温室のイシイ

つくば市の斉藤正博さんが世界らん展日本大賞2008において個別審査部門で日本大賞と優秀賞の二つの賞を受賞されました。おめでとうございます。
※右写真は大賞に贈られた盾

斉藤さんがランを育てられている温室は、斉藤さんのご要望を反映させた温室として弊社で施工させていただきました。弊社が施工させていただいたお客様がこのようなすばらしい賞を受賞されましたこと、心よりお喜び申し上げます。栄えある賞を受賞されました斉藤さんをここにご紹介します。

つくば洋蘭会会長
斉藤正博さん

春らしい明るい日差しの3月とある日、斉藤先生にお話をお聞きしました。先生の本業は筑西市の開業医、医師としての忙しいお仕事の傍らお話をしていただきました。訪問した日は休診日でしたが、急患の患者さんが来院されていたところでした。

斉藤先生は、目を細めてランとの出会いをお話くださいました。ランとの出会いは91年、当時赴任していた病院の後輩からコチョウランをもらったのがきっかけだそうです。以来ランの魅力にとりつかれ、毎晩寝床で栽培本を広げてはどうやったらきれいな花を咲かせられるかを考える日々が。考えて実践していくことは医学の研究と相通じるものがあり、自由になる時間のほとんどをランの栽培に注ぎ込むほど熱中してしまいました。

95年につくば洋蘭会に入会され、現在は同会長、全日本蘭協会理事長を務められています。

斉藤先生と弊社は2000年に先生のご友人からのご紹介で、温室を施工させていただきました。以来先生のご要望にお応えするため、各種設備を設置、維持管理のお手伝いをさせていただいております。

温室を正面より望む

使っていくうちに手狭になり、張り出し温室を追加して大きくしていきました。

低温を好むランのための部屋

南側入り口脇に作った部屋は、高温を嫌うランのための部屋としています。春先でも温度が上がりすぎないようエアコンで温度調節します。
夏場でも日中23度、夜間16度くらいにしている部屋です。

高温室(最低21℃)

温室の南1/3を仕切って作られた最も音頭が高い区画で、夜間最低21℃、日中最低24℃に管理されているそうです。高い温度を好む品種や小さな苗がぎっしり並んでいました。

中央温室

こちらでは様々なランが育てられています。17度に保たれた温室には、まだ苗木のものから12・3年経た大株まで、膨大な数のランが整然と並べられています。

温室全体で約500種ほど、株数にして5,000株以上のランがあるそうです。これらのランがそれぞれ最も美しい花を咲かせるように温度・湿度・日差しを管理していくのが趣味家の務めとか。

大賞を受賞したランは12年育てたものだそうです。展覧会で見事な花を見せるようになるには、長い間のたゆまぬ管理があるからなのですね。

格子に区切られた高い天井

天井がのきの高さで高いので日中の温度上昇が防げるそうです。また、格子に区切ってあるので、遮光材の取り付けに都合がよいとのこと。

遮光材は春先は遮光率の低いものを、日差しが強くなるに従い高いものに変えていくそうです。また、ランがどのくらい日差しを好むかにより、季節季節で配置を変更することも大切な作業とのことでした。

第四の温室(冷温室)

温室の北側に張り出しを作り、冬場のみ最低温度6度の部屋を作っています。最も低温を好むグループの栽培場です。

遮光材のり付け

温室の両側には張り出しのフレームが作られ、そこに遮光材が張られています。この方が風通しが良く、病気も少なくなるそうです。

夏の栽培場

夏は温室から外に出した方が多くのランは良く育つそうです。遮光材で光の強さを調節する必要があります。

暖房設備は温室の外

温室をできるだけ広く使いたいと言う希望で、暖房設備も温室の外に設置しました。

温室で見つけた可憐なラン

お話を聞かせていただきながら、温室で咲いていたランを写真に。




「設備の整った温室を作ってもらったら、それをどのように使いこなしていくかは私たちの責任です。」と笑顔で話してくださいました。斉藤先生は、お話をされている間もランの手入れの手を休めません。日々のたゆまぬ努力が今回の大賞に繋がったのだと実感しました。これからも美しいランの花が咲くようお手伝いしたいと思います。

大賞を受賞したランは、斉藤先生のご好意で筑波実験植物園に寄贈されています。筑波実験植物園で展示されるようになった時は、ぜひ皆さんご覧下さい。

斉藤さんが同時に受賞された優秀賞、奨励賞の花の写真をご覧下さい。
世界らん展日本大賞2008公式サイトには大賞の写真も掲載されています。あわせてご覧下さい。

カトレア トリアネ ‘オカダ’
リカステ ショールヘブン
‘ヨウコズ デライト’
※画像をクリックすると大きな写真が別画面(タブ)で開きます。