株式日記と経済展望

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コロンブスが上陸した時に約800万人だった西インド諸島の人口は、
約20年後の1514年には、約2万8000人しか残っていなかった。


2007年12月31日 月曜日

日本は略奪国家アメリカを棄てよ ビル・トッテン:著

見せしめに腕を叩き切る偉人

  以下のコロンブスに関する記述は、ハワード・ジン氏の著作によるところが大きい。ジン氏はアメリカの高名な歴史家で、公民権運動やベトナム反戦運動に熱心だったことでも知られる。私も彼の歴史観や見解には、学ぶことが多い。
  コロンブスとその一行がしたことを書くのは、私自身、かなりの勇気が要る。それというのも、彼らの成した行為の数々は、凄惨極まりないからである。
  コロンブスは日記をつけていた。その日記には、バハマ諸島に上陸した時、先住民は数々の贈り物を手に、海の中にまで出向いて歓迎してくれたと記されている。
  コロンブスが「穏やかで優しい」と形容した先住民は、武器を持たないどころか、その存在さえ知らなかったという。コロンブスは記す。「私がサーベルを見せたら、刃のほうを持って手を切ったくらいだった」
 上陸してから数カ月の間、スペインの後援者に宛てた手紙には「彼らは極めて純真かつ正直で、決して物惜しみしない。乞われれば、何であろうと与えてしまう」と書いている。
  しかし、日記の中に突然、次のような一節が現われる。
  「彼らは立派な召し使いになるだろう。手勢50人もあれば、彼らを一人残らず服従させられるし、望むことを何でもやらせることができるだろう」。これが、コロンブスが先住民に対して抱いていた見解である。客を手厚くもてなす主人としてではなく、自分たちの思い通りのことをやらせるための召し使いとして見ていたのだ。
  コロンブスの日記には、やたらと「黄金」の2文字が登場する。最初の2週間の日記には、75回も出てくる。黄金に目がくらみ、小躍りするコロンブスの姿が目に浮かぶようだ。
  ジン氏が記すように、コロンブスの話で強調されるのは彼の「厚い信仰心」だ。コロンブスはそれゆえ、先住民に「改宗」を迫ったのだろう。一行の主な滞在地であるエスパニューラ島には、至る所に十字架が立てられたそうだ。しかし、それと並べて絞首台も立てられ、1500年には340台を数えているというから、コロンブスの信仰心とは一体何であったのか。
  コロンブスー行の所業には目を覆うばかりである。先住民が持っているわずかばかりの黄金を見ただけで、大量にあるはずだと思い込み、期限を設けて、黄金を差し出すよう命じた。そしてそのノルマを達成できなければ、ほかの先住民への見せしめのため、腕を叩き切ったという。
  山に逃げた者は猟犬に追われ、たとえ逃げ切れたとしても、その先に待っていたのは餓死か病死。いずれにしても死だった。絶望にうちひしがれた人々は、毒を飲み干した。
  コロンブスらが来たことによって、地上の楽園だったエスパ二ューラ島は急速に人口が減っていった。もちろん、この「減る」という意味は、ほとんど「死ぬ」と同義である。もっと正しい表現を使えば、「殺された」ということだ。
  ある学者の推定では、当初30万人いた先住民のうち約10万人が、1494年から96年までの2年間で死亡したという。1508年にはさらに6万人に減り、1548年には生存者は500人いたかどうかも疑わしい。これを「ジェノサイド(集団殺戮)」と呼ばずして、何と呼べばいいのだろうか。

 コロンブスに見る「悪魔の精神」

  コロンブスらの悪行は、これにとどまらない。挙げればきりがないし、書いている身としても気分が悪くなる。しかし英雄の真の姿を知ってもらうためには、今少し、真実に触れておかなければならないとも思う。
  スペインの国王や融資家たちを驚かせるほどの黄金は、ついに見つからなかった。そこでコロンブスは何を考えたか。彼はもう一つの略奪品として、奴隷をスペインヘと送り込み始めたのである。
  彼は500人ほどの先住民を船にぎっしりと詰め込み、大西洋を渡ったが、寒さと病気のために200人ほどが途中で死亡した。1498年9月の日記に、コロンブスは「三位一体(トリニティ)の神の御名において、売れる奴隷という奴隷をどんどん送り続けよう」と記している。まったく敬虔なキリスト教徒だ。後の章で改めて記すが、キリスト教徒は、本当に主であるイエス・キリストの教えに背くことばかりやっている。
  バルトロメー・デ・ラス・カサスという人物がいる。彼はスペイン出身のカトリック司祭で、コロンブスより30歳ほど年下だ。いわばほぼ同時代の人物なのだが、ラス・カサスは当時、スペインが国を挙げて進めていた植民・征服事業における数々の不正と先住民に対する残虐行為を告発し、スペイン支配の不当性を訴え続けた。
  ラス・カサスは自身の著書で、インディアンについて次のように記している。
  「無限の宇宙の中で、彼らは最も明朗で、邪悪さや不誠実なところがまったくない。しかし、この羊の檻の中にスペイン人が突然侵入し、貪欲な獣として振る舞い始めた。彼らは、キリスト教徒には黄金を手にするという絶対的な使命があるとして、殺戮や破壊行為を正当化した」
  そしてラス・カサスは、最も凄惨な現場を目の当たりにする。それは、兵士がふざけてインディアンを刺し殺し、赤ん坊の頭を岩に投げつけるという信じがたい光景だった。
  「隣人を自分のように愛しなさい」「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたが人にしなさい」。キリスト教の始祖であるイエスはそう説いたが、1500年の後、彼の信者たちは隣人を刺し殺し、隣人の赤ん坊を平気で岩に投げつけた。
  もともと「所有」という概念がなく、自分の物も他人の物も区別していなかった先住民が、スベイン人のものを手にした場合には、打ち首か火あぶりにされたという。さらに強制労働に駆り出された先住民の大半は、病気か死に追いやられた。過重労働と飢えで母親の乳が出ないために、大勢の子供が死んだ。ラス・カサスは、3カ月で7000人の子供たちが死亡した、と推定している。
  加えて、先住民には免疫のなかった腸チフス、発疹チフス、ジフテリア、天然痘などの病気がヨーロッパから運ばれ、これらを理由に大勢の人が亡くなった。
  コロンブスが上陸した時にはおよそ800万人だった西インド諸島の人口は、約20年後の1514年には、約2万8000人しか残っていなかったという。要するに、99パーセント以上の先住民が殺し尽くされた計算になる。
  心優しき先住民にとって、コロンブスは偉人どころか疫病神であり、死に神であり、悪魔だったはずだ。恐らくは「この世の終わり」に思えただろう。事実、彼らのほとんどは人生に終止符を打たれてしまった。
  この悪魔の所業については、まだまだ書くことができる。しかし、書いている私もそうだが、読んでくれているあなたも、いい加減、気分が悪くなってきたのではないだろうか。
  コロンブスによって持ち込まれた「悪魔の精神」は、新大陸アメリカヘと引き継がれ、悪しき伝統としてかの国に根づいてしまっているように思えてならない。

 「感謝祭」の真実とハリウッド式洗脳術

  アメリカには、クリスマス前の11月の第4木曜日に「感謝祭」と呼ばれる祝日がある。この日、家族や親しい友人と過ごすために帰省ラッシュが繰り広げられ、どこか日本の正月を彷彿とさせるムードが全土に漂う。
  この感謝祭には、先住民が関係している。1620年11月、メイフラワー号に乗った清教徒(ピューリタン)たちが、イギリスからアメリカ大陸(マサチューセッツ州プリムス)に渡ってきた。
  そこで彼らを待ち受けていたのは厳しい冬だった。そんな彼らに食料を分け与え、カボチャやサツマイモの育て方を教えたのは、アメリカの先住民たちだった。
  自然と調和しながら生きてきた先住民は、当初自分たちの土地へ突然やってきた人々に敵意を持っただろうが、新しい土地で食べるものにも事欠いていた白人たちの困窮をさすがに見かねて、手を差し伸べたのだ。
  イギリス人たちは、先住民から農作物の種を分け与えてもらい、作り方を教わった。そして、初めて採れた作物を料理して、友人たちとともに神の恵みに感謝した。これが、感謝祭の始まりである。
  最初の感謝祭には、先住民たちも招待された。想像の域を出ないが、この時は先住民とイギリス人は互いに打ち解け、心を許して語り合ったのだろうか。それとも、イギリス人は後に行なうことになる悪行を頭に描きつつ、表面だけ取り繕っていたのだろうか。
  いずれにせよ、この後、先住民は白人に殺戮され、自分たちの土地を奪われることになる。人のよい先住民は、共に過ごした感謝祭の夜、そしてその後の自分たちの運命を想像することすらできなかっただろう。
  私がアメリカで受けた学校教育では、アメリカ先住民の文化について、ほとんど教えられなかった。彼らの歴史や文化、彼らに対して白人がしてきたことを知ったのは、実はごく最近のことである。
  新しくやってきた白人たちに、殺戮され、土地を奪われ、居留地に閉じ込められた先住民たちは、アメリカ政府の「同化政策」に服従することを強制された。同化政策とは、彼らから文化を奪うことであり、子供たちは家族から引き離され、国が作った寄宿学校で、西洋の文化やキリスト数的価値観を押し付けられた。
  もちろん、英語以外の民族固有の言葉は、その使用が禁じられた。アメリカがイギリスから独立した1776年、独立宣言は「すべての人間は平等につくられている」と謳ったが、その中に先住民は含まれていなかった。
  学校教育に加えて、ユダヤ系の人々が集まり作り上げたハリウッド映画が「正義の白人と野蛮なインディアン」という図式を喧伝した。西部劇のほとんどは、勧善懲悪のストーリーで、善は白人、悪はインディアンだった。
  今だから話せるが、私自身、子供のころはインディアンが怖かった。
  西部劇に出てくるインディアンは、実に恐ろしい。きつく険しい形相のインディアンが善良な白人たちに襲いかかり、金品を略奪する。対する白人は柔和な表情をしていて、穏やかで明るく優しい。絵に描いたような善人だ。
  荒くれ者の白人が登場する西部劇も少なくはない。白人同士の決闘もあるが、インディアンは常に悪者だ。その悪者インディアンは結局、白人の保安官か騎兵隊に撃ち殺されたり、捕らえられたりして、一件落着…ほとんどが、こういうシナリオで終わる。
  幼い私も、この結末にいつもホッと胸をなで下ろした。子供のころに受けた教育や映画、テレビの影響は絶大で、私は割に最近まで「インディアン=悪」の図式が、なかなか抜けなかった。
  こうした西部劇はまさしく劇であり、真っ赤な嘘であることは今や常識である。さすがに最近は、このような「白人=善」「インディアン=悪」の映画やドラマが、ほとんど作られなくなったが、イラク侵攻を正当化させるアメリカ政府の論弁を聞くと、かの国の「洗脳工作」は今も健在であることがよくわかる。
  アメリカ政府のプロパガンダはなかなか優れているから、実は今でも多くのアメリカ人は、今のアメリカの発展が先住民族の「屍の上」にあることを知らない。のみならず、野蛮な文化を終わらせたことを文明の勝利と信じて疑わない輩すら、今も多数存在する。
  先住民族が合衆国市民として認められたのは、1924年。最初の感謝祭から、実に300年以上経ってからだった。その間、奪われた土地や言葉や文化は戻ることもなく、先住民はさまざまな民族の中で、今も最下位の層に位置している。
  歴史書のほとんどは、勝者の都合で書かれる。先住民の土地を奪略し、無実の彼らをことごとく殺し尽くしても、白人にとってそれは未開を文明化する正当な行為であり、進歩であり、正義だった。歴史は今も事実を隠蔽し、文明と進歩と正義を前面に打ち出し、子供たちを洗脳し続ける。
  感謝祭が行なわれる日、今のアメリカ人でまったくどれだけの人が、先住民から受けた恩を思い起こすだろうか。そしてどれだけの人が、その先住民を殺戮した事実を知っているだろうか。
  ハリウッド映画で描かれるアメリカは、今日まで明るく誇らしく希望に満ちている。しかし真実のアメリカは、過去も現在も、ドス黒く邪悪な悪魔が棲み着いている。


(私のコメント)
年末休みになって学校も職場も休みで都内はガラガラになり、ネットのブログなどもお休みのところが多いようです。「株式日記」は年中無休で正月休みもお盆休みもありません。書いたところで無料のブログなので何の収入にもならない。収入にならないから書くのもバカバカしくなってブログを止めてしまう人も多い。

「株式日記」を書き続けているのは、大げさに言えば真実を知らせる使命感のようなものですが、現代の日本はマスコミも学校教育も真実を教えていると言えるだろうか? 各方面からの様々な圧力で真実が歪められて伝えられている事が多いのではないかと思う。そのことを指摘できるのはネットだけなのだ。

ビル・トッテン氏の「日本は略奪国家アメリカを棄てよ」という本は過激なタイトルですが、アメリカ大陸を発見したコロンブスが実際はどのような人物であるかを書いている。本によればアメリカの子供への歴史教育ではコロンブスがアメリカの繁栄の礎を築いた冒険家と教えられているようだ。しかし歴史家の書いた本によればそうではないようだ。

民衆のアメリカ史 1492年から現代まで 上巻 ハワード・ジン:著

昔のハリウッド映画を見ればジョン・ウェインが野蛮なインディアンをバンバン撃ち殺す映画を見る事が出来ますが、今ではさすがにそのような映画が見られなくなった。真実はいくら国家が隠そうと思っても時間が経てば歴史家の研究で暴露されてしまう。歴史は勝者によって書かれるといいますが現代では歴史家によって書かれるのだ。

昔なら勝者によって敗者の歴史を抹消して歴史を書き換えてきましたが、研究が進めば、物的な証拠などを探り出して勝者の歴史観を書き換えさせる事ができると思う。コロンブスなどの冒険家も宣教師ラス・カサスなどのスペイン本国に当てた手紙などでの記録などで残っている。

それでも中南米はまだましな方で多くのインディオが生存していますが、アメリカ合衆国などは徹底的なネイティブインディアンに対する殺戮が行なわれて絶滅寸前にまでホロコーストが行なわれた。これがキリスト教国家のアメリカの真の姿なのだ。しかし真実の歴史をアメリカの子供達に教えたら国家の存立基盤に関わるからコロンブスを英雄として教えているのだ。

しかし野蛮な彼らの末裔であるアメリカ人は今イラクやアフガニスタンでどのような事を行っているか見れば彼らの血筋は争えないのだ。キリスト教を民主主義と入れ替えれば、16世紀頃にアメリカ大陸で行ったキリスト教布教の名の下に行なった文明の破壊行為と全く同じなのだ。

キリスト教自身は戦争を肯定していないがキリスト教布教のためという大義名分が大虐殺の免罪符となったのだ。そしてイラクやアフガニスタンに民主主義をもたらすと言う事の侵略行為もブッシュ大統領の免罪符なのだ。その為ならクラスター爆弾をばら撒いて村ごと焼き払ったり、ファルージャなどでは町が包囲されて動くものは狙撃兵によって撃ち殺された。アメリカ人のやっている事は今も昔も大して変わりがないのだ。

このような野蛮なアメリカと日本は、植民地解放と人種差別撤廃の為に戦ったのだ。もし大東亜戦争がなければアジアの植民地はいまだに植民地のままであったかもしれない。あるいは独立はしても軍事基地を置いてその国の政府を監視し続けて支配し続けている。

日本も16世紀のアメリカ大陸と同じように原爆という新兵器によって絶滅されるところでしたが、命は助けられても魂は抜き取られて民族としての誇りは奪われてしまった。日本の各地には米軍基地が置かれて日本政府もこの監視下に置かれている。自衛隊という軍隊はあっても米軍の指揮下に置かれていることを日本国民は知らない。日本は独立国ではなく講和条約が締結されたのに占領軍は駐留したままだ。

そして日本の歴史も書き換えられて日本は侵略戦争を行なった犯罪国家ということにされてしまった。皮肉な事にアメリカに忠実なのは日本の左翼であり反日思想に洗脳されて、朝日新聞などは従軍慰安婦問題や南京大虐殺などの、あったかどうか分からないことをあったとして歴史教科書を書換えさせようとしている。朝日新聞をはじめとする日本の左翼はアメリカの手先なのだ。

今の日本の歴史教科書でも、スペイン人がマヤ帝国やインカ帝国やアステカ帝国などを滅ぼして金銀財宝を盗んだ程度の内容の事は教えていますが、どれほどの大虐殺が行なわれたかは教えてはいない。西インド諸島にもおよそ800万人のインディアがいたはずなのですが今では黒人とスペイン人の混血しか残ってはいない。

それに比べれば日本の植民地であった韓国や台湾は人口は三倍にも増加して教育などのインフラも整備されて戦後は先進国の仲間入りするまでになりましたが、フィリピンなどで大虐殺を行なったアメリカは自分の事は棚に上げてアジアの歴史を書き換えてしまったのだ。黙っていれば平和的だったインディオのように日本人も滅ぼされてしまうかもしれない。それほどアメリカ人は恐ろしいのだ。




拝金主義の台頭,組織の硬直化,密告社会という三つの現象は、
「成果主義」が導入された結果として、「偽」の大量生産に結びついた。


2007年12月30日 日曜日

成果主義の弊害と弊害と弊害 12月27日 日経BP
「富めば嫉視され、貧しければ蔑視される。力があれば憎まれ、力がなければしいたげられる。君主への忠誠がかならずしも正義でないことを、他国の歴史がおしえている…そういう時代なのである」

 ある小説を読んでいて、この一節で目が止まった。「そういう時代」とは、中国の春秋戦国時代のこと。けれど、「君主」や「他国」の部分を「会社」や「他社」に置き換えれば、そのまま今日の状況を言っているに等しい。そう思えたのである。

 一言で言えば、疑心暗鬼。その鬼は、疑われる者、疑う者の両方の心の中に棲んでいる。だから、不正やウソが次々に暴かれる。鬼は、暴かれる側、暴く側両方の心の中に棲んでいる。だから、そのネタは尽きることなく、非難の声も衰えることがない。そんなことを痛感させられた1年だった。誰にも頼まれていないけど、一丁前に今年を総括してみればそんなところか。毎年末に京都の清水寺で書かれる「今年の世相を表す漢字」も「偽」だったことだし。

「偽」の源

 年金問題などという大掛かりなものまであったが、何といっても目立ったのは「白い恋人」「赤福」などなど山のように起きた偽装問題である。その背景には、「食の安全」への関心の高まりなどという要因もあっただろう。ネットの世界では珍しくない「吊るし上げ」がマスメディアの世界に普及したことも一因、という見方もある。おっしゃる通りだが、やはり根底にあるのは「拝金主義の台頭」「組織の硬直化」といったことではないかと思うのである。

 そして、もう一つ。「密告社会の出現」だ。今年槍玉に上がった事件の多くは、お役所や警察の調査などで明らかになったわけではなく、密告、つまりは内部告発によって露見しているのである。社長が「社員は会社に対する忠誠心を持っているもの」とか勘違いして「トカゲの尻尾きり」を試みたものの社員の逆襲にあって大炎上、などという事件もあった。

 ちなみに拝金主義の台頭,組織の硬直化,密告社会という三つの「現象」は、その発生要因の探求を含め長らく私の「思索ネタ」になっていたものである。偽装ではなく、ここ10年くらいの間に蔓延した成果主義というものについて考え、その結果として行き着くものとして目星をつけていたのが、まったく同じくこの三つだった。この一致は偶然なのか必然なのか。もし必然なのであれば、日本で成果主義が広く導入された結果として、多くの人たちの意識が変化し、それが回りまわって「偽」の大量生産と大量発覚に結びついたことになる。ああおそろしい…。

なぜうまくいかないか

 で、本題の成果主義である。その定義を明確にすべく調べてみると、類語は「結果主義」で、対する用語としては「職能主義」「過程主義」「努力主義」「能力主義」「実力主義」などがあるらしい。 日本では成果主義を能力主義と同義に扱う傾向があるが、能力主義は結果に結びつかない潜在能力をも評価対象にするが成果主義はその点を省みないので、本来は全く異なるものなのだという。

 その制度が多くの日本の企業で採用されたわけだが、うまく機能しているという話はあまり聞かない。つい先日も弊社の『NB online』に「このままでは成果主義で会社がつぶれる」という記事が掲載されていた。アンケートで成果主義の導入が「意欲を低めている」と答えた人は「高めている」と答えた人の2倍以上で、目標達成度(成果)を評価されることが、成長に「結びついていない」と思う人が約6割を占めたのだという。

 この調査結果のように、モチベーションの高揚を目的に導入した制度がその逆の効果を発揮しているとしたら、とんだ悲劇である。しかも、問題はそれだけではない。メディアで紹介される意見や実例を拾い読みするだけでも、導入当初はあまり想像していなかった、多くの弊害があるらしいことがわかる。

出世が「なくなる」?

 その一つが、「拝金主義の台頭」というものである。「成果」としてアピールしやすいのは数字。何といっても一番効くのが「私が提案したこの事業で、××円を売り上げた」「もろもろの努力によって計画比120%の利益を達成した」といった金額だろう。それを言いたいから、みな短期的に儲かることをやりたがる。利益を積み増すためにコストを切り詰め、その弊害には目をつぶる。

 その結果として、「手間がかかるけど成果にならない」「成果は出るけどみえにくい」といった類の仕事は、誰もやらなくなってしまう。その代表例が他部門などへの支援活動であり、若手の教育である。確かに「すげー教育してあいつを一人前にした。今やすごい戦力になっているけど、それは私の努力の結果」とか上司にアピールしても、「はいはいご苦労さん。今期は言うべき成果が何もないわけね」と思われるのが関の山だろう。

 次に、「組織の硬直化」。一昔前まで、上司は仕事上の指揮者であった。だから「仕事上で意見が対立し上司と大激論」などということもできただろう。ところが今は、指揮者でありかつ評価者、つまりは自分の給料を決める人なのである。そもそもこの両機能は独立したものであるはずなのだが、実際はそううまくはいかない。評価者の反感を買えば給料が安くなるかもしれない。だから逆らわない。その結果、上司の仕事上の判断を部下がチェックするという機能が損なわれる。

 当然、それを覚悟で文句を言う部下もいるだろう。そのような人でも昔なら、「あいつの態度は気に入らないけど順番だからやらせるか」と、管理職にもなれたかもしれない。けれど、選ばれた人しか上に昇れない仕組みは、反骨精神あふれる人材には生きにくい制度となるだろう。昔は「上司に逆らうと出世が遅れる」と言われた。今は「出世がなくなる」のである。

お前なんか絶対に合格せんぞ

 経営をテーマに取材を続けておられるジャーナリストのルーシー・クラフト氏(関連記事)は、こう話しておられた。「企業が失敗するケースの多くはリーダーのせい。逆に成功したケースをみると、実はリーダーではなくフォロワー(部下)が欠かせない役割を果たしている。つまり、企業が失敗せず成功するために必要なのは、上司が間違ったときに指摘できるフォロワーの存在なのです」。それを妨げるのが、特定ポストへの権限の集中と、それによって引き起こされる「イエスマンの増殖」なのか。

 そういえば昔、こんな話をどこかで読んだことがある。作家の藤本義一氏が若いころ、あるラジオ番組でゲストに故・松下幸之助氏を呼んだことがあったらしい。その番組内で藤本氏は「メーカーが次々に新製品を出して買い替えさせようするものだから消費者は大変迷惑している」などと、持ち前の毒舌をもって家電批判を繰り広げた。そう言われた幸之助氏は、真っ赤になって怒った。けど、適当な反論ネタが思い当たらない。結局、「何だ、そんな長い髪をして(当時藤本氏は長髪だったらしい)。お前なんかウチの入社試験を受けに来ても絶対に合格せんぞ」などと、見当違いな個人批判を藤本氏に浴びせた。ふとスタジオの外を見ると、幸之助氏の「取り巻き幹部」のような人たちが、親の仇でも見つけたような恐い顔をして藤本氏を睨んでいたという。

 この話には後日談がある。タクシーに乗っていると、運転手にこう話しかけられた。「藤本義一さんですよね。先日松下幸之助さんをお乗せしたのですが、ずいぶん褒めておられましたよ」。「冗談でしょ」と言ったけど、どうも本当らしい。「いやね、えらく気骨のある方だとベタ褒めでした。けどね、自分の周りにはそんな人が誰もいなくなったと、それは嘆いておられましたよ」。さすがに幸之助氏くらいになると、まっすぐに意見できる人は周囲にただの一人もいなくなるらしい。けど、そういうことに自ら気付いて、嘆くなどということは、誰にでもできることではないだろう。

 そして最後は、「密告社会の出現」である。さる企業の人事担当者に聞いた話によれば、人というのは程度の差こそあれ、自身の評価には甘く、他人の評価は辛くなりがちな存在で、極めて公正な評価をしたとしても多くの人が「不当に低い評価を受けた」と感じるのだという。さらに、あるエコノミストの方に教わった行動経済学の原則によれば、人は「損をした」ときに「得をした」ときの3倍大きい精神的ショックを受けるという。

論理から導かれる結論

 これを信じるなら、成果主義を導入すれば原理上、高揚感を感じる人より心を傷付けられる人の方が多く、かつその感情の総和は圧倒的に後者の方が大きい、ということになる。この法則が実際のものになっているためか、多くの方が「成果主義の導入によって、全体としてはモチベーションの低下が目立つようになり、かつ会社への忠誠心が著しく低下した」と指摘しておられるようだ。

 もう一つ問題がある。成果主義の導入に歩調を合わせるように、多くの企業が派遣社員や契約社員などの、いわゆる正社員以外の労働力を大いに活用するようになったことだ。正社員を階層化し、さらに正社員の下に新たな階層を設けるということか。何だか、狡猾な徳川幕府の身分制度に似てなくもない。

 この結果として、「社の実情は十分把握しているが、社への忠誠心などというものは持ち合わせていない」という従業員が社内を闊歩することになった。もちろん、このことは一概に弊害とはいえない。ある面をみれば、企業の透明性が増すキッカケにもなるからだ。けれども逆に、この反動として報復や威嚇の常態化、従業員に対する管理や監視の強化、企業上層部の情報の囲い込みが進む可能性もあるだろう。とても危険な香りがする。

 このほかにも多くの弊害が、実に多くの人たちの口から語られている。そして結論はというと、多くの議論で「成果主義という制度自体が悪いのではない。公平な評価ができてない、透明性がないといった運用上の問題がこうした弊害を生むのだ」というところに落ちていく。それも真実なのかもしれない。けれど、ここに挙げた三つの弊害は、いくら評価を公正にしたところで解消しないのではないかとも思うのである。
(後略)



(私のコメント)
成果主義が企業にとっていい事なのか悪い事なのかの判定がつくのは、結局は結果が出てみないと分からない事なんだろうか? 企業の経営者は成果主義が企業にどのような悪い結果をもたらすか現実の問題となって降りかかるまで成果主義を推し進めているように思える。

成果主義は企業経営者にとっては魅力的な経営方法に思える。企業業績が低迷している現状において手っ取り早く業績を回復させるには人件費を削る事だ。アメリカではリストラをすると株価が上がる。だから業績が好調な企業でもリストラを進めている。ここで言うリストラとは配置転換などではなく実質的な首切りだ。

だから即効薬としては成果主義は画期的な経営手法なのですが、長期的に見てアメリカ経済はそれで上手く行っているのだろうか? 製造業は空洞化して安い人件費を求めて外国に移転してしまった。最近ではホワイトカラーの仕事もインドなどの英語圏の外国にアウトソーシングしている。だから一部の経営層はますます豊かになり中産階級は下層階級に没落している。

それでもアメリカが好景気が続いているのは金融業や不動産業などのサービス業が景気を引っ張ってきたからだ。アメリカは株や不動産の値上がりが続いてみんな豊かになっているように見える。日本もバブルの頃は株も土地も値上がりしてみんな豊かになったように錯覚した。しかし株も土地も暴落して失われた15年を体験している。

日本を除く世界各国はバブル景気に沸いてきましたが、世界の主要都市の不動産賃貸料は世界一高かった東京を追い抜いている。いわば80年代の日本のバブルをアメリカをはじめとする世界が体験しているのです。いわば日本で生まれた不動産資本主義で世界は好景気が続いてきたということが出来る。

しかし日本で起きたようにバブル崩壊はいつかは起きるのであり、アメリカでバブル崩壊が起きたときに真のアメリカの経済力が問われる時が来るだろう。アメリカの空洞化した経済はIT産業や農業や軍需産業などを除いて国を支える産業が無い。成果主義を突き詰めていけば国によって保護された産業を除いてみんな人件費の安い国に行ってしまう。

このままでは日本もアメリカの後追って産業は空洞化していくだろう。そして成果主義は日本人の労働賃金を低下させていく。ソニーはかつては高給エレクトロニクス製品のメーカーでしたが、今では普通の電気製品の会社になってしまった。それは1995年に取り入れられた成果主義が原因なのだ。


ソニー元上席常務天外司朗「成果主義がソニーを破壊した」今、進んでいる市場原理主義の道は「堕落した国」への転落 2006年12月22日 株式日記

<文芸春秋の新年号でソニーの元常務が「成果主義がソニーを破壊した」という記事があるそうですが、ソニーも成果主義で富士通の二の舞を演じつつあるのだろうか? 欠陥電池騒動やプレイステーション3のもたつきなどもそれを象徴しているようだ。AV関係の製品にしても液晶パネルを韓国のサムスンから調達しているようではソニーは終わっているとしか言いようが無い。>



ソニーがウォークマンという製品を作っていた頃はソニーは世界一のAVメーカーだった。ところがアップルのipodが出て来てソニーはそれを追い越すことができなくなってしまった。本来ならばipodはソニーが作るべき製品だったのだ。ソニーはなぜ世界一のAVメーカーから転落したのか? それは成果主義が原因だとソニーの元幹部が指摘している。

会社の経営幹部は正社員の首を切ってパートや派遣社員に切り替える事で人件費を削り、国内の工場を閉鎖して中国に工場を移して製造コストを下げた。それが短期的には正しい方法だ。成果主義は結果主義であり結果を残さなければ株主から経営責任を問われるからだ。その結果不正なことをしてまでも業績を上げる事が求められた。

食品の日付の偽装が相次いで発覚したのも今年の特徴ですが、日本にも偽装とそれを告発する事が多発するようになった。成果主義が社員の士気を高める事よりも妬みと嫉妬が横行するようになり社員間の協調も取れなくなり足の引っ張り合いが横行するようになる。会社の幹部もばれたら謝罪すればいいと確信犯的に不正を行なうようになった。

成果主義の会社では「手間がかかるけど成果にならない」事や「成果が出るけど見えにくい事」は誰もやらなくなり会社の組織は確実に蝕まれて、気がついたときは会社組織はボロボロになっているのだ。会社のトップにしても間違った判断をした時にそれを指摘できる部下がいれば会社は大きな間違いはせずに済みますが、成果主義の会社はワンマン社長となり周りはイエスマンばかりの部下となりがちだ。

ソニーはテレビのディスプレイパネル開発においても失敗して韓国製の液晶パネルを使うような状況になってしまった。経営トップの判断ミスを正す人がおらず、開発の現場はすぐに成果の出るものに限られて画期的な新技術が出来なくなってしまった。その結果ソニーのテレビは松下やシャープに追い抜かれてしまった。しかし松下や日立も成果主義でソニーの二の舞いになるのではないだろうか?


家族・住宅手当を全廃へ ソニー、係長以下にも成果主義  2003年11月29日 人民日報

ソニーは29日、国内の係長以下の一般社員約1万2000人に対し、来年4月から成果主義を徹底した新しい賃金制度を導入することで労使が合意したことを明らかにした。「扶養家族」や「住宅補助」の手当も全廃し、働きぶりなどの評価をほぼ全面的に給与に反映させる。電機大手で年功型賃金の廃止を決めたのは日立製作所、松下電器産業に続き3社目となる。

  新制度は、給与を「基本給」に一本化し、現行の諸手当のうち存続するのは残業手当(超過勤務手当)だけとなる。社員を3段階の資格(グレード)に分け、上司の評価に基づいて基本給や昇級を決める。評価方法などについては今後詰める。

  これまでの制度では、住宅と家族の手当が平均で給与の約5%を占めていた。成果主義の反映部分は小さく、係長までは全員が10年程度で昇級していた。新制度の導入後は、年齢に関係なく短期間で昇級することがある一方、昇級に時間がかかったり、降級したりすることもあるという。

  ソニーはすでに、課長以上の管理職約6000人に対して00年から同様の制度を導入済みで、管理職では残業手当も廃止されている。




中国から外資が撤退し、あるいはさらに多くの企業が倒産すれば、
ますます多くの人が失業し、悪性インフレに耐えることができません。


2007年12月29日 土曜日

インフレで亀裂が走る中国経済の鎖 【大紀元日本12月28日】

(前略)
 林雲:中共の改革が始まって30年に達しようとしていることを私たちは知っています。このプロセスの主役は、これまで労働集約型の輸出企業であり、輸出型の経済を形成してきました。しかし、今般の物価上昇が、これらの輸出企業、沿海部一帯の輸出企業に与える衝撃は非常に大きく、報道によれば、珠海デルタ一帯では、1000に上る中小企業が倒産しました。

 杰森:3000余りです。


 林雲:3000余りなのですか?

 杰森:そうです。

 林雲:今般の物価上昇は、中国の経済構造に直接的な影響を及ぼすのでしょう

 か?

 杰森:そのとおりです。全くそのとおりです。中共の文章を見ると、労働力不足、水不足、電力不足、油不足のために企業が倒産せざるを得ないということですが、実際のところは、根本的な問題、つまり、中小加工型企業のコストが上昇したということに関わってきます。このコスト上昇はどのようにしてもたらされたものなのでしょうか?直接的な原因は、労働費用が上昇していることなのです。

 今般の物価上昇のために、多くの労働者が、一ヶ月働いても衣食を賄うことができないことを認識しており、多くの者が働きたがりません。このため、多くの企業が労働者を招聘できなくなり、やむをえず賃金を引き上げているのです。もう一つの原因は、“中石油”など多くの国有企業が、石油価格に従わない値上げをしており、このことが、石油の不足や石油価格を非常に高くしています。

 林雲:原料価格の上昇ですね。

 杰森:原料価格が非常に高くなっています。私たちは、中国がこの数年間で“世界の加工工場”の名声を博したことを知っていますが、この名声こそが中国経済全体の支えでした。中国経済の60%が輸出に依存しており、その輸出は、主として加工業における輸出によるものでした。

 この加工業に問題が発生すれば、中国経済には根本的な問題が発生します。中国経済全体を、加工業を主とする経済のチェーンと見なすと、労働コストの上昇は、中国の経済構造に直接的な影響を与えます。言い換えると、物価の上昇は、中国経済のチェーンに亀裂を生じさせ、事態が悪化すれば、このチェーンは断裂します。

 こうした事態は、中国企業においてのみ発生するものではありません。最近公表された米国商工会議所の調査報告によると、中国における最近の労働コストの上昇、著作権の不公平、管理の不全から、中国が外資の投資を吸引する力や競争力が、世界レベルで見て次第に下落しているとのことです。これは、悪性循環の始まりです。

 林雲:労働コストが増加した後、本国の輸出企業が不振になり、外資もまたこれを重視し、彼らの投資に影響を与えている、ということですね。

 杰森:はい。外資の吸引力が弱くなったのです。最も血液を補うことが必要なときに外資が撤退し、あるいはさらに多くの企業が倒産すれば、ますます多くの人が失業し、貧困ラインに突入し、悪性循環の途をひた走ることになります。

 林雲:企業が倒産し、労働者に仕事がなくなれば、収入源がなくなります。

 杰森:更には、インフレに耐えることができません。これこそが、悪性循環に突入した経済に見られる恐ろしい現象です。

 林雲:しかし、現在において、物価上昇が緩和される現象は全く見られません。こうした展開が続けば、中国経済が短期間のうちに崩壊に向かうのではないでしょうか?

 杰森:一般に、私たちはこうした問題について予想はしたくはないものです。しかし、事実から見て、この問題は非常に深刻です。中共もまた、いま直面している経済、金融問題が空前のものであることを認識しています。

 歴史上、中共はこの10年間、非常にハイペースなGDPの成長を維持してきました。多くの経済学者や、中共の御用学者は、中共のために賛歌を唱いました。これと同時に、良識ある、中華民族の存亡に真に関心を持っている経済学者は、中共のGDPを主とする経済発展モデルは持続不可能であると主張してきました。この持続不可能性が現在多くの面で露呈されています。たとえば、中共による中国社会からの極端な搾取のあり方などです。

 過去10年間において、GDPの成長速度は、財政収入のそれの半分でした。中共の財政収入の増加の速度は、GDPのそれをはるかに上回っています、また、中共は一部の特権階級を許容し、ほしいままに中国社会から資産を掠奪させ、巨大な貧富の格差をもたらしています。

 貧富の格差の結果、資産が少数の者に集中する一方、大多数の人々には使えるお金がなく、これが内需の不足、輸出に依存するしかない経済構造をもたらしているのです。

 輸出型の経済においては、中国の通貨が外貨による束縛を受けますし、金融政策もまた然りです。こうした一切の結果が、今般のインフレの原因となっています。

 また、国有企業は中共の党の資産で、資金、人員面での優位、巨大な独占的地位を占めています。彼らは大幅な値上げを続けており、例えば、上流にある中石油は、アジアで最も利益の高い企業になりましたが、この最高利益の企業は、実際のところ、河流にある中小企業の巨額のコスト上昇を代償としたものなのです。

 もう一つに、環境汚染の問題が挙げられます。環境汚染について、多くの経済学者は、中国経済の持続的発展を不可能なものにしている原因と考えています。例えば、広東省は、もともと水資源が非常に豊富な省です。しかし、中共が、環境を顧みることなく、GDPの発展を要求しました。そして、大量の汚水の排出が原因で、広東の水が使用できなくなりました。汚染のために、多くの水が使用できなくなったのです。このため、広東は、将来の発展のプロセスに必要となる水のうち、1/3しか提供できなくなっています。

 多くの海外経済学者は、中共がいまの発展モデルを維持できないと考えています。いままで申し上げた要因が蓄積されていく中で、一つの導火線が出現しました。その導火線は何でしょうか?それは、2007年末の豚肉の値上がり、米ドルの切り下げです。この2つの要素が導火線です。この導火線に火がついたとき、長期にわたって蓄積されてきた持続不可能性の要因が発作をはじめ、中国経済を非常に危険に状態に追いやることになります。

 林雲:十数年間もの間中国のGDPが高速成長を続けており、中国の資産は一定の蓄積があります。先ほど述べられた、中石油などの大型国有企業についても、一定の資産が蓄積されています。こうした状況をふまえますと、中国が現在の苦境に直面している中で、執政政党である中共に、発生しうる経済危機に対処する能力があるのでしょうか?

 杰森:これまでの中共の態度、措置から見ると、非常に難しいと思います。

 林雲:なぜですか?

 杰森:中共にはいくつかの問題があります。第一に、中共は、特別に貪欲です。いつも災難を民衆に転嫁し、自分自身は何の犠牲も負いません。例えば、中石油といった大型国有企業は確実に多くの資産を蓄積し、その市場価値は世界1位となっていますが、私は、中共がその利益を民衆に与えるとは信じていません。

 原因は、非常に簡単です。9月期にCPIが著しく上昇しましたが、このとき、中共は、いかなる物の値上げも認めないと言いましたが、10月になると中石油は、この言の撤回を迫り、製品油の価格の引き上げを求めました。10月末から11月初頭にかけて、国家発展改革委は妥協し、すべての製品油の価格を10%値上げしてよいとしました。中石油の利潤は、既にアジア最高となっており、このとき、彼らはあらゆる損失を被ることを嫌いました。

 林雲:こうした大企業は、社会に対する負担を全く負いたがらないのですね。

 杰森:そのとおりです。このほか、中共は、巨大な統治コストを負担しています。現在、中国の財政収入は日本を越えています。中国のGDPは日本のそれを大きく下回っているのですが、財政収入は日本を上回っているのです。

 中共は、徴収したお金を民衆に返したり、徴収する額を少なくしたり、統治コストを引き下げることができるのでしょうか?私は、それは非常に難しいと思います。例えば、中共は、300億元で武装警察を保有していますが、この部隊は、警察でも、軍隊でもありません。事実上、存在してはいけないものなのです。(後略)



世界銀行が中国経済の評価を大幅に下方修正 12月25日 宮崎正弘

誰も信用しないが、中国の国家統計局が公表したインフレは6・9%である。
 中国人民銀行(中国のFED、日本の日銀の相当)は、ことし六回利上げし、五回も銀行預金利率を上げた。つまり消費を抑制して物価の高騰を押さえ込み、預金を増加させることによって通貨供給量を調整するというマネタリストの真似事。(マネタリストの総帥ミルトン・フリードマンは中国経済に批判的だったが。。)。

 効き目がない。
 インフレは一向に収束せず、不動産価格は主要70都市部の先月統計でも10・5%の値上げが見られる。
 ちなみに中国の公定歩合は7・47%。 預金利率(一年定期)は4・14%(12月25日現在)。


 これではインフレ率に追いつけず、不動産投資のほうにまだ妙味があり、株式の高騰も預金利率よりははるかに高い。金は利率の高いほうへ流れる。
中国の株価は11月6日をピークに30%ほど下落しているが、それでも過去一年間でCI指標は147%の上昇だ。


 いまの中国経済にとって、ズバリ適正な政策はなにか、と言えば人民元切り上げである。
 人民元は2005年7月の2・1%切り上げから今日までに約12%切り上げになっている。
 人民元が理論的にあと20%ていど高くなれば、原油輸入代金が20%以上やすく買える。インフレはほぼ収束するほどの効き目がある。
円高=日本がながくデフレに悩んだように。


 さて世界銀行は今週、中国経済の評価を40%下方修正する(ヘラルドトリビューン、12月21日付け)。
 購買力平価で世界経済比較をおこなった場合、中国は米国についでナンバーツーの位置にある。2005年評価で中国の購買力平価インデックスは88億ドルと見積もられた。今回(07年度)の予測では、53億ドル。

 購買力平価のもっとも単純な数式は「ビッグマック指標」とよばれるもので、世界各地のマクドナルドの大ハンバーガーの価格から、為替水準を調整し、物価水準を推定し、ガソリン、家屋、レンタル、肉と野菜の価格を標準化して、その国の生活水準をはかるもの。

 世界第二位といえば、それなりに生活がしやすいということになる。
 だが中国の大都市と沿岸部の庶民の統計はやや正確にとれても、地方都市、砂漠の奥、密林の闇の経済が不明であり、もうひとつ致命的なのは地下経済である。
 地下経済は表向きの数字に20%ほど加える必要があり、表の銀行を通さない闇金融、地下銀行の繁栄をみていると、やはり中国経済を数式化して理論だてるのは無理である。

 大都市のスーパーマーケットの価格帯が、たとい統計のとおりであるとしても、そのスーパーへ通って買い物できる階層と、スーパーにもいけない八億農民との乖離を数式化できないところに、中国経済を判定する闇が存在している。



(私のコメント)
大紀元や宮崎氏の記事を見ると悪性インフレの大暴走が止まらなくなってきている。日本のマスコミの中国の報道は信用が出来ない。だから外国の報道機関の記事を見て中国を見ないと真の姿が分からない。中国政府ですら自国の経済の実態がつかめないでいるから適切な経済運営が出来ないでいるのだろう。

中国は人民元とドルをリンクさせている結果、海外からのインフレ圧力を受ける結果となり石油高とドル安の影響をまともに食らって原材料価格が暴騰している。原材料価格が上がって国際競争力が無くなって工場の倒産が相次いでいる。それくらいなら元を切り上げれば石油などがそれだけ安くなるはずなのですが、中国人にはその理屈が理解できないようだ。

このような生産コストの上昇は物価の上昇を招いている。物価の上昇は10%にもなっているようですが、庶民達はインフレ回避のために預金を株や不動産に回している。まさにバブルの末期的症状がでているから融資規制などの非常手段まで取るようになっている。

中国政府がまずしなければならない事は人民元の切り上げであり、それが物価を落ち着かせる一番の手段だ。「株式日記」でも元の切り上げは中国のためにもプラスになると何度も書いてきた。しかし愚かなる中国人の大部分は元の切り上げを本能的に恐れてしまう。日本の大蔵省の役人達も円高を恐れてドルを買いまくった事も共通している。

中央政府が為替介入すればドルをいくらでも買ってくれるわけだから投機筋は紙に印刷されたドルを売り浴びせてくる。その為に中国や日本にはドルの札束の山が出来ている。それを放置してもしょうがないからアメリカの国債などを買っていますが、日本や中国の生産力がドルの価値を保障している事になる。もし為替介入などしなければ投機筋はドルが売れないから為替投機は起きなかったはずだ。

中国も為替介入を続けているから国内のインフレが止まらないのであり、インフレが生産コストの上昇となり輸出競争力が落ちて工場倒産を招いている。工場倒産による失業者の増大と物価の上昇は悪性インフレと呼ばれますが、元の切り上げで物価の上昇は抑えられる。

工場倒産による失業者の増大と人手不足は矛盾した現象ですが、中国人にしても3Kと呼ばれる工場などの低賃金の仕事はしたがらない。大学を卒業してもホワイトカラーの仕事は無いから大卒の半数以上が就職できない。中国でも公務員になれば120万円の年収になるから公務員や国営会社の従業員が増える一方だろう。それに対して月に1万円とか2万円で、きつい工場労働は中国人でもやりたがらない。

このように中国の無尽蔵とも思えた労働力資源を使い尽くして安価な工場労働力は望めなくなった。外国資本はより安い労働力を求めて中国から流出が止まらない。人民元がいくら安くても生産コストが上がっては意味がないからだ。中国がこのまま高度成長を続けるには国際競争力のある高付加価値のものを作る必要がありますが、中国にその力があるだろうか?

中国はより多くの外国企業の技術力を必要としていますが、特許や著作権の管理のずさんさで外資の撤退が相次いでいる。日用雑貨品なら特許も著作権も関係ないが、高付加価値のものは特許や著作権が保護されなければ意味はなくなるから外資が中国を避けるのは当然だ。だから中国にはブランド商品が育たない。

日本では今やブランド商品のオンパレードであり、お米もブランド商品となり果物から海産物や畜産物にまでブランド化が大流行だ。それに対して船場吉兆などは偽ブランド食品を売り出して問題になりましたが、時代の流れを象徴している。中国ではこのようなブランドや商標管理は難しいだろう。誰も信用しないからだ。

「株式日記」ではアメリカと中国との経済同盟が破綻して共倒れするだろうと書いて来ましたが、アメリカのドルの暴落は中国に破局的経済破綻をもたらすものとなるだろう。米中双方にロシアやアルゼンチンで見られた破局的なハイパーインフレが襲うかもしれない。日本やEUなどにも影響が及びますが基軸通貨のドルからユーロへの移行時期にはこのような混乱は避けられない。




【みくみくに】役所もテレビ局も権利者団体も、新しいサービスを妨害して
既得権を守ろうとしているため新しい産業が立ち上がらない【してあげる】


2007年12月28日 金曜日

みくみくにしてあげる♪(動画付)

初音ミクJASRAC問題の「雨降って地固まる」について 12月27日 栗原潔

初音ミクJASRAC問題についてコメントしようといろいろ調べていましたが(はてなダイアリーでも指名で振られてましたし)、結局、両社が建設的な形で和解ということで結果オーライとなりましたね。

JASRACは著作隣接権ではなく著作権を管理する団体なので、作品データベース(J-WID)上のアーティスト名はinformation-onlyであり何らの権利が発生するものでもありません(たとえば、「初音ミクsings」でJASRAC管理曲を配信するたびに「栗原潔featuring初音ミク」とアーティスト名が登録されるのかというとそんなことはありません)。また、ここでのアーティスト名はおそらくは商標的使用ではないので、商標権に基づいて差し止めはできないと思います。ただし、どう転んでも、初音ミクにはキャラクターとしての財産的価値がありますし、クリプトン社はそれなりの投資を行ってきているので、法文上にはなくとも、クリプトン社にはキャラクターとしての初音ミクをコントロールできる権利(いわゆる、キャラクター権)があると考えてもよいと思います(※)。

...というようなことを書いても蒸し返しになるだけなのでやめときます(と言いつつ書いてますが)。

まあ、いずれにせよ、両社の和解内容もきわめて納得のいくものであり良かったです。中でも重要なポイントは以下かもしれません。

5.音楽著作権の処理に関しては、現在のシステム・ルールがネット時代に即応できていない不十分な部分が存在するという認識で一致し、時代に即応した新しいシステム・ルールを構築できないか両社で協力し検討してゆきます。

具体的には、作者さんが着うたや通信カラオケなどの営利事業からある程度の報酬を得つつ、ネットでの二次利用が自由にできるようなスキームが必要だと思います。これは、別に著作権法改正とかの大げさな話ではなく、著作権管理団体が信託(あるいは委任)の規定を変えれば対応できる話だと思います。(後略)



イタリアはなぜIPTVのリーダーになったか 12月28日 池田信夫

DailyIPTV誌の今年の回顧によると、世界のIPTVのリーダーはイタリアだ。各国のIPTVサービスが赤字に苦しむ中で、イタリアのISP、FastWebのユーザーは今年40%増、利益は60%増で、1999年の創業以来はじめて黒字になる。テレビ局と提携して地上波テレビ番組をすべてネット配信し、同時録画してオンデマンド配信するサービスまで開始した。これはHDDレコーダーをISP側にもつようなもので、視聴者は放送時間を気にしないで番組表(EPG)から選んで番組を見ることができる。

このように包括的なテレビ番組のネット配信サービスは、世界に類を見ない。放送の同時再送信はケーブルテレビや衛星放送に認められているが、オンデマンド配信についてはBGM1曲にまで個別の許諾が必要なので、この交渉が最大の障壁になっている。これに対してイタリアでは、音楽・映像などすべての権利を一括して管理する芸術家のギルド、SIAEが強い力をもっており、SIAEと包括契約すれば、個別の権利者との交渉が必要ない。ロイヤルティについても鷹揚で、「まずユーザーを増やすことが第一で、サービスが広がってから料金を取ればいい」とSIAEはいう。

これにはイタリア的な事情もある。ローマ市内全域でインターネットがダウンしても、日常茶飯事なのでだれも驚かない。借金は踏み倒すのが当たり前で、貸すのがバカだと思われている。おかげで金融市場が成立せず、家族からしか借金できないので、大企業が育たない。このようにsocial capitalがお粗末なため、イタリアはEUの最貧国に転落し、ベルルスコーニは政権から追放された。

しかし、こうしたイタリア的いい加減さが、IPTVで世界のトップランナーになった理由だ。政権と放送局とギルドなどのトップがみんな親戚だったりするので、権利関係の交渉も政界のボスがOKすれば一発で決まる。イタリアは、財産権の概念がしっかりしてないと経済がだめになるという「制度派経済学」のショーケースだが、この状況をみると情報を「知的財産権」と考えるのが間違いであることがわかる。世界中の通信業者がイタリアに視察に来るようになり、EU委員会もイタリアをモデルケースにして包括ライセンスの制度化を域内各国に勧告している。

それにイタリア人は経済成長なんか気にせず、音楽や美術や食事を楽しんでいる。「芸術はみんなのものだ」という数百年の伝統があり、作品を多くの人に見てもらうのがいいことだと考えている。その結果、IPTVが広がれば、芸術家の収入も増える。いわばユーザーがルネサンス期のパトロンのような存在として芸術を支援しているのだ。かつて近代の芸術・科学がイタリアから生まれたように、21世紀の情報文化もここから生まれるかもしれない。

日本はすべてこの逆で、あらゆる権利がクリアされて「コンプライアンス」を完璧にしない限りサービスがスタートできない。役所もテレビ局も権利者団体も、新しいサービスを妨害して既得権を守ろうとしているため、新しい産業が立ち上がらないから、日本の一人当たりGDPは世界第1位から18位に転落した。真の意味で文化を愛し、クリエイターへの「思いやり」をもっているのは、どっちの国だろうか。


(私のコメント)
インターネットにおける著作権の問題は「株式日記」でも何度か書いた事がありますが、馬車しかなかった時代の法律を自動車に当てはめるような無理があり、早くインターネットと著作権の問題を改めて規定しないと初音ミクのようなバーチャルアイドルも育たなくなります。このような全く新しいものを旧来の法律で規定するとみんな犯罪になってしまう。

「株式日記」でもブログや新聞記事を引用紹介しながら自分の意見を書いていますが、それにすらクレームをつけてくる人がいます。著作権には引用権が認められており、引用が認められなければ論拠を補強する事ができず、言論の自由と創作活動に支障が出るからだ。むしろ著作権を楯に言論の自由を妨害したりする手段に使われている。


インターネットにおける引用権と著作権についてネットに公開されたサイトは公共財として自由に引用できる 2004年7月23日 株式日記

<あるいはまた、自分の主張の援軍を得るという意味にもなる。社会科学などの研究とその論文作成においては、自然科学とは違い、「実験」などによる検証ができない(だから、自然科学の研究論文においては、実験などの材料や方法等を詳細に明記し、第三者がそれにもとづいて「追試験」を行い、同じ結果が得られるものでないと、客観的な「成果」とは認められないルールである)ので、なおさら、「根拠」「出所」を示すことは欠かせないものである。>

「著作権者の法的権利を保護する」のが目的として中国政府は体制を批判する内容のブログを閉鎖している 2006年2月26日 株式日記

<しかしこのような事は日本でも行なわれており、先日も我が「株式日記」はプロバイダーの「ぷらら」によって突然サイトを閉鎖されてしまった。理由を尋ねたところテレビのニュースのキャプチャー画像を張っているからと言うことだったが、私は必要と認められる範囲内なら「引用」は認められると反論した。

このように日本でも著作権を厳密に解釈したり拡大解釈したりすれば、中国のような言論弾圧は可能なのだ。ニュース記事を元に時事問題を評論する時にもニュースサイトなどから記事をコピーしなければ読者は内容を把握できなくなるからだ。サイト上のニュース記事は数週間で消えてしまうからだ。>



初音ミクの問題にしても、インタ−ネット上に誕生したバーチャルアイドルをドワンゴが商標登録しようとした事に対して2ちゃんねるなどのユーザーが反発して問題になったようですが、インターネット上に生じつつある文化と、従来の著作権とが対立している格好だ。2ちゃんねるでも「ノマネコ」を商標登録しようとした玩具メーカーとも同じような問題が起きた。

このようにインターネット上に誕生しつつあるものに対して、既成の団体や会社は既得権で押しつぶそうとしていますが、だから日本には新しい産業が育たない。グーグルやユーチューブなども著作権法を厳密に解釈すれば違反になるようなものですが、日本では片っ端から押しつぶしていますがアメリカなどでは映画テレビなどの団体はしばらく様子を見ようといったスタンスだ。

池田信夫氏が指摘しているように情報や作品すべてを「知的財産権」として囲い込んでしまったら新しい創作は育たないだろう。音楽産業にしてもネットのダウンロードでCDが売れなくなってきていますが、アーティスト達はライブ活動で稼ぐ事が主流になるだろう。困るのはレコード会社でありアーティストや作曲家などはユーザーから直接支払われるダウンロード料金からもらった方が割がいいのだ。

映画などにしても違法なDVDが出回っていますが、困るのは映画館であり映画会社はDVDを売ったりダウンロード販売で稼ぐのが主流になるだろう。ソフトが500円ぐらいで販売されれば違法コピー商品も誰も買わなくなる。そうなればユーチューブなどが宣伝媒体となり利用されるだろう。テレビ局などはいまだにユーチューブを目の敵にしているから新しい産業が日本で育たないのだ。

言論活動にしても、選挙でもネットを解禁すべきだと主張してきましたが、総務省や自治省などの役人の勝手な解釈で、ネットも文書や図画にあたるとして禁止していますが、だから金のかかる選挙が無くならないのだ。「株式日記」でも選挙中でも政治的な意見をバンバン書きましたが選挙違反でつかまる事はなかった。裁判でもネットと選挙での関係を裁いた判例はまだ無いからだ。

「株式日記」をこのように毎日書く事が出来るのもネット上に公開されているブログなどを毎日見ているからですが、これが有料化されたり、著作権で保護されたりしたらネットの意味はなくなるのではないかと思う。テレビがこれだけ普及したのも視聴が無料だからでありスポンサーでテレビ局は経営されている。ブログなどもいずれは広告やアフィリエイトで稼ぐのが多くなるのではないかと思う。そのためにはネット利用者をもっと増やしていかなければならない。




『2008 世界恐慌−−米中“基軸経済”の崩壊』 週刊エコノミスト
米国のバブル崩壊と中国の工場倒産で米中経済同盟の共倒れが来る


2007年12月27日 木曜日

特集 2008 世界恐慌−−米中“基軸経済”の崩壊 12月25日 週刊エコノミスト編集部 濱條元保

 世界経済は、大国の米国と中国が「車の両輪」の役割を果たし、相互に発展を支え合う形で、成長を維持してきた。しかし、この好循環をもたらした構造に変調が見えている。サブプライムローン問題は、米国の信用収縮や消費の減退をもたらし、それは中国の輸出減となる。一方で、長く続く過剰流動性は資源価格を急騰させ、経済にマイナスの要素となり始めた。住宅価格の高騰など資産バブルも崩壊の淵にある。2008年の世界経済は、これまでのプラス要素が一気に逆回転しかねない恐怖と闘わざるをえない。(週刊エコノミスト編集部)

第1部 米中欧−好調経済に影

◇米国「借金漬け消費」の後始末 経済悪化は世界に伝播する

「世界経済を牽引してきた米中の“ツインエンジン”がついに息切れしそうだ」

 2008年の世界経済はどうなるのか。一言で表現しようとすればこうなると、双日総合研究所の吉崎達彦副所長は話す。

 07年夏に表面化したサブプライムローン(米国の信用力の低い個人向け住宅融資)問題。それをきっかけに、米国の景気減速懸念は一気に強まった。だが米国経済が減速しても、中国をはじめとする新興国の高成長が下支えして、世界経済は堅調さを保つという「デカップリング(分離)論」が聞かれる。本当にそうだろうか。

◇米国の対中国貿易赤字額は10年間で5.8倍に急増

「米国と中国の意図せざる経済の融合によって、米中の貿易インバランス(不均衡)が大きくなりすぎた」と吉崎氏は指摘する。米中経済の融合が進んだ結果、米国経済が失速すれば、中国経済にも甚大な影響が及ぶということなのだ。

(図1)

 ここ数年、米中の経済的結びつきがいかに強くなり、世界経済におけるプレゼンスを大きくしてきたか。両国の貿易状況をみれば、その実態はおおよそ掴める。

 図1は、1996年と06年の米国貿易赤字の相手国の内訳を示したものだ。

 96年、米国にとって最大の貿易赤字国は日本で、その額は475億ドル(全体のシェアは28%)だった。だが、その後2位中国(96年は395億ドル、同23%)が00年に日本を抜いてトップとなり、06年には米国の対中国貿易赤字額は2325億ドルと96年の貿易赤字総額の1.3倍にも達した。米国の対中国貿易赤字は10年間で5.8倍に膨らんだ。

 中国側からみれば、反対に対米貿易黒字は毎年拡大を続ける。それでも人民元を切り上げず、ドル買い・元売り介入を続けた結果、膨大なドルが外貨準備として積み上がっていった。中国の外貨準備高は、07年9月までに世界最大の1兆4336億ドル(約157兆7000億円)にのぼる。この大半を米国債で運用するため、再び米国に流入し、膨大な貿易赤字を含む経常赤字を穴埋めする構図が生まれる。


(図3)

 もう1つ、図1が象徴的に示すのが、米国の貿易赤字の拡大ぶりである。96年の1702億ドルから10年後の06年には、4.8倍の8173億ドルに膨れ上がった。図3と併せてみると、米国が世界中からモノを買い漁っている様子がよくわかるだろう。

 中国がモノを作り、それを米国が買い入れる−−という「米中融合経済」がここ数年拡大し、それが牽引力となって、世界経済の成長を支えてきたのだ。

 ところが、この好循環に変調の兆しが見え始めたのである。

◇米家計の過剰債務は3.8兆ドル

 米国では、サブプライム問題をきっかけに、長年の「借金漬け消費体質」のツケが噴き出そうとしている。

 12月上旬、第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは、カリフォルニア州やテキサス州を訪問し、金融機関などでヒアリング調査を行った。熊野氏が深刻だと受け止めたのは、サブプライム問題を米国家計の過剰債務問題の象徴として理解している人の意見だった。

米国では、90年から07年6月までに家計の負債残高が3.7倍になったのに対して、所得水準は2.4倍にとどまっている。特に、25歳以下の若者がローンを使いやすくなり、過剰消費体質に陥っているという声を聞いた。70年代の荒れたデトロイトを知っているという人物は、当時と雰囲気が似てきたと話していた。投資家に本当にリスクを認識させて金融商品を販売しているかどうかも疑わしい。米国にこそ、金融商品販売法が必要ではないかと感じた」(熊野氏)

(図2)

 米国の過剰債務体質について、もっとストレートに指摘するのは、三菱UFJ証券の水野和夫チーフエコノミストだ。

 水野氏が問題視するのは、米国の家計における可処分所得に対する住宅ローン残高の割合の大きさである。07年第3四半期時点で家計の可処分所得に対する住宅ローン残高の割合は102%に達しているという(図2)。これに対して、52年第1四半期から98年第1四半期まで、所得に見合った返済可能な借入額との比率を示す傾向線上の同比率は65%だ。現状では、65%を上回る部分の37%分、3.8兆ドルが家計の過剰債務と水野氏は試算する。

「3.8兆ドルの過剰債務解消には、金融機関が1兆ドルの損失処理をすることを前提に、個人貯蓄率を3%に高め、年間3000億ドルを返済に回すとしても、約9年間を要する」

 しかし、この過剰債務解消にはリセッション(景気後退)を伴うリスクが高い。家計が債務返済に所得を向ける分、個人消費が落ち込むからだ。水野氏はサブプライム問題に端を発する過剰債務解消によって、米国がリセッション入りする可能性は50%以上あると予測する。

 熊野氏も「FRB(米連邦準備制度理事会)の金融緩和策で株価上昇を支えられれば、個人消費の停滞は乗り越えられるだろうが、その逆はリセッションだ」と語る。

 米国の消費を支えてきた住宅市場の冷え込みは激しい。

 米商務省が12月18日に発表した11月の住宅着工件数は、季節調整済みの年率換算で118.7万戸で、前月比3.7%減、前年比では24.2%という大幅な下落となった。特に、約7割を占める1戸建て住宅は前月比5.4%減の82.9万戸と91年8月以来の低水準で推移。住宅建設の先行指標となる11月の認可件数は115.2万戸と前月比1.5%減少と先行きに明るさはみえない。

 融資基準の厳格化は、住宅販売不振にもつながっており、過剰在庫や差し押さえ物件増に伴い、住宅価格の下落も避けられない。すると、住宅価格上昇を前提にした借り入れが困難となるばかりか、資産価格下落によって借り入れの返済に追われ、GDPの7割を占める個人消費を減退させる。これが好調だった米中経済の歯車を狂わせる。

◇07年から始まった中国の対米輸出減少

(図4)

 みずほ総合研究所中国室の鈴木貴元主任研究員は、「好調だった中国の対米貿易が07年に入って、鈍化し始めた。これは米国の景気後退の予兆だったのではないか」と指摘する。

 米国商務省の資料によれば、中国からの住宅関連に使用されるセメントやガラス、鉄鋼など建材の米国向け輸出は、07年10月までの実績で対前年比87%にとどまっている(図4)。それ以外にも、家電や設備投資関連にまで落ち込みが広がっている。足元ではNIES(韓国、台湾、香港、シンガポール)やASEAN(東南アジア諸国連合)、アフリカ向けも鈍化しているという。

 鈴木氏は、「中国の貿易は、日本・韓国・台湾から部品を仕入れ、中国で組み立て、欧米に輸出する加工貿易タイプが多いが、近年は中国から新興国に向けた部品輸出も増えている。足元、これが落ち込む可能性があり、サプライチェーンの目詰まりが、多国間で生じる兆しがある。製造業への依存の強い新興国、特にNIESやASEANは輸出が滞ると、生産の停滞を経由して、雇用や消費にも影響を与えかねない。ここまでの連鎖はまだ大きく報じられていないが、注意しておく必要がある」と警鐘を鳴らす。

 米中を起点にした経済も実は、世界経済のかなりの部分でつながっている。「デカップリング(分離)」ではなく、「カップリング(一体)」であれば、米中経済の失速は、世界経済を巻き込むことになる。

◇金融恐慌入り口の日本の97年と似てきた

 UBS証券の白川浩道チーフエコノミストは「サブプライム問題に揺れる米国は、利下げを通じてソフトランディング(軟着陸)を目指しているが、それも怪しくなってきた」と指摘する。

 通常、利下げを行えば、金融機関は、長短金利の拡大で利益を増大させ、一方で、株価上昇や消費刺激、設備投資の促進で景気を下支えするという効果がある。しかし、今、欧米では民間金融機関に資金が供給されても、それは自己資本比率維持に回るだけで、企業や個人など資金を必要とするところに行き渡らないのだ。まさに日本が十年前に経験した“金融恐慌”目前の様相だ。

 97年11月、準大手証券の三洋証券が短期金融市場で戦後初のデフォルト(債務不履行)を引き起こし、資金を融通し合う金融機関を猛烈な疑心暗鬼に陥れた。

 短期資金の目詰まりは、その後、経営不安が取り沙汰されていた北海道拓殖銀行や山一証券という大手金融機関までも破綻に追いやった。それは「税金投入やむなし」との世論形成へとつながり、98年以降、公的資金が大手行に注入された。

 それでも、資産デフレで傷ついた銀行の不良債権問題は収まらず、金融仲介機能が麻痺。日銀は、個別企業のコマーシャルペーパー(CP)を積極的買い入れ、さらに個別株までも購入したのは周知の通り。そして、中央銀行としては未曾有のゼロ金利、量的緩和政策に突き進んだ。

 今、欧米金融市場で起きていることは、まさに日本の97年前後の様相と相似している。欧米中央銀行が協調して巨額の年越え資金を供給するという異例の事態が、それを如実に物語る。

 グリーンスパン前FRB議長は12月16日、金融機関に対する公的資金投入について「必要に応じて大規模に使うべき」と指摘。大胆な税金投入が必要なほどの事態に追い込まれていることを示唆した。ブッシュ大統領も翌17日、経済政策に関する演説のなかで、「住宅バブルを克服するにはしばらく時間がかかる」と、米政権がこれまで避けてきた「バブル」という表現を使って、ようやく事態の深刻さを認めた。

 草野グローバルフロンティアの草野豊己代表は「銀行の損失が確定するまで公的資金の投入は難しいだろう。それまで金融緩和で凌ぐしかないが、米国はドル安と原油高でインフレの危機にも直面している。住宅投資と消費が冷え込み景気が後退するなかでインフレが進めば、スタグフレーションだ。株も債券も売られる。その兆候はすでに出ている。08年は相当厳しい年になる」と覚悟を促す。 (後略)



(私のコメント)
「株式日記」で書いていた事が経済専門誌にも特集で取り上げられるようになりました。私が不動産業を営んでいるものでサブプライムローンでピンと来るものがあったからですが、80年代に日本で起きた住宅ローンバブルがアメリカで2000年代に起きたのでしょう。週刊エコノミスト誌の図2を見てもらえば分かるように3,6兆ドルのバブルが発生してしまった。

水野和夫氏によればそのバブルを解消するのに9年かかる計算だと言いますが、景気後退が伴えばその年数はより長くなる計算だ。日本のバブル崩壊ではどれほどのバブルが発生したのだろうか? 日本の場合は株のバブルと不動産バブルの両方がほとんど同時に起きたから銀行が受けたダメージは致命的な規模のはずですが何とか生き残った。

大雑把に言って住宅は年収の3倍程度が取得能力の限界ですが、日本のバブル当時は5倍程度まで行っていた。商業物件にいたっては家賃収入の値上がりを見込んで大規模な融資が行なわれた。だからバブル崩壊で商業物件は5分の1まで値下がりして中には10分の1になってしまったものまでたくさんあった。

その十分の一になった商業物件をハゲタカ達がごっそりと買いまくって行ったのですが、それは80年代に日本がアメリカのビルなどを買った現象の裏返しに見える。いわば80年代に日本で発生した不動産民主主義はグリーンスパン議長などが注目してとった政策であり、景気対策で金利を低下させて住宅を取得させる事で景気の拡大を持続させる方法だ。

住宅ローン自体は昔からありましたが、住宅の値上がりが経済の拡大に大きく貢献し始めたのは80年代の日本からだ。いわば不動産資本主義であり株式などよりもはるかに規模が大きく経済を拡大する事ができる。80年代頃は東京の土地を売るとアメリカが四つ買えるほどの格差が出ましたが、今では世界的不動産バブルで東京の家賃などはロンドンなどの半分ぐらいになってしまった。

80年代の日本の経済拡大の秘密は不動産資本主義をアメリカが真似て世界が真似をした。だから日本だけが世界のバブル景気に乗れなかったのだ。今や世界中の大都市の不動産市況は東京に追いついて東京を追い抜いた。しかし景気過熱が行き過ぎれば日本の90年代のバブル崩壊が必ず起こる。

今はアメリカのサブプライムローンの事が問題になっていますが、ヨーロッパの不動産バブル崩壊のほうが規模は大きいのではないかと思う。それはユーロの値上がりによるものであり世界中から投機資金がヨーロッパに集まった。スペインの住宅などは1億円近い物件まで売りに出された。しかし年収との格差が広がればいつかはバブルは崩壊する。

日本そしてアメリカそして世界で起きた不動産バブルは非常に大きな波であり、いったんそれが崩壊すると10年から20年と経済が低迷する。アメリカの過剰な債務を解消するにはやはり10年近くかかるだろう。

なぜ世界的な不動産バブルが発生したのだろうか? それはIT革命とグローバル経済によって世界のどこでもビジネスが出来るようになり、ニューヨークや東京やロンドンでなくとも中国やインドなどでもビジネスに支障がなくなったからだ。その結果、中国で生産してアメリカで消費するという米中経済同盟が出来上がり、日本は梯子を外されて経済は低迷する事になった。80年代は日本が世界の工場でしたが2000年代は中国が世界の工場になった。

しかし米中経済同盟にも2007年から変調が見られ始めたとエコノミスト誌は書いていますが、アメリカの住宅バブル崩壊で中国製の家具用品などの輸出も低下し始めた。このような米中の経済相互依存関係は深いものであり、アメリカでバブル崩壊が起きれば中国の生産工場は連鎖的な倒産に見舞われて中国経済にも破滅的打撃を蒙る事になる。そしてそれが2007年に起き始めたという事だ。

エコノミスト誌によると中国の外貨準備高は07年には1兆2000億ドルにも達しようとしていますが、それは中国が人民元を切り上げないからだ。アメリカは貿易不均衡を是正する為に元の切り上げを求めていますが、元は日本の円のようには切り上げる事が出来ない。それは中国の製品が粗悪品であり国際競争力が無いからだ。

90年代には韓国製の家電製品や自動車などが安さで一時期売られましたが、今ではほとんど見かけない。やはり品質に問題があるからだろう。アメリカのドルのこれだけ安くなったのだからアメリカの自動車も安いのですが誰も買わない。品質や燃費が悪いからだ。

本来ならば米中経済同盟によって日本は二流国家に叩き落されるはずだったのでしょうが、むしろ米中経済同盟の方に亀裂が生じ始めている。アメリカのバブル崩壊と中国の工場の連鎖倒産は米中経済依存による共倒れ現象なのだ。アメリカの製造業は空洞化して無くなり中国の工場は品質が悪くて国際競争力が無くて倒産し始めた。まさに米中共倒れなのだ。




中国は小沢を通じて安倍総理を辞めさせ福田に代えさせた。しかし
大連立には失敗して、福田総理は第二のODAを復活させられる!


2007年12月26日 水曜日

小沢民主党代表が胡錦濤に大歓迎されたわけは?
胡錦濤主席が民主党・小沢代表と会談 12月8日


衝撃真相…安倍辞任と大連立 2月26日 ぼやきくっくり

(一部ポイントだけ)
青山繁晴
「はい。これあの、ま、いろいろ書いてあるように見えてね、あの、みんなが疑問に思う大事なところだけ言いますとね、これ、参院選負けたけど、その1カ月後にせっかく内閣改造したわけですね。だから当然やる気を見せていたのが、突然辞任の表明になったと。で、それはおかしいなということを説明するために、今、病気で辞めたことになってますけど、それでいちおう今年、終わろうとしてるわけですね、だけどそれ、本当はおかしいですよね。と言いますのは、今まで病気で辞めた総理大臣っていうのは別に何人もいらっしゃいますが、例外なく全部、先に入院してから、その入院先にたとえば党の主な人を呼んで辞意表明するっていうのが当たり前で、だから安倍さんもこの、官邸でちゃんと記者会見するんじゃなくて、まず普通で言うと、入院をして、で、そこにたとえば当時幹事長だった麻生さんを呼んで、で、『自分は病気で辞めるから、あと、あなたやって下さい』と言ったら、すーっとたぶん麻生政権の流れにもなったはずなんですね。ということは、実は入院ていうのは後からの話で、文字通りね。本当の理由は別にあったんじゃないかっていうことで、ずっとこれ以来、取材を続けてきました。で、今日は本当のことを一つ申しますと、安倍さん本人にもゆっくりお話を聞いてきました。その結果、僕は今のところ持ってる結論はこれです(フリップ出す)」

<キーワード>
 辞め……させられた
青山繁晴
「で、病気で辞めたんであれば、これは『辞めた』になるわけですね。ところが実際は、いわば見えない力に辞めさせられた。その真相を考えるために安倍さんの、安倍さんが自分の意志でやったこの辞意表明、その記者会見をちょっと振り返ってみます。その中にある言葉。はい」

青山繁晴
「はい。まず、最終段階になって突然、小沢さんの方から『お前(安倍)じゃだめだ』という話が来たと。で、しかもその時に福田さんという名前まですでに出た。麻生さんでも誰でもなく福田さんて名前が出た。で、小沢さんがなぜ安倍さんはだめなのかって理由は言わなかったそうですから、このへんはいわば、ちょっとここは偏るんですけど、安倍サイドの想像になってしまうんですけどね、その、ま、安倍サイドだけじゃなくて、その、今言った仲介者も含めてですね、何となく受け止めてるのは、要は小泉、安倍と続いてきて、安倍のように戦後レジームからの転換、僕、この言葉は大嫌いです、国民よくわかんないから。でも言いたいのは要するに、敗戦後の日本の体制を全部ひっくり返しましょうってことですね。そういうのは小沢さんとしては困る。たとえば、これは小沢さんがどうこうっていうだけじゃなくて、今、防衛汚職っていうのが大きな問題になってますね。なぜ防衛汚職は起きるかというと、今まで、戦争に負けたから、負けたから日本の防衛の中枢はずっとアメリカ様に任せなきゃいけない。次の輸送機のエンジンをアメリカ製でなきゃいけない。だからそこに仲介業者も入るし、商社も入るし、政治家も口利きをするという現実があって、それを全部壊そうとするのは困ると。そうじゃなくて、よい言葉で言えば、穏やかな福田にしてくれという、えー、思いというか、その、大きな力、小沢さんだけじゃなくて大きな力があって、自民党の中にもそれに合わせる向きがあって、実はこれ、安倍じゃだめなんだという話になってるわけです。で……」


謝罪と援助の「日中友好」が再スタート? 12月23日 青木直人

(前略)
胡錦涛たちは福田総理を訪問させることを通じて、日中関係を小泉、安倍の二大政権以前に戻そうとしています。中国のメディアが小泉政権当時の日中関係を「暗黒の時代」と呼んでいることは何度も書いてきましたが、それだけに福田訪問で「日中新時代」を演出したい。そのためには中国国民が容易にわかるような政治的なメッセージとセレモニーが必要とされるのです。それは日本側があらためて「歴史認識」を再確認し、過去を反省し、靖国神社公式参拝を明確に否定することです。さらにそれらを実効性あるものにするためには、福田総理が中国国内最大の反日記念館である北京の抗日記念館など「日本軍国主義の罪科」のシンボルを訪問し、「不戦」と「日中友好」を「表態」(行動で示す)する以外にないでしょう。また「友好」はただではありません。

「援助」再開もまた欠かせないものです。具体的には08年に終了したODAに替わる「第二のODA」が不可欠となるはずです。そもそも中国が言う「日中友好」とはなにか。中国共産党に敗北した「侵略国」日本がその罪科を永遠に謝罪し続け、中国国民の排外的なルサンチマンを満足させ、それを通じて、日本の政治的軍事的台頭を牽制することなのです。また「戦勝国」中国は日本から賠償金をうけとる権利があり、それを中国ではなく日本の側から申し入れさせることも欠かせない。これが日本の贖罪意識を徹底的に利用した北京の側から見た「日中友好」の実態なのです。彼らに日中共同声明で周恩来が賠償金を放棄した事実を何度話しても、なにもかわらない。近代的な市民革命の歴史をもたない中国国民の夜郎自大ぶりは際立っています。

贖罪と援助。このふたつを福田総理が具体的にあらわして始めて、中国がいう「暗黒の小泉時代」が名実ともに終わるわけです。逆に日本人の側から言えば屈辱と絶望の「日中友好」がまたまた再スタートするというわけです。しかし、日本がどれほど今後も中国を支援したところで、彼らが日本に感謝することはありえない。日本の援助は緒戦は賠償金なのです。指導者が下手に感謝などすれば漢奸(売国奴)として彼らは失脚するでしょう。周恩来ですら対日外交ではそうした非難の声が一般的なのです。

総理の中国訪問について、注意してほしいのは新聞テレビの報道です。訪問中の記事の大部分は外報部ではなく、政治部の記者が書きます。彼らは政局に関心はあっても日中関係や中国の実情に詳しいわけではありません。そのためソースは外務省や首相周辺など「訪問成功」の声にミスリードされ、記事にも自信がないため各社横並びになりがちです。記者クラブ制度が招いた記者の取材と分析能力の低下は目を覆うばかりで、安倍訪中の際にも「首相が靖国神社参拝について言明しなかったため、訪中が成功した」なる「解説」が飛び交いました。大笑いです。事実はそうではない。中国の側が尻に火がついたのです。反日デモのせいで、日本からの投資は翌年06年度は30%も激減、減少傾向にはいまも歯止めがかかっていません(今年もほぼ同じで30%台)。

民間の投資が減っただけではない。当てにしていた日本のODAも08年度で中止が決まった。そのため、11次5ヵ年計画(2001?2005年)の予算にも影響が及び始めていたのです。そもそも日本のODAは当初は5ヵ年一括で供与されてきました。理由は中国の5カ年計画に合わせていたからなのです。つまり中国政府は予算を組む場合、最初から日本の援助をカウントして長中期の経済計画を練っていたのです。そのODAがストップした。これには中国政府内部でも危機感が高まった。1年で平均2000億円規模のカネがコンスタントに入っていたのです。中国国内でもジャパンマネーに群がる特定勢力がうまれ、彼らがこの30年間に築いた巨大なODA権益は膨大なものになっていたのです。

政府内部でも、日本の援助中止に、商務部(対外援助の窓口)は動揺し、反日デモにも内心では大ブーイング、彼らのなかにはこうはき捨てる人もいたのです「あのデモ隊の馬鹿どもが!」

安倍訪中の二ヶ月前、北京で「外事工作会議」が開催されました。ここで胡錦涛主席が演説し、対日関係を改善し、中国経済への協力と支援を活発化させ、今後も日本から一層の資金と技術を手に入れる方針が確認されました。会議の要約は人民日報に掲載されています。この記事を中国語で読めとまでは言いませんが、外信部をつうじても翻訳文くらいは手に入るはずです。しかし、安倍訪中について論じた各紙の記事にはそうした中国サイドの事情を深く読み込んだ複合的な記事は見当たらず、ひたすら日本側が靖国神社参拝を中断したことだけが関係改善の理由であるかのように、特筆大書されていました。これでは欠陥報道を批判されても止むを得ません。プロなら最低限、本物の商品を売るべく努力すべきではないのでしょうか。



(私のコメント)
今年の10大ニュースに安倍辞任が入ると思いますが、辞任の真相ははっきりしていない。株式日記ではテロ特措法の延長問題でブッシュ大統領からの圧力で、テロ特措法の延長の目処が立たなくなったので辞任させられたと分析したのですが、青山繁晴氏によると中国の手先である小沢民主党代表が大連立を条件に福田に代えさせたのが真相のようだ。

しかし、せっかく福田に代えさせても大連立は民主党内の反対で潰れた。まさに小泉ー安倍ラインから見れば踏んだり蹴ったりの状況なのですが、裏には小沢ー森元総理のホットラインが働いている。最近では小沢と森のホットラインが政界の主導権を持ち始めている。

株式日記では外交に関しては小泉外交を支持していたのですが、安倍内閣も基本的には親米派であり、中国にとっては小泉ー安倍ラインは望ましいものではなかった。そこで小沢民主党代表を通じて大連立を餌に安倍から福田に代えさせた。裏では森ーナベツネが動いていた事は間違いない。

日本の政治は90年代の親中派の天下が戻ろうとしている。大規模なODAも復活されるようだ。今年の参院選で民主党の大勝利で自民党の親米派が大幅に政治力が低下して森元総理らの親中派が主導権を持つようになり、小泉安倍ラインの親米派が大幅に政治力が低下した。

私は親米派でもなく親中派でもなく愛国保守派なのですが、日本はこのように中国とアメリカによる富の収奪に腹が立ってならない。このように日本は中国とアメリカとによる交互の政界工作で弄ばれているのだ。残念ながら政界でも愛国保守派の政治家は数えるほどしかいない。

政治で力を持つためには金が必要であり、その為には中国やアメリカからの支援がないと主導権はとれない。マスコミも官僚たちも親中派と親米派の巣窟であり日本の国益などどうでもいいのだ。言論界でも愛国保守派はごく少数であり、その言論活動はネットと一部の雑誌でしか見る事が出来ない。愛国保守派の政策は中国からもアメリカから見ても好ましいものではないからだ。それは日本の自主防衛と核武装だ。

愛国保守派にとっては安倍総理は希望の星でもあったのですが、小泉流の靖国参拝を封印してしまってアメリカのタカ派からも不信感をもたれてしまった。当面は小泉流の靖国参拝を続けて中国を追い詰めるべきであったのだ。しかし胡錦濤は小沢民主党代表に梃入れをして安倍総理を辞任に追い込むことに成功した。

12月の8日に小沢代表は中国を訪問して胡錦濤国家主席の大歓迎を受けたわけはここにある。しかし自民民主の大連立は中国にとって好ましいものではないから大連立は安倍総理に対する罠だったのだ。安倍前総理は青山繁晴氏に会って真相を国民に伝えたかったのだろう。

28日から福田総理は中国を訪問しますが、これは中国の強い希望によるもので親中派の二階氏がお膳立てをしたらしい。そこで最近まで行なわれていたODAが復活して毎年2000億円の金が中国に援助される事になるらしい。当然キックバックは森元総理の元に入って森派は自民党の最大派閥であり続けるのだろう。

日曜日にサンデープロジェクトに森元総理が出演していましたが、ロシアのプーチンとも親密さをアピールしていた。日本外交が中国やロシアに向かって金を献上して政治的に親密になろうというのだろう。アメリカはイラク戦争で力の限界を示して政界的に孤立してしまった。日本は落ち目のアメリカを見限って中国やロシアと手を組むつもりなのだろうか?

アメリカのCIAも北朝鮮との接近を図るなど焼きが回ってしまって日本の不信を招いている。安倍総理が孤立したのもアメリカの北朝鮮外交が影響している。日本は外交と防衛はアメリカに丸投げしているのですが、対中国外交だけはアメリカのコントロールが効かないようだ。だから日本の反米派の政治家は中国に吹き寄せられてしまう。

親米派の小泉元総理はマスコミを避けて逃げ回っている。自民党内でも親米派は孤立して小泉チルドレンは次の衆院選では生き残れないだろう。アメリカも来年には民主党のヒラリー政権が出来て親中派が主導権を持つ事になる。だから日本も先回りして日中親密時代が始まるのだろう。

ヒラリーのジャパンバッシングが始まる前に、日本は中国にすがり付いてアメリカの圧力を回避しようというのだろうか? しかし長い目で見れば米中連携による日本弱体化であることが政治家や官僚には分からないのだろうか? 日本が生き残るには自主防衛と核武装しか米中の圧力をかわすことは難しい。




90年代に日本で起こった長期低迷の経済がアメリカ国民を直撃する。
引き締めで世界的な資産バブルが崩壊するために世界中で起こる。


2007年12月25日 火曜日

世界大不況に突入する前に 11月25日 ヘッジファンドの達人

原油も金も穀物も上昇しているので、デフレが来ると言っても信じられないだろう。

インフレ、スタグフレーションを予測するアナリストや評論家は何人もいるが、既にこのブログでもコメントしている通り、私の見解はデフレを予想している。 しかも世界的な大デフレである。

アメリカでサブプライム問題が露呈し、不動産の価格が下落し始めている。 ヨーロッパでも金融引き締めの効果が表れだし、イギリスなどで不動産が下がり始めてきた。 韓国では年初に不動産価格が天井を打った。 中国は当局の引き締めがそろそろ効き始める頃であろう。

これらの動きは1989年をピークとした90年代に日本で起こった資産バブルの崩壊を彷彿させる。資産バブル崩壊により、どうなったかは多くの日本人が知っている。

日本の資産バブル崩壊について、人間の行動を元に分析する行動経済学を使って回想してみると、今後の世界の動きを予想することができる。

人間の行動は決まっていて、節約して貯めたお金はなかなか消費に向かわないが、あぶく銭ほど簡単に消費に向かう。

当時を簡単に説明すると、バブった連中が湯水のようにお金を使えば、それにより利益を得ていた高額商品に関わる業界は潤い、その業界で働く人間たちも消費を活発にし、末端までお金がいきわたり、経済全体が非常によかった。

しかし、株や不動産の値上がり益でバブっていた金持ち連中は、株や不動産などの資産価格の下落で損失が発生し、今までのようにお金を消費できなくなった。 その結果、バブった連中だけでなく、すべての国民にその影響が波及し、「失われた10年」といわれる長期の不況へと突入していった。
 

1980年代後半の日本でも、昨年までのアメリカでも不動産の購入価格と不動産値上がり分との差が消費に向かっていた。

これが逆向きに動き出したのだから、アメリカでは大不況に突入する確率が高いことはバブル崩壊を経験してきた日本人なら簡単にわかるであろう。 もちろん、ヨーロッパや中国でも同様に長期にわたる不況に突入する可能性が高いことは想像がつくのではないだろうか。

当時、様々な経済理論をタテに多くの経済評論家が予測を外しまくった。

経済などというものは人間の行動の集約であるから、個々人にまで落とし込めば、誰がどのような行動をするか予想ができ、その集約が将来につながるだけのことである。

ちなみに私の辛口コメントを付け加えると、恐怖を煽る評論家連中は、人間の持つ依存心を最大限に活用して金儲けをしているだけであり、インチキな経済理論は大学で権威を持っている連中のマヤカシである。

特にインフレを煽る連中は、バブル崩壊後の日本をどのように説明するつもりなのだろうか?

最も変ではないかと思えるのが、「金本位制」の復活論者である。

中国でもインドでも、「金」を買っている連中の多くが新興国バブルで儲けた金持ちである。 彼らは貯蓄の分散手段として「金」を買ったというのが正しい見方であろう。 それ以外は主に投機資金で逃げ足は非常に速い。 

世界的に金融引き締めをしている状況下で不動産や株が上昇することは考え難い。 今後、バブった金持ち連中がどのような行動をするか想像してみて欲しい。

多くの金持ちはレバレッジ(銀行借り入れ)を利用して事業や不動産投資を成功させたが、不動産や株が上がりにくい状況下では利益が出せない。 
しかし人間は自らの成功体験を体で覚えてしまっているので早い段階での損切りができない。 そうこうしている内に利払い負担が生じてくる。 利益が出せない状況下では利息や元金の支払いは手持ちの資産を売却することになる。

手持ちの資産は換金しやすいものからになるため、金などの換金性の高い資産は真っ先に売却の対象になりやすいのである。

世界中で資産バブルが崩壊する中では、金利や元本の支払いに追われる人たちは手持ちの資産売却で市場の反転(上昇)を期待するが、早晩に報われることはない。

金本位制論者は、自らも大量に金を保有していたり、言い出したことを引っ込めることができないために、その内なる言い訳(自らに都合のいい情報)でハイパーインフレを言っているのであると想像する。

それに、国民の殆どが金を保有していない状況で金本位制を採用したら、不況による政府批判よりも大きな大暴動になるであろう。

食料にしても同じことである。

世界的な大不況下では、どの国の国民でも大多数の収入が減る。 収入が減れば、少しでも消費を抑える。 高級レストランでの外食をやめて、コンビニ弁当、カップラーメンへと食の質を落とす。 それでもダメなら自炊でふりかけご飯である。 

中には中国の爆食を懸念する連中もいるが、中国人でさえも収入が減れば高い肉をやめて安い食事になり、バイオエタノール用の遺伝子組み換え食物さえも口にするようになるであろう。 牛肉の消費が減れば、飼料用の穀物需要が減るために穀物は過剰な状態になり値下がりする。

ただし世界的に収入が減る状況であるから、食の質は下がっても収入から見た食費の割合は増加することになるかもしれない。

また、収入が減れば、レジャーも控えるので、かつて日本で「安い、近い、短い(アンキンタン)」と言われたように余計なガソリン需要が減り、つけっぱなしの電気を消したり節約をするようになりエネルギー消費全体が減少するので原油価格も下がってくるであろう。 もしガソリンの価格が上がれば余計に消費を抑える(自家用車を使わず電車、バス、自転車を利用する)ので需給は更に緩和される。

最終的な大金持ちに至っては、彼らは自らの大きさを知っているので「誰がババを引くか?」しか興味がない。 従って、世界的な大不況の中、大多数が投売りする頃でないと本格的に買っては来ない。 
しかも、世界的なデフレ下では、彼らの持っているお金の価値は増してくるのである。

ハイパーインフレが来るという連中に共通しているのは、彼らの内側に「大インフレが起こってほしい」と思っていることである。 それは、「弱者の理想」ではないかと私は思っている。

将来に閉塞感を感じた社会的弱者は、非常に将来を悲観する傾向がある。 その結果、この世の破滅を深層心理の中で求めたり、起こる確率が低くても最悪のシナリオや終末思想を信じたくなるのである。 
彼らのツボにはまるのが過激な先導者であり救世主である。


かつて私も将来を悲観していた時期に弱者の発想を持っていたが、マーケットで何度も痛い目にあったせいもあり、今では不要な観念に支配されることはなくなった。

岸田秀の唯幻論によると、「人間は本能と現実との間に幻想(観念や言語)がある」と言っている。

この幻想が人間の自我に結びついているために現実をまとも見ることはできないのではないかと思う。

思春期を過ぎてから強い幻想に取り付かれてしまうと、殆どの場合、何を言っても無駄である。 

幻想の中で生きる人間は、幻想があるからこそ生きていられるのであって、幻想から覚めようとすることは強い自己否定を伴うので簡単にはできないのである。 年を取れば取るほど幻想からの覚醒は難しくなる。

マーケットの中で修練を積んできた者は、マーケットへの対応や結果を優先するので、幻想や自己否定など、どうでもよいことである。
私自身も、この見解に対して変化が生じた時には直ぐに新しい方向でポジションを立て直すだけである。

観念に支配された集団は、自ら考えることをしないで、ひとつのシナリオを徹底的に信用する。 つまり大いなる幻想が頭の中を支配しているのである。

しかしながら、彼らの集団幻想の存在は大いに歓迎である。
すべての人が合理的であったり、集団幻想を抱く集団がいなければマーケットの値付ができなくなってしまうからである。

話を元に戻すが、日本のバブル崩壊後の経済の予測を外す連中に大学教授たちもがいる。

彼ら(自ら考えることをしない教授たち)は海外の有名教授の論文を引用し、自ら考えない学生たちにそれを教え込む。 自ら考えない学生たちはそれを信じ込んで社会へ出て行き、彼らがアナリストになったりする。 多くの机上の空論が世間を席巻するのである。

一例を述べると、FRBがサブプライムの損失懸念を抱える銀行へ大量の資金供給をしているため、市中に流れるお金が増えるのでインフレになると言う三流のアナリストがいる。

彼らの分析を簡単に崩し、私なりの予測を述べよう。

1990年代、日銀が不良債権処理に苦しむ国内の銀行に大量に資金供給をしたにも拘らず、インフレは起こらなかった。 それどころか国内の銀行は貸し渋りや貸しはがしで市中に資金を回さずに財政が不健全な日本国債を大量に購入した。

今後のアメリカにおいても同じことが予想される。 
世間では、サブプライム、イラク戦争などでアメリカの信用が世界的に落ちてきているために「米国債の買い手がいなくなる」などと言う評論家が主流である。 しかし私は、米国債の買い手はFRBから資金を大量に供給されたアメリカの大手銀行になると思っている。 

元来ドルは紙切れ(帳簿上の数字)でしかないので、FRBは痛くもかゆくもない。 低利で資金供給を受けたアメリカの大手銀行は米国債とのサヤ取りで利益が得られるから、日本の大手銀行が不良債権処理後に史上最高益を出したようにアメリカの銀行においてもサブプライム問題の解決策ができていると言ってよい。 それにアメリカ自身も財政上の資金繰りがつくので財政破綻にはならない。

しかし、米国債の受け手が多ければ大手銀行の大きな利益につながるサヤ取りは難しい。 そこに世界がアメリカ離れをしやすい誘導(アメリカ崩壊の幻想)があれば、米国債を大量に購入できる。

更に「サブプライム問題は非常に大きい社会問題であり、銀行の破綻は食い止めなければならない」といった論調は、大手銀行に大量の資金を供給しやすくするであろう。(一行程度の破綻があれば、より効果的に資金供給しやすい)

しかしながら、大量の資金を銀行に供給したからと言ってアメリカ庶民の生活は非常に苦しくなるであろう。 

生活が苦しくなれば暴動が起きると煽る人もいるが、失われた10年で日本に大暴動が起こっただろうか? ただ、元来の低所得者層は既に諦めているから問題ないが、中産階級は怒りに発展することもある。しかし、怒りやすい若者は軍隊が高給で受け入れるであろう。

資産バブルの崩壊は一朝一夕に解決することはなく長期間に渡る。 そのためアメリカ国民の収入が増える可能性は非常に低い。それは、事業に限らず投資のほとんどがうまくいかなくなることでもある。

1990年代に日本で起こった長期低迷の経済がアメリカ国民を直撃するであろう。 それは、アメリカだけでなく、金融引き締めにより世界的な資産バブルが崩壊するために世界中で起こることである。

それは長期に及ぶ世界的な大デフレである。

こんな時代では、株や不動産は上昇しにくい。 もちろん商品にしても既述したように上昇しにくい。

アメリカでも、イギリスでも、中国でも、そこら中で資産バブルの崩壊が始まるのである。

新興国は先進国からの資金流入が大幅に減るために今までのような上昇はまず考えられない。先進国と言えどもマネーは質への回避から、民間部門への流入は起こりにくい。 まして、世界的な収縮期に突入するわけなので設備投資は減少し、マーケット規模の縮小は新興企業の経営はより厳しくなる。

今までの資産運用では何をやっても勝つことが難しい時代に突入するのである。

しかし、マーケットが拡大期でも収縮期でも、上がっても下がっても、収益を得られる投資法が存在しないではない。

それが、ヘッジファンドであることは耳にタコができるほど述べているので、このブログの読者なら十分に理解をしていることであろう。

しかも、いつの時代でも収益を上げ続けるプロたちがいることも確かなことである。

大不況に入る前に真剣に今までの資産運用を見直してみてはどうだろうか?


(私のコメント)
90年代に日本で起きたことが、アメリカを始めとして世界でも起こるのではないかという予感がしていますが、アメリカのバブル崩壊は今年起きたばかりであり、中国などもそろそろ北京オリンピックを前に起き始めている。中東産油国やロシアなどはバブル真っ盛りであり石油景気を謳歌している。

80年代に日本で起きたバブルは不動産バブルであり、住宅ローンが普及して評価額を上回るローンなどが組まれて、銀行は貸し出し競争が行なわれた。それだけ資金がだぶついていたからですが、同じ事がアメリカでもおきて、サブプライムローンが問題になっている。住宅ローンで住宅を買えば車などのおまけが付くようなローンもあったようだ。

それはヨーロッパでも中国などでも同じような事が起きた。世界中が住宅ローンで家を買って、家の値上がり益でカードで買い物をしたから世界的な消費ブームが起きた。中国やインドでもマイカーブームが起きて石油の消費がうなぎのぼりになった。石油が1バレル100ドル近くにまで跳ね上がったので、世界の中央銀行は金利を上げたので、ようやく世界的なバブルも収束しかかっている。

90年代初めの日本も金利を上げて総量規制までかかけてバブルを潰しましたが、潰し過ぎて金融そのものもおかしくしてしまった。それでも97年頃までは銀行も不良債権を抱えていても何とかがんばっていたのですが、橋本内閣が金融ビックバンを行い銀行潰しを始めた。そして護送船団方式の金融体制は完全に崩された。

バブルの崩壊は中央銀行の引き締めによって起きますが、日本はソフトランディングに失敗した。バブルそのものは潰しても銀行は潰すべきではなかったと思う。確かに銀行は不良債権を抱えて体質改善が望まれていましたが、北海道拓殖銀行を潰した結果、北海道は大きなダメージを負ってしまった。19行あった都市銀行も3つに統合されて、世界に誇った日本の銀行の面影は無くなった。

80年代の日本の銀行は世界のトップ10を独占するほどだったのに現在では見る影も無い。アメリカでも不動産ブームが起きてグリーンスパンは2004年頃から金融を引き締め始めましたが、日本の例があったので0,25%づつの慎重なものだった。11月29日の株式日記にアメリカの新築住宅の着工件数のグラフと政策金利のグラフがありますが、金利と住宅には深い関係がある。

従来ならば不動産バブルが崩壊すれば住宅ローン会社や銀行に影響が及ぶのですが、住宅ローンが証券化されて販売された為に多くのヘッジファンドが破綻に追い込まれた。大手の銀行もSIVを作ってそれが破綻している。サブプライムがらみの債券市場も買い手が付かなくて銀行間の資金のやり取りにも影響が出るようになった。

同じような現象は97年に日本でも起きてジャパンプレミアムまでつけられるようになった。そして日本の銀行は必至に資本の充実を図ってどうにか危機を脱しましたが、欧米の銀行はこの危機を切り抜けられるだろうか? 日本の銀行も不動産市況が回復すればバブル崩壊も切り抜けられると見ていましたが、不動産市況が回復するには10年も20年もかかる事が日本の経験から分かる。

アメリカから始まった今回のバブル崩壊は世界に広がっていくのだろう。このバブル崩壊を体験として知っているのは日本だけであり、日本の金融当局の失敗を繰り返さないようにしなければならない。今回のバブル崩壊は日本の例を見れば分かるように長期化は避けられないのかもしれない。長期にわたって収入が減り消費も落ち込む事だろう。

私がアメリカ人ならば換金出来るものは換金して現金で持っている事が一番の投資法かもしれない。デフレ経済下では現金の価値が上昇して物価が下がる。アルゼンチンやロシアのような国家的経済破綻はハイパーインフレとなって現金も危なくて実物だけが頼りになる。日本のような供給力のある国はデフレとなり、国内に産業の無い国はハイパーインフレになるのだろう。

90年代は日本はデフレになりましたがロシアはハイパーインフレになった。日本は大都市の不動産が値上がりして危機を脱し、ロシアは石油の値上がりで危機を脱した。アメリカの場合は不動産バブルだから、不動産市況しだいで日本のように長引くかもしれない。あるいはロシアのようなハイパーインフレが起きる可能性もある。それはアメリカのドルが基軸通貨でなくなりドルを誰も信用しなくなった時だ。




サブプライム問題とはアメリカによる国際的詐欺なのだ。 ゆうちょ銀
・かんぽ生命の340兆円がアメリカの不良債権の尻拭いに使われる? 


2007年12月24日 月曜日

ゆうちょ銀・かんぽ生命に株式取得など運用多様化を認可=金融庁 2月19日 ロイター

[東京 19日 ロイター] 金融庁と総務省は19日、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険に対し、株式取得や金利先物取引などの運用の多様化を認可したと発表した。
 ゆうちょ銀行には、1)株式・信託受益権の売買、2)金利スワップ・金利先物取引、3)リバースレポ取引、4)協調融資への参加、5)貸出債権の取得・譲渡、6)公共債の売買――の各業務を認可。かんぽ生命は、1)株式・信託受益権の取得、2)金利スワップ取引、3)協調融資、4)貸出債権の取得――について認可した。

 10月の郵政民営化で発足したゆうちょ銀とかんぽ生命は、同月4日に運用多様化の認可を申請。金融庁と総務省は、政府の郵政民営化委員会(田中直毅委員長)の意見を受けて各業務を認可した。ただ、ゆうちょ銀行のクレジットデリバティブ取引と商品デリバティブ取引、かんぽ生命のクレジットデリバティブについては「高度な業務を管理する体制が整っていない」(監督局)として認可しなかった。


アブダビが資金調達?  12月17日 厭債害債

今朝からのどに刺さった小骨のように気になる記事
(引用開始)
BN 19:20 国際協力銀:アブダビ石油公社に30億ドル融資へ−UAEと関係強化
【記者:山中めぐみ、岡田雄至】
12月17日(ブルームバーグ):政府系金融機関の国際協力銀行は、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ石油公社に30億ドル(3400億円)規模の資金を融資する。融資実行で日本にとってサウジアラビアに次いで2番目の輸入先であるUAEとの関係強化を図り、原油供給の安定化につなげたい考えだ。

  アブダビ石油公社は、調達した資金を原油増産などに投資する見通し。また、返済には、コスモ石油など日本の石油会社が支払う原油の購入代金が充てられる。交渉に近い複数の関係者が、契約締結前に匿名を条件に明らかにした。みずほフィナンシャルグループなど他の国内銀行も融資に協力する。

  みずほ証券の塩田英俊アナリストは「長い目で見た場合、安定供給に資する契約だ。UAEにとっても、長期的に顧客を確保できるというメリットがあるのではないか」と指摘する。

  融資契約は週内にも都内で締結される予定。調印式には、ムハンマド・ビン・ナヒヤーン・ザーイド・アブダビ皇太子とともに来日中のアブダビ石油公社のユーセフ・オメール総裁らが参加する見通しだ。国際協力銀の広報担当、西崎隆太郎氏およびドバイのアブダビ石油公社当局者はいずれもノーコメントとしている。

  石油輸出国機構(OPEC)加盟国中4位の生産量を持つUAEは、日本の輸入量の25%をまかなう。また、アブダビ国営の国際石油投資会社(IPIC)は10月、産油国との関係強化を狙うコスモ石油の第三者割当増資を引き受け、約2割の株式を取得し筆頭株主となった。

--Editor:Yoshito Okubo,Hitoshi Sugimoto

(引用おわり)

ちなみにJBICの金利は以下のとおりになっております。
http://www.jbic.go.jp/japanese/finance/standard/A53/auto/index.htm

おそらく性質上資源開発の特別金利が適用になりそうな案件(間違っていたらごめんなさい)ですが、だとすると、アブダビ石油公社はLIBORフラットで調達できる。

すでに報道されているとおり、国富ファンドのひとつであるアブダビ投資庁がシティに投資しており、今回の金額はその半分ぐらいでしょうか。アブダビという国全体でみればこの金額部分についてはLIBORで調達し3年間はシティから受け取る11%との差額で鞘を抜ける。為替リスクを負って調達をスワップした円でやれば為替リスクは負うものの、さらに鞘が抜けるかもしれない。あらゆる収益機会を利用してきてますなぁという感じです。日本の立場の弱さを利用して有利なファンディングまで利用してきているわけです。しかしそもそもお金が有り余る国が行う調達活動はいったいどういう意味があるのか?

そのうえ、この報道によれば返済原資は石油会社の原油購入代金だということですから、ショートカットしていうなら原油で払う、ということです。日本の某石油会社への出資も今回のお話とセットならばなかなかうまいとしか言いようがないですね。詳しい条件などがわからないのでこれ以上のコメントは避けますが、これだけのお金を国内ではなく、激しく潤っているはずの産油国にささげなければならない状況というのは、ちょっと考えさせられるものがありますね。

いくつかの驚きと邪推を並べると次のようなことになりますが、
なぜこれがプロジェクトへの投資ではなく直接石油公社への融資の形をとるのか?
国際協力銀行ってこんなに資金があったのか?
邦銀も一緒にお金を出すようだが、同じような金利で出すのか?
SIVへはさすがに投資できなかった邦銀のせめてもの「しるし」だったのか?
アブダビはそもそもお金が有り余っているのに調達する意味はどこにあるのか?

アブダビがSIVなどややこしいところに投資したら、結果的に迂回ルートでの国際協力スキームということなのか?

すみません、いろいろ勉強不足ではっきりしたことがわかりません。いろいろなぞが深まりますね。


(私のコメント)
金融の世界というものはゼロサムゲームの世界だから、最終的には頭の悪い人がババをつかんでおしまいなわけですが、お人よしで馬鹿である事は金融業者から見れば絶好のカモになる。国際金融の世界で見れば日本がお人よしのバカの典型なのですが、騙された事すら気がついていないという能天気ぶりだ。

中国が人民元の切り上げにアレだけ抵抗してもアメリカは何の制裁を加えていませんが、日本に対してはスーパー301条を振りかざしてプラザ合意を押し付けられて、円が1ドル=240円から120円に急騰してアメリカに50%も踏み倒されてしまった。

これで日本の輸出産業も一巻の終わりかと思ったら、参ってしまったのはアメリカのほうで自動車産業ではトヨタがGMを抜き去って世界一になった。アメリカはすでにドルをいくら切り下げても製造業が復活する事はないだろう。日用品などは中国に全くかなわないしスペースシャトルや原子力潜水艦や原子力空母は外国に輸出できない。

一番儲かるのは自動車や産業用機械などであり、1トン1万円程度の鉄が自動車や産業用機械に変われば数百万円で売れる。だからどこの国も自動車を国産で作りたがりますが、アメリカですら燃費のいい小型車を作る事は出来ない。中国なども自動車を国産化していますがエンジンや部品などを輸入したりして組み合わせて作っている。

車のデザインが日本車と似てしまうのはヘッドライトなど日本製を使うから似てしまうのだ。日本は今や完成品は売らずに部品や素材を中国に売ってアメリカとの貿易摩擦は回避している。自動車などは部品さえあれば世界のどこでも生産できるからアジア各国が国産と称して自動車を生産している。しかし主要部品は日本製だ。スペースシャトルにも日本製部品が多く使われている。

このような世界の産業構造は日本に富が一極集中してしまうから、日本はアジアや中国に生産拠点を移している。だからアジア地域の経済成長率は世界一だ。世界の金融業者が日本にたかりついても日本の黒字はなかなか減らない。部品や素材は円がいくら高くなっても日本から買わざるを得ないからだ。

つまりは日本は騙されたふりをして世界に金をばら撒いてマネーを供給している。その証拠は世界一低い金利であり、通貨は信用されなくなると金利は高くなる。だから日銀の政策金利が高くなるたびに世界同時株安が起きた。円キャリで世界にマネーが日本から供給されている証拠だ。

ゆうちょ銀行が世界一の巨大銀行なのも当然なのであり、アメリカが小泉内閣に命じて郵政を民営化させたのも340兆円のマネーをアメリカに取り込むためだ。そして日本政府はゆうちょ銀行とかんぽ生命に株式売買などの自由化が認められた。これは何を意味するのだろうか?

アメリカはサブプライム問題で100兆円規模の焦げ付きが発生しそうだ。だからシティはアブダビ投資庁から75億ドルの出資を得た。しかしニュースによればその資金を日本から借りてシティに出資するらしい。つまり安い金利の円で借りて11%の金利の債権でシティに出資する。そして元手なしで利ざやを稼いでいくのだろう。

UBSやモルガンに出資したシンガポールや中国の政府系ファンドも円キャリみたいな形で資金調達しているのではないかと思う。アブダビにしても中国にしても石油の売上げや輸出の黒字で手元にマネーはたくさんあるはずですが、回りまわってそのマネーは日本が供給している構造が浮かび上がってきた。日本の金利が一番安いからだ。そのジャパンマネーを一番狙っているのがアメリカだ。

サブプライムローンとは昨日書いたように詐欺的ローンであり、買った住宅が値上がりすれば丸もけだし、思惑が外れても担保の住宅を放棄すれば借金はチャラだ。ネットゲリラ氏が言うように絶対に負けないバクチなのだ。サブプライムローンは証券化されて世界中にばら撒かれた。それで欧米の金融機関がパニック状態になっている。

欧米の銀行間のコール市場もマヒ状態になっていますが、それだけ欧米の金融機関がピンチなのだ。各国の中央銀行が無制限の資金供給が行なわれていますがいつまでも続けられるものではない。価値の裏付けのないマネーがいつまでも供給され続ければとんでもないインフレが襲ってくる。

最終的には価値の裏付けのあるマネーによって保証されなければならない。それでアメリカが狙っているのはゆうちょ銀行かんぽ生命の340兆円のマネーだ。直接ではないにしろそのマネーがサブプライムで焦げ付いた欧米の金融機関の救済に使われるのだろう。「アブダビが資金調達?」のニュースもそれを意味している。

日本は経済力資金力があるからバブル崩壊を自力で克服しましたが、アメリカのような経済もだめ、金融もだめとなればバブルの崩壊は国家の崩壊も意味するほど致命傷だ。つまりは日本に資金救済を仰がなければならない状況がやってくる。マネーの通貨としての信用は生産力が価値の源泉になるのだ。だからいずれは円が世界の基軸通貨になる事になるだろう。




『バブルへの迷走』 ポール・クルーグマン 21世紀最初の10年に
発生した「革新的」住宅ローンの破裂は大惨事以外の何ものでもない


2007年12月23日 日曜日

Blindly Into the Bubble

By PAUL KRUGMAN
Published: December 21, 2007

バブルへの迷走

ポール・クルーグマン

1945年、日本降伏を告げる「玉音放送」において、裕仁天皇 は自らの決定を次のような有名な言葉で表した。「戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス。」今週、連邦準備理事会ベン・バーナンキ議長が住宅ローン業 界の規制を若干強化するという遅すぎる決定をした。この決定 自体、馬が逃げ出してしまった後に馬小屋の鍵をかけるような ものだったわけだが、その際の釈明も、この裕仁天皇の表現に通じるものがある。

いわく、「市場の規律が乱れが散見され、慎重な融資手続きを取ろうとする動機付けに欠ける場面もあった」。ずいぶんと控えめな表現である。

事実、21世紀最初の10年の中盤に発生した「革新的」住宅ローンの破裂は大惨事以外の何ものでもない。

バーナンキ氏はおそらく、状況の深刻さをありのままに表現することがためらわれたのだろう。結局のところ、バーナンキ氏 が慎重に言葉を選ばなかったとしたら、それは氏の前任であるアラン・グリーンスパン氏の非難になってしまっていたはずである。グリーンスパン氏は、市場が崩壊してしまった後ではなく、住宅ブームがまだ続いている間に貸し出しを規制しておくということをしなかった。「馬が逃げ出さないうちに馬小屋の鍵をかけておいてくれ」という声を無視したのである。

筆者は「大惨事以外の何ものでもない」という言葉を慎重に使っている。

グリーンスパン氏が新著で述べているように、住宅ローン業界の擁護者たちは、無秩序な貸し出しのリスクは「住宅所有層が拡大するというメリット」によって正当化されると説く。

しかし、住宅所有層は広がっていないのである。疑わしいサブプライム貸し出しの大部分は2004年〜2006年にかけて行われたわけであるが、住宅所有率はすでに2003年半ばのレベルにまで落ちている。今後、何百万件もの差し押さえが予想される中で、「結局、ブッシュ政権の開始時より終了時のほうが住宅所有率が低かった」ということになりそうな勢いである。

バブルの最中、住宅ローン業界は甘い言葉で何百万もの人々に分不相応な借り入れをさせ、同時に投資家をかついで「AAA 」の札が間違ってつけられたリスク資産に莫大な投資をさせた 。穏当な見積もりによると、1000万以上のアメリカの家庭が資産価値以上の負債をかかえ、投資家は4000億ドルを超える損失をこうむることになるそうである。

世界大恐慌以来有数の金融危機が明らかになる過程で、当局はどこにいたのか。彼らはイデオロギーによって盲目になっていたのだ。

「FRB、サブプライム危機拡大に肩をすくめる」というのが、当局による混乱収拾が失敗に終わったときのニューヨークタイムズの見出しであった。

これは、グリーンスパン氏が、小説『肩を すくめたアトラス』で知られる自由資本主義の擁護者アイン・ランドの弟子であったという経歴に対する控えめな当てこすりだったのだろう。

グリーンスパン氏は1963年、ランド女史のニューズレターに対するエッセイの中で、自由な行動に任せられたビジネスマンは「安全でない食料や薬、詐欺的な証券、そしてハリボテの建物を売ろうとする」という命題を「集産主義者」の神話であると切り捨てた。そして氏は「誠実な取引と高品質な商品について評判を得ることはすべてのビジネスマンの自己利益である」と 述べている。

このように見てくると、連邦準備理事であるエドワード・M・グラムリッチ氏が主張したような、詐欺的貸し出し慣行に対する警告をグリーンスパン氏が無視したのもうなづける。 

グリーンスパン氏の世界では、消費者に有毒なおもちゃや汚染されたシーフードを売ろうとする行為が起こりえないのと同様、略奪的融資というものもありえないのである。

しかし、グリーンスパン氏のみが民衆の保護よりイデオロギー を優先させたわけではない。サブプライム貸出の狂乱がまさに始まろうとしていた2003年6月の記者会見で、銀行に対する規制を軽減すべきという方針が表明されたときのことを思い出して見るといい。このとき、金融監督を担当する5つの政府機関の代表のうち4人が、銀行規制が書かれた紙の束を前に植木バサミを持ち出した。5人目の代表者である金融監督局のジェームズ・ギルランはチェーンソーを振りかざした。

そこには規制緩和のロビー活動を行っていた金融業の業界団体の代表者たちも出席していた。筆者が報道から知る限りでは、そこには消費者利益の代表者は出席していなかった。

この米国通貨監督局によるパフォーマンスの2ヵ月後、植木バサミをかざしていた当局の一つが、消費者を略奪的融資から保護する州規制からの免除を国法銀行に認めるという動きに出た。もし、例えばニューヨーク州が自らの住民を住民を守りたいと思ったとしても・・・大変恐縮ですが、それは認められません。

もちろん、すべてが狂ってしまった今、金融業に絡んでいる人々は自由な市場が完璧であるという信仰を考え直してはいる。グリーンスパン氏は政府による救済措置に賛成するようになった。「資金は潤沢に用意できる」と氏は言う。納税者の金のこと だ。「そして我々は、この歪みからくる問題を解決するために、必要に応じて、より大規模にこれをおわなければならない」。

ローン危機に保守的なイデオロギーが関わっていたことを考慮すると、民主党がこの危機を2008年の選挙の争点にすること に積極的でないのは不可解である。そうするべきなのである。そうすることによって、彼らの敵が持っている経済的信条の誤りは、図式的に提示できるのである。


なるほど、そういう仕掛けでしたか−サブプライムローン  11月29日 厭債害債

前々からおかしいと思っていたことが多少確認された形となりました。ブルンバーグからの孫引きですが、格付け会社のひとつFitch(フィッチ)社が出したレポートによると、昨年実行された住宅ローンのうち実行後6ヶ月以内にデフォルトとなったものから45件のローンを抽出して調べたところ、三分の二(つまり30件ほど)は借主が居住の意思について嘘をついていた(つまり住むつもりもないのに家を買いローンを借りた)、ということです。(中略)

そもそも多少住宅価格が下がったからといって急激にデフォルト率が上がるって言うのがおかしいと思いませんか?はじめから下がったらデフォルトするつもりだったとしか思えません。Case−Shiller住宅指数がマイナスに転じ始めてからまだ1年も経っていない。はじめから住宅の値上がりを前提に投機を行い、うまくいけば値上がり益(元値がでかいから利益もでかい、しかも金は借りられる)を得て、失敗すれば金を払わないでデフォルト。その場合も家を手放せば債務から開放される(ノンリコース)。そういう仕組みで、投機的な住宅投資が数多く行われていた可能性が強いと感じます。その過程で多くの架空の(実需を伴わない)ローン契約が作成された可能性があります。

ワタクシはもともとサブプライムとよばれる層に対するローンのうち相当の部分が「作成契約」ではなかったかと疑っています。そういうことを行うインセンティブが米国のサブプライムローンと証券化の仕組みの中に組み込まれているのです。今回のサブプライム騒動は「広い層の人々に住宅が与えられるようになるくらいすばらしく成功した米国経済がちょっと行き過ぎてバブルが生じた」という見方が通説でしょうが、そういうボトムアップアプローチではなく投資家の視点からトップダウンで見てみると、違った風景が見えてきます。

まず世界的な低金利状況で運用難のお金がジャブジャブしていたという状況がありました。投資家からなにか有利な運用はないか、という相談を受けた投資銀行が、それまでも恒常的に国債をアウトパフォームしてきたモーゲージ市場に注目します。しかし通常のモーゲージではかなり効率化が進みすぎて余計にフィーを取れる余地が少ない。そこで高金利モーゲージというカテゴリーとして、信用リスクの高い原資産を組み込むことを思いつきます。証券化手法はすでに進んでいましたから、それを使えばサブプライムもトリプルAにすることが出来る。となれば「原資産」を作る必要があります。あくまでも想像ですが、少なくともサブプライムローンの一部は貸し手の側が積極的だった。それは原資産を作れば組成して投資家に販売できることが明確だったからです。そして今回のニュースに現れたように極端な例ではもともと存在しない需要をベースにサブプライムローンが作られてしまった(「作成契約」)のではないか思いました。それだけの強い需要があったことは私たちも感じていました。

値上がりしているうちはとにかく全員がハッピーです。ローンを借りて住んだ人、ローンを借りて投機したひとはいうまでもありません。ローンオリジネーターはビジネスが伸びているうちはどんどんフィーが入ってくる。組成側も投資家からどんどんフィーが入ってくる。投資家はそこそこ高い利回りを得られる。この中においては架空のローン契約すら、いや架空のものを作り出すことでみんなに便益をもたらすわけです。この状況で投資銀行からもっと作れといわれたオリジネーターが架空契約をしなかったという保証はないでしょう。

私がアメリカに住み始めてテレビを見たとき最初ちょっと面白いと思ったコマーシャルがあります。ある銀行の住宅ローンのTVコマーシャルです。ムーディーな音楽をバックにネグリジェを着た奥さんが別の部屋にいる夫にドア越しに熱い愛の言葉をたくさんささやいている。で、ドアが開けられると、中では夫が目を血走らせて住宅ローン申し込みの書類を作るのに悪戦苦闘している。いかに書類作成が大変であり、そしてこの銀行はそういうのをもう少し簡単に出来ますよっていうことを訴えるコマーシャルでした。本来アメリカの住宅ローンを申し込むというのは結構大変な仕事だったようです。ところがこれをサブプライム層に貸し出そうとすると当然No−Docとかそういういい加減な審査にならざるを得ない。これを反対側からみれば、貸し出し業者が書類を調えて適当な人間にサインさせさえすれば(そもそも審査しないんですから)ローンが成り立ってしまう。その適当な人間が必ずしも適法な社会保障番号を持っていたりする必要すらないでしょう。(その番号すらいい加減でありえます。なにせはじめからデフォルトする予定ですから)。

このレポートの結論はもちろんフィッチも認めているとおり「限られたサンプル」によるものであり、一般化するにはもう少し慎重な検討を要すると思われますが、同じレポートでは想定されたデフォルト率を越えた部分の少なくとも4分の1は債務者の詐欺または酷い貸し出し実務によるものと述べているようです。そしてこの結論はこの後の「債務者を救済すべきか」という米国内議論に大きな影響を与えかねないでしょう。

これと合わせて考えたいのは、昨今の米国経済を取り巻く状況です。感謝祭後の売り上げはそこそこ良かったみたいですし、そもそもまだ失業率も低く賃金も高い。ドル安で輸出業も潤っている。「作成契約」が結構多かったとすれば困るのはせいぜい不動産業者ぐらいでしょう。そもそもCase−Shiller指数のレベルは1999年末から80%も上です。殆どの人がまだまだ潤っている。今後落ちるとしても、本来投機やセカンドモーゲージないしホームエクイティーで浪費でもしてない限り、そして金利がそこそこ下がってくれれば、それほど困らないでしょう。もともと家を持つようなレベルの所得がなかった人々に対し、夢を見させただけであり、彼らは家を出てまたもとの暮らしに戻ればいいだけで、消費にそれほど影響が出るとは思いません。そして、もしこのレポートにあるように架空のローンを使って行った損の出にくい投機が失敗しただけだとすれば、アメリカの実態経済にはそれほど被害はないはず。一方で損失はやはり広くアメリカの一部金融を含むとはいえそれ以外の世界がかぶらされてしまったのでしょう。

当事者たちが意図したかどうかは別として、結局損失を世界中にばら撒いたわけです。しかしこれを非難するのはたやすいのですが、こういう仕組みすら作れないようなわが国では、金融立国など遠い夢であろうというのがワタクシの実感です。金融で儲けるということは誰かに損を押し付けたり誰かが本来受け取るべき利益を掠めるという面が多少なりともあるのですから。


(私のコメント)
私は不動産業者であり、バブルの発生から崩壊に至るまでの体験者であり、だからバブルについては様々な考えを述べてきました。アメリカの住宅ローンのことなども9月11日の株式日記でも書きましたが、アメリカの住宅ローンはセカンドハウスも住宅ロ−ンが利用できて金利も経費で落とす事ができるということです。

アメリカも近年までは不動産バブル真っ盛りだったから、小資産家達はセカンドハウスを住宅ローンを利用して投資を行なったのではないかと思う。住宅ローン会社も金がだぶついていたから実際には住まないにもかかわらず自宅ないしはセカンドハウスという書類を作成してローンを利用したのだろう。

アメリカのローンはノンリコースローンだから、値上がりすれば儲かるし担保枠も増える。しかし住宅が値下がりすれば担保の住宅を放棄すればそれで済んでしまう。日本のように住宅ローンの返済が焦げ付けば住宅が処分されるのはもとより、本人と連帯保証人までの資産や所得にまで手が付けられて返済を求められる。だから首を括るしかなくなってしまう。

アメリカのサブプライムローンは低所得者向けローンとテレビなどでは言われていますが、実際には住宅投機に使われていたのが多いのではないかと思う。テレビのニュースでも「売家」の看板が並んでいる光景をよく見かけますが、ほとんどが投機目的で買われた住宅が一斉に売りに出されているのだ。

だから低所得者がサブプライムローンを利用して住宅を購入して、返済できなくて家を明け渡す件数は意外と少ないのではないかと思う。それだけなら今までもS&Lなどのような事もあったから、単なる不動産バブルの崩壊で済んでいたのでしょうが、最近は住宅ローンの証券化が進んで、いろいろなファンドに組み込まれてしまった。

だからファンドが解約されて債権を回収しようにも担保物件は数百から数千に権利が分割されて、権利証も無いから担保処分が出来ない。実際には不動産の証券化ビジネスは詐欺的商品であり欠陥商品であったのだろう。担保の不動産が値上がりして収入をもたらしているうちは何の問題も無いが、値下がりして焦げ付いたら担保は回収の目処がつかない。

だからゴールドマンサックスや慎重な投資会社はサブプライムローンがらみの投資ではいち早く手を抜いて火傷は少なかったようだ。しかし多くの大手の金融機関は不動産バブルの崩壊の影響をもろにかぶって、金融機関同士のコール市場はマヒ状態に陥ってしまっている。

ポール・クルーグマン氏の記事にもあるように、貸す方にも借りる方にもモラルハザードがおきてしまったのだろう。無秩序な貸し出し競争が起きたのは日本もアメリカも共通している。グリーンスパンはもっと早く金融の引き締めをやるべきだったのだろう。馬はすでに馬小屋から逃げ出してしまったのだ。

ポール・クルーグマンの記事によればサブプライムローンは実際には低所得者ではなく、小金持ち達による住宅投資であったようだ。規制の緩和がこのような投資を可能にしたのですが、それがアメリカの景気をひっぱって来たのも事実だ。しかし90年代から根拠無き熱狂と呼ばれ不動産バブルもその頃から続いてきたのであり、9・11のテロ騒動で金融の引き締めのタイミングに狂いが生じたのだ。

しかしバブルの崩壊もどの程度のものかも知れず、まだ始まったばかりなのだ。住宅投資ブームも長いこと続いてきたから調整にはかなり長い間かかるのではないかと思う。アメリカは景気が良かったから中南米を初めとして世界から移民が押し寄せてきて人口も3億人を越えた。だから住宅投資ブームが起きたのですが、景気が落ち込めば仕事も減って移民たちも国に戻るかもしれない。

アメリカにとっては規制の緩和は一つのイデオロギーでもあるのですが、サブプライム問題はそこから生じた歪みであり、新自由主義経済も一つの転換点を向かえたようだ。自由が行きすぎれば詐欺師たちが暴れまわってその犠牲者たちを増やしていく。その犠牲者を救済するためには国が関与せざるを得ず、救済には税金が使われる事になるだろう。つまり小さな政府は間違っているのだ。




サブプライムで焦げ付いて、円キャリの逆流で資金ショートしたハゲタカが
アラブや華僑の高利貸しから金借りて、首を括るのも時間の問題か?


2007年12月22日 土曜日

サブプライム基金、設立断念へ=買い取り資金集まらず−米紙 12月22日 時事通信

【ニューヨーク21日時事】低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローン問題の影響で経営困難に陥った運用会社を救済する共同基金構想について、推進役であるシティグループ、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースの大手米銀3行は設立を断念する方針を固めた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が21日報じた。24日までに正式発表されるという。

 基金は、資金繰りが悪化している金融機関傘下の投資目的会社(SIV)から、回収不能になるリスクが少ないにもかかわらず値が付かない資産を買い取り、機能不全に陥っている金融市場を再活性化させるのが狙い。米財務省の主導で3行が具体策を詰めていた。

 しかし、シティや英金融大手HSBCなどが、系列SIVを自力救済する方針に転換。このため、金融界では基金の役割を疑問視する声が強まり、内外の大手金融機関の協力を前提にした総額500億ドル(約5兆7000億円)規模の買い取り資金集めが難航していた。


苦しい選択 12月17日 ぐっちーさんの金持ちまっしぐら

金曜日のニューヨーク市場は息苦しかった。

PPIに引き続きやはり、というべきか、CPIも予想を上回る上昇、米国債金利もじわじわ上がっている。金利が上がるということは債券の価値は下がりますので、ここで何度も申し上げました担保価値の下落を生んでいることになります。いま考えられるシナリオの中でこれが一番いやらしい。

下がり始めたら対策がないんですよ、実際。まあ、アメリカ政府が介入して買い捲る、なんてことも技術的にはできますけどね、体質的に無理ですね。それに市場規模が大きすぎること、毎月毎月大量に借り換えているので発行をとめられないことなとなどなど、「そもそも論」で危ない代物なんですね。

それがアメリカという国の信用枠でなんとか持っていた。そして、何より基軸通貨なもんで、アメリカが借金して消費したものが日本とか中国に集中してお金が集まり、それで国債を買うのでうまくバランスしていたのが、実際ここ5年ほど流れがおかしい現実があります。

日本が圧倒的に稼いでいるうちは良かったのですが、いよいよアメリカの言う事をまともに聞かない奴らの手に、そのドルが集中して集まるようになった。さて、どうします? という状況の中でこのサブプライム問題が起きてしまったので、なんとも収集が付かん訳ですな。

どうも当事者(バーナンキだったりポールソンだったり)の認識も甘いような気がしてなりません。この「何とかなるだろ」的なムードは嫌いですね、わたしは。(後略)



日本が世界を救う 12月20日 ネットゲリラ

今のところ、サブプライムローンの尻拭いはアラブの金持ちとか成金中国が出資して乗り切ろうとしているんだが、中国人とかアラブ人というのは知る人ぞ知る、ユダヤ以上の守銭奴であって、決して愛や慈悲でアメリカを助けようとしているわけじゃない。バンコクには世界中から守銭奴が商売しにやって来るし、おいらもユダヤ人、アラブ人、中国人、タイ人、インド人、ネパール人、インドネシア人なんぞと取引してるので良く知っている。で、シティ、UBS、モルガンスタンレーと立て続けにアラブやシンガポール、中国の援助でカネを調達しているんだが、

金利がサラ金並みに高いのだ。9%とか11%とかで、日本の円トレードみたいにタダ同然というわけじゃない。で、アレだ、常考ってヤツだ。常識的に考えて、というのを略して「常考」。これ豆知識な。

タダ同然の金利で失敗したヤツが、闇金のカネで立て直せるわけがない。今、景気が良い中国にしたって、そら、日本の下請けに徹して頑張ったから成長できたわけで、彼ら自身がそれを一番良く知っている。中国が日本の技術力と資本をうまく使いこなせれば、アメリカに代わって世界の覇者になるのも不可能ではないし、日本が中国を敵視してロシアや東南アジア諸国と手を結ぶ事になれば、中国の将来は絶望的だ。アメリカには中国をコントロールする能力はないし、そんな事が出来るくらいだったら第二次世界大戦は起こらなかった。



(私のコメント)
日本もいよいよ最後の連休で、昨日あたりは忘年会とクリスマスパーティーで盛り場はどこも大賑わいでした。しかしニューヨークあたりでは大分風向きが違ってきたようで、特にウォール街は火が消えたようになっているらしい。ニューヨークは世界のマネーセンターとしてファンドマネジャーが肩で風切って歩いていたのですが、今では首切りの嵐で首の無い人間がうろうろしている。

欧米の金融がただならぬ状況であるのは昨日書いた通りなのですが、欧米の主要な金融機関が相次いでアラブやチャイナの政府系投資機関から高利の金を借りて一時しのぎをしている。日本で借りれば2%以下で借りられるはずなのに、どうしてあのような危ないところから金を借りるのだろう。

彼らは日本人のように人がよくないから、金が返せなくなればコンクリート詰めにして海に捨てられかねない。いづれユダヤ人とアラブ人や中国人とのマネーをめぐる壮絶な戦いが始まるのだろう。彼らのような商業民族が生業とするのが金融業であり、スペインーオランダーイギリスーアメリカと世界帝国に付随してユダヤ資本もついて来た。

アメリカという軍事大国に付随していれば借金の取り立ては軍隊がやってくれる。逆に金を借りて金が返せなくなれば戦争を仕掛けて勝てば借金をチャラに出来る。ドルが世界の基軸通貨であるのもアメリカの軍事力が支えになっているからですが、その軍事力を支えているのが経済力だ。しかしそのアメリカの経済力に黄色信号が点灯し始めた。

次の世界帝国は中国になるのだろうか? UBSに100億ドル出資したシンガポールも華僑国家であるし、モルガンに50億ドル出資したのも中国の投資公司だ。いわばユダヤ国際金融資本が華僑から金を借りる構図は、アメリカから中国へ覇権が移行する前触れなのだろうか? 中国は戦略核ミサイルを持っているからアメリカもむやみに戦争を仕掛けられない。

アラブ商人も石油という戦略物資を持っているからむやみに借金を踏み倒すわけにも行かないだろう。イラクにアメリカ軍を送り込んで石油を独り占めしようとしても、軍事費がかさんで、それがアメリカの経済危機の原因ともなっている。

世界帝国であるアメリカは中国からのマネー還流で繁栄してきましたが、中国人は日本人のように人が良くないから、中国人から金を借りればどういうことになるか思い知ることになるだろう。日本は85年のプラザ合意で一気に借金を半分に減らされましたが、中国はなかなか元を切り上げずに抵抗している。元の切り上げはドル建ての借金の踏み倒しに他ならないからだ。

もちろんアメリカ=ユダヤ商人、中国=華僑ではないから単純ではないのですが、ユダヤと華僑とアラブの三大商業民族の覇権争いが熾烈になってくるだろう。いわば欧米だけが世界経済を支配していた時代は終わり、多極化の時代が来ているという事が金の動きから読み取れる。

しかし経済は金の動きだけで成り立っているわけではなく、富の源泉はあくまでも物作りにある。石油や金の産出も一時的には富の源泉になりうるが、掘り尽くしてしまえばおしまいだ。それに対して物作りでは、1トン1万円の鉄から一台の車を作る事が出来てそれを200万円で売る事ができる。いわば200倍の付加価値が生まれるわけですが、商業民族は金を回して年10%の利益が稼げれば御の字だ。

すなわち商業民族は物作りの上手い民族にはかなわないのであり、戦争になれば兵器の優劣が勝敗を左右する。西欧の列強は鉄砲や大砲の威力で植民地を支配して帝国を作ることが出来た。それに対してアラブや中国の商業民族は優れた兵器を作ることが出来なかった。文化が違うからだ。

アメリカもかつてはアングロサクソンやゲルマン民族などの物作り大国であり、フォードの自動車やIBMのコンピューターで世界をリードした。しかし今では金融業で金を稼ぐしかない国家になってしまった。そして現代の世界において一番優れた自動車やコンピューターを作っている国はどこか? それは日本だ。

商業民族というのはいわば被支配民族であり、物作りの上手い民族に支配される民族なのだ。しかし情報や交渉力などは商業民族の得意技であり、だからこそ被支配民族である商業民族は生き残る事ができたのだ。


「商人」の矜持 1999年12月 佐藤祥一

世界で一番商売に長けた民族はどの民族だろうか?こんなことを戯れに考えてみたことはないですか?

 日本マクドナルド社の、藤田田会長の話によるとこうです。(お聞きしたのはかれこれ十年ほど前ですが、何故か頭に入っていました。)

「あの商売が巧いとされる華僑三人が束になっても、独りのインド人に勝てるかどうか、そのインド人が三人束になっても、独りのアラブ人と同じぐらい、そのアラブ人が三人集まっても独りのユダヤ人にはかなわない。しかしそのユダヤ人が三人束になっても、独りのアルメニア人にはかなわない。だからアルメニア人の商売人としての能力は世界一」こういう話です。最期に出てきたアルメニア人とは聞き慣れない人種ですが、 ロッキード事件の主役、田中角栄ともうひとり、贈賄側の主役コーチャンがアルメニア人の末裔だということです。(かつてあれほど世間を騒がせた「ロッキード事件」も歴史の一コマとして曖昧なまま終わってしまいました。ここでは詳しい説明は省きます。)

 日本の検察をひとりでむこうにまわし、ついには刑事免責を勝ち取り、悠々と罪を免れたコーチャン。一方の収賄側の日本人、田中角栄。晩節を汚したばかりか精神的な重圧に耐えられず、体調を崩し再起不能に陥ってしまいました。田中にとって相手が悪かったということでしょうが、日本の検察を易々とかわし無傷で生き延びたコーチャン。 彼を生んだアルメニアという国は一体どこにあるかお判りですか?「ウン、大体ここだ」と頭のなかでイメージ出来た方は相当ロシア連邦の事情に通じているといえましょう。現在のアルメニア共和国(1991年独立)はトルコ、イランに接し、旧ソビエト連邦の中でも一番の南にあります。東西を接するアゼルバイジャン、グルジアとともにザカフカス連邦共和国を1922年に樹立。1936年にアルメニアとして単独のソ連構成共和国になりました。1988年隣国アゼルバイジャンとナゴルノ・カラバフの帰属をめぐって衝突、今なお未解決。

 紀元前一世紀にアルメニア人の統一国家が形成され、4世紀はじめに世界で最初にキリスト教を受容した国でもあります。後に、ローマその他周辺強国に長く服属、十九世紀に一部ロシアに属し、南部はトルコ・イランに分属されたという変転極まりない民族の歴史を持っています。第一次対戦を機にトルコ領内で起こったアルメニア人の大虐殺では、死者100万人(300万人という説あり)を超え、50万人を超えるアルメニア人が主としてアメリカ合衆国へと脱出したのです。コーチャンの祖父母は間違いなく亡命者でしょう。

 華僑、インド人、アラブ人、ユダヤ人、アルメニア人といずれも順位を付けることに大きな意味はないとしても確実に言えることは、ここに述べた民族全てが歴史的に虐げられ政治的に分割 服属を余儀なくされた民族の末裔だということです。そしてこれらの民族にとって共通していることは、海外にあって守ってくれる「政府」がなく、それぞれの地で自らの結合組織、相互扶助組織を合法、非合法を問わず作り上げました。



(私のコメント)
アメリカでアルメニア人大虐殺の非難決議が出されたのも、アメリカのアルメニア系の住民によるものですが、ユダヤ人を上回る商業民族だ。彼らは国家そのものを信じてはいない。だから国家間の戦争にも弱いのですが、一人ひとりは非常にタフネスであり日本人はとてもかなわない。しかし国家と国家で見れば力関係は逆転する。物作り民族は国家への信頼が強いから戦争でも強く、アングロサクソンはそれで七つの海を支配した。日本もそれを見習わなければならない。




欧米の中央銀行による資金供給は続いているが、欧米の銀行システム
が完全に破綻しているようだ。資金供給がいつまで続けられるか?


2007年12月21日 金曜日

米FRB、200億ドルのターム物入札の落札金利は4.65% 12月20日 ロイター

[ニューヨーク 19日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は19日、200億ドルのターム物入札(期間28日)の落札金利が4.65%になったと発表した。応札額は615億5300万ドル、落札額は200億ドル。応札倍率は3.08倍。応札した機関は93だった。
 落札金利について、市場では4.25─4.75%の間と予想されていた。今回の結果は金融機関による資金需要がおう盛なことを示したとみられている。


<サブプライム支援基金>三菱UFJとみずほ、提供見送りへ 12月20日 毎日新聞

三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)とみずほFGは19日、米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の収拾策として米3大銀行が設立を計画している「サブプライム支援基金」への資金提供を当面見送る方針を固めた。要請された融資枠が50億ドル(約5500億円)と巨額で、多額の貸し倒れリスクも排除できないことから「株主に説明できない」と判断した。両グループとも20日にも基金側に通知する。既に三井住友FGも同基金への資金提供を見送る方針を決めており、3メガバンクの足並みがそろう。

 同基金は米国内外の約20行の資金提供を受けて、欧米金融機関傘下の投資目的会社(SIV)からサブプライム問題で買い手が付かなくなった証券化商品などの資産を一時的に買い上げる。ただ、証券化商品の価格下落が続き、基金に2次損失が発生する懸念があるため、欧州系銀行も資金提供に難色を示している。基金側は今後、規模縮小など計画の見直しを迫られる可能性もありそうだ。【坂井隆之、斉藤望】


中国投資公司がモルガン・スタンレーへ50億ドルもの緊急出資 12月21日 宮崎正弘

中国投資公司がモルガン・スタンレーへ50億ドルもの緊急出資
  天下のウォール街の名門=老舗の10%株主はチャイナ

ウォール街の衝撃は正確に日本に伝わっていない。
 ――金融黄禍論とでも言えばいいのか。
 昨日まで貧乏に喘ぎ「カネを貸してくれっ」と先進工業国に居丈高にせがんでいた国が、天下の名門ウォール街の、老舗中に老舗モルガン家の銀行に、ぽんと50億ドルを出資しちゃうんですから。

 中国語メディアは意気揚々と叫ぶ。
 「中投公司、50億美元参股摩根士丹利」(多維新聞網、20日付け)。この「摩根士丹利」がモルガンスタンレーを指す。正確にはモルガンスタンレーの9・9%株主となって、「日常の経営、管理には口を挟まない。利益が見込めるので株主配当を狙う」と記者会見した。

 ともかくこれで2000億ドルの原資で設立された中国の国家ファンド「中国投資公司」は、五月に米国ヘッジファンド大手の「ブラックストン」(「黒石」とかくとイメージが悪いので漢字は「百仕通」と宛てる)への30億ドル出資につづく「快挙」を成し遂げた。
率直に言ってハイリスク・ハイリターン、日本の公共金融機関なら、まずは手を出さない大胆な投資行為である。

 サブプライムの破綻でシティもメリルリンチもCEO交替に追い込まれたが、シティは、アブダビ投資庁を拝み倒して、砂漠の首長らから75億ドルの出資をえた。
 原油高騰で潤い、しかも増産に応じないのだからペトロダラーは強い。
 嘗てシティの経営危機を救ったのも砂漠の王族(サウジの皇太子がポンと増資して倒産の危機を救い、最大株主となったのです)だった。

 ほかの欧米列強は、出資先をアジアに求めた。
 日本には奉加帳を回して済むことだが(日本はなめられてますね。どうせ、欧米の銀行と業務提携の強い邦銀はパートナーとしての出資を強要される)、アジアの国家ファンドは強者が揃った。

 UBS(ユニオンバンク・オブ・スイス)は結局、テマサクから100億ドルを調達した。「テマサク」とはシンガポールの国家ファンド、アブダビ、サウジ、ドバイなどと並ぶ大手。最近も中国東方航空の25%株主になったが、テマサクは同時に中国銀行、中国工商銀行の保有株を大量に売却した。

 南アのスタンダード銀行に55億ドル出資して筆頭株主となったのは中国工商銀行である。
 先述したブラックストンへの30億ドル出資、モルガンスタンレーへの五〇億ドル出資は、中国国家ファンドだが、ほかにも中国開発銀行がバークレー銀行にぽんと三〇億ドル、CITIC(中国国際投資公司。国務院直営)はベアスターンズへ一〇億ドル。

 一体、この有様はどうなっているか、日本のエコノミストで説明できる人はいるのか?



救いの神 12月20日 day by day

(13:14)おやおや、今回の日銀金融政策決定会合は水野審議委員も賛成しての「据え置き」ですか。まあそうですな、今の欧米の金融機関が置かれている状況を見れば、日本の金利を当面据え置かざるを得ない理由は十分にある。これには水野さんも抗しがたかったということでしょう。福井さんの任期内には利上げは無理かもしれない。

 それにしても、モルガン・スタンレーの昨日の発表は凄まじかった。サブプライムローンに絡んで94億ドル(約1兆1000億円)の損失が9〜11月決算で発生した、という内容。こうした中で同社は、中国の政府系ファンドから50億ドル(約6000億円)の出資を受け入れると発表した。

 大幅な欠損が出たのは、保有するサブプライムローンを裏づけにした金融商品(仕組み証券が主でしょうが)が大量に格下げを受けたためで、これを減損処理をした結果大幅な損失が出た。

 米欧金融業界では既に、メリルリンチ、シティグループなどがサブプライム問題に関連して既に巨額な損失を発表している。うちいわゆる政府系ファンド(SWF)に支援を求めたのは3社目でしょうか。シティ、UBS、そして今回のモルガン・スタンレー。

 モルガンは米金融業界でも超優良銘柄です。そこに9.9%にしても中国の資金が入る。今私の手元にはどういう内容の資金であるかは資料はありませんが、多分調達金利は高いでしょう。シティはアブダビに11%、UBSはシンガポールでしたっけ、9%の金利を支払う合意内容だと記憶している。

 SWFを先のG7で目の敵にした姿勢は、今後はすっかり変えざるを得ないでしょう。自国の銀行や証券がこれだけ助けてもらっておいて、あまり目の敵には出来ない。無論、武器製造会社などへの出資には文句をつけるでしょうが、それ以外は感謝の気持ちを持たざるを得ない。

 日本も1兆ドル近い外貨準備を持つ。政府系ファンドを持ったらと言う意見も政界に出てきているようだが、ニューヨークの金融業界のメルトダウンのような事態が予想されるようなら、使っても良いかもしれない。今だと米金融市場が混乱すると日本が持っているような債券は値上がりするのでそれはそれで良いのですが、そういう問題ではない事態も予想される。



(私のコメント)
欧米の金融機関が相次いで危なくなってきている。シティ、UBS、モルガンと相次いでSWFから金融支援を受けている。銀行間であそこの銀行が危ないと思われれば短期のコール市場にも締め出されて銀行は破綻してしまう。その為に欧米の中央銀行が資金供給しているのですが、いつまで続けられるのだろうか?

金融機関各社は巨額の損失を計上して、どこからかの資金援助を受けなければなりませんが、石油高騰で潤っている中東産油国やアジアの政府系ファンドから支援を受けていますが、調達先が見つからなければ破綻していただろう。だから欧米の金融機関同士は疑心暗鬼になってコール市場でも中央銀行が資金を出さないと短期金融市場が麻痺してしまう。

もっとも中東産油国や中国は10%前後という非常に高い金利の出資であり、シティ、UBS、モルガンなどは非常に厳しい選択を迫られての救済だ。6000億円の出資で10%の金利なら毎年600億円の金利収入が得られる。相手は欧米の超大手金融機関だからシティやモルガンが潰れる事はアメリカが潰れる事だからアブダビや中国は美味しい投資だ。

日本の銀行がこのような美味しい話に乗れないのはなぜなのだろうか? その代わりにアメリカからはサブプライム支援基金という奉加帳が回ってきましたが、貸し倒れリスクや評価損リスクがあるとんでもないものだ。日本は舐められているのです。日本は円建てで転換価格が変えられる転換社債で金利が10%ぐらいなら応じてもいいと思います。

もっともそれだけの話をまとめられるメガバンクのトップもいないし、世界最大の金融機関である郵貯銀行の200兆円も民営化されて株式会社になったから、日本政府が金を出させる事も出来なくなってしまった。いわば郵政の民営化がアダとなって政府が口出しできなくなってしまった。もし公社なら5000億円や1兆円の出資などは200兆円の預金高の銀行なら出来ただろう。

株式会社となった今では内密に話はまとめられないし、役員会にかければ話が漏れて投資先の銀行は潰れてしまうだろう。いわばハゲタカ外資にとっては郵政の民営化がアダとなってしまったようだ。しかし欧米の銀行がバタバタと倒れればえらい事であり、日本にも影響が及んでくる。その時点で日本が動けばいいのではないかと思う。

90年代はさんざん日本の銀行はアメリカのハゲタカに虐めたおされて銀行の整理統合が進められた。金融庁からは資産の厳格査定が行なわれてUFJなどは金融庁に潰されたようなものだ。潰せと背後から圧力をかけたのはアメリカだ。モルガンスタンレーは日本の不動産の底値買いで有名で恵比寿のガーデンプレイスも買ったのはモルガンだ。

ハゲタカは日本の銀行から担保となっている不動産を吐き出させては安値で買い叩いていった。そのモルガンがサブプライムという毒薬で瀕死の重症となり中国の投資公司から6000億円の出資を受ける。世の中は悪い事をすれば何らかの形で酬いを受けるのですが、アメリカのハゲタカ達も不動産バブルの崩壊の影響をもろに受けてしまった。

不動産バブルが弾ければ時価会計に則って損失を計上しなければなりませんが、今度はハゲタカ達がBIS規制や時価会計に苦しめられる番だ。90年代に日本に対して行なった銀行潰しの酬いが現在の欧米に起きているのだ。今までさんざん日本を虐めておいて自分達が困れば平気で奉加帳を回してくる。

ポールソン財務長官は日本を素通りして中国に行きましたが、中国も来年中にはバブルが弾けて中国の日本に対して助けてくれと泣きついて来ることだろう。その時のために日本は今は自重して本当の世界的金融危機に備えなければならない。欧米では債券市場が機能しなくなり中国もバブル崩壊でやられて、今景気がいい中東の湾岸諸国もその影響をもろに受けるだろう。

残るのは経済大国であり金融大国である日本であり、日本のマネーが世界の金融危機とバブル崩壊から救う切り札になると思う。なぜならば日本は真っ先にバブル崩壊の洗礼を受けた国だからだ。しかしそれだけの危機に対して仕切れる人材が日本にはいない。竹中平蔵や榊原英資のようなハゲタカの手先はいるが日本のためにはならない。

シティにしてもUBSにしてもモルガンにしてもこれから毎年10%もの出資金の利払いに追われて経営は苦しくなる一方だろう。それ以外の金融機関もより大きな損失を出して出資してくれるところが無ければ潰れる事になる。奇跡的に日本はサブプライム問題の傷は浅かった。

今は何もせずに事態の様子をじっと見つめている時であり、ジタバタしているハゲタカたちがどのような策でピンチを切り抜けるか見ていればいい。それでもだめならば日本の出番がやってくる。すなわち世界を救えるのは日本だけということになるだろう。




「郵政民営化が日本を不幸にする」という週刊ダイヤモンドの大特集
構造改革事態が根拠のない熱狂であり、市場原理主義者の私物化だ


2007年12月20日 木曜日

Fake Privitization 44 12月18日 東京義塾

郵政民営化が日本を不幸にする。よくもつけたりの副題であるが、週刊ダイヤモンド12月22日号は、郵便局を信じるな!という特集号を出した。「2005年の郵政解散で、国民は小泉純一郎首相を全面的に支持した。その選択は、はたして正しかったのだろうか。10月、郵政民営化によって新生・日本郵政グループが発足したが、郵便局の現場は早くも大混乱に陥り、疲弊している。現場を幸せにできない民営化が、国民を幸せにできるはずはない。」と目次に書いてある。

http://diamond.jp/series/newdw/12_22_001/

http://dw.diamond.ne.jp/number/071222/index.html

プロローグという出だしの記事は、年賀状地獄としている。民営化最初の年に、40億枚というノルマに追われる郵便局長などの報道である。自腹を切ってノルマを達成する、「自爆」も横行しているらしく、売るも地獄なら、配るほうも地獄の状態で、アルバイト仮名かなから集まらない状況が報告されている。郵貯は金利上昇のリスクがあり、かんぽは、契約の減少が続いており、同誌は、郵政三事業の先行きは暗いと一刀両断の記事である。過ちは改める西区はないとも述べて、増田総務大臣のインタビュー記事を掲載している。大臣の意見は、民営化したから、限界集落の住民が守られるという珍奇な主張である。「付帯決議がある限りにおいて、地方の弱者切捨ては防ぐことができる」などと述べている。まったくの牽強付会、決議があればなどと、まったく政策論とはなりえない珍妙さである。笑い話ではないところが、岩手県の知事を最近までやっていた政治家だろうかと疑わせるような応答である。

第一章は、投資信託募集と、簡易保険募集の問題について触れている。新規契約件数がどんどん落ちてきている。投信の純資産残高は一兆円を突破したという。しかし、販売された投信の半分は元本我だとも書いてある。コンプライアンスのブラックジョークについても、具体的に配布されたハンドブックを引用しながら、現場の実態との比較で書いている。貨物法制に切り替わったことで、混乱が生じているようだ。しかし、国土交通省もおかしな役所だと思うのは、郵便車両が今まで何の問題もなかったのに、新たに、郵便が貨物化したことで、;縄張りが増えたとでも思ったのだろうか、巡回指導を開始しているとの記述には驚かされる。現場の荒廃についての記述がある。

中川茂特定郵便局長会の会長のインタビューも掲載されている。論旨明快。郵政民営化は明らかな間違い。政治力で法改正を求めていくとの記事である。

第二章は、郵便局が消えて、地方切捨ての冷たい現場について報告する。青森のりんご業者が、民間宅配企業に変わっていたことを描写する。民営化移行で、営業管理機能が郵便局で失われてしまった実態を報告する。竹中元大臣のインタビューも掲載している。郵政民営化は不可避だった。郵政民営化法には設置基準があり、どこが地方切捨てかと居直る。前の総務大臣のインタビューと同類であるが、実態の検証がない議論である。

ヤマト運輸の社長のインタビュー記事も掲載されているが、物流の本質的なところが郵政民営化でよくなったわけではないと述べて、民営化が失敗していることを喜んでいるかのようだ。どうにも、ユニバーサルサービスとは何かに関する理解が欠けており、前述の竹中大臣のインタビュー記事と同根の議論である。

第三章は、一万人アンケートの世論調査の結果分析である。郵便局職員のアンケートはたった200人の母集団であるからあてにはならないが、一万人からのアンケートはそれなりに信憑性が高いものと思われるが、郵政民営化が、諸裏の利便性向上に結び塚かどうかとの設問には、期待と不安が入り混じる現実が浮き彫りになっている。

従業員持株会についての記事もあるが、浅薄である。もちろん、持株会は郵政の職員の士気は上がっていないようである。既に、当ブログは持株会の問題についてっは省実したことがある。

第四章は、遅まきながら、ニュージーランドや、諸外国の民営化の失敗例について報告している。郵便自由化についての欧州議会が反対多数の決議をした事例などを、遅きに失した感は否めないが、丁寧に書いている。

第五章は、当ブログでもしばしば紹介している、山崎養世氏の、郵便局を年金の窓口にして民営化の閉塞感を打破しようという提言を特集している。

統一した、全逓と全郵政、の労働組合の多難な船出について詳述したうえで、一ページ全面の、郵政民営化反対を貫き通している、平沼赳夫衆議院議員の記事である。地方から消える「郵便さん」民営か見直し法案賛成としている。;郵政民営化は国策の観点からも間違っており、小泉さん、竹中さんの罪は大きいといわざるを得ないなどと述べている。

最後に、日本郵政社長の西川善文氏のインタビューを掲載している。失敗した経営者のあがきが聞こえるようなインタビューである。側近政治をやっているという批判には、心外だと言い、お手本は農林中金などとも述べる。西川社長の言う現場主義は肝心の現場に伝わっていないことが問題であり、郵便局組織が大きいことを、経営トップが言い訳にする愚についての解説がある。

いずれにしても、遅きに失した特集記事である。そもそも、当ブログは、構造改革事態が根拠のない熱狂であり、市場原理主義者の体の言い私物化であるとの論陣を張ってきた。その観点からは、ようやく日本のマスコミの中でも大経済週刊誌のダイヤモンド社が取り上げることは、喜ばしいことである。ダイヤモンドであれば地方の本屋さんでも結構の取り扱いがあると考えられるので、亡国の郵政民営化がいよいよ明らか委になるものと考えられる。改め、見直し、当面は、不十分ながら、株式売却凍結法案を国会で可決することが必要である。



「郵便局」を信じるな 12月19日 八国山だより

タイトルは今週発売の経済誌「週刊ダイヤモンド」の特集記事である。
いわく、郵政民営化が日本を不幸にする。

「週刊ダイヤモンド」が行った1万人アンケートでは「民営化に期待できるか」という問いに対して
・できる       29.9%
・できない      31.7%
・どちらともいえない 38.4%
とのこと。

インタビューで増田総務大臣は
「(日本郵政が)行き過ぎた経済合理主義を追求するあまり、国民が不利益を被ることになっていないかどうか、事態を監視していくつもりでいる」
と発言しているが、寝言は寝て言え、あんたの目は節穴かと言いたい。

昨年のうちから約4,700局の集配郵便局のうち約1,000局について、集配業務と郵貯・簡保の営業業務を担当要員とともに、近隣の集配局に移管して集約する方針を固めた。(2006年2月7日 19時14分 共同通信)

事実、地方切り捨ては始まっている。
新潟県佐渡市で 157 → 102
福岡県北九州市 113 →  94
岐阜県関市   123 → 100
青森県      78 → 66 
 (数字は「週刊ダイヤモンド」の記事から)

市場万能主義のアメリカでさえ郵便事業は国営であり、「行政改革の優等生」と言われたニュージーランドでも郵政民営化は失敗している。

竹中平蔵氏は「郵政民営化は不可避だった。改革の後戻りはありえない」、「民営化は正しかったと自身を持って言える。私と正面切って議論できる政治家がいれば。いつでも受けて立ちますよ」とのこと。
では、政治家の前に、たとえば、田舎に住む私の年老いた母親に、たとえば書留郵便を出そうと思ったら一日確か2往復ぐらいしかないバスがないので一日がかりになってしまう状態に対して、なぜ民営化が正しかったのか納得のいくように説明してもらえるのだろうか。いや、私の老親にとどまらず、民営化どんなメリットがあったか、なぜそのような不便さを強いられても我慢しなければならないか、得心のいくような説明を望んでいるのではなかろうか。

その後で、ぜひ植草一秀氏とガチンコの議論をお願いしたい。


(私のコメント)
「株式日記」のバックナンバーを見ていただければ分かるように、郵政民営化法案には反対の論陣を張ったのですが、大マスコミによる小泉キャンペーンによって9・11衆院選挙は自民党の大勝利だった。ネットの世界でも小泉信者達との論争を繰り広げたのですが、ようやく今になって大マスコミでも小泉構造改革の正体があらわになって「郵政民営化が日本を不幸にする」という大特集を週刊ダイアモンドが行なった。

現在のねじれ国会も先の参院選挙で切り捨てられた地方の批判票が野党に流れたためですが、自民党はもっと早く小泉構造改革が生み出した歪みを正すべきであったのだ。自民党内にも郵政民営化に反対する勢力はあったのだが、小泉総裁によって自民党から追放されて刺客を送られて多くが討ち死にしてしまった。

小泉前総理は今ではマスコミのインタビューからも逃げ回っていますが、自分の犯した過ちに気がついているからだろう。構造改革の推進役だった竹中平蔵は今でも正しかったと強がりを言っていますが、地方を切り捨てた張本人は彼なのだ。安倍内閣でも「改革続行」などとキャンペーンをやったから空気の読めない自民党は大敗北した。


2005年8月16日 株式日記

ネット上でも小泉親衛隊の小泉信者がたくさんいる。目的が正しければ手段は間違っていてもいいのか。郵政の民営化は中央と地方の利害が対立する。だから自民党が割れるのは当然なのだ。その法案が否決されたからといって議会を解散して信を問うのは間違っている。私は郵政の民営化に反対しているのではなく、アメリカのユダヤ財閥に郵政が乗っ取られる事を懸念していますが、小泉信者はそのような事はないと否定するだけで、新生銀行がどのようなことをしてきたのか見ようともしない。彼らは外資に乗っ取られる事をグローバル化すると言い換えてごまかしているのだ。

2005年8月19日 株式日記

小泉首相の強引なやり方の背後にはアメリカの強硬な後押しがあるからだろう。ブッシュ大統領と会談するたびに「郵政の民営化はどうなった」と催促されているようだ。先日のG8の会談でも民営化が話題になっていたようだ。郵貯の350兆円は世界的規模で見ても巨額な金だからユダヤ金融財閥にとっても最後の獲物なのだろう。それには公社ではなく株式会社になってもらわねばならぬから民営化を要求しているのだ。

2005年8月20日 株式日記

アメリカ大使館が「年次改革要望書」を公開して日本人が見れば、当然私のようにこれでいいのかと怒るのが当然なのですが、日本人は怒らない。ポチ保守および小泉信者たちはアメリカがそんなことをするはずがないとアメリカを信じきっている。株式日記の8月11日の日記でイギリスのFT紙のロナルド・ドーア教授の記事を紹介しましたが、ずばり率直に書かれているにもかかわらずポチ保守は信じようとしない。日本の自主独立を促す「アメリカの心子知らず」というのでしょうか。

2005年8月21日 株式日記

フジテレビの「報道2001」で小林興起氏が黒字の郵政よりも社会保険庁を民営化すべきではないかと言っていたが、社会保険を民営化して年金をきちんと運用する事の方が先決ではないかと思う。それと並んで小林氏や民主党の鮫島氏がアメリカからの「年次改革要望書」の事に触れていましたが、小泉首相の言う改革とは「年次改革要望書」の改革の事なのだ。しかしアメリカから言われたから改革するのではなく日本のための改革でなければならない。

2005年8月23日 株式日記

だから小泉首相が郵政の「民営化に賛成か反対か」と絶叫演説していますが、問題は法案の中味なのだ。自民党の総務会でも意見が割れている状態で強引に委員会のメンバーを入れ替えて採決して国会で否決された。本来ならば小泉首相の不手際で総辞職するのが筋道なのですが、憲法違反と思われる衆議院解散に打って出た。

2005年8月24日 株式日記

私は今回の衆議院選挙が、インターネットが大手マスメディアに対してどれだけの戦いが出来るかに関心を持っている。しかしネットのサイトやブログにも多くの小泉信者がおり、論点をはぐらかす事に懸命のようだ。国会で郵政法案が否決された大きな原因は郵政公社が外資に乗っ取られるのではないかという懸念があったためだ。しかし小泉・竹中内閣は法案の修正に応じようとしなかった。法案の修正に応じていれば参院でも可決成立していただろう。

2005年8月25日 株式日記

それに対してポチ保守系の論客は吉崎達彦氏らは外資乗っ取り説には「冷笑するか黙殺するしかない議論」と切り捨てている。冷笑するのは勝手ですが、現在ではこのようなポチ保守たちが冷笑されるようになってきている。冷笑や黙殺するならそれなりの根拠を示さなければなりませんが、彼らは「年次改革要望書」や新生銀行の貸し剥がしなどは彼らの辞書には無いようだ。

2005年8月26日 株式日記

郵貯を買い取っても350兆円の資産はほとんどが国債や財投債だから、買い取った外資は国債を市場で売却するだろう。そうなれば国債相場は暴落する。すなわち郵貯簡保を外資に売る道を明けておくことは日本経済の破壊行為を外資に委ねる事になりかねない。しかし小泉首相はそのような修正を拒否している。すなわちこのまま郵政民営化法案が可決されれば日本をアメリカに売る事が可能になるということだ。

2005年8月28日 株式日記

国際戦略コラムのF氏が「株式日記」や「阿修羅」の論調を批判していますが、これといった証拠や事実関係もあげずに否定している。ポチ保守派の論調は「株式日記」などで書いてきた具体的事実に対して否定する材料がなしに否定しても説得力がない。「年次改革要望書」についても日本の知識人・財界人・官僚の要望に基づくものだというのはデタラメだ。もともとは前川レポートをさすのでしょうが、前川レポート自体がアメリカの圧力によるものであり、それが日本にバブルを引き起こす元になった。飯田経夫氏は次のように言っている。

2005年8月30日 株式日記

国民政党としての自民党から小泉首相の自民党になることで中央集権化がますます進み、地方はますますもの言えない体制になってゆく。地方分権化とは逆行しますがそれでは日本全国の支持を集める事は出来ないだろう。マスコミにいくら金をかけて動員しても小泉人気だけでは過半数の支持を集める事は難しく、公明党と連立しなければ過半数は維持できない。


小泉信者撲滅機甲師団前進中!

                              ∧_∧
                      キュラキュラ   (・∀・ ) ん?
                             __,,ゝ┼─┼====┐
                   キュラキュラ    | □|   .| |:|ヾ二二二二二(O
                       _____|__,|_;||___,| |:|ノ-┬─┘
          /|_/|        |ミ///   /   ~~|ミ|丘百~((==___
//////////<///////>////////└┼-┴─┴───┴──┐~~'''''-ゝ-┤
     ⊂/   /⊃         ((◎)~~~O~~~~~O~~(◎))三)──)三);
/////</////////フ//////////////.ゝ(◎)(◎)(◎)(◎) (◎)ノ三ノ──ノ三ノ;*;∵
      小泉信者


(私のコメント)
このような「株式日記」の連日の郵政民営化法案反対のキャンペーンも大マスコミの前には全く無力で、小泉自民党は大勝利した。しかし時間が経てば何が正しいかが分かってくるのであり、小泉信者のブログも今ではほとんど更新されなくなった。ざまあ見ろと言いたいところですが、ねじれ国会は小泉自民党が勝ちすぎた事が構造改革の修正に遅れた原因なのだ。


◆郵政が民営化されて外資系になったらどうなるか。


ロックフェラー様それだけはご勘弁を。
            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|国債300兆円売り払ってください。
 郵貯銀      .. レ―――――――
      ∧_∧  ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      (・∀・ ) (´∀` )  <その金でアメリカの国債と株を買い支えます。
__ ∧ ∧ <∨> .)( <∨>_.)___  \_____
  (   ,,) /_____/
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 ( _ ノ
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「ドルが基軸通貨として世界に君臨する時代」はとうに過ぎた
と言い切れる段階に一歩足を踏み入れた気がします。


2007年12月19日 水曜日

『基軸通貨ドルの失墜による影響』【森田レポート】 12月18日

◇世界経済の中心はどこか

1945年に始まったドル決済経済は1971年のニクソンショック(金本位制放棄)を乗り切り、1985年9月23日のG5では米国経済を守ためにドル安誘導を行い、1995年には米国経済を守るためにドル高誘導を行い、全て成功するという米国が盛夏の盟主で『ドルが世界経済の基軸通貨』という体制を60年続けてきました。

背景には『世界一の軍事大国』という武力で押さえ付けるという姿勢があり、1990年代のソビエト連邦の崩壊、東欧諸国の民主化によって、唯一の抑止力であるソ連が崩壊したことで、米国の横暴はアフガニスタンとイラクで頂点に達しました。

頂点に達したあとの動きを米国のNYダウで見ますと、1982年の777ドルから2000年には11628ドルまで17年間で約15倍になったのに対して、その後は今年の10月までで14124ドルと8年間で20%しか上昇していません。

つまり、米国経済は既に終わっていたのですが、グリーンスパン前議長という天才がFRB(連邦準備理事会)議長でいたことでマジックのように米国経済は崩壊しないで済んでいました。

しかし、17年間で15倍(1396%)、8年間で20%の上昇という事実を見れば、米国経済は終わっていて、本来は新興国に経済の中心が移っているべきだと思います。

ではユーロ経済圏はどうかと言いますと中心のドイツのDAX指数の動きを見ますと、2000年に米国と同じように高値を付けていますが、違いはその後の下落率が米国の38.7%に対して73%と大きいことです。

その後に2.8倍と大きく上昇していますが、現在の高値近辺は2000年の高値近辺で、2000年を新しい成長のスタートの年とすれば米国よりも上昇率は低いということになります。

これに対して2005年に新しくスタートした中国の上海指数のチャートを見れば『いまだに成長途中』ということが分かります。勿論、株式市場はどんなに長い期間成長しても『必ず上がったり、下がったり』しますので、投資する時には『株式市場のバイオリズム』を意識して行う必要があります。

では、日本はどうかと言いますと、やっと90年以降の暴落後の高値近辺まで戻してきたという状態になっています。つまり、日本を代表する企業で構成されるTOPIXを見れば、欧米の出涸し経済とは違うが、中国などの新興経済国のような力強さはないということになります。

つまり、日本経済は株式市場の下がり過ぎの戻り高値としては強力な上値抵抗ラインまで上昇したところ、経済の基本的波動から見れば長期の調整が終わり、新しい景気上昇波動に乗り出すかどうかの瀬戸際に来ているということが分かります。

つまり、経済大国日本は欧米の成長に置いてきぼりされたことで、欧米とも新興国とも違う独自の道を歩き始めたということになります。
                                      
つまり、本当ならば日本は歴史的なチャンスに遭遇していることになります。もし、日本がボルカー元FRB議長やグリーンスパン前FRB議長、ルービン財務長官のような歴史的な指導者に恵まれれば、ドルの基軸通貨としての地位が崩壊する今は絶好のチャンスになります。

資源国が決済をドルから自分の国の通貨やユーロで払えと言い出したことに止まらず、米国の女優が『出演料をユーロで払え』といい、新興国でも決済手段を変える動きが出てきています。これほどの金融危機に対して新しいバーナンキFRB議長は『0.25%の引き下げ』しか行いませんでした。グリーンスパン前議長は『市場の先を行く対策』を打たなければならないと言いましたが、今度の議長は『市場予想の半分しか利下げ』を行いませんでした。

市場が深刻に受け止めているサブプライム問題に対しての認識が甘いという不安感が市場に生まれ、市場が議長に気付かせるために株式市場が下がっている可能性が高いのですが、あとはバーナンキ議長が気付くかどうか、気付いたとしても動くかどうかが問題になります。

20世紀末は資本主義(民主主義)と共産主義(社会主義)の戦いで、資本主義が勝ちましたが、21世紀初頭は米国と新興国群の戦い、更に米ソ冷戦の復活、民族戦争の継続となりますと、21世紀初頭は20世紀末よりも難しい時代になるかもしれません。



基軸通貨ドルの行方。鍵を握るのは中国人民元の切上げとユーロの台頭 12月18日 ゴールデンエイジ総研

世界の基軸通貨はいわずと知れたドルですが、ここのところ精彩を欠いています。ユーロの台頭、新興国の高度成長など世界経済が大きく構造変化を遂げる中で、サブプライム問題の深刻さがドル離れに拍車をかけています。

いったいこの先ドルはどうなるのでしょうか。見通し私見を展開してみます。

ドルの行く先を占うポイントは次の3点かなと思います。
第一はアメリカ自身の経済再生の可能性です。世界最大の経常赤字(資金不足)を海外からの資本流入で埋め合わせるといった「資金循環サイクル」をこれまでどおりに上手く機能させることが出来るか否かです。これまでの10年ぐらいはITといった先端情報技術が経済を活性化させ、世界の投資資金を引き寄せてきましたが、新機軸を打ち出せるかどうかです。サブプライム問題の余波でどの程度経済が疲弊しているかによりますが、時間がかなりかかるような気がします。

第二は中国の人民元の切上げの動きです。北京オリッピックを前に、輸出主導型の経済から内需型の経済へのシフトを急ぎたい中国は、輸出の腰を折りかねない人民元の切上げを出来るだけ先送りしたいところです。かといって人民元の切上げに後ろ向きでいると、取り返しのつかないハイパーインフレが待っています。このところの政策スタンスは、インフレ抑制に傾いていますので、人民元の切上げにやや踏み込んできた感があります。本題であるドルは、その分減価する要素を含み、基軸通貨の座布団から、少しお尻をずらさざるを得ないといったところです。

第三はヨーロッパ諸国のインフレ抑制がうまく進むかどうかです。通貨価値というのは、長期的には各国通貨の購買力の相対比で決定されます。ということは、インフレ率(物価上昇率)が低い国の通貨の価値が将来的にアップするということです。ヨーロッパ諸国が、インフレを上手くコントロールしながら、2〜3%台の成長を維持していけば、ローカルカレンシー「ユーロ」からの脱皮も現実化すると思います。サブプライム問題により、各国中央銀行は、利下げや信用供与を進めていますが、利上げへの転換のタイミングを誤らないことが最大の鍵となります。

以上のポイントでドルの先行きを見ていくことになりますが、ネガティブな言い方をすると「ドルが基軸通貨として世界に君臨する時代」はとうに過ぎたと言い切れる段階に一歩足を踏み入れた気がします。やむを得ずの基軸通貨ドルが暫く続き、ユーロ、人民元がその座にジワリジワリと上がっていくのかなと勝手に想像しています。



(私のコメント)
現在は国際政治の世界も経済の世界も大きな転機が来ているのですが、日本だけは相変わらず年金問題や新テロ特措法でかかりきりになっている。イラクやアフガニスタンはアメリカがやりたいだけやらせておけばいいのであり、日本がいろいろ忠告してもアメリカは聴く耳を持たない。要するにバカは死ななきゃ治らないのです。

アメリカが中東で足を取られている隙にロシアは着実に経済を立て直して国力をつけてきている。中国も経済成長でドルを貯め込んでそれを武器に使おうとしている。ドルの基軸通貨体制はEUや中国やロシアに包囲されて、ドルの基軸通貨体制を守る勢力は日本と湾岸諸国ぐらいになってしまった。しかし湾岸諸国もドル離れを模索してる。

日本としてはアメリカが唯一のスーパーパワーであって欲しいところですが、そのアメリカが足元から炎上し始めている。住宅着工件数も数年前は200万件越えていたのに最近では120万件程度に落ちてきている。住宅の値上がりが消費に結びついていたのですが、住宅バブルがはじければ経済の歯車は逆転を始める。金融緩和で活性化させたいところですが、あまり金利を下げすぎると投機マネーがアメリカから外に行ってしまう。

日本のバブルの発生と崩壊は85年のプラザ合意における金利の秘密協定に原因があるのであり、日本の金利はアメリカの暗黙の了解無しには動かせなくなってしまった。だから政府や日銀の金融調節がおかしなものとなりバブルを発生させたのも、バブルを崩壊させたのも金融政策に宗主国の了解無しには動かせない秘密協定に原因があったのだ。


3%の金利差があれば、日本のカネは米国へ向かう。プラザ合意前後から、日米金利差はつねに3%。 2007年2月19日 株式日記

ちなみに前掲エコノミスト誌の最新データによれば、
 日本の国債10年モノ標準金利  1・73%
 米国の同上           4・74%

 日米金利差は、絵に描いたように3・01%。
要するに3%の金利差があれば、日本のカネは米国へ向かう。プラザ合意前後から、日米金利差はつねに3%。
 これが米国が日本の金を吸い上げる装置である。

なぜ日本の財務省が景気を回復させまいとするのか不思議だったのですが、アメリカとの密約があるとすれば納得が出来る。アメリカは基軸通貨の特権を生かしてペーパーマネーを刷りまくって世界から物を買っている。貿易赤字が巨額になっても日本からの資金還流があれば平気なのだ。それを保証しているのが日本との3%の秘密協定だ。

アメリカはドル安なのだから金利を上げてドル高にすべきなのですが、そうなると株が暴落してしまう。さらに住宅バブルがあるからむやみに金利は上げられない。だから日銀は金利を大幅には上げられない。FRBのバーナンキ議長もポールソン財務長官も最近の円安について容認しているのも、その辺の事情がある。


(私のコメント)
このように日本とアメリカとの間には金利における秘密協定があるのですが、最近では中国が一番ドルを貯め込んでいるが金利の秘密協定はあるのだろうか? 人民元はドルとペッグしているからアメリカが金利を下げれば中国も金利を下げなければなりませんが、中国はインフレが激しいから金利を逆に上げている。日本も80年代末に金利を上げていればバブルの発生は防げたが、中国は毅然と金利を上げている。

経済の事がわからない日本の政治家達は、アメリカの言いなりになって日本経済を破滅的状況にしてしまった。普通ならば政権の交代が起きてもおかしくない状況なのですが、日本国民もアメリカを崇拝する信者が多くて自民党政権が続いている。だから85年のプラザ合意の秘密協定も生き続けている。

中国はこのような秘密協定は守らないし自国の利益が優先する。日本も国益が優先するはずですがアメリカの利益の方が優先されるのだ。プラザ合意がそれを証明している。中国はアメリカからの大幅な人民元引き上げ圧力には頑として応じていない。日本も中国の気骨を見習うべきであった。

「森田レポート」ではグリーンスパン氏やルービン氏の手腕を高く評価していますが、それは日本の協力があったから出来たことであり、日本が自主的な金融操作が出来ていればドルの基軸通貨体制はもっと早く崩れていたはずだ。そしてユーロの登場や人民元の切り上げはドルの基軸通貨体制を終わらせるものとなるだろう。




『アメリカ時代の終わり』 チャ−ルズ・A.カプチャン(著) アメリカ時代
の終わりとは、産業資本主義、共和民主主義、国民国家の時代の終わり


2007年12月18日 火曜日

アメリカ時代の終わり by チャ−ルズ・A.カプチャン

チャールズ・カプチャン『アメリカ時代の終わり』

そもそもカプチャン自身は、「もしもアメリカがフセインを抑えていなかったならば、フセインは今日も権力の座におり、おそらく地域の石油の大半をコントロールしていたであろう。また、もしもアメリカがバルカンに介入していなかったならば、半島は混乱へと陥り、ヨーロッパ南東部は不安定化し、欧州連合の信頼性は決定的に傷つけられていたであろう」ととなえるほどの論者で、アメリカ支配層の外交的イデオローグの一人である(米外交問題評議会上級研究員、ジョージタウン大学教授)。

 カプチャンの主張は、次の4点につきる。
  1. あと10年でアメリカの一国の覇権がおわり、世界はEU、東アジアなどの勃興にともなって、多極構造の時代にうつる。
  2. もともとアメリカの「本質」は、孤立主義と単独行動主義であり、それは海外でのモメごとに自国が巻き込まれるということをおそれ、それを回避するために自分で行動するということのメダルの表裏である。
  3. したがって、ほっておけば、アメリカは自国に「ひきこもり」(正確には単純なひきこもりではなく、他国のことを考えずに行動する)、アメリカが「グランド・ストラテジー」なしに撤退したあとには、無秩序な衝突、すなわち地政学的断層線が登場する。
  4. アメリカが多国間への関与を残しながら、秩序ある撤退をしていくという新たなグランド・ストラテジーを描くべきである。

 いくつか補強すると、F・フクヤマ、ミアシャイマー、P・ケネディ、S・ハンチントン、カプラン、フリードマンの戦略にかんする議論を検討し、カプチャンは全部「正しくない」となで切りする。共通しているのは、どの議論も、アメリカ一国の覇権が続くことを前提としていることである。
 ただし、「グローバリゼーションこそが新たな地政学的断層となる(つまりグローバリゼーションの進展がアメリカの覇権を必要とし、グローバリゼーションの波が世界を洗うその突端が「衝突」の現場になる)」という議論、および、「自由民主主義諸国同士は戦争をしなくなる〜♪」という議論については、軽視できない議論だとして特別に章立てをしてこれに反論をする。

 また、アメリカの「本質」については、ウィルソンとF・ルーズベルトの比較を通じて、これを「証明」しようとする。すなわち、国際連盟をつくろうとしたウィルソンは、まさにアメリカの政治文化がもっている「孤立主義と単独行動主義」によって挫折する。他方で、F・ルーズベルトは、ウィルソンの失敗から学んで、(ア)国内世論固め、(イ)現実主義と理想主義をたくみにブレンドし、実行可能な国際システムにすることを、かなり注意深くおこない、国内で新しい国際機構について説明するさいにも、あまり目的をズバリと言わないなど、とにかく国内世論で無用な紛争をつくりだすことを避けた(ウィルソンはあまりにも明示的にしすぎた、とカプチャンは言う)。
 カプチャンによれば、冷戦期というのは、このF・ルーズベルトの試みが抜群に成功し、かつ「共産主義の脅威」があったために、多国間主義が有効に作用した、アメリカ政治史のなかでも「例外」期にあたり、ソ連崩壊後の10年は「惰性」の時期だった、ということになる。
 つまり、すでにアメリカが多国間主義をとる現実的基盤はなくなっており、ほっておけば、テロやテロとの戦争によって、アメリカはしだいに海外から撤退していくであろう、というのがカプチャンの見方である。

 カプチャンは、多極構造を安定的にまとめあげた歴史上の3つのモデルから、半ば強引に共通する教訓をひきだす。3つの歴史上モデルとは、諸州が分立しあったアメリカを連邦制度にまとめあげたモデル、ナポレオン後のヨーロッパの勢力均衡を実現した「ヨーロッパ協調」(メッテルニヒ体制)、そして独仏の抗争を軸にしてきた欧州をおさえたEUである。
 カプチャンがあげる教訓は3つ。

 第一は戦略的抑制、第二は拘束力ある制度の構築、第三は社会的統合、である。

 最後に、カプチャンは、歴史は生産力の発展段階に相応する、というマルクスばりの議論を展開し、パクス・アメリカーナの終焉は産業資本主義時代と民主共和制の終焉に相応するものであり、デジタル時代の到来が多極化に相応する、と主張している。



 前にものべたが、改憲派のかた(Wさん)からメールをいただき、このかたから、“おまえの議論にはアメリカとどうつきあっていくのかという対案がないぞ”というおしかりをいただいた。

 このかたの議論は、「この先の数十年はアメリカを無視して、日本が繁栄を謳歌することはできないでしょう。/またアメリカの没落から無傷で逃れる道もなさそうです。/となれば、アメリカとの共存共栄の道だけが残された道ではないでしょうか」ということが結論であった。

 このことを、カプチャンの議論を手がかりにして考えてみる。

 まず、世界認識として、世界が多極化にむかっているというカプチャンの認識は、正しいものと考える。アメリカの歴史家や経済史家の議論は、多極化といった場合、だいたい三極を想定しているが、実際にはアメリカ大陸圏でも次々と左翼政権が誕生しているとか、アジアでも北東アジアでの中国の勃興とは別に、東南アジア諸国連合の発展やインドの台頭があり(ただし、多くの論者は東アジアのなかに東南アジアをふくめている)、さらにいっそう多くの極に分かれている(いく)ということがいえる。

 そして、「米ソ対立」ゆえに、EUも世界もアメリカの覇権を認めてきたというカプチャンの認識にもぼくは同意する。
 逆に言えば、アメリカの軍事・経済的優位はつづくものの、ソ連の崩壊とともにかの国の一国覇権主義を単純に認める客観的基盤はうすらいだ、といえる。
 
 「テロとの戦い」は、「共産主義の脅威」の代替物にはならず、ゆえにほっておけば、リベラルな多国間主義にはもどらず、孤立主義と単独行動主義を強化していくという認識にもぼくは同意する。

 そして、大局的には、アメリカはリベラルな多国間主義をとりもどすべきであり、そのためのアメリカの役割や、日本をはじめ世界がそのためにアメリカに働きかけることの意義についても同意する。


 つまり、現在のアメリカの「戦略」(カプチャンによれば無戦略、ないしはまちがった戦略)を前提として、その軍事的同盟国となって海外でともに戦争できる国の変わっていくことは、多極的世界が地政学的断層線をよびおこすというカプチャンの予見にてらせば、危険きわまりないものになると、ぼくは考える。
 すなわち、多国間協調や国際法を無視した形でのアメリカの行動に自身をあわせていくハメになるからだ。それはアメリカのみならず、日本自身が世界から孤立する道をあゆむことになる。

 イラク戦争がいい例で、イラク戦争を支持した国は約200ある世界の国々のうちの50カ国程度にすぎない。そして、イラクに派兵をした国はわずかに36カ国で、次々撤退をし、うち残っているのはわずかに17カ国(2005.4.25現在)しかないというのが現状である。

 現在、在日米軍の再編がすすめられているが、韓国からさえ米軍が削減されていくなかで、日本はアジア・太平洋全体、ひいては地球全体のアメリカの干渉拠点基地化の道をになわされ、さらに、有事法制によって、台湾・朝鮮有事のさいの米軍の「兵站基地」国家化させられようとしている。


 と、ここまで考えてみて、メールをくれたWさんの認識、「この先の数十年はアメリカを無視して、日本が繁栄を謳歌することはできないでしょう。/またアメリカの没落から無傷で逃れる道もなさそうです。/となれば、アメリカとの共存共栄の道だけが残された道ではないでしょうか」――これは果して如何なものだろうかと思った次第。


 日本がなすべきことは、まず多極化世界の一つの極である、東南アジアをもまきこんだ東アジアで、政治的イニシアチブをとって、東アジア全体の平和的安定を達成することである。
 その具体的な道筋について議論していくには、カプチャンの書評ということではやや逸脱がすぎると思うので(すでに一端は反日デモ問題のところでのべたけど)、これは別の機会に議論してみたいと思う。



(私のコメント)
私は「アメリカ時代の終わり」という本はまだ読んではいないのですが、言っている事は「株式日記」と内容は似ているようだ。アメリカがアフガニスタンやイラクに直接軍事介入した時点でアメリカの国家戦略に基本的な誤りがあり、アメリカという国家を、世界の覇権国家から引き摺り下ろされる原因となるのではないかと以前にも書いた事がある。

ソ連ですらアフガニスタンを10年かけても攻略に失敗したのに、地球の裏側にあるアメリカがアフガニスタンを攻略できるわけがない。イラク侵攻も大義に欠けたものでありアメリカによる石油の独占である事は明らかだ。しかし石油を必要としている国家はアメリカだけではなく世界中の国が石油を求めているのであり、イラクの石油をめぐっても様々な介入を排除して独占する事は不可能だ。

アメリカのネオコンはイラク戦争に踏み切っても石油で回収できると計算していたが、毎月一兆円もの軍事予算を食う金食い虫になっている。アメリカはいつまでこのような出費に耐えられるのだろうか? アフガニスタンのタリバンも単なる山賊に過ぎないのに国際テロ組織に仕上げていますが、北朝鮮による核拡散の方がはるかに危険だ。

イギリス軍も今月中に半数が撤退して、韓国軍もアフガンから撤退した。もはやアメリカに引き止める力は無く、アメリカ軍はますます不利な状況に追い込められている。もはやアメリカはイランに戦線を拡大する国力は無く、アフガニスタンすら長期化すれば無理だのにイラクやイランにまで拡大すれば敗北を早めるだけなのだ。

カプチャン教授があと10年でアメリカの覇権は終わると見ていますが、私もそのように見ている。アメリカの国力の源泉は石油の産出にあったのですが、71年に国内油田はオイルピークを迎え、ニクソンショックで経済力にも陰りが見え始めた。あと10年もすれば国内油田も枯渇して石油の大半を輸入に頼るようになる。巨額の貿易赤字国が石油を輸入する事は経済的破綻を意味する。

アメリカはソ連崩壊によってパワーポリティックスにおいては存在意義がなくなったのであり、テロとの戦いは冷戦の代わりにはなりえない。世界の奥の院はこの時点でアメリカを見捨ててEUに本拠を移したのかもしれない。ドル安ユーロ高は金の流れを反映している。経済的規模ではEUはアメリカを上回ってきたが、やがては軍事力もアメリカを上回る時が来る。

アメリカは孤立主義と単独行動主義になり、同盟国はそれに振り回される事を嫌うようになり、アメリカは同盟国を失っていく事だろう。日本もアメリカの単独行動主義にどこまで付き合うか岐路に立たされている。しかもアメリカと同盟を組んでいても、アメリカはテロ国家である北朝鮮と融和路線を突き進んで日本を裏切るつもりだ。

台湾にしてもアメリカは中国との戦争は避けて台湾を見捨てるつもりだ。台湾が中国の手に落ちれば次は沖縄をもぎ取る事だろう。そして非武装国家の日本は米中との共同管理で統治されるようになるかもしれない。現在のアメリカは誰が敵で誰が味方であるかが分からなくなっているようだ。アメリカの単独行動が同盟国離れを呼び、敵の工作で無意味な戦争に介入している。

アメリカの連邦議会とホワイトハウスはイスラエルロビーとチャイナロビーの賄賂工作でアメリカは明らかにおかしくなってしまった。その為にアメリカはイスラエルと中国以外の国から不信感を持たれて離れていく事だろう。イスラエルを味方にすることは中東全体を敵にすることであり、中国と連携する事はアジア全体を敵にすることだ。

ヒラリー・クリントン政権が出来ればその傾向はますます深まる事だろう。その事がアメリカの衰退を早める事になるのであり、アメリカにとっての最重要同盟国はサウジアラビアと日本のはずだ。しかしアメリカの政府高官は日本を素通りして中国に行き、台湾や韓国は風前の灯だ。そしてイスラエルの分断工作でアメリカとサウジは亀裂が走っている。

9・11テロ事件も、その流れから見ればイスラエルロビーによる工作であると推定する事ができるが、イスラエルロビーはマスコミにも深く食い込んでいるからテロ事件の真相すら追究することは許されていない。またチャイナロビーはクリントンを初めとして深く食い込んで従軍慰安婦問題で連邦下院議会は日本非難決議までするようになった。

このようなロビー活動は民主主義政治の弱点でもあり、アメリカにとっても獅子身中の虫だ。これを放置していればアメリカの同盟国は離れてアメリカの覇権の衰退を早める事になる。アメリカの軍部は苦々しい思いで議会とホワイトハウスの腐敗を見てはいるが、軍部は日本とサウジアラビアの重要性は一番わかっているが政治に口出しできない。

カプチャン教授はアメリカは本土に引きこもるようになると言う事ですが、アメリカが抜けたアジアは中国が埋める事になるのだろうか? 1990年までは日米同盟は磐石であり日本も経済的繁栄を得ていた。それがアメリカの繁栄も支えて来たのですが、90年代からアメリカは中国を戦略的パートナーとして選んだ。そして日本は失われた○○年を迎える事になった。日本弱体化政策はいずれ日米の離反につながる事になるだろう。日米が離反する事でアメリカの衰退は決定的なものになる。




蒋介石は、日本軍が規律を守り、研究心が旺盛で、命令完遂能力が
高い反面、視野が狭く、国際情勢に疎く、長期持久戦には弱いと指摘した


2007年12月17日 月曜日

日中戦争−殲滅戦から消耗戦へ 小林英夫:著

小林英夫『日中戦争 殲滅戦から消耗戦へ』

なんで日本は中国に負けたのか?

「なんで日本は中国に負けたのか」という問題意識で書かれていると理解すると、非常にわかりやすい本である。
 まあ、ご本人は「八年間に及ぶ戦争の経過を網羅的に見ていくのではなく、大局的に両国の戦略を比較する『視点』」(p.4)だと書いているんだけど、読み解き方としては、「日本の方が軍事力も産業力も強かったはずなのに、なんで負けたの?」というふうに言い換えると、シャープに読めるだろう。

 本書をものすごく乱暴に要約すると、“日本はそれまでの戦争で「殲滅戦」型の戦争ばかりしてきて、「消耗戦」タイプの戦争をしてきていなかった。「殲滅戦」では軍事力や産業力などの「ハードパワー」がモノをいうが、「消耗戦」のような長期のたたかいになると、外交や宣伝(世論)といった「ソフトパワー」が大きな役割を果たし、結局日本の「ハードパワー」は中国側の「ソフトパワー」に勝てなかった”ということになるだろう。
 ああ、ミもフタもない要約だ。
 まあ、あくまでぼくの解釈なので。
 だから、ぼくにいわせれば、このコアの命題をさまざまな史実で肉付けしているのが本書なのである。
 新書というコンパクトさからすれば、これくらいテーマをしぼりこんでしまったほうがよい。ネット上でも評判がいいようだが、たしかに圧倒的なわかりやすさである。

 「意図」において歴史をみることの「わかりやすさ」??この「わかりやすさ」は用心しなければいけないものも含んでいるが??を改めて考える。
 というのは、ふつうに習う日中戦争史では、事実が羅列もしくは網羅的にぼくらに与えられ、その結果、ぼくのようなボンヤリした人間には、やはりボンヤリとした戦史イメージしか残らないからである。
 ところが、小林がやったように、日中両国の「知恵比べ」、戦略比較という角度からしぼっていってみると、非常にクリアにみえてくるのだ。

いったん日本軍部のアタマになって読んでみよう

たとえば、日本の戦争を糾弾するという視点をいったん解除して、「日本が戦争に勝つためにはどうすればよかったか」というアタマになってみる。
 そうすると、満州侵攻まではうまくいった。しかし、満州を手中におさめることがあまりにもうまくいきすぎた。
 ところが、うまくいきすぎたために、日本は自らをたのみすぎ、その過信のなかで華北への侵攻、そして全中国へと戦線を拡大させるに及んで「殲滅戦」型しかしらない日本軍の弱点があらわになってしまうわけだ。消耗戦を戦う備えのない日本軍の弱点は補給の軽視として露呈し、この破綻が南京事件へとつながっていくと小林は総括している。
 そして、ソフトパワー比較の一つとして小林が焦点をあてたのは、「傀儡国家」運営であった。つまり、「中国にできた政権も日本の味方になってますよ」という宣伝における日本の拙劣さである。小林は第二章を「傀儡の国」としてこの分析にあてている。
 対する中国側は南京事件を国際的に喧伝することもふくめ、最終的に米英をとりこんで日本に対する国際包囲網を形成することに成功した。

 このように、いったん日本軍部のアタマになって本書を読むといい。
 「勝つ上でどこが悪かったのか」ということが、あまりにわかりやすい形で読む者に迫ってくるだろう。
 いったんこうした戦史の核になるイメージを形成してしまえば、あとはいろんな本を読んでそれを修正したり肉付けしたりしていけばいいのだから、「どうも日中戦争前後のことがボンヤリとしかイメージできない」というむきには、本書を読まれることをおすすめしたい。

 興味深い箇所はいくつもあるが、3つあげておこう。

過去の経験にしばられすぎること

ひとつは、過去の経験にしばられすぎている日本軍の姿だ。
 小林によれば、日露戦争は本当は「消耗戦略戦争の典型」だったのだが、日本海海戦で勝った! みたいな感じで「殲滅戦」勝利の話として総括されていってしまうのである。
 そして、結局消耗戦への備えのないまま満州をいともかんたんに奪ってしまいそれが「米英の了解なんかなくてもけっこうイケるな」「相手が大軍勢でもけっこうイケるんじゃね?」「総督府方式じゃなくて傀儡政権方式でもイケるな」という「甘すぎ総括」をしてしまったのだ。

 階級闘争を戦争のメタファーで語って申し訳ないんだが(しかもこういう侵略戦争の)、サヨが選挙に勝った時もしくは負けた時、条件の違いを無視したり、総括ポイントをまちがえると、次の選挙戦で大敗北を喫するというのはよくある話だ。とくに勝ったときの総括。
 「成功体験が過信を生み、その後、大きな誤算となって関東軍の前途に立ちはだかってくる」(p.30?31)というのはひと事ではないのである。

いまの日本とダブる「大義」の軽視

ふたつめは、現在の日本とのダブりようである。
 「ジャーナリズムまでも巻き込んだ蒋介石の外交戦は、中国のソフトパワー戦略のまさに白眉であった。言論が戦争の勝敗に与える影響など、当時の日本の戦争指導者たちは一顧だにしなかったであろう」(p.137)という指摘は今の日本自身が心すべきことである。
 憲法や安全保障をめぐる議論をきいていても、現在でも結局モノをいうのは武力であって、世論などというのは本当に小さな役割しか果たさない??という思い込みは、支配層の側にも、あるいはどうかすれば平和運動の側にさえある。
 大義が国際社会を動かし、それが国際的な空気をかえ、現に米英が蒋介石を応援する側にまわったように、事態をかえるところまでいってしまうのである。

 このこととあわせて、小林の次の指摘は身にしみる。
 というのは、中国が国際社会を意識した宣伝をしているころ、日本は国内むけに主に「戦意高揚」の宣伝にばかり力をいれているのである。
 たとえば小林が紹介しているのは、新聞の見出しだ。
 「『重大決意』『奮戦』『膺懲』『暴虐』といった単語が随所にちりばめられていて、国民の気持ちを昂揚させることを最優先しているのが伝わってくる」(p.138)。「戦争におけるソフトパワーという視点でみるならば、外交・宣伝・言論を巧みにリンクさせて国際世論を味方につけた中国に比べ、日本の場合はあまりにも国内ばかりを向いた、日本人にしか共有できない閉じた言論に偏していたように思う」(p.139)??この指摘は、まさしく昨今の北朝鮮報道や、対中韓や靖国・「慰安婦」関連の保守派言論にそのままあてはまってしまう。
 小林がいうように、仮に日本政府のアタマになってみるならば、「全世界の人々が共感しうる普遍的な表現で、中国人がいかに暴虐で、日本の正当な検疫がいかに侵されているか、この戦争がいかに日本にとって大義名分があるものかについて国際的理解を得られるよう、各メディアに発信させるべきだったのではないか」(p.139)。

日本人の長所と短所??蒋介石の日本人観

みっつめは、蒋介石の日本人観。
 日本軍に留学していたことのある蒋が日本人と中国人の長所・短所を書いたものが本書で紹介されている。ここで全部は紹介しないが、小林はそれを次のように要約している。

「蒋介石は、日本軍が規律を守ることに優れ、研究心が旺盛で、命令完遂能力が高いという長所を持つ反面、視野が狭く、国際情勢に疎く、長期持久戦には弱いという弱点を持っていることを指摘している。一方の中国軍は、広い視野と長期的展望をもって持久戦を戦うことには優れているが、戦闘心は旺盛でなく、研究心が足りないとしている」(p.65)

「戦争に勝利するためには、敵の長所を殺し、味方の長所を生かさなくてはならない。そうしたことまで見越したうえで、彼は日本軍を消耗戦に引きずりこむ戦略を打ち立てたのであった」(p.66)

 単純な軍事力の衝突というふうに問題をたてた段階で、勝利の展望は出てこない。
 こうした問題構図を解体して、勝利の方程式を描いてしまうというところに、ひとつの弁証法的な柔軟精神をみる。

毛沢東はすでに「消耗戦/殲滅戦」「ハードパワー/ソフトパワー」の問題を視野に入れていた

本書では中国側の話としては、ほとんど蒋介石しか出てこないが、この点では毛沢東の戦略眼は注目に値するように思われる。
 毛沢東は、ジャーナリストのエドガー・スノーのインタビューで、「どうやって日本に勝つ気なのか?」とたずねられ、次のように答えたという。

「三つの条件がわれわれの成功を保証しましょう。第一は、中国における日本帝国主義に対する民族統一戦線の達成、第二は、世界反日統一戦線の結成、第三には、現在日本帝国主義下にある抑圧人民の革命的行動です。これらのうち最も必要なのは中国人民自身の統一です」

 これは、毛の『持久戦論』のエッセンスになった。
 第三のものは大きな行動として結実しなかったが、結局第一と第二は形成されてしまったのである。はじめから軍事力や産業力ではなく、このような中国全体の世論・戦意、そして世界全体の世論が果たす役割を強く意識していることがわかる。いわば、毛沢東も「ソフトパワー」に強く着目していたのだ。

このエピソードは、毛沢東『遊撃戦論』の解説において鎌田慧が紹介していたものであるが、鎌田は、次のように毛沢東の抗日戦争の展望を紹介している。

「大きな弱い国である中国を占領しているのは、ちいさくて強い国である。しかし、その国はちいさなため、兵力に不足しているので、外国の大きな国の全面を制圧しきれない。とすると、敵に包囲されていながらも、敵はその外側では絶対的な少数でしかない。だから敵を包囲、挟撃する『外線』を形成できる。このことによって、遊撃戦がたんなる戦術ではなく、その枠をはみだし、長期的な戦略の領域にふみこんでいる、といいきっていたのは、困難な現状の分析から、勝利の展望をつくりだした毛沢東の強靭な精神だった」(鎌田の解説、毛沢東『遊撃戦論』中公文庫版p.169)

 この『遊撃戦論』(「抗日遊撃戦争の戦略問題」)のなかで毛沢東は、中国のおかれている現状と条件、日本側の条件を冷静に分析している。そして、この鎌田の要約にもあるように、単に受け身の防衛・持久戦争ではなく、逆に局面や場面によってはそれが攻勢的な包囲戦争にかわり、持久戦が決戦・殲滅戦へと転化するという弁証法をのべている。
 なるほど驚くべき「強靭な精神」である。

 そして先のスノーへの回答とあわせて、ここには、小林が指摘した「消耗戦と殲滅戦」「ハードパワーとソフトパワー」の問題が基本的にすべて出そろっているのである。



(私のコメント)
表題の蒋介石の言葉は、日本軍の特質を的確に指摘していますが、中国軍の特質も的確に指摘している。それは昨日もランデス教授の指摘と共通するものであり、中国軍は戦闘心は旺盛でなく研究心が足りない事だ。その半面において広い視野と長期的展望を持って持久戦に強いという特質を持っている。

現代の日本人と中国人にもそれは当てはまるだろう。「株式日記」においても日本の政治家や官僚は与えられた課題には優秀な解決能力を示すが、視野が狭く国際的な視野に欠ける点は何度も指摘してきた。もちろん日本軍内部にも広い視野と長期的展望を持つ戦略家もいるのでしょうが、日本人の組織においては短期的問題解決能力のあるほうが主導権を持ってしまう。

戦争は外交の一手段に過ぎないのですが、外交戦における日中の駆け引きにおいては中国人のほうが数段上手であり、政治プロパガンダ戦においては日本は負けてばかりいる。それに対して日本は軍事的決着で中国に対して連戦連勝でしたが、結局は持久戦に引きづり込まれてしまった。国際情勢においては「ソフトパワー」がものを言うのですが日本は「ハードパワー」に頼りすぎてしまった。

つまり蒋介石の外交戦略に日本は負けたのであり、蒋介石に対抗できる日本の政治家はいなかったのだ。特に近衛文麿首相にいたっては日中戦争の泥沼につかってしまった張本人ですが、持久戦争に引きづりこまれたことすら自覚していなかったと思われる。大本営は専門家だから持久戦に引きづりこまれることを認識していたが、止める事は出来なかった。

「株式日記」では地政学的な見地から、日清、日露戦争も無駄な戦争であったと分析していますが、大陸に進出する事は持久戦に引きづり込まれることを意味しており、豊臣秀吉も旧日本軍も結局は撤退せざるを得なくなった。日本は島国であるのだから敵が侵略してきた時点で「殲滅戦」で撃退すればいいのであり、たとえ敵が上陸してきても補給を断ち切れば勝てる。元寇はそれで撃退した。

アメリカもイラク戦争に介入して持久戦に引きづり込まれてしまいましたが、毛沢東戦略にやられてアメリカも撤退を余儀なくされるだろう。日本やアメリカやイギリスは海洋国家として大陸には手を出しても地政学的に勝つ事は難しい。むしろ封じ込め戦略こそが日本の正しい戦略であり、アメリカやイギリスと連携して大陸国家と対峙していかなければならない。

日本のプロパガンダはもっぱら国向けのものであり、国際的な宣伝戦では全くやっていないに等しい。現在においても従軍慰安婦問題や南京大虐殺問題などの宣伝戦は、外務省はほとんど活動していない。なぜやらないかというと経験が無いからだ。そのような宣伝機関もないし情報分析機関もない。あったとしても機能していない。

現代は「ハードパワー」の時代ではなく「ソフトパワー」がものをいう時代であり、情報宣伝戦が外交戦の勝敗の鍵を握る事になる。日本人は決して「ソフトパワー」に弱いのではなく外交戦の経験が少ないのだ。だからすぐに交際連盟から脱退したり先制攻撃で決着を付けたがる。

国際情勢や長期的展望は戦略を立てる上では不可欠な要素ですが、日本には戦略家がいない。日中戦争にしても中国と対峙するには、明を滅ぼした倭寇という海賊戦法で沿岸を荒らしまわれば中国は手も足も出ない。しかし帝国陸軍は満州の奥地まで進出したから引くに引けなくなってしまった。

これからの日本の戦略としては孤立主義が参考になると思う。イギリスにしてもアメリカにしても孤立主義の時代が一番安定していたのであり日本も参考にすべきだ。


孤立主義のアサンプション 12月13日 地政学を英国で学ぶ

では、孤立主義の「最大公約数」は何かというと、私の意見では五つほどあると思われます。以下をそれぞれ挙げてみましょう。

@決して武力行使を否定していない。

「S君」はいつも言うのですが、彼らは敵が侵入してきた場合には敵国に核兵器を落として復讐する、ということを言います。よって、単純な「反戦思想」ではありません。あくまでも思想は右で、それほどタカ派じゃない、ということだけです。反知性主義という要素も非常に大きい。

Aユーラシアのバランスオブパワーが崩れようと知るもんか。

オフショア・バランシングと決定的にわかれるのがこのポイントです。究極的には「ヒトラーがヨーロッパを占領してもいいじゃないか。その代わりこっちにきて邪魔をするんなら覚悟しろ」ということです。

Bアメリカは海で囲まれているから大丈夫。

よって、向こう岸の陸地にはノコノコ出かけていきませんが、海の支配のための海軍によるパトロールは否定しません。敵を食い止める場所が海なのであり、ここが彼らにとって外堀なのです。この参考になるのが、フレデリック・ダン(Frederick Dunn)という古典リアリストが1943年に書いた文章のなかで言っていたセリフです。以下に引用してみますと、

「表面的にはたしかにこの提案(孤立主義政策)は好ましいように思えるものだった。なぜなら、太平洋と大西洋という広大な場所は、アメリカにとってはヨーロッパやアジアからの侵入に対して鉄壁ともいえる外堀を与えてくれているように思えたし、西半球にある莫大な資源の存在は、外部から供給に依存する必要から我々を解放してくれているように見えたからである。我々が唯一やっておくべきことはパナマ運河を常に使用可能にしておき、後は侵略者が我々の大砲の射程内にやって来るのを待ち構えるくらいのことだと思えたのだ。」

よって、「自分たちの土地で正々堂々と戦ってやる」というのがいかに間違っているかがよくわかります。

Cアメリカの海外での商業活動には軍事力はいらない。

これは現代と過去のものでやや違うのですが、過去の孤立主義は「海外市場は関係ねぇ」という文脈から孤立を好んでいた部分がありますが、現代の孤立主義はナイ&コヘインの「相互依存」を信じているようなところがあり、「経済でつながってるから軍事力で脅す必要ない。軍隊を連れて帰れ」と言いたいのです。これは主に第二次大戦後の傾向ですね。

D海外に駐留していると恨みを買う

ただしこれはグアムやハワイ、ディエゴ・ガルシアのような、アメリカにとって「国内」と呼べるような場所であったら海外駐留はオッケーということになります。日本のような「海外」でも、基地の一時的な使用であれば駐留させてもかまわない、ということになります。ただしここで重要なのは、あくまでも長期的に考えればアメリカにとってマイナスだからやめておこう、という考えがあることです。





強国」論―富と覇権(パワー)の世界史 デビッド・S・ランデス:著
中国製の火器は信頼性に欠け、敵よりも発砲する側のほうが危険だった


2007年12月16日 日曜日

「強国」論―富と覇権(パワー)の世界史 デビッド・S・ ランデス:著

なぜ「眠れる獅子」になったのか

イギリスがいま、朝貢に訪れている
朕の祖先の威光と美徳が彼の地まで届いていたに違いない
彼らの貢ぎ物はありきたりだが、朕は心から感じ入っている
珍品や自慢気に見せる道具の精巧さは語るに足るものではなく
貢ぎ物も貧弱だが
はるかな地からやってきたこの者たちに対し
朕の健康と統治が続くことを願って、寛大な返礼をしよう

乾隆帝がマカートニー使節団に謁見した折、詠んだ詩 
(一七九三年)

インド洋を航海し中国へ到達した十六世紀のヨーロッパ人は、初めて遭遇した、優越感たっぷりの中国人の態度に尋常でない驚きを感じた。「天の帝国」という呼び名がすべてを語るように、中国は自国を世界で一番すぐれた国家だと考えていた。つまり、国土の広さに始まり、人口、建国からの年月、歴史に至るまですべてが世界一で、文化的な業績にしても、道徳面、精神面、知性の面での卓越ぶりにおいても他に並ぶものはない、と自負していた。

彼らは、自分たちが宇宙の中心に位置していると考えていた。周辺では少数民族がその繁栄に魅せられ、それにあやかろうと接触を試み、敬意を表したり、朝貢に訪れたりして、信望を得ようとした。中国の皇帝は「天子」であり、天の意志を象徴する唯一神聖な存在だった。天子に奏上する少数の者は、三度ひざまずき、頭を九回地面に打ちつける三脆九叩頭の礼で畏敬の念をあらわした。それ以外の者は、天子の書いた手紙やその筆になるたった一文字にも叩頭した。天子が何かを書きつけた紙、袖を通した服、そして.彼の触れたもののすべてに神が宿るとされたからだ。

皇帝に代わって発言したり、政治を執り行なったりする内閣大学士たちは、儒学の教養と道徳を問う厳しい試験、「科挙」によって選ばれた。このような高級官僚たちは、より高度な(威信ある、完壁で崇高な)中国文化を体現した。その自負と傲慢さは位の低い者に対してあらゆる場面で露骨に行使されたが、低位の者はそれに対して「驚くほどの素直さ」と謙遜を示すだけであった。なかでも、朝の謁見ほど彼らの謙遜の競争を駆り立てるものはなかった。何百人もの廷臣たちは雨が降ろうと、寒かろうと晴れていようと、夜中からずっと戸外に立ちつづけて、皇帝の到着時に行なわれる恭順の儀を待っていた。彼らは時間を無駄にしているのではなく、彼らの時問は皇帝のものなのだった。官僚たちにとっては、時間に遅れるなどはもってのほかで、時間を厳守するだけでは足りず、時間を守らずに早く来ることがひたむきさの証明であった。

このように、文化的に自分たちが絶対優位であると確信し、少数民族への抑圧を続けた結果、中国は進歩を疎んじ、新しいものを採り入れることが下手な国家になってしまった。進歩を求めれば、安楽なこれまでの慣行に挑戦し、それにともなう反乱が起きただろう。海外から流入する知織や思想についても同様のことがいえた。実際、そこに学ぶべさものなどあっただろうか。こうして外来のものを拒絶する姿勢を取り、それを当然と考えながらも、中国は不安になった。それは、優越感のハラドツクスだった。優越感は本質的に不安定で儚く、それを守るためなら人は矛盾すら恐れない(今日のフランスは母国語の優越性を盛んに吹聴しているため、他国語からの、それも特に英語からの借用語がありはしないかと恐れおののいている)。だから、明朝は(自国の圧倒的な優位を確認しながらも)学びの対象として目の前にあらわれた西欧技術の挑戦に身震いしたのだ。

自ら進歩の道を閉ざした中華帝国のプライド

皮肉なことに、初のポルトガル人来訪者とカトリツク宣教師たちはヨーロッパ技術の驚異のおかげですんなりと中国への入国を果たした。なかでも機械仕掛けの時計は、閉ざされた門戸を開く鍵となった。時計は十三世紀後半におけるヨーロツパの大発明で、規律や生産性に寄与しただけでなく、進歩を促し、機械、工学技術といった最先端の領域でも重要な役割を果たした。それに比較すると、水時計の機能は限られたものだった。

十六世紀の中国の官僚たちは、機械仕掛けの時計を、時間を計るだけでなく、面白く、見て楽しめる不思議な機械として受け止めた。音楽を奏でるものもあれば、人形が間をおいて自動的に動くものもあった。やがて時計は皇帝が何がなんでも手に入れたいと望む品物となり、皇帝の恩寵を得るためには披露すべきもの、つまり、熱心な廷臣が誰にも先を越されずに皇帝に見せなければならないものとなった。それは並大抵のことではなかった。この魔法の道具には技師が同伴しなければならなかったからだ。中国では、それまで外国人をマカオのような遠隔地に居留させ、中央までやって来ることをほとんど許さなかった。ところが、十六世紀の時計には付き添いの時計技師が必要だった。

中国人はもちろん置時計や腕時計が気に入っていた。けれども、ヨーロッパ人が同行してくることは喜ばしく思わなかった。ここで問題になったのは、中国文化が完壁だという考えと、物と人と神との関係だった。これらの装置を持ち込んだカトリックの聖職者たちは、いわば特殊な外交員だった。彼らは中国人を、三位一体説の唯一神を信じるローマカトリック教会の教えに改宗させようとした。その際、時計は二つの役割を果たした。一つは入国の切り札となり、もう一つはキリスト教の優越を示す証しにもなったのである。こんな素晴らしいものを制作し、特別な天文学や地理学の知識を持つ人々は、よりすぐれた道徳観念とより正しく、より賢い信仰を持っていると思われた。

イエズス会は、このことを証明するため、教会の規則と典礼を中国人の生活に合わせて拡大解釈した(たとえば、中国人が祖先の崇拝に使う文字を、キリスト教のミサを意味するものとした)。ヨーロッパの信徒たちもそれに倣った。哲学者であり、微積分学の考案者の一人、ライプニッツの言葉を引用する。

ペルシア人や中国人は、あなた方がつくったこの素晴らしい機械、いつでも決められた時刻に天空の正しい様相を示すものを見たら、何というだろう。彼らは人間の知性にはいくらか神がかったところがあり、それは特にキリスト教徒に伝えられていることを認識すると私は信じる。神がかった知性とは、天空の神秘、地球の壮大さ、そして、時問の測定のことである。

折に触れて、この論証が繰り返された。カトリックの宣教師たちは、偏見を持たない「改宗者」たちにヨーロッパの伝統でいう強硬な(「正しい」信仰以外を受けつけない)排他主義者でいるように勧める苦労をしたとはいえ、それなりの小さな成功を収めた。けれども、多くの中国人たらは、こうした主張が何を意味するのかに気づいていた。それは中国人が道徳の優越性を主張する事への攻撃であり中国の.うぬぽれに対する非難であった。

その結果、中国は西欧科学や技術を拒絶し、軽視しなければならなくなった。もっとも偏見なく好奇心旺盛に西欧の方法を追究し、もっとも熱心に中国人に伝えようとした康煕帝さえこういっている。「……たとえ西欧のやり方がわれわれのものと違っていても、また、それがわれわれのものより進んでいても、新しいものはわずかである。数学の原理はどれもすべて『易経』から引き出されたもので、西欧の方法は中国に起源を持っている……」

こうして楽観的で根拠のない杜会通念が広まった。そして、飽くことなく時計を手に入れたがった中国人は、それを娯楽物として、あるいは多くの品々同様、非実用的で、庶民には到底手の届かないステータスの象徴という、平凡な代物にした。近代以前の中華帝国には、時間を知る権利という観念がなく、時間は時を告げる権カ者のもので、個人的に時計を持っことはまれにしか許されない特権と考えられた。そのため、宮廷には時計をつくる作業場が設けられ、イエズス会宣教師である時計技師が国内の人材を育てるために雇われた。しかし、すぐれた指導者が不足し、営利を目的とした競争もなかったために、西欧の技師に匹敵するほどの能力を持つ中国人は育たなかった。中華帝国ではヨーロツパのような時計製造業は成り立たなかった。

同様に、高慢、あるいは無関心という過失が、ヨーロッパの兵器に対する中国の態度を方向づけた。武器といえば娯楽物ではない。大砲もマスケツト銃も殺戮のための兵器で、権力を握るための道具だった。中国人にはこれらの武器を手に入れたい十分な理由があった。十七世紀、明朝は国の存亡をかけて戦い、北方のタタール人に敗れていた。この外患の時代、ヨーロツパの発明品があれば、勢力のバランスは逆転していたかもしれない。

けれども中国人は決して近代的な火器製造法を学ぼうとしなかった。さらに悪いことには、十三世紀ごろから大砲を知り、使っていた時代もあったのに、その知識や技術をいつのまにか失ってしまっていたのである。中国の町を囲む城壁や門には、台座があっても大砲がなかった。大砲など要らなかった。それは敵対する民族が大砲を持っていなかったためだ。けれども、中国は内外に敵がいた。ヨーロッパでは敵が弱いからといって武装しない国などなかった。それが生死にかかわる場合には、武装を最大にしたものだ。また、ヨーロッパの技術は発展途上のものであり、進歩がさらなる進歩を生んだ。進歩と後退の記録は、中国がヨーロッパとまったく違う歴史をたどったことを示している。

一六二一年、マカオのポルトガル人が皇帝の恩寵を得ようと四台の大砲の寄進を申し出たときは、砲だけでなく四人の砲手も一緒に送り込まなければならなかった。一六三〇年、中国はポルトガル人のマスケット銃兵と砲兵からなる分遣隊を中国勢として雇い入れたが、実戦の機会が訪れる前にその計画を取りやめた。それは、あるいは賢い決断だったかもしれない。なぜなら傭兵がやがては政権を苦しめ、権力を奪った例はこれまでに数多くあつたからだ。けれども、明朝の中国人は、ポルトガル人を教師として用い、のちには技師も兼ねたイエズス会宣教師たちに施設をつくらせ、大砲を鋳造させた。

宣教師たちのつくった大砲は、なかでも品質がすぐれていたらしい。その一部が二百五十年後、十九世紀に使われていたことが確認されている。けれども、中国製の火器は信頼性に欠け、敵よりも発砲する側のほうが危険というもっぱらの評判があり、短期間しか実戦に使用されなかった(中国の砲弾は泥を乾かしたものからつくられ、とにかくこの砲弾を使うと、発射時に砲口付近で強度の爆発を起こしたという話さえある)。概して、中国の権力者たちは火器の使用に難色を示した。それはたぶん、彼らが自分たちの武器を信頼できなかったからだろう。これらの武器が有効でなかったために、彼らは本当に恐れなければならないことは何なのか、わからなくなってしまった。おそらく、絶えず用いることによってこそ武器は進歩するのだろう。

これらのことはすべて、目的に応じて手段を選ぶ人間にとっては非合埋的なことに思われるが、中国人はそう思わなかった。ヨーロツパ人にとって戦争は、敵を殺し勝利を得ることだったが、国土が広く人口も多い中国人の考え方は違った。王朝のものの見方を述べた、匿名の人物の言葉を引用する。

…軍の敗北は、西欧の知識を取り入れるべきだという意見の技術面での根拠になったが、同時に、取り入れるべきではないという意見の心理的な根拠にもなった。中国人は本能的に、精神的な危機感を抱かずにすむよう、努カすれぱ勝てたかもしれない戦いに敗北するほうを選んだ。つまり、彼らは敗戦の屈辱には耐えられても、自分たちの価値を貶める行為には耐えられなかったのだ。…高級官僚たちは、経済的、政治的な問題はさておき、中国文明への脅威を感じていた。そうした問題の危険性を顧みず、この脅威に低抗しようとしたのだ。これまでの歴史で、中国人は自分たちの文化的な自尊心を捨て去る必要は一度として持たなかった。外国の支配者たちがつねに中国文明を取り入れてきたからだ。それゆえ、彼らの歴史には、こうした近代における危機を乗り越えるための指針は何も示されていなかった。 (P267〜P273)



(私のコメント)
かつては大帝国としての繁栄を誇った中国がなぜ17世紀頃から停滞してしまったのかは歴史学者の課題ですが、現代の中国においてもそれは克服できているのだろうか? ケ小平の改革解放以来の経済政策は外国からの技術と資本の導入によって経済発展は成果を上げている。しかしそれは自立的なものではなく、三十年近く経った今現在でも外資の導入を招き入れなければならないのはどうしてだろう。

ヨーロッパからの近代工業文明は絶え間ざる技術開発競争によって支えられていますが、このような事は真に民主的な政治体制が根付いていないと出来ないのではないかと思う。中国の共産党一党独裁体制と改革開放政策はいずれ構造的に軋轢をもたらすだろう。

アメリカの親中派は中国が経済発展すれば民主化が進むという論理で中国に対する経済援助を進めていますが、民主化の動きは天安門事件で止まってしまった。自分に不都合な情報は遮断してしまい、インターネットの自由な使用も厳しい検閲体制で制限が加えられている。共産党の一党独裁体制が情報によってひっくり返されるのを恐れているためだ。

ランデス教授は「強国論」において中国がなぜ「眠れる獅子」になったかを、機械式時計を例にあげて説明しているが、中国の皇帝は「天子」であり、その権力は絶対であったから、その手に触れるものはすべてに神が宿るとされた。その権威を保つ為には自分達の文化が絶対優位にでなければならなかった。だからその権威を保つ為には外からの情報を統制することによって保つ必要があった。

カトリックの宣教師によってヨーロッパの機械式時計はもたらされましたが、それは真っ先に皇帝に献上されましたが、機械式時計を動かす為には技師が必要だった。しかしヨーロッパ人の技師を受け入れるわけには行かず、機械式時計を受け入れる為には人と神との関係の問題にも影響を与えるものであり、機械式時計を受け入れる事は天文学や地理学の知識において優れている事は、道徳観念においても優れている事になり、中国人にはそれは受け入れられないものだった。

結果的に中国は西欧文明を受け入れられないものとなった。もちろん中国に時計技師を招きいれて時計技師を育てようとしましたが上手く行かなかったようだ。なぜ手先の器用な中国人が時計職人になり時計製造業が成り立たなかったのだろうか? 同じようになぜヨーロッパ製の兵器を国産で作る事に失敗したのだろうか?

十三世紀頃は中国人は大砲を使いこなしていた。ロケット兵器なども中国人の発明であり、どうしてその伝統が現在の中国に生きていないのだろうか? それは中国という概念は地理的なものであり、中国人という民族は存在していない。かつての王朝の興亡は様々な民族の侵略によって打ち立てられては滅亡していった。そして民族文化もその度に滅亡して滅んでしまったのだ。

大明帝国は漢民族の王朝でしたが、世界に大船団を送ってアメリカ大陸や南極大陸なども発見するなどヨーロッパの大航海時代よりも先を行っていた。しかし永楽帝の死後、タタール部族の侵略に苦しみ内憂外患のために17世紀に滅んでしまった。しかしなぜ明はヨーロッパの時計や鉄砲や大砲などの機械工業品を作る事が出来なかったのだろう。

同じ頃の日本では種子島に鉄砲が伝来して、瞬く間に鉄砲や大砲を国産化して日本国中の諸藩の兵力として使いこなしているのに中国ではそれが出来なかった。ランデス教授の「強国論」では中国製の火器は信頼性に欠けて使い物にならなかったと言う事ですが、日本でできた事がなぜ中国では出来ないのだろうか?

それは西欧文明を取り入れる事は、自分達の価値観を否定する事になり、それは戦争に負ける事よりも受け入れられない事なのだ。中国人たちは自分達の文化と自尊心を捨てさせられる事はありえないのだ。それに比べると日本人は戦争に負ける事で自分達の文化を否定して自尊心も捨ててしまった。

だからこそ欧米の文化も積極的に受け入れて、女たちは米兵にすがって身をささげ、そして憲法も改正させられて二度と軍隊を持たないと宣言した。まさに中国とは正反対の対応ですが、誇りとプライドを捨てない中国と、何もかも捨ててしまう日本とではどちらが良いとも言えないのですが、自国の文化と自尊心の不滅を信じているから何もかも捨てることが出来るとも言える。要するに文化が違うから日本と中国とは違うのだ。



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