南の島恋症(こういしょう)

こういうものは味を占めてしまうと抜け出せなくなるのである。
下地島…人生を狂わすのですね、この島は。
一度でも晴れ渡った空のもとで滑走路端に立つとねえ、もうアカンのです。

で、今年も2月には平成17年度の訓練予定が発表され、おっと5月にまたジャンボが来
るのね、ってことが分かったのだ。
だが今年はちと問題があった。
ジャンボが来るのは5月の最終週。どう見ても梅雨入り後と予想される。正直言って他に
これといったネタのない下地島で連日雨に祟られるのは甚だ辛い。1日でも何とかなれば
御の字だが、いかにもハイリスクである。
予報を見つつ出撃できれば無論最高であるが、格安かつ確実に下地に向かうには、最低
でも3月中に日程を決めねばならぬ。宮古便はすぐ埋まってしまうし、レンタカーや宿も便
利なのを押さえるとなると、それくらいの覚悟は必要だ。
さて、出雲−沖縄便は今年も復活せず、仕方がなく大阪経由となった。ところが今年は仕事の
工程がなかなか読み切れず、予約のタイミングをギリギリまで遅らせたため、結果として大阪
午前発の宮古行きを取り損ねてしまったのだ。
昼発の便もいいが、事実上1日が無駄になってしまう。ケチの付けはじめである。

で、悩んだ末に買ったのは関空発9時45分のスーパードルフィン。
何故か石垣行き

どうせ宮古着が遅くなるのなら、他で撮影をして宮古入りをトコトン遅らそうという作戦。同じ撮影
なら既に数日撮影経験のある宮古や、午後にはド逆光になる那覇(反対側は海だし)は却下と
いうもの。(おかげて那覇は乗り継ぎの踏み台にしたことしかない。滞在時間計1時間もないの
では)

しかしケチは付け始めたら止まらないのが世の常。
4月中旬、クリーンアップトリオ?の一角、100-400mmレンズが故障リタイア。どうも下地に行こ
うとする度に調子を崩す頼りない奴だが、今回はレンズ内にネジが転がり出るという前代未聞の
(おまえはヤマニングローバルか?…誰もわからんか)すっとぼけ振りで即入院。そして図ったよ
うにお帰りが5月19日。今日じゃね〜〜か。

さらにゴールデンウィークに入った途端、沖縄梅雨入り。さんざん悩んだのに1週ずらしても同じ…。
天気予報はボロボロだったのだが、何故か晴天の石垣に降り立った。
空港…ちっちぇ〜〜。エプロンでぐるぐる廻るB3もなかなか可愛い。
日本でも最小クラスと思われる送迎デッキに上がったが、羽田もびっくりの細かい柵で囲まれたゴ
リラさん状態である。1時間ばかし粘ったが、限界。
確かKさんトコのギャラリーにエンドから撮った写真があったはず、と言うことで当てもなくエンドへ歩
く。空港が見えるところはポツポツあるのだが、いわゆるベタの外周道が無く、浮いている機体は撮
れても滑走路上はお手上げな所ばかり。
結局、通りかかった地元のオッサンに頼み、フェンス沿いの遊休地?の一角にお邪魔させてもらう。
一応撮れるが、網が細かくてダミだ。古いフェンスの内側に接して一段高いフェンスがついているの
でクリアは相当難しい。コンパクトデジならわけないんだろうけど。石垣で撮るときは脚立必須みた
いね。
1500M滑走路でジェット機を運用する唯一の空港だけあって、離着陸(どうでも良いけど、いまだ
「離発着」って使うヒトいるなあ。おかしいと思わないかねえ。)なかなか迫力がある。しかし便数は
やたらと多いので、小一時間もするとB3バリエーションは大抵撮れてしまう。レンズも振れないか
ら絵作りも難しい。
仕方なく看板が見えてしまったマックスバリューへ涼みに行く。
しかし…何かがおかしい。
なんでみんな日本語しゃべってないの?
ここはもしかして中国領?
なわけは断じてない。

何故か中国人ツアー客が大挙押し寄せていたのだ。海外旅行来てスーパーで買いだし、ちょっとみ
みっちくないか、と言う気もするが、観光バスが10台も入っているから驚きだ。
店内は〜〜マ!とか、
○■▲パ!
とか言うヒトばかりで、異国情緒?満点である。
30分後、何事もなかったように一団は忽然と消えた。ある意味貴重な体験。
で、私はぬかりなくチェックしていた。このスーパーには客待ちのタクシーが常時2,3台は居る。の
っちまえば空港まで5分だから、出発時間まで本屋で立ち読みだ。さすがに鉄道系雑誌はないの
ね、沖縄だなあ(そうか?)と思いつつ、店を出て驚いた。
…タクシー居ない。
ドタバタと空港ターミナルまで歩く。大汗。
本日最後のパートナーはこちら。宮古行き最終便だけがダッシュ8で運行なのだ。
転んでもただでは起きないと言うか、当然これも狙いの一つ。主翼下面の黄色がチャームポイントで
ある。面白いのはボーディングラダーを登った正面がお見合い席になっていること。他人同士だとち
ょっと恥ずかしいかもしれん。今回の席はプロペラのすぐ脇でおそらく一番うるさい特等席。エンジン
出力が手に取るように分かるが、仮にプロペラが飛散したら真っ先に死ぬ位置(一応外板強化され
てるけど)。
今回は雲が低かったので、多良間も下地も見えずに宮古着。離着陸時はペラからベイパーを曳いて
いました。
さあ、やっと宮古入り。