陣痛の次に痛い?


まだ実家で過ごしていた頃の出来事。
出産後の私の体調は、疲れを除いてまずまず順調といったところだった。しかし、産後1ヶ月の頃だった。突然胸が張ってきて、高熱が出てきてしまった。38度以上の熱で、出産した病院に行くと軽い乳腺炎との事。母乳も飲ませていたんだけれど、どうも乳腺のとうりが悪いらしくて中に母乳がたまってウミのような物ができているそうだ。それで、胸がどんどん張って高熱が出るのだそうだ。熱はともかく、胸が張ってくる痛さは尋常ではない。病院で、看護士さんにマッサージをしてもらって中のウミを出してもらったのだが、すごく痛くて涙が出そうなくらいだった。もっとひどい場合は、入院して切開しなくてはならないそうだ。子どもに、しっかり母乳を吸わせてあげる事が治療法なのだ。私の場合、あんまり出ていなかった理由がこれで判った。また、頑張って母乳を与えるように努めた。しかし、毎回約30分から40分かけて飲ませているのだから肩もこってくるし大変だった。
その後、2,3週間たった後また同じように高熱が出てしまい、結局実家にいる間に4回も同じ目にあった。3回目が一番ひどく、夜になって39度5分の熱にうなされた。ここまでくれば、もう子どもに母乳を飲ませる気力もなかった。飲ませられないから、更に胸が張って痛かった。じっとしていられないほどだ。
この日はお正月で、昼間主人も私の実家に来てくれて皆で宴会。私も、父の薦めるワインをグラス1杯だけ飲んだのだった。どうもそれが原因だったのかな?その日の夜に、悪夢のような苦痛が襲ってきたのだ。高熱と胸の痛みでウンウンうなされていた私に替わって、夜泣きをするたけるの世話を両親がかわるがわるしてくれたのだ。本当に助かった。
朝方、少しだけ熱も下がってきたので母乳を与える事ができた。しっかり飲ませると、胸の張りもだいぶおさまってきて楽になった。たけるも、やっと落ち着いて眠ってくれた。母が、「母親と子どもは一心同体なんよ。」と言っていた。まさしくそのとうりだと思った。物理的にいっても、親子の結びつきは切っても切れない奥深いものがあるような気がした。母乳を与える事で、それを実感できた。ミルクだけなら、母親以外の人でもできる。もちろん、栄養の不足を補う意味では大切なのだけれど。
しかし、なんと言っても胸の痛さはきっと陣痛の次だったんだろうなぁ。これも、経験者にしかわからない事だ。
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