寄せは両先手、片先手、後手の順

先手後手という基準でヨセを分類すると下記の様になります。
優先順位は 1.両先手 2.片先手又は逆ヨセ 3.後手

右図で説明

A.両先手  白黒どちらから打っても先手
            黒1 (先手4目)
            白から打つ場合は白L13

B.片先手  どちらか一方のみ先手
            黒5(先手3目、白からは後手)
            白6(先手6目、黒から打つ場合は後手)              

C.逆ヨセ  相手が打つと先手のヨセを、後手を承知で打つヨセ
       逆ヨセの価値は2倍して、後手ヨセと比較する。
            下辺黒がG1と打つ前に白H1と打つ
            (逆ヨセ3目=後手ヨセ6目相当)

D.後手   白黒共後手
            黒11、白から打つ場合はN3
            (後手2目)


黒先で下記の13路のヨセを打ってみてください。


<手順1>
まず、黒の理想手順
1.黒は上辺の白に対し、両先手のヨセを打つ。
2.黒は下辺の白に対して、先手ヨセを打つ。
3.黒は、左上の後手ヨセを打つ。
4.白は残りの右下の両後手ヨセを打つ。

これは、黒5目勝ち。


<手順2>
1.黒はまず、上辺の白に対し、両先手のヨセを打つ。
2.次に、黒5と逆ヨセを打つ
3.白も下辺を逆ヨセを打つ
4.黒は残りの右下の両後手ヨセを打つ。

これは、黒4目勝ちになりました。




<手順3>
1.黒はまず、上辺の白に対し、両先手のヨセを打つ。
2.白は手抜きして、黒2子を先手で取り、上辺を後手で受ける。
3.黒は下辺の先手ヨセを打つ。
4.白は残りの右下の両後手ヨセを打つ。

これは、黒2目勝ちになりました。


<結果検討>
どのヨセが正しいでしょうか。
一番のポイントは手順3の白2に対して、手抜きをして、上辺の白を取っていられるかです。
振り替わりは白有利なので、手抜きは出来ません。とすれば、手順3が双方最善ということになります。

ヨセは4ケ所しかありませんが、手順によって、こんなに差が出るのです。



ヨセの大きさの計算「出入り計算」

右上のヨセの大きさを両先手4目と書きましたが、この4目
はどうして計算したのか説明します。
例図を4手進めた図と下記の図(黒が先手でハネツギ)を比較します。
白の地 下記は例図に比較し、2目増えてます。
黒の地 下記は例図に比較し、2目減ってます。
この合計 2 + 2 = 4 がヨセの大きさです。

こういう計算を「出入り計算」といいます。

尚、左上はE11をどちらが打つかで変わってきますので、
もう少し複雑です。