株式日記と経済展望

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ついこの間まで、某ワタナベ夫人お気に入りの作戦は、日本円を
借りて豪ドルに突っ込む手口だった。 これで6%儲かるわけね?


2008年10月31日 金曜日

東京勢は円高終焉に懐疑的、円高マグマが依然横たわる 10月29日 ロイター

[東京 29日 ロイター] ドルは、前日海外市場で急激に円安が進んだことを受け、早朝一時1ドル=100円に迫る水準まで急反発した。ただ、東京勢は総じて円高トレンドの終えんには懐疑的な見方が多い。

 世界的な金融危機の広がりとリンクする円高が短期的に収束するとはみらておらず、協調利下げや介入で円の独歩高が反転する可能性も低いという。

 「金融危機が収束するメドが立たず、世界経済に明るい兆しも見えず、景気指標が一段と悪化する中で、円高が終わったとは到底思えない。現在の円安は、このところ急激に円が買い戻された反動にすぎず、相場の一時的な揺り戻しだろう。円高マグマはまだ確実に横たわっている」と東海東京証券チーフエコノミスト、斎藤満氏は話す。

 <円高マグマ>

 斎藤氏は、巨大な円高マグマとして、円キャリートレードで世界中に拡散した円売りポジションの存在を指摘する。

 「今般の円高は、日本経済の実力を反映しているのではなく、日本が相対的に金融不安の度合いが少ないために安全通貨として円が選択されているためでもない。近年の金融バブル生成とその崩壊がもたらした危機に円が巻き込まれたためだ」と斎藤氏は分析する。

 日本の超低金利政策を背景に、円キャリートレードによる円売りポジションが世界的規模で広がり、金融バブル醸成の一翼を担った。しかし、ドルの流動性危機をきっかけに円売りポジションが巻き戻され始めた。その結果として円高が進行した。

 足元では、ファンド勢や投資家による円売りポジションの整理(円キャリートレードの解消)で円売りポジションが若干縮小したものの、まだ莫大な規模で世界中に残留すると推測されている

 円キャリートレードは、投資信託や生命保険会社などの機関投資家による円売り/外貨建て資産購入、企業や個人による外貨預金や外為取引、ヘッジファンドなどの短期筋による円売り/外貨買いの投機的ポジションなどにとどまらず、北欧やアジアの近隣諸国の個人や企業による円建てローンの借り入れなど、容易には巻き戻しができないものも含めさまざまな形態をとっている。

 円キャリーを通じた円売りポジションの巻き戻しによる急激な円高は、1998年のLTCM危機の際にも見られたが、当時と比較して円キャリーの規模は巨大かつ広範で、数多くの通貨が絡んでいる。 

(中略)

  与謝野経済財政担当相は28日、日銀が政策金利を0.25%に下げても経済的効果は全くないと認めたうえで、諸外国が金利を下げたときに日本が金利を下げるのは国際協調の証を立てる意味で重要、と語った。

 「そもそも何のための金融政策なのか。物価安定という目的を超えて、為替安定や、政策協調の道具として金融政策を使うのは、中央銀行として著しく節度に欠けると言わざるを得ない」(邦銀アナリスト)との批判の声も聞かれる。

 「米国の追加的金融緩和については、下げ幅が50ベーシスポイントだとすれば、織り込み済みであって、市場があまり反応しない可能性がある」(佐原氏)との見方もある。

 「欧米で50bpの利下げが見込まれ、日銀が利下げしたとしても、欧米との金利差は残る。中長期的にみて円高要因になりやすい」(外為アナリスト)との指摘もある。

 また、「日銀が31日に開く金融政策決定会合で利下げを見送った場合には、市場にとってのネガティブ・サプライズとなり、再び90円を目指す展開となるだろう」とバークレイズ銀行・チーフストラテジストの梅本氏は語る。

 また円売り介入については、ドルと円が2強通貨となっている現状から、効力を疑問視する声が多い。

 「ハンガリー、フィリピン、韓国、ロシアや新興国は、ドル売り/自国通貨買いを活発化させている。その中で、ドル買い介入を実施すれば、新興国経済を一層窮地に追い込むことになり、ドル買い介入は慎重に実施されなければならない」(証券会社アナリスト)という。

 「ユーロ/円での円売り介入ならば、意味があるかもしれないが、ECBがそれを容認するかは疑問」(外為アナリスト)との声も聞かれる。

 (ロイター日本語ニュース 森佳子)



円キャリー・トレードの巻き戻しにご用心  FT紙 10月30日 今日の覚書

ブラジルで蝶がパタパタすると、ニュージャージーとかタンブリッジウェルズで、ありとあらゆるあり得ないことが起こっちゃう、ってバタフライ・コンセプトには慣れっこだよね。 でもさ、沢山の人が、ワタナベ夫人の気まぐれと、エキゾチックな通貨とか、遥か彼方の市場とか、千差万別の商品の価格水準の繋がりの理解に、ジタバタしてるわけ。 要するにね、日本の主婦と中国の茶の値段と、何の関係があるの、ってこと。

ワタナベ夫人ってのは、大雑把に言って、日本の抱える$15兆なんてサイズの貯金プールのことね。 世界最深だってだけじゃない。 アメリカの年間経済生産よりも大きいんだから。 この巨額の資金ってのが、昔から家計をがっちり握る日本人女性に、ちょっと怪しげな動きをさせられていたわけだ。

実は、ワタナベ夫人ってのは、実に全く大雑把な言い方なんだな、ホント。 実はワタナベ氏かもしれないし、日本の生保会社のポートフォリオ・マネジャーかもしんないし、かとおもえば、円を借りて南ア・ラントとか、アメリカのモーゲージ担保証券とか、お茶の先物とかに投資する、アメリカのヘッジファンド・マネジャー、スミスさんかもしれないんだもの。

まあ、それがどこのどなたさまであれ、ワタナベ夫人ってのは、日本のガチ激安金利(1999年以来0と0.5%の間に引っ付いてんだもん)でありがたく円を借りて、その資金を海外の高利回り資産に投資しちゃう人たちの総称なのね。

で、大事なのは、ワタナベ夫人が、少なくとも一時的に、羽をパタパタすんのを止めちゃった、ってこと。 この数日間、国際通貨のビックリ仰天な動きが明らかにしているように、キャリー・トレードが暴力的な勢いで巻き戻している。 先週の、ほぼありとあらゆる種類の高リスク資産からの、パニックじみた手仕舞いで、円が爆上げしちゃったんだね。

この2日間は、円がまた利下げすんべ、なんて噂のおかげでちょっと戻ってるけどさ。 それでも、水曜日の円は、もう一つの「安全パイ」通貨、ドルに対して97円くらいだったでしょ。 この数年間の1ドル110-120円から考えりゃ、あなた、超円高じゃん。

近年、円キャリー・トレードは、低金利流動性ソースってだけじゃなかったのね。 CMCマーケッツのチーフ・カランシー・ストラテジスト、アシュラフ・ライディによれば、最大の流動性ソースだったんだって。彼が取り上げてるデータによれば、日本の家計だけでも、生保だのその他諸々が仲介した貯金をさっぴいて、$5,000億もの海外向投資資金を動かしてたってんだもの。 言っとくけど、これ、海外投資向に一体全体幾ら借りたかわかんないほど借りちゃった、しかもめっちゃレバかけてやってた投機家を別にして、だよ。

国家の銀行救済はモラル・ハザードと、無謀さの悪化と、いずれまた救済しなきゃならなくなる、って危険があるでしょ、ってのと同じようにさ、キャリー・トレードの巻き戻しにも、次の巨大バブルの危険が伴ってるわけですよ。 日本では、もう沈思黙考も出来ないようなことを沈思黙考して、中央銀行は円高と株の暴落に対応したくさい…利下げだ。 そんな噂だけで、株はミニ反騰するわ、円は値下がりするわって、マジどうよ。

これは日銀にとって、毒だ。 低金利資金が不動産、資本投資、キャリー・トレードでバブルを発生させるんじゃないかと心配して、日銀は低金利を維持しなければならないのを嫌がっていた。 そこら中でインフレの危険を目撃してくれたおかげで、外部の専門家は狂喜乱舞だった。 ま、もう笑ってるヤツなんてほとんどいないけどね。

日銀は、それみろオレが正しかったじゃん、と思っているかもしれない。 そうだとしても、急激な経済縮小の危険を避けるために利下げすることで、望みと逆のことをしなければならなくなるかもしれない。 そんなリスクが、甦ったデフレの危険によって生まれている…商品価格値下がりのおかげで、10年間居座ったおぞましいデフレが、日本にカムバックするかもしれない、という危険によって。

日本が本当にゼロ金利へ逆戻りしようとしているのなら、この国はまたもや、投資意欲のある全ての皆様方向の、ほぼノー金利資金ソースと化すだろう。 それよりももっともっとヤバイもんがあるよ、とレイディ氏。 なにって、そう、ドル・キャリー・トレードの可能性だ。 FRBは死に物狂いで金利を下げている。 水曜日にもまた0.5%カットした。 アメリカの金利がゼロに近付けば近付くほど、ドルを海外の高金利資産に動かしちゃおう、って意欲がわいてくるでしょ。

こうやってグルグル回ったってさ、根本的な問題の解決にはちっともならないんだけどなあ。 つまりさ、アジアには貯金する人間が腐るほどいて、アメリカとヨーロッパには金を使う人間が腐るほどいるってこと。 これがどうにかされない限り、世界はこの数年間の騒ぎを、低金利の国と高金利の国の間を資本が行ったり来たりする騒ぎを、繰り返すだけじゃん。

ついこの間まで、某ワタナベ夫人お気に入りの作戦は、日本円を借りて豪ドルに突っ込む手口だった。 これで大体6%儲かるわけね。 今週、彼女(と愉快な仲間達)は、アイスランドの金利が18%に引き上げられましたー、っての、見逃さなかったろうなあ。 日本との金利の差が17.5%ってことじゃん。 それ以上になるかもしんないじゃん。 アイスランド・クローナ、どうよ。


(私のコメント)
先日銀行に行った時に為替の窓口に行列が出来てホールが一杯になり玄関の外にまで行列が出来ていましたが、円が高くなるとドルなどの外貨を買うお客さんが増えるようです。株式なども株が下がった事で新規に株を始めようというお客さんが増えて口座開設でネット証券が忙しいらしい。

これらは現物の外貨買いであり、現物の株買いの動きですが、FXトレードや株式の信用売買の規模はそれよりも遥かに大きい。FXでトレードしている人はレバレッジをかけているから、わずかな動きで証拠金を割ってしまうから強制的に清算されてしまう。株の信用取引でも同じで1000円以上も暴落すれば多くの信用取引は強制的に清算されてしまう。だから値動きは大きくなりやすい。

外貨預金でも株の現物投資でも大きく動いても清算されることはないが、信用取引は儲けも大きいが暴落すると一気に元本を失うばかりでなく、借金が残ってしまう。プロのヘッジファンドは売りと買いを組み合わせたり、先物でヘッジをかけていたりするから上げて儲けて下げて儲けるやり方をしている。そうしなければ大きな資金は運用できない。

しかし素人は片張りの信用売買で揺さぶりに遭うと一気にやられてしまう。だから素人は外貨投資も株式投資も現物で長期にやらないと売買手数料でも足を出してしまう。ネット売買では手数料がただという事もあるが小さな売買に限られる。外貨預金はオーストラリアドルも6%の利ざやが取れるのですが、下げる時は一気に下げるから利ざやの分も吹っ飛んでしまう。

私も金利の高い豪州債券に投資したことがありますが、オーストラリアは人口2000万足らずの小さな国であり経済小国だ。地下資源は豊富なのですがそれ以外は農業ぐらいしか産業が無い。だから慢性的な資本不足で金利が高い。だから資源ブームの時は金が集まるが不景気になるとオーストラリアドルは売られてしまう。

新興国も景気が良ければ金が集まり投資ブームが起きますが、景気が落ち込むと資本は出て行ってしまう。日米欧の余剰投機資金は世界を回ってバブルを作り、破綻が起きると一斉に資金を引き上げてしまう。1997年のアジア金融危機もそれで起きたし、今回の世界的金融危機も構造は同じだ。

日本の超低金利によって円キャリートレードで世界に投資されてきましたが、FXでレバレッジをかけて投資してきた人は一気にやられてしまった。FT紙が言うワタナベ夫人もFX投機をやる人の総称ですが、プロでも為替投機は難しいから家庭の主婦ができる事ではない。私もオーストラリアの高金利につられて買って大きく損をした。

だから私は株や外債投資から不動産投資に切り替えた。しかし不動産投資もバブルの崩壊でえらい目に遭いましたが、結局は貯金をコツコツと貯めていれば一番被害は少なかったのではないかと思う。一戸建ての住宅にしても貯まった貯金で買えるほど安い物件も出回っている。

日本はバブルの崩壊で株や不動産や様々な投資をしていた人は酷い目に遭って、欧米の金融革命に乗り遅れてしまった。しかし欧米の金融革命はかつての日本のバブルと同じでありレバレッジをかけていた投資に過ぎなかったようだ。欧州の銀行も30倍のレバレッジで投資をしていたから一気にやられてしまった。アイスランドの金融立国も破綻した。

今回の世界金融恐慌はまだ始まったばかりであり、これからが本番だろう。実物経済と金融経済の差が大きくなりすぎてバブルが破裂して清算されて回復するには数十年の期間がかかるだろう。日本のバブル崩壊も最初はすぐに回復して不良債権もすぐに解消できると見ていましたが15年もかかった。

欧米のバブル崩壊も1929年の大恐慌以上の年数が回復するのにかかるだろう。政府が公的資金で素早く銀行救済を行いましたが、銀行が公的資金を返済し終わるまでには10年以上もかかる。まだまだ欧米は今回の金融恐慌の被害が実物経済に及んできていないからまだまだ楽観的だ。

今回の金融恐慌で特徴的なのは国家の破綻が起きていることであり、新興国の破綻はこれから続出してくる事だ。特に東ヨーロッパが酷いらしい。だからユーロの下落も激しいのでしょうが、ロシアも石油の暴落で長期化すれば再び90年代の悲惨な経済に戻るかもしれない。東欧やロシアが破綻すると多額の投資をしていたドイツも危ない。

これらの事実が表面化してくれば、円キャリートレードの逆流がますます激しくなる事もあるだろう。大前研一氏などは東欧投資を呼びかけていたから、日本の投資マネーもかなり行っているはずだ。東欧も新興国と同じく資本も技術も外資頼みでありヨーロッパとは名ばかりの国だ。世界に通用するような技術を持っているのはあくまでも日米欧に限られている。

さらに日本は中国に多額の投資をしていますが、中国もバブルの崩壊が本格化する。経済成長著しい国だからこそ成長がストップした場合の反動が大きく、東欧以上のブラックホールになりかねない。中国株や中国の不動産投資をした人もかなりいることだろう。人民元の切り上げも見込み薄であり、そうなると外資も一斉に中国から逃げ出す。

アメリカはFF金利を下げて1%になりましたが、FT紙はドルキャリートレードを予想している。超低金利のドルが世界に出て行くということですが、その前に私は低金利のドルの暴落が起きて米国債も暴落して金利が逆に急上昇する事を予想しています。米国債を買う人が国内にも国外にもいないからだ。結局ワタナベ夫人の外貨投資は失敗して、低金利の円預金が一番安全だったという事になるだろう。




世界の覇権国となるには、イギリスのような老獪な外交力があるか、
日本のような経済的技術力があれば覇権国となることが出来る。


2008年10月30日 木曜日

米国人の意識調査、「日本より中国が重要」が51%に 10月29日 日経新聞

【ワシントン=弟子丸幸子】国際問題研究などを手がける米シカゴ・カウンシルが28日に発表した米国人の日本に関する意識調査で、日本よりも中国を重視する人が過半を占める結果が出た。米国の利益にとって日本と中国のどちらが重要かとの二者択一の質問に「中国が重要」との答えは51%となり、「日本が重要」(44%)との回答を上回った

 米国にとって「非常に重要な国」のランキングでも、中国が3位で、日本は4位となった。1位は英国、2位はカナダだった。ただ、国際社会において中国が急速に台頭していることに関しては「日米両国が協力して中国の権力を制限すべきだ」との意見が54%に達するなど中国への警戒心が残ることも分かった。

 調査はマイケル・グリーン米国家安全保障会議(NSC)前アジア部長が監修し、7月上旬に実施した。有効回答数は1505人だった。(19:11)



「米中衝突」は近い 10月29日 中韓を知りすぎた男

アメリカの中国人分析の最大の勘違いは、中国人を普通の人間を土台にして、思想の違いや性格の違いだけで分析したところに大きな間違いをしてしまいました。

この地球上にアメリカ人が想像もできない行動原理によって動く人々がいるという事を理解できなかった、おそらく今もまだアメリカ人は中国人を理解してないと思います。

アメリカの中国政策は、中国経済を発展させる事によって、民主的で安定した国になり、世界経済システムに組み込んでいく、その結果国際協調路線を歩むようになるという期待に基づくものでした。

ところがアメリカと日本のお陰で豊かになった中国は「地域覇権を狙う侵略的な国」の正体を見せてきました。アメリカも中国の悪意のある野望に気がつきました。しかしアメリカ経済がすでに中国にあまりにも深く関与しているために、身動きが取れなくなっています。

いまアメリカの中国観は相反する二つの考えの中で揺れ動いています。「中国はアメリカ市場に依存している、アメリカも中国の米国債購入に頼っている、お互い利害が一致している間は米中対立は避けるべきである」という考え。

もう一方は「中国が独裁共産国家のまま強くなれば、アメリカのアジアや中東などの影響力が弱くなる、すでに中国はアメリカをアジアから排除し、日本を中国に従わせようとしている、そのうえ世界中から資源の強奪を始めている、このまま放置すれば中国の脅威は避けがたいものになっていく」という考えです。

ところがここに至ってアメリカの金融問題で、経済脆弱な中国の急激な落ち込みは中国の世界覇権国の野望もついに崩れ堕ちるだろうとアメリカのペンタゴン情報局は判断しました。

相手が普通の人間が住んでいる国なら情報局の推測も当たりますが、残念ながら中国人は全く常識はずれの異質な人間の世界だったのです。

中国の野望がしぼむどころか、アメリカの裏庭である中南米の石油にまで手を伸ばし始めています、そして資源バブルで自信をつけたロシアと再び親交を深め、ロシア極東地域の資源を買い取り、ロシアから3000億ドルの兵器を買い取る契約を締結しました。

中国最大の敵アメリカと対抗するためにロシアと以前のように同盟を結びました。

中国人民軍の朱成虎将軍は「アメリカと核戦争が起こったら、我々は世界を手に入れることができる」「アメリカは強大な国力を保っているので、徹底的に消滅させないと,害を残すことになる。アメリカを消滅させるには、我が国の備蓄する核の10分の1で十分だ」と豪語しています。

「核戦争はたいしたことではない。中国人が半分死んでも、女性は相変わらず子供を生むから、中国は復活できる」この将軍の発言はまさに狂気です、まるで紀元前の秦の始皇帝時代から一歩も進歩していません。中国将軍の思考は中国歴代皇帝と同じです


アメリカはここに至ってやっと中国は最大の「ならず者国家」であると気がついたとおもいます。(私の希望的推測)

米中対決のシナリオができつつあります。未来対決の構図は「日米対中露」の激突です。アメリカは日本の憲法を改正させて核の保有を認め、最強のパートナーに仕立てていきます(私の希望)。

日本の外務省はこの巨大両国を真剣に分析しているのだろうか?国家意識、主権意識のない外務省や政治家はこのまま中国のいいなりになって、この日本を滅ぼすつもりですか?手を結ぶ相手は人間にして下さい。

「敵は中国なり」を国是にして進むことが、日本の生きる道です。



(私のコメント)
今回の世界的金融恐慌は日本とアメリカの金融経済の圧倒的強さを浮かび上がらせていますが、アメリカのばら撒いた金融商品の毒に犯されてアメリカとヨーロッパの金融機関が軒並みやられてしまった。毒の入った金融商品は買い手がおらず大量に所有する金融機関の資産内容は大幅に劣化して、公的資金の注入と短期金利の利下げでカンフル注射で何とか生き延びている状態だ。

しかし公的資金の注入は、それだけ財政を圧迫して行きますがツケは日本と中国に回してくるつもりだろう。しかし中国はすんなりとアメリカの要求に応ずるだろうか? 「中韓を知りすぎた男」のブログによれば、中国人は常識外れの異質な人間であると言うことですが、外貨資金を武器に使う時が来るかもしれない。

アメリカもダブルスタンダード外交の国であり、経済と軍事の二本立てで戦略を立てている。今はアメリカは経済優先で対中外交をしていますが、それは当面アメリカにとっての利益だからだ。中国も当面は経済はアメリカの輸入に頼っているから米国債を買うだろう。しかし裏ではロシアと手を組み、南米やアフリカの石油を手に入れるなどの手を打っている。

このように大国は経済と軍事の両建てで外交をしてきますが、日本は経済でしか外交が出来ない。だから「株式日記」では日本も核武装をして軍事でも外交が出来るようにすべきだと主張しているのですが、政治家も官僚も骨抜きにされて国家としての体をなしていない。少しは金正日の気骨を見習うべきですが、そうしないと日本はアメリカにミカジメ料を取られ続けることになる。

日本としてはぬらりくらりとアメリカの要求をかわしつつアメリカの衰退を待って、再軍備の時を待つべきだろう。アメリカが経済破綻すれば軍備も縮小せざるを得なくなり在日米軍も本土に引き上げるときが来るだろう。アメリカはすでに中国を叩けるだけの圧倒的な軍事力は無く、中国は太平洋を東西に二つに分割する協定を持ち出してきている。

まさに中国人は常識外れの人間集団なのですが、多くのアメリカ人は中国人の異常さに気が付いていない。中国もダブルスタンダードな国であり微笑外交と圧力外交の裏表を使い分けている。日本は米中のような軍事力が無いからダブルスタンダード外交は無理であり、当面は面従腹背外交でかわす外交しかとりえない。

アメリカ人から見れば中国は日本の10倍の人口もあり中国に目を奪われるのは当然だ。ゴールドマンサックスなどの投資会社は中国に投資をして利益を上げていますが、中国人の異常さにゴールドマンサックスも泣かされる時が来るだろう。インドなどは法治国家の基本があるが中国には法を守るという意識が無い。賄賂が法律でありカネが法律の世界だ。

もともと独裁政治と資本主義とは矛盾するものではなく、アジアには開発独裁国家が多くあります。アメリカの中には中国は豊かになるにつれて民主化されるという根拠の無い妄想があった。しかし中国人は民主化されれば国が乱れて豊かになった中国が失われると思うようになっている。

もしこのまま中国が独裁国家のまま軍事力が強化されていけばアジアの地域覇権は中国が持つことになる。アメリカは経済中心外交だから黙認した状態になり、中国のやりたい放題でもアメリカは反撃しないようだ。もちろん米国防総省は懸念は持っているがイラク戦争で手一杯で手が打てない。

日本とすればアメリカの核の傘にいれば大丈夫ということでいましたが、アメリカは北朝鮮を核を持ったままでテロ支援国家から解除した。これでは核の傘も破れ傘であり10分で北朝鮮から核ミサイルが飛んでくる。これでは日米安保も効果が無く空文化している状況に日本人はようやく気がつき始めたようだ。

アメリカは毒入りの金融商品をヨーロッパの銀行に売り込んで銀行を破綻に追い込んで見事にユーロの基軸通貨化を防いだ。グルジア紛争でも新冷戦体制に持っていってロシアとEUの分断工作も効いている。その結果ドルと円の通貨だけが強くなって「ドル円」の基軸通貨化が出来てしまっている。世界各国は外貨をドルだけではなく円も持ったほうが安全だろう。

日本はアメリカの軍事力を使って世界に金を貸している状態であり、貸し金の取立てには軍隊が必要だ。そのためにはアメリカにミカジメ料を払って用心棒になってもらう必要がある。具体的に言えば、日本の資金をゴールドマンなどの投資会社に預け、ゴールドマンやリーマンは中国に投資をして運用する。日本が直接中国に投資をしたら中国は借金を踏み倒すかもしれないが、アメリカの投資会社が相手だと中国も踏み倒せない。

だからアメリカ人が中国がアメリカの利益にとって重要だと思えば思わせて置けばいいのであり、日本はアメリカの投資会社を使って新興国に金を貸して金融立国になっている。しかしこれは結果的にこうなったのであり戦略的になったのではない。

「株式日記」では日本が世界の覇権国となると書いてはいますが、あくまでもアメリカを陰で操る「見えない覇権国」ということになる。以前にも、世界の覇権国となるには人口の多さやGDPの大きさなどは条件ではなく、ダントツの技術力が覇権国の条件だと書きましたが、日本がその条件を満たしつつある。だからこそ日本の円が一人勝ちになっているのだ。

もし中国が借金を踏み倒そうとすれば、アメリカの投資会社は軍事力で脅して回収すればいいのだ。アメリカにとっても1兆8000億ドルの借金をチャラに出来る。しかしアメリカも経済力が衰えているから日本が経済を支えてあげる事が日米の利益になる。

このように日本が単純なアメリカ人を使いこなして「見えない覇権体制」を作ればいいのだ。同じような構図はイギリスとアメリカとの関係が手本になっている。イギリスはソ連との冷戦体制をアメリカを巻き込んで対抗しましたが、ついにはソ連を破綻させている。二度のドイツのとの世界大戦でもアメリカ軍を使いこなして勝っている。老獪なイギリス人は単純なアメリカ人を操って敵を叩き潰してきた。

世界の覇権国となるには、イギリスのような老獪な外交力があるか、日本のような経済的技術力があれば覇権国となることが出来る。しかし表向きはアメリカを覇権国としておだてて置けば、単純なアメリカ人はブッシュのように大喜びで覇権国のふりをするだろう。





円建て米国債を大量に発行させ、公的資金の財源に充てさせる。
日本政府は巨額の米国債を軸に国際円資産市場を整備する。


2008年10月29日 水曜日

海図なき航海  SANKEI EXPRESS  10月19日 田村秀男

 史上かつてないほどのグローバル金融危機ーー国際金融システムは海図無き航海に入った。

(SANKEI EXPRESS 10月19日付け「国際政治経済学入門(第81回)から

 驚くことに、米国と欧州の当局がこれまでに打ち出した金融危機対策のための公的資金枠総額は金融バブル崩壊に伴う損失見込額をはるかにうわまわる。

欧州では一兆九千億ユーロ強(約二百六十八兆円)で欧州連合(EU)のGDPの15%、米国が1兆ドル(約100兆円)強でGDP比7%。欧米を合計すると日本円換算で360兆円を超している。国別のGDP比でみると、ドイツはGDP比で2割を超える。英国の場合最大で30%に達しそうだ。1990年代の日本のバブル崩壊で日本政府が投入した公的資金は70兆円、当時のGDP比で14%。それをはるかに上回る。

ところが、国際通貨基金(IMF)が最近まとめた国際金融安定性報告書によると、米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)関連など米国の貸付債権と証券化資産の実現損失額は1兆4000億ドル(約140兆円)前後。公的資金はその2・6倍にも上る。

しかも、2008年10月8日時点で米連邦準備制度理事会(FRB)によるドル資金供給残高は?年8月末に比べて6839億ドル、サブプライム危機勃発前の7月末時点に比べ7259億ドル増やした。それでもドル資金は足りずに、FRBは欧日の中央銀行と協調しながらドル札を無制限に供給する姿勢を表明している。

 なぜ、こうまで財政資金やドル札を金融市場に投入しなければならないのか。それは今回のドル金融商品バブル崩壊に伴う損失はIMFの見積もりをはるかに超えているのに、その規模がどこまで膨らむのか、だれも把握できないことを暗示している。ということは、公的資金投入額が米欧合計の360兆円で済むかどうかもわからない。

公的資金の財源は増税であれば国民から反発を買うので国債の増発しかない。その国債は結局中央銀行がお札を刷って消化する。要するに、危機が去らない限りドル資金はどんどん刷られ、垂れ流される。それしか方策がない。

その中で日銀が円資金供給残高を現状水準にとどめる現行政策をとり続けると、円高ドル安はどこまでも進行しよう。日本は日銀券を増刷して、ドルの供給量に見合う円を刷ってドルを買い支えるしかない。

ドル資金がインフレを引き起こすとは限らない。むしろ信用収縮と資産バブル崩壊により、デフレ不況に陥る。中国なども輸出製品価格を上げず、原油価格、穀物価格も景気後退に伴う需要減で下落する。このデフレ圧力は円高の日本には倍加して襲いかかってくる。しかも、日本が保有するドル債権は紙くずになってしまう。

ユーロ、人民元、カナダドルなども米ドルに対しては高くなればなるほど、米国の多国籍企業は海外での資産をドル・ベースで逆に増やす。つまり米国はドル超安で借金を帳消しにできる。

日本はどうすればよいか。

金融救済プログラムでドル不足、財源不足に陥っている米国に対し、円建て米国債を大量に発行させる。すると米国が直接、日本円で資金調達し、信用力の高い米国債の円市場が成立する。日本企業もアジアの企業も円建て貿易決済する環境が生まれる。ここで日本政府は一挙に、円資産市場を整備する。日本の金融機関はここで初めて国際競争力を持つことになる。財務省、日銀の役割は非常に重要だ。

財務省はドル買い介入の権限と円建て債の条件整備につとめる。日銀は十分に円資金を市場に流し、円建て米国債の消化を助ける。日銀が円建て米国債を市場から買い上げるわけだ。

折しも、米国は北朝鮮のテロ支援国家指定も灰色のまま解除のやむなきに至り、覇権国としての権威も衰えている。ドル覇権の金融モデルの破綻と合わせ米国一極体制が機能しなくなっている。日本は役割分担する形で国際金融市場で地位を確保、高めるのは歴史的好機、かつ責務でもある。(特別記者・編集委員)


晩秋の落日のドルとユーロ 10月27日 吉田繁治

●(重要)100兆円のFRBによる緊急貸付と信用創造のメカニズム、お分かりでしょうか。

大元を言えば、
・日銀とECBからの協調借り入れと、
・米国政府からの借り入れ(国債預かり)です。

つまりこれらは全部、米国債の対外信用を基にしています。
(注)欧州では、ユーロ国債の対外信用です。

今までの100兆円分は、こうして、FRB自体も、綱渡りのような、資金捻出に、拠っています。ところで、10月1日以降、新たに必要になる資金(おそらく数100兆円の追加)は、どうするのか?

●貸し付けた相手の金融機関からの回収は、今後5年や10年はできないでしょう。逆に、もっと巨額に資金注入が必要です。

方法は、
(1)米国債を、財務省が刷ってFRBに預ける、
(2)FRBはその緊急国債を、
(3)日銀、ECB,および中国、アラブに売る。


これでしか、資金は、手に入らない。

ところが10月1日以後、世界の株価も25%は下げ(追加で1000兆円、合計3000兆円の時価を失い)、世界の金融機関も自己資本を減らしたため、米国債を増加買いする余力はない。

たとえば日本の生保・銀行・郵貯・簡保・年金も、日経平均が8000円付近で、自己資本を減らす含み損を、大きくします。


特にECBは、今、次々に資金不足に陥っている英国・スイス・西欧・北欧の、金融機関の救済に躍起です。米国債を買う余裕は、全くない。むしろユーロ国債の手持ち分を、FRBが9月に行ったように、海外に売らねばならない。

欧州の銀行の、30倍〜50倍のレバレッジ(信用借り)に頼った、(今後も絶対に返せない)巨額負債を見れば、株価の含み損と、この秋から本格化する欧州不動産価格の下落から一体いくらの公的追加マネー必要になるのか?

政府資金の投入とは言っても、金融機関は、それを後で、金利をつけ政府に返済しなければならない。それが(ほぼ永久に)無理なのです。そうすると、結果は国の損失になって終わる。

6.最終的な、巨額損失の負担は、どこへ行く

金融機関の損は、それに貸し付けた人(預金者)、預金をもつ企業、公的資金を出す政府の損になります。ただしその損は、実質の損です。名目の金額は、変わらない。$1、1ユーロ、100円の、商品購買力が下がる。

日銀、中国、アラブに資金はあるか

米欧に対し、今ドル買い、ユーロ買いで資金を出せるのは、日銀、中国、アラブしかない。ついに現時点で、そうなってしまった。

ところが・・・日銀、中国、アラブの外貨準備(政府管理)は、合計で400兆円でしょう。中国200兆円、日本100兆円、アラブ100兆円です。

そのうち80%は、すでに過去に買っているドル債(320兆円)でしょう。このドル債を売って、その資金でドル国債を買っても、合計での意味は全くない。

この400兆円の外貨準備のうち、ドル建て以外の通貨分は、恐らく合計で、80兆円分くらいしかない。これでは、足りません・・・それに、この80兆円分(主はユーロ)を売れば、今度は、ユーロが、一層急落し、ECBが苦境に陥ります。

米欧の政府、FRB、ECBにとって、右を見ても左を見ても、にっちもさっちも、ゆかない・・・

日本、中国、アラブが、米欧のために自国債を発行し自国の通貨を増やし、それと交換に、米ドルとユーロを買い、結果は大損をして、救うのか? それで、救えるのか? 
(注)救うには、日本、中国、アラブのドル資金が足りません。

欧州のECBは、もう、根拠あるお金は出せない。日銀も、です。

米欧日の、中央銀行の貸借対照表を検討すれば、以上が、予測できます。中国だって、あやしい。マネーの奥の院は、本稿のように、今、米FRBと欧州ECBの貸借対照表を、検討しているはずです。

ともかく、民間金融機関の巨額損失が、全部、米国と欧州の政府部門の借金に片替わりです。

不良債券の含み損を含めば、現時点で最低でも200兆円。10月の株価下落を含めばその2倍の400兆円ぼの損失でしょうか? これは、誰も計算していません。

▼早まった憶測((注)あくまで憶測です)

年末か、明ける2009年には、今の世界の通貨の枠組みを変え、過去の負債を帳消しにするため、新ドルと新ユーロを発行しなければならないかも知れません。(注)あくまで・・・憶測です。

旧ドルと新ドルの交換比率を、例えば2:1にする。
旧2ドルを、銀行で、新1ドルに交換する。
ユーロも、同じです


同時に行うとすれば、中央銀行の株をもつ金融マフィア(ロスチャイルド家、ロックフェラー財閥、デルバンコ等)を含み、ごく少人数で、秘密裏に企図されます。会議で漏れれば、世界の銀行が、取り付けで大混乱になるからです。

政府部門の1000兆円(うち国債800兆円)の借金に悩む日本も、「国際協調を大義名分」として、新円発行に追随するかもしれません。輸出のため、となる。それに、政府負債の実質価値が500兆円に減るからです。

(注)特別会計の埋蔵金50兆円(剰余金の残)は、もう、ドル安と株価下落で消えています。日本政府も、お金がない。

●以上のような新通貨発行は、過去の旧貨幣の預金と、個人金融資産が、半分の価値になることでもある。それによって金融機関の負債も、実質が半額になります。(注)企業の、過去の負債もです。

こうなると、最終的な損をするのは、預金をしている世帯です。預金も、額面が保証された投資です。金額は同じでも、根拠がない発行が増えれば、実質価値(購買力)が下落します。

6300兆円だった世界の株価の、10月時点での50%への下落は、そうした通貨の価値下落を、示しているのです。



(私のコメント)
心配された株式市場は、8000円台の大台を回復していますが、ヘッジファンドの換金売りは11月もまだまだ続くでしょう。株価が急騰したからといっては強気になり、大暴落したからといっては弱気になるようでは株をやらないほうがいいでしょう。日本の場合、銀行の持ち株が多いので株価さえ持ち堪えれば心配は無いのですが、外人売りに対する買いが弱い。

だからこそ株式税制などの改正を行なって個人の金融資産1500兆円を株式に向かうようにしなければなりません。株式の配当金が300万円まで無税にするだけでも効果があるでしょう。その噂だけでも電力株などが買われることと思います。

吉田繁治氏が予測するようなドルやユーロの新ドルや新ユーロへの切り替えはあるのだろうか? 日本も新円に切り替えがあるかもしれない。新1万円を旧2万円で交換するといった噂ですが、そうなると大変だから預金を引き出して金や株に変えておいたほうがいいかもしれない。

あるいはIMFが国際決済通貨を発行して、実質的にドルやユーロを半値にするかもしれない。国際決済通貨が出来ればアメリカの金融政策に左右される事もなくなるのでドルも基軸通貨の役割を終える事になる。しかしこれはアメリカがウンとは言わないだろう。

田村秀男氏のメルマガのように、円建ての米国債を発行させて、円の国際化を図るという案もありますが、日本や中国や中東産油国には400兆円もの米国債を買えるだけの金が無い。全部あわせてもあと買えるのはあわせて80兆円ぐらいで米国債は買い支えきれない。

アメリカや欧州は銀行救済のために公的資金を投入していますが、不良債権の金額がどれくらいになるのか見当も付かない状態だ。取り合えずばパニックを抑えるのに精一杯で、あまり国家が介入しすぎれば国家破綻が続出する事になる。

アイスランドを始めとしてあちこちに煙が立ちはじめていますが、IMFだけでは世界の新興国破綻は防ぎきれないだろう。こう考えただけで頭がパンクしそうな状況ですが、アメリカも欧州も新興国もみんな破綻危機に直面している。日本も株の下落で銀行などが危なくなってきて足元も火がつき始めた。

アメリカがダメでも新興国経済が世界経済を牽引するといった意見がありましたが、新興国はみんな借金で経済が回っていた。それが円キャリーの逆流で新興国はみんなパンク状態になりつつある。日本からの資金がアメリカの投資銀行に回り、それから新興国に投資されてきたのだ。

つまり円の裏付けがあるからドルで新興国に投資されてきたのですが、ならば直接円でなぜ新興国に投資されてこなかったのだろうか? 日本にはそれだけのグローバルな金融能力のある投資銀行が無いし、円がそれだけ国際化されていない。

日本人は極端に内向き志向であり、「株式日記」で日本が世界の覇権国ななるべきだというと反論がかなり出てくる。だから政治家も官僚も内向き志向であり、世界戦略を考えるような所がない。しかし最近の経済の動きを見れば日本が世界の資金の供給源であり、日銀の金利の上げ下げで世界経済が左右される。

新興国にも円建て国債を発行させて資金援助すれば円は世界通貨となり、円の流通性は飛躍的に高くなる。中国も新興国ですが人民元をドルに固定して為替が自由化されていないから国際通貨にはなれない。元を自由化すれば元高で中国は国際競争力を失ってしまう。だからドルに代わりうる国際通貨は円かIMFが定めた国際通貨ということになるだろう。


クローズアップ2008:金融危機、世界に拡大 新興国、破綻の懸念 10月26日 毎日新聞

 ◇海外資金、一気に流出

 米国発金融危機が世界に拡大し、これまで急成長を続けてきた新興諸国の経済に大打撃を与えている。24日には国際通貨基金(IMF)がアイスランドを緊急支援することを決めたほか、ハンガリー、ウクライナ、パキスタンなどがIMFに支援を要請している。金融危機は、金融機関の破綻(はたん)の局面から、国家の破綻にまで拡大しかねない様相を呈してきた。

 世界的な金融市場の混乱を受け、ロシアの株式市場は暴落、今年5月につけた史上最高値に比べ57%も下落した。当局は、9月中旬以後、何度も株式市場を一時閉鎖する措置を取ったほどだ。中国、インド、ブラジルなど新興国を代表するBRICsの株価も昨年から今年につけた史上最高値に比べ、6〜7割も下落している。

 新興国の株価は、急成長を背景に右肩上がりを続けてきた。これを支えたのは主に海外投資家。欧米市場の混乱で大きな損失を被ったこれらの投資家は、利が乗っていた新興市場の株を売り、ドルなどの現金に換金する動きを一気に強めた。

 ロシアでは、株(ルーブル)を売り、ドルを買う、ブラジルでも株(レアル)を売り、ドルを買うことになるため「海外に資金が一気に流出」(ロシアのエコノミスト)し、株価に加え外国為替も急落した。

 ロシアやブラジルなどの中央銀行は自国通貨を支えるため、ルーブルやレアルを買い、ドルを売る為替介入を続けた。ロシアでは9月だけで179億ドルの為替介入を実施した。ただ、ロシアは約5500億ドル、ブラジルは「2070億ドル」(ルラ大統領)の外貨準備があり、当面の危機を乗り切る体力はある。

 97年に通貨危機を経験したアジア諸国も株価と通貨の下落に見舞われた。当時、国際通貨基金(IMF)の管理下に置かれた韓国やインドネシアでは「悪夢の再来」との懸念が高まり、韓国の李明博(イミョンバク)大統領や、インドネシアのユドヨノ大統領は、当時と違い、外貨準備が潤沢なことを理由に「落ち着いた対応を」と、国民に訴えている。

 原油高で潤ってきた産油国にも危機は波及している。アラブ首長国連邦(UAE)でも海外の資金が流出、政府は預金の全額保護や、公的資金の活用を宣言するなど危機対応に追われている。ペルシャ湾岸6カ国のプロジェクトは2・5兆ドル(240兆円)に上るとの試算もあるが、「短期借入金でまかなうケースもあり、資金が行き詰まる可能性もある」(ドバイの金融筋)との懸念も出ている。

 急成長や原油高で力を蓄えた国は、自国での対応が可能だが、体力のない国は「危機から逃れるのは容易ではない」(欧州系銀行)。

 IMFは24日、アイスランドへの約21億ドル(約2000億円)の緊急融資に暫定合意。1年で株式相場が8割近く暴落し、通貨フリブナも対ドルで最安値を更新するウクライナ、政情不安が続くパキスタン、外資への依存度が高いハンガリーなどがIMFに緊急支援を求めている。危機が収束しなければ、さらに申請国が増加する可能性が高まっている。【モスクワ大木俊治、ロンドン藤好陽太郎】



(私のコメント)
今は比較的体力のある国も、長期化すれば経済的な実力がないからいずれ危機に直面するだろう。その前に体力の無い国が破綻する。アメリカや欧州も経済的実力はあるが金融で破綻状態であり動きが取れない。だから日本が中心になって世界経済をまとめていかなければならない。




ヘッジファンドが解約請求に応じ、5倍のレバレッジと見ても500兆円
が、世界の、株、不動産への投資から、今後、抜けることになります。


2008年10月28日 火曜日

日経平均が7000円割れ、82年10月以来=東京株式市場 10月28日 ロイター

[東京 28日 ロイター] 東京株式市場で日経平均が7000円を割り込んだ。これは1982年10月以来、26年ぶりの安値水準。
 ヘッジファンドなどの換金売りが続いているためで、市場では「下値のメドが立たない」(投信)との声が上がっている。いったんはハイテク株などに値ごろ感からの買いが入って日経平均も切り返したが、換金売りに押し戻された。


ヘッジファンドの解約処理が打撃−シタデルは投資家の懸念一掃に努力 10月25日 ブルームバーグ

10月25日(ブルームバーグ):ヘッジファンドが投資家からの解約請求に応じ、金融機関からの追加担保差し入れの要求を満たすために資産売却を進めていることが、50年ぶりとなる金融市場での売り先行の動きをさらに増幅させている。

モルガン・スタンレーのアナリスト、ヒュー・バンスティーニス氏は24 日付の顧客向けリポートで、米国のヘッジファンドでは年末までに15%の資金引き揚げがみられ、欧州では最大25%に達すると見込まれると指摘した。投資損失と合わせ、業界全体の資産は1兆3000億ドルと、6月のピークから 32%の減少が予想される。

調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のHFRXグローバル・インデクスによると、ヘッジファンド全体では今年の運用成績は平均マイナス 18%となっている。

米資産運用会社、シタデル・インベストメント・グループを1990年に設立したケネス・グリフィン氏は24日、「ここ7−8週間みられているパニック状態に飲み込まれたような市場は、人生初だ」と語った。

シタデルは24日、同社のファンドが清算に追い込まれるのではないかとの投資家の懸念に対応し、80億ドルの手付かずの銀行融資枠があり、資産の 30%は現金で、投資家からの解約は「小規模だ」と説明した。



晩秋の落日のドルとユーロ 10月27日 吉田繁治

▼ヘッジファンドの解約という爆弾

08年9月は、損失を恐れる投資家から$381億(3.8兆円)が、解約されています。これだけではない。今、100兆円の元本部分に、解約の申入れが殺到しているとフィナンシャル・タイムは報じています。多くは、世界の1%以下の富裕者からのマネーです。2000年代の投資は、偏っていたのです、

これは、単に、100兆円の投資元本が減ることを、意味するのではない。預かり元本を資本に、数倍〜10倍のレバレッジ(金融機関からの信用借り)をかけた投資をしているからです

5倍のレバレッジと見ても500兆円が、世界の、株、住宅証券、商品先物、不動産への投資から、今後、抜けることになります。

この解約の殺到と、レバレッジの清算(=返済)を迫られることによる資金繰り売りが、世界の株を昨年10月から50%に下げたもっとも大きな起動要因です。原油、天然ガス、金属、穀物を含む商品相場も同じです。原油が$70を割れば、アラブは再びの政府赤字です。

株価や商品先物は、買われれば上がる。売られれば下がる。特にわが国の株では、ガイジン(主はヘッジファンド)の売買比率が60%〜70%を占めています。多くのファンドが買う時期は上がり、売られる時期(現在)は、米国ダウより激しく下がる。

PER(株価/収益率)やPBR(株価/純資産倍率)という評価指標は、全部が下げるパニック相場の時は、意味をなさない。

ともかく、ファンドは手許にお金がない。このままでは破産する。かつては低金利資金でゆるゆるだった金融機関も、9月以後、全く貸さない。大手銀行間の、短期の貸し借り(コールローン)すら、枯渇という異常事態。大手と言っても、相手が抱える含み損失が、不明なためです。

そのため、ファンドは投資ポジションを解消し、現金を回収するための、資金繰り売りをかける。損や利益は、度外視されています。

ファンドマネジャーにとって「初めて経験する事態」です。金融機関には、政府からの救済がある。しかし、富裕者のマネーを投資運用するヘッジファンドに、政府や中央銀行からの救済は、ない。

【結論】
ファンドの元本100兆円の解約は、10月、11月、12月と増えます。10月時点でいくら解約されたかは、統計がないのですが、おそらく、9月分の解約額3.8兆円から見て、多くても15兆円くらいでしょうか。

推測ですが、まだ残り80兆円くらいの解約残があるでしょう。もっと増えるかもしれません。レバレッジの倍率を想定すれば、いくら、市場からマネーが抜けるかです。

「ヘッジファンドは、9月、10月の株価の下げと商品相場の下げで終わった」。ファンドからの巨額売りを、誰が買うかです。買いが超過しなければ、短期の波動はあっても株価は底打ちせず、上げません。

【ヘッジファンドの元本の増加(各種データから合成)】
1995年    $2000億
1997年    $4000億
1999年    $5000億
2001年    $5500億
2003年    $8000億
2005年     $1兆   
2006年    $1兆2000億(95年の6倍:年率35%の増加)
2007年    $1兆6000億(1万本)
2008年8月   $2兆(8000本→6000本へ減少へ


2008年初頭のヘッジファンドの元本は$2兆(200兆円)と、95年の10倍に膨らんでいました。今これが、100兆円に減る勢いです。

ファンドも、上記のように増え方は、比較的にゆっくりでした。ファンドの元本が増える過程で、株価、資源・原油・穀物の1次産品への投機が起こり、全部を上げてきました。

しかし解約での減りは速い。そのため株も、上げはゆっくり、下げは速くなる。株価対策としては、いずれ、各国中央銀行が直接、株を買うしかない。今、金融機関には、含み損から買う資金がないのです。

株価の時価が3000兆円(50%)も減ったままでは、金融機関と投資家の損から、ポジション解消を迫られ、更に下げを呼び、いよいよの、世界恐慌に向かいます。

それに、今の株価は、各国の空売り規制の中での、現物売りの下げであることが、記憶されていなければならない。


(私のコメント)
世界の株式暴落ですでに3000兆円もの時価資産を失っているそうです。世界の株は2007年の10月がピークで6300兆円ですから半分になってしまった。つまリ世界の株式投資家は資産が平均して半分になってしまったということです。一番大きな被害はもちろんアメリカであり401Kなどの年金も将来どうなるのでしょうか?

東京の株式も2007年の18000円から7000円にと半分以下になってしまった。誰が売っているのかというとヘッジファンドで、投資家からの解約売りで優良大型株ほどよく下げます。ブルームバーグの記事によればヘッジファンドの運用成績はマイナス18%だそうですが、世界の株式が50%以上の値下がりで本当なのだろうか?

このような暴落は松藤民輔氏のブログなどを紹介しながら予測してきた事だ。だから株式日記の株式予測も大当たりなのですが、ブログのコメントなどを見ると若い人が多くて株をやっている人はほとんどいないようだ。株は大局的に見て世界的なスケールで予測しないとヘッジファンドのカモになるだけだ。


今年のNYダウ平均は、秋にかけて8000〜6000ドルまで暴落するかな? 2008年1月16日  株式日記

多くのヘッジファンドや金融機関の投資失敗が表面化する 4月半ばから学ぶ人たちのチャンスが始まる 2008年4月14日 株式日記


(私のコメント)
サブプライムローンの損失規模は20%程度の値下がりであり、金額的にもても世界的な大暴落を起こすほどの規模ではない。去年の夏にサブプライム問題が表面化しても株式にはさほどの影響は現れてはいなかった。実際1300ポイントぐらいの水準だったのですが、現在は800ポイント台だ。

ヘッジファンドは売りと買いを組み合わせた投資法だから、売りで利益を出しているヘッジファンドも沢山あるだろう。しかし投資家からの解約が殺到してはヘッジファンドも閉鎖せざるを得なくなる。株の世界では玄人になればなるほど空売りで儲けるようになるのですが、日本にはほとんど空売りファンドが無い。

株は上がるのは10年かかっても下げでは3ヶ月で元に戻ってしまう。だから株式投資のプロは空売りが最も効率的であり、プロの機関投資家はつなぎ売りで簿価を下げてきた。だからプロ中のプロは2007年に売って今頃は買い戻しているはずだ。単純な200日移動平均戦でも売り時や買い時は分かるのですが、「株式日記」でアドバイスしても株をやる人は短期投資ばかりだから損ばかりしている。

「株式日記」は11年前からのバックナンバーを公開しているのも、株式日記の相場観を見て欲しいからですが、大局を予想しているから長期投資にしか役に立たない。目先の予想でも西武鉄道の暴落の3日前に記事を書いているから売り予想のほうが当たるようだ。


西武鉄道の個人株主弁護団、2月にも賠償提訴へ【株式日記を読んでいれば1000円台で売却できたはず】 2004 年 12 月 19 日  阿修羅


テレビのニュースでは株の大暴落があるたびに、大損した投資家のぼやきを放送していますが、売りで儲けている人も沢山いるはずだ。今回の大暴落も松藤民輔氏をはじめ多くの人が予想していた。SP500など地滑り的大暴落なのですが、PKOでも支えきれるものではない。

今日は28日で銀行に振込みの用があって駅前の銀行へ行ったのですが、銀行は大混雑で銀行の外まで行列が出来ていた。さては取り付け騒ぎかと思ったのですがATMは空いていて、混んでいるのは外貨預金の窓口だった。若い女性客が多かったので海外旅行のドルを今のうちに買っておこうという人なのでしょう。

しかし長期には円の現金で持っているのが一番良く、ヘッジのためにユーロやドルで3割くらい持っていたほうがいいだろう。金は国家が滅亡するような国なら価値はあるが使い勝手が悪い。国家破綻したアイスランドは円建てで借りて住宅を建てていたようですが、円で持っていれば大儲けができた。世界の大金持ちは利率よりも為替相場で金を動かすから円が一番上がっている。

つまり通貨が株式相場のように売り買いされて評価されているのですが、国家も株式会社のように将来性があると思えるところが買われるのだ。日本は今までボロ株のように評価されてきましたが、今が買い時なのだ。しかし日本政府が国債を発行して積極財政をすべき時なのですが、経営陣が財政再建と言って消極経営だから評価されないのだ。

昨日も書いたようにこれから20年は日本の時代がやってくる。だから円が買われているのであり、世界一金利が安いのは、円がそれだけ価値があることであり、価値のない通貨は金利が急騰する。ところが素人の投資家は安い金利の通過で借りて高い金利で運用しようとする。ヘッジファンドもこのような事をやってきたから破綻するのだ。




日本中心の世界経済がスタートしたとすれば、持続期間は20年と
なりますので、2009年スタートとなりますと2030年くらいまで続く。


2008年10月27日 月曜日

『金融危機の後、日本はどうなる? シミュレーション』【森田レポート】 10月24日 ケンミレ株式情報

私は1997年から3回、長期展望というレポートを書いています。書く度に『1997年の見方と今回の見方は代わっていません』と言ってきましたが、12年経過した今、これから書くレポートも、根本的な考え方、見方では、1997年と変わっていないレポートになるのではないかと思っています。

私はレポートを書く時に、前にこう言ったということに囚われず、現在の環境を前提に書きます。これは市況などを書くときでも同じで、その日の朝に『過去のしがらみをゼロ』にして、一から書くという方法で書いています。したがって、変わっていないと言いながら、書いてみたら『変わっていた』という結果になるかもしれません。

この言い方は無責任に聞こえるかもしれません。しかし、分析とは『政治家や官僚や大手企業の政策』を前提に行いますので、政策が変われば結論は『買わなければならない』ものです。環境が変わったのに『前の主張に拘って、事実と違う結論を無理やり作れば、その専門家は『その時は攻撃されません』が、結果的には信頼されない人間になります。つまり、過去にどう書いたということは、読者から評価される対象ではあっても、分析者は拘ってはいけないというのが私の基本的なレポートを書く姿勢にしています。

それでは、一つ一つ考えてみたいと思います。

1.為替相場の行方

私は2000年から円は1ドル=50円まで下落すると言っています。そして、日本が先進国で唯一の勝ち組として残る必要条件の一つが『円高』だと言ってきました。

今の為替市場は、円が独歩高となり、ドルは円以外の通貨に対しては上っているという状況になっています。これは経済面では、国として一番魅力的な国が日本であり、次が米国で、米国の恩恵に預かった国々は米国経済の崩壊と同時に大きなダメージを受けるので、評価は一番下になるという意味ではないかと思います。
つまり、すでに為替市場では、これから世界で一番魅力的な経済市場は日本市場だと言っていることになります。

すでに為替市場では1ドル96円台に入っていますし、1ユーロ124円台に入っています。2007年7月には1ドル=123円で、2008年7月には史上最高値の1ユーロ=169円でしたから、世界金融恐慌という非常事態が起こったことで、逆に日本の魅力を世界が認識したのではないかと思います。

実際、最近の海外ニュースで、投資の専門家達が言っていることは『これから一番魅力的な市場は日本市場』というコメントです。つまり、これから世界の投資家が日本に投資するということは、円を買うということですから『円はますます上昇=円高』することになります。

2.原油を初めとした商品市況の行方

原油市場も小麦もゴムも鉄鉱石もトウモロコシも、ありとあらゆる資源が暴騰しました。またサブプライムローンのような価値のない商品もマネーゲームで暴騰しました。つまり、資本主義経済は米国の自由経済主義によって『実態からかけ離れたルール無視のゲーム』となったのです。

本来、国民のお金を預かっている銀行がサブプライムローンのような価値の低い商品に投資することは有り得ないことなのですが、米国で始まった拝金主義が資本主義経済を崩壊させてしまったのではないかと思います。

いずれにしましても、理論的根拠のない価格は崩壊するのが当然であり、しかもバブルが大きい(オーバーバリューの度合いが大きい)ほど、フェアバリュー(適正価格)を下回ってアンダーバリューになる度合いも大きくなります。
これは日本を除く世界の株式市場にも言えます。したがって、最近の株価指数の動きが常識外の動きをしているのは『今の市場の価格を構成する要因が常識外』だったからだと思います。

日本のバブルの時にも、バブルに乗った企業ほど大きなダメージを受けました。バブルの時にはバブルと気が付かないから大打撃を受けるのですが、投資手法がノーマルであれば、バブルであろうと通常の相場であろうと全く問題は起こりません。

つまり、アンダーバリューになったら買い、上昇したら売るという当たり前の考え方で投資すれば何も怖いものはありません。ITバブルの時に私は『10月から、今の相場は異常なので買ってはいけない』と言い続けました。

ところが翌年3月までITバブル相場は続いたので、途中で『いい加減に負けを認めろ』というメールまできました。私は勝ち負けではなく『アンダーバリューを買う』という当たり前の考え方を言っていただけなのですが。

そして、ITバブルが崩壊したときに『資産をすべてなくしただけでなく、借金を背負ってしまった投資家』がたくさん出てしまいました。
たった6ケ月休むだけで、このような悲惨な状態になることが防げたのですが、日々勝ちたいと思っている投資家には6ケ月は長すぎたのかもしれません。

しかし、1987年の時には9月5日の私の誕生日から『株式市場は異常な状態になっているので、株を持たない方がいい』と言いました。10月20日のブラックマンデーまで株式市場は上昇を続けましたので、その時にも攻撃されましたし、1989年の時にも10月から『株式市場は異常なので投資を止めよう』と言ったのですが、その時も12月まで上昇し続けたので『買わなくてもいいの』と質問する人がたくさんいました。

株式投資は博打ではなく、財産構築のもっとも有効な手段です。しかし、株式投資を財産構築のもっとも有効な手段にするためには『それなりの法則』があります。この法則を守って初めて『株式投資を財産構築のためのもっとも有効な手段にできる』のです。

原油価格を初めとして商品市況の下落は世界経済にとってはプラス要因ですが、今回のような暴落は一時的には資源国の経済を崩壊させますのでマイナス要因となります。
しかし、結論としては資源価格が正常な水準で安定するのは世界経済にはプラスになりますし、現在はその好ましい方向に向かっています。

3.世界経済の行方

世界経済は歴史が示しますように後退する可能性が高いと言えます。後退しても人間が存在する以上はゼロにはなりません。但し、過剰に生まれた企業が淘汰されて適正水準になるまでは世界経済は厳しい状況が続くと思います。この適正水準になるという意味は企業倒産による淘汰と合併になる淘汰の二つになります。

世界は、日本の失敗の経験を知っていますので、私は1年から1年半くらいで淘汰が終わるのではないかと思います。この淘汰が終わったあとに『世界経済がどう動くか』というのが今回のレポートのテーマとなります。これは、他の項目を考えていくうちに分かってくると思います。

4.世界の投資資金の行方

投資資金には弱点があります。そして、経済と同じで投資資金はゼロにはなりません。
但し、投資資金の整理と淘汰がこれから始まることになります。つまり、投資資金を運用できる専門会社の淘汰がこれから始まることになります。

株式市場が上昇し続けている間は、投資能力が低くても株式市場が勝たせてくれます。私は2006年と2007年で4回ニューヨークに行って、投資顧問会社やヘッジファァンド、ファミリーオフィス、ファイナンシャルプランナーのある州の代表者などと会いましたが、ここでもっともびっくりしたのは『彼らは1970年代から進歩していない』ということでした。株式市場の上昇にあぐらをかいていて、根本的な努力を怠っていたと感じました。それでも年収が5億円以上の人達がごろごろしていたのですが、マネーマーケットの感覚自体が異常になっていたと言えます。何しろ、米国民の平均所得が2〜3万ドルでしかなかった訳ですから。

この投資資金には弱点があります。それは顧客に対する運用利益の提供と会社を維持するためのコストを毎年稼がなければならないということです。そして、このような資金がなくならないということは『もっとも魅力的な市場を探して投資し続ける』という宿命があります。その彼らが最近では『日本がもっとも魅力的な市場だ』とテレビで言い始めたのです。

昔は彼らが集まった時に『放送前のミーティング』の中でしか言わなかったことを、最近は公然とテレビで言い始めたのです。つまり、落ち着いたら、彼らは資金を日本市場に振り向けてくるのではいなかと思います。この時の対象は何かと言いますと、一つは債券で、もう一つは株式市場だと思います。

債券は金利が低いので金利狙いではなく、キャピタルゲイン狙いになります。超低金利ですからキャピタルゲインには限界がありますが、大量の資金を投入できることから日本の債券買いが起こるのではないかと思います。つまり、需給のバランスから金利が上がると言うことになり、金利が上がればさらにキャピタルゲインを取りやすくなります。
しかし、世界第二位の市場である日本の株式市場は、もっと魅力的な市場となります。中国や後進国の市場も値上がり益狙いという点では魅力的な市場となりますが、時価総額が低いことで、すぐに満杯になることからスケールが足りません。

したがって、世界中の投資資金が行き場を探すとなりますと、行き着く先は日本の株式市場しかないということになります。
この世界の投資資金が日本に入るということは、日本の株式市場が上昇するということであり、米国でも株式市場の上昇によって個人消費が活発になり経済が好調になったように、また、キャピタルゲイン課税の増加が財政赤字の解消に寄与しましたように、株式市場の上昇は想像を超える恩恵が出てきます。

この世界の投資資金がいつ本格的に動くのかが一番の関心事ということになります。

5.世界の企業の行方

いまの世界は米国の企業とか、フランスの企業というような区分はなくなってきています。グローバル化によって国際企業は『儲かる国に投資する』ようになっています。
したがって、企業にとって日本が儲かる国であり、経済が痛んでいない国である以上は、どこかで世界の国際企業が日本に進出することになります。

もちろん、中国やインドにも進出してきますが、カントリーリスク(何かが起こった時に、常識的な、国際基準に乗っ取って対応してくれない)を考えた時に、一番カントリーリスクが低い国は日本となりますので、世界経済が落ち着いた時には多くの国際企業が日本に進出してくると思います。

株式市場と企業の日本進出が日本経済復活のキーになると言うのが1997年以来、私が長期展望で言ってきたことですが、その時との違いは後進国の台頭であり、それ以外はほとんど変わっていないと言えます。

そして、少し予定は遅れましたが、いよいよ日本が世界経済をリードするような時代が近付いてきたというのが、今回も長期展望レポートの結論となりました。
そして、日本中心の経済がスタートしたとすれば、持続期間は20年となりますので、2009年スタートとなりますと2030年くらいまで続くことになります。

6.日本が成長するとすれば『対象』はどんな業種か

米国が1995年にドル安政策からドル高政策に転換した時には、株式市場の上昇による個人の可処分所得増から『個人消費』が活発になり、国内景気が活発になりました。逆に輸出中心のオールドエコノミーは一時的に冬の時代を迎えました。

したがって、資本流入とそれによる円高によって日本経済が復活するとすれば、好況になる業種はドメスティックな業種となります。具体的には消費関連、建設・土木・住宅関連、食品、薬品などですが、もう一つは円高で輸入関連企業も多大な恩恵を受けると思います。

つまり、日本に輸出立国から内需主導の経済成長国に転換するのではないかと思います。あと少しで日本の投資家に真夏の時代がきます。この時に401kのシステムも大きく変わることになると思います。

米国の投資家の投資レベルが高いのは、多くの国民が401kを採用したことで、国民が本格的に株式投資の勉強をしました。つまり、401kのシステムが変わって日本人の多くが401kを採用するようになりますと、日本も総投資家時代に入ってくると思います。

つまり資格好きで本当に必要な勉強が嫌いな日本人が、本格的に勉強する時代が来ると思います。先んずれば人を制すではありませんが、そしてなんでも『初期が一番儲かる』ということもあり、今から『日本の時代に向けた勉強を開始する』のも良いと思いますし、このレポートがその切っ掛けになってくれれば最高だと思います。

レポート担当 : ケンミレ株式情報 森田謙一



(私のコメント)
私は小泉内閣発足当時から株を買うのを止めました。小泉首相の経済政策では株が上がるような政策ではないからです。安倍首相も福田首相も経済政策は似たり寄ったりで株価を上げようという発想は無かった。新自由主義経済でいいのかと言った疑問は出ていたのですが、政策転換というとこまでは行かなかった。

麻生内閣の発足とリーマンの破綻はほぼ同時期なのですが、アングロサクソン型の金融資本主義が破綻して、日本型の資本主義が生き残ったという形になりますが、世界各国の通貨が下落して円が独歩高している。95年にも円は79円にまで高くなった事がありますが、当時はユーロはまだ無かった。

日本の株式はこれでダブル底で底値は硬くなってくるだろう。「株式日記」ではアメリカが経済破綻して日本株も連れ安するだろうと何度も書いてきました。2003年4月の7000円台を買っていれば2007年の18000円台で倍増以上の値幅を取れたのですが、それは結果論だ。

バブル崩壊以降は外人主導の株式相場であり、日本の株式投資家は株に手を出さなくなってしまった。税制が改悪されて株式優遇税制がなくなってしまったからだ。昔は20回30万株まで届出不要で儲けに税金がかからなかった。だからアングラマネーも株で儲けることができた。しかしすべての株式売買で税務署に届け出るのでは素人でも嫌がる。株を買うなと言っているのと同じだ。

麻生総理は株式にも明るいから景気対策も、株式を梃入れすれば景気回復につなげられる事を知っているはずだ。株が高くなれば銀行も投資余力が出来てリスクのある貸し出しも出来るようになる。株式が最安値になるような状況では銀行も株式評価損が出て貸し出しができる状況ではなくなってしまう。

日本には1500兆円もの個人金融資産があるのだから、それを株式に数%でも回せば日本の株式は上がっていくはずだ。麻生首相は幹事長時代に300万円までの株の配当を非課税にする案を発表している。これをぜひとも実行して欲しいものだ。


配当300万円まで非課税  証券優遇税制を拡大 8月9日 共同通信

自民党の麻生太郎幹事長は9日、札幌市などで講演し、政府が検討している緊急経済対策で、株式配当に300万円の非課税枠を新設する減税案を表明した。株式投資への優遇税制を大幅に拡大し、家計の金融資産を証券市場に呼び込み、株価上昇や消費拡大につなげることを目指す。

 住宅取得や設備投資を促すための減税策も盛り込むべきだと主張。景気が後退局面に入ったとみられる中で、政府、与党は新たな経済活性化策を探っており、政策減税が大きな焦点になりそうだ。

 麻生氏は「景気対策をしないとたぶん法人税(収入)は減る」と述べ、財政を将来健全化するためにも景気対策を最優先すべきだと主張。株式配当の非課税枠新設について「首相になったらやりたいと思っていたが、待っていられない。やるならいまだ」と、実現に強い意欲を示した。

 政府は03年度税制改正で、5年間の時限措置として証券優遇税制を導入。本来20%とされている上場株式の配当に対する税率を10%へ引き下げた。08年度改正では、優遇税制の期限を10年末まで延長する代わりに、軽減税率が適用される配当額を100万円までとする上限を設けて規模を縮小した。



(私のコメント)
300万円の株式配当といえば1%の株式ならば3億円の株を買っても無税の収入が得られる事になる。昔は資産株という意識がありましたが利回り配当株は電力株のようなものを資産家は持っていた。300万円の株式配当があれば悠々自適の生活が出来ることになり年金生活者も株式に回す人も出てくるだろう。

大局的に見れば、今回の金融恐慌によって日本型の経済や資本主義が見直されて円が買われている。ユーロも1円=170円近くまで行ったのですがバブル崩壊はアメリカよりも酷いようだ。ユーロ圏の国の中でも国家破綻する国が出てくるのではないだろうか? となると安全性を求めて円が買われることになる。

通貨の価値とは生産力や労働力や技術力などの総合力なのですが、それらが揃っているのは日米欧のドル円ユーロということになる。中国やインドなどの新興国は技術力や労働力の質などが問題となり、世界の工場といっている中国は人民元が上がれば競争力は無くなる。

ケンミレ株式情報では2009年から日本の時代が始まり、その時代は20年間続くと予想している。レーガン大統領から始まった新自由主義経済と金融資本主義のモデルが破綻して、日本型の資本主義と省エネルギー文明が日本から作り出される事になる相場が始まるのだ。

2009年には自動車用リチウムイオン電池が開発され電気自動車が日本のメーカーから発売される。20世紀はガソリン自動車などの石油の時代でしたが、21世紀は省エネルギー動力の時代になり、エネルギー効率を競い合うようになるだろう。中国、インド、ロシアなどは日本の8倍以上もエネルギー効率が悪く、とても世界経済をリードできる技術力は無い。

テレビでは円が高くなって大変だとバカマスコミは騒ぎ立てていますが、円が高くなるのは株が高くなるのと同じであり、それだけ期待されているのだ。昨日のNHK特集でもやっていましたが、原子力発電ではメーカーを日本が独占して原子力発電では日本のメーカー無しには成り立たないのだ。商業用の大型原子炉の容器は日本でしか出来ない。

ゴールドマンサックスなどはBRICsが世界をリードするようになると予想していましたが、石油や食料の高騰はそれが間違いだという事が証明された。確かに安い労働力は豊富だがエネルギーや食料のボトルネックがあるのだ。GDPが大きければ経済の主導権を握れるわけではない。アメリカもGDPではダントツですが金融資本主義が破綻すれば経済の主導権も失われるだろう。アメリカにはすでに製造業は空洞化した国だからだ。




三菱UFJは、9000億円モルガンスタンレーに出資して、1兆円の
増資をして穴埋めをするのは、株主への背信行為ではないのか?


2008年10月26日 日曜日

三菱UFJ、最大1兆円増資へ 年度内、株価見極め判断  10月25日 日経新聞

三菱UFJフィナンシャル・グループが今年度中に最大1兆円規模の増資を検討していることが25日、明らかになった。米モルガン・スタンレーへの90億ドル(約9000億円)に上る出資も踏まえ、保有株の価格下落に伴う自己資本の目減りを補い、財務の健全性を強化する。金融危機が世界的に深刻化する中で、自力で大規模な増資を実施することで金融安定化につなげる。

 公募による普通株の増資と、私募による優先出資証券の発行を組み合わせて調達する計画。普通株の増資は6000億円規模を想定しているもようだが、国際的に金融・株式市場が混乱しており、市況を見極めたうえで実施する方針。増資計画を縮小したり、先送りしたりする可能性も残る。 (07:00)



小泉・竹中売国奴政策の内幕!! 10月14日 

こういう事だったのか!!小泉・竹中コンビのインサイダー政策の内幕!どおりで、NHK特番で森永・竹中論戦の異常犬猿ぶりの意味が解った!!竹中氏の罪意識を森永氏が衝いたからに他ならない!!

植草先生は、りそな銀行救済に纏わるインサイダー取引疑惑を衝いて、国策捏造冤罪事件に巻き込まれた。それは、りそな銀行ばかりではなかったのだ。小泉 純一郎・竹中 平蔵コンビは、本当のところ何を狙っていたのか。結果的にりそな銀行救済で植草先生にインサイダー取引疑惑を追求されて、遺恨を捏造冤罪事件で返したけれども、狙いはもっと深いところにあったに違いない。 

本当の狙いは、日本の銀行を一網打尽にすることにあったとする見解は、信憑性が高い。現あおぞら銀行が、長銀の国営化とその後に、不透明な経過をたどり、外資に安く譲渡された。そして、外資は莫大な利益を得た。それこそ、10億円が数千億円に化けたのである。この方式を狙っていたのではなかろうか。

しかしながら、下記転載記事にあるような不都合が生じてので、戦術転換をして、救済の上、市場取引で急落した株式の取得に乗り換えたのかも知れない。あるいは、戦術の転換を知った時点で、申し合わせたように株式の空売りを浴びせ、急落させたのかも知れない。その上で、底値買い確実に儲かる方法だ。 

確かに、引当金50%というのは異常だ。時の金融相は竹中 平蔵。同じ2003年相次いで債権回収会社が全国に設立された。 これは投稿者の実体験である。一体、債権回収会社が不良債権を一体いくらで買い取るのか調べた。例えば、1億円の銀行不良債権をいくらで買うか。通常、普通人に聞けば、3000万か2500万位の回答がでる。実態は、300万円か精々500万円である。2束3文も良いところである。銀行にとっては、それでも無税処理出来るので、腹は痛まない。こうして、不良債権処理が促進された。 

一億円の債権が300万〜500万円であれば、債権回収会社は、競売したり、任意で1,000万円で売却しても利益が出る。こうして、10億円の不動産が、1億円か2億円で転売されていった現状が説明出来る。直後において優良物件を買収したのはほとんど外資である。 

100億円のゴルフ場は、精々3億円から10億円止まり。これが実態である。 なんと不良債権処理は、儲ける商売である。これは、巧妙な掠め取りである。 しかしながら、日本総掠め取りに成功していない。三菱東京UFJ銀行のモルガンスタンレーへの出資9000億円は、時価価格においてこの10日間で、半減している。支払われたかどうかは知らないが、わずか10日間に4000億円が闇に消えるかも知れない。

【転載開始】UFJ銀行の“作られた”経営危機 NEW WORLD ORDER (新世界秩序 )(ヤマトさんブログ)よりhttp://737kenzi.blog122.fc2.com/blog-entry-1552.html2008/10/11(土) 12:46:14

大手銀行の好決算に隠された金融庁の暴走ぶり〜UFJ銀行の“作られた”経営危機〜経済アナリスト 森永 卓郎氏 2006年2月13日

巨額の不良債権費用繰り戻しで大幅利益昨年11月に大手銀行の9月期中間決算が発表された。2005年4月から9月までの半年間の連結最終利益は、三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、三井トラスト、住友信託の6グループ合計で、1兆7300億円にもなった。これは、前年同期の実に21倍である。 

新聞各紙は、三菱UFJの最終利益が7118億円と、トヨタを抜いて日本一になったことを大きく報道したが、実はもっと興味深い事実があった。 (モルガンに9000億円貢ぐことになった)それはUFJの利益だ。UFJホールディングスだけで、当期利益が4110億円と、三菱東京を上回るだけでなく、メガバンク6グループのなかで最大の利益を上げている。 

なぜ、経営が立ち行かなくなって三菱東京に事実上の救済合併を求めたUFJが、わずか1年で、それほど莫大な利益を上げることになったのだろうか。 それは巨額の不良債権費用が繰り戻しになったからである。
融資の焦げ付きに備えて積んでいた引当金が不要になって、3000億円以上が繰り戻された。新聞報道では、取引先の経営状態が景気回復で改善したために、引当金の所要額が減ったということになっている。しかし、それはおかしい。 

なぜなら、三菱東京とUFJ以外は不良債権処理費用がすべてプラスになっている。つまり不良債権処理で「損」を出している。ところがUFJは、不良債権処理費用が3164億円ものマイナスだ。もし、取引先の経営改善が理由なら、他のメガバンクもマイナスになっていなければならない。 

そうでないのなら、結論は一つ。引当金を異常に積み過ぎていたのである。メガバンクを追いつめるための金融政策そもそも、三菱東京とUFJの合併話以前から動きが怪しかった。その経緯をちょっと振り返ってみよう。  

2003年4月に日経平均はバブル後、最安値の7607円をつけた。当時、日銀はものすごい勢いでマネタリーベース(日本銀行が金融市場で銀行などの金融機関に供給するおカネの残高)を絞っており、前年比伸び率で36%あったマネタリーベースを2003年4月には11.5%まで絞った。(市場にある通貨を少なくすれば株価は下がる)この伸び率と株価の底が一致している。

これは株価を下げるためにわざと金融を締め付けたのだろう。というのも、おそらく金融庁は、みずほグループを国有化するつもりだったのではないか。実際、株価が額面割れ寸前になって、みずほは国有化に追いつめられた。だが、そこから反撃が始まり、みずほは1兆円もの資金をかき集めてきて、増資することに成功した。これで国有化はできなかったが、その過程で不良債権処理がかなり進むという効果はもたらした。 

2003年9月には自民党総裁選が行われたが、下馬評では小泉さんは不利だった。抵抗勢力が舛添要一さんを対抗馬として擁立し、一本化する動きを見せていたからだ。もし、株価がそのまま下がっていたら、反対派が一枚岩になって小泉さんは負けていたかもしれない。 

そこで、金融政策を切り替え、為替市場でドル買い、円売りを始めたのだ。円を売ると、普通は日銀が円資金を回収する「不胎化」を行うが、そのときは放置した。そのため、円が外資に渡り、それが日本の株式市場に環流して、劇的に株価が上がったのである。これが2003年4月以降の株価急回復の要因だ。 (つまり日銀が植草さんのいわゆるインサイダー取引を助けた) 

その後、日銀はマネタリーベースをゆるめ、2003年4月の前年比伸び率11.5%を5月には16.7%、6月には20.3%に拡大した。2ヶ月間でほぼ倍にしたわけだ。 (当然株価は急上昇するはず) だが、そのまま拡大しては株価が上昇しすぎて、銀行の不良債権処理を進められなくなる。とはいえ総裁選もあるので絞ることもできない。そこで、20%台で5ヶ月間、横ばいにした。 

狙い通り、小泉さんが勝つと、再びマネタリーベースを絞り始めたが、今度は株価が落ちなかった。その原因は急増した個人投資家が買い支えたためではないかと思う。つまり、株式ブームは2003年の後半から起きていた。  

株価が落ちないので、金融庁は仕方なく直接行動に出た。それが、UFJの特別検査だったのである。官主導で行われた金融再編特別検査を行っていた2003年10月、金融庁に1本の匿名電話が入った。UFJが資料を隠しているという密告だった。金融庁は隠してある場所も知った上で、UFJに乗り込み、段ボールに山と積まれた隠された資料を見つけたのだった。この検査忌避事件をきっかけにして、金融庁は一気にUFJを追い込んでいった。不良債権の引当率を上げさせたのだ。 

2003年9月期のUFJ銀行の引当率は29.2%だった。他のメガバンクも、三菱東京が30.6%、三井住友が30.5%、みずほが35.2%と、メガバンクはだいたい3割程度の引当金を横並びで積んでいた。相場としてはそんなものだろう。 

ところが、金融庁が特別検査に入った後、2004年3月期にはUFJ銀行の引当率は51.4%、2004年9月期には54.9%に跳ね上がる。これは、要管理債権(要注意先に対する債権のうち3ヶ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権)の55%がかえってこないと見込んだということだ。 

街金ではないのだから、銀行の融資の半分以上が返ってこないという想定はおかしい。金融庁がUFJを追いつめるために膨大な引当金を積ませたのだ。 追い込まれたUFJはみずほのように増資もできず、行き場を失った。なぜ増資できなかったかといえば、竹中平蔵大臣の天才的な発明ともいえるが、刑事告発を1年間留保したからである。留保されると、増資をしたくても出資者に銀行の状態を正確に説明できない。どちらに転ぶかわからないからだ。 

こうして、増資もできず、三菱東京と合併せざるを得なくなった。その条件としてUFJの不良債権処理を大幅に進めさせ、ダイエーに代表される大口融資先を切り捨てたのだ。こうして、政府の目標はほぼ達成された。 その後の遺産として残されたのが、50%を超えるとんでもない額の引当金である。こうして、2005年9月の中間決算で、UFJは巨額の利益を上げた。それなら、合併など必要ではなかったのではないか。誰もこのことを指摘しないのはおかしい。 

いずれにせよ、金融庁によって“作られた”UFJ銀行の経営危機の一番の被害者は不良債権処理の対象とされた大口融資先と従業員だろう。 金融庁の暴走はここで止まらなかった。2004年7月から、今度は三井住友にも検査に入り、巨額の不良債権処理をさせ、2005年3月期の決算で三井住友は黒字予想から赤字に転落した。西川善文頭取はその責任を取って退陣した。 

いま振り返ると、2003年4月の初旬ころ、官邸筋の人に聞いた話を思い出す。彼は「みずほ、UFJ、三井住友の順で国有化するからな」といっていた。実際、その通りに進み、この金融再編がいかに官主導で行われたかがよくわかる。 

シナリオ通りドラマは終わり、いまは最後の大バーゲンセールが行われている。不良債権処理で不動産を買い占めたファンドやおカネ持ちたちにもうけさせるために、今度は地価の上昇が始まるだろう。そして、ただでさえカネ持ちがますます大カネ持ちになる。 

竹中経済再生プランが描いたシナリオはグランドフィナーレを迎えて、小泉総理は9月に花道を去るというわけだ。その背中をきっとニコニコしながら竹中大臣が見送っていることだろう。(金融庁によってつくられたUFJの巨大な引当金という遺産がモルガンに流れた)【転載終了】


(私のコメント)
日経新聞のニュースで三菱UFJが1兆円の増資をするという記事がありますが、先月三菱UFJは9000億円の出資をしたばかりだ。これは即ち最初から増資したカネをモルガンに出資した形になり、なぜそこまでして三菱UFJはモルガンに出資しなければならなかったのだろうか?

三菱UFJは投資余力があって投資したのではなく、日米間の政府からの圧力で出資を決めさせられたのだろう。そうでなければ4日間で9000億円もの出資が決められるはずが無い。仕方なく三菱UFJは1兆円の増資で財務を補強せざるを得なくなった。

株の暴落などもあり、日本の金融機関も大分悪化してきて、株価の水準は2003年4月の7600円台の水準ですが、あの頃が一番日本の金融機関が竹中金融庁に追い詰められていた頃と今とは同じ環境になってしまった。日本の銀行はサブプライムなどが絡んだ金融商品の被害は少ないが、株の値下がりによる評価損をまともに食らってしまう。

さらには外資系金融機関の撤退によって不動産市況も悪化しており、日本版サブプライムなどの問題も浮上してきている。だから銀行の貸し渋りも目立つようになってきており、日本の銀行なども公的資金の注入も再検討されている。だから余計に三菱UFJのモルガンへの9000億円の出資が不自然に感じられる。

今日のサンデープロジェクトで社民党の辻元清美議員が、「アメリカでグリーンスパンが議会に呼ばれて新自由主義が間違っていたと誤っていたのだから、竹中大臣や小泉総理を国会に証人喚問すべきだ」と発言していましたが、竹中平蔵は証人喚問するだけの悪行を繰り返してきた。

さすがに田原総一郎が辻元清美の発言を遮って話題を切り替えてしまいましたが、小泉・竹中内閣出なければ日本はもっと早く景気は回復していたはずだ。03年当時は銀行は不良債権を吐き出させられて二束三文で処分売りされて外資が買いさらっていった。

例えば1億円の価値のある不良債権でも3000万円くらいで売りに出されるくらいなら理解できるが、300万程度で処分売りされた。買った外資はしばらくして3000万円で転売すれば、転がすだけで2700万円が利益になった。もし2006年くらいまで持っていれば不動産ブームで1億円くらいで売れたかもしれない。

新生銀行などは10億円でリップルウッドに買収されて4年で再上場されて数千億円もの利益を稼いだ。しかもオランダに本社を置いて1円の税金も支払わずに利益をオランダに持っていってしまった。このように外資はあくどい商法を駆使して稼いできましたが、外資のファンドマネージャーは歩合制だから大きな利益を稼げば数億円のボーナスがもらえる。

ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーは政府系投資ファンドみたいな会社だから、日本の財務省も金融庁も手が出せない。金融庁は財務省から分離されたのも外資の差し金によるものであり、金融庁などでは外人ファンドマネージャーが闊歩している。渡辺よしみ金融大臣などは100兆円の外貨準備をアメリカの金融再建のために使おうなどと発言している。

中川財務金融大臣に代わってIMFを通じてアジアの新興国などに使うことを検討されていますが、その名目で米国債を回したほうがいいのだろう。UFJ銀行が金融庁の厳格査定で引当金を50%以上も積み立てさせられて経営が追い込まれましたが、これは明らかに異常な行為であり、UFJは三菱東京に合併する事を選択せざるを得なくなった。

竹中金融大臣はテレビで見る坊ちゃん顔とは異なり本当は冷酷非情な人物だ。バックにはモルガンスタンレーのフェルドマン氏がいる。小泉・竹中は国を売って私腹を肥やすとんでもない政治家なのですが、テレビ業界にも冷酷非情な顔を見せている様だ。

日本は長年超低金利を余儀なくされて、入るべき預金金利収入は銀行にもたらされている。1500兆円の5%で計算すれば75兆円の金利収入が預金者に入って消費に回るべきものが、ほとんどが銀行の利益に回っている。政府は2兆円の補正予算で景気対策を行なうようですが、景気が回復して金利が5%になれば75兆円の消費が増える事になる。

このように日本の政治は日本を犠牲にしてアメリカのために行われているのであり、日本を新自由主義経済にして外資系投資銀行が日本を買い占めるような勢いだった。しかし幸いにもアメリカの金融破綻は日本にとっては天佑であり外資系金融機関による日本支配が終わった時でもある。

外資とヤクザと外資族議員は一つ穴のムジナであり、中川秀直元幹事長などはヤクザが国会議員のバッチをしているようなもので、1000万人の移民を呼び寄せて日本を在日外国人天国にするようだ。外資系金融機関も利害が一致しており、それまで彼らは日本を締め上げ続けてマネーを日本からアメリカに流し続ける予定だった。


外資とヤクザのコラボ時代は終わった 10月24日 ネットゲリラ

おいらも以前からずっと言い続けて来たんだが、外資は後からやって来たのでオイシイ市場を既存の日本の会社に握られているわけだ。しかも四半期決算の数字で生きている連中なので、長期的に独自の市場を開拓する事なんか出来ないし、しない。必然的に、アヤシイ仕事に飛びつくわけで、そんな話をぐっちーさんがやってるんだが、
これら、日本の金融機関が貸せないと判断した領域・・・ここに付け込んだのはシティー、RBSなどの外資系。かれらは反社会的勢力に対してはもともと寛容で、サラ金融資の残高も圧倒的に多かった・・・その意味では不動産、しかもSPCを経由したノンリコースローンであれば地上げにやくざが絡んでいても直接的に融資するわけではないのである意味無尽蔵に資金を供給した。

これがサブプライム問題ではじけたのだ。つまり貸しはがし、というのは、不動産を中心とした外資系金融による融資がはがされただけにも拘わらず、これが日本の金融機関による貸しはがし、及び融資の停止と理解、報道され、公的資金の議論につながってしまっている。
その典型が、南青山の例の地上げなんだけどね。ウッカリ触っちゃイケナイモノに触ったために、おいらの周辺のブロガーさんにまで猫の首が送りつけられるという騒ぎだったんだが、外資がカネを出し、アヤシイ不動産屋がもっとアヤシイ不動産屋を使って地上げをし、手羽先でヤクザがウロウロするという、そういう構図があったわけだ。昔から「市街地再開発」なんてぇのは、ヤクザが住民を脅してまとめるもんだと相場が決まっていて、ヤクザを使わずに纏まるような土地だったら今更地上げなんかするまでもないわけだ。


(私のコメント)
辻元清美がテレビで「竹中を国会の証人喚問に出せ」と言える様になったのも、総本山のアメリカの投資銀行が全部処分されたからですが、外資とヤクザのコラボレーションもこれで終わりだ。外資族議員も次の選挙では金が無くて多くは整理されるだろう。しかし民主党にも外資族議員もいるから個人本位で選挙で選ぼう。

しかし社民党あたりになると中国の外資族議員だから、辻元清美が大胆な発言できるのも中国がバックにあるからだ。ヤクザの世界もアメリカの糸を引くヤクザもいれば中国の糸を引くヤクザもいる。国会も芸能界もヤクザだらけで上辺は綺麗だが裏に回ればカネと暴力とセックスが渦巻くドロドロとした世界だ。

しかしヤクザと外資が日本からいなくなれば清らかな社会になるのでしょうが、鎖国でもしないとそれは難しい。日本の周りにはヤクザ国家に囲まれて、日本のカネを目当てに外人がやって来る。ハゲタカ外資は一番悪質であり政府やヤクザとも仲が良い。リーマンとホリエモンと竹中はお仲間ですが、彼らが日本をここまでダメにしたのだ。


テレビ局はなんで竹中批判をしないのか 2003年6月8日 株式日記




グリーンスパン前FRB議長は、「100年に一度あるかないかの規模の
信用市場大波乱」につながった自身の自由市場理論の欠陥を認めた。


2008年10月25日 土曜日

崩壊…目に見えていた 米金融危機でグリーンスパン氏、持論の敗北認める 10月25日 Bloomberg

グリーンスパン前FRB(米連邦準備制度理事会)議長は23日、議会証言で議員からの厳しい質問にさらされ、「100年に一度あるかないかの規模の信用市場大波乱」につながった自身の自由市場理論の欠陥を認めた。

 同日開かれた下院の監視・政府改革委員会に出席した同前議長は、長年にわたって持論としてきた自由主義理論に対して問われると、「欠陥があることを認識した」と吐露。

 さらに、「自由市場理論が例外なくうまく機能する事例を、40年以上も当事者として経験してきたこともあり、強い衝撃を隠せない」などと、現在の率直な心情を語った。

 その上で、デリバティブ(金融派生商品)の規制に対し自身がここ数年間反対の姿勢をとってきたことが「特に」誤りだったとの認識を示した。同前議長は2005年5月の講演で、「過剰なリスク志向を抑制するという点では、政府規制よりも民間による自主規制のほうがはるかに優れていることが実証されている」と自説を述べていた。

 監視・政府改革委のヘンリー・ワックスマン委員長(民主党、カリフォルニア州)は、グリーンスパン前議長に対して「サブプライムローン危機につながった無責任な融資を回避する権限」を有していたと指摘。続けて、「多くの人々が無責任な融資回避に向けた方策を採るようあなたに助言していた」と述べ、「現在、米経済全体があなたの無策のツケを払わされている状態だ」と追及の手を緩めようとはしなかった。

 1987年8月から2006年1月までのFRB議長在任中、グリーンスパン氏は金融市場に対する規制強化には反対の立場を貫いていた。その結果が、米国史上最大規模の住宅差し押さえの発生、資産価値急落によるサブプライムローン危機拡大で、評価損を含め6600億ドル(約63兆4689億円)の損失を招いたとも言うことができる。米国の政策担当者は金融危機の沈静化に目下のところかかり切りといった状態だ。

 また、公聴会の場で「数十年間うまく機能していた世界規模の経済システムのどこに欠陥があったのか」との問いを突きつけられた前議長は、金融機関が損失を防止するために、取引相手に対しての十分な監督をしていなかったことに、「決定的な不信感」を抱いていると繰り返した。サブプライムローン関連市場の「崩壊」は目に見えていた結果だったとも認めざるを得なかった。(Scott Lanman、Steve Matthews)


グリ−ンスパン氏は著書でどのように言っているのだろうか?


波乱の時代 下 アラン・グリーンスパン:著

市場は巨大化し、複雑になり、動きが速くなっているので、二十世紀型の監督や規制では対応できなくなっている。金融市場もまた巨大化し、グローバル化しているので、とりわけ優秀な市場参加者ですら、その全貌を理解できないのは不思議ではない。規制当局が監督しなくてはならないシステムは、現在適用されている規制がつくられた当時よりもはるかに複雑になっているのだ。

現在、こうした取引の監視は、事実上、個々の市場参加者の相互監視によっている。貸し手は、株主を守るために、顧客の投資ポジションを把握する。規制当局は監督するふりはできるが、その能力ははるかに小さく、しかも落ちている。

十八年間にわたって、FRBの同僚とわたしは、規制と監督の多くをFRBで取り仕切ってきた。わたしは遅まきながら、行政の規制能力が落ちていると気づいた。同僚の多くも気づいたのではないかと思う。われわれは、重責を果たすには、取引相手による監視に頼らざるえないと考えるようになっていった。

市場は複雑になりすぎて、人間が効率的に介入できないので、危機を防ぐためにもっとも有効な対策は、最大限に市場の柔軟性を維持すること、つまりヘッジ・ファンドやプライベート・エクイティ・ファンド、投資銀行など、主要な市場参加者が自由に動けるようにすることである。金融市場の非効率を取り除くことによって、流動性のある自由市場は不均衡を解消していく。

ヘッジ・ファンドなどの投資家の目的は、カネを稼ぐことだが、その行動によって非効率と不均衡が解消され、それによって、希少な貯蓄の無駄が減る。したがって、こうした機関は、生産性と全体的な生活水準の向上に寄与しているのである。

こうした見えざる手に頼るのは不安定であるとの批判は少なくない。予防措置や支援体制として、財務相や主要国の中央銀行などの世界の金融当局が、この巨大で新しくグローバルな存在を規制しようとするべきでないか、との考えがある。世界的な規制は大して効果がなくとも、少なくとも害にはならないのではないかといわれている。

だが、じつは害になりうるのだ。規制は、その性格上、市場の自由な動きを制限し、速やかに動いて市場を再均衡させる自由を制限する。この自由を損なえば、市場の均衡プロセス全体がリスクにさらされる。当然ながら、日々、市場で行われている無数の取引のすべてを把握できることなどありえない。

アメリカ空軍のB2ステルス爆撃機のパイロットが、機体を空中に浮かせるために、コンピューターが一瞬のうちに行う無数の調整を把握しているわけではないし、その必要もないのと同じである。

今日の世界で、政府の規制を増やすことがプラスになると考える理由が、わたしにはよく分からない。たとえば、ヘッジ・ファンドの財務諸表データを集めても無駄である。インクが乾くころには、データが古くなっているのだから。ヘッジ・ファンドやプライベート・エクイティ・ファンドのポジションを報告させて、どこかに資産が集中して、金融危機を誘発する恐れはないかをみるべきだろうか。

わたしは六十年近く金融市場の報告書をみてきた。だが、ポジションの集中が、システムから不均衡を取り除くという本来の機能を果たす過程で起きているのか、それとも危険な取引が行われている証拠なのかは、こうした報告書から判断することはできない。できる人がいるとすれば驚きだ。

たしかに、「見えざる手」は、市場参加者が利已的に動くこと、そして、とんでもなく愚かなリスクを冒す場合もあることを前提にしている。たとえば最近、信用デフォルト・スワップの相対取引で、両当事者の法律的な責務を規定する契約書類の作成が杜撰きわまりないことがあきらかになりショックを受けた。

価格が大きく変動する場合、契約の文言をめぐる争いが、無用だが本物の危機を引き起こしかねない。この一件は、市場価格変動のリスクではなく、業務リスクの問題だった。つまり、市場を円滑に機能させるためのインフラストラクチャーの機能不全に関連するリスクだった。

忘れてならないのは、これまで論じてきた長期的要因に景気循環が重なる点である。景気循環は過去二十年間、目立たなかったが、なくなったわけではない。ジャスト・イン・タイム方式の導入とサービス生産の比率が高まったことにより、景気変動の幅がかなり小さくなったのは間違いない。だが、人問の本性は変わらない。歴史は、熱狂と絶望の波の繰り返しであり、これは人間の本性によるものなので、何度繰り返しても学習曲線をあがっていくことがない。こうした波が、景気循環に映し出されている。

総合的にみると、今後四半世紀に直面する金融問題は、生やさしくない。だが、われわれははるかに悪い状況を切り抜けてきた。アメリカの制度が壊滅的な打撃を受けるような問題はないし、まして、アメリカ経済を世界一の座から引きずり下ろすような問題はない。

現在、いくつかの金融不均衡が懸念されているが、いずれも、アメリカの経済活動への影響が一般に考えられているよりはるかに少なくなる形で、解決される可能性が高い。第十八章で指摘したように、経常赤字の解消で、経済活動や雇用に大きな影響がでることはないとみられる。中国や日本が外貨準備として保有している巨額のアメリカ国債を売却することで、アメリカの金利が急騰し、ドルの為替相場が下落するという懸念も誇張されすぎている。

グローバルなディスインフレ要因の緩和を回避するために、できることはほとんどない。これは新たな逸脱ではなく、不換紙幣下の正常状態への復帰であると、わたしはみている。それ以上に、これまで論じてきた想定の陰欝な部分を大幅に緩和することは、以下の方法をとれば十分に可能である。

第一に、大統領と議会は、いずれ顕在化することが避けられないインフレ圧力を抑え込もうとする連邦公開市場委員会(FOMC)の努力を阻害してはならない(FOMC委員は励ましを必要としない)。金融政策を適切に行えば、金本位制下のような物価の安定を達成できる。そのためには、政策金利を引き上げてインフレ圧力を抑え込むことが必要になるだろう。だが、ボルカー議長時代のFRBは、抑え込みが可能であることを示している。

第二に、大統領と議会は、九・一一のショックを吸収できたアメリカの経済と金融の柔軟性が損なわれないようにしなければならない。市場は、行政に制約されることなく自由に機能しつづけるようにすべきである。賃金や物価、金利を統制し、自由な機能を損なった過去の失敗を繰り返してはならない。

巨額の資金が移動し、売買高が大きく、市場が高度化し、見えにくくなっている世界では、とくにこの点が重要である。経済や金融ショックは起きるものである。人間に不安や欠点がつきものだという不確定要因はなくならないのだから。その結果、起きるショックは、いつもそうであるように予想できない。そのため、生産と雇用を安定させるには、ショックを吸収する能力が何よりも必要なのである。

二十世紀には理想とされた直接的な監督と規制は、取引量と複雑さを増す二十一世紀の金融市場では、無力になりつつある。業務リスクと、企業や消費者の不正行為の分野についてのみ、二十世紀型の規制の原則を残すべきである。規制の多くは引き続き、高速でリスクの高い取引が、一般国民ではなく、富裕なプロの投資家の資金負担で行われるようにすることを目標にする。

めまぐるしい市場の動きを監視したり、影響を与えたりしようとしてもうまくいかない。公的部門による監視は、もはやこの任に適さない。大量の検査官を動員して、グローバルな取引を常時監視しようとすると、将来にとって欠かすことのできない金融の柔軟性が損なわれることになる。市場に任せる以外に、賢明な選択はない。市場の失敗は、稀有な例外であり、経済と金融の柔軟な体制によって、その影響は緩和できるのである。(P313〜P317)


(私のコメント)
最近の書店では金融危機の本がバカ売れで、書店によってはベスト5位までが金融に関する本だった。その中でもグリーンスパン氏の「波乱の時代」は今でも平積みで書店で売られている。何しろ19年間にわたってアメリカのFRBの議長だったのだから世界から注目されるのは当然だ。

本来ならば日銀総裁経験者の回顧録も読みたいものですが、日本のエリートには回顧録を書くという習慣が無い。日本のバブル崩壊の原因を作った三重野氏など著書があれば、当時何を考えていたのかが重要な参考になる。しかし日本の総理大臣もほとんどの人が回顧録を書かない。だから研究者はインタビューでしか手がかりがないことが多い。

「波乱に時代」によればグリーンスパン議長もCDSの杜撰さにショックを受けたと書いていますが、CDSが今回の金融恐慌の引き金になっていることは想像できなかったようだ。CDSが何らかの形で規制がなされるべきだったが、グリーンスパン氏は23日の議会証言では金融商品に規制は不要という考えは一部に誤りがあったと発言している。

グリーンスパン氏はもともとは経済レポートを書くコンサルタント会社の社長であり、数人の女性スタッフがいただけの小さな事務所だった。それがフォード大統領の経済諮問委員会の議長に選ばれてからとんとん拍子の出世をして1987年にレーガン大統領によってFRB議長に選ばれた。

「波乱の時代」によれば、最初はニクソン大統領候補の国内経済政策顧問という仕事ですが、ボランティアのようなものであったが、それでラムズフェルドやチェイニーやヘイグといったニクソン政権のスタッフと繋がりが出来ていった。日本では経済コンサルタントが日銀総裁になったようなものですが、中央銀行の総裁は経歴よりも市場がよく分かった人間のほうがふさわしいのではないかと思う。

日本では経歴が重視されて日銀総裁も日銀出身や大蔵省出身の次官経験者がポストに当てられてきた。アメリカでは一介の弁護士から州知事になって大統領になる事も珍しくありませんが、日本の総理大臣になるには国会議員を30年ぐらい務めないとなれない。日本では能力よりも経歴と年功がもの言う社会であり、ダイナミックなアメリカと安定した日本という文化の違いが出てくる。

だから不動産の証券化とかCDSとかいった仕組みに対しても積極的であり、金融工学でリスクを回避できるといった理論もまかり通る事になる。もしグリーンスパンが財務省の出身であったりFRB出身であったのならば、このような金融商品に対して規制をかけることになったかもしれない。

日本では銀行や証券会社が金融商品を作ってもそれが承認される事はまず無い。護送船団方式では秩序が最優先されるから監督官庁が業界を仕切る事になる。アメリカでは新しい事にチャレンジする事が求められて、日本では伝統や秩序が重んじられる。日本が長い間停滞しているのもアメリカ社会のようなダイナミックさが無いからだ。

日本は先進国に追いつき追い越せといった時代には中央官庁が音頭をとって業界をリードする事が効果を上げましたが、アメリカに追いついてしまうと目標を失って日本は停滞してしまった。停滞を打破するにはアメリカのようなダイナミックさを取り入れる必要がありますが、経歴や年功を重んじていては信長のような革命的な人物は出てこられない。

小泉首相が国民的な人気を持ったのも、信長的な性格が時代を打破してくれると期待されたからですが、確かにその面はありましたが新自由主義経済は間違っていたようだ。単にアメリカの言いなりになって改革を連呼しただけだった。確かに信長は時代を切り開いた人物ですが、しまいには狂気にかられて自分を神と思い込んでしまった。

グリ−ンスパンの能力の限界は市場との対話は巧みであっても、全く新しい金融革命に対しては自由主義的な思想が災いして、CDSという大量破壊兵器を金融市場に持ち込んでしまったのだ。もちろん新しい金融商品が悪いというのではなくて、新商品がどのような弊害をもたらすかといった事に対しては、実際に障害が起きないと是正は難しいだろう。

為替制度も変動相場制は一時的なものと見られていましたが、36年も経過している。ペーパーマネーがどのような弊害をもたらすのか学者なども検討していますが、日本ではインフレになるどころかデフレが定着してしまった。金準備の必要がなくなったのだからアメリカはドル札を印刷しまくって世界にばら撒いた。それでもドルは世界で使われていますが危険性は認識しておくべきだろう。

最近の為替相場を見ていると、ドルの基軸通貨体制から、「ドル円の基軸通貨体制」に移行しているように見える。通貨の価値には裏付けが必要ですが、ドルの軍事力と円の経済力がコラボレーションして一体化しているように見える。つまりドルの価値に裏付けを円がしているようなもので、低金利の円がアメリカに流れ続ける限りドルは基軸通貨であり続けるだろう。

次の基軸通貨として期待されたユーロは今回の金融恐慌によって大きく売られて、その他の新興国の通貨も大きく下落している。値を上げているのはドルと円であり、次の時代の基軸通貨はユーロではなくて円なのだろうか? 新しい国際通貨を作る事も検討されていますが、アメリカとしてはドルの基軸通貨としての特権を維持したいだろう。しかしできればSDRような通貨バスケットで国際通貨が出来ないものだろうか?


新しい国際通貨の作り方 10月18日 河東哲夫

今回の金融不安で、IMFを含め国際通貨体制をどう変えるか、これから具体的な議論が世界で起きてくると思う。
日本は、負担を恐れて静かにしているよりも、アイデアを積極的に世界に向けて発信していくべきだ。海外のシンポジウムなどでは、経済というとすぐ「中国はどうなんだ」という声が上がり、日本経済はもう終わったものとして誰も気にかけないという場面がある。
だが、中国の元はまだ交換可能通貨でさえないのであり、当面の世界通貨体制において大きな役割を果たすことはできないだろう。
日本は別に天狗にになる必要はないが、実力に応じた正論を正々堂々と主張していくべきだ。

(2)SDR(特別引き出し権)
1968年にはSDRという、「国際通貨の成り損ない」とも言えるものがIMF内に設けられる。
ドルの価値が不安定になっていたのか、それともドルだけでは成長する一方の世界経済にとって足りなくなってきたのか、当時の経緯は忘れたが、とにかくSDRと称する第二の国際通貨的なものを欲する機運が高まったのだ。
だがこの動きは、おそらくアメリカの抵抗によって骨抜きにされた。SDRは、IMF内部の単なる計算単位として、その機能を限定されてしまったのである。

だがSDRは今でも存在している。それは主要通貨のバスケットである。バスケットの中に入っているのはドル(44%)、ユーロ(34%)、円とポンドがそれぞれ11%づつである。この比率は国際経済活動において使われる比重に従っており、5年ごとに見直されるのだそうだ。
IMFを改組して、第二の国際通貨のようなものを発行する権限を認めるのなら、既にSDRという土台があるということだ。

だが、第二の国際通貨を作るとして、いったいどうやってその発行量、各国への配分量を調整するのか? どうやってバスケットに入る通貨を選び、それとSDRのレートを決めるのか。





ワイドショーは墨東病院や厚生省を叩くが、妊産婦たらい回し死亡は
小泉構造改革に原因があり、小泉改革を支持したバカ者の責任だ。


2008年10月24日 金曜日

<妊婦死亡>厚労相、最初拒否の都立墨東病院を異例の視察 10月24日 毎日新聞

脳出血を起こした東京都内の女性(36)が8病院に受け入れを断られた後に死亡した問題で、舛添要一厚生労働相は24日、最初に搬送を拒否した都立墨東病院(墨田区)を視察した。厚労相が事故直後に現地の病院を視察するのは異例の対応。

 舛添厚労相は、産科病棟や併設されている一般救急対応の「東京ER(救急治療室)」などを視察した後、「周産期に対応する全国の病院がどの程度のスタッフで勤務を回しているか把握し、墨東病院と同じようなら改善したい」と述べた。

 墨東病院はリスクの高い妊婦の救急治療を担う「総合周産期母子医療センター」に指定されているが、当日は研修医が1人しかおらず、国の整備指針を満たしていなかった。舛添厚労相は「今回の問題は、基本的には医師不足。(開業医など)それぞれの地域で持っている医療資源を使って対応するしかない」との認識を示した。

 また、視察前の閣議後会見では「こういう事故が2週間も厚労省に情報が上がってこないのは何なんだ。週末に当直が1人しかいないのに周産期医療センターだと言うのは羊頭狗肉で、国に相談してこなかった都にも大きな責任がある」と都を厳しく批判した。【清水健二】


医療費抑制で医療崩壊 2月26日 東京日和@元勤務医の日々

医療予算抑制で医療が荒廃--ニュージーランドの先例
元オタゴ大学教官・河内洋佑氏に聞く

 かつて福祉の国とうたわれたニュージーランドは、1984年以降、市場原理にもとづく「行政改革」(以下「行革」と略)が断行され、医療、福祉、教育、交通、郵政などあらゆる公共分野の民営化が推し進められました。そして、市場主義改革を徹底した「優等国」として世界的に一時もてはやされました。いま日本において、「構造改革」の名のもと同じような改革が推し進められています。

 果たして、ニュージーランドの「行革」は、国民にとってどうだったのであろうか、医療や福祉や教育はどうなったのであろうか、日本から見て非常に関心のもたれるところです。この度、ニュージーランドに26年在住され、政府による市場主義改革をつぶさに体験された河内洋佑氏(元オタゴ大学教官)に「行革」の前後の話を聞く機会を得ましたので、その内容を紹介したいと思います。(三浦清春・保団連政策部員)。

 三浦 はじめまして。先生から、「小泉改革は間違っている」という熱いメッセージをもらい、励まされる思いでうれしく思いました。先生は、現在、東京にお住まいですが、いつ頃ニュージーランドに住んでおられたのでしょうか。

 河内 1967年から延べ26年間滞在していました。ちょうど、80年代のニュージーランドの「行革」を間に挟んでいますから、幸か不幸か、「行革」の前後を体験させてもらったわけです。

 草の根というか一生活者の立場からと、また、大学教官という公的な立場からということです。

 その後、4年ほど中国で仕事をしまして、2001年から日本に住んでいます。日本に帰ってきたら、日本は小泉政権による市場原理改革の真っ最中でした。バラ色に描く改革推進者の言い分はいい加減なものです。

ニュージーランドの経験から、国民は騙されないようにしなければいけないと思いました。

公的医療費予算は次第に抑制、削減へ

 三浦 ニュージーランドの「行革」は日本でも有名でした。当時日本では、それをうまくいった例として評価する政府関係者、評論家が多くいました。

 本当にそうだったのでしょうか。改革は、医療・福祉に限らず、交通、通信、そして郵政民営化や大学の独立法人化などあらゆる分野の改革が行われましたよね。

 今日は医療分野がどうなったかを中心に教えて頂ければと思います。

 河内 ニュージーランドの「行革」は、日本と同様、財政再建と経済活性化のため小さな政府を目指すとして、社会保障や公共性の高い分野を規制緩和し、そこに市場化・営利化を持ち込むというものでした。

 医療分野は、「行革」以前は、イギリス同様、税金でまかなわれる公営の医療が中心で、患者の自己負担はありませんでした。

 旅行で来ている外国人にも平等に無料で医療が提供されていました。

 昔、私の妻が入院したことがあります。看護師さんたちは英語のできない妻にも親切で、食事も好みを選択できて、非常に快適な入院生活を送っていました。妻は退院したくないとまで言っていました。入院費もタダか、きわめて低額でした。

 それが「行革」後は、公立病院は独立採算を求められ、地域住民の健康を守るという目的から、利益を上げるために経営をするということに変わってしまいました。

 公的医療費の予算は次第に抑制ないし削減されてくるために、公立病院の医療サービスは悪化の一途をたどりました。

 一方、自由診療で行う民間の株式会社病院がたくさん開設されました。

 そして、お金のある人は、私的な自由診療の民間病院で早く医療を受けられるが、そうでない人は、予算で縛られた公的病院で、不自由な医療を受けることになりました。

 例えば、手術では最高2年ぐらい待たされる人もいて、待っている間に亡くなる人もいました。

 地方の公立病院は、ほとんど閉鎖されました。今では公立病院は大都市にあるだけになっています。

 地方の人は救急車で数時間も運ばれるか、ヘリなどで運ばれて公立病院の治療を受けることになりました。なお、この際の移送費用は救急車を含めてすべて有料です。

 MRIは公立病院では予約してから6カ月くらい先です。私的な民間病院ではすぐ診てもらえますが、負担金7〜8万円だそうです。

妻は日本でMRIをとったことがありますが、診察後、主治医の判断のもと10分後にはMRI撮影がはじまりびっくりしました。しかも、自己負担は7〜800円だったと思います。日本の医療制度は優れていると思います。

最大手はアメリカの民間医療保険会社

 三浦 小さな政府を目指すといって、公的医療費の予算が押さえ込まれ、いろいろ弊害が出ているようですが、病院の中での変化はどうでしょうか。

 河内 まず大病院の病棟が半分も閉鎖され売却されました。医療従事者にもしわ寄せが来ました。

 たとえば看護職員は人減らしされて、大きな病棟で夜勤が1人というところもありました。朝まで走り回って、すっかり疲れ、目の下にくまをつくっているような看護師もいました。

 先生の「本」の中でアメリカ医療でも同じことが起こっていることを知り、市場原理に任せるとこうなるのかなあと思いました。

 また、患者管理の効率化のために、臨時的とはいえ男女を一緒の部屋に入れることもしていました。妻の時がそうでした。ひどいものだと思いました。

 また、医師のモラルハザードみたいなこともおこっています。

 ある患者が、公立病院で手術適応を言われ、ここでは手術は1?2年先になるので、近くの民間病院を勧められました。

 紹介状を持って民間病院にいくと、その紹介状を書いてくれた医師がいて手術を執刀したということでした。医師にとって自由診療の民間病院で手術した方がドクターフィーも高くなっていると思われます。事実、民間病院では優秀な医師を獲得するために公立病院より給与を高くしています。

 また、公立病院の手術室を、民間病院の手術に貸し出すところもありました。独立法人化の関係で公立病院も収益を上げるためいろいろやっているようでした。

 三浦 小泉医療改革が目指す公・民ミックスの医療になっていますね。しかし結局は、公の部分が抑えられて、民の金儲けの世界が広がりますね。そうなってくると、病気になったときの備えに民間医療保険に入る人も多いのではないですか。

 河内 そうです。国民は入らざるを得なくなってしまいました。しかし、民間医療保険を買えない人もたくさんいます。そういう人は、少々の怪我や病気では我慢を強いられています。

 民間医療保険は、日本も同じ傾向ですが、売り上げを大きく伸ばしています。いまニュージーランドの最大手の民間医療保険会社はアメリカの企業になっています。

 しかも、そこの重役には、「行革」を推進したニュージーランドの元大蔵大臣がおさまっています。スキャンダラスな話です。

 私もかつて民間医療保険に入っていました。しかし、65歳を超えると急に保険料が倍近くに上がるので、その後は特定の病気だけを対象にした保険に切り替えました。そういう人やまったく無保険の人が増えました。

 民間保険は金儲けが目的ですから、リスクの高い高齢者の保険料を高く設定するのは当然なことかもしれません。

国民が気づく前に一気に「行革」へ

三浦 このような市場原理の「行革」に対して、国民の側から大きな反対運動はおきなかったのですか。 

河内 「行革」推進者たちの宣伝に、多くの国民は乗せられたと思います。事実、小さな政府を目指したことにより、所得税はかつての最高税率66%から半分の33%に下がりました。

 私も最高税率で納めていましたから、最初は良かったと思っていました。

 しかし、それは間違いでした。12・5%の消費税の創設、民間保険料や教育費、交通費、各種の控除の廃止など減税以上に家計負担が増え、さらに社会は不安定性や不自由さを増しました。拝金主義がはびこり、犯罪も多くなりました。

 また、「行革」を強引に進めることを可能にした要因に小選挙区制があります。選挙で30%台の得票でも議会で多数を占めることができました。この状態をある政治学者は「民主的独裁制」と呼んでいました。

 今では、小選挙区制は民意を反映しないと国民から強い批判があり、90年代半ばには比例代表制に移行しています。

 97年ごろ、当時、日本の「行革」の先頭に立っていた橋本首相が、「改革を成功させた先進国」としてニュージーランドを訪問したことがあります。

 橋本首相がニュージーランドのボルジャー首相(当時)に、改革を「成功」させた秘密は何ですかと聞いたところ、ボルジャー首相は「国民が何が何だかわからないうちにやってしまうことがコツですよ」と答えました。このことは向こうの新聞では報じられていましたが、日本の新聞ではほとんど報じられなかったようです。

 国民がポカーンとしているときに一気にやるということです。

 私は、日本に帰ってきて、日本の状況に同じようなものを感じています。自分の体験を生かしながら、いまの日本の改革路線に警鐘を鳴らしていきたいと思います。微力ながらお力になれればと思っています。



(私のコメント)
ついに東京でも妊産婦の病院たらい回しで死亡するという事件が起きましたが、マスコミ・ワイドショーは受入れを拒否した墨東病院を非難している。しかしその時の墨東病院には研修医が一人しかおらず、妊産婦は危険な状況だった。

しかし、墨東病院はリスクの高い妊婦の救急治療を担う「総合周産期母子医療センター」に指定されているが、それでも手薄になってしまっていた。いずれはこのようになる事はニュージーランドなどの行政改革などの例を見れば分かるのですが、小泉構造改革の元で医療制度も市場原理主義的な改革が行なわれた。

市場原理主義の下では金のある富裕層は民間の保険で十分な医療が受けられるが、保険に入れない貧しい人の医療は公立の病院などに皺寄せされてしまう。しかし公立の病院は医師不足などで銚子のように病院が廃止されて地方の医療は空洞化が進んでいる。

医療制度の経済効率が導入されれば、金持ちだけが命が助かり、貧乏人は十分な医療が受けられずに死んでいくしかない。「75歳以上は早く死ね法案」も小泉内閣で強行採決された制度であり、小泉チルドレンは法案の中身もよく知らなかったようだ。

「株式日記」では小泉内閣発足当時から経済政策を批判してきましたが、当時の国民世論は90%の支持率で小泉改革支持一色だった。確かに小泉首相はパフォーマンスは一流でありワイドショー内閣と言われるくらいテレビでは小泉首相の発言が好意的に伝えられた。

当時は小泉首相を批判していた評論家は森田実氏ぐらいで、それで、森田氏はテレビに出られなくなってしまった。このようなマスコミによるパージは広げられていって、構造改革に批判的なコメンテーターはいなくなってしまった。いわば見えない言論統制が行なわれてネットですら公共投資推進派は少数であり、景気対策よりも財政再建の世論ばかりになった。

医療制度改革も健康保険制度が慢性的な赤字となり、これも改革が必要だという事になり三方一両損という改革が行なわれた。しかし医療制度は複雑であり国民には実際に制度が実施されてみて、それがとんでもない制度改革である事に気が付いたようだ。

奈良でも妊産婦が病院をたらい回しにされて死亡した事件がありましたが、被害者の夫は病院を訴えて病院が被告になった。これでは病院はたまらないから産婦人科を廃止するところが増えて地方では出産難民が増えている。国では少子化対策で大臣まで任命していますが、子供を産みたくても産婦人科が無くては子供が産めない。

小泉内閣を引き継いだ時点で安倍内閣は明確な構造改革の修正を行なうべきだったのですが、参議院選挙で「改革続行」というKYな選挙スローガンで負けてしまった。その頃には地方などにおいて小泉改革の弊害が現れてきて生活が厳しくなり、疲弊してしまっていたのですが自民党は小泉チルドレンが80名もいたのでは方針転換も難しかった。

小泉内閣では財政再建が最優先の政策となりましたが、歳出をカットすれば民需が増えなければ景気は停滞する。しかし公共投資は毎年5%ずつ削減されて地方経済は疲弊してしまった。公共投資も明確なビジョンを建てて行なえば波及効果で景気は拡大するはずですがばら撒き公共投資の批判で公共投資は無駄であるという世論が定着してしまった。

しかし、昨日書いたように明確なビジョンを打ち出して公共投資を行なえば波及効果が生まれるはずだ。しかし小泉内閣では派遣社員の規制緩和などで正社員は減らして非正規社員を増やす事で企業業績を回復させた。しかし非正規社員では厚生年金も健康保険も入らないから年金も健康保険も赤字が増える一方になった。

国民健康保険もありますが非正規社員では払えない人が多く、飛び込み出産をする女性が増えたのは国民健康保険に入っていなくて定期健診を受けない人が増えたからだ。これでは産婦人科もトラブルを避けて飛び込み出産を受け付けなくなりましたが、これでは子供を産もうとする若い女性が減る一方だ。

小泉改革とは少子化を促進して若い人を減らしていって、外国から1000万人の移民を増やす事を目指す政策のことなのだろうか? 小泉氏に近い中川秀直元幹事長は1000万人の移民計画を発表していますが、医療制度改革で少子化を進めて日本を移民国家にしようという計画を持っているのだろう。

医療と福祉予算を削れば一番弱いところに皺寄せが行くのであり、若い非正規社員に小泉改革の皺寄せが行っている。それから高齢者の年金世代も保険料の自己負担となり、診療も制約が増えて十分な医療が受けられなくなる。財政再建を優先すればこのようになるのは分かりきった事なのですが、マスコミが小泉改革を批判する事は無かった。

小泉内閣を支えてきたのはAIGという巨大保険会社グループなのですが、テレビをつければ外資系保険会社のCMで一杯だ。それはアメリカ的な医療制度を日本に導入しようという目的があり、小泉改革とは外資系保険会社がバックとなって電通を通じて糸を引いている。しかしAIGは破綻して小泉改革のバックがいなくなった。

だからこそ麻生内閣では明確な政策転換を行なって、小泉改革の弊害を取り除く政策を行なうべきなのだ。自民党内ではそれに抵抗しているのは小泉チルドレン達であり、彼らが自民党内の抵抗勢力なのだ。




なぜ日本には風力発電所や太陽光発電所が作られないのか?
なぜ新しい産業政策を作る事が出来ないのか?官僚が無能だからだ。 


2008年10月23日 木曜日

小泉構造改革で太陽光発電の補助金は打ち切られた。
その為に日本のメーカーは外国に大きく遅れをとった。


お家芸の太陽電池で日独逆転! なぜニューマネーは日本を迂回するのか 10月22日 ダイヤモンドオンライン

太陽電池の敗退は、日本の産業政策の失敗も一因だ。ぶれない政策にこそ、投資資金は流入する。

 シャープのある首脳は、苦虫を噛みつぶしたような表情を隠さなかった。7年連続で死守してきた太陽電池生産量世界一の座を、2007年はドイツのQセルズに奪われることが確実になった、との情報が飛び込んできたのだった。

 第3位に急浮上した中国サンテック・パワーの追撃からはからくも逃げ切ったが、それも0.6ポイントと僅差だ。危うく、首位から3位まで一気に転落するところだった。

 英国人のCEOら4人の創業者が、ドイツでQセルズを設立したのは1999年。2001年に生産を開始し、わずか4年後の2005年に、フランクフルト証券取引所に株式を公開した。

 サンテックは太陽電池の研究者だったCEOが2001年に創業。2005年に中国企業として初めて、ニューヨーク証券取引所に上場した。

 Qセルズはここ5年で50倍、サンテックに至っては、4年で100倍と、両社の収益は急激に拡大した。一方のシャープの2008年3月期の太陽電池事業は、売上高は1510億円と前年実績を0.3%下回り、36億円の営業赤字に終わった。

 シャープは1959年に太陽電池の研究に着手し、人工衛星や灯台用で実績を積み、1994年に住宅用の生産を開始した。京セラ、三洋電機、三菱電機といったその他日本メーカーも、75年前後に開発に着手し、商業用から民生用に事業を展開していった。2005年までは、日本メーカーが生産量シェアの半数以上を握る、“お家芸”だった。

 では、なぜQセルズとサンテックに逆転されたのか。

 理由は3つある。第一に、太陽電池がコモディティ化したこと。製造ノウハウは製造装置に集約されるようになり、米アプライドマテリアルなどの装置メーカーは、製造ライン丸ごとを納入し始めた。技術における参入障壁が大きく引き下げられ、地代や人件費などのコストに競争力のベクトルが移るという、半導体メモリや液晶パネルと相似形の歴史を刻み始めたのである。しかも、半導体ほどの巨額投資の必要はない。新規参入企業はすでに世界で200社を超える、といわれている。

 第二に、Qセルズとサンテックが、ドイツが採用した手厚い優遇政策を追い風にしたこと。ドイツは2000年に「再生可能エネルギー法」を制定、2004年に「フィード・イン・タリフ」と呼ばれる電力買い取り制度を導入した。電力会社は家庭や事業所が太陽光発電した電力を、通常より3倍近く割高な固定価格で20年間にわたり買い取る義務を負う。Qセルズでは39%、サンテックでは35%がドイツ市場における売上高だ。

 第三に、そうした政策を背景に、安定したキャッシュフローを見込んで、投資マネーが流入したことだ。Qセルズもサンテックも、上場時に調達した資金は4億ドル。それ以降、両社は生産規模を急速に拡大していった。(後略)



日本の太陽電池メーカー自滅の原因はエネルギー政策の失敗 3月24日 ダイヤモンドオンライン

まず国の前提として「基幹電源はあくまで原子力発電」(資源エネルギー庁)であって、新エネルギー政策は二の次だ。それでも過去、2003年までは行政と電力会社の“予期せぬ”コラボレーションで、太陽電池普及が進んできた。

 夏場の電力ピーク対策のため、1992年に、電力会社が自主的取り組みとして新エネルギーの電力を購入する「余剰電力購入メニュー」を導入。これに呼応するように1994年には、前述の住宅向け設置補助金制度が導入された。この二つは産業政策を俯瞰し連携してできた制度設計ではない。いわば偶然の産物で、住宅向けを中心に需要は拡大し、販路も整備された。

 だが2003年、太陽光発電市場に停滞の予兆が訪れる。ドイツで導入されたようなFIT導入には電力会社が猛反発し、2003年にRPS法、すなわち電気事業者にその販売電力量に応じて一定の新エネルギー利用量を義務づける法律が施行された。だが新エネルギーの選択肢が広く、しかも利用超過分は翌年に繰り越せるなど制度設計上の問題も多く、結果的に太陽光発電の普及促進策としてFITに劣ったといえる。

 「政策に市場形成の視点を欠いたまま、市場の自立化という神話が平然とまかり通った」(飯田哲也・環境エネルギー政策研究所所長)結果である。

 さらに同2003年、当時の小泉純一郎内閣で特別会計のスリム化が図られるなか、財務省は、前例のない“個人向け補助”で規模も大きかった住宅向け設置補助金の打ち切りを決めた(実施は2005年)。

 2007年には改正RPS法で、太陽光発電システムに関しては2011年から利用量を2倍換算と設定し、普及を促す手直しもされたが、遅きに失した。他方、太陽電池メーカー側にも、産業としてまとまって国内市場の活性化を訴える姿勢はなかった。

 だが今後、国産エネルギーとして太陽光発電を育てるには、電力会社に限らず広く産業界、国、自治体などとの協力体制が欠かせない。ドイツでは、電力会社の買い取りコストが転嫁され、国民の電気料金が約1割上がったが、脱原発を掲げて政治が主導した。

 日本でも、総量ではなくFITのように価格設定まで踏み込んだ制度導入はできないか。また、産業向けを中心に、発電所向けなど用途開拓も必要だろう。このままだと国内市場が縮小するばかりか、メーカーの生産拠点も大きな市場に近い東欧やアジアに流出し、産業集積も崩れかねない。


2040年には風力と太陽光発電の割合は半分近くになる。


(私のコメント)
昨日のクローズアップ現代で太陽電池のことを扱っていましたが、太陽電池に関しては日本がトップレベルにあったのですが、ドイツや中国やインドなどが追い上げてきて日本のメーカーは赤字を出すほどになってしまった。ダイアモンドの記事にもあるように汎用メモリーや液晶パネルのように大規模にやったところが勝つようになってきた。

日本は90年代から不況の影響で新規事業は出来なくなり、技術開発などもリストラで次々打ち切りになってしまった。それに対して新興国はアメリカの投資ファンドなどからの豊富な資金を得て大規模な開発投資を行なっている。太陽電池もアメリカからそっくり導入して大量生産が出来るようになったからだ。

しかし太陽電池の発電コストはまだ割高であり普及はまだ先の事と見ていましたが、ドイツやスペインなど補助金を出して大規模な太陽光発電所を建設している。世界各地でこのような大規模太陽光発電所が作られようとしていますが、中国やインドで安く作られた太陽電池パネルで作られるようになるだろう。

日本は汎用メモリー製造装置や液晶パネル製造装置などを海外に輸出して儲けて来ましたが、太陽電池パネル製造装置はアメリカの遅れをとってしまったようだ。しかし太陽電池の発電効率やコストなどで割高なので技術的改良の余地はあるのですが、海外は生産の規模拡大でコストを安くする方向に行っている。

だから日本も当面は補助金を出して普及させていかないと、製造メーカーが海外との競争に負けてしまう。汎用メモリーや液晶パネルなどでは韓国や台湾などが数千億円規模の大規模投資を行なってきましたが、日本のメーカーはリストラに追われてしてそれが出来なかった。そして中国やインドなども大規模投資で日本を追い上げてきている。

このように新興国が大規模な資金を調達できるのもゴールドマンサックスなどの投資銀行の存在があるのですが、その資金も日本の超低金利の資金が使われてきた。日本はいくら金融を緩和しても日本の銀行がリスクを嫌って企業に融資せずアメリカのファンドに融資して利ざやを稼いでいるだけなのだ。

つまり日本の金融緩和政策はアメリカのファンドの為になってしまって、日本はなんらの新しい産業政策が立てられなかった。公共投資も道路作りに特化して、新しい産業作りや技術開発などに向けられる事はなかった。「株式日記」では公共投資を推進して新しい技術開発を目指せと書いてきたのですが、相変わらず日本では公共投資は道路や箱物などの作っても維持費のかかるものばかりだ。

日本では電力投資では原子力が中心であり、エコロジー発電などは補助金を打ち切るなどして積極的な政策は出来なかった。財務省の官僚が無能である為に財政再建を優先して、新しい産業政策に対しても予算をカットして新しい産業が育たなくなっている。通産省は解体されてしまって産業戦略の中心は無くなり、民間任せの技術開発では海外に負けてしまうだろう。

80年代までは国家プロジェクトで次世代産業を育成してきたのですが、通産省がアメリカのCIAに目を付けられて潰されてしまった。その頃になると盛田・棚橋コンビによる日米貿易摩擦のために日本の半導体産業は弱体化がはかられる様になった。20%の数値目標のために汎用メモリーなどの戦略商品は潰されて、仕方なく日本は韓国や台湾に製造装置を売って、一番おいしいところを失ってしまった。その詳しい内容は「通産省国売り物語」に書いてあります。


通産省国売り物語1・2

通産省国売り物語3.4

通産省国売り物語5.6

通産省国売り物語7.8.9


つまり日本の産業政策を作るべき通産省がアメリカによって攻撃され、日本の戦略本部は解体された。だからそれ以来日本には経済戦略がなくなり、金融を緩和しても投資すべき次世代の産業が無いのだから資金はアメリカのファンドに流れるだけになってしまった。IT産業も本来は日本のほうが進んでいたのですが、アメリカにお株を奪われてアメリカは世界中から投資を集めて繁栄を回復した。

アメリカはさらに住宅産業を経済の柱として世界からさらに資金を集めて空前のバブル景気を続けましたが、日本は低迷を続けた。大蔵省や通産省が解体されて、長期の産業政策を考えるところがなくなってしまったのだ。橋本行革や小泉構造改革はアメリカによる解体政策なのであり、日本はドルを買い支えて米国債を買わされ続けるだけの国になってしまった。

今回のアメリカ発の金融恐慌は日本にとってはアメリカ支配から逃れる為のチャンスになるかもしれない。この事によって日本は新たなる産業政策が立てられるようになって景気も回復するようになるかもしれない。解体された大蔵省も麻生内閣では財務と金融とが大臣兼務になり実質的に大蔵省は復活した。

ヨーロッパ各地には風力発電所や太陽光発電所があちこちに作られているのに比べて、日本では地方に行っても風車も太陽電池パネルを見かけることがほとんど無い。石油エネルギーが先細りになる事は分かりきっているにも拘らず日本はアメリカの言うなりになるばかりで、産業戦略は無きに等しい。

小泉構造改革で医療制度も改悪されて、妊産婦は病院をたらい回しにされて死んでしまう事が東京でもおきましたが、小泉内閣は人の命よりも財政再建のほうが大切だったのだ。小泉元総理は総理を退任してからマスコミのインタビューを全く受け付けませんが、自分の失政をよく認識しているからだろう。だから近く政界も引退するのですが、橋本総理みたいに殺されずにすんでいるのは、アメリカも力が落ちてきてCIAも勝手な真似が出来なくなってきたからだ。

政治家や官僚のアメリカに対する恐怖心は、「通産省国売り物語」を読んでもらえれば分かりますが、アメリカに協力しない政治家や官僚は次々と抹殺されてきた。CIAに対抗できるだけの防諜機関は日本にはないから防ぎようが無い。汚染米事件もアメリカからミニマムアクセスを強要された結果おきた事件なのですが、農水省の役人が「自殺」したのは口封じの為なのだろうか?


農水省課長が自殺 省改革チームの一員 10月18日 共同通信

17日午後3時ごろ、東京都新宿区百人町の公務員住宅で、農林水産省植物防疫課長の都倉祥夫さん(48)が自室内で首をつっているのを同僚が見つけ、119番した。駆け付けた救急隊員が現場で死亡を確認した。都倉さんは事故米の不正流通問題を契機に、石破茂農相が若手課長クラスを中心に立ち上げた省改革チームの一員。室内に私的な悩みを記した遺書があり、警視庁新宿署は自殺とみている。





日本は経済リーダーシップにおいてもっと積極的な役割を
演じるべきだと思う、などと言い出す日本の首脳陣が出てきた。


2008年10月22日 水曜日

日本、経済舞台で大役を検討中 10月21日 ヘラルドトリビューン 今日の覚書

ほんの6ヶ月前のことだった。 5つか6つの「巨大投資銀行」が地球をノシノシと歩き回って、国際金融のルールをああだこうだと押し付けていた。 取引を行い、企業(または国)の投資適格性を宣告し、企業(または国)がリスクを無視しているとのアドバイスを行ってきた。

その図々しいアメリカの金融機関も、今や皆吹き飛ばされたか飼い慣らされてしまった。 そして世界の金融秩序が激動する中、日本は経済リーダーシップにおいてもっと積極的な役割を演じるべきだと思う、などと言い出す日本の首脳陣が出てきた。 多くのヨーロッパの首脳陣は責め合ったり、「SOSって言ったじゃん」などと言い合っているが、日本と多くのアジア諸国は、残された空白をいかに埋めようか、と考えている。

アメリカは銀行救済に最大$1兆を突っ込むだろうが、(世界第2位の経済大国)日本のような国ですら自前の不況を目の前にしている中ですら、アジア諸国には現金がたんまりある。

日本は、南朝鮮を含む大変な状況になってしまった国を助けるために、天下御免の外貨準備$2兆の一部を出動させられるだろう。 まあ、この間の独自の銀行救済策が足りないとわかればの話だけど。

「アメリカという金融巨人の覇権が揺るがされた」と当局大学の経済学教授、伊藤隆俊が言った。 「今やテーブルはひっくり返された。日本のようなアジアの国が、ホワイトナイトになり、資本の提供国となれる」。

中には、1990年代には深刻な不況に苦しみ、今でも相変わらず経済がグダグダな日本に、他人にあーしろこーしろと言う権利があんのかよ、という人もいるだろう。 が、昔から受身の日本が、世界の経済成長を支援するために、そして同時に日本自らの貿易主導型経済を支援するために、その豊かな財源と1990年代の苦い経験をどう利用出来るか、について、国会議員等がこの数日間あれこれ考えを巡らせ始めた。

この間、中川昭一財務相は、国際的信用危機で破綻しそうになっている小国を救済するため、日本の外貨準備$9,960億の一部をオファーした。 他の国会議員等は、発展途上国が道路や発電所を建設するのを助けるために、また、世界の経済成長を甦らせ、日本のブルドーザーなどへの需要を再び活気付けるために、円借款を活用しようと提案している。

また、日本ではももう一つの案もまとまりつつある。 それは、アメリカの銀行や監督機関が、山積みになった猛毒不良債権を整理整頓するのを支援するために、日本の1990年代の金融浄化作戦を経験した会計士と弁護士を送り込むというものだ。

この提案で、大恐慌以来最悪と多くの人が言う金融危機を阻止出来るわけもないが、こんなことが話し合われている、という事実事態、アメリカ主導の経済危機の後、世界中で察知されているリーダーシップの欠如を強調している。 長らくアメリカ政府の言いなりになってきた国、日本でそれが現れている、という事実が、ここにいる多くの人が、覇権国が存在しない、新しい世界的経済秩序への動き、と呼ぶものを反映している。

「相対的にアメリカの経済力と金融力が落ち込んだのだから、アメリカのリーダーシップも落ち込むのは必然的」と塩崎泰久元官房長官。 「我々は新しい、多極的経済体制の登場を目撃している」。

世界経済の保護者としてアメリカ政府に成り代わろう、などということは誰も話していない、と塩崎等は慎重に指摘した。 それよりも、彼らが思い描いているのは、アメリカが、ヨーロッパと日本と同じく、中国やインドといった新興勢力と共に、世界経済を監督する役割を共有する、という世界なのだ。

また、彼らは、新しい、ポスト・サブプライム世界経済秩序が出来る時に、各国がそれぞれ様々な強みをもたらすことについても語っている。

多くの政治指導者は、日本の外貨準備を、世界的経済停滞の拡大に対抗するための、戦費として利用したがっている。 今月先にワシントンで開かれたIMF会議で出された財務相の提案は、日本の資金を窮地に陥った国のライフラインとして用意しておく、というものだ。

日本の国会議員等は公では言おうとしないが、最大の懸念材料は隣国南朝鮮だ。 南朝鮮の通貨市場、株式市場は、両方とも海外資本の大量流出でヒドイ目に遭っている。

財務相のプランは、IMFによる救済を呼びかけている。

しかし日本の財務相当局者は、IMFと救済条件の緩和についても話し合っている、篠原尚之国際局長は言った。 1997年のアジア金融危機の後、IMFが課した厳しい条件について、アジアは未だに苦々しい記憶を持っている。

その他日本に求められているのは、海外開発援助融資や、例えば中国が昔からやってきたような、アジアやアフリカの発展途上国における、その他新インフラ建設支援に、数十億を費やすことで、世界経済を活性化させることだ。 主要全国日刊紙、朝日新聞のコラムは、この案を大恐慌時代のニューディールにたとえた。

「我々は新たな需要減を生み出さなければならない。さもなければ、世界経済は大変なことになる」と自由民主党の金融危機対策プロジェクト・チーム代表の、柳澤伯夫元金融サービス担当大臣が言った。 「この危機には、純粋な財政対策だけでは足りない」。

柳沢によれば、日本の民間から金融専門家チームや、10年前に日本の不良債権処理活動を率いたRCCのような、1990年代型の政府機関をまとめる計画もある、とのことだ。

曰く、米国監督機関も、アメリカ金融システムを汚染するモーゲージ担保証券の山の評価、というやはりとんでもなく厄介な作業を目の前にしているので、日本政府は近々、この手の支援が、アメリカの監督機関に歓迎されるかどうか、ワシントンの日本大使館を通じて探りを入れる、とか。

しかし多くの日本人は、日本の最大の貢献は、日本経済をきちんとしておくことだろう、と言っている。 日本の$5兆経済を不況に追い落としそうな、対米輸出の減少分を埋めるために、政府支出を増やすべきだ、と言っている。 強い経済、そして日本の比較的健全な銀行(概ねサブプライム危機を回避した)は、世界経済において新しい権威をこの国にもたらすだろう。


(私のコメント)
このヘラルドトリビューン紙の記事は元はニューヨークタイムズ紙の記事なので、韓国系の色が入った記事でもあるのですが、結局は日本は韓国を助けるべきだという主張なのでしょう。ニューヨークタイムズと朝日新聞と朝鮮日報は兄弟紙であり主張は連携している。朝日新聞の社屋にはニューヨークタイムズ紙の支社や朝鮮日報の支社が同居している。

だからアメリカー日本ー韓国の主要新聞が同じ事を書きたてると、あたかも世界的な世論がそうなっているような錯覚を与えますが、朝日(あさひ)と朝日(ちょうにち)とNYTが提携しているというだけの話だ。ニューヨークタイムズ紙がアメリカの世論を代弁しているとはとても言えないのですが、朝日新聞がとても日本の国民世論を代弁しているとはいえないのと同じだ。

朝日新聞を読んでいると、日本の国益よりもアメリカ左翼や韓国にとって都合がいい記事が多いのは、朝鮮日報やニューヨークタイムズの論調の受け売りが多いからだ。従軍慰安婦問題や靖国参拝問題などを見ると、日本の事など載せないニューヨークタイムズ紙に大きな記事が出る。親中派的なのも三紙に共通している。

最近は朝日新聞の記者は、大阪の橋下知事や宮崎の東国原知事とケンカ状態ですが、朝日新聞の記事にはかなり傲慢さを感じる。以前なら新聞やテレビで書きたてればそれが世論になっていたのでしょうが、最近はネットで本人が反論できるようになった。最近ではユーチューブなどで記者会見が出たりするので新聞記者たちの傲慢さが分かってしまった。

朝日新聞は中川財務金融大臣にも記者会見室に日の丸を立てるのはけしからんと噛み付きましたが、朝日新聞の中身は朝鮮日報と同じだからだ。韓国人たちはよほど日の丸が嫌いらしくて日本大使館前でよく日の丸を燃やしていますが、朝日新聞の記者も同じメンタリティーなのだ。

だからこそ、この記事も日本への妬みに溢れた記事になるのですが、アメリカの借金も日本を始めとしたアジア諸国が穴埋めしてくれる事を勝手に期待した記事になっている。ついでに韓国も助けるべきだと言うのでしょうが、97年のアジア金融危機の時も韓国は日本の援助で危機を切り抜けた。その事は10月4日の株式日記に書きました。

しかし一度援助癖が付くと自力更生は難しくなり、韓国は1965年の日韓基本条約で5億ドル(当時)の経済協力資金を得て韓江の奇跡を起こしましたが、1997年には100億ドルの金融支援を得ている。そしておそらく今回の金融危機に際しても援助を期待しているようだ。それに対して中川大臣のプランではIMFを通じたプランを立てている。

記事では「アジア諸国には現金がたんまりある」と書いて、あてにしているような記事ですが、アメリカ人や韓国人の意識では日本や中国のカネは俺のものといった意識があるのだろう。90年代なら日本が世界一の貿易黒字国であったので一手に引き受けざるを得ませんでしたが、今は中国が一番外貨を持っている。しかし中国やインドがどの程度役割を背負う事ができるのだろうか?

記事の冒頭にも書いてあるように、アメリカの投資銀行が世界の金融センターとなり新興国の発展に寄与してきた事は確かだ。それはアメリカの戦略でもあり投資銀行は規制も受けずに新興国を指導してきた。BRICsの発展は投資銀行の発展でもあり、グローバルな経済戦略はアメリカ主導で行くと思われた。

しかしアメリカの世界戦略は足元から破綻して、5つあった投資銀行は今は存在しない。合併したり破産したり商業銀行へ転換したからだ。日本でもテレビの経済番組では外資系の金融マンが花形エコノミストとして日本はこうするべきだとかデカイ口をたたいていましたが、いまではリストラされてハローワーク通いだ。

日本やカナダのようなまともな国から見ればアメリカの投資銀行は詐欺的集団に見えるのですが、金融工学だのデリバティブなどの危険性を見抜けなかったのだろうか? 確かにヘッジファンドの高利回りは魅力的ですが金融工学では破綻を回避できるものではない。今ではただ単にレバレッジを効かせた投資だったに過ぎないことがばれてしまった。レバレッジを効かせればわずかな破綻が致命傷になってしまった。

日本政府はアメリカ政府の「改革」要求をヌラリクラリ戦法でかわして来ましたが、アメリカのほうが先に参ってくれた。記事にも登場する塩崎元官房長官はアメリカ帰りの日銀官僚ですが、経歴から分かるようにアメリカの手先であり日銀の手先でもある。だからビックバンを行なったり不良債権の処理を促進させてアメリカの投資銀行を喜ばせた。しかもエリート意識が大変強くて安倍総理を守りきれなかった。

中川財務金融大臣なら国益に沿った金融政策をしそうだが、塩崎氏ではアメリカの言いなりで、仲間の渡辺よしみ議員は日本の外貨準備金をアメリカの金融危機救済に使おうと提案している。彼らのような二世議員はアメリカに留学して英語漬けになって洗脳されて帰ってくる。有能なように見えますがアメリカのシンクタンクの受け売りが多い。小泉二世もアメリカのシンクタンク帰りですが、純一郎の後を引き継ぐようだ。

これからの日本の戦略は、アメリカの衰退をにらんだ生き残り戦略を持たなければなりませんが、決してアメリカと共に運命を共にしてはならない。金融政策にしても90年代にアメリカの金融政策が間違っていると指摘した人がいるだろうか? むしろバフェット氏やジョージ・ソロスのような投資家のインサイダーの人たちがアメリカの金融政策を批判していたし、今回の金融恐慌はそれが正しかった事が証明されたのだ。

私自身も株式投資家の端くれであり、金融工学やデリバティブに危うさを感じていましたが、不動産ローンを証券化して他に売り飛ばしてしまうことなど理解できなかった。バフェット氏も同じ事を言っている。分からない事には手を出さない事が投資の原則ですが、MBAのエリートたちは分からないとは言えずに突っ走ってしまう。


他人の資産に勝手に保険をかけた綻び 「金融版大量破壊兵器」を拡大させた米国 (2008/10/21) 牧野洋

CDS市場ではだれでもCDSを購入できる。自分の資産としてローンや債券を保有しているかどうかにかかわらず、である。言い換えれば、赤の他人が保有するローン債権などの元本割れを期待して、「保険の買い手」になれるということだ。

■16兆ドルの残高が55兆ドルになる

 だからこそ、CDSの想定元本残高が55兆ドル(6月末時点)に達しているのだ。米経済誌フォーチュンは最新号で「55兆ドルの疑問」という見出しを掲げて特集を組んだ。

 何が「疑問」なのかというと、米証券業金融市場協会(SIFMA)によると、社債、住宅ローン担保証券、資産担保証券の発行残高はそれぞれ6兆2000億ドル、7兆6000億ドル、2兆5000億ドルで、合計は16兆ドルにすぎないからだ。

 常識的には、社債などの元本合計が16兆ドルなのだから、元本が全額回収不能になった場合の保険金も最大で16兆ドルであるはずだ。残高55兆ドルにも上るCDS市場は、実態と乖離していた。

 もちろんここにも、経済合理性はある。ポイントは「いずれデフォルトが起きる」との読みだ。「保険の買い手」は、当面保険料の支払いを負担していても、将来のデフォルトによって多額の利益(元本の補填に相当)を得られると考えている。保有していない資産の値下がりに賭けるという点では、借りてきた株の値下がりに賭ける空売りと似ている。

 しかし、次のような行為は健全と言えるだろうか。フォーチュン誌が例として使ったのは、自動車保険だ。

 友人が危険な運転をするドライバーだとしよう。「絶対に事故を起こす」と考え、保険会社を訪ねて友人には無断で勝手に車両保険をかける。「他人の資産に保険をかける」わけだ。その場合、友人が本当に事故を起こせば、保険金をもらえる。

 もっと複雑な展開もありえる。保険会社も「本当に事故を起こしそうだ」と不安になり、保険契約を第三者へ転売する。その第三者が、保険金を払う能力があるのかどうかも外部からではよくわからない、無名のヘッジファンドだとしたら……

■集中砲火を浴びる「マエストロ」

 このような懸念は、デリバティブ市場が本格的に離陸する前の1990年代前半から発せられていた。当時、筆者はスイスのバーゼルで主要国の中央銀行が開く月例総裁会議を取材していた。議長役としてドイツ連邦銀行のハンス・ティートマイヤー総裁が会議後に記者会見するのだが、毎月、口癖のように「急増するデリバティブ取引の実態が分かりにくく、危険だ」と語っていた。

 それにもかかわらず、情報開示が進まず、監視がおろそかになっていた。当然のように犯人探しが始まった。集中砲火を浴びているのが、1987年から2006年までFRB(米連邦準備理事会)議長を務め、「マエストロ」とまで呼ばれたアラン・グリーンスパン氏だ。同氏はデリバティブ市場の規制強化に反対する急先鋒だった。

 バフェット氏がデリバティブについて警鐘を鳴らした2003年、グリーンスパン氏はFRB議長として正反対の考えを示した。上院銀行委員会での証言で、次のように語っている。

 「長年にわたって市場を観察してきた結果、リスクを転嫁するうえでデリバティブは非常に有効な手段であるということが分かった。デリバティブを利用することで、『リスクを取れない人』から『リスクを取れる人』へリスクを転嫁できる。このような市場に一段と厳しい規制を導入するのは間違っている」

 リスクを集中させるよりも分散させるのが金融システムにプラスになることは否定しようがない。グリーンスパン氏が指摘したように、デリバティブはリスク回避やリスク分散の手段として登場し、金融革新の原動力になった。

■分かったのは、「皆目理解できない」こと

 だが、あまりに実態が見えにくくなり、だれもリスクを把握できなくなっていたのも事実だ。ちょうど10年前には、ヘッジファンドの最高峰と言われた米LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)がデリバティブ取引に失敗して破綻した。リスク回避の手段が、リスク増幅の「大量破壊兵器」になったとは皮肉なことだ。

 バフェット氏が「大量破壊兵器」という言葉を使ったのは、自ら経営する投資会社バークシャー・ハザウェイの株主向けに書く2002年版「会長の手紙」の中だった。同じ手紙の中で、同氏は次のようにも書いていた。

 「(バークシャー副会長の)チャーリーと一緒に、大手銀行の年次報告書を調べてみました。デリバティブ取引について長々と説明した脚注をどうにか読み終えて、理解できたことが1つだけありました。『この銀行がどれだけリスクを取っているのか皆目理解できない』ということを理解できたのです」

 理解できないものには投資しない――。

 これはバフェット氏の哲学である。リスク回避やリスク分散の手段としてのデリバティブの存在価値は否定できない。しかし、少なくとも「理解できるもの」に改めなければ、再び「大量破壊兵器」として金融システムを揺るがすことになろう。





「市場がどのように評価するか知らないすべての新種の金融商品」
が、欧米の銀行のバランスシートの資産側に問題を起こしています。


2008年10月21日 火曜日

Bernanke Is Fighting the Last War  OCTOBER 18, 2008 Anna Schwartz

◆バーナンキは最後の戦争をしています 10月18日 アンナ・シュワルツ

2007年8月9日に、世界中の中央銀行は、大規模な金融逼迫になったものを止めるために、最初に介在した。

その時以来、連邦準備理事会、及び、財務省は、貸出しを再び流れさせるために、一連のますます抜本的な緊急な措置をとった。中央銀行は、数千億ドルを貸し、それが決して持たないであろう過去のそれが触れた担保を受け取り、そして、その特権を決して持ったことがない制度に対して直接的貸出しを開いた。財務省は、数十億を更に配置した。それにも拘らず、アンナ・シュワルツは、「何も」は、「証券市場における投資家か金融市場における貸方、及び、自称借り手のいずれかに対する恐れを静めたように思われない」と言う。

金融市場は、凍結した状態を維持し、株式市場は、打たれ続け、そして、深刻な不況は、今確実性のように思われる、――、もしそうでなければ、現実、既に。

今生活する大部分の人々は、金融逼迫が我々が現在耐えているものを好むのを決して見たことがない。シュワルツさん、92歳の人は、例外のうちの1つである。彼女は、ただ1933年まで1929年から期間を記憶しているのに十分に年老いていない、彼女は、だれよりでも通貨の歴史、及び、銀行業務について更に知っているかもしれない、生きている。彼女は、ミルトン・フリードマンと共に米国 ( 1963年 ) の通貨の歴史を共著した。それは、いかに道を誤った金融政策が1929年の株式市場の大暴落を大恐慌に変えたかの決定的な証言である。

1941年以来、シュワルツさんは、ニューヨークの国民経済研究所の仕事に出向いた。そこで、我々は、木曜日の朝インタビューのために会った。彼女は、現在最近の落下の後で車いすを使っており、そして、彼女の「多くの不自由」を嘆く。しかし、それらは、身体検査全てである;彼女の心は、相変わらず鋭い。彼女は、情熱、及び、単に現在の金融情勢に関する職のヒントによって話す。そして、いかに当局が今までのところそれを扱ったかを見て、彼女は、彼女が見るものが好きではない。

連邦準備議長Ben Bernankeは、888ページの「通貨のHistory」を「米国の歴史における最も悪い経済的大惨事の先導しており、最も説得力のある説明」と呼んだ。シュワルツさんは、我々の中央銀行家、及び、我々の財務省が再び誤解していると考える。

理由を理解するために、シュワルツさんがそれを微妙に呼ぶので、1つは、最初に現在の「金融市場妨害」の性質を理解しなければならない。我々は、ほとんど毎日その銀行が相互に金を貸さないであろう、と今聞く、または、懲罰的利率でのみそうするであろう。信用格差――借りるために政府がそれに費やすもの、及び、民間部門の借り手が支払わなければならないものの間の差異――は、史上最高値にある。

金を貸すためにこれが利用可能な金の欠如が原因ではない、とシュワルツさんは言う ( それらの負債を返すための借り手の能力への信頼の欠如にではあるが ) 。「連邦政府」、彼女は、議論する、持つ、その問題が信頼の不足がマーケットにとっての基礎的な問題ではないことであるかのように、歩き回る、である、それ、[不確実性]、金融会社の貸借対照表が信用できるということ

そのように、たとえ、連邦準備局が金融市場に現金を氾濫させたとしても、広がる、誰がまだ支払い能力があるか、誰がいないか銀行が知らないので動いていません。この不確実性がそうであるとシュワルツさんは言います「金融市場の基本的問題。それらを返すために自称の借り手が資源を持っていると貸し主が不確かな場合に、凍結を貸すこと。したがって、全体の問題が不適当な流動性であると仮定することは実際の問題を回避します。」

1930年代に、「貨幣の歴史」で議論されたシュワルツさん、及び、フリードマン氏として、国、及び、連邦準備理事会は、銀行部門における流動性危機に面していた。銀行が倒産したので、預金者は、不安を感じる状態になった、それらの銀行 が倒産したならば、それらがそれらの金を失うであろうということ。従って、銀行取付けは、始まり、そして、これらは、自己‐増援になった:それらの借り手が現金を引き出さなかったならば、それら銀行は、調子が良かったであろう。しかし、連邦政府は、そばに単に座り、そして、何もしなかった。従って、銀行は次々と倒産した。そして、危機を深めている、そして、なお多くの障害を引き起こしている、それのみが、預金者に困っていなかった銀行から資金を引き出す動機を与えた。

しかし、「それは、今マーケットで起こっているものではない」と、シュワルツさんは言う。今日の銀行は、それらの原簿の資産サイドに問題を持っている――マーケットがどのように評価すればよいのか知っていない全てのこれらのエキゾチックな金融商品

「理由、それらは、`有毒である' ?」シュワルツさんは、尋ねる。あなたがそれらを販売し得ないので、それらは、有毒で、あなたは、それらが何の価値があるかを知らず、あなたの貸借対照表は、信用できず、そして、全マーケットは、凍結する。我々は、我々が誰が健全であるかを知らないので、誰に金を貸すかを知らない。あなたがそれらを取り除くであろうそれが改善であろうならば、従って。それらを取り除く」唯一の方法は、それらを販売することである ( なぜ銀行からこれらの資産を買うためにシュワルツさんがその財務長官ハンク・ポールソンの起案であると考えたかが正しい方向におけるステップであったことである ) 。

そのアイデアに関する問題、である、 ( そして、である ) 、どのように、だれも必要としない価格の「有毒な」資産に。そして、その問題の下に潜むのは、別のものである、更に粘着性がある問題、それらが現在の市価水準で値段をつけられるならば、それらを販売するのは、多くの制度における即時の支払い不能の調理法であろう。金融市場を支配している懸念は、実現し、そして、多くのバンクは、恐らく倒産するであろう。

シュワルツさんはそのように言わないでしょう。しかし、これは、財務省が今週買ったように、銀行資産を買うことから直接それらの資本構成を修正することまでポールソン長官を変わらせた、汚い小さな秘密です。しかし、そうする際に、彼は、金融界を保存しようとすることから銀行を救おうとすることへ移されます。これらが同じものではないとシュワルツさんは主張します。実際、そうでなければ支払い不能な銀行で借金しないようにすることによって、連邦準備制度理事会と財務省は実際に危機を延長しました。「それらは、閉鎖されるべき会社の資本構成を修正しているべきではありません。」

それどころか、「誤った決定を行った会社が破産するべきである」と、彼女は、無愛想に、言う。あなたは、それらを救助するべきでない。そして、いったん、それが原理として確立されれば、私は、マーケットがそれが意味をなすということを認識する、と思う。誤った決定が罰せられ、そして、良い決定によってあなたが豊かになるとき、全ては、はるかによく機能する。トラブル、である。「それは、世界が近年進むことであった方法ではない」

その代りに、我々は、「システミック・リスク」に関する昨年の大部分の間聞いてきた―― 1つの会社がフェイルすることを可能にすることが、そうでなければ健全な会社をその航跡に降ろすであろうカスケードをもたらすであろうという考え。

シュワルツさんは、それを買わない。あなたが市場関係者であるとき、それが非常に容易であることに、彼女は、微笑によって、注目する ( あなたが本当に悪い海峡にある会社を閉鎖するべきでない ( 他のそれに金を貸したすべての人が傷を負うであろうので ) という要求に ) 。ええと、それらがかなり岩が多かったということを知っていた会社に金を貸したならば、それは、それらの責任である。よく、そして、それらがそれらのローンの返済を拒絶されなければならないならば、それらは、それを自らに押しつけた。ちょうど、それが株主、及び、ベアー・スターンズの従業員を救わなかった時に、[政府]がそれらを救済する必要はない。なぜ、それらは、債権者について心配するべきであるか?債権者は、もう普通の人々 ( 起こっていてきたものについて本当に潔白である ) より救助されるにふさわしくない。

大きな強力な制度に下がらせることは、真の勇気がいる。しかし、これに代るもの――現在の信用規制――が更に悪い、とシュワルツさんは主張する。

私があなたが原理を持っているかどうかを考え、そして、あなたが何をしているかを知る、とマーケットは答える。それらは、動作 ( それが単に臨時にそうではない ) にあなたがいくらかの構造を持っていることを理解する――あなたは、今日これをするであろう。しかし、あなたは、明日異なる何かをするであろう。そして、マーケットは、起こっているものの上にあるように思われる監督者の地位における人々を尊敬する。従って、私は、あなたが愚かに投資した会社について強いならば、マーケットがあなたを非難しないであろう、と思う。そう、彼らは、言うであろう、それは、あなたの障害である。あなたは、これをした。他のだれも、あなたにそれをするよう指示しなかった。なぜ、あなたが資産で行き詰まるならば、我々は、この点であなたを救っている、あなたは、販売し得ない、そして、あなたが?' Butから払い込むことができない負債、当局が最終的にいつに着いたか、周囲である、貸家まで、Lehman Brothersは、倒産する、それは、既に救済された非常に多く他のものを持っていた、マーケットがどのように反応すればよいのか知らなかったということ。道徳観念があるように見える代りに、当局は、不安定で、変わりやすいように見えた。

いかに、我々は、まず第一にこの面倒な羽目に陥ったか?1920年代にと同様に、現在の「妨害」は、「マニア」で始まった。しかし、マニアには、常に理由がある。あなたがマーケットがそのように何年もの間ダビングしたマニアを個々に調査するならば、全てのケースにおいて、それは、資産においてブームを生成した拡大通貨政策であった。

特別な資産は、1つのブームから別のものに変化した。しかし、基礎的な内在する増殖者は、同様に‐金融緩和政策、及び、同様に‐低利子率であった、それは、普通の人々を導いた、それを言う ( よく ) ことは、そのオブジェクトであることのすべてを獲得するほど安い、の、資産ブームにおける願望、そして、先に進む、そして、そのオブジェクトを獲得する。そして、金融政策が強化するそのブームが崩壊するならば、もちろん。

住宅価格ブームは、前の連邦政府の議長アラン・グリーンスパンの下のこの年代の初め頃に非常に低い利率で始まった。

「さて、アラン・グリーンスパンは、回想録「混乱のタイム」へのエピローグを出しました。そして、それは何が金融市場で起こっているかに関係しています」とシュワルツさんが言います。「また、彼は、よく、金融政策が拡張したのが真実であると言います。しかし、中央銀行がそれらの状況でできることは何もありませんでした。もし連邦準備局が好況を締めており砕いたならば、市場は非常に不快にされていたでしょう。彼らは、それが終了していた単に資産中の好況ではないと思っていたでしょう。。」"「言いかえれば、グリーンスパン氏は自分を解除します。本当に破損したくない経済のエリアへ付随的損害を行ったから、実際に好況を終了することができた方法はありませんでした。」

シュワルツさんは、優しく、「私は、それはその不在の緩和基調の金融政策を議論する人々に対する適切な種類の反応ではないと思います。あなたはこの資産価格好況を持っていなかったでしょう」と付け加えます。そのような思考のみに基づいた政策、もっと有害な胸部への鉛、いつ、狂気終了、それらがすべて行うとして。「一般に、中央銀行が協調的なべきほうが簡単です。そのものはうまくいく(皆を感じさせる促進する条件であるために)ことです。」

連邦政府の議長Ben Bernankeが全ての人々のうちでこれを理解するべきである、とシュワルツさんは言う。2002年に、Bernanke氏、その時、連邦準備制度理事会知事、フリードマン氏の第90の誕生日を記念したスピーチに言われて、私が大恐慌に関してあなたが正しい、とミルトン、及び、アンナに言いたい、我々はそれをした、である、非常に残念です。.しかし、あなたのおかげでは、我々は、再びそれをしないであろう

「これは、[彼のもの]連邦政府を経営するにふさわしいという要求であった」と、彼女は言う。彼は、彼が行われたものであると熟知していた。しかし、恐らく、これは、実際にバーナンキ氏の最も大きな問題である。今日の危機は、1930年代に問題の再試合ではない。しかし、我々の中央銀行家は、ツールを使うことによってその時それらが使用するべきであった、と答えた。それらは、最後の戦争をしている。彼女は、その結果が失敗であった、と主張する。私は、それらが達成しようとしてくるべきであったことを達成したことを理解しない。従って、この現在の連邦政府のリーダーシップに関する私の評決は、それらが実際それらの仕事をしなかったことである。



(私のコメント)
今日の金融大恐慌の原因はアンナ・シュワルツ氏によればデリバティブ即ち金融商品にあるのですが、ウォールストリートの常識からすれば詐欺的商品に騙されるのが悪いという事になる。しかし今日起きているのは、詐欺師が詐欺的商品を売り歩いているうちに自分達が一番の被害者になってしまったということだ。

そこで詐欺師たちは財務省のポールソン長官に泣きついて75兆円の税金で救済されることになった。ポールソン長官はゴールドマンサックスのCEOだった人であり、詐欺師の親玉が財務長官をしているようなものだ。妥協の産物として、投資銀行は普通の商業銀行としてFRBの監督下に置かれることになりました。

詐欺師たちは金融工学と称して様々な金融商品を作り出して、100円のものを100円で売りつけましたが、実際の価値は換金性の低い欠陥商品だった。売るとすれば5円か10円にしかならないものだ。これは詐欺というよりも強奪に近い。

インターバンク市場が凍結状態にあるのも、5円か10円でしか売れない金融商品の在庫を欧米の金融機関が大量に持ってしまっているからですが、彼らは金融商品の商品知識に欠けていたとしか言いようがない。例えば不動産ローンの証券化も合理的なようですが、買い手は細切れにされたローンの内容はチェックのしようが無い。

日本でも銀行の不良債権の処理でバルクセールを行いましたが、買い手のハゲタカ達は100円のものを5円10円で買っていった。だから証券化商品も博打のつもりで5円10円で買っていれば問題は無かったのでしょうが、5円10円のものを100円で売り付けて95円の利益はハゲタカ達の利益になった。

なぜ100円で売りつけられたかというと、CDSという債務保証保険をつけたからであり、そのリスクをさらに金融商品として売った。買ったのは政府に救済されたAIGなどであり、倒産が無ければAIGは手数料丸儲けになるはずだった。しかしリーマンブラザースの倒産はCDSの危険性を認識させるものとなり、AIGは倒産させるとCDS爆弾が爆発するので救済された。

CDSがこれほど急速に拡大するとは誰も思っていなかったのだろう。投資銀行やヘッジファンドは銀行ではないのだからFRBの規制にもかからず金融商品に飛びついて商売にした。欧米の金融機関が換金性の高い株式や国債や不動産などに投資していればインターバンク市場が凍結する事はなかっただろう。

アンナ・シュワルツ はベアスターンズも倒産させるべきとインタビューで答えていますがそれは正しい。しかしいっぺんに何社も倒産させることは出来ないから、CDS爆弾の起爆装置を少しずつ解除しながら、倒産させるしかないのだろう。しかしリーマン一社で40兆円もの欠損が出たのだから、その穴を埋めるだけでも何年もかかるだろう。

1929年の大恐慌は銀行への資金供給が行われなかった為に起きた事ですが、現代の金融恐慌は資金供給は十分行なわれている。しかし銀行自身のバランスシートの資産側に大きな問題が起きているからだ。欧米の銀行は5円か10円の価値しかない金融商品を100円で買ってしまったからだ。なぜ買ったのかというとCDSが付いていたからですが、そのCDSが機能不全に陥ってしまった。

サブプライムローンも収入の無い人に住宅を買わせたのだからローンそのものに問題があるのですが、監督すべき政府機関がなかった。金利が1%になれば金利は只のように安くなり住宅は値上がりするから住宅投資は爆発的に増えた。100万戸ほどの新築住宅はピークには200万戸にもなり、グリーンスパンは住宅バブルでITバブルの破綻を防ごうとしたのだろう。

それ自体は上手くいったのかもしれないが、得体の知れない金融商品バブルが現在の金融恐慌を引き起こしている。だからITバブルや住宅バブルの問題ではなくて、デリバティブの問題は以前から問題視されていましたが、それが現実化したことが一番大きな問題なのだと思う。住宅バブルだけが問題なのならばインターバンク市場が凍結するほどの金融恐慌は起きないはずだ。

アメリカは中古住宅市場が発達しているから100円の物は80円か70円で簡単に換金化する事ができる。中古住宅のオークションもテレビでも放送されましたが、住宅の買い手は安ければ沢山いる。しかし金融商品の買い手はどこにもいない。だから値付けも出来ず、銀行は評価損を少しずつ決算のたびに償却しなければなりませんが、そうなるとだらだらと金融不況は日本よりも長く続くだろう。

日本の政府日銀も金融緩和して資金供給は十分行なわれていますが、現金が銀行に積みあがるだけで融資されて出て行く事は無い。だから国債を買うしかないから金利は下がる一方でついにはゼロ金利にまでなってしまった。アメリカも資金供給は十分に行なわれていて金利も下がる一方だ。しかし銀行の貸し渋りで車や住宅を買えないから実物経済にも影響が及んできた。

アメリカで起きた金融恐慌の原因は、アメリカの金融業者のモラルの低下であり、ついには詐欺的商品を作り出して、世界中に売りまわって、ついには自らもその罠にはまってしまったのだ。今回の金融恐慌の罠に日本がはまらなかったのは金融モラルがまだあったからであり詐欺的金融商品に飛びつかなかったからだ。カナダも同じように金融危機の直撃を逃れていますが、カナダは金融モラルが効いていて高度に統制されていた。


世界金融危機の直撃を免れたカナダ 大紀元日本 10月19日

【大紀元日本10月19日】信用収縮や株価下落の世界金融危機に揺らぐ米国に対し、隣国カナダは、直撃を免れたという。米紙ワシントン・ポストが伝えた。北京五輪後の世界金融危機に直面しながら、マネーゲームに陥ることのない、保守的で堅実な金融政策と、人権外交を重視し、中国政府に対し人権状況改善を指摘したハーパー首相率いる保守党が総選挙で快勝したことは、単なる偶然ではなく、符牒の合うものであり、国際社会に範を示したものと言える。

 マネーゲームに走らなかったカナダの金融機関

 ワシントン・ポストによると、カナダには、サブプライムローンや自宅差し押さえの問題も起きていないことから、専門家は、カナダの金融機関は米国ほど金融危機の影響を受けないと見ている。長引く景気後退にあえぐ米国に比べ、カナダは比較的楽観的で、金融危機を乗り越える好条件にあるとされている。

 BMOネスビット・バーンズの主席エコノミスト、マイケル・グレゴリー氏は「(金融危機の)影響を受けるが、それほど傷も大きくなく、長引かないだろう」と話す。

 カナダの楽観論の根拠は、金融システムにある。カナダの金融機関は高度に統制されており、当座資産も多く、借り入れ資本も少ない。野心的な投資銀行ではなく、安定した預金者を多くし、自己資本率を堅固にするという従来の方法で業務を進めるというのがカナダの金融機関。

 グレゴリー氏によると、カナダの金融機関に対する規制は厳しく、貸し付けに関しては抑え気味であるという。世界経済フォーラム(本部・ジュネーブ)が今月発表した「国際競争力ランキング・レポート」によると、カナダの金融機関は、スイスやルクセンブルグを超えて、世界でも屈指の健全さを誇るとされた。

 カナダ銀行協会(CBA)によると、同国の金融機関の堅実性の一因は、全国規模であるという。カナダの五大金融機関は、全10州に支店を有しているため、地域の経済変動の影響を受けることが少なく、必要に応じて資本の移動が可能である。それに対し、米国の銀行は、同国全50州に支店を持つものはない。

 身の丈に合った住宅ローン

 カナダの住宅ローンにも厳しい規制があり、住宅購入資金の80%以上の担保が保証されなければならない。国内の住宅ローンの3分の2は、特殊法人のカナダ住宅金融公庫(CMHC)が保証している。CMHCの審査が厳しいため、返済可能な住宅ローンしか組むことができない。

 住宅ローン解約も米国より難しく、住宅の鍵を置いて、出て行けばよいというわけではない。カナダの七大銀行を対象とした調査では、3ヶ月以上の滞納は今年7月で0・27%で、史上最も低い率に迫ったという。米国の大量の不良債権をつかまされたカナダの銀行はほとんどないという。

 さらに、カナダの住宅ローンは非課税でないも、住宅購入を敷居の高い者にしている。結果として、カナダでは、米国のような建設ラッシュもなかったことから、供給過剰にもならずに済んでいる。

 カナダでは住宅ローンの税控除がないことから、「住宅ローンを組んでも、できるだけ早く完済してしまいたいと人々は考えている」と、トロント大学のピーター・ダンガン氏は指摘する。(後略)


(私のコメント)
日本のレベルの低いエコノミストから見れば、カナダの金融制度も遅れていると評するのだろう。しかしカナダの住宅ローンのシステムは昔の日本の住宅ローンとほとんど同じで担保評価も厳密で審査も厳しいようだ。何でもアメリカの真似をする日本とは違うのは、小泉純一郎や竹中平蔵のようなバカがカナダにはいないからだ。




日本が、経済制裁をすることはあっても、軍事力を行使しない覇権国家
として世界を支配することは可能であるし、世界各国も歓迎するだろう。


2008年10月20日 月曜日

日本は米国に代わって世界を支配できるか 永井俊哉

現在、覇権国家として、世界で支配的な権力を握っているのは米国である。将来、多くの人がそう予想するように、中国が、米国に代わって覇権国家となるのだろうか。かつて有力な候補だった日本が覇権国家となることはもはや不可能か。過去の覇権国家の盛衰から、覇権国家の法則を導き出し、それに基づいて、これらの問題を考えてみたい。(中略)

一般的に言って、GDPという尺度で測ると、国土が広くて、人口が多い国の方が有利になる。私たちは、ともすれば、覇権国家や超大国と聞いて、米国や旧ソ連や中国など、広大な領土と膨大な人口を持った国を思い浮かべがちであるが、英国、オランダ、スペインといった、かつて世界の海を支配した覇権国家は、領土も人口規模も小さい国であったことを考えると、覇権国家の条件を考え直さなければならないであろう。

覇権国家の条件としては、GDPよりも1人当たりのGDPの方が重要である。1人当たりのGDPをみると、1820年から1910年まで、英国が主要国の中でトップで、1920年以降は、米国がトップである[GDP表:1人当り実質GDP]。これは英米がそれぞれ覇権国家であった時期とよく一致している。もとより、1人あたりのGDPだけで覇権国家かどうかが決まるわけではない。ルクセンブルクは1人あたりの名目GDPが世界一だが、この小国が覇権国家だと思う人はいない。

では、覇権国家の条件は何か。世界を支配する権力の源泉は何か。権力には、文化資本、経済資本、政治資本という三つの源泉がある。覇権国家は、科学技術力、経済力/金融力、政治力/軍事力という三種類の権力において、他の国に対して優位にあるのだが、私は、過去の覇権国家の盛衰から判断して、科学技術力の優位が経済力/金融力の優位をもたらし、経済力/金融力の優位が政治力/軍事力の優位をもたらすと考えている。

通常の世界史の説明では、覇権国家の盛衰は、戦争の勝敗で説明される。例えば、「スペインは、アルマダの海戦で英国に敗れたので、覇権を失った」とか「オランダは、三回にわたる英蘭戦争に敗れて覇権を失った」とか、「フランスは、英国との第二次百年戦争に敗れたので、覇権国家になることができなかった」とか、「ドイツは二回の世界大戦で敗れたので、覇権国家になることができなかった」といった説明がそうである。しかしながら、覇権国家の盛衰は、戦争の勝敗だけでは決まらない。英国は、二度におよぶ世界大戦に勝ったが、世界大戦に勝利するたびに、覇権国家の地位から転落した。

戦争の勝敗は、覇権国家の盛衰に対して、二次的な影響しか与えない。一次的な影響を与えるのは、先端的な産業における主導権である。私は、この観点から、覇権をめぐる列強の争いを、次の三法則で説明してみたい。

  1. その時代が要求する先端技術のパラダイムで主導権を握った国が、覇権国家となる。
  2. 先端産業の担い手を迫害する国は権力を弱め、彼らが移住した国は権力を強める。
  3. 古い技術から新しい技術へとパラダイムが変化する時、古いパラダイムで成功した国は、変化に乗り遅れやすくなる。(中略)
◆5. 日本は覇権国家になることができるか

以上、私は、覇権国家の盛衰を、三つの法則で説明してきたが、基本的な考えは「先端産業で主導権を握った国が覇権を握る」という第一法則で尽きている。そして、この法則に基づいて、中国が2020年までに覇権国家になるということはまずないと判断できる。

中国は人口が多いので、優秀な人材も多く、彼らが米国で先端的な科学技術を学んでいるのは事実であるが、それにもかかわらず、中国国内ではいっこうに先端産業が育っていないのは、人材や技術に問題があるからではなくて、社会システムに問題があるからだ。

中国のような社会主義経済は、第二次産業革命を遂行する上では効率的ではあるが、情報社会における先端産業を育成するには、社会主義を脱して自由で民主主義的な政治システムに移行する必要があるのだが、中国が現在の共産党による独裁体制から脱却することは、日本が従来の開発独裁体制から脱却する以上に困難である

中国が永遠に覇権国になれないというわけではないが、あと10年か20年で覇権国になるというのは無理である。短期的には、まだ日本の方が、覇権国になる可能性が高い。日本は、中国と比べて国土が狭く、人口も小さいが、オランダや英国よりも国土も人口規模も大きいのだから、それが理由で覇権国になることができないということはない

こう言うと、オランダや英国は海外に広大な植民地を持つことができたから覇権国になることができたのであって、現代の日本は、それができない以上、覇権国になることはできないのではないかと反論する人もいるだろう。また、日本は、戦争アレルギーが強いので、米国のような「世界の警察」としての役割を果たすことができないと考える人もいるだろう。

たしかに、国外の領土を政治的に支配することはできないが、株式を取得して海外の企業を経済的に支配することならできる。海外の労働者が稼ぐ利益の一部が本国に上納されるのであるから、これは経済的帝国主義である。情報社会の時代における経済的帝国主義の維持には、工業社会の時代における政治的帝国主義の維持の時とは異なって、強力な軍隊などは必要でない。

工業社会の時代においては、各国の国民経済は自立性が高くて、経済制裁はあまり効果を発揮しない。しかし1970年代以降の情報社会においては、グローバル化とボーダレス化が進むので、各政治単位の経済的自立性が低くなり、経済的帝国主義に対する反乱は、経済制裁だけで鎮圧することができるようになった。

例えば、ジンバブエを例としてあげよう。ジンバブエは、かつて白人が支配する英国の植民地であったが、1980年に成立したジンバブエ共和国では、黒人のロバート・ムガベが首相(後には大統領)に就任した。ムガベは、2000年8月から「農地改革」と称して、白人農場主から農地を強制収用し、黒人に再配分した。2008年3月には、国内全企業の株式の過半数を地元の黒人住民に所有させる法案に署名した。これは経済的帝国主義の支配に対する反乱である。

その結果、どうなったか。技術力のある白人が農業経営から撤退したことで、農業の生産性が大幅に減少し、さらに、外資がジンバブエから撤退したことで、ジンバブエでは、記録的なハイパーインフレが生じた。

経済帝国主義の反乱者を鎮圧するためには、軍隊を送る必要はない。経済制裁と市場原理により、反乱者は自滅してくれる。

経済帝国主義は、覇権国が技術や資本を提供する代わりに、その対価を受け取るという互恵的な支配関係であり、暴力なき権力に基づいている。暴力がなければ維持できない権力よりも、暴力がなくても維持できる権力の方がはるかに強力であり、持続可能である。

米国の覇権が後退すると、世界が無秩序化し、安全保障がおろそかになると危惧する人もいるが、9/11以降の世界情勢を見ると、米国の覇権が衰えた方が世界は平和になるのではないかと思わざるをえない。日本が、経済制裁をすることはあっても、軍事力を行使しない覇権国家として世界を支配することは可能であるし、世界各国もそのような覇権国家を歓迎するだろう。

最後に、日本が覇権国家になるにはどうすればよいのかを考えてみたい。日本が覇権国家を目指すのであれば、食料、新エネルギー、環境といった、焦点となっている分野で、技術的に主導権を握らなければならない。だからといって、政府が大学や関連企業に補助金をばら撒くといった工業社会型・開発独裁型の「振興策」をとるべきではない。民主党は農家に所得補償をすることを公約にしているが、こうしたばら撒きもするべきではない。

私の提案は、法人税・事業税を廃止して、代わりに環境税を導入することだ。そうすれば、企業は、環境税の負担を減らすために、環境技術や代替エネルギーの開発に投資するようになるだろう。官僚が、自分らで「有望な技術」を指定して、補助金をつけるという方法よりも、民間の創意工夫が生かされるので、技術革新を促進する。

食料に関しては、まず、農業は、補助金で守らなければいけない衰退産業ではなくて、新技術により付加価値が付くハイテク産業であるという認識を持つことが重要である。この認識に基づいて、農協を解体し、株式会社による農業経営への参加を促進するべきである。

国内で、新技術の開発に成功したら、それを用いて、世界のマーケットでビジネスを展開すればよい。世界は、今、食料・エネルギー価格の高騰と環境悪化に苦しんでいる。この分野で日本が覇権を握っても、誰も非難しないし、逆に歓迎されるだろう。



(私のコメント)
昨日は北朝鮮に異変があったのではないかということを書きましたが、もし北朝鮮が崩壊したのならば日本やアメリカによる経済制裁によって金正日体制が滅んだという事になる。北朝鮮のような産業革命以前の経済技術しかない国に経済制裁してもあまり効果は無いのですが、経済制裁は軍事力を行使しない戦争であり、日本は北朝鮮に対して交戦状態に入っている。

しかしアメリカの裏切り外交によってアメリカはテロ支援国家指定解除するようですが、日本が経済制裁を続けている限り経済支援が得られないから北朝鮮は産業革命事前の状態のままだ。ヨーロッパなどは北朝鮮と国交がある国が多く、経済交流もしようと思えばできるのでしょうが、見返りが無ければ経済交流は成り立たない。

永井俊哉氏のブログに寄れば、先端技術の主導権を握った国が経済覇権国家になることができるという事ですが、軍事力による覇権は二次的なものに過ぎない。世界史を見ても戦争による勝敗で覇権が移動したように見えても、軍事力を支える経済力や技術力が裏付けとなっている。

米ソ冷戦にしても戦争によって決着がついたわけではなく、ソ連の経済崩壊が米ソの冷戦に終止符を打ったわけであり、核ミサイルは使う事が出来ない兵器であるから戦争によって世界覇権が移動する事はなくなった。現在世界では経済覇権国が世界覇権国であり、経済制裁は強力な武器になってきている。

外交評論家には経済制裁は効果が無いという人もいるが、戦争のように勝敗がはっきり付くわけでもなく、安易に経済制裁を連発すれば覇権国家も自滅しかねない。アメリカは長年キューバに対して経済制裁を続けていますが、キューバはカストロががんばっているので決着がなかなかつかないのですが、キューバも産業革命前の状態のままだ。

大東亜戦争にしてもアメリカによる日本への経済制裁がきっかけになるのですが、軍事力では大差があり戦争は最初から無謀だった。しかし戦争には負けても経済面では重工業化が進んで戦後の日本は経済大国としてアメリカを脅かすまでになった。

永井氏のブログでも指摘しているように世界覇権国家となるためには、その時代のエネルギー資源や技術力のパラダイムシフトが大きな原因となっている。スペインやオランダが覇権国家に慣れたのは風力による航海技術や、風車による動力革命があったからですが、オランダからイギリスに覇権が移ったのは英欄戦争によるものではなく、蒸気エンジンの実用化によって経済覇権が移った。

世界史においてはオランダの世界覇権は小さく扱われているが、米英の世界覇権が続いてきたから小さく扱われてきたのですが、江戸時代の日本が唯一オランダとの通商を維持したのは江戸時代においてはオランダが世界の覇権国家だったからだ。しかし石炭火力と蒸気機関の発明によってオランダからイギリスに世界覇権は移った。

江戸末期においても蒸気船はまだ珍しく、ペリーの艦隊も外輪式の蒸気船であり、風が無くても動ける蒸気船は海上交通の革命ともなった。大英帝国の覇権は石炭の時代であり蒸気ボイラーエンジンは大英帝国を支えた。しかし20世紀に入って石油の時代となり大英帝国には石油が無く、ガソリンエンジンとジーゼルエンジンの時代となり国内に巨大油田を有するアメリカの世界覇権は現在にまで続いている。

大東亜戦争においても戦艦大和は重油ボイラーエンジンであり、アメリカはジーゼルエンジンの戦艦であり最高速度も航続距離もアメリカの戦艦の技術的優位さは明らかだった。当時の日本の技術力では大和用ジーゼルエンジンは造れなかった。ドイツの戦艦もジーゼルエンジンだったのだから日本は明らかに遅れていた。

もし石油が無尽蔵にあるのならアメリカの覇権は続いたのでしょうが、70年代の石油ショックでアメリカの国力はピークを迎えて、1バレル140ドルの石油はアメリカの世界覇権からの没落を預言している。石油の次は何がエネルギー資源となるのだろうか? 原子力なのだろうか?

しかし原子力は航空母艦のような大型の軍艦にしか使えない。石油や原子力でないとすれば水素が決め手になるのだろうか? 水素エンジンは自動車で試作されているが水素を作る技術がボトルネックになっている。つまり新エネルギーを技術力で克服したところが次の世界覇権をとることになりますが、どこの国だろうか?

石油が1バレル100ドル以上もする時代になれば石油の時代は終わりだ。アメリカでも水素エンジンの飛行機が試作されていますが、自動車も船も水素エンジンの開発が進められていますが、日本ではまだ雲を掴むような状況であり、日本が次世代のエネルギー革命に勝利できるかはまだ不明だ。しかし石炭や石油がほとんど無い日本には水素の元は沢山ある。

日本が明治維新で経済発展が驚異的スピードで進んだのも、ちょうど電気が実用化された時代と同じだ。電気のお陰で通信などの技術が進んでヨーロッパとの距離的ハンデが無くなり、電気製品の開発で日本はトップに立った。それには電気工学の技術者の養成も重要であり、このような先端技術開発力がこれからの世界の覇権には重要な要素になる。

核ミサイルの時代になって軍事力が世界覇権の切り札にならなくなり、最先端の技術開発力が世界覇権の切り札になるだろう。アメリカなどでは次は中国が世界覇権を取るだろうと言う学者もいるが、超大国である事は世界覇権国の要素ではない。それは歴史が証明しているのであり、スペインもオランダもイギリスも日本より小さな国だ。

永井氏も書いているが、世界覇権とGNPとはあまり関係が無く、アヘン戦争の頃もイギリスのGDPよりも大清帝国の方が大きかったのであり、中国がGDPで世界一になったところで世界の覇権国になるということではない。現在の世界においてはほとんど植民地は無くなり、目に見えない新経済植民地化が進んでいる。中国の経済発展も経済植民地として発展しているのであり、西側からの経済制裁があれば中国は経済的な打撃を受けて没落する。

新経済植民地体制では帝国に逆らう国は経済制裁に遭って経済に致命的打撃を負う。80年代から行なわれたアメリカと日本による経済覇権戦争は今も続いているのですが、それに気がついている日本人は極めて少ない。それは日本にアメリカの手先がいて日本国内を混乱させているのですが、それを取り締れるような産業スパイ防止法が作られないのは、国会の中にスパイ防止法を作らせない議員がいるからだ。

戦前のドイツはイギリスを上回る技術大国であり、ノーベル賞の受賞者も一番多かった。しかしヒトラーのユダヤ人排斥は優秀な技術者の海外流出を招いてしまった。だからドイツの技術覇権は戦後はアメリカに移り、アメリカが技術覇権を握り、経済も軍事も世界のトップに立った。しかしアメリカは製造業を棄てて金融立国を目指しましたが、ハゲタカファンドはアメリカ国内の企業を食い尽くしてしまって、時間のかかる技術開発は出来なくなってしまった。

日本にとって一番問題なのは理工系の技術者の養成も大切ですが、経済歴史文化などの教育の遅れが問題だ。高校では日本史や世界史が教えられずに東大に入れるのはどうしてなのだろうか? 大学では地政学や軍事学を教える大学が無い。アメリカやイギリスなどでは、いかに世界を支配するかという戦略家を養成しているのに、日本にはそのような思想家はいない。

「日本は米国に代わって世界を支配できるか」ということを考える日本人がいれば気違い扱いされるのがオチであり、学校教育によって日本は侵略戦争をした犯罪国家という刷り込みが行なわれてきた。このような思想戦も世界覇権には重要な要素なのですが、日本人にはそのような意識が無い。日本の総理大臣が新しく就任すると河野談話や村山談話を受け継ぐ事を要求されますが、これも一種の思想戦なのだ。




金正日総書記の死亡が 100% 確かだ"と国内北朝鮮消息筋が忙しく
動いており、北朝鮮は今非常時局そのものと情報提供して来た。


2008年10月19日 日曜日

北、在外公館に禁足令 「あす重大発表」情報も 10月19日 産経新聞

北朝鮮が世界各地の在外公館に対し、職員らの外出を禁ずる「禁足令」を出していたことが分かり、政府は情報の確認や分析に追われる事態となっている。

 情報は17日朝にもたらされ、北朝鮮が16日夜までに「禁足令」を発し、本国からは「近く重大な発表がある」との理由が付けられている−というものだった。

 金正日総書記が9月9日に平壌で行われた建国60年の記念行事に姿を見せなかったことなどから、重病説も流れるさなかの情報だけに、政府関係者の間には緊張が走った。

 「禁足令」について、複数の日朝関係者は「特別待機命令」として14日から16日にかけて出されたものだと指摘するとともに、「北朝鮮は20日から外国人の入国を禁止すると聞いている」と説明する。出張などで在外公館を出ている高官は、公館に戻るよう指示されたという。

 別の日朝関係者は「北朝鮮外交官の亡命が相次いだため、今回とは別に、約2週間前にも長期外出禁止令が出された」としている。

 国交のない日本で、北朝鮮の出先機関的な役割を果たしているとみられる朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)では、18日早朝、中央本部が幹部に対し、海外渡航禁止と国内旅行自粛を指示したことがわかった。

 「禁足令」の情報について、外務省は「否定も肯定もしない」としているが、政府内では「金総書記が死亡したことによる後継者の発表ではないか」「クーデターによる政変」といった憶測も出ている。

 また、防衛省筋は「北朝鮮に目立った軍事的動きは見られない」とする一方で「20日に重大情報の表明がある」との情報も得て、今回の「禁足令」との関連について分析を急いでいる。

 一連の情報が、金総書記の健康問題と関連しているかどうかは不明だが、「北朝鮮が外部からの情報流入、外部との接触を警戒しているのは確かで、内部引き締め政策の可能性もある」(日朝関係筋)との分析もなされている。


北, <速報>"金正日死亡"<CCTV> | 時事ニュース

(アメリカ AFP=連合ニュース) 北朝鮮政権の最高リーダーである金正日総書記が 18日午後 17時頃平壌

外角の一本院で死亡したと中国高位消息筋が韓国時間 11時 50分頃に報道した.


中国 CCTVはこの日北朝鮮問題に精通した匿名の消息筋を引用して北朝鮮政府は現在通話が
途絶された状態で徹底的な保安措置に入って行ったと伝えた, また金正日死亡以後の雰囲気と
緊張された状況を伝えて来た.
が消息筋はまた平壌内部事情を確認に出た中国高位級公安ゾングボトングが自分に北朝鮮政権の
最高リーダーである金正日総書記の死亡が 100% 確かだ"と国内北朝鮮消息筋が忙しく動いて
あり北朝鮮は今非常時局そのものと情報提供して来た.

韓国国家情報院代弁人は CCTV報道に対して "私たちももう消息を聞いたし, 今確認中" と
返事したが情報の出処は明らかにしなかった.
金委員長が去る 9月 9日北朝鮮政権樹立 60周年行事に不参した後彼の健康異常説がはみでたし,
韓国当局者たちは金委員長が 8月中旬頃脳手術を受けたと伝えたりした.


(私のコメント)
北朝鮮の金正日の消息が不明ですが、何度も死亡説などが流れては消えていますが、北朝鮮の在外公館などの禁足令などが出ており、中国の消息筋も金正日の死亡を確認しているという報道もある。何しろ北朝鮮のニュースは確認のしようが無く噂ばかりが出回りますが、勘で判断するしかないのでしょう。

北朝鮮の情勢は中国が一番詳しいのでしょうが、CCTVは北朝鮮で異常な事態が起きていることを伝えている。日本のテレビは何もないし、ネットでの情報も2ちゃんねるで上記の記事を伝えているだけだ。だから今回も誤報の可能性が強いが、在外公館の禁足令はもしかしたら金正日に重大な異変があった事を裏付けているような気もする。

金正日が病気で半身不随の状態になり、生きてはいるがクーデターなどが起きて総書記の地位を失ったのかもしれない。しかし問題は、もし金正日が死亡したとして政権はどうなるのかという問題であり、軍によるクーデターなのか、集団指導体制なのか、あるいは息子の誰かが後を次いで指導するのかが分からない。

アメリカや中国や韓国の情報機関も北朝鮮に関しては空白地帯であり、よほどの防諜体制をしいているのだろう。首都の平城を除けば外国人の行動もままならないし、スパイをもぐりこませても政権内部のことは探りようが無い。むしろ日本の朝鮮総連経由の情報が政権内部のことは一番詳しいのだろう。

産経新聞のニュースでも朝鮮総連に禁足令が出ていると伝えていますが、確かに何かが起きているのだろう。それは金正日の死亡か、生きてはいるが失脚したという事ではないかと思う。




中国の、突然の襲われた大不況は輸出産業の壊滅的打撃であり、
それが、ウォール街発の米国経済の不況によってもたらされた。


2008年10月18日 土曜日

労働者の抗議行動相次ぐ=金融危機で工場閉鎖−中国広東省 10月18日  (時事通信)

【北京18日時事】香港の人権団体、中国人権民主化運動情報センターは18日、中国広東省にある玩具メーカーなどの工場5カ所で、工場閉鎖や給与未払いに対する労働者の抗議行動が相次いでいることを明らかにした。

 このうち東莞市では今週、大手玩具メーカー合俊集団(本社香港)の工場閉鎖と給与未払いで数千人によるデモが発生したほか、ペット用品の製造会社でも1000人が抗議し、警察当局に20人が拘束された。

 広東省は輸出産業で発展してきた。同センターは、米国発の金融危機に伴う受注減により、年末にかけ同省の工場閉鎖はさらに増えるとの見方を示している。 



中国の玩具メーカー、じつに52・7%が倒産 10月16日 宮崎正弘の国際ニュース

中国の玩具メーカー、じつに52・7%が倒産、残りも近く倒産を予感
がら空きの広東貿易フェア、年末の注文が激減し、ようやく恐怖心理が拡大

スポーツ・シューズとアパレル企業が上半期だけで62000社廃業した。華南とりわけ広東省だけの「公式」の数字。
実態はもっと大きいだろう。
 凄惨な輸出戦線の現場と化しているだろう、と推測できた。その恐怖は本物となって、工場閉鎖が相次ぐ広東の模様が、今朝(16日)のヘラルドトリビューン一面トップである。

 一昨年来、毒入り食品、ペットフーズ、インチキ風邪薬、鉛入り玩具等々。中国から米国への輸出は「身から出たさび」によって、激減してきた。
それでもテレビのリモコン、ステレオのヘッドフォンなど、群小のメーカーが広東にひしめきあって輸出商戦を広げてきた。

 その集約的フェアが広東貿易市。
 今年の中国最大の貿易フェアは、信じられないほどのがら空き。欧米からバイヤーが絶えたのだ。
わずかに産油国とロシアとアフリカ諸国からのバイヤー。広場に「通訳」のプラカードをさげての「通訳業」も雇用主あらわれず手持ちぶさた。

 余談だが、中国で地方都市の繁華街は「家庭教師」のプラカードを下げた大学生(それも圧倒的に女子学生)が密集し、親たちは、その辻へやってきた、「あなたは英語が得意?数学はどう?」などと会話しながら家庭教師(「家教」と略す)を選ぶ。国際会議にしても、こうやって通訳は辻々に立つ。

 さて、中国にようやく、しかも突然の襲われた大不況は輸出産業の壊滅的打撃であり、それが、ウォール街発の米国経済の不況によってもたらされた。因果応報?

 すでに五月からクリスマス商戦の注文が殺到する季節だったのに、米国のバイヤーの沈黙。
 「ん? こんな筈ではないのに」と注文予定をにらみながら工場経営者は、生産ラインを縮小し、従業員整理を進めてきた。
 夏を過ぎて、欧米の注文が激減しているばかりか、相手バイヤーに倒産が目立ち、さらには貿易決済の最終地であるNYやロンドンで銀行経営が破綻する事態を目撃した。

工場閉鎖は数万から十数万の単位となり、失業は数百万。潜在失業は数千万人の単位となるだろう。十三億の民ゆえに、GDP1%のダウンは失業500万人とカウントされる。

 「たとえば玩具メーカーのうち、すでに52・7%が廃業、残る3631社の多くがまもなく倒産するだろう」(ヘラルド、10月16日付け)。

 遼寧省から山東省にかけて、昨年まで増加していた韓国企業の進出がぴたりと止まり、年初から目立つのは韓国企業の“夜逃げ”。
 正式に撤退すると「契約違反」と言われて違約金を巻き上げられ、生産施設は没収されるため、日本企業でも撤退は「一億円用意」が相場という。韓国企業は手っ取り早く、さっとトンズラする。その決断も早い。

或る青島在住日本人の報告では、外人用賃貸マンションに急激な空きが生じていて、その多くが「前の居住者は韓国人だった」と嘆いているそうな。

 中国を次に襲う未曾有の不況は、日本経済にかなりのブローとなるだろう。


中国の地方銀行から悲鳴が聞こえてきた 10月17日 宮崎正弘の国際ニュース

中国の地方銀行から悲鳴が聞こえてきた
四大国有銀行も株価急落、地方銀行は不良債権の荒波に茫然

経済状況の悪化によって中国の中小の銀行が危機に直面している。
地域活性化のために中小零細企業に貸し付けを展開してきた地方銀行が相当数、中国に存在する。
そのなかでも大手は「上海銀行」「南京銀行」「杭州銀行」など著名な地方銀行もあるが、地域密着型の、日本で言う「信用金庫」「信用組合」のたぐいは8500行ほどある。加えて125の都市には、その地域の商業銀行がある。

 華南から浙江省にかけて、アパレル、雑貨など輸出産業は対米輸出激減で倒産が相次いでおり、銀行に取っては貸し倒れになる。
現実に繊維メーカー大手の「江龍集団」と「フェロチャイナ」が倒産し、膨大な不良債権が積み重なった。
「浙江省の企業の20%が経常利益赤字転落、寧波銀行に至っては金融引き締め政策に遭遇したあと90日間の貸し出しが全体の53%という短期勝負にでている」(ロイター、香港発。10月16日)。

福建省の工業銀行は貸し出しの15%がデベロッパー向け、全体的に「中国の銀行の住宅ローンは7%以下だから、米国ほどの住宅金融危機にはならない」などとする楽観論があるが、貸し出しのなかのデベロッパー向けが、住宅ローンよりも巨大であるポイントが見逃せない。

 地方弱小銀行がもっともおそれている明日のシナリオとは、急激な世界的資金不足、株価暴落が引き起こした経済活動の縮小により、中国が直面するのは急激で大幅な信用の収縮。銀行そのものの倒産である。
 
 一方、借り手側の中国人の心理とは「危なくなれば踏み倒してトンズラさ」。この心理は欧米や日本の企業家の倫理とまったく異なるのである。


(私のコメント)
「株式日記」では今回の金融恐慌によってアメリカと中国は抱き合い心中するだろうと書いてきました。それがいやだったら中国は米国債を買い続けていかなければならないし、アメリカは中国から物を買い続けなければならない。ところが宮崎正弘氏のブログに書かれているように、中国の景気はショック死状態であり、工場閉鎖に伴う労働争議の季節がやってくる。

これでは中国政府も強気にはなれず、アメリカに資金還流させるだけのゆとりが持てるのだろうか? アメリカの投資銀行の破綻によってワールドマネーを還流させていたポンプが故障してしまったのだから、アイスランドやウクライナやハンガリーなどはドルが無くなってIMFに支援を要請するようだ。

アジアは97年の金融危機での教訓から外貨を溜め込んでいたので大丈夫なようですが、韓国が危なくなってきている。世界で米ドルを溜め込んでいるのは中国と日本ですが、中国はこれからも1兆8000億ドルもの外貨準備を使って米国債を買い続けていけるのだろうか?

中国の金融はブラックボックスであり、公表されている数字もあてにならない。中国の輸出産業がアウトになれば地方銀行の不良債権は爆発的に増えて、8500行の地方銀行を始めとして商業銀行などの破綻が相次ぐだろう。すでに今までにも国有企業の破綻などで不良債権はかなりあるはずなのですが、隠されていて公表されていない。

もともと、中国の大手銀行が不良債権を抱え込めば、中国政府は公的資金で資本注入して不良債権を処理してきた。中国は共産主義国家でもあるので、国の税金で銀行の不良債権を買い取って他に移したり、資本注入して自己資本を増やす事は朝飯前だ。

しかし中国は新興国でもあり、経済基盤が脆弱だから、今回のような世界的金融恐慌があると輸出産業などが大打撃を負ってしまうだろう。外資の引き上げや他の国への移転などで外資頼みの経済発展は続けられなくなってきている。さらにアメリカの投資銀行の破綻で再投資などのマネーも少なくなって経営も厳しさを増すだろう。

日本も世界的な金融恐慌や景気後退の波に呑みこまれて大変なのですが、外資依存が少なかったので再投資などが少なくなった事で不動産業などが影響を受けていますが、韓国のようにドルが足りないという事は無い。むしろ日銀が外資系金融機関のためにドルを供給しています。

2年前は世界的なバブル景気で日本だけが不況にあえいでいましたが、いまや世界的バブル崩壊で銀行倒産からアイスランドのような国家倒産する国が出始めている。ドバイのような中東マネーが豊富なところでも国家倒産が出てくるのではないだろうか? アジアの韓国も再びIMF管理下に置かれるような国も出てくるだろう。その中では日本は不況慣れして、企業倒産が報じられてもまたかといった程度なのですが、やはり輸出産業やマンションなどの不動産業は厳しくなる。

今や日本にとって中国が一番大きな輸出先でもあり、中国がバブル崩壊で世界の工場から転落すれば、中国に進出していた日本企業も撤退が相次ぐだろう。中国市場を目指した企業も不況になれば売れないから撤退せざるを得なくなる。となると日本企業も工場などをたたむ時には労働争議となり、日本人の経営幹部は拉致されて監禁されるかもしれない。そうなっても日本政府は助けてはくれないだろう。

だから中国で働く日本人はいつでもボストンバック一つで脱出できるようにしておくべきですが、合弁企業となると逃げる事もままならない。中国製の冷凍食品への農薬混入問題にしても、労働争議がらみであり中国人労働者は嫌がらせに毒物を混入させて抵抗する。メラニン入りの乳製品も世界的な問題になっていますが、食品産業で毒物混入事件が起きれば致命傷になる。安いものは何かしら問題があるのだ。

宮崎氏のブログによれば今はいつもならアメリカへのクリスマス用のおもちゃなどの輸出で忙しい時期なのですが、火の消えたような状況のようだ。安さだけで売ってきたから採算がぎりぎりであり売れなければ大損害だから工場閉鎖が相次いでいる。それでも中国政府は今年もGDPの伸び率は10%以上と発表するのだろう。




米国は金融系に産業をシフトすることで、実業をどんどんつぶして
国外に追い出してきました。金融がNGなら、どうすればいいのか?


2008年10月17日 金曜日

状況は「波高シ。サレド天気晴朗」 10月17日 焼き鳥屋で語る金融恐慌

編集・山中(以下Y) 今気になるのは、アメリカの人たちがこの状況をどう感じているかですね。これはやっぱりやばかったと心底思っているのでしょうか、それともあっさり忘れてしまうのか。こんな話こそ、感覚的にしか言えない問題だと思うのですが、いかがでしょう。

倉都 分からないですよ。ただ今回の法案審議の過程で、金融救済に対してあれだけ激しい嫌悪が噴き出したことはね。

Y 金融の経営者はグリード(強欲)だという批判ですね。

倉都 あそこまでもめると思わなかったですね。何だかんだ条件は付けるだろうけど、そうは言っても法案は通すよなと思っていたら、大反発が待っていた。いや、そこまで大変なのかと。いかに金融に対する嫌悪感がきついのか。

 批判とか、非難じゃないですよ。もはや生理的嫌悪感ですよ、これは。成功者をポジティブに捉える米国では今までなかなか言えなかったことだけど、そういうものがぼーんと噴きだしてきた。ということは、金融の連中は昔みたいには戻れない。もちろん金融という機能は残るんですけれども、金融収益にGDPの3割、4割を依存するような、ああいう経済構造というのはまず、当面、復活はしない。少なく見ても5年、10年は復活しないでしょう。

Y そもそも資金の貸し手が出てこないでしょうね。

倉都 そういうことです。

Y しかし、米国は金融系に産業をシフトすることで、実業をどんどんつぶして国外に追い出してきました。金融がNGなら、どうすればいいんだという話になりますよね。

倉都 おっしゃる通りです、没落です。もう農業をやるしかないんじゃないですか。一応、農業国ですから。

Y そうなりますか。

倉都 まあ、半分冗談ですけれども、本当にアメリカは次が何、というのがないと思うんですよね、今。

Y 先が見えないですよね。

倉都 次にどういう産業をコアにするのというと、ないですよ。これはアメリカの悩みでもありますけれども、世界経済の悩みでもあるでしょうね。

Y しかし米国にその手のパワー自体がなくなってくると、もちろん軍事にもそれが反映されて。

倉都 もろ影響しますよ。

Y 米国はおそらく引きこもりに入りますね。

倉都 間違いないんじゃないですか。

Y 変な話、グルジアなど欧州での強気な姿勢なんて、その辺まで読んでいたのかな、みたいな気もしなくもないですよね。

倉都 何か足元を見ているって感じのね。

Y 大統領選のどたばたの足元だろうと思っていたら、もうちょっと深かったりして。

倉都 ロシアがここまでの深読みをしていたかどうかといいますと、今、自分のところの経済に火が付いていますから、そこまでは読んでなかったと思うんですけれども、でもトレンドとして「もうアメリカはそんなに反撃してこない」という読みはたぶん、ロシア側にはあったと思います。アメリカの凋落というのは、相場観としてははっきり見えるんじゃないですかね。

Y 翻って日本を見ると、意外に対米依存度が…もちろん高いんですけれど、思っているほどではないという話もありますよね(注:今年7月の貿易輸出相手国第1位が、米国から中国に替わったと話題になった。対米輸出の比率は2006年で22%、1985年は37%)。

倉都 対米貿易で成長してきたときに第一線で仕事をしてきた世代は「とにかく米国が」と思いこみがちですが、数字自体は案外高くないですよ。もちろん、いま最大の相手国の中国は米国とリンクしていますし、大変は大変だと思うんですけれども、日本の国がひっくり返るような、そんな深刻さじゃないと思いますよ。

Y 日本は国内市場もでかい。焼鳥屋気分で言いますが、引きずられて沈むかというと、たぶんそうでもない。

倉都 沈まないと思いますよ。

Y どんなところにも希望は、見ようと思えば見いだせる、そんな頼りないと言えば頼りない話かもしれませんけれどね、考えようによってはですよ、ざっくり10年前くらいから、米国が吹かせてくるグローバリゼーションの風に押されて、行き止まりの湾の中に押し込まれて、どうにも出られなかったのが、いまは、まだ波は荒れているんだけど「あれ、外海に出られるんじゃない?」みたいなとらえ方もできるんじゃないかと。

倉都 それはありますね。金融の面でいうと、僕は今回の野村證券の戦略、あれはいい買い物をしたんじゃないかなと。あえてリーマン・ブラザーズの中枢たるニューヨークは買わずに、アジアと太平洋、欧州そして中東を手に入れた。さすがという気持ちはしましたよ。

 いろいろリスクが高いとか、リーマンなんか買っても意味がないとか言う方はいらっしゃるし、それは一面事実ですけど、リスクのない投資ってありませんよね。リーマンはもうそんなに大した価値はないかもしれないですけれども、投資銀行のビジネスは残るでしょう。そうしたときに図らずも野村證券というのは、世界でほぼ唯一の独立系投資銀行になったわけです。

Y ああ、そうですね。

倉都 これは野村は実は、しめしめと思っているかもしれない。金融に限らず、ああいう形できちんと世界戦略が打てる企業が出てくるというのは、今までになかったことだと思いますね。

Y その評価の理由を、もうちょっと噛み砕いて頂くと…

倉都 まず中東マネーとか、あの辺を押さえにいくというのは重要ですよね。そして中東マネーは何だかんだ言って、ロンドンを経由してアジアに行きます。アジアはアジアで日本の足元ですし、成長力は非常に強い。

Y なるほど、今後米国から覇権を取り返すEU(前回参照)と、その主要なお客さんをまず押さえてしまおうという。

倉都 そうそう。さらに成長力、潜在力とかは、アジアは非常に強いですから、そこも抑える。いい投資戦略だったんじゃないかなとは思っています。

Y お話を戻してしまいますが、そうして覇権を奪われそうなアメリカはどこを「反省」するのが正しいんでしょうか。

 というのは、いま悪の根源のように言われる投資銀行とか、金融の仕組みというのは、偏在している行き場のない力としてのお金というやつと、同様に偏在している、お金があればいろいろなことができるという実業の部分を、お互いに納得できるリスクを取ってやりとりしましょうよ、というのが本来の姿ですよね。

 だから、なくなっていいわけでもないし、その機能自体が公正な市場という形で表れてくるのは必要かくべからざるものだし、そこで勝ち残るスキルなり、野心なりを持った方が出てくるのも、全然悪いことじゃない。

倉都 悪くないですよ。

Y だとすると、ここで言う「反省する」というのは、具体的にはレバレッジを効かせすぎた取引の自粛、よりはっきりいえば、返す当てのない借金を止める、ということだと思うのですが。

倉都 ええ、そうですね。やっぱり借金は借金なんですよ。

Y 借金は借金、その心は。

倉都 借金というのは人様からお金を借りて、返さなきゃいけないという、まずその意識があるべき行為ですよね。

Y そうか。サブプライムローンって、「ローンの借金をこつこつ返そう」ではなくて、「物件の値上がり益で次のローンに借り換えよう」という話ですもんね。

倉都 おっしゃる通りです。収入の中から元本を返すという発想がないんです。収入がない人に家を売る商品ですから。

Y 考えてみると恐ろしいですね。「米国には家を欲しがる人がぞくぞくと増えていくから、住宅価格は実需によって上がり続ける」という理屈が少なくとも4年か、5年の間は機能しちゃったんですもんね。

倉都 していたんですね。

Y 実は、米国に比べて、こつこつ30年ローンを返す日本人はなんだかばかみたいじゃないかと、思ったことが何度かあるんですけど(笑)。

倉都 それはばかでも何でもないですよ、いかにまっとうかという話。30年こつこつ返すというのは金利ですよね。サブプライムローンというのは値上がり益です。金融って両方の側面があるんですけど、やっぱり基本は金利と配当なわけですよ。昔は株だって値上がりよりも配当。それがもともとの発想だったわけですから。

 もちろん日本でも地価の上昇という形で値上がり益をつくり出してきたのですが、それをカタに借金して消費、という発想はなかった。値上がり益に徹底的に依存しようという、これはアングロサクソン型の金融の、ある意味暴走でしょう。

Y 値上がり益を前提とした市場ができたおかげで、暴走が可能になった。

倉都 そうなんですよ。市場がそれをうわっと増幅しちゃったわけですよね。それにはいいところもあるし、一概には否定できないんですけれど。基本は金利と配当なんだということを、ばかにするような風潮はやっぱりだめだと思いますね。

Y 未来から振り返ってみたら、この期間の連中はいったい何をやっていたんだと思われる時代なのかもしれないですね。

倉都 ああ、こういう時代があったんだねえ、ということになるんじゃないですか、振り返って。前回もお話ししましたが、そういう歴史の証言という意味でも『市場リスク 暴落は必然か』(リチャード・ブックステーバー著)はいい本ですね。

Y ご自身の本(、『投資銀行バブルの終焉』)もすごいタイミングになりましたけれど。

倉都 さすがに、自分でもびっくりしましたけど。

Y こんなに早いとは思わなかった?



(私のコメント)
現代の日本には長期的な国家戦略を考える人はいなくなり、成り行き任せの行き当たりばったりで来ていますが、世界の覇権国家となるためには長期戦略を考える人がいないと世界の先頭に立つ事はできない。アメリカは物作りを止めて金融にシフトして行く事を国家戦略としてきた。

軍事力は依然として健在ではあるけれども、金融がガタガタになって製造業が空洞化しているからアメリカは衰退していかざるを得ない。日本の長期戦略としてはアメリカが衰退していった場合に国防体制や経済戦略をどのように構築していくかということに焦点は絞られる。

アメリカが世界覇権を握っている時代はアメリカにくっ付いて行けばいいのですが、アメリカがこけた時の事は日本は全く想定していない。もしアメリカの大統領選挙で民主党のオバマが勝てば政権には左翼的なスタッフによって政権が出来るだろう。つまりクリントン政権と同じような政権が出来る。

ヒラリー・クリントンよりは過激ではないものの、左翼政権だから親中反日的な外交になるだろう。金融業を建て直すか無いのですが、国営化されて5年から10年は金融の建て直しに費やされるだろう。製造業は自動車産業を見れば分かるように燃費のいい車は作れなくなっている。それだけ技術の空洞化で建て直すのは難しい。

アメリカの軍事技術や航空宇宙産業の技術は最高なのですが、それが自動車に生かされないのはなぜなのだろう? ロシアや中国を見ても同じであり、有人宇宙ロケットを打ち上げているからといって自動車などの製造業とは関連がほとんど無いのだろう。

それは金融能力が優れているからといって会社経営が上手いかというとそうではないのと同じだ。金融屋が社長になるような会社は経費を節減して利益を出す事は上手いが、新製品を出すような技術力や経営能力は無い。アメリカは金融業に優秀な人材がシフトしてしまっている為にいまさら転換が出来ない。逆に金融マンが他の職業に転職しようにもタクシーの運転手しか職は無い。

日本にしても物作りは止めて金融立国を目指せという学者や評論家がいましたが、それは間違っている。以前に任天堂とゴールドマンサックスを比べて一人当たりの利益は任天堂のほうが高い事を紹介しましたが、これからの物作りはソフトとハードがセットになった物作りが経済戦略の要だ。

アメリカでもアップルのPCがそうであり、インテルのCPUもウィンドウズがセットになっている。自動車もハードよりもそこに組み込まれたソフトで差別化しているのであり、トヨタのプリウスは他のメーカーが造ろうと思っても同じ物は作れない。製品も独自の高度なソフトが組み込まれた製品が多くなり、真似の出来ない物作りが主流になっていく。

金融業も実体経済からかけ離れた規模になれば今回のようなクラッシュが起きるのは避けられない。そしていったんクラッシュが起きると国家に再起不能なほどのダメージを負わす事がわかった。1929年の大恐慌もダメージを回復するには20年もかかったのであり、日本のバブル崩壊も15年もかかってしまった。

しかしアメリカも日本も製造業は健在だったが、今回のアメリカの金融クラッシュには実体経済の空洞化で回復手段が無い。巨額な財政赤字と貿易赤字を埋める手段が無いのだ。不動産の値上がりや株の値上がりが永久に続けば成り立つような金融工学は一種の詐欺であり「ねずみ講」と同じだ。

「ねずみ講」をやっているからリーマンのCEOは300億もの報酬を得ていたのであり社員も数億もの報酬を得ていた。儲かった時は自分のものであり、損すれば税金で穴埋めしてくれれば投資銀行の栄光は不滅だ。これではアメリカの納税者も怒り出すのは当然であり、米国債を買わされる日本や中国もたまったものじゃない。

アメリカの経済が破綻すれば日本も破綻するという人が大勢いいるが、日本の対米輸出割合は85年頃は37%でしたが、06年には22%にまで減って半分近くに減っている。それだけ新興国市場やEUの市場などが広がってきたから状況はかなり変わってきている。

倉都氏のインタビューの後半でも触れられている事ですが、ヘッジファンドと地方銀行に問題が起きてきて、ヘッジファンドは今回の株の大暴落で解約が殺到して11月末頃には解約売りが殺到するだろう。CDSに手を出していたファンドは潰れて巨額な損失が出るだろう。消費が停滞すれば不良債権が地方銀行を直撃する。

このようになれば政府はヘッジファンドを放置する事はできず情報の開示が求められるようになるだろう。日本でも村上ファンドなどにどこから金が出ているのか情報の開示はされませんでしたがヤクザマネーなど地下経済と繋がっていたようだ。ヘッジファンドも国から監視されるようになればアングラマネーは一斉にアメリカから逃げて行く。

アメリカにしてもEUにしてもこれだけ国からの公的資金で金融機関が救済されれば国に行動が監視される事になり、今までのような勝手な真似は出来なくなる。スイス銀行にしても公的資金を注入されれば今までのような機密は保てなくなりアングラマネーは逃げ出す。UBSから資金流出が続いているのもアングラマネーが逃げ出しているからだ。

日本人はコツコツと30年間の住宅ロ−ンを払い続けていますが、アメリカのサブプライムローンは返済が出来ない人向けのローンであり、3年で倍に値上がりしたら買い換えればいいというローンであり、アメリカの金融はこれほどデタラメになっていた。

もっともアメリカという国家も米国債という一旦買わせたら二度と換金出来ない国債を日本政府に売りつけていますが、米国債はまさにサブプライム国債であり来年あたりに大量に買わされるはずだ。中国も同じように米国債を買い続けるのだろうか?

米国債ちょうど中世のヨーロッパのローマ教会の「免罪符」のようなものであり、「免罪符」は最初は十字軍遠征が元で発行されるようになった。やがてはサン・ピエトロ大聖堂の建設などに発行されるようになり、ローマ教会は腐敗堕落していった。アメリカ政府は世界に「免罪符」を売りまくって借金の穴埋めに使われる。

日本政府はなぜ「免罪符」を買うのかというと中東の戦争に参加せずに済むようにするためだ。アメリカにはキリスト教原理主義教会が大統領を選んでエルサレムの奪還を目指している。だからイラクに米軍を派遣したのですが、目的は大イスラエルの建設だ。このように書くと妄想じみていますが、キリスト教原理主義は米軍を現代の十字軍に例えているのだ。

アメリカの大統領選挙でも大統領候補のオバマをイスラム教徒だと思っているアメリカ人も多く、サダムフセインと9・11テロとは深い関係があると思っているアメリカ人が4割もいる。昨日はアメリカをアングロサクソン国家として書きましたが、オバマが大統領になればアングロサクソンの国から多民族国家の象徴となるだろう。そして多民族国家ということは宗教もキリスト教から多宗教な国家に変わって行くのだろう。

それはちょうど「免罪符」を売って堕落していったローマ教会のように、アメリカも「米国債」を世界に売って堕落していくのだろうか? それともバラク・オバマがマルチン・ルターとなってアメリカを改革していくのだろうか? アメリカはまさにその瀬戸際にいる。




アメリカの金融機関は超大型が5つしかなくて、そこで何かが起きたら
「助けなきゃいけない」と言っても、アメリカの財政が持たず倒産する。


2008年10月16日 木曜日

『投資銀行バブルの終焉』 倉都康行:著

アングロサクソンのモデルに賞味期限は来たか? 10月16日 焼鳥屋で語る金融恐慌

Y それは何か、これはヤバイ、と危機感を感じて辞めたんですか。

倉都 危機感を感じたというよりも、ある程度、やりたいことはやっちゃった、という感じかな。これはちょっと言葉では言いにくいんですけど。

 たぶん僕がやめたころ(2001年)と、同じころにやめた人たちは理由がみんな同じなんですよ。要するにこの仕事の「面白いところ」が、だいたい終わっちゃったんですね。僕らはラッキーといえばラッキーな世代で、20代、30代のときにすごく面白い仕事をさせてもらったんです。

 当時は金融業がスワップを初めとするいろいろな技術を取り入れ始めた、それこそデリバティブズとか、証券化なんかもそうなんですけれども、今までなかったものがどんどん開発されてきた時代です。そしてそれが企業に受け入れられたり、機関投資家にも受け入れられはじめた。

 現状との違いがあるとしたら、実体経済とほぼ歩調を合わせたところで、金融の仕事をしてきたことです。将来予測が絡みますから、ばくち的要素はもちろんあったんですけれども。

Y レバレッジ(借り入れにより投資する金額を膨らませる)が、そんなにかかってない使われ方だった?

倉都 全然、ほとんどかからないぐらいの等身大のビジネスの中でやっていたわけです。市場参加者の異なる需要をどうマッチングさせるか、そのためにこれこれの技術を組み合わせて、新しい商品を開発して市場を起こしてとか、そういう仕事を20代、30代にしてきちゃったので、40代ぐらいになると成長のカーブというか、新しい物事が起こるカーブが緩くなってくる。もうやることがないんですよ。今までの繰り返しだとつまらないということで、そろそろ潮時だよなという。

 さらに正直に言いますとね、40代ぐらいになると、体力がなかなか付いていかなくなる。あの仕事は結構つらいもので、本当に睡眠時間がなかなか取れなくなっちゃったり、それにやっぱり40歳近くなると計算能力や記憶力が落ちるんですよ。

Y それは日々実感しています(笑)。

倉都 記憶力とか、計算力とか、集中力が落ちるでしょう。そうするとすごく危ないんですよね。それは自分で分かるんですよ。何で俺はこんな計算間違いをしたんだ、とか、スプレッドシートなんか作っていても、どうしてもおかしい。でも何でなのかが分からない。翌日もう1回見てやっと原因が分かる、とか、繰り返しているうちに「こんなことやっていたら、俺はいつかとんでもない失敗をする」と思うようになり、そろそろ潮時だなと。

Y カラダや感覚がついていかないというのは、肉体の衰えだけが原因ですか。

倉都 いろいろな意味で、計算さえも含めてですけど、「感覚として、こうやったらこれぐらいの数字になるよな」というものと、状況の変化の速さとか、市場の複雑さというものがだんだん乖離していくような感じです。マーケットが複雑になってきて、今までは例えばアメリカ、イギリスと、日本だけ見ていればよかったのに、中国を見ろ、ロシアを見ろと、多極化すると付いていけないという感じはやっぱりありました。そういったこともあって、踏ん切りが付いた。そのころ辞めた連中と会って話をすると、みんな「あのときに辞めておいてよかった」と言います。

Y でもちょっと惜しくないですか。この夏までは相場は上昇してきたわけで。

倉都 「2001年に辞めてよかった」というのが、本当に偽らざる心境ですよ。

Y そうですか。

倉都 自分が例えば20年ぐらい後に生まれてあの業界に入っていたら、まさに今、この世界でつぶれていた可能性は高いですよね。僕は別に自分がすごく冷静で、自分だけが特別だったからこの危機から逃れられたとは、とても思ってないし、思えないですよ。だから、いまその場にいた人、いる人は不運だったとしかいえない。その人の能力や人格よりも時の運だと思う。中にいたら誰だって「おかしく」なりますよ。

Y 外に出られてから、2001年以降のマーケットを見られてどう思っていたんですか。

倉都 この5〜6年、客観的にはどう考えても、金融市場で扱われているプロダクトは理解できないということはありました。うちのリポートなんかにも何回も書いたんですけれども、僕らの感覚でいうと「この商品にAAA(の格付け)なんてあり得ない。だって、AAAでこの利回りが期待できるなんておかしい、うそだ」と、何回か指摘をしてきたんですよ。

Y それに対して、現役の方からは…

倉都 いやもう、その都度「あんたはもう古い」と批判を受けましたね。「この野郎」と思いましたけどね(笑)。

 現役の連中から「これはもうあんた方には分からないと思うけど、こういう計算をするとこういうふうになるんだ」とか、結構、シビアな反応が来ましたよ。こっちも、ああ、そんな考え方もあるんだねえとかって、それ以上反論する気は起きなかったんですが、納得はできなかったですねえ。

Y すごく変ないい方ですが、どうやっても説明のつかない数字って、実はそんなにないですよね。日経平均が…あれは1989年でしたっけ。

倉都 最高値ですか。1989年末の大納会、3万8915円ですね。

Y 年末に最高値が付いて、来年は4万5000円、5万円も夢ではないという記事を私、読んでいましたから。

倉都 僕も覚えていますよ。

Y 理屈は何でしたっけ。従来とは成長率の計算の基準が変わったからありえるんだ、とか。

倉都 そういうのはありますね。それが正しいと彼らは本気で思っているわけですからね。私の場合も、あえて反論はしませんでしたけど、でもこうなってみればやっぱり結局、感覚的に合わないものというはやっぱり間違いなことが多いと。

Y まして、その世界に生きてきた方の感覚でしたらね。

倉都 こっちも別に素人じゃないですから、20年、30年やってきているわけですから、その感覚でやっぱりおかしいというものが本当におかしかったんだなと。

 その感覚で無責任に言っちゃうと、一番初めにおっしゃいましたけれども、アングロサクソンのモデルはもうだめなのかどうか。特に金融においてですけれども、たぶん、だめですね。

Y おおっ、爆弾発言ですね(笑)。

倉都 しばらくだめですね。しばらくという言い方がいいか分からないですけれども、僕はシティーとニューヨークの地盤はかなり低下すると思います。

 これは収益力が落ちるという意味でもあるし、金融のアクティビティーが落ちるという意味でもあるし、金融史的にいうと、この2大国際金融都市の地位は、大きく変わるという直感がしますね。変化して、元には戻らない。無責任でいいということで申し上げますが、元に戻ることを期待してモルガン・スタンレーに出資した人たちは、ちょっと厳しい時代を迎えるんじゃないですか。

Y JPモルガンがワシントン・ミューチュアルを買収して、バンク・オブ・アメリカもメリルリンチを吸収して、焼け太りみたいにどんどん太っていますが。

倉都 あれは危ないですよ。もうやむを得なくてそうなっているんですけど、意味することはリスクの集中ですから。あんなに大きい金融機関がどんどんできちゃって、そうすると「トゥ・ビッグ、トゥ・フェール」ということが言えなくなるぐらいビッグになっちゃうんですね。

Y 「でかすぎで潰せない」が言えなくなる、とはどういうことでしょう。

倉都 AIGとか、ベアー・スターンズとか、まあ、ベアーは別にビッグじゃないですけど、今ぐらいの規模だったら、「トゥ・ビッグ、トゥ・フェール」で助けられるかもしれないですけど、こんなにどんどんばかでかいのができると、もうそのロジックで助けられるような規模じゃない。化け物みたいなサイズになっちゃって、それでも助けようとするなら、あるいは見限るなら、ほとんど米国の倒産を覚悟、みたいなところまでいっちゃいそうだからです。

 現状のスキームで買収を繰り返して大きくなっていって、気がついたらアメリカの金融機関は超大型が5つしかなくて、そこで何かが起きたら「助けなきゃいけない」と言っても、規模がでかすぎて、アメリカの財政がもう持たない、ということになりかねないような気がしてね。

 結構、アメリカの金融の行方というのは恐ろしい。公的資金が入るとか、バフェットさんがお金を入れるとかして、それで何とかつじつまは合うんでしょうけど、さらなる先行きは結構、怖いですね。僕はもうあまり見たくないですね。

Y そこまで言いますか(笑)。

倉都 本当に考えだすとちょっと怖いです。

Y アメリカの没落は、何を呼び込むと思いますか。

倉都 EUによる、米国からの金融覇権の剥奪ですよ。イギリスからアメリカに行ったのを、今度はEU、ユーロ圏が取り戻すと。イギリスじゃなくてね。

 ドイツ、フランスがどこまでできるか分かりませんけれども、ある意味での社会主義的な金融モデルというのが出てくる可能性があるんじゃないでしょうか。何年後かは知りませんし、僕の勝手な推測で、別に根拠はないですよ。

Y 感覚でおっしゃっているにしても、感覚には感覚なりの土台があると思うのですが。

倉都 やっぱり歴史です。15〜16世紀からの歴史を自分の趣味としていろいろ見ていると、2007〜2008年というのは、すごく大きな変わり目です。これは間違いなくアメリカの地盤沈下ですが、それで次は中国、ロシアが、というシナリオはちょっと難しいと思うんですよ。そうすると社会民主主義型の伝統を持つヨーロッパ型が揺り戻しで主役に出てくる。たぶんシナリオとしてはそういう方向なのかなという感じはしますね。

Y いよいよ無知をさらけ出しちゃうんですが、イギリスというか、シティーというのはユーロ全体の中では、独特の、離れ小島みたいな感覚で見えるんですか。

倉都 それはコインの両方がありますね。ニューヨークとつながっているマーケットだという見方もあります。アメリカ帝国の一部みたいに見えている。でも、やっぱり欧州で金融をやろうとすると、ロンドン市場に上げないと、という、両方があるんですね。

Y イメージ的な話なんですけど、覇権の剥奪が起こるということ、イコール、ロンドン市場が再浮上する、というお話ではないんですよね。

倉都 ロンドンかもしれませんが、そうじゃないかもしれない。だったらフランクフルトとか、パリなのか、それは分かりません。けれども、ロンドン市場ははっきり言って今回、大きなみそを付けました。

 金融行政の在り方はかくあるべし、と、ロンドンは自負してきたわけです。ルールじゃなくてプリンシパルだと言っていた。それが大失敗して「何がプリンシパルだ、ノーザン・ロックの1つも管理できないで」とか言われてます。いかにロンドン市場に200年、300年の歴史があるとはいっても、今回のダメージは小さくない。

Y やっちゃったなという感じなんですね。

倉都 だと思います。ただ、そのときにドイチェバンクなり、フランスBNPパリバとかが、どこまでイニシアチブを取れるか、独仏政府に金融育成のノウハウがあるのか、という問題はあります。結局、「そうは言ってもロンドンのインフラは捨てがたい」ということになれば、やっぱりロンドンを使って、その上で自分たちの哲学なりを、もう1回、再インストールしようと考えるかもしれないですね。そこはまだ分かりませんけど。

 ただ、ロンドンのしぶとさは、今回の公的資金による資本投入を最初に決めたように、危機への処方箋を国家ノウハウとして持っている、ということですね。これは米国やドイツ、フランスにない貴重な財産です。

Y アングロサクソンモデルは賞味期限を迎えつつある、とすると、アメリカの人たち自身はどう感じているか、が気になりますね。「これはやっぱりヤバいぞ」と心底思っているのでしょうか、それともあっさり忘れて元の路線に戻ろうとするのか。こんな話こそ、感覚的にしか言えない問題だと思うのですが、いかがでしょう。



(私のコメント)
今日の朝のテレビを見ていたら、アメリカの大統領選挙のニュースで、マケイン候補の応援者が「アングロサクソンファミリー」と言っていましたが、NHKでは「白人家庭」と訳していた。だからアメリカ人はごく普通に「アングロサクソン」という言葉を使っているようだ。

しかし、もの知りの人は、もっともらしく「アングロサクソン」はフランス人やドイツ人が言うべき言葉と解説しているが、イギリス人からすればスコットランド人もいればアイルランド人もいればウェールズ人もいるわけで、細かく言えばアングロサクソン=イングランド人と言う事でしょう。しかしイングランドにもノルマン人やデーン人もいるわけできわめて曖昧だ。

しかし一般的に言えば、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド諸国の白人をアングロサクソンと言っている。だから英語を母国語とする白人を大雑把にアングロサクソンと言っているのだろう。だから民族学的な言葉ではなくて文化的意味でアングロサクソンという言葉が現代では使われている。

だから日本人も日本語を話す東洋人は日本人なのであり、在日やアイヌなども日本語を母国語として使っていれば日本人と言ってよいのではないかと思う。アングロサクソンが英語を話す白人の意味ならば、ユダヤ系アメリカ人もアングロサクソンなのである。

だから倉都康行氏の言う「アングロサクソンのモデル」は米英の金融資本主義のことをいうのであり、ドイツやフランスのヨーロッパ大陸のモデルとははっきり分けている。日本人は一言で欧米と言った言葉で括りますが、米英文化と大陸文化とは対立する事がある。

第二次世界大戦はヨーロッパ大陸と米英との戦争であり、フランスはずる賢く戦勝国に潜り込んでいるが、ドイツが勝っていればフランスはドイツについていただろう。EUはまさにドイツとフランスが中軸になって設立されたのであり、イギリスやアメリカにはっきりとした対抗意識がある。こうなると立場が微妙になるのが現代のイギリスであり、EUには加盟しているがユーロには加盟していない。

アメリカにしてもイギリスにしても金融立国を目指しましたが、その象徴がウォール街とシティであり世界の金融の中心地であった。その金融の原動力になったのが投資銀行であり、世界の余剰資金を集めて世界に再投資してグローバル戦略を展開した。そのようなアングロサクソンのモデルが破綻しつつあるのです。

倉都康行氏は90年代にグローバル金融に携わった人ですが、デリバティブやスワップなどの金融商品の開発にも加わった人で投資銀行のインサイダーでもあった。私はまだ「投資銀行バブルの終焉」という本は読んではいないが、インタビューでも格付けに対する疑問を述べていますが、米国債にAAAなどと言う最高の格付けがデタラメであるのは明らかだ。

投資銀行が実体経済のスケールに合わせた営業をしていれば問題は無かったのでしょうが、投資銀行は金融帝国主義の主体となって金融で世界を支配しようとしていた。投資銀行の社員はエリート中のエリートであり社員は1億円以上の給与を貰って、女性でも1万人以上の人が1億円以上の年収を得ていた。

このような金融資本主義は地に足がついたものなら簡単には破綻しないものですが、証券化ビジネスや格付けビジネスは商業モラルが低下すると破綻するものであり、格付け会社は格付け会社から金をもらって格付けを上げていた。証券化ビジネスも他に売り飛ばしてしまえばいいわけであり、サブプライムが切り刻まれてファンドに潜り込ませて売ってしまったから世界的金融危機が起きたのだ。

アングロサクソンは戦争で勝つ事で世界の覇権を持つことが出来ましたが、日本との世界最終戦争で核兵器を使用した事で自らの手を縛る事になってしまった。核戦争の時代ともなるとアメリカ本土と言えども核ミサイルの脅威にさらされて戦争が出来なくなってしまった。

戦争が生業のアングロサクソンは、戦争が出来なくなると金融で世界支配を試みようとしたのだろう。大戦後は朝鮮戦争からベトナム戦争・イラク戦争に至るまでアングロサクソンは戦争に勝てなくなり限定戦争を余儀なくされた。いわば自分で墓穴を掘っているようなものですが、戦争によって栄えたアングロサクソンは戦争ができなくなった事で覇権は終わろうとしている。

それに代わって金融による経済覇権や英語による文化覇権は戦争に代わり得る手段だろうか? 戦争に強ければ経済覇権や文化覇権はついてきたのですが、これからは経済力と文化力で覇権は争われるようになるのだろう。アングロサクソンは経済力や文化力でもでも覇権をとり続けていけるのだろうか?

それを考察するには、アングロサクソンの文化を知らなければなりませんが、太田述正氏のブログには「アングロサクソン社会は当初から資本主義社会であり、それと同時に反産業主義であった」ということです。彼らにとっては戦争が生業であり、平和な時は酒を飲んで賭け事に夢中になっていた。勤勉に働くという事は彼らの文化には無い。

だからこそ大戦後には限定的な戦争で覇権を維持したのでしょうが、イラク戦争やアフガニスタン戦争は大義のない戦争であり、アングロサクソンの時代は終わったとも言える。核戦争の時代では戦争で決着をつけることは不可能だからだ。それで彼らはバクチで稼ぐ金融覇権を試みたのですが、今回見事にそれは失敗した。

アングロサクソンは、ローマ化した大陸のゲルマン民族とは違って、戦争好きなゲルマン文化を多く残していた。個人主義と自由主義はアングロサクソン文化でもあり、大陸の全体主義文化や社会主義文化とは相容れないものだ。しかし今回の金融恐慌は社会主義的な方法でしか混乱は収められないものであり、市場原理主義は敗れたのだ。

だからこそ倉都康行氏は、社会民主主義的な伝統を持つEUが主役に踊り出るだろうと予想していますが、そもそもヨーロッパ全体が戦争好きなゲルマン文化の要素を持っており、ヨーロッパの歴史は戦争の歴史でもあった。すなわち全面戦争が出来なくなった時代は長く平和が続き、戦争で決着をつけるアングロサクソンの文化は衰退せざるを得ない。


読者によるコラム:太田アングロサクソン論(その1)  9月1日

「タキトゥスの「ゲルマーニア」(岩波文庫1979年4月。原著は97-98年(1世紀))は、ローマ時代のゲルマン人について記述した有名な書物ですが、以下のような記述があります。
 「人あって、もし彼ら(筆者注:ゲルマン人のこと)に地を耕し、年々の収穫を期待することを説くなら、これ却って、・・戦争と[他境の]劫掠<によって>・・敵に挑んで、[栄誉の]負傷を蒙ることを勧めるほど容易ではないことを、ただちに悟るであろう。まことに、血をもって購いうるものを、あえて額に汗して獲得するのは欄惰であり、無能であるとさえ、彼らは考えているのである。」(77頁)
 これは、ゲルマン人の生業が戦争であることを物語っています。つまり、戦争における掠奪(捕獲)品が彼らの主要な(或いは本来の)生計の資であったということです。
 こういうゲルマン人がやがてローマ帝国に侵攻し、これを滅ぼしてしまうのですが、欧州大陸のゲルマン人はやがてローマ化していまい、戦争が生業ではなくなっていきます。
 ところが、ローマが自分でイングランドから撤退した後、文明のレベルが違いすぎてローマ文明を受け継ぐことのできなかった原住民のブリトン人(ケルト系)を、スコットランドやウェールズといった辺境に駆逐する形でイングランドを占拠したアングロサクソン人(ゲルマン人の支族たるアングル、サクソン、ジュート人がイングランド侵攻後、混血したもの)は、ゲルマン「精神」の純粋性を保ち続けます。
だから、アングロサクソンにとっては、戦争は生業であり続けたのでした。
」(コラム#41(*1)より抜粋)





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