株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


中国撤退が決まったある日系企業では、察知した従業員数百人が工場
敷地を取り囲み、社長を含む日本人スタッフを一晩以上、軟禁した。


2009年11月15日 日曜日

吉野家が中国1千店の野望 13億人の“胃袋”争奪戦 10月24日 産経新聞

13億人の巨大な“胃袋”を狙い、牛丼チェーンの吉野家が中国出店を加速している。日本人の胃袋は少子高齢化で縮むばかり。国内にとどまったままでは、じり貧だ。中国ではマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなど米国発祥のファストフードが先行するが、食文化の近い日本生まれの牛丼なら勝算は十分とみて、1千店態勢計画を推し進める。日本の国民食となった“ヨシギュー”が次に狙うのは中国人民食だ。

ニュー・ロゥ・ファン

 老若男女でにぎわうお昼時の吉野家の北京駅街店。目当てはもちろん「ニュー・ロゥ・ファン」(牛肉飯)だ。客はレジカウンターで料金を払い、プレートにのった牛丼を受け取って次々に席につき、勢いよくかき込んでいく。味付けは、日本のヨシギューとまったく同じだ。

 「中国には、日本の外食成長期の1970年代前半の勢いがある。中国事業の拡大に最大のエネルギーをつぎ込む」

 吉野家ホールディングスの安部修仁社長は、力を込める。

 中国の一店舗当たりの来店客数は、日本の平均的な店舗の1・6〜1・7倍に上り、繁盛店では2〜3倍の集客力を誇る。

牛丼並み盛の価格は13〜15元(約173〜199円)。5〜6元で食事ができる現地の飲食店に比べ割高だが、「経済成長による所得増で割高感が薄れ、来店客数の増加につながっている」(同社)という。中国でもヨシギューは“安い”に変わりつつある。

内陸部も開拓

 同社は、平成3年に香港に1号店をオープンし、9月末までに沿岸部を中心に218店を出店。21年2月期の販売額は約170億円に達した。さらに「2010年代半ばまでに1千店」の計画を掲げ、店舗網の拡大を急ぐ。

 目標達成に向け、2月には、中国や東南アジアなどの戦略立案を専門に行う「吉野家インターナショナル」を設立。社長には専務だったナンバー2の田中柳介氏を据えた。 

 7月には、伊藤忠商事が20%出資する中国食品大手「頂新グループ」と、中国で合弁会社を設立することで合意し、年内の立ち上げを目指している。内陸部に強い同グループと手を組み、一気に出店エリアを広げる戦略だ。

 吉野家の試算によると、中国の外食市場は年平均18%の成長を続け、現在約20兆円にまで拡大。とりわけ、ファストフードは平成20年に約6兆2000億円となり、17年に比べ6割も伸びたという。

中国市場には、すでにケンタッキーが2500店以上を出店し、マクドナルドも1千店以上を展開。米国のファストフードが、中国人の食生活にも深く浸透しつつある。吉野家は後発だが、“ハシとコメ”という共通の食文化を武器に市場を切り開く構えだ。

ライバル松屋も参戦

 吉野家が中国事業拡大を急ぐ最大の理由が、国内市場の縮小だ。

 「さまざまな販売施策を講じても、売り上げを押し上げる効果はない」

 8日の21年8月中間決算発表で、安部社長はため息を漏らした。

 連結最終損益は3億円の赤字。子会社のステーキのどんが食中毒問題で約8億円の営業赤字に陥ったことが響いたが、吉野家の既存店売上高も前年同期比4%落ち込んだ。低価格路線でデフレに強かった吉野家だが、未曾有の外食不況にあえいでいる。

 先行きへの不安はさらに大きい。外食産業総合調査研究センターによると、20年の国内外食市場は前年比0・5%減の24兆4315億円と、ピークの9年から16%も縮小した。人口減少による先細りは避けられず、市場規模の日中逆転は時間の問題だ。

 吉野家だけでなく、ライバル各社も、こぞって中国を目指している。

 牛めしの松屋フーズは9月末に上海に1号店をオープン。今後3年かけて上海で10店の展開を目指す。

 上海を中心に41店を展開するイタリアンレストランのサイゼリヤは、来年8月までに新たに40〜50店を新規出店する計画だ。今年7月に中国・北京に初出店したファミリーレストランのセブン&アイ・フードシステムズも、今後3年以内に30店を出店する方針を固めている。

 食習慣の違いなどが障壁となり海外展開が難しく、国内にとどまってきた外食チェーンも日本を飛び出さざるを得なくなってきた。まずは中国人民の胃袋を満足させることができるかかが、生き残りのカギを握っている。(今井裕治)


中国進出でのリスク 5月11日 谷口永治

 中国でも不況の波は目立っているようだ。
 「中国公安部の発表によると、旧正月明けの広東省全体の求職者は約260万人で、うち40万人は仕事にありつけず、約1週間で所持金を使い果たしてしまうと予測」しているという。
 貧困に、そして、犯罪に結びつく状況にある。

 「信用経済が占める割合が小さい中国では、金融危機の影響は比較的小さい」という。だからといって、金融危機による影響がないかといえば、そうではない。
 「東莞をはじめとする華南地区は例外」で、「多くの工場は、加工貿易制度のもと、製品を国内市場に供給できない。輸出先(多くはアメリカ)と共倒れする道しかない」という。
 つまり、貿易と関わるところが影響が大きく出ているということだ。

 「東莞の日系企業では、今年1月が一番厳しく、受注は昨年同期比で3〜7割減。某大手日系企業はこの半年で従業員を3300人から1300人に、日本駐在員を10人から5人に減らした」という。
 さらに、「ほとんどの日系企業が従業員数を昨年比で2〜5割減らして」おり、「東莞でリストラの話が出るのは、改革解放以来、初めて」のことだそうだ。

 「中国政府は難民化した失業者を都市部からなんとか追い出そうと、帰農政策を進めていますが、失業者の中には、東莞にいるうちに犯罪をしてでも金を手に入れ、郷里に”高飛び”してしまおうとする者もいる」という。
 この傾向は今後増えていく可能性があるだろう。

 その懸念が強い背景には、

「撤退が決まったある日系企業では、察知した従業員数百人が工場敷地を取り囲み、社長を含む日本人スタッフを一晩以上、軟禁するという事件も起きている」。

 それに加え、「東莞は中国一の売春都市としても悪名高い。多くの駐在員を慰めるための必要悪ということで、事実上、当局は売買春を黙認」しているという。
 物価が安いということ、コストが安いということなど、駐在する地にはこういった地域があるものかもしれない。

 「この街の売春婦は、もともと工員としてやってきた子たちばかり」だという。「リストラや倒産で職を失ったあげく、風俗の世界に入るというのは、この街では昔からの流れ」だという。
 しかも、「工場の1ヶ月の給与が3日で稼げてしまう」というのだ。

 その「東莞の売春婦は、もともと香港や台湾からの駐在員を相手にしていた。でも、彼らも金融危機で激減」。そうして、「需要が減る一方、失業して風俗に落ちてくる女性は多く、供給は過多」な状況に。その「結果、価格崩壊してしまい、彼女たちも稼げなくなったという」。
 「手配師の取り分も当然、減るため、最近では希少価値の高い15歳ほどの少女にサービスをさせる店もある」という。
 サイクルとして循環していた(?)ものが不況で、循環しなくなり、さらには、混乱に陥っている。そうして、その混乱が犯罪に向かい、その影響は大きくなっていく。

 「彼女たちを自宅に連れ帰る駐在員はもっと危険」。「どこそこに日本人が住んでいて、部屋のどこに金目の物があるかという情報を窃盗団に売り渡す」ということも行われているという。

 「香港人や台湾人は、中国語を話せるので、問題が起きたとき、騒がれる可能性がある。しかし、日本人の場合、言葉が通じないため多少の被害なら泣き寝入りすることを彼女たちは知っている。さらに香港人や台湾人の場合、売春婦と長期契約を結ぶケースが多いので、彼女たちも短絡的なことはしない。でも日本人は、長期の愛人契約をあまり結ばないので、1日きりのセックスで終わることがほとんど」。
 こういったことから、日本人をターゲットになりやすい環境にもあり、さらには、日本人の性格も熟知しているのだろう。

 さらに、ターゲットになりやすい環境がこれだ。
 「外資系企業の多くがコスト削減のため、駐在者を撤退させている」。この場合の駐在者は「現地人並みに強盗対策をきちんとやっているので、被害に遭うことも少ない」。
 問題はここからである。コスト削減が悪い方向にいく場合だ。「日系企業の中には経費節約のため、駐在員を置かず、出張ベースで日本スタッフを派遣するという形にかえている」場合だ。「着たばかりで勝手を知らない新参者」が危険な目に遭うことが多いという。
 これは、結果的にコストが大きいのでは。



(私のコメント)
中国へ中国へと草木もなびく最近ですが、その原因としては国内市場の縮小傾向が大きな原因となっているようだ。人口構成も少子高齢化が進んで若い人向けの市場がますます小さくなっていく。外食産業のような国内産業も伸び悩みを打開する為に中国を目指す傾向が大きくなってきました。

中国で組み立ててアメリカに輸出をするという三角貿易はアメリカ市場が縮小してしまった以上は、このようなビジネスモデルは成り立たなくなってしまった。自動車や家電といった欧米に輸出してきた企業も新興国市場向けの商品を開発して売り込まなければならなくなった。国内のサービス産業も国民の所得の低下で拡大は望めなくなっている。

産経新聞の記事によれば、牛丼の吉野家が2010年には1000店を目指して進出が続いているそうです。何しろ人口が日本の10倍だから需要があれば進出せざるを得ないのだろう。世界的にも日本食ブームであり、成長ホルモン入りの牛肉を使ったハンバーガーチェーンなどは肥満症を全世界に蔓延させていますが、日本食はヘルシーさで需要が伸びている。

回転寿司チェーンなどは外国資本のものもあり、日本食はフランス料理や中華料理と並んで世界の食文化を形成している。特に生魚などは外人は食べませんでしたが、回転寿司などが生魚を食べる習慣が付いてきたようだ。吉野家の牛丼もアメリカなどにライスボールとして進出していましたが、箸とご飯で馴染みにくい。その点では中国は箸とご飯は馴染みやすい。

重厚長大型の産業が中国に進出する為には数千億円の投資が必要ですが、コンビニや飲食店チェーンなどは小資本で進出できるし、店舗展開も1店舗から始めて数千店舗まで柔軟に展開できるし、ダメとなれば撤退も容易だ。比較的短期間に投資も回収が出来るから中国のような所に進出してもメリットは多い。技術力よりもノウハウの蓄積が勝負だから中国人に会社を乗っ取られてもノウハウが無ければ真似は出来ない。

自動車産業や情報家電産業などは工場を造るにも莫大な投資が必要だし、地元資本は合弁による土地や労働力だけで先進の技術資本が手に入るのだから濡れ手に粟だ。液晶技術や汎用メモリーなどの製造技術は中国や韓国に取られて日本の家電産業は活気がなくなってしまった。これらは中国に進出する代償として取られてしまう。

既に日本企業は二万社以上も中国に進出してしまっているのだから、今更どうにもなりませんが、中国に駐在する駐在員は日本とは倫理道徳も全く異なる荒野で仕事をする覚悟がいる。上海で仕事をするにしても空気が悪いから肺疾患に罹らないように注意が必要だ。1週間ぐらいいただけで喉をやられる。水だってボウフラ入りの水を飲んでも平気なくらいな神経でないと務まらない。

最悪なのは労使関係であり、反日教育を受けてきたから中国人を使う立場の日本人駐在員はいつ吊るし上げ食っても逃げられるようにしておくべきだろう。欧米企業はコスト削減で駐在員を減らしているようですが、政治問題が拗れただけで周辺住民も混ざった抗議デモが起きる。中仏関係が拗れた時もカルフールの店にデモ隊が押しかけた。

中国では法律なども金次第の国だから、地元の有力者とコネがないと何も出来ない。何事もワイロで金がかかるから、労働賃金がいくら安くてもワイロが非常にかかるから結局は同じなのだ。企業幹部や高級役人はワイロで非常に金持ちだから愛人を10人くらい持っているのが当たり前であり、駐在員でも売春婦と遊ばないと中国ではやっていられないようだ。

もちろん中国では売春は違法であり、観光客は慣れていないからホテルなどで売春婦と遊んでいると踏み込まれて捕まる。中国に駐在員として命ぜられたら単身赴任がいいだろう。強盗対策なども十分にする必要があり、売春婦を連れ込んで楽しんでいたら売春婦が強盗に告げ口して襲われるようだ。売春婦も利害打算で動いているから長期契約なら比較的安心だそうですが、ある意味では男性天国でもあるのだろう。

私もお金があれば中国に年に2,3度は行ってみたいものですが、政治家や企業幹部が中国に頻繁に行くのも女性と夜の国際親善が出来るからだろう。最高級ホテルでも隠しビデオでバッチリ撮られているから谷垣自民党総裁も中国の公安にシッポをつかまれている。外務省の駐在員が自殺した事がありましたが、これも公安がらみであり偉い人は売春婦に気をつけたほうがいい。


中国では毎日、売春婦が殺されてます 2008/01/13 ネットゲリラ

切り裂きジャックというのは、そんな時代を象徴する事件なんだが、冗談抜きで、現代の中国北京では、そんな
猟奇事件が毎日のように起きている
そうで

ここ1、2年で、市内の川や水路から毎月7、8体の変死体が上がるようになった。10−20代の若い女性ばかりで、1カ月に20体も見つかることもあったという。全裸の場合が多く、中にはバラバラに切断されたケースも。大半が激しく暴行された跡があり、もとをとどめないほどに顔を殴られた遺体も少なくない。

 北京中心のオフィス街を流れる川からも度々見つかり、騒動になるが、地元メディアでもほとんど報じられることがなく、大半が身元さえ分からないという。

 顔の損傷が激しいこともあるが、顔が無傷で所持品が残っていても身元が判明しない。「身分証を持っていても大半が偽造」(関係者)だからだ。治安当局は被害者について、「ほぼ例外なく、田舎から出稼ぎにきて売春で稼いでいた女性」とみる。

切り裂きジャックはカネ目当てではなかったようなんだが、中国の場合はカネ目当てだ。最近になって北京ではフリーの売春婦が急増しているそうで、これねぇ、おいら、前から書いているんだが、中国には「戸籍のない娘」というのが大量に存在するわけだ。数千万人という単位で。一人っ子政策で、女の子は、届けを出さない。戸籍がないので学校にも行かないし、就職も結婚もできない。そんなもん、売春婦になるしかないオンナが大量に存在し、北京に出れば「一般的な勤め人の5〜10倍稼ぐ」のだから、そら、街が売春婦だらけにもなるし、それを狙う強盗だらけにもなる。戸籍がないくらいだから、殺されても捜査もされない。これからも、こういうオンナたちは食い物にされて潰されて行くのだろう。





ドルが下落するにもかかわらず、一貫して人民元の対ドルレートを固定
させる政策は、世界経済にもっと大きな害を与えている。P・クルーグマン


2009年11月14日 土曜日

ノーベル経済学賞受賞者:中国の人民元政策、世界経済の脅威に 大紀元日本 10月31日

【大紀元日本10月31日】「中国の悪いマナーが、世界経済の脅威となっている」。08年ノーベル経済学賞受賞者で、米国の国際経済専門家ポール・クルーグマン氏は22日、米紙「ニューヨーク・タイムズ」の論評コラムで、米ドルと連動する中国の人民元政策をこのように批判している。また、中国のドル建て資産の売却可能性について、影響を懸念する必要はなく、逆に米国の経済回復に大きなプラスになるという見解を示した。

 クルーグマン氏は同コラムで、人民元の為替レートが人為的に低水準に保持されているという本人の以前からの主張に再び言及している。「私を含む多くの経済学者が、中国の資産購入ゲームは不動産市場のバブルを膨張させ、世界金融危機の舞台を設置した。しかし、ドルが下落するにもかかわらず、一貫して人民元の対ドルレートを固定させる政策は、世界経済にもっと大きな害を与えている」

 また、中国が実質上、ドルペッグ制(自国通貨の為替レートをドルと連動させること)を実行しているため、ドル安と連動して中国製品が格安となり、世界経済の縮小により、世界に存在する限られた需要に対して、中国製品が供給されることとなり、他国の経済成長に大きな打撃を与えている。中国人民元政策により最も被害を受けるのは「貧しい国の労働者だろう」と指摘する。

 さらに、16日、米国財務省が、今年上半期の為替政策報告において、中国は為替操作をしていないと認定したことについて、クルーグマン氏は失望している。

 米国のシンクタンク機関、ヘリテージ財団のデレク・シザーズ研究員はクルーグマン氏のコラムについて、世界金融危機が発生してから1年間が経ち、世界経済が回復に向かっている現在、中国人民元問題による貿易摩擦問題が再び注目され始めたと指摘している。「半年前にこの様な為替レート問題が取り上げられたら、貿易摩擦が世界経済を滅ぼすと誰もが思ったことだろう」と、シザーズ氏はVOAの取材に応じて語った。

 米国商務省の統計によると、2008年、米国と中国の貿易総額は4080億ドル(約37兆1280億円)に達しており、そのうち、米国の対中貿易赤字は2600億ドル(約23兆6600億円)を超えている。

 一方、クルーグマン氏はコラムで、ドルの大幅な下落について、心配には値しないという見解を示している。米国政府またはウォール・ストリートの金融専門家たちが、中国が米国のドルを大量に売却するかもしれないと懸念していることに関して「つじつまが合わない」とし、中国が一部のドル建て資産を売却し、ドル安となった場合、米国の輸出産業に有利になると解説している。

 メリーランド大学のピーター・カイル金融学教授は「ドル安は国内製造業に雇用機会をもたらし、またエネルギー価格高騰の中で、原油輸入量が減少し米国の従来のエネルギーへの過剰な依存を是正することにつながる。つまり、米国経済は成長の刺激を受けることとなる」とクルーグマン氏の見解を支持する。

 しかし、ヘリテージ財団のデレク・シザーズ研究員はクルーグマン氏の考えを単に短期的な解決案だとし、「長期的に見て、基軸通貨とするドルの役割は米国・その他の国にとって極めて重要。ドルを人為的に下落させると却って米国経済に害を与える」と語る。またシザーズ氏は短期的に見れば、ドルの急激な変動は為替市場、商品先物市場、金(ゴールド)市場に乱高下をもたらし、インフレへの圧力が高まり、世界経済の回復を楽観する投資家の心理に打撃を与えてしまうので、米国輸出産業の競争力がいたずらに高まっても無意味ではないかと疑問を投げかけている。


中国の為替操作国への認定、米政権に圧力強まる 10月7日 ロイター

[ワシントン 6日 ロイター] 10月15日に予定されている半期に1度の主要貿易相手国の為替政策に関する報告書(為替政策報告書)の公表を控え、労働・製造業団体からオバマ米大統領に対し、選挙公約通り中国を為替操作国と認定するよう圧力が高まっている。

 オバマ大統領は前年の大統領選期間中、中国を為替操作国としなかったブッシュ前大統領を繰り返し批判してきた。だが、就任後初めてとなる前回4月の報告書では、オバマ米大統領も認定を見送っている経緯がある。

 オバマ政権は、中国の人民元について、依然として「過小評価されている」としながらも、中国当局は2008年6月─09年2月末に人民元相場を実質16.6%上昇させていると指摘。また中国が金融危機対策として大規模な景気対策を実施し、経済成長モデルにおける構造改革を行っているとして評価する姿勢を示している。

 一方で、自国の輸出製品の競争力強化のため、中国は意図的に自国通貨を20─40%切り下げていると主張する労働・製造業団体は、オバマ政権の判断に失望している。

 これに対しオバマ大統領は中国製タイヤに35%の上乗せ関税を課す緊急輸入制限(セーフガード)を発動するなど、製造業界などに一定の配慮を見せたが、米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)の政策ディレクター、テア・リー氏は「中国との貿易不均衡の規模は非常に巨大で、個別対応では解決することはできない。根底の価格問題、つまりは通貨の問題に踏みこまなければならない」と反論している。

 また全米製造業者協会(NAM)国際経済問題のバイスプレジデント、フランク・バーゴ氏は「米国が中国を為替操作国と認定しなければ、国際通貨基金(IMF)が中国を名指しする可能性は低い」として、IMFへの圧力を高める意味でも、オバマ大統領に認定に踏み切るよう求めている。

 米国の法律では、為替操作国と認定した場合、財務省はIMFの枠組みの中で迅速に交渉を開始するか、もしくは対象国と2国間交渉を開始するよう義務付けられている。

 中国は、為替政策報告書の中で1992年5月─1994年7月の間に5度、為替操作国として指摘されているが、その後報告書の中で名指しされた国はない。

もし米政権が中国を為替操作国と名指しすれば、イランや北朝鮮問題、地球温暖化対策や世界貿易などで今まで以上に協力関係が求められる米中関係に亀裂が生じるのは確実だ。

 ピーターソン国際経済研究所の中国経済政策の専門家、ニコラス・ラーディ氏は、オバマ米大統領が中国を為替操作国と認定したら「非常に驚き」だと指摘。人民元が過小評価されていることは明白としながらも「中国の貿易黒字が縮小しているだけでなく、内需の伸びも目覚しいものがある。中国は米国が望むことを実践しており、すべては正しい方向に進んでいる」と述べ、オバマ大統領が中国を為替操作国と名指しする可能性は低いとの見方を示した。

 世界経済が深刻なリセッション(景気後退)から脱却しつつある中、米政府は中国に対し、内需を拡大し、輸出への依存度を低下させるよう求めており、ラーディ氏は、前月米ピッツバーグで開催された20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)でも「中国は他国と足並みをそろえ、持続的な成長を達成するために、経済の構造改革に取り組む姿勢を明確にした」として、オバマ大統領の目指す取り組みは大きく前進したと指摘した。

 一方で、為替操作が通商ルール上、不正な補助金と定義するよう、議会に対し法改正を求める動きも出ている。実際にそうなれば、米企業は商務省に対し、中国製品の不当な価格競争力を相殺するため、対抗措置として関税を課すよう求めることが可能となる。オバマ米大統領は上院議員時代、類似の法案を支持していた。



(私のコメント)
鳩山・オバマ会談が終わりましたが、日米同盟を深化させていくことで一致した。しかし日米同盟は転機を20年近く前から迎えており、深化させていくことよりも解消の方向に向かうべきである。アメリカの国力の低下は経済ばかりでなく政治外交、文化などにも現れてきている。ドルの価値の低下はその象徴ですが、中国の人民元がそれに連動している為に、他の先進国のみならず新興国の通貨もドルや人民元に対して上昇している。

まさにアメリカと中国は抱き合い心中状態ですが、アメリカと中国の勝手な行動は温室効果ガスの排出量削減交渉にも加わらないなどにも現れています。アメリカ人と中国人は非常に独善的であり自分勝手であり、他国に対して上から目線で高圧的な態度で要求を突きつけてくる。それに対して臆病な日本人は右往左往するのが常だ。

アメリカ人と中国人は遠慮なく物ごとを言い合うから仲良くなりやすいですが、衝突もしやすい。言いたい事もじっと我慢して争いごとを避けるといった日本人は国際会議でも影が薄く存在感が無い。しかし何か発言すれば大きな影響を与えるから発言を遠慮しているのであり、発言力がないと言う意味ではない。沖縄の普天間基地の問題も当面はたいした問題ではないにもかかわらずアメリカ政府は大騒ぎしている。

アメリカは日本が自立の道を歩むのではないかと疑念を持ち始めたからでしょうが、今まではこのような動きをしたことが無かった。民主党は308議席を持った本格的な非自民政権であり、アメリカ離れを模索するのは当然なのですが、自民党政権の日本しか知らないアメリカ人にとっては、このような動きは新鮮でもあり脅威でもある。アメリカは日本への覇権を失えばアジアの橋頭堡を失いハワイからケープタウンまでの制海権が失われる。

だからこそアメリカは日本の自由な発言に対して目に見えない圧力を加えて国際会議における沈黙を強いてきた。日本の首相が靖国神社に100円玉を入れただけでも中国は大騒ぎをするし、普天間基地を嘉手納に移設したいと言っただけでアメリカ政府が大騒ぎをする。どっちみち海兵隊主力はグアムに移転するのだから嘉手納でもかまわないはずだ。

午前中にオバマ大統領の演説がありましたが、日本人聴衆の反応が鈍い。英語がわからないという事もありますが、もともと日本人は政治や経済や外交などにはあまり興味は無いのだ。鳩山総理の初の国会施政方針演説よりも酒井法子の裁判報道がトップニュースになる国だ。ブログにしても政治経済に発言するブログは本当に少なく、エンタメ系のブログやペットの写真などのブログがランキングのほとんどを占めている。

オバマ大統領の演説が終わっても真っ先に立ち上がって拍手をしているのはアメリカ人であり、日本人聴衆はボーっと座ったままだ。日本の首相の演説に聴衆が立ち上がって拍手するような光景はあまり見ない。国会議員も大勢いたが国会では野次は飛ばしても立ち上がってエールを送る事はあまり無い。これでは演説の名手のオバマ大統領でも会場は盛り上がらない。

日本がアメリカ離れを模索しているのに、アメリカは日米同盟がアジア外交の基軸だとしている。今まではそうだった。アメリカは中国をステークホルダーとして利害を共有するわけだから、それが出来るのは日本がアメリカ側に付いている時だけだ。日本が中国と利害を共有するのはドル安問題でも同じだ。日本と中国がドルを買い支えないとアメリカの財政が破綻する。だからアメリカは日中が連携を取らないように裏で仕掛けをしている。

アメリカのドル安に対して中国も人民元を連動させている。明らかに中国は為替操作国なのですがアメリカ政府はその認定をためらっている。円とユーロが値上がりしている状況では新興国の通貨も値上がりをしている。アメリカもゼロ金利だからドルキャリーがそうさせているのですが、中国だけは為替操作でドルに連動している。為替投機で人民元への投資をすれば中国政府が買ってくれるのだからヘッジファンドにしてもおいしい話だ。

中国はアメリカばかりでなく世界と貿易摩擦を起こしているわけですが、新興国も音を上げている。為替操作で格安の中国製品が世界に溢れているからですが、アメリカは中国に対して何も言えないようだ。ポール・クルーグマン教授もアメリカ政府の態度を批判していますが、アメリカ政府は中国の報復を恐れて何も言えないのだ。

90年代の日本も現在の中国と同じ立場にあったわけですが、橋元首相は米国債の売却を仄めかしたが、輸出がアメリカに頼っている以上はそんな事が出来るはずも無く、アメリカは円高を仕掛けてきた。当時と今との違いは当時は円の独歩高だったわけですが、今はユーロが登場してドル売りユーロ買いが起きている。だから円は90円を切りそうで切らない。

アメリカは中国に対しても内需の拡大と構造改革を要求していますが、中国も日本と同じ問題に直面する事になるだろう。外貨のドルを貯めこむ事は自分で自分の首を絞めることであり、外貨の増大はより為替投機を招いて人民元への買いが集まる。いずれは中国も元の切り上げに踏み切らざるを得なくなるだろう。しかし通貨の切り上げに対して中国は耐えられるのだろうか。他の新興国と輸出製品がダブルのであり、だからブラジルなどが中国の為替政策を非難している。


発展途上国、中国の為替政策に苦情  11月14日 ニューヨークタイムズ ロイター 今日の覚書

新興経済は、自国通貨の急激な上昇が輸出による経済回復への道のりを邪魔しており苦しんでいるが、遂に中国人民元安への一斉抗議に出た。人民元への通貨は通常富裕国から出るものだ。しかし、先週のG20会議では、気候変動やIMF改造では中国の味方の発展途上国も、抗議を始めそうな気配があった。

ブラジル財務相曰く、G20で固定為替相場と変動為替相場のレート格差を指摘したい。しかし、よりあからさまな批判も大した違いは生まないかもしれない。米国その他欧米主要国は、今年、中国への公的圧力を緩和。主要国が、外的圧力をかけると中国政府は一層我を張るようになる、と考えたことも原因の一部だ。

中国財務相はブラジルその他の不服を一蹴にした。それどころか、他の主要経済は世界経済の不安定化を避けるために、自国通貨の価値を維持しなければならない、と指摘。「全ての国は財政政策と経済成長の持続性を注意すべき。また、インフレを含むリスクへのタイミングの良い、効率的な対策を実施すべき」と財務相は述べたそうだ。

世界経済の回復が堅調ならば、中国も来年は人民元の値上がりも許すかもしれない、と言うアナリストもいるが、それもこれも中国政府が現在の回復基調が本物であり、単なる在庫調整や緊急対策の結果ではない、と確信すればの話である。

輸出業者が中国の競合にシェアを奪われている、と警告するブラジルは、先進国は何年も前から、元ドル為替レートが低過ぎる、人民元はより自由に変動すべき、と言ってきたと述べた。殆どの新興経済の通貨は今年値上がりしたが、それというのも、金融市場に巨額の資金が流入し、商品価格が上昇したからである。ブラジル・レアルや南アフリカ・ラントといった一部通貨は、ドルに対して30%も値上がりした。また、多くの中央銀行はほぼ毎日のように、為替市場に介入しなければならなくなっている。

中国は固定相場制をとっており、そのような問題には見舞われていない。実は、3年間人民元の値上がりを認めた後、中国は2008年中旬に輸出業者を支援するために、事実上ペッグ制を復活させたのである。

ロシア財務相はG20での中国批判には及ばなかったが、人民元安批判の中で「為替レートを操作して一部の企業を過保護にする」のは間違いだと述べた。「中国の為替政策についてそのような激しい議論が行われている。中国は為替レートを操作し続けている。正しい為替レートは、客観的な要因に決定されるものであって、中央銀行の行動によって決められるものではない」

しかし、恐らく最も強力な圧力をかけたのは、南朝鮮、台湾、インドネシアといった、輸出依存症アジア経済である。これらの国々の中央銀行は日々、通貨の値上がり対策に奔走している。インドネシア財務相によれば、アジア諸国は人民元について心配している。インドネシア・ルピアは今年に入り、対ドルで16%ほど値上がりした。「中国が変化の必要性を分かるような形で話し合わなければならない」と同財務相は言った。

オバマ大統領は、来週の北京訪問の折に、中国政府当局者に人民元問題を取り上げる計画だと言っている。「様々な問題とともに通貨問題を取り上げる。米中は、両国が利益を得る貿易を奨励する、広範な政策に至るだろうと確信している」とオバマ氏は月曜日のインタビューで述べた。これまでのところ、オバマ氏は中国を通貨操作国とレッテル付けろ、との圧力に抵抗している。


(私のコメント)
オバマ大統領の訪中の主な議題は人民元の切り上げの問題になるだろう。中国は政治的な譲歩としてある程度の元の切り上げに応ずるかもしれない。しかしそれ以上の見返りを要求するはずだ。このように中国はアメリカと対等に交渉する事ができるが日本はこのような対等の交渉が出来ない。日本はアメリカに思いやり予算まで付けて米軍基地を提供しているのに、アメリカに対等に交渉が出来ないのは国民の自立への覚悟が出来ていないからだ。




ユーラシア包囲網の東の要衝だった日本も、その任を解かれ、
日米同盟は解消の方向で、日本は中露を重視するようになるだろう。


2009年11月13日 金曜日

日米軍事同盟、終焉へのカウントダウン 11月13日 鍛冶 俊樹 日経ビジネス

「オバマは本当に来るのか?」

 そんな懸念の声が外務省内で囁かれるようになったのは先月中旬のことだ。なにしろ日米間の懸案事項、インド洋補給問題と普天間移設問題が暗礁に乗り上げたまま、鳩山由紀夫政権は動きが取れない。米側はバラク・オバマ訪日までの解決を要望していたものの解決の糸口さえ見いだせず、このままの状態で大統領が来日して首脳会談を開いても「決裂するだけ」なのは目に見えている。訪日中止に至るのではないかと危惧されたのである。

 さすがに中止に至らなかったようだが、日程がずれ込む事態にはなった。直接の原因は、米国陸軍基地内での銃乱射事件だ。

 これは突発的な事件とは言え、単なる日程変更というだけでなく、日米関係に暗い影を投げかける深刻な事件でもある。米テキサス州の陸軍基地でメンタルヘルスケア担当の軍医が銃を乱射し、米兵ら13人が死亡、30人以上が負傷し犯人は地元警察の女性警官により取り押さえられた。軍隊には通常、憲兵(military police)が常駐しており地元警察の力を借りなければならなかったこと自体が軍の威信にかかわる事件である。

 しかしそれよりもはるかに重大なのは、犯人が米国籍の米国軍人だがアラブ系でイスラム教徒であった点だ。

 イラク・アフガニスタンにおける一連の戦争を米国のジョージ・ブッシュ前政権は対テロ戦争と呼んだ。しかしこの呼称が変だと言うことは、米国ではとうに指摘されている。テロとは戦争の手段であり、対象ではない。第2次世界大戦でドイツは電撃戦を使用したが、だからといって戦争は対独戦争であり、対電撃戦戦争ではない。ならば、この戦争は何と呼ぶべきなのか?

アフガンに対する欧米と日本の温度差

 1990年代前半、国際政治学の世界的権威であるサミュエル・ハンチントンは次なる戦いを西洋文明対イスラム文明になると予言し、これを「文明の衝突」と呼んだ。結果的に見て、この予言はまさに的中したことになるが、ではこの戦いを「文明の衝突」と呼ぶか? と言えば、答えはノーである。

 なぜならもしそう呼べば、この戦争がイスラム教徒を対象とした戦いとなりかねない。全世界のイスラム教徒を敵として戦うことの不利を欧米はよく知っている。つまり欧米としては対イスラム戦争という側面を決して強調してはならないのである。そこで苦し紛れにつけた呼称が対テロ戦争なのである。

 だが、イスラム過激派はこの戦いを西洋対イスラムの戦争として捉え、聖戦(ジハード)を鼓吹している。多くのイスラム教徒は自爆テロには否定的だが、内心、反欧米感情に共感している。つまり、いつ対イスラム全面戦争に発展してもおかしくない状況であり、欧米はそれを抑えるのに躍起になっているのだ。

 この戦争の正当性をめぐる議論がしばしば散見される。大量破壊兵器がなかったとか国連決議に基づいているとかの議論は、実は表面的なものでしかない。欧米の兵士を悩ませる本質的な疑問はこの戦争が宗教差別に基づく宗教戦争ではないのか? という宗教的な疑問だ。

 従って従来の米軍であれば従軍牧師が兵士の精神面の大きな支えとなるのに、この戦争では宗教色を嫌い、非宗教的な心理カウンセリングに重点が置かれているのだ。ところが今回の事件ではその担当の精神科医がブログに自爆テロを讃える書き込みをし、「アラーは偉大なり」と叫んで凶行に走った。

 犯人はヨルダン系の39歳の男性だが、少佐という階級は軍の中堅幹部でありしかも精神科医、米国のエスタブリシュメントに属しておりアラブ系のエリートと言ってもいい。こうしたエリートが米国の正義を信じられなくなっているのだとすれば、それは取りも直さず、米軍が宗教的に侵されていることを意味する。つまり宗教戦争の側面が表面化せざる得ない状況なのだ。

米軍はアフガニスタンへの大量増派をオバマ大統領に要求し、大統領もまさに決断しようとしていた矢先に事件は起きた。「敵の拠点を順次叩き制圧していけば戦争は終結する。兵力を大量投入して一気に叩けば早期に米軍はアフガニスタンから撤収できるはずである」。軍はそう主張する。確かに通常の戦争ならばそうだが、もし宗教戦争ならば民衆が過激派を支持し、容易に戦いは終わらなくなる。

 しかもイスラム教徒はもはや、欧米にも多数住んでいる。決着がつかない限り、単に軍を撤退させれば済むというものではない。アフガニスタンがテロの巣窟となり、欧米でテロが頻発する事態は欧米にとって悪夢であろう。

 言うなれば西洋文明の危機を象徴するのが、今回の事件だ。ところが、日本にはこのような危機意識は全くない。事実上のアフガニスタン戦争の支援であったインド洋補給活動を政権が変わったという理由だけで中止するとしている。これは西洋諸国から見れば、裏切りにも取られかねない。現に欧州諸国は戦死者を出しながら戦争の負担に耐えているのだ。

共同戦線を張る意義

 日米同盟については集団的自衛権の行使の問題とか双務性とか、小難しい政治用語が駆使されながら問題点が指摘されてきたが、そもそも軍事同盟の本質はそんな神学論争で規定されるものではない。極めて単純で分かりやすいのが軍事同盟であり、一口に言えば共に肩を並べることであり、言い換えれば共同戦線を張ることである。それ以上でも以下でもない。

 米ソ冷戦期、日本列島には日米共同戦線が存在し、ソ連と対峙していたと言っていい。1980年代にはソ連軍機は年間300回近く日本領空に接近し偵察と訓練を繰り返し、航空自衛隊はその都度、戦闘機を緊急発進させ警戒監視していた。また海上自衛隊はソ連の潜水艦を監視し逐一、米海軍に報告していた。在日米軍基地は対ソ攻撃の拠点として整備されていたのだ。

 ところがソ連が消滅し、対峙する敵がいなくなればもはや共同戦線は意味をなさない。日米安保をどう意義づけるか、1990年代様々な議論が繰り広げられたが、日米が再び共同戦線を張ったのは2001年9月11日の同時多発テロの後、アフガニスタン戦争が始まり、日本が海上自衛隊の護衛艦をインド洋に派遣してからだ。(後略)



米露の接近、英の孤立(2) 2008年3月25日  田中 宇

第2次世界大戦以来、イギリスの国家戦略の大黒柱は、欧米、特にアメリカをロシアと末永く対立させることだった。伝統的・地理的に、イギリスの世界戦略は「ユーラシア(ロシア、中国)包囲網」である。

 これに対し、ユーラシアとは別の北米大陸をほとんど占有しているアメリカの世界戦略は、もともと「各地域に代表勢力がいて、その勢力間で話し合って世界を安定させる」という「対ユーラシア不干渉主義(多極主義)」である。1890年代まで、世界はイギリスの覇権下にあったが、アメリカはこの時代、イギリスの覇権の外にとどまる姿勢をとっていた。

 その後、二度の大戦を経て、イギリスは覇権が弱体化した。だが同時にイギリスは、アメリカに覇権国としてのノウハウを提供し、1945年に第二次大戦が終わったときには、アメリカが覇権国になり、イギリスはアメリカとの「特別な同盟関係」を通じて、黒幕的にアメリカの覇権戦略を動かす存在になった。(中略)

同時に、イギリスが戦後60年間、アメリカを操って黒幕的に維持してきたユーラシア包囲網の戦略も終わり、アメリカはようやく昔の不干渉主義に戻れるようになる。

 戦後一貫して、ユーラシア包囲網の東の要衝だった日本も、その任を解かれ、世界の中での位置づけが変わっていかざるを得ない。日米同盟は解消の方向で、日本は中露を重視するようになるだろう。



(私のコメント)
連日「株式日記」は日米関係を論じていますが、ブログに寄せられるコメントは低レベルのものばかりだ。ネットをやっている人は10代20代の若い人が中心なのでしょうが、ゆとり教育で思考力が低下してしまったのだろう。ネット上にはレベルの高いブログもあるのですが、読んでもそれを理解できるだけの能力が無いようだ。だから2ちゃんねるからのコピペを貼り付けてコメントしたような気分になっている。


アメリカの日本に対する外交政策もクリントン、ブッシュ、オバマと代わるごとに大きく変わる。クリントンの日本叩きも不可解なものでしたが、どうして同盟国の日本を叩いて共産主義国家の中国と戦略的パートナーを築くのだろうか? ブッシュに代わって従来の日米関係に戻りましたが、オバマの対日政策も、ゲーツ国防長官の態度のように、あえて沖縄県民の反感を買うような態度をとるのだろうか?

アメリカの中国重視、日本軽視の外交政策は、意図的に日本のアメリカ離れを促しているのかもしれない。だからアメリカは鳩山首相をCIAを使ってまで失脚させないかもしれない。従来ならば日本の首相がアメリカ離れしようとしたらアメリカから圧力がかかって田中角栄や鈴木善行のように直ぐに失脚した。CIAが日本のマスコミと官僚を使えば首相のクビなどすぐに飛ばせた。

鳩山内閣は自ら望んでアメリカ離れを模索しているのではなくて、むしろアメリカから自立を促されているのかもしれない。日本の学者や外交評論家やマスコミの記者などは未だに冷戦構造で外交を見ているから親米一本やりですが、アメリカの世界覇権とアメリカの栄光を信じて疑わない。しかし単純な頭のアメリカ人が世界戦略など組めるはずも無いのであり、アメリカは老獪なイギリスの奥の院のロボットとして操られていると言うのは理解できる。

アメリカは第一次世界大戦の前は孤立主義の外交政策であり、国益に関係の無い事には関与しないはずだった。もともとアメリカはイギリスの植民地であった所であり、イギリスの帝国主義支配に反発して独立した国だ。だからアメリカは宗主国のイギリスに弱みを握られており、金融の世界を見ればアメリカは未だにイギリスの植民地だ。ロックフェラーやモルガンだのといってもイギリスのロスチャイルドにカネを借りて財閥になったのだ。

このようにアメリカとイギリスは特別な関係であり、アメリカの外交政策が大きく揺れるのはイギリスに操られるアメリカと本来のアメリカとがせめぎあっているからだ。冷戦構造が崩壊してクリントンやオバマのような多極主義者が出てきたのは、アメリカ本来の孤立主義が巻き返してきたからであり、日本との関係も切ってアメリカは不関与政策に戻ろうと言う事なのだろう。

イギリスにとってロシアは脅威であり、ロシアを封じ込める為にアメリカを操って封じ込め戦略を取らせた。イギリスは当初は日本をロシア封じ込めの一環として日英同盟を組みましたが、日本はこのようなイギリスの意図が読めないから、イギリスが持つ中国や東南アジアの権益を侵し始めたのでアメリカを操って日本を叩いた。このように日本人は世界的なスケールで考える事ができないから外交が読めないのだ。

アメリカ人は単細胞だから老獪なイギリス人に簡単に操られてしまう。ブッシュが21世紀の十字軍と称して中東に軍を進めたのもイギリスの陰謀だろう。アメリカが用済みになってEUの支配権を目指し始めたのかもしれない。アメリカの国力が急速に衰えてくるのは石油の枯渇などを見ても明らかであり、リーマンショックで金融も壊滅的打撃を受けてアメリカは立ち直れないだろう。イギリスの奥の院はそれを見越してアメリカに自滅的なイラク・アフガン戦争に突入させたのだろう。

イラク・アフガン戦争に敗北すれば軍事的にもアメリカはズタズタになり、EUのユーロが基軸通貨となり経済と軍事もEUが中心となる世界が出来上がる。アメリカは以前のような新大陸に閉じ込められて孤立政策になるだろう。ヨーロッパからの人的財政的援助がなければアメリカはただの大国だ。

イギリスの奥の院から見れば日本はどうなっていくのだろうか? アメリカとの同盟は解消させて東アジア共同体を作らせるつもりかもしれない。鳩山一家はEUとの関係が深いからアメリカ離れを模索して、小沢一郎は時々イギリスの奥の院からの指令を受けにイギリスに行く。アメリカはますます中国との連携を深めて、中国にドルを巻き上げられてアメリカはますます衰退していって米中は抱き合い心中を図るだろう。

イギリスの奥の院は、アメリカも中国も小さな国に分裂して一つの共同体になるだろう。ロシアも再び分裂して行って共同体化していく。世界は経済的にグローバルになる反面では小さな国に分裂して行くのだ。EUがその一つの見本ですが、超大国の時代が終わり共同体の時代がやって来る。経済的には世界は一つになるが政治的には細分化していく。このような構想にあってはアメリカのような超大国は不要になる。




米国の国益が、日米同盟重視よりも米中関係重視によって増進される
と判断すれば、米国はためらうことなく外交方針を転換する。櫻井よしこ


2009年11月12日 木曜日

【櫻井よしこ 鳩山首相に申す】日米関係を修復せよ 11月12日 産経新聞

10月20日に来日したゲーツ国防長官は、自衛隊の栄誉礼も、外相、防衛相による歓迎夕食会も拒否。11月のオバマ大統領来日までに普天間飛行場移設問題についての結論を出すよう要請して日本を離れた。岡田外相はオバマ大統領来日前に日米外相間で話し合いたいと訪米と会談を要請したが、国会の日程を優先させて自ら言い出した外相会談を断った。

 中国で3泊4日をすごすオバマ大統領は、日本滞在はその半分の2日間だ。しかも、当初の予定は変更され、1日遅れの来日となる。13日深夜に、鳩山首相は普天間問題についての結論も出さないまま、APEC(アジア太平洋経済協力会議)参加のために日本を離れる。大統領は首相不在の日本で日程をこなす。こんな異常な外交日程はないだろう。日米の歯車が噛(か)み合わず、不吉な軋(きし)み音が聞こえてくる。

首相が提唱する東アジア共同体構想は、誰も振り向かなくなった古証文だ。もともと、形の上では小泉純一郎首相が2002年に提唱した。考えを授けたのが田中均外務審議官だと言われる。04年には産官学から人材を集めて東アジア共同体評議会(CEAC)が東京で設立されたが、背後で共同体構想を強力に進めたのが中国だった。

 中国は東アジア共同体のメンバー国を日中韓とASEAN10カ国に限ることにこだわった。そのままでは中国の独壇場に必ずやなったであろう共同体に、日本は豪印ニュージーランド3国を入れることに成功した。こうして中国の力を薄めたのである。

 思うような形に仕上がらなかった共同体構想への関心を中国は急速に失った。加えて、米国の中国戦略が大きく変化し、ゼーリック米国務副長官が05年9月、ニューヨークで中国に「責任あるステークホルダーであってほしい」と呼びかけた。対立するのでなく、利害を共有するパートナーになってほしいと言ったのだ。

 中国人民大学国際関係学院副院長の金燦栄教授は、中国の米国専門家は全力をあげて米国の意図をひと月かけて分析し、200ページの報告書をまとめたと語った。結果、中国もまた、対米政策の大転換を図ったのだ。それが中国の平和的台頭である。

 「フォーリン・アフェアーズ」05年9〜10月号に掲載された中国改革フォーラム理事長の鄭必堅氏の論文、「大国への中国の平和的台頭」には、「東アジア共同体から米国を排斥することは中国の利益に合致しない。中国はむしろ同地域において米国が安全保障及び経済の両面で前向きの役割を果たすことを望む」と明記している。

 つまり、東アジア共同体を提案し、かつて米国の排除を意図した中国は、現実の変化に素早く対応して、米国抜きの東アジア共同体はあり得ないと、当初のもくろみとは反対のことを言い始めたのだ。これはもう4年も前のことだ。

 にもかかわらず、鳩山首相は、何を思ったか、この捨て去られた古証文を持ち出した。岡田外相は意固地にも東アジア共同体には米国を入れないと言い続ける。鳩山民主党政権がまるでピエロに見えてくる。

米中関係の専門家、田久保忠衛氏は、米国防大学の国家戦略研究所(INSS)が07年4月に出した特別報告書の内容に注目すべきだと語る。

 「特別報告の冒頭には、『北東アジアの安全、繁栄、自由を促進するための地域的な協力強化の基盤として、米国は中国および日本とそれぞれの健全な2国間関係を求める』と書かれています。日米同盟とともに、良好な米中関係の維持が、米国の方針なのです」

 米国の国益が、日米同盟重視よりも米中関係重視によって増進されると判断すれば、米国はためらうことなく外交方針を転換するという意味であろう。米中接近の谷間に沈みかねないいまこそ、外交の根本に、同盟国と脅威をもたらす国の識別がなければならない。にもかかわらず、友愛外交を唱え、普天間問題で迷走するのは、国際情勢の変化を理解できていないからである。今年4月、米国で語り合った若手日本研究者でアメリカン・エンタープライズ研究所のM・オースリン氏は「日本は台頭する中国によって削り取られていくだろう」と書いている(『フォーリン・ポリシー』誌09年4月号)。

 日本削り取りに向かう中国の脅威に、現在の日本は対処できまい。日米同盟なしには尚更である。オバマ大統領を迎えて、最悪の状況に陥った日米関係の修復に鳩山首相は全力をあげなければならない。


オバマさんもまた、政治家の言葉です (青山繁晴)  7月30日

 ご承知のように、言葉は、文法と文脈によって意味が決まります。
 特に政治家の言葉については、文脈が大切で、学校英語の文法だけでは意味が読み切れないことがあります。

 くだんのオバマ演説は、このような言葉です。

"And we also know this: The relationship between the United States and China will shape the 21st century, which makes it as important as any bilateral relationship in the world."

 これが真ん中の will shape the 21st century, which makes it がなくて、たとえば The relationship between the United States and China is as important as any bilateral relationship in the world. という言葉であれば、ご指摘のような訳が正しいことになります。

 ところがオバマさんはまず、米中の2国間関係が、21世紀を形作る、すなわち21世紀は米中2国が仕切る世界だという趣旨を明言したうえで、which makes it つまり、その事実あるいは確定的な予測こそが、米中2国間関係を as important as any bilateral relationship in the world にするんだと表現しています。
 したがって、「米中2国で21世紀を形作るという事実からして、米中2国間関係は、世界のどの2国間関係よりも重要な2国間関係となる」という意味を汲みとり、そのように訳すことがもっとも適切と考えます。

 ちなみに共同通信のワシントン電は、以下のようになっています。

【ワシントン共同】米国と中国が外交・経済分野の問題を閣僚級で話し合う「米中戦略・経済対話」の初会合が27日、ワシントンで始まった。開幕式に出席したオバマ米大統領は「米中両国間の関係が、21世紀を形づくる。世界中のどの2国間関係よりも重要だ」とあいさつし…(後略)

 また産経新聞は次のようです。

【ワシントン=山本秀也】米中両政府による初の包括的な戦略経済対話が27日、ワシントンで開幕した。冒頭、オバマ米大統領は「米中関係が世界のどの2国間関係より重要だ」と述べ、突出した対中重視の姿勢を表明した。

 一方で、学校文法どおりに訳した、受けとった報道もあります。
 日経新聞は以下のようです。

【ワシントン=高橋哲史】米中両国の閣僚が一堂に会し、経済や安全保障分野の懸案を議論する初の「戦略・経済対話」が27日、ワシントンで開幕した。オバマ大統領は開会式で「米中関係は世界中のどの2国間関係にも劣らず重要だ」「我々は共に重い責任を負っている」と演説。

 わたしは、アンカーの放送前に、まずはCNN、BBCでオバマさんの演説のトーンをよく聴き、それから原文を取り寄せて読み込み、さらに、上記の日本メディアの報道を比較検討し、それから外務省北米局の知友の意見を聴き、それらを総合して、アンカーで述べたような訳がもっとも適切と確信し、その内容で生放送に臨みました。

 放送した内容、訳が正しいと思う、もうひとつの傍証は、「世界のどの2国間関係とも同じように米中関係が重要」というのは、客観的事実としてあり得ないことです。
 たとえば、アメリカと中米の小国の2国間関係を考えれば、中米の諸国には申し訳ないですが、アメリカは勝手に属国だと思っているわけで、それと今や米国債の最大保有国である中国との関係を同等に扱うわけはありません。
 それでは、この「米中戦略・経済対話」がほんらいは閣僚級であるのに、合州国大統領がわざわざ顔を出して、居並ぶ中国の要人たちに演説する意味がありません。

 つまり、オバマさんは中国に「あんたと2人だけの関係こそが、ほかのどの2国関係、これまでのアメリカが大切にしてきた日本やイギリスとの2国関係よりも、今や大切だと分かっているよ。なんせ、これからは、あんたとふたりで、世界を仕切っていくのだからさ」という重大なニュアンスがちゃんと伝わるようにしながら、同時に、これまでの同盟国、日本やイギリスにもエクスキューズができるように、as as any の構文を上手に使っているのです。

 これは政治家の言葉としては、別段、卑怯とかそういうことではなく、むしろ当たり前です。
 ただ、革命的な存在というイメージで受けとられがちなオバマさんの演説は、案外に、こうした古い体質の政治家言葉があることは、これを機会に注目されてもよろしいのではないかと、思います。


(私のコメント)
いよいよオバマ大統領が明日初来日しますが、今回の外遊の主な目的地は明らかに中国だ。日本には24時間滞在し中国には3泊4日の滞在となる。90年代のクリントン夫妻の中国訪問を思わせますが、政治家の言葉はそのまま信じたらだまされる事になる。オバマ大統領の演説にしても直訳すれば「米中関係は他の2国関係と同様に重要である」と訳せるのでしょうが、アメリカが中国を中南米諸国やアフリカ諸国との関係と同じに評価するわけが無い。

しかし、will shape the 21st century, which makes it と言う言葉が入っていることで、米中の2国間関係が、21世紀を形作る、という事は米中の二国間関係が最も重要な関係であると言うということを意味している。外交問題になると困るから受け取る人によって他の二国間関係と同様ようにという言葉ではいっているのですが、巧みに「米中が21世紀を形作る」と言っている以上は「as〜as any」と言ってはいても「米中関係が最も重要」ととるべきだ。

つまり日米安保条約を結んでいても、日本と中国が戦争状態となったらアメリカはどちらの味方をするのだろうか? と言う疑問が出てくる。櫻井よしこ氏は米国の国益が中国と手を組んだほうがいいとなれば米国は中国の味方をするということだろう。経済面で見れば日本よりも中国の方が市場としても大きいし国益の為に中国を取るだろう。

「株式日記」でも米中によって日本が封じ込められると言うのは経済面の事であり、軍事面から見れば中国が太平洋に進出すればアメリカの脅威になる事は間違いない。しかしアメリカは経済的に危機的状況になるから東アジアから撤退する恐れがあると何度も書いてきました。沖縄の海兵隊をグアムに移転させるのもハワイからグアムのラインに防衛ラインを引く意味があるのかもしれない。

オバマ大統領はwill shape the 21st century, which makes it 「米中が21世紀を形作る」とはっきりと宣言しているのだから、米中で太平洋を東西に二分割する事も考慮しておくべきだろう。だから、鳩山首相が危機感を感じてアメリカ抜きの東アジア共同体を考えるのは当然なのですが、日本に米軍基地があると日本は本格的な軍事強化が出来ない。

先日NHKがオバマ大統領との独占インタビューを放送していましたが、米中が21世紀を形作るという意味を問うべきだったのでしょうが、今回の来日中の記者会見でも質問する記者はいないでしょう。櫻井よしこ氏の「日米関係を修復せよ」という発言は、もはや手遅れであり、アメリカはとっくにオバマ演説で中国を最重要パートナーとしている。

アメリカに民主党政権が出来る事で日米関係が冷え込む事は前から「株式日記」でも書いてきましたが、90年代のクリントン外交が再現されると言う事だ。90年代と違うのは日本はジャパンバッシングするほどの経済大国ではなくなっている事であり、現在では中国が一番ドル外貨を貯めこんでいる。中国がアメリカの財政を支えているのであり、このような状況でオバマ大統領が中国が最も重要な国と評したのだ。

櫻井よしこ氏の憂慮は既に現実となっており、今回の外遊日程を見ればそれは明らかだ。日本を素通りしないだけマシなのでしょうが、それくらい現在の東アジアの情勢は微妙な所に来ているのであり、日本としては最悪の状況を想定して手を打つべきだ。中国が外交戦略を平和的台頭に切り替えた事は、米中が手を組む事を選択したのであり、日本がその間で埋没してしまった。

アメリカのゲーツ国防長官が外相や防衛省の主催の夕食会をキャンセルしたのは日本に対する挑発行為なのだろう。この事をマスコミはわずかしか報じなかったが、鳩山内閣ははっきりとこの時点でハンドルを切ったのだ。今から修復するにしても鳩山首相の更迭ぐらいはアメリカは要求してくるだろう。安倍、福田、麻生と1年しか内閣が持たなかったのはアメリカとの関係が上手く行かなかったからですが、アメリカの要求が過酷過ぎるのだ。

アメリカからの風圧が強まれば日本は中国に吹き寄せられてしまうのであり、かつてニクソン訪中で米中関係が大きく変わった時に田中角栄は真っ先に中国に飛んで日中国交回復した。だから米中が戦略的パートナーとなるのなら日本も同じだけ中国に擦り寄る必要がある。鳩山首相も「日本にとって中国が最も重要な二国間関係だ」と「as〜as any」と付けて演説したらどうだろう。21世紀は日中が構築すると演説してもまんざら嘘ではないだろう。

「株式日記」は反中国なのですが、米中の挟撃を避けるにはどちらにもいい顔をして裏では離反工作をする必要がある。日中が経済面でも手を組めばアメリカとしても脅威なのであり、日中が一斉にドル売りや米国債売りを仕掛けたらアメリカは破綻する。日本が生き延びる為には敵と手を組むような事も必要だろう。アメリカが物を買ってくれなければ中国やEUに市場を求めなければならない。もはやアメリカには以前のように輸入する事は無理だからだ。

日本の自動車会社も一斉に中国向けの車を作り始めた。アメリカへの輸出が半減してしまった以上は世界一の自動車大国となった中国に市場を求めるのは当然だろう。中国市場をめぐって日本とアメリカの自動車メーカーがしのぎを削る構造になっており、日米同盟と言ってはいられない状況になってきた。アメリカには金が無くなり中国には外貨が貯まる一方だ。だからこそ「アメリカさんさようなら中国さんこんにちわ」と言う事であり、日本も国益に則って外交をすればいい。

もちろん中国もしたたかだから日本とアメリカと両天秤にかけて来るでしょうが、中国にとってもアメリカが最大の潜在敵国であることがわかっているから、日本はそこにつけこむ隙がある。日米中の三国関係は日本がどちらに付くかで勝敗が決まるようになるだろう。今までは日本はアメリカに付いていたからアメリカは太平洋からインド洋の覇権を手に出来ましたが、日本の基地を失えばアメリカは西太平洋とインド洋の覇権を失う。

オバマ大統領はその事が分かっていて、「米中2国で21世紀を形作るという事実からして、米中2国間関係は、世界のどの2国間関係よりも重要な2国間関係となる」と言う演説をしたのだろうか? あるいは日本に政権の交代が起きることは計算に入れていなかったのだろう。




民主党の小沢一郎氏はキリスト教に対し「排他的で独善的な宗教だ。
キリスト教を背景とした欧米社会は行き詰まっている」との見解を表明


2009年11月11日 水曜日

小沢氏「キリスト教は独善的」 仏教は称賛 11月10日 北海道新聞

民主党の小沢一郎幹事長は10日、和歌山県高野町で全日本仏教会の松長有慶会長と会談後、記者団に宗教観を披露した。この中で小沢氏はキリスト教に対し「排他的で独善的な宗教だ。キリスト教を背景とした欧米社会は行き詰まっている」との見解を表明。イスラム教については「キリスト教よりましだが、イスラム教も排他的だ」と述べた。

 国政に影響力を持つ与党の実力者による批判発言だけに、波紋を広げる可能性がある。

 一方、仏教に関しては「現代社会は日本人の心を忘れたり見失っている。仏教は人間としての生きざまや心の持ちようを原点から教えてくれる」と称賛した。



資本主義はなぜ自壊したのか  中谷厳:著

「自然は征服するもの」と考える一神教思想

かくのごとく、一神教の成立とキリスト教の普及はヨーロッパ人の自然観に決定的な影響を及ぼした。西欧文明においては、自然の山や谷、あるいは野生の動植物といった存在は基本的に「悪」であり、「悪」であるがゆえに人間がそれを征服しなければならないと考える。

それはたとえば、ヨーロッパの庭園を見ても分かる。ヨーロッパ人の考える理想的な庭園とは、ベルサイユ宮殿の庭園のように、人間の手で品種改良されたバラなどを人工的、幾何学的に配置したものである。ベルサイユ宮殿の庭園は見事に左右対称に造形され、人間の自然に対する強い意志が打ち出されている。実際、西洋人の美意識は、日本人のように、山や野などの自然を見立て、その風情を庭に再現することが美であると考える意識とはまったく異なったものである。

かくのごとく、自然を管理し、飼い慣らし、征服することが神から人間に与えられた使命であると考えるのがキリスト教であり、こうした思想を「スチュワードシップ」と言うが、こうした自然観があったからこそ、近代西欧社会は世界の覇者になりえたと言っても過言ではない。なぜか。それは自然への恐怖心がなかったからこそ、自然を客観的に、科学的に分析することが可能になり、近代科学革命が起こったという事情があるからである。もし、人類がいつまでもアミニズム信仰に浸り、自然への畏怖心を強く持ち続けていたならば、大木を切り倒し、森を開墾する事も出来なかったであろうし、自然を徹底的に分析しつくす事などとても恐ろしくてできなかったであろう。

実際、「人間は自然の中にある真理を解明し、自然を管理できるようになる」という確信がなければ、とうてい自然科学は発達しなかった。また、西欧人が七つの海を渡り、各地に植民地を作ることができたのも、彼らが自然に対する畏怖を感じなかったからに他ならないし、「自然を開発することで罰が当たるのではないか」といった、自然崇拝の気持ちがどこかにあれば、アメリカ人の西部開拓も起こりえなかったであろう。「自然は畏れるに足りない」という思想があればこそ、西欧人は世界に広がっていけたのである。

たしかに、こうしたスチュワードシップの発想があればこそ、近代科学や資本主義が発達したことは間違いない。たとえば、自然が神聖であるという考えが残っていれば、ポランニーが批判する土地の売買も行なわれることはなく、したがって資本主義の成立もありえなかったことは事実であろう。

だが、このような自然観に基づく西洋文明、そしてその極北としての資本主義社会はすでに述べてきたとおり、行き詰まりを見せている。資本主義社会が人間にもたらしたもの、それは信じられないほどの科学的発明、生産性の上昇、物質的な生活水準の向上などであったが、明らかにそれは地球の限度を超えてしまった。また、環境破壊がとどまるところを知らず、先進国では人々の心が荒み、社会も疲弊しはじめた。

二一世紀に入って、ついに自然と人間とを対立的に捉えるキリスト教的な発想、近代合理主義思想、そして人間中心主義から脱却する必要が出てきたのである。

そもそも、すでに述べたように一神教以前の人間は、自然を神聖なものとして捉え、動物の中に霊性や神性を見出していた。そうした自然観のほうが実は「普遍的」なものであり、自然を征服するという考えのほうが特殊であったのだ。

そのことを考えるならば、我々はいま一度、古代の人々が持っていた自然への思い、自然への素朴な崇拝心を取り戻すべきではないだろうか。「アニミズム(自然崇拝)」は、これまで原始的な宗教、未開人の信仰とされてきたわけだが、それはあくまでもキリスト教など一神教からの評価にすぎない。実は自然を崇拝し、自然との調和、自然との共存共栄を目指す価値観にこそ、二一世紀の我々が目指すゴールがあるのではないだろうか。

なぜ日本人は自然と共生できたのか

さて、そのような観点に立ったとき、日本人の宗教感覚、自然感覚が現代世界において重要な意義を持ってくるのではないか。

というのも、およそ世界のさまざまな文明の中でも、日本ほど自然に対する素朴な信仰心や愛はぐくも情を育んできた国は少ないからであり、明治維新以降の西洋化の波に揉まれながらも、その心情は古来とあまり変わらない形で心の奥底に残存していると思われるからである。そして、このような文明は少なくとも先進国の中には他に見あたらない。

そもそも人間の文明とは、単独では生きていけない。人間が自然の脅威に対抗する為に集団生活を行なうことから生まれてきた。古代メソポタミア、エジプト、黄河文明・・・どの古代文明を見ても、それが都市国家から始まったというのは偶然ではない。都市とは外敵から身を守るためのみならず、自然の大いなる力に対抗するために人間が作り出した「一大発明」であったと言えるだろう。その意味では、およそ高度な文明において自然は畏敬の対象になりえても、そこに親しみを感じたり、あるいは共存していこうという姿勢に至ることは少なかった。

たとえば今でも中国では都市の周囲ではかならず大規模な森林伐採が行なわれる。生活用の燃料としての薪を得るために森が消費しつくされるのだが、その結果、多くの禿げ山ができ、砂漢化が進んでいく。森を失った大地は雨水をとどめおくことができず、やせ衰える。やせた土壌は雨水に流され、生物は死滅し、人間の生きる場所でなくなっていく。これが中国の大きな環境問題である。

これは地中海世界でも同じで、かつてのレバノンは広大な杉林があったとされるが、船舶を造るためにレバノン杉がどんどん伐採されて、古代のかなり早い時期に広大な森が消滅したと言われている。地中海の島々においても、それは同様であるという。このように都市文明は自然を破壊し、森林資源を消費しつくすのが常である。

ヨーロッパの主要国で森林伐採に最後まで抵抗したのはおそらくドイツであろう。ドイツの地は昔は「ゲルマーニア」と呼ばれていたが、この地には行けども行けども深い森が続いていた。ここに住むドルイド僧は森にいる神を信じ、森を聖なるものとしてキリスト教布教者たちに抵抗したが、ついにキリスト教が勝利を収め、ゲルマーニアの森は次々に伐採されていった。その結果、一七世紀ころまでにはドイツの森林の八割は伐採されてしまったという。

ところが、日本の場合、こうした形での自然破壊は少なくとも明治維新までは起こらなかった。その理由としてはもちろん日本列鳥が実に天然資源、森林資源に恵まれた土地であったことも大いつくきいが、それと同時に忘れてはならないのは、日本には古来森を慈しみ、育てる文化があったということである。

日本人もまた生活の必要上、樹を切り倒していたわけであるが、そうやって樹を伐ったあとを放置するのではなく、ちゃんと植林をし、地域共有の「里山」として維持していかねばならないというルールを持っていた。なぜなら、稲作を行なううえで、保水機能のある里山を持つことが不可欠だったからである。稲作を農業の中心に据えた日本はその意味で森を残さざるをえなかったのである。また、古くからの原始林は「鎮守の森」などと呼ばれ、聖なる土地として樹を伐ること自体が禁止されていた。日本では神社はかならず鎮守の森の中に造られたが、それは日本人が神は森に宿ると考えていたからに他ならない。まさに日本人は自然と共生する暮らしの中に、独特の宗教観を育んでいったのである。

こうしたメンタリティは時代を下って徳川期になっても消えることがなかった。徳川期の江戸は人口一〇〇万に達する世界最大の都市であったが、ヨーロッパの他の都市のような衛生問題、あるいは伝染病問題がほとんどなかったと言われる。それは都市生活の中で出たゴミや排泄物などが、完懐にリサイクルされるシステムができていたことが大きな理由であるが、徳川期の日本人にとっては自然環境を破壊しない暮らしをするという思想が当たり前のようにビルト・インされていたのである。

前出の安田喜憲氏によれば「江戸時代の日本では、(中略)厳重な森林の利用規制をしいた。『木一本が首一つ、枝一本が腕一つ』と言われ、山の木を盗んだ者は、即刻打首になった」という(前掲書二二三ぺージ)。これほど日本人は木を大切に育てていたのである。明治維新以降、日本人は西洋化し、自然環境もかなりの程度破壊してしまったが、それでも日本の森林面積は国土の七〇パーセントに上るという。この財産は日本人の自然観が残したものであり、大事にしていかなければならないと思う。

日本に来た外国人たち、ことに西洋人は日本に緑が多いことに驚嘆するが、日本の緑したたる美しい風景は単に日本が温暖な気侯帯に属するおかげで存続したわけではなく、日本人自身が長年にわたって守ってきたものに他ならないのである。

神道と仏教を融合した日本人

では、いったいなぜ日本人は古代から森を大切にするなど、自然との共生を重視してきたのか。その答えは今さら一言うまでもあるまい。

うっそう欝蒼とした森、見上げるような大木、あるいは山の奥から湧き出る泉、さらには巨岩ーこれらの自然物を日本人は古来聖なるものとして崇め、大切に扱ってきたからである。こうした聖なる場所にはかならずといっていいほど神社が造られ、山や森をご神体として信仰してきた。

といっても、こうしたアニミズム的な自然信仰ならば、日本に限らず古代世界のあちこちにあったものだから、特に珍しいというわけではない。だが、日本の場合、そうした素朴な自然崇拝に基づく神道が外来宗教である仏教と融合し、いわば「日本的神学」ともいうべき思想を産み出したところが異色なのである。

この神道と仏教の融合を理論的に正当化した考えを「本地垂迩説」と言う。

本来、インドから中国を経て日本に渡来してきた仏教には自然崇拝の要素はない。元来、仏教は人間に苦をもたらす原因となる「煩悩の炎」を滅して、悟りの境地に至ることを目的としているのであるから、あくまでも努力する主体は自分自身であって、自然の神聖さや霊性に頼るという思考は存在しない。もちろん、仏教の修行者の中には森の中、山の奥に籠もる人たちもいるが、それは自然の厳しさの中に身を置くことで自分自身を鍛え、物事に対する認識を変えようということであって、自然から「悟りをいただく」ということを目的としているわけではない。

したがって、キリスト教のように自然を積極的に征服せよと命じたりはしないものの、仏教においては自然崇拝の入る余地は本来、ほとんどないのである。

ところが、その仏教が日本に入ってきたとき、日本人は古代から伝わる神道と、仏教の思想を見事に融合してしまった。「本地垂迩説」とは、後で詳しく説明するが、分かりやすく言ってしまえぱ、「目の前の崇めるべき神がどんな姿形をしていようとも、それは本地仏の化身であるから、それを崇め、拝んでも何ら問題はない」という考え方である。

たとえば、伊勢神宮はアマテラス(天照大神)という太陽神を祀っているが、アマテラスの本地仏は大日如来である。あるいは、熊野本宮はスサノオを祀っているが、その本地仏は阿弥陀如来という仏である。つまり、神様を拝むことはそのまま仏様を拝むことにもなるというのが、本地垂迩の思想なのである。

よく言われることだが、日本人は正月には神社に参拝して初詣でをし、彼岸やお盆になればお寺に行って、先祖供養をする。そして冬になるとクリスマスを祝うーこのような日本人には本当の意味での信仰は存在しないのではないか、日本人は無宗教の民族なのではないかと昔からしばしば批判されてきたが、それはあくまでも表面的なものの見方であって、少なくとも仏教と神道の両立については、古来日本人はきちんと両立させる神学を持ってきたのである。

日本人には天上の神を唯一の神として崇める宗教はない。しかし、日本人は道端に生える草木一本一本にも神や仏の存在を感じ、人間は自然によって生かされているという独特の宗教観がある。「ありがたい」「もったいない」「いただきます」といった日常使う言葉はもとはすべて仏教で使われていた。日本人は特定の神を信じているかどうかという点では「無宗教」だが、全般的な宗教心があるかどうかという点になると、依然として世界で最も宗教心のある国民なのではないだろうか。

私が尊敬してやまなかった心理学者の故河合隼雄先生は、「カトリックはパートタイム宗教、日本の宗教はフルタイム宗教だ」とよく冗談を言っておられたが、その意味するところは、「カトリック教徒は月曜から土曜までは好きなことをして、日曜日になると教会に行って俄悔をすれば許してもらえる。だから、彼らが敬慶な気持ちに浸るのは日曜だけ」「しかし、日本人は四六時中、ごちそうさま、ありがとうと言い、道端に小さな神社やお地蔵さんがあるととっさにお祈りをしている。日本人にはそういった日常化した宗教観があるLということであった。

考えてみれば、二一世紀にもなって、何百万、何千万人という人が正月になると初詣でに出向くということ自体、先進国では異常なことである。日本人に宗教心がないというのはとんでもない間違いなのである。(P216〜P224)


(私のコメント)
小沢民主党幹事長の発言は、全日本仏教会の会長との会談の後の発言ですが、キリスト教批判はなかなか厄介な問題です。キリスト教はヨーロッパの歴史を見れば分かるように、戦争に次ぐ戦争の歴史の元を作ってきたのであり、キリスト教布教の名の下に侵略行為を正当化する手段に使われてきた。

キリスト教徒から見れば異教徒は人ではないのであり、家畜のような殺傷の対象とされてきた。スペインによるインカ帝国への侵略はインディオへの殺戮の歴史であり、異教徒に対する殺戮は新大陸のみならず、アジア、アフリカ、オーストラリアで行なわれてきた。日本が辛うじて彼らの侵略から逃れる事が出来たのも、武力で対抗できるだけの力が有ったからですが、秀吉や家康はキリスト教の恐ろしさを見抜いて鎖国した。

キリスト教徒たちは日本人を奴隷として世界に売り飛ばしていましたが、宣教師までもが奴隷商人の仲介役となっていた。学校の歴史ではこのような事は教えられていないが、秀吉の伴天連追放令の中にも日本人奴隷売買を禁止する条項があることからも明らかだ。しかし学校の歴史で教えられるのは島原の乱などのキリシタン弾圧だ。

キリスト教宣教師にとっては日本は悪夢の地であり、明治や昭和の時代に入って多くの宣教師がやってきてもキリスト教徒は1%にも満たない。キリスト教と日本人とは相容れないものがあり、それが障害になっているからだろう。それは先祖崇拝であり、キリスト教の先祖に対する扱いが日本人とは相容れないからだ。


キリスト教は他宗教に対してきわめて攻撃的だった反面、権力には従順そのものだった。布教のためには権力を肯定し、これに接近した。2009年9月23日 株式日記

日本の歴史教科書はキリシタンが日本の娘を50万人も海外に奴隷として売った事は教えないのはなぜか? 2006年1月27日 株式日記

一神教の克服は、単にアラブとイスラエルとの問題ではなく、人類全体にとっても、今後の最大の問題ではなかろうか。 2006年7月31日 株式日記

キリスト教原理主義の本質は、主に米国が過去に行った過失を正当化できるからこそ普及しているのであり、キリスト教よりもユダヤ教の亜種 2007年6月8日 株式日記

キリスト教はローマがユダヤ人排斥の為に作ったもので、ブッシュ大統領はハルマゲドンを信じている 2004年8月24日 株式日記


株式日記もいろいろとキリスト教について書いてきましたが、アメリカ人やヨーロッパ人の行動様式や精神文化を理解する上ではキリスト教の事を知らないと理解できない。アメリカ人が日本に原爆を落とす事ができたのも日本人がキリスト教徒でないために、原爆を用いても倫理的な非難を浴びないからだろう。キリスト教原理主義から見れば日本人は聖書に載ってはいないから人ではないと言う狂った理屈が成り立つ。

広島長崎への原爆投下も、有色人種への見せしめといった意味も有るだろう。しかし原爆の使用が後世にどのように批判の対象となるかをアメリカ人大統領は考えてはいなかったようだ。初の黒人大統領であるオバマは核兵器の廃絶をプラハで演説してノーベル平和賞を貰いましたが、アメリカ人は広島長崎への原爆投下への原罪に苦しめられるだろう。

小沢幹事長のキリスト教を批判する発言は、熱心なキリスト教信者であるアメリカ人を怒らせるかもしれない。しかしキリスト教は悪魔の宗教でありボーンアゲインのブッシュ大統領はハルマゲドンを信じて中東で大規模な戦争を開始した。このようなアメリカ人の狂気を止めなければなりませんが、オバマ大統領でも止められないだろう。

イスラエルが建国されてヨーロッパが統一されたと言うのは、今まさに、携挙の預言が実現する舞台装置が、整っているのです。ハルマゲドンが聖書からあちこちから切り取って作られた作り話であることは明らかなのですが、アメリカのキリスト教原理主義者はそれを予言として信じている。このようにしてみるとアメリカの福音派のキリスト教はオーム真理教と変わりがない。

日本は古くからユーラシア大陸やポリネシアなどからの人々が流れ着いてきた場所であり、土器や稲の伝来も仏教や儒教の伝来も日本が終末地点になる。日本の東は海になるからまさに終末点であり、文化や宗教も混ぜ合わせて成り立ってきた。だから神様もいろいろであり多神教だからすべてを受け入れる事ができる。それに対して一神教は大陸の宗教でありやるかやられるかの生存競争が生み出してきた宗教だ。

ブッシュ大統領は聖戦を訴えて21世紀の十字軍を中東に送った。小泉首相もそれに答えて自衛隊をイラクに送りましたが、日本人が何でアメリカ人の信じているハルマゲドンに付き合う必要があるのだろうか? イエスの再臨のすぐ後には、アンチキリストとその統一世界帝国を滅ぼすため、イエスの率る大軍勢が天から下って、壮烈なハルマゲドンの戦いとなるそうなのですが、日本人はバカバカしくてアメリカ人とは付き合いきれない。

アメリカ人やヨーロッパ人は自然を征服できると信じたのもキリスト教の影響だろう。中谷厳氏は資本主義の自壊を一神教思想に求めていますが、日本人は自然を神として崇拝していますが、キリスト教によれば自然は神が7日間で創ったと言う事です。だから進化論もアメリカの学校では否定されているそうですが、アメリカ人とはバカバカしくて付き合いきれない。ハルマゲドンに巻き込まれない為には日本に米軍基地は要らない。




オバマ大統領の日本軽視中国重視の外交は、日本は一泊二日、中国3泊
4日でも分かるように、ノーベル平和賞貰いながら広島にも立ち寄らない。


2009年11月10日 火曜日

「たけしのTVタックル」の「日米同盟が終わる日」より

日米の離反は中国の外交戦略の勝利である。(TVタックルより)


鳩山首相 オバマ大統領にドッキリを仕掛けられる ユーチューブ

会談中なのに相手に予告せず突然カメラ入れるって、普通に考えて むちゃくちゃ失礼だ。オバマ大統領が何の意図もなくやったとは思 えない。残念だけど鳩山首相がどれだけバカにされてるかよく分か ったよ。
「予告してなくてごめん」って言葉を消さずに放送したゼロも偉い 。


米、21世紀のアジアのリーダーに=歴訪でオバマ大統領意向伝達へ−米高官 11月10日 時事通信

【ワシントン時事】米政府高官は9日、電話による記者会見を行い、オバマ大統領が13日からの初のアジア歴訪で、「米国が21世紀のアジアのリーダーになる」との意向を主要メッセージとして伝える方針を明らかにした。また、13日に行われる日米首脳会談で、「沖縄の基地問題は主要議題にならない」と言明した。

 中国の台頭に伴い、アジアでは米国の影響力が低下しているとの見方が強まっている。これに対し、会見でローズ大統領副補佐官は「米国の繁栄と安全の未来はアジアに負うところが大きい」と指摘。日本など「古い同盟」との関係も再活性化させ、アジアで指導的地位を確立することに意欲を示した。 

 同じ会見で国家安全保障会議(NSC)のベーダー・アジア上級部長は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題について「日本の新政権が見直しを行っており、解決の機は熟していない」と語った。

 同問題の早期解決を求める米政府の立場に変わりはないが、大統領の初訪日を成功させるため、対立回避を優先したものだ。

 オバマ大統領は14日に東京で行う初のアジア外交主要演説で、「アジアにおける政治、安全保障、経済面での米国の関与政策に関する見解を表明するとともに、日米同盟の強化を再確認する」(ローズ副補佐官)という。(2009/11/10-10:03)


対日重視を強調=普天間問題の早期決着に自信−米高官 11月10日 時事通信

【ワシントン時事】米政府高官は9日までに一部記者団と会見し、「オバマ大統領が最初に立ち寄るのが日本なのは偶然ではない」と語り、中韓両国などに先立って訪日するのは日米関係重視の表れであることを強調した。

 高官は、懸案となっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、「日本の新政権が、合意された計画の見直し作業をすることは、日米同盟を脅かすものではない」と指摘。その上で、「計画通りに進めるとの結論に速やかに達することに強い自信を持っている」と述べた。 

 オバマ大統領が任期中に被爆地を訪れるかどうかについては、大統領が今年4月にプラハで行った核兵器廃絶を目指した演説が日本人の琴線に触れたとし、「大統領が(日本人の)心の名誉市民であることを希望する」と述べるにとどまった。(2009/11/10-12:17)


「日米関係に配慮必要」=事業仕分け作業で鳩山首相 11月9日 時事通信

鳩山由紀夫首相は9日夕、行政刷新会議の事業仕分け作業の対象に在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)が含まれたことについて「人件費がどこまで見直せるか簡単な話じゃないだろうと思うが、極力日米関係には影響はないように配慮する必要があるだろう」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。 (2009/11/09-19:50)

ウォールストリートジャーナルでもトップでこのような記事が出た。

日米安全保障条約の全面見直しは駐留無き日米安保となるのか?


(私のコメント)
日米同盟の見直し論は自民党政権時代では考えられない事ですが、先週の太田光の番組や昨日のTVタックルでも日米同盟の見直し論が議論されていた。政権交代による民主党政権が出来たことで日米安保の見直し論が出てきてもおかしくは無い。自民党=アメリカの代理統治機関であり、60年近くも自民党政権が続いたのもバックにアメリカがあったからだ。

以前のアメリカなら、自民党が野党に転落しそうになれば様々な工作活動をしていたのですが、小沢代表を辞任に追い込んだ程度で衆議院選挙にはどうする事もできなかったようだ。おそらく鳩山首相は元々自民党の議員であり政権が交代しても自民党路線を引き継ぐと言う見方があったためだろう。しかし政権が発足してみると意外と頑固なので戸惑っていると言うのが現状だろう。

鳩山首相も日米同盟が外交の基軸と言いながら、アジア重視の外交をするとはっきりと国際会議でも宣言している。アメリカがこのまま静観しているとは思われませんが、最終的には日本国民の世論がどう動くかが問題だ。株式日記のコメント欄でも自民党の工作員がいっぱい出てきて親米反中論を書き込んでいますが、「株式日記」は左翼ではないから中国をいくら叩いても無意味であり、アメリカを擁護してもアメリカが日本を裏切って中国と親密になった事を直視しようとはしない。

オバマ大統領は4日間も中国に滞在しますが、日本には1泊二日でついでに立ち寄った感じだ。ノーベル平和賞をもらったのだから広島長崎ぐらい立ち寄ってもらえるかと思ったのですがスルーするようだ。もちろん中国とは多くの外交課題を抱えている事も事実ですが、日本との外交にも多くの亀裂が生じ始めている。今回のオバマ大統領の外交日程なども中国重視が反映されたものであり、日本との外交関係はどうでもいいようだ。

もちろんアメリカ政府高官は日本重視といっていますが外交辞令に過ぎない。その証拠に冒頭のユーチューブのニュースを見て欲しいのですが、鳩山首相との会談の最中なのにテレビクルーを入れて会談を終わらせてしまった。たった35分の会談の為に鳩山首相はアメリカまで行ったわけですが、オバマ大統領は嫌がらせのつもりでやったのだろう。

それは小沢代表とアメリカ大使との会談が記者同席で行われた事に対する報復の意味があるのだろう。これからもアメリカからの嫌がらせは沢山あるのだろうが、アメリカは同盟国と言いながら日本を決して対等に扱う事はない。確かに軍事や食料やエネルギーや情報力が無いから軽く扱われても仕方がない。だからこそ自主防衛体制を早く築けと主張しているのですが、国民世論を変えるには時間がかかる。

しかし太田光の番組やビートたけしの番組で日米同盟の見直し論議が出てきたという事は日本が変わりつつある証拠であり、アメリカと中国が手を組む事は日本にとっては脅威であり台湾は中国に平和裏に併合される危険性がある。中国は台湾を併合したあとは次は沖縄を要求してくるだろう。米中が手を組めばそうなる可能性は高い。日本は米中同盟に分断されるのだ。沖縄の主権は中国に移り米軍基地はそのまま残る可能性がある。日本を見張る為だ。




アメリカはまたベトナムと同じように、アフガニスタンに長期にわたって
介入を続け、アメリカの軍人と民間人の命を失うことになるのだ。


2009年11月9日 月曜日

軍基地乱射犯「アラーは偉大なり」 「自爆テロ」まねる? 11月7日 産経新聞

【ワシントン=山本秀也】米兵13人が死亡したフォートフッド米陸軍基地(テキサス州)での銃乱射事件で、実行犯のニダル・マリキ・ハサン軍医少佐が、犯行現場で「アラー・アクバル」(アラーの神は偉大なり)と叫ぶなど、イスラム教への傾倒を強めていたことが6日、さらに明らかになった。犯行直前には隣人に別れのあいさつをするなど、生還を期さない「自爆テロ」式の犯行だったことも浮かび上がっている。

 コーン同基地司令官によると、現場に居合わせた米兵への聞き取り調査で、乱射を始める直前にハサン少佐が、「アラー・アクバルとアラビア語で叫ぶのを聞いた」とする複数の証言が得られた。犯行当時、現場にはワクチン接種を受ける米兵約300人が整列しており、発砲で次々と撃ち倒されたという。

 AP通信は捜査関係者の話として、犯行に使用された拳銃が5・7ミリ口径の極めて貫通力の高い型式だったと伝えた。この拳銃弾は防弾チョッキを貫通する威力があることから米国でも所持が規制されているが、ハサン少佐は現役軍人の身分を利用し、私物として購入した。

 犯行を事前に準備していたことは、身辺を整理していたことでも明らかになっている。宿舎近隣の女性は、犯行前にハサン少佐の訪問を受け、イスラム教の聖典コーランを譲られたという。

 犯行にイスラム原理主義の影響が見えてきたことで、ケーシー米陸軍参謀総長は6日、陸軍内の中東系兵士らの存在に触れ、「報復を心配している」と語った。銃撃戦で負傷したハサン少佐の容体は安定しており、テキサス州内の別の病院に同日移送された。


ミアシャイマーの「アフガニスタン=ベトナム」論 11月7日 地政学を英国で学ぶ

●アメリカの共和党の人々の間で信じられているのは、

―「アメリカはベトナム戦争の初期には苦戦していたが、一九七〇年代に入ると勝利の目前までいった」

―「ところが民主党が反戦運動に屈してしまい、彼らがフォード(共和党)政権に南ベトナムへの援助を全て打ち切るように圧力をかけたために、一九七五年に北ベトナムに負けた」

●というものだ。

●「共和党史観」によると、この決断がベトナム戦争に負けた決定的なものであることになる。

●最近ではベトナムからどの教訓がアフガニスタンに活かせるのかという議論が盛んに行われている。

●そして共和党は、また無能な民主党が変な決断をするおかげで負けるのじゃないかとヒヤヒヤしているのだ。

●彼らはたしかに今までの八年間失敗していることを認めているが、今回は優秀なマクリスタル将軍が登場したから間違いないと思っている。

●ところが問題はマクリスタルが戦略を実行するアフガニスタンにあるのではなくて、アメリカ国内にあるのだ。

●なぜならアメリカの議会とホワイトハウスは、マクリスタルの要望にはあまり熱心ではない民主党によって支配されているからだ。

●ところが以上のような共和党側の言い分には二つの大きな間違いがある。

●まず一つ目は、1970年代初期にはアメリカは勝利の目前まで行っていない。

●当時の南ベトナムは自立できるような状態ではなかったし、アメリカの強力なエアパワーなしでは何もできなかったからだ。これでは「勝利目前」とは言えない。

これはアフガニスタンでも一緒で、アメリカはタリバンを決定的に倒すことはできないし、無力なカルザイ政府のおかげで永遠に彼らを支援しつづけなければならないことになっている。

●しかしベトナムとアフガニスタンで勝利できたとしても、二つ目の重要な間違いがある。それは「勝利は何も生み出さない」という事実だ。

●一九七五年のサイゴン陥落でアメリカはたしかにベトナム戦争に負けたのだが、これは当時のアメリカの世界におけるバランス・オブ・パワーのポジションを変化させたわけではない。

●ドミノ理論もベトナムがカンボジアや中国と戦争をすぐ開始したことによって嘘であることが証明されてしまった。

●さらに重要なのは、アメリカはベトナムに負けてもソ連との競争にはほとんど影響がなく、逆にソ連がサイゴン陥落の14年後に崩壊したほどだ。

●アメリカにとっての本当の悲劇は、その戦争に「負けた」ことにあるのではなく、そもそもそれに「関わってしまった」ことにあるのだ。

1965年から1975年までアメリカ軍に従軍した人間の口からはなんとも言いがたいことなのだが、やはりこの当時の反戦運動は正しかったのだ。なぜなら北ベトナムが南に侵攻して統一しようと、アメリカのポジションにはまったく影響がなかったからだ。

●つまり5万8千人のアメリカ兵と2百万人のベトナム人は不要で馬鹿げた戦争のために死んだことになる。


●これと同じことは、今日のアフガニスタンにも言える。

●マクリスタルと共和党の人間たちは、タリバンが勝利したらアルカイダに活動拠点を与えてしまい、これが次の9/11事件につながってしまうので増派が必要だと主張している。

しかしこの議論の大きな間違いは、アルカイダは隣のパキスタンに隠れているので、そもそもアフガニスタンで何が起ころうと関係ないという点だ。

●マクリスタルの戦略作成を手伝ったCFRのスティーヴン・ビドゥルは最近上院の外交委員会で、パキスタンのほうが遥かに重要だと発言している。

これはつまりアフガニスタンは全く関係ないということだ。ベトナムの時と同じように、アフガニスタンで勝利するかどうかはアメリカにとってそもそも関係のないことであることがこれでよくわかる。

●よって、アメリカはあっさり負けを認めてアフガニスタンから撤退するべきなのだ。

●もちろんオバマ大統領はこんなことを実行できないはずなので、1965年のリンドン・ジョンソン大統領がベトナムに対してしたように、アフガニスタンへのコミットメントを強めるはずだ。

●両方のケースで鍵となったのは国内政治である。ジョンソン大統領が増派を決めたのは共和党に「ベトナムを失った」と批判されたくなかったからだ。同じことは1940年代のトルーマン大統領が「中国を失った」と批判されたことにも言える。

オバマ大統領や民主党の仲間たちはこれと同じことで、いまアフガニスタンから逃げ出したら共和党に「テロから逃げて安全を失った」と言われて選挙に勝てなくなってしまう。もちろんオバマは絶対にこれを拒否するつもりだ。

そしてアメリカはまたベトナムと同じように、アフガニスタンに長期にわたって介入を続け、よい理由がないにもかかわらあう、アメリカの軍人と民間人の命を失うことになるのだ。


米軍の残虐を告発する「冬の兵士」 11月6日 高世仁

「冬の兵士」らが語るイラク、アフガンの戦場の実態を少し紹介したい。

彼らの証言に共通するのは、「交戦規定」が無視されていることだ。「交戦規定」には、敵対勢力と軍事目標しか攻撃してはならないと書かれているのだが・・・。

「住宅街で発砲されると、自分を守るためには、どこに敵がいるか確認しないまま撃ってしまう。自分の命を守るか、規定を守るか」

「銃撃があったが、どこから撃たれたか分からない。確認しないまま、民家にロケット弾をぶち込んだ」

「従軍記者がいると『交戦規定』どおりに行動するが、カメラがいなくなると規定は無視された」


「パトロールは午前3時ごろ。現地の民家のドアを蹴破り、女性も子どもも含め、寝ている人をたたき起こして縛り上げる。家捜ししてワイヤを持っているだけで怪しいと、テロリスト扱いしたこともある。破壊が終わったあとに、情報がまちがっていたという知らせが入るのは日常茶飯事だ。我々がうらまれて当然だ。」

「敵が見えない、すべてが敵に見える」

「イスラム風の衣装のものは自動的に撃ってよいと司令官が言った」

「普通のスピードで米軍のそばを通りかかった車を、自爆テロ犯と思って撃って殺した。」

「10人テロリストを殺したと報告したが、みな民間人だった」

「モスクに向かって銃撃を命じられた。そこに敵がいる証拠もないのに」


モスクに銃撃する実写映像がある。http://WWW.youtube.com/watch?v=vv7zg7Q06hcこの6分50秒くらいから米軍がバリバリと機関砲でモスクの尖塔を撃つのだが、これは「うさばらし」だったという。さらにモスクに向けて砲撃するシーンでは米兵の歓声が上がる。私が観ても衝撃的な映像だが、イスラム教徒が見れば卒倒してしまうかもしれない。

「冬の兵士」たちは言う。

「米軍は撤退するしかない。米軍の存在そのものが問題」

「敵を殺すより速いペースで敵を作っている」

「一番大事なことは、社会の再建と秩序の復活を妨害している米軍を撤退させ、損害の補償をすること


きょうのニュースで、アメリカの基地で、イラクアフガンに送られる予定の軍医が乱射事件を起こしたことを知った。この基地では帰還兵の精神障害に対処していたこと、この軍医がイラク・アフガン侵攻に強く反対しているとの情報しか入っていないが、米軍のテロ戦争の「病理」が噴出したと言えるかもしれない。


(私のコメント)
アメリカのテキサス州の陸軍基地で、陸軍少佐の銃乱射事件がありましたが、イラクで起きているテロ事件がアメリカ国内にも波及してきたと見るべきだろう。犯人の陸軍少佐はイスラム教徒でありイラク派遣を間近に控えていた。犯人の陸軍少佐は「アラー・アクバル」と叫んでいたそうですが、犯人の意図もテロである事は明らかだ。

オバマ大統領はイラクからの撤退を公約して大統領選挙で当選したのですが、逆にアフガニスタンへの増派を検討しているなどで支持率が低下している。イラクよりもアフガニスタンは山岳地帯なので戦闘が困難でありゲリラ側に有利な地形だ。アフガニスタンは1800年代に大英帝国との戦いで独立を勝ち取った国であり、ソ連の軍事侵攻を撃退している。

アメリカと言う国は歴史に学ぶと言う姿勢が無く、ベトナムの二の舞いをイラク・アフガニスタンで侵そうとしている。アメリカ政府の言い分としてはアフガニスタンがテロの拠点になると言う事ですが、アメリカ軍がやっている事はテロリストを殺した人数よりも、新しくテロリストを作り出す効果のほうが大きいだろう。テキサスで起きた陸軍少佐の銃乱射事件はまさにテロがアメリカ本土にまで拡大している。

アメリカ国内にはイスラム教徒が700万人いるということですが、彼らが一斉に黒人暴動のような騒ぎを起こしたらどうなるのだろうか? ヨーロッパにはもっと沢山のイスラム教徒がおり、文化的な摩擦を起こしている。アメリカがなぜそれほど中東に関与するのかと言うと石油があるからだろう。アメリカにとって石油は命の水であり、血を求めるドラキュラのように中東に軍を進めた。

ベトナム戦争ではジャングルが米軍の障害になりましたが、アフガニスタンでは険しい山岳地形が障害になっている。地続きだったソ連ですら10年も戦って多くの損害を出して撤退した所だ。イラクには石油があるがアフガニスタンには何も無いし、アメリカにとってアフガニスタンはどうでもいいような国なのですが、9・11テロのメンツの為に報復として軍を出した。

ミアシャイマーが「アフガニスタン=ベトナム戦争論」でアメリカ政府を批判していますが、ミアシャイマーはイラク戦争にも反対してきた学者だ。イラクにしても米軍兵は砂漠の中の軍事基地に閉じこもっているだけで制圧しているのは線と点だけだ。米軍車両が通ると路肩爆弾が破裂して装甲車両をふっ飛ばしている。米軍の死者が最近は減ってきていますがパトロールを止めて都市部からも引き揚げたからだ。米軍は州兵などのパートタイムの兵士であり本格的な作戦能力は無い。

高世氏のブログになるように米軍兵士の士気の低下と荒廃は酷いものらしい。ベトナム戦争の頃のような自由なマスコミの取材も制限しているから、アメリカの国民もイラクで今何が起きているかを良く知らない。テロリストがいるという情報だけで民家を一軒吹き飛ばしてしまう。米兵が殺しているのは多くが民間人であり、家族を殺されたイラク人やアフガニスタン人はテロリストになって行く。

オバマ大統領は共和党に批判を恐れて撤退も出来ないし、増派も国民の批判があって躊躇している。撤退も増派も出来ないジレンマに立たされていますが、大統領就任直後に即時撤退させるべきだった。撤退すると言う選挙公約で選ばれたのだから反対勢力を抑えることができたはずだ。しかしアメリカ軍としては敗戦を認めたくないから増派を要求している。

戦前において日本軍が中国に深入りしていったのと良く似ていますが、いったん軍を出した以上は負けて撤退をする事は軍としてはしたくないだろう。ベトナム戦争の時もベトナム帰還兵は負けたことで白い目で見られるようになり、浮浪者になったものも少なくない。大義なき戦争は兵士の心を荒廃させて帰還してもPTSDに悩まされる。

ベトナム戦争でカンボジアやラオスといったゲリラ側の聖域がありましたが、アフガニスタンでも隣のパキスタンに逃げ込んでしまえば手も足も出ない。イラクでもイランやシリアに逃げてしまえばゲリラはいつでも体勢を立て直せる。これではアメリカ軍もイタチゴッコニなり米軍兵士の命と国防予算が無駄に失われていく。

リーマンショックなどを見れば分かるようにアメリカの国力は急速に衰えが見られる様になり、ドルの価値も下がり続けている。60年代から70年代のアメリカはベトナム戦争をしながら月にも人を送り込めましたが、今ではスペースシャトルもポンコツになって飛ばせなくなってしまった。大帝国の終焉は僻地における敗戦から始まるのであり、アメリカもアフガニスタン撤退から10年くらいで滅亡するかもしれない。

ミアシャイマーが言うようにアフガニスタンで勝ったところでアメリカにとっては何の意味も無いのであり、負ければ国論が分裂して国家そのものが分裂の危機に晒される。経済力も急速に衰退して国防予算も無くなり、国内で反乱が起きても押さえきれるのだろうか? アメリカとか中国などでは日本では考えられないような暴動がよく起きます。60年代の黒人暴動や92年の黒人暴動はその前兆のようなものだ。

日本では沖縄の米軍基地問題がありますが、10年か20年以内にアメリカ軍は東アジアから撤退して行くだろう。そうなると中国の軍事拡大に対して対抗できる国は日本ぐらいしかなくなる。そうなれればアメリカも日本に対して核武装をして中国に対抗しろと言い出すだろう。普天間基地の問題は日本に自立を促すものであり、田中宇氏は言うようにゲーツ長官は基地反対闘争に火をつけに来たのだ。

親米ポチ保守派は国際情勢の変化を読めずに梯子を外される事になるだろう。日本がアメリカに擦り寄ることはアメリカにとっても迷惑な事であり、自主防衛の愛国保守派が日本をリードしていかなければならない。テキサス州の米兵のテロは海外の米軍基地でも起きることであり、荒廃した米兵は地元の人に暴行を働くようになるだろう。米軍内部でも海兵隊は厄介者であり嫌われている。だから嘉手納基地の空軍は海兵隊との統合に反対している。


【宮家邦彦のWorld Watch】昔のイラクは今のアフガン  10月15日 産経新聞

英タイムズ紙のベテラン記者は、アフガニスタンを「王位を目指す男たちの軍隊の墓場」と書いた。かの地ではアレキサンダー大王の時代から、戦いは数少ない産業の一つであり、生活の一部でもあったのだ。

 その後もフン族、モンゴル、ムガール帝国がアフガニスタンに侵入しては撃退され、去っていった。もちろん、大英帝国、ソ連もあの地を長く征服・統治できなかった。米軍やNATO軍だけが例外だと信じるのはあまりにナイーブである。



(私のコメント)
バカなブッシュ大統領とナイーブなオバマ大統領のせいで、アメリカ大帝国は歴代の帝国のように滅び去っていくのだろう。愚かな者は経験に学び賢者は歴史に学ぶ。アメリカ人も馬鹿だから歴史を知らない。だからオバマ大統領が来ても適当にあしらって返せばいいのだろう。いずれアメリカは近いうちに滅びるのだ。




勝間和代は正しい。池田信夫は経済学のことを全然理解していない。
金融市場と財市場の区別もできていないようだ。ど素人ですかね?


2009年11月8日 日曜日

勝間和代さんのデフレ退治策、菅直人副総理は納得せず


「勝間和代は間違っている?」について。 11月8日 ニュースと感想

まず、池田信夫のブログには、勝間和代の提言がリンクされている。それを見たが、いちいち「間違いだ」騒ぐほどのことじゃない。彼は自説と異なるものをすべて「間違いだ」と決めつけたがるが、勝間和代の説は、おおむね、ただのマネタリストの見解にすぎない。つまりは、学会の主流派の見解だ。それだけ。
 勝間和代というのは、自分では何も考えず、他人の言説をまとめるのが特異なだけだ。その説を見て「間違っている」と言うのは、見当違いも甚だしい。彼女は自説を何も述べていない。単にマネタリストの見解を述べているだけだ。あれを「勝間和代の説」と見なすのは見当違いも甚だしい。また、批判するなら、勝間和代でなく、マネタリストを批判するべきだ。(女性への やっかみをするのは、女々しいね。情けない。)

 どちらかと言えば、冒頭の新聞記事の方がよほど興味深い。
 「日銀引き受けで、ばらまき」
 というのは、確かに、インフレの効果がある。その意味で、池田信夫のように、
「ゼロ金利状態でいくら通貨を供給してもインフレが起こらないことは、ここ1年の世界経済で実証ずみだ」
 と言うのは、見当違いだ。彼は(前日・前々日の)記事を、ちゃんと読んだのだろうか? 勝間和代の説は、金融市場に金を投入するのではなく、財市場に金を投入することなのだから、確実に、インフレ効果はある。その意味では、勝間和代の用賀、池田信夫よりも圧倒的に正しい。池田信夫は経済学のことを全然、理解していないようだ。金融市場と財市場の区別もできていないようだ。ど素人ですかね? 

 勝間和代の説で問題があるとしたら、「ばらまく」という言葉の意味だ。彼女はそれを「実際は投資であり」と表現しているから、たぶん、公共投資(公共事業)に使う、という意味なのだろう。つまり、ケインズ政策。そして、その資金に、赤字国債を使う、というわけ。
 これは、クルーグマンの説と同様だから、特に「間違いだ」と大騒ぎするほどではない。よくあるケインズ派の説と同様である。オバマだって同じようなことを言っていた。これを批判することはできるが、あくまで「学説の一つ」として批判するべきだ。別に、勝間和代の独自の説じゃない。「勝間和代の説」として批判したら、ケインズが泣くよ。

 「赤字国債によって公共事業をしてデフレを脱する」ということは、まさしく成立する。その意味で、「デフレ脱出」を目的とするのであれば、勝間和代の説は完璧に正しい。(ケインズの説が正しい、という意味と同じ意味で正しい。)
 ただし、問題は、「デフレ脱出」を目的とするということだ。それが問題だ。なぜか? ケインズの方法では、「デフレ脱出」は可能だが、そのあとで、「インフレの暴走」が起こるからだ。いわば、窮地を脱するための 100万円を貸してもらったら、そのあとで利息を 500万円も要求された、というようなものだ。(悪魔の商法。悪徳サラ金ふう。) つまり、「行きはよいよい、帰りは怖い」である。
 
 勝間和代の説は、正しくはない。しかしその理由は、「これではデフレ脱出ができない」ということではなくて、「デフレ脱出はできるが、そのあとで不幸が倍加して襲いかかってくるから」である。
 そして、正しい方法は何かと言えば、「ばらまきをしない」ことではなくて、「ばらまきの対象を、公共投資のかわりに、減税にすること」なのだ。この場合にのみ、デフレ脱出が可能となり、かつ、インフレ暴走を避けることができる。(将来の増税によって。)
 この件は、下記で詳しく説明したことがある。
   →  nando ブログ: 公共事業の難点
   →  nando ブログ: 定額減税の意味


細木数子化する勝間和代 〜勝間和代バブルの解題 11月7日 切込隊長ブログ

その勝間和代女史が、国家戦略室で「デフレを止めろ」的なことを言ったのを知った池田信夫氏が、嫉妬を爆発させて面白エントリーをアップしたりして波紋が広がっている。

国家戦略室への提言「まず、デフレを止めよう〜若年失業と財政再建の問題解決に向けて」
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2009/11/post-288b.html
まず、デフレを止めよう
http://www.katsumaweb.com/market_eye_mtg.pdf
勝間和代氏のためのマクロ経済学入門
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51307531.html

 政権の人気取りと、やることの少ない国家戦略局が仕事してますよアピールを兼ねてマスコミネタになる仕掛けをしたに過ぎないと思うのだが、そういう瑣末な餌でいちいち釣り上げられる池田信夫氏も素敵だし、釣られ方も入れ食い式でウケる。ある特定の学派に則った議論を財政担当大臣にレクったとかならともかく、菅直人さんに言いに逝っただけなのだから放置しておけばいいのに。固定相場を導入しようとか、政策論としてはいいけど菅直人に言ってどうすんだよという内容で勝間女史も手づかみでクソを投げたわけだから、それに対する池田氏のあるべき態度は「何でクソを投げてるの?」と怒ることではないような気もするのだが。

 勝間和代バブルは潰すべき、という話のようで、池田信夫氏がどこまで本気で書いているのかも分からんところだけど、個人的には凄まじい暴言大会がネット上で繰り広げられ双方クソまみれに発展した挙句衆人環視の中で共倒れ希望です。

 一方で、田中秀臣先生も反応されている。言いたいことは分かるが、個人的には、人を見て法を説けとしか言えない。一つの学派として、有力者にプレゼンしましたという意味合い以上に、万一勝間和代女史に何事かあったら、その主張をしていたグループ自体も傷つく可能性があり、社会的なコンセンサスがさらに取りづらくなる。そのまま勝間女史が民主党に取り込まれ、彼女自身もバッジをつけるなり、都知事選に出るなどして民主党の経済・金融政策に影響力を与えられる立場まで成り上がれれば凄くいいのだが、その道のりは極めて遠く厳しいと思わざるを得ない。そうなったとして、彼女に仕えて仕事をすることになる官僚や彼女のためにメディアコントロールをしなければならない官房は大変すぎる。

[経済]勝間和代さんのデフレとの闘い
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20091106#p4



(私のコメント)
最近になって値下げ合戦が酷くなり、990円のジーンズが売られたり、500円のワイシャツが店先に並んでいる。こんなコストで作れるのは中国の糸を使った中国製の生地で、縫製はカンボジアの工場で行なっているもののようです。こんなコストではたして採算に合うのかと思うのですが、中国にしてもカンボジアにしても格安の労賃で働かされている事になる。

日本で物価がじりじり下がり始めたのは90年代からですが、100円ショップが出来たり、価格破壊商品がスーパーに並び始めて物価が上がらなくなった。昨日もカインズホームに軍手を買いに行ったのですが、一つ185円なのに20組の軍手は400円もしない値段だった。一つが20円足らずの軍手とは原価はどうなっているのでしょうか?

電動工具も前は1万円近い値段だった電動工具セットが3000円台で売られている。これは完全な価格破壊であり、中国や東南アジアからデフレが世界に輸出されているのだ。これは製造設備などの資本や技術は先進国から持ち込んで、工場用地や人件費はただ同然で働かせているからこのような価格破壊が起きているのだろう。

普通なら景気対策を行なえば景気が良くなってインフレ気味になって価格も上がってくるのですが、日本では90年代からそれが止まってしまった。国内で製造されていたものもそっくり東南アジアや中国に機材を運んで製造させれば数分の一で製造できるのだから、この流れはなかなか止まらない。

冷戦の崩壊で旧共産圏の労働力が資本主義市場に供給されるようになって世界的な価格破壊が起きた。供給の過剰がより価格破壊を促進するようになって、990円のジーンズまで現れるようになったのだろう。500円のワイシャツなど洗濯代のほうが高くなるから使い捨てのようなものだ。

しかし中国や東南アジアで作られる物はブランド化される事は無く、品質が良くなってブランド品として付加価値がつくことは無いようだ。衣類ばかりでなく自動車などの耐久消費財も同じであり、グローバル企業の下請けとして作られるか、コピー商品として自動車が作られてロシアやアフリカなどに売られている。

縫製などや自動車の組み立てなどはどうしても人手がかかるから、旧共産圏の格安の労働力で作られるようになったのですが、その為に先進国にデフレが蔓延してしまった。アメリカでもスーパーで売られている商品はメイド・イン・チャイナで溢れている。日本でもカインズホ−ム見かけた電動工具もメイド・イン・チャイナであり今までの半値から三分の一で売られている。

昔は生産する人と消費する人が同じ国内だったから物価が上がっても給料も上がったからバランスすることが出来た。しかし今では生産する人と消費する人が国が異なり、消費する人から生産する人に金が流れるから、日本は20年もそれが続いた結果、消費する金が減ってきてデフレが酷くなってきた。

日本政府は一生懸命に橋や道路を作って景気を喚起しましたが、仕事はドンドン中国やベトナムに行ってしまって、地方の工場は閉鎖されて若者には仕事が無くなってしまった。もちろん一部のグローバル企業は旧共産圏に工場を移転させる事で利益を上げてきましたが、国内の工場も非正社員化を進めて賃金が低下した。

このような状況では従来型の景気対策を行なっても効果は少なく消費は増えない。国内から仕事が減っているのだから税収も落ち込むのは当たり前のことであり、新しい産業を興して仕事と雇用を増やさなければならない。アメリカやイギリスは金融を新たな産業として金融立国を目指しましたが、リーマンショックで経済に破壊的ダメージを与えてしまった。

行き過ぎたグローバル化は、新興国の経済を活発化させる良い面もありますが、先進国の仕事を無くして貧困化を招く結果をもたらしている。アメリカはドルの基軸通貨を利用してアジア諸国の米国債を買わせてマネーを還流させて経済を活発化させてきましたが、日本は国債を国内の資金で買っているから、海外に流れ出たマネーが還流してこない。

日本だって中国から物を買うのなら円建ての日本国債を買えと言うべきなのでしょうが、ゼロ金利では売るに売れない。ならば日銀に国債を買ってもらって国がばら撒くしか手段は無いのですが、円が高いという事はそれだけ信用能力があるわけだからそれを使うべきだ。

勝間和代が「デフレを止めろ」と主張するのは当然のことなのですが、政府や日銀は増大する国債残高に「ばら撒き政策」を渋っている。国債の償還の事が心配だからですが日銀が買うわけだから法律一本でチャラに出来るはずだ。たとえ1000兆円の国債残高に増えても日銀がほとんど持っているのなら1000兆円の政府紙幣一枚発行して買い戻せばチャラに出来る。

池田信夫はそれを批判しているわけですが、池田氏は金融市場で金がだぶついている状態でインフレも起きていないと批判しているが、金融市場に金がだぶついても外に出なければインフレは起きない。勝間氏が主張しているのは政府が金を使えと言う事であり、池田氏は金融市場と財市場の違いが分からないようだ。

「株式日記」では一人当たり100万円の定額給付金を配る政策を主張していますが、円が高いという事は通貨発行しても円が高いから行う事ができる。国債を発行する事も円を発行する事も結果的には同じ事であり、当面は政府が国債を発行して日銀が札と交換すればいい。国債の償還期限が来れば政府紙幣で買い戻せばいいだけの話だ。

切込隊長ブログでは勝間氏と池田氏が漫才をやっているとからかっていますが、グローバル経済やマクロ経済を理解できる人は僅かしかいない。定額給付金でばら撒くというのが一番分かりやすいのですが、子育て手当ても一種の定額給付金だろう。70歳以上の老人がいる世帯には養老手当てなど配ったらどうだろう。

現代の老人たちは金持ちが多くて大金を溜め込んで使わない。34歳の女に80歳の老人が7000万円騙し取られて殺されましたが、振り込み詐欺でも老人たちが数百万円も振り込んで被害に遭うのも大金を持っているからだ。私ならそれだけの金を持っていたら不動産投資や株式投資に使いますが、1500兆円の金融資産は郵便貯金や銀行預金などに固まったままだ。

バカマスコミは800兆円の国債残高に大変だと騒いでいますが、池田信夫氏もその一人だ。赤字国債は税金で償還しなければならないと言う固定概念を持っているとそうなののでしょうが、勝間氏も池田氏も分かりきって漫才をしているだけなのかもしれない。池田氏もブログでは勝間氏と同じような事を言っている。


政府紙幣と国債の日銀引き受け 2月10日 池田信夫

普通の財政・金融政策が手詰まりになった中で、最近にわかに話題になっているのが政府紙幣だ。「アゴラ」に少し書いたように、これは「マリファナ」とか「円天」とかバカにするような政策ではなく、議論には値する。ただハイパーインフレになる心配より、何も起こらない可能性のほうが高い。ゼロ金利では資金需要が絶対的に飽和しているからだ。したがって政府紙幣は、金融政策ではなく財政政策である。しかしスティグリッツが「国債は債務を借り替える必要があるが、政府紙幣を発行した場合にはその必要はない」とのべたのは誤りで、白川総裁が反論したように、市中から環流してくる紙幣を日銀が買い取るところまで考えれば、無利子の国債を日銀が引き受けるのと同じだ。

したがって問題は、国債の日銀引き受けをすべきかどうかということになる。野口悠紀雄氏もいうように、これは財政法で禁じられているが、国会決議があれば可能なので、政府紙幣より現実的だ。つまり政府が日銀から借金してバラマキ財政をやるのだ。しかし日銀は通貨発行益を政府に納付しているので、政府に対して債権をもつと、両者は相殺されて同じことになる。それもしてはならないと法律で決めて、完全なフリーランチにすることは可能だが、これは日本政府が意図的に無責任になる政策だ。白川総裁は次のようにのべる:(後略)





太田総理マニフェスト 「アメリカに今後1円も払いません!米軍には出て
行ってもらいます!」 テレビの世論調査で44%もが賛成する時代になった


2009年11月7日 土曜日

テレビのゴールデンタイムの番組でこのような極論が出るようになった。

日本はアメリカに金を貢ぎ続ける情けない植民地なのだ。


太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中 11月6日 日本テレビ

オバマ大統領来日直前特別企画!爆笑問題が沖縄・普天間基地を緊急視察!移設問題の実態に迫り、地元住民との意見交換で本音を聞き出す!石破茂議員と地元住民が大激論!

▽太田総理マニフェスト「アメリカに今後1円も払いません!米軍には出て行ってもらいます!」・・・オバマ大統領の来日を控え米軍基地に移転問題でモメる日本!自民党政権で決まっていた沖縄県内移転も民主党政権では見直す事に!ノーベル平和賞受賞のオバマ大統領なら日本の平和を守ってくれる!?果たしてこのマニフェストは可決か否決か!?▽爆笑問題が沖縄・普天間基地を緊急視察&意見交換で住民の本音を聞きだす!!

出演
爆笑問題(太田光、田中裕二)、古市幸子(日本テレビアナウンサー) 有吉弘行、里田まい、佐藤唯、高橋みなみ、デンジャラス、鳩山来留夫、池田元久議員、下地幹郎議員、小川淳也議員、石破茂議員、照屋寛徳議員、山本一太議員、金美齢、ケビン・クローン、中山泰秀、森本敏、孔健、マックス・フォン・シュラー、東恩納琢磨、安次富浩 他


旧来の従属外交転換せよ 11月5日(木) 「しんぶん赤旗」

「普天間基地の即時閉鎖・撤去が沖縄県民の断固たる意思だ。この思いをしっかり受け止め、本腰で対米交渉を行うべきだ」――。4日の衆院予算委員会で質問にたった日本共産党の笠井亮議員は、沖縄の米軍普天間基地問題を取り上げ、基地たらい回しを許さない県民の強い思いを背に鳩山政権に迫力ある質問で迫りました。

世界に例ない危険な基地

 笠井氏は、人口9万を抱える沖縄本島中部・宜野湾市のど真ん中に居座る普天間基地がいかに危険か、写真パネルを示し説明しました。

 ▽全長2800メートルの滑走路をもつ基地は市面積の25%を占める▽米軍ヘリは住宅地上空を低空飛行で訓練し、年間の推定離着陸は4万5000回以上▽04年8月には沖縄国際大学へのヘリ墜落事故が発生――。

 これら異常な実態を告発した笠井氏は、「世界に例をみない危険な基地は猶予なしになくさなければならない。県民の総意だ」と早期の基地撤去を要求しました。

公約違反の容認は無責任

 民主党が、普天間基地の「県外・国外移設」を選挙公約として掲げていたことは紛れもない事実です。今年総選挙時の選挙マニフェストでは「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても、引き続き見直しの方向で臨む」とうたい、8月の民放テレビ討論で鳩山由紀夫首相は、志位和夫委員長の質問に「県外・国外が望ましい」と答えたのです。鳩山首相も「選挙で申し上げた言葉は重い」と答えました。

 ところが、鳩山政権発足後、ゲーツ米国防長官が10月下旬に来日し、名護市辺野古への新基地建設を強圧的に要求して以来、北沢俊美防衛相、岡田克也外相がそれぞれ、新基地建設容認、米軍嘉手納基地への統合を打ち出しました。

 笠井 この問題を直接担当する閣僚が公約と違うことを公に発言し行動し、それを首相は、「構わない」と容認するのは無責任だ。

 首相 (移転計画を)見直している最中なので、(公約の)範囲の中だ。

 これを受け、岡田外相は「公約と選挙中の発言はイコールでない。混同している」などという暴論を展開しました。

 笠井氏は、「選挙で言ったことは公約ではないのか。有権者は何を頼りに候補者と政党を選ぶのか」と厳しく批判しました。

米軍再編は基地拡大強化

 ゲーツ国防長官来日後、岡田外相がにわかに言い出した嘉手納基地への統合案。この間、嘉手納基地のある嘉手納、北谷両町の町議会が、「基地負担の大きい町民に新たな犠牲を強いるもので絶対に容認できない」(嘉手納町議会)など発言の撤回をもとめる意見書を可決するなど、地元住民の怒りが燃えあがっています。

 一方、名護市辺野古沖への新基地建設問題については、基地建設のため国が進める環境アセスメント(環境影響評価)の手続きがでたらめ、事故を多発しその性能が疑われている垂直離着陸機MV22オスプレイが新基地の主力機となることが判明しています。

 笠井氏は、「あらゆる意味で沖縄の負担軽減どころか基地の拡大強化そのもの」と強調し米軍再編計画の欺瞞(ぎまん)性を突きました。

 笠井 「いろんな選択肢」というが、県内たらい回ししかみえてこない。首相のいう選択肢は、普天間基地の即時閉鎖、撤去・国外移設について真剣に検討しているのか。

 首相 本来ならそうしたい。しかし安保、抑止力があり、代替地が見つからない場合、閉じておしまいというわけにはいかない。

政治生命かけ対米交渉を

 笠井氏の追及に、岡田外相は気色ばんで、「安保そのもので共産党と基本的な見解が違う」などと、従来の自公政権かと見まがうような答弁を行いました。

 これに対し笠井氏は、嘉手納統合案をめぐり、外相自身が、05年の8月、外国特派員協会の講演で「普天間基地の県外、国外への移設実現をめざし、政治生命をかけて交渉したい」との決意を表明したことなどを紹介、議場からは「おーっ、やってもらおう」との声があがりました。

 笠井 政治生命をかけて、県民の立場を尊重し、公約の立場から米側と正面から真剣に交渉するのが外相の役割ではないか。

 外相 当時と今日では状況が変わっている。

 そこで、笠井氏は、琉球新報と毎日新聞の共同世論調査(10月31日、11月1日実施)で、「県外か国外への移設を目指して米国と交渉すべきだ」と回答した県民が70%、県内移設と答えたのが25%となり、嘉手納統合案については反対が72%、賛成は15%、新基地建設には67%が反対という結果を突きつけました。しかし首相は、「県民としっかりキャッチボールを行い、最終的な結論を出したい」というだけで、最後まであいまいな答弁を繰り返しました。

 笠井氏は、政府は日米安保、抑止力の必要性などを唱えるが、沖縄の米海兵隊は、他国への出撃を任務とする部隊で日本を守るものではないと指摘。国民の意思を背景に交渉し、米軍基地を撤去させた例は世界にいくらでもあるとして、「旧来の従属外交を転換し、『基地撤去、国外移設』で正面から米国にぶつけ、対米交渉を行うべきだ」と迫りました。


東京周辺に米軍基地が集中しているのは東京が米軍の人質なのだ。

「米軍は日本から出て行け」という過激な意見に44%が賛成している。


(私のコメント)
株式日記は1997年から書き続けてきているのですが、書き始めた一因となったのは1997年のアジア金融危機が動機であり、アメリカは金融でアジア諸国を植民地支配しようとしているのではないかと言う事だ。韓国を見ればそれは良く分かる。銀行や主要企業のほとんどを外資に乗っ取られて株式配当と言う形で外資に行く仕組みになっている。

アメリカの金融資本は、日本も銀行を始めとして主要企業が外資系企業となり、株式配当や役員報酬として金が流れていくようになるように仕掛けてきた。その手先が小泉竹中の売国コンビであり、小泉内閣の経済政策を批判してきたし、郵政民営化も郵貯簡保の340兆円をアメリカに献上するものだと攻撃してきました。

東京周辺に米軍基地が集中しているのも非常に危険な事であり、東京が米軍の人質になっているようなものだ。自民党の政権時代には森氏や古賀氏などの自民党幹部がアメリカ大使館に呼び出されてベーカーアメリカ大使から小泉内閣を支えろと指示されている。アメリカ大使館は日本総督府であり米軍基地が取り囲む事で日本の政治家は逆らう事ができない。

日本で起きた政権の交代は「無血の平成維新」だと鳩山首相は国会の演説で言いましたが、「無血クーデター」と言った方がいいのではないだろうか? しかし選挙で政権の交代が起きたわけだから米軍も動くわけにはいかずに成り行きを見守っているのだろう。細川政権の時のように政治資金スキャンダルで鳩山首相と小沢幹事長を揺さぶっていはいるのですが、90年代と今とでは状況が変わってきている。

それは2008年のリーマンショックでアメリカの金融立国戦略が頓挫して五つの投資銀行がアメリカから消えてしまったことで、アメリカの金融力に決定的なダメージを与えて信用を失ってしまったからだ。日本からも巨額の投資資金が投資ファンドなどに預託されていたが巨額な損失を受けて二度と金は戻らない。340兆円の郵貯簡保がそうなる寸前だったのですが、運よく免れる事ができた。

1998年6月16日の株式日記では「アメリカ金融帝国主義は日中共同の敵」と題して書きましたが、そこでは「中国共産党と日本共産党は文化大革命以来、関係が断絶状態でしたが、近々不破書記長が訪中して、関係を回復するようです。これも日米中の外交駆け引きの一環でしょう。理想を言えば日本は中国、アジア諸国と手を組んでアメリカ金融帝国主義と対決するべきと思います。いつまでも金融を使った略奪行為を止めさせなければなりません。」と書きました。

もはやアメリカ金融帝国は致命的なダメージを受けてドルの基軸通貨体制も崩れるのは時間の問題となってきています。アメリカ経済がダメージを受ければ毎年50兆円以上もの軍事予算も大幅に削減しなければならず、そうなればイラクやアフガニスタンからの撤退や外国の米軍基地も大幅に縮小されるのは時間の問題だ。

アメリカのテキサス州では陸軍少佐が発砲事件を起こして13人が亡くなりましたが、軍隊内部も大分不穏な動きも出てきたようだ。イラクやアフガニスタンで軍の反乱事件が起きても驚くべき事ではないかもしれない。それくらい米軍兵士の士気は落ちてきている。ちょうどソ連が崩壊する前の状況にアメリカは似てきているのであり、アメリカが五つの国に分裂するかもしれない。

このような状況を考えれば、日本の自立を考えるべき時なのですが、遅かれ早かれアメリカ軍は日本から軍事基地をたたんで引き揚げていくだろう。そのようになったら東アジアの軍事的空白はどこが埋めるのだろうか? その空白に中国が出て来たら日本は大変な事になるのであり、早く手を打って自主防衛体制を築くべきだ。

民主党が政権を取った事で衆参のねじれ現象はなくなり、民主党は憲法改正を模索していた。自民党も憲法改正を目指してきましたが、民主党と自民党とで手を組めば憲法九条を改正する事が不可能ではなくなった。そうすれば自衛隊は正式な国軍となり中国と対峙する事が出来るようになる。そうなれば日本の米軍基地は要らなくなるのであり、沖縄も普天間基地問題もそこまで考えて対処すべきだ。

「株式日記」では日本の真の独立と自主防衛体制と核武装を訴えてきましたが、当面は過激な暴論として少数派を甘んじる事は覚悟はしてきました。しかし昨日の太田光の番組でアンケートをとったら「アメリカに今後1円も払いません!米軍には出て行ってもらいます!」と言う過激な意見に44%もの人が賛成している。もちろんこれが国民世論を反映しているとは思えませんが、日本に米軍基地不要論が台頭してきた事は間違いない。




米国との合意の再交渉を求めた日本の新政権に対し、ゲーツ国防長官
は総理大臣に屈辱を与えた。米国の対アジア政策は間違っている。


2009年11月6日 金曜日

きしむ日米関係、ほくそ笑む中国 11月6日 宮家 邦彦

迷走を続ける日米安保関係について、中国政府は今も沈黙を守っている。これまで何度試みても微動だにしなかった日米同盟が、ようやく、しかも日米双方の事情から混乱し始めた事実は決して小さくなかろう。今回は、最近の日米間の確執を中国の立場から検証してみたい。

日本で報じられなかったワシントンポストの報道部分

 日本の大手マスコミは10月22日付ワシントンポスト紙の記事を大きく報じた。同紙が引用した「米国はこれまで対アジア関係で日本を『不変要素』と考えてきたが、現在最も困難(the hardest thing)なのは中国ではなく、日本である」との米国務省高官の発言が注目されたからだ。

 予想されたこととはいえ、米政府内の対日懸念の大きさを象徴するこの発言は日本側安保関係者に少なからぬショックを与えたようだ。しかし、同記事の本質は同盟関係に関する日米間の確執の深刻さを伝えることだけではない。

 記事を書いたのはワシントンポストの元北京特派員で、中国語にも堪能な敏腕記者である。筆者は8年前の北京駐在時代に知り合った。中国人を配偶者に持つ中国専門家ながら、ジャーナリストとしてのバランス感覚の高さには大いに敬服したものだ。

 彼の記事の中で日本のマスコミが報じなかった部分を一部抜粋してみよう。

○オバマ政権は、もし日本の新政権が中国の台頭に対応する米軍再編計画に関する合意を反故にすれば重大な結果を招くと警告した。

○基地再編計画は、中国海軍に対抗すべくグアムの米軍基地を増強し、中国と北朝鮮の強力なロケット部隊を相殺すべく米軍のミサイル防衛能力を向上させることにより、増強を続ける中国軍事力と対峙するために練り上げられたものだ。


オバマ政権の対日政策批判

 日本ではほとんど報じられていないこの部分こそが、ワシントンのアジア安全保障問題専門家の「常識」である。この友人は中国の軍事的脅威について比較的穏やかに書いているが、米国の反中・保守派ともなれば、その対中批判はさらに手厳しい。

 例えば、10月30日の米フォーブス誌では中国批判で有名なゴードン・チャン氏がオバマ政権の対日政策を次のように痛烈に批判している。普天間移設問題は米国の対中軍事戦略と直結しているのだ。

○最近中国は米国の衛星を攻撃し、米国防総省に対するサイバー攻撃を行い、今年には南シナ海の米海軍艦船が曳航中のソナー装置を切り離し、盗もうとする「戦争行為」すら犯している。これら不当な行為に対し米国は公の場で何も発言していない。

○これとは対照的に、米国との合意の再交渉を求めた日本の新政権に対し、ロバート・ゲーツ国防長官は総理大臣に屈辱を与えた。・・・米国の対アジア政策は基本的に間違っている。


沈黙を守る中国

 当然ながら、中国側も米軍再編問題を日米の対中軍事戦略の一環と考えている。最近の日米関係の迷走は、まさに中国の望むところであろう。しかし、賢明な中国政府関係者は、内心ほくそ笑みつつも、余計なコメントは避けているようだ。(中略)

チャンス到来

 この調査を見る限り、最近の日米確執に関する中国側の見方は驚くほど冷めている。要するに、(1)米国の対日強硬姿勢は虚勢に過ぎず(2)中国を仮想敵とする日米同盟は今後とも続くが(3)中国の影響力には限界があり(4)当面現行の政策を変える必要はない、ということだ。

 もちろん、これらは中国のネット使用者の意見でしかない。しかし、人民日報系の「環球時報」が報じていることを考えれば、中国政府の見方もそれほど大きく違わないと考えてよいかもしれない。

 そうだとすれば、現在の中国側の沈黙もそれなりに理解できるだろう。建国以来、日米安保は中国にとって常に潜在的脅威であった。それが鳩山新政権になって混乱し始めたのだから、中国にとってはまさに千載一遇のチャンスなのである。

 中国側が、ここは慎重ながらも、確実に日米間に楔を打ち込まなければならないと考えている可能性は高いだろう。中国が12月にも、次期総書記として最有力視される習近平国家副主席の訪日を検討しているとの最近の報道も、こうした文脈で理解すべきである。

 「環球網」のアンケート調査が示すとおり、日米安保関係に対する中国の影響力には自ずから限界があるが、今後中国側が日米同盟関係の混乱に乗じて、民主党新政権に対する中国の影響力を拡大しようとすることは間違いなかろう。

 報道によれば、習近平氏訪日の準備のため、楊潔?外相など中国側要人が今後相次いで訪日するとも言われる。11月の米大統領訪日と12月の中国国家副主席訪日を、日米、日中外交だけではなく、日本を巡る米中間の水面下での熾烈な外交の一環として考える視点を忘れてはならない。


ゲーツ国防長官はなぜ自衛隊栄誉礼を辞退したのか――日米同盟の危機?! 10月26日 古森義久

ワシントンの日米関係政策コミュニティーでは「ゲーツ氏の辞退」が少なくとも重大な出来事として論議の対象となっています。その論議の背後にあるのは「日米同盟は危機を迎えつつあるのか?」という疑問です。

ワシントンでゲーツ長官の外交儀礼を欠いたかのような態度が最初に話題となったのは、ワシントン・ポスト10月22日の記事が契機でした。この記事はジョン・パンフレット記者とブレイン・ハーデン記者との共同執筆です。

ハーデン記者は東京駐在のようですが、パンフレット記者は元来は中国報道で名声を確立したベテランです。いまはワシントン駐在で、部長級のエディターとして取材も執筆もするという感じです。ちょうど私の北京駐在時代にパンフレット記者も北京にいて、知己を得ました。

その両記者の長文の記事はゲーツ長官の訪日にからめて鳩山新政権のアメリカや日米同盟に対する態度にオバマ政権がいらだちを深めているという趣旨でした。見出しは「アメリカは軍事パッケージに関して日本に圧力をかける」「ワシントンは東京の新リーダーたちが同盟を再定義しようとすることに懸念を抱いている」でした。

その記事でとくに興味深い部分は以下の記述でした。

「外交儀礼が重要性をにじませることの多い(日米同盟)関係で、

ゲーツ長官は自分自身のスケジュールに(米側の受け止め方を)語らせた。長官は防衛省高官たちとの夕食会と防衛省での歓迎の儀式への招待をともに辞退したのだ」

このことは日本側では少なくとも読売新聞が報じていました。しかしごく小さな扱い、しかも他の解説記事のなかの短い言及という感じでした。産経新聞もワシントン・ポストの報道を受ける形で25日付で報じています。「ゲーツ長官はいったんはセットされていた北澤防衛相との夕食を断った」というのでした。

ゲーツ長官は明らかに鳩山新政権への不満のために、あえて会食も栄誉礼歓迎式もボイコットしたのです。こんなことは日米安保関係の長い歴史でもまず例がありません。アメリカ側はそれだけ現状を重大だと認識し、不満や抗議の念を強めているのでしょう

オバマ政権がこのように強硬に、しかも臆するところなく不満を表明するという現実は、日本の安全保障にとっても深刻です。米側の硬化は今回は夕食と歓迎式の辞退、あるいは拒否だけに留まったようですが、安全保障でのこうした負の変化は必ず経済面にまで波及します。そうなると安保面での悪影響を認めたがらない日本側の特定勢力も、さすがに経済面での悪影響は認めざるを得ないことになるでしょう。そういう流れが少なくとも過去のパターンでした。

オバマ政権がこうして強硬な姿勢を打ち出してきたことの理由や経緯はまた回を改めて報告しましょう。

今回、強調したいことは、たかが夕食会とか歓迎式といって、軽視をすると、全体図の不吉な変化の予兆をまったく見逃すことになるだろうという点です。日米同盟は破棄したほうがよい、という立場を取るのなら、またアプローチはまったく別になりますが。


(私のコメント)
アメリカのゲーツ国防長官の高圧的な態度は、古森記者が書いているように異例のものですが、それくらい今のアメリカ政府は日本の民主党政権に苛立ちを覚えているのでしょう。従来の自民党政権の時では考えられないほど日本政府の態度が硬いからですが、親米ポチ保守の記者はアメリカ様がお怒りだと言う事なのでしょう。

沖縄の普天間基地の問題は、自民党政権以来の10年にも及ぶ問題であり、地元との調整に手間取っている。しかし自民党でも踏み切れなくなったのは、新たな基地を建設するのに4000億円もの費用がかかると言う事であり、外国の軍隊の為にどうしてそんな負担をしなければならないのでしょうか? 岡田外相が言うように嘉手納基地に移転すればたいした費用もかからない。

ゲーツ国防長官の態度は失礼千万な態度であり、日本の防衛大臣がアメリカに行って国防総省の栄誉礼や幹部との会談を拒否したらどういう事なのか分かるだろう。しかし日本の新聞にはこの事実がほとんど報じられなかった。たいした事じゃないから報じられなかったのではなくたいした事でありすぎたから日本のマスコミは報じなかったのだ。

この事はもはや従来の日米の力関係では考えられなかった事なのですが、アメリカはリーマンショック以来国力を大きく失ってしまってプレゼンスが無くなってしまった。中国に対するアメリカ政府の卑屈なまでの態度は日本から見てもアメリカの権威を失わせるものであり、クリントン国務長官もぺロシ下院議長も北京に行っても人権問題を言う事は出来なかった。それくらいアメリカは中国に権威で負けてしまったのだ。

アメリカ自慢の国防力でも、中国が衛星を打ち落として宇宙にゴミをばら撒いてもアメリカ政府は一言も抗議しない。国防総省に中国からのサイバー攻撃を仕掛けても国防総省は何の反応も返さない。米海軍のソナーを曳航したロープも切断しても米海軍は何も出来ない。アメリカの中国に対する弱腰は日本を不安にさせますが、アメリカはもはや中国の軍事的脅威にアジアでは対抗できなくなっているのだ。

戦争はもはやミサイルが飛びかう戦争ではなくて、経済力や情報戦争が主な舞台になってきている。アメリカがいくら核ミサイルを持っていた所で使えなければ何の意味も無いのであり、現代の戦争ではミサイルよりもドルやユーロや元が飛びかう戦争になっている。ソ連は滅びたのもソ連経済が破局したからですが、アメリカが滅びるのも経済破綻が原因となるだろう。だから「株式日記」ではそれに備えろと書き続けてきました。

このような状況では、アメリカのゲーツ国防長官が圧力を掛けても鳩山首相はハトが豆鉄砲食らった程度のダメージしかないのであり、アメリカの一極覇権主義の時代はイラクやアフガニスタンで負けたことで終わってしまったのだ。後はアメリカが何時イラクやアフガニスタンから撤退するかの段階であり、撤退が遅れれば遅れるほどアメリカの滅亡の時は早まる。

その事に気がつかないのは自民党でありマスコミだ。古森記者もその一人なのでしょうが、確かにアメリカ国内にいればアメリカは豊かな国であり、その風景は昔と変わらないだろう。しかし一歩海外に出ればアメリカの威光は失墜してアメリカの影響力は急激に弱まってきている。アメリカの中国に対する媚びへつらいはその象徴のようなものだ。

アメリカは日本にとっての巨大市場だったのですが、リーマンショック以降は対米輸出は四割も減ってしまった。だからトヨタもホンダも大幅に減益か赤字で、市場を中国やEUに求めざるを得なくなった。そしてアメリカの消費が回復する事は不動産価格が元に戻らなければ無理だ。こうなれば日本にとっても背に腹は代えられないから「アメリカさんさようなら、中国さんEUさんこんにちわ」にならざるを得ない。金の切れ目が縁の切れ目であり、アメリカからは金をたかられるだけであり、同盟国としてもメリットも少なくなる一方だ。


上海協力機構という存在?ユーラシアの地政学の新局面 8月号 寺島実郎

注意深く見つめている数字がある。今年に入っての日本の貿易構造の変化を示す数字である。二〇〇九年一〜五月の輸出と輸入を合計した貿易総額における相手先の比重において、米国との貿易が占める比重はわずか一三・五%となり、中国との貿易比重は二〇・三%と、ついに二割を超した。また、アジアとの貿易比重は四八・五%となった。短期的要因としては、中国依存の景気回復に傾斜する日本ということであり、長期的構造要因としては、通商国家日本が「米国との貿易で飯を食う国」から「中国を中核とするアジアとの貿易で飯を食う国」へと変質していることにほかならない。

さらに、欧州やロシア、中東を含むユーラシア大陸との貿易という視点でいえば、実に日本の貿易の七五%はユーラシアとの貿易となった。より踏み込んで凝視すれば、上海協力機構(準加盟国を含む)の国々との貿易が、日本の貿易総額の二六・〇%を占めるまでに拡大していることに気付く。米国との貿易比重が一三・五%と、八年前の半分にまで落ち込み、上海協力機構との貿易比重が八年前比で倍増しているところに、二一世紀日本の国際関係の基盤の変化が凝縮されている。





東アジア共同体にとって米国は不要な存在であり、日本が中国とさらに
友好な関係を構築する上でも沖縄の米軍は邪魔な存在なのだ。


2009年11月5日 木曜日

民主党内紛で日米関係に危機 11月4日 ニューズウィーク

ヒラリー・クリントンとの外相会談キャンセルでまたも混乱を露呈した鳩山政権。オバマ訪日を来週に控えても、緊張打開の糸口はまだ見えない

外交儀礼を非常に重視する日本にとって、いったん設定した閣僚レベルの会談をキャンセルするような事態はまずありえない。だが11月2日、米国務省は6日に予定されていたヒラリー・クリントン国務長官と岡田克也外相の会談を見送ると発表した。

 この外交上の混乱は、日米同盟に地殻変動が起きている現状を象徴している。日本の民主党は、対米関係の見直しを掲げて9月に政権を取った。だが与党になった今、彼らはどの程度まで変化を起こすべきかという問題をめぐって党内でもめている。

 日米外相会談がキャンセルされた一件も、最近の日米関係を「危機」と呼ぶアメリカ側の懸念を深めるだけだ。ある国務省高官によれば、クリントンは岡田の訪米が可能になった場合に備えて6日のスケジュールをまだ空けているという。

 日本の報道によれば、岡田は米軍普天間飛行場の移設問題について、12日のバラク・オバマ大統領の訪日前にアメリカ側と調整しかったとされる。だが鳩山由紀夫首相は、この問題がまだ日本政府内で検討されている段階で岡田がアメリカと協議することを嫌い、訪米にストップをかけた。

 また、10月20日に訪日したロバート・ゲーツ国防長官の発言によって混乱した関係を立て直したいという思惑は、日米双方に共通している。普天間飛行場の移設問題はアメリカにとってはマイナーな問題だが、日本人にとっては感情を揺さぶられる重要課題。ゲーツは計画どおりに移設を進めるよう強硬に迫ったが、この対応はアメリカでも普天間にこだわりすぎだったと考えられている。

米政府、今は「一喜一憂しない」方針

 もっと広い視点で考えれば、日米関係の重心が国防総省から国務省に移っているのかもしれない。岡田は普天間問題に絞ってクリントンと協議したかったようだが、クリントンはより広い目標を想定していた。日本の新政権にはアフガニスタンから中国まで幅広い戦略的課題に取り組んでほしい、というのだ。

 つまり、オバマ政権は基地の移転という細かい軍事課題に絞らず、より広範な戦略課題について日本政府と議論したがっている。なのに、日本では閣僚が外交政策をめぐって対立を続けており、オバマ政権は日本との対話を進められない。

 鳩山も外交政策、特に日米同盟については党内や閣僚の間で複雑な対立があると認めている。岡田にとっては鳩山が困難な立場に立たされるがほうが都合がよく、そのために訪米をキャンセルしたという見方もできる。

 ワシントンで対日政策に携わる高官らは、2つのアプローチを併用している。一つは「しばらく様子を見る」戦略。民主党政権が内輪の議論を収束させ、政策の落とし所や交渉スタンスについてアメリカと話し合う準備ができるまで待つのだ。

 2つ目のアプローチは「瞬きをするな」。民主党の指導層がアメリカを批判する言葉や矛盾する見解を述べても、いちいち大げさに反応しないという意味だ。また、日本政府が政権運営に慣れるまで、アメリカ側の主張を強く押し付けないよう留意している。「アメリカは、日本が今後どの道に進むのかという点を提示するのを待っている」と、対日政策に携わる米高官は語った。

 オバマ政権の日本担当者の間には、日米関係の「危機」についての報道はあまりに大げさだという感覚もある。いくつものテーマが議論のテーブルに上がっているのはかつてない事態だが、それは悪いことではないという認識だ。

「どの問題もニュースになりえるが、どれも手に負えないほどの問題ではない」と、先の高官は言う。「日米は今も根本的な次元で依存しあっている」(後略)



普天間基地問題の政治 - 米国にカードはなく、日本は妥協の 11月4日 世に倦む日々

二点目は、日本のマスコミに対する要望だが、米軍の世界戦略と展開の中で、普天間基地の存在意義はどうなのかという軍事分析の情報が欲しい。日本側の一般要求は、普天間基地を閉鎖返還して海兵隊をグアムに移せというものだろう。この要求について、米国の国防戦略の上で何の不都合があるのか。3週間前のサンデープロジェクトで金子勝が言っていたが、SACOの最終報告(日米合意)の後、キャンプシュワブ沖の新基地建設が急浮上したのは、ラムズフェルドによる「不安定な弧」への対応が戦略措定され、 米軍再編が日米の問題として具体化されたからだった。

現在、米軍はイラクから撤退を開始し、アフガン戦線は敗色が濃厚となり、「不安定な弧」戦略は完全に破綻してしまっている。テロとの戦争は失敗し、米国は中国と共存する以外になく、ブッシュ時代の米軍再編はそもそもの前提を失い、見直しを迫られる地点に立っている。米国の政権も変わり、豪州の政権も変わり、日本の政権も変わった。その国際政治と安保環境の下で、在沖の海兵隊のオペレーションの意味はどうなのか。海上滑走路を作ってまで沖縄本島に海兵隊を駐留させなければならない作戦上の必要性があるのか。

海兵隊の本部機能と共に飛行部隊もグアムに移転させる不具合は、軍事的見地からどれほどあるのか。そうした純軍事的な議論が日本のマスコミで少ないように思われる。当然、親米右翼側は森本敏と志方俊之が出てくるだろうし、日本の一般要求側は田岡俊次と小川和久が出てきて討論になるだろう。軍事的な議論が入れば、米国側の現在の強硬な対日姿勢の理不尽さが明白になるような気がする。

今回、普天間問題が日米で論議されて約2か月になる。表面には出ないが米国の対応も揺れている。参院選を半年後に控えた今、この問題で自民党が沖縄県民の感情を逆撫でする方向で民主党政権に揺さぶりを入れることはできず、つまり、米政権と一体になって辺野古基地建設へ鳩山政権を追い込むような真似はできない。鳩山政権はこの問題で内憂はなく、米国との関係をどうするかだけである。

現時点で、日本側が何か譲歩を強いられる要素や条件は何もない。沖縄県民の世論調査の数字が出ている以上、強気に交渉して米国と対立しても、それが原因で支持率を落とすというという事故には繋がらない。保守マスコミは鳩山政権を叩いて、米国の国益の側に日本の政策を進めようと世論操作をするだろうが、沖縄県民の県内移設拒否の世論がある限り、保守マスコミの世論操作の効果も知れている。弱気にならなければならない材料はなく、正面から堂々と基地返還を求めればよいのであり、前政権での合意の撤回を申し出ればよいのである。

日本政府が強気に出ることで、変わらざるを得ないのは米国側の方であり、米国のマスコミが問題を詳しく取り上げて、現地の実情が報道されればされるほど、国外移転の要求が正論であることが米国側に浸透して行く。米国の側には切り札はない。極東ソ連軍の脅威が消えた現在、すでに日米同盟の必要や利益は日本側にはなく、利益は米国だけが享受する仕組みになっている。日本の対外貿易相手国の第一位は中国であり、今後も中国との関係ばかりが重要度を増す。東アジア共同体にとって米国は不要な存在であり、日本が中国とさらに友好な関係を構築する上でも沖縄の米軍は邪魔な存在なのだ。


(私のコメント)
91年の冷戦体制の崩壊以降の日米安保体制は共通する敵がいなくなり、アメリカは日本を経済面での敵国として圧力を掛けてきた。当然日本はそれに対応する外交手段をとるべきだったのですが、細川政権も9ヶ月で崩壊して自民党体制が続いた。自民党はCIAとヤクザが作った政党であり、アメリカは自民党の後ろ盾となってきた。特に共和党は積極的に自民党との関係を重視した。

しかしアメリカはオバマ民主党政権が出来て、日本も細川政権以来の非自民政権が出来た事で日米関係も転機を迎えている。アメリカの長期戦略としてはヨーロッパやアジアからは撤退して中東に集中するのが長期的戦略なのだろう。しかし中東の石油を独占できたところでシーレーンが寸断されればアメリカの中東戦略は成り立たなくなる。

まさにアメリカの命運は日本の、それを自覚している日本の政治家が少ない。しかしクリントン大統領は中国との戦略的パートナーシップを掲げて、日本を素通りして親密な米中関係を築いた。それでも日本の外交は動かず親米一本やりの外交を堅持した。打たれても蹴られてもアメリカに縋り付く自民党政権は「寛一お宮」のお宮のようですが、マスコミも同じようなものだった。

日本にとっては外交も防衛もアメリカに丸投げは非常に気楽なものですが、アメリカにとってはどうなのだろうか? 特にアメリカの民主党は日本よりも中国を重視する政党ですが、ブレジンスキーやキッシンジャーは中国の代理人のようなものだ。彼らは中国をアジアの覇権国として育成してアメリカはアジアから引き揚げていく戦略を持っている。

しかしアメリカの軍隊も、イラクやアフガニスタンを見てもなかなか軍隊を引き上げる事は困難な事であり、ましてや米軍にとって快適な日本の軍事基地を手放す事には反対だろう。日本だっていったん軍隊を海外に出すと引き揚げさせる事は非常に困難であり、軍隊にとっては戦争はおいしい利権の打ち出の小槌だ。しかしそれではアメリカの財政が持たない。

小泉政権の頃のように日本が金をジャンジャンアメリカに流してくれればいいが、それでは日本が持たなくなってきている。今では中国からの金が頼りだが中国は非常に危険な国だ。いつドルや米国債を投売りしてくるかわからない。そうなればドルの基軸通貨体制も終わりであり、石油もドルではなくユーロでなければ買えなくなるだろう。日本の経済評論家はドルに代わるべきものはないと言っているが、経済評論家の言った事が当たったためしがない。

オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞するのは何を意味するものだろうか? ヨーロッパの奥の院ではこのままではアメリカが持たない、イラクやアフガニスタンからも撤退させて海外の軍事基地も大幅に縮小する必要があると思っている。今までのように日本やサウジアラビアからの財政援助も期待できない以上は、そうするしかないのだ。その為には政治的にそうせざるを得ない状況にして軍隊を撤収させるのがアメリカ政府の狙いなのだろう。

そうするには中国がドルや米国債の投売りをするか、日本がアメリカ離れをしてアメリカを孤立化させることであり、日本という海外拠点を失えば米軍はイラクやアフガニスタンから撤退せざるを得なくなり、海外の米軍基地は大幅に縮小せざるを得なくなる。アメリカ政府が狙っているのはそこなのだ。しかし自民党政権ではアメリカべったりだからアメリカ離れは出来ないが鳩山民主党ならそれが出来る。

日本にとっても対米自立は時代の流れであり、冷戦崩壊から20年たってようやく日本はポスト冷戦時代を迎える事になる。アメリカの経済破綻でアメリカは外国から物を買うことが少なくなり日本や中国はアメリカ離れが進んでEUに市場を求めなければならない。もはやアメリカよりもEUのほうが人口もGDPも大きくなり、アメリカを支える金融は力を失い製造業は空洞化してしまった。

その事を一番知っているのがアメリカの支配層であり、大きくなりすぎた米軍の扱いに苦労している。大幅な軍縮をするには日本にアメリカ離れを促さなければならないのであり、沖縄の普天間基地問題では鳩山政権ががんばってもらってアメリカ離れをしてもらわなければならない。それだけのアメリカの内心が読めなければ外交は出来ない。小沢一郎の「第七艦隊で十分」と言う発言はアメリカの奥の院が言わせているのだ。

産経新聞や親米派の発言はこの辺の状況が読めていないのであり、もし読めていればアメリカがイラク侵攻する前に日本がアメリカ政府にストップをかけていたはずだ。ところが小泉首相は憲法を捻じ曲げてまでアメリカのために尽くしてブッシュを喜ばせた。しかしブッシュも内心は複雑だったのではないだろうか。ドイツはイラク戦争の反対したのに日本はイラク戦争の協力してしまった。当時アメリカを止められるのは日本しかなかったのだ。

だから「株式日記」はイラク戦争に反対しましたが、アメリカはイラク戦争に踏み込めばアメリカは経済的に持たなくなる事は明らかだからだ。しかし小泉内閣はドルを1年足らずに34兆円も買ってアメリカを支えた。小泉首相に適切な助言が出来る外交戦略家が日本にはいなかった。外務省も大局的な外交が分かる人材がおらず、欧米の奥の院と話が出来るのは小沢一郎だけなのだろう。

ゲーツ長官が日本に来て強硬な事を言って帰ったのも、沖縄県民を挑発する為であり、基地建設反対運動に火をつけるためなのだろう。田中宇氏も以前からアメリカは自滅したがっていると書いてきましたが、最近になって日本に民主党政権が出来た事でそのシナリオの実現性が高まったと言える。


沖縄から覚醒する日本  11月4日  田中 宇

昨年末、私は「世界的な政治覚醒を扇るアメリカ」という記事を書いた。それは、米国オバマ大統領の外交顧問である国際戦略家のズビグニュー・ブレジンスキーが米新聞に発表した「世界的な政治覚醒」という論文を読んで分析したものだった。私には、ブレジンスキーが米政府の隠れた戦略として、世界の人々の反米感情を煽って世界的な政治覚醒を進め、世界が米国の支配から独立していくように仕向け、世界体制を単極型から多極型に転換させようとしていると感じられた。世界的な政治覚醒を扇るアメリカ

 当時のブレジンスキーの論文を読み返してみると、興味深いことに気づく。そこには、世界的な政治覚醒が起きることによって、世界は(コロンブス以来)500年続いた欧米による支配が終わり「中国と日本が台頭する」(the new pre-eminence of China and Japan)と書いてあるのだ。日中台頭の後、いずれインドやロシアの台頭も起きるかもしれないとも書いている。つまり、BRICと同時に日本も多極型世界を主導する国の一つになるという意味のことを、ブレジンスキーはさらりと書いている。(Zbigniew Brzezinski: The global political awakening

 昨年末、この記事を読んだ私は、ブレジンスキーは日本に関して全く頓珍漢なおやじだと思った。私は、世界が多極化していく中で日本が再生するには、対米従属から脱して国際自立するしかないと以前から思っていたが、当時の日本は麻生政権が何をやってもうまく行かないのに対米従属一本槍のままで、もし総選挙をして政権交代が起きたとしても、民主党はネオコン政党なのでたいした変化は望めない感じだった。私は「今回のブレジンスキーの『中国と日本は』というくだりは中国だけが本質的な主語で、日本はブレジンスキーの中国偏愛を読者に悟られないようにするための当て馬にすぎないのかもしれない」と書いた。

 しかし実は、市井の私なんかよりブレジンスキーの方が、はるかに日本の深層をよく知っていた。その9カ月後、総選挙で政権をとった民主党は、すぐに「東アジア共同体」の戦略を打ち出して中国や韓国との協調路線をとり、日中を軸とする東アジアの共同体が今後の多極型世界の中で台頭する道筋が急に見えてきた。おそまきながら民主党の過去の政策構想を漁ると、たとえば2004年の憲法提言の中に、すでに国際的な国家主権の共有、つまり東アジア共同体をEU型の地域統合にしていく方向性が盛り込まれている。鳩山政権の東アジア共同体は短期的な思いつきではなく、何年も前から考えてきたことがうかがえる。ブレジンスキーが属する米中枢の人々は、それを前から知っていたのである。(創憲に向けて、憲法提言 中間報告 2004年6月22日)(後略)






日本郵政人事に見る小沢流官僚掌握術、民主党の脱官僚政治も
自民党系官僚を排除する目的であり、党主導の権力構造を築く。


2009年11月4日 水曜日

小沢一郎氏への権力一元化 11月4日 山崎 元

日本郵政人事のメッセージ

 権力は、それがどう行使されるかによって、世間の評判が変わる。世間が満足する間は、権力の存在はさして注目を集めないが、その影響に誰もが満足する訳ではなくなると、俄然、その権力がどんな構造に支えられているのかが問題になる。われわれの経験からすると、多くの国民が権力に不満を感じるようになっても、権力のありようによっては、なかなかこれを取り除くことが出来ない。かつて、自民党政権の背後にあった権力の構造も、いざ取り除こうとすると、なかなかに手間の掛かる代物だった。

 民主党政権が発足して1月半が経過したが、同党幹事長である小沢一郎氏の周辺の権力構造もまた、これを取り除いたり修正したりすることが困難なものになるのではないか。こう思うに至った、象徴的な出来事は、日本郵政の首脳人事だった。

 西川善文社長の退任に大きな違和感はないが、元大蔵次官の斎藤次郎氏の社長就任には大きなインパクトがあった。

 この人事の当事者である亀井郵政改革担当相によると、適材適所の人事を行う上で元官僚だからといって排除の条件にはならないとのことだが、この人事は、「天下り根絶」を訴え、日銀総裁人事などで「元官僚」を主な理由に複数の候補者に反対してきた民主党の主張とは明らかに矛盾する。報道によると、鳩山首相は亀井大臣からこの人事案を聞いて驚いたらしいが、これを承認した。また、かつての野党時代なら批判が噴出したのではないかと思われるが、民主党内から批判の声は殆ど出ていない。連立相手である国民新党と亀井大臣への配慮もあろうが、これは異様だ。

 推測するに、かつて細川政権時に共に国民福祉税構想を推進しようとした仲である斎藤次郎氏に対する小沢一郎氏の信認が厚いことを、どの関係者も意識したからではないか。だとすれば、その先には小沢氏の絶大な権力が見える。

 この人事が承認される運びになった場合、その人事のメッセージ効果は極めて大きい。端的に言って、民主党、最終的には小沢氏に協力する官僚は、将来、何らかのポストに登用される可能性があるということだ。この可能性を見せられて、民主党になびく官僚は少なくないだろう。

加えて、民主党は、これまでのところ日本郵政を完全に官営に戻すと言っているわけではない。また、その株式を一切売却しないと言い切っているわけでもない。

 日本郵政は建前上民間会社であるから経営幹部には高給を払うことも出来る。同時に政府が大半の株式を保有するので、経営者は株主に気を遣う必要もないし、買収される心配もしなくていい。経営者のポストだけではないが、こうした特殊会社のポストを配分できる権力は、特に官界に対しては強力な影響力になり得る。もちろん、これが先例として承認されるなら、他の組織に対する天下り(的)人事にも影響力を行使できるから、官僚を相当程度コントロールできるようになるだろう。

 この強引な先例作りは、亀井大臣による、民主党、ひいては小沢氏の権力に対する大きな貢献となる可能性がある。

行政刷新会議のお粗末から見えたもの

 来年度予算に関連して「事業仕分け」を行おうとした仙石担当大臣の行政刷新会議は、仕分けの担当者の人選に関して、小沢幹事長に手順の不手際を詫びて、当初案を撤回・修正する運びとなった。

 ビジネスの世界で考えるとしても、この根回し不足はお粗末だが、この件に関して、仙石担当大臣と平野官房長官が小沢氏に謝ったことが報じられており、一応は一人前の大人であり、選挙を経た議員でもある当事者の議員達も「事業仕分け」の担当をおとなしく降りた。

 このイベントは、単に行政刷新会議のお粗末というだけでなく、今次の政権の政府に対する党の優位、個々の議員に対する党の管理の優位を形にして世間に見せたところに大きな意味がある。そして、党の管理の中心に居るのが小沢一郎氏だ。

 今や、閣僚も議員も、小沢氏の胸中を推測して、少なくとも彼が反対しないような行動を取らなければならない。小沢氏の監視と力を意識して、小沢氏が指示しなくても小沢氏の指示を受けたかのように動くのだから、これは権力として一つの完成形をなしつつある。(後略)



新政権、憲法どこへ 小沢幹事長「法の番人」封じ 11月3日 朝日新聞

日本国憲法が1946年に公布されてから、3日で63年。改憲問題をめぐる民主党の対応に注目が集まるなか、小沢一郎幹事長が唱える「官僚答弁の禁止」が論議に悪影響を及ぼしかねないと心配する人たちがいる。ただ、目の前の課題や党内事情もあって、新政権にとって改憲は「後回し」の状態だ。

 「これは官僚批判の名を借りて、憲法の解釈を変えてしまおうという思惑では」

 神戸学院大法科大学院の上脇博之教授(憲法学)は、ニュースで見かけた民主党の動きを気にかけている。

 発端は先月7日の小沢一郎幹事長の記者会見。「法制局長官も官僚でしょ。官僚は(答弁に)入らない」と語り、国会法を改正して内閣法制局長官の国会答弁を封じる意向を示した。

 内閣法制局は「法の番人」とも呼ばれる。法理を駆使して、ときの政府の意向をかなえる知恵袋の役を果たす一方で、例えば海外での武力行使をめぐって「憲法9条の下ではできない」との見解を守り続け、憲法解釈に一定の歯止めをかけてきた。

 一方、小沢氏はかねて「国連決議があれば海外での武力行使も可能」と主張し、何度も法制局とぶつかってきた。新進党首だった97年には、日米ガイドラインの憲法解釈をめぐって橋本首相に代わって答弁した法制局長官を「僭越(せんえつ)だ」と国会で批判。03年には自由党首として「内閣法制局廃止法案」を提出した。

 こうした過去の言動を見れば、憲法解釈も政治家が行うというのが、小沢氏の隠れた真意だと上脇教授は見る。(後略)



(私のコメント)
政治主導が民主党のマニフェストですが、天下りの根絶もその中に含まれている。しかし日本郵政の社長に大蔵省OBの斉藤次郎氏の就任は、マスコミがいっせいに公約違反だと噛み付いている。日曜日のテレビでもそればかりやっていたような気がするほどだ。確かに公約違反なのでしょうが、民主党が天下りの根絶や脱官僚政治を言っているのかと言うと、自民党に忠実な官僚を排除する為であり、民主党に忠実なら斉藤次郎氏のように天下りを面倒見るよという権力掌握術なのだ。

表向きは亀井大臣が一存で決めたという事になっているが、「株式日記」では亀井ー小沢ラインで決めたのだろと以前書きました。鳩山首相はいつでも差し替えの効く存在であり、直前まで日本郵政の社長人事を聞かされていなかったようだ。つまり小沢氏に率いる党主導で民主党政権が動いているのであり、小沢氏への権力集中がはっきり見えてきた。

つまり民主党のマニフェストなどと言うものは国民を欺く事の手段なのであり、真の狙いは官僚たちへの民主党への忠誠を迫る為の手段なのだ。だから鳩山首相もかつては政権を取ったら局長以上の官僚から辞表を出させるという事まで言っている。民主党に逆らったらすぐに首だぞという脅しなのですが、官僚は小心者が多いからすぐに民主党になびいてしまったようだ。

自民党政権時代の官僚は政治家をバカにしきって「民主党政権が出来ても三ヶ月で潰してみせる」と言った官僚がいたそうだ。安倍政権時代は大臣のスキャンダルをマスコミにリークして安倍首相を辞任に追い込んだし、公務員制度改革に積極的な渡辺大臣を自民党から追い出したのも官僚だろう。渡辺氏自身が、官僚たちが地元にまで押し寄せてスキャンダルネタを探し回っていたと証言している。

鳩山首相の政治資金スキャンダルも官僚たちの抵抗なのでしょうが、小沢幹事長は官僚を天下り禁止で恫喝しながらも、日本郵政の社長に大物大蔵次官だった斉藤氏を据える事でアメとムチを使い分けて官僚を使いこなそうとしている。権力の掌握術とは以下に人事で組織の権力を固めるかにあり、麻生首相のように「官僚は使いこなす」と言ってみた所で、バカにされてピエロにされるのがオチだ。

小沢氏のやり方が良いとか悪いとか言っているのではなくて、権力を掌握するには知恵と能力と恫喝力がなければ出来ない。国会中継でも菅義偉議員が噛み付いていましたが、鳩山首相は「省庁の斡旋による天下り禁止だ」とかわしている。つまり天下りも政治主導で天下りさせると言う事だ。これでは官僚は民主党に逆らえなくなる。

自民党の菅氏が脱官僚天下り禁止を繰り返して攻撃していたが、政治主導で決めた事と各大臣も受け流していた。それで菅議員も追及に立ち往生してしまっているが、亀井大臣のヤジに逆切れしているのは自民党議員がいかに能力劣化しているかの証明だ。自民党議員がいかに攻撃しても鳩山首相から「あなた方に言われたくない」と言われて怯んでいたのでは情けない。

自民党政権では憲法解釈まで官僚に依存していましたが、これでは官僚政治といわれても仕方がない。官僚の国会答弁を禁止したり官僚の記者会見を禁止したのは、政治主導の政治には欠かせなき事だ。官僚は従わせるべき存在であり、国民の選ばれた政治家が主導しなければ自民党のようになってしまって、集団的自衛権まで官僚の解釈が決めてしまう事になる。

小沢氏の権力を実感させたのは郵政人事もそうですが、事業仕分けに新人議員を外させた事にも現れている。自民党政権にはこれだけの権力を持っていたのは金丸信ぐらいなものであり、彼は海部首相の「重大な決意」を捕らえて辞任させてしまった。旧経世会にはこのような権力体質があったのだろう。人事権を持つものが最高権力者であり、郵政人事から見えるようにいま権力を持っているのは小沢氏と亀井氏なのだろう。

小沢氏も亀井氏も元自民党議員であり、権力闘争で破れて自民党を飛び出した人たちだ。だから一癖も二癖もある議員であり、マスコミから叩かれ続けてきた。このような人がいったん権力を握れば、なかなかしぶとい存在になりマスコミも彼らの逆襲を覚悟しておくべきだろう。マキャベリも権力を取るまでに苦労した人は権力を失う事は少ない。君主は愛されるよりも恐れられる事が大切だ。

政治の世界に倫理や道徳を持ち込む事は間違いなのであり、力こそは政治であり、権謀術数をふるえる人物でなければ政治の世界に入るべきではない。それこそ倫理や道徳を振りかざして判断したら政治が混乱する。何が善であり何が悪であるかは時代の変化で変わってしまう。だから政治の世界で善悪を論ずるのは間違いだ。

マスコミがいつも間違えるのは善悪の判断で記事を書くからだ。確かのその時は善であっても時代が変われば悪になり、だからマスコミは間違った記事ばかりになってしまう。かつては小沢氏や亀井氏が悪であり、小泉氏や竹中氏が善だった。昨日のNHK特番では小沢氏と小泉氏の権力闘争を放送していましたが、自民党と民主党が「改革」の旗印をめぐって争っていた。

その戦術転換をしたのは小沢氏であり、小泉改革が地方を疲弊させている事で「国民の生活が第一」と言うスローガンが参院選挙でも国民大衆の支持を受けて参院選挙で大勝利した。つまり小泉改革がまやかしであり郵政を民営化させても日本はちっとも良くならなかった。もし自民党の幹部が「株式日記」を読んでいれば間違いに早く気がついたことだろう。

民主党政権も国民生活の建て直しに成果が上がらなければ、政権から転落して元の木阿弥になる事は分かっているだろう。そのためには出来る事は何でもやる姿勢が必要であり、子供手当てや農家への戸別所得補償はその政策の一つですが、消費が落ち込むデフレ経済に対しては政府が積極的に金をばら撒いて消費を増やす事だ。小沢氏はそれで「国民の生活が第一」と言ったのだ。

小泉内閣では財政再建を第一としたから増税して消費が減ってしまった。だから民主党では減税して財政拡大して赤字国債を恐れない事だ。亀井大臣は10兆円の補正を組めと言っているが、やれる事は何でもやるべきだ。今の小沢一郎なら何でも出来る。マキャベリではないが目的の為に手段の善悪を論じてはならない。赤字国債も日銀に買い取らせればいいのであり日銀は無制限に一万円札を刷る事が出来る。それで景気が良くなれば善なのだ。




民主党の一番にやらなくてはいけない仕事は、「悪のペンタゴン」の解体
である。自民党、官僚機構、アメリカ、メディア、財界の癒着の構造である


2009年11月3日 火曜日

政権交代後、民主党がとるべき戦略の一考 11月2日 佐藤研一朗

さて、前置きが長くなってしまったのですが、リバータリアンという立場に立って、念願の政権交代を果たした後の民主党に、どのような戦略を提案することが出来るでしょうか。

私は民主党に、二段階右折の戦略を採ることを薦めたい。まず最初の数年は戦後日本の癒着の構造を解体することに力を入れる。その後、現在の民主党の進めている政策では経済が回復しないから、そこでいったん止まり方向転換をして優しい小さい政府に向かって進んでいくべきだと言うものです。

友愛の鳩山民主党は、ヨーロッパのような社会民主主義というか、優しい大きな政府を目指しているように見える。自分としては受け入れがたいが、当然、今まで自民党が作ってきた談合癒着型の大きな政府よりもずっとまともである。政治には順序があり、タイミングが大切であるという現実を受け入れて、私は今回、比例区は民主党に投票した。

私は今回の民主党の勝利は、けっして民主党が掲げる子供手当や、農家の所得報償なのどばらまきと揶揄されるような政策を国民が支持した結果であるとは思わない。自己改革もできない癒着して腐敗した自民党は政権の座から降りるべきだ、つまり民主党が唱えていた「政権交代」を実行するべきだと、国民が決心をしたという事であると思う。

私は、日本国民はとても堅実な精神を持っていると思う。使いもしないような道路を作る公共投資も無駄だと思っているし、そして何とか支援というものにもそれほど熱狂している様子がない。今、国は多額の借金をしているのだから、質素倹約をして、無駄遣いをせずに、借金を返済するべきだと考えている。二宮尊徳の精神が今でも日本人のなかに生きているようだ。お金は、いくらでも借りれるだけ借りて好きなものを買えるうちに買ってしまえばいいと、考えている質実剛健の心をすっかり忘れてしまったアホなアメリカ人と全く違う。

そのような背景があるから、国民は、小泉純一郎の「痛みを伴う構造改革」のフレーズにジーンときてだまされてしまったのだ。本当は苦痛を感じなくてはいけない人々は、まじめに働いている国民ではなくて、政府が国民から略奪したお金に寄生して、癒着して暮らしている者たちであるはずである。ここを間違っていはいけない。

民主党の一番最初にやらなくてはいけない仕事は、国民をいじめている人々を退治することだ。つまり植草一秀氏が言う「悪のペンタゴン」の解体である。悪のペンタゴンは、自民党、官僚機構、アメリカ、メディア、財界の癒着の構造である。この構造が行き着くところまで行きついて、日本は現在の硬直状態に陥ったのである。国民は、その硬直状態から抜け出すために、政権交代を選んだのだ。つまり、この悪のペンタゴンの解体こそが、国民の一番大きな合意である。悪のペンタゴンの中核である官僚機構の解体に少なくとも2年は必要であると、副島先生はぼやきで予想している。

本当は、細川政権が出来た16年前に、この解体が行われているべきだったのだ。そうすればここまで日本の現状が悪くなることもなかっただろうと思う。よく考えれば、これだけ長い間、貿易黒字を続けてきた国の景気が一向によくならないというのはおかしな話である。日本の庶民が苦労してこれだけの富を毎年生み出しているのに、厳しい暮らしなくてはならないのは、この悪のペンタゴンが日本国民に寄生して富を吸い上げてしまっているからである。

この癒着の構造を、利権や権益と呼ぶこともできる。要するに他人のお金を使って、楽して飯を食いたいとか、楽して金儲けをしたいということである。政府の規制や法律という特権を使って、競争相手を排除して独占的な商売をしたり、国民のお金を強制的に略奪したり、世の中に必要もない仕事を作ったり自分は将来安泰に暮らすということである。

例えば、地上波のテレビ局は、放送法に守られて、独占的にテレビ事業を独占している。官僚達は、特殊法人や外郭団体を利用して天下り先を作くり、税金で自分達の食い扶持を確保している。アメリカの場合は、日本を占領している軍事力を背景に政治力を行使して、金利や為替、通貨のマジックを使って、日本から富をアメリカに流しているのである。これらの手口は一見複雑に見えるが、その根本になる考えは、他人の金を自由に使って、自分は楽をしたいという単純な考えである。

この悪のペンタゴンの解体を順調に進めるためには、国民の強い支持が欠かせない。その支持を得るためには国民に、悪のペンタゴンによる略奪の手口を明らかにすることである。彼らが今までどれだけいい加減なことをしてきたのか、はっきり公けにさらせばいいのだ。経済アナリストの藤原直哉が言っているように、情報公開を徹底的に進めていくべきである。まずはともあれ今までの癒着の構造を暴いていくことが一番大切である。癒着の構造を国民の目の前で明らかにしない限り、国民は、性善説で、悪のペンタゴンもないと困ってしまうんだろうと考える可能性がある。

しかし、その癒着の構造を暴き、国家の権力を乱用し国民のお金を使いこみ、楽して飯を食っている人たちを、はっきりさせることが出来れば、世の中は後ろに戻ることはないだろう。国民にほんとのことを言うという。細川内閣のときはそれが足りなかったのではないか。国民は、期待してたのに、何が起きたかわからないうちになくなってしまった。

情報公開のネタは、いくらでも考えることが出来る。戦後の自民党とCIAの関係に始まり、日本政府がアメリカ政府と結んできた密約の数々、官僚が無限増殖して国民に寄生してきた手口とその極楽生活、年金制度の財源の内訳、メディアとCIAの関係、アメリカのカウンターパートナーをやってきた人々、小泉構造改革と経団連との関係、アメリカ年次改革要望書、はたまた、どうして細川政権が崩壊の裏側のようにである。ちょっと考えただけで、これだけのことを思いつくことが出来る。

このように今まで国民が知らないことをいいことに、さんざんやってきたことを一つずつ明らかにしていくのだ。その癒着の構造が国民の目の前に明らかになれば、数年は国民は厳しい経済状況にもめげず、この政治のドラマに見入り、癒着の解体を心から支持するだろう。(中略)

まず、民主党は、庶民が金をとられて頭にきていることを一つずつなくしていけばいいのである。これが肝である。庶民の手にお金をのこしてやるべきなのだ。この経済危機においてはこの方法が一番庶民に喜ばれるだろう。

これは大幅な減税などをせずにも、悪のペンタゴンを解体進めながら、進めることができるのだ。悪のペンタゴンの中枢である官僚組織は、なにも税金という形だけで富を国民から吸い上げているわけではないのである。

何万とある法律群や省庁命令、ガイドラインが国民の経済活動をがんじがらめにしているのである。規制を使い天下り先を作ったり、楽をしてもうけている官僚組織と癒着した業界があるのだ。これを利権とよぶのだろう。このような規制が、隠れた税金として物やサービスの値段を引き上げたり、新しいビジネスの発生を阻害していたりするのである。

悪のペンタゴンを解体していくなかで、どんどん情報公開を進め、いかに国民の富を吸い上げいたか明らかにし、それを改善、廃止していくのである。これらを一つずつ精査し、改正や廃止をしていけば、国民の生活の質は劇的に向上するのである。これはほとんど財源なしで実行できることである。法律を変えればいいだけだからそれほど難しいことではない。

つまりこれは規制緩和なのだ。しかし外資や大企業のためだけになるような規制緩和ではなくて、癒着を解消し、国民みんなのためになる、国民の手元にお金が残るような規制緩和、規制廃止をまずやっていくのである。

規制緩和は、いままでさんざん使い込まれてしまっているので言葉を変えたほうがいいかもしれない。特に民主党は、小泉政権以来、新自由主義や市場原理主義(実際は政府と産業界が癒着したコーポラティズムの行き着いた先)を批判する立場に立ってきたのだから、それとむすびつくような言葉は使わない方がいい。だから、癒着解消・庶民救済というような言葉がいいかもしれない。

癒着解消・庶民救済といっても、すぐにはぴんとこないだろうから、自動車を例にとり考えてみよう。近頃は若者の車離れが進んでいるという。今の若者は車にもう興味がないそうで、国内市場は伸び悩んでいる。しかし、それはこの長年続いた不況のせいで、若者が車を維持するお金がなくなってしまったのが一因である。

車を維持するには非常にお金がかかる。ただ単に、車本体やガソリン代がかかるというだけでなく、その他にかかるお金を見ていけば、私が言っている癒着と利権の構造が見えてくる。

たとえば、車の免許、車検、自賠責、重量税、高速道路の料金、ガソリン税、ガソリンの暫定税ざっと考えただけでも、これだけ上げることができる。車だけで、きっとこの五倍、十倍の規制があるだろう。この一つずつの規制から特定の人々だけが利益を得て、庶民は、お金をせびられるのである。こういうものをほったらかしにしていたら、庶民の生活はちっともらくにならないのである。

自動車の免許を取るのに20万から30万円もするのは先進国でも日本だけではないだろうか。指定自動車学校が、実地試験を実施することを許している一方で、免許センターでの実地試験は、気が遠くなるくらい難しくしてあるので、事実上、ほぼ全員が20万から30万円を払って指定自動車学校にいなくてはならないのである。これは見えない形の税金であると考えるべきだ。

すぐにこの指定自動車学校の制度を廃止し、免許センターでの実地試験を、現在の自動車学校の実地試験と同程度にし、夜間も週末も受けられるようにするべきである。これにより自動車学校の学費は大幅に下落するだろう。現在でも、指定外の自動車学校であれば、7から8万円しかかからないのである。

車検というのもおかしな制度だ。日本車が世界で好まれるのは、簡単に故障しないからである。新車を買った三年後に、大金を払って車検に通さなくてはいけないなどとは、まったくふざけた制度である。ロシア行きの貨物船には日本で乗るなら車検を通さなくてはならない四年落ちの日本車が山積みにされているそうである。このような制度のため、まだまだ乗れる車をみすみす海外に格安で売ることになるのだ。車の故障で事故が起きたらそれは車のオーナーが責任をとればすむことである。その責任を社会全体に押しつけるために、車の維持費が高騰し、若者が車に見向きもしなくなるのだ。

自賠責も同様である。すべての車に保険の加入義務を課したとしても、同様の保険は民間の保険会社が何の問題も無く販売できるはずである。百歩譲って、自賠責を存続させるにしても、任意保険の加入していれば、自賠責の加入義務がなくなってもいいはずである。

車のことを少し書いただけで、きっと一冊の本が作れるだろう。問題は、このような規制や法律が生活の至る所、何万と存在しているのである。まったく恐ろしい話ではないか。庶民の暮らしがどんどん苦しくなっていくのもこのような規制の増殖があるはずである。

アメリカは為替、通貨、金利のマジックを使って日本から何十兆、何百兆円のお金をアメリカに流れるようにしむける。それに対して日本の官僚たちは、無数の法律群のマジックを使って、庶民から十円、二十円、一万円、十万円と細々とかすめ取っていくのである。そこに特殊法人や特定の業界が癒着しているのである。このような制度一つずつが我々の生活を窮屈にし出費をかさばらせているのである。この無数の法律群こそが官僚たちの権力の源である。

このような無数にある法律群の改正・廃止をしようとしていけば、きっと今までこれらの規制に癒着していた業界から大量の失業者がでると、官僚や特定の業界団体は反論をするだろう。しかし反対にこれらを廃止すれば、庶民の手には余分のお金が残るのである。その一部は間違いなくもっと国民が必要としているサービスや物の購入に使われるだろう。つまりそこで新たな雇用が生まれるのである。そしてその雇用は、政府が押しつけた不要なサービスや過剰なサービスでは無く、国民が真のニーズにあった産業である。どちらが健全な産業であるかは言うまでもない。これこそ内需拡大である。あくまでも癒着解消・庶民救済を押し進めればいい。(後略)



(私のコメント)
佐藤研一朗氏の論文の一部を紹介させていただきましたが、「株式日記」においても民主党のやるべき事はパンドラの箱を開けることだと書いてきました。日本の経済レベルは500兆円前後と横ばいなのに税収入は60兆円から今年は40兆円まで低下してしまった。つまり税金を納めるだけの法人や個人が減ってしまって、税金で食べている人たちだけが拡大して日本を食い物にしているのだ。

公共事業を行なっても利益を受ける人は政府に繋がる人たちであり、一般には回ってこない仕組みが出来上がってしまった。高速道路を作っても儲かるのは土地を売った人と道路を建設した建設会社だけが儲かり、土地を売った人は銀行に預けたまま使わない。建設会社も利益はみんな債務の返済に回ってしまって地元には回ってこない。

高速道路が作られた事で日本全国各地には巨大ショッピングセンターが作られて、駅前の商店街はシャッター通りと化してしまった。しかし作られた巨大SCも数年立てば過当競争になって客足が減って閉鎖を余儀なくされる。閉鎖したSCの後には廃墟が残るだけであり、地元の人はさらに遠いSCに車で行かなければならない。車のない弱者は地元を棄てて車がなくても生活が出来る大都市に脱出すつようになった。

このような構造ではいくら公共事業を行なっても投資効率は落ちるばかりであり、政権に近い人たちによって利益は分配されてしまう。政権に近い人とは官僚たちであり、マスコミであり財界でありアメリカだ。これらの人たちは年収が1000万円以上もある人たちであり、財界の役員たちは役員報酬が数倍にも跳ね上がった。それに対して従業員給与は正社員をはらして派遣に切り替えることで低下していった。

トヨタやキヤノンといった輸出大企業は法人税の減税とドル買い介入で巨額の利益を計上するようになりましたが、それらの利益は海外のタックスヘイブンにプールされてファンドが運用して投資利益を上げている。つまり輸出大企業が繁栄すればするほど金は日本国内か高い外国に行ってしまって国内では消費に回らない。

同じシステムを長期間維持していると、当初は機能していてもやがて効果はなくなり弊害が出てくるようになる。自民党政権でも同じであり、中選挙区制で派閥が機能していた頃は政権の派閥が変わることで政権交代の意味があったのですが、三角大福中の派閥が一巡した後は二代目の世襲議員が政権を担う事になり、やる気のない無能な首相が続くようになってしまった。

いよいよ自民党の寿命が終わったのであり、世襲候補を禁止した民主党が政権を担う事になった。国会議員の世襲も利権の独占になるのですが、システムが長期にわたり固定化してくると利権の固定化と独占化が行なわれるようになる。利権の固定化と独占化が進めば支配階層に有利な法律が作られて非支配階層には重税が課せられるようになる。

悪のペンタゴンは支配階層であり、自民党と官僚とマスコミと財界とアメリカだ。だから民主党は官僚とマスコミと財界とアメリカとの癒着を変えなければならない。二大政党制の国ではそうしなければ利権が一つのグループに独占されて弊害が出来てしまう。今回の政権交代も弊害が酷くなってきたからですが、自民党内部では改革が出来なかった。

だから鳩山民主党は自民党政権では出来なかった事をやらなければ政権交代した意味がないのであり、悪のペンタゴンの官僚、マスコミ、財界、アメリカは一斉に鳩山首相のスキャンダル暴露や政権公約を攻撃するだろう。細川政権の時もスキャンダル暴露の揺さぶりに細川首相は政権を投げ出してしまった。これで政権交代は15年も後れる事になってしまった。

マスコミは悪徳ペンタゴンの一味であり、必ずしも国民の味方とはいえない。新聞社も専売法で保護された存在であり、テレビ放送局も佐藤氏が指摘するように放送法で守られた利権団体の一種なのだ。だからテレビ局には政治家や財界の息子や娘たちがたくさんいる。これではテレビの報道が信用できるわけが無い。真相を知りたければ「株式日記」に書いてある事を読むしかない。

民主党政権にとって一番の難題は「アメリカ」だろう。日本にとってアメリカは一番の同盟国であり、日米安保条約で守られている事になっている。冷戦の厳しい終戦直後ならともかく60年間も続いているのは何を意味するのだろうか? 日米安保も冷戦時代ならそれなりの存在意義もあったのでしょうが、現代においては日米安保は何の意味があるのだろう。当面は沖縄の普天間基地問題が課題ですが、民主党はアメリカの要求をかわし切れるだろうか?

佐藤氏も、「アメリカは為替、通貨、金利のマジックを使って日本から何十兆、何百兆円のお金をアメリカに流れるようにしむける。それに対して日本の官僚たちは、無数の法律群のマジックを使って、庶民から十円、二十円、一万円、十万円と細々とかすめ取っていくのである。」と指摘している。親米派はこのような事実をあえて無視をしている。たぶんアメリカからおこぼれを頂戴しているのだろう。

一番気の毒なのはおこぼれを頂戴できないのに洗脳されてしまって活動しているネトウヨだ。今回の政権交代ではっきりしたのはネトウヨと愛国保守の分裂であり対立だ。どこが違うのかと言えば「アメリカ」に対するスタンスだ。アメリカは中国との外交を戦略的パートナーとして位置づけて、オバマ大統領は中国を最も重要な二国関係と演説で述べた。米中のG2体制は日本のみならず韓国台湾や東南アジア諸国にとっても脅威である。だから鳩山首相は東アジア連合を打ち出した。

今まで中国からの脅威に対してアメリカが日本や東南アジア諸国の後ろ盾となってきたのですが、アメリカと中国が手を組めば日本及び東南アジア諸国やオーストラリアやインドはアメリカ離れが始まるだろう。中国はキッシンジャーやブレジンスキーを取り込んでG2体制を築こうとしている。中国をアジアの覇権国として任せるという戦略だ。

米中のG2体制はEU諸国にとっても脅威であり、外交的主導権を米中に取られる恐れがある。G20の国際会議を見れば分かるように米中会談でおおよその流れが決められてEUや日本はそれを追認するだけになってしまう。もちろんアメリカにもこれはまずいという意見もあるがG2戦略の方が優位になって行く一方だ。


米中G2戦略の落とし穴 03/08/2009 Newsweek

安全保障でも中国の言いなりに

 米政府の戦略主義派は中国の成長を妨げることはできないし、そうしたいとも思っていない。だが彼らは、特にアジアにおいて中国の戦略的な野望を封じ込めなければならないと主張する。

 つまりはこういうことだ。アメリカの同盟国である日本、韓国、オーストラリア、タイ、フィリピン、シンガポール、インドネシア、そして台頭しつつあるインドによるアジア地域の秩序に中国を巻き込む。この力を敏感に感じ取っている中国は、アメリカ政府かアジアのいずれかとうまくやっていきたいと思っている。両方、ということはあり得ない。

 米中関係を「G2」にするという戦略が危険なのはこのためだ。戦略主義派たちは、高官レベルの対等な対話で安全保障や地域組織といった経済以外の分野について論じれば、米政府は中国の言いなりになりかねない、と恐れている。見返りはほとんどないにもかかわらずだ。

残念なことに、経済問題が中心であるかぎり機能主義派の優位は変わらない。ワシントンとアジアの非機能主義派の人々ができることは、中国に対するアメリカの影響力が小さくなりすぎないよう祈ることぐらいだ。


(私のコメント)
中国の台頭と日本における政権交代は無関係ではない。アメリカが中国と手を組むのなら日本としても独自外交を模索せざるを得ない。「株式日記」でも自主防衛体制を主張していますが、鳩山民主党政権はアメリカ離れと憲法改正と自主防衛に舵を切る事ができるのだろうか? G2体制は日米安保を空洞化させる。米中による日本支配が彼らの目的だからだ。




太陽光発電について、発電量の全額を相場の倍額で買い取る制度が
始まった。10年程度で「モトが取れる」ようにして一気に普及させる。


2009年11月2日 月曜日

遊休地を利用した太陽光発電で1キロワット=48円で10年で元が取れる?


自宅で太陽光発電、10年でモト取れる? 10月30日  読売新聞

太陽光発電で余った電力を、電力会社に従来の2倍の価格で買い取らせる国の制度が11月から始まる。

 太陽光発電の普及を大きく後押しすると期待される一方、買い取りにかかる費用は、すべての人の電気料金に転嫁されるとあって、設備を持たない人々からは不満の声もあがりそうだ。

 北陸電力はこれまでも、太陽光発電で余った電力を、電気料金と同額(1キロ・ワット時あたり平均23〜24円)で買い取っていたが、11月以降は、1キロ・ワット時あたり48円(住宅用)と約2倍で買い取る。買い取り額は10年間固定される。

 国の試算では、太陽光発電システム導入にかかる費用は、屋根に設置するソーラーパネルの大きさでも異なるが、新築で約185万円。各種補助金に加え、余った電気を、電力会社が高値で買い取ることで、10年程度で「モトが取れる」ようにして一気に普及させようとする政策だ。

 買い取り費用は「太陽光サーチャージ」として、来年4月から、すべての電気利用者の電気料金に上乗せされる。標準家庭では、2011年度は平均月額約30円が見込まれ、普及が進むにつれて上がっていくという。

 北陸電力管内で、太陽光発電システムを設置しているのは約8000件で、家庭普及率は0・7%。大多数の家庭では、実質的な電気料金値上げとなる。

     ◇

 賛否両論が予想される制度だが、県内でも今後、太陽光発電の普及は進むとみられ、関連業者は「最大のビジネスチャンス」と息巻いている。

 総合建設業「トーケン」(小松市)では、既存の住宅向けに力を入れる。同社の価格は、取り付け料などを含め、発電規模1キロ・ワットあたり60万円〜70万円。屋根の広さにもよるが、4人家族で3〜4キロ・ワット分の設備が目安で、費用合計は200万円前後となることが多いという。パネルの在庫があれば、補助金申請の期間を含め、工事完了まで1か月程度という。

 同社の大蔵哲生取締役は「屋根、電気、リフォームと、それぞれの専門家がいる業者を選ぶことが大事」と力説する。「一度取り付けてしまうと、下地の屋根部分は見えなくなるので、取り付け前に瓦ずれや雨漏りなどを直しておく必要がある」ためだという。

 家電量販店「100満ボルト」でも工事を受け付けており、新制度に合わせ、チラシでPRを強化していく予定。ただ、担当者は「メーカーのパネル生産量には限りがあり、今でも1か月半〜2か月待ち。新制度で在庫の確保にさらに苦労しそうで、痛しかゆしです」と話していた。(鶴田裕介)



ソーラー発電の盲点 買取2倍?罰金100万円の何の強制力もない法案  7月20日 

産総研は、NPO法人(特定非営利活動法人)太陽光発電所ネットワークの協力を得て、国内で設置された住宅用太陽光発電システム257件の発電性能や保守履歴を調査した。
その結果、設置から10年以内に太陽電池パネルを一部でも交換した事例は、34件(13%)に上ることが分かった。
太陽電池が発電する直流電流を、家庭用の交流に変える「パワーコンディショナー」はさらに不具合発生率が高い。部品交換を含めると、10年以内に43台(17%)が交換されているという。

合わせて30%近い「ソーラーシステム」の故障となる。
3台に1台は故障する。


恐ろしい事実ですね。
皆さん、ソーラーシステムって壊れないことを前提に費用回収期間を考えていませんか?

ちょっと計算してみましょう。

平均モデル家族(4人)が4kwを設置した場合のはなし

4人家族が1年間に消費する電力は約4300kw
4kw設置して、年間の発電量は約4000kw

そんなに売れるの?

もちろん発電した分だけ買わないのですむので、売電、買電でプラスマイナス0だったとしましょう。

4000×25円で年間10万円の利益。
4kwの平均の設置費用は?
60万円(助成適用後)×4=240万円

240万円÷10万円は?
24年もかかるのです。


馬鹿なこと言うな!!
売電が2倍になるんだよ!!愚か者めが!!

な〜んて息巻くお馬鹿さんのために。

発電全量売れたとしましょう。
つまり無人の家に4kw設置して売電専用にしちゃおうよ。
といった最高、この上ない条件で計算してみましょう。

50円×4000Kw=20万円 年間の売電金額です。

240万÷20万円・・・・???

12年???
買い取り固定期間は10年で、それ以降は元に戻るので
実際には
240万円-(20万円×10年)-(10万円×4年)=たったの14年で償却できた♪


最高この上ない条件でも14年かかっちゃうんです。
10年から15年?
無理無理無理無理ぃ〜〜〜〜

現実的な話で考えてみましょう。
半分売れたとしましょう。
2000kw×25円=5万円
2000kw×50円=10万円

現時点で4kw設置して、年間を通して毎月平均4000円ほどの売電がある家庭です。
まあこれぐらいなら報告している人もぼちぼちいるでしょう。

話を戻して
年間15万円の経済効果
それで10年間で150万円。
設置費用はというと240万円。
差し引き90万円。
それ以降は年間10万円の経済効果に戻るわけだから・・・
90万円÷10万円=9年間

結局、平均的なモデルの家庭では19年かかるんです。

皆さん気がついていますか?
ソーラーパネルは、10年で10%、20年で20%発電効率が下がるんです。
と言う事は、どんなにがんばっても20年以上かかるわけですよ実際のところ。

「売電価格を二倍の50円にして」もです。

10年超えたら売電メーター変えなきゃいけないし、10年の保障期間を超えちゃうので壊れたら
修理費用は実費。

皆さん、これが全量買取と余剰電力買取の差です。

計算間違っていたら遠慮なく教えてください。

20年以内で、我が家はすでに元を取った〜って家庭、聞いたことありますか?

このままでいけば〜なんて人もいますが、「ソーラーパネルは30年以上持ちますよ〜」なんて阿呆な事言う営業の言葉を鵜呑みにしてませんか?
30年も持つんならせめて半分は保障期間つけろよ!!
と思いませんか?

なぜ各メーカーの保障期間が10年なのか考えてみましょう。
20年も30年も保障したら割りにあわないからです。

割に合わないとは?どういう意味か考えましょう。

いや〜霞ヶ関もとんでもない事考えたもんです。
平成21年7月に可決された「エネルギー供給構造高度化法」

電力会社が、これいじょう利益が減ったら困るから、家庭からのソーラー発電は買〜わない!!
といって拒否しても、罰金100万円で済んじゃうんです。

「売電 拒否」で検索してみてください。

ブームというのはこういった事実もうやむやに吹き飛ばしてしまうから怖いですね。
エコ意識を巧みに利用して、産業界(電力、石油業界も含め)が一致団結して各家庭からお金を巻き上げようとしているのに気がつかない人が多いというのに驚きです。


(私のコメント)
11月から太陽光発電の全量買取制度が始まりますが、今までの倍の金額で買ってくれるのだから採算は大幅に良くなりますが、飛びついて太陽光発電設備を取り付けるほどでもないようだ。YAHOOブログでも計算例がありますが、遊休地があって全量売ったとしても1キロワット=50円で売っても現在だと14年かかるということです。

だから読売新聞記事の10年で元が取れるというのは誇大広告だ。しかしこの制度が始まった事でメーカーは太陽光電池パネルを大増産すだろうし、来年から再来年にかけてはソーラーパネルの性能も向上してコストダウンが進むだろう。だから4キロワットの太陽光発電設備は240万円ほどかかりますが、いずれは200万円以下になるだろう。

発電効率も現在は20%ほどですが、試作品レベルでは30%から40%の発電効率の太陽電池パネルが作られている。だから飛びついて設置するほどではないのでしょうが、太陽光発電所も投資対象として面白くなってきました。遊休地など持っている人ならば長期的投資対象になるかもしれない。

家庭で設置する場合は、投資対象というよりも停電時の非常用とかオイルショックなどでの電気料金の急騰に備えるといった点で太陽光発電設備をつける人が多いのではないだろうか。蓄電池なども技術進歩で大容量の蓄電池も作られるようになりましたから、天候に左右されずに電気が自給自足できることも出来るようになりました。

スマートグリッドのプランによれば、蓄電池などは電気自動車やハイブリッドカーの蓄電池を使えば自動車と家庭と両方で使えるようになる。問題は太陽電池の耐用年数ですが、現在の太陽電池は17年程度らしい。しかしこれらの技術開発が進めば安くなるか長寿命の太陽電池パネルが作られるようになるだろう。

これらはエコロジー対策という意味もあるし、景気対策という意味の方が大きいと思う。ソーラーパネルメーカーはフル生産に入っているし、取り付ける工務店なども太陽光発電特需で忙しくなるかも知れない。農家でも減反で休耕田などにも太陽光発電設備を取り付ければ長期的な収入源になる。

最近ではオール電化住宅が普及してきて、給湯から調理に至るまで全部電気の住宅が多くなった。だから停電になったら何も出来なくなりますが、太陽光発電設備があれば大災害時の停電にも対応が出来る。後は水道などの復旧に時間がかかりますが、井戸や貯水槽などを用意しておけば電気があればモーターで給水が出来る。

同じエコでも風力発電は日本では適地が少なく、人の住む近くでは風きり音などの公害問題もあり普及は無理だろう。風はそれこそ風任せであり大陸のように季節風は一定していない。それに比べれば太陽光発電では騒音問題も起きないし電気の品質も一定しているから電力会社も買い取りやすいのだろう。

日本では火力発電所や原子力発電所などでの大規模発電所からの送電で賄っていますが、日本のような高密度社会ではそれが適しているのだろう。しかし大陸国家では人口も分散して送電網を建設するだけでも大変だ。だから太陽光や風力などの分散型発電で自給自足的な配電網が適している。しかし日本でも過疎地などの地域ではこのような自給自足的な発電設備が適している所がある。

日本では停電がほとんどありませんが、アジアやアフリカなどでは停電は日常茶飯事であり、送電網もほとんどない。だからソーラーパネルによる発電が急速に進んできて、バッテリーと組み合わせて夜間照明にも使われるようになってきた。それでテレビやパソコンも初めて使えるようになってきている。

日本は太陽電池の先進国だったのですが、小泉竹中内閣の時に太陽電池発電への補助金が打ち切られてしまった。その為に欧米に後れを取ってしまったのですが、政治的要因が日本の一番の不安材料だろう。今回の太陽電池発電の全量買取制度にしてもいつまで続けられるかがわからない。電力会社が買取を拒否する事態が来たらどうするのだろう。

日本ではシンクタンクが発達していないから長期的な戦略を考える人がほとんどいない。その時々の流行に乗った事を言う軽薄な学者ばかりであり、エネルギー問題や少子高齢化問題も昔から問題になってきた事だ。国防問題も昨日論じましたが、長期的に見ればアメリカ軍はいずれアジアから撤退して行くが、その事を考えている人がほとんどいない。




日本政府の財政支援がなくなれば、米軍基地を維持する上で打撃となり、
日本政府は米軍が去ることを恐れ、ひたすら基地整備を続けています。


2009年11月1日 日曜日

米が対日政策で異例の協議、「普天間」で焦燥 11月1日 読売新聞

【ワシントン=小川聡】沖縄県の米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題をはじめとした鳩山政権の対米姿勢をめぐり、米政府が一段と不信感を強めている。

11月12〜13日のオバマ大統領訪日があと10日余りと迫る中、普天間問題では決着のメドもなく、焦りの色が濃くなっている。

 関係筋によると、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)は30日、対日政策に関する省庁横断の高官レベル会議を開き、対策を協議した。NSCは大統領のアジア歴訪について29日に会議を開いたが、対日政策について別途、異例の協議の場が設けられた。

 詳細は不明だが、日本の政権交代を踏まえ、今後の日米関係にどう対応するかという長期的な方針と、オバマ大統領訪日に関する具体的な課題が議題となった模様だ。

 米政府はゲーツ国防長官が10月20〜21日に訪日した際、普天間移設をめぐって沖縄県が求めていた微修正を容認する考えを表明。鳩山政権が現行案を受け入れやすい環境整備に努める一方、現行案以外の普天間移設は「実行不可能」とし、オバマ大統領訪日までに決着するよう強く求めてきた。

 しかし、鳩山政権が同問題の解決に向けて意思統一を図らないうえ、岡田外相が米軍嘉手納基地への統合案にこだわる姿勢を強調したりしていることに、「大統領訪日の際にも何を言われるかわからない。鳩山政権の大臣たちは信頼できない」(国務省筋)と危機感を強めている。

 首相はさらに29日、「日米同盟のあり方全般について、包括的なレビュー(再検討)を新政権として行いたい」と国会で答弁。在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)の見直しにも言及した。思いやり予算の削減はゲーツ長官が来日時にわざわざクギを刺して慎重対応を求めた課題で、ある米政府関係者は「大統領訪日前に発言するとは、鳩山政権はどういうつもりなのか」と不快感をあらわにした。

 オバマ大統領は現在、アフガニスタンへの増派問題と医療保険制度改革法案という、国民の賛否を二分する大問題を抱え、政権基盤も不安定化している。大統領訪日で、日本からインド洋の給油活動の撤収を伝えられ、普天間問題でも合意履行への同意を取り付けられないようなら、「大統領の訪日は失敗だったと保守派から批判されるのは必至だ」(米議会筋)。このため、政権内ではここへきて、「このまま衝突するのだったら、大統領の訪日を取りやめた方がいい」といった厳しい意見が出始めている。



米基地整備に2兆円超 6月23日(火) 「しんぶん赤旗」

日米地位協定上も日本に負担義務のない在日米軍「思いやり」予算のうち1979年度から始まった基地建設費(提供施設整備=FIP)が2008年度までの30年間で約2兆1283億円に達することが判明しました。日本共産党への防衛省提出資料や予算要求資料などから分かったもので、全国66の米軍基地で1万2872件の施設が建設・改修されました。

日本政府は今後も国内基地の建設を続けつつ、「思いやり」予算以外にも米領グアムでの海兵隊基地建設費を負担するなど、米軍基地建設を国外まで広げようとしています。

 内訳を見ると、件数では家族住宅1万1363件、兵舎230件と住宅関連が約9割を占めています。家族住宅は建築費だけで1戸あたり約4800万円。日本の平均的な住宅よりはるかに割高です。これ以外にも学校や娯楽施設、病院、運動場、艦船や航空機などの修理施設、戦闘機の格納庫や耐爆シェルター、滑走路、原子力空母が接岸できるバース(係留施設)など68項目におよんでいます。

基地別に見ると、件数では米空軍三沢基地(青森県)の2214件が最多。金額では米海兵隊岩国基地(山口県)の3520億円が最高となっています。

 「思いやり」予算の「提供施設整備」費は年々、減少しています。その一方、(1)在沖縄海兵隊の訓練移転のために自衛隊の矢臼別(北海道)、王城寺原(宮城県)、日出生台(大分県)の各基地内に専用施設を「訓練移転費」名目で建設する(08年度までの累計109億円)(2)国土交通省の道路特定財源で米軍将校用の住宅を建設する(長崎県佐世保市、28億円)など他省庁の予算を充てる(3)グアム「移転」や沖縄・辺野古の新基地建設など「総額2〜3兆円」(米国防総省)の在日米軍再編経費の負担―といった新たな基地建設が広がっています。

 米軍再編では、沖縄の米空軍嘉手納基地のF15戦闘機の訓練移転のため、自衛隊の新田原基地(宮崎県)に総工費88億円で米軍専用施設を建設しています。グアム「移転」では、今年度予算で初めて建設費346億円が計上されました。

訓練・修理・住環境 日本の基地は“最高”

 米国防総省の「基地構造報告」2007年版によると、在外米軍基地の資産価値で、在日米軍基地は上位3位までを独占しています。訓練施設や航空機・艦船の修理機能、米兵の居住環境など、どれをとっても最高水準にあるのは、日本政府が国民の生活を犠牲にして、膨大な税金を投入してきたからです。米同盟国で基地建設費のほとんどを支出しているのは日本だけです。(竹下岳)

米軍基地建設費など「思いやり」予算の原点となったのが、1972年の沖縄の本土返還に伴う日米密約です。表向きの返還費用3億2000万ドルとは別に、本来は米側が支払うべき日本従業員の労務費1000万ドル、岩国・三沢両基地の整備費6500万ドルを負担するなどの密約を交わしました。

総額は5兆円超

 さらに73年度から、関東地域の米空軍基地を横田基地に「集約」する「関東計画」が実行され、政府は78年度までの間に450億円を負担しました。

 そして78年度から日米地位協定を拡大解釈し、「思いやり」予算として労務費を公然と負担。79年度から基地建設費をほぼ全面的に負担するようになりました。

 地位協定上、在日米軍駐留経費のうち日本側に義務づけられているのは基地そのものの提供(地代、基地周辺対策費)だけです。ところが政府は「思いやり」予算を労務費・基地建設にとどまらず、水光熱費や訓練移転費と拡大し、当初の61億円から現在は2500億円規模まで拡大。総額は5兆円を超えています。

基地建設の内容を見ると、狭いものでも約100平方メートル、最大で約230平方メートルに達する家族住宅、1クラス20〜25人の小中学校、核攻撃にも耐える戦闘機用シェルター(三沢、嘉手納)、原子力空母用のバース(横須賀)、長さ2440メートルの滑走路(岩国)など生活関連から戦闘関連まで何でもありです。

 90年代に入ると、「思いやり予算」分に加え、96年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)関連経費、沖縄からの訓練移転費、さらに在日米軍再編経費と、屋上屋を重ねるように、新たな費目を次々と生み出してきました。

国民生活がかつてなく深刻な中、米軍「思いやり」予算に対する国民の批判が大きく高まっています。08年4月には、参院で「思いやり」予算特別協定が否決され、日米両政府に大きな危機感を与えました。

 「(日本で)仮に現在のような多額の財政支援が受けられなくなった場合、アメリカのプレゼンス自体が、ずっと小規模で、異論のあるものになりかねない」。ケント・カルダー元駐日米大使特別補佐官は著書『米軍再編の政治学』でこう指摘し、日本政府の財政支援がなくなれば、基地を維持する上で致命的な打撃となることを告白しています。

 一方、日本政府は米軍が去ることを恐れ、ひたすら基地整備を続けています。来年6月23日の現行安保条約50年に向けて、日米同盟絶対の政治を転換する取り組みの強化が求められます。



(私のコメント)
オバマ大統領の来日が近づいていますが、沖縄の普天間基地の問題でアメリカ政府が慌てているようだ。ゲーツ国防長官が強硬な姿勢で日本政府に決着を迫ったのですが、地元の沖縄と政府との話し合いも纏まっておらず、民主党政権内部の意見もばらばらだ。鳩山首相にしても公約で県外移設などを打ち出していたから、政府の態度も一つになりきれない。

岡田外相は米軍の嘉手納基地への統合案など示していますが、米軍の内部事情で難しいようだ。しかし米軍は三沢基地のF16部隊や嘉手納基地のF15部隊の引き揚げ打診などもあり、長期的には米軍はアジア全体から撤退して行くだろう。だから海兵隊基地もグアムなどへの移転があるのだから巨額の費用をかけて米軍基地を作る必要があるのだろうか?

「しんぶん赤旗」の記事にもあるように、米軍は思いやり予算までつけてくれる日本は居心地がいいから海兵隊としては専用の基地を一つ確保しておきたいのだろう。米軍内部では海兵隊は陸海空に比べて小世帯であり継子扱いされて、嘉手納基地の空軍部隊とは折り合いが悪いらしい。エリート揃いの空軍パイロットに比べると海兵隊の兵士はガラが悪くて、沖縄でも婦女子への暴行事件を起こすのは海兵隊兵士だ。

鳩山首相は29日の国会で、「日米同盟のあり方全般について、包括的なレビュー(再検討)を新政権として行いたい」と国会で答弁しましたが、政権の交代が起きた以上は日米間で政策の合意確認が必要だ。もちろん外交では政権交代が起きても外交条約は継承されますが、政策レベルでは再確認しなければならない。

日米の地位協定の見直しや思いやり予算などの見直しは、自民党政権でも行なわれなければならない問題だったのですが先送りにされてきた。自民党は保守政党であると自民党議員は認識しているようですが、国益を守る事よりもアメリカ政府の言いなりになることで政権基盤を築いている政党だ。だから米軍基地整備にも積極的に予算を出して整備している。

沖縄の普天間基地問題もその一つですが、辺野古沖合いを埋め立てて基地を建設するのだから巨額の建設費用がかかるのですが、外国の軍事基地をどうして日本政府が作る必要があるのだろう。海兵隊主力がグアムへ移転するのだから普天間の海兵隊も一緒にグアムへ移転すればいいのだ。

「株式日記」は自主防衛論者であり国内に外国の軍事基地は不必要だという意見ですが、親米派はそれだと防衛予算がかかると反対している。しかし日本に駐留している米軍部隊は日本を守る為にいるのだろうか? しかし冷戦時代ならともかくロシアも中国も日本に上陸部隊を送り込めるような能力はないし、その意図もないだろう。

アメリカ側から見れば、日本の米軍基地は西太平洋からインド洋にかけての中継基地であり、海軍部隊や海兵隊にとっては日本に基地を置いて出撃できるようにしておかなければ、不安定の弧といわれる中東地域に睨みが効かない。イラクやアフガニスタンの戦闘部隊へはもっぱら航空輸送が主力ですが、本格的な戦闘が始まれば海からの補給が欠かせなくなる。

アメリカから見れば日本はロシアと中国との防壁であり、インド洋や中東への補給路でもある。だから国防上絶対に手放せない理由は分かる。もし日米安保がなくなればロシアや中国の海軍が我がもの顔で太平洋に進出してきてアメリカ本土の西側が脅威にさらされる事になる。だから日本に民主党政権が出来て、鳩山首相が対等な日米関係と言い出したときにアメリカ政府は慌てだした。

自民党政権なら放置していてもアメリカの言いなりになるから、アメリカ政府の態度は無視に等しかった。だからオバマ大統領はアメリカにとって中国との関係が一番重要だと言えたのだ。しかし日本に米軍基地が無くなれば中国や朝鮮半島への睨みも効かなくなり、太平洋の西半分は中国の海になるかもしれない。南シナ海は既に中国の海になっている。

日本から見ればアメリカは中国やロシアに対する後ろ盾になる存在であり、日米安保は有効だ。しかしそのアメリカが中国と手を組むとなると日本の立場は危険なものとなり、日米安保が機能しなくなるおそれが出てくる。90年代もクリントン政権と中国は戦略的パートナーとなり、日本はアメリカからジャパンバッシングを受けてもどうする事もできなかった。米中が親密になれば日本が叩かれるのは外交力学的に避けられない。

クリントン大統領がどのような戦略で日本を素通りして中国と手を組む事にしたのかははっきりしないが、日本を弱体化させるためだろう。アメリカの金融と中国の低賃金が手を組めば日本経済に壊滅的打撃を与えられるはずだった。その後共和党のブッシュ政権が出来てアメリカの日本叩きは収まりましたが、オバマ民主党政権では再び米中のG2で日本叩きが再開されるかもしれない。

90年代の日本叩きの時も細川政権が出来てアメリカ離れが模索されましたが、9ヶ月で細川政権は潰れた。鳩山政権もアメリカ離れを模索する事になるのでしょうが、CIAが鳩山政権を潰しにかかるかもしれない。そんな事をすれば日米関係は亀裂が入る事になり、日本はより対米従属化が深まって行く事になるが、国民の意識はアメリカ離れが大きくなるかもしれない。

もし日本が「思いやり予算」を解消する方向になれば、米軍基地の維持が難しくなり米軍は本土に引き上げていく事になるだろう。アメリカ政府の財政は火の車であり、膨大な軍事力を維持する事は難しくなっている。だから長期的に見れば衰退するアメリカを見据えて日本の自主防衛体制を固める必要がある。外交的には日米安保は維持するが米軍基地は国内からは無くなる方向を目指すべきだ。

日本が注意しなければならないのは米中関係であり、米中が手を組むのは日本を叩く為だ。ゲーツ国防長官がやってきたのも恫喝すれば日本は折れてくるという見方があったからですが、90年代もサマーズ財務長官がやって来て恫喝して帰っていった。年次改革要望書はアメリカが日本を改造する手段ですが、郵政の民営化もその一つだ。

しかし8月の総選挙では国民は親米的な自民党から、日米同盟の総括的見直しを訴える民主党が勝利した。あれだけマスコミをあげて郵政の民営化を煽ったにもかかわらず、効果は長続きしなかった。小沢民主党代表は「国民の生活が第一」といって参院選で大勝利して、衆議院選挙でも民主党が308議席の地滑り的大勝利した。日本国民はアメリカのジャパンバッシングに切れ始めている。

その象徴的問題が沖縄の普天間基地の問題ですが、アメリカが今までのような高圧的な態度で要求を強めれば逆効果になるのではないだろうか。アメリカ政府高官が高圧的な態度で日本の政治家を脅せば脅すほど、日本の政治家が中国に擦り寄っていく傾向が見られる。だからアメリカは小泉純一郎をピックアップして首相に据えたのでしょうが、かえって日本国民の反発を招く結果になっている。



ホームページへ