株式日記と経済展望

ページを繰り越しましたのでホームページからどうぞ。


現在、すでに、米国の2月〜4月の小売売上の低迷で、中国の
沿岸部の工場は、操業度を低下させているはずです。吉田繁治


2007年5月31日 木曜日

過熱抑制策受け6.50%安=世界同時株安以来の下落率−上海株式 5月30日 時事通信

【上海30日時事】30日の中国・上海株式市場は、中国当局が株式投資の過熱を抑える具体策を打ち出したことを受け、大きく値を下げた。市場全体の値動きを反映する上海総合株価指数は一時、前日終値比7.37%安と4000割れ寸前まで急落した。終値は同6.50%安の4053.088。下落率は世界同時株安のきっかけとなった2月27日の下げ以来、最大。



2007年5月のNY紀行(2) 5月28日 ビジネス知識源 吉田繁治

資源の高騰で、日本の三分の1と安かったガソリン価格が、3倍に(1ガロン(3.8リットル)=$3.2)に上がりました。排気量の多い車を、最低でも2台はもつ米国では、ガソリンは必需です。買い物でも、少なくとも30分は車で走る。必需のものが3倍に上がれば、家計は、次第に苦しくなります。

2000年代は、住宅の値上がり分(1年で200兆円:10%の価格上昇)のうち100兆円は、ホームエクイティ・ローンとなって借り入れられ、使途が自由の、資産所得となっていました。このローンが、2000年代の消費を盛り上げてきた最大要因です。

ところが住宅価格が下がると、ローンを目いっぱい借りていた世帯の財政は、暗転します。全米の50%に相当する5000万世帯は、多かれ少なかれ、住宅ローンを借りています。

住宅ローンの残高は1000兆円を超えています。5000万の世帯が平均で2000万円の住宅ローンを借りていると言えば、具体イメージができるでしょうか。都市部では、5000万円平均でしょう。

(注)米国では、住宅金融の発達があります。米国では、住宅ローン証券(モーゲージ証券〕の売買市場が、国債市場より大きい。日本の政府部門の負債1000兆円に匹敵するのが米国の、住宅ローン残高です。

米国では、追加の担保が出せず、わずか3ヶ月ローン返済が遅れれば金融機関は「抵当権の執行」、つまり追い出して「Sale」の札を出し、競売を執行します。

金融機関のローン契約は厳格です。契約を変える日本とは、事情(文化)が違います。(注)わが国では、契約の執行にあたっては、事情の斟酌がありますね。

米国では、(1)健康、(2)資産、(3)職のどれかが崩れれば悲惨な境涯が待つ国です。これが3条件です。病気にかかれば、医療費は、わが国の2倍から3倍高い。住宅の純資産(=時価―負債)がないと3年に一回職を変わるときの頼りがない。職は、ワーカーの平均では生涯で11回変わります。

(中略)
 
米国は日本と異なり、まだ、急速な高齢化や人口の減少はない。消費意欲は、極めて旺盛な国です。

貯蓄を後回しにしても、車、アパレル、住関連商品、食品を買う。寿司バーは、NYではもう、普通のものです。食品スーパーでも寿司ロールを売ります。ただし日本のものとは別の料理と見なければ、変な気分になります。

金融関係者だけは、まだ株や債券が下げてはいないので、空前の高い所得です。しかし、一般消費者の、住宅による資産効果は、なくなってしまったのです。そのため、住宅、車(GM、フォード、クライスラー)、そしてホームデポの住まい関連、ウォルマートの生活必需と食品と、順に、低迷が及んでいます。

消費の伸びの停止(または減少)が、一時的なものであり、夏になれば、回復するかどうか?住宅価格が再び上がらない限り、それはない。じゃ、住宅価格は更に上げるか? 無理に思えます。

逆に[住宅価格の下落または停滞による家計の逆資産効果]→[消費景気の低迷]→[企業の純益の減少]→[株価の下落]となる可能性が高くなっています。

■3.世界からの100兆円/年の資金流入はどうなるか?

日本は、米国からの要請があれば、政府が義務的にドル債券を買って来ました。防衛を米国に依存し、輸出市場を米国に頼んできたからです。

今、米国で必要な貿易赤字を埋める資金100兆円には、日本だけのドル債券買いでは、まったく不足します。今は、(1)中国、(2)英国、(3)スイス、(4)ロシアが、ドル債の増加買いを、続けねばならない。一回の100兆円分でなく、毎年、米国は100兆円が必要だからです。

中国のドル買いは、貿易黒字によるものです。しかし英国とスイスの資金は、アラブのオイルマネーの預かり金の運用です。ロシアは、米国に対し微妙なスタンスをとっていますが、その資金源は、原油と天然ガスの輸出による黒字です。世界がその余剰マネーで、米ドル債を買ってきた理由は以下です。

(1)米国の金利が自国より高い。
(2)企業の純益が好調である。
(3)株も高い水準を維持している。

根源は、米国の企業収益の好調、純益の大きさでした。背景には、店舗の既存店売上が4%〜6%、新規店を含めば7%も売上げが増加する経済があったからです。その資金が、資産効果と借金であった点が、米国のアキレス腱です。

<米国経済の15年目の消費の停滞>という、世界からの新たな認識が加わればどうなるか?

(1)中国、(2)英国、(3)スイス、(4)ロシアは、米国の債券を売り、ユーロにシフトする可能性が高くなります。そうなると相当なドル安でしょう。

売る理由は、損をするからです。株や債券は、金融市場で売りが超過すれば下がりますから、損を回避するには、先を争うことになる。そのため、穏やかでない、ハードランディングの急落が起こってしまいます。これらは一瞬で起こる。

今、世界の金融資産(=別の人の金融負債)、株、債券市場は、膨らみ切っています。総額で1京5000兆円です。そのため、世界の政府、中央銀行は、セーフティネットを張ることができない。先進国蔵相会議(G5)は、市場が巨大になりすぎていて、かつての力をもたないのです。

1日数兆円、数十兆円を投入しても、ヘッジファンドの元本200兆円(1000本)の動きに、勝てない。ヘッジファンドは、預かり元本の200兆円にレバレッジ(信用借り)をかけ、運用総額は600兆円にはなっているでしょう。1000本の平均が6000億円の運用なら、全部で、600兆円になります。

その総本山が、このNYです。

■4.中国の工場生産に、ダイレクトに波及する

米国の消費の減退で、最初に企業の売上数字が落ちるのは、中国の沿岸部の輸出工場です。小売業は売上が低迷すると、在庫の積み増しをやめます。逆に、店舗在庫を減らす。

7%売上が伸びていた時期は、在庫も7%増やします。売上の伸びがゼロになると、急に、在庫過剰になる。そのため、仕入れは10%以上、時には20%減ります。

現在、すでに、米国の2月〜4月の小売売上の低迷で、中国の沿岸部の工場は、操業度を低下させているはずです。その数字が現れるのは、3ヵ月後ですが・・・

中国(及び香港)からの米国への輸出は、06年で$3000億(36兆円)にのぼると推計されます。(注)中国の輸出統計では、香港への出荷の行先の多くが米国ですが、それを香港への輸出としていて、対米輸出は少なく現れます。

36兆円の商品生産は、中国人のワーカーの平均年収を20万円としたとき、雇用の1億8000万人分の労働に相当します。米国の中国輸入の関係者は800万人とされますが、その1人の裏に、22人の中国人ワーカーがいます。

36兆円の対米輸出が、米国店舗の売上低迷で、07年に一時的にせよ20%減れば7.2兆円の減少です。これは中国の工場ワーカー3600万人分の雇用(または失業)に相当します。何事においても、中国は日本の10倍です。

米国の店舗の売上減少は、ほぼリアルタイムで、インターネットでの発注通じ、サプライチェーンの出荷元(中国の工場)に波及します。ウォルマートの商品でもっとも多いのは、中国製です。

ウォルマートの在庫管理法は、ノンフーズ(非食品)では、売上の4週分〜6週分です。売上が伸びなければ、契約上、サプライヤーは在庫を減らさねばならない。

中国の工場にとって、ショック的な、出荷額の減少になります。全米の販売シェア10%のウォルマートだけではなく、当然、他の店舗からの発注も急減します。NYの店頭に立ち、棚の商品を観察しながら、思いは、中国の工場に飛びました。どこで作られた商品か、ラベルを見れば誰でもわかります。

米国の貿易赤字と中国の輸出が、2000年代の世界経済の牽引車でした。そのため世界の経済成長は、07年のGDP成長で5%と、極めて高く見込まれています。中国は9.7%、米国は2.7%です。(注)参考のために言えば日本は2.2%です。

2006年まで、4%〜6%も増えていた米国の既存店ベースの売り上げ増が、07年2月〜4月の四半期でマイナス2.4%になったのは、なんらかの異常値か、あるいは、07年を象徴するのか?

米国の世帯の借金の増加、つまり1年100兆円による消費景気の終わりに思えます。米国の経済マスコミは、米国経済を支えてきた消費の増加が、世帯の借金の増加のためだったとは、あまり言わない。でも世帯を預かっている主婦は知っているでしょう。

世界経済は、史上空前の景気と言われます。その中心だった米国では、3ヶ月前から店舗売上は低迷です。どう判断しますか?なにしろ、15年です。15年も続いたこと(米国の消費景気)についての認識修正には、時間を要します。米国の世帯は、1000兆円の借金(ローン)で、家計のバランスシートの修正をしなければならなくなってきたのです。


(私のコメント)
現在の世界経済はあちこちに亀裂が走り、不気味な地鳴りがあちこちから聞こえてくるような状況です。世界のファンドマネージャー達は生き残りをかけて最後の一勝負を挑んでいるのでしょうか? ニューヨーク株式の最高値更新は売り逃げる為の「買い」なのでしょうか?

アメリカ経済の変調を一番真っ先に反映するのは、アメリカ企業の下請工場になっている中国経済でしょう。アメリカのウォルマートに並んでいる商品の多くは中国製であり、アメリカの消費景気の変調はダイレクトに中国の輸出産業を直撃する。

2月末の世界同時株安は中国の上海市場から始まりましたが、これもアメリカ経済の変調を敏感に感じ取ったファンドマネージャーが売りに出したものでしょう。しかし強気な株式投資家ももたくさんいるから上海もニューヨークも株価は過熱状態だ。

先週アメリカのグリーンスパン前FRB議長は上海株式の暴落必至だと発言しましたが、アメリカ国内の消費の変調を見てのものだろう。エコノミストの中にはアメリカ経済に占めるサブプライムローンの比率は高くないとして強気な見方がありますが、アメリカで現在起きていることは80年代に日本で起きていたことと同じだ。

住宅価格の値上がりがローンを通じて消費にも影響を与えてきた。日本の場合は三重野日銀総裁がバブルを潰すと言う事で金利の引き上げを行い、大蔵省も不動産の総量規制を行い、一気にバブルを潰しましたが、いったんバブルが潰れると金利を下げても、総量規制を解除しても元には戻らなかった。

グリーンスパンは日本のバブルの崩壊をよく見ているから金利を非常に微調整しながら上げてきた。さらにアメリカ政府はイラク戦争を行なって毎月1兆円もの戦費を使って「公共事業」で景気を支えてきた。それに対して日本では公共投資は無駄だと言うマスコミの大合唱で、小泉政権は公共投資を削り、途方交付税をカットして地方経済を潰してしまった。

アメリカ政府は中国の元の切り上げを求めてきましたが、80年代の日本への円の切り上げ圧力に比べると非常に寛容だ。これは日本がアメリカの下請工場ではないのに対して、中国経済はアメリカの下請工場化しているからだ。だから元の切り上げはウォルマートなどの米企業の利益にならない。

吉田繁治氏が書いているようにアメリカは現在毎年100兆円もの金を借りながら金を使っている。貸しているのは日本はもとより中国、英国、スイス、ロシアですが、日本を除けばドルが値下がりすると見ればドル債券を売り飛ばしてユーロにシフトする事でしょう。そうしなければファンドマネージャーは背任罪で捕まるかもしれません?

アメリカ経済は今のところ好調だからニューヨークの株価も新高値を更新している。ユーロの対するドル安もアメリカ企業の輸出にプラスして業績がいいからですが、消費の頭打ちが徐々にボデーブローのように効いて来て、企業業績の低下となり、株式の暴落となって来るだろう。住宅もダメ、自動車もダメ、一般消費もダメとなれば企業業績が良い訳が無い。

最後に残るアメリカの切り札はグリーンスパンが徐々に高めてきた金利がありますが、金融を緩和すればアメリカのバブル崩壊は防げるという見方もあります。しかし金利を下げればドルも下がり、アメリカに還流していた資金は逃げ出すかもしれない。バーナンキFRB議長は非常に難しい判断を迫られる。




アメリカ大統領候補は皆イスラエル支持。イスラエルは、米政界を
動かせても、イラク占領の泥沼化した状況を変えることはできない


2007年5月30日 水曜日

共和党大統領予備選ディベートinサウスカロライナ 5月22日 暗いニュースリンク
質問者:
「ポール議員、あなたは2002年のイラクに対する軍事力行使権限をブッシュ大統領に与える法案に反対した共和党下院議員6人の1人ですね。」
ロン・ポール:
「その通りです。」
質問者:
「そして今では米軍の撤退を主張していますね。最新の世論調査によれば、共和党支持者の77%が駐留軍撤退の予定表設定に反対しています。あなたは出馬する政党を間違えていませんか?」(会場から笑い)
ロン・ポール:
「だが、昨年度の選挙では戦争政策のせいで共和党の支持基盤が縮小したことを自覚すべきでしょう。したがってその(共和党支持者の)割合が国民全体では少ないわけです。アメリカ国民の65%から70%は撤退を支持しています。国民は戦争を終わらせたいのですよ。(中略)ロナルド・レーガンは1983年に海兵隊をレバノンに派遣し、しっぽを撒いて逃げることはしないと言いました。それから数ヵ月後、241人の戦死者が出て、海兵隊は撤退しました。レーガンは回顧録の中でこの件に触れて「決してしっぽを撒いて逃げることはしないと言ったが、中東政策の不条理について自覚が足りなかった」と言いました。それで彼は政策変更に至ったのです。我々はロナルド・レーガンの勇気を必要としているんです。
質問者:
「ポール議員、イラク戦争に反対し、駐留米軍の即時撤退を主張しているのはこの舞台上であなた1人だと思いますが、党から逸脱していませんか?なぜ党の指名を求めるのですか?」
ロン・ポール:
あのですね、共和党は道を見失ったんです。共和党の保守派は常に外交不干渉主義を提唱してきたんです。ボブ・タフト上院議員はNATO加入すら反対しました。ジョージ・ブッシュは2000年大統領選挙で、謙虚な外交政策を主張してました。国家建設はせず、国外での警察活動もしない。朝鮮戦争を終結させるために共和党が選ばれました。ベトナム戦争終結のために共和党が選ばれました。共和党には反戦主義の強い伝統があります。憲法上でもその立場です。外交不干渉主義は建国の父たちからの忠告であり、同盟に巻き込まれることなく、世界各国と友好的に接して、交渉し話し合い貿易するのです。

極端な進歩を考えてみればいい。ベトナムとの関係です。あそこで我が国は6万人の兵士を失いました。我々は敗北して帰国しました。今では、我々はベトナムに投資してます。建国の父たちの忠告に従い憲法に従うことにはおおいにメリットがあるんですよ。

私の論点は、我が国は不用意に戦争するべきではないということなんです。そうなると、戦争は終わらなくなる。」

質問者:
「ポール議員、あなたは9/11テロ以降それが変わったとは思いませんか?」
ロン・ポール:
「何が変わったと言うんですか?」
質問者:
「外交不干渉主義のことです。」
ロン・ポール:
「いいえ、外交不干渉主義は大事な要因ですよ。なぜ我が国が攻撃されたかご存知ですか?攻撃の理由は我が国が海外に居るからですよ。我々はイラクを10年間も爆撃し続けた。中東にもずっと居る・・・レーガンは正しかったんですよ。

我が国は中東政策の不条理さを理解していないのです。今現在、我が国はイラクにバチカンよりも大きな大使館を建設しています。14の恒久基地を建設してるんです。もしも中国が我が国やメキシコ湾で同じことをやったらどうします?他国が我が国にやったらどうするかという観点で物事を見直すべきなんですよ。」(会場から拍手)

質問者:
「我が国が9/11攻撃を招いたと言うんですか?」
ロン・ポール:
「私が言っているのは、攻撃者達に耳を貸して理由を聞けば、彼らは我が国の派兵を喜んでいて、オサマ・ビン・ラディンの言うように“我々の砂漠に来てくれたおかげで狙い易くなった」と言ってるんですよ。連中はすでに我が国の兵士を3400人も殺しているんですよ。あれが必要だったとはとても思えませんね。」
ジュリアーニ:
「ちょっと意見したいんだがいいかね?これはまた異常な主張だ。異常な主張だよ。911テロを経験したのに、イラクを攻撃したからテロを招いたとはね。そんな主張はこれまで聞いた事がないし、911の説明としてこんな馬鹿げたものはないな。(会場から大きな拍手喝采)ポール議員には、意見を取り消して本音ではないと言ってもらいたい。(会場から拍手)」
質問者:
「ポール議員?」
ロン・ポール:
CIAがブローバックについて語ったのは正しいと私は真摯に信じています。1953年にイランに介入し、シャーを据えた際、ブローバックがありました。その反応として、我が国は人質をとられ、長引きました。それを無視するというなら、我々自身の危険から目を背けることになる。もしも我々が世界を欲しいままにして嫌悪を引き起こすことがないと思うのなら、それは問題です。彼らが我々を攻撃するのは我々が金持ちで自由だからではないのです。彼らの土地に派兵するから攻撃されるんです。もしも他国が我が国に同じことをしたら、どう思いますかね?


アメリカを中東から追い出すイラン  5月29日  田中 宇

▼イラク、イラン潰しはイスラエルの戦略

 アメリカがイラクから撤退して最も困る国は、これまでアメリカの軍事力を動員してアラブ諸国やイランを抑圧し、周りが敵ばかりになっているイスラエルである。

 もともと2003年のイラク侵攻は、1970年代以来のイスラエルの対米戦略の成果として実現した。イスラエルは、中東における仇敵であるイラクとイランを相次いでアメリカに侵攻させて政権転覆することで、中東においてイスラエルに対抗できる勢力がいない状態を作ろうとした。(サウジアラビアやエジプトは、国は大きいものの、大した軍事力を持っておらず、イスラエルと戦争する気がない。半面、イラクとイランは、放置すると大国になり、イスラエルに戦争を仕掛けかねない)

 イラクを潰してイランを残すと、現実として今起きているように、イランがイラクで影響力を拡大してしまい、イスラエルにとって脅威の削減にならない。だからイスラエルはアメリカに、イラクとイランの両方を政権転覆させようとした。2002年にブッシュが政権転覆の対象国として名指しした「悪の枢軸」(イラク、イラン、北朝鮮)がその象徴である(北朝鮮は、イスラエルの意図を隠すための当て馬だったと考えられる)。

 イスラエルは政治圧力団体を通じた米政界での支配力が非常に強く、大統領になるにはイスラエルの言うことを聞く必要がある。ブッシュは2000年の当選前に、イスラエルに対し、イラクとイランの両方を侵攻で政権転覆することを約束していたと推測される。

(2008年の大統領選挙に立候補を予定している候補のほとんどが、イスラエルに対する強い支持を表明している。アメリカの大統領選挙は、まるでアメリカではなくイスラエルの選挙のようである)(関連記事

(中略)
イスラエルは、何とかアメリカにイランを攻撃させようとして米政界に圧力をかけて、米議会は以前に可決した「ブッシュがイランを攻撃する際には議会の承認が必要だ」という決議を、ブッシュが拒否権を発動した後、撤回してしまった。ヒラリー・クリントンやバラク・オバマなどの次期大統領候補は皆「必要なら、イランに対する武力攻撃をやるべきだ」と競って叫んでいる。アメリカがイランを攻撃することは自滅行為であることは誰の目にも明らかだ。にもかかわらず、アメリカの政治家の多くが「イラン侵攻も辞さず」と言わざるを得ない背後には、強大なイスラエルの政治圧力が存在している。関連記事その1その2

 しかしイスラエルは、米政界を動かせても、イラク占領の泥沼化した状況を変えることはできない。イラク占領がアメリカの軍事力を浪費しているのは明らかだ。アメリカの軍事力が国家存続の後ろ盾になっているイスラエルは、ブッシュ政権から「イラクの占領問題でイランに協力してもらわなければならないので、イランを攻撃するわけにはいかない」と言われ、受け入れざるを得ない状態だ。

 イスラエルはチェイニーから「必要ならイスラエルの方でイランを空爆したらどうですか」と誘われているが、イスラエルが単独でイランを空爆したら、イランとイスラエルの戦争になり、イスラエルは滅亡しかねない。(関連記事

 イスラエルがアメリカを動かして、イラクの次にイランを侵攻して政権転覆するはずだったのが、イラク占領の泥沼化によって頓挫している間に、狙われたイランの方は、イスラエルの南のガザにいる過激派組織ハマスと、イスラエルの北のレバノンにいる過激派組織ヒズボラに武器と資金、戦争技術をどんどん供給し、イスラエルとの代理戦争をさせる戦略を進めた。ガザとレバノンの状況は最近、イランに有利でイスラエルに不利な状況へと動いている。今回の記事はすでに非常に長くなってしまったので、この件については改めて書く。



(私のコメント)
5月25日に「アメリカという国は、第二次世界大戦以降、国際金融資本に
乗っ取られた」と書きましたが、国際金融資本はユダヤ人によるものが多い。だから資金力は豊富で、その資金力で大統領選挙の勝敗は決してしまう。アメリカ全土を一年間もかけて選挙キャンペーンを続けるのだから資金はいくらあっても足りない。

松岡農林大臣の自殺にしてもヤクザから借りた10億円の借金が原因だと言う説もあります。選挙のたびに数億円の金を借りていくうちに借金の山だらけになってしまいます。松岡大臣以外にも巨額の借金で自己破産する国会議員もいるくらいだ。

そんな国会議員に朝鮮総連などから一億円の資金提供の申し出があったら誰でも貰ってしまうだろう。しかもこのような外国の工作機関だと領収書も要らないから脱税で捕まる心配も無い。このようにして日本の国会議員は中国や韓国や北朝鮮に対しては妙に甘い政策をとる傾向があります。

このように民主主義は金のかかる選挙が弱点と言えるのですが、アメリカもその例外ではない。国際金融資本が資金力を生かして大統領を意のままに操り、連邦議会議員も国際金融資本に逆らえる議員はほとんどいない。

国際金融資本の行動部隊としてはイスラエルロビーやイスラエルのモサドなどが実行部隊ですが、戦後において反イスラエル的な議員を狙い撃ちして落選運動を行い絶大な効果を上げている。マスコミなどもユダヤ系が多く中立公正な報道など望むべくも無い。

冒頭のロン・ポール大統領候補へのインタビューもいわば泡沫候補の扱いですが、イスラエルロビーの影響を受けないアメリカの国政の本音はこのようなものだと言える。すなわちイラク戦争はイスラエルのためにアメリカは戦っていると言える。イスラエルロビーはさらにイランへの攻撃の圧力をかけている。

9・11テロの真相究明がなかなか行なわれないのもイスラエルロビーやユダヤ系マスコミのせいなのですが、イラクのサダム・フセインがテロリストを支援していると言う名目で大マスコミのキャンペーンが行なわれて、イラク戦争に反対する連邦議会議員は次の選挙に落とされる恐れがあったから少なかった。ロン・ポール議員は共和党ながら反対した6人の議員のうちの一人だ。

もはやアメリカはアメリカ国民の為にあるのではなくイスラエルの為にあるかのような状況になっているのですが、アメリカ国民はマスコミに洗脳されてイラクに兵士を送り込んで三千数百人もの戦死者を出しても、反戦運動は小規模にしか起きない。ベトナム戦争の時はマスコミは反戦運動に積極的だったのにイラク戦争では批判的記事を載せるのは極めてまれだ。

アメリカはイラク国内に3000名規模のアメリカ大使館を置き、14もの恒久的軍事基地を建設している。その維持費だけでもかなりの金額になるのでしょうが石油で回収するのだろう。しかしイラク国民がそれを容認するだろうか? 周辺のイランやシリアやサウジが容認するとは思えない。

イラク戦争は世界最強のアメリカ軍とは思えない無様な戦争ですが、もしかしたらブッシュ大統領は無能な大統領のふりをしているのかもしれない。ブッシュ大統領としてはイスラエルに逆らう事は出来ないが、わざと中途半端な軍隊を送って泥沼化して、これ以上中東に深入りしないようにサボタージュしているのかもしれない。

同じような事はレーガン大統領の時もありましたが、レーガン大統領はいやいやながらもレバノンに派兵しましたが、241人の被害を出した自爆テロに遭って海兵隊を撤兵させた。このようにアメリカの大統領はイスラエルの圧力で中東に出兵させても被害を出して仕方なく撤兵するという事を繰り返している。イラク戦争も数千名規模の戦死者を出しているからそろそろ撤兵させたいのがブッシュ大統領の本音だろう。

そもそもイスラエルがアメリカの政治にこれほど介入できるのはどうしてなのだろう? 私がアメリカ人ならイスラエルの為になぜアメリカ人の血を流すのかと抗議するところだ。イラクに直接介入したところで反発を受けるだけでありイスラエルの利益にはなってもアメリカの利益にはならない。アメリカ人はお人好しなのだろうか?

日本でもチャイナロビーやコリアロビーが国会議員にさまざまな工作をしているようですが、マスコミも朝日新聞や毎日新聞など日本人の視点よりも中国や韓国の視点で記事が書かれていることが多い。従軍慰安婦問題など朝日が火をつけて中国や韓国と連帯している。テレビなども外資系スポンサーの圧力がニュース報道に反映して、日本のナショナリズム的な傾向を牽制している。

このように民主主義政治は有権者が政治に無関心だと外国の工作活動を許して国会議員ごと買収されてしまう恐れがある。かつては自民党はCIAから金をもらい、社会党はソ連の共産党から金をもらって政治をしていた。ところが日本のマスコミはこの事をほとんど報道しない。マスコミも同じように外国から金をもらって記事を書いているのだ。

国際金融資本にとっては日本やアメリカなどの愛国保守に対しては非常な警戒心を持っている。国の政治が国民の為ではなく国際金融資本や外国の利益のために行なわれるのを阻止する為には愛国保守が中心になって阻止しなければならない。そうでなければ民主主義は他の勢力に利用されてしまうのだ。

かつてのアメリカの共和党はロン・ポール候補が言うように外交不干渉主義だった。スエズ動乱の時は反イスラエルの政策をとり、英仏の国際金融資本に対抗した事もある。この頃のアメリカはまだ国際金融資本の力も弱く、イスラエルも建国間もない頃でアメリカに対する工作も弱かった。ところが現在ではアメリカは国際金融資本とイスラエルに乗っ取られた国になってしまっている。日本も注意すべきだろう。




強面で通る松岡農水大臣も困り果てたあげく、「ハンナン」の浅田
満利元会長の弟・浅田英樹に「何とかして欲しい」と駆け込んだ。


2007年5月29日 火曜日

<松岡農相自殺>疑惑に自ら封印 5月29日 毎日新聞

事件に関与しているのではないか――。独立行政法人・緑資源機構(川崎市)を巡る官製談合事件の一斉逮捕から4日。松岡利勝農相(62)はさまざまな憶測が飛び交う中、説明すべき事実を自らの手で封印した。事務所費問題に端を発した疑惑を、東京地検特捜部はどう見ていたのか。また、捜査はどこまで及んでいたのか。その核心に迫った。【斎藤良太、三木陽介、伊藤一郎、田中謙吉】

 ◇検察の「ターゲット」緑資源事件…少額、異例の告発
 「驚いた」「コメントしようがない」。検察幹部の口調は一様に重かった。関係者は「事件に関係しているかどうかをこれから調べる、という段階だった。幹部は何とも言いようがないはずだ」と代弁した。

 自殺直後、検察幹部が口々に「残念」と語った新井将敬・衆院議員のケース(98年)とは、明らかに異なる反応だ。証券取引法違反(利益要求)容疑で逮捕寸前の新井氏に比べ、今回は支援企業などを独占禁止法違反容疑の関係先として捜査し、押収資料の分析を始めたばかりだった。
 それでは捜査の照準はまったく定まっていなかったのか。謎を読み解くカギは、緑資源機構事件が刑事事件化した過程にある。

 同事件のような独占禁止法違反事件は法の規定により、公正取引委員会の刑事告発が不可欠。公取委は、刑事告発するか、排除措置などの行政処分にとどめるかの判断基準の一つを発注規模に置く。今回舞台となった林道整備などの調査・設計業務は年間約7億円に過ぎず、通常なら告発を見送るほど少額だった。

 それでも、刑事告発に踏み切った理由を、ある公取委関係者は「検察の意向が非常に強かったため」と明かす。検察幹部が24日の一斉逮捕後「公取委が告発に積極的だった」と正反対の見解を示しても、公取委関係者は「それはカムフラージュ」と語っていた。

 法務・検察幹部はこう語る。「緑資源機構の事件そのものは、検察としては特にやりたかったわけではない。しかし裏に潜む疑惑を解明したかったのは事実」。松岡農相を「ターゲット」に据えていたことは確かだった。(後略)


松岡利勝農林水産相のスキャンダルの背景 [現役雑誌記者によるブログ日記!by オフイス・マツナガ]

(前略)
 松岡農水相の「事実無根だ」 という会見をうけて、
「アエラに書かれたことは本当です。いつでも国会の場に出席し一切をありのままに証言いたします」
 と、突如と、松岡農水大臣の女性トラブルを処理したいう山本なる人物が登場してきたのだ。
 ご本人は、「いつでも国会に呼んでもらえば全部本当のことを話す」と正面突破作戦にでてきたのである。

 話の内容は、松岡農水大臣の地元・熊本に大臣ご贔屓のクラブがある。
 このママが気に入り時々店に通ってママを口説いていた。
 だが、いかんせん、店のママはある組関係者の愛人だったそうだ。
 ところが、ママと関係のあった愛人とされる、その組関係者が逮捕され刑務所に送られることになった。
 空き家になったところを、松岡農水大臣が入り込んでいったという模様。

 しかし、馬鹿だね。銀座のホステスさんでも、「わけありの空き家のホステスは注意しろ!」というボスの教訓をしらないのであろうか?

 ところが、松岡先生。空き家はチャンスとばかりに、頃合いを見て店のママに、
「2人で温泉にでも行かないか」と口説いたのである。
 応諾した店のママと松岡先生は温泉宿へとしけ込み、逢瀬を楽しんだ。

 ところが、こんな関係がバレないはずはない。過去にたくさん例がある。歴史から学んでいないのだ。
 この事実をつかんだ組関係者は松岡農水大臣を脅したというのだ。
 強面で通る松岡農水大臣も困り果てたあげく、「ハンナン」の浅田満利元会長の弟・浅田英樹に「何とかして欲しい」と駆け込んだのである。
 浅田英樹は「それ、何とかしましょう」と応諾。
 浅田は旧知の山本に「松岡の件を何とかしてやって欲しい」と頼み込んだのだ。

 山本はある組関係者と何度か話し合いを持ちながらようやく円満解決に持ち込んだのである。
 しかし、苦労して女性問題を解決した山本に松岡農水大臣からはお礼の一言もない。
 挙げ句の果て
「私はトラブルを抱えたこともない。全くの事実無根だ」
 と言い張っている。
 これでは怒るのも当たり前。
 1月25日から始まる通常国会に「山本」なる人物が呼ばれて喋るのかどうかわからないが、他の疑惑も吹き出しているようだし松岡農水大臣、一体どうするのであろか?(後略)



(私のコメント)
昨日は歌手の坂井泉水さんの謎の死自殺?と、松岡農林大臣の自殺で暗い一日となりました。最近はテレビを見ていると駅での人身事故が毎日のようにテロップで流れます。まさに日本は自殺大国であり、国全体が鬱状態になっているのでしょうか? 確かに坂井泉水さんは癌との闘病生活で絶望したのかもしれないし、松岡大臣は事務所費問題や緑資源機構のスキャンダルで国会で連日吊るし上げにあっていた。

特に緑資源機構の刑事事件化で松岡農林大臣にも公取の刑事告発が迫るなど、精神的にも追い込まれていたようだ。しかし二階堂コムやネットゲリラのブログを読むと、またしても闇社会とのトラブルなどで脅迫されていたということもあるかもしれないし、地元の私設秘書が最近に謎の自殺をしている。

このように公私共にトラブルが重なって心労で自殺したのかもしれないが、ヤクザや同和が絡んでいたとすれば家族なども脅されて半強制的な自殺なのかもしれない。しかし国会議員などというものは議員バッジをつけたヤクザというくらいヤクザの上部機構という面もある。

マスコミなどでは松岡大臣を指名した安倍総理の任命責任を取り上げていますが、たしかに安倍内閣発足当初からさまざまなトラブルを持つ松岡大臣の任命には疑問が多かった。しかし大臣クラスになると国会の追及も厳しくなるから大臣に任命する命には身辺調査をして任命しないと、大臣任命に対しても責任を追及されることになる。

松岡大臣自殺に関してもヤクザの影が見えるように選挙などを通じてヤクザとの関係も出来やすい。地元の名士ともなればさまざまな団体に担がれる。決して市民のボランティアで選挙をして勝てるものではない。金があればプロの選挙屋を雇って出来るでしょうが、それが出来なければ地方の利益団体の上に乗っかって選挙をせざるを得ない。

この利益団体が曲者で創価学会であったり朝鮮総連であったり民団や同和などの政治活動に熱心な団体に乗りやすい。松岡大臣も同和団体などの世話になっていたようですが、選挙や日常活動で世話になれば恩返しもしなければならない。このような特殊利益団体との縁を切らなければ日本の政治はよくならない。

小選挙区制や政党助成金などで党組織で選挙が出来るような体制は整えられてきましたが、新人や無所属議員候補にとっては選挙はきついものがある。また、党組織にばかり乗っていると党と対立したりすると9・11郵政選挙などの時のようにまずいことになるから後援会や特殊利益団体の世話になることが多い。

特殊利益団体の中には外国の工作機関も含まれている。河野○平議員のように新自由クラブで苦労して中国や北朝鮮のお世話になって取り込まれてしまうことも多い。民主主義政治は理想の政治体制のように言われていますが、弱点もたくさんあり、結局は選挙民の資質の高さが無いと機能しない。

一般国民にとっては政治とは縁が遠くて、選挙の時にしか議員を見かけることが無い。ほとんどはテレビでしか国会議員を見かけませんが、議員の全部がテレビに出て討論する事は不可能だ。だからこそインターネットがあるのですが、日常活動をまめにブログで報告している議員は少ない。

松岡大臣と仲の良かった鈴木宗男議員のブログには28日は次のように書いてあった。


ムネオ日記 5月28日 鈴木宗男

議員会館から羽田に向かっている最中、私の携帯に新聞社の方から「松岡大臣が自殺を図った」と第一報が入る。ビックリして松岡大臣の議員会館に電話し、赤松秘書官に確認すると、自殺を図ったのは事実との事。ただただ驚き、言葉を失った。
 閣僚になってから何かと狙われた感のある報道が目立ったが、特に「ナントカ還元水」以来、世間の目は厳しかった。最近の緑資源機構の談合事件も、所管官庁の長として責任を感じていたのか。農林水産省のまだ肩書のなかった役人時代からの、35年にわたる付き合いだったが、何ともあっけない永遠の別れである。奥様はじめ、ご家族に心から哀悼の意を表したい。
 今となっては24日夜、熊本の地元の人が出てきたので会食につきあって欲しいと早くから言われていた会合でゆっくり話したのが最期となってしまった。その時私は松岡大臣に「明日決算行政監視委員会で私が質問するから、国民に心からのお詫びをしたらどうか。法律にのっとっている、法律に基づいてきちんとやっていますと説明しても、国民は理解していない。ここは国民に土下座し、説明責任が果たされていませんでしたと率直に謝った方がいい」と進言したら、力無く「鈴木先生、有難いお話ですが今は黙っていた方がいいと国対からの、上からの指示なのです。それに従うしかないんです」と、弱気な言いぶりだった。私はなお、「これからも何かにつけこの話は続くので、早く国民に正直に説明した方が良いと思うよ」と重ねて話すと、「そこまで言ってくれるのは鈴木先生だけです」と、にっこり微笑んでくれた事を想い出す。
 どうして自ら命を絶ったのか。ご本人しかわからぬ事である。第三者が詮索するのは避けるべきだ。(後略)


(私のコメント)
「株式日記」でもどんどん紹介できるような質の高い国会議員のブログがあればいいのですが、残念ながらあまりない。株式日記では西村眞悟議員のブログを紹介する事が一番多いが、日本には志のある議員は非常に少ない。もっとブログを活用して政策や意見を公表して欲しいものだ。




中国・韓国企業が人件費を切り詰めて原価を下げる以外に競争す
るしかないのは、独自技術や核心部品の生産能力がないからだ


2007年5月28日 月曜日

バービー人形。中国工場の付加価値は 5月28日 泉幸男

 中国製のバービー人形(リカちゃん人形の元祖)。米国企業が中国の工場で仕上げさせる。

 アメリカでの小売価格が9.99ドルだ。そのうち中国の取り分は、何ドルでしょう。

■ 完成品価格の65%は輸入部品の価額分 ■

 正解は、0.35ドルなのだそうだ。35セントである。
 
 ラベルは Made in China なのに、中国による付加価値は全体のわずか3.5%なり。極端な例なのだろうけど。

 広東省(カントンしょう)東莞(とうかん)市で取材した Nicholas D. Kristof 氏が5月24日付『ニューヨーク・タイムズ』紙に書いていた。

 このテのものはアイデア勝負、ブランド勝負だ。米国メーカーは企画料・ブランド料で稼ぐ。

 米国の広告業者の広告料。
 米国の流通業者の流通マージン。
 米国の運送業者の運送料、保険料。

 それに加えて、バービー人形の部品も中国国外から持ち込まれる。そういう部品代も削ぎ落として、いくらのお金が中国に落ちるか計算したもの。

≪中国は部品を輸入し、低賃金で組み立て、完成品を米国へ輸出する。そういう完成品価格が、米中貿易における中国側の黒字の計算根拠になるわけだが、じつは平均すると完成品価格の65%相当は、中国が輸入する部品相当額なのだ。≫

■ 1980年代の日本、かネ? ■

 米国 TUMI ブランドの革鞄(かわかばん)。

 コラム子、週末にちょっと気が大きくなって買ってしまったのだけど、もちろん Made in China である。

 けっして会うことのない中国人の女工さんのみごとな仕上げ。 苦心して磨いた技だろう。それに見合う報酬など得ていないはずだ。

 そう思うと、鞄の手触りを確かめつつ、10ドル札のチップをはずんでもいい気持ちにさせられるのだけど、

 このみごとな仕上がりのために、米国人の企画力とマネッジメント能力と、

Made in China のラベルの向こうにあるさまざまの部品・材料供給国があるのに違いない。

 そして突然生れる、すばらしい Made in China. そして突然の Made in China に翻弄されるフリをする米国。

 この突然の栄誉と9.99ドル中の35セントという屈辱とが、同時に存在するという、そんな瞬間を、日本が経験したことがあったろうか。

 ない。

「中国部分は35セント」の話を紹介してくれたニコラス・クリストフ氏も、いまの中国を1980年代の日本に例えることに対して警鐘を鳴らしている。

≪ここで念押ししておきたいのだが、中国は1980年代の日本ではない。当時の日本は、国という国に対してほとんど例外なく巨額の黒字を計上していた。

中国の世界貿易における黒字は、ここ5年間に急増したけれど、長いスパンで見れば中国の貿易ポジションは均衡に近く、今でも多くの国々との間で赤字貿易となっている。≫

■ 例え話のいい加減 ■

 さいきん、
中国を20〜40年前の日本にたとえて、かつそれを“論拠”(?)にして

「日本だって、同じような時期を経て今に至ったのだから、中国だって同じようにうまくいくさ」

という議論を展開する能天気な論者たちに出会って仰天した。
(後略)


【社説】サムスン電子の海外移転、問題の本質は人件費ではない 5月16日 朝鮮日報

サムスン電子は、同社が1年間に出荷する携帯端末の約65%にあたる約7800万台を生産してきた慶尚北道の亀尾工場で、今年から従業員の新規採用を中断した。亀尾工場はこれまで毎年700−800人の従業員を採用し、生産体制を維持してきた。今後従業員を採用しないということは、工場を縮小することを意味する。

 一方サムスン電子は中国工場での携帯端末の生産台数を2倍に増やし、ベトナムでも2008年から年間生産が1億台規模の工場を稼働させるとしている。サムスン電子が事実上、携帯端末事業の生産基地を海外にシフトし始めたのだ。サムスン側は「最先端高価モデルの生産は亀尾工場で行い、中・低価格帯の製品に限って海外で生産する」と説明している。

 海外市場で数万ウォン台の廉価携帯端末をめぐる競争は激化する一方だ。低価格になればなるほど原価に占める人件費の比率が高くなるため、工場を人件費の安い東南アジアなどに移さないかぎり生き残りが難しいのは事実だ。しかし本当に人件費だけの問題なのだろうか。

 90年代の初めから生産基地を東南アジアに移してきていた日本企業の場合、2000年代に入ってから再度工場を日本国内に引き上げる例が多く見られる。こうした動きを見せているのは、いずれもホンダやキャノン、日立、サンヨーといった世界最高レベルの技術を有する企業だ。例えばこの30年間で1度も日本国内に工場を新設したことがなかったホンダは、今年初めに年間生産台数20万台規模の工場を首都圏に新設する計画を発表した。

 日本の人件費は東南アジアの約10倍に及ぶ。それにもかかわらず、わざわざ日本国内に工場を新設するのは、それだけ技術力に自信があるからだ。これらの企業は他国の企業がまねすることも、追いつくこともできないほどの技術力を誇る。世界でほかに例のない技術を持っていさえすれば、その分野に限ってはライバルはいないことになり、事実上生産者が価格を決定することも可能となる。そのため高い人件費を負担しても利益を上げることができるのだ。

 サムスン電子をはじめとする韓国企業は、携帯端末事業における部品の自給率がいまだ40%台にとどまっている。そのため毎年50億−60億ドル(約6000億−7200億円)を部品調達のために費やしている。外国企業に支払う特許料などのロイヤルティーも、米国のクアルコム社に支払うCDMA(符号分割多元接続)方式のライセンス料だけで年間5億ドル(約600億円)を超える。

 韓国企業が人件費を切り詰めて原価を下げる以外に競争する手段を持たないのは、独自の技術や核心部品を生産する能力がないからだ。サムスン電子をはじめすべての韓国メーカーは、1日も早く世界と競争できる技術力を獲得するため、懸命に努力すべきだ。



(私のコメント)
5月22日に「失速する中国のハイテク企業」について書きましたが、中国は巨大な世界の下請工場であり、中国は第二の日本ではないということだ。韓国も先進工業国の仲間入りはしても、やはり独自の技術開発能力は低く、欧米や日本のエンジニアをスカウトしたり、アメリカへ留学研修生を送ってエンジニアを養成している。

韓国にしても中国にしても多くの理工系の大学生がハイテク企業に就職していますが、優秀なエンジニアの養成が上手く行っていない様だ。ある程度技術を身につけると転職や独立して工場やソフト会社を立ち上げてコピー商品を作って売る事が多い。これでは技術の蓄積が行なわれず、独自の技術開発競争に遅れてしまう。

それでも中国側の自信は非常に大きく「日本が技術移転をしてくれなければ欧米資本から技術移転を受ける」と大変強気だった。しかし欧米資本も中国に進出したのはいいけれど、知的財産権に対する意識が低くて、自主開発するよりコピーすることのほうに行ってしまう。

日本も当初はライセンス料などを支払って技術導入して技術を積み重ねる事で独自開発技術を発展させてきましたが、中国や韓国にはそのような土壌が無いのだろう。バージニア工科大学銃乱射事件の時にも書きましたが、中国や韓国は大量の留学生をアメリカの大学に送り込んでエンジニアの卵を養成している。

国内でも選りすぐりの人材をアメリカに送って技術者を養成しているのだから日本を追い越すのは時間の問題と思われましたが、確かに非常に優れた技術者や学者を輩出している。しかし彼らは国へは帰らずに欧米に定住してしまうから技術の伸び悩みが生じてしまう。これには国内の政治的経済的文化的な環境の悪さが影響しているのだろう。日本にはこのような事は無かった。

だから世界でトップレベルの技術力を持つには、国内においても自由と民主主義と安定した政治環境が無いと無理だろう。この条件を満たしているのは欧米と日本ぐらいであり、中国が自由と民主主義と政治的安定が根付かなければ中国が欧米や日本に追いつくのは無理だろう。共産党独裁政権ではソ連ですら経済的に行き詰まり崩壊してしまった。

泉幸男氏のメルマガにも書いてあるように中国経済は付加価値の低い下請け工業体制であり、人件費の安さが工業力を支えている。少しでも元の切り上げがあれば多くの産業が競争力を失ってしまう。儲けているのは外資のみばかりという現状は中国にとっても面白いものではないだろう。

日本としては少しずつ中国や韓国や東南アジア諸国に分散投資してアジア全体の経済繁栄を目指すべきだろう。日本だけが利益の独占しても欧米から叩かれる。それよりもアジア諸国で作らせて輸出させれば黒字はアジア諸国のものであり日本はその陰に隠れてジャパンバッシングはかわせる。

このように日本は中国や韓国に追いつかれ追い越されることを恐れるよりも、日本が独走してしまって世界から妬まれる事を恐れるべきだ。さらには日本からの借金を踏み倒そうとする国も出てくるだろうから、借金取立てのための軍隊を整備する事が必要だ。とくに中国は日本企業を狙い撃ちして接収しようとするかもしれない。

そうなると戦前の二の舞いの恐れも出てきますが、中国に日本企業が進出する以上は避けられない問題だ。これを避けるには日本企業が中国に進出しないか、接収されてもかまわない程度の進出に限るべきだ。しかしすでに日本企業は中国に1万4000社を超えて進出している。だから欧米と軍事的連帯を持って中国市場を監視して行く事が必要になる。

最近になって中国経済が悲鳴を上げているように見える。中国製の食品や薬品などに毒物が混入されてアメリカでペットが死んだり、中米では子供が死んだ事故が立て続けで発生している。国内でも公害の発生が酷くて空気や水の汚染が酷くて公害病の発生が酷いらしい。日本にも光化学スモッグを発生させるほど酷い空気が流れてきている。

もはや中国の改革解放による経済発展も限界に来ているような気がする。通貨の元も今のレベルを維持するのは限界だろう。グリーンスパンFRB議長も次のように警告している。


人民元論議に見る日中の「バカの壁」 津上俊哉

人民元レートの調整を求める声が世界中に拡がっている。
7月16日、グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は議会証言の中で「中国当局が人民元を(米ドルに)ペッグし続ければ、国内経済を危険に晒すことになる」と発言した。18日には欧州委員会のプローディ委員長も同調する発言をしたと伝えられた(サウスチャイナ・モーニングポスト紙)。
調整を求める声が高まった背景には昨今の米国のデフレ懸念、EUのユーロ独歩高懸念があるが、もう1つの背景は中国の外貨準備激増だ。
中国は現行レート(1米ドル=8.276〜8.280元)の上昇を防ぐために、外為市場で膨大な量の米ドル買い/元売り介入を続けている(図1参照)。中国の外為市場は投機資金が入らない。そのため、昨年の取引高は972億ドル(米ドル換算)しかなかったのに、外貨準備は690億ドル増えた。外貨準備は言わば通貨当局の市場介入口座の残高だから、市場介入によってそれだけ米ドル(資産)を購入したということだ。取引高の70%が当局の介入という極端な現状は、現行レートでは需給が均衡しないことを如実に物語っている。

外貨の主要な流入源は貿易黒字と外資導入だ。しかし、貿易黒字については、昨年通期で303億ドルもあった黒字幅が、今年前半は中国の景気好調、輸入増大を反映して、44億ドルにまで減少している。
外貨流入の主役は増え続ける「外国投資」の受け入れだ。外国投資実行額は昨年の上・下半期にそれぞれ246億ドル、282億ドルと増加基調だったが、今年前半はこれが更に303億ドルに増大した。原因は「成長する内需市場を狙った対中投資ブーム」だけではない。外国投資の姿をしているが、実態は元の先高期待に基づく「ホットな」資金の流入が起きている気配がある。
元先高期待の存在を裏付けるのがアングラ資金の流入だ。中国は従来、国際収支統計の「誤差脱漏(流出側)」の値が大きく、多額のキャピタル・フライト(資金の不法持ち出し)の存在を示唆すると言われてきた。ところが、2000年に119億ドルあった流出が一昨年49億ドルに減少、昨年は遂に78億ドルの流入と逆転した。この時期、米ドル金利が低下したことも1つの理由だが、海外逃避していた中国人のカネが大挙国内に舞い戻り始めたせいだと言われている
。(後略)



(私のコメント)
中国は近いうちに欧米からの非難をかわすために大幅な元の切り上げに迫られるだろう。そうしないと投機筋の思惑によるアングラの流入が止まらないからだ。それは中国の中央銀行にとっても大きな負担であり、ドルペッグ制を維持しようとすればするほど大きなしこりを作ることであり、中国の「バカの壁」でもある。




日本、中国、そしてアラブが、ドルを基軸の「貨幣錯覚」で
損をしていることに気が付ければ、世界の経済は一変します。


2007年5月27日 日曜日

5月のNY紀行 5月26日 ビジネス知識源 吉田繁治

■2.秘密は「ドル安(=円安)」だった

にもかかわらず、ここ数年、NYの物価は、感覚ではすべてが50%は高い。ふと気が付いたのですが、米ドルは、2000年以降の7年で、ユーロに対し50%〜60%も下げています。これは、当たり前のことの実感です。

2000年以降は「50%から60%のユーロ高(=ドル安・円安・元安)」でした。

為替の交換レートは相対的です。ユーロの実質価値(=購買力)を一定と見れば、米ドル側が価値を減らしたことになります。日本と中国は、経常収支の黒字で、米ドルを買っているので、ドルと連れて安くなっています。

あぁ、そうだ。「モノとの関係では、ドルが50%安くなった」

米ドルに連れ、円の国際的な実質価値、言い換えれば「海外での購買力」が低下した。

ドル紙幣には、Federal Reserve Note(連邦預金準備局が発行した証券)と書いてあります。 紙幣も、証券です。連邦預金準備銀行(FRB)の信用を背景に、発行した小切手です。

ユーロ高ではなく、本当は、ドル安・円安だったと実感しました。そのため、資源・エネルギー価格も、大きく上がったように見える。

ユーロを中心に見れば、50%の資源価格の高騰分が、ゼロになります。もっと言えば、2倍になったゴールド〔金〕の価格を基準にすれば、世界の資源も、米国の物価もさほど上げていません。

国際商品(貿易対象になる商品)の価格が、実質的な価値(購買力)下げた米ドルで表示されるから、円で見ると高くなったように見える。円とドルはほぼ同じ動きをしています。

NY(マンハッタン)の物価が、国際比較でのドル安に連れ、高くなったと考えればいい。ドルを買いドルとの交換レートを一定に保った円も、購買力が減った。

NYのホテル価格や物価は、国際的な価格と品質の水準を、反映します。ここは「国際」です。

共通言語(標準語)を米語とする経済特区と言っていい。それくらいヨーロッパ、中南米、アラブ、アジアと、NYの行き来は激しい。NYとロスは、米国ではなく国際都市と行った人の言葉を思い出します。

金融(モルガンスタンレー)や会計事務所(アーネスト&ヤング)が集まるタイムズスクエアの街の雑多さは、上海、シンセン、新宿、香港、シンガポール、ロンドンに似ています。SOHOは原宿でしょうか。

世界の大都市は、今、どこも平準化しています。歩く人の人種と服装にすこしの特徴があるだけです。

世界経済の実体は、以下のような関係でしょう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・ユーロ=購買力が一定
・米ドル=購買力が50%低下
       →NYのホテルの料金や物価は50%高騰
・日本円=米ドルに連れ国際的な購買力が50%低下
       →NYの諸物価が高く見える
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

このことに、新しくできたロックフェラーセンター・ホテルの料金で気が付いたのは、収穫でした。何事にも成果はあります。$400で、この発見を「実感として」得ました。

重要なのは数字への実感。

われわれは無意識に、ドル基軸の基準で、世界を見ます。ユーロを基軸にして見れば、経済は異なって見える。

【ユーロ基準で見れば】
ドイツ・フランス・北欧の旅行者、そしてユーロとその価値がほぼ比例して動く英ポンドから見れば、上がったNYの物価は、2000年とほぼ変わっていません。ロンドン、パリ、ベルリンより安いとすら思えるに違いない。

【円基準で見れば】
円で見れば、例えば、マンハッタンの約70平米のアパート(スタジオ)の、月間家賃の$3000(36万円)は、いかにも高い。

2000年代に1年で8%〜10%も上がり、7年で約2倍になっているからです。(1.1の7乗≒2倍) 住宅価格も、年10%で上げています。

■3.貨幣錯覚

経済(つまりモノの交易、人の移動、金融)が、特に90年代以降、すっかりグローバル化したのに、必要な世界通貨がないため、われわれはケインズが言った「貨幣錯覚」に陥ります。

貨幣錯覚とは、例えば1万円の価値を、一定と感じることです。

1万円で買えるものの価値を一定(=貨幣錯覚で見る)とすれば、NYの物価は、50%は高くなったように見える。

賃金が5%切り下げれられれば大変だと思う。賃金の額が同じで物価が5%上がっても、意外に平気。両者は、経済的に購買力で見れば同じなのですが、貨幣錯覚がここでも働くからです。

今は、ニュージャージーのウォルマートの売価ですら、わが国の100円ショップより高く思えます。

▼重要な認識

米国の物価が、日本円で見れば、50%上がったように見える。これは、物価が50%上がったのではなく、本当は、1万円の価値が50%低下したと見なければならない。

ドルと円の紙幣に書かれた数字の価値(購買力)が50%低下したと見れば、実質価格は一定です。

$100の紙幣の価値が、購買力では$70になった。同じことですが国際商品について言えば、1万円が7000円の購買力に低下した。貨幣錯覚を抜けば、そう見えます。

ドルの価値(購買力)が下落した理由は、ドル債券の増発のためです。1年に約100兆円分、世界に向かって増刷されています。

【重要】
肝心な点は、ドルの通貨の増発でなく、$債券(国債・社債・株)の増発である点です。国債・社債・株も、換金性の高い通貨の一種です。

過去の通貨のようにM1やM2(預金統計)で計ることはできない。預金ではなく、それに加えるべき債券(国債・株・社債・ファンド)の総額をみなければならない。経済統計が遅れているのです。

例えば、世界の不動産価格と資源価格は、元本で200兆円を超え、レバレッジ(信用借り)でその数倍(600兆円)に膨らんで投機するヘッジファンドの動きで見なければならない。

これは預金統計には含まれない、事実上の通貨です。世界の預金+債券総額(国債・社債・株・ファンド)は1京5000兆円を超え、世界のGDP(4400兆円)の4倍にもなっています。

今、史上空前の、債券バブルがある。大会社の数兆円のM&Aが起こる理由でもある。株式交換ですから現金は要らない。企業の発行する株券が現金と同等に扱われます。

ドル債券を買っている主要国は、中国、日本、ロシア、サウジアラビア、ノルウェーです。買われるため、ドルが「国際通貨」とされます。

(注)英ポンドは、自国の通貨ではなく、ロンドンのシティ(金融街)がアラブから運用を預かったマネーでドルを買っています。

参考のため、世界の主要国の、最新の「経常収支」を示します。経常収支は、モノの貿易収支とモノ以外のサービスの収支を合計したものです。

■4.国際資金移動を示す経常収支

マイナスは赤字をプラスは黒字を示します。経常収支のマイナスはそのマイナスの分、他国から資金供給を受けていることを示します。プラスは、その逆の資金提供です。企業で言えば、経常利益のマイナスやプラスに相当します。

     06年5月〜07年4月までの
   経常収支(米ドル基準)とその主因(数値は英エコノミスト)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
米国     −$856億(103兆円:貿易赤字)
英国     −$ 80億( 10兆円:貿易赤字)
ユーロ合計  −$ 5億(600億円:ユーローは買われている)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
中国     +$250億(貿易黒字で、米$債券買い)
日本     +$185億(貿易黒字と受取配当で、$買い)
スイス    +$106億(アラブマネーを預かって、$買い)
サウジアラビア+$ 95億(オイルマネーで、$買い)
ロシア    +$ 86億(オイルマネーで、ユーロ買い)
ノルウェー  +$ 56億(オイルマネーで、ドル買い)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

経常収支でバランスしているのは、4大通貨(米ドル、ユーロ、円、元では、ユーロだけです。

ドルに対し高くなったユーロは、実質価値が高くなったのではなく、2000年以降、通貨価値(購買力)を一定に保っていると見なければならない。英ポンドも、ユーロに似ています。

国際的に見て、実質の購買力が減り、安くなったのは、米ドル、円、元です。円と元は貿易黒字ですが、その分で、ドル債券を買っているので、ドルと同じ率で下げています。これが、ドルとの交換レートがほぼ一定という意味です。

【2000年代の7年】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ユーロ・・・価値(購買力)が一定
米ドル・・・価値が50%〜60%下落
日本円・・・ドル買いのため、ドルに連れ50%〜60%の価値下落
人民元・・・ドル買いのため、ドルに連れ50%〜60%の価値下落

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

こうやってNYのホテル・レストラン・店頭物価・住宅価格・家賃・賃金を見れば、納得できます。ドルや円でなく、ユーロで見ればいいだけです。

日本、中国、そしてアラブが、ドルを基軸〔基準〕にしているための「貨幣錯覚」で損をしていることに気が付ければ、世界の経済は一変します。

円の実力は、ドルとの関係では$1=80円(34%の円高)
元の実力は、ドルとの関係では$1=4元(50%の元高)でしょう。



(私のコメント)
この記事を読んでいただければアメリカにとって最も重要な同盟国は日本であることが分かるはずなのですが、政治的、軍事的に見てもアメリカにとっての日本の重要性は一番だ。経済面で限ってもドルを支えているのは日本とサウジアラビアと中国ですが、この三カ国が「明日から外貨準備をドルからユーロに変える」と宣言すればアメリカは破産する事になる。

ニューヨークのホテル宿泊料の物価から見ればすでに世界通貨はユーロになっているようですが、ユーロから見ればドルと円が安くなっているように見える。円がドルと連動して安くなるのはドルの赤字分を三カ国が買い続けているからですが、日本、中国、サウジが手持ちのドルを売ってユーロを買えばドルの独歩安となって円や元はユーロ並みに上がる。

ドルがこれほど安くなったのはアメリカはイラク戦争で経済的消耗戦を続けているからですが、日本から軍事費を調達して戦争をしている。だからイラク戦争が始まる前に「アメリカを止める事が出来るのは日本だけだ」と書いた事がありますが、小泉首相が「日本は米国債を買わない」と宣言すればアメリカは軍事費を調達できなくて戦争は出来なかった。

もしユーロが「世界通貨」となった場合、アメリカは経常収支の赤字をドルで賄う事が出来なくなりアメリカ国内は超インフレに見舞われることになる。まさにアルゼンチンタンゴを踊るのはアメリカ人な訳ですが、日本、中国、サウジがドルを買い続けているからアメリカは戦争が出来るのだ。

先日安倍総理がアメリカを訪問しましたが、ニューヨークタイムズやワシントンポストなどの新聞各紙はまったく安倍総理の訪米を報道しなかったそうです。テレビでも安倍総理の発言はカットされて日本に対するアメリカのマスコミの軽視ぶりは目に余る。それに対して中国やイスラエルの首脳が訪米すると大々的に報道される。そんな扱いをされると日本国民も日本はそんな程度の国と錯覚する。

アメリカ人は日本がドルを買い続けるのは当然と思い込み、日本が国内に米軍基地を置き続けるのは当然と思い込んでいるから、日本という国が軽く扱われるのですが、そうなるように洗脳しているのが日本のマスコミでもある。そして日本の政治家は日本の持つ外交カードを使おうとしない。橋本総理の発言問題が尾を引いているのでしょう。

従軍慰安婦問題ではニューヨークタイムズなどは「安倍総理は従軍慰安婦を否定した」と大々的に書き立てるのに、日本の総理が訪米してもまったく無視をする。だからアメリカ国民もアメリカにとっては日本はあっても無くてもいいような国と軽く思われてしまう。

日本にとってはアメリカは重要な貿易相手国でありますが、近い将来ドルが大暴落して日本から物を買いたくとも買えないような事態も想定されます。ドルとユーロの関係がそれを暗示していますが、日本や中国はドルを買い続けてアメリカと運命を共にするつもりだろうか? 

吉田繁治氏のメルマガではニューヨークの物価が高くなった事を述べていますが、アメリカでもユーロの基準で物価が動いているのだろうか? 東京でも外資系のホテルラッシュが続いていますが、世界基準では一泊7万円くらいが普通なのだそうですが、東京と世界との物価のズレを感じさせます。

日本では国民が一生懸命に働いて輸出して外貨を貯めても、バカな財務省の役人がみんなドルを買ってしまうから豊かになれない。せめて半分くらいはユーロを買っておけば円がドルの道連れになることも避けられた事でしょう。そうなれば中国もサウジアラビアもドルだと目減りするからユーロに切り替えたかもしれない。

経済エコノミストの中には円安が心配だと言う人もいますがドル売りすれば円が上がる。金利を引き上げても円キャリートレードの逆流も起きるから円は上がる。アメリカは景気対策で金利の引き下げが行なわれるかもしれませんが、日米の金利差が縮まっても円高が起きるだろう。長期的には円はドルよりもユーロに連動して動くような形になるかもしれない。

円安傾向については24日にも書いたように80年代から続いた円高の歪の是正に役立てるようにすべきだ。円安になる事はドル資産からの利払い配当収入が円建てでは増える事になりプラスだ。人件費や生産コストも円建てで見れば安くなり賃上げにつながり国内的には消費にもプラスだ。今までは円高で乾いた雑巾を絞るようなコスト削減に努めてきましたが、円安でその分が黒字に反映される。

中国もドル連動で来ましたが、ドルがこれだけ安くなるとデメリットが大きくなり、石油などのエネルギーや原材料が割高になり交易条件が悪化する一方だ。国家においては一番効率的な金の使い方としては輸出と輸入とが収支トントンにするのが一番効率的な金の使い方であり、黒字ばかり貯め込むのは効率的とはいえないし、ドルが紙切れになれば元も子もない。

長期的に見れば円や元は、ドルに対して3割から5割くらい値上がりする可能性がある。円安の今こそ海外のドル資産を売って円に替えておくべきだと思うのですが、逆に円キャリートレードで円からドルに替えられている。金利の高い通貨は将来は下落して金利の安い通貨は高くなる。

本来ならば日本は円高で世界から金が集まり株や不動産も高くなり諸物価も上がるはずだった。しかし90年代から円高にもかかわらず株や不動産は暴落した。政府日銀は円相場にばかり介入して株式相場や不動産相場には放置した。マスコミも株や不動産が少しでも上がるとバブルの再来と騒ぎ立てた。

欧米などの株や不動産を見る限りでは株や不動産が上がる事は良い事なのですが、日本では株や土地が上がるとマスコミの経済記者がバブルだバブルだと書き立てる。それは景気を良くしてはならないと言っているのと同じ事だ。バブルとは景気そのものでありバブルを潰せとは景気を潰せと言う事と同じ意味なのだ。だから世界的なバブルにもかかわらず日本だけがカヤの外でデフレに陥ってしまった。




キリシタン大名たちは、ローマ教皇に忠誠を誓い、日本の
「異教徒」と戦う「十字軍騎士」とされていったのである。


2007年5月26日 土曜日

冷戦、信長 対 キリシタン 5月20日 国際派日本人養成講座

(前略)
■4.東アジア争奪戦■

一方、スペインは大西洋を横断して西回りにアジアに至ろう と、コロンブスの船団を派遣し、アメリカ大陸を発見していた。東回りのポルトガルと、西回りのスペインが競合したので、ローマ教皇は地球を二分割して両国に支配を許す勅許を与えた。しかし、その解釈上の問題で、地球の反対側の地域では両方の勢力圏が重なりあう部分ができてしまった。そこにたまたま日本が入っていたのである。

日本に最初に到達したのは、天文18(1549)年のポルトガル の宣教師フランシスコ=ザビエルであった。ザビエルは、日本 を強力なキリスト教国家にしてポルトガルの支配下に置こうとした。

一方、スペインは1565年にフィリピンのルソン島を実力支配し、そこから中国、日本に触手を伸ばそうとしていた。ポルトガルの宣教師たちは、スペイン勢力がやってくる前に、是が非でも日本を植民地化しようと、信長に近づいていたのであった。

(中略)
■6.キリシタン大名への軍事援助■

キリシタン大名を得るための方策として、交易による利潤の他にもう一つの手段があった。軍事援助である。それを求めて、宣教師との結びつきを深めたのが、大友宗麟(そうりん)であった。

宗麟は豊後(大分県南部)を治めていたが、日本に最初にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルから直接、説教を受けており、キリシタン大名の中でも最も早くキリスト教に接した人物である。

永禄2(1559)年、宗麟は豊後の他に、豊前(大分県北部)、筑前(福岡県北部)、筑後(同・南部)の4カ国の守護職となり、将軍・足利義輝から「九州探題」に任命されたため、宣教師たちの期待も高かった。

宗麟はキリスト教の保護者を持って任じ、宣教師たちの布教活動を援助するとともに、その引き替えに軍事物資の提供を求めた。永禄10(1567)年、宗麟はマカオに滞在していた司教にあてて手紙を書き、中国地方を支配する毛利元就に打ち勝って、キリスト教を広げたいので、鉄砲の火薬の原料となる硝石の日本への輸入を禁止し、自分の領国にのみ販売するように依頼している。

■7.長崎と茂木の軍事要塞化■

天正7(1579)年に、東洋地域全域を所管する巡察師アレッサ ンドロ・ヴァリニャーノが来日すると、その指導にとってキリシタン勢力が急伸した。

大村純忠は、ヴァリニャーノの来日を機に、長崎(長崎港周辺部)と茂木(長崎市茂木町)をイエズス会の永久教会領として寄進した。

ヴァリニャーノは翌天正8(1580)年に、この長崎と茂木の地を、ポルトガル人を中心として軍事要塞化するように指示した。これに従って数年後には、同地は大砲・鉄砲などにより武装され、軍艦も建造配備された。

天正13(1585)年には、純忠の領土の全領民約6、7万人がキリシタンとなり、ここに完全なキリシタン王国が誕生したのである。

大村純忠の縁戚で、島原を領有していた有馬晴信は、当時、肥前東部(佐賀県)の龍造寺氏から度々攻撃を受けて、窮地に陥っていた。晴信はヴァリニャーノから洗礼を受け、その見返りとして、食糧不足に苦しんでいた4つの城で、多量の糧食と金子(きんす)を受け取った。さらにマカオからやって来たポルトガルの交易船から、弾丸に使う鉛や火薬の原料となる硝石を送られた。こうした軍事援助で、晴信は龍造寺氏との戦いで危機を脱することができた。

晴信はこの返礼として、ヴァリニャーノが自領に滞在していた3ヶ月の間に、領内にあった40を超える神社や仏閣をすべて破壊し、領民2万人を入信させた。さらに浦上(長崎市浦上)の地を、イエズス会の教会領として寄進した。

宣教師たちは、これらのキリシタン大名を経済的軍事的に支援する一方、毛利氏、龍造寺氏、島津氏など反キリスト教の大名とは交易関係すら結ばなかった。
   
■8.「十字軍騎士」となったキリシタン大名■

ヴァリニャーノは、キリシタン大名との政治的・軍事的連携 を強化する一方、布教体制の改革を進めた。セミナリオ(神学校)、ノビシアド(修練院)、コレジオ(学院)の3種類の教育機関を設け、日本人司祭の養成に努めた。

天正10(1582)年頃には、西日本各地に設けられた教会堂の数は大小合わせて200カ所、神父・神弟(日本人の伝道師)は75人に上り、急速な布教が進められた。信者数は京都から中国地方に2万5千人、大友宗麟の治める豊後で1万人、大村純忠・有馬晴信が支配する大村・島原・長崎地域に11万5千人、合計15万人ほどにも急増した。

この年1月には、それぞれの教育機関で育成した日本人子弟の中から優秀な4人の少年を選び出し、大村純忠・有馬晴信・大友宗麟の3キリシタン大名の使節として、ローマ教皇とスペ イン・ポルトガル連合国国王の許に派遣した。

翌年2月に少年使節たちはローマで教皇グレゴリオ13世に拝謁した。教皇が皇帝や国王を迎接する「帝王の間」で拝謁するという異例の栄誉を受け、3人のキリシタン大名からの親書を手渡した。

こうした儀式を通じて、キリシタン大名たちは、ローマ教皇に忠誠を誓い、日本の「異教徒」と戦う「十字軍騎士」とされていったのである。
   
■9.「我一生の不覚也」■

信長が安土城で宣教師オルガンチーノと会見し、「盗賊にして何かを得んと欲するか」と聞いたのは、こういう状況下であった。

天下統一を目指す信長は、当時中国の毛利氏と戦っていたが、その背後から九州探題・大友宗麟も中国を狙っていた。九州から京都を目指すキリシタン勢力と、京都を押さえ中国・九州へ と全国統一事業を進めつつあった信長とは、早晩対決が運命づけられていた。

『切支丹来朝實記』には、この頃の信長の心境をこう記している。

破天連方よりは便(たより)毎に今年は日本人何千人勤め、今年は何万人勤め入ると臺帳に記(か)きて、南蛮へ渡すとか。宣教師たちが貧民病者を慈しみ、尚(な)ほ此等(これら)の妻子眷属に一人前金一銭づつを與(あた) ふる等、弓矢を不用(もちいず)して日本を随(おと)さんとの謀事、然るに信長、南蛮寺の取沙汰、あやしき宗門の様子及聞(ききおよんで)、心の内には後悔しけり。

( 日本に駐在している宣教師からの報告で、今年は日本 人が何千人入信し、今年は何万人入信したかと、台帳に記して、本国のポルトガルに送っているとのうわさ。宣教師たちが貧しい者や病人を慈しみ哀れみ、それだけでなく妻子眷属に一人当たりの前金として一銭ずつ与えるなどして、弓矢を使わずに日本を征服しようと謀略を企んでいること。このため信長はキリストの教会内の活動や信者たちの怪しい所行について聞き及ぶ所があって、内心では後悔していたのである。[1,p8] )

さら『實記』が伝える所によれば、信長は前田徳善院玄以という仏僧に「自分は彼らの布教組織を破壊し、教会を打ち壊して宣教師たちを本国に返そうと思うが、どう思うか」と諮問したが、「もしそのようなことをすれば、たちまち一揆が起こることは間違いありません」と答えたので、信長は今まで宣教師たちを保護してきた政策について「我一生の不覚也」と漏らした。(続く)
                                         (文責:伊勢雅臣)


(私のコメント)
NHKの大河ドラマなどでは戦国時代の武将が取り上げられますが、当時のキリスト教に対する描き方がきれいごと過ぎて、当時の戦国大名たちがどのようにキリシタン宣教師などに接していたかは、あまり重要には扱われてはいない。しかしキリシタン宣教師からもたらされる世界の情報は大名達にも大きな影響を与えた。

信長などもキリシタン宣教師と31回以上もの接見を行なっている。信長は当初はキリシタン宣教師をあつくもてなし布教を許していたが、次第にキリシタン勢力が広がるにつれて彼らの野望に気がつき始めた。日本がスペインやポルトガルの植民地にならなかったのは、決してヨーロッパから地理が遠かったからではなく、信長、秀吉、家康が早くからキリスト教の正体に気付いたからである。

すでにポルトガルはアフリカ沿岸からインドを経て東南アジアに至るまでキリスト教化して交易ルートの建設に成功していた。スペインも逆周りからフィリピンをキリスト教化して植民地支配した。残るは日本の争奪戦ですが、まずは大名からキリスト教化してキリスト教徒と非キリスト教徒に分断して争わせる事から始めるのが常道だった。

とくに長崎から大分にいたる北九州地方の大名がキリシタン大名となり武器や火薬の援助を得て勢力を拡大し始めた。このことからもキリスト教の布教だけが目的ではなく、植民地支配のための軍事勢力でもあり軍事と宗教とは密接に一体化したものとなっていた。

彼らはまず最初に宣教師を送り込んで情報を探り出して本国に送る。つまり宣教師は諜報員として重要な役割があり、現代でも諜報員はもっとも優秀で最も忠誠心の高い人材が担っている。日本人達は彼らの教義や科学知識に対する知識を知りたがり、信長なども積極的に宣教師からの情報を受け入れた。

信長はキリシタン大名に対しても最初は警戒する事はなかったが、北九州に建設されたキリスト教王国において、神社仏閣の破壊や僧侶の殺害追放は信長や秀吉に対して強い疑念を抱かせた。当時から日本では宗教と政治軍事は分離していたが、ヨーロッパでは宗教と政治軍事は一体であり、凄惨な宗教戦争が長い間にわたって繰り広げられていた。

つまり日本は当時から宗教と政治が分離した近代国家なのに対して、スペイン・ポルトガルは宗教と政治とが一体化した体制だった。当時のスペインは無敵艦隊を擁して世界の海を制圧していましたが、1588年のアルマダの海戦で破れたり、17世紀前半の三十年戦争などの新教と旧教の宗教戦争の影響で日本への軍事的な遠征が行えなかった事が幸運だった。

19世紀にも再びヨーロッパからの軍事的脅威が迫りましたが、アメリカが南北戦争で混乱したり、イギリスがクリミア戦争やボーア戦争などで戦艦などの大艦隊を送る事ができずに日本は欧米列強の軍事支配を免れることが出来た。しかし大東亜戦争では日本はアメリカの大海軍力に屈して、16世紀以来の欧米列強に対する抵抗も打ち砕かれた。

もし昭和の軍人達が、信長や秀吉のように宣教師から世界の情勢を知り注意深く行動していれば、欧米列強に屈する事はなかったはずだ。戦国の大名達は情報の重要性をよく認識していたから、敵とも言えるキリスト教宣教師からも情報を取り入れることが出来たが、昭和の軍人達は自分達の軍事力を過信して情報の重要性を認識していなかった。

現代では軍事力よりも情報戦の方が大きな意味を持っており、アメリカがイラク戦争で苦しむ結果になったのも、おのれの軍事力を過信して情報を軽く見たからだろう。信長や秀吉や家康が天下を取ることに成功したのも情報の重要性を認識していち早くキリスト教の危険性に気がついたから、キリスト教禁令を出してスペイン・ポルトガルの支配下になることを避けることが出来た。

「株式日記」も国際金融資本の危険性を分析して危険信号を発していますが、信長や秀吉的な情報に対する認識があれば、日本はアメリカのように国際金融資本に乗っ取られることはないでしょうが、キリシタン大名のような裏切り者がたくさんいる。小泉竹中内閣はまさに現代のキリシタン大名だった。




アメリカという国は、第二次世界大戦以降、国際金融資本に
乗っ取られ、世界(主に、中東と中国)に干渉していただけなのだ。


2007年5月25日 金曜日

世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略VOL154 江田島孔明

今回は、加速するイラク戦争の敗戦処理の動向と、戦後の世界を予測してみたい。

 先週の最も喜ばしいニュースに、イラク戦争にアメリカを引きずり込んだネオコンの筆頭である、ウォルフォウィッツが、世銀総裁を辞任した。
 表向きの理由は女性問題だが、真の理由は、イラク戦争を主導したネオコンパージの一貫であろう。背後には、アメリカのWASP権力機構に連なる、ゲーツ人脈、すなわち、CIAとユダヤの暗闘があると思われる。

イラク戦争を考える上で重要な点は、少なからぬアメリカ軍の将軍がイラク攻撃に反対してきたという事実だ。
 例えば、イラク攻撃の前、2002年10月にはグレグ・ニューボルド中将が統合参謀本部の作戦部長を辞任、エリック・シンセキ陸軍参謀総長もドナルド・ラムズフェルド国防長官(当時)を議会で批判していた。2003年の早い次期に、シンセキ将軍は、イラク占領には数十万名程度の部隊が必要になると指摘している。

 こうした将軍たちの見通しは正しかった。戦争は泥沼化、アメリカが「第2のソ連」になる日も近いとする見方もあるほどだ。2004年になるとポール・イートン少将やアンソニー・ジニー元中央軍司令官もラムズフェルド長官を非難、グレグ・ニューボルド中将は「タイム」誌で長官を厳しく批判した。さらにチャールズ・スワンナック少将もネオコン戦略を批判する将軍の隊列に加わっている。

 こうした動きに対抗するためにホワイトハウスは、軍や情報機関の粛清を進め、今年1月には中央軍のジョン・アビザイド司令官とイラク駐留米軍のジョージ・ケーシー司令官の退任を発表した。昨年12月、ラムズフェルドが国防長官を辞める前の段階でアビザイド大将は退役を、またケーシー司令官も退任を希望していたとされている。

 このように、イラク戦争の開始と推移を巡って、ネオコンVS米軍の構図が鮮明となり、結果は私の予測どおり、米軍によるイラク統治の失敗すなわち、ベトナム撤退と同じように、イラク撤退を模索する羽目となった。
 世界は、既に米軍のイラク撤退は時間の問題と考えている。その結果、イスラエルを取り巻く政治的、あるいは外交的な状況が大きく変化、軍事強硬派が窮地に立っている。

 欧米各国の親イスラエル派をみても、アメリカではネオコンが退潮、イギリスではイスラエル系富豪を資金源にしていたトニー・ブレアが退陣を表明している。イスラエル駐在のイギリス大使、トム・フィリプスはブレアが退いてもイスラエル政策に変化はないと表明しているが、そうしたコメントを出すこと自体、イスラエル側の動揺を感じさせる。

 これは、間違いなく国際金融資本主導で行われたイスラエルの建国以来、最大の危機だ。簡単に言えば、イラク戦争という「大博打」でイスラエルを延命させようとしたが、その博打に負けたのだ。こういう場合、手仕舞いは早いほうがいい。

 そして、イスラエルは、アラブ諸国との和平を急ぐであろう。強攻策が失敗した以上、和平しかとりうる選択肢はない。そして、その和平は、仮に達成されたとしても、大坂冬の陣の後の講和と同じく短期的なものでしかなく、長期的に見た場合の「イスラエルの衰退と破滅」は避けられないであろう。

イスラエルの安全保障は、アメリカに依存していた。しかし、米軍の中東でのプレゼンスは、イラク戦争で大きく傷ついた。そして、重要な点は、米軍自体が、政権批判的になり、反イスラエルになったことだ。これでは、イスラエルを支える勢力は全く存在しないことになる。

 国際金融資本は「イラク戦争」という大博打に敗れた以上、アメリカにおける、反国際金融資本感情の高まりも抑えきれないであろう。だから、彼らは、対日進出を急いでいるのだ。

 戦略を考える上で、最も重要な点は、常に、最悪の事態を想定する事だ。現在考えなければいけない「最悪の事態」とは、アメリカにおける、「ユダヤVS反ユダヤの内戦勃発」だ。911以降、この可能性は常に存在し、それを外征でしのいできたというのが真相だ。(中略)

そして、分裂の最も大きなものは、米国における「資本と軍の分裂」であろう。両者の利害は第二次大戦において、米国が重要産業を全て軍事中心に振り替え、産軍複合体を樹立した時点では一致していた。すなわち、大恐慌以来の経済低迷を回復させる手段として、軍事への傾斜生産という方式をとり、それで景気が回復したのだ。

 しかし、戦後、この構造がアメリカを蝕んでいく。すなわち、不断の公共事業としての戦争がないと、産軍複合体を維持できないという矛盾に直面したのだ。ここに、イスラエル防衛とドル価値の担保としての中東原油利権支配という要因が絡んできたため、アメリカの国家戦略は大きくゆがんで来ることとなる。その到着地点がイラク戦争という訳だ。(中略)

この様に考えると、イラク戦争の敗戦で、アメリカは国家戦略を大恐慌時代以前、すなわち、「モンロー主義の時代に戻る」可能性が高いと予測される。何故なら、アメリカという国は、実は南北アメリカでブロックを作り、鎖国することも可能なのだ。

 そして、アメリカの保守派や原点(ピルグリム・ファーザーズ)は、欧州を嫌って渡米した点をみてもわかる様に、伝統的に孤立主義者であった。第二次世界大戦以降、国際金融資本に乗っ取られ、世界(主に、中東と中国)に干渉していただけなのだ。

 この様に考えると、安倍政権が進める「集団的自衛権」の議論が、実はアメリカの国家戦略と結びついている点も理解できる。アメリカ単独で世界の覇権を維持できないことが明確になったのだ、「日本に負担」させようという事だ。(後略)


(私のコメント)
マスコミ論調ではアメリカによるイラン攻撃があるかどうかということが焦点のようですが、アメリカの議会で問題になっているのはアメリカ軍がイラクからいつ撤退するかということだ。アメリカ軍は今でもひと月に1兆円もの軍事費を費やしている。議会からも軍事予算にストップがかけられて、大統領の拒否権で何とか戦争を継続している状況だ。

「株式日記」ではイラク戦争には反対してきましたが、こうなる事は最初からわかっていたことだ。地続きのソ連ですらアフガニスタンに侵攻して10年かけてもアフガニスタンを平定できなかった。キッシンジャーはイラクは砂漠地帯だからベトナムのようなゲリラ戦は出来ないと言っていましたが、彼は歴史に疎いのだろうか?

アメリカがイラクに侵攻して、さらにはイランやシリアにも侵攻させようとしたネオコンは選挙に破れてラムズフェルド国防長官は退任した。しかしアメリカはイラクからの撤退はその時期の問題となっているのですが、ゲリラを軍事力で完全に平定する事は一時的にしか出来ない。ゲリラを平定するにはイラク国内の政治を安定させるしかないのですが、アメリカ軍がいる限り不可能だ。

この間にもアメリカの国力の消耗は続き、イラク戦争が長引けば長引くほど傷口は大きくなり続ける。真の反米活動家なら「イラン攻撃せよとかイラクから撤退するな」と言った方がアメリカの滅亡を早めるので効果的でしょう。田中宇氏流に言うとアメリカは自滅したがっているとしか思えない。

「株式日記」流に言えば「アメリカとソ連は兄弟国家であり、ソ連が滅んだ以上はアメリカが滅ぶのは必然」なのです。本当のアメリカの敵はEUなのですが、表向きはテロとの戦いでは同盟を組んでいるから厄介だ。「ロシア政治経済ジャーナル」では次のように言っています。


ロシア政治経済ジャーナル No.457  5月15日

アメリカは追いつめられています。
 
1、中東で

イランを攻略できなければ、湾岸共通通貨が誕生するであろう。(10年予定)

2、ロシアで

07年末の下院選挙と08年3月の大統領選挙でKGB軍団に勝利できなければ、ロシアはルーブルによる石油輸出量を増やしていくだろう。

3、中国で

中国は、外貨保有で世界一・米国債保有で世界2位。いざとなったら、ドルと国債を売り浴びせることもできる。さらにこの国は、アメリカが弱っている隙に、中東・南米・アフリカの資源外交で成果をあげている。

4、北朝鮮で

中東問題が片付かないので動けない。金正日は、枕を高くして眠れる。

そして欧州は、面従腹背。

素直にアメリカに従っているフリをしていれば、他の国がアメリカと戦ってくれる。そして、勝手に欧州を復権させてくれる。真に心地よいポジションにつけているのです。日本も欧州を見習うべきですね。

「アメリカ人の異常な支出が、貿易・財政赤字を生み出している。ロシア・サウジアラビア・日本・中国は貿易黒字だが、アメリカだけは膨大な赤字国である。

この不均衡は、遅かれ早かれ調整されるが、それが急激に起これば世界経済は危機に直面する。不均衡の責任はアメリカにある。アメリカは、徐々に支出を減らし節約をするべきだ。不均衡を調整するために、アメリカ経済の成長を鈍化させるべきである。」

(国際通貨基金ラト専務理事 06年3月)



(私のコメント)
馬鹿は死ななきゃ治らないと言いますが、アメリカも滅びなければ治らないのでしょう。日本としても外交と防衛はアメリカに丸投げしていますが、今のうちから自立の道を立てておかないとアメリカは孤立主義の伝統があるから、アメリカは急にアジアからも撤退するかもしれない。日本はその穴を埋めなければ中国が出てくることになります。

アメリカという国は優れた人材を集めてアメリカの世界戦略を考えるようなシンクタンクがたくさんあります。しかしながらイラクに侵攻したらどうなるかを予測できるようなシンクタンクは無かったようだ。あるいは分かっていても当時のアメリカ国内の雰囲気からしてイラク戦争に反対しづらかったのかもしれない。

9・11テロに対してCIAやFBIが機能していなかったことも驚きなのですが、人類を月にまで送った国が、イラクのような人口2400万人足らずの小国を平定できないのですからアメリカの国力は急速に衰えているのかもしれない。ベトナム戦争の時からアメリカの限界は見えていたのですが、宿敵であるソ連が滅んだ以上はアメリカの存在理由が無くなってしまったのだ。

アメリカ軍部では中国を宿敵に仕立て上げようという戦略がありますが、現在の中国やロシアからはかつてのソ連のようなパワーは持ち得ない。共産主義という幻想が無くなってしまった以上は無理なのだ。そしてソ連に代わる勢力がEUということになりますが、EUの復権こそ真のアメリカの脅威なのだ。

最近のドル安ユーロ高はその傾向を反映したものですが、1999年のユーロの発足と2001年の9・11テロとは何らかの関連があるのかもしれない。9・11テロの発生はアメリカと言えども本土攻撃が可能である事を証明したものであり、スーツケース型の核爆弾を持ち込めばアメリカ本土も核攻撃が出来るのだ。

国際金融資本にとってはアメリカという国は天国であり外国からの攻撃は考えられなかった。地下資源は豊富にあり広大な農地やヨーロッパからの移民は勤勉で優秀な人が多かった。ところが最近ではそれらの条件は崩れつつある。豊富だった国内油田も涸れつつあり、移民も中南米からの移民でアメリカは急速に中南米化している。

イラク戦争を見れば分かるようにアメリカ軍部は戦争をしたくてしているのではなく、軍需産業を持つ国際金融資本が戦争を欲している。しかし冷戦が終了した以上は軍は大幅な軍縮が行なわれなければならなかったのに、世界最強の軍を維持する為には定期的な戦争を欲した。二度にわたる世界大戦はアメリカを世界最大最強の軍事国家にしたが、グローバル支配を目指す国際金融資本がそうさせているのだ。




国家財政の巨大な赤字を解決するため本来はインフレ政策を
とるしかないのだが、20年余りひたすらインフレ忌避で来た。


2007年5月24日 木曜日

日経の「円安分析」への違和感 5月23日 国際派時事コラム

きょう5月23日の『日本経済新聞』が1面左肩のコラムで円安について解説していた(滝田洋一編集委員)。

≪長い目でみれば海外との成長力格差という日本経済のもろさを映している可能性がある。≫
という、評論家の田中 宇を思わせる逃げ半分の口上(こうじょう)を、整理部が断言調の大見出しにしていた:

  ≪円、主要国通貨で最弱に
   成長力の格差が背景に≫

円高になっても円安になっても「タイヘンだ!」と言ってばかりのメディアには、毎度うんざりだが、

わたしに言わせれば、円はようやくにして過去の異常をゆるやかに調整する局面に入ったというべきだ。

もっとも分かりやすくいえば、
「日本いじめ」のプラザ合意より前の状態へのゆり戻し。
何が悪い。

人工的に円高にさせられ、国際比較で「日本の物価は高い」とうんざりするほど言われ続けて20年余り。
ようやく普通に近づいて、何が悪いのか。


円安は、インフレ政策を代替しているとも言える。

国家財政の巨大な赤字を解決するため本来はインフレ政策をとるしかないのだが、日本の政治はこの20年余りひたすらインフレ忌避で過ごしてきた(たぶんこれからも)。

とすれば、国家財政の赤字をドルベースで、ないしユーロベースで縮小させるには、円安に振るしかない。

円安になっても、国家財政赤字もGDPも共に縮まるから意味がないじゃないか、という論者は、日本が今や海外投資からの収益で生きる国になっていることを忘れている。

日本領内に目線を限ったGDP(国内総生産)ベースでものごとを考えるから間違いなのであって(さきの日経記者もその例に漏れない)、

海外投資収益も含めたGNP(国民総生産)ベースでものごとを考えればいい。

GNPのうちの海外投資収益はドルベースやユーロベース、元ベースだから、
円安になれば、
円ベースでの国家財政赤字は金額的に変わらないのに、
円ベースでのGNPは膨れ上がる。

とにかく、国家財政赤字をインフレによって乗り切ることで国民が負担を分かち合うという選択をしないのであれば、

ドルベース、ユーロベース、元ベースの収入を膨らませることで乗り切るという選択が浮上せざるをえないのだ。



それにしても、「ユーロ高はEU圏の経済成長の反映だ」といった論を散見するのだが、
ヨーロッパのいったいどこに成長のネタがあるのか、
実感としてさっぱり分からない。

ヨーロッパに、米国や日本を凌駕するいかなる技術革新が生じているというのだろう。

わたしには、ユーロ高・ドル安は、工業が空洞化しすぎた米国国内でふたたび工業が振興するべく、調整が行われているとしか思えない。

それが自然な(神の手による!)調整なのか、米国支配層の意図の反映なのかは、分からないけれど。


「ユーロ高」について。 5月24日 ニュースと感想

ユーロの相場が上昇しており、円安・ドル安に対して、一人勝ちの状況だ。これを見て、「欧州はすばらしいが、日本はダメ」と自嘲している経済解説記事がある。読売の経済部次長によるもの。(読売・朝刊・コラム 2007-05-20 )
 「羨ましい、羨ましい」と思うのは勝手だが、そこにはひどい誤認が二つある。それを指摘する。

 (1) 日本の円安
 日本が円安であるのは、なぜか? 日本が円高政策を取って失敗したからではない。逆に、円安政策を取ったからだ。「円安はすばらしい、どんどん円安にしよう」と。特に、マネタリストといわれる連中がそうだ。また、トヨタを初めとする、輸出企業に牛耳られた経団連もそうだ。

 では、その本質は? 「(国際的に見た)賃金低下」である。それによって、輸出企業の国際競争力は強まる。まさしく、狙い通り。その一方で、国民の(国際的に見た)賃金水準は低下する。

 要するに、ことの本質は、「労働者を虐待して、企業を優遇することで、企業の業績を改善すること」である。それを狙って、それを実現した。単に、そういうことをやっただけだ。

 比喩で言えば、右手の富を増やすために、左手の富を減らした。しかも、全体で見れば、富の総量は減っている。だとしても、右手(企業)の富だけは増えているから、右手はウハウハと大喜びだ。……右手だけのエゴイスティックな勝利。国を滅ぼして、右手だけが得をする。

 ここで、この経済次長は、右手または全体に着目して、「右手の富が減っている」または「全体の富が減っている」と嘆く。よそをみて、「あっちの家では、右手の富が増えているし、全体の富も増えている」と羨む。

 ことの本質を見誤っている。日本は右手の富を増やすこと(円高)に失敗したのではない。左手の富を増やすこと(円安)を狙ったから、まさしくそうなっただけのことだ。

 ある国に、狂人がいた。狂人は自分で自分の右手を切って、ケガをした。しかるに、他人を見て、羨んだ。

 「あいつは右手をケガしていない。なのに、おれは右手をケガをした。おればかりが割を食った。ああ、おれはなんて不運なのだろう。神様、どうかおれにも、少しは幸運を分けてください。それが平等というものです」

 自分が何をやっているか気が付かないで自殺行為をする狂人。それが日本だ。

 (2) 欧州のユーロ高

 欧州のユーロ高を見て羨むのは、逆の意味で馬鹿げている。たしかに経済は好調だが、日本と同様に、経済の絶対水準そのものは低い。成長率が2〜3%ぐらいになっているという意味では、日本よりは先の見通しは明るいが、現状を比較すれば、やはりひどい失業が蔓延している。

 本当をいえば、欧州のユーロ高は、経済学的に間違った政策である。もっとユーロ安になるような経済政策を取るべきだ。つまり、財政赤字を拡大して、物価上昇率を高め、通貨価値を下げる(ユーロ安にする)、という政策を。そうすれば、物価の上昇にともなって、経済規模は自然に拡大し、失業も収束する。それが、あるべき姿だ。

 現状は、武士の痩せ我慢に似ている。ひもじいくせに、見栄ばかり張って、失業という苦痛に耐えている。見栄をよくする代償として、実質を悪化させている。他人から「すばらしい」と称賛されても、実状はひどいものだ。

 つまり、日本から見れば、ユーロ高はすばらしいと見えるが、それは見かけだけであって、実状は見かけ倒しなのだ。見栄っ張りの空威張り。日本という阿呆をだまして威張れる効果はあるが、自分自身は苦しんでいる。

 まとめ。

 日本についても欧州についても、人々は経済認識を間違えている。通貨が高いかどうかということは、経済の指標にはならない。比喩的に言えば、他人に見える背広や自動車を立派にするかどうかということは、所得の指標とはならない。見かけの指標となるだけだ。

 真の経済指標は、GDPや失業率だ。どんなに通貨が高くても低くても、人々が失業や低賃金に悩んでいる状況では、それは悪しき状況なのである。
 なのに、「通貨が高い、通貨が低い」というふうに騒ぐのは、物事の本質を見失った態度だ。
 物事の本質を見るべし。見かけよりも、核心を見抜くべし。


 [ 付記 ]

 「通貨が高い、通貨が低い」ということは、経済指標ではなくて、経済的な対処の一つにすぎない。対処の有無は、病気の有無を意味しない。

 比喩的に言えば、「風邪薬を飲むか飲まないか」というようなものだ。で、「風邪薬を飲むのは、風邪を引いている証拠だ」と思ったあげく、「風邪薬を飲まなければ、病気だということにならない」と思う人もいる。だが、そう思って、「だから、風邪薬を飲まなければいい」と思うのは、馬鹿げた態度だ。

 風邪のときには、風邪薬を飲むか飲まないかで決めつけるべきではない。まずは、風邪であるかどうかを正しく認識するべきだ。つまり、真実を見抜くべきだ。


(私のコメント)
日本の秀才エリートの特徴としては記憶力と対応力には秀でているが、前例の無いような出来事に直面すると「固まってしまう」というか、創造力に欠けるために柔軟で変幻自在な対応が出来なくなってしまう。つまり教科書に載っていることに対しては適切に対応が出来るが、教科書に載ってないことに対しては秀才の誉れが邪魔をして適切な対応が出来ないのだ。

1971年のニクソンショック以前の固定相場制の時の常識が、変動相場制では常識ではなくなってしまう。為替相場は固定であるべきだと言う当時の大蔵官僚の常識がニクソンショックで引っ繰り返されてしまった。しかし大蔵省の柏木顧問は固定相場制にこだわり外為市場を開け続けた。

90年代の円高についても大蔵省は円相場は固定的であるべきだという常識にこだわって、円高になるたびに巨額のドル買い介入を続けて国際的為替投機筋を儲けさせた。韓国でもウォン高で為替介入をしていますが名高い「ワロス曲線」介入でまたしても為替投機筋を儲けさせている。


韓国に忍び寄る通貨危機 ワロス曲線 2006年1月26日 ピーノの独り言

このワロス曲線からこんな取り引きが行われていると予想できまつ。


安く買う    介入と  また買う
  ↓      一緒に  ↓
   \      売る  /\
     \ 介入 ↓/    \
      \ ↓  /        \
        \/           \


wonを買っているのは米ヘッジファンドで、介入をしているのは韓銀(韓国中央銀行)です。
つまり、米ヘッジファンド(通称:ハゲタカ、禿)vs韓銀の戦いでつ。

この図では$1=986.5wonの水準でwonを維持したいと防衛をしているのが韓銀です。
そうです、カンのいい人ならおわかりでしょう。こんなラインは本来有り得ないのです(爆w
985になるたびに介入することが分かっているなら、アフォォォな香具師でも安値で買い、高値で売ろうと思うでしょう。何度もいいますが、こんな読み易いラインは有り得ません(w
例を挙げましょう。

$1=986.5wonの時に、$1000をwonに両替したとしましょう。すると、986500won
$1=985wonの時に、その986500wonを売ります。すると、公式は
1:985=x:986500ですから、答えは$1001.52・・・、つまり、$1.52げっっっと!です。

これが数時間単位でしかも想像もつかない額で繰り返されてるわけです。
同じ金額で押し合っているように見えて、その実、金を吸い取られているという訳です。


(私のコメント)
90年代は日本政府日銀はこれと同じような事をして為替投機筋を大儲けさせた。日銀が確実に買い戻したり売り戻してくれるのだから投機筋は介入すればするほど儲けは大きくなる。アメリカ財務省もFRBも国債やドルを発行しても日本が買い支えてくれるのだからアメリカは笑いが止まらない。

このようなことが出来たのもドルを補完してくれるような通貨が円しかなかったわけですが、ユーロの登場で状況が少し変わってきた。ユーロはドルに代わるべき基軸通貨の座を狙っている。しかし円とドルとの攻防戦のような事は起こらずユーロ高を黙認している。そして世界の大金持ちは少しづつドルからユーロへ財産を移している。

日本はどうしてユーロと同じような対応が取れなかったのだろうか? 確かに円が高くなれば日本の輸出企業はピンチになる。さらにドルが暴落すればアメリカ市場に物が売れなくなる。だから日本政府日銀はドル買い介入でドルの暴落を防いだ。しかしこの事は必要な事だったのだろうか? 単に為替投機筋を儲けさせただけではないのか? 

2003年の35兆円介入以来、政府日銀の為替介入はピタリと止んでいますが円はドルに対してかえって安くなってきている。バカなマスコミはまたしても円安が心配だと大騒ぎしていますが、円高でも騒ぎ円安でも騒ぐ。財務官僚たちの固定相場にこだわった考えがマスコミの記者に反映しているのだ。

最近のユーロ高の動きは90年代のドルから円への流れがドルからユーロへ流れが変わったためで、「国際派時事コラム」で書かれている通りに85年のプラザ合意以来の円高圧力から解放されたのだ。これはドルと円との二極体制からドルと円とユーロの三極体制に変わった事で多極化して行く流れだろう。

アメリカはこの流れに対してドルの基軸通貨体制を守る為にイラク戦争に踏み切りましたが結果は裏目に出ている。アメリカは中東の石油を武力で抑えることでアメリカとドルの威信を保とうとしたが、イラク戦争の泥沼化で一極覇権主義の崩壊はかえって早まった。結果からいえばアメリカは罠に嵌められたのかもしれない。

71年のニクソンショックから通貨は金兌換紙幣から管理通貨体制に変わった。それからはアメリカは基軸通貨の特権を生かして紙幣を刷りまくって世界から物を買う体制に切り替えた。しかしその体制も終わりに近づきつつある。世界各国もドル一辺倒からバスケット方式に切り替えていく事だろう。

最近の円安傾向で日銀もゼロ金利を解除して金利を引き上げる計画なのでしょうが、インフレ政策の効果が現れてから金利を上げていくべきだ。逆では景気回復の足を引っ張る事になる。円安になることでこれから起きるのは企業業績の回復と株高と土地高が連動して起きて資産インフレが起きる。円安で企業業績が良くなれば人手不足で人件費も上がり消費にも好影響が出てくる。

90年代はアメリカからの円高圧力と中国からの低賃金によるデフレ圧力の挟み撃ちで日本経済は戦後最大の危機を迎えた。EUも90年代の日本のようなユーロ高と中国の低賃金デフレ圧力に直面していますが、日本の失敗例があるから金利をむやみに下げる事はしていない。しかしバブルが崩壊したら下げざるを得ないだろう。だからバブルは崩壊させてはいけなかったのだ。




日本軍慰安婦決議案の米下院外交委員会における今度上程の
通過が下院外交委院長が理由を明らかにせぬまま不可能となった


2007年5月23日 水曜日

米下院での慰安婦決議案、オジャンに・・・ 5月22日 MBN(ハングル)

日本軍慰安婦決議案の米下院外交委員会における今度上程の通過が不可能となった。

米下院外交委員会は来る23日に処理する法案決議案リストで、慰安婦決議案の代わりに 大テロ戦争に参加した韓国に感謝を表する”'韓国決議案”を上程することとなった。

慰安婦決議案を支持し、署名した米下院議員は130人にのぼるがトムレントス下院外交 委院長が理由を明らかにせぬまま決議案は上程せず処理は不可能となった。

ソース:MBN(ハングル)
http://mbn.mk.co.kr/news/newsRead.php?vodCode=213901&category=mbn00008


慰安婦決議案が座礁の危機  5月19日 米州韓国日報(韓国語)

慰安婦決議案が120人が超える議員たちの支持(co-sponsor)を受けているにもかかわらず、外交分科委員会を通過できないでいる。現在、外交分科委員会の審議対象から脱落したことが分かっており、これはすなわち今度の会期にも決議案が上程できないことを意味する。

HR121連合のアナベル・パクさんは、「何人かの人は、今度の会期を逃しても次の機会があると言うが、日本政府は専門ロビーイング業者を雇って議員らを説得しており、時間が経つほど決議案通過は大変になる」として、「選挙区の住民が議員らにファックスや電話などで圧力を行使すれば、決議案が外交分科委員会の審議対象に再び上がることができるだろう」と語った。

23日(水)に開かれる外交分科委員会の審議を通過するためには、外交分科委員会の議長であるトム・ラントス(Tom Lantos)議員の決断が必須であり、ナンシー・ペロシ下院議長も決議案上程に大きい影響力を持っている。ラントス議員、ペロシ議員の選挙区民らの積極的参加が必要なのは、このためだ。

そこで、日本軍慰安婦問題解決のためのベイ地域連帯は5月18日、トム・ラントス議員とナンシー・ペロシ議員の選挙区の個人・団体・事業所などを対象とするファックス送信キャンペーンを実施して、慰安婦決議案が再び審議対象に含まれるよう圧力を行使する計画だ。デイリー シティ、コルマ、ミルブレー、サンブルノ、サンマテオ、サウスサンフランシスコなどがトム・ラントス議員の選挙区であり、レッドウッドシティーの一部とサンフランシスコ南西部も含まれる。ナンシー・ペロシ議員の選挙区はサンフランシスコだ。

ラントス議員やペロシ議員の選挙区に住んでいるか、その地域で団体・事業所を運営している人の中で、このキャンペーンに参加したい人は、下記のファックス番号と電話番号を利用すればよい。

Tom Lantos  … ファックス:202-226-4183、電話:202-225-3531
Nancy Pelosi … ファックス:202-225-8259、電話:202-225-4965

電話よりもファックスが効果的だという。ファックスで手紙を送る際に参考にできるサンプルは、www.support121.org から入手できる。また、5月19日(土)の署名運動に参加するボランティアも募集中だ。参加する人はベイ地域連帯のヘレン・パクさんに連絡すればよい。

▽ソース:米州韓国日報(韓国語)(2007-05-17)
http://www.koreatimes.com/article/articleview.asp?id=383208


  ∧_∧     ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄
 ( TДT)    (´∀` )く泣くなよ,
 (    ) ◇⊂(    ) |ハンカチ貸してやっから。
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反日左翼     愛国保守

  ふきふき
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 ( T∩∩)    (´∀` )
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  |へへへへへ  | | |
  (__) _)     (_ (__)
反日左翼      愛国保守

  チ〜〜ン
  ∧_∧     ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄
 ( >m<)   (´∀` )く ハナをかむな!
 ( /|\)   (    ) \____
  |へへへへ   | | |
  (__) _)     (_ (__)
反日左翼     愛国保守

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  ( .。.)    (´∀` )く 見るな!
 (J〜へし)    (    ) \____
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  (____;) _)    (_ (__)
    ;
反日左翼     愛国保守

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 ( ´∀`)    (´∀`;)く 見せるな!
 (   つ〜つ  (    ) \____
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       ;
反日左翼      愛国保守

  ∧_∧     ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄
 ( ´∀`)    (´∀`;)く いらねぇ〜
 (    )つハ (    ) \____
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反日左翼     愛国保守

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 ( ^Ж^)    (´∀` )く 食うな!
 ( つ⌒く)   (    ) \____
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  (__) _)   (_ (__)
反日左翼    愛国保守

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 ( ´六`)    (´∀`;)く 戻すな!
 (  \>⊂  (    ) \____
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反日左翼     愛国保守

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 ( ´∀`)    (´∀`;)く いらねぇってば!
 (    )つハ (    ) \____
  | | | 《 》 | | |
  (__) _) V  (_ (__)
        ;  
反日左翼     愛国保守


(私のコメント)
米国下院の対日非難決議が見送りになりそうな気配です。韓国の記事なので半信半疑なのですが、日本のメディアはまだ報じてはいない。私としては下院で対日非難決議が採択されたならば、「だからアメリカは信用できない」と反米記事を書きなぐるつもりだったのですが、アメリカ下院議員も現実的だから日本をとるか、韓国をとるかと二者択一なら韓国を切り捨てざるを得ないでしょう。

訳が分からないのは韓国のノムヒョン大統領であり、韓国という国はアメリカと日本の支援がなければ成り立たない国だ。にもかかわらずノムヒョン大統領は反米反日気運を煽って外交関係を悪化させている。にもかかわらずイラクにはアメリカに協力して3000名もの韓国軍を派遣したりして支離滅裂だ。

韓国は地政学的に見ても単独では中国の衛星国家にならざるを得ない。「朝鮮」という国名自身が中国に付けてもらった国名であり、933年から1000年以上に及ぶ柵封体制は、今で言えば一国二制度的なものであり、明から清へと中国の王朝は変われど朝鮮は中国の柵封体制から抜け出る事はできなかった。それは現代でも変わることはない。

日本もアメリカの柵封体制下にあると言えるのですが、アメリカとの戦争に敗れた以上は仕方がない。しかし地政学的に見ればアメリカの国力が衰えれば日本を支配し続ける事は不可能だ。すでにその兆候は現れておりイラクで米軍は消耗戦に巻き込まれており、現在のアメリカの国力では現在の作戦を続けることは不可能だ。

日本の戦略としてはアメリカに協力をするふりをしつつ、アメリカの自滅を見守る事しかない。アメリカはソ連と兄弟国でありソ連が滅んだと言う事はアメリカの滅亡も避けることは出来ない。アメリカはソ連と言う悪の帝国があってこそ存在価値のある国であり。ソ連の崩壊はアメリカの存在価値を無くしアメリカも自滅せざるを得ない。日本はそれを待って柵封体制から抜ければいい。

もしアメリカで従軍慰安婦で対日非難決議が可決されたと言うのならば同盟国の日本を非難したと言う事であり、戦前の排日移民法と同じ結果をもたらすだろう。この法律成立によって日本国民のアメリカに対する対米感情は悪化した。

韓国における反米感情は複雑なものがあり精神分裂症的だ。2012年には軍の指揮権が連合軍から韓国に移譲されますが、これはアメリカ軍が韓国から撤退する事を意味する。アメリカ軍が韓国から撤退すれば遅かれ早かれ代わりに中国軍が入って来るだろう。日本としてはそれを見守るしかない。日韓併合と言うような歴史的失敗を二度としてはならない。

従軍慰安婦決議は中国が日米間に楔を打ち込む狙いがあるのですが、中国はソ連のように真正面から対決する事はなく地域覇権国家を目指している。日本も中国の勢力下に置こうと言う事ですが、そうしなければ中国は太平洋への出口を塞がれたままになる。その状況を一番理解しているのがアメリカ海軍であり、今回の対日非難決議がお蔵入りになったのは軍の反対があるからだろう。




米インテルや米デルに追いつくとも見られた中国の大手ハイテク企
業群。だが、半導体からパソコン、液晶関連までいずれも失速した


2007年5月22日 火曜日

失速する中国ハイテク企業 5月22日 ビジネスウィーク

米インテルや米デルに追いつくとも見られた中国の大手ハイテク企業群。
だが、半導体からパソコン、液晶関連までいずれも失速している。
自国の威信にこだわる中国政府の様々な後押しも裏目に出る始末だ。

 ここ数年、中国のハイテク企業が世界市場に躍り出る様子を、世界は驚嘆と不安を抱きながら見つめてきた。

 投資家は、半導体から携帯電話まであらゆるものを作る中国企業が次の米インテル、米デルになると考え、大儲けを狙って殺到した。一方、迎え撃つ側は、中国企業がかつての日本企業や韓国企業のように世界でのし上がっていく事態を恐れていた。

 だが現状から判断すると、どちらの読みも間違っていたようである。

 世界の大企業と肩を並べようとしてきた中国ハイテク企業は、難局を迎えている。携帯電話端末大手のTCL集団や寧波波導(バード)はフィンランドのノキアや米モトローラなどの世界大手に押されて中国市場でシェアを落としており、通信機器の華為技術や中興通訊(ZTE)は利益率が悪化している。

 パソコンやテレビに使用される液晶パネルの中国最大手BOEテクノロジー・グループは、業績てこ入れのために非中核部門を売却し、政府に救済措置を求めている。

 半導体大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)や上海宏力半導体製造(GSMC)はかつて世界首位の座を台湾企業から奪うという野望を抱いたほどだが、今は苦戦している。SMICの香港代表アン・チェン氏曰く、「目下最大の課題はいかに黒字に転じるかだ」。

パソコン大手のレノボ・グループですら、海外市場で苦戦を強いられている。米IBMのパソコン事業を買収した2005年には、同社がデルや米ヒューレット・パッカード(HP)に対抗できるような大手企業に成長すると予想されていた。それが今、中国市場では首位を維持しているものの、海外市場ではライバルに後れを取っている。

 米ガートナーグループの調査によると、レノボは今年1〜3月期に世界シェアを伸ばしたが、ライバルの台湾大手、宏碁(エイサー)がレノボを抜き世界第3位に躍り出るのを防ぐ勢いはなかった。4月19日には全従業員数の約5%に当たる1400人の解雇を発表。削減対象の大半が欧州や米国の拠点で、不足する労働力はコストの低い中国の労働者で補う計画だ。レノボ米国法人のローリー・リード社長は、「やることはもっとある。海外市場のライバルは強力だ」と語っている。

 中国ハイテク大手を悩ませる沈滞感の一因は、コモディティー化した業界につきものの「市場の力」にある。中国の液晶パネル各社が事業進出したのは同事業の収益率が最も高かった2004年以降で、それ以来、利益を上げた企業はほとんどない。

 SMICの苦境には半導体産業の低迷も大きく影響している。同社は1〜3月期決算で900万ドルの黒字を発表したが、一時所得がなければ4000万ドルの赤字だった(豪投資銀行マッコーリー・リサーチ・エクイティーズ調べ)。

一方、レノボは中国市場の価格競争で収益率が圧迫され、海外では物流上のトラブルが足を引っ張った。欧州でラップトップ型パソコンの人気が高まっているのに、レノボは店頭に十分な数の製品を届けられないのである。

 しかし、中国ハイテク企業の苦悩はすべて、タイミングの悪さや経営判断の誤りの結果というわけではない。彼らにとって大きな利点となるはずの政府による支援が、実は不利に働く場合が多い。優遇融資や減税、馴れ合い的な不動産取引などの見返りに、共産党指導部は重要な経営意思決定の場面に影響力を行使することがよくあるのだ。

 例えばSMIC。同社は近く中国国内の5都市の新工場で操業を開始する。一方、台湾のライバル、UMC(聯華電子)やTSMC(台湾積体電路製造)は台湾内の工場の大半を行き来にクルマで数時間しかかからない2カ所のサイエンスパークに構えている。各工場の管理が容易になるためだ。

 では、なぜSMICの工場はこのように分散してしまったのだろう。

大和総研香港支局のアナリスト、プラナブ・クマール・サマール氏は、「あらゆる地方政府がハイテク産業に参入したがっているからだ」と解説する。政治的には良いかもしれないが、ビジネスとしては賢明とは言えない。

 また、中国企業の多くは国産技術の開発促進という政府の方針のつけを払わされている。例えば国営の大唐電信科技産業集団は第3世代(3G)携帯電話向け技術で、既に使用されている世界基準のどれかを採用すれば簡単に済むところを、自前での技術開発にこだわったために、10年の歳月と何億ドルものカネを無駄にした。

 華為技術や中興通訊その他の携帯端末メーカー数十社も、同じ理由でつまずいた。中国企業には「ゼロから始められる(3G)市場などなかった」のだと、北京のマーブリッジ・コンサルティングのマーク・ナトキン氏は言う。

 一方、中国に進出している外国企業は足踏みしていない。台湾や韓国、日本の液晶パネルメーカーは自国や中国の工場の生産性向上に何十億ドルもつぎ込んでいる。中国企業には技術もないし、外資のような超高額工場を建設する資金もない。市場調査会社iサプリで中国を担当するバイロン・ウー氏は、「中国企業が追いつくのは非常に難しい」と見る。

 だが、中国ハイテク企業を現時点で切り捨てるのは時期尚早だ。好調を維持している分野もある。インターネット部門だ。検索サイトの百度(バイドゥ・ドット・コム)は独走を続け、米グーグルや米ヤフーとの差を広げている。騰訊控股(テンセントホールディングス)はインスタントメッセージで首位を守り、ポータル(玄関)サイトの網易(ネットイーズ・ドット・コム)はオンラインゲームを牛耳っている。

 これらの企業に共通しているのは政府の支援を一切受けていない点。そしてレノボやSMICと対照的に、主に中国市場に集中していることだ。

 政府の支援を受けている大手企業も可能性は残している。韓国企業や日本企業が世界に幅を利かせるようになるまでに何十年もかかった。しかも中国企業には将来の海外市場進出のために、技術を磨き続けるチャンスを与えてくれる広大な地盤がある。

 しかし、その結果が表れるのは、政府が当初期待したより遅いかもしれない。「中国のハイテク企業を巡って、興奮が非常に高まっていた」。ドイツ銀行台北支店のアナリスト、フランク・リー氏はこう言う。だが、政府指導部は「どれくらいかかるかを甘く見ていた」。



(私のコメント)
現在米中対話が行なわれていますが、中国経済は壁に突き当たっているように見える。輸出は相変わらず好調で外貨準備高は日本を追い越すほどになり、対米貿易黒字の風圧は中国が一手に引き受けてくれるようになった。

しかし中国経済は日米欧の企業の下請け的な産業体質であり、中国独自ブランドが育っておらず、あったとしても輸出競争力は低価格でコピー商品的なものが出回っている程度だ。日本においても家電量販店には中国の家電製品はあまり見かけず、あったとしても確かに安いが品質面で競争力が無く買う気になれないものばかりだ。

衣料や雑貨のようなものは安くて低品質でもそれなりの需要がありますが、自動車や家電製品となると安くても故障ばかりしたのでは買う人はいなくなる。最近のハイテク商品はデジタル制御で最新式の制作設備を整えて生産すれば最高品質の製品が出来るように思われていますが、液晶パネル一つとっても生産のノウハウの蓄積がないとコスト高になってしまう。


韓国製液晶テレビ終了のお知らせ 2006/07/13 楽韓WEB

2006年の7月13日にnnaに、以下のような記事が掲載されました。
 液晶ディスプレイの売れ行きに陰りが出てきて、韓国のLGフィリップスの営業利益が450億円ほどの赤字(四半期だけで!)になっているということです。で、その対策として旧来の生産効率の高い第5.5世代ラインへの投資をするとの記事でした。
(nnaのニュースは翌日には消えてしまうので、おそらく長めに掲載されるであろうYahoo!ニュース版にリンクしておきます)

 ちょっとした解説が必要でしょう。
 基本的に液晶ディスプレイの製造というものは、世代があとになればなるほどコスト的に有利とされています。
 第5世代よりは第6世代、第6世代よりは第7世代がコスト的に有利です。
 たとえばデジカメ用などの低温ポリシリコンTFTのように特殊な液晶ディスプレイを製造する場合はまた別ですが、基本的に同じ液晶テレビを製造するのであれば原則として世代があとのほうが有利になります。それも圧倒的に。
 理由は一挙に大きなパネルを取ることができるから。パネルの大きさに関しては、こちらの画像を参照。
 ここでいう第5.5世代というのは1300mmx1500mm前後のパネルを指しています。

 さて、LGフィリップスの導入している製造機器は第7世代。本来であれば、シャープの亀山で現在使われている第6世代よりもはるかにコスト的には有利なはずです。
 しかし、ここにきてLGフィリップスでは5.5世代への回帰を宣言しています。最新の第7世代と比較すると面積比ではなんと半分以下。コストを考えるとかなり不利なはずであるにも関わらず、『生産効率の高い5.5世代』とされています。

 なぜ、5.5世代に戻る必要があるのか?
 なぜ、5.5世代が(LGフィリップスにとって)生産効率が高いのか?

 その理由を知るには、これまでのLGフィリップスやサムスンがどのように製造機器を導入してきたかを知る必要があります。
 これまで先端の製造機器を真っ先に導入してきた企業はどこか。シャープです。
 シャープは常に最先端の液晶パネル製造機器を導入し、液晶ディスプレイの大型化に努めてきました。
 液晶ディスプレイ製造においてもうひとつ大きなコスト要因があります。それは歩留まり。要するに良品率ですね。
 この歩留まりを上げるのは製造機器をどのように使用するかだけではなく、どのように設置するか、どのような順序で機械を動かすかなどのノウハウを積み上げていく以外にありません。
 で、シャープは必死になってこのノウハウを積み上げて歩留まりを上げていくのですが、製造機器の会社を通じてノウハウがだだ漏れになっていました。メンテの担当は多くの場合で製造会社の担当ですので。
 でもって、歩留まりが上がった頃を見計らってLGフィリップスやサムスンが同世代の製造機器を導入します。すると最初から安定した歩留まりで製造できるためにコストが削減できるわけですね。
 このような構造でシャープは常にサムスン、LGフィリップスからキャッチアップされてきました。

亀山工場の出現ですべては変わった!

それを覆したのが亀山工場。
 亀山工場ではシャープ自身でできるかぎりのメンテナンスを行い、製造機器会社からノウハウが漏れることを防止しています。
 この対策は工場自体の基礎を打つ時点から行われており、役員といえども亀山工場の中枢には入れないようになっています。
 入るのは材料だけ、出て行くのは液晶テレビだけ。一貫生産が行われているために、機密保持が行われているわけです。参考記事
 しっかりと機密保持が行われるようになったのは亀山工場から。つまり、第6世代以降からの話です。

 さて、そこでLGフィリップスがどこに戻っていったかみてみましょう。そう、第5.5世代。
 これはもはやサムスンもLGフィリップスも新世代の液晶工場では歩留まり率を上げることができないというギブアップ宣言なのです。

 その最大の証拠が、液晶テレビの大型化競争。
 シャープ亀山工場の第6世代とサムスン・LGフィリップスの第7世代。より大きな画面の液晶テレビを作るのに有利なのは第7世代のはずです。
 しかし、2006年7月現在で世界最大の液晶テレビはシャープ製の65型
 第6世代のパネルからは、65型は2枚しかとることができません。つまり、まったく傷のないパネルを一定の割合で製造することができなければ、65型の液晶テレビを作ることは不可能です。
 シャープの亀山工場での歩留まりはそれを達成しているといえるわけですね。
 一方、サムスンは2005年の3月に82型の液晶テレビをアナウンスしただけで、実際には商品化できていません(そもそもこの記事で出てるのってホワイトボードに写真を貼っただけのものだし……)。
 こちらも第7世代のパネルから2枚しかとることができません。歩留まりが上がらなければ商品化は無理ですね。
 それどころか、LTP578Wという型番まで振っている57型ですら製造できていないという体たらく。サムスンは57型のアナウンスを2003年の年末にしているのですが、2年半も経っているのにいまだに商品化できていません。
(追記:2006年8月時点でようやく商品化できたそうです)

 LGフィリップスも同様で、55型の液晶テレビを北米で販売しているのですが、なんとシャープの65型よりも販売価格が高かったりします。2006年の3月に100型の液晶テレビを発表しましたが、もちろん市販はまだ。
 こういった大画面液晶テレビを展示会で発表することはできても、実際には製造できない理由はたったひとつ。歩留まりが上がらず、全面に渡って問題のない大型のパネルを一定数取ることができないからです。

 ちなみに同様の機密保持はパナソニックのプラズマディスプレイ工場でも行われています。その結果は100型超のプラズマディスプレイを市販できているか否かに出ています。
 サムスン電子は2004年の年末に、LG電子は2006年の3月にそれぞれ102型のプラズマテレビを展示しています。展示だけね。
 パナソニックは2006年3月に103型のプラズマテレビの展示を行い、さらに7月には市販化(受注生産)を発表しました。
 量産技術にここまで差がついてしまったというわけですね。
 日本企業再生の秘訣は機密漏洩防止にあり!


(私のコメント)
一例として液晶パネルを取り上げましたが、中国にしても韓国にしても日米欧の企業からの技術移転がないと技術開発がストップしてしまう現状があります。だから中国や韓国はさまざまな方法で技術を盗み出そうとしている。当初は好意的に技術を供与していた日米欧の企業は技術流出を警戒するようになった。その結果がビジネスウィークのような記事に現れている。




家計および企業の金融資産の合計だけで、一年間で百七十兆円
の増加、日本とは本当は、こんなにすごい国なのである。


2007年5月21日 月曜日

『そして、日は昇った!―日本が世界の「富」を牽引する』 増田俊男(著)

日本国民は国の債権者であって、決して債務者ではない!

それに輪をかけたように、メディアも連日、大いに無知ぶりを発揮している。先日も、某テレビの経済ニュース番組に、かなり名の通ったエコノミストが登場し、「来年の株式市場のテーマはM&A。三角合併が解禁になってM&Aの嵐が起きるので、来年の株価は大変ですよ、皆さんよかったですね」と得意になって話していたばかりである。

また驚くことに、二〇〇六年六月二十四日付けの読売新聞ホームページには、「赤ちゃんも借金648万円、国の借金827兆円に」という見出しが躍った。まったく、日本のメディアは気が確かなのだろうか、と目を疑うばかりである。

実際、同記事における「国の借金」の認識はまったく間違っている(というより正反対である)。同記事は、国債や借入金などを合計した国の借金が、二〇〇六年三月末現在で八百二十七兆四千八百五億円まで膨らんでいることを記したあと、「赤ちゃんまで含めた国民一人当たりの借金は一年前より約三六万円増えて約六四八万円に膨らんだ計算だLと報じている。

この記事は、いま日本で子供が一人生まれたら、その子は誕生の瞬間から六百四十八万円の借金を負うことになるとして、国民に大きなショックを与えるような書き方をしている。だが、「八百二十七兆円の借金」を、赤ちゃんまで含めた国民一人ひとりが負っているとするのは誤りである。「国の借金」の債権者、すなわち貸し手はあくまで国民であって外国からではない。

ではその債権者は誰かといえば、郵便貯金や簡易保険、日本銀行などの公的金融機関がその半分、銀行などの民問金融機関が約三割、個人が約三%、海外投資家が約四%(二〇〇四年末)である。つまり「国の借金」の貸し手は、そのほとんどが国内である。

さすがに個人保有の国債の割合は少ないにしても、郵貯や簡保はもちろんのこと、民間金融機関の預金原資は国民である。だから、各新聞は「赤ちゃんまで含めた国民一人ひとりが六百四十八万円の借金を負っている」ではなく、「赤ちゃんまで含めた国民一人ひとりは、国に六百四十八万円を貸している」と書くべきだ。

国民は紛れもなく「国の借金」の債権者であり、「赤ちゃんまで含めた国民一人ひとり」は国からの借金の返済をしてもらったり、国から利払いを受ける立場であって、「国の借金」を返済する立場には一切ないのである。

「赤ちゃんがオギャーと生まれた瞬間から、その子は国に対して六百四十八万円の債権者になれる」と、新聞やテレビが一大キャンペーンでも打ち出したら、女性たちはもっと子供を産みたくなり、少子化問題も解決するかもしれない。まさに「少子化社会、何するものぞ」である。ところが、メディアが「赤ちゃんも借金648万円」などのまったくデタラメな間違った報道ばかりするから、女性たちは精神的にも、何だか子供を産みたくないような気持ちになってしまうのだ。

にもかかわらず、早速こうした新聞記事を取り上げて、さも鬼の首でも取ったように「こんな国にしたのは誰だ」と声を上げ、政府の責任を追及した気になっている野党も野党なら、下手な言い訳をする与党も与党だ。「無知国家日本」丸出しである。

なぜ投資を「赤字」といい張るのか

このように、いま国の財政問題に関しては、まず八百兆円を超えるといわれる「国の借金Lと、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)の黒字化が二〇一〇年代初頭に達成できるか、というのがもっぱらの話題だ。

プライマリーバランスとはご存じの通り、国債発行額と税収その他の国の歳入とのバランスのこと。いま政府が進めている国債発行の抑制や歳出削減は現在のマイナスをゼロにしようとしているためである。

話は前後するが、小泉前首相は、国債新規発行額を毎年三十兆円以内に制限すると就任早々公約したが、最後の一度を除いては、守られたことはない。二〇〇六年度一般会計予算案では、七十九兆六千八百六十億円の歳出に対し、新規国債発行予定額(当初予算)は二十九兆九千七百三十億円(二〇〇六年三月、財務省理財局)である。しかし安倍内閣になってからは七兆円を超える歳入増で、新規国債発行は二十五兆円前後にできた。

国債の額について論じる場合は、「国の借金」とは何かをよく理解しておく必要がある。国債には、建設国債と赤字国債(特例国債)の二つがある。ちなみに二〇〇六年度の国債発行計画によれば、同年度の新規国債発行予定額二十九兆九千七百三十億円のうち、建設国債が五兆四千八百四十億円、赤字国債が二十四兆四千八百九十億円となっている。

財務省の解説によれば、このうち建設国債は、「国の資産を形成するものとして、公共事業費、出資金及び貸付金の財源に充てるために発行される国債」である。「建設」と称してはいるが、建設国債は何も橋や道路をつくるための公共事業にだけに使われるのではない。

これはいわば、IT産業から福祉までを含め、社会にとって必要なハード面、ソフト面のインフラ構築のための「投資」と考えられるものである。してみると、一般会社でいうなら、事業として、あるいは事業をやっていくうえで必要なものに対する投資に当たるものはすべて「建設国債」といえることになる。

一方、赤字国債とは、税収及び税外収入と必要な建設国債との差がマイナスになる場合、つまり借金のための借金のようなものである。国債の利払いのための国債などはその典型である。

二〇〇六年度一般会計予算案でいえば、七十九兆六千八百六十億円の歳出に対して不足する分の二十九兆九千七百三十億円のうち、「建設国債を発行してもなお不足する」二十四兆四千八百九十億円を賄うのが赤字国債である。理屈からいえば、借金のための借金が赤字国債だから、一般企業でいえば、手形を落とすために振り出す「融通手形」のようなものである。

じつは、ここが大事なポイントである。本来の意味からいえば、国債が満期を迎えても、その支払いが歳入で支払えない、という理由で発行されるのが赤字国債、ということになる。だが事業資金のための手形は、商取引の裏づけもなく発行される融通手形とはわけが違う。それは実際に事業がうまくいって利潤が生み出されれば、返ってくる資金であるあるいは返ってこなくても、資産の形として残る。

こうした公共事業「投資」やいろいろな資産に投資される国債と、赤字国債を混同してはならない。実際、建設国債と赤字国債の仕組みをよく理解せずに国債発行額ばかりを問題にして、「国債発行額を○○年までに○○兆円以内に収めないと、危機的な状況に陥る」と主張してはばからない大学の先生もいる。まったくもって、無知もはなはだしい。日本の経済の教育程度がいかに低いかを表している。

日本は「財務優等生」であり公共事業こそどんどんやるべきだ

ところで、きちんと調べていくと「日本株式会社」は、格付け機関でAが「5つ」並ぶくらいの超優良企業であることがはっきりする。

第一に、「日本林式会社」が稼いでいる売上げ、つまり名目GDP五百二兆二千八百五十億円(二〇〇五年、暦年)に対し、経常利益に当たる経常収支が十八兆二千五百九十一億円(二〇〇五年、暦年)。一方、二〇〇五年末現在における「日本株式会社」の負債総額に当たる「国の借金」は八百二十七兆円である。

ところが、この「国の借金」(=政府のグロスの債務残高)のなかには、本来なら借金には組み入れられるはずのない、いわば債務引当金にあたる政府保有の金融資産約五百兆円までが含まれている。したがって「国の借金」から、その五百兆円を引いた純債務残高は三百兆円台となり、他の先進国とほとんど遜色のないレベルになる。

にもかかわらず、日本の純債務残高の対GDP比率は八○・九%(二〇〇五年)でしかないのに、グロスの債務残高の対GDP比率が一五八・九%(二〇〇五年)もあると大騒ぎをして、「日本の財政状態は先進国で最悪」などという語がまかり通っているわけである(次頁図参照)。

それ以上にいえることは、「日本株式会社」が年間五百兆円ものGDPと十八兆円の経常黒字を稼ぎ出していながら、借金が実質三百兆円台にとどまっていること自体が驚きである。逆に、これだけの規模と資産内容を持ち、高い経営効率を発揮していながら「日本株式会社」はなぜ、さらなる成.長の、可能性のためにもっと借金をして事業に投資をしないのか。

そうすれば日本の資産はこれまでのぺースをはるかに超えるピッチで増え、経済規模も一層膨らみ、結果的に歳入も現在より増えていくだろう、という結論がすぐに出てくるはずだ。「日本株式会社」の経営陣がこんな簡単なことに無知であるがために、国の方針を誤っているのだから、まったくお粗末としかいいようがない。

ちなみに、二〇〇五年におけるアメリカのグロスの債務残高の対GDP比率は六三・八%で、純債務残高の対GDP比率は四五・七%と、この数値だけをみれば、アメリカの財政状態は非常に「健全」であるかにみえる。だがそこには、アメリカのGDPはおよそ十二兆ドル(一ドル=百十七・七五円として一千四百十兆円)の規模を誇っていながら、たとえば二〇〇五年には経常収支の赤字が七千五百五十億ドル(一ドル=百十七・七五円として八十八兆九千十二億円)に達しているという事実が見落とされている。

会社にたとえれば日本は恒常的超黒字会社、アメリカは超赤字会社で黒字になる可能性のない会社。黒字会社の借金(債務)の年商(GDP)比を、赤字会社の借金の年商比と比較して何を知ろうとするのか。男性は男性同士、女性は女性同士で比較しないと意味がない。

それに「国の借金」の絶対額が莫大であっても、GDPの規模が巨大であれば、GDPと比較した「国の借金」の比率が相対的に低下するのは当たり前の話だ。つまり、GDPと「国の借金」を比較するということ自体あまり意味のないことがわかるはずだ。

また、一般会社でいえばGDPとは売上高のことである。売上高をみただけでは、その会社の経営がいいか悪いかわからないではないか。しかも、本来は会社の借金は売上げではなく利益で払うものである。利益が出なければいつか会社は倒産する。会社が利益を上げればこそ、借金の返済や利払いが可能になるのである。

したがって国の場合も同じように、GDPに対してどれだけの経常利益があるかが重要であり、これを基準に財政の健全度を判断するのが常道である。さらにいうなら、「国の借金」の絶対額にばかり注目し、その担保能力について触れようとしない点も異常である。

そもそも借金をしていいかどうか、借金ができるのかどうか、借り手が担保、つまり手持ちの資産をいくら持っているかが最も重要であるはずだ。そこで、二〇〇六年九月十五日に発表された日本銀行「資金循環(年度計数・ストック)」で、日本の家計金融資産残高と金融業を除く企業の金融資産残高をみてみることにする(左図参照)。

同データによれば、二〇〇五年度の日本の家計金融資産残高は約一千五百二兆一千億円に達している。家計の金融資産が一千五百兆円を超えたのは初めてで、じつに前年度に比べて七十八兆円一五・四六%増一の増加を記録している。

一方、二〇〇五年度の金融業を除く企業の金融資産残高は約八百四十二兆二千億円。前年度の数値が七百五十兆円だったから、日本企業の金融資産残高は一年間でじつに一二・二九%増、金額にして九十二兆円以上も増加していることになる。家計および企業の金融資産の合計だけで、一年間で百七十兆円の増加ー、日本とは本当は、こんなにすごい国なのである。

しかも家計の金融資産と企業の金融資産は、ともに二〇〇二年度から右肩上がりに伸び続けている。仮に、年々資産が減少しているならば、借金を減らしていかなければならないのは当然だ。だが毎年資産が増え続け、担保能力が向上しているのであれば、借入額を増やすことはあっても、それを減らすべき理由はとくに見当たらない。

ついでながら、一般政府(国・地方および社会保障基金等、政府あるいは政府の代行的性格の強いものの総体。独立の運営主体となっている公的企業を除く)の資産はどうなっているかといえば、二〇〇一〜二〇〇五年度に限っても、年々三〜八%台のぺースで増加しており、約五百十七兆五千億円(二〇〇五年度)に達している。

これだけのぺースで民間資産と公的資産が増えているにもかかわらず、国は公共投資などのあらゆる歳出を抑制し続けてきた、したがって、その間国の資産の増加にともない担保が異常に膨らんだわけだから、一般企業でいえば「信用枠」が異常なほど増え続けていたことになる。

それなのに、政府は今後より一層歳出を削ろうとしているのだから、「経営能力なし」と断定せざるを得ない。つまり「日本株式会社」の経営者は落第生である。民間・公的分野の優良な資産内容と増加。そして着実に利益を生み出す日本経済の力強さというべーシックをもとに、さらなる成長のための経済戦略・政策をきちんと立てていけば、日本はもっと優秀な国になることに、彼らはまったく気づいていないか、あるいはある意図が隠されているのかもしれない。

それが意図的かそうでないかは別にしても、政府は目先の赤字のみに注目し、このままでは借金でクビが回らなくなる、と国民を不安に陥れていることは許しがたい。早い話が、日本は世界で一番豊かで幸せで、いま取り立てて何もする必要がないはずなのに、「日本は世界で一番借金を背負っていて、いつ倒産するかわからない」といった「トンデモ話」を、政府マスコミ共々喧伝するとはとんでもないことである。

またこうした馬鹿げた本が書店に並ぶ。そして政府はナントカ諮問会議をつくり、官民共同で「借金を減らすにはどうしたらいいか」と知恵を絞っている。この馬鹿馬鹿しさは、むしろ「共同謀議」に近いものとしか考えられない。(P67〜P79)


(私のコメント)
土曜日にNHKの特別番組で「地方の衰退」について討論されていましたが、例によって例のごとくの硬直した意見ばかりで直ぐに見るのを止めましたが、小泉財政改革と称する緊縮財政のあやまりをどうして指摘しないのだろうか? 公共事業は無駄遣いの代名詞にもなりましたが、視点を変えれば、やらなければならない公共事業は山ほどある。

集中豪雨があるたびに河が決壊して大洪水を起こしますが、河川の堤防などの補強工事はなぜ行なわれないのでしょうか? 山林などは荒れ放題で放置されていますが整備事業はなぜ行なわれないのでしょうか? 大地震が起きるたびに老朽化した家屋が倒壊して犠牲者が出ますが、国や地方が率先して老朽化した住宅の建替え事業はなぜ行なわれないのだろうか?

財務省の役人達は二言目には予算がない、財源がないと言いますが、一番の原因は財務省役人の知恵が足らないのだ。「株式日記」では財政赤字の解消には景気を回復させて税収を増やすしかないと最初から述べてきました。しかし小泉内閣になってからは財政再建と称して緊縮財政をとって、特に地方への交付税を減らしてしまった。

確かに地方の乱脈財政は酷いものがありますが、地方交付税を増やすなり、財源を地方に移譲するなりして、地方の活性化をすべきだった。確かに夕張市のように観光開発に金を使いすぎて破綻したところもありましたが、国の指導が悪かったからだ。地方も金さえあれば箱ものばかり作って維持費の負担で財政をパンクさせてしまった。

マスコミによって公共事業は悪の代名詞にまでなり、公共事業予算は削られ続けてきた。確かに橋や道路などの無駄な事業が多い事はありますが、公共事業自体は景気対策としては必要な事業なのだ。「株式日記」ではリチャード・クー氏の意見などに賛成してきましたが、橋や道路や箱物に投資するよりも人材の育成に投資すべきだと思う。

高校や大学などの学資は年々負担が大きくなって、少子化の原因にもなっていますが、学資補助を公共事業としてやるべきだ。特に地方などは医師や看護士の過疎化や弁護士の過疎化など地方の人材の過疎化が進んでいる。これを国や地方の人材育成事業として取り組むべきだ。

小泉構造改革のおかげで格差社会が進んでワーキングプアの階層がアメリカ並みに進んでしまった。何の技能も持たない若者が低賃金単純労働を強いられてしまっている。現在では何らかの技能資格を持って仕事をしないと高収入は得られない。しかし技能を身に付けるには専門学校などで数年間勉強する必要がありますが、本人も親もそれだけの余裕がなくなってしまった。


91年からのバブルの崩壊による日本経済の長期にわたる大不況は円高に対する政府日銀の政策が間違っていたからだ。円が高いということは世界の円の信任が高い事であり、政府は思い切った財政支出の拡大で需要の拡大に努めるべきであった。アメリカではイラク戦争という公共事業で毎月1兆円もの金を使っている。

ならば日本でも人材育成事業という公共事業で高校大学の学費を公的に補助したらどうだろう。最近では大学の数ばかり増えてきて、大学教授が役人の天下り先になっている。このように役人達は財政ばかり切り詰めながら自分達の天下り先の大学ばかり増やした。むしろ大学生などへの学資補助などで大学の学費は無料にするとかするべきであった。

財源については日銀引き受けで無制限に国債を発行してインフレになるまで続けるべきだ。何しろ円高なのだから通貨の発行量を増やして国や地方が使いまくれば円高もそんなに進まなかっただろう。日銀は逆に不胎化すると言う事で円を回収してデフレを招いた。

今から考えると政府日銀のエリート官僚たちは円高の持つ意味が分からなかったのだろう。「株式日記」ではバカな財務官僚や日銀官僚にも分かるように「通貨とは何か」について書いてきました。日本はゼロ金利政策で世界に通貨を供給してきましたが福井総裁にその自覚があるのだろうか? 通貨供給とは逆に緊縮財政を取ればデフレを招き円高を助長してきた。

増田俊男氏の「そして日は昇った」という本は政府の財政政策の間違いを指摘していますが、今からでも遅くないから財務官僚や日銀官僚はこの本と「株式日記」を読んで勉強して欲しいものだ。


ゼロ金利解除が意味するもの 2006年現在、円は世界の基軸通貨になった 3月9日 株式日記

日本が知らぬ間に世界一の金融超大国になっていた。去年日本は世界にゼロ金利円資金を7兆ドル分を貸した。 3月2日 株式日記





日本核武装論は発言すること自体に大きな意味がある。本来なら
ば国政議員の大物が口にすべきだが、腰抜け議員ばかりの日本


2007年5月20日 日曜日

北朝鮮拉致問題で、アメリカは裏切ったのか?1-3 青山繁治1787

北朝鮮拉致問題で、アメリカは裏切ったのか?2-3 青山繁治 1193

北朝鮮拉致問題で、アメリカは裏切ったのか?3-3 青山繁治1309

(国務省は日本を裏切った。ライスもヒルも辞めさせろ!)

日本核保有の可能性も=中国の「軍事冒険主義」を警戒−石原都知事 5月18日 時事通信

【ニューヨーク17日時事】訪米中の東京都の石原慎太郎知事は17日、ニューヨークのジャパン・ソサエティーで講演し、尖閣諸島有事などの際に「米国がどれだけ日本の防衛に責任を持つかは極めて疑問だ」と警告、「だめならだめで、日本は自分で自分を守る努力をする。米国が懸念する核保有につながるかもしれない」と述べた。

 同知事はこの中で、2010年の上海万博まで中国経済は「持たない」と予測し、「独裁政権は経済が破綻(はたん)し社会が混乱した時、必ず軍事的冒険主義に出てくる」と指摘。その上で、中国が尖閣諸島などで軍事行動を起こした際、米国が日本の防衛を肩代わりする見通しは極めて低いと語った。

 石原知事はこのほか、米中間で全面戦争が起きた場合、「7000万人を殺してはばからない人(毛沢東主席)を国父と仰いでいる共産主義政権に米国は対抗できない」と主張。また、「日本は決して(米自治領の)プエルトリコのような存在ではないと日米両国民が認識し直す必要がある」と述べ、対等な日米関係構築の必要性を強調した。


石原慎太郎NY憂国演説 5月20日 東アジア黙示録

(前略)
【台湾・尖閣有事で米国を牽制】

石原都知事は北京五輪時期の後、シナで混乱が露呈する可能性も棄てきれないと説く。中共はその時、政権の命運を賭けた一手を打つ。石原都知事が軍事的冒険主義と呼ぶ台湾侵攻だ。

「独裁政権は経済が破綻し、社会が混乱したとき必ず軍事的冒険主義に出てくる。それは台湾や尖閣諸島に向けられるかも知れない」(産経新聞)

必ず…という断定口調がスゴい。

中共軍が台湾侵攻に踏み切るか否かは、識者の間でも各々の「対シナ観」で180度違ってくる。そこで前提として認識しておく必要があるのは、中共は今でも台湾侵攻を“解放”と位置付けていることだ。

侵略ではなく、あくまで“解放”なのである。実際に武力行使に踏み切るかどうか見極めるうえで、そうした中共の表現は重要な指針となる。

この発言の続いて石原都知事は、台湾有事に絡んで日米関係にも言及している。それはモンデール発言を下敷きにした指摘だったようだ。

「米国がどれだけ日本の防衛に責任を持つかは極めて疑問だ」(時事通信)

1996年、モンデール駐日大使は「尖閣諸島の紛争では日米安保は発動されたない」と明言。石原都知事らが激高して猛批判を行ない、モンデールは更迭された。しかし、クリントン政権は1年半も新任大使を赴任を拒絶。近年における日米同盟最大の危機であった。

ワシントンはその後「尖閣は日米安保の適用範囲」と繰り返し明言しているが、日本側の不信感は完全に消えていない。NYの講演で石原都知事は再び米政権を脅した。

それはワシントンが耳にしたくないパンチ力のある言葉だった…

【日本核武装と日米同盟の黄昏】

「駄目なら駄目で日本は自分で自分を守る努力をしますし、それはアメリカが懸念している核保有につながるかも知れませんね」(JNN)

この核保有発言を絶賛する。

日本核武装論は発言すること自体に大きな意味がある。本来ならば国政議員の大物が口にすべきだが、都知事の発言も充分に重い。

自民党の幹部クラスが発言を控える中で、ジョーカー的に石原都知事が直言したのは実に効果的だ。核保有をチラつかせることは、米国に留まらず、特亜3国に対しても強い牽制力を持つ。

更に石原都知事は、こう訴える。

「米国にとって日本の存在感が軽いものになっている」(産経新聞)

「日本は決して(米自治領の)プエルトリコのような存在ではないと日米両国民が認識し直す必要がある」

「日本が本当にアメリカにとって守るべき価値があるかないかという事への対応をしっかりした方が良い」(共同通信)

言葉は激しいが、どこか「日米同盟の黄昏」を予見しているかのような憂いを含む発言だ。石原都知事は、ポスト・ブッシュの時代、つまり米民主党政権の誕生に強い危機感を持っているように感じられる。

モンデール発言で日米関係が危機的な状況に陥った時も民主党政権下だった。来年の秋以降にシナが混乱期を迎えるとすれば、ヒラリーやオバマ政権の誕生はバッド・タイミングだ。

米民主党は通商分野こそ反中的だが、軍事面では明らかに及び腰。台湾海峡に暗雲が立ち籠めても、二の足を踏む可能性が高い。中共から見れば、そこに付け入る隙はあるだろう。

石原都知事は、その辺りをズバリ指摘している。

「日米関係の将来に大きな意味を持つのは、中国をどう認識し、評価するかだ」(読売新聞)

対中認識は実に重要だ。中共を“平和勢力”と見なすか、または「危険な政権」と捉えるかで全く意見が異なり、議論は永遠に噛み合ない。

それは日米関係に限らず、憲法論議や集団的自衛権の解釈でも基底に潜む重要な認識だろう。

石原都知事の中共認識は「7000万人を殺した政権」
実に明快な回答である。親中派の言論人や反日・媚中メディアから毛嫌いされる理由もよく分かる…

歯に衣着せぬ中共批判が政治家・石原慎太郎の真骨頂。やっぱり日本には石原節が必要だ。


(私のコメント)
最近のアメリカの対北朝鮮政策を見ると日米安保が空洞化しているように思える。北朝鮮は94年の米朝合意を反故にして核開発を継続していたにもかかわらず、アメリカはまたしても94年の米朝合意と同じ事を繰り返している。金正日にアメリカは馬鹿にされているにもかかわらずアメリカは北朝鮮に何も出来ないのだ。

人口二千万足らずの小国の北朝鮮にすら何も出来ないのだから、人口13億の中国に対してはアメリカは手も足も出せないに違いない。中国はすでに核弾頭を付けた大陸間弾道弾をワシントンに向けている。このような状況では中国が日本の尖閣諸島を侵略してもアメリカは何もしないだろう。

韓国との竹島やロシアとの北方四島が侵略されたにもかかわらずアメリカは何の行動を取ってはいない。アメリカはモンデール駐日大使のように日本の領土問題には関与しないと言うのならば、拡大解釈をすれば台湾や沖縄が中国に侵略されても関与しないつもりなのだろうか。アメリカは中国と密約を結んで米軍基地を保証するならば沖縄も分捕るかもしれない。

なぜならば日本国内にある80あまりの米軍基地は日本を守る為ではなく日本を監視する為の基地であり、東京周辺に米軍基地が取り囲むようにしてあるのは、日本の政治を監視する為のものだ。日米安保に基づく基地の提供ならば沖縄、佐世保、三沢の三ヶ所ぐらいで十分なはずだ。東京周辺にはいらない。

憲法9条と日米安保はセットであり、日本を恒久的な植民地としていくためのものであり、アメリカの戦略は日本を再び脅威となるような国にしない為に牙を抜いたのだ。アメリカの国力が充実していて中国やロシアも日本に対してても足も出ない状況なら日米安保も効力があると言える。しかし日本の周辺諸国はアメリカの弱体化にともない、中国は沖縄は我々のものだと言い、韓国は対馬は我が領土と言いい始めた。

つまり日本の守護神であるアメリカがイラクで弱体化をさらしているので、中国や韓国はアメリカが何も出来ない事を見越してプロパガンダを打ち上げるようになった。事実北朝鮮に対してアメリカはなぜあのように譲歩をするのだろうか? 北朝鮮軍が韓国に南下してきたら二万足らずの米軍では守りきれず、韓国軍は同胞に銃は向けないだろうからだ。

アメリカ軍にはもはや中東とと朝鮮半島の二正面作戦は出来ない状況だ。空軍や海軍は非常に強力だが、陸軍はイラクだけで手一杯であり韓国や沖縄はもぬけの殻になっている。そのような状況で200万ともいわれる北朝鮮軍が攻めてきたら韓国は戦わずして北朝鮮により統一されるだろう。

このような状況で日本の北朝鮮に対する強硬姿勢はアメリカにとっては迷惑なものであるに違いない。だから従軍慰安婦問題で安倍内閣を押さえるつもりで揺さぶりにきた。日本が持つアメリカの軍事力のイメージは非常に強力な軍隊というイメージですが、湾岸戦争のイメージがあるからだろう。しかし当時のイラク軍は旧式のロシア製兵器で武装したイランにも勝てない弱い軍隊だった。

第二次世界大戦にしてもアメリカが参戦した頃はドイツ軍も疲弊して戦意も非常に低下していたし、日本軍にも補給も途切れた軍と戦っただけだ。朝鮮戦争にしても人海戦術しか能のない中国軍に対して一進一退であり、ベトナム戦争ではサンダル履きの軍隊に負けた。陸軍に関する限りアメリカ軍は機動力はあるが強いとはいえない。

石原慎太郎が言うようにアメリカ軍は地上戦になれば中国軍に負けるだろう。だからアメリカは第二次朝鮮戦争を恐れる。だから北朝鮮に強く対処できないのだ。このような見方はイラク戦争を見れば一目瞭然であり、日米安保があるから日本は安全だとは言えない。

日米安保は日本がアメリカに基地を提供する為の条約であり、日本を守ってくれる条約ではない。日本に中国からミサイルが打ち込まれても、アメリカは決して反撃はしてはくれない。中国は米軍基地を叩く様な事はせず、日米分断を図って日本の領海外ぎりぎりにミサイルを撃ち込んでくるだろう。

1996年に中国は台湾の近海にミサイルを撃ち込みましたが、アメリカは空母二隻を派遣して睨みを利かせましたが、中国は潜水艦や対艦ミサイルの開発に重点を置いてアメリカの空母機動部隊に対抗する姿勢を見せている。石原慎太郎氏によれば中国の独裁政権が行き詰まれば、状況打開のために軍事的冒険に出るかもしれない。

2009年からアメリカは民主党政権が出来るでしょうが、1996年の時のような緊張状態が必ず起きる。その時にアメリカは空母を派遣することが出来るだろうか? ヒラリー・クリントン大統領はおそらく現在に北朝鮮に対するように中国に対して融和的な態度にでて台湾を中国に引き渡すかもしれない。日本はそれでいいのだろうか?

もはや日本は日米安保など当てにせずに自主防衛体制を固めるべき時が来ている。石原慎太郎氏が言うように核武装も視野に入れるべきだろう。イラク戦争や北朝鮮に対する弱腰を見ればアメリカ陸軍の弱体ぶりは明らかだ。中国が奇襲攻撃で台湾を占領したらアメリカ軍は地上戦を戦う事はできない。だから日本にしても台湾にしても自主防衛体制を固めないと中国からの脅威に対抗できない。




東証マザーズの時価総額は年初から今日までだけで実に
一兆円が吹き飛んだ計算だ。個人凍死家の死体の山ができた。


2007年5月19日 土曜日

日本経済の足を引っ張る新興株市場 5月18日 糸山英太郎

株価上昇の勢いが止まらない米国などにくらべ、日本の市場はなぜこんなに上値が重いのだろうか。

極めて不誠実な新興株市場というものにその原因があると私は考えている。
日経平均株価が反転基調を強める一方、新興株式市場の下落が止まらないのだ。
会計問題に端を発した新興企業への不信は非常に根深い。
東証1部企業が慎重な2008年3月期予想となる一方、新興企業は2ケタ経常増益予想を示しているところが少なくないが額面通りに受け取る投資家は1人もいない。

かつて、株式上場とは一握りの企業が何年もかけてこぎつけた特別なものであった。
しかし新興3市場(マザーズ・ジャスダック・ヘラクレス)が誕生すると設立間も無いベンチャー企業が上場に殺到してしまったのだ。

何のための上場なのか?
市場から調達した新しい資金は、高い志を持つ経営者のビジネスに投入されるべきなのだ。
株式市場の資金が、ソニー・本田が世界を舞台にして戦う力となったことは説明するまでもないだろう。

ベンチャー企業は自社に明確な事業モデルがないにも関わらず、簡単に上場し資金だけ得てしまう。
その資金は売上げをつくるためのM&A、もっとたちが悪ければ遊びの為のマイバッハやヘリコプターに化けてしまう。
実態を見たら投資家は卒倒するはずだが、多くの個人投資家はベンチャーでなければ株では無いと思っていたのか、新興株投資にのめり込んでいった。

東証マザーズの時価総額は年初から今日までだけで実に一兆円が吹き飛んだ計算だ。個人投資家はこのダメージを新興株だけでなくまともなセクターにも及ぼしてしまったのだ。
新興企業の成長を否定などしていない、頼むから真面目な若手経営者だけに上場を目指してもらいたいのだ。
そして個人投資家の皆さんには真贋を見極める目を養ってもらいたい。

日本人は、日本が誇る優良企業を売ったままになっている。
日本人の資金はまず日本の誇りである優良企業を買い戻すことが先決だ。
ウォーレンバフェット氏が米国の優良株を大量に買ったように、私は安値に放置されている日本の優良株を大いに買っていくつもりだ。



日本とアジアのベンチャー市場 IT攻略ビジネスマガジン

1. はじめに

(1)日本には、マザーズ、店頭、ナスダック・ジャパンの3つの新興企業向け市場ができ競争を行っているが、問題が続出している。最大の問題は資金調達の目的がはっきりしないことである。このため、調達資金のうち340億円が公約した研究開発に使われることなく銀行に預金されている。

第二の問題は、業績見通しが甘いことである。10年後に時価総額10兆円の企業にするとの目標をかかげ、2000年末の上場時には13億円の黒字を予想していたのに、現実には7億円の赤字となっている。

第三に、公開直後にビジネスモデルを転換するものが出てきている。自社開発ソフトの代理店販売をやるつもりであったものが、直販方式に転換する例が典型である。要するに、日本では「公開企業」としての意識が欠けている。

(2)こうしたことから、公開初値が公募価格を大幅に下回る企業が続出している。中には50%も下回るケースもある。このため、信頼が失われている。このため、市場の流動性が低く、マザーズを独の「ノイアー・マルクト」と比べると8分の1になっている。このように、日本の市場はほとんど機能していない。

2. 日本と米独で異なるコンセプト

(1)日本のベンチャー市場は「敷居の低い市場」の発想で、公開企業の獲得競争が行われている。公開を目指す企業優先で、投資家を無視している。例えば、東証マザーズでは、「株式会社として設立間もない会社、未だ利益を計上していない会社であっても、上場可能」である。

ナスダック・ジャパンは「株式公開基準を大幅に緩和した新興企業向け市場」として誕生した。いずれも、敷居を低くし、上場しやすいことを強調している。これに対して、米ナスダックは「流動性が高く、効率的で公正な市場」とされている。

独のノイアーマルクトも「流動性が高く、透明で質の高い市場」とされている。いずれも、投資家重視を強調している。

(2)上場基準を比べると、純資産、公開直後の時価総額、税引き前利益の点で、日本のベンチャー市場は米国ナスダックに比べゆるい。独のノイアーマルクトは日本よりゆるい。

こうしたゆるい上場基準に伴うリスクを情報公開によりどう担保するかが問題になる。日本の場合は四半期報告だけでよい。米独ではこれに加え、国際会計基準の使用、マーケットメーカーの設置、事業実績の公表等を義務づけており、透明性確保の努力がなされている。

(3)日本のベンチャー市場は、上場に当たっては証券会社まかせで、上場審査は放棄されている。即ち、マザーズでは「新興企業向け市場は、スピード公開を実現する場」とされ、審査期間の短縮を極端に重視している。また、公開企業に対するインタビューもない。

店頭市場の場合、「証券会社の審査が十分に行われているかを報告内容に基づいて確認審査を行う」こととされている。上場企業に対する審査そのものは証券会社に委されている。また、公開企業へのインタビューも行われない。しかし、こうした上場審査は投資家保護のために不可欠だ。

ナスダックの場合は、NASDAQレギュレーションとSECの2本建てで審査が行われている。独のノイアーマルクトでは2段階の取引所の審査が行われる。上場予定企業の経営陣は、引受証券会社、会計事務所、法律事務所と共同で、上場3か月前までに取引所にプレゼンテーションを行わなければならない。

取引所はこれに基づき、投資家の立場から企業の上場目的を精査する。そこでは、事業内容、経営目標、調達資金の使途等がチェックされる。企業は証券会社等とともに上場目的を明確にしなければならない。

こうしたことをするならば、公開後にビジネスモデルを変更したり、調達資金の使途に困ると言った問題が起こることを事前に回避するすることができる。

(4)マーケットメークは流通性向上のための手段である。
米国ではマーケーットメーカー2社を維持できないと上場廃止となる。これによって、流通市場で上場企業の質を維持しようとしている。マーケットメークは新規上場市場(IPO市場)の質を維持する手段として有効である。マーケットメークを義務づけられると、引受証券会社はリスクテークをしなければならない。

これに対して、日本ではマーケットメークは選択制で、義務とされていない。上場審査が証券会社に一任され、しかもその証券会社にマーケットメークの義務がないので、引受証券会社が上場後に負うべき責任・義務は何も発生しない。従って、証券会社が安易に上場企業を増やそうとする誘惑に陥る危険性が高い。またベンチャー企業も、上場を境に突如一人立ちしなければならなくなる。これが稚拙な1Rの一因ともなっている。

これに対して、独では各種の工夫がなされている。第一に、発足当初からマーケットメーカーを採用することとされている。ただし、独の場合は「後見人」とされている。純粋のマーケットメーカーとしての機能は限定的である。企業の分析を行いアナリスト・レポートを公表することが義務づけられている。

また、企業の資金調達問題、情報開示、1Rに関するコンサルタント業務を担当する。要するに、上場間もない企業の「後見人」的機能を果たすこととされている。第二に、上場後もきめ細かいサポートを要求される。独では日本に比べても、株式文化が未発達であったという事情に配慮したものである。

(5)日本では公募価格が高過ぎ上場後価格が半分以下になったものもある。他方、130%以上の値上がりをしたものもある。独の場合価格の騰落幅ははるかに小さい。また、日本の場合、活動株比率が低い。上場時の浮動株比率が低い程、価格を吊り上げ易い。

ドイツでは上場時に「浮動株比率25%以上」という基準がある。日本の2市場で「25%基準」を満たしているのは各々3社だけである。しかも、日本で上場時の浮動株比率が高いのは公開時に株主が大量の保有株式売却を行うからである。独では露骨な売却はまれである。

こうした日本の状況下では、公募価格をできるだけ高くさせようとするインセンティブが働くのは当然である。(後略)


(私のコメント)
「株式日記」は株式投資を通じて政治経済を語るブログですが、私は小泉内閣が発足して以来株式投資をしていない。いろいろやっては見たのですが、株式投資はやればやるほど東京の株式市場は腐りきっている事が分かるはずだ。特に新興株式市場が出来てから「経済ヤクザ」が賭博場代わりに寺銭を稼ぐようなった。ところがマスコミは彼らを時代の寵児と持てはやした。

「経済ヤクザ」とハゲタカとは相性も良いらしく「経済ヤクザ」に資金を融資して共存共栄の関係を築いている。ホリエモンや村上ファンドは逮捕されて裁判にかけられましたが、彼らに資金を提供したハゲタカには何のお咎めもない。ハゲタカたちはアメリカ政府を通じて日本の当局に睨みを利かせているから兜町は彼らにとって治外法権なのだ。


なぜゴールドマン・サックス証券が不二家株を大量取得してるのか。証券取引法違反の容疑で厳重に調査すべきである。 1月16日  株式日記

《 東証という所はハゲタカ外資系証券会社にとっては治外法権地帯であり、金融庁や検察庁や証券取引等監視員会には手も足も出せないようだ。かつて外資系証券会社を取り締まった勇気のある財務官僚がいたが、その財務官僚は今は財務省にはいない。ノーパンしゃぶしゃぶ以来財務官僚は骨を抜かれて今はアメリカの言いなりだ。

ゴールドマンサックスにとっては東京市場は金のなる木であり、悪名高いMSCBで日本の個人株主を食いまくって利益を独占している。これでは日本人投資家は手も足も出せないが、株を知らない人ほどハゲタカ外資のカモにされている。なぜならば日本政府がハゲタカ外資に有利な規制の緩和を行い、日本の証券会社を締め上げた。 》



新興株式市場のスターといえばライブドアでしたが、単位株制度を悪用して一万分割をするなど、東証がよく認めたなと思うくらいなのですが、法の抜け穴を利用するような方法で株式投資家をカモにしていった。それで一番儲けたのはホリエモン自身であり、会社の実態は時価総額に比べるとペーパーカンパニーのようなものだ。ところがテレビに出まくる事で有名人になりIT企業の社長として経団連にまで加入できた。

一時期、ホリエモンや村上ファンドが一躍脚光を浴びたのも、マスコミと外資系金融会社の演出によるものだろう。ホリエモンや村上ファンドのやっていることは外資系ファンドの物真似ですが、彼らをスターにすることで外資系ファンドも仕事がしやすくなる。ホリエモンは衆議院議員選挙に立候補するなど、政治力がないと株では儲からないと気付いたからだ。

最近では財務省官僚が外資系証券会社に天下りしたり、東大の卒業生が中央官庁の就職よりも外資系企業への就職も目立つようになりました。実際のところ中央官庁よりも外資系企業のほうが待遇も良いし、権力を持って日本を動かしている。

日本という国は国会よりも中央官庁のほうが権力を持ち、中央官庁よりもアメリカの出先機関というべき外資のほうが力を持っている。だから国会はアメリカから突きつけられた「年次改革要望書」に基づいて法律を制定しているだけなのだ。安倍総理も戦後レジュームの脱却と言っていましたが、従軍慰安婦問題でシーファー駐日大使から「河野談話からの後退はまかりならん」と言われたとたんにおとなしくなってしまった。

世界の株式市場が絶好調なのに日本の株式市場はいまだに鍋底から脱したとはいえない。企業業績が良くても株が買われないのは91年からの株の大暴落以来、個人株式投資家が死に絶えてしまったからだ。日本の四大証券会社が没落したのも個人投資家を大切にしなかったからで、ロビーにいる客をゴミと呼んではばからなかった。

日本の経済政策からも戦後ずっととられてきた証券税制が改正されて優遇策がなくなった。昔は1年以上3万株以下の株売買は無税だった。ところが現在では個人の株式の長期保有を奨励するような税制ではなく、面倒な確定申告で個人の株式投資は敷居の高いものになってしまった。これでは日本だけが株式が低迷するのは無理はない。

このように日本では株式市場は個人投資家が追い出されて、外資系証券会社が実質支配するようになり、売買高では60%が外資だ。外資は最初から個人投資家は相手にしていないから自己売買で稼ぐのが仕事で、メリルリンチはリテールに手を広げたが見事に失敗している。日本政府はなぜ個人に株式投資をさせないような税制にしているのだろう? 外資がそうさせているのか?

世界一金がだぶついている日本がなぜ株式市場に金が流れないのか不思議なのですが、日本の証券会社は支店をたたんでしまって株式投資を始めようと思っても相談するところが少なくなってしまった。ネット証券投資が盛んですが素人には手が出せない。一頃は素人でもデイトレードが盛んでしたが、ほとんどが討ち死にしたようだ。

新興株式市場のきわめて不透明な市場運営は、個人投資家にとっても株式投資に不信感を抱かせる。一時期マスコミはベンチャーベンチャーとベンチャー企業を囃したてましたが、内容が十分公開されずに、中にはヤクザの舎弟企業みたいなのが上場して問題を起こしている。本来は国や東証が管理して取り締まるべきものだ。

金融庁は何をしているのだろうか? 銀行の資産の厳格査定で日本の大銀行を潰すのは一生懸命でしたが、新興株式市場の運営はほったらかしで審査などは証券会社任せで、マーケットメイクも上場した後はほったらかしで流動性がなくなってしまう。ライブドアの株を持っている個人株主は今どうしているのだろうか?




ダウ、一時1万3500ドル台 ユーロに対するドル安が実は欧州に
輸出している米国企業の業績を下支えしているということになる


2007年5月18日 金曜日

ダウ、一時1万3500ドル台=引けにかけて反落〔米株式〕 5月18日 時事通信

【ニューヨーク17日時事】17日のニューヨーク株式相場では、優良株で構成するダウ工業株30種平均が一時1万3516.71ドルまで上伸、初めて1万3500ドル台に乗せるとともに、取引時間内の最高値を4営業日連続で更新した。ただ、引けにかけては値を消し、前日終値比10.81ドル安の1万3476.72ドルと5日ぶりに反落して取引を終えた。
 ハイテク株中心のナスダック総合指数も反落し、8.04ポイント安の2539.38で終了した。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は、前日比5118万株減の14億5798万株。
 午後まではおおむね軟調な展開。朝方発表の新規失業保険申請件数が予想を下回ったほか、フィラデルフィア連銀の景況指数が強い内容となったことから、利下げ期待感が後退し、相場を圧迫した。
 原油先物の急伸も弱材料。米国内の製油所で事故が発生し、需給逼迫(ひっぱく)懸念でガソリンが急騰したことに原油もつれ高となった。このほか、最近の株高を受けて利益確定の売りも出たとみられる。
 ただ、ダウ構成銘柄の3Mが事業売却を手掛かりに急伸、IBMも強気の業績見通しに急速に値を戻すと、指数全体が押し上げられた。3Mは0.8%高。
 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日の講演で、高金利型(サブプライム)住宅ローンの問題に楽観的な見方を示したものの、株価への影響は限定的だった。(続)


NYダウ最高値更新の背景 5月2日 ケンミレ株式情報

はっきりしない国内相場とは対象的に、NYダウは連日の高値更新となりました。先週に初の13000ドル台に乗せたあとも堅調な相場展開となっています。

ただ、米国景気の先行き不透明感は根強く市場にあり、またマクロの経済指標も決して好調とはいえない状況にあります。このような状況の中で、株価が高値を更新し続けていることに『なぜ?』という疑問が出てきておかしくないと思います。

現在の米国株上昇の背景ですが、企業決算が予想外に良かったということが指摘されています。第1・四半期(1−3月期)のS&P採用500社の増益率は、事前の予想で3.3%程度と控えめな数字となっていました。先週でほぼ半数が発表され、米国の決算発表はピークを超えましたが、この時点で増益率が7%台まで上昇することとなっています。この好調な企業決算が株式市場の買い材料となって、高値更新となっていると指摘されています。

そして、企業業績を伸ばした材料が、『外需とドル安』でした。米国はマクロ景気指標が良くないことを見ても内需は今ひとつとなっているようですが、内需をカバーして外需が好調なため、企業業績を上振れさせたと見られます。

象徴的な決算となったのが建設機械大手キャタピラーで、米国内の販売不振をアジアやインドなどの新興国や欧州の販売でカバーして増益となりました。この結果から、同じように内需不振の日米で日本株が不振で米国株が好調なのは、新興国や欧州に対する売上比率の違いであり、日本は米国輸出比率が高いために株価が出遅れているとの指摘も見られています。

さらに、現在の為替市場では、円/ドルでは円安傾向となっていますが、対ユーロでは円、ドルともに安く、ユーロの独歩高が続いています。つまり、ユーロに対するドル安が実は欧州に輸出している米国企業の業績を下支えしているということになります。



(私のコメント)
いまや世界経済の牽引役がアメリカからEUに代わってしまっている事がニュースで伺われます。ユーロに対してドルが安くなって、円はそのドルに対しても1ドル121円と安くなっています。日本の輸出企業はアメリカに輸出しても為替差益が出て、EUに輸出しても為替差益で笑いが止まらない事でしょう。

だからアメリカ国内の経済状況だけ見てもどうしてNY株式が最高値を更新するのかが分からない。90年代から今までは円高ドル安でアメリカの景気を牽引させてきましたが、EUの経済がユーロ高ドル安でアメリカンの景気を牽引させるのでしょう。

このようにアメリカはドル安効果をフルに使って長期の好景気を持続させている事になる。お金は高いところから低いところへ流れるのが常識だから、アメリカはドル安政策で経済の活性化を行なっている。円はユーロに対して大幅安であり、ドルに対しても安くなって、相対的に日本の物価も海外から比べると安く見えるようになりました。

90年代から円の独歩高で金利を下げても景気は回復せず円高も政府日銀のドル買い介入も効果がなく、結局はユーロが登場するまで円はドルを買い続けさせられた。ここで不思議なのはドル安ユーロ高は分かるのですが、円がドルに対しても安くなっていることだ。つまり円を売ってドルやユーロを買う動きが続いている。

これは円キャリートレードによるものというエコノミストの解説ですが、これだけではないだろう。日米経済が密接なのに比べて日欧経済の結びつきは大きくはない。だから円とユーロの直接取引が少なくてドルを媒介にしている為だろう。円からドルに行って、そこからユーロに行くような金の流れだ。

アメリカ経済はEUとは深い結びつきがあるからユーロ高はアメリカの輸出産業に好景気をもたらす。それに比べると日本とEUの結びつきは薄いからユーロ高でも日本の輸出産業はそれほどの影響がないのだろう。これは歴史的展開を見ればよく分かる。

ヨーロッパから見ればアメリカはかつては植民地であり、今でもヨーロッパから見ればアメリカは植民地なのだ。それと同じようにアメリカから日本を見れば、日本はアメリカの植民地であり、植民地は宗主国の投資によって育成されている。だから円からドルに行き、ドルからユーロに金が流れるのは当然なのだろう。

日本だってアジアという植民地があり、アジアから日本への金の流れはある。しかしアジアはヨーロッパにとっても植民地であり、中国はそのアジアの代表だ。中国の人民は日米欧の企業で数十分の一の賃金で働かされている。つまりは日米欧の企業は中国人民の低賃金によって支えられているのですが、中国が異変が起こると日米欧の企業は大打撃が起きる事になる。

このような世界の大雑把な金の流れが分かっていないと、大きな異変が起きた時にどのような対応をとるべきか分からなくなる。EUの誕生はアメリカにとっては宗主国の復活になり、しょせんアメリカはヨーロッパから見れば植民地だったところだ。しかしそのヨーロッパをアジアから追い出したのは日本であり、世界の宗主国であるヨーロッパから見れば日本はヨーロッパの植民地になったことはない。

ねずみの嫁入りのような話ですが、日本はEUに強くアメリカに弱い。アメリカは日本に強くEUに弱い。EUはアメリカに強く日本に弱い。かつての宗主国と植民地の関係はいったん出来てしまうとなかなか覆る事はない。だから韓国や中国の一部が日本の植民地であった事が現在でも尾を引いて、経済関係でもそのまま続いている。




バックファイアーは米空母に対艦ミサイルを発射する模擬攻撃を
行ない、コンピューターで対艦ミサイルが命中したと分析した。


2007年5月17日 木曜日

「非対称戦」露に学ぶ中国…強大米軍への対抗戦略  5月16日 産経新聞

中国軍が空母攻撃用の対艦弾道ミサイルや超音速長距離爆撃機を導入する背景には、米軍との正面切っての軍事対決を一時あきらめ、「非対称戦」に活路を見いだそうという思惑があるとみられる。「非対称戦」は、戦力や技術力で大きな開きがある弱者が、相手=強者とは異なる戦術・手段で戦う戦法。兵器の開発・輸入が計画通りに進まない現状への危機感が「非対称戦」へと走らせたようだ。

 中国では悲願とする空母開発が遅れている。外洋で長期間作戦継続できる装備が不十分で、空母を空や海上、海中の攻撃から守る戦闘群と燃料・弾薬を補給する支援部隊も確保できない状態だからだ。空母など有効な阻止手段なしでは、台湾有事で米空母機動艦隊来援を許す。このため、潜水艦を機動艦隊の針路に潜ませ、威嚇・攻撃する「非対称戦」へとシフトした。だが、性能・技量が向上したとはいえ、現状の中国潜水艦では、米海軍と海上自衛隊の連携には太刀打ちできない。

 一方、中国軍は湾岸戦争以降、米軍の精密誘導兵器を駆使した戦術から、衛星中心の指揮・統制・通信・コンピューター・情報・監視・偵察をシステム化した「C4ISR」の重要性を学ぶとともに、その脆弱(ぜいじゃく)性にも気付いた。偵察衛星で情報収集し、通信衛星を使って末端部隊までコンピューターで結ぶシステムがまひすれば、米軍の作戦全体に影響を及ぼす。中国軍は1月、弾道ミサイル「東風21」の派生型で衛星を破壊したのもそのためだ。

 さらに、冷戦期のソ連にも学んだ。ソ連軍は米機動艦隊に空母で対抗するのをあきらめ、米軍の対空ミサイルの射程外から対艦攻撃できる超音速長距離爆撃機バックファイアー(Tu−22M)や攻撃型原潜(SSN)を投入した。この戦術が今も有効だと確信した中国は、1990年代にTu−22M売却をロシアに求めたが「地域の軍事均衡を著しく壊す」と拒否された。ところが、一昨年夏の中露合同演習にロシア海空軍を招待し、Tu−22Mの参加を強く希望した。70年代に配備を開始したTu−22Mは、ロシアでは廃機寸前だったため商談は成立した。

 自衛隊に外洋におけるTu−22Mの迎撃手段はない。台湾有事の際、日本の対米後方支援を嫌う中国がTu−22Mで日本出入りの船を威嚇か攻撃すれば、日本のエネルギー輸送路は大きな打撃を受けるのは必至で、日本にとっても安全保障上、大きな脅威となる。(野口裕之)



弱体な中国空軍でも、米空母への攻撃は可能 軍事常識ABC

強力な防御力を持つ米空母機動部隊も、一度だけ旧ソ連軍に撃破されたことがある。1980年代の後半、極東ソ連軍の拠点であるウラジオストック港に、米空母機動艦隊が殴込をかけるという想定で演習が行なわれた。

 米空母機動部隊はオホーツク海から日本海に入り、ウラジオ港に向け日本海を南下した。南下阻止を目的に、ソ連海軍の潜水艦や駆逐艦が米機動部隊に接近を試みる。しかし空母艦載機や、護衛の艦艇や潜水艦が接近を阻止する。たんに演習といっても、米ソ冷戦時代の演習は火花が飛び散る激しさだった。そして米空母がウラジオ港の目前に達したとき、陸上基地から発進した超音速爆撃機バックファイアー(Tu−22)が、レーダーの探知を避け低空で接近してきた。米空母の直前で急上昇して、そのままバックファイアーは飛び去った。その後、バックファイアーの航跡を解析した米海軍は震撼した。なんとあのバックファイアーは空母に対艦ミサイルを発射する模擬攻撃を行なっていた。そしてコンピューターは,米空母に対艦ミサイルが命中したと分析した。

米空母の最大の弱点は、高速で飛来する航空機や対艦ミサイルだった。そのことを知ったのは米国ばかりではない。当時のソ連も米空母の弱点を突き止めた。そして米空母を葬り去る新兵器の開発に取り組んだ。それは冷戦が終結し、ソ連が崩壊し、新ロシアが誕生しても変わることはなかった。強固な米機動部隊の防空網を突き抜け、正確に空母に命中する対艦ミサイルの開発である。

 こうして新型のSSC−1B(セパール)対艦ミサイルが開発された。マッハ1.3で飛行し、射程が450`もある新兵器である。セパール・対艦ミサイルは今も改良が続けられ、より長射程でレーダーに映りにくいステレス性を高め、超低空・超高速で接近し、正確に空母を識別して命中するミサイルへの研究である。このミサイルを航空機に搭載すれば、米空母はどのような反応を見せるか。それを図で示した。台湾危機で駆け付けた米空母機動部隊に、中国の内陸部から対艦ミサイルを搭載した航空機が米空母を狙う。空母艦載機は地上の対空部隊や、航空部隊に迎撃されるので、対艦ミサイルを搭載の中国空軍機に接近できない。すなわち米空母機動部隊は台湾近海に姿を現わすことはできないのだ。写真と図は月刊誌「スコラ3月号」の特集「空母新世紀」より。



(私のコメント)
アメリカ政府はイラク問題に忙殺されて、それ以外の事には注意が回らない状況になっています。しかし中国軍の装備の近代化は着々と進んで、近い将来には80年代のソ連並みの兵器を揃える事になりそうだ。ロシアは老朽化した装備を中国に売り払っているからですが、老朽化してはいてもアメリカ機動部隊に対する脅威には変わりがない。

とくにバックファイヤー爆撃機と攻撃型潜水艦は長距離対艦ミサイルを積んで、アメリカ機動部隊に対して有効な攻撃手段を持つに至った。バックファイヤーは老朽化していても、搭載されるミサイルが年々開発が進んで、レーダーでは探知できないミサイルで攻撃されると、米空母は一発で沈められる。

それに対する我が自衛隊はというとバックファイヤーに対抗できる兵器はなく、セパール対艦ミサイルは超低空をマッハ1,3で飛行して射程距離が450キロもある。もしバックファイヤーがレーダーに映らない超低空を飛んできて、領海外から日本の原子力発電所にセパールミサイルを撃ち込んだらどうなるのか、考えている人はいるのだろうか?

日本の政治家や国民は外交と防衛はアメリカに丸投げできたから、肝心のアメリカがイラクで無様な姿をさらして、自慢の空母機動部隊も潜水艦や対艦ミサイルの脅威にさらされて無力化しつつある。イランを空爆するという作戦も話が出て何年も経つのに未だに実行されない。北朝鮮を空爆するという話はいつの間にかなくなり、融和の方向に行ってしまった。米空軍もロシア製の最新鋭の対空ミサイルを恐れているのだろう。


ロシア製ミサイルを試射 イラン 2月7日 共同

イラン学生通信によると、同国革命防衛隊は7日、ペルシャ湾などでミサイル演習を2日間の日程で開始し、ロシアから到着したばかりの対空ミサイルシステム「TORM1」を使ってミサイルを試射した。

 演習には革命防衛隊の航空部隊と海上部隊が参加。米軍が同湾に2隻目の空母を派遣したことに対抗する狙いもあるとみられる。

 初の国連制裁が昨年末に発動されるなどイランへの国際的な圧力が強まる中、ロシアは米国などの反対を押し切って今年1月、TORM1をイランに供与した。(共同)



もしアメリカ軍がイランを空爆して、アメリカ軍機が何機も打ち落とされたりしたらアメリカ軍の威信は失墜してしまう。イラク戦争開始当時と現在とでは国際状況も大きく変わってきて、米ロ関係もイラク戦争が始まった頃とは大きく変わってきて、プーチン大統領はアメリカとの対決姿勢を強めている。

さらに中国も軍部が力を持ってきて、一部の対米強硬派が衛星破壊実験まで始めて、中国にすらアメリカ軍は軽く見られるようになっている。今でもアメリカ軍は圧倒的な戦力を持っているのですが、いかんせんイラクでアメリカ軍の弱点をさらしてしまっているから、中国ロシアになめられてしまう。

イラク戦争の目的はアメリカ軍の威力を世界に見せつける事で単独覇権主義を確立する事でしたが、イラクのテロリストの自爆テロや路肩爆弾にはアメリカ軍自慢のハイテク兵器も役に立たない。ブッシュは次々と増派部隊を送り込んでいるがアメリカ議会からストップがかけられている。

このようにアメリカがゴタゴタしている間に中国軍は着実に軍事費を拡大してアメリカ軍に脅威を与えつつある。にもかかわらずアメリカの対中姿勢ははっきりせず、台湾問題に対しても曖昧な態度を見せている。もし中国がバックファイヤーを数十機装備して攻撃型原潜を何隻も配備したらアメリカといえども台湾防衛は手も足も出なくなる。

「株式日記」では日本の自主防衛と核武装を主張しているのですが、日本の政治家達は未だにアメリカを恐れて核武装の論議すら封じてしまっている。台湾すら守れなくなってきているのにアメリカは本当に日本を守れるのだろうか? アメリカが本当に国力が充実していた時代ならイラクのような状況になったら50万の兵を送り込んででもイラクを平定したはずだ。それが今は出来ない。

アメリカは北朝鮮政策で日本を裏切り経済制裁を解除して国交まで結ぼうとしている。安倍総理は訪米した時は約束は守るといいながら同盟国の日本を裏切ろうとしている。そしてアメリカ議会も従軍慰安婦で対日非難決議を決議しようとしています。このように見ると日米安保は空洞化してきているような気がする。

日本は自国を自分で守る事ができるにもかかわらずアメリカに防衛を依存している。実質的に在日米軍は日本にとってはお邪魔虫なのですが、かといってアメリカを敵に回す事はできない。アメリカにもさまざまな勢力があり纏まりきらないから、日本のように国を上げて一致団結というわけにはいかない。あるとすれば危機的状況になった時だけだ。

今のところアメリカは中国の軍拡に対する警戒感は持っていない。それが台湾や日本の不安の原点であり、アメリカは中国の台湾併合を黙って見過ごすかもしれない。そうなれば日本もシーレーンを中国のバックファイヤーで脅威にさらされることになりますが、アメリカは日本を守るよりも中国と組んで日本を分割支配することを選ぶかもしれない。2008年には親中派のヒラリー・クリントンが大統領に選出されるからだ。つまり日米安保など何の役にも立たないのだ。



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