株式日記と経済展望

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ミアシャイマー(著)『大国政治の悲劇』アメリカはオフショア・
バランサーなのであって、世界の保安官ではないのである。


2007年3月31日 土曜日

大国政治の悲劇 ミアシャイマー(著)

仲裁者アメリカの未来

アメリカの外交政策の根底にある目標は「西半球で覇権国になること」であり、「ヨーロッパや北東アジアにライバル覇権国を出さないこと」である。アメリカは競争相手を欲していない。冷戦後もアメリカの政治家たちはこの目標をしっかりと守っていた。

一九九二年に報道陣ヘリークされた国防省の重要な企画文書には、「我々の一番の目標は、新しいライバルの出現を防ぐことである…我々の戦略は今、あらゆる潜在的な未来の世界的競争相手の出現を排除することに再び集中しなければならない」と書かれている。

この目標を達成するため、アメリカは歴史的にヨーロッパと北東アジアで「オフショア・バランサー」として行動してきた。アメリカはある地域の大国が自分たちだけで封じ込められないような潜在覇権国が出てきた場合に限って、その地域に軍を駐留させてきた。

要するに、アメリカは今まで潜在的な競争相手に直面した時はバックパッシング(責任転嫁:他の大国に封じ込めを無理やり肩代わりさせる戦略)を行ってきたのだ。従って、アメリカ軍が将来にわたりヨーロッパと北東アジアヘ介入するかどうかという問題は、アメリカの助けがないと封じ込められないような潜在覇権国がそれらの地域に出現するかどうかにかかってくる。

もし潜在覇権国が出現しなければ、近い将来に各地域で十万人規模の駐留を続ける米軍が撤退する可能性もある。以下でも論じるが、中国を除けば、どの大国も近い将来にヨーロッパか北東アジアを侵略できるような国力を得ることはなさそうだ。よってアメリカは、初の十年の問に両地域から軍を撤退させることになるかも知れない。

「平和の番人アメリカ」論

しかしながら、各地域におけるアメリカの駐留を維持するための別の解釈もある。ヨーロッパと北東アジアの平和を保つことはアメリカにとって根本的な国益であり、米軍撤退は各地域の不安定化や大国間の戦争につながるかも知れない、という議論である。

アメリカにとって両地域の平和が致命的に重要だと考えられている理由は二つある。一つ目が「この地域のどちらかで大規模な戦争が起こることは、アメリカの経済的繁栄にとって害になる」というものだ。

世界で最も豊かな大国の間で高密度の経済相互依存状態が維持されているため、大国間の戦争は戦闘参加国の経済を破壊するだけでなく、もしアメリカが戦争に巻き込まれることを上手く避けられたとしても、アメリカ経済にとっては結局のところ深刻な打撃になるζ言うものだ。

二つ目が、「アメリカは遠方で行われている大国間戦争にも必ず巻き込まれる」という意見である。これはアメリカ人にとってヨーロッパか北東アジアで行われる大きな戦争を外から安全に眺めることができるというのは単なる幻想にすぎないことを意味する。

これから考えると、アメリカにとってはこの二つの地域に兵力を維持して平和を保つのは理にかなっており、将来起こるかも知れない戦争で多くのアメリカ兵が死傷するのをあらかじめ防止することになる。この考え方を突き詰めていけば、大西洋と太平洋の両方を跨いだ制限のない米軍の駐留へと行き着くことになる。

ヨーロッパと北東アジアの平和がアメリカにとって望ましいことは、ほぼ疑いのない事実だ。ここで重要になってくるのが、この両地域の「平和」が、米軍を危険にさらさせておいてもなお正当化できるほど重要なものなのか、という点である。

これは、アメリカがある地域に軍を駐留させる際に抱える「リスク」の問題になってくる。ところが実際にはこの二つの地域の平和は、アメリカにとって死活的な国益というわけではない。両地域の平和が重要だという理論には論理的な根拠が欠けており、歴史を見てもこの根拠を裏づけるような史実はない。

「ヨーロッパや北東アジアでの戦争が、アメリカの経済的繁栄に害を及ぼす」という主張をよく考えてみてほしい。これは単に一方的な見方による断定であって、詳しい分析を元にしたものではない。実際、このテーマについて研究されたもので私が唯一知っているものでは、この主張と反対の結論を出している。

自国の地域から遠い場所で行われる戦争は、経済的な富を、戦争に直接関わっている国々から戦争に関わっていない中立国へと再分配する作用があり、むしろ中立国を経済的に豊かにするものなのだ。アメリカはヨーロッパと北東アジアの戦争によって、おそらく経済的にかなり得をするはずであり、戦争を行っている当事国よりもパワーを「相対的」に高めることにもなる。

第一次世界大戦でアメリカが中立を保っていた時に起こったのがまさにこれであり、ヨーロッパ経済が戦争で大打撃を受けている最中に、アメリカの経済は大発展したのである。現代のヨーロッパ、もしくは北東アジアで大規模な戦争が起こったとしても、それがアメリカ経済に深刻なダメージを与えるとは考えられない。

ゴルツとプレスが論じるように、「アジアで起こる大規模な大国間戦争は、第一次世界大戦の時のような影響を与えるかも知れないが、それは今日と比較してみれば、二十世紀初期のヨーロッパでの混乱の半分程度の影響」を起こすくらいなのである。

もしこの分析が間違っていて、ヨーロッパもしくは北東アジアで起こる大国戦争がアメリカに利益をもたらさなかったと仮定しても、アメリカが経済の繁栄を守るためだけの目的で大規模な戦争を戦うことはほとんどあり得ない。たとえば最近起こった二つの出来事がこの主張を裏づけている。

まず、一九七〇年代中頃の石油危機で、OPECはアメリカ経済にダメージを与えていたにも関らず、アメリカはOPECに参加している国々に対して軍事力は使わなかったし、使おうと真剣に考えたこともなかった。

二つ目は一九九〇年の秋にジョージ・ブッシュ(父)政権が、ほんの短い間だけだったが、「イラクは米国経済を悪化させアメリカ人の仕事を奪う恐れがあるのでクウェートから撤退させよう」と主張し、目前に追ったペルシャ湾岸戦争を正当化しようとした時のことだ。

この主張は激しく批判され、ブッシュは二度とこのようなことは言わなくなった。もしアメリカが自国の経済繁栄を守るために弱い産油国に対して戦争を行うのが嫌だということならば、アメリカが同じ目的のために大国と戦争をすることはさらに考えにくい。

「アメリカはヨーロッパや北東アジアで行われる大国間戦争に必ず巻き込まれる」という主張も、説得力に欠ける。米英は双方ともオフショア・バランサーであり、潜在覇権国のある地域の大国が自分たちの力でその潜在覇権国を封じ込められなくなった場合に限って、大国間紛争に介入してきた。

たとえば普仏戦争(一八七〇〜七一年)と日露戦争(一九〇四〜〇五年)の時、米英はそれぞれの紛争に巻き込まれずに安心して傍観していた。それらは地域覇権を争うような戦争ではなかったからだ。

もしヨーロッパ周辺の大国が自分たちでドイツという潜在覇権国を封じ込めることができていたら、アメリカはわざわざ二つの世界大戦には参戦しなかったはずだ。しかしドイツは一九一七年初めと一九四〇年夏にヨーロッパ侵略を始めたため、アメリカはヨーロッパ大陸へ介入せざるを得なくなったのだ。

「もしアメリカがヨーロッパと北東アジアに居座り続けば、大国間戦争も起こらずアメリカが大きな被害をこうむるような危険もなくなる」と反論することもできるかも知れない。しかしこの反論には問題点が二つある。一つ目は、たとえ米軍の駐留が戦争を起こしにくくしているとしても、大国間の戦争が起こらないという保証はない、という点だ。

もしアメリカが北東アジアに駐留し続ければ、台湾問題で中国と戦争になることもあり得る。二つ目が、もし本当に大国間戦争が起こればアメリカは開戦当初から戦闘に確実に巻き込まれることになり、これは戦略的にも良い状況とは一言えない、という点だ。

アメリカにとって一番良いのは、全く戦闘に巻き込まれないか、もしくは戦闘に巻き込まれたとしてもなるべく遅れて参戦することである。そうすればアメリカは最初から最後までを戦わなくて済むので戦闘による損害を少なくすることができ、戦争の最終段階で和平交渉に出てきて、戦後の世界を自国に有利な形に作り上げることができるのだ。

このような理論の話はさておき、ヨーロッパや北東アジアにおける「平和建設者」、もしくは「平和維持者」としての役割を演じようとするアメリカの意志について、歴史は何を教えてくれるのだろうか? すでに述べたが、一九九〇年以前の歴史には、アメリカが両地域の平和維持のために軍を派遣していたという意見を裏づける証拠がほとんどない。

アメリカの軍隊はライバルの出現を阻止するために派遣されたのであって、平和維持のためではなかったのだ。ところがこの歴史的事実を認めながらも「一九九〇年代はどの大国も地域支配を行おうとしていなかったのに、アメリカ軍はヨーロッパと北東アジアに居残っていたではないか。この事実の方が決定的に重要なのではないか?」という反論をすることもできる。

一九九〇年代:例外もしくは先例?

もちろんこうしたことはすべて事実であり、これまで起こったことはオフェンシヴ・リアリズムの予測と矛盾するように見えるかも知れない。ところがそれらの状況をよく見てみると、「ソ連クラスの大国の脅威が存在しない」という事実を元にしてアメリカ軍が両地域に引き続き駐留するかどうかを判断するには、冷戦終了からまだ時間があまりたっていない。

一九九一年にソ連が崩壊したのはたった十年前(註:本書が出版されたのは二〇〇一年)であり、ロシア軍が旧東ドイツから完全撤退したのが一九九四年で、七年前だ。ソ連崩壊の悲劇と、ヨーロッパ、北東アジアにおけるバランス・オブ・パワーへの大きな影響を考えれば、アメリカには両地域の新しい構造が自国の国益に対してどのような意味を持つのかをじっくり考える時間が必要なのである。

参考になるのは以下の歴史的事実である。一九一八年に第一次世界大戦が終了したにも関わらず、米軍はヨーロッパから完全撤退するのに一九二三年までかかっており、英軍は一九三〇年(終戦から十二年後)までかかっていた、という事実だ。

米軍の撤退が遅れたのは単なる"惰性"であるとも言える。アメリカが第二次世界大戦でヨーロッパに派兵したのはイタリアに侵攻した一九四三年からであるし、北東アジアでは第二次世界大戦の終了時に日本を占領した一九四五年からである。

また、冷戦に勝利できたのは、NATOや北東アジアの同盟国とアメリカとの強い結びつきがあったことが大きい。このような理由から、アメリカは彼らのもとを一夜にして去ることができなかったのだ。

その上、一九九〇年代以降のアメリカにとってはヨーロッパや北東アジアで兵力を維持するのは比較的安上がりであり、痛みも伴わなかった。アメリカ経済はこの時期に拡大して大規模な財政黒字を出していただけでなく、当時の中国とロシアは現在よりもはるかに国力が弱かったため、アメリカにとっては封じ込めやすかったのである。

このような撤退時期の遅れという問題を別にしても、アメリカと冷戦時代から同盟関係にある国々との関係が「疎遠になりつつある」という証拠は確かに存在する。特にヨーロッパではこの傾向が強く、一九九〇年にNATOによって行われたセルビアに対する戦争とそれによってもたらされた破滅的な状況は米欧関係にダメージを与え、ヨーロッパ連合はNATO要するにアメリカとの軍事同盟軍とは別個の、独立した軍事機構の創設を考えるようになったくらいだ。

イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどは、安全保障を自分たちの手で整えるために、ゆっくりとではあるが着実に、軍事の指揮権を掌握しなければならないことに気づいたのだ。彼らは冷戦の頃と比べると明らかにアメリカの命令を聞くことに熱心ではなくなっている。

あの日本でさえも、独自の行動をしようとしている。.さらに、ヨーロッパと北東アジアを守ろうとするアメリカの熱意にもかげりが見え始めている。世論調査や議会で出される意見などによれば、アメリカは世界の「やる気のない保安官」であり、両戦略重要地域におけるアメリカの軍事的な役割は、むしろ減少傾向にあることを示している。

ヨーロッパと北東アジアでアメリカが仲裁者的な役割をしていることは広く知られているが、なぜ米国の同盟国は(「分離」でないとすれば)「摩擦」を引き起こすことを知りつつ、わざわざアメリカからの軍事独立を宣言するのだろうか、と疑問に思う人もいるかも知れない。「このような行動こそが、元同盟国がアメリカに対してバランシングしようとしている証拠だ」と考える人も出てきそうなくらいである。

しかしこのような意見は説得力に欠ける。なぜならアメリカは、西半球にある土地以外の場所を征服して支配する欲望を持っていないからだ。米英のような「オフショア・バランサー」は、自国に対抗してくる反英同盟もしくは反米同盟のような「バランシング同盟」の結成を促すような行動はしない。彼らの本当の狙いは「危険なライバルに対してバランシングをすること」にあるからだ。

冷戦時代からアメリカと同盟関係を結んでいる国々の中で、アメリカの属国以下、もしくは同盟からの独立国以上のように振る舞い始めている国は一国もない。なぜなら、彼らは自分たちをこれまで守ってきてくれたオフショア・バランサーが、実は有事の際に頼りない存在であったことが明らかになってしまうのが怖いからだ。

冷戦時代を通じて、同盟国にとってはアメリカが有事の際に信頼できる国かどうかというのは深刻な問題ではなかった。ソ連の脅威のおかげで、アメリカにはワルシャワ条約機構の国々による軍事攻撃から自国を満足に守れないような弱い同盟国を保護しようとする強烈な動機があったからである。しかしその強烈な脅威がいざなくなってみると、ドイツや日本のような自分たちを守る力を持つことが可能な同盟国にとってみれば、アメリカは頼りない国として映り始めたのである。

ヨーロッパと北東アジアにあるアメリカと同盟関係を結んでいる国々の間で共通の懸念の一つは、「アメリカの駐留軍が撤退する」と広く信じられていることである。アメリカは本当に撤退を検討しているのか、また、有事の際に同盟国を守る力を本当に持っているのかこの点について、同盟国の間では疑惑が生じている。

また、アメリカの国益が同盟国のそれと一致しなかった場合、アメリカが同盟関係を無視する政策をとるのは確実だという懸念もある。たとえば一九九八年にクリントン大統領は米中関係を改善するため九日問も中国に滞在したが、日本には立ち寄らなかった。このクリントンの行動は、日本の指導者層にとってアメリカとの同盟関係が弱まっている証拠として映った。

またヨーロッパでは、その当時勃発していたコソボ危機によって、アメリカのリーダーシップに疑問が生じていた。さらにアメリカの中東政策や、ヨーロッパ以外の地域へのNATO軍の展開、特にミサイル防衡システムの配備について、アメリカと欧州の同盟国の間では大きな意見の食い違いが生まれてきている。

時が経過するにつれて、このような意見の違いはアメリカの同盟諸国の間に「アメリカの保護に頼るよりも自分たちで安全保障を備えよう」という動きを加速させることになりそうだ。そもそも国際システムというのは「自助の世界」だからだ。

簡潔に言えば、一九九〇年代という短い歴史だけでは、アメリカがヨーロッパと北東アジアで将来どのような軍事的関与をして行くのかを予測するのは難しい。このような議論は二十一世紀の早い時期に解決されるであろうし、それを決定するのは両地域にアメリカが封じ込めの援助をしなければならないほど強力な潜在覇権国が出現するかどうかという点にかかってくる。

アメリカが遠方の大国戦争に巻き込まれるリスクをあえて引き受けるのは、強力なライバルが脅威を及ぼし始めた時だけだ。アメリカはオフショア・バランサーなのであって、世界の保安官ではないのである。(P497〜P505)



(私のコメント)
時事問題のブログなどを読んでいて感ずる事は、時事問題を扱った本などの書評が少ない事だ。時事問題を考える上で専門書などを読むことは欠かせないことですが、私なども週に2〜3冊の本を読んでいる。だからこそ毎日のようにブログを書いていてもグダグダとコメントを書くことが出来るのだと思う。

『大国の悲劇』の書評などをグーグルで探してみても出て来るのは28件のみであり、出て来るのは朝日新聞の書評のコピペだ。特に世界戦略を考える上では『大国の悲劇』は必読の書だと思うですが、読んでる人は少ないようだ。本書は値段が5460円もして500ページを越す本だから手が出ない人も多いのだろう。

特に外国の学者の専門書は厚手のものが多く、通勤電車の中で読むようなものではない。特にこのような国際政治戦略の書は専門家しか用のない本であり、素人は読んでも意味が分からない。だから時々「株式日記」で紹介します。

『大国の悲劇』で一番のポイントは、アメリカの国際軍事戦略がどうなっているかについてです。ミアシャイマーはリアリストと呼ばれる政治学者ですが、株式日記でも何度か紹介しましたが、本人が書いた本を紹介するのは初めてです。

チャルマーズ・ジョンソンが左翼的な政治学者ならジョン・J・ミアシャイマーは右翼的な政治学者であり、対中国政策に関しても二人の意見は対照的だ。最近の言論を見てもチャルマーズ・ジョンソンは中国に買収されたとしか思えないほど親中国的でありブッシュを手厳しく批判している。

それに対してミアシャイマーもブッシュのイラク攻撃に開戦前から反対してネオコンと論争していましたが、現在になって見るとミアシャイマーの批判は現実のものとなっている。株式日記でもアメリカのイラク攻撃には反対してきましたが、理由としては地政学的に戦争が長期化すればアメリカは負けるからだ。

その点でミアシャイマーのオフショア・バランサーの対外戦略が正しい事がわかる。決してアメリカは世界の保安官ではなく、サダム・フセインという無法者を懲らしめる為にイラクに攻め込んだのではない。しかしアメリカのプロパガンダではイラクに民主主義をもたらすという事でライス国身長官などは説明している。

オフショア・バランス外交戦略は大英帝国の伝統的な外交政策ですが、それをアメリカに当てはめたものであり、ソ連の崩壊でアメリカの単独覇権主義が暴走してしまったのがイラク戦争だ。イラク戦争で泥沼に浸かれば北朝鮮などが暴れだすのは目に見えていた。だから最近のアメリカは北朝鮮にもてあそばれている。

このような事はバランスオブパワーから見れば愚策であり、アメリカといえども二正面作戦は出来ないのであり、イラクで泥沼に嵌れば極東やヨーロッパでは何も出来なくなる。これはミアシャイマーのオフショア・バランスを乱す外交だ。

「株式日記」では石油エネルギー戦略やドルの基軸通貨などを絡めてイラク戦争を論じてきましたが、「大国の悲劇」では専ら軍事面だけで論じている。経済力=軍事力と考えれば経済のことから論じないと説得力に欠けるのですが、「大国の悲劇」も純粋な軍事面からの分析で理論を説明しているからいま一つピンと来ない。

日本の外交防衛戦略はアメリカに丸投げした無責任な政策ですが、株式日記ではこのような日本外交に警鐘を鳴らしている。日本の政治家達はアメリカの軍事外交戦略をどれだけ分かっているのだろうか? そんなに日米安保に依存していていいのだろうか? アメリカはそんなに信用が出来る国なのだろうか?

その意味において政治家にとっても『大国の悲劇』は必読書なのですが、読むヒマの無い人は「株式日記」を読んでいただければアメリカの正体がわかるはずだ。アメリカの核の傘はすでに破れ傘であり、日本が核攻撃を受けたところでアメリカは核で報復はしてくれない。日米安保もすでに空洞化しているのだ。

私がアメリカがそんなに信用できないと感じたのはクリントン外交からですが、2008年に選ばれるヒラリー・クリントン大統領も日本にとっては危険な大統領であり、親中派のヒラリーは中国と手を組んで日本を潰すつもりだ。つまり民主党のヒラリーは多極主義でありアジアの盟主を中国に決めている。

それに対するリアリスト派のミアシャイマーは日本の核武装にも理解を示すバランスオブパワーの考えだ。ミアシャイマーは二極構造こそ安定した体制と論じていますが多極構造は不安定化して戦争が起きやすい。日本こそが中国を封じ込めて置くべき主役となり、その意味でアメリカと日本との利害は一致する。

アメリカの国力の衰退によりアメリカ軍はアジアからも撤退して行くだろう。アメリカが撤退した空白を埋められるのは日本だけであり、アメリカの反共保守派を説得して日本の核武装を実現しなければならない。しかしヒラリー政権になってしまうと米中で日本を潰しにかかる。

従軍慰安婦問題をはじめとした歴史カードで中国はアメリカの国務省や民主党と言った親中派とジャパンバッシングを始めた。その狙いは安倍内閣つぶしだ。日本は小泉政権に見られるように共和党のブッシュ政権と密着しすぎて、対北朝鮮外交で裏切られて翻弄されている。

アメリカのオフショア・バランスこそが正しい政策であっても、ネオコンや親中派やいろいろな勢力がアメリカ国内を蹂躙して蝕んでいる。イスラエルロビーもアメリカで猛威をふるって批判する事はタブーになっていましたが、ミアシャイマーはイスラエルロビーを批判した論文を発表して波紋を呼んでいる。

イラク戦争もイスラエルロビーによるものですが、アメリカの利益になっているのだろうか? さらにはイスラエルロビーとチャイナロビーが連帯してアメリカ国内で南京大虐殺問題で日本叩きを始める。日本はアメリカの保守派と協力してこのような勢力を叩き潰さなければならない。




米国の住宅ローンの市場がおかしくなっています。酷使してきた
2番目のエンジンが「突然火を噴いた」ような状況なわけです。


2007年3月30日 金曜日

NY株、一時130ドル下げ FRB議長発言受け急落 3月29日 東京新聞

【ニューヨーク28日共同】28日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が議会証言で米経済の先行きに対する懸念を表明したことをきっかけに売りが集中、一時、前日比130ドル超急落した。

 午前10時45分現在、前日比131・54ドル安の1万2265・75ドルで取引された。ハイテク株主体のナスダック総合指数は23・63ポイント安の2413・80。

 バーナンキ議長が、低所得者向け住宅ローンの不良債権問題が住宅市場に与える影響に懸念を表明、インフレ懸念にも言及したことで、市場では景気の先行きへの不安が一気に強まり幅広い銘柄が売られた。



2990兆円の頭痛 3月14日 いちカイにヤリ

サブプライム市場の問題が深刻化するにつれて投資銀行が欠損の一部を被るのはどうやら避けられないという認識が投資家の間に静かに広がりつつあります。今日ははやくもジェネラル・モータース(GM)が金融子会社、GMACにおけるサブプライム絡みの欠損を埋めるために1000億円の資金を注入すると発表しています。勿論、1000億円なんて世界に君臨する米国のメガバンクや投資銀行にとっては「はした金」なのは僕にもよくわかっています。でも、「こっちで1000億円、あっちで1000億円、、、」という風に穴埋めしているうちに損はどんどん積み上がります。

問題は2990兆円とも言われるデリバティブ市場の仕組み債の多くはそれらの金融機関のバランスシートを根拠にイシューされている紙切れだということです。だからそれらの金融機関のサバイバビリティー(存続可能性)にチョッとでも疑惑が出るとドミノ式に信用秩序が崩れる危険性だってあるということ。デリバティブに依存しているビジネスは住宅ローン業者やREITだけではありません。例えばETFだって仕組みの上では金融機関の発行するノート(証書)を株式のように売り買いしているというからくりになっているものが沢山あります。

FEDはこのデリバティブ市場の現状把握のためにいろいろ苦心しているわけですけど、なかなか正確なデータというのは出てこない。そこで何ヶ月か前(だったと記憶してますけど)に米国の主要投資銀行やメガバンクを一堂に集めて兎に角、各社のwriteした仕組み債の総額だけでも把握しようと試みました。で、「総額を見てごらん、ホラ、こんなに多いでしょ?。だから何か突発事故があったときは逃げようにも逃げられませんよ。」と指摘してやんわり「乱痴気騒ぎもほどほどに」と釘を刺しました。

でも「映画館が火事になっても自分だけは逃げられる」と思いたくなるのが人情。投資銀行の連中だってそれは同じこと。「俺様は天下のモルスタだ!俺たちがそんなドジ踏むわけない」と思っている、、、。でも現実問題としてゴールドマンもモルスタもニュー・センチュリーの破綻ではチョー格好悪い窮地に追い込まれちゃった、、、。

今はこのクレジット・クライシスがどのくらいコンテージアス(伝染性が強い)か?ということを各社のリスク・マネージャーは固唾を呑んで見守っていると思うんです。

当然、新規の融資なんて降りなくなります。それから住宅市場に関係ないREIT(=商業不動産など)もファンディングがやりにくくなる筈。REITの成長は鈍化します。不動産価格は再度下落しはじめます。本当の修羅場はこれらの不動産物件の物件価値がローンのフェイス・ヴァリューを割り込んだときに到来すると思うんです。

今起こっていることは序の口です。


もうひとつのエンジンが止まるとき 3月26日 いちカイにヤリ

米国経済を需要という観点から考える際:

1.企業
2.消費者

という2つの巨大な需要の発生源(ポッド)があるという風に捉えることができると思います。これは例えばボーイング737についている2基のエンジンをイメージして頂けるとわかりやすいと思います。最近の状況としては企業のエンジンの方は70%程度の出力しか出していない状況が続いています。これは前回の景気拡大サイクル(それはドットコム・バブルのときでしたが)では企業が過剰投資し過ぎて最後痛い目に遭ったので今回はエンジンを絞り気味にしているからです。

一方、ドットコム株が軒並み暴落し企業家のマインドが萎縮する中で米国経済を牽引したのは消費者でした。消費者はFEDが金利を低く誘導したおかげで住宅価格が上昇し、その含みをキャッシングすることで高水準の消費を維持できたわけです。ジェット機のエンジンに喩えるとオーバー・ドライブをかけて120%くらいの出力をキープしてきたと思ってください。

さて、最近、米国の住宅ローンの市場がおかしくなっています。これが何を意味するか?というと120%の出力で酷使してきた2番目のエンジンが「突然火を噴いた」ような状況なわけです。

副操縦士:「機長、2番エンジンから発火しました!」
機長:「ムムッ。それじゃちょっとエンジンを絞って様子を見てみろ。」
フライト・エンジニア:「2番エンジンはまだ作動するにはしていますが、、、」
機長:「よろしい。しかしムリは出来んな。」

問題なのは経済の牽引役だった消費者のバランスシートは相当ストレッチ(つまり負債が多すぎ)されているということです。なるほど企業のバランスシートは至って健全ですけど、こちらの方は経営者のマインドがしめっぽいので今後も牽引役に踊り出ることはないでしょう。

上記のような状況では米国経済のモメンタムは今後スローダウンは免れないと思われます。従ってFEDの金利政策はこれからは緩和基調となるでしょう。金融緩和する意味はノッキングしそうになる景気に対してセイフティー・マージン(もしものときの備え)を提供するところにあります。(後略)


(私のコメント)
アメリカの2000年のITバブルの崩壊の後、グリースパンFRB議長はFF金利を一気に1%台にまで下げて景気のソフトランディングをはかった。6,5%から1%まで下げたのだから驚く。それに比べると日本の日銀総裁の金融コントロールは後手後手に回り、バブルをハードランディングさせてしまった。

三重野総裁などは株式には関心がないことを売りものにしていたほどだ。株式こそ景気の先行指標であり、日銀総裁は株式の動向を注意深く見ていなければならない。さらには地価の動向も景気の指標でもあり、大都市を中心に上げはじめた。しかし全国の地方の地価はまだ下げ続けている。

日本が6年間ものゼロ金利政策が続いたのは地価が下げ続けてデフレ状態が続いているからですが、大都市の地価が上げ始めたから短期金利もそろそろ上げ始めて様子を見るべきだろう。しかしまだデフレ状態は続いている。株価も世界同時株安などがあり目が離せない。

日本の景気も最悪の状況は脱して景気は回復し始めたが、アメリカや中国のバブル景気に引っ張られた影響もある。だからアメリカや中国の景気動向も注目してみていかないといけない。

アメリカは2000年のITバブル崩壊の後もグリーンスパンの見事な金利操作で住宅需要などを喚起して好景気を続けることが出来た。ITバブルの場合は株式のバブルでしたが、住宅バブルの場合は日本のバブルとよく似ている。多くの人が自宅などを担保に金を借りて不動産や株に投資している。

ところがサブプライムローンなどの焦げ付きが増え始めて不動産市況も暴落の兆しがある。バーナンキFRB議長は金利を下げて住宅市況の下支えをしなければならないが、グリーンスパンの時のような大胆な金利操作ができるだろうか? 

しかしアメリカに資金を供給してきた日本やEUが金利を上げて引き締めはじめているから、アメリカが金利を下げるとアメリカから資金が出て行ってしまうだろう。不動産バブルの場合、焦げ付きが出始めると銀行も貸し出しを締め始めるから金利を下げても効果は無いかもしれない。

いずれにしろアメリカの国民も財産を使い果たしてすっからかんの状態であり、これ以上消費を続けさせる事は難しい。住宅で金が借りられなくなってカードローンで金を使っていることは以前に書きましたが、カードローンは高金利だから家計がパンクするのは時間の問題だ。

「いちカイにヤリ」のブログでも指摘していますが、アメリカではディリパティブがどのようになっているか関係者も皆目分からず、3000兆円もの爆弾を抱えている。REITのような証券がどのように仕組まれているのか、高度な数学的計算で仕組まれているから当事者でないと分からないのだ。

株式にしても、たとえ0,25%の利上げでも、リスクプレミアムなどで何倍にも運用されているからファンドなどの影響は大きい。最近ではオイルマネーがアメリカに供給されていますが、イラン攻撃があればオイルマネーはアメリカから資産凍結を恐れて一斉に持ち出すだろうからドルの暴落が起きる。

だからアメリカのイラン攻撃はアメリカの自殺行為なのですが、中東の湾岸諸国もユーロでの石油取引などの動きが見られる。アメリカのイラク攻撃はドルの基軸通貨体制を守る為のものだと言われていますが、すでにドル離れは世界的に起きてきてしまっている。これではイラン攻撃しても何の効果も無い。

アメリカは一番エンジンがクラッシュして二番エンジンで飛んでいる飛行機のようなものですが二番エンジンも火を噴き始めた。エンジンの出力を落としたいところですが落とせば飛行機が墜落してしまう。このままでは高度が落ちていってワールドトレードセンターに激突するかもしれない。




米国下院公聴会でヒル国務次官補は、六者協議によって日本の
核武装志向を牽制できたことが最大の成果である、と証言した。


2007年3月29日 木曜日

アメリカ「慰安婦決議」対策はなぜ失敗したのか 3月29日 草莽崛起

いわゆる従軍慰安婦に関する対日謝罪要求決議をアメリカ下院が行おうとしている問題で、安倍政権が果敢にこの問題に取り組んでいることに、心より敬意を表しますが、その対応の仕方については、残念ながら、はなはだ拙いものとなってしまったことは否めません。

 それは何故か。この慰安婦も含め、アメリカの内情がどうなっているのか、という分析が圧倒的に不足しているからです。

 産経新聞は、次のように書いています。

《だが2月15日には米下院の小委員会が元慰安婦女性の公聴会に踏み切った。業を煮やした安倍は首相補佐官(広報担当)の世耕弘成を同月19日、米国に派遣した。

 「決議案の裏には中国ロビイストがいる。狙いは日米の離反だ」
 世耕は応対に出た米国務省の課長級職員に懸命に訴えた。世耕の勢いに押されて職員が呼びに行ったのは国務次官補のヒルだった。
 「そういう背景があるとは知らなかった」
 ヒルはそう話して頭を抱えるポーズをとった。》


この世耕補佐官の対応は、「日本政府はすでに慰安婦問題で謝罪している」と弁明した駐米大使館の対応よりは数段いいのですが、それでも、余りにも拙いと言わざるを得ません。

 「慰安婦決議が、日米分断策動を狙う中国ロビイストの策略だ」と訴えたことは良かったと思いますが、訴える先を間違っています。アメリカの国務省は我が国の外務省と同じく、親中派が多いことで有名です。この2月の六者協議でも、中国政府の意向に迎合したアメリカ国務省の対応に対して、アメリカの保守系議員や国防総省は激しく怒っています。

 つまり、中国シンパが多いアメリカ国務省に、「背後には、中国ロビーがいる」と訴えること自体が、ナンセンスです。

 しかも、アメリカ国務省の東アジア担当であるヒル国務次官補が、世耕補佐官の訴えを聞いて、「頭を抱えた」といいますが、実際は「内心は、お腹をかかえて笑った」の間違いではないかと思います。

 なぜなら、ヒル国務次官補こそ、親中派の代表格だからです。2月28日 米国下院公聴会でヒル国務次官補は6者協議に関連して、「このプロセスがなければ、さらに危険な反動があったかもしれない」と述べ、六者協議によって、日本の核武装志向を牽制できたことが最大の成果であると、証言しているのです。ヒル次官補は、日本が自らの安全を自らで守ろうとする我が国の議論を封殺できて良かったと言っているのです。日本でいえば、田中均元アジア局長に、拉致問題解決を懇願したようなものなのです。

 このようなアメリカの国務省の内情を知らずに、世耕補佐官が訪米したとするならば、外務省の調査分析能力は最低だと言わざるを得ません。そして、こんな外務省を使って対米外交をしなければならない安倍総理や麻生大臣には、心より同情いたします。

 更に言わせてもらえれば、アメリカでは、慰安婦問題は、政府による強制連行があったかどうかではないのです。アメリカの一般的な知識人の見方は、「戦前の日本は軍国主義国家、ファシズム国家だった。国民の人権も蹂躙していたのだから、韓国やフィリピンの女性たちの人権を蹂躙

したに決まっている」という抜きがたい偏見に染まっているのです。
 そして、アメリカの歴史教科書でも、「軍国主義国家であった日本は、アメリカのおかげで民主主義国家になった」と堂々と描いているのです。


 しかも、この「日本=軍国主義国家」論は、いまなおアメリカの歴史学会の主流なのです。ただし、日本がいつから軍国主義国家となったのか
をめぐっては、長らく論争が続きました。

 エドウィン・ライシャワーを代表とする「保守的学派」は、1930年代に軍国主義者が帝国主義的侵略を行ったことは逸脱に過ぎず、これら一部軍国主義者を取り除けば、日本は再び民主主義国家として再建できる、と主張しました。

これに対して、E.H.ノーマン、オーエン・ラティモア、T.A.ビッソンら「進歩的学派」(実際はコミンテルン系)は、1930年代のアジア侵略は、明治維新における絶対主義王政の確立に由来し、天皇制を中心とする体制をすべて否定し、労組や共産党による政府を樹立しなければ、日本の民主化は達成できない、と主張しました。この「進歩的学派」は、マッカーシー旋風で断絶したため、一時期、ライシャワー系統が主流となりました。

 しかし、ベトナム反戦運動を通じてジョン・ダワー、ハーバート・ビックスら「ニューレフト」派が台頭します。彼らは、ライシャワーら保守派の学説を批判し、占領によって確かに日本の民主化は進んだが、「逆コース」によって占領が骨抜きとなった結果、戦前の寡頭体制は温存された。

東京裁判も不徹底なものとなった結果、日本は「過去の侵略を反省できない、アジアから信頼されない国家」になってしまったのであり、日本が信頼される民主国家となるためには、もう一度、徹底した占領改革と東京裁判を実行すべし、と訴えているのです。

 そして、この理論が、冷戦後、日本の戦争責任を追及するアメリカの反日運動を支えてきているのです。対米対策をしようと思うならば、アメリカの歴史学会のこうした基本的な構図は最低限、理解すべきなのです。

 それでは、我が国はどうしたらいいのでしょうか。
 まず、アメリカの国務省は確かに親中派が多いですが、一方、国防総省(ペンタゴン)は、中国警戒派が多いのです。「慰安婦問題は、日米分断策動だ」という我が国の訴えは、国防総省に持っていくべきなのです。


 その際、「アメリカの議会が慰安婦という政治的に決着済みの問題を持ち出すならば、我が国も原爆や東京大空襲を持ち出して対米批判をしようとするぞ。それでいいのか」と、我が国の立場をきちんと説明すべきです。そこまで言わなければ、彼らはわからないのです。

 また、確かにアメリカの歴史学会は、ライシャワー学派も、ニューレフト学派もともに、「大東亜戦争は、日本の軍国主義のせいだ」という点で一致しています。しかし、アメリカのブッシュ政権を支える草の根保守グループは、必ずしもそう思っていません。

むしろ、「アメリカ共産党のスパイたちに踊らされて、ルーズベルト容共政権が日本を追いつめたから、あの戦争は起った」として、ルーズベルトの戦争責任を追及する傾向が強いのです。このような草の根保守たちに、ルーズベルト容共政権とスターリン政権こそが先の戦争の原因だという歴史観をきちんと提示すれば、彼らは、真の意味で日本の立場を理解できるようになるはずです。

 そして、アメリカは民主主義国ですから、歴史学会がいかに歪んでいようと、有権者たちがきちんとした歴史観を持つようになれば、アメリカの外交政策は立ち直ります。

 こうした対策は、あくまで地道な仕事ですが、「あの戦争を起こしたのは誰なのか」、という根本問題についての歴史観について正面から取り組むことが、結果的に日米関係を正常化することにもつながると思います。そのためにも、私が指摘した「アメリカの歴史学会の動向」を含め、世界主要国がどのような歴史観を持っているのかを、丁寧に分析し、その結果を外交に生かすための専門調査・分析機関が日本は絶対に必要です。

 ちなみに、アメリカではCIAが、中国では中国社会科学院が、その役割を担っています。


◆】「北朝鮮による拉致も、甘言で騙した例がある。だから慰安婦も『拉致』被害者」 … 朝日新聞 [03/28]

【ニッポン人脈記】安倍政権の空気:16 少女に甘言「拉致と同じ」

1月末、米下院に「慰安婦決議案」が出されて以来、中央大教授吉見義明(60)のもとに 欧米メディアがたびたび質問に来る。「シンゾー・アベは拉致問題には熱心だが、従軍慰安婦に対する態度と矛盾するのでは?」「従軍慰安婦」研究者の吉見も、このふたつの問題に共通性を見いだしている。 (中略)

「拉致はあれだけ追及し、慰安婦にはそっけないではダブルスタンダード。安倍さんは国家 を愛して、人間に向き合っていないのではないでしょうか」米下院や米ジャーナリズムと日本の対応の差は、国際人権感覚のギャップかもしれない。 (後略)



(私のコメント)
日本政府には情報分析をする機関がありません。本来ならば中央官庁がすべき仕事ですが、外務省も情報分析官などという部署はないようだ。日本版NSCやCIAを作るという話もありますが、作ったところで機能するだろうか? 日本のシンクタンクの現状を見ても機能しているようには見えない。優秀な人材がいないからだ。

6カ国協議の本質も日本に核武装させない為の機関だと以前書きましたが、ヒル国務次官補が下院でそのように証言している。外務省でそのような分析をしている人はいないのだろう。日本の外務省もチャイナスクールの牙城であり、アメリカの国務省も親中派の牙城だ。だから中国が日米分断工作で仕掛ければ簡単に現在のような状況になってしまう。

従軍慰安婦問題はアメリカ議会が民主党優勢になり、政府部内も強硬派のラムズフェルドが去り、隠れ共産主義者のライスが外交の主導権を持つようになったことから、拉致問題で強硬派の安倍内閣を牽制する目的だろう。朝日新聞なども拉致問題と従軍慰安婦問題を同列に扱うキャンペーンを始めた。アメリカの国務省も隠れ共産主義者の牙城だから、従軍慰安婦問題の影の仕掛け人は国務省だ。

2月に世耕補佐官がアメリカに駆けつけましたが、準備不足と分析不足は明らかだ。国務省自身が従軍慰安婦の影の仕掛け人ではないかという分析は、ドイツにおけるヒルと北朝鮮との秘密会談からも疑える事実だ。ライスの国務省の北朝鮮への全面譲歩とも思える政策転換はなぜ起きたのだろうか?

イラク問題で手一杯であり北朝鮮問題は先送りという分析が多いようですが、イラク問題はすぐに片付く問題ではなく数年はかかるだろう。そうなるとブッシュ政権も2年で終わるし北朝鮮の核問題は中に浮いてしまうという事だ。

アメリカの国務省の外交政策は親中派だから日本を押さえ込んで中国にアジアを任せようという政策だ。それに対して国防総省などは中国の軍事的脅威に対しては日本の協力を必要としている。財務省も中国の元の問題に関しては手を焼いており米国債など中国が大量に買っているから脅威を感じている。

このような状況で世耕補佐官が国務省のヒル次官補に従軍慰安婦問題は中国の日米分断工作だと抗議したところで意味はない。影の仕掛け人が国務省であり、安倍内閣の拉致問題が片付かなければ資金援助はしないという方針を変えさせようというのだ。しかし政府部内でも国防総省や財務省は国務省の暴走に非難がでている。

ブッシュ大統領はすでにレイムダック化して政府すらも一つに纏められなくなっている。イラン攻撃に関しても攻撃するかしないかの問題ではなく、攻撃できるか出来ないかのレベルにまでアメリカは弱ってきているのだ。だからこそ北朝鮮にまで屈辱的な譲歩をせざるを得なくなったのだ。

なぜアメリカのこれほど弱ってきたかについては昨日一昨日に書いたことで分かるだろう。株の暴落やドルの暴落はいつ起きるかわからない。起きてしまったらアメリカは大混乱となりイラクからも軍隊を撤退せざるを得なくなるだろう。はたして世耕補佐官および外務省はここまで分析が出来ているのだろうか? とても思えない。

はたしてアメリカの東アジア政策はどうなるのだろうか? アーミテージ元国務副長官がレポートを纏めたようですが、イラク問題がどうなるか分からないのに意味がない。国務省のようにアジアを中国に任せようというのか、国防総省のように日本の協力の下に中国を押さえる政策なのか、日本にとっては米国務省は敵だ。

ライス国務長官やキッシンジャー氏は隠れ共産主義者であり多極主義者で反米政策を行なっている。この事をアメリカの草の根保守は気がついていない。本来のアメリカの外交政策は反共産主義であり世界の民主主義政権と同盟して中国や北朝鮮の共産主義を打倒することだ。

ところが民主党や政府内部にも国務省のような隠れ共産主義の牙城もあるし、共和党内でもキッシンジャーやライスのような隠れ共産主義者がいる。しかしそれが草の根保守には見分けがつかない。

ブッシュ大統領自身は草の根保守から選ばれて大統領になりましたが、二期目になるとネオコンは政権から追い出されて、隠れ共産主義者に囲まれてしまった。だから6カ国協議で北朝鮮に譲歩して、アジアを中国の覇権に任せようとしている。さらに従軍慰安婦問題や南京大虐殺問題などで日米の分断を図るだろう。

それにもかかわらず日本の親米ポチ保守派はこのような状況に気がついていない。大人しくしていれば従軍慰安婦問題は収まると見ているようですが、アメリカの新聞などが派手に書き立てている。親米ポチ保守派は誰が本当の敵か分かっていないのだ。


米中の日本挟み撃ち作戦によって、キリキリ舞いにさせられる、日本の親米保守、親米右翼「ナショナリズム陣営」の喜劇。 3月28日   太田龍の時事寸評

○「米国の権力中枢」が、猛烈な日本タタキを開始した。
○英国の権力中枢もこの動きに同調して居る。
○米国下院が、今回は、中共政権ペースの日本軍従軍慰安婦
 問題弾劾の決議を可決しそうだ、と言う。
○産経新聞(平成19年3月22日、『安部政権六ヶ月』下)は、
○万一、そのようなことに成ったら、日本の保守陣営の中から、
○敗戦占領下に生じた、
○米軍による日本女性に対する暴行問題を弾劾する動きが噴出
 するであろう。
○と警告した。
○そうなれば、日米の対立抗争は一挙に増大する。
○などと言う。


(私のコメント)
親米保守というのは論理矛盾であり、保守派は愛国保守しかありえない。従軍慰安婦問題がリトマス試験紙となり、真の保守派が立ち上がらなければ日本はまた再び終戦直後のアメリカ軍に占領されたような日本になる。米中による日本の共同管理が始まるのだ。




サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の
民主化と呼んだものの一部だ。日本の土地本位制を真似たものだ


2007年3月28日 水曜日

米国住宅市場: 「大宴会」の後、世界で二日酔いが始まる 3月28日 エコノミスト

6月は米国で、「全国住宅所有者月間」である。「全国差し押さえ月間」とした方がふさわしいかもしれない。住宅ローン市場の一角、特に信用度の低い人向けの「サブプライム」ローン市場は、ひどい焦げ付きに見舞われている。サブプライムローンの借り手の8人に1人が返済遅延に陥っており、さらに多くのローンで返済初期だけの低金利が期限を迎え、毎月の返済額が借り手の月収を上回るようになるにつれ、何十万もの人が街頭に放り出される運命にある。

 ほんの数週間前まで、米住宅市場の落ち込みは最悪期を脱したとの声がちらほら聞かれた。今はなかなか聞くことができない。経済全体について悲観的になるのは早すぎるにしても、不動産鑑定士なら誰もが、信用引き締めと住宅の供給過剰を見て取るだろう。経済の基盤もさして良くない。住宅価格の下落は、経済を押し上げてきた個人消費を冷やす。

 他国もまた、心配そうに米国を見ているかもしれない。実際、遅すぎたくらいだ。今のところアジアと欧州の経済が自力で健闘しているものの、米国の景気後退は到底歓迎できない。だが懸念の真因は、米国の住宅ブームが低金利を呷る世界的な大宴会の一部だったように、その破綻もまた世界的な物語の一部かもしれない、という点にある。

長い長い宴の後で

世界各地で耳を澄ますと、住宅価格の急落はまだ始まっていないにせよ、米国の苦境のこだまが聞こえてくる。まず、サブプライムローンの借り手から話を始めよう。米国では、この人たちは当然ながら、住宅融資をより低利かつ固定金利で受けられる人たちよりも貧しい(そして白人でないケースの方が多い)。彼らの多くは住宅市場の大パーティーに、既に価格が高騰したころになって遅れてやってきた。

 多くの人が、顧客の返済能力よりも自分たちの手数料を気にする仲介業者に勧められて住宅融資を受けたようだ。そして、融資した貸し手――そのうち数十社が店じまいを強いられた――は、債務不履行の比率を甘く見積もった。寛大に見れば、これはサブプライム市場が比較的未成熟だったことに帰すことができる。厳しく見れば、貸し手側の動機として「証券化」効果を指摘できるだろう。つまり、融資は一まとめにして売却し、さらにそれを小分けにしてパッケージし直し、再販売できると知っていることが甘い判断を生んだわけだ。

 英国人にとっては、不安を抱かせるほど馴染みのある話に聞こえるだろう。借り手、特に最初の家の購入を望む若者や不動産が年金の役割を果たすと考える家主たちが予算を無理に拡大するために、「自己証明」による住宅ローン(米国人向けに翻訳するなら、「証明書類なし」あるいは「嘘つき」のローン)及び一定期間は返済が金利のみのインタレスト・オンリー・ローンが以前より一般的になった。

 スペインでは、貸し手が若い移民集団を勧誘している。大抵、信用履歴が短いか不完全で、しばしば彼ら自身が建設現場で働いているような人々である。

 米国のもう1つのテーマは、住宅購入者とローンの貸し手が金融緩和政策の報いを受けているということだ。ITバブルの崩壊後、米連邦準備理事会(FRB)が金利を引き下げた時、FRBは別のバブルを住宅市場で膨らませた。欧州でも同様の筋書きが見られる。単一通貨はユーロ圏の経済成長の旗手スペインとアイルランドに、その好況に見合わない低金利を提供し、過去10年間で、スペインで180%、アイルランドで250%という住宅価格高騰をもたらした。

 今や両国とも住宅に依存し過ぎているように見える。住宅価格のインフレが緩和して――緩和して――9%程度になったスペインでは、住宅投資がGDP(国内総生産)の7.5%を占めている。もしこの比率が例えば6%に下がったら――それでもユーロ圏の平均よりも高い――、住宅建設部門の雇用喪失が年間の雇用の伸び率を1%押し下げるだろう。

 アイルランドはもっと危ういように見える。驚異的なことにアイルランドでは住宅建設が直接、国民所得の15%、雇用の12%を占めている。住宅価格は高騰したのに賃貸料はここ数年、低迷しており、ダブリンの4%という賃貸利回りは借り入れコストさえカバーできない。今では住宅価格も落ち着き始めている。ダブリンにあるユニバーシティ・カレッジのモーガン・ケリー氏によると、住宅価格と賃貸料の比率を2000年前後の水準に戻すには、今後8〜9年で実質価格が40〜60%下がる必要があるという。

次に何が起きるのか?

米国やその他諸国の人々は、英国とオーストラリアの軟着陸らしき様子に安心感を見いだしたいところだろうが、それは間違いだ。確かに、英国の住宅市場は2005年の想定外の利下げ以来、息を吹き返した。しかし、それ以降の利上げの影響はまだ表れていないようである。そしてオーストラリアの住宅価格は地域によって大きなバラつきがある。シドニーのアパートを買って貸す投資家は、物件価格が値下がりしており、着陸はかなり荒っぽいと感じるかもしれない。

 当然、米国人たちは、政策立案者に何ができるのかと問うだろう。数年前の金融政策を元に戻すのは、もはや手遅れだ。今利下げをすれば、間違いをさらに大きくする恐れがある。FRBの主な懸念はインフレであり、それは正しい。特にサブプライム市場を中心とした融資基準の緩さを考えると、ノンバンク住宅金融会社への監督を、それも州レベルよりも連邦レベルで引き締めるべきだという主張もある。

 また混乱の多くを証券化のせいにしたくもなるだろう。だが、証券化はあらゆる融資市場の流動性を高めることで、総じて恩恵をもたらしてきた。そして、返済遅延や差し押さえはあっても、サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の民主化と呼んだものの一部だ。おかげで、より多くの米国人が融資を受けて住宅を買えるようになった。そして大部分の米国人は何とかやっている。

 それでも経済的な悪影響は大きいものとなりかねない。政治的な悪影響も同様だ。米国の最近の経済的成功の大半は、上層部、特に金融業界の人たちによって吸い上げられてきた。下層の多くの人たちは今、返済できない債務と家の喪失に直面している。

 大衆迎合型の政治家は「ハンプトンの別荘*」と「持ち家なし」を対比して大騒ぎするだろうが、それより彼らはむしろ、持ち家への執着を作り出すのをやめるべきなのだ。人々が望むのであれば、融資を受けて自分の家を買う自由があるのは結構なことだ。政治家が、所有自体が目的の持ち家を奨励するのはよろしくない。米国のように、政治家が税控除でそれを助長するのは、愚の骨頂だ。

*=ハンプトンはニューヨーク近郊の高級リゾート地で、金持ちの別荘が多い



微妙なライン 3月27日 ぐっちーさんの金持ちまっしぐら

100万戸を大幅に切るのではないか、と予想していたのはぐっちーとその仲間だけだった・・・・という昨日の米国新築住宅販売件数(一戸建て)。

巷のエコノミストがいかに不勉強かということを露呈したようなもんで、我々のようにここ数ヶ月、マニアックに住宅セクターを見ている連中の間では簡単に予想できた数字です。

あの手のエコノミストに何億円も払っている投資銀行や証券会社というのは本当にカネをどぶに捨てているようなもんですな。皆さんは当てにしてはならんですぞ・・・

ということで、この84.8万戸(年ベース)というのは結構な数字。アメリカ経済がかなり微妙なラインにきているという可能性を示唆するものです。

住宅の値上がりがどの程度消費に影響を与えているかは極めて蓋然性の高いデータしかありませんので、正確には言えないのですが、実感としてはかなりの部分を占めているような感じがします。私の周りにも頭金なしで家を買ったのに、なぜか車の代金まででたよ、という笑い話のような話がごろごろありますし(まさに日本のバブルの頃と同じで1億円のマンションを買うと、値上がりするであろう分まで貸してくれた。実際私のところには2億円融資するから、この1億のマンションを買え、なんて話がたくさん来ました。さすがに臆病な私は乗りませんでしたが、この話にのって残りの1億でオーストラリアに家をかったり、ポルシェを買ったりする輩はごろごろいました。結果がどうなったかは皆さんご存知の通りです)インパクトが少ない筈はないのです。

もう一つ、アメリカは日本とは違う、という意見もありますが、これもどうなんでしょうか。要はアメリカは人口が増え続けているので住宅価格は日本のように下落する事はない、という論理なんですが、どっかで聞いたような話ですよね(笑)

結局今回の騒動の根幹であるサブプライムを見ているとそれもかなり怪しい。つまり、元来融資対象にならんような移民などの低所得層にローンを出して無理やり住宅を買わせている・・・値上がりするから大丈夫よ、ってなことなんでしょうが、これが今回のように、いつかはあがるぞ、と我慢比べをしている最中にデフォルトが増えてくるさすがに投げざるを得ない、というあまりに当たり前の事実に直面してみると、やはりこの種のローンはやばいよな、ということになる訳です。

いくら人口が増えているといったって、低所得の移民ばかりでは意味がなく、彼らが本当の消費者に転嫁するか否か、そういった社会制度的な問題を含んでいると考えざるを得ません。そうであるなら、アメリカの成長も中国並みに怪しい訳です。中国がそのもくろみどおり「先富論」を実現できるのか、という命題を実はアメリカも抱えていて、その試金石として住宅市場をウォッチする、といった見方が必要と思われます。

さて、その中国もいよいよチャレンジが始まります。先富論から30年。豊かになるものは先に豊になって国を引っ張れ、といってきたものが先の全人代では遂に「社会公平、正義の維持」と来ました。これよりは、「豊かになったものはその富を配れ」、というメッセージが歌われています。

実はアメリカはこれに失敗しており、全消費の90%以上をトップの数パーセントの所得層が賄うという国になっています。これに(富の分配に)成功したのは戦後日本だけ。中国は実は共産主義ですからイデオロギー的にはこの分配システムに最も適している筈です。なにせ「社会主義市場経済」で、土地すら私有できないのですから資本主義といわれても笑うしかありませんが、本当に富の分配がなされ、5億人の消費者が生まれるならこれは革命的出来事である事は間違いありません。

そういう目で見ると中国経済の底力もまたわかろうと言う物です。日本ではなぜか過小評価する方が多いのですが、中国が単なる「世界の工場」から「世界の消費国」に転換できるかどうか、これはアメリカ経済の趨勢に勝るとも劣らない大命題であるということも忘れないで下さい。



(私のコメント)
エコノミストの記事やぐっちーさんのブログ記事などを見ると、日本で1980年代に行われていた事が欧米でも行われていた事がわかる。日本では資産活用ローンとか住活ローンなどと呼ばれて、不動産を担保にすれば低い金利で都市銀行でも金を貸してくれた。

私も何箇所かの土地を持っていたので遊んでいる土地を担保に金を借りて株式投資などをしていた。おそらく欧米でも自宅を担保に金を借りて株を買っている人が多いだろう。欧米の株式が堅調なのはそのせいだ。アメリカなどは新高値をつけるほどになっていますが、住宅市場が堅調だったから株式市場も堅調だったのだ。

不動産担保ローンは今でもノンバンクなどがやっていますが、株や不動産の値上がりが当たり前の頃ならともかく、今では借りてまで株や不動産を買う人は少ないでしょう。日本でも90年の株の大暴落からバブルの崩壊が始まったのですが、不動産ブームは92年頃まで続いていた。株とは違って不動産には実態的な価値があると思われていた。

アメリカのサブプライムモーゲージローンもアメリカの景気を支えてきた事は間違いない。いわゆる低所得者向けの住宅ローンなのですが、住宅の値上がり分などでさらに金を借りて消費に回していた。これで値上がりが続いていれば問題は無いが、いつかは転機が来るのであり、焦げ付きローンが多発してきてローン会社が倒産し始めた。

アメリカでは2000年のITバブルの崩壊の後は、イラク戦争や住宅ローンバブルで景気を梃入れしてきた。しかしそれも限界が来て、新たなるバブルを作り出さないと景気はハードランディングを免れない。しかし最早そんな魔法のような事はできない。政府も双子の赤字を抱えて景気梃入れ策も打てなくなっている。

金利を下げれば住宅需要も盛り返せるがインフレとドル安が景気を直撃する。金利を上げれば海外からの資金を呼び込めるが住宅ローンバブルが崩壊する。日本やEUが金利を上げているからアメリカは単独で金利を下げられない。このような背景で2月28日の世界同時株安や500ドル以上下げるような急落がありましたが、大暴落の前兆かもしれない。

問題はサブプライムローンの規模ですが、現状ならまだ問題ない額でも金利が上がってりして景気の落ち込み次第では焦げ付きはさらに拡大して問題は長期化する。このような低所得者の破綻は消費にも影響して業績の落ち込みで株も下がる。このような問題が複合してきて日本のような失われた10年が来るかもしれない。

アメリカの家庭は貯蓄よりもローン残高の方が大きくなっているから、株や不動産の大暴落が起きれば担保を処分しても債権が回収できなくて貸したローン会社も破綻する。ローン会社も破綻すれば銀行も破綻して、ドミノ倒し式に問題が拡大するだろう。やがてはアメリカ財政も資金が回らなくなってハイパーインフレとドル暴落がセットでやってくる。

住宅ローンが破綻すれば住宅建設業者も仕事が無くなって建設会社も倒産して失業が拡大する。日本もバブルの頃は建設業者が数十万人足らないとか言われていたがバブルが崩壊した後は逆に数十万人失業した。結局は日本のバブルの発生と崩壊の教訓は欧米でも生かされなかったのかもしれない。中国でも林立するビルを見ると不動産ブームの崩壊を予感させる。

結局は現代のようなペーパーマネー経済では、金本位制のような歯止めがないからインフレを前提にした借金経済が当たり前になってしまう。インフレだから株や土地もどんどん上がっていくが、借金のほうが大きく膨らんでパンクする。パンクした後は不良債権の山が出来上がる。

借金が収入の内から払えれば問題はないが、株や不動産の値上がりに期待したローンは担保割れして借金だけが残る事になる。だから収入が1000万円ある人なら持ち家もいいのだろうが、収入が300万円の人はアパートで生活した方がいい。

私がバブルの崩壊をかろうじて生き残れたのも住宅ローンを借りなかったからだ。もし借りていたら体を壊して銀行を退職していたから生活は破綻していた。幸いにして千葉にマンションを建てたり、都内にオフィスビルを建てたおかげで生活しているが、利回り採算を計算して建てたものだ。しかし超低金利で満室で運用しても、借金返済して生活費を除くと何も残らない。アイルランドの4%の賃貸利回りではとても経営は成り立たない。日本のバブルの頃もそれくらいの賃貸利回りだった。

計算すると千葉のマンションは8%の利回りだしビルの方は7%の利回りだ。これほど堅実経営でもバブルの崩壊は厳しかった。日本も国内的には財政赤字で大変だが貿易収支は大黒字だし経済力はダントツの強さだからバブルの崩壊も乗り切れた。

しかしアメリカがバブルが崩壊したらどうなるのだろう? 個人も大赤字だし政府も大赤字だ。1930年代の大不況はアメリカ経済が上り坂の時であり、第二次世界大戦に勝って世界の工場となり大不況を克服した。しかし今度アメリカに大不況が来たら克服できるのだろうか? アメリカを再建できるだけの経済力はもはや無いように見える。

一部のエコノミスト達がアメリカやイギリスの景気がいいのは新自由主義経済のおかげだと言っている。だから竹中平蔵氏も日本に新自由主義経済を持ち込もうとしているが、アメリカやイギリスが景気が良かったのは、日本の土地本位制を真似た資産活用(モーゲージ)ローンのおかげだろう。

サブプライムローンはアラン・グリーンスパン氏がかつて融資の民主化と呼んだものの一部だ。おかげで、より多くの米国人が融資を受けて住宅を買えるようになった。そして住宅価格の値上がりが消費の増大と景気の拡大を支える仕組みが働いていただけなのだ。しかしその限界は来つつある。





公示地価は地方圏では下落が続いており、「平均でプラス」と
いうのは資産面からのデフレ脱却と言うにはまだ距離がある。


2007年3月27日 火曜日

日本版先富論に黄信号・都市と地方の格差広がる 3月23日 太田康夫

 都市の地価上昇を懸念する日銀は2月に利上げした。引き締めは地価が大幅に上昇している地域では、上昇速度をなだらかにする効果を持つ。それが当てはまるのは、商業地が上昇している1都1道2府7県。人口にすると6600万人程度が住んでいる地域である。

 しかし、利上げは地価が下落している地域では下落幅を加速させる副作用を伴う。その対象は36県、およそ6000万人にものぼる。地価が二極化し、ひとつの政策がどこにでも当てはまるわけではなくなってきている。

 金融政策の場合、一般物価の高騰は避けなければならない。地方が打撃をうけようと、インフレ時には利上げが必要だ。しかし、一般物価がほとんど上がっていない状況では、利上げはどこまでを救い、どこからを切り捨てるかという、優れて政治的な判断と直結する。

 都市の高度成長か、国土の均衡ある発展か。歴史的に見ると国土開発は都市と地方のどちらに重点を置くかで揺れ続けてきた。二極化が激しくなるなかで経済政策をどう運営するのか、政治主導で国の成長戦略を見直す時期に来ているのかもしれない。



公示地価、出ましたね=平均プラスでも中味は… 3月22日 本石町日記

マスコミ的に喧伝されるのは「全国平均、16年ぶりのプラス」であろう。中味は、都心の一部の急上昇、地方圏はなおマイナスの継続という二極化の進展ではないかと思った。手元にBNPパリバ証券のレポートがある。分析内容の一部をちょっとお借りします。
「3〜4割と高い上昇率を示した地点もあり、バブルを懸念する向きもあるとみられるが、こうした地点が域内に占める割合は、住宅地が0.2%程度、商業地は3%程度」
「都市圏の地価回復は、都心部へのヒト・モノなど経済資源の集積が進んだ影響が大きく、生産性ひいては土地の収益性を高めているため」
「これはバブルとはいえないだろう」
「国土交通省によると、東京都心部の地価水準は、上昇したといっても、1984年の水準に過ぎない」
 もちろん、一部ではバブル的な価格形成もあるかもしれないが、全体として見た場合の地価は「下げ過ぎからの正常化」ではないかだろうか。しかも、地方圏では下落が続いており、「平均でプラス」というのは資産面からのデフレ脱却と言うにはまだ距離がある。ほんの一部の過剰な動きを心配するのではなく、全体的にもっと地価は持ち直して欲しいと期待するのがいいように思う。日銀「第二の柱」として地価がリスク要因として現実味を帯びる事態は、困ったというよりも贅沢な悩みでしょう。
 なお、金融庁が取引の公正性・健全性に注意を払うのは正しいと思うが、地価そのものに関心を向けるのは、私はちょっと目的が違うのではないかと言いたい。資産価格をコントロールしようとするとろくなことにならない。それがバブルの貴重な教訓と思う。


価格の不適切性の見極めは難しい 3月23日 本石町日記

「一部に見られる『不適切な』価格形成に関する規制をしていこうということです。例えて言うなら、本来は25%しか上昇しないはずの地点で、38%の上昇が起きて、実体以上に価格がつりあがった13%分が『インチキ』だとした場合、金融庁が目指しているのは、違法行為を取り締まることで、実体どおりの25%の価格上昇を目指そうということです」
 うーん、価格の不適切性を見抜くのは難しい気がする。例えば、金融庁がわが国最高の不動産スペシャリストであり、不動産価格のインチキを見抜ける力量があるならまだしも、現実はそうはいかないのではないだろうか。もちろん、「法に抵触する不適切な行為がないかを彼ら(金融庁)は見ていく」のは「本石町さんへ」さんのご指摘の通りだと私も強く同意するものだが、価格自体のインチキ性(不適切性)は証明が難しい。また、証明できたとしても、それを罰する権限(規定)があるのだろうか。この点、どなたかご存知ならご教授を。
 日本国内の不動産取引に不透明性(インチキ)があるとしても、そのインチキ分を上乗せした価格に対し、外人投資家が国際比較で割安だとみなして買っていったら、インチキ性は消滅してしまう。価格の妥当な水準はやっぱり難しい。
 月並みな考えかもしれないが、価格のインチキ性を排除するには、透明性の強化しかないような気がする。売る側と買う側の情報ギャップを埋める透明性の向上が図れると、インチキの余地は狭まるのだろう。ちなみにこの点については日銀総裁講演の以下を紹介したい。
 「ディスクロージャーの透明性が向上したとは言え、金融イノベーションが進む過程では、相対的に開示規制を受けにくい新たな取引手法やプレーヤーが出てきます。また、いくら資産価格を経済価値から計算すると言っても、90年代末の世界的なハイテク株の高騰にもみられたように、計算の前提を甘く見積もり過ぎてしまう「判断の誤り」は、どの市場でも起こりえます。地球上のどこかでのミスプライシングが、複雑なデリバティブや投資スキームを通じて、想像しにくい場所にまでリスクを運んでくる可能性は、国際的な連関の強い時代にはとくに意識しておく必要があります。こうしたリスクを最小限にとどめるには、金融イノベーションの進行や市場プレーヤー層の変化などに合わせて、ミスプライシングが炙り出されやすい透明な市場環境を、整備し続けていく努力が要ります」(新たな時代を迎えた日本経済と金融、大阪大学金融・保険教育研究センター設立記念講演 2006年11月27日)


(私のコメント)
「株式日記」では失われた10年からの脱却は土地価格が底打ちしないと無理だろうと書いたことがあります。土地価格はバブルの崩壊で商業地などは十分の一にまで暴落しましたが、それによって失われた価値は1500兆円にも及ぶ。企業にとっては含み資産としてプールしてあったものが十分の一に減ってしまった。

住宅にしても5000万円で売れると思っていたマンションが1000万円台でしか売れないとなってパニック状態になってしまった。もし住宅ローンの残高が丸々残っていたら3000万円以上の債務超過になってしまう。このようになった場合、企業も個人も借入金の返済に血まなこになるのは当然であり、その分の消費は減るから失われた10年となった。

公示地価が16年ぶりにプラスになったということですが、バブル崩壊の泥沼からようやく抜け出せそうな気配が出てきた。大都市の一部では30%とか40%もの値上がりがあった所もあるようだ。今までは売りに出しても買い叩かれるばかりでしたが、買い手が争うようにして不動産を買い始めたところもある。

企業などもようやく借金の返済の目処が立って内部留保もできて来た企業が本社などの不動産を買い始めたのでしょう。都内のマンションなどは売り惜しみが出てきて値上がりを待つ物件もあるようだ。しかしそれらはまだ一部であり全国規模では値下がりが続いている。

16年ぶりのプラスといっても1984年頃のバブル前の水準であり、V字型に反騰して行くわけではないだろう。世界的に見れば不動産バブルが発生してスペインなど1億円近い住宅があるなど日本のバブル最盛期を思わせる。ロンドンやニューヨークのホテルの宿泊賃料などは東京以上に高くなり、円安の影響で物価高の東京のイメージは変わってきた。

為替相場と不動産価格とは大きな関係が有るようだ。不動産業者も全世界をまたに商売をする業者も増えて、東京などの国際的な都市は外国の都市などと比較されて物件なども売買される。最近のように円安気味になると東京の商業ビルなど安く見えるから、海外の業者が買ったりする。

このようにしてみると不動産業ほど国際的な商売はないわけで、私なども商売柄様々な物件を見てきたから、海外でも商売が出来るのではないかと思う。東京のマンションなどは国際的な需要なども考えれば億ションの需要もあるだろう。

私の近所でも50階以上もあるような超高層マンションがあちこちに建ち始めた。近所に最近出来たばかりの超高層マンションがあったので見学してきました。まだ入居者も入り始めたばかりで、引越し業者にまぎれて中に入ってエレベーターで29階まで上がってみました。

モデルルームもあって人がいなかったので見回したのですが、窓の外は確かに地平線も見えて眺めはいい。都内のあちこちに超高層マンションが建っているのが見える。しかしなぜオフィスではなくてマンションなのだろう? 立地は悪くないし投資効率から言えばオフィスビルの方が良いはずだ。

このような超高層マンションは再開発によるものが多く、地権者も多いから権利を小さく分割できるマンションが適当なのでしょう。大都市はこのような再開発によって利用価値が上がり地価にも反映するようになった。サラリーマンも通勤に1時間以上かかると時間的なロスが大きく、やはり職場に近いところへの職住接近が望まれている。

特に東京のような大都会では庭付き一戸建ては諦めてマンションを選択せざるを得ない。しかし超高層マンションの中を見てみると精神的な不安感を感じる。外を見れば空ばかりだし、下を見れば吸い込まれそうな恐怖感を感じる。特に主婦や老人などは外出が億劫になり健康にもよくないようだ。しかし大都会で働くにはこのような環境にも適応する必要がある。

それに対して地方は自然には恵まれて土地も安いし、日当たりの良い庭付き一戸建ては理想的な環境だ。しかし仕事が無く、農業は広大な農地が必要だし、工場などは中国に行ってしまった。残った産業はサービス業など大都会にしか仕事が無い。

このような産業構造の変化は東京への一極集中を招いて、大都市の地価が上がるようになったのですが、大都市としてのインフラを整備するのは長い時間がかかる。それに対して地方はどうしたらいいのだろうか? 新幹線や高速道路もストロー効果でかえって地方は寂れてしまう。


一昨日の石川県の大地震の災害を見ると老朽化した木造住宅が壊れている。多くが老人世帯であり文化的な住宅とはいえない住宅だ。若い人がいれば建て替えも出来るのでしょうが、老人世帯となると立て替える事も出来ない。このような老朽化した建て替え需要が眠っているのに政治はなにもしない。

これからの老人は車を運転してパソコンも操作して仕事する人が増えるだろう。そうなれば大都会と地方との生活の質は変わらなくなるから、大都会と同じような生活環境が得られるはずだ。住宅にしても建材や工法の進歩で100年は楽に持つ耐震住宅が出来る。石川県の震災にあった老朽化住宅を見て、災害対策や景気対策としての住宅建て替え政策は出来ないのだろうか?

大規模な住宅建て替え政策は出来ないのだろうか?
写真は輪島市内で崩壊した住宅






「自由と繁栄の弧」も日本から東欧までぐるっと中国、ロシアを
封じ込めようという地球規模の大外交で正しい選択だと思います


2007年3月26日 月曜日

追いつめられるイラン 3月26日 ロシア政治経済ジャーナル

全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!北野です。

アメリカでは共和党が中間選挙で負け、ネオコンが追い出され、リアリストが実権を握りました。一般の専門家は、「ネオコンは戦争好き・一極主義」「リアリストは戦争嫌いで多極主義」といった見方をしています。

私は違う意見。ネオコンもリアリストも本質は同じ。ともに、アメリカという国家が永遠に世界を支配できるように動いている。しかし、ネオコンはイラク攻撃の時世論づくりに失敗し、ウソがバレバレになってしまった。(開戦理由の大量破壊兵器がなかった)

そこで、今はライスさんや、元CIA長官で情報工作のプロ・骨の髄までスパイのゲーツさんなどが中心になり、国際世論作りを進めています。目標は、「戦争したくないけど、イランはクレイジーだからしゃあない」という感じでイランを攻撃すること。

今のところはパーフェクト。文句のつけようのない巧みさで、情報工作が進められています。

(中略)
 
▼本当の理由は?

昔からの読者さんはご存知ですが、今回は新規購読者さんがかなりいるので、繰り返します。アメリカがイランを攻撃したい理由は、イラクの時と同じ。つまり、イランが原油をドルではなくユーロで売っている。

アメリカは、世界一の経常赤字・財政赤字・対外債務国。それでも生き残っているのは、ドルが基軸通貨・国際通貨・世界通貨だから。つまり、いくら借金してもドルを刷れば全て解決する。

しかし、ドルではなくユーロが基軸通貨になると、アメリカは他の経常赤字国同様、通貨暴落→ハイパーインフレ→経済危機というプロセスに突入します。(この辺よくわからない新規購読者さんは、本文下の情報をゲットしてください。世界情勢が全部わかるようになります。)

イランがドル体制に挑戦している
証拠1


「<イラン>石油取引所を開設 ユーロ建てで米国に挑戦か

【テヘラン春日孝之】石油大国のイランが石油取引所の国内開設を目指している。
取引の通貨がユーロになるとの情報が流れ、オイルダラーに依存する米国の「ドル支配体制」への挑戦ではないかと観測を呼んでいる。」
(毎日新聞06年4月17日)


証拠2

「イラン、原油の輸出代金受け取りでユーロ建てを要求
06年12月22日10時39分配信 ロイター

[ロンドン 21日 ロイター] 世界第4位の産油国であるイランは、外貨準備のドル保有比率の引き下げに伴い、原油の輸出代金受け取りに関して、ユーロ建てでの支払いを求めている。イラン国営石油公社(NIOC)幹部と業界関係筋が21日明らかにした。」
「NIOCの幹部によると、こうした措置の結果、日量238万バレルとなっているイランの原油輸出による収入は現在、約57%がユーロ建てとなっている。」


証拠3

イラン石油収入の60%は米ドル以外の通貨で受け取り=国営石油幹部
3月23日7時27分配信 ロイター

[テヘラン 22日 ロイター] イラン国営石油(NIOC)幹部は22日、イランの石油収入の約60%以上が、ユーロあるいはその他米ドル以外の通貨で受け取っていることを明らかにした。
ほぼ全ての欧州諸国および一部アジア諸国が、米ドル以外の通貨での支払いに合意しているという。」


北朝鮮は、核兵器を持っていても、それをアメリカ本土まで届かせる技術がありません。しかも、「マカオの銀行BDAに凍結されている2500万ドル(29億円)を返してくれ!」などと大騒ぎする貧乏国家。

核開発という面から見ると、イランはたしかに脅威ではありません。しかし、「ドル基軸通貨体制維持」という観点から見ると、アメリカの脅威なのです。

▼国連を味方につけて

こらえ性のないネオコンは、国連安保理を無視してイラク攻撃を開始しました。GDPでも軍事力でも圧倒的世界NO1のアメリカだから、問題ないだろうと考えた。ところがそうではありませんでした。

はっきりいえば、全世界が反米になりつつあります。全世界でアメリカを心から支持しているのは、日本・イスラエル・イギリス・くらいでしょう。後は、全部反米。(でも恐米)

そこでアメリカは政策を転換し、国連を通してイランを追いつめていくことにしました。辛抱つよくやっています。

3月24日、イラン追加制裁措置を盛り込んだ第2次国連安保理決議が、全会一致で採択されました。60日以内にイランがウラン濃縮活動を停止しない場合は、さらに強い制裁措置を盛り込んだ第3次決議が協議されることになります。

アメリカの狙いは、制裁を徐々に強化し、最終的に軍事制裁までもっていくこと。イランを守りたい中国・ロシアも、筋を通されたら反対できなくなってきます。

▼なぜイランは逆らう?

これに対して、「核兵器をもっている北朝鮮・イスラエル・インド・パキスタンはお咎めなしで、俺達は原発もダメなのか!」と憤るイラン。決議を無視する方向です。


「イランが追加制裁決議を無視、ウラン濃縮継続へ
3月25日23時44分配信 読売新聞

【テヘラン=工藤武人】国連安全保障理事会が24日、イランにウラン濃
縮停止を求める追加制裁決議を全会一致で採択したが、イランのアフ
マディネジャド政権は決議を無視し、濃縮継続に固執する方針だ。」

なぜイランはウラン濃縮停止に同意しないのかという疑問が出てきますね?もちろん、彼らが何を考えているか、聞いて見なければわかりません。しかし、イラクの失敗と北朝鮮の成功が一つの要因でしょう。

考えてみてください。フセインは全部国連のいうことを聞きました。国連の査察を受入れ、大量破壊兵器がないことを証明もしています。しかし、それでアメリカを止めることができたでしょうか?

一方、北朝鮮は国連のいうことを全然聞かずに、成功しています。ミサイルをぶっ放しても、核兵器実験をしても、元気に生きている。イランのトップがこの二つの国を比較して、「強硬に行ったほうが生き残れる」と考えても不思議ではありません。

▼急ぐアメリカの挑発

国連重視・国際世論重視に転換したアメリカですが、この方法の欠点は時間がかかること。アメリカとしては、今年上半期に開始して、さっさと終わらせたい。つまり戦争といっても、徹底的に空爆を行うだけになるでしょう。

理由はもちろん、アフガン・イラク・イランで同時に地上戦なんてできない。(イランは、人口6000万人の大国である。)

アメリカの世論も許さないでしょう。空爆なら犠牲者がでないので、世論もそれほどネガティブにならない。そして、景気浮揚の公共事業にもなります。

(ブッシュが就任したとき、アメリカではITバブルがはじけていた。ブッシュは01年のアフガン戦争と03年のイラク戦争で、クラッシュを回避した)

目的は、

1、核開発を停止させること
2、原油の決済通貨をユーロからドルに戻させること(こちらがより重要)
3、イランの石油ガス利権を中ロに与えないこと

そして、今年下半期はもうひとつ重要なオペがあります。それがロシア工作。ロシアは、ルーブルで原油を売り、ドル体制に挑戦している。ちょうど今年12月に下院選挙があり、来年3月に大統領選があり、反米のカリスマ・プーチンが去ります。

この機会を利用して、親米傀儡政権を樹立したい。対ロ工作が、今年後半忙しくなるので、イランはちゃっちゃと終わらせたいのです。

どうやってプロセスを早めるか。イランをいじめてキレさせ、先に打たせる。アメリカが日本を攻撃させたパターンです。実際何をやっているか?


「イラク 米軍がイラン領事館急襲、職員5人を拘束
1月12日17時16分配信 毎日新聞

【カイロ高橋宗男】イラク国営テレビによると、イラク駐留米軍は11日早朝、イラク北部のクルド人地域アルビルでイラン領事館を急襲、館内にいた複数のイラン人を拘束した。」


どうですか、これ?↑明白な挑発行為でしょう?

つい最近は、

「英水兵15人拘束、イラン「違法侵入」と激しく非難
3月24日20時14分配信 読売新聞

【テヘラン=工藤武人】英海軍水兵15人が23日、イラン・イラク国境のシャトル・アラブ川でイラン当局に拘束された事件で、イラン外務省のホセイニ報道官は24日、英海軍がイランの水域内に「違法侵入した」と指摘、「疑わしい行為で国際法規に違反する」と述べ、激しく非難した。国営通信が伝えた。」


一方、イギリス側は

「英国防省は、英海軍のボート2隻がイラク領内で、イラン革命防衛隊の艦船に包囲されたとしている」(同上)


国際社会が、「イランってホント困ったちゃんよね」と思っているときにこの事件。世界の人は、「悪のイランがやったんだな!」と思うでしょうが、RPE読者さんはそう思わないでしょう?「どっちが得するかな?」と考えれば攻撃したい米英が得にきまっています。

このように、アメリカ・リアリストの巧みな情報工作により、いつの間にかイランは(核兵器を持つ)北朝鮮よりも悪者にされています。

一度、「イランは悪」というイメージが脳みそに入ってしまうと、イラン政府の対応全てが、「過激」「普通じゃない」「狂ってる」と思えてくるのです。

(日本政府も気をつけましょう。最近情報戦で中韓に負けているのは、準備不足・工作不足です。)

今後の見所は、アメリカがいかに巧みに開戦にこぎつけるのか、中ロがどうやってイランを守るのかということですね。

今回は誌面の関係で、超簡単に書きました。しかし、世界で起こっていることをもっと深く知りたいという方は、下の情報をゲットしてください。あなたは、社内一の国際情勢通になるでしょう。(おわり)


「石油が戦略エネルギーである限り、中東を制するものは世界を制する」のならば、米軍がイラクから撤退した後はどうなるのか? 2006年12月4日 株式日記


(私のコメント)
現在の世界情勢は非常に複雑なように見えますが、基本的には非常に簡単でありドルという基軸通貨と、ユーロというドルに代わる基軸通貨を狙う勢力との戦いだ。ドルがなぜ基軸通貨であるかというと石油とリンクしているからですが、フセインのイラクとイランがユーロで石油を売ると言い始めた。

それに対してアメリカのブッシュがイラクへ攻め込んで制裁をしたわけですが、イラクで泥沼戦争に陥ってしまっている。アメリカ軍の無様な姿を見て湾岸諸国は独自の通貨を作って石油を売り出すとまで言い始めた。まさに中東の石油を支配した勢力が世界の基軸通貨になれるのです。

中東の石油に対して陸から攻めるのはEUとロシアと中国に対して海からアメリカとイギリスと日本が対立するわけですが、そのような基本構図を元に双方の諜略戦が行なわれているので、入り乱れているように見える。ちょうど関が原の決戦の前の石田三成と徳川家康の諜略戦のようなもので、アメリカが中国を寝返らせようとすればEUがイギリスを取り込もうとしている。

日本の戦略としてはアメリカを支持しつつ、憲法9条を楯に戦力を中東には派遣せず、船と航空機による後方支援程度にしておいた方がいいのだろう。極東地域は中国の膨張政策で朝鮮半島や台湾や東南アジア進出などの問題を抱えているからだ。中国の海洋進出で西太平洋とインド洋を押さえられると中国が中東油田を押さえるかもしれない。

しかし中国は基本的には大陸国家であり海洋進出は押さえ込む必要がアメリカにはある。しかしアメリカ国内も単独覇権主義以外に多極主義者が増えてきており、イラク撤退を主張する勢力が増えてきた。アメリカ軍がイラクから撤退すればドルが暴落して唯一の基軸通貨から、ドル、ユーロ、円の多極通貨体制になるだろう。

中東の石油産出国にしてみれば一番高く買ってくれるところに石油を売りたいから、通貨の一番強いところが一番石油を手に入れることが出来るようになる。中国のような通貨価値が低くないと経済が維持できないような国では石油も思うようには手に入らないだろう。アメリカはある程度は石油が自給できるから大国でい続けられるだろう。

イラク戦争の状況を見る限りにおいて撤退は時間の問題だ。アメリカにとって最善の策はイランや中国を寝返りさせて親米国家にすることが唯一の道だ。しかし戦争を始めてしまったらそれは不可能だ。中国に対してもキッシンジャーなどが諜略を仕掛けていますが、中国は一筋縄では行かない。

中国は最初はソ連と手を組んでアメリカに対抗してソ連から核とミサイルの技術を手に入れるとソ連を裏切って、次はアメリカと手を組んで経済発展させると軍事力をつけてアメリカを裏切るだろう。EUのユーロはドルという基軸通貨にとっては最大のライバルであり通貨流通量ではドルを追い越して最大の経済圏を作りつつある。

北野氏が指摘するようにドルが基軸通貨から転落すれば、アメリカは借金をユーロや円や元でしなければならなくなり、国内はハイパーインフレと株の暴落で世界最大の軍事力も維持できなくなる。おそらく近い将来そうなるだろう。だから「株式日記」では自主防衛と核武装を急げと主張しているのです。

アメリカの対北朝鮮外交の転換はアメリカの国力の限界を示すものですが、朝鮮戦争を戦った頃のアメリカの国力はもはや無い。いずれアメリカは極東全部を放り出して本土に撤退して行くだろう。そして中国が勢いづいて韓国、台湾、そして日本を取り込もうとしている。従軍慰安婦などの歴史カードはその一つに過ぎない。

現状ではアメリカがイランを攻撃する事は不可能だ。世論作りをアメリカは一生懸命していますがアメリカ軍はやる気が無い。やっても出来るのは爆撃だけで地上戦は出来ないからイランの石油を手に入れることは出来ない。戦争して喜ぶのはロシアや中国やEUで、アメリカの経済破綻でアメリカの中東からの完全撤退が早まる。

日本はアメリカが撤退した後の中東に進出して石油と見返りに経済協力していく道筋が見えてきた。アメリカの第七艦隊が日本に基地を置いている事からわかるように日本とインド洋は意外と近くて、アメリカが日本を失えば覇権を失うことは世界の常識です。その事をアメリカの反日勢力は認識していない。


「自由と繁栄の弧」か、「大東亜共栄圏」か 3月24日 泥酔論説委員の日経の読み方

一昨日の続きです。
麻生外相が唱える「自由と繁栄の弧」と、かつての「大東亜共栄圏」とは深い繋がりがある、「青い目、金髪は駄目」云々、なんぞよりこれに気付かないメディアってのはつくづくアホだなあと思うわけです。
麻生氏は、日本の外交戦略を「自由と繁栄の弧」と名づけ、以下具体論を述べています。

【我が日本は今後、北東アジアから、中央アジア・コーカサス、トルコ、それから中・東欧にバルト諸国までぐるっと延びる「自由と繁栄の弧」において、まさしく終わりのないマラソンを走り始めた民主主義各国の、伴走ランナーを務めてまいります。この広大な、帯状に弧を描くエリアで、自由と民主主義、市場経済と法の支配、そして人権を尊重する国々が、岩礁が島になり、やがて山脈をなすように、ひとつまたひとつ、伸びていくことでありましょう】

上図のようにイメージを描いてみると、地政学を齧ったことがある人なら、一目でこれはスパイクマンの「リムランド理論」を敷衍しているなと分かるはずです。
冷戦時代にはアメリカのソ連封じ込め戦略として結実し、「自由と繁栄の弧」も日本から東欧までぐるっと中国、ロシアを封じ込めようという地球規模の大外交で、これは極めて正しい選択だと思います。
「自由と繁栄の弧」の途中にはパレスチナ問題が横たわっており、ヨルダン渓谷の「平和と繁栄の回廊」構想は、大アークを完成させるための重要な外交戦略であることが分かります。
一方、「大東亜共栄圏」はドイツのハウスホーファーが確立した「パン・リージョン」概念そのものであり、これは地球を縦割りにして各々支配しようという理論ですね。
しかしパン・リージョンでは、我が国は必ず中国と利害を巡って直接衝突することになります。
日本のメディアは何でも「アジアは…」と気にしますが、これこそ大東亜共栄圏のしがらみから離れられていませんよ。




若いひとを中心に、日本国民のなかに日米の同盟関係に疑問も
出ている。アジアへの対応を誤らないでほしい。(青山繁晴)


2007年3月25日 日曜日

クラーク元NATO軍司令官と青山氏との議論

下の写真は 3月24日 青山繁晴

…ドーハで、アメリカ大統領候補だったクラーク元NATO軍司令官(陸軍の退役大将)とぼくが、フリートーキングで長時間、議論しているところです。


 テーマは、イランに対するイスラエル空軍あるいはアメリカ空海軍の爆撃があるかどうか、その可能性について。
 クラーク将軍は驚くほどフランクに、ぼくがのけぞるような、びっくり内緒証言をしてくれました。

 写真はまさしく、ぼくがクラーク将軍の言葉に、のけぞっている一瞬のようです。
「ほら、ほんとうは、通説と違って、こうなんだよ」と将軍。
「ふえー、ほんとですか。ぼく自身も勘違いしていましたよ」と、ぼく。
 という、感じですね。


 クラークさんは、いまも軍部に影響力をもつ大物ながら、アメリカ民主党を支えているひとりです。
 ドーハの国際戦略会議では、メイン・セッションで議長役を務めていました。会議の表の主役のひとりでもありました。

ドーハからの生中継中の青山氏


深く淡く生きる 3月20日 青山繁晴

▼カタールの首都ドーハに入って3日目の2007年3月19日月曜の朝、1時間半しか寝ていない眠気を、朝風呂でどうにか飛ばして、アメリカ政府高官との朝食ミーティングへ。

 独立総合研究所(独研)の主任研究員Jと、秘書室長Sが同席。
 この季節のドーハは、ベストシーズンで朝は爽やかだ。
 その気持ちのいい空気のなかで、ぼくとの再会をこころから喜んでくれているアメリカ政府高官に、ちょっと気の毒ではあったけど、「同盟国アメリカは、北朝鮮にすり寄って、日本を裏切るのか」と、真っ直ぐに聞いた。

「北への金融制裁で封鎖した違法資金の全部を、北の独裁者に渡すと、ヒル国務次官補が言明した。これはショッキングなニュースだ。同胞を、その独裁者に誘拐・拉致されている日本国民にとっては、受け入れがたいアメリカの変化だ」とも告げた。

 するとアメリカ政府高官は「青山さんに同意する。同感だ」とストレートに答え、「ヒルはどうかしている。ヒルを含む国務省全体が、どうかしている」と国務省主導で北朝鮮との妥協が進んでいることを正面から内部批判して、「クレイジーだ」とまで言い切った。


 この話題が出るまで爽やかだった高官の表情は、みるみる曇って苦しげになり、「朝メシがまずくなるなぁ」とユーモラスな顔をつくって、ほかの話題に移りたそうだった。
 それが分かりつつも、ぼくは心を鬼にして、「こんなことをするなら、アジアと世界にとってもたいせつな日米関係は間違いなくおかしくなる。安倍政権の官房長官らは、核廃棄の進展のためには金融制裁の全面解除は良いことだという公式ステイトメントを出しているが、こころある日本国民はそうは思っていない」と畳みかけた。

 さらに北朝鮮について掘りさげて議論したあと、おたがいの家族の話題まで久しぶりにゆっくりと話して、高官と別れ、ぼくは関西テレビのクルーとドーハ市内のロケに出る。
 出るまえに、何人かのアメリカ、中国などの外交関係者らとあいさつを交わした。


▼ロケは、市内のスーク(市場)が中心。
 関テレの新人女性アナウンサーのYさんが一緒だ。たいへんに長身で、ハイヒールを履いて180センチぐらいかな?
 Yさんがスークで、アバーヤ(ムスリムの女性が着る黒衣)を着てみるところも、楽しく撮った。とてもお似合いでした。

 ドーハのスークは、乾いた明るさがあって、雰囲気がなんとも言えず、いい。
 中東諸国のさまざまなスークを訪れたけど、想像以上に、お国によって個性がある。
 ぼくらはあまり、中東をひとくくりで考えないほうがいいと思う。
 いや、経験に基づいて、もっと正直に言えば、中東をひとくくりにしてしまう見方が、まさしく間違っている。それが、世界と中東がなかなか折り合えない、ひとつの原因だ。

 ロケのあいだ、同行している独研のS秘書室長は、ぼくをアテンドする本来任務もこなしながら、ずっと、ひっきりなしに携帯電話で「関テレの伝送、中継ラインを確保する」という、本来の任務ではない、苦しい交渉を続けている。
 わが社員ながら、見ていて、内心で頭が下がる思いだった。

 それでもラチがあかないので、とうとう、国際会議場にいる独研の主任研究員Jも、各国の要人と会う本来任務を中断して、関テレのための交渉に加わる。

 ロケはすこし早めに終えて、ホテルと国際会議場へ戻る。
 ぼくは、インドのキーパーソンと極秘裏に会う。
 インドの政策形成を担う、この人は「中国の核ミサイルはインドの主要都市に照準を合わせている。インドの核開発・核実験の目的は、この中国に対抗するためだ」と明言した。
 ぼくは、その言い切りぶりに驚きながら「パキスタンへの対抗は、目的じゃないのか」と聞く。
「パキスタンは小国だ。それにアメリカにコントロールされている。どうでもよい。われわれの核は、中国に対抗するためにある」と再び、明言する。

 ぼくは「中国の核ミサイルは、日本の主要都市にも照準を合わせている。中国とフェアに向かい合うために、またアジアにアンフェアな覇権が生まれないために、中国のひとびとにとっても幸福があるように、日本とインドの戦略的関係を構築することが必要だ」と語りかけ、彼は深く同意しつつ「日本にはこれまで、その視点が欠けていた。外務省の官僚に任せていては駄目だ。インドの外務省に任せていても、同じく駄目だ。官僚の行動と発想を超えて、インドと日本の新しい関係をつくろう」と語ってくれた。


 彼に「日本がもし、北朝鮮と中国の核に対抗するために、核武装するとしたら、どう考えるか」と聞くと、彼は即座に、「核は平和をつくる。日本が北朝鮮や中国に侵されたくないなら、日本は核武装すべきだ」と答えた。

 日本は、民衆を大量殺戮する核兵器を持たず、一方で、どこの核基地をも叩ける通常兵器を完備した国民軍を誕生させるべきだという、ぼくの持論はもちろん変わらない。
 だけども、インドのキーパーソンから、こうした明瞭な意見を聴いたことは、フェアにみなさんに示しておきたい。
 このキーパーソンは、ここまで明言してくれたのだから、具体的に誰であるか、誰と会ったかは、永遠に明かしません。


▼この頃になって、関西テレビの画像や音声の伝送、中継の手段が確保できていない問題が、奇跡的に、まさしくミラクルとして、急転、解決した。
 独研の秘書室長Sと、主任研究員J、このふたりの献身と、豊かな人脈、タフな交渉力が奇跡を生み出した。
 ぼくが独研の社長だから言っているのではありません。関テレのスタッフも含めて、誰もが認める公平な事実だと思う。


そのあと、アメリカの国防次官補代理に就任するジェームズ・クラッドさんと、関西テレビのカメラの前で、インタビュー収録を行った。
 名前と顔を出してのインタビューだったが、ぼくは「若いひとを中心に、日本国民のなかに日米の同盟関係に疑問も出ている。アジアへの対応を誤らないでほしい」と強く訴えた。


 このクラッドさんは、ペンタゴンの、いやアメリカ合衆国全体の、まさしく良心とも言うべきひとだ。
 収録した関テレのスタッフたちは、ジャーナリストだから権力に対して常に批判的な立場に立つが、このクラッドさんの誠実な話しぶり、真摯な内容、柔らかで偉ぶらない人柄を絶賛していた。

 クラッドさんは、ぼくのたいせつな、魂の友だちのひとり。だから嬉しかった。


▼そのあと、いったんホテルの部屋に戻って、仕事、仕事。
 夜8時から、国際戦略会議のオープニング・レセショプションに出席。
 カタール、イギリス、アメリカなどの要人と、うち解けて会話する。
 そしてイラクの要人とも会った。
 ぼくが「わたしもイラクへ行きました」と言うと、「ああ、そうですか」という感じだったのだが、いつ行ったかを何げなく言うと、彼は仰天し、「あの危険な時期に行ったのかぁ。信じられない」と目を見開いて、態度が一変した。
 うん、確かに怖かったですよ、イラクは。地獄とは、地面の下にあるのではなく、地面の上のイラクにあると考えましたね。
 そう思ったけど、もちろん口には出さなかった。

 会場を回るにつれ、一緒にいる独研の主任研究員Jがどれほど努力を積み重ねて、各国の要人と独自の人脈を築いてきたかが、よく分かり、内心で、たいへんに喜ぶ。
 ぼくは期待している人材には厳しい。徹底して、厳しい。期待していない人材には、ほとんど何も文句を言わない。
 Jは、期待していたから、この世でぼくにいちばん叱られてきたひとだと思う。
 その鍛錬が、こうやって目の前で成果を結ぶ。うーん、こりゃ、信じがたいほどうれしいよ。

 長時間のレセプションのあと、いったん部屋へ戻ると、無意識のうちに30分ほど泥のように寝込む。
 はっと目覚めて、深夜零時、大急ぎでホテルのロビーに行く。

 首相補佐官(国家安全保障担当)の小池百合子さんが、ちょうど到着。
 ロビーの隅で、明日の会議にどう臨むか、簡潔に打ち合わせをし、ぼくの願いを伝える。
 日本で初めての国家安全保障担当の首相補佐官、そしてアラビア語も英語もできる女性、小池さん、いろいろな辛いこともあるようだし、批判や中傷も聞くが、世界が注目している。
 明日の会議のような大舞台には、きっと強いひとだ。

 それからぼくは再び部屋に戻り、こうやって、すさまじい眠気と闘いながら、仕事を続けている。

 まもなく、また夜明けがめぐってくる。
 ちょっと、ひとはだが恋しい。



深く淡く生きる 3月19日 青山繁晴

その最中に、カタールに駐在している、ある日本政府の関係者と会って、食事をともにする。
 誠実なひとであったが、「雑務に圧迫されて、情報収集(インテリジェンス)は何もできていない」と言う。
「アル・ジャッジーラTVは、イスラーム過激派の影響下にある」とも言うので、その根拠を聞くと、実は情報は何もない。

 ぼくは疲れてもいたし、人柄がよい相手だし、どうしようと思ったけど、心を励まして「インテリジェンスをやらないでは、日本国民に負託されて、この地にいる意味がない。雑務は理由にならない。同じような雑務を抱えつつ、ぼくも驚かせるほどのインテリジェンスを遂行しているひと(日本政府の関係者)が、この中東に複数いますよ。残り任期に、せめて、もう一度、新しい努力をされてはいかがですか」と問いかける。

 そして「アル・ジャッジーラTVはむしろ商売上手なビジネス集団だ。反米的でアラブ民族主義に傾いた報道をすれば、視聴者が増えて儲かるのは当たり前であって、その報道ぶりだからイスラーム過激派に資金を提供しているとか、逆に資金をもらっているとか決めつけることはできない。社員のなかに、過激派のシンパなどが、そりゃいるかも知れないが、組織としてどうか、とは別の問題でしょう。組織としてのアル・ジャッジーラTVが過激派と関係を持つなんて、リスクの高すぎることをやるとは、具体的な根拠のない限りは、思えない」と話した。

 食事は、まぁ、ずいぶんとマズイ、冷えきった味のイラン料理の店で、支払いだけは立派な金額だった。
 インテリジェンスをやっているひとであれば、現地人の行く、おいしい店を必ず知っている。このひとは、この店すら「ほとんど来たことがない」とのことで、食事は現地の情報源と接触するのではなく、家族と一緒にいつも家庭で食べていたんだなぁということが、分かる。

 そんな生き方も、ある。
 だけど、生涯にまたとないかも知れない中東赴任の機会だし、なにより国民に負託されているのだから、家族との食事も大切にしつつ、現地のさまざまな立場のひとびとと交流し、情報を手にしてほしい。
 人柄の良い人と書いたのは、もちろん社交辞令ではなく、ほんとうにそうだから、ぼくは惜しむ。リカバリーを、こころから期待している。
 まだ会って2回目のぼくに意見されるのは、きっと不快な体験だろう。それを、どうか活かしてほしいな。



(私のコメント)
インテリジェンスの仕事は本人の能力とやる気があるかどうかで決まってしまう。青山氏と食事をした日本政府の関係者は外務省の官僚だろうが、能力とやる気が無ければ何の情報集まらない。これではいくらCIAのような情報機関を作っても機能しない。おそらく外務省と防衛庁の天下りの受け皿にしかならないだろう。

同じことはマスコミにもいえるのですが、最近のテレビの報道の能力とやる気のなさは誰もが感じている。多くの国民はテレビでしかニュースを見ないからテレビの影響力は大きいのですが、そのテレビに対する信用度は新聞と同じく落ちてきている。

テレビや新聞に代わる情報源としてネットの影響力が大きくなってきている。最近では新聞やテレビの記者もネットで取材をするようになっている。しかし外務省のような公の情報機関やマスコミも能力とやる気があればネット情報などは足元にも及ばない威力があるはずだ。

外務省は情報を集めたり発信したりするのが本来業務なのですが、従軍慰安婦問題でも分かるように駐米日本大使館は正しい情報をほとんど発信していない。外務省も役所に過ぎないから大過なく勤め上げれば出世していけるのだろう。そう言う人ほど雑務に追われてインテリジェンスが出来ないという。

青山繁晴氏は民間の独立系シンクタンクの所長ですが、寝る間も惜しんで世界を飛び回っている。まさに能力とやる気が無ければ勤まらない職業だ。情報を得る為には世界中のVIPたちとのコネクションが無ければなりませんが、まさに能力とやる気がないと作れない。情報を得る為には交換できる情報を持たないと相手から情報を引き出せない。

日本の政府機関や大手のマスコミなら金を使って情報収集できるのでしょうが、肝心のやる気が無いから機能していないのだろう。例えばイラク戦争にしても大使館員やマスコミの特派員は数えるほどしか居らずバクダッドの安全地帯から出る事はない。大国日本の情報収集はこれほどお粗末なのだ。

青山氏のブログでもドーハで行なわれた国際戦略会議で多くに人と情報交換をしたことが述べられていますが、6カ国協議の内幕やアメリカ政府部内の動向やイランに対してアメリカはどう出るかといった重要情報が述べられている。

特に問題なのは最近の日本とアメリカとの同盟関係の不信感が強まっている事に対する話だ。北朝鮮への金融制裁の解除やテロ支援国からの除外など最近のアメリカ外交はどうかしている。従軍慰安婦問題も日本に対する牽制活動だろう。はたしてアメリカの真意は何なのか? 

「株式日記」でも私なりの情報分析で記事を書いていますが、世界のVIPたちと直接情報交換できる人にはとてもかなわない。しかしそのような事ができる人が日本には非常に少ない。

青山氏は新聞記者出身ですが夜討ち朝駆けの仕事は殺人的忙しさだ。それよりも三菱総研の時は10日間も家に帰れない忙しさになり、独立してからはそれよりも比較にならない忙しさだそうですが、それくらい情報の収集と分析には個人の能力とやる気と体力が必要だ。ところが今の若い人には三つとも無い。

青山氏のブログで、テレビ局の報道番組のドタキャンについて触れているが、テレビ局の世界情勢に対する緊張感のなさとセンスの無さにはあきれる。例えば北朝鮮とイランとは裏では繋がっている問題なのですが、はたして北朝鮮とアメリカとでどのような駆け引きが行なわれているのか国民も知りたがっているのにテレビ局はドタキャンした。

「株式日記」でも世界情勢の流れから見れば日本の核武装についても十分な国民的な合意が図られるべきだと思うのですが、テレビ局は憲法改正とか日本の核武装といった話題には触れたがらない。日米関係も対北朝鮮に対する政策でズレが生じ始めた。アメリカは核つきの北朝鮮を認めるようだが、日本にとっては外交的裏切り行為だ。

これはアメリカの国務省の暴走なのか、アメリカ政府部内でも最近のアメリカ外交に対する批判も出てきている。ドイツで行なわれた米朝二カ国会談は何らかの密約が有ったのだろうか? しかし6カ国協議では北朝鮮は会談を一方的のボイコットした。入金がされていないと言う事ですが、国務省と財務省との対立なのだろうか? 

米財務省はマネーロンダリングに厳しく対処しようとしているのに、国務省は制裁を解除させようと焦っている。何らかの裏がありそうですが外交的な罠だったのだろうか? 日本としては北朝鮮の核を全廃させて拉致問題を解決しなければ国交回復はありえない。それに対して米国務省は核つきの北朝鮮に対して日本に金を出させる為に従軍慰安婦問題を裏で煽っているのだろうか? 

それにしても日本人の情報分析力の無さと、偽情報などへの騙されやすさは国民的な体質なのだろうか? 大東亜戦争前の外交戦などもすぐに切れてしまって軍部に暴走させてしまった。情報戦の重要さを認識せず、何でも武力で解決できると思い込んだのだろう。ところがアメリカに対しては通用しなかった。だから自分より強い国に対しては情報戦は必要だ。




アメリカで現在発生しているのは、不動産で金が借りられなく
なった人々
が、またカード・ローンで金を借り始めたのです


2007年3月24日 土曜日

サブプライム住宅ローンの資金使途の多くは住宅購入ではなかった 3月21日 おかねのこねた

アメリカの住宅関連は過4年以上にわたって継続的に追跡しています。
バブル前、バブル中、バブル崩壊後、、、いろんな投資判断をしてきましたが、これほど自分の感覚と相場がフィットしてきた分野も少なかったと思います。ならば、最後まで追跡しようと思って、今もちょこちょこ調べています。

踏み上げ太郎さんが、Predatory Lendingという言葉うぃブログに書かれた瞬間、これは根が深いぞ!と感じて、いろいろグーグルしました。

そしたら、右のDepart of House and Urben Development(HUD)のHPに掲載されているレポートを発見しました。

グーグルで出てきたページ(http://www.hud.gov/offices/hsg/sfh/pred/predlend.cfm)

Since the Spring of 1999, HUD has been actively involved in combating predatory lending through research, regulation, consumer education and enforcement actions against lenders, appraisers, real estate brokers, and other companies and individuals that have victimized homebuyers. Read HUD-Treasury Joint Report on predatory lending.
というフレーズを見つけて、これは読まなきゃ!と、ビビッと感じました。

120ページもあるので、サマリーしか読んでいませんが、P3に書かれていた
A majority of mortgages in the subprime market are used for consumer debt rather than housing purposes.
というフレーズを見てがく然としました。

要は、生活費をねん出するために、値上がりした不動産の価値を担保に金を借りて、束の間の浪費を楽しんだということなのです。
しかも、浪費のためのサブプライム・ローンの手数料や金利は、日本のサラ金と同様に劣悪なのです。

無理して住宅を買って、それを手放すなら、『ちょっと、無理して背伸びしちゃったかな』と、諦めもできます。
しかし、生活費ねん出のために長年住み慣れた家を担保に、高金利の闇金に手を出して、その悪質貸金業者に、いいようにむしり取られたというのが実態であれば、今後問題になる悪質ローン(Predatory Lending)なのです。

これは、社会問題化、政治問題化する可能性が高いです。
すでに大統領選挙戦が始まっているのです。

しかも、この問題は今に始まったことではなく、1998年ごろから問題化している長いアメリカの暗部なのです。全く日本のサラ金問題と同根だと思います。

アメリカの問題化しているサブプライム・ローンは、アメリカ版サラ金なのです。

日本のサラ金関連株が破裂したように、アメリカ版サラ金会社は、まだまだ破裂する運命だと思います。日本では、その破裂を後押ししたのが政治・裁判だったのですが、アメリカでも、社会運動、地方政治、裁判、、、、なのでしょう。

住宅が回復しても、サブプライム問題は別の観点から残る
住宅価格が回復しなければ、貧困層は犯罪など深刻な社会問題化する
今後の規制は、日本のサラ金が参考になるかもしれない


アメリカでは、クレジットカードは文字通り、クレジット(=信用)を利用する(=支払いを延期して借金にする)ためのものです。
代表的なカードローンは、リボ払です。

@カードローンは、自動車ローンや、住宅ローンのように面倒な手続きはない
A自動車ローンや、住宅ローンは、それらを担保とする貸付だが、カードローンは無担保貸付である
Bカードローンは、無担保なので、金利は高い

一番目の図は、カードローン金利の推移です。


実は、カードの金利は、表面に見える数値では結構なばらつきがあります。さまざまな条件や、手数料、隠れ金利を設定して、消費者が横並びで比較しにくいように工夫しているからです。

2番目は、本日ネットで見つけた平均的な金利です。
年利率で、13%台です。

上記カードローンと比較すると、不動産担保貸し付けである、Home Equity Loanの金利は低いのです。
3番目の図は、ネットに出ている昨日に金利です。

Home Equity 6.88% となっています。

何を言いたいかというと、
カードローン金利:13%、(サブプライム向けは+2%〜+3%かな)
Home Equity金利: 6.88%(サブプライム向けは+2%〜+3%かな)
こんなに金利の差があるのを無視できない。
借りた金に色はついていない。
どうせ生活費のねん出に金を借りるのなら、金利の低いHome Equity Loanで借りよう!
という動きが怒涛のごとく発生したのです。

事実2000年以降の統計を見れば、カード会社のローン残高は低迷しています。美味しいお客様、収奪先が、Home Equity Loanに流れてしまったからです。おかげでクレジットカード会社の収益、株価は低迷しました。

この流れを加速したのが、借り手・消費者保護『カードローンの最低支払金額が引きあげられた』という法規制の変化でした。
具体的には、払っても払っても残高が増えるような状態を許さないことになったのです。年間金利よりも少ない金額しか支払わないと、未返済金利が元本に追加されて、借金が雪だるま式に増えていきます。実はこれが、過去のカード会社のウハウハ利益の源泉だったのです。しかし、こんな状態は維持不可能で、行き着く先は生活破たんです。ですから、上述のように、残高が減るような支払いを当局が義務付けたのです。

しかし、この最低支払金額の規制強化は、住宅ローンには及びませんでした。
ローンで儲けようと思ったら、カードは美味しい領域ではなくなったわけです。結果として、貸付業社は不動産担保ローン(=モーゲージ、Home Equity Loan)に殺到したのです。
そして、Option ARMだの、Interest Onlyだの、挙句の果ては、金利以下の支払いしかしない"ネガティブ・アモチ・ローン"までと、行き着くところまで行き着いたのです。

つまり、今回の問題発生は、前回のクレジット・カード・ローン規制の際に、不動産貸付までは規制(払っても払っても残高が増えるような状態を許さない)をかけなかったことに由来するのです。

さて、現在は乱痴気騒ぎが終わって、後始末の鐘が鳴ってしまったのです。

4番目の図のように、サブプライムの焦げ付きは急増しています。


焦げ付きが急増すると、金を貸す方は一気に貸さなくなります
5番目は、貸出態度の推移です。上向きは、厳格化、下向きはユリユル化です。

さて、現在発生しているのは、不動産で金が借りられなくなった人々が、またカード・ローンで金を借り始めたのです
そうです、あの高い金利で、、、無担保なので仕方が無いですが、、、

さあ、この状況で、アメリカの不動産価格が下落したら、どんなに悲惨な状況になるか、、、想像してください。

以前、元日銀政策委員の話を書きました。
ポイントは、世界の中央銀行は住宅・不動産価格の動向で金利を動かしているという部分です。
日銀は、昨年来不動産価格(+株価)の上昇を利上げの理由にしています。英国は、不動産価格の上昇とともに利上げをし、上昇ペースが5%以下になった時に利上げをいったん休止しましたが、最近の不動産価格の再上昇で利上げの再開をしています。
アメリカも同じだろうと、その方は話してました。

ここの最後のパラグラフに書いたように今後のアメリカの経済運営方針が、90年代初頭の日本のように不動産価格の抑制方向なのか、逆に金融緩和的な方向なのかが、アメリカ経済がデフレに陥らずに復活するか否かの試金石になるのだと、本当に思ってます。

最後に、株価は『知ったら終わり』なので、Fedが効果がでるまで金利を下げるという信任が投資家の間に確立されれば、大崩れはないと思います。

反対に、90年代の日銀のような態度であれば、一環の終わりです。
ドルは▼20%でしょう。


<<アメリカは、不動産バブルの後処理の巧拙が肝です>>
不動産にバブル宣言をしたのが、2005年7月だったが、その後1年で住宅建設株は半値になった。そして株価のピークの後、1年半で、ようやく世間がアグレッシブな住宅ローンに懸念を示し、さらにはSubprime LoanがPredatory Lendingと言われて社会的な問題として位置付けられ始めている。

日本の場合、1990年1月に株価と不動産市場が、ほぼ同時に大天井をつけた後2年ほど経過した1992年頃は、そこそこ不動産価格が下落していた。そして、これまで買えなかった人々が値下がりした不動産の買いに入った。だが、不動産の値下がりや株価の下落は、今を思えば序章に過ぎず、それ以降の10年間の値下がりを経験することになった。

不動産価格の高騰を演出したグループを庶民の敵とみなし、かつ不動産の価格の下落を好ましいものと評価した当時の風潮(=一種の魔女狩り)が日本経済をデフレに突き落としたトリガーとなってしまったのである。
そもそも1980年代後半自体が適正な状態でなかったのだから、その支えられない状態の崩落はどこかで発生すべき事と言い放つことは、後年の観察者にとっては易きことであろうが、当事者には塗炭の苦しみであった。


翻って、現在のアメリカ不動産の状況だが、1980年代のS&L救済の目処がたった1990以降2006年までの長期不動産上昇相場の内、ITバブル崩壊からアメリカ経済を救済するために、Fedが金融の緩和を実施した効果が表面化した2003年以降を、日本と同様の『そもそも適正な状態でなかったのだから、その支えられない状態の崩落はどこかで発生すべき事』と、2007年3月に言い放つことは、この瞬間でも勇気が必要だろう。

なお、Subprime Mortgage Loanが、Predatory Lendingと呼ばれるのは、今に始まったことではない。1998年以降の不動産不況の時に問題化し、HUDとFedのjoint report(2001年2月発表)も出ている。

このPredatory Lendingという指摘は、カード・ローン、自動車ローンを含め、広く消費者ローンにおける悪質な貸し付けを指しているが、担保価値(不動産価格)の上昇を背景にした不動産ローンに特に強烈に発生していると思われる。

ただ、日本の状況に照らし合わせて思うことだが、今年から来年にかけては値ごろ感から今まで買わなかった層の購入が顕在化する可能性もある。その時に、それ以降の経済運営方針が、90年代初頭の日本のように不動産価格の抑制方向なのか、逆に金融緩和的な方向なのかが、アメリカ経済がデフレに陥らずに復活するか否かの試金石になるのだと思う。無論、それ以前に金融緩和を実施すれば問題の発生は未然に防げると思われる。


(私のコメント)
アメリカは国家的レベルで見ても金を海外から借りまくっているし、個人レベルから見ても金を借りまくって消費している。その金はどこから出ているかというと日本や中国や産油国からの借金だ。なぜ日本や中国がアメリカに金を貸すのかというと生産した商品をアメリカに買ってもらうためだ。

このような循環はドルが基軸通貨であり貸し倒れが無いという事が前提になっている。基軸通貨であることは紙に印刷すればそれが通用するという特権があるからアメリカはその特権をフルに活用している。アメリカは世界でダントツの経済力と軍事力を持っていたから、イギリスのポンドに代わって世界の基軸通貨になれた。

しかし現在のアメリカ経済は財政赤字と貿易赤字で双子の赤字は膨らむ一方だ。しかし双子の赤字でも海外から資金が入ってくれば当面は問題は無い。しかしアメリカ経済に不安がもたれるようになると金を貸している方は心配になるから金利を上げて貸すようになる。あるいは貸し金を引き上げるかもしれない。

このような構造が分かれば日本の失われた15年とアメリカの繁栄の15年とはコインの裏表なのだ。日本のバブルの発生と崩壊は日本の金融当局の政策ミスが招いたものですが、アメリカや中国は日本の前例をよく検証してバブルの崩壊をソフトランディングさせようとしている。日本のようにハードランディングさせると立ち直るのに20年も30年もかかることになるだろう。

アメリカ経済も現在は微妙なところに来ているのですが、金融緩和で切り抜けたいところだ。ところが金利を引き下げればドルが下落するし、日本もEUも金利を引き上げている。だからアメリカは金利差で海外から資金を呼び込んでいるのだから金利の引き下げよりも利上げせざるを得ない状況に陥っている。

そこで問題になるのがサブプライムモーゲージローンですが破綻が相次いでいる。住宅などの不動産が上がり続けていれば信用枠が増えて借り入れが出来ましたが、不動産が値下がりしだすと新たな借り入れが出来なくなり生活が破綻するところが増えてくる。そして担保になっていた住宅が売りに出されるようになる。そうなると住宅の価格はますます下落する。

サブプライムローンが借りられなくなると人々はカードローンで生活をしのぐ事になる。カードローンは無担保だから金利も高く消費に使ってしまったのだから生活の破綻は時間の問題だ。アメリカの国民生活がこのような状態ならば国家財政も同じようなものであり、国民の消費が限界に来れば消費は低迷して景気は落ち込んでいく。

日本でもサブプライムローンと同じ住宅を担保にした住活ローンというのがありました。資産家も自分の土地や住宅を担保にして株式投資などに利用していた。そしてバブルが発生して日銀は平成の鬼平がバブル潰しで金融の引き締めで株式は大暴落して、住活ローンで株に投資していた人は自宅を売り払うようになった。その結果不動産も暴落してしまった。

株式と不動産の暴落は銀行経営まで影響が及んで不良債権が増大した。政治家達はそのような日本経済の状況に疎かった。経済評論家やエコノミスト達も一体何が起きているのかわからずに右往左往していた。実際は株や土地の暴落によるバランスシートが債務超過の危機に陥り借金を一斉に返し始めた事から来るバランスシート不況だったのだ。

アメリカの1930年代に起きた大不況も実態はバランスシート不況であり、大不況から抜け出せたのは20年かかった。当時のアメリカも超低金利であり貿易黒字で海外に投資していた。日本は財政金融政策でアメリカの大不況のような事は免れたが、現在に日本は大不況時代のアメリカと同じ事が起きている。

アメリカの大不況がポンドからドルへの基軸通貨体制が切り替わる時に起きた現象であり、日本の大不況はドルから円への基軸通貨体制が切り替わる現象なのだろう。6年にわたるゼロ金利政策は円キャリートレードなどによって円が世界の資金の供給者になったことを意味する。その事を日本の経済学者やエコノミストなどは自覚していない。しかし世界同時株安は日本の金利引き上げがきっかけになったことはその証拠でもあるのだ。

現在の石油エネルギー文明は2004年に石油生産のピークを打ったことにより終焉を迎えようとしている。これからの文明は限られた石油をいかに有効に使うかの技術力にかかっている。自動車を例にとってもハイブリットカーを生産しているのは日本だけだ。省エネ技術も日本がダントツであり、石油の値上がりはアメリカの国力を衰退させて、日本の省エネ技術文明が世界をリードするようになる。




米国への債権取立てのためには核武装は必要だ。もっと金を
貸せと言うのなら、日本は米国を保障占領しなければいけない


2007年3月23日 金曜日

お金の面から見ると分かりやすい国際関係  3月22日 日下公人

 海外債権を持つと立場が弱くなる(前回のコラム参照)。次に、周辺にも味方がいなくなる。外交にとっては大変な損だ。そして、そのとき頼れるのは自分の武力だけである。だから国際化する国は必ず軍事大国になる。

 なぜかというと、国際化して金を貸すということは、それだけ金がもうかったからであり、技術力や生産力など、いろいろなものがその国にある。それらの力を少しだけ取り立てのほうに回すのだから、その国は軍事大国になる。金も技術もやる気もある大国だから、わりと簡単に軍事大国になる。

 その昔であれば、金が余ると海軍を強化した。英国の海軍が世界中の七つの海を回っていたが、それは債権の取り立て部隊だった。米国海軍が世界中を回るのも同じ。1隻で何兆円もかかるけれど、「減らせ」ということにはなかなかならない。

 クリントン大統領のときにだいぶ減らしたが、やはり十何隻もの航空母艦がいまもあちこちに配備されている。それは取り立て部隊であり、言ってみれば根本はサラ金の取り立てと同じことだ。つまり、何兆円も金をかけても、ちゃんと見合うのだ。

 国際化して金を貸す国は軍時大国化する。これは法則だと思う。軍事大国化への階段を上りたくない人は、横へ外れなければならない。その場合には、国際警察や国際裁判所を強くするというほうへ向かうことになる。つまり、国際社会を共同体として強いものに仕上げる。そうすると、単独で対処しなくて済む。それが国連である。

 北朝鮮の問題で迷惑を被っているのは日本なのだが、単独で対応しないで国連決議を採ってから対応すると、格好がつく。そうすると仲間も増える。そういう道を日本は選ぶ。だから「日本はやたら国連が好きだね」と、かつて英国元首相のサッチャーに笑われた。「国連なんて、なんの頼りになるんだね」とサッチャーは笑っていた。

債務大国になった米国は国連がじゃま

債権国は、国連を好きになるか、軍事大国になるしかない。日本は軍事大国になりたくないから、国連を好きにならざるを得ない。

 では、国連をもっとちゃんと強くする方法を真面目に考えなくてはいけない。日本では誰もそのことを真面目に考えずに、米国と仲良く一緒にやればいいと思っている。だが、米国は今、国連を好きなのか。50年前は好きだったが、今は好きではない。

 50年前、米国は世界一の債権大国だった。自分で取り立てて歩くのは疲れるから、国連を使ってみんなで圧力をかけようとしていた。だが今は、米国は世界一の債務大国だから、国連はいらない。国連はじゃまで嫌いなのだ。国連から何とかして逃げようと米国は思っている。だから「米国と一緒になって国連で働こう」なんて、そんな話は通用しない。

 国連大使を勤め上げてきた人と話をすると、建前は「国連を盛り立てて、日本と米国で世界をうまくやっていこう。そのためにわたしは働いてきた」という。だけど、力およばないところがあった。だから常任理事国になりたいのである。

 どうやってなるかといったら「援助金をたくさん配れば大丈夫」だという。そんなことではダメだ。「あんた、自分で金を配るのが楽しいだけでしょう」とわたしは言いたい。

 今、米国は国連離れを始めている。原因は正義でも人道でもない。自由でもない。民主主義でもない。金だ。

 米国は金を借りている国になった。だから国連から離れたい。そういうふうに、お金の面から見ると、国際関係論というのは実にシンプルである。 (後略)


債務国には軍隊を出すのが国際常識 3月8日 日下公人

(前略)
第二に、債務を踏み倒す国に対しては軍隊を出すのが国際常識である。国家対国家はそれぞれ主権を持っているから、軍事力に対してだけは言うことを聞く。本当に軍隊を出すか出さないかは別として、まずそれが常識である。

 それでも債務国が債務を果たさなければ、軍隊が駐留することになる。「返すまでずっとそこいるぞ」と。実際、世界中でそうしたことが行われている。

 ずっと金を借りている国では、やがてどこかの国の軍隊が軍事基地を持つことになる。日本も昔は米国から金を借りていたから、その名残で今も軍事基地がある。

 本来なら、今は米国に金を貸しているのだから、「帰れ」と言えばいい。そして「ちゃんと返済するかどうか心配だ」といって、逆に日本が米国に軍隊を駐留させていいのだ。

 そんなことは国際関係論のイロハの「イ」である。だが日本でそれを言っても、だれも賛同しない。ワシントンで言えば、「それはそうだ」と賛同してもらえる。

 かつて日米貿易摩擦のころに、わたしはワシントンで米国人にこんな話をした。「米国は日本に国債を売りつけている。とめどもなく日本から借金をしている。やがて米国がその金を返さなくなったら、日本は取り立てるために、ホワイトハウスの横に日本の「債権取立回収機構」というビルを建てるだろう。そのビルの名前は“イエローハウス”になるだろう」と。

 そんな話を聞いても、米国人は怒らなかった。ユーモアも通じたのだろうが、「理屈で言えばそうだ」と言って、笑っていた。

 その“イエローハウス”が建ったとき、日本の軍隊が米国に駐留すると言うと、これは無用な制裁になるが、しかし、相手が米国ではなくもっと小さい国であれば、そういうことになるだろう。

債務国から「保障占領」という担保を取る

金を借りている国が「軍隊の駐留を認めない」と言えば、日本は自然に、もう金を貸さなくなる。返してくれるかどうか心配だから、当たり前のことだ。

 すると相手国は困って、結局、「どうぞ駐留してください」となる。だから国際金融をやっていると、必ず軍事交流になってしまう。債務国は軍事基地を提供し、債権国は軍隊を海外派遣するようになる。これは当たり前のことで、世界では珍しくもなんともない。

 もしそれを避けようとするならば、「保障占領」という前例がある。つまり担保を取る。例えば、第一次世界大戦が終わったとき、ドイツはフランスに対して弁償金を払う約束をした。しかし、ちゃんと払うかどうか分からない。そこでフランスは、ルール地方の工業地帯に軍隊を入れて占領した。

 これは侵略でも占領でもない。担保に取っただけ。ドイツがちゃんと払えば、いずれ軍隊は引き上げると、フランスは約束した。これが保障占領という制度である。

 だから米国がもっと金を貸せと言うのなら、日本は米国のどこかを保障占領しなければいけない。これは全然おかしくも何ともない。

 日本の会社は世界各国で、担保も取らずに数千億円も投資して石油を掘ったり、プラントを造ったりして、没収された。日本人は大変お人よしだという例だが、そういう前例は枚挙にいとまがない。 (後略)


(私のコメント)
「株式日記」では日本の自主防衛と核武装を主張していますが、アメリカ様さまのポチ保守にとっては常識外れの論外と思っているようだ。アメリカは単独覇権主義を標榜して世界を支配するほどの強力な軍事力を持っている。しかしアメリカの国力にも陰りがさしてきており、何らかのきっかけでアメリカ経済は株式の暴落かドルの暴落でアメリカ経済は破綻するだろう。

日本はアメリカに対して民間も含めれば900兆円の金を貸していると思われます。アメリカはそれに対して85年のプラザ合意のように債務をドルの暴落で借金を減らすような事を繰り返す事でしょう。そんな事をすればインフレで経済は破綻するのですが、ドルは基軸通貨なので札を印刷するだけで済む。

本来ならば円建てで金を貸すべきなのですが、日本政府は弱腰なのでアメリカの言いなりにドルで金を貸している。将来的にはトイレットペーパーにもならない価値のドル札で借金を返済するつもりのようですが、ドルが基軸通貨である限りはそんな形で借金を踏み倒す事ができる。

だから世界の金持ちはドルからユーロへ資産を移し変えているのですが、日本政府はアメリカと心中するつもりのようだ。アメリカは毎年50兆円もの軍事予算を計上していますが、それだけの予算が組めるのも日本や中国や産油国からの借金だ。だからこれからは借金の取り立てには中国や産油国と手を組む必要があります。

しかしアメリカの借金の取り立てはそう簡単ではなく、へたに取り立てようとすれば戦争を仕掛けられかねない。そうさせないためには日本も核武装してアメリカの西海岸と東海岸の沖合いに核ミサイルを積んだ原子力潜水艦を配備する事が必要だ。そうしないとアメリカは借金を踏み倒すだろう。

中国が経常黒字大国になるにつれて軍事力を増強しているのは当然な事であり、日本が軍事費をGDPの1%という枠を嵌めているのは異常なのだ。軍事費が日下氏が言うように債権の取立ての必要経費と割り切れば日本は軍事力を増強する必要がある。ところが思いやり予算とかグワムへの移転費用3兆円とか泥棒に追い銭みたいな事ばかりしている。

もしアメリカがもっと金を貸せというのならば、グアム島やハワイにも自衛隊を駐留させるのが国際常識だそうだ。そしてアメリカが借金を踏み倒そうとしたら担保権を行使すればいい。日下氏の話ではアメリカ人に話しても笑っていたそうですが、日本がそんな事する訳が無いという意味もあったのだろう。

3月18日の株式日記でも書きましたが、アメリカの慢性的な経常赤字は日本や中国からの製品輸入ばかりでなく石油の輸入量が膨大だからだ。2003年現在でアメリカの輸入石油の割合は56%にもなる。景気のいい現在では60%を超えているだろう。さらに中国がモータリゼーションに入って石油爆食で石油の値段は暴騰中だ。

アメリカは毎年100兆円もの海外からの借金で生活している。こんな生活がいつまでも続けられるわけは無い。おまけにイラク戦争で毎月1兆円もの軍事費を使っている。ブッシュ大統領の話ではイラクの駐留は長期化するという。このようなサラ金生活になっているアメリカに金を貸すには金利を高くするか担保をとらないと金は貸せない。

 アメリカの石油輸入割合のグラフ 2003年で56%輸入している


アメリカの時代はもうすぐ終わろうとしている。しばらくは過去の蓄積でやっていけるのでしょうが、アメリカの繁栄は19世紀半ばの巨大油田の発見からであり、その巨大油田は100年以上経って枯渇しようとしている。1960年代のアメリカはベトナム戦争を戦いながら人類を月に送るほどの国力があった。それはアメリカ国内石油の産出量のピークでもあったのだ。




日本語のブログの投稿数、すごっ! 英語に次いで世界第二位
英語と言っても、アメリカやイギリスだけじゃないわけですから。


2007年3月22日 木曜日

日本のブログの投稿量にびっくり! 3月22日 イソログ

日本語のブログの投稿数、すごっ!
英語と言っても、アメリカやイギリスだけじゃないわけですから。

Technoratiの昨年の調査結果とのことですが、不勉強にして存じませんでした。
(にわかには信じられない結果ですが、よく検索してみると、昨年のブログ界隈ではすでに結構話題になっていた模様・・・。)

明日のICPFのシンポジウム「参加型メディアの可能性」で、私もパネラーをさせていただく第二部のテーマは「ブロガー討論会『日本のブログはこれでいいのか』」。

「日本のブログは、量も質もアメリカなどには遠く及ばない」というようなトーンで話が推移するんじゃないかと思ってましたが、少なくとも量的にはそんなことまったくない、ということですね。

アメリカの主要なブログのページビューの量を聞くと、これまた日本とはケタが1つ2つ違う話を聞いていたので「やっぱり英語圏はすごい…」と思っていたのですが、すると、1投稿あたりのページビューが日本はすごく少ない、ということなんでしょうか?
それとも、ページビューあたりの「格差」がアメリカなどと比べて少なくて、一般の人までがブログに投稿しており、「コミュニティ的」「fragmentedな空間」になってる、ということですかね。

とりあえずびっくりしたので、ご案内まで。

詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.edelman.jp/img/ideas/gbg_j.pdf



(私のコメント)
以前の株式日記で日本語のブログは英語並みの量を誇っていると書きましたが、そのデーターがイソログに乗っていましたので紹介します。日本語のブログが英語並みの情報発信量を持っているということですが、質的にはどうなのでしょうか。

今日の株式日記でも保守系のブロガーの影響力について書きましたが、朝日新聞もたじたじとなっている。これだけ日本人の情報発信力があるということは驚きですが、保守系のブロガーの頑張りにはニューヨークタイムスのオオニシ記者も戦々恐々としているのではないだろうか。


【また大西か】

           【また大西か】【また大西か】【また大西か】
          【また大西か】【また大西か】【また大西か】
          【また大西か】【また大西か】【また大西か】
         【また大西か】【また大西か】【また大西か】
        【また大西か】【また大西か】【また大西か】
       【また大西か】【また大西か】【また大西か】
       【また大西か】【また大西か】【また大西か】 
           【また大西か】【また大西か】【また大西か】
       【また大西か】【また大西か】【また大西か】
         【また大西か】【また大西か】【また大西か】
       【また大西か】【また大西か】【また大西か】
           【また大西か】【また大西か】【また大西か】
   ∧__∧  【また大西か】【また大西か】【また大西か】
   ( ´・ω・)   【また大西か】【また大西か】【また大西か】
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中共にとっては日米を蜜月にして、日本を永久に米国の傘の
下に入れて弱体化させておいたほうが得だと思うのですが?


2007年3月22日 木曜日

本の右翼が中韓に汚水をぶっかける 3月21日 中国反日情報

◆環球時報 2007年03月18日(中国語)

米国議員が政治献金を受けているとはばからず公言

日本の首相である安倍が11日、慰安婦問題で「火消し」を行い、日本政府が「河野談話」の立場を堅持し、慰安婦に謝罪する気持ちに変わりはないと強調したものの、この問題は未だに収束しておらず、逆に加熱し始めている。慰安婦問題は国際的な日本のイメージの「鏡」となりつつある。日本の右翼は全世界からの批判にもかかわらず、「河野談話」を覆すべきと放言し、中韓が慰安婦問題を「裏で操っている」と非難している。

(中略)

日本の右翼の矛先が韓国と在米華僑へ

アジア太平洋地区からの厳しい非難にも関わらず、日本の右翼勢力はまったく耳を傾けず、自分を棚に上げ、逆に人を咎めている。日本の右翼のプロパガンダの大本営である「産経新聞」はこの「陣地」作用を生かし、駐韓、駐米記者による特集記事を次々に掲載し、矛先を中韓に向け、慰安婦問題の提案人である米国下院のマイク・ホンダの背景を妄想で推測し、ホンダが在米華僑の反日団体の支持を受けている等と騒ぎ立てた。

(中略)

日本の右翼の目標は「河野談話」の撤回

日本の右翼メディアの呼びかけにより、保守派の政治家も次々に集会を開き、慰安婦問題の再調査を求め、「証拠」を以って「河野談話」を撤回しようとしている。

「読売新聞」は15日、自民党議員による「日本の前途と歴史教育を考える会」が慰安婦問題に関しての再調査を求めた。「産経新聞」の雑誌「正論」では、東京基督教大学教授の西岡が、日本政府は慰安婦問題に関して新たな談話を発表するべきとし、事実上「河野談話」を破棄することを主張した。西岡は、首相か現官房長官が新たな談話を発表し、大規模に対外宣伝活動を行い、「日本が慰安婦問題に関して軍による強制性が有った証拠は無い」とした。

日本の右翼のほしいままの歪曲に対し、韓国の「メディアトゥディ」は「黒田の歪曲した報道の瞬間、一人の元慰安婦の女性が悲しみとともに世を去った。慶尚南道のある山村の金宇明おばあさんは"民族の英雄"では無く、入院費も工面できず、自己の恥辱の過去を隠しつづけた。反省をしない民族、侵略を繰り返す民族は非常に危険であり、再度銃口が朝鮮半島に向けられるであろう」と辛辣に風刺した。(駐日本特約記者 コン常 特約記者 王軼鋒)



◆温家宝の訪日も控えてメディアの反日度は低めですが、慰安婦に関してはそれなりの報道をしています。如何にも中国風の面白い記事があったのですが、中南海ノ黄昏さん先にやられてしまいました(ソース)。中共側とすれば南京も靖国も慰安婦も、目的は如何に日本に対して有利な位置に立ち、対決を有利に進めるかであって、過去の事実等はどうでもよいのです。所詮、プロパガンダなのですから。最近、日本の一部新聞は慰安婦問題などに関しても、強制性どころか、「証拠がなくても悪いんだ、謝罪しろ」といった方向に誘導しようとしていますが、これと同様です。

日本国内の慰安婦の議論に関しては前回も私の考えを述べましたが、今回も続けたいと思います。

日本国内の議論で「日本の国際的なイメージが低下するのではないか」とか、「孤立するのではないか」といった意見が出されますね。神経質すぎ、「良い子」過ぎでしょう。よいのですよ、イメージが悪くても。細かな問題で多少孤立しようとも。日本がどんなに頑張っても世界中で戦争を引き起こしている米国や、虐殺を繰り返す中共並みにイメージを悪くして孤立するのは困難なのですから。議論の中で、「日米離反」を恐れる意見も多いですね。仲良しクラブでは無い訳で、こんなどうでも良い問題で、同盟関係が崩れることはありませんよね。

この「日米離反」ですが、日本側にとっては、米国とある程度距離を持ち、正常な国家として自立できるチャンスでもあります。中共にとっては日米を蜜月にして、日本を永久に米国の傘の下に入れて弱体化させておいたほうが得だと思うのですが、攻め一辺倒の中共にはそんな方法は無いのでしょう。

最後に小ネタです。モーニング娘に中国人が参加だそうです。(ソース中国語写真有) 対日工作、頑張ってますね。デンソーの担当は捕まったようですが。



慰安婦問題がますます大きく 3月12日 中国反日情報

日本では報道されていないようですが、カナダでも慰安婦問題に対する対日批判決議を画策している模様です。(慰安婦議案は流産か カナダの華僑議員が与党に圧力(中国語))

「世界」で反日プロパガンダを行うには南京よりも「慰安婦」の方でよいのでしょう。「慰安婦」とされる女性が各国に生存し、世界の被害者vs加害者日本という構図ができますし、「女性」を盾にすれば、表立った反論がされにくいでしょう。

ただ日中韓の反日ネットワークによる今回のプロパガンダ、また失敗しているのではないかと私は思います。短期的、局所的には日本のイメージを低下させることが出来ても長期的、大局的にはこの問題による影響は軽微でしょう。既に支持率に一喜一憂しないことを明言し、鷹派に回帰を決めた首相にはいい獲物にすらなるかも知れません。

それどころか、今回の反日活動により、日本の保守側が得るものは非常に大きいのではないかと思います。

かねてから懸念されていた米国の政治やメディアに対する日本の影響力の無さが再認識されていますし、日中韓の反日ネットワークの存在と強さも再確認されています。これらに対する対策は今後強化されてゆくでしょう。日本国内では報道により、今まで「慰安婦」に深い知識が無かった層にまで、どうも「強制」では無かったらしいという認識が広がってきています。河野談話の再検討も開始されました。

私はさらに多くの日本人のあまりに「性善」的な世界の見方を変え、「現実的に」世界を見ることができるチャンスでもあるとすら思っています。

米国も多くの慰安所を持っていましたが、当然それらを省みることもせず、他国を批判しますね。中国はご存知の通り。世界の全ての国がこれらの帝国主義的な国と同様とはいいませんが、日本人のあまりに「性善」的な見方は世界の常識とはかけ離れています。

米国の下院ですが、そもそも彼等は「慰安婦」に対する知識も興味もありませんし、反日ネットワーク側ロビーだらけで反対側の意見を聴く機会すら無いでしょう。仮にこの問題に対する正しい認識をもっている議員がいても、メディアが「日本の性奴隷」と宣伝している以上、それを糾弾することは当然であり、多くの有権者の票を犠牲にしてまで、その正しい認識を主張するはずもありません。もちろん米国の慰安婦問題を穿り出して反省することは決してありません。これが「現実」でしょう。

日本人の世界の常識に対する認識と、世界各国の政治やメディアに対する影響力が強化がされるまで、世界では慰安婦の強制が真実とされ、日本が批判されることになるでしょう。そのことは少しの批判すら恐れ、うまく繕おうとする現在の日本人には良い耐性の訓練にとなるのではないかと思います。世界は批判合戦ですからね。

遠からず慰安婦問題も靖国と同様に、反日ネットワークに対する攻めのカードになることでしょう。


(私のコメント)
従軍慰安婦問題は中国による日米分断工作ではないかと書いてきましたが、日米分断が成功すると日本は自主防衛と核武装しなければならなくなるから、中国にとっては悪夢にしかならない。しかし中国人は利口ではないから日米が離反すれば日本は中国の勢力下にはいると思い込んでいるのでしょう??

確かに90年代はクリントン政権のジャパンバッシングが功をそうして細川非自民党政権が出来たり、村山社会党連立内閣が出来たりした。自民党も親中派の経世会が実権を握って100名を越す大集団となった。橋本政権は親中派の橋本龍太郎が総理になって「アメリカ国債を売り飛ばそうか」とまで放言するほど反米的になった。

まさに90年代は日米同盟が危機的な状況になり、当時の株式日記でも「アメリカ金融帝国主義は日中共同の敵」と題して「日本は中国、アジア諸国と手を組んでアメリカ金融帝国主義と対決するべきと思います。いつまでも金融を使った略奪行為を止めさせなければなりません」と主張しました。

当時の状況としてはインドネシアや韓国のように日本はIMFの管理下に置かれて日本企業は解体される寸前まで来ていた。さらにアメリカの金融資本はロシアの石油企業まで買い占めてクリントン政権は世界を買い占めるほどの勢いがあった。このような状況になって日本は中国に吹き寄せられるようになった。

このような日米離反の動きに危機感を抱いたアメリカの共和党の保守勢力はブッシュ政権を誕生させて、日本への金融的な締め上げを停止させて「撃ち方やめ」と政策を切り替えた。ブッシュ政権にはリンゼー氏やアーミテージ氏やマイケル・グリーン氏など日本通が揃えられて対日政策は180度変わった。

もしあのまま民主党政権が続いてジャパンバッシングが続いていたら野党政権が誕生して日米安保も解消されて中立政権が出来ていたかもしれない。現在の韓国がまさに反米政権になっているように日本もそうなる危険性が大いにあった。だからアメリカの保守派は日本の親米勢力を梃入れして小泉政権を誕生させた。

しかし最近になってアメリカ議会において民主党が優勢になったことにより、中国はアメリカの民主党と連携してジャパンバッシングを復活させようとしている。その切り札が従軍慰安婦問題であり南京大虐殺問題だ。はたして90年代のような悪夢が再び復活するのだろうか? ヒラリー政権の誕生でアメリカの対日政策はどう変わるのか?

日本としても90年代の迷走は避けるべきだろう。90年代は自主独立路線をとろうにも憲法改正や核武装など口にすることも出来ないような時代で、口にすれば大臣の首が飛んだ。野中広務という親中派のドンがいたから改憲や核武装はとりようがなかった。しかし現代では改憲は数年以内に実現するだろうし、核武装も大臣が口にしても首が飛ばなくなった。つまり自主独立路線の道が開けてきたのだ。

このような状況で米中が再びジャパンバッシングで連携をとるようになれば、日米離反しても中国に吹き寄せられる事は無く、自主独立路線をとるようになるだろう。90年代から大きく変わったことは国民世論が大きく保守化してきたことであり、朝日新聞がいくら反日世論を煽っても国民は踊らず、逆に反論の嵐を受けるようになった。

中国反日情報のブログの記事において、中国紙が日本の右翼勢力の事を書いていますが、日本の保守派のブログはかなり手強い勢力だ。朝日新聞や毎日新聞などの反日新聞が捏造記事を書こうものなら2ちゃんねるあたりで祭りが始まる。従軍慰安婦問題ではニューヨークタイムズのオオニシ記者が祭りの燃料になっている。

日本の保守派のブログは米中韓の反日マスコミにも矛先を向け始めた。すでに情報の発信源はマスコミだけではなく、ブログによる情報発信のほうが主導権を持ち始めているが、気がつかないのはマスコミの記者達だ。靖国問題でも中国に逆襲したが、従軍慰安婦問題ではアメリカのマスコミに逆襲の矛先が向かうだろう。

もっとも小泉総理が靖国でぶれなかったように、安倍総理の政治姿勢に揺らぎが見られるのはかえって支持率を落とす元になっている。小泉政権が5年半持ったのも中国や韓国が靖国問題で騒いでくれたからだ。安倍政権では従軍慰安婦で騒いでくれれば安倍政権も長期政権になるかもしれない。国内のナショナリズムが高まるからだ。


【安倍政権 孤独と苦悩・上】塩爺の喝 腹固まる 3月20日 産経新聞

首相就任からほぼ半年たった3月7日、安倍晋三は、前首相の小泉純一郎と帝国ホテル内のフランス料理店で夕食を囲んでいた。安倍が小泉と2人でゆっくり会食するのは、首相就任後は初めて。長い間、2人が会わなかったのにはある理由があったが、この日は平成19年度予算案が衆院通過したという安堵(あんど)感もあって、安倍は肩の力を抜いて小泉と向き合うことができた。

 小泉は上機嫌で、安倍に語りかけた。

 「いやー、よくここまで踏ん張ったな。柳沢(伯夫厚労相)さんの発言で、野党が補正予算案の採決で審議拒否を仕掛けてくれて本当によかった。本予算案の採決であれをやられたら、おれだって持たなかったかもしれないぞ!」(中略)

政権発足後、安倍周辺では「保守再興路線を前面に出すと小泉改革を支持してきた中道保守層の支持を失う」との声が強く、幹事長中川秀直も「左ウイングに懐の深い自民党を目指す」と、中道保守層への傾斜を明言していた。こうした動きに配慮し、安倍も保守的な言動を控え気味だった。

 それだけに、この櫻井らとの会食は、「今後は自らのカラーを遠慮なく打ち出す」という決意の表れだった。

 メンバーには、元台湾総統府国策顧問の金美齢も含まれていた。金は「(日中関係があるので)もうお会いできないかと思っていました」と目を潤ませ、「台湾の陳水扁総統が失敗したのは支持を広げようと中道に寄り、元々の支持者が離れていったからです。同じ愚は決してやってはいけません」と訴えた。

 「やはり自分の判断は誤っていなかった」。安倍は意を強くした。

 安倍は施政方針演説で、持論の「戦後レジームからの脱却」をうたい、憲法改正と教育再生を柱に据えた。マスコミ幹部との会合で、施政方針演説について、「理念ばかりで具体性が薄い」と批判されると、「政治家が理念を語らなくてどうする」と気色ばんだ。(中略)

しかし、安倍にとって、森や中川の「思いやり」は有り難い半面、迷惑でもあった。森たちが援護射撃すればするほど「安倍は半人前だ」とみられるからだ。このため、安倍は中川から小泉との会食を持ちかけられても、「予算が衆院通過するまではやめておきます」と断ってきた。

 安倍が小泉と会わなかった理由はもう一つある。安倍が今年から鮮明にした保守再興路線は、ともすれば小泉の構造改革路線に逆行し、古い自民党への回帰を目指しているようにも受け取れる。昨年11月27日、安倍が郵政造反組11人の復党を決め、小泉に電話した際、「君がそう決断したのならば、それでいい」と言った小泉の口調は明らかに不快そうだった。自らを幹事長や官房長官にとり立ててくれた小泉への一種の後ろめたさもあった。

 だが、久しぶりに会った小泉はときにジョークを交えながら、大いに語り、安倍を励ました。

 「いいか。参院選なんて負けてもいいんだ。参院選で負ければ、民主党の反小沢派はガタつく。親小沢だって大きく動くだろう。どうなるかな…。そもそも考えてみろよ。小渕(恵三元首相)政権で、参院が首班指名(首相指名)したのは菅直人(民主党代表代行)だぞ。政権選択の選挙は衆院選だ。首相はそれだけを考えていればいいんだよ」(石橋文登)




キッシンジャーが隠れ共産主義者・反米主義者で、ソ連(ロシア)
や中国のエージェントであることは疑いがないであろう。


2007年3月21日 水曜日

自由世界のリーダー米国政府の対露、対中政策の誤り 大森勝久

(5)ソ連、中国のエージェント・キッシンジャーの謀略

 この節では、隠れ共産主義者でソ連、中国のエージェントであると断じてよいキッシンジャーの謀略について書いていくことにする。

台湾を切り捨て中国を強国化する

 保守政権であれば、自由主義の台湾を主権国家だと積極的に認めていくのが当然なのに、ブッシュ政権は、キッシンジャーがニクソン大統領を誤導して発表させた「米中上海コミュニケ」(1972年2月)を守って、「台湾独立反対」「現状維持」を唱えている。上海コミュニケとは、台湾放棄であり、侵略国中国を一方的に利するものであるから、法の正義に反しており、無効である。直ちに破棄してこそ法に適い正義である。ブッシュ政権の対中、対台湾政策は、02年9 月の『国家安全保障戦略』に謳われている「強大国間に良好な関係を築くことによって平和を維持する」から導き出されているものでもある。だが米国議会では、超党派で多くの議員が政府のこの政策を厳しく批判している。

 中国を今日の核大国に成長させたのは誰なのか。米国政府と日本政府である。安全保障担当大統領補佐官キッシンジャーは、「中ソ対立」という声ばかり大きいが決して全面戦争に発展する可能性などない親子喧嘩をもって、「中ソ全面戦争が迫っている。座視すればソ連は中国を無力化し、一切の軍事努力をあげて西側に向けていくことができる」とニクソン大統領を騙し説得して、「米中和解」へ誤導していったのである。その結果、台湾は国連から追われ、替わって中国が安保理常任理事国の座を手に入れた。

 中国は大きな国際的政治権力を手に入れただけでなく、米国に警戒されることなく軍拡を推進することができるようになった。日本も米国に倣って中国を承認し、台湾を完全に切り捨てた。1980年度から巨額のODAを中国の独裁政府に供与したから、中国はその資金で核軍拡と経済強化に邁進していった。ソ連にとっては、中国の強国化はソ連の世界戦略から見て明らかに利益になるのである。なぜならば、米国がソ連と戦争に突入する場合、米国は戦力の全てをソ連に向けることができなくなるからだ。中国用に一定の戦力を割いておかねばならなくなる。これがソ連を大いに利することは明白だ。だからソ連は「中ソ対立」中も一貫して中国に兵器を供与し軍拡を支援してきた。

 国際政治学者キッシンジャーは、全てを理解した上で、ソ連と中国を利し、米国及び西側の安全保障を深刻に傷つける政策を、逆に米国と西側の安全保障を向上させるものだと理論付けて、ニクソン大統領を騙して実行させていったのであった。

 私は中川八洋教授の『中国の核戦争計画』の第三章「チャイナ・カードという幻想―アジア共産化の拡大を狙ったキッシンジャー」に学んで、この「米中和解」の謀略部分を書いたが、少し引用しよう。「ソ連(ロシア)にとって、中共が「反ソ」であるが故に有事に西側につくであろうという、自分らの願望を現実とないまぜにした米国の錯覚や誤解ほど、ソ連(ロシア)の世界戦略に貢献したものは他にはないだろう」(89頁)。

 中国は、そのような有事の際に、西側につく筈はない。なぜならば、西側についてソ連の敗北を援助するとすれば、中国は自らの首を絞めることになってしまうからだ。米国ら西側はソ連を打倒すれば、次には中国に向うことになるからだ。だから中国は絶対にそのようなことはしない。とすれば、米国は軍事力の一部を中国用に割いておかなくてはならなくなる。「米国の軍事力の標的がロシア1ヶ国に集中することなく中共にも割かれることによって、ロシアに投入される米軍事力がたとえば3分の1は減るからである。そのことは、対露戦争に投入される米軍事力が3分の2になるということではく、対露戦争に必要な米国の軍事力が3分の1も欠如することにおいて対露戦争を断念せざるをえなくなるから」(90頁)、ソ連を大いに利するのである。

 ソ連と中国は、米政府中枢にいるエージェントのキッシンジャーを使って、戦略環境をこのように飛躍的に向上させたのである。

SALT1協定、ABM制限条約で米国の戦略核戦力を対ソ優位から劣位に逆転させた

 キッシンジャーは72年5月、モスクワで交渉していた米国大使を無視して、ワシントンにおける秘密の裏外交で、ソ連と戦略核兵器制限協定(SALT1)を締結した。

 同協定は、米国の戦略核基数を凍結する一方で、ソ連のみはICBMをさらに91基、SLBMをさらに240基も増強を認めるものであった。これによって、米国のICBM・SLBMは1710基、ソ連は2358基となった。これは発射筒の数であり、予備のミサイルは含まれていない。米国は戦略爆撃機における優位と、MIRV弾頭を開発していたから、弾頭数の優位をもってソ連のミサイル数の優位にバランスし得るというのがキッシンジャーの建前論であった。だがソ連もすぐにMIRV化に成功したから、同協定は60年代までの米国の戦略核戦力対ソ優位を、70年代半ば以降の対ソ劣位に逆転するものであったのだ(同書70頁。中川教授『核軍拡と平和』中央公論198六年。38、39頁)。

 キッシンジャーは、誤った核戦略理論であることを十分承知の上で、「相互抑止理論」、「相互確証破壊理論」、「十分性理論」を提唱し、先のSALT1協定を締結していったのである。同時にABM(弾道ミサイル迎撃ミサイル)制限条約も締結した。

 核戦力の優位(米国)は、相手(ソ連)の先制核攻撃を招くので相互抑止に反する。優位は放棄すべきであると主張するのが相互抑止理論である。この謀略理論によってキッシンジャーは、米国の核戦力の凍結と、ソ連の核戦力の増強を正当化した。米国の戦略核の対ソ優位を対ソ劣位に逆転せしめるための理論である。

 相互確証破壊理論(MAD)とは、双方が防御を放棄して(ABM制限条約)、確実に破壊される状況にしておくことによって核戦争を抑止するという理論である。これは米国の防御の優位を否定し、ソ連に合わせて対等にするための虚偽理論である。

 十分性理論は、核戦力の優位は相手の先制攻撃を招くから不要であり、相互抑止が働くから全面核戦争はありえず、限定核戦争のみに対処する核戦力を保有すればよいと主張するものである。要するに、米国の戦略核戦力の凍結を合理化する理論であり、ソ連の対米優位を作り出すための理論である。さらには米国にのみ核軍縮させる理論である。ソ連は核軍縮条約に拘束されないからだ。

 これらのキッシンジャー理論は、ソ連も米国と同じ考え方をしていることを大前提にしたものである。もちろん彼はそうでないことは熟知した上で、嘘をついている。ソ連=ロシアの核戦略思想は、米国と全く異なっている。抑止思想はない。核戦争を戦い抜き勝利する思想である。だからロシアは、核の量的・質的優位を目指す。ICBM重視であり、奇襲先制攻撃、大量攻撃を原則とする。核戦争を戦い抜くために防御にも全力を投入する。すなわちABM配備、防空ミサイル、防空戦闘機、そして核シェルター、産業施設や人口の分散、疎開という民間防衛も高度に完成している(中川教授『現代核戦略論』原書房1985年を参照)。

 つまりキッシンジャーは、ソ連の勝利、米国の敗北を目標にして、米国の核戦略理論を構築し宣伝してきたのである。そして国家安全保障担当大統領補佐官としてニクソン大統領を操り、SALT1協定、ABM制限条約を締結していったのであった。抑止を前提にするとしても、抑止する例(米国)が、攻撃力においても防御力においても、また戦略においても敵(ソ連)に優位であらねば、抑止できないのは余りにも当然過ぎることだ。マシンガンを持ち防弾チョッキを着た警察官だからこそ、ピストルの凶悪犯を抑止できるのであり、両者が攻撃力、防御力で対等ならば抑止は成功しない。

 中川教授の文を引用しよう。「ケネディ大統領はABMの推進者であると同時に、“ICBMの対ソ3倍計画”を実行しようとしていた。ケネディが暗殺されずに2期目の大統領も勤めていれば、“ICBM対ソ3倍”は実現している。その結果、ソ連のアフガン侵攻はなかっただろうし、ソ連崩壊が1970年前後に生じていた可能性がある。しかしニクソン/キッシンジャーの両名が登場し、“量的対等(パリティ)下の抑止”戦略に変更した(SALT1条約、1972 年)。これによって、ソ連は、そのあと1970年半ばをもってアンゴラ/モザンビーク/エチオピア/ニカラグア/アフガニスタン等々といっせいに侵出し、南ベトナムもカンボジアも共産化し(1975年)、地球上あらゆるところに共産政権が次々と樹立した。抑止は、攻撃核戦力の“対等”では、米国一カ国の自国には効いても、同盟国その他への拡大抑止力の効能の方を喪失する」(『日本核武装の選択』164頁)。

 キッシンジャーが隠れ共産主義者・反米主義者で、ソ連(ロシア)や中国のエージェントであることは疑いがないであろう。

盗聴器だらけの在モスクワ米大使館建設

 中川教授の文を再び引用する。「キッシンジャーが結んだ1972年の米ソ大使館新築協定も、同様に、在ワシントンのソ連大使館建設は下級の土木作業員に至るまですべてロシア人をつれてきて米国人は一名も雇用しなくてもよいとしてあげ、一方の在モスクワ米国大使館の新館建設にはロシア人の土木作業員を一定以上雇用しなければならないという義務規定を入れた。・・・それによって、この在モスクワの米大使館(8階建て)の壁といい天井といい盗聴器だらけとなった。作業員に化けたKGBの盗聴器専門家が自由に出入りし設置したからである。米国は15年後の1987年に至り、この新館の6/7/8階を取り壊し、加えて6階建ての第2新館を労働者1人残らず米国から運んで建築し直すことを決定した。実際に、このキッシンジャーが仕組んだ米大使館を丸裸にして米国の情報をソ連に“貢ぐ”、この盗聴器問題がロシアと解決したのは1992年であった」(『中国の核戦争計画』71、72頁)。

南ベトナムを売り渡したベトナム和平協定

 「ノーベル平和賞受賞の対象となった、1973年1月の、北ベトナムとの和平協定も、その内実は北ベトナムの要求のまま受け容れて米国が南ベトナムを放棄することを定めたものであった。南北ベトナムの両国の和平ではなく、北ベトナムに南ベトナムを“貢ぐ”米国の「無条件降伏」の文書であった。なぜなら、米国はベトナムから米軍を全面撤兵させるだけではない。米軍の緊急再展開を絶対不可能にする、在南ベトナムの米軍のすべての“空軍基地の破壊”を義務づけていた。米国がこの協定を履行した直後の1975年4月、案の定、北ベトナム軍は南への大規模侵略を再開し、南ベトナムはあっという間に北ベトナムの占領・支配するところとなった。「ボート・ピープル」の大量難民の発生も、旧南ベトナムの知識階級や共産体制への批判者等に対する虐殺と強制労働も、明白にキッシンジャーが暗躍して結んだこの協定が元凶であった」(前掲書72頁)。

 「キッシンジャーが「ソ連のエージェント」でなかったと断定するのは困難なことである」(71頁)。私も全く同感である。(2006年4月6日記)


(私のコメント)
アメリカの外交戦略はその時代によってクルクルと変わり一貫したものがないために分かりづらい。しいて言えばその時のアメリカにとって利益になることに忠実なのかもしれない。日本の戦国時代の群雄割拠の大名の戦略と同じと考えればいいのだろう。

ならば日米同盟も常に日本にとって有益かどうかを考えながら検証していかなければならないのですが、改憲論争などに見られるように信念として硬直してしまって頑固一徹な思考に凝り固まる傾向がある。自主防衛など考えることもまかりならんという風潮も日本においては多数派だ。

日本の政治家にとっては外交と防衛はアメリカに丸投げという戦略が唯一の戦略のようなもので、これではアメリカ人に馬鹿にされても仕方がない。終戦間もない頃は敗戦と占領によって武装解除されて仕方がない面がありましたが、経済が復興してからも憲法9条を理由にして自衛隊は継子扱いされてきた。

このような状況では日本の外交戦略など考える人も無く、ましてや自主防衛や核武装論すら封印されたままになっていた。戦前においても外交戦略は無きに等しく、大陸進出は日本にとって有利なのかということも曖昧なまま大陸に進出していった。

日清戦争も日露戦争も当時の状況からすれば米英にそそのかされてやった面があり、ロシアの南下を防ぐ為に日本は使われたのだ。現在の状況を当て嵌めてみれば中国の海洋進出はアメリカにとっては脅威になりつつある。プーチンのロシアも経済的に復興してきた事でアメリカに対立的になってきた。

中露は上海協力機構でまとまりつつあるのに、アメリカは対テロ戦争に翻弄されてイラクで泥沼に嵌ってしまった。ソ連がアフガニスタンで泥沼に嵌った間違いと同じ事をイラクでやっているのだ。ブッシュ政権がイラク侵攻に踏み切らせたのは誰なのだろうか?

ブッシュ大統領が決断したことは間違いないが、ブッシュの一番の相談相手がキッシンジャーであった事は、すなわちキッシンジャーのアドバイスがイラク戦争の踏み切らせる事になったと思われる。しかし最近になってキッシンジャーはイラクで軍事的勝利は不可能と言っているが、彼自身がアメリカを罠にかけたのだろう。それとも単なる馬鹿なのか?

陰謀を暴いていくには時間が経ってみないと分からない事が多い。キッシンジャーの秘密外交も本当の目的が何なのかは非常に分かりづらい。キッシンジャーの行なった業績で一番大きなのは米中和解ですが、この狙いも対ソ戦略の為なのか、中国の為なのかよく分からない。

かつては中ソは一枚岩の団結と言っていましたが、フルシチョフー毛沢東時代から中ソ対立が激しくなり、その対立を突いてキッシンジャーが米中和解にもっていった。米中和解でソ連を封じ込めるやり方はわかりやすい。中ソが対立すれば当時の中国は軍事的に劣勢で経済的にも貧しくアメリカに寝返る理由は十分ある。

結果的にソ連は崩壊してキッシンジャーの戦略は成功したように見える。しかしソ連も共産主義では経済が持たないことは明らかになっていたから、チャイナカードで崩壊したのではない。中国も経済で行き詰まり改革解放で外資の技術と資本で復活して軍事力を増強している。

キッシンジャーのやっていることは中国共産党の延命工作にしかならず、民主化は不可能だろう。ロシアも民主化路線からプーチン独裁体制に戻りつつあるが、核戦力は以前のままであり、中国も核戦力を年々増強している。そして中国も共産主義の看板は捨てるにしろ独裁体制は維持するだろう。

現状を見ればアメリカは、経済を立て直したロシアと中国という二つの超大国と対立する事になり今度はアメリカがもたなくなってきた。キッシンジャーの米中和解は幻想であり中国に利用されたに過ぎない。中国はソ連との一枚岩の団結から中ソ対立となったように、アメリカとも米中和解から米中対立になるのは必然だ。

アメリカはイラクで泥沼にはまり、北朝鮮に翻弄されて妥協を余儀なくされている。背後には中国の楯と矛戦略がありアメリカは二正面外交を強いられている。中国を包囲しているつもりが包囲を一つ一つ破られていく。そこにはキッシンジャーの暗躍があり、結果的に中国やロシアを助けてアメリカを追い詰めていく。

田中宇氏によればアメリカは自滅したがっているという事ですが、イラクや北朝鮮で失敗する事でアメリカの威信は地に落ちて、世界は多極化していく。このような状況では日本も自存自衛の心構えが必要なってきますが、日本の政治家はアメリカ丸投げ外交の癖が抜けない。

アメリカは中国の経済大国化と軍事大国化に極めて寛容だ。米中のパイプ役にキッシンジャーがなっているのはアメリカの国策だろうか? アメリカはこれでロシアにも中国にも軍事力を備える為に多額の軍事費を割り当てる事になる。しかしアメリカにはそれだけの経済力は無い。

アメリカの一極外交は世界を敵に回して、もはや同盟国はイギリスと日本しかなくなってしまった。その日本に対してもアメリカは北朝鮮に譲歩を重ねてテロ支援国からも外し裏切りそうだ。議会では反日決議を下院で採決しようとしている。イギリスのブレアも退陣してイラクから撤退するようだ。

日本の外交戦略としては地政学的にアメリカと組む必要がありますが、アメリカが孤立主義政策になり世界は多極化する可能性が出てきた。安倍総理はNATO本部を訪問したり、オーストラリアとの安保協力などに動き始めた。安倍総理もアメリカがおかしくなっている事に気がついているのだろう。


日豪安保宣言 実効性に向け課題も 3月14日 産経新聞

日豪両政府は13日、安全保障協力に関する日豪共同宣言に署名した。日本政府が安保分野で共同宣言を行うのは米国以外では初めて。民主主義という共通の価値観を持つ日米豪3カ国がともにテロ対策や大量破壊兵器拡散問題に取り組む姿勢を示す意義があるが、日本が宣言を実効あるものにするためには課題も残っている。(中略)

安倍晋三首相は日米豪の連携強化について、豪州メディアに「決して中国を包囲するものでも、中国を意識したものでもない」と述べた。ただ、13日の記者会見では「日米豪、さらにインドとの対話も考えていきたい」と述べ、「基本的価値を共有する」(首相)国々との関係を着実に深めていく考えをあらためて示した。





3/18放送「たかじんのそこまで言って委員会」 ヒラリーが勝てば
クリントン政権時代のような反日の嵐が吹き荒れるかもしれない


2007年3月20日 火曜日

3/18放送「たかじんのそこまで言って委員会」 ぼやきくっくりFC2版

(長いので要点だけ抜粋)

 宮崎哲弥「民主党が勝ったから、中国ロビィストの暗躍」
 橋下 徹「自分達の国益に沿って行動している」
 江本孟紀「日本がキライ!、やっかみ」
 楠城華子「イジメてるとは思わない」
 森本 敏「安倍政権への不満・失望」
 金 美齢「チャイナ・ロビーの影響」
 三宅久之「ブッシュ政権の凋落」
 桂ざこば「いじめられてるか?」

やしきたかじん
「こういう問題がちょっと出てきますと、この番組で最近発言がちょっと増えてきてます、アメリカを全面的にちょっと信用すんのも考えとかなあかんなというニュアンスが、何か私はよみがえってくるんですが」

三宅久之
「私はそう思いますね。アメリカもね、ブッシュ政権というのはちょっとこれも、ま、問題があるけれども、しかしブッシュ政権がもう死に体化したでしょ。去年の中間選挙で上下両院とも民主党が勝った。来年の大統領選挙では、まず、だいたいの傾向としては、民主党の大統領が誕生するだろうと、こういうことでね、やっぱり。民主党系の議員で、いわゆるリベラルと言われてる人たちが、非常にね、勢いづいて、さっきのあの、マイク・ホンダ議員のあれもそうだけど、日本としてみれば、とんでもない政権が誕生する可能性がありますね」

森本敏
「民主党っていうのはだいたい、同盟国に非常にこう、負担を強いるっていうか、具体的に数字を示して何かしらやらせようという、どちらかというと内側にこもって、同盟国に大きな、その仕事をやらせるということによって、アメリカはリーダーシップを維持する、そういう意味では、その、これから民主党政権ができたら厄介なんですけども、今の慰安婦問題だとか南京とかいうのは、何かもう一つその、側面があって、今の政権が、三宅さんおっしゃるように徐々にこう、イラク戦争で徐々に消耗して、もう力がなくて、で、安倍総理が就任しても、全然アメリカにも来ない、それから、色々やるぞと言いながら、防衛庁を省にしたのにもかかわらず、久間さんの発言とか、色々こうアメリカから見ると、神経に障るようなこといっぱい言って、で、実際には何も実績が上がらないということなので、ちょっとですね、アメリカは安倍政権に対するこう、イメージをちょっと叩いた方がいいという意見が強いと思う」

森本敏
「というのは、今回の慰安婦問題でアメリカの報道見ると、必ず安倍首相の前に形容詞が付いてるんですね。『国家主義者・安倍首相』とかね。あるいは『ナショナリスト・安倍首相』とか、あるいはまあ、あの右翼化……」

宮崎哲弥
「極右。『Extreme Right』」

森本敏
「そう、『Extreme Right』とか、『極右の安倍首相』とか、形容詞が全部前に付いてる。だからそういいうふうに決めつけて、ちょっとここはもう叩いた方がいいと。それにアメリカの国内の、まぁチャイナ・ロビーとかコリアン・ロビーとかってものが乗っかって、で、南京事件の70周年にあたりますから、ちょっと日本を叩いても日本はきちっと反論できないという、その、国内的な問題持ってるので、ま、日本っていうのは叩きやすいんですよね」

宮崎哲弥
「ほんと、ないですよね。金先生もおっしゃる通り、皆さんおっしゃる通り、これ一つはね、これは慰安婦決議っていうのは、もう毎年のように出てるの、実は。で、今回どうも可決されそうになってきたいくつかの要因っていうのは、皆さんご案内の通り、民主党が勝ったということと、中国のロビィストの暗躍というのが、年を追うにつれて強くなってきた。しかも、ちょっとね、安倍さんの答弁の仕方にもね、向こうの、特に民主党が勝つとニューヨーク・タイムズって元気になっていくとね、その元気になったニューヨーク・タイムズをさらに、もともとニューヨーク・タイムズっていうのは安倍さんが首相に就任する前から、極右だってずっと言ってきた新聞なんですよ。それをこう、そこの部分をこういう、ま、何ていうかリベラル魂というかね、そういうの刺激したところがあって、ニューヨーク・タイムズの名物記者のデービッド・サンガーが、そういうふうな記事を書くと、これ、今までのとは全然違う、影響力が違って、全国区の、全米の問題になっちゃったんですよ、これが。だからね、非常に、そういう意味ではタイミングが悪かったかなという感じがします」

橋下徹
「だけどその、中国からは靖国で言われれば、またね、はいはいとなり、で、またアメリカからこういうこと言われれば、はいはいと。やっぱりね、これもう主張していけばいいと思うんですよ。中国なんて、中国脅威論ということを日本も言い、アメリカも言えば、中国なんかすぐ反発して、どこが脅威だと、俺たちゃ脅威じゃないっていうことをもう、平気でこう言い返すようにね、僕はここで、ヘナッとならずにね、そんなことでもう同盟関係が崩れるような日米同盟だったら、もういらないと思うんで、これはこの件、この非難決議のこの面に関しては、きちんと日本の主張をね、よく、ちゃんとすべきだと思うんですよ」

三宅久之
「この話はね、その、曖昧にはいかないんですよ。というのはね、安倍さんが言うようにね、その、あらゆる、この、河野談話というんで、日本は93年に謝ったんだけど、従軍慰安婦問題でね。その資料を集めた石原官房副長官とか、色んな人の話を聞いてもね、そういう、強制を伴ったという事実はなかったんです。ね。だから、なかったから安倍さんが言ってる通り、狭義の意味で、銃口突きつけてということはなかったというのは正しいんだけども、今やね、狭義の連行があったとか、広義のあれがあったとかの問題じゃないんです

三宅久之
「たとえば今、駐日大使でシーファーさんという人がいる。拉致問題について非常に理解があって、親日的な態度をとってる人。この人とかマイケル・グリーンとかっていうのは、親日的な人がね、もうね、今やその、強制連行があったとかなかったとかいう次元じゃないんだと、日本軍がその、各国の慰安婦をやったということは事実じゃないかと、で、そのことを認めないとね、もうにっちもさっちも行きませんよという警告をしてるんですよ。それからアメリカの2月15日の、下院の外交委員会の公聴会でもね、日本に対して理解のある共和党議員もね、つまり、河野談話というのを前提にして、これだけ日本はもう1993年以来謝ってるじゃないかと、あるいは、二世代も三世代も前のことを、今の日本人にまた謝れというのか、今、日本はアメリカにとって最大の同盟国であり、民主主義の旗手でいっしょに手を結んでんじゃないかと。これに陳謝を標榜することは、日米関係に亀裂を入れることになるんじゃないかということで、河野談話を前提にしてですね、やってる。だからね、これについてはね、今やっぱりね、あくまでなかったということで突っ張ることが国益になるのか、あるいはこのことについてはね、やっぱり河野談話というのを認めて収束に向かわせるのかというのは、国益にとって非常に重要な問題でね。要するに私なんか勇み足のあんちゃんだって、年取ったっていつまでも変わらないって言われるけどね(笑)、私なんか今このことについて、考えざるをえないんです」

森本敏
「これはね、4月の26、27日、もう総理が訪米されるんで、あちらはもう待ちかまえてるんですよね。きちっと対応しないといけないんですけれども、この前、日曜日にたまたまNHKの『日曜討論』の中で、総理が単独インタビューでおっしゃった。つまり、河野談話を踏襲します、しかし大変皆さんに、アジアの人にご苦労をかけたので、真摯な気持ちでお詫びするという、非常に丁寧な総理の発言があった。あれで僕は全部すむと思うんです

三宅久之
「アメリカはね、その、1945年8月15日に日本が降伏したでしょ、で、マッカーサーが厚木に来ましたよね。それから1ヶ月間にね、神奈川県下だけでですよ、290件の強姦事件が起きたんです。それで、これはもう色んな新聞記者なんかも書いてるけども、アメリカがともかく日本にね、慰安施設を作れってことで、大塚とか横浜とかなんかに、ずらーっとできたわけです、ね。それでもですよ、それでもなおかつ7年間の占領期間中に3万件の強姦事件が起きた

一同(口々に)
「えー」(会場もざわざわ)

三宅久之
2500人が殺人され、アメリカ兵によってですよ

辛坊治郎
「ところが当時は占領下だから、私、メディア研究者の立場から言わしていただくと、当時の日本の新聞は、アメリカ兵がやったと書けない」

宮崎哲弥
「××くて(伏せ字)大きな人がやったことになってる」(会場爆笑)

辛坊治郎
「だから当時の状況は、国内で実はほとんど報道されてない」

やしきたかじん
「皆さんがガッと言ってくれてね、話聞きながらね、何ぬかしとんねんというのはあんねんで。ま、こんなことは総理言うたらまた無茶苦茶になるからな、総理が」

三宅久之
でもね、アメリカ軍の責任者がね、その占領期間中に3万件の強姦事件が起きたっていうことはね、極めて少ないと。いかに米軍の軍旗が厳粛だったかの証だと言ってる

一同(口々に)
「3万件で??(笑)」(会場も笑い)

宮崎哲弥
「だからさっきも言ったじゃない。占領と略奪と強姦はセットだったんですよ。これを何とか分離しようとして、慰安施設とか慰安婦とかいうのが出てきたわけよ」

金美齢
「たとえばその、台湾でもね、やっぱり今その、慰安婦でしたっていう年寄りの人が出てきて、泣きの涙で、メディアの前で言って見せるわけですよ、ね。もちろん韓国でもそういう人はいるわけだけども、誰がね、私は自分で喜んで行きましたって言いますか、こういう時に。絶対に誰でも、私はね、ほんとに無理やり行かされましたって言う」

一同(口々に)
「そう、そう」

金美齢
だからそいういう証言をね、ま、そういうふうに言うとね、何かね、本当に冷酷でね、人非人みたいに言われるけども、でもね、よく考えてほしいわけ

やしきたかじん
「そうそう。そこほんま考えなあかんわ、うん」

金美齢
「そういうね、被害者っていう人が出てきてよ、ほんとに泣いて見せてね、そうやって見せて、私はSex Slaveにされましたっていうことを言った時にね、誰も反論できないわけ」

橋下徹
「金さん、そうなんです。あのね、僕の妻、いっしょに同棲した時に、妻の方から東京来たのに、今になったらね、僕に無理やり連れていかれたって言ってるんですよ。本当にその通りですわ(会場大爆笑)。あれ、向こうから来たんですから」

金美齢
「関係ない!(笑)」


「日本軍によるレイプは遺憾」=米大使、慰安婦問題で不快感 3月17日 時事通信

【ニューヨーク16日時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は16日、米国のシーファー駐日大使が先の下院公聴会に出席した元従軍慰安婦3人の証言を「信じる」と明言、3人が「日本軍によってレイプされた」ことは「遺憾で恐ろしい」と述べたと報じた。米外交当局者としては、異例の強い表現で慰安婦問題に絡み不快感を表明した形だ。


(私のコメント)
最近の日米関係は従軍慰安婦問題に関しては反日左翼がアメリカのメディアにに同調して、右翼や保守が反発している。憲法に関しても左翼が護憲で右翼が改憲を主張しているのだから保革の論理が逆転した状況になっている。アメリカの議会はなぜ反日左翼に同調するのだろうか?

アメリカの政府部内には知日派が居らず、このような問題が起きても誤解を解ける人物がいない。駐日アメリカ大使ですら日本政府に批判的なコメントを発しているが、日本政府はシーファー駐日大使とコミニケーションはとれているのだろうか?

これは単なる意見の食い違いではなくライス国務長官の日本を軽視した外交姿勢が出て来ているのではないかと思う。ライス国務長官はロシアの専門家であり隠れ共産主義者である可能性がある。ブッシュは外交のことはわからないからライスに任せきりだが、ネオコンが去った後はライスがアメリカ外交を仕切ることになる。

私はライスがソ連崩壊の立役者と見ていましたが、ソ連を崩壊させたのはレーガンとパパブッシュであり、ライスは単なるロシアの専門家に過ぎなかったのだろう。アメリカがイラクに侵攻して泥沼に嵌ったのも隠れ共産主義者の陰謀かもしれない。そしてアメリカが泥沼に嵌っている間に、プーチンのロシアは復活し中国は軍備を拡大している。

田中宇氏によればアメリカには多極主義者がいて、アメリカを誤った政策で衰退させていこうとする反米勢力があるようだ。日米分断政策もその中の一つかもしれない。それで喜ぶのは中国でありロシアだ。中国やロシアには言論の自由が無い。ロシアでも反ロシア的な記者が何十人も殺されている。

日本が中国からも韓国からもアメリカからも叩かれるのは、日本なら叩いても謝罪してくるだけで反論されないと思い込んでいるからだろう。しかし間違った事に対しては正していくべきですが、日本国内でも意見が割れているから効果的な反論が出来ない。

アメリカの対北朝鮮外交政策の転換は日本に対する裏切りであり、ライスとヒルと北朝鮮がアメリカを誤らせる政策を意図的にとっている。アメリカにとって本来の敵はロシアであり中国である。しかしアメリカはイラクに戦争を仕掛け、イランも攻撃しようとしているが、これは中国やロシアの罠であり、アメリカはその罠に見事に嵌っている。

株式日記ではアメリカのイラク攻撃に反対してきたが、小泉首相はこのような陰謀には気がつかないから賛成した。そのツケが今になって回ってきてアメリカ国内でも民主党が勝利して、アメリカの自滅的な反米勢力が暴れるようになってきたのだ。

ヒラリークリントン候補は典型的な反米政治家であり多極主義者だ。アメリカがこのようになってしまうのもスパイ天国だからであり、F・Dルーズベルト大統領の時もソ連のスパイに取り囲まれた隠れ共産主義政権だった。大統領自身がしっかりしていないと反米主義者に取り囲まれてアメリカに災いを残すが、ブッシュもどうやら反米勢力に囲まれてしまったようだ。

日本もアメリカと同じ民主主義国家だから反日スパイが自由に活動が出来る。自民党内にだって反日勢力があるし、安倍政権の後を反日政権が出来るかもしれない。中国やロシアや北朝鮮は反政府勢力を抹殺できるし、海外にスパイを大勢送り込んで、その国の反政府勢力を支援している。

従軍慰安婦問題も朝日新聞が炊きつけた事ですが、ニューヨークタイムズも連携して動いている。河野洋平のような反日国会議員も連携して動くから、民主国家は国民と政治家がよほどしっかりしていないと反体制派に国を荒らされてしまうことになる。

「たかじんのそこまで言って委員会」は関西の番組で東京には放送されないのですが、この番組がユニークなのはローカルだから自主規制が少ないからだろう。東京にはこのように言いたいことが言える番組がほとんど無い。「たけしのTVタックル」も自主規制ですっかり大人しくなってしまった。

日本は民主国家で言論の自由があるはずなのですが、中国や韓国の勢力が入り込んでマスコミを監視している。そして少しでも反中国的なことや反韓国的なことを言うと「友好」を損なうと圧力をかけてくる。「友好」を損なわないためには非難してはならないという規制もあるようだ。しかし米中韓が限りなく歴史カードを繰り出してくれば日本外交は対応に追われて問題は拡大していく。ここでは政治家よりも民間外交でかたをつけるべき問題で、マスコミはこのためにあるのだ。


強制連行しなくても女性はいくらでも集まる状況 3月19日 メディアリテラシー研究会

 坂本多加雄氏が危惧した事態は昨年以降米国の下院議会を揺るがしている。平成18年の非難決議は辛うじて議案上程を阻止できた。しかし、今回は状況が違う。非難決議に反対してくれる議員の論拠は河野発言を前提とした上で「アメリカが関与していない他国の事案を非難する法的根拠はない」「すでに陳謝を繰り返している」という論拠であった。

 事実は全くの曲解だった。千葉大学の秦郁彦教授の実地調査で女子挺身隊を強制連行とする恣意的な言論は完全に論破されている。あるいは当時10歳にも満たない少女売春婦の慰安婦証言など積極的否定材料もある。逆に韓国に有利な証拠はなかった。

 韓国人はこれまでの政治的な経過を基礎に、慰安婦強制連行のカードを絶対に手放したくない。安倍政権がそれに批判的なことは承知しているしうえ、日本国内世論が否定に傾きつつある状況を察知し、韓国内で騒いでも先が見えない状況を憂慮して米国の世論を掻き立てる戦術にでた。

 米国人にとっては従軍慰安婦が存在しないことなど関知していなかったので、河野談話を根拠にまるまる信じ込んでいたから当然の成り行きとなる。今回のシーファー米駐日大使の発言は安倍総理の「狭義の強制」を指摘したものと思われる。

 一回の河野談話はここまで重いものである。今回の米国下院の決議を葬ったとしても次は世界を、国連を相手にしなくてはならなくなることは必定。いかな米国の意向であろうとも、ここで断乎とした対応が出来なかったら永久に禍根を残すことになる。一時凌ぎの策が国益をいかにそこなたか。河野衆議院議長とて悪意があっての発言ではなかったと信ずる。それでも結果責任は免れるものではなく、汚点を残したまま世を去るのも本位ではないはずであろう。

 では如何にするか。今回の下院の議案を逆手に取り、問題の真相を日米韓当事者で究明した上で下院の取り扱いを決めることが唯一の解決策である。下手な策動で取り潰せると考えるのは愚策となる。腹を据えて河野議長自身が真実を語り、河野談話の背景も含めて対決するしか道はない。




日米同盟の寿命は、おそらく長くてあと3-4年である。日本
政府が、防衛庁を省に昇格させることを急ぐのは、当然である


2007年3月19日 月曜日

<急変する韓半島情勢>ブッシュ氏の対北認識変化にライス氏がいた 3月9日 中央日報

北朝鮮関連問題に取り組むブッシュ米大統領の姿勢が大きく変わった。わずか数カ月ぶりのことだ。決して北朝鮮との2カ国協議はしない、としていたブッシュ氏である。しかし、いまは朝・米国交正常化問題まで取りあげられている。

  今月5〜6日の2日間、米ニューヨークで朝・米国交正常化の作業部会を終えたヒル米国務次官補と金桂冠(キム・ケグァン北)北朝鮮外務次官は満足感を示した。米国が何故このように変わったのだろうか。米紙ニューヨークタイムズは、最近「ブッシュ大統領の対北認識が実用主義(pragmatism)に変わったため」と報じた。

  ◇「悪の枢軸」と対話するブッシュ氏=ブッシュ大統領は就任初年の01年3月に金大中(キム・デジュン)大統領との首脳会談で、北朝鮮・金正日(キム・ジョンイル)国防委員長について「信頼できない人」と語った。金前大統領が「金委員長は見識のある人だ」としたのを受け、反論したものだ。翌年の1月、ブッシュ大統領は国民向けの演説で、北朝鮮をイラン・イラクとともに「悪の枢軸(axis of evil)」に定義付けた。

  05年4月には「金委員長は危険な人で人民を飢えさせる人物」と激しく非難した。同年9月19日の6カ国協議では共同文書が採択されたが、ブッシュ大統領は北朝鮮の偽ドル札製造・麻薬取引・マネーロンダリングなどの違法行為を理由に、米財務省の金融制裁措置を承認した。そうした同氏が今年1月、ドイツ・ベルリンで行なわれたヒル国務次官補と金桂冠外務次官の接触を許した。

  ベルリン接触は、1カ月後の2月13日に北京で「6カ国協議の合意」を誕生させた土壌になった。ブッシュ大統領は北京合意の直後、記者会見し「正しい方向へ進む第一歩であり良い進展」と高く評価した。同氏はこれまで信頼してきたネオコン(新保守主義派)の主要人物、ボルトン前国連大使が北京合意を非難すると「そうした見解に強く同意しない」と述べた。

  ◇ブッシュ氏、何故変わったか=ブッシュ大統領の外交はこれまで四面楚歌の状態だった。イラクの状況は悪化し、アフガニスタンではタリバンの動きが活発化し、イランは米国の圧迫を恐れずに核開発を続けている。米国内では、昨年11月の中間選挙で上下院を掌握した野党民主党が、ブッシュ氏の一方主義(unilateralism)外交に対し、批判の度を日々強めている状況だった。

  民主党は「敵と対話するのが外交」とし、北朝鮮とイラン・シリアなどと直接対話するよう求めてきた。そうした状況でブッシュ氏がひとまず北朝鮮に目を向けたのだ。米国の韓国大使館関係者らは「米国の金融制裁と国連の制裁で苦痛を受けていた北朝鮮を相手に、6カ国協議の枠組みのなかで2国間協議に臨む形を取れば、突破口が生じるかも知れない、と判断したもの」と分析している。

  ブッシュ氏は就任初期に北朝鮮政権の交代を夢見た。だが北朝鮮が核実験に踏み切った状況で、金正日体制を早期に崩壊させる現実的な手段が、同氏にはない。ホワイトハウスの事情に詳しい外交消息筋によると、そうしたブッシュ大統領が、北朝鮮との対話を拒否し核開発を放置すれば問題はさらに深刻化する、という点に気付いたとのこと。

  ◇誰がブッシュ氏に影響を与えたか=米紙ボストングローブのコラムニスト、グリーンウエイ氏は、6日「現実主義者のライス国務相が(ネオコンの)チェイニー副大統領よりも影響力がある」とした。「ボルトン氏がチェイニー氏のそばでライス氏をけん制していた時代も終わった」とした。北朝鮮問題で強硬派だったチェイニー副大統領は最近、異なった面を見せている。

  チェイニー副大統領は先月に日本を訪れ、「北京合意」について強い不満感を示す日本政府をむしろ説得するなど、少なくとも表向きにはブッシュ氏の実用主義に従う動きを見せた。ニューヨークタイムズも、1日「ブッシュ大統領の実用主義はネオコンの委縮とライス氏の浮上とも関係がある」と報じた。

  続いて「ベルリンの朝・米接触が実現した当時、当地を訪れたライス氏がブッシュ大統領に直接電話をかけ、交渉の必要性を説明した。ライス氏とブッシュ大統領の密接な関係が外交の柔軟性を高めている」との見方を示した。ライス氏が信頼するヒル次官補は7日、米PBSテレビとの会見で「ライス氏とハドリー米大統領補佐官の連携が順調に進んでいる」と語った。

  ハドリー氏がホワイトハウスでライス氏の政策を積極的に支えているとのこと。そうしたハドリー氏を補佐している人が、韓国系でジョージタウン大教授出身のヴィクター・チャ国家安全保障会議(NSC)アジア太平洋部長だ。


米朝の取組水入りへ 3月18日 太田述正コラム

2 米国の事情

来年の大統領選挙への出馬を表明したばかりの民主党のホープ、オバマ米上院議員が、10日、ブッシュ政権は、「クリントン政権が成し遂げた(米朝枠組み合意という)実績の上に、状況を築くべきだった」と述べ、「われわれは北朝鮮と話すべきだ」と言明したことに象徴されているように、昨年の中間選挙で勝利した民主党が、対話による北朝鮮核問題の解決を強く促している
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070211id26.htm
。2月12日アクセス)、という事情がありました。

 ブッシュ政権としては、この民主党が党を挙げて反発している中で、中東、就中イラクへの米軍の増派を行っており、民主党の懐柔のためには、少なくとも北朝鮮の核問題では民主党の顔を立てることが不可欠だと判断したのでしょう。

 ボルトン前米国連大使は、「これはすこぶるつきに悪い取引だ。この取引は過去6年にわたって大統領が追求してきた政策の基本的諸前提と矛盾している。また、米政権が強く見えなければならない時だというのに、これでは弱く見えてしまう」等と激しく噛みついています(http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-021207norkor,1,4661449,print.story?coll=la-headlines-world
。2月13日アクセス)。

1 ブッシュの心変わりについて

 ヒル国務次官補と北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官が先月17日にベルリンで協議を行ったのが今回の6か国合意に向かう転換点だったわけですが、朝鮮日報は、この米朝直接対話はブッシュ大統領の直接の承認の下で成就したと報じました。

 同紙はまた、このベルリン協議は、昨年12月にビクター・チャ国家安保会議(NSC)アジア担当補佐官が北京空港で、北朝鮮の関係者と偶然会い、非公式の対話を行い、その際、バンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮口座凍結解除の可能性を口にしたことがきっかけとなって実現したとし、ブッシュ大統領はこの時からすでに米朝間の交渉について直接報告を受け、指示していたものと推測されると報じています。
 (以上、
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2007/02/16/20070216000030.html
(2月16日アクセス)による。)

 どうやら、今回の米国の対北朝鮮政策の転換は、ブッシュ、ライス、ヒルの3人を軸とする極めて限られた人々だけによってトップダウンで企画し、推進されたようです。

 ボルトン前米国連大使の反発は既にご紹介しましたが、米政権内部からも叛乱の火の手が上がりました。

 ネオコンの闘士であるエイブラムス(Elliott Abrams)米安全保障副補佐官(deputy national security adviser)が、上記6か国合意に仰天し、合意内容を批判するEメールを政府のアジア政策や大量破壊兵器拡散防止政策の担当者達にばらまき、それがリークされて話題になっています。

 エイブラムスは、海外で民主化を推進するのが仕事ですが、彼を初めとする実務担当者がほとんど相談にあずからない形で、米政府の最高レベルで政策転換が企画・推進されたことに強い不満を抱いているようです。

 エイブラムスが特に心配しているのは、合意の中の、「米国は朝鮮民主主義共和国(DPRK)がテロ国家(state-sponsor of terrorism)に指定されているのを解除するプロセスを開始するとともに、DPRKに対する敵国通商法(Trading with the Enemy Act。経済制裁の根拠法)の適用を終了させるプロセスを前進させる」というくだりです。

 確かに、北朝鮮の場合、1987年の大韓航空機爆破事件以降、テロ行為に手は染めていませんが、リビアに大量破壊兵器追求政策を放棄させた際には、リビアがテロ支援を止めたことが確認されてからテロ国家指定等を解除・終了させたことを考えると、北朝鮮に対しては甘すぎる、というのです。

 日本としても、拉致問題を抱えたままで、米国が対北挑戦経済制裁の解除へ動いてもらっては困るわけであり、ブッシュは安倍首相に対し、懸念には及ばないと電話をかけてきたと報じられています。
 (以上、
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/02/14/AR2007021401695_pf.html
(2月16日アクセス)による。)



(私のコメント)
今日のニュースによれば北朝鮮の凍結口座は全面解除になるとの事ですが、このアメリカ外交の180度の転換にはライス国務長官の外交方針の転換にあるようだ。状況としては中間選挙による野党の民主党が勝利した事により議会からの突き上げにライス国務長官が妥協したという事だ。

なぜ妥協したのかというと、イラクに23000人の増派と4000人の追加の兵士を送る為に、北朝鮮との妥協を条件に認めさせられたようだ。しかし中間選挙はイラクから撤退せよという有権者の意思表示なのですが、アメリカ政府はイラクでは妥協せず北朝鮮に妥協してしまった。

アメリカのダブルスタンダード外交は今に始まったことではありませんが、ネオコンのボルトン氏が言うようにアメリカの弱みを見せ付ける事になり、北朝鮮と中国はさらに揺さぶりに来る事だろう。この外交方針の180度の転換はブッシュ、ライス、ヒルの三人の決断によるものですが、日本の頭越しにやられたことになる。

最終的に北朝鮮をどうするのかについては北朝鮮を生かさず殺さずで大人しくさせることが日米中のコンセンサスなのでしょうが、韓国も北朝鮮の崩壊を望んではいない。しかし日本としては拉致問題を解決する為には北朝鮮をいったん解体して民主国家に転換させなければならない。しかし現在の北朝鮮は拉致問題では話し合いにすら応じてこない。

去年までは日米共に北朝鮮を徹底的に締め上げて核を放棄させる方針でしたが、民主党が優勢になった議会との妥協で北朝鮮の核を放置させたまま、金融制裁を全面解除し重油などの援助を再開する。となると拉致の解決なくして援助の再開に応じない日本は梯子を外された事になる。

ブッシュ政権のライス国務長官はそれほど切羽詰った状況に追いこめられて秘密裏に外交方針を大転換させた。このような日米の歩調の乱れは将来に禍根を残す事になるだろう。いくら日本がアメリカの要請に応じて共同しても、アメリカは国内の事情でさっさと方針を変えたのでは同盟国が堪んない。

アメリカ議会でも従軍慰安婦問題が取り上げられるようになったのも関連があるのだろう。あくまでも北朝鮮に強硬な安倍政権を引きずる下ろすためにアメリカの民主党は従軍慰安婦問題を持ち出したのだ。民主党には中国との腐れ縁があり、民主党が多数派になったことで極東に対する外交方針も180度変わる事になるのだろう。

この影響を受けるのは日本であり韓国であり台湾である。いつまでもアメリカが反共の共和党政権ではないし、容共的な民主党政権が出来れば中国をアジアの覇権国家として韓国と台湾は中国の勢力圏に組み込まれる。日本もそうなるか、徹底的な日本の弱体化政策が行なわれて米中による分割統治が行なわれるかもしれない。


朝鮮半島を非米化するアメリカ  2月6日  田中 宇

▼日米同盟も終わりに

 朝鮮半島の南北の緊張が緩和されると、在日米軍も存在意義が失われる。在日米軍は朝鮮半島のほか、台湾海峡の有事にも対応することになっているが、台湾と中国の緊張関係も、しだいに緩和されている。台湾の陳水扁政権は、中国からの独立運動を盛り上げようとしたが、ブッシュ政権はこれに対し、以前から隠然と圧力を加えて抑制している。(関連記事

 台湾の次期政権を狙う政治家たちは、国民党・民進党を問わず、台湾独立運動から距離をおいている。2月4日には「台湾独立運動の父」と呼ばれていた元大統領の李登輝さえ「私は台湾独立を求めたことはない(台湾はすでに独立状態なので、独立運動は必要ない)」などと発言し、人々を驚かせた。(関連記事

 今後、台中間の緊張が緩和され、台中が関係を安定化する何らかの協約を結んだ時点で「台湾海峡有事」のおそれが激減する。在日米軍の存在意義はすべて失われ、米軍は日本からも正式に撤収することを決める。在日米軍の撤収は、日米同盟の終わりである。今年中にブッシュ・チェイニーが弾劾されたりしてアメリカの外交戦略が反転しない限り、日米同盟の寿命は、おそらく長くてあと3-4年である。日本政府が、防衛庁を省に昇格させることを急ぐのは、当然である。

 最近、久間防衛大臣が「イラク戦争をしたブッシュの判断は間違い」と言い、麻生外務大臣が「アメリカのイラク占領政策は幼稚だ」と言って、相次いでアメリカを批判したのも、アメリカに頼れなくなることに対する心の準備を国民に誘発するためだと考えれば、納得がいく。

 対米従属の終わりは、日本にとって、黒船来航から明治維新にかけてと同じぐらいの大変動になる。日本人の意識に大きな変化を迫るものになる。日本人がこれまでの気楽な対米従属意識を脱したくない場合、アメリカの撤収とともに、日本人は世界を見ない内向きな状態を強め、衰退を甘受することになる。この件については、改めて考えて書きたい。



(私のコメント)
久間防衛大臣の発言や麻生外務大臣の発言は、アメリカが近いうちにアジアから撤退していくだろうという情報に基づいた発言だろう。イラク戦争などしなければアメリカの威信も保てただろうに、イラク戦争の泥沼化はアメリカ時代の終わりを予感させるものだ。北朝鮮にすらアメリカはなめられて譲歩せざるを得なくなった。最近の情報分析をすればこのようなことが分かるはずなのですが、最近の思考応力の低下した日本人はボケてしまっている。




米国への資金還流が、年々、サステナブル(維持可能)でなくな
ってきた。2007年にはそれが順次、露わになるでしょう。


2007年3月18日 日曜日

灰色の火曜日:世界バブルの変化の予兆 3月12日 ビジネス知識源

(前略)
【キャリートレード】
特に資金量が多い日本の長期金利は、世界最低に1.6%と低い。キャリートレード(金利の低い円で借り、他国の債券・株・資源・不動産に投機すること)が起こる理由です。

【日本の事情】
じゃ、日本は、世界経済の投機と過剰投資を抑制するために、金利を3%や4%に上げることができるか。

◎それは不可能です。日本は政府部門が1000兆円の借入金を抱える経済です。長期金利が上昇すれば、今も30兆円の赤字の政府部門財政は、40兆円、50兆の赤字に向かうからです。たった1%の金利上昇が、10兆円の利払いの増加を意味します。

日本の約10年間の低金利(または短期ゼロ金利)が、世界のバブルを生んだ原因とも言っていい。日本の低利資金は海外流出してきたからです。

◎この日本が、06年3月から、量的緩和を停止し、利上げに入った。このことの意味は大きい。07年以降の、世界の金利を上昇させる要因になります。

◎日本の低金利と金融緩和は、数年かかって、海外にバブルを生みました。それと逆の、量的緩和の停止と利上げは、今年から、世界のバブル相場に(確実に)打撃を与えます。


【米国の事情】
米国は、住宅価格の崩落が起こると、住宅金融(ホーム・エクイティ・ローン)を使った消費経済が深刻なダメージを受けます。

◎米国は住宅の値上がり分を現金化して借り、それで店頭での購買を増やしているからです。そのため今の金利を上げることはできない。しかし、他国と金利差を作って、他国より金利を高く保ち、1年で100兆円分の債券買いを誘導しなければならない。これが、米国がもつ矛盾です。

世界経済の約40%を占める日米の利上げには、国内経済の状況から、限界があります。日本の政府が、日銀の利上げに反対し、米国も反対する理由がこれです。

【中国も利上げが困難】
中国は、金融規制を強化はしても、やはり3.1%の金利を目立っては上げることができない。中国は、人民元への世界からの投機を押さえため、金利を低く保ちます。

◎中国政府にとってもっとも怖いのは、人民元の切り上げです。理由は、中国の経済の35%は輸出であり、この輸出は、対米ドルで人民元が上がると、急減するからです。

そのため中国政府は、世界最大に貿易黒字分(年間約20兆円)で、ドル債券買いをしています。これが、米国が金利を低く保てている条件です。

▼矛盾

(1)2007年の世界経済は名目で7%(315兆円分)の高い成長が見込まれていいます。

(2)しかし、世界経済のメインプレーヤーである日米中が、それぞれの事情(日本は政府債務、米国は住宅価格、中国は人民元相場)で、利上げができない。

以上の事情の中で、PERの高い株価、言い換えれば、予想純益を割く金利とリスクプレミアムが低いままに、株価が形成されています。06年の世界の株価の平均上昇は19%でした。中国に限れば187%。欧州は31%です。

◎株価の理論値=[(企業の予想純益)÷(1+期待金利+リスクプレミアム)]の各年度合計

繰り返しになりますが、PERが20倍なら、将来の予想純益を割引く[1+期待金利+リスクプレミアム]は、わずか1.05に過ぎないのです。この期待金利+リスクプレミアムが、8%に増加するなら、理論株価は46%も下げるのは、前述した通りです。

以下で、期待純益、PER、[期待金利+リスクプレミアム]、理論株価(時価総額)の関係を示します

期待純益  PER [期待金利+リスクプレミアム] 理論株価
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
100億円  30倍     3.3%          3000億円                  
100億円   25倍      4.0%                  2500億円 
100億円  20倍     4.5%          2000億円
100億円  15倍     6.7%          1500億円
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

PERも株価の乗数金融と言えます。期待純益×PER倍率が理論株価になるからです。このPERは、市場の期待金利とリスクプレミアムの変化で大きく変わります。3.3%ならPER30倍。4.5%なら20倍、6.7%なら15倍です。

日本、中国、米国は、それぞれ前述した理由から、自発的な利上げには、困難な事情があります。この3国は大きくは金利を上げません。じゃ、どこから金利が上がる可能性があるのか? 

◎実は「ドル安調整」です。米ドルの下落です。

■7.米ドル債券を買っている国に変化が起こっている

以下は、直近の12ヶ月間の、世界の資金還流構造です。大きな変化が起こっています。マイナスは資金の純流入(海外からの債券の購入超過)を示します。プラスは、逆に資金の純流失、つまりその国からの海外債券(70%以上は米ドル債)の購入超過を示します。

以下のように、米国は、世界に1年で8800億ドルの債券を売り、資金調達しなければならない。米国は、自国では必要な資金を調達できていない経済です。赤字金額は、戦争費(総軍事費60兆円:日本の12倍:中国の6倍:ロシアの20倍)のため、年々増えています。

       資金流入・流出(原因)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【資金の流入国:対外債務の増加】
米国     −8800億ドル(貿易赤字:海外からのドル買い)
英国     − 690億ドル(アラブ諸国のシティでの運用)
ユーロ諸国  − 200億ドル(産油国と中国のユーロ買い)

【資金の流出国:対外債権の増加】
中国     +1790億ドル(香港を含む:貿易黒字マネー)
日本     +1700億ドル(貿易黒字と外債投信)
スイス    +1060億ドル(オイルマネーの仲介)
ロシア    + 960億ドル(オイル+天然ガスマネー)
サウジアラビア+ 900億ドル(オイルマネー:05年)
マレーシア  + 220億ドル(貿易黒字マネー)
シンガポール + 360億ドル(運用マネー)
ベネズエラ  + 270億ドル(オイルマネー)
台湾     + 250億ドル(貿易黒字マネー)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(英エコノミスト誌)

米国は、年間8800億ドル(約100兆円)、海外からの米国債券買いの超過が必要な経済です。言うまでもなく、貿易赤字のためです。

◎以前の認識では、貿易黒字国の日本と中国がドル債券を買い、資金を米国に還流させて「米ドル基軸通貨体制」を支えているということでした。しかし、直近の1年では、日中の資金の純流出は合計で3490億ドル(約40兆円:米国の必要額の40%)に過ぎない。

米国に還流するマネーとして大きく浮上したのが、産油国マネーです。スイス、ロシア、サウジアラビア、ベネズエラの対外債権の購入増加は合計で3190億ドル(32兆円:米国の必要額の32%)です。


◎原油価格の高騰のため、50%の原油を輸入する米国の赤字も大きくなって、産油国からのドル買いに依存するようになったのが、米国です。これが「新しい現実」です。産油国からのドル買いが継続するかどうか、米国経済の帰趨は、ここにかかっています。

(注)スイスは、プライベートバンクが中東のマネーを集め、主に米国の債券で運用しています。

日本は、米ドルにもっとも忠実な国でした。ドルが下がり、為替差損を蒙っても、ドルを買い続けています。過去は政府、今は投資信託を通じ、高齢者の個人マネーが米ドル債券を買っています。

▼07年は「ドル安トレンド」を予測する

◎07年は、ドル安傾向が強くなります。米国が金利を上げることができず、日本とユーロは利上げ傾向に変っているからです。従って、ドル債の購入を誘っていた金利差が縮小します。

安くなる通貨を「ドルを守るため」と、産油国であるロシア、サウジアラビア、スイス(運用の仲介)、ベネズエラが買い続けるかどうか? 

生活財を作る製造業が空洞化してしまい、必需品の生産力を失った米国の貿易赤字は、構造的であり容易には縮小しません。そうすると、世界がドル買いを続けるかどうか、ここが焦点になります。

◎米国への資金還流が、年々、サステナブル(維持可能)でなくなってきた。2007年にはそれが順次、露わになるでしょう。

プーチンのロシアは、反米の姿勢を強めています。サウジアラビアは、過去は米国に忠実でした。しかしイラク戦争を通じ、米国依存の姿勢を変えつつあるという重大な変化が見えます。今、中東全域は、反米に傾斜しています。理由は、米国が「中東の民主化」を標榜しているからです。

例えばサウジで民主化なら、それは王族を追放する政体革命を意味します。他の首長国も、同じです。ベネズエラ(チャベス政権)の反米は、言うまでもありません。

もし産油国が「為替差損が予測されるから」という理由で、ドル債券の買いを減らし、手持ちのドル債券を売るように転じればどうなるか。(代わりに買われるのは、ユーロでしょう)

世界の政府や中央銀行が持つ外貨準備(約$3兆:350兆円)の60%は、米ドル債券です。貿易黒字が貯まった外貨準備は、国有財産です。為替の差損で国の財産を減せば国民から非難されます。日本は、米ドルとの関係では特殊であり、これは世界に共通ではない。

▼ドル安と米国の金利上昇

◎海外が保有する米国の債券が売られれば、米国の金利はFRB(議長バーナンキ)が望まなくても、上昇します。

◎現在の米国の長期金利(4.6%)は、海外からドル債券が1年に100兆円分も買い越しされているという条件で、成立しています。為替差損を嫌い、米国債券買いの世界の潮流に変化が起これば、米国の長期金利は急上昇します。金利は、資金の需給関係で決まります。

◎その結果は[期待金利+リスクプレミアム]の上昇、つまりPERの低下です。米国の株価が、新たな金利とドル価格に向かって、下落調整することを意味します。そして、噂されるイラン開戦を起こせば、ドルは自滅します。

(注)イラン開戦の可能性は、今のところは高くないと見ています。

▼結論

以上、本稿では、以下の予測に基づき、世界の株価の下落調整を予測します。

(1)日銀は量的緩和を停止し、順次0.25%の調整利上げに入った。これは世界のヘッジ・ファンドのキャリートレードを縮小させ、投機資金の量を縮小させる。ヘッジ・ファンドの資金量は減る。

(2)産油国で、米ドルの忌避が起こりつつある。そのためドル安と米国の長期金利の上昇(=米国債券売り)が予測される。

(3)マーケットの[期待金利+リスクプレミアム]が上がって、PER20倍の水準以上になった世界の株価の、価格調整が起こる可能性が高まっている。

see you soon!

【後記】
価格崩壊は、市場が楽観している極に、ある日突然、大規模な空売りから起こることを意識しておいてください。


(私のコメント)
先週は従軍慰安婦問題で株式日記もかかりきりになりましたが、ロスアンゼルスタイムズの記事を紹介しましたが、欧米の新聞記者もずいぶん落ちたものだと思います。日本の新聞記者もそうなのですが、自分達だけが情報の送り手といまだに思い込んでいる。だからろくに裏も取らずにセンセーショナルな記事を書きたてる。

しかし読者達は新聞ではなくネットから情報を得るようになって新聞を信用しないようになって来た。だからデタラメな新聞記事を書きたてれば誰も記事を読まなくなる。日本語も読めない外人記者ではニューヨークタイムスのオオニシ記者の記事をアレンジして書いていることがよく分かる。ネットで調べれば簡単に分かる事を日本語が読めないから英字新聞の記事をそのまま転載してしまう。

アメリカがすべてを仕切って世界を動かしていた頃は英語情報だけで間に合っていたのでしょうが、中国などの大国化で外人記者も中国に行っているようですが漢字が読めないから英字新聞任せの取材になってしまう。だから中国情報に関する限り漢字の読める日本人記者の方がアドバンテージがある。

中国から始まった世界同時株安も欧米の投資ファンドは中国の事をどれだけ知って投資をしているのだろうか? 日本の事をあれだけデタラメを書きたてるのだから中国に対しても同じだろう。中国の経済的、軍事的存在感が増してくるにつれて英語だけの情報では中国の事が分からなくなり、香港やシンガポールなどの中国情報では偏ってしまう。

上海などの株や債権や不動産の情報も魑魅魍魎の世界であり、海外からの投資はみな中国の大地に吸い込まれて行く。欧米のファンドは日本や東南アジアに対しては強引なグローバルスタンダードを押し付けてきたのに対して、中国は外国からの要求には屈しない。日本はその点を見習うべきだった。

中国が頑強に元の切り上げに抵抗するのも日本の失敗を見ているからですが、中国製品の国際競争力が高くならない事も影響している。しかし黒字は貯まっていくから為替介入で中国はインフレがひどくなり金利を引き上げて引き締めなければなりませんが元高を招くから引け上げられない。日本も国債の発行残高が多くて引き上げられないし、アメリカも不動産バブルの関係で引き上げられない。

しかし日本の0,25%の引き上げとECBの0,25%に金利の引き上げは、世界の金融に大きな影響をこれからもたらして来るだろう。わずか0,25%の引き上げでも欧米のファンドは目一杯レバレッジを利かせているから僅かな利上げでもリスクプレミアムは大きく縮小してしまう。日本のゼロ金利の資金は大きなリスクプレミアムで勝負できるからそれだけ影響も大きい。

日欧の金利の引き上げはアメリカの資金流入に変調をきたす可能性が出てきた。アメリカには毎年100兆円の資金流入がないと金利が跳ね上がり株価が暴落してしまう可能性がある。今までは日本と中国が資金を還流させていましたが、後は産油国からのマネー流入ですが、イラク戦争で反米感情が高まっている。

もしアメリカがイラン攻撃に踏み切れば、中東の産油国はアメリカの資産没収を恐れてドルや米国債を売ってユーロに移すだろう。だからアメリカのイラン攻撃はアメリカの自殺行為なのだ。イラク戦争にしても毎月1兆円の軍事費を使いブッシュは戦力の逐次投入で戦費はかさむ一方だ。このような状況ではドルや株の暴落は時間の問題だ。

先週の世界同時株安はその予兆のようなものですが、日欧が金利を引き上げた以上金利差を少なくする利下げは出来ず、ドルを高く保つ為に利上げをしたくともサブプライムローン破綻などの影響でそれも出来ない。このようにアメリカを見れば政治的にも経済的にも絶体絶命の崖っぷちにいる事がよく分かる。

90年代のアメリカは日本を円高で締め上げて金利を下げさせてドルを還流させてきた。しかし現在は中国が相手だから元高で締め上げるわけに行かない。いずれアメリカは中国は日本のようなわけには行かない事を思い知るだろう。日本に対してはあれほど内需拡大しろと言ってきたのに中国に対してはアメリカは及び腰だ。

中国も外資の導入を進めなければ経済が行き詰まることを知っている。しかし労働者の賃上げをして元高にして購買力をつけて内需拡大すべき時に来ているのですが、そんなことをすれば外資は逃げ出すだろう。だから中国も問題を抱えており08年のオリンピック前に問題は表面化する。




6カ国協議で米国を含む5カ国が狙っているのは日本の永久
非核化であり、国家としての日本の無力化の維持である。


2007年3月17日 土曜日

【主張】6カ国協議 米国の“裏切り”を憂う だれが日米離反を喜ぶのか  3月15日 産経新聞

6カ国協議はいま重大な岐路に立っている。北朝鮮が核放棄の決断を下さないまま、経済支援を加速させることは6カ国協議の自殺であろう。

 日本の「拉致解決なくして北支援なし」は、核放棄の要求とともに、いわば国論にまで達している。認識を共有してきた米国がそれを無視すれば、かけがえのない2国間関係にとって取り返しのつかない深い傷となる。

 ニューヨークでの米朝協議は、北朝鮮が核施設の封印を先延ばしにしたまま、重油5万トンを入手しようとの下心が露骨だった。まして偽米ドル札への関与が明確なのに、米国内に北の違法行為を一部棚上げする動きがあることは遺憾だ。

 米国が甘い対応をとれば、中国や韓国も北に履行の先延ばしを認めかねない。実際に、先の南北閣僚級会談では、韓国から北に食糧40万トンと肥料30万トンを送る話まで飛び出した。盧武鉉政権は6カ国協議の合意をテコに電力支援にまで踏み込み、核実験後の制裁ムードを排除しようとしている。

 確かに6カ国協議の合意は、クリントン政権下の94年枠組み合意に比べ一定の評価はできる。軽水炉の提供は含まれていないし、その履行には「初期段階の措置」として60日以内との期限がついた。

 ≪多国間協調の落とし穴≫

 北は食糧の半分と石油の大半を中国に依存しているから、議長国の中国が本気で圧力をかければ効果は高い。問題は今後の交渉と運用にある。

 米国はこれまで、「北と2国間協議はしない」と公言しながらベルリンで米朝協議を重ねてきた。これを受けて中国が6カ国協議を仕切り、北に歩み寄らせたとの流れだ。その結果、米国内には、「日本を流れの外におくことになった」という分析がある。

 しかも、米国が北による核施設の停止・封印だけで満足してしまうなら、核放棄を求める日本は納得できない。日米間で「脅威の認識」に差が生じれば、日米同盟は危機に直面する。

 ヒル国務次官補は往々にして多国間協調に傾斜しがちである。2月28日の下院公聴会で、6カ国協議に関連し「このプロセスがなければ、さらに危険な反動があったかもしれない」と述べ、日本の核武装志向を牽制(けんせい)していた。もちろん、米国内には北との安易な妥協への懸念の声は出ている。

 もとより、日米は中国の台頭やロシアの横暴を封じるために不可欠の同盟関係である。とくに、中国は軍事費を異常に膨張させ、衛星爆破ミサイル実験を強行し、エネルギー獲得のためには手段を選ばない軍事大国だ。

 それにもかかわらず、米政府高官の行動と発言は日本国内の対米不信感を無用に醸成させる。同盟は厚い信頼関係こそが基盤であり、日米離反を喜ぶのはいったい誰なのか。

 金正日総書記にとって核兵器開発は唯一の外交カードであり、スキあらば合意を反故(ほご)にしようとするだろう。仮に米中韓が北に合意履行の先延ばしを許せば、核開発を続行して2度目の核実験に踏み切る可能性が高くなる。

 ≪「テロ支援国家」維持を≫

 少なくとも米国は金融制裁を緩めてはならない。その制裁の威力は、科した米国自身の想像をもはるかに超えていたはずだ。基軸通貨ドルと切り離されてしまうと、どの国家も立ちゆかなくなることが証明されている。

 キミット財務副長官はマカオの金融機関の北口座凍結を、「制裁」ではなく犯罪取り締まりの「法執行」であると主張する。拉致事件もまさに北の国家犯罪であり、同じように法の執行で罰する必要がある。犯罪の処罰まで歪(ゆが)めれば、イラン以外にも核実験を狙う無頼国家の登場を許すことになる。

 ここは日米ともに踏ん張りどころである。とくに、北を「テロ支援国家」のリストから外すべきではない。ブッシュ政権が「拉致はテロ」と呼んできたことからすれば、テロへの屈服に等しい。米国の変節は日本人に深い失望を与え、せっかく強まってきた同盟関係は後退を余儀なくされよう。

 日本国民は拉致を含む北の無法ぶりに戦慄(せんりつ)し、敢然と闘うことを拉致被害者の家族から学んだ。安倍晋三首相は4月訪米で、同盟国の友人であるからこそ日本の決意をブッシュ大統領に明確に伝えなくてはならない。



日本は米中に厄介で面倒な国になれ 2月22日 西尾幹二

拉致解決は日本の核議論の高まりで

 ≪国際社会は新しい情勢に≫

 米国イラクに対し人的、物的、軍事的に強大なエネルギーを注いだのに、北朝鮮に対しては最初から及び腰で、一貫性がなかった。その結果がついに出た。このたびの6カ国協議米国は朝鮮半島の全域の「民主化」を放棄する意向を事実上鮮明にした。

 中国台湾に加え朝鮮半島の全域が「民主化」されるなら、自国の体制がもたないことへの恐怖を抱いている。米国は中国の体制護持の動機に同調し、米中握手の時代を本格化させ、日本の安全を日本自身に委ねた。この趨勢(すうせい)にいち早く気づいた台湾には緊張が走り、李登輝氏と馬英九氏が新しい動きをみせたのに、いぜんとして事態の新しさに気がつかないのは日本の政界である。拉致問題でこれ以上つっぱねると日本は孤立するとか、否、拉致についての国際理解はある、などと言い合っているレベルである。

 国際社会はイラク大量破壊兵器開発の証拠がみつからないのに米国がイラクを攻撃したと非難した。一方、北朝鮮大量破壊兵器を開発し、やったぞと手を叩いて誇大に宣伝さえした。それなのに米国は攻撃しない。それどころか、エネルギー支援をするという。国際社会はこのダブルスタンダードを非難しない。

 イラクのフセイン元大統領は処刑され、彼と同程度の国際テロ行為を繰り返した北朝鮮金正日総書記は、処刑されるどころか、テロ国家の汚名をそそいでもらい、金品を贈与されるという。米大統領はその政策を「良い最初の一歩」と自画自賛した。目茶苦茶なもの言いである。ここまでくるともう大義も道義もなにもない。

 ≪危うい依頼心を捨てよう≫

 私は米国を政治的に非難しているのではなく、もともと目茶苦茶が横行するのが国際政治である。米国に道理を期待し、米国の力に一定の理性があると今まで信じていた日本人の依頼心を早く捨てなさい、さもないと日本は本当に危ういことになりますよ、と訴えているのである。

 北朝鮮の核実験の直後に中川昭一自民党政調会長が日本の核武装について論議する必要はある、と説いた。しかし、例によって消極的な反論をマスコミが並べて、国民はあえて座して死を待つ「ことなかれ主義」に流れた。核武装の議論ひとつできない日本人のよどんだ怠惰の空気は米国にも、中国にもしっかり伝わっている。

 もしあのとき日本の国内に政府が抑えるのに苦労するほどの嵐のような核武装論が世論の火を燃え立たせていたなら、今回の6カ国協議は様相を変えていたであろう。

 もともと6カ国協議の対象国は北朝鮮ではない。米国を含む5カ国が狙っているのは日本の永久非核化であり、国家としての日本の無力化の維持である。日本は6カ国協議という罠にはまっているのである。加えて、イラクで行き詰まった米国中国に依存し、台湾だけでなく日本を取引の材料にしている可能性がある。日本の軍事力を永久に米国の管理下に置き、経済力は米中両国の利用対象にしよう。その代わり中国は「石油」と「イスラエル」と「ユーロに対するドル防衛」という中東情勢に協力せよ、と。

 ≪もし核武装論議容認なら≫

 世界政治の大きなうねりの中で日本は完全にコケにされている。日本の安全保障は今や米国の眼中にない。自分を主張する日本人の激しい意志だけが米中両国に厄介であり、うっとうしい困難である。日本に面倒なことを言ってもらいたくないから抑えにかかる。好き勝手に操れる人形に日本をしたい。

 中川氏の核武装論議発言に対し、ライス国務長官が「日本は米国の核で守られている。心配しないように」と応答し、ブッシュ大統領は「中国が心配している」とどっちの味方か分からない言い方をした。安倍首相はそれに迎合してアジア太平洋経済協力会議APEC)の会見場で中川発言を抑止した。しかしもしあのとき、首相が「日本政府は核武装する意志を当面もたないが、与党内の自由な論議を抑えるつもりはない」くらいのことを言っていたならば、局面はかなり変わったろう。

 6カ国協議で拉致だけ叫んでいても、バカにされるだけで拉致だって解決しない。米中両国がいやがる日本の自己主張だけが日本を救う。防衛のための武力の主張は今の憲法にも違反はしない。核武装論が日本の国内の王道になれば、米中は態度を変え、北朝鮮を本気で抑えるだろう。さもなければ核国家の北に日本は巨額な資金援助をする耐え難い条件をのまされることになろう。(にしお かんじ=評論家)


(私のコメント)
西尾幹二先生の記事を久しぶりに紹介しましたが、さすがにアメリカ政府の本音を見抜いている。株式日記でもアメリカの裏切り行為について書いてきましたが、ほとんどの政治家や学者やジャーナリストはこの事実に気がついていない。産経新聞の社説はまさに正論だと思えるのですが、最近のアメリカ政府と議会の流れは日米関係に亀裂を生じさせるものだ。

産経新聞の社説に対する親米ポチ保守派のブログなどは、産経の社説にしては質が悪いとこき下ろしている。代表的な親米ブログの「雪斎の随想録」では次のように書いている。


春は名のみの… 3月17日 雪斎の随想録

一昨日の『産経新聞』社説には、かなり驚いた。
 「6カ国協議 米国の“裏切り”を憂う だれが日米離反を喜ぶのか」と題された社説には、次のような記述がある。
 「ここは日米ともに踏ん張りどころである。とくに、北を「テロ支援国家」のリストから外すべきではない。ブッシュ政権が「拉致はテロ」と呼んできたことからすれば、テロへの屈服に等しい。米国の変節は日本人に深い失望を与え、せっかく強まってきた同盟関係は後退を余儀なくされよう」。
 昔、平沼 騏一郎 が、「独ソ不可侵条約」締結の報に接して、「欧州の天地は複雑怪奇」と声明を出して辞職したのと同じ類の狼狽を感じさせる記述である。
 だが、「核」を進展させるるという一つの目標を追求するために手を尽くした米国は、「核」と「拉致」という二重の目標を追求した日本とは、異なる「利害」を背負っている。そういうことは、いわなくても判ることであろう。
 ハイパー・パワーたる米国にとっては、北朝鮮情勢などは二の次、三の次の案件である。まして、「拉致」は、米国の「利害」には何ら関わらない案件である。
 そういうことを考慮すればこそ。、雪斎は、「核」と「拉致」を分離させて議論することを提案してきた。「六ヵ国協議」の場では、「核」を進展させる米国の努力を徹底して支えるのが、同盟国としての筋であるからである。
 故に、「日本は、『核』を進展させるために、具体的に何をしたのか」という問いは、かなり重要である。もし、日本が「拉致」を気にする余りに、「核」進展に大したアシストをしていないのであれば、米国の対日態度が冷淡になるのは、むしろ当然であろう。他国の「裏切り」や「変節」を云々する前に、自国の努力が充分であったかどうかを検証するのが先である。
 日本の「反米」論者が「それみたことか。だから、米国は信用できない…」と嘯く様子が、眼に浮かぶようである。誠に不愉快である。



(私のコメント)
アメリカの外交的な裏切りは、戦前における平沼内閣における独ソ不可侵条約に対するドイツの裏切り行為を理解できなかった日本の平沼首相の外交の理解力の低さを連想させるものですが、平沼首相や松岡外相の馬鹿さ加減は想像を絶する。

ナチスドイツはソ連を侵略するつもりで独ソ不可侵条約を結んだのですが、条約とは破る為にあるというのはヒトラーのドイツやスターリンのソ連では常識だった。ヒトラーやスターリンという独裁者を見れば信用がおけない人物である事は見る目のある人から見ればすぐに分かることだ。

当時の外務省や陸軍や海軍で、ヨーロッパにおける権謀術数に対する認識が無かったのだろうか? 大戦末期における満州における防衛についても日ソ中立条約を信頼してソ連が攻めて来ないと思い込んでいた陸軍を見る限り、外交的常識は小学生なみだった。

現在の安倍内閣や外務省や防衛省の外交的常識の程度も戦前と変わらぬ程度なのかもしれない。日米安保を絶対的に信頼して疑う事を知らぬ純真さはまさに平沼内閣並だ。はたして最近のアメリカ外交を見ればそんなにアメリカを信頼して日本は大丈夫なのかと心配しているのですが、親米ポチ保守派の方こそ外交的認識が甘いと言わざるを得ない。

「株式日記」でもアメリカが信頼できる国なのか疑いも持って書いてきたのですが、アメリカに疑いを持つことも新米ポチ保守派は不愉快のようだ。むしろアメリカに裏切り行為をさせないようにさせるためにも、日本はいつでも自主防衛体制と核武装に対する国民的合意を固めておくべきなのだ。

現状のままであるならば、アメリカが一方的に日米安保を破棄して来たならば、日本は裸で外に放り出されたようになり寒さでショック死しかねない。日本がこのように外交的にナイーブなのに対して、台湾の李登輝氏はすばやくアメリカの変身に気がついて政治的な手を打っている。安倍総理や麻生外相は李登輝氏の真意が分かっているのだろうか?




慰安婦問題をめぐる韓国の感情は、日本人拉致問題をめぐる
日本における北朝鮮たたきに対する報復心理がうかがわれる


2007年3月16日 金曜日

民族的快感、沸く韓国 米の慰安婦決議案 ホンダ議員、英雄扱い 3月14日 産経新聞

【ソウル=黒田勝弘】韓国がまた慰安婦問題で興奮状態だ。とくにマスコミは米議会での日本非難決議案をめぐる動きに対し「日本軍の慰安婦犯罪はアジアを超えて世界的な公憤の対象になった」(9日付、文化日報)「対日圧力の世界化ネットワークを」(同、朝鮮日報)「自ら孤立を招く日本外交」(10日付、東亜日報)などと大いに歓迎し、連日のように日本非難を展開しながら“民族的快感”を楽しんでいる。

 韓国では元慰安婦たちは、日本帝国主義による一方的被害者としてすでに、“民族的英雄”のような存在になっている。そのイメージに反する「日本軍による強制連行はなかった」「河野談話見直しの必要性」などといった日本側での主張や意見、弁明などは、一切受け付けない状態だ。

 強制性をめぐる論点についてごく一部には、日韓歴史共同研究のテーマにしてはどうかとの声もあるが、韓国にとって“慰安婦カード”は絶えず「日本の非道徳性」を非難し、自ら高みに立って「日本は経済大国であるにもかかわらず国際社会で十分に認めてもらえない主な原因が歴史歪曲(わいきょく)にあるという点を知らなければならない」(3日付、中央日報)などと教訓を垂れることのできる貴重なカードだ。

 日本に対する道徳的優位を誇示するためには、慰安婦は韓国にとっては絶対に日本の国家的強制によるものでなければならない。1993年の河野談話にいたる日韓外交交渉で、韓国側が「日本が強制性を認めない限り世論を納得させられないと、こだわったのもそのため」(ソウルの外交筋)といわれ、韓国の運動団体やマスコミが慰安婦問題で「強制」という単語を繰り返し使うのもそのせいだ。韓国の公式歴史観では、日本統治時代の不都合な出来事はすべて日本による強制として教えられている。

 従って韓国にとって強制性の問題は民族的自尊心がかかった問題になっており、国際舞台で独り歩きしている「20万の性奴隷」が事実かどうかや、最初に慰安婦問題を訴えた故金学順さんの経歴のあいまいさなどは関係なく、もはや絶対譲れないものになっている。

 今回、韓国が日本非難で勢いを得ているのは米議会が味方に付いたと見るからだ。決議案に熱心な日系のマイク・ホンダ議員は親韓派として英雄扱いされ、マスコミ・インタビューなどで大々的に紹介されている。

 米議会での決議案の背景には、民主党支持が多い在米韓国人社会などの運動や世論工作があるといわれるが、今回の慰安婦問題をめぐる韓国でのマスコミ論調や識者の発言には、「日本人拉致問題をめぐる日本における北朝鮮たたきに対する報復心理が微妙にうかがわれる」(ソウルの外交筋)との見方がある。

 たとえば朝鮮日報の東京特派員は「ナカヤマ夫婦の場合」と題する長文の日本批判コラム(7日付)で、中山成彬・元文科相と夫人の中山恭子・首相補佐官(拉致問題担当)を取り上げ、「夫は自分の国の拉致犯罪(慰安婦?)を熱心に否定し、妻は北朝鮮の拉致犯罪を熱心に世間に知らせている。こうした二律背反が現在の日本の姿だ」と書いている。

 日本人拉致問題に関連し、過去の日本の朝鮮半島支配時代の出来事を取り上げて日本を非難し牽制(けんせい)しようとするのは、自らに対する非難を免れたい北朝鮮当局および親北勢力の常套(じょうとう)手段だ。北朝鮮に最も批判的な朝鮮日報でさえ、日本非難では独裁国家・北朝鮮の理屈に簡単に同調してしまう。「慰安婦問題の国際化の背景には“北朝鮮の影”がある」(同筋)との声も聞かれる。



慰安婦問題 米紙、米中韓の“反日連帯”主張  3月7日 産経新聞

【ワシントン=山本秀也】いわゆる慰安婦問題に関する米下院での対日非難決議案について、米紙ニューヨーク・タイムズは6日の社説で、「日本に全面的な責任受諾を迫る国は米国にとどまらない。韓国、中国も日本のあいまいな姿勢に長年憤っているのだ」と主張した。慰安婦に関して、ここまで明確に米中韓の“反日連帯”を主張したケースはリベラル系メディアでもまれだ。

 「慰安ではない」と題した社説は、書き出しで慰安婦問題を「日本軍の性的奴隷」と言い換え、日本統治下の朝鮮半島で兵士との性行為を提供するよう求められていたと断言。こうした性行為は「売春ではなく、連続レイプだった」と指摘した。

 そのうえで、慰安婦問題で強制性を裏付ける証拠はなかったとした安倍晋三首相の発言については、「首相は傷ついた日本の国際的な声望を修復するよりも、あの恥ずべき行為が民間の営利活動だったとする自民党内右派にすり寄っているようだ」と激しく非難する社説を掲載した。

 社説は「恥ずべき過去を乗り越える最初の一歩」として、(1)日本の国会による公式謝罪(2)生存者に対する公的な賠償金支払い−を要求している。



「慰安婦」追及のホンダ議員 中国系の献金突出  3月15日 産経新聞

【ワシントン=古森義久】米国議会で「慰安婦」問題での日本糾弾決議案を推進するマイク・ホンダ下院議員がこれまでの選挙で中国系からの政治献金への依存度が異様に高い事実が14日までに判明した。中国系献金者には中国当局ともつながる在米反日団体の幹部たち多数が名を連ねており、ホンダ議員自身の日本の「戦争責任」追及には長年、これら中国系団体との密接な連携があったことも明らかとなった。

 米国政府の連邦選挙委員会の記録や民間の政治資金研究機関「有責政治センター」(CRP)の発表を基とする産経新聞の調査によると、ホンダ議員は2006年の下院選挙で個人からの政治献金合計449人、約37万ドルのうち、中国系からだけで94人、約11万ドルを受け取った。献金全体へのこの比率は人数で21%、金額で30%となる。同議員の選挙区カリフォルニア第15区は住民の29%がアジア系だが、内訳は多様で中国系は9%に留まるため中国系からの献金が突出する形となった。

 とくにホンダ議員への中国系の献金はその約40%が州外からで、他の議員たちへの州外からの献金が10%程度という一般水準に比べれば、同議員は全米各地の中国系住民からの寄付の比率が例外的に高いことになる。また慰安婦問題では中国よりも関与が深いはずの韓国系からの同議員への06年の献金は10人、約7000ドルと、中国筋からの献金の十数分の1だった事実も、中国系勢力の役割の大きさを裏づけた。

 米国では国民、あるいは永住権保持者が個人で政治家に選挙1回に最大2300ドルまで公表を前提に献金できる。ただし200ドル以下は公表されない。

 ホンダ議員への中国系個人献金でさらに特異なのは、06年分だけでも(1)中国系の世界規模の反日団体「世界抗日戦争史実維護連合会」現会長のアイビー・リー氏(2)中国当局に政策を提言する人民政治協商会議広東省委員会顧問のフレデリック・ホン氏(3)日本の「残虐」を恒常的に糾弾する反日の「アジア太平洋第二次大戦残虐行為記念会」事務局長のチョフア・チョウ(周筑華)氏(4)「南京虐殺」の記念館を米国に開設しようという中国系運動組織の「中国ホロコースト米国博物館」役員のビクター・シュン(熊園傑)氏−などという日本糾弾団体の中国系活動家たちが、それぞれ数百ドル単位の寄付をしたことだといえる。



(私のコメント)
産経新聞の記事を三つ紹介しましたが、極東における外交戦争では中国・韓国・北朝鮮に対する日本・アメリカの対立の構図でしたが、中韓朝は従軍慰安婦問題を持ち出すことでアメリカと日本を分断して中韓朝米の連携が作られようとしている。これは明らかなアメリカの外交的裏切りだ。

従軍慰安婦問題は事実がどうであるかというよりも情報宣伝戦なのだから、中韓朝はなりふり構わずマスコミや政治家を買収して攻撃してくる。アメリカの下院議員のマイケル・ホンダ氏もチャイナマネーによって下院議員にまで出世した一人だ。クリントン夫妻もチャイナマネーが州知事から大統領にまでさせた。

それに対して日本は情報宣伝戦はほとんどやっていない。僅かにロビイストなどを雇っているが、このような大掛かりな情報宣伝戦となると、マスコミや政治家を買収して反撃しないと対抗する事はできないが、日本にはそのような秘密諜報機関はない。わずかに日本のブロガーが国内で気勢を上げている程度だ。

問題なのは日本国内で中韓朝に呼応して動く朝日新聞のような反日勢力があることであり、政界でも河野洋平議員のようなチャイナマネーに買収された勢力があることだ。このように反日左翼にはチャイナマネーが入り、親米ポチ保守にはアメリカの経済界からアメリカマネーが入ってくる。それに対して保守勢力には支援してくれる団体がない。

このような情報宣伝戦ではマネーさえあれば熱心な活動家も育成できるし、組織も拡大していく事ができる。朝鮮総連や民団や創価学会や統一教会など民族や宗教団体を利用して左翼は政治活動が出来る。それに対して右翼団体は暴力団の政治部のような歴史と伝統があり、保守勢力とは別物だ。

日本の保守勢力はネットが出来たおかげで活動母体が出来たようなものであり、今まで眠っていたサイレントマジョリティーが政治的発言をブログなどで主張し始めた。彼らのプロフィールを見るとインテリで会社経営者とか実業家が多い。サラリーマンでは時間的にブログを書くのはむずかしい。

中国や北朝鮮などではこのようなブロガーがいるはずもないし、韓国はネットの本場ですが386世代と呼ばれるブロガーは小さい時から反日教育で育った世代だからノムヒョン政権を作り出した。そして従軍慰安婦問題では韓国の386世代と日本のブロガーが真正面からぶつかっている。アメリカのブロガーは従軍慰安婦問題には興味がない。

このような状況では中国や韓国のプロの活動家に対して、日本の政府では対応できないし、マスコミも朝日毎日を見ればわかるとおり中韓朝の代弁者となり保守派の新聞は産経のみだ。テレビも桜チャンネルがあるが経営が苦しくて大赤字を出している。このような状況から見ればポケットマネーで運用しているブログサイトがいかにがんばっているかがわかる。

「株式日記」もポケットマネーで運用しているブログだし、不動産業の合間に書いているのですが、中韓朝の情報宣伝活動は国家ぐるみでプロの活動家がやっているからまさに正規軍とゲリラの戦いなのです。そして靖国神社参拝問題では中国韓国の正規軍を見事に粉砕した。従軍慰安婦問題や南京大虐殺問題など今年は決戦の時だ。

当面の戦いの目標はマイケルホンダ議員の正体を暴く事であり、日系三世で大戦中は収容所に入れられていたというのは嘘のようだ。彼の正体は朝鮮半島出身で朝鮮戦争で孤児になったらしい。それが養子になってアメリカに渡ったのかもしれない。彼の正体はまだわからないが、クリントンにも幼少時の経歴が不明で、ゴルバチョフだって出身が不明で、彼らのような若者をスカウトして工作員にする秘密組織があるようだ。

韓国ではマイケル・ホンダが民族的英雄となっているようですが、日本の足元を見た卑劣な作戦だ。2002年のワールドカップも韓国はアメリカを巻き込んで共催に持ち込んだ。日本がアメリカの植民地である事を見透かしての事ですが、中国はチャイナマネーでバックアップしている。この作戦が成功すれば中韓朝は何でもアメリカ経由で日本に対して政治的圧力をかけてくるようになるだろう。ヒラリークリントン政権が出来ればなおさらだ。

現在のブッシュ政権ですら北朝鮮に対する金融制裁を解除した事からわかるように外交政策はブレがあり、中東政策も何を考えているのかよく分からない。アメリカの外交は戦略があるようで、シンクタンクはりっぱな戦略書を書くが、イラクのぶざまなアメリカ軍の実態を見れば、キッシンジャーのような大戦略家も焼きが回ったとしか思えない。

日本の戦略としても、頼りにならないアメリカとの同盟は空洞化しつつある。アメリカ議会も従軍慰安婦の問題で分かるように、アジアで唯一の同盟国に対して非難決議をするほどおかしくなっている。アメリカはいざとなれば日本を守る気などない。だから日本は新たなる戦略を急ぐ必要がある。宮崎正弘氏のメルマガで次のような読者の声があった。



宮崎正弘の国際ニュース・早読み 3月15日

(読者の声5) 国内の核論議が沈静化しつつあるが、6カ国協議での妥協、米朝2国間協議と日朝協議での北の高圧的な態度はなぜ出来るのか、その背景を考察すれば「日本の核武装が政治兵器」になることを確認できる。
ここにおいて、日米同盟を軸に歴史の転換点にさしかかったことを自覚し、国の指導者は国民の生命と財産を守るために、適切かつ緊急な戦略をたて強力に進めることを期待するものであります

1.核を持たない日本が原爆を広島・長崎に落とされた。しかし、3発目の核は第2次世界大戦以降から今日まで、際どいときにも核保有国の頭上には落とされなかった現実がある。

2.CIA・国家情報会議「2020年予測レポート」では、「今後、世界で最も大規模な戦争が起こりやすい地域は東アジアである」と分析している。

3.「常軌を逸した国である北朝鮮の核保有宣言に対し、国際社会の模範であるだけでなく、アメリカにとってイギリスに次ぐもっとも信頼できる同盟国の日本が核兵器を保有して、北朝鮮や中国への抑止とするべきだ」述べた(米国の有力政治評論家のチャールズ・クラウトハマー氏)。

国務省や国防総省で仕事をしているアメリカ人は、内心、「核の傘」や「ミサイル防衛」では日本の安全を保証できないことを知っている。(伊藤貫(国際政治アナリスト)著)

アメリカの「核不拡散政策」は「拡散対応政策」に転じはじめており、核保有したインドとの関係堅密化はその証左である。

4.多極化時代において核を保有する覇権主義国は非核の同盟国を守れない。
例えば、日中間で軍事的緊張が高まり、中国が日本に核兵器による恫喝を仕掛けたとしても、アメリカは日本を守れないし、守らないのが米国民にとって正しい選択である。その瞬間に日米同盟は瓦解し、従って非核の日本は、中国に屈せざるを得ない。(伊藤貫著)

5.米中は対日政策に関する米中間の「3つの密約」を結んだ。
!)東アジア地域において、日本にだけは核兵器を持たせない。
!)日本の自主防衛政策を阻止するため、米軍は日本の軍事基地を占拠し続ける。

!)日本政府には、朝鮮半島と台湾をめぐる問題で発言権を持たせない。(1972年2月、共和党のニクソン大統領とキッシンジャー安全保障担当補佐官が北京で周恩来と会談)、国務省の高官に確認したところ、この密約は今も効力を持っていると説明を受けた。(伊藤貫著)

「米国が西側諸国のために核の傘の保証という自殺行為をする、というのは馬鹿馬鹿しい」と記している。(1977年、キッシンジャー氏の論文)
!)は明らかに後退し、米国経済が成り行かなくなった時点には撤退となり、日本は「丸裸」になることになる


6.「!)小平の遺言」の「!)の16文字」の中で、「今は大人しくして、爪を隠せ。やがて自力をつけたときに立ち上がるために」と謳っている。(中西輝政著)
7.1995年、李鵬首相はオーストラリアの首相との会談で「日本は国家ではない。今のままでは20年後(2015年)には潰れて消えてなくなる」と非常に刺激的な発言をした。

8.1995年、北京でチャールズ・フリーマン元国防次官補は熊光楷副参謀総長に会ったとき、「すでに中国は米軍が破壊することが出来ない移動式の核ミサイルを所有している」と告げられ、「米国政府は東アジアにおける中国の軍事介入紛争に介入するな」と厳しい警告を受けている。(伊藤貫著)

9.東シナ海の経済資源や尖閣列島の領有権をめぐって日本と中国の海空軍が衝突する事態が起きても、「米国政府は軍事介入したがらない」という軍事状況ができてしまったのである。(伊藤貫著)

10.MDシステムは、国防総省内でもその命中精度が問題となり、政府部内でもその歳出に反対する空気が多い。MDシステムは総額1兆円の初期投資が必要になり、毎年、改良を加えなければならない、無用の長物と囁かれている。

であるならば、政府の内部文書の「核兵器の国産可能性について」と題した文書による、「小型核弾頭試作には最低でも3〜5年、2000億〜3000億円」の方が経済的にも安上がりで賢明な選択ではないのか。更に関連技術(海上・海中へ配備の巡航ミサイル、弾道弾、無人特功機)も確立できるのであるから国益に最も適った方法となる。

かつて、池田首相、佐藤首相は日米会談の席で、「中国が核武装したら、日本も必ず核武装する」と発言したことが明らかになっている。

11.中国軍は東シナ海だけでなく、沖縄周辺や西太平洋での活動を活発化させいる。グアム島を西太平洋での拠点とする米軍を牽制(けんせい)するためとみられ、「台湾有事では米空母、潜水艦を阻止する狙いがある」といわれる(西側専門家)

12.2008年に中国スパイ組織と癒着した関係にある民主党政治家が米国大統領になれば、米中朝露4ヶ国の核ミサイルに包囲された状態にある日本の安全保障は、ますます苦しい状況に追い込まれていくだろう。(伊藤貫著)

13.2010年の上海万博以降の台湾有事の際は、日米ガイドラインに基づいて、日本も協力体制を取る。その時、自前の核抑止力を持たない日本に対して、中国は核の恫喝を露骨な形でとる可能性がある。

14.北朝鮮の核開発は、クリントン政権時代の「軽水炉原発への援助を受け取る代わりに核関連施設への査察を受け入れる」という合意を反古にされ、影に隠れて核開発を進めた結果、昨年のミサイル連射、核実験に繋がっていたのである。

今回の6カ国協議の妥結が北朝鮮への強力な制裁処置となったことは疑わしく、更に核の小型化とミサイルへの搭載へと進み、日本の大いなる脅威となることは明らかだ。

15.北朝鮮がICBMを持つことが確定すれば、日本に対して核攻撃もしくは核による恫喝をかけても、米国政府は北朝鮮と武力衝突を避けるだろう。この時「核の傘」は機能しないものとなる。

ノドンミサイルは日本攻撃専用と見られ約200基程度が配備されている。
今年の7発連射で実証したように同時多発発射が可能である。山岳地帯の地下施設で発射準備され移動式発射台から発射されると考えられ、発射後6−7分で日本に着弾する。(伊藤貫著)。

韓国軍当局は射程距離1000〜1500キロの長距離巡航ミサイルをすでに実戦配備または開発しているという。このミサイルは、北朝鮮全域、東京、北京などの周辺国主要地域が射程に入る。南北関係の現状から推察されることは、「統一政策に秘めた核戦略をもった隣国」となり、朝鮮半島の脅威は倍加する。

16.日本に核ミサイルを向け、その潜在的恫喝によって日本に有形無形の影響力を行使したほうがはるかに合理的である。現実に日本の政・官・財・マスコミ等が中国に媚びる言動の多くはそうした理由からと考える事ができる

その実例として、中国による国家主権の侵害(瀋陽総領事館の脱以北者連行事件、反日デモでの日本公館の破壊事件、原潜の領海侵犯、尖閣諸島の領有権主張)、北朝鮮の拉致に関する国家主権の侵害、中朝韓による内政干渉(靖国問題、従軍慰安婦問題、教科書問題)、更に米国内での反日活動(従軍慰安婦問題、南京大虐殺問題)のように、世界から日本を孤立させるための活動が目立ってきた。

17.核保有国と開発国などは次の通りである。
旧連合国:米・露・英・仏・中。その他の国:イスラエル、南ア?、インド、パキスタン、北朝鮮。核開発国:イラン。保有疑惑国:リビア、スイス、スウェーデン、ブラジル、アルゼンチン。核兵器の共有国:ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコは米国の核爆弾を共有している。
この米国の核の共有は、北朝鮮と中国ににらみを利かすことに理論的には可能だ。

戦争の形:例えば、仮に中国、ロシア、北朝鮮が数万発の核弾頭を持っていても、日本が200発程度の核弾頭を持っていれば、これら3国は日本を核攻撃できない。日本を攻撃しても海自の潜水艦に配備された核ミサイルが生き残り、それによって自国の数十の大都市を破壊されてしまう。この報復核攻撃を被ることによる戦争コストが高すぎるから、「核攻撃はワリに合わない」ことになる。
(伊藤貫著)

伊藤貫氏がアメリカの政治家、学者、官僚、軍人、CIAアナリスト、議会スタッフ、ジャ−ナリスト等々と議論をし、かなりの効果(説得力)があるとされる「日本の自主的核抑止力必要論(日本の核抑止保有を米に納得させる5つのロジック)」をぜひ参照願いたい。なお「日本核武装の論点」(中西輝政編著、PHP研究所)からも多く引用させて頂いた。
    (愛知匿名)


(宮崎正弘のコメント) すこし長めでしたが、重要な論理的展開に思えます。
しかし“核の選択”は、すべての公務員が給料の一割カット、国民からの義捐金も山のように集まり、朝野をあげての姿勢がない限り、とても無理でしょう。
IAEAが予算の三割から四割を日本の核武装監視に使い、いや原発でさえ、あれほど反対がある国ですから、海上核武装という選択肢しか残されておらず、時間的余裕もないとすれば、ドイツ型の「パーシング2導入」というシナリオが、当面の日本の危機回避作戦ではないかと思います。


(私のコメント)
世界情勢を情報分析するには、公開されたわずかな情報から多くのことを知ることができる。しかしいくら的確な情報分析しても政治家が馬鹿だと何の役にも立たない。私の情報分析によればアメリカの北朝鮮政策の迷走は、アメリカが頼りにならない国であることを物語っている。日本という同盟国を裏切ったのだ。



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