光に近い色の世界

2013年(平成25年)10月1日〜10月31日まで

版描画家の神保秀光さん
活動40周年、宇都宮で個展


光に近い色の世界

2013年(平成25年)10月11日


   
独自に考案した版描画に取り組む壬生町の画家、神保秀光さん(70)の活動40周年を記念した個展が、宇都宮市上大曽町のホテル東日本宇都宮ギャラリーで開かれている。
   
神保さんは東京都大田区出身。貧困の暮らしの中、小学校の教師に勧められて10歳から詩を書き始めた。1963年から約10年間、広告デザイン、孔版、写真製版を学んだ。

73年から始めた版描画は、版を数十から数百回重ねることで微妙な色を表現する技法。「詩を書いた時の気持ちを色で表現できないか」と研究を重ねてきたという。
   
離れて作品を見ると、浮き立って見えたり蛍光色のように光って見えたり、光の当たり加減によって色合いが変わったりする不思議な作品だ。
   
2003年には大田区の全中学校に作品が常設展示され、美術の教材になった。絵画では初めての手法といい、06年には特許庁で商標登録された。
   09
年には、書きためた詩103編に版描画50点を添えた著書「生きていればこそ」を出版した。
   
個展では25年前の作品から近作まで、風景、富士山、月などを描いた60点を展示。スケッチ前にその場で感じたことを書いた、希望や勇気を与える詩を添えている。
   
神保さんは「版を重ねることで表現した、光の世界に近い色の世界を見てもらい、励みにしてほしい」と話している。