
私はスポーツビジネスを学びたいのでスポーツ先進国のアメリカで学ぶしかないと思ってきたのですが、
同時にいい意味でも悪い意味でも世界の中心であるアメリカという国を知っておく必要があるとも思ってました。

ところがここ最近のアメリカは世界の中心ではなくなってきているように思うのです。
アフガニスタン、イラクへの「テロ撲滅」名義での戦争、
昨年のサブプライム問題に端を発する金融危機、
地中温暖化対策の非協力的な姿勢など
アメリカは世界からひんしゅくを買うことが多くなっているように思われます。


アメリカという国はアジア、ヨーロッパの国々から比べると歴史の短い国です。
それゆえに古い仕来りがなく新しいことに挑戦することが出来る国でした。
アメリカンドリームという言葉がまさにそれを表していると思います。
しかし、
アメリカは現在ではかなり保守的な国になっています。
アメリカンドリームはほとんど死語になってます。
富を持つものはますます富を持ち、持たざるものはますます貧を増していきます。

アメリカで上の世界を目指そうとするとかなり激しい生存競争に参加しなければなりません。
大学はキャリアを積むための最初の一歩です。
他人を蹴落としてという事はないですが、常にふるいに掛けられているような感じはあります。
少しでも気を抜くと遅れそうな気がするし、学期が終われば生き残ったという気になります。
記事の中で日米教育委員会が「アメリカ留学完全サバイバルセミナー」を開いているとありましたが、
アメリカのでの学生生活はまさにサバイバルです。
上を目指すならそれでもがんばれますが、
ただ単にに英語を学びたいというならアメリカ留学は向かないかもしれません。
他の国でも出来ます。


では英語以外に何を学ぶかということなんですが、これがまた問題でして、
先に書いたようにアメリカは歴史の短い国なので文化といえるものが少ないです。
アメリカ独自の文化を言えるものは
・スポーツ(野球、バスケットボール、アメフト等)
・ブルースを発端とするジャス、ロックなどの音楽
・ミュージカル(NYブロードウェー)
・映画(ハリウッド)
ぐらいではないでしょうか。
4つともエンターテイメントです。
生活スタイルどかはほとんどヨーロッパ文化の延長上にあるようなものですし、
食文化だってハンバーガーとかBBQとかありますが、どう考えてもフランス、中華、日本料理にはかないません。
上の4つだって今や日本に居ても十分に楽しめます。


かなり長々と書きましたが、まとめると、
かつては繁栄の象徴と思われていたアメリカ文化は現在では日本でも当たり前のものとなり、開拓者精神を忘れ保守的となったアメリカに新しい文化を生み出す余地は少なくなり、結果として日本人をひきつける魅力が薄れてきているというのが私の感想です。

今の私から見ると、奥深く歴史のある日本文化(東洋文化)と西洋文化の入り混じった日本のほうが新しいものが生まれてくるような気がするし、遥に魅力的です。


(私のコメント)
最初の日経新聞の記事ですが、ハーバード大学に留学する日本人学生が1人というのは驚きです。全体的にみても海外への留学生は増えているのですが、アメリカへの留学生は10年余りで47000人から34000人まで減っている。中国人や韓国人の留学生が増え続けているのに日本からの留学生が減っているのは目立ちます。

政治的外交的な結びつきから考えれば、もっと多くても不思議ではないのでしょうが、なぜ減って来ているのでしょうか? 大雑把に考えればそれだけのメリットが無いからでしょう。アメリカの有名大学を出れば一流企業に就職ができて出世コース間違い無しなら、アメリカ留学生はほっといても増え続けるはずだ。

少子化や経済不況の影響なら留学生総数が減ってもおかしくはありませんが、総数は増えている。考えられる事はアメリカの大学を出ても外資系の会社に就職するのならいいが、日本企業に就職するにはアメリカの大学を出てもプラスにはならず、たとえ入社しても海外駐在要員として本社勤務にはなれないからだろう。

頼みの外資系企業もリーマンショック以降の就職は厳しく、これではアメリカに留学する日本人学生は減ってしまうのが当然だ。一時期のMBAなどに対する信仰的な評価も最近ではがた落ちだ。分かりやすく書けばアメリカ的市場原理主義的経済学は間違いなのであり、オバマ政権でも社会主義的政策を取り入れているくらいだから、わざわざアメリカに留学して、おかしな経済学を学ぶ必要も無い。

アメリカは多民族国家であり英語を話さないアメリカ人も多く、発音もおかしなアメリカ人も多い。だから英語を学ぶ為の語学留学もアメリカは向かないようだ。第一わざわざアメリカに留学しても英語がぺらぺらになるれわけでもなく、大学を出てMBAをとっても就職にも役に立たないとなれば時間と費用の無駄使いだ。

60年代や70年代ならアメリカで学んだ事が即日本でも役に立つ事もあっただろう。アメリカで起きていた事は数年後には日本でも起きることが良くあった。しかし最近のアメリカは日本の10年後を追っかけているように見える。08年にアメリカで起きたバブル崩壊は日本で91年に起きたバブル崩壊の後を追っている。

だから最新の経済学を学ぼうと思ったら日本の経済状況を学んだ方が役に立つだろう。時価会計も粉飾決算も飛ばしも何でもありのアメリカのやり方は日本がかつてやっていたことだ。つまりアメリカの会計方式やり方が間違っていたのだ。株式資本主義も短期的な業績に偏る経営方式はハゲタカファンドに食い尽くされてしまった。

アメリカの誇ってきた投資銀行も金融工学も化けの皮が剥がれてみれば単なるバクチに過ぎなかった。リスクを数百に分割すれば安全性が高まるとしていましたが、破綻した債券をどうやって回収するか考えてもいなかったのだろう。アメリカの金融工学といってもこの程度なのであり、証券化ビジネスも単なる「飛ばし」に過ぎなかった。

アメリカが文化的にも衰退している事は、ハリウッド映画や音楽産業を見ても明らかであり、70年代のポップスターが未だに元気で第一線で活躍している姿は、新しいサウンドを生み出す力がなくなっている証拠だ。テレビ番組でもかつてはアメリカの番組がそのまま放送されていましたが、今ではほとんどなく放送しても深夜の時間帯だ。

つまり日本からアメリカへの留学生が減ったのは、経済的にも文化的にも魅力がなくなってきたからだろう。私自身がアメリカ留学に批判的なのは、アメリカは留学生をスパイとして送り返しているからだ。中央官庁ではアメリカ留学組みでないと出世できなくしているし、竹中平蔵や川口順子のようなアメリカ留学帰りが日本の政治経済をメチャクチャにしている。だからわざわざ馬鹿になるためにアメリカ留学しているようなものであり、単なる英語屋さんに過ぎない。

日本の中央官庁も戦後間もない頃はヨーロッパ留学組みが多かったのですが、今ではアメリカ留学組みが多くなった事が政治をおかしくしているのではないだろうか? アメリカには歴史が無いから日本で応用しようとしても役に立たない。モータリゼーションによるアメリカ文化も石油の高騰で車に頼ったライフスタイルは時代遅れになりつつある。だからアメリカに留学しても時間と費用の無駄使いだ。




わが国が80年代に“世界の工場”として君臨していた当時、韓国企業に
あまりにも気前よく技術やノウハウを教示し過ぎたことを指している。


2010年3月16日 火曜日

「日本はもう韓国に勝てない」は本当か? 3月16日 真壁昭夫

 連載第92回でも詳しく述べた通り、韓国企業の強さの要因としては、まず一握りの財閥のパワーが圧倒的に大きいため、少数の有力企業に技術者などの経営資源が集中していることが上げられる。

 また、人口約4800万人(世界26位)、GDP約9500億ドル(同15位)を誇る韓国の政府当局は、強力な産業政策によって、主力輸出企業をサポートする姿勢を鮮明に示していることも強力な追い風になっている。

 ある韓国通は、「サムソンはある意味で韓国そのもの」と指摘していた。言い換えれば、一部の有力企業は公的な支援を受けながら、効率的に経営を行なうことが可能になっている。

 ただ、成長著しい韓国の対日貿易収支が赤字傾向を続けていることは、あまり知られていない。2009年の韓国の貿易収支(暫定値)は、409億8000万ドル(約3兆8100億円)と史上最高の黒字だった。

しかし、対日貿易赤字は前年比19%改善したものの、それでも264億ドルの赤字である。マクロベースで見ると、韓国企業はわが国から工作機械や主要部品などを輸入し、多額の特許使用料を支払っているのである。

 それを見る限り、韓国企業が、主要技術や機械の供給などのかなりの部分を、まだわが国に頼っている姿が浮き彫りになる。こうした状況を見ると、「もう韓国に勝てない」と過度に悲観的になる必要がないことがおわかりだろう。

日本は韓国に大らか過ぎた?
技術移転で躍進した韓国企業

 わが国の有力電気メーカーの経営者の1人は、「1980年代、わが国の企業は韓国に対し、あまりに人がよくて無防備だった」と悔しがっていた。

 彼の言葉は、わが国が80年代に“世界の工場”として君臨していた当時、韓国企業にあまりにも気前よく技術やノウハウを教示し過ぎたことを指している。

 韓国企業は、わが国企業から受け継いだ技術を予想以上に上手く使かったため、今では本家ともいうべきわが国企業を凌ぐ勢いの分野も多い。その一例が半導体、液晶パネル、鉄鋼、造船などの分野ということができる。

 歴史的に見ると、韓国の経済発展は朝鮮戦争以降、かなり遅れていた。ところが、ベトナム戦争への派兵やわが国からの経済・技術援助をきっかけとして、いわゆる“漢江の奇跡”と呼ばれるほどの高成長を遂げた。

 その結果、1990年代に新興工業経済地域 (NIEs) の1つに名を連ねるようになり、1996年にはアジアではわが国についで2番目となる「先進国クラブ」と称されるOECD(経済協力開発機構)の加盟国になった。

 もう1つ、韓国に関して忘れてはならない要素がある。それは、韓国が、旧自由主義諸国にとって、重要な戦略的ポジションにあることだ。

 韓国の隣には北朝鮮がある。北朝鮮の隣国は中国とロシアだ。韓国は、「旧共産権諸国からの脅威を朝鮮半島の北緯38度線で食い止める」という大切な役割を担っていた。

 それは、世界の安全保障上、かなり重要なファクターなのである。そうした大切な役割を担う韓国を、「経済的に困窮させられない」という思惑が先進諸国にあったことは、想像に難くない。

 もちろん、同国自身の努力が最も大きいのだが、今日の韓国の発展には、ある意味「恵まれた機会を有効に生かせた」という側面があるだろう。

現実は、日本と中国との板ばさみ
“サンドイッチ現像”に悩む韓国

 とはいえ、飛躍的な経済発展を遂げる韓国にも、いくつかの問題がある。

 その1つは、半導体の製造装置などの生産財において、国内供給能力の拡大ペースが遅れていることだ。韓国のIT分野は、サムソンに代表されるように、世界屈指の有力企業が揃っている。

 しかし、そうした大企業が使う集約性の高い部品や製造装置といった生産財の国内供給が、追いついていないのが現状だ。そのため、どうしても部品や工作機械を海外、特にわが国などから輸入せざるを得ない構造になっている。

 ある韓国政府の高官は、「韓国が得ている貿易黒字の多くは、日本に献上するために稼いでいるようなものだ」と指摘していた。 

 また、為替相場が大きく変動するリスクのなかで、主要企業の輸入依存度が高いことは、それだけの危険負担があることを意味する。企業の収益状態は、自国通貨であるウォンの変動に左右される可能性がある。それは、韓国経済全体にとって好ましいことではないはずだ。

 さらに、韓国の経済専門家が指摘する潜在的なリスクは、いわゆる“サンドイッチ現象”だ。

 日本や欧米企業の技術開発が進み、新製品の開発テンポが加速された場合、技術や部品、製造装置の一部まで海外企業に頼っていると、自国の企業がその流れから取り残される懸念がある。

 また、技術集約性の低い製品については、人件費の安い中国やベトナムなどで製造することが可能になる。その結果、韓国企業が中国・ベトナム企業からの追い上げに苦しむことも懸念される。

 上からは取り残され、下からは追い上げられる――。それが“サンドイッチ現象”の正体だ。主要国の多くが経験した苦難を、韓国もいずれかの段階で、味わうことになるだろう。

 韓国企業は、そうしたハードルを上手く乗り切ることができるか否か。注目に値するところだ。



(私のコメント)
昨日は日本やヨーロッパのメーカーに敗れ去ったアメリカ企業の事を書きましたが、日本企業も韓国や中国の企業に敗れ去っていくのかという課題でした。確かにソニーなどのメーカーは韓国のサムスンに圧倒されて、大型液晶テレビではソニーはかつての栄光は無い。かつてはカラーテレビといえばソニーのトリニトロンは最高の品質を誇っていた。その為に液晶パネルの開発に遅れを取ってしまった。

ソニーは遅れてしまった液晶から手を引いて、全く新しいパネルを開発しようとしたがそれにも失敗して韓国メーカーのサムスンから液晶パネルを調達するまで落ちぶれてしまった。いったいソニーの研究開発陣は何をしていたのだろうか? ソニーの経営陣が新しい展望が開けなくなりサラリーマン化してしまった事がソニーらしさを失わせている。

むしろアップルが出している新製品にかつてのソニーらしさが見られるのですが、今のソニーの経営陣では画期的な新製品を作るという意欲が感じられない。むしろ既存の市場を守る事に経営陣の意識が行ってしまっている。そうなってしまった原因としては過半数の株主が外人となり社長も外人になって経営の主導権が外人になってしまった。だから今のソニーはかつてのソニーではなくなってしまったからだ。

企業のグローバル化が進めば良い面もありますが悪い面もある。かつての日本企業は長期的なプロジェクトを組んで新製品を開発してきた。しかし経営のグローバル化が進んで外人株主に対して利益最優先の経営となり、利益を生まない新規事業は多くが中止されて画期的な新製品が出なくなってしまった。

むしろグローバル化の良い面を生かしているのが韓国メーカーであり、日本の技術者を厚遇で引き抜いている。日本の家電メーカーは経営難で多くに技術者を冷遇していますが韓国メーカーが引き抜いてサムスンなどには数百人の日本人技術者が働いている。ならば日本企業ごと買収してしまえということに将来なるかもしれない。

日本で開発されたものが、すぐに韓国や中国で作られるのも日本人技術者の引き抜きがあるからであり、特許でガードしようが管理を厳重にしても引き抜きでみんな機密が漏れてしまう。韓国企業が得意とする分野が日本とダブルのはその為であり、韓国企業は日本企業の影のようなものだ。しかしやがて影がより大きくなればサムスンがソニーを買収する事もありうる。

現在のアメリカは日本企業を目の仇にしており、トヨタを始めとして集団訴訟などで吊るし上げにあっている。それを回避する為に韓国や中国が影になって製品を作らせてアメリカに輸出しているという日本の戦略でもあるのだろう。アメリカにしても韓国や中国を叩くわけには行かないからだ。つまり韓国や中国は日本の影であり別働隊のようなものだ。


「使い捨て」の日本人技術者が大量流入―中国 2008年9月12日 レコードチャイナ

2008年9月1日、新華網は、日本の雑誌に掲載された日本人技術者の現状を紹介した。資料によればここ5年間で大量の日本人技術者が中国に流出しているが、待遇の違いに理由があるという。

それによると、日本でリストラされたり、退職した技術者が中国のために働くという現実がしばしば見られるようになった。彼らが日本で再就職した場合、年収は300〜400万円だが、中国企業では500万〜700万円にもなるという。こうした待遇が彼らを惹きつける魅力だ。

日本の人材が流出するという現象は今に始まったことではなく1980年代まで遡る。韓国のサムソン電子が大量の日本人技術者を引き抜き、その結果、現在では日本の製造業を圧迫するまでの存在になっている。団塊世代が大量に職場を去る中、こうした現象が再現される可能性がある。


日本では技術者の地位は決して高くない。福田内閣(9月1日現在)の18人の閣僚のうち、理系出身者はわずかに1人。明治維新から数えて理系出身者が総理大臣になったのは東京水産大学出身の鈴木善幸氏のみだ。それに対して中国の歴代の指導者は理工系出身者が占める。


(私のコメント)
日本の技術が韓国や中国に流れるのは技術者の人的引き抜きがある限り防ぐ事ができない。日本で再就職しても300万か400万にしかならなくても韓国や中国でなら500万から700万円で引き抜かれれば防ぎようが無い。トータルで見れば日本の部品が韓国や中国に輸出されて日本の利益になる。

地政学的に見れば、日本、韓国、中国、台湾と一つの文化圏を形成しているのであり、アメリカは日中の結びつきが大きくなるのを恐れている。目に見えないところで日中の人的交流が進んでおり、ヨーロッパのEUのような共同体が出来ていくのではないだろうか? 戦前においては朝鮮半島や台湾は日本の領土であり中国の東北部も日本の一部のようなものだった。

だからアメリカは日本が強大化しないように分断化しましたが、極東アジア一帯が世界の中心になる事も考えられる。そうなる事を恐れてアメリカは日中の分断工作をしているのであり、中国や韓国の反日運動の背後にはアメリカの国務省がある。日本の民主党政権が出来てアジアよりの外交政策を打ち出したことでアメリカはG2戦略を棄てて中国との対決姿勢に転じてきた。その狙いは日中の分断だ。

日本の戦略としては、中国全土が民主化されることは無理だろう。しかし上海や大連や香港などは民主化して独立する事が可能だ。いずれも日本が一時的に支配した地域であり、中国がいくつかに分裂して極東の共同体として形成される事があるかもしれない。その障害となるのが在日米軍の存在であり、その為に日本は孤立化させられている。



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