株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


90年代の日本の銀行、現代は日本の自動車と、アメリカはトヨタが
倒産するか、アメリカ市場から出て行くまでバッシングを続けるだろう。


2010年2月28日 日曜日

アメリカの罠にはまったトヨタ リコール問題 2月18日 おゆみ野四季の道

さて今回のトヨタバッシングはトヨタがGMを抜いて世界のNO1になったために起こった。GMとクライスラーは倒産し、フォードも青息吐息だったが、アメリカはその復活のプログラムをかつて日本の銀行の追い落としに成功した方法を採用したようだ。

 GMを再生させるにはライバルを蹴落とすのが一番だ。GMの最大の株主はアメリカ政府で、GMの社員は公務員のようなものだし、民主党の最も大事な地盤だ。
アメリカ政府の逆襲が始まった。


 今回はトヨタを品質管理でけちをつけ身動きが取れないようにすることにした。
まず「トヨタのアクセルペダルに欠陥がある」という嫌疑をかけ、たまたま09年8月にレクサスで4人の死亡事故が発生すると、米道路交通安全局が徹底的な調査を始めた。
「よし、トヨタが網にかかった。あとは絶対に逃さないことだ」

 最初は、「フロアマットに問題がある」と言ってフロアマットを代えさせると、次は「アクセルペダルの形態に問題がある」といちゃもんをつけて約426万台のアクセルペダルを変えさせ、さらに「自主回収では適切でないのでリコールをしろ」と圧力をかけた。
どんどん要求をあげていくのがポイントで、そのたびにトヨタのイメージは悪くなっていく。

 トヨタの社長は若く経験のない豊田章男氏だ。右往左往しているうちに、ラフード運輸長官から「トヨタの対応は遅すぎる」とクレームを付けられ、米議会の公聴会に召喚されるということになってしまった。

 公聴会では「トヨタは長年にわたって欠陥を隠蔽していた」と強引に結論付けられるだろう。
GMを復活させるにはトヨタ車をアメリカで売れないようにすればいい。

 すべてはトヨタを追い落としてGMを復活させるためのアメリカ政府と議員、およびその意向を受けたマスコミの大芝居だと思えば理解できる。
かつてこの方法で日本の金融機関はアメリカから放逐された。


 豊田章男氏はよってたかって無能の経営者の烙印を押されて、さらし者にされるだろう。
これは確信犯的行為だから、どのように弁明しても悪者にされてしまう。

 トヨタの生き延びる道があるだろうか。
@ GMを再び世界のNO1にして、トヨタはNO2の位置に甘んずることが一つ。
A アメリカから撤退して主としてアジアで生き残る道が一つ。
B アメリカ政府とけんかして徹底的に戦う道が一つ。

 いづれにしてもイバラの道が続きそうだ。


トヨタバッシングは政治的罠 2月22日 おゆみ野四季の道

 トヨタ自動車のリコール問題は技術的問題ではなく、政治的問題である。
そのことを理解しない限りこのトヨタバッシングは収まることはない。
なぜアクセルペダルの問題がこれほどまでに急拡大したかは、オバマ政権が意図的に拡大させているからだ。

 アクセルペダルが戻りにくいとの指摘は07年3月に米国でタンドラ(フルサイズ ピックアップトラック)でされていたが、当時はブッシュ政権でこの問題が大きく報道されることはなかった。

 その情勢が急展開したのは09年8月、レクサスの暴走で4名の死亡事故が発生したからだが、この事故を契機にアメリカは政府とマスコミをあげてトヨタバッシングに邁進した。

 オバマ政権にとっては今や緊急の課題は政府直轄会社となっているGMの再生にある。なにしろ再生できなければ政府がGMに投じてきた約5兆円の税金が返済されないし、約30万人といわれるGMの社員が路頭に迷い失業者になってしまう。
民主党にとって工場労働者こそは最も頼りになる票田なのだから、これを失うわけにはいかない。


 オバマ政権は道路交通安全局を使い、このレクサス問題を使って徹底的なトヨタ追及のキャンペーンを始めた。
当初はフロアマットの問題とし、次にアクセルペダルの問題ではないかと難癖をつけ、約800万台のリコール・自主回収をさせたあと、さらに現在はトヨタは欠陥問題を隠蔽したとの嫌疑をかけている。

 なにしろ法的には「すべての自動車メーカーは安全上の欠陥を確認した場合、5日以内に当局に報告し、速やかにリコールを行う法律上の義務がある」のだから、この規定から逃れるすべはない。
オバマ政権がその気になればトヨタを欠陥問題でアメリカから永久追放することができる。

 トヨタからありとあらゆる資料を提出させたが、その資料の中に少しでも欠陥問題があれば際限なく追及できるからだ。
「いいか、たたけば誰でも埃はでる。すべて欠陥問題につなげろ。倒産するまでトヨタを追求しろ」

 トヨタにとっての誤算は、欠陥車問題が技術問題ではないことを早くから見抜けなかったことだ。
GMが倒産し、GMとトヨタが共同出資していたNUMMIからトヨタが撤退したのは09年6月だったが、この決定は経営的には当然としても政治的には最悪だった。

 カリフォルニア州にあったこの工場には約4500人の労働者がいたが州政府の懇願を無視するようにトヨタはGMと手を切り失業させた。
これでトヨタのアメリカでの保険は切れてしまった。

「よし、それならトヨタをたたくことがGMの再建につながる」オバマ政権はそう決意したようだ。

 それ以降のオバマ政権のトヨタ追求は何をトヨタが対応しても「ダメ」というもので、この24日に公聴会でトヨタ社長豊田章男氏がどのように技術的な対応を約束しても追求が止むとは思われない。

 トヨタにとって今最も必要な認識は、これが政治問題であって技術問題ではないと覚悟をきめることである。そうすれば反転攻勢の対応方法が見つかる。

@ トヨタにとっての最後のよりどころはアメリカにある4工場、関連する従業員約17万人であり、こうした人々の雇用を守るのがトヨタの役割であることの重要性を指摘する(失業問題はアメリカの泣き所で、この4つの工場のある州にとってはトヨタのほうがGMより重要)。

A フォード、GM等の欠陥隠しに相当するような案件を探し出し、欠陥問題はトヨタだけでなく自動車メーカー共通の課題だということを分からせる(日本の事例では西松建設からの政治献金問題で当時の小沢代表が追及されたとき、自民党の二階俊博経済産業相も同様にし西松建設から献金を受けていたことをすっぱぬいた方法)。

 ブッシュ政権は外向きのグローバル政権だったから、経営に失敗したら国内・国外を問わず市場から撤退するのは当然だとのスタンスで、特にトヨタを狙い撃ちすることはなかった。
しかしアメリカの民主党は完全に内向きの政権で、国内の労働者を助けるためには外国企業を槍玉に挙げることに躊躇しない。

 内向き政権がどのような対応を取るかは日本の民主党を見ても分かる。
日本では普天間基地問題でアメリカとの間で辺野古に移設することを確約したのにかかわらず、そうした約束はないかのように再検討をはじめた。
「住民の意志が大事なのです。アメリカとの約束などくそくらえだ」

 このオバマ政権のトヨタと鳩山政権の普天間はコインの表裏であり、いずれも外国の犠牲の上に自国産業を再生させたり、沖縄住民の負荷を軽減させようとしている。

 内向き政権同士の妥協の余地は少ない。ブッシュ政権と自民党政権ならこうした場合はアメリカのトヨタと日本の普天間をバーターに政治決着を図ろうと動いたはずだが、あいにくと内向き政権同士のチキンレースになってしまった。

注)共和党議員にトヨタバッシングの不公平さを指摘してもらう手はあったのだが、共和党は普天間基地問題で頭にきており、共和党系のマスコミ、ウォールストリート・ジャーナルも敵に回ってしまった。

 トヨタのリコール問題は政治問題であるがゆえに、政治的解決をしなければトヨタバッシングが収まることはない。
若いトヨタの社長はGMとの提携を解消するという判断ミスで、800万台のリコール・自主回収の嵐に巻き込まれてしまった。

 さらにオバマ政権はトヨタを倒産させようとしている。今はトヨタの米従業員17万人だけがトヨタの味方だ。ここをてこになんとか巻き返しを図ってもらいたいものだ。



(私のコメント)
90年代のビル・クリントン政権は1993年からすざましいほどの日本叩きを開始した。つまり日本のバブル崩壊と時期が重なり、かなり用意周到に日本を叩き潰す事が計画されていたのだろう。そして規制緩和と市場開放の名の下に日本経済を支えていたシステムが一つ一つ取り除かれていった。最後まで抵抗していた大蔵省はノーパンシャブシャブで徹底的に潰された。

去年からのオバマ政権はビル・クリントン政権と同じ民主党政権であり、「株式日記」でも民主党の大統領になるとまた酷い目に合わされると書いてきました。それがいよいよトヨタ叩きで始まったわけですが、「おゆみ野四季の道」のブログでも書かれているように、アメリカはトヨタを潰すかアメリカ市場からたたき出すつもりなのかも知れない。

しかし90年代の「日本たたき」とは状況も違ってきているのですが、90年代の日本たたきは日本の銀行・証券・保険会社が主な標的だった。株や不動産の暴落はアメリカのバブル崩壊でも分かるように金融業には致命的なダメージを与える。90年代においても日本から多くの銀行や証券会社や保険会社が消えていった。

2010年から始まる「日本たたき」は自動車産業がその標的になるのだろう。GMやクライスラーは国営企業となりそれらの企業を復活させるにはトヨタを潰すのが一番効果的な方法だ。ホンダやその他の日本の自動車メーカーもいずれ攻撃の刃が向かうだろう。それらに対してトヨタはあまりにも無防備であった。

アメリカ議会は次から次へと欠陥問題が出されてその対応に追われて、1000万台以上ものリコール対応に追われるだろう。そうしてトヨタは体力を失って行く。だから単なる技術的な問題ではなく90年代に日本の金融機関をダメにしたように2010年代はアメリカは日本の製造業を潰しにかかってきている事を覚悟するべきなのだろう。

トヨタがしなければならないことは、アメリカ国内の味方を増やしていく事であり、トヨタの関連産業だけでもアメリカ国内で100万人もの雇用を創出している。ロビイストやマスコミ対策や弁護士などを動員して巻き返しを図るべきであるし、中間選挙でもトヨタ擁護派を増やしてアメリカ議会の対日攻撃を弱める事だ。

90年代の日本たたきの時はなす術がありませんでしたが、共和党のブッシュ政権ができた事で日本たたきは何とか納まった。だからトヨタは関連企業を動員して中間選挙でトヨタの擁護派の議員候補に金をばら撒いて、共和党系の優勢な議会にする必要があるだろう。民主党が優勢だとアメリカ自動車労組が主導権を持っているからトヨタ叩きが起きたのだ。

これはトヨタばかりではなくアメリカに進出している日本企業は明日は我が身であるから、日本叩きに批判的な議員を応援して形勢を挽回することだ。さらには2年後の大統領選挙でも共和党や民主党においても親日的候補を応援すべきであり、政治ロビー活動に力を入れなければ日本たたきは納まらない。

もしトヨタがカリフォルニア州の工場を閉鎖していなければアーノルドシュワルツネッガー知事も味方してくれていたのだろう。あるいはもっと大胆にGMを買収していればトヨタたたきは起きていただろうか? アメリカ市場で商売をして行こうとすれば政界工作も必要であり、それなりの出費はかさむ事になる。そうでなければ最悪の場合はアメリカ市場からの撤退も覚悟しなければならない。

アメリカの民主党が反日的であるのは歴史的なものであり、広島、長崎に原爆を投下したのも民主党政権だった。だから日本が報復してくるのを恐れているのであり、その為には日本を徹底的に弱体化させる必要がある。ビル・クリントン大統領が日本に対してどのような事をしたか2007年11月11日の株式日記で日高氏の本から再び紹介します。


米中石油戦争がはじまった』 日高義樹(著) クリントン大統領は中国と協力して日本を経済的な二流国家におとしめようと考えた。2007年11月11日 株式日記

中国の人民元を大幅に切り下げたのはクリントン大統領だった。一九九三年一月に登場してからほぼ一年後、クリントン大統領は中国政府の強い要望を入れて、それまで一ドル五.・七二人民元であった交換レートを一挙に六〇パーセント切り下げた。一ドルを八・七二元にしてしまったのである。

こうしたクリントン大統領の暴挙に近い切り下げは、明らかに日本に対する悪意に基づいていた。クリントン大統領は日本が嫌いで中国が好きだったことで知られている。彼は中国と協力して日本を経済的な二流国家におとしめようと考えた。そこで中国の経済力を拡大し、輸出を増やすために人民元を一挙に切り下げたのである。

この頃日本国内では、中国人民元のレートにまで関心を持つ人はあまりいなかった。マスコミもほとんど注目しなかったが、人民元が六〇パーセントも切り下げられたので、中国は貿易上きわめて有利な立場に立った。

このほかクリントン大統領はアメリカの最新技術を中国に輸出することを許可した。中国が日本の技術に対抗する製品をつくるのを助けたのである。もっともクリントン大統領はこれをやりすぎてしまった。中国自身ではとうてい開発できないミサイルの三段目の姿勢制御技術まで中国に売ってしまったのである。


(私のコメント)
アメリカの政治は金で買収が出来るのであり、ビル・クリントン大統領もチャイナマネーで買収された大統領であり、金の為ならばアメリカの国益すら売ってしまうほどの人物だ。その為にアメリカは中国製品が溢れて、ミサイル技術すら中国に売却された。そのミサイルによってアメリカの国防が危なくなっているが、クリントン大統領がスパイで捕まる事はないだろう。

中国の人民元の切り下げもクリントンがやったことですが、その為にアメリカの製造業は壊滅状態となり中国製品がアメリカ市場に溢れるようになった。私はアメリカ民主党が非常に日本にとって危険な政党であるかを書いたことがありますが、日本は米中の封じ込め政策で弱体化しているのだ。それがトヨタへのバッシングで本性を現してきたのだ。




韓国のキム・ヨナの点数が発表された時、取材にあたる各国の記者から
「信じられない」の声が漏れた。審判団の“不正”を疑ったのである。


2010年2月27日 土曜日

五輪女子フィギュア 謎の韓国人審判の笑顔 2月26日 デイリーニュース

26日のフリープログラム。韓国のキム・ヨナの点数が発表された時、取材にあたる各国の記者から「信じられない」の声が漏れた。そして、その声の主たちは席を立ち、電話をかけ始めたり、取材ノートを勢いよくめくったり慌ただしく動き始めた。審判団の“不正”を疑ったのである。

確かにキム・ヨナの演技はSP、フリーとも素晴らしく、金メダルに相応しいものだった。浅田真央もトリプルアクセルを3回も決めるという史上初の快挙を成し遂げたが、細かいミスがあり、演技力や表現力といったところはキム・ヨナに劣っていたのは日本人でも認めなければいけないところ。しかし、総合で「20点」という数字ほどの差はなかっただろう。

取材にあたっていたロシア人記者はこういう。
「150点という点が出た時、思わず笑ってしまったよ。キム・ヨナが4回転ジャンプを成功させたのだと思った。今回は審判のジャッジが偏っているという批判がずっとあった。これから、どの国の記者も審判に不正がなかったか調べることになると思う」

フリープログラムの審判団は偏向ジャッジがないように、世界各地から無作為に選ばれる。今回の国籍はヨーロッパ7人、カナダ1人、そして韓国から1人の計9人だった。各々の点数は発表されないが、ヨーロッパの審判を取材したアメリカ人記者によれば、こんな話があったという。
「フリー後、キム・ヨナとカナダのロシェットの点数だけが異様に高いと、ヨーロッパの審判団の中でも首を傾げる人物もいたそうです。キム・ヨナの演技が終わった後、韓国人とカナダ人、そしてもう一人、東欧の審判が顔を見合わせてニヤリとしていたそうなんです。それはロシェットの時もそうでした。疑いたくないが、彼ら3人の動きが気になるのは事実です」
フィギュアは9人の審判が採点するが、実際に数字として反映されるのはそこから無作為に選ばれた7人の点数。本人たちは誰の点が反映されたかわからない。

しかし、件の3人のうち誰かが何らかの不正を働き、点数を「盛っていた」としたら??
もし、その3人が付けたジャッジが、採点する7人の中に反映されていたら??
あれだけの高得点も頷ける…

これはあくまで先のジャーナリストたちが取材している話にすぎないが、何かと物議を醸す点差だったことには違いない。(谷本雅顕)


キムヨナ選手の「世界最高得点」の意味を考える 2009年10月20日 MURMUR別館

何よりPCSが技術点を凌駕し、順位の決定において大幅に得点のウェイトを占めるようになれば、それはもうスポーツではなくて演芸(または芸術やショー)なのではないか、ということです。
演芸に得点をつける意味なんてないし、コンテストは別として、バレエや舞踊、歌舞伎などの芸に対して数字で優劣をつけるというのはナンセンスであるというのは世界共通の認識です。
フィギュアスケートは芸術性や表現力が求められる種目ではありますが、「得点を争う」競技である、というところで明確に演芸や芸術とは一線を引くべきものだと私は考えています。でなければ五輪正式種目である理由は破綻します。

もしこのような採点を容認すれば、競技者として当然の姿勢である難しい技や能力の限界まで挑戦をすることは「割に合わない」ことだと認めることになります。
現に回転不足認定が導入されてからは、そう考える選手も出始めています。
選手は適当なところで技術的な向上について努力することをやめ、あとはいかに本質から目をそらさせ「印象、見た目」をよくするかだけを考えて、毎年同じ構成のプログラムを滑っていればよい、ということになる。それがキム選手の成功したやり方なのですから。
しかし、果たしてそれはスポーツでしょうか?それでは競技としては頭打ちになり、発展どころか衰退していくのではないでしょうか?誰も彼もが新しい成長や進歩のない、変わり映えしない演技構成ばかりのものを毎年見せられるようになったら、それでもファンは満足するでしょうか?


これは私の個人的な(そして超後ろ向きな)推測ですが、この非常識ともいえるキム選手ひとりへの得点の大盤振る舞いは、これまでにも噂のあった、キム陣営とISU副会長(韓国系カナダ人)との間で結ばれた計画的なものなのではないか、という疑念が私の中でわき起こりました。
韓国は2014年のソチ五輪のあとの冬季五輪開催国に名乗りを挙げており、国民的スターのキムヨナを五輪で優勝させて(彼女は既に招致委員会の委員となっている)、「金メダリスト」を顔に据えての招致活動を望んでいるので、韓国はどうしてもキム選手に金メダルを取らせたいという意向があるというのです。



(私のコメント)
バンクーバーの冬季五輪もいよいよ終わりますが、日本はついに一個の金メダルも取れずに終わります。取ったメダルはスケートばかりでスキー競技では一つもメダルが取れなかった。ジャンプや複合などでは強かったのですが、ルールが変更されてしまって日本人選手が勝てなくなってしまった。

このように日本人選手が勝つとルール変更が行なわれるようですが、フィギュアの採点方法もおかしな所がずいぶんあるようだ。男子のプルシェンコ選手が4回転を決めても優勝が出来なかった事に抗議していましたが、無難にまとめて芸術点で稼いだ方が優勝が出来ると言うのは競技としてはおかしいのではないかと思う。

私自身はフィギュアに対して関心がないのですが、どのようにして点差がつくのかがよく分からない。どの選手も同じように跳んでいるから、転倒でもしない限り違いが分からない。今回はどの選手も転倒がなかったから同じように見えたし、芸術点から言えば金メダルのキムヨナと4位のナガスミライや5位の安藤美姫も大して違いがないように見えたが、40点も差がつくようなところが分からない。

明らかにキムヨナの点数が高すぎるのですが、浅田真央のように2回も3回転半を決めても20点もの差がついてしまった。確かに浅田真央は2度ほどミスをしましたが、どこで15点も差がついたのだろうか? 芸術点で差がつけられたのならフィギュアは競技ではなくバレエになってしまう。プルシェンコのように4回転を決めても優勝できなければ4回転に挑む選手がいなくなってしまう。

単なる氷上バレエでメダルを競い合っても基準のはっきりしない芸術点で差がつくのでは競技の意味が無くなってしまう。キムヨナはこの芸術点を最大限に利用して男子選手並みの高得点で金メダルを獲得しましたが、はたして20点も差がつくような違いがあったのだろうか?

浅田真央はキムヨナの228点と言う空前の高得点を見て、完璧な演技をしても金メダルは無理だと確信したのだろう。そしてわざと小さな失敗をして大差がつくようにしたのかもしれない。浅田真央自身もインタビューで二度のトリプルアクセルを成功させた事を強調していましたが、今回のオリンピックでは芸術点で差がつけられた。だから無難に纏めた選手が金メダルを取った。

女子のフィギュア競技ではめったに200点を越えるような点は出ないはずですが、無難に纏めれば228点も出るのは不可解としか言いようがない。トリプルアクセルを二度跳んだ浅田真央でも金メダルは無理だと言う事でしょう。テレビなどでは韓国対する批判は例のごとく自粛されてキムヨナの異常な高得点については、奥歯に物が挟まったような事しか言わない。

2002年のサッカーのワールドカップでも書きましたが、韓国は不正な事をして勝つ事に関して何のためらいもないようだ。そのおかげでイタリアやポルトガルやスペインは負けましたが、国家的な信用が失墜する事に対して韓国は考えないのだろうか? キムヨナに関しても世界はまたもや韓国が不正を働いたと見るだろう。

このことに関して韓国内でも何らかの反省が見られれば救いようがありますが、不正を働いて金メダルをとったところで汚れた金メダルになってしまう。韓国人には恥と言う概念がないのかもしれませんが、このような事を繰り返していれば韓国はいずれ袋叩きに遭うだろう。

そもそもオリンピックのメダル争いに不正までしてまで取る意味が分からない。これは韓国のみならず薬物を用いた不正は沢山あった。しかしこれは個人の責任で行われた事であり国家レベルが不正を働いたと言うわけではない。しかし韓国は次の次の冬季オリンピック開催地に立候補を予定している。その為には金メダルを沢山とることを目指している。

しかし韓国が強いのはスケート競技ばかりでスキー競技には韓国人選手は見かけない。韓国にもスキー場はありますが、オリンピックを開くにはスキーのアルペン競技が問題になる。もちろん韓国にも雪は降りますが地球温暖化で雪が降らなかったらどうするのか? 韓国では人口雪で対応するようですが、カナダすらバンクーバーで雪不足で会場整備が大変だったようだ。

韓国がこのように冬のオリンピック競技に力を入れるのも冬季五輪開催を目指しているからですが、国威の発揚にはオリンピックの開催が効果的だ。その為にはメダルの獲得が必要だと言う事で一生懸命なのだろう。このように冬季五輪でも韓国や中国の活躍が目を引きましたが、二度の冬季五輪を開催した日本はメダルがたったの4個で寂しい限りだ。日本の若い人の気力の低下や敢闘精神に欠けているところが気なります。

オリンピックに限らずトヨタ問題でも政府のバックアップや国民の支援が足りないように思える。韓国は大統領が先頭に立ってUAEの原子力発電所プラントを受注しましたが、韓国人や中国人のバイタリティーは大したものです。何事も日本に追いつけ追い越せが目標だからでしょう。それに対する日本の危機感なさが今回のバンクーバー五輪でも感じられた。




人民元を対ドルで41%切り上げれば、中国の経済規模は日本のそれを
大幅に上回り米国の半分ほどになる。2027年までに米国のそれを超える。


2010年2月26日 金曜日

人民元高が米国にもたらす影響 2月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙

米国で再度クローズアップされる人民元の問題

 バラク・オバマ大統領は先日、中国への人民元切り上げ要求を強める姿勢を示し、アジアへの輸出が増えれば「数十万、場合によっては数百万の雇用が米国内に生まれるだろう」と主張した。

 米国の有力シンクタンク、ピーターソン国際経済研究所の推計によれば、人民元はドルに対して41%過小評価されている。この数字は米国で広く取り上げられ、中国は不当に安い人民元を利用して経済危機を切り抜けつつあるとの見方を勢いづけている。

 金融市場でも、中国が人民元について何らかの行動を起こす日が近いとの観測が浮上している。ゴールドマン・サックスのエコノミストで、「BRICs」という概念の生みの親であるジム・オニール氏は先週、「北京で何かが起こりつつある」と発言して波紋を呼んだ。

 筆者は本稿で人民元切り上げ論をおさらいするつもりはない。ただ、中国のインフレ率が高まるにつれて、そうした議論の勢いが増していることは指摘しておきたい。またピーターソン国際経済研究所も41%の人民元切り上げを推奨しているわけではなく、どの程度過小評価されているかを数字で表そうとしたにすぎない。

 大半のエコノミストは、切り上げはごく小さな幅にとどまると予想している。

人民元を大幅に切り上げたら中国観が一変する

 しかし、それだけ大幅な人民元切り上げはリメイク版「Red Dawn」の背景にある恐怖心を強めるだろうと指摘することには、十分な意味がある。為替レートの見直しは、対等な条件で競争できるようにすることが狙いでも、結局は意図に反して多くの人々の中国観を変えてしまう可能性があるのだ。

 中国経済は現在、ドル換算ベースで日本に次ぐ世界第3位の規模を誇る。もし人民元を対ドルで41%切り上げれば、中国の経済規模は日本のそれを大幅に上回り、米国の半分ほどになる。

 オニール氏が以前、中国の経済規模は2027年までに米国のそれを超えると予測した時には、そんなバカなと一笑に付す向きもあった。だが人民元を切り上げれば、その当て推量が現実のものになる可能性が一気に高まるのだ。

 また米国は現在、研究開発および軍事への支出で中国を圧倒している。今後もしばらくはそうあり続けるだろう。しかし大幅な人民元切り上げが行われれば、中国がこれらの分野に振り向ける予算が米国の4分の1近くに達する。

 それだけあれば、中国は競争上の真の脅威だと思われるようになるだろう。

 人民元を大幅に切り上げても変わらないものもある。中国が抱える巨額の外貨準備高もその1つだ。米国ではこの外貨準備のために、中国が米国の「銀行」になっているという見当違いな不安感が生じている。

中国の銀行や企業の時価総額が急激に膨れ上がったら・・・

 しかし、中国の商業銀行はどうだろうか? 中国工商銀行(ICBC)は昨年、株式時価総額ベースで既に世界最大の銀行になっている。

人民元を40%切り上げればICBCの中国本土の時価総額はさらに増え、米国最大手JPモルガン・チェースの2倍に膨らむ。ペトロチャイナ(中国石油天然気)の時価総額も、エクソンモービルの1.5倍になるだろう。

 そうなれば、米国の投資銀行が中国企業にどんな話を持ち込むかは容易に想像がつく。

 この段階に達したら、エコノミストたちは恐らく、為替レートは相対的な価格を反映しているにすぎないし、大幅な通貨切り上げが行われても中国政府が科学者や兵士に支払える人民元が増えるわけではないとぶつぶつ文句を言っているだろう(もっとも、膨大な数の輸出業者が不満を覚えることは間違いない)。

 ただ、ここにはもっと重要なポイントが隠されている。「中国の世紀」について突拍子もない主張がなされると、中国の前途には数多くの障害が待ち構えているとか、あの国はまだ貧しいのだといった反論が(筆者を含む)多くの人から出てくるのが常である。

 しかし、人民元の評価が非常に低く抑えられてきたために、中国がどこまで進歩してきたか、分かりにくくなっているというのが実態ではないのだろうか。

中国は遠い将来のライバルではない

 「Red Dawn」のリメイクは、米国人が中国に対して抱いている不安感について何かを物語っている。人民元が今よりも強くなれば、中国という国は、米国人の意識の中でさらに大きな位置を占めるようになるだろう。中国は遠い将来にライバルになる国ではなく、経済と軍事の両面で米国を猛追し、肩を並べようとしている国なのだという認識がさらに強まることだろう。

 英語には「自分が求めるものには気をつけよ*1」という決まり文句がある。たとえ中国語に直しても、この言葉の重みは変わらない。



(私のコメント)
インターネットが普及したおかげでFinancial Times紙などの欧米のニュース記事が翻訳されて読むことが出来るようになった。これまで欧米の新聞記事を読む人は専門家などの一部に限られていましたが、今では無料で読むことが出来るようになった。だから欧米がどのような見方をしているかが分かるので助かります。

中国の人民元についても問題視されるようになりましたが、41%も過小評価されているということです。しかし人民元が41%切り上げられたらどのようなことが起きるだろうか? 中国の輸出商品のほとんどが競争力を無くすだろう。その反面では海外から安い商品が輸入されるようになって、中国の国内産業はそれらと競走しなければなくなる。

中国はそれが分かっているから人民元の切り上げには抵抗しているのですが、世界中から指摘されるようになるといつまでも抵抗している事には限界があるだろう。現状のままでも海外からインフレを輸入するような結果になるから、インフレを抑えるために金利の引き上げや人民元の切り上げは避けられないだろう。

今年中にはGDPで日本を上回るとされていますが、41%切り上げられれば日本を大幅に上回ってアメリカの半分の規模になるそうです。まさに世界第二位の経済大国になるわけですが、こうなればアメリカもいつまでも人民元を安く固定している事を放置していくわけには行かないでしょう。

中国の安い人民元のおかげで、日本いは安い製品が溢れて物価の値下がりが続いている。ブランドはアメリカ製やヨーロッパ製でも製造はメイドインチャイナになっている。グローバル企業にとっても中国で格安で商品を製造して日本や欧米で売ればそれだけ利益が出る。しかしこれをいつまでも放置していれば世界にデフレと失業を輸出する事になる。

オバマ政権でもようやく中国の人民元の切り上げを強く要求するようになりましたが、アメリカの失業率が10%を越えるようになれば、中間選挙もあるから強く出ざるを得ない。中国の外貨準備高が2兆ドルを越えて日本の倍にまで膨らませましたが、中国や日本がこれだけ外貨を貯めこんだと言う事は、それだけアメリカが赤字になっているということです。

中国の2兆ドルに比べれば80年代から90年代の日米の貿易不均衡など問題にもならない規模なのですが、85年のプラザ合意ではアメリカの一方的なドル安を受け入れさせられた。ならばアメリカは中国にも人民元の切り上げとドル安を受け入れさせるべきなのですが、アメリカは今までそれを容認してきた。少なくともリーマンショックまではそれがアメリカの国益でもあったのだ。

アメリカは製造業を棄てて金融業で稼ぐ戦略を立ててきた。それで株も上がり不動産も値上がりして空前のバブル景気を享受して来た。ゼロ金利の日本から金を借りて中国に投資をして、中国は人民元の安さで輸出で外貨を稼いできた。アメリカは他人のふんどしで稼いで来たのですが、このような事がいつまでも続く事はない。

中国が2兆ドルも外貨を貯めこめばアメリカは中国から金を借りて消費を続けなければならなくなる。中国がいつまでドルを買い続けて人民元をドルに固定させて行くかが問題ですが、中国がアメリカの米国債を買ってくれなければアメリカの財政が持たなくなってしまう。

中国は12月に一気に3兆円の米国債を売却してきましたが、アメリカはそれに怒って報復措置を打って来た。中国は日本のようにアメリカに対して従順ではないから対立と協調を繰り返しながら落ち着く所に落ち着くだろう。中国も経済成長を続けるにはアメリカに物を買ってもらわなければならない。その為には人民元の切り上げをして貿易収支を調整しなければならない。

中国が40%も元を切り上げれば、中国の経済規模は一気に40%も拡大するわけで、日本にとってもアメリカに次ぐ巨大市場が出来る事になる。元が切りあがれば日本の輸出企業は40%も手取りが増える事になる。またそれだけ日本製品が安く売ることが出来るから日本はアメリカ一辺倒の貿易から米中二つの大国と商売が出来るようになる。

このような事は当然外交などにも影響が出てくるのであり、日本に中国よりの民主党政権が出来たのも時代の流れでもあるのだろう。台湾や韓国などもアメリカよりも中国との関係が強くなりアメリカの影響力は低下してくる。しかし中国は経済発展しても洗練された民主国家になる事はなく軍事大国を目指している。

このまま中国が軍事大国化すれば極東においてはアメリカ軍の影響力は低下して行くだろう。アメリカは中国が経済発展して軍事大国化することは計算済みなのでしょうが、そうなれば日本や台湾や韓国もアメリカ離れが進むだろう。そうなれば在日米軍も何の為にいるのか分からなくなって米本土に引き揚げて行くこともありえるだろう。

親米ポチ保守にとっては在日米軍という後ろ盾がなくなることで政治力も低下する。輸出企業もアメリカよりも中国の方が重要なお得意様になり、アメリカはプラザ合意のような強引な事ができなくなる。日本は超大国化する中国を利用して今から日本の自立を模索しておくべきだろう。要するに金の切れ目が縁の切れ目であり、金のないアメリカはさよならして中国と商売に励む時代がすぐ傍まで来ている。

これは私が親米派から親中派に鞍替えしたと言うのではなく、このままアメリカと同盟を組んでいても日本の利益にならなくなるだろうということだ。核の傘がどうのこうのと言っても、アメリカは中国とは戦争する気がない。戦争しても勝てないほど中国の軍事大国化が進んでいる。つまり在日米軍は日本にとってはお荷物でしかなくなる。




創業家というだけで豊田氏を社長に据えたことを快く思っていない人
たちがいる。奥田碩相談役、張富士夫会長、渡辺捷昭副会長を指す。


2010年2月25日 木曜日

トヨタ社長、米国会で「拷問」を受ける・・・中国メディア


トヨタ社長、米国会で「拷問」受ける…業界全体へ波及も―中国メディア 2月25日 サーチナ

アメリカ・ワシントンで現地時間24日に開かれたトヨタ自動車の大規模リコール問題に関する米下院による公聴会に、同社の豊田章男社長が出席した。その発言内容に世界が注目しているが、中国でも大きく伝えられている。

 公聴会に先立って、新華網では「トヨタ社長がアメリカ国会でまもなく拷問を受ける」という見出しで、公聴会用に用意された発現原稿の内容をについて主に「改善を手段として消費者により多くの商品を提供することが我々の基本である」ことの強調、急速な拡大戦略への後悔、「トヨタの名誉は自分の名誉である」というコメントをピックアップする形で紹介した。

 また、公聴会後の記事では、公聴会において豊田社長が、不具合によって事故の被害にあった人に対して謝罪と哀悼の意を表したこと、焦点となっていた電子制御システムの不具合について一貫して否定したこと、また、豊田社長の説明に対して「多くの議員が満足しなかった」ことを伝えている。

 トヨタの問題を伝えるとともに、自動車の品質管理問題が中国国内を含む業界全体に広く波及し始めていることを伝える記事も多く見られる。

 経済系メディア・金融界は、韓国・ヒュンダイ自動車が24日にアメリカと韓国で発売している新型乗用車・ソナタのドアロックに問題があるとして一時販売停止、すでに販売した分については部品交換を行うことを発表したことを紹介。トヨタ・ホンダに続いてヒュンダイに問題が発生したとして、「リコール問題はトヨタだけでなく業界全体に悪影響を与えており、すべての自動車メーカーに警鐘が鳴らされている」という専門家の分析を掲載している。

 また、「確固たる知財権を持たず、技術レベルも低いために、『重要な部品のみを自分で作り、残りは別の車を解体して模倣する』という低コスト低価格戦略で勝負していた」という国内自主ブランドに対しては、「トヨタの事件を喜んでいてはいけない。トヨタのやり方と決別し、『必要なところには金を使う』ようにすべきだ」と論じている。

 次週には上院の公聴会が予定されている。トヨタへの「拷問」はまだまだ続く。


トヨタを百回提訴した辣腕弁護士が警告 2月24日 ダイヤモンドオンライン

―他の自動車メーカーと比べて、トヨタに対する訴訟は増加しているのか。

 まさかと思うだろうが、あれだけトヨタは車を売っているのに、とても一番には程遠い。(訴訟数は)明らかにGM、フォード、クライスラー、ホンダの方がトヨタよりも多い。

―表面上は、トヨタは悪いニュースを隠していたかのように見える。トヨタはなぜ最近になって、大きくよろめき始めたと思うか。

 いくつかの説明ができるだろう。まず3〜4年前、トヨタはついに自分たちがGMを追い越して世界最大の自動車メーカーになることに気付いた。トヨタはその目的を早く達成しようと慌てたと思う。そうしようとするときに、安全、品質にかかわる部分で、少し手を抜いたのではないか。というのも、今問題になっている車のほとんどは2007年かそれ以降(のモデル)だからだ。2005年のアバロンもあるが、リコールの対象になっているのはそのほとんどが2007年かそれ以降のモデルだ。トヨタが焦ったことを示唆しているように私には見える。それが第一の理由だ。

 二つ目は、どの自動車メーカーもある時点で必ず問題にぶつかるということだ。GMには(かつて)トラックが燃えるケースがあった。フォードにはピント、ブロンコII、エクスプローラーの問題があった。クライスラーにはジープの問題があった。日産にはクエスト・バンの問題があった。トヨタにとっては、今がこれまでで最大の問題だろう。

 ただ、ホンダも今、大きな問題に直面していることを忘れてはいけない。エアバッグの問題で計約100万台のリコールを実施している。この種の問題から無縁でいられる自動車メーカーはない。たまたま他のどこよりもトヨタの問題は長期化しているということだ。

―では、トヨタは今、何をなすべきだというのか。

 今彼らは大出血している状態だが、それをバンドエイドでおさえようとしている。大出血しているときは、手術して縫って傷を閉じなければならない。

 もし、電子系統やソフトの問題があれば、トヨタはそれを明らかにしなければならない。影響を受けている車をすべてリコールして、短期間で悪評をメディアから消さないといけない。そして昔のように本業に専念しないといけない。

 ものの見方も変えないといけない。つまり企業風土を変えなければならない。まず安全を第一に置かないといけない。安全は我々にとって重要であると口で言うだけではだめだ。1日に24時間、週に7日、年に365日証明しなければならない。真剣であることをみんなに証明しなければならない。

 LS 460やLX 570に搭載されているハイテクのブレーキ技術は、これまでは他の車種には使われてこなかった。これからは、すべての車種にそうした安全技術を採用する必要がある。10万ドルの車にそうした安全システムをつけるのなら、2万5000ドルの車にもつける必要がある。10万ドルの車が買えないからと言って、あなたや家族が重傷や死亡のリスクにさらされるべきではない。だからトヨタはそういう印象、つまり安全を第一に考えている印象をもう一度作り直さなければならない。

 また、トヨタは、変化を求めて外部の人をもっと入れるべきである。さらに、繰り返しになるが、アメリカの法制度や安全を監視している様々な政府機関に不信感を抱くのをやめることだ。



(私のコメント)
トヨタの車が近年になって急激にリコールが増えてきた事は「株式日記」でも書いてきましたが、トヨタの経営幹部たちはどのような対策を打ってきたのだろうか? 2月8日にもグラフで示したように2003年以降のリコール台数が急激に増えている事がわかりますが、トヨタ自動車の体質の変化がその原因としてあるのだろう。

グローバル化が進んで海外の自動車メーカーと大して変わらぬ体質となり、コストダウンが最優先されて、利益第一主義になってしまった。それ自体は企業にとっては当たり前の事なのですが、トヨタ自動車の品質管理が徹底しなくなってしまった。いわゆる風通しの悪さが出てきて、それが経営幹部の対応の鈍さと遅れに繋がっている。

「株式日記」ではトヨタを批判ばかりしてきたのではなく、ハイブリッドカーなどのエコカー技術を高く評価してきた。長所は長所、短所は短所として評価するのは当然のことであり、トヨタ信者でもなければトヨタバッシャーでもない。民主党に対する評価でも是々非々があるのですが、読者のコメントには信者的発想でしか物事が見えない人がいるようだ。

小沢一郎に対する評価にしても同じなのですが、是々非々がある。アメリカに対する評価にしても同じであり、アメリカに対して親米か反米かでしか見ない人がいるようですが、ポジションに拘る人が多いように見える。70年代頃のアメリカは国力として絶頂の時期があり、日本に対しても寛容であった。

日本の高度成長はアメリカのおかげとも言えるのですが、技術も供与してくれて日本からの輸出品を一手に引き受けてくれた。少し前の韓国や現在の中国の高度成長もアメリカのおかげと言っていいだろう。良くて安いものなら自由貿易としてどんどん買ってくれたからだ。それに比べると日本に対する風当たりが90年代以降厳しくなり始めた。

冒頭のサーチナの記事にしても、明日は我が身と言うような見方をしていますが、オバマ政権では中国に対しても格安タイヤやおもちゃなどに対する批判が高まってきた。トヨタにいたっては社長まで呼びつけられて下院公聴会で「拷問」に遭っていますが、中国や韓国はアメリカに対する警戒を持ち始めている。

韓国なども自動車輸出大国であり、いつアメリカから欠陥車問題を突きつけられるかわからない。米テキサス州ダラス在住の辣腕弁護士、トッド・トレーシー氏によれば、欠陥訴訟数は「明らかにGM、フォード、クライスラー、ホンダの方がトヨタよりも多い。」そうです。GMやクライスラーは倒産してしまいましたが、フォードやホンダの方が欠陥車訴訟が多いと言うのはどういうことだろう。

自動車は家電製品やパソコンのような情報機器とは違って、故障しても命にかかわるような事は少ないから社会問題になる事は珍しい。ところが自動車にかんしてはラルフ・ネーダーの時代から欠陥車問題が起きて問題になってきた。トヨタ車が世界一になれたのもアメリカ車に比べて故障が少なかったからですが、アメリカのトヨタバッシングは政治的意図があるのだろうか。

安全な車を作るという事に関してはトヨタはむしろ一番進んでいたのですが、トヨタ車が欠陥事故を起こすのがニュースになるくらい少なかったから、アメリカのマスコミは大騒ぎをしているのだろう。現在のようなトヨタを作ったのは奥田氏以降の社長だが、トヨタ内部でもいろいろ問題があるようだ。


なぜトヨタの歴代社長は、何も語らないのか 2月24日 ZAKZAK

 「これまでなら、なんらかのコメントを出し、事態の沈静化に動いたはずの(トヨタ)歴代社長が、今回の件で一切マスコミの取材に応じないんです。そのため、豊田社長が孤立する形になっている。これには強い違和感がありますね」

 ここでいう歴代社長とは、奥田碩(ひろし)相談役(77)、張富士夫会長(73)、渡辺捷昭副会長(68)を指す。

 そしてこうした動きを“創業家外し”に向けた動きとみると、説明がつくという。

 「トヨタ経営陣のなかには、経営者としての実力が未知数なのに、創業家というだけで豊田氏を社長に据えたことを快く思っていない人たちもいる。豊田家の持ち株比率は、創業家といってもわずか2%ほど。資本の論理からも、創業家から社長を出さなくてはいけない理由はなかった」(先の担当記者)

 ちなみに、豊田社長は2009年3月末時点でトヨタ株を457万4000株保有しているが、これはわずか0.13%にすぎない。

 さらに、社内の空気を複雑にしているのは、豊田氏が昨年6月の社長就任時に行った人事。5人いる副社長をほぼ総取っ替えするなどして、社内にしこりを残した。

 「豊田氏がこれまでの経営を完全に否定するかのような体制づくりをしたことを、快く思っていない幹部も多い。そのことがシコリとなってか、豊田社長に意図的に情報を上げないような風潮ができ上がってしまった」(業界関係者)

「歴代首脳がダンマリを決め込むことにより、一連の品質問題は豊田社長1人が抱え込むことになる。トヨタに対する米議会の攻勢など、今後の成り行き次第では豊田氏は引責辞任に追い込まれる可能性も出てくる。その結果、創業家外しが実現するわけです」

 一連の品質問題への対応が後手後手となり、経営トップの記者会見のタイミングも大きく見誤ってしまった豊田社長。

 危機管理問題に詳しい放送作家、村上信夫氏は次のように指摘する。

 「(豊田氏を快く思っていない幹部以外でも)創業家出身の社長を若殿のように扱い、悪い情報は耳に入れないという状況ができ上がっていたのではないか。情報が上がってこないため、豊田社長も状況を総合的に判断できなかった」

 だとすれば、豊田社長はまさに「裸の王様」ということになる。

 先のトヨタ担当記者は「豊田氏の記者会見でのやり取りをみていると、的外れな回答ばかり。恐らく公聴会は乗り切れないだろう」とみている。



(私のコメント)
現在のトヨタが抱えている問題は、現在の日本が抱えている問題と重なる。古くからの伝統も良い面と悪い面があるように、グローバル化にも良い面と悪い面がある。政治の世界とは違って民間企業では社長の世襲も珍しくはありませんが、大番頭である奥田相談役や張会長や渡辺副会長はなぜ豊田章男社長を支えないのだろうか?





日本においては官僚こそがシンクタンクであり政策を打ち出してきた。
アメリカ政府による大蔵省潰しによって日本のシンクタンクは消滅した。


2010年2月24日 水曜日

トヨタ問題を眺める相反する視点(1) 2月18日 長谷川和広 中央日報

 −−トヨタのリコール問題の原因は何か。

  「事業規模が‘器’を超過した。トヨタの強みは品質管理だった。しかし日本の外に出て行けば、日本でできることができなくなる。トヨタが意図するような品質管理ができない。海外工場ではトヨタ方式の管理方式が到達しなかった。グローバル化をあまりにも急いだ。会社が統制範囲以上に大きくなった。自動車は現在開発している技術が5年後に使われる。部品企業はすでに5年前から部品価格引き下げ圧力を受けてきた」

  −−どの部分で品質管理に穴が開いたのか。

  「日本の品質管理は韓国・中国企業とは概念が大きく違った。日本は良い物を作るための品質管理だった。韓国と中国は大量生産のための品質管理だった。トヨタはグローバル体制でも品質統制が可能だと考えた。技術力に自信があり、トヨタの標準を使えばよいと考えた。しかし実際にはそうでなかった。むしろ韓国と中国では今、品質管理の基準が良い物を作る方向へと変わっている。日本が恐れる部分だ」

  −−電子制御システムまで信頼性が疑われている。

  「これから途方もない法的紛争事になるだろう。車の設計上には問題がないはずだ。トヨタも製品に問題がないと最後まで主張するだろう。しかしグローバル体制になったことで、部品に欠陥が生じたり、どこかで問題が発生する可能性がある。どの企業にもこういうことは考えられる。どの製品も完ぺきなものはない。米国の過剰反応も事態を膨らませている。製品というものは完ぺきなものではないという点も理解しなければいけない」

  −−日本の電子メーカーも活力が大きく落ちた。

  「想像力の欠如だ。今からの競争はアナログで結果が生まれる。デジタルは韓日中のレベルが変わらない。したがって今後、情報技術(IT)企業といってもデジタル技術よりも創造力が生存のカギとなる。ソニーが三星(サムスン)電子に追い抜かれたのも同じだ。技術ではなく創造力と情熱の差だ。企業家精神が弱まっている。世界最高という自負心が傲慢と油断を育てた。私は最近、大学の教壇に立つ時も、最終的にアナログの部分を確実にすべきだと強調している」

  −−日本の製造業は活力を回復できるのか。

  「トヨタ問題で韓国や米国の自動車会社はチャンスをつかんだ。しかし漁夫の利を得るような安易な考えではいけない。技術格差がかなり狭まっているが、それでも日本の技術力は競争国とは深さや幅で次元が違う。しかもグローバル化によって労働コストの差がなくなっている。結局、生産コストが同じになれば、競争のカギはまた技術力になる。これが日本が生き残るための生命線だ。ここに日本は希望を抱いている」

  −−韓国企業が前轍を踏まないためには。

  「日本は政治が良くないからこうなっている。社会の緊張感が緩んだのだ。韓国は絶対に日本の前轍を踏んではいけない。最近も1カ月のうち3分の2は世界市場を回っているが、日本人の勤勉性が過去に比べて大きく落ちたことを痛感する。非常に怠慢になった。韓国企業も現実安住は禁物だ。10年後の生存のために今から備える必要がある」


トヨタ問題を眺める相反する視点(2) 2月18日  ジェフリー・ライカー 中央日報

  −−大量リコール波紋がまだ広がっている。実際にトヨタ車の品質と安全性に問題が生じたのか。

  「顧客の苦情に対してトヨタにふさわしくない遅い対応をし、大量リコールを招いた面はある。しかしトヨタ車が他のライバル車に比べて安全でないとは言えない。昨年の秋、フォードが運転制御装置の異常で800万台をリコールしているし、該当車で550件を超える火災事件が発生したが、米メディアはこれを全く問題にしなかった。これと比較すると、最近のトヨタのリコール問題に対する批判は度が過ぎるようだ」

  −−今回のリコールは一度ではなく持続的に行われ、800万台を超えた。品質が悪化したのでは。

  「リコールをしたからといって品質が悪化したと解釈することはできない。トヨタは最近の各種品質指数で他社を圧倒している。昨年の自動車専門調査会社JDパワーの初期品質指数でトヨタは20部門のうち10部門で1位になった。製造業ならリコールは避けられない経営行為だ」

  −−リコールの原因についてさまざまな原因と推測が出ている。

  「明らかになったリコールの理由はゴムのフロアマット、加速ペダル、ブレーキシステムのソフトウェア欠陥の3つだ。マットがフロアに固定されていない場合、加速ペダルを押すということだが、これはトヨタだけでなく他社の車でも起こりうる。残り2つの欠陥は設計上の問題だ。トヨタが部品会社に発注した設計の承認はすでに7年前のものだ。7年間に2つの設計を失敗したとすれば品質管理上それほど悪い数値ではない」

  −−ではトヨタは何が問題なのか。

  「トヨタが消費者の苦情にもっと速やかに対処しなかったという点だ。これはトヨタが強調する問題点を自ら見いだしてカイゼンするというTPSにも反する。TPSで最も大きな罪悪は問題点を隠すことだ。リコール前にトヨタの強みがきちんと作動しなかったというのがもっと大きな問題だ」

  −−欠陥が安全に関する事故につながれば、消費者は不安になるしかない。

  「自動車は極めて複雑な機械なので、使用上で生じるミスを予測したり、問題点を追跡したりするのは難しい。どの自動車会社も完ぺきではない。問題はメディアのトヨタ批判が公正でないという点だ。フォードの中型車であるフュージョンハイブリッドもプリウスと同じブレーキシステムに問題が生じたが、フォードはリコールをしなかったし、メディアもこれに言及しなかった」

  −−協力会社の納品単価を無理に引き下げて品質が悪化したという見解もある。

  「トヨタは競争力向上のために攻撃的にコスト削減に取り組んできた。韓国の現代・起亜(ヒョンデ・キア)車がしてきたことと同じ方式だ。トヨタは内部的に生産効率化と品質向上を試み、協力会社に同じ水準を要求しただけだ。納品価格の引き下げとリコールは別の問題だ」

  −−リコール後のトヨタに対する展望は。

  「危機をチャンスにし、さらに強くなるのがTPSだ。消費者の信頼を回復するためにはトヨティズムの原論に戻らなければならない」



(私のコメント)
日本経済は冷戦崩壊後のアメリカと中国の封じ込め戦略にやられっぱなしですが、その原因は円高と中国の人民元の意図的な安さにやられてしまっている。アメリカも金融危機が来るまでは製造業は中国に移して金融立国を目指していた。つまり日本は中国の製造業とアメリカの金融によって経済の体力が大きく落ちてきてしまった。

アメリカは金融危機以降になってようやく中国に対して人民元の切り上げを強く要求するようになりましたが、それ以前は中国の人民元の安さはアメリカ企業にとっては利益の源泉だった。ウォルマートに並ぶ商品の多くが中国製品であり桁外れの商品単価の安さでアメリカの消費を支えた。中国もドルや国債を買ってアメリカの協力してきた。

日本はこのような米中経済同盟によって輸出競争力を失ってきた。円高とドル安は国内の製造業にとっては果てしのないコストダウンを強いられる結果となり下請け中小企業が次々と潰れていった。勝ち組の大企業は工場を中国に移転させて国内の下請け企業には中国並みのコストダウンを求めた。

だからトヨタ本体はともかく下請け企業はブラジルからの外国人労働者を受け入れたり、派遣労働を認めさせて非正社員化を進めて、日本の賃金水準は年々下がり続けてきた。このようなことが最近のデフレの要因となってきたのですが、元をたどれば中国の人民元の安さが世界に失業とデフレを輸出しているようなものだ。

今回のトヨタの欠陥車問題も、トヨタのグローバル化経営戦略の結果であり、特にアメリカにおける規模の拡大はGMやクライスラーの倒産を招いて今回のトヨタたたきの元になってしまっている。トヨタの車が売れているのなら高く売ればいい話であり、性急な規模の拡大は恨みを買う結果を招いてしまった。

80年代でも日本企業はアメリカの映画会社を買収したりビルなどの不動産を買い占めたりしていましたが、厳しいしっぺ返しを食らってしまった。今回のトヨタたたきも日本たたきの始まりの始まりなのでしょうが、今回は中国たたきもアメリカは始めた。ここにアメリカの油断があると思うのですが、80年代の二の舞いを避けるには中国と手を組めばアメリカを逆に封じ込める事も出来るだろう。

小沢一郎は600人の大訪問団を率いて中国を訪問しましたが、胡錦濤は日本の国会議員140人と一人ひとりと握手をするなど大歓迎をした。アメリカは慌てたことだろう。しかし表立って怒るわけには行かないから東京地検を動かして小沢一郎を追い詰めた。日中の接近はアメリカにとってはドルや米国債を買っているNO1とNO2だから非常に危険だ。

このように国家間では同盟国であろうと敵対国であろうと、やられたらやり返すのが通常なのですが、日本はアメリカにやられっぱなしだ。日本政府もトヨタを必要以上に叩くのなら何らかの対応をすべきなのだ。チャイナカードはその一つですが、普天間カードもあるし、米国債カードもあるし、やる気があればいろいろな手が打てる。

昨日はDRAMや液晶パネルが韓国にやられた事を書きましたが、技術流出は防ぎようがないだろう。アメリカが貿易摩擦で日本を叩きに来たから日本は韓国や中国を経由して輸出する手段を選んだ。つまりチャイナカードやコリアカードを使って日本は対抗したのですが、アメリカは自動車も叩きに来たのなら自動車も中国や韓国を経由して輸出すればいいのだろう。

このようにアメリカが日本を叩けばたたくほど日本は中国やアジアに吹き寄せられて行く。このまま行けば日米安保の解消にまで行くのではないかと思うのですが、アメリカはどっちみちアジアから引き揚げて行くだろう。アメリカは以前のような大市場ではなくなり、新興国に市場を求めざるを得なくなっている。

ジェフリー・ライカー氏が言うようにトヨタ問題に対するアメリカ政府の対応は度が過ぎるようだ。アメリカのマスコミも連日トップニュースにするなど意図的なものを感じますが、フォード車でも制御装置の異常で800万台のリコールや550件の発火事故などを起こしている。はたしてトヨタを叩く事がアメリカの利益になるのだろうか?

長谷川氏が言うようにトヨタの強みは品質管理にあったのですが、海外に出るとその強みが発揮できない。しかし国内においても日本人労働者の質の低下が著しく、勤勉性がなくなってきている。非正規社員を使っていたのでは技術の伝承もダメになって行くだろう。教育現場でも学力の低下が著しいが大学生でも中学の算数の問題が解けないレベルになってる事は以前に書きました。

以前は日本は政治がダメでも経済は一流と言って来ましたが経済も二流になり、優秀だった官僚も東大のレベルが落ちて日本の国家ビジョンが打ち出せなくなっている。日本においては官僚こそがシンクタンクであり政策を打ち出してきた。しかしアメリカ政府による大蔵省潰しや通産省つぶしによって日本のシンクタンクは消滅した。現在はこの二つの省は存在していない。アメリカによって解体されたのだ。




DRAMや液晶パネルと同様に、Liイオン2次電池についても韓国メーカー
は日本メーカーが開発した技術に学び、キャッチアップしてきた。


2010年2月23日 火曜日

リチウムイオン電池よ、お前もか 1月15日 藤堂 安人

 電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車などの電動車両の市場投入が活発化する中で、その肝を握るLiイオン2次電池の企業動向に注目が集まっている。特に目立つのが、韓国メーカーの攻勢だ。日本メーカーにとっては、DRAMや液晶パネルで韓国メーカーに負けた苦い体験とだぶって見える。

 ソニーが1991年に世界で初めてLiイオン2次電池を製品化して以来、しばらくは同社に加えて三洋電機やパナソニックなど日本メーカーの独壇場だったのが、このところSamsung SDI社やLG Chem社といった韓国メーカーがシェアを伸ばしているのである。

 『日経エレクトロニクス』が2010年1月11日号に掲載した特集「Liイオン電池 新時代へ」によると、日本メーカーのシェアは2000年ごろにはほぼ100%だったが、2003年には約64%になり、2008年度は半分を割りこんでしまった。その代わりに伸びているのが、韓国や中国メーカーで、中でも韓国メーカーは2003年には10%だったシェアを2008年度には14%に伸ばし、業界関係者の間では「そろそろ企業別シェアで、(第2位の)Samsung SDI社が(第1位の)三洋電機を抜くのではないか」と言われ始めたという(pp.38-39)。

 DRAMや液晶パネルと同様に、Liイオン2次電池についても韓国メーカーは日本メーカーが開発した技術に学び、キャッチアップしてきた。そして、キャッチアップどころか、量産技術面ではすでに日本メーカーを上回ってきているという指摘すら出てきている。

 例えば、Liイオン2次電池のこれまでの主要用途である携帯電話機やノート・パソコンといった民生用途向けに大量生産されている「18650」(直径18mm,長さ65mmの円筒型セル)について、「世界で一番いい品質で、一番安いコストで、一番早い短納期で出せるのは韓国メーカーだ」と、Liイオン2次電池の市場・産業動向に詳しいインフォメーションテクノロジー総合研究所副社長の竹下秀夫氏は語る(当社が昨年2009年11月24日に開催したセミナー「AUTOMOTIVE TECHNOLOGY DAY 2009 autumn」における講演より)。

 ここに来て電気自動車という大型用途が開花してきたわけであるが、現状の第一世代と言われる自動車向けLiイオン2次電池は、「18650」などの民生用途向けに培われた技術を使って実用化されたものだ。その意味で、すでに民生分野における量産技術で世界トップを韓国メーカーが行っているのであれば、自動車向け電池でも高い競争力を持つのは当然のことなのかもしれない。

 「仮に同じ製品をヨーイドンで製造したら、品質面・コスト面いずれについてもすでに韓国メーカーは日本メーカーの上を行っている」と竹下氏は言う。韓国メーカーの実力を示す「証拠」として同氏は、自動車用のリチウムイオン電池の量産設備として2010年までに稼動する予定で、すでに設備発注が行われている各メーカーの量産能力を調査したデータの一部を紹介した。

 それによると、生産能力としては、日産自動車向けのオートモーティブエナジーサプライ(AESC)と米GM社向けのLG Chem社の2社が突出しているが、電池容量あたりのラインスピードを見ると、LG Chem社の方が2倍以上速い(このデータについては、竹下氏の論文「電気自動車/ハイブリッド車向けLiイオン2次電池の市場動向」『次世代電池2010』でも紹介されている)。携帯機器向けの「18650」でも、韓国メーカーの製造スピードは2倍であり、この差が自動車向けでも現れているということのようだ。

「実力差」は製造スピードだけではない。竹下氏の話で特に考えさせられたのは、今回の新規投資ラインで、さまざまなコストダウンの工夫を盛り込んでいるという指摘である。例えば、電極材スラリーやスリット(裁断)などの製造装置を国産化しており、価格は「日本製の装置を4〜5としたら、韓国製は2」に抑えているという。

 もともと製造装置については日本メーカーの独壇場であり、韓国の電池メーカーも最初民生用途でキャッチアップする際には、日本製の装置を導入していた。こうして巨額投資や大量生産を続ける内に、韓国メーカーは量産技術の基本仕様をマスターするに至る。自動車用途でも第一世代のLiイオン2次電池では、民生用途の材料系と大きな変化はない。こうして、新規にラインを立ち上げる際には、韓国のローカルメーカーに製造設備を造らせることが可能になったのである。

 最先端技術が要求されるところに韓国産の装置を使うことは難しいにしても、日本や欧米の装置を模倣して格安の装置を国産化する戦略は、半導体や液晶パネルそして工作機械まで広く見られる現象である。歴史は繰り返す…。

 では、日本メーカーはどうしたらよいのか。その答えは、「走り続けるしかない」(竹下氏)ということのようだ。材料系を一新して、基本仕様を変えることによってキャッチアップしにくくする戦略だ。

 「幸い」と言うべきか、第一世代と言われる現状の自動車向けのLiイオン2次電池は、性能、コスト共に極めて不十分で、技術革新へのニーズは非常に高い。日本メーカーは、第1.5世代や第2世代とよばれる新材料を使った電池の開発を加速するしかないのだろう(Tech-On!関連記事)。

 「赤の女王」のように走り続けることが宿命だとしても、後発メーカーのキャッチアップの速度を遅くして、多少の余裕は欲しいものである。そのためには、電極材料をブラックボックス化するなどいかに真似されにくいように工夫するかが重要になる。

 そして、もう一つの見方としては、日本メーカーが新材料開発などの技術革新によるイノベーションに優位性を持っているとしたら、韓国メーカーはコストダウンというもう一つのイノベーションに優位性を持っていると認めて、そこに学ぶ、または逆にキャッチアップする姿勢が大切ではないだろうか。

 韓国メーカーは確かに、日本メーカーの技術を模倣してきたわけではあるが、模倣だけではここまで成長できなかったという見方もある。4年ほど前のコラムで紹介したが、ある調査機関の方は、韓国メーカーの強さの原点は、鉄鋼メーカーのPosco社にあると見ていた。「最も安い鉄鉱石と燃料を使えるように高炉を立地して世界最適調達を図る」という徹底した低コスト戦略をとることによって、圧倒的な供給力を確保して競争力を上げるという成功体験が他の半導体や自動車でも生きたとみる。これは、Liイオン2次電池の量産工場でもいかんなく受け継がれているようだ。

とりわけ半導体については、なぜ韓国メーカーがコストダウン戦略に優れるのかについては、さまざまな分析が加えられてきた。筆者も、Tech−On!のコラム欄で多くの記事を書いてきた(以前のコラム1、以前のコラム2、以前のコラム3など)。それらを読み返してみて思うのは、経営トップがコストダウン戦略というビジョンを明確に示すことの重要性である。

 こうしたトップの戦略は、開発と量産プロセスを連動させてコストダウンできる組織を生む。半導体メーカーにおけるコストダウン戦略の重要性を説いてきた湯之上隆氏は、近著『イノベーションのジレンマ日本『半導体』敗戦』で、Samsung Electronics社の開発から量産にいたる組織を紹介している。

 それによると、次世代DRAMの開発では30人単位の複数のチームが開発を競っており、より儲かると判断されたチームが量産に移行する。開発チームのミッションは量産することであり、自然と工程フローから量産までの全体最適を心がけ、コストダウンの意識が根付くという。これに対して、日本の半導体メーカーでは開発部隊と量産部隊が分離されており、工程フローを構築する開発部隊には、歩留まり向上やコスト意識は希薄だと湯之上氏は指摘している(本書pp.65-68)。

 もちろん、半導体とLiイオン2次電池のプロセスには多くの違いはあるだろうが、半導体の苦い経験に学ぶところはあるだろう。

 「半導体の苦い経験」という意味で、最後に指摘しておきたいのが、国の制度が競争力に影響する点である。税制や償却制度などの各国ごとの違いが企業成果に大きな差異をもたらすことが明らかにされてきている(東京大学ものづくり経営研究センターのディスカッションペーパーno.235)。例えば、メモリビジネスでは、キャッシュフローで、日本と韓国の間には、実に年間2800億円もの格差ができてしまっている。

 これは、半導体に限らず、液晶パネル、太陽電池やLiイオン2次電池など、巨額投資を必要とする産業が国内で量産工場を立ち上げる際に直面する大きな問題である。

 Liイオン2次電池については、せっかく日本の自動車メーカーと日本の電池メーカーがタッグを組んで、両者の強みを生かしながら産業を立ち上げようとしている。本当にLiイオン2次電池で日本が国際競争力を上げようとするならば、国の制度面に踏み込む議論が今後もっと必要とされるだろう。


(私のコメント)
アメリカのトヨタ叩きがアメリカの議会で始まりますが、トヨタ車の欠陥による事故キャンペーンは去年の10月から始まっていた。ニュースのトップに取り上げられて報道されているのに、トヨタはこれといった対応を見せてこなかった。アメリカ側はトヨタの社内文書まで持ち出して攻撃材料にするようですが、豊田章男社長はアメリカ議会公聴会で吊るし上げに会うだろう。

アメリカはGMやクライスラーが倒産して、代わりに世界一になったトヨタを叩きにくる事は予想がついていた。それがいよいよ本格化すると言う事ですが、トヨタの反応は鈍かった。三菱自動車のセクハラ訴訟もあったし、東芝のノートパソコン訴訟もかつてあった。民主党政権が出来れば、そうなる事はある程度予想ができたことだ。

アメリカは製造業を復活させなければ失業者を吸収できないから、さまざまな嫌がらせをしてくるだろう。それに対して日本の輸出企業は90年代から被害を受けているにもかかわらず今回の反応も鈍い。トヨタだけではなくその他の日本企業も十分な注意が必要だ。韓国や中国はアメリカの企業系列化に入っている企業が多いから対象にはなりにくい。

つまり日本企業は民族資本が多く、韓国や中国などはアメリカの資本系列の企業だからサムスンや現代やLGの外国資本比率は50%近くあります。日本で言えばソニーやキャノンのような企業であり、アメリカ人から見れば日本企業とは言えないだろう。だからトヨタ叩きが起きることがあっても、現代自動車は48%が外資でありサムスンは54%が外資だ。

外資が半数を超えるような企業になればソニーやニッサンのように外人が社長になり、社内の公用語が英語に変わる。サムスンや現代ももはや韓国企業と言うよりもグローバル企業であり、トヨタはこの点ではグローバル企業ではない。だからアメリカの標的になりやすく、叩くだけ叩いて株価を下げさせて外資がそれを拾っていくのだろう。

ハイブリットカーはトヨタのヒット商品ですが、トヨタの経営を揺さぶって経営危機に追い込んでアメリカ資本が買収すればアメリカにハイブリッドカーの技術が手に入る。皮肉な事にトヨタの社長が豊田章男氏であり、ボンボン社長が豊田を守れるのだろうか?

1月16日の株式日記でも「DRAMや液晶パネルでなぜ日本は韓国メーカーに抜かれたのか?」と題して書きましたが、DRAMや液晶パネルでは日本は韓国企業に市場を奪われてしまった。サムスンやLGなどは徹底したコスト削減で価格競争力で市場を席巻してきました。日本企業は技術力では負けていないといいますが価格競争で負けてシェアを落としている。

日本企業は高コスト体質になり円高と重なっては韓国や台湾の電子産業に市場を奪われてきた。技術力もつけてきてLED液晶パネルで韓国は日本企業を引き離しにかかっている。製造技術も蓄積がものをいいますが重点的な投資が生きている。技術力も製造機器メーカーを通じてどうしても流出するし、人材も引き抜かれれば技術流出は防ぎようがない。

DRAMにしても日本のメーカーはマスク枚数が2倍にもなりそれだけ高コスト体質になっている。日本の製造業が空洞化する前触れとして優秀な技術者の空洞化が進んでいる。優秀な技術者は出世して管理職となり生存現場から離れてしまう。残るのは凡庸な技術者たちであり、これでは韓国メーカー負けるかもしれない。理系の学部を出た人も製造業離れが進んでおり、自動車も家電メーカーもいつリストラで失職するかわからないからだ。

韓国は輸出比率が30%もありサムスンや現代などの一部の企業が韓国経済を支えている。日本は10%前後ですが、輸出企業は数少ない勝ち組だっただけに自動車などの輸出の落ち込みの影響は大きい。日本欧米向けに輸出が偏っていたから影響が大きいですが、韓国企業は新興国の市場割合が大きいから落ち込みは小さい。

これからは新興国向けの製品を売り込まなければなりませんが、韓国などのコストダウンの技術力を学ぶ時が来ているのだろう。藤堂氏の記事でもリチウムイオン電池がDRAMや液晶パネルの二の舞いになるのではないかと指摘していますが、韓国は強気に集中投資して価格競争を挑んでくるだろう。

韓国企業の強みは企業トップの決断の速さと明確なビジョンを打ち出している事にある。人材の国際化も進んでいるしグローバル化も進んでいる。韓国は原子力発電所の分野までUAEの受注に成功するなど李大統領のトップセールスが光っている。それに比べると日本の売り込み努力は見えないのですが、会社のトップの顔が見えない。

このように日本の輸出企業は、トヨタの様にアメリカで叩かれ韓国からは追い上げを食らっているのですが、日本企業はトップダウンの意思決定の速さと大胆さが必要だ。トヨタにしてもアメリカで大騒ぎになっているのに社長の顔が見えなかった。日本企業の問題はこのようなトップセールスや意思決定が出来ない社長の判断の遅さが韓国に負ける要因になっているのではないかと思う。




猫の目のように変わるアメリカ・中国の軍事・経済・外交に対して、
米中二国間の勢力争いでキャスティングボートを持つのが日本である。


2010年2月22日 月曜日

新たな報復に言及せず 中国の協調路線反映か 2月20日 中日新聞

【北京=朝田憲祐】中国は、オバマ米大統領がダライ・ラマ14世と会談したことに対し「強い不満を表明する」一方、新たな報復措置には言及しなかった。台湾やチベットの独立問題、人権など「国の安定」を揺るがす敏感な問題では譲れないが、米国との協調路線は継続したい本音との板挟みになっているようだ。

 「中国は米国の“変臉(へんれん)”にどう対応すべきか」。米中の蜜月ぶりが演出されたオバマ氏の初訪中から3カ月。グーグル撤退問題、台湾への武器売却決定に続く今回の会談に、中国紙は、米国を瞬時に仮面を換える伝統劇「変臉」に例えた。

 日本に次ぐ米国債保有国で、国内総生産(GDP)が年内にも世界第2位になるとみられる経済力を背景に「大国」を自負する中国。新華社通信系の日刊紙・参考消息は19日、オバマ氏が訪中時に示した「中国封じ込め放棄」の約束をほごにしたと非難した。

 中国は軍事交流停止に続き、米中人権対話の延期や、4月にワシントンで開かれる「核安全保障サミット」の胡錦濤国家主席の出席見合わせなどを報復措置として検討しているとされる。

 一方で中国には、対米政策に不満を持つ世論に配慮し、強硬姿勢を示さざるをえない面もある。17日には米空母ニミッツの香港寄港を許可。乗組員5000人の上陸も認め、「友好」が演出された。

 米中関係に詳しい中国人民大学の金燦栄教授は「米中は安定した枠組みの中で激しく揺れ動いているだけ。両国とも全面対立による代償を支払う用意はない」と、時機をみて着地点を見いだすとの見通しを示した。



米国は中台の「敵対」を望んでいる 2月22日 阿部 純一

年末から米中関係の状況が変わったことは、改めて指摘するまでもない。2009年11月のオバマ訪中までは、米中が世界の流れの中心になるという「G2」論が幅を利かせていた。だが、いまや米中対立の局面が強調される。

 振り返れば、2009年9月に、米国が中国製タイヤに対してセーフガードを発動したことが対立の嚆矢だったようにも思える。

 もちろん底流には、中国が人民元の対ドル為替レートを低く抑えたまま、基本的に固定(ペッグ)してきたことに対する米国の不満がある。

 しかし、世界的な経済不況下でひとり高度成長を維持してきた中国はまさに世界経済の牽引車であり、米国企業もその恩恵に与ってきたことは否定できない。中国が米国債を買い上げてドルを米国に還流してきたことも、米国経済を買い支えるという意味で中国の米国に対する大きな貢献と言えた。

 だから、中国の巨大な対米貿易黒字に代表される通商問題は、くすぶり続けながらも発火することは抑制されてきたと言える。

今年に入って明らかに対立局面を迎えた米中

 しかし、今年に入り、台湾への武器供与問題、サイバー攻撃に絡むグーグルの中国からの撤退問題、チベット問題をめぐるダライ・ラマとの会見問題などが一斉に発生したことで、米中は明らかに対立局面を迎えることとなった。

 これらの問題は、中国側から見れば「内政干渉」の案件としてひと括りにされる。一方、米国側から見れば、グーグルの問題は、中国政府による「検閲」をよしとしない「言論の自由」の問題であるし、ダライ・ラマ会見は「信教の自由」の問題であり、そうした自由を保障するデモクラシーを建国の理念とする米国にとっては「譲れない問題」となる。

 ただし、そうは言ってもグーグルの問題は巨大化する中国市場を一企業がビジネスチャンスとしてどう見るかという経営判断に委ねられる性質のものだし、ダライ・ラマ会見にしても、米国がチベットの中国からの分離・独立を支持する話には到底なりそうにないとすれば、適当なところで妥協が可能な問題だと言えるだろう。

米国から見ると「台湾に対する中国の主権は確定していない」

 それよりも困難な問題は台湾である。米国の台湾への武器供与をどう考えるかだ。

 台湾への防衛用兵器の供与は、米国内法である「台湾関係法」に準拠している。台湾関係法は、1979年に成立した法律で、米中の国交樹立とある意味で引き換えに成立した。中国との国交樹立によって破棄されることになった「米華相互防衛条約」に代わり、長年の盟友であった台湾の安全保障に米国が関与し続けることを定めたものだ。

 米国は「1つの中国」政策を採り、中華人民共和国を「正統政府」として認知している。その米国が、なぜ台湾関係法にのっとり、台湾に防衛用の兵器を供与し続けているのか。

 そこには、米国は台湾に対する中国の主権については「留保」の姿勢を取り続けているという現実がある。

 米国は中国が「台湾は中国の不可分の領土である」と主張していることを「認知」(acknowledge)しているにすぎない。すなわち、「中国の主権が台湾に及ぶかは、まだ確定していない」というのが米国の認識なのだ。よって、防衛上の必要が認められれば、その必要に応じた武器を米国は台湾に供与することになる。

 その文脈で米国の立場から言えば、中国の主権が確定していない台湾に防衛用の兵器を供与したところで、中国の言う「内政干渉」には当たらない、ということになる。

緊張が緩和されつつある中台関係

 しかし、改めて言えば、兵器供与が必要とされるのは中台が敵対関係にあり、台湾が安全保障上の脅威にさらされていることが所与の条件となる。

 馬英九政権が成立するまでの中台関係は、この「敵対」が当たり前の前提であったと言ってよいだろう。しかし、2008年5月、馬英九政権が成立してからは、同年末には三通(通航、通商、通郵)が達成され、2009年夏には中台直行便が普通に飛ぶようになっていた。大陸から多数の観光客が台湾を訪れ、台湾で人民元の両替も普通に行われるようになった。

 また、首脳会談とはいかないまでも、中台の高官レベルの往来も頻繁に行われ、中台の自由貿易協定に相当する「経済協力枠組み協定」(ECFA)の交渉も進んでいた。

 こうして中台の緊張は著しく緩和され、台湾海峡両岸で武力衝突など考えられない状況が生まれていたといっても過言ではない。

 馬英九政権は、台湾住民による直接選挙という民主主義の制度にのっとって選ばれた。その馬英九政権が大陸へ接近する道を選択した場合、米国はそれを有効に阻止できる手段を持ち得ない。米国は「中台間の問題は平和的な話し合いで解決を」という姿勢を取り続けてきたのだから、なおさらである。

 馬英九政権は「独立も統一もしない」と公約している。しかし、中台経済の一体化が今以上に進み、ECFAが締結されれば、いよいよ将来の「中台統一」をも視野に入れた政治協議の段階に進むことになる。

 その一環として、仮に「中国は台湾への武力行使を放棄し、台湾に向けた大量の弾道ミサイルも撤去する。同時に、台湾は将来的に中国との統一を拒否する『独立』を放棄する。中国は台湾の自治を認める」といったような「和平協定」を結ぶという段階に至れば、もはや「敵対」する中台関係を前提とした台湾関係法による台湾への武器供与など必要なくなるだろう。

◆台湾を「フィンランド化」させたくない米国

 こうした状況の出現を、米国ははたして歓迎すべきなのだろうか。ことここに至れば米国と台湾とを結びつける法的根拠である台湾関係法がその役割を終えることになる。そして同時に、台湾はほぼ自動的に中国の影響圏に入ることになる。

 中国に対する警戒心を解き、米国の庇護から離脱することで、事実上、台湾はその安全保障を中国に委ねることになるからだ。

 歴史になぞらえれば、米ソ冷戦期のフィンランドが外交・安全保障面でソ連の影響下に置かれた、いわゆる「フィンランド化」が当てはまる。確かに、これによって台湾をめぐる米中の対立もなくなり、米中関係の大きな障害が取り除かれることにはなるだろう。

 しかし、そのために台湾が払う代償はあまりにも大きい。

 台湾は、外交・安全保障における自主権を放棄せざるを得なくなり、さらにはせっかく勝ち取った「民主化」された政治体制という積年の成果も放棄せざるを得なくなるだろう。「台湾の将来は台湾住民が決める」などといった民主的な考え方を中国が受け入れるとは到底思えない。

そして、結果的に台湾は事実上中国の軍事的影響力を太平洋に拡大する橋頭堡となり、沖縄やグアムにある米軍にとって深刻な脅威となり得る。こうなれば、バシー海峡を重要なシーレーンとする日本の安全保障にとっても由々しき事態である。(後略)


(私のコメント)
米中の超大国にはさまれた日本は、この二カ国に対して決定的な影響力を持つ。しかしながらこれを生かせる政治家がおらず、逆に米中は日本に対して様々な工作員を送り込んで日本の政治家たちが翻弄されている。アメリカは去年の夏ごろまでは中国との蜜月関係にあり、米中のG2で世界をコントロールしていく事をオバマ大統領は提案した。

このようなアメリカの外交は日本にとっては危機であり、日本は米中の挟み撃ちにあう可能性があった。日本がアメリカに対して従属的な立場を取る限りアメリカは安心して中国と手を組む事ができる。米中が対立的な外交ならば日本はアメリカに対して従属的な外交も止むを得ない事もありますが、米中が蜜月外交を取るならば日本は中国に対してアメリカ以上に接近する必要がある。

日本に反米親中的な民主党政権が誕生した背景としてはオバマ大統領の米中G2外交がある。自民党政権では親米一辺倒であり親中外交は取りにくい。オバマ大統領やクリントン国務長官の、日本よりも中国を重視する外交は自民党政権では有効だった。自民党政権はアメリカにバカにされて無視されるようになり、麻生前総理はオバマ大統領にもなかなか面会できない状況になってしまった。

自民党政権にとってはアメリカとの外交関係が良好である事が生命線であり、新内閣が出来てまず第一にすることが訪米してアメリカ大統領の信任を得る事だった。安倍内閣では「戦後レジュームからの脱却」を打ち出しましたが、ブッシュ大統領の信任が得られず短期間で辞任した。安倍首相や福田首相では小泉首相のようにブッシュの前でプレスリーの真似など出来ないだろう。

絶対的な権力者の前では秀吉のようにピエロになる必要がありますが、小泉首相以後は不器用な首相が続いている。最高権力者は信長、秀吉、家康のような独裁者としての非情さと、愛される人徳が必要ですが、お坊ちゃん育ちの二世議員ではなかなか難しいようだ。

日本に反米親中の民主党政権が出来た事で、日本は中国よりの外交を取るようになり、アメリカ政府を慌てさせている。最初の事はゲーツ国防長官をよこして恫喝していきましたが、もともと民主党は反米政権なのだからアメリカに対する反発を強めただけだった。普天間問題が拗れれば、日本のマスコミは「アメリカ様がお怒りだ」と書きたてましたが、このようなやり方は自民党には有効でも民主党には反発を招いてしまう。

鳩山首相自身が駐留無き安保論者であり、アメリカ軍が日本から引き揚げてくれることは望むところであり、その点がアメリカにとっては難しい所だ。日本の親米派にとっては在日米軍がいなくなる事は、日本がロシアや中国に今にも侵略されるような事を言い立てますが、それだけ日本の政治家や国民が国を守るという気概がない事を示している。

平和憲法にしても戦後の教育にしても国を守る事すら否定する意見があり、その方が在日米軍にとっても都合がいい。日米安保50周年になりますが、在日米軍の存在が日本の自立的な国防意識の妨げになってきた。昨日もNHKの討論番組で岡本行夫氏が、在日米軍がいなくなることの弊害を述べていましたが、在日米軍がいることの弊害の方が大きい。

在日米軍がいなくなることで防衛費負担は増えますが、国民の防衛意識は高まり憲法改正も容易になるだろう。場合によっては核武装論も賛成派が増えるかもしれない。私自身も駐留無き安保論者であり、アメリカ自身もいずれは海外基地の大幅な縮小を迫られて東アジアからも撤退して行くだろう。その空白を中国が占めるようなことがあってはなりません。

アメリカの対中外交も対立と親密外交を繰り返していますが、台湾や韓国はたまったものではないだろう。アメリカ国内でも親中派と反中派が政権交代するたびに大きく揺れる。アメリカが一番恐れるのが日中が親密になり共同してアメリカを追い出すことだ。日本と中国がこれだけ経済関係も大きくなってくれば、共同経済圏や日本が上海協力機構に入ればロシアや中国が日本を侵略する事は難しくなる。

そうなれば一番困るのはアジアから追い出されるアメリカであり、21世紀はアジアの時代と言われますがアメリカはアジアへの関与が難しくなる。だから日米安保がなくなって困るのはアメリカであり、日本で日米安保に賛成するのは年とともに減っていくだろう。中国が貧しい共産主義国家のままなら中国と仲良くしても何の意味もありませんが、中国がアメリカを上回るような超大国になれば、日本の対中外交も大きく変えなければなりません。

このように考えれば日本の在日米軍がアメリカにとってアジアへの橋頭堡としていかに重要かを認識するだろう。これを外交カードとして使うには小沢一郎のように「第七艦隊で十分だ」と言う意見や、普天間問題でも「普天間の海兵隊はグアムに行け」という外交的な揺さぶりをかけるべきなのだ。それでアメリカが黙って出て行ってくれればそれで目出度いし、在日米軍をいさせてやっていると言う外交カードにもなる。自民党政権のようにアメリカ様さまではアメリカに舐められるだけだ。

私はこのような意見を持つようになったのは90年代のクリントン外交からであり、米中が親密になれば日本の外交的な立場が非常に危険になる。米中の合意で東アジアが分断統治される危険があり、韓国や台湾は分断統治の象徴だ。台湾への武器供与も米中対立の火種になりますが、台湾や韓国が平和裏に中国の勢力下に入れば困るのはアメリカだ。それを阻止できるのは日本だけであり、日本に民主党政権が出来て困っているのが韓国と台湾だ。

韓国も台湾も戦前は日本であったところであり、アメリカは日本を三つに分断して統治しているようなものだ。日本人はそのようなアメリカの意図に気が付くべきであり、アジアを分断して統治するのがアメリカの戦略だ。日本が太平洋戦争に負けなければこのような分断は防げたのですが、日本は戦前のような大アジア建設のために立ち上がるべきであり、緩やかな連合体としてEUを見習うべきだ。

アメリカは愚かにもイラクやアフガニスタンで国力を消耗していつかは破局を迎えるだろう。現在のアメリカは冷戦時代のアメリカではなく、世界の警察官としてのアメリカではない。中国と手を組んで21世紀を支配しようとすらしている。だからイラン制裁にも加われと中国に求めていますが、中国はその誘いに乗らない。

アメリカは東アジアのように中東を分断して統治しようとしているのでしょうが、イラクやアフガニスタンで泥沼に浸かっている。サウジアラビアからも米軍は撤退しましたが、アメリカの分断統治戦略に気が付いたからだ。サウジアラビアに出来て日本がなぜ出来ないのだろうか? 




1980年代に一時的に日本が経済覇権を握ったのは、覇権国がアメリカから
太平洋を渡り、中国に移る過渡期の現象だったと言えるかも知れません。


2010年2月21日 日曜日

800年サイクルと覇権サイクル〜中国の世紀・東洋の時代がやってくる 吉永俊朗

中国の世紀と800年サイクルの到来

8尽くしの北京オリンピック開催で、私は中国の世紀と800年サイクルの到来を予感しました。800年サイクルとは日本の村山節(みさお)氏が1937年に発見した文明の法則で、西洋と東洋が800年周期で文明の主役を交替するというものです。村山氏は10年を1センチの目盛りとして長さ10メートルの長大な巻紙を作り、石器時代からの諸民族の盛衰等、あらゆる主要事件を記入していきました。そして、文明の勃興期や崩壊期に赤鉛筆で印をつけたところ、赤線がほぼ等間隔であることに気づいたのです。

この村山氏の研究は、大著『文明の研究』に記述されていますが、@人類文明は二重ラセン型で相関進化する、A世界史の転換期は800年周期で訪れる、というものです。つまり、東洋と西洋がちょうど人間のDNAのように絡み合い、表と裏、勃興・衰退の関係にある、ということです。

現在の西洋の時代はルネサンスが始まり、中国の没落が始まった1200〜1300年頃から始まっていますので、文明の法則によれば、2000〜2100年にかけて東洋が主役を奪回し、以後の800年間は東洋が地球をリードすることになります。中国の後にはインドも続いています。日本が先導し、中国、インドと続く800年もの東洋の時代が幕を開けようとしています。日本は地政学的に西洋と東洋の狭間に位置する重要な位置にあります。中国の世紀到来と800年サイクルの主役交替で、日本の存在価値は一段と高まるのではないでしょうか。

覇権国家は米国から中国へ

偽装演出などの批判はありましたが、北京オリンピックに国威発揚をかけた中国共産党首脳部の狙いは、まずは成功したようです。開会式のスケールの大きさに圧倒された方も多いと思います。私も開会式を見て、いよいよ中国の世紀がやってくると思いました。第一次世界大戦後の米国の世紀から、近い将来、中国の世紀に移行するのではないかということです。

15世紀以来、今日に至る世界史は、世界を支配する覇権国家が約100年ごとに交替しています。その覇権国はヴェネチア(ローマ)から次第に西へ移り、ポルトガル・スペイン(16世紀の覇権国)からイギリス(18、19世紀の覇権国)を経て、大西洋を越えてアメリカ(20世紀の覇権国)に渡っています。覇権国は地球を西回りで西進しているのです。イギリスは2期200年の覇権を維持しましたが、スペインからイギリスに移行する過程で17世紀に軍事力を持たないオランダが経済覇権を握りました。

1980年代に一時的に日本が経済覇権を握ったのは、覇権国がアメリカから太平洋を渡り、中国に移る過渡期の現象だったと言えるかも知れません。もちろん、アメリカの軍事力は強大であり、覇権国が米国から中国に移るとしても、少なくとも数10年先になるでしょう。イギリス同様、アメリカが2期200年の覇権を維持する可能性もあります。ただ、覇権国がアメリカから太平洋を渡り、日本を一時的に通過して中国に移ったとしても、歴史の法則に従うことになり、なんら不思議はないのです。


経済的地政学的に日本の存在価値は高まる

中国の世紀になれば、日本の存在価値はますます沈下するという見方がありますが、私は、そうは思いません。米ソ冷戦時代、日本の存在価値は経済的価値以上に、地政学的に大いに高まりました。日本はソ連の太平洋の出口に位置するからです。中国に対しても、日本は同様の位置にあります。中国が台頭すればするほど、米国にとっても中国にとっても、日本の重要性が経済的地政学的に一段と高まるのではないでしょうか。

なお、北京オリンピック後、中国は遠からずして崩壊するという見方もあります。独裁者ヒトラーの全体主義国家ナチスドイツは1936年のベルリンオリンピック後、滅亡の道を歩み、共産主義独裁国家ソ連も1980年のモスクワオリンピック後、体制が崩壊したからです。独裁国家は滅びるということです。

ただ中国は、共産主義一党独裁の下で、市場経済の導入やWTO(世界貿易機関)への加盟など、前者の轍を踏まない努力を行っています。すでに、日米欧先進国の主要企業がこぞって中国に進出しています。中国は、世界の工場として、かつ人口13億の巨大マーケットとして、グローバル経済に組み込まれています。ナチスドイツやソ連の前例とは状況が異なると思います。


(私のコメント)
歴史の転換点は年数がかなり経ってからでないと分かりませんが、アメリカの衰退の転換点は1973年のオイルショックであり、2001年の911テロ事件になるだろう。オイルショックは石油が無限にはないと言うことであり、石油価格の高騰がアメリカ経済の衰退につながり、911テロ事件は物量に誇る世界最強の軍隊でもテロは防げないと言う転換点となった。

テロはハイテクを駆使すれば一都市を吹き飛ばすほどの威力のある武器を手にすれば可能だ。アメリカはテロとの戦いと言う事でアフガニスタンに攻め込みましたが、見えない敵とどうやって戦うのだろう。物量で一時的に制圧する事は可能でしょうが、アメリカ軍が引き揚げていけばまたゲリラ勢力が出てくる。

2008年のリーマンショック以降はアメリカの覇権はつるべ落としに落ちていくのであり、次の覇権国といつかは勢力が交差するだろう。以前のように戦争によって覇権が移動するのではなく、経済指標を見なければ覇権が交代したのかどうかも分からないかもしれない。ソ連の崩壊も内部崩壊であり、アメリカも内部崩壊によって急速に衰退して行く事になるだろう。

アメリカやソ連のような超大国は、内部崩壊や内部分裂によって崩壊する。帝国の拡大が止まれば国内の歪みを吸収しきれなくなり、地方からの反乱が起きて内部分裂を起こす。石油が豊富に産出して経済拡大が続いている時は強大な軍事力の維持も可能ですが、石油がピークアウトすれば経済破綻が起きて軍事力の維持も出来なくなる。

次の世界覇権国は中国だと言う説が出回っていますが、中国の経済発展はその予兆なのだろうか? 20世紀の二つの世界大戦によって世界の覇権はヨーロッパからアメリカに移りましたが、ヨーロッパもEUを結成してアメリカを上回る経済大国を建設しようとしている。はたしてその試みは上手く行くだろうか?

最近になってEUもバブルの崩壊でPIIGS問題で揺れていますが、EUでヨーロッパを統一してもPIIGS諸国がドイツのような工業国にはなれないと言うことなのだろう。ユーロが一時期買われましたが、ユーロはユーロでありドイツマルクのような強い通貨にはなれないのだろうか? 近い内にユーロは崩壊すると言う説も出てきているほどですが、ドイツがどれだけがんばれるかにかかっている。

吉永氏の説によれば、世界の覇権はアメリカから太平洋を渡って中国に移ると言う事ですが、これが実現するかどうかは中国が民主化出来るかにかかっているだろう。しかし中国は有史以来民主主義政治を一度も体験していない。中国のような開発独裁国家は経済発展には有効ですが、民主主義政治が定着しなければ政治的な安定は望めない。

民主主義が定着するには法律の遵守が必要ですが、中国人は法律を守ると言う文化が無いから政府が強権で守らせる必要が出てくる。この点ではロシアも同じことが言えるのですが、選挙を行なっても不正な選挙では誰も民主主義政治を信頼しない。このような文化を変えるという事ができるのだろうか?

ソ連が経済的に行き詰ったのも民主主義政治が無かったからであり、一部のエリートを養成しても国民レベルが付いて来れなければ近代国家にはなれない。独裁体制なら軍事力を強化して宇宙に有人宇宙船は打ち上げられても、満足な自動車は作れなかった。情報が統制されているから有益な情報が伝わらないのだ。

ロシアは共産主義独裁体制は棄てましたが、経済においては中国にも後れを取り工業化も底上げが難しい。中国が共産主義独裁体制を変えてもロシアの例を見れば民主主義化は難しそうだ。独裁体制のまま世界の覇権国家となる事は可能なのだろうか? ナチスドイツもソ連も崩壊しましたが、独裁国家と経済大国は両立しないのであり、中国も暴走するか内部崩壊で衰退する可能性が高い。

このように消去法で行くと、アメリカの覇権体制は衰退しながらも後100年くらいは続くかもしれない。あるいは日本がバブル崩壊を克服してアメリカを上回る経済大国となれるのだろうか? 太平洋戦争は日米の覇権をめぐる戦争ともいえるのですが、戦争の勝ったか負けたかはあまり関係がない。

80年代の日本はアメリカを追い抜かんばかりの勢いでしたが、90年代以降のアメリカのジャパンバッシングで日本に勢いは消失した。いわば死んだふりをしているのかもしれませんが、アメリカが本当に衰退してくれば日本が経済や軍事の穴を埋めなければなりません。そうなると必然的に日本が覇権国にされてしまうことが考えられます。

ドルやユーロや円などの動きを見れば、円が独歩高なのは何らかのシグナルだろう。中国の人民元は金融の自由化すら対応が出来ていませんが、民主主義に対応できないのと同じ事だろう。中央政府が独裁的強権で統制しないと国家として纏まれないからだ。日本の参考になるのはオランダの世界覇権ですが、オランダは軍事大国でも政治大国でもなかった。覇権の切り札になったのは通商の自由さと船舶などの技術力だった。


地球人の歴史  14.海と経済の覇権(前編)

ところが、苦しむ他国をしり目に、「ひとり勝ち」の様相を呈している国があった。ネーデルラントの北部が独立してできた人口200万の小国、オランダであった。

 その秘密は、オランダが「もっともビジネスがしやすい」国だったことにあった。まず、スペイン支配の重圧から解き放たれたことで、もともと最先端の水準にあった経済力を自国のために使えるようになった。「共和制」のもと、財界の有力者が政治をしきっていたことも大きな意味を持った。他国の政府が「いかに宮廷費と軍事費を調達するか」に汲々としていた中、オランダだけは「いかに経済人の利益を保護し増大させるか」という観点で政治が行われていたのである。

 このような環境は、ヨーロッパ中から多くの企業家、技術者、熟練工、船員、賃金労働者をよびよせ、その技術とノウハウは産業の効率をさらにひきあげた。漁業における北海のニシン漁、農業における工業用作物と酪農、毛織物業における仕上げと染色といった付加価値の高い(もうけの多い)部門では、他国の追随をまったく許さなくなった。

 造船業の優位はとりわけ圧倒的で、オランダの持つ船舶は全ヨーロッパの半分を占めたといわれている(オランダ製の船となればもっと多い)。ヨーロッパの海運が独占されるまでにそれほど時間はかからなかった。種々の物品がオランダを経由して流れるようになり、需給の調節や価格の操作を通じてもうけることも可能になった。

 通貨不足に悩むヨーロッパの中にあって、オランダだけに莫大な資金が集まったことは、その貨幣と金融業に大きな信用を与えることになった。オランダの銀貨(ライヒスターラー)はどの貨幣よりも高く評価され、貿易における最大の武器となった。1609年に設立されたアムステルダム銀行は、あらゆる貨幣を預金として受け入れ、金に換算した「銀行貨幣」で帳簿に記し、客の希望する貨幣で払い戻した。その利便性からヨーロッパ中の商人がこの銀行の口座をとおして決済を行うようになり、ますます資金が集中した。

 こうした資金は、高い信用を背景に破格の低利(2.5〜4%)で貸し出されたから、さらにビジネスがしやすい環境がつくられた。資本は国外にも投資され、ドイツの繊維業、北欧の鉱業・林業、東欧の穀物輸出はオランダ商人に牛耳られた。資金繰りに悩む他国の政府へも融資が行われ、その財政をも左右した。(中略)

これに対してオランダは、政府組織と軍事力は一小国のそれにすぎない。しかし、この国の真の主役は、利潤への飽くなき欲求を抱いた「民間の企業家」たちであった。彼らは、製品の競争力、物流と価格、貨幣と金融、投資と債権を武器に、「全ヨーロッパ」という、帝国に匹敵するほどの広範囲から富を集めるシステムをつくりあげた。得られた富の一部は事業の拡大・強化にまわされてさらなる富を生み出し、やがて独占的な地位に達したのだった。すなわち、「軍と官僚制」ではなく、「市場」を通じての覇権である。

 以後の歴史は、「どの国の政府が巨大な帝国をつくりあげるか」ということではなく、「どの国に基盤をおいた企業家たちが世界市場を制するか」を軸に展開することになろう。そして、いずれは「大帝国」も、「経済大国」の風下におかれることになるだろう。



(私のコメント)
世界史を見ても超大国でないと世界の覇権国家になれないと言うのは間違いだ。スペインもオランダもイギリスもヨーロッパの小国だ。むしろ当時の中国の方が超大国であったが、イギリスの産業革命の元になった技術力で中国はイギリスに圧倒されて植民地化の道を歩んだ。アメリカは日本に対する恐れは日本の技術力であり、アメリカの自動車メーカーは日本のハイブリッドカーを作ることが出来ない。アメリカのトヨタたたきはその焦りでもあるのだろう。




トヨタの驕りは危機に対する迅速な対応を不可能にした。外部の批判
的な声に耳をふさいだり、過保護に安住すれば、内部から瓦解する。


2010年2月20日 土曜日

トヨタ問題は対岸の火事ではない 2月19日 朝鮮日報

日本軍が太平洋戦争で敗北した原因を分析した『失敗の本質−日本軍の組織論的研究』という本は、1984年に出版されて以降、日本のビジネスマンに多く読まれ、ベストセラーになった。野中郁次郎ら6人の学者が、日本軍の敗因を組織の運営管理の面から徹底的に分析しており、企業経営の戦略書として高い評価を得ている。敗因については次のように論じている。「日本軍は、能力による人材発掘ではなく、学力主義と序列主義に従って指揮官を配置した。帝国海軍は、日本海海戦の大勝利から長い時間が経過していたにもかかわらず、相変わらず国民やメディアから“無敵海軍”と称されていたことから、組織が硬化しハングリー精神を失った。日本海軍は異端者を嫌った」。このように同書では、異質な情報に耳をふさいだ参謀本部の閉鎖的な組織運営を敗因として指摘している。

 歴史は繰り返されるのか。というのは、日本でトヨタのリコール問題を見ながら、その原因が、同書の著者が指摘した内容と非常に似ているからだ。

 「週刊文春」最新号のトヨタ特集では、トヨタの病因を赤裸々に指摘している。「ブレーキに空走感があるというのは絶対にあってならないことだ。この不具合を初期の段階で発見することが出来なければそれは、恥ずべきことだ」。日本経済新聞のある記者によると、画像品質管理方式が導入されたというが、熟練の技師が現場で直接確認するのも難しいことを、画像で行っていたということだ。

問題は、技術的な側面にとどまらなかった。組織文化の病弊だ。「(新経営陣が)ジャスト・イン・タイム生産システムを掲げているにもかかわらず、現場の情報が伝わっていないのではないのか。正確な情報が社長に報告されていないのではないのか」。トヨタグループの現職幹部は、「経営陣が互いに批判し合うことを避ける“仲良しクラブ”になったのではないか」と嘆いている。

 しかし、これよりさらに大きな問題は、トヨタに対する日本社会の過保護だ。政界もメディアも、トヨタに対してはきわめて寛大だ。問題が大きくなり、メディアは少しずつメスを入れているが、政界では相変わらず何の声も出ていない。その上、トヨタの内部問題を暴露する書籍は、知らない間に書店から姿を消しているとのうわさもある。

 トヨタは金融危機の前に、米国の高級車市場で類例のない利益を上げた。生産台数はゼネラルモータース(GM)を抜き、世界トップとなった。成功は驕りを呼び、驕りは危機に対する迅速な対応を不可能にした。同族経営に陥り、外部の批判的な声に耳をふさいだり、過保護に安住すれば、内部から瓦解するということだ。

 こうした失敗は韓国企業にも当てはまる。トヨタのように、グローバル戦略を展開しているサムスン、現代、LGといった韓国を代表する企業は、内部のコスト削減を平然とサプライヤーや下請けに押し付けてはいないだろうか。社長や役員らが互いに批判し合う雰囲気が形成されていると言えるのだろうか。韓国国民や社会全体がこれらの企業を過度に保護してはいないだろうか。韓国の大企業にとって、トヨタ問題は決して対岸の火事ではない。



優秀な技術者が「無能化」していく悲劇 2月16日 湯之上 隆

この問題は半導体業界に限らない。ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて新車販売台数で世界一になったトヨタ自動車も、こうした成功体験によって組織が蝕まれていないだろうか。

 トヨタは、昨年から立て続けにリコール問題を起こしている。筆者は自動車産業の専門家ではないが、「プリウス」のリコールのニュースを見て、正直言って驚いてしまった。

 「低速で走行する際、ブレーキが利かなくなる」という苦情が多数寄せられていたにもかかわらず、トヨタの専務は「ドライバーの感覚の問題だ」と発言したという。この発言がマスコミに叩かれている。叩かれて当然であろう。しかし、筆者が何よりも驚いたのは、この発言に対してではない。

 2月5日に、豊田章男社長が初めてマスコミの前で記者会見をした。その映像をたまたまテレビで見た。その際、豊田社長は開口一番、「本日、私が登場したのは・・・」と発言したのである。

 陳謝せねばならない立場なのに、なんとトヨタの社長は、「登場した」のである。「世界一のトヨタの社長が、わざわざ出てきてやったのだ」と、筆者には聞こえた。そして、トヨタの傲岸不遜な態度を、この瞬間に、強烈に認識した。 「世界一」という成功体験は、人間や組織をここまで天狗に変貌させてしまうのだ。

 技術が得意な者は、短期間で技術開発の功績を挙げ、そのご褒美で課長や部長に昇進し、技術には関わらなくなる。その反面、得意ではないマネジメントが仕事になる。そのため、多くの課長および部長が「無能化」する。その結果、最も技術的に能力の低い者が加速度的に難しさを増す技術開発を行わなければならないのである。なんというジレンマか!

 実際は、技術力のない人が新しい技術開発を行うのは不可能なため、例えば、新しいDRAMの工程フローを作成する場合は、以前のフローを踏襲するというような最も安易な方法が採られることになる。したがって、工程フローの基本的な構造は何も変わらない。そして、集積度が増える度に、新たな工程が付加されていく。工程が減ることは決してない。

 前回、日本半導体がDRAMから撤退する直前の64MビットDRAMのマスク枚数が、韓国、台湾、米国マイクロンテクノロジー社より1.5〜2倍ほど多いことを紹介した。マスク枚数が多いということは、工程数が多いということである。それが、日本半導体の高コスト体質に直結している。そして、その真の原因は、このような組織のジレンマにあると考えられる。

 ピーター・F・ドラッカーは、『イノベーションと企業家精神』(ダイヤモンド社)の中で、「トップマネジメントの地位にある者の多くは、企業の規模を問わず、あるいは官民を問わず、特定の部門や分野から昇進してきている。彼らにとって当然のものとは、それら自らの出身部門や分野である」と述べている。

 半導体の技術分野は非常に広い。また、その技術が猛烈な速さで進展していく。その結果、「ご褒美システム」で昇進してトップマネジメントの地位に就いた日本半導体の経営者は、広大な半導体技術のごく一部しか理解しておらず、かつ、その技術もとっくの昔に陳腐化してしまったものに過ぎないというお寒い状態に陥っている場合が多いのである。


(私のコメント)
トヨタの奥田元会長やキヤノンの御手洗会長などは会社のために良かれと思ってやっている事なのでしょうが、日本の為にはなっていない。トヨタは円安と非正規社員で史上空前の利益を上げてきましたが、社内留保して給与のアップには繋がらなかった。そして円高になって真っ先に派遣の首切りを行なっている。キヤノンも同じだ。

トヨタやキヤノンは外資系企業だと思ったほうがいいだろう。だから社名もアルファベットで書いているのだ。奥田元会長や御手洗会長は日本人の顔をした外人でありインベーダーなのだ。彼らは日本人の若者を奴隷化して日本が滅んだところで痛くも痒くもないだろう。

トヨタやキヤノンは世界企業となり巨大化して日本を彼らの好きなような体制に作り変えて行く。国民大衆はますますバカになり政治に無関心となり、若者はフリーターやニート化して働いて納税もしなければ年金も納めない。「株式日記」では何年も前からこのように警告をしても政治は一つも良くならない。トヨタやキヤノンが日本をダメにしているのだ。(2008年12月26日の株式日記再掲)


(私のコメント)
この本では新規採用を絞る反面、その穴を派遣社員が埋めている事を指摘していますが、そのような構造が長く続けば技術を持った社員が定年退職した時にその技術を引き継ぐ人材がいない事に気がつくようになる。最近では日本が誇る自動車メーカーでも大規模な欠陥自動車問題が起きていますが、部品などを未熟な下請工場などが作っているからだ。

以前なら下請けでも親会社と子会社は密接であり、安定した雇用関係が技術の伝承を守っていた。しかし最近はコスト優先で子会社を切り捨てて外部に発注するようになった。ソニーの欠陥電池などもベテランの製造技術者がいなくなって海外の子会社に作らせていることから発生した。

だから最近では製造業も工場などを国内に回帰している所もありますが、海外では労働事情から製造技術の熟成や伝承が難しいからだ。中国などでは技術を覚えると直ぐに辞めて同じものを作り出す。これでは製造業は成り立たないが日本企業は今頃気がついたようだ。

このような事は製造業だけではなくサービス産業にも起きており、正社員の年功序列を維持しつつ、人件費を切り詰める為に新規雇用を絞る反面、その穴を派遣社員が埋めるようになった。今までなら若い正社員がしていたようなことを派遣社員に同じ事をさせても人件費は半分で済む。しかも派遣社員のほうが都合が悪くなればいつでも切れるからだ。

このように一見したところ企業の体制は変わらないように見えて、現場作業は若い正社員ではなく派遣労働者が担うようになっている。格差社会とは中高年の正社員が1000万円以上の高給を取り、派遣社員が200万円で現場作業をしている社会なのですが、若い正社員にとっても中高年社員が辞めない限り上には上がれず、その事に30代で気がつくようになる。

年功序列は高度成長期にしか成り立たない制度なのですが、公務員はもとより大企業でもいまだに健在だ。だから誰もが知っているような大企業に正社員として採用されても若者は3年で辞めて行く。若いときに我慢して働けば中高年になった時に報われると言う嘘には騙されなくなっているのだ。

今の大企業は課長や係長などの管理職ばかりで平社員は一人で、あとは派遣社員が埋めていると言った会社が多い。だから若い平社員が酷使されて体を壊して辞めて行く。年功序列社会のしわ寄せを若い人に負い被せているのですが、新規採用で絞られて、幸運にも入社出来ても過重労働で辞めて行く若い人が多い。中堅管理職以上は現場作業は出来ず、一日中机でハンコを押しているだけで高給がもらえる。

将棋では「歩のない将棋は負け将棋」と言う言葉がありますが、若くてよく働く社員がいてこそ会社は発展するのですが、雇用を守ると言う名の下に部下のいない管理職だらけの会社が発展するはずが無い。そのような事は堺屋太一氏が何十年も前に予測していた。労働組合も雇用を守る事に一生懸命で年功序列を守る方に回っている。

労働組合が強い国は若者の失業が多いのが特徴だ。日本もその傾向になってきてニートやフリーターが増える一方だ。その結果起きるのが若者の非婚化と少子化社会の到来だ。年収が200万とか300万では結婚も出来ず、出来ても子供も一人がやっとだろう。企業にしても働かない中高年管理職を首にして若くて働ける社員を増やせればいいのですが、そんなことをすればマスコミもたたく。

年功序列型社会は儒教倫理ともマッチしやすくて、なかなか崩す事は難しい。いくら有能でも若い人が出世する事は日本ではまず無くて自分で創業するしか若くして社長になれる道は無い。ホリエモンなどのベンチャー企業家が持て囃されたのも、その存在が珍しいからですが、日本の教育は企業家を育てるようには出来ていない。(2006年11月19日株式日記再掲)


(本日の私のコメント)
朝鮮日報や湯之上氏の記事に書いているように、トヨタは勝ち組として驕り高ぶっていた。トヨタ社の欠陥車問題は株式日記でも何度か書いてきましたが、株式日記には何の社会的な影響力が無く、2006年の株式日記にもトヨタが抱える問題について書いてきました。日本の製造業は果てしのないコストダウン競争で、下請け企業が疲弊してしまっています。

本社自体も品質管理もコンピューターシュミレーションでしているようですが、熟練のテストドライバーもなかなか発見できないような欠陥をコンピューターシュミレーションで発見できるのだろうか? 部品の耐久性もコストダウンで劣化した材料を使えば落ちてくるだろう。自動車も機械制御から電子制御に切り替えられていますが、プログラムの欠陥を見つけるのは非常に時間がかかる。

トヨタの車を作っている優秀な技術者は、出世していって無能なマネージャーになるのは日本型組織の欠陥だ。トヨタの副社長の記者会見でもそれが見受けられた。優秀な技術者でも開発現場から離れてマネージャーになれば浦島太郎になってしまう。なぜそうなってしまうのかは最近の技術開発が巨大規模になり、技術者も技術の一部の事しか知らないからだ。

大企業病についても何度か書いてきましたが、年功序列の組織は旧帝国海軍でも見られたように閉鎖的な組織となり、無能な軍令部が無謀な作戦をするようになる。トヨタもイケイケどんどん式に市場を拡大して行って統制がつかなくなり、欠陥車騒動でも最高幹部は情報が届かず対応が遅れた。

本当に優秀な人材は1000人のうち一人くらいしかいない。10000人の会社では10人しか優秀な人材はいない事になりますが、年功序列社会では優秀な人材がトップに立つ事は不可能だ。政治の世界も同じであり、自民党は人材の枯渇で選挙に負けてしまいましたが、二世議員で固めてしまって外部からの人材の登用に失敗したからだ。




今朝の米公定歩合引き上げのニュースには驚きました。おそらくは
来週の米国債への入札を睨んだ引き上げなのではないか?


2010年2月19日 金曜日

米国債売却すれば経済戦争に=中国は甚大な被害受ける―米紙 2月18日 レコードチャイナ

2010年2月17日、米投資紙・Investor's Business Dailyは、米国への報復措置として中国が米国債を売却すれば、米国以上に中国が傷つくことになると警告する記事を掲載した。中国経済網が伝えた。

先日、雑誌・瞭望に米国への報復措置として、米国債を売却するべきだとの論文が掲載された。同論文はさらに軍事費の増強と台湾に対抗した軍配備の再編成をも提言している。米財務省が発表した昨年12月時点の統計によると、中国の米国債保有高は530億ドル(約4兆7800億円)と史上最大の減少幅を記録、一部では報復措置との見方も広がっている。

Investor's Business Dailyは米国債売却が米国に大きな打撃を与えると認めつつも、中国の受ける損失の方がはるかに大きいと指摘した。売却に踏み切れば、米中間の貿易摩擦はまたたくまに大規模な経済戦争へと拡大する。米国がメキシコやベトナム、タイ、マレーシア、フィリピンなど中国に変わる輸入相手国があるのに対し、中国は米国に替わる輸出相手国は見つからない。その意味で中国が受ける打撃のほうが大きいと分析した。(翻訳・編集/KT)


米の公定歩合引き上げ 2月19日 S氏の相場観

出口戦略実行か!?正直言って今朝の米公定歩合引き上げのニュースには驚きました。景気回復の兆しが見えるとはいえ、それはあくまでも巨額の財政出動で支えられた偽りの回復でありますし、失業率は目立って改善している訳でもありませんし、インフレが起こっている訳でもないですし、富裕層に対するパフォーマンスにしてはリスクが大き過ぎるだろうとも思います。こんな状況でどうして公定歩合の引き上げが!?その真意は今のところ見えてきていないのですが、少なくとも公定歩合の引き上げが株価に好影響を与えるはずはありません。今がバブルの真っ最中という事であるならば、目先は下げても再上昇という事もありますが、米に限ってはバブルである訳はないのです。

 では、何故にここで引き上げを実行したのでしょうか?少なくとも景気回復を睨んだ引き上げではないと思うのですが、おそらくは来週の米国債への入札を睨んだ引き上げなのではないか?そんな気はしなくもありません。額が額だけにこのままでは入札が不調に終るという観測が出たのかもしれません。

 もし、この予測が当たっているとするならば、目先はともかく相当厳しい状態に陥るはずです。何せ国債の発行は来週で終わりという訳ではなく、今後も続いて行く予定なのですし、発行が増えれば増えるほどに利払いは増加して行くのです。何処かで市場の不満が爆発すれば国債の暴落につながりかねず、一気にピンチになってしまう事でしょう。

 東京市場の株価(9:30現在)を見ていると、米の公定歩合の引き上げがドル高を作り出しているので、この円安を好機と見た買いが入っているためか、株価はしっかりの動きとなっておりますが、そんなに楽観的な状況ではない様に思えてなりません。中国もまた金融引き締めに動いている訳ですし、この週末から週明けにかけては波乱の様相と見るべきではないでしょうか。

 ただ、これはあくまでも推測に過ぎず、実際には様子を伺って行くほかはないのですが、株で利益を出そうと思うならば、上か下かどちらかに方向を決めて行動するしかないのです。私が見ているのは・・・なので、ひたすらその方向を向いて行動して行くだけですが、これが正しいかどうかは分かりません。正しければ大きな利益を手にするでしょうし、間違っていれば大きな損失となることでしょう。しかし、株で利益を得ようというのであれば、当然そこにはリスクが存在している事になるのです。

 出口戦略などないと書き続けてきたので、ある意味言い訳の様にもなってしまいますが、私はこの公定歩合の引き上げは決して出口などではなく、深みに嵌った瞬間ではないかと思うのです。答えが見えるのはもう少し先かと思いますが、ここから景気も株価も回復して行くという可能性は非常に低くなったのではないでしょうか。 なお、最新の投資指針はランキングでご確認ください。本日もご訪問ありがとうございました。


(私のコメント)
オバマ政権の対中国政策が大きく変わって来た事は何度か書いてきましたが、中国はおとなしく黙っていられる国ではなく、12月には米国債を約5兆円も売り払ってきました。それに対して日本は米国債を約1兆円も買って残高を増やしています。アメリカはこれからも国債の売却が続きますが、中国が手持ちの米国債を大量売却を続けてきたら混乱は避けられないでしょう。

売却を促進するには金利を引き上げなければなりませんが、アメリカは今金利を引き上げられるような状況ではありません。最悪の場合債券相場の下落による金利の急騰があるかもしれません。ユーロがギリシャ危機で売られてドルが買われるという事もありますが、ドルが買われても米国債が買われるとは限らない。

このような状況で、どうしてオバマ大統領が台湾に武器を売却したり、ダライ・ラマと会談するのかは意図は不明ですが、半年前は中国こそ最も重要な二国間関係と演説していた。オバマ政権は発足当初からイギリスや日本などの同盟国に冷淡で、中国やロシアに対して融和的であった。ポーランドやチェコに配備するはずのMDをチャンセルした。

中国は経済成長するにつれて中華思想が甦ってきて政府も押さえが効かなくなってきたのだろうか? 日本も民主党政権が出来てアメリカとの距離をとりだしてきた。普天間問題が拗れれば日米間に決定的な亀裂が出来て、日中が連携し始めたら東アジアはどうなるのかアメリカは気が付いたのだろう。

アメリカは長い間、中国が経済成長すれば洗練された民主主義国家になると思い込んできた。しかしグーグル問題などを見れば中国は国家権力支配を強化して情報を統制するようになって来た。経済は資本主義化しても政治体制は共産主義独裁国家である事は矛盾しない。

アメリカの民主党も共産主義者のたまり場であり、中国の共産主義に対しては共和党ほどの反感はない。しかしリベラル勢力から見れば中国の人権弾圧には黙認できないだろう。中国もオリンピックや上海万博は国威をかけた行事でありアメリカの協力を必要とした。しかし上海万博も形ができてきて、中国はだんだん本性を現してくるようになってきた。

日本にしてみれば、米中の連携は脅威ですが、日本が少し中国よりになるだけでアメリカは疑心暗鬼になる。地理的に見れば日本と中国は近くアメリカとの距離は遠い。経済に関しては米中は共存関係にありますが、米国債を買い続けてくれることが前提だ。それが大量売却に転換してくれば米中の信頼関係は崩壊する。

もし中国が本気でドルや米国債を売却してくれば、アメリカにとっては危機であり、日本やイギリスしか頼る所がないと分かってきたのだろうか? 中国による米国債大量売却で残高を大きく増やしたのは日本とイギリスであり、カリブ海や香港もイギリス系資本だ。


「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 2月18日

米財務省は09年12月統計での外国の米国債保有リストを発表した。
なかでも中国が342億ドルを売り抜けて保有を劇的に減らしたことが明るみに出たため債券市場に少なからぬ衝撃を与えた。

「動機は政治的圧力に決まっている」とするアナリストは米国に多い。
「チベット、人権、台湾への武器輸出、そしてグーグル問題と米中間に立て続けにおきた難題解決のため北京はワシントンへ圧力をかける政治的武器にした」(アルジャジーラ、2月17日)

 米財務省が国別の米国債保有の詳細を発表したのは16日、英国フィナンシャルタイムズなどは、この「事件」を大きく報じた(17日付け)が、日本のマスコミは反応が鈍い。
英誌FTは「中国が昨年師走に342億ドルもの米国債を売却したのは、ドル下落傾向を見込み、同時に米国の予算の赤字が肥大化することをふまえての行為だろう」とした。

 ちなみに2009年12月末の米国債権保有は
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1)日本     7686億ドル
2)中国     7554
3)イギリス   3025
4)産油国    1868
5)カリブ海   1847
6)ブラジル   1606
7)香港     1529
8)ロシア    1185億ドル
 
 となって日本が首位に返り咲いた。

▲中国は政治的意図で市場を攪乱する実力を身につけた

 中国が340億ドル分の米国債を市場で売り抜いた同時期に日本は110億ドル分を増やしたため、世界一に返り咲いたのだが、おりしもワシントンで始まったチャイナ・バッシングの風に乗って、「やっぱり日本は鳩山反米政権と雖も同盟国なんだ」という妙な解釈もまかり通っている。

 市場の現場から言えば、日本が購入しているとは言っても、それは政府ではなく、民間の機関投資家であり、金融機関であり、つまりは金利が安くて魅力ある投資対象が日本国内にない限り、資産運用を金利の高い、リスクの少ない米国債権で運用するのはファンドマネージャーとしては当然の行為に過ぎない。

 中国はこの点で購入しているのは中国の国有金融機関と国有ファンドであり、政府の意図がまるまる働いている。
 換言するなら中国はある時、命令一下、突如大量に売りに走り、市場の暴落を企図しての政治的行為にでた場合、その保有額から言っても世界債券市場と金利相場をガタガタに攪乱する実力を身につけたのだ。

この事実を西側は知っておいたほうが良いだろう。


(私のコメント)
日銀が日本の景気を良くする事に前向きでないのは、日銀は円高低金利で国内からアメリカに資金が流れるように仕向けているのだろう。もし日本は金融緩和して国内景気がよくなれば、アメリカからの資金の引き揚げが起こりアメリカは資金ショートするだろう。それを防ぐには日銀は日本の景気を悪くしておかなければならない。この事は白川総裁は口が裂けても言えない。


米国債は、今でも、その94%を、海外が買っています。米国内では、増発される国債を消化できない。根底の理由は預金がないからです。2008年10月14日 株式日記





われわれが新聞に期待するのは世の中の出来事を解き明かしてくれる
ことであって、そういう疑問に答えるのが、ジャーナリストの役目である。


2010年2月18日 木曜日

政権交代でも思考停止の日本メディア 2009年09月28日 レジス・アルノー

トイレを修理してもらうために呼んだ業者にこんなことを言われたら、どうだろう。「うーん。ちょっと待ってください。セカンドオピニオンを聞かないと」。さらに悪いことに、医者にこう言われたら?「おかしな病気ですね。医者を呼んできます!」

8月30日の総選挙で民主党本部に詰めていたとき、私の頭に浮かんだのはこんなバカげた光景だった
。日本のジャーナリスト5人に、次々と同じ質問をされたのだ。「政権交代をどう思いますか」

 そういう疑問に答えるのが、ジャーナリストの役目ではないのか。そもそもそのために給料をもらっているのでは。その場に居合わせたイギリス人ジャーナリストが私に言った。「よくあんな質問に答えましたね。あんなものはジャーナリズムじゃない。日本の記者はただ騒いでいるだけ。今夜、この国が根本から変わったことを理解していない」

 総選挙を境に日本は根底から変わった──ただし、メディアをのぞいて。私は前回のコラムでも日本のジャーナリズムについて書いたが、この選挙報道を見た後では、もう一度取り上げないわけにいかない。社会に吹き荒れる歴史的変化の嵐にも、メディアだけはどこ吹く風なのだ。

■仲が悪い外国人記者と日本人記者

 岡田克也は外務大臣に就任した直後ついに、外国人やフリーランスのジャーナリストに記者会見の門戸を開いた。悲しいことに、日本人記者から排他的な記者クラブ制度の廃止を求める声が上がることはめったにない。日本人記者と外国人記者は、残念ながら仲が良くない。国内のジャーナリストが海外のジャーナリストを締め出す国など日本だけだ。だがオープンな民主党とは、外国人記者のほうが日本人記者より親しい場合もある。

 日本の主流メディア「ムダ話党」は健在だ。朝日新聞編集委員の山田厚史など独自の見解をもつ一握りのジャーナリストをのぞく主流メディアを、私はムダ話党と呼んでいる。頭を使わずただ社会の動きを記録する監視カメラのようなものだ。過去数十年間、自民党の歴代首相が君臨した官邸執務室に入る鳩山由紀夫総理の姿を撮影しながら、NHKの記者は何を思っていたのか。ひょっとしたら、政権党が民主党に変わったことも知らなかったのではないか。

 日本の報道機関はその規模と仕事熱心な姿勢で名高い。だが知性あふれる人材を多数そろえながら、ここまで非生産的なメディアも珍しい。やる気のなさは、まるで冬眠中のクマ。けれどもひとたび──めったにないことだが──獲物が現れるや、一撃で残酷に息の根を止める。
 
 酒井法子被告をたたきのめしたのもそうだ。テレビ局はヘリコプターまで動員し、謝罪会見に向かう酒井の車を追った。ヘリを飛ばすのに1分いくらかかると思っているのか。二酸化炭素をどれほど排出するか。それだけの価値がある情報なのか。人をリンチするのが報道なのか。

 ムダ話党の意見はその場かぎり。記憶力もない。10分しか記憶できない金魚みたいなものだ。昨日まで官僚から情報を仕入れていたというのに、一夜明ければ「国民の敵」としてよってたかってたたく。「天下り」は今や金正日(キム・ジョンイル)やオウム真理教より憎まれている。会食の席で「私は官僚です」などと自己紹介したら、新型インフルエンザの患者みたいにぞっとされるだろう。「事務次官」なら、間違いなく八つ裂きだ。

■客観性は無定見の口実にならない
 
 われわれが新聞に期待するのは世の中の出来事を解き明かしてくれることであって、理解の妨げになることではない。だが日本の報道機関がやっているのはまさに後者、インフルエンザ騒動がいい例だ。新政権にとって新型インフルエンザは最も憂慮すべき問題の1つだと朝日新聞は書いたが、それはちがう。多くの報道機関と同じで、朝日も危険性と感染力を混同している。新型インフルエンザはたしかに感染力がとても強い。だが致死率は通常のインフルエンザとそれほど変わらず、重病ではない。

 新聞の仕事は、今後の政治の見通しを読者に理解させること。そのためには、自らの立場を明らかにしなければならない。客観性を口実にどっちつかずの態度を取ることは許されない。八ッ場ダムの建設は中止するべきなのか。霞が関の「埋蔵金」はどこにあるのか。真に自立した外交政策は、どうしたら打ち立てられるのか。

 9月18日、イランのマフムード・アハマディネジャド大統領が、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)は作り話だと発言した。これに対し、ドイツの外相はアハマディネジャドはイランの恥だと抗議した。この件に関して、岡田外相に意見を求めた記者が1人でもいるだろうか。メディアにはこうした問題に光をあててもらわなければ困るのだ。

 総選挙の晩、私は「これで日本も普通の民主主義国家になりましたね」と、日本人記者に話しかけた。彼女は困った顔をした。「『普通』ってどういう意味ですか?」「二大政党が交互に政権を取る国家、政治家が国民に対して責任をもつ国家です。今まで日本の民主主義は異常だった」。私の言葉が飲み込めないらしく、記者はそそくさと逃げていった。



(私のコメント)
日本のテレビや新聞を読んでも、日頃の疑問に答えてくれる記事は少ない。日本の新聞やテレビは世論調査ばかりやっているような気がする。しかし世論の対象になる人々はどれだけの情報を持って、どのような判断しているのだろうか? 新聞やテレビは世論を調査する事よりも、正解の分からない疑問に答えるのがジャーナリストの役割だろう。

民主党に政権が交代した意味は何であるのか外人記者に聞いた日本人記者がいたそうですが、民主党に政権が交代した答えとしては百通りの答えがあるだろう。「株式日記」でも、日本でなぜ政権が交代した原因についていろいろ書いてきましたが、コメント欄を見ると私へのレッテル張りに終始したようなコメントが多い。

「株式日記」のスタンスは、自主独立愛国路線であり、親米でも親中でもない。同時に自民党支持でもなく民主党支持でもなく、個別的な政策について是非を述べているだけだ。当初は民主党の役割について期待した事もありましたが、鳩山首相や小沢幹事長のカネと政治の問題で、自民党政治と変わらない姿を見て批判をしてきました。

日本の新聞やテレビは世論調査をして鳩山内閣を支持するかどうかとか、小沢幹事長は辞任すべきかどうかとか聞いてばかりいる。新聞社やテレビ局は中立公正でなければならないのですが、いったん空気が流れだすと新聞やテレビは一方的になってしまう。小泉内閣の郵政民営化も一方的になってしまって、郵政選挙では自民党が大勝した。

しかし派遣切りやワーキングプアなどの新自由主義の弊害が出だすと、新聞やテレビは一斉に新自由主義を批判しだす。普段はどっちつかずの記事を書いておいて、流れが一方に傾くとセンセーショナルに煽り記事を書きたてる。ホリエモンなどもテレビに出まくって時代の寵児ともてはやし、いったん空気が変わると悪者にされる。

当然主観的な報道をすれば、反対論者から批判されるのは当然なのですが、自分が正しいと思えばその主観を通すべきなのだ。郵政の民営化も私は外資の陰謀だとして批判してきたのですが、小泉信者からは批判された。今も小沢信者から批判されますが、独裁的な手法は非常に危険だ。民主党がそれを容認する姿勢は不思議でならないのですが、権力を一つに集めているのは危険だ。

政治とカネの問題はどの議員にも多少はあるのでしょうが、幹事長が政策にまで決定権を持って党の体質まで変えてしまった。90年代の細川政権の時も一一ラインで何でも決めてしまって、連立政権がバラバラになってしまった。民主党と言いながら独裁党になってしまって小沢一郎の顔色を見ながら鳩山総理は政治をしている。

カネにまみれて独裁的な小沢一郎を支持する人がいますが、小泉信者と体質が似ているようだ。小泉首相にしても小沢幹事長にしても支持出来る部分はありますが、全体を見れば日本を破壊しかねない独裁者だった。強力なリーダーシップは諸刃の剣であり、独裁者の暴走を誰も止められなくなり日本を破壊してしまう。

小沢一郎は政権交代したことで役割が終わったのであり、民主党がすべきことは直ぐにやらないと官僚政治に取り込まれてしまって自民党となんら変わらないようになるだろう。民主党がすべきことはパンドラの箱を開けることであり、公務員制度改革や公務員給与法案の改定など、勢いのあるうちにやらないと実現が不可能になってしまう。

事業仕分けはほんの一部であり、特殊法人や埋蔵金などには未だに手が付けられていない。それに対して外国人参政権などのわけの分からない法案が出されるようですが、テレビや新聞はこれらの問題を取り上げたがらない。ましてや賛成か反対かを主張するような事は出来ないのだろう。

八つ場ダムの問題も、マスコミはどっちつかずの意見ですが、マスコミはなぜ主観的な記事を書くことが出来ないのだろうか? 中立公正と主観的な見方とは意味が違うのであり、どれが正解か分からない問題に関してははっきりとした主張を書くべきだ。しかし新聞やテレビは世論調査ばかりしている。どれが正解か分からない時は答えも分かれるはずですが、新聞やテレビは答えが見え始めてからはじめて主張する。

民主党は記者クラブの解放も主張していましたが、未だに一部に留まっている。記者クラブがあるとメンバー以外は排除されてしまうから、外人記者も記者会見から排除されてしまう。このことに関しても新聞やテレビは全く触れませんが、政権の交代が起きてもマスコミは変わらない。

ブログなども、日本人はあまり政治的なことは触れたがりませんが、政党支持もはっきりしなくて無党派層が多い。あいにく「株式日記」のような自主独立路線を主張する政党はなく、自民党のような親米政党と民主党のような親中親韓の政党しかない。だから「株式日記」は双方から攻撃される事も多く、レッテルの張り屋も右か左か困るようだ。

自民党は保守政党ではなく親米政党であり、日本の歴史と伝統を守ると言う立場の議員は少なく、利権で結びついた政党だ。憲法九条を守り日米安保を基本とする政策は自主独立路線とは真向から対立する。冷戦構造が崩壊した今はアメリカに外交も防衛も丸投げした状態は危険であり、アメリカが中国と手を組まれたら日本は封じ込められてしまう。

アメリカの代理人だった小泉純一郎と、中国軍の野戦司令官である小沢一郎は同じ穴のムジナだ。外国の手先となることが日本の政治家にとっては出世の早道であり、二世議員であったほうが都合がいい。二世議員は親や外国の言う事はよく聞く。金も親からもらったり企業からもらったり外国からもらっても税金は払わない。

しかし選挙区でカネをばら撒かなければ当選できなくしているのも金権政治家が生まれる原因なのですが、カネのある二世政治家を選んできたのも国民だ。だから最近は二世政治家の首相が続いていますが、鳩山首相も二世政治家で首相になってみると馬脚を現してしまった。




中国はドル基軸体制を牽制するために日本の「援助」を必要としている。
ここに、日本が米中に対して強い外交交渉力を持ち得る余地がある。


2010年2月17日 水曜日

米国債保有、日本が中国抜き首位=1年4カ月ぶり 2月17日 時事通信

【ワシントン時事】米財務省が16日発表した国際資本収支統計によると、昨年12月末時点の各国別の米国債保有高は、日本が7688億ドル(11月末は7573億ドル)となり、2008年8月以来、1年4カ月ぶりに首位となった。中国は7554億ドル(同7896億ドル)で2位。最大保有国の地位逆転は、貿易などで摩擦が強まっている米中関係にも影響を及ぼしそうだ。

 日本は2カ月連続で米国債保有高を増やした一方で、中国は保有高を削減してきており、首位が逆転した。中国による保有高削減は、外貨準備の運用先多様化の一環とみられる。ただ、対中ダンピング(不当廉売)調査など通商政策をめぐり米側の厳しい対応が目立ち始めた昨秋以降、米国債の保有高削減が一段と加速している。(2010/02/17-01:00)


日本が米中に対して強い外交交渉力を持ち得る余地はどこか 2月2日 上久保誠人

名護市長選で普天間基地の同市辺野古への移設に反対する稲嶺進氏が当選し、日米関係が更に動揺している。国際関係全体を見ると、「米中G2新時代の幕開け」と言われ、日本がG2の中で埋没するのではないかという懸念も広がっている。

 今回は、今後の日本外交の方向性を、米国・中国・日本の「外交交渉力」比較という観点から考えてみたい。

米国・日本・中国の
外交交渉力を考える

 日本では、日本と外国の意見対立を即、「信頼関係喪失」とみなす論調が多い。しかし、この連載では日中・日米関係は揉めているくらいがいいと論じてきた(第5回第39回)。これは「国家の外交交渉力」を「軍事力」と「経済力(金の貸し借り+援助の有無)」に基づいて考える私なりの方法論に基づいている。

 「軍事力」については、シンプルに軍事力が強い国が強い交渉力を持つ。しかし「経済力」については一般的な印象とは逆で、「借金している国」が強い。

 これは、借手が借金を返済できない時、貸手は手も足も出せず、借手が潰れないように更に貸し出すしか、借金を返済してもらう方法がなくなるからだ。つまり、貿易赤字国は黒字国より、債務国は債権国より交渉力が強い。

 また「援助」は、それを相手国に与えてしまったその瞬間に、交渉カードとしての力を失う(第2回)。日本はこの「経済力」と「交渉力」の関係を逆に考えた政策を打ち出しているために、経済大国の割に、国際社会でのプレゼンスが小さい。

 そこで、「軍事力」「経済力」に基づいて、「日米」「米中」「日米」の3つの二国間関係を考える。

 まず「日米関係」。「軍事力」については、米軍の圧倒的な軍事的優位のみならず、日本領内に米軍が駐留し、日本の安全保障を米軍に依存している「日米同盟」下では、日本が交渉力を持てる余地はない。

 「経済力」については、日本が米国に対して多額の「貿易黒字」を計上している。また、日本は世界第2位の外貨準備高を誇り、その大部分は米国債購入によるドル資産である。米国の財政赤字が拡大し、国家破産になればドル資産は紙切れになるため、日本は米国債購入を継続しなければならないという構図にある。「経済力」についても日本の対米交渉力は弱い。

 次に「米中関係」を考える。「軍事力」については、近年中国の軍備拡張がめざましい。また核保有国であり、米国に対して抑止力を有している。しかし、中国の軍事費は世界第2位に達したが、それでも約7兆円で米国の軍事費約50兆とは大きな差がある。

 「経済力」では、中国は日本以上に米国に対して「貿易黒字」を計上し、世界一の外貨準備2兆ドルの約7割が米国債購入のドル資産である。国際舞台で傲慢ともいえる強い姿勢を示している中国だが、それはポーズに過ぎない。実態は米国に対して強い交渉力を持てていない。

 最後に「日中関係」である。まず「軍事力」だが、日本の軍事力を「日米同盟(自衛隊+在日米軍)」とすると、「世界の警察」米国を用心棒とする日本に中国は指一本触れられない。一方、日本は現状集団的自衛権を行使できず、「軍事力」は互角である。

 「経済力」については、日本製品が香港経由で中国に流れる分を加えると、日本の「貿易黒字」となる。また、日本経済は高い経済成長力を持つ中国への輸出に依存していると言われ、日本の交渉力は弱そうだ。

 ただ中国は巨大な国家だが、いまだ発展途上国であり、「援助」という観点から考えると違った見方が可能になる。日本から中国への輸入品は、ほとんど日本しか製造できないような高品質の部品が多い。また、環境分野、金融、情報通信技術、知的財産保護、そして資源開発などで日本が資金、技術、人材を提供し中国を導くという構図もある。

 中国にとって、日本は不可欠な存在であり、日中はどちらが強いというよりも「戦略的互恵関係」である。

米国・日本・中国の
合理的行動を考える

 それでは、国際社会における米国・中国・日本の合理的行動を考える。現状、圧倒的な外交交渉力を持つ米国は、現状維持を目指すのが当然だ。しかし、「軍事力」はともかく「経済力」については難しい局面にある。

米国の財政赤字は、ドルが基軸通貨であれば借金しただけドルを発行すればよく、現状ドル暴落・国家破産の心配はない。しかし、近年ロシア、イランなどの原油取引のドル利用の中止や中東の共通通貨創設の動きなど、ドル基軸体制を揺るがす動きが起きている。

 中国も昨年、IMFの特別引出権(SDR)がドルに取って代わる可能性に言及し、ドル資産を金に転換している。また、人民元を一部、周辺諸国との貿易決済に使用し始めている。ドルが暴落すると米国債が紙切れになるため、中国の動きは慎重であるが、徐々にドル基軸体制を牽制しているのは間違いない。

中国との互恵関係を基に
米国とどう対峙するか

 日本はまず、中国との経済的な互恵関係を強化すべきだ。特に重要なのは通貨協力の推進である。中国同様、日本にとってもドル基軸体制を一挙に崩壊させることは望ましくない。しかし、「対米従属」と称される日本の外交交渉力を少しでも改善したいならば、米国債への依存度を下げていくのは有効な手段だ。

 国際金融界では、中国の政治力が目立っているが、実際にそのノウハウを蓄積しており、国内制度の整備も進んでいるのは日本である。中国はドル基軸体制を牽制するために日本の「援助」を必要としている。ここに、日本が米中に対して強い外交交渉力を持ち得る余地がある。

 以前論じたことだが、日本と中国は東シナ海のガス田など細かな問題を除けば、経済的な利害対立は少ない(第5回)。経済的な戦略的互恵関係を築くことは、なんら日本の損失にならず、むしろ中国との互恵関係を基に、米国とどう対峙するかを考えるべきである。

 もちろん、日本にとって日米同盟が重要であることは疑いようがない。しかし、現在の「対米依存」で交渉力ゼロの状態は問題である。「軍事力」については、日米同盟堅持が前提ながら、ある種の「覚悟」を持つべきだろう。普天間基地移設問題を鳩山政権がどこに着地させるかは、その重要な第一歩ではないだろうか。



(本日の私のコメント)
日米中の三角関係は、二等辺三角形なのですが、軍事と経済とではそれぞれ異なった三角形となる。軍事では日米が近く中国が遠い三角形ですが、経済では正三角形に近いですが、日本にとっても米国にとっても中国が一番の貿易相手国になります。日本にとっては米国は長い間一番の市場だったのですが、金融危機で米国の購買力が落ちてしまった。

アメリカは中国や日本から物をジャンジャン買ってドル紙幣を輸出している。ドルが基軸通貨だからそうできるのですが、ドル紙幣のままでは利息も付かないから米国債を買って金利を稼ぐ。しかし最近の米国債は超低金利で買っても利息は低い。だから売れなくなれば米国債は金利を引き上げなければ売れなくなります。

時事通信の記事にもあるように、中国は米国債を売って残高を減らして、日本は一ヶ月の間に100億ドル以上残高を増やして米国債保有高でトップになりました。この事は2月7日の株式日記で書いたとおりの事が行なわれたのだろう。


(私のコメント)
5日からイカルウィットでG7が開かれましたが、非公開でステートメントも発表されない。何が話し合われたかはこれも分析しないと分かりませんが、中国の人民元の問題とギリシャの経済危機が話し合われたのだろう。「株式日記」でもギリシャの経済危機は書かねばならない問題ですが、ユーロの問題にまで発展しかねませんが、時間がないので書けない。

中国の人民元の問題は昨日も書きましたが、オバマ大統領は中国との関係を最優先にしてきて、同盟国との関係をおろそかにしてきた。そこを中国につけこまれてアメリカは追い込められてしまった。日本も親中的な外交に変えようとして来て、沖縄の米軍普天間基地も中に浮くような結果を招いている。

日本がアメリカと距離を置き、中国に接近すればアメリカはどうなるのか、オバマ大統領もようやく認識を変えてきたのだろう。中国と日本はアメリカに対する債券の大口保有者ですが、日中が共同してアメリカに対して米国債やドル債券に対して交渉してきたらアメリカはかなり不利な立場に立たされる。

中国がアメリカとの関係が緊張化して米国債やドル債券を売ってきたら、世界の金融が大混乱する。だからアメリカは同盟国の関係を強化して、中国が売ってきたらG7各国が共同して受け皿になる事をG7で話し合ったのかもしれない。その為には日本との関係も改善して日本が郵貯のカネで数十兆円くらい引き受ければ最悪の事態は避けられる。(2月7日株式日記再掲)


(本日の私のコメント)
中国は一時期8000億ドル以上の米国債を保有していたのですが、最近は毎月のように100億ドル以上売ってきている。それを日本が引き受けている勘定になります。ヨーロッパ諸国は金融が火の車だから米国債は引き受けられない。おそらく郵貯簡保の資金で買っているのかもしれない。だから小沢一郎は米国債を買っているからアメリカから検察に圧力を掛けて不起訴にさせたのだろう。

日本はアメリカに対して米国債を買うことで貸しを作り、沖縄に米軍基地を貸して上げる事でも貸しを作り、思いやり予算でも貸しを作っているのですが、アメリカは90年代からジャパンバッシングを続けている。最近もトヨタを叩いていますが、これで日本が怒り出して中国と連携したらどうなるのか考えているのだろうか?

普天間基地問題で移転先が宙に浮いていますが、日本としては在日米軍基地は全部本土に引き揚げさせるという覚悟を決めるべきだろう。冷戦の崩壊でロシアや中国は共産主義や軍事的な脅威ではなくなっている。日米安保もアメリカ自身が中国との関係を日本より優先するような事態では空洞化してしまっている。出来れば駐留なき安保で間に合うはずだ。

日本に在日米軍基地がある限り日本は米国債を買い続けざるを得ないのだろう。ドル札にしても米国債にしてもただの紙切れなのですから、一度買ったら二度と売ることが出来ない債権だ。しかし中国は米国債をどんどん売ってきている。中国が一気にドルや債券を売り始めたらドル相場や債券相場が暴落する。アメリカにとって今頼りになるのは日本だけなのですが日本の政治家自身が自覚していない。

日本がその気になれば米中に対して様々なカードが切れるのですが、普天間カードもその一つだ。アメリカとしては日本を怒らせて中国と手を組まれたら大変だから強く出れない。しかし日本には米中を手玉に取れるような政治家がいない。小沢一郎も中国と手を組んでアメリカと交渉しようとしたのでしょうが、東京地検が動いて取引されてしまった。

日本は90年代からアメリカに叩かれ続けて耐え忍んできた。アメリカはもはや物を買う金もなく外国から借金をして経済を立て直すしかない。その為には米国債を売らなければならないのですが、日本が買わないといったらどこが買うのだろうか? 中国は毎月100億ドルも米国債を売ってきている。

アメリカとして出来る事は、台湾に武器を売って軍事的緊張を高める事しか手はなくなってきている。しかしこれはポーズに過ぎず、中国の軍事的脅威を日本にアピールして日中が連携する事を防ぐ手段でしかない。ここで参考になるのはドイツとロシアの関係であり、ドイツはロシアとの関係を改善することでアメリカに対してものが言えるようになった。日本もそれを見習うべきなのですが、出来る政治家がいない。

日本はこのような強力なカードを持っているのですがそれを生かすことが出来ない。中国は日本の資本と技術を必要としている。アメリカも日本からの資本を必要としている。在日米軍基地が無ければアメリカの世界戦略が成り立たないのだから、普天間で揺さぶればジャパンバッシングはもっと早く止めさせることができたはずだ。トヨタたたきが再発していますが、もはや90年代とは状況が違ってきて日本にとっては中国が一番の貿易相手国になっている。だから日本は普天間で逆らい始めたのだ。




「アローヘッド」と呼ばれる新システムで、あまりの高速化するために、
人間の判断や反射神経でデイトレードを行うことはできなくなってしまった。


2010年2月16日 火曜日

東証アローヘッド導入1カ月!三村雄太氏はこう戦う 2月4日 IBTimes

■デイトレーダーは撤退したのか

 世界最高水準の取引システム。東京証券取引所が、そう自画自賛した「アローヘッド」と呼ばれる新システム。これまでに度々システム障害を起こしている東証にとっては、ニューヨークやロンドンに近づくためには導入は避けて通ることができなかった道だ。

 また、一方で、あまりの高速化するために、人間の判断や反射神経でデイトレードを行うことはできなくなってしまう。デイトレーダーがいなくなる、とも言われたが実際のところはどうなのだろうか。「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」が三村雄太氏に聞いてみた。

 「僕は、流動性が高い方が価値はあると思いますので、(約定力が増すために流動性は高くなる)アローヘッドは歓迎しています。ただ、今の自分の取引はデイトレードでスキャルピングなどはやっていなくて、スイング中心なのですけどね

 確かに、今年に入ってから東証で最も話題になるのは、アローヘッドではなく、すでに上場廃止が決定した日本航空のことばかりだ。連日大商いが続き出来高が1日で10億株を超えたこともあるが、システム障害は今のところ何も起きていない。

 では、トレーダーサイドから見て、何がどう変わったのか、三村氏が解説する。

■「やりやすくなった」

 三村氏が実際にトレードした感想として、アローヘッドの特徴を3つ挙げた。
1「約定が早くてやりやすくなった」
2「成行き売買が難しくなった」
3「引け前、寄り付き前の注文もしやすくなった」


 「マイナスでもないですし、便利にはなりましたね。今までを100点とするなら、101点くらいでしょうか。約定が早くなったので、そういう意味でやりやすくはなりました。また、それとは逆にとんでもない値で約定してしまうこともあるので成行き注文は出せなくなりましたね。あとは板の枚数が多く見えるようになったので、引け前、寄り付き前の注文も出しやすくなりました」

 以上のようなものだった。また、他にも早稲田大学の投資サークルが行っていた「見せ玉」(他の投資家の注文を誘うようなダミーの板を出しておき、自分が有利な値で決済できたらすぐに、ダミーをキャンセルする方法で違法とされている)ができなくなるという特徴もある。

 これに関しては「見せ玉は当然できなくなるでしょう。でも、分かる人が板を見たら、どれが見せ玉か何となくですが分かります。だから、分かる人は引っかからずにうまく取引しているものです」と話した。

 つまり、見せ玉にやられていたのは負け組の個人投資家ということだ。それを考えればアローヘッドの導入は歓迎だろう。しかし、最も恐れられているのは、アルゴリズムを使ったヘッジファンドの存在だ。その点はどう考えているのか。

■やはりデイトレーダーは厳しい

 「(ヘッジファンドなどの機関投資家による)アルゴリズムのトレードが出てくると、デイトレーダーではきついでしょうね。僕は今、トレードの材料にはしないので板は見ていませんね。見ても参考にする程度です」

 三村氏は現在、板を見てのデイトレードはしていないという。発言の中に出てきたアルゴリズムトレードとは特定のロジックによって組まれたプログラムによってトレードするシステム。今では、米NY証券取引所のトレードの約50%を占めるとも言われるまでになっている。また、米証券取引委員会が問題視しているハイフリークエンシートレーディング(HFT)と呼ばれる超高速取引も存在し、個人投資家が太刀打ちすることは困難だとも言われている。

 「もしもですけど、4、5年前にアローヘッドが導入されていたら、僕もやっていたかもしれません。ジェイコム(株誤発注)が今では懐かしく思えてきますね」

 ジェイコム事件とは、2005年12月にみずほ証券がジェイコム株の値段と株数を逆に入力し注文したために起きた。これがアローヘッドならば特別気配という形になり約定はしなかった可能性はある。だが、当時であれば、この異常な動きに気が付いたトレーダーは逆にチャンスに変えてしまう。そうした投資家同士の戦いや駆け引きは完全に消えてしまうことになる。

 このように、相場も生き物で時代とともに確実に変化している。しかし、三村氏も進化を繰り返し、資産はもうすぐ10億円に届きそうなところまで来た。やはり、個人投資家も機関投資家に交じって勝ち抜くためには、日々進化していかなくてはならないことは言うまでもない。(終わり)



人知の及ばない価格形成を助長する東証の新システム「アローヘッド」 2月2日 HiT株式教室

東証は速度が遅くキャパが小さい為に評判が悪かったシステムを更新し、アローヘッドと名付けた超高速の取引システムを導入しましたが、執行が速い一方で、価格形成を歪める問題点が浮上しています。東証社長はアローヘッド導入で海外からの要望が強いアルゴリズム取引を取り込む事が可能となり、出来高の倍増すら期待出来ると発言しました。しかし、ここに大きな落とし穴がありました。東証は2年連続で赤字となる見込みで上場構想が遠のくばかりとなっており、出来高を伸ばして黒字体質を築くことに熱心な余り、「株価は参加者が企業の適正な評価を考えて形成されるもの」という基本を逸脱してしまったようです。

問題となる取引は注文が一方向に殺到する場面で1秒以内の瞬間に株価が急落したり急騰することです。東証が130億円の開発費をかけただけあって、アローヘッドの処理速度は1秒の500分の1という速さです。注文が殺到する場面では1銘柄の取引が1秒の間に数10回も成立することがあります。注文量が多いほど取引所と証券会社が儲かる仕組みですから、優先順位は執行の速さに置かれたのでしょう。

品薄銘柄が乱高下するならともかく、日経平均採用銘柄のような主力株がこれまでの値動きでは想像できないような乱高下が繰り返されています。例えば、2月1日の富士フィルムの例では、まず28円高の2921円で寄り付き、その後下げに転じ、10時50分に急落し、瞬間的に寄り付きから200円以上も安い2712円まで下げました。大引けは23円安の2870円と平凡な動きでしたので、参加者の正常な評価で付けた安値ではなく、秒単位で売り注文が集中し、一時的に買い注文が薄い価格帯に突っ込むことで急落した機械的な安値と見ることが出来ます。参加者が安い場面に気付いたとしても安値は1秒以内か数秒で終わり、実際に買える価格ではありません。事前にプログラムされたアルゴリズム取引や逆指値を叩いたことによる自動発注が突然の安値を付けたに過ぎません。

これは現在公開中の映画に例えれば、興行収入世界一となった「アバター」やブルース・ウィルス主演の「サロゲート」の世界のようなものです。人はどこかに隠れて指示を出すだけで、実際の行動は人工生物か身代わりロボットが行います。アローヘッドの東証では参加者が気付く前にシステムが自動的に売りを出して株価を急落させ、売られ過ぎと感じて投資家が買いを入れようにも、コード番号を入力する間に、株価は売られ過ぎを感知したコンピューターシステムの買いによって戻りに入っています。突出した安値は「たまたま指値を入れていた」参加者以外は機械同士が自動的に(不自然とも感じず)売買を終えているわけです。

しかし、そもそも「取引所」とは開かれた市場であるべきでしょうし、多くの参加者が参加することで適正な株価形成を目指す場所ではなかったでしょうか?執行速度が速いアローヘッドでは注文が一方向に偏る場面で、個人投資家や機関投資家など本来、市場で価値判断をすべき参加者を置き去りにしています。もし、現状のシステムを放置すれば数10年に1度の確率しかないはずのブラックマンデーが数年に1度起きるかもしれません。出来高が増加して収益が上がることは東証だけでなく証券会社も期待していますから、残念ながら、大きな暴落でもない限り改善しない問題となりそうです。


(私のコメント)
一時期デイトレが流行った時期がありましたが、このような反射神経や感を用いた株式売買は儲かるはずもなく死滅してしまった。所詮インターネットを使ったトレーディングではスピードでかなうはずもなく、板を見ながらの売買は逆にカモにされるばかりだった。しかし今年の1月から採用された東証のアローヘッドは売買処理スピードが非常に速くて、売買を打ち込む間に値が動いてしまう。

個人投資家には何のメリットもありませんが、機関投資家が大量の売買をこなすには便利なシステムになった。アローヘッドが採用される前は大量注文が入るとそれだけで値が飛びましたが、アルゴリズムを用いた売買方法で値を飛ばさずに大量の売買注文がこなせるようになったということです。

値段の値付けも細かく刻む事ができるようになって、分散や時間的なずらしも用いて売買がしやすくなったと言う事です。しかしこのような売買はヘッジファンドや証券会社しか出来ないから個人投資家は関係がない。kのようなアルゴリズムを用いた取引は外資系証券会社の独壇場であり、野村證券でも人材をスカウトして導入を始めたそうですが、ノウハウの蓄積はまだ薄い。

私などが株の売買をしていた頃は、現物の長期投資であり、時々つなぎ売りをする程度の戦法でしたが、デイトレもアルゴリズム取引も関係ないやり方だ。しかし手口が巧妙になってセミプロほどカモにされやすくなって、東証ではインサイダー情報が入るようなインサイダーしか儲からないと観念して株の世界身から身を引いた。

株式投資も情報がものを言うのですが、深みに嵌ればはまるほど情報に踊らされてカモにされてしまう。だから私のような個人投資家は短期売買ではなく、5年から10年くらいの長期的なスタンスで投資が出来るような株式売買でしか儲けられる可能性はないだろう。ヘッジファンドや外資系証券会社のコンピューターに個人が竹槍で抵抗してもかなわない。

アフガニスタンでは無人のロボット兵器が活躍していますが、株式市場でもロボット兵器で株式売買が行なわれている。ロボットを使えば1秒間に数百回もの売買が出来るから、今まで考えられなかったような売買方法で株の売買が出来る。だからアメリカのヘッジファンドも東京市場に参入してくると言う事ですが、個人投資家には関係の無い話だ。

だから昔は成り行きで売りや買いをいれることもありましたが、今ではうっかり成り行き注文を出せば、ロボットによってとんでもない値段で売買がされてしまうから出来ない。私はまさにロボット兵器に立ち向かうタリバンのような存在であり、見えないようなはるか上空からいきなり精密誘導ミサイルが降って来るようなものだ。

このような時代になれば、私のような個人投資家はしばらくは穴倉に閉じこもって米軍をやり過ごすしかない。ゴールドマンサックスなどはアメリカの国策会社のようなものだから、インサイダー情報でやりたい放題の事が出来る。このような状況でデイトレや短期売買で儲かるはずが無いのであり、長期的な視点で投資をしないとロボット兵器には立ち向かえない。

アローヘッドの東証での採用は、指数取引などがやりやすくなることだろう。つまり日経225を売買するような取引であり、個別の銘柄だとどうしてもリスクがあるから日経225を売買すればJALのような倒産リスクを避ける事ができる。アローヘッドで225社の株式を一気に売買できるから指数取引で継続的な売買が出来るようになる。

このような売買取引なら一気に数百億の資金を投入しても値が飛ぶ事もないし売買が不成立になる事もなくなる。アローヘッドの採用される前は売買スピードがのろいからアルゴリズムを用いた複雑な売買方法も出来ず、東京市場はヘッジファンドからも素通りされてきたとも言える。

ヘッジファンドは、その名前の通りに分散投資が基本であり、世界中にリスクを分散している。その為にはロボット兵器で売買をしなければなりませんが、東京市場では分散したりずらしたりする売買が出来にくかった。個人投資家がいなくなりヘッジファンドと言うプロの世界になったということなのだろう。この意味で言えば東証のアローヘッドの採用はあまりにも遅すぎた事なのかもしれない。



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