機器の基礎


1.機器のつなぎ方
   〜インとアウト


 録音したり、ステレオ装置などのシステムを組むときに、つなぎ方が全然解らない人がいます。アンプやミキサーなどの後面を見ると、似たような、また、全然違った端子が恐ろしいほどついていたりします。つけてある色も違うし。もう見ただけで拒否反応がおこる人がいます。
 実は、大きく分けると2種類しかないのです。「何だ2種類か。それなら何とかなりそうだ。」そうです、実は簡単な事です。では、その2種類を下に示しておきましょう。ただし、表現が様々ですので迷うかもしれません。

たった2種類とは

機器の端子部分に書いてある言葉

1
音(音声信号)が出てくるところ 出力、ライン出力、ラインアウト
OUT、LINE OUT、OUTPUT

2
音(音声信号)が入ってくるところ 入力、ライン入力、ラインイン
IN、LINE IN、INPUT

 で、何と何をつなぐかというと、上表の1と2です。(なーんだ)。いわれてみれば2つしかないものをつなぐのですから、当然ですが。ついでに言いますと音声信号はどう流れるかというと、上表の1から2へと流れるのです。表を見てみると気が付くと思いますが、一方の機器から(例えばマイク、CDプレーヤーなどから)音が出てきて、もう一方の機器に(例えばミキサー、録音機などに)音声が入っていくのです。そう、水が流れるがごとく当たり前の事なのです。

 もうひとつ当たり前の事ですが、音が入っていかない機器があります。つまり、入力の無い機器、出力しかない機器があります。マイク、レコードプレーヤー、CDプレーヤー、再生専用のデッキ類(MDウオークマン、テープウオークマン等)、チューナー等です。
 逆に入力しかない機器もあります。スピーカーです。アンプからスピーカーコードがきて、スピーカーに入力されているだけです。
 さらに、入/出力共ある機器もあります。録音再生のデッキ類、ミキサー、アンプ、各種エフェクター、等です。


2.機器のつなぎ方
   〜レベルの違い

 インからアウトにつなげば良いとは言うものの、実は出てくる音の種類が違うのです。種類とは何ぞや。それは2つ+1つの要素があります。2+1などとまた変な言い方をしていますが、はじめの2つとはレベルの違いと、インピーダンスの違いです。いってみれば電気的な内容の違いです。インピーダンスについては4の項で説明します。もうひとつは端子(ジャックとプラグ)の形です。それも3の項で説明します。

 レベルも大雑把に言うと2種類あります(本当は違いますが、民生用機器ではだいたいこう理解してればよいでしょう)。1つはマイクレベルです。もうひとつはラインレベルです。
 マイクをデッキのLINE INにつないで録音しても、ほとんど音は聞こえません。言い換えれば、ほとんど聞こえないくらい小さな音でしか録音されていません。もっとも「3.端子の形」で説明しますが、普通マイクコードについている端子(プラグ)とデッキの入力端子(ジャック)は形が違うので変換プラグでも使わないと差し込むこともできませんが。
 出力する方がラインレベルであれば、入力される方もラインレベルで受けなければなりません。マイクからの出力は、当然レベルの低いマイクレベルですから、受ける方もマイクレベルで受けなければなりません。即ち、出力と入力のレベルは同じでなければならないのです。
  


3.端子の形

 端子の形は、以下のようなものがあります。
当然オスとメスがあります。普通オスのほうから音声信号が出てきて、メスのほうに入ってゆきます。

呼び名
(その他の呼び名)
よく使われている機器(※1) 形状
(17吋モニターではほぼ実寸のはず)
ピン
(RCAピン)
民生用アンプ、民生用ビデオデッキ(※2)

フォン(標準) 民生用マイク、ギターなどの楽器

ステレオフォン
(ステレオ標準、3極プラグ)
ヘッドホン

ミニ(標準ミニ) ラジオのイヤホン(※3)

ステレオミニ ウオークマンのヘッドホン、ビデオカメラやウオークマンタイプのステレオマイク

キャノン 業務用機器はマイクもアンプもほとんどこれ

正面から

※1 「よく使われている機器」は当然例外もありますので、説明書等でよく確認してください。
※2 ピンコードは通常色分けがしてあります。音声機器の場合、白は左ch音声、赤は右ch音声、さらにビデオデッキの場合、黄色は映像信号です。
※3 ラジオのイヤホンは、名刺サイズラジオなどに使用され、このミニよりもっと小さいミニミニ等3種類くらいあります。

端子の形が違うために接続できない場合は、様々な変換プラグなるものが売れていますので、必要なら購入しておくと便利です。そんなに高価ではありませんので。ただし、形だけ変換しても2の項で述べていますように、レベルがあっていないと音が出なかったり、故障の原因になったりする場合があります。


4.インピーダンス

 インピーダンスなどという、聞きなれない言葉が出てきました。一言で言うと、音声信号などの交流信号における抵抗値で、Ω(オーム)であらわします。
 オーディオ機器などを通常の状態で接続するときには、あまり意識する必要はありませんが、知っておくと得をする話です。

インピーダンスには出力インピーダンスと入力インピーダンスがあります。例えば、マイクの出力にはその「出力インピーダンス」があり、録音機又はミキサーのマイク入力にも「入力インピーダンス」というものがあります。また、MDをMDにダビングするとします。再生側録音側のそれぞれのMDデッキに 出力及び入力インピーダンスの値がありますが、普通単独で使用する場合は値が合うように作られています。
 時には、1台の再生デッキに対して数台のデッキにいっぺんにダビングしたい場合があります。この時、直列につなぐ方法と、並列につなぐ方法がありますが、このような場合、直列にはつながないほうが良いでしょう。なぜなら、デッキに入力されたり出力されたりする度に入出力回路を通らなければならなくなるので、一番最後のデッキに入力された音は相当ひどいものになっているはずです。
 並列に接続するときにも、注意が必要です。再生デッキは1台ですので、その出力インピーダンスそのものですが、録音側は数台ありますので、入力インピーダンスを計算しなければなりません。結論的に言うと、数台まではほとんど音の変化(劣化)がわかりません。実際、1出力2入力用のコード(その形からYコードといったりします)は売れていますが、それ以上に分岐したのコードは市販されていません。
 しかし、たくさんつなぎすぎた場合は、レベル低下や、ハイ落ち(高域のレベル低下)になったりします。業務用途でそのように何十台も並列につなぐ場合は再生デッキと録音デッキとの間にそのような問題を解決してくれるアンプのようなもの(音声分配器又はディストリビューターといいます)を挿入します。

スピーカーをたくさんつなぎたい時にも、インピーダンス計算が必要になってきます。ここで問題です。

【問題】
 
4Ωから16Ωまでのスピーカーならつないで良いというアンプがあったとします。(この値はアンプによって違います。説明書をよく見ましょう。説明書の一番最初か最後に”仕様”として書いてあるはずです)これに8Ωのスピーカー(この値も説明書かスピーカー本体の背面などに書いてある)は何台までつなげるのでしょうか?。

【解き方と答え】ここをクリック

  「ロー出し、ハイ受け」という言葉があります。ある出力インピーダンスの機器をより高い入力インピーダンスの機器に接続するのが定石です。

ギターなどの出力インピーダンスは高いものが多く普通のマイク入力ではレベル的には合っているのですが、インピーダンスが合わない場合があります。

業務用機器は出力側はだいたい600オームなど低めに統一されています。


5.バランス型とアンバランス型

機器をつなぐコードにはその回路構成から2種類に分けられます。バランスタイプ(平衡型)とアンバランスタイプ(不平衡)です。コードだけではなく、送り出し側、受け側の機器がそれぞれその構造になっている必要があります。
 原理の話は少し難しくなりますので、省略しますが結果だけをまとめてみます。

 

バランス型

アンバランス型

特  徴
ノイズがほとんど入らない。マイクコードなど、100mくらい平気で伸ばせます。価格が多少高いのが難と言えば難。 コードの長さが短ければ良いが、場合によってはマイクコード10m位でノイズやラジオが飛び込んだりする。価格は安め。

コードの特徴
2本の芯線がシールドと言われる網状のもので囲まれた構造。
端子は、シールド(グランド)、ホット、コールドの3つ。
1本の芯線がシールドと言われる網状のもので囲まれた構造。
端子は、シールドと芯線の2つ。

端子の形
※端子の先が3つに分かれているか、2つに分かれているかかの違い

キャノンタイプ
3極プラグ

上記 3.端子の形の表を参照

ピン
標準フォン

上記 3.端子の形の表を参照

よく使われる機器
ほとんどの業務用機器 ほとんどの民生用機器

先が見かけ上3つに分かれていても必ずしもバランス方ではありません。小型のステレオマイクなどのように、1.シールド 2.左信号のホット 3.右信号用のホットの3つの場合もあります。また、ミキサーなどと使用する、インサーションケーブルなるものもあります。(あるチャンネルを途中からミキサーの外に出して、エコーマシンなどを通してから、もう一度そのチャンネルに戻すコード。3極のうち1つがシールド、1つかアウト用、もう1つがイン用)


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