23℃の木枯らし

私はなんとなく好みで、でっかいバックルのベルトを愛用している。それをどうこう言われる筋合いはないと思うのだが、空港の
手荷物検査場だけは許してくれないことが多い。ポケットの小銭から携帯電話まで、完璧に外しているにもかかわらず、裏切る
のが、このベルトちゃんなのである。とにかく鳴りまくるのだ。わかっているからベルトをあらかじめ外すようにしていたのだが、
よく考えるとこの仕打ち、ちょっと酷いのではないかと思う。私はもう諦めているのだけれど、女性だったら憤慨するだろうな。
幾ら安全のためでも、あの場所でベルト外すってのはねえ。
ところが最近、機械が賢くなったのか、ベルト付きでもほとんど引っかからなくなった。保安体制はたぶんレベルダウンしていな
いだろうから、機械が進化したのであろう。大したもんである(まったくの勘違いかもしれないが)。


さて、ちょっと身構えて通った那覇空港のゲートはなんら反応せず、実にあっさりと待合室に入ることが出来た。これから各地への
帰還便が増えてくる時間なので、余裕を持っておいたのだが、シーズンオフとあって大した混みではない。ゲートナンバーを見
ると、シップは沖止めでバス搭乗のようであった。売店でさんぴん茶のペットボトルを買い、階段を下りていくと、おばさんたちの一
団がたむろしておられました。シーズンオフで格安なのだろうが、あえてこの時期に来るだけあり、荷物がコンパクトで、旅なれた感
じである。時間が来ても搭乗口に殺到しないあたりも(バス搭乗だから意気込んでゲートを潜ってもメリットはない)旅慣れた一団振り
を示している。
で、そんな一団とともにBoeing737で降り立ったのは、生暖かい風が吹く夕暮れの空港。

宮古空港であった…馬鹿は南に行ってもなおらないんだな。

いつも通りのレンタカー屋さんから車を受け取り、さてどうやって出るんだっけ?実は日が落ちてから宮古を走るのは初めてだった
りする。行くところは決まっていましてね、平良市街へ行く途中のスーパーへ寄るのです。ここでの買出しが毎回の定番です。例に
よって、夜一人で出歩くことはしないので、酒でも夜食でも朝食でも何でも買っとくのですわ。ちなみに泊まるホテルもいつも一緒。
すこし早く眠りにつくつもりであったが、デジカメの電池がいつまでも充電中。これホント困るのだ。EOS10DもISレンズも大変な電気
食い。(一番食うのは428なのだが。)そして1日フルに使う場合、電池は最低3個なければ心もとない。電源が死ねばデジカメもレンズ
もただの錘と同じ。いつも気を使う。最近のEOSはもうちょっと省エネだろうと思いますが、今ひとつ地球にも持ち主にも優しくない感じ。


何度かフェリーでは失敗しているので(何しろ一度出た船を呼び戻した前科もち)、フロントで時間を確認すると、ぬわんと高速フェリー
が就航したのだという。高速艇(人しか乗れないほう)と同じ所要時間、たった15分で伊良部島までかっ飛んで行くという。通常のフェリー
は30分かかります。ちなみにこのフェリーも時化で何百キロも漂流したというなかなかの経験を持つ名船?である。
で、1便が7時35分なのだが、これはちょっと朝起きるのが辛い。2便が8時30分だから、伊良部島が8時45分。まあ十分ではないか。
高速フェリーはあまり台数が積めないとのことで、少し早目に出かけたが、あっさり乗船。シーズンオフだとこんなものでしょうか。
天気は微妙だが、いくぞ伊良部、行くぞ下地島。

結構速え〜〜〜ぞ。

颯爽と波を切り、さらりと佐良浜港に到着。
速い。速いですね。驚愕したのは高速フェリーの一階に積まれた車が潮まみれだったこと。あれだけのスピードで飛ばすとやはり波を
被るのですな。
例によって、崖を登り、コンビニに寄ってから、滑走路へ向かって爆走する。無論法定速度なり。
行くとわかりますけどね、下地島はべタッと平たく、伊良部島は案外高台があるので、伊良部島→↓下地島が見下ろせます。
(某アニメーションほどには見下ろせないので、実際行ってがっかりするなよ)
ですから見えてしまうんですよ、今日はR/W35使ってますわ(−_−;)う〜〜ん予想したとはいえがっかり。
冬ですからね、こうなったら切り替えが大事。偉い人と違って?管制官にランウェイチェンジをお願いしたり出来ませんし。

昨年訪れて以降、件のターミナルビル屋上は基本的に入れなくなってしまった。理由はよく知らないが、警備上の問題、ある
いは好意で入れていただいていた我々撮影サイドの行動が目に余るものだったからなのか。私の前回の記載も何らか加担して
しまったかもしれない。よいポイントだっただけに残念です。おまけに滑走路東サイドはフェンスの張替え中で、ちょっと写
真を撮らしてもらう雰囲気ではない。すでに改修済みのフェンスのところから、まずはワンカット。

これはこれで下地らしいと思う。あんまりこっち側で撮る人は居ませんけどね。出ましたな、JAL's First Boeing737-800withW/L。

一箇所にいても仕方がないので、ちょろちょろと移動していく。
天気が今ひとつパリッとしないため、逆光で撮っても今ひとつピリッとしない。でも、持ってきました428。
風が強いので手ブレとの戦いだが、それでもファインダーで見るタッチアンドゴーはパワフルで、思わず力が入ってしまい、手
が震えますね、余計に。


R/W17を使ってない今、あまり滑走路端に魅力はないのです。おまけに見る見るフェンス工事が進んでいき、こんな感じに。

ん〜考えたくないが、滑走路端の柵の低いところもこれになるんじゃないでしょうね。勘弁してくださいね、さすがの428も
この網の目では絶対に撮れなくなる。428(ふと思ったが、わかりますよね。428=400mmf2.8レンズね。カメラ込みで7kgオーバー)
にテレコン噛まして焦点距離1280mm相当、そんなもん手持ちで使えんわ。細かく高いフェンスが出来たら駄目なのはビデオマンも
同様で、むしろ致命的な模様であります。今回は車の屋根上に乗ってるおっさんを見かけましたけどね。恐ろしいことに、
もレンタカーなんだよな、これが。私には絶対まねできないです、そういうの。特大の三脚を持っていけばクリアできそうだが
これ以上重装備を持ち歩くのは正直なところ、ご勘弁願いたい。

しかし風が強くて今日は厳しい。頭がぼさぼさ大爆発になるので、タオルを被って防御。雲間からさす日差しも油断すると、日焼
けする可能性がある。こういう微妙な光は、焼けるんだよね。23℃の木枯らしも油断すれば風邪を引くやもしれないから侮れない。