自己の石数の多い地点では、強く戦う必要があります。戦わずに双方が無事の一段落になっては、石数の多い方が不利です。つまり、相手はその石数の少ない分、他方では多くてそちらでは優勢な戦いをしているから、全局的に不利になるのです。 <右上> 隅の星と両辺の星があるところへ。白1と打って来た場合は、白に根拠を作らせないこと、サバかせないことを目的として黒2とコスミツケ、黒4と白P16のツケ等の手を防いで攻めます。 注.黒2のコスミツケはQ10方面に黒石があって白1、3の石を攻めることが出来る場合のみ有効で、黒Q10の石が攻められる形勢では、 白1の石を強くし、尚、右上の三々等が残っているので、良い手とはなり得ません。 <右下> 白5の時単に黒6と受けると、白から白7のケイマや、R4のツケ等を打たれ、白5の石が安定し、結果Q10の黒が浮き上がってしまうことになります。但し、星の定石で白9は黒Q10がない場合は一路広く打ちますが、狭く打たせているという満足はあります。 <左上> 白11のカタツキは相手の勢力が強い時に、逃げ足を考えて、浅く消すという辺の定石です。白11を打たずにいると黒から、E15に打つ手が良い手で、消しにくくなります。 <左下> 白17に対しては、黒の石数の多いところですから、黒16と退路を断って、白を攻めます。これにより、黒の左辺は破られますが、下辺が地模様になり、白はまだ攻められる状態で、黒は攻めの余得を得られる可能性があります。 |
不利な場所では 1.強い石には近寄らない 2.安全を図る道を2つ以上用意すること。 3.その部分にこだわらない。他で得をすれば全局的には採算が取れます。 手抜き、捨てる、振り変る等があります。 <右辺> 白1と相手の強いところには近寄ると、黒2と攻められて、右下は黒の模様が出来、尚且つ、攻められることによるマイナスが残る。 <左辺> 白7の様に左上からハサまれてもC9の様に2間にヒラクことが可能にしておく。(白は根拠を持って攻められる形ではない) この図は黒が強い石からヒラいているので、黒はよくありません。 |
石の生命力は、盤上から取り除かれるまで存在します。無駄石といえども、周囲の状況に即して働きを与えることが出来る可能性があります。ただし、どう働かせるかは、全局の配置によりきまり、方向を誤れば無駄骨折りになることもあります。 右下と左下の黒白の形は同じです。但し、右上は白のO15の石が黒の厚みを作っても効果のない形、左上は厚みが左上の3子と協力出来る形です。 <右辺> 黒1、3、5により、右辺の地を確保する打ち方が良い打ち方です。 <左辺> 黒7以降、白に左辺の地は与えますが、黒の壁が左上の黒3子と協力して、良い模様となりました。 |
石を働かせるということは、その石を生かすことだけに限定されず、その石の存在が、他の石に有利な状況を作った場合でも、その石は働いたことになります。 部分戦ではその石を働かせれことが出来るかどうかはヨミ次第です。ヨミの力に応じた石の働かせ方を考えるのが肝要です。 <右上> Q15の黒石が無ければ白先黒死です。白1と無条件で取りにいくと、Q15の石の働きで無条件生きとなります。 <左下> 白19によりコウになります。 (ボタンにより回答表示されます) |
石を取るにも、そのために1手費やす必要があるので、相手が他の方面に打つ一手よりも大きい手、大きい石を取る手が望ましい理屈です。但し、どの石がどれくらい大きいかの判定は総合的な碁の力によります。 <右上、左上> 白1や白17と切ってきたら黒2とアテて外勢に就く場合と、黒18の様に戦う場合とあります。 1.戦いが不利の場合 外勢が活用出来る局面では 上辺の様に打ちます。 2.戦いが有利の場合 D4の石があったり、 黒D18のサガリがあったりして、 戦いの条件が有利な場合は黒18と ヒイて戦います。 <右下> 白9と切ってきたら、黒10と受け、白11には黒12と守ります。 白は、黒の勢力を消す手掛かりが出来ましたが、まだ根拠がないので、苦しい戦いです。 |
石を取る利得は 1.種石の場合は石が連絡する。 2.地が増える。 ただし、相手の石を取ってもその為に自分の石が取られることもあります。 <右上> 小目の2間高バサミ定石の変化です。ここで、白がシチョウが良い場合は、白の切りが成立します。 <右下> ただし、白11の時黒がL2に打たずに、黒12とハネるのがシチョウ回避の手になり、黒大いに有利の分かれとなります。 <左上> 従って、白は29とツケることになります。白は33のアテを決めて、35とハネツギます。この後、黒がE16などの切断を狙ってきても、黒のダメヅマリにより、黒はうまく行きません。 |
シチョウは石を取る為に、盤端や遠くの石を利用するという働いた手法です。従って、その出発点でも、終着点でも、極めてデリケートな操作が求められます。つまり、シチョウの道筋と、シチョウアタリの関係を見定める必要があります。 <右上、右下> 高目の定石です。(黒49の段階まで戻してご覧下さい)一寸したところでシチョウの道筋が1路ズレます。 右上は白10を内側から押さえた場合。右下は白22と外側から押さえた場合です。 <右上> 黒39と白40の交換後には黒のシチョウが成立しています。 <右下> 左上にシチョウアタリを打たなくても黒のシチョウは成立しています。 お互いにこういう点を意識しながら、着手を進めることが肝要です。 |
シチョウで石を取れば、当面の一手は省略出来ます。しかし、早晩もう一手必要となる可能性が高いし、シチョウアタリを注意しなくてはなりません。 シチョウアタリを気にして着手を制限されるより、動きだされてもいい様な形にして、あえてシチョウで取らないということも考えられます。 4隅とも、左上の手順で出来る星の定石です。 <右上> シチョウに抱える <右下> 抜いた形。非常に厚い形でsmile_ace好み。 <左下> 白G4の石は逃げられるけれども、逃げられても、黒有利な戦いが見込めるという態度。白も動くタイミングが難しい。 <左上> 白から、E14のアテは打たれますが黒ツギとなり、右下と同じように白は動く時期が難しい。 |
「ポンヌキ30目」といいます。それは場所と形と時期によりますが、一般的に非常に大きいということを現わしています。 1.場所 中央ほど大きい 2.形 無駄の無いほど大きい (取るための石数が少ない状態) 3.時 早い時期ほど大きい 一手目の天元の石を白が4手で取った形と、取っている間に黒が4隅を打った段階の左図は白優勢。 |
ポンヌキは厚みです。しかも、壁の厚みとは異なり、大模様に働くケースは少なく、働く場合は戦いにおいてです。 働かせるための打ち方の例を鑑賞して下さい。 中央やや右上のポンヌキが全局を制しています。 黒1とワリウチで白の厚みを緩和しようとしましたが、黒は左上の石と、黒1という弱い石を抱え、絡み攻めをされ、ポンヌキの石の方へ追われてしまいました。 白22の段階で左上の黒は安定していませんので、右上の黒地はまとまりにくく、また、白G4の石も脱出するのは難しいことではありません。 |