株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


今の日本企業は、韓国企業に追い上げられて苦しい、と思ってるだろうが、
その感覚は25年前頃から、多くのアメリカの製造業が抱えていた感覚だ。


2010年3月15日 月曜日

日本企業の苦しみを25年前から味わっていたアメリカ企業 3月8日 My Life in MIT Sloan

実際、日本の製造業は苦しんでいる。講演でも紹介したように、かつてはブラウン管テレビでは世界の半分のシェアを持っていた日本企業は、薄型テレビになってから、サムスンやLGにシェアを奪われてるし、半導体も1980年代にはDRAM世界シェア80%近くを占め、NECがNo.1だったが、ここも韓国にやられている。

韓国だけでなく、元気のいいアメリカ企業も、携帯音楽プレーヤーなど各分野で日本企業を脅かしている。半導体露光装置は10年前までニコンとキヤノンで世界の75%を占めていたが、現在はオランダの企業がトップ。などなど。素材産業など日本が勝ち進んでる分野もあるが、多くの製造業は軒並み苦しんでる様子だ。

製品がコモディティ化して独自の競争力を失い、更に技術が世代交代することで、影響力を全く失ってしまう。しかしこれは、日本に限らず、世界中の大企業が共通して直面する問題である。

今の日本企業は、韓国企業に追い上げられて苦しい、と思ってるだろうが、その感覚は25年前−1985年頃から、多くのアメリカの製造業が抱えていた感覚なのだ。新しい技術を上手く取り込めずに、元気のいい日本企業やヨーロッパの企業にに追い上げられて。というわけで、講演では、25年前から苦しんでいたアメリカの大企業を3つ紹介してみた。

■RCA

テレビで韓国に追われて日本が苦しんでるって話をしたので、日本企業が破滅に追いやった、アメリカのテレビの企業の話をしておくのがフェアだろう

RCAは、ラジオやテレビなどの黒物家電を作っていた、アメリカを代表する電機会社だった。かつてはミュージックレーベルも持っていたので、いまでもこの「RCA」と書かれたCDを持ってる人も多いんじゃないだろうか?

もともとはラジオを作っていて、それが1920年代に大量に売れて、後の繁栄の基礎を築いた。折りしもアメリカ経済が繁栄の極みをみせていた1920年代(大恐慌の直前)。車も普及し始めていたから、車に乗せたり、子供が子供部屋に置いたり、と2台目、3台目の需要もあった。

ラジオで儲かった利益を原資に、RCAは白黒テレビの開発を始めた。通信業界の規制を決めていたFCCを上手く利用して、自社の技術を元にテレビの標準化を推し進め、1941年に初の商用化。こうして、1960年代にはアメリカのテレビ市場シェアの半分をRCAが持っていた。

ところが松下(当時)やソニーがアメリカに進出して状況が変わった。RCAよりも莫大な資本を投下して、大量生産と安い労働力で製造コストを落とし、とにかく安い。品質も割と良い。(今の韓国企業を見てるようだね)1980年代に入るとシェアが逆転。オランダ企業フィリップスなども参入して、RCAは徐々にシェアを失い、1987年には1%以下となった。

RCAは儲かっていた時代に作った大きな研究所があり、次世代のテレビを開発しようと、たくさんの技術を蓄えていた。それが液晶テレビだったが、これはRCAでは実現しなかった。後に日本のシャープが、この技術を譲り受けて電子計算機に使い、技術を進展させて、最終的に液晶テレビを実現したのだった。

RCAは、家電が関連するものに次々と事業を広げ、テレビでの負けを食い止めようとしたが、これも失敗の原因だった。特にパソコンへの参入では、本来は家電に集中するべきだったリソースをかなり食われた上、全く利益が出なかった。結局広げた事業は次々に他企業に売り、事実上の崩壊となったのだった。

■モトローラ

モトローラは、アメリカを代表する通信メーカーだ。1980年代に世の中に初めて携帯電話というものを出して、普及させた。ところが圧倒的なシェアを誇っていたアナログ携帯電話から、2Gのデジタル携帯電話に移行することが出来なかった。以前の記事にも書いたように、アメリカでアナログ携帯電話のインフラに莫大な投資をして、市場が2Gに移行しようとするのを食い止めていたのだ。

しかしアナログではキャパシティとコストの問題は解決できず、世の中は2Gへ移行する。モトローラもかなり遅れて参入したが、圧倒的な知名度でも遅れは挽回できず、ヨーロッパのメーカーであるノキアにシェアのほとんどを奪われていった。イリジウムの大失敗も痛かった。そこからは転落の一途だった。

もともとは通信機器に必要な半導体からインフラまで全て作る超垂直統合な企業だったが、半導体などを初めとして事業を切り離し、組み込みソフトウェア技術者を数万人単位で解雇。携帯電話事業そのものを売ることで何とか立て直そうとしているが、誰も買ってくれない。

アメリカを代表する通信機器メーカーだったモトローラが、次々に切り売りされて崩壊の一途をたどるのを見るのは、正直忍びない。

■コダック

そして、イーストマン・コダックは、フィルムカメラの王者だった。かつては市場をほとんど独占しており、40%近くの営業利益率を誇っていた時代もあった。大きな基礎研究所を持ち、最も優秀な化学者や技術者が採用され、様々な基礎研究も行われていた。MITの最大の寄付者のひとつでもあって、かの有名なMITのドームがある校舎は、コダックの寄付で建てられたものだそうだ。

ところが、1980年代から徐々に日本の富士フィルムに追われ、シェアを失っていく。極めつけは、ソニーが開発して、日本勢がシェアのほとんどをもっているデジタルカメラだった。

たった10年の間に、デジタルカメラの世帯普及率は50%を越え、誰もフィルムカメラを買わなくなった。コダックもデジタルカメラを開発したが、「フィルムと現像代で継続的に儲ける」ビジネスモデルから脱却できなかった。デジタルカメラのような「機械の売り切り」ビジネスになじめなかった。それで、技術はたくさんあったのに、組織の意識の変更をすることが出来ず、シェアを全く取れなかったのだ。

アメリカ人たちはコダックに対し、「コダックなんてもう死んだブランド(dead brand)だ」とか「デジタルにいつまでも移行できない、終わった会社だ」という厳しい評価を下している。ある講演会では、社長が呼ばれたのに、「コダックはデジタルを語る資格がない」といわれて講演を拒否されたことすらあった。
そういう評価に対して、コダックの社員たちが作ったビデオがこれ。

社長(本物ではない)が、「コダックだってデジタルをやってるんだ!」ということを主張してる。

私はこのビデオを見ると、どういうわけかいつも涙が出てくる。
新しい技術の波に乗れず、シェアが落ちている企業も、別に技術を持っていないわけではない。それどころか、このビデオに出てくるように、全ての最先端の技術がこの会社にはあるのだ。商品化こそされなかったけど、デジタルカメラだって最初に開発したのはコダックなんだから・・。

それなのに、その技術を使った商品が出せない。
社内や系列企業の既存事業とのしがらみがありすぎて、競合する製品を出せないのだ。そして、ようやく出してもシェアが取れない。あまりに今までの事業とビジネスモデルが違いすぎて、組織がついていけないのだ。

ビデオ内の「Kodak is doing it!」「I Know, Big talk is coming from the company」
「What about shareing? I'll tell you about the sharing!」「BooYaah!」
という社長の叫びは、自分たちが技術は一番持ってるんだよ!分かってるんだよ!いくらでも語れるよ!それなのに・・・という経営者たちの心の叫びだと思う。

決して経営陣が技術を知らないバカなわけでも、技術者がツカえないわけでもないのだ。経営の舵取りを間違えただけで、これだけの技術と、研究者の努力が無駄になってしまう。大企業の組織を改変し、新しい技術に対応するように全体を変えていくのは、かくも難しいことなのだ。

「技術が優れてるから勝てる」わけではない、ということは、こうしてアメリカの企業たちは、日本企業やヨーロッパの企業に追いやられながら学んできていているのだ。

日本企業が、これらのアメリカ企業のように崩壊の一途をたどるか、IBMやGEがそうであったように再生するかは、今の経営の舵取りにかかっている。


(私のコメント)
アメリカは80年代半ば頃までは製造業でも技術力や資本の大きさで圧倒的な強さを持っていた。RCAにしてもモトローラにしてもコダックにしても世界的なナンバーワン企業だった。ところがそれらの市場を日本のソニーやパナソニックやフジフィルムなどが進出してきて市場競争で破れてしまった。アメリカ企業は決して技術力で劣っていたわけではなく、液晶技術やデジタルカメラや携帯電話はアメリカ企業が発明したものだ。

ところが既存の市場を失うまいとして会社組織を時代の変化に合わせていくことに失敗してしまった。RCAも既存のブラウン管テレビから液晶テレビに切り替える投資を惜しんでいる間にシャープがカラー液晶パネルを実用化してしまった。ソニーもトリニトロン・ブラウン管テレビに拘るあまりに液晶テレビには遅れを取ったようなものだろう。

モトローラといえば携帯電話の代名詞のようなものでしたが、これもデジタル化の波に飲み込まれてしまった。あまりにもアナログ式のインフラ投資に金をつぎ込んでしまっていた。起死回生のためにイリジウムと言う衛星を使った携帯電話は画期的なものでしたが、携帯電話の主流にはならず大失敗に終わった。

コダックにしてもフィルムの代名詞のような会社でしたが、デジタルカメラという全く異なる分野からの参入でフィルム式のカメラは廃れてしまった。しかしデジタルカメラを開発したのはコダックでありながら、フィルムの現像やプリントなどの市場を切り捨てる事は不可能だっただろう。しかしソニーやカシオなどの企業は既存の市場を持たなかったからデジタルカメラで市場を席巻する事ができた。

そしていまや攻守ところを変えて日本企業は韓国や台湾や中国企業に追い上げられる立場に立たされていますが、アメリカ企業のように対応を間違えれば市場を奪われて行くのだろうか? 「株式日記」でも韓国の液晶パネルやDRAMに負けた事を何度か書いてきましたが、アメリカ企業のように衰退していくのだろうか? 

アメリカはデジタル技術や情報通信技術ではトップでありながらも、デジタル化商品の開発の波の乗り遅れてしまった。RCAやモトローラやコダックなどがどうして商品開発の波に乗り遅れてしまったのだろうか? それはブログでも触れられているように「社内や系列企業の既存事業とのしがらみがありすぎて、競合する製品を出せないのだ。」

それはソニーがウォークマンという市場やMDプレーヤーに拘りすぎて、アップル社のiPodに負けたように、日本のメーカーも二の舞いを踏みつつあるのだろうか? 社内の部門を切り捨てる事は大きな決断を要する事であり、新分野へはどうしても切り替えることが難しい。守りに拘りすぎれば新分野への投資は限られたものになり新興勢力に破れる。

ソニーはウォークマンやトリニトロン・カラーテレビで一時代を作りましたが、iPodやサムスンの液晶テレビに破れた。その気は会社の幹部たちに経営判断の誤りがあったのですが、自分たちが築いた市場をまだ利益を上げているのに切り捨てる事が出来る事なのだろうか? 社長が切り捨てると判断しても切り捨てられる部門の役員が反対するだろう。

いまや家電ではサムスンに日本のメーカーが束になってもかなわなくなってしまった。パソコンにしても台湾のパソコンメーカーが世界の市場を支配するようになっている。携帯電話も日本はガラパゴス化しているといわれますが、技術力がダントツでも世界市場を握る事ができなければアメリカの企業のように消えて行く運命にある。


ソニーVSサムスン 2009年9月14日 池田信夫

ソニーは日本の代表的なグローバル企業だが、最近はグローバル化の失敗例として引き合いに出されるほうが多い。他方、ソニーに代わってアジアの電機メーカーの雄になったのはサムスン電子だ。本書は両社を比較し、その失敗と成功の要因を分析したものだ。

ソニーの最大の失敗は、大賀典雄社長の後継者に出井伸之氏を選んだことである。彼は大賀氏が「消去法で選んだ」と口をすべらしたように、取締役の中でも末席で、ソニー本流の技術系でもなく、とりたてて実績があったわけでもなかった。創業者のようなカリスマ性がない点を補うため、彼はカンパニー制にして各部門の独立性を高め、委員会設置会社にして取締役会が"active investor"として巨大化した組織を統治しようとした。

結果的には、これが失敗の原因だった。各期のボトムラインだけを見て資産を組み替える持株会社のような分権型システムは、企業が成熟して開発投資が少なく、オペレーションの効率性だけが重要な産業(食品・流通など)には適しているが、ソニーのような研究開発型の企業には向いていない。カンパニー制でEVAのような財務指標を基準にして事業を評価すると、各部門の利己的なインセンティブが強まり、短期的リターンを上げるために長期的な研究開発をおろそかにする傾向が生じる。EVAを上げるにはレガシー事業を延命して設備投資を節約することが有利になるので、収益を上げていたテレビやVTRなどのアナログ事業が延命される結果になった。

致命的なのは、技術的にはアップルよりはるかに先行していた音楽配信システムで失敗したことだ。要素技術は別々のカンパニーがもっていたが、それを統括するリーダーが不在だったため、バラバラに何種類ものシステムをつくり、子会社のレコード部門が著作権保護にこだわってMP3をサポートしなかった。このようにハードウェアとコンテンツとプラットフォームが連携しなければできない補完性の強いビジネスでは、集権的な組織のほうがいいのだが、800以上の子会社を抱えて水ぶくれした組織と求心力の弱い経営陣では、整合的な戦略がとれなかった。出井氏はこの問題を理解できず、「著作権の保護が弱いから音楽配信ができない」などと政府に苦情をいっていた。(後略)


(私のコメント)
池田氏のブログを見れば、ソニーは一足早くアメリカ企業がたどった道に踏み込んでいるように見える。日本企業がグローバル化すると日本企業が持っていた強みは無くなり、グローバル企業が陥りそうな罠にはまってしまう。トヨタもグローバル企業になり世界一の自動車メーカーになりましたが、日本企業が持っていた品質への信頼性がなくなってしまった。そこをアメリカに突かれた訳ですが、ソニーやニッサンやマツダのように外人社長を迎えても上手く行くとは限らない。

これからの産業のポイントはエコロジーだと思うのですが、太陽電池パネルもシャープなどがトップ企業だったのですがドイツや中国の企業に抜かれてしまった。国家の産業政策の失敗が韓国のサムスンに抜かれた面もあり、太陽電池パネルも小泉構造改革で補助が打ち切られてしまった。原子力発電所にも相次いで受注に失敗しているが、技術力ではリードしていても市場で破れればアメリカ企業のように退場させられて行く。




中国の米ドルペッグ制からの離脱は、国内的メリットと共に、巨大な
外貨準備が含有する為替リスクや信用リスクを軽減する側面もある。


2010年3月14日 日曜日

中国、人民元切り上げでバブル退治とドル・リスク軽減へ 3月11日 ロイター

[東京 11日 ロイター] 為替市場で、中国が2008年夏以降続けてきた「米ドルペッグ制」を近々取りやめ、人民元の実質的な切り上げを実施するとの予想が広がっている。中国がドルペッグ制を放棄すれば、国内景気の過熱抑制に効果的なうえ、ドル買い介入の必要がなくなり、ドル資産保有リスクを軽減するメリットもある。

 実際に人民元が対ドルで切り上がれば、円高をもたらす可能性も指摘されている。 

 国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は9日、人民元について「依然非常に過小評価されている」との見方を示したうえで、国内成長重視から「数カ月以内に変化が起こる可能性がある」と予想した。

 人民元安を背景に「世界の製造工場」としての地位を確立した中国が、元高を許容し、内需主導の経済にスムーズに移行できるのか、政権の安定性との関連でも注目される。

 <二兎は追えない中国>

 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は、中国が人民元と米ドルの実質的ペッグ制を維持する限り、米国の資産を買い続ける可能性が高い、との見方を示した。

 中国は米ドルペッグによる交易上のメリットを最大限に享受してきたが、元安の恩恵とインフレなき持続的経済成長という「二兎を追う」ことは、大国でも困難だ。

「中国当局はこのところ不動産バブルの行き過ぎを警戒し、貸出の増加ペースにブレーキをかけているが、その一方で増加する外貨準備が、逆に金融緩和の役割を果たしている」と東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏は言う。

 中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の劉明康委員長は11日、中国の大手銀行に対し、与信拡大に伴うリスクを避けるため、今年は融資のペースを均衡させるよう求めた。しかし、融資規制が効果を上げるためには、別の蛇口を閉める必要がある。

「中国は依然として大きな経常黒字を出しているが、ドルペッグ制を採用していることから、為替水準を維持するため外貨買い/元売り介入を余儀なくされ、この元売りがマネーサプライの増加要因となってしまう。一方では貸出抑制をしながら、介入によるマネーの供給を増やすという矛盾が生じている」と斎藤氏は指摘する。

 この矛盾を回避し、バブルの抑制を図るためには、「自然体で元の上昇を放置し、為替介入を止めることだ」と同氏は言う。

 中国人民銀行(中央銀行)が11日に発表した2月のM2マネーサプライは前年比+25.52%、M1マネーサプライは前年比+34.99%と高い伸び率を示している。

 <クローリング・ペッグ制と円高>

 中国政府系シンクタンクの社会科学院・世界経済政治研究所は、人民元を事実上米ドルにペッグする現行制度は持続不可能とした上で、通貨バスケットにペッグする方法や、再度大幅にレートを修正する方法を含めて検討中であるとした。

 為替市場では、人民元の対ドル切り上げは、円高につながると見る向きが多い。

 ただ、市場では、クローリング・ペッグ制の採用を含めて、あくまでも穏やかで段階的な人民元切り上げを予想する見方が大勢だ。

 「ドラスティックな切り上げは国内外にとってメリットに乏しい。緩和的な金融政策を維持しつつ、景気をオーバーキルしない程度の人民元切り上げの可能性はあるとみている」と三菱UFJ証券・クレジット市場部・為替課長の塩入稔氏は語る。 

 「円相場への影響については明確な理論は存在しないが、金融機関の準備預金率引き上げの際に中国株安、リスク回避の円買いの流れとなったので、同じような一過性の反応があるかもしれない」と塩入氏は言う。

 ただし、「(中国当局が)本腰を入れて景気過熱感を取り除くという姿勢がみられた場合には、為替相場への影響も一過性では終わらないだろう」と同氏は続けた。

 中国人民銀行(中央銀行)は昨年11月に発表した貨幣政策報告のなかで、資本フローの変化や主要通貨の変動に基づいて人民元為替相場メカニズムを改善する方針を示し、2008年半ばから続くドルペッグ制を変更する可能性を示唆した。  

 また、人民銀行は2005年7月の元切り上げ以降、同報告で、人民元相場については「妥当で均衡の取れた水準で基本的な安定を維持する」との考えを繰り返し表明してきたが、11月の報告からは同表現が消えた。 

 <全ての卵を1つのバスケットに入れない>

 米ドルペッグ制からの離脱は、国内的メリットと共に、巨大な外貨準備が含有する為替リスクや信用リスクを軽減する側面もある。

中国が保有する米国債残高は、昨年12月末に8948億ドルと昨年6月以来始めて9000億ドルを下回り、注目された。

 中国の米債保有圧縮について、在京証券の中国担当エコノミストは「全ての卵を1つのバスケットに入れない、という方針だろう。米国債はドルを刷ればいいので、デフォルトになる可能性は小さいが、インフレによってドル価値が下がるリスクはあるという認識を持っているようだ」と分析する。

 「米国債を売却すると公言すれば価格を押し下げ、自らを窮地に追い込むことになるので、あくまでも静かに売り、発言は使い分けている」と同氏は言う。 

 中国国家外為管理局(SAFE)の易綱・局長は9日、中国が外貨準備を運用する上で、米国債市場は重要な市場だ、との認識を示した。 局長は中国による米国債保有が政治的な問題にならないことを望むと述べた。 金への投資については、金の長期的な投資利回りは高くはなく、中国は準備資産の一部として金を購入するのは慎重に行うとの考えを表明した。

 他方、中国国務院発展研究センター金融研究所の夏斌・所長は、中国は長期にわたり金購入を継続する必要があり、金価格の下落は購入の好機だとの考えを示している。

 金の他にも、中国は外貨の運用先として、戦略的石油備蓄、中南米債券や国際機関債への投資などを検討する一方、SDR(特別引出権)を使った準備通貨の理論的枠組みを示し、人民元建て債券(パンダ債)の発行も提言する。

 中国人民銀行(中央銀行)は昨年3月に自らのウェブサイトに公表した声明で、世界の準備通貨をドルからSDRに移行させるための理論的枠組みを提示し7月の主要8カ国(G8)と新興5カ国(G5)に、世界経済における準備通貨制度の改革を呼びかけた。

 世界経済政治研究所の余永定所長は、「米国において景気対策として打ち出された金融緩和と財政拡大策は、インフレの高騰と対外収支の悪化を通じて、金利上昇とドル安、ひいては米国債の保有に伴うキャピタル・ロスを招きかねない」とし、このようなリスクを抑えるために人民元建て外債(パンダ債)市場を発展させることも一つの方法とした。

中国が対外債権をパンダ債で持つことで、米国債買い増しリスクを減らしながら、人民元の国際化を推進することができるという。 

 他方、世界第2位の米国債保有国で1兆ドル超の外貨準備を有する日本は、揺らぎ始めた米ドル基軸通貨体制の下、巨額のドル債権を持ち続けている。「中国はしたたかにドルリスク軽減を目指しているが、日本はドルリスクを全て背負う格好になっている。外貨準備は、触れるとドル下落リスクが増幅するパンドラの箱のような認識が続いている」と第一生命経済研究所、主席エコノミスト・熊野英生氏は言う。



(私のコメント)
中国はひたすら対ドル固定相場を取っていますが、それだけドルを抱え込む事になり動きが取れなくなる。アメリカは好きなだけドル札を印刷してばら撒いているから中国が一手に引き受ける事になる。日本もかつてはそうして来たのですが、為替相場は緩やかに変動する上ではプラスマイナスが相殺して景気には中立のはずだ。

しかし現実には投機筋が仕掛けてくるから短期間に大きく動けば、実際の経済には大きな影響が出てくる。だから急激な変動には政府日銀が介入して動きを緩和する必要がありますが、投機筋に対しては機動的に動いて叩き潰す必要がある。しかし基本的には変動相場である以上は政府日銀は介入しない方がいい。

しかし外貨準備を1兆ドルも持つ必要があるのだろうか。ある程度は円が売り叩かれた時の用意にしておく必要がありますが、1兆ドルも必要は無い。外貨準備が少なければ少ないほどドルが暴落した際の損失は小さくて済む。それともドルが急騰したり円が暴落すると見込んでドルを貯めこんでいるのだろうか?

政府日銀が1兆ドルも買いこんだ事はそれだけの円が市場に放出された事を意味しますが、インフレが起きていないのはどうしてなのだろうか? 日銀が不胎化介入という事で市場に出た円を回収してしまったからデフレになってしまったのではないだろうか? 中国ではドル買い介入でマネーサプライが35%も増えてしまってインフレが発生している。

しかしこれは原因と結果が逆転した意見であり、円はだぶついているから金利が超低金利になっている。中国ではそれだけ資金需要が高いからマネーサプライも高い。ならば日本も資金需要を高めれば金利も上昇するし資金も回転して景気も良くなる。しかし日本は20年近くも資金需要は低迷して消費も低下する一方だ。

基本的には不動産の値段が下がり続けている限り景気の回復は見込めない。2007年ごろにはミニバブルの発生が起きましたが、海外からの不動産投資需要があったためだ。基本的に国際的な投資は通貨が安い所に集まりやすく円高の日本には海外からの投資が集まらない。

中国が人民元を安くしているのも海外からの投資を集める為だ。もし人民元がある程度まで高くなれば投機資本は新たなる投資先に移動していくだろう。アメリカの金融資本も中国に莫大な投資をしていますが、それを回収すべき時期が来ている。国際金融資本は非常に長期の戦略を立てて来ているから、一時的な現象だけでは戦略は動かない。

中国側も人民元の切り上げを認める代わりに交換条件を持ち出してくるだろう。それがバンダ債と呼ばれる元立ての外債投資を認めさせることだ。具体的に言えば元立ての米国債をアメリカの発行させるということで為替リスクを無くする事が出来る。しかしアメリカはなかなか外貨建ての米国債は認めないだろう。もし認められれば円建ての米国債も認めるように日本も要求すべきだろう。

しかしアイスランドのように国家が破綻してしまうと円建ての債券も焦げ付いてしまうから、アメリカがデフォルトすれば同じ事だ。ドル債ならドルで返せるが外貨建ての債券だと外貨を調達しなければ返せない。円がなかなか国際化しないのも円建て債の発行が少ないからですが、日本政府も円の国際化には消極的だ。基軸通貨の条件は信用があり後ろ盾となる経済規模が大きくなければなりませんが、アメリカのドルは信用が落ちて来ている。

ドルの後釜を狙うユーロもPIGS問題で揺れていますが、欧州通貨基金構想で落ち着きを取り戻している。アジアではアジア通貨基金が出来て問題に対処して着ていますが、このような形でそるに代わる第二の基軸通貨が出来てきて、ユーロや円がそうなりつつありますが、中国の人民元もそれを狙っています。しかし元は自由化もされていないから問題外だ。

中国経済の強さは何処までは本物なのだろうか? 今は人民元を人為的に引き下げているから強いように見えますが金融の自由化に耐えられる強さがあるのだろうか? 耐えられないから元の切り上げに抵抗しているのだろう。貯めこんだ2兆ドルの外貨も中国に経済危機が起きればあっという間になくなるだろう。


米有力エコノミスト、人民元問題で強硬姿勢取るべきと主張 3月13日 ロイター

[ワシントン 12日 ロイター] 米有力エコノミストは12日、オバマ米大統領が中国を正式に為替操作国と名指しすることをためらう理由はなく、中国政府に対する米国の人民元切り上げ圧力は世界各国から支援されるとの見方を示した。

 ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン米プリンストン大教授は、当地で行われたシンポジウムで「中国が為替操作を行っているとの明白な事実について再びお茶を濁すのはおそらく非常に難しいだろう」との見方を示し、「確かな脅威を与えなければどうにもならない」と述べた。

 また「中国に為替操作をやめるよう圧力を掛けた場合の中国側の反応を恐れるべきではない」と語った。

 米ピーターソン国際経済研究所のC・フレッド・バーグステン所長は、過去7年間にわたる米中協議や20カ国・地域(G20)による経済不均衡是正努力などのこれまでのやり方は機能しないという認識が広がりつつあるとの見方を示した。

 世界貿易機関(WTO)を通じた措置が成功するかについては懐疑的とした上で、特別関税などの米国の措置が国際社会から支持される可能性があると述べた。

 同所長は、ここ数年の調査により「人民元は少なくとも25─40%過小評価されている」ことが示されたとしている。

 財務省は4月半ばに半期に1度の主要貿易相手国の為替政策に関する報告書(為替政策報告書)を公表する予定で、中国を為替操作国と認定するかどうかを決定しなければならない。



(私のコメント)
アメリカ政府が中国を為替操作国と認定しなかったのも、アメリカには親中派が沢山いるためであり、キッシンジャーやブレジンスキーも親中派であり、最近のオバマ大統領の対中姿勢は親中派の力が弱ってきた為だろう。経済発展が中国の民主化を推し進めるというのは幻想であり、開発独裁国家としてアメリカの脅威となってくる可能性がでてきた。キッシンジャー氏もさぞかし腹の痛む事だろう。


キッシンジャー氏が入院=韓国 3月13日 時事通信

【ソウル時事】聯合ニュースによると、韓国訪問中のキッシンジャー元米国務長官(86)は13日、腹痛を訴え、ソウル市内の病院に入院した。快方に向かっており、当初の滞在日程を1日延長して、14日に韓国を離れる予定という。
 キッシンジャー氏の病状について、病院関係者は「状態は良くなっており、長期入院して集中治療を受けるほど深刻な症状ではない」と語った。同氏は10日に韓国入りし、11日にソウル市内で講演を行ったほか、12日には李明博大統領と会談した。(2010/03/13-22:02)





フリードバーグはアジアが米国率いる海洋派と中国率いる大陸派に分裂
すると指摘。 この二つの勢力によって新冷戦に類似したような状況になる


2010年3月13日 土曜日

アジアは米国率いる海洋派と中国率いる大陸派に分裂へ、その時新たな冷戦が始まる 2月22日 園田義明

インドで行われた「アジア安全保障会議」に出席したアーロン・L・フリードバーグ(プリンストン大学教授)。
「2030年のアジアの地政学」をテーマに米国の展望を語る。

フリードバーグはアジアが米国率いる海洋派と中国率いる大陸派に分裂すると指摘。
この二つの勢力によって新冷戦に類似したような状況になる可能性にも言及。

フリードバーグによる海洋派と大陸派の顔ぶれは次のとおり。

海洋派=米国主導
日本、韓国、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、シンガポール、タイ、インド、モンゴルなど

★大陸派=中国主導
北朝鮮、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、パキスタン、ミャンマー、ラオス、ベトナムなど


フリードバーグは伝説の軍略家として知られるアンドリュー・マーシャルの秘蔵っ子。
またヘンリー・キッシンジャーにも通じている。
よって、フリードバーグが描いたシナリオ通りの展開になる可能性が高い。


冷戦ゲームに持ち込みたい米国の思惑も透けて見える。
場合によっては中国率いる大陸派は「悪の枢軸」、あるいは「アカの枢軸」と呼ばれることになるのか。
米国が小沢一郎を手懐けようとしている理由もここにあるのか。

いずれにせよこれはあくまでもゲーム。ゲームを楽しむ余裕も必要。
日本人が忘れてはならないことは、本気になって先に熱くなった方が負けだということ。

この会議に出席していた五百旗頭真は早速その詳細を政府関係者に説明していることだろう。
はたしてサルたちに理解できるのだろうか。


<関連記事引用>

時代の風:インドでの安保会議=防衛大学校長・五百旗頭真
http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/news/20100221ddm002070110000c.html

 さて首都ニューデリーでの国際会議である。躍進中のインドが知的交流面においても格別に積極的であることを印象づけられた。「アジア安全保障会議」には、米国、中国、ロシア、英国などからも雄弁な論客が招かれており、活気にあふれていた。聞けば、数年前にはこれほど充実していなかったという。変化をもたらしているのが「中国・インドの並走的台頭」であることは明らかである。

 高度成長を続ける中印両国は、昨年の世界経済危機の中でも8%もの世界に例外的な躍進を主として内需によって遂げた。中国は周知のようにGDP(国内総生産)において今日本に並び、抜き去ろうとしている。インドは日中両国の4分の1規模に達した。まだまだ低いと思われるかもしれないが、インドのGDPはオーストラリアや韓国を抜き、アジアで第3位となって急成長中なのである。

 会議は「2030年のアジア」はどうなっているかをめぐって議論した。中国とインドが20年後の主要なアクターであることは全討論者が認め、「中印二極体制」を語る者もいた。中印並列ではなく、中国の優位を重視する「中国覇権体制」論もあった。その際に、世界が対抗的な権力政治に傾くのか、協調的な制度化に向かっているのかが大きな論点であった。そして覇権的な構図を警戒する議論が、中国をめぐって出される傾向が認められた。

経済高度成長を上回るペースの中国の軍拡について、日本においても懸念の声があるが、インドではそれ以上であった。中国は消費する石油の70%をインド洋を通じて入手しており、そのルートに沿って、ミャンマー、ココ島、バングラデシュ、スリランカ、パキスタンなどで中国は港湾開発に協力、推進し、利用権を拡大しようとしている。それがインドを取り巻く「真珠の首飾り」と警戒されている。

 中印両国以外にも重要なアクターがアジアに存在することは言うまでもない。私は日本の役割を語り、ロシアの教授は、アジア大陸における中国・インド・ロシアの三極体制に言及した。しかし最大の焦点は、米国のプレゼンスであった。アジア大陸での単極・二極・三極の論は、いずれも米国が関与しない場合の構図である。そして会議の参加者の誰一人としてそれを望んでいないことが、議論の中で浮かび上がった。

 米国がアジアの主要アクターであり続ける場合にも、(1)米国単独覇権(ありえない)(2)米中の共同統治(両国に利害の対立と不信があり難しい)(3)米中印三極体制(三極は通常安定しない)(4)米中が海洋派(日本・韓国・インドネシア・オーストラリアなど)と大陸派(北朝鮮・中央アジア・パキスタン・ミャンマーなど)を率いて二系列化するシナリオなどが提示された(フリードバーグ教授)。

主催者側インドのゴスワミ女史も、対決シナリオと協調シナリオの双方を描きつつ、中国が責任あるアクターとなれるか、あるいはナショナリズムと覇権主義に傾きたとえば台湾武力統一に走るかによって異なる将来像となる旨指摘した。アイケンベリー教授は「中国・インドの台頭、日本のノーマル化(冷戦終結後の20年に自衛隊がさまざまな活動を海外で行うようになったことなど)」とアジアの変化をスケッチしつつ、米国は日米同盟や地域協議への参加などを通してアジアにとどまり、アジア安定の供給者を務めるべきであると取りまとめ報告を行った。インドでの対話は予想以上に示唆と刺激に富むものであった。


(私のコメント)
昨日のNHKの「日本のこれから」と言う討論番組を見たのですが、左翼のプロ市民と親米ポチ保守との討論であり、見事に自主独立論者が排除されていた。設問も「日米同盟の「深化」どう思いますか?」といった曖昧なものであり、アンケートの結果も「積極的に 65%」で「慎重に 35%」であった。在日米軍についても「メリットが大きい 73%」で「デメリットが大きい 27%」であった。

このようなアンケートは設問の仕方自体で大きく変わるものであり、何しろ討論に参加している市民たちが右と左の活動家のような人ばかりでは、どちらかを選べときけば在日米軍に肯定的なアンケート結果になるだろう。問題は無党派層と言われるような多数の人がどのような意見を持つかは選挙結果を大きく左右する。

アメリカは最近になって中国との対決姿勢を打ち出してきましたが、去年の7月のオバマ大統領の米中G2戦略構想は失敗だったのだろう。米中によるアジア共同統治は日本に対する裏切り行為であり、8月の日本の衆院選挙で民主党政権が誕生したのもアメリカに対する不信感が招いたものだ。

最近のアメリカの中国に対する対決姿勢は一時的なものか、長期的な戦略であるかはまだ判定できない。クリントン政権にしてもブッシュ政権にしても最初は対決姿勢でも次第に融和姿勢に転換していくパターンを繰り返した。アメリカと中国との戦略対話は政治や軍事にまで対象が広げられて、日本が米中間で埋没する危険な状況に置かれてしまった。

五百旗氏が述べているように米中の共同統治論では利害衝突がおきやすく、アメリカは中国以外の全ての国を敵に回すことになる。EUにしても反発が起きたし、米中によるアジア共同統治では在日米軍基地は何のための基地なのかが不鮮明になる。鳩山政権が沖縄に普天間基地を宙に浮かしたのもアメリカに対する揺さぶりなのだろう。だからアメリカは中国との対決姿勢を見せたのかもしれない。

三極や多極構造も安定させる事は難しいだろう。多極構造では勢力の離合集散が激しくなり安定しなくなる。そこで出て来るのが「フリードバーグによる海洋派と大陸派」の新冷戦体制ですが、今度の新体制は中国が主導権を持つ大陸派が登場する。上海協力機構のメンバーを見れば中国が中心勢力であることは明らかだ。

アジアといっても一つではなく大陸アジアと海洋アジアとに分かれる。中国の台頭によって海洋アジアは中国の脅威に晒される事になり、ましてや米中のG2アジア共同支配などと言われたら、台湾はもとよりフィリピン、インドネシア、マレーシアなどの海洋アジアはアメリカや中国に対する警戒感を強めるだけだ。決定的なのは日本が対米不信を強めてしまった事だ。

フリードバーグは伝説的戦略家のアンドリュー・マーシャルの秘蔵っ子だそうですが、同じG2でも米国主導の海洋派と中国主導の大陸派の新冷戦体制だ。2030年頃には中国はアメリカに迫る超大国となり、アメリカは徐々に衰退して軍事力や経済力で米中は逆転するかもしれない。そうなれば日本はアメリカと手を組むより中国と手を組む事も考えられる。そうさせないためには新冷戦体制に持ち込まなければならないと考えたのだろう。

アメリカの戦略家が一番恐れているのが中国と日本とが手を組むという事だ。そうなれば確実にアメリカはアジアから追い出される。小沢一郎の600人を引き連れた大訪中団はアメリカに対する牽制でありアメリカを慌てさせたのだろう。日本もチャイナカードを使ってアメリカを牽制できるほどの政治家がいればいいのですが、鳩山小沢では無理だろう。


中国の軍事大国化に手を貸す日本 2002年5月30日 株式日記

日本の自民・公明連立政権は中国への毎年2000億円もの政府開発援助を行なっている。それらは社会資本充実のために使われる事になっているが、最終的に軍事費の増大になっていれば、日本政府が軍事援助をしているのと同じである。中国の国営企業は軍が直接経営しているものも多く、江沢民が主席であるほかに直接の軍の最高責任者である。中国軍は国軍ではなく共産党の軍隊だからだ。

しかしながら江沢民は軍歴が無い為に軍部には睨みが効かず、軍部が叛旗を翻したら政権はひとたまりもない。軍事費の増大に歯止めがかからないのも当然の事で、江沢民にはケ小平のような軍に対する指導力はない。軍部はこのような中国共産党幹部への人事にも不満をもってきている。改革開放路線はあくまでも海外からの投資資金を呼び込むためのスローガンにすぎない。

中国海軍は近いうちに空母二隻を中心とした、外洋機動部隊を持つことになる。そうなれば東シナ海からインド洋までのシーレーンは中国が支配する海域となる。空軍においてもスホイ27を60機をロシアから輸入し、ライセンス生産分を含めると300機体制になる。さらには超音速爆撃機のバックファイヤーも4機導入している。さらには射程13000キロの戦略核ミサイルも持ち、核弾頭も380発保有している。

このような中国軍の軍備の拡大増強はアメリカを慌てさせている。東アジアの軍事バランスをも変えている。台湾のみならずアメリカだけではもはや中国軍に対抗できないほどのレベルになってきている。野中広務をはじめとする親中国派の政治家は、日本のイージス艦のインド洋派遣に反対している。中国の意向をくんでの発言だろう。野中広務が自民党の実力者でいるうちは日本は張子の虎だ。

中国共産党は事あるごとに日本の軍国主義の復活を攻撃する。靖国参拝や教科書問題など事あるごとに執拗な抗議を繰り返すのも、日本を骨抜き状態にしておくためだ。その恫喝に怯えて中国への「土下座外交」を繰り返し、ODAという名のもとで毎年2000億円もふんだくられている。これではアメリカは頭に来るだろう。アメリカは日本を中国から守ってやっているのに、その日本は敵の中国に資金援助している。どう考えてもおかしい。

昨日のアンドリュー・マーシャル氏の論文を見てもらえばわかるとおり、21世紀はアジアを火薬庫として見ている。はっきりとは書いてはいないが、そのメインターゲットは中国だ。日本の核武装をも予測している。キッシンジャー博士もそのように予測している。現在の日本の世論からは考えられないが、東アジアの軍事バランスから見て、日本が核武装しないと中国に対抗できないと見ているのだろう。


(私のコメント)
アメリカは小泉純一郎を使って親中派の野中広務を排除した。これと同じように鳩山小沢民主党もやがて排除されるだろう。日本に在日米軍基地がある限り日本の政治はアメリカに左右される。自民党政権はアメリカと密約を交わしてはアメリカに金を貢いで来た。同じように中国にも毎年2000億円を貢いで来た。自主防衛体制を築ければ一番いいのですが道は遠い。




米国で自動車を販売するには、電気自動車の販売が必須になるのも
時間の問題でしょう。米国もまた自動車革命のただなかに自らを投じる。


2010年3月12日 金曜日

フェラーリよ、お前もか 激変する欧州 3月9日 舘内端

 こうした欧州の電気自動車とハイブリッド車の発表、開発のムーブメントは、それらの先進国であるはずの日本よりも力強く感じられました。一度決まると、力強く前進する欧州、技術は先進でも実行力の弱い日本という縮図がここでも見られます。

09年9月に開催されたフランクフルトショーでは、ほとんどの展示車の側面にCO2排出量が描かれていましたが、その様子はジュネーブモーターショーでも変わりません。まさにCO2排出量展示ショーの様相です。

 電気自動車の種類の増加とCO2排出量の表示は、欧州が明らかに次世代に向けて大きく舵を切ったことを示すものでしょう。しかも、日本よりも米国よりもその意志は固く、現実性の高いものと感じられました。自動車を発明し、自動車の世紀を創造した欧州は、日米に先駆けて自動車改革に動き出したといえます。その勢いは、日本よりもずっと強いものに感じました。

 欧州が、確かな足取りで着実に自動車を変革していくと感じられるのは、やはり自動車が生活の隅々まで浸透していること、それゆえに人々が自動車を必要だと強く感じていることがあるでしょう。これを自動車への愛が強いということもできます。

 一方で、地球温暖化に対する関心が強く、また石油エネルギーに対する危機感も強いことがあります。それは、自動車が現在のままでは使えなくなることに対する危機感の強さといいかえることができます。

このような人々の自動車に対する危機感を背景に、EUの環境委員会は12年に走行距離1キロメートルあたりのCO2排出量120グラム(=120gCO2/km)、20年に95gCO2/kmという大変に厳しいCO2排出量規制を実施します。これは自動車メーカーのEUにおける企業平均排出量です。

 ちなみに主な自動車メーカーの08年の平均排出量は、伊フィアット138gCO2/km、仏プジョーシトロエングループ(PSA)139g、ルノー143g、トヨタ147g、米ゼネラル・モーターズ(GM)153g、ホンダ154g、独BMW154g、マツダ158g、日産161g、ダイムラー175g……といった値です。

 この規制を超えると罰金を科せられます。15年には1グラムの超過で95ユーロです。自動車メーカーはこれに販売台数を乗じた金額を払わなくてはなりません。上記の排出量のまま15年を迎えると、その額が数千億円に達するメーカーもあります。

 こうした厳しい規制を実施するのも欧州であれば、規制なにするものぞと技術改革に取り組むのも欧州です。

 一方、カリフォルニア州では12年からZEV(ゼロ・エミッション・ビークル=無公害車)規制が実施されます。トヨタ、ホンダ、日産勢で1000台から2000台近い電気自動車を販売しなければなりません。GMやフォードも同数あるいはそれ以上の電気自動車を販売する義務があります。

 電気自動車を販売できないメーカーは、他社から販売クレジットを購入しなければなりません。電気自動車を生産、販売するメーカーは、その収益だけではなく、クレジット販売の代金も手に入れることができるわけです。

 この規制は、カリフォルニア州にとどまるわけではなく、5州から10州に広がるといわれています。米国で自動車を販売するには、電気自動車の販売が必須になるのも時間の問題でしょう。米国もまた自動車革命のただなかに自らを投じるということでしょう。

■燃費規制はCO2排出量規制に改めるべき

 日本の規制は、まだ“燃費規制”という呼び方にとどまっています。これは早急にCO2排出量規制に改めるべきでしょう。同じ燃費でも、ガソリン車とディーゼル車ではCO2排出量はディーゼル車が10%ほど多いことと、またユーザーに自動車と地球温暖化の関係をしっかり植えつけるために改定が必要です。

また、重量別の燃費規制は大変分かりづらく、これもEUや米国と同じ企業平均に改めるべきでしょう。その方が自動車メーカーには努力目標が分かりやすく、私たちユーザーにはメーカーのCO2排出量削減成果を比べやすくなるはずです。

 私は2012年にはすべての自動車メーカーから、電気自動車が発表あるいは発売されると思います。12年は電気自動車爆発の年となるでしょう。同時に、ほとんどの自動車メーカーからハイブリッド車が発売されるはずです。そして20年に向けて、この両者はプラグイン・ハイブリッド車も含めてシェアを拡大することでしょう。20年には、両者の新車販売に占める割合は80%近くに上ると思います。そうならないと、自動車における地球温暖化と石油危機の問題は解決に向かわないでしょう。

 それを可能にするのは、私たちユーザーです。私たちが目覚めない限り、自動車はいつまでも危機的状況のままであり、いずれモータリゼーションは破綻します。自動車という移動のツールをこれからの世代あるいはまだ見ぬ世代に引き渡せるかどうか。それは私たちにかかっていると思います。これからも心して新型車を選びたいものです。



(私のコメント)
アメリカではトヨタ叩きが激化して1000万人の集団訴訟が計画されています。有罪が確定して懲罰的罰金が数兆円にもなるということです。トヨタの社長を連邦議会にまで呼びつけてテレビ中継までしてつるし上げていますが、アメリカはリンチ国家であり、やりたい放題の事が出来る。イラクにしても大量破壊兵器を開発しているという事をでっち上げて戦争を仕掛けましたが、実際には大量破壊兵器など開発していなかった。

アメリカは強大な軍事力を背景にやりたい放題の事をしても罰せられる事はない。アメリカには力では抵抗が出来ないから非暴力的手段で抗議して行かなければなりませんが、トヨタをはじめとして日系企業は次々と集団訴訟で訴えられて懲罰的な罰金を払わされるだろう。

しかしトヨタにしてもオバマ・クリントン民主党政権が出来れば弁護士たちが集団訴訟に出てくる事が予想できなかったのだろうか? 90年代の時もトヨタは数兆円の訴訟で訴えかけられた。ブッシュ政権の誕生で何とか助かりましたが、オバマ政権が出来ればこうなる事は予定されていた。

アメリカはKKKを始めとする集団リンチの伝統があり、黒人たちは火であぶり殺されてきた。それが現代では連邦議会で集団リンチが行なわれている。考えてみれば東京裁判も集団リンチであり、日本人はアメリカに命乞いをして何とか生き延びてきた。これからも三菱や東芝やトヨタが次々リンチにかけられる。日本政府はそれを見てみぬ振りをしている。

今でも連日プリウスが暴走した事がテレビのトップニュースになっていますが、意図的なキャンペーンがなされている。プリウスはアメリカよりも日本で多くの台数が走っていますが暴走するという欠陥は無いのはなぜなのだろうか? アメリカに輸出されるプリウスは別の部品が使われているのだろうか? 特に電子制御システムは何重にも安全プログラムが組み込まれている。

これからのハイブリッドカーや電気自動車などは電子制御システムで性能の差が出るようになるだろう。限られたバッテリーを有効に使うには電子制御でコントロールしなければならない。電気自動車自体を作ることは町工場でも出来る事ですが、電子制御システムは長時間のテストを繰り返して、地球上のあらゆる場所でも最適に走れるシステムを作ることはトヨタのような大メーカーでしか出来ないだろう。

3月2日にジュネーブモーターショー2010が開かれましたが、多くのハイブリッドカーや電気自動車が出品されました。フェラーリやポルシェのようなスポーツカーメーカーもハイブリッドカーを出品している。これから欧州で行なわれるCO2規制を見れば電気自動車やハイブリッドカーにシフトせざるを得ないのは明らかだ。当面はハイブリッドカーが主流になるのでしょうが、ヨーロッパの自動車メーカーもHVが本格的になってきた。

CO2規制はアメリカでもカリフォルニアなどで厳しい規制がなされるようですが、そうなれば自動車メーカーもHVやEVを売らないと罰金が課されるようになる。「株式日記」でもHVが主流になるだろうと書きましたが、ヨーロッパでもHVが当面の主流になるようだ。EVでは航続距離とコストで解決がまだ難しい。

アメリカでも軍用車両でのハイブリッドカーが開発研究されていますが、アメリカ軍が軍用輸送される物資の半分がガソリンなどの燃料だ。もし燃料が半分で済むような軍用車両が開発されれば軍用輸送のかなりの量が減らせる事になる。最近では船舶もハイブリッド化の研究が行なわれている。

日本はHVやEVで一歩リードしてきましたが、ヨーロッパが急速に開発が進んできた。既にガソリンやジーゼルエンジン車は罰金の対象になる時代であり、そのような車作りは新興国に任せておけば良いのだろう。電気自動車にしても車本体よりも二次電池や電子コントロールユニットに一番金がかかる商品になっている。

「株式日記」では世界の覇権国家となるには技術力だと何度も書いて来ました。17世紀のオランダが覇権国家となることが出来たのも当時の造船技術がオランダがダントツだった為であり、半数がオランダで作られた船だった。しかしイギリスが造船技術で追いついて英欄戦争で負けてイギリスが覇権国家となった。そうなる前にはイギリスでは革命が起きていた。国家体制を改めなければオランダの造船技術に追いつかなかったのだ。

現代では技術力の象徴が自動車であり、ガソリンエンジン車でアメリカは世界の覇権国となることが出来た。それが日本のトヨタという自動車メーカーがハイブリッドカーを作り出してアメリカの覇権体制が崩れ始めた。リチウムイオン電池もソニーという日本のメーカーが作ったものであり、技術力で日本はアメリカを脅かしつつあるのだ。だからアメリカは感情的になってトヨタを叩くのだろう。




貿易財の価格が中国標準に収斂する中で、賃金も中国水準に
引き寄せられざるを得ず、それを非正規雇用という形でしのいでいる。


2010年3月11日 木曜日

中国が世界にバラまく「強欲社会主義」 3月11日 遊川和郎・北海道大学大学院准教授

――中国は驚くべき経済成長を実現し、存在感を強めていますね。

 中国の存在感を考える上で、まず2000年代に何が起きていたのか振り返ってみる必要があります。それは、中国の“全球化”(グローバル化)が進んだということです。

 2001年にWTOに加盟したのをきっかけに、中国にヒト、モノ、カネが吸い寄せられると同時に、中国からも経済合理性を求めてヒト、モノ、カネが地球の隅々にまで拡散しました。

 その結果、安価な中国製品が世界の消費者に供給されるという恩恵をもたらす一方で、安全性に問題のある中国製品も世界に広がりました。これは、それまで中国の国内問題だったことも“全球化”され、世界は中国の問題を直接・間接に引き受けなくてはならなくなったことを意味しています。

 また一方では、中国の「がぶ飲み」と形容される資源需要によって資源価格が一気に高騰しました。世界の物価は中国によって決められているということです。

 過去数年、日本では「ワーキング・プア」が社会問題化しましたが、これも元はと言えば、貿易財の価格が中国標準に収斂する中で、賃金も中国水準に引き寄せられざるを得ず、それを非正規雇用という形でしのいでいるに過ぎません。中国の全球化が伏線となっていることを、忘れてはならないのです。(中略)

――中国は自信を深めて、「わが世の春」を謳歌しているように見えます。

 リーマンショック後、先進国から新興国へのパワーシフトが起こり、中国を抜きにして世界のいかなる問題も解決できなくなったのは確かです。また、世界経済の主導的な役割を担っているのもその通りです。

 こうした地位が、何故中国にもたらされたのか。それは市場の大きさ(人口)であり、中国マネーが米国債を大量に保有していることもある。先進国の地盤沈下で相対的な地位が上がったこともあるでしょう。

 重要なことは、「中国が何らかの技術革新や新産業創出でパラダイムシフトを起こしたのではない」ということです。

 唯一パラダイムシフトに通じるものを挙げるならば、世界の市場の中心が先進国から途上国(新興国)、さらには貧困層にまでシフトしつつあるということでしょうか。いわゆる「BOPビジネス」ですね。市場としても売り手としても、中国がその中心的存在と言えるかもしれません。

――中国は、これから民主化していくのでしょうか?

 中国に民主化を求める声は各所にありますが、民主化が複数政党による普通選挙を指しているのなら、ことはそれほど簡単ではないと思います。北京や上海といった大都市だけならともかく、現段階で全国的に国政選挙を実施して国民に政権選択を迫るのは、時期尚早でしょう。

 ただ、社会が多元化し、民主主義を導入しないコストが高くなっているのも事実です。共産党がこれまでのように、国民のあらゆる層の意見を汲み取って全てに利益を分け与えて見せることは、もはや限界に近づいています。

 「経済レベルが上がれば民主化する」といった世界の経験則が、中国には当てはまりません。経済発展を実現した後に来るものは何なのか、中国自身が前例のない道を自分で切り開いていかねばなりません。

 普通になれない大国の苦悩は、まだまだ続きます。



(私のコメント)
日本の長引くデフレ不況はいつになったら終わるのでしょうか? バブル崩壊の穴を埋めるのは新たなるバブルを作り出すしかないのでしょうか。しかしバブルの崩壊で一番痛めつけられるのは金融であり、金融機関の不良債権を処理するまでには相当に長い時間がかかるだろう。

アメリカみたいにFRBが金融機関の持つ紙切れと化した不良債権を買いまくって救済すればいいのでしょうが、政府日銀はそれをしなかった。粉飾決算も公認して飛ばしも黙認している。大和銀行の飛ばしに対して業務停止をさせたのに、自国の金融機関に対しては非常に寛大だ。時価会計も停止させているし、これでは問題の先送りに過ぎない。

いつかは新たなるバブルで不良債権も胡散霧消させると考えているのだろうか? しかしそれは日本の経験からして限界があるようだ。中国も何度もバブル崩壊の兆候が出ては政府の大胆な金融財政出動で株や不動産を梃入れして持ち堪えていますが、いつまでがんばれるのだろうか?

アメリカもバブル崩壊を食い止めるためにがんばり続けてきたのですが、サブプライムローン破綻でついにアメリカもバブル崩壊した。アメリカも毎年のように景気の梃入れを迫られて財政支出が累積していくだろう。しかしアメリカは日本のように20年もの不況には耐えられないだろう。アメリカも輸出主導の景気対策を求められるでしょうが輸出商品がない。

中国も輸出主導で景気対策が行なわれるでしょうが、人民元の切り上げを認めるわけにはいかない。しかし世界は今までのようには中国製品を買ってはくれないだろう。買う金が無いからだ。日本の輸出主導の経済で円高にもかかわらずがんばってきたのですが、中国とのコスト競走に巻き込まれて、賃金の低下に見舞われている。

賃金が低下するから物価も下がり続けていますが、世界的には石油や鉄鉱石や石炭が上がり続けている。不況下の物価高は70年代に聞いた言葉ですが、資源価格の引き上げがデフレを吹き飛ばしてくれるのだろうか? 70年代は通貨の暴落がインフレをもたらしましたが、昨日も書いたように通貨が暴落しても金利が上がらない。そしてインフレにもならなかった。

それならばとアメリカもEUも人民元も通貨が安くなるように競い合っていますが、資源価格の高騰と世界的なバブル崩壊とどちらが勝つのだろうか? 日本は70年代のオイルショックをいち早く切り抜けられたのは省エネと円高によって石油の高騰が緩和されたからだ。自動車の対米輸出が本格化して日本の小型車が売れた。

それに対して中国は通貨安で低価格商品を売り続けて行くしかないだろう。中国製の自動車はアフリカやロシアには売れても欧米には売れない。だから中国の経済発展を続けるには高付加価値のある高級品にシフトして行って、人民元を切り上げていけるようにしなければなりませんが、中国はそれに抵抗している。

中国は石油も鉄鉱石も石炭も輸入大国であり人民元を高くして行かなければ資源価格の高騰をもろに食らってしまう。日本のように高付加価値化と円高とで高度成長を続けましたが、中国は高付加価値化と元高に適応できないのではないだろうか? 遊川教授が指摘するように中国の経済成長は新産業を創出しているわけではなく技術革新も自力によるものではない。ほとんどパクリに近い。

人民元が切り上がり国民一人当たりの所得が上がれば、常識的には民主化が進むはずですが、中国は開発独裁国家であり香港などでは選挙は出来ても中国全土は無理だ。民主化が進まなければ新産業や技術革新も上手くは行かないだろう。情報を国家が管理していては産業の高度化は無理だ。

韓国も輸出の高付加価値化と通貨高の両輪での経済発展に適応できるだろうか? 確かにサムスンや現代やLGなどの国際企業がありますが外貨危機が断続的に起きるのはなぜだろうか? 中国にはサムスンや現代やLGのようなブランド企業は無い。だから中国は韓国のレベルにすらまだ遠い。

中国やインドなどの大国は経済成長しようとしても石油などの資源高がネックになってバブル崩壊するだろう。通貨を高くできれば資源高を克服できますがブランド企業も無いような状況では無理だろう。安さで売ろうにも原材料が高騰してコスト高を吸収できない。中国でも人手不足で賃金が高騰しているからだ。

表題にもあるように中国の人件費の安さに日本も引っ張られてきた。大企業も日本の下請け企業を切って中国工場に下請けさせるようになった。新卒の就職難も地方には工場がなくなってしまったからだ。輸出企業も円高と中国や韓国との競争で利益を削って体力を消耗している。

このような状況で石油や鉄や石炭などの高騰が続けば、日本にとっては神風になるかもしれない。70年代のオイルショックと同じような事が起きるのかもしれない。つまり高付加価値化と省エネルギー化が進んだところが危機を克服できるだろう。鉄鉱石が9割の値上がりではインドでも20万円の自動車は無理だろう。


景気判断の上方修正 3月11日 S氏の相場観

このニュースは、本日の日経一面の真ん中上で紹介されているのですが、その直ぐ下には鉄鉱石9割値上げで提示とあります。デフレに苦しむ日本ですが、輸入物価は上昇して行く可能性があるのです。給料は上がらないのに物価だけが上昇するという、非常に恐ろしい事が起ころうとしているのです。輸入物価が上昇し、その影響で物価が上昇する事となると思いますが、それを見て政府はデフレは終ったとでも言うつもりなのでしょうか。

 この鉄鉱石の9割値上げの話ですが、鉄鋼石が今の値段から9割高い時の原油価格は、140ドル台の高値の水準の時と同じです。鉄鉱石はこの値段で通りそうですから、原油価格がそれを追う形で上昇する可能性が高まりそうです。現在は80ドルちょっとのところにいますが、これが再度140ドル付近ともなると、流石にきついとしか言い様がありません。当時よりは円高になっており、ガソリン価格などは当時ほどではないとしても、やはりきついと思います。

 ガソリンの需要ですが、中国でありえないほど車が売れている事から、しばらくは上昇傾向が続くと見るのが妥当でしょう。あくまでもバブルであり、弾けるまでという前提条件が付きますが、もうしばらくは続く可能性はあると見ておくべきでしょう。これから先、資源国以外は相当辛い局面になるかと思いますが、政府はこの辺の事は考えていないのでしょうか・・・。



(私のコメント)
おそらくこれから起きる事は新興国バブルの崩壊でしょう。新興国ほど資源価格の高騰に弱い。石油が147ドルにまで上がって打撃を受けたのも中国であり、だから人民元も18%切り上げた。S氏が予想するように石油の高騰が再び起きるのだろうか? そうなれば通貨が高くて高付加価値で輸出競争力のある日本に有利になるはずだ。

アメリカではトヨタのプリウスが叩かれていますが、アメリカにはプリウスは売らないと宣言したらどうだろうか? ガソリンがアメリカでもリッター200円もするようになればプリウスを売ってくれとアメリカは頼み込んでくるかもしれない。




世界経済が抱える余剰生産能力の大きさを考えると、今後数年間、
どうやったら持続的なインフレ昂進を実現できるのかは分からない。


2010年3月10日 水曜日

通貨競争:底を目指すレース 英エコノミスト誌 2010年3月6日号

各国が競って自国通貨を弱くしようとしている。

昔々、各国は強い自国通貨に誇りを持っていた。強い通貨を経済力と政治力の象徴と見なしていたのである。

 それが今では、外国為替市場が体重44キロのチャールズ・アトラス並みのひ弱な通貨だらけになり、皆が皆、浜辺で砂をかけられたいと願っているかのように見える*1。

 まず、2009年に米ドルが打撃を食らった。リスクを取る意欲が回復し、非常に低い金利でドルを借りることが可能となる中、ドルが投機的な「キャリートレード」取引に使用され、資金が米国から国外へ流出したからだ。

 次にユーロが売りを浴びせられた。南欧諸国のソブリン債の問題に対するユーロ圏のエクスポージャー(投資残高)が懸念されたためだ。

ドルに続き、ユーロ、さらにはポンドが売られ・・・

 3月初めになると、英ポンドが急落した。英国の財政赤字に対する懸念に加え、5月に予定されている総選挙後に、ハングパーラメント(絶対多数の政党が存在しない議会)が政治の膠着状態をもたらす恐れが不安視されたためだ。

 政治家と中央銀行が、こうした為替相場の下落に動揺している兆候が少しでも見られるだろうか? 全くない。

 イングランド銀行のマーヴィン・キング総裁は、輸出を後押しする要素としてポンド安を歓迎しているように見える。フランスのクリスティーヌ・ラガルド財務相をはじめとする欧州の政治家も、同様の理由から最近のユーロ安に好感を示している。

米国の政府当局は、強いドルに対する信念をオウム返しのように繰り返しつつ、ドルのテコ入れ策は一切講じていない。金利を引き上げるでもなければ、財政赤字を削減するでもなく、また、市場に介入するでもない。

 一方、自国通貨の相場が上昇傾向にある国々でも、通貨高を歓迎する様子はあまり見られない。スイス政府は、スイスフラン相場を抑えるため市場介入した。日本の新財務相、菅直人氏は、円安を求める発言をした(しかし、菅氏は円安誘導発言に関して首相から叱責された)。

 大方のエコノミストが通貨を切り上げるべきだという点で意見の一致を見る国は、中国である(理論上、成長ペースの速い国は長期的に通貨価値の上昇を喜ぶはずだ)。しかし、中国もその誘惑に抗い、人民元の対ドルレート上昇を抑えようと市場介入している。

 なぜこのところ、弱い通貨がそんなに好まれているのだろうか? 信用収縮と世界的な景気後退の後、経済成長を求めて悪戦苦闘が続く中、輸出業者の利益が何より重視されているというのが、その答えのようだ。 

 もちろん、各国通貨がすべて一斉に値下がりすることはあり得ないので、為替レートの上昇に甘んじる役目を演じる一種の「持ち回り」があるように見える。

 ただし、主役の務めは、すぐに終わる傾向がある。当該国の政府が自国通貨を弱くする対策を取ったり、経済ニュースを受けて市場がその通貨に売りを浴びせたりするからだ。

罰せられない通貨安

 それと同時に、最近の通貨下落は「インフレ率の上昇」という伝統的な方法で罰せられることもない。英ポンドを例に取ってみよう。2007年の高値を基準にすると、ポンドは対ドル・対ユーロで25〜30%前後下げ、1992年の欧州為替相場メカニズム(ERM)離脱後よりも急激に下落している。

 1970年代には、そのような通貨下落は2ケタのインフレを伴った。しかし、英国の1月の小売物価指数の上昇率は前年比わずか3.5%にとどまっている。しかも、これは付加価値税率の引き上げという国内要素によって押し上げられた数字だ。

また英国に資産を持つ欧米の債権者は過去3年間で資産価値を4分の1以上も失ったわけだが、英国は大きな代償は払っていない。短期金利はたった0.5%で、10年物の英国債の利回りも4%程度にとどまっている

 一部の人にとっては、ここから引き出される教訓は明快だ。もし、すべての紙幣発行国が自国通貨の下落を望むのであれば、中央銀行が価値を下げることができない資産を所有するしかないということだ。すなわち、金である。

 今年、金の価格は1オンス=1100ドル以上をつけるまで高騰した背景に、各国政府がインフレによって債務軽減を図るという確信があったことは間違いない。

 しかし、世界経済が抱える余剰生産能力の大きさを考えると、今後数年間、どうやったら持続的なインフレ昂進を実現できるのかは分からない。

インフレによって債務軽減を図るのは困難

 国債の期限が一般的に短いことを考慮すると(米国の場合は5年未満)、各国政府がインフレを昂進させる意図的な戦略をやってのけられるかどうかも全く定かでない。恐らく市場はそうした意図を見越して、国債利回りを上昇させるはずだ。

 実際、近頃のソブリン債に対する不安は、債権者が再び自己主張を始め、財政の慎重さを欠く政府が発行する国債に高い利回りを要求しているサインなのかもしれない。

 自国の財政赤字の穴埋めを外国人頼みにする国は、自国通貨の安値誘導という「安易な」選択が、近年よりもずっと大きな代償をもたらすことに気づかされる可能性がある。そして、さらに時間が経てば、強い自国通貨を持つことは今再び、負担ではなく強みと見なされるようになるかもしれない。



(私のコメント)
第二次世界大戦以降における60年以上に及ぶ平和とグローバル経済は、世界各国が工業化を競い合ってきた結果、余剰生産能力を年々増大させてきた結果、物があふれるようになって世界的安売り競争の時代になってきた。安売りするには自国通貨を切り下げればいいのであり世界的な通貨の切り下げ競争が行なわれている。その中で独歩高をしているのが日本の円だ。

70年代頃までは弱い通貨は金利高とインフレを伴ったのですが、ドルと金とのリンクが切り離されて世界中にドルが満ち溢れるようになった。円との比較においても1ドル=360円から1ドル80円台にまでドルの価値が下がった為に、世界中の通貨が切り下げ競争に巻き込まれているように見える。ドルが基軸通貨の特権を利用してドル札をばら撒いて世界中から物を買ってきた。

ドルが金との交換が切り離された結果、金の代わりに石油がマネーの信用の裏付けするようになり、石油の価格がドルの切り下げに伴って上がれば通貨の価値も一定に保てるのですが、石油は長い間1バレル=20ドル前後で安定していた。アメリカがいくらドル札をばら撒いても石油は値上がりしなかったからアメリカは一人特権を得てきた。

もし石油が2008年頃のように1バレル=147ドルまで急騰すれば、アメリカ経済はサブプライムローン破綻やリーマンショックに見舞われて致命的打撃を負った。石油などの鉱物資源が安値に保たれたのは採掘技術の進歩により供給過剰になっていたからですが、中国やインドの経済成長によって資源価格の高騰が起きるようになった。

石油などの資源は中東に偏在しており、中東石油産出国はこれといった産業も無く石油を売っていかなければ国家経済が成り立たない。しかし石油を売ってドルを得てもドルが安くなれば手取りも目減りするからドル安と石油価格は反比例するはずですが、ずっと20ドル台だった。安い鉱物資源が安定的に供給されて中国やインドやブラジルが工業化されれば安い物が世界中にあふれる事になる。

その結果余剰生産能力が拡大していって、世界各国は通貨の切り下げ競争をして安売り合戦になっている。このように世界にドルが溢れても投機資金は株や債券に向かっており債券高で世界的に低金利状態が続いている。余剰なドルがどうして金や石油などの投機的に買いに行かないのか不思議ですが、世界的投機家のジム・ロジャーズ氏等は商品相場に注目している。

しかしアメリカにしてみれば石油を安く固定させておく事がドルの価値を高める事になり石油相場を上げてしまえば自分で自分のクビを締める事になる。だからアメリカは中東に軍隊を張り付かせて安く石油を売るように石油産出国を威圧している。中東の産油国にしてみればOPECなどで協定して石油を高く売るという手段を取りたい筈だ。

2008年に石油が投機の対象になって1バレル=147ドルにまで上がりましたが、半年で35ドルにまで叩き落された。石油を安く売らせるのはアメリカの国策でありアメリカの投機的ファンドも石油価格を買い上げる事は出来ないのだろう。中国は石油の産油会社を買収しようとしましたがアメリカはこれを禁止した。アメリカはこのように石油を管理する事が国策であり投機筋も手が出せないのだろう。

エコノミスト誌が書いているように70年頃までは通貨安がインフレを招きましたが、最近では通貨が安くなっても金利も安いままだ。それほど通貨がだぶついて国債などしか買うものが無いから金利が上がらない。しかし中東で戦争が起きて石油が供給されなくなれば世界中の国債が紙切れ同然にまで急落してインフレパニックが起きるだろう。

石油が上がればデフレ経済はインフレ経済に一気に変わる。石油を利用して採掘している鉱物資源や農産物も上がる。それは2008年にシュミレーションされている。このようにデフレとインフレは紙一重に隣り合わせのものであり、世界がデフレ経済になればなるほど、石油とドルに異変が起きれば一気にインフレが爆発しやすくなる。

本来ならば通貨が高くなれば原材料が安く買えることで国家全体から見れば利益のはずだ。しかし石油が安定供給されてドルなどの通貨が金融緩和でだぶついて、投資先が見つからなければ国債が買われて金利が安くなり、通貨が安くなっても金利が上がらない状況が出来てきた。しかしギリシャなどの国債のデフォルトの危険が高くなると、ユーロが売られてドルや円に買いが集まる。さらにドルが危ないとなればますます円に買いが集まり円が高くなる。

はたして円高は疫病神なのだろうか? 石油産出国から見れば通貨の強い円は魅力的なはずだ。イランなどはドルではなく円でも石油を売るようになった。もし中東の産油国が通貨の下落リスクの少ない円で石油を売りたいと言い出したらアメリカは発狂するだろう。そんな事が無いようにアメリカはイラクや、クウェ−トなどに軍隊を張り付かせているのだろう。

日本にアメリカ軍が基地を点在させているのも日本に勝手な真似はさせないためであり、日本の経済力と技術力はアメリカにとっては脅威であり、中東の石油と共に日本は管理しなければならない国なのだろう。アメリカにとっての一番の脅威は基軸通貨の特権を失う事であり、世界最強の通貨である円が基軸通貨になる可能性がある。それは中東産油国と日本が手を組めば可能だ。円でしか石油が買えないとなれば実質的に円が基軸通貨になる。

少し前ならユーロがドルに代わる基軸通貨になる可能性がありましたが、PIGS諸国の弱みを晒してしまった。もし円が基軸通貨になれば膨大な円の需要が出来てドルは紙切れになる。急には出来なくても数十年かけてドルから円への基軸通貨の切り替えは可能だろう。これからの為替は強い通貨が基軸通貨になるべきであり、中東産油国もドル一辺倒ではなくユーロや円などでも売るようになるだろう。

そうなる為には中東の米軍を追い出すことが必要ですが、日本にはそれだけの軍事力が無い。日本に米軍が駐留している事自体が円の国際化を阻んでいる理由ですが、日本から米軍基地が無くなれば中東に展開している米軍も補給が困難になり引き揚げざるを得なくなる。そのように考えれば沖縄の普天間問題が日米の同盟を終わらせるきっかけになれば、アメリカのドル基軸通貨体制も終わるきっかけになるだろう。





戦争は麻薬のようなもの。一度、この快感を味わったものは永遠に
そのスパイラルから抜け出すことはできない。命が尽きるまで。


2010年3月9日 火曜日

「ハート・ロッカー」の『解説とレビュー』

 戦争は麻薬のようなもの。一度、この快感を味わったものは永遠にそのスパイラルから抜け出すことはできない。一度感じた甘美な記憶は人間を再び戦場へと向かわせる。命が尽きるまで。

 "War is a drug"とは、「ハート・ロッカー」の冒頭に提示されるメッセージです。ジェームスはその言葉通り、また戦場に戻ってきました。B中隊からD中隊へ。彼はふたたび365日の地獄を味わうでしょう。そして帰国する。そして、再び彼は戦場へ向かうでしょう。

 戦争が続く限り、ジェームスがその地に向かうことを止めることはできません。命が続く限り、その身を危険にさらし、死地から脱するというあの快感を味わいに行くことになるのです。(中略)

★戦争という"ゲーム"

 サンボーンは「何を選んでもサイコロの目で生きるか死ぬかが決まる」といいます。「俺たちはそのゲームに参加してる」。

 ジェームスは「たしかに、俺たちはそれに参加してる。けれど、なんでそのゲームをやっているのか分からないんだ、何でか、本当に分からない」。

 戦争というのは運命について「不可変論者」になりたくなるような生死の世界。"いい人"が生き残るわけではないし、"悪い人"が死ぬわけでもない。誰が生き残り、誰が死ぬかはまさに"神の采配"の領域です。

 神の気まぐれ一つで人間の命ひとつなどはいとも簡単に吹き飛んでしまう。今日隣に寝ていた相棒は次の日には肉片になっているかもしれないのです。戦地の明日に"確実"なんてものはありません。

 しかし、その戦争という"ゲーム"になぜ参加してるのか分からないというのはウソです。本当はジェームスもサンボーンも分かっているのです。なぜ戦争に参加するのか分かってはいるけれど、理性の部分で分かりたくないだけ。

 サンボーンはその点を理解しているし、自覚しています。だから、彼は「息子は欲しいが、もうやり直せない」と言ったのです。いずれにしても、2人ともこの泥沼にどっぷりと浸かってしまっていて、もう、抜け出すことはありません。

 ジェームスは「サンボーン、なぜ、俺のやり方に従ってたんだ?」と問い、サンボーンは「分からない」と答えます。

 「俺のやり方」とはジェームス流の爆弾の処理作業のこと。すなわち、リスクを度外視して徹底的に解除作業をやり抜き、爆弾処理班としての任務を徹底的にこなすこと。その中には死の危険さえいとわない、ということが含まれています。

 サンボーンは当初はジェームスに反発しながらも、結局はジェームスに合わせていました。最後はジェームズが自分のやり方を貫くままにさせ、サンボーンはその補助をしていました。一緒に爆弾で吹き飛ぶ可能性があったのに、です。

 実際、爆破テロの捜査をジェームズが強行した結果、エルドリッジは誘拐されそうになり、そのうえ、大腿骨の複雑骨折という重傷を負いました。彼は一生、その傷に悩まされることになるでしょう。少なくとも、何らかの後遺症が残ることは避けられません。

 サンボーンらがジェームスのやり方を受け入れたのは、やはり戦争が"ゲーム"だからです。サイコロで決まるゲーム。明日の生死を決めるのは自分じゃない。はるか届かない力が自分の生死を決める。それなら、別に、少しくらい危険を冒したって何も変わらない。サンボーンらはそう考えていました。いえ、無意識にそう考えていたのです。

 そして、部隊の任期が終了しても、また、戻ってくるだろう予感があったこともサンボーンの背を押しました。いま、このとき、このB中隊の任期が無事に終わらせたとしても、どうせ、自分はまた戻ってくる。

 また、この生と死のゲームに戻ってくる。このゲームは死ぬまで続く。そうならば、ブラボー隊で死んでも、その次に配属される部隊で死んでも、その次の次の部隊で死ぬことになっても同じではないか。どうせ、人間が死ぬという結末は何も変わらないのだから。

 サンボーンのその後については映画は全く描いていません。描く必要がないからです。ジェームスを見てください。彼を見ればわかること。ジェームス自身、「これからだろ」とサンボーンに言いつつも、戦地に戻ってきてしまいました。

 これはもしかしたら、悪夢なのではないだろうか ?

 毎日のように、生きるか死ぬかの一線上をふらつきながら歩く毎日。この悪夢から逃れるためには、死ぬしかありません。生きている限りはまた、任務に戻って来てしまう。だから、ジェームスは危険な任務を平然とこなしますし、危ない橋も平気で渡ります。

 サンボーンもそんなジェームスに文句を言いつつ、本音では自分もジェームスと同じく、戦争中毒になっていることを分かっています。だから、いつのまにか、ジェームスの危険なやり方に慣れていってしまう。

 悪夢を共有する2人の生き方は似ているのです。サンボーンも、彼自身の言葉を借りれば「こんなクソみたいな場所」に再び戻ってくるでしょう。だからサンボーンのその後は描かれなかったのです。(中略)

★イラクからの撤退を目指して -アメリカ軍の出口戦略-

 2007年以降から2009年12月末現在まで、アメリカ軍の戦死者・負傷者数は急速な減少傾向にあります。イラク警察や地方政府への治安維持権限の委譲が進んでいることも、死者数の減少に歯止めをかけている一因でしょう。

 また、アメリカ政府は、従来は反米・反イラク政府勢力であった組織にカネと武器を渡し、親米・親イラク政府派に転向させ、民兵組織を作らせてアルカイダ掃討作戦に協力させています。この手法はアメリカ政府が得意とするいつかどこかで見た手法で、カネが途切れたり、利害関係が逆転すれば、一転してアメリカの敵に逆戻りする可能性があるのですが、現在は一応の効果を挙げているといっていいでしょう。

 アメリカ軍は遅くとも2011年までに、イラクから全面撤退をする予定です。アメリカ政府としては、円満に撤退するために、それまでは何とかイラクの治安を維持したいという思惑が働いています。このなりふり構わない必死の政策が行き過ぎて、撤退後に禍根を残さないといいのですが。

 結局、カネや武器供与で反米派だった勢力が親米派に転向するということ自体に、イラク国民がいかに経済的な貧困に苦しんでいるかが露呈しているように思います。イラク政府が国民全体の経済的底上げを図らない限り、一時懐柔された勢力にも、再び不満はうっ積していくでしょう。

 今はアメリカのドルで親米派になっているとしても、アメリカ撤退後、カネが途切れれば、それが縁の切れ目になって、反イラク政府勢力としてアメリカから供与された武器を使って台頭してくる可能性がないとは言えません。民兵組織化したイラク人に大量の武器を供与することは、アメリカ政府にとって、諸刃の剣になりかねないということは認知しておくべきでしょう。



(私のコメント)
オバマ大統領のノーベル平和賞受賞と今年のアカデミー賞受賞作品に「ハート・ロッカー」が選ばれた事は狙いは共通しています。アメリカは戦争中毒にかかっており、戦争に馴染みすぎてしまって戦争をしていないと不安になってしまうのでしょう。しかし現代は戦争によって勝敗が決まる時代ではなく、経済戦争や情報戦争が勝敗を決める時代になりつつあるのです。

核ミサイルを何百発用意したところで使うわけには行かないでしょう。アメリカといえども使えば何処からワシントンに向かって核ミサイルが飛んでくるか分からないからだ。相手が核ミサイルを持たないベトナム戦争でもイラク戦争でも使うことが出来なかった。一度使えば何処で歯止めがつくか分からない恐怖感があるからだ。

「ハート・ロッカー」と言う映画はイラク戦争の実態を取り扱った映画ですが、私はまだこの映画を見ていない。最近はアカデミー賞にすら興味が無くなって去年のアカデミー賞が何だったのかもわからない。ハリウッドの世界的な大ヒット作品が少なくなって来たせいもありますが、アメリカは経済的にも文化的にも衰退してきているのでしょう。

アメリカは毎年50兆円もの軍事予算を使っている軍事超大国ですが、人口が2400万人足らずのイラクに攻め込んでも13万人程度の兵士では全土を制圧するのは無理だ。だからゲリラ活動もなかなか収まりませんが、最近では地元の武装勢力を金で買収して味方につけている。ローマ帝国の末期でも蛮族を金で買収して統治していましたが、金が切れれば蛮族はローマにまで乱入してきた。

第二次世界大戦までは戦争の勝つことが国家の繁栄に結びつきましたが、もはや植民地を支配した所で帝国の繁栄には結びつかない。武力で制圧する事の費用が高くなり地元武装勢力を金で買収した方が安くつく。日本や欧米先進国同士でも戦争で決着をつけるよりも、情報戦争で政治を動かした方が勝つ時代となっている。

だからオバマ大統領がノーベル平和賞を受賞して、「ハート・ロッカー」がアカデミー賞を受賞したのも情報戦争の一断面なのです。アメリカは世界各地に軍事基地を展開していますが、イラク戦争やアフガニスタンの戦争で負ければ世界の米軍基地は威圧力が無くなり張子の虎と化すだろう。アメリカはベトナム戦争で軍事力の限界が分かったはずなのですが、戦争中毒で戦争を止める事ができない。

日本もかつては戦争中毒にかかり大東亜戦争に負けるまで戦争を止める事ができなかった。戦争に一度勝つとその味が忘れられなくなり次々と戦争を始めるようになった。戦争に勝てば政権に対する支持率も高まるし軍人たちも威張りだす。中国大陸に踏み込んだはいいけれど挑発的なテロ攻撃が起こってどんどん奥に引きずりこまれていった。

アメリカも日本も戦争に勝って止められれば一番いいのですが、大敗して痛い目にあわないと戦争中毒はなかなか治らないだろう。戦争はバクチのようなものであり味を占めてしまうと止められなくなる。バクチも大敗したところで止める事が一番だ。アメリカもベトナム戦争で負けてまともな国になったかと思いましたが、湾岸戦争で元に戻ってしまった。

ソ連もアフガニスタンの戦争で敗れてソ連崩壊に繋がりましたが、アメリカも小さな戦争に敗れる事がアメリカ崩壊に繋がるという危機感があるのだろう。湾岸戦争ではサダム・フセインが生き残り、ブッシュ大統領は選挙で敗れた。戦争に勝って戦争を止める事がいかに難しいかを示すものですが、オバマ大統領は負けるためにアフガニスタンに深入りしているのではないだろうか?

「ハート・ロッカー」がアカデミー賞を取ったのはアメリカ映画界のメッセージでもあるのですが、直接的に反戦を訴えるよりも、戦争に魅入られていく兵士を描いた方が効果的なのだろう。派手にドンパチやることよりも地道な爆発物処理班の兵士を描いた事でイラク戦争の実態がよく分かるようだ。映画の興行的には派手にドンパチやった方がいいのでしょうが、イラク戦争はそういう戦争ではない。

摂氏50度にもなるイラクの町で40キロもある防護服を着て作業する地味な戦争だ。ゲリラたちはこれでもかといわんばかりに爆弾を仕掛けていく。爆弾は家電部品を使っただけのものであり何処でも作って仕掛ける事ができる。見た人によれば映画は緊張感の連続で見終わったときは疲れを覚えるようです。戦争を決断する大統領は豪華なホワイトハウスで決断するのでしょうが、戦場の兵士たちは灼熱地獄のバクダッド郊外で神経を病んでいく。

日本のテレビのニュースではイラクやアフガニスタンの事はほとんど報道されず、特派員も取材に行っていない。あったとしてもバクダッドのホテルからのコメントだけだ。非常に危険だから新聞社やテレビ局は取材に行かせない。いつテロ攻撃があるか分からないからですが国連職員も爆弾テロで大勢が死んだ。これも現代の戦争の一つの形態であり、爆弾テロはアメリカ国内でも日本国内でも起こり得る。




今後二年間で中国の重商主義によって米国の雇用は約140万人分
の職が失われる結果になる可能性がある。ポール・クルーグマン


2010年3月8日 月曜日

「中国の新年」 1月5日 ポール・クルーグマン NYT  

有識者たちが今後一年間に関する予想を伝統的に行う季節の到来だ。私の予想は国際経済に関するものである。私は予測する。2010年は中国の年になるだろう。そして、これは良い意味ではない。

実際のところ、中国に関する最大の問題は気候変動に関する件だ。しかし、今日のところは、通貨政策に集中したい。

中国は金融及び貿易の面で重要な大国になっている。しかし、中国は他の主要経済大国のようには振る舞わない。その代わり、中国は重商主義政策を追求しており、貿易黒字を人為的に高い水準に維持している。そして、現在の世界経済の低迷の中、その政策は、率直に言って、略奪的である。

その政策がどのように機能するのかについて。ドル、ユーロ、円など価格が自由に変動する通貨とは異なり、中国の人民元は公的な政策によってドルに対して6.8元でペッグされている。この為替レートにより、中国の製造業は他国の競合相手に対してコスト面での大幅な優位性を得ており、これが大規模な貿易黒字につながっているのだ。

通常の状況の下では、こうした貿易黒字からのドルの流入は、反対の方向を向く民間セクターの投資家によって相殺されない限り、人民元の価格を押し上げることになるはずである。そして、民間セクターの投資家は中国から出て行くのではなく、中国に入って行こうとしている。しかし、中国政府は、ドルを買い支え、そのドルを外国に止めておくことになろうとも、資本の流入を制限しており、外貨準備の保有高は2兆ドル以上に達している。

この政策は、輸出に重点を置く中国の国家・産業複合体にとっては良いものであるが、中国の消費者にとってはそれほど良いものではない。しかし、中国以外の我々にとってはどうなのであろうか?

過去において、中国による外貨準備の積み上げは(その多くは米国債に投資されていた)米国の金利を低く維持することで米国にとっても利益になっていたことはほぼ間違いがない(もっとも、こうした低金利で我々が行ったことは基本的に住宅バブルを膨張させたことであったのだが)。しかし、現状、世界は低利の融資で溢れかえっており、こうした融資マネーは行き場を探している。短期金利はゼロに近く、長期金利はそれよりは高いが、これは単に投資家がゼロ金利政策はいずれ終了すると予想しているからだけのことである。中国による国債の購入で生じる違いなど殆ど、或いは全くないのだ。

その一方、こうした貿易黒字は、低迷している世界経済から非常に必要とされている需要を奪っている。私の簡単な計算によると、今後二年間で中国の重商主義によって米国の雇用は約140万人分の職が失われる結果になる可能性がある。

中国はこの問題を認めることを拒絶している。最近も、中国の温家宝首相は外国からの不満をはねつけている。「一方で、あなたがたは人民元の切り上げを要求し、もう一方で、あなたがたはあらゆる種類の保護主義的措置を実施している」と述べている。実際のところ、他の諸国が(控えめな)保護主義的措置を講じているのは、正に中国が人民元の切り上げを拒否しているからに他ならないのだ。そして、より多くの保護主義的措置が全面的に適当なのである。

或いは、そうなのだろうか?私はいつも、中国の政策を巡って中国と対立しないことには二つの理由があると聞かされている。ただし、どちらの理由も理屈に合わない。

第一の理由として、我々が中国と対立出来ないのは中国が保有するドルを手放すことで米国経済に多大な混乱をもたらすことになるためだという主張が存在する。これは全面的に間違っており、その理由は中国が保有するドルを放棄すれば中国は自らに大幅な損失を与えることになるためだけではない。それ以上に重大な論点として、中国の重商主義を現時点で非常に有害なものにさせている正にその要因は、中国には金融面でのレバレッジが殆ど、或いは全く存在しないということを意味するのである。

改めて述べるが、現在、世界経済には低利の融資マネーが氾濫している。したがって、仮に中国がドルの売却を始めようとしたところで、米国の金利が大幅に押し上げられることになると考えるような根拠は全く存在しないのだ。中国がドルを売却すれば、恐らくドルは他の通貨に対して弱くなるだろう。しかし、そのことは米国の競争力や雇用にとって、悪いことではなく、良いことなのである。このため、仮に中国がドルを見捨てるのであれば、我々は中国に対して感謝状を送るべきである。

第二の理由として、保護主義というのは、如何なる状況であっても、常に悪いことであるという主張である。しかしながら、もしこれが読者の皆さんの考え方なのであれば、皆さんに基礎的な経済学を教えた人々が間違っているからである。なぜなら、失業率が高く、政府が完全雇用を回復出来ない場合において、通常のルールは適用されないのである。

故ポール・サミュエルソンによる古典的な文書から引用をさせて欲しい。彼はいずれにせよ現代経済学の創始者である。「雇用が完全に満たない場合、・・・誤りであることが実証された重商主義的な主張はいずれも」(つまり、輸出に補助金を拠出している国は実質的に他の諸国から雇用を奪っているといった主張のことだ)「有効なものとなる。」その上で、サミュエルソンは、一貫して不適切な為替レートが「自由貿易の擁護論にとって正真正銘の問題」を産み出すことになると主張するに至っている。こうした問題にとっての最適の回答は、為替レートを然るべき水準に戻すことである。しかし、それは正に中国が実現を拒否していることである。

重要なのは、中国の重商主義は大きな問題となりつつあるということであるし、また、その重商主義の犠牲者は貿易面での対立から失うものが殆どないということである。したがって、私は中国政府に対してその頑固な姿勢を再考することを要請したい。さもなければ、中国が現時点で不満を述べている控えめな保護主義がもっと遙かに大きなものへの出発点となるはずである。



(私のコメント)
中国の人民元の問題については「株式日記」でもずいぶん前から書いてきた事ですが、人民元を安くしておく事が中国全体にとって有利な事ではないとも指摘してきました。中国は輸出も大事ですが中国は多くのものを輸入に頼ってもいるからだ。だからゆっくりと管理されたかたちで人民元を上げていく事が一番いい方法でもある。

その点からは日本の円の為替は85年のプラザ合意で240円から一気に120円にまで上がった事で輸出産業が大打撃を受けた。このような過激な為替レートの変更は避けるべきなのですが、投機筋としては急激な方が短期間で儲かる事になる。ポール・クルーグマン教授は2010年は中国の年になると予言していますが、一番の問題が人民元の問題だ。

もともとは米中の合意の下で90年代に人民元は大きく切り下げられて日本の円は大きく切り上げられた。この事で日米の貿易摩擦解消に繋がるはずでしたが、日米間の貿易不均衡は変わらなかった。日本は既に製品輸出から資本財の輸出に変わっていたから円高になっても輸出を止める事は出来ないようになっていた。

それに対して人民元が上がれば多くが製品輸出だから価格が上昇して売れ行きが落ちる。数年前に20%程度の切り上げがありましたがコスト上昇になって輸出工場がたくさん潰れた。中国国内でも人件費の上昇と輸入資源の高騰によってコスト競争力が落ちてきている。だから元の切り上げは難しくなってきている。

中国が行なっている重商主義は近隣窮乏化策であり周辺諸国が一番大きな被害を受ける。20年以上に及ぶ日本の不況も中国の重商主義によるものであり日本は中国の低賃金に引っ張られて賃金が低下して消費も低迷するようになってしまった。だから政府がいくら景気対策を打ってもきかない訳であり、国内の工場も多くが中国に移転してしまった。

日本の経済的弱体化は米中の利益であり、今年にはGDPでも中国に抜かれる事になる。その為に自民党政権に批判が集まるようになって政権交代が起きた。日本の弱体化政策はアメリカの狙いでもあったのですが、中国を巨大市場に育てることでアジアの覇権国にすることが実現しつつある。

日本はアメリカのために踏んだり蹴ったりの状況になりましたが、アメリカも製造業が中国に移転した事で2兆ドル以上もの外貨準備が貯まる事になった。日本の2倍もの外貨を貯めこめば米中間で貿易摩擦が起きるのは遅すぎるくらいだ。しかし中国は頑強に元の切り上げを拒否している。それに対してオバマ政権は中国に対して対決姿勢に転じたようだ。

ポール・クルーグマン教授はノーベル賞学者として有名であり、その発言の影響はアメリカの経済政策にも大きく影響している。円高による貿易不均衡の是正政策もクルーグマン教授が提唱した事ですが、円が切り上がっても貿易不均衡は是正できなかった。中国に対してはどうなのだろうか? 人民元の切り上げは世界にどのような影響をもたらすだろうか?

人民元がこのまま固定されていると世界中が保護主義にならざるを得なり、近隣諸国も元に引っ張られて切り下げてくる。切り下げ合戦が起きて来るだろうし為替が混乱する。中国が切り上げれば世界中に溢れた中国製品の値上がりが起きるだろう。中国では外国から輸入されたものが安く買えるようになりインフレが収まる。

ポール・クルーグマン教授が人民元問題に積極的な発言はアメリカの経済政策にも大きな影響を与えるだろう。アメリカの失業が10%を越えるような序京になれば雇用問題として人民元の問題にならざるを得ない。また中国が持つドル資産を売却してくるという問題についてもアメリカの優位性は変わりがないとしている。金融緩和で金はだぶついており米国債しか買うものがないからだ。

日本はアメリカに対してぶたれても蹴られても縋り付いて行く「寛一お宮」のお宮さんでしたが、民主党政権の誕生でアメリカ離れが起きている。アメリカの中国に対する弱腰と日本に対する強圧的な態度の違いはどこから来るものだろうか。自民党の政治家があまりにもアメリカに対して従属的であり圧力をかければ日本人は言う事を聞くと思わせてしまったからだ。

その結果我慢に我慢を重ねてパールハーバーになってしまうのですが、日本の政治家もマスコミもアメリカに対しては言うべき事は言うべきだ。オバマ大統領による米中によるG2論は日本を過小評価したものであり、日本がアメリカを支えてきたことをアメリカは知らない。それが普天間問題ではものを言い始めたからアメリカは慌てている。

日本にもポール・クルーグマンのような世界的に影響力のある経済学者がいればいいのですが、日本の経済学者は三流の学者ばかりだ。人民元の問題を日本の経済学者が一番先に言うべきなのですが、経済コラムマガジン等のネット上では早くから人民元の問題が指摘されていた。つまり日本においては経済学については学界よりもネット上のほうがレベルが高く進んでいるようだ。




アメリカやヨーロッパ諸国が国家倒産して外貨預金は全部パーになる。
円高になる前に<デリバティブ契約の無効>を、国家として宣言せよ!


2010年3月7日 日曜日

国民投票で否決確実=外国人預金者保護−アイスランド 3月7日 時事通信

【ロンドン時事】金融危機で深刻な打撃を受けたアイスランドで6日、経営破綻(はたん)した銀行の英国とオランダの預金者を公的資金で保護する法案の是非を問う国民投票が実施された。アイスランドからの報道によると、投票締め切り直後に発表された開票の途中経過では、反対票が約93%に達し、否決が確実となった。

 アイスランド政府は、中断している英・オランダ両政府との交渉を再開し、早期に国民からも支持を得られる合意にこぎつけたい意向だが、国民投票で否決の見通しとなったことから金融市場での国際的な信用力低下は避けられない。国際通貨基金(IMF)などからの金融支援や欧州連合(EU)加盟交渉にも少なからず影響を与えそうで、政治・経済面での混迷が深まりそうだ。


円高で、為替仕組み債が破裂(破綻続出へ) 2009年9月 朝倉 慶

いよいよ為替仕組み債が緊急事態

 10月17日号の「週刊ダイヤモンド」によると、日本の為替仕組み債(※)投資の実態の一部が詳しく報道されています。読むだけでも驚きですが、問題はこの報道でさえ一部を書いたに過ぎず、日本全体でみると、凄まじい額の為替仕組み債取引がなされているのは疑いなく、これが、私の見方通り、激しい円高ということに陥れば、ほとんど全てノックイン状態(いわゆる契約で言われた為替の水準に到達して、大損する状態)になるのは疑いなく、国家として、緊急事態を迎えることになるだろうということです。

 亀井大臣は今すぐに(円高になる前に)、このような外資や国内の大手銀行と結んだ「デリバティブ契約の無効」を、国家の意志として、アメリカ側、ないしは大手金融、欧米金融機関、デリバティブの組成側に、超法規的措置として通達すべきです。

 このまま円高を迎えれば、これらデリバティブ契約に基づく為替仕組み債が、予定通り爆発して、地方自治体、大学、財団、また各地の中小企業など、ほとんど、仕組み債倒産に陥ってしまうでしょう。

(※仕組み債(しくみさい)とは、デリバティブ(金融派生商品)を組み込むことで、通常の債券のキャッシュフローとは異なるキャッシュフローを持つようにした債券。)

すべては必要必然。高まる亀井大臣への期待

  亀井大臣のようなキャラクターが、今この大混乱の前に日本の金融担当相という極めて重要なポストに就いた、またはこれを決断した鳩山首相、すべては必然的に起こっていることです。大混乱に立ち向かう日本としての政権ができているのです。亀井大臣も鳩山首相も、まさに日本の救世主となって、今までの一般常識では考えられないことですが、このデリバティブ取引に関しては、販売側の金融機関の行動に対して、金融商品取引法の拡大解釈を使って、今、日本国として、すべてのデリバティブ契約無効を宣言すべきなのです。

  これら、デリバティブ契約の無効宣言は、実は中国は国家の意志として、すでに欧米金融機関に通達しています(要するに借金の踏み倒しです!)。
 これは、損失が確定してからの話で、商取引としてみると、損したのに払わない、払えないという姿勢になります。これでは、日本も自由陣営の一員ですから、まずい。だから今、円高になる前に<デリバティブ契約の無効>を、国家として行動するのであれば、ぎりぎり許される範囲かという気がします。いずれにしても時間はありません。一刻も早く、この問題に対処しないと、地方自治体の破綻や財団、大学の破綻が相次ぐに違いありません。

ドル暴落、円高の流れは時間の問題

 とにかく、驚くべきデリバティブ汚染が日本中に蔓延しているのです。それも、デリバティブのデの字すら知らないような、地方自治体、大学、果ては幼稚園の資産運用にまで、及んでいるのですからたまりません。なんと日本では、40自治体、総額4,670億円が仕組み債に汚染されているのです。これらは円高によって、ほぼ100%近く、大損する運命にあるのです。昨年から問題になった大阪産業大学や、駒澤大学、経団連、慶應義塾大学などの多額の損失は、主に豪ドルとの契約で起こったことです。

それに比べて、これから起こってくるであろう円ドルでのデリバティブ契約は、その額も広がりもケタ違いになっているのは疑いありません。一般的に考えれば、そのような70円を切ろうか、という円高が起こるなどとは考えられないでしょうし、これら為替仕組み債の設定している損失を被るラインは、主には、それだけの激しい円高ラインを設定しているものと思います。ですから、為替だし、先のことはわからないし、そんなことは日本も国家として放置しないだろうと思うでしょうが、そうはいかないのです。もはやドル暴落で円高になっていく、ないしはそういう風に相場を持っていく流れは、すでにこの地点で、決定しているといってもいいでしょう。時間の問題です。

 大阪府は1,050億円を仕組み債で調達、仮に想定の為替ラインになれば、金利はその契約で結ばれた上限である10%に達してしまします。
 その金利負担だけで年間100億円となるのです。大阪府は「金利が上昇するリスクはきわめて低い」と言っているようですが、そんなに甘くはないのです。デリバティブ契約はお金の取りあい、今、大阪府がこの契約でメリットを受けているならば、そのメリット部分は、デリバティブ契約組成側の損失になっているわけですが、これから先は、大阪府がその何倍もの損失を被る順番となり、デリバティブ組成側に貢ぐ形となるのです。

 パワー・リバース・ディアルカレンシー(PRDC)債、これは、日本中で売られている為替仕組み債券ですが、まさに、騙しのテクニックを最大限に駆使したような商品構成になっています。よく騙すには最初に儲けさせること、と言いますが、ご多分にもれず、まず1年目は魅力的な金利を提示します。年5%です。その上、なんと元本保証です。発行体はトリプルAの極めて信頼のおけるところ、これならどうですか? あなたも投資しませんか?

 元本保証で、最初の1年は年5%の金利、その後も激しい円高にならなければ、高金利が保証される。2割とか3割近い円高になれば、金利はゼロになりますが、30年後には元金はちゃんと返ってくるという商品です。何かいいことだらけではないですか?

 自分も投資したいと思うでしょうが、これには落とし穴があるのです。円高です。円高になれば30年に渡って金利がもらえないのです。30年後の元金が返ってきても、その時の物価情勢はどうなっていると思いますか? おそらく10倍にはなっているでしょう。そうなれば元金が30年後に返ってきたところで、9割減です。
 まずはなぜ、このような商品ができるのか? いったい誰が儲かるのか? そこから考えないとわかりません。

すべては日本国民から巨大な金融資産を巻き上げるための施策

 まず、すでに目ざとい投資家にとっては、ドル暴落に伴う円高の流れは必至なのです。そして、その時に「いかにして日本国民の巨大な金融資産を巻き上げるか?」がシュミレーションされてきているのです。にわかには信じられないでしょうが、実はそういうことなのです。その正確な相場の見方、世の中の今後の動きに裏打ちされた形で、巧みに日本の金融機関でさえ巻き込まれて、日本国民の大事な資産が、国民が納得して収奪される手段が、この為替仕組み債なのです。

地方自治体だろうが、大学だろうが、経団連も、一応の説明は受けているはずです。当然、激しい円高になれば、自分の投資が損失を被ることは、その額を正確には判定できなくても、理解はしているでしょう。問題は、「そのような円高はあり得ない」と思わせる、このデリバティブ組成側のテクニックなのです。

 彼らにとってドル暴落と円高は既定路線なのです。それについては、11月にビジネス社から発売予定の船井幸雄会長との共著でも詳しく解説しました。残念ながら、日本をリードするような経済界のオピニオンリーダー達には、このような裏の事情は理解しづらいことでしょう。

 現実に起こっていることは、日本の頭脳である有名大学におけるデリバティブ汚染なのですから救われません。慶應義塾大学の365億円の損失はすでに報道されています。同大学は、今後は資産運用の路線を転換、仕組み債投資は凍結しました。

 早稲田大学は昨年度の決算で28億円の損失、現在は、評価損は81億円に達していますが、早稲田側は「証券会社が提示する参考価格は投げ売り価格で、合理的に確定された時価ではない」として「今後も為替のリスクを取りに行くことを全体で決定したうえで、その範囲で収益を上げていく方針」と言っています。さらに今までの投資を貫くという姿勢です。そして驚きは東京大学です。東大も仕組み債を5億円購入していたことを明らかにしたのです。

 早稲田側のコメント、為替のリスクは取りに行くのだ、という考えは、投資ですから、それでいいのですが、問題は、揃いも揃ってなぜ、すべての大学、経団連、地方自治体、地方銀行、幼稚園までが、円安に賭けるのですか? なぜ、すべての投資が損失方向なのですか? 円高になって儲かるところは一つもないではないですか? 考えてください!投資ですよ!どうして一方方向、すべて円安投資なのですか? おかしくありませんか? 日本中が狂っていませんか? 東大、早稲田、慶應、日本の頭脳ですよ!彼らはどんな頭をしているのですか? 揃いも揃って金融で大損、みんな円安でしか儲からない投資に巧みに追いやられていることが、わからないのですか!

 すべては、人を信じやすい日本人の特性、また、今の金融の本当の姿を知らない、金融機関のトップ、監督機関のトップにも問題があると思います。
  「デリバティブ」というものが問題なのです。デリバティブは使いようによっては、まことに便利、確かにデリバティブで革命的に、いろんな商品やリスクヘッジができるようになったのは事実なのです。しかし、デリバティブはお金を増やすものではありません。総額は変わらず、お金を取りあう仕組み、それがデリバティブです。仕組み債で自分が有利と思えば、誰かがその損を背負うのです。

日本人が損をすれば、誰かが儲かっているのです。ゼロサムゲームですから当たり前でしょう!デリバティブ商品はそういうものなのです。ですからポーカーですよ。丁半ばくちですよ。これを東大から幼稚園までやっているわけで、この金取りゲームの総ヤラレの敗者が日本人の大集団なのです。悲劇は自分が丁半ばくちをやっていることがわからなくて、実はやっている、そして損をしているという事実です。東大や早稲田、慶應まで騙されるのだから仕方がない、という問題ではありません。今の資本主義というシステム、その行きついたところが、我々が意識もしないうちに、丁半ばくちに引き込まれていく、ということが大問題なのです。


(私のコメント)
アイスランドの金融立国戦略が破綻した事により、破綻した銀行は海外からの預金を返さない方向で国民投票で決まりそうだ。アイスランドは高金利で預金を集めて投資活動で大きな収益を上げてきたのですが、世界的金融危機でアイスランドは国家倒産してしまった。イギリスやオランダなどから沢山の預金を集めて運用してきたのですが、それが返せなくなった。

高金利で預金を集めている国はそれなりのリスクがあるはずですが、バブルがはじけて見ないとリスクが分からない。私もオーストラリア国債を大量に買って大損した事があります。当時はオーストラリアドルとUSドルとが同じくらいの為替水準で、利回りは12%くらいあった。だからオーストラリア国債の利払いだけで遊んで暮らせると計算していたのですが、左派政権の誕生でオーストラリアドルが暴落して大損してしまった。

オーストラリア国債を買う上ではリスクを十分に計算した上で買ったのですが、政治的なリスクまでは計算外だった。アイスランドのデフォルトは新興国バブルの先駆けになるものですが、現在ではドバイからギリシャにまで火の手は上がってきている。国債や政府系金融債がデフォルトすれば与える影響は大きい。

PIGS諸国にまで広がればユーロの存続にまで影響が及ぶし、ユーロ債に火がつけば火の手は世界中にあっという間に広がってしまう。ユーロがダメとなればUSドルか円に資金がシフトしてきますが、そうなると超円高になるだろう。USドル自体もデリバティブの破綻が爆発すればドルの信用も一気に吹っ飛んでしまう。

デリバティブと言うのは金融商品なのですが、その仕組みはバクチに近いものであり、詐欺的商品と言うべきだろう。サブプライムローンを証券化して他に売り飛ばしてしまえばリスクが回避できるから、彼らのセールストークは天才的詐欺師に近いものだ。朝倉氏が指摘している為替仕組み債も詐欺的商品であり、円安になれば高利回りが得られる債券ですが、ノックアウト条項で超円高になると30年間利回りがゼロになってしまう。

資金運用担当者にしてみれば、利回りが5%で元本保証なのだから飛びつきたくなるのは分かりますが、今後30年間の間に円が70円を越えるような円高になるリスクを考えないのだろうか? 円安になれば儲かる金融商品なのですが、地方自治体や財団や組合や大学などデリバティブにみんな手を出している。それらがノックイン条項で紙切れになればみんな破綻してしまう。

慶応大学や早稲田大学や駒澤大学などの資産運用もアメリカの投資銀行の詐欺的商法に騙されて買ったものですが、高利回りや元本保証で騙されたのだろう。数年前は円キャリーで円安気味になって1ドル=120円前後になっていた。それが僅かの間に1ドル=85円になってしまったからノックイン条項に引っかかって為替仕組み債は紙切れ同然になってしまった。(30年後には元本は返って来るが)

デリバティブは誰かが損をすれば誰かがそれだけ得をする商品だ。アメリカの投資銀行はそのような金融商品を作っては世界中に売り歩いて巨額な利益を手にしている。日本人にはとてもそのような詐欺的商法は真似は出来ませんが、国内のお年寄りなどを相手に元本保証高利回りで金を集めている詐欺師とアメリカの投資銀行のマネージャーは同類なのだ。

デリバティブは丁半バクチだから、大学が100億円損をすれば誰かが100億円得している。しかしアメリカの投資銀行は胴元とも繋がっているから確実にバクチに勝てる。ゴールドマンサックスはアメリカの政府系金融機関みたいなものだから、これからドルがどうなるかの情報は米財務省から確実に入っている。

アメリカの金融立国戦略はゴールドマンサックスの経営戦略とダブルものがある。歴代の財務長官がどうしてゴールドマンサックスの幹部なのか誰も考えようとはしない。日本で言えば財務大臣に野村證券の会長がなるようなものですが、これではインサイダーやりたい放題になる。投資銀行の側から言えば騙されるほうが悪いと言う事でしょうが、商業倫理的にどうなのだろうか?

ゴールドマンサックスからすれば、ドル暴落は規定路線であり彼らのプログラムの中では1ドル=70円突破はいつになるか財務省から確実に情報が入っている。だから為替仕組み債に分かりにくいようにノックイン条項が入っている。早稲田大学や慶応大学はバカ揃いだからみんな詐欺的商品に引っかかってしまった。

アメリカの投資銀行は次々と詐欺的金融商品を作り出しては世界に売っている。ドルは将来紙切れ同然になるのは規定路線なのだから、今の内に高利回りや元本保証で最高格付けとなれば買う人は沢山いるでしょう。しかし将来ノックインで紙切れになるのだからそんな商品を認めるアメリカ政府の良識が無いともいえる。サブプライムローンを認めている段階でアメリカ政府には良識など無いのだ。

アイスランドの破綻はアメリカの破綻の先駆けであり、アメリカは破綻する前に売れるだけの詐欺的金融商品を売りまわって計画倒産するつもりだろう。アメリカ政府は米国債を日本や中国に買わせていますが返すつもりは全く無い。中国は売ろうとしましたが台湾に武器を売って脅してきた。FRBがドル紙幣を刷りまくって金をばら撒いても日本銀行にはそう言う事はやらせない。だから円高になる一方であり政府も日銀も分かってはいてもアメリカがやらせてくれないのだ。やれば中川昭一大臣のように抹殺される。

マスコミもコントロールされているからデリバティブの情報は報道されず日本人はほとんど知らない。運用担当者も高利回り元本保証に騙されて損失が確定するまでその罠に気がつかない。亀井金融大臣はこのようなデリバティブ商品は認めないと世界に向かって宣言すべきだ。中国は既にそれをしているのですが、アメリカ政府は投資銀行に詐欺的商法を止めさせるべきなのだ。でないとお人好しの日本人が騙され続ける事になる。




金融分野でも米中が衝突するのはもはや時間の問題だろう。
中国はいずれ第2の「プラザ合意」を受け入れざるを得なくなるのか?


2010年3月6日 土曜日

北京を中心に地球が回り始める日 3月5日 宮家 邦彦

先週、米国のウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)で中国関係の面白い評論を見つけた。香港在住の2人の米国人ビジネスコンサルタントが書いた「Get Ready, Here China, Inc. Comes(準備はいいか、中国株式会社が来るぞ)」と題する小論だ。

 手前味噌で恐縮だが、「やはり言った通りだろう」というほのかな自負と、「ようやく米国人も気がついてくれたか」という冷めた感慨が筆者の頭の中で交錯した。この手の米国人「中国経済通」にはホロ苦い思い出がある。今回はその話をしよう。

中国市場は日本より自由?

 筆者が「中国株式会社」について書き始めてから、もう4年になる。外務省退職後、ある国際シンポジウムで面白い米国人に出会ったことがきっかけだった。

 実にエネルギッシュなその初老の男、以前は有名な米投資銀行のアジア担当副社長だったそうだ。

 10年ほど前は東京にも駐在していたが、今では独立し対中投資一本で手広くやっているという。

 「本当に儲かるのか、中国は昔の日本株式会社と同じではないのか、規制が多くて大変だろう」。思わず筆者はその経験豊富な銀行家にこう聞いてみた。

 答えは予想外だった。「とんでもない、中国は自由だ、規制が多いのはむしろ日本の方だ」と譲らない。そんなはずはない、こう思って筆者は畳みかけた。「共産党の統制は金融にも及んでいるはずだ、中国に自由な経済市場などあるわけがない」

 彼の言い分はこうだ。確かに中国にも規制はたくさんあるが、規制のない分野では米側が提案する新金融商品をどんどん認可してくれる。それに引き換え、日本ではこれまで認可されていない金融商品は絶対認めない。だから東京から撤退したのだそうだ。

対中戦略投資モデル

 言われてみればその通りだ。当時の中国は米投資銀行などが駆使する最新金融工学を貪欲に吸収するためか、米系銀行の自由な活動を相当程度認めていたらしい。彼に限らず、米国の金融機関は中国という新開地で大儲けしたに違いない。

 「なるほど」と筆者は妙に納得し、その場は黙ってしまった。しかし、一晩寝ると新たな疑問がわいてくる。「中国が自由でぼろ儲けできることは分かったが、儲けはしょせん人民元だろう、ドルに換金できなければ意味ないではないか」翌朝再び彼をつかまえてこう聞いてみた。

 男はニヤっと笑ってから、自信たっぷりにこう言った。「その通り、今は換金は不可能だ。しかし、いずれ中国には人民元を自由化させる、しかも大幅に切り上げてからだ、本当の戦略的対中投資とはこういうものだよ」

 この一言にショックを受けた筆者は爾来中国の経済金融システムを詳しく勉強するようになった。あの時彼に会わなかったら、このコラムは生まれなかっただろう。4年経った今、どこで何をしているかは知らないが、彼には感謝の気持ちでいっぱいだ。

正体を現したチャイナ・インク(China, Inc.)

 彼の投資戦略が正しかったかどうかはまだ分からない。しかし、過去数年間に中国が、外資と技術を受け入れて国内産業を強化するだけでなく、海外の市場と資源を求めて本格的な対外投資を行うようになったことだけは間違いない。

 冒頭ご紹介したWSJの評論は、こうした「中国株式会社」の経営戦略の変化を踏まえ、中国ビジネスを模索する欧米企業家たちに警鐘を鳴らすものだ。同小論は次のように書いている。

海外における中国企業のプレゼンスの拡大は西側企業に対する新たな競争上の圧力となりつつある。・・・中国企業は資本調達コスト、国内の労働力コスト、株主への説明責任の面で外国ライバル企業に比べ優位に立っている。

●また、中国企業は、進出先途上国との政治的関係を利用して商業上有利な条件を獲得するため、中国の国家資源を動員することもできる。西側企業は、必ずしも純粋に商業的動機だけで活動していない(中国)企業群と競争していることを悟るだろう。

●こうした中国の投資増大は・・・中国内外の市場で中国企業を強化するだけでなく、国際的舞台でそのソフトパワーとハードパワーの両方を行使するための中国政府および中国共産党のより広範な戦略の一環である。


 表現ぶりはまだ稚拙だが、「中国株式会社」の本質はほぼ網羅されている。ようやく米国の中国通ビジネスマンたちもこの点を理解し始めたようだ。冒頭ご紹介した米国人ビジネスマンがこの論評を読んだら、一体何とコメントするだろうか。

 過去4年間、中国は人民元を自由化するどころか、切り上げにすら応じていない。これまで外国企業のノウハウを学ぶだけ学んできたが、今度はその知識を自国企業のために活用し、官民一体で海外進出を始めている。

 どうやら中国の戦略は、米国人銀行家が考えるより、はるかに強かなようだ。

金融分野での米中の確執

 改めて指摘するまでもなく、中国の海外進出は近年目覚ましい。

 WSJの評論によれば、「2009年の中国の対外直接投資は433億ドルに達したが、その投資先はアフリカの天然資源などだけでなく、最近では英国のバークレー銀行、南アフリカのスタンダード銀行、シンガポールのリース会社、バンク・オブ・アメリカ・アジア部門などサービス業に集中している」という。

 中国株式会社の投資戦略は、従来のような「製造部門」のための原料確保と市場開拓だけでなく、最近力をつけ始めた「財務部門」を中心とする国際金融ネットワーク作りをも目論む、より包括的なものに進化しつつあるようだ。

 そうであれば、金融分野でも米中が衝突するのはもはや時間の問題だろう。既に、オバマ政権は今年の米中間の最大の課題を人民元切り上げ問題に絞り始めたと言われている。

 筆者が出会った米国人銀行家の戦略が正しく、中国はいずれ第2の「プラザ合意」を受け入れざるを得なくなるのか、それとも中国株式会社というシステムがその財務体質を一層強化して、しぶとく生き残るのか。


 この米中間の勝負、まだ始まったばかりではあるが、一時も目は離せない。


(私のコメント)
国際金融資本は日本への投資で成功したモデルを東南アジアや中国に応用してきているから、これから中国がどのような目に遭うかはよく分かる。日本の高度成長も世界銀行などからの資本調達とアメリカからの技術供与などで実現したものだ。高度成長の結果、株価は4万円近くにまで値上がりして、為替も1ドル=360円から79円にまで上昇している。

同じような事は韓国や台湾や東南アジアでも成功して国際金融資本は巨額な投資利益を上げてきた。金融の自由化も受け入れさせて資本は自由に出入りが出来るようになった。そして最後に目をつけたのが中国への投資である。中国も改革開放経済を取り入れて西側からの資本と技術を必要としていた。

91年の日本のバブル崩壊と、97年のアジア金融危機は寄せては返す資本の波によるものであり、90年代から00年代にかけての中国への投資ブームは、北京オリンピックの成功と上海万博開催で収穫期を迎えている。しかしながら中国は金融の自由化と元の切り上げには頑強に抵抗している。日本やアジア各国の二の舞いは避けようと言う事なのだろう。

しかし08年の世界的金融危機で国際金融資本も大きな痛手を負っており、中国で上げている大きな利益を持ち帰らなければならない状況だ。宮家氏の記事に出ていた元米投資銀行の副社長は、貯めこんだ人民元をドルに変えてアメリカに持ち帰る必要に追われている事だろう。

日本やアジア各国ならアメリカは少し圧力をかければ簡単に金融自由化させることが出来た。スーパー301で制裁をかけられればアメリカへの輸出が出来なくなるから従わざるを得なかった。アメリカは最近まで人民元を切り上げを強く求める事はなかったが、それがアメリカにとっても利益だったからだ。

アメリカは金融業を国策産業にしようとしましたがサブプライム問題で挫折した。だから二桁に乗せた失業者を吸収する為にはアメリカ国内に製造業を呼び戻さなければならなくなった。しかし国内から中国に移ってしまった工場を呼び戻す事が可能なのだろうか? 中国人並みの低賃金で働く事など出来ないから無理だろう。

90年代から00年代に至るアメリカと中国の利害は一致していた。国際金融資本はゼロ金利の日本から資金を調達して中国をはじめとするBRICsに投資をしてきた。しかし去年あたりからドバイを初めとして新興国バブルは崩壊し始めてきたのであり、ギリシャにも飛び火している。いずれは中国のバブル崩壊に到達するだろう。そうなれば世界が受けるショックはドバイの1000倍になるだろう。

新興国バブルに共通する事は自力による経済発展ではなくて、先進国からの資本と技術移転によるものであり、アメリカが一手に消費を引き受けてきた。しかし今やその流れは逆転を始めたのであり、今年あたりから新興国バブル崩壊が本格化してくるだろう。資金の出処であった日本が0,5%金利を引き上げただけで世界同時株安が起きましたが、日本が金利を上げざるを得ない状況が来たら世界経済はお終いだ。

為替相場を見れば分かるように最近のドルと円とは連動して動くようになり、円もドルもゼロ金利に近い。リーマンショックで世界経済は金融の緩和をせざるを得なくなり、日本とアメリカがジャブジャブに資金を供給している。しかしアメリカのERBも金利を上げ始めるとギリシャに信用不安が発生するようになった。たった0.5%から0.75%に引き上ただけでもショックは大きい。

世界は新興国バブルからコモディティー(商品)バブルに移ろうとしている。中国やインドなどの新興国が資源を買いあさっているからですが、それが商品バブルに繋がっている。去年からの大幅な金融緩和も商品バブルを誘発しているからですが、それは政界的なインフレに繋がる。中国も資源価格が上がれば人民元を上げざるを得なくなるだろう。


製鉄用石炭55%値上げ、車や家電に転嫁も 3月6日 読売新聞

日本の鉄鋼大手各社と英豪系資源大手BHPビリトンは5日、製鉄の原料となる豪州産の石炭価格について、2010年度から3か月ごとに見直す新方式を導入し、4〜6月期は1トン当たり200ドルとすることで合意した。

 09年度比55%アップの大幅な値上げとなった。原料高によって鋼材価格が引き上げられれば、自動車や家電など最終製品の値上がりにつながる可能性がある。7月以降の原料炭の価格は、改定方式も含めて改めて交渉する。

 四半期ごとに価格を決定する新方式は従来の1年ごとの改定に比べ、上昇傾向が続く石炭の「時価」が反映されやすい。4〜6月の合意価格は過去最高だった08年度の300ドルよりは低いものの、今後は見直しの度に価格がつり上がる公算が大きい。

 BHP側は、中国やインドなど新興国の需要急増を背景に原料炭価格の上昇が見込まれることから四半期ごとの価格改定を提案。取引相場の値上がり分を自社の収益に素早く反映させる狙いがあるとみられる。

 一方、日本側は新方式を導入すれば自動車や家電など鋼材の買い手も年間を通してコストが確定できないなど影響が大きいとして拒否してきた。しかし、BHPは日本との交渉で強気の姿勢を崩さず、鉄鋼各社は「必要量を確保するためには新方式をのまざるを得ない」との判断に傾いた。

 09年の日本の原料炭輸入量は前年比18・7%減の6565万トンに落ちこむ一方、中国は約5倍の3449万トンに膨れあがった。

 原料炭の値上がりは鋼材、最終製品へ値上がりの連鎖を招く可能性がある。ただ、消費が低迷する中で最終製品の値上げは難しく、生産、流通の各段階で企業がコストを負担せざるを得ないとの見方が強まっている。


(私のコメント)
中国は貯めこんだ外貨で世界中の資源の買い占めに乗り出しましたが、その中国に資金を投資しているのがアメリカの投資会社だ。アメリカは中国に投資することで自分で自分の首を絞めているようなものですが、ウォールストリートジャーナルの記事にもあるように中国株式会社が世界の企業買収に乗り出した。

自由化をしないままに資源の買い占めや企業買収に乗り出すのは中国は自分勝手な国でありアメリカとの利害衝突をもたらすものだ。アメリカ人はあまりにも中国人を知らないのであり、元投資銀行の副社長が言うような楽観的な見通しは外れたようだ。だからオバマ大統領も今年に入って中国に対して強硬な姿勢に転じましたが、中国は人民元を切り上げて金融を自由化させるだろうか?




普天間問題を、豪州やシンガポール、インド、韓国など地域の各国
の方が、今の事態を日本より深刻に受け止めている。驚くべきことだ。


2010年3月4日 木曜日

普天間めぐる元米国防副次官インタビュー 主なやりとり 3月3日 朝日新聞

――それでも鳩山政権が辺野古案以外の案を提示したら米国はどうしますか。

 普天間飛行場は、安全や騒音の問題を抱えているから継続使用となっても長続きしない。最終的には海兵隊は撤退しなければならなくなる。

 これは日本の政治家や政府当局者もよく分かっていることだ。

 普天間にヘリコプター部隊がいられなくなれば、沖縄全体さらには日本全体の海兵隊のプレゼンスももたなくなる。単にヘリコプター部隊、海兵隊の飛行場だけにとどまらない話だ。米軍の日本における軍事プレゼンスが持続できるかどうかという問題になる。

 ――佐世保を母港とする海軍の強襲揚陸艦、岩国飛行場に駐留する戦闘攻撃機部隊なども撤退するということですか。

 沖縄の海兵隊が撤退することになれば、(それを運ぶ)強襲揚陸艦や、(海兵隊の)戦闘攻撃機部隊を(日本に)置いておく必要もなくなる。

――どこに行くのでしょう。

 一部はグアムに移駐するかも知れないし、ハワイあるいは米本土西海岸に移る部隊もあるかも知れない。

 ――米議会の空気は。

 米議会も失望している。アジア太平洋地域での前方展開を維持できるかどうか、疑問視し始めている。

 ――もし海兵隊が日本から撤退することになった場合、日本の抑止力に与える影響は。

 その信頼性に非常に大きなダメージを与えることになる

だろう。日本が日米安保条約6条に規定されている、基地の提供義務を果たせない、果たすつもりがないというのであれば、米国も5条に定められている日本防衛義務を再検討しなければならなくなる。要はそういうことだ。

 ――米国は日本を防衛しないというのですか。

 そういうことではなくて、鳩山政権は、米国の日本防衛能力を低下させると、一体どういう影響があるのかということをよく考える必要があるということだ。

 ――しかし米国としても、日本から撤退するわけにはいかないのでは。

 米国の立場からすれば、撤退するわけにはいかない。しかし、そうするしかない状況に追い込まれれば撤退する。そうなって最も影響を受けるのは日本なのに、日本にはそれが分かっていないように思える。すでに現状がそれに非常に近づいていることも理解していないようだ。

 ――撤退したら何が起きますか。中国が尖閣諸島に侵攻すると思いますか。

 どうなるかは全く予想がつかない。しかし、友好国、潜在的な敵国を含めた地域の各国に対して明確なシグナルになることは間違いない。日本と米国は安全保障関係を適切に維持できないということだ。各国は事態の成り行きを注視している。

 実際のところ、豪州やシンガポール、インド、韓国など地域の各国の方が、今の事態を日本より深刻に受け止めている。驚くべきことだ。

――海兵隊が撤退して生まれる軍事力の空白を、日本が埋めることはできるでしょうか。

 それは日本の政府と国民が決めることだ。しかし、忘れてならないのは、失うものは単に軍事的な能力だけではないということだ。日本は、抑止力の基礎となる、同盟の能力と戦略的な連携関係も失うことになるのだ。

 最終的には海兵隊の撤退は、日米同盟の基本的な持続可能性にも疑問を投げかけることになる。おそらくアジア太平洋地域全体の米軍の兵力配備・構成も大きく変更する契機となるだろう。撤退が引き起こす連鎖反応を甘くみるべきではない。

 ――鳩山政権が結論を出すのが、「5月」という期限を越えてしまったらどうなるでしょう。

 決定を遅らせることに何ら価値を見いだせない。時間がたてば事態はさらに悪化するだけだ。

 ――東アジア共同体をつくり、地域各国との信頼醸成を進めれば米国の軍事力に対する依存を減らすことができるという考え方があります。

 もしそれが、鳩山政権の考える日本の安全保障政策であるのならば、米国に説明すべきだ。両国はそれが同盟関係にどういう影響があるのかを真剣に協議する必要がある。しかし、日本に駐留する米軍の能力を削減し、同盟を弱体化することが、日本の安全を高めることになるのだろうか。中国や北朝鮮をより大胆にするだけだ。

 ――民主党の小沢一郎幹事長は、「第7艦隊で米国の極東におけるプレゼンスは十分だ」と発言しました。

 小沢氏が本当にそう発言したとは思えない。が、もしそうだとしたら、空母打撃部隊といういわば米国にとって「虎の子」の戦略能力を、我々が日本防衛のために必要だと考える軍事力(海兵隊)を不要だと宣言する国に置いておくと考えるのは間違いだ。ある部隊はとどめて、他の部隊は撤退させるということができると考えるのは幻想だ。

 ――オバマ政権は、もっと柔軟なのではないですか。

 これまで述べたのはあくまで私の個人的な見解だが、それは私の8年におよぶ米政府内での勤務経験に基づくだけでなく、現職の米政府当局者との活発な意見交換にも裏付けられたものだ。米国政府内の日本に対する不満は広くかつ深いものがある。オバマ政権はある段階で何らかの妥協をするかもしれないが、まだ全く分からない。ただ、そうした米側の妥協は同盟を弱体化するものであり、どのような結果を招くのかはよく考えなければならない。それは、すでに始まっているように見える日本の自己矮小(わいしょう)化をはるかに超えたものになる。



(私のコメント)
アメリカにおける在日米軍の存在は世界戦略上欠く事が出来ないものであり、在日米軍が存在しなければハワイからケープタウンに至るまでのアメリカの制海権が失われる。そうなれば韓国、台湾、フィリピンインドネシア、オーストラリア、タイ、インドなどの国防上も大きな影響を受ける事になる。

リチャード・ローレス元米国防副次官のインタビューからも分かるように、普天間基地問題は一つの海兵隊基地だけの問題ではなく、アメリカの世界戦略の根幹に関わってきます。このように考えればアメリカにとって日本は最重要同盟国のはずですが、オバマ大統領は中国を最重要相手国と演説しました。21世紀は中国とアメリカとで決めて行きましょうと呼びかけた。

もはやアメリカにとっては日本は居ても居なくてもどうでもよい存在に存在に扱われてしまった。それが自民党政権の崩壊にも繋がったのではないかと思う。「株式日記」でも日本がアメリカを見捨てればアメリカの世界覇権は失われると書きましたが、オバマ大統領にはその認識が無かったようだ。

オバマ大統領がアジア訪問をしても日本のは23時間滞在して中国には4日間滞在した。日本と話し合う問題が無かったのではなく普天間基地問題があった。クリントン国務長官も中国にはオバマ大統領と同行したが日本には来なかった。このようなアメリカン政府の態度を見ればアメリカ離れを促しているのはアメリカ政府自身のように見える。

このように問題が拗れる背景には、アメリカ政府によるジャパンバッシングの問題がありますが、90年代の悪夢がトヨタ叩きで再び甦ってきたように見える。クリントン政権の悪夢がオバマ政権で再び行なわれるのだろうか? 90年代の日本たたきの目標は日本の金融機関であり銀行も証券会社も保険会社もズタズタにされた。

今回のジャパンバッシングの標的は日本の自動車会社にあるようですが、トヨタは最悪の場合はアメリカからの撤退も視野に入れておくべきだろう。欠陥車で集団訴訟に持ち込まれれば懲罰的罰金が科せられて数兆円の罰金判決が出るかもしれない。だから豊田章男社長はアメリカでの公聴会の後すぐに中国に飛んだ。

オバマ大統領が最近になって台湾に武器を輸出を決めたり、ダライラマとの会談をして中国を怒らせていますが、このような対中政策の変更は7月の米中サミットの頃とは大違いだ。日本は放置していてもアメリカに従属しているという甘い見方があったのだろう。それともアメリカ自身が米軍再編で日本からの撤収を考えているのだろうか? 


日中軍事衝突のような愚かなマネをすれば、日本は「中国ではなく米国に」経済制裁や軍事攻撃されることもあり得る。日本は米中G2体制に備えろ! 2009年12月11日 株式日記

「米中G2体制の形成そして日米同盟の解体」 6月2日 ユーラシア21研究所 田代  秀敏

 米国と中国とが世界を共同で統括する米中G2体制が急速に構築されつつあり,その陰で日米同盟はなし崩しの解体を迎えつつある。

  米中G2体制のアイデアは,米国の金融危機が深刻な様相を呈し出した2008年夏に米国側から提案された。

  米国政治ではシンクタンクが非常に重要な役割を果している。その中で米国の政策決定に最も影響力がある政策シンクタンク外交問題評議会(CFR)は,機関紙『フォーリン・アフェアーズ』の日本語版2008年7・8月合併号に,著名な民主党系エコノミストであるC・フレッド・バーグステンの「米中によるG2の形成を」と題する論文を掲載した。英語版での原題は“A Partnership of Equals”,すなわち「対等なるものの協力」であり,中国を米国と「対等」な相手と位置づけている。

  同論文の主旨は,「古い問題,新しい問題に関係なく,基本的なアイデアはアメリカと中国がG2を形成し,両国がグローバルな統治プロセスの主導役を担うことだ。もちろん,EU,また案件次第では日本のような他の主要勢力もこのプロセスに関与させる必要がある」という一節に集約されている。これは,公然たる,日米同盟の解消および米中同盟の形成の提案である。少なくとも,日米同盟を米中同盟に従属させることの提案である。

  すでに2005年9月21日,当時の米国務次官であったゼーリックは,中国に対して国際社会の「責任ある利害関係者」(a responsible stakeholder)になることを要求した。その延長に米中G2が提案されたのである。

  米中G2は静かにしかし着実に形成されつつある。

<批判者本人の時代のずれた認識を元にする「正論」という名の「ずれた」批判> 9月11日 金融戦争の現局面

米国は、冷戦時には中ソからの防衛線として、日本を位置付けて来たが、ソ連崩壊と中国の改革開放の進展、さらには米国の軍事的・経済的疲弊によって、日本に米軍を貼り付けて置く政治的意義は、米国にとって急速に薄れている。その結果自民党政権との間で、既に2006年に沖縄の米軍はグアムへ8000名の主力海兵隊を移転(撤退)し、米軍基地を大幅縮小することが合意されている。

韓国の米軍も殆ど撤退することが、既定路線となっている。日本はアメリカの傘の下にいる下で、中国や北朝鮮に対して強硬な姿勢をとる『虎の威を借る狐』の態度を取り続けることは、今後出来なくなることが、上記より自民党政権下で国際的にも織り込み済である。米国自ら軍事的な関与を弱めると言うことは、政治的な関与も弱くなる(=弱くしようとしている)ことは自明である。

<「G2」を敢えて見ようとしないことは、時代錯誤であり犯罪的ですらある>

(私のコメント)
日本に非自民党政権が誕生するようになった背景としてはアメリカの日本離れがあるだろう。日本と同盟を組んでいても中国との対立構造を抱え込まなければならず、日本とは手を切って中国と直接手を組んだほうがいいと考える戦略家が多くなってきたようだ。キッシンジャーやブレジンスキーがそうだし、経済面ではバーグステン氏などがG2を提唱している。

それに対して政府自民党はひたすらアメリカに追従する政策を保持し続けましたが、小泉外交の失敗は明らかだ。確かにネオコンのような冷戦時代の生き残り勢力は中国を敵視しているが、共和党の主流派はむしろ中国と手を組んでアジアの覇権を維持しようと考えている。政府自民党は明らかにアメリカに裏切られたのだ。

アメリカは中国と手を組んだ以上は日本がいくらジタバタしても手遅れであり、日本がとれる唯一の手段は自主独立外交しかない。米中が手を組む事でそれ以外のアジア諸国も米中の支配下に置かれる事になりますが、ASEAN諸国やオーストラリアやインドは米中のG2体制に反発を持つだろう。日本はこれらの諸国を結集してG2に対抗すべきだ。


(本日の私のコメント)
去年の12月に以上のような米中G2論を批判しましたが、アメリカの対中外交は年が開けて大きく変えてきました。親中派のオバマ大統領も奥の院の助言で変えざるを得なかったのでしょう。しかしトヨタ叩きをしてジャパンバッシングも始めた。こんな事をすれば日本を中国側に追いやるようなものですが、アメリカ議会は気が狂ったのだろうか?

既に90年代とは違って、日本にとって中国が最大の貿易相手国となりアメリカ市場は相対的に小さくなった。台湾も中国との経済関係が深まり中台はますます一体化してきている。日本も韓国も中国との関係を深めて日中韓台は一体化してきている。その上で邪魔になるのが在日米軍なのですが、アメリカ政府はこのような流れが分からないのだろうか?

このような状況でオバマ大統領のG2発言が、アメリカにとっていかに危険なものであるのか分かるでしょう。米中が対立していなければ日中韓台はますます一体化して行って、アメリカはアジアから追い出されるのだ。普天間の基地問題はその大きな転換期になるのかもしれない。




中国当局からの対米攻撃発言は沈静化、結局は米と喧嘩は
出来ない。中国はもっと強い国かと思っていたのですがね・・・。


2010年3月3日 水曜日

米中関係の変化!? 3月2日 S氏の相場観

グーグル問題、サイバー攻撃、ダライラマとオバマの会談、台湾への武器輸出・・・。当然、中国は米に猛反発となり、米国債を売れという世論にも後押しされ、共産党を維持する為に中国政府は米国債を売ると宣言し、米はFRBが国債の買い入れは止めるとしたのに、国債価格が下がる事はなく、価格は比較的順調に推移しているのです。

 中国当局は、今後も米国債を売るという宣言も出しましたが、その後の米国からの発表では相変わらず中国が米国債の最大保有国であると伝えられました。中国は、確かに一時は米国債を売ったはずなのです。現に公式発表で再度日本が米国債保有残高一位という、あまりありがたくない金メダルを取ったというニュースが出ているのです。

 しかし、いつの間にやら中国の米国債保有残高は再度トップになっているのですが、買ったという発表はありません。もしや売ったというのは嘘か!?とも思ったのですが、これらを理解するのに必要と思われる興味深いデータを見つける事が出来ました。

 2月物の米国債の購入内訳ですが、普通の購入枠というのは、証券会社や銀行を通じて誰が買ったかがハッキリしているのですが、詳しい事情は分からないのですが、それらを通さない直接買い付けの様な物が米には存在し、いつもそれらの割合は全体の2〜4%ほどあるそうなのです。しかし、今回の入札ではそれが約25%程あったそうで、発行量の四分の一が購入先不明になっているのです・・・。

 購入先が不明な訳ですから、これの買い取り先が中国だと決め付ける訳には行かないのですが、12月には明らかに中国は米国債を売りに行ったはずなのです。そして、2月の中旬に入札された米国債の不明な直接購入が増え、2月末には中国が米国債を売ったというのは統計上のミスだという発表があったのです。

 一時は米の挑発に乗って大騒ぎをしましたが、結局は米に逆らっては生きて行けないという事を実感したのではないでしょうか。米国債も裏からこっそり買い戻し、事態の収拾を図った様に見えなくもありません。

 中国当局からの対米攻撃発言は沈静化と、どうも違和感を感じていたのですが、結局は米と喧嘩は出来ない・・・。中国はもっと強い国かと思っていたのですがね・・・。

 こうなってくると、米中関係はしばし安定の方向でありましょうし、相場的にもしばらくは底割れしそうもありません。かと言って上かと聞かれれば、それも厳しいだろうとしか言い様がありませんが、しばらくは一番の問題が抑え込まれる状態になるかもしれません。(後略)


(私のコメント)
外交というのは計算ずくでやるものであり、感情的になったり意地を張ったりすると負けます。アメリカも中国もケンカ上手であり、12月には米国債を売ってみてアメリカがどう出るか中国は探っていたのでしょう。それに対してオバマ大統領は台湾に兵器を売ってダライラマと会談した。グーグルにも暴れさせて反撃させて揺さぶって来た。

アメリカは公然と反撃してきたので中国は慌てて米国債を2月に買い戻して元に戻った。このように米中は腹の探りあいをしながら外交をしている。中国は直接はアメリカと協調しながら着々と反米包囲網を形成してきているのであり、表では握手をしながら裏ではナイフを突きつけあっている。

日本にも本格的な非自民政権が出来て外交が大きく変わるかと期待したのですが、自民党と大して変わらないようだ。最終的にはアメリカの言いなりになって普天間に基地が作られるのでしょう。当面はアメリカの言いなりになりになりながら自主独立の機会を待つしかないのでしょう。急がずともアメリカは中国の台頭と共にアジアから引いていく。

オバマ大統領の対中政策の転換は本格的なものか単なるブラフか分かりませんが、日本の民主党が中国よりの外交をとりだしたので慌てて米中対決姿勢に転じたのだろう。アメリカは日本と中国が手を組む事を一番恐れているから、裏では米中は手を組みながら表では米中対決姿勢をとっている。

日本としては米中の狭間に入ってこれからの外交戦略を組まなければなりませんが、親米派はアメリカの覇権は未来永劫に続くと思い込んでいるようだ。米国債にしてもこのまま買い続けていけばアメリカと共に道連れで沈んで行ってしまうから、どこかで転換しなければならない。それには中国がアメリカに対してどれだけ対抗できるかよく見定める必要がある。

中国の米国債大量売却のニュースを見て中国も「なかなかやるな」と思ったのですが、へたれてしまった。このようにやられたらやり返すのが外交であり、一度弱みを見せれば調子に乗ってどんどん押してくるのが米中だ。トヨタにしても謝罪すれば弁護士たちが集団訴訟を仕掛けてくるだろう。ところが日本の政治家は直ぐに謝罪するからかえって外交が拗れてしまう。

外交はやられたらやり返すのが外交であり、品格がどうのこうのでは相手に通じない。北朝鮮だって日本がやられたらやり返す国だとわかれば拉致問題など起きなかったはずだ。韓国にしても竹島を取られても日本の政治家は何も出来ない。このようにやり返すことは重要ですが相手の挑発にのってはダメだ。中国もまずいと思ったから直ぐに米国債を買い戻して知らん顔している。

沖縄の普天間問題でもトヨタで報復してきたのだから妥協したらどうだろう。普天間で妥協したからトヨタを叩くなと言えばそれなりの効果はあるだろう。このように外交はやったりやられたり妥協したりさせたりするのが外交だ。身の程をわきまえずに意地を張ってしまうと解決の道が開けなくなってしまう。




ドイツとギリシャの関係は、日本と韓国の関係によく似ている。韓国が経済
危機が訪れるたびに日本が救済するが、韓国は謝罪と賠償を要求する。


2010年3月2日 火曜日

韓国はアジアのPIGSか?


“ユーロ圏のいかさま師”?ギリシャ ナチスの損害賠償要求 2月27日 スポニチ

財政危機に陥ったギリシャのパンガロス副首相が27日までに、第2次大戦中のナチス・ドイツによる損害の賠償をドイツに求めると発言し、「賠償問題は決着済み」とするドイツの反発を呼んでいる。

 ドイツは欧州連合(EU)最大の経済大国だが、ギリシャ危機については同国の放漫財政が原因だとの批判が一部で根強い。副首相の発言はこうしたドイツの姿勢への反発が込められているとみられる。

 パパンドレウ・ギリシャ首相はドイツとの関係悪化がEUの支援策に悪影響を及ぼすことを懸念、3月5日にメルケル・ドイツ首相とベルリンで会談し関係修復を図る。

 ギリシャは大戦中、ナチスとイタリアなどに占領されたが、副首相は英BBCに対し、占領中に中央銀行から大量の金がナチスに持ち去られたと主張し、ドイツに賠償を要求。一方、ドイツ外務省報道官は賠償金は1960年に支払い済みとして、これを拒否した。

 ドイツ誌フォークスが「ユーロ圏のいかさま師」との見出しで、ギリシャを象徴するミロのビーナス像が中指を立てる挑発的姿勢を取る姿を表紙に掲載するなど、ドイツではギリシャが納税者の税金を奪おうとしているとの論調も出ている。 (共同)


がんばれユーロ、「PIGS危機」を無駄にするな−Mリン 2月9日 ブルームバーグ

2月9日(ブルームバーグ):オバマ米大統領の首席補佐官、ラーム・エマニュエル氏は2008年の信用危機のさなかに、「深刻な危機が無駄になることを誰も望まない」として、危機は「それまでできなかったことをする機会だ」と語っていた。

  誰かホワイトハウスに電話をかけて、エマニュエル氏に2、3週間フランクフルトに出張するよう頼んでもらえないだろうか。

  ユーロ圏と欧州中央銀行(ECB)は今、市場が「PIGS危機」と呼ぶものに直面している。PIGSはポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペインの略だ。イタリアをこれに加える向きもあるが、同国の財政状態は若干ましのようだ。

  債券市場はギリシャに照準を合わせ、対国内総生産(GDP)比12.7%に上る財政赤字を責め立ててきた。標的は今、ユーロ圏の他の重債務国へと広がった。中銀当局者らが恒久的な解決を模索する間、株式市場と外為市場は神経質な状態が続いている。

  もちろん危機だが、ECBはこれを好機ととらえるべきだろう。

  10年前の統一通貨ユーロの誕生以来、財政に関する責任の所在について混乱があった。混乱を正し、明確化する良い機会だ。この危機をうまく乗り切れば、ユーロは有力な世界通貨になれるかもしれない。逆に、対応を誤れば2030年にはユーロ紙幣が手に入るのはeベイの競売サイトだけということにもなりかねない。

  PIGS危機の核心はいたって単純だ。各国は何年にもわたり、かつての自国通貨よりもはるかに強い通貨建てで、従って低コストで資金を借り入れることができた。現在はそのツケが回り、自らに厳しい財政規律を課して経済をひどいリセッション(景気後退)に陥れるか、ユーロから離脱して新たな通貨を導入するかの選択を迫られている。どちらにしても将来は厳しい。

  しかしながら、危機にうまく対応し長期的にユーロを強くする3段階の手順がある。ECBはユーロ圏各国政府の協力の下で、これらのステップを実行すべきだ。

  ステップ1:断固として救済を拒否する。  債券市場はPIGS向け貸し出しを米国か日本への貸し出しと同じだと考えていた。最終的には中銀が紙幣を印刷し、返済を助ける。しかしこれは大きな間違いだ。ユーロ圏がそのような仕組みになっているとは誰も言っていない。

  ギリシャやポルトガルに金を貸すときは、これらの経済をじっくりと研究し、貸した金が返済されるかどうかを判断しなければならない。ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンや英石油会社のBPに貸すときと同じだ。企業が中銀に救済されることはあまりない。勝手に通貨を切り下げることもできない。ユーロ圏の国債は社債に近いと考え、それぞれの借り手の財務力を査定する必要がある。

  ステップ2:秩序あるデフォルト(債務不履行)を準備する。  PIGS諸国が約束通りに債務を返済することは不可能だろう。とにかく債務負担が大き過ぎる。欧州連合(EU)の上限の3%をはるかに超え、ポルトガルの2009年財政赤字はGDPの9.3%、アイルランドは11.7%、 スペインは11.4%だ。

  政府が歳出を抑え過ぎれば、景気はあまりにも深く、あまりにも急激に落ち込むだろう。税収が急減し、債務返済はさらに難しくなる。悪循環に取り込まれることだろう。

  痛みは大きい。債券保有者がその痛みの一部を負担しなくてよいという理由はない。企業はしょっちゅう、デフォルトする。国も同じだ。PIGS諸国はECBの指導の下で、債務再編を宣言すればいい。利払いの一時停止を宣言し額面の50%での償還を債券保有者に提案する。企業が債務返済に行き詰まったときはこの通りに行動するだろう。ユーロ参加国の政府が同じことをして悪いということはない。コントロールしながら行えば、手に負えない事態にはならないはずだ。

  ステップ3:ミニIMFを設立する。  世界の大半の地域では、国家が財政危機に陥れば国際通貨基金(IMF)に声が掛かる。IMFは救済策を取りまとめ、救済計画が実行される間、対象国の経済政策を事実上運営する。同様の役割をECBが果たす必要がある。ギリシャやポルトガルはデフォルトすれば借り入れは難しくなる。

  そうした状況ではECBが、各国が危機を乗り切る間のつなぎ融資を提供しなければならない。その代わり緊急の経済改革を迫る。歳出削減と減税、規制緩和など成長を回復させる政策が必要だ。IMFが示してきたように、厳しい改革は選挙で選ばれた政治家よりも外部の組織が強制した方が容易な場合が多い。

  各国は財政破たんからゆっくりと回復することができる。アイルランドは公的部門の支出を劇的に減らす一方で法人税は低く維持し、良いスタートを切った。長期的な利益のために短期の痛みを選んだ。これは常に、その逆よりも正しい選択だ。

  1999年のユーロ導入時、参加国が相互を救済するかどうか、中央組織が経済政策を強制するかどうかは明確にされなかった。これらの問いに今、はっきりと答えなければならない。

  ある国が巨額負債を積み上げた揚げ句、他国がこれを救済することになれば、ユーロは崩壊する。そして、必要なときには経済の苦い良薬をECBが各国に飲ませることもしなければならない。PIGS危機はこの2点を明確にするチャンスなのだ。そうすれば、危機をくぐり抜けたユーロは、より強い統一通貨になっているだろう。(マシュー・リン)


(私のコメント)
2ちゃんねるが韓国からのサイバー攻撃でダウンしているようですが、韓国の3・1節(独立運動記念日)にちなんだ妨害活動のようだ。韓国は例によって歴史カードを持ち出して愛国心を煽ってサイバー戦争を仕掛けてきているようだ。このようなサイバーテロ攻撃は子供じみていますが、インターネットを利用してサイト攻撃してマヒ状態にすることはれっきとした犯罪だ。中国などもアメリカの国防省などにサイバー攻撃しているようですが、国防問題になると外交にまで影響してくる。

今日はユーロ圏内におけるドイツとギリシャの問題ですが、いわゆるPIGS問題はユーロの存在そのものを脅かしかねない問題になっている。傍から見ればドイツがギリシャを助ければいいではないかと言う事ですが、ドイツ国民はそれに反対している。ギリシャの問題はドバイ危機が波及してきた格好ですが、新興国バブルの崩壊はこれからの問題だ。

PIGS問題もユーロ圏における新興国のバブル崩壊問題であり、ギリシャなどPIGS諸国はユーロでもって多くの借金をして開発投資をしてきた。それが焦げ付きだすと一斉に資金の引揚げが起こり信用不安が起きる。ギリシャの国債などの利払いや償還などに不安が生じているのですが、ギリシャは観光ぐらいしか産業がなく、返済の目処が立たない。

ギリシャがデフォルトすればユーロの信用不安にも繋がるから、ECBなどが救済すべきなのでしょうが、ECBにはそのような役割は想定されていない。ギリシャを救えるとすればドイツが救済するしかないと思われるのですが、相互救済システムも想定されていなかった。どっちみちギリシャはドイツが救済しなければデフォルトするだろうし、他のPIGSも連鎖的なデフォルトに発展するだろう。

PIGS諸国に貸し込んできた銀行はドイツやイギリスやフランスの銀行などですが、国債等は国家の発行するものだから倒産はありえないと言うことだったのですが、利払停止や償還の不能は倒産と同じだ。ギリシャでも50%の債権放棄を求められる事もあるかもしれない。いわゆる借金の踏み倒しだ。

ドイツとギリシャは同じEUでありユーロを使用している共同体なのだから、ドイツが救済すれば当面の問題は片付く。だからギリシャなどは歴史問題などを持ち出して救済を求めている。このような関係は日本と韓国との関係によく似ている。1997年のアジア金融危機の時も韓国が金融危機に陥って、日本とアメリカが資金を出して救った。

リーマンショック以降も韓国は金融危機が起きたのですが、日本や中国が通貨スワップで資金を融通しあう事で韓国は救われている。韓国といえば{株式日記」でもDRAMや液晶パネルなど韓国に負けた事を書いてきましたが、その韓国にどうして経済危機が続いているのだろうか? いまやサムスンはソニーを上回る企業であり、現代自動車はいまやグローバル企業だ。

韓国は国内市場が小さいから最初から輸出に頼らざるを得ませんが、韓国製の家電製品や自動車が世界中に溢れている。常識で考えれば日本を上回るような黒字大国であってもいいのですがそうはなっていない。サムスンや現代自動車などトップ企業は非常に華やかなのですが裾野の広がりのない経済であり、トップ企業が稼いでも利益はみんな外資が持って行ってしまう。

だから韓国が経済危機になるたびに日本やアメリカが救済しなければならないのですが、アメリカや日本は韓国に技術供与して電子産業から重工業まで育ててきた。しかしその事は韓国国民の多くは知らない。サムスンや現代などの製品の中身は欧米や日本の技術を使った製品であり利益はみんな外資が持って行ってしまう。だから日本に対する憎しみが増すばかりなのだ。

ドイツもPIGS諸国に金融援助していたらいつまで経っても危機的状況が続くだろう。だから技術供与などして産業を興させて自立を促すようにして行かなければならない。東欧諸国も同じような状況だからドイツは大変ですが、日本なども東欧や南欧に工場を進出させてEU市場に入るチャンスでもある。

中国なども13億人の人口を養っていかなければならないから、外資の資本と技術を必要としている。中国は国内に大きな市場があるから経済力がつけば日本にとっても大きな市場になりうる。貿易高から言えばアメリカよりも中国が最大の貿易相手国になっている。しかしながら日本では中国製や韓国製の家電製品や自動車などを見かけることはほとんどない。どうしてなのだろうか?

日本は中国に対しても6兆円に及ぶODA資金援助などをしてきましたが、やはり技術援助などで産業を興させて自立を促す援助に切り替えた。だから中国製品の中身を見れば欧米や日本の技術で作られたものであり、日本企業の技術を使って作られたものだから中国や韓国企業は日本には特許の関係で進出が出来ないのだ。


韓国車の評価 品質・性能・燃費は向上したが、パクリで評判下落 2月4日 宇宙規模で拡大する金融ショック

韓国車の販売台数は現在、中国・インドなどの新興市場でトヨタを上回っている。今までは価格の安さで売れていた。韓国最大手の現代自動車でも、最大市場である米国では、これまで自身の商品を 「日本車の安価な代用品」 と位置付けてビジネスを行っていた。

しかし数年前まではウォン高の進行によって価格が高騰し、セールスポイントである 「安さ」 が完全に失われ、逆に日本車が円安や低価格車戦略などによって、韓国車より価格が下回るという稀有なケースが出てきている。

06年の品質調査で、現代自動車ブランドが、ポルシェ、レクサスに並んで3位にのし上がったが、07年の同調査では大きく後退し、ナント12位にまで下がっている。耐久性調査では業界平均を下回る評価に留まったという。

1997年のアジア通貨危機前は、韓国には5財閥で計9社の自動車メーカーがあったが、その後2000年に三星自動車がフランスのルノーに、02年には大宇自動車が米国のGMにそれぞれ買収されるなどし、韓国資本の自動車メーカーは現在、現代自動車と同社傘下の起亜自動車の1財閥で計2社のみになったのだ。ちなみに起亜は2002年、テニスの4大大会のひとつである、オーストラリアオープンのメインスポンサーになっている。

一方で韓国車の日本車デザインのパクリ問題は、中国車ほどではないにしても、世界中から酷評をくだされている。最大手のヒュンダイのロゴも、ホンダのロゴを傾けただけではないか・・という指摘を受けた。さらに企業キャッチフレーズの ”Drive Your Way” についても、トヨタの ”Drive Your Dreams” になぜか似ている。これは偶然といえるだろうか?

まだ景気が良かった08年上半期の、米国市場における新車販売台数は、トヨタが2位、ホンダが5位、日産が6位に入ったが、韓国車については、現代が7位、起亜が10位程度だった。

韓国の新聞社は、この2社を合計してホンダの販売台数と同じになったと誇らしげに語っていた。依然としてこういったナショナリズムが国民を意図的に高揚させているに過ぎない。極めて幼稚な発想だ。

エンジンも日本製が多いし、車体を作る工作機械は全部日本製だ。これについては、米国も中国もロシアも同じ。それも日本車のような環境にやさしいエコカーについては、とても作れない。韓国側はこういったライセンスについても、日本側に求めているだろうが、高い技術のかたまりであるエコカーなんて、日本企業はそうやすやすと技術を移転するわけない。

今年1月2日、自動車の世界標準を決める国連の専門組織は3月に国際協定を改正し、ハイブリッド車や電気自動車の安全基準を新設し、日本の提案した基準がほぼそのまま世界標準に採用されることが固まった。

年明け早々、久しぶりの明るい話題だといえる。トヨタ自動車の 「プリウス」、ホンダの 「インサイト」 などは現行仕様のまま、グローバルスタンダードとして販売できるのだ。こういった技術を他社に供与するだろうか? あり得ない。とにかく半導体や家電製品、そして携帯電話の二の舞を演じてはいけない。

残念だが、現在トヨタは世界的なリコール問題に直面している。それでも今月中旬に再度販売が開始されれば、一気にシェア拡大が続いていくだろう。(私は個人的に米国の政治的陰謀策と考えている)ハイブリッド(低燃費車)や電気自動車技術の7割は日本のメーカーが特許を握っているのだ。世界標準の技術はそう簡単に崩れることはない。

とにかく世界的な不況が続くなか、いかに新興国市場で販売台数を増やせるだけの価格になっていくかが課題となるだろう。リチウムイオンやその他のレアメタル需要が増すなか、場合によっては、一定の薄利多売戦略も視野に入れておかなければならない。


(私のコメント)
新興国を経済成長させるには、ある程度の教育水準があれば資本と技術を供与するだけでもたらされるだろう。ユーロ圏でも南欧や東欧諸国などの新興国はドイツなどの経済大国が面倒を見ていかなければならないだろう。ポーランドなどもドイツやイギリスなどへの出稼ぎが多く、自国の産業振興が望まれますが、ドイツなどが技術供与して行くべきなのでしょうが、ナチス時代の歴史問題などで絡んでくる。

このように見ればアメリカとドイツと日本が世界の技術覇権を持っていることが見えてきますが、世界の覇権国家の条件は超大国である必要はなく、ダントツの技術力が覇権を決める。自動車産業を見てもこれからはハイブリッドカーなどの次世代自動車などの技術が世界の覇権を決めていくだろう。アメリカはそれに遅れを取っているからトヨタを叩いているのだ。





現在のトヨタは、ガキ大将に殴られまくっているような状況だ。
そのまま殴らせて我慢しなければならない。反撃するとさらに悪化する


2010年3月1日 月曜日

リコール:米国で販売不振にあえぐトヨタ 2月25日 朝鮮日報

今月23日(現地時間)午後4時、米国ロサンゼルス郡カーソン市にあるトヨタ自動車販売店。

 リコール問題発生前には、2−3カ月待ってようやく購入することができたハイブリッド車プリウスが、駐車場を埋め尽くしている。トヨタを代表するカムリやカローラといった車種も、駐車場にぎっしりと並んでいた。しかし、車を買いに来る客は一人もおらず、営業社員らは事務所の外でたばこをふかしていた。営業担当のピート・チャンドさんは、「リコール問題で客足がぱったりと途絶え、新車を購入する顧客には1000ドル(約8万9750円)の割引を行っている」と語った。地域やディーラーによっては、1台当たり6000−7000ドル(約54万−63万円)を割り引くところもある、と社員らは話した。

 トヨタのサービスセンターには、修理を受けようと待機する車が列を成していた。サービスセンターの従業員は、「特別な欠陥がないにもかかわらず、何かおかしいと言って修理を求める客が増え、業務処理が遅れている」と語った。

 これに対し、車で5−10分の場所にある競合他社の売り場は、車を見に来た消費者と、接客に当たる営業社員で活気に満ちていた。ゼネラルモーターズ(GM)のシボレーと現代自の車を同時に販売している代理店「コーミエ」のジョン・ミンツさん(営業担当)は、「トヨタからわたしたちの方に移ってくる消費者をつかまえるため、シボレー・マリブは1500ドル(約13万5000円)、現代自のソナタ、エラントラ(韓国名アバンテ)は最大で2000ドル(約18万円)を割り引いている」と語った。

 世界トップの自動車メーカーであるトヨタの大量リコールに伴い、競争相手が反射利益を享受している。トヨタの先月の米国内販売は、昨年1月より16%も減少したのに対し、GM(14%)やフォード(25%)、クライスラー(40%)、現代・起亜自(13%)の販売はいずれも増加した。

 とはいえ、リコール問題でトヨタをはじめとする日本の自動車メーカー各社の販売不振が長期化すると見込むのは危険だ、と専門家らは指摘する。トヨタは昨年、およそ47億ドル(現在のレートで約4218億円)もの損失を出したが、今月初めには、3月末で終了する2009会計年度で黒字転換が予想されると発表した。同じくホンダも、今年は前年比約2倍に当たる2650億円の純利益を予想している。



ジェフリー・ライカー・ミシガン大学教授 核心インタビュー 3月1日 ダイアモンドオンライン

―米国現地時間で2月24日に行われた豊田章男社長が登壇した公聴会を観たか。

 観た。

―全体的な感想は?

 豊田氏は、ひどく無礼な物腰の議員たちから悪意を持って攻撃された。議員たちは彼の会社を人を殺したとして(killing people)、露骨に非難し続けた。彼らに真実を知りたいという気持ちはなく、公聴会の前に、すでに豊田氏を裁いて有罪だと決めつけていた。

 実際は、電子系統の欠陥のために急加速して誰かが亡くなったという証拠など一切ない。集団訴訟という法的な文脈において犠牲者という言葉があるだけだ。それなのに、(豊田氏は)まるですでに有罪になった殺人者のように扱われていた。彼が発するいかなる言葉も、彼に不利に扱われた。そんな針のむしろの状況で、豊田氏は真相の究明と会社の改善について真摯に取り組むと何回も冷静に繰り返した。彼は自分にそのこと(今回のリコール問題)について知識がないことは認めはしなかったが、決して保身の態勢に入らなかったことは良い。私は豊田氏の沈着と誠実、そして問題を解決しようとする真剣な姿勢にひどく感銘を受けた。

―しかし表面上、トヨタは突然大きくよろめき始めているように見える。そもそも、アメリカ人はトヨタの何を問題視しているのか。

 急加速問題に関する苦情は(トヨタに限らず)かなり以前からあったが、元をたどれば、ロサンゼルス(LA)タイムズのある記者がトヨタ車の加速問題に焦点を絞って調査を始めたことに(今回の一連の騒ぎは)端を発する。実はこの記者はショーン・ケインという人物と組んで、一緒に調査をした。資金はトヨタに対して集団訴訟をする弁護士たちが出している。

LAタイムズの記者とショーン・ケインは、“意図せぬ急加速”問題の増加はトヨタが電子制御スロットルシステム(wire electronic throttle system)を導入した時期と一致すると主張する。つまり、彼らは、電子制御スロットルシステムに問題があるというスタンスを取っている。一方のトヨタは、電子制御スロットルシステムの欠陥を見つけられないとの主張を繰り返している。トヨタは電磁気が強い発電所にまで持って行ってテストしたが、それでも何の問題もなかったという。

 確かに技術的に見ればそうした不具合がトヨタ車に起きるとは私にも思えない。というのも、2つの異なったコンピューター・プロセッサがペダルに装備されているからだ。一方が他方とは異なるメッセージを受け取れば、電子制御スロットルを止めて、加速が止まる。だからトヨタにすればアクセルが勝手に加速するシナリオは考えられないのだ。

 だがNHTSAは、LAタイムズの記者から追及を受け、その対応の遅さについて書きまくられ、ショーン・ケインからプレッシャーをかけられ続けた。一方、トヨタ側は電子制御スロットルシステムに欠陥があるという証拠はないと言い続けた。私の推測では、NHTSAは少し苛立って、トヨタが言い訳をしているように感じたのではないか。

―なぜトヨタだけがこんなに耳目を集めているのか。

 まずマスコミは、センセーショナルなストーリーを探している。サンディエゴの事故は非常に象徴的だ。また、トヨタは世界最大の自動車メーカーであり、品質と安全において高い評価を得ている。だから、ニュースストーリーとしておもしろい話になる。

 タイガー・ウッズの浮気問題にはメディアが群がる。世界中で何人の人が浮気をしているか?浮気をしたからと言って新聞の一面には出ないだろう。ウッズがトップ記事になるのは、彼が有名であり、評判が良く、ヒーローであるからだ。

―彼のイメージもクリーンだった。

 そうだ。イメージがクリーンだったから、ニュース価値がある。クリーンイメージのある人が道を誤るとニュースになる。元々悪いイメージの人が道を誤ってもニュースにはならない。

 もちろん、ホンダもクリーンなイメージを持っている。しかしホンダはビジネスのやり方が静かで目立たないし、世界最大の自動車メーカーではない。一方、トヨタはとにかく目立っている。“カイゼン”というモットーを持ち、他社が真似をしようとするくらいだ。

―信用を取り戻すためには、トヨタは今何をすればよいか。

 トヨタがやるべきことは、極めて明快である。まず問題を封じ込めること。それから解決だ。今すでに封じ込めのモードに入っているが、まだ終わってはいない。メディアからの攻撃、NHTSAからの攻撃、今は米国政府からの攻撃を受けている。トヨタは今攻められている。だからまず自分たちを守らないといけない。

 今彼らにできることは、攻められるたびに「顧客を失望させて申し訳ない。すみませんでした。問題を解決します。リコールします」と守備モードで行くことだ。他にできることはないと思う。守備モードというのは、否定することではなく、問題があれば、「我々は間違いを犯した。だからリコールする」という意味だ。

 現在のトヨタは、ガキ大将に殴られまくっているような状況だ。そのまま殴らせて我慢しなければならない。反撃するとさらに悪化する。NHTSAもメディアからトヨタに甘すぎると非難され、「トヨタはこの件で逃げ切ることはできない。市民の安全のために監視している」と厳しい警官のように行動し始めているのだから、今はとにかく我慢して謝罪するしかない。

 トヨタ報道もやがては鎮静化し米国政府からの攻撃も止むことだろう。そうなれば、breathing room(一息つける時間)ができ、トヨタにも実際に問題を解決する余裕が出てくると思う。必然的に品質も安全性もさらに向上することになるだろう。すでにトヨタは一部高級車に限られていたブレーキ・オーバーライド・システム(アクセルとブレーキが両方踏まれた場合、アクセルが緩むシステム)をすべての車に順次搭載していくことを発表している。こうした動きは、他の自動車メーカーに対して、同レベルの安全対策を施すようプレッシャーをかけることになるだろう。

 確かに、トヨタは優柔不断だった。事態に対応するのに時間がかかった。秘密主義で対応したという批判が出るのも無理はない。しかし、今回の一連の騒動が、トヨタの製造エンジニアリングの根本的な問題を示しているものだとは私は思わない。



(私のコメント)
今回のトヨタ叩きの発信源は、ロスアンゼルスタイムズと集団訴訟に持ち込もうと企んでいる弁護士たちのようだ。何しろトヨタには金があるから訴えれば金で解決しようとするから金になる。他の自動車メーカーでは金にならない。フォードなども欠陥車を出しているのですが、いま訴訟を起こしたらフォードが倒産してしまう。

2月25日の株式日記でも自動車事故専門の敏腕弁護士のインタビューを紹介しましたが、アメリカは訴訟天国であり、その中でも自動車事故は弁護士の飯のタネだ。その中ではお人よしで金を持っているトヨタ自動車が絶好のターゲットになる事は考えられる事だ。朝鮮日報の記事にもあるようにトヨタの欠陥騒ぎで他の自動車ディラーに客足が向かっている。

逆に考えれば、ハイブリッドカーのプリウスは2ヶ月待ちの人気車であったのですが、いまでは割引セールをしなければ売れなくなってしまった。アメリカ議会は次々と欠陥問題を出してきてリコールさせて叩きまくるだろう。このようにしてトヨタは体力を失っていってアメリカ市場から追い出されるかもしれない。

日本の企業は日本の法人税が高いから外国に出て行くと脅していますが、トヨタのように叩かれれば帰る所がなくなる事を考えた事があるのだろうか? アメリカや中国に本社を移して行けば市場も大きいし税金も多少は安い。ソニーやキヤノンなどは日本企業とは言えないからアメリカに本社を移す事も現実にありうる。

しかしアメリカにしても中国にしても、かなり癖のある国でありアメリカでは弁護士たちが製造物責任訴訟で鵜の目鷹の目だし、中国では汚職役人の天国であり賄賂を払わないと商売が出来ない。その点を考えれば日本は市場も大きいしうるさい弁護士訴訟も少ないし、役人に賄賂も請求されない。それでも出て行くというのなら出て行ってもらうべきだろう。

アメリカ人にしてもトヨタ叩きのようなヒステリーを起こすのは大国らしくなくなってきた証拠なのですが、田中宇氏によれば日本に自立を促していると言う事になるのでしょう。今回のバンクーバーオリンピックを見てもメダル争いで一生懸命になるのはアメリカ、中国と国民的性格がよく似ている。不正な賄賂や薬物を使ってでも勝とうとするところは共通している。

民度的にもアメリカ人や中国人は同じレベルにあるのだろう。国土も大きく人口も多いいから国家を纏めるのが大変であり、愛国心を高揚して大国意識で日本を見下してくる。だから日本からトヨタの社長を呼びつけて米下院の委員会で吊るし上げても平気なのだ。ならばボーイングジャンボが隔壁が損傷して落ちたボーイングの社長を呼びつけて国会で吊るし上げたらどなっただろうか?

アメ車と言えば故障車の代名詞みたいなものですが、だからアメリカでも売れなくなったのであり、10年でも20年でも故障無しで走るトヨタ車が売れるようになった。しかしトヨタも奥田社長の頃からグローバル化が進んで急拡大して品質の劣化が起きるようになって来た。正社員から派遣社員に切り替えて技術の集積が進まなくなりリコール車が急激に増えてきたのも事実だ。

そこをアメリカの弁護士につかれてLAタイムズの記者がトヨタを集中攻撃するようになった。アメ車が故障してもニュースにはならないが、トヨタ車が故障すればニュースになるからだ。それだけトヨタ車は信頼性があったのですが、それでも欠陥騒ぎで叩かれる。自動車事故を起こしても自分の運転のせいではなく自動車会社を訴えるような国民性だから、アメリカには製造業がダメになり、企業は工場を中国に移してしまった。

長い目で見ればアメリカ人は自分で自分の首を絞めているようなものですが、トヨタをアメリカから追い出してもアメリカの利益なのだろうか? アメリカの公聴会の議会の無礼な議員たちはアメリカの恥であり、アメリカ人には恥と言う概念がないのだろうか? ジェフリーライカー氏が言うようにトヨタの社長をテレビカメラの前で吊るし上げて犯罪者扱いだ。

アメリカは没落しつつある超大国であり何十年か経てば中国に追い越されると言う恐怖感で苛立っているのだろう。ヨーロッパは一つにまとまりアメリカの言う事を聞かなくなった。中南米も東南アジアも一つにまとまりアメリカを排除しようとしている。アメリカは世界の嫌われ者になりオバマ大統領に代わっても戦争を止めようとはしない。

アメリカはあのような恥知らずな公聴会を開いて世界中に報道している。欠陥が明らかなのならトヨタも悪いが、暴走すると言う電子制御の問題は簡単には分からないだろう。公聴会に出てきて証言した女性の車も、今でも問題なく走っている。はたして暴走している車で携帯電話が出来るのだろうか? レバーをニュートラルにしても加速し続けたと言うのは信じがたい。

昨日も書いたことなのですが、アメリカの日本に対する悪意に日本人は早く気がつくべきなのですが、日本人は性善説に立ち、アメリカ人は性悪説で、問題が起きると直ぐに弁護士を立てて訴える。沖縄の米軍基地も日本の善意でアメリカに貸しているのですが、アメリカ軍は居直り強盗のように居座ったままだ。親米ポチ保守は米軍がいなくなれば中国に占領されると言いますが、日本は米軍に占領されている現実になぜ気がつかないのだろう。



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