19路における初中級者の碁を見ていると、相手の模様が出来ると、打ちこむのが当たり前で、むやみと打ちこみ、相手から打ちこまれると、打ちこまれたこと自体、自分が守らなかったのだから、仕方ないという感覚で、その打ちこみを判断されているケースが多いのではないかと思ってしまうケースに出会います。 打ちこみには、相手の地を減らしたり、打ちこみ自体が攻めになっているという理想的なケースもありますが、上記の様な感覚で打ちこむ場合には、打ちこみのマイナス面が大きいものです。 マイナスで一番大きいのは、打ちこんだ石が取られてしまうことです。打ちこんだ(或いは打ちこまれた)段階では、多分考えもしないでしょうが、もし、その碁が終局まで打たれ、作り碁になったとして、最終の局面で、相方の生き石のグループ数はどれくらいだと思いますか? そんなデータがあったら、参考になるかと、一寸した資料を作ってみました。そんな目で終局図を見たことがない人に取っては、このグループ数が極めて少ないことに驚かれるのではないでしょうか。 参考にした資料は「日本囲碁大系」の15秀策」に掲載の碁の内、作り碁になった18局です。 まず、18局の結果を個別に表示します。
次に、終局時のグループ数毎の勝敗を示してみます。
結論 (これらの結果から言えること 1.終局時の生きている石のグループ数は思ったより少なく、3〜4グループです。 つまり、沢山打ちこんでも、結局、相手の石を取ったり、取られたりして、最終的なグループ数は多くないということです。 2.一般的にはグループ数が少ない方が効率的に石が使われて、勝率が高いと思われるのですが、今回の対象局からはそれは読み取れませんでした。 但し、実際にはコミ無しのルールで戦われていますが、コミ6.5として勝敗を見直すとグループ数の少ない方が勝ちになっているケースが多く見受けられます。 3.自分の碁を最終的なグループ数という観点で見ると、何か新しいことが、発見出来るかも知れません。 例えば、6グループ以上になりそうな打ちこみをする場合は、相手の石を取るなどの方法で自己の他の石と繋がることが可能か考える等々 4.私は、上記の観点で見た時に、打ちこまれることは怖くなくなり、打ちこむことが怖くなりました。皆さんはいかがでしょうか? |