株式日記と経済展望



ページを繰りこしましたのでホームページからどうぞ。


不動産は実態価値で値段は決まる

11月7日
毎日書いている通りアメリカ経済は弱体化の一途を辿っているにもかかわらず、株式とドルだけは強い。今日も約60ドル高で9000ドルまであと一歩まで来ました。ドルも1円以上高くなっています。このままだとNY株式は新高値をつけそうな勢いです。アメリカ政府は株高が国策であり、年金制策でも有り、株式の暴落は政府にとっても命取りです。

そこへ行くと日本政府は、株式と不動産デフレが今回の金融危機と消費不況の原因であるにもかかわらず、バブル時代のままの税制や役所の規制のままに来ており、やっと動き出すようですが、日本政府や国会議員やマスコミがバブルの再発を騒ぎすぎ、デフレを招いた責任を感じていません。バブルを潰すよりバブルに国民所得や一般諸物価が追いつくようにコントロールすべきだったのです。宮沢元総理の資産倍増論は間違った政策であり、これでは資産を持った人しか恩恵にあずかれません。おかげで国民の資産は半減してしまいました。

今から思うと企業の「営業特金や財テクをしない企業は時代に取り残される」と言ったマスコミ論調は間違いだったのです。証券会社に一任したところで、プロのファンドマネージャーがいる訳でもなく、新人類と呼ばれる俄仕立ての資金運用担当者が居ただけです。そして彼等が不良債権の山を築いたのです。新人類は株式の世界だけでなく不動産でも暴れまわり更なる不良債権の山を築き上げました。以下は葛和満博著「石橋をたたいて渡る資産運用法」からの引用です。

日本を除く世界各国では、商業地の地価は収益還元法で決定されている。金利の高い国では、当然投資家が要求する利回りも高くなり、低金利告では利回りが低くなるという差は有るが、その土地に持っている収益力こそが地価を決定する要因なのである。日本の不動産バブルとは、土地価格が収益率を無視して上昇していった過程であったことは既に述べたとうりである。

収益還元法で具体的に計算してみると、80年代前半、80年から83年レベルの地価であれば、都心の商業地でも投資家が満足できる収益が上げられる事業化が可能である。すなわち、公示価格ベースでバブルの三分の一から四分の一の水準に地価が下がれば、更地を購入することから始めて商業ビルを建設したとしても、投資家にとっては満足すべき収益が得られるはずである。

もちろんその前提として、個々の土地から最も高い収益を生み出す事業化ノウハウがなければならない。そのようなノウハウを持たないままで事業化を手がけても、予測した収益を上げられず、配当支払いもおぼつかないことになってしまう。

土地の値段が高いとか安いとか、地価が上がったとか下がったとかに、日本人は何故そんなにこだわるのだろうか。少なくとも商業地においては、その地価で採算に合う事業化が可能かどうかだけが重要である。可能なら買えば良いし、不可能なら買わなければ良い。実際、私は採算にあわなかったから、東京や大阪の土地は買わなかったし、採算にあうと思った地方都市で土地を買って事業化してきたのである。

自分が採算にあうと思った価格で買ったなら、たとえそれより地価が下がったとして、事業計画には何の影響もない。反対に、地価が上がったとしてもやはり事業計画には影響はない。地価の上下に一喜一憂する必要など、どこにもないのである。

(株式投資にも一脈通ずるものが有るのではないだろうか。その企業の将来性や収益力や資産価値からして、今の日本の株式は安すぎるのではないかと思うのだが。)


アメリカ経済は日本経済に勝てない

11月6日
銀行株に倍に値上がりした銘柄も有り、今日も銀行株は利食いに押されて下げています。NY株式が132ドル高と9000ドルの大台まで後一息です。クリントンの民主党の実質的勝利で弾劾を免れウォール街も安心したのでしょう。しかしアメリカの株式の力強さはなにが原因なのでしょうか。このままドル高株高にまた戻ることはないと思いますが、ヘッジファンドの決算に合わせた強引な上げではないかと思うのですが。

東京株式の方は上げ下げを繰り返しながら、投資家達を戸惑わせています。再び株式の黄金時代がやってくるように祈るしかありません。その為には株式の持ち合い問題や、税制、手数料などの優遇策が求められますが、一番頼りになりそうなのが外人買いです。ドルに換算すれば東京株式は相当上がっています。一時はヘッジファンドの買い戻しにより、円高や銀行株の大反騰が有りましたが、来年あたりに本格的な外人買いに期待しましょう。以下は共著「日本はこれから良くなる」から増田俊男氏の意見です。

これまで述べてきたように、日本製品の価格に占める変動費(おもに労働コスト)の比率はアメリカと比較してかなり低く、労働力リストラを行っても価格競争力向上の効果はあまり有りません。これに対してアメリカは、変動費率が高いので、労働力リストラは価格競争力向上に大きく貢献します。アメリカ製品が日本製品と対抗する為には、労働力リストラを継続する以外に方法がないと言うのが現状なのです。

アメリカの労働者の所得は1995年から上位20%については平均8%上昇しました。そのうち上位5%は、18%も上昇しています。しかし、それ以下のすべての層で所得は減少していて、下位になるほど減少幅が拡大しています。富裕層の総所得に占める割合は増え続け、50%に近づきつつあります。貧富の差の拡大が進んでいるのです。低所得者層は、年間100万人を超える移民の流入により、更なる打撃を受けています。

20代のエリートが金融市場で数十億円の所得を得る一方、AT&T、IBM、GM、などの大企業は10万人単位で首切りをしています。アメリカの好調な経済ファンダメンタルズの裏で悲劇が進行していることが分かります。

日本国民の現金貯蓄総額は約800兆円で、これは先進工業国全体の貯蓄総額の60%にあたります。アメリカの約1年半のGNPに匹敵する額です。これに対し、アメリカの貯蓄総額は約800億ドル(約10兆円)で、先進工業国全体のわずか5%に過ぎません。貯蓄と消費は相反する関係で、貯蓄が増えれば消費は減り、貯蓄が減れば消費は伸びます。

このように日本とアメリカは経済状態や国民所得や貯蓄や消費は正反対の状態に有ります。アメリカ人は楽観的で日本人は何事も悲観して生活防衛に回ってしまいます。日本人はもっと楽観的になり、貯金ばかりしていないでじゃんじゃん使いましょう。悲観的に思いながら一生を過ごすのも、楽天的に一生すごすのも同じ人生なら、楽天的に生きた方が有意義ではないでしょうか。


株式投資は夢がある

11月5日
昨日の東京株式市場は575円高で出来高も約7億株と出来高も増えてきました。今日は引け間際ですが200円ほど下げています。やはりある程度上げてくると持ち合い解消売りや、年末資金の換金売りが出てきます。まだまだ何時倒産のニュースが出るかもしれず、強気一色にはなれない地合いです。注目の銀行株は一服の状態です。私は少しずつ低位株を買い始めました。あくまでも2、3年後ぐらいを目標にした現物買いですが、何とかそろそろ動き始めて欲しいものです。

どの辺が低位株の底値か神のみぞ知るで、分散して少しずつ買っていって平均値を下げていくしかありません。しかしこの方法は、底値から上げ始めた時に買う事が肝心です。しかししばらくするとずるずると下げ始め、塩漬け状態になってしまいます。大きく上げそうもない時は、損が小さい時は損きりして次に備えます。最近はパソコン指標もあてにならず、なかなか底値買いは難しいです。

しかしこの様な低位株は上げ始めれば2倍、3倍は取れるとかわざんよおうしているのですが、その大波はやってきそうで、なかなか来ません。9年間も下げ続けたのだからそろそろ来そうなのですが。株式投資家も次々と株式の世界から去っていきました。今こうして私のように株式投資を続けている人は、すっかり少なくなりました。私の場合は不動産事業に資金を多く割いてましたので、株式で致命傷は負わずに済んだだけですが、大きく損したことに変わりがありません。

「土地神話」は崩壊し土地が暴騰することはないでしょう。しかし株式の方は日本版401Kや自社株買いや外人買いの復活等で大きく上げる可能性はあります。株式は換金性に優れており、企業業績が大きく向上すれば当然大きく上げるのは当然です。ですから私は株式投資を続けているのです。


アジアと日本の新しい経済圏

11月4日
今日の東京株式は朝から400円以上高く始まっています。出来高もいつもより多くなっています。外人買いが入ってきてきているようです。円もじり高基調で現在は短期国債を主体に買っているようですが、株式にも買いが回ってくると思います。現在の株式は年末資金手当てによる国内の換金売りと、ヘッジ売りで一時12000円台まで下げましたが、外人の買い戻しと新規買いで意外と高くなっていくのではないかと見ています。パソコン分析指標でも買いを示す指標が増えてきました。

私もそろそろ清水の舞台から飛び降りるつもりで買い始めようかと思い始めました。その為には出来高を伴った上げが続いて、基調が変わったことが条件になりますが、今までのようなPKOによるごまかしに何度も合っているのでついびびってしまうのですが、今日のような出来高を伴った上げは本物ではないかと思います。二部、店頭も上げています。ヘッジファンドもアジアに標準を定めています。以下は石原慎太郎著「NOと言える日本経済」からの引用です。

アジアンマーケットを確保する為に日本とアジアの企業が組むことに違いがないが、今までの組かたではアジアの企業をただ日本企業の下請けにする組方でしかなかったが、広域型ピラミッド戦略では互いのジョイントによって国境線を越えた巨大な一つの産業共同体を造り、アジアンマーケット全体を視野に入れて生産活動を展開する。各国別に欧米資本と戦うのでなく、アジア資本が一体となって相対しようと言う意味合いを当然含んでいる。

ここで生きてくるのがAICOによる関税特恵で、対象部品の域内取引は関税を、通常数十パーセントのところを5%以下に下げる取り決めです。このAICOスキームは通貨危機の前に出来ていたが、理想論の好きなASEANがいち早く拵えていたものの実際には機能していなかった。やっぱりASEAN自身が、インドネシアにしろタイにしろマレーシアにしろ一国主義で出来ていたからです。どこも全部自分のところでやりたかった。結局通貨危機で出来なくなってしまい、怪我の功名ではないが、今これが生きてきた。

加えて利点は域内取引以外にもう一つ条件が有って、進出メーカーはそれはタイでやるならタイの資本が30%までは最低はいっている現地法人を持っていなければならない。合弁会社が各国に有って、その各国の合弁会社について、それぞれの資本が最低30%入っていなくてはならないのですが、これがまた日本の強みになった。

アジア危機に乗じて参入してこようとする欧米企業は合弁企業の立ち上げから始めなければならないのに比較して、日本の企業はすでにほとんどが現地法人を持っている。・・・今までの雁行型発展の、互いに距離を置いた関係とは全く別の形での繋がりが、非常に密なものでリージョナルなものに変容して新しいアジア型の成長発展モデルになっていくと思います。


ヘッジファンド・マネージャーとはどんな人物か

11月3日
昨日の東京株式も銀行株主導の相場でダウは388円高でした。なかでも安田信託がストップ高で30円高の127円で引けました。興銀50円高、第一勧銀59円高、東京三菱69円高、富士銀行53円高、住友65円高、三和68円高と軒並み50円以上の上げです。全体の出来高が3億7千万株と相変わらずの低水準なので、買い人気からではなく空売りの買い戻しによるものです。これだけ次々と銀行の再編構想が発表されれば売りたたく訳には行かなくなるでしょう。

全体を見ても同じで空売りの買い戻しが主体で、買い人気による上げなら出来高が少なすぎます。まだまだ少しの間は様子を見ていた方が良いでしょう。決算発表は悪いことはすでに織り込んでおり、あとは思わぬ企業の倒産に注意をしなければなりません。このように銀行が体力を回復して来た時が、企業倒産の数が増える時期となります。今までは企業倒産させると共倒れになるので支えてきた企業でも、銀行から切り捨てられる時期が来たと言うことです。

今日の新聞によるとアメリカのヘッジファンドがまた巨額の損失を出しました。WSJによるとタイガー・マネジメントが10月運用資産の17%に相当する34億ドル(約4000億円)の損失を出したと報じました。9月も21億ドルの損失を出しており10月分を合わせると運用資産は約170億ドルに縮小した。運用担当者のロバートソン氏は日本経済の見通しに対する弱気派の代表格で、円や日本の銀行株が下落する方に資金を投入していた。しかし10月7日、外為市場でパニック的なドル売りが起き、円の対ドル相場が急騰した為同日だけで約20億ドルの損失を被ったと言います。

フランク・パートノイ氏が「大破局」という本を今年の2月に徳間書店から出しています。ヘッジファンドのマネージャーがどのような人物達であるかを知るには良い本です。彼は現在はこの世界から足を洗いサンディエゴ大学で金融学を教えています。以下は彼がこの本の最後に書かれている言葉です。

最近の調査によれば、デリバティブ関係専門家の70%が、1998年には大掛かりなデリバティブの損失が発生すると予想している。彼等の予測は十分の根拠がある。デリバティブ市場が成長すると共に、それは一層不安定で危険なものとなってきている。

・・・規制不足と産業寄りのバランス・オブ・パワーからすれば、超能力者の手などを借りなくても、近い将来またオレンジ郡ふうのFIASCO(大破局)が起きることは予言できる。現在のいくては、はっきりしている。金融サービス産業は、規制を避ける為に、ロビイストや議会のキャンペーンに何千ドルも支払い続ける。デリバティブは、何百ものデリバティブ被害者による何十億ドルもの損を生じさせ続け、その間に名声を傷つけ、人生を狂わせ、銀行の通帳を空にし続けるだろう。

若いセールスマンたちは僕がそうであったように、デリバティブ・ビジネスに参加し続け、そのどんな途方もない夢よりも金持ちになり続けるだろう。そしてウォール街は、デリバティブを規制しなくてはならない、いかなる反論不可能な理由もないと主張し続けるだろう。これまでのところ、このような議論が、デリバティブについてあまり心配ないよう議会や投資家たちを説き伏せてきた。この本を読まれた後で、読者はどう考えるだろうか?

私はこの「大破局」を読んでいましたので、最近のヘッジファンドの破綻にも驚いていません。そしてそのヘッジファンドの犠牲者の多くがアメリカ国民および銀行および企業でしょう。そしてアメリカのヘッジファンド会社を首になった彼等が、いずれ日本にやってきて「私を雇ってくれ」とやってくるでしょう。ただし彼等を使いこなせるのだろうか。


ヘッジファンドはアジアに注目している

11月2日
昨日のTBSテレビの「報道特集」でヘッジファンドについて取り扱っていました。彼等ヘッジファンドのマネージャー達の多くは証券マンから始まり、力量を認められてヘッジファンド会社に転職していくか、独立していきます。LTCMのジョン・メリーウェザース氏も若い頃はライアーズポーカーが大変強くて天才的勝負運の持ち主だったらしい。しかし彼も今回はしくじりました。LTCMの副社長も言っていましたが、今までのようなレバレッジを効かしたものではなく、堅実なファンドで再起をはかるようです。

今回出てきた多くのヘッジファンドのマネージャー達は一応に、「アジア」と言う市場に目を輝かして注目しているようです。タイガーファンドの会長もアジアに注目しているようです。前にも書きましたがロシアが駄目、中南米も駄目、アメリカ本土も頭打ちとなれば、ヘッジファンドのマネージャーはアジアに賭けるしかありません。そのアジアの中心となるべき日本にまず彼等の注目が集まるのは当然です。これだけ円高が続いているのも、単なる円の買い戻しだけではなく、世界の投機マネーが日本に集まりつつあるのです。

彼等ヘッジファンドのマネージャー達は絶えずコンスタントに20%以上の運用益を稼ぐ必要があります。でなければ資金が集まらなくなる宿命があります。短期間に大量の資金を動かし稼げそうなところは、これからはアジアとくに日本が有望に見えるのではないか。円だけ見ても147円から116円まで20%以上すでに値上がりしています。おそらくもっと彼等は円を吊り上げ、それと同時に株式でも、今までは売り込んでいた銀行株の買い戻しだけでなく、値上がり益を見込んだ買いが入ってくることでしょう。私は彼等の作戦をこのように見ています。

今度来る大相場の主役は銀行株でしょう。それはもう始まっています。そして不動産株、ゼネコン株、低位株がそれに続くでしょう。いつから始まるか分かりませんが銀行株はもう始まっています。銀行株が上がれば持ち合っている相手企業も助かり楽になります。ヘッジファンドの決算は12月なので、本格的な相場は来年にはいってからかもしれません。ここしばらくは企業の貸し渋りに対する資金繰りから、株式の処分売りが今月一杯続くでしょう。その安いところを買っておけば、大きく損することはないでしょう。

私も投資資金は少ないので買える株は低位株しかありません。二桁銘柄のバスケット買いもいいかもしれません。中には倒産したり、合併されたりする銘柄も出てくるかもしれませんが、分散しておけばその損を埋めて有り余る利益が出ることを期待しているのですが。あくまでもこれは私個人の株式相場観なので、当たる保証は何処にもありません。私個人はパソコン分析で買い信号が出てからでも遅くはないと思っていますので、もうしばらく様子を見たいと思っています。


アングロサクソンと言えども金融の天才ではない

11月1日
企業の経営危機はビックバンにゆれる金融業界のみならず、巨大総合商社をも巻き込んでいます。日商岩井は本年度下期だけで社債の償還が約1000億あるほか、今年3月末段階でCPの発行残約4700億円も抱えておりこれらの償還が課題となっている。日商岩井は98年度に400億円の最終赤字に陥るとの業績予想を発表したのをきっかけに、株価が一時60円台まで急落しました。

これからは巨大なるがゆえに銀行も証券も商社も時代の変化に対応していくことが大変な時代になって行くようです。適切な経営の元にトップを走り合理化の先頭をいく企業はますます強力になり、二番手三番手の企業は離されて行く時代になったのか、いや、トップ企業と言えども時代に合わなくなればどうなるかわからない時代になりました。デパートも流通の変化に追いついて行けない所が出てくるでしょう。

銀行業界も富士銀行と第一勧業銀行は31日、それぞれが保有する信託銀行子会社を合併させ、新しい信託銀行設立するなど幅広い分野で提携を行う方向で検討に入ったことを明らかにしました。別に富士銀行と第一勧銀と合併する訳ではないのですが、合併の下地になることを期待したいものです。そうしなければ他の銀行グループに後れを取る恐れがあります。しかしこの先どうなるか分かりません。

この点金融の天才といわれるアングロサクソンもさまざまな失敗をしています。アメリカの銀行は70年代は中南米投資で失敗し、80年代は不動産投資で失敗し、90年代はヘッジファンドで失敗しつつあります。アメリカの銀行はこのように何度も失敗を繰り返してきたからこそ、経営も合理化され収益性も高い銀行が生き残ってきたのですが、ヘッジファンドの破綻がLTCMのみならず次々と出てきたら、アメリカの銀行の方が来年当たり潰れるところが出てくることでしょう。すでにアメリカやヨーロッパではヘッジファンドで失敗し会長の首が飛んだところがあります。

この点、日本の銀行経営者は株式持合いで株主の経営チェックが効かず、9年たっても会長や頭取の首が飛びませんでした。行政当局が粉飾決算を認めてきたせいもあるのですが、これからは欧米流に株主や市場によるチェックで厳しく経営が監視されていくことでしょう。いずれにしろアングロサクソンやユダヤも金融においてはさまざまな失敗を繰り返してきた経験があります。日本の金融業界も今回の失敗を糧にして経営を立て直して欲しいものです。日本人は金融能力においてもアングロサクソンに劣らぬ能力を持っていると信じています。ただ失敗経験が足りないだけです。


プロバイダーの断続的な工事の為接続が出来なかったことをお詫びします。そのおかげで3月までにURLやメールアドレスも変更しますのでよろしくお願いいたします。


ディリバティブ=詐欺まがいファンド

10月31日
今朝の日本テレビの「ウェーク・アップ」の番組でディリパティブのことを取り上げていました。実際にディリバティブの運用に携わってきた糸瀬氏が、出て説明していましたので、当事者の意見として聞いていて面白かったです。糸瀬氏がヘッジファンドから足を洗ったのは正解だったろう。ヘッジファンドと言うものは金融市場での隙間を埋めるような小さな存在だったのが、98年にはまさに金融産業の巨人となり、銀行までもがヘッジファンドに多額の融資をするようになり、アメリカはまさにヘッジファンドによる金融帝国を作り上げたかのような勢いでした。

コンピューターと完璧と思えるプログラムにより、これらのファンドマネージャーは驚異的な運用成績を上げてきました。40%ぐらいの運用成績を上げるファンドも珍しくなく、そのうちの半分を手数料として彼等の収入になっていたのです。しかし彼等のディリバティブも巨大化するにつれて、利鞘も小さくなり動かす金額を巨大化することで利益を確保してくるようになりました。そこに彼等の運用プログラムの欠陥がひそんでいたのです。LTCMだけでも170兆円もの運用をしていたのです。自己資金は僅かでほとんどが銀行借入れでした。ルービン米財務長官が素早く救済したのもそれだけ破綻が巨額だったからです。

いかにコンピューターが高性能化し、プログラムがノーベル賞ものでも、完璧はないと言うことでしょう。前にも書きましたが株式相場でも100戦して99勝でも1敗が命取りになる恐い世界なのです。ジョージ・ソロスのような天才でも相場で負けることは日常茶飯でしょう。今は連戦連勝の人がいたとしてもただ運が良かったに過ぎないだけで、これからも勝ち続けることは難しいいでしょう。プロは負けても損を最小限にして、致命傷を負わずに最終的に利益を上げることが出来る人こそプロと言うべきでしょう。私は完璧なプログラムなど出来るはずがないと考えます。私もどうしても損切りが出来ず塩漬け株がたまっていきます。

現在ではないものと諦めて、ただ値動きを追っているだけに過ぎません。少しアルバイトでもして資金を溜め込む必要が出てきました。大きな資金を動かしている人なら、小さな波でもある程度の利益を上げられるでしょうが、私のような零細投資家は手数料と税金を取られながらでは、さっこんの弱気相場が続いてはお手上げです。11月こそ株の買い時がきそうなのですが、何せ手元資金は細るばかりです。


日本は先頭を飛び続ける

10月30日
今日の東京株式市場は始まりは高く後だれる展開です。企業業績は悪いのは既に織り込んでいると思えるのですが、やはり11月の決算発表とか、思わぬ企業倒産を警戒して買い手もしばらく様子を見る展開が続くのでしょう。しかし東南アジアや韓国はは回復基調にあるし、やはり世界の投機資金は世界の成長センターのアジアに帰ってくると見ています。その中心課題にあるのが日本経済の回復であるのが世界に認識された年でもあります。

いくらロシアや中南米に投資してもアジア人ほど勤勉でないし、工業製品作りはアジアが中心とならざるを得ません。そのアジアへ工業部品や工業材料を供給する立場にあるのが日本です。工作機械も同じです。アメリカにしろヨーロッパにしろ一般工業製品作りにおいて、コストや品質においてアジアに負けつつあります。以下は石原慎太郎著「NOと言える日本経済」からの引用です。

アジアは前年の1996年までは高いレベルでの経済成長率を維持していました。マハティールの率いるマレーシアが8,6%、インドネシア8,0%、韓国7,1%、タイ5,5%、長期化する不況期の日本でさえ3,9%と堅調な経済発展を見せていました。

今や懐かしい言葉になってしまったが、アジアの奇跡は世界の空を日本と言うリーダーが東アジアの国々を先導して飛来していく雁行の姿にたとえて表現されていました。日本の経済学者は「雁行型発展」と日本的に表現していたが、世界銀行とかIMFもこれを認知していた。

つまり、アジアの奇跡のメカニズムは雁行型発展であると言うことです。雁の群れが大空を飛んで行く。その先頭に日本がある。その次にNIES,それからASEANと、日本にとって気持ちのいい形です。これが日本経済人の成功感覚として根強く今も残っている。これで1950年代、1960年代から1970年代の日本の高度成長期からつい最近までアジアの空を全員気持ちよく飛んでいました。

・・・それでも日本について行くことが自分達の繁栄に繋がると言う意識を十分持っていたから彼等も日本についてきた訳です。彼等としては、日本が前に前にいくから同じように新しい産業構造を移してもらえる。要するに、付加価値の高い産業に向けてどんどん進んでいくスピード感、これは彼等にとっても頼もしいものであったし、タイ経済、マレーシア経済、インドネシア経済がどんどん発展していくと言うそういうスピード感覚で日本がひっぱて来たところがあった。

(再びアジアが雁行型発展を取り戻せるように、日本は勢いをつけて飛び続けなければならない。香港のハンセン指数が10000ポイントを回復しました。日本のPLOは何をしているのでしょうか。)


日本を悪くしているのは税制、規制、非効率

10月29日
今日も東京市場は高く始まっているのですが、高いまま引けるでしょうか。そろそろこの辺で切り返してくれないと、先週の8億株を超える上げは、やはりNTTドコモの為のPLOだったのかと言われます。このような私利私欲てきなことにPLOが使われたのでは、批判が出るのも当然です。株式市場への政府介入は今週の「週刊ダイアモンド」でも呉氏が書いていましたが香港市場で6600ポイントのところで政府が介入しなければ香港経済は破壊されていたでしょう。その点の日本のPLOは小出し逐次投入で、最もまずいやり方です。日本の役人の悪い癖です。

現在一番心配されているのがブラジル経済です。いつ通貨の切り下げが行われるか分かりません。となるとアメリカにとって第二のロシアになりかねない訳です。アメリカの金融も内憂外患を抱えてクリントン大統領にとってもルービン米財務長官の権威も失墜しているようです。私もルービン米財務長官は少しやりすぎで、ヘッジファンドの親玉は代わるのではないかと見ています。つまりアメリカ金融帝国主義は一時世界を制覇したように見えましたが、やはり実体経済が良くなければ、金融だけで国を富ますことは出来ません。

その点日本は金融がまるで駄目で、実体経済は世界一良い。以下は共著「日本はこれから良くなる」から増田俊男氏の意見です。

税制、規制と、確かに日本の効率の悪さは資本から見ていい条件ではありません。しかし、可能性について言えば、とにかく物を創造する能力は最高、労働者のロイヤリティ、忠誠心は最高、先ほど述べたように、比較的優位な部分が非常にたくさんあります。儲けてもぱっぱつかわないで、稼いだ金の半分以上は必ず貯金するように、貯蓄性向が非常に高い。

資本は、アメリカのように貯蓄性向の低いところは、資本が増えませんから嫌います。資本はどんどん設備投資されて、増殖していかなければならないわけですから、国民の貯蓄性向の高い国でなければ駄目なのです。・・・ところが一つだけ障害となるのが、渡辺さんがおっしゃったように、日本の効率の悪さです。政府、つまりマネジメントが悪いのです。

この日本のマネジメントを、180度とは言わないまでも、ほんのちょっと良くしたら、資本にとって完全に日本の方が好ましい国になります。アメリカほどでなくても構いません。ほんのちょっとでいいのです。・・・日本には優れた部分、比較優位な部分が多いので、ちょっとまねごと程度にアメリカのマネジメントを取り入れるだけで十分勝てるようになります。・・・経済に関して良いとか悪いとか言う基準は、資本が好むか好まないかと言う基準なのです。決してアメリカが好むかどうかではありません。


土地と株式は安い時買ってこそ儲かる

10月28日
今日の東京市場は安くなっています。時期的に資金需要が多く換金売りが出やすい時期でもあります。昨日は仕手系株が活躍していました。最近の銀行株上昇やNTTドコモの上場成功で、少し資金力が出来てきたからでしょうか。ヘッジファンドの売り叩きも目立たなくなりましたし、香港からは撤退したようです。いくらヘッジファンドでも、相手とレフェリーが同じで資金力のある政府では売り叩きは無理と判断したのでしょう。国際世論もヘッジファンドに規制が必要との意見が大勢を占めてきました。

日本政府も香港のように経済破壊行為てきなヘッジファンドの売り叩きに対しては、断固として立ち向かうべきだったと思います。場合によっては途中でルールを政府は有利に変更したり出来るのですから、かなり有効だったと思います。今まで公的資金が行ってきたPKOやPLOは及び腰で、香港や台湾のような勝つか負けるかと言った気合いの入ったものではなく、目立たぬことが第一で、これではヘッジファンドのカモになる為の介入でした。半年前はアメリカ政府の援護射撃で、PKOもままならなかったせいもありますが。

株式関係のBBSを見ると、やはり市場原理主義者が多く、PKOやPLOに対する非難が大勢を占めています。事実評価損がかなり出ているのではないでしょうか。株式運用のプロが日本人にはいないのですから無理はないのですが、これからはプロを雇って、ヘッジファンドが売り浴びせて暴落した時に、香港政府が行ったように集中的に買い出動して投げ出すまで吊り上げ、言わばお灸を据えるようにすべきです。これはあくまでも経済破壊的大量の資金が動いた時にのみすべきことですが。

あと日本の株式市場が抱えている問題として銀行と企業が株式を持ち合っている問題ががありますが、16日の日記にも書いた通り、経団連が提案しているように「証券等健全化機構」を作り18%もの持ち合い株を一時買い取ることも検討されるべきでしょう。現在の1部上場株の時価総額は250兆ほどですから全部買いとっても45兆円、しかし系列で売るに売れない株がほとんどですから、数兆円の規模で売りに出される持ち合い株は吸収されるはずです。それだけでも株式市場にかなりのインパクトになるでしょう。そして相場が回復した時放出すれば利益が出ます。

株式市場が回復すれば、銀行に25兆円もの公的資金を投入するより少ない金額で、銀行の自己資本を増強させることも可能な訳です。日銀が市場に資金供給を大量の行っています。今まではドルに流出していた訳ですが、円高により日本に還流しており、株式市場が上昇し始めれば株式市場に流れ込むことになります。遅れ馳せながら金融相場が始まるのではないかと見ています。なにしろ国債より利回りの良い株式がごろごろしている訳ですから。自社株買いも本格化してくると思います。

現在の東京株式市場は、銀行の貸し渋りや年末の資金需要の処分売りや企業の業績悪化や倒産懸念など、悪材料に事欠きません。売り手は幾らでもいても買い手はわずかな数しかいません。そのわずかな人こそ株式で儲けられる人です。政府は今必死に景気対策を練っています。どのような対策が出てくるか分かりません。しかし株式と不動産の活性化をしないと今回の不況は脱出は出来ないことは政治家も分かり始めています。

テレビのルポでも外人が不動産を買いあさっています。最安値では物件が買えないことを知っているので、まだ下がることが分かっていても買っているのです。株式でも同じで大量の資金を株式に投入する場合、買い下がっていかなければ大量の株式を安く買えません。上がり始めてから買っては値が跳んでしまうからです。低位株が1年近く横ばいを続けているのも、大口のファンドが買い集めているのかもしれません。資金効率からいって低位株が一番効率がいいことと、銀行株が将来の花形になることを知っているファンドマネージャーがいるのでしょう。


日本の銀行の半分は海外から撤退せよ

10月27日
今日の東京株式市場は高く始まり一時14000円台を回復したり、後場も小高く推移しています。銀行株は続落しています。やはり本格的に上がるには、銀行の低収益体質を変えないと本格的な経営立ち直りは、外資に比べても競争に打ち勝っていけないでしょう。高度成長期には利ざやが1,2%あり預金量=利益となっていましたが、これからは収益源を多様化して効率経営を取り入れていかなければなりません。1000万円近い年収の社員に預金集めをさせていて利益は出るのでしょうか。

今朝のニュースを見ても銀行各社はリストラ策を出してきました。まだ1,2割のボーナスカット程度のところが多いですが、2年以内に業績を回復させるにはもっと大胆なリストラをしないと、また市場が暴れ始める可能性があります。日債銀のように海外支店を整理するだけでもかなりのリストラになりました。長銀ももっと早く海外から撤退していれば破綻するまでにはいかなかったでしょう。以下は菊池哲郎著「日本には日本の経済がある」からの引用です。

潰れないことになっていた日本の銀行は世界的にも非常に信用されていた。とにかくあのアメリカを追いぬいた国の政府が潰さないといっているのだから、それ以上の保証はない。しかもジャパンマネーは巨大化して一世を風靡した。ジャパンマネーさえ手に入れれば、世界中で巨大な商売が出来た。日本の銀行は一躍世界に躍り出て、世界のトップテン銀行の八行までを占めた。ところが直接接触してみると、英語は話せないし、何か決めるとなると、「ちょっと待った、、東京の本社に聞いてみる」ばかりで、金は持っているが、たいしたことがないことは国際化の過程でばれてきた。

そこに日本株と土地の下落で銀行は勢いがなくなった。怪しいと思って調べてみると、日本の銀行は大蔵省の保護の下で、内部競争ばかりしてきたので、利幅が小さい。適正な金利をとらずにたくさん貸し込んで、その量の多さで儲けを確保してきた。企業の方も金利の支払いが小さい中で競争力をつけてきた。アメリカ式の市場主義ではそういうのは認められないことになっている。資本金の20倍も貸し込んではいけないというルールがあるのだ。そこで貸していたお金を回収しないと、世界ではルール違反でやっていけない銀行ばかりになってしまった。だから今焦って資金を回収している。これが貸し渋りといわれているものだ。そうしないとアメリカで日本の銀行が商売が出来なくなってしまう。

政府とは大蔵省のことだけではない。歴代の政権だ。首相だ。具体的には中曽根さんあたらりから後の首相全部だ。そのせいで、実は今すべての金融機関が潰れる可能性を持つまでになってしまった。市場が信用しなくなれば、山一證券のような証券会社でさえ一週間もたない経験をしたではないか。ああいうことはこれからいつ起こっても不思議ではない。そういう世の中になったのだ。

だから日本の銀行検査官がごちそうになって検査内容をゆるめていると世界中に宣伝していることはどんなに危険なことか、首相や大臣が金融のことなんか分からなくても当選回数が多ければいいなどと旧態依然としたことをいつまでもやっていて、どう見ても本の一冊も読んだことのないような国会議員を平気で票を投じていることが、どんなに危険なことか、我々がいつまでも分からないでいると、本当は大変な事になる。このままでは何処に金を預けようが、絶対はもうない。

(野村證券の海外支店のスキャンダルもテレビでやっていましたが、年収50億ドルも出してアメリカ人社長にやりたいようにやらしていた。今までは成功例とされていましたが、やはり失敗しました。英語の出来ない日本人社員。有能だけどペテン師まがいのアメリカ人マネージャー。海外で利益を上げることは難しいことはこれで分かるでしょう。)


日本は文明の退廃が起こっているのか

10月26日
今朝のBSニュースを見ると、韓国ではアメリカの金利安と日本の円高による輸出の回復を見込んで、株式市場は直近安値から33.6%高(19日現在)です。金融の再編成や財閥の解散など思い切った政策が外国資本を呼び込んでいるようです。それに比べると日本はいったい何をぐずぐずやっているのだろうと思われているのでしょう。第一に官僚や政治家達が変革を望んでいない。国民やマスコミの非難でようやく重い腰を上げたようですが、景気対策も従来どうりのものになるのでしょうか。

今日の東京市場は先週大きく上げた金融株を中心に大きく下げ、250円以上安く14000円を割って始まっています。23日も出来高は4億株代に少なくなってエネルギーも落ちてきています。2,3日は様子を見てどのくらい押すか見た方が良いでしょう。基本的には外国資本は韓国のようにアジアへ投資が戻ると見ています。日本も例外ではないのですが、市場が大きすぎるので方向転換が時間がかかるのでしょう。以下は石原慎太郎著「NOと言える日本経済」からの引用です。

日本は生産財輸出国ですから、それで成功して今の財を成しており、それは来世紀に向けても経済的黒字をずっと保証しています。さながら産油国の石油のように工業製品に不可欠な他国の追随が不可能なレベルのハイテク分野の部品などを製造し続けているからですが、それゆえにともすれば新しい分野への矛先が定まらないという欠陥も目立っている。このままでは石油以外に稼ぐ手のない産油国のようになってしまいかねない。たとえば通産省がジェット旅客機から撤退し、日本はそれの部品提供のみちを行こうと決めたらしいが、これなども原油産出国が原油提供だけで稼ごうというのと同じ発想でしかない。

出来ることしかしない、出来ないことは出来るやつにやらせるというある種の安易さ、つまり覇気の欠如は古今東西の故事をひもといてみれば文明の退廃の始まりです。なをかつ疲労感の見える日本が本当に右肩下がりの、司馬遼太郎氏が語ったように日本は峠を越えてしまったというような衰退期に本当に陥ってしまうとしたら、こういう落とし穴に落ちても笑って寝てしまう臆病な怠惰が原因としか言いようがない。そんな日本ではないし、日本人ではありたくないと思う。

ここで日本が積極的に身を乗り出して一段高いレベルでのいくつかのプロジェクトを東アジア自身でものにしたとするなら、その実績は、日本への信頼に加えてどれほど大きなものをアジア全体にもたらすことだろうか。今回の経済パニックの仕組みを見極めることで、アジアは新しいより強い連帯感を持ち直すことが出来るはずだし、日本が今まで以上の技術の開放を含めて大きく踏み込み乗り出していくことで、世界の他地域に比べてはるかに可能性に富んだ東アジアは蘇生し発展していくに違いない。そのための歴史的責任は日本にこそあると思う。


日本の銀行は資本主義の基本が分かっていない

10月25日
今日も日曜日のテレビ番組の「報道2001」{日曜討論」「サンデープロジェクト」を見ると、やはり金融機関に非難が集中しています。銀行は今時代の大きな転換期にきていたのですが、なかなか頭取はじめかえようとしません。直接金融の時代から間接金融の時代に変わってきたのですが、大手銀行は変えられなかったのが、バブルを生み、中小金融機関の分野まで侵略し、過剰融資が不良債権の山を作りました。

大手金融機関は投資信託や手数料や自己運用で利益を稼ぐ時代にきています。そのようなマネーセンターバンクは5行もあれば十分です。それ以外の銀行は大和銀行のように地域金融機関として地盤を固めて生きていくしかありません。もはや大手銀行は大企業の金融の役割は終わってしまったのです。以下は共著「日本はこれから良くなる」から増田俊男氏の意見です。

日本では10円で作った製品を100円で売って90円儲かったというのと、土地を10円で買って100円で売れましたというのに違いがありません。両方とも90円儲かったという点で同じです。しかし、この二つは全く違います。

10円という原価の中には、材料を買う原価があって、そこにかかった労働力が入っています。その製品が便利で、生活が100円以上潤うものですから、100円で売れる訳です。10円の原価のものに100円を払ってもそれ以上の価値があるから、みんながその製品を買う訳です。新しい価値を作った、その報酬が儲けになります。そして、新しい価値は買った人に富として残ります。

しかし土地の場合、10円で買って100円で売って90円の儲けが出たとして、同じ土地であることに変わりがありません。この世の中に何の価値も生まれていません。これを儲かったと思っている訳です。まずここの間違いに気づかねばなりません。

しかし、先の土地の場合は利潤ではありません、あくまで「差額」です。10円で買った土地を100円で売って90円儲かったといっている訳ですが、この90円は別の人の懐にあったお金がこちらの懐に移動しただけです。何も増えていません。

ですから、それが分かっていない人は必ず損をします。日本人は一生懸命働いてたくさん儲けて、アメリカの土地に投資をして損をしたという訳です。これから日本がどんどん伸びていく為には、ゼロサムと本当の儲けの違いを認識しなければ駄目です。これは本当に資本主義の基本的なことです。


サラリーマンと資本の心

10月24日
大和銀行が2001年までに海外の銀行業務から撤退し、国内に集中方針を固めた。ビックバンで生き残りをはかるには採算の悪い国際業務を整理し国内業務に集中する必要があると判断したようです。特に関西を基盤とした国内の小口取引や、企業年金などに特化した営業を中心にしていくようで、これで自己資本比率4%で済む為、不良債権をこれで処理して、貸出余力も生まれます。

90年から9年間のながきにわたり続いた株価下落も、銀行が長年貯えてきた株の含み益を放出することによって耐えてきたのですが、去年の北拓、今年の長銀と株式の含み益を失い、債務超過となり、もはや護送船団は存在しません。本来ならもっと早く株式相場の復活があったはずだったのですが、持ち合い解消売りにより、自分で自分の首を絞める結果となり、そこをヘッジファンドに衝かれ、日本の銀行は大ピンチとなった訳で、公的資金の注入と引き換えに、大手銀行も大なり小なりようやくリストラに取り組まざるを得なくなったようです。

9年間の株式の下落は、何度か立ち直りかけては法人などの機関投資家の売りで崩されてしまい、債券とのイールドスプレッドから買っていた唯一の買い手の外人投資家も、理論もへったくれもない法人の処分売りに、大分戸惑っていたようです。私も大底と思って買った株が更に値下がりするのを見て、はじめて銀行の経営危機に気がつきました。今までなら原価法で決算を繕っていたのですが、それが致命傷になるほど株価も下がり体力も弱っていたのです。

銀行の体力を回復させるには、公的資金の注入もそうですが、自助努力して利益を上げられる体制にする必要があります。そうすれば銀行の株価も上がり、銀行株を持っていた法人も助かります。つまり銀行の経営体質の改善がなければ、株式相場の本格的な回復もありません。今まで株式相場の本格的回復がなかったのも、銀行のリストラがなかったからと言えます。それがやっと北拓や長銀の破綻によって、明日は我が身となるにつれて、ようやく重い腰を上げるでしょう。

今まで93年、95年と株式も立ち直りかけたのですが、金融の根本的経営改善がなされず、しりすぼみになりました。今回の金融危機をバネとして、日本の金融再編成が行われれば株式相場の本格的立ち直りも来るのではないかと期待しています。以下は共著「日本はこれから良くなる」から渡部昇一氏の意見です。

長銀のドンと言われた頭取があれだけめちゃくちゃな貸し方をしたのは、自分のお金ではないからです。資本の心と言うものが少しでもあったら、あんな事は出来ません。それに退職金なども10億円前後というのは、国際水準から見てみみっちいものです。日本の金融機関で資本の心を持っていたことを示したのは、わずかに静岡銀行だけでしょう。

たまたま知っている人から聞いたのですが、バブルの頃、まだ九十何歳のおじいさんがいて、資本主義の精神でもってバブルに乗らなかったと言うのです。だから、今ムーディーズなどのランキングが一番良い訳です。ですから、三菱や三井が資本主義の精神を持っていたら、三井信託銀行のようなことには絶対ならなかったはずです。

最近、こんな話を聞きました。バブルの盛りには50億円もしたと言ってテレビの撮影にも使われている豪華小型マンションが、今は5億円で売りに出ていると言うのです。それで登記簿を見たら、何と最初に借りた時は6,7億円でした。それが正常な担保価格です。ところがバブルの潰れた頃に、三井信託がここにさらに36億円も貸していると言うのです。

こんなべらぼうな貸し方は、資本主義の精神があったらできないことです。経営者に資本の心がない、ただその時の業績を上げたいと言うサラリーマンの気持ちだけなのです。サラリーマンの心と資本の心は、全く違います。日本の金融がこんなに駄目になってしまったのは、大蔵省も、金融資本もサラリーマンの精神しかもっていなかったからです。


日本経済は復活する

10月23日
今日の東京株式はじりじりと安くなっています。15日の12892円から22日の14742円まで14%の上げで利食いが出る水準です。今まで売りで儲けてきた人には売りやすい環境になってきました。NY市場のドルと株も落ち着きを取り戻し、ヘッジファンドも一息ついている事でしょう。問題はどの辺まで東京株式が押してくるかです。今までのように10月15日が底だと思ったら、さらに下値があるという事も考えとかなければなりません。何とか小安い水準で引けて欲しいのですが。

私の持ち株も買い信号発したのが1銘柄から3銘柄に増えたのですが、今日を含めて2,3日軟調な地合いでしょうから、買い出動はまだまだ先になりそうです。景気対策が効果を表してくるのはまださきだし、取り敢えずの懸念材料が消えたに過ぎません。むしろ上げ相場を長続きさせるには、何度も調整を繰り返しながらの方が長続きします。昨日までの5連騰は売りの買い戻しと、勇気のある底値買いの投資家によるものでしょう。私は勇気が無いのでもう少し待ちたいと思います。

しかしながら超低位株が1年も底値をはっているように、これ以上下げようがない株がこのように増えてくれば何時かは上げるしかない訳です(倒産しない限りは)。以下は著書「日本はこれから良くなる」から船井幸男氏の意見です。

小渕さんが総理大臣になって、宮沢さんが大蔵大臣になりました。しかも、世界としては資本主義を延命させたい。資本主義が延命しようと思ったら、戦争を起こせない以上、とりあえず日本にお金を持ってきて、アジアの工場として、生産基地として、もう一度活かすかたちにするしかありません。

そうする為には、先から何度も話が出たように、日本が多少インフレ政策をとって公定歩合を上げたら、もうそれだけで良い訳です。もう本当にそれだけで全部、流れが変わってしまうのです。そういうように、資本主義を延命させてソフトランディングさせようと、宇宙の意志が決めたようだというのが私の意見です。台湾に行ったおかげで、私にはそれがぱっと分かりました。

私は元来、論理的、体系的な男です。経営コンサルタントというのは、そうでなければお客さんを説得できません。自分で理解して、説得して納得させないと出来ない商売をしているのです。しかし世の中は人間の意識では分からないようなかたちで動いていきます。これを私は宇宙の意志だと言っています。

世界の経済でファンダメンタルズが一番良いのが日本です。さまざまな指標で、それっはっきりしています。データのうえから見たら増田さんが言うまでもなく、資本が発展する為の条件が一番整っているのは日本です。それは間違いありません。しかし日本は悪い、悪いと言う事ばかりをアナリストやマスコミが言ったり書きたてて、悲観的な誘導をしています。実際はそうではないんだという事さえ言ってあげたら、日本人はまた元気を出して景気も回復させる事が出来るでしょう。


NTTドコモ上場成功

10月22日
今日はNTTドコモの上場日で注目されましたが、460万円で初値が付き、最近の大型上場株では成功でした。最近のように環境の悪い株式市場で、市場関係者もほっとした事でしょう。今日も前場ダウは一時500円以上高くなる場面がありましたが、後場に入りダウの方も少ししぼんできました。このまま今日も高く引けてくれると良いのですが。でないとNTTドコモの景気付けに過ぎなかったとみられかねません。銀行株も高くなっています。銀行株が16日からの反騰相場の主役です。今日あたりは利食いの売りも入る水準ですが、勢いはまだあるようです。17日の日記のように勝負すれば良かったのですが悔しいです。

ダウも14200円を超えてきました。銘柄が銀行株中心に上げている為、私の持ち株で買い信号を発しているのは1銘柄しかありません。全面的な上げになってきていないのが気になります。ここは慎重にほとんどの銘柄が上げ信号を発してから買っても遅くはありません。まだまだ懸念材料が山積みで少し高くなったからといって買うと、はしごを外されることが最近は多すぎます。しかし長期で見ると低位株は1年近く底値もみ合いが続いており、半値に下がった国際優良株に比べ買い安心感が有ります。

こうして書いているうちにもダウは89円高(1:30現在)までしぼんできました。しかし大局的に見れば10月に入り、円高株高基調になってきた事は間違いありません。以下は著書の「日本はこれから良くなる」の増田俊男氏の意見です。

呼び水の効果が現れるのは10月ぐらいで、いったん還流し始めると否が応でもお金が返ってくる事になります。その流れはかなりスピーディーですから、設備投資どころではなくて、とりあえずそのお金は株式にいったん入ります。これが株価を確実に押し上げます。

そうすると冷え切っていた消費者マインドがポジティブになります。何兆円単位のお金がアメリカから帰ってくると一種の通貨インフレになりますが、アメリカにあった日本のドルが円を買って帰ってくるのですから、円高になる訳です。円高、株高、超低金利であおりきった段階(1999年夏頃)で、今度は公定歩合をどんどん上げていかなければならなくなる訳です。

世界大恐慌を日本が起こしたという誹りを受ける事のないよう、還流してくる日本資金と外貨の日本買い資金量を見ながら、速水日銀総裁は否が応でも公定歩合を上げざるを得ないというところが良いところです。当面は銀行もゼネコンも厳しいところが出てくるでしょうが、株が上がれば含み資産も増える訳ですから、銀行もゼネコンも助かります。信用枠も増えますから、新しいエクイティー・ファイナンスも出来ます。

ある意味で日本の税金が高い、行政が非効率的であるというのは、日本の財産です。潜在財産なのです。これだけ余裕があるというのが財産です。そういう事が出来る国は世界中に日本しかありません。アメリカはもうギリギリ、生産性などはもう本当にギリギリのところにきています。首を切りながら生産性を上げているのですから、もう限界です。

日本は年功序列を維持し、しかもこれだけの重税を取ってアメリカと競争して勝っているのですから、たいした潜在力を持っている訳です。

以上が増田氏の意見ですが、私も株価が上がり景気が好くなれば、金利も上がると思います。しかしそれほど株価と景気は短期間に上がるのだろうか。金利の方はそれほど上げて欲しくはないが。円高になれば金利は逆に下げる方になると思うのですが。


東京株式は買い転換したか

10月21日
今日のNYは2円の円安、、NY株式は39ドル高の8500ドルを回復しました。これは金利引下げに伴うもので、この辺まで戻ると戻り売りが出てくるのではないかと思います。米商務省が20日発表した8月の米貿易赤字は、物とサービスの取引を合計した国際収支ベースで、前月比15,3%増の167億7400万ドルと大幅に増大、現行統計法式を始めた1992年1月以来、最大の赤字額を記録しました。

この原因としては世界的な経済の低迷を背景に輸出の落ち込みが響いており貿易赤字増大に一段と拍車がかかっています。全体の輸出は、金融危機に陥っているアジア、中南米などへの農産物を中心とした輸出の落ち込みによるもので、これに対し輸入はアジアなどを中心に増え、特に全体の赤字額に占める割合は、対中国が25,6%と最大で対日は22,5%だった。アメリカが農産物を輸出し、アジアから製品を輸入している今のアメリカの貿易構造が読み取れます。

マレーシアのマハティール首相は日本記者クラブで、同国が固定相場制などの通貨取引規制に踏み切った原因を述べました。まず自国経済について「現実は、国際通貨基金(IMF)の支援を受けている国々より状態は良いし、自由度のある経済活動を行っており、基盤も強力だ」と述べ、通貨取引規制についても「あくまで限定的措置。(投機行為を行う)通貨トレーダー質が我々の通貨をトレーディングの対象にしないよう、そしてトレーディングによって通貨の切り下げが起こらないようにするためだ」と強調しました。

一方、アンワル前副首相にの解任・逮捕の理由について、「良くある解任・辞任とは違う。彼は解任通告に異議を唱え政府打倒の運動を始めた。罪を犯したのに法廷で裁かれるのを拒否した。支持者に暴動を扇動し、私の自宅の焼き討ちも指示した。インドネシアの政権交代を見て、彼も、自国の政府を倒せると思ったのではないか」と述べました。一方の意見だけなので全容は分かりませんが、アメリカあたりからアンワル氏はそそのかされて、インドネシアのスハルトのように、マハティールを倒せると思ったのではないでしょうか。ヘッジファンドへのマハティールの非難は以前の日記に書いたので略します。

東京株式市場は今日は朝から400円以上の上げで14200円台で始まっています。一連の金融関連法案が評価され始めたようです。特に銀行株の上げが目立ちます。興銀64円高、東京三菱43円高、富士37円高、住友50円高と(10:30現在)高くなっています。昨日の引け際にダウが引き上げられ240円高で引けただけに今日は下げて始まるかと思ったのですが、14200円以上で引ければ買い転換という事になります。今にして思うと200円台の富士銀行を買っておくべきだった。


パンと札束とどちらが大切か

10月20日
東京株式市場は16日の285円高、19日の286円高と連騰して、今日はどうかと思いましたが小高く推移しています。円も堅調です。このまま堅調に推移してくれれば良いのですが。しかしヘッジファンドによる銀行株の売りた叩きは終わり、長銀の特別公的管理が決まり、ひとまずは銀行株の波乱は終わるでしょう。

アメリカに生まれたヘッジファンドは、大手投資銀行のファンドマネージャー達がどんどん独立したり、引き抜かれたりして運用されるようになり、銀行はもっぱら彼等の資金源になってしまった格好です。日本の住専やノンバンクと同じ構造になってしまったところから、ヘッジファンドの暴走が始まり、ついには破綻するところが出始めました。人間の欲望には世の東西がありません。以下は増田俊男氏の意見です。

今まさに1個のパンを盗んで食べないと飢えて死んでしまうと言う人間に向かって、「もしもこのパンをお前が盗まなかったら、1億円をおまえにやろう」と言ったら、その人間は1億円の札束を握り締めて死んでいくのではないかと私は考える訳です。1億円に対する欲の方がパンに対する欲よりも大きければ、こういう事が起こるのです。そして、人間の欲望とは、おそらくこういうものではないかと思うのです。つまり、人間は、欲を満たす為なら死を恐れない生き物なのです。

マハティールさんのお話ではありませんが、今ヘッジファンドに対する風当たりが非常に強くなっています。つまり、彼等の行為には倫理が欠如していると言う事なのですが、しかし倫理で人間の欲望を抑える事は出来ないのではないかと思うのです。ヘッジファンドとは、そもそも実体経済の抱えているリスクをヘッジする為に生まれた金融派生的な手法だった訳ですが、今や実体経済の方など見向きもせずに、札束を追いかけて一人歩きを始めています。その振る舞いがあまりにも横暴だと言うので、規制を設けようという議論がありますが、それは無駄な事だと思います。

そんな事をするより、逆にどんどん奨励して、もっともっとやらせればいいのです。そうなれば、「資本」は実体経済を置き去りにして、札束の方ばかりを追いかける事になるでしょう。そして、ふと気づくと、世界中に実体経済というパンがなくなってしまい、「資本」は札束を抱えて死ぬ事になるのです。欲望は欲望で殺す事しか出来ない。私はそう考えているのです。


行く先を失ったマネーは何処へ行く

10月19日
今日の東京株式は300円以上高く(12:30現在)ダウも13600円台です。銀行株も高く住友銀行、東京三菱銀行も1000円台を回復しています。やはり金融機能早期健全化法案の成立は、実際にどのように運用されるか分かりませんが、貸し渋りを無くし、銀行のリストラを進めていく上で大きな力となります。あとは景気対策がいつ頃効果を表してくるかですが、消費不況も今が底だと見ています。

まだまだ9月中間決算の発表が続きますが、既に有価証券評価損は織り込んでいるのではないかと思います。さらに9月末のダウの水準を切り下げていくのならともかく、14000円台や15000円台に株価が回復すれば、評価損は含み益とかわって行き、意外な展開を見せるのではないかと思います。ヘッジファンドの売り叩きは円高への転換と共に終わったと見ています。むしろ円高を利用して大型株等を買ってくるのではないかと思います。年金関係の外資系ファンドは売り基調が続くと思いますが。

アメリカのドルは公定歩合の引き下げ傾向でドル安傾向を辿るでしょう。ユーロもロシアがらみで金利は引き下げて行きます。残る円はこれ以上金利は下げようがなく、アメリカに行っていた資金還流が続き円高傾向が続くでしょう。となると世界の為替ディーラーは円高を今度は仕掛けてくるのではないかと思います。ヘッジファンドは今投資先を失いさまよっています。となると有望な投資先としては日本しかないと言う事になります。

来年の事をいうと鬼が笑うと言いますが、このようにマネーが日本に還流し、過剰流動性が問題となり、債券市場から株式市場に資金が流れ込むようになり、株式市場は意外な展開を見せる可能性もあります。しかし不動産市況は法案の後押しが遅れており、税制等の改革が進まないとなかなか流動化は難しい面があります。そして土地神話の終焉が、株式と異なり足を引っ張ります。以下は葛和満博著「石橋をたたいて渡る資産運用法」からの抜粋です。

収益を生み出す不動産への投資と言う場合に、多くの人が真っ先に考えるのが、アパートやマンションなどの居住用不動産への投資だろう。しかし暴騰時から比べるとずいぶん安くなったとは言え、依然として高い地価が、アパート・マンション投資の収益性を低いものにしている。東京圏、大阪圏、名古屋圏などの大都市圏では、土地を買ってその上にアパートを建てても、初期投資コストが高すぎて、アパート経営の採算が引き合わない。

両親から土地を相続したりして、土地購入コストがゼロと言う時のみ、アパート経営は採算ラインに乗ると思った方が良い。次に、これからの時代のアパート・マンション経営が、需要の減少によって激しい競争に突入するだろうと言う、かなり確実な予測がある。つまり賃貸アパートや賃貸マンションのテナントであった若い世代の絶対数が、少なくなっているのである。その結果、少ない需要者を多くの供給者が奪い合うと言う激しい競争が待っている。


1ヶ月以内に経済政策の実行を

10月18日
「サンデープロジェクト」に堺屋経企庁長官と菅民主党代表の対談がありました。二人が言っているのは官僚主導から政治主導に移り変わる過渡期にあると言う事で一致していました。民主党としては解散総選挙と行きたいところでしょうが、まだ経済危機が渦巻き貸し渋り等を防ぐ為にあらゆる手を打たなければなりません。その為にも経済戦略会議において画期的な提案が出る事が求められています。民主党も野党ではあるけれどもどんどん新たな提案を打ち出して国民にアピールしていく必要があります。

久しぶりに、榊原大蔵省財務官の榊原氏が出ていました。この世界的な経済危機はこの2,3ヶ月が山だろうと述べていました。その発生元は日本かブラジルかの二カ国だろうとも言ってました。日本は政府のコントロールが上手く行けば切り抜けられる見込みがあります。しかし貸し渋りが年末にかけてひどくなれば、企業倒産の嵐が吹き荒れる事でしょう。銀行はその返り血を浴びて、体力の無い銀行は共倒れするでしょう。それを防ぐ為にも公的資金を大量注入させて、貸し渋りを防がせなければなりません。遅くとも一ヶ月以内に、でないと年末に間に合いません。

ヘッジファンドに付いても、何らかの監視や規制が必要である事が、アメリカを始め世界が分かってきた。市場原理の暴力が本家のアメリカにも猛威をふるい始めて、ヘッジファンドに対する情報公開が必要である事が分かったようです。ヘッジファンドがアジアで猛威をふるっていた頃はルービン米財務長官やサマーズ副長官も市場原理主義者を擁護し、それがグローバルスタンダードであると言わんばかりでしたが、榊原氏の話を聞くと最近は、彼等も何らかの監視が必要であると言う事でした。

ブラジルの経済危機に付いてはどれを調べても詳しく分かりません。もともと超インフレ国家だったのですが、そこへヘッジファンドや銀行が大分貸し込んでいるらしい。ブラジルが第二のロシアになればアメリカが大打撃を受け、アルゼンチンを始め中南米に広がります。アメリカのヘッジファンドや銀行は日本のような超低金利国からこのような高金利国への投資で利益を上げていたのですが、それが破綻しかけているのです。

「サンデープロジェクト」では石原慎太郎氏と加藤寛氏が出ていました。今日のテレビは豪華ゲストが揃っています。国会が一段落して話しやすい環境になったからでしょう。その中では加藤寛氏の金利引上げ論が目に付きました。6兆だとか10兆だとか言って減税するより、金利を2,5%にする方が金利収入が15兆も増える計算になるそうです。そうなると銀行や借金を返済しているところは大変で、一気に引き上げる訳には行かないでしょうが、景気が回復してきたら実行するべきでしょう。やはり自然淘汰で強いところだけが残った段階で景気は回復するのです。


超低位株の分散買い投資法。

10月17日
久しぶりにチャートブックを買ってみましたが、国際優良株の7月高値からの値下がりがすごいです。軒並み半値近くに暴落してしまっています。ちょうどNY株式と連動した形になっています。それだけ国際優良株の買い手はアメリカのファンドマネージャーの集中的な買いによるもので、ファンドの解約等により投げ売りに近い形で売られたのでしょう。日本の機関投資家達は高値で売りぬける事が出来たでしょうか。むしろドル買い、NY株買い、日本の優良株買いに夢中だった時期ではなかったかと思います。

100円台の超低位株の動きを見ると、去年の12月から1月にかけて最安値を付けて、途中では2倍以上の値上がりを見せ、再び安値を付けにきています。しかし倒産が予想されるような株はともかく、この1年近くは底値をはっているような感じの動きです。再び最安値に近づいたら再び買って見て、運が良ければ再び倍以上の運用成績を上げられるのではないでしょうか。

私は今も冬眠中ですが、去年の12月から1月も冬眠中で、このような超低位株を買う事が出来ませんでした。超低位株を持ち続ける事だけで精一杯で、買い増しなんて考えられませんでした。しかしその後2月から3月にかけて、超低位株が倍以上に値上がりして、チャンスを逃してしまいました。もし資金の余裕のある人で度胸のある人は、倒産の心配の無い超低位株の銘柄を分散した買いをお勧めします。

このような超低位株は機関投資家も既に処分済みの銘柄が多く、倒産の噂が流されない限り売り叩かれる事も無いでしょう。私が今もっている超低位株はいずれも塩付け銘柄ばかりで、お恥ずかしくて公開できない銘柄ばかりです。いずれも千株から3千株程度で、偵察用に所有しているものばかりです。

前にも書きましたが私のパソコン分析によると、あと1,2ヶ月で底を打ち14200円を超えたら買い転換となりますのでその時は、一大決心をして買い出動してみたいと思います。今のところは決算がらみで企業倒産の噂がいつ出るかもしれず、模様眺めをしているしかありません。勝負度胸のある方は銀行株が一番の値上がり株になる可能性もあります。


経団連の「証券等健全化機構」に賛成

10月16日
本日アメリカのFRBは公定歩合を0,25%下げて4,75%、FFレートも0,25%下げて5,00%としました。これに反応してNY株式も330ドル高です。やはりアメリカもヘッジファンドの破綻から金融の収縮を恐れて早めに手を打ったのでしょう。現在の姉理科の景気は消費は後退し、設備投資も減少し始め、企業業績も頭打ち状態です。バブルを潰すとしてなかなか公定歩合を下げなかった三重野氏とはグリーンスパン氏は違います。

これを受けて東京市場も2円以上の円高で、株式も優良株を中心に300円以上の株高です(12:30現在)。アメリカが公定歩合を下げたと言う事はドル高政策を転換して、国内経済を守ろうとする方向転換を示すものです。公定歩合はまだ年内にも再引き下げが予想されており、株式の動きは神経質な動きをするでしょう。

前々から私は主張し、10月10日の日記にも書いた事に近い事が新聞に出ています。それは新聞によると、経団連は15日、取引関係維持などの為の企業同士が持ち合っている株式を一時的に預かる「証券等健全化機構」の創設や、証券関連税制の見直しと言った総合的な株価対策の検討を始めた。景気回復には「大胆な証券市場活性化策を速やかに実施する必要がある」と判断した。

経団連は、同機構を通せば株式譲渡益課税が軽減できるなど税法上の特例措置を考えており、企業は持ち合い解消を進めるに当たり、株式を市場に放出するより同機構を活用した方が有利となる。下落基調を強める株式市場にとっても有効な株価対策になると見られ、大蔵省などと調整を進めて、月内にも最終案をまとめたいとしている。現在、発行済み株式の約18%がいわゆる持ち合い株になっているが、深刻な不況に見舞われた企業は資金調達の為に株の売却を急いでいる。

最近の株式の下落は、銀行の自己資本の減少につながり、一般企業においても決算のたびに株式相場の急落で保有株式の評価損が膨らみます。新日鉄も98年3月から有価証券の評価方法を,取得原価か時価のうち低い価格を基準にする低価法に変更し、9月末の評価損が555億円にのぼったと発表しました。

証券大手3社と準大手7社も9月期中間期末での有価証券評価損を発表しています。評価損を出した有価証券の大半は大手銀行を中心とする金融株で、取引銀行との持ち合いで保有している。各社とも今月下旬に発表予定の9月中間決算に大きな影響を与えます。銀行が貸し渋るから企業は銀行との持ち合い株式を処分する。処分すると銀行株が下がるから、銀行はなおさら貸し渋る。このような悪循環は何処かで断ちきらねばなりません。

このような悪循環を断ちきるには、国家による大胆なPKO、PLO介入を行うのも一つの方法です。外貨の豊富な台湾や香港では成功している方法です。日本政府や国会議員には株式市場の重要性を認識していない人がほとんどで、自殺した新井将敬氏のように、証券会社にたかれば選挙資金を稼いでくれる程度のところと、思っている代議士がほとんどです。だから誰も株式市場の事を真面目に考えません。

私は何度も証券市場が活況を取り戻せば、もしダウ25000円まで回復するのなら金融危機も自然解決すると主張してきました。アメリカのように専門のファンドマネージャーによる投資信託が発達しており、好利回りのファンドがあれば、1200兆の資産の一部はこのようなファンドに回り、証券市場に還流していたはずです。おそらくこれからしばらくは外人ファンドマネージャーによる日本株ファンドが盛んになるでしょう。

それまでのつなぎの意味としても、国家によるPKOやPLOとか「証券等健全化機構」のようなものが必要と考えます。


国民の景気不安心理も今が底

10月15日
最近の株式関係のホームページを見ると、ダウが新安値付近をうろうろしているだけに元気の無いHPが多くなりました。パソコン分析を見ても底を打つにはもう少し先をみて判断しないと分かりませんが、何とか14200円くらいまで株が上がれば買い信号を発するのですが、1,2ヶ月はじっと我慢で相場を見ているしかありません。国内の機関投資家が特に弱気になっているようです。だから底値は近いでしょう。

新聞を見るとアメリカの銀行も赤字で大変らしい。メリルリンチは第三・四半期の決算で、9年ぶりに赤字を記録して、3400人の人員削減を行うようです。コンサルタントの900人もカットするようです。今朝の新聞を見てもバンカメリカが有力ヘッジファンド、D・Eショーへの融資に絡んで1億ドル以上の損失を発表する見通しだと伝えました。しかしアメリカの銀行は赤字を出すとすぐリストラをして体勢を立て直します。日本もそうなって欲しいものだ。

日本政府は景気対策で16兆円の対策を打ち、金融危機対策で60兆円の法案を成立させました。それに対し株式相場はほとんど反応せず、じり貧状態です。これ以上金融が混乱する事はもう無いでしょう。円も落ち着きを取り戻してきました。あとは企業の倒産がどのように出るかでしょう。しかし去年のような山一、北拓、三洋、といったパニック的な事には成らないと見ていますし、アジアも落ち着きを取り戻しています。

このように冷静に見れば最悪の時期は過ぎたと見るべきで、マスコミが大袈裟に不安心理を煽り立て、消費不況を作り出しているのです。花王の社長が言ってましたが、石鹸洗剤は好況も不況も関係ない商品なのですが、その売り上げすら落ちてしまっているのです。人間生きていく以上、トイレには行くし、入浴だってします。だから石鹸洗剤まで買うのを止めているのは、あくまで心理的に消費を閉めているだけで、今のような異常な状態は落ち着くと思います。

今は企業心理も銀行の心理も冷え切った状態で、いったん経済が動き出せば、こんどは世界からも投資が集まり、デフレスパイダルから、逆にインフレスパイダルに入っていくと見ています。経済政策が効果を表すのは3ヶ月から半年かかります。ですから来年初頭から円高株高が始まり、国民の気分も大分変わってくるでしょう。失業も増えていますが失業は景気の遅行指標であり、失業者が増えればそれだけ企業の経営改善は進んでいると見るべきです。


銀行株は10月1日に底を打ったか

10月14日
今朝の新聞によると、金融機能早期健全化法案が通過し、今国会で成立する見通しとなった事を受けて大手11行が国際業務に必要な自己資本比率8%を下回る可能性があると判断、公的資金を注入する為の申請の打診に着手した。これに応じない場合は金融監督庁と日銀の検査・考察結果をもとに強制的な資本注入も視野に入れている。投入金額は総額で十数兆円に上回る見通しで、一行当たりでは最大一兆円規模になるようです。

金融当局では今年9月中間決算で、新基準に基づいて不良債権を処理すれば、東京三菱、住友、三和の都市銀行三行、長信銀の日本興業銀行一行と信託銀行の2行の6行を除く11行が8%を下回る事が避けられない状況となると判断している。10月11日の日記に書いた表と比べてみても悪い結果が出たとも言えます。つまりほんとの実態が表に出た事により資本注入が出来る事になったとも言えます。

大手の日本の銀行の株価を見ても10月1日を底に上げ始めています。以下の表の通りです。ストップ高付けたりストップ安付けたり乱高下しましたが、株価は金融再生を先読みしているのでしょうか。

銀行名
10/1最安値
10/13終値
上昇率%
興銀
435
500
14
第一勧銀
479
607
26
さくら
165
240
45
東京三菱
801
1048
30
富士
252
364
44
住友
860
1130
31
三和
619
833
34


アメリカにおいても金融危機で一番株価を下げたのは銀行株であり、その後の好景気で一番上げたセクターも銀行株です。この事からして、これから日本に好景気が来た際に一番の上昇株は銀行株も知れません。今日の銀行株を見ると大きく下げています。大きく下げたところは買ってみるのも良いかもしれません。私はまだとてもそのような度胸が無いので銀行株には手が出せないのですが。短期でも長期でも腕に自慢のある方は今の銀行株は面白いと思います。


投資と投機の違いの教訓

10月13日
今日の新聞記事によると金融早期健全化法案は13日に衆院金融安定化特別委員会、引き続き衆院本会議で可決、参院に送付され、今国会最終日の16日に成立する運びとなりました。これと並行して政府は臨時閣議で公的資金枠の増額を盛り込んだ98年度第二次補正予算を決定、これも16日に成立する見通しです。

金融再生策の公的資金の仕組みとしては、破綻した金融機関の預金者保護に17兆円、特別公的管理のブリッジバンク設立に18兆円、金融機能早期健全化勘定に25兆円で、合計60兆円の枠が用意された事になります。と、同時に政府自民党は金融機関からの申請を待たずに、行政判断によって強制的に公的資金を投入できる仕組みを導入する方針を固めた。

これで取り敢えず日本の金融危機が法的に整備された事により、混乱の泥沼に落ちる事はなくなる事でしょう。これから各銀行は生き残りをかけてリストラに取り組む事が期待されていますがどうでしょうか。やはり行政判断で強制的にリストラさせるしかないか、どうなる事でしょう。

今朝のNHKのコラムで言ってましたが、結局はアメリカのヘッジファンドは、日本の住専と同じ構造を持っていると解説していました。銀行から大量の融資を受けそこから更に投資活動をして、世界にバブルを創り壊れました。日本の金融と同じ問題をアメリカは抱える事になりました。ルービン米財務長官は素早く米金融機関に奉加帳を回してLTCMを救いましたが、日本でも最初のころは銀行に奉加帳を回して救済していました。しかしまだ米国は金利を下げる余地がありますが、株と銀行を救う為に金利を下げると、ドル暴落に繋がります。早くヘッジファンドの情報公開が望まれます。

住専にしろヘッジファンドにしろきわめて投機性の高い運用をしていました。アメリカのように何度も金融危機を経験し克服してきたところに、何故ヘッジファンドという怪物が出来てしまったのでしょう。おそらく日本でもこの金融危機が終わればまた同じような事を繰り返すと見ています。一番大事な事は投資と投機を間違えない事です。以下は昨日と同じく葛和満博著「石橋をたたいて渡る資産運用法」からの抜粋です。

新しい投資の対象として、リースマンションへの投資がブームになった事を覚えておられる人も多いだろう。杉山商事、マルコー、ライベックスなどの各社が、争ってワンルームのリースマンションを売り出し、投資家に対し賃貸収入と同時に、将来のキャピタルゲインを約束したのである。

1980年代末のバブル全盛時代には、リースマンションは爆発的に売れた。しかし、バブルの崩壊と共に前記各社などが相次いで倒産し、一時は社会問題にもなったほどである。当時3000万円を超える価格で売り出された6坪ほどのワンルームマンションが、今では1000万円までダンピングをしても、買い手が付かない事態になっているのは、ご存知のとうりである。

なぜ、リースマンション投資は駄目になったのだろうか。私の意見を記していおこう。ワンルームのリ−スマンション投資は、家賃を得ると言う意味で確かに収益不動産への投資だった。しかし、マンション供給業者も投資家も、真実の期待は収益ではなく、資産価値の上昇や節税狙いだけにおかれていたのである。

デベロッパーは投資家が持つキャピタルゲインの期待を煽り、それに乗った投資家はマンション価格の上昇を期待して投資したのである。その結果、不動産投資で最も肝心な収益性への配慮がおろそかになった。ワンルームマンション投資ブームとその悲惨な末路は、不動産投資をするさいの大きな教訓を与えてくれた。正確な家賃の予測に基づいて、それに見合うだけの物件購入価格でなければ、収益不動産への投資は失敗すると言う教訓である。


株と不動産の流動化政策を実施せよ

10月12日
今日の東京株式は500円以上高くなり、13400円前後しています。(12:30現在)NHKの野中官房長官も記者会見で、金融機能早期健全化法案において、金融機関からの申請が無くても行政命令で健全行にも公的資金を注入できるようにしたいと述べました。おそらくさくら銀行と富士銀行を意識した発言だと思いますが、両行とも株式を低価法で評価した場合BIS基準の8%を割る可能性がありましたが、これで強制的に公的資金が注入され、自己資本を充実させる見通しが出来ました。

早期健全化スキームの予算も10兆円から、民主党の言う50兆円に拡大される見通しです。早ければ明日の衆院本会議でこの法案が可決される見通しです。これで大手銀行に対する破綻前処理の法的整備が出来た事になり、大手銀行が市場によってバタバタと整理されて行く最悪のシナリオが回避される事になります。長銀は公的管理下に入る事になります。長銀の株価は既に9円です。おそらく3月末決算において民主党の言う通り破綻状態で、横並び的資本注入は間違いだったのでしょう。

銀行株はAクラスの銀行中心にストップ高です。特に富士銀行とさくら銀行は注目です。もし公的資金が注入される事になれば、大胆なリストラが避けられません。銀行の横並び体質からして他の銀行も似たようなリストラを行わざるを得なくなるでしょう。今まで銀行株は持ち合い解消売りや、ヘッジファンドの売りで売り叩かれてきましたが、意外と大反発する可能性も出てきました。あとは土地と株の問題を解決する事により不良債権の処理も目処が出てくる事でしょう。

株式に付いては10月10日に述べた通りですが、ヘッジファンドの動き次第では、円高株高を狙って買ってくるかもしれません。そうなれば来年あたりにはダウ25000円も夢ではありません。世界を見渡しても米国とヨーロッパは天井を打ち、エマージング市場は不安定で巨額の資本の受け皿となりません。当然8年間も低迷し金融問題も解決されれば、ヘッジファンドは東京に殺到するかもしれません。(楽観的すぎるかもしれませんが)

残る問題は低迷する不動産市場問題ですが、以下は葛和満博著「石橋をたたいて渡る資産運用法」からの抜粋です。

不動産流動化と言う問題を解決する為に必要な事は、一部で期待されているように、もう一度ミニバブルを起こして地価を上げる事ではない。放置されている一等地に、収益を生ませる事が何よりの緊急の課題なのである。すなわち、不良資産をビジネスにする事である。

誰もがそこに店舗を持ちたがっているような一等地、私の言う「使える土地」であれば、そこにビルが建ち、店舗が出来、賃料水準さえ妥当であれば、間違いなくテナントが集まる。その結果、何も生まない土地が、収益を生む不動産に変貌するのである。収益が生まれれば、銀行の貸し付けも少しずつ回収されていくはずである。こうして、不良債権化した土地も、少しずつほぐれ、流動化が始まるはずである。

最大の問題は、土地を担保にとっている銀行が、売る事も出来ないし、さりとて事業化ののための資金を出す事も出来ないでいると言う現実である。不動産の収益力に見合う価格(すなわち、収益還元法による適正価格)で、権行がこの土地を売却すれば、買い手は表れる。


金融機能早期健全化法案の成立

10月11日
昨日の新聞では、政府自民党は9日、大手都市銀行のさくら銀行、と富士銀行に対して、公的資金によって、資本注入をする方針を固めた、と発表しました。両行は、主要取引先などに増資の要請を行っているが、償却が必要な不良債権の額を勘案すれば、自助努力だけで、再建するのは困難と判断した。

政府与党は、現在、進行中の監督庁の検査などからすれば、両行の自己資本比率は国際業務を行うのに必要な8%を大幅に下回ったままにとどまると判断した。必要な公的資金は申請があり次第検討するが5千億円から1兆円に上回る公算が大きい。

今日の新聞によると、富士銀行とさくら銀行の両行は「当行が公的資金を申請する事はありえない」と明言しました。しかし両行の今年3月末の融資残高は富士が32兆円、さくらが35兆円と膨大で、自己資本の充実を公的資金で支援するのが適切と判断、両行以外の都銀に:注入の対象を広げる事も検討している。この資本注入の根拠となる「金融機能早期健全化法案」は近日成立の見込みで、富士とさくらは決算発表までには申請せざるを得ないと思われます。

金融機能健全化法案では公的資金を投入する場合は、経営者の責任やリストラを義務づけることになっており、両行は従業員、店舗の縮小など抜本的なリストラを迫られる事になります。それとも海外支店を全部撤退するかしかありません。以下の表は「週刊ポスト」に出てた主要9銀行の実質自己資本の表です。9月末の最新のデーターによるものです。(単位億円)

銀行名
簿価自己資本
実質自己資本40%
実質自己資本20%
第一勧業
14,430
2,164
14,229
さくら
12,981

6,013
東京三菱
18,647
19,302
25,883
富士
11,408

2,759
住友
11,380
5,307
14,200
大和
4,754


三和
14,387
3,961
13,572
東海
7,784
1,140
6,397
あさひ
7,538

5,704
都銀計
103,309
13,671
86,871


それにしても銀行の頭取は頑固で、最後の最後までリストラをしようとしません。公的資金投入してリストラさせるしかないのでしょう。しかし富士とさくらは公的資金を申請するだろうか。それが心配だ。


銀行の経営危機は株高政策で解決する

10月10日
昨日の新聞に、クリントン米大統領は8日、ホワイトハウスで記者団の質問に答え、1ドル=11円台に上昇した急激な円高・ドル安について「円が強くなることは当然、良い事だ。円はあまりに弱すぎた」と全面的に円上昇への指示を表明した。ここにきてクリントン大統領も、通貨マフィアのルービン財務長官を見限り、正常な政策に戻った事と言うべきでしょうか。ルービン財務長官の金融帝国主義は対アジア経済支配戦略までは上手くいってましたが、ロシアや中南米金融経済までおかしくしてしまい、ついにはLTCMのようなヘッジファンドの破綻は、米国内経済にもこれから悪影響をもたらすでしょう。

このようなクリントン発言からして、円高傾向はしばらく続くでしょう。という事は、アメリカを経由して世界に流れていた円資金は逆流して日本に戻ってくる事に成ります。現在のマネーは金利よりも為替動向の方が大きな影響力を持ちます。日本の証券会社がドル債は5%の利回りですよと宣伝したところで、わずか一週間で1ドルが20円も安くなっては、ドル債の好利回りも吹っ飛んでしまいます。ですからこれからは金利よりも、為替相場を見ながら外貨預金をすべきでしょう。

東京株式は146円安のダウは12879円となりバブル崩壊後の最安値を付けました。単純平均から見れば1万円そこそこまで下げていたのですが、国際優良株との二極化相場でダウはお化粧されていたのが剥げ落ちて、実態の株価水準に近づいてきたと言えます。ダウが12000円台ともなれば金融のみならず日本経済に多大な影響を与える事から、政治もなりふりかまわぬ対策を打たざるを得なくなってきました。ですから銀行株を始め売り叩かれてきたゼネコンそして低位株等は上げている銘柄が多い。世界から還流してきたマネーが株にも修正局面を見せています。

株高は銀行の自己資本比率にも影響してきます。外資系の銀行が盛んに、日本の大手銀行が第二分類の引当率を20%とか40%とかにしたら多くが債務超過と言う資料を流しています。テレビまで盛んに同じ事をやっている。悪質な風説の流布にあたるのではないでしょうか。

私は去年から何度も主張しているのですが、昭和40年に行われた共同証券保有組合を作り、公的資金で株式を支え金融危機を脱し、最終的には利益を出して黒字で解散しました。うれしい事にこの意見に同調者が続々と表れている事はうれしい事です。以下は経済評論家田中直毅氏の私案です。

@現在の上場株式の時価総額は300兆円前後だが、そのおよそ一割に相当する30兆円を買い入れ基金として特別勘定に用意する。
A買入資金の投入額は期間ごとにあらかじめ決め、多期間にわたって投入する。
B購入は株式投信とし、投信の購入は多数の投資顧問業者等に委ねる。業者のパフォーマンスに関する情報はすべて開示する。
Cこの株式購入の特別勘定が消滅するきっかけは、年金改革等を通じて個人投資家の明確な参入が観察される時とする。
Dこの特別勘定の投信売却を通じての消滅は結果としてキャピタル・ゲインを生む事が望ましいが、、たとえキャピタル。ロスが生ずるときであっても、その存在をあまりにも長引かせないと言う配慮の方を優先させる。

以上が田中直毅氏の私案ですが、別にもクラブ9のHPも同様な意見を発表しています。

住友信託、長銀との合併白紙化

10月9日
今日も円が4円50銭の円高で117円台です。8月の147円から30円の円高です。ついにドルも20%も安くなりました。NY株もドル相場も20%も安くなった事は、トレンドの変化と見るべきでしょう。この事は日本市場に付いても言えるのではないかと思います。今までは国際優良株が高値を更新し、銀行株を始め国内株が安値を更新して二極化相場だったのですが、これが逆転して国際優良株が下げ、下げ続けた国内株が買い戻される展開を予想します。

昨日は国際優良株が派手に下げる反面、私の持っている低位株はさほど下げてはいません。このまま円高が続き日本に資金還流が続けば、いつまでも円のままではなく株式市場にも一部は流れてくるでしょう。また16兆円の景気対策も来月あたりから効果を表してきます。という事は今まで一番売り叩かれてきた銀行やゼネコンが買い戻しと新規買いで、投資効果が一番あるのではないかと思います。倒産が予想されるところはもちろん対象ではありません。

ついに前から私が述べてきたとうり住友信託は長銀との合併を白紙化しました。これから長銀はどうなるのでしょうか。このような金融機関の再編成は時間をかければかけるほど、拗れて手の施し用が無くなります。現在の民主党や自由党の抵抗や、鈍牛総理のもたもたした対応は問題を余計こじらせ、日本の金融危機は長引く事でしょう。

金融監督庁の検査が終了したら、速やかに救う銀行と、救済合併させる銀行とに分け、大胆な銀行の再編成を行うべきです。8月27日の日記に書いたような基準に基づき、金融当局の主導の下で、金融秩序の回復を図るべきである。しかしこれは始まりの始まりであって、根本的な不良債権処理は時間がかかるだろう。国民の理解も必要だ。


神話を信じる人は利用される

10月8日
円が急騰しています。7円高で121円台です。これは今までヘッジファンドが超低金利の円を借りて、金利の高いエマージングマーケットやNY株に投資していたのを、今慌てて清算の為にマネーが逆流している為です。ヘッジファンドの好利回りの原因も、日本の超低金利資金と米政府高官のドル高誘導発言によるアメリカへの資金流入とNY株高によるものでした。LTCMの破綻もデリバティブとはいっても、化けの皮が剥がれて単なる超ハイリスクの信用取引みたいな事をやって失敗したのです。

アメリカの銀行もこのようなヘッジファンドに大量の資金を貸し込んでおり、アメリカの銀行株も大暴落しています。つまり日本の銀行もアメリカの銀行も正体不明のヘッジファンドや地上げ屋に貸し込み、焦げ付きを作りあげたのです。つまり日本の銀行は土地神話に悪乗りし、アメリカの銀行はヘッジファンド神話に悪乗りしてしまったのです。天才と言われるソロスですら100戦100勝ではありません。中にはいいかげんな連中も混ざっています。今日は菊池哲郎著「日本には日本の経済がある」からの抜粋です。

土地を担保にとってお金を貸すと言う方法が日本ではバブルの前から徐々に定着してきた。ずいぶん前からそうだったように思っているかもしれないけれど、そうではない。土地担保も確かにあったが、それはどちらかと言うと念のためと言う類のもので、土地さえあれば幾らでもお金を貸すと言った悪弊が横行したのは、まさにバブルの時代であり、その事がバブルをますます膨らませていった。愚かな事ではあった。その時は間違いないと思ったが、実はものすごい間違いだったのだから、人間の判断などたいしたものではない。

金融機関たるものの神髄は、結局、眼力なのである。土地などと言うものにいいかげんな金貸しをした事がいけなかった。昔ながらに、信用できる人にお金を貸していれば、こんな事には成らなかったのである。人ではなくて土地に金を貸したのがいけなかった。そのおかげで合計では何十兆円ものお金を日本の銀行はなくしてしまった。

そう見てみると土地神話はやはり人工的に作られたものであって、金融機関や不動産会社が自分で楽をするために、編み出した嘘と言う事も出来よう。言葉が一人歩きした。たかだか何十年かその言葉のとうりに現実がたまたま動いた訳である。それでも将来、土地神話を信じていった方がいいかもしれないと言う誘惑はまだ残っている。くどいようだが、それを信じる事はあくまでも悪い人か、政府か、金持ちか、そのどれかに結局は利用される事になるだけの事である。

これからの土地の値段がどうなるかと言う事は、土地をどのように利用していくのかと言う事にかかる。従来と何も変わりなく、結局はお金の量が土地の利用方法を決めていくやり方を続けていくなら、利用価値の大きい場所は徐々に値段が上がっていく。そうでないところ、つまりは貧乏人が持っている土地はいつまでたってもろくな取引の対象にならない時代は続く。

したがってそれをどのように使うかが最も大事な事だ。一生は一度しかない。そのたった一回の経験を気分よくすごさせるのが、環境と言うものだ。それを最大限にすばらしいものにしていくのが、現代政治の役割だ。その根幹が土地利用に対する哲学と政策であろう。それが日本では土地私有に任せっきりなのだから、呆れ返って私は物も言えないと言うのが、本当のところだ。


アメリカの経済外交の大転換

10月7日
今日の東京株式は「早期健全化スキーム」の成立見込みを好感して803円の大幅高となってダウも13825円で引けました。銀行株も大幅高しています。円も3円以上高くなって130円前後しています。私は前々からNY株とUSドルは高すぎる。と主張し外債投資はするなと警告してきました。為替変動リスクのほかに為替手数料を考えたらとても外債で儲かるものではありません。

外債投資はあくまでも円高が行き過ぎた時、例えば1ドル=80円などと行き過ぎた時買うべきものです。外国資本の手先のような経済評論家は円安は更に進み1ドル=200円とか言ってますが、日本はインドネシアではありません。私が尊敬する米国の経済学者ドラッカー氏は最近の雑誌で1ドル=80円に成ってもおかしくないと言っています。

LTCMなどのヘッジファンドの破綻はまだ氷山の一角であり、アメリカ株式、経済にかなりの打撃となり長引く問題となるでしょう。南米も第二のロシアになり兼ねず、ルービン長官の最近の言動を見ると、とても4ヶ月前の発言と比べてみても同一人物とは思えません。3日のG7においてもルービン財務長官とと宮沢蔵相は「過度な円安懸念を共有し、引き続き両国が緊密に協調していく事で合意した」と発表しています。

クリントン大統領も6日ワシントンで開かれたIMFと世銀との合同総会で演説し、日本について「世界第二の経済大国でアジア最大の大国として金融危機克服のための役割を担わなくてはいけない」と述べ、アジア危機克服の為の300億ドル金融支援構想を念頭に「アジア金融危機の回復努力に貢献する日本の表明を歓迎する」と評価する姿勢を示した。

半年以上前の、IMFを通じてアジア支配を目指していたアメリカは、日本が97年11月から12月にかけて、大蔵省の榊原財務官などが中心になって、アジア通貨基金の設立を試みました。しかし、アメリカは中国と手を結びこの動きを潰してしまった。アジアにおけるドル基軸のIMF体制が揺らぐ事を恐れたからです。これはクリントンが米中連合による日本の影響力排除を目指したのです。それに比べるとクリントンも今月6日の演説を聞くと同一人物とは思えません。

まさにアメリカは中南米の金融危機で手一杯になってしまったのです。それがいつアメリカ本土に襲ってくるか分からない状況なのです。まさにアジアの事は日本に任せたよとボールは投げられたのです。以下は石原慎太郎著「ONと言える日本経済」からの引用です。

1997年夏のタイ通貨危機以降アジア経済が混乱していくさなか、日本政府が本気になって「アジア通貨基金」を周辺国と協力、設立しアジア危機の救済に乗り出そうとした事がありました。きっかけはタイの大蔵大臣の「アジアにはアジアの為のアジアの通貨ファンドを創設しよう」と言う発言で、これに即座に大蔵財務官の榊原英資が反応し、当時の三塚大蔵大臣に「乗りましょう、この話」と意欲をしました。日本はこの時、1000億ドル程度はに本が中心になってまとめあげる腹積もりだったと思う。

タイがそういう提案をした裏にはIMFやアメリカは口は出すが金をなかなか出さないと言う不満があって、実際タイの通貨危機救済には1ドルも出していなかった。日本政府がタイの提言に乗り気になったのは、このままではアジア危機が深化しとんでもない事になる、日本にも大きな被害をもたらすと言う計算が当然ありましたし、日本の出番と言う気負いもあったはずです。しかしそれは結局後述のアメリカの反撃でもろくもつぶされました。

アジア通貨基金があの時点、1997年秋にスタートしておけば、その後の状況は大きく変わっていたのは言うまでもありません。しかしそんな事をされてはアジア危機を演出していくアメリカが困る、シナリオに無い勝手な筋書き変更など絶対に許さないと顔色を変えて怒った。1997年9月末に香港で開催されたIMF総会でルービン財務長官が、「何をやろうとしているのか、あなた方は。すでにIMF総会があって機能しているのにIMFの上に更に国際金融機関を乗せるのか。まったく必要ない」とまくしたて、全員が白けてしまった。

しかしこの件があってルービンが打った手が二つあり、一つは各国の不満が高じないようにIMFが仕切る形で金融支援を一部急いだ。それも日本がもっと出したいと言っても日本がそんなに出すとバランスが崩れる、インドネシアに日本は50億ドル出しなさい、韓国には100億ドル、などといろいろ指示した。

二つ目の手は、ルービンはIMF総会出席後、香港から北京へ飛んだ。そこで朱溶基と話をして、「日本がしゃしゃり出できて、円圏を作りたいのか、日本が金を出してアジア通貨基金と言うものを創ろうとしているけれども、北京としては賛成ですか反対ですか?」。

朱溶基は答えて、「どっちでもない。あんまりやって欲しくない」と。そしたらルービンは、「それなら、あなたが反対してくれ。あるいは賛成しない姿勢を示してくれ。そうしてくれるなら、IMFとしては香港経由、人民元を揺るがせるような通貨危機を仕掛けるような動きを抑えるように回りますから」と言う密約があった。現実は確かにその後そのとうりになった。

(このようにクリントン大統領とルービン財務長官のアジア経済支配戦略は失敗し、日本にその後始末をさせられようとしている。だからこそ日本経済の景気回復はアジアにも大きな影響がある。)


郵便貯金の解体・再編が必要だ

10月6日
今日は何とか東京株式は13000円を何とか回復して、73円高の13021円で引けました。銀行株も落ち着きを取り戻しています。このホームページでは銀行の問題を取り扱ってきましたが、もう一つ日本には金融問題が横たわっています。郵便貯金です。これが現在の日本の銀行経営の足を引っ張る原因になっています。以下は田中直毅氏の意見です。

まず郵便貯金の激増ぶりから点検してみよう。92年度末において郵便貯金は170兆円、国内銀行の預金残高は465兆円であった。郵便貯金はその後も年率で7%程度の伸び率を続け、97年度末で240兆円になった。他方、銀行預金は95年度と96年度には残高を減らし、伸びた年度でも1%以下で、97年度末では473兆円にとどまっている。5年間に郵便貯金は70兆円増、銀行預金は8兆円増と言うのが実態であった。

郵便貯金は中央政府の負債である。銀行預金は銀行部門の負債である。郵便貯金に対しては預金のように保険料の野積み立てを強制できない。銀行預金は2001年4月以降ペイオフ実施され、1000万円を超過する分については、銀行が破綻した時には一般債権者と同等の立場に立つ。これに対して郵便貯金は納税者のカネでもって払い戻しが保証されている。

政府の銀行である資金運用部に入った郵便貯金の資金は、運用と言うかたちで再び実体経済に還流する。ところがこの出口のところで目詰まりを引き起こしているのだ。例えば金融債が典型的である。92年度末では資金運用部が保有する有価証券のうち金融債は10兆円であった。これが94年度末には7兆円にまで減り、その後8兆円台まで戻したが、97年度中には4兆6千億強の減少で4兆円まで減額した。長期信用銀行にカネが無い状況をを生み出した有力な要因は、政府の銀行である資金運用部の運用でもあったのだ。

金融システム不安の顕在化の中で、郵便貯金への資金シフトが大量に発生し、バランスシート調整も、規律づけも不可能な部分が肥大化した。これが民間銀行に対する過大なしわ寄せになっている。もし政府や国会が銀行の貸し渋りやバランスシート調整の遅れが多大な問題を引き起こしていると判断するならば、郵便貯金の肥大化を不問としている事は全く解せない。

2001年4月にペイオフが実施されるまでに、郵便貯金の分割民営化が実施されなければ、銀行に金が無い状況が長期化する事も覚悟せねばならない。この点に付いては政府と国会は立法を通じて郵便貯金の解体・再編をおこなうだけで前提条件を満たす事が出来る。金融システムの安定化に果たす立法者の役割はどうやら立法者に十分理解させないまま今日に至っている。緊急性についての感度の鈍化は危険水域にまで至っていると考えざるを得ない。


野党は銀行と企業を連鎖倒産させたいのか

10月5日
今日の東京ダウはまたもや13000円の大台を割り247円安の12976円です。(前場終値) 私は今年の1月初めの頃のような冬眠中です。しかしパソコン分析で買い信号が出たら買って出られる用意はしています。何故下げているのかは私がこのホームページで書いてあるとうりです。貸し渋りで企業は愛想を尽かして銀行株を売り、銀行も持ち合い解消で売り、さらに外資もLTCMの破綻により年金解約が増えて換金売りも出てきているのでしょう。売り手ばかりで買い手不在の相場です。

今週の「週刊ポスト」によると、「金融監督庁は長銀への立ち入り検査に付いて現在も継続中と言う立場を取っているが、実際には、不良債権の分類など詳細な分析を終えており、政府・自民党中枢部と、野党では民主党首脳部だけに密かに報告されていた。」と書かれています。以下の表は「週刊ポスト」が入手した最新の長銀大口融資先リストです。

順位
グループ名
企業数
金額(億円)

日本リース
30
5278

住宅金融債権管理機構
1
4554

日比谷総合開発
6
4169

日本ランディック
10
3872

イ・アイ・イ
17
2615

川崎製鉄
65
2529

東京電力
15
2385

エヌイーディー
9
2340

日本信販
9
2308
10
熊谷組
21
2112
11
セゾン
60
2100
12
そごう
51
2044
13
エルカクエイ
8
1915
14
ダイエー
20
1790
15
NTT
39
1730
16
ライフ
5
1651
17
オリコ
3
1573
18
横浜市建築助成公社
1
1416
19
共同債権買取り機構
1
1398

98年3月末総与信総計

168717


以上の融資先リストにあるゼネコンや流通大手など5社の名前を具体的に挙げ、こう驚くべき内容を語ったのである。その5つの企業グループへの融資は我々の検査では第二分類になっています。もし、長銀が潰れるようなことになれば、他の銀行からも融資を受けられず、ご承知のとうり、北拓が破綻した時は、やはり第二分類だった融資先がいくつも倒産しました。しかも、長銀は本来なら貸倒引当金を積まなければ成らないそれらの債権に付いて、引当をしていない。

それらの企業グループが倒産する事態になれば、そこに融資している長銀以外の金融機関も大きな被害を受ける。とくにA銀行グループなど、耐える体力はありません。長銀を潰せば、金融機関が連鎖倒産する危険性があります。

そもそも破綻同然の長銀がこれまで潰れなかったのはなぜか。じつは、与野党協議が長引いている間、大蔵省は長銀に「生命維持装置」を付けている。長銀は毎月、5000億円規模の金融債償還を迫られ、大量の資金流出が続いていたが、そのたびに大蔵省が金融機関や特殊法人に働きかけて長銀に大口預金させ、資金繰りを支援してきた。いわば与野党合意の下に長銀を延命させてきたのである。・・・2ヶ月近くにおよぶ与野党協議は、金融システム安定どころか、逆に日本経済をどん底に叩き落とす最悪の事態を招いた。(週間ポストの記事より)

ルービン米財務長官が、9月19日にLTCM危機が表面化してからたった5日間で対策がまとめられ、危機を防いだ手腕を見るにつけ、小渕総理と宮沢大蔵大臣は何をしているのでしょうか。何も分かっていない民主党の代議士がどんなに騒ごうが、やるべき事は素早く、私が前から主張しているとうり、公的資金を投入して住友信託と合併させるべきだったのだ。


民主党は金融業界が分かっていない

10月4日
今日は朝からテレビはワイドショーになってしまい、保険金詐欺詐欺で夫婦の逮捕を朝から延々と特別番組を放映し続けました。おかげでフジテレビの堺屋経企庁長官と菅民主党代表の対談は流れてしまいました。たしかに和歌山の砒素入りカレー事件は大事件ですが、経済破局問題の方が国民経済に直結した大問題のはずなのだが、フジテレビは何を考えているのだろうか。

「サンデープロジェクト」では自民党の津島氏、保岡氏、民主党の枝野氏、自由党の鈴木氏が議論していました。野党は現在の銀行業界の事が分かっていないのがはっきり分かった。情報公開が必要なのは与野党一致しておりますが、ただし現在は一行でも大手銀行が潰れれば大変なことになることが分かっていない。枝野氏は「長銀が潰れて何も大変な事が起こっていない」と述べていることにびっくりしています。

日本リースは債権放棄が否定されたことにより倒産しました。長銀の住友信託との合併もほぼ御破算となり公的管理下に置かれることに成ります。そしてその影響はじわりじわりと現れてくるのです。枝野氏は「情報公開したからといって銀行がみんな潰れる訳が無い、自民党の言っている事は脅かしだ」と暴論まで吐いてます。枝野氏は現在の金融の仕組みが分かっていないのだろう。

日本リースが潰れたことにより大口融資した銀行の株価が売られ、農協系金融機関の信用問題も浮上してくるでしょう。それが実際にどのように問題が表面化するか分からない。農協系だけでも3500億円焦げ付いてしまったのだ。担保が取ってあったとしてもどれだけ回収できるか、おそらく何分の一かであろう。いずれ大きな社会問題として浮かび上がってくる。

まだ正式には潰れていない長銀はどうなるだろうか。長銀が公的管理に入り清算しなければ成らない。長銀は他の大手行とゼネコンに協調融資している。その一角が崩れる事は、その分他行にリスクが及ぶ事に成る。優良ゼネコンですら長銀の分を肩代わりしてくれる銀行を見つけるのは難しいだろう。苦しいゼネコンは資金繰りにゆきずまり倒産も出てくる事だろう。

自民党の津島氏、保岡氏も、銀行が潰れるとばかり繰り返すだけで、説得力のある説明が出来ず、田原氏が代わって枝野氏に反論する始末で、枝野氏は自民の両氏に、「業界、大蔵、族議員が経営責任をあいまいにしようとしている」と追求されても反論も出来ない状況で、現在の自民党は人材的にもふがいなさすぎる。紺屋典子女史の方が今の自民党の代議士より迫力がある。

とにかく日本の今の銀行業界は一行が倒れるとバタバタバタと弱いところから連鎖倒産する事も考えられる。銀行と言うところは公的資金を入れる代わりに経営責任を追及されるくらいなら倒産した方がマシだと考える自分本意の人間達が経営トップに居る。以下は長銀出身の竹内宏氏の意見です。

長銀の行員から見ると、最初から破綻の方が良かったかもしれませんね。合併されても破綻でも、結果は一緒だった。長銀のケースは、代表者は国会へ引っ張り出されひどい目にあっているし、これだけ叩かれて泥棒だと言われて、すべてにわたって合併の方が損なんですよ。破綻だったら株主訴訟ですっきりしているし、必ずしも元代表取締役が退職金を返さなくてもいい。

拓銀と同様に、行員はお気の毒にとねぎらわれるかもしれない。拓銀は80%再就職してんですよ。だから今度のは「長銀モデル」にはならず、ことによると公的資金は頼まん、頼んだらひどい目に合う、それよりも破綻だとなるかもしれませんね。

こうなると、拓銀方式の方がよっぽどいいですね。株主訴訟でやってもらって、ちゃんとルールに従って破綻するから。もう長銀ではだれもが行政指導は良くないと思っているかもしれませんね。だから、合併の形式はもはや二度と出ないかもしれない。



西欧と日本の銀行トップのモラルの差

10月3日
昨日はさくら銀行とドイツ銀行が資産運用業務を中心に提携を検討していることを発表し、そして興銀と第一生命が資本関係を強化したうえで全面的に業務提携することで合意したと発表しました。大和銀行も興銀を軸とする金融大連合に参加する方針を明らかにしました。あさひ銀行と東海銀行の提携も発表されたばかりです。ちょうどバブルの頃貸出競争に走ったのも横並びなら、金融機関の合従連衡も横並びで走り出しています。富士銀行も単独では生き残りが難しいと外資系との提携を模索しています。

このような提携から合弁会社設立そして資本提携と形はさまざまでめまぐるしい。まさにビックバンたけなわです。しかし首脳同士が握手をしている裏では、仲間内同志で熾烈な主導権争いが待ち構えていることでしょう。ちょうど長銀と三井信託の合併は100%なくなりましたが、それぞれ国内金融機関は不良債権をかかえ、相手に対する疑心暗鬼を抱いての提携でしょう。むしろ富士銀行のように単独でリストラをして、自主的な情報開示をすることが、金融再編の順番としては最初ではないかと思います。

とにかく相手の正体も分からず、グループ作りに熱中する姿に疑問を持ちます。まるで企業文化も企業形態も異なり、どれだけ相手が不良債権を抱え込んでいるのか分からないのだ。とにかく安易な業務提携は逆にビックバンに後れを取ることになるのではないかと危惧します。

ヘッジファンドの本家本元のルービン米財務長官は1日ニューヨーク市内で講演し、LTCMの救済策に対して金融機関の救済が目的でないことを強調しました。しかし、これまで情報開示などが十分でなかった。ヘッジファンドに対し、今後規制の強化が必要になる、との見解を明らかにしました。今までのヘッジファンドの後見役だったルービンの180度の変化には、ゴールドマンサックスの出身だけに打つ手が早い。

またLTCMの事実上の破綻に対して、欧州銀行の最大手のUBSは2日マティス・カビアラベッタ会長の辞任を発表した。UBSはLTCMへの投資で7億1700万ドルの損失を被ったことを公表、同会長は信用を失った責任を取り、辞任しました。リスク担当役員ら3人も辞任しました。この点でも日本と欧米との銀行役員の責任の取り方の違いを感じざるを得ません。今まで日本の銀行の破綻していない銀行で、膨大な不良債権の責任を取って会長や役員が居ただろうか。また住友銀行もLTCMに1億ドル投資していたことも報じられています。しかし住友銀行の会長は責任を取って辞めないだろう。


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