詩集より生への輝き
 生への輝き

身体が少しずつ
弱って来ている
これからは
素直に
 受け入れて
生きて行きたい  
多くの人に
 ささえられて
生きる幸せを
かみしめながら
そして
生きる事が
輝くように
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詩集より奇跡
 奇跡
必ず歩けるように
 なるからねと
励まし続けている
会話は出来るのに
立つ事が出来ない
病状からして
再度立つ事は
考えられないが
気持ちの何処かで
奇跡が
 起きる事を
待っている
年齢の事を
考えても難しい
でも
奇跡を
 望んでいます

 

                                                          

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詩集より立てた
 立てた

立てればとの
願いを込めて
手を
添えてみた
立てないはずと
思っていたのに
立てた
立てたんです
立てる事が
こんなにも
嬉しいとは
こんなにも
素晴らしいとは

     
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詩集より
 介護の現実

介護が
楽しくなるか
苦しくなるか
大変になるか
暗くなるか
明るくなるか
どれもが現実です
でも懸命に
生きている事も
現実です
介護する方は
現実を選べるが
介護される方は
現実を選ぶ事が
出来ないのです 

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詩集より明るい介護

4 

 明るい介護

苦しくって
疲れて
暗い介護は
したくない
希望が持てる
明るくて
楽しい介護が
したい
必ず
出来るはず
愛情いっぱいに
自分を
ここまで
育ててくれた
親だから

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詩集より母は悪くない
 母は悪くない

思う様に身体が
動かなくなって
暗く
考え込んでいる
母だった
家族に迷惑を掛けて
申し訳ないと
泣いていた
母は悪くないのに
病気が悪いのに
母は泣いて
詫びていた
その母を見ていて
母を泣かしている
病気を
何とかしたいと
思った 

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詩集より母のあし
 母のあし

寝たきりになって
使わなくなった
母のあしが
日増しに
細くなって来た
この足で
踏ん張りながら
自分達を
育ててくれた
この足で踏ん張り
重い荷物を背負って
家族を養ってくれた
有難うと
感謝の気持ちが
湧いて来ました 

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詩集より告知

  告知
病状が日増しに
悪化している
母が切望して
家へ帰りたいと
言っているので
タイミングを
ねらっていた
担当医師から
残念ながら
心臓と肺が限界で
持っても
あと半年ですと
告知された
病室に戻り
欲しいもの有ると
聞いた
出てきた言葉は
一言だけ
家へ帰りたい
私の腹は決まった

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詩集より半年後
  半年後
母の願いが叶い
家での
生活が始まった
見た目だが
顔色が
良くなっている
担当医師から
あと半年と
告知された
でも
気持の中で
反発していた
そんな事はない
半年後から
良くなってくる
子供の様に
反発をした
寝ている母に
声を掛けた
半年後に
散歩しようねと

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詩集より母の気持ち
  母の気持

今日の母の顔は
少ししわを寄せて
厳しい顔に
 なっている
どうしたのと
聞くと
どうしてこんな事に
なってしまったのと
思う様に
動かなくなった
自分の身体に
いら立っていた
人に迷惑を
掛ける事が
大嫌いだった
母の気持ちが
痛いほど分かります

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詩集よりしものせわ
 しものせわ

身体は
思う様に動かない
意識は
しっかりとしている
まさか
しもの世話を
息子に
 してもらうとは
ゆめゆめ
 思っては
いなかったはず
誰にも分からない
この複雑な気持ち
母の
思っている事を
想像しただけで
ものすごく
辛くなります

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