訓練日記 2001年9月〜11月

2001/9/9

臭いをつけるさらし布
選別布
選別布の保菅
選別布の保管
布をつかむ鉗子

鉗子(かんし)
選別作業に必要な物は
    ・選別台
    ・選別用布
    ・かんし又はピンセット

が必要です。選抜台はともかく、鉗子(かんし)又はピンセットはかんしの方が使いやすいです。

選別布は「さらし」を切って作ります。
出来るだけ同じサイズが良いです。小さからず大きからず15p×15p程度が目安です。切る時は切る人の臭いが布に移行しないようゴム手袋などをします。
犬の鼻先へ布を持って臭いをとらせる
臭って・・・鼻先へ持っていき臭いを取らせる

   
選別作業の最終段階にはいります。
選別作業に移りますと、大事なポイントは
  1.犬に臭いの嗅がせ方
  2.選別台の台上の動き
  3.布への臭いの付け方   の3点が最重要ポイントです。
    言うまでもなく持来作業はそれ以前の問題です。

ポイント1・・・臭いの嗅がせ方は、犬との相性をどう決めるかです。どのポイントで犬が臭いを確信できるかです。つまり、人と犬との距離あるいは犬と布との距離または嗅がせる時間等がポイントになります。それらは訓練の中で、犬の特徴をつかんで確立していく事です。
一つの方法がすべての犬に当てはまる訳ではありません。基本的には一頭一頭違うもので作り上げて行くものだと思います。

ポイント2・・・選別台上の動きはたえず同じパターンであるべきで、基本的には何番目かの布から入りきちっと五つの物品を嗅ぎ分ける事が大事です。つまり、入り口は何処でも良いけど必ず同じ入り口になるべきです。犬がわがままに右から入ったり左から入ったりする事は、正しい選別作業ではありません

ポイント3・・・布への臭いのつけ方、選別作業の最重点項目はこれです。
基本の選別作業では無臭の中に自分(指導主)の臭いを入れ、さらに進むにつれて直にぎりの強い臭いの中で選別作業の基本を教え込みます。一連の基本が出来上がった状態で、移行臭への選抜に進みますが移行臭の物品をどのように作るかが重要ポイントです。
一般的には軍手などを原臭に使いナイロン袋の中でさらしを切った布を少ない量を入れて封をして、日光に照らし濃い匂いの移行臭を作ります。これを徐々に薄くする事と、選別台上に濃い匂い薄い臭いあるいは薄い物だけ・・・このように臭いの変化を見ながら犬の反応を感知しながら選別台上の物品に変化を持たせて行き、犬の安定感を確立していくと最高レベルに達して行きます。ここらが文章に出来ない犬との駆け引きです。
最後の最後は0回答に、いかに対応出来るかです。
※0回答とは・・・・嗅がせた臭いが選別台上に「ない」状態で、なにも咥えずにいかに帰れるかです。
犬の精神力の強さが求められます。これが究極の選別作業です。
選別台
選別台
選別作業中
選別作業中

2001/11/1

移行臭を作る 移行臭布の作り方
軍手等に臭いをつけてもらい、それを原臭に移行臭を作ります。小さく切った選別布をナイロン袋に入れて、臭いをつけた軍手等をその中に入れて天日にさらします。さらす時間が肝心です。移行臭と言えども長時間さらすと臭いは濃く移ります。通常は3〜4時間を目処に、薄くする場合は時間を短くします。
投げたダンベルに集中! ダンベルを咥えて戻る 指導主の前で、「出せ!」
選別作業 時々は若い犬は最初の基本を確認するために持来の復習をして、本来の物品運搬作業のよりいっそうの確立を図るとともに多少の修正を加えていきます。そうする事で、見栄えの良い物品運搬と共にきれいな選別作業の確立をはかり、正しいリズムを完成させていきます。
選別作業でのリズムは、選別訓練の完成の大事な要素です。
ジャッキーの選別作業レベル
選別作業はここのところで急激に上昇し、3〜4時間の移行臭ではほとんど100%正解率が出ます。現在は1〜2時間の極めて薄い臭いを試したりしています。また、同時に0回答(ゼロ回答)へも挑戦しています。
0回答をすることで犬が自信を失ったりもしますが、この時に大事な事はやはり原点に帰ることです。そういうことを繰り返し実行しながら選別作業でも芯の強い犬を作っていくことが大事です。そういう意味で0回答とは選別作業の究極の完成された作業と言えます。